日本原子力学会シニアネットワーク連絡会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/ http://megalodon.jp/2012-0201-2113-38/wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/(魚拓)
2012年1月12日、NHK番組への抗議文を提出しました
福島事故後、低線量被ばくの影響については地域住民はもとより国民に大きな不安が拡がっています。
そういうタイミングでNHKは昨年12月28日午後10時55分より総合テレビで追跡真相ファイル番組「低線量
被ばく 揺らぐ国際基準」を放映しました。
この報道番組は非常に問題の多い内容であり、公共放送としてNHKに求められる高い放送倫理に疑義
を挟まざるを得ない番組であったと思われ、NHK宛ての抗議文を有志で作成し、112名の会員の賛同を得
ました。そして、1月12日付で抗議文をNHK松本会長と西脇デレクターに郵送しました。
(抗議文を「発表・報道資料」欄に掲載中
抗議文PDF
http://wwwsoc.nii.ac.jp/aesj/snw/media_open/document/nhk_kougi120112.pdf 要約
1-1.ICRP(国際放射線防護委員会)が問題にしたのは「DDREF」(線量・線量率効果係数)の不確実性であり、
低線量のリスクを半分に見立てたというのは誤訳です
1-2.元ICRP関係者が、政治的圧力で規制値を緩和したといっているが、その証拠を出して下さい
1-3.ICRPが、1990年の勧告でで職業被曝を年50mSvから5年100mSvに、公衆被曝を年5mSv
から1mSvに規制強化したことを無視しています
2.原発が原因で疾病が増えているというのは無責任であり、客観的なデータと理性を無視する反原発派と同じ手法だ
再処理工場で勤務していた女性の証言を出していたが、職歴と被曝歴を出すべきです
3-1.消費者庁を始め、消費者にわかりやすい情報をたくさん出しているのにNHKは無視しました
3-2.NHKも細野大臣を見習って、正しい知識を勉強するべきです
3-3.放射線の恐怖を煽るばかりでなく、高等生物はただちに癌にならないこと、
癌の診断、治療をはじめシリコン半導体製造、自動車のタイヤや電線ケーブルの強化などに
役立っていることも公平に報道して下さい
4-1.以上指摘した点について、厳正な審査を行って下さい
4-2.事実誤認や根拠薄弱であることが明らかになったら撤回するのがNHKの責務と考えます
4-3.このような一般視聴者に放射線の恐怖のみを煽るような“風評加害者”的報道は
今後止めるよう強く要望します。
5.NHKの報道は非論理的、非科学的内容であり、放射線防護の政策を根底から翻しかねないものです
NHKは危機意識を持つべきです
代表
金子 熊夫 エネルギー戦略研究会(EEE会議)会長
宅間 正夫 日本原子力学会シニア・ネットワーク連絡会会長
林 勉 エネルギー問題に発言する会 代表幹事
<賛同者氏名>
青木 直司 日本原子力学会、日本機械学会
秋山 元男 元IHI
荒井 利治 日立製作所 名誉顧問、元JNF会長
石井 亨 元三菱重工
石井 正則 元IHI技監
石井 陽一 エネルギー問題に発言する会、SNW
石川 迪夫 元原子力技術協会理事長
一木 忠治 元東芝
出澤 正人 日本原子力発電(株)
伊藤 睦 元(株)東芝原子力事業部長、元東芝プラント建設(株)社長
伊藤 裕基 元丸紅株式会社
犬飼 英吉 元名古屋工業大学客員教授
岩瀬 敏彦 元独立行政法人原子力安全基盤機構参与
岩本 多實 元原研職員、元福井工大教授
上路 正雄 元三菱原子力工業(株)
上田 隆 元日本原子力発電(株)
(続く)