【ICRP】まじめに放射能の健康被害を検討5【ECRR】

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710地震雷火事名無し(山形県)
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従来、0〜2Svまたは0〜4Svの線量域から線形の線量-反応関係を仮定して低線量域のリスクを
推定した値は、安全側のリスク推定(リスクを過大評価)であるとされてきた。
しかしながら、PierceとPrestonは、500mSv以下の被ばく例に限定して
全がん(白血病を除く)発生率のリスクを推定したところ、50〜100mSvの線量域において、
高線量からの直線外挿による推定値が、必ずしも過大評価ではないことが見出されたとしている。
また、0〜100mSvの線量域の被ばく例について解析した場合には、
統計的に有意なリスクの上昇が観察されたとしている。[Pierce and Preston 2000]
P.68

Cardisらは、2005年に15か国の原子力施設従事者を対象としたプール解析結果を発表し、
一転して、しきい線量のない直線線量―反応関係に基づいた放射線リスクが、
10mSvの被ばくにおいても有意に検出されたと結論した[Cardis 2005]
この2005年のCardisらの論文は、WHOの国際がん研究機関(IARC)のプロジェクトとして
実施されたものであり、2005年6月に発表された米国科学アカデミーBEIR委員会の
第7次報告書[NRC 2006]の附属書にて議論され、「LNT仮説は、低線量域において、
実際の疫学的なリスク評価値として根拠のある値が存在する」と引用されている。
P.72
    『虎の巻 低線量放射線と健康影響』 独立行政法人 放射線医学総合研究所 編著 より


P.44のものは低線量発がんのリスク評価のいくつかのシナリオのうちの
1つから引用。他のシナリオはLNT、閾値あり、ホルミシスなど

逆線量率効果、バイスタンダー効果についての解説や、
フランス科学・医学アカデミー報告書と米国科学アカデミーBEIR委員会報告書(BEIR-VII)
の比較などがあって面白い。放医研がこんな本を出してるとはね