書き込めなかった。。。
SSは一応アレで終わり。
>>1乙
ところで咲のキャラスレに咲照が投下されてたけどどうする?
まとめwiki行き?
あと照スレにも咲照菫っぽいのが投下されてたけど
1OTU!
8 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/10(日) 14:13:48 ID:KNAUN2B8
いつの間にか新しいスレが
9 :
同志社女子大学卒業 昭和36年生まれ:2010/01/10(日) 16:47:34 ID:3khMOq3g
>>3 GJ
久しぶりのネタじゃない咲照すげー良かった
咲も泣き虫で可愛いし照も優しいお姉ちゃんだし
できれば続編希望します
>>3 ええのう、実にええのう
この状態から照がああなるのがちょっと予想できないが
一体なにがあったんだか
>>17 結局別れちゃったならそのショックでとかかな
あ、まとめwiki一気に更新されてる。更新した人乙
>>18 覆そうになったその瞬間、咲に裏切られてって言う展開だったら憎さ百倍だな、確かに
21 :
清澄照@:2010/01/12(火) 02:51:47 ID:dwQv08+B
つSS 前スレ744の続き 5レスほど 出演:照和(壊れ気味)、咲衣久まこ優希
百合分:すみません エロ:ごめんなさい ばか度:すごいぞ if話。いろいろスルー願います。
≪前回までのあらすじ≫
咲と衣が二人きりのお茶会!!
久から驚愕の事実を告げられた、”咲大好き”照と和は、急ぎ現場へと向かう。
この事態を予測していた久は、事前に斥候として優希を投入していた。
全てを見届けるべく、久はまことともに、照と和の後を追う。
何も知らない咲と衣。しかし咲は己に向けられた何かを感じ取る。
迫り来るのは果たして、守護の女神か愛憎の鬼か…って感じで、
↓スタート
**********************************
「if 照 in 清澄 〜妄想姉妹〜2」
駅から少し離れた喫茶店に、こそこそと入っていく二つの影が…久とまこである。
「遅いじょー。こっちこっちー」 気づいた優希が、小声で呼び掛けた。
「ごめんごめん、ご苦労様。で、どう?様子は?…あれ?咲と天江さんだけ?」
奥の窓際の席に、咲と衣が座っていた。楽しそうに談笑しているようだ。
こちら側は、丁度観葉植物が遮蔽物となっているため、見つかる心配はなさそうだ。
「てる姉ちゃんとのどちゃんなら、まだ来てないじょ」
「どしたんじゃ、あの二人は。うちらよりも前に出よったのに」
* * *
「…お義姉さん……」 「………」
「てるお義姉さん…」 「………」
「道、間違えましたね?」
「…私に義理の妹などいない」 ぷいっ
「誤魔化さないでください!」 ポヨンッ
「だ、だって仕方ないだろう!そんな店、知らないもんっ!」 ぷいっ
「もんっ!じゃないですよまったくもう」 はぁっとため息をつくのどか。
「のどかだって何も言わずについてきたじゃないか!」
「自信満々で走ってくから、てっきり知っているものだと思ったんです!」
ここは、今、咲たちがいる店から見ると、丁度駅をはさんで反対側である。
住宅街の途切れるあたりで、目前にはのどかな田園風景が広がっていた。
(ふぅ、こういうところは姉妹そっくりですね。麻雀のときは怖いくらいクールなのに…)
「…何か言ったか?」 「な、何でもありません。さ、早く行きますよ!」
照は立ち止まったままである。下を向いてムスっとしている。妙に子供っぽい。
「? どうしたんですか?」 「…のどかは最近、すみれに似てきた。すぐ怒る」 ムスッ
「すみれって、弘世菫さんですか?」 弘世菫。風越女子の麻雀部3年生である。
福路美穂子と並び、伝統の風越の双璧と呼ばれ、県内では知らぬ者のない全国区の超強豪だ。
照とは中学時代の同級生であり、ライバルであり、大親友でもある。
…っていうか、菫が照に恋してるのは、周囲の人間にはバレバレなのだ。
気付いてないのは、当の本人、照くらいだろう。
(お義姉さんの清澄進学で一悶着あったとか聞いたけど、やっぱり仲がいいんですね…。
菫さんご苦労なさってるんですね…お察しします。でもそれがまた良かったりするんですよね
…はっ!菫さんがお義姉さんをしっかりつかまえていれば、私と咲さんは次の高みへと…)
「何をブツブツ言っているんだ?」 「はっ、い、いえ何でも!さ、行きましょう!」
和が照の手を取って、駆け出した。 「急がなくては、咲さんの唇が危険です!」
移動中も妄想していたのか、いつの間にかほっぺたの危機が唇の危機に昇格していた。
「おおっ、そうだった!咲っ!お姉ちゃんが行くまで、がんばるんだよ!!」
こっちもいろいろ脳内ストーリーが進展しているらしかった…。
22 :
清澄照A:2010/01/12(火) 02:53:45 ID:dwQv08+B
* * *
「来たじぇ」 「おっ、真打登場ね」 「うう、わしゃ心臓が痛い」ついに照と和が来た。
すばやく店内を見回すと、咲と衣を見つけ、衝立越しにすぐ隣の席へ座った。
咲は二人に背を向けた状態で、衣も話に夢中で、照たちに気付いた様子はない。
「へぇ、意外ねー。まっすぐ突っ込むかと思いきや…」
「きっと様子見だじょ。何話してるのか気になるんだじぇ」
「しかし隣の席とは。十分大胆じゃのう…」
「いらっしゃいませー。ご注文は?」 「「しーーーっ」」 人差し指を口に当てて諌める。
「へ?」 キョトンとするウェイトレスのお姉さん。
「ああいや、その、私はアールグレイ」 「ええと、オレンジペコ、お願いします」
「? かしこまりました。少々お待ちください」 二人につられて小声で言い、テーブルに
突っ伏すように身をかがめる照と和を不思議そうに眺めながら、お姉さんは厨房へ向かった。
* *
「…でもよく見つけたね、この本。ありがとう」 「なあに、龍門渕の書庫にあったんだ」
衣がふふんっと得意げに笑った。でもちんまい。
「ああ、『龍門文庫』!凄いねえ。いいなあ」
「そう良くもないぞ。埃っぽくてかび臭い。昼なお暗い巨大な洞穴って感じだな。で、そこに
こう、書架がずらーっと。奥のほうなど書画がぎっしりで、まさに盤根錯節って有り様だ」
「ふわー。ホントにすごいねえ」 「見てみたいか?来るがいいぞ。透華に頼んでおこう」
「いいの?嬉しい!」 ぱぁっと笑顔になる咲。
「ふふっ。もちろんだ。でもそんなに面白いものでもないがな。…出るっていう噂もある」
「えっ…で、出るってまさか…」 一転さーっと青ざめる。
「そう、ゆーれーだ。誰もいないはずなのに、蝋燭のような明かりが灯る。足音が響く。
暗闇の奥に佇む鎧武者、書架の間を滑る様に移動する謎の貴婦人…異界の住人たちが!」
「ひゃあっ!やだヤダやめてっ!」
「あはははは、すまぬ許せ。さきは怖がりだなー」
「もーっ、ころもちゃんのいじわる!…で、でもホントなの?」
「そういう噂があるのは本当だ。それらしき気配を感じることもある。が、見たことはない。
何、そう気にするほどのものでもあるまい」
「そ、それって要するに何かいるのはホントってこと?」
「だいじょぶだ!このお姉さんであるころもがついているのだ!安心立命、間違いなし!」
衣がふんぞり返って薄い胸をぽんっと叩いた。
(くっ、咲のお姉ちゃんは、私だけだぞ!…しかしこの流れは…) …妄想、開始ー。
「お姉ちゃん…」 「ん…。どうした咲。こんな夜中に」
「えとね、えっと…い、一緒に寝ていい?」 「ん?どうした、怖い夢でも見たのか?」
「昼間にちょっと、怖い話聞いちゃって…だめ?」 「ダメなものか。さ、おいで」
嬉しそうに布団に潜り込む咲。ぎゅっと抱きついてくる。
「えへへ、こうするの、なんだか久しぶりだね」 「そうだな。さ、安心しておやすみ」
「…お姉ちゃん、あったかい…」 ぎゅっ。
…妄想、終了ー。(よーし、よしっ!これだ!この流れだ!!ころも、グッジョブ!)
(そそそんなオカルト、ありえません!…だけど、この流れは…) …妄想、開始ー。
「うわ、すっかり遅くなっちゃったね…外真っ暗」 「そうですね。帰りましょうか」
「うー。のどかちゃんと別れたあとの帰り道が憂鬱だよ…」
「私も…。そうだ、咲さん、今日、家へ泊まりに来ませんか?」 「へ?いいの?」
「もちろんですよ。一緒にいて、たくさんおしゃべりしてれば怖くありません」
「うん、そうだね!じゃお言葉に甘えちゃおうかな、えへへ」 腕を組んでぎゅっ。
「はい。夜更かししちゃいましょ、うふふ」 あははははうふふふふ…
…妄想、終了ー。(これです、いけます!この流れに持っていく!!ころもさん、ナイス!)
23 :
清澄照B:2010/01/12(火) 02:55:34 ID:dwQv08+B
「ときに、ノノカはどうしてる?息災か?」
「うん。元気だよ。のどかちゃんは人気者だから、最近は委員会とか忙しいみたい…」
ふっと目線を下げ、俯く咲。その様子を見て衣が訊いた。
「? どうした、何か気になることでもあるのか?ころもお姉さんに言ってみるがいい」
「でも…いいの?こんな話…」 「水臭い。何でも話せ。このお姉さんであるころもに!」
「うん、ありがと。それじゃあ…あのね、お姉ちゃんと、のどかちゃんなんだけど…」
「「!!」」 すわっ、衝立にへばり付くようにして、照と和が聞き耳を立てる。
「お待たせしま…あ、あのー、お客様…」 紅茶を運んできたお姉さんが固まる。
「「しーーーっ!」」 「……ご、ごゆっくりどうぞー」
「あーあー、なにやっとんじゃありゃ」 「ヤモリみたいだじぇー」
「ぷぷー、っく、くくくくっひー、く、苦しい、おなか痛いーまこー」
涙目になって笑いを堪える久が、まこの肩をぺちぺち叩く。
「ああもう、こらえんさい!…しかし、この状況…、あの二人が暴走したらすぐ出るけぇね、
出撃準備じゃ!」
「…あのね、二人とも凄く優しくて、私、一杯いっぱい甘えちゃってて…
でも最近こんなでいいのかなって。のどかちゃんは全中覇者、お姉ちゃんはミスインターハイ
なんて呼ばれてて。そんな凄い人たちが、私なんかをあんなに構ってくれて、…もしかしたら
わたし、二人の負担になってるんじゃないかなって…」
「ふむ、さきも十分凄いと思うがな。しかし、負担か…どうしてそう思う?」
「えっとね、たまに二人が言い争いみたいになったりするの。それってもしかして、私のせい
なのかなって思うの。私がいつもぐずぐずしてるから…」
「あはは、心配ない。二人とも咲が大好きなだけだ。各々が情緒纏綿といったところか」
「でも、二人がけんかとか、仲が悪くなったりしたら私…」
「言い争いなど、じゃれてるだけのこと。放っておけばよい。虚心坦懐」
「そう、かな…」
「そうだとも。それでも不安なら、素直な自分の気持ちを伝える努力をしてみればよいのだ。
けんかをやめてと一言言えば良い。独りで勝手に悩んでいても、何も変わらぬ」
「そっか…うん、そうだね。ありがところもちゃん。なんかすっきりしたよ。」
「…偉そうに言ったがな、ころもも同じなのだ。素直になれなくてうちの皆に迷惑を掛けた。
すぐそこに出口はあったのに、長くそれに気付けなかった。今は違う。もう壁は、ない」
「そうなんだ…でも、凄いなころもちゃん…。
今日はホントに、ころもお姉ちゃんって感じだよ。ありがとう」
「へっ!い、いや、そそそんな礼には及ばぬぞ。(ふぁーお姉ちゃんって呼ばれたー♪)」
照れる衣。年上として扱われることには全く慣れていないから、とても嬉しかったのだ。
衝立の向こうで、照と和が会話を交わす。
「…のどか、帰ろう」 「え?いいんですか、てるお義姉さん…」
「咲があんなふうに悩んでいたなんて…私は悪いお姉ちゃんだ…」
「そんな…私こそ…自分の気持ちばかり優先してました…」
そっと席を立つ二人。
「あらら〜。無事収まりそうね」 「痴話喧嘩なし?出番なしでつまんないじぇ」
「何言うとるんじゃ。やれやれ、一安心じゃのう」
そのとき、衣の楽しそうな声が響いた。
「そうだ、さき、そっちのケーキ、一口もらっていいか?」
「え、うん、もちろん!……はい、あーん」 フォークに一切れケーキを刺して、差し出す。
「えへへ、あ〜ん」 ぱくっ。
24 :
清澄照C:2010/01/12(火) 02:57:40 ID:dwQv08+B
「「こらーーーーっ!!」」
「ひゃっ!えっ?お、お姉ちゃん?のどかちゃんも?どうしてここに?」
「はっはー、ようやく出てきたな。こそこそしおって。そっちの連中も出てきたらどうだ?」
「あちゃー。ばれてたかー」 「ぶ、部長!染谷先輩とゆーきちゃんも!」
「へへー。咲ちゃーん、ちーっす」 「いや、その、何かすまんのう」
「咲と間接キッス…衣、やってくれたな…」 「衣さん。それは、見逃せません…」
「ふふんっ。気に食わぬか?ならばどうする!」
「「いざっ、尋常に!麻雀勝負!!」」
「えええっ?ちょっ待って、や、やめてみんな!」
咲は勇気を出して、止めようとした。やめてって、言えた。
そんな咲を後ろからそっと抱えて、久が言った。
「大丈夫よ、咲。ほら、よく見て御覧なさい。3人ともちょっと笑ってるように見えない?」
「え、…あ」 真剣な眼差し、煌々と光る双眸…。でもその口元は微かに笑みを湛えている。
「ね?これは遊びよ。純粋に真剣勝負という遊び。だったら」 咲の顔を見てニッと笑う久。
「思いっきり、楽しまなきゃ!」 ぽんっと強めに咲の肩をたたいた。
「さてどうする?部室に戻ろっか?
そうだ、まこ、部費で落とすから、ここのケーキ、ホールで買っといて!」
「戻るに及ばぬ。ハギヨシ!いるか?」 「はっ」 いきなり黒衣の執事が現れた。
「なななんじゃあ、どっから出た?!」 「うおっ!?び、びっくりだじぇ!!」
「ハギヨシ、聞いてのとおりだ。このものたちを招待する。透華に連絡と、手配を。
今日は夜通し龍門渕と清澄の対抗戦だ!」
「かしこまりました」 そう言うと執事は、残像を残しつつシュッと消えた。
「ええええええ?何じゃ?今のひと」 「透華の執事だ」 「ああ、あれが10日の羊さん」
「さきっ、書庫も見せてやる。後で探検と洒落込もう!」 「ええ!いやだってそこって…」
「さあ、面白くなってきた!みんな!気合入れていくわよ!」
突発的に麻雀大会、そして書庫探検…賑やかしく長い夜が始まろうとしていた。
でも、それはまた別のお話…。語るのは、別の機会に。
*****************
以上 読了感謝
25 :
清澄照 蛇足:2010/01/12(火) 03:00:05 ID:dwQv08+B
はい、お疲れ様でした。ありがとうございました。
軽い気持ちで書いた小ネタがもとなんですけど、難しかった…。楽しかったけど。
勢いで書き上げるとか自分には無理だということがよくわかりました。
龍門文庫っていうのは「粗忽の系譜」っていう話で使ったネタです。
わかりにくいですね。何だそれと思った方、すみません。
別のお話END、使っちゃいました。すみません。結構好きなんです、あの締め方。
ホント難しかった。ifはもう多分やりません。設定はデフォルトに戻します。
続きがあるような終わり方なのにふざけんなって感じですが、続きの似たような話は
書くとしたらデフォルト設定でいずれもう一度やきなおすつもりです。それでは。
>>25 GJ!
ifは積み上げてる最中は面白いんだけどいざ書くとなると結構もにょるんだよね
>>25 GJでした、乙
龍門文庫、何処かで聞いた覚えがあったのはその所為だったのかと納得。
こう言ったif設定も面白いと個人的に思うので、機会があればまた書いてみてください。
最強風越SSざっと作ってみたw
会話のみで読みにくいのは勘弁してください。
3レス
さぁ、大変な事になりました!
全中個人戦決勝最終卓!
ここになんの運命のいたずらか、長野県代表の二人、
原村和と宮永咲が揃い踏みだぁ!
しかも両者はここまで総合成績でぶっちぎりの一位と二位!
まさに直接対決のつぶしあい!ここで勝った方の優勝は確実だぁあああああ!
「原村和と宮永咲、両者は長野県での予選では一度も対戦してませんねぇ」
「えぇ、デジタルの化身原村和とまさにオカルトの域を凌駕した宮永咲。
この対戦はプロの方々も注目されていたようですよ?」
「そういえば、宮永咲は現在インターハイニ連覇、個人戦負けなしの
風越女子キャプテン宮永照の妹さんだとか。やはり血は争えませんねぇ」
「いや、この戦いは麻雀界の明日を切り開く一戦なのかも知れませんね」
「宮永選手、この戦いへの意気込みは?!」
「え、えと、お、お姉ちゃん!頑張るからね!」
「ありがとうございました!」
「原村選手、いかがでしょう、最終卓への意気込みなどお聞かせいただけませんでしょうか?」
「なにもありません。私には優勝するしか、道はないのですから」
「ありがとうございました」
「あら、美穂子。偵察?」
「久こそ。やっぱり気になるの?キャプテンの妹さん」
「それはそうよ。だってあの魔物の妹よ?いずれうちに入るんだから見ておかないとね」
「くすっ久ったら楽しそう」
「あたしとあなたとキャプテンと華菜と。そしてあの二人がうちに入ってきたらもう磐石ね」
「えぇ。風越が最強であることを、世界に知らしめることが出来るわ」
「あなたも相当楽しそうよ?」
「もう、久ったら!」
「参りましたわね」
「どうしたの、とーか」
「あの二人、私どものもとへ下って頂かないと、龍門渕の天下は来ませんわ」
「でも一人はあの宮永照の妹さんでしょ?無理だよ」
「衣に世界を見せてあげると約束しましたのに、またも長野で敗退とかありえませんわ!」
「ぼ、ボクも頑張るから!心配しないで、とーか!」
「そろそろ咲の試合だぞ?見なくていいのか、照?」
「咲の対局とか見ているだけで心臓が壊れちゃいそうだよ。お父さんが見ておいて」
「そうか…」
「それに…おそらくは原村が勝つから…」
終了〜〜〜〜!
トップは僅差で原村和!宮永咲、僅かに及ばずぅ〜〜〜!!
「カンドラが乗れば逆転でしたね」
「それを狙って暗カンしたのでしたら、なんともギャンブラーですな」
「狙い通り嶺上開花。しかしドラは全く乗らないといういつもの結果でしたからね」
「いや、しかし最後まであきらめない姿勢は立派!勝った原村もさすがです」
「えぇ、決勝卓までは多少のミスはありましたが、この卓ではひとつのミスもありませんでした」
「まさにデジタルの化身、ですな」
「楽しかった!原村さん、また一緒に打とう!」
「宮永咲…あそこで暗カンした理由はなんです?
逆転のためとはいえ、あそこは打ち回すべきだった。そうすれば次の局で…」
「うん…でもなんとなく見えちゃったんだ。勝てるって!悔しいけど、完敗だよ!」
「麻雀を楽しむ…わたしは勝つことにこだわりすぎて、そんな事も忘れてました…」
「原村さん、あなたとだったらどこまででも行けるよ!一緒に風越に行こう!」
「私にはユーキが…うん、そうですね。宮永さん、あなたとどこまででも行きましょう!」
「あらあら、抱きついちゃってお熱いわね」
「私と久の出会いみたいね」
「あら、私あんなことしたかしら」
「ふふ、久らしいわね」
「原村選手、優勝のご感想を!」
「宮永さん、優勝なんかよりもあなたに出会えたことがこの大会の最大の収穫です!
愛してます!」
「あ、ありがとうございました!」
以上です
タコスカワイソスなのは仕様。
GJ!
照、部長、キャプテン、咲、和とかパねぇwww
そりゃ最強だわw
部かじゅの続きを希望されてましたが、ある意味続きということで投稿させていただきます。
何やらしばらく規制が掛かっていたので投稿出来ませんでした。
正直驚いたよ。だって、あのゆみちんがだよ?
恋愛にはまるで興味ありませんって顔してるような奴が、自分から告白するなんて。
でもさ、私は思うんだよ。相手間違えたんじゃないかってさ。
私はてっきりモモに告白したんだとばかり思っていたから、もうちょっとで命が危なかった。いや、本当もうマジで。
ゆみちんとモモに交際記念に赤飯を渡したら、モモから普段存在さえも感じられないモモから黒い何かが見えたんだ。
私はこのとき悟った。モモには絶対逆らわないって。
だってあれ、本気で怖かったんだぞ!?
それからゆみちんに詳しく聞いてみると、相手は清澄の部長だってことが分かった。
まぁ、でも、ゆみちんが興味持つのも分からなくはない。あの打ち筋、正直私は翻弄される一方だった。
あんな悪待ちをするなんて、牌譜のデータとかでは見た事はあったが、まさか直接見るなんて思わなかったからだ。だからこそゆみちんは興味を持ったんだろう。
でも、私の考えが正しいなら、あんまりあの二人では恋人っぽくならない気がするんだ。
その考えは案の定、当たっていた。
「ゆみちん、付き合ってから会うどころか、一度も連絡してないってマジか?」
恋人っぽいとかそれ以前の問題だったか。
「何か問題だったか?」
あーうん。まぁ、あんまり連絡してないってのは予想してたから、そこまで驚かないけど。
「まぁ、付き合い始めたばかりなら毎日とは言わないけどさ、二日に一回くらいはメールとかするものじゃない」
「そうか?」
「うん。まぁ、ゆみちんがいいならいいけどさ」
これってモモ的にはかなりいい感じなんだろうな。
怖いから聞かなかったけど、凄い怒ってたし。
「センパーイ」
ああ、噂をすればってやつか。
「部室に居るなんてどうしたんっすか?もしかしてデートのお誘いっすか!?」
こう言う時のモモは本当に存在感がマイナスだなんて思えないな。
「モモ。今日の授業は午前中だけだから、久々に特打でもしようかと思ってな」
「あー、そうなんすか?でも、今日は部活ないんっすよ」
「ないのか?」
「はいっす。今日はムッキー先輩もかおりん先輩も用事があるとかで」
「そうだったのか。それなら仕方がないな。今日は帰るか」
帰ろうとするゆみちんを、モモは腕に抱きつき引き留める。
「せっかくだから先輩とお話ししたいっす。ダメっすか?」
上目遣いで見上げるモモは、私でもきゅんと思わずなるほど可愛い。
ゆみちんも少し頬を赤らめて、席に座りなおす。
「ああ、そうだな」
それから私は二人の会話を黙って聞いていた。
何て言うか、自分は存在しない気持でその場に居た。
適当に牌譜を見て、話し終わるのを待っていたんだけど、その話題には思わず聞き耳を立ててしまった。
「先輩、清澄の部長さんと付き合ってから一度も会わないなんてありえないっすよ!?」
そうだモモ言ってやれ。
「しかも連絡すらしないなんて、ダメっす!」
私だったら毎日連絡するぞ。
「先輩今日は予定がないんっすよね?」
「ああ」
「なら今すぐ清澄の部長さんに会いに行くっす!」
「会いに行く用事がないのにか?」
「このチケットをあげるっすから、今すぐ清澄の部長さんに会いに行ってください!」
あれ?モモは二人の交際に反対していたんじゃ?
「これは?」
「映画のチケットっす。ほんとは先輩と見に行こうと思ったっすけど、そう言うことなら話は別っす!!」
そして、ゆみちんにデートの秘策とやらを伝授してモモは送り出した。
「モモ」
「なんすっか?元部長さん」
私の名前覚えてないのかな?
「なんでゆみちんにあんな事言ったの?」
「あんな事?」
「清澄の部長とうまくいくようにしただろ」
「ああ、その事っすか」
「モモはゆみちんが好きなのに、なんで応援するような真似をするんだ?」
「……別に応援した訳じゃないっすよ」
「誰がどう見ても、応援したようにしか見えないと思うけどな〜」
出なければ、何か企んでいるのか?
「加治木先輩が恋愛体質じゃないのは、最初から分かっていたっすから。ただ、あそこまで反恋愛体質の人も珍しいっすけど」
「それは言えてるなー」
だてに高校三年間一緒に居た訳じゃないから、ゆみちんの恋愛記録は多少知っている。
「ゆみちんは付き合っても、自分から距離を縮めようとはしないし、相手が浮気をしようが約束をすっぽかそうが怒らない」
そう言うのは大人と言うよりは
「まるで興味の持てない子供っすよね」
「だなー」
まさにその通り。
「先輩優しいっすから、基本的には紳士的な態度でデートとか過ごせると思うっすけど、特に恋人って気はしないっすね」
そうそう。特別って気がしない。
「先輩と付き合う人は間違いなく毎日不安に過ごす事になるのは明白。それは将来の私になりかねないっす」
はい?モモ?
「あの、モモさん」
「何っすか?」
「どういう意味でしょうか?応援してたんじゃ?」
「応援なんてしてないって言ってるじゃないっすか」
「じゃあ一体さっきのは」
「清澄の部長さんには悪いっすけど、先輩の練習台になってもらうっす!」
「すいません。よく分からないんですけど」
「先輩の反恋愛体質を克服するのは容易ではないっすけど、それを意識する事で幾らかマシになるはずっす」
なるほど。確かに。ゆみちんは自覚がないからあれだけど、自覚させれば改善される可能性は高い。
「だけど付き合っている相手からそれを言われてやるのは結構精神的に疲れるっすから、今のうちに先輩を自分好みに清澄の部長さんを使って育ててみせるっす!!」
ああ、ある意味効率のいいやり方だ。
付き合ってったらお互い遠慮して言えない事もあるけど、友人とかなら遠慮せずにあーしろこうしろって言えるもんな。
それで、実行してくれるなら自分の番の時要求しやすいし。
ん?自分の番?
「モモ、ゆみちんの事諦めたんじゃ?」
「そんな事ある訳ないっす。今は清澄の部長さんに貸すだけっす。隙あらば返してもらう予定っす」
「そっか」
「それに清澄の部長さん。もしかしたら不幸な事故が起こるかもしれないっすし、ね?」
怖い!怖すぎる!何だ!?あの黒いモヤモヤしたものは?
モモの背後からどんどん出てくる。
不幸な事故ってそれを使って何かする気じゃ……考えるの止めよう。
私はそこで思考を停止させた。
これ以上は恐ろしくて考えたくもなかった。
「モモ、この間はありがとう。おかげで上手くいったよ」
「それは良かったっす。またいつでも、聞いてください」
「そうか?ありがとう。実は聞きたい事が――――」
嬉しそうにデートコースやイベントの日の事を話すゆみちんとモモ。
そのモモのお尻辺りには黒い尻尾が見える。
「色々参考になった。また相談に乗ってくれ」
「はいっす。何時でも相談に乗るっすよ」
「ゆみちん。そろそろ、五限始まるよ」
「ああ、すまない。蒲原。じゃあなモモ」
「またっす」
教室へと向かう途中嬉しそうなゆみちんを私は直視できない。
「そんなにデートはうまくいったんだ?」
「ああ」
「そっか」
私はゆみちんに言えなかった。
だって、幸せそうなゆみちんと、背後に黒い何かを背負ったモモがあまりにも怖かったから。
ああ、親友よ。出来れば永遠に君が幸せであるように。
モモはそう簡単にかじゅをあきらめない!
というのが私の希望です。
でも、ピクドラをみる限り婚前旅行まで済ませた二人だし。
これで次回部キャプだったら言うことなしなのに。
>>40 GJ!
モモしたたかだなwなーんか考えてると思ってたがそうきたか!
面白かったっす
>>32 GJ!ちっとも百合っぽくないwが、wktkした
43 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/13(水) 00:46:13 ID:LnVHyo8P
遅くなったけど
>>1乙せずにはいられないな
それと
面白かったので
>>40GJせずにはいられないな
GJ!w
蒲鉾可愛いwモモこわいw
45 :
あs:2010/01/13(水) 13:04:38 ID:aRz5a7Po
47 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/14(木) 23:23:01 ID:g7t/6vNA
>>40 部キャプは大歓迎だが、出来れば
二人の間で池田がいじられたりしてると尚良い。
薄荷屋の風越部長的な
むしろ部長×池田が見たいです
しかしまぁまさかの部キャプ展開でビックリしたわ
あの調子じゃ「私の隣ね」とか言われたら本当にぽわわんとなるぞ
こんかいの原作部キャプはアニメの展開の上に乗せてきてるんじゃないの?
二人ともしっぽりと花火鑑賞で新密度を深め合った後ですよ。
みはるんの手前、さらっと流してるけど。
咲終了のお知らせ
アニメに乗るなら、透華覚醒はねえよw
?覚醒透華は今のところアニメの展開に組み込んでも矛盾はないと思うが
寧ろ漫画の展開からも唐突に覚醒しすぎ&覚醒後強くなりすぎで色々置いてけぼりな感はあるな
ふせんはずっと有って何故か不発しまくってた今までの反動だよ
発動タイミングがずれてるのがとーからしいってことで
なんか最近、立たん、読者に媚びすぎてる気がする。
狙いすぎというか。
自分の好きなように描けばそれで十分面白いのに。
文堂さん×むっきーと言う新しい可能性が……!?
>>58 好きに書いた結果がこれかも知れないじゃないか
それはさすがに自意識過剰すぎるだろ
それコピペね
つか百合なんかより唐突に入った選抜話の媚びた感じするけど
63 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/15(金) 23:37:54 ID:pIKJdtEx
それより薄墨さんの仮面に
なんの意味があるのかが気になる
今回ので
池田×文堂さん
むっきー×文堂さん
カツ丼×文堂さん
カツ丼×かじゅ
とーか総攻め
が追加・・・されないか
>>58みたいなのは何書いても文句しか言わないんだろうな
これだから部キャプオタはキチガイと言われるんだよ
むっきーとナンポの続きまだかェ・・・
69 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/16(土) 09:21:52 ID:O44Q0ZVK
今朝純×タコという電波を受信した。
70 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/16(土) 09:59:21 ID:Qgt++eF+
ブヒ
純タコは結構アリだと思う
出会いが最悪なこともいいアクセントだね
72 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/16(土) 12:23:42 ID:O44Q0ZVK
てゆーか今純タコで一つ書いているのだが・・
なんか夢で衣が「衣は数学ができる」とか主張してたんだが、実際のところどうなんだろう。
多分出来るんだろうが、全くイメージできない。
74 :
69:2010/01/16(土) 16:26:13 ID:O44Q0ZVK
純タコできたので細々と透華したいと思います。
視点:タコス→純
内容:ややふざけ
改善点などがあったら言ってください。
では。
>73フェルマーの定理とか問いてそう。
問うのか
古文しか出来なさそうなのに
77 :
純タコ1:2010/01/16(土) 17:20:18 ID:O44Q0ZVK
「優希ちゃん、もう帰るの?」
「うん、少し用事が。のどちゃん、咲ちゃん、また明日ねー」
「うん、また明日。」
そう言って私は部室をでた。しかしノッポからメールがくるとは思わなかったじぇ。おいしいタコスの店があるから来ないかって言われたら行くしかないじょ。
「よー、待たせたなー」
「出たな、ノッポ」
「誰がノッポだ、誰が。俺はー」
確かアドレス帳に名前で登録されてたのを思い出したじょ。
「井上純だ、片岡優希。優希でいいか?」
私の名前を覚えていたとは・・・驚いたじょ。
「別にすきに呼べばいいじぇ。それより早くタコスの店につれてけだじょ。」
「はいはい。」(やっぱりタコスしか頭にないか・・・少し寂しいな・・・)
「何か言ったか?」「別に。」つれてこられたのはレストラン。一見タコスがあるようには見えないじょ。
78 :
純タコ2:2010/01/16(土) 17:47:31 ID:O44Q0ZVK
「さて、何にするかな。」
ふと、優希の方を見る。
うわ、こいつメニュー見ずにいきなりボタン連打してるし・・・
「お呼びでしょうか。」
「タコスを全部持ってこい。」
「かしこまりました。」
いきなり全部か・・・ ってあれ?今ハギヨシいなかったか?いたよな?あいつ何やってんだ?こんな所で。
「俺はこのカツ丼を・・・」
ってあれ?何でメニューがカツ丼しかないんだ?メニューの文字も見たことある筆文字だし・・・
「純く・・お客様、お飲物はあちらのフリードリンクとなっておりますので、ご自由にお飲みください。」
「私はコーラをもらうじぇー」
二人とも同時に席を離れた。まて。今の国広くんだよな。名前呼びかけたし。てか、優希も気付よな。俺だけ疲れてるじゃねーか。
「ノッポの分もコーラくんできたじぇ。」
そう言って俺の所にコーラをおく。飲もうと思い、コップに口をちかずけたまさにそのとき、
「カツ丼に緑一色タコス、お持ちしましたわ。」
「どうしたのだ、ノッポ。コーラこぼれてるじぇ?それにしても今の声、聞いたことあるような・・?」
79 :
純タコ3:2010/01/16(土) 18:03:13 ID:O44Q0ZVK
ということは、今のはもしかしなくても透華か。しかしあいつら、いったい何がやりたいんだ?まあここはとりあえず、
「そろそろ移動しないか?」
「いいけど、まだカツ丼残ってるじょ?」
ああ、俺のこと心配してくれてる。うれしい、うれしいんだけどさ・・・
「・・・ありがとうございました・」「またくるがよいー」
やっぱりあいつらもか。後で理由を聞いておこう。
「優希、次はどこへ行きたい?」
「?今日はタコスを食べに来たんじゃないのか?それになんで私に聞くのだ?」
ああ、そうか。この子はタコスが食べたくてきたのだ。そうだよな。俺なんて最初から見てもいないんだよな。
しかたない。
「なあ優希、少し話があるけどいいか?」
「別にかまわないじょ?」
80 :
純タコ3:2010/01/16(土) 18:04:45 ID:O44Q0ZVK
ということは、今のはもしかしなくても透華か。しかしあいつら、いったい何がやりたいんだ?まあここはとりあえず、
「そろそろ移動しないか?」
「いいけど、まだカツ丼残ってるじょ?」
ああ、俺のこと心配してくれてる。うれしい、うれしいんだけどさ・・・
「・・・ありがとうございました・」「またくるがよいー」
やっぱりあいつらもか。後で理由を聞いておこう。
「優希、次はどこへ行きたい?」
「?今日はタコスを食べに来たんじゃないのか?それになんで私に聞くのだ?」
ああ、そうか。この子はタコスが食べたくてきたのだ。そうだよな。俺なんて最初から見てもいないんだよな。
しかたない。
「なあ優希、少し話があるけどいいか?」
「別にかまわないじょ?」
マナーの悪いSS職人だな
1レスあたり4096文字使えるんだからもっと完結にまとめろ!
83 :
純タコ4:2010/01/16(土) 18:25:10 ID:O44Q0ZVK
それから何十分と市街を歩いただろうか・・やっぱり言い出すとなると緊張するなー。経験ないし。
それにいつ買ったのか優希の手にはタコスが握られている。残りは半分といった所か。食べ終わるのをまってー いや。
「優希、今日は楽しかったぜ。数時間だけどお前と一緒にいられて。今日はこんなだったけど、優希さえよければー」
「またタコスを食わせてくれるのか?」
「ああ。次会う時は俺が作ってやるよ。こう見えても俺は料理が得意なんだ。」
「なぬ?ならばこの私の満足するタコスを作ってくるんだな。」
「作るよ。十個でも二十個でも、優希の為ならな。」
「それってどういうー」
そこで俺は優希の唇を塞いだ。優希は驚いた顔をしている。ま、驚くだろうな。俺からのキスなんて。
「俺は優希が好きだ。」
「・・・?」
「もう一度言う。俺は優希が好きだ。」
「ノッポ・・・」
そして優希は今までの自分の思いを口にした。
上げながら書いて細々とか…
メール欄があるだろ?
そこに半角小文字でsageといれるんだ!
そして1レス60行まで使えるぞ!
終わりorキリの良いところまでまとめて一度に投下すべしだ!
わざとやっているなら承知しないぞ!
因みにウエイトレス姿の透華を想像したら鼻血が出そうになった
続きまだー?
86 :
純タコ5:2010/01/16(土) 19:03:18 ID:O44Q0ZVK
「私は中学の時はずっとのどちゃんのことが好きだった。のどちゃんも私の事を思ってくれてた・・・でも高校に入ってからはずっと咲ちゃんに夢中で・・・」「優希・・・」
「でも、さっきノッポに好きっていわれて嬉しかった。ここまで私のことを思ってくれてるなんて。でも、ノッポはそんなことしないよな?ほかの人に夢中になったりしないよな?」
そう言って優希は寂しそうな顔をする。そんな彼女の肩に俺はそっと手をさしのべる。「そんなことはねーよ。俺はいつでもお前の事を思ってるぜ。」「ノッポ・・・」
「さて、こんな時間だ。どうだ、おくっていって・・」
「今日はノッ・・純の所に泊まるじょ。」
優希が、俺のことを名前で・・じゃなく。
「今、なんて?」
「だーかーらー、今日は純の所に泊まるって言ったんだじょ。そして私に愛のタコスを作るんだじょ。」
「はいはい。」
さて、問題はこの栄養管理ができてなさそうなタコス姫を連れ帰ったらあいつ等になんと言われるか。というかあのレストランの事もしっかり聞いておかないとな。いろいろ変だったし。まぁそんな問題も過ぎればいろいろ楽しくなりそうだしな。
-fin-
87 :
後書き:2010/01/16(土) 19:15:21 ID:O44Q0ZVK
早速のご指導ありがとうございます。次回から書くときの参考にさせてもらいます。
難しかった・・呼び方はほとんどこう呼ぶといいなーとか思いました。純がどこで告ったかはご自由に。次は久×ゆみみたいにこのストーリーの裏話でも書こうかと思ってます。
最後に読んで下さった方、ありがとうございました!では、次の機会に!ノシ
もう来なくていい
もう来るなとは言わないけど
書きながら投下するな、書いてまとめてからにしろ
sageろ
っていうか、多少なりとも学習能力と慎重さがある人間なら
「ご指摘」以前に他の人の様子を見て最低限すべきことを察するよなあ
作者と読者の温度差が激しいなw
忠告無視する輩に優しくする必要も無いだろ
wiki追加も禁止だ
何事にも極端な発言って頭悪そうだから止めた方が良いと忠告しておくよ
やめた方がいい、だけで十分なのにいちいち忠告なんて言葉を使うあたり
自分の「善意」と正義を示したいのが滲み出てて馬鹿な感じだね、無自覚なんだろうけど
この板でまでどっかの厨房板みたいな不毛な争いはやめようよ
l: : : : : :.l: : : : l: : l: :|.l: : |l : : .l: : l: : l: : l: : i
. |: : : : : :.|: : : : |: : |: :.|l: : |.l: : :.l: : l: : l: :.l : |
|: : :l : : :|: : : : :|,.ィ|ー:|ヤ'|'.|: :/ト/|.,/|: :.l : :.l
| l: :l: : : |: : : ´|l: ||ハ :ll_l l/ ,l/ l/ ゙ト:/i : /
|:l: :l: : : |.: : : :| ` ` ィ:;;;;:t、l/.l/
|l: :l: : l: |.: : : :|,r==ニ、 i illliC l :|
|: :.l: :.l: :|.: : : :| ヤl汐 !: :|
|: : l: : l: :.| : : : | ' l: : | /)/) ,、 仲良く、仲良く
|: : l: : :l: : |.: : : :| ヤ−ソ ノ:l: :.| /イ/ノ, '/,
. |: : l: : :.l: : |.: : : :|ヽ 、 ~´ /l : l: : | l ll l/.//ノ
|: : l: : : :l: : |: : :l | `ゝー イ´:l: : l: :l: : | l/´i .l l//
|: : :|_≠〆 |: : :l: | |ヘ‐ニ_l: : l: l: : l |l l .|
lイ ̄ |/: :l |、_ ` _ヽ  ̄ー:_イ | ヽ l
/ヽヽ |:ノイ \ ` ´ :i /ヽ、l ` ノ
テンプレのSS投下時の注意事項をもっと追加した方がいいのかな?
でも見ない人は見ないしなー
>>93 甘やかしでしかないお前のレスはバカ以下だがな
>>93 善意と正義なんて一欠片もない皮肉として書いたんだが・・・
勝手に履き違えて盛り上がるなよ
変に突っ掛かった俺も俺だが
コワいよう。けんかやめてよう。
>>87 初投下だったんでしょ?次投下するときは注意してね。
あなたも含めて皆で板を快適に運用するためのマナーだから。
これは何処のスレでも一緒だと思います。
やっと今号読めました。透華様かっこよすぎ!個人的には、ひゃっほー!でした。
はじめちゃんが不安になってて可哀想だけど、これは二人の絆が強まる展開へと続くと見た。
もう覚醒しそうなのはいないかな?かおりんは覚醒とかしないまま役満連発しそう。
まさかのワハハ覚醒とかあったらすげえ「ワハハ…悪いな、ロンだ。千点」かっこいいけど安いとかw
選抜の件は、清澄以外もフェードアウトすることなさそうで、一安心って感じ。
全国編も楽しみだー。照と菫は早くいちゃいちゃするべきだと思います。
プロ麻雀せんべいw スターカード欲しい。
ワハハは増刊号でかっこいいところを見せてくれるはず!
冷やし透華は国広君主人公のスピンオフが出る前触れ
かじゅモモ、部キャプのいい同人はあるんだが
和咲、一透のいい同人はなかなか見つからん。。。
それぞれのカップル毎におすすめを紹介して欲しいものだな。
104 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/17(日) 23:24:50 ID:E0dyel60
俺的に興味が薄かった透一に目覚めさせてくれたのが薄荷屋
かじゅモモはたくさんあって選べないな
咲照の同人誌はさすがにまだないよね
咲照は姉妹愛としてのほのぼのとした百合
菫照はアダルトな百合
ってゆー感じな展開になってほしいです^^
立先生お願い
照淡はマスコット百合
咲淡はニコニコ大将ライバル百合
合宿が次号で終わってしまうらしいのが惜しい
のどっちの同人は基本的になんつうか愛が薄い感じが・・・
いや、もちろん例外はあるけどね。ただその例外の数は
他のカップリングより低い気もする
かじゅモモ同人はなんとなく愛が凝縮されていていいな
部長ゆーきが好きなんだがSSあんま無くて残念
とりあえず、俺にかじゅモモ愛のつまった同人だしてるサークルさんを
誰か教えてくれないか…?
イベントには行けないので委託を利用してるが、かじゅモモ少ないです\(^o^)/
>>102 一透はとらの通販でいくらか見つけた
この二人が一番好きなんだが圧倒的に少ないよな・・・大体百合分はモモかじゅとキャプテン絡みに持っていかれて
>>110 和咲は数だけなら一番多いと思うよ、だが良物の百合ってなると極端に減る
和咲は、生えたり男出たりが多い
t
とーかカッコイイ! はじめちゃんかわいい!
と思った最新話。
てすと
はじめちゃんのうるうるおめめは絶品
とーかは覚醒が遅すぎた
だがそれがいい
うむ
PSPはどうして和用の咲ルートしかないんだよ・・・
キャプテンの部長ルート、みはるんの池田ルート、照の咲ルート、菫の照ルート、咲ちゃん総受けetc...も入れるべき!!!
龍門渕は家族愛的な感じで
咲和好きの俺には、たまらんがな!
psp持ってないけど、買わざるをえない
シリアス長編もの書きたいな〜
なんて思った結果、思いのほか長くなってしまったです
なので、何回かに分けて投下しようかと思います。
※注意書き※
原村さんが白糸台に転校するというifストーリーです。
書いた動機の通り自分の中ではシリアス一直線です。
基本路線は和→咲、咲→和
それ以外にも照咲、照菫…etc含みます。(見方によって増えるかも?)
視点はほとんど毎回切り替わります←文才ないのですいません。
白糸台メンバーは私の勝手なイメージです。
自身初シリアス長編ものであります。
結構勢いでガーッとやってしまったので、矛盾とか誤字脱字とかあるかと思います。
そういうとこはあんまり突っ込まないであげてください。
今回は7〜8レス借ります。
――それは突然やってくる――
あの日、私はひとつの賭けをした。
もし、今日勝てたなら、彼女に自分の気持ちを伝えようと。
勝てなければ……。
別れは、唐突に訪れた。
いや、分かっていたことだ。
だけど、怖くて今日まで目をそむけていた。
「全国で優勝できたら…、ということだったからな。」
そう、あの負けた瞬間、私の運命は決まった。
あの日の願いは届かなかった。
でも、言えないでいた。
「和ちゃん。私、悔しい。悔しいよ!来年は…来年こそは…!」
彼女は涙を流しながらこう言った。
彼女は知らないから。私が言ってないから。
「来年は絶対ここで優勝しよう!」
「…はい!」
できもしない約束をしてしまった。
小指をからませて、あの時と同じように。
でも、この約束は叶わない。
分かってる。分かってたのに…。
空は青くて風も心地よい。
景色はいつもと変わらない。
変わらないはずなのに、なぜか全てが滲んで見えた。
「和、時間だ。」
忘れないように周りも見渡した。
やっぱり景色は滲んで見えた。
「…はい。」
心の中で皆に謝った。
何も言わないでごめんなさい。
咲さん、約束を破ってごめんなさい。
***
今思えばあの時、和ちゃんは何か言いかけていた。
私が優希ちゃんに手加減しちゃって、和ちゃんに「私も楽しませてください…!!」って言われた日。
私はずっと自分に家の話ばっかりしちゃってた。
「あなたにも色々あるんですね…」
和ちゃんのこと、私は聞かなかったし、深く考えたりしなかった。
神社で和ちゃんが願ったのは、
「これからもずっと宮永さんやみんなと一緒にいられますように」
……そうだ、なんでもっと早く気付かなかったんだろう。
別れは突然やってきた。
全国大会を終え、夏休みが明けた始業式。
彼女はいなくなっていた。
夢だと思った。悪い夢を見ているのだと。
頬をつねったら痛くて、寒気がした。
でも、現実だと思いたくなくて生徒会室に走った。
「咲……。」
部長の目はいつもの輝きがないように見えた。
あぁ、これは現実なんだ。
部長の目が教えてくれているような気がした。
――3日前くらいにね、連絡があったの。そう、和から。
高校進学の時から東京に行くように言われてて、ここに進学したことにも反対だったみたい。
入学した後もずっと反対されてて…。うん、麻雀をすることも。
それで、全国優勝したらここに残ってもいいっていう話だったらしいの。
ね、和は誰にもこのことを言わなかったのよ。
違うわ、咲。
和は咲のことが好きだから、だからこそ、言わなかったんだと思う。
…ねぇ、咲。泣かないで。
部長の声はどこか遠くに聞こえた。
***
「あの原村が東京に来る。」
菫が言った。
そして、どこそこの進学校に転入するらしいと続けた。
原村和…。
私は彼女を知っている。
全中王者、そして先の全国大会に団体・個人戦ともに出場。
彼女は咲と仲が良いように見えた。
「どうして?」
「詳しくは知らないけど、麻雀をやめるという噂は聞いたな。」
「…うちに引っ張ってこないか?」
その言葉は勝手に出ていた。
なんとなく、なんとなく頭に何かが走った、そんな気がしたんだ。
菫はなぜ?とは聞かなかった。
***
「白糸台高校…ですか?」
引っ越して早々にお父さんに連絡があったらしい。
全国大会優勝校である、白糸台からの誘いだったという。
お父さんは気まずそうに目をそらす。
当たり前だ。麻雀をやめるという話だったはずなのだから。
それがなぜ?なぜ、白糸台が出てくるのだろうか…。
お父さんが言い訳をするように言葉を並べた。
「白糸台には昔、とてもお世話になった先生がいてだな…」
つまり、断りにくいということなのだろう。
麻雀を続けられる…
しかし、私は迷っていた。
麻雀をすると否応なく思い出すのは分かっていたから。
運命を決めた試合。咲さんとの約束、思い出。
それに、私は麻雀をやめるという話で長野を去った。
それなのに、再び麻雀をやるということを、咲さんは、みんなはどう思うだろうか。
それを思うと迷わずにはいられなかった。
「少し考えさせてください。」
***
「こんにちは。白糸台高校3年、麻雀部の宮永照です。」
私は、彼女の、原村和の家を訪ねた。
チャイムを鳴らすとすぐに彼女が応対した。
どうやら両親は出かけているらしい。
中へ案内され、椅子に座ると彼女はお茶を用意した。
少しの沈黙の後彼女は私に尋ねた。
「……何の用でしょうか?」
玄関を開けて彼女を見た瞬間に分かっていた。
彼女は私と似ている、と。
「貴女は麻雀をやめる気なの?」
だからそう尋ねた。
きっと迷ってるに違いない、そう確信しながら。
「……迷っています。」
彼女は伏し目がちに答えた。
ほら、やっぱり私に似ている。
「なぜ?」
彼女はなかなか答えない。
私相手だからかもしれない。
私があの子の姉だから。
答えようとしない彼女に私は微笑む。
「貴女はだれよりも強くなれるよ。」
***
初対面の人、まじてや、咲さんのお姉さんであることを思うと答えられない。
黙ったままの私に彼女は微笑んだ。
「貴女はだれよりも強くなれるよ。」
もし麻雀を続けて、強くなれるとしても……。
それは彼女への裏切りじゃないか。
約束はもう破ってしまった。
これでまた、麻雀を続けてしまったらそれは彼女に対する裏切りに他ならない。
「私は……。私は大切な人をこれ以上裏切りたくありません。」
私は彼女に答えた。
彼女は微笑みを崩し俯いた。
「大切な人か……。」
そう呟いたような気がした。
「あなたは……、その大切な人とまた会いたいと思わない?」
「え?」
彼女の表情も、出したお茶の味も熱さも、その後のことも覚えていない。
覚えているのは彼女の言葉。
彼女の言葉が頭の中にこびりついて離れなかった。
「裏切ったとしても、傷つけたとしても……。それでも、その人に会いたいと、思わない?」
***
原村和の家を後にした私は彼女の言葉を思い出していた。
『私は大切な人をこれ以上裏切りたくありません。』
――大切な人、か。
私は大切な人じゃなくて、夢を選んだ。
それが正しいのかはもうわからない。
別居すると聞いた時、私の前に2つの道があった。
1つは長野に残ること。
もう1つは東京に行くこと。
私は悩んだ。
プロ雀士になるという夢に近づくには激戦区東京。
最愛の妹である咲と一緒にいたいならここ長野。
悩み悩んで、私は夢を選んだ。
それを咲に告げた時、私は自分の犯した過ちに気付いた。
東京に来て、麻雀をやめることも考えた。
そんな時、咲は私に会いに来た。
すごく嬉しかった。
だけど、それ以上に後ろめたさの方が大きかった。
あの選択をして咲を悲しませてしまったという気持ちだけが募って何も言えなかった。
帰っていく咲の後ろ姿を見て、涙が出た。
あぁもしかしたら、もう咲は私に会いたくないかもしれない。
もう、会わないかもしれない。会えないのかもしれない。
私のことを嫌いになったかもしれない。
…私のことなんて忘れてしまうかもしれない。
私は麻雀を続けることを決めた。
麻雀を続けることが私自身の証明だと思った。
そして麻雀を続けていれば、また咲に会えるかもしれない。
そう、あの時は考えた。
***
どうして私の大好きな人はみんな私から離れてしまうのだろう…。
お姉ちゃんも和ちゃんも。
目が覚めると私は保健室にいた。
「…起きた?」
「お姉ちゃん…?」
さっき見た夢のせいかもしれない。
私には一瞬お姉ちゃんに見えた。
「…? 咲、大丈夫?」
でもそれは部長で、不思議そうな顔をしてから微笑んだ。
そうか…私は部長から和ちゃんの話を聞いた後、泣いて泣いて泣き疲れて寝ちゃったんだ。
部長が頭をなでてくれた。
夢と重なって、また涙があふれた。
お姉ちゃんが中学2年生、私が小学6年生の秋頃だったと思う。
お姉ちゃんは、悩んでることが多くなった。
お姉ちゃんって呼んでも、返事をしてくれなかった。
きっと私がお姉ちゃんを怒らせちゃったんだって思ってた。
そのときお母さんもお父さんも、いつもイライラしてるみたくて、お姉ちゃんだけが頼りだった私はお姉ちゃんが離れて行っちゃうんじゃないかって思っていた。
そしてあの日、私はお姉ちゃんに告げられた。
「咲、お姉ちゃん、お母さんと東京に行くから。」
嫌われたんだ。
お姉ちゃんは私のこと嫌いになっちゃったんだ。
それでも、私はお姉ちゃんに会いたくて、中学1年生になった春、お姉ちゃんに会いに行った。
お姉ちゃんは私のことを見なかった。
帰る時もずっと、口もきいてくれなかった。
全国大会で再会したお姉ちゃんはさらに変わっていた。
お姉ちゃんと呼びかけると振り返った。
でも口にした言葉は別だった。
「私に…。妹はいない。」
夢の中のお姉ちゃんは昔のままで、優しく微笑んで私の名前を呼びながら頭をなでてくれたんだ…。
「咲……?」
だめだ…。抑えられなくなる。
和ちゃんとの突然の別れが、お姉ちゃんとの別れを思い出させて…。
2つの別れが私を襲う。
堪え切れず、涙が止まらず頬を伝った。
***
高校2年生の時、私はインターハイで優勝した。
自分へのお祝いにと思って、私は咲を見に行った。
会う勇気は私にはなかった。
咲は昔から読書が好きだった。
よく木陰で本を読んでいた。
だから私はいつも咲が本を読む木に向かった。
そこには、あの日から少し大きくなった咲がいた。
変わらない姿に安心した。
咲!お姉ちゃんね、インターハイで優勝したんだよ!
