>>相続させる遺言による権利移転について対抗要件を必要とすると解すると
否とを問わず、甲に当該不動産の所有権移転登記を取得させることは、民法
1012条1項にいう「遺言の執行に必要な行為」に当たり、遺言執行者の
職務権限に属するものと解するのが相当である。もっとも、登記実務上、相
続させる遺言については不動産登記法27条により甲が単独で登記申請をす
ることができるとされているから、当該不動産が被相続人名義である限りは、
遺言執行者の職務は顕在化せず、遺言執行者は登記手続をすべき権利も義務も
有しない