ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart26

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1名無しさん@ローカルルール変更議論中
守りたいから私は飛ぶ!!パンツじゃないから恥ずかしくないもん!

●スタッフ
監督・アニメキャラデザイン:高村和宏     キャラクターデザイン原案:島田フミカネ
シリーズ構成:ストライカーユニット        助監督:八谷賢一
世界観設定・軍事考証:鈴木貴昭        メカデザイン・メカ総作監:寺尾洋之
キャラクター総作監:山川宏治・平田雄三   美術監督:小倉宏昌(小倉工房)
美術設定:松本浩樹(スタジオイースター)    カラーデザイン:甲斐けいこ・池田ひとみ
3D監督:下山博嗣                  撮影監督:江間常高
編集:三嶋章紀                   音響監督:吉田知弘
音響制作:楽音舎                  音楽:長岡成貢
音楽制作:コロムビアミュージックエンタテインメント
アニメーション制作:GONZO
原作:島田フミカネ&Projekt Kagonish(プロイエクト カーゴニッシュ)

●キャスト
宮藤芳佳(みやふじ よしか):福圓美里     坂本美緒(さかもと みお):千葉紗子
ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ:田中理恵   リネット・ビショップ:名塚佳織
ペリーヌ・クロステルマン:沢城みゆき      エーリカ・ハルトマン:野川さくら
ゲルトルート・バルクホルン:園崎未恵     フランチェスカ・ルッキーニ:斎藤千和
シャーロット・E・イェーガー:小清水亜美    エイラ・イルマタル・ユーティライネン:仲井絵里香
サーニャ・V・リトヴャク:門脇舞以

●放送局
※放送は終了しました

●関連サイト
公式サイト:http://s-witch.cute.or.jp/
まとめwiki:http://www37.atwiki.jp/strike_witches/
人物呼称表:http://www37.atwiki.jp/strike_witches/pages/50.html
百合SSまとめサイト:http://lilystrikewitches.web.fc2.com/
ストライクウィッチーズでレズ百合萌え 避難所3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12483/1241054950/

●次スレ
次スレは>>970or480KB超を目安に、臨機応変に立てて下さい。
必要な事前準備等があれば、>>920or450KB超を目安にして下さい。

●前スレ
ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart25
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1239471410/
2名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 00:56:24 ID:X/gqbknn
Q.○○書いたんですけど投下してもいいですか?

A.どうぞ是非投下してください
条件は「ストライクウィッチーズ」関連であること、
「百合」であることの二つのみです。
ジャンル、エロの有無、本編にないカップリングなどに関係なく、このスレの住人はおいしく頂いております。
妄想だとか落書きだとか気にせずとにかく投下してみましょう。

但し、投下する作品が以下のジャンルを含む場合の注意事項。
ふたなり、男出没、グロテスク、スカトロ、SM、鬱展開・ED

「男出没」、「グロ」、「スカ」、「SM」、「鬱展開・ED」は先にキーワードを明記する、又はtxtで上げることを推奨します。
キーワードは1行だけでもOKです。
 例:※この作品にはスカトロ、SM要素が含まれます。
「ふたなり」はtxtで上げることを推奨します。
アップロード参考URL:http://www.axfc.net/uploader/ 

あまりに過激すぎるモノなどは、個人の裁量に任せてtxtであげてもらえたら理想的です。

ただし、SS専用スレではないので20レスを超えるような長編は事前に断りがあると吉です。
sage推奨です。メール欄に半角でsageと入力して下さい。

荒らし、煽りは完全無視。完全スルー。
荒らし、煽りには放置が最も効果的です。
構えばあなたも荒らしです。

規制について
★改行規制
1レスにつき61行以上が規制対象です。

★連投規制
30分以内に10レス目を書き込むと規制対象になります。
10レス以上の投下には9レス毎に30分のインターバルが必要です。支援は無効です。

★スレの容量
500kbに達すると書き込めなくなります。
3名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 00:57:07 ID:X/gqbknn
──リレーSSの手引き──

★基本ルール
○始める時は、リレーSSであることを宣言する。
○続ける人は宣言は不要だが、一行目に継承元の安価をつける。
○ただし、結末を書く場合は「次で終わっていいですか?」と訊いておく。
○継承先は指定できない。誰かが早い者勝ちで続きを書く。
○ただし自分自身の続きは書かない。最低2人は挟んでから。
○2レス以上にまたがらない。1レスでクールに。
○重複したら先に書いた方を優先する。
○作者名は名前欄に入れる。名無し希望は未入力でも可。
○リレー進行中は他のリレーは開始しない。
○もちろん普通のSSは、リレーの状況に関わらずどんどん投下してください。

★本文と書式
○語り手や文調はできるだけ継承する。唐突な視点変更は避ける。
○誤解を招きやすいため、科白にはキャラの名前をつける。(例:芳佳「おっぱい」)
○後に文が続く事を意識して、できるだけ色々な取り方ができる終わり方にする。
○「駄文失礼〜」「お目汚し〜」等の前書きやあとがきはナンセンスなので付けない。

★心構えと方針
○無理して面白くしようとしない。ナチュラルに妄想を爆発させるべし。
○不本意なカプの流れになっても泣かない。むしろ目覚めるべし。
○展開を強要したり口を挟まない。流れに身を委ねるべし。
○なかなか続きが来なくても焦らない。気長に有志を待つべし。
○多少の誤字脱字、設定違反、日本語おかしい文章には目を瞑る。スルーすべし。
○参加者はみな平等。新兵もエースもリレー主も一切特権はない。仲良くすべし。
○男はいらねえんだよ!ふたなりネタも自重すべし。
4名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 01:42:01 ID:8DN5fRNT
>>1 避難所3消せよ
5名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 01:53:13 ID:8DN5fRNT
6名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 03:33:11 ID:hwUtTUhN
ID:8DN5fRNT
7名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 07:05:44 ID:oGBPr2yb
スレ立て乙!
8全スレ997:2009/05/20(水) 07:37:20 ID:X/gqbknn
埋めようとしたらレス数足りなかったので後でまとめてtxtうpします
9名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 07:51:57 ID:X/gqbknn
全じゃない、前だ。 重ね重ね申し訳ない
10名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 08:06:51 ID:MXq9y8oI
>>4
避難所にまでわざわざ来て……
11名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 08:13:36 ID:0s5qYK1l
>>1乙!
>>8待ってる!
12名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 08:45:49 ID:E0Ta1wup
>>8
待ってるよー
13名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 13:05:39 ID:7403BbLJ
14名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 17:09:14 ID:plfItVPA
外部の避難所なんて必要ない
難民板使えばいい
15名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:01:35 ID:E0Ta1wup
16名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:04:18 ID:meDzVlMw
おや、すでに紫
17名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:31:03 ID:mCbd54ka
>>15
エイラがいい顔しとるw
181:2009/05/20(水) 18:32:44 ID:2col5GpF
>>13
あ、そっか
申し訳ない、何にも考えずに書き替えてしまった
19名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:40:34 ID:plfItVPA
何にも考えずに書き替えるもんか
お前はそこで馴れ合ってる住人だろ
20名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:52:01 ID:qaq+JVQJ
>>15
これは顔がにやけるなぁw
21名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 18:54:25 ID:UgPoEzvk
>>15
これは良いお姉さんなトゥルーデ
それにしてもエイラは良い顔してるなぁ
22名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 19:09:05 ID:kd7mlF3S
それにしても勢い無くなったなぁ…
一時期はこの過疎板で1番伸びてたのに
23名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 19:14:03 ID:ImgqtD1B
避難所できてもここが機能してるんだから勢いなんていいじゃない別に
24名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 19:36:13 ID:PRu1I75a
>>15
これはいい!
25名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 19:47:15 ID:a2jRNyDI
>>15
こ、これはどういう状況なんだ!?
間違えてトゥルーデの部屋に入ってそのまま寝ちゃったサーニャを、
お姉ちゃんが優しくサーニャの部屋に連れていこうするとこをエイラが目撃とか、
つまりそういうことなのか?
それにしてもお姉ちゃんの表情がいやらしすぎる
26名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 19:55:10 ID:ImgqtD1B
380 ローカルルール・その他変更議論中@自治スレ [sage] 2009/05/20(水) 17:18:39 ID:BZmTuQfT
いつもは間違えた振りしてエイラの部屋に行ってたけど
本当に疲れていて素で部屋を間違えてしまったんですねわかります
271/3:2009/05/20(水) 20:32:55 ID:X/gqbknn
※エイラーニャで3レス

あなたは私のヒーローなのよ。

そう言っただけで顔を真っ赤にして恥ずかしがるあなたにはまだ、私の本当の気持ちなんていえそうにない。だって
否定されたら悲しいもの。あなたは本当の本当に優しい人で、声を荒げて「ちがうんだからな!」と叫ぶのは単なる
照れ隠しだろうとちゃんと私だって分かっているけれど、それでもやっぱり悲しい。あなたには私だけを見ていて
欲しいから。

風がふくと、ふわり。草の青々しい匂いと、野花の柔らかな香り。それらの中から綺麗なものを、一つ一つ選んで
編みこんでゆく。青空のような爽やかな水色の衣服を今日もまとっている彼女は、そんな私の傍らでそんな私を
じっと見つめているのだ。

ときどきふっと空を見上げて何かの思案にふけっているのは、風を読んでこの先の天気でも予測しているのだろう
か。そんなときを見計らって彼女に見つからないようにその横顔を見ているといつも、その端正さにほうと息を
ついてしまう。今朝、じたばたしながらもリーネさんにお団子状に結い上げられていた髪はいつものように風に
なびいたりはしないけれど、普段よりもよりいっそう太陽の光を浴びてキラキラしているかのように思える。

なんだかまるで、お月様が頭の上にあるみたい。…っておもうのはもしかしたらただの幻覚かな。でも、本当に、
こうして一緒に過ごすだけで、私は何度でも、何度でも、彼女のことを昨日よりもずっと、さっきよりももっと、素敵で
魅力的に思うのだ。

少し切なげに細められる瞳。ねえ、あなたは今何を考えているの?
尋ねてみたいけれど、彼女は存外というべきか、それとも印象どおりというべきか、自分のことをあまり多く語ったり
はしないのだった。かといって物静かな性格かというと全くそんなことはなくて、とはいえルッキーニちゃんが持つ
ような底抜けの明るさとはまた違った、言うならばパールのように不思議な光沢を持った輝きを秘めている。その
柔らかな柔らかな光はまぶしさを苦手とする私を追い払うことなく、優しく優しく包み込むくれるのだった。

士官教育を受けずに少尉になったのだという彼女は、この部隊に配属されるまでは准尉だったのだと聞いた。
"下士官の総帥"とも呼ばれる、たたき上げのウィッチとしては最高品位の階級。当時若干13歳ほどに過ぎ
なかったはずの彼女は、その時点ですでにそれだけの栄誉を得ていたのだ。

けれど彼女がそれを鼻にかけたのを、私は一度も聞いたことがない。むしろ階級や勲章なんてどうということでは
ないと言った顔をして、例えば一応彼女より一つ上の階級に位置している私やペリーヌさん、ひいてはシャーリー
さんにまで臆することなく接することができる。

楽しいことが大好きな彼女はルッキーニちゃんと全力で一緒にいたずらをするし、リーネさんや芳佳ちゃんにだって
先輩風を吹かせるそぶりもなく同年代の仲間として向き合うことが出来てしまうのだ。
ハルトマン中尉と二人で勲章をブーメラン代わりにして遊ぶ様を見て、「プライドがないにもほどがある」と眉を
ひそめる人もいるけれど、私はマンネルハイムと名付けられたその勲章を愉快に振り回す彼女の姿を見ている
のが、案外好きで。

(エイラさんの出身──スオムスのルーッカネン分遣隊は基地を持たない特殊な部隊だそうだから、エイラさんも
普通の部隊の構成からは少し外れた考え方をしているのかもしれないわね)

そう私に語って聞かせたのは、ミーナ中佐。私が何も言っていないのに、ミーナ中佐はそうしていつも私の考えてる
ことをあっさりと見破ってしまう。そう、エイラと同じように。二人は全く別の容姿をして、全然違う性格をしている
のに、どうしてかどことなく似ているような気がする。それは、エイラもミーナ中佐もその表れ方は二様とはいえ同じ、
辺りを的確に見通すことが出来る能力を持っているからだろうか。
282/2:2009/05/20(水) 20:33:19 ID:X/gqbknn
(サーニャさん、あなたと気が合うんじゃないかって、私は思うんだけど。)

部隊に入ったばかりのころ、ミーナ中佐が何を思ってそう私に語りかけたのかは今になっても分からない。けれど
そこから一直線に繋がって、今ここにあるあの頃の未来は、確かに彼女が語ったその通りの形となって表れて
いる。

最後の一本を、完成しかけのそれに丁寧に編みこんでゆく。できた。心の中でだけそう呟いて一人ほくそえんでみる。
エイラ、見て。そう自慢げに差し出そうと思って再び彼女の方をみやったら、その傍らのエイラは先ほどと同じように
空を見上げたままぼんやりとしていた。

(ねえ、あなたは今何を考えているの?)

思うのは、先ほどと全く同じこと。こちらに向けられていない視線がもどかしくてたまらない。ねえ、ねえ、私にも
聞かせてよ。エイラと同じものを見てみたいの。そればかりを願って熱い視線を彼女に送るのに、エイラはというと
それさえ気付かないままでいるのだ。

故郷のこと?原隊のこと?仲間のこと?家族のこと?……それとももっと、別のこと?
そうして一人でどこか遠くを見て、口を閉ざしてしまわないで。「あのさ、サーニャ。」って。そんな言葉で切り出して、
私の方を向いて欲しいの。

あなたの国はどんな国?
あなたの部隊はどんな部隊だったの?
あなたにはどんな愉快な仲間がいるの?
あなたの家族はどんな人なの?
私はあなたのことをもっともっと知りたいのに、あなたはは決して自分からは語ってくれない。恥ずかしがり屋なの
かな、面倒なだけなのかな。どうしてなのかは、わからないけど。

「……エイラっ」

一向にこちらを見てくれないこの状況にこらえきれなくなって、彼女の名前を呼んだ。細められていた瞳がその
瞬間見開かれて、ぱちくりと数回まばたきをする。上下する銀色の睫毛が柔らかな午後の日差しに反射して、
とてもとてもきれい。
そして呼ばれた方向、つまり私の方に視線を向けると、柔らかに微笑むのだ。

「ん?どした、サーニャ」

さっきまで私を置いてけぼりにして一人の世界に浸っていたことなんてすっかりと忘れて、「ねむいのか?」なんて
悠長に聞いてくる。そんな声で囁かれたら、余計に眠気が襲ってきてしまうじゃない。私がすぐ眠りについてしまう
のはあなたのこえが心地よいからだって、きっとエイラは知らないでしょう?他の人が聞いたら抑揚の無いだけに
しか思えないその響きは、私にとって格別の子守唄になる…なんてちょっとそれは贔屓目かな。

「あたま、さげて」
「…へ?」
「さげて」

何だかとっても悔しい気持ちになったから、理由なんていわずに要望だけを口にしてみる。一瞬首をかしげた
エイラにもう一度言葉を重ねたら、しょーがないなー、と言わんばかりの顔ですらりとした背中を丸めてきた。すか
さず膝立ちになって、やっとのことで完成したそれを彼女の頭にのせる。その表紙にせっかく結い上げた髪の紐が
するりと解けてしまったけれど、また背中の後ろに落ち着いた銀色の長い髪がやっぱりとてもとても綺麗で、エイラは
やっぱりこの髪型が一番すてきだわ、なんて思った。
293/3:2009/05/20(水) 20:35:38 ID:X/gqbknn
「な、なんだぁ?…って、これ…えーと…はなかんむり?」

うろたえた声のあとに疑問符が飛んでくるけれど、そんな音符は楽譜にかけないから答えの調べなんて与えて
あげない。そんなちょっぴり我侭な気持ちで、私は私だけに許された、私だけの定位置──彼女の膝の上に
ぼふりと体を預けてしまう。サ、サーニャ!?びくりと体が震えた後、それでも咎められることなんて無いと私は
知っている。仰向けになってエイラの顔越しに空を見上げると、きらきらとお日様みたいに輝くエイラの髪。大好き
な大好きな、その輝き。

「…きょうだけだかんな」

差し出されたいつもどおりのお許しの言葉につい顔を綻ばせると、つられたのか、それとも呆れたのか、エイラも
ふっと微笑んでくれる。やさしいやさしい、わたしだけのひと。その頭に戴いた冠は、ねえ、私だけのものって言う
意味なんだよ、おうじさま。

「エイラ、」
「……なに?サーニャ」
「落としたらだめよ、エイラ」

あなたは王子様なんだから。だから、私が目覚めるときはどうか、優しいキスで起こしてね。
そんなことを言ったら顔を真っ赤にして固まってしまうだろうと思うから、今はまだ「私のヒーロー」だけにとどめて
おいてあげようとおもった。


──なるほど、『王子様』ね。鈍感で大変だな、おひめさま。
寝ぼけ眼をこすりながら帰り着いた基地で、柔らかく聞こえてくるミーナ中佐の歌を聞きながら。エイラの頭の上の
花冠を見たシャーリーさんに、そう耳打ちされてつい赤くなってしまうのはもうちょっと後の話だ。




以上です。
と、あと前スレの埋めネタ うp遅れてすみません
ttp://tool-ya.ddo.jp/webfs/~enigma/LER4.txt
ほのぼのエイラーニャでどろどろ埋めネタを中和しよう大作戦

そして>>28でカウント間違えました申し訳ありません
あと連続投稿規制、30秒から20秒に短くなってたんだねいつのまにか
30名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 21:38:52 ID:7403BbLJ
>>15
お姉ちゃんはついにサーニャも妹にしました
31Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/05/20(水) 22:18:26 ID:8JwvEU28
>>1
スレ立て乙です。

>>15
ちょwお姉ちゃんw


さてさて今日はウィルマの誕生日と聞いて今朝から急いで
書き始めた一品。なんとかがんばって書き終えたよ!

[お姉ちゃんへ]
リネット×ウィルマ(リネット&芳佳)
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/hbdw.txt

急いで書いたんで(特に後半)、誤字脱字とかいつも以上にヒドいと思いますorz
雰囲気だけ感じ取ってくださいorz
32名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/20(水) 22:36:38 ID:VAUw76l/
実は俺…エイラーニャよりもリーネイラの方が好きなんだ
33zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/05/21(木) 00:22:00 ID:vxMU01vE
>>1乙です。
投下されたSSは後でゆっくり読ませてもらいます〜。

と、いうわけでウィルマお姉ちゃんの誕生日が終わったんで自分も投下しま〜す。
多分8レスくらいかなぁ。
34zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/05/21(木) 00:22:40 ID:vxMU01vE
●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 8月18日、午後。

「サーニャさん」「サーニャちゃん」「サーニャ」「さーにゃん」
『お誕生日おめでとう!!』

 ドレス姿のサーニャをお姫様抱っこで登場したら、ぴたりと揃った声と共にクラッカーの洗礼。

「わぁ……みんなありがとう」

 続いて案の定ニパやルッキーニから冷やかされたりもしたんだけど、サーニャの頼みでやったことだからなんともないぞ。
 むしろサーニャが小さく呟いた台詞の方が数百倍、数千いや数万倍やばかった。

「こうやって登場して皆からクラッカー鳴らされるなんて、ちょっと結婚式みたいだね」

 わたしの腕に抱かれて優しく微笑みながらそう囁いたサーニャのその言葉は、フリーガーハマーよりも激しい攻撃力を持ってわたしの中の何かを木っ端微塵に吹っ飛ばした


 けけけ結婚式!? い、いやペリドットが夫婦の愛だからってそんなっ! ま、まだ早すぎるだろ……。
 いや……でも……ササササーニャが言うならっ!!!!
 ………………。
 ………………。
 ………………。
 ………………。
 ………………。

「ありがとうエイラ。もう、降ろしてくれて良いよ……エイラ?」

 改めて名前を呼ばれてから、やっと我に返る事ができた。危なくオーロラの彼方から帰ってこれなくなるところだったぞ。
 何だかさっきから自分ばかりが空回りを加速させてるよなぁ。
 サーニャの側にはそんなに深い意図なんてないんだから発言一つ一つにふにゃふにゃになってたら駄目だぞ、エイラ。
 自分に言い聞かせつつ返事。

「お、おうっ。今降ろすぞ」

 羽のように軽いサーニャを優しく立たせる。
 薄暗い部屋でなく、日の光の差し込む店内で見るサーニャのドレス姿はまた違った輝きを魅せてくれた。
 サーニャは月の光だけじゃなくてお日様にだって愛されてるんだな。
 本当にステキだよなぁ。

「サーニャカワイー」

 猫のようにサーニャの周りをくるくる回りながらカワイーを連発するルッキーニ。
 つくづく背が伸びておっぱい大きくなってもコイツは変わんないな。

「もしかしてそのドレス、エイラさんからのプレゼントですか?」
352/8:2009/05/21(木) 00:24:02 ID:vxMU01vE
「いえ、これはお母様からのプレゼントなんです」
「わ、それはそれでとっても納得です。すごく綺麗ですよ、サーニャさん」
「ありがとうございます」

 この場で一番の常識人らしく非常に常識的なやり取りを展開するエル姉。
 まぁ、わたしから見ててサーニャに近づいても一番危機感を感じない人だしなぁ。

「おいイッル。ちょっと時間かかりすぎだろ。上でナニやってたんだ〜?」
「イロイロ手間取ったんだよ。大体ナニって何だよ」
「まぁまぁ、そりゃあ……ホラ……ナニだろ」
「そんなことするか! バカ!」

 ニパとのやり取りはいつも通りだ。
 でも、どうにもサーニャを引き合いに出されると話の主導権取れなくて困るんだよな。
 とはいえサーニャに色目を使われるよりはよっぽどいいぞ。

「さーにゃんステキ」

 サーニャのそのドレス姿に見とれてまるで恋する乙女の如く目をキラキラさせてるハイディ……ってオイ!
 恋する乙女って何だよ!
 それはちょっと……いや、かなり駄目だろ。
 すぐに言って聞かせるか? いや待て、言って聞かせるって何を言うんだよわたし! 
 あ〜むしろ、なんかコイツってイイヤツっぽすぎて正面から物を言いにくいんだよな。
 サーニャの両親の為にがんばるとかって手紙書いてたし、仲の良い友達も極端に少なそうだしなぁ。
 うーん、行動がナチュラルなあたりは宮藤と同じで強敵だ。
 同じメガネだって言うのにツンツンメガネとはえらい違いだよな。

「メガネかぁ……はぁ」
「どうしたんだイッル? メガネってハイディちゃんか?」
「いや、ハイディってイイヤツだよな、って思ってから同じメガネのイヤナヤツのことを思い出してた」
「イヤナヤツって言うと……そうか、ビン底メガネだな」

 ニパがなんだか自分の想像してた相手とは違う誰かを挙げた。
 ああ、そういえばコイツはペリーヌと会った事なかったもんな。
 知ってればきっと共通認識なれた自信はあるぞ。
 でも、ニパが言ってるのって誰の事だ?

「ビン底メガネ?」

 と、口に出してみてピンときた。そうかーアイツかー。

「ああ、そういえばアレはうっとおしかったよな。ラブラブな相手がいるんだったら他に色目使うなってーの」
「イッルもサーニャちゃんも随分と気に入られてたしなぁ……」
「うわ、変な事イロイロと思い出させるなよニパ!」
363/8:2009/05/21(木) 00:24:30 ID:vxMU01vE

 その変な事をイロイロ思い出してしまい鳥肌が立つ。

「ま、あのビン底メガネも遠い扶桑の空の下だろ」
「ふーん、そのメガネって誰の事ですか?」
「そんな事決まってるじゃないか、ツンツンメガネはペリーヌで、ビン底メガネは迫水……」

 う……何だこの嫌な予感は。
 この聞き覚えのある声、独特のイントネーションのブリタニア語って……まさか!?

「サ、迫水ハルカぁっ!!!!!!」
「おひさしぶりです……ねっ!」

 エル姉に負けず劣らずトロトロした雰囲気は何処へやら、わたしが叫びながら振り返りきるよりも速く身体を密着させるとその手をイキナリ股間へと這わせ始める。
 変態アホネンの超絶テクニックを受け継いだ変態ちびっこ扶桑海軍の面目躍如……っていうか、ちょっとぉ、イキナリナニすんのっ!?

「ヤ、ヤメロっ!!」
「気にしてるのにっ! そんなことを言う口はこの口ですかっ! このッ! このっ!」
「ちょっ! ああんっ……そっ……そこは口じゃないっ……だろ!!!」
「下の口だからいいんですっ!」

 む、無茶苦茶だぁ……っていうかにちゃっとしたぞ!オイ! 耐えろわたしっ!

「おおっ、ステキな展開だな、イッル」
「はぁぁんっ……ヤメッ……」

 見てるな助けろ!このバカタヤイネン!! うう、口開いたらえっちな声がでちゃうじゃないかぁ……。

「エイラッ」

 うわっうわっ! ホントにやばいって!! サーニャが見てるんだぞっ! っていうかズボンの中に手を入れるなぁ!!!

「迫水さんっ! いきなり何してるんですかっ!」

 意外な救い主はやはり懐かしい声とともにハルカの背後から現われた。

「わわっ、芳佳ちゃん!」
「そういう事したら坂本さんに斬られちゃいますって!」

 ハルカと同じく唐突に現われた宮藤がこのビン底メガネ(今はメガネをしてないようだが)を羽交い絞めにして引き離してくれたみたいだ。

「あ〜……あはは……それもそうですね。斬られるなら智子少佐にって決めてますから、それはイヤです」

 暢気な事を言う迫水を涙目で睨むけど本人意に介さず変なのろけを展開する。
374/8:2009/05/21(木) 00:25:15 ID:vxMU01vE

「はぁ、もう……出発前に釘刺されてたじゃないですか〜」
「でも、いきなり人の気にしてること言うエイラちゃんも悪いですよ」
「だからと言っていきなりやっていいことと悪いことが……」

 いいぞ宮藤! わたしが呼吸を整える間ガンガンこの変態を攻撃してやれ!

「だいたいここに来るまでの間だって……」

 と、私の精神的声援によって全面的に支持された宮藤による変態ビン底メガネへの糾弾は、意外な人物の介入によって中断される事になった。

「芳佳ちゃん! お久しぶり。会いたかった……」

 わたしと迫水の間を抜けて、サーニャが宮藤へと抱きついたんだ。

「わっ! サーニャちゃん。久しぶり……私も会いたかったよ」

 互いにぎゅっと抱き合って再会を喜び合うサーニャと宮藤……って言うかなんだよ、ソレ!
 宮藤への精神的声援を超速攻で中断して全力で糾弾っていうかブーイング開始! ブーブーブー!
 とはいえまださっきの変態の攻撃のせいで声を出したら恥ずかしい事になりそうなんで飽くまでも精神的にだぞ。
 でも、そんなわたしの事などお構い無しに状況は進む。

「うん、えと……芳佳ちゃん」
「うん、サーニャちゃん」

 抱き合っていた身体を離し、見詰め合う二人。
 正面からお互いの手を合わせて、握り合う。
 サ、サーニャと運命線重ねていいのは私だけだぞ宮藤!
 速くその手をどけろー!
 心で叫んでみても状況は好転することなく、ふたリは微笑みあい、どちらからともなく呼吸を合わせ……。

『お誕生日おめでとう』

 綺麗にハモって、お互いを祝いあった。
 何だかイロイロこうして内心グダグダしてるのがあほらしくなっちゃうほど爽やかな笑顔での本当に心からの祝福。
 あーもう……こういう時の二人の良い表情見せ付けられちゃうと、文句がつけられなくなるじゃないかー。
 そんな複雑な気持ちを振り切って、何度かの深呼吸で心と身体を落ち着ける事に成功していたわたしは、笑顔につられて祝福の言葉を口にする。

「おめでとな、二人とも」

 あとは皆からの「おめでとう」と拍手の嵐で、ニパとルッキーニが余ってるクラッカーを鳴らすオマケつきだ。
 耳元でクラッカーを鳴らされたエル姉が驚いて悲鳴を上げてるけどエル姉だからしょうがないんでスルー。
 っていうか軍人が火薬の音でいちいちびびるなよ……。
 絶対に徒競争の時のスターターの音に竦んで実力を発揮できないタイプだよな、エル姉。
385/8:2009/05/21(木) 00:26:34 ID:vxMU01vE

「ありがとう、サーニャちゃん、エイラさん、みんな……」 

 そんな周りの見渡してから言葉を止めてかしこまる宮藤。

「何だかばたばたしちゃったけど、お久しぶりです。エイラさん、サーニャちゃん、ルッキーニちゃん、あとニパさん。そちらの人は……初めまして、ですね」
「はい、はじめまして。宮藤芳佳さんでしたよね。わたしはエルマ・レイヴォネンです。一応エイラさんの先輩ですよ」
「わぁ、あなたがあの…………道中で迫水さんからお話しは聞かせて貰いました。よろしくおねがいします」
「……つかぬ事をお伺いしますが、ハルカさんからはなんと?」

 宮藤はぺこりとお辞儀。が、そこにヒソヒソと内容を追求し始めるエル姉。
 その様子に一瞬たじろぎながらアイコンタクトで迫水に助けを求める宮藤。

「私と一緒でてんで駄目だったいらん子中隊の頃からトモコ少佐のお力によって華麗に羽ばたくまでのサクセスストーリーです!」
「ま、まぁなんというか……陸軍の穴吹智子少佐がどれだけ素晴らしいかをずっと聞かされてました……」
「芳佳ちゃんにもトモコ少佐がどれだけ素晴らしいかをわかってもらえましたよ」
「そ、そう、ですか……」

 えへんと胸を張って目をキラキラさせながら語る迫水と対照的に、宮藤はなんだか疲れた様子になる。
 そこにエル姉も同調。
 察するに、道中ずっとこの変態のののろけをずーっと聞かされたわけダナ。
 お疲れ様だ宮藤。良く頑張った。

「はじめまして宮藤サン。私はカールスラントのハイデマリー・W・シュナウファー。さーにゃんのお友達ですよ」
「はいっ。宜しくお願いします……おっぱ……おっきい……」
「どうかしましたか?」
「あ……いえ、何でも無い何でも無い何でも無いですっ!」

 ハイディを見て案の定な反応を示す宮藤。
 ふふーん、ソウダ。

「オイ宮藤」

 ぐっと宮藤の首に腕を回してヒソヒソ話モード。
 気を引き締めて極力真面目な表情で話を切り出す。

「わっ、と。何ですかエイラさん?」
「ふふーん、宮藤お前、ハイディのおっぱい触りたいんだろ」
「え、ええっ!?」
「顔に書いてあるぞー」
「いえっ、あの……そういうわけじゃっ……」
「ヤメトケ」

 図星を突かれてしどろもどろになった宮藤にぴしゃりと言い放つ。
396/8:2009/05/21(木) 00:27:14 ID:vxMU01vE

「え!?」
「実はさっきさぁ、ルッキーニがいつもの調子でやったんだよ。そしたら彼女泣いちゃってさー……だからヤメトケ」

 真顔で言って、内心は「にひひ」って感じだ。嘘はついてないぞ。泣いたのは事実だからな。

「そうなんですか……そうですよね、気にしてる人だっていますものね。残念ですけどわかりました……って、わたしそんなことしませんよ!」
「どうだかなー」
「お二人とも、何か?」
「えっ……何でも無いっ、何でも無いですよっ」

 慌てる宮藤を見て満足する。
 私一人が触れないんじゃ悔しいもんな。

「きゃっ!」
「あれ? 迫水さん!?」

 なんか、悲鳴が突然上がるのにも大分慣れたぞ。
 今度のルッキーニの犠牲者は迫水のかー。アイツはなんていうか事前のリサーチ無しでとりあえず触ってみようって感じだよな。
 私の場合はまず見た目で判断してから触るんだ。同じことをやっているようで明確なスタンスの違いがあることを忘れないで頂きたい。

「ウジュ〜……残念賞〜。見た目どおりだね〜」
「ちょっとぉ! このパスタいきなりナニをっ!!」

 叫ぶ迫水を無視して今度は宮藤へ。
 迫水の事だからもっとヒートアップするかとも思ったけど、「これだからロマーニャ娘は……」とか何とかぶつくさいいながら睨み付けるだけだ。
 そういえばジュゼッピーナとかって言うライバルも居たんだよな。その辺でロマーニャ娘には苦手意識でもあるのかな?

「ウシュシュッ。今度は芳佳の〜」
「わわ……っと、も〜ルッキーニちゃんは相変わらずなんだから〜」
「芳佳も相変わらず残念なんてツマンナ〜イ」
「ひどい! コレでも大きくなったんだよっ!」
「へへ〜ん、大きくなったって言うのはこういうことを言うんだよ〜だ。ホラッウリウリ、背中でわっかる〜?」

 おおっ、ルッキーニが宮藤の背中に胸を押し付けてる!
 アレは新しいアプローチだな……ハイディ級の胸にあんなことされたら……宮藤なら昇天モノだな。
 まあでもおっぱいの事ばかりしか見てなかったけど、ルッキーニって身長も伸びてるな。
 宮藤にピッタリくっついてるからよく解る。もう暫くしたら身長とかも宮藤を追い抜いちゃったりして。

「お……おおお? おー……本当だ、おっきくなってる。すご〜い!」
「ニシシ。コレからもっと大きくなって16歳の頃にはシャーリーみたいになるもんね〜」
「ルッキーニちゃん!」

 早業で振り返り、向かい合わせでルッキーニの両手を左右から包み込んだ懇願のポーズを作る宮藤。
407/8:2009/05/21(木) 00:27:40 ID:vxMU01vE

「な、なに!?」
「これから毎年確かめさせて!」
「イーヨ」
「ほんとっ?」
「うん、まぁなんにも用意してなかったしさ、アタシから芳佳への誕生日プレゼントってことでネッ」
「うんっルッキーニちゃん」
「ああもう……なんていうかロマーニャ娘には碌なのがいないわね……」

 一人悪態をつく迫水には慈愛の塊のような人であるエル姉が話しかけていた。

「ハルカさんもお久しぶりです。でも、来るなら事前に連絡してくれれば良かったのに」
「結構急に来ることになったんで、折角だから驚かしちゃおうって事でナイショにしてたんです」
「ふふふ、とっても驚きましたよ……ところで、その服かっこいいですね」
「良くぞ気付いてくれましたぁ。トモコ少佐につりあうオンナになる為に、不肖この迫水ハルカ一念発起いたしまして、先日めでたく士官になりましたっ!」

 詰襟の扶桑海軍士官服を強調するように両手を広げてくるりと一回転する扶桑海軍の誇る変態迫水。
 坂本少佐や竹井少佐と揃いの服には違和感ありまくりだな。
 
「あ、そうだサーニャちゃん。これ、私と坂本さんと迫水さんからの誕生日プレゼントです」

 一通りの挨拶が済んでから、宮藤が脇においてあったらしいちょっと大きめの風呂敷包みを持ち上げて差し出した。

「え、でも、わたし芳佳ちゃんへのプレゼント用意して無い」
「そんなの気にしないでいいよ」
「うん、私たちがサーニャちゃんに喜んで欲しくて持ってきたんだから、受け取って喜んでもらえるのが一番よ」
「気にせず貰っとけよサーニャ。今日は主役なんだから遠慮なんてすることナイッテ」

 中身に想像を巡らせながらサーニャを促す。
 大きさと言い、持ち上げた時の重さの雰囲気と言い、二人の国と言い……アレは扶桑人形だな、きっと。
 宮藤が持ってるのとお揃いの穴吹少佐か、はたまた坂本少佐かあたりかな?

「うん。ありがとう。芳佳ちゃん、ハルカさん。あけてもいいですか?」
「いいよ、あけてみて」

 風呂敷包みをテーブルの上においてから丁寧に結び目を解いていくサーニャ。
 中からでてきたのはしっかりしたつくりの箱で、底面以外の部分がそのままふたになっているようだった。
 皆興味しんしんでテーブルを囲み、サーニャの行動を見守っている。

「あんまり見られてると、恥ずかしいよ」

 そう言ってちょっと顔を赤らめながら左右から両手で蓋を持ち上げる。
 そんなサーニャの表情に見とれていたわたしは、皆からの歓声にワンテンポ遅れて反応した。

418/8:2009/05/21(木) 00:32:26 ID:vxMU01vE
「わぁ、すてき……」

 ゑゑゑっ!? ってぇ!? ワタシジャナイカー!!!

「エイラさんかっこいいですね〜」
「良く出来てますね、ストライカーの作りこみまで……すごい」
「おおっ! これはちょっと、いやかなりあたしも欲しいぞ」
「ニヒッ、エイラも扶桑デビューだねっ」
「ありがとう芳佳ちゃん。わたし、大切にするね」

 みんなの感想に、追い討ちをかけるようなサーニャの一言。
 だいたいこんなもので喜ぶはず無い……って、本人喜んでるからそこは否定のしようがないんだけれど、もっとアクセサリとか女の子の喜びそうなものと買ってあるだろ!
 しかも、よ、よりによって……わたし……ううっ、やっぱりなんか恥ずかしいじゃないか。

「ちょ、ちょっとちょっとちょっと宮藤!! これ、なんでわたしなんだよ!」
「え、何で……って、サーニャちゃんが喜ぶと思って……」
「うん、すごく嬉しいよ。本当にありがとう、芳佳ちゃん」

 っていうか、そりゃ嬉しいのかも知んないけどさ、なんでそこで鼻を啜る音させるほど感涙に咽ぶかなぁ。

「ででででもわたしだぞ! 本当にこんなのでいいのか!?」
「だってホラ、エイラかっこいいよ」「ですよね、すごくかっこいいです」

 二人は其の扶桑人形に顔を寄せ、6分の1くらいと思われるサイズのわたしの向こうからカッコイイを連呼。

「お、イッル赤くなってるな。さては照れてるのか〜」
「あ、ホントだ〜。こっちのエイラはかっこよくて、そっちのエイラはカワイ〜」

 うぁ、よりによって二人も参戦かよ。
 ちなみに言うとハイディはニコニコしながらやり取りを見ている。幸せそうなサーニャを見るのが幸せといった風情だ。
 人を茶化さないおっぱいはいいおっぱいだな。ああ、さわりたい……じゃなくてこの場を何とかしないとっ!

「そっそそそそんなわけないだろ! だだだだいたい、こんなの作られるなんて聞いてないぞ!」

 何でどもるわたし! 動転してるのバレバレじゃないかー。

「あ、それでしたら随分昔に扶桑の業者からスオムス空軍に打診があったんで喜ぶと思って許可しておきました」
「犯人はエル姉かよっ!?」
「はい、扶桑人形の【世界の航空エースシリーズ】ですよ。スオムスいちの撃墜数を誇るエイラさんが選ばれるのは当然だと思います。とっても誇らしいですよ」

 えへんと自分の事のように胸を張るエル姉だけど、ちゃんとわたしの許可も取ってやれよ!

「聞いてないぞ! だいたいホラ、肖像権とか何とか色々あるじゃないか!」
「はい、そういうのは軍が管理してましたんで、上司であるわたしが責任を持って報酬を離散家族支援にまわしましたよ。サーニャさんみたいにバラバラになった家族が一人

429/8:2009/05/21(木) 00:36:17 ID:vxMU01vE
でも多く幸せになれたら素敵ですよね」
「くっ!?」

 天使のごとき笑顔で語るエル姉。天然いい人オーラがここまで強烈だったとはっ!
 でもサーニャを引き合いに出されたら何もいえなくなるよな……。

「だからって、教えてくれてたっていいじゃないか」
「あれ? 言ってませんでしたっけ?」
「何も聞いてないぞ」

 半眼でエル姉を睨みつけ、迫る。

「え、でも確か今回の件の案内とその他の作品紹介のパンフレットを貰って……あ」

 更に距離を詰めながら一言。

「執務室のデスクの中、とかいうんじゃないだろうな、エル姉」
「あ、あははははは……ごめんなさい」

 ああもうっ! 

「エル姉のバカー!!!!!!」



以上となります。

っていうか、改行多すぎて8レスに収まらなかったorz
あと、自分で書いててなんだか違和感を感じていたエイラの片仮名台詞を意図的に平仮名でやってみたんですが……、
やっぱり平仮名だと物足りない気もしますね。難しい……。
あと、エイラ一人の視点からこれだけの人数の様子を書くのは結構限界かも〜。
43名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 07:40:04 ID:wMAplMXt
>>42

GJGJ!!エイラのわたわた加減がものすごく可愛い!
バカタヤイネンいいなw
44名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 07:54:54 ID:fpo6etr6
>>42
超GJ。読んでてめがっさほんわかしますたbb
45名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 17:15:17 ID:6eUOgzZa
もうちょっとで保管庫も10万ヒットか
46名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 17:19:16 ID:eX0xBlYi
>>8ってもうtxtうpしてる?
自分が気づいてないだけですか…?
47名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 18:09:26 ID:oGldBsY1
>>46
>>29の一番下を見るよろし
48名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 18:44:06 ID:eX0xBlYi
>>47
すまん完全に見逃してた
サンクス!
49名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 19:59:28 ID:/KBAQ5fy
>>29
2本ともGJ!ほのぼのもいいが埋めのこの痛切なまでの描写に痺れた
ちくしょうリーネイラいいなあ……この危うさがたまらん
>>31
朝から書いてこの長さとか何事だよもうしかも内容もGJ!
>>42
喫茶店キターーー!!扶桑人形ワロタwwそしてまさかのハルカ参戦とはさすが先生
感涙に咽ぶサーニャを想像したら可愛いを通り越して逆にエイラに同情するわw


ところでこれはいったいどういうことだ
ttp://up2.viploader.net/pic3/src/vl2_136875.jpg
50名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 20:04:34 ID:iCwCeVBH
エイラが浮気だと・・・?!
51名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 20:29:59 ID:zpjR4X6f
>>49
あー芳佳とエイラのカップリング実は大好きです
この画像は自分には堪らんなぁ…
時間あったら続き書こうかなぁ
52名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 22:38:06 ID:YomHONDI
同人の悪いところというか、制御する人(編集)がいないから、
登場人物が増えてテンポが悪くなるわまとまりはなくなるわでgdgdになってるね、喫茶店。
53名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 22:41:25 ID:kt1S/P3O
芳佳は誰に絡ませてもいける気がする
54名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 22:44:40 ID:fpo6etr6
つーか基本的に誰でも絡ませれそうじゃね
55名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 22:45:49 ID:GhYHixGU
主人公ですから!(SE:ばばーん)
56zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/05/21(木) 22:51:45 ID:vxMU01vE
色々コメントありがとっす〜^^

>>52
うぐ、それは自分でも重々承知……。
もうちょっとうまく直せないものかと思ってはいたんだけど、自分の実力の限界です。
ビューリング話辺りのまとまりを追い求めてはいたりしますがどうにも……。
三人称にするのも手なんだけど、エイラの内心書くのも目的のひとつなんでどうしたものやら。
とりあえず次で大人数の8/18編は終わるんで、その後はもうちょっとgdgdにならんようにします。
57名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/21(木) 22:52:51 ID:oGldBsY1
>>49
これ元の絵はエイラじゃなくてみっちゃんだっけか
58名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 05:45:30 ID:J5j7VP0j
>>32
こんにちは俺
59名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 19:18:43 ID:6/7wyn0N
喫茶店とかもう無理に続けなくてもいいんじゃね?
荒らし以外は誰も読んでいないみたいだし
60名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 19:45:29 ID:0RR5ngWG
>>53
ハルカと絡ませたら色々と酷いことになりそうな予感
61名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 19:57:07 ID:rbFoytXf
リーネイラ好きだけど
エイラは少しだらしない娘の世話をやくのが好きそうだからリーネは範囲外なのだろうか…
62名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 19:57:30 ID:GAm/6OoJ
>>31
ウィルマお姉ちゃんのSSと言うより、リーネの
SSですね。かなり知識がないと書けない内容だと
思いました。凄いです。自分的にはリーネ分を補給
出来て嬉しかったです。乙でした。
631/4:2009/05/22(金) 20:45:28 ID:nOkwfYp/

私を目の前にすると、いや、どんなときでも大抵、瞳を曇らせて視線を落として、まるで私の肩にある
階級章を見ないようにしていた彼女がはしゃいだ声を上げて談笑しているのを見た。その前にいるのは
栗色の跳ねた髪をした新人。彼女もまた、朗らかに微笑んでいる。

「共同撃墜1、ね。」

私とともに出撃して、私とともに帰投した赤毛色のその人は心底うれしそうにそう呟く。ウン。彼女と
私との階級の差も忘れてそれだけの返答を返す私。ふいに格納庫の奥のほうからきらきらした輝きと、
モノトーンの衣服が見えてようやく私はその顔に笑みを貼り付けることができた。あの子を目の前に
すれば、私はいくらだって、嘘っぱちだって、笑顔を浮かべることができるのだ。だって私からして顔を
曇らせていたら、私よりよっぽど表情をほころばせるのを苦手とするあの子はもっともっと笑えない
だろうから。

「サーニャ!」

彼女しか見えていない「フリ」をして、喜びはしゃぐ二人の新人の脇を通り抜けたのに二人は果たして
気がついただろうか。気づいてほしい、と思う反面、気づかないでほしいともなぜか思う。不思議な
不思議な気持ちの重さを抱えて、私は少しだけ唇をかんだ。

「もう、起きてて大丈夫なのか?ねむくないか?」
「だいじょうぶよ。…エイラは、心配性ね」
「そんなことないよ。あ、お風呂に行こうか、それともサウナにするか?」
「エイラ、そんなに急がなくても」

矢継ぎ早に質問を浴びせる私がおかしかったのだろう。少し、ほんの少しだけ口の端を吊り上げて、
「しかたのないひと」とでも付け足したいかのような小さな小さな微笑をサーニャは浮かべてくれる。私に
だけわかる、サーニャの心の機微。感情の揺らぎ。それは私のちょっとした誇りで、彼女の隣は誰にも
渡したくない特等席だった。
ようやく帰投した別働隊に手を上げて、おかえり、と言ってやる。そしてまたサーニャに視線を戻す。
サーニャだけを見る。ほかのものを見ないように。

「エイラ、どうしたの?」

甘えるように、指を絡ませてきたサーニャが小さな声でたずねてきた。ん、なにが?耳を寄せてたずね返す。
どうしたもこうしたも、いつもどおりの私だよ。二つに分かれたネウロイの尻尾のほうは、私とミーナ中佐が
ちゃんと撃墜したんだ。囮だったほうのネウロイはバルクホルン大尉たちがしっかりと迎撃したし、そうい
うわけでとりあえず今週の脅威は去った。明日はお休みだから、サーニャも夜間哨戒がなくて、だから、
じゃあ、今晩は二人でゆっくりと過ごそうか。そんな言葉を頭に並べて、音にしようと口を開く。けれども
それは叶わなかった。

「…さみしそうな顔をしているわ」

絡められた手が、きゅ、としまる。思っても見なかったその言葉に私は開きかけた口をあんぐりと開けた
まま、ぽかんとサーニャを見返すしかない。窓から差し込んでくる夕日に照らされた顔がやけに熱くて、
でも背中は冷たい汗をかいている。その瞬間、彼女は決して私に甘えているのではなく、甘やかされて
いるのが私のほうなのだとようやっと気が付いた。エメラルドの瞳の奥に揺れているのは私を気遣う輝き
ばかりで、事実、彼女は「疲れているの?」だとか「眠いの?」だとか言う言葉を重ねてくるのだ。その
言葉はいつも、私がサーニャにかけてやっているものなのに。
642/4:2009/05/22(金) 20:46:10 ID:nOkwfYp/
繋がれた手から先ほどまで眠っていたらしいサーニャの高い体温が流れ込んでくる。確かに繋がっている
その感覚にひどく安堵している自分がいて、それならばきっと私はそこから、サーニャに不安を伝えて
しまっているのだろうと思った。……参った。私がこの子の表情を気取ることができるのと同じように、
彼女もまた、私の行動から私の気持ちを推し量ることができるはずだったのだと気づけずにいた。だって
それだけの時間を、私たちは一緒に過ごしてきたはずなんだから。

「……なんでもないって。ただ、」
「…ただ?」
「カッコウの親の気分って、こんな感じなのかなって思っただけ」

かっこう?
私の言葉の意図をつかめず、サーニャは首をかしげる。やわらかにゆれる銀色の髪はとても心地よさそう
だと思った。触ったら気持ちよさそうだと思ったから、それだから繋がれていないほうの手を伸ばして彼女
の頭に触れることにした。ゆっくりと触れてなでてみた。ああ、予想通りだ。やっぱり柔らかくて気持ちが
いい。自然に笑みがこぼれる。

「──ただ、それだけ。」

そうして、私に投げかけられた彼女の疑問を今しがた廊下に吹き込んだ風とともに吹き飛ばしてしまう。
握った手に力が込められたのを感じたけれど、それは気のせいだと思うことにした。与えているばかり
だと思っていたのに、本当はこんなにも、与えられているばかりのだと私はサーニャと一緒にいるとき
不意に気づかされる。


つらいのなら、いつでもこいよ。
一度だけ、たった一度だけ、私はリーネにそう呼びかけたことがある。あの時たしかリーネは私と同い年に
なったばかりで、それなのに今よりもずっとずっと、おどおどとした顔をしていた。ブリタニアにあるウィッチの
訓練学校を出たばかりだという彼女はそのままここに配属されて、そうしてすぐにひとつ年を重ねた。
それは数ヶ月前に同じく年を重ねた私と同じ数のもので、だからちょっぴり、私も親近感ってやつを
抱いていたんだ。胸の大きさも、まあ目を引いたけれどそれはお年頃の好奇心ってやつでなかったことに
してほしい。まあそれはとてもとても重要な要素ではあるけれど、いま、とりあえずは関係のないことだ。

驚いた顔をしていた。「でも、私は、」そんな風に目を伏せた。どうして目を伏せるのかはわからないけれど、
それはもしかしたらこの肩にある階級章を見るのがいやなのかもしれなかった。少尉を表す印が、この
肩には刻まれている。この部隊に配属されるまでは准尉で、そして衣服も下士官に宛われるものだった。
当初こそ着慣れないそれだったけれど今ではすっかりと体になじんでいる。

スオムスではウィッチはとても希少だから、戦争の真っ只中ということもあって能力の発現とともにすぐに
軍に配属された。もともと何でも一通りこなせる器用貧乏な体質が吉と出たのか凶と出たのか、気が
付けばストライカーをはいて空を駆って、銃器を肩にかけて引き金をためらいもなく引いていた。攻撃は
予知したとおりによければよかったし、狙撃だって苦手ではなかったから撃ち込めば予想通りの軌跡を
描いて弾はネウロイの体へ吸い込まれていった。すべてのことは予定調和で構成されていて、だから
彼女のようにおどおどと怯える理由も、失敗を恐れる理由も分からなかった。失敗したとしたって、それ
だってあらかじめ予定されていたことに過ぎない。天候やネウロイの性能、訓練不足、運。ファクターは
数あれど、その結果に行き着く理由が確かにあるはずだった。だから動じる理由なんて何ひとつなかった。
それが私にとっての「当たり前」だったのだ。
653/4:2009/05/22(金) 20:46:46 ID:nOkwfYp/
けれども、木々が青々と茂る頃にやってきたリネット・ビショップと言う一人の軍曹にとって、それは決して
「当たり前」ではなかったらしく。ちらりと見た訓練ではこの部隊に配属された他のウィッチに負けずと
も劣らない優秀さを発揮するのに、実戦ではとんと揮わないのだった。サイレンが鳴り響く度に体中を
震わせて、物陰に隠れて小さくなっている姿を私は何度見ただろう。リーネ、リネット軍曹はどこだ!
堅物のバルクホルン大尉が怒鳴りだす前にリーネを見つけてその手を引いてやるのがいつの間にか
習慣になっていたことに、果たして彼女は気付いていただろうか?