って言いたかった。
「咲、またここか。」
でも、そこにお父さんが現れた。
咲は本に栞を挟んで顔をあげた。
「咲。照がインターハイで優勝したんだってさ。」
お父さんが私の代わりに咲に伝えた。
私は咲が昔のようにおめでとうって喜んでくれると思った。
でも…。
「そっか…。」
咲の反応は冷たく見えた。
期待していた心はしぼんでいった。
「…たまには雀荘にでも行って麻雀しようか?」
たまには…という言葉が気になった。
咲は本を持って立ち上がった。
咲は俯いていて表情が見えない。
「……いや。私、麻雀嫌いだもん。」
その時、私の中で何かが弾けた。
***
「部長……。私、前にもこういうことがあったんです。」
部長に支えられながら私は部長に告白した。
お姉ちゃんとのことを、包み隠さず伝えた。
部長は何も言わないで抱きしめてくれていた。
「私…怖いんです。和ちゃんともお姉ちゃんの時みたいになるような気がして…。」
怖いんです、と繰り返すと部長の私を抱きしめる強さが強くなったような気がした。
「行きましょう。」
そして部長は言った。
「和に会いに行きましょう。会わなきゃ何も分からないわ。」
***
私は…咲さんに会いたい。
会いたい。会いたい。
宮永照が言ったことはもっともなことだ。
麻雀をやめたら、きっと会うこともなくなってしまう。
『裏切ったとしても、傷つけたとしても……。それでも、その人に会いたいと、思わない?』
彼女の言葉を口にしてみた。
もう私は咲さんを裏切って、傷つけている。
それを思うと…。
あのときのマスコットが揺れた。
私は……。
続きます。
一応、上から和咲照和照和照咲照咲照です。
あんまり百合百合してない癖に、あと5回以上投下することになると思うのですが…
1人でそんなに投下するのはどうかな?と思いまして、出来も不安しかないし。
あまり好まれないのであれば、保管庫に直接投下しようと思います。
また、ここに投下してもいいのであれば、トリはつけた方がいいですか?
なんか質問ばかりですいません。
読んでいただきありがとうございました。
134 :
名無しさん@秘密の花園:2010/01/21(木) 20:23:14 ID:e3iBMLED
そんなに気にする必要はないんじゃないか?
別にイチャイチャしてなくてもキャラ同士が思い合ってるのは伝わってくるし
個人的にこういうのは大好物だ
なのでもっとやってくださいおながいします
すまんsage
乙
ホントに長そうだな
続き待ってる
改行をもう少し減らしてみては・・・?
少し読みにくい
>>133 好きなだけ好きなところに投下するといい
>>133 いや、かなり好きだけどな!応援してるよ!
ジェラシー
咲照もいいけど菫照も好き
受験に向けて照に勉強を教えてあげる菫
手取り足取りか・・ごくり
照菫足りない
地味に
>>133の続きが気になってしかたないんだが結局どこに落ち着いたんだ?
投下したら作者か誰かしら教えてくれるでしょう
>>126の続きです。
とりあえずはここに投下することにしました。
何か不都合な点がありましたら、教えてください。
※注意書き※
原村さんが白糸台に転転校するというifストーリーです。
書いた動機の通り自分の中ではシリアス一直線です。
基本路線は和→咲、咲→和
それ以外にも照咲、照菫…etc含みます。(見方によって増えるかも?)
視点はほとんど毎回切り替わります←文才ないのですいません。
白糸台メンバーは私の勝手なイメージです。
自身初シリアス長編ものであります。
結構勢いでガーッとやってしまったので、矛盾とか誤字脱字とかあるかと思います。
そういうとこはあんまり突っ込まないであげてください。
今回は照咲、部咲っぽいもの含む、7〜8レスです。
――魔法の呪文――
きっとこうなると、分かっていた。
次の日、私は菫からそれを聞いた。
「原村和から返事が来たぞ。うちにくるそうだ。」
「そう。」
「お前が何かしたのか?」
「さぁ?」
菫の問いかけを曖昧に返し、私はお茶を含んだ。
お茶は昨日原村家で飲んだものより少し苦く感じた。
隣で菫の溜息を聞きながら私は小さく笑った。
「強くなるためのコツを教えないとな…。」
「は?」
菫の驚きを今度は無視して私はお茶を注いだ。
***
これでよかったのだろうか?
いや、これでいいんだ。
ずっと続く自問自答。
答えは見えない。
答えは見えないが、私は答えを出してしまった。
家のチャイムが鳴り、誰かの来訪を伝えた。
そこには、昨日と同じく、宮永照がいた。
「うちに転入することを決めてくれたんだね。」
差し出したお茶をすすり、彼女は切り出した。
私は小さくうなずいた。
彼女はお茶をテーブルの上に置いて、私を見つめた。
「……大切な人って、咲でしょ。」
時間が止まったような、そんな気がした。
でも、彼女がお茶をすする音で動き出した。
私は答えられないでいた。
彼女は再び口を開く。
「好きなんでしょう?咲のこと。」
“好き”という単語で、私は好きな人を傷つけてしまうことを自覚する。
でも好きだから会いたくて…。
二つの感情に私はまた揺さぶられる。
それを見越したように彼女は続ける。
「わかるよ。だからね……。私がいいこと教えてあげる。」
彼女の言葉は呪文のようだった。
なんかもう過疎っててダメだな・・・
新アニメもスタートしたし、こうしてみんなどんどん離れて行くんだね
「嫌われればいいんだよ。嫌われちゃえばね。」
「好きでいられると、傷つけるたびに心が痛むけど、嫌われちゃえば…傷つけないですむんだよ。」
「嫌われちゃえば、諦められるよ……。」
***
私は和ちゃんに会いに東京へ行く。
あのときは1人だった。
だけど、今回は違う。
「緊張してる?」
「す、少しは…。」
部長が一緒に来てくれてる。
それだけで少し気持ちが楽になった。
「あ、あの…すいません。部長、受験生なのに…。」
「気にしなくていいわよ。受験も大切だけど、私は咲と和の方が大切だわ。」
少しずつ少しずつ、東京に、和ちゃんに近づいている。
そう思うと胸が痛かった。
「……きっと。」
「?」
「きっと…、和も悩んでるはずよ。」
部長はそう言って微笑んだ。
新幹線に乗ってる間、部長はずっと手を握っていてくれた。
***
嫌われちゃえば、諦められる……か。
自分で言っといて、笑ってしまう。
嫌われてると思っていた。
あの日、咲が「私、麻雀嫌いだもん。」と言った時、私は麻雀をしてても咲には会えないことを悟った。
なぜ、麻雀が嫌いなのだろう。
私が麻雀をやっているからかもしれない。
でも、私はもう麻雀を捨てることはできなくなっていた。
麻雀で勝つことが私の証明になっていたから。
妹はいない。
そうだ、あの子には姉がいないのだ。
私のような奴がお姉ちゃんなわけがない。
それからの私は一心不乱に麻雀に身を投じた。
そして3年のインターハイ。
菫が見せた新聞。
そこには清澄高校の全国進出と、大将、宮永咲の名前があった。
その場では菫に妹を尋ねられ、いないと答えたが、頭の中は混乱していた。
咲は麻雀が嫌いで、やってないはずだった。
なのに、なぜ…?
全国大会で咲と会える。
ずっと待ち望んでいた展開だった。
嬉しいはずなのに、気持ちは複雑だった。
嫌われてると思い、諦めて、妹はいないと言ってここまで来た。
なのに、なんで今…?
大会で咲の真意がわかるのだろうか…?
そう思い、臨んだ全国大会。
気付いていないふりをしながら咲を探した。
咲は桃色の髪をした子と手を繋いでいた。
近くにいた淡があれは全中王者だと教えてくれた。
2人の仲の良さは遠くから見ていてもすぐ分かった。
見ていられなくなって私はその場を離れた。
ロビーと違い、薄暗い廊下を早足で歩いた。
「お姉ちゃん!」
あの子が私を呼んだ。
嫌われていると思っていた。
こんな風に呼ばれることなんて二度とないと思ってた。
忘れるために麻雀に没頭してた。
なのに、今、あの子が私を呼んだ…。
「私に…。妹はいない。」
不思議だった。
不思議なくらい自然に、私の口からはこの言葉が出ていた。
咲はあのときと同じ表情をしていた。
私は咲に背を向け、歩きだす。
……嫌われたかったのかもしれない。
その時私は初めて気付いた。
好かれることが怖いと思う自分がいることに。
私はいつからか、咲に嫌われていることで自分を保っていたのかもしれない。
咲に嫌われていることに安心してる自分がいたんだ。
嫌われれば、諦められる…とずっと自分に言い聞かせていた。
だけど、違う。嫌われていたいんだ。
好意を向けられるのが怖い。だから嫌われていたいんだ。
でも、咲のことを、嫌いになれないんだ。
矛盾してる。分かってる。
でも、もうこの感情は捨てられない。
嫌われれば、諦められる?
鼻で笑ってしまう。
だってそうだ。
私は今もずっと咲のことが……。
***
もうすぐ、もうすぐ和ちゃんに会える。
和ちゃんに会えるという期待と不安が入り混じっている。
でも、会わなきゃ、会わなきゃ何も分からない。
本当は、怖くて今にも逃げ出したい。
「大丈夫、私がいるわ。」
本当に部長に感謝してる。
1人じゃ、きっとここまで来れなかった。
「じゃあ、行くわよ。」
原村、という表札を前にして緊張は極限に達する。
何の連絡もなしに来てしまった。
和ちゃんはいるだろうか?
いてほしい。いや、いてほしくない。
相反する気持ちが私の中で揺れる。
「…いくわよ。」
部長が私に確認をとるように言った。
私は頷き、部長はチャイムを鳴らした。
「どちら様でしょうか?」
インターフォンを通して和ちゃんの声が届いた。
離れてた時間は少なかったはずなのに、ひどく懐かしく感じる。
それだけで、涙が出そうになる。
それをこらえて私は応えた。
「……咲です。和ちゃん?会いに来たんだ。」
声の震えは抑えられなかった。
少しの間の後、ドアが開いた。
和ちゃんの姿に胸が高鳴る。
私は無我夢中に口を開いた。
「和ちゃん!私…、私…!」
「……私は!」
私の言葉を遮って、和ちゃんは口を開いた。
俯いていて表情は見えない。
「私は白糸台で麻雀を続けます…!」
「え……?」
背中を冷たいものが駆け抜けていった。
心臓に鈍い痛みが走った。
「私は白糸台で麻雀を続けるんです……、宮永さん。」
久しぶりに呼ばれた名前は名前呼びではなく名字呼びだった。
あの時、名前で呼び合おうって決めたのに、決めたはずなのに…。
すっと、顔をあげた和ちゃんの顔は冷たく見えた。
その表情は、お姉ちゃんに重なって見えた。
「これ……。」
目の前に差し出されたのはあの時のマスコット。
二人で買って交換した思い出の品。
私の、私たちの宝物。
「……返します。」
***
差し出したマスコットを咲さんが受け取ることはなかった。
私は耐えきれず、マスコットは手から零れ落ちた。
咲さんの目は落ちていくマスコットを見つめていた。
その目には涙があふれていて、私の心を締め付けた。
「和ッ!」
部長の叫ぶ声が聞こえて、自分のやってしまったことに気付く。
でも、もう後戻りはできない。
部長の声から、咲さんの表情から逃げるように私は扉を閉めた。
ドアの向こうからは部長の声が届いて、私は崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
届かない言葉を何度も何度も吐いた。
涙が出て、大声で泣きそうになる。
でも、聞かれちゃいけない。
私は小さくしゃくりをあげて泣いていた。
『嫌われればね、諦められるよ。』
あの人の言葉を頭の中で繰り返し、自分に言い聞かせた。
そして願った。
「ごめんなさい。咲さん。お願いです…。」
「私のことを嫌いになってください。」
***
沈黙が支配していた。
咲は泣き崩れ、私は和を呼んだ。
しかし、それすら届かず扉は閉められた。
私は閉じられた扉に叫んだ。
でも、やはり届かない。
咲は声をあげて泣き続けた。
私は和が落としたマスコット拾った。
マスコットは泣いてるように見えた。
私は咲を支えて歩き出した。
行先は分からず、咲が泣きやむまでただただ歩き続けた。
気付いたら河原に出ていた。
さっきより少し落ちつた咲と座って、川を見ていた。
ここの川は濁っていて、長野の川よりうんと汚れていた。
「部長…。」
咲が小さく呟いた。
「私って…なんなんでしょうか……?」
咲はずっと俯いていた。
声が震えていて、今にも崩れそうだった。
「私…、私は……!」
そんな咲を見てられなかった。
私は力いっぱい彼女を抱きしめた。
咲は私にしがみついて、声をあげて泣いた。
私は何も言えずに、ただ抱きしめるしかなかった。
***
原村家を後にした私は、いつもより遠回りをして帰っていた。
気付くと河原に出ていた。
長野にいた頃…。夏はよく川に行った。
長野の川はすごく澄んでいて、綺麗で、咲と水遊びをしたな。
咲は泳ぐのが苦手だから、私はずっと咲の手を握っていた。
川にはそんな思い出があって、なかなか来ることはなかった。
でも、なぜか今日は足が勝手に向いてしまった。
でも、ここの川は私の記憶の中にある川とは違って濁っている。
石を投げてみた。
それは濁った川にどぼんと音を立てて消えて行った。
石が消えて行った所をしばらく見つめた。
でも、もうそれは何も変わらず、濁ったままだった。
「帰るか…。」
誰に言うわけでもなく呟いて、立ち上がった。
立ち上がって見えた川の向こう側に見知った姿があった。
「……咲?」
顔はよく見えないが、私の勘がそれを告げていた。
誰かと一緒にいるようだ。
でも、それが原村でないことは、すぐに分かった。
***
咲を抱きしめながら私は思いを巡らした。
あの和は、どこかおかしかった。
電話で転校すると告げた彼女とは全く違った。
そして、どこか悲しい瞳をしていたように私には見えた。
何かあったんじゃないか?
私の頭にはそれが浮かんだ。
あの和が咲にあんな態度をとるわけがない。
ジャリと後ろに誰かの気配がした。
咲を抱きしめたまま、目をやると、そこには咲の姉、宮永照に姿があった。
「……咲。」
私には目もくれず、咲を見つめていた。
その瞳に私は見覚えがあった。
咲は照に気付かずに泣き続けていた。
照はゆっくり近づいてきて、咲に手を伸ばしてきた。
でも、途中で止めて、手を引っ込め、歩きだした。
その後ろ姿を見送り、確信した。
照の目は和のと同じだ、と。
――――――――
続きます。
一応上から、照和咲照咲和部長照部長です。
一応完成しているのですが、自分ばかり投下するのは気が引けるのですが、原作で白糸台関係が動き出す前に完結したいと考えています。
どのくらいのペースで投下するのがいいでしょうか?
前回から質問ばかりですいません。
読んでいただきありがとうございました。
>>156 割り込んでしまって申し訳ない…。
今は過疎気味で投下する職人もかなり少ないから、ペースとか気にせずどんどん投下して良いと思うよ。
乙
上に同じく
この文末表現はちと辛いな
書いてると最初に意識しちゃう所なんだが
淡たんは照に憧れて麻雀始めたって信じてる
もしくは「照先輩を倒すのは私だ」っていう生意気後輩ツンデレキャラで頼むわ
あからさまなツンデレじゃなくて、微ツンデレが良いな
>>156 乙
続きが気になりますね
すいません流れと関係ないのですが
前スレの幼なじみと写真ってやつの続きが出来たので投下します
タイトルはなかなかいいのが浮かばなかったので幼なじみと写真その2で
7レスほどお借りすると思います
165 :
その1:2010/01/25(月) 00:24:22 ID:SAgI2FO7
あの事件が起こってから一週間がたった。
あれから佳織とはあいさつも出来ないくらいに話さなくなっていた。
…こんなこと、小さいときのケンカ以来だ。
あの頃は2,3日たてばすぐ仲直り出来てたけど、今回だけは多分そうはいかない。
ケンカなんかよりもっと大変で複雑だしなー。
そもそも、あの写真は佳織が父さんに酔わされて、うっかり私にその…キスをしてしまった訳で、
佳織だってあんなことしたくなかったはずなんだ。
はずなんだけど…
佳織がキスをしたくなかったと考えるとなぜだか嫌な気持ちになる。
これってもしかして…本当に
……恋、なのk「くぉぉぉおらぁぁあああ!!!!蒲原ぁ!!」
「はっ、はいっ?!!」
驚いて思わず立ち上がってしまった。
「まーたお前は授業中口開けたまんまボーッとして!!!
こんままじゃあ本気で大学うかんねーぞ!!」
ハハハ、とみんなの笑い声が聞こえる。
私はすいませんと言ってそのまま座った。
…あぁ、いま授業中だったのかー。
マンガとかじゃベタな展開だけど、いざ自分がなると結構恥ずかしいもんだなー。
授業が終わっても、私はずっと悩んでいた。
…はぁ、このままじゃまずいなぁ。
佳織だってきっと今の状況は嫌だろうし…
でも、話したくてもなんだかドキドキしてうまく話せないんだよなー。
ってかまず何話せばいいんだよー!?
・・・ワハハ、こりゃ本当にやばいなー。
一人で考えてもいい考えが浮かばないので、私はある人物に相談することにした。
166 :
その2:2010/01/25(月) 00:26:01 ID:SAgI2FO7
「…蒲原先輩、こんな所に呼び出して何かあったんですか?」
「んー、ちょっとむっきーに相談があってなー」
私はむっきーを誰も居ない空き教室に呼び出し、佳織とあった事を話すことにした。
クラスの友達には普段からこんなキャラだから、相談なんかしたらからかわれそうだし、
ゆみちんは受験とモモで忙しいから同級生には頼めない。
でもむっきーなら佳織のこともよく知ってるし、
何より一番真面目に相談に乗ってくれそうだと私は考えたのだった。
「相談、ですか?………一体何でしょう?私なりに精一杯お答えします」
むっきーが真剣な目で私を見つめている。
…ワハハ、私の考えた通りだ。
「実は…佳織のことなんだがなー」
「・・・!!!!」
ん?なんでむっきーそんなに驚いてんだ?
もしかして…
「…なあむっきー、佳織、最近変じゃなかったかー?」
「・・・・・えっ、ええ、そうなんですよ!!
佳織、なんだか最近落ち込んでて…何かあったのかなって、思っていたところなんです」
「ワハハ、やっぱりそうかー」
佳織、部活のときでも引きずってるんだな…
こりゃあ本気で何とかしないと佳織にも悪いなぁ…
「そっ、それで、佳織と何かあったのですか?」
…いざ人に話すとなると緊張するなー。
「えー、実はな…」
私は佳織と起きたことをすべてむっきーに話した。
むっきーは顔を赤くしながらも、しっかりと聞いてくれた。
「………と、いう訳なんだが…これはその…こっ、恋…なんだろうか?」
ああ、ついに言ってしまった。
もう後には引き返せないなーと考えていると、むっきーが口を開いた。
「…うむ、そうですね……正直に申しますと、私にはわかりません。先輩の気持ちですからね」
…ワハハ、そりゃそうだよなー。
人の気持ちなんて、そう簡単にわかる訳ないよなー。
自分にだって、わからないのに。
「…ただ、一つだけ言える事があります」
「一つだけ言えること…?」
私はその言葉にすがるようにたずねた。
167 :
その3:2010/01/25(月) 00:28:20 ID:SAgI2FO7
「私には、先輩が以前より女の子らしくなったというか…なんというか、乙女に見えます」
「なっ…なんだって!?」
なんてことを言うんだ、むっきー。
想像もしなかった答えだからなのか、熱かった顔がさらに熱くなるのを感じる。
「…うむ、その反応とかまさに乙女ですよ、先輩。
以前の先輩はどんな事があっても笑ってごまかしていましたから」
「そ、そうだったかー?」
私が混乱していると、むっきーが答えた。
「はい。…そして、なぜそのようになってしまったのか…
それは先輩が一番わかってるのではないでしょうか?」
その言葉を聞いて、私の中に何かが走った。
「…ワハハ、頭の整理がしたいから、少し待ってくれないかー?」
そう言って私は静かに目を閉じた。
…そうだ。むっきーが言うような“乙女”ってのはよくわかんないが、今の私は確実におかしい。
普段は慌てたり、ドキドキしたことはほとんどなかった。
ましてや、人に分かるほど顔に出るなんてことはたぶん今までの高校生活で一度もなかったと思う。
おおらかなのがウリってほどだったからなー。
そして、その原因は…やっぱり佳織なんだ。
授業中でも、家にいるときでも、麻雀打ってるときだって、私は佳織のことしか考えられない。
恋とか、そんなことは昔から全く縁が無かったからこの佳織へのモヤモヤした感情が
何なのかよくわかんないけど、なんかもうどうでもいいや。
それに、写真なんかのせいで佳織との関係が壊れてたまるかってんだ。
今、私がするべき事は…
「…なぁむっきー、佳織は今どこにいるんだー?」
「む、佳織は恐らく教室に
「よし!!行ってくる!」
私はカッと目を開き、佳織のいる教室へと走った。
168 :
その4:2010/01/25(月) 00:30:21 ID:SAgI2FO7
全力で走ったおかげで、佳織のいる教室にはすぐに着いた。
佳織は友達と話していたみたいだけど、それでも構わず私は叫んだ。
「佳織!」
「ふぇっ!?」
「ちょっと来てくれ!!」
私は佳織の手をとるとまたすぐに走った。
どこに、なんて考えていなかったがとりあえず人の居ないところだ。
廊下にいる人たちをびゅんびゅん通り抜けていく。
一瞬、過ぎていく人たちが私と佳織を不思議そうな顔で見ていくのが見えたけど、
そんなこと今は関係ない。
そうして本能のままに走り、たどり着いたのは麻雀部の部室だった。
扉を開けると、中には誰もいない。
ワハハ、そりゃそうか、今は昼休みだもんなー。
…っと、そんなことを考えてる場合じゃないか。
「はぁっ、はぁ……」
佳織が息を切らしている。
ちょっと走りすぎたかなぁ…
「あ、あぁごめんなー佳織。少し落ち着こうか」
そうして佳織と話せるまで少し待つことにした。
「・・・・・」
ああ、ダメだ。
落ち着こう、なんて言ったのに私のほうが落ちつかなくなってきた。
ふと自分の手の先を見ると、佳織が顔を真っ赤にしていた。
その顔を見て私まで赤くなりそうになったけど、何とか我慢して一度その手を離す。
そしてその手を佳織の肩に乗せた。
「だっ、大丈夫かー?」
「はぁっ…うっ、うん。もう大丈夫だよ。」
佳織と目が合う。
顔を赤くして息を切らしている佳織はなんだか色っぽくて…
心の中のモヤモヤがさらに募るのを感じた。
「おっ、おぉそうかー。…ごめんな、こんなとこに連れ出しちゃって」
「いっ、いいよっ。それで…その………」
佳織は黙り込んだまま、固まってしまった。
このままじゃ話すチャンスがなくなってしまう。
もう行くしかない…!
そう思い私はさっきまで佳織の肩に乗っていた手を降ろし、ぐっと握りこぶしに変えた。
169 :
その5:2010/01/25(月) 00:32:33 ID:SAgI2FO7
「佳織!そっ、その…この前は勝手に電話切ってごめん!」
「えっ!?…い、いやそれは私があ、あんなことしちゃったから、私がわる
「ちがうんだ!佳織は悪くない!……あのときに言ったこと…
そのっ、かっ、佳織とならキスしてもいいってのは本当なんだ!!」
「・・・!!!」
「本当の事だったのに、自分でも言った事が信じられなくて思わず切っちゃったけど…」
佳織の驚いた顔が見えたが、私はそのまま続けた。
「あれから一週間、ずっと佳織のことしか考えられなくなって、思うたびにドキドキして…
ってか今だってドキドキしてるし…じゃなくって!
………え、えーっとつまり何が言いたいかって言うとだなー、
また、ふたりで一緒に遊んだり、笑ったりしたいんだ!!!」
私は佳織に自分の一番の気持ちを伝えた。
嫌われるかもしれないとも思ったけど、なぜか後悔は残らなかった。
すうっと肩の力が抜けていくのを感じていると、佳織が口を開いた。
「…智美ちゃん…わ、私もあの後からずっと智美ちゃんのこと、考えてたよ。
それでもどうしたらいいかわからなくて、悩んで…友達に相談したら
“多分相手も同じ事を考えている”って言われて…
それでね、今日放課後に話そうと思ってたんだよ。」
「そ、その内容って…?」
そう私が聞くと佳織は少しうつむきながら答えた。
「わっ、私も智美ちゃんと…一緒に遊んだり笑ったり、したいなっ」
「・・・・・」
「あ、あの…智美ちゃ…?!!!!!」
「ワハハ、すまん佳織。なんか体が勝手に動いた」
気付いたら私は佳織を抱きしめていた。
「智美ちゃん…いいよ。私もなんだか智美ちゃんに抱きしめられて嬉しいから…」
佳織はそう言って私の体をぎゅっと抱きしめ返した。
「うおっ!…佳織ー、ずっと前から気になってたけどさ、やっぱ胸でかくなったよなー」
「もう…智美ちゃんったら変な事言わないでよ…」
「ワハハ、すまんすまん」
自分でもこんなときに言うのはムードがないなーとは思ったけど、
こうでもしないと恥ずかしかった。
少し経ってお互いに腕を離し、緊張が一気にほぐれて冷静になると、
私の中にある疑問が浮かび上がってきた。
170 :
その6:2010/01/25(月) 00:44:34 ID:SAgI2FO7
「ところでさー佳織ー。ちょっと気になったんだが、さっき言ってた友達ってのは誰なんだー?
なんだか話を聞いてたら、私の事を知ってないと言えない感じのアドバイスだと思ったんだけど…」
「あっ、その子はね…「私です」
「へっ?」
突然扉のほうから声がしたので見ると、そこにはむっきーが立っていた。
「うわわっ、むっきー!?」
「…すみません、先輩が出て行った後気になったんで、追いかけて扉越しから盗み聞きしてました」
と、少し申し訳なさそうに、でも堂々とした口調でむっきーは話した。
「…んん?それじゃあさっき相談したときにはもう佳織と話してたのかー?」
「はい。昨日に。…今日先輩から話があるって聞いたときは驚きましたが、
今思えば必然だったのかもしれません。佳織と先輩、相談するときの顔が全く同じでしたからね。」
そう言ってむっきーはいつも通りうむ、とうなずいた。
・・・ああ、なるほどなー。
私が相談したときむっきーが妙に驚いてたのは私と佳織が全く同じ話をしたからなのか。
むっきーってなんだかんだで頼りになるんだなぁ、と思ってると
「ふえっ!?じゃあ智美ちゃんも睦月ちゃんに相談してたの?」
佳織がワンテンポ遅れてたずねてきた。
「ワハハ、まぁそうなるなー」
まぁなんにせよまた佳織と一緒に帰ったり、家で遊んだり、麻雀教えたり出来るんだなー。
よかったよかっ…
「ふふ、“佳織とならキスしてもいい”っすか。蒲原先輩ったら大胆っすね」
「こっ、こらモモ!いつ出て来ていいって言ったんだ!・・・あっ」
「むっ?」「ふぇっ?」「うおっ!?なんでゆみちんとモモがここに?」
私たちが混乱していると二人は答えた。
「あぁー…すまない蒲原。モモが“部室で面白いものがみれるっす”って言うものだからつい…」
「実は私、偶然むっちゃん先輩と蒲原先輩が話してるの見ちゃったんすよね。
そのあと蒲原先輩が、かおりん先輩の教室に走っていったんで追いかけて部室まで来たっす。
それで…なんかいい雰囲気になってきたからずっとステルスして見てたっす。」
と、ニヤニヤしながらモモが言うと
「ずっとって…どの辺りからですか?」
佳織が少し困惑ぎみにたずねた。
171 :
その7:2010/01/25(月) 00:46:08 ID:SAgI2FO7
「そうっすね…確か蒲原先輩が、こんな所に連れ出してごめんって謝ってる辺りっすかね?」
ってことは・・・・・
「ほとんど聞いてるんじゃないかー!
まったくむっきーといい、どうしてみんな盗み聞きなんてするんだよー」
「ふふっ…」
「なっ、なんで笑うんだー!佳織ー!」
「あっ、ごっ、ごめんなさい智美ちゃん。久しぶりに智美ちゃんの怒った顔が見れたから…
でも、本当はそんなに怒ってない…よね?」
佳織…やっぱお見通しかー。
「ワハハ、まぁなー」
「さすが幼なじみだけあるっすね!もう付き合っちゃえばいいっすよ!」
「うむ」
「おいおい…二人ともちょっとは反省したらどうなんだ?」
「そういうゆみちんだって見てたじゃないかよぉー!」
私がそう言うと、みんなは笑い出した。
そうして私達は昼休みが終わるまで笑いあった。
その後、私が佳織の教室へ乱入した事は、2-B乱入事件としてしばらく鶴賀の話の種になってしまった。
佳織は恥ずかしがっていたけど、私は佳織と噂になれてなんだか嬉しかった。
それに、今までの関係に元通りになったと思ってたけど、どうやらそれは違ったみたいだ。
「智美ちゃんっ!…一緒に帰ろっ!」
「おー、佳織ー。こんなとこで抱きつくなよー」
「えへへっ、誰も居ないからちょっと今だけ…ね?」
「ワハハ」
あの事件の後から少し佳織が積極的になった気がする。
まぁそれもまたいいかなーと思い、私は元凶のあの写真に少し感謝するのだった。
以上です
続編作るんてあまり考えてなかったのですが
読み返すと中途半端なところで終わってるのと
生まれて初めてgjなんていわれたんで調子のって書きました
かなり書くのに時間がかかったのとその6は本当は2つに分かれてなかったのですが
改行のエラーみたいなのが出たんでやむなく分割したんでおかしくなってたらすいません
スレ汚しすいませんでした ありがとうございました
GJ!
幼馴染CPは、ほのぼのしていいなぁ
あと鶴賀メンツが仲良しなのもよかった。続編ありがとう!
ワハハがテンパったりイジられたりする展開はいいものだ
あと、意識してのことかたまたまかは分からないけど
むっきーがカタカナ語を使わないのが、いい感じのセリフ作りだと思った
>>172 GJ
やっぱワハハかおりんは和むわ
それにしてもみんな盗み聞きしてたのか
あのさあ、ここの住人がエロパロスレで議論荒らしをしてて困ってるんだが
責任とって何とかしてくんない?
>>179 ある利用者の発言が気に入らないからって
別の利用者に対してそいつの発言行動をどうこうしろとかホザくアホが
いまだこの世に現存しているとは驚いた
そんなお願いに答える意味もなければ答える方法もないよ、管理人じゃないんだから
誰にどんな権力や発言力があると想定すればそんなことができると思えるんだ?責任って何?
屏風から虎を出してから言ってくれないか
ここまでテンプレ
>>156 よく出来たSSじゃないか!続き書かないなんてもったいないGJw
>>172 うおーワハハ×かおりん可愛いGJw
今日なのは見てきたんだが途中ワハハはともかく髪を伸ばした妹尾がいたような
気がしてならない・・・。
「対局終了です! 強い絶好調! カワイイよ小鍛治!」
ぴんと張りつめた空気が和らぎ、小鍛治健夜は普段の頼りなく弱々しい表情に戻る。そんなトッププロのギャップは非常にキュートであり、彼女にはファンが多い。
「小鍛治プロの躍進めざましいですね! それでは麻雀を愛するみなさんさようなら!」
会場ではまだ闘牌の検討が盛んに行われているけど、私には優先すべきことがあるのだよ……。彼女からのメールを開くと、いつものように破顔しちゃうのだ。
『アナウンサーの控え室で待っててね。すぐいくから』
うふ……。
みんな嫉妬して良いよ。私こと福与恒子の彼女、小鍛治健夜は非常にキュートだ。
ふわふわして待っていると嫁はまもなく現れた。
「こうちゃん、帰ろう」
「すきだー」
「こうちゃん……」
どちらからも求めて、気づいたらいつも抱き合ってる。すこさんは赤ちゃんみたいな甘いにおいがする。
「晩ごはん何にする……?」
といいながら挙がる選択肢は高級店ばかり。さすがはプロ雀師である。
結局いつものように愛の巣で鍋をつついているわけだけど。
「こうちゃんおでん好きだよね……。ふー、ふー、はい……」
愛情大根ラブラブ味。好きな人とのお鍋はいいですね!
「すこさん、あとでお風呂一緒に入ろう!」
「え……でも今夜は」
そうです。明日はお互いにハードスケジュールだから、高ぶったらほんの少しだけ困ることになっちゃいます。
でも入ってます。
すこさんのおっぱいちゅっちゅ吸ってます。
「ん。いい子」
頭なでなでされちゃったー。ほっこり。
「……こうちゃんとこんな風になれるなんて、いまでも信じられない」
そうだね。飲酒の勢いにまかせた、あなたの猛烈なアプローチがなければ、こんなしあわせな時間はなかったのかな。
ごめんね。
愛しさでとろけるくらい何回もキスをしよう。まだふるえてる、いじらしいあなたと。
「ずっと大切にするよ。こうちゃん」
あ、あれ……? それは私の台詞では?
ふくよアナこかじプロ、いいね。
あの二人大好きだから、こういうのすき
ついに来たか小鍛冶福与
小鍛冶ってよく間違えられる小鍛治さん。
>>184 GJ
やっぱあの二人はプライベートも仲良いのかな
190 :
すここう!すここう!すここう!:2010/01/28(木) 21:18:53 ID:9wbr8hLn
(う、うぅん)
う……からだが夜泣きしてるよ。同じベッドで寝息をたててるこうちゃんが誘ってるような錯覚に陥ってしまう。
こうちゃんとお風呂でスキンシップをしていたら、興奮して身体の震えがおさまらなくなるなんて。こんなのこうちゃんが好きでいてくれる淑女じゃないよ……。
でもこのままじゃ眠れないし、こうちゃん……いいよね。
ってダメだよ! 寝なさいこのエロ乙女! 社会人には明日がある。社会人には明日がある。あるんだってば!
……もうしちゃおう。自分で。
こうちゃんを抱き寄せて、ショーツの中に指を送り込んで、胸いっぱいにこうちゃんフェロモンを享受しながらの××
(こうちゃん……! こうちゃん……!)
「うへへーすこさんのえっちー」
ハートブレイク。
(……起きちゃった?)
ああ、いまきっと私みせられない顔してるよね。もうなんでもいいから、おねがいこうちゃん続きしてぇ!
「すこりゅ〜ん。ちゅっ♪」
「んぐっ、ぅ……ん……ちゅ……んぅ、ふっ――」
「ぢゅっ、ちゅ……んふふ〜……ん、ふぅ、んぅ……レロ、んん〜♪」
こうちゃっ、酸素がたりなっ、あ、あぁぁっ!
「れるぅ、ちゅばっ……んっ、んぅ〜〜〜っっ!」
こうちゃん、ありがとう――。
「いっばいキスしてくれたね……その、ボソボソ(達してるとき)抱きしめてくれてて、うれしかった……」
「すこ、さん……すぅ……」
「えっ」
(寝たままだったの!)
完全に脱力する私。眠気がくるまで、こうちゃん眺めてようかな。
なんて、そんなまったり気分はすぐに破壊されてしまうこうちゃんの異変。
「んっ……」
「こうちゃん?」
「すこさっ……あぁっ……」
(こ、これは……)
びくんっとこうちゃんの肢体が跳ねる。
こうちゃんは、私にあてられて完全にスイッチが入っていた。
「すこさん……すこさんっ……」
きゅうん……。
大丈夫だよ。夢の中の私と同じように、ううんまけないくらい愛してあげるから。
「じゅるる。おっと涎が」
翌日、私は初タイトルに繋がる勝利を得る。記憶にはない。
失礼。sage忘れスマソ
部長とかじゅが友達っていいね
しかも二人とも雰囲気は大人びてるのにすげーかわいい
是非のろけさせてあげてください
対して小鍛治福与は本当に大人だなw
さりげなく漂うダメ人間さと甘さがいい!
ちんすこう思い出した
単行本6巻で止まってるオレは あっちの こうちゃんかとおもってびっくりした
俺も
ダラリさんとこの本欲しかったお・・・
あれねー2回なくなったけどめろんちゃんにまだまだあるんだよ
さ、希少な小鍛治福与本を確保する作業に入るんだ(※部キャプ本です)
>>198 なん・・・だと・・・・?
それは良いことを聞いた
さっそくポチってくる
百合ではないんだが
覚醒咲・冷やし透華・満月衣に蹂躙されるカツ丼プロ総受けSSが読んでみたい
>>201 あなたが書けばいいじゃない!
と華麗にたらいまわし
麻雀でってことかと思った
森奈津子風味になりそうだな>カツ丼総受け
206 :
201:2010/01/30(土) 01:24:41 ID:5g2AfKE4
>>204 俺はそのつもりだったが言葉が足らなかったなorz
もちろん性的な意味でも全く問題ないがw
性的ならのどっち魔物地獄がコレクトとかイメージしたらとーかがホットになっちゃった
これではただの変態無双だ
コーチ「池田ァ!ウサギ跳び3周だ!!」
小鍛冶プロと福与アナの、真逆同士の組み合わせが好き
むっきー×なんぽみたいな似てる人同士も好きだけど
よくあることだ。自分の知らないあいだに友達の関係が進展していたりするなんて。
だけど、それが決定的に傷口を広げた。
痛い……もうどうにも立っていられない。私があげたものすべてが、咲ちゃんとの思い出に塗りつぶされていく。のどちゃんの中から私はいなくなるんだ。
だからその日も、曇り空だった。
「咲さん、また泊まりにいってもいいですか」
「……うん」
のどちゃんの指が咲ちゃんの指に重なる。
いつか自分にも向けられていた、あの期待させておいて見透かすような表情をしているのだろうか。確認する勇気はないが。
「お前、最近元気ないぞ。ちゃんとタコス食ってるのか?」。
「タコスぢからじゃどうにも治らないんだじぇ……」
「お前が元気ないと、なんか調子狂うんだよ……」
京太郎はやっぱり優しいやつだ。こいつと関係をもってしまえば、のどちゃんを忘れることができるのだろうか。
それが、まやかしでも。
そんな吐き気をもよおすような思考に至ったとき、高い場所が好きな人からの呼び出しで引き戻された。
「優希、ちょっとベランダにこない?」
◇
「なんだー」
「腐ってるから日光浴」
「いまのウチには届かないんだじぇ。もう構わないで欲しいじょ」
「嫌よ。 ……だってあなたは、私そっくりだから」
理解追いつかず。
「あら、やっぱりそういう顔するのね」
なおも部長は私に攻め込んでくる。
「いつも空元気だったわ。寂しがり屋で、まこがいなかったら多分どこか変になってた」
……。
「私にはもう誰もいない」
「私は、あなたと寄り添いたかったわ。出会ってからずっとね」
「そういうのやめてくれ……あんたの大事な人は染谷先輩だろ」
「大切よ。だけどあなたへの気持ちとは違う」
言わないで。
「優希! あなたの痛みを分かち合いたいの!」
「メンバーにはなる! 全国大会にはちゃんと出るから! 部長、もうやめて……」
感情が、涙が溢れてくる。私、子供だ。
「……少し、勘違いしていたわ」
額に、やわらかい感触。心の距離を図るようなキス。
「あなたの強情は私以上ね」
「……部長のこと嫌いじゃないけど、まだのどちゃんに愛されたい」
「わかってる。でも、少しでもそばにいさせて」 そんなの、部長だって苦しいのに!
「そして――絶対に和了ってみせるわ」
雲間から光が差し込んでくる。あたたかい光が。
最近あまりにも燃料が無さ過ぎ・・・。とりあえずここ2・3日は照×ふた○り菫で同棲生活を妄想してるけどさ。
白糸台勢の出番早くこいやぁああ!!!と思いつつも、出番が来てキャラの相関図が明らかになったら、
こういうぶっ飛んだ設定の妄想はしにくくなるだろうし。。やっぱり今のうちに楽しめるだけ楽しんどいたほうが良いのかね
PSPは和の咲ちゃんルートしかないのって寂しいな
どうせなら完全百合ゲームとして、好きなキャラ×好きなキャラ選び放題のものも制作してほしい
ああああちくしょおおお
妄想する時間こそ大切だろう
長期戦だぞこの作品は
>>214 逆に考えるんだ
設定が出てない今だから好きに妄想出来ると考えるんだ
とりあえずその照×ふ○なり菫を書いてくれるととても嬉しい
>>214 自分も見てみたい!
けど…ふた○りは読む人を選ぶ題材だからテキストであげるなりした方がいいかもね
和の嫁は優希
妻は咲
和と優希の百合百合っぷりが最近薄くて悲しいじぇ
>>219 和の嫁は咲
妻は優希
愛人はマホ
隣人の妻は透菓
これが正式だろう
照「お姉ちゃんそんなみだらな関係認めません!」
なんで
>>211 スルーされてるんだ?
もう少しいろいろ描写はして欲しいとは思ったけど
なんにせよGJだ
楽園のレポないとか寂しいな
とーかカプ本少なかった…
部キャプとかじゅももが大半だったからなー
英雄色を好むというが、咲は和、衣、照とフラグを立て過ぎだな
少々鈍感なとこも主人公らしいなw
>>220 将来原村家と国広家が隣人になるとは知らなかったわw
>>223 どーじん描きたいけど暇も画力も無いからねぇ・・・
幾つ有りました?
227 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/01(月) 18:16:40 ID:jrO6N4hN
>>222 規制解除されてるの気づかなかったんだよな
>>221 大人な部長と甘える優希が好きな俺は大変満足でした!
照の嫁は咲
妻は咲
奥さんは咲
妹は咲
これが正式だろう
照さんが咲と和が親友以上の関係であることを知ってしまったらと思うと怖くて
咲は普通に親友だと思ってそう
今日昼休みに昼寝してたら部キャプ照かじゅが同じ大学に入学する夢を見た
が目が覚めたらとっくに昼休み終わってて上司にど突かれたorz
おいお前ら、DVD9巻BOX絵見たか
立先生は分かってらっしゃる!!!どうせなら、もっと他のカプの描き下ろし絵も見たかったけど
でもそんなワガママは言ってはいけない。とにかく百合絵を描いてくれてありがとううう(´;ω;`)
裏は何が描かれているんだろう?
タイトルだけかな?
透一じゃないのは間違いないな
久まこ好きは公式に迫害されてる
というかマコの扱いがひどすぎる
眼鏡をはずしちゃうのはなぁ…かわいいけど
眼鏡っ娘は眼鏡をはずしちゃいけないってめがねっ娘教団のひとがいってたぜ
あまり無茶を言わないように・・・
久まこいいよね、熟年夫婦って感じがして
241 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/03(水) 02:32:06 ID:jIEL/C//
本編見てるとイケメン部長がキャプテンを口説いてるようにしかみえんw
眼鏡っ娘は心に眼鏡をしてるから
外しても眼鏡っ娘だってピンディ付けたエロい人が言ってた
マホが可愛すぎてつらい
熟年夫婦・・wwじわじわくる
>>243 マホ可愛いよな
あとのどっち大好きすぎる
マホもいつか大好きなけじらみをつかった役で必殺できるようになるといいな
>>238 こんな所で眼鏡っ娘教団の名前を目にするとはw
めがめが〜ね?
部長のキャラソンの歌詞が
どうも久まこを連想させて良い
本人含めて周りは覚醒全否定か
とーかの父親の言葉通りに自分と関わったことが覚醒の原因だと衣が考えるなら辛い状況だわな
透華には今の透華を好いてくれる人間が居るのだろうって言ってふっつり関係打ち切ったりしそう
覚醒というか凍華さんだね
彼女の出番はこれから先・・・あるのだろうか・・・
YGドラマCD聞いたが、原村さんはドコまで行ってしまわられるのだろう。。。
>>251 kwsk
というかそのドラマCD自体kwsk
>>252 今週のYG付録だよ。
バレンタインキャンペーン中のワグナリアに訪れた咲と和の話。
最近あんまりSS投下されないな
原作やらオンリーやら燃料盛りだくさんじゃないか
いちばん透和くれるのが原作者様だぜフハハー…
>>254 みんな本編で満足してるんじゃない?
咲→透華
期待しても・・・いいのかな?
飢餓感が出るのは2/20-3/19の一ヶ月間だな
まぁバレンタインネタでも仕込んでおくか
南浦むっきーの人とかともきーのカプセルの人とか最近どうしてるんかな
ちょっと前までいたのになんかすげー懐かしくなってきた
>>257 お姉ちゃん子な咲と母性愛にあふれるとーか
かなり良いかもしれん
咲が同じ様な境遇で龍門渕に通っていたらとーかはやはり世話焼かずには居られないんだろうな
昔の咲だと物分りの良い衣みたいなもんだったし
おおお…とーかが目立っている
かじゅモモ好きとしては埋めの人が来ないのが気がかりです
透華様は異色カプどころか一ちゃんとの話すら最近は見かけないのが悲しい…
今週号まだ読んでねえや
最近の原作はもう当然のように百合いれてきてここで語るまでも無くなった感じだな
もし原作咲-Saki-が完結したら、今度は全く同じキャラで百合のみの漫画を描いてほしい・・・
まぁ最近は原作でも百合増えてきて嬉しいけど。立先生の描く女の子はみんな可愛いからまじで最高
あの絵柄本当に大好き
うむ、よく分かる。
りったんはネトゲ漫画も百合設定にするぐらいの百合好きだから
いろいろやってくれるのを期待してる。
※キャラ崩壊、gdgd、萌えない、オリジナル注意
『全国団体予選第一回戦!もう既に数々の名勝負が生まれたこのD卓で、
間もなく大将戦が始まろうとしています!只今1位永水女子高校2位清澄高校!
さて清澄高校反撃なるかァ〜?!試合開始ィ!』
『他の2校も紹介してあげて...。』
(...始まった。いよいよ全国。私、来たよ...お姉ちゃんのいる東京に...!)
〜〜〜〜〜
『おおっといきなり永水女子の猛攻撃!他3校は手も足も出ない!
これは永水女子優勝か?!おめでとう!!』
『まだ試合終わってないってば...!』
(...流石全国。最初からこんなに強い人と打てるなんて...!
思うように手が進まない...。点差が開いていく一方...でも、あの時。
......合宿でのあの人と比べたら...!)
「カンッ!!」
〜〜〜〜〜
『きィィまったァア!全国団体予選第一回戦!D卓を制したのは初参加の清澄高校だァー!!
宮永選手が見事な嶺上開花で勝利の花を開花させましたァ!!』
アナウンサーと観客の歓声の中、咲は一人、仲間たちの待つ控え室に戻っていく。
(合宿での事がなかったら...負けてたかもしれない、あの人には感謝しないといけないな...。)
瞳を閉じて進んでいると、向こうから和がやって来た。
「宮永さん...!」
「原村さん?どうしたの?」
「ど、どうしたのって心配になったからに決まっているじゃないですか!」
「え?!わ、私...何か変な打ち方したかな...??」
咲はさっきの対局を回想してみる。可笑しなところは特に無かったような...?
「いえ。対局は素晴らしかったですし楽しそうにしている宮永さんがとても(素敵でした...。」
「え?何?」
「い、いえ!そんな事より宮永さん今どこに行くつもりだったんですか?」
「どこって、控え室だけど...?」
左の通路を指差して不思議そうに答える。
「...そっちは観客室の方ですよ...。」
「え?!あ...そ、そうだったっけ?」
エヘヘと頭を掻く咲を和はやっぱり...と見つめる。
「だから心配になって来たんですよ。」
「うん。そうだね、ありがとう!」
「...!///」
笑顔で首を傾かせる咲に思わず和は頬が赤くなった。
そんな時、こちらに駆けて来る足音と元気な声が響き渡った。
「咲ぃ〜〜〜〜〜〜!!!」
「あ...衣さん。」
(こ、衣ちゃん?!)
「いらしてたんですか?」
「うん!咲の麻雀を見に来た!」
(え、こ、衣ちゃんがいるということは、もしかし...?)
「相変わらず凄い闘牌でしたわ。」
「あの状態から逆転出来るなんて本当凄いよね。」
続いて透華と一もやって来た。
(あ...あ...やっぱり!)
「試合!み、見ていてくれたんですか?!!」
「ふぇ?!ぇ、ぇぇまぁ。」
急に迫ってきた咲に透華がたじろぐ。
「この私達を倒した相手が敗退しないように応援するのは当然の事ですわ...!」
本当は原村を見に来たくせに...と一が苦笑いする。
(そんな、わざわざ応援に来てくれただなんて...。)
「あ、あの...!私!頑張ります!!」
更に押し迫ってくる咲に透華はもう一歩後退る。
「えぇ...が、頑張って下さいまし...???」
(み、宮永...さん?)
「咲!大会が終わったらまた遊ぶぞ!」
「うん!...その時は、お邪魔してもいいですか?」
「勿論歓迎いたしますわ。原村和!私以外の方に負けたら承知いたしませんわよ!」
「は、はぁ。」
「とーか駄目だよ人を指差しちゃ。」
そんなこんなで帰って行った龍門渕一行。
(大会が終わったら...衣ちゃんや龍門さん...お姉ちゃんと打ちたいなぁ。)
(宮永さん...。)
「原村さん!」
「はい?!!」
和の両手をギュッと握り締める。
「これからも、頑張ろうね!」
「え、あ、///...はい!!!」
以上。まだ本誌買っていない人の至ってイミフな妄想(オイ
何か小ネタ提供してくれる人がいなくなったような…?
本誌はともかく付録のCDはオススメかも
部長がもてあましたチョコはかっこよく長期間で食べつくすのか、それともタコスの胃袋にいくのか
ピンクちゃんねるの上の方にある冷し中華はじめましてが
どうも透一の事に思えてドキドキしてしまう今日この頃
「冷やしとーかはじめました」というタイトルの透一本が夏までに出ると信じている
>>272を見たとたん起承転結まですべて思い浮かんだわ
全国クラスの敵たちを次々と屠ってゆく、冷たい透華。
歓声を上げる龍門渕の面子とは裏腹に、ちょっと複雑そうな顔をしている、一。
透華は、そんな一をテラスへ呼び寄せ、事情を聞く。
一「……透華が、遠い存在になっちゃったように感じちゃって。あ、あはは、何言ってるんだろうね、ボク」
そんな一を、透華は優しく抱きしめる。
透華「大丈夫。私はいつも一のそばにいますわ」
おっと、急に用事を思い出した
チョコたくさん貰えそうな人
キャプテン、かじゅ、和の三強
チョコなら純と部長もじゃね?
つか咲和好きは良いよね。
アニメもそうだけど原作やらファンブックやらでたくさん燃料補給できてさ。
正直うらやましい。白糸台勢の百合はまだかね・・・
キャプ、かじゅ、和どれも量より質な印象
まあ純一強か…だがガチ子はすくなそう
キャプテンは80コは貰えるな
>>278 和は逆だろ
質より量
量より質なのはきっと咲だな
hrmrさんと衣と匿名で照から
こーすこ分なんてどこで補充すりゃいいんだよ
こーすこって何?
