フリーズドライで希少動物の精子保存
8月27日 19時44分 NHKニュース
インスタント食品の製造に使われるフリーズドライの技術を使って、チンパンジーやキリ
ンの精子を凍結保存することに、京都大学のグループが成功しました。
国内の動物園と共同で、希少な野生動物の精子を長期間保存する取り組みを始めると
いうことです。
京都大学医学研究科の金子武人講師のグループは、チンパンジーやキリンの精子を、
DNAを保護する特殊な液体に入れたあと、インスタント食品の製造に使うフリーズドライ
と呼ばれる凍結乾燥の技術を使って保存しました。
そして、1か月後に水を加えて元の状態に戻したところ、精子は卵子と受精し、受精能力
が保たれていることが確認できたということです。
動物の精子の保存は、マイナス200度近い低温になる液体窒素などを使って行われて
いますが、今回の方法では、家庭にある冷蔵庫でも保存が可能で、大幅なコスト削減に
つながるということです。
グループでは、フリーズドライで5年間凍結保存したネズミの精子を使い、子どもを誕生
させることにも成功していて、今後、希少な野生動物の精子を長期間保存する取り組み
を京都市動物園と始めることにしています。
研究を行った金子講師は「今回の技術を使えば、安いコストでより多くの野生動物の精
子を保存できるようになる。国内の他の動物園にも広く協力を呼びかけたい」と話して
います。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130827/k10014075461000.html