>>546つづき 皆様に大事なお知らせ 各炉の状態
引用
私から言わせれば、どの炉も危ない。工程表では汚染水の流出源についても、詳しく触れられていません。
たとえば、1号機は格納容器から漏れているようです。しかし、その場所が特定できない。穴の大きさもわからない。
つまり、何もできない。安易にどれくらいで収束すると断言できないのです。
3号機では、1、2号機に続いて水素爆発を防ぐための窒素注入がようやく始まった。
しかし、地下に大量の汚染水がたまって苦しい状況には変わりない。
建屋内に入ることはできましたが、内部は飛散した瓦礫で埋もれていて、燃料プールの確認も大変な状況です。
3号機、4号機に共通していえるのは、建屋の強度に不安があることです。かなり崩れていて、作業中に上からコンクリート片が落ちてくることもあり、作業員も怖がっている。
特に4号機の燃料プールは、早急に手だてを講じないと危ない。4月の最大余震の際は「倒壊を覚悟した」と言う作業員もいたほど。
すでに建屋の補強工事に着手し、作業は順調に進んでいますが、本格的な台風の季節の前に何とか対応したいところです。
2号機も、ひどい状況です。作業の間、汚染水があふれたり、漏れたりしないかとヒヤヒヤの連続でした。
ただ、少なくとも配管などは爆発でやられていないので、1号機、3号機とはちょっと状況が違いますね。とりあえずは『最悪の危機は脱出した』と考えています。
最近でも、1〜4号機の映像を中継している「ふくいちライブカメラ」を見て、「白い煙」が出ているとの指摘がありますが、
あれは燃料プールの使用済み燃料が熱を持っているため、湯気みたいなものが出てそう見えるのです。
プールから水が漏れているので十分に冷やせず、熱が下がらない。それで水蒸気が出る。もっとも、その「湯気」には放射性物質も含まれています。
>>547つづき
総理が2時間、事故現場を止めてしまったのは事実だが
ベントを遅らせたわけではなかった。
「事実」というのはいつも、フクザツに入り組んでいるものだよね。馬鹿は単純化して大騒ぎし、悪党がそれで金儲けしたりする。
引用
12日早朝(午前7時すぎ)に菅さんがこちら(フクイチ)に乗り込んできたときは、本当に驚きました。
しかも、ヘリコプターで来て免震棟で会うなり、
「何をやっている。ベントはどうなっている。早くするんだ!」
などと怒鳴り散らすのです。総理にそこまで言われると、さすがに皆、引いてましたね。吉田所長は、
「とにかく、どんなことをしてでもやります。決死の作業で、命かけてでも絶対に何とかします」
と答えてました。
1号機が水素爆発を起こしたのは、ベントが遅れたせいだと指摘されていますが、現場としては、近隣住民のことが気になっていました。
ベントをすれば放射能がまき散らされる。近隣住民の避難状況はどうなのか、放出される範囲は広範囲にわたるので、現場としては、かなり深刻に考えていました。
それに、自動でベントを開閉する装置がダメになっていたため、手動で動かさなくてはならない状況だった。
当時、1号機のリアクター(原子炉)建屋はかなりの放射線量が予想されていました。
そんな危険な場所に誰を行かせるのか。本当に決死の作業なのです。
この「早朝視察」について、吉田所長は周囲に、無念そうにこう言ったという。
「言い訳になるかもしれないけど、菅総理がフクイチの現場に来たことで、そちらにばかり目がいってしまい、
2時間ほど『ベント』などの指示が出せなかった。
当時は、すべて私が指示して動いていた。それが止まったことで、周りも動けなくなってしまった」
東電が6月に公表した報告書によると、吉田所長がベントの準備を指示したのが12日午前0時6分のこと。
そして東電が、ベント実施を菅首相、海江田万里経産相、そして原子力安全・保安院に申し入れ、了承される。
ところが、午前2時24分には、現場の放射線量から
『作業可能時間は17分』と報告され、
午前4時半ごろには、余震による津波の可能性から
『現場操作の禁止が指示され』た。
ベントに向けた状況が、いかに困難だったかがわかる。
さらに、午前8時27分になって、
原発立地町である大熊町の一部住民が、『まだ避難できていない』との情報が入る。
避難終了を待って、ようやく作業員が現場に向かったのが午前9時4分。
格納容器圧力の低下を確認できたのは午後2時半になってからのことだった。
そして午後3時36分、1号機で水素爆発が起きた−−。
つづく
>>548つづき
引用
1号機が水素爆発を起こしたときは、もう目の前が真っ暗でした。
ベントをしたのに、いきなりの爆発でしょう。最悪の事態です。
免震棟内もパニック状態で、「帰らせてくれ」と言う作業員、社員も出てきました。
私たちには、それをとめることはできません。
とにかく残った人間でやるしかない。もうフクイチで被曝(ひばく)して死んでゆくのか、
これまで原発で過ごしてきた何年もの日々が一瞬、頭をよぎりました。
当時は知らなかったのですが、政府は震災当日の11日午後9時23分に、原発から「半径3キロ圏内」の住民に避難指示を出し、
その後、翌12日午前5時44分に「10キロ圏内」、
午後6時25分に「20キロ圏内」−−と次第に範囲を拡大していった。
でも、現場ではもっと広い範囲、少なくとも半径50キロは避難していると思った。
なんといっても、あれだけの爆発だったんですから。
結局、避難範囲が半径3キロ圏内と聞いたときも、「大丈夫か?」と思ったのが正直な印象ですね。
米政府は当時、半径50マイル(約80キロ)圏内の自国民に対して避難勧告を出しました。
