>>128 「みんなのヒーローもんじゅちゃん(物理板より転載)」を熱愛している人がいるようなので、うっとうしいから反論。
わたしはマルチポストが嫌いだ。何度も同じことを読まされるのにはもう飽きた。
×原子炉に鉄クズ(交換装置)3.3トンが落下し、回収が不能であることがわかった
--->燃料交換装置の回収は可能です。少々原子炉をバラしますけど。
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/posirase/1101/o110113.pdf もんじゅ総合対策会議資料『性能試験の工程と炉内中継装置の復旧方策について』
(平成23年1月11日 日本原子力研究開発機構)の4ページを読んでください
×燃料棒の交換方法断たれる
--->回収さえしてしまえば、燃料棒は交換できます。燃料交換装置は移動式。その交換装置を挿入する「穴」がふさがっているだけ。
つまりその、たとえて言えば、燃料交換装置とは、ワインボトルのコルクを抜く「コルク抜き」のようなものです。
その「コルク抜き」が、コルク抜きとボトルの間に「ピン」がはさまって、抜けなくなってしまったのが現状です。
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/posirase/1101/o110118-2.pdf 炉内中継装置等検討委員会資料『炉内中継装置のこれまでの状況及び今後の進め方』
(平成23年1月18日 独法日本原子力研究開発機構 敦賀本部)を全部読んでから反論してください
×休止不能で制御棒なんとか突っ込んで冷やし続けている状態
--->原子炉の運転を停止して燃料棒交換作業を行なった「あとに」発生した事故です。
したがって、休止不能という事態はありえません。原子炉止めなきゃ燃料棒の交換はできないからです。
>>128(続き)
△燃料が高濃度のプルトニウムで福島よりずっと臨界しやすい
--->「高濃度」とはどのくらいの濃度のことを指すのかが問題です。それとプルトニウムは運転中の通常の軽水炉内でも増え続けていくのですけど。
まず、新品の軽水炉用ウラニウム燃料の中に占めるプルトニウムの比率はゼロ%です。
それが、新品の軽水炉用MOX燃料だとプルトニウム比率は4%−9%、新品の高速増殖炉用MOX燃料では16%−21%です。
ところが、原子炉を運転していくと軽水炉であってもプルトニウムはだんだん増えていく。燃えないウラン238に中性子がぶつかるとプルトニウム239に変わってしまうから。
http://www.atomin.go.jp/reference/atomic/plutonium_science/index06.html 原子力-プルトニウムって何だろう−科学的側面− (原子力・エネルギー教育支援情報提供サイトあとみん)
をマル写しすると、「原子力発電所では平均で約30%が生成したプルトニウムの核分裂による発電となっている。特に新たに燃料を入れてから3年経った燃料のプルトニウムによる発電の割合は約60%にも達する」のだそうだ。
だから、軽水炉に燃料棒をいつ入れたかによって、原子炉内のプルトニウム含有量はずいぶん変わる。そもそも高速増殖炉の「高速」とは、軽水炉に比べてプルトニウムが高速で増えていくことから名付けられました。
○△プルトニウムは臨界を防ぐ制御棒効きづらい上に温度にムラができやすい
--->「プルトニウムは中性子を吸収しやすいために制御棒に吸収される中性子の数が減る」とか「プルトニウムが核燃料に占める割合が増えるほど(ウラニウム燃料に比べ)熱伝導度が低下する」ということが言いたいなら、それはその通り。
それ以外に(ウラニウム燃料に比べ)融点が低いので燃料棒溶融が起きやすい、とか、ガス放出率が高い(核分裂後に放射性ガスが多く発生する)、外乱への応答性が高い(原子炉圧力が上昇したとき熱出力も上昇しやすい)、という固有の弱点がある。
?プルトニウムの量は長崎原爆の100倍以上
--->量はたしかに多いだろう。しかしいま現在どれだけのプルトニウムがあるのか、正確な量がわからない。私の調べ方が悪いんだろうね。
233 :
名無しさん@お腹いっぱい。(兵庫県):2011/03/29(火) 01:43:37.68 ID:g5VPy67S0
じっさい、16年前は、オレらの地方も大変だった
被災地住民の気持ちは、痛いほどわかる・・・
>>128(途中が抜けてたので続々々の補足)
×本州のど真ん中福井県にあるが、地震プレートの真上にあることが建設後にわかった
--->「地震プレートの真上」というより「活断層の真上」(白木−丹生断層など)と書いたほうが適切な表現です。
「プレート間地震」とか「プレート境界型地震」というタームもあるけど、それは2つ以上の地殻のプレートがぶつかりあう場所で発生する現象。
中部電力浜岡原発を批判するときに使われるべき表現です。若狭湾はそうじゃない。
ただし、日本の国土は、若狭湾に限らず、すべてことごとく4つのプレートのうちのどれかの上に乗っかっております。
△高速増殖炉の構造上配管が複雑でクネクネしててペラペラ、地震に構造的に弱い
--->これはたぶん高速増殖炉全体というより熱交換器の配管のことを指しているのだろう。
「クネクネペラペラ」がすべて悪いというわけではない。たとえば「柳に風折れ無し」という格言があるでしょ。剛性があまりないほうが逆にかえって配管やプラントの健全性を保つことができるかもしれない。
?耐震性をどれだけ強化しても、地震のゆっさゆっさ自体は今の技術では防げない
--->意味不明です。将来展望としては、耐震から免震へという考え方もありうる。本職の原子力屋じゃないから好き勝手なこと書かせてもらうけどさ。
×ゆっさゆっさすると、炉内で巨大な鉄クズもゆっさゆっさ、燃料棒破損も
--->「鉄クズがゆっさゆっさ」も、「燃料棒破損」も、結論から言うと起きないようです。
http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/posirase/1101/o110118-2.pdf 炉内中継装置等検討委員会資料『炉内中継装置のこれまでの状況及び今後の進め方』の「2.3 原子炉容器本体及び燃料への影響」をマル写しすると
●炉内中継装置は、炉心燃料から、約120cmの距離にある。
⇒炉心燃料にあたらない配置にそもそもなっている。
(それに燃料集合体と炉心中継装置の間にはけっこう分厚い遮蔽体があります。)
●炉内中継装置は、燃料交換時に固定プラグ側に吊り下げられ、下端部は下部ガイドに挿入され、振れ止めされている構造。
⇒原子炉容器内に落ちない構造にそもそもなっている。
(「コルク抜き」と「ワインボトル」が密着してがっちりホールドされている状態。「ゆっさゆっさ」してるなら、とっくの昔に引き抜いています。こんな所でぼやいても仕方ないが、「振れ止め」とか「制振」って難しいんだよね、どんなマシンでも。)