日本政府は9月3日、東電から除染作業を引き継ぐ意向を示したが、介入は遅きに失した。
事故から2年半、東電は福島の三基の破壊された原子炉内の核燃料の保護措置についての
問題の本質と深刻さを認識していないことを繰り返し露呈してきた。
毎日およそ40万リットルの水がロッドの過熱を防ぐために原子炉心に注水されている。
汚染された水が原子炉基礎部に漏水し、コンクリートの裂け目を通じて地下水と近隣の海水に拡がっていることを
東電が認めたのはごく最近になってからである。
東電以外の機関による放射能被曝の測定は難しく、私たちが懸念するのは、この放射能洩れが人間の健康、
環境および食物の安全性にどのような影響をもたらすことになるのかが不明だということである。
問題はそれにとどまらない。使用済みの冷却水を保存している1000の貯蔵庫があり、これらは浄化システムによる
処理を経ているにもかかわらずトリチウムやその他の有害な放射性核種を含んでいる。漏洩はこのシステムが
いつ爆発するかわからない時限爆弾(laxly guarded time bomb)だということを明らかにした。
ゴムで封印されたパイプや貯蔵タンクが漏水を引き起こすことは誰でも知っていることである。
東電が漏水を検知する定期点検を信頼していたというのは無責任とは言わぬまでも
不注意のそしりは免れ得ない。(careless, if not irreponsible)
政府の過去の対応と情報政策から判断する限り、日本政府も、東電と同じく、この状況を制御し、
パブリックに対して情報を開示する能力がもうないのではないかという疑念を抱かせる。
(Given the government's past actions and information policies, one might doubt whether it would be any more competent than TEPCO at managing the situation and communicating it to the public)
週明けに、漏水しているタンク付近の放射線量は最初に報告された数値の18倍であることがわかった。
漏水は当初ただの「異常」とされたが、のちに真性の危機(a genuine crisis)であることがわかったのである。
日本は国際的な専門家に支援のための助言を求めるべきときを迎えている。米国、ロシア、フランス、
英国などは核エンジニアリング、除染および放射線の健康被害についてのノウハウを持っており、日本の役に立つはずである。
国際的な研究と除染のための連携はモニタリングと危機管理の有用性と有効性についての
粉々に打ち砕かれた信頼(shattered public trust)を回復するための一助となるであろう。
漏水が最も大きな影響を及ぼすのは福島沖とそこから拡がる太平洋への影響である。
この影響については精密なモニターがなされなければならない。
日米の科学者によって2010年と2011年に行われたアセスメントでは二つの重大な問題が答えられぬまま残った。
どれだけの放射能が海洋に浸入しているのか?原発事故以後長い時間が経ったにも拘わらず
いくつかの種において高いレベルの放射能が検知されているわけだが、問題の地域の魚介類の消費がいつ可能になるのか?
漏水によって、これらの問いへの答えることが喫緊の課題となっている。
http://www.nature.com/news/nuclear-error-1.13667 http://blog.tatsuru.com/2013/09/06_1112.php