「Tizen」を搭載する初のサムスン電子製スマートフォンが暗礁に乗り上げている。Tizenは、
韓国エレクトロニクス大手である同社の主導の下で開発されているOSだ。
サムスンは当初、初のTizen搭載スマートフォンを2013年7?8月の間にリリースする予定
だったが、第4四半期に発売を延期する見込みだという。同社の計画に詳しい情報筋らが
明かした。同スマートフォンは9月に開催される見本市IFAで発表される可能性があると、
韓国のニュースサイトinews24は報じている。
新しいスマートフォンOSであるTizenによって、サムスンは同社がこれまで以上の統制力を持つ
プラットフォームを得る。同社の最も成功を収めている製品シリーズである「GALAXY S III」
「GALAXY S4」「GALAXY Note」「GALAXY Tab」には、GoogleのOSである「Android」が
搭載されているが、Tizenが成功すれば、同社は将来的にAndroidへの依存性を断ち切る
ことができる可能性がある。Tizenはオープンソースだが、サムスンとIntelが同OSの開発を
主導してきた。
Tizenは当初、フランスのOrangeなどからリリースされる予定だった。Tizenの採用に名乗りを
上げている米国の事業者はないが、Sprintは同OSの開発を支援するアライアンスに加盟
している。Tizenの開発に詳しいある人物によると、ソフトバンクとSprintは将来的にTizen搭載
スマートフォンを提供する可能性があるという。
今回の延期は、アプリストアの問題が原因のようである。Tizenを推進するグループは、
開発者の支持を得ようと必死に取り組んでおり、この数カ月でハッカソンなどのイベントを開催
してきた。しかし、誕生したばかりの同OSはまだ、「BlackBerry 10」や「Windows Phone」
といった同じターゲットに向けて競合する他の後進OSにかなりの遅れをとることになる。Androidと
Appleの「iOS」が、引き続き同市場を占有している。
Tizen搭載スマートフォンは、ハイエンド端末として発売される見込みである。他のOSが
同市場でのシェア獲得に苦戦する中、Tizenには、スマートな製品と的確で大々的な
マーケティングの組み合わせによって巨大な勢力を築き上げた手腕が実証されているサムスン
という後ろ盾がある。
http://japan.cnet.com/news/service/35034298/