チョムスキーの生成文法について

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1名無しゲノムのクローンさん
生物学の立場から真面目に語れる人、いたらお願いします。(わたしは理論言語学が専門です。)
2名無しゲノムのクローンさん:2000/12/12(火) 08:00
生物学から?
なんかトリガー無い?
チンパンジーにXバー理論の萌芽があるとか(大でたらめ)。
3名無しゲノムのクローンさん:2000/12/12(火) 09:33
あのー、Xバー理論なんて大昔に破棄されてますけど。
4名無しゲノムのクローンさん:2000/12/12(火) 09:42
たとえば「人間言語は余剰性のない完璧なシステムであり生物系として特異な最適設計を
なしている」とかいった彼の主張は、生物学者としては「逝ッテヨシ」なんでしょうか。
52:2000/12/12(火) 12:27
>>3
ああ、やっぱり門外漢が口出すもんじゃないね。
6名無しゲノムのクローンさん:2000/12/12(火) 14:45
>1
チョムの理論にヒントを得たノーベル賞受賞者(医学賞)がいるので、また時間がある時にレスします。
71:2000/12/12(火) 19:30
>6
N. Jerne のことでしたら論文で私もある程度知ってます。
免疫応答系が抗原との遭遇という「経験」に先行して抗体分子を過剰に作っておく、というあたりが
当時のチョムスキーの普遍文法の考え方とマッチするんでしたよね。
ところが今は4にも引用したように、人間言語の非余剰的がことさら強調されていて、Jerneが指摘
した免疫系と言語の間の面白いアナロジーはどうなってしまうんだろ、という気がしますので、
そのあたりコメント下さい。

ついでに Jerne は「イェルネ」なんか「ヤーネ」なんか、どっちでしょう。
どっちでも「いえるね」ってなんか「やーね」。
8名無しゲノムのクローンさん:2000/12/12(火) 19:32
もう一度終了
9名無しゲノムのクローンさん:2000/12/14(木) 17:24
>1
>人間言語の非余剰的
なんでもかんでもジャンク、ジャンクと言いたがるヘビースモーカー
の有名人が、チョムの理論を引用してたのでまた時間がある時にレスします。
10名無しゲノムのクローンさん:2000/12/14(木) 19:34
言語の進化という視点では
Maynard-SmithやNowakあたりが手を出していますね。
Nowak(スペルあってるか?)のはNatureにのってたし、
Maynard-Smithの視点は進化の階層ってほんにのってた。
でも詳しくは考えてないな。
11名無しゲノムのクローンさん:2000/12/15(金) 23:13
逆質問。

一から生成文法勉強するなら何読んだらいいんすかね?
12名無しゲノムのクローンさん:2000/12/15(金) 23:37
生成文法って詳しくは知らないけど、
生物学や脳科学で語るのはまだ先のような気がする。
証拠の一端とかは、このスレにもあったように
見つけることはできると思うけど。
脳内の内省というか、禅的な内部観察から
その構造を演繹するしかないような気がする。
もちろん、実験もいいと思うけど。
素人話なのでさげ。11に同意。
131:2000/12/16(土) 07:27
>>9
興味ありあり、です。チョムスキーはjunkということばこそ使いませんが、言語を構成する基本単位の中には
解釈をうけることがなく、構造構築の過程で排除されなければならない(勝手にこじつければまるでアミノ酸
をエンコードしない塩基配列のような)不純物もまじっている、ということを言います。ぜひ教えて下さい。

>>10
無学にしてNowakというのをまったく知りません。こちらもぜひよろしく。
で、Maynard-Smithはネオ・ダーウィニストだと思うんですが(あってます?)意外にチョムスキーに好意的
ですよね。いったい対立の核心は何なのか、ほんとに生成文法とネオ・ダーウィニズムは相容れないものなのか、
単に問題設定のレベルが違うだけじゃないのか、ということについてもご意見がうかがいかったのですが。

>>11
文字通り中学生でも読めるほどソフトでやさしく書かれたものとして
 町田健「生成文法が分かる本」研究社出版
というのがありますが、これは生物学とは何の関係もなく、単なる一文法理論としての生成文法の思いっ切り
初歩的な紹介本です。
で、このスレの主旨からいくと、適当な和書はほとんど見当たらず、あえてあげるなら
 萩原裕子「脳にいどむ言語学」岩波科学ライブラリー
くらいでしょうか。
あと、洋書かつ難度高しですが、生成文法と生物学の関係をよく考察しているものとして、こんなのがあります。
 Lyle Jenkins. Biolinguistics: Exploring the Biology of Language. Cambridge Univ. Press.
Simon Kirby. Function, Selection, and Innateness: The Emergence of Language Universals.
 William H. Calvin and Derek Bickerton. Lingua ex Machina: Reconciling Darwin and Chomsky with the
 Human Brain. MIT Press.

