福島第一・二原発事故 技術的考察スレ23

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489名無しさん@お腹いっぱい。(チベット自治区)
安全チェック飛ばしている/教授に聞く - 社会ニュース nikkansports.com
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110518-777428.html
<名古屋大大学院 榎田教授に聞く>

 東電は17日、来年1月までの従来通りの「9カ月収束」とした
福島第1原発の事故収束に向けた工程表の改訂版を発表した。
浄化された汚染水を使用する「循環注水冷却」システムを採用するとした。

 榎田洋一教授(マテリアル理工学専攻=以後、榎田) 循環システムを採用したとしても、
格納容器には穴があいているのだから、
汚染水は今ほどではないがつくってしまうことになる。
それと、このシステムが作動するのが7月。1日10〜20トンの汚染水ができるのだから、
600〜1200トンの汚染水ができることは間違いない。
あと2カ月、だだ漏れしても注水して冷やすしか対策はないと思われる。
特別な冷却方法が突然、行使されるというわけではない。

 この日、3号機のタービン建屋にたまった汚染水を敷地内の集中廃棄物処理施設に移送するための準備が始まった。
移送された汚染水から油分、塩分、放射性物質を除去する機材が搬入された。
現在、同原発内の処理が必要な汚染水は約8万7500トンになる。

 榎田 この放射性物質を分離させる装置は仏アレバ社製。
約6万トンの汚染水をおよそ50日かけて浄化することができる。
それが現在9万トン近くあるのだから、単純計算でも75日前後かかる。
ただ、メルトダウンした原子炉を冷却して水が漏れてきて、
高濃度の放射性物質の含まれる汚染水が“生産”されるわけだから、
汚染水の浄化にどのくらいの時間と作業員と金がかかるのか。
その試算を明確にする必要性はある。

 東電は収束の期間を変えなかったが、完全収束までにはどのぐらい時間がかかるのか。

 榎田 溶けた燃料棒が圧力容器の底に付着して溶岩のようになっている。
米スリーマイルでの事故は完全収束までに10年。今回はメルトダウンが1機だけではなく3機もある。
つまり30年かかっても何の不思議もないといえる。

 ここまで手に負えない事故になった原因は何か。

 榎田 主なものは3つ。(1)原子炉冷却にすぐに海水を使わなかった
(2)原子炉内の気圧を抜くベント作業が菅首相の“説教訪問”で遅れた
(3)地震直後に復水器を作業員が手動で停止させて、原子炉の圧力が高くなった。
東電のコスト削減を基準にしたマニュアルに従うだけで、安全を優先にできなかった。
工程表の改訂も同じ。政府の収束したいメドを優先して満足しているだけ。
原子力安全委員会や保安院などの第三者がチェックしない改訂版に何の意味があるのだろう。
 [2011年5月18日12時19分 紙面から]