負けると地獄◆新鯖獲得争奪戦◆(06/03 15:00締切)

このエントリーをはてなブックマークに追加
16ロー、ローラ、ロリータ、

「どうしてあなたはこんなところにたったひとりですわってらっしゃるの?」
 議論なんかしたくないと思ったので、アリスはそうたずねました。
「なぜって、だれもつれがいないからさ」ハンプティ・ダンプティは答えました。
(ルイス・キャロル「鏡の国のアリス」高杉一郎訳)

きょうは仕事を休んで、ただ部屋でぼうっと過ごしているつもりだった。
車に乗って遠出をしようだなんて、ちっとも考えちゃいなかった。
でも、あんまり陽気がよかったから、ずいぶん遠いところまで車を走らせた。

車を止めて休んでいると、公園で遊んでいるきみの姿が目に入った。
砂場で遊んでいる、小さくて可愛らしいきみの姿が目に入った。

きみは変わった子だったね。
おじさんちに遊びにくるかいっていうと、
「誘拐するのね」って、
「そして、わたしに悪戯するのね」っていって笑った。
そのとき、ぼくはナボコフのロリータを思い出したよ。
そして、ぼくは、こういったね。
「さあ、ローラ! はやく車にお乗りよ」って。
そしたら、きみは、ぼくの顔を、きっと睨み返して、こういったね。
「わたしはアリスよ」って。