>>12
>禅的な内部観察
う〜ん、言い得て妙、かも知れません。
149:2000/12/16(土) 08:51
ヘビースモーカーのきざ親父のレスを入れるつもりだったのですが、13さんが
充分に詳しいことがわかったのでやめます。
それからノヴァクについては、今週の某新聞に記事が出ていたので
それを見るとよいです。また、気がついたことがあればレスいれます。
15名無しゲノムのクローンさん:2000/12/16(土) 15:05
Nowakの業績はすごいな。
10年程度でNatureとScienceに20本。

http://www.admin.ias.edu/ptb/martin/nowak.html
16名無しゲノムのクローンさん:2000/12/16(土) 16:36
某新聞じゃ分かれへんやん
17名無しゲノムのクローンさん:2000/12/16(土) 17:32
>ヘビースモーカーのきざ親父
の正体きぼんぬ。
18名無しゲノムのクローンさん:2000/12/16(土) 23:21
Nowakって、誰じゃ?
生物版なので、素人なので、教えてちょ。
19名無しゲノムのクローンさん:2000/12/17(日) 00:24
>>18
理論生物界のスターですね。40くらいのオーストリア人です。
ドイツ語なまりの英語をしゃべるごっつい人
20名無しゲノムのクローンさん:2000/12/17(日) 00:51
Nowakは10月頃日本に来てたけど、話を聞いた人はいるかな?
いたら報告きぼーん。
21堕ちた研究者:2000/12/17(日) 00:54
Nowakは1955にウイーン生まれ、ローレンツにあこがれて
生態学を志した。特に動物のコミュニケーションに興味があった。
国際生物学会では必ずトークに呼ばれるし、自分も握手してもらった
こともありマス。
22名無しゲノムのクローンさん:2000/12/17(日) 01:41
Nowakは1965年生まれだな。嘘書くんじゃねえよ。
23名無しゲノムのクローンさん:2000/12/19(火) 02:34
あげ
24名無しゲノムのクローンさん:2000/12/19(火) 03:07
1965年生まれですでにしてあの立派な禿っぷり。さすがですね。
251:2000/12/22(金) 18:43
なんか停滞してしまいましたね。

言語板のほうで私のスレの立て方が悪いという指摘をいただきましたので、とりあえずトピックを絞らせて下さい。

チョムスキーは人間言語は生物器官として希有な最適設計をしており、ランダムな突然変異と自然選択による漸進進化では
これを説明することができない、と論じたいようです。これは妥当な議論でしょうか。生物学者はみんな、生物器官は
最適設計をなしていないと見るのでしょうか。ネオ・ダーウィニズムは自然選択をそのような最適設計を生み出す
アルゴリズムとして見るのではないのですか。
26名無しゲノムのクローンさん:2000/12/22(金) 18:52
>>25
"最適"とは何ぞや?
27名無しゲノムのクローンさん:2000/12/22(金) 19:38
>>25
直感的な表現しかできないが、”最適”化されている例はむしろ少な
いと思う。諸々の関係から間に合わせで進化した器官が多いはず。

なお言語学ではどうか知らないが、器官とはこの場合、心臓
やとかエラとか花弁とかの事。
28名無しゲノムのクローンさん:2000/12/22(金) 19:43
そもそも進化に「最適」という言葉はない。
29名無しゲノムのクローンさん:2000/12/22(金) 20:18
>>25
人間言語がいつ発生したかは、確かに謎が多い。
前頭野の発達をベースにしているのもちろんだが、
現世人類になって、何かの決定的な突然変異があったのは確かだと思う。
希有な最適とあるが、それは単なる人間言語の理想化による循環論法ではないか。
例えば、人間の脳の短期記憶回路が10倍の能力になったら、
言語の構造もそれなりに変わる可能性は有ると思う。
つまり、人間言語は、現在の脳の能力に依存しているだけということ。
論点ずれてたら、ごめんね。
301:2000/12/23(土) 22:00
みなさんどうも。

>>26
通常、最適性optimality・最適設計optimal designとは、ある機構がその機能を果たす上で無駄なものを
一切持たない経済性・非余剰性を実現している、という意味で使われていると思います。

