鳥インフルエンザのパンデミック化をみたい

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420名無しゲノムのクローンさん
感染症対策 地球温暖化の影響は甚大
公明新聞:2007年7月6日

専門医育成と防御網構築図れ

媒介生物が北上へ

 国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)や国連環境計画(UNEP)、先月開かれたG8(主要8カ国会議)などで、地球温暖化対策に論議が集中した。
 IPCCなどによる、気候変動影響予測で重要なのは、降水量の減少、氷山・氷河・凍土の融解、洪水、干ばつ、海面上昇から水不足や食糧不足による飢餓難民の急増といった問題にとどまらない。
 地球の温暖化が進めば、動植物の生態系地図のグローバル(地球的規模の)な変化を促す。亜熱帯や熱帯の動植物から、蚊やハエ、ダニ、ノミのような感染症媒介生物の北上を容易にする。
 人類はいま、地球的規模の感染症対策の再構築を迫られている。

 わが国の感染症対策の脆弱性を露呈したのは、今春の、はしか(麻疹)の流行だ。
 世界保健機関(WHO)は、2012年までに世界中から、はしかの罹患者を出さない「排除」の状態の達成を目指している。
 米国や韓国は、予防接種でその水準に到達したものの、わが国は毎年、10万〜20万人も罹患する状況から脱していない。
 本年の流行はかろうじて6年前の大流行の1割程度にとどまったが、予防医療体制の遅れは否めない。

 世界中で緊急性の高い課題のトップに挙げられる感染症対策は、新型インフルエンザ対策であろう。
 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスが、人から人へ感染する新型インフルエンザに変異した場合、人類に及ぼす被害の大きさは計り知れない。
 2003年以降、高病原性鳥インフルエンザによって、インドネシアで81人が感染し63人が死亡、ベトナムでも93人が感染し42人死亡した。
 新型インフルエンザへの変異は時間の問題とみられる。国際的医療機関や各国首脳は、共同対応への協議に余念がない。