「進化論」覆す?獲得形質はRNAにより遺伝する

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1名無しゲノムのクローンさん
米コロンビア大学、線虫で証明
 米コロンビア大学の研究チームは、獲得形質が遺伝することを示す直接的な証拠を世界に先駆けて発見したと、Cell(2011; 147: 1248-1256)に報告した。
ダーウィンの進化論によって否定されたと思われていたラマルクによる獲得形質の遺伝が、必ずしも起こりえないことではないと示されたことになる。


再評価されつつある獲得形質の遺伝

 獲得形質は生物個体が一生の間に獲得した新しい能力や特徴のことで、ラマルクは、キリンの首に代表されるような一代で少しだけ伸びた首という獲得形質が、
次世代に遺伝することを繰り返した結果、少しずつ長くなって、あの長い首を進化させたのだという進化理論を提唱した。

 しかし、ランダムな突然変異と適者生存の原理により、同様にキリンの長い首を説明できたダーウィンの進化論が、遺伝子の本体やその遺伝メカニズムといった物理的根拠を得ることにより市民権を獲得したのに対し、
そのメカニズムを説明し切れなかったラマルクの説は、生物学の表舞台からの降板を余儀なくされたのだった。

 ところが近年、獲得形質が遺伝したと考えられる事例が多く報告されるようになり(関連記事)、そのメカニズムを含む議論が再燃しつつあった。
そんな中、コロンビア大学のOded Rechavi氏らは、獲得形質遺伝のメカニズムが、ダーウィン進化論もよりどころとする従来の遺伝のメカニズムでもなければ、
近年脚光を浴びているDNAやクロマチン(DNAと蛋白質の複合体)の化学修飾が関与するエピジェネティックなメカニズムでもない、
生殖細胞を通して次世代に伝わるRNA分子そのものにあることを突き止めたのだ。
2名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:14:33.61
RNA干渉によって獲得した形質は遺伝するか

 Rechavi氏らは、獲得形質を与えるものとして、ウイルスなどに感染した際、その複製過程で生じる2本鎖RNAを検知、分解し、感染を阻止するための防御機構であるRNA干渉という現象に着目した。
RNA干渉による感染防御は通常、ヒトの免疫のように、そのウイルスに感染した個体一代限りの獲得形質と考えられるからだ。
ただし、後の世代でウイルスに感染すれば、再びこのRNA干渉による感染防御が成立するため、初代で一度感染させ、獲得形質を成立させた後は、後の世代で再び新たに成立させない工夫が必要だった。
それが、RNA干渉に必要な遺伝子を欠損していて、RNA干渉を行えない突然変異体とかけ合わせるという方法だった。

 Flock Houseウイルスと呼ばれる線虫のウイルス遺伝子を組み込んだトランスジェニック線虫を使って、熱ショックプロモータによりウイルス遺伝子を強制発現させると、RNA干渉が発動し、ウイルス遺伝子の増幅は阻止され、獲得形質が成立する。
次にこの個体を、RNA干渉に必要な遺伝子を欠損している突然変異体とかけ合わせると、通常であればメンデルの法則にのっとって熱ショックによりウイルス遺伝子が増幅する個体が、孫世代では1:3の割合で出現するはずだった。
なぜなら、これらの個体は、既にRNA干渉に必要な遺伝子を完全に失っているので、ウイルス遺伝子の増幅を阻止できないはずだからだ。

 しかし、ウイルス遺伝子を増幅できた個体は、ひ孫世代まで全く現れなかった。さらに一部の個体では、100世代目でも現れなかったという。
したがって、これらの個体におけるウイルス遺伝子の増幅阻止能力は、継代の途中で新たに獲得したものではなく、初代で得た獲得形質が世代を経て継承されたものだと考えられるのだ。
3名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:15:06.37
獲得形質として遺伝するRNA分子

 Rechavi氏らは、さらに線虫の遺伝学を駆使した入念な対照実験と、遺伝的背景や世代の異なる線虫が持つ短鎖RNAの配列解読を行った。
その結果、初代の個体におけるRNA干渉の過程で生成され、最終的にウイルス遺伝子の増幅を阻害するウイルス遺伝子特異的短鎖RNAが、RNA干渉を行えない突然変異体との継代の間でも、希釈されることなく維持されていることを明らかにした。
また、この短鎖RNAの維持に線虫自身が持つ内在性のRNA依存性RNA合成酵素が必要なことも分かった。