小鍛冶と福与?
Exactly
飽きるまでダラリ本の2ページ眺めてれ
>>231 その4人での対局は見てみたいかもな
トップは照だろうが残り三人もただ負けそうにはないし
風越最強世代(照・部長・キャプテン・咲・和・池田)はちょっと見てみたい
カナるんがいらないとか鬼だ
三年が卒業するとすげぇ弱体化しそうなメンツじゃのう
>>290 個人的には必要だが戦力的に団体戦メンバーから外されそうだし
解説役に池田とかタコスが必要
照の彼女は菫さんなのか、それとも淡なのか
どっちも見栄え良いな
>>294 ポジション的には照、菫、淡はとーか、はじめ、衣に置き換えられるんじゃないかと思う
白糸台組はモンブチ組ほど親密じゃないだろうけど
照が淡にクリスマスプレゼントで贈るのはテディベア
菫に贈るのはバイト代三か月分の指輪
そういう違いか
妻と愛人?
とりあえず麻雀の話一切なしで照菫のエロ多めなSSが読みたい。
白糸台燃料足りない。
そんなハードル高くして他人まかせにしちゃいけないよね
わくわく
エロ多めってアハンウフン言ってるだけになるじゃん
それが良いんだよ!\(^0^)/
単行本派の俺は白糸台も個人的に好きな小鍛冶ふくよもまだ全然わからんから、書けないのがつらい!
ともきーエロが読みたい今日このごろ
何かバレンタインに間に合わせたかったけどテンションがあがらない
お腹が減ったついでに勢いで咲和のバレンタイン小ネタ。
まじ勢いだけで書いたからつまらないだろうけど気にしない。
* * * * *
「じゃんけんぽん!」
あ、また勝った。
私は自分の出した拳を見つめて、そう思いながら歩を進めた。
「ぐーりーこ。」
振り返ると咲さんはさらに小さく見えた。これで私の5連勝。
負けるのは嫌だけど咲さんとの距離はまた離れてるのも嫌です。
「和ちゃーん!!」
向こうで咲さんが手を振って私の名前を呼ぶので、私も片手を挙げてそれに応えます。
「いくよー、じゃんけん…」
咲さんチョキ、私チョキのあいこ。
仕切り直しだと思った瞬間気付きました。
最初から咲さんはチョキしか出していない。
それに気付いたら後は簡単。
「ちよこれえとっ!」
ぐりこの3歩よりチョコレートの6歩の方が歩数も多いから、すぐに咲さんは追いつくはず。
「あっ!」
と油断大敵ですね。
咲さんは歩幅を稼ぐ為にジャンプしながらこっちにきていたのですが…、焦っていたのか、途中で転んでしまいました。
「咲さん!?大丈夫ですか!?」
急いで駆け寄ると咲さんは「いてて」と言いつつも、
「大丈夫だよ、和ちゃん。」
と、私を見上げて笑うので、私は彼女に手を伸ばしました。
「大丈夫ならいいですけど、気をつけてくださいね。」
私と手を繋いでいれば転ぶ心配ないですよ。
と続けようとしてやめた。
やはり直球の表現は恥ずかしいものなのです。
「和ちゃん。じゃんけん?」
咄嗟に出していたのはパーでした。咲さんはチョキ。
なんだろうと思っていると、咲さんはバックの中から綺麗にラッピングされた箱を取り出しました。
「ち、よこ、れ、えっとっ!……ハッピーバレンタイン!和ちゃん!」
彼女がチョキにこだわっていた理由はこれだったんですね。
咲さんからそれを受取ながらそう思いました。
嬉しいのは山々なんですが…
「咲さん、ありがとうございます。本当に嬉しいです。でも……、今日はバレンタインデーじゃありませんよ。」
今日は12日、バレンタインデーは14日です…よね?
咲さんは少し顔を赤らめて斜め下の方を見ました。
「明後日は日曜日だったから…。もしかしたら渡せないかな?って思って。」
なんて愛らしい理由なんでしょうか。
日曜日といっても、私は咲さんの為ならどこへでも駆け付けるのに…!
と、ちょっと浮かれてました。
自分を落ち着かせ、咲さんに集中…。
「あ、あのね!どうしても和ちゃんにチョコ渡したかったから……。」
すいません。
抱きしめてもいいですか?
いや、答えは聞いてません。
* * * * * *
そのあとのことは原村さんと宮永さんに直接尋ねるか、各自妄想で補ってくださいまし…
面白くないし、くだらなくてごめんなさい。
咲和分乙
白糸台バレンタインssまだかぇD
ウィキが1ヶ月前から更新されていない…
更新するのは誰でも出来るんだじぇ
用事が入ったから白糸台バレンタインSSは無理になった。。。
>>306 電車待ち中に読んでたら不審者になってしまったジャマイか
いいぞもっとやれww
これはいい咲和
305に続けとばかりにやってしまいましたサーセン。
小ネタ・鶴賀の場合。
家から自転車で10分ほど。この界隈で一番大きなスーパーにやってきた佳織は意外な人の、
というか知人の意外な姿を目にした。
「あれ、桃子さん」
「ちわっす、かおりん先輩」
いつもおとなしい、同じ部屋にいると知っていてもつい見落としてしまうほど影の薄い後輩が、
珍しくも存在感というか気合に満ちている。
一瞬戸惑った佳織は、彼女が持つ買い物籠の中身を見て納得した。
生チョコ、トッピング用のペンやアラザン、そして湯煎に使うと思われる小型の鍋。
「加治木先輩に?」
「もちろんっすよ!」
照れながらも笑顔で即答する桃子。
「今まで自分で作ったことは?」
「が……頑張るっす」
その笑顔が引きつった。佳織も苦笑する。
「一緒に作ろうよ。道具貸してあげるから」
佳織はチョコレートだけでなく、卵、牛乳、ミックス粉に生クリーム、苺まで買い込んでいた。
「ケーキ作るんすか?」
「中学生の頃から毎年手作りのチョコをあげてるんだけど、美味しいって言ってくれるだけで、
わたしの気持ちには全然応えてくれないの。だから今年こそは!」
佳織の気合もまた、桃子に劣らないものだった。
図書室の一角に小さなくしゃみの音が響いた。
「風邪か?」
「ワ、ワハハ……」
力なく笑う蒲原に、溜め息を吐く加治木。
「試験当日に体調を崩したら大変だぞ。先に入って待ってると妹尾に約束したんだろう?」
「……佳織がどうしてもって言うからね。あの子の学力ならもっといい大学だって目指せるのに、
私と同じ所に行きたいって」
「それならますます」
落ちるわけにはいかないな、と言いかける加治木を遮って、蒲原は別のことを口にした。
「もうすぐバレンタインデーだよね」
「だっ、だからどうした」
「あの子は多分、私が望めばどんな事でもしてくれる。それが判ってるから我慢してるんだけど、
年々アプローチが激しくなってきてさ。特にこの季節は。もしも手作りのケーキなんかもらったら、
もう自分を抑えられそうにない……」
人が変わったようにシリアスな蒲原に加治木は絶句した。が、次の瞬間。
「ワハハ、それよりゆみちんはどうなの。さっき動揺してたみたいだけど、モモがどんなのを
くれるか楽しみにしてんでしょ」
「お前なぁ!」
2人のじゃれあいは図書委員に叱られるまで続いた。
P.S. 睦月と数絵はどっちがどっちに渡すか想像できませんでした。
GJ
ところで睦月×南浦は、このスレでは公認カプになってるのか
スレ公認とか非公認とかそういうのはないから
当スレはどんなカプだろうと何でもウェルカム
>>306 GJ
このときの咲は照と仲直りもして幸せ絶頂状態だと妄想
>>313 GJ
ワハハかおりん分補給
睦月と数絵は2パターンやるのもありだったんじゃないかな
仲良し鶴賀は和むねぇGJ!
>>313 鶴GJ!
龍門でバレンタインを妄想した
ところで、龍門渕高校って女子高か?共学か?
>>319 井上アニキがいるので共学に決まってるだろう
というのは冗談として、鶴賀以上に学校内の様子が見えないからなぁ……
のどっち!のどっち!
とーか!とーか!
サーニャ!サーニャ!
子供じゃない!
こんなだから普段あんまり気にしないものな。純さんはバイセクシャルらしいけど
ハギヨシはモンブチの生徒説
324 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/13(土) 22:29:46 ID:oanI5fvo
ハギヨシかっこいいよハギヨシ
ハギヨシ女体説
ハギヨシ「カタカタ…透華様はヘタレ受けがジャスティス…送信っと」
まともなバレンタインSSが書けなかった為、小ネタを投下。白糸台でバレンタイン。
* * *
その日、淡が部室に入った瞬間、何かが額に直撃した。痛む額を押さえて飛んできたものを見ると、それはチョコレートだった。
「大星、こっちこっち」
自分を呼ぶ声がする方を見ると、そこには避難訓練よろしく麻雀卓の下で座り込む誠子と尭深が居た。
「な、何してるんですか」
淡がそう聞いた瞬間、今度は側頭部にチョコレートが直撃した。何か身の危険を感じた淡は、慌てて二人の居る麻雀卓へと向かう。
「一体何なんですか? 何があったんですか?」
説明を求める淡に、尭深が黙って指をさす。つられて淡が視線を向けると、その先にはただならぬ雰囲気の照と菫向かい合っていた。
「どうしたんですか、二人とも――」
「何だと思う?」
淡の質問に、誠子が逆に返す。質問を質問で返されても困るのだが、とりあえず考えてみた。
「えーと、弘世先輩が大量のチョコを貰ってきたのを見た宮永先輩が癇癪起こして痴話喧嘩、ですか?」
「……正解」
淡の答えに、尭深が頷く。その隣で、誠子は溜息をついていた。
「もったいないよなぁ……アレなんかすごく高そうなのに……」
「そういう問題ですか? っていうか、止めなくていいんですか」
「大丈夫……その内止まる」
「え?」
「まあ見てなって」
淡の心配をよそに、二人は事の顛末を知っている様な口ぶりだった。
「……あ、弘世先輩がポケットからチョコレートを」
「あれは、手作りチョコ……」
「そしてそれを見た照先輩の動きが止まるっ、と」
「……それから、押し倒す」
「チョ、チョコを口移し……!?」
「これで終わりかな」
頃合、とばかりに誠子と尭深は立ち上がる。
「何で分かったんですか……?」
座ったままの淡は、不思議そうに二人を見上げた。
「……去年も全く同じ事があった」
「で、そろそろ止めないととても放送出来ないような事になるからな」
そう言って、二人はタイを解く行為に進もうとする菫と照を止めにいった。
「…………」
その後、菫が貰った大量のチョコレートは麻雀部の皆でおいしくいただきました。
白糸台高校麻雀部活動日誌 2月14日
* * *
以上です。照の不機嫌そうな表情が多いのは、菫がモテモテなので嫉妬しているからだと思います(ぇ
GJ
俺も白糸台SS書きてえええ
原作早く進んでくれ
>>323 その発想は無かったw
もしそうならハギヨシスーパー高校生だな
>>327 GJ!
でも照ももてそうだけどなあ
下級生から「様」付けで呼ばれてそう
>>327 GJ
白糸台ネタも久しぶりかな
>>328 他の人みたいに原作待たずに書いちまえよっていうのは言っちゃいけないか
まりあほりっくの茉莉花さんも生徒だったから
ハギヨシがモンブチの生徒の可能性もゼロではないな
>>327 GJ!
>>327 うおおお!!!白糸台SS待ってたぞ〜!!!激しいくGJだ!またなんか白糸台で書いてくれ!!!
334 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 15:32:54 ID:TWPeJL2P
335 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 15:50:42 ID:SP+gf2GT
すまん、あげてしまった・・・
白糸台いいな〜、全国では白糸台の百合に注目だな
「よいか、そもそも昭和21年の今日、進駐軍のバレンタイン少佐が子供たちに……」
「へ、へぇー」
「衣さん!咲さんにおかしなことを吹き込まないでください!」
菫さんの人気は凄い
そんな人気者の菫さんからチョコ貰える照羨ましい
バレンタインSSGJ
盛り上がってるね
乗り遅れないよう龍門渕でSS透華様
龍門渕高校のバレンタイン
学校帰り、透華率いる麻雀部ファミリー五名は、送迎車の中でチョコの見せ合いをしていた。
今日は二月十四日、バレンタインデー。ラブコメ好きな女子高生がにわかに活気付く一大イベントの日だ。
「こんなに食いきれるかな」とホクホク顔なのは純だった。両隣の座席には、チョコが詰めてある紙袋が置いてある。ぱっと見でも十個単位だ。
「純くんは女子にもてるよね」と一が楽しそうに言う。
「そんなにもててもなー。ま、嬉しいけど」と純が頬を指で掻きながら笑う。
透華はそんな純が勝者の余裕にしか見えなくて、イライラしっぱなしだった。腕組みをして、貧乏揺すりを繰り返す。
「ほんっとに純のくせにもらい過ぎですわ」
「おいおい、そんなに欲しいのかよ。後が大変なんだぜ」
「欲しいとかではなくて、私より目立っているのが許せませんわ。うちの女子達ときたら、キャーキャー騒いで」
バレンタインの主役になれなかった透華が妬いて拗ねる。
今日の学校での光景は、彼女にとって楽しいものではなかった。
純がどこに行っても取り巻きは絶えず、チョコの手渡しがある度に黄色い歓声が上がっていた。
当の純は、下級生や上級生にまで付き纏われ、ほとほと疲れて参ったのだが、根っからの目立ちたがりの透華はそれが羨ましかった。
透華のストレスが急上昇しているのを感じた一は、何とかフォローしようと透華の隣に置かれている袋を指す。
「透華だってけっこう貰えたじゃない。何個かあるんでしょ」
「はじめの方が多いですわ」と逆に睨み返された。一の隣にもチョコの入った袋が何個か置いてあった。その数は透華より若干多い。意外に一は女子に人気があった。
勝者が敗者に掛ける言葉はない。失敗した一は、冷や汗を流すしかなかった。
「私はゼロです」
困る一をフォローするように、智紀が申告した。
みんなはどう言っていいのか困ったが、純は自分の鞄に手を突っ込んでゴソゴソと何かを探す。
探し物が見つかると、智紀の膝の上に放り投げた。
「ほれ、オレがやるよ」
純が放ったのは、ちゃんとラッピングされた正方形の箱だった。
智紀はどう受け取っていいのか分からず、とりあえず「ありがとうございます」と言って手に取った。
「それ、オレが自分で買ったやつだから」
そう言って純は笑ったが、その意味が余計に分からなくなっただけで、みんなは唖然としていた。
そのやり取りを見ていた衣が、気恥ずかしそうに申告する。
「衣も一つたりと貰えなかった」
「おっ、じゃあ食べきれねーからやるわ」と純が紙袋に手を突っ込んだ所で、「純のはいらない」と衣が断る。
「かなり傷つくんだけど」と冗談半分で怒る純には構わず、衣はちらりと透華を見て顔を赤くした。
「衣はとーかのが欲しいな」
「指名ときたか」と純はつっこめたが、他は突然のカミングアウトに脳の情報処理が追いつかなかった。
「駄目?」と泣きそうな顔でもう一回聞かれた所で、透華は我に返った。慌ててチョコを探すも、あるのは貰った物だけで、自分のチョコは用意していない。透華は運転席に向かって叫んだ。
「ハギヨシ! 行きつけの洋菓子店に向かってちょうだい」
「かしこまりました」
この流れで何を買いに行くかは一目瞭然だ。
焦った一は、自分の鞄を開けてまさぐった。朝からずっと渡そうと用意していた物があるのだ。
一はリボンが付いたハート型の箱を差し出した。
「透華、これボクからの。手作りだけど受け取って!」
「あ、ありがとう」
勢いのまま透華は受け取る。もう次から次で、何が何やらの状態だ。
今度は衣が腰のポーチを開けて、長方形の箱を取り出した。
「とーか、これは衣からだ!」
バレンタインデーの午後。龍門渕家の送迎車内は、混乱を極めていた。
終
今、一X透華X衣の三角関係物を書いてるんで、こんなんなっちゃいました
近いうちにそっちも投下できたらいいなと思ってます
では
>>343 ほのぼのファミリーGJ
三角関係だとはじめさんの立ち位置が気になる
楽しみにしてます☆
GJ
バレンタインネタは鉄板だな
>>GJ!
>>343 ふぉおおおGJです。>衣はとーかのが欲しいな
ふぉおおお。はじめところもにいっぺんに渡され戸惑うとーか萌えぇえ
まとめWikiの風越無くなってね?
いや、あるよね?
そんなことよりもみんなどこへ行った
見送られることもなくー
地上にある星をー
白糸台の百合が早く見たいです・・・
年内に見れるのだろうか
ちわ、シリアス長編書いてた者です。
Wikiに直接投下しましたので、このスレに投下されたそれは突然やってくると魔法の呪文は保存しないで大丈夫です。
なんか早く投下したいとか言って全然できませんでした。ちょっと時間が経つとやっぱ駄目だな、と思いまして。
でも、出来もだいぶ駄目なんですが、1、2だけ投下して全部やらないのは気が引けました。
ほんと駄文で、長文でぐだぐだですが、いい勉強になりました。
ちゃんと長編書ける人ってやっぱりすごいですね。
へたくそで、つまんない長文ですが、1つでも読んで頂けたなら嬉しいです。
では、失礼します。
白糸台は照菫か照淡なのか・・・どっちも見栄えいい
菫淡という組み合わせが有ってもいいだろう…
見栄えで言えば黒髪×金髪の正に王道じゃあないか…
>>359 すまん、見開きで菫と淡が照を見つめてたから
本命は菫⇔照だけど
菫→照←淡でも良い
咲を菫照淡で愛でる感じでもよい
>>357 早速読ませて頂きました。
GJの一言では現しきれない超大作、本当に感動しました。
文章の作りや一人一人の心理描写がものすごく丁寧!
改めて咲和好きでよかったなあと思いましたw
もしよかったらまた、よろしくお願いします。
>>357 面白かったけど衣が「清澄の大将」を連呼していて少し萎えた
アニメしか見てないのかもしれんけど原作漫画みたいに名前呼びの仲の方が
衣の台詞により重みがあって良かったような気がする
ともあれ乙
と思ったらよく見ると呼んでたな
失礼見落としてたようだ
咲和いただいた
ありー
>>365 残念ながらもう原作でも清澄のリンシャン使い程度の呼び方しかしてないよ
原作は迷走中だし
衣はなんとなく咲よりのどっちとくっついて欲しい
咲と呼んだのって二回だけなのに
やたらと咲呼びを推したがる人が多いのよね
風呂での純との会話だけを唯一の頼りにして
咲呼びを否定したがる人が多いのよね
文脈が読めずに、使われた文字を記号的に判断してるアホの子なのよね
嶺上使いって言わないと純に通じないからだろ
>>370 同意
和も趣味が子どもっぽいから、衣と意気投合しそう
おいおい最初に狙ってたのはとーかなんだぞ君たち
いや、マホ…?
和と衣の組み合わせだとあの主張激しい母性に埋まる衣が思い浮かぶ
そしてそれを見て悔しがるとーか
国広くんも結構ヘタレだね
はやく押し倒せよ・・・
なんで純を人の名前も覚えられないような馬鹿にしたがるのか良く分からんなぁ
この衣の咲呼びとリンシャン使い呼びに関しては、なんでかちょくちょく言い争いが起きるな。
>>378 どちらかというと覚えられないじゃなくて覚える気がないだと思うんだ
>>379 本人の前で咲と呼んでる以上そっち優先すべきだと思うけどな
今後咲本人にリンシャン使いって言ったらリンシャン使いが正しいと思うが
衣レイプして、はらませたい
二次創作に正しいも糞もないと思うが
>>383 俺は二次創作の話はしていない
二次創作でどうするかは当然作者の自由
正直、咲でもリンシャン使いでもどっちでもいいと思うんだけど・・・
そうだそうだ
原村さんでも和ちゃんでもどっちでも良いじゃないか
387 :
きよすみてる@:2010/02/21(日) 04:06:57 ID:8oi+3b/f
ぽろっとSS透華さま
出 演:照&キヨスミーズ、モンプチ団、菫、キャプテン
百合分:ふへへ エロ:あにはからんや ばか度:果てしなく広がる大空のようにばか
ちらっと厨2&ちょこっとホラー風味を含みます 長め 7〜8レスほど
if設定:照が清澄、菫が風越 もうやんないとか言っといて、if話
>>21の続きです いろいろスルーするっすよー お願いするっすー
≪前回までのあらすじ≫
咲と衣がきゃっきゃうふふで照と和がプンプン、久と優希はわくわくだけど、まこはやれやれ
そんなこんながアレやコレして、清澄対龍門渕ということに。急遽、清澄ーズは龍門渕家へ…
↓スタート
***********************************
「 龍門渕邸奇譚 」 〜清澄照物語〜
「ほあー…でっかいじぇー」 「噂には聞いてたけど、これほどとはねー」
ここは龍門渕家、本邸正面玄関に面した前庭である。
辺りに薄暮の迫るころ、これも龍門渕家の敷地内である深い森を抜け、ようやく到着した。
高級リムジンを降り立った清澄の面々は、一様に唖然として荘厳な邸宅を見上げていた。
ただ独り、照だけはポーカーフェイスである。
「こりゃケーキじゃのうて、マスクメロンかなんかの方がよかったかのう」
先ほどの喫茶店で調達したケーキを掲げて、ため息混じりにまこが言った。
「いらっしゃいまし!ようこそ、清澄高校の皆さん!」
車回しに面した階段の上で、開け放たれた大きな玄関の前に立ち、龍門渕透華が出迎えた。
純白のワンピースを身にまとい優雅な笑みを湛えている。邸内の明かりが服を透かして
そのしなやかな肢体のシルエットをうっすらと浮かび上がらせていた。…ちょっとえろい。
「こんばんわ、透華さん。良い夜ね。お世話になります」 久がニッコリと笑い、言った。
「とーか、ただいまー。じゅんたちはー?」
「おかえりなさい、ころも。中にいますわよ。さ、皆さんも遠慮なく」
一同促されて玄関をくぐった。玄関ホールも広い。豪奢ではあるが悪趣味ではない調度品、
天井には巨大なシャンデリア、まるで映画のセットか何かのようだ。
「ふぁー…すごい」 思わずきょろきょろしてしまう咲に、メイドが一人、近づいてきた。
「宮永さま、お荷物お預かりいたします」 恭しく礼をする。
「あっ、はい、ありがとうございま…って、ええっ!じゅんさん?」 メイド姿の純だった。
「ようっ、久しぶり。よく来たなー。楽しんでってくれよ」 軽くウィンクして咲に言った。
「ようこそ、龍門渕家へ」 「…いらっしゃい」 はじめとともきもメイド姿だ。
「おおう、メイドノッポ!コスプレ趣味があったとはびっくりだじょ!」
「うっせーなタコス!コスプレじゃねえよ仕事着だ!似合わねーのはわかってら!」
「ゆーきちゃん、失礼だよ。似合わないなんてことないです。じゅんさん、かわいい!」
「へ?い、いや…、そうか?」 「はいっ、とってもカワイイですよー。ふふっ」
「その、なんだ…ありがとよ」 「じゅんが照れてるー!」 衣が純の背中に飛びついた。
「うわっ、重っ、こらやめっ!べ、別に照れてねーし!」
「おお、真っ赤だじょイケメン!なんかカワイイじょ! ”じゅんちゃん”って感じ!」
「何をコイツ!」 純が優希をがしっと抱え込む。「相変わらず育ってねーな、お子様め!」
「ぎゃーやめれー!セクハラメイドー!じゅんちゃん!じゅんちゃんさんしょくー!」
「あはははは、さんしょくーー!」 純の背中で衣がはしゃいだ。
「ぷっ、純全三色って、あはは、二人ともダメだよう、あはははは」
「そう言うお前も笑ってんじゃねーか!このっ!」 がしっ 「うきゃーーーっw!」
「…じゅん、楽しそう」 「いつもお子様たちに大人気だよねー、じゅんくん」
きゃっきゃと騒ぐ4人を、ともきとはじめがニヤニヤしつつ眺めていた。
「こっちもあんまり育ってねーなー、ちゃんと飯食ってんのかー?お前ら!」
「ひどーい、じゅんさん!」 「セクハラおやじメイドだじょ!はなせー!」
「じゅん、ころもは?ころもは?」 純の首にしがみつきながら衣が訊いた。
「そう言えば衣はちょっと大きくなってきたんじゃねーか?でも肝心なトコはまだまだ!」
衣をおぶさったまま、咲と優希をむぎゅっと抱きしめた。
「このぺったんこ共め!w 後で旨い飯、腹いっぱい食わしてやるぜ!楽しみにしてな!」
いいお兄…ゲフンッ、失礼、良いおねえちゃんだ。
「う〜む、(仲良きことは美しきかな、と言いたいところじゃが…照ねえさんと和は…)」
二人の様子を伺うまこ。意外にも、純とじゃれる咲を見て取り乱すでもなく、無言である。
「ほう…、もう戦闘モードっちゅうわけかい。さすがじゃねえ」
(くっ…咲のぺったんをコケに!だがここで怒ると咲が悲しむ。我慢だ。でも…)
(くっ…咲さんが年上に弱いのはもう仕方ありません。ここは我慢です。でも…)
(( 井上純!くっつきすぎ!あとで ボ コ ボ コ に 決 定 !! ))
秘かに闘志をたぎらせる二人…と言うと聞こえはいいが、要するに、単なるやきもちだ。
* * *
移動の疲れを癒すため、軽くお茶でもということで、一同は控えの部屋へ通されたが、
咲と優希のお子様チームは、衣とともに純にくっついて邸内の散策に出ていた。
部屋にいるのは、照、久、和、まこの4人である。
落ち着いた照明に、ゆったりとしたソファーが心地いい。
「あー、くつろぐわー。寝ちゃいそう」 ぐっと伸びをする久。
「これから勝負ですよ、部長。もっと真剣にお願いします」 少しムッとして和が言った。
「? …のどか、何か怒ってない?」
「……咲さんに、これは遊び、と言ったそうですね。車の中で聞きました」
「ん?ああ、そういえばそんなこと言ったかなー」
「心外です。私も照お義姉さんも、本気です。真剣ですから」
「あはは、わかってるわよ。別にあなたたちの気持ちを茶化したわけじゃないわ」
「だったら…」 何か言いかけた和を手で制して、久は続けて言った。
「でもね。そしたら、この勝負で咲を取り合う?咲の気持ちとかお構いなしで」
「う、それは…それとコレとは話が別です!」
「でしょ?それにね、遊びイコール適当でいい加減ってことにはならないわ。
人間が最も高いパフォーマンスを示すのって、どんなときか、わかる?」
人差し指を立て、ちょっと得意げに言った。
「なんと、遊んでるときなんですって!
つまりはどんな状況であれ、それを楽しんでしまえる者が一番強いってことね」
「…先週のテレビの脳科学特集ですね。私は鵜呑みにできません」
「へへー、ばれたか。でも私はホントにそうだなって思ったの。遊びったって、いろいろよ。
ふふっ、そうね、例えば命懸けの遊びってのも…アリかもね」 ニヤリと笑う久。
極稀に見せる凄みのある笑顔を、一瞬だけ覗かせた。「う…」 ひるむ和。
「…なーんてね!ま、せっかくの機会だし、気楽に楽しんじゃいましょってことよ!」
ぺかーっと笑いながら、和の肩をぽんっと叩いた。(この人は…やはり底が知れませんね…)
「失礼いたします」
お茶と軽食のセットを乗せたカートを押して、メイドが一人入室してきた。
手早く用意をすると、「あの…」 思い切ったように和に声をかけてきた。
「はらむらののか様…ですね」 「え?はあ、原村のどか、ですけど…」
「私、杉乃あゆむと申します。透華お嬢様のメイド兼、高校生やってます」 「はあ」
「衣様を、ころもさまをよろしくお願いします!ずっと仲良くしてあげてください!」
和の手を取り、真剣な表情で訴えかけた。
「え、あ、はい、それはもちろん」 「よかった…。ありがとうございます!」
ホッとしたかのように笑顔を浮かべ、深々と一礼すると部屋から退出していった。
「…愛されてるわねー、天江さん」 「じゃの」 「…はい」
口調と呼称に関してなら、二次創作でも正しいと糞はあるよ
「愛…か」 それまで黙っていた照が、ソファーからふらりと立ち上がり、つぶやいた。
「ああ、うん…良い夜ダ…。咲への我が愛ヲ、遍く世ニ知らしめるにふさわしイ…」
「あ、やば…」 「うわ、いきなり魔王モードかい!」 「お義姉さん、まだ早いです!」
テーブルのティーセットがカタカタと振動し始めた。
「ツクヨミの巫女と古き龍の眷族…この上ない贄トナロウ…久、シアイはマダなのカ」
「照、落ち着いて。まだよ…っう!」 ズシンッと得体の知れない圧迫感が部屋を満たす。
「モウ、待テヌ」 「お、お義姉さん!」
照の異能は麻雀という区切られた”場”の中では、無敵の雀力となって発揮された。
しかし、そうでない場合、その力はさしずめ暴風の如く、周囲に魔王の威を示した。暴走だ。
3人は以前に一度だけ、その場に居合わせたことがある。(咲の前で暴走したことはない。)
まこが恐れていたのは、まさしくこの事態だった。
「くぅっ!こうなるともう…」 重圧に耐える和。照は凄惨な笑みを浮かべている。
その禍々しくも美しい横顔は、解放の喜びに打ち震えているようにも見える。
サァッと照を中心に風が巻き起こる!
「ダメっ!皆伏せてっ!」 久が叫ぶ!衝撃に備える3人!!
「……………?」 …何も起らない。恐る恐る顔を上げ、照の方を見ると―。
「あー、久しぶりだ。この感触、この匂い。うん、抱き枕なんかじゃない。本物の照だ」
「ムゥ!ナ、何だ!…え、すみれ!?」
黒髪ロングで長身の女性が、照を背後から抱きしめていた。風越の弘世菫である。
「何だとはご挨拶だな。ここのところ連絡もないし、冷たいじゃないか、照」
「いやだって咲ウォッチングで忙し…じゃなくて!何故お前がここにいる!」
「ん?何処であろうと照のいるところに私がいるのは、自然なことだろう?」
「いや、だからそういう事じゃなくて…って、こっこらどこ触ってるっ!!」
「照は柔らかいな。ああ、癒される…」 ムニムニ 「うわわっばっ馬鹿!やめっ!」
呆気にとられる久たち3人。そのとき、床にひざを着く久にそっと手を差し伸べる者がいた。
「福路さん…」 福路美穂子であった。 「お久しぶりです。上埜さん」 優しく微笑んだ。
「…ありがと。ふぅ、でもどうしてここに?」 助け起こされながら、久が訊いた。
「学校に突然、龍門渕家からのお迎えが。清澄の方々が来るので是非お二人も、と」
「そうなんだ。いやー何にせよ助かったわ。でも、突然って、大丈夫だったの?」
「迎えに来た執事さんにはお会いしたことありましたし、…上埜さんに、その、会いたくて」
最後の方は小声だった。 「ん?ごめん、私になに?」 「い、いいえ、何でもないです!」
「む!照、ちょっと痩せたんじゃないか?…まさか、ダイエットじゃないだろうな」
「知らん!別にどーでもいいだろう!」
「いいことあるか。いいか、いつも言ってるがお前のプニプニ感はとても良いものなんだぞ。
人類の宝と言っても過言ではない。」
「うるさいっ!わけのわからんコトゆーなっ!」
「これ以上乳が減ったらどうするのだ。ここまで育ててきた私の苦労を無にするつもりか?」
「よけーなお世話っあ…だ、だからへ、変なトコさっ…んんっ…さ、わんなあっ!!」
「さっきの優希たちと似たような状況じゃというのに、何じゃろーこの違い。エロいのう…」
「久!まこ!見てないで助け…ひゃあっ!っつ、つまむなばかーーっ!!」
「うわはー、凄いわねー。照にあんなコトして無事でいられるのってきっと彼女だけよねー」
「ひ、弘世さんは、普段はとても理知的で素敵な方なんですけど…照さんのこととなると…」
「美人なのに…残念な方ですね…」 ため息混じりに和が言った。
(あんたが言うな!) という心の叫びをぐっと飲み込む久とまこであった。
* *
久たちが控えの部屋に通されてから小一時間も経つ頃、迎えがやってきた。
はじめ、ともき、あゆむの3人を従えて、とーか様の登場である。
「お待たせしましたわ、皆さん。食事の用意ができましてよ。腹が減っては何とやらです!
対局前に夕食といたしましょう!…って、あなた、弘世さん、顔をどうなさったんですの?」
菫の顔に、赤い手形が張り付いていた。 「ふふっ、愛の証だ」 にこっと笑う菫。
「う゛ぅ〜るるる〜〜っ」 涙目でうなりつつ腕に噛み付く照を、愛おしそうに抱えている。
「よしよし」 「フーーッ!!」 「??」 状況が飲み込めず当惑する透華たちだった。
一同が廊下に出ると、丁度向こうから純と優希がやって来るところだった。
「あれ、純さんと優希だけですか?咲さんと衣さんは?」
「ああ例のほらあれ、書庫。ちょっと見物するとか言って二人で行ったぜ。30分位前かな。
まだ戻ってないのか?ちょっと外から見物したら、すぐに戻るって言ってたんだが」
「ああ、あの幽霊の出るっちゅー書庫か」 「ゆゆゆゆーれーなんて、ありえません!」
「優希は行かないでよかったの?」 「お腹すいてたから純にタコス作ってもらってた」
「すぐ飯だっつってんのにこいつはw」 苦笑する純。そのとき、
「咲…。咲が呼んでる!!」 唐突に照が声をあげた。すると、
…ズンッ ゴゴゴゥン…
遠く低く地響きのような音がこだました。 「え…何?今の」
「…書庫の方からだったような…」 ハッと顔を見合わせる一同。
「…咲!!」 「咲さん!!」 照と和が猛然とダッシュ!!
「あ、お待ちなさい、二人とも!そっちは、反対方向でしてよーー!!」
全員で書庫に向かった。
* * *
話は30分程さかのぼる。
咲と衣は広い中庭を突っ切り、大木の茂る森の少し手前、大きな建物の前に到着した。
辺りはもうすっかり日が落ちている。木々の漆黒のシルエットを背に、
ゴシック様式の巨大な建造物が、異様な迫力をもって佇んでいた。
龍門文庫―…。龍門渕家代々に受け継がれた膨大な文書を収めた書庫である。
「どうだ、この蔵が古記録古文書、書画骨董を収めるためだけにあるのだ。笑えるだろう?」
「ふぁ〜…」 咲は圧倒されて言葉も出ない。
「さきっ、こっちだ。中はもっと笑えるぞ」 「えっま、待ってころもちゃん」
ゴツイ鍵で施錠された蔵の扉を尻目に、建物の側面にまわった。
建物の補修道具だろうか、木箱やらなにやら積み上げられた一角に衣が屈み込み、
荷物をずらしはじめた。
「やたらと、でっかいが、古い…えいっ。彼方此方痛んだり、崩れたりしている…んしょっ」
ぞんざいに立てかけられた板切れをずらすと、錆付いた通用口らしきものが現れた。
「んん〜よいっしょ〜」二人でギギギ〜っと嫌な音を立てる鉄扉をこじ開け、中に入った。
暗い。そして耳が痛くなるような静寂。「さき、少し目を瞑れ」 衣が咲の手を取る。
「え、うん。あ、わ」 目を閉じた咲の手を引き、衣が進む。
空気が変わった。広い空間に出たようだ。「もういいぞ。目を開けるのだ、さき」
「う、うん……え…う、うわ!ふわあ〜〜〜すご…」
暗闇になれた目に、内部の様子が映し出された。見渡す限りの本、本、本の海である。
高い天窓から薄く月明かりが照らす中、フロアには大きな書架が整然と並んでいる。
壁に沿って天井まで届きそうなくらいに高く設えられた書架にも、重厚な革装本から
和綴じの本まで種々様々に、隙間なく書物が収められていた。
「この辺りは近代から現代に至るもの。まだ整理されてるほうだ。奥に行くほど古くなる」
「そ、そうなんだ」 話しながら先へと進む。咲は目を凝らして奥を見つめたが、
暗闇に遠く霞み、はっきりとは見えない。いや、あれは…
「何か、白い……扉?」 「ん?気づいたか。あれはここで最も古い蔵だ」
「? 蔵の中に、蔵?」 「そう、あの蔵を包み込むように、このでっかい蔵が建っている」
「ええ?何でそんな…」 「さあな。興味もないし考えたこともないが、…ふむ」
じっと奥を見る衣。「…この感じ…何か、を封じているのやも知れぬ」
「ふええ!やだヤダやめて!」 「…何、近寄らなければ良い。触らぬ神に何とやら、だ」
「ううう〜…、こわいよう…」 「あはは、大丈夫!ころもお姉ちゃんがついてるぞー!」
「あ、ありがと、ころもちゃん。ね、もう戻ろう?」
「ふむ。明日あかるくなってから出直すか。咲の好きそうな書を見繕ってやろ……むっ?」
突然、ヴゥンッと得体の知れない圧迫感が辺りを包んだ。「ううっ、な、何?これ……?」
ビリビリと建物が振動しているようだ。彼方此方でペキパキと何かが壊れるような音がする。
「…共鳴?本邸から何か…この力、照か? いかん、戻ろう!さきっ」 衣が駆け出した。
「あ、待って、ころもちゃん!ひゃっ」 例によってぺちょっと転んだ。
「あいたた…、あれ?ころもちゃん?」 …いない。
きょろきょろと辺りを見回すが、衣の姿は見当たらない。忽然と消えてしまったかのようだ。
「え、何で?ころもちゃん!どこっ?!」 月が雲間に隠れ、すうっと周囲が闇に包まれる。
不快な低周波の振動が、フッと止んだ。辺りに静寂が訪れる。
「こ、ころもちゃん!ころもちゃん!やだよう!おいてかないでっ!」 返事がない。
震える膝をぎゅっと掴んでから、そろそろと立ち上がった。咲はパニック寸前だ。
微かに周囲の様子が見えるが、自分が建物のどの辺りにいるのかもよくわからない。
勘を頼りに出口と思われる方向へ、おずおずと歩き始めた。
書架の列を一つ過ぎたとき、視界の端に何かがよぎった。……ひと?ころもちゃん?
(「暗闇の奥に佇む鎧武者、書架の間を滑る様に移動する謎の貴婦人…」)
喫茶店での衣の台詞を思い出す。ぷるぷると顔を振り、嫌な考えを追い出そうと試みる。
もう一列を過ぎたとき、「っ!」
何 か い る
咲と平行して、3列ほど向こうの列を移動している。一瞬だが目の端に写った。
鹿鳴館のようなドレス?…。暗闇で見えないはずなのに、確かに見えたと感じた。
しかし、衣擦れの音はおろか、何の音もしない。
早足になってもう一列を過ぎた。「!」 いる!もう間違いない。しかも一列近づいている。
…このままいけば、次の次の書棚を過ぎると多分…
咲 の い る 列 と 重 な る
「うぅうう〜っ」 咲はその場にへたり込んでしまった。
ふっと空気が動くのを感じたような気がした。音はしない。が、(!…近づいてくる?)
背後に視線を感じる。怖い。動けない。ガクガクと全身が震える。涙が頬を伝う。
「や、やだよう、ひっく、こわいよう…おねえちゃん、おねえちゃんおねえちゃん!!」
『さきっどこだ!おのれ下郎!咲に寄るな下がりおれ!!』 突然、衣の怒声が響いた!
咲に近づいていた気配が、すうっと遠のく。 「こ、ころもちゃん!どこ?!」
『さきっ!今行くぞ!じっとしてるんだ!』 「どこ、どこにいるの?」
真横の棚に手を掛け立ち上がろうとしたとき、 バキンッ 「え?きゃああ!」
何かがへし折れるような音がして、巨大な書架が咲に向かって倒れ掛かってきた!
ぎゅっと目を閉じしゃがみ込む咲!バラバラと本の落ちる音が響く!
「………?」 ぎしっと音がする。だが咲には書架どころか本も当たらなかった。
恐る恐る目を開けると… 「ひっ!」
倒れ掛かる重そうな書架を背に、咲を庇う様に人影が立っていた。
異様な風体だ。古風な甲冑を身にまとっている。兜はつけていないようだが、
影になって顔はよくわからない。だが両の目が燐光を放つように青く光っている。
案ずるな 娘御よ…
口は動かしていないように見える。頭の中に直接声が届いたように感じた。…優しい声だ。
「…え…女の人?」 光る双眸が、すっと細められた。(…笑った?)
鎧武者は、おもむろに片手をぐっと曲げたかと思うと、倒れ掛かっていた書架に
裏拳を叩きつけた。ズゴンッ!と衝撃が走り、書架は反対側に勢いよく倒れた。
ゴンゴンゴンゴゴゴゴゴ…ズズンッ!! ドミノ倒しの要領で次々と重厚な書棚が倒れ、
最後に大きな地響きを立てた。
呆然として立ちすくむ咲。鎧武者は無言で横を指差し、頷いた。
指差された方を見ると、小さなランプを掲げて、いつの間にかメイドが一人、佇んでいる。
「…出口まで、ご案内いたします」 咲と同じくらいの背格好だ。若そうな感じがするが、
やはり影になって顔はよく見えない。…髪を二つに結っているように見える。
(あ、さっき純さんとかと一緒にいた人?) 「こちらです…」 「あ、は、はい」
静かに佇む鎧武者に、ぺこりと頭を下げて、あわててメイドの後について行った。
「あ、あの…ここ、人いたんですね。でも…」 訊きたいことがありすぎて、言葉に詰まる。
「あの、鎧の女の人とかは…」 「…あのお方は、おやかたさま、ご主人様です…」
「??あ、そうなんですか…」 「夜会服…ドレスの者は此処の司書です…」
「?ああ、鹿鳴館みたいな…」 先を行くメイドがクスリと笑ったように感じた。
「驚かすつもりはなかったかと…此処に人が来るのは珍しいもので…ご容赦ください…」
「はあ…」 何がなんだか、混乱する頭を抱えて歩く。
『さきっ!!』 前方から、衣の声が響いた。姿は見えない。
「ころもちゃん!?」 『そこか、さきっ!待っていろ!』 ぐぅっと前方の空間が歪む。
そのとき、メイドがすっと咲の後ろに回り、その背中をトンッと押した。
「あ、わ」 前に押し出され、トトッと2、3歩たたらを踏む。すると、
前方の歪んだ虚空から、唐突に二本の小さな腕が伸びてきて、咲の服をつかみ強く引いた。
バンッと空気の層を突き破るような感覚とともに、ぎゅっと腰に抱きつかれた。衣だった。
「さきっ!さき!!すまぬ、無事か?大事無いか?」 半泣きで咲にしがみつく。
「ころもちゃん!うん、平気だよ、この人がここまで案内を…」 振り返る咲。
「あれ?」しかし、誰もいない…。いつの間にか、月明かりが戻っている。
20メートル程奥の書架が崩れて、惨憺たる有様なのが見て取れた。
ドガァアアン! 「咲ー!」 「咲さーん!」 大きな衝撃音とともに、照と和の声がした。
正面の分厚い扉が開け放たれて、月の明かりが照らす。全員が駆けつけていた。
「あの、今、照さん…、どうやって鍵を…?」 美穂子が訊いた。
「あーその…、愛の力?ま、考えたら負けよ」 あきれたように、久が答えた。
「ころものお仲間ってこったな。俺達は慣れてるけどなー、こういうの」
純が砕け散ったゴツイ錠前を足でつついた。
「咲!」 「咲さん!」 咲は照と和にむぎゅっと抱きしめられた。
「あう、お姉ちゃん、のどかちゃん、く、苦し…」
「書架が崩れたんだね。大丈夫?二人とも怪我はない?」 はじめが奥を覗いて訊いた。
「う、うむ。怪我はない。ちょっとびっくりしただけだ」 バツが悪そうに衣が答えた。
「こ〜ろ〜もっ!あれほど明日になさいって言ったでしょ!めっですわ!」
口調は怒りながら、透華は衣を抱きしめた。「くはっ、と、とーか、苦し…」
「咲、平気?こわかったでしょ」 久が優しく声をかける。
「あ、いえ、ちょっと迷子になったりしたけど、ここの人たちに助けてもらいましたから…
あ、あなたですよね。先ほどは、ありがとうございました」 咲はあゆむに礼を言った。
「え?あのー、私は今、皆さんと一緒にここに来たばかりですけど…」
「へ?だって、さっき…あ、あと、りゅーもんさんのおかあさん…なのかな?
鎧を着た女の人で、メイドさんがご主人様って…」
「…うちの母は鎧を着たりいたしません。だいいち今日は父も母も不在ですわ。それに、
基本的に此処は常時無人ですわよ」
「え…だだだって私、確かに…こ、ころもちゃん」
「あー…さき、あのな、あれは多分、位相がずれたのだ。現世と幽世の狭間だ。つまり…」
ちょっと気まずそうに、衣が言った。
「つまりそれって…」 「うん、咲が会ったのは、有体に言えばゆーれーってことだな!」
ぺかっと笑ってしれっと答えた。
「うぅ〜ん…」 「わっ、しっかりするのだ!大丈夫、こんなことめったにありはせぬ!」
「って、何で咲じゃのうて、のどかが倒れるんじゃ」 「あわわ、のどかちゃん!」
「あらら大変だ。後始末はおいといて、とにかく一旦戻ろうよ、とーか」
「……(そう、あの方たち、まだ此処に居りますのね…)」 「とーか?どしたの?」
「え?な、何でもありませんわ、さ、戻りましょう」
「?」 怪訝な顔をするはじめを促して、本邸へ向けて歩き出す。
道すがら、透華は一度だけ書庫のほうを振り返り、くすっと笑った。
* * *
「だから、お義姉さんは咲さんにくっつき過ぎです!」 「私に義理の妹などいない!」
舞台は一転、ここは本邸の食堂である。明るい照明の下、暖かい食事と楽しい会話によって
早々と和は復活した。もうすっかりいつものペースだ。
「咲、ごめんね。お姉ちゃん一緒にいなくて。お詫びに今日は一緒に寝てあげる」
「な!だ、駄目です!独り占めは禁止です!!」 「あうう…」
「あはは、ならば、ののか、ころもと寝よう!ころもはののかの乳枕を堪能したい!」
「は、原村のどかの、ちちまくら…(ごくり)」 「とーか、何、顔赤くしてんのさ」
「しかたないな、照と咲は私が寝かしつけよう」 「すみれはやらしーから、却下!」
「ともきの乳枕とどっちが気持ちいいのかなー」 「…こ、ころも、それ内緒って…」
「あーずるいぞ、ころも!俺だって膝枕してもらったことしかねーのに!」
「…ふたりとも、ばか」 「じゅんさん、そんなことしてもらってたんですかーー!」
「わっ、何だよあゆむ、お前もしてもらえばいいじゃんか!な、いいよな、ともき!」
「のどちゃんの乳枕は極上の寝心地だじぇ!毎日お昼寝に使ってる私の保証つきだじょ!」
「そんなことさせてません!」 「とーかはやっぱりおっきい方がいいんだ!そうなんだ!」
「は、はじめ!何も泣くことありませんでしょう」 「あの、皆さん仲良くなかよく」
「あー…収拾つかんわ。部長、何とかしんさい」 「なによう、面白いのに…ま、頃合かな」
「はいは〜い、みんな、注目〜!
こういうときの私たちの決着のつけ方って、ひとつだけよね!さて、何だっけー?」
「それは!」 「もちろん!」 「「「 麻雀勝負!!」」」
勝者は抱き枕を指名することができるというルールが急遽決まった。
負けられない闘いがそこにある!「上埜さん…」 美穂子の右目がゆっくりと開いていった。
この夜繰り広げられた全国大会もかくやという激戦は、後に「龍門渕邸の合戦 煩悩関ヶ原」
という呼び名で、長く語り継がれることとなるわけだが、それはまた別のお話…。
***************
以上 読了感謝
お疲れ様でした。ありがとうございました。1本目sage忘れ失礼しました。
妙に間が空いてしまったけど、ifの話の続きでした もうやんないとか泣き言言っといて
やっちゃいました 完全自己満足の勝手な話だけどやっぱり何か気になって
そういう奴なんです すみませんすみません
作中、脳科学の話は適当です そんな番組見たことないです でもありそうだなとか思って
もにょってウボァな感じでしたがなんとかかんとか締められたかなと 長めになっちゃったので、
どうしようかとか思ったんですが思い切って投下 これでも大分削ったんですけど
読んでくれた方に改めて感謝
しかし未だに慣れない 投下するのこわい でもたのしい こまったもんだ
それでは
>>357 GJどころじゃないですけどGJ
なんか中盤は部長主人公って感じがしましたね
一生懸命な部長とか見ててなんか胸が熱くなりました
あと淡と衣が良い子過ぎて…
部長まこ要素とか京太郎とタコスも良い感じでした
個人的には照関係が物足りないのと各キャラの後日談的なものがなかったのが残念でしたけど
咲のどメインである以上は仕方ないですね
なんにせよこれほど感動したのは久々な気がします
機会があればまたよろしくお願いします
>>395 すみません
危うく割り込んでしまうところでした
グッジョブ、グッジョブですワ!
400ゲットで京太郎をレイプ
>>343 かすかに混ぜた純×ともきーに狂喜したんだZE!
>>357 一気に全部読んできた!
泣きそうになったのは秘密。
>>395 前のif話も面白かったから、読めて嬉しい!
ところでWikiに前のは載ってないのかな……
403 :
名無しさん@秘密の花園:2010/02/22(月) 03:43:20 ID:4BSj/0hM
ホモはイネ−ガー
>>401 11スレに投下したif話SSはwikiに入れてもらえなかったみたいです…1レスだけだったので…短すぎ?
小ネタの続きっていう取り扱いに困るような前書つけたし、迷惑なSSだったのかな… 反省
自力で小ネタの分とまとめて直投下とかできればいいんですけど 具体的なやり方がよくわかりまへん
wikiの初心者ガイドとか見ても???結局何処を何したらいいのやら… はい、ばかですorz
下手に手を出したら何か壊しそうでなんとも…
ホント管理・更新の有志の方には頭が下がります いつもご苦労様です
有志の勇士の勇姿!you see? なんちて …すみません
(・ω・;)
wiki編集お疲れー
むしろ力作じゃないのにwiki載ったらまけかなと思ってる
うわー なんとお礼を申し上げてよいものやら 404です
wikiの更新をしてくれた方、ホントにありがとうございます
図々しくも何か催促したみたいになってしまって大変恐縮しています ごめんなさい
これほど素早くあっさりとしかも小ネタまできちんとまとめていただいて…涙で 涙で画面が よぐ 見えばぜん゛ うう゛
御礼というにはあまりに力不足ではありますが、ほんの少しでも面白いと思っていただけるようなSSでお返しできればと、
またもや図々しくも思っています 精進します ホントにありがとうございました
書き手はSS書く以外はステルスしてろ
はぁ・・・。最近どこも過疎な気がする、まだ規制続いてたっけ?
なんぽとむっきーの人は」どこへ・・・
ストレスモモはかじゅでスッキリ
9巻の収納BOX、部キャプの裏がかじゅモモだ!
俺はかじゅモモ好きだから嬉しいが、ちょっと優遇され過ぎな気がする
つーてもあと思い浮かぶのって一透くらいだしなぁ
皆さん主人公とヒロインを忘れてはいませんか?
確かにかじゅモモは優遇されすぎな気はする。俺も好きだけど
でもかじゅモモは抱き枕にもなったんだから、9巻BOX絵の裏は透一か龍門ファミリーとか
まさかの咲照とかにしてほしかった
目立ってナンボ目立ってナンボですわ
もっと目立ちなさいと、なんぽさんを激励しているのですね
お嬢さま、なんとお優しい…
>>420 そのキャラ本人のセリフそのままなんだから当たり前じゃね
別に「たしなみとして当然」みたいなジョークとしてではなく
書き込む意味を疑う
忘れたころに小ネタ連打。
懲りずにキャラ崩壊中につき苦手な人はNGで。では小ネタ連荘4本場、6レスほどお借りします
『 南場3 前編 』
−東4局−
片岡優希 57300 南浦数絵 −1200
実況:おっと南浦選手、ハコ割れ。対局終了です。
優「ありがとうございましたっ!」
南「…ふふ、もう3回目ですからね。いいですよ、どうせ私なんて。
期待だけさせて原作にも出番ないですからね。あれですか?