>>27
Jacobのtinkeringの話し、ですね。チョムスキーもそれに同調して生物器官をそのような最適化とは無縁の
ものと見ており、従って言語は特異なもの、という議論になるのだと思いますが、それが果たして進化
生物学者の一致した見解なのか、をうかがいたいのですが。
また、生成文法ではヒトの言語機構language facultyをその種に固有の心・脳の一器官であるとして、
言語器官language organとも呼び、その研究を消化器系や視覚系、免疫系などの研究と対等なものと位置
づけています。

>>28
進化が厳密最適化のプロセスではない、という意味でしたら、一つの立場として了解です。
しかし、生物進化を巡る議論において最適設計や最適化という概念は頻繁に出てきますよね。

>>29
>単なる人間言語の理想化による循環論法
その可能性は大いにあると思います。言語学板でもさんざん議論してましたが、ブラックボックス的
アプローチにとどまっている間は、実際の機構的組織的余剰性・生物学的余剰性 bioredundancy は
全然見えないですからね。
で、万一、言語(実際にはシンタクス=統語演算能力のこと)が最適設計をなしているとしたら、
やはりそれはダーウィン進化によるはずがない、と推測してよいのでしょうか。私としては、言語
デザインの最適性は言語進化論ないし進化言語学の可能性と矛盾しないことを期待しているのですが。

脳進化と言語の関係については最近は新皮質よりもいわゆる「爬虫類脳」が注目されているという
話しを聞いたことがありますが、何かご存知ですか。私は未読ですが次のような文献もあります。
P. Lieberman. Human Language and Our Reptilian Brain:
The subcortical bases of speech, syntax, and thought. Harvard U. Press, 2000.
31>1:2000/12/24(日) 22:22
何か(例えば直立歩行)のきっかけで運動領と聴覚領の脳領域が広がって、それまで
直結していた両者の間に介在する機構ができたというのはどう? その介在機構は
別に淘汰など関係なくできあがっちゃったわけだから、最適配線というか物理的要因のみ
でできたシステムになるのでは。だったら最適設計という話とつじつまが合うと言える
と思うのだけど(まったく自信なし)。

ところで、数を扱う能力も人間固有と考えていいと思うんだけど、これについては
どうなんですか?(アイがゼロを認識できるとかの話は聞いたことがあるけど)

3229:2000/12/25(月) 10:24
>1
未だに最適設計の意味が分からないのですが。
例えば、今、私の目の前に100円ライターがあります。
タバコの火をつける目的において、機能的かつ安価な設計。かも知れませんが、
最適設計に向けては、変更の可能性は無限にあります。
つまり、私の発想は、最適設計はこの世にない。なんですが、
チョムスキーさんは、何を称して、最適設計と言っているのでしょうか。
33通りすがり:2000/12/25(月) 11:42
私は不勉強で,チョムスキーという人は知りませんが,言語の成立
には以下のようないくつかのプロセスがあるんじゃないでしょうか? 例えば,

1. 他個体へのシグナルとなりうるものの獲得
  (音声,匂い,色彩・形など)
2. シグナルの高度化
  (複雑なシグナルの発信能,それを解析する解析能)
3. 地域的な分化
  (方言,言語文法の多様化など)

>チョムスキーは人間言語は生物器官として希有な最適設計を
>しており、ランダムな突然変異と自然選択による漸進進化で
>はこれを説明することができない
というのはこのどの部分(あるいはそれ以外)を指しているので
しょうか? 私自身は,少なくともこれらの段階に関する限り,
斬新的と見られる例がかなりあると思うんですが….

人間で見るといかにも高度でも,例えば,チンパンジーやイ
ルカなどのボーカルコミュニケーションには斬新的な成立が
読み取れるんではないでしょうか? だいたい「高度だから
いきなり獲得したとは思えない」って,創造論者の常套句
でもありますしね.
34名無しゲノムのクローンさん:2000/12/25(月) 13:26
35通りすがり:2000/12/25(月) 14:07
>>34
Thanks!
言語学掲示板なんて行ったこともなかった.
36通りすがり:2000/12/25(月) 15:57
〈訂正〉
>>33
下から2行目:「いきなり獲得」→「進化」
えらい違い….
37名無しゲノムのクローンさん:2000/12/25(月) 20:52
>>34
てやんでえ。さっぱりわからねえ。

てか、今の生物学の体系を他に敷衍するのはまだ無理があると思うのだが。
38名無しゲノムのクローンさん:2000/12/26(火) 19:40
生成文法が分かる本、読んだけどなんか凄く萎えた(;´Д`)