 これらの結果から、初代の個体で獲得した形質は、短鎖RNA分子という形で次世代へと伝えられた可能性が示唆されたことになる。

 今回、明らかになったRNAによる獲得形質の遺伝というメカニズムが、RNA干渉によって得られた獲得形質にだけ成り立つもので、あらゆる獲得形質の遺伝を説明することはできないのではないのかという疑問は、当然あるだろう。
しかし、研究の流れに一定の方向性を与えた画期的な成果であることは間違いないと思われる。

http://ohno.coresv.com/mt_337impressions/archives/2012/01/_rna_2.html
4名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:16:55.75
[ナゾ謎かがく]「恐怖の記憶」が遺伝する? 常識覆す実験結果に脚光

 科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に昨年12月、議論を呼ぶ論文が載った。「恐怖の記憶」が子孫に遺伝することをネズミの実験で示したという。
学習や経験は遺伝しないとする生物学の常識を覆しかねない。

 米エモリー大学の研究者はネズミに化学物質アセトフェノンのにおいをかがせて電気ショックを与えた。アセトフェノンはアーモンドやサクランボに似たにおいがする。
 実験を繰り返すとネズミはにおいをかいだだけで痛みに身構えるようになる。これだけなら、よく知られた条件反射だ。

 研究グループが電気ショックを学習したネズミの子どもを調べたところ、アセトフェノンのにおいをかいだだけで反応する傾向がみられた。
学習していないネズミの子らと比べると、においに対する反応が敏感だった。この現象は孫の世代にもみられたという。
 学習した親ネズミとその子孫では脳の神経細胞にも変化がみられた。アセトフェノンのにおいを感じるレセプター(受容体)が、普通のネズミより増えていたのだ。
 この実験結果をエモリー大学の研究者らは「恐怖の記憶」が子や孫に伝わったことを示唆したと解釈する。ただ、仕組みはわかっていないとも論文に明記した。
5名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:17:36.69
 フランスの生物学者、ラマルクは19世紀初めに唱えた生物進化に関する仮説で「獲得形質の遺伝」を主張した。キリンの首が長いのは何世代もの間、キリンが高いところへ首を伸ばす努力をした結果だとみた。
祖先の経験や学習の結果が遺伝することが生物進化の原動力のひとつだと考えた。
 しかしラマルクの仮説は、生物学の発展のなかで否定された。進化は突然変異の中から生存や生殖に有利なものが自然に選択されて起きると今は考えられている。親が獲得した経験は遺伝しない。これが定説だ。
 近年「エピジェネティクス」と呼ぶ現象が注目を集めている。遺伝子自体には変異がなくても、遺伝子の集合体であるDNAに他の分子がくっつくことで遺伝子の働きが制限されることがある。
研究者らはエピジェネティクスが今回の実験に関わる可能性を探っている。
 この実験からは電気ショックの経験がどうやって細胞レベルにおける何らかの変化をもたらすのかはわからない。
 国立遺伝学研究所の五條堀孝教授は「もし本当ならラマルクの再評価になりうるが、現状では証拠が足りない」と話す。

(編集委員 滝順一)

[日経新聞1月5日朝刊P.15]

http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/186.html
6宇宙人:2014/07/04(金) 11:24:07.85
はやく3番目貼り付けろ!!☆!☆、
7名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:31:26.18
獲得形質が遺伝するなんて、みんなバカにしていたけれど、科学ってすごいね。

昨日までの絶対的な定説だったものが、今日にはくつがえされてしまうかもしれないんだな。

獲得形質は絶対遺伝しないと思ったまま死んでいった生物学者はかわいそす。w
8宇宙人:2014/07/04(金) 11:31:41.37
なんだ、5番目貼り付け終わったら、終わりか!
要は、生物の遺伝情報が、環境要因や生活要因で変わると・・
そういうこと言ってんの!2行で終わった!コピペいらん!!☆!☆、
9名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 11:34:24.37
>>8
>要は、生物の遺伝情報が、環境要因や生活要因で変わると・・

で、その「環境要因や生活要因で変わる生物の遺伝情報」は、どこから来たのかな?

