平成23年5月25日 泉田知事定例記者会見要旨
Q
食品の輸出に関してですが、先日の日中韓首脳会談で、中国の方が輸入禁止対象地域の中から山形県と山梨県を外しました。新潟県は結果的にまだ残っているのですが、この状況を知事はどのように受け止めていますか。
A 知 事
中国側の判断ですので、情報発信をしっかりやっていくということ以外にないです。
中国に限らず多くの国が食品輸入規制をしているわけですが、規制を外したところで、
各国政府がなぜ規制を取らざるを得ないのかといえば、消費者が不安だからというところが
あるわけです。
これまでの日本政府の発表は過小評価でした。
「メルトダウンしていません」と言っても、「やはりメルトダウンでした」と。
みんなが「レベル5ではない」と言っていたのに、「やはりレベル7でした」ということで、
後出し後出しになるわけです。
福島県の飯舘村の方々は「安全だ安全だ」と言われ続けて、ある日突然
「やはり避難してください」と。なぜ浴びなくていい放射線を浴びなければいけなかったのか、
ということを日本で繰り返している中で、「どんどん(輸入規制を)解除してください」
と言える状況なのかということだと思います。情報をタイムリーに、かつ的確に発信していく
態勢をとらないで、「緩めてくれ、緩めてくれ」と言っても限界があります。
私は正しい情報を出し続けることに尽きると思います。
新潟県も、中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所が被災するという経験をしました。
観光協会の方と話しているとよく感じるのですが、中越大震災のときは地震後、
復興過程に入ってくる中で、お客さんはすぐと言ったら少し言い過ぎかもしれませんが、
それなりのタイミングで戻っていただきました。しかし中越沖地震のときは、
やはり放射能という問題があるので、戻り方が中越大震災のときと比べてすごく鈍かった
ということを聞いています。
実際、チェルノブイリの事故後、例えば数カ月で「ウクライナに行きましょう、
ベラルーシへ行きましょう」と言ってすぐに受け入れられる環境だったのかと考えると、
今回の事故はまだ継続中であり、かつ情報発信の不手際が続いている中で、
ある程度やむを得ない部分もあるのだと受け止めています。
Q
そういった中で、新潟県は水道も含め、食品の検査についてかなりの数を実施し、
山形県よりも相当多い数を検査していると思います。
輸出の面で見て、新潟県の検査態勢の効果はあると考えていますか。
A 知 事
誠心誠意、情報を出していくということに尽きると思います。
今回なぜ山形県と山梨県が解除されたのか。想定される理由はいろいろ言われていますが、
逆に新潟からは輸出実績がかなりあるわけですから、当然警戒するという気持ちを持たれる
というのは甘受すべきだろうと思っています。新潟は(放射性物質に関する食品検査)数は多いのですが、
正直言って(検査サンプルには)ムラがあります。一つ一つ検査していますかと言うと、そういうことでもないので、
全てのものが安心と言って保証できる態勢なのかと。
統計的に確信できなければ、各国はそれぞれ自国民を守る責務を持っているわけですので、
やむを得ない面があるのだと私は思っています。
http://chiji.pref.niigata.jp/2011/05/post-5e64.html#03 まともな知事でよかった・・・