いいかげんに陰湿な『東電叩き』をやめてはどうか2

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2名無しさん@お腹いっぱい。(福岡県)
もういいかげんに「東電叩(たた)き」をやめてはどうか。たしかに、今回の福島第1原発事故については東京電力にも責任があるだろう。
しかし、そのことといま蔓延(まんえん)している陰湿な東電叩きとはほとんど関係がない。

まず、東電の「想定外」発言を批判して何から何まで「人災」だと言うのは、恐怖に煽(あお)られた短絡にすぎない。
この世の危険には確率計算できるリスクと、計算できない不確実性があって、リスクについて東電はかなりの程度まで想定していた。

最終的に今回の事故の原因となった非常用ディーゼル発電機不起動の確率は1000分の1だったが、
東電はこれを2台並列に設置して100万分の1の確率にまで低下させていた。
しかも、非常用ディーゼル発電機は頑丈で津波にも拘(かか)わらず一旦は起動したが、
この非常用ディーゼル発電機のサブ冷却系が津波にやられていたためオーバーヒートして途中で停(と)まったとの説は有力である。

なかには、巨大な津波が来ることは分かっていたのに、低い防潮堤しかなかったため事故が起こったのだから、
東電が対策を怠ったことになるという人もいる。しかし、これまで14メートルを超えるような津波は三陸海岸のものであって、
福島浜通りに来たという記録はない。また、最近おずおずと発言を始めた地震予知学者たちも、
口を揃(そろ)えてマグニチュード9は想定していなかったという。
それでどうして東電がマグニチュード9によって起こる巨大津波を想定できるのだろうか。

そもそも、たとえ東電が巨大津波を想定していたとしても、できる対策とできない対策がある。
もし想定できることはすべて予防策の対象とすべきなら、岩手、宮城、福島3県の海岸に、
巨大防潮堤を建設しなかった県および政府は、あれほど多くの被災者を、最初から見捨てていたことになるのではないのか。