獲得形質の遺伝による可能性があると指摘されているわけだよね。w

キミはそんな硬いアタマじゃ、新たな発見なんかできそうもないね。
10名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 12:04:24.95
へー凄いね。
でも獲得形質の遺伝は一部の生物では確認されていたわけだし。
11名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 12:37:38.79
>>1
全然進化論は覆ってないんだけど、タイトルおかしくねえ?
12名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 16:11:04.10
ダーウィン「進化論は、ありマース」
13名無しゲノムのクローンさん:2014/07/04(金) 23:26:05.96
覆すという意味が本当に理解しているのかな?
14名無しゲノムのクローンさん:2014/07/05(土) 11:09:08.70
この文章でいうRNA干渉ってRNAiのことだよな?
15名無しゲノムのクローンさん:2014/07/05(土) 16:42:44.02
発現する確率や頻度が上がるというだけで元となる遺伝子が必要なのは変わりないよな
ただ遺伝子の自然選択の速度は確実に早めるだろうけど
16名無しゲノムのクローンさん:2014/07/06(日) 09:06:09.62
wikiの自然選択説に獲得形質は遺伝しないって記述がまだ残ってるけど編集し直した方がいいのだろうか?
17名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 03:34:33.73
ゲノムに書き込まれた情報が遺伝してるだけじゃないの
18名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 10:24:24.12
昔みたいな、ガリガリの進化論原理主義者は、さすがにいなくなったようだね。
まあ、>10 >獲得形質の遺伝は一部の生物では確認されていたわけだし。・・・とか言うことらしいから当然か。www
19名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 10:36:43.61
小保方さんが酔っ払って、手摺の上によじ登ったんですよ。
8階の吹き抜けでした。
危なかっしいなって見ていたけど、次の瞬間、小保方さんの姿が見えなくなっていたんです。
何処に消えたんだろうって不思議に思いました。
20名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 11:45:38.95
獲得形質が遺伝する、っていうより、後天的に改変可能でなおかつ遺伝する遺伝子がある、って感じだな。
21名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 16:09:19.37
生殖細胞の突然変異した遺伝子がたまたま獲得形質が出現した様に見えただけとか?
22名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 16:44:03.34
例えば従来の殺鼠剤が通用しないスーパーラットは一生懸命殺鼠剤に耐える訓練をして獲得したものなのかな?
違うだろ
23名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 17:19:43.57
昆虫の薬剤耐性でも獲得形質が遺伝したとでもいうのか?
24名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 18:54:03.51
結核菌とかの菌類から抗生物質に耐性を持つものがでてきたり
雑草も除草剤が効かない物が出てきたりするんだから
鼠でも100万匹とかあるいはそれ以上か
犠牲にすれば獲得する奴がいるんじゃないの
25名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 18:57:40.65
そういう薬を作るやつらの陰謀だったんだよ!
26名無しゲノムのクローンさん:2014/07/08(火) 23:52:39.93
>>24
それは獲得じゃなく突然変異
27名無しゲノムのクローンさん:2014/07/10(木) 16:41:51.60
>>20
>獲得形質が遺伝する、っていうより、後天的に改変可能でなおかつ遺伝する遺伝子がある、って感じだな。

それでもええよ。

問題は、後天的に改変可能でなおかつ遺伝する遺伝子が出現しやすくなるという点にあるんだろ。
だから、獲得形質と言ってもエーンじゃね。w
まあ、正しくは獲得遺伝子というべきかな。www
しかし、形質の発現がなければ遺伝子の優位性が出現しないとすれば、獲得形質の遺伝で問題ないわな。wwww
28名無しゲノムのクローンさん:2014/07/10(木) 17:34:33.97
>>27
>後天的に改変可能でなおかつ遺伝する遺伝子が出現しやすくなる

それは違うだろ。
遺伝子を後天的に改変可能なシステムが最初から遺伝的に用意されていて、
それが動作するためのキューが「ある形質を獲得すること」なだけだし。
29名無しゲノムのクローンさん:2014/07/10(木) 20:26:33.28
>>28
そのキューを出す遺伝子もあるのか?
30名無しゲノムのクローンさん:2014/07/14(月) 14:25:15.38
>>28
>それが動作するためのキューが「ある形質を獲得すること」なだけだし。

だから、出やすいキューと出にくいキューがあるんだよ。
猿の蛇恐怖は、他の猿が蛇に恐怖している場面を1回見ただけで学習されるという。
しかし、花に恐怖する猿がいて、それを見た猿が花に恐怖するようにはならない。

