>>332へのご返答。
一応、私は医師ですが専門外ですので、分かる範囲でお答えします。
1.
まず、マウス、ヒツジ、ヒトでは同一種でもプリオンタンパクにわずかなアミノ酸置換の
あることが知られています。
つまり同一種でも同じプリオンではありません。
そういったなかで、
プリオンのたんぱく質コドンに関して言えば、
感染の種の壁を規定するPrP遺伝子のcentral domain(95〜170番アミノ領域)において、
ヒツジとヒトのアミノ酸は8箇所で異なり、そのうち3箇所はウシはヒトと同一といわれます。
(感染の種差に関係する遺伝子の差)
番号 95 97 112 138 143 155 166 168
ヒト Thr Ser Met Ile Ser His Met Glu
ウシ Thr Gly Val Leu Ser His Val Gln
ヒツジ Ser Gly Val Leu Asn Thy Val Arg
上記を見れば、ヒツジからウシへの種の壁さえ越えれば、
ウシからヒトのほうが近いことが分かります。
(76個中5個の違いは「酷似」と言えるかどうか、私には即断できかねます。
なお、central domein以外ではウシはヒツジと7個しか違わず、
ウシとヒトとは30個以上違います。
(以上は、コドンの話ですが、現在、ガスクロマトグラフィーなどにかけて、アミノ酸置換や
化学収縮について研究されてきましたが、いまだその違いは発見できないことから、
感染性プリオンと正常プリオンの違いは立体構造の違いによると考えられています。
つまり「アミノ酸配列について言えば」上記の表のとおりであろうと言うこと)
>>334補足
つまりヒツジからヒトへは行きにくいが
ウシからヒトならまだ行けるということ。
なお、御質問はアミノ酸の配列でしたが、
異種間の伝達の可否はアミノ酸配列がいくつ違うかと言う、
数の問題でなく、「種の壁」を越えるためのカギとなる部分が
プリオンタンパクの特定の場所にあり、この場所が保たれているか
どうかによると推測されています。
根拠は、感染実験で種の系統差が大きいほど感染しにくいとは
言い切れなかったからです。