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名無しさん@HOME:
香山リカのひとつ言わせて(北海道新聞2007.12.30)
長崎佐世保市で起きた銃乱射事件。(中略)「日本もアメリカ化している
のでしょう」とコメントしている識者もいたが、自殺した今回の容疑者は三十
代後半、「若者」とはとても呼べない年齢だ。
診察室で親からの相談を受けていても、「ひきこもり」などの年齢が上がっ
ている、と感じる。来院した本人に会うと、「心はまだ十代」。よく言えば若々
しいのだが、「社会も親も、僕の夢を理解してくれないんですよ」などと、精
神的になんとも未熟な人も少なくない。佐世保の容疑者も、いつまでも親
に依存するなど未熟な傾向が強かったようだ。
なぜ日本の三十代や四十代は、未熟なのか。答えは一つではないと思うが、
彼らが育った「豊かな社会」が、いつまでも理想や夢を追う生き方を許容した
ことにも、その原因はあるのではないか。(中略)
三十代、四十代の「万年青年」よ、新しい年こそ大人になろう。諸外国か
らは笑われるかもしれないが、今こそ真剣に呼びかけたい気分だ。