南場が得意なだけではキャラが弱いんですか?わかりました。私も何か考えます。
そうですね。では風越のキャプテンが片目を閉じるのならば、私は両目を閉じますっ!!!
………何も見えません。いまバカだと思いましたね、思いましたよね?別にいいですけど。
…心眼ですか?そんなもの使えたら始めから負けてないですよ。
原作では密かに睦月×南浦を心待ちにしてたのに、睦月×文堂なんてフラグが出てくるし。
なんですかスターカードって?そろそろ私もスタープラチナ出しますよ?
それとも私はお爺様と二人で山奥に引き籠っていればいいと?北アルプスの少女カズエですか?
ラ〜リラ〜リラリホ〜♪ラリラリラリホ〜♪クララが、クララが立った!フラグは立ちませんけど。
………って、何をやらせるんですか。…どうせ、どうせ…」
?「だいぶヤサグレてるみたいっすね。なんならあたしが手を貸しましょうか?」
南「あなたは…?」
?「ごく1部で熱狂的、狂信的な人気を誇る千曲東1年、上柿恵とはあたしのことですよ」
南「はあ…」
上「いや、うちの大将(棟居さん)も原作で名前が出たきり放置されてヤサグレちゃいまして。
他人事とは思えないんですよ。そこで、あなたの恋路の手助…」
南「結構です」
上「さあ、行きましょうか」
南「は、離して───っ!!」
後編へつづく
『 選考談話 』
藤「メンドイなーこの仕事」
コ「でも他の人には任せたくないんでしょ?」
コ「千曲東の大将と鶴賀の大将はもう少し見てみたいですね」
藤「千曲東の大将…むね……むね…むねい?」
コ「棟居(むねすえ)」
藤「……」
藤「個人戦といえばアレ、南浦プロのお孫さんはどうだ?あとは鶴賀の東横とかか…」
コ「うちの深堀が言うには『消える』らしいですよ」
藤「うーん、だがブルーメンソール姉妹や──」
コ「メンタール」
藤「……。ブルーメンタール姉妹やピーマンあたりには通用しな──」
コ「ニーマン。さすがに無理あるから」
藤「……。なんかもう、考えるのやめた」
コ「子供みたいに意地けない」
藤「……。今日決めないでさ、もう団体決勝の四高を集めて合宿やらせよう。はい決定」
コ「……」
呆れる久保コーチを尻目に藤田プロの投げやりな一言で合同合宿が決定した
『 劇場版「透 -toka-」予告 』
──とーか 衣を甲子園に連れてって…
甲子園を目指す龍門渕高校に強豪達が襲いかかる!!
──鶴賀学園 東横桃子
「私の魔球は誰にも見えないっすよ…」
──風越女子高校 福路美穂子
「この子の配球のクセと視点移動から考えると──次の球は内角高めのストレート──」
──清澄高校 宮永咲
「カン。リンシャン壊砲、満塁ホームランです」
──突然の悲劇…
純「きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。死んでるんだぜ、それで」
悲しみを乗り越えて──
──国広一は龍門渕透華を、世界で一番愛しています
劇場版『透 -toka-』この春公開 同時上映『北アルプスの少女カズエ』
『 コンプレックス 』
──ある卓にて
片岡優希 宮永咲 龍門渕透華 吉留未春
未(なんだろう、この安心感は…。強い人達と卓を囲んでいるのに)
優:ぺったん 咲:小さい 透:貧しい
未「みなさん、楽しく打ちましょう」
透「あなた、何か失礼な事考えていません?」
──その後、別の卓にて
原村和 沢村智紀 東横桃子 吉留未春
未(なんだろう、この圧迫感は…。強い人達と卓を囲んでいるから?)
和:すごく大きい と:意外に大きい モ:割と大きい
未(ボコボコにする、ボコボコにする、ボコボコにする、ボコボコにする、ボコボコに──)
福「吉留さん、すごい気迫ね」
池「気迫と言うか…血の涙流してますよ…」
『 はいていらおゆえ 』
─ 団体戦 決勝 東3局─
衣「清澄の大将は厄介だと聞いて、うきうきしてたけど、闕乏したよ。そろそろ御戸開きといこうか」
池「今年も勝てる気でいるのか?」
衣「去年の衣と戦ったのか?忘れてくれ。あの時はまだ…お前たちと同じヒトの土俵に立っていたよ」
池「……ヒトじゃなきゃなんなんだ」
衣「その身で確かめよ」
衣「リーチ」
純「決まったな」
透「ファイナルドローで和了ると役がつく。その役の名前の意味は──”海に映る月を掬い取る…!”」
一「あっ、月が雲に隠れちゃった…」
衣「海て…あ、あれ?」(ど、どーして一筒じゃなくて一萬をツモっているのだっ!)
池「どうした?まさか、あれだけ盛大に前振りして和了れませんでした…とは言わないよなー」
ぎくぅっ!
衣「そ、そそそんな事あるわけなかろうっ!!釜底の遊魚が如き己の運命を呪うがよいっ」
(じ、自分でハードル上げてしまったのだっ!!ど、どーしよう、どーしようっ…ひっく…
あんな事、言わなければ良かった…ぐす…このままじゃ、このままじゃ…)
池『にゃーはっはっはっ。天江カッコ悪いし』 加『ふ…、恥知らずが』 咲『闕乏しました』
純『情けねーなー』 一『はぁ、透華に恥をかかすなんて…』 と『…ダメな子』
衣(それでそれで麻雀が出来ない衣なんて、とーかにも捨てられちゃうんだ……)
一「あっ、とーか。また月がでてきたよー」
衣 「…う…えっぐ…うわぁああ〜〜〜んっ!!、と〜〜かぁ〜〜、とぉ〜〜かぁ〜〜!!!!」
パリンパリンパリン! 加「うわっ、照明が割れたっ」 ボンッ! 池「麻雀卓が爆発したしっ!」
ピカッ ゴロゴロゴロ… 和「ひ…か、カミナリ…」 ゴゴゴゴゴォォ… 福「地震っ!大きいっ!」
フォンフォンフォン 蒲「ワハハ…UFOだ…」 アンギャー!!! 優「ご…ゴジラが出たじょ…」
透「ちょ…こ、ころも────っ!!いくらなんでもやりすぎですわ───────っっっ!!!!」
衣「…ひっく…ひっく…ぐすぅ、ぐす………あれ……?」
結局、麻雀卓が吹き飛んでしまい衣の海底ツモは有耶無耶となった。
『 試練の道 』
モ「きゃあぁ、ゆれるっす〜〜!」
加「合宿所はまだなのか蒲原──ッ」
津「う…なんか気持ち悪くなってきた…」
加「ま、待て津山っ。モモ、何か袋をっ!」
津「もう限界です……お…お゙───
───お見苦しい映像が流れております。少々お待ち下さい───
モ「あ、危なかったっす…なんとか間に合ったっす」
妹「なんか…私まで気分が…」
蒲「ワハハ。なんだーみんな情けな……」
『ぐぎゅるるるるる……』
蒲「……はゔゔぅっ!!!!」
加「ど、どうした蒲原」
蒲「お、お腹の調子が…気合入れて朝からウナギと梅干を食べたのがまずかったかな…?」
加「こ…この…大バカ者が…」
『ぐぎゅるるるるる……』
蒲「はうぁっ!!……も、もう私はダメだ……みんな…ごめん…佳織…愛し…て……」
妹「智美ちゃんっ!しっかりしてっ、私を置いていかないでっ!」
モ「どこからツッコんだらいいんでしょうか、先輩?」
加「それどころじゃないだろっ、モモ!おいっ、待て、早まるな蒲原っ」
蒲「ワハハ、私は人間をやめるぞ、ユミちん────!!」
加「や、やめろおおぉぉっ!!!」
津「───あ、コンビニありましたよ」
九死に一生を得た蒲原元部長。しかし、合宿所で3時間の正座が待っていた。
『 覚醒 』
──合宿所にて
未「ねぇ、華菜ちゃん。さっきから文堂さんが変な感じなの…」
池「うにゃ?文堂はいつもあんな感じの糸目だよ」
未「そーだけど、そーじゃなくて!って、糸目なんて言ってないよっ!」
文「────────カッ!!!」
未「…あ…あ…ぶ、文堂さんが…文堂さんが…」
池「ふ、二重になったあぁぁぁっ!!」
───説明しよう。文堂さんは強敵に囲まれると、糸目はパッチリ二重に、身長は30cm縮小、
語尾は「〜なの」となり、あの天江衣すら凌駕する萌キャラに覚醒するのだ
未「…それって麻雀と関係あるんですか?」
───ありません
『 それは合宿での懲りない復讐劇 』
ま「よーし、ほいじゃ始めるかのう」(所詮はど素人じゃ)
妹「あ、あのう、また私が入ってもよろしいのでしょうか?」
と「問題ない」(役満さえ気を付ければいい)
未「そうそう、楽しく打ちましょう」(今度こそボコボコにする)
妹「よ、よろしくお願いします」
「「「よろしくっ!」」」
妹「あれっ?これ最初から和了ってますよ?」
「「「天和っ!?」」」
妹「見てください、全部字牌ですよ。めずらしいですね」
「「「しかも字一色っ!」」」
妹「あっ、東南西北そろってる。智美ちゃんが見たら喜びそうっ」
「「「さらに大四喜っ!!」」」
中中 東東東 南南南 西西西 北北北
ま「天和、字一色、大四喜。四暗刻も付くから…4倍役満、192000点じゃと…」
未「に…人間じゃない…」
と「…魔物…魔王…いや冥王…」
妹「ふぇぇ?」
「「「ひいいぃぃぃぃッッ!!!!」」」 ガタガタガタ…
その後、三日三晩悪夢にうなされ続けた三人は二度とかおりんに挑むことは無かった。
ちなみに公式記録では大正時代に天和、大三元が実在しているそうです。
『 南場3 後編 』
上「あれが津山さんですか。なるほど、たしかにキリっとした端正な顔立ち。
落ち着いた物腰。一目惚れするのも納得しました」
南「ですよねっ!やっぱり、かっこいいですよね、えへへ。私と対局した時も素敵だったんですよ!
負けても凛とした姿が、こう胸に──5分経過──ところで、この後はどうするんですか?」
上「この釘バットで津山さんのドタマぶっ飛ばすんで、気を失ってる間に好きにしちゃってください」
南「……………は?」
上「既成事実なんて作ったもん勝ちっすよ。今なら津山さん一人ですから大丈夫です」
南「その前に犯罪ですよ…ね?捕まっちゃいますよ?」
上「あたしゃ、いつも通り(ドタマ)打って大将に(罪を)託しますよ」
南「棟居さんがヤサグレてるの上柿さんのせいじゃないんですか…?」
上「お喋りはこのぐらいにして行きますよ。津山さん、あなたに恨みはありませんが、お命頂戴っ!」
津「…え。…って、うわああぁぁぁぁっっ!!!!」
南「だめぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」
パカンッ!
上「……きゅうぅぅぅぅぅ…………」
南「津山さんに何するんですかっ!!」
津「…あ、あの…ありがとう。…助かったよ」
南「あ…」
ここから一つの恋が始まったとか、始まらないとか
『 若月の夜 』
その日は寝付きが悪かった。衣と一緒にお昼寝などしてしまったのがまずかった。
睡魔が襲ってくる気配もなく、開き直った私はカーテンを開け、窓を一杯に開いた。
初夏とはいえ長野は夜にもなれば肌寒さを覚える。だが眠れぬ夜を過ごす私にはいい清涼剤だった。
大きく息を吸った私の視界に、見慣れた影が見えた。うさぎ、というか衣だった。
「こんな夜中に何を…?」
自身に問いかけるよりも早く、その足は外へと向かった。
「…衣、何してるの?」
「智紀か。月を見ていたのだ。今宵の月はまるで青雲秋げ──」
「…お昼寝しすぎて寝れなくなった?」
「ち、違う〜。抱くな〜離せ〜」
「衣、部屋に戻ろう。風邪をひくといけない」
「もう少しだけ。三日月を見ていると透華に始めて会った日のことを思い出すんだ」
衣が透華に始めて会った日。それは衣とご両親とのお別れの日。
『透華に始めて会った日のことを思い出す』と言った衣が思い出しているのは
きっと亡きご両親の事なんだろう。寂しげな瞳がそう語っていた。
「…そう。それじゃ私ももう少しだけ」
衣を抱えたまま近くの庭石に腰を下ろす。膝の上にのった衣は意外なほど静かだった。
特に会話もないまま、けれど穏やかに時間は流れ、ただ風に靡く木の葉だけが語り合っていた。
「…母君」
その言葉は木々が囁く合間に衣の口から自然に零れ落ちた。
そっと伺った衣の頬には静かに涙が伝っていた。幼いころに両親を失った悲しみが消えることはない。
まして別邸に一人隔離されていた衣には傷を癒す時間などなかったのだろう。
衣は私の、私達のことを家族と呼んでくれたのに何もしてあげられないのが悲しかった。
だからせめて、この小さな体だけでも温めてあげたくて衣を強く抱きしめた。
「…智紀はいい匂いがするな。まるで母君みたいだ」
言葉に詰まる。思いが言葉にならず、それでもそれを伝えたくて優しく衣を撫でた。
「……母君…なんで…いなくなってしまったの…?」
無口な自分が恨めしい。透華なら、こんな時にどんな言葉をかけてあげられるのだろうか?
「…はは…ぎ……ひっく…おか…あ…さん…う…うぁぁぁ…おかあさん、おかあさん…あぁぁぁぁ…」
透華は透華。私は私。言葉にならないのなら、私はこうして衣を抱きしめていよう。
もう衣が人の温もりを忘れないように。
泣き疲れて眠る衣を抱えて月を見つめた。微かに揺れて瞬くその様は、まるで泣いているようだ。
「…ありがとう」
衣と一緒に泣いてくれて。
もうすぐ本格的に夏がくる。そうしたら今度はみんなでお月見をしよう。
きっと楽しいに違いない。純が冗談を言って、透華が怒って、一があたふたして、そして衣が笑ってる。
次の年も、その次の年も、またその次の年も。ずっと同じように、みんなでお月見をしよう。
いつかまた衣が夜空を見上げたその先が、幸福な思い出になるように。
以上でした。久しぶりにss投下したらエラー吐かれてすったもんだ…
gj
本当に久しぶりにss読めて良かった
おお小ネタ集来てた GJ
やさぐれなんぽさんワロタw マケンナ イキロw
>負けても凛とした姿が、こう胸に──5分経過──ところで、この後はどうするんですか?
南浦さん、語るなあ
それをずっと茶々も入れず聞いていた上柿さんのことも思い出してあげてください
いずれにせよ、GJ!
おろ、復帰?
GJだが、ちょっまっ、とーか死ぬん(´・ω・`)
レイプしたい、咲ちゃん。
TAF2010
2010.03.01
「東京国際アニメフェア2010」にブース出展
3/27(土)から東京ビッグサイトで開催される「東京国際アニメフェア2010」に
ブースを出展します。『ブラスレイター』などの立体映像を公開するほか、
『咲-Saki-』などのグッズ販売・展示コーナーも設置します。ご来場の際は、
ぜひGONZOブースにお越し下さい。
http://www.gonzo.co.jp/news/100301.html 【アニメフェア2010概要】
イベント名 : 東京国際アニメフェア2010
会場 : 東京ビッグサイト 東京国際展示場 東1・2・3ホール他
会期期間 : 2010年3月27日(土)〜3月28日(日)
【ビジネスデー】3月25日(木)〜3月26日(金)
【パブリックデー】3月27日(土)〜3月28日(日)
開催時間 : 10:00〜18:00
【ビジネスデー】10:00〜17:00
【パブリックデー】10:00〜18:00 ※パブリックデー入場は終了時間の30分前まで
http://www.tokyoanime.jp/
数年後の世界で透華の許婚が現れる、一視点の略奪的な一透SSって有りかな?
南浦×むっきーの職人さん来ないかな。。。
な
む
ピクドラ第五話「海へ」
> 私が最初にこのエピソードを書いたときは、当然この二人の旅も日帰りのつもりだったのですが、
> 小林先生から「そこはぜひ泊まっていきましょう!」との強いプッシュをいただいて、最後の旅館のシーンが書き足しになりました
やっぱ立はぱねぇ
アニメ版見れないよ><
透華が原村と関わる度に心が痛む
それすらも透一の燃料とした自分に死角はないッ!
ゔぇーはははははははー!(`∀´)
一→透華×和もまたいい(`ェ´)
咲を全然知らない時に龍門一家の立ち絵を見て、ビジュアル的偏見で
井上兄貴×一を妄想してしまっていた・・・
その後すぐ誤認していたと分かった。
一は透華好きのメイドだからね!
国広くんは完全にガチだけど、透華は実際の所どうなんだい?うん?
もちろん、のどっちを天使かなと思っている
のどっちの事が好きで好きでたまらないくらいにはガチだよな
何かめちゃ遅いけど
>>357 GJ
のどかの自分は白糸台の人間のとことか泣きたくなりました
部長も本当にがんばった
あとできることなら照関係は続きが見たいです
実際に会うところまで行って欲しい…
>>395 GJ
相変わらず楽しいな
衣も咲も可愛いし
咲には力ない設定なのかな?
>>431 GJ
締めが何か良いですね
『はいていらおゆえ』も面白かった
とここまで書いててどっちも衣関係だということに気付いた
>>456 395です 咲ちゃんは鳳雛なのです
未だ目覚めていない、という設定です
>>457 鳳雛とかよく分かりませんけど
目覚める予定とかないんでしょうか
成都よろしく長野制覇目前で討ち死にしそうな・・・
>>458 あう、わかりにくい例えでした ごめんなさい
鳳凰(ほうおう)のひな、です 将来的に期待大みたいな 伏竜鳳雛
咲が超常の力に目覚める話とかも面白いかも知れませんね
hrmrさん的には百合にこそ目覚めろとw
>>459 あわわ、そんな
咲ってヒナっぽいよなーとか思って何となく使った例えというだけでして
咲ちゃんは死にましぇん
やっぱ書き手は黙ってた方がいいな
あんまり出過ぎるのはよくないと思う・・・
いいじゃん別に。何がいけないの?
例えSSが面白くてもレスの全てが面白いわけじゃないところ
痛々しい
フォローが上手い書き手さんもいることはいるんだが
でしゃばらない方が無難なのは確か
そろそろまぜろよ
勝手にまざればいいだろw
照と菫の百合展開を早くみたい
まとめwikiにあるだろ
自分好みの展開が欲しかったら自分で書くかプロットを置け
立かアニメのをじゃ?
白糸台好きはちょと声でかすぎだわ
SSじゃなくて、原作の立たんのあの可愛いくて綺麗な絵で照菫もしくは照咲が見たいんだよ!!!
ごめん、確かに声でかいね
しばらく黙って待機してるわ・・・
ここ百合萌えスレであってSS専スレじゃないからな
>>469が早計
へーへー
俺が全部悪いですよ
475 :
空気を変えよう:2010/03/05(金) 17:14:25 ID:1AjEaCFg
フンッ! ハンッ! ファーッ! フェーッ! フォンッ !
「いやっ…あ!もうっ!………やめて…! お願……い…!」
牌に囲まれた雀卓に菊門臭の混じった美少女の苦悶と尻を叩きつける音が響く。
全脱ぎの制服がかかった形の尻を後ろにつき出す姿勢を取らされた美少女…華菜こと池田が叫んだ。
今日は麻雀部員と練習試合に向かったのだが相手は強大にして無双、己の知己であるキャプテンとみはるんを失いこの雀卓の中へと連れ込まれてしまいヘ麻雀士として究極の展開を迎えてしまった。
池田の腕ほどあろう太さのペニパンが挿入され身体は便意に満ちたが、女神の少女……廣島連合のまこは池田の尻を抱えこみ一心不乱にさば折りで打ち付けていた。
まこが腰と腕を打ち付けるたびに鈍い音をたてて、綺麗な顔もリズムに合わせ前後左右に暴れている。
そしてペニパンが出し入れされるたびに池田の菊門からローションが吹き出している。もうかなりの回数腸内でローションを放出しているのだろう。
まこのさば折りと腰を振るスピードが徐々に増していく。絶頂が近いらしい。
「あ、あうッ!これ以上出さないで欲しいし! 本当に……脱肛しちゃうし……」
池田は泣き出しながら哀願したがまこは鼻息荒く広島弁を繰るだけだった。
まこはワリオのような笑いをあげると池田の尻を掴み腰を思い切り撃ち込む。長大なペニパンが門をこじ開けその奧の行き止まりまで到達する。
ぶびゅっ!ぶびゅりゅぶぶ・・・どびゅどびゅ・・
ほとんど固体ともいえる濃厚なローションと液体に近い下痢便を
言葉どおり零距離で口腔の奥に逆流するほど注ぎ込んだ。
「あっ!あつい!おっ、おぶげろあぁ! に、妊娠……私が妊娠になっちゃうし………」
泣き叫ぶ池田をよそに、中で最後の一滴まで搾り出したまこはゆっくりとペニパンを引き抜いた。ぽっかりと口を開けたアナルから先程出されたローションが流れ落ちる。
京太郎が池田を引き起こしまだローションを流しながらヒクつくアナルに自分のペニスをあてがうと一気に野郎を刺し貫いた。
「ぎゅぴぴいっ! す、少し休ま…がはっ!」
池田が懇願しようと口を開けた瞬間、和がペニパンを押し込む。
両手にも別のペニパンを握らされ、尻にも挟まれ池田は一度に6本の相手をさせられていた……
数ヶ月後…
池田は休む間もなく何度も清澄麻雀部の連中に輪雄(まわ)され続けた。
全身を精液とローションまみれにしながら自分から腰を振り、嬉しそうにペニスをくわえては精液とローションを美味しそうに飲み干す。
その腹はぶくぶくと肥満化し、相撲取り同然になっていた。
「ふひゅ……清澄麻雀部奴隷華菜ちゃんこと池田華菜参上にございますしブビビビビ……ブヒッ、ブヒッ……」
久の踵落しで踏まれる。すると京太郎の張り手が繰り出される。
池田はすでに屈し汚臭褌担ぎとして生きていくしかなかった。
〜True end〜
皆さんゲームは百合の宝庫ですな
好きな組み合わせでハァハァできますぞ
惜しいのはコーチと全国キャラが出ないことか
>>474 まあまあ、不貞腐れるなってさ。オレも同じ勘違いしたし
>>475 空気を変えようはいいけどsageろ
内容が内容なんだから最初に注意書きの一つも入れとくのがマナーだろ
さすが池まこは濃ゆいな
GJ!
受けに回った池田は輝いてるな。
みなさんすみませんでした・・・
482 :
名無しさん@秘密の花園:2010/03/05(金) 23:32:07 ID:d2TxKlnw
>>476 純粋なアドベンチャーなら買うんだが。麻雀サッパリしない人でも楽しめるか不安
麻雀しない麻雀マンガ原作のゲーム。斬新じゃないか。俺用に透一オンリーにしてくれたまへ
>>479 え?いや、単に4人好きなの組み合わせて眺めてハァハァするという脳内補完的な意味でだけれど・・・
池田、キャプテン、みはるん、コーチ(プレイヤー)とか
コーチ、1番目、2番目、3番目(プレイヤー)とか。咲和以外でのEPも有ったらなぁ透一とか透一とか透一
>>482 ん〜多分初心者モード有ると思うけれどそればっかりは・・・私的には麻雀ゲーム欲しかったからウハウハなんだが
すまん
>>476 >>484は無かった事にしてくれ妄想が先走りしすぎた。そこまで自由に出来ないわ多分w
とあるスレに愛想が尽きたので引っ越して来ました、よろしくお願いいたします
前書きみたいな注意書き
龍門渕物で一x透華x衣の三角関係物なんだけど、ちょっと龍門渕一家が好き過ぎてスッゲー長いです
何回かに分けて投下する予定だけど、読むのめんどくて脱落者出そうwww
あと透華が初っ端から変です。元から変ってのはもっともだけどそうじゃなくて、冷たいバージョンに常時変身してます
それとかなりシリアス入る上に、うだうだ三角関係みたいな二股やっちゃうので苦手な方はスルー推奨
学校シーンは次からだけど龍門渕高校は女子高にしてあります。原作では不明だけど、百合なのでいっそ女子高にしちゃえ的なw
では、どぞ
Dragon Blood
屋敷の窓から庭のバラ園を見た透華は小さなため息を吐いた。
窓の外には、真っ赤なバラが鮮やかに咲き誇っている。
以前の彼女なら、その手入れの行き届いた見事な花達を見れば、幾らか胸を躍らせたものだ。
だが、今は何も感じない。
まるで、世界から色が消えたような景色だった。
透華の雰囲気が変わったのは、いつからだったか。
高校一年の夏の全国大会。高校二年の県予選敗退後の合宿。その時々で、今の彼女の片鱗を見せていた。
透華は強敵と出会う度、自分の中にもう一つの顔が存在するのを感じていた。
その顔は人知を超えた存在みたいに力強く、それ故に彼女は恐れて表に出さないようにしていた。
だが、衣との関わりを捨てられない彼女に、力を抑える術はなかった。
衣の人並外れた力に当てられ続け、それに呼応するように力は表に這い出て来た。
力に支配された透華は、並大抵では動じない心を手に入れた。でもそれは、何も感じないのと同じだった。無感動は人を無関心にする。
以前の目立ちたがりのお嬢様だった彼女は、何かあればどこでも騒いだものだ。
だが、もうあの甲高い金切り声を聞くこともない。
今の落ち着いた彼女の物腰は、どこか別世界を思わせる程の高貴な雰囲気を醸し出していた。
そして、何よりも変わったのは彼女の目だった。
どんなに澄んだ水よりも透き通った瞳は、まるで奥が見えなかった。
きれい過ぎる水では魚も住めないと言うが、彼女付きのメイドの一も、その澄み切った瞳をどうしても好きになれなかった。
その目で見つめられてまず感じるのは寒気だった。その感じを例えるなら、絶対的な何かに見られるような感覚。
一でさえ、透華の前に立つと、口を利くだけで勇気が必要だった。
今も一は、窓の外を見て憂う主人に、声を掛けられないでいた。
屋敷の者のほとんどが、透華の風格に萎縮する中、例外がいた。
「とーか」と可愛い声が呼ぶのが聞こえる。
透華が振り向くと、同じ金色の髪と青い目を持つ衣が駆け寄って抱きついた。彼女と透華は従姉妹だった。
屈託のない笑顔で見上げる衣に、透華はほんの少しだけ頬を緩ませる。
この広い屋敷で、色を見せてくれるのは、この小柄で可愛い小さな魔物だけだった。衣と勝負やかけ引きをする時だけ、胸に熱い鼓動を感じることができた。透華は特に麻雀がお気に入りだった。
それは衣も同じで、悪魔のように冷たい瞳とぶつかり合う時、彼女もまた言いようのない充足感に満たされた。
二人が打つ麻雀は、いつも激しかった。衣は遊びだと言っているが、彼女は全力で遊んでいるのだ。対する透華も、容赦はしなかった。圧勝しようがボロ負けしようが、二人は互いに実感を得ていた。
そこに頭数合わせのように入れられる一は、二人の麻雀が恐ろしくもあり、羨ましくもあった。
一には、二人がお互いに快楽を貪っているようにしか見えなかった。退廃的な肉体関係に見えてしかたがなかった。
事実、透華が変わってから、衣も変わった。もっと正確に言えば、衣の透華に対する態度が変わった。
以前の衣なら、このように透華に抱きつくような真似はしなかった。触れ合って甘える相手は別にいて、それは主に純の役割だった。
衣は龍門渕という家に好い印象はない。当主である透華の父は衣を別館に住まわせ、龍門渕の家族と接点を持たせないようにした。透華はそんな衣を放っておけなかったが、天江衣は基本的に歓迎されてなかった。
そして、衣は自分の特異さに気付き、他人の心に踏み込もうとはしなかった。
それが今では、事ある毎に透華の名を呼び、彼女の後を付いて回るほどだ。
一は、急に懐いた衣の存在を危惧していた。
衣が麻雀の相手をするせいで、透華を活発だった頃の姿に戻す妨げになっているのではないか。
もう一つ、衣と仲が良くなることで危惧していることがある。それは、一が抱く恋心に関係していた。
一の心配を余所に、衣は無邪気に笑う。透華の手が肩に触れると、瞳を潤ませて頬をほんのり赤らめた。
その仕草が、そこはかとなく女を感じさせる。
一はどうにも信じられなくて、二人が戯れるのをただ見ていることしかできなかった。
夜も更け、仕事を終えた一は屋敷内に充てられた自室で肩を落としていた。
自室と言っても相部屋なので、同室の純と智紀が、そんな彼女を心配そうに見ていた。
パジャマに着替えた一が、ベッドの上で胡坐を掻く。「はぁ……」と溜め息を一つ。
見かねた純は、声を掛けてあげることにした。
「元気ねーな」
「うん、ちょっと……」
理由を話す様子もないのを見て、純は智紀に目配せをした。かなり落ち込んでいるようだ。
二人は、理由を聞かなくても大体の想像は付いた。十中八九、透華絡みだろう。
透華が無表情のままになってから、一の心が安らぐことはなかった。透華とは麻雀の実力も、心も引き離されるばかりで、今みたいに肩を落としていることが多くなった。
「透華と何かあったのか」と純が推測したままを尋ねると、一は今日のことを思い出して口ごもった。
「透華と、って訳じゃないけど……」
このまま黙ってしまいそうだったので、純はすかさず話を拾う。
「話してみ。聞いてやるから」
一が話そうか悩んでいると、今度は智紀が話しに入ってきた。「私も聞いてあげるから」と一のベッドに腰を下ろす。
心配してくれているのを感じた一は、もしかしたら自分だけの勘違いかもしれないしれないと思い、話してみることにした。
「近頃の衣、透華と仲がいいよね」
一がこう切り出す。だが、いくら勘の良い純でも、これだけでは一の不安が分からなかった。まさか、あの衣が恋心を、しかも透華に持つとは想像できなかった。
なので、純は適当に話を合わせて様子を見ることにした。
「だな。張り合いのある相手が身近にできて嬉しいんじゃねーかな。今の透華の威圧感なら衣に負けてねぇし」
「衣の調子によっては勝ってることも」と智紀が付け加える。
うまく話に乗れたと思った純と智紀だったが、それ以上この話は進まなかった。一は、少し申し訳なさそうに言葉を濁す。
「えっと、麻雀のことじゃなくて、その……麻雀以外でも仲がいいというか、よすぎるというか」
「ああ、それはオレも思う。衣のやつ、いっつも透華にくっ付いてやんの。前はオレが可愛がってやってたのによ」
「まるでカルガモの親子」と智紀が例え、純が「本当に親子みたいだけどな」と笑った。
そんな二人のやり取りを見て、一は理解してもらうことを諦めた。女同士で女を取り合って悩んでいるとは言い難かった。
「ボク、もう寝るよ」
一は横になって二人に背を向けた。
純と智紀は何が悪かったのか分からなくて顔を見合う。一が透華に気があるのは知っているが、衣が透華にべったりで普通に面白くないのが原因だと思ったのだ。透華付きのメイドの一だったら、主人を独り占めにされた気分になってもおかしくはない。でも、それは違った。
それ以上の理由を考えて、二人は同じ可能性に行き着いた。仲良し以上に深い関係は、あれしかない。
だが、それもにわかには信じられなくて、「まさかな」と純が呟いた。
一度気付いてしまえば、衣の変化は手に取るように分かった。
透華に話しかける度に、何かを期待するような視線を送り、手を繋ぐ度に、頬を上気させた。先に手を取るのはいつも衣だった。
一は、そんな光景を幾度も見せられ、どうしようもなく胸が痛んだ。衣の嬉しそうな顔が、余計に一を苦しめる。
それでも、一は衣を憎めなかった。変わってしまった透華と距離を置いているのは自分なのだ。あの冷たい瞳に恐れを抱いている自分を、完全に否定する事はできなかった。
対して衣は、変化をむしろ喜んでいた。透華の凄まじい気迫と、触れるだけで斬り捨てられそうな高貴さに惹かれさえした。
一は、器の大きさの違いを見せられたような気がして、嫉妬することもままならなかった。
そんな一の気持ちを知ってか知らずか、衣は自分のしたいように振舞った。おそらく悪気はないのだろうが、どうせそんなことは関係ない。彼女は周りに流されるような性格ではない。
優しかった透華の様変わりもあり、一の苦悩は日を追う毎に増すばかりだった。
衣と透華が一緒にいるのが日常と、屋敷の誰もが思うようになった頃、使用人の仕事で屋敷を掃除して回っていた純は、ある部屋に入って思わぬ光景に出くわした。
その部屋は客間で、普段は使われない部屋だった。
だが、廊下で水の入ったバケツを置いてドアを開けてみると、部屋の奥に人影があった。
無人のはずの人影に若干驚いた純だったが、その人影をよく見てもっと驚いた。
一つに見えた人影は二人の物だった。衣と透華が部屋の奥で身を寄せて立っている。だが、ただ立っているだけではない。
抱き合った二人の唇は重なっていた。
キス現場に遭遇した純は、ドアを閉めるのも忘れて口をぽかんと開けていた。
目の前では、衣と透華が目を閉じて唇を重ねている。だが、どうしてもその光景に現実味が湧かなかった。
純が知るついこの間までの衣は、本当に子供だった。知識は豊富で難しい言葉を使ってはいたが、行動も姿も子供そのものだった。
ちょっとはしゃいで走っては転び、膝を擦り剥いては涙を浮かべて泣きかけていた。それで泣かないように頭を撫でると「子供じゃない」と怒り、子供みたいに強がった。
どうしても我慢できない事が起こって泣いてしまった時は、わんわん泣いて慰めてもらっていた。叱りながらも優しく慰めるのは大抵透華で、その関係はまさに母と子だった。
その透華だって、純が知る限り、恋や愛には縁がなさそうな人だった。変わる前の彼女が考える事は自分が目立つための手段ばかりで、どこか常識外れなお嬢様だった。それに、学業と麻雀に打ち込む彼女にそんな暇はないように見えた。
だが、現実に純の視界には、キスをする衣と透華が入っていた。
ただ唖然とする純に、二人はかまわずキスを続ける。
透華が唇を合わせたまま瞼を上げ、すっと横目で純を見た。
なぜだか、純は背筋に寒気を覚えた。透華が見る目はキスの最中だと言うのに、ひどく醒めて見えた。
寒気でやや冷静になれた純は、このまま見なかった事にして部屋を出ようとしたが、二人の唇が離れたのでやめにした。ここで出て行くのも、逃げるみたいで格好悪い。
透華は何を言うでもなく純を見ていたが、衣は気にもせず、今も潤んだ瞳で透華の顔を見上げていた。その衣の様子は、完全に恋する少女だった。
「お前ら、デキてたのかよ」と、純が苦笑に近い笑顔を作って声を掛け、やられたと頭を掻く。
どんな惚気話が返ってくるだろうと、純は少しは期待した。この鉄面皮の透華でも、焦ってあたふたするかもしれないと思った。
だが、返ってきたのは期待とは真逆の言葉だった。
「衣がして欲しいと言うから、しただけですわ」
その言葉に衣の顔が真っ先に曇る。
そして、純の顔は瞬く間に怒りで目が吊り上った。これでは、衣の好意を踏み躙っているも同然だ。
「透華、お前それでいいのかよ」
純は語気を荒げることもなく静かに問う。だが、わずかに震える声から、彼女の憤怒が尋常ではない事が窺えた。
だが、睨み付けても透華の顔には何も見えなかった。恐れも怒りも悲しみも見えない。
透華は普段通りの口調で淡々と答えた。
「女同士ですし、私は別に嫌ではありませんもの」
衣はそれを聞いて途端に顔を綻ばせた。嫌々やったのではないと分かっただけで嬉しかったのだ。
純は衣のそんな笑顔が不憫で、同じことを彼女にも聞くしかなかった。
「衣は、それでいいのか」
問い質され、衣は言葉に詰まる。これでいいわけがない。それでも、次にはにっこりと笑顔を咲かせていた。
「うん、いい。今はそれでもいい。こうしてれば、きっと好きになってくれると衣は信じてる」
あまりにも裏表のない笑顔に、純はもう何も言えなかった。できるなら、こんな痛々しい関係を終わりにしてあげたかった。だが、衣の想いの並ならぬ大きさを見せられ、二人を引き裂くことに躊躇いが生じた。
透華は特に表情を変える事もなく、返事をする事もなかった。
なのに、衣はそんな透華を見て、想いを伝えるようにさらに笑顔を弾ませた。
もう純に出る幕はなかった。
それでも、純には一つ見過ごせない懸念があった。それは、一の事だ。
純は、一が透華に想いを寄せているのを知っている。今は透華の変化に多少戸惑ってはいるが、その想いの大きさは衣に決して負けてない。
この場に一がいたらどんな顔をするだろう。激昂して怒鳴り散らすかもしれない。あるいは、悲しくて泣き喚くかもしれない。どうなるにせよ、純は想像したくなかった。
純が、これだけはと二人に釘を刺す。
「頼むから、国広くんにだけは見せ付けんなよ。そんな半端な関係じゃ、あいつはぜってー認めてくれねぇから」
純はきっちり注意してから念を押すように二人を見る。透華が相変わらずな顔なのは分かるが、衣まで目をぱちくりさせているのには純も参った。
「どうしてはじめなんだ」と言い出したのを見て、純はある意味呆れ返って溜め息を吐いた。そして、仕方がないので全部説明することにした。
「あのな、国広くんも衣と同じなの。本人がコクってねーみてぇだから透華の前では本当は言いたかねぇんだけど、キスとかする関係になりたいわけ。そういうこと」
少々投げやりにも聞こえる説明を聞いた衣は、一転して表情を険しくした。ちゃんと理解したようだ。
そして驚いた事に、透華も少しだが表情を変えた。
「はじめが私を……」
寂しげに呟いたのを衣は見逃さなかった。明らかに透華は一を意識している。
衣は突然の強敵の出現に戸惑いながらも、負けじと拳を握り締め、己を奮い立たせた。
純は底知れない不安を感じたが、仕事を再開することにした。
「じゃ、オレここの掃除始めるから」とバケツを持った。
掃除で部屋を追い出された衣は、透華を置いて廊下をのしのし歩いた。両の拳を握り締めたまま進む先は決まっている。今、一がいるであろう透華の部屋だ。一は主人の部屋の掃除中だ。
衣は憤りを感じずにはいられなかった。一の気持ちに気づけなかった事もあるが、それ以上に一が許せなかった。好きなら、もっとはっきり態度で示すべきだと思った。最近の透華に距離を置く彼女の姿を見ていると、余計にそう思えた。
透華の部屋の前に来た衣は、乱雑にドアを開け放つ。
いつもより大きな音を立てて開いたドアに、床を箒で掃いていた一は反射的に手を止めた。見ると、衣が何やら剣呑な表情でこちらを睨んでいるように見える。
普通ではない態度だというのは何となく分かったが、一はとりあえず差し障りのない言葉を選ぶことにした。
「ごめん、まだ掃除中なんだ」と笑って見せる。
そんな一が呑気に見えて、衣は歯噛みして足を前に進めた。
一は「だから掃除中だって」とやんわり追い返そうとしたが、衣は聞きそうもなかった。
近づいて来る衣に異様な迫力を感じたが、逃げるわけにも行かないので、半笑いになりながらも笑っていた。
正面に立った衣は、まず一を睨み付けた。大きく息を吸って、そしていきなり、ありったけの気持ちを込めた一言をお見舞いする――。
「――衣は、透華が好きだ」
瞬時に一が真顔になる。一は、衣の言葉の意味を理解できた。同じ想いを持っているのだから、分からないはずがなかった。
でも、だからこそ分かりたくなかった。少しでも、自分の恋に不安要素はできてほしくなかった。
衣の突然で直球すぎる告白に、一はほとんど無理だと分かっていても、一縷の望みを捨てられなかった。これは恋愛的な意味での告白ではないと思いたかった。
一は笑顔に無理やり戻して、この場を無難にやり過ごそうとした。
「みんな好きだよね。純くんやともきーも何だかんだ言って信頼してるし、ボクも――」
一が『ボクも』と言った所で、衣が「はじめは?」とすかさず言葉を挟む。衣にとって重要なのはそこなのだ。衣は間髪入れずに尋ねる。
「はじめはどうなんだ。衣は純やともきとは違う。透華が家族以上に愛しい。言うなれば、衣の生涯の伴侶にしたい」
ここまではっきり言われては、一も笑顔でいられなかった。もう聞き間違えや勘違いでは済まされない。今もしっかり目を見て話す衣の態度も冗談には到底見えない。
一は引き下がるわけには行かなかった。相手がどんなに強大で真剣でも、透華だけは譲れなかった。いつも誰よりも透華の近くにいたという自負がある。彼女の想いは、言葉では表せないほど大きかった。
はじめは、そこではっとした。
いくら透華が変わってしまっても、その気持ちは変わっていなかった事を今更ながら自覚した。
一は気迫に負けないよう、衣の目を真っ直ぐ見返した。受けて立つ決意をしたのだ。もう、自分からも透華からも逃げないと決めた。
「ボクも透華が好きだよ。だから、いくら君でも透華は渡せないな」
二人の視線がぶつかり合う。今、二人は恋敵になったのだ。
衣は、敵を見る力の篭った目でありながら、一が逃げなかった事が嬉しくもあり、笑みを浮かべずにはいられなかった。
一も、どれだけ透華が好きか思い出させてくれた衣を嫌いにはなれず、つられて笑みを浮かべた。
それに、同じ人を好きになったのだ。お互いに悪い気はしなかった。
奇妙な友情が生まれた瞬間だったが、熱い恋愛ゲームの時間はそう続かなかった。
開けっ放しのドアの所に人影が見える。
二人が同時に振り向くと、そこには透華が立っていた。
一は全部聞かれたのではと口をあわあわさせたが、もう手遅れだった。透華が珍しく戸惑いを見せて目をそらした。
「何て言っていいのか分かりませんけど……、『ありがとう』でいいのかしら」
この言葉と仕草から、聞かれたと判断するのは容易だった。一は恥ずかしさで顔から湯気が出るほど真っ赤になる。
衣は、動揺する透華が不安で、さっそく彼女に抱きついていた。
今回はここまで
衣は透華にベタ惚れです。一も負けてませんが
次回から学校編入ります。学校王道展開の目白押しですwww
ではノシ
密かに凍華は→一だったら萌え死ねぬと思っていたから
これはwGJ!!w
しかし困った、戸惑い顔の凍華様が妄想できないどうしましょう
あと凍華×透華も良いなとか言ってみたり
衣×凍華
一×透華
両方を辛い目合わせるのが辛くなってのどっちに走るとかは絶対にやらないでよ!いいか、絶対にだ!
>>493を待つ間の箸休めss投下。
衣と純がボクシングしてる時点で頭の悪さは察してください。嫌いな人はIDNGをお願いします。
ではこのレス含めて3レスお借りします。
『リングアウト!』
「WMA世界タイトルマッチ。この試合が終わった後、チャンピオンベルトを巻くのは
現チャンピオン 天江衣か、挑戦者 井上純か!
実況は私、国広一、ジャッジ原村和、そして解説には特別ゲストの龍門──」
カーーーンっ!
「おーーっとゴングが鳴らされました。試合開始です」
「と…ともきーーっ!!なんでゴング鳴らしてますのっ!まだ私の紹介が終わってませんわーーっ!!」
「(まぁまぁ、とーか。落ち着いて…ねっ?)では気を取り直して。
まずは両者様子見から。先に手を出したのは井上選手。左のジャブが…当たりません!」
「あの身長差ですわ。足元をちょこまか逃げ回る衣を捕まえるのは不可能ですわね」
「今度は天江選手、お返しとばかり渾身の────」
「衣は私の従姉妹ですのよ?さぁ、世界中にあなたの力を見せて差し上げなさいっ!!」
「右ストレートが空を切ったーーーーっっ!!!!」
「…………」
「天江選手、井上選手に手が届きませんっ!透華さん、天江選手の拳が届かないのですが…」
「……お…おーーほっほっほっ…」
「(笑って誤魔化したね、とーか…)さぁ、しかし天江選手あきらめない。
必死に井上選手の回りを飛び跳ねる姿はまさしくウサギさんだっ!」
「まるで幼稚園のお遊戯ですわね」
「会場も思わずほのぼのムードです」
…ぶっ!
「おっと、どうしたことでしょう。井上選手、鼻から血を流しています。
天江選手のパンチが当たったようには見えませんでしたが…。解説の透華さん」
「おそらく飛び跳ねる衣の愛くるしさに耐えられなくなったのですわ。
純はああ見えてカワイイもの大好きですから」
「しかし井上選手、普段はそんな素振りは見せていませんが?」
「ふふ…純は隠してるつもりでも私の目は誤魔化せませんわ!
私は知っておりますのよ。毎晩、純がクマさんのぬいぐるみを抱いて寝ていることをっ!!」
「井上選手っ、恥ずかしい日常を暴露されてしまったっ!!
キャラがキャラだけに試合後の周囲の視線を想像すると同情を禁じ得ませんっ!」
カンカンカンっ!
「ここで第1ラウンド終了です。では赤コーナ、チャンピオンサイドの様子はどうでしょう?」
──赤コーナー
「どうだっ!!見ててくれたか、咲?」
「うん。がんばったね、衣ちゃん」
なでなで
「や、やめろ、なでるな〜〜…ふにゅう〜〜…」
「天江選手、何か完全に力が抜けてしまっているようですが第2ラウンドは大丈夫でしょうか?」
「セコンドが選手にダメージを与えてどうしますの…」
バンバンバンっ!バンバンバンっ!!
「なんですの、この音は?」
「これは…ジャッジの原村和ですっ!原村和が床を叩いて号泣していますっ!そしてその視線の先は…
赤コーナーだっ!!『悔しいっ!私もなでられたこと無いのにっ!私も咲さんになでられたいっ!!』
そんな魂の慟哭が聞こえてくるようです」
「嫉妬に狂った女は恐ろしいですわよ…」
「さぁ続いて青コーナー、挑戦者サイドです」
──青コーナー
「しっかりするじぇっ!!」
「すまねぇ、やられちまった…」
「大人しくしてるじぇ。いま止血するじぇ」
「ちょ…ま、待てって。そんなに顔を近づけたら…」
「な…何を恥ずかしがってるじょ……。こ、こっちまで恥ずかしく…」
「「////」」
「こちらはこちらで、あやしい雰囲気になってまいりました」
ガンガンガンっ!ガンガンガンっ!!
「今度は何の音ですの…」
「これは…ともきーですっ!ともきーがゴングではなく机を叩いて号泣していますっ!その視線の先は…
青コーナーだっ!『悔しいっ!私よりそんなタコス臭い女がいいの?どうして私じゃダメなのっ!!』
そんな女の情念が聞こえてくるようです」
「私の紹介が終わる前にゴングを鳴らした天罰ですわ」
カーーーンっ!
「第2ラウンドが始まりました。おっと天江選手、セコンドから受けたダメージが抜けていないのか
足元がふらついているぞっ!井上選手、この機会を逃さないっ!右の拳を打ち下ろしたぁ!」
「こ、ころもーーーーっ!!」
なでなで
「井上選手、振り下ろした右手で天江選手の頭を撫でています」
「…心配したのがバカみたいですわ」
なでなで、なでなで
「…ふ…ふにゃああああぁぁぁぁ…………」バタンっ
「天江選手ダウンっ!ジャッジのカウントが始まります」
「1、4、7、9、10っ!」
カンカンカンカーン!!
「試合終了っ!あっという間の10カウントっ!…というかカウントが飛んだ気がしましたが…」
「やはり嫉妬に狂った女は恐ろしかったですわね…」
「あっ、倒れていた天江選手。目を覚ましたようです」
「咲…?そうか、私は負けたのか…」
「うん…。でも立派だったよ、衣ちゃん」
なでなで
「ふ、ふにゅ〜…」ガクっ
バンバンバンっ!!!
「あのセコンドは自分が敗因だと、まだ気付いていないようですわ…」
「その後ろで必死に存在をアピールしている原村和にも気づいていないようです」
「ある意味、原村和が真の敗者ですわね」
「こちらは勝者、井上選手の映像です」
「よくやったじぇっ!ほら、これ」
「おっ、サンキュ!」
ガンガンガンっ!!!
「井上選手、セコンドの片岡トレーナーから花束を渡されました。これには感極まったのか
涙が止まりません。そして、こちらも後ろで懸命に存在を主張するともきーに気付く様子もありません」
「あ…はじめっ!あれは花束ではありませんわ」
「え…?あれは…巨大なタコスですっ!井上選手の涙はタバスコに目をやられたものでしたっ!
これはキツそうだっ!井上選手、悶絶っ!渡した片岡トレーナーも悶絶しています」
「衣たちまで悶絶してますわね…。どれだけ強力なタバスコを使えばこんな事態に…」
「あっ、この非常事態に原村和と沢村智紀の両者も、想い人を救出すべくリングに飛び込んで───
悶絶しています…」
「わかりやすい三文コントですわ」
「そろそろ収拾がつかなくなってきたので、透華さんにこの試合を振り返っていただきましょう」
「やっと私の出番ですわね。まず、この試合のポイントは────」
「あっ、ここで放送時間が無くなってしまいました。それではみなさん、さようなら」
「お、お待ちなさい。まだ私が目立って────」
『この放送は──
”アメリカでも大暴走” 池田自動車
”あなたの右目も光らせたい” フクジコンタクト
”大学受験って何だっけ?” カマボコ予備校
”働くあなたのパートナー” ビジネスホテル東横INN
──以上の提供でお送りしました』
今書いてるのが欝話しだったので、反動でバカ話を書きたかったんです…
たぶん次はだだ甘なの書きたくなるんだろうな。他の作者さんも反動ってあるんですかね?
GJ!国広君フリーダムw
三角関係の片方に酷い目にあわせて片方に最後にいいところを取らせるパターンばっかだな
俺のパターンの事ね
つまり反動はない。ぶれない男と呼んでくれ
最近燃料少なすぎ
原作も今はあまり百合成分ないし
PSPは咲和しかないんだろうし・・・
ただ咲和以外の百合カプCGは気になるな
王道的咲和派な俺にとっては十分であるが
球種は多いほうが良いのは確かだな
いただくわーとトーカののどっちデレと透一とパターンごろごろの咲の浴衣の中を覗く和
これだけあって百合成分がないとか贅沢だな
>パターンごろごろの咲の浴衣の中を覗く和
かわいそうに。モモ並の情欲があるのに対象が無垢すぎて、想像を膨らませる堕天使になってしまった!
とーかのあれはのどっちデレじゃなくてはじめデレだよ(´ー`)
フツー中学の制服を一目見て判別とかできねーよ
まぁとーかは記憶力、無駄にいいけどさ
エロ注意、NGワードは「まこ」です
――――
「ああうっ!く…ああ!」
鶴賀学園の麻雀部の部屋の中で少女達の喘ぎ声と卑猥な水音が響き渡る。
その中心で全裸の姿で一際大きな叫び声をあげる麻雀部の部長である加治木ゆみは清澄麻雀部の一人であるまこにペニパンを挿入されていた。
「ワハハー、ゆみちーは本当に淫乱だなー!もう乳首がこんなに尖っているぞ〜?」
ゆみの親友である智美が彼女の後ろに回り乳首を強く弄くる。
「やめろぉっ……いま…そこをいじられたら…ああん!」
「腰をおろそかにしちゃあいけんわい鶴賀の大将さんよぉ!?それともワシのペニパンじゃあ満足できんかいや……おおっ!?」
まこは大きな笑い声をあげながらさらに腰を激しくふる。
その横では佳織と睦月が双頭バイブで激しくよがっていた。
「う……むっ!ん…ああっ!」
「だ、ダメッ!そんなに動かされたら…わたし変になっちゃうよおお!」
二人とも涎を垂らしながらバイブからの快感に浸っていた。
「むっきーさんよぉ…中々激しく動いとるのぉ…その調子でガンガンいきんさいや、のぉ!」
「う…む、私なりに…せいいっぱああいっ!」
まこの言葉に即発された睦月は一層腰を激しく振る。
そんな彼女達とは少し離れた場所ではモモが乳首とクリトリスにローターを当てられたまま縛られていた。
「ああああぁぁ!先輩、先輩ぃぃ!私もぉ、私も先輩を犯したいっすぅ!」
モモは顔中を汗だらけにしながらまこに犯されているゆみを見つめる。
「どうじゃあモモさんよぉ!?ワシが改造したローターの味はぁ!鶴賀の大将はワシがじっくりと犯したるけん、安心してローターで遊んでろやぁ!」
まこはモモを横目で見ながら、ニンマリと歪んだ笑みを浮かべる。
「いやっす、いやっすぅぅぅ!ローターじゃなくて私は……私は先輩と一つになりたいいいいいいいい!」
モモは大きく首を反らしながら身体を痙攣させる。
ぷっしゃああああ……
モモのあそこから大量の潮が噴き出す。どうやら絶頂をむかえたようだ。
それでもローターはモモを刺激する事をやめない。
「きいいいいい!とめてぇっす!これ以上刺激を受けたら……はああああ!」
再び絶頂をむかえたモモは口の周りを涎まみれにして身体を大きく震わせる。
「も…モモぉ、モモぉ!」
「おおっとぉ!モモの心配よりも自分の心配をしたらどーなら鶴賀の大将さんよぉ!のぉ、智美!」
「ワハハー!そうだぞゆみちー!私を仲間外れにしちゃいけないぞー!」
智美は近くにおいてあった双頭バイブを自分の割れ目の中にゆっくりうずめていく。
「わ…は……ああ…」
バイブをうずめ終えた智美はゆみの尻に手を添えると、彼女の尻穴にバイブをあてがう。
「わはは…それじゃあ私も気持ち良くなるといたしますか」
「良かったのぉ、鶴賀の大将!初めてで前と後ろの穴を同時に犯してもらえるなんて中々ないことじゃぞ!
