現代生物学と今西進化論

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ちょっと教えてほしいのだが、単発質問スレは質問スレでやれといわれそうだが恐らくスレ使い切るくらい議論が発展してくれると見込んでるので許してちょ、
先ほど、中央公論社から出ている『ダーウィン』の解説を読んだんだ。
その中で今西は「多発的進化論」を提唱し、生命は機械論的盲目的な突然変異を遂げるのではなく内在する意思によって変異する、と言うような主張をしていた。
ただ、普通に考えて、そんな都合よく突然変異が現れるの?という今西が否定する機械論的進化論的視点から疑問に思ってしまった。
むしろ、突然変異による、群れの進化は性淘汰、つまり有性生殖によるメスの選り好みで現れると思うのだが。
現代生物学ではどの立場が支持されているのだろうか。教えてくれ。




2:03/11/04 01:13
「多発的進化論」(環境の急激な変化によって突然変異が急速に行われる)も余り根拠がなさそうなんだが一応まぁいいだろう。
ただ、個体の意思(無意識?必要性、願望)によって、子孫に有用な突然変異が現れるなんてありえるのだろうか。


3名無しゲノムのクローンさん:03/11/04 01:13
今西きん2ゲト
4名無しゲノムのクローンさん:03/11/04 07:54
おれも昔はかなりハマったもんだが、今冷静になって考えてみるとそのメカニズムについては全く考察がないのよね。
彼の筆力に寄るところも大きいと思う。
5名無しゲノムのクローンさん:03/11/04 09:24
今日的には、科学と言うよりは「おはなし」。
>生命は機械論的盲目的な突然変異を遂げるのではなく内在する意思によって変異する、と言うような主張をしていた。

株式相場とかの動きが「神の意思による」とか言うようなのと同じもんだと思うが。
カオスな現象は意味ありげに見えやすい。
7名無しゲノムのクローンさん:03/11/04 19:24
今西さんは科学者というより思想家だからね。
8名無しゲノムのクローンさん:03/11/04 19:32
>7
知ったかぶりはやめて『サルとすし職人』でも読みなされ
9名無しゲノムのクローンさん:03/11/06 07:58
「変わるべくして変わる」といってもなあ。今は適応度と遺伝的浮動とかで説明できるんでないの。
「変わるべくして変わる」というのは「ナチュラルドリフト」のことだと思われます。
(F.J.Varella.参照)
したがって適応度とか遺伝的浮動では扱いきれない少々難しい概念でしょう。
11名無しゲノムのクローンさん:03/11/06 19:04
「変わるべくして変わる」には積極的な姿勢があるよね。そこのところが
適応度なんかの概念と決定的に違うと思われる。
12:03/11/08 06:02
今西読み込んでからスレ立てればよかったかなぁと少々後悔。

余談)
さっきNHKの人体シリーズのDVD見てた。
細胞内では遺伝情報に従ってその通りにたんぱく質を製造され、統括遺伝子によって人体の部分部分の形が整えられる。
生命が意識的に身体構造を変化させるなどと言うのは無論のことできるわけが無く、全てはDNAという設計図に従っている。
現代ではデザイナーズチャイルド?と言われ遺伝情報の操作により希望通りの身体構造や素質を持つ子供も作れる手前まで来ているそうだ。
現代において環境の要請どおりの個体を生物は作り出す事に成功したが、それ以前の身体構造の変異は全て「偶然」の手により長い年月をかけて作られた。
 別スレの某コテハンの仮説だが「遺伝子で人の容姿は産まれつき決まっているからそういう関係構造なんてありえない
なんて言い出す人がいるだろうが、遺伝子の複製過程に生じるコピーミスが脳内物質、或いは
身体の何れかの器官から分泌される成分に影響を受けるならば、感情の揺れ動きと言うものを
体内成分の分泌や振る舞いに還元する認知科学の分野においても成り立ち得る仮説として提示することが可能だ。
」と言うようなことを言っていた。
果たしてそうであろうか。眠いから良くわからない。またにしよう。







13:03/11/08 06:20
余談の続き)
まぁそういうこともあるかもしれない。
クラシック音楽を聞かせて育てた植物とそうでない植物では明らかな成長に及ぼす影響が見て取れたという、人間であってもそうなのだろう。
にも拘らず、種を乗り越えるような変異が一代で可能になると言う事はありえないがな。
ねる
14名無しゲノムのクローンさん:03/11/09 10:23
>10
ナチュラルドリフトについて説明していただけませんか。ググッてもフィッシング用語しか出てこないんです。
15名無しゲノムのクローンさん:03/11/09 11:28
「棲み分け」にしても「変わるべくして変わる」も、自然選択で説明がつけられる現象に対して、「いや、こんなにうまく行ってるなんて、私にはとても自然選択とは思えない」って言ってるだけ。
>>14
varela natural drift で検索してみれ。
(10はvarellaになってるがlが一つ多い。タイプミスと思われ。)

あるいは、
Humberto R. Maturana and Francisco J. Varela. The Tree of Knowledge: The Biological Roots of Human Understanding. Shambhala Press, Boston, 1987.
(邦訳「知恵の樹」)
17名無しゲノムのクローンさん:03/11/09 14:10
>>16
Thanks.あたってみます。
18名無しゲノムのクローンさん:03/11/13 02:24
>>15
というよりは、「競争による自然選択」に対して「協調による自然選択」
を強調したのが今西進化論なんでは?
ダーウィニズムが欧米でも長らく誤読されてきた歴史からして、
これは全く無意味な主張だったとも思えない。
少なくとも20世紀前半までは、前者が不当に強調される土壌が
欧米にはあったから。

しかしそもそも「競争」と「協調」を排他的に捉えること自体が
ダーウィニズムの誤読なのだから、もうとっくに今西進化論の
役割は終わっている、と。
19名無しゲノムのクローンさん:03/11/13 08:06
いずれにせよ生物自体の自発的変化といういってみれば超自然的な力を容認するようなニュアンスがある。
そこが科学とはなりえない大きな原因では?
結局、ダーウィンや木村やグールトのような説得力をもって進化のメカニズムを語れていないからなぁ。
なんだか、選択万能論の中で議論が停滞しているようですね。

S.Kauffman,B.Goodwinなんかも参考にしてみてはいかがですか?

ちなみに私は今西進化論は科学ではない派です。
なぜなら科学的な仮説(反証可能性etcを満たす仮説)を提示しなかったからです。
ただし、前科学的な着想に満ちているので、大変有益な遺産だと思います。
進化論は『お話』の面が大きい。

基本的には、生殖系列細胞の遺伝子変異に基づく表現形変化へ種々の選択圧がかかることが原因。遺伝子型と表現形が必ずしも一致しない点や、選択圧のかかり方が偶然性に影響される面があるため様々な亜流の解釈が出てくる。単に生き残れたものが生き残っているだけ。

ところで実験進化学やってる四方って人は評価高いのですか?
23あぼーん
あぼーん