がんばろうな、と。サーニャに語りかけるときのような意識した優しい笑顔と声で、何度も何度も語り
かけたけれど。リーネにとってはそれさえも自身を追い込むものでしかないように見受けられた。眩し
そうに私を見上げて、次の瞬間には目を落とす。リーネの気持ちをこれっぽっちも理解してやれない私に
は彼女に何と言葉を掛けてやればその瞳に活力が宿るのかなんて欠片も想像できなくて。途方に
暮れはしなかったけど吊り上げた口のほんの端っこで、軽く唇をかんだりしていたんだ。

つらいのなら、いつでもこいよ。

あるとき思い立って、そんな言葉を掛けた。私じゃ何の力にもなってやれないけど、吐き出したい何かを
受け止めてやることぐらいは出来るかもしれないから。口にしたそのときはそんな高尚なことまでを考えて
いたわけではないけれど、つまるところそんな気持ちで私は彼女にそういった。同い年として、先輩として、
仲間として。どうにかしてリーネを支えてやりたかったんだ。だってせっかく、何の因果かこんな場所で、
同じ部隊に所属する機会に出会えたんだ。そんな仲間が辛いときに助けてやるぐらい、当たり前のこと
だろ?頼んだって離れ離れになれるわけでもないし、なりたいわけでもないんだから、それなら大切に
しないと損だろう?

でも、わたしは。

あのときそう、口をつぐんでしまった彼女は一体その後にどんな言葉を言いかけて、どんな気持ちを
押し隠していたんだろう。結局リーネは一度も私のところに訪れることがなかったから、私には未だに
それがわからない。でもきっとリーネにとって私との間には大きな隔たりがあって、それを埋めるだけの
何かがきっと私には足りなかったんだろう。襲うのはそのぽっかりと開けた隔たりのぶんだけの空虚感。
何かをしてやりたいのに、どうしようもないもどかしさ。

カッコウの親は、自分が他人の巣に産み落とした雛といつかどこかで出会うだろうか。そこでそいつは
何を思うだろうか。そりゃ産み落としたのは私じゃないけれど、温めてやりたかったのに抱え込むことが
出来なかったのは同じだから。だから、私はハンガーで楽しげに笑い合うミヤフジとリーネを見ていて
なんだか少し切ない気持ちになった。お前は大きくなれるよ、って。私はちゃあんと分かっていたから。
だから大きくなるその様を、巣立つそのときの力強い翼を、育てて、見守ってやりたかったのに。その
特権はいとも簡単に、私よりもずっと小さな小さな小鳥に奪われてしまった。

(さみしそうなかおをしているわ)

私の手を強く、けれども強く、握り締めてそう言ったサーニャの言葉が耳に蘇る。直後にまた、楽しそうな
リーネとミヤフジの姿がよぎってほんの少しだけ泣きたい気持ちになる。小さな小さなサーニャの手に、
心臓ごときゅっとつかまれたみたいだ。
(あ、そっか)
ああ、こんな気持ちを「さみしい」というのだと、やっと私は気がついた。



とん、と。肩に軽い衝撃を感じてはっとする。なんだろう、と視線をそちらにやると、明らかに眠そうな顔を
したサーニャが目をこすっていた。夕方まであんなに眠っていたというのに、どうやらもうおねむらしい。
664/4:2009/05/22(金) 20:47:18 ID:nOkwfYp/
「さーにゃ、ねむい?」

優しく優しく、尋ねる。部屋はもう薄暗く、ベッドサイドの明かりだけが柔らかく辺りを照らしている状態だ。

「扶桑式の風呂ってさ、なんか入ると疲れるよなー…どうしてだろ」
「……わかんない…」

風呂にするかサウナにするか、悩んだ末に選んだのは結局風呂のほうだった。正確に言うと向かって
いる途中で坂本少佐に鉢合わせしてしまって無理やり連れ込まれたというほうが正しい。
時計を見るとまだ日付が変わってすらいない。夜間哨戒で徹夜に慣れているサーニャより先に眠るまい
と懸命に目を開いていたけれど、実のところ私も相当限界だった。疲れる、というか、なんというか。風呂
はどうしてか、とても眠くなるような気がする。疲れが体の奥まで染み込んで、直接体の芯に休めと命令
しているような気さえするんだ。

今晩は一緒に過ごそう。
私は結局一言もそう言わなかったのに、サーニャはまるでそれが当たり前といった風情で私のベッドに
座り込んでいた。お気に入りの枕だけをその腕に抱いて人ひとりぶんの温もりを私の部屋に増やして
くれている。もしかしたらそれは私が「さみしいかお」をしていたからかもしれなくて、だとしたら少し情け
なくて、けれどもとても嬉しかった。

「ねむろうか」

そう、声を掛けたけれど。
どうしてか返答はなかった。耳を澄ますともうすでに、すうすうと規則正しい寝息。安心しきったその態度
に、私がどれだけ救われているかきっとサーニャは知らない。仲間一人温められない私なのに、それでも
サーニャは傍にいてくれるんだ。私一人が世話を焼いて与えてばかりいるようで、本当は私ばかりが
与えられている。

(明日は、一緒に散歩にでもいこうかな)

サーニャをベッドに横たえて、毛布を掛けて。その横に自分も横たわりながらそんなことを考える。間違え
て部屋に入ってこられたら流石にうろたえるけれど、こうして最初から一緒のベッドにいるならば驚くこと
なんて何もない。何よりも、傍らにあるこの温もりは私の心と体をとてもとても勇気付けてくれるんだ。

朝起きたらサンドイッチを作って、そして。
撃墜記念とか行って、リーネとミヤフジも誘おう。ペリーヌは相変わらずツンツンしてるだろうけど、同い年
のよしみだ、あいつも巻き込んでやる。いやだといったって聞いてやらない。だって、私は寂しいんだもの。
少しぐらい我侭言ったっていいじゃないか。

お菓子づくりが得意だと言っていたリーネにはお菓子を作ってもらおう。お茶も持っていって、そうして
みんなでのどかに過ごす。せっかくの休日なんだ、楽しまなきゃ損だ。

そうしたら私はそいつを食べて「美味しい」というから、だから。
今日見せてたあの笑顔、私にも向けてくれよ、リーネ。温めたのも孵したのも私じゃないけれど、全然
力になってやれなかったかもしれないけれど、それでも私だって君を見守っていたんだから。

寝ぼけているのだろうか。身を寄せてくるサーニャの背中に手を伸ばしてぎゅうと抱きしめたら、その夜は
ぐっすりと眠れて夢も見なかった。

67名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 20:48:49 ID:nOkwfYp/
以上です。リーネイラはリーネ→エイラが多いので、エイラ→リーネのような話も書きたかったらしいです。
でもエイラーニャは鉄板であるらしいです。
前スレ埋めと>>27-29も自分でした。保管庫管理人さんいつもご迷惑おかけしてすみません  [21X2w2Ib]

>>42
喫茶店素敵過ぎる!お誕生日会は大人数でするものだろjkと、大人数動かすのが苦手な自分がいってみる
ハルカと501の絡みが新鮮で楽しかったw今回も面白かったですGJ!続きも期待してる!
68名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 22:13:50 ID:dPOiJIXW
>>67
GJ、いつもながらいいエイラだ。かっこいいとこもしょーもないとこも。
69名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 22:26:43 ID:Q9MGgBSa
リーネちゃんかわいいよリーネちゃん
ペリーネSS期待
70名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/22(金) 23:31:31 ID:w9A6av/i
>>49
       ____
    ,  ´     ┛┗ヽ.
   / ./      ヘ┓┏ ヽ
   ,' j    ∧  /、 ヽ   i
   | / . | / /V/ |ヾト  ハ
  イ   | /|'⌒イ  |⌒ハ ,. |
   .!ノ i|' _   _ / 从ノ
  イ ヾハ ´⌒`  ,´⌒ {イハ     ・・・・・。
   V ! ト、 ゙゙  ヮ ゙゙ノト ノ
   ヽノノヽ>> r<ハノ!ノ
       f、::::>ュ'<ヽ
       |::::i::::::人☆:ハ
      }::::|:::::::::::::l::::::|
       イ:::::{:::::::::::::}::::::!
     {::ヽイ::::::::::::::ト=r'
     ヽ::`::::::::::::::::`"ノ
 .     |ニニYニニ|
       ',:::::::::|!::::::::!
         ',::::::::ll::::::::!
          ',::::::||:::::::!
          ',::::||::::::!
          ー' ゙ー'
71名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 01:28:40 ID:hdXGNpHJ
>>67
エイラ優しいな。いい人で終わってしまうパターンで
ちょっと悲しい。でもサーニャがいるから良いよね。

リーネちゃん、おいしいお菓子食べさせてあげてね。
72名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 08:46:03 ID:a3kYW9am
>>67
気になっちゃうエイラがエイラらしくしょうもなくていいですねw お前って奴はw
サーニャん健気だ。離したらいけんよエイラ。
カッコウの例えもとてもいいですGJ
7321X2w2Ib:2009/05/23(土) 16:47:48 ID:kFqb6qvx
すみません、誤字です。>>65の下から2段落目、一行目の
私の手を強く、けれども強く、握り締めてそう言ったサーニャの言葉が耳に蘇る。
の文を、
私の手を強く、けれども優しく〜 とご訂正願えないでしょうか?

それと、>>66下から4段落目の2行目の「行って」も「言って」とご訂正いただけると
ありがたいです。いつもいつも誤字脱字ばかりで申し訳ないです。よろしくお願いします。
74名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 17:17:23 ID:lQpJWbb2
まとめサイトが10万越えしたのにここも避難所もレスがなくて寂しいな
75名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 17:47:33 ID:xKXzHu6o
99999踏んだんだがね
76名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 17:50:38 ID:yn+UFBFj
>>75
おめでとう、思う存分妄想を書き込む権利をやろう
77名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 17:54:52 ID:xKXzHu6o
78名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 18:20:14 ID:TZ52D/rn
キャプチャしてたのかw
79密命!トゥルーデ撃墜指令 ◆VQu3lPivsU :2009/05/23(土) 19:48:16 ID:Pz9V1NlU
 バルクホルンはエイラの胸をまさぐっていた。
 コリコリに凝った乳首に舌を這わし、時折歯を立てて軽く甘噛みする。
 そのたびエイラは「うぅっ」と呻き、切なそうに眉間に皺をよせる。
 自然に浮き上がった腰が淫らにくねり、エイラは更なる快感を貪ろうと噛み合わせた部分を擦り付ける。
「むっ……むぅぅっ……」
 バルクホルンも下半身に湧き上がってきた甘い疼きをこらえようと、歯を食いしばって呻き声を漏らす。
 奥深いところから湧き出してきた互いの液が混じり合い、愛し合う2人の腰の動きは加速していった。
「あぁっ、トゥルーデ……も、もう……」
「エイラッ……わ、私も……あおぉぉぉっ」
 2人は獣じみた叫びを上げながら、快楽の園へと登り詰めていった。


「なぁ、エイラ……」
 長く尾を引く余韻に浸りながらバルクホルンは愛人に呼び掛けた。
 エイラはグレーの瞳で見詰め、愛する人に先を促す。
「エイラ、正式に私のものにならないか?」
 バルクホルンはエイラの長い髪を愛おしそうに撫でる。
「…………」
「……嫌か?」
 バルクホルンは不安そうにグレーの瞳を覗き込む。
 そこには戸惑いと不安の色が入り混じっていた。

「トゥルーデにはエーリカがいるダロ?」
 エイラは返事をする代わりに、拗ねた口調で呟いた。
「お前がウンと言ってくれるのなら、私はいつでもエーリカと別れるつもりだ」
 バルクホルンはキッパリと言い切った。
「それより、お前こそサーニャをどうするんだ」
 冷酷で執念深いオラーシャ女の顔が脳裏をよぎると、バルクホルンの背筋に寒いものが走った。
 サーニャには民族や宗教の違いを超越した、得体の知れぬ違和感を持っている。
 強いて言語で表すとすれば、「狂気」と言うのが一番近いのだろうか。
 なんにせよ、絶対に敵に回したくないタイプの女であった。
80密命!トゥルーデ撃墜指令 ◆VQu3lPivsU :2009/05/23(土) 19:48:51 ID:Pz9V1NlU
「サーニャは裏切れない……許してくれるとは思わないしナ……」
 エイラは身震いしながら語尾を震わせる。
 今夜のようにサーニャが夜間哨戒に出ている間だけ、エイラはバルクホルンの愛人となる。
 僅かな間だが、エイラにとって充実した、本当の自分に返ることのできる幸せな時間であった。
 もう身も心も自分がバルクホルンのものになったという自覚はあったが、その一方でサーニャとの仲も切れないでいる。

 こんな中途半端な状態が嫌で、エイラは何度かサーニャに別れを告げようとした。
 しかし、陰鬱で底の知れない湖のような目に見詰められると、何も口にできなくなってしまうのだった。
 そんな日のサーニャの責めは決まって容赦がなかった。
 エイラが泣いて許しを乞うても攻撃の手を緩めず、失神することすら認められないのだ。
 結果、エイラは穴という穴から汁気を垂れ流して朽ち果てる。

「あなたは私のモノなの……永久に……」
 サーニャの囁きが脳裏に甦り、エイラは再び身を震わせた。
「畜生っ、こんなに好きなのに……こんなに愛してるのに。どうにもならないのかよっ」
 バルクホルンが悔しそうに歯噛みした。
 こうなればサーニャがネウロイに墜とされるのを願うばかりだった。
 サーニャさえここから居なくなれば。
 サーニャさえ死んでくれれば──。



 その翌日、日課を終えたバルクホルンは、夕食前に汗を流そうと浴場にいた。
 今夜のシフトもサーニャは23時から夜間哨戒に出る予定なっており、エイラとゆっくり愛し合える。
 ふと緩みがちになる頬を引き締め、バルクホルンは丹念に肌を磨いていた。
 普段厳めしい自分がニヤニヤと一人で薄笑いを浮かべている姿は不自然である。
 それでも、この肌にあの潤んだ唇が触れ、子猫のような舌が這うと思うと、知らず知らずのうちに口元が緩んでくる。

「どうしたの。なんかいいことあったの、お姉ちゃん?」
 突然話し掛けられたバルクホルンは、鏡の中に宮藤芳佳の顔を認めるや不快そうに眉をひそめた。
 バルクホルンは、この貧相な体をした東洋人が好きではなかった。
 軍人としての躾もなっていないし、年相応の分別も持たないガキは、規律を重んじる軍隊にとって害以外の何ものでもない。
 意味なくニタニタ笑った平べったい顔も虫酸が走る。
 いきなり怒鳴りつけてやろうとも思ったが、相手と同じ次元に自分を貶めることもない。
 もっと残酷に、冷たくあしらうことにした。
81密命!トゥルーデ撃墜指令 ◆VQu3lPivsU :2009/05/23(土) 19:49:30 ID:Pz9V1NlU
「失せろ。お前のような妹を持った覚えはない」
 バルクホルンはできるだけ冷酷な声で芳佳を拒絶した。
 ところが、当の芳佳は怯むどころか余計に体を寄せてくる。
「ご機嫌ななめなんだね、お姉ちゃん」
 カッと来て振り返ろうとして、バルクホルンは自分の右横にリネットが座っているのに気づいた。
「いつの間に……はっ?」
 気づけば、左の椅子にはルッキーニの姿が。
 知らぬうちにバルクホルンは周囲を取り囲まれていたのだ。

「お前ら……何の用だ?」
 身の危険を感じたバルクホルンは咄嗟に立ち上がろうとした。
 しかし、それより早く左右の2人が反応した。
 両手と肩口を左右から押さえられ、バルクホルンは中腰のまま立ち上がれなくなる。
「お姉ちゃんがいけないんだよ。こんなおっきなオッパイしてるから」
 芳佳は背後からバルクホルンに密着すると、腋の下から手を回してきた。
「や、やめっ……あぁっ?」
 泡まみれの乳房が柔らかく揉みし抱かれ、バルクホルンは思わず声をあげてしまう。
「いいなあ、お姉ちゃん。こんなオッパイして」
 芳佳はバルクホルンの胸を弄びながら、後方に突き出されたお尻に自分の股間を押し当てる。
 そして円を描くように腰を動かし、グリグリとクリトリスを擦り付ける。

「ずるぅ〜い。芳佳ちゃんばっかりお姉ちゃんを独占して」
 リネットが唇を尖らせて抗議し、手にしたバルクホルンの右腕を股間に挟み込んだ。
 そこは既に湿っていた。
 リネットはバルクホルンの腕にスリットを擦り付け、自分の欲望を貪り始めた。
「お、お前ら。どういうつもりだ。す、直ぐにやめ……あぁっ?」
 バルクホルンは最後まで言い切れなかった。
 左の乳首にルッキーニが噛みついたのだ。

「お姉ちゃんの泣きどころくらい知ってるよ。だって、妹なんだもん」
 ルッキーニが甘噛みで固定した乳首を、尖った舌先でチロチロと転がすようにしゃぶり上げる。
「ひぃっ、ひぃぃぃっ」
 一番敏感な部分を責められ、バルクホルンは全身をわななかせた。
82密命!トゥルーデ撃墜指令 ◆VQu3lPivsU :2009/05/23(土) 19:50:21 ID:Pz9V1NlU
「もっと気持ちのいいことしてあげる、お姉ちゃん」
 芳佳は酷薄そうな笑いを浮かべると、バルクホルンの体を前のめりにさせて四つん這いを強いた。
 大きく突き出された尻を両手で固定すると、その中心部に固く尖らせた舌を近づける。
「ひっ……そ、こんなところ……やめ、やめろぉ」
 バルクホルンは暴れようとしたが、3人掛かりで押さえつけられていてはどうにもならない。
 排泄器官にネットリとした舌が襲いかかった。


 数分後、バルクホルンは身も心もトロットロにとろけさせていた。
 もはや抵抗する力を失ったとみるや、リネットとルッキーニまでもが舌責めに参加する。
 既に解れきったアヌスには芳佳の舌が出入りしている。
 バルクホルンにはそれを阻止する手立てはなく、またその気も起きないでいた。
 秘所から溢れてくる液を、リネットとルッキーニが争うように舐めとっていく。

「どう、トゥルーデ。少しは懲りた?」
 知らぬうちに現れたサーニャが冷たい目でバルクホルンを見下ろしていた。
 それに気づくと、3人の妹は姉の体を離れて、サーニャの膝下に跪いた。
 彼女たちはバルクホルンを墜とす命を受けたサーニャの手下なのだ。

 やはりエイラとのことは隠し通せなかった。
 千里眼のサーニャには、2人の秘密などとっくにお見通しだったのである。
「これは戒めよ……トゥルーデ撃墜部隊の恐ろしさをタップリ教えてあげる」
 冷たく言い放たれた言葉は、既にバルクホルンの耳には届いていなかった。
(つづく)
83名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 20:21:29 ID:Hrqnqeu4
>>77
なんという記念撮影ww



YOU頑張って記念SS書いちゃいなYO!!
84名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 20:27:58 ID:karJM4fs
ここじゃレイプものは新鮮だな
久々に18禁に相応しい作品が来たよ
85名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 21:02:57 ID:/fXxP/98
というよりあっちに投下こっちに投下してる人は何がしたいの?
あぁ、自分が頑張って書いたSSにレスが貰えないから
必死にその場その場で勢いある方を見計らって投下してるのか
86名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 21:51:03 ID:TWIuv9Mb
>>77
おめでd
111111とか踏んでみたい
87名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/23(土) 22:14:05 ID:Bgc6V+Pp
>>70
このサーニャのAA、なんか物凄く怖いなw
88名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 00:41:26 ID:3hg3jO9v
ユリアンさん、乙です
89名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 00:48:15 ID:IF9091Po
マジギレすると一番怖そうなのはサーニャな予感

そんな姿全然想像出来ないけど
90名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 00:50:01 ID:2Smefgvf
ヤキモチやいた姿を微笑ましく見ていてあげたいキャラNo.1もサーニャ
91名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 03:40:00 ID:nv0HVf+f
       ____
    ,  ´     ┛┗ヽ.
   / ./      ヘ┓┏ ヽ
   ,' j    ∧  /、 ヽ   i
   | / . | / /V/ |ヾト  ハ
  イ   | /|'⌒イ  |⌒ハ ,. |
   .!ノ i|' _   _ / 从ノ
  イ ヾハ ´⌒`  ,´⌒ {イハ     エイラ…、私の芳佳ちゃんに気安く触れないで
   V ! ト、 ゙゙  ヮ ゙゙ノト ノ
   ヽノノヽ>> r<ハノ!ノ
       f、::::>ュ'<ヽ
       |::::i::::::人☆:ハ
      }::::|:::::::::::::l::::::|
       イ:::::{:::::::::::::}::::::!

   ,  ´ ̄ ̄ `  、
 /           ヽ
/      /|',   / ヘ
i i .:i  ,' ./ ! ',.  メ、 ハ
ハ | .i ./    ',イ ハ i | |
|ハ |/ ー-- ι ナ\|ノリ
:( ヽリ          ハ    がーん
| ヘー、     '     }ノ
| |  |i>ト   △ _ノ 
 | | /`ー`ヽ{<ヽ
92名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 03:57:01 ID:OUwj8AMA
サーニャはそんなこと言わない
93名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 04:39:47 ID:IF9091Po
>>91
「がーん」どころじゃないだろうw
94Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/05/24(日) 10:31:12 ID:R1FH9/6V
いまさらですが
>>67
GJすぎる。エイラが良い人すぎてちょっと感動した。

>>79
なんかちょっと新鮮だったw

というわけで新作ー。イフの続編はまだ書き始めたばっかです。
[DanceParty #01]
サーニャ&エーリカ&ゲルトルート
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/danceparty01.txt
サーニャ初めて書いたのでよく分かりませんでした。特に後半。
あと誤字脱字は毎度のごとくひどいと思います、すみませんorz
全3話ぐらいで収まれば良いと思ってます。
95名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 11:58:54 ID:aSUkBUl+
誘いウケの投下予告は嫌われるよ
誰もお前の近況なんて知りたがってないんだから
なに人気作家気取ってるの
こいつバカなの? 死ぬの?
96名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 14:22:53 ID:0wD98DXA
>>91
エイラが引きこもりそうな破壊力だ
97名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 15:29:48 ID:+2XX4SAF
>>91
エイラの精神状態がえらいことになりそうだな
98名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 16:44:53 ID:6aO8OJV1
ユリアンさんの黒サーニャは怖くていいな
99名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 17:01:24 ID:l1pSMb60
エイラってもしサーニャに好きな人がいると知ったらどうするんだろうな?
泣く泣く応援とかしちゃうのかな
100名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 17:35:32 ID:0wD98DXA
>>99
どうなんだろう、逆にさらにヘタレてダメ子になるかも
101名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 18:59:25 ID:v3EUHTCH
実はその好きな娘はエイラの事なんだけど、エイラはそれに気付いてないってオチなんだろうね。
102名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:02:20 ID:RNGLltN1
>>101
おいおいそこまで書いてSS書かないなんてお天道様が許しても俺が許さない
103名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:24:49 ID:0wD98DXA
>>101
どう考えてもSS化するべき
104名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:29:28 ID:Cm8mDtzU
「わたし好きな人ができたの」
「そうかあ、上手くいくといいな・・・ははっ」
素晴らしいじゃないか
105名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:37:25 ID:lbo3Nol/
エイラーニャ今だ人気だな
106名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:43:22 ID:9gkqxTHA
だって公式だもの
107名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:45:46 ID:gjQE93Bw
こんなに大きな釣り針を公式が垂らしてくれてるんだから
全力で食いついて満足しないと
108名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 19:45:54 ID:yoksdSsc
作品中
公式
中の人たち

全てが、だもの。
109名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 20:06:33 ID:lFIEF8Ud
日馬富士が優勝したことだし、誰かハルマフジのSS描いてくれないかなぁ
110名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 20:36:43 ID:z7nV0XCG
エーリカと宮藤がズボンのみ着用で取っ組み合い…だと……。
お姉ちゃんは行事。多分我慢できずに乱入する
111名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 21:20:24 ID:tBz9dzpO
荒らしを無視しようと必死に雑談→SSを投下しても感想レスがつかない→書き手消える
ということですね分かります
112名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 22:29:18 ID:iVzMBu87
>>104
誤解したまま取り返しのつかない状態までなっちゃうのもまた良い
113名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 23:24:18 ID:0wD98DXA
>>110
>多分我慢できずに乱入
自重汁w
114名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 23:36:12 ID:iVzMBu87
サーニャがエイラに好きな人(エイラ)ができたと言ってみるも鈍感なエイラは自分だと気付かずにへこむ
気付いてもらえなかったと芳佳に相談するサーニャ
エイラはそれを見てサーニャの好きな人が芳佳と誤解する
悲しいけどサーニャのためにとシフトを変えたりサーニャの世話を芳佳に任せたりと二人をくっつけようと頑張る
結果サーニャはエイラに嫌われたのかもと思い芳佳に相談
それを見て尽力した甲斐があったと思うもさらにへこむエイラ
低空飛行の精神状態は戦闘にも影響を及ぼし初めて被弾(といってもかする程度)してしまう
元よりエイラの調子の変化に気付いていたミーナだがいよいよこれはまずいと思いエイラに休暇を与える
休暇中も心中の整理がつかず半ば引きこもり状態のエイラの部屋にサーニャが訪れる
辛そうな顔をしているエイラを励まそうと頑張るが誤解したままのエイラの反応は芳しくない
115名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 23:54:22 ID:/9/BKOn4
続き!続き!
116名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 23:54:22 ID:RNGLltN1
あらすじ乙!
さて、いよいよ本編か
117名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 23:57:20 ID:v3EUHTCH
「どこ怪我したの?」
「太股の、この内側のトコダヨ」
「じゃあ……消毒しなくちゃいけないね」

そう呟くとサーニャ身を屈ませエイラの下腹部へとその顔を沈めていった。
夜は静けさを増していった。
118名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 00:36:12 ID:QGmCWZ0V
>>114>>117
なんという残酷な仕打ち、続きが読みたいです
119名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 01:26:02 ID:L+bGE6gZ
「ダメ…」
エイラは眼下にある白銀の頭髪を力なく押しながら声を洩らした。
「大丈夫…だから」
弱々しく閉じようとする足を押さえながら、サーニャは患部を指先で軽く触れた。
その度に身体を震わせるエイラを見て、サーニャはついつい、その白くしなやかな指先を動かしてしまう。
部屋はいつの間にか、桃色の吐息に包まれていた。
120名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 01:26:36 ID:MxGGs+zT
>>114
そんなエイラの様子を見兼ねたリーネがエイラの様子を伺う日が次第に増えて行った。
そしてある日、エイラを慰めるリーネの姿を見てしまい、えもいわれぬ感情に支配されるサーニャ。
一方、芳佳も自分からリーネが離れていくような気がして悲しみに暮れていた。
どうして、何故と自問自答を繰り返す日々。
それでも日に日に弱ってゆくサーニャを励まそうと空元気を出す芳佳。
そんなある日、ペリーヌの何気ない一言がこの四人に大きな衝撃を与えてしまった。

続く
121名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 01:29:49 ID:OT64tMnQ
いきなり分岐とはwww
122名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 13:42:32 ID:O4lL6kT7
>>94
今更だけど登場する歌で萎えた
「小さな破壊者」とかもうね
123名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 17:32:40 ID:8kIxaH+I
>サーニャはついつい、その白くしなやかな指先を動かしてしまう。
なんか物凄く可愛いです
124名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 21:18:04 ID:ZHwIR3dD
>>122
曲に関してはかなり自分の趣味が入ってるので、多少合う合わないがあるのは
避けられないかなとは思ってました。
それとは別に直接書くとあまりにストレートすぎて面白くない気がしたので
ああいう表現にしましたが、素直に書いたほうがまだマシだったかな……?
他の曲との統一性も無いし、確かに微妙というか、悪い表現だったかも
しれません。参考にします。

個人的には、他作品の名前をそのまんま出してるのが版権的にちょっと
大丈夫かなと不安ですが……問題があれば消したほうがいいでしょうか。
125名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 22:36:41 ID:MxGGs+zT
>>124
火に油ならまだしも火薬をほうり込まないでくれ……
126名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 23:08:53 ID:5yy8JCsz
>>120
ペリーヌの何気ない一言について詳しく聞かせて下さい
127名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/25(月) 23:36:16 ID:WBHRrst3
>>124
荒らしはスルーするべし
128名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 01:09:42 ID:GrcOnEHd
>>120
ペリーヌハーレムフラグですね
129名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 02:28:18 ID:cyJDdb60
>>120
「見ていて苛立たしいですわね。いっそ、貴女方四人は一つの部屋でお過ごしになられたら?」
 
そう言い捨てるペリーヌ。
しかし、その瞳は悲しみに揺れる。
そう、きっと彼女達は四人でも上手くいくだろう。
新しい輪を作って、新しい繋がりを作って。
けれどそこにはペリーヌの入る隙間はないだろうなと、彼女は一人悲しみに暮れる。
そんな、静かに影に沈むペリーヌに手が差し延べられた。
彼女の名前はヘルマ・レンナルツ。
しかし、そんな二人にエーリカが割り込む。
新たな三つ巴の争いが繰り広げられようとしていた一方で、エイラに近付く新たなウィッチが現れ、更なる嵐が巻き起こる。
そして、秘密裏にシスターコンプレックスからシスターコンプリートへと進化を遂げたバルクホルンも、行動を開始のであった。



続く
130名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 03:32:36 ID:jGpdooVe
出演キャラ増やすよりエイラーニャと芳佳に絞った方がいいと思う
131名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 04:32:22 ID:GrcOnEHd
>>129
ちょっとずつ話が進むのがNHKの連続小説みたいでなんか楽しい
132名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 06:20:46 ID:CGhl/ULw
>>124
腹立つのは分かるが、挑発するのはイクナイ
133名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 07:01:23 ID:0Me6x7Tv
>>124
荒らしをスルー出来ないんだったら避難所池
134名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 10:53:17 ID:phiKsZm5
>>130
芳佳はエイラーニャの引き立てみたいな役ばっかだよな
135名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 13:03:55 ID:cyJDdb60
>>134
逆に考えるんだ

エイラーニャによって芳佳の存在がより引き立てられるんだよ、きっと
136122:2009/05/26(火) 14:05:18 ID:KELLLdQn
>>124
気を悪くしたならすまんかった
137名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 17:58:55 ID:LCtnTgc6
謝る必要なし
クソみたいなことする奴の方が悪いに決まってる
138名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 18:12:58 ID:GrcOnEHd
>>135
なるほど、つまりお互いがお互いの魅力を引き出しあっているんですね!
139名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 18:50:54 ID:XX6zdQ6Q
エイラーニャが結ばれたところで2人とも美味しく頂く芳佳ということでFA?
140名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 20:25:21 ID:U71eaGNY
>>139
そんなの許さないよ
141名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 20:30:30 ID:/CqD1Zi+
エイラはサーニャ
芳佳はリーネ
ミーナはもっさん
トゥルーデはエーリカ
シャーリーはルッキーニでおk

あれっ?ペリーヌが余ったぞ?
142名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 20:43:30 ID:rO51a2hP
つ【山川さん】
143名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 20:46:23 ID:dIR5THNa
二期ではペリーヌを慕う新米ウィッチが登場するに違いない。
144名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 20:59:49 ID:+mkvfCE7
この子が大きくなったら…
ttp://loda.jp/lynne/?id=147&img=147.jpg

つかすでに祖国では救国の英雄として激モテなのではないだろうか
145124:2009/05/26(火) 21:12:46 ID:aqbZwLVi
空気読めてないかもしれませんが……
不快な思いをさせた方は申し訳ありません。ただ、別に>>124
挑発とかそんなつもりは全くなくて、自分自身がもっと皆さんに
満足していただけるものを書ければと思ったので……意見を下さった
方にはコメントを残したほうがいいかなと思った次第です。
挑発的な文章になってしまっていたのでしたら申し訳ありません。
ご迷惑にならないよう、精進したいと思います。
146名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:17:22 ID:1SItr+Gy
トリップ付けてくんない?
147名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:19:30 ID:lutCNkES
>>119の続きはまだか
じらさないでくれ
148124 ◆nc1Kth5AW6 :2009/05/26(火) 21:29:55 ID:GwvgM+kO
>>146 失礼しました

あと「満足していただける」ってのも見直してみたらなんか高慢ですね、
すみません。 単純に上手くなりたいって書けばよかったです。
149名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:33:44 ID:XX6zdQ6Q
>>144
これはペリーヌ幼女にモテモテ疑惑
150名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:38:23 ID:1CwQTZfA
何か最近情報ある?
151名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:40:56 ID:xgY7cp5X
>>144
このペリーヌいいなぁ・・・

やっぱりペリーヌはカワイイ!!
152名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 21:42:02 ID:11ADchw8
>>150
いんや
ゲームもあいかわらず毒にも薬にもならない新情報を小出しにされている感じだ
コレはどう考えても夏発売は・・・
今は長期休暇に入った気でマッタリと二期をまとうぜ
二期が始まったら、きっと今の緩やかさが天国に思えてくるw
153名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 22:33:04 ID:DxIZgXNe
>>144
お姉ちゃんがアップを始めたようです。
154名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 22:48:30 ID:phiKsZm5
>>135
まあ、そういうのもあるんだけどさ
たまには芳ーニャや芳イラも見たいなという感情が
155名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 22:54:52 ID:dIR5THNa
お姉ちゃん×ペリーヌっていうのもアリかも
156名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/26(火) 23:00:16 ID:OSSJ1C6R
ドラマCDさえ出てくれれば・・・
157Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/05/27(水) 00:53:21 ID:p4HNuECt
どうしようか迷いましたが、まあ一応完成したので……

If.<イフ> -ジ・アナザー・ストーリーズ-
CASE 03:"Knight"
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/If_CASE3.txt
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/If_CASE3_2.txt
芳佳×ネウ子で。
158名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 01:18:24 ID:E1cTY3tA
>>129
エイラの元に現れたウィッチ、ハイデマリー・W・シュナウファー。
ルッキーニが|・w・|ならば、ハイデマリーは(・ W ・)だろう。
シャーリー、リーネとも並ぶ新たな可能性に、芳佳は苦渋の選択を迫られていた。
そんな芳佳の苦悩はさておき、基地へと辿り着くのに疲れてしまったハイデマリーは、サーニャとリーネの目の前で、エイラにその身を任せ眠りについてしまう。
無情にもハイデマリーにひざ枕をしている形となったエイラに、三人の視線その他が突き刺さる。
そう、夜はまだ始まったばかりであった。
 
そして一方、海の上では、希代のシスコンと化したバルクホルンの前に、開き直り改めてロリコンと化したシャーリーが立ち塞がる。
一触即発の危険事態。
しかし、そんな二人の前に最大の敵達が姿を現す。

ひっそりと日本茶と紅茶を啜る美緒とミーナ。

昼寝から眠り続けるルッキーニ。

朝は、まだまだ遠い。



続く
159名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 01:29:34 ID:sHfLYr5u
>>158
引きがうまいですな…wktk
160名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 02:01:15 ID:bFr76R1r
>>157
「宮藤サン」が個人的にツボだ、なんか可愛いなぁ

>>158
引きがうますぐるw
これはまた次回が気になる
161名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 15:42:41 ID:9axe6b4b
>>157
うpするならアップローダー使った方がいいと思う
2chで自サイトURLだすとか宣伝乙としか思われないよ
162名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 15:46:59 ID:3EBsIzhn
別に>>161以外は宣伝乙と思ってないみたいだけどな
163名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 17:32:57 ID:KImgLfq1
>>158
最終的にどうなるのか気になるなぁ、是非とも完結までがんばってくなさい
164名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/27(水) 23:57:21 ID:m5Ciat+A
仕事中に船漕いでたとき浮かんできたフレーズ

「私の愛したトゥルーデは死んだ。何故だ」
「お姉ちゃんだからさ」

もう俺頭が逝ってるな
165名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 02:03:32 ID:sS+4MuvQ
>>158
眠りについたハイデマリーとお縄についたエイラさん。
誰よりも近くにいる二人の温度差は、対極的に刻一刻と開いていった。
一人、苦悩の果てに何を悟ったのか、突然部屋を飛び出す芳佳。
平穏な日常(カップリング)を求め芳佳を追うも、一時でもエイラの温かさを知って求めてしまったリーネは自身の在り方に迷い廊下で崩れ落ちる。。
そして、何かが切れたサーニャはエイラを押し倒し、ひざ枕をした上で、ハイデマリーのひざ枕で眠りについた。
そう、これが真の争乱の幕開けになるとも知らずに。
 
「私の愛したトゥルーデは(ry
「お姉ちゃんだ(ry
突如現れた迫水ハルカとジュゼぴー。
ガチレズの力を前に力尽きるトゥルーデを抱き抱え、シャーリーは戦線を離脱する。
そして追撃をかけるハルカとジュゼぴーの前に風と雷を纏ったヘルマが姿を現した!

一人、夜の浜辺でガリアを睨む芳佳。
 
差し出した手と差し出された手。
互いを静かに繋ぐ美緒とミーナ。
 
未だ目覚めぬルッキーニ。
 
そんな中、一直線に基地へと向かい飛んでくる新たな存在。
 
間もなく、日付が変わろうとしていた。
 
 
 
続く
166名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 03:14:31 ID:sCoj56vn
これは一体なんの戦いなんだw
ガチレズ二人組登場とかもうなんかタダじゃ済まないなこれ

さりげに美緒ーナがラブラブなのがGJすぎる

しかしこれまた次回が気になるな・・・被撃墜王智子さん登場?
167名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 05:44:26 ID:N283biZ0
もう誰が書いてるんだかわからんな
168名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 09:37:41 ID:zRlNSVcd
カオス過ぎw
169名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 16:17:09 ID:yEgjltwx

こんにちは、DXUGy60Mです。49の画像を見ていて思いついたものを4レス分程投下したいと思います。

最後まで読んで頂けたら幸いと思います。
170スイカ:2009/05/28(木) 16:17:57 ID:yEgjltwx

暑い!
突っ伏した状態のエイラ・イルマタル・ユーティライネンは、気付くとこの言葉ばかり口
にしていた。
扶桑のこのジメッとする、何となく肌に巻きついてくるような暑さに、北欧生まれのエイ
ラは辟易していた。ここなら風通しがいいからと宮藤芳佳に案内された縁側も大してこの
現状を打破する要因とはならなかった。芳佳から借りた団扇であおぐ風の効き目もなく、むしろあおぐことで余計に汗が噴きだしてくるように思えた。
それにこの声だ。
耳には絶えずミーンという音が届き、この蝉の声がエイラの不快指数をさらに上昇させて
いく。ミンミンゼミの“ミーン”という声ならまだいい、ヒグラシの“カナカナ”やツク
ツクホーシの声ならまだ許せる。だが、あのクマゼミの“ジャージャー”という声を聞く
たびに、エイラの眉間には思わずしわが寄る。サーニャ・V・リトヴャクは、これらの蝉
の声を、
「これが扶桑の夏の音なのね」
と、しきりに感心していたが、エイラがどうもその言葉には賛成しかねた。無論、それを
口にすることはなかったが。
「暑い!」
そう言ってエイラはまた寝返りを打つ。小まめに移動することで感じられる、木の板の冷
たさだけが、不快な暑さを和らげてくれていた。ほんの些細なものだが。

171スイカ:2009/05/28(木) 16:19:11 ID:yEgjltwx
気付くと母屋の方からトタトタという足音がこちらに近づいてくるのが聞こえた。エイラ
は起きなおってあぐらをかくと、芳佳がお盆に乗せて持ってきたものに、ジッと視線を注
いだ。
「なんだそれ?」
それは一見果物のようだったが、鮮やかな赤い果肉と黒いストライブ風の模様が入った肉厚
な緑色の皮の奇妙な物体であった。
「これですか? スイカっていうんです」
「スイカ?」
「扶桑じゃ夏の暑い日には、井戸で冷やしたスイカって決まってるんです」
じゃあ毎日食べないといけないのか? とエイラは考えたものの言葉にはしなかった。
「よいしょ」
お盆を縁側に置くと、芳佳自身も腰を下ろした。
「そう言えばサーニャはどうしてる?」
お盆の上に並ぶ半月状に切ったスイカに手を伸ばそうとした芳佳の手を、その言葉が遮った。
「ああ、よく寝てます」
「そうか。・・・次からは蚊取り線香だっけ? ちゃんと用意しといてくれよな」
「はは、ごめんなさい」
昨日の夜、エイラと芳佳、サーニャの三人は蚊による襲撃を受けた。蚊帳のおかげで直接
の被害はなかったものの、サーニャは絶えず響く羽音に悩まされ、明け方近くまで眠るこ
とができなかったのである。
172スイカ:2009/05/28(木) 16:19:59 ID:yEgjltwx

「じゃあ、食べてみるか・・・って、スプーンは?」
「直接手で持ってかぶりつくんです」
「直接? 種はどうすんだ?」
そう言って赤い果肉に点々と存在する黒いものを指差す。
「食べながら口の中で選り分けてって、お盆の上に吐き出すんです」
「・・・なんか汚いなぁ」
ただ、それが扶桑でのやり方なら、それに倣うことにした。
エイラはスイカに一口かじりつく。シャリという耳に心地よい音とともに、口の中に清涼
感とみずみずしい甘味が広がっていく。なるほど、確かにこの暑さの中では一番の食べ物
かもしれない。
「うまいなぁ、これ」
「でしょ」
「で、種は・・・」
エイラは口の中で果肉と選り分け、頬張っている種をお盆の上に落とした。
「小さい頃はよく種の飛ばしあいっこをしたんですよ」
そう言うと、芳佳は庭先へと勢いよく口の中の種を飛ばした。
「こんな感じで」
「ふ〜ん」
エイラは気の無い体を装いながらも、芳佳と同じように種を飛ばした。
その飛距離は、芳佳のものをはるかに超えるものだった。
「私の勝ちだな」
エイラはニヤリとした顔を芳佳に向ける。
「さっ、さっきのは本気じゃなかったんです。これでも小さい頃は負け知らずだったんで
すから」
「じゃあ、その記録も今日で終わりだな」
その後も二人はスイカにむしゃむしゃとかぶりつきながら、口から飛ばす種の飛距離を競
いあった。そして気がつくと、両者のスイカは共に皮の白い部分が現れ始めていた。

173スイカ:2009/05/28(木) 16:21:53 ID:yEgjltwx

「おい、ほっぺたに種ついてんぞ」
「えっ、そうですか」
「しょうがないなぁ」
エイラは、芳佳のほっぺたに着いた種を取り、食べ尽くされたスイカの皮が二つ並ぶお盆
の上に落とした。
「それにしてもうまかったなぁ。それに楽しかった・・・あ、でもさっきのツンツンメガ
ネが見たらたぶん怒んだろうなぁ」
「はは、そうですね」
エイラの言葉に芳佳も思わず苦笑いをする。
「よくもまぁ、そんな品の無いことができますわねって」
「よくもまぁ、そんな品の無いことができますわねって」
思わぬハーモニーに二人は顔を見合わせる。そして、どちらからともなく笑い声を立てた。
「でも、坂本さんがやってたらペリーヌさんも参加するんじゃないかな」
「そうだな。あ、でも慌てて食べだしてメガネがベチャベチャになってるかもな」
その言葉に今度は芳佳が最初に小さな笑い声を立てる。それにつられてエイラも笑った。
まだまだ蝉時雨がやむことは無かった。だが、そんな中で二人の明るい笑い声は、高らか
に、そしていつまでも響いていた。


174名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 19:45:37 ID:MMOCl6mo
GJ

二人の様子をサーニャが柱の影から見ていて…
と、続くわけですね、わかります。
175名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 21:06:20 ID:oI8VJxCS
ほのぼのした。超GJ
176名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/28(木) 23:18:42 ID:sS+4MuvQ
柱の陰にみっちゃんがスタンバイですね、和みましたGJ



>>167
残念ながら一番最初以降は中の人は同じ人でした
177名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 01:33:07 ID:rIZyQvvB
>>173
和む夏の日だなぁ。いいかんじです。きっとサーニャの発案で芳佳の誕生日を祝うために夏の盛りの扶桑にいるんですね、わかります。
そしてここに柱の影からサニャみちカップリングの可能性が……。
178名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 02:41:20 ID:O7oE8ZPp
>>165
三角形に眠るハイデイラーニャ。
眼前に広がる絶対領域の存在感に、為す術もなく虚ろうエイラの右手が静かに動き出す。
緊張と睡魔と羞恥と興奮。
徐々に上がるエイラのヘタレメーターと理性ボルテージ。
エイラの夜は、始まったばかりであった。
 
月の光りに照らされて艶っぽさの増したリーネの前に、バルクホルンをお姫様抱っこしながら舞い降りたシャーリー。
ガチレズに受けた傷は大きく、バルクホルンをリーネに託し、シャーリーもまた意識を失ってしまった。
そんなリーネの後ろに、揺らめく人影が近付いている事に、未だリーネが気付く事はなかった。
 
海上戦線では激戦の一途を辿っていた。
右手にエーリカ、左手にペリーヌを侍らせたヘルマは、どこぞのタンクローリーとダンプカーが合体した時の様な強さを発揮していた。
しかし、相手はガチレズ王国スオムスが誇る手慣れのエース。
ヘルマ達の攻撃すら受け止め、受け入れ、プレイの一環に変えてしまう恐怖に、次第に劣勢へと陥ってしまう。
そんな時に、空と海の狭間から芳佳の歌が木霊した!
 
歌う芳佳を支えながら夜空を舞う、見慣れない二つの影。
その内の片方がガチレズ達に踊り掛かる。
彼女の名はネウ子。
彼女の参戦にて均衡状態を保ち始めた最前線。
反撃の狼煙が徐々に上がり始めたのであった。
 
暗く広がる夜空を睨み、基地のテラスにて互いの指を絡ませながら能力を発現させる美緒とミーナ。
そうして二人は、遥か彼方より飛来する影の存在を確かに確認した。
蠢き犇めくその影を二人は見なかった事にして、再び夜のお茶会を楽しむ二人。
隠し味に入れた肝油がカウンターを決めた。
 
月明かりに照らされるルッキーニは、やはり眠り続けている。
ガチレズやら、暴風やら、雷やらが時折降り注ぐ森の中で、スヤスヤと眠り続けている。
彼女の目覚めは、未だ遠い。
 
 
 
続く。
179名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 03:35:14 ID:NK4ArEKS
だからもっさんとミーナさんだけ毎回おもろすぎるwwww
180名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 03:38:04 ID:0v6UkkBE
ハイデマリー登場当初は王道かと思われたハイデマリー×サーニャのSSがあまりないな
やっぱエイラガードがあるからか
でもあの性格設定は美味しいよなあ
181名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 04:14:50 ID:gesbT2OP
>>178
ルッキーニいつまで寝てるんだよw
182名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 12:17:18 ID:u0qiMA2Z
しばらく前から厨房スレに戻ったんだな
183名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 15:05:48 ID:bN1Ulx1O
あくまでここが荒れていてもらわなくては困る勢力があるようだねw
ここが正常化すると困ることになる人が
184名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 15:30:33 ID:O7oE8ZPp
追加してみた

(・x・)エイラ
(・V・)サーニャ
(Φー・)もっさん
(・Y・)リーネ
( ・ Y ・ )シャーリー
|・w・|ルッキーニ
└|∵|┐エーリカ
(・∞・)ペリーヌ
(⌒ф⌒)ミーナ
(おωぱ)芳佳
(姉、姉)ゲルト
(・ W ・)ハイデマリー new!
(・へ・)ゝヘルマ new!
(\M/)ネウ子 new!


……どうだろうか?
185名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 17:01:54 ID:gesbT2OP
>>184
何度見てもトゥルーデでふくw
186名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 18:27:07 ID:GN7EjJuP
馴れ合いきめえ
187名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 18:35:43 ID:wc6G65Bn
へいへい
188名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 20:18:42 ID:K/OXU7Ex
>>173
めっちゃ和むわぁ・・・
189名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:02:28 ID:ZQizpkHo
>>180
エイラがモテモテなのはいいのにサーニャが違う人とくっつくの認めない人がちらほらいるからね
190名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:06:24 ID:l0qotQo5
エイラがモテモテなのも遺憾だがな
エイラがサーニャ以外とくっつくのもサーニャがエイラ以外とくっつくのもなんか違和感
191名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:17:33 ID:r2u6+SZC
つまりシャッキーニ分が欲しいというわけだな
自分も欲しいから良くわかるぞ
192名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:20:31 ID:pizcIwZT
書きたいからネタくれ
193名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:27:55 ID:wc6G65Bn
シャッキー二のssっていうと最初からラブラブな関係の話が多いから、
自分がシャーリーに恋心を抱いていることに気付かず葛藤する的な話が読みたいです
194名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:28:54 ID:je5Vpq00
ちっさくなったシャーリー、おっきくなったルッキーニの立場逆転的なのをキボン。

しかしじっちゃんどうしちゃったんだろう……。
195名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 22:49:43 ID:S4Eh80aQ
>>194
それおもしろそう。小シャーリーはなんか新しい!もちろんルッキーニは色気たっぷりなかんじでw

いつの時代でも、どんな場所でも、人は流れていくもんだ…
196名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:48:51 ID:pizcIwZT
dBJDZ/Ivです。
>>194を元に書いてみました。
即席なんで期待に添えないかも……
というわけで4レスお借りします
197名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:50:56 ID:pizcIwZT
「Inversione」


「んー、朝か」

太陽の光とともに、シャーロット・E・イェーガーは目を覚ました。

「おっと、まだ時間あるじゃん」

時計を見ると、起床時刻より30分ほど早い時刻を指していた。

「ま、いいか、着替るかなっと……あ、あれ?」

寝間着のボタンに手をかけると、何かいつもと感触が違う。
なんというか、やわらかな感覚がないのだ。
まるでルッキーニの胸に触っているかのようだ。

そして、下を見たシャーリーは驚愕した。

「な、な、なんだこれはああああああああ!!!!!!」

あ、あたしの胸が、隊の中で一番の大きさを誇る、あの自慢の胸が、

平らになっていた。

そして、身長が縮んでいた。


-Inversione-


 
198名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:53:35 ID:pizcIwZT
「たたたた大変だぁ!!!!」

あわてて外に飛び出すと、外にはフランチェスカ・ルッキーニが立っていた。

「あ、シャーリーおはよ。いきなり叫んでどうしたの?」
「ルッキーニ!! 大変だ! あたしの自慢の胸が……ってええええ!!!???」

ルッキーニは、かなりおっきくなっていた。
あたしより身長が頭1つ分くらい高くなっている。
それに、胸が大変な主張をしている。なんというか、あたしと同じくらいになっている。

「どしたのシャーリー? そんなにあわてて」
「いやいやおかしいでしょ! なんでそんな体になってるんだよ!?」
「へ? あたしはいつも通りだよ? あ、ひょっとして怖い夢でも見たー?」

そういうと、ルッキーニはあたしを抱き寄せ、自分の胸にうずめた。

「よしよし、怖くないよー」

あ……やわらかい……
ってそうじゃなくて!
なんであたしのが小さくなって、ルッキーニのがこんなに大きくなってるんだよ!
これは夢だ。夢に違いない。
ほっぺたを引っ張ってみる。……痛い。

ひょっとして、夢じゃない?

