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<スペイン風邪>ウイルス再現 免疫異常で増殖、毒性強く (2007年)1月18日3時9分配信 毎日新聞
1918年に世界的大流行を起こしたインフルエンザ「スペイン風邪」のウイルスが、各種のインフルエンザの
中でも特に毒性が強かった(高病原性)ことを、東大医科学研究所とカナダ・米国の共同研究グループがサル
の実験で示した。感染したサルは免疫反応をうまく起こせず、ウイルスの大量増殖を許して、回復不能な状態
に陥った。18日の英科学誌ネイチャーに論文を発表する。
同研究所の河岡義裕教授らは、カナダ公衆衛生局のダーウィン・コバサ研究員らと協力し、解明済みの遺伝
子配列からスペイン風邪ウイルスを人工的に再現。サル7匹の鼻や気道に注入した。
その結果、サルは重い肺炎を起こし、呼吸困難に陥った。回復不能となり、それ以上苦しませないため感染
8日後に安楽死させたサルは、肺の中に水分が大量にたまり、水死に近い状態だった。
これに対し、普通のインフルエンザウイルスを感染させたサル3匹は、肺炎を起こさず軽い症状だけで回復した。
免疫の働きを調べると、普通のインフルエンザに感染したサルは、感染直後から体内でウイルス増殖を抑える
「インターフェロン」という物質を多く作っていた。感染8日後には、ウイルスはほとんど検出されなかった。一方、
スペイン風邪ウイルスのサルはインターフェロンをほとんど作らず、感染8日後も大量のウイルスが検出された。
河岡教授は「サルを殺すほど強いインフルエンザウイルスは他にない。免疫反応の異常は、鳥インフルエンザ
(H5N1型)が人に感染した場合にもみられる。悪性のインフルエンザに共通なのかもしれない」と指摘している。
【高木昭午】
「スペイン風邪」を人工合成、鳥インフル解明に道筋
2007年1月18日(木)03:01 読売新聞
1918年に大流行したインフルエンザ「スペイン風邪」のウイルスを人工的に作り出し、サルに感染させると、
異常な免疫反応が起きて致死性の肺炎になることを、河岡義裕・東大医科学研究所教授らが突き止めた。
高病原性鳥インフルエンザも似た症状を人や動物で起こすことがあるが、このウイルスは実験に使うサルに
感染させても症状が出にくい。スペイン風邪ウイルスがサルに起こす症状を抑える手法が確立できれば、高病
原性鳥インフルエンザの治療や感染予防につながると期待されている。
18日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
スペイン風邪が流行した当時はウイルス検出技術がなく、発症の仕組みは確かめられなかった。このため、
研究チームはスペイン風邪のウイルスを、最近解明された遺伝子配列をもとに人工合成し、カニクイザルに
感染させた。その結果、1日以内に衰弱して食欲がなくなり、8日目には呼吸器状態が非常に悪化。気道全体
から増殖した高濃度のウイルスが検出された。
「スペイン風邪」免疫異常で重症化 人工ウイルスで実験
2007年1月18日(木)06:10 朝日新聞
世界で大流行した「スペイン風邪」と呼ばれるインフルエンザのウイルスが、ウイルスに対抗する免疫機能の
異常を引き起こす強い病原性によってサルを死なせてしまうことを、河岡義裕・東京大医科学研究所教授を
中心とする日米カナダの研究グループが実験で示した。18日付の英科学誌ネイチャーで発表する。
1918年から数年間猛威をふるったスペイン風邪は、全世界で4000万人の死者を出したとも言われている。
その後、残されていた当時の標本などからウイルスの遺伝子配列がわかり、同じウイルスを人工的に作り出せ
るようになった。グループは、人工ウイルスを生物学的にヒトに近いカニクイザルに感染させ、症状を調べた。
ヒトやサルはウイルスに感染すると、その活動を阻止しようとする免疫機能が体内で働く。ウイルスの増殖を
阻止するため、インターフェロンというたんぱく質を分泌することなどが知られる。
ところが、この人工ウイルスに感染させたサルの場合、インターフェロンの分泌が抑えられるなどの異常が
現れた。その結果、体内でウイルスが増え続けて肺炎や肺水腫を起こし、死に至ることがわかった。インフル
エンザウイルスが、マウスなどに重い症状を起こすことは実験で確かめられていたが、サルの仲間で重症化の
仕組みが確認できたのは初めてだ。
現在、アジアを中心に問題となっている鳥インフルエンザウイルスがヒトに重い症状を起こすのも、同様の
仕組みで説明できる可能性がある。河岡教授は「さらに研究を進めることで、鳥インフルエンザや新型インフル
エンザの治療に役立てたい」と話している。
【世界の】東京大学医科学研究所【医科研】
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/life/1198811399/926-928