茨城県:コイヘルペスに負けない 養殖再開プロジェクト
茨城県は06年度、コイヘルペスウイルス(KHV)の感染で中止されている霞ケ浦の食用コイ養殖再開を目指すプロジェクトを始める。
再開の前提として国が求めるKHV根絶は困難と判断、感染しても発病しない耐性コイ開発、安全な出荷・流通確立などウイルスと「共存」して約3年後の再開を目指す。06年度予算案に約8800万円を計上する。
プロジェクトでは、昨年8月に始めた耐性コイの開発研究を継続し、加工・流通マニュアルを作成。コイの消費県などと調整して出荷体制を整える。コイは通常、生きたまま出荷するが、当面はKHVが死滅するよう加工して出荷する。
霞ケ浦では、かつて全国のコイ出荷量の半分を超える年間5000トン以上を生産していたが、03年秋にKHVが発生し、養殖コイをすべて処分した。
県は「コイ養殖の長い歴史がKHVのために途絶えてしまうのは避けたい。KHVとうまく付き合う『茨城方式』を確立したい」と意気込む。農水省水産安全室は「県の具体的な方針を聞いて対応を考える」と話している。【須田桃子】
毎日新聞 2006年2月15日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060215k0000m040143000c.html