バイオマスもっと活用
道が計画素案
道は、家畜排せつ物や未利用の木材などバイオマスを使った循環型社会の形成や地域活性化を目指す「バイオマス活用推進計画」の素案をまとめた。
地域特性に応じて課題や活用方法を示したもので、道は9月19日まで、素案について道民の意見を募集している。
期間は2013年度から10年間。
17年度に中間評価を行い、必要に応じて見直す方針。
素案は道内のバイオマス資源について、
@農村地域(家畜排せつ物、稲わらなど農作物の食用にならない部分)
A中山間地域(木質系バイオマス)
B沿岸地域(水産加工の残りかすなどの水産系バイオマス)
C都市地域(生ごみなどの廃棄物系バイオマス)
ーの四つに分類。
現状や課題を分析した上で、効率的なシステム構築など活用の基本方針を提示した。
農村地域の家畜排せつ物については、98%の高利用率だが大半は堆肥向け。
そこで、ふん尿を発酵させてバイオガス発電を行い、その過程で生じる液体を肥料にするなど、多段階的での活用を促す。
意見募集の問い合わせは道農政部生産振興局技術普及課рO11・204・5429へ。
幌延深地層研・清水所長 最終処分場転用 「ない」
埋め戻し時期 「明示できぬ」
高レベル放射性廃棄物の地層処分研究を行う日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センター(宗谷管内幌延町)の清水和彦所長(58)は23日、
札幌市内で北海道新聞のインタビューに答え、同センターの研究終了や地下坑道の埋め戻しの時期について「現時点では明示できない」と述べた。
最終処分場に転用されることは「百パーセントあり得ない」とした。
これまで曖昧だった研究開始時期は、地上からの調査が始まった2001年3月と初めて明言した。
同センターの研究期間は「約20年」と定められている。
清水所長は「21,22年なら『約20年』の範囲内ではないか」との見方を示した。
遅くとも何年までに研究を終えるかとの質問には「国の原子力政策や処分地選定の動向も考慮する必要があり、現時点で拙速に判断できない」と説明。
研究期間の延長に含みを残した。
最終処分場化を懸念する声があることに対しては「研究と処分事業は明確に区別されており、絶対にあり得ない」という。
一方、原子力機構を所管する文部科学省が、幌延のセンターと岐阜県瑞浪市の同様の施設との統廃合を検討する中、
幌延では来年度から模擬廃棄物を使った実証試験が始まる。
同センターが23日に札幌市内で開いた本年度の研究計画報告会で、清水所長は「幌延のセンターが果たす役割は今後ますます重要になる」と強調した。
泊3号 大事故で5.1テラベクレル放出
放射性セシウム 北電が初試算
北海道電力は、泊原発3号機(後志管内泊村)で短時間に炉心溶融が起きる大事故が起きた場合、
当初7日間のセシウム137の大気放出量が5.1テラベクレル(テラは1兆)と、東京電力福島第1原発事故の約2千分の1にとどまるとの試算結果を初めてまとめた。
故障を免れた一部の安全設備が動くことを前提としており、原子力規制委員会が今後の安全審査で妥当性を見極める。
北電は、原子炉の配管が破断して核燃料を水で冷やせなくなり、わずか19分で溶融が始まり、90分後には原子炉が壊れるーと想定した。
ただ、職員が非常用設備を使って原子炉を覆う格納容器を守る上、
放射性物質をこし取るフィルターなども機能するため外部漏えいはかなりの程度抑えられるとした。
北電は「(福島とは違い)住民の長期避難が必要とならない水準だ」と説明している。
一方、「壊れる配管の位置次第で炉心溶融が早まる可能性もある」(原子力規制庁幹部)との指摘もあることから、
規制委は北電に詳しい説明を求めていく方針だ。
セシウム137は原発事故が起きると特に大量に生成される放射性物質。
半減期が約30年と環境への悪影響が長期にわたる。
福島では放出量が約1万テラベクレルに達したとされる。
規制委は海外の基準も参考に、大事故の際でも放出量を100テラベクレル以下に抑えるよう電力会社に求めている。