824 :
名無し検定1級さん:
[特許法・実用新案法]
【問題T】
在外者甲は、「新規物質α」(以下「発明イ」という。)を自ら発明し、発明
イが除草効果を有する旨とともに明細書に記載して、パリ条約の同盟国に特許出願
A1をした後、その同盟国で発明イ及び発明イが除草効果を有する旨を刊行物Xに
発表した。甲は、その後に、新たに「新規物質αを有する除草剤」(以下「発明ロ」
という。)を自ら発明したので、発明ロを明細書に追加するとともに、発明イ及び
ロを請求の範囲に記載して、出願A1に基づくパリ条約による優先権を主張して日
本国を指定国に含む特許協力条約に基づく国際出願A2を英語でその同盟国にした。
出願A2は、その後、国際公開がされた。
一方、乙も、発明イを自ら発明し、発明イが除草効果を有する旨とともに明細書
に記載して、出願A1の出願の日前にパリ条約の同盟国に特許出願B1をした。その後、
乙は、自ら発明した発明ロを明細書に追加して、刊行物Xの発表の日後かつ出願A2
の国際出願日の前に、出願B1に基づくパリ条約による優先権を主張して日本国に
特許出願B2をした。その後、乙は、新規物質αの含有率が特定の数値範囲にある
場合に除草剤の除草効果が著しく向上することを示す実験結果をさらに明細書に
追加するとともに、発明イ及びロを特許請求の範囲に記載して。出願A2の国際
出願日の後かつ国際公開の日前に、出願B2に基づく特許法第41条の規定による
優先権のみを主張して特許出願B3をした。出願B3は、その後、出願公開がされた。
この設例において、以下の問いに答えよ。ただし、「パリ条約の同盟国」は、日本国
以外の国であり、いずれの出願も記載要件は満たされており、いかなる補正もなされ
ておらず、いずれの優先権の主張も違法になされ、一度なされた優先権の主張は取
り下げられていないものとする。