「な、なあルッキーニ。あたしは何歳だっけ?」
「12歳でしょ? 変なシャーリー」

あたしが12歳!? そんな馬鹿な、あたしは間違いなく16歳のはずだ。
それじゃまるで、あたしとルッキーニの立場が入れ替わったみたいじゃないか。
……でも、そう考えると2人の体型にも納得がいく。

「シャーリー、汗びっしょりだよ。まだ時間あるし、お風呂入りに行く?」
「う、うん……」

頭が混乱して、うずを巻いている。
どうしてこうなってしまったのだろう。
199名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:55:16 ID:pizcIwZT
「ほら、頭洗ってあげるからおいで、シャーリー」

放心状態で、ルッキーニに頭を洗ってもらう。
ルッキーニの胸……やっぱり何度見ても大きい。
それに比べてあたしの胸……何十回見ても、いつも見るルッキーニの胸と変わらない。

「ほら、流すよー」

ざばー、と頭を流してもらい、体も洗ってもらう。

ああ……気持ちいいなあ。
それより、どうにかして元に戻らないとなあ。

でも、こうしてもらうの、なんだか悪くない。
そのうち、だんだんとまぶたが重くなってきた。

「よし、終わったよ」
「ありがと、ルッキーニ」

今までのが全部夢で、これが現実なんてとても考えられない。
だから、いつか向こうに戻らなければならない。

……でも、しばらくはこの状況に甘んじてもいいかもしれない。
今すぐ何とかなるようなものじゃないだろう、この状況は。
それに……

ルッキーニに甘えられるなんて、なんだかうれしいし。

湯船に浸かり、まぶたを閉じる。

「シャーリー、眠いの?」
「……うん」
「ほら、おいで」

ルッキーニの胸に、頭をうずめる。

「よし、それじゃあたしが子守歌を歌ってあげる!」
「うん……」


♪シルフィデのWaltz 麗らかにBounce
♪眠り姫に眠る夢
♪くるり ふわり
200名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:56:59 ID:pizcIwZT
目が覚めると、そこはあたしのベッドだった。

「んー、朝か」

横を見ると、ルッキーニが眠っていた。

「うじゅー」
「ってこら、あたしの胸を枕にするな!」
「んー……。あ、シャーリー、おはよ」

といいつつ、あたしの胸をもにゅもにゅと揉む。

「やっぱり朝はこれだよねー」
「なんじゃそりゃ。それより汗びっしょりだし、お風呂にいかないか?」
「ん、行こう行こう!」

2人寄り添って歩く。

「なぁ、ルッキーニ」
「んー?」
「あたしの頭、洗ってくれないか?」
「いいよ! あたしが洗ったげる!」
「サンキュー」

やはり、さっきの体験は夢だったようだ。
夢とはいえ、この胸を失うなんて二度とごめんだ。

でも。

またルッキーニに甘えられるなら、見てもいいかな。

「さ、シャーリー頭出して!」
「おう、よろしくー」


Fin
201名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/29(金) 23:58:41 ID:pizcIwZT
ありがとうございました。

>>193のネタも考えてみようと思います
202名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 00:32:12 ID:yvl8OFK4
>>195
今期は期待通りの咲とダークホースけいおんがありますからなあ、事実百合板でもかなり賑わってるし
来期からは更に青い花とか前評判があるガチアニメも来るし、人は更に減るだろう…しょうがないことだ



>>201
シャッキーニ分久しぶり過ぎてGJ
203名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 00:53:09 ID:aYl32j42
メガミの咲のピンナップが脱衣だった・・・

ストパンで脱衣麻雀もとい脱衣ポーカーやったらどうなるやろ。
理性がたかが外れるお姉ちゃん。サーニャの貞操を守るために未来予知を駆使するエイラ。HAHAHA!!!魔眼でいつでも見放(nyだから問題ないのもっさん
204名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 02:44:26 ID:V0BZFhTi
>>178
夜とは眠る時間。夜とは大人の時間。夜とは……ナイトウィッチの時間。
震える右手に力を込め、眼前に広がる完全三角地帯へと延びるのを阻止するエイラ。
ニヤリと寝た振りをしていたサーニャは寝返りを打つ振りをしてエイラのお顔を蟹挟み。
瞬時に人間ホッカイロと化したエイラに、やはり寝た振りをしていたハイデマリーも行動を開始する。
温かく柔らかなふとももに挟まれながら、足の指先からも弾力性のある素晴らしく柔らかな感触も近付いてくる。
エイラのターンは未だ訪れない。

没個性と言う名の個性を探しに旅立つ事を決意したリーネ。
しかし、いざ動き出した瞬間に何もない所でこける等「ドジッ子」という個性を得た事により、背後よりリーネに近付いていたカタヤイネンと意気投合するのであった。

芳佳達の参戦により被害と発禁シーンが著しく増加した最前線。
前面からはツンデレペリーヌとクーデレエーリカ、テンデレヘルマに散開しての三連突撃。
左右からは芳佳とネウ子による挟撃挟み撃ち。。
更には芳佳が引き連れていたもう一つの影、みっちゃんが水陸両用農耕機の飛行仕様改造型に跨がり海上を滑る様に疾駆している。
流石に部が悪いと判断したのか、ガチレズ二人は東の空へと姿を消した。
そう、美緒とミーナが見なかった事にした方角へと。

艶かしく互いを絡め捕ろうと動き回る指と指。
押さえ、躱し、騙し、捕まえる。
事のついでに童心に帰った美緒とミーナの指相撲は、予想外に白熱の展開を見せていた。

そんなテラスの真下にて、転がされる様に放置されているバルクホルンとシャーリー。
そんな彼女達の元に小柄な人影がこっそりと近付く!
その時、ルッキーニは初めて寝返りをうったのであった!



続く。
205名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 04:40:43 ID:ny/V4I1w
美緒とミーナは2人の世界に入りすぎだろw
206名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 15:14:44 ID:REzoaYsh
ルッキーニメインなんだけれどなにがなんだかよくわからなくなったお話投下
2071/4:2009/05/30(土) 15:15:16 ID:REzoaYsh
 それはいわば野生の勘とも言えるような、むしろそうとしか言えないくらいの曖昧で不確かな感覚だったから。だからあえて
口にしたりだとか、言い及んだりだとかして、そうして彼女の奥に触れることをあたしはあえて避けることにした。目のあった
そのときにふと胸に沸いたのは親近感とはとても言いがたい、むしろ同属嫌悪にも似た感情だったから、たぶんあたしはとても
とてもぶしつけな瞳で彼女を見上げたのだろうと思った。

 よろしくな。
 と、そう、抑揚の無い声音で言って。彼女は口の端を軽く吊り上げた。薄っぺらい笑顔だと思った。これは貼り付けた
だけの表情だ。何もない表情だ。そう感じた。そこには確かに何かがあるのが普通なのに何も感じない、その顔。歩み
寄るわけではない。けれども突き放すわけでもない。中途半端なその態度。

 よろしくね。
 彼女よりかはよっぽど彩りのある声で、マーマが可愛らしいねと言ってくれた自慢の八重歯を見せるように笑顔を浮かべた
瞬間、彼女もまた「おや、」とした顔をしたから、きっとあちらも同じことを思ったのだろう。


 あなたとあたしはよくにている。
 って、そう。


「エイラー、入るねー」
 おそるおそる、音を立てないようにかの部屋の扉を開きながら、その主にそう語りかけることは無意味だと知っている。だって
今この部屋の中にいる"人たち"はこの時間でだってぐっすりと眠りについているのだと、賢いあたしはよく知っているんだから。
そしてどんなときだっていつも、エイラの部屋の鍵が開いていることも、その理由だって。

「えいらー」

 他のみんなが見ていたら「お前らしくない」と笑われそうな微かなささやき声は、エイラをたたき起こすためじゃない。むしろそう
して呼びかけても応ずる声がないことで、彼女が目を覚ましていないことを確かめたいだけ。
 進める足取りはお得意の、抜き足差し足忍び足。本当に猫みたいだな、なんていつもシャーリーが笑うように、いつも騒が
しいばかりだと思われているあたしでも実はこんなに静かでいられるのだ。だからほら、そうして部屋の奥にあるベッドにたどり
着いたって、その上にいる人たちは起きる素振りなんて全然なくて、くーすか眠りこけているのにきまってるんだから。

 真っ白いシーツに手をつく。身を寄せ合うようにして眠っている二人の女の子がいる。その足元のほうを見れば彼女たちの
衣服がきちんと折り目正しく畳んであって、それはつまり、この部屋の主があたしよりも前にこの部屋に訪れた不法侵入者
をいつもの口癖を以ってすべて許しきって招き入れ、そして受け止めたことを表しているのだ。

(しあわせそうな、かお)

 身を乗り出してその主の顔を見てみる。これだけ近づいても、この部屋の主であるところのエイラはふ抜けた顔ですうすうと
寝息を立てているばかり。軽く身じろいで、むにゃむにゃと声にならない寝言まであげる。その上、不確かな響きで誰かの
名前まで呟いてしまうおまけつき。とてもじゃないけれど空の上にいるときの彼女と同一人物とは思えない。ネウロイの縦横
無尽な攻撃をこともなげに縫っては、正確無比にそれを撃墜してのける、あのエイラ・イルマタル・ユーティライネンと同一
人物とは。

 年若くしてその才能を認められたエースなのだというのは風の噂で聞いた。最下の階級から叩き上げられて、あっという
間に准尉まで上り詰めたスオムスの誇る至宝、通称"ダイヤのエース"。その功績を讃えられ、スオムスはおろか軍人として
きわめて異例の、士官教育を伴わない少尉、つまり仕官への昇進が認められてエイラは今あたしと同じ階級でこの部隊に
所属している。スコアから見るともっと上の階級への昇進が認められてもおかしくないくらいなんだぞ、と、笑いながら話して
いたのはシャーリーだったっけ。つまりそれは大尉に昇進したシャーリーでさえ手離しで認めるくらいの確かな才能をエイラが
持っているということで。

 つまり、彼女は「天才」なのだった。
2082/4:2009/05/30(土) 15:15:50 ID:REzoaYsh
 しばらく彼女の寝顔を見ていたら、ふっと彼女の表情から元々淡かった色が掻き消えて、温度のない彫刻のような顔に
なった。つい頬に手を伸ばすとその肌は透き通るような白をしていて、褐色の強い私の肌と重なるとひどく映える。どうして
だかほっとした。

 あの、はじまりの日に。
 エイラと同じ笑顔を浮かべた瞬間に胸をよぎったあの感情を、あたしは今でもよく覚えている。けれどもそれは決して
親近感の類ではなく、どこか胸をかきむしりたくなるような嫌悪感だったことさえもありありと思い出せる。
 あたしと彼女とは確かによく似ていた。それは見た目とかではなくて、心の奥底だとか、魂の根本とか、そういったところ。
あたしがそうであるように、きっとエイラも挫折を感じたことがない。身体の周りを包む風は常に背中を押すように吹いていて、
目の前に広がる進路を阻みはしなかった。天才だと誉めそやされて、必要だといわれたから空を駆った。後生だと懇願
されたから武器を取った。そうしたらまるで最初からそう形作られて生まれたかのように体は自由に動いたし、出来ないこと
なんて何もなかった。だからこそ、出来ない人たちのことなんて理解できずにそんな人たちのことを疑問にさえ思っていた。

 挙句、抱えたのは孤独。身を包んでいるのは上空の、冷たい空気ばかりで、人の温もりはいつの間にか通り過ぎて
遥か後方にあった。そうして「適わないよ」と決め付けられて、「君なら出来るよ」と言いくるめられて。誰もその傍らに立って
くれる事はなかった。
 一番悲しいのは、そうして一人にされても全く恐れを感じない、無謀だと思えない、孤独に慣れた自分の才能だった
ことに誰も気付いてなんてくれなかった。あなたと他のみんなは違うから。そんなことを言って、飽きもせずあたしが基地を
抜け出した理由だって考えてもくれなかった。

 あたしはエイラの経歴なんて余り知らないし、興味があるかときかれたら全くない。聞きたいかといわれたら「どうでもいいよ」
と答える自信がある。けれども目があったその瞬間から分かってた。あたしとエイラとは、同じように曇った瞳の輝きをしていた
こと。
 胸にぽっかりと開いた穴を埋めるように何の質量も持っていない笑顔を浮かべてみて、目先ばかりの『楽しいこと』を追って
みる。そうして他人も自分も欺いて、満たされないままに日々を過ごしている。そんなところまでもそっくりで、自分を見ている
かのようで内心とてもいらだった。けれど同調せざるを得なかった。
 だってあたしたちは結局、寂しかったのだもの。歳相応の体に不相応の能力を負わされた精神は、表には出ないだけで
いつだって悲鳴を上げて泣き叫んでいた。誰かわかってと、すがっていた。

 そんなあたしとエイラだった。同じ秘密を胸に抱えて、それでもへらりと笑って見せる。私たちは共犯者だった。それは多分
シャーリーも気付いていない、見えないけれども確かな繋がり。

 そしてたぶん、サーニャだって。
 そう思いながら視線をエイラの向こうにやった瞬間、示し合わせたようにふわふわとした銀色が身じろいだ。今日も来ちゃっ
たんだね。ねえこれは故意なの?それとも無意識?エイラが部屋の鍵をかけて眠ることが出来ないその原因にそう心の中で
語りかけていたら、彼女は寝返りを一つうったあとにこう一つ、呟いた。小さいけれども、はっきりした声で。

 えいら。

 いとおしそうな、その響き。幸せをかみ締めるかのような、その紡ぎ。
 可愛いなあ。一応この人はあたしより年上だというのに、思わず笑みまでこぼれてしまう。この眠り姫さまは王子様のお城
にガラスの靴を置いていくくらいじゃ飽き足らないのだ。服まで脱ぎ散らかしてベッドにまで潜り込んで、そうして欲しいもの
すべてをその無言の視線で提示してみせる。あなたはわたしの欲しいものをもっているのよ。だからちょうだい、満たすくらいに。
それは、エイラがサーニャの欲するものをちゃんと携えているという、何よりもの証拠で。

 だからきっと、エイラはサーニャのことが大好きなんだろう。与えてばかりの癖に、こんなにも幸せそうな表情を浮かべているん
だろう。サーニャの我侭はエイラにとって、その傍らに自分をつなぎとめていてくれるよすがなのにちがいない。

「えいらのばあか」
2093/4:2009/05/30(土) 15:16:10 ID:REzoaYsh
 思わず声に出してそんなことを言ってしまう。そんな幸せそうな顔をして、エイラばっかり満たされて、ずるいよ。あなたはあたし
の仲間じゃなかったの?
 『仲間』をみつけたそのとき、あたしはむしろ嫌悪感さえ抱いたのに、それなのにどうしてかな今はどこか寂しい。私とエイラが
共にしたのは、何もない自分をごまかすための他愛ない戯れだったのに。それにさえ心のどこかで救われていたなんて、今の
今まで気付かなかった。

「さーにゃんの、ばあか」

 そしてそれを与えてしまった人にも、悪態を一つ。あたしがまだ手に入れていないもの。あたしがまだ分からない気持ち。やり
きれない気持ちでいっぱいになって、心が渇きを訴えている。寂しい、寂しいよ。

「ばあか」

 もう一度、つぶやいて。あたしはふと胸に浮かんだ悪戯を実行に移すことにする。空虚な心を埋める為のうつろなでしか
ないその行為でも、その場限りでは寂しさをごまかすことができるから。
 サーニャから少し距離を空けるようにして横たわっているエイラをぐいと押して、人一人ぶんのスペースを作った。携えていた
ブランケットをそこに広げると、窮屈そうに身を捩じらせるエイラなんて無視してあたしはそこに横になってしまう。その衝撃に、
ようやっと傍らの人がむくりと起き上がって声を上げた。

「んん?……なんだよもー…って、ルッキーニじゃんかよー。もー、なにしにきたんだよー」

 狭いじゃないかあ。
 暑苦しいだろおー。
 サ、サーニャのかおがこんなちかくに!!!
 ぶつぶつと重ねられる呟き。けれどもあたしは知っている。あたしも知っている。散々文句を並べた後に、エイラが口にする
その言葉を。何も持たないエイラの思考が行き着くその先を。

「きょうだけだかんなー…ったく。あ、サーニャが風邪を引いちゃうじゃんか、これじゃあ」

 いそいそもぞもぞと動くのは多分、そのすぐとなりにいる人に毛布をかけなおしてやっているのだろう。しかたないなあ、なんて
悪態半分の言葉を吐きながら、その顔はきっと綻んでいる。必要とされていることはとてもとても嬉しいことだ。

「いいゆめみろよ」

 ふいにぽつりと呟かれたその言葉が誰に対するものなのかは分からなかったけれど、確かめたらもっと悲しくなるような気が
してあたしは遠くなる意識をお気に入りのブランケットと一緒に抱え込むことにした。





 こんなところにいたのね、フラン、フランカ、フランチェスカ。
 やさしくあたしを呼ぶ声がする。やわらかで温かいまどろみの中で、あたしは夢を見ていた。誰かがあたしの額をなでている。
指先からぬくもりが伝わって、体の奥へまろやかに溶けてゆく。凝り固まった心がほどけてゆく感覚。

(まーま)

 思わず呟いた声は、ちゃんと音になっていただろうか。でもこの人ならきっと、言わなくてもあたしのことをちゃんと理解して
くれると信じていた。信じたかった。あたしのことを決して「天才」だなんて呼ばない人。「すごい」なんて言葉で突き放さない
人。唯一無二で絶対の、たいせつな、たいせつな、あたしだけの。
 ねえマーマ、だあれもわかってくれないの、あたしの本当にほしいもの。誰も与えてくれないの。
 マーマだけだよ。マーマだけが、あたしをわかってくれるのよ。
2104/4:2009/05/30(土) 15:18:39 ID:REzoaYsh
「マーマだって、かわいいなあ、もう。エイラもそう思うだろ?」
「しらねーよ。つーか、早く連れて帰ってくれよ。起きたら絶対うるさくなるんだからさあ。サーニャが起きたらどうすんだよ」
「まーまーいいじゃない。ほら、こんなにぐっすりと眠ってるんだぞ。かわいそうだと思わないのか」
「お前はルッキーニを甘やかしすぎるの。そんなんだから……ほら、こいつ寝ながらお前の胸触ってんだぞ。
うらやま…いやなんでもない」

 手に触れるのは懐かしい感触大きくてやわらかくてあったかい、そしてどこかあまい香りのするそれ。どこか遠くで誰かがあたし
のことを話しているような気がするけれど、曇りガラスの向こうのようなその世界は、夢の中からじゃ掴み取れない。

「でも、ま、変わったよな、ルッキーニ」
「…そう?」
「なんていえばいいのかわからないけどさ。昔はもっとこう、さめた感じだったから。」
「それを言うならエイラ、お前だってそうじゃないのか?」
「えー、そっかー?」
「似てたよ、お前とルッキーニって」

 戦闘に関してはむしろこっちが負けそうなくらいなのに、なんか危うい、感じ。
 曇りガラスの向こうで、明るい髪をした彼女がそんなことを言う。ふっ、とひとつ息をついたのは、果たして慈しみのそれだった
のだろうか。

「ちぇ、人のベッドに侵入しといて、しあわせそうなかおしてんなあ、もう」
「かわいいっていうんだぞ、こういうときは」
「そんなの私の役どころじゃねーもん」
「ははは。エイラもいってやれよ。よろこぶぞう。かわいいなあ、ルッキーニ。かわいいかわいい。」

 よく見えないその向こう側の世界で、好き勝手にそんなことを語り合う人たちがいる。あれ?しあわせそうなかお、なんて、
それはあたしのせりふでしょう?
 ねえどうして?目の奥が熱くなって来るの。何にもないはずのあたしの体の中から、満たされてこぼれた何かがあふれてきて
いる。

「いい夢見ろよ、ルッキーニ」

 かつてあたしとよく似ていた彼女が、あのころとぜんぜん違う声音でそんなことを言う。ああ、でも、本当は。変わってしまった
のはあたしのほうなのかもしれなかった。
 額をなでるのも、優しい言葉をささやくのも、マーマじゃないのに、知ってるのに、どうしてかしら、いま、こんなにも満たされて
いる。

 あたしは、もしかしたらとてもとても幸せなのかもしれないとおもった。


おわり

記録集か何かでルッキーニはもっと醒めた子だったとかあったので
それを目指して玉砕しました
211名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 18:22:43 ID:xvlL3NLH
>>210
( ´;д;).。oO(いい話だなぁ。ボロリ
212名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 18:32:19 ID:K4coqmk3
>>210
このルッキーニは……スバラスィ
シャーリーの女神っぷりも素敵
213名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 19:36:27 ID:VuWqy++p
当然サーニャは起きていて、
シャーリーとルッキーニが帰ったあとで、エイラを説教という名の嫉妬全開ですね、わかります。
214名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 20:25:50 ID:DDebxWtF
>>213
サーニャ「私はいい夢見ろよとか言われたことない…」
エイラ「そっ、それはサーニャがもう寝てるからで…!」
サーニャ「ルッキーニちゃんも寝てた…」
エイラ「ううっ!」

サーニャ「ふんだ。もういいもん。おやすみ」
エイラ「えっ? ま、また眠るのか?」
サーニャ「うん」
エイラ「じゃあ…、あの…さ。い、いい夢…」
ぽふ
エイラ「うわっわわわ…! なんで私によりかかるんだ!?」
サーニャ「ふふ、続きをどうぞ?」
エイラ「あ…ああうん…。い、いい夢見るんだぞ…」
サーニャ「うん、ありがと。エイラ…」

エイラ「っておい、私は枕じゃないって!」
サーニャ「すー…すー…」
エイラ「くぅぅ…。今日だけ、だかんな…」
サーニャ「むにゃ…えい…ら…」
エイラ「ったく。…おやすみ、サーニャ」
215名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 20:57:39 ID:6UHopkw5
>>214
ほんとにもう、おまいらときたら……GJ!!
216名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 21:43:40 ID:V0BZFhTi
エーリカ「いよいよヘタレの称号もトゥルーデのものになりそうだね」
ゲルト「……何をバカな」
エーリカ「だってさー。ねぇー?」
ゲルト「………ふん、せいぜいいい夢でも見ればいいだろ」
エーリカ「うわー……」
ゲルト「な、なんだその目は!?ちゃんと言っただろ?!」
エーリカ「はぁ……もういいよ。おやすみー」
ゲルト「……フラウ!」
エーリカ「んー?」
ゲルト「その、おやすみ……いい夢を」
エーリカ「………………ふふっ。ありがと、トゥルーデッ!」
バタンッ
ゲルト「…あ……………私には言ってくれないのか」
ガチャ
エーリカ「トゥルーデもいい夢見てねっ、じゃ!」
ゲルト「……ああ、おやすみ」

とかはないだろうか
217名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 21:47:32 ID:VuWqy++p
ないわけないだろ、常識的に考えて。
218名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 21:48:44 ID:j576ATcE
ゲルトはエーリカに対してだけヘタレ
エイラはサーニャに対してだけヘタレ

好きな人には素直になれないんだよね
219名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 01:07:16 ID:ieyusuEE
芳佳がペリーヌに惚れたとして
やっぱペリーヌに叱られると悲しくなるのかな?
それともかまってもらえて喜ぶのかな?


なんて考えてたら一日が終わりました
220名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 03:12:13 ID:st4AA6To
>>204
合言葉は生かさず殺さず。
夜目の煌めくサーニャとハイデマリーに、じりじりとベッド端に追い詰められるエイラ。
窓から差し込む月の光りの下で、ついにエイラの逃げ道が消えた。
チロリと唇を舐めるサーニャ。
上目遣いで迫るハイデマリー。
次の瞬間、突然にエイラの部屋が盛大に揺れ出した。

「ドジッ子属性」
それは切り札にもジョーカーにもなりうる脆刃の属性。
ポケットに入っていたビスケットを叩いて増やし、こじんまりとしたカタヤイネンバースデイを開いていたリーネとカタヤイネン。
ハンガーの角で地味に取り行われていたのだが、リーネはついうっかりストライカーを起動させてしまう。
暴走するカタヤイネンストライカーに引きずられ夜空を舞うリーネとカタヤイネン。
この話を聞いたウルスラが、後にミサイルを発明するのだが、それはまた別のお話。
 
満月の下、夜空の中、海面の上。
固く握られた芳佳とペリーヌの握手は、特に意味もなく行われていた。
激戦の後は激しく、海面には必要以上に撃ち込まれたトネールにより、より取り見取りで大量であった。
たまたま農耕機に付いていた地引き網を準備しようとしたその時、芳佳達はまだ戦いが終わっていないことに気付いた。
夜空に散り嵌められた星々の瞬きに変わり、無数のストライカー音が近付いて来ているのがわかった。
そう、あの軍勢こそガチレズリターンズ。
奴らの逆襲が始まった。

指相撲、腕相撲、指遊び、おはじきと童心に帰り過ぎて自分達の行動に疑念を抱き始めた美緒とミーナ。
一度疑い始めた歯車は止まらず、疑念は膨らんでゆく一方であった。
八つ当たりに肝油の一斗缶をテラスから放り投げる美緒。
すると、美緒は逆転ホームランを思いついた。
もやもやなんて、身体を動かせばすっきりするのでは?
こうして美緒とミーナは夜の基地にてかくれんぼを始めるのであった。

嫌な予感がして跳び起きたバルクホルンとシャーリー。
その一瞬の後に二人の頭のあった位置に何やら一斗缶の様な物が飛来して地面に減り込んだ。
空を見上げれば、ストライカーにしがみつき空を舞うリーネとカタヤイネン。
前を見れば、鬱蒼と茂る木々と……その枝の上で眠るルッキーニ。
ルッキーニの存在に気付いたシャーリーは即座に回収に向かった。
そうして、場所が変わってシャーリーの腕の中で眠るルッキーニ。

夜が明けるのはまだ先になりそうであった。



続く
221名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 22:53:17 ID:QsXTnyHT
保管庫が移転している…!
222名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 23:14:32 ID:ZN8gsyMD
避難所より転載。規制でここに書き込めなかったらしい

174 保管庫 ◆YFbTwHJXPs [sage] 2009/05/31(日) 23:01:13 ID:blWfIm2g
どうも、保管庫管理人です。
業務連絡ですが、感想フォームの実装に際して鯖が移転となりました。
次スレ以降テンプレの変更よろしくお願いします。

新保管庫:
ttp://lilystrikewitches.rejec.net

SS本文の最後に「コメントを見る・書く」というリンクがあり、そこから投稿できるようになっています。
また、トップの作品一覧の項に通信室というページが新設され、最近投稿されたコメントなどを確認することが出来ます。
とりあえずサンプルとして自分の拙作に脚注など入れておいたので、こんな感じで過去作に気軽に書き込めるところが出来たということで。
もちろん新しい作品にはスレ上でのGJ推奨ですが。

あとdion規制で書き込めないので誰か本スレにURLだけでいいので張っといてくださると助かります。
業務連絡終わり。
223名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 23:27:10 ID:jxxG8nw5
規制とかあったんだ
なにはともあれ管理人さん乙です!
224名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 23:32:43 ID:fmzVjMNZ
>>222
伝令GJ!

保管庫さんお疲れさまです。いつもありがとうございます
225名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/31(日) 23:59:12 ID:HDyaCvCd
おおお、管理人さん乙です!伝令もGJ!
というわけで、あえてギリギリにニパ誕いきます
226ヒドランジアに馳せる友 1/4:2009/05/31(日) 23:59:33 ID:HDyaCvCd
 何度ころんだって、めげたりしない。
 躓いたって、何度だって立ち上がろうとする。
 雨の中だって、とても綺麗に咲き誇る。
 そんな姿を滑稽だって、笑う人だって確かにいたけど。

 知っているかな?私はそんな君を、とても誇りに思っているんだ。


「…ふうん、アジサイって言うのか、あの花」
「エイラさん知らなかったの!?」

 アジサイが咲いてるね。
 事の発端はミヤフジの、そんな何気ない一言で。だからこそ傍らですっかり舟を漕いで
いるにもかかわらず頑として部屋には行かないと言い張るサーニャを寝かしつけながら
そんな気のない返事を返したりしたのだった。今は待機中。なんとなく集まった中庭で、
のんびりとリーネの淹れてくれた紅茶を飲んだりしている。

 信じられない、といわんばかりに身を乗り出して詰め寄られるから、私はすっかりうろ
たえてしまった。びくり、と体を振るわせたその瞬間、私の肩に寄りかかっていたサーニャの
体がずれてすっぽりと膝の上に収まる。けれどそんなことに頓着はできない。だって
ミヤフジと来たら、それでも飽き足らないとばかりに言葉を重ねてくるのだ。

「だってエイラさん、ブリタニアに来てから長いでしょう?」
「…いやー、だれも教えてくんなかったし」
「気になったりしなかったの?!」
「んなこといわれたってなあ…全くって感じだな。」

 頭をかきながら答えると、「えええええー」なんていう不満げな声。ちょっと待て、
なんでお前に文句を言われなくちゃいけないんだ。なんだか腑に落ちなくて、つい口を
尖らせて見る。膝の上のサーニャはというとお気に入りの枕を抱いて、ようやっと安住の
地を見つけたといわんばかりにすっかりと夢の中。それを見ているだけでなんだか顔が
緩んでしまう私は、何だか現金だ。

「リーネちゃんは知ってたよねえ?」
「え、あ、う、うん。アジサイはブリタニアでも有名だし…」
「ほらー!!」
「あのなあ、ブリタニアとスオムスを一緒にすんなっての。どんだけ離れてると思って
んだよー」

 そうしてめぐらせる視線の先には、こんもりとした緑。紫色の大きな彩りが、いくつも
その上に塊を作っている。こんなにも目立つ花なのに、そう言えばどうしてか今までそこ
まで気にした事がなかった。
 あの色のついた部分は本当は花じゃなくて、「ガク」なんだよとか、扶桑では青紫色が
多いけどブリタニアはピンク色なんだね、とか、なんだかいろいろ説明してくるミヤフジ
のことはとりあえず放っておいて私はサーニャの頭を撫でた。ふわふわと柔らかい感触。
ふわりと漂う、シャンプーの香り。軽く身じろぎしたサーニャが薄く目を開いて、ちょっ
とだけ不満げに私を見上げてくる。ごめんごめん、ほんの少し慌てながら答えるけれど、
緩んだ顔はしまらない。大人びた顔で、物憂げに視線をめぐらせるばかりのサーニャが、
寝ぼけているときだけはこんなに子供になる。そんな我侭をもって私に甘えてくるその姿
が一番好きだなんて、気恥ずかしくて本人にはとてもとても言えない。
227ヒドランジアに馳せる友 2/4:2009/06/01(月) 00:00:25 ID:HDyaCvCd
「──それで、雨が降ってるとき、一番綺麗なの」

 そんな言葉で締められて、とりあえずミヤフジ大先生のアジサイ講座は終了したらしい。
すごいすごい、詳しいね芳佳ちゃん!なんて手を叩いてはしゃいだ声を上げるリーネは
とりあえず放っておこう。この二人のやり取りにいちいち付き合ってるとやたらと疲れる。

 そのとき──ぽつり、…ぽつり。
 先ほどまではすっきりと晴れていた雲行きがいつのまにやら更にどんよりと曇って、
雨の訪れを告げた。ああ、そう言われてみれば風が少し湿っぽかったな、なんて今更に
なって考える。それでも雨が降ることを予期できなかったというのは、相当ぼんやりして
いたのだろうと思った。

「はわわわ、あめ、あめ!!…もうっ」

 慌ててリーネが茶器をしまい始める。私もサーニャを起こして、それでも起きる気配が
なかったのでしかたなく魔法を発動して抱え上げて、そうして慌しく基地に逃げ込んだ
頃には、雨脚はすっかり強くなってしまっていた。サーニャに風邪を引かせるわけには
行かないと、4人連れ立って風呂に入って、ちょうどいいから夕飯の下ごしらえをすると
いうミヤフジたちを別れてサーニャと二人、談話室に向かった。

 他に誰もいない談話室には、しとしとという雨の音ばかりがやたらと響く。特に何を
する予定もなく、何か面白いものはないかとさほど期待もせずに談話室を見渡した。

「すっかり降っちゃってんなあ」

 うっかりともらしてしまう、ひとり言。雨の日は余り好きじゃない。空がくぐもって
いるだけでなんだか気分がすっかり陰鬱になってしまって困る。身にまとった少し渋い
空色の衣服を見て、数時間前までのはれた空に思いを馳せる。そして、窓の外の薄暗い
景色につい、ため息をついた。

(……ん?)

 そのときふと、その景色に明るい一部分を見つけて私は少し目を見開く。風呂に入って
温まったからだろう、またうつらうつらとしているサーニャをソファーに座らせて、
そちらのほうに足を進めた。太陽のように明るくて丸い、紫色がいくつもそこにはあって、
窓のすぐ近くまで来て手をついて、向こう側の景色を見てやっと、その窓のすぐ近くに
低い木が植えられているのを知った。
 ──不思議だった。雨はいまだ降り続いて、外は薄暗くて。けれどもその一部分だけ、
どうしてかひどく絵になって見えるのだ。花って言うのは晴れた日に、太陽の下でだけ
輝くものだと思っていたのに、なんでだろう。その木に咲いたまあるい花の一束一束は、
雨の降った今になってやっと気づくほどに雨の中で映えるのだ。

(それで、雨が降ってるとき、一番綺麗なの)

 胸を掠めるのは、先ほどのミヤフジの言葉。そこでようやっと、ああこの花はアジサイ
というのだったっけ、と思い出す。ツユとかいう扶桑の長雨の時期に、一番綺麗に咲く花。
気候の違いもあるのだろう、故郷では見かけたことのない花だった。余りの綺麗さにブリ
タニアにまで渡って品種改良が行われたというアジサイは、こんな大仰な様で咲くくせに
どうしてか今まで一度も私の胸に残らなかった。今日ミヤフジがポツリとこぼすまで名前
さえ気に掛からなかったほどの、そんな私にとっては興味ももてない花で。それなのに。
228ヒドランジアに馳せる友 3/4:2009/06/01(月) 00:00:51 ID:HDyaCvCd
「…きれいだな」

 思わずそんなことを呟いてしまう。らしくもない言葉を、嫌いなはずの雨降りの景色に
向かって口にしてしまう。だってこいつときたら、わざわざ雨の日ばかりを選んで、こう
して綺麗に咲き誇るんだ。

(なんつーか、あれだ、あいつみたいだ。)

 思い馳せるのは故郷の友。腕は確かなのにどうしてか不運ばかりに付きまとわれて、
ストライカーを壊したり相打ちしそうになったりしていた。何度も撃墜の憂き目に会って、
今度こそ死ぬんじゃないかと何度も何度もひやりとしたのに、その度にけろりとした顔で
戻ってきて。そんなあいつに向かって私は悪態ばかりをついていたけど、けれども戻って
来てくれたときは本当は泣きそうなくらいに嬉しかったことを、あいつはきっと知らない
だろう。今私がこうしてブリタニアで故郷をさほど気にせずに戦っていられるのも、私の
出向と同時にあいつが戦闘班から外されたからだった。私の見ていないところであいつが
また怪我をして、今度こそ命まで落としてしまったら。そう考えたら内心、気が気でない
くらいなんだ。それくらい本当は大切なんだ。

(元気してるかな、ニパ。)

 似てる、と思う。どこが、どう、なんて並べ立てるのは難しいけれど、だってほら、
こんな雨の中だって言うのにこんなにも咲き誇るんだ。あんなに不幸な目にあって、
それでもスコアは立派なあいつ。もしかしたら私よりもずっと、才能があるのかもしれ
ない。
 「ツイてない」なんて笑うやつだって確かにいたけど、私だってその中の一人だったり
したけれど。私は本当はむしろ、あいつはすごくラッキーなやつ何じゃないかと思うんだ。
あれだけの目にあって今も五体満足で生きていてくれている。それがどれだけ私を安心
させているか、私がそれにどれだけ感謝しているか、あいつは絶対に知らない。でもそれ
でもいいんだ。近くたって、遠くたって、心から。私はあいつの無事を祈ってる。それが
一番、大切なこと。

 カレンダーの日付を見れば今日はあいつの誕生日で、けれども私はあいつに何の祝いも
送ってやっていない。そんなの私の柄じゃないってことはわかっているもの。あいつだって
きっと、そんなことを私がしたら「イッルらしくないぞ」と笑うのに違いない。

「エイラ、何を見ているの…?」

 ふいに、ぽふりと。
 背中に衝撃が走って、そんな言葉が聞こえた。サーニャ?確かめるまでもないのに尋ね
たら、背中から頷いた感覚がする。

「アジサイ、見てた」
「あじさい?」
「ほら、あの花」
229ヒドランジアに馳せる友 4/4:2009/06/01(月) 00:01:46 ID:HDyaCvCd
 後ろから顔を出したサーニャに指差してやる。ああ、あの花ね。頷いたサーニャが私の
傍らにやってきて、そしてどうしてか前のほうにまでぐるりと回ってくる。くい、と顔が
上げられて、エメラルドの瞳が私を見上げてくる。……なんでだろう、私にはそれが、
サーニャの私に対するやさしさに感じた。今、あなたの考えていることを私に言っても
いいのよ。そんな風に語りかけて、私の内面を引き出して、優しく撫でてくれているかの
ような。

「…あのさ、サーニャ」
「なあに?」
「今日は、ともだちの、誕生日なんだ」
「……スオムスの?」
「…うん」

 なら、お祝いをしてあげなくちゃだめね。
 にこ、と笑ってサーニャが私にそんな当たり前のことを言う。いや、いいよ。そんな
仲じゃないし。思わずそう言い返すと「だめよ」とたしなめられてしまった。

「大切な人のお祝いは、ちゃんとしてあげなくちゃ」
「……そうだな」

 大切だから、お祝いする。そんな当たり前のことを、当たり前に教えてくれるのがうれ
しい。だって私みたいな人間は頭ではわかっていたってなんだかんだでそれを実行に移す
ことをしないんだ。

「どんなに遅れたって、お祝いの言葉、上げなくちゃ。……それがおともだち、でしょう?」
「そうだな」

 ぎゅうと後ろからサーニャの体を抱え込んで、すっかり乾いたその頭に顔をうずめる。
くるしいよ、とサーニャに言われたけれど、でもなんだか愛しさが募ったから離すことは
出来そうになかった。どうしようもなく、心が高ぶっている。

 綺麗な花ね、とサーニャが言う。雨の中でも、こんなに綺麗に咲く花があるのね。
 うん、そうだな。私も答える。雨の中でだって、ちゃんと綺麗に咲く花があるんだな。

 どのくらい遅くなるのか分からないバースデーカードには心ばかりのお祝いの言葉と、
そしてアジサイの花の絵でも描いて贈ろう。
 明日も雨が降らないかな。今日一日だけじゃぜんぜん、この魅力をつかみ取れそうに
ないから。
 そんなことを考えながら、静かに二人、咲き誇るアジサイを見ていた。

おわり

ヒドランジアはアジサイの学名。ちなみに6月1日の誕生花でもあります。
ニパ→エイラが多いのでここはあえてエイラからニパで書きたかったそうです
そんなわけでニパおめでとう。6/1生まれの人もおめでとう
>>210で名乗り忘れた21x2w2Ibでした。
230名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 01:19:41 ID:kpWisp3w
>>229
GJです! エイラがニパをこういう風に思ってくれたら、きっとニパも報われると思うんだ。
アジサイの例えも、ニパのそういう所が好きなので嬉しい。
……そしてエイラーニャかわいいなぁくそう! 特にサーニャ。いい嫁さんだー!
231名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 01:39:08 ID:56fq1Nal
>>229
GJ
エイ二パも二パイラも好きだ!
しかしエイラーニャが良い夫婦過ぎる
232名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 02:49:20 ID:TVfEfcv4
>>220
窓を突き破り現れたリーネとカタヤイネン。
とっさにサーニャとハイデマリーを庇い伏せたエイラの両手は、しっかりと二人の胸を鷲掴んでいた。
その様子を見てエイラに迫ろうとして躓き、エイラに覆いかぶさるリーネ。
胸を揉まれ固まるサーニャとハイデマリー。
柔らかな三つの感触に何かが目覚めようとしているエイラ。
そして、打ち所が悪く気絶したカタヤイネン。
修羅場は、すぐ、そこに。
 
ガチレズが更にパワーアップして帰ってきた!主に数が!
芳佳達の前に現れたハルカとジュゼぴー率いるアホネン妹軍団。
6vs2+EX。
正義と性技による激突が、暗闇の上空にて入り乱れ様としていた。
 
かくれんぼは互いにすぐに見つけてしまいつまらない、との結論に至った美緒とミーナ。
感と息遣い、更に絆が繋がっているからすぐに分かる、だそうで隠れても無意味との事により、今は追いかけっこを楽しむ二人。
壁を蹴り、天井を駆け、縦横無尽に走り回る二人の顔は、生き生きとして、とても輝いて見えた。
 
基地へと足を踏み入れたシャーリーとバルクホルン。
抱えるルッキーニをどうしようか、と悩んだその時、目の前を、頭上を、真後ろを、少佐と中佐が笑いながら駆けて行った。
その余りにも清々しかった笑顔に、二人の大尉は顔を見合わせた。
シャーリーの腕の中で、もぞつくルッキーニ。
やはり目覚める気配はない。
とりあえずどうするか、と悩む二人。
突然、リーネの悲鳴が基地中に木霊したのはその時であった。
ルッキーニを抱え直し、どちらからとなく走り出すシャーリーとバルクホルン。
クスリ、と誰かが笑った気がした。



続く
233名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 05:05:59 ID:fRz32jGh
>>201を読んでおっきいルッキーニ描いてみたくなったので 
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org83855.jpg
234名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 08:27:34 ID:M0EZm0nW
新しいwww
GJ!!
235名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 12:52:22 ID:wyQL54Ah
>>229
GJ!エイラーニャの優しいやり取りにニヤニヤが止まりません。だめよ、が脳内再生されすぎる。
序盤の芳リネの女学生みたいな掛け合いもかわいいなあ。
カード受け取ったニパの反応も気になります。とにかくニパおめでとう!
236名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 17:10:44 ID:ex5VnBml
 apsV9PCZです。
 ごたごたしてたのが落ち着いたので一息吐いたら前回から半月ほど立ってて押っ魂消ました。
 ウルスラとビューリング。確かにえっちぃ二人ですが、自分にはそれを描く力が足りなかったようです。
 というわけで『Love Love Nightmare』ウルスラ編+エルマは見ていた編を持って来ました。
 書き込もうとしたらまた規制中だったので携帯からです。
投下の遅延が予想されますが、以降4レスで行きます。
237名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 17:12:55 ID:ex5VnBml
 今日一日、ウルスラに相談すると決めていたにも関わらず、中々声を掛けられずにいた。
 もう夕食も済んでしまい、風呂にでも入って寝るだけ…。そんな時間だった。
 あまりウルスラと話す機会も無いから、どうも会話の切っ掛けを作ることが出来ないのだ。
 いざ一言でも反応してくれたなら、私も口に出す事が出来るのに。その一言が声帯を通ってこない。
 やきもきしている間に灰皿には山ほど吸い殻が溜まっていた。流石に喫み過ぎた。明日は半日くらいは禁煙しないと急激に体調を崩してしまいそうだ。
「ビューリング、あなた…大丈夫?」
「え?」
 燃え滓から目線を上げると、艶のある黒髪が私を見下ろしていた。智子だった。
「っと…何のことだ? 別に悪いところなんか、無いんだが…?」
「…そう? ならいいんだけど…。酷く落ち込んでいるように見えたから」
 智子が私なんかを心配してどうするんだ。自分の周りを戒心するのが先だろうに。…まあ、つい喫み過ぎた私が言えたことではないか…。
「何も悩むようなことなんて無い。放っておいてくれ!」
 激しくなった鼓動に呼応したかのように、どうしてか突っ撥ねてしまう。語尾が強くなってしまって、慌てて弁解しようとしたのだが。
「ごめん、そういうつもりじゃなくて…。ただ元気出して欲しかっただけで…」
 智子は、私を凶悪な罪人でもみるような恐れを含む声色で両手を振ったのだ。
「あぁいや…すまん。強く言いすぎただけなんだ…。…智子は悪くない」
「気にしないで…先に寝るわ」
 すっかり智子の気が離れてしまったようで、悄然とした背中を私に向けて、部屋を出て行ってしまった。
 そんな去り際を見せられたら、私まで…落ち込んでしまう。
 溜息に同調して両手が顔を覆う。曲がる背中を、机についた肘で支えた。
 …ああ、認めよう。私は疲れている。ひどく。ノイローゼ気味だ。楽になりたい。
 脳が撹拌されてしまったかのように支離滅裂なことしか考えられない。
 解決したいのに、原因も因果も分からない。
 答えも見えているはずなのに、過程を組み立てることが出来ない。
 ルーチンが出来上がったかと報告したかと思えば、その論理は白く塗りつぶされてどこかへ消えてしまうのだった。
 滅多に使わなかった手鏡を持ち歩きだしたのは今朝からだ。昼間だけで何度も自分の顔を確認した。その度に、目下の隈が色濃くなっている気がする。
 暮れ泥んできた頃にもう使わないと決めたはずだったのだが、今視認した限りいよいよ深刻な問題となってきている気がした。
 こんなに弱るのは初めてだ。
 風邪を引いても一人で看病してきたからな。ただ、熱もあるわけではないし咳もだるさも無いのだ。
 ただ無性に泣きたくなったり、人恋しくなったり。この病名は一体何なんだ。未承認でもいいから特効薬をくれ…。
 そんなとき、背中を優しく摩ってくる手が現われた。続いて、思いやりに溢れた普段とは違う印象を受ける声。
「智子だって心配してくれてたのねー」
 キャサリンだ。私の背中に触れたまま、隣の席に腰掛けた。
「辛いのは分かるね。誰かに相談してみる気は起きた?」
 カウンセリングの医師のような柔らかな声に、短く答えた。
「……ウルスラ」
「ウルスラに聞いてみるね? 分かった、ミーが呼んでくるね」
 キャサリンの気遣いに心から感謝して、まだ一口分残っていたコーヒーを飲み干して、頬を叩いた。気をしっかり持って話さなければ、彼女は解答を出してはくれないだろうから。
238名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 17:16:25 ID:ex5VnBml
 
 少し待つと、分厚い本を数冊抱えたウルスラが一人でやってきた。
「話があると聞きました」
「…ああ。キャサリンは?」
「相談なので一対一が良いと判断したのではないしょうか」
 敬語なんてしばらく使っているところを見なかったのに、どうして今更…。……まさか、緊張してる? 私相手に?
「ウルスラ、話しづらいから、敬語はやめてくれ」
「…」
 こくりと頷いたのを確認して、私は切り出した。
「それで…ウルスラは、色んな本を読破してきただろう?」
「…」
 これにも頷いたので本題を語ることにした。
「夢について、詳しく知らないか」
「睡眠中に五感等を通じて受信した情報や潜在意識によって――」
「いや、説明はいいんだ。…あー」
 よくよく考えたら、ウルスラの興味から外れているような話題である気がしないでもない。そういう乙女チックなのは…読んだのだろうか。
「夢占いとか、夢判断とか…。あるだろう?」
「ある。心理学等の見地から数々の――」
「だから説明はいいんだ」
「…例えば、どんな夢を?」
 やっと会話が成立したらしい。…だが、それにしても、率直すぎる質問に言い淀んでしまった。
 沈黙を苦にしないウルスラに見つめられるプレッシャーをひしひしと感じて、我慢の限界を迎えた私はようやく口に出した。
「……ぃん……なんだ」
「…?」
 聞き取れなかったらしい。顔が火照るのを抑えられなくなって、そっぽを向いて、もう一度言った。
「だからぁ……淫夢を、見てしまうんだ。ここのところ、毎日」
 ウルスラがその言葉を認識してすぐに、ウルスラは私のズボンに注目してきた。いくら女同士とは言え羞恥心が発生した私は足を密着させて両手で覆い、ウルスラの視線を遮った。 
「答えは簡単。欲求不満」
「ふざけないでくれ…」
「至って真面目。明確な解答」
「…」
 煙草を一本だけ取りだして、空となった箱を握りつぶし、屑籠に投げたが軌道がずれて、脇に落ちた。
 拾う気も起きず、火を点けて大きく吸い込んだところでウルスラが口を開いた。
「私なら、手伝える」
 …ポロ。目が丸まった。上着の裾に煙草が落下。思考も止まった。転がって床へと墜落。…あぁ、空しきかな。三秒が経過してしまった。
「お前は…その、…なんだ……。あちら側の人、だったのか…?」
 私は再び机を見つめる体勢に入った。肩にウルスラの手が乗せられ、彼女の声も続いた。
「ただ、解決出来るだけ」
「本だけの知識だろう? 当てにならない」
「あながち、馬鹿に出来ない」
 油断していた私はウルスラに強引に引き寄せられて、平らな胸へと顔を導かれ、両手で、抱きしめられた。
「人間は、抱擁されると心が安らぐ」
 カールスラントの軍服が目前で浅く上下している。流石のウルスラも、動揺は隠せていないようだ。
 それとは正反対に、何故か私は落ち着いて、安心していた。ほっと収まっていたくなる。このまま…。
「ハグは、有用な沈静方法。薬物に頼らなくてもいい」
「確かに…そうみたいだ……」
 安らぎ。自分よりも遥かに小柄なウルスラにこうやって包まれるだけで、納得出来るほど、諸々の不安や混乱が霧散していった。
「うっ……く」
「……」
 泣いていた。涙が自然と溢れて、ウルスラの服を濡らしていく。ウルスラは、そんな私を抱きしめる手に力を込めて、背中を一定のリズムで撫でさすってくれた。
「今なら、誰もいない。遠慮はしないで」
 頷いて、私は声を上げた。溢れ出る感情を目一杯解き放つ。ついには、私がウルスラを強く引き寄せて泣きじゃくっていた。
「こんな…はずじゃ、ひぅ…なかった……」
「…気にしないで。ずっと此処にいる。ともだちだから」
 一度決壊した堰は中々戻らなかった。ウルスラの教本のような慰めでも結局はそれが一番良い方法なのだと、思い知った。
 
――
239名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 17:20:33 ID:ex5VnBml
――
 
 わたし、エルマはそんな二人の様子を影から見守っていました。ウルスラさんには見つかっていたようですけど、彼女はビューリングさんを気遣って誰もいないと言ってくれたようです。
 実はわたし、ここ最近ずっとビューリングさんを見守っていたんです。
 数日前を境に突然挙動不審になって、背筋も私みたいに猫背気味になってきて、とても見ていられません…。
 声を掛けようとずっと思っていたのですが、邪険に扱われてしまったら、と考えると怖くて近寄ることが出来ません…。
 一人でコーヒーを飲みながら溜息を吐いている姿なんか、信頼していたご主人様に捨てられてしまった犬のようで…。使い魔がダックスフントですから…余計にそう思えるのかも知れません。かわいいですけど…。
 もちろんビューリングさんが前と同じく全員に敵意をむき出すような人ではないことは分かっているのですけど…。
 ほら、女の子には、色々ありますから……。もしかすると、と考えると声を掛けられずにいました。
 でも、ウルスラさんの抱擁がすごく効いているみたいで、ビューリングさんもこれで大丈夫そうですね。
 だけど、本当に解決になるのかしら? わたし、どうも心配性で、これで全部終わったとは思えないんです。
 ビューリングさんも、何かもっと抱えている物があるはずなんです。
 今は…その、泣いてしまって言葉にならないみたいですし…。
 わたしたちが何か力になれればいいんですけど…、今まで愚痴なんて大っぴらに晒したことのないビューリングさんに、それを求めるのは少々酷だと思います。
 でも意外です。ウルスラさんには才能があるんですね、きっと。わたしも今度、愚痴を聞いて貰おうかしら、なんて。
 それにしても、心配です。…そうだ、ハッキネン大尉にお話をしてみましょう。いい考えだわ!
 思い立って、わたしは静かに静かに、部屋を出た。
 
「ハッキネン大尉、失礼します、エルマです」
「どうぞ」
 遠慮しがちに中には居ると、こんな時間にも関わらず椅子に掛けて全てを俯瞰するようにそこに居る大尉に感嘆した。
「どうかしましたか?」
「あの、実はお話があるんです」
「それは…隊員に関わること?」
「はい。隊員の…心境に関することです」
「心境…。確かに兵威は保つべきだし、士気が落ちるようならば問題ですね」
「はい。そう思って…。それで、その、ビューリング少尉に関してなんです」
 そう切り出すと、大尉は近場のスケジュール表を眺めて、言った。
「…なるほど。最近は穴吹中尉の訓練も欠席が続いていますね。直に会ってはいないので、近況を報告してください」
「はい。最近、ビューリング少尉はその、何か思い悩むことがあるみたいで、ずっと独りで、抱え込んでいるみたいなんです」
「…どうも不明瞭ですね。何が原因か分かりますか?」
「ごめんなさい、そこまでは分かりません…」
 ふむ、と顎に指を当てて考え込んだハッキネン大尉は、数秒の後にアドバイスをしてくれました。
「幸い、中隊には陽気なオヘア少尉、それに博識なウルスラ曹長がいます。
もう少し穿った見方をするならば、穴吹中尉も隊員を思ういい人ですし、チュインニ准尉も一回り老成した見方が出来る人です。
…心配することは、無いでしょう。近いうちに立ち直る…そうハッキネン個人は思いますね」
「なるほど…」
 わたしとハルカさんは勘定に入っていないようです…。
「ネウロイの侵攻も一段落付いているようですから、もし機会があれば、ビューリング少尉にはしっかり養生するよう伝えてください。後、気が乗れば私に相談しても構わない、と」
 相談だけは絶対にしないだろうなぁ…とわたしは思います。
「分かりました。お話ししたいことは以上です。ありがとうございました」
「ええ。あなたも、心配のし過ぎで体調を崩さないように」
「はい!」

――
240名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 17:24:05 ID:ex5VnBml
――

「すまない、ウルスラ」
 やっと落ち着いてまともに喋られるようになった私は、顔を上げた。
「ありがとう、助かった」
 立ち上がろうとした手を、掴まれる。ウルスラは、真剣な目付きで私を見つめてきた。
「まだ終わっていない。精神的負担を取り除くだけでは、まだ終わりじゃない」
「な、何を言ってるんだ…?」
「これからベッドで本番。本格的な治療をする」
「…待ってくれ、それだけはいい。やめてくれ!」
 掴む手を剥がす。折角平静を取り戻したというのに、また逆戻りじゃないか!
「欲望を晴らさないと、あなたを根本的に救うことは出来ない」
 普段からは想像も付かないほど、険しい表情のウルスラ、下から見上げるその目を、見ていられなかった。
「いいんだ…。今ので落ち着いた。もう、大丈夫だから、放っておいてくれ…」
「でも」
「悪い…。黙って胸を貸してくれたのは本当に感謝してる。だが、それだけは…いい」
「……………そう」
 長い沈黙の末、理解してくれたようだ。
 私はウルスラの頭をくしゃくしゃと撫でてから、ウルスラのあまりに生々しい"これからの眺望"に、再び勢いを増した火種があることを感じながら、立ち去った。
 
 
 ――スオムス基地に派遣されたんだが、私はもう限界かも知れない。
 その晩は、ウルスラに押し倒されてしまう夢を見た。
 
 キャサリンもウルスラも突っ撥ねてしまって、智子にも怒鳴ってしまったから、敬遠されてしまうだろう…。
 私はこれから、どうすればいいんだ…。
 やっと居場所を見つけたかも知れないこの中隊を、去らなければならないのだろうか。
 ウルスラに素直に頼んでおけば…夢を見ずに済んだかも知れなかった。
 後悔が私を襲い、翌朝の寝覚めは過去最悪だった。
 そんな私に声を掛けたのは、すっかり失念していた、"彼女"だった――。

ーー 続く。

つ、疲れた…。携帯からがここまで面倒だったとは…orz
次回予告は一応伏せておきます。それでは。
241名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 20:22:07 ID:TivZaZHc
隊員がそれぞれビューリングを心配する描写がいいな
このままエルマさんルートに突入するのか?
淫夢の理由とかもあるんだろうか
とりあえずGJ
242名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/01(月) 22:12:56 ID:TdM+I1ks
>>222
保管庫さんGJ!!!!!!!
今、見てきた。 新着コメントの一覧まで出るんだ。すげぇよ!!

