東芝社員、国家試験を不正受験 29人が実務経験偽る
2005年12月22日06時16分
東芝(本社・東京)の社員29人が02年、国家資格「1級電気工事施工管理技士」の学科試験で
受験資格を偽り、うち22人が合格していたことがわかった。受験には一定の実務経験が必要だが、
東芝は虚偽の実務経験証明書を発行し、試験機関である国土交通省の外郭団体に提出していた。
実地試験前に不正が発覚し、不合格者6人と未受験者1人を除く22人について合格が取り消された。
同省は03年、建設業法に基づき、監督態勢を徹底するよう東芝に勧告を出していた。
国交省関連の資格をめぐっては、三菱重工業(同)神戸造船所の社員28人が、
国交相認定の「監理技術者」資格者証を不正取得していたことが明らかになっている。
電気工事施工管理技士は、電気工事の施工計画を作成し、
現場の工程・品質管理をする専門家。1級と2級があり、1級になると、
3000万円以上の工事を下請け発注する際、現場配置が義務づけられている
「監理技術者」として従事できる。
東芝などによると、02年8月、同社の社内通報制度に不正受験の情報が
寄せられた。
〈東芝広報室の話〉 社内調査で事態が判明した後、
速やかに関係機関に報告し、対処した。現在は申請書作成に
あたって十分な指導を行うとともに、チェック態勢を整備し、
再発防止に努めている。