【原発】原発情報3674【放射能】

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755地震雷火事名無し(北海道)
地球規模の気候変動
グリーンランド海の水温主因 中村元隆・理学博士が指摘
数年後には寒冷化も
 気候変動の主因は二酸化炭素(CO2)の増加ではなく、グリーンランド海の水温の急激な変化。
数年後にも地球寒冷化が始まるー。
マサチューセッツ工科大出身の気象・物理海洋・気候学者で、
米航空宇宙局(NASA)や海洋研究開発機構(JAMSTEC)等で気候変動や異常気象を研究してきた中村元隆理学博士(50)はそう指摘する。
気象データを綿密に分析して、論理的に解明した。
巨費を投じて続けられている温暖化対策の在り方が問われる。
 ■45年間のデータ解析
 グリーンランド海は、北極海の冷たい水とメキシコ湾流を源とする温かい水の境界にあり、海流や海氷、海水温の変化、変動が激しい。
メキシコ湾流の温かい海水はグリーンランド海やラブラドル海で冷やされて沈み込み、大西洋の海底を南下、
太平洋やインド洋にも向かう「全球規模熱塩循環流」と呼ばれる流れのスタート地点に当たる。
 中村氏は、欧州、米国、英国の観測機関が蓄積した1957年から45年分のデータを基に、海水温、地・海上の気温、低気圧や高気圧の強さなどを解析し、
グリーンランド海の水温の変化が気候にどう影響しているかを、世界で初めて明らかにした。
 ■水温が「スイッチ」に
 注目したのは、北半球の気候に強く影響する「北大西洋振動」という大気の周期的な変動との関係。
亜寒帯の低気圧と亜熱帯の高気圧の気圧差が変化する現象で、気圧差が大きいと「正の状態」、気圧差が小さいと「負の状態」と呼ぶ。
「正の状態」の場合は南からの大気の流れが強まって海洋熱の移動が大きくなる一方、海氷の南下が抑えられるので、北大西洋の温暖化につながる。
「負の状態」の場合はこの反対となる。
 解析の結果、グリーンランド海の水面温度が高いときは北大西洋振動の「正」、低いときは「負」になることが判明した。
さらに、北大西洋振動が80年以前は「負」が多かったのに、80年以降は「正」が圧倒的に多く、温暖化が進んだことに注目し、
この時期を詳しく調べたところ、79年2月と3月の間に、グリーンランド海の平均水温がいきなり約2度上がっていたことが分かった。
「この急激な水温上昇が、その後の温暖化の『切り替えスイッチ』を押した」と中村氏は見る。
 ■北半球の気候と連動
 一方、これとは別に、約70年周期で寒冷化と温暖化を繰り返す「大西洋数十年規模振動」が知られている。
直近では、1940~70年代に寒冷化、80~2000年代に温暖化した。
これとの関係を解析すると、グリーンランド海の水面温度の変動から10~15年遅れて連動しており、
グリーンランド海が北半球の気候変動に重要な役割を果たしていることがこの面からも確かめられた。
 グリーンランド海の変化が北大西洋の気候を変化させ、その影響は回り回って地球の気候を変動させる。
「グリーンランド海はそれだけ特別な場所で、ほかにはありません」。
水温が変化するメカニズムについては今後の研究課題だ。
 では、今後はどうなるのか。
中村氏は「数年から10年以内に北半球は寒冷化に向かう」と予測する。
グリーンランド海の表面水温が昨年11月、平年値に比べて一気に2度以上も下がり、その後も回復していないためだ。
79年とは正反対で、北大西洋振動が負の状態になる頻度が高くなると考えられる。
そうなると数年間で北半球の寒冷化が始まる可能性があるという。
「既に寒冷化のスイッチは入っているかもしれません」と中村氏はグリーンランド海と北大西洋に引き続き注目している。
 ■「温暖化対策は無意味」
 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などはCO2による地球温暖化を主張しているが、根拠としている気候シミュレーションモデルでは、
海水の流れと海氷が気候に及ぼす影響が大きくゆがめられている。
中村氏は「極度に単純化したプログラムで、致命的な欠陥が多すぎる」と批判する。
IPCCなどは気温が上昇し続けると予測しているのに、この15年、「温暖化」がストップしていることも、欠陥の表れという。
 80年代以降の気温上昇について
「CO2の増加もわずかながら影響しただろうが、太陽光線の変化や大気、海洋、氷、陸面が作用し合って、自然に起きた変動の可能性が高い」といい、
「科学的根拠が乏しい無意味な温暖化対策は中止すべきだ」と主張する。