しかし、あれだ。ここまでくると、「コメントがあるSSのコメント数のみ表示」に、題名が欲しくなるー、と呟いてみる。
243名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 01:45:08 ID:MIGIPK95
>>240
GJ!
ドキドキしながらもビューリングのために頑張るウルスラがかわいくて萌えました。


さてこんばんは。LWqeWTRGです。
サーニャイラでエーリニャ…かな?
3レス会話のみを投下させてもらおうと思います。

244名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 01:46:18 ID:MIGIPK95
「サーニャ、エイラの弱点教えたげる」
「え? いきなりどうしたんですか?」
「いーからいーから。コレをするとエイラが大変なことになるような弱点です。コレをサーニャにやってもらおうと思います」
「そ、そういうのならやらない方がいいんじゃ…」

「ちなみに大変なこととはエイラの鼻から赤いものがでるかも、ということで、コレの内容とは主にエイラとにゃんにゃん――」
「やります。教えて下さいハルトマンさん!」

「おお、切り替え速いね。では早速1個目にいきます」
「はい!」
「エイラに抱きついた事はあるよね?」
「もちろん」
「では、その時に頬ずりしましょう」
「そ、それならもう既に…。顔まっかでかわいかったです」
「だろうね。だからもうワンステップ、耳たぶをはむはむしてみましょう!」
「耳たぶを…!」
「そう、はむはむしながらエイラの身体を弄っちゃえ! 効果は抜群間違いナシ!」
「おおお…!」

「はい、コレが1個目。どう?」
「あると思います」
「でしょー」
「耳たぶから首筋にとか、そのままキスの流れに、とかいろいろ応用が利きそうですね」
「お! なかなかやるねぇ」
「いえいえ」


245名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 01:47:26 ID:MIGIPK95
「じゃあ2個目です。頭をなでなでしてあげましょう」
「あ、いつもとは逆に私からなでなでしてエイラを可愛がるという感じですか?」
「ううむ、それもあるけど…、なでなでして注意をそらし、その隙に唇でもなんでも奪っちゃえばいいんじゃないかな」
「なんでも、ですか」
「んー、例えば…」
「押し倒しちゃうんですね。わかります」
「…エイラとにゃんにゃんってなるとサーニャの頭の回転がスゴいんだけど…」
「そうですか?」


「まあいいや、3個目です。コレはまず相手の手をとります」
「はい」
「そしてそのまま自分の胸に…当てます」
「!」
「必要に応じて手を操作しましょう。気持ちよくなれるかも」
「はい! 私のは苦手というか触ろうとしませんから効果てきめんですね」
「まあね〜。エイラ、リーネのは揉むのにね〜」
「小さいのなら揉んで大きくしてくれればいいのに…」
「はいはい、ぶーってしてないでこれから揉んでもらいなよ」
「はーい…」
「ま、できるかわっかんないけどね〜」
「……」
「ほらほら、そのための作戦なんでしょー?」
「ですよね…、頑張ります」


246名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 01:48:30 ID:MIGIPK95
「と、いうわけで。どうだった?」
「あれ? これでおしまいですか?」
「…もう一つあるにはあるけど」
「是非!」
「4個目はあれだよ? 好き、ってずぅっと言い続ける」
「あぁ…。私、いつも…」
「だと思った」
「すいません…」
「じゃあさ、耳元で囁いてみるとか不意打ちで言ってみるとか」
「そうですね…、起きぬけとかは効きそうですね」
「目ぇ回しちゃうかもね」
「ふふっ、ですね。もし倒れちゃったらまたおはようのちゅーをするまでです」
「あはは…。目が狩人のようだ…」


「気を取り直して、はい! これでおしまいです。後は実践だ!」
「イエスマム!」
「いー返事だ。……うん、そろそろじゃないかな」

「サーニャー! サーニャー!!」

「ほらきた」
「あぁ、いたサーニャ! なにしてたんだヨ〜。寂しかったんだからナ…?」
「チラ」
「…コクリ」
「な、なにアイコンタクトなんかしてんだヨ…」

「……今だ! 突撃ぃー!!」
「え、なに? 突撃? ってうわ! なんで急に抱きついてきてんダ!?」
「エイラ!」
「はっハイ!」
「覚悟してね?」
「はい? ――うひゃう!!」


END

247名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 01:50:02 ID:MIGIPK95
以上です。
普段のサーニャイラのせいで良い作戦があまり思いつかなかったのは内緒。
エーリカはニヤニヤしながら横にいたトゥルーデに「ほらほら、サーニャたちもやってんだから」とちょっかいだします。
タイトルは「対ヘタレ軍議」です。
そういえば会議ネタ再びでしたね…。すみません。

それでは失礼しました。

248名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 02:50:33 ID:+5TUAZVL
>>232
サーニャとハイデマリーの胸を揉むエイラに、当ててるんです、と背後から抱きしめるリーネ。
その後ろから誰かがリーネの首筋を舐め上げる。
突然の事に思わず叫ぶリーネ。
慌てた様に起き上がるエイラ。
不満そうにエイラを睨むサーニャとハイデマリー。
ムクリと気が付くカタヤイネン。
入り口からはシャーリーとバルクホルンも駆け込んできた。
そして、彼女達の真ん中で芳佳とよく似た少女が薄く微笑む。
バルクホルンは驚きのあまり目を見開き身を震え上がらせる。
部屋の中は混沌と化した。

上空には、防戦を強いられる芳佳達がいた。
ガチレズの結束は固く、芳佳達の攻撃はそのほとんどが無力化された。
辛うじて円陣を敷くも、四面楚歌どころか上下も加わり六面楚歌。
嫌がらせのつもりか、人のキャラソンを歌ってくる辺りが腹立たしい。
その時、一発の砲弾が飛び込んできた。
慌てて散会するハルカ達。
双眼鏡の様な瓶底眼鏡に映ったのは海上を爆走している重陸戦ストライカー、ティガー。
この出会いを機に、操縦者シャーロットの憂鬱が始まった。

外壁を駆け登り、宙を跳び、海の上を走りながら追いかけっこを楽しむ美緒とミーナ。
いつの間に美緒の手にはルッキーニが抱えられており、美緒はミーナにパスを回した。
回転付きで飛んできたルッキーニを受け取ったミーナ。
その時、二人はふと戦い疲れた芳佳達を発見した。
そのまま走って芳佳の元に近付こうとした瞬間、二人の前にリバウの貴腐人が姿を現した。
ミーナの腕に抱かれ、いまだ眠り続けるルッキーニ。
寝言なのか、ルッキーニの口から小さく呟かれたダブルボンバーの意味を、この時のミーナはまだ知らないでいた。
知らないでいられたのであった。



続く
249名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 07:11:39 ID:SXrk4RAt
>>247
ちょっ、続きはw
250名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 10:37:00 ID:xZ35OPyS
海外展開が決まったみたいだから、海外の百合FFもちょっと期待しちゃう
251トゥルーデ撃墜部隊:2009/06/02(火) 21:12:21 ID:X367vEPx
お久しぶりです、撃墜部隊です。
暑くなり始めたので、誰もが一度はやったことがあるであろうゲーム(?)ネタで一本投下します
252名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:13:06 ID:X367vEPx
「暑いよ〜…」
「あぁっつー…」
「あち〜…」

ここ数日、やたらと暑い日が続いてる。
そのおかげで、ウィッチーズ基地内では1日中「暑い」って単語が飛び交ってんだ。もちろんあたしもその一人だけど。

こまめにシャワー浴びたり海で泳いだり薄着したりでなんとかやってるけど、さすがにこう続いちゃ嫌になる。

「ああもう、こう暑い暑い言われては余計に暑くなりますわ!」

ペリーヌが突然そう叫んだ。
まぁ気持ちはわかるけど、こいつはまず薄着したほうがいいんじゃないかな。普段着のままだし。

「じゃあさじゃあさ、これから『暑い』って言っちゃダメなゲームしない?」

ソファーに寝転んでいた、ペリーヌとは正反対で下着姿のハルトマンがそう持ちかけた。

「ゲームって事はペナルティ付きか?」
「もちろん。それぞれに専用の決めようよ」

あたしの質問ににやにやするハルトマン。こういうの考える時はほんとに楽しそうだな、この人。

「おもしろそーじゃん。私にも考えさせろよー」

もう一人、こういうのが好きなスオムス人が話に入ってきた。
北国出身の癖に、サウナで暑さに馴れてるせいか幾分他のみんなよりは辛くなさそうだ。
253名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:14:08 ID:X367vEPx

「ペリーヌは一週間少佐にうっとりするの禁止ね」
「な…!私はやるだなんて言ってませんわ!」

早速ペリーヌも巻き込まれた。

「じゃあ、宮藤は一週間おっぱい禁止だな」
「えぇーっ!!」

おっぱい禁止って何だよ。

「リーネは一週間おやつ作って〜」
「バルクホルン大尉はご飯なー」

これはペナルティっつーか、願望じゃん。

「ルッキーニは昼寝禁止でー、そんでサーニャは」
「サーニャはいいんだよ!寝てるから!お前はゴミ一つなくなるまで片付けだかんな!」
「なんだよー、じゃあエイラはサーニャ禁止だからね!」

サーニャ禁止も何なんだ?
ハルトマンのもペナルティっつーかなんていうか…

「ウジュ〜、アタシが昼寝禁止なんだったらシャーリーは整備禁止!」
「おいおいルッキーニ」

ルッキーニにあたしのペナルティも決められた。しかもかなりツラい。

「はっはっは、楽しそうではないか。なら、ミーナのペナルティは私が決めよう」
「美緒…そういう事なら、美緒のも私が決めさせてもらうわね」

少佐と中佐はなんか二人の世界だな…

「よ〜し、じゃあ期限は今日の夜まで!では我慢ゲーム開始〜!」

ハルトマンの声とともに、よくわからないままゲームが開始(?)された。

254名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:15:07 ID:X367vEPx
……

…………

「……あついー…」
「はい、ルッキーニ失格〜」
「うにゃ!」

あーあ。ルッキーニってば、早速やっちまったよ。
素直だから、思った事がすぐ口に出ちゃうんだよな。向いてないな、こういうゲーム。
でも今日は特に暑くて、気を抜いたらあたしも言っちゃいそうだ。整備禁止はツラい。頑張れあたし。


―――


それからしばらくして、夕方。
訓練中に宮藤とリーネも失格になり、ペリーヌもつい口走っちゃったらしい。

「おっぱい禁止…うぅ…」
「よ、芳佳ちゃん元気出して…」
「あぁっ、少佐にうっとりしないなんて無理ですわ…」

だからおっぱい禁止ってなんなんだ。

「う〜ん、みんななかなか粘るね」
「そりゃそうだ、ペナルティなんて嫌だし」

ハルトマンはどうにかして自分以外の奴に言わせたいらしい。

「あっ」

エイラが突然声を上げた。見ると、起きてきたらしいサーニャがふらふらと歩いていた。

「サーニャ、起きたのか」
「……エイラ…」

駆け寄ったエイラに、サーニャは抱きつくようにして寄りかかった。

「さ、サーニャっ!!」
「ん〜…むにゃ…」
「ひゅーひゅー、ラブラブだねぇ」

255名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:16:06 ID:X367vEPx

からかうハルトマンの言葉に、エイラは真っ赤になってわたわたとし出した。

「ち、違っ…もー、あつい!あちーよ!」
「あ、エイラ失格〜」
「ちょ!今のは違うだろ!」
「ダメで〜す、はいサーニャ禁止〜」

ハルトマンは寝ぼけたサーニャを奪い取り、あたしに預けてきた。
これが“サーニャ禁止”か。

「あまり苛めるなよ、エーリカ」

バルクホルンがため息混じりに諌める。こいつは嫌なペナルティじゃないんだから粘る必要ないのに、油断しないところはさすが堅物というか。

「トゥルーデも強いなぁ」
「ふん。お前の始めた遊びでヘマをする訳にはいかんからな」

崩すのはなかなか手強そうだ。
するとしばらくバルクホルンを見つめていたハルトマンが、突然ぱたぱたとキッチンへ走っていった。

「そんなトゥルーデにはこれをあげよう!」

戻ってきたハルトマンが持っていたのは…冷えた水が入ったグラス。
氷がいくつも入ってて、マジで冷たそうだ。う〜、うまそう…

「……何を企んでいる」
「やだなぁ、大尉殿の我慢強さに敬意を示しただけですよ」

バルクホルンは不審そうな顔をしていたが、それを受け取った。暑いもんは暑いんだろう。
256名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:17:09 ID:X367vEPx

「あたしにもくれよ、ハルトマン」
「シャーリーは自分で取って〜」

おいおい、あたしだって“我慢強い大尉殿”だぞ。大体今残ってるメンバー、みんな上官じゃないか。敬意示せよ。

「じゃあ堅物、あたしにもそれ……って」

水を分けてもらおうとバルクホルンを見たら、何かおかしかった。暑いから、みんな頬とか赤くなってるけどこいつのは異常だ。なんか目も潤んでる。

「トゥルーデ」
「ひゃ、…」

ハルトマンが抱きつくと、バルクホルンの体がびくっと震えた。
……まさか。

「……あつ、ぃ…」

色っぽい吐息と共に、そんな言葉がぽつりと漏れた。

「失格ね、トゥルーデ」
「ぅ…卑怯…だぞ、エーリカぁ…」

ふるふると震えるバルクホルンに、耳に息を吹き掛けたりして攻めるハルトマン。ていうかよそでやってくれ。

「シャーリー、残りの水いるんならあげるよ」
「いや、遠慮しとく」

変なクスリが入ってそうな水なんかいるか。

「ふむ、バルクホルンも失格とはな」
「フラウ、人前なんだから慎みなさい」

左官コンビはさすがに余裕だな。慎め、と言いつつしっかり少佐の手を握っちゃってるとこも中佐らしいというか…
257名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:18:12 ID:X367vEPx

「ミーナはペナルティなんにしたの?」

変わらずバルクホルンの体を撫で回しながらハルトマンが尋ねた。そんなにくっついて暑くないのか?見てるこっちが暑いよ…

「ふふ、内緒」
「……」

立てた人差し指を振って微笑む中佐を、少佐がじっと見つめる。

「ミーナ、私も知りたいな」
「え?」
「私と同じ事を考えているような気がしてならないんだ」

眼帯をずらし、魔眼を見せた少佐がふっと笑った。途端に中佐はぽっと赤くなる。
『君の考えてる事は(魔眼で)お見通しだよ』って感じか?凄い口説きだなぁ…本人は口説いてるつもりないんだろうけど…

「…今夜はずっと部屋にいてもらおうかしら…って思ってたの」
「それペナルティじゃないじゃん」

あっ、ハルトマンに突っ込み取られた。

「そうか…私は、今夜は寝かさないと言うつもりだった」

それもペナルt(略)

「……」
「……」

少しの沈黙の後。

「…暑いわね、美緒」
「あぁ。暑いな、ミーナ」

一言交わし合い、二人は廊下へと消えていった。

「あれ、アリか?」
「んー…いいんじゃないの」

ハルトマンはバルクホルンを好きにしているから他はどうでもよくなったようだ。
258名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/02(火) 21:19:36 ID:X367vEPx

「もう夜だし、タイムアップだね」
「じゃあ、勝ったのはあたしとあんただけって事か」
「そだね。整備禁止回避おめでとシャーリー」

祝われても微妙だけど、整備禁止にならなかったのは確かに嬉しい。

「じゃ、私らも部屋行くね。おやすみ〜」
「おやすみ〜。ほどほどにしときなよ?」

フラフラしているバルクホルンを支えて、この騒ぎの元凶も消えていった。

気がつけば、ロビーにいるのはあたしと寝てるサーニャと、サーニャ禁止のショックで石化したエイラだけだった。

「エイラ、大丈夫か?」

肩を揺すると、固まっていたエイラがはっと目を覚ました。

「さ、サーニャは…」
「あんたはサーニャ禁止なんだろ、だからあたしがもらってくね」
「なっ!ちょ、待てー!」

ひょいとサーニャを抱き上げて、さっさとロビーから退散した。

「くそー!今度いやってほど揉みしだいてやるかんなー!!」

エイラの叫びを背中に受けながら、サーニャの部屋に行きベッドに寝かせてやる。
まぁ、禁止って言ってもサーニャの方からエイラの側に行くんだろうし良かったじゃないか。

自分の部屋に戻り、ベッドに突っ伏しながら今日1日溜まった分を吐き出した。

「あぁー、あっつー!」

今夜もこの基地は暑くなりそうだ。色んな意味で。
259名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/03(水) 06:50:19 ID:XvLDcx04
>>258
GJ!おもしろかった!
少佐中佐最高。ふたりの世界最高。
相変わらずトゥルーデは撃墜される運命なんですねw
260名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/03(水) 22:52:44 ID:dX2SPGSw
左官屋さんなんか部隊にいたっけ???
261名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/03(水) 23:21:12 ID:Hz2XTf16
おい、お前らのGONZOが倒産の憂き目に
262名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 00:00:38 ID:LL5P/rfl
エルマ中尉誕生日おめ。
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org91813.jpg
263名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 03:05:26 ID:quaoAh43
>>261
マジなんだな
二期製作中止とかなったら発狂はしないけど号泣する
264名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 06:08:10 ID:iGhY1NCh
百合に目覚めたきっかけはカレイドだったなぁ
ラスエグやソルティ、瀬戸花なんかも好きだった。まあ駄作も多いんだけど
265名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 08:01:08 ID:labYszDy
うーん、SS一本書きあがったけど今日エルマの誕生日だなぁ……芳佳×ゲルトなんだけど
やっぱり明日まで待ったほうがいいだろうか。見直しでもするかな。

>>262
これはかわゆい……とってもGJであります!
266名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 10:29:18 ID:OyH/nnbL
本作に左官さんってでてきたか?
267名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 23:04:08 ID:/4+8svN2
もっさんは日曜大工が趣味でちょっとした穴の空いた壁なんかチョチョイのちょいなんだよ!
268名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 23:47:52 ID:jTxuuIUg
>>263
二期で下手なことやられるよりはこのまま終わった方がいいかもしれないとか思ったり
269ジプソフィラの笑う初夏 1/5:2009/06/04(木) 23:50:55 ID:pTVtBuKz

買い物に行こうよ!と、言い出したのはキャサリンで。ビューリングとウルスラは半ばそれに引き
ずられるようにして街に繰り出したのだった。智子たちは相変わらずベッドの中でもぞもぞとして
いたため、置いていくことにして。

ふんふん、ふん。
ご機嫌なキャサリンの鼻歌が、いまだネウロイの侵攻の痕の色濃く残るスラッセンの街に陽気に解け
ていく。ネウロイの猛撃は続いているものの、一度は撃退し、街を奪還したということが励みと
なっているのだろう。キャサリンの鼻歌は街の風景には似つかわしくはなかったけれども、それでも
その雰囲気にはまろやかに溶け込んでゆくのだった。

「おい、」

6月って言ってもスオムスは寒いねー!そんなことを言いながらウルスラを抱え込んでいるキャサ
リンに、その1歩後ろを行くビューリングはようやっと語りかける。街についてからかれこれ2時間は
経っている。ウィンドウショッピングなど趣味ではないビューリングにとっては、目的も分からず
こうして時間を浪費することはそろそろ我慢の限界だった。いや、ウィンドウショッピングが目的
と最初から言っておいてくれればもう少しは我慢のしようもあったかもしれない。もっとも、そう
言われた時点で自分が出かけることを却下していたのは間違いないのだけれど。

長かった冬を乗り越え、春を迎え、夏の兆しを見せ始めたスオムスの空はそれを誇るようにひたすら
青い。人々の顔もひたすら明るく、夏の訪れを心から喜んでいるようだ。
そして、そんな楽しそうな雰囲気に流されやすい、陽気な人間──キャサリンもまた、街の雰囲気に
当てられたかのように非常に楽しそうな顔をして顔をほころばせているのだった。要するにとても、
無駄なほどにテンションが高い。

「おい、キャサリン!」

一度言っても全く聞こえていないようだったから、もう一度、今度は語気を荒くして語りかける。
このような陽気な雰囲気もビューリングの性には合わなかった。別に暗い顔をしていろと辺りに呼び
かけたいわけではないけれども、それならば自分は傍観者となって隅で我関せずとタバコをふかして
いたいと考える性質なのだ、ビューリングは。

「なにさー、ビューリングー」
「もう街についてから2時間たっているじゃないか。そろそろその"買い物"とやらを済ませて基地
に帰ろうとか思わないのか」
「えー。ビューリングはホント、のりが悪いねー。」
「…お前がよすぎるだけだ、キャサリン」

これまで、半年以上共に過ごした月日は伊達ではない。ビューリングの予想通り、彼女はビューリングが
何を言っても気に留める気配すらなくけらけら笑うばかりだった。ウルスラもそう思うねー?腕の中
のウルスラにそう語りかけて、無言で一蹴されてもやはり楽しげにしている。

「でもまーいいじゃない。今日はこんなに晴れてて、風が気持ちよくて──こんなに、素敵な日
だからー。こんな日に好きな人のことを考えて、楽しい気分になれるのはとても素敵なことね!」
「はあ?何を言っているんだ?」
「あ、ほらほら!あれなんかいいんじゃないかー?」

好きな人のことを、考える。だから、楽しい気分になれる。それはいいとして、「今日は素敵な日だか
ら」。どうしてそれに繋がるのか。自由の国からやってきたこのリベリアンの考えていることは普段
から全くわからない。「あなたって相当の変わり者よね」と、数少ない友人から飽きるくらいにかの
ような評価を戴いているビューリングでさえもそう思うのだ。
270ジプソフィラの笑う初夏 2/5:2009/06/04(木) 23:51:33 ID:pTVtBuKz
(あいつがいたら、どんな風に言うんだろうな)

ふと、そんなことを考える。今はもう喪ってしまった、唯一無二の親友。いや、親友と思い込んで
いるのはこちらだけで、あちらはそんなことを考えてはいなかったのかもしれないけれど。それでも
馴れ合いの苦手なビューリングにとっては散々手合わせをして、撃墜スコアを競い合った彼女こそ、
自分のことを誰よりも理解してくれていた存在だと、今でもそう信じてやまない。懐かしさのあまり
美化された思い出といってしまえばそれまでだと、ビューリング自身だって分かっているけれど。

それでも、もしも、彼女がここにいたなら。
あの陽気なリベリアンを、寡黙な読書娘を、臆病なひばりを、爛れた扶桑とロマーニャ娘たちを、
なんと言うだろう。そんな面子で構成された部隊の一員として戦っている、ビューリングを。
触れるのさえためらって、向き合うことなど恐ろしくて。償うためには死しかないのだとそう思って
いたその記憶に、こうして「いま」を重ね合わせることができる。ばかばかしい。そんなこともう
叶わない。そう内心で思いながらも考えてしまう。こう陽気に当てられてしまったと考えればそれ
までだけれど、そんな自分にビューリングは驚きを隠せなかった。

(変わったといっていいのかな、私も。なあ、お前はどう思う──?)

抜けるように青い空の向こうに、その空から落とされて死んだあの親友がいるはずはなかったけれど。
もしも天国というものが存在して、それが天上にあるのなら、彼女とビューリングとを阻む雲は今
頭上にない。
普段は戦闘のしやすさ以外にどうとも感じない空の色が、その空が青いことが、ひどくありがたく
思えた。思わず口を吊り上げる。きっと相当緩んだ顔をしている。なにそれ、へんな顔。笑いなれて
いない自分のひくついた笑顔を見て以前そう笑った親友の声が聞こえてくるようで、「うるさいな」と
一つ悪態づいて、ビューリングはウルスラを押してどこかの雑貨屋に入ったキャサリンを追うことに
した。


  *


「で、買ったのはそのかわいくないぬいぐるみか。」
「可愛くないって言うのはいいすぎよー。きっと喜ぶって、ねえ?」
「確定はない。けれど、恐らく。」

本を引っつかむ暇もなくキャサリンに街へ引きずられたからだろう、先ほどまで心許なさ気にして
いたウルスラの腕の中には、その腕にちょうど抱くことが出来るサイズのぬいぐるみが抱きしめられ
ている。猫とペンギンを足してあわせて、うっかり可愛さを引いてしまったとしか思えない奇怪な
ぬいぐるみはお世辞にも「かわいい」とは言いがたい。ご丁寧にもリボンまで括りつけられていて、
ビューリングは更にこの「買い物」の目的が分からなくなっていた。これを買うことで一体どこの
誰が、どうして喜ぶというのか。反応を見るに、ウルスラにも事情は伝わっているらしい。

「なあ、もう用事は済んだろう。早く帰らないか──」

相変わらず楽しげにきょろきょろとしているキャサリンであるが、時計を見ればそろそろ戻らなけれ
ばいけない時間だ。なぜなら、エルマが泣くから。心配性の元隊長は、門限破りを怒る代わりに抱き
ついて無事でよかったとおいおい泣く。まさか小さな子供でもあるまいし、と毎回思うのだが、毎度
のごとくそれをされてはビューリングとしても後味が悪く、原隊時代散々重ねては悪びれなど全く
感じなかったそれをスオムスに来てからは控えるようにしていた。怒られたり営倉行きになるのは
慣れっこだけれども、泣いて心配する人間などビューリングの短い生涯でもあの泣き虫なひばりぐらい
しかいない。
271ジプソフィラの笑う初夏 3/5:2009/06/04(木) 23:52:01 ID:pTVtBuKz
「あ、見つけた!いくよー、ビューリング!!」
「……お前は少しぐらい、人の話を聞いたらどうなんだ…?」

が、もちろんそんなビューリングの内心はおろか、呼びかけさえキャサリンは聞いていない。お目当
ての店をようやっと見つけた喜びにまたウルスラを振り回さんほどにはしゃいで駆け出していく。
けれどもどうしてか、そうして振り回される度に口が緩む自分も否定できなくて、ビューリングは
再びため息をついてそのあとを追うことにする。

「ビューリング!おそいね!」
「……花屋か」
「当たり前ね!お祝い事に花は欠かせないものね!!」

包まれたのはみずみずしい香り。ネウロイの侵攻によって一度焦土と化したはずのこの街で、こんな
にもたくさんの草花を見かけることが出来るのはこのような店ぐらいだろう。花か。もう一度ビュー
リングは呟く。赤、黄色、オレンジ。華やかな彩りは先ほどまで青い空ばかりを見ていたビューリング
にとっては目に痛いとさえ感じてしまう。

「花束が欲しいの!おひとつ下さいなー!」
「誕生祝い。」

キャサリンとウルスラがそんなやり取りを店主としている間も、ビューリングはどうしても落ち着か
ずに視線をめぐらせるばかりだった。けれど、たんじょういわい。しばらくして彼女らのそのやり
取りを反芻して、ふと心に引っかかったその言葉にはっとする。

「……ちょっとまて、誕生祝いだと?」
「今更なに言ってるのさ、ビューリング」
「誰だ?」
「だれだ、って…」

そんなの決まってる、とばかりにキャサリンがその名前を告げようとしたそのときちょうど、店主が
キャサリンに花の束を差し出した。色とりどりの花を並べた、豪華な花束。このような感じでいかが
でしょうか。問われて「うーむ」と唸りながら、ビューリングのほうを見もせずにその答えをあっさ
りと告げてしまう。

「エルマ中尉ね。今日はエルマ中尉の誕生日なのよー。」

ウルスラ、どうおもうね?どうやらキャサリンの気には召さないらしい。困ったように尋ねられて、
ウルスラも珍しく関心を持った表情でそれを見つめている。その傍らでビューリングは多少衝撃を
受けていた。知らなかった、と言えばそれまでだけれども、知ろうともしていなかった、自分に対して。

──ビューリング!〜〜〜〜のプレゼントを買いに行くね!!ほら早く、用意!!

そうだ、出かけるそのときに、そう言えばキャサリンはそんなことを口にしていなかったか。おそ
らくそれは「エルマ中尉の誕生日」と言っていたのだろう。どうせいつもの気まぐれだろうと考えて、
どうとも思わなかったのは自分のほうだ。記憶を起こしてみればウルスラだって、特に嫌がりもせず
について来ていた気がする。それはウルスラにとっても、出かけるに足る充分な理由があったという
ことで。

今日はこんなにも天気のよい、「素敵な日」で。そんな日にキャサリンは、ウルスラは、エルマのこと
を考えて陽気になっていたのだろう。大切な仲間の生まれた日だから。彼女のことを想って、喜ぶ顔
を想像して。
272ジプソフィラの笑う初夏 4/5:2009/06/04(木) 23:53:04 ID:pTVtBuKz
(ばかだな、私は)

もしもそれを当初から知っていたなら、もっともっと楽しい気分で、共に彼女を喜ばせるための算段
に参加できたと思うのに。ビューリングの「楽しい気分」など他人の「ふつう」と大差ないのだ
けれども、それでも「なんで自分が付き合わなければいけないんだ」と考えながらキャサリンたちの
あとを無意味についてまわることなどしなかった……と、思う。

すぐにゆがめられて、涙の浮かぶその顔が綻ぶ姿を想像する。単純明快で素直な思考回路をした彼女
が何をされれば喜ぶのか、実はビューリングだってよく知っている。

「……そんな花束渡されたら、エルマは逆に困るんじゃないか」
「あー、ビューリングもそう思うかー?実はわたしもそうおもってたねー」

先ほどビューリングが見て頭を痛くしていた、色とりどりの花の用いられた豪華な花束。これでは
どう考えても、エルマのほうが気圧されてしまう。そう、エルマにはもっとはかなげで、小さくて、
悪く言えば目立たない、そんな花が──

「…店主。」
「はい、なんでしょうか」
「他のやつは要らないから、これ。この花で花束を作ってくれ。それでいい」
「は、はあ?この花、ですか…?でもふつう、この花はメインで使われるような花では…」
「それが、いい」
「はあ。そう申されるのであれば、この花でしたら、花びらの大きなタイプもございますのでそちら
とあわせて花束をお作り致しますが…よろしいのですか?」
「いいんだ。なあ?」
「うん、それでいいね。白くて小さくて──ふふ、確かにエルマ中尉みたいな花ね!!」

視線で尋ねると、こくり、と頷くウルスラ。店主のみが怪訝な顔をする中、満場一致でそれは可決
された。


  *


「ううううううううう!!!み、みなさあん、どごいっでだんでずがあああああ!!!」
「いやー、ごめんねー。ちょっと買い物に…」
「トモコ中尉も他のみんなもキャサリン少尉たちがどこに出かけたかおじえてくれないじ…!!」

カウハバ基地に帰りついた頃には、すっかりと空が赤く染まっていた。北欧のこの国のしかも昼の
長いこの時期であるから、相当遅い時間だ。もちろん、門限などとっくに過ぎている。
予想通り、エルマは基地の入り口でビューリングたちの帰りを待っていた。そして帰ってくるなり
三人をぎゅうと抱きしめてこの有様。だから早く帰ろうといったろう、とキャサリンに視線で呼び
かけるも、にこにこと楽しそうなキャサリンには当然のごとく伝わっていない。

「わ、わだじ、みなざんが帰ってこなかったらどうじようかと…!!!」
「あ、トモコトモコ!おーい、帰ってきたねー!!」
「話をきいてくだざい〜〜〜!!!」

まあまあ、と明るく肩を叩いて、待機室に表れた智子たちにキャサリンは手を振る。
273ジプソフィラの笑う初夏 5/5:2009/06/04(木) 23:54:41 ID:pTVtBuKz
「遅いわよ。待ちくたびれちゃったじゃない」
「あははー、ごめーん」
「じゃ、はじめましょうかー!」
「そうねー!準備は万端かー?」
「当たり前でしょ!どれだけ待たせたと思ってんのよ!」

そのやり取りを聞いて、キャサリンが智子たちを連れて行かなかったのも、考えがあってのこと
だったのだとビューリングはようやっと気がついた。ほとほと自分の鈍さに嫌気が指して、一つ
ため息をついて頭をかく。
照れくささを隠すように、一人きょとんと首をかしげているエルマの頭に手を伸ばしてかき回した。
なんだか悔しい気持ちになって、皆が恐らくは言うタイミングをはかっているその言葉を一足先に
口にしてしまう。

「誕生日おめでとう、エルマ」

白くて小さい、無数の花で作られた花束を差し出して、そう言ってやる。それはふつう、もっと
大きな花を誇って束の中で自己主張をする、そんな花々の引き立て役にしか使われないような花だけ
れども。
それでもその花がいつも自分たちを見守ってくれていることを、心配してくれていることを、ビュー
リングたちは知っていた。臆病に小さな花しか咲かせなくとも、その優しさを数え切れないくらいに
振りまいてくれる。だから、彼女を想うだけで、その笑顔を想像するだけで嬉しくて。

「あ、あれ、そう言えば今日、私──」

「ああああああああああああ!!!ちょっと!!!抜け駆けはずるいね、ビューリング!!」
「…さいあく」
「ちょっと何いいとこ取りしてんのよビューリング!」

白い肌を真っ赤に染めて、エルマはゆっくりと花束を受け取った。どうやらこの心配性のひばりは、
すっかりと自分の誕生日を失念してしまっていたらしい。

「もー!!基地の入り口でーこんなことしててもしかたないじゃないですかー!中に入ってお祝いー
しましょー!わたしートモコ中尉のために腕によりをかけてパスタ作ったんですからー!」
「わわわ、私だってがんばりましたよ!みそしるとか!智子中尉、楽しみにしててくださいね!!」
「じゃーいこうかー!ほら、エルマ!!」

キャサリンがまた、放心状態でいたエルマの手を強引に引いて基地の中に引っ張りこんでいく。わわ
わわあ!!お約束の通りに転びそうになったそこを、すかさずウルスラが支えて。大騒ぎしながら
先を行く面々。第一中隊の人間がどこにも見当たらないところを見ると、彼女らも食堂かどこかで
エルマを待ち構えているのだろうか。

ふ、と息をついて、ビューリングは本日三度めとなる、騒がしいその背中を追うことにした。




ジプソフィラは霞草。6月4日の誕生花です。花言葉は「親切」「人の魅力を引き出す」など
エルマ誕生日おめでとう!21x2w2Ibでした。
274名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 00:18:44 ID:t2GCG8qf
いらん子とかホントの意味でいらないなぁ
別スレ立ててやってくれないかな
275名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 00:29:58 ID:/SqQD5fI
毎回タイトルも内容も凄くキレイな世界で素敵です。
花でネタを思い浮かべたときにソ連の自走砲の名前しか出てこない自分にはどうにもw
とにかくGJでした〜^^

ちなみに感想書こうと思いつつも多すぎて手がつけられてなかったりします。
時間ほしいorz
276名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 00:36:33 ID:yYeokOg6
>>269
乙でGJ!
ビューリングは祝い事に疎いというか避けてそうな気がする。
スオムスに来てからだんだんそういうことになれていくというか
智子たちに慣れさせられるんだろうなとか読んでて思った。
面白かったよ。
またいらん子書いて欲しい。
もちろんアニメの方もだけど。
277名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:46:32 ID:gWCe8WWC
>>273
ほんわかして、ビューリングで、とにかくGJです



ニパとエルマさん、二人とも間に合わなかったけど、お誕生日おめでとうございます。
278名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:47:21 ID:cd7tP/GG
GJ!そしてエルマさん誕生日おめ!
知らなかった割にちゃっかりしてますねビューリングさん!いらん子の501とは違った仲の良さが好きだなあ
279一つ違いの辛と幸:2009/06/05(金) 02:49:05 ID:gWCe8WWC
¨不幸¨なんてものは、慣れてしまえばそれが自身の¨普通¨でしかない。
道を歩けば躓くし、落とし穴に落下物は当たり前。
これは自分の注意不足なんて関係なくて、たまたま悪い偶然が悪い方へとこぞって起きやがるだけ。
そう自分に言い聞かせて早十数年。
今日も私は磨き続けた第六感だけを頼りに、辛うじて平穏と言える一日を過ごす予定だったのだが――
 

 
今日も私、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンは絶好調に不幸であった。
仲間内で飲もうと開けた炭酸飲料。
蓋を開けると勢いよく吹き出した、なんて事もなく、そんな小さな事で喜んだのもつかの間。
何処からともなく飛来したメ〇トスが華麗な弧を描いてダイブイン。
たまたまその瞬間を見ておらず、見ていた仲間の制止も間に合わず、私は顔面から身近で出来る炭酸飲料実験による砲撃を頂いたのであった。
その後、ここカウハバ基地名物の風呂に浸かりに行けば、当然の様に水のまま。
仕方なく、髪だけ流してサウナに直行するという始末。
サウナから出て火照った身体も、未だ肌寒いスオムスにかかっては数分と経たずに冷えてしまう。
その冷えるまでの数分を満喫する為に、私はしっかりと着替えた後、開け放った廊下の窓からの舞い込む風を受けて涼む。
ある意味、動かなければ危険に踏み込む事もない。
向こうからやって来る事はあるけれど。
私ははぁ、とため息を一つ落とし、しばらくの間、ただ空を眺め続けていた。
 
「あ、ニッカー。こんな所にいた」
「ん?どした?」
 
そんな時に現れたのは同僚のウィッチ、エリカ・リリィ。
もっとも、未だ緊急時を除いてハンガー整理に回されている私が同僚と呼んでよいのか分からないけれど。
まぁ、似たような歳でよく話す間柄だ。
 
「今日はツイてるじゃない?ニッカに手紙だよ」
「……手紙…?」
 
そう言って差し出されたのは一通の封筒。
ツイてると言われても、手紙一つで何を根拠にそう思うのだろうか?
私が訝しみながらエリカからその手紙を受け取り差出人を見ようとしたその時、背後から聞き慣れた声に呼び止められた。
 
「ニッカさん、エリカさん、おはようございます」
「あ、おはようございまーす」
「エル姉?珍しいじゃん、こんな時間に」
 
軍服を纏い、穏やかな笑みを浮かべているのは、エルマ・レイヴォネン。
何かと急い日々を送るエルマが、朝も早くから指令室から離れた場所に現れるのは珍しい事であった。
280名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:49:39 ID:gWCe8WWC
 
「実はニッカさんにお手紙をお届けに来ました」
「……本当に珍しいな。今日ってなんかあったっけ?」
 
ニッカが訝し気な顔を向けてエルマから手紙を受け取る。
手紙を渡したエルマは、ニッカのその言葉にその場にしゃがみ込み、床にのの字を書き始めた。
 
「……いいんです。どうせ私なんて……そんなもんなんです……」
「……何やってんだエル姉は…って、これ……おおっ!?」
 
首を傾げながらエルマの様子を見つめていたニッカであったが、手紙の差出人を確認するやいなや驚きの声を上げた。
ニッカにとっては無理もない事で、何故ならその差出人は……
 
「どしたの、ニッカ?」
「イ、イッルから手紙が!……しかも両方とも!!?」
 
よほど信じられないのかニッカは二通の手紙をぐるぐると回してみたり、何度も何度もその名前を確認したりしていた。
と言うのもエイラがスオムスを発って早数年。
その間、ただの一度だってエイラからの手紙が無事にニッカの元に届く事はなかったのである。
スオムスに着いたニッカ宛ての手紙が何故か紛失したり、風に飛ばされて何処かへ行ったり、どういう訳か水に浸かっていて読めなくなっていたりと、様々な困難に見舞われて今日に至るのであった。
 
「ね、ね、そのエイラさんってあのエイラさん?」
「イッルはイッルに決まってるだろ?てかこれって夢じゃないよな?あ、もしかしてアレか!?手紙開けたらドッキリとか書いてんだろ!?」
「ニッカ……不敏な子……」
 
手紙を穴のあく程に睨みつけたり振ってみたりと百面相を体しているニッカ。
そんなニッカを見てホロリと涙を流すエリカ。
とは言えこのまま眺めているのもつまらない。
百聞は一見になんとかという奴だ。
 
「まぁまぁ、とにかくさ。中身見てみれば?」
「そ、そうだな!……よ、し!!開けるぞ?開けちゃうからな!?」
「そんなに緊張しなくても……」
 
一通を上着のポケットへと差し込み、もう一通の封を開くニッカ。
ガチガチに震える腕で慎重に慎重にと封を開いてゆく。
そして封筒の中から、三つ折りにしてある紙を取り出した。
どうやら中身はその一枚だけの様で、封筒もポケットに差し込んだ。
そして、その手紙を胸へと押さえる様に両手で包み、軽く深呼吸を行った。
 
「……………み、見るからな?」
「……………うん……」
 
緊張と興奮の入り交じる二人の声。
281名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:50:09 ID:gWCe8WWC
たまたま廊下の角に差し掛かってしまった新人のウィッチ達は、そんななんとも言えない空間に様子すら見るに見られず、慌てて逃げ去って行った。
どこぞのアホネン大先生は突然アップを始めた。
が、そんな周囲の事なぞ露にも気付かない二人。
そして、ニッカはゆっくりとその手紙を開いた。
そこには呆気ない程簡潔に、ただ一文、一言のみが書かれていた。
 
『 は ず れ 』
 
ぱちぱちと数度瞬くニッカ。
その手紙を縦に振ったり、横に振ったり、くるくると回してみたりしても、その文章…というか単語は変わる事はない。
 
『 は ず れ 』
 
ニッカはなんと言えばよいか分からない微妙な表情にて固まってしまった。
エリカはそんなニッカの様子に首を傾げる。
ふと気が付いて周囲を見回せば、エルマはいなくなっていて、どうしたものかと思い悩むも結論は直ぐに出た。
抜き足差し足とニッカの後ろに回り込むエリカ。
ニッカの肩越しにそろりと手紙を覗き見れば、そこにはやはりただ一言
 
『 は ず れ 』
 
エリカはそっとニッカの肩に手を添えた。
 
「ドンマイ」
「うがぁ!!!なんだよ!?何がはずれてんだよ!?確立二分の一で外れるのは仕様かぁっ!!!」
 
何かが切れた様にギャースと吠えるニッカ。
それでも手紙を丸めたり破ったりしない辺りがなんともいじらしいなぁ、と密かにエリカは微笑む。
 
「ほらほら、ちゃんともう一通あるんだから、あんまり吠えないの」
「うう……」
 
軽く半泣きながらも律儀に「はずれ」を封筒に戻し、もう一通の封を開くニッカ。
ポジティブに考えて多少は気が楽になったのか、取り出した手紙を眺めて軽くため息を零すニッカ。
少しの間目を閉じた後、唾を飲み込みいよいよ手紙を開いた。
すると、そこには――
 
『 ハ ズ レ 』
 
声もなくその場で崩れ落ちるニッカ。
ガクリとよろけた後、廊下の壁に添うようにズルズルと滑り落ちて、真っ白に燃え尽きた。
エリカはそんなニッカの様子に何とも言えず、かける言葉が見つからなかったので、とりあえず灰と化したニッカを休憩所まで引き擦って行った。
 

 
休憩所まで行くと、待機中やら談笑を楽しんでいるウィッチ達が屯していた。
ニッカの様子を訝しむ声も多々上がるも、エリカには何とも言えず、静かに首を横に振る事で答えを返した。
 
「珍しく落ち込んでるね、よっぽど?」
282名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:51:00 ID:gWCe8WWC
「「ついてない」カタヤイネンを意気消沈させる程の出来事!?」
「これと関係あったりする?」
 
口々に憶測やら何やらが飛び交い始めた休憩所。
その中で一人のウィッチがニッカに少し分厚い紙の束を手渡した。
 
「どしたの、ソレ」
「さっき郵便で届いたんだけど、それ全部ニッカのだって」
「………………あれ……これ全部イッルからだ!?」
 
エリカが他のウィッチ達と話をしていると、突然ニッカが跳び上がる様に復活した。
死んだ魚の様な目で受け取った手紙の束を見ていたのだが、差出人の名前が視界に入ったのである。
まさか、と思いつつも束をバラしてみるとその全てがエイラから。
一転して浮足立つニッカ。
さっそくその中の一つの封を開けると、今度はそそくさと中の手紙を開き見た。
 
『 ス カ 』
 
ニッカはそっと手紙を机の上に置くと、近くに見つけたメモ用紙を一枚引っ掴むと力の限りに丸めて握り潰した。
限界まで圧縮された元メモ用紙を投げ捨てると、軽く深呼吸を一つ別の手紙の封を開いた。
 
『 残 念 』
 
再びメモ用紙を手に取ると心行くまで引きちぎり、休憩所の中をささやかな紙吹雪が舞った。
気を取り直しまた別の封を開くニッカ。
 
『 ミ ス 』
283名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:51:34 ID:gWCe8WWC
「ニッカさん、全部で手紙は何通届きましたか?」
「………………十七…」
「はい。後、手紙の上下に変わった模様が付いていませんか?」
「……え?………………あ、本当だ」
 
エルマの問い掛けに気だるそうに答えるニッカであったが、言われて確かめてみると、裏の上下に何かが書いてあった。
それらは何処か文字の様で……
 
「え、これって!?」
「エイラさん、天邪鬼ですから」
 
ガバリと起き上がったニッカ。
慌てた様に手紙を二つに折ってみると、そこには確かにエイラからの手紙の一部が記されていたのであった。
 
「これ、全部続けて読むと手紙になるんだ!!……ったく、イッルの奴〜っ!」
 
怒っているのか、感心しているのか、喜んでいるのか、言わずともにやけた顔を隠し切れないニッカであった。
そんなニッカの様子を見てやれやれと言った一同。
これで終われば事なきを得て終えたのだが、やはりそうはいかなかった。
 
〜〜〜〜〜〜ッ!!!
 
