「難聴遺伝子」を発見 ◆東大医科研
先天的な難聴の原因となる遺伝子を、東大医科学研究所の中村祐輔教授と阿部聡子研究員ら
が突き止めた。 新たに開発した手法で、疑わしい遺伝子を約50種類見つけ出し、このうち1つが
実際に難聴の原因であることを確認した。 この遺伝子(CRYM)に変異があると、音を聞き分ける
内耳の中で音を伝えるリンパ液の圧力調整に異常が出ると見られる。
日常生活に支障を来すような難聴の患者は1000人に1人といわれ、その半数は遺伝的な原因が
あるとされる。
研究チームは、内耳で働く遺伝子に変異が起きると難聴が起こると推測。約2万3000個の遺伝
子の働きを臓器ごとに比べ、肺や心臓などほかの組織よりも内耳で活発に働く遺伝子を約50種類
見つけた。
このうち際立って働きの強いCRYMを、難聴患者で実際に調べたところ、この変異を持っていた。
中村教授は「ほかの疑わしい遺伝子も機能を解明していけば、難聴の治療に道が開ける」としている。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20030204so14.htm