ただでさえアンタは前を犯されているだけでこんなになっとるのに
二穴いっぺんに犯されたらホンマにおかしくなるかも分からんのぉ…おお!?」
二人の言葉を聞いたゆみはプルプルと震えながら恐怖で顔を歪ませる。
「やめて……それだけは…それだけはぁ!」
「ワハハー!行くよゆみちー!」
ゆみの願いもむなしく智美は一気にバイブを刺し貫いた。
「んおおおおおおおおおおおおおお!」
ゆみはアナルを犯され、獣の様な叫び声をあげ、狂い悶える。
もはやゆみには快楽に浸る以外どうする事も出来なかった。
快楽の宴はまだまだ終わらない――。
〜True end〜
509 :
508:2010/03/08(月) 13:37:55 ID:pil6qsJP
間違えた、鶴賀の大将は加治木じゃなくて蒲原だった…まあ、まこが勘違いをしていたという事にしてください。
>>507 あれデレとか関係ないだろw調べて知ってるだけだw
GJ!
鶴賀如きじゃ、得意領域で勝負するまこを止められませんね
もっとモモの反応が見たいっす
513 :
名無しさん@秘密の花園:2010/03/09(火) 23:33:40 ID:eJN16NTN
は
や
く
た
す
け
に
き
て
一年の池田が衣に倍満振ってコーチに陵辱されるネタが読みたいです
実際のところカナを陵辱してるのは衣だよね
ケ
テ
ス
タ
いっそすがすがしいまでのともきースルー
このぶんじゃまこも…?
かじゅももSS投下します(ただしかじゅは出てきません)
3レス予定
タイトル「笑顔」
「悩みがあるなら相談に乗るぞ?」
目の前の人物はいつもと変わらない笑みを浮かべながら、私に話しかけた。
確かに、私は今悩んでいることがある。元々、誰かに相談したところで解決するような
問題ではないのだから、誰にも言うつもりはなかったが……
けれど彼女の笑みを見ている内に、覚えず自分の口が動いていた。
「私はずっと加治木先輩の事が好きだと思っていました。でもその気持ちがうそなんじゃ
ないかって気付いたんです」
眼前にいる蒲原部長は何も言わず、私の話に耳を傾けている。
「私は先輩を好きになったんじゃなくて、自分を求めてくれた人を好きになったんじゃないのか。
もしも、教室に乗り込んできた人が先輩ではなく別人だったら……
私はその人の事を好きになっていたのかもしれないです」
自分を求めてさえいてくれたら、別に誰でも良かったのではないのか?
そう考えると、私の加治木先輩への気持ちが偽りのものに思えてきた。
なんだか、悲しくて胸が苦しくなる。
「結局、私は先輩以外の誰でも良かったんじゃないか、そんな風に考えている自分が嫌に
なったんです。私なんかが、先輩のそばにいちゃいけないんです……」
いつの間にか目に涙がたまり、泣き出してしまいそうな自分に気付いた。
そっと制服の袖でぬぐい、何とかして落ち着こうと努めた。
それまで静かに聞いていた元部長が、私に問いかけてきた。
「じゃあゆみちんの代わりに、例えば私が『君が欲しい』て言っていたら、
私のことを好きになってたっていうのか?」
そうです、そう私はつぶやいた。
「……くっくっ、わっはっはー」
真剣な話をしていたのに、いきなり部長が笑い出した。
私は何がなんだか分からず、あっけにとられていた。
「モモは考え違いをしてるって」
部長がはっきりとそう断言し、言葉を続けた。
「まずゆみちんがモモを求めたから、ゆみちんの事を好きになったんじゃない。モモがゆみちん
の事を好きになり、その根拠を探した結果、自分を求めてくれた事を理由にしたんだよ」
「だってそうだろう。どれだけ自分を求めてくれた人を好きになっても、同じ時間を過ごすに
つれ、幻滅することもあるだろう。それなのに、今でもゆみちんのことが好きなんだろう?
たぶん、出会ったとき以上にさ。
それこそ、他の誰でもないゆみちん自身を好きな証拠じゃないか」
部長が真剣なまなざしでしゃべり続ける。
「たぶんモモが誰か好きになったのは、初めてなんじゃないか?初めての感情に、気持ちの方が
ついていかず、混乱してたんだろう。だから理屈で当てはめようとして、求められたから
好きになったと思い込もうとしてたんじゃないの?」
そう……なのかな?
私自身、自分の気持ちは自分が一番良く分かっていると思っていた。
しかし部長に言われ、自分自身が分からなくなってしまう。
「その事に悩んでいたから、最近ろくにゆみちんと話してなかったんだな」
確かに最近、私は先輩を避けていた。先輩のそばにいていいのか、そんな事を考えていたから。
「ゆみちんは気にしてたぞ。自分が何か言って怒らせてしまったんじゃないかって」
私のせいで先輩に心配をかけてしまい、とても胸が痛む。
部長に相談をし、そして部長の考えも聞いた。だけど私の心はまだ迷っていた。
私は「自分を求めてくれた人」と「加治木先輩」、そのどちらが好きなんだろうか?
私の気持ちを見透かすように、部長が話しかける。
「まあそれでも悩むようなら、いっそのことモモが好きになったのは
『自分を求めてくれたゆみちん』って事でいいんじゃないか?」
「すごく欲張りな答えっすね」
部長の言葉に自然と笑みがこぼれた。
「欲張りでいいんだって」
部長も、いつもの笑顔を浮かべていた。その笑顔を見ていると、今まで悩んでいた事がバカらしく
思えてくる。
部長の笑顔は周りの人を元気にするんだ、彼女を見ている内に、ふとそんな考えが浮かんだ。
「さて、元気の戻ったモモに1つ頼みごとがある」
先ほどまでの笑顔とは打って変わって、真剣な顔つきで話し始めた。
「私の知り合いが、今とても落ち込んでいてね。最近、後輩に話をしてもらえず、
嫌われてしまったんじゃないかとウジウジ悩んでいるヤツがいるんだ。ここはひとつ、
そいつに会って、活を入れてもらいたいんだが」
部長がいたずらっぽく笑った。
部長の「知り合いさん」は部室にいるそうだ。
部室へと向かう間、私はそこにいる人にかける言葉を考えていた。
まずは心配をかけたことに対して「ごめんなさい」と謝り、そして私を見つけてくれたこと
に対して「ありがとう」を言おう、そう心に決めた。
以上です
拙い部分もあるとは思いますが、私なりに精一杯
うむ
GJ!
ワハハ このよくばりさん共め
だがそれがいい。GJ!
>>521 久し振りにかじゅもも読めて嬉しいっすGJ!
ホワイトバレンタインも近いけど2/14ネタでも書くかな
原作の百合要素の少なさは何だ?!
アニメ版が濃すぎたのか?
麻雀漫画だから、百合漫画じゃないから
ところがどっこい
半年は閑話休題してもいいくらいキャラクター漫画になってる
>>492の続き2話目です
レスどうもっす
>>495 それはダチョウ的にやれってことですかw
投下いきます
夜になり、思わぬ形で気持ちを知られてしまった一は、自室のベッドで悩んでいた。
「はあ……」とため息を吐いたと思えば「うーん」と唸り、ベッドに身を投げ出したと思えば飛び起きていた。
同室の純と智紀が気にならないはずがなく、悩みの種を聞いてみる事にした。それぞれ自分のベッドに腰を下ろす。
「何を悩んでんだ」
「気になります」
声をかけられ、一は寝そべって二人を見る。そのまま少し考えた後、同じようにベッドに座ってもう一度二人を見た。
「ちょっと聞いていい」と一が前ふりで尋ね、純が「おう」と答え、智紀が頷く。
二人の反応を見た一は、少し間を置いてから、迷いながらも口を開けた。
「――好きな人に告白したとするよ」
「したのか」
「もしもの話っ!」
純は茶化して見せたが、胸の内では手を合わせて謝っていた。衣と透華のキスの事がある。一の様子を見ていれば、衣に突撃を受けたと容易に想像できた。
図星で一は焦ったが、「もうっ」と軽く怒って見せてから相談を続けた。
「それで、告白したら『ありがとう』ってだけ言われるの。この場合、どう受け取ればいいのかな」
「ありがとうだけ?」と智紀がもう一度聞くと、一は「うん」と即答した。
一般的に考えて、告白の返事が「ありがとう」だけなのは、体の良いお断りの意味だ。純と智紀もそう思ったが、相手が一なので軽率なことは言えなかった。状況からして、本人の実話に違いない。
純と智紀はどう答えようかと唸った。
「『ありがとう』にもいろんな意味があるしなぁ……」
「もう少し詳しい情報が必要」
一は考えあぐねている二人を見て、できるなら隠しておきたい追加情報を流すことにした。既にほぼ本人と特定されているので関係ないのだが、そうとは知らない一はあまり具体的なことは言いたくなかった。
「じゃあ条件を足すよ」
「頼む」
「それじゃ――ちょっと特殊な状況だけど、告白は偶然だったんだ。その子にはライバルがいて、その恋敵との喧嘩を通りがかりに聞いちゃって『ありがとう』って言ったんだ」
純は「あちゃー」と顔をしかめた。どう聞いても登場人物は、一と衣と透華だ。悪いことをしたと思い、心の中で頭を下げた。
智紀は恋敵が誰かを考えて、まずは衣が思い当たった。少し前だが、一は衣を気にしていた。衣の変化もそれで説明がつく。そして、智紀は顔には出さなかったが、衣が色恋沙汰で喧嘩をした事にかなり驚いた。
「恋敵も『ありがとう』って言われた?」と智紀が聞くと、一は「多分……」と言葉を濁した。この曖昧な答えで、智紀は三人の登場人物が想像通りだと確信した。架空の話なら、返事を曖昧にする意味がない。だが、肝心の『ありがとう』の意味がこれだけでは分からない。
大体の状況を把握した二人は同じ結論に至った。まだ告白の返事はされてない可能性が高い。限られた情報から推測するのは、これが精一杯だった。
「それだとまだ何も変わってねーと思う。もういっぺんコクれ」
「私もそう思う」
二人の意見を聞いた一は「そっかぁ」と盛大にため息を吐いてベッドに倒れた。
隠す気があるのか分からなくなった純と智紀は、見合って苦笑いをしていた。
透華が通う龍門渕高校は私立の女子高で、小等部、中等部を有する一貫校だ。理事長は透華の祖父が務める。
早い話が校名の通り、龍門渕家の学校で、屋敷住まいの衣、一、純、智紀もここへ通っていた。
そして、教室で一は、席に座って物思いに耽っていた。
前日、偶然だったにしろ、透華に告白してしまったのだ。同じ教室にいる彼女をどうしても意識してしまい、授業がまるで頭に入らなかった。
その透華をちらりと見る。背筋をぴんと伸ばしたきれいな姿勢で席に座り、涼しい顔でノートに記入していた。
ついでにその隣の衣を見ると、ノートの切れ端で折り紙を折っていた。これで透華に負けない成績なのだからやってられない、と一はぼやく。
最前列の席の智紀は、やや猫背だが真面目に授業を受けていた。反対に最後列の純は、いびきを掻く勢いで爆睡していた。
みんなの普段と変わらない様子に、一は溜め息が出るのを抑えられなかった。こんなに悩んでいる自分が馬鹿らしく思える。
気分転換に窓の外を見て、ここぞとばかりに教師に指名されたのはこの後の事だった。
休み時間、授業で恥を掻いた一は、さっそく衣にいじられていた。衣が楽しそうに纏わり付く。
「あんなのも分からないのか」
「ちょっと考え事してただけ」
「考え事する余裕あるんだ」
「折り紙折ってた衣に言われたくないけど」
「衣は余裕あるもん」
恋敵になって遠慮がなくなったおかげか、二人の会話はいつになくフランクなものだった。
「オレは全然わかんないぜ」と、授業終わりのチャイムを目覚ましに起きた純が割って入る。二人の衝突のきっかけを作った手前、少なからず気にしていた。
「寝てたら当然だよ」
「落第するぞ」
「総攻撃かよ……」
矛先が自分に向いてたじろぐ純だが、結果オーライという事で笑って済ませた。
衣が自分の席を離れたことで、透華の所に女子が隙を突いて寄ってきていた。下級生だろうか、憧れの先輩という感じで少し興奮気味に話す。
透華は雰囲気が変わった途端に人気が上がった。何かと騒がしくて目立っていた以前より、今の清楚で物静かな彼女の方が受けがよかった。
今の彼女は格段に近寄り難い雰囲気ではあるが、どこにでも恐いもの知らずはいるものだ。
一言二言透華と会話しているのを見つけた衣は、慌てて飛んでいった。席に座っている透華の背中から抱きついて所有権を主張すると、女子は諦めて帰って行った。
一部始終を見ていた一と純は苦笑するしかなかった。
「透華は人気者だねえ」と言う純の前に、突然お弁当箱が差し出された。
「あの、食べてください」と余所の教室の女子が、顔を赤くしていた。
「おっ、わりぃ」と慣れた手つきで受け取る純を見て、一は「純くんもね」と付け足した。
龍門渕高校では年に一度、学校祭が開かれる。小等部、中等部、高等部が同時に開催する上に、龍門渕家の強大な権力が関わる為、規模はかなり大きかった。一流企業の協賛も多々ある。
そんな盛大なお祭りで、クラス毎に出し物を催すのだが、透華のクラスには偶々演劇部の部員が複数いた。そのまま流れ的に出し物は演劇に決まり、台本も用意してくれる事になった。
だが、学校祭は演劇部の活躍の場でもあるわけで、演劇部員は主要登場人物へのキャスティングを辞退する事になった。
演じる作品は演劇部員のオリジナルで題名は『古い城』だ。内容は、中世ヨーロッパのお姫様と貴族の若い男との悲恋話というありがちなものだ。
当然、演劇部員は意味もなくこのような話を選んだ訳ではない。登場人物の貴族の男に、うってつけの役者がいるからだ。
ホームルームで演劇の配役を決める時、真っ先に名前が挙がったのは純だった。クラスの女子が貴族の男役を推薦すると、みんなが拍手をして賛同した。台本を書いた演劇部員の思惑通りだった。
ほとんど全会一致の様子の中、純は困り果てながらも「やるしかねーか」と挙手して応じた。
相手のお姫様役は、立候補者が出てすぐに決まるかと思われたが、そうでもなかった。純に気がある者がクラスに何人かいそうなのに、みんな尻込みしてしまい、手が上がらない。
しばらくの沈黙の後、ある生徒が声を上げる。
「姫役は龍門渕さんがいいと思います」
ほとんど槍玉に挙げられた形だが、当の透華は何も言わない。本人が断らないのを見て、また強引に決めようとみんなが一斉に拍手を始めた。以前の目立ちたがりの透華を知っているクラスメイト達は、特に悪いとも思わなかった。
この多数決の暴力の中、本人より焦ったのは一だった。声を出して笑いもしないこの透華に演劇なんてできるわけがない。朝昼晩と透華を見ている一は、本当にそう思った。
クラス委員が黒板の『お姫様』の文字の下に『龍門渕』と書き加え始める。一は急いで席を立ち、「ちょっと待ってよ!」と声を張り上げた。
チョークを動かす手が止まり、クラス委員が一を見る。
「国広さん、何か意見ですか」
「透華はやると言ってないし、もう少し考えたほうが」と答えた時、「じゃあ、国広さんがやってくれるの」と誰かが言った。一はすぐに言い返す事ができず、言葉に詰まる。
それでもそう時間を掛けずに立候補する気持ちを固めた一は、毅然と答えようとした。だが、口を開こうとした所で、透華に遮られた。
「私は構いませんわ」
「それじゃあ、お姫様役は龍門渕さんに決定します」と黒板に透華の名前が書き込まれる。
再び拍手が沸き起こる中、一は出足を挫かれて口を開けたまま立っていた。そして、即答できなかった自分に嫌気が差して、力なく椅子に腰を下ろした。
演劇の台本を手渡された透華と純は、さっそく屋敷に持ち帰って台本あわせをする事にした。提案をしたのは純だ。やるからには失敗したくはなかった。
広間に一と衣と智紀も集まり、円になってそれぞれが台本を手にする。全員、何かしら役をもらっていた。
「よっしゃ、始めるか」と純が一つ咳払いをする。そして、舞台は開幕した。
「これは姫様、このような場所で一人でお月見ですか。各地の貴族や富豪があちらでお待ちかねです」と純が早くも役になりきってセリフを読む。
「どうも貴族というものが好きになれなくて……」と透華が物憂げに呟いてから、はっと顔を上げる。
「――とごめんなさい。あなたも貴族でしたね。何処の何方までは存じませんけど」と、透華の演技も純に負けていない。
「これは失礼」と純は手を胸に当てて一礼する。
「私はロレンゾ。階級までは聞かないでください。貴族と言うのもおこがましい位ですので」
「まあ、そんなに謙遜なさらずとも」
「謙遜ではありませんよ。でも、良い事もあります。貴族と言えなければ、姫様に嫌われずに済みますから」
「うふふ、面白い方ね」と自然に笑う。
ここまで読んで、全員が透華の熱演にあっ気にとられた。
あの透華が笑っている。しかも、とびっきり上品な笑顔で。他の演技も抜群に上手く、本当にお姫様がそこにいるような錯覚を覚えた。
純は役を忘れて素で話し掛ける。
「へー、そんな顔もできたんだな」
「演じているだけですわ」
そっけない返事をする透華は、いつもの無表情に戻っていた。
今度はその変わり身の早さに驚いて、みんながぽかんと口を開ける。
一は透華の演技を見て、感情豊かだった頃の彼女を思い出す。
言いたい事をずばずば言う彼女は、気持ちを隠そうともしなかった。だから、いつも怒ったり笑ったり忙しい人で、一の苦労は絶えなかった。でも、それが楽しかった。
過去を思い出してしんみりしている一とは対照的に、衣は瞳をきらきらと輝かせる。透華の演技を気に入ったようだ。
衣は純の台本の端を摘み、くいくいと引っ張る。
「衣と役を代わろ! ロレンゾやりたい」
衣はこの演目の結末を知って、あまり貴族の男役をやりたいとは思ってなかったが、透華を見て気が変わった。彼女がしっかりやってくれるなら、こんなに面白そうなイベントはそうない。
だが、いくら衣の頼みでもできる事とできない事がある。純はやや呆れた顔で苦笑するしかない。
「オレは代わってやりたいけど、それはムリだろ……」
「なんで?」
「クラスのみんなが納得しないって。衣、ちっさいしさ」
「ちっさくない!」
衣は本当の事を言われて頬を膨らます。こんなに可愛く怒る彼女に、大人の男役はミスキャスト必至だ。
一と智紀も同意見で、衣の我侭を、笑って見ているしかなかった。
学校祭の準備は着々と進み、演劇は体育館で舞台練習ができるまでになっていた。衣装は手間が掛かるので、用意できるのは本番前になりそうだった。
途中途中で演劇部員の指導で止まりながらも、どうにか終わりまで演じた後、どこからともなく拍手が起こった。
見ると、他のクラスのギャラリーがかなりの数いる。体育館の入り口には覗き見る人の影が絶え間なくあった。
ギャラリーの数は日に日に増えるばかりで、皆、純の格好良さと透華の演技の噂を聞きつけて集まってきていた。
女子が一人、タオルとペットボトルを持って純に駆け寄る。純のファンだ。
「これ、どうぞ」
「あんがと」
もらった水をぐいっと飲み干す純の横を、別の女子が通り過ぎる。手にはやはりペットボトルの水を持っていた。
「あの、龍門渕さん、お水をどうぞ」
女子が水を差し出して初々しく頬を赤らめる。透華は特に表情を変えず、「いただくわ」とだけ言って受け取った。一口飲むと、女子の表情が途端に明るくなる。
それを同じ舞台上で見ていた一は、自分に役がある事を悔いた。「ボクの仕事なのに……」と、真っ先に水を持って行けなかった自分を責める。
同じく見ていた衣は、のっしのっしと透華の所へ向かった。「衣もお水が欲しい」と言うと、女子は「えっ、もうないの。ごめんね」と謝った。
衣は透華が手に持っている物を見た。
「トーカ、それちょーだい」
「はい」と渡すのを見て女子は「ええっ!」とうろたえた。そして、衣が一気飲みしてみるみる減っていく水を見て「あぁぁ……」と涙目になっていた。
衣は恋も麻雀と同じで、相手は徹底的に潰す主義らしい。無神経に水をあげてしまう透華も、ある意味凶器だった。
それを傍目で見ていた一は、透華の水をもらう衣が羨ましかった。あんな大胆な行動は自分にはできそうにない。
「ボクも欲しいなぁ」
無意識に口に出た言葉が、近くの純に聞こえてしまう。持っている空のペットボトルを振って見せた。
「ごめん、もう飲んじまった」
一は声に出していた事を知って顔を真っ赤にする。「いいよっ。自分の持ってるから」と逃げるように舞台から降りた。
これなんて青い花とか言わないでwww
今回は以上です
学校祭に演劇とお約束ですが、やっぱ王道展開は書きやすいのでw
次回は早くも学校祭クライマックス。展開速めでいきます
ではノシ
続きを!早く続きを書いて下さいまし!
こういうのって大抵元の男役がケ、ゴホンゴホン
GJ!
あーとーかと結婚してぇ
やはり龍門渕はいいなあ
そういやこの前誕生日だったんだな、ともきー
盛大パーティーやったんだろうか
SOA
おっぱいさん
逃しません、ですわ!
幸せな結果になりそうなカップリングって実はかじゅモモくらいですよね。 両想い的な意味で。
>>544 どこも両想いに見えてしまう自分は強い百合の花粉にやられているようだな。
かじゅ先輩はモモが大好きなことを無自覚でいてくれると萌える。
>>544 描写の多さもあるが、互いに一本釣りなカップルって多分その2人くらいだもんな
かく言う俺は部×キャプ×かじゅ萌えだがw
かじゅモモは二人とも割と落ち着いてるからなぁ
他に浮気することなくそのままオランダで結婚しそうである
井上の兄貴の相手は誰になるんだろう?
犬猿の仲っぽいけど声優的にそれがフラグなタコスか
抱きついたり腕に乗っかったりな衣か
モンブチ家の父母的なともきーか
>>549 >>声優的にそれがフラグなタコスか
最近姉みたいに読んでたり「ずっと一緒にいるって言ったじゃない」だったりしてるな
透華×歩という可能性
「とーかが僕以外の人間を好きになるなんてありえないよ!」
天使
はいはいそうですよー
透華のオナニーのネタはのどっち
ここはスキー・スノボ・スケートから雪合戦(国際公式ルール準拠)まで、あらゆるウインタースポーツが
楽しめる龍門渕グループ経営のリゾート施設。お嬢様と愉快な仲間たちが合宿の名目で遊びに来ていた。
ほとんど直滑降に近いシュプールを描いて滑り降りてきた純は、リフト乗り場の横に立っている智紀に
声をかけた。
「いつまでもそんな格好してないで、スキーウェアと板借りてこいよ」
黒いコートに黒い帽子。機械の体をただでくれる星へ連れていってくれそうな姿の智紀は首を振った。
「ここにいる」
「そんなの着てりゃ寒くはないかもしれんけど、何もしないで突っ立ってりゃ退屈だろ?
他のみんなは好きに楽しんでるぜ」
透華は氷上を華麗に舞……おうとしたがいきなり派手に転倒しかけてハギヨシに助けられ、今は一に手を
引かれながら恐る恐る滑っている。一は時々透華の方を見たかとおもうと慌てて視線をそらすが、何とか
バランスを崩さずに済んでいるようだ。
衣は歩を助手代わりに、雪だるま作りに励んでいる。頭に細長いものが生えている1個目、妙に威圧感を
感じる笑顔を浮かべた2個目に続いて、3個目の胴体部の正面に頭部の半分ほどもある大きな雪玉を二つ、
並べてくっつけようと悪戦苦闘中。
「お前、やってみたいスポーツとかないのか?」
「カーリング」
「えっと…」
純は答えに詰まった。「氷上のチェス」とも呼ばれるカーリングは情報分析を得意とする智紀のイメージに
ぴったりだし、ここにはその施設もある。だが彼女一人ではプレイできない。
「……冗談」
智紀のしゃべり方だと、全然冗談に聞こえない。
「純が滑っているところを見るのが、一番楽しい」
だからこれも、声だけ聞いていると冗談かどうかわからない。しかし、真っ直ぐ純を見つめる彼女の頬は、
かすかに紅潮していた。
しばらくして純は頭をかいた。
「なら、やっぱり道具借りてこい」
「どうして?」
「ここら辺は初心者用コースだから、あまりスピード出せないんだ。もっと格好良く滑ってるところを
見たけりゃ、高い所まで行かないとな」
そして、上級者用コースでの純の滑りを堪能した智紀は、今度は純に見守られながらプルークボーゲンで
山を降りるのだった。
おう、投下終わりか?
ところで早く日付が変わらないかな
うずうずしているんだ
酒を入れたから寝てしまうかもしれないけど今日はもう祝杯を何杯も挙げたよw
部長、すでにかじゅと下の名前で呼ぶ仲なのか
一、龍門淵高校を卒業したらもうメイドをする理由はなくってよ
なんという部長総攻め・・
個人的には女の子同士での「何か」をサラッと前提にして
その上でモモに「何もなかったよ」とクールに対応するかじゅを見直した
もう本当に覚悟完了したんだな・・
カーリングは良さが全く分からない
何度見ても微妙・・・
麻雀だって運ゲーなのだわ
どうして東風が主流になったし。せめて半荘やろうよ
となんぽさんが申しております
運ゲーの要素が強いなら、ある程度何度か勝負しないといかんわな。
東風は短すぎ
必死なモモかわいいなあ
加治木先輩の余裕な表情もいい
バレしか見てないけど今号のかじゅ部長モモ良い感じだね
おまえらが何を話してるのかさっぱりでしたが、最新号の話だったんですね?
部長のたらしぷりが無双らしいという。
「ゆみ」「久」とか、互いの呼び方が出てくると妄想が広がって良い。
でもゆみちん、ワハハのことは「蒲原」なんだね…ワハハ。
嫁がガクブルしてたからって、健気な後輩を泣かすほど取り乱すおっぱいさんおいしかったです。
はいてない寝ゴロしかり、ちゃーんと咲をウォッチングしていてうれしくなる!
俺的にはラストの池田がかわいすぎたw
>>568 部長の性格の問題だろうな
多分名前で呼びで良い的な事を部長から言ってると思われる
たしかに、マホに対する原村さんの態度は
「てめぇ、宮永さんビビらしてんじゃねぇよ、コラ」って感じだ。
そして、ムロにフォローされて「おっと、いけね。優しい先輩に戻ってやるか」って感じだ。
他の人の能力はオカルトなのに
咲の嶺上はミラクルなんですねわかります
原作のどっちはそんなに咲脳じゃないと思うんだけどな
部長はいつか刺されてまうでっていうくらいフラグ乱立させすぎ
部長の すごい フラグ能力。
悪待ちなのに多面張とはこれ如何に?
ギャルゲーの主人公か!
Nice boat.にゃ気をつけて!!
嫉妬してあれこれしちゃうSSを、誰か、頼む。
>>572 にもかかわらず、対局後は前夫に押し倒されたりすると言う
情には勝てない女、原村和
これは部長にかじゅが寝取られフラグだな
かわいそうなモモ・・・
先輩ももう私を見つけられなくなってしまうんすね…
>>579 私がいるじゃないかー、わはは。
実はステルス能力強化の伏線だったら笑う。
もうすでに霊化していたので笑った。もっと余裕があるキャラに見えていた
久ゆみ美穂子のスリーショットとかなんつー俺得な展開
そしてPSPの部長がエロ過ぎる件について
部長にとーかが誘われなかった事は良かったのか良くないのか
美穂子的にはギリギリだったな
現段階はゆみの方がリード
>>583 とーかだけ学年違うしね。
つか、モンブチは家族的すぎてあんまり他校とのスワッpp…交流のイメージがわかない件。
なにげにステルス尾行してるモモかわいいよモモ
そして何か良い雰囲気を察すると突然現れてssするんですね
キャプテンからは目が合っただけで、会話しただけで赤面してしまうような初恋の初々しさを感じる
他人に惹かれたのも興味をもたれたのも上埜さんが最初とかなんだろーなー
>>581 そういえばかじゅモモは合宿に来てすぐのときは、お前らもう結婚しちゃえよ!ってくらい両想いフラグ立ってたのに、ちょっとしたことで動揺しまくるのな、モモ。
動揺するかじゅも見たいっす。
そりゃほとんど寝取られ状態じゃな…
このままモモがフェードアウトしで部長ハーレム伝説が始まったりして
そんなことになったら私が許さん
だ、誰だ!
1.美穂子
2.桃子
3.和
部長ハーレムが出来てしまったら池田×モモの当て馬コンビで仲良くすればいい
華菜ちゃんは図々しいから絶対諦めないし
ストーカー行為こそステルスモモの独壇場っすよ
知ってるっすか先輩
私のステルスって暗殺にうってつけなんすよ
透一分もそろそろまぜろよ
モモも池田も久ハーレムに加われば丸くおさまる
逆に加治木ハーレム状態が見たい
昨夜それなりに遅くまで打って
朝モモと温泉でしっぽり
昼は久といちゃいちゃ
リア充だな、かじゅ
ももキャプってどう?
wki更新されてる
かじゅモモのあのタイトル一瞬焦るw
池キャプもよかった
>>601 光と影」って感じさえする二人だなw
仮にチームが同じだったらキャプテンは不可視でも不可視なりに優しくしてくれそうだけどモモ的にそういう人はどうなんだろ
あると思うっす!なんだかイケそうな気がするっす!
今のモモならかじゅへの当てつけ&部長へのけん制の意味でそう答える気がする。
あんだけイチャラブしてたかじゅももが鞘当てに発展して
駆け引きを駆使するようになるとかなんだか胸が熱くなるな。
そろそろ宮永さんも咲さんのように和ちゃんで濡れていいはずです
宮永さん(原作)も咲さん(アニメ)のように〜ってこと?
盛大に喧嘩をして、かじゅが部長と付き合ってみたり
ももが慰めてきたキャプテンといい感じになったり、と周りを巻き込んで
喧嘩が長引いて日々浮かない顔の二人で、それを心配する部長とキャプテンと
カマボコとかおりんとむっきーとその他大勢だったのに、ひょんなことから仲直りして
イチャラブしまくる二人に呆れつつも一安心の関係者だった。
という妄想をしてみた
部長の恐ろしいところは、カツ丼さんとも名前で呼び合う仲
…どころか、カツ丼より立場が上に見える
実の姉だったりして
テンパるモモかわええのう
モモはなかなかのおっぱいさんだな
2コマ目のかじゅが可愛い。
そして相変わらず日本語が不自由な娘だ。
そこが良いところだが。
こっそり先輩についていっちゃうモモ可愛すぎw
さらっとモモを制するかじゅ先輩かっこいいっす
ももが嫉妬してる・・・って分かっているかじゅの落ち着きよう
やっとヤンガン買った!!最近百合成分多くて嬉しい超嬉しいいいい!!!
でもむっきーは百合描写全然なくて悲しいわ。あんなに美人でかっこいいのに
>>619 今は冷静だけど、この後完全にいじけてしまったモモを見て機嫌を直してもらうために頑張っちゃうかじゅとかいいな
かじゅ的にはあれだけ朝に懇ろになった(露天風呂でいちゃいちゃ)んだから大丈夫だろうという
確固たる自信があるのだろうよ
合宿とか妄想が広がるよな…
夜中にステルスでゆみちんの布団に潜入するももとか
忍び込んできたももを寝ぼけた不利をして抱き締めるゆみちんとか
以下略
>>623 そういえば版権イラストなのか同人イラストなのかわからないが、
モモがかじゅのおっぱいに顔を埋めてて、かじゅが「これはモモなのか?」
とか焦ってるものがあったが、密着してても見えないのか?
ミラージュコロイドってレベルじゃねーぞ!
極限まで見えにくくなるんじゃね?
ところでお前らゲームは?
もちろん届くよ
PSPないけど関係ないよ
>>626 予約が遅れたから案の定konozamaってるorz
キャンセルして地元で探してみようかなぁ…
さっそくやってる。とーか使ってると国広くんがすごい振込んでくれる。
PSPほしお;ω;
評判良いみたいだね・・・
給料出たら買おうかな
百合キャラ(人気キャラ?)とそうでないキャラの差別が酷いらしいね。
着替えがないとか。
まだプレイしてないが、取説によるとギャラリーモード画面はかじゅモモのチビキャラが
一緒にアルバム見てる絵なのでテンションあがった!
全国レベルの百合が早くみたい
毎日妄想の日々、お気に入りは照淡
ビジュアル的に好みすぎるわ
全国キャラでなく全国レベルだと
それはいったい…
全国レベルの百合ってのはなんとなく分かるなwまじで白糸台の百合には期待大。
なんていうか・・照菫淡、この3人は誰が受けで誰が攻めでも、すごく絵になりそうというか美しそうと言うか
エロそうというか・・・(*´ー`*) とにかくレベル高そうな百合になるに違いない!
個人的には照絡みのカプでは照咲が一番好きだな
あと部キャプがどこまで掘り下げてもらえるかも気になる
確かに照咲も可愛くて好きだw
部キャプはかじゅモモや咲和みたいなラブラブカプとはまた違った良さがあるよな
たらしっぽい部長と、そんな部長に片想い中のキャプテン・・・なのか
それとも両想いなのか・・・今号のヤンガンは、ついに次回部キャプくるのかー!?
ってな感じの引きだったからwktkが止まらないww
連レスすまん
>>636 同志発見
同じく照咲が1番好きだ
キャプテンのは部キャプよりも池キャプのほうが好きだったりする
ストーリーモードのEDで手をつないでるSDかじゅモモが可愛すぎてたまらん
百合CGゲットしたやつのうpはまだか・・・!?
買えばいいのに
643 :
名無しさん@秘密の花園:2010/03/26(金) 14:05:28 ID:Zbj/WQxS
発売日の確認怠って、二週間前に予約に行ったらどこも締め切っていた。
そして昨日朝一で主だったゲーム屋を駆け回ったが、どこも売り切れ。
恐らく入手するにはオークションが一番早い気が。(もしくはアマゾン)
買おうと思っても買えないのが現状。
アマゾンは宅配便だから家にいないと受け取れないし。
こう言うときの一人暮らしと、休日が不定のバイトが憎い。
そういやゲームではかおりんからワハハへの呼称がさとちゃんだったんだが
如何なる時も冷静な645の瞳がこの時ばかりは燗と輝いた
咲は幼馴染少ないからおいしい関係だな
世の中には中学校が同じと言うだけで幼馴染面する人間が居るそうですよ
許せませんよね、咲さん
となると優希と和も幼馴染みになるのかなw
>>644 ボイス有りだったらゲーム買うんだけど…
>>851 言い方はおかしいが一部を除いてフルボイスだ
一部とは京太(ryあとはサブキャラもボイスはない
京太郎はボイスぐらいはあげてもいいだろw
フルボイスなのは決勝20人+カツ丼さん、まほ、歩
咲さんww頭wwwww
なんでキャプテンが一緒なんですかというか、大抵鶴賀とモンブチが
蚊帳の外で寂しいです。
キャプテンだけちょくちょく清澄と絡んでくるな
絵的には良いけど謎だよな
どうせ絡むなら部長かゆーきと絡んでくれればいいものを…
人気的には和衣キャプが3TOPで安定だろうしね
菫→照→淡
初美→姫←霞
菫⇔照⇔咲
↑
淡
菫→照⇔咲
↑
淡
咲照は両思いなんだけど
お互いがすれ違ってると思い込んでいそうなのもいいね
そら京ちゃんが隠し撮りしてるんじゃね
一ちゃんが幸せになれるビジョンが見えない。前世的な意味で。
このスレ京太郎大好きだな
ある意味誤爆した
>>667 不遇だったのは前々世くらいかな
前世として久×一というのがあるが、あれはいい終わり方だった
あれもタコスアニメだったか
密かに照一透を期待してるだなんて口が裂けても言えない・・・!
欲望のままに思いついたままを書き込んだ
かじゅもも。2レス。まぁまぁエロ
朝の駅のホーム。
そこは通勤通学のラッシュ。
大量の人が電車に吸い込まれ、そしてまた溜まっていく。
誰しもが電車と電光掲示板にのみ注意を払い、周囲には全く気にもとめない。
とはいえ、一画にて行われる、この淫靡な行為を気に止めない者は常ならば存在しないだろう。
二人の女子高生、加治木ゆみと東横桃子は互いの唇を寄せ合い、抱きしめ合っていた。
それだけならば、チラ見するサラリーマンが居るかもしれない。
だが、二人は一糸纏わぬ、つまり全裸であった。
「先輩、大声あげちゃダメっすよ?声出したらみんなに見えちゃうっすから」
「しかしモモ、如何に気づかれないとはいえ、コレはあまりに…」
色白な桃子の身体は羞恥に染まり、ゆみの肢体もまた朱に染まっていた。
桃子の股の付け根から透明な液体が滴り、それをすくいとってゆみの目の前で見せる。
粘つく液体が桃子の指先で、糸を引いて垂れる。
「私、こんなに興奮したの初めてっす。駅のホームでキスしようなんて言うアイディア、私じゃ思いもつかなかったっすよ」
「モモ…。しかし私だっていきなり服を脱がされるだなんて思いもしな…むぐっ」
「静かにしてないとダメっすよ、先輩」
愛液滴る人差し指でゆみの唇を塞ぐ桃子。
桃子の匂いと敏感になっている唇への愛撫。
ゆみの理性はどこかへ飛んでしまった。
そのまま桃子の指を舌を出してぴちゃぴちゃと舐め回す。
目はどこかうつろで、頬はコレ以上無いというくらいに赤く染まった。
対する桃子もまた、目をトロンとさせてゆみの舌を人差し指から手のひらへと移動させる。
ゆみもそれにあわせて手首、下腕、肘、二の腕、脇、肩、乳房、乳首、谷間へと舌を這わせる。
愛撫される右腕とは別に桃子もまた負けじとゆみの秘所へと指を走らせる。
触れた途端に溢れる愛液とびくんと反応するゆみの身体。
ゆみは桃子の豊満な胸、その狭間に顔を埋め、必死に大声を出して喘ぐところを我慢する。
柔らかい感触が両頬に伝わる。左右に顔を振るとふるふるとまるでプリンのように桃子の胸が震える。
顔を上げると桃子のとても幸せそうな、これ以上幸せなことなどないかのような至上の笑顔が広がる。
その唇がとてもいとおしくて、ゆみは胸への執着を振り払って桃子の唇を吸う。
ゆみは桃子のそれと比べると小さくはあるが立派な胸が、桃子の豊満な胸を押しつぶす。
桃子の後頭部を包みこむかのように両腕でしっかりと抱きしめ、息が蕩けそうなほどに桃子の唇が吸いつくされる。
ゆみも桃子も互いしか世界に存在しないかのように、黙々と互いの身体に集中していた。
ぴちゃぴちゃと互いの舌をすり合わせる音だけが、二人の間に響く。
「先輩、いくっすよ」
桃子は宣言とともにゆみの下腹部に這わせていた指を、弄ぶのではなく挿れる。
突然の挿入。無意識下での狼藉にゆみの体が大きく跳ねる。
それまで愛おしくいつまでも重ねていた唇を離し、声にならない叫びを上げる寸前になってゆみははっと周りの状況を想起した。
自分の周りが人の海である、と言うことに。
桃子の頭を支えていた両手を、とっさに自分の口元へ急いで向かわせ、叫びそうになる自分を必死に堪える。
それでも下腹部から来る快感の波は避けようも無い。
桃子は執拗に秘所への攻撃を繰り返す。口元にはいつしか悪魔的な笑みが浮かんでいた。
重ねた手のひらから溢れそうになる喘ぎ声を必死に押さえ込み、ゆみは全身を震わせながら快感の海に溺れていた。
桃子はのけぞるゆみの乳首を歯を立てながらついばむ。
コリコリとした感触が心地いい。触ってもいなかったのにゆみの乳首は痛々しいほどまでに勃起していた。
「先輩、頑張るっすね。でもこっちはどうっすか?」
桃子は奥の手とばかりに、それまでゆみの全身を弄んでいた右手を下に這わせる。
形のいいお尻をさわさわと弄び、ゆみの意識を臀部へと集中させる。
「ま、まさか…やめろ、モモ…ッ!」
制止の言葉も振り切り、桃子は指をもうひとつの穴へと侵入させた。
爪先立ちになり、極限までのけぞる。
強く塞いでいた目が大きく見開かれ、白目をむかんばかりだ。
首から上が可哀想なくらいに真っ赤に染まり、口を塞ぐ両の指から唾液がダラダラとあふれる。
声にならぬ喘ぎ、いや叫びを必死で押し殺し、ちいさくうめき声のような音が溢れる。
どのくらいの時間が経ったのだろうか。
実際には数秒、もしくは一秒にも満たなかったのかもしれない。
だがゆみには永劫とも言えるほどの時間が流れていた。
やがて桃子の両の指は侵入を諦めてゆみの体から離れた。
全身の力が抜ける。膝が悲鳴を上げて直立を拒否する。頭の中が真っ白になり、全ての自律運動を放棄した。
ぐったりとしたゆみの身体を、桃子は全身でもって抱き支えた。
「…なぜこんな事をする…」
ゆみは肩で息をしながら桃子を抱きしめる。
不思議だった。こんなにも羞恥を高める行為を何故するのかと。
自分とて、桃子のいやらしい声を存分に堪能したい。
だが、声をあげることは即ちこの姿を周囲に晒すことになるのだ。
溜まったフラストレーションを発散するかのごとく、桃子の身体を力の限り抱きしめた。
「だって、耐えている先輩がすごく綺麗だったすから…」
囁きながらゆみの耳朶を甘噛みする桃子に後悔の念はない。
背筋に指をツツツとはわせ、弛緩するゆみの身体に緊張を走らせる。
「だからといって、私やモモ、お前の身体を他人に見せつけるようなことをするのか?」
「私の裸を誰にも見せたくないんすか?」
「モモ…ッ!」
ゆみはその桃子の言葉に、さらにきつく桃子の体を抱きしめる。
息が詰まる。叱咤されると思った桃子の体が初めて萎縮する。
「当然だ。モモは私のものだ」
(とんでもない独占欲っすね。)
桃子はそう思いながらも嬉しさで身体を歓喜に震わせていた。
きつく抱きしめられる痛さも、また快感に変わる。
そう、桃子もまた、ゆみを自分のものであると、自分以外の誰にも渡さない宝であると自覚していた。
それをゆみの口からも聞けて、本当に幸せだった。
「ストレートに言われると恥ずかしいっすね…こんな雑踏の中じゃなく、二人っきりで聞きたいっす」
「大声で言ってやるさ。二人だけの部屋でな」
二人はそういうとまた互いの唇を重ねた。
何回目かの警笛が鳴り、電車がホームに突入する。
通勤ラッシュは最後のかきいれどきを迎えていた。
以上。
かじゅモモ抱き枕の出来の良さは異常
あれは反則だ
衣一無乳枕というものを思いついた
>>676 GJ
ほのぼのも好きだが、こういうエロいかじゅモモもいいな
>>676 公共の場でのきわどいプレイはステルスモモの独壇場っすね。
選抜に出てる敦賀気比見てたら鶴賀学園の事思い出したので
かじゅモモのSS書きます。
タイトルは『MAGIC』 元ネタは某推理アニメのオープニング曲。
百合な歌詞スレにも書いたんだけどこの歌聴いてるとどうも
かじゅモモの事考えちゃって……。
なんか長い事書いちゃったけど、とりあず私のSS読んでください。
682 :
1/3:2010/03/31(水) 01:23:20 ID:jWuIRvjV
「先輩、大好きっす……」
私の口は愛の言葉を紡ぎだす。ここは教室の中。帰りのホームルームが終わったばかりで、
人も大勢いる。この状況でそんな事を言えば、普通なら誰かに気付かれて、騒がれる。
――そう、普通なら。
でも、私は極端に存在感が薄い。だから、何を言っても気付かれない。
私の声を聞いてくれるのはたった一人。
そのたった一人の存在、先輩。
その最愛の人への想いを、私は口に出す。
そうして先輩への愛情を噛み締めないと、この幸せが消えてしまいそうな気がするから。
一時の夢のような、魔法でもかけられた様な、この幸せが。
そんな不安が、ここの所――県予選を勝ち上がれず、全国へ行けない事が決まった
時から――大きくなって来ている。
先輩は私を麻雀打ちとして必要としてくれた。ところが結局私たちは全国へは行けず、
私は先輩の期待に答えられなかった。
そんな私を先輩が見捨ててしまう――その恐怖が、私の胸を締め付ける。
その恐怖と、先輩の感謝の念と恋心とが混ざった強い感情が、私の心にあった堤防を壊した。
溢れ出す気持ちが抑えられなくて、私は叫んでしまった。
自分でもびっくりするくらいの大声で。まるで、先輩が教室に来て私を必要としてくれた時の様に。
「私、先輩の事が大好きっす!」
683 :
2/3:2010/03/31(水) 01:24:03 ID:jWuIRvjV
その途端、教室中の人が振り向いた。
聞かれてしまった?頭の中にそんな疑問が渦巻いた。まさか。でも、今のはかなりの大声だった。
こんなにもたくさんの人が私の声を聞いてくれた。それは、やっぱり嬉しい事だ。
――でも、よりによってこんな事を聞かれるなんて……。あまりの恥ずかしさに、顔が真っ赤に
なっていくのが自分でもはっきりと分かる。
「……モモ?」
後ろから声がした。この声は間違いなく、先輩のものだ。間違えるわけはない。
だとすると、今の私の叫びを……聞かれた?
恐る恐る振り返る。そこには、戸惑った赤い顔をした先輩がいた。
間違いない、あの言葉を聞かれた。先輩の表情を見て確信しながらも、
動揺を必死に隠して先輩へと歩み寄る。
「あれ、先輩どうしたんすか?教室まで来てくれるなんて」
「ここ数日、部活に顔を出していないそうじゃないか……。どうしてなんだ?」
平静を装っていたけれど、先輩の声はやっぱりすこし上ずっていた。
――そんな事より、今は先輩の質問に答えなくては。
確かに私はここ数日部活を休んでいる。その理由は……
「先輩と県予選にいけなかったから、先輩が私の事を必要としてくれなくなるんじゃないかって、
嫌いになってしまうんじゃないかって考えたら、不安で不安で……それで、つい。……すいません、先輩」
「何を馬鹿な事を言っているんだ!」
先輩に怒鳴られて、私は驚くと同時にどうしようもない悲しみに襲われた。
先輩を怒らせてしまった。どうしよう。
そんな私を救うように、先輩は優しい口調で言った。
「私が、そのくらいでモモの事を嫌いになる訳が無いだろう。私には、モモがずっと必要なんだ。
麻雀抜きでも、一人の人間として……いや、恋人として……モモがずっと必要なんだ。
私は、モモの事が好きだ。この思いは、一生変わらない」
先輩の顔は、真っ赤になっていた。その顔が、私に近づいてくる。
「……待って欲しいっす。まだ、私の告白が済んでないっすから」
「それなら、さっき聞いたが。大声で叫んでいる所を」
「……もう一度、改めて言うっすから」
すう、と息を吸う。ありたっけの想いをこめて、先輩に告白する。
「私は、先輩が大好きっす。ずっとずっと、これからも……一生、好きでいるっす」
「モモ……」
「先輩……」
私たちはじっと見つめ合う。
684 :
3/3:2010/03/31(水) 01:25:19 ID:jWuIRvjV
そして、キスをした。そのキスは、甘く切なくて。その感触をしばらく味わっていった。
どれくらいたっただろう。先輩が、唇を離して私に言った。
「なあ、さっきから私達の事を皆が見ているのだが……ひょっとして、モモの事が
見えているのか?」
「そうみたいっすね!私、うれしいっす」
「たしかに、それは喜ばしい事だが……。しかし、よりによってこんな所を見られるなんて……
モモは恥ずかしくないのか?」
「私は先輩と一緒ならどんな事でも平気っす!さあ、部活に行くっすよ!」
そう言って、私は先輩の腕を掴んで走り始める。先輩も、私の方を見て微笑みながら、
一緒に走る。
二人で走る長い廊下が、これから二人で過ごしていく人生に見えた。
――次の日。教室に入った私を、たくさんの人が取り囲む。みんな、私を見てくれている。
みんなからの質問攻めに遭い、大変だと思うと同時にとても嬉しかった。
そして、こんな私をこんな風にしてくれた先輩への感情がまた溢れ出して……。
私の口はまた、愛の言葉を紡ぎだす。
「先輩、大好きっす」
以上です。うっかり作品の最後に<了>と書くのを忘れてしまいました。
すいません。それにしても、やっぱかじゅモモはええわー!