けたたましいサイレンが基地中に響き渡る。
ネウロイが現れたのだ。
 
「ニッカさん、残念ですけど手紙を読むのは後になりそうですね」
「うぅーっ、ツイてねぇー!!」
「え、と…頑張って、ニッカ!」
 
手紙を一箇所に纏め置き、エリカや他のウィッチ達と共にブリーフィングルームへと急ぐニッカ。
数十分後、ネウロイの攻撃が何故か休憩所にのみ一発だけ直撃したのは別のお話。
実はエイラは、念のためにとエルマ宛ての手紙と一緒に後でニパに渡してくれ、とちゃんとした手紙をニッカ宛てに用意していた。
しかし、それを知らないニッカが半狂乱して狂戦士と化してしまったのもまた別のお話。
 
 
 
おわーり
284心静かな愛の花:2009/06/05(金) 02:54:36 ID:gWCe8WWC
ふと街中を歩いていた時に見つけた小さな花。
何となく眺めていただけなのだが、どうしても気になったその花を購入したのが昨日の話。
花屋の店員に贈り物かと聞かれた時に何故か彼女の顔が浮かんだので、思わず肯定してしまったので華やかなラッピング済み。
更に、ついでにと花言葉を教えて貰ったのが運の尽き。
何となくのつもりだった先程から、渡そうとする意味合いが果てしなくズレてしまったのであった。
 

 
気が付けば視線は彼女の後を追っていた。
何事にも懸命で、けれども中々結果が付いて来ないでいた。
それでも諦めず、挫けない彼女を見て私は感心を覚えずにはいられなかった。
とは言え、自分にとってはその程度の存在でしかなく、同じ部隊であった扶桑の二人組みを間近で見ていた身であったが故に、自分の気持ちと言うものが益々分からなくなっていたのである。
そんな私の気持ちを代弁するかの様に、スルリとはまり込んだのがそのたった一言の花言葉。
私は心無し緊張を覚えながら、彼女…エルマ・レイヴォネンの姿を探していた。
 

 
「…………何をしているんだ、エルマ」
「あー、ビューリングさん。おはようございます。でもいいんです、私なんてそんなもんなんです
285名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:54:56 ID:gWCe8WWC
「その、今日が誕生日なのですけど、ニッカさんに「今日ってなんかの日?」って言われたので、少しいじけてみただけなんですよ」
 
一々誕生日なんて覚えてないですよね、と苦笑いを浮かべるエルマ。
ビューリングは、ちゅどんとウルスラの実験の失敗に巻き込まれた様な衝撃を受けた。
言われるまですっかり忘れていたのだ。
思わずビューリングはその場にしゃがみ込んで頭を抱えた。
 
「ビ、ビューリングさん!?どうしたんですか!?」
「あ、あぁ…いや、すまない。あー、その…だな」
 
慌てた様子のエルマを宥めつつ立ち上がる。
忘れていたとは言え、考え様によっては調度渡りに船だ。
突然渡すのも変だよなぁ、と渡す理由を考えあぐねていた為である。
 
「その、な。あまり良いものではないかもしれんが……」
「………………え、あの…私に、ですか?」
 
入り口から入ってすぐ真横の机に置いていた、華やかにラッピングの施してあるその花を手渡す。
部屋に入ってから、特に辺りを見ていなかったエルマにとっては本当にサプライズなプレゼントであった。
 
「……わぁ…綺麗です………でも、変わったお花ですね。根っこが水に漂ってますけど、これで大丈夫なんですか?」
 
香りを嗅いだり色々眺めて見ては歓声を上げるエルマ。
内心ガッツポーズを決めたビューリングであった。
 
「ああ。ヒアシンス、と言うらしい。……その、気に入ったか?」
「……え、あ…はいっ!あ、ありがとうございますっ!?」
 
花の名前を聞いた途端、何故か突然顔を真っ赤にして驚き出したエルマ。
その後も、エルマは頬に手を当てて、ブツブツと何かを呟いている。
 
「……どうかしたのか、エルマ…?」
「あ、えと…あの、ですね……っ、ビューリングさん!」
「な、なんだ?」
 
エルマは両手を身体の前で握りしめると、少し上目使いになりながらビューリングに尋ねた。
 
「ヒアシンスの花言葉は、ご存知ですかっ!」
「…ッ!?」
 
予想外の問い掛けにビクリと身体の震えたビューリング。
まさかエルマが花言葉を知っていた?
いや、でもこの花は何と言うか知らない様だったハズ。
目を泳がせながら、どう答えたものかと考え込む。
そんなビューリングの様子を見て、エルマは慌てながら言い訳ついでに今朝の出来事を話した。
 
286名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 02:55:16 ID:gWCe8WWC
「その、ですね……今朝エイラさんから手紙が届いたんです。誕生日おめでとう、って。ただ、一番最後にですね、その、ヒアシンスの花言葉は知っといた方がいいよって、書いてありましてですね、えっと……」
「……く…エイラめ……」
 
お互いに必要以上に赤くした顔を見合わせては逸らす。
まともに顔すら合わせられないのに
 
「……その」
「……あの」
 
そんなタイミングだけはバッチリと合ってしまい、互いに自分の口を塞ぐ。
それが何度か続いた後、どちらからと無く溜め息を吐いた。
何と言うか、一度頭の中が整理されてしまうと自然と頬が緩むのが分かる。
お互いに、なんとも言えない微妙な顔になって向かい合う二人。
そんな中、口火を切ったのはビューリングであった。
 
「……最初は特に深い意味で買ったんじゃないんだ。なんとなくそれを見ていたらエルマの顔を思い出した。だから本当になんとなく買っただけだったんだが……」
「……はい」
「……花言葉の意味は、買った時に店員が教えてくれた。い、一応、間違っている、訳じゃない……と、思うんだが……」
 
そうですか、と微笑むエルマ。
ありがとうございます、と大切そうにヒアシンスを抱き抱える。
ほにゃりとヒアシンスの花の向こうで大輪の笑みを咲かせるエルマを見て、ビューリングもゆったりと微笑みを浮かべる。
その笑顔が見れただけで十分であった。
 

 
エルマの部屋にヒアシンスの花を置いた後、二人は指令室へと続く廊下をゆったりと歩いていた。
 
「……ところで、ビューリングさんは突然ケモノさんになったりしませんよね?」
「……智子達と一緒にしないでくれ」
 
溜め息を一つ、心外だと呟くビューリング。
そんなビューリングの様子を眺めては笑うエルマ。
 
『あー……その、ニッカさーん?』
 
ふと、休憩所の方からそんな声が聞こえてきた。
そう言えばカタヤイネン達をほったらかしだったな、と思い出したビューリング。
エルマもすっかり忘れていたのか、チロリと舌を出した。
 
「ちょっと様子を見て来ますね」
「ああ、先に指令室に行っている」
 
そのまま、あっさりと別れる二人。
けれども、胸の内に心静かな愛を秘めた二人。
しばらくは、二人共に緩んだ頬は戻らなそうだ。



おわーり
287名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 03:03:37 ID:gWCe8WWC
以上CRwGA7CAでした

エリカ・リリィ上級軍曹
全記録 第四集 21頁より

どんなウィッチかはまったくの想像ですね、ごめんなさい
288Laevatein @ればん:2009/06/05(金) 06:21:40 ID:ZtYaYqIO
[狎れの果て] 芳佳&ゲルトルート
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/nare_1.txt
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/nare_2.txt

内容的にはIfにまとめたかったんですが、芳ゲルはもう書いちゃったので。
別に重複してもいいんですが、そうするとほかの人たちは1本だけなのに
芳佳とトゥルーデだけ増えてしまうのが目に見えてるので……。
数日間ちびちび書いたものなので、一応見直しはしましたがおかしなところが
結構あると思いますが……見てやってくださいorz
289名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 06:24:49 ID:h8g+Q+L1
>>273
泣き虫だったり放心状態になってたり、エルマさんかわいいw GJっす。
ビューリング鈍いくせにいいとこもってくなーと呆れながら
霞草を渡しながら思うことが優しいな。花言葉がすごくエルマさんらしい。

>>283 >>286
ニパドンマイ…。連続ダメージ笑いました。
でも不運まで見越してちゃんと手紙を用意しとくエイラさんが付き合いの長さを感じさせていいです。
う、うん、ニパ愛されてるヨ!
ビューリングとエルマも初々しくてかわいいです。GJでした!
29021X2w2Ib:2009/06/05(金) 07:32:33 ID:m8fcaw2o
>>283 >>286
エイラのいたずらっ子ぶりと、それを熟知しているエルマさんがいいw
カタヤイネンの不幸振りを上手く活かしていていいなあと思いました!
ビューリングとエルマの話も…これは、ニヤニヤせざるを得ないw
爛れた人たちの横でこんな純愛が繰り広げられていたらと思うともう…!
2本投下乙!グッジョブ!

あともう一つ、>>269-273の話の、>>272の最後の一文にミスがありました。
× まあまあ、と明るく肩を叩いて、待機室に表れた智子たちにキャサリンは手を振る。
○ まあまあ、と明るくエルマの肩を叩いて、出迎えに現れた智子たちにキャサリンは手を振る。
とご訂正願えないでしょうか。
毎度のことならミスばかりで面目ないです。よろしくお願いいたします。
291名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 07:41:00 ID:ZtYaYqIO
>>288
@ればん
ってなんだ…orz
292名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 09:07:23 ID:d1yUgCSE
>>287
お前だけは避難所から出てこなくて良かったのに…
寒いギャクとか、自分では面白いと思ってやってるんだろうけど、気持ち悪…
293名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 10:34:40 ID:lAnrP3M8
>>250
海外の百合って、マッチョなイメージがあるんですが。。
294名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 17:55:12 ID:Ql9cur+B
百合が通用するのは日本だけ
海外ではレズとして忌み嫌われる
295名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 18:07:54 ID:+rGTrkG1
4chanではレズはhenataの板、百合は専用のyuri板
296名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 18:08:43 ID:+rGTrkG1
途中でイッテしまった henata→Hentai だ
297名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 19:06:17 ID:Ql9cur+B
4chanがすべてじゃない
勘違いするなよボケが
298名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 19:21:36 ID:e0ZPZtv8
>4chan「では」
って書いてあるんじゃん。
まあ、どの国か知らないが外国から来てくれてた ID:Ql9cur+B 氏に乙と言おう。
299名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 19:57:02 ID:lJV1F7fd
馴れ合いキモすぎ
300名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 20:08:55 ID:etAJhO2d
なんかもう見境無いな
301名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 20:19:50 ID:Ql9cur+B
くそきめえコテが我が物顔で下手糞なラクガキ投下するなんて尋常じゃないな
302名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 20:25:51 ID:PGpm8YRm
>>299
粘着気持ち悪い
303名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:10:18 ID:NBI3l3Jz
>>293
百合アンソロコミック本もあったりと良い意味で日本の影響を受けてる人も多いよ。
ストウィが向こうの百合好きにも好意的に受け止められると良いなあ。
304名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:21:24 ID:Ql9cur+B
それはアニヲタの中でだけだろ
海外じゃ同性愛なんて殺されてもおかしくない存在なんだよ
305名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:30:27 ID:NBI3l3Jz
あら一応海外のファンフィクサイト見てみたら4本ほどあったよ。
芳リネ2本、美緒ぺリ1本、オリキャラ1本。
306名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:31:59 ID:PGpm8YRm
>>304
リアルのことなんかしらんがなw
どうせなら同性板で喧嘩売ってくればw?
チキン野郎だから無理だろうがw
307名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:34:31 ID:MriN3zoz
レズと百合ってどこが違うの
308名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:39:07 ID:PGpm8YRm
>>307
定義はひとそれぞれ
君が同じと思うならそうなんだろ
309名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:44:33 ID:Ql9cur+B
外人にまで同属意識憶えるとかキモすぎだろ・・・
310名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:44:49 ID:/ARO7sIa
SEXするのがレズ
しないのが百合
311名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:46:41 ID:lJV1F7fd
男のふりしたヲタ女スレってキモい
百合板ってそんなのばっか
312名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 22:49:55 ID:PGpm8YRm
>>309
だからリアルのこと言いたいなら同性板いけよw
つか、過疎ってる巣のエロパロ保守してろw
313名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 23:12:31 ID:4C4KaftI
>>305
エイラーニャなら一本ここに張られたことあった気がする
翻訳が堅いせいかも知れないがやたら叙情的だったな
314名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/05(金) 23:38:34 ID:lnOiHlgS
平和ダナー
315名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 04:27:32 ID:JDpmV7QG
ところで2期の詳しい情報はまだかね
316名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 04:38:06 ID:JDpmV7QG
>>286
もうビューリングとエルマ良すぎるなぁ、ニヤニヤが止まらないw
317名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 04:46:21 ID:9xd6OifW
まだあわてるような時間じゃない
318名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 06:17:32 ID:2BB4Vegl
それでも股監督なら
股監督ならきっと何とかしてくれる…
319名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 07:27:30 ID:sou7JyGJ
じっくり時間をかけて、それだけのものを作って欲しい
320名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 15:46:02 ID:JDpmV7QG
とりあえず萎えるとか言ってる奴はランキング2位まで上り詰めた後で文句言おうね
321名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 15:47:39 ID:JDpmV7QG
うん、誤爆なんだ

ちょっとペリーヌ×みっちゃんの可能性について考えながら反省してくる
322名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 20:48:31 ID:ZsjOGV8J
323名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 20:50:01 ID:FrRJpKWC
つまりサーニャの手がエイラのイルマタルをユーティライネンしそうなんダナ
324Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/06/06(土) 20:57:19 ID:7eUVr9Ft
>>322
ニコニコでストパンMAD見てたときにコメ欄の広告がChaosのエイラだったことがあって
ちょっと吹いた記憶がw

では新作ー。
[Dance Party #02]ゲルトルート&サーニャ、ゲルトルート&エーリカ
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/danceparty02.txt

なんか書いてたらトゥーリカってやっぱりいいなって当たり前のことに
気づきました。ハイ。
325名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 22:09:24 ID:TuAkEIOp
>>322
何故ヴァイシュバで出ない・・・!
326名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/06(土) 23:45:47 ID:u7jUM4Bi
これは芳リーネスキー、エイラーニャスキー、もっペリスキーを釣りに来てるのか・・・。
そうなら全力で喰いついてやるぜ。
327名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 03:10:30 ID:WsiPwidW
深夜にこんばんは。LWqeWTRGです。
早速ですが4レスです。



「ふぅー…、ツカレタナ〜…」

やっと帰ってきた。私の旦那様。…ん? お嫁さん、かな…?
とりあえず夜間哨戒お疲れ様。

「服は後でなんとかシヨウ…」

うん…服脱ぎ捨てるのはいつ見てもドキドキするよね。
あぁ危ない、ふらふらしてる。
ふふ、かわいいなぁ…。

「ねみぃ……」

私の横に沈み込む愛しい人。
あっ、あれしなくちゃ。

「エイラ、おかえり…」

おかえりのキス。
すべすべしたエイラの頬をなでて毛布をかけてあげる。
服は…起きてからでいいよね。今は一緒に寝よう…。
エイラを転がして私の方にむけて、腕をむりやり(ごめんね)広げて…その隙間に…よいしょっと。
うふ、エイラにだっこされちゃったー。

「おやすみ、エイラ」

おやすみのキス。うふふ。
私キス好きだよなぁ。
でも私からしかできないんだよね。
もう何度も何度もしてるのに…エイラからは1回もないな。

「エイラのばーか」

聞こえてないから大丈夫。いや聞こえた方がいいかも。
もうちょっと積極的になってもいいのにな。

「ばーか。えいらのばーか。悔しかったらキスくらいしてみてよ…」

328名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 03:11:41 ID:WsiPwidW
まぁ無理だな。
エイラのヘタレは私が一番知ってる。
だからこうして――

「う…? さーにゃ? ――サーニャ!?」
「あれ、起こしちゃった? ごめんね、エイラ」
「ドウシテ私の部屋に!?」

そう、ここはエイラの部屋。昨日エイラが夜間哨戒に出る前からずっと居座り続けて今に至る。
だってエイラは私の部屋に“まちがって”入ってこないでしょう?
それにもうここは私たち2人の部屋なの。

「部屋なの、って…。マァいっか…今日だけダカンナー…。ねる……」

おや、今の体勢についてはなにも気にしてないのかな?
眠いときはこんなにくっついても大丈夫…。ふふ、ふふふふ…。

覚悟してね、エイラ。
私ちょっと燃えてきちゃった。今日は寝かさないわよ…。


まずはぎゅぅーってして。全身でエイラを感じよう。
そうだよ、だっこと言っても腕を回されてるだけなんだもん。
エイラは寝ちゃってるから私がしてあげるね。

ぎゅ……。

柔らかくてふわふわしてて。下着の隙間から触れるお肌にドキドキ。
それに何よりもあったかくって。こうするだけでとても気持ちいい。
ああ、最、高……。


あ、だめ。まだ最高は早い。
まだ足りないんだからね。

329名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 03:12:43 ID:WsiPwidW
次に髪の毛。さらさらしててとても綺麗な髪の毛。
抱きしめたまま頭をなでてあげながら1本1本に触れていく。
どうしてエイラの髪の毛はいい匂いがするんだろう?
そこだけじゃないけどね。全身からいい匂いがする。
うふふ、この匂いも私だけのもの…。


次は…エイラの声が聞きたいな。

「えいら、エイラ。私を呼んで」

今までぴくりとも動かなかったエイラが目を開ける。
私の声はちゃんと聞こえてるんだね。嬉しいな。

「ん〜…、なんだよさーにゃ……」
「名前呼んで、お願い」
「えー? あぁハイ……。サーニャ、サーニャさん、サーニャちゃん……」
「もう、普通に呼んで」

今ちょっと新鮮でドキッとしたけど。
たまにはいいかもしれない。

「う……、サーニャ…。さぁにゃ、さ…にゃ…、もうイイ?」
「うん、まだ足りない」
「うええ……。サーニャ、サーニャ……」

名前を呼ばれるたびに心が弾む。
嬉しくて、楽しくて、そしてなにか熱く激しい気持ちで溢れていく。
ああ、エイラ…かわいいエイラ…。
大好きなエイラ。愛してる……。

はぅ。もうだめ、我慢できない。

「エイラ」
「ん〜?」
「だいすき」
「…は? ――っ!?」

330名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 03:14:00 ID:WsiPwidW
深く、深く、もっと深く。
エイラに奥まで私を感じてもらえるように。
そして私がエイラをたくさん感じられるように。
ちなみにエイラが逃げないように頭を押さえつけている。これは基本。

痺れるようなキスを息が苦しくなるまで続けると頭がぼーっとして快感に変わって。
エイラを存分に味わいながら何度も何度も続けていたら、さすがにしっかりと目が覚めちゃったみたい。

「おいサーニャ!? いきなりなにすんダヨ!」
「なにって、キス…」
「そうじゃねーよ! 不意打ちはよくないと思うヨ!?」
「我慢できなかったんだもん…」
「できなかったんだもん。じゃなくて急にしちゃだめ! ちょっと苦しかったんだぞぉ…?」
「ということは急にじゃなかったら大丈夫…! ふふ…これはいいことを聞いたわ」
「え! あー、イヤ、えー…?」

うふ。じゃ、続きしよっか♪
もちろん最後まで。ね?
本当に今日は寝かさないんだから…。


END


――――――

以上、サーニャイラ。
エイラさん1人で夜間哨戒を終えた朝のことでした。
タイトルは「今日だけじゃないもん」です。

では失礼します。

331名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 08:52:17 ID:Tt12Etqz
GJ
サーニャは攻め時も受け時も、
エイラより優位に立ってることが多い気がする。
332名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 09:15:19 ID:6t+mkTuu
gj!
333名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 11:16:54 ID:jcWL3zbw
GJです
ニヤニヤがとまらんw
334名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 11:53:14 ID:UacBVTq8
これはいいエイラーニャ
335名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 15:50:12 ID:30QIkGZR
ストライクウィッチーズの主人公はエイラでいいよなホントに

1番人気あるしきっと芳佳以上にモテモテになれるような気もするしな

二期はエイラ中心でやってほしいな
336名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 16:32:10 ID:eZC1XnFJ
ペリーヌが主人公でも良いかも
337名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 16:35:36 ID:+Hxc/0M0
エイラ主人公だとひたすら乳揉むだけの話になるだろ!
あれ?
338名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 16:55:03 ID:tUFJFV2b
エイラもいいが
個人的には二期はもっミーナの恋愛模様で
もしくはリーネが主人公
というか一話事にキャラを掘り下げるエピソードを・・・
339名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 17:16:33 ID:p/BU6wDe
うぜえ
エイラ持ち上げたいだけならキャラスレにでもこもってろ
340名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 17:19:10 ID:eZC1XnFJ
>>338
もっミーナが二期で何も無かったら俺は泣く
341名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 18:03:11 ID:ITWiUWhB
              , '"                   \
.           /                ヘ    \
            /       /      /,     ト、   ヘ  ヽ
        /       /      /│    } ヽ │  ',
        ,′      j/   / /  |   ,| !  ', |    |
.        ′         | / ,ム-‐¬ |   ,' ! 厂 `゙jメ、   ',|
       l           |/'" // __ │ / jノ _,._ i| |   '
       |  !       |  ,.ィfひト、 从// /圦ハメ /    !
.        !  '      l. 〃{::::::しi  ´    {:::::リjノリ  }!     最近のトゥルーデったら宮藤に夢中で全然私に構ってくれないんだよ。
         ',  ′       lヾ 弋::::ノ        ー'  ハ   ハ,!       だから考えたんだ。宮藤と結婚したらトゥルーデの妹になれるんじゃないかなと。
         ',  ',      l    ¨´        '   、、  ,′|      それで宮藤にプロポーズしんただけど…。
         ',  ',       '  ヽヽ             八 ,′
         '.トヘ| 、    ',            。    イ  ,′
            |/ハ\   ',          / j/l/
                  ヽ|\  ,` ー  .._    /     /
                    \'     /  ̄
                  /        ,′
               __/        にニミー- 、
         .  -─ヘ:::.ヽ        \`ヽ、 \
.        /      ヽ:::.ヽ          ヽ::ハ    \



                       ,   - ── - _
.                    ,               、
.                  /                 .\
                /   /   /             ヽ
.               /    /  / /   i    i        ,
.              /   i  / /  イ    } i    !     、  ,
              !   ! ./ //  /!   /! !    !   i  ゝ _ _ ノ
              ! /  ! // / / レ  / i ハ 、   i    !    !
             イ/ _!-≠/_./  /  /  //  , 、  !    .i    .!
             / !  !/ ./∠` ./ ./  フイ= - _ト  !    !    .!
            / i   !i,__  ̄ /イ  ノ __  iハヽ!    i    i
           /  !.  i!ヘ Tニ=ト     _- _  ! V 丶 / i    /!     そしたら宮藤何て言ったと思う?
          /  .i !  !、 弋::ノ     .イ T==-x_.i!   / ! / .∧!     「ぺったんこには興味ありません」って言ってあっさりフッてさ…。
         ノ   iハ  !i ///       弋::::::シノ/   / !ィ ./ i!     貧乳はステータスって思っていたから正直ショックだったよ。
             i! ',  .i!   、     ///   /   / / イ/        胸以外で宮藤を落とす方法ないかな…。
.               , i、 ト 、           ./    /!/
               ゝi 、! >、 _       //  ィく /
.                !  /::/ヽ、   _ - フ イ / /ヘ
               _ ト、{!::i}  i  ̄ )    レ     \
      _   -  ̄ ̄    Y:i}   ヽ            , ...>、
342名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 18:03:51 ID:RmK6IHnB
>>340
な、何もないわけがないよ!
でもペアのシャッフルもやりたいってイベントで言ってたらしいね。どうなるか楽しみ
343名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 18:07:19 ID:TJc4sZsU
ペリーヌが(百合的に)幸せになってくれたら、俺は泣いてしまう。
344名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 18:12:29 ID:+Hxc/0M0
>>341
          |ト、   .. ------  ..   イ!
            || >:'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`く ||      ,.へ
  ___       |レ'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ!!     ム  i
 「 ヒ_i〉      /.:.:.:.:.:.:/.:.:./.:.:.:.:..イ.:.:.l.:.:.:.:. ',     ゝ 〈
 ト ノ      ,'.:./.:.:.:/.:.:./.:/.:.:./ l.:.:.ハ.:.:.:.:.:l     iニ(()
 i  {       l.:/ .:.:.,'.:.:..:l/‐-/  l.:/ -',.:.:.:.:,     |  ヽ
 i  i      V.:.>‐l .:.:>ちホ   |/ちホV.:.:.',      i   }
 |   i    ,.:'.:.:.{  |.:./{ ト-j    ト‐j l∧.:.'、    {、  λ
 ト−┤  ∠イ',八__|/_  `´      `´ ハ.∧.:.\ ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_      )ハ::\  (⌒ 7  ノ   ,. '´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__   Vl:::〕  r≦    /" \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r    ,/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈\   / |::/   /   ,. "
        `ー 、    \ヽ   |/     r'"
     / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
     | 答 |       お っ ぱ い       │|
     \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
345名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 19:08:23 ID:nVh21FI3
シャーリーの主人公でシャッキーニはなしですかそうですか

シャアアアアアアアアアアアアアアアリイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!1
346名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 20:30:14 ID:AyXc1zZh
シャッキーニ分が無いと困る
なんというか見てて和むから
347名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 20:50:02 ID:+Hxc/0M0
シャーリーはともかくルッキーニが百合百合してるのって妄想しづらいんだよなぁ・・・
自然体というか
348名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 21:11:59 ID:xCV9QCe8
あまりに自然体すぎるルッキーニだから、シャーリーが乙女ちっくにいろいろ悩むといい
こんな感情もってるのって、あたしだけだよな…とか
ルッキーニはあたしにマーマを重ねてるだけなのかもしれない。きっといつかあたしから離れていくんだ…とか
仮に今はまだ認識してないにしても、結局はルッキーニもシャーリーのことそういう意味で好きになってる自分に気付くんだ!
よくあるネタでさーせん
349Arietids / rQBwlPEO:2009/06/07(日) 22:35:58 ID:RzTluvfw
エイニパ投下。エイラちょっとしか出てきませんが。
整形が面倒なのでtxt上げです。

http://www1.axfc.net/uploader/He/so/229473.txt
pass:sw

いつものごとくニパが手前勝手妄想なのと中盤ぐじぐじと欝っぽいのでご注意ください。
遅くなってごめんよ。ニパおめでとう!
350名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 22:56:57 ID:30QIkGZR
>>339
そう書き込んでほしかった
普通俺の書き込み叩かれるよな
ここのエイラ持ち上げ率は異常
351名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 23:17:18 ID:92nCFlDj
>>341
いや、ペリーヌから求婚?求められて考えさ下さいって言ってるから貧乳とか関係ないんじゃないかな
352名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 23:42:47 ID:D6OQuA4+
つまり一番主人公になりにくいのはサーニャですね、わかりました
353名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 00:40:08 ID:pSy892Ab
シャーリーとルッキーニは保護者と保護される者の関係
ゲルハルトマンも保護者と保護される者の関係
シャーリーとゲルトは秘密の関係。
354名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 00:58:23 ID:6h/vNceL
久しくシャーゲルを見てない。シャーゲル分がぁ…
355名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 03:11:04 ID:iHSOhFl3
>>347
ルッキーニが百合百合なのを想像しにくいのって、本編中で子供っぽく
描かれてるせいな気がする。
ルッキーニが成長していく過程で恋を覚えて、シャーリーとの関係が
少しずつ変わっていく、っていうのもアリなんじゃないか?
ただ、やりかたを間違えるとただの駄百合になってしまうが。

>>352
いやいや、サーニャ視点で隊全体を描くというのもなかなか面白いと思う。
エイラーニャ中のサーニャみたいな、強気(?)サーニャだったらなおさら。
356名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 16:51:02 ID:WByNDkmB
>>353
是非ssに
357名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 17:03:54 ID:yuqYqWQl
>>349
ブリタニアで楽しくやってるエイラを想って寂しくなっちゃうニッカが可愛すぎる
夜明けを一緒に待ってくれるエルマもいい上司すぎる
GJ
358名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 22:27:40 ID:M+Ww1xeV
智子×ビューリングでお勧めありますか?
359名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/08(月) 22:44:34 ID:OtTG4oa7
俺の魂に響くような面白いものはまだ読んだことはない
360名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 07:24:05 ID:WR1XOt/e
>>358
つ[いらん子4巻]

だったら良いなぁ・・・ちょっとでもいいから智子×ビューリングで百合が見たい
361名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 12:25:19 ID:kS6GzGjk
百合とか言っても、プラトニックなのや欲求不満解消のためのベッドインとかなら理解できるけど
さすがに結婚とかまでいくと妄想きつすぎて気持ち悪い
スレ的にも温度差があるのは仕方がないけど
そういう人は板違いと言わねばならないだろう
362名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 13:28:50 ID:r6bl1iw9
>>361が見えない
363名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 13:49:48 ID:ZhIApfQD
>>361
いちいちケチつける方が板違いなんでw
つか、自治スレで遊んでろw
364名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 13:49:56 ID:al5LfQkn
マジレスするとそれは個人差という言葉につきる
なので一々報告はしなくてもいい、ということだ
嫌なら見ない、気に入ったらGJする
それでよい
365名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:41:53 ID:c8IUmd7i
>>348
おまいさんはそれをSS化する義務があると思う、ていうかSS化して下さい
366名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:43:26 ID:/YcGe8fw
ミーナ×マロニー需要ある?
367名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:47:55 ID:ZhIApfQD
>>366
誤爆か?
エロパロいけよw
368名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:56:09 ID:dFYmsfti
>>367
一々他人の書くSSにケチ付けるなよ
自治スレ行って愚痴ってろや
369名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:56:45 ID:c8IUmd7i
まぁ>>366は板違いだから
370名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 14:59:06 ID:hd+Q3p2G
今更ながら>>344でふいたw
371名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 15:00:40 ID:dFYmsfti
>>366
ミーナとマロニーがセックルするなんてどこにも書いていないだろうが
372名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 15:02:08 ID:vpSEDq90
>>360
いらん子4巻は智子×ビューリングあるぞ













俺の脳内会議でそういう結論が出ました
373名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 15:50:11 ID:ZhIApfQD
>>371
百合板なんだがw
セックルするとか関係なく男女カプはスレチ
あと仕返しにもなってねえからw>>361、368
374名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 15:56:48 ID:0Y0NhHYA
二期でのシャッキーニは見てるほうが恥ずかしくなるくらいラブラブしてるってあっちの俺が言ってた
375名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:05:11 ID:dFYmsfti
×はカプの印って決まってるわけでもないのにな
短絡思考も程々にしなきゃ荒れる元だよ
つか、もう荒れはじめてる
376名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:08:10 ID:UHTgtkbb
>>372
マジで智子×ビューリング来たら色々と鼻血が出るかもしれない
ビューリングにも素質があるっぽいし、本当にあったりして
377名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:10:17 ID:UHTgtkbb
ちょっと日本語が変だったから百合妄想しながら反省してくる
378名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:16:31 ID:ZhIApfQD
>>375
荒らしてるのはお前だw
379名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:30:40 ID:KgzbCJI3
>>376
萌え死ねる自信がある
マジでこないかな
380名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:37:58 ID:By68Wpz0
アホネンの不人気さに泣いた
381名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 16:40:04 ID:UHTgtkbb
>>379
俺は多分失血死すると思う

>>380
アホネンは結構良いキャラしてるのになぁ
やっぱりネタキャラみたいに思われてるんだろうか
382名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 17:39:41 ID:ElPUOy+g
いらん子はおもしろいっちゃおもしろいんだが、何か尺足らずな印象があるんだよね
キャラなんかもいまいち掘り下げが足りんような気がする
383名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 17:54:29 ID:ZhIApfQD
>>382
多分、それやるとエロすぎて出版できなくなるw
作者、あれでも抑えてるようだしw
384名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 18:11:50 ID:UHTgtkbb
>>382
いらん子はもうちょっと続けて欲しいなぁ・・・もっと他のキャラについて色々書いて欲しい
385名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 18:59:44 ID:knZ0YXVK
やりすぎると一部の特殊性癖マニアにしか受けなくなるし
商業ベースに乗せられない可能性があるしな
作者も本当は百合成分は省きたいって思いながら書いているのが文面から滲み出てるよ
386名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 19:36:49 ID:emeNUIMQ
ユリアンさん頑張ってるねw
387名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 19:43:42 ID:ZhIApfQD
>>385
ノボルは百合大好物なんですがなにかw
ろくすっぽ知らんのにしったか乙
388名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 19:53:48 ID:ydBdR+8k
>>384
オヘア×ウルスラとかもっと掘り下げるべき
389名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 20:11:22 ID:UhuOpPCN
物議を醸した一連の発言知らないお前こそしったかクンだろ
390名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 20:13:26 ID:zwyJRNNj
>>382
全4巻じゃ足りないよな
391名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 20:31:38 ID:dEyB+tyo
>348
2期でほんの少しでもそういう話があれば泣いて喜ぶ

いや、泣いて喜ぶどころじゃないな
そのまま昇天するかもしらん
392名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 20:48:57 ID:emeNUIMQ
小説は小説のキャラで、アニメはアニメのキャラで。

小説読んでないと意味分からん、なんつーのは止めて欲しいね。
時代も違うんだしさ。
393名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 21:18:39 ID:nZD59iwK
>>392
それが二次作の醍醐味では……

むしろドンと来い
394名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 21:38:45 ID:XBfrRytt
ふと思った。芳佳が来てサーニャが外の世界と積極的に関わろうとなったけど、もしそうならなかったら?
引っ込み思案が直らず、エイラだけを求め、エイラに依存し、他者を拒絶して閉じた世界に篭もるようになったら・・・
395名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 21:46:30 ID:1t+Ukeht
>>392何様だよw 別に全部読む義務なんてないんだから読みたいものを好きなように読めばいい
396名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 21:50:20 ID:qEM0k8ta
>>394
うーん、俺は明るく笑顔で読めるのとか、感動して泣けるのとか、あるいは
死にネタなら死にネタで何らかしら考えさせられるような内容のが欲しいから
あんまり「単なる暗いお話」は読みたくないけど、暗くならないように工夫して
みるとか、どこかやさしさがあるとか、そういう「いい意味で肩透かし」な
内容は読んでみたいかも。

ま、あくまで俺個人の意見だからどーでもいーけど。とりあえず妄想のネタが
あるならSSにまとめてみるんだ!!
397名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 21:59:05 ID:IyewVTjv
音楽を極めるために、過去の鬼才たちと同じ様に全てを捨てて音楽に没頭するサーニャ。
しかし、やがてサーニャは気付く。
素晴らしい音を奏でるためには愛する人が必要なのだと言う事を・・・。

スピード狂のシャーリーでもこういうネタが出来そうだ。
398名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:02:29 ID:qEM0k8ta
>>397
速度を極めるために、過去の鬼才たちと同じ様に全てを捨てて速度に没頭するシャーリー。
しかし、やがてシャーリーは気づく。
音の速度を突破するためにはルッキーニの組み立てテクニックが必要なのだということを…。

こうですか? 分かりません><
399名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:04:10 ID:k0k/5t2M
400名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:04:22 ID:ElPUOy+g
>>397
シャッキーニ物でそんなネタの作品一つあったっけね
あれはあんまり深刻なノリじゃなくヘタレシャーリーって感じだったけどw
401名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:17:35 ID:nZD59iwK
ツンデレを極めるために、過去の鬼才たちと同じ様に全てを捨ててツンに没頭するペリーヌ。
しかし、やがてペリーヌは気づく。
ツンからデレへの壁を突破するためには芳佳へのアタックを行う事が必要なのだということを…。
402名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:19:38 ID:FKkNmpHT
>>397>>398>>401
さぁ、SSを書く作業に入ろうか
403名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:21:48 ID:sV4GFuz1
妙に伸びてるし、SS大量投下来たか!?と思ったら荒されてるだけかよ
つかもう最近何かもうSS投下も大分減ったし、結果的に前居た荒らしの思い通り過疎ってるのに
まだ粘着してんのか、気持ち悪いなぁ
404名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:30:30 ID:FKkNmpHT
いや全然荒れてない、平和そのものだ
405名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:34:01 ID:VNPsDJOj
>>400
シャーリーが、自転車でバスに乗ったルッキーニ追いかける奴のこと?
あれは良かった。
406名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:38:13 ID:Mrfbntd0
>>401
2期はマジでそういう内容らしいと昨日の夢の中で聞いた
407名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:47:57 ID:oTVWHJF2
ユリアンはもう荒らしは止めて書き手に専念してるだろ
勲章を4つも貰ってる本スレの大事なスーパーエースの一人だぞ
408名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:49:23 ID:1gH9aE4F
いちいち荒らしの話題を蒸し返さないでいいから
409名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 22:55:16 ID:TZpIzzts
ユリアンを騙って荒らしてるのは避難所の連中だろうな
ここが荒れて過疎れば事実上百合SSは独占できるから
410名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:00:51 ID:XEDgMOIg
>>394
そういう百合モノがあったような無かったような・・・


うーん、記憶違いかな
411名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:03:32 ID:XEDgMOIg
ダメだ、記憶違いかどうかが分からないんじゃどうしようもない

というわけで2期ではもっミーナを猛プッシュして欲しい
ペリ芳でもいい、なんならシャッキーニ押しでもペリーネ押しでも何でも来い!
412名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:03:42 ID:nZD59iwK
>>409
んな事言うからなんか盛り上がってんのかと思えば、最終書き込みとか5日も前じゃん

疑心暗鬼過ぎだろ……
413名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:12:01 ID:TBKBoOw1
リーネとみっちゃんが芳佳を取り合う展開とかあったら面白いだろうなぁ
そこにサーニャが参戦してると勘違いしてオロオロするエイラまで見れると完璧
414名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:16:20 ID:1t+Ukeht
というか二期までだいぶあるのにSSの投下が活発になるわけないだろう
415名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:17:24 ID:1gH9aE4F
百合雑談するだけでも充分機能してると思うよ
416名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:19:28 ID:8VCIkDWo
なるほどナ
避難所をもう一度盛り上げるためなら、かつての仇敵でさえ道具に使うか
最低な管理人だな
事実上もうあっちは不要だろ
417名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:20:03 ID:qX45cRCR
芳佳とルッキーニがおっぱいハンターとして云々な回があってもいいと思う
418名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:21:17 ID:fLcBgtAD
>>413
そこにリーネと仲良くなったペリーヌが嫉妬して登場するんですね、でも芳佳のことも憎からず思ってるから悶々みたいな感じでどうですか
419名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:23:17 ID:f61Kxb4T
>>418
そうなるとお姉ちゃんとしてはトゥルーデも参戦せざるを得ない
420名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:25:07 ID:qEM0k8ta
SSのネタは結構転がってるけど百合にならない……。
とは言いつつ何とか長編書き始めたんで、まあ今月中には投下できると
いいなってところ。

ところでまとめの管理人さんは最近更新頻度が落ちてるけど大丈夫だろうか?
前回の更新以降、3〜4本は落ちてる気がするが……ちょっと心配。

>>402
あれ、まじすか?(・∀・;)
まあ需要あるなら下手でもよければ書きますががが
421名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:26:52 ID:8YjvsDw9
>>413
>>418-419
芋蔓式ワロタw

>>420
存分に己の百合妄想をぶつけるが良い
422名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:30:14 ID:Muy9xRCb
シャッキーニが読めると聞いて飛んで来ました!
423名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/09(火) 23:30:57 ID:qEM0k8ta
>>421
了解しますた

しかしいろんなCPを浮気しまくってるから勲章が増えないなぁ……
まあ勲章欲しくて書いてるってわけでもないんだけれども、ここいらで一つ
シャッキーニ書き終わったら統一してがんばってみるかな
424名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:00:00 ID:O+3PJkaB
突然だけど、みっちゃん×リーネ
芳佳をめぐるうちにいつしか生まれた不思議な感情…とか、ライヴァル的関係から発展…とかどうですか!
このふたりの絡みプリーズとか思ってんの、まさか俺だけ…?
425名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:09:29 ID:v6o+nkH4
>>399のネタで書いてるんだけど
ふたなりじゃないと成立しない事に気がついた、バイブでいいんなら自分でやれって話だし・・・
426名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:13:20 ID:P/1+i6lU
しっぽを使う
427名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:14:01 ID:Svhj0lvr
>>424
そこにペリーヌの影が静かに近付く!
泥沼化する三角関係!
芳佳に迫り来るゲルトからの刺客!
芳佳の危機を察知して一時的に協力するみっペリーネ!
そんな中、スイカの皮に足を滑らせた芳佳は記憶喪失になってしまった!



「芳佳ちゃん……記憶は無くなっても、心が覚えてるんだね」



失われた芳佳の記憶を求め、乙女達はかつて共に空を飛んだ仲間の元へと旅立つのであった。

的な感じで二期は始まると言うのはどうだろう
428名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:14:56 ID:XAs5TT6w
txtうpならふたなりでもOKだったかな
又はエロパロに投下する

ルッキーニが(性的な)知識が無いことを良いことにシャーリーが暴走するシャッキーニはまだですか、そうですか
429名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 00:15:11 ID:0wK035Pw
記憶を取り戻すために色々なおっぱいを揉みまくる話しか思いつけない俺は汚れている・・・
430名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 02:53:59 ID:D6Lxbw69
>>413
最終的には三人でイチャイチャする展開を希望
431名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 12:47:56 ID:lS5aFAET
なぜかエイラは芳佳(ここは別に誰でもいい)とイチャついてて
二人でデートしたり、一緒に寝たり、膝枕したりされたりして
いざキスしようってときに違和感を覚えるんだ
何かがおかしいと、キスする相手が違うんじゃないかと
目が覚めたら目の前にはサーニャがいて、実はエイラは数日間目を覚まさなかったんだ
そして違和感の正体がわかってサーニャに告白する
432名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 19:02:24 ID:WElETgJB
ヒャハハハハ
避難所、完全に終わってやんの
管理人涙目ざまぁwwwww
433名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 19:24:21 ID:o+9k++K6
>>431
エイラの告白ってどんな感じになるんだろうか
ビシっと決めるのかヘタレながらも頑張って告白するのか
434名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 19:27:19 ID:t/avwohz
頑張るんだけど中々言えなくて、逆にサーニャから告白されるような展開も美味しいような
435名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 20:00:09 ID:jM4w+brP
>>433

私たち付き合っちゃたりなんかして〜(笑)

と、中学生の逃げ道たっぷりの告白がなんとなく思い出された。
436名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 20:43:31 ID:XQHDPUzN
>>433
タキシード姿のエイラが顔を真っ赤にしながら、がんばって告白しようとするんだけど、
やっぱりヘタレてなかなか言い出すことができないところに、
サーニャが「わかってるよ、エイラ。私も同じ気持ちだから」っていうところまでは妄想した。
437名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 20:57:17 ID:BRxtfFcp
男のくせに百合板に来るなよボケ
438名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:12:21 ID:N9e4L0xQ
あー、ゲーム版公式更新されたなぁー……

給付金、PSPに消える予定だったがDSに化ける可能性も出てきた
439名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:19:20 ID:9iBuHc6B
すでに秘め歌CDに姿を変えた俺の給付金
PS2版もDS版も特典のために限定版・・・
おまけに店舗特典もあって購入先が選びづらい
嬉しくもあり悲しくもあり
440名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:31:10 ID:v6o+nkH4
「……もしもし、エイラ?」
「ど、どうも、私だけど…・・えっと、今、会えるかな?」
「……私と? 何のために?」
「あ、ああ、会うのに……理由が必要…・・かナ?」
「えっ!?」
「会いたいんだ、今すぐに」
「……わ、分かったわ、部屋でいいのよね?……えぇ、それじゃあ」

「どうしたんの?サーニャ、相手、エイラみたいだったけど」
「ご、ごめんなさい、ハルトマンさん、せっかく時間併せてもらって悪いんだけど……エイラが会いたいって」
「え!? デート!? どうする?プロポーズとかされたら」
「ま、まさか……とりあえず行ってきます」


結婚できないエイラ
441名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:32:42 ID:ycexfyWT
エイラーニャ厨はすぐに話題をエイラーニャに変えるな
442名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:36:33 ID:qc8d5MjP
ここのSSって童貞臭がかなりきつくて笑える
443名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:45:30 ID:SB9wVQYD
はいはい、大人しくエロパロ戻ってスレ保守してろw
444名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:58:38 ID:t/avwohz
>>438
既にDSに化けた俺俺

うーん、ゲームとしても面白そうな予感
445名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 21:59:37 ID:jM4w+brP

そういえば、エイラスレではエイラーニャ結婚したんだった・・・
446名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:02:03 ID:yz4Eh3qJ
PS2版は相変わらず発売日決定してないのか

>>445
いつの間にw
447名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:04:30 ID:BRxtfFcp
男は死ねよ
百合板に来るな
448名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:07:08 ID:WF7rOOkh
>>436
実際そんな感じになりそうだな、あの二人は

シャッキーニだとやっぱりシャーリーから告白するのかな
それとも告白とか無しでいつの間にか恋人同士になってるみたいな感じかな
449名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:10:15 ID:3Lm9eWka
>>438
ちょっと見て来たけど、DS版のサンプルCGの芳佳とペリーヌが可愛すぎるw
450名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:10:48 ID:9iBuHc6B
ヘタレシャーリーも良い
ルッキーニ攻めが見たいものだ
ヘタレシャーリーとヘタレゲルトで宇宙がヤバイ
451名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:12:40 ID:3Lm9eWka
攻め攻めルッキーニにたじたじなシャーリーとか大好きです
ロリ攻め百合は良いものだ
452名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:15:44 ID:qgXy1mYB
PS2の発売日が出ないってことはPS2が延期なのかな?
何か足したくなったのだろうか・・
453名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:17:34 ID:3Lm9eWka
>>452
そういうことなら延期大歓迎なんだけどな
急いで不完全なまま出されるよりは延期するくらいでいい、DQ並の延期はさすがに困るけど
454名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:23:13 ID:N9e4L0xQ
そんな俺はゲル倒産予備軍
455名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:29:25 ID:Mai89b5N
>>454
ゲル状がいいの…
456名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:29:40 ID:JtK92aFW
でもルッキーニが攻めてるSSってなかなか無いし想像もしにくいなぁ
酔った勢いとかでできないものか
457名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:30:07 ID:bm+1up9r
頑張る
458名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:30:14 ID:N9e4L0xQ
>>455
ゲルトルー倒産というと分かりやすい?
459名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 22:43:12 ID:BRxtfFcp
なんで男が百合板に来るの
意味がわからない
460名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:01:21 ID:P9ta0bWa
>>440のもしもしエイラを見て思いついたのだけど

「わたし、サーニャ……いま食堂にいるの」
「サ、サーニャ…?」
「わたし、サーニャ……いまエイラの部屋のまえにいるの」
「……」ドキドキ
「わたし、サーニャ……いまエイラのうしろに、きゃっ――」
「サーニャァァァ!」ガバッ

と、書いてからエイラだとありえないかな、と思った
461名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:02:16 ID:JdbHY+6z
アンチの工作乙
462名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:04:50 ID:3Lm9eWka
>>460
サーニャが可愛すぎるw
463名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/10(水) 23:52:54 ID:0ClA95oH
>>460
いや、こんな可愛い事されたらヘタレなエイラさんでもガバっといってしまうかもしれない
464名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 07:42:34 ID:rnWv6lCE
>>459
百合板じゃない、レズ・百合萌え板。男女共用の板。

[レズ・百合]萌え:女×女に萌える者が集う板。
801:男×男に萌える者が集う板。
465名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 07:58:43 ID:rnWv6lCE
ちなみにリアルの百合な者と薔薇な者が集う板は
大人の同性愛(bbspink)
http://babiru.bbspink.com/gaypink/
2chでは同性愛サロン
http://changi.2ch.net/gaysaloon/
466名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 10:08:29 ID:XYjlbtI0
ネウロイに洗脳されたエイラをサーニャが傷つきながらもキスで元に戻す話はまだかね
467名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 21:03:21 ID:miWks2MP
いらん子を見てないからよくわからんのだが洗脳されたウィッチには好きな相手の裸を見せれば直ると聞いた
468名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 22:19:01 ID:zqJhRVus
あれ、洗脳されたウィッチは胸を揉ませると治るんじゃなかったっけ
469名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 22:20:28 ID:dm0Q1c65
え?俺が聞いたのは洗脳されたウィッチの淫核をつまめばって話だったけど?
470名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 22:29:32 ID:e0Bs6ak1
え?俺が聞いたのは洗脳されたふりをしたのは、
ネウ子のおっぱいを揉むためってことだったけど?
471名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 22:36:09 ID:UWBl32nF
笑いを「食らう」なんてとっても斬新な表現だね!
472名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 22:36:31 ID:0vDcKaoL
つまりだ、ウィッチ達はネウ子のおっぱい大好きってことだな
473名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:03:12 ID:kh0waYzt
このアニメは仲良し程度で百合は似合わない
474名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:10:29 ID:3EIh7DSP
君がそう思うならそれでいいんじゃない?
475名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:11:54 ID:e0Bs6ak1
ああ、また活動再開したのか。
後学までに聞きたいんだけど、ID変えるのどうやってんの?
マンドクさくない??
476名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:15:50 ID:voH8et9q
お、おい……今日は主人公の正妻の聖誕祭だってのにSS投下無しかよ!?
用意できてない自分も反省すべきだが一本くらい誰か祝福をっ!
477名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:16:23 ID:dm0Q1c65
避難所に一本きてたよん
478名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:18:48 ID:voH8et9q
帰宅したら何も無かったんで気が急いてた、sage忘れゴメン。
ちょっと見に行ってくる。
479名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:23:20 ID:miWks2MP
正嫁・・・?みっちゃんか
480名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:42:46 ID:0ka/iQ8B
みっちゃんVSリーネ
481名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/11(木) 23:54:29 ID:CdnYV6AH
リーネちゃん誕生日おめでとう
482名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 00:14:20 ID:fvdRkAmK
12日
483名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 01:26:44 ID:fGUnA94W
このスレはリーネの誕生日記念なんかこないよ
エイラとバルクホルン中心でしか動いてないから
484名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 01:32:39 ID:Brpu1rt2
>>480
ずっと見てたらだんだんみっちゃん×リーネに見えてきた

