【口蹄疫】「もっと大変なウイルスも…発生規模に応じた対応を」村上教授
2010.7.27
口蹄疫をめぐる移動制限完全解除について、村上洋介・帝京科学大教授
(動物ウイルス学)に話を聞いた。
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口蹄疫は症状がなくてもウイルスを出す邪悪な病気。十分に調査し、体制の
漏れを検証することが大事だ。現行法で防疫の主体は都道府県だが、発生規模
やウイルスの性質により、都道府県や農水省、最終的には国を挙げてと、対応
主体をスムーズに変える体制を作っておくべきだ。
WTO(世界貿易機関)のルールでは、口蹄疫が発生していない「清浄国」として
国際的に認められなければ、発生国からの輸入を断れない。清浄国への復帰は
国内で安全な畜産物を食べる上で重要だ−という観点で国も都道府県も対応や
備えをすべきだ。
口蹄疫は東アジアで頻発し、これで済むとは思えない。ウイルスには7種類あり、
今回のO型タイプは比較的やさしいもの。もっと大変なものも存在する。こうした
病気が世界にあることを一般の人も認識し、「家畜の感染症が大きな影響をもた
らす」ということを忘れないでほしい。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100727/biz1007270034002-n1.htm