小泉さんの脱原発を支持しよう(NO1)

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253地震雷火事名無し(dion軍)
「オレたちにウソ言ってきた」/小泉元首相の変節
大久保真紀(編集委員)
朝日新聞13年12月15日

「小泉純一郎です。大久保さんいる?」
先月12日の昼、社会部の電話が鳴った。
受話器を取ったのは今春入社の新人記者。
どぎまぎしながら、取材で外に出ていた私
の不在を伝えると、 「談話のことを取り上
げてくれてありがとう。よろしく伝えてお
いて」。それだけ言うと、電話は切れた。
その2日前、私はこの欄でドミニカ共和
国に移住した人たちのことを取り上げた。
「日本政府にだまされた」と移住者が訴え
た損害賠償請求訴訟.国が勝訴したのに、
当時の小泉首相が「政府として率直に反省
し、お詫び申し上げます」と非を認める談
話を出したことで、国の対応は百八十度転
換した。私はこう書いた。
「政治家が方向性を打ち出さない限り、
官僚は動かない。それが日本の現実」
この言葉が、安倍首相に原発ゼロを迫る
小泉さんの琴線に触れたのだろうか。取材
を申し込んだときは断ってきたのに。電話
をもらったお礼の手紙を出すと、小泉さん
は知人を介して、3人で食事でも、と伝え
てきた。
首相を退任してからはインタビューもテ
レビ出演もすべて断っているという。 「取
材ではないよ」と念を押されたが、直接会
ってどうしても聞きたいことがあった。な
ぜ、いまごろ原発ゼロを声高に叫ぶのだろ
う。だって首相時代は、CO2削減を理由
に原発推進の旗振り役だったのに。
「やあ、やあ」と言いながら、小泉さん
は現れた。71歳には見えない若々しさ。席
に着くなり言った。「いとこがブラジルに住
んでいる。開拓でドミニカと同じような苦
労をしている。ドミニカは(国が)ひどい
ウソついてたとわかったからな」。2004
年に首相としてブラジルを訪間したときは
移民に熱烈な歓迎を受けて男泣き。異国で
暮らす同胞の思いに胸が詰まったそうだ。
原発推進から原発ゼロに変節したのも、
心を揺り動かされた何か大きな理由がある
に違いない。そう思って質問した。小泉さ
んを変えた一番のものは何ですか?