意外と美味しい?
485名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 02:37:24 ID:+Iy4BkGe
>>484
芳佳の取りあいをしてた二人の間にいつのまにか
恋心にも似た感情が芽生えはじめる、と。
芳佳涙目。ゲルト狂喜乱舞。
486名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 06:24:07 ID:Fwndiarr
>>483
うぜぇよお前
ゲルトがそうだかは知らんがエイラというかエイラーニャは神なんだから称えられて当たり前
それが合わないんだったらここから出てけよ
487名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 07:23:03 ID:6IgshqFD
>>486
相手するなw
488名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 08:58:14 ID:gzzDa7kM
>>487
良い事教えてやろう
>>486も確実に荒らし
489名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 09:55:53 ID:Brpu1rt2
>>485
お姉ちゃん自重w
490名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 15:56:41 ID:Tl8tb39O
最近2日に一回のペースで荒れてるが何が合ったんだ
491名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 16:14:05 ID:Brpu1rt2
どこも荒れてないぞ?
492名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 16:19:35 ID:QtlAcHc1
>>485
二人を見ていて内に芽生えた嫉妬に戸惑うペリーヌが云々

2期はペリーネの仲がどうなってるのか気になる
493名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 18:50:38 ID:7otpBwdc
前科持ちゆえの誤解とは言えども、こうまでしつこく言われたら本当に活動再開したくなるなぁ
保管庫管理人さんの真摯なまでの公平さに打たれ、一連の工作はもう止めたってのに
それほどSS解説と校正を復活して欲しいのなら、次の投下作品を使ってやってみるかな


なんて乗せられたら、悪意ある存在の思う壷になっちゃうんだよね
いや、疑われても仕方のないことを散々してきたんだから気にはしないが
少し寂しくはあるな
494名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 19:02:16 ID:nnsMstQc
>>492
もっミーナも気になるところだ
シャッキーニのラブラブ度がどれ位上がってるかも気になるなぁ
芳佳のおっぱい星人度がどれ位上がってるかも(ry
495名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 19:04:22 ID:x7kRvtp6
>>492
ペリーネというか、芳佳×リーネ×ペリーヌの関係にwktk
496名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 20:10:35 ID:1Kb1DNLl
きめえよレズ豚
497名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 21:24:55 ID:/WfqXsuV
脅迫とはいやはや、まったく懲りてないんだねえ。
498名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 21:36:08 ID:/Q1m7WtF
触らなければどうということはない
サーニャのフィギュアが予約開始か
エイラさん早く買占めないとそんな目で見られるぞサーニャが
499名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 21:56:48 ID:IRJke81/
>>498
エイラが手を回してサーニャには見えないようなフィギュアになってるって聞いたぞ
500名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 22:00:07 ID:IRJke81/
こんな感じになっているようであります

ttp://www.kotobukiya.co.jp/kotobukiya/release/20090611/images/wsanya.jpg

誰だ!お前は誰だ!
501名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 22:48:11 ID:fvdRkAmK
俺は俺だ
502名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:30:52 ID:Njs4dM2o
>>493
勝手にしろよks
そもそももうSS自体ほとんど投下されてねえじゃねえか
503名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:35:17 ID:/WfqXsuV
同じように荒す

当然、またかよ糞がと罵られる

漏れじゃない。
いわれない誹謗中傷を受けたので、荒しを再開します^^ ← いまここ
504名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:38:04 ID:2MKeU/Jb
そろそろオフィシャルンに動きがあってもイイ頃!
505名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:42:00 ID:BB9u+GPH
>>504
2期の情報が本当に待ち遠しい。
ゲームが出るのと情報が出るのどっちが早いかな。
506名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:47:09 ID:RmhTEOm9
>>460
サーニャかわいすぎワロタw
しかしこれ、傍から見たらバカップル全開だな・・・






いいぞもっとやれ
507名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/12(金) 23:59:30 ID:CbEcdp7b
もっとサーニャはエイラを困らせるべき(スキンシップ的な意味で)
508名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 00:01:26 ID:RmhTEOm9
>>507
激しく同意だナ!
509名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 00:23:05 ID:CuZqT4ww
是非ともやれというリクがあるのなら校正作業を再開してもいいのだが
勲章たくさん貰ってる手前、管理人さんに申し訳なくて余り乗り気がしないな
おかしげなレスを付けてるのは誓って自分ではないのだが
信じてくれるわけないよな
510名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 00:27:09 ID:wUfK45f0
>>505
いらん子が出る方が早いよ!(願望)
511名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 00:43:34 ID:oOWUajcy
いらん子はどうなってるだろう・・・秋までには出て欲しいな
512名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 00:45:07 ID:qLbLbk1Q
「や、やめろシャーロッt……ん、あ…な、なにした……」
「好きでしょ、こういうの。ゆび」
「だ、か…ら、あっ……なんか……んっ」
「いつもとかわんないよ。ちょーっと指濡らしてみたんだ。ウイスキーで」

変わらなくなんて、ない。
あつい。
どこが、とは言いたくはない。が、奴の指が奥に進めば進むほど普段とは違うものが押し上げてくる。

「ん…やめ、ゆ、ゆっくりに
「ゆっくりにしたら、続けてもいいんだね?」
「っっく……」

513名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 01:02:03 ID:zjpF0jlt
>>509
wwwwwwwwwwww
514名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 01:09:28 ID:LDpQYO2x
>>512
ワッフル!ワッフル!
515名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 01:10:36 ID:aWWmm39K
あいかわらずお姉ちゃんは好き者だな。
>>512いいぞもっとやれ
516名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 02:27:46 ID:A4ZfT8gO
>>512
シャーゲル!シャーゲル!
517名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 03:58:38 ID:hCJFhFMA
>>509
早くうざってえだけのエイラーニャ厨を涙目にしてやってくれ
518名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 06:41:10 ID:0WiR2x10
>>509
なら、出てこないで静かにしてることだね
つか、過疎ってるエロパロ盛り上げたまえ
519名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 08:25:54 ID:ZGHQt0qC
>510-511
春には出る予定だったんだよなぁ
マリみて新刊より遅くなるとは思わなかった
520名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 08:39:28 ID:0WiR2x10
また、リテイク食らったんじゃね?
三巻の時もそんな話あったしw
521名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 08:49:29 ID:OLnXl2aX
リテイク喰らうほどハードな内容なのか?
(;´Д`)
522名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 10:48:12 ID:fexhlkEG
>>520
股監督がゲームの原画直してるって聞いたんだが……
そのせいで遅れてるってことはないよな?
523名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 10:49:48 ID:B3ZrHAka
少佐の臀部を右手で包み込むように触っているであります!
524名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 10:51:41 ID:FY1GuPWu
>>523
楽しいか宮藤?
525名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 13:53:14 ID:ZGHQt0qC
>>520-521
これはもう期待するしかない
526名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 18:47:40 ID:+HdxCqK9
>>509
お前の頭の中身をまず最初に添削して貰え。医者に。
二度と湧くな蛆虫
527名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 19:06:45 ID:45ljCuRH
>>521
ビューリング×智子がエロすぎてヤバイって聞いたぞ
528名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 19:13:01 ID:hp8bCLCB
>>1-526
まあ全部俺の自作自演ってやつなんだけどな。        ∧_∧
           ∧_∧                   (´<_` ;) ・・さ、流石だな、兄者
           ( ´_ゝ`)                  /   ⌒i
          /   \                 / ィ   | |
     / ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
__ _/  Prius  //  FMV  //  VAIO // Mebius // LaVie  /____
   \/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
   _ /ThinkPad //WinBook//DynaBook//Libretto // Presario/
   \/_/ ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄// ̄ ̄ ̄ ̄/
   _ / Inspiron //Endeavor//InterLink //  Evo  //Let'sNote/
   \/____//____//____//____//____/
         │        │        │        │        │          ┌─┐
         └────┴────┴────┴────┴───────コ.│
529名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 19:28:00 ID:zKS2fOP4
>>527
想像も付かないほどの破壊力をもってそうだ・・・下手すると日本沈没?
530名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 19:34:08 ID:7AR+lgjU
日本以外全部沈没で
531名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 19:47:28 ID:pq+PdjOF
人類滅亡
532名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 20:31:06 ID:UdLPd/bK
ヒーリング→ビューリング
ケルン→ゲルト
ホルン→バルクホルン

に見える俺はどこを受診すれば良い?
533名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 21:45:23 ID:EW+ckOcF
いろいろあって全員エルマさんのいもうと・・・スマン
534名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/13(土) 22:30:52 ID:83MInLKf
>>532
え、どこもおかしくないんじゃね?むしろ自然じゃね?
535名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 00:29:36 ID:rIALsHYj
ビューりんぐは智子をどんなふーーに調理しちゃうのカナ?
楽しみである
536名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 01:03:24 ID:zcrHcOn3
ちょっと待て…智子を受け専門決めつめるのはよくない
537名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 02:22:29 ID:5j0Pg6Ek
攻め智子か
ビューリング相手に攻め智子は宇宙がヤバイかもしれない
538名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 03:02:17 ID:KlaF1Q1I
たまには攻めな方向のケダモノに開眼してもらわんとな。
素質はあるんだし。
539名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 03:28:08 ID:WrLCEmrS
躰に刻まれたハルカのテクを、
相手の消耗も考えず心のままにぶつけて
息も絶え絶えにさせてしまい、後悔するんですね
わかります
540名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 04:14:07 ID:5j0Pg6Ek
そして智子に刻まれたテクを今度はビューリングが(ry
541名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 06:45:34 ID:45MEiiKI
501オールスターな夢みた
ルッキーニとエーリカに振り回されるトゥルーデとかリーネとか芳佳とか
確か訓練サボりたいから別の誰か引っ張ってこようってことになって、
そっからいつの間にか追いかけっこに発展してた。多分エーリカとか
ルッキーニがちょっかい出したんじゃねーかと。
もっさんがため息ついて、「でも訓練の量は減らんぞ」とぼそり。俺が
そこに居たんで「分かってるよー」みたいな。ノリ。

大分はっきり覚えてるから浅い眠りだったらしいので正直睡眠時間としては
ちょっと難ありだけど。
ああ、あと見知らぬ女の人が居て、なんかうつ伏せに水着みたいなの着て
なんかやってたけど音楽が流れてたかなんかでミーナに調節するよう
言ってた。そしたらミーナがアッーな悪戯してた。反応見て「その声いい」って
ばっちりノートにとってた。もっさんとやるのにでも使うのかな。

夢の中の俺はとっても幸せそうでしたまる


……このまま夢の中に逃げたかった。
542名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 08:31:06 ID:Zm8UKNtj
>>541
なんで3次元世界に戻ってきたんだよ…
もったいない…
543名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 13:50:16 ID:rIALsHYj
そんな夢を見ながら息絶えるのが理想。
544名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 23:08:30 ID:H1rwre/r
百合な夢見てるときに目が覚めるとガックリくる
545名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 23:19:28 ID:7vXKReIs
昔は高画質な百合夢なんか見てたもんだ。最近俺の夢機能衰えてきたな…
546名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/14(日) 23:46:52 ID:kLGTANJk
そもそも夢を見れないor覚えてない俺はどうすれば……
547名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 01:08:05 ID:PLpJTTws
どうでもいいけどシャーゲルの続きを....
548名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 01:27:48 ID:IZGbY4w1
エロパロ板に誤爆したアレはなんなんだよ
549コレか:2009/06/15(月) 02:20:58 ID:PLpJTTws
「坂本さん、おはようございます!」
「あぁ、宮藤か、おはよう」
(宮藤……胸はさっぱりだが、他の部分はメキメキと女っぽくなってきてるよなぁ……)
「どうしたんですか? 難しい顔して」
「い、いや、なんでもない、今日は朝食の後B-2号室で対小型ネウロイ訓練だ、準備をしておけ」
私は頭をクールダウンさせながら今日の予定を説明した、純愛モードならまだしも――――
完全に性的な方向に来てしまっている、前回治療してもらってから妙に意識してしまうようになって…・・
上官として最大の危機だぞ、これは。

「坂本少佐、おはようございます」
シャーリーが眠そうな声で挨拶をしてくる。
彼女もここに来て色気アップ激しい、やはりエイラとしまくってるのだろうか……
何を考えているんだ、私は中坊か!
マズイ、このままでは訓練に集中する事もできない、私がウィッチとして彼女らに手本を見せてやれるのも長くはないというのに。

「美緒!!」
一瞬で目が覚めた、私を名前で呼ぶのはミーナしかいない、しかしこの声色は…・・
「――ミーナ、どうしたんだ?」
「実は――昨日の晩、ルッキーニさんの母親から電話があってね、」
「ルッキーニ……今母親の元に帰ってるな」
「トゥルーデが、ルッキーニさんをムリヤリやっちゃったっていうのよ」
「!? ちょっとまった、その――やっちゃったってのは――どこまで……」
「それはその……やっちゃったっていえば――最後までよ!」

――頭が痛い、よりによってスイッチ入ってる時期に性問題が起きなくても・・・
「ムリヤリって方に反応すべきだと思うんだけど……気持ちは分かるわ」
「……すまん、どうもバルクホルンのキャラ的にムリヤリというのがどうもイメージできなくて……」

ブリーフィングルームに淡くも充満する香り――
この中から宮藤の香りを嗅ぎ分けられない私の嗅覚が救いだ
「バルクホルン!」
「なんだ?」
「すまんがこの後私に部屋にちょっと来てくれるかな?」
「…・・わかった」

ゲルトルート・バルクホルンか――
確かに、処女の顔つきではないような気がするけど……あいつがルッキーニをいきなり……
どうも――リアルではないな…・・

「そうか――ルッキーニの母親がそう言ってきてるのか…・・」
「で、その、事実なのか?」
「――どのへんが?」
「! ……って事はどこかまでは事実で、どこかからは違うって事だな?」
「ふっ、だから坂本少佐は信頼できるんだ」
「真面目気取りで裏では何を考えているか分からないと言われるがな」
「普段酷い事しているのに、時たまいいとこ見せて「不器用だけど本当はいいやつ」なんて自分でも思っちゃうような
器用な人が一番信用できないな、私は…・・」
少し間を置いて、バルクホルンが続けた
「向こうがどう言ってるのか、詳しく聞きたいんだが……デリケートな事だからな、ルッキーニ本人が何と言っている
のか確認するまでは、私から先にベラベラと話たくはないんだが…・・」
「つ、つまり、その――」
「あぁ、ムリヤリって所以外は本当だ、しちゃってる――リベリアンにも一応詫びねばならんな、つきあっていたことも、
私の部屋にルッキーニが一人で出入りしていたのも知っていたとは思うが、やったのまでは報告していなかったから……」
一体私は何歳の女と喋っているんだ……
「で――少佐は、私のしたこと…問題だと思うか?」
「! そうだな、今聞いた限りで考えても――まったくの問題無しとは言えないんじゃないかと思ってる」
「そうか…… それは、ルッキーニが12歳だからか? さっきも言ったが、これはデリケートな問題だから――
もしさんざん調べ回されて、納得のいかない理由で誤魔化して処罰をされたら、私は反省どころが、絶対許せない」
バルクホルンはこれで話を切り上げるように語調を強めた。
550名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:47:33 ID:sHDSmR1L
深夜にこんばんは。LWqeWTRGです。
48手の「第47手 のろける」…のつもりでしたがそれに入るか入らないかわかりません。
そんな感じです。4レスです。
551名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:48:39 ID:sHDSmR1L
「はあ……………」


……。なんなんですの?
ちらちら見ないでくださる?

「はぁ〜あ…………」

……あぁもう!

「しつっこいですわよ! さっきから!」
「あー? ツンツンメガネじゃないカ〜…」
「その呼び方はやめなさいと言ってるでしょう!」
「いーじゃんツンツンでメガネなんだし」
「まったく…貴女という人は…」
「はぁ…」
「…ちょっとエイラさん? 本当にどうかなさったんですの?」

この落ち込み方は今までの比じゃありませんわね…。
どうせサーニャさんがらみなんでしょうけど。

「お、聞いてくれるカ?…実はナ、最近のサーニャなんだケド…」

やはりサーニャさんですのね…。
それでどうなさったの?

「えと…その…、いろいろスゴいんだヨ」
「はっきりおっしゃってくれないとわかりませんわよ?」

「う…、だからナ、その…サーニャの攻め方が激しいってこった」

「失礼しますわ」

はぁ…。せっかく心配してさしあげたというのに…。
悩みというよりのろけなんじゃなくって?

552名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:49:40 ID:sHDSmR1L
「待テようペリーヌー」
「お・こ・と・わ・り・しますわ!」
「話は最後まで聞けって坂本少佐言わなかったカ?」
「坂本少佐がおっしゃってもわたくしはそんなのろけに付き合うほど暇ではありませんの!」
「少佐…悲しむだろうナァ……」
「……くっ、ええいわかりましたわよっ! さっさと続きを言いなさい!」

少佐のお名前を出されると断れなくなるのはわたくしの悪い癖ですわね…。
まあいいですわ。ガリア貴族に二言はありません。聞いてさしあげましょう。

「おう、あんがと。んでナ、サーニャが激しいのはいいんだけド、つか楽しいんだケド」
「はっきりしなさいと言ったでしょうに…」
「へいへい。じゃあ言うゾ、夜のサーニャが昼にまであらわれだしたんだヨ」
「どういうことですの?」
「んー、例えば…私たちウィッチはストライカーの整備もしなくちゃいけないダロ?」
「ええ、大事なことですわね」
「ンデ私が整備と点検していたらサーニャが来テ『私のもお願い…』っテ――」

いつものことでしょう。
それが激しいだなんていつのまにヘタレ具合がひどくなったんですの?

「――胸もみながら言うんだヨ……」

そんなだといつか愛想をつかさ――…え?

553名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:50:41 ID:sHDSmR1L
「あの、サーニャさんの話…ですわよね?」
「なんだヨ、話聞いてないのカー? お前」
「宮藤さんではなくって?」
「サーニャだってバ」

正直…驚きましたわ。そんなことができるようになるなんて。
サーニャさん、やるじゃない…。

「まあそれなら可愛いほうなんだけどナ」
「可愛いほうって……」
「そだナー…、飯食ってる時」
「食事中?」
「ウン。そしたらさ、サーニャが足で私に触ってくるわけダ」
「貴女たち食事中になんとはしたない…」
「それがなんか、エ…エロくてサァ……ニヒヒ」

楽しそうですわねー。
というかくねくねするのをおやめなさい。

「まあこれもまだ可愛いほうなんだけどナ」
「…まだ上があるんですの?」
「これがスゲェんだヨペリーヌ」

なんか、嫌な感じがしますわ…。
こう…ネウロイに狙いをつけられたような…。

「ニヒヒ…。こうやってサーニャ以外のやつと話するダロ?」
「ええ…」
「そしたらサーニャがやってきテ…」
「…ごくり」

「『エイラ、なにしてるの?』っテ」
「エイラ、なにしてるの?」

ひぃっ!
噂をすれば! 噂をすればですわ!
いきなり現れないでちょうだいっ!

554名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:51:43 ID:sHDSmR1L
「サ、サーニャ!」
「なんのお話ししてたの?」
「な、なななんでもありませんわ!」
「エイラ…? どうしたの?」
「イヤ本当になんでもないっテ!」
「ダメじゃない…。私のそばにいなきゃ…」
「ひゃふっ!」

!?
耳を…食べた!?
もごもご…? あむあむ…? な、なんと表現したらよいか…。

ああエイラさん…頬がどんどん紅く染まって…。

「さ、サーニャ…、ペリーヌが見テ…」
「いいの…。見せてあげましょ」
「だ、ダメ! あぅっ」

くっ、首をなめてますわーっ!!
エ、エロチックですわ…。エロエロですわ!

「エイラ…気持ちいい?」
「う…あ…」
「うふ…まだなのね…。くちゅ…」
「ちゅ…、あむ……はっ、む……」

お、オトナのキスまで……。わ…わたくし……腰が抜けそうですわ…。
なのに…目が離せないなんて…。

「さーにゃ…せ、せめて部屋デ…」
「…わかった。じゃお部屋行きましょ」

あ、あぁ引きずられて…。
嬉しそうなのがなんかアレですけど。
一応ご武運をお祈りしてさしあげますわ…。

サーニャさんは…本当に強くなられましたのね…。


「ペリーヌ…。これが、これが今のサーニャだ……!」


END

555名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 02:52:59 ID:sHDSmR1L
以上です。
なんだこれ。いやサーニャイラのつもりですが。

ダークなサーニャもいいよね!

では失礼しました。

556名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 07:54:53 ID:SEGqR5zX
>>555
ちょっ、サーニャえろいw
557名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 16:52:54 ID:VXV0ougN
イイヨイイヨー
558名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 20:32:12 ID:A7gAm729
エイラーニャは実際こんな感じになりそうだw
GJ!
559私が孵るそのときに 1/4:2009/06/15(月) 21:17:21 ID:UGqjecyl
おいしいよ。
国柄なのだと口を尖らせていた、コーヒー好きのあのひとの言葉が、ほわんと胸に響いていく。にこ、
と微笑んだその顔があまりにも歳相応の、かわいらしいそれだったものだから、私はつい顔を逸らし
てしまった。

おいしいよ。
もしかしたら、なんていうのはきっと自惚れでしかないけれど、それでもやっぱり、うれしくて。
視線を戻したらあの人は相変わらずぼんやりとしていたけれど、でも、この視線に気取られないぶん
それはいいことなのかもしれないと思う。

羨望、嫉妬、憧憬、思慕。

心の中で色々な感情が渦巻いてまるで、ポットの中の紅茶葉のように舞ってゆく。じゅうぶんに蒸ら
したその後は、一体どんな色に色づくのだろう。あか?あお?みどり?私にはまだわからない。だって
彼女の才能を妬む気持ちも、羨む気持ちも、憧れる気持ちも、けれども先ほどのように無邪気に笑う
様をなんとなく微笑ましく思う気持ちも、全部私ひとりの胸の中にある感情なのだ。


彼女を目の前にすると、つい視線を落としてしまう自分がいた。それは無意識のうちにそうしていた
ものだったから、きっと誰にたしなめられても治すことなんて出来るはず無くて。

光の加減で金色にも銀色にも見える、不思議な光沢を持った長い髪も、ミステリアスな深さを持った
すみれ色の瞳も、透き通るように白い肌も。何もかも直視できないくらいに輝いていた。年の差は
なくて、正確には数ヶ月でしかないのにどうしてなのだろう。彼女はいつだって大人びた笑みを浮かべ
て、悠然とそこにいた。悪戯をするその素振りだって、ルッキーニちゃんのするそれとは一線を画
した何かがあって。同じ年のころのウィッチは彼女と私のほかにペリーヌさんがいたけれども、その
三人並べてもやはり彼女はあるとあらゆる部分でぬきんでいた。実力も、精神力も、経験も、ずっと。

スコアから見たら、もっと上の階級でもいいはずらしいけどな。
なんて冗談めかして笑っていたあのひと。「でもまあ、面倒なことは嫌だから今のままでもいいかな
って。」なんて付け足すものだから、「中身が伴わないからですわ」とペリーヌさんにやっかみ半分の
文句を言われていたっけ。それでもやっぱり彼女はハハハ、と笑うばかりで、私はそこに彼女の
エースとしての余裕を見たような気がした。私だったらきっと、そんな風に笑うことなんて出来ない
と思ったから。

(一応少尉ってことになってるけど、私士官教育うけてねーし。だからあんま尊敬とかしなくていい
かんなー。細かいことはわたしにもわかんねーから)

自分の才能を傘にせず、むしろその傘をこちらにも差し出すくらいの体で彼女はすっと歩み寄って
きた。一人きりの下士官だった私をきっと、彼女は彼女なりに慮ってくれたのだろう。そんなこと
分かってた。彼女がどれだけ私を心配してくれているかなんて、ちゃんと知っていた。自分よりも
上の階級の人たちに私がしかられたりしないように立ち回ったり、私がつまずきそうになったら偶然
そこに通りかかったような顔で手を伸べてくれたり。
それら一つ一つの優しさに気がつくことが出来ないほど私はもう子供じゃなかった。でも、それと
同じくらい、それを上の立場の者から受ける労わりとしてはいありがとうございます、と割り切って、
作り物の笑顔ででも受け止めることが出来るほど、大人にもなれていなかった。

「んー…ふあああああ」

二人きりの待機室で、エイラさんはあくびをかみ殺している。おおかたきっと、昨日もサーニャ
ちゃんの夜間哨戒に付き合って夜更かしをしたのだろう。この基地に配属されてから、約1ヶ月ほど。
このエイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉という人が、ナイトウィッチであるサーニャ・V・
リトヴャク中尉に非常に心を砕いていること。そしてそのあまり時として自分のシフトを無視して
彼女の夜間哨戒に付き添うことはもはや"よくあること"として私の中ですっかり「普通」となって
しまっていた。
560私が孵るそのときに 2/4:2009/06/15(月) 21:17:45 ID:UGqjecyl
カタリ、という音がしたので、エイラさんが紅茶を取り上げたのだろうと思った。特に何の気もない
行動だったはずなのにどうしてか胸がどきどきする。ごくん。飲み下す微かなその響きにさえも、
びくりと反応してしまう自分がいる。見返りなんて求めていなかったはずなのに、どうしてか気に
なって仕方がないのだ。
ほう、というため息と共にカップをソーサーに置く音。沈黙ばかりが流れて、いたたまれない気持ち
ばかりが心の中に淀んでいく。どうして私ばっかりが気にしているんだろう。いつもそう。怯える
のも怖がるのも憧れるのも妬むのも私ばかりで、彼女はけろりとした顔で笑って、それでサーニャ
ちゃんの方を見ているばかり。
こらえきれなくなってつい、顔を上げる。どうしてだかすぐに目が合って、慌てて逸らそうとした
その瞬間にその唇が小さく開いて音が漏れた。

「…おいしい。」

わたし、紅茶を美味しいと思ったの、初めてだ。ほうけたような声音でそんなことを呟かれるもの
だから、私の視線はすっかりと射止められてしまう。スオムスってさ、みんなコーヒーなんだよな。
そうして少し口を尖らせる彼女は、そう言えば今までのお茶の時間にも一人頑としてコーヒーを所望
していたような気がする。

「でも、リーネの紅茶、おいしいよ。」

憮然とした表情から再び、にこ、と微笑んだその顔。寝不足だというのもあるのだろうか、いつも
よりもずっと緩んだその顔から、普段は余り表に出さない感情が綻んできているかのような。年相応、
いやそれ以上に幼い雰囲気さえまとった無邪気な表情。そこでようやっと硬直から解けた私はばっと
顔を逸らしてしまう。顔が、熱い。どうしようもなく火照っている。

「そんな、普通に淹れてるだけ、です」
「…ん」

その言葉はもしかしたらお世辞でしかなくて、紅茶を淹れるのがとても好きな私のために吐いただけ
だったのかもしれない。それは自惚れでしかないけれど、やっぱりうれしい。本心からの言葉だと
したら、もっともっと。

おかわり、ちょうだい?
ぼんやりとしていたらそんなことを言われて、気がついたら彼女のカップがすっかりと空いている
のを見て取る。慌てて次の紅茶の準備を始めたら「んなあわてんなよ」と笑われた。謝るほどのこと
でもないのかもしれないけれど口がつい「ごめんなさい」と紡ぐ。

「…あのさ、リーネ」
「…はい」
「つらいなら、いつでも、こいよ?」

二杯目の紅茶を彼女のカップに注ぎ込んでいたら、ぽつりとエイラさんが呟いた。顔を上げてそちら
を見たら、頭をかきながらそんな言葉を掛けられる。
私がなにを辛いとおもっているのか。エイラさんのところに来たら、なにがあるのか。そんな類の
説明を待ちわびていたけれどそれは与えられず、紅茶を注ぎ終えた私はつい、言葉を失って視線を
落としてしまう。エイラさんを目の前にすると出てしまう、いつもの癖。だってそんな風にしてすぐ
に、何気なくこぼす言葉の一つでも彼女は私を救おうとするから。だから私はいたたまれなくなって
しまうのだ。

「…でも、私は」

応えたのはそれきり。次の言葉が続かなくて、ごまかすように紅茶を彼女のほうへ押す。
ねえ、あなたは気がついていないでしょう。そんなにしてもらわなくたって、私はあなたにすでに色々
なものを貰っていること。同い年として、先輩として、仲間として。私に与えられるすべてを、
エイラさん、あなたはもう私に差し出してくれている。
561名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 21:23:37 ID:UGqjecyl
…すみません、投下順間違えたのでtxtうpします。
ttp://tool-ya.ddo.jp/webfs/~enigma/re.txt
>>63-66のリーネ視点的なものを書きたかったらしいです
ちなみに件の話には勝手に「飛んだククルス」とか言う題名を付けていたりします。

全く関係ない話になっちゃいましたがリーネちゃん誕生日おめでとうございました。
なんかストライクSSのtxtファイルが1MB超えてた21X2w2Ibでした
562名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 22:15:16 ID:UGqjecyl
補足です
>>63-66 が 「飛んだククルス」
>>561 が 「わたしが孵るそのときに」
というタイトルで変更、保管などよろしくお願いします。
563名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 22:16:12 ID:+i00+i2e
この調子でリーネイラが増えるといいな
564名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 22:33:06 ID:MjbEpLzd
酔ったトモコに不器用なキスをするビューリング
それでも雰囲気に流される智子
ベッドに仰向けになり、受身の態勢に
ビューリングは「下手かもしれないが……」と言いながら、恐る恐るトモコを愛撫する

こんな展開で誰か
565名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 23:19:13 ID:jYxHwrs5
ハルカやジュゼとは違う大きな手…色っぽい仕草、声…ああビューリング…っ!あなたはどうしてビューリングなの?
トモコ…トモコ…、どうか私の中で燃えたぎる熱きを、鎮めてはくれないか…
あん、だーりんってば…
my honey…
あほすぎorz
566名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 23:22:09 ID:+ECiMiNN
>>561
GJ
567名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 23:24:47 ID:A7gAm729
>>565
俺、そういうの嫌いじゃないぜ
568名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 00:26:48 ID:mVvLD/h0
>>563
さらにそれに乗っかり芳ーニャも増えてくれればっ!
569名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 02:57:33 ID:IXidPUxC
>>561
リーネちゃん誕生日おめでとう!GJ!
エイラかっこいいなあ。リーネちゃんはエイラと向き合いたかったんだね。剥き合いたかったわけではないんだよね(埋めネタ的な意味で
自信ついたリーネちゃんとのやり取りも見たいなあ。とにかく乙です!
570名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 05:04:41 ID:apbTgAaL

おはようございます。DXUGy60Mです。

スレの前の方にある『スイカ』の枝分かれを4レス分投下します。

最後まで、読んでいただけたら幸いに思います。
571美千子との遭遇:2009/06/16(火) 05:05:49 ID:apbTgAaL

縁側で楽しそうに笑うエイラ・イルマタル・ユーティライネン、宮藤芳佳。
二人の姿をダークグリーンの瞳が柱の陰からジッと見つめている。
「エイラばっかり・・・芳佳ちゃんと楽しそうにして・・・」
朗らかな笑い声を立てる二人の様子をサーニャ・V・リトヴャクは少しむくれながら眺め
ていた。本当はすぐにでも二人のそばへ歩み寄りたかったが、楽しげな二人の会話を邪魔
してしまうかもしれないと思うと、尻ごみしてしまっていた。その時、
「楽しそうですね」
と、突然、頭上から聞こえたため息まじりの声にサーニャはビクッとする。そして、視線
を上へと移したが、黒い髪が見えるばかりで、その顔は判然としなかった。サーニャは、
恐る恐る、
「あの・・・どなたですか?」
と声をかけると、
「あっ! ごめんなさい。私、山川美千子と言います」
そう言って、黒髪の持ち主は、頭を下げる。サーニャもそれに合わせて、ペコリと頭を下
げた。
572美千子との遭遇:2009/06/16(火) 05:06:34 ID:apbTgAaL

カラン
みっちゃんの用意した麦茶の入ったコップの中の氷が解け、涼しげな音を奏でる。机を
挟んで差し向いに正座をするサーニャとみっちゃんだったが、その二人の間には沈黙とい
うやっかいな存在も腰を下ろしていた。ほんの数分前に
「お名前って、まだ聞いていませんでしたよね?」
「あの・・・サーニャ・V・リトヴャクっていいます。芳佳ちゃんとは、同じ部隊で一緒
 に戦っていました・・・」
「さっきも言いましたけど、私は山川美千子っていいます。芳佳ちゃんとは親戚同士で、
幼馴染なんですよ」
「そうなんですか・・・」
「はい」
ここで会話は途切れてしまっていた。芳佳にみっちゃんという幼馴染がいることは、本人
の口から聞いていた。ただ、いざ本人を前にしてみても、もともと人見知りがちなサーニ
ャにとって、いくら芳佳の幼馴染といっても、すぐに気さくに話しが出来るほど器用では
なかったし、みっちゃんの方も、もじもじとしているばかりのサーニャに何を話したらい
いのかと考えあぐねていた。
(どうしよう・・・)
サーニャは何か話さないといけないと思うものの、焦りが生れるばかりでその可愛らしい
口からは、なかなか次の言葉が発せられなかった。頼りにできる相手も今はそばにいない。
ただ、それでもサーニャの頭の中では、扶桑に来る道すがらにエイラから聞かされたこと
が再生されていた。

「そうだ、サーニャ。扶桑では、何か恥ずかしいことがあったり、間が持たない時がある
と、畳のへりをむしるんだってさ」
「畳のへりって?」
「・・・さぁ?」

「あの・・・」
「はい」
「畳のへりってどれですか?」
「畳のへり? えっと・・・これですけど」
「ありがとうございます」
「いえ・・・」
サーニャは、視線をみっちゃんが指し示した畳のへりへと移し、むしろうとしてみた。
ただ、それと同時にある考えが脳裏をかすめた。
人の家の畳のへりを勝手にむしっていいのか?
そもそも、これが何になるんだろうかと。
573美千子との遭遇:2009/06/16(火) 05:07:35 ID:apbTgAaL

「あの・・・」
みっちゃんは、畳のへりをじっと見つめるサーニャの頭上へと話しかける。
「あっ、はい」
サーニャはその呼びかけに慌てて顔を上げた。
「なんですか?」
「芳佳ちゃんは、ブリタニアではどんな感じでしたか?」
「え・・・、その・・・いつも一生懸命でした。訓練の時でも、戦いの時も。それに、毎
日みんなのために食事を用意してくれて。いつも・・・頑張ってて。たまに・・・失敗
もしてたけど・・・。でも、それでもすごいなって」
「ふふ・・・変わってないな」
みっちゃんの顔からは思わず笑みがこぼれる。
「そうなんですか」
「ただ、こっちではうまくいくことより、失敗する方が多かったんですけど」
その言葉にサーニャは少しだけ口元を上げた。
「あっ!」
「え?」
「やっと笑ってくれた」
そう言って、満面の笑みを浮かべるみっちゃんにサーニャは一瞬キョトンとしたが、すぐ
に笑みを返した。
「そうね」
「でも、ウィッチの方ってやっぱりみんな綺麗なんですね。さっき、チラっとだけ見たエ
イラさんもすごい可愛かったし」
「そうかな?」
常に一緒にいるためか、どうもその言葉がサーニャにはピンとこなかった。
「それにサーニャさんだって、すごい可愛いですし」
「えっ? えっ、そ、そんな・・・」
サーニャの頬が思わず赤くなる。
「わ、わたしなんて・・・その・・・全然・・・可愛いなんて」
「そんなことありますよ。肌なんかもすごい白くて綺麗で」
「え、えっと・・・」
サーニャの視線は行き場を求めて辺りを彷徨う。
そんな時、困惑するサーニャの脳裏には、再びエイラの声が響いてきた。

「あと、扶桑では恥ずかしいことがある時には、天井のシミを数えるんだって」

(天井のシミ?)
サーニャは不安げな眼差しで天井を見つめた。
574美千子との遭遇:2009/06/16(火) 05:11:19 ID:apbTgAaL

(何してるんだろう?)
みっちゃんは、突然天井を見上げたまま口を閉ざしたサーニャの行動を不思議に思ってい
た。
(何かオラーシャの風習かな?・・・そうかぁ、色んな国の人たちが集まっていると、文
化の違いもでてくるよね。たぶん、そこから色んなすれ違いも生まれる。扶桑を出たこ
とが無かった芳佳ちゃんもやっぱり苦労したのかな。でも、そんな中でも頑張れ続けた
なんて、やっぱり芳佳ちゃんはすごいな・・・)
と、サーニャに行動を受けて、みっちゃんの芳佳に対する尊敬の念はより強まっていった。
本当は異国の文化どころか扶桑の文化(?)なのだが。
ただ、こうしてサーニャが天井を見上げる姿を見ていてもどうかなと思ったとき、ふと
カバンの中にあるある物を思い出した。
「あの・・・」
「え?」
「芳佳ちゃんからの手紙に書いてあったんですけど、サーニャさんって歌もピアノもすご
い上手なんですよね?」
「芳佳ちゃんが?そんな・・・上手だなんて・・・」
天井を見つめて、何となく落ち着いたサーニャの白い頬が再び赤みを帯びる。
「それで、音楽について少し教えてほしいことがあるんですけど」
「え?」
「あの、よかったらでいいんですけど」
そう言ってみっちゃんはカバンから一枚の楽譜を取り出し、サーニャの前に差し出した。
楽譜には、『アムール河の波』と書かれている。サーニャの故郷、オラーシャの歌だ。
「これは?」
「あの、私、学校ではコーラス部に入ってて、今度この歌で独唱パートを歌うんですけど、
この部分があんまり上手に歌えなくて」
そう言って譜面を指差す。
「ああ、ここは」
何度も耳にしたことのある曲だ、サーニャはその部分をなんなく口ずさむ。
「こんな感じかな」
「えっと・・・こうですか」
みっちゃんも、サーニャのを手本に口ずさんでみる。
「そうね・・・もう少し」
そのまま、二人っきりのレッスンがしばらく行われた。そして、どうやらみっちゃんは無
事に合格点をもらえたようだ。レッスンが一段落すると、
「ご指導頂き、ありがとうございます」
そう言ってみっちゃんは頭を下げた。
「あの、別にそんな大したことじゃ・・・」
突然のかしこまった扶桑撫子の挨拶に、サーニャはオロオロとする。
「良かったら、今度学校の方にも来てみませんか?」
頭を上げたみっちゃんは、サーニャにそう提案した。
「えっ、学校?」
「はい。良かったらコーラス部の練習に参加してほしいなって。その、無理にというわけ
じゃないですけど」
「え・・・と」
サーニャとしては複雑な心境だった。同世代の女の子たちと一緒に過ごせる良い機会だっ
たが、うまくしゃべれるかどうかが不安だった。
引き受けるべきか、断るべきかを思い悩みながら、畳のへりをむしってみた方がいいのか
なと、サーニャは視線を下へ下へと落としていくばかりだった。

 ―完−
575名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 06:25:25 ID:q9RJubwV
>>561
リーネいい子だw リーネがいろいろ考えちゃうけど、リーネイラはリーネのこういう気持ちが好きです。
自信ついてお茶とお菓子を振舞えるといいねと私も思った。GJです!
しかし1MBてどんだけ書いてんですかw

>>575
GJ! 畳のむしるかどうか悩むサーニャかわいいw
みっちゃんとサーニャも音楽繋がりでしたよね。
576名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 07:17:38 ID:sdIkXoJ5
>>574
畳むしりと天井のシミ最高にふいたw
声だして笑っちゃったじゃないかwおもしろかったですGJ!
577名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/17(水) 02:52:55 ID:lJ5CyRsC
うう、最近読めてなかったんで保管庫行こうとしたらなんか繋がらん・・・
578名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/17(水) 02:56:16 ID:2fPyXZn4
rejec鯖は定期的に落ちるからしょうがない
対応は割と早いからそのうち繋がるよ
579名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/17(水) 02:56:37 ID:udcuLWT5
>>574
エイラさん、どこでそんな知識をw
ちょっとだけオロオロするサーニャとみっちゃん見て見たい。可愛そうだwGJ!

>>577
京都の方の落雷でしばらく断絶中らしいね
580名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/17(水) 23:34:38 ID:dfcRZ9KP
ペリーヌがトネールでもためしたか・・・
581名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 01:52:48 ID:AHaEwoJh
最近ペリーヌがペリーネに見えて困る
582名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 03:03:56 ID:OgygIfMQ
近頃エーゲルが安アパートで同棲しながら貧乏暮らししてる妄想が止まらない
583名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 07:11:29 ID:C66yruYj
SSにする作業に取りかかるんだ
584名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 09:10:18 ID:0IgbWDHp
赤い手ぬぐいマフラーにしてか
585名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/18(木) 21:14:38 ID:sGFYIhM2
>>581正常じゃないか 何か問題でも?
586名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 01:07:48 ID:grRAVaVA
t26gfaxtです
学園24話投下します
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/10215.txt
587名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 01:40:00 ID:SjTqiRdO
>>586
学園きたああああああああああっ!
寝る前にスレ覗いてよかった。
つか、ルッキーニは?サーニャは?ウルスラは?
さっそく続きが気になるんですが。待ってます。
588名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 07:00:54 ID:D08htleI
>>586
前話につづき混沌と
何人か当て馬の予感な方が…
全員がハッピーになればいいけど難しいですよね
589名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 12:33:18 ID:svjQJr2K
ぶっちゃけ学園はキモいくらいに一部のキャラひいきだよね
そんだったらそいつらだけ出て来るss書けばいいのに
590名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 12:46:35 ID:nDJze48W
>>586
ウルスラ、ビューリング、エーリカ
この3人の展開が気になりすぎて悶々としてきた

GJ!
591名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 14:18:55 ID:vOxidgCY
588です。誤解されそうな文章だと今さら気づいた
否定的な意味でなく、ハラハラしつつ続きを楽しみにしてます、ってことで
592名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 22:36:31 ID:hsfjopUI
>>586
GJ!!ウルスラがエーリカにデレる日は来るのか……
シャッキーニも併せてハラハラな展開ですなあ。続き待ってます。
593教えて、貴女の使う武器 1/4:2009/06/20(土) 01:14:22 ID:5fUyM/AG
「坂本さん、坂本さん。他の皆さんは接近戦の武器って持ってないんですか?」
「どうした宮藤、突然に」
「いえ、坂本さんが帯刀しているのはよく見るんですけど、他の皆さんは銃ばかりでしたから」
「ふむ、一応皆持っているハズだが……基本的にこの基地で相手をするネウロイは大型が多いからな。接近戦を得意としないなら、無理に近付くよりも銃で確実を取っている結果だろうな」
「へぇ、そうなんですか」
「そういえば一時期ペリーヌに接近戦の手ほどきをしてやった事があったな」
「ペリーヌさんは家宝だって言うレイピアを見せてくれたんですよ」
「アレは良い剣なのだろうな。よく分からんが」
「はい、とっても綺麗でした。よく分かりませんでしたけど」
「あれ、少佐。宮藤も、何してるんです?」
「あ、シャーリーさん」
「少し宮藤と話しをな。突然ですまないが、シャーリーは近接戦闘時用に使い慣れている武器は有るのか?」
「接近戦ですかぁ。ほとんどしませんでしたけど、ダガーナイフを使ってましたね」
「ダガーナイフ、ですか?」
「サバイバルナイフみないなもんかな?少し刃渡りは長めだけど」
「ほう。……所で、バルクホルンと何かあったのか?」
「え…あ、もう来た!じゃ、
594教えて、貴女の使う武器 2/4:2009/06/20(土) 01:14:55 ID:5fUyM/AG
「…………あー、廊下は走るな、と注意するべきだったか…?」
「え、と…私余計な事しました?」
「……ま、気にするな」
「少佐、宮藤…何してんダ?」
「……zzz」
「エイラさん」
「珍しいな、サーニャではなくルッキーニを連れてるなんて」
「サーニャは……後から来るヨ。こいつはハンガーで寝てたから、邪魔だったしとりあえず談話室にでも、って思っテ」
「ふむ、なら私が連れて行こうか。よっ、と」
「……坂本さん、抱っこするの手慣れてますね」
「……昔、リバウで少しなぁ。とりあえず行ってくる」
「……あの、エイラさん。突然なんですけど、接近戦ってされます?」
「はぁ?本当に突然ダナ。……そりゃ、リーネみたいなロング・アウトレンジじゃなきゃ、一通りは」
「その時は、武器って何か使ってるんですか?」
「……は?バルクホルン大尉でないなら、武器なんて一つしか持てねーヨ」
「あー、えと、そう言う意味ではなくて―――」
「………あー、そういう事。それなら私は…」
「……何してるの、エイラ?あ、芳佳ちゃん」
「サーニャちゃん。今、エイラさんにお話を聞かせてもらってたんだ」
「お話?」
「サーニャは、少佐みたいに接近戦用に使う様な武器って持ってたカ?」
「……フリーガーハマー」
「え、フリーガーハマーって、サーニャちゃんがいつも使ってるのだよね?」
「うん。こう、角で…ガン、と」
「…………」
「…………」
「……あの、ごめんなさい。冗談、だから」
「あ、ああ!…びっくりした」
「……なんか、すごくシュールな感じだけド。サーニャも時々無茶するからなぁ」
「む、エイラだって」
「ま、まぁまぁ。あ、坂本さん。お帰りなさい」
「ああ。ん、サーニャも来てたのか」
「こんにちは」
「んー。宮藤も、少佐もだけどサ」
「はい?」
「なんだ、エイラ」
「ネウロイを相手に直接戦闘を好むのなんて、扶桑くらいなもんなんだゾ?」
「え、そうなんですか?」
「ふむ、それはあるかもしれんな。ま、考え方の違いと言うやつだ」
「そうなんですか。……そういえば、ルッキーニちゃんは、何か使うんですか?」
「……話、聞いてないのかお前」
「え?」
「まぁ、宮藤だからな」
「なんか馬鹿にされてる気が……」
「ルッキーニは……何と言うか、持ってきたはいいが、無くしたとかでそれ以来使ってないな」
「……えー」
「……ルッキーニらしいよナ」
595教えて、貴女の使う武器 3/4:2009/06/20(土) 01:15:26 ID:5fUyM/AG
「あ、それでエイラさんは結局何を使うんですか?言いかけてたんですから、何かあるんですよね?」
「…そうなの、エイラ?」
「……う、まぁ…一応」
「ほぅ、興味があるな」
「別にたいしたモノじゃないんだゾ?というか宮藤だって……!?」
「どうしたのエイ、ラ…………」
「エイラ、サーニャ?」
「二人ともそんな顔して……って、り、リーネちゃん!?」
「皆さんお揃いでどうされたんですか?」
「すまないな、リーネ。部屋の前で騒がしかった。……が、その…なんだ」
「はい?」
「……その、鉈は?」
「……え?中に誰も居ませんよ?」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「あ、あの…冗談、ですよ?ミーナ中佐に頼まれまして、ペリーヌさんの……あ、いけない、いけない」
「ペ、ペリーヌさんの、何!?」
「なんでそこで切るんだヨ、リーネ!?」
「その、秘密…です。あ、サーニャちゃんは知ってますよね?…秘密ですよ?」
「………大丈夫。私も、この前のお礼…ちゃんとしたいから」
「お礼参り!?」
「さ、サーニャ!?その、ほら…え、となんダ?あいつが何したか知らないけど、ツンツンメガネだって悪気があった訳じゃないと思うんダ!?」
「ペリーヌさん逃げてーっ!超逃げてーっ!!」
「……はぁ。エイラも、宮藤も落ち着かんか」
「い、いや…だっテ!」
「坂本さん!私、諦めたくないんです!!」
「いや、そうじゃなくてだな。…リーネとサーニャは少しからかい過ぎだぞ?」
「……はい?」
「………??」
「……他意はなかったのか。はぁ、リーネ達が言っているのは、ペリーヌが世話をしている花壇付近の草刈りの事だろう?」
「…はい」
「そうです」
「な、なんだぁ……私てっきり……」
「芳佳ちゃんは何だと思ってたの?」
「え゛……あ、えと、あはははは……」
「エイラも。何……やってるの?」
「エ?」
「エイラ、またお前は。画鋲を壁に刺すのにいちいち投げるな」
「あ、それ私の学校でもやってました!」
「……弛んでる…!」
「あわわわわ」
「……まったく。おい、エイラもそろそろ止めておけ」
「えー、なんなんだヨー。少佐だって興味あるって言ったくせにィ」
「……な、なに?」
「え、あの……まさか」
「何の話なの、芳佳ちゃん?」
「………エイラ」
596教えて、貴女の使う武器 4/4:2009/06/20(土) 01:16:07 ID:5fUyM/AG
「エイラ、お前ッ!スオムスでネウロイ相手に画鋲投げてたのか!?」
「ふふん、どうだ、宮藤。これがスオムス式接近戦闘武器!」
「…………エイラさん」
「…………エイラ」
「…………エイラ、貴様はこれから特別訓練だッ!!」
「な、なんでだヨ!!宮藤もサーニャも何とか言ってやってくれヨ!!」
「エイラさん」
「……行ってらっしゃい」
「さ、サーニャまで!?なんだってんだヨーッ!!?」
「…………はぁ」
 
扶桑にいるお母さん、お婆ちゃん、みっちゃん。
ブリタニアは、今日も平和です。
 
「ええい、往生際の悪いッ!」
「サァアアアアニャァアアアアアアーッ!!!!!」
 
……平和、です。


597名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 22:54:53 ID:EsIqS39H
画鋲ってエイラ、お前は小学生かww
それからリーネちゃん、鉈とか いけない

「ふっ……サーニャは近接するだけで危険なんだナ…。ナンテナ!ナンテナ!」
「エイラ? どうしたの?」
「う……さ、サーニャ!? 後ろにいたのかヨ……もしかして聞いてた?」
「うん…。私が近くにいるといやなの? エイラ」
「そ、そうじゃナイ! そうじゃなくテ…」
「じゃあどうして?」
「う…そ、それはー……」
とか想像した。
598名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 23:52:50 ID:yaHajtlO
>>596
マジレスするとアニメのキャラのフミカネ絵でもっペリ以外に格闘武器持ってるのってシャーリーの銃剣だけだよね。
ttp://www37.atwiki.jp/strike_witches?cmd=upload&act=open&pageid=35&file=%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%A3%81%E7%B4%99%EF%BC%88P-51D%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%89+.jpg