これは、獲得形質の遺伝だと考えることも出来る。
ある現象を二つの方法で説明できるのなら、両方の方法を模索すべきであって、今までの思い込みから一方を破棄するのは科学的姿勢ではない。
31名無しゲノムのクローンさん:2014/07/14(月) 21:08:45.09
キューだ何だとまわりくどい言い回しされると
おじさんには却って分からなくなるなあ

簡単にまとめると
DNAにコードされたウイルス抵抗性の遺伝子が、
ウイルスの侵入によってRNAに転写されて、
そのRNA分子がウイルスの増殖を抑えるなり何なりすると。

で、そのウイルスの増殖を抑える能力を持つRNA分子は、
細胞質を通じて次世代に受け渡される。
そしてそのウイルス抵抗能力は(RNAがある限り)大元のDNAを持ってなくても受け継がれる。

そんで、そのRNA分子(ウイルス抵抗性)は、
その線虫のもつRNA合成機能によって、ひ孫くらいまでは維持し続けられると。

つまり
ウイルスへの反応として生じたウイルス抵抗性が
世代を経ても維持されてるから獲得形質の遺伝だ
という話な。
32名無しゲノムのクローンさん:2014/07/14(月) 21:12:06.47
でも結局のところ
(RNA合成機能によって割と長く残るというのはポイント高いものの)
大元の親世代によって発現した遺伝子が
せいぜい3世代(長ければ100世代くらい)残る、
つまりそれは親の遺伝子発現の“残り香”ってわけだ

ラマルクの用不用説ってのは
獲得形質が遺伝するってのだけがミソなのではなくて
【使い続けることによって発達し、それが世代を超えて受け継がれる】
(首を伸ばし続けてたらそいつの首は長くなり、子に受け継がれ、さらに伸ばし続けたら〜)
ということ

今回の獲得形質“ウイルスへの抵抗性”ってのは
子に受け継がれてもそれ以上発達させるものじゃないな
つまりこの研究がラマルク説の復権に繋がるわけじゃないな
33名無しゲノムのクローンさん:2014/07/14(月) 21:13:22.19
×発現した遺伝子が
○発現した遺伝子の効果が
34名無しゲノムのクローンさん:2014/07/14(月) 21:39:21.55
ついでに
「獲得形質の遺伝」
「ダーウィニズム(自然選択説)」
「ラマルク説(用不用説)」
の関係について整理しちゃおう。
これ、元記事も混乱して勘違いしてるっぽいしな。

ダーウィンが「自然選択説」を発表した頃は
そもそも遺伝のメカニズムがほぼブラックボックスで、
ダーウィン自身は「獲得形質の遺伝」も視野に入れて仮説を構築している。

つまり「ダーウィニズム(自然選択説)」が獲得形質の遺伝を否定したわけではない。

「ダーウィニズム」によって否定されうる、つまり対となりうるのは
「獲得形質の遺伝」そのものではなく、それを前提とした「ラマルク説(用不用説)」のほう。

世代を超えて発達するのは、
使い続けて僅かに発達したものが受け継がれていく or 他よりもわずかに発達したものが残っていく
どっちなのか、という話な(もちろん両方という答えもありうる)。

「ラマルク説(用不用説)」は「獲得形質の遺伝」が前提なので
「獲得形質の遺伝」が否定されると一緒に否定される
そんで、「ダーウィニズム(自然選択説)」の支持者だった学者(ヴァイスマンなど)が
実験によって「獲得形質の遺伝」を否定し、それによって「ラマルク説(用不用説)」を否定した。
35名無しゲノムのクローンさん
>>34の関係より、
「獲得形質の遺伝」が証明されたところで
「ダーウィニズム(自然選択説)」が覆るわけではないし
「ラマルク説(用不用説)」が肯定されるわけでもない。

仮に「獲得形質の遺伝」が証明されても
「ラマルク説(用不用説)」にとっては、
前提が間違いではなかったというだけで説そのものが証明されるわけではない。
「ダーウィン説(自然選択説)」にとっては、
前提としている集団内の遺伝的変異の源に、
突然変異だけじゃなくて獲得形質も含まれるようになったというだけで
少々複雑にはなるが覆すものではない。