>>685 GJ!かじゅモモ充できて嬉しい
かじゅって結構大胆だよね
とーかに彼氏なんてできる訳…ないよ…
ワハハの話を一本投下します
タイトルは「雨の日には車をみがいて」
鶴賀学園麻雀部の部員、県予選では大将を務めた三年生の加治木ゆみは、学園敷地の片隅でため息をついていた。
「それでモモがな、もっと一緒に居たいと言うんだ…お互い時間はあるのにな、ゆっくり会う場が無いんだよ」
麻雀部元部長で加治木の友人、蒲原智美は部室棟の裏に停めた旧いワンボックス車の後部エンジンフードを開け、オイルで汚れた手で中身をいじくり回している。
「ワハハ、この欲張りさんめ、おのろけもいいとこだな」
現代の車では不要なキャブの掃除を終えた蒲原は工具箱から出したプラグレンチをエンジンルームに突っ込み、加治木より車と話しているかのように喋り続ける。
「よし、この麻雀部元部長の蒲原智美が何とかしてやる、任せとけ、ワッハッハ」
蒲原はしゃがみこみ、エンジンから外して地面に置いた4つのプラグを点検しながら小さく呟いた。
「…少し焼け気味…かな?」
全国学生麻雀大会の県予選を前にしたある日、蒲原智美は一台の車を買った。
フォルクスワーゲン・タイプ2
ワーゲンビートルの車体に箱型のボディを乗せたワンボックスカー、軽く40年落ちの外車。
蒲原が最初にこの車を知ったのは深夜のテレビで見た1960年代フォークソングのプロモ映像だった。
サイケデリックな刺繍のジーンズで着飾ったヒッピー達がプリミティブなペイントのワーゲンに乗って世界を旅する姿。
当時のキラキラ飾り立てられた車に象徴される大量消費文化に反抗をしていたアメリカの若者にとって、ワーゲン・タイプ2はジーンズのように安くて頑丈な車で、ジーンズ同様に単なる実用品を超えたライフスタイルそのものであるという。
蒲原はタイプ2に惚れた、その車が持つ空気に惚れこんだ。
今まで欲しいものはたくさんあったけど、こんな全身が渇くような気持ちは初めて、ヤバいことしてでもこの車を手に入れたいと思った。
安い車も速く快適な車もいくらでもあるけど、自分を夢見た場所に連れてってくれるのはこの車だけだと思った。
欲しい物があると待っていられない性分、麻雀の場では抑えていたが、この時ばかりは買うと決めたらもう体は動いていた。
家業の手伝いで稼いだ貯金を半分弱、就職したら絶対返すと口約束して親に借りた金を半分強、何とか購入資金をかき集めた。
中古車の目利きなど出来ない蒲原が色と写真の雰囲気で選んでネットオークションで落札した69年式のタイプ2は掘り出し物だった。
軽井沢のワーゲン専門ショップでレストアコンテスト出品のため採算度外視で仕上げたという車には錆ひとつ無く、ガタつきもない。
現地まで車を下見に行ったその場で契約した、加治木が以前、桃子の教室まで乱入し「君が欲しい!」と叫んだ理由がよくわかった。
何日も眠れぬ夜をすごし、納車の日を指折り数えて待った。
麻雀部部長の仕事も上の空になるほど落ち着かぬ日々を過ごした蒲原を見た部員の加治木は「誰かに恋でもしているのか?」と言った。
半分その通り、半分違う。
これは恋だ、わたしはあのワーゲンに恋してる。
蒲原だって恋したこともあるけど、これほどまでに会える日を待ち焦がれたことなんてなかった、恋とは違う、恋よりも強い感情。
真新しいナンバーのついたワーゲン・タイプ2を自分のモノにした日、蒲原は麻雀部の部員達を電話で集め、いきなり上越の海まで連れてった。
免許を取って以来初運転の蒲原がレースゲーで覚えたドリフトを披露した初ドライブ以来、次期部長の二年生 津山睦月はワーゲン特有のプロペラ機のようなエンジン音を聞いただけで身震いするようになり、
蒲原の幼馴染の二年生部員、妹尾佳織は蒲原のワーゲンを動く心霊スポットか何かのように恐れるようになった。
それから蒲原のワーゲン・タイプ2は彼女と鶴賀学園麻雀部の日常の足となった、車通学する奴なんて想定してない校則の隙間を縫って学校までワーゲンで来る。
車は人目につかぬ部室棟裏の空き地に停めているし、見せびらかす意図はなかったが、学校の技術室にはワーゲンをいじる工具が揃っている
女子高の技術教師という閑職を囲ってる老教師は快く工具や場所を貸してくれるばかりか、基本的な整備くらいは自分でやろうとする蒲原に旧式ワーゲンオーナー必携のヘインズの整備解説書を譲ってくれた。
機械いじりは嫌いじゃないが、今まで経験の無い車のメンテナンスに苦心する蒲原によく助言をくれる老教師もずっと昔、ワーゲン・カルマンに乗っていたという。
無名校としては善戦した県予選が終り、麻雀部部長を引退した蒲原はよく後進の部員への教育という言い訳で放課後や土日には麻雀部の部員をドライブに連れ出すようになった。
一人で走るより誰かと一緒のほうが走っていて楽しいし、合同合宿や東京遠征で部員達も蒲原のワーゲンにだいぶ慣れてきた。
5人の部員が広々と乗れるワーゲンに乗って海や山へ行ったり、試合の見学と称して東京まで遊びに行ったり、車に手積みの卓を置き、海や山や街中で麻雀を打ったこともあった。
手違いで遠征の宿を取れなかった時はワーゲンでキャンプしたが、ダブルベットより広い車内に並んで寝るのはホテルより楽しかった気がする。
もっとも、殺人的に寝相の悪い蒲原だけは加治木の手で前部のベンチシートに押し込まれたが。
蒲原がワーゲンの焼けたプラグを交換しながら加治木の愚痴を聞いた数日後の週末。
その日も蒲原は麻雀部の部員を乗せてドライブを楽しんでいた。
「ワハハ、わたしの運転もなかなかうまくなっただろう」
後部座席には加治木ゆみと東横桃子が並んで座ってる。
初ドライブの時に加治木は座席にしがみつき、桃子は加治木にしがみついていたが、今は二人とも行儀よくワーゲンのベンチシートで寛いでいた。
「ありがとうございます元部長、走っててもそんなに怖くなくなったっす…ちょっと物足りないっすけど…」
「いつもドライブに連れてってくれて済まないな、街に着いたらたっぷり奢らせてもらうぞ」
今日は日曜日。
ここ最近、蒲原は加治木ゆみと東横桃子を乗せ、三人でドライブに行くことが増えた。
最近になって先輩と後輩だけでない、互いに愛し合う関係となってしまったゆみちんとモモ。
二人の関係が日々深くなるように、蒲原もワーゲンを自分の体の一部として使いこなしていった。
初めてのドライブで死にそうな顔をしていた睦月も最近は風格さえ感じられる落ち着いた様子で蒲原のワーゲンに乗るようになり、
妹尾もワーゲンの特徴的なフェイスマスクを前から見て「この車、なんだか智美ちゃんみたい」と気に入ってる様子。
そんな二人も週末のドライブの誘いは、加治木と桃子が二人きりになれるようにうまく気遣ってくれて、蒲原もまた断られるのを承知で誘う。
知らぬはかじゅとモモばかり、麻雀部の三人はあらゆる困難を愛で乗り越えようとする二人のために色々と世話を焼いてくれていた。
桃子と会う時間が欲しいという加治木の願い、それを叶えると請け負った蒲原は週末ごとに二人をドライブに連れ出した。
まだ学生の二人、人目を偲ぶ関係、二人きりの時間を過ごせるのは蒲原のワーゲンの中と、ワーゲンが連れてってくれる遠くの街。
二人を知っている人間が誰も居ない場所。
ドライブのガソリン代は県予選で健闘したことでちょっと増額された麻雀部の部費をちょろまかし、遠征と研修の費用として乗せている。
顔が広く要領のいい蒲原は生徒会から部費を引っ張ってくるのはうまかったが、それでも列車での遠征費用よりはずっと安い。
買ったショップによるとワーゲンのエンジンは新車時の性能を維持する程度のファインチューニングが施されていて、街中の渋滞でもアクセル全開の連続走行でもリッター15kmは走る。
うまく走れば軽自動車並みの燃費が出せて、性能は必要にして充分、この40年で車は何の進化をしたんだろうか。
壊れなくなった?壊れない車に乗っていて何を学べるというんだろうか。
加治木と桃子にとって心置きなく二人で居られるデートの時間は、蒲原にとってガス代部費持ちのタダ乗りドライブ。
一挙両得のドライブデートは蒲原の心にほんのちょっぴりの痛みを与えた
蒲原智美は、加治木ゆみに想いを寄せていたことがある
東横桃子の登場と、彼女と出会い今まで見せたことの無いような表情を見せるようになった加治木を見て、蒲原は自分の気持ちを断ち切らなくてはいけないと知った。
そして蒲原は、県予選も受験もある夏前の時期に短期集中で自動車免許を取り、憧れのワーゲン・タイプ2を買った。
県予選ではベタオリばっかりだった蒲原智美の思い切ったリーチ。
来年になればもっと楽に買えるだろう、でも一生一度の十八歳の夏、今の自分にはワーゲン・タイプ2が必要だと思った。
国道を流すワーゲンの車中で寄り添う二人をバックミラー越しに見た蒲原は、アクセルを煽りながら4速のマニュアル・ミッションを操作する
流れに従い、他の車に大人しくついていく運転なんてまっぴら御免なのは麻雀と同じ、しかしアクセル踏んだだけで簡単に追い越せる車はもっと嫌い。
自分の足で息を切らせながら走り、追い抜くような感覚を得るには、蒲原のハートを射止めたこの車より大きくても小さくても駄目だった。
ワンボックスとしては軽いが乗用車より重い車体、エンジンは軽自動車の半分ほどの三十馬力、ブン回しても最高速度は90kmちょっと。
場所によっては80km近い速度で流れる長野県内の広い国道や広域農道を走るには、この車の能力を全て使いこなさなくてはいけない。
トップギアで踏みまくればいいわけではない、追い越しや待ち、また道路の起伏で絶えず変わる速度域の中で適切なギアを選び、高回転を維持しないと他車に先行できない。
旧いポルシェタイプのシンクロギアはラフに扱うとすぐに変速を拒むが、うまく回転を合わせれば吸い込まれるようにギアが噛み合う。
指一本でシフトチェンジできる今時のマニュアル車では見かけなくなった、長い鉄棒のシフトレバーはギアチェンジの感触さえ喜びに変えてくれた。
他の車を左右に避ける時も、後部にエンジンのぶら下がったRR車のワーゲンは荷重移動の違いでハンドル操作に対する車体の反応が大きく変わる。
この気難しい車は初心者が運転のイロハを覚えるのにも、熟練者が本格的な走りを楽しむにも最適だという。
三人を乗せたワーゲンは浅間の峠道にさしかかった。
長野市から浅間、御代田を経て至る国道146号線、ロマンチック街道と呼ばれるルートを辿るデートが加治木と桃子のお気に入り。
浅間のワインディングは蒲原の大好きな映画「狂い咲きサンダーロード」にも出ていて、実際にワーゲンで走るのはもっと好き。
峠道で左右にゆれ始めたワーゲンの後部座席で桃子は嬉しそうに加治木にしがみついている、加治木も落ち着いた態度を崩さないながらまんざらでもない顔。
今より少し前、寄り添いあう二人に嫉妬したこともあった気がする。
蒲原は峠でのドライビングに集中しながら、後部座席に向けていたミラーを手で少し上向けた。
ワーゲンのエンジンと足回りが上り坂の負荷に悲鳴を上げ始める、後ろから来た車が車間距離をつめてきた。
蒲原の騒がしいワーゲンを煽っているのは音もなく走る国産のセダン、急坂も高速走行も静かにこなすマグロ女か抱き枕みたいな車。
ワーゲンもエンジンのチューニングパーツは豊富に流通していて、構造上他の大概の車よりエンジン脱着の容易なタイプ2にはポルシェやスバル・レガシィのエンジンを載せるアダプターも発売されているが、蒲原は今のところそういうチューンアップには興味がなかった。
今のこの状態でもっと走りたい、生まれたままの姿すら知らないまま体に手を突っ込む気持ちにはなれなかった。
少なくとも女にそれをする奴は愛される資格が無い。
蒲原はなぜ自分が加治木に触れられなかったのか、桃子にそれが出来た理由をワーゲンから教えてもらった。
加治木ゆみの心を射止めたのは無理な背伸びや格好つけで自分を作り、加治木にもまた自分好みの姿に変わってくれることを望んだ蒲原ではなく、そのままの加治木を心から愛し、好きと思った時にはいつだって素直にそれを伝えた桃子。
もうひとつ、今の蒲原が最も触れたいもの、愛し愛されたいものが何かを知ることも出来た。
蒲原はミラーを一瞥すると、長い鉄棒のシフトレバーを4速から3速、そしてダブルクラッチを踏みながら2速に落とす。
回転の上がったワーゲンの空冷エンジンがバダバダバダ…と屋台の発電機のような音をたて、高回転で力を得たワーゲンは坂道を逞しく登っていった。
連続カーブの上り坂をお上品に走っていた国産の高級セダンは、普段の蒲原自身のように騒がしく走るワーゲンの後方視界から消える。
ワーゲンのパワーを余すことなく背中に感じながら、蒲原は過去の自分を惑わせた仄かな恋心には無かった高揚感を味わっていた。
蒲原の運転するワーゲンは喘ぎ、息を切らし、足を震えさせながら小さな峠の頂を越えた、下り坂が始まる。
ローパワーな車でも足と車体バランス、そして乗り手の技量で勝負できる下りのスラローム、何度も通い熟知している峠道の路面状態は良好で、他車の姿も無い。
蒲原はアクセルを踏み足すが、後部座席の二人は車の揺れがもたらす興奮状態で二人して頬を上気させ、互いに見つめあっている。
ワーゲンは最初の下りコーナーに飛び込んだ、オーバースピードなコーナリングでワーゲンはタイヤを鳴かせ始める。
片側のドアに押し付けられた加治木が抗議の声を上げ、桃子がなんだかうれしそうな悲鳴を上げるのを背中で聞きながら、蒲原は水平に近い角度のステアリングを押さえ込んでいた。
細いタイヤは曲がるのをイヤがって、ギョルギョルと重い車体を道路の外側に引っ張り出そうとする。
道に沿って走っていたワーゲンがガードレールに押し付けられる中、蒲原は床まで踏んだアクセルを戻さない。
「まだだ…まだまだ…そうだ…くるぞ…ワハハ…くるぞぉ!」
ワーゲン・タイプ2が唐突に四輪を滑らせ、車体を道路に対して真横にしながらドリフトを始める。
蒲原はカーブに沿って右に切っていたステアリングを左一杯まで回し、カウンターステアを当てた。
この車はワーゲンビートルと同じくカーブでは速度を増すごとに曲がりにくくなるアンダーステアだが、しっかり負荷と荷重をかけて曲がってやると、突然車体後部が横っ飛びするように激しくスライドし始める。
ファイナル・オーバーステア
ワーゲンと同世代のポルシェ356と同じでもある特徴的なステアリング特性は現代の最新型ポルシェにも引き継がれている。
この豹変する癖のため何台ものワーゲンやポルシェがコントロール不能に陥り、エンジンのある後部をクラッシュさせて廃車になっている。
そして、乗り手がこのファイナル・オーバーステアを熟知した時、ワーゲンは性能的に格上のスポーツカーを食わんばかりのフルカウンター・ドリフトでカーブを通過することができる。
でかい図体のバンを横滑りさせながらコーナーを通過した蒲原はアクセルを一度戻し、クラッチを爪先で蹴りながら再びアクセルを踏み込んだ。
ドリフト状態からクラッチ断続のショックで四輪のグリップを取り戻したワーゲンは、RR車特有のトラクションで加速しながらコーナーを脱する。
プラグの熱価をひとつ上げた高回転型に取り替えたおかげで、エンジンの吹け上がりも快調だ。
車の調子がいい、ただそれだけのことでまるで恋人に喜んで貰ったかのように嬉しくなる。
それが車好きの間ではごく当たり前の感情であることを蒲原は知った。
「いい焼け具合だな」
加治木と桃子はよろしくやってると思いきや、二人揃って後部座席で目をバッテンにしてダウンしている。
こんな時にも重なり合い、こんな時にかこつけて絡み合う二人、以前は妬ましかった姿も今は微笑ましく見られるようになった。
それでも蒲原の心にちょっぴり残るジェラシーの痛みさえ、自分にとって大切な愛おしいものに思えてくる。
楽しかったけど後悔が残ってないかといったら嘘になる麻雀大会の県予選、叶わなかった加治木への恋心、実家への就職フラグが立ちそうな大学受験。
人が10代の頃に得る宝石のような記憶は、きっと手に入った物だけではなく届かなかった物の残り香を積み重ねていくものなんだろう。
「ワハハ…ま、いいか、わたしにはコイツがいるし」
峠を抜けバイパスに入った蒲原はワーゲンのアクセルを床まで踏み、他車の間を縫いながら走った
きっとこの車は駆け足で色んな物を追い抜き、望む所へと連れてってくれる。
今までずっとそうしてきたように、ワハハと笑いながらどこにだって行ける。
雨の日には車をみがいて(完)
以上
投下終了
GJ!!
車の描写しかないなw
SUGEEE-!!なんか全然わからないけどSUGEEE−!!!
なんという高レベルの融合。
惚れた。
そして車に乗りたくなったw
GJ
しかし長野の国道の大半は狭いぞ
広いところなんてほんのわずかで、
大半は片側1車線
700 :
名無しさん@秘密の花園:2010/04/05(月) 22:29:24 ID:ngPefUbp
モモは口からちんこ出してそう 麻雀部でスカトロ好きな奴便器役だろうなぁ 「井上」俺はバキュームカーじゃねぇんだよ 「久」あらっ、いい女の子!...こうして私の初体験はくそみそな結果に終わってしまったっす...!END
荒療治ってやつか
咲ポタ
モモ果汁CG狙いでチャレンジやってるんだが、何度やってもモモが他2人に振り込みまくって負けてしまうorz
もしかしてこれはモモの焦らしプレイなのか?
振り込まなければ負けないぜ!
とりあえず捨牌を見てスジを見つけるんだ
>>703 いや使用キャラはかじゅだぞ
モモ、ワハハ、ムッキー相手に一位とるがクリア条件
でモモがムッキーにやたらと振り込むからなかなか勝てないんだよね
実は愛し合ってんじゃねーのかと勘ぐりたくなってきたわw
うむ、どう見ても桃子の焦らしプレイですね。
悪待ちさんと浮気するなら、私もむっちゃん先輩と浮気するっす!
的な。
初SSで初投下。某スレで四校合同花見ってあったので、書いてみたっすよ。
時期的には、卒業式から入学式までの間。普通なら桜はまだだと思われるが咲かせた。
オールキャラ、ドタバタ、ニヤニヤ、百合エンドが目標。
取りあえず、前振りで2レスお借りするっす。
―今年は例年にない暖かさで、県内でも三月下旬に桜が見ごろになるところが―
TVの中で地方局のアナウンサーが、地元の開花予想を読み上げているところへ
衣が跳ねるように入ってきた。
「とーかー。今年のお花見には、友達を招きたいのだー。」
場所は龍門渕邸の一室。そこでは龍門渕高校麻雀部の4人が揃ってTVを見ていた。
思いがけない衣の提案にフリーズしかけた4人だが、そこは従妹の透華がフォローを怠らない。
「ま、まぁ、衣。それは素敵な提案ですわ。で、どなたを招待するつもりですの?」
「うん。ハラムラノノカを招きたい。」衣がにっこりとほほ笑みながら応えると、
「は、は、原村和ですって〜〜〜?!」勢いよく透華のアホ毛が回り始めた。
「後、清澄のリンシャン使いも招いて共に花見に興じたいのだ。」
衣は透華の反応に気づかず話を続ける。
「…(原村和、原村和、原村和…)…」衣の声が耳に入らない様子の透華に、
「と、透華?どうしたの?」恐る恐る一が声をかける。
透華が応える前に
「あー、だったらついでにタコスも呼ばねーか?」
「…ワカメも…」
「あ、僕もあの面白い人(って、三年生は卒業しちゃってるから無理かな…)。」
皆が思い思いに口を開く中、何かを思いついた透華が声を張り上げた。
「…そうですわっ!! どうせなら花見の席で、野立てならぬ、野打ちをいたしましょう!!」
「はぁ?? 野点って? つか、野打ちぃ??」間抜けな声をあげる純に続けて、
「…の‐だて【野▽点】野外で、茶をたてること。また、野外で催す茶会。…
…つまり透華は、野打ちとは野外で、麻雀を打つこと。と言いたいのかと…」
冷静に分析する智紀。
「お花見をしながら、ノノカやリンシャン使いと遊べるのか!!すごい、すごい!!」
大はしゃぎする衣。
「そして今度こそ、私と原村和、真のアイドル対決に勝負をつけてみせますわー!」
「なぁ、そっちの勝負はついているとして、うちと清澄だけじゃその野打ちってヤツを
やるにはメンツが足りなくねーか」テンションの上がる透華に突っ込む純。
「…合わせて10人…2人足りない…」
※どうやら京太郎は頭数に入っていないようだ。
「…風越と鶴賀…」智紀がぼそぼそと続けた。
その時、智紀と純の脳裏にはこんな映像が再生されていた。
智紀―合宿でかまされた鶴賀のド素人の緑一色
純―県大会での風越キャプテンの勝ち誇った(様に見えた)ほほ笑み
「そうだよ、透華。人数多い方が楽しそうだし、皆呼ぼうよ。」場の空気を読む一。
「わ、私は…い、いえ。衣は原村和さえいれば…」ちらりと衣に視線を向ける透華。
「ころもも再度、見(まみ)えようと約束したみなと遊びたい…。ダメか、とーか…」
「うう…(私は原村和さえいれば…原村和、原村和…)…」涙目の衣に逡巡する透華。
「ねぇ、透華。ここは透華の心の広さと言うか、懐の深さというか、
龍門渕透華に不可能はないってところを皆にみせつけ…」
我ながら大げさだなと、思いつつ話かける一を遮るように
「おーほっほっほっ!! そんなことは決まり切っていることですわー!!」
「ハギヨシッ」透華が指を鳴らすと、一迅の風のように執事のハギヨシが現れる。
「お呼びですか、透華お嬢様」
「うわっ」その横で純が驚くのはお約束。
「清澄、風越、鶴賀に即刻、招待状を。でも、県大会出場者を強制参加させるには…」
「透華お嬢様、僭越ながら…ひそひそ…」ハギヨシが透華に耳打ちをする。
「…くっ、なるほど、さすがの私もそれはとても魅力的に感じますわ。」
「ありがとうございます。透華お嬢様。」
「では、その旨を記載して招待状を用意なさい。 後は頼みましたよ。」
「はっ、かしこかしこまりましたかしこー」 風とともに去るハギヨシ。
「おーほっほっほっ!! 春のモンブチ杯開催ですわー!!」透華が高らかに宣言し、
「春のモンブチ杯ぅ???」四人が声を合わせて聞き返した。
今夜はこれまでっす。
難しい。これじゃ、SSっていうよりドラマCDの台本みたい。
新しいドラマCD聴きたい。もちろん百合で…
つか、このSS、アニメ版夏の四校合同合宿の劣化コピーになりそうな悪寒…
これって需要ありますか?
>>709 GJ
是非続けてください
ところで衣は咲のことリンシャン使い呼びで固定ですか?
>>709 ともきーwwワロタww
ギャグならもう少しリズム感がほしいな
偉そうなこと言って申し訳ないんだが
もし、加治木が赤ん坊の世話を頼まれたら
――日曜日の加治木邸にて
ゆみ「せっかく休日だというのにすまない皆、だか来てくれて嬉しいよ」
モモ「気にしないでくださいっす先輩!先輩のためなら例え火の中水の中・・・!」
蒲原「ワハハー、それでゆみちん……助けて欲しい事って一体なんだー?」
妹尾「加治木先輩が助けを求めるなんて、よほどの事ですよね」
睦月「うむ」
ゆみ「ああ、実は――――」
?「あーうー!だー!」
ゆみ「おっといけない!ミルクの時間だ」
妹尾「ミルクの時間…?」
赤ちゃん「ゆーみ!ゆーみ!」
睦月「これは……赤ん坊?」
モモ「うわぁ〜!先輩そっくりで可愛いっすね〜!」
ゆみ「ああ、親戚の人から今日一日だけ預かって欲しいと頼まれたんたが……赤ちゃんの世話なんて初めての事だから
何をしたら良いのか分からなくてな…皆に力を貸して欲しいと思い、今日は集まってもらったんだ」
蒲原「ワハハー!なるほどなー、確かにゆみちんってそういう所には疎いからなー!」
モモ「それにしても先輩そっくりで可愛いっすね!名前はなんていうっすか?」
ゆみ「名前はユリっていうんだ……よしよし、良い子だ」
ユリ「キャッキャッ♪」
睦月「しかし、赤ん坊の世話なんて私も初めてですね……一体どうしたら良いのか」
ユリ「うぇぇぇぇぇぇ……!」
妹尾「わわっ、急に泣き出してしまいましたよ!?」
ゆみ「しまった、よーしよし!泣かないで泣かないで〜!」
ユリ「びぇーんえんえん!びぇーんえんえんえん!」
モモ「ど、どうしよう!全然泣き止まないっすよ先輩!」
ゆみ「おかしいな……ミルクならさっき飲ましたはずなのだが……」
蒲原「ワハハー、もしかしてオムツを交換して欲しいんじゃないかなー?」
ゆみ「そうか…!だから急に泣き出したのか…しかしオムツの交換なんてやった事ないぞ…」
蒲原「ワハハ、なら私が交換するとしよう。じゃあゆみちん、ユリちゃんを私に預けてくれ!」
ゆみ「ああ、分かった…任せたぞ蒲原」
蒲原「ワハハー、任されたぞー!」
ユリ「うえーん!」
うむ、誤爆してしまった・・・すまない
>>713 なぜワハハがオムツ換えやなんやが出来るのかしだいでは誤爆じゃないだろ
かおりんがおしめプレイ好き…だと?
>>712 かじゅの子供だと勘違いしたモモが暴走する展開かと思ったら違ってた件
>>715 ちっさいころにおしめを変えられるかおりんをいつも見てたから何故か覚えてたんだよきっと
というかカマかおっていつから幼馴染みだったんだ?
てっきりせ・・・かじゅの公開幼児プレイかと思ったっよ
春のモンブチ杯続き投下します。
5レスお借りするっす。
>>710 ありがd。
>ところで衣は咲のことリンシャン使い呼びで固定ですか?
アニメの合同合宿お誘い時にそう呼んでいたので、そのまま使っています。
固定ではないので、大会時に咲に「名前で呼んで」って言わせるのは有です。
>>711 ギャグのつもりではないのですが、モンブチは自然にあーなるみたいです。
今回は自分でも書いていてさらにリズムが悪くなったと思います。
>>712 自分も同じ展開をかとry
龍門渕からの招待状が届いた翌日。
清澄、風越、鶴賀の新部長は判をついたように同じ行動を取っていた。
春休み中にも関わらず、朝っぱらから登校し部室に籠ると
清澄部室 染谷まこ(確定部長)
「こ、これは…。わしにもハイテイ(ラストチャンス)が巡ってきたようじゃのぅ」
まこの眼鏡がキラリと光る。
携帯に登録してあるアドレスに[8時だョ!全員集合]とメールを送ると、
間もなく返信があった。
>古いです。場所はどこですか?今、咲さんと一緒なので二人で行きます。
>古いじょ。場所はどこだぁ?今、タコス食べたら行くじぇ!
>古っ!つか、場所どこすか?今、元部長に頼まれた買い出しの最中で…
[あんたらなー、部室に決まっとるじゃろ!早う来い!]とメールをしてから20分後。
自分に向かい合うように並んだ、咲、和、優希、京太郎に招待状を読み上げるまこ。
全てを読み終わる前に皆の妄想はスタートしていた。
(や、やっぱここは和ちゃんだよね…)
(ぜ、絶対、さ、咲さんと…)
(ぜーんぶ、タコス払いにしてもらうじぇ!!)
(で、出来れば和と美穂子さんのWで… 須賀君… 京太郎さん… ほえあああ)
「 ………ちゅう訳じゃ。あんたら、今回の参加は部長命令じゃけ、頼んだわー」
「「「はいっ!!!」」」「はーい。はーい。はーい…」浮かれまくりの京太郎。
「あぁ、京太郎。わりゃあ今回も留守番じゃけーのー」
「な、何ですとーーーーー?!」夢から現実へと叩き落とされる京太郎。
「しゃーないじゃろー。ほれここ見てみぃ。女子部員限定イベントじゃ。」
「お、京太郎が灰になったじょ」
「ほいじゃー、部長…じゃのうて、先輩にはわしが連絡をと…」
リダイアルで久の番号を呼び出し、電話をかける。
(部長、最後くらいはわしと一緒におってくれても…)
とあるファーストフード店
久の携帯が鳴った。「あら、まこからだわ。ちょっと、失礼するわね。なぁに?まこー」
風越部室 池田華菜(暫定キャプテン)
「こ、これは…。あたしにもハイテイが巡ってきたし!」
華奈の猫耳ヘアーがピョコンと跳ねる。
部のPCに登録してあるアドレスに[今すぐ全員集合!]と一斉メールを送ろうとして、
はたと気づく。
三年生が卒業したとは言え、60人近くいる部員全員に送る必要はないし。
携帯に登録してあるアドレスに[今すぐ集合だし!]とメールを送ると、
間もなく返信があった。
>華菜ちゃんおはよう。すぐにでも行きたいんだけど…場所は?
>池田さんおはよう。すぐ行くから場所を書いて。
>キャプテンおはようございます。すぐに行くので場所を教えてください。
[ごめん、ごめん。場所は部室だし、待ってるし]とメールをしてから20分後。
自分に向かい合うように並んだ、未春、純代、星夏に招待状を読み上げる華菜。
ここでも清澄同様、全てを読み終わる前に皆の妄想はスタートしていた。
(か、華菜ちゃんとなら…)
(い、池田さんと…)
(ド、ドム先輩以外なら…)
「 ………という訳で、みんな。今回の参加は部長命令なんだし、絶対参加するんだし!」
「「「はいっ!!!」」」
「それじゃ、キャプ…じゃなくて、福路先輩にはあたしが連絡するし…ゴクリ…」
携帯に登録はしたものの、かける機会のなかった美穂子の家電に電話をかける。
(んーーー、にゃーーー!キャプ、いや、福路先輩! あたしと一緒に!)
何度目かの呼び出し音の後、「はい、福路でございます。」と落ち着いた女性の声。
「(にゃーー、先輩のお母さんだしぃ…)、あ、あの私、福路先輩と同じ風越女子高校
麻雀部2年のい、池田華菜と言いますし。あ、あの、先輩はいらっしゃい…」
「まあ、あなたが池田さん?」華菜の名前を聞いてお母さんの声のトーンが上がった。
「へ?は、はい!」
「美穂子からお話は聞いているのよ。とても元気で、とても優しい後輩がいるって」
「え、あ、あの…そんなことないですし…えへ(華菜ちゃんてば、親公認だし…)」
鶴賀部室 津山睦月(確定部長)
「こ、これは…。うむ、私なりに精一杯…」
睦月の口癖がポロリとこぼれる。
携帯に登録してあるアドレスに[集合できる?]とメールを送ると、間もなく返信があった。
>睦月さん、おはようございます。部室だよね。今日はすぐ行けるから待っててね。
>むっちゃん部長、おはようございます。部室っすね。今日ならすぐ行けるっす。
返信メールが着てから20分後。
自分を挟むように左右に座った佳織と桃子に、招待状を読み上げる睦月。
ここでも清澄、風越同様、全てを読み終わる前に皆の妄想はスタートしていた。
ただ違ったのは、その妄想を口にできる環境だったということ…
「わー、さとちゃんと一緒に…」
「いやいや、絶対、私が先輩と一緒にっす! かおりん先輩、負けないっすよ」
「 ………という訳で、二人とも今回の参加は…」
「はーい、はーい。絶対参加するっす。むっちゃん部長も絶対参加しなきゃダメっす!」
「ひゃあ、桃子さんいたんだ…。うん、睦月さん、参加しようねぇ…」
「うむ。それじゃ、先輩たちへの連絡は…」
「加治木先輩には、私が連絡するっす。今すぐ電話するっす」携帯を握りしめるモモ
「じゃあ、さと…、蒲原先輩には私が電話を…」バッグに手を突っ込むかおりん
「うむ。頼んだ。先輩方の返事を聞いてから、龍門渕に返事をするから」
モモとかおりんは昨日の日付の着信履歴から、電話をかける。
とあるファーストフード店
ゆみの携帯が鳴った。「おや、モモからだな。すまないが失礼する。もしもし…」
智美の携帯が鳴った。「ん、かおりからかー。んじゃ、私もっと。かおりーどしたー?」
(あら、誰もいなくなってしまったわ。何かしら、皆、後輩からみたいだったけど。
あ、もしかして家にも華菜から電話が着ているかも…うふふ)
皆が席をはずしたテーブルに残った美穂子は笑みを浮かべた。
(私もそろそろ携帯を持ちたいのだけれど…どうして壊れてしまうのかしら…)
先ほどの笑みが消え、ふぅとため息をつくと美穂子は紅茶を口に運んだ。
(ん〜、一緒にいて楽なのはまこなのよね〜。気遣わなくていいからのんびりできるし。
でも、ちょっと見てみたいのよね… 私が誘ったらどんな表情(かお)するのか…)
電話を終え、何やら考え事をしながら久が戻ってきた。
「あ、久さん、お話は済み…、久さん?」
「んぁ、うん。終わったわよって、あれ?ゆみと智美は?」
名前を呼ばれたからではないが、二人が戻ってきた。が、こちらも思案中のご様子で
(全くモモは「新婚旅行っすね」だと。全く何をバカな…バカみたいに可愛いヤツだな…)
(ワハハー、かおりと旅行かー。まぁ、この辺で脱幼馴染をしなきゃ先に進まんしなー)
「ゆみさん、智美さん…あ、あの…」美穂子の声が耳に入らないようだ。
「はいはーい、お二人さーん。」パンパン「モンブチ杯の話だったんでしょ?」
呆けている二人の顔の前で、手を打ちながら話かけると我に返ったゆみが返事をする。
「んぉ、おお。そうだな。久も、蒲原もか?」 「ワハハー、同じなんだなー」
「うん。じゃあ、タイミングもいいし、二人とも参加するでしょ?」
「ああ、モモがな、尋常じゃなく乗り気でな」 「かおりもだぞー、ワハハー」
「あ、あのモンプチって…一体何の話かしら…」置いてきぼりにされた美穂子が尋ねる。
「美穂子、実はねー」美穂子の表情を伺いながら久が説明を始めた。
龍門渕邸の一室
「おいおい。招待状を出した翌日に全員参加の返事って、一体何書いたんだ?」
「あら、純は招待状を見てないんですの?はい、これですわ。」純に招待状を渡す。
大きく【第一回モンブチ杯のご案内】と書かれた招待状は、時候の挨拶に始まり、
日時や場所といった必要事項だけのように見えたが、朱書きの≪賞品≫に目が止まった。
…MVPを獲得された選手には、「龍門渕グループが誇る豪華リゾートホテルの
ウルトラVIPスイートルームペア宿泊券(ディナー付き)20万円相当」を
ご用意いたしました。
MVP獲得選手は出場選手のどなたかを指名し、ペア宿泊券を利用することができます。
そして、指名された方は拒否することが出来ないこととします。
また、同額程度の希望商品との交換も可能です。皆さん、奮ってご参加…
「なんだこれ?想定外のヤツに指名されても断れないのかよ。うぜーなー」
「…大体カップルは決まっている。他校生が純を指名する確率はほぼ0%…」
「全く、純は自惚れ屋さんですわね」透華がフンと鼻を鳴らす。
「ころもはノノカを指名するよ〜。あと、リンシャン使いも」
「おー、やっぱ衣が一番大人だなー。いきなり3ぴ」 ゴッ!! 「ぐぅっ?!」
一のマジックで突如現れたスティックが純のみぞおちにヒットした。
「純君、衣相手に下品な冗談はやめなよね」 「…シャレにならない…」
龍門渕邸の厨房
「あーちくしょー。まだ、痛ってー。一のヤロー、手加減しろよなー。
あーもー、何か色んな意味で面白くねーなー。当日も仕込みで早えーし。
メイドはつらいよ。なんてな…」食器の片づけをしながらぼやく純。
「あれ、これって…ああ、透華のオヤジさんのゴルフコンペのケータリング用か…
ククク、これを使えば…モンブチ杯!俺がより面白くしてやんぜ!!」
福路宅
「もしもし、池田さんのお宅でしょうか。私、風越女子高校三年の福治…」
「キャ、キャプテン?!」美穂子の声を聞いただけで昇天しそうな華菜。
「あ、華菜なの、良かったぁ。今日はごめんなさいね。電話をくれたのに、出かけていて」
「あ、いえ。今キャプテンが電話をくれたので大丈夫ですし。そ、それで…」
「こーら、キャプテンは華菜でしょ。そうだ、華菜のお話の中身を当ててみましょうか」
「え、あ、はい…」 「えーっとね、第一回モンブチ杯参加のお知らせ、じゃないかしら?」
「にゃー? 何で知ってるんですかー?」 「うふふ、実はね…」
美穂子の話は浮かれまくっていた華菜を落ち込ませるには十二分であった。
あの、にっくき清澄の部長と会っていたと言うのだから…
「先輩、あたしMVPを取って先輩を指名しますから!!」(あいつにだけは負けないし)
「…え、あ、うん。ありがとう、華菜」
(うわー、ものすごい間があったけど、気にしない。華菜ちゃんはずうずうしいから)
「じゃあ、お休みなさい、先輩。お電話ありがとうございました。」
「はい。お休みなさい、華菜」
(そうね、指名されたらお断りできないのよね。華菜と一緒は楽しそうだけど…
もし私が指名したら、あの人はどんな表情(かお)をするのかしら…)
今夜はこれまでっす。
いやー、実際書いてみるとホントに難しい。
まこの広島弁はスルーしてください。
ムッキーの台詞増やしてください。
麻雀はタコなので、次回は大会だけど百合百合ですw
では、失礼したっす。
>>726 GJ!
しかし南浦さんも呼んであげないとむっきーが可哀想だな
そして文堂さん素直だねぇw
まこはドリフ世代か…
GJ! ペアなのに2人も指名するとはw
衣は欲張りさんだな
モモ「先輩……この人達鶴賀をなめてるっす」
加治木「ああ、そうだなモモ……」
モモ「なめてるっす……」
加治木「なめていたら……どうする?」
モモ「私は許さないっす……鶴賀なめてる奴は……(麻雀で)潰すっす!
鶴賀なめてる奴は誰であろうとも…絶対に許さないっす…!」
「春のモンブチ杯」誤字訂正等
>>707 透華「野立て×→野点○」 変換ミス
意味を知らない純の方が正解って…
>>720 >>712は
>>716へのアンカーミス
>>725 美穂子「福治×→福路○」変換ミス
自分の名字なのに…
後、題名に番号なくてすまぬーです
美穂子ママは華菜に娘は外出中でいないって言い忘れるし…
美穂子は華菜に3年’Sが集まっていた理由を言い忘れるし…
読み返せば、思い残すことばかりです
つか、恐ろしく長くなりそうなんで、色々端折ることにしました…
次回投下は土曜深夜の予定っす
>>727 ありがd
今からだと南浦さん出せないけど、匂わすくらいなら…
>>728 アニメで「歯みがけよ」って言ってたから、間違いないと…
>>729 ありがd
衣が寝てる横で咲と和が…とか、咲と和の…を邪魔する衣とか、
つか、もう純の言う通り…すみませんでした。
春のモンブチ杯続き投下します。
9レスお借りするっす。
龍門渕グループ管理の人工公園内
モンブチ杯当日は、好く晴れ渡り風もない絶好の花見兼野打ち日和となった。
整然と立ち並ぶソメイヨシノはピンクの濃淡が美しい八分咲き。
むせかえるような桜の甘い香りに包まれて5台の自動卓が用意された。
ピンクの妄想を抱えたまま当日を迎えた各校の面々もこの情景には心を奪われた。
桜に見入り、立ち止まる皆に三人のメイドが声をかけた。「「「いらっしゃいませ、お嬢様方」」」
先鋒組
「ノッポのメイド姿じゃ、萌えないじょ」「ほっとけ、タコス」
「好くお似合いですよ」「うっせ、今日は負けねーからな」
「…趣味なのか?」「…ちげーよ」「うむ、すまない」「いや、いい」
次鋒組
「ほほぅ、わしらもメイド服で来ればよかったかのぅ」「…趣味?…」「商売じゃ」
「可愛いよね〜」「…着てみたい?…」「ちょっと着てみたいかも〜。ふふふ」
「私はちょっと恥ずかしいです…」 「…一番似合いそうなのが…」「じゃな…」「うん…」
中堅組
「あらー、可愛いメイドさんね。今日もよろしく」「あ、あはは。いきなり敵わないなぁ」
「お、お手柔らかにお願いします。」「うん。でも僕より竹井さんにお願いした方がいいよ」
「いやいやー、どっちもどっちだなー」「それってどういう?」「いい意味だぞーワハハ」
副将組
「いらっしゃいまし、原村和!今日こそあなたに勝ってみせますわ〜」
「相手が誰でも自分の麻雀を打つだけです(咲さんとの旅行がかかってますから!)」
「…」「(今日は負けてらんないっす。絶対勝って先輩と新婚旅行に行くっすよ!!)」
大将組
「リンシャン使いー、風越と鶴賀の大将も待ち兼ねたぞー」トテテと走り寄る衣。
「嶺上って、はは…」「今日は大将じゃないし」「そうだな、その呼び方は変だな」
「なら、何と呼べばいいのだ?」 「さ、咲かな」「華菜でいいし」「ゆみで構わんぞ」
「そうか、承知した。咲、華菜、ゆみ。お前たちはころもの友達だから、ころもと呼ぶがいいぞ。」
「なーーー…」「ウッ…プ」「へ?」
衣が名前を呼ぶと、ゆみと咲は背後から別々の圧迫感に襲われた。
開会式風景
「では、続いて本大会の主催者であらせられます龍門渕透華様のご挨拶です。」
「おはようございます。全校生徒の皆さん、今日も私のために輝いていますか?」
挨拶に被るように一迅の風が桜吹雪を舞い上がらせ、皆の注意を引いた隙に、
「透華お嬢様、こちらを…」慌てず騒がずハギヨシが原稿を交換した。
その後は透華の挨拶も無事に終わり、大会のルールや各賞の説明などがされた。
「…以上ですが、ご質問のある方はいらっしゃいませんか?」と司会者が問うと、
意を決したように一人の参加者が手を挙げた。
「すみません。よろしいでしょうか」 「はいどうぞ、そちらは鶴賀の…」
「津山です。MVPの賞品のことでお伺いしたいのですが…」
睦月の言葉に会場に緊張が走った―
「あの…(がんばれ私)、参加者以外の人と使うことは出来ないのでしょうか?」
「えーと、それは… あ、ハギヨシさん」いつの間にか司会者の隣にいたハギヨシが、
「様々な理由により原則は不可ですが、津山様のお気持ち次第ではご相談に乗ります。
どうぞ、MVPを取れるように頑張ってください。」と睦月を励ますように答えた。
「あ、はい。よろしくお願いします。(そうか、まずはMVPを取らないと)」
ハギヨシの言葉に頭を下げ、顔を真っ赤にして着席する睦月を
(むっきーGJワハハー) (睦月、やる気があっていいぞ)
(睦月さん、すごいのかも?) (むっちゃん先輩、勇者っす!)
鶴賀のメンバーは暖かい目で見守っていた。
「さぁ、それでは、春のモンブチ杯スタートいたしますわよー」透華の声が響く。
龍門渕メンバーの希望もあり、先ずは県大会の決勝戦と同じ面子で打つことと、
花見を兼ねての大会であるため、午前中に半荘1回、午後から2回のゆっくりした
ペースで行われることが予定されていた。
しかし、MVPの賞品のこともあり、桜の下でまったりとは行かず、県大会並みいや、
それ以上の気迫で、和が、桃が、池田ぁが卓に向っていた。
午前の半荘が終わり、1位は美穂子、2位は久、3位は佳織と県大会の様相を呈した。
咲と衣は潰し合いとなり思いのほか点数は伸びず、むしろ国士をツモった佳織が順位を
上げる結果になっていた。
南二局にドラコン(ドラめくりコンテスト)があり、咲の槓ドラでドラ9をマークした
華菜がドラコン賞を獲得した。
お昼休み
龍門渕家が用意してくれたケータリングは、種類も豊富で、量もたっぷりとあった。
またどれもとても美味しく、皆の空腹を満たすには余りあるごちそうであった。
見事な桜に、美味しいごちそう。傍に好きな人も…。これで盛り上がらないはずがない。
皆、戦いのことはしばし忘れ、想い想いにお花見を楽しんでいた。
「龍門渕さん、今日は本当にありがとう。良い思い出が増えて私たちとても感謝しているのよ」
「実は我々も花見を計画していたのだが、こんな形で実現するとは思ってもいなかったのでな」
「ワハハー。まさか、こんなに美味い料理が食べられるとも思っていなかったしなー」
「お花見の席で、麻雀ができるとも思っていなかったわよ。ほんと、ありがとね」
突然、各校の3年’Sにお礼を言われ、照れる透華。
「これくらい、大したことではありませんし、お礼を言われることでもありませんのよ」
(というより、皆さんの方こそ、私や衣のわがままにつきあってくださって…
お礼を言わなければいけないのは、こちらの方ですわ…)
「あ、あの、それで皆さんさえよろしければ、卒業してからもまた機会があれば…」
「はい、喜んで」「言うまでもないな」「当然だ、ワハハー」「また誘って頂戴」
3年’Sの笑顔に、飛びきりの笑顔で答える透華。
ケータリングドリンクコーナー
「さてと、純さん特製ドリンクの出番だぜ。ククク、どうなるか見ものだな」
午後一の半荘が始まってから、会場の様子は一変した。
参加者の半数ほどが上気した頬を真っ赤に染め、呆けたような表情をしている。
中にはハアハアと切なそうに呼吸をする者や上下のまぶたがくっつきそうな者もいる。
東場が終わったところで、睦月は隣の卓にいた智美に声をかけた。
「蒲原先輩、何か皆の様子がおかしくありませんか?」
「ワハハー、そうだなーおかしいなー。むっきーは何ともないか?」
「私ですか?自分では特には…先輩から見て私もおかしいですか?」
「いいや、おかしくないさ。じゃあ、むっきーは強いってことだなー、ワハハー」
「え?強いって何がですか?」
「ん、今がチャンスだぞ。MVP目指して頑張れよー。ワハハー」
「そうじゃ、そうじゃ、今がチャンスじゃ」睦月と同じ卓のまこが会話に加わる。
「ほれ、見てみぃ」まこの視線の先では、衣と星夏がぼんやりしている。
「こっちもだなー」智美の卓では、和と華菜のテンションが明らかにおかしい。
「は、はぁ」よく分からないといった面持ちの睦月が「じゃあ」と卓に向おうとした時
「津山さん、MVPは渡しませんから」「原村和、MVPは華菜ちゃんが取るんだし」
「いいえ、誰にも渡しません」「華菜ちゃんだって誰にも渡したくないんだし」
「私だけのモノです」「皆のだけど、一人占めしたいんだしー、にゃー」
「あ、あの…な、何の話ですか?」突然のことに混乱した睦月は地雷を踏んでしまった。
「咲さんに決まっているでしょう!」「キャプテンに決まってるんだしーー!」
「(華菜ちゃん、やっぱり…)はぁ」隣で華菜の咆哮を聞いた未春はため息をついた。
(華菜ちゃんは分かりやすいもんね~。でも、私だって華菜ちゃんのこと…)
未春の卓では、優希と透華がダウン寸前といった様子で、もう一人のゆみだけが
表情を変えることなく淡々と打っていた。
(本当にチャンスかもしれない。今注意すべきは加治木さんだけ、がんばれ私)
何が可笑しいのか、ずーっと笑いっ放しの佳織の手の気配が読めずに、純が
四暗刻に振り込んだのは、ある意味自業自得だった。
(あー、色んな意味で、俺はしくったな…)
相手の捨て牌を見ない佳織が相手では久の悪待ちも意味をなさない。
むしろ、役満を上がりながら、見え見えのドムのバカ混に振り込む未だ半素人の
佳織に引っかき回された半荘だった。
「あ〜、疲れた〜。でもジュースじゃなくて、お水が欲しいわね」と対面のドムに
同意を求めるように言うと、久の声に振り向いた純がすぐに目を逸らした。
「ぷ(犯人発見)。さて、お水をもらいに行ってきましょうか」
久はドリンクコーナーで貰ったペットボトルに口をつけ、ミネラルウォーターを飲み込んだ。
(早めに気づいたから良かったけど、あれ以上飲んでいたらヤバかったわね…
この程度ならまこは平気でしょうけど、あっちは大丈夫かしら?)
「ねぇ、調子はどう?」久はさりげなく美穂子の肩に手をかけた。椅子に座ったまま
振り返った美穂子は頬を真っ赤に染め、開眼した両目を潤ませじっと見つめてくる。
「(あらー、全然大丈夫じゃなさそう)美穂子、ほら、お水飲んで…」ボトルを差し出すと
突然、ポロポロと涙がこぼれおちた。
「ん、どうしたの?」 「…うえ…さ…の…か…」声にならない声で答える。
「え?今何て?」 「……うえのさんの…ばか…」久にしがみつく。
「ふむ、何で馬鹿なのかしら」 「…覚えてなかったのは上埜さんの方で…」
「んー、そうなの?(…取りあえず、話を合わせて)」優しく髪を撫でる。
「私…もう一度あなたに逢ったらって、あなたの声がもう一度聞きたくって…」
「うん、うん(あーもー、美穂子ったら…そんな一方的に打ち明けられても、
私だって話したいことあるんだけなー。まぁ、今言っても入りそうにないけど。
それにしても、可愛い。どうしよう、すごく可愛いわ…)」
可愛さのあまりぎゅっとしようとすると
「でも、私たちはもう違う道を歩いてきたから、私は…あなたのことを思い切ろうと
したのに、なのに、あなたは…」
「えーと。私、何かした?」
「あなたは「また、逢えるじゃない」って、簡単に私をあの頃の気持ちに引き戻して…」
「えーっと、それって…(私GJってこと?)」なんて考えていると
「なるほど、それは、ひさが悪いな」少し高い位置から低い声が響いて、
「ゆ、ゆみ?何よ、いきなり?」さすがの久もちょっと動揺した。
「話は全て聞かせてもらったぞ。その上で言うが、ひさが悪い」「ええ?」
「何度でも言うぞ。ひさが悪い」ゆみの目が据わっている。「あ…」
「話を聞いたから言うんだ。ひさが悪い」「ちょっと、もしかして、あんた…」
「ひっく、何だ。誰があんたなんだ?言っておくがな、私はゆみで、悪いのはひさだ。」
(あちゃー、先輩、酔っ払って言ってることがループしちゃってるっすよ。普段しっかり
してるだけに、こんな先輩はレアで、めちゃめちゃ可愛いっす。先輩、ハアハアっす。)
美穂子と同じ卓にいたのは咲、一、桃。咲は卓に突っ伏して眠こけており、一は半荘が
終わってすぐに透華の元に向った。そして桃は、久に絡むゆみを見てハアハアしていた。
「う、うそだし!キャプテンが人前であ、あいつと…」酔いもぶっ飛んだ華菜の声に、
「おいおいおいおい、ありゃぁ反則じゃろーがー」まこがすかさず反応した。
「ワハハー、ゆみちんは酔うとあーなるのかー。一緒に飲むときは気をつけなきゃなー
つか、久が大変なことになってるなー。取りあえず、ゆみちんだけでも。おーいモモー」
「はいっす。元部長さん」「お、そこにいたのかー。モモは酔ってないかー」
「はいっす。大丈夫っす」「モモも強いのかー、じゃあ、ゆみちんを止めてくれ」
「えー、勿体ないっすよ」「何が勿体ないんだよー、意味がわからんぞー。ワハハー」
「いーかー。ひさー。よーーーーーく聞けよ」 「上埜さん、上埜さん…」
上下から攻められて、久は身動きが取れなくなっていた。
「………(美穂子、私すっごく嬉しいのよ。でも、お願い、今は誰か助けて…)」
「先ぱーい、大好きっすーー!」ひさが悪いを連発しているゆみに桃が抱きついた。
「お、モモか」「はいー」ゆみの注意が桃に向かう。
「人前で抱きつくなと言っているだろぅ」いつもと違う諭すような口調のゆみ。
「あ、はいっす(って、あれ?いつもなら「わーやめろー」って…)」
「しょうがない奴だな、ふっ」「え?せ、先輩?(なんすか、この余裕は…)」
「これでいいか、モモ」耳元で囁くと、両手を桃の背中に回しぎゅっと抱きしめた。
「ああっ、そんなにきつく抱かれると…嬉し、恥ずかしいっす。先輩…」
思いがけないゆみの抱擁に、桃は昇天した。
「ワハハー。ゆみちん、何モードだあれは?でも久は逃げたなー。うん良かった。」
「かんばら!おい、かんばら!」桃を抱きかかえたゆみが智美を見つけた。
ゆみの説教が途切れたのを幸いと、久は美穂子を促してその場を離れた。
ぐずる美穂子の手を引き、会場から少し離れた桜の下まで小走りでやってきた。
「ハアハア…」息を切らした美穂子を桜の樹に寄りかからせ、
「ほら、これ飲んで」飲みかけのボトルを手渡すと美穂子が口をつけた。
「んっ、コクン…、ケホッ」息が整う前に飲んだせいか、軽くむせた。
「大丈夫?あら、口のまわりが濡れちゃったわよ」
久の右手が美穂子の頬に添えられ、親指が口元のしずくをぬぐう。
その指が唇に触れると、美穂子の身体がピクンと震えた。
(あ、美穂子の唇やわらかーい。もっと触りたいわ…)
(ん、上埜さんの指、気持ちいい…もっと触ってほしい…)
美穂子の唇を見つめ指で触れる久と、目を閉じ久の指を唇で感じる美穂子。
「にゃー、あの雰囲気、超ヤバいし!このままじゃ、キャプテン食べられちゃうし!