っていうかエイラの画鋲投げワロタwww
599名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 23:54:32 ID:pcVxWkuv
画鋲が武器とか、消防のころ思い出すなwwダーツとかやってたわww
600名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/21(日) 00:06:17 ID:yyOZZmOp
何故か環境利用闘法を思い出した
601名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/21(日) 00:09:49 ID:VO8ThSEW
一掬いの水でもわたしが手にしたならば立派な武器になり得る
それが画鋲ならばなお一層協力な――
もはや――それは兵器
602名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 01:18:00 ID:Jq21PTyQ
───ワタシの名前はヨシカ。心に傷を負った扶桑撫子。オッパイマイスターな主人公体質の愛されガール♪
ワタシがいつも一緒にいる友達はヤンデレ担当のリーネちゃん、ツンデレ担当のペリーヌさん
クーデレ見習いのエイラさん。訳あって無愛想キャラを装っていたバルクホルンさん。
友達がいてもやっぱり戦闘はニガテ。今日もペリーヌさんとちょっとしたことで口喧嘩になった。
女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね。そんな時アタシは一人で皆のオッパイを見歩くことにしている
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!
「おっぱ」・・。そんなことをつぶやきながらいつもの様にルッキーニちゃんと軽く挨拶。

「ミヤフジー?……あ、コラァっ!このセクシィギャルを無視すんなーっ!」いつもいつも同じようなセリフしか言わない。
ハルトマンさんはカッコイイけどなにか裏がある様でコワイんです。もっと和やかにお話したいんだけど・・。

「宮藤さん・・。」・・・やばい、となワタシは思った。見なかったコトにするつもりだったけど、
チラっと声のする方向を見た。
「・・!!」
・・・チガウ・・・今までのペリーヌさんとはなにかが?
603名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 02:31:04 ID:/Skpcccc
宮藤芳佳 「今の世の中」

 YO! 最近、悪い事件多いよね 皆、口をそろえて言う「怖い」とねって 
いつ現れるか分からん通り魔 「なぜこの人を」と問えば 
そして返ってくる言葉は 「ただ金が欲しかった 別に誰でもよかった」と顔色一つ変えずに言った

そんなやつらの考え理解できねえ そんなやつらがいたんじゃ良い未来できねえ 
年々増える犯罪者を減らさなきゃ増えてしまう被害者 育った環境、時代が犯罪を生み 
死亡率が増える世界の国々 ささいなことでケンカして いつの間に大惨事に発展して

今の世の中 頭おかしく魂腐ってる野郎をできるだけ減らすんだ
今の世の中 今の時代の現実を見ろって人ごとにしてられないんだ
今の世の中 本気で変えなきゃダメだろう 未来変えなきゃダメなんだ

まだ小学生のBOY & GIRL 近ごろ多い少年犯罪 
きちんとした意味もなく人殺して 年関係なくそれはもう人殺しで 
まだ幼いのに何してんだ 親や教師は何してたんだ 子どものことぐらい知っとけ 
ゴメンじゃ済まないとちゃんと言っとけ 教えとけ 常識ぐらい覚えとけ
君も辛いだろう しかもテレビのニュースだと 被害者だけ公表される名前と顔 
加害者は守られる その後の人生とか これからが困るだろうと使われるアルファベット 
何も言えずおれらはずっとポツネンと どんなに悲しんでもしょうがない 
もう戻ってくることはない そんなの情がない 被害者の人生台無し 
これからが大事だし そんな運命に用はなし 年寄りになってからのほうが長いかもしれないと 
悲しみ憎しみとかが計り知れない 幸せ奪いながら、おれにとっちゃ許せないことばかり 
一生消えない思い出や怒り もう我慢できなくて この現状変えたくて 本気で変えてほしくて
今の世の中 本気で変えなきゃダメだろう 本気で考えなきゃダメだろう 未来変えなきゃダメなんだ
604名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 03:13:14 ID:+RTPLmFi
フミカネサイトに新しいウィッチきた
これでペリーヌ勝つる
605名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 06:34:39 ID:fTvFNHEw
これでペリーヌ勝つる
606名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 07:23:29 ID:UHLvvI1/
ペリーヌ…!!
607名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 07:31:19 ID:D8/JTJYp
寂しがり屋の甘えん坊……


最高じゃないか
608名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 07:42:17 ID:lIqxpRLK
>>607
なんだかんだと口では文句いいつつ、世話してたんだろうなw>ペリーヌ
609名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 07:43:43 ID:TTX8CH1j
>>608
いかんな、萌え死にそうだ
610名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 11:34:19 ID:4eVcSCV5
何かリーネっぽいキャラだ。
きっと、ペリーヌに惚れて、積極的な性格になるに違いない。
611名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:07:10 ID:t37Y5mLK
さっそくアメリー×ペリーヌ投下します。4レスの予定。


 その頃わたしはどうしようもない泣き虫だった。
 朝となく、夜となく、人目もはばからず泣いてばかりいた。
 人間の体の3分の2は水分だと言うけれど、いったいわたしはそのどれだけ分を1日に流しているのだろう。
 きっと誰にも負けないに違いない。自信がある。こんな自信、あったって仕方がないのだけど。
 離れて暮らす家族のことを思い、迫り来るネウロイの脅威を思い、
 今は亡き人たちを思い、今も苦しんでいる人たちを思い、
 涙を流す理由には事欠かなかった。
 どれだけ流しても涙は枯れ尽きることはなく、次の日になればまた泣いていた。
 わたしにとって水分を摂取するというのは、それを涙に変えることなのだった。

 きれいな泣き方なんて出来なかった。
 ぼろぼろと涙をこぼし、ぐっしょりと顔中を濡らし、声を殺すなんて出来ずに、わんわんと泣き叫ぶ。
 滝のような、大雨のような、そういう泣き方だ。

 こんな自分、本当は好きじゃない。
 泣き虫は卒業したかった。
 ぐっとこらえて、平静でいるよう努めて、感情を押し殺して――
 軍人としての威厳だとか、ウィッチとしての使命だとか、ガリア人としての矜恃だとか、
 そういうものを無理矢理にでも自分に言い聞かせて――
 そうやって、なんとか泣かないようにして。
 それでもやっぱりわたしは泣いていた。

 ペリーヌさんはそんなわたしとは大違いだった。
 彼女が泣いているところを、わたしは見たことがない。
 どうして、ペリーヌさんはは泣かないのだろう?
 そのことがずっと不思議だった。
 悲しいことや辛いことがないはずないのに。
 きっとそれを悲しいとか辛いって、ちゃんと感じてるはずなのに。
 彼女の境遇を知っている。分かち合ってきた悲しみもある。
 それでも、わたしなら間違いなく泣いてしまうことを、ペリーヌさんは泣いたりなんかしない。
 どうして――?
 それはきっと、彼女は涙腺のない人だから。わりと本気でそう思っていた。
 だから、泣くなんてことはしない。
 だって彼女は誇り高いガリア貴族なのだから、そんな幼稚な行為とは無縁なんだ。
 そういうふうにわたしは思っていた。

 どうしてわたしたちはこんなに違うんだろう。
 そう思うと、なんだか自分がまた嫌になる。けれどそう思わずにはいられなかった。
 もっとも、わたしたちが違うのは、このことだけではないのだけれど。
 むしろ、全然違う。
 わたしとペリーヌさんが同じなのは、生まれた国と年齢くらいなものだ。
 階級も身分もウィッチとしての素質も違う。
 わたしの目に、彼女はどこまでも気高く、まぶしい。
 だからこのことだって当然のことなのかもしれない。
 それでも――
 あきらめてしまいたくはない。
 わたしだって少しは近づきたい。
 わたしもペリーヌさんのようになりたい。
 だから懸命に泣かないようにして、それでもやっぱりわたしは泣いていた。
 本当にどうしようもない泣き虫。
 そういう自分も、やっぱり好きじゃない。
612名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:08:26 ID:t37Y5mLK
 そうした日々の続いたある日のことだった。
 501統合戦闘航空団というこの間できた部隊に、わたしたちの部隊から1人、招聘されることになった。
 選ばれたのはペリーヌさんだった。
 妥当な人選だと思う。部隊のみんなも納得していた。
 ペリーヌさんならわたしたちの代表として、しっかり務めを果たしてくれるだろう。
 だから、胸を張って送り出せる。みんながそう思っていた。
 わたしだってそう思う。
 そう思おうとした。
 だけどそれは出来なかった。
 ペリーヌさんが行ってしまう。
 それは別に珍しいことではなく、悲しいことでもないのかもしれないけれど、
 わたしには耐えられない悲しみだった。
 ぐらぐらと揺らいだ。自分にあるものが全部、崩れていってしまうようだった。
 だってわたしたちは、一緒のチームなのだから。
 だからいつも一緒なのは当然のことと思っていた。
 チームのみんなで、祖国ガリアの奪還を誓い合った。
 だからずっと一緒なんだとそう思っていたかった。
 最近ではペリーヌさんの僚機として飛ぶようになって、少しは役に立てるようになってきたと思う。
 それなのに――
 わかっている。これはただの、わたしのわがままだ。
 行かないで、なんて言えるわけない。
 言ってどうなるものでもない。
 そんなの、一方的にわたしの気持ちを押しつけているだけだ。
 だからわたしは、なにも出来ない――

 送別のパーティーにも、わたしは顔を出せなかった。
 ペリーヌさんの顔を見ただけで、わたしは泣いてしまうだろうから。
 そんなところ、彼女には見せたくはない。
 自分の部屋に鍵をかけて閉じこもって、ベッドにうつ伏せに寝ころんで泣き、
 刻々と迫る別れの時を、そうやってわたしは無為に過ごした。
 心配して部屋の前まで来てくれた仲間の声も、わたしには届かなかった。
 あいつも寂しそうにしてるから、最後くらい会ってやったらどうだ。
 壁越しにそう言われた。
 ……本当にそうだろうか?
 ペリーヌさんはわたしのことなんて、なんとも思ってないかもしれない。
 いや、たぶん、そう。
 そう思うと、見送りなんて出来なかった。
 会ってしまえば、最後の最後まで、わたしは泣いてしまうだろう。
 なのに、ペリーヌさんは泣くことはないのだろう。
 それがくやしかった。
613名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:10:22 ID:t37Y5mLK
 ペリーヌさんはもう行ってしまっただろうか――
 行ってしまったんだろう。だって、もう出発の時間はとっくに過ぎている。
 ぼやけた時計の針を確認し、わたしはまた泣きたくなった。
 とうとう最後まで顔を合わせることは出来なかった。
 部屋の中は、しんと静かだ。
 わたしは泣き疲れて、おなかが空いてしまった。こういう時でも、空くものは空く。
 眠りに落ちるには、意識ははっきりしすぎている。
 食堂に行こう。そう思って、ベッドから重たい体をなんとか起こし、おぼつかない足取りでドアに向かった。
 ドアを開ける。部屋の中にため込んでいた空気とは違う空気が流れ込んでくる。
 わたしは部屋を一歩踏み出し――
「ずいぶん待たせてくれますのね」
 と、声がした。
 わたしは振り返った。でも見なくても、誰かはわかった。その声を忘れるはずない。
 バタン、とドアが閉じる。
 壁にもたれかかったペリーヌさんはその全身を表し、そして言った。
「ひさしぶり」

 行ってしまったんじゃなかったんですか……
 なのに、どうしてここにいるんですか……
「どうじで……?」
 声がうまく出てくれない。カッコわるい。
 泣くな、泣くな、泣くな、泣くな。
 強く思った。
 泣いちゃいけない。泣いちゃいけないんだ。
 なのに、みるみる視界がにじんでいく。
 どうしようもない。止まらない。泣かないなんて、できない。
「ちょっと忘れ物を取りに戻っただけですわ。今から行くところよ」
 ペリーヌさんはそう言うと、わたしに背を向け歩き出そうとする。
 わたしは彼女の手首をぐっと掴んでいた。
 えっと、えっと、えっと……
 いってらっしゃい。元気で。気をつけて。
 言わなければならない言葉があるはずなのに、口からそれが出てきてくれない。
「行がないで」
 その代わりに、嗚咽まじりにそう言ってしまった。

「そういうわけにもいかなくってね」
 ペリーヌさんは振り返り、手首に巻きつくわたしの指を一本一本ほどいていく。
 見苦しい。なんてこと言ってしまったんだろう。やっぱり会わない方がよかった。
 逃げ出したい気分だった。でも――
「ほら、いつまでも泣かないの」
 ペリーヌさんはそう言うと、行ってしまうのではなく、わたしの方へと一歩歩みより、
 わたしの頭の後ろに手を回すと、そっとわたしの顔を胸元に抱き抱えてくれた。
 その柔らかさも、ぬくもりも、わたしの体はたしかに覚えている。
 いつもそうしてくれたように、最後までわたしのことを慰めてくれる。
 もう、どうだっていい――
 わたしはその胸の中でまた泣いた。

「なにも、死にに行くわけじゃないんだから」
「はい……」
「あなたこそ、わたくしがいなくて大丈夫?」
「大丈夫……です……たぶん」
 そう答えると、ペリーヌさんは苦笑した。
614名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:13:20 ID:t37Y5mLK
 ひとしきり泣き終えると、ペリーヌさんはわたしの肩に手をやり、突き放した。
 泣きすぎて、目が痛い。まぶたがうまく開かない。
 なんとか瞳を見開こうとして――わたしはそれに、目を奪われた。
 ペリーヌさんの頬に、一筋の滴がつたっている。
「どうかしたの?」
「だっで……」
 どうして気づかなかったんだろう。そういえば会った時からそうだったのに。
 顔を赤く染めて、目も真っ赤で、ペリーヌさんだって泣いていたのだ。
「ペリーヌさんが、泣いてる」
「見ればわかるでしょ?」
「どうして?」
「そんなの、悲しいからに決まってるでしょう」
 その言葉に、とん、とわたしの胸につかえていたものが抜け落ちた。
 そうだ。なにも特別な人ではなかったんだ。
 悲しい時は泣く。わたしと同じ。そんなの当たり前のことだった。
 もしかしたら、わたしたちにそんなに違いはないのかもしれない。
 日常の隙間に時折見せる悲しそうな顔を、わたしはたしかに見ていたはずなのに。
 なのにどうして気づかなかったんだろう。
 ペリーヌさんの頬につたうそれは、年相応の、わたしと同い年の、そういう涙で。
「わたし、見たことない」
「ええ。だって、あなたがわたくしの代わりにいつも泣いてしまうんですもの」
 ペリーヌさんは微笑むと、さらにそう付け加えた。
「だったら、わたくしまで泣くわけにはいきませんものね」

「手紙、書きます。ペリーヌさんも書いてくれますか?」
「返事くらい、書くに決まってるでしょう」
「電話もします。声を聞かせてくれますか?」
「あんまり長電話はしませんけど」
「休みの日には会いに行ってもいいですか?」
「そんなに頻繁に来るんじゃなくってよ」
「ペリーヌさんも会いに来てくれますか?」
「暇で暇でどうしようもなかったらね」
 なんてこと言うんだろう。
 その言葉の一つ一つが、わたしにはあたたかかった。

 せめて見送りは玄関まで。
 そう言うと、ペリーヌさんは手をつないでくれた。
 半歩前をペリーヌさんは歩く。どんな顔をしているのか、わたしからは見えない。
 迎えの車に乗り込むと、ペリーヌさんは、またね、と言った。
 それじゃあ、また、とわたしは返した。
 そうして、ペリーヌさんは行ってしまった。
 小さく小さくなっていくペリーヌさんを乗せた自動車を、わたしはいつまでも見送っていた。
615名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:15:04 ID:t37Y5mLK
 そして、今のわたしもやっぱり泣き虫で、ことあるごとに泣いてばかりいる。
 でも、それでいいと思う。
 別に泣き虫でもいい。
 ペリーヌさんが泣けない分を、代わりにわたしが泣いてあげている。そう思うことにする。
 だけど、泣くのはわたし一人だけでいい。ペリーヌさんを泣かせたくはない。
 だったら、ペリーヌさんが泣いてしまうことのないように、
 せめて自分のことくらい、ちゃんと出来るようになろう。
 だからわたしは、強くなりたい、と思った。
 こんなことをペリーヌさんに言うと、なにを言っているのかしらと呆れられてしまうのだろうけれど、
 でもたしかに、わたしはそう思ったのだった。
 強くなりたい、と。
 あなたのことを守れるくらいに。

 きっと次にペリーヌさんに会った時、やっぱりわたしは泣いてしまうだろう。
 そうしてまた、彼女を困らせてしまうだろう。
 でも、また慰めてもらえるなら、それもいいかもしれない。
 だったら、わたしは泣いたっていい。
 だってそれは嬉し涙なのだから、それでいい。



以上です。1レス増えましたすいません。
ガリアのウィッチまだー?
ドジっ娘で、泣き虫で、ものすごくペリーヌになついてて、
ペリーヌもやれやれとかいちいち口にしながらちゃんと面倒みるような、そういう子まだー?
とか思い続け、数ヵ月間ひっそり妄想としていたところ、なんか念が通じたっぽいです。
タイトルは「なきむし」です。OsqVefuYでした。
616名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:18:07 ID:l/H55/SV
F5連打余裕でした
ペリアメイイナア
妹分って大切だね・・
617名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 12:49:26 ID:TTX8CH1j
GJ!
いいなぁ、ペリーヌには年上より年下の方が似合うような気がしてきた
でも年上に可愛がられるペリーヌというのも捨てがたい
いやそれより年下に可愛がられるペリーヌも・・・
618名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 15:20:51 ID:FHL8ifd8
はやすぎワロタw
619名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 21:18:56 ID:4eVcSCV5
最初は泣き虫なアメリーを見て、やれやれ私が面倒見てあげなきゃ・・・、って態度のペリーヌだったけど、
気が付いたら、逆にアメリーが傍に居てくれないと寂しくなってるペリーヌ。

そんな関係になって欲しいな。
620名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 21:51:41 ID:oPtwm9G5
世話を焼かれている側ではなく、
世話を焼いている側が依存しているパターンですね、大好物です。
621名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 22:56:43 ID:j4VqZbym
ニパエイラで3レス投下します。タイトルはすきのきず。
622名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 22:57:15 ID:j4VqZbym
視界を埋め尽くす真っ白な天井。息を吸い込むと、独特な薬品の香りが肺を満たした。
寝ぼけていた意識がやっと醒めはじめる。あぁそうだ。またいつもの‘あれ’だ。
うっすらと意識を失う前の情景が蘇って、自分がここにいる理由をなんとなく理解する。
情けない情けない。交戦中に負った怪我ならばまだ誇りにもなろうが、今回のこれもやはりいつも通りのエンジントラブルが原因で。
どうしてか私はこんななのだ。人一倍メンテナンスには気をつかっているつもりだし、ストライカーを駆る才能がとりわけ劣っているわけでもないはずだ。
だというのに私が魔力を注いだストライカーは、まるで規定事項であるかのように空を駆ける力を失って。
呪いなら早く解けてくれ。何度そう願っても叶うはずもなくて、毎度のこのありさま。
こんなことじゃまたハンガーの掃除係に転属されてしまう。そう考えると憂鬱で、できるだけストライカーの破損が軽微なことを祈った。

む?そういえば私はどれぐらい気を失っていたのだろうか。
そう思って身体を起こそうとすると、身体中に鈍い痛みがはしる。
固有魔法が傷を癒やしきれていない…。たいして時は経っていないのか。それとも相当下手をふんだか。
どちらにしろ起き上がることは億劫で、また天井とにらめっこ。しかし顔色を変えることもない天井相手ではひたすらに退屈で。あぁ、誰かこないのだろうか。
凝り固まった身体をほぐそうと腕を広げると、そこでやっとこさ一つの違和感に気がついた。
右手にさらりとした感触。なにかの間違いだろ…とそれを指先だけで弄ると、ふわりと指先を滑り落ちていく。
嫌な予感がする。どうしても視線を反らしたい衝動にかられるが、事実を確認しない訳にもいかない。
恐る恐るそれに視線をおくると、視界を埋めたのは色素の薄いブロンド。

心臓が暴れ出して、血流が加速する感触だけが私の脳へと響く。
顔どころか耳の先っぽまで赤く染まっているんじゃないかというぐらい頬が熱い。
なんでそんなところで眠っているんだ。そんな疑問すらも、眠りこける彼女の顔を見たらどこかに吹っ飛んでいってしまって、私はただ枕に顔を埋めることしかできなかった。

視界の端でちらちらと彼女を窺っていると、突然に彼女の目がパチリと開いた。
目と目があってしまって反らせない。流れる時間が、どこまでもゆっくりに感じる。
彼女が唇から言葉を紡ぐ様子までも、まるでスローモーションであるかのようにはっきりと見えて…。

「や、優しくしてネ…」

血管が切れる音が聞こえた。

「お前は人のベッドに潜り込んでなにしてんだー!!」

可能な限り怒気を含ませて、それでいて場所を考えてできるだけ静かに。
我ながらよくできたと満点をあげてもいいような、静かに怒鳴るというウルトラCを達成した自分がそこにはいた。
彼女は目をパチクリと丸くさせたかとおもうと、次の瞬間にはとろんとさせ再び夢の世界へと帰還しようとする。
こいつはどうして私を怒らせることに関してこうも天才的なんだ…。
623名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 22:57:56 ID:j4VqZbym
胸倉を掴んでやろうと腕を伸ばそうとすると、なにかが裂けるような痛みが脇腹にはしった。

「痛ッ…。」

うぅ…傷口が開いた。気を抜けば漏れてしまいそうなうめき声を、奥歯を噛み締めることでどうにか抑え込む。
痛みから判断するに、幸いにもそこまで傷は大きくなさそうだ。こんな判断力ばかりが向上して嫌になるな。
それでも鈍い痛みが響いていることには変わりはないので、それをどうにか和らげようと魔力を放出した。
荒れた息を調えようとできるだけ深く呼吸をしていると、不意にむずがゆい感触が傷口をなぞる。
電流が駆け抜けたように身体がびくりとする。目をやると彼女の舌がチロチロと私の傷口を舐めていて。

「傷…。」
「見るなっ!!!!」

思わず彼女を突き飛ばしてしまう。やめてくれ…お願いだから。コイツにだけは見られたくなかった。
だってコイツは私とは違うんだ。羨ましくないはずがない。
彼女は、私には…いや、他の誰にも見えない世界を視て、ただの一度も傷を負ったことなどない。
それに比べて、私が持っているのは傷を負ったことがない方が珍しいという不名誉な記録。
ネウロイを撃墜する毎に得られる、彼女に一歩近づけたような感覚も、一度自らの身体中に遺った傷を見れば失われてしまう。
だから私は逃げたんだ。夏だというのに、手首まで隠れるような長袖の服を着込んで、負った傷から目を逸らした。
恥であるそれを誰にも見られないように。そして自分の目にすらも届かないように。
だというのに、最も見られたくなかった相手にそれ晒してしまった。

情けないだろ?磨き上げられた珠のように傷一つないお前の肌と比べたら。
ぼろぼろで、完全に治らないうちからまた新しい傷をこさえるものだから、消えずに遺ってしまったものもある。
この傷が私と彼女の距離。絶対に縮まらなくて、それがひたすらに悲しかった。

「私、ニパの傷好きだヨ。」

だから耳に入った言葉は、私にとっては天地がひっくり返るような衝撃で。
だって。ほら。傷にいいことなんて一つもない。それはエースパイロットとしての埋めようのない力量の差を露呈するもので。
それに・・・傷ついた肌なんて女の子としても嫌だった。

「気を使ってるのか?別に慰めなんて私は欲しくない。」

強がりなんかじゃなく、それは本音だった。
たった一人の隣に立ちたい相手。慰められてしまったら、もう隣には立てない。私は、守られながら後ろをついていくなんてごめんだった。
624名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 22:58:38 ID:j4VqZbym
「慰めなんかじゃナイ!だってニパの傷は優しいカラ…。」

私の言葉なんてどこ吹く風で、彼女は私の傷に再び舌を這わせる。
ぞくりとした、快感なのかも悪寒なのかも分からないような感触がまた身体中を駆け巡る。

「私はさ、逃げてるだけなんだヨ。未来が視えるから逃げられるダケ。でも、ニパは違う。」

そう言って彼女はニコリと微笑むと、遺った傷を一つ一つ舐めていく。心臓が痛いくらいに高鳴った。

「いくら慣れてるからってサ…私は誰かの分まで弾を受け止めちゃうやつはお前しか知らないヨ。」

 ……? なにを言っているのか私には理解できなくて。

「私にだけ視えるんダ。仲間が撃墜される瞬間が。」
「意味が分からないんだよ!!私を慰める為に変なこと言わなくていい!!」

だって、私たちの所属する飛行24戦隊で撃墜されるのは私ぐらいのものだから。

「嘘じゃナイ!!私には確かに撃墜される未来が視えるんダ…けど、現実には弾はお前に吸い込まれていく…。
 お前は他のヤツの分まで背負い込んでくれてるんダヨ…だからこの傷は優しい傷なんダ。嫌なはずがないダロ?」

そう言って、彼女はまたちろちろと舌を這わせる。
頬がどうしようもなく熱いのは、こんなに恥ずかしいことをされているからなのか。
それとも、嘘かホントかはやはり分からないけれど、嫌いだった傷を好きだと言ってもらえたからなのか。

答えはでやしないけれど、少しぐらい胸を借りてもいいような気がして少しだけ泣いた。
ありがとう…。お礼じゃないけれど、私もお返しに彼女の脇腹に舌を這わせる。
だってさ。好きなのはお前だけじゃないんだ。傷はないけれど、お前だっていつもばれないように皆に気を配ってくれていることを私は知っているから。

だから私も…な?

Fin.
625名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/23(火) 23:00:54 ID:j4VqZbym
ニパ誕生日おめでとー!!20日も過ぎたけれど。誕生日ネタが思い浮かばなかったので普通にニパエイラ。
あとエルマさんとリーネもおめでとう!!

ではRU1ZZ/dhでした。
626名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/24(水) 00:01:49 ID:pGDuV7ZI
>>625
ニパエイラキタ!待ってましたぜ。
エイラに傷を見られたくなかったり恥ずかしがったりするニパがかわいくてかわいくて!
傷を舐めるのもたまんねー!GJでした!
627名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/24(水) 00:44:24 ID:Yy7tvMGh
久しぶりに来たが相変わらず職人様GJだぜ…!
しかしあくしずで佐官二人のチャイナ服が拝めるというのに全く話題になってないのはなぜなんだ!?
628名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/24(水) 00:45:10 ID:QIZxZNi4
だってあれは明らかにおばs…
629名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/24(水) 01:28:09 ID:NZ6km1Tk
ば…ばか、あれは大人の世界なんだよきっと
630名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/24(水) 15:36:01 ID:/E4HsQX5
631名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 18:41:14 ID:egKxGtEb
>>630
!?
632名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 18:59:36 ID:V790+Ozb
>>630
何か新鮮でいいわーw
STRIKE ZUBONが書名かな?気になる。
633名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 20:14:57 ID:NZ6km1Tk
リーネと芳佳でリーネがすごい攻められる展開ってあんまり無い気がする
634きみがおとなになるまえに 1/2:2009/06/24(水) 21:57:48 ID:WA+S5qfb
シャーリーとルッキーニで短い話
―――

君が大人になるまえに、伝えておきたい言葉がある。
けどそれを伝えるのがはたして正しいのか、わたしはまだ図りかねているんだ。

陽だまりの眠り姫は今日もすやすや、すやすや。とても穏やかな眠りに就いていて、その和やかな
光景にわたしはつい口許を緩ませてしまうのが常だった。だって気まぐれなお姫さまはきっと、目を
覚ましたらそんなわたしをみて小さくてけれども良く動く口を鋭く尖らせるのだろう。だからこれは、
この子が目を覚ますまで許された魔法の時間。

目を少し離すだけですぐにどこかへと消えてしまうお転婆なアリスを、探すわたしは時計などもって
いないただのさみしがり。これみよがしに穴の中に飛び込んでみても彼女が追ってきてくれるはずも
ないから、しかたなしに自分から会いに行く。かろうじてあくせくすることに思いとどまって、余裕
を貼りつけて基地中を放浪するのだ。そんな彼女との追いかけっこは宝探しにも似ている。だって
ほら、見つけ出したその瞬間から、喜びが胸に満ち溢れるのだから。いつも近くにいる気がするのに、
彼女はさっぱりつかめない。そうしてわたしは心の扉が開かれて、そのたびにいつも新しいことに気づ
かされて、奇妙な気持ちで相対するはめになる。

今日の彼女は陽だまりに丸くなっていたから、わたしも苦もなくその傍らにゆくことができた。危ない
ところに眠っていたらつい声を掛けてしまっていたかも知れないから、これはとても好都合だ。

つい手を伸ばして額をなでる。くすぐったそうに身をよじらせる姿さえいとおしい。こんなに子供で、
無防備なこの子はいつのまにかすっかりとすれてしまったわたしの心にまるで彼女の愛用するブラン
ケットのような柔らかな肌ざわりで肉薄する。ささくれた心はそんな柔らかさにさえ多少の痛みを
もたらすけれど、知らず知らずのうちに包み込まれている感覚は一度味わうと抜け出せない。つまり
は、幸福ってやつで。

まーま。呟くのは母親への呼びかけ。いまここにはいない、けれども彼女の焦がれてやまない、
そんな絶対のひと。はあ、とどうしてかため息をつく。なんでかな、そんなかたちで求められるの
だって、かつては充分に幸福だったはずなのに。なぜだか最近は、心にコトリと小石が落ちたかの
ような感覚に陥るのだった。

んん、という声とともに、褐色の強い肌色の手が額の上にあるわたしの手のところにのびた。ちい
さなちいさな手のひらが、おおきめなわたしのそれを包み込む。見守って"あげて"いるのはわたし
のほうなのに、なぜか安心してしまう。わたしのほうがきっと、よっぽど救われているのだ。

ねえ、ねえ、ねえ、ねえ。
伝えたい気持ちがとうとうと溢れ出てきて止まらない。できることならいますぐに、君が子供でいる
うちに、全てを伝えたくてたまらない。だって君が大人になって、今よりずっと高い視点で世界を
見つめる日がきたら。きっとすぐ近くで小さくなっている寂しがりのうさぎなんて目に入らなく
なってしまうだろう。アリスは大人になってもなお、うさぎを追ったりするだろうか。文学なんて
カケラも興味なかったわたしは、その物語の結末さえ知らない。でもきっと、わたしのアリスは
それをしてくれないと思うんだ。してくれない、なんていうのは彼女に失礼かな。だってわたしは
その子のそんなところだって、愛しく思っているんだから。

ねえ、大人になったって、きっとわたしを見つめていてよ。もしかしてわたしを追い越して、わたし
が見上げるまでになってしまっても、どうかわたしを見つけてよ。しゃかりきになって走っていた
わたしの視界に、不意に表れた気まぐれな眠り姫。きみの存在でどれだけわたしがたくさんの価値
あるものに気づけたか、きっと君は理解さえ出来ない。そんな君の爛漫さにだって、ほら、顔が
緩んでしまうわたしがいる。
635きみがおとなになるまえに 2/2:2009/06/24(水) 21:59:46 ID:WA+S5qfb
恭しく手をとって、まごついた手取りで口許にやる。唇でその手の甲の温かさを感じたら、なんだか
ひどく泣きたくなった。早く大きくなれるといいね。でもどうかすぐには大人にならないで。相反
する気持ちで胸が一杯だ。どうしたらいいのかわからないんだ。早く目を覚ましてそんな悩み全部
吹き飛ばして欲しい。けど穏やかで健やかな眠りを、阻みたくはない。ああ、やっぱりむずかしい。

「ん…しゃありぃ…?」

そんな風に思考ばかりをぐるぐる回していたら、少し掠れた声色で、そんな音が耳に届いた。ぴくり、
と耳を震わせて、慌てて繕いの笑みを浮かべる。

ああ、おはようルッキーニ。起こしちゃった?ごめんよ?

寝ぼけた様子で起き上がって、傍らに座っていたわたしの膝の上に上がり込んで、胸にぼふりと顔を
うずめるルッキーニ。わたしの考えてることなんて何にも知らない、甘えきったその立振る舞いに
ホッとすると同時にいつも惑わされている。
伝えたい、伝えたいと思っていた気持ちが霧散して、慈しみと仮染めの親心ばかりにすりかわった。
やっぱり伝えるのには早すぎるのだと、頭が警鐘を鳴らすから。

「しゃーりー、あかちゃんみたい。」

心持ち、うなだれているていでいたわたしに、ふと降りかかる優しい言葉と陽光が遮られる感覚。
反射的に頭をあげると、わたしよりもちいさな彼女の顔が、見上げるくらいの位置にあった。いつの
まに、とうろたえる暇もなく額に温かくて柔らかい感触。うええ?つい間抜けな声を出してしまった。
そうしている間にほほ、目じり。感触がそこかしこに増えていって余韻を残しては去ってゆく。

「ないてもいいよ。」

耳をくすぐる甘いことば。わたしを甘やかすそのひびき。
あれ?どうして?いつのまにか涙が流れてる。ぺろり、と小さく舌を出して、彼女の唇が私の涙を
優しく拭ってゆくのだ。

「だいすきだよ、しゃーりー。ずっと、ずっと。」

ねえ、大人になってしまっても、きっとわたしを好きでいて。わたし、きみがすきなんだ。

いつも喉まででかかって、言えないでいるその言葉。こんなにもわたしがためらっている言葉なのに、
なんで君はそんなたやすく答えばかりをくれるだろう。君がまだ、こどもだから?

尋ねる代わりにぎゅうとだきしめたら、ころころと笑うかと思われたのに黙りこくられてしまった。
もしかしたらそれが、幼くて大人びた彼女の答えなのかもしれなかった。

636名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 23:47:54 ID:HoQJCpQw
とっても甘〜〜〜い!!
シャッキーニ分大量補給出来ました、GJ!!
637名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 23:49:58 ID:TID5ZL+s
あえて言おう
シャーゲル分が足りないと
638名無しさん@秘密の花園:2009/06/24(水) 23:58:57 ID:d7JPPsjc
>>635
久しぶりにシャッキーニ!ありがとうございます!
639名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:01:45 ID:Ysr7bZW0
詩人だなぁ
まるで絵本を読んでいるような気分になれたよ
GJ!温かいSSだったぜ!
640名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:02:25 ID:rZUMXQan
ちょっとKYだが

昨日、魔女たちの長い午後の正式版出たな
641名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:10:43 ID:I2ynznGM
>>630
あかがさ〜〜〜〜ん!
の入間ビッショップが見たい。
642名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:26:30 ID:FxzCALeb
>>635
うさぎさんの揺れる気持ちが良いですね。ロリベリアンでもいいじゃない!
ルッキとシャーリーの愛情表現も甘くて鼻血でそうです。GJ!
643名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 00:27:09 ID:xu45cIAg
しかし501は眠り姫多すぎだろ
三人だぞ
644名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 01:08:52 ID:XTecqrVV
stgでシャッキーニクリアできなくて切なかったが>>635でそんなのはふっとんだ
645名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 22:23:15 ID:GPj05xBn
>わたし、きみがすきなんだ。
素直で切なく、でもやさしいこんなせりふが大好きです。GJでした

シャッキーニでほんわかしたあとにシャーゲル分も欲しくなってきた欲張りな俺w
646名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 23:58:27 ID:ZB3MfDhH
>>643
まー、寝る子は育つって言うから・・・あれ?
647名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 00:10:58 ID:aduS43fJ
ttp://belgrade.axfc.net/uploader/Img/l/5228199572/Img_50053.jpg

芳佳がかっこよくならないかといじってみた
が、どことなく少年兵っぽくなってしまった

うーむ……

そして誰かイヤホンplz…OTL
648名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 01:01:04 ID:bWspfdF5
>>646
・・・あれ?w
三人はともかくエイラさんはどのぐらい眠り姫なんだろう
649名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 02:54:33 ID:m9Tajqx0
こんばんは。LWqeWTRGです。
いつもの会話ばかりではないものに挑戦……。
9レスです。



エイラが楽しそうに笑ってる。

なぜそれが面白くないのか。
なぜそれが悲しいのか。
よくわからないけど、いやな気分。

ただ芳佳ちゃんと仲良くおしゃべりしてるだけなのに。
ただ、それだけなのに。
エイラがいなくなったような、私から離れていったような、とても悲しい気分になっている。


もうやだ。帰ってきてよ…。
つまんない。寂しいよ。
早くこっちきて笑顔を見せて。誰かとおしゃべりして笑ってる顔じゃなくて私だけに見せてくれる優しい笑顔。
それからぎゅって抱きしめてくれれば言うことはないんだけど、そこまでしなくてもいいから。
にっこり笑って、眠くないか? っていつもみたいに聞くのよ?
そうしたら私は眠いって答えて、エイラの胸で眠るんだから。

ね? だから早くこっちきて…。


でもエイラは私から離れたところでずっとおしゃべりしてる。
腕を使って、指を使ってお話してる。
笑ったり、真面目な顔をしたり、少し困ったような顔をしたり、なぜか顔を赤くしたり、また芳佳ちゃんと一緒に笑ったり…。

650名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 02:55:44 ID:m9Tajqx0
そういえば私はくるくる表情がかわるエイラをあまり見たことがない。
それは私の口数が少なくて、眠ってばかりで、エイラを困らせてばかりだからなのだろうけど、こんな表情が見れる芳佳ちゃんがうらやましかった。

2人とも本当に楽しそう。なんのお話ししてるのかな…。
あ…、エイラが芳佳ちゃんを小突いた。
私にはしたことのないふれあいかた…。

どうして私にはないのかな。
それもやっぱり私がしゃべらないから。眠って、ぼーっとして、エイラを困らせてるから。
自業自得なはずなのに、つつかれた額を押さえながらも楽しそうに笑う芳佳ちゃんがうらやましかった。

そしてその横でエイラも笑っていて。

ずきり、と胸が痛んだ。
もしかしたらエイラは私と一緒にいるよりも芳佳ちゃんと一緒のほうが楽しくて嬉しいのかもしれない。
……いや、もしかしなくてもそうだろう。
普通はこんな暗い子と一緒にいたって楽しいはずなんてない。みんながいるところのほうがいいに決まってる。
今までは私が1人でふらふらと危なっかしかったから優しいエイラがそばにいてくれただけなのだ。
私がエイラを求めていたから。優しさを、愛情を求めていたから、そばにいてくれただけ。

651名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 02:56:55 ID:m9Tajqx0
えいらはわたしのひーろーでしょ。
ひーろーはひろいんのそばにいなきゃいけないんだよ?

いつのまにか私の中で決めていた。エイラがヒーローで私がヒロイン。
事実エイラには何度も助けられて、私が困っているとすぐに飛んできてくれた。
それに、たまに頭をなでてくれた時にはものすごく優しい顔をしてた。
だから全然疑ってなかった。私たちはこのままずっと、いつまでも、どこまでも一緒だって。

でも、そうじゃない。

エイラの本当のヒロインは私じゃなく、芳佳ちゃんなんだ。
私とは正反対な女の子。
料理が得意で明るくってみんなをひきつける魅力を持ってる。
優しくて、かわいくて、それでとても強い女の子。
私なんかが勝てる相手じゃない。

そう、こんな醜い感情を持ってる私なんかが勝てるはずない。
エイラは楽しそうにおしゃべりしてるのにそれに腹をたててるだなんて。


ごめんね。エイラ。
私…、悪い子だよね。
エイラの幸せを素直に喜べないの。自分のことばかり考えてる。

お部屋に…戻るね。
もう、見てられないや……。


652名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 02:58:02 ID:m9Tajqx0
自分の部屋のように使ってきたエイラの部屋。
今日だけだかんな、というお許しの言葉に甘えて毎日エイラのそばで丸くなってた。
枕と、お気に入りのぬいぐるみも持ち込んで、エイラの匂いのする毛布にくるまっていた。
背中越しにエイラの気配を感じてなんだか嬉しくなって、寝ぼけたふりして抱きついたこともあったっけ。
とにかく私はエイラのあったかい身体と心が大好きだった。

だけど。

もう迷惑かけちゃいけない。
もう困らせてはいけない。
自分の部屋に戻らなくちゃ…。

枕とぬいぐるみを掴んで立ち上がると涙で視界が歪んでいて。
しかも自分の部屋に向かうはずの足が動かなくて。
1歩も、動けなくて…。
私はまたエイラのベッドに倒れ込んでしまった。


なんで私はこんななんだろう。
なんで芳佳ちゃんみたいに強くなれないんだろう。
なんでエイラみたいに優しくなれないんだろう。
ただ、おしゃべりしてただけなのに。
本当にそれだけなのに。
エイラが芳佳ちゃんに笑顔を見せる度に苦しくてしょうがなかった。
そして、そんなふうに腹をたてている自分が嫌だった。

653名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 02:59:03 ID:m9Tajqx0
涙が溢れて止まらない。
エイラに会いたくて、触れたくて、感じたくて。
でもこんな私はエイラのそばにいれない。いちゃいけない。
エイラの負担になるから。重しになるから。
また1人で眠って1人で空を飛んで1人で過ごすだけ。ここに来た時に戻るだけ…。


……そんなの、イヤだ…。

戻りたくない…。
エイラのぬくもりから離れたくない。
いくら迷惑だとしても、いくらお荷物になっていたとしても、私はエイラが大好きだから……。
エイラの隣にいたい。エイラのそばにいたい。
エイラと一緒に過ごしたい。エイラと一緒に空を飛びたい。
このはちきれそうな想いをむりやり抑えつけて離れて生きていくことなんてできない。
できるわけがない……。


半ば無意識にぬいぐるみを抱き寄せた。
エイラの姿をしたぬいぐるみ。
そのかわいらしい体を抱きしめ頭にキスをする。
本当のエイラを思い浮かべて…。


「えい…らぁ……」

かすれた声で名前を呼ぶ。
届かない想いと知っていても。
今、エイラは芳佳ちゃんと一緒にいる。
私がいなくなったことにも気がついていないだろうけど、呼ばずにはいられなかった。

654名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:00:00 ID:m9Tajqx0
「えいら…。えいらぁっ……!」

あなたが好きです。大好きなんです。
あなたのそばにずっといさせてください。
あなたと一緒にどこまでも飛ばせてください。

私を、あなたのヒロインにさせてください……。




「サーニャっ!!」

突然、ドアが開いた。
驚く隙も与えずその人は私に声をかける。

「サーニャ! 大丈夫!? 具合でも悪いの!?」

とても慌てた様子のその人はまさしく私のヒーローで。
おでこに手を当てたり脈を計ったりせわしなく動いて、私の目から流れていた涙に気がついて動きを止めた。

「っ…、サーニャ…?」

当たり前だ。誰だって泣いているのをみたら戸惑うはず。
しかも、それが自分の名前を呼びながら泣いていたら余計に。

「サーニャ…? えっと…、ごめんな?」

なんであなたが謝るの?
勝手気ままに迷惑ばかりかけて、困らせていたのは私のほうなのに。

なんであなたが泣きそうな顔をしているの?
わがままな想いを抑えきれずに泣いていたのは私なのに。

わからない。

でも、この人が私をすごく心配してここまで来てくれたのだというのはわかった。
まるでヒロインのピンチに駆けつけるヒーローのように。

655名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:01:01 ID:m9Tajqx0
「ぐす…、えいらぁ……」
「ごめん、ごめんな、サーニャ……」

謝りながら、抱きしめてくれた。

もう我慢ができなかった。
溢れる涙と一緒にこの想いをぶつけていく。

ぶつけていきながらなんて言われるかがとても怖くて、怖くて…。
それでも、抱きしめてくれるこの人から勇気をもらい、背中を叩く手から力をもらい、全部ぶつけることができた。


しかし、エイラは抱きしめる力を一瞬強め、私から離れていった。


わかっていたことだ。
エイラの大事な人は私ではない。
だけどやっぱり離れていく姿は見ていられなかった。
悲しくて悔しくて。
寂しくて恐ろしくて。

また、涙が溢れた。


「ばかだなぁ」

そう、私は馬鹿だ。
散々迷惑かけて、わがままを言っておきながら、あなたが好きだから離れていかないで、だなんて。

「なんでまた泣くんだよー」

そう言って、涙を拭ってくれる。
その行為がまた悲しかった。


「私さ。サーニャが大好きなんだ」

え――?

