大学教員は楽だあ2

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書きかけの修論と バイトばかりしてる俺
パソコンの前でうわの空 届かない夢を見てる
居場所のない研究室の ドクター殴りたい
言葉の裏 皮肉をこめられ 言われれば逃げ場もない
図書館にこもり 背を曲げながら
言葉の一つもわかりあえない 文献たちをにらむ
そしてドクターたちは今夜 修論の下馬評を立てる
とにかくもう学校や家には帰りたくない
自分の研究が何なのかさえわからず震えているM2の夜

盗んだテーマで走り出す 行く先もわからぬまま
暗い夜の帳のなかへ
誰にも縛られたくないと 逃げ込んだ大学院で
自由を失った気がした M2の夜

冷たい風 冷えた体 人恋しくて
夢見てるマスターの発表を 「ダメだ」と呟き叩き潰す
闇の中ぽつんと光る 学会発表
一晩あれば書ける業績 ひとの論文まる写し
公募の結末もわからないけど
教授と俺は 就職だけずっと夢に見てる
教授たちは 博論を書けよ書けよと言うが 俺は嫌なのさ
就職活動が俺達のすべてならば
なんてちっぽけで なんて意味のない なんて無力な D5の夜

盗んだテーマで走り出す 行く先もわからぬまま
暗い夜の帳のなかへ
覚えたての学説ふかし 論文をやっつけながら
仕事を求め続けた D5の夜

盗んだテーマで走り出す 行く先もわからぬまま
暗い夜の帳のなかへ
誰にも縛られたくないと 逃げ込んだ大学院で
自由になれなかった D5の夜