ピンカーの本は凄く面白かったんだけどな
391:2000/12/27(水) 03:51
>>31
おっしゃる通り、突発的なできごとによって、すでに存在していたがそれまでは別個で
あった意味概念能力と調音発声能力を結びつけるものが一気に成立した、という
イメージをチョムスキーも描いています。

>その介在機構は別に淘汰など関係なくできあがっちゃったわけだから、最適配線と
>いうか物理的要因のみ でできたシステムになるのでは。
たいへんチョムスキー的な視点ですね。
ただ、自然選択が作用する単位は何か、という点が気になります。種や個体のみならず
神経の配線のようなミクロレベルにまで選択が作用する(エーデルマンの神経ダーウィニズム
とか?)といった立場からすれば、やはり異議あり、となるのでしょうね、きっと。
あと、直立歩行と脳進化・言語の発生の関係については、現在どのような考え方が一般的
なのですか。直立歩行→脳の爆発的進化→言語の発生、ではなく、逆に言語の発生が脳の
進化を促したと、澤口俊之氏などは考えているようですね。

>数を扱う能力
人間言語の特性の一つとして離散的無限性 discrete infinityがよく取り上げられ、言語能力と
数能力の間に密接な関連性が示唆されるのですが、その一方で言語内部の原理は高度な数能力
を要求しないもの、例えば文頭からX番目の語を取り出すとか、文中の要素を一挙にX個以上の
節境界を越えて取り出すとかいったことができないもの、と考えられています。
言語能力は数計算に関してはかなり貧弱な(アホな?)系だということかも知れません。
勝手な憶測ですが、言語と数の能力はその起源と進化においては共通基盤を持ちながら、
それらがいったん確立された後は、相互に自律的な系、独立したモジュールとして作用している、
ということなのでしょうか。よく分かりません。
401:2000/12/27(水) 03:52
>>32
もし進化が厳密最適解をもたらすのであれば、それ以上の進化はないはずだが、実際には
どんどん変異が起こり進化が生じるのであるから、最適化ではあり得ない、という議論ですね。
それらは変化する環境への適応であるから、ある時には最適設計であったものが、時間がたてば
もはや最適ではなくなり、別のものに取って代わられることになるんですよね。ところが、
言語の場合は、環境への適応とか、生存価とかいったものとは最初から無関係だ、と
チョムスキーは見ているようです。例えば言語の普遍原理Xがあったとして、そのXに従わない
ことが、個体の生存や種の保存を不利にすることにはぜんぜんつながらないじゃないか、という
議論です。で、
>何を称して、最適設計と言っている
のかですが、まずこの場合の「言語」はかなり狭義に用いられており、実際には意味と音声を
繋ぐシステムとしてのシンタクス、統語計算系を指しており、言語の「能力」と「運用」という
問題の多い二分法を使って言い換えれば、能力の一部についてのみ最適設計が語られています。
シンタクスは意味と音声を繋ぐ系であり、ばらばらの基本単位(語彙)を順次組み合わせて言語
表現の構造を構築し、それを意味解釈と音声解釈を行う各部門への「命令」として送り込む役割を
果たしています。その役割を果たす上でシンタクスは一切無駄のないしくみ、最小の設計になって
いる、というのが「言語の最適設計」の意味するところで、より具体的には、構造構築の過程
(派生)に無駄がない(派生の経済性)、また、それによって産出された言語表現内に解釈を
受けられないような無駄な成分が一切ない(表示の経済性)、といったことを指しています。
こういった特性は、生存価や適応度とは関係がなく、むしろ最小作用原理や自由エネルギー最小則
などと対等な物理的法則として見るべきだと、チョムスキーは考えているようです。
また、このような意味・音声部門への入力を供する上で必要最低限のしくみしかもたない言語=
シンタクスが、結果的には、それ以外のあらゆる問題(幼児の母語獲得とか、言語の解析・実運用
など)にとっても過不足のない答えを与えるものである、という意味でも、最適解という位置
づけが与えられています。
で、もう一つ言い訳がましいですが、現実のシンタクスの仕組みは、そのような(偶然得られた)
一つの最適解(AN optimal solution)に過ぎず、別の等しく最適な言語設計の可能性を排除している
わけではありません。
411:2000/12/27(水) 03:54
>>33
上記のような視点からすると、33さんのあげられた
>1. 他個体へのシグナルとなりうるものの獲得
>2. シグナルの高度化
>3. 地域的な分化
はいずれも生成文法の中心関心領域からずれてしまうような気がします。