(でも、キャプテン、すごく綺麗だし…)」
「(あんたぁ、あげな表情(かお)するんじゃのぅ。見とるこっちが切のうなってくるわ…)
くっ、池田ぁ、早いこと呼ばんと食われてしまうぞ」
少し離れたところから覗いていた華菜とまこが出るタイミングを計っていた。
「うん。キャプっと、福路先パーーーイ!どこですかーーー!」
「お、おーーーい。どこにおるんじゃーーー」
二人を呼ぶ声に我に返った久は、名残惜しそうに唇から指を離し、
「はーーーい。ここよーーー!」と何事もなかったかのように手を振った。
美穂子の意識はアルコールと快感で軽く飛んだのか、呼び声に反応しなかった。
美穂子の足取りがおぼつかないので、久と華菜が両脇から支えて歩く。
「あたし、一人でも大丈夫なのにぃ…」華菜はぼやいていたが、
「なぁ、二人で何しとったんじゃ?」まこの核心をついた質問に猫耳が跳ねた。
「んー、桜を見ていたのよ」
「ほーおー」含みのあるまこの相槌には気づかず、
「きれーなピンク…」久は独り言のように答えた。
「久ー。助けてくれー」戻ってきた久を見つけ、智美が情けない声を出した。
「えー、ゆみ、まだ酔ってるの?つか、どんだけ飲んだのよ」
「でも、あれじゃあ、普段、飲み慣れてないヤツは分からんじゃろー」
「まぁ、ほとんどジュースだものね。智美ー、ちゃんと水飲ませた?ほら、これ…」と
手にしていたボトルを渡そうとしたが、それはポケットにねじ込み新しいものを渡した。
「ほぅ、間接キスでも気にしとるんかのぅ…」まこがぽそっと呟いた。
美穂子を座らせ、後を華菜に任せると久は皆に声をかけた。
「寝てる子は仕方ないけど、起きてる子にはたくさん水を飲ませてやってー。
たくさん飲んで、たくさん出すと早く酔いが醒めるのよ」
「ワハハー。詳しいなー、久は。ほら、ゆみちん。たくさん喋って喉が渇いたろう。
たくさん、お飲みー」久から受け取った2Lのボトルを預ける。
「ん、すまんな。んっく、んっく、んっく…ぷはー。それでな、かんばら…」
「いやいや、お話はいいからさ、それみんな飲んじゃいなよ。ほらーかおりも
笑ってないで、これ飲んでー。おーい、むっきー、モモの鼻血止まったかー」
「透華、お水飲めそう?」「うーん、うーん…」
「透華、苦しそうだな…(あ、口うつしなら飲めるかなって、何考えてるんだ僕…)」
「…衣、大丈夫?…」「すー、すー」「…眠っているから大丈夫かな、ふふ…」
「先輩、しっかりしてください。お水飲めますか?」「う、うーん、華菜?」
「そうですよ、華菜です。はい、お水飲んでください」「ありがと、華菜…」
「華菜ちゃーん、先輩大丈夫だった?」「食べられる寸前だったけど何とか助けたし」
「え?食べられるって?」「いやいやいや、こっちの話だし、でそっちは?」
「うん、文堂さんはすみちゃんが介抱しているから大丈夫だよ」
ちなみに清澄の1年’Sは三人仲良く爆睡していた。
日暮れ近くになると、徐々に皆の酔いも醒めてきた。
目を覚ました透華と衣も何が起きたのか、よく分からないと言った顔をしている。
「私、いつの間に眠ってしまったのかしら…ハギヨシ」「お呼びですか、透華お嬢様」
「一体、何がありましたの?」「はい、実は…」
「はじめ、今日はもう終わりなのか?もう皆、帰路の途についてしまうのか?」
「衣、起きたんだね。まだ、夜桜を見る時間があるから大丈夫だよ」
「そっかー。夜桜、夜桜♪」
「…なるほど、わかりましたわ。それにしても、どのようにして収拾をつけたら…」
取りあえず、夜桜を見ながらの夕食会が始まった。
本来は大会終了後に予定されており、表彰式を兼ねて賑やかになるはずであった。
しかし、参加者は皆、午後の半荘を訳が分からないまま終えてしまったことで、
この後に最後の半荘をやっても意味がないように感じていた。
「みなさーん、ちょっといいかしら」この空気にたまり兼ねた久が声を張り上げた。
何事が始まったのかと皆が注目すると
「午後の部でアクシデントがあって、大会がストップしちゃったじゃない。
どの道さっきの半荘はノーカンだし、この後も本調子じゃ打てないと思うのよ。
だからこの際、大会とか成績とか関係なしに、楽しくお花見と麻雀をしましょうよ」
久の発言に会場の空気が和らぐ。ゆみが拍手をしながら、立ち上がる。
「素晴らしいぞ、ひさ。私はお前のそういうところが大好…もが」ゆみの口押える智美。
「ゆみちん、何言ってんだー。すまーん、まだ抜けてないみたいだなー。ワハハー」
この場面でのゆみのボケと智美のワハハは効果的であった。
何人かがつられて笑いだすと、一気に笑いと拍手が広がった。
「ええ、私も大好き……」美穂子も拍手をしながら、ポッと頬を染める。
(ちょっ、キャプテーン?何かもう普通に声に出しちゃってるし…)
(まだ頭はすっきりしないけど、すごく恥ずかしいことと、すごく嬉しいことが
あったような気がするわ。それに、久がずっとこっちを見ているような気がする…)
ちらりと視線を送ると、久が笑いかけてくれる。(あ、すごく幸せ…)
「キャプ、福路先輩?!」声をかける華菜に
「なぁに、華菜」幸せいっぱいの超笑顔で振り返る美穂子。
「ニュアー。な、何でもないですし…ハアハア(笑顔の破壊力がすごいことになってるし)」
「わあ、先輩、眩しいです(輝いてる先輩を見てハアハアしてる華菜ちゃん可愛い~)」
夕食会の最中、衣がトテテと走ってきた。
「ノノカー、サキー。賞品はなくなったが、ころもと旅行に行ってくれるか?」
「ふふふ、そろそろまぜろよ、なんだじぇ」
「お前は?」
「私は、片岡優希だじぇ!のどちゃんとさきちゃんの親友なんだじぇ!」
「じゃあ、お前もころもの友達になるのか?」
「友達の友達は皆友達だじぇ!」
「古いよ…優希ちゃん」「古いです。優希」「古典的だな、ゆーきは」
「旅行はちょっと難しいけど、今度皆で遊びに行こうよ」「わーーーい」
「そうですね。(遊びに行った先で、咲さんと二人きりになるには…)」
皆がニコニコしている中、和だけが難しい顔をして考え込んでいた。
龍門渕邸
「純、あなたのせいで大会はめちゃくちゃになった挙句、最後の美味しいところを清澄の
元部長に持って行かれてしまいましたわ!」
「そうそう、持って行かれたって…ええー、透華、怒るとこそこじゃないんじゃないかな?」
「…矛先が曲がっている…」「お、おお。そこに関してなら謝るぞ。ごめん、透華」
「全く、純はお仕置きだべ~ですわ~」「お仕置きって、俺、何されるんだぁぁぁ」
おやすみ前にハギヨシが透華に告げた。
「透華お嬢様。この度は私は大変な勘違いをしておりました。賞品を餌に皆さまを釣ろう
などと浅はかなことをいたしました。あの方々はそんなものがなくとも集まって下さった
ことでしょう。透華お嬢様にも、皆さま方にも大変な失礼をしたことをお許しください。」
結局、モンブチ杯は尻切れトンボで終わってしまい、MVPもへったくれもなかった。
後日、参加者の元へ「お詫び状」と一緒に「プールの利用回数券」が届いた。(了)
>>742 >>742 グッジョブせずにはいられないなぁ!
失礼ながら、正直始まったときはどうなることかと不安だったけど、きちんと完結したのは素晴らしいし、小ネタを挟みつつ良い感じにカオスで面白かったです。
GJ
でも、女子高生をドムドムドムドム言うのはあんまりではなかろうか
自分も焼き鳥さんの本名思い出せないけど
深堀純代
>>742 GJでした
酔ったかじゅかわいい(*´Д`)
モモは酔っ払ったかじゅにお持ち帰りされるんですね、わかります
モモ「きゃあああああああああああ!先輩、酔ってるからってそんなとこダメっす!!」
かじゅ「いや、モモ。お前自分で手を突っ込ませてるだろ」
モモ「こんなことされたら私もうお嫁にいけないっす!責任とってイカせて下さい!」
かじゅ「仕方が無いな…貰っていくぞ」
モモ「ハイ!不束者ですが!」
むっきーを書きたかった。
鶴賀をあんまりにも書かないから色々間違ってたらごめんなさい。
750 :
同級生:2010/04/13(火) 21:26:49 ID:G374dnHq
私は昔から日陰で本を読むのが好きだった。一人でいるのが嫌いではなかったし、心が落ち着く。
それは今も変わらない。
風が心地いい。そう思いながら本を開く。部長なのだから、もっと精進せねば。
「ちょっ…、モモ!」
しかし、そんな私の気持ちとは裏腹に、今日この場所はまずかったようだ。
「……ここでもだめっすか?」
別に耳をすませているわけではない。勝手に聞こえてしまうのだ。
そして私はそれを全て無視できる程、大人ではないのだ…。
「…せ、先輩!!」
「モモ……!」
しかし、私とて生け垣の向こうの桃色空間にただ興味本位で耳をそばだててはいられない。
なぜならば、あの二人は所謂……バカップルだ。
ふぅ、と溜息をつき、本を閉じる。向こうから聞き慣れた声の聞き慣れない言葉が聞こえるが私は平常心を保ち、その場をあとにする。
「睦月さん。こんなところにいたんですね。」
現れたのは妹尾佳織だ。彼女は部活の唯一の同級生だが、知り合ったのは部室が最初だった。
「ここはなんだか落ち着きますよね。」
彼女はそう言って微笑む。ここが落ち着くことは私も同じなのに、口下手な私はうまく言葉を返せない。
「うむ……。」
「あっ!」
彼女は私の持つ本を指差し、声を出した。
「…私も誘ってくださいよー」
私が読もうとしていたのは麻雀の本だ。
蒲原先輩、加治木先輩が引退し、新しく私が部長になったわけだが……、私には自信も実力もない。東横桃子は消えなくても私より強い。妹尾佳織は私より初心者だが、夏の団体戦では役満をあがったりと大活躍。
「ビギナーズラックなんてもうないですって。私も普通に麻雀を楽しみたいですよ。」
私は不安だった。私は部長の器なのかと、私はもっと……努力しなければ、皆に迷惑をかけてしまうと。
「睦月さん!」
黙っている私を彼女が呼んだ。彼女は笑っていなかった。真剣な瞳に私が映る。
「智美ちゃんに連れて来られて入った麻雀部ですけど、この前の大会で私、もっとちゃんと麻雀をやりたいって思ったんです!まだまだ初心者で力不足ですけど、またあの舞台に登りたいんです!せっかくの同級生なんですし、だから……」
「一緒に頑張りましょう?」
彼女は微笑む。柔らかい優しい笑顔。しかし、感じるのはさっきと違う。
ここは心が落ち着くところ。ずっと今までそうだった。
しかし、今、私の心がざわついたのは何故だろう?
この胸の高鳴りは、一体なんなのだろう…?
私にはわからない。わからない。だから私はこの言葉を返す。
「うむ。」
「佳織ーー!!」
私の言葉を掻き消すように声が響く。蒲原先輩だ。
彼女は遠くから叫ぶ先輩に手を振りながら、向かって行った。
見送ったその背中に切なくなったのはなぜなんだろう?
おわり。
GJっす。
おわりだなんて言わないで下さいよ〜
見た人は分かると思うけど、正直言ってむっきー×文堂さんはちょっとな・・・
まぁ発展することは無いだろうけど。むっきーは是非とも南浦とくっついてほしいものだ
742っす。
10レス目を投下したとこで、規制かかったっす
>>743 ありがd。池田ぁ
>>744 ありがd。すーみんに謝っておく
>>746 ありがd。
かじゅが可愛くて、かじゅでもう一本書き始めたっす
最初だけ置いていくっす。
>>751 GJっす
つSSっす。
時期的には、ピクドラのかじゅ桃旅行前。季節感無視してすまぬー。
成分/かじゅ、桃、部長、和、キャプテン。3年大好き、キャラ崩壊、微エロ。
表現がくどくてうざいす。だから、嫌いなお人はスルーで。
前回の反省を踏まえ1レス辺りの文字数を大幅に増量中。題名古くてすまぬー。
―♪あーなたに女の子の一番大切なーものをあげるわー♪―
TVの中で清楚な白いワンピースを着た女の子が歌っている。
夏休み中の今の時期は、音楽番組も懐メロが多いような気がする。
桃はTVの司会者が《……山口百恵さんです》と言うのを聞いて、
(この歌手さんもモモさんなんすね…)と思った。
(女の子の一番大切なものって…)桃は三十年以上も前のヒット曲に聞き入った。
その年の夏、日中は日々この夏の最高気温の記録更新を続け、夜は夜で熱帯夜が続いていた。
そんな暑苦しい夏の宵、とある部屋で二人の少女が立ったままキャミソール姿で抱き合っていた。
一人はやや長身でスラリとした体つきをしている。怒り肩だがそれが姿勢の良さを引きたてる。
軽く頭を振ると紫がかったミディアムストレートの髪がさらりと揺れる。
もう一人も身長はけして低くはなく、対照的な撫で肩がしなやかな体躯を強調している。
この暑さの中黒いストッキングをはいているのは仕様だろう。
少しくせのある赤毛を長身の少女に撫でられていたが、その手が止まると、
「本当にこれでいいんだな…」 吐息まじりの低い声が耳をくすぐり、
「何をいまさら…んふ。いいわよ、続けて…」 鼻にかかった声が漏れる。
互いの意志の最終確認とも取れる会話の後、
発声器官であるはずの唇は今やその活動をやめ、別の目的のために動きだした。
相手の左の耳たぶを軽くはんだ後、耳下にくちづける。
そのまま首筋をちゅちゅと軽く音をたてながら、ついばんでいる時に舌先が触れた。
首筋に感じる唇の触覚は、今まで味わったことのない別の感覚となって全身を包む。
「んっ、まだ舌使わないで…(感じ過ぎちゃうじゃない…)」
舌が触れたところは少し熱く濡れた感触があり、そこからはさらに甘いしびれが走った。
唇で首筋に刺激を与えると同時に、自分の唇も初めての感覚に襲われているのがよくわかる。
「あぁ、すまない(なるほど、したいと思うと自然に出てしまうものなのだな…)」
自分で意識せずに舌が出たことに感心する。
舌先に感じたのは自分のとは違う、他人(ひと)の汗の味だった。
「ん、強く吸うと痕がつくのよ」少し身体を離し、鎖骨に吸いつくとそんなことを言われた。
「そ、そうなのか…つけてみていいか」子供染みた好奇心が頭をもたげ、
「やーよ。や、」軽い拒否を無視し、想いのまま吸いつく。
「おう、ほんとに赤くなるんだな」自分のつけたキスマークを指で優しくさすると
「あーあ。これしばらく取れないのよね」同じ場所に指を重ねてくる。
「これは、あれだな。自分の印をつけた気分になるな」また想ったことを言うと、
「バカね」緊張がほぐれたようにクスクスと笑う声がした。
笑い声につられたようにこちらを見上げ柔らかくなる表情に安堵する。
優しく左手が握られ、そっと口元に運ばれると、一本ずつ指に口づけをされた。
「ねぇ、その表情色っぽいわよ」本心からか羞恥心からか分からない言葉が口をつく。
「そうか」口づけに夢中なのだろうか。気のない応えが返ってくる。
「すごくいい」今度は本心から出た言葉。
「それは、恥ずかしいな」やっと上げた顔は真っ赤になっていた。
お互いに見つめ合い、どちらからともなくベッドに腰かけた。
そして、手が下からそっと胸をつつみ込むように触れた時、動きが止まった。
「違う…」
「え?」
「違うんだ…。桃は、こう、もっとおっぱいさんなんだ」
ボスッン!久の振り回した羽根枕が、ゆみの横っ面にヒットした。
「ちょっと、ゆみ。いい度胸してるわね…(怒)こうなったら徹底的にやってやろうじゃない!」
久のやる気スイッチが入った。
今夜はこれまでっす。
ごめんなさいっす。緊張に耐えられず、逃げました。
続きはドタバタですが、この程度の微エロもふりかけたいっす。
では、失礼したっす。
>>757 ぐぬぬ。これは本誌と相まって、眠れない夜が続きそうっすね。
続きが楽しみです。
>>757 またいいところで寸止め…
続き待ってます
>>757 途中までゆみの相手ダレダー
と思ってたのは内緒GJ
>>757 気になるきになるーGJ!
続き楽しみに待ってるっす
つSSっす。
「ひと夏の経験」続き投下するっす。
2レスお借りするっす。
軽く訂正
枕がゆみにヒットした擬音
ボスッン×→ボッスン○
>>758 d
>>759 d
>>760 d
>>761 dっす。
―♪小さな胸の奥にしまった大切なーものをあげるわー♪―
桃は自分の胸に手をやると、
(小さくはないっすね。まぁ、清澄のおっぱいさんには負けるすけど、はは…)
と和の大きな胸を思い出して、小さく笑った。
(いやいや、そうゆうことじゃないっすよね…。これは、あくまでも比ゆ的な表現であって…
自分の胸の奥にしまってあるもの、か…) トクン。
Tシャツの上からは感じないはずの心臓の鼓動が指先にふれたような気がした。
同日の昼下がり
「久。折り入って相談したいことがあるのだが…」
暑苦しい夏の一番気温が上がる時間帯。電話の向こうのゆみはいつも通り堅苦しかった。
とあるコーヒーショップ
クーラーのきいた店内でも余程暑いのか、ゆみの額には汗がにじんでいる。
「あの、久。落ち着いて聞いてほしい。何というか、自分でもこうゆうことを他人(ひと)
に聞くのは、違うような気はしているのだ」 席に着くそうそうゆみが落ち着きなく切り出した。
「え?あ、うん…(あら、全然いつも通りじゃないみたい…)」
「久に相談することが筋違いなのは自分でも十二分に承知しているのだが、その、
誰にも相談できなくてな」久と目も合わせず、独り言のように話し続けるゆみ。
「ええ…(ゆみって、こんな言い訳をするタイプだったっけ?)」
「ほら、合同合宿の時に久が「全国のデータのお礼をしたい。自分にできることなら
何でもする」って言っていたのを思い出してな…」
「ああ…(こうゆうこと言う人じゃないのに、ほんとどうしちゃったのかしら?)
ちょっと、まずはゆみが落ち着かなくちゃ、ね。ほら、注文は何にするの?」
「え?」きょとんと久を見つめるゆみにメニューを差し出す。
「あ…」何も考えていなかったらしい。
「ねぇ、ここはやっぱアイスカフェラテでしょー。私、このお店の好きなのよねー」
「あぁ、そうだな」久の申し出をゆみは素直に受け入れた。
二人とも運ばれてきたカフェラテにガムシロップは入れず、ストローで一口吸い上げた。
「それで、相談って何なの?」 一息ついたところで、久が切り出す。
「あぁ、それなんだが、そもそも他人に相談することでは…」
「ゆみ、さすがにくどいわよ。」
呆れたような口調の久がストローをくわえると覚悟を決めたゆみが話し始めた。
「…女同士のだな、あの、つまり、なんだ、えっちはどうすればいいのだ?…」
ブボッシュ 久が盛大にアイスカフェラテを噴いた。
「えーと、これはどこから突っ込んだらいいのかしら?」ハンカチで顔を押えながら、
「先ずは、何であたしに聞こうと思ったとこかしらね」久がある意味もっともな疑問をぶつける。
「ん、蒲原もそうだが、鶴賀の人間に話したら、その、学校で顔を合わすのがきついからな…。
別に久がどっちもイケそうだとか、遊んでそうとか思って聞いた訳では…」
「クッ…怒るわよ…」笑顔でこぶしを握りしめる久を見て、慌てたゆみが
「や、す、すまない。だからそういう訳ではないと…」平謝りに謝る。
「取りあえず、事情を教えてもらえる?エッチだけじゃ、訳わかんないわよ…」
ゆみの話を要約するとこうだ。
明後日、麻雀部の後輩である‘桃’こと東横桃子と小旅行をすることになっている。
ゆみと桃の出会いに起因して、桃がゆみに対して部活の先輩後輩とか、同性とか、
そういう見えない枠を超えた親愛の情を示すことはままあった。
その桃と泊まりがけで旅行に行くということはゆみにもそれなりの覚悟が必要で…
まぁ、この旅行はゆみなりに桃への気持ちを確認するためのものでもあるらしいが。
「答えは出ているのだ。ただそれを桃に伝えていいものかどうかで迷っている。」
「どうして?」想いを言葉にした方がいい。そう感じた久はあえて疑問を投げかける。
「桃はまだ1年生だからな。これから学園で色々な出会いあり、様々な経験をするだろう。
その時に私という枷があってはいけないような気がしてな…」
「でも、それって」久の意志と知ってか、ゆみは久の否定を遮り自分の言葉で続ける。
「分かっている。桃のためと言いながら、自分が逃げていることに変わりはない…」
「ゆみ、あなた…」うつむいたまま語るゆみの想いを知り、久は言葉を継ぐことができない。
「そこでだ。もし、私が桃の気持ちに応えようとするならば、その、えっちの可能性はあるだろう」
頬を染めながら顔をあげ、話を戻すゆみ。その言葉にがっくりと頭をさげる久。
(いい話だったのに、色んな意味で全部台無しよ…ゆみ…)
それでも悩める友のためにと、うなだれた頭を持ち上げ、
「で、でも、そんなの男とするのも女とするのも一緒なんじゃないの?
キスしたかったらするとか触りたかったら触るとか」
内容が内容だけに話声はおのずと小声になり、身を乗り出して顔を近づける。
「そ、そういうものなのか?男とする時は基本的に男がリードするものだろう。
女は受け身というか、されるがままになっているものなのではないだろうか」
ゆみも同じような格好になり、今時の娘とは思えない古風な私見を述べる。
「そ、そうなの?だったらなおさら、ゆみのしたいようにしなきゃないんじゃ…」
「な、なるほど。私がリードしなければならないのか。ま、まぁ私の方が年上だしな…
し、しかし、私は何をどうしたいのかがわからないのだ…」
「それは、困ったわね…(つか、困ったのはこっちなんだけどなぁ)」
久は返事に困ったことをごまかすために飲み物に手を伸ばした。
「それで、お願いなのだが…。れ、練習台になってはくれないだろうか…」
ガフッゴボッシュ 残っていた久のアイスカフェラテは空になった。
同日宵の口
その後、久は色々な理由で断ろうとしたが、普段の冷静さは影を潜め、捨てられた仔犬の
ように目をウルウルさせているゆみを放っておくこともできなかった。
結局、都合良く親が出張で二、三日は戻らないという、久の部屋で練習することが決まった。
久がそのままの格好だとムードがないと言うので、キャミソール姿で向かい合って立ってみる。
「さて、取りあえず…桃だと思って、抱きしめてみてよ」こともなげに久が言うと、
「う、いつもは桃から抱きついてくるんだ」真っ赤になってゆみが応えた。
「え………、わかったわよ。これでいい?」身体を近づけ、ゆみの腰に両手をまわす。
「いや、そうじゃなく…こう、首の方にだな」
ゆみは自分の腰にかかった久の手を取り、身体を引き寄せるとその手を自分の首にかけ、
「ちょっ…」
ゆみとの距離がゼロになり戸惑う久の背中に両腕をまわし、しっかり抱きしめた。
「久、この後はどうすればいい?」抱きしめられたまま問われたから、
「ふむ。そうね、髪を撫でて、首筋にキスなんてどうかしら?」
自分がしてほしい(みたい?)ことを提案してみた。
「本当にこれでいいんだな…」 吐息まじりの低い声が耳をくすぐり、
「何をいまさら…んふ。いいわよ、続けて…」 鼻にかかった声が漏れる。
その後、首筋へのキス、鎖骨へのキスマーク、指へのキスといい感じになってきたところでの
「桃はもっとおっぱいさん」発言。
これにより回線がショートしたと思われる久のやる気スイッチは、「ゆみを徹底的に特訓する方向」
に入ってしまった。
痛い目にあわされた枕を抱えてベッドに転がるゆみに背を向け、どこかへ電話をする久。
「今から…部室…プール…レア…」と言った単語が途切れ途切れに聞こえた。最後に
「じゃあ、よろしく」と言うと電話を切り、じっとゆみを見下ろす。
電話が切れた気配に枕をずらしながら、ゆみがそーっと見上げると久と目があった。
「ひ、久。あの、さっきのことだが…」何とか言い訳を言おうとしたが、
「さぁ、出かけるわよ!はい、さっさと着替える!」言わせてもらえない。
「な?今から一体どこへ行くと?」手渡された服を着ながら聞いても、
「いいから黙ってついて来て」と教えてもらえない。
外に出ると、熱帯夜とはいえ水を湛えた田んぼを渡る風が心地よかった。
「ねぇ、ゆみ。二人乗りできるわよね?」久が自転車を押してくる。
「あぁ、もちろんだ」苦手なのは水泳くらいのものだ。
「じゃあ、私がナビするから、ゆみが漕ぐのよ」
有無を言わさず自転車を押しつけられたので、ハンドルをにぎりサドルに跨ると
久が荷台に横座りで乗った。
「いくぞ」ペダルを思いっきり踏み一気にスピードをあげると、久がゆみの腰に
両手をまわし、しっかりつかまってきた。
生暖かい夏の夜風も自転車のスピードで涼しく感じられる。
「なぁ、久。すごくワクワクしないか?(スピード感のせいだろうか。こんな気持ちになるのは)」
「そうね。これからのことを考えるとワクワクが止まらないわ」
久のワクワクは明らかにゆみのそれと違っていた。
今夜はこれまでっす。
2レスのつもりが書き込めなくて3レスになったっす。
二人乗りで仲直りするはずが部長が怒りんぼでダメでした。
色んな意味で期待を裏切ってごめんなさいっす。
桃の放置プレイ続行中なので、旅行まで引っ張るっす。
かじゅもそのための練習中すからw
もう3回ほどお付き合いくださいっす。
では、失礼したっす。
>>766 GJだし!
先輩がアクティブっすーだし。
このあとの流れがさっぱり読めなくて楽しみだし。
良い子のみんな!二人乗りは道交法的にアレだから気をつけてくれ!!
>>766 夏の夜にかじゅと部長が二人乗りしてる姿が頭に浮かんで来た
GJ
やる気スイッチってのに吹いた
モモこわい
なんかもう最近の公式の流れみてるとモモはヤンデレキャラが定着しそうだなw
>>766のSSと原作のせいで部→かじゅモモ妄想が止まらないw
かじゅが帰って少し寂しそうな部長
かじゅを見送る時、部長の隣にいるのが当然のようなポジションにいて、その寂しげな部長を見るキャプテン
ひたすら嫉妬して睨み付けるモモ
今回はお腹いっぱいです
まあ、部長は折角友達になれたのにとしか見えなかったのは修行不足かw
なんにせよ女同士が公式で嫉妬するのは貴重だ
続きがwktkすぎて寝れないぜ
朝食の準備を抜け出してまでかじゅを牽制するキャプテン
二人っきりになるやいなや開眼して、全力で部長の内心を探りつつ、部長を気遣うキャプテン
一見して警戒している事がダダ漏れなモモと違って、老獪かつ老練
さらに、そんなキャプテンが居ることが分かっているからこそ、
キャプテンに慰めてもらう為に外見でも分かるほど落胆してみせる部長
さすが最上級生は一筋縄ではいかんな…
こう見るとかじゅはまだ素直だ
衣や照に咲を奪われたら、和もヤンデレ化しそうだ
ヘタレ攻め、変態化、ヤンデレ化全てを和以外にできるキャラといったら照以外思い浮かばなかった
つSSっす。
「ひと夏の経験」続き投下するっす。
3〜4レスになると思うっす。
取りあえず投下終わったら言い訳レスするっす。
>>767 d
>>768 d
>>769 dっす。
―♪愛する人に捧げるためー守ってきたのよー♪―
桃は指先に感じた鼓動をTシャツごとキュッと握りしめた。
(愛する人に捧げちゃうって、先輩に告白するってことすかね?いや、捧げるために
守ってきたって、こ、これは気持ち的なことじゃなくて…も、もしや、身体の…)
そこまで考えると、ツーと一筋、鼻血が流れおちた。
自転車二人乗り中
久は、自分でもよく分からない感情に振り回されていたが、ゆみが懸命に漕いでいる
自転車が起こす風に吹かれると、少しずつその感情が解消されていくようだった。
二人乗りの自転車は思いのほかスピードが出ていたから、落ちないようにしがみつく。
風が気持ちいいのか、ゆみの背中が気持ちいいのかよくわからない。
ただ、安心できる背中だと思った。
部活ではまこが支えになってくれたけど、自分が上級生だった手前、こんな風に誰かに
全てを預けることはなかったし、こんな風に気持ちが楽になることもなかったような気がする。
そんなことを考えながら、頼れる背中に頬をくっつけた。
ゆみは、さっき何が久を怒らせたのかよくわからなかった。
ゆみ自身は単に事実(桃はおっぱいさん)を口にしただけで、そこに他意はなかった。
久はまだ怒っているのかもしれないが、背中に久の体温を感じる今の状況は悪くない。
これだけしっかりしがみついて貰えるとこっちも遠慮なくスピードが出せる。
蒲原も気を遣わなくていい相手ではあるが、自分の全力に平気でついてきて、
むしろ置き去りにするような相手はいただろうか。
そんなことを考えると、なにやら抑えきれない感情が溢れて来て、ペダルを漕ぐ脚に力が入った。
「ツモ。メンホンツモ 中 ドラ1 3000・6000です」和がハネ満を上がり、
「あははー。やっぱ三麻だと高目出るわねー。一人一回はハネ満以上とかないわー。
あれ、あたし今ので和にまくられちゃったー?」久が面白がっていると、
「それで、何故我々は原村の自宅で三麻をしているのだ?」ゆみが今更ながらの疑問を口にした。
「だって、ゆみがおっぱいって言うからー。おっぱいって言ったらやっぱ和でしょ!」
そう言われても、ゆみはここに連れて来られた意味がさっぱり分からない。
「只今清澄高校麻雀部恒例、麻雀王様ゲーム!も発動中よ。一着は二着のおっぱいを揉む!
という訳で、一着のゆみは二着の和のおっぱいを揉んでね」
頼みの久は、完全にダメな方向にやる気スイッチが入ってしまっている。
「あの、久。全くついて行けないのだが…これはどこから突っ込むべきだろうか?」
久のハイテンションに置いてきぼりをくらったゆみは、
「えーとだな、原村は今の状況に何の疑問も持たないのか?」取りあえず、和に振ってみる。
「疑問、ですか…。部長と加治木さんが麻雀をしにお見えになるのは分かっていたので、特には…」
「な、なら、麻雀王様ゲームとは…」「麻雀部の合宿では恒例なので…。楽しいですよ」
「でも、さすがにおっぱ…胸はちょっと」「…それもうちの麻雀部では恒例なので…
(そうでもしないと咲さんに揉んでもらえませんから)」と頬を染めながら応える。
「では、失敬してって…いや、やはりダメ…」普段したこともない乗り突っ込みが仇になった。
ゆみが和の胸に手を添えるふりをして近づくと、すかさず久が和の耳元で携帯の咲ボイスを再生した。
「和ちゃん」自分を呼ぶ咲の声を聞いた和は目を閉じ「咲さん」とつぶやくと、
ためらうことなくそこにいたゆみを抱きしめた。
「うぐ、うぁ(こ、これは…)うお、い(すごいおっぱいさんだ…もがけば、もがくほど、)
もが、くぁ、(うもれて…)………… ぷはぁぁぁ!はぁはぁ… 葬る気かぁぁ!」
和のおっぱいで呼吸困難になったゆみを見て、笑い過ぎた久が呼吸困難になっていた。
『部長、加治木さん。父が帰る時間なので、用が済んだらとっとと帰ってください』
と和に追い出された二人は、息も絶え絶えに帰りの夜道を歩いていた。
「はぁはぁ、あ、危うく共倒れになるところだったわね…、あはぁー」
「はぁはぁ、い、一体誰のせいでこんなことになったと思って…、ぜはぁー」
どちらも自転車を漕げる状態でなかったため、ゆみが自転車を押しながら歩いた。
「あー、でもさっきのゆみ可笑しかったぁ。思い出すとまた笑っちゃう…ふふふ」
「ったく、こっちは本当に命を落としかけたというのに久ときたら…ふ、ふははは」
「悪かったわよ。でもゆみってば全然揉んでないし、特訓にならないわ…むふふふ」
「いきなりは無茶だろう。でもあれを揉んでいたら特訓になっていたな…あ、あははは」
どうにも治まらない二人の笑い声は、いつまでもこうしていようねと言い合っているようにも聞こえた。
その頃の和はというと、今夜の麻雀王様ゲームの報酬として久に貰った
「部室のベッドで眠る咲」「プールではみ尻スク水を直す咲」「超レア咲のパンチラ」
写真を「マイハ二―アルバム」に丁寧にスクラップして、うっとりと眺めていた。
―♪汚れてもいいー泣いてもいいー愛は尊いわー♪―
翌日も桃の頭の中では、百さんの歌が繰り返し流れていた。
(この部分は正直意味不っすね。せ、先輩とのその、アレで汚れるとか、泣くとか
絶対ないっすから!つか、これも何かの比ゆなんすかね…はは…)
歌詞の中に存在する30年以上前の一般的な価値観に、桃が気づくはずもなかった。
翌日の昼下がり とあるコーヒーショップ
昨夜の勢いのまま、友人を呼び出した久とゆみはもはや常軌を逸していた。
「………と、いう訳なんだけど、協力して貰えないかしら?」
と久が拝むように口の前で手のひらを合わせる。
「無理は承知の上だ。むろん、断ってもらっても構わない」
ゆみは最初から諦めているのだろう、人に物を頼む口調ではなかった。
友人二人から有り得ない依頼をされたその人は、ひどく驚いている様子だったが、
だからと言って久のように口にしたアイスロイヤルミルクティーを噴きだすことはなく、
口を押さえ、コクンと喉を鳴らして落とし込んだ。「はー」と一呼吸置いて、
「私が断るとどうなるのかしら?」久とゆみには真意の分からない質問が飛び出した。
「そーねー。しょうがないからゆみには私で我慢してもらうしか…」久が皆言う前に、
「あ、あの私でよければお手伝いを…するわ…」顔を真っ赤にした美穂子が承諾した。
久の部屋
「お、美穂子もなかなかのおっぱいさんね」「ああ、桃といい勝負だな」久とゆみが感心すると
「あ、あのそんなに見られると恥ずかしい…から…」美穂子は両腕で自分を抱くように胸を覆った。
昨日同様、キャミソール姿の久とゆみに美穂子が加わって特訓を始めようとしていたのだが、
「ま、触るのはキャミの上からだし、そんなにガードしなくても、ね」
「じゃあ、取りあえず、抱きついて貰いたいのだが」
「いやいや、そこはカットでしょ。昨日私でやったじゃない」
「しかし、あれをやらんことには雰囲気が出ないだろう」
「ダメよ、美穂子はおっぱいパートでお願いしたんだから、おっぱい以外お触り禁止!」
「何だそのローカルルールは?久はそうやって勝手なことばかり…」
いきなり久とゆみが口喧嘩を始める。
「あ、あの二人とも仲良く、ね」慌てた美穂子が両腕を伸ばし、二人の間に割って入る。
「じゃあ、あたしは右手っと」「私が左手だな」二人はそれぞれ自分に向けられた手を取り、
「え?何?」と呆気に取られる美穂子を「「こちらへどうぞ」」とベッドにエスコートした。
ベッドに座らされ、状況がいまいち把握できない美穂子が困ったような笑みを浮かべると、
「あはは、びっくりした?」右隣にはいたずらっ子みたいに笑う久が腰かけ、
「驚かせてすまんな」左隣に、柔らかくほほ笑むゆみが並んで座った。
二人の笑顔につられて、美穂子もようやく「うふふ」と小さな笑い声をたてる。
「すごく緊張してたでしょ?」「ええ、まぁ…」「当然だな」
さっきの喧嘩は、緊張した美穂子をリラックスさせるための小芝居だったらしい。
「さて、それじゃあ、始めましょうか」「ああ、今日は時間がないからな」
明日が本番のゆみは、今日は早めに帰って明日の準備をしなければならなかった。
「あ、あの、お願いがあるの…」小芝居が効いたのか美穂子が話しかける。
「うん、何でも言って。出来るだけ美穂子の嫌なことはしたくないから」今更感のあるフォロー。
「あの、ゆみさんに、その、触られている間、久さんに後から支えていて貰いたいの」
「OK。いくらでも支えちゃうわよ」早速、美穂子を左に向かせ、自分は後から肩を抱いた。
ちょうど、美穂子とゆみが向き合う形になり、二人が見つめ合う。
「今日はありがとう」そう言うと、ゆみは伸ばした右手で美穂子の頬を撫で、
左の頬にちゅっと口づける。一瞬にして美穂子の頬が真っ赤に染まった。
「ほんと、ゆみはキスが好きよね。でも唇にしちゃダメよ」久がからかうのを
「うるさいな」静かに制止して、「いきなり胸は嫌だろう」と美穂子に声をかける。
「ええ」と曖昧に肯定すると「それに意外とロマンチストよね」久がしつこく続ける。
ゆみはうるさい外野を無視して「じゃあ、触るぞ」と美穂子の胸に手を伸ばした。
頭ではこの状況を理解しているのだが、感情と身体がそれについていかない。
美穂子は複雑な思いでゆみのキスを受け止めていた。ゆみが嫌いな訳ではない。
むしろ、整った顔立ちや背筋の伸びた姿勢の良さは、ある種の様式美を思わせる。
冷静さの中にも誠意があり、好感の持てる人物であることは美穂子も分かっている。
この場合、美穂子にとっての問題はゆみではなく久にあった。
自分を抱く久がここにいる。その事実は美穂子の心を震わすには十分であった。
しかし、その久は、ゆみが美穂子にしようとしていることを容認し、見とどけようとしている。
自分は久がゆみに抱かれているところは見たくなかった。考えたくもなかった。
だから、今ここにいるのに… 本当は久にして欲しいのに…
ゆみは両手を下からそっと美穂子の胸の輪郭に沿うようにあてがうと軽く上下に揺すった。
手のひらに伝わる重みが胸の大きさを感じさせる。(桃もこんな感じだろうか)
手をゆっくり滑らせ、正面から手のひら全体で包むように揉み始めた。
何物との比べがたい柔らかい感触に浸る。(これは気持ちのいいものだな)
初めて自分以外の人間(ひと)が胸を触っている。美穂子はそれだけで気が遠くなりそうだった。
感情は久を欲しているにも関わらず、身体はゆみから与えられる刺激に反応してしまう。
ゆみが美穂子の胸を揉み始めてから少し経つと、キャミの薄布ごしにコリコリとした感触の
部分に親指がかかり、美穂子が「んんっ」鼻にかかった声をあげ、身体がピクンと震えた。
それまで、肩を抱いたまま傍観していた久が、震えに呼応するように額を肩にのせ、
両腕で包み込んでぎゅっと美穂子を抱きしめた。
「ひさ…」美穂子が小さく呼ぶ声に、我に返ったのはゆみの方だった。
夢心地で揉んでいた美穂子の胸から手を離すと、さっきとはまるで別の二人が目に映った。
久は美穂子を抱いているというより、こ刻みに震えながらしがみついているように見え、
むしろ、美穂子が自分にしがみつく久の腕をしっかりと抱いているように見えた。
その様子を見ただけで、ゆみは夕べ、羽根枕が横っ面にヒットした時以上の衝撃を受けた。
ゆみは大きく深呼吸をすると
「いかん、もう時間だ。私は帰るぞ」わざと焦ったように身支度を始めた。
「…ゆみ?」「…ゆみさん?」少し間があってから、ゆみの声に反応する二人。
「初めに言ったろう、今日は時間がないと。私は明日が本番なのだからな」着替えがすむと
「今日はほんとにありがとう、久は任せた」と美穂子の左の頬にキスをした。
「あーまたキスしたー」久が責めるように言うと、
「久はバカだな」今度は久の左の頬にちゅっ。
「やーねー。何かもうすっかりキス魔になっちゃって」クスクスと笑う。
「ああ、楽しかった。またバカをやれるといいな」ゆみも笑顔で答える。
「そうね、すごく楽しかったわ」久がゆみの右の頬にキスをして見送った。
久の部屋に二人が残った。二人とも何となくゆみが帰った理由がわかっていた。
並んでベッドに座り、うつむいたまま久がポツリと言った。
「バカだって」「はい」美穂子が答え、
「楽しかったって」「良かったですね」それを繰り返す。
「何て?」「ありがとうって」
「うん」「久は任せたって」
「うん」「…あ、あの私でいいの?」不安げな表情で美穂子が久を見る。
「うん。美穂子がいいって分かったから」綺麗なブルーの瞳に映った久は笑顔だった。
おまけ
「ねぇ、キスしていい?」久が聞くと
「ゆみさんには聞かなかったのに…」少しいじけたような返事が返ってくる。
「だって、ほら」
久は、正面に美穂子を見据えると、右手で美穂子の顎を支え、首を左に傾け顔を近づける。
美穂子はきゅっと目をつぶり久を待ち、久は自分の口づけるべき目標に軽く触れたところで
静かに目を閉じた。最初は触れるだけのキス。
徐々にお互いの唇に感覚を集中させ、久は唇を軽く動かし美穂子の唇をはんでいく。
美穂子も久の動きに合わせ、互いの唇がぴったりと重なり合う場所を探す。
久が美穂子の唇を吸い、美穂子もそれに応える。
「ん、うん」呼吸とも吐息ともつかない音が鼻から漏れ、相手が感じていることを知る。
呼吸は苦しくなってきたけれど、離れたくない。ギリギリのところまで…
今夜はこれまでっす。
5は部かじゅの二人乗りが書きたかっただけっす。
自分はコミック派なんで、本誌見てないんすけど、
空気を読まない不出来なギャグパートでごめんなさいっす。
7以降は渾身の3ぴになるはずが、キャプテンにやられました。
心が痛くて書けませんでした。なので、おまけ書いたっす。
SSは次がラストですが、途中でやめた部かじゅの
エッチごっこの続きが気になって仕方ありませんw
では、失礼したっす。
むっきーと文堂さんとでさぞかし盛り上がってるかと思えばそんなことはなかったぜ
立が部キャプを積極的に描きますね、最近
>>784 GJです
>>786 しかしせっかくの巻中カラーなのにキャプテンはカラーで描いてもらえなかったんだぜ…
部キャプかじゅのカラーで揃い踏みが見たかったorz
それは前のカラーでやったからいい
なんで部キャプスレで部かじゅ話やってんだろ
アレはかじゅスレの人達なんかな
よくわけのわからん強さ議論とかやって他所に広めたりして来るし
部キャプスレの問題は部キャプスレで解決してくれ
部かじゅ好きだけど部キャプスレがどこにあるかすら知らんよ
>>784 乙だし!
3年組がアホの子で良いわー。
そしてこれ読んだ後にピクドラ観かえすと笑えるw
もうモモ色吐息まで全部書けばいいと思うよ!
>>789 キャプ開眼モードで大写し、後ろで上埜さんが見てる!てな構図でやったじゃん
794 :
789:2010/04/19(月) 01:55:33 ID:ND4uxn+W
>>793 DVDの収納ボックスのこと?
あれは表裏別の絵になってるし、そもそもDVD持ってないし…
マホがタコス食う回の見開き扉だな
BOX2は部キャプ好きとしてはマストアイテムではあるな
ていうかBOXはどっちもどの面もスゲェいい!
つーか上埜さん、対局後に可愛娘ちゃん連れて何してんすかwwwww
あ、ナニする直前なんすねwwwwwwwwwwwwww
なんていう気持ちがウププってな感じにラッキーって込み上がってくるぜ!
ワハハ
>>797 三年生縛りなら入るべきなんだよな、うん。
タコスとワカメが神楽と新八みたいに
漫才夫婦カップリングになる可能性もある
眼鏡とCV釘宮か、じゃあ天パは部長だな
むしろこの組み合わせでは別のアニメに(ry
照と菫の淫らな百合展開まだぁあ
次号まで待てない早くsでゅjxやあああ
つSSっす。
「ひと夏の経験」ラスト投下するっす。
2〜3レスお借りするっす。
>>787 d
>>792 dっす。
―♪誰でも一度だけ経験するのよー誘惑の甘い罠ー♪―
旅行当日。桃は百さんの歌をマスターし、口ずさめるようになっていた。
(こ、今晩、経験しちゃったりするんすかね…せ、先輩と。ふぉぉぉ…)
「桃子」
「せ、先輩…」
「可愛いぞ、桃子」
「そ、そんな恥ずかしいっす…」
「恥ずかしいことなんかないぞ、お前となら」
「ああ、先輩、ああん…(って、あう。妄想だけでまた鼻血が…。ティッシュはと…。
ううっ、これって病気なんすかね。こんなんじゃ、今晩、先輩と経験できないっすよぉ)」
朝五時から無駄に元気な桃であった。
ちょっと早めの待ち合わせ、行きの電車でゆみは思い出話を、桃はクラスでの話をした。
海でのひと時を過ごし、宿の夕食は「先輩あーん」「あーん」とお刺身の食べさせっこをして、
楽しい時間はあっと言う間に過ぎていった。
二人は温泉から上がると、並べて敷かれた布団にそれぞれの想いを抱き横になった。
「桃、寝たか?」寝ていないのを承知で、ゆみが話しかける。
「いいえっす(寝られるわけがないっす。夜はこれからっすよ!)」興奮気味に返事をする桃。
「今日は楽しかったな」そんな桃の様子に気づかず、ゆみは続ける。
「はいっす(先輩、これからもっともっと、もっともっと楽しく…)」桃は気合い十分だった。
「あの返事なんだが」話の風向きが変わり、「何のっすか?」ちょっと桃の気がそがれた。
「大会前に私に聞いただろう。県予選が終わったら、一緒にいる意味がなくなるのかと。
あの時、私は答えることができなかったからな」思い出話をするようなゆみに
「…そんなの、今一緒にいるのが返事なんじゃないんすか?それに、これからも部活に
来てくれるって。ずっと先輩と一緒っすよ」なーんだというように桃が答える。
「そうだな。あの時から状況が変わったしな。桃も声をかけてくれるクラスメイトが増えて
嬉しいと言っていただろう。桃。お前はこれから、もっと色んな人と付き合っていけるんだぞ」
「先輩?ちょっと、待ってください。何すかそれ…」桃は今の話のどこにゆみの本心が
あるか分からず、それまで握っていた手を急に離されたような気分になった。
桃のゆみに対する感情は愛情には違いなかったが、それは子供がいつまでも手放せない
手触りのいい毛布を心のよりどころにしているのに近かった。
今、「もうお姉ちゃんなんだから」とその毛布が取り上げられようとしているのかもしれない。
愛というにはまだ幼い感情。それは相手を思う余裕のない激しい感情であった。
「桃、私はな…」ゆみの次の言葉を聞くのが怖くなった桃は、処女の血を欲する
ヴァンパイアよろしく、噛みつかんばかりの勢いでゆみの首筋にむしゃぶりついた。
「わっ。ま、待て。どうした?そんなにしがみつくな。苦しっ、いたっ、痛い。
ええい、やめんか!ばかもの!」柔らかい首筋を思いっきり吸われたゆみはたまらない。
桃の頭を両手で挟むと、手のひらにぐぅっと力を込めた。
「あ、あたたた…。あ、頭が…痛いっす。せ、先輩…」桃がゆみの腕を2、3回叩き、
タップアウトを伝える。
「痛いのはこっちだ!お前は男子中学生かぁぁ!ハアハア」息を荒げ、ゆみが突っ込む。
「…そうっすよね、私なんか、もういらないんすよね…はは…」ユラリ
ゆみに拒否されたショックで、突っ込みも耳に入らない桃がステルス化しようとした時、
「こら、待て!桃、桃!消えるな!」ゆみは消えかけた桃の手首をつかんで、グイッと引き寄せた。
「せ、先輩…」ゆみに引きとめられた安堵感から、桃の目は涙が溢れそうになった。
「そんな鼻血まみれ顔でどうする気だ。ほら、ここを押さえて待っていろ。
いいか、消えるなよ」桃の顔からは、涙が溢れる前に鼻血が溢れていた。
ゆみは桃に消えないように念押しをして、ティッシュで鼻血を押さえさせる。
濡れタオルを持ってくると額から鼻にかけて冷やし、息ができるように、鼻の少し上を
つまむように押さえた。
「まったく、お前のおかげで、鼻血の処置が上手くなってしまったぞ。はっはっは」
「ほ、ほーふか。へんぱい…」「しばらく喋るな」ゆみが優しく桃を制し、
「ふぁ、ふぁいっふ」「何を言っているか分からんな。ははは…」優しく笑った。
「ファファ…」ゆみの笑い声を聞いて、桃も安心したように一緒に笑った。
「先輩、何もしないので抱かせてくださいっす。」鼻血の止まった桃が懲りず言うので、
「………桃、日本語がおかしいぞ」呆れたゆみは軽く突っ込んだ。
「抱っこだけでいいんす。今日は、暴走した自分が悪いすから」
「………しょうがないな。抱っこだけなら…。桃、無茶をしたら次はグーだぞ」
何もしないと言ったが、桃はゆみの首に腕を回して抱きつくと「えへへ」と小さく笑い、
ゆみの頬に頬ずりを始めた。甘える桃は愛おしく、ゆみは優しくその黒髪を撫でる。
(久、美穂子、すまない。特訓は役に立たなかったようだ。どうも私はされる方らしい)
そう思うと、ふいに唇に久の首筋、てのひらに美穂子の胸の感触がよみがえった。
(ふっ、何をバカな…私には桃が…)
先ほどの殺気立った様子は消え、「せんぱーい」と自分の身体にまとわりつく桃を見て、
(しかし、この調子では桃とはしばらく…私はしくじったのかもしれんな…はぁ)
ゆみは心の中でため息をついた。
翌朝、首筋に赤を通り越して青痣になったキスマークを発見したゆみは、罰が当たった気分になった。
おまけ
「ねぇ、ゆみに揉まれてどうっだった?」久がからかうように聞くと
「な、何を…」美穂子は固まった。恐ろしくデリカシーのない質問なのは久も承知している。
「な、なら、久だって」思いがけず美穂子が反撃に出たが、
「なぁに?」と、あっさりとぼける久。
「そこ」ほんとはつねってやりたい鎖骨のキスマークにそっと触れると、
「あはは、わかっちゃった」白々しく笑い飛ばされた。
「ねぇ、いつかさー、ダメ?」
「えっ、今はまだ…嫌です…」
「だったら、美穂子もしてくれなきゃ、ね」
「そ、そんなこと…言われても…」
「えー、じゃあいいでしょー。一番は美穂子なんだしさー」
「もー久のばかー!欲張り禁止!です」
<了>
SS終了でっす。読んで下さった方、ありがdでした。
結局は部キャプ、かじゅ桃みたいな、でも部キャプかじゅの目は残した的な。
途中、自分に感情が先走ってちょいちょい重めになったのが反省っす。
では、失礼したっす。
立たんのおかげで久まこ派の俺涙目
アニメでは久まこ押しだったのにな
テレ東携帯サイトとかで画像見るけど普通に
池キャプで久まこで咲和で優希はいn…ん?
いや、優希は見間違えかな?
