博士号を取得しながら、定職に就けない「ポストドクター(ポスドク)」が急増するなか、
大阪府教委と大阪教育大は、来年度から京都大大学院理学研究科のポスドクらのうち、
教員を目指す人を対象に、高校の理数系の専門教員として養成するプログラムを開設する。
ポスドクの活用と、子どもの理数離れの食い止めを同時に狙った策で、
現場実習や教員免許に必要な科目を受けることができる全国初の試みという。
府教委と大教大は、教員養成に関する協力協定を結んでいる。
2012年度以降に実施される新高校学習指導要領で、理数科目で高度な教育が認められるのを受け、専門的な知識を持つ教員の養成を計画。
200人以上在籍するポスドクの幅広い活用を模索していた京大側の思惑と一致、協力協定を結んだ。
博士号と教員資格を取得済みか取得見込みの学生、研究員らが対象。
年間5人程度で、期間は2年間。
京大が推薦し、大教大が選考する。
受講無料で、大教大の教員らが週2回程度、模擬授業などを通じて指導する。
府内の公立中高に週1回ほど通い、現場での経験も積ませる。
ポスドクら博士の教員採用は秋田、岩手両県などで行われている。
秋田県は08年度から、理系博士7人を採用。
現在、普通科、農工の実業高など5校で授業を受け持ち、小中学校の出前授業もこなす。
難解な先端科学もわかりやすいと好評だ。
同県は過去3回の全国学力テストで、小学校の算数、中学校の数学でトップクラスを誇る。
プログラム修了者の大阪府での採用は今のところ未定だが、
田中保和・府教委教育監は「理系教育の充実につながる」と期待する。
ソース:YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091206-OYT1T00457.htm