>創造論者の常套句 でもありますしね
そうなんですよね。チョムスキーの言い方は創造論者を思わせる部分が多々あります。
まるでsuper-engineerか神の手によるような完璧な設計を言語はしている、と言うのです。
もちろんこれは喩えであって、実際にそうだと言っているのでは決してありません
(たぶん……笑)

>>37
むしろ方法論や発想法において、言語学と生物学は昔から非常に近い関係にあったと
思っているのですが。例えば歴史言語学はそのまんま、進化生物学の言語学への
拡張だったと思います。逆にリンデンマイアーのLシステムは句構造文法の植物形態学
への応用という感じではなかったですか。また、柴谷篤弘氏や池田清彦氏が唱導される
構造主義生物学も言語学を基盤にした生物学の試みであると思います。
あと、上で名前の挙がっていたMaynard-Smith & Szathmaryとか、読まれました?
彼らにはLanguage and Life というタイトルの好論文もあります。
421:2000/12/27(水) 03:58
>>38
トホホな本を挙げてしまい、すみません>「分かる本」 ヽ(´Д`;)ノ
一番初歩から、ということでしたので……まさか買ったりしてませんよね?(笑)

ピンカーは基本的にはチョムスキーに賛同しながらも、言語の起源と進化を巡っては
ネオ・ダーウィニズムを採択し、断続平衡説を採るチョムスキー=グールド連合軍に
徹底抗戦しています。で、私見では両者の間に本当の対立は存在せず、問題設定の
レベルが異なるだけではないかと思うのです。自然選択が作用する以前の問題として、
そもそもありえる選択肢、起こり得る変異というのが厳しく規定されるであろう、
その段階を考慮せずして、なにが自然選択万能論か、自然選択自体には何物をも
生み出す力はないのだぞ、というのがチョムスキーの基本姿勢だと理解しています。
従ってチョムスキーはダーウィン進化論を真っ向から否定するというより、それを
さらに強固なものにするために補わなければならないものを、人間言語を考察する
ことによって見つけることを示唆しているのだ、と私は勝手に解釈しています。
ちょうど、カウフマンが「自律的な自己組織化」を唱えたように、言語も自然選択の
ような外圧のみではなく、自らの内にある構造原理に従って成立するものだ、という
ことではないでしょうか。
43通りすがり:2000/12/27(水) 17:42
シグナルの送信者と受信者が概念を共有できるなら,シグナルはどのよう
なものでも良いのではないでしょうか? その意味で,シグナルには解が
いっぱいあると思います.つまり,「言語に最適解がないから変化する」
のではなく「シグナルはその機能が維持される限り中立だから変化する」
のではないでしょうか.(「最適解がない」のではなく,「解」がたくさ
んあるということです).

だとするなら,送信者と受信者の関係を壊さない限りシグナルの変化は
中立的であり,「地域的な分化」はそのために生じているでしょう.
それは,多くの言語間で(厳密ではないにせよ)翻訳が可能なことに示さ
れています.例えば,英語の「This」は日本語では「これ」と置き換える
ことができるわけで,このことは同じ概念をあらわすシグナルの解が多様
であることを示しています.

ただ,シグナルの記号化のルールと解読のルールが連動して変化する必要が
あります.一方だけルールを変えては意思疎通が不可能になりますから.
その意味で変化の速度は遅いかも知れませんね.

的外れなコメントならごめんなさい.しろーとですから….
44名無しゲノムのクローンさん:2000/12/27(水) 18:16
言語って複雑から単純に推移してるイメージがあるんだけど。
複雑な文法、微妙な発音、等々の要素が整理されて次第に
最適化(?)されていってる、というような。

一方で数限りなく無駄なものを生み出していってるし。
誰か「しーうーのあらまんちゅ」や「あっちょんぶりけ」の意味を
教えてくれ。
45名無しゲノムのクローンさん:2001/01/10(水) 18:47
あげ
46名無しゲノムのクローンさん:2001/01/18(木) 00:20
age
47名無しゲノムのクローンさん:2001/01/18(木) 02:42
Nowak、scienceに出てたね。
48名無しゲノムのクローンさん:2001/01/25(木) 13:14
4944じゃないけどBJ好き:2001/01/25(木) 14:03
>>48
ありがとう!!!
50名無しゲノムのローンさん:2001/02/03(土) 00:49
対抗age
51 :2001/03/06(火) 06:46
52名無しゲノムのクローンさん:2001/03/31(土) 09:12
age
53名無しゲノムのクローンさん:2001/05/18(金) 00:28
a
54名無しゲノムのクローンさん:2001/05/21(月) 11:58
ge
55名無しさん
復活age。

言語遺伝子を同定せよ!