>>805 自分に感情が×→自分の感情が○
見直したら最後の最後でこれだよ…
話は違うが、7巻のとらさんの特典、通販予約だとつかないっぽ…
難民はつらいよっす。では。
>>806 まこならこの前部長と背中合わせだったし気にすることないよ
>>807 おっつん
またアイデア浮かんだら投下してね
「やらぁっ!! さわって、さわってぇ!! くりとりす、おねがいぃっ!」
「ワハハー、じゃあ触るんじゃなくて、舐めてあげよっか」
智美は立ち上がって、佳織の股間の前まで移動した。薄い桃色の秘所からはとめどなく蜜が
溢れ出し、太ももから滴り落ちている。陰核は破裂しそうなほど勃起し、少女の丘に不自然な
ほどに屹立していた。
「はや、はやくぅっ!! わた、さとみちゃっ、へんにっ、あぁあっ!!」
まじまじと眺めると、小さく息を吐いてそっと唇をクリトリスへ寄せた。それと同時に、
じゅるじゅると音を立てて思い切り吸い上げる。
「あ゛ああぁっぁあ゛あああぁぁあぁっぁぁぁああああ!!!!!!!!」
快感が爆発した。ようやく訪れた絶頂に、歓喜の悲鳴を上げる。
電撃に打たれたように全身を仰け反らせて、潮を吹いた。両手を握り締め、腰は跳ね上がり、
つま先は伸びきって、限界を体現する。
だが絶頂を迎えたのに、愛撫は止まらない。
「あぁあぁあっぁあああ!!! やあああっ、わたっ、イっあぁあああっ!!」
その言葉を聞いて、少しだけ智美は股間から頭を離した。袖でべたべたになった顔を拭い
ながら、笑顔で質問する。
「ワハハ〜イったのか、かおりん?」
「はっ、あぁっ! ぁは、う……うん……ひっ、あぁ……」
「へえ。じゃあ、証拠はー?」
「ぇ……?」
最初、問われた意味が分からなかった。なんでそんなことを聞いてくるのか、理性を失いつつ
ある頭では不明瞭にしか受け取れない。
だが、時間が経つにつれてその言葉の意味が理解できたとき、背筋が凍った。
「しょ、しょうこなんて……っ!」
「ワハハ…無いのか? だったら、止める訳にはいかないなー。ウソかもしれないからなー」
智美はにやにやしながら、またそこへ顔を埋める。反論する前に、舌先で陰核をつぶすように押した。
「きひぁああぁっ!!」
イったばかりで敏感になっているところへ神経の塊を責められ、佳織はそれだけで絶頂に
達してしまう。
「やぁっ、あはぁっ!! わた、うそじゃないよ、ふぁあああああっ!! 」
「なら証拠を見せてよかおりん?」
「わかんなぁっ、そんな、あぁっぁああ!!」
「むむ、部長も大概……♪ でも、そうだな。嘘はいけないな、佳織」
サディスティックな笑みを浮かべながら、睦月は左の乳首へ歯型ができるほど強く噛み付いた。
片方も指で摘み上げ、こねるようにして動かす。
「うぁああっ!! うぁ、あ゛ぁああっ!! むつきちゃ、んぁああっぁああ!!!」
普段なら苦悶の表情を浮かべるような痛みでさえ、極上の快楽に変換される。半開きの口からは唾液があふれ、それが快感に暴れる度に飛沫になった。
舌が膣口から蜜をすくっては、芽へ塗りたくる。どろどろになったそこを、唇で噛んで
吸い上げた。じゅる、という音。蜜と空気がない交ぜになって、淫らな音を立てる。
「あひぁあぁあっ!! やらぁっ、もっ、イっ、うぁあああっ!! らえっ、ふぁあああああっ!!!」
「わははー。もうなに言ってるかわかんないぞかおりん♪」
半狂乱になって喘ぐ佳織に、今度は爪で乳首の先端を引っかくように往復させる。むず痒い
ような刺激で表情を蕩けさせる彼女に、智美は満足気に微笑む。
「ワハハ♪もうちょっと、幸せにしてあげるよ」
智美はそう言うと口での愛撫を止め、ゆっくり指を陰核へ這わせた。何度かそこを
撫ぜた後、そっと包皮を剥く。
氷を押し当てられたような感覚が佳織を襲った。濃い桃色の霧に覆われていた思考が、少し
だけ正気を取り戻す。外気に真芯が触れただけで、剥き出しの神経が凍ってしまうような想像が頭
を巡る。
そこをそっと、舌先で頭をくすぐった。
「――――っっっぁああああああ!!!!」
声にならない悲鳴を上げて、佳織は全身を壊れるくらいに仰け反らせた。
そのまま、ぴちゃぴちゃと音を立てて剥き出しのクリトリスをしゃぶっていく。
「あ゛ぁああっあああ゛ぁああぁああっっ!!!」
「んふー、気持ちいいだろかおりん♪」
むむっ、誤爆した・・・ごめんよ
うちの名前に廣という漢字がつくんだけど、自分の名前以外のところで使われてるのは
人生で初めて目にした
ただ突き抜けてないほうの廣みたいだけど
検索したら色々あって吹いた
鈴廣 かまぼこの里
小田原住んでるから鈴廣のかまぼこはかなり身近だ
なので「廣」にも馴染みがあったもれ、ワハハー
>>807 乙だし!
うむ。前のもそうだけど、確かに熱い想いが迸りすぎて特盛り状態になっているなw
だが、それがいい!!
咲衣分が欲しくなってきたな
同人誌とかここの以外のSSで何か良いの知ってる人いない?
なにを求めているのかさっぱり分からんのだが
ここ以外で公開されている咲×衣はない?
ってことだろ
咲照分が不足してきた…
咲の相手は和以外考えられないわけだが
>>818 同人誌とかっていうのはどこにかかってるんだ?
おすすめの同人誌やSSサイトない?ってことだと解釈するが、
多方面に迷惑をかける恐れがあるのでおすすめはできない。
ここに妄想の断片を書けば誰か書いてくれるかも?
咲はお姉ちゃんと和でいっぱいで他のことは考えられません
原作本編が一番の材料なんだけどね
うぅむ、ギリギリで第五週金曜日まである4月が恨めしい
807っす。咲関係分希望の流れぶった切りですまぬー。
>>809 ありがd。嬉しいっす。
>>815 ありがd。超嬉しいっすw
実は熱い想いが迸り過ぎてw…SS投下の勢いで池田的行動を起こしたら、
思いがけなくレスポンスがあってビビり中っす。
それはさておき、はブ好きなので、もんぶち舞台、オールキャラで麻雀特待生話とか
いつまで経っても寒いんで、3年’Sで雪の女王とか合体妄想中っす。
童話「雪の女王」より
主なキャスティング ゲルダ/キャプテン カイ/部長 ゆきの女王/かじゅ
あらすじ
ある所に久と美穂子という二人少女がいた。
ある日、悪魔のまこが作った鏡の欠片が久の眼と心臓に刺さり、彼女の性格と待ちは一変してしまう。
その後のある雪の日、久がひとりで雀荘通いをしていたところ、どこからか雪の女王ゆみが現れた。
そして、混老チートイで魅入るようにして彼女をその場から連れ去ってしまった…
みたいなって、童話じゃさすがに需要ないすよね…
>>816 メインなわけではないうえ、結果的にそうなっちゃった
―――というssなら、今ちょうど書いてるけど
需要とかどうでもいいんだよ
パッションこそが材料だ
キャプテンと部長が脱衣麻雀する事になったらキャプテンは上埜さんの衣服を守るんだろうか?攻めるんだろうか?
部長「勝負事に雑念は不要よ。これはその為の特訓なの」
キャプ「は、はい!(上埜さん…身体を張ってまで私のために…)」
部長(特打ちをしつつ美穂子の綺麗な身体を拝める。我ながら一石二鳥ね)
かじゅ「久、私はこういうのはちょっとな…」
部長「あら、怖気づいたの?(ゆみの素晴しい身体は是非この目に焼き付けておきたいわね)」
かじゅ「馬鹿な。さぁ打つぞ」
衣「脱衣!衣と同じ名前があるぞ!」ぱああ
衣と同じ名前があるぞ!ばばあに見えた
合宿開始からずっと若作りしていたのに
かじゅが去ってから思いっきり老け込んで髪がぺったりになっちゃったからな
そりゃ美穂子さんだって心配して両目開眼しちゃうよ
>834
ガラッ(AA略
原作で疑いようもなくガチなのってモモや国広くんあたりかね?
hrmrさんは限りなく黒に近いグレーだと思う、一巻の指チュパ未遂の時点で充分黒かもしれんけど
キミハナニヲイッテルンダイ
描写されてないだけで状況証拠は山ほど残っているじゃないか
涎舐めてるんやで、涎
指チュパは黒歴史
のどちゃんってまだ決定的な言葉を吐いてなかったね、そういや
国広君→この鎖がなくなったら〜云々
かじゅモモ→きみがほしいetc...
いちおー上がったんで、おいておきます。8レスにて。
合宿は3泊4日だった気もしますが、スルーしてください
845 :
花天月地@:2010/04/24(土) 08:01:09 ID:sCfJz7dr
合同合宿の最後をかざる、四日目の夜のこと。
昨日一昨日と同じく、大広間にて、浴衣姿の少女たちが卓を囲む。
今夜の特打ちこそが合宿の総仕上げといえるだろう。しかし、そこにあるべき数人の姿がない。
「部長! どうでしたか、宮なっいえ、さっささ、き、さんの様子は?」
和は、隣室からでてきた久へ尋ねる。
リアルに影響されまくっている彼女のスコアは現在最下位である。
「およぉ? のどちゃん、今なんて言ったんだじぇ? よく聞き取れなかったじょ」
「ええのう、春まっさかりじゃ。こっちがむず痒うなってくるわ」
にやにやして両サイドから覗き込む、優希とまこ。
案じ人の名をなんとか告げた頭から、ぼんっと湯気がでる。下の名前で呼ぶことにまだ慣れない。
「ま、また、あなたたちは子供みたいな真似を―――は?! そ、そんなことより部長!」
「だ〜め、爆睡してるわ。川で無理に泳がせたのが裏目ったわね」
からかわれている和に歩み寄った久は、やれやれと肩をすくめる。
和はホッとしつつも残念そうな、複雑な表情。
「なら、仕方ありませんね……」
「起こすのもかわいそうだし、このまま寝かせておきましょ」
なんの話かといえば、本日の昼に設けられた親睦会のことである。
野山の散策、近くの川での水遊び―――校の枠にとらわれず、どちらでも選択可とした。合宿前に通達してあったので、泳ぐ意思のある者は水着を持参してきている。
話し合ったすえ宿には藤田が残り、散策には透華と智美が、水遊びには久と美穂子が責任者となり随伴した。
水遊びを選択したのは10名ほど。足をすくわれそうで怖いという咲に泳ぎ達者たちがいらぬお節介をやき、和に泣きつくのを引きはがしてスパルタ教育。
なんとかバタ足ができるようになった頃には、ぐったりと疲労困憊の様子だった。
「…衣も同じ。すやすや」
久の後ろに続き、ぬぼっと現れた智紀がのたまう。一人寝させるのも忍びないので咲の隣に寝かせてきたという。
ふっと、龍門淵メンバーの表情が和む。彼女たちが県大会に出場した理由は、単に勝ちたいからではない。回り道はしたが、『いつか』を信じて麻雀を続けて良かったと思う。
「まったく、はしゃぎすぎですわ。川で1〜2時間泳いだ程度でなんたる」
「おまえは浮くことすらできないだろ」
無駄に胸をそらして発言する透華へ、純の突っ込みがグサリ。
なんとはなしに会話を聞いていた何名かが、ああ成る程という顔をする。透華が散策コースを熱望した理由がわかったらしい。
隠しておきたい秘密をバラされた透華は赤面、そして金切り声。
「なっ、ななな、なんということをおっしゃいますのおおおを、あなたはあああぁーーーっ!」
「まあまあ、落ち着いて透華。みんな見てる」
苦労性な一が割って入る。大体いつもこんな役回りである。
「あーあ、まさかこんな事になるとは。大誤算だ」
部屋の隅でキセルをふかす藤田が溜め息。
牌に愛されている二人、特に大のお気に入りである衣が寝てしまったなら、対局を見守る楽しみも半減しよう。
846 :
花天月地A:2010/04/24(土) 08:02:19 ID:sCfJz7dr
「あ、キャプテン、深堀さんと文堂さんの様子はどうでした?」
続いて部屋からでてきた人物へ問いかける未春。
思いつめた表情をしていた美穂子は、かけられた声にハッとすると、どこか儚げに微笑む。
「うん、よく寝ているわ。でも、二人がこんなになるまで気づかないなんて―――私、私、やっぱりキャプテン失格だわ」
「にゃ? なぜか落ち込みモード全開だし?! キャプテンのせいじゃないですって。山登りでバテたってだけでそんな……ね、ねえ、みはるん?」
キャプテン保護本能を備える華菜はあわあわ、弁のたつ友に援護を求める。
「そうですよ。私たちは文科系の麻雀部なんですから、到着タイムを競うなんていう畑違いなレースに対応できなかっただけで」
遠まわしに戦犯をちくちく。空気を読める未春は直接言葉にしないが、散策コースの責任者は美穂子ではない。
ちなみに引き金をひいたのは純と優希。互いを挑発しあううちに周りをも巻き込み、なぜか各校の看板を背負ったタイムレースとなった。
責任者の一人のくせに、熱くなってそれを忘れた透華が他をぶっちぎるという結果だったが。
「あなたたち……ありがとうっ!」
感極まった美穂子が、がばっと後輩たちを抱きしめる。
風越の近辺だけキラキラ。ノリについていけない他校生は当然ながら置き去られた。
「…なんだか申し訳ないな」
特打ち脱落者をだす他校を見回して呟くゆみ。
咲の水泳特訓は清澄部長である久の監督下であり、衣にいたっては遊び疲れたという自爆だが、風越の二人は巻き添え感が否めない。しかも、それについては鶴賀にも責任の一端がある。
「五体満足はウチだけか、ワハぐはっ」
ふんぞり返って笑おうとする智美へ、えぐりこむような肘鉄。
「少しは反省しろ。おまえが周りを諌めていれば、こうはならなかった―――悪かったな、うちのが不甲斐なくて」
七転八倒する友人を放置し、ゆみは風越へ頭を下げる。桃子に教えてもらった泳ぎを試したくて水遊びコースを選択した過去を悔いた。
凛々しくも雄々しいその姿。人の気配がない空間から、激しい息づかいと萌え萌えした秋波がただよう。
「あれ? そういえば、今の部長って睦月さんじゃ?」
「うむ……だが、別にいい」
今さら思い出したかのように首を傾げる佳織へ、どよんと落ち込んだふうの睦月。
初日そうそう湯あたりで倒れた失態がひびく。すっかり周囲に忘れ去られているが、県大会で敗退した鶴賀麻雀部は代替わりを迎えている。
あのハプニングにより前部長である智美がスケジュール会議にかり出され、そのままの流れでこの合宿は進んでいた。
「16人なら全員エントリーだな。では皆、席につけ」
藤田がそう号令をかけると、場を離れていた者たちが空席におさまり、中断していた対局が再開される。
麻雀をこよなく愛する面々は手元の牌に集中。しばし、牌を打つ音や鳴きの声だけが響いた。
「…どうも盛り上がらんな」
対局を見守る藤田の言である。
どの卓も流局、流局。時間がたつにつれ場の活気がなくなっていく。
「こら! あくびするな!」
「―――にゃあ?! す、すみません」
ビョンと華菜が飛び上がる。ここに久保コーチがいたなら平手打ち確定だった。
しょぼしょぼする目をこする者、とっさに口元を隠す者、その他の面々の反応はさまざまである。
「ったく、他のやつらも眠そうだな。昼間の運動で疲れたのか? 私がおまえらくらいの頃は一週間オールでも屁だったもんだが」
「いや〜ね、廃人自慢って」
「〜〜〜〜っ! なにか言ったか、竹井!」
847 :
花天月地B:2010/04/24(土) 08:03:11 ID:sCfJz7dr
「いいえ、なにも」
久は追求を一笑にふす。1ミリたりと動じないあたり、相当な強心臓だ。
一介の麻雀部員がプロ雀士にとってよい態度ではないが、形勢不利とみた藤田は矛先をおさめる。
「まあいい。しかし、このままダラダラと続けてもな……そうだ、いっそ勝ち抜け戦にするか」
「勝ち抜け? どういうことですの?」
眉をよせて腕組みする透華は、人差し指をたてる藤田に不審げ。
「つまり、雀卓で一位をとったら寝ていいってことだよ。負けたやつはまた新しい組み合わせで勝ち抜けを競う。で、ドンケツ4名は朝まで徹マンだ。
ああ、私は付き合わんぞ。夜通し勝手にやってろ」
藤田は、そこかしこであがるブーイングを一蹴する。若い頃ならともかく、お肌の曲がり角をこえたら徹夜はきつい。
「面白そうだじぇー! ふかふかの布団にかける情熱は、のどちゃんにも負けないじょ」
「私は勝敗に関係なく、ここに残ります。せっかくの強化合宿ですし」
ハッスルする優希に、和は冷めた返答をかえす。ネット麻雀で宵っ張りは慣れたものだ。
それを盗み聞いた透華は対抗心をメラメラ。
「まあ?! もうすでに勝った気でいらっしゃいますの? いいでしょう、このわたくしがそれを阻止してみせますわ! おーほほ」
「透華、衣が起きちゃうよ」
健気にも一は、近所迷惑な高笑いを阻止する。
「残る、残らないは勝者の自由だけど……でもいいの、和?」
「いいの―――とはどういう意味でしょうか、部長」
意味深に問いかけてくる久へ、和は警戒を隠さない。不安をあおる術中に今まで何度も嵌まっている。
「いや、あっちの部屋には咲が寝てるわけじゃない? だから、いいのかなって」
「確かに咲さんが打てないのは残念です。しかし、だからこそ私が特打ちでレベルアップを」
「あーそうじゃなくて。ちょっとこっちへ」
久は左右へ視線を飛ばし、戸惑う和を隣室ふすま際に引っ張る。そうして寄せられる注目を背中で遮断すると、わけがわからないという顔の後輩にひそひそ話。
「いい、和? いま、咲は疲れ果てて、ぐっすり眠っているわ。それこそ夢もみないくらいに」
「えっ……は、はい」
真剣な面持ちの久に、和の喉もとがゴクリ。
「麻雀では魔物クラスの強さをみせる咲がまるで無防備に、よ? さて、そこに現れる、勝利の美酒に酔いしれた権利者たち。
対局とは真逆の弱々しさを前に、彼女たちは理性を保てるかしら?」
「―――――?! そ、それは!」
「雀卓では他を寄せ付けずとも、布団の上なら? もしかして、もしかすると」
「も、もしかすると……」
紙のように蒼ざめた和は、やたらともったいつける久の袖をぐいぐい引く。
「牌を挟み込まれて、嶺・上・開・花……されちゃうかも」
「パ、パパパ、パイをはさんで、リンシャンカイホーーーっ?!」
想像力はフル回転。和の顔が赤と青に明滅する。
麻雀で鍛えたデジタル思考があらゆる可能性をはじきだす。その両目から光が失われるまで、そう時間はかからなかった。
848 :
花天月地C:2010/04/24(土) 08:04:26 ID:sCfJz7dr
「…後輩を焚きつけてどうする」
「ワハハ、清澄の部長は頭おかしーな」
「謀事が大好きじゃからのぅ。ああいうところがなければ、ええ先輩なんやけど」
鶴賀三年生の会話へ、まこが加わる。隣室に近い雀卓を囲む彼女たちには、ひそひそ話も筒抜けである。
部屋の真ん中付近では、負けず嫌いな華菜の双眸が輝く。
「にゅふふっ、ムダムダァ! みんなまとめて私たちがコテンパンだし!」
「華菜は大丈夫? 眠くない?」
背中合わせに座る美穂子が体の向きをかえ、意気顕揚な華菜の頭をなでなで。
「いやもう目はパッチリと……うにゃ、にゃにゃ」
「あはは。瞼が半分閉じてるよ、華菜ちゃん」
「は?! 撫でられるとつい―――もう、キャプテンっ!」
「うふふ、ごめんなさい。それじゃあ二人とも、頑張ってね」
美穂子は愛すべき後輩たちに微笑む。自分自身の勝ち抜けは眼中にない様子だった。
「むむむ……」
「どうかしたんですか、睦月さん?」
「うむ、どうも手が進まなくて―――――ぬあ?!」
首をめぐらせた睦月は、別卓に並ぶ佳織の手牌に目をむく。面前、清老頭聴牌でリーチとはこれ如何に。
「透華、純くん。ともきーが、ちょっと来てって」
ざわつきの間をぬってきた一が、声を低めて仲間を手招き。
「どうなさいましたの? 対局中に席を立つのはマナー違反でしてよ」
「…問題発生。空を」
智紀は言葉少なに窓の外を指差す。
そうして一同が見上げた先には、厚い雲に覆われた真っ暗な空。
「今夜は月が出てねーのか! やべぇーんじゃね?」
「このわたくしとしたことが、すっかり失念していましたわ! こういうときの衣は―――まずいですわっ! はやく衣を別室に移しませんとっ」
「でも透華、そうすると逆に目立っちゃうよ? それに目覚めた衣が一人っきりだったら可哀相だし」
「ぐっ……し、仕方ありませんわね。一、純、智紀! 速攻で他をまくって、皆で自室へもどりますわよ!」
透華の高らかな勝利宣言に、友達かつ家族であるチームメイトは頷いた。
XXX
849 :
花天月地D:2010/04/24(土) 08:04:55 ID:sCfJz7dr
握る幸せ、捨てて絶望。
白熱する戦いを制したのは、一体誰か。
〜第一次勝ち抜け選〜
ゆみvs智美vsまこvs智紀―――セオリー通りの打牌が続き、ゆみが総合力において一歩抜け出る。
久vs美穂子vs純vs桃子―――久と美穂子が互いに牽制しあうなか、マイナス気配の桃子に振り込みまくった純が沈没。
未春vs一vs佳織vs優希―――未春は佳織のビギナーズラックの餌食、一は炎上する透華に気をとられ、優希が東場の勢いのまま疾走。
和vs透華vs華菜vs睦月―――危機感をうえつけられた和が覚醒、のどっち無双。
「おいおい、全員かよ」
「…………」
「と、透華? しっかり!」
「黒こげの焼き鳥」
ボリボリと頭をかく純、幽体離脱寸前の透華を引き止める一、追い討ちをかける智紀。なんと、まさかの勝ち抜けゼロ。
「うっ、うっ……一回も和了れなかったし」
「泣かないで、華菜。あなたはよく頑張ったわ」
「そうだよ。オーラスで飛ばされた龍門渕さんよりマシだって」
落ち込みモードの華菜をなぐさめる美穂子と未春。こちらも、まさかの勝ち抜けゼロ。
「負けちゃいましたね〜」
「うむ。無念だが、加治木先輩と東横がやってくれた」
「ゆみちんとモモが勝ち抜けか。ワハハ、うちの部も捨てたもんじゃないなぁ」
「…あまり過信するなよ。もう一回やれば結果は引っくり返るぞ」
のほほんと述べる佳織、仲間の快挙をたたえる睦月、踏ん反り返る智美をいさめるゆみ、あいかわらず存在感のない桃子。逆の意味で、まさかの勝ち抜け2。
「のどちゃん、鬼畜すぎるじぇ。そんなに嫁の貞操が心配かぁ?」
「よ、嫁?! な、ななな、なにを言うのです優希! 咲さんと私はまだそんな関係では」
「ほほう? 『まだ』ゆうことは、この先そうなる予定っちゅうことか」
「 !!!! 」
「こらこら。和をいじって遊ばないの」
墓穴をほる和をカモにする優希とまこ、敗れても余裕綽々な久。こちらは、順当に勝ち抜け2。
「ふむ。各対局の勝者は、加治木、東横、片岡、原村か」
半荘一回だとこんなものだなと、藤田は顎をなでる。チートな一部をのぞき、勝敗は運の要素が大きかろう。
「私は少し席をはずす。戻りしだい次戦をはじめるから、準備しておけ」
「はいはい。じゃあ、勝った人はこっちに移動ね。お布団はもう敷いてあるから、空いているところへ適当に……うん?」
スッとふすまを滑らせた久は首を傾げる。咲の状態をみていたときと、どこか違う。脱皮したように盛り上がる掛け布団に近づき、しゃがみこむ。
異変を察知した他の生徒たちも、なんだなんだとやってくる。
850 :
花天月地E:2010/04/24(土) 08:06:06 ID:sCfJz7dr
「どうかしたのか、久?」
「天江さんがいなくなってるのよ」
「でも、この部屋をでる姿をみていませんが」
「そうなのよね。窓にも鍵がおりているし」
久は話しかけてきたゆみや美穂子と部屋を見回す。
ふすまで仕切っただけの続き部屋のため、大広間を通らずに他へはいけない。
「――――っ! 透華!!」
「予感的中、ですわね……」
ハッとして振り向く一へ、暗鬱な表情。
透華は皆の注目を集めながら部屋の奥へ。抜け殻を一瞥して方向を確かめ、おもむろに左隣の掛け布団をめくる。
!!!!!!
不可視の衝撃が空間を駆け抜けた。
落下したエトペンが、物悲しげに畳上をコロコロ。
空気がひどく重い。まるで、海の底に引きずりこまれたかのようだ。
「……そ、そんな」
和は夢遊病者のごとく歩をすすめ、透華の横で屑折れた。
呆然と見つめる先に、ぴったりと重なる二人の少女。咲のなだらかな平原にて、すぼめた唇の動きにあわせた小さな音がたつ。
「あ、あはは。りゅ、流局かと思わせといてハイテイツモとは、えげつないやっちゃなぁ……な、なあ優希?」
「へ? う、うおぅ! さ、さすがは全国区の魔物だじぇ」
「…………」
まこと優希が混ぜっ返すも、和はまったくの無反応。二人は困り果てた目で頼みの綱を見やる。
SOSを受信した久は、てっとりばやく当たりをつけた。
「龍門渕さん。この状況を説明してもらえるかしら?」
「…こうなれば仕方ありませんわね。みなさま御存知かもしれませんが、衣は諸般の事情により我が龍門渕家で暮らしております。
その寂しさの反動からか、今日みたいに月の見えない陰鬱な夜、眠っているとき近くに人の温もりがありますと、時折こうして、その」
頬を赤らめ、言いよどむ。
お嬢様には口にしにくいかと、その先を久が引き取る。
「おっぱいチュッチュ?」
「ぐ……そ、そのとおりですわ!」
16歳にもなって―――と、恥じ入る透華。
一同は諸般の事情について慮り、戸惑いがちに視線を戻す。あらためて観察してみると艶っぽさなど皆無である。それどころか、衣の幼げな容姿とあいまってどこか微笑ましい。
851 :
花天月地F:2010/04/24(土) 08:06:55 ID:sCfJz7dr
「咲も、よくこの状況で眠っていられるわねー」
「おーおー、無心に吸いよる。引き剥がすんも、なんか可哀相じゃのう」
「泣く子と衣には勝てない」
「気がすむようにさせねーと、後でグズんだよなぁ」
「そのときは、のどちゃんがオッパイやるから心配ないじょ」
「でません。そんなもの」
自重しない面々が二人を囲み、口々に発言する。
咲はといえば太平楽に、くーか、くーか。外的要因にまるで反応しないあたり、よほど眠りが深いのか。
「きゃあ〜、私たちが見ちゃってもいいんでしょうか」
「う、うむ。なにか見てはいけないものを見てしまったような」
「ワハハ、合宿はやはりこうでないと」
「…なにが、やはりだ。まったく」
なんだかんだと言いながらも、いいポジションをとる鶴賀勢。
出遅れた風越三名も、おっかなびっくり人の頭ごしに覗き込む。
「うにゃ? これってどこかで……あー、あれだ、あれ! 妹たちの小っちゃい頃にそっくりだし」
「華菜によく似た、三つ子の妹さんたちね」
「あ、あのっ、みなさんもアレ、やられた事が……?」
「まあね。ボクたちみんな、透華の御屋敷に住まわせてもらってるし」
てんで勝手に話しはじめて、収拾がつかなくなってくる。
そんな一同の背後へ近づく1つの足音。
「おい、おまえたち。そんなところでタムロしてなにを―――――っ?!」
藤田の右手から箸が落ちる。左手に持つカツ丼を引っくり返さなかったのは奇跡か。
ふるふると打ち震えながら丼鉢を足元へ置き、すかさずダッシュ。危険を察知した学生たちが左右へ飛びのく。
「か、かわいい……可愛いぞ、衣!」
まくりの女王、大興奮。
ついには子守唄を口ずさんで添い寝という奇行へはしる。
「それじゃあ、敗者は外へ出ましょうか」
「部長?! いいんですか、咲さんをあのまま放っておいて?!」
「そういう和だって、無理やり引き剥がすなんて真似はできないでしょう? 咲自身の記憶に残らないならいいじゃない。私たちはなにも見なかったということで」
詰め寄ってくる後輩へ片手をひらひら。久はためらうことなく、たった一つの冴えたやり方を選択する。
しかし、理性と感情は別もの。和は自らをコントロールできずにくいさがる。
「仲間を見捨てるなんて薄情です! それに、咲さんは私の ―――いえっ、あ、その」
「ふうん♪ 私の、な〜に? あらどうしたの、黙りこくちゃって。えっ、もういいですって? そう、わかった」
「…鬼じゃのぅ、あんた」
日頃から和をからかっているまこも、このときばかりは同情を禁じえない。
べた降りさせられた和は、暗雲を背負って踵を返す。
852 :
花天月地G:2010/04/24(土) 08:07:26 ID:sCfJz7dr
「対局続けるんか?」
「はい……どのみち、ここでは眠れませんから」
「待て、のどちゃん! 行くならオッパイ置いてけ!」
「置いていきません。優希はまた、わけのわからないこときゃあっ」
ムチャ降りしてくる友達に振り返った和が押し倒される。
衝撃はふかふかの布団がそっくり吸収。長い髪が純白のシーツに広がった。
「とぼけようとしても無駄だじぇ! この豊満なオッパイは、むむ? ……お嬢ちゃん。あんた、興奮してるね?」
「なあ―――?! ゆ、優希、ななななにを!」
「誰をだませても、のどちゃんのオッパイソムリエである私はだませないじぇ。咲ちゃんの艶姿に欲情でもしたのかい?」
はすっぱな口調でそうささやき、ニヒルに笑う。
組み伏せられた和は仰天。その顔に鮮やかな朱が浮かぶ。
「そんな、ち、ちがっ、私が咲さんに欲情なんて、やめ、やめて揉まないでっ」
「ふふふ、諦めるんだな! ブレーキの壊れた私を止められるのは神の力だけだじぇ!」
アクセルべた踏み。パインパインという、けしからん擬音が響く。
ぐにゃぐにゃと形を変える双丘。和いわく、薄情な先輩たちが片手をあげる。
「それじゃ、おやすみ。他にお客さんはいないけど、夜なんだからあまり大声は出さないでね」
「ちゃんと歯ぁみがけよ」
はっとした美穂子が慌てて後輩たちの目を覆い、大広間へ連れ去っていく。
龍門渕の4人も衣の様子を一瞥したのち、その後に続いた。
「ワーハハ、なかなか面白いやつらだな」
「おい蒲原、いつまで見ているつもりだ。さっさと広間にもどるぞ―――うわっ」
突然、ゆみがもんどりうって倒れこむ。くしくもそこは布団の上。
起き上がろうとした体が、柔らかな何かに押さえ込まれる。
「先輩はもどったらだめっすよー。勝ち抜けたんですから、ここで私と一緒に寝るっす」
今までどこにいたのやら。
虚空からにじみ出るように、桃子が姿をあらわす。
「ま、待てモモ! 寝るにしても、どうして覆いかぶさって、あっこら」
「心配ないっすよ? 私がどこで寝ようが誰も気にしませんから。ステルスモモの本領発揮っす」
「い、いや、そういう問題じゃないと思うが……」
詰んだ予感がもりもり。不意をうたれては為す術もなく、目を泳がせて、しどろもどろ。
「うちも人のことを笑えないな。さて、もどるとするか」
「うむ。次は勝てるよう努力する」
「あ、待ってくださ〜い! それじゃあ、加治木先輩、桃子さん、おやすみなさい」
こちらもどうして、薄情な仲間たちだった。
以上です。
空気読まずに失礼。
これはじつにひどい(褒め言葉)
7巻すげーw
モモは怖いくらいにガチだしキャプテンは恋する乙女モードだし国広くんは健気だし…
誰だよ最近百合分少ないとか言ってたやつぁーヽ(`Д´)ノ
百合成分が少ないなんてSOA
>>853 GJ!
モモがかじゅを衆人環視のなか襲っても、誰もかじゅが襲われてることに気がつかないとことか
7巻のカバー折り返しはキャプテンじゃなく、未春ということは、池田のお相手は未春が公式ということか
「きゃあぁゆれるっす〜〜〜〜!!」
お前らいったいなにをやってるんだ
シートを掃除する奴の身にもなれっつうんだ全く……ワハハ
7巻良かった
幼なじみ成分がだいぶ満たされたよ
咲×衣、コーチ×池田が今回かなりイイ
衣と一は服を着ろ
7巻いいね
咲分と衣分と鶴賀分が補充できたよ
(⌒,_ゝ⌒)てるてるぅー、買い物いこぉー
>>834 一番雑念抱いてる部長がよってたかって脱がされて涙目になる展開はまだですか?
モモかじゅは出来てるのう……
ステルスとか関係無しに一目を気にせずイチャつきおって
俺俺
>>859 試合中はちょっと他人行儀な感じだったからなw
「私は智美ちゃんのことけっこう覚えてるよ…」
超萌えた
とある人の久まこを見て非常に久まこ分が欲しくなってきた
>>868 今日テレビドラマで広島焼を食していたのを思い出した
つぎにまこが久にに広島焼を食べさせるのが思い浮かんだ
もちろん、手作りで
部長さんと次期部長?
>>868 よう俺
久まこが足りない
というより最近寂しい
…部長の女たらし!
かおりんがワハハに敬語使ってたのは何でだったんだろう?
ワハハがかおりんのこと覚えてなかったから
「自分の過去すら曖昧なのに」
ここが味噌
かおりん「あ、智美ちゃん!」
ワハハ「ワハハ、誰だっけ?」
かおりん「かおりだよ!幼馴染の!」
ワハハ「そっかぁ幼馴染かぁ。全然覚えて無くてなーワハハ」
かおりん「やっぱりあの時に記憶を…。うっ…。
でも大丈夫だよ、智美ちゃん。これから今までよりもずっといい思い出を作っていこうね」
ワハハ「そっかぁよろしく頼むぞ、かおりん」
かおりん(同じ人生で二度も智美ちゃんと出会いから始められるなんて、素晴らしいことだよ)
隔週連載としてはドラマがありすぎですw
ワハハはどんな壮絶な過去があろうと
あのワハハ顔で乗り越えていくんだろうなと思ったら
胸がキュンとした
どうして透華はのどっちの中校の制服を知ってるの?
どうしてのどっちのスタイルにこだわるの?
答えてごらん、はじめちゃん^^
上埜さんはキャプテンの事覚えてなくても好意を持たれてる事には気付いてそうだな
部長からしたら理由はわからんが何故かフラグが立ってる状態
7巻を昨日読んだ、アニメから入った単行本派の為本スレを見たくないのでここで質問。
個人戦はキャプテンが優勝との一言で済まされたり南場さんの事が触れられたりしていたのはアニメエピソードを本編に取り入れたの?
読んでいてアニメを見ているのが前提みたいな印象があったので。
ひょっとしてコーチ→池田とかもファンがネタにするから本編に取り入れたのかな?
>>882 原作者に聞けよ
ここで聞いたって答えはでないぞ
原作の個人戦二位は鶴賀の蒲原さんかもよ?ワハハ
DVDにおまけで付いてくるブックレットの監督や脚本の人の対談とかコメントとかを読むと
原作者が話した案が元になってるっぽい事は類推出来るらしいが。
>>885 成る程、だとすればアニメ化されていなかったとしても原作は今と変わりなかったかもしれませんね。
ありがとうございました。
つうかなんでここで聞くんだ
頭おかしいんじゃねぇの
>>887 そんなことでキャンキャン人に噛み付くお前の頭もどうなの?
スルー推奨
>>888 板違いの独りよがりの質問した馬鹿をけなして何が悪い
こういう馬鹿は付け上がるからとことん叩き出すに限るんだよ
スルー推奨
照菫か照淡を妄想するのも後わずか
いよいよ全国レベルの百合が見れると思うとおじさんニヤけちゃうわw
>>881 そんな余裕のイニシアチブをひっくり返すカタルシスです
選抜戦で目の前が真っ暗になった上埜さんを美穂子がまもります
姉妹愛で照咲、がち百合で照菫が至高だわぁww
895 :
名無しさん@秘密の花園:2010/04/28(水) 00:44:24 ID:PZCl1MZM
上埜を上柿って読んでしまった
>>894 照咲は今までの反動で仲直りした途端に、凄いいちゃいちゃするんですね
仲直り当初は仲直り出来て良かった、と我がことのように安堵してる和も次第に危機感を抱き、気づいたら取り返しのつかない領域になってるのか
>>896 むしろのどっちが照(のDNA)に惹かれてしまって咲がモヤモヤする可能性も……
>>875 「…今日会ったのは清澄の部長で、名前は竹井…っと」
「元部長、何をメモしてるんすか?」
「あ…智美ちゃんは…まだ話してなかったけ…」
「私から話そう、蒲原は12時間を超える記憶を保持できないんだ、だから一日にあったことのメモが欠かせない」
「うむ、こうして一緒にいる私たちの記憶も、寝る前に日記を読むことで繋がっているんだ」
「そうだったんすか…」
「ワハハ、今まで少なくとも20回くらい全部忘れちまったがな」
「こいつはな、何度でもゼロから始められるんだ」
よろしい、ならばのど柿だ
しかし咲7巻見るにどうやらかじゅモモは冬まで安泰のようで安心した
…隣にいるのかじゅだよな?
>>900 男に見えなくもないが、私の中のモモが「SOA!SOA!」と囁くのでかじゅだろう。
長野の冬は雪が降りしきって寒そうだけど、ゆみちんとモモは暖め合えるから大丈夫だね!
そんなんどーだっていいから冬のせいにして暖めあおう
照と咲の脳内相性はなかなかおもしろかった
諦めたらそこで試合終了 ワハハ・・・ベタオリだな
908 :
sage:2010/04/28(水) 23:51:05 ID:D1UhWmtN
間違えた…ゴメンorz
あと、キャプテンの座右の銘の相手はどう考えても部長です。ありがとうごz(ry
部長「さぁて。肉壷の会となるかしら」
流石部長だ。まさにその通りになったぜ
部キャプスレにかけないからこっちに書く
例の新刊だけど常にラブラブな感じとはまた違って良かった。
まぁ最終的にはラブラブになるわけですが
かじゅモモも、落ち着いちゃったら話が終わってしまうところだったから、波乱の予感があって良かったよ。
恋に障害は必要だよね!
でもメインよりも力入れすぎだ、かじゅももw
こんな時に流れも読まずにSS投下。
文才なんてないので読んで下さらなくてもけっこうですが
最後のアンケートに答えてくれると助かります。
では、一と透華の話。全部で5スレぐらいかな?いきます。
コンコン。
廊下にノックの音が響いた。
ここは、知る人ぞ知る龍門渕高校
...の経営をしている龍門渕家の屋敷である。
午後の昼下がり、休日のティータイムに
主人へのアッサムティーを届けるため
その扉を叩いた一だったが、中からの返事は返っては来なかった。
(...?)
コンコン。
「とーか?」
先程の行為をもう一度繰り返しても、結果は同じだった。
(とーか...いないのかな?)
主人...一はこの龍門渕家の龍門渕透華の専属メイドである。
故に主人とは龍門渕透華その人であるが
彼女の行動パターンは日頃付き添っている一には全て把握しきっていた。
...つもりであったが、どうやらそうでもないらしい。
いつもなら部屋にいる筈の透華は、今日は不在のようだ。
(...。)
心に少しのショックを受けながらその場を去ろうとした一は
そこで扉が僅かに開かれているのを発見した。
(閉め忘れかな。)
(...!)
ドアを閉めようとノブに手をかけた時、一は中に人の気配を感じた。
(...誰?)
もしかして泥棒かと思い一は気配を殺してそっと扉を開ける。
中は、天気のいい昼下がりにもかかわらず薄暗かった。
見るとカーテンが窓を全て覆っていて
窓も全て閉じられているのか隙間風もなかった。
人影を探す為に中を見渡すもそれらしきものはなかった。
(...?)
勘違いかと思って扉を閉じかけた時、
「...ウフフ...」
(!!)
中から確かに人の声が漏れるのを耳にした。
(...あやしい。)
一はそのまま息を殺して中へそっと入る。
物音を立てずに声がした方へ徐々に詰め寄ると
人影らしきものを発見した。
(あ、あれは...!)
人影をじっと観察する。
それは床にしゃがんでこちらに背中を向けていた。
髪は長くウェーブがかかっていてよく見ると
頭のてっぺんにアホ毛が揺らめいるのが見て取れた。
つまりは...
(とーか!)
…。
考えてみれば当たり前の事で、
ここ龍門渕屋敷には最先端の防犯システムが完備されている。
部外者は並大抵の事では入って来れないので透華本人なのは当たり前なのである。
(でもとーか、何してるんだろう?)
こんな薄暗くして、と、そこで一は透華の前から
微かに光が漏れているのを発見した。何かをやっているらしい。
(......?)
透華はどうやらこちらには気付いていないらしく
とぎれとぎれに奇声を発している。
「ウフフ...ウヘヘ...」
(ん??)
怪訝に思って、しのび足で背後まで忍び寄る...。
「グフフ、ゲヘヘ...」
相変わらず奇声を発している透華の背後から
そっとその手にしている物を一は覗き見た。
http://blog-imgs-42.fc2.com/h/i/b/hibiwaretamago/201005011649464cd.jpg 「............楽しそうだね。」
「ひっ?!!」
いきなり耳元で低く囁く声がして透華は飛び退いた。
「は、ははははははじめっ?!!」
見ると一がそこにいた。
片手にティーカップを乗せたお盆を持ちながら
顔はうつむいていて表情が見て取れない。
「は、はじめ?!ど、どうしてここにっ??!」
「どうしてって...そろそろお茶の時間」
淡々と一は答える。
「え?あ...。」
時計を見ると、針が午後3時ちょうどをさそうとしていた。
薄暗い中、集中していた為か透華は気が付かなかった。
「え、ええと、は...はじめ?ち、違うんですのよ?
こ、これは咲-Saki-Portableというゲームでして」
「うん知ってる、入手困難で難民が出ていたんだよね」
「そ、そうですの!
ですからハギヨシに頼んで大量に手に入れたのですわ!そ、それで、!」
「いつでも原村さんと打てるね」
ピキーン。
「うッ...。」
透華はその場が氷ったかのように感じた。
「.........。」
「.........。」
ふと、一は身を翻し、向こうへと歩いて行く。
「は、はじめ...?」
恐る恐る透華は声をかける。
一の背中は依然として張り詰めた空気を醸し出していた。
「えと、その、これはただ...」
何とかその場の雰囲気を和らげようとして言葉を探すも
透華は何も良い言葉が思い当たらなかった。
(な、何を言っても...ただの言い訳にしか思えないですわ!?)
あわ、あわ、と透華は考えあぐねている。
国広一は龍門渕透華の事が好きである。
このことは透華自身も知っている。
いくら鈍感とはいえ日々生活を共にしていて気付かないはずはない。
一は普段、自分の原村和に対する言動にどうこう言ってくる事はないが
それでも多少の後ろめたさは感じていた。
気持ちを知っていながら声を大にして原村原村言っているのは
確かに申し訳なく感じたが、でも本能には勝てずに
こうして隠れて原村へ対する鬱憤を晴らしていたりした訳で...
(ってこの時点で既にアウトですわ!!
...あぁ...さらばワタクシ...)
(そ、そもそも私も一がありながら何でこんなことを......)
ゴトッ。
(!!ッ)
半ば自虐を始めた透華の思考を止めたのは一が机に置いたティーカップの音だった。
「は、はじめ...??」
一は透華には答えず、ゆっくりと振り向いた
満面の笑みを、その顔に浮かべて―――
=====〜〜〜アンケート〜〜〜======
はい。この後の展開は〜??
1.しろはじめくん
2.くろはじめくん
さぁ、あなたはどっちっ??><
あ〜途中のURL。そのままじゃ飛ばないですね…
とりあえず終わります。
くっろはっじめ!くっろはっじめ!
>>920 くーろ!くーろ!!
それにしても、途中で画像挟むのは面白いアイデアっすねー。
>>919 当然黒一がくるものと思って読んでました。サーセン
白でも黒でも最後にはじめが幸せになるならそれがトゥルールートだってこどもが言ってた
灰色の道を見つけるんだ!
ありがとう。皆のおかげで黒よりの総合というアイデアが浮かんだよ
色んな意味で濃くなりそう(´・ω・`)それでは逝ってくる
>>924 知ってる?
トゥルールートって必ずしも幸せな結末はむかえない、むしろ悲しい結末が多いのよ?
全国の百合半端ないでぇ
GW終わってほしく無いけど早く今週の咲見たい
まこ誕生日とな
上柿恵ってもう出てこないのかな。凄く好きなのに。
まこおめ!アニソン三昧で曲流れたら実況にいって触れてみる!
あと十時間ほどで本誌バレ解禁か
うずうずするのう
何か隠してるじょ
京太郎がここにいればハーレム
キャプテンが上埜さんとイチャイチャしに行ったら、まこがまさかの本妻っぷり
なにその修羅場
おいおいネタバレはえーよ
とりあえず部長の女たらしモードは継続中かw
清澄とキャプテンが同部屋とか狙いすぎだろ…
もっとやれ
部キャプ派な私歓喜
京ハギ派も歓喜
次号が待ち遠しいな
タコスとかじゅを葬った呪いの手弁当がまこに炸裂するのも時間の問題よのう
タコカナ胸熱
やっぱ福与小鍛冶だな
しかしキャプテンの運命力ハンパねえなw
麻雀ではバカツキタイプじゃないのに
>>948 名前ならスココウかコウスコかな?自分の好きなように呼んだらいいと思う
はじめちゃんはガチな香りがプンプンだけど、実際の所透華はどうなんだろう。
はじめちゃんにちょっと甘い言葉言われただけで真っ赤になってたから
攻めれば落ちそう。
トーカはのどっち一筋だよ
定番だが、
とーかが好きなのどっち。
と
とーかが好きなのどっち?
では意味が違ってくるという日本語の素晴らしさ。
素晴らしいな
キャプテン今週足しか映って無いのにウキウキしてるのがわかるなw
落ち着いて考えてみると、権力行使する視姦魔ストーカー必死すぎる。
次回は部キャプ一色を期待してますよ立せんせー
早く白糸台の百合を出せやまじで待ちくたびれたぞこだらあああ
今日も残業でヤンガン購入不可確定
死にたいorz
イキロ
俺なんて地方だから週明けにしかお目にかかれん
生きろ!
「○○は美しい。」
↑お好きなキャラ名を入れてね!
それじゃあまずは私が。
「咲和は美しい。」
主人公とヒロインですし。
では次の方どうぞ
「咲照は美しい。」
やっぱり姉妹愛は良いよ
「照、お前は美しい」
美しいといわれて気分を害するほど性根はひねくれ曲がってないつもりだ。
だが、いきなりベッドに押し倒されて、鼻先で言われるというシチュエーションでは正直微妙だ。
相手は同じ部屋の同級生。無論同性でさっきまでは至って普通の、友人といえるくらいの間柄。
このように突然の求愛行動に出るような人間だとは思ってなかったし、ましてや性愛としての好意を抱かれているとはまったく気づいてなかった。
長く、きらきらと輝くストレートの黒髪は、やや癖っ毛の猫っ毛である私には羨ましい限りであった。
今その黒髪は私の身体を縛り付けるかのように覆いかぶさり、私の両手首はこの女によってベッドに押し付けられている。
刻一刻と近づいてくる唇と吐息に、私の胸は急激に上下運動のペースを上げ、体中の循環が良くなったためかひどく暑い。
天井の照明が視界から消える。
押し倒して唇を奪おうとしている人間にしては、随分と辛そうな顔をしているじゃないか。
今にも泣きだしそうだぞ、お前。
私の視界もいきなりぼやける。
あぁどうやら私は先に泣いてしまったようだ。
「私には…咲がいるんだ…」
もう随分と長いこと連絡が取れない、取っていない妹の名前が唇から滑りだす。
なぜだろう。
こんな時に言う台詞じゃない。
どうやら動転してろくでもないことを口走っている。
思わず目を閉じる。
嗚咽が漏れる。
胸の辺りが苦しくてたまらない。
人の見ている前で泣きたくなんてないのに。
火照った頬に冷たい感触を感じて、閉じた目を開いて目の前を見る。
泣き顔だった。
そんなに悔しそうな顔で泣くなよ。
私だって泣きたくて泣いてるんじゃないんだ。
こっちは喉の奥がひりひり痛くて声も出ないんだ。
両手を離してくれ。
一刻も早く胸の真ん中にぽっかり空いた穴を埋めたいんだ。
赤ん坊のように泣きじゃくる私を見飽きたのか。
私はようやくと一人になってベッドのシーツにくるまって泣き続けた。
何故あんなことを口走ったのか。
何故私は泣いてしまったのか。
皆目見当もつかず、だからこそ涙を止めることもできず、私はずっと泣いていた。
(了)
「透一は美しい」
美しい主従関係ですよね。
やがて一の手には手錠ではなく婚約指輪がつけられるという想像余裕でした。
透華「私は美しい」
一「透華は美しい」
透華「もっと言ってもっと言って」
一「透華はやれば出来る子。やれば出来る子だよ!」
美穂子(キレイ……上埜さんキレイ……)
久(うーん、なんか見られてるわね)
シャンプーしている部長をがん見するキャプテン。気づいてないフリをする部長。
>>967 美しい魔雀家透華「レインボーサイクロン!」
とりあえず爆肉鋼体でムキムキになる透華を幻視した
>>972 一「純くん! 衣!」
純「国広くん…どしたん?」
一「透華が…透華がなんか変な感じなんだ」
純「は? あいつはいつも変な感じだろ…」
一「そーだけどそーじゃなくて!」
一「去年の暗黒武術会で浦飯幽助チームと戦った時みたいな――あんな感じになってて…」
純「ああ…国広くんのいう「美しい魔雀家透華」ってやつか?」
衣「龍門淵の入り婿が憂懼していたことが現実になったな。奇幻な手合が増えるのなら衣はうれしい」
一(ボクは――ボクは嬉しくないな―――)
本スレで「アニメ観てない人はキャプテンの急変に戸惑うんじゃないか」って話が出たけど
原作でサファイアのくだりはなかったもののわざわざ風越で探してる描写とかはあったしそこまで不自然ではない……のかな?
人がどう言おうが、自分が楽しめばそれでいいのさ
何も気にする必要はないよ
人の言葉を気にする前に、自分はどうなのか心に聞いてみればいい
そこに答えはあるはずさ
部キャプが好き
かじゅ桃が好き
透一が好き
咲和が好き
それでいいじゃないか
いや待て、それは構成の問題であって好みの問題じゃないだろう。
同室なら普通に会話するだろうし、アニメ補正ある人はさらにニヤニヤできるって感じで問題ないんじゃないかと。
もちろん、もう出てこないであろうキャラたちの百合妄想余裕です^^
門松×田中か…マニアックなお人だ
俺は深堀×文堂だな、やっぱり
棟居×上柿を待ち続けて…
心配しなくとも千曲東は余裕たよ
あらためてみるとまだ使い捨てキャラはすくないな
>>966 遅レズだけど、結婚の指輪って拘束具だから透一にはぴったりだよね
「華菜、ちょっとお風呂に入ってきてくれないかしら」
「へ?何でですか、キャプテン」
「言うこと聞かないとお弁当上げるわよ?」
「い、行きます!行かせてください!」
「さて、と。邪魔者は消えたし、上埜さんとしっぽりしに行こうっと!恋する乙女は止められない!」
気持ちはわかるけど一緒に風呂入ってやれよキャプテンw
「池田ァ…もうあがるのか?」ギロッ
「(根性を試されてる!?)まだ、まだがんばるし!」
〜風越部屋〜
「のぼせたしぃぃぃ」
「わっ…扇いでるから安静にしてて」パタパタ
「かたじけない、みはるん」
「ううん、気にしないで。気持ちいい?」
「気持ちいーし!」
「(ニヤニヤ)」
最近は部キャプ、部かじゅはもとより部衣、部蒲の妄想まで可能になってきてしまった
俺も末期だなw
俺のマイブームは部神、部霞、部菫、部照だ
ラブもライクもアリアリだぜ
しかも最近、部神の妄想がR-18になってきたww
>>988 部神、部照は俺もいける口
つか接点なさすぎて引かれると思って触れなかったのにお前ときたらw
部がなんなのかよくわかんなくなってきた
そろそろ次スレ?
だれかたててくれ
久照ありかもしれない
照が清澄に転校してくるとか
照とふた菫でR-18妄想が、寝る前の日課になっている今日この頃
早くこの二人の絡み、雰囲気、喋り方など妄想の燃料がほしいものだ。
去年の11月に初めて贋作で白糸台が現れてから白糸台の相関図が気になって気になってしょうがない
果たして、照×菫・菫×照・照×淡・菫×淡 のどれなのか・・・。
立てるわ
>>995乙です。
南浦さん鶴賀に転校してこないかなぁー…
>>992 咲照派としてはですね…
何でもないです
>>995 乙
>>997 そういえば南浦さんとむっきーのSS書いてた人しばらく見てないけど元気にやってるかな
1000なら部長は今後もフラグ乱立
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。