【三重】がれき処理 受け入れ手続き加速 2012年6月8日
震災がれきの受け入れ問題に関し、鈴木英敬知事は七日の定例県議会本会議で
「今後、体制が整った市町から被災県と具体的な協議を進める」と述べ、受け入れに向けた手続きを加速させる考えを示した。
大久保孝栄氏(鷹山(ようざん))の一般質問に答えた。
県はこれまで受け入れ手順や基準などを定めたガイドラインの策定作業を進めてきた。鈴木知事は安全性に関し、
五日に開かれた専門家でつくる検討委の議論に触れ「県が定めた受け入れや焼却灰の基準は、学識者から『十分に安全で低い値』
『健康に全く問題ない』との意見をもらっている」と強調した。
さらに鈴木知事は「県が焼却灰の処分先の確保を積極的に進めている」と述べた上で「体制が整った市町から被災県との協議に入る。
がれき処理が一刻も早く開始できるよう積極的に取り組む」と答弁した。
大久保氏は「市町との覚書の締結からガイドライン作成と、とても動きが速いように思うが、なぜか」と質問。
これに対し、岡本道和・廃棄物対策局長は、被災地のがれき置き場で火災が頻発していることや、夏場に悪臭や虫の発生が予想される点を説明し
「被災者の心理的な負担もある。できるだけ早く改善したいと思って進めている」と答えた。
(渡辺泰之)
◆いなべ市長「議会承認必要ない」
いなべ市の日沖靖市長は七日の市議会一般質問で、東日本大震災のがれきを受け入れる場合について「議会での承認は必要ない」と答えた。
震災がれきの受け入れの可能性がある市内の太平洋セメント藤原工場について、複数の議員から質問が出た。
日沖市長は「県から太平洋セメントへ正式な依頼をしていないので答えようがない」と、明言を避けた。
受け入れる場合の安全性をめぐっては「県は環境省の基準より厳しい一キロ当たり一〇〇ベクレル以下の放射性セシウム濃度としており、安全は担保されていると思う」と述べた。
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20120608/CK2012060802000018.html