##平成15年度行政書士試験反省会 Part33 ##
───平成15年度行政書士試験を受験された皆様へ───
今年度本試験問題への多数のご意見、
ご批判に対する行政書士試験委員長としての公式見解をこの場をお借りして発表させて頂きたく存じます。
まず、各々の試験科目の作問につきましては各先生方に一任している次第でありまして、
それぞれ先生方がご自分の専門領域の範囲内で自己の良心と責任において作成しておられることを信じています。
つきましては個別の問題に対するご意見、ご批判は行政書士試験センターを介する形で各先生方に伝えて参ります。
次に今年度本試験の難問化の背景としましては、
今年7月に各都道府県行政書士会の会長名で行政書士試験センターへ意見書が提出されたことにあります。
その内容はおおむね「現在行政書士会への登録希望者が殺到しており既開業者も含めて市場が既に飽和状態にあり、
新規参入者がこれ以上増え続けると過当競争を招いて会員である既開業者の生活が成り立たなくなるから合格率を下げて
毎年の合格者数を司法試験並みの3000人程度にして欲しいという内容でした。
行政書士会からの合格率を下げるというこの提案の是非について
行政書士試験センターは検討会を設けこれを承認し、
その後試験委員長である私に合格率操作のための打診がありました。
私は各先生方と3度の会合を開き、
そのなかで試験委員の一人で国語を担当しておられる鈴木君から
「問題文を長文化しましょう。個数問題を増加させることも合格率低下には有効ですよ」
との提案がありました。
彼はまた「試験後に試験問題に関して受験生から厳しい批判が出るようでなければ合格率の低下は望めませんよ」
とも言っておりましたので、印刷所との関係で試験問題作成期限が迫っており
準備不足のまま鈴木くんの提案を受け入れました。
しかし、他の先生方からもこれに対する反対意見もなく今回の試験実施となりました。
確かに悪問、奇問の類の問題が多かった15年度本試験であったことは否めませんが
私どもも良問作成のためだけに日々の生活を費やすことは不可能であることをお含み頂き、
ご理解のほどお願いいたします。