びくり、と体が震えた。
たった今自分がぶつけた言葉が、この人の声で聞こえた。
大事な想いを伝える言葉が。大事な、大事な人から。

656名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:02:03 ID:m9Tajqx0
うそ。
だってあなたは――

「うそなんかじゃない。サーニャが好きなんだ」
「だって、だってあなたは芳佳ちゃんのことが……」
「宮藤ぃ? んなわけないって。私の一番はサーニャだもん」
「ほん、とうに…?」
「ああ、大好き」

いつも見せてくれていたとても優しい笑顔。
少し恥ずかしそうにはにかんで、だけどもしっかりと私に笑顔を見せて。

「へへ…。だからさ、サーニャこそ私から離れていっちゃ、だめだぞ?」

ずっと、いっしょだ。

エイラが、そう言ってくれた。

「でも、わたし…、えいらに…迷惑ばかり……」
「しつこいー」

ぴん、と額を人差し指ではじかれて。

「一緒にいたいってサーニャも言っただろー?」

ぴし、ぴしとつつかれる。
優しくだったけど、やられた額の痛みがなんだか嬉しかった。

「迷惑かけたっていいじゃんか。私だって、サーニャにいっぱい迷惑かけてんだ」
「ううん…、えいらは――」
「かけてんだよ。だから、気にすんなって」

な。

そう微笑んだ顔に嘘なんてなかった。

657名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:03:04 ID:m9Tajqx0
やっぱり、この人はヒーローだ。
こんなに私のことを救ってくれる。
救いだして、優しく抱きしめてくれる。

「おいで、サーニャ」

暖かく、包み込んでくれる……。



―――――――

「ん。起きた?」

おはよ。サーニャ。

耳元でエイラの声がする。
顔を向けるとびっくりするぐらい近くにエイラがいた。
どうやら眠ってしまった私に腕まくらをしてくれていたらしい。
それにおなかの上では指をからめて手をつないでいて、今までにないくらいそばにエイラがいてくれた。

嬉しさやら恥ずかしさやらで動けないでいると、唇に柔らかいものが触れて。

「にひひ…。おはようのちゅー」

顔が燃えたかと思った。

顔だけじゃない。熱いものが溢れて私の中を埋め尽くしていった。

ほんの少し触れただけなのにそれくらいの破壊力を秘めたエイラのキスと笑顔は当の本人にも跳ね返り。
2人とも顔を真っ赤にしながらつないだ手に力をこめて。

もう一度、今度はしっかり唇を重ねた。


END

658名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:04:20 ID:m9Tajqx0
以上です。
エイラーニャ大好きであります。

嫉妬さーにゃんを目指したらこうなってしまいました。ちとマイナス思考が強すぎたかなーと…。
でもエイラさんにはかっこよくいてほしい。ヘタレてしまったとしても、やっぱりサーニャさんのヒーローですから。

タイトルは「ヒロイン」です。

長々すみません。
それでは失礼します。
659名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 03:21:46 ID:QQ2WgonB
>>658
GJ
エイラはいつでもサーニャのヒーロー

エイラーニャ大好きであります。
660名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 05:55:58 ID:o3v0YuvK
>>658
GJ!
やっぱりエイラーニャはいいものだ〜
661名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 09:59:14 ID:TjqjMNOL
apsV9PCZです。こんにちは。
Love Love Nightmareの続きが出来たので投下します。
作中のビューリングではありませんが眠気に任せて突如寝落ちしたら不思議なことに翌朝原稿が殆ど出来ていました。
以降5レスです。
662名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 09:59:51 ID:TjqjMNOL
 煙草が全て無くなった。基地に備蓄されていたコーヒー豆も、全て使ってしまった。
 いや、煙草に関しては語弊がある。全て、所持していた。二カートン分くらいはあるだろうか。ポケットのどれもが膨れあがっていて、重い。
「こんなに要らなかったか……」
 整備士達の分も拝借したものであるから、実は結構"黒い"煙草だった。
 そして、右手側には巨大な魔法瓶が三本立ち並んでいる。1ガロンはあるはずだ。キャサリンなら1.2ガロンねー! と反論されそうではある。悪いがお国柄なんだ。
「ふ、ふふふ……」
 断続的で不敵な笑声が皆が寝静まった部屋に流れた。蝋燭で淡く照らされた私の顔はさぞ怪しく、不気味だろう。凶悪でもあるか。
 ランプでは他に迷惑がかかる。図太い蝋燭を選んだのは正解だと思った。火を見ていても飽きることはないだろうし、一石二鳥か。
 どうしても眠く、私が負けそうになったなら、その熱く滾るマグマのような刺激を自ら享受すれば良いだけだ。
 マゾい。ひどくマゾい戦いじゃないか、ふふははは……!!
 木製の、司令部に設置されているような一人用の仕事机の前、背凭れの高い同じく木製の椅子に、私はかけていた。
 ――三時間ほど前から。
 馬鹿らしいと思われるだろうが、これはもはや戦争だ。人間の三大欲求である睡眠欲。最強と思われるネウロイに、私は単機決戦を挑んでいるのだ。
「獏も、眠らなければ餌を食べられないだろう……はは」
 ここ数日の寝不足もあり、深夜に至ってもはや私は理性を保てていない。独り言の度に奇人のような笑い声が口から出て、気が触れたように頭を振り回す。髪が乱れるのも気にせずにカップからコーヒーを胃に流し込み続ける。
 ブラックの明らかな飲み過ぎで胃が荒れ、吐き気がひどい。だが、耐えるのみだ。こんなもの、現実の戦場に比べれば負傷でも撃墜でもないのだから。
 首まである背凭れの固い木の角に、後頭部を打ち付けた。
 衝撃で自身共々転倒しそうになってしまったが、持ち直した。
 微かに焦ったおかげでネウロイの襲撃を一時的に抑え込んだようだった。
「ひひ……ざまあみろ、狼と言われた私が、負けるわけ…………」
 ゴン。
「ぃ」
 机に額が激突していた。なにこれねむい。ダメだ。強すぎる。なんだこいつ。
 ならば、最終手段しかあるまい?
 幻覚のように私を応援してくれている観客に向かって手を振り、目線を机上に立つソレに向けた。
 燭台に固定され、煌々と熱エネルギーを発し続けている、立派な……。
「あぁ……イけそうだ…………」
 頂上のカルデラ湖には、今にも流れ出しそうなほど逼迫している蝋がある。手の震えで数滴が流れ落ちたが、まだ寒気の厳しいスオムスでは持つ手に到達する前に固まってしまった。
「……私に、その熱いのを……一杯注いでくれ…………ふふ」
 左手を机に、蝋燭をその上で傾けていく。
 新鮮な卵の黄身が裂け中身が広がるように蝋が溢れ、私の前腕に掛かった。
 ほんの一瞬、肉の焼けるような音がしたかと思うと、痛覚が過敏に反応し、悲鳴にも似た声が口をついて出てきた。
「んっはぁっ!!」
 白い蝋燭だ。高温の蝋は刺激が予想より強かった。
 瞬時に固まった蝋だが、それが張り付いた部分からは未だに刺激が送られているようだ。しばらくその熱さに身を震わせて、天井を仰いで、耐えた。目尻には涙が溜っていた。
「っく、は……はあ…………」
 軽い火傷を負ったような疼痛があったが、爪で蝋を剥ぎ取って、小さな暖炉に焼べ入れた。
663名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 10:00:12 ID:TjqjMNOL
「……も一回…………」
 自分にもどういう心境でそう思ったのか分からない。ネウロイは抑え込んだのにも関わらず、まるで極上の食事を目の前にした時に伸びるフォークのように、右手が傾いでいった。
 今度は、一カ所ではなく、手首から肘にかけて連続して垂らした。
「んん―――――! かはっ!!」
 心なしか、頬が熱い。おかしいな、さっきまで寒かったのに……。両足もあまり寒くないからもう擦り合せる必要も、無いのだが……、何かむずむずして結局もじもじとしてしまう。
「熱い……。すごいよ…………」
 恍惚とした目線を火に焼べた。その火が何だか魅力的に揺れたので、私はまた逆らえない何かに突き動かされ、頭を左手で可能な限り引き寄せ、右側の首筋を顕わにした。
 髪につかないように払う。視線の外のことだ、服にも気を付けなければ。
「くぅううううん!!」
 腕に垂らしたことで蝋は少なくなっていたため、残る有りっ丈を首に流した。
 体中が打ち震え、あまりの"快感"に蝋燭を取り落としそうになった。
「はあ……はあ、はぁ……」
 湖が涸れてしまったことにひどく落ち込んだ私は直ちに左手に張り付いた蝋を落して、溶けるのを待った。
 途中で首筋の蝋も投入したので、初期値と謙遜無い量へと戻った。
 さあ、第二ラウンドを始めよう。そう思って右手を動かしたのと同時。
 ぱし、と何者かに蝋燭を取り上げられた。
「なっ」
 振り向こうとした私の頭を強引に押し返し、その誰かは私の首筋に溜っていた全てを流した。
「―――――ッ!!」
 もう声にならなかった。電流でも受けたかのように飛び上がり、椅子から転落し、床に臥すことしかできない。
「ぁ……ぐ――ぅ」
 痙攣する体を早く持ち直そうと暴れるのだが、どうも力が入らない。真っ白の思考の隅の方に微かに割り込んだある事実。両足の間、まるで粗相をしてしまったかのように、濡れそぼっている、触感。
 力が全く入らなかった。正真正銘初めてのいい知れない感覚を、正体不明の誰かに与えられた事実が、恐怖を煽った。
 蝋燭の火は消されたらしく、暗闇では私にこんなことをした人物を判別出来なかった。
 何とか仰向けになった途端、それを見計らったかのごとく人物は私の上にのしかかってきた。
「く、くるな……!」
 無言で、振り回す両手を制された。マウントポジションではないが、腹部に相手の重量を感じる。
 そこで私は何故か、出てきた名前を口に出してしまった。
「と……ともこっ……!?」
「違うわ。貴方に言わせれば、パスタよ」
 え……?
 パスタ……。ジュゼッピーナ准尉……どうして。
 相手の正体が知れて、体の力が良い意味で抜けた頃、ジュゼッピーナはマッチで再び蝋燭に火をともし、机の燭台に戻した。橙色の明かりに照らされて、彼女の褐色の肌、顔が確認出来た。
「少し強引だったけど、話がしたいのよ」
「はなし……?」
 惚けたように見えたのか、ジュゼッピーナは短く溜息を吐き出した後に言い放った。
「私が、貴方を助けてあげる」
「ウルスラみたいなことを言うんだな……」
「ええ。きっと彼女も私と同じ気持ちで同じ事を言ったんだと思うわよ?」
「……」
 ぴしゃりと言われ、言葉を失った。
「私が今から、貴方のしている勘違いを全て正してあげるわ」
664名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 10:00:33 ID:TjqjMNOL
「け、結構だ……!」
「本当に?」
「それは……」
「……ここに来る前は、孤独な狼だったと聞いてるわ。そんなんじゃ、恋なんて浮ついたことも一切考えていなかったでしょう?
 もしかして、恋なんて軟弱な、とか考えてる? だとしたら馬鹿よあなた」
「……」
 当たっていた。揶揄されてお前は扶桑のナデシコみたいだな、と言われることもあった。当時は聞き流したが、今になって、思い出した。
「潔癖症にも程があるわ。それに、かつて自分の顔をまじまじと見たことがある? 自身の体の機微を察知出来るほど、そういう観察眼を鍛えてはいないでしょう?
 最近の貴方、周りから見ればひどい病気なんじゃないかと思うほどやつれてるのよ。気付いてた?」
 ポケットのハンドミラーを思い起こした。確かに……クマが濃くなっているとは思っていたが。そんなに、ひどいことになっているのか? 私には分からなかった。
「なんでそんなことまで言われなきゃならないんだ……!」
「じゃあ逆に聞くけれど、さっき咄嗟に智子中尉の名前が出たわよね。どう説明するの? ……気付いちゃったのよね、智子中尉の魅力に」
「そんなことは……!」
 言い返せない自分に、愧赧(きたん)した。
 果たして、理由はそれだけだろうか。
「何度も言うけど、貴方が気付いていないだけ。社交性に問題がある貴方には到底分からなかったでしょうけど。
 ……例えばキャサリン。急に貴方に対して積極的なコミュニケーションを取るようになった理由は、貴方に元気が無いと見抜いていたからよ」
 彼女らしいわね、とジュゼッピーナは私の上から声を続けた。
「例えばウルスラ。彼女はあらん限り、自分が読破してきた本の知識で、貴方を楽にしてあげようとしてたじゃない。彼女、そういう偏見とか無いからね。……まあ、少し強引だったかも知れないけれど」
 何も、言い返せない。口は開くのだが、声が、出なかった。
 ジュゼッピーナの言い分は全く正しい。私は違う解釈ばかりしていた。誰も彼も変態なのだと決めつけて強引に断ってきた。その意志とは裏腹に夜には夢で乱された。
「逆に、私からすれば解決法が見えたから、彼女には感謝したいわね」
 独白のような声の意味を咄嗟に理解しかねて、首を傾げてしまう。その無言の内にジュゼッピーナは追い打ちをかけるように言葉を紡いだ。
「そして、エルマ中尉。彼女、雪女に相談するほどあなたのことを考えて、心配していたのよ。貴方はこれっぽっちも知らないでしょうけど」
「……」
 痛みでなく、感情による涙が、瞳に溜るのが分かった。歯を強く噛んで、悔やむ。
 どうして気付かなかったのか。皆には、感謝をしてもし足りないではないか……。
「分かった? 貴方が、皆に心配をかけていたこと。そしてその原因は、まさしく、人を好きになるという感情。だけどあなたは、その感情にまだ気付いていない。抑えきれていない。素直になれていない」
 ジュゼッピーナは遠慮せずに、私を諭すかのように、説教を続けた。
「女として、女を好きになるのは悪い事じゃないわ。それを、あなたに教えてあげるわ。……智子中尉以外は手を出さないつもりだったけれど、今夜だけは特別よ」
「え……?」
「一肌脱いであげるってことよ。ウルスラから聞いた話だと、貴方は智子中尉と同じく、ひどく流されやすいマゾっ子みたいだから、私に、全て任せてみなさいな」
 服の留め具が手際よく外されて、いきなり肌が寒気に触れた。
「寒い? 少し経てば熱くて仕方が無くなるわよ」
「……?」
「さっき私が蝋を垂らしたとき、頭の中は真っ白で、全身が痙攣しつつも力が入らなかった?」
 こくこく、と涙目で大人しく頷くと、彼女は顔を近づけて、耳元で囁いた。
「それが絶頂、っていうのよ。今の貴方を満足させるには、何回"撃墜"すればいいのかしら」
「あれが……ぜっ…………」
 言えなかった。赤面して、どうしようもない羞恥の心が言葉を止めた。
 ジュゼッピーナは舐めた指を衒わせて、私に見せつけた。
「まあ……こうする必要は無いかも知れないけれどね」
 下腹部をまさぐる手で何かを感じたのか、彼女は笑った。
 ズボンが下げられて、濡れそぼった肌はひどく冷気に晒される。……かと思いきや。
「ぇ、……寒くない……?」
「でしょうね。イったばかりだとしばらくこっちの熱は冷めないわよ」
 言い終わると、くちゅ、とした感触があり、それと同時に、私の体は仰け反って、口からは情けない悲鳴が漏れたのだった。
「欲求不満もココまで来ると、最高の媚薬ね」
 長い夜が始まる、と直感した。
 
 ――
665名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 10:00:55 ID:TjqjMNOL
 翌朝私は、ジュゼッピーナにマフラーを引っ張られながら、廊下を強引に連れて行かれていた。
 昨夜のジュゼッピーナが垂らした蝋燭で火傷が判明したため、これを巻きなさいと言われ巻いていたものだが、こんな、リードみたいな使い方をしなくても――!
 色は薄いピンクで、私には合わないし!
「心配しなくても良いわよ似合ってるから。ほら、早くしないと朝食に皆が起きてくるわよ」
「な、何……どこに連れて行く気だ!」
「作戦会議よ。事情は把握したから」
 昨夜の光景が蘇る。何度も何度も。繰り返した。……私は、彼女のおかげで一皮剥けたわけだった。
 そんな中彼女が最後に私にした質問。
『誰のことが好きなの?』
 一瞬だけジュゼッピーナ、と答えそうになった私が怖い。良いように調教されてしまっていたようだが、何とか私ははにかみながら智子、と答えたのだった。
 というか、今の状況を誰かが見れば、完全な主従関係が出来ているように思うだろう。私はもはや犬なのかもしれなかった。
「実際、私とハルカはまだどっちも智子中尉の気持ちはゲット出来てないのよ。分かるわよね?」
 頷く。
「だから、もし仮にあなたが智子中尉に告白してOKされたら私達はもう手を出せない。これも分かるわよね?」
「うん」と頷く。
 頭を撫でられて、そこはかとなく良い気分になってしまった。
「わ、私は犬じゃないぞ……」
「そう?」
「……」
 何故だ、何故言い返せない……!
 くぅ……。屈辱にも程があった。
 心とは裏腹にそっぽを向くだけで手を払い除けることもしない私。
「ま、失敗しても成功しても私が智子中尉を好きなのは変わらないから、精々奪われないように頑張ってね」
「成功するかどうかは……私次第というわけだろ?」
「そうね」
 突如不安に駆られた私に、声が掛けられる。
「私はともかく、扶桑海軍のあの子は絶対に諦めないでしょうね。ふふふ」
 ああ、ハルカは強敵であり宿敵となるのか……。先が暗い。
 とりあえず、と続けるジュゼッピーナ。
「貴方が一度告白するまではハルカを食い止めておくわ。それも早い内にしないと、私がストライキするかも」
「分かった……」
 驚くことに、昨晩は淫夢を見なかった。
 代わりに見た夢は、智子と一緒に空を飛ぶ夢だ。手を繋いで、二人で踊るように空を駆け、協力した攻撃でネウロイを撃破。とても甘く心地よい夢だった。
「それにしても……、七回、だったかしら?」
「え?」
 突然の話題転換について行けずに反射的に聞き返してしまった。
「昨夜」
「へ!? し、知るか! そんなこと!!」
「八回? それとも私が数え切れなかっただけでもっともっと高みに登ってた? んん?」
 顎先を指で撫でられて、不覚にも背筋が震え、反射的に目が閉じて、ピンと直立し固まってしまった。
「? ……おすわり」
「はい」
 咄嗟に片膝ついて姿勢を低く取る。中々の反応速度だっただろう? と自信に満ちた視線をジュゼッピーナに見上げる形で送って、気付いた。
「ぅああ……なんてことだ…………」
 激しい自己嫌悪だった。幾ら何でも今のは無い。先程の姿勢から流れるように両膝を床に。両手で顔を覆って泣きたくなった。
「流石に私から見てもテンション高いわね……」
「うぅ……」
「ま、元気が出たようで、私も嬉しいけど。もう、大丈夫よね?」
「ん、ああ。……その、ありがとう」
 短くお礼を告げると、ジュゼッピーナはそっぽを向いて照れ臭そうに、いいのよ、とだけ言った。
「ちなみに……、昨晩は……十…………二回……だ」
「え、そんなに?」
「ああ……数えられたのは、それだけ……。もしかしたら……もっと、かも」
 ああいう行為は疲れるものだと思っていたが、不思議なことに今の私は活力に満ちているようだ。本当に、ごっそりと憑き物が落ちたらしい。
666名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 10:03:33 ID:TjqjMNOL

「この恩は、返せるかどうか、分からない」
「いいわよ別に。仲良く出来ればそれで結構だわ」
「本当に……?」
 心配になって、少し下から訊ねた。
「え、ええ」
 何故か動揺しているらしく頬が赤いジュゼッピーナは、目尻を吊り上げて、乱暴に言い放った。
「とにかく! 今日中には智子中尉に告白してみて。でないとストライキするから!」
「分かった」
 廊下の向こうが騒がしくなったのを聞き取ったので、短く答えた。
「ハルカのことは気にしなくて良いから、智子中尉を呼び出すなり自由にね」
「ああ」
「それじゃ、In bocca al lupo!」
「……ロマーニャ語は分からん…………」
「頑張って、ってことよ」
 肩を叩かれ、私は歩き出した。
 ネウロイに洗脳され、一時期は敵だったジュゼッピーナ。だが本来の彼女は、陽気でロマーニャ人らしい性格で、隊の全員をしっかりと観察していた。
 私に関しては沈黙を守りつつ、私のせいで隊全体の雰囲気が落ち込んでしまって崩壊するその直前に、彼女は動いたというわけだ。
 私とは反対方向に廊下を去った彼女を確認して、私は呟いた。
「やはり、この隊じゃないとダメだな」
 昨夜、子守歌のように聞かされた、雑学。
 ウィッチ達の関係の結束が、文字通り強い部隊は、この大戦時代の中、多くの戦果を上げつつ、戦死者があまり出ないのだという。
 "愛する者"が外部にいるか内部にいるかの違いだけなのだが、そこには大きな差異があるのだという。
 "愛する者を守ろうとするからこそ強いのだ"、と。
 お互いがお互いをカバーし、二人が二人を想い合って戦うからこそ、最高の連携と最大の防衛、攻撃が可能なのだということ。
 そういう意味では、アホネンの部隊もかなり強いということになる。
 なら、自分達もそういう部隊に、なれるのだろうか……。
 少なくとも、私はこの後どうなろうと、智子だけは護る。それはジュゼッピーナも、あのハルカも同じだろう。
 いや、初めて私を認めてくれた部隊全員のため、戦い抜いてみせる。絶対に、失うわけにはいかない仲間だから。
 
 ――

最初は隠しましたがジュゼッピーナ編です。解決編とも。
彼女の口調に関してはご容赦ください。自分自身でキャラが掴めていないキャラだったので……。

わんこ化したビューリングはもはや別人じゃねーかと気分を害してしまったらごめんなさい。
次回が最後となります。出来るだけ早い内に。それでは
 
667名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 20:39:30 ID:1Q0+KuH6
ナイトメアの中でジュゼ編に一番ときめいた!
最後楽しみにしてます
668名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 09:59:02 ID:pT4D3MmB
>>658
GJ!!これはいいエイラ攻め!「おいで」ですってこのヤロー!!もっとやれ

>>666
ろ、蝋燭……ゴクリ
いやGJ!!ジュゼ様カッコイイっすね。それに引き換えビューリングときたら……完結編待ってます。
669名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 15:34:57 ID:UoAuFtS1
>>666
きたあああああ!待ってた!GJ!!
ビューリングさんどんどん堕ちていきますね最高ですw
ジュゼがいい女すぎる…!続きも待ってます
670名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:09:14 ID:DyAepzZY
アメリーヌのSSまだー?
671名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:29:29 ID:5dtUBW9/
夜になると、家族の事を思い出して涙を浮かべるアメリー。
そんなアメリーに呆れながらも不器用に慰めるペリーヌ。

ところがある夜、逆に自分の家族の事を思い出して、クスンクスンと泣き出すペリーヌ。
そんなペリーヌをそっと抱きしめて、優しく温かく慰めるアメリー。

そんなネタが読みたいです。
672名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:29:53 ID:kuePbkQr
言いだしっぺの法則を適用します
673名無しさん@秘密の花園:2009/06/28(日) 00:29:10 ID:K2XbMrVu
保管庫ようやく復帰したなw
ナガカッタナー
674zet4j65z:2009/06/28(日) 12:52:36 ID:AORV7Aun
WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING

以下の作品には相変わらず病んでる上に幾つかの変態要素その他上級者向けの成分が含まれています。
耐性の無い方は読み飛ばすことをお勧めします。
保管庫1045 【ブリタニア1944 format by LYNETTE MAY DAY】の続編となります。

WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING

ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/12812
パスは sw となります。
相変わらず変態でごめんなさい。
今回で完結です。
675zet4j65z:2009/06/28(日) 12:54:22 ID:AORV7Aun
で、上は上としてとして普通にうpします

●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 8月18日、遅い昼食と陽光の夕暮れ。

 …………。
 ふぅ、なんか疲れたぞ。
 ま、サーニャも喜んでるからいいかな。
 なし崩しに本日のもうひとりの主役となった宮藤と、あの少佐からのプレゼントなんだもんな。……ビン底メガネは置いておくとして……。
 これ以上は何も言うまい。
 ……いや、まだ確認すべき事があるな。
 宮藤の首に手を回し、再びヒソヒソモードへと入る。

「宮藤、あの扶桑人形、サーニャはまだなのか?」
「サーニャちゃんのは、どうかなぁ、出るかなぁ?」
「なんでだよ、サーニャもオラーシャ英雄だぞ、出て当然だろ」

 わたしが出てサーニャのが出ないなんてありえないだろ。

「えと、それはそうなんだけど、扶桑のウィッチ以外は撃墜数が多い人から企画が進んでるみたいで……あ、ちなみにカールスラント組は世界のエースシリーズとはまた別枠らしいですよ」
「そんなのはどうでもいいんだよ。まずはサーニャの……」
「はいはいそこじゃれあってないで、食事の準備しますよ」

 エキサイトしかけた所に割ってはいるビン底メガネ。むぅ、仕方ない、それは後で問い詰めるとするか。
 確かに腹は減ったしな。

「ウジュ、すっかり冷めちゃったから、軽くあっためなおすね」

 ルッキーニがパスタのソースの入った鍋を火にかけ、ニパやエル姉が食器を並べたりテーブルを揃えなおしたりしていく。
 そこにビン底メガネが何か風呂敷包みを取り出した。
 なんかさっきの宮藤のと似てるけどこちらの方が少し小さめで、それでいて重そうだった。
 見れば宮藤も何か用意しているっぽい。色んなもの持ってきてるんだな……そっか、それだけサーニャの誕生日を祝ってるって事だよな、関心関心。
 そしてわたしの気持ちを代弁するかのようにエル姉がビン底メガネに尋ねた。

「あれ? ハルカさん、それは何ですか?」
「そういえば、わたしと準備してたときは無かったですよね。そんなお重いつの間に?」

 宮藤も疑問を口にする。ビン底メガネが秘密で用意したものなんてどうせろくでもないものだろうな。
 何かやらかす前に止めておこうかと思ったけど矢面に立っているのがエル姉と宮藤だから大丈夫だろう。
 あの二人なら何か起こってから止めてもまぁいろんな意味でダメージは少なそうだからな。

「ふふふ、ホラこれ見てください」
「色つきの、ご飯?」
「チキンライスじゃないみたいだけど……」
「入っているのは、豆?」

 みんなお腹がすいているせいかその変わったライスの登場に興味津々になる。

「それって確か、オセキハン?」
「其の通りです! 扶桑では祝い事があるときにお赤飯を炊くんです」

 お赤飯、か。そういえば宮藤か坂本少佐から聞いた事がある気がするな。
 そんなお赤飯の思わぬ登場に宮藤が喜びを押さえきれずに身を乗り出して質問。

「でも迫水さん、いつの間に用意できたんですか?」
「スオムス長かったですから、ヘルシンキの日本料理屋をチェックしてあったんですよ」
「へ〜」
「そのお店に連絡して頼んだら快く作ってもらえました」
「凄いです、迫水さん!」
676zet4j65z:2009/06/28(日) 12:55:13 ID:AORV7Aun

 単なる変態ビン底メガネかと思ってはいたが意外と気が回る奴じゃないか。
 そういえばお菓子作りが得意とかって言うのも聞いた事あったっけかな。

「ありがとうございます、迫水さん」
「お赤飯は諦めてたのに……わたし、感激です」
「迫水にしては気がイイコトをするな」

 残念なボリュームの胸を張って得意そうにする迫水。結果的にサーニャも喜んでるみたいなんでビン底メガネから迫水に昇格だ。
 そんなわけで食卓にはスオムス、ロマーニャ、扶桑の料理が並んで思った以上に賑やかになった。
 で、食べ始めたわけだが……。

「甘っ! ななななにこれっ!」
「どうしたんですか迫水さん……って、甘い!」

 何だか扶桑組が叫びを上げる。なんだ、例のお赤飯か?
 スプーンで赤いライスを口に運ぶと、確かに甘い。
 不思議な感じではあるけど、なかなか悪くはないよな。でもどうして二人は甘くて驚いてるんだ?

「へー、変わってるね。甘いライスなんだ」
「甘くて美味しいじゃないか。何で二人とも驚いてるんだ?」

 ルッキーニは気に入った様子で、私は二人の態度に対する疑問を口にする。

「甘いはずないんですっ! お赤飯って言うのは小豆の風味で……」
「あ、これって、小豆じゃなくて金時豆の甘納豆ですよ」

 どうやら二人の思うものとは違うらしいと言う事を迫水が主張し始めた所で宮藤が何かに気付いたみたいだ。
 っていうか甘納豆……ってぇ! これってあの納豆か!? ……にしちゃあこれ、粘っこくもないよな。

「何よっ! あの料理屋のおっちゃん! ヨリによってなんてもの間違えてるのよっ!」
「あ、でも聞いた事ありますよ。北海道の方とかだとそういう風習の所もあるみたいです」
「オイ宮藤、これってあの納豆なのか? 随分と雰囲気違うと思うんだけどさ」
「えと、これは納豆じゃなくて甘納豆です。同じ納豆と呼ばれてはいますけれど別物ですよ。材料も作り方も全然違います」
「そっかぁ、安心したぞ。ま、全然見た目も味が違うしな。でもちょっと驚いたな」
「うーん、何でみんなそんなに納豆を嫌うんですかねぇ」

 小声で呟く宮藤。まぁその変は文化の差だから諦めろ、悩むな。
 わたしだってロマーニャ人がサンドウィッチを認めないことに頭を悩ませたんだからな。

「まー細かい事は別にいーじゃん。甘くて美味しいよ」
「うん、私、こういうの好き」
「ま、おおむね好評なんだからさ、お前たちが思ってたのと違うからってカリカリすんなよ」

 他の連中はともかくサーニャがいいといってるならばもうわたしに言う事はないさ。

「うーん、ま、皆が喜んでくれてるんだったらいいけど……」
「今度機会があったらうちのおばあちゃん仕込のお赤飯をご馳走したいです」
「おう、その時は宜しくな」
「楽しみにしてるね、芳佳ちゃん」
677zet4j65z:2009/06/28(日) 12:55:47 ID:AORV7Aun
 そんな感じでちょっとばたばたしながらも誕生会は続く。
 意外だったのはルッキーニの料理がかなりうまかったことだ。
 でも考えてみると食にこだわるロマーニャ人な上に母親も料理上手らしいんだよな。
 さらには何かとスパムで満足するシャーリーを自分の手で強制してやる!っていう決意もあったみたい。
 そりゃあ上手くもなるわな。
 久しぶりに会ったり初対面だったりする人間ばかりだから、ただお互いの話しをするだけだってあっという間に時間は過ぎていく。
 途中ルッキーニが勝手に探し当てたワインをあけ、何人かがジュースとだまされて飲んでからと言うもの上がり続けるテンションはとどまる事を知らない。
 一例を挙げると、酔ったハイディが抱き癖発動して宮藤が至福のひとときを過ごし、次にサーニャが抱かれて今度はわたしの番だ!
 って思ったらニパとエル姉が前後から抱きついてきてハイディは別のターゲット……具体的にいうとビン底メガネに抱きついた。
 この一件にて再びわたしの中での脳内呼称が「迫水」から「ビン底メガネ」に再び格下げになったのはいうまでも無いぞ。

「ふぁ〜あ」

 唐突に欠伸が漏れた。
 場のテンションの高さに誤魔化されてたけど、そういえば夜更かしした上に仕込みの為に朝は比較的早起きだったから、眠いなぁ。
 そう思って周りを見たらルッキーニがハイディの胸に抱かれて寝息を立てていた。
 等のハイディはちょっと困った顔をしながらもルッキーニを受け入れて優しく頭を撫でている。
 それを羨ましく思いつつも、まぁルッキーニじゃ仕方ない、と思ってしまう。
 本人のキャラの事もあるし、第一コイツってば寝るの大好きだっていうのにわたしと一緒に夜更かししてわたしと同じ時間に起きてたんだもんな。
 こっちが今眠いんだから、当たり前といえば当たり前だ。
 ま、後でルッキーニが垂らすであろうヨダレを拭き取るという名目で合法的に触らせて貰うとするかなー。

「エイラ、眠い?」

 周りが思い思いの会話を楽しむ中で、眠気にポーッとしながらそんなことを考えていると唐突に背中から声をかけられた。声の主はサーニャだ。

「サーニャ……ん、わたしはまだまだ元気だぞ」
「無理しないでいいよ。夜遅くて、朝は早かったんでしょ。それに、もうだいぶ遅い時間だし」

 それもそうだ。
 時間的にはもう夕方から夜といっていいんだけれど、白夜に慣れてない連中は今の時間を把握できてないんだろうなぁと漠然と思いつつも敢えて黙っていたりする。だって後で教える方が面白そうじゃないか。
 スオムスの大地での生活の一端をその身を持って味わうがいい。ニヒヒ。
 とか思っていたらサーニャがみんなの方に向けて口を開いた。

「みんな、外はまだ明るいけどそろそろ時間を気にしたほうがいいよ」
「え? なんで?」
「あ、そういえばスオムスのこの時期は白夜だったわね」
「え? 白夜?」

 すぐさまピンと来てる様子のビン底メガネに何だかよくわかっていない様子の宮藤。

「白夜って言うのは……」
「ああっ! 確かにいつの間にかこんな時間ですっ!」

 ビン底メガネの解説を遮るように時計を見ながら叫びを上げる我らがスオムス空軍少佐。
 オイオイ、エル姉。
 それはスオムス生活最年長の言葉じゃないって……。
678zet4j65z:2009/06/28(日) 12:56:21 ID:AORV7Aun
「ではそろそろお開きでしょうかね……楽しい時間が過ぎるのはあっという間ですね。何だか寂しいです」
「あの、解散の前にもうちょっとだけみんなのお時間をいただけますか?」
「あ、はい! それは勿論っ! …………よろこんで……」

 サーニャのそんな提案に脊髄反射的に叫びかけてから胸元の眠り姫のことを思い出して声のトーンを下げるハイディ。
 むぅ、つくづく強力なライバルだと思うんだが、あのおっぱいとは対立したくないよなぁ。

「でもサーニャちゃん、どうしたの?」
「ふふ、これだよ、芳佳ちゃん」

 サーニャは柔らかく微笑むと胸に抱いた紙束を示し、ピアノへとむかった。
 よどみない動作で演奏の準備を始め、静かに着席した。
 みんなの目が、耳がサーニャに惹きつけられてるのが解る。
 かく言うわたしもその例外じゃない。
 眠気のせいでぼうっとした世界の中で、サーニャの存在だけがくっきりと感じ取れてる。

「お父様が……」

 注目されてる事を感じて恥ずかしさが先にたったのか、頬を少しだけ赤らめながらサーニャの唇が言葉を紡ぐ。

「皆さんにお返しをしなさいって、言ってくれたの」

 紙束は楽譜だった。

「お前のことを祝ってくれる方々に、しっかりとお返しを出来るようになりなさい、って」

 楽譜を置いて、開く。

「お父様からのプレゼントはその手助け。それがこの曲」

 瞳を閉じて、一息ついて。

「だから、今日集まってくれた人たちと、関係する人たちと、私の一番大切な人に、この曲を届けます」

 そして、演奏が始まった。
 とても優しいピアノ。
 あの雨の日よりもずっと深い思い。
 今までのサーニャのピアノの中で一番ステキな旋律。

 ……なのに、そんなステキな独奏会だったというのに、わたしは最後までそれを聞く事ができなかった。
 言い訳させてもらえるならば、その曲があまりにも優しすぎて、伝わる音だけでサーニャに包まれてるみたいで、何だかたまらないくらいに幸せな気持ちになっちゃって意識を閉じざるを得なかったというかなんというか……。
 と、いつものわたしならこの件で自己嫌悪に陥っちゃってどうにもならないくらい落ち込んでしまいそうなのに、次の日以降も問題なく普段どおりの生活を営めたのは多分あの夢のお陰なんじゃないかと思う。
 ちなみに夢の内容というのは……端的にに言うとこんな感じだ!

「エイラにはいつでもお返しを届けられるから……だから今日はおやすみなさい……ちゅ」

 ナンテナー。
 そりゃあもう寝るしかないだろー。
 もう思い出すだけでにやけが止まんなくなっちゃうよな。
 でも、夢なんだよなぁ。
 いつか現実にそんなことになったら……ムリダナ。
 
 
以上となります。
長かった8月18日もこれにて終了です。
ぶっちゃけラストのは夢じゃねぇですがそこはそれ我等が最強のヘタレなんでありえないと思ったことは夢へと変換してます。
もうちょっとワイワイガヤガヤシーンとかは引っ張るつもりだったんですが、ちょっと時間かけすぎた上にエイラ一人の視点から書ききるのむつかしそうだったんで割愛。
サイドストーリー的に補完はしたいところだけどいつになるやら……。
679名無しさん@秘密の花園:2009/06/28(日) 22:59:34 ID:fBDUOzp4
>>678
お誕生日編完結GJ! 前からも思っていましたがハルカが新鮮でいい感じw
サーニャのピアノは静かで幸せなシーンですね。こういうの好きだ。
あとは夢だったと思ってることがばれてサーニャが拗ねるのが見たいです先生!
680名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 01:24:09 ID:DnhuvsXO
>>678
wwwwwwwwwww
681名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 18:11:26 ID:KNpdF8jI
しかしストパンに萌えまくっていたら就職活動真っ盛りのこの時期に
レポートを最終期限までに出し切れなかったという悲劇ががががが

赤点確定なんだがどう思う?
682名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 18:31:42 ID:5ZvT7W2R
スレ違いだから
683名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 18:49:02 ID:dOoqy5Ly
>>681

赤点かどうかは知らんががんがれ!
684名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 19:45:10 ID:Szvwu1GJ
>>681
人生オワタね。プギャー
685名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 20:07:47 ID:KNpdF8jI
これがエーリ化って奴か……(怠け癖的な意味で
686名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 20:08:41 ID:oxE2TK5J
チラ裏でやれよ
687名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 20:43:31 ID:IUd9yk12
そんなことよりクロウカシスの続きはまだか!
688名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 21:00:03 ID:QdcDt5mi
>>695
ゲルトお姉ちゃんに相談だ! 助けてくれんかもしれないが。
そうでなくても教授がシャーリーの様な人だったら、
だめだぞといいながらしっかり助けてくれそうな気がしなくもないのでやばいなら頼んで見た方がいい。
689名無しさん@秘密の花園:2009/06/29(月) 23:12:24 ID:wZ9YjO3M
牛乳に相談だ!
690名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 11:19:34 ID:WwkBbL0x
apsV9PCZです。リアル智子編とも、完結編とも。
ビューリングさんお疲れ様でした。
――
 
 ――私は女好きだった。
 
 変わることのない事実に気付いたのは最近だ。
 恋、もしくは愛という感情で鼓動が高まる。
 何が切っ掛けかは分からない。でも、初めて淫夢を見た時の相手は智子だった。
 それ以降の夢は、混乱した私の精神がその日印象に残った会話や体験から作り出した幻想だった。
 ジュゼッピーナに教えられ、全てに気付き、素直になれた。
 隊員達の後援と、激励。それがあったからこそ、今私は、自信を持って言える。
「……好きだ」
 口の渇きがひどい。若干かすれてしまった告白は、ちゃんと届いただろうか。
 艶やかな黒髪の中の潤んだ瞳が私を見つめて、左右に揺れていた。
 私の言ったことが理解出来ないでいるらしい。瞼は何度も開閉を繰り返して、唇も何かを言いたげに震えていた。
 おかしいな。ちゃんと舞台も整えたし、伏線も山ほど張ってここまでこぎ着けたというのに、どうも手応えが無いように思う。
 まず智子を昼食に誘う。話したいことがある、と。スラッセンで用意させた最高級料理にお持て成し。落ち着いた演奏と、緩やかな照明。
 ワインも高いものを予約して、一通り食事が終わったとき、私が言った。
 雰囲気重視の、私が思いつくなりの格好いい智子攻略法のはずだ。それなのに何故智子は不思議そうな表情のまま、ワイングラスを片手に固まってるんだ……?
 ま、まさか……引かれた? え、智子ってハルカにやられまくってもう堕ちてるはずじゃ……?
 そんな馬鹿な……、私が一人で突っ走って、何の前触れもなくレズに目覚めて勢いなんかで告白したと思われた?
 い……いや、食事中にこれまでにあったことは全部話したし、もう体調もすこぶる元気だと教えたはずだ。
 いやだってほら、デザートを食べている最中には若干アルコールも回ってきて頬も赤く見えたし、行けると思っていたのに!
 絶望と共に、一度俯いた視線を智子の顔へ戻した。
「…………」
 まだ固まってる……。も、もうだめだ。これ以上のこの沈黙は私が持たない……誰か、誰か解放してくれ!!
 グラスのワインを一息で飲み干して、両手を膝の上で握って、泣きそうになる自分を抑えた。
 顎とか震えっぱなしだし、歯もかちかち音を立ててうるさい。呻き声のような苦しい声が喉を突き破って出てきそうになる。
 辛うじて、下唇を強く噛んで押さえ込むことで、涙は溢れずに済んだ。
 そのタイミングをまるで見計らったかのように、智子の凛とした、落ち着いた声が耳に入った。
「ビューリング、……私は」
「……ノーマルだ、と言うんだろう……?」
「……」
 ここで、沈黙か。……やはり私の告白は失敗したようだ。かくなる上は、ハルカとジュゼッピーナに弟子入りでもして、夜な夜な智子を襲う組でも入って……あんなことこんなことをしてやろうか。
691名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 11:20:12 ID:WwkBbL0x
「い、今まで、そういうことを言われたのは何度も……あるわ。でもそれは、憧れから来るものであって……」
 ゆっくりと、考えながら口に出している様子の智子。両手が右に左に、くるくる回ったり忙しい。
「ハルカやジュゼッピーナのあれも……その、そういう感情の延長だと思うのよ」
 つまり、私のこれも同じような物だというのか。……私は、戦場で飛び、皆の上に立つ智子に惚れたというのに。
「…………“でも”」
「……?」
「今のあなたの言葉は、今まで受けたどんな愛の告白よりも鋭く、私に届いたわ」
「え……」
「扶桑にね、“言霊”って考え方があるのは知ってる?」
 首を横に振った。残念ながら扶桑についてはよく知らない。……ウィッチは、美人だと思うけど。
「言葉には力があるっていう信仰のことなんだけど。お経とか、呪符とか。そういうの……えっと、ブリタニアなら、神への祈りみたいなものかしら……」
 それならば、なんとなく理解出来た。なので、今度は首を縦に振った。
「分かってくれた? それと同じようにね、扶桑では言葉の重みっていう言い方もあるのよ。その言葉にはどれだけの思いや、考え、裏があるかどうかで、重くなるの」
 格式じみた固い文章よりも、ラブレターのような、自分の言葉で想いの丈を語った物の方が、価値があるのと同じ事よ、と智子は言った。
 なら、ポエムだとか……唄というのも、そういう類なのだろうか。
「……それは、何が言いたいんだ……?」
「ビューリングの“おもい”の言葉は、しっかり届いたわ」
「よ……よかった」
「その、ビューリングから、こんなに物が詰まった言葉が出るとは……思わなくて、固まってしまったわ。……誤解をしてしまったのなら、ごめんなさい」
「いや、いいんだ。……それで、返事は……」
 自分でも、声が小さくなったことに驚いた。本当に、恥じらう乙女のように変わってしまった自分。こんな自分が居るということも、新しい発見だ。
 声のトーンも普段より高いというか、上ずっているというか……。私らしくないと言えば、私らしくない。
「私……自信が無いわ。ビューリングと付き合うとしても、リード出来るとは思えないし、嬉しいと思ってくれることとか、多分出来ないし……」
「そ、それは! ……私もだ。きっと、依存するだろうし、自分勝手で迷惑を掛けるかも知れない。そう考えると、自信は……無い…………」
 自虐にも程があった。しかも智子にしてみれば、今の言葉は半端な気持ちで告白したのでは、と勘繰ってしまえるセリフだった。後悔は、常に遅い。
 ……だが、巻き返しは出来るはずだ。
「け、けど! 私は、智子と一緒に居たい。生きていきたい。ウィッチとして引退も見えてきた身だからこそ、こうやって思うのかも知れない」
 大きく息を吸って、続けた。
「好きだから。そういうことはお互いで考えていけばいいし、自分にやれることなら智子にしてあげたい。……も、もし私に喜んで欲しいなら、頭を撫でてくれるだけでも、いいから……!」
 言った後に、ひどく恥ずかしいことを口走ったことに気付いてしまった。うぅ……と声が絞り出されて顔が熱くなるのを感じた。
 駄目だ、智子の存在が私をおかしくする……。智子に褒められるためならば例え草でも食べるだろう。それくらい。
 ほ、ほら、韮とか齧って『……これうま』って。
「…………」
 見ると、智子は右手で頭を掻いていた。何かに耐えるように、目を瞑って。
「ビューリング、いつの間にそんなに可愛くなったのよ…………」
 なんか、色んな箍が外れそうよ、と智子はそっぽを向いて、頬を膨らませた。
「なに? 使い魔なの? 使い魔がそうさせるの? ん?」
「い、いや……カップルには、攻めと受けが居て、私は……」
 ジュゼッピーナから教え込まれた知識を、指先のもじもじと共に披露した。
「智子と同じくらい受けな体質だから、智子以上に受けになれば、智子でも攻めることが出来るから相性が云々……」
 ジュゼッピーナ様の経験豊富な指使いと恥辱を煽る巧みな言葉で、私は、多分、智子好みの体質を手に入れたはずだ……。だから……。
「えーっとー……? ビュー、リング……?」
「智子は今までやられてきた分の鬱憤もあるだろうし、いざそうやって自分より弱い立場の者が現われたとしたら、喜んで虐め、詰り、叱ってくれるし、躾けてくれるとか……」
「ま、ままま待ってビューリング! 私そんな性格じゃないわ!?」
「ぇ……?」
「ぐはっ! 良心が痛む円らな瞳っ!!」
 その後、場が収まるのにはしばらく時を要した。
 
――
692名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 11:21:09 ID:WwkBbL0x
――
 
「おかえりねー」
「少し遅かったわね。何かあったの?」
 キャサリンとジュゼッピーナだ。基地へと戻った私を迎えてくれたようで、キャサリンの影にひっそりとウルスラも居た。
「いや、特には……」
 お礼を言わなければ。特に、ジュゼッピーナには。そう思うんだが、タイミングが掴めない。
「特には? ……貴方、食事誘っておいて告白しなかったとかいうオチじゃないでしょうね?」
「そういうことじゃなく……。まあ、なんだ……上手く行った」
「Oh! 今夜は祭りね−!」
「あ、あまり騒がしいのは……」
「何処まで行ったのよ? 遅かったんだからそれなりにあったのよね?」
「へ?! いや、本番はまだまだ先の話で……!」
 詰め寄ってくる元気な二人に気圧されてしまい、後ずさるしか出来ない私。
 しどろもどろになっていると、遠くから何やら騒ぎ声と、それをいなしているかのような声が近付いてきた。
「なんでそうなるんですかー!!!」
「なんでって、お互いの気持ちよ」
「あ、ああんな色んな人に噛み付く狼と智子中尉は合いませんんんー!!」
「狼だって、見知らぬ動物の子供を見かけたら育てるくらいするわよ。……まあ、私達の場合狼は私だけど」
「智子中尉を食べる狼はわたしですー!!」
「もう違うわ。さっさと食べ尽くして骨を埋めておかないからこうなるのよ」
「んきぃいぃぃいい!!!」
 あー。そんな会話の所為で沈黙が降りた私達の居る部屋へと、侵入してきた。
 そして約一名、私を見た途端に指を差してがなり立てた。
「こ、こんな人、智子中尉の好みじゃありませんーー!!」
「私の好みを勝手に決めないでくれる?」
「だ、だってえ! パ、パスタ准尉は味方ですよね!?」
「私? 残念だけど、今回ばかりは大人しく譲るわよ。正当な恋愛の結果でしょう?」
 ジュゼッピーナ……。私に奪われないよう気をつけろと言っていたのに……。それはどういうことなんだ……?
「なぁー!! ま、まさかパスタ准尉を買収したんですか?! そうですね! 卑怯な狼だこと、おほほほ!!!」
 どう見ても強がりな笑いは、寂しく響いて、消えた。音が消える代わりに、怒鳴っていた声は泣き声へと変化していた。
「うぅうう……!! 智子中尉は、ともこちゅぅいはぁああ〜〜!!」
 そのまま声を上げて泣き出してしまったハルカ。私は何だか申し訳ない気持ちで目を逸らしたが、次に彼女へ声を掛けたのはジュゼッピーナだった。
「そんなに悲しいのなら、ちょっとついてきなさい。良い物見せてあげる」
 ハルカの腕を掴んで強引に部屋の外へと連れ出していった。
 ドアが締まる直前、彼女の褐色の手の形が、グッドラックになっていたことを確認して、私は……もうジュゼッピーナに頭が上がらないことを再認識した。
 一瞬の間の後に、智子がドアの方から私へと振り向いた。
「ハルカについては私が何とかするから……。これから、改めてよろしくね」
「ん」
 頷くと同時に、智子の顔が急接近してきた。避ける余裕なんて無く、そのまま。
「ウルスラ、ちょっと外に出るね〜」
「……仲良くしてください」
 ドアが閉まって、その向こうから足跡が聞こえなくなった頃になってようやく解放された。
 だが、腰に回された手だけは離れなかった。
「私、頑張って背を伸ばさないとね」
「じ、じゃあ私は……縮む」
「ぷっ、あはははは!」
 た、確かにアホなこと言ったと分かっていたが……そこまで笑わなくても。
「頑張って縮んでね」
 そう言って、智子の手が頭に置かれた。
 間を置かずに、優しく撫でられた。
 心地よい感触と温もりに、俯いてされるがままとなった。
 
 どうか、この関係が長く続きますように。夢のように、覚めないで欲しい。心から、そう願う。

――
 これで、おしまい。
693名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 14:49:40 ID:C3D33G+6
しばらく来ないうちにアニメキャラ以外の子とのカップリング増えてるなぁ
694名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 15:24:08 ID:b/vgqoJS
2期までの繋ぎにいらん子に手を出した人が多いのかもね
俺は読んでないからその手のSSが貼られても反応できないんだが・・・今度読んでみようかな
695名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 16:13:26 ID:hiKHvvgf
ストライクウィッチーズ 第466統合戦闘航空団
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1246269219/
696名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:38:29 ID:magdwysl
>>692
おまいさんのおかげで俺の中のビューリング熱が上がりまくったんだぜ、ありがとう&お疲れさま!
697名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:45:11 ID:lvGdr43x
いらん子マジ面白いからマジオススメ。
あとアメリーヌ投下します。おそらく3レス。


「ねぇ、ペリーヌさんっ! ペリーヌさんってばっ!」
「………………」
 無視ですわ、無視。振り返らない。わたくしはずんずんと基地の廊下を歩く。
 そのすぐ後ろを、アメリーさんは追いかけてくる。ぴったりと離れないように。
 そう、まるで――いえ、なんでもなくって。
 なんだというのかしら、この子ときたら。今ばかりでなく、いつもそうだ。
 わたくしはさらに歩調を速める。
「ちょっ……どうしたんですかっ、ペリーヌさんっ! はっ速いですぅ。待ってくださいペリーヌさ――」

 ばたんっ、と盛大にすっ転ぶ音がした。

 うかつにも、わたくしは振り返ってしまっていた。
 が、すぐに向き直り、こんな子なんて放って再び歩き出す。
 本当になんだというのかしら、この子ときたら――
 床が濡れているわけでも、小石が転がってるわけでも、段差があるわけでもないのに。
 なのになぜ、この子はこけることが出来るのか。
「いがないで、ペリーヌさんっ、ペリーヌさんんっ……!」
 涙声まじりにアメリーさんは叫んでくる。
 わんわんぎゃあぎゃあという大泣き。耳障りだ。
 遠ざかっているはずなのに、その声はだんだん大きく聞こえてくるようだった。
「………………」
 関係ない。あの子が勝手に転んだだけですわ。だからわたくしには、なんの関係もない。
 さっさと行ってしまおう。わたくしは構わず歩き続けた。
 歩く歩く歩く、歩く歩く、歩く、歩……
 短く舌打ちをした。
 わたくしはきびすを返し、いまだに床に這いつくばったままの彼女の元へと方向転換した。
 アメリーさんの表情が、ぱあっと急に笑顔に変わったのが、なんだかくやしかった。
698名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:46:08 ID:lvGdr43x
「どうしてあなたってばいつもそうなの?」
「どうしてペリーヌさんは冷たくするんですかぁっ……!?」
 質問に質問を返すのはよしなさい。
 わたくしは倒れる彼女の元につくと、しゃがみ込んだ。
 アメリーさんはじっとわたくしを見据えてくる。瞳がとらえて、放してくれない。
「どうして、ですかっ……!?」
「それは……」
「わたしっ、そんなふうにされるとっ、つらいですっ……かなしいですっ……泣きそ……ですっ」
 津波だった。一度引いていた彼女の涙が、また押し寄せてくる。
 まるで幼児のそれだ。普段は大人しい子なのに、こうなってしまうと手がつけられない。
 まったく。泣きたいのはこっちの方だと思った。
「どうして、ですかぁっ……?」
 追及からは、逃れられない。
 どうしてって、それは……
 わたくしは毅然と彼女に向き合った。
「あなた、他のみんなからなんて呼ばれてるか知らなくって?」
 訊ねると、案の定アメリーさんはぶんぶんと首を横に振った。
 ええ、そう。だったら教えてあげますわ。こんな言葉、本当は口にしたくはないのだけれど。

「“金魚のフン”よ」

「ふん……?」
「ええ、あなたがわたくしのいつも後ろを引っついて来るでしょう? だからよ」
 気分に任せて言ってやった。
 けれど、アメリーさんはきょとんとしている。
 ……もしかしてこの子、意味がわかってないんじゃないかしら?
 みんなにからかわれているというのに。
 それが彼女1人のことであれば、別にどうでもいいけれど。
 でも、あまつさえ、わたくしまでもがそういう目で見られているのだ。
 そんなこと、耐えがたい。
 ねぇ、だからもうやめてくれないかしら。お願いだから。
「自分のことをフンなんて呼ばれてるのよ。どう? あなただってイヤじゃなくって?」
「きんぎょの、フンは、イヤ、だ、けど」
「でしょう? だったら――」

「でも、ペリーヌさんの、フンなら、わたし、それでいい」
699名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:47:30 ID:lvGdr43x
「………………」
 わかっている。これがこの子のどうしようもない本心なのだ。
 けして悪い子ではない……のだと思う。
 さりとて、いい子かといえば、首をかしげる。
 つまるところ、面倒くさい子なのだ。どうしようもなく。
 本当に、面倒くさい。
 いつも後ろを追っかけてきて、べたべたと甘えてきて、泣き喚いて。
 そうやってこの子はいつも、わたくしをけして1人にはさせてくれない。
 こんな子は初めてだった。
 そそっかしくて、どんくさくて、わたくしの心をいつもかき乱す。
 わけがわからない。
 この子と一緒にいるせいで、自分のことまでわからなくなってくる。
 はあ、と深いため息が口からこぼれた。
 本当にどうしようもない子だわ。
 甘ったれで、泣き虫で、わずらわしくって――なのにけして嫌いにはなれないのだから。

「いい加減、泣くのはやめなさい」
 言いながらわたくしは、彼女の前にハンカチを差し出した。
「だっで……」
 が、アメリーさんは受け取ってくれない。
「だって、なに?」
「だっでっ……ペリーヌさん、はっ、わたしどいるの、イヤ、なんで、しょ……?」
 違う。そんなことない。
 ちっともイヤなんかではなかった。
 それをイヤだと思えない、けれどどう接していいのかわからない、そういう自分自身こそイヤだった。
 ええ、とわたくしはうなずき、答えた。

「イヤイヤだけど、一緒にいてあげるから。ね?」

 そう言うと、アメリーさんはわたくしの顔を上目づかいにうかがってくる。
 その瞳は真っ赤に染まり、涙に潤んで、でもきれい。
 これからわたくしは、こういうものに向き合っていかねばならない。
 アメリーさんはようやくハンカチを受け取ってくれた。
 ひったくるような奪い方。目元をこするようにぬぐい、そして。
 ぷーっ、と鼻をかんだ。
「なっ! なんてことなさいますの!?」
「ごっ、ごめん、なさい……洗って、返す、から……」
 わたくしはまた、はあ、とため息をつく。一体今日何度目かしら?
「ハンカチの1枚くらい、あげますわ」
「ほんど、ですか?」
「ええ――ああっ、ほら、また出てる」
 わたくしはハンカチを彼女の手から取り上げると、ちんと鼻をかんであげた。

 なんとなく思った。
 きっとこういう関係が、これから先も続いていくのだ。
 だってこの子はどうしようもない子だから。
 それも悪くないかもしれない――なんて思っている自分がいることに、はたと気づく。
 そんなわたくし自身だって、やはりどうしようもない。



以上です。
脳内でアメリーヌ祭りが止まりません。どうしよう。
タイトルは「金魚注意報」です。OsqVefuYでした。
700名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:51:28 ID:C3D33G+6
いらん子キャラまでならわかるんだ
でも今俺を萌え狂わせたアメリーって子が何者なのかわかんねーんだ
701名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 17:57:29 ID:DjVAHFkL
>>700
フミカネblogへゴー
702名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 20:54:11 ID:TJupW0ju
ペリーヌ扶桑へ

11話で少佐×