チェルノブイリ事故では、国際原子力機関(IAEA)の報告によると、旧ソ連の汚染地域は約14万5千平方キロメートルで、約300キロ離れた地域でも高いレベルの汚染があったことがわかっている。
爆発が相次ぐ中、当時は私自身、半径30キロどころか、青森から関東まで住めなくなるのではないかと思ったほどです。
本社と政府の話し合いで決まったんだろうけど、余震の危険性などを考えれば、
最低でも半径50キロ、できれば半径70キロ、万全を期すならば半径100キロでも不思議はなかった。
最初は広範囲にして、それから「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測システム)」の予測などをもとに
狭めていけばよかったのではないでしょうか。
いま原発は何とか安定していますが、放射性物質がかなり飛散しているのが実態です。
避難地域の見直しが必要だと思います。
>>>実際、もう半径20キロ圏内は戻れないと、そろそろ発表してもいいんじゃないか。
>>>子どもたちが学校に通うのは無理です。
>>>最初からもっと広範囲で避難させていればと悔やまれます。
>>549つづき 終 そりゃ、廃炉したくないとか、海水はいやだとか、ぽろっと社長が言うよな…
引用
菅政権は6月27日、首相補佐官だった細野豪志・衆院議員を新設の「原発担当大臣」に据えた。
原発事故対応に特化した新ポストだが、海江田経産相との役割分担ははっきりしない。
果たして今後、事故収束に向けて政府・経産省・東電の歯車は、うまく回っていくのだろうか。
◆「私の立場はどうなるんだ」◆
細野さんが原発担当大臣になって歓迎ムードがあるようですが、
現場としては、うーんという感じ。期待はしていたんですが、正直いって彼は経産官僚と変わりない。
現場が望むのは、意思決定のスピードとリーダーシップ。
でも、細野さんと話しても、どちらも兼ね備えていない。
経産官僚が言っていたことを、数日後に細野さんの口から聞くという感じです。経産官僚の言うがままの「操り人形」と我々は呼んでいます。
政府の原発に関する決定は
本当に遅い。菅総理は「細野に任せてある」と言うのに、細野さんは「決めるのは総理」と言うばかり。
菅さんが責任を細野さんに押しつけているのは誰の目にも明らかで、
細野さんは、それには乗らないと牽制(けんせい)しているんです。堂々巡りで、一向に前に進みません。
東電本社も経産省の言うがままで、こんなにノンビリでいいのかと思うほど意思決定が遅い。この状況を喜んでいるのは、経産省をはじめとする官僚たちです。
現場と本社には、明らかに認識のズレがあります。
フクイチから本社には毎日、膨大な量の情報が上がりますが、
いま国民に公表されているのはその10%、いや1%くらいかもしれません。
実際、現場は当初から「メルトダウン、メルトスルーの可能性がある」と報告していますが、本社は発表しませんでした。
一連の発表を見ていると、
派閥や上司との人間関係など、社内でしか理解できない力学が働いているように思えます。
というのも、うち(東電)は、とにかく風通しが悪い組織なんですよ。いろんな人間が口を出してくる。
現場と本社は、衝突ばかりです。ある本社幹部は、情報公開を巡ってこんなことを言っていました。
「そんな情報が保安院や政府にわかると、大変なことになる。(問題が)ますます拡大するじゃないか」
そして最後には、
>>> 「私の立場や出世はどうなるんだ。キミはわかってるのか!」
と言うんだから呆(あき)れてしまいます。
的確な情報が適切なタイミングで届かないから、
トップが最終決断しなければならないときに、十分な情報がないということが起こるのです。
本当に、どこを見て仕事しているんでしょうかね。(ノーパンしゃぶしゃぶの料亭)
今回の事故は我々の責任が重大で、おわびするしかありません。
いま、フクイチには
日本、いや世界の存亡がかかっている−−私たち現場の人間はそういう覚悟でやっています。
>>548に補足
・総理は現場中枢を2時間凍り付かせて末端の手足を止めた
・が、ベントをジャマしたと言うほどではない
・ベントしてもしなくても爆発する環境下にあった
・ベントを遅らせたのは、付近住民を心配する現場の意思(各インフラが震災で壊れ、情報がとにかく入ってこない)
こういうのを
実務経験者レベルの、専門的技術的な考察、と言います。
中卒ワル政争屋のくだらない偏向バイアスではなくて。
他人の揚げ足取りやけんかを楽しむ時点で
「プロ意識に欠けて」まるで小僧だと、
おれがプロジェクトチームを仕切ってたら、そう部下を叱る。
平時ののんびり現場ならまだ、しばし静観でもよいが
非常事態の原発事故現場に関わるプロジェクトなら、怒鳴り叱責する。
>>551さらなる補足
冷静に考えて
メルトダウンは超高速で進行するので
(運転停止直後がもっとも熱く反応が盛んなため)
いくら炉のSCやPCVの蒸気をベント管排出で抜こうが
すでに作業建屋の中は水素充満…
まるで『プロパンガスタンクに満充填状態』になってるんで
意味がない。既設ベント設備では意味がない。
だから一部報道の通り「作業建屋(オペフロ)のベント設備も設置するべきだった」
し、ミサイルによって建屋に穴を開けようともしたのだ。(火薬引火を恐れて却下)
これが全建屋にあれば、3号機に充満しすぎた水素が、
4号機建屋へタービン建屋経由で漏出し充満することがなく
2,4号機が無事で済んだ…へたすりゃ全号機の建屋が無事だった。
いちおうの収束が、本当に半年で済んだかもしれない。
設備・装置が無事であればあるほどそれは実現可能に近づくからだ。
>>547の2号機のニュアンスでもわかるだろう。
あきらかにパッシブセフティ装置の不備欠落だ。