生物学ニュース

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DNA合成でバクテリアを創り出す計画進行 [2002/12/06]

 ヒトゲノムの解読で知られているクレイグ・ベンター氏は、このほど
人工的に合成したDNAを使って、新しいバクテリアをつくりだす計画が
あることを明らかにした。
 目的は、バクテリアに水素燃料を作らせたり、炭酸ガスを吸収させる
能力を付けることによって、地球環境問題の解決の一助とするためだという。
ただし、技術を悪用すれば、新しい生物兵器ともなりうる、として憂慮する人もいる。
 ベンター氏らは1995年から、マイコプラズマ科のバクテリアである
「Mycoplasma genitalium 」の遺伝子について研究を続けている。
このバクテリアは単純な構造で染色体は1本、遺伝子は517しかない。
研究者たちは、このバクテリアの遺伝子のうち、生存に不可欠な必要最小限の
遺伝子数は265、ないし350であることを突き止めた。そこで、この最小限の
遺伝子と新たに組み込みたい遺伝子を化学物質から合成し、バクテリアの染色体に
入れて創作バクテリアを作ることを計画している。
 この「人工DNAによるバクテリア」計画は、新会社の手始となるプロジェクトで、
連邦政府エネルギー省もこれに300万ドル(3億6000万円)の研究費を補助している。
http://medwave.nikkeibp.co.jp/show/nh/news/220427