★★★台風15号(ボラヴェン) part.1★★★
風速70mの意味を分かりやすく解説しよう
例えば君が、飛行機から飛び降り自殺するとしよう。
自由落下によって速度はどんどん増していくが、やがて空気抵抗と釣合って一定速度となる。
それを「終端速度」と呼ぶが、人間の場合は160km/h〜200km/hとなる。
つまり、時速200km以上にはならない。
そして風速70m、これは秒速なので時速になおすと約250km/h
なんと自由落下の終端速度を超える。
だから風速70mってのは、どんな大男でも一瞬で吹き飛ばしてしまう速度なんだよ。
しかもね、この場合の「吹き飛びかた」ってのは、地面を転がるってレベルじゃない。
木の葉が強風に飛ばされるのと同じ飛ばされ方をする。
場合によっては、数十メートル上空まで持ち上げられて、数km先まで飛ばされる。
しかも飛ばされてる間に風速そのものに近づくので、
地面に落ちるか山肌に衝突する時は、超高層ビルから飛び降りた時より遥かに早い速度で衝突する。
グモとかトマトってレベルじゃない。
お分かり頂けただろうか?
つまり「人は風速70mに晒されると確実に死ぬ」って事なんです。
しかもね、これ乾燥した空気でのお話。
雨を伴う「風速70m」が持っているエネルギーは、この数倍にもなる。
建築基準法による木造家屋は、この状況を想定していない。
木造家屋の屋根材や外壁材、木材は吹き飛び、店舗の看板なども簡単に吹き飛ぶ。
樹木なんかも吹き飛んじゃうね。
実際に人が台風で経験する「風速70m」ってのは、
釘だらけの木材や、尖った建材なんかが混ざった風なんだよ。
自動車の中にいて、自動車そのものは吹き飛ばされなかったとしても、
飛んできた物体にガラスを粉々にされ、自分自身もズタズタにされかねない。
わかったかい?
風速70mが予想される地域にいる人は、地下室か鉄筋コンクリート造の建物に避難するんだ。