Channel 4のJohn Sparksアジア特派員が福島第一の作業員(匿名2名)にインタビュー。
作業員A: 状況はカオス。ルールは何もない。初めて来た人は当惑するはず。
作業員B: どう説明していいのかわからない。とにかく事態は急を要する。
Channel4は作業員3000人の多くが寝泊まりしている「ベッドタウン」を訪問。
作業員はメディアとの接触を禁じられているが、数名がインタビューに応じてくれた。
A: 上から何が崩れ落ちてくるかわからない。地面の穴や割れ目は怖い。
落ちたら骨を折るかも。もし20mの穴に落ちたら、死ぬだろう。
毎朝、作業員はJビレッジから原発に通う。
その大部分は東電の社員ではない。600もの下請け会社に雇われている。
あまりにも下請け会社が多いので、安全基準を厳格に守ることは不可能だと言う人も。
この点について作業員に尋ねようとしたが、警備員から止められる。
放射能を防御する装備について。作業員は、訓練は不十分だと言う。
B: 安全指導は30分。これじゃ不十分。ここに来る人は作業内容についての知識がない。
現場でのコミュニケーションは難しい。重要な設備を担当するエキスパートが約34人いるが、
共通言語がない。防護マスクがあると会話がさらに困難。時には会話するために外すことも。
A: 英語やフランス語を喋れる作業員はほとんどいない。言葉の壁は非常に高い。
通訳経由で会話するが、その間もみな被曝している。
作業員や地元住民の健康状態を診ている上昌広医師(
http://twitter.com/KamiMasahiro)。
他のほとんどの医師は避難してしまった。
上氏によれば、多くの作業員は被曝量を隠している。個人線量計を外している。
なぜ? 被曝限度を越えれば、もう仕事がもらえなくなるから。
上: 彼らはできるだけ長く働こうとする。だから危険なエリアに行くときは、
線量計を置いていく。本当の被曝量はずっと高いのでは。
この上氏の懸念について、東電本部に尋ねてみた。
東電: それが本当かどうかはともかく、その問題をまず確認する必要がある。
しかし、この点については私は今のところ何も知らない。
東電担当者(Mr. Hitosugi?)の話を聞きとるのは難しかった。
すぐそばで、福島の農民の抗議デモがあったから。
昨夜公開したこのビデオを「事態改善の兆候」と東電のPR部門は思っているようだ。
しかし東電は水漏れや事故の情報を隠しているのでは、という不信感は広がっている。
作業員の1人もそれに同意する。
B: それが東電では普通。たとえば、汚染水が浄化システムから漏れた。
その事実はマスコミに公表されたが、量は間違ってる。実際はずっとたくさん漏れている。
これは7/11のトラブルの話。東電の発表では漏れた量は50リットルだという。
東電のHitosugi氏にこの食い違いについて尋ねてみた。
東電: そのことについては正確な詳細は知らない。しかし当社の理解では、
もし漏れた量がもっと多かったとしても、環境には影響がないだろう。
福島第一の後始末は、震災がれきの片づけのようにはいかない。
3000人の作業員は命を危険にさらしている。ある者は責任感から。ある者は金のため。
しかし彼らがこの仕事を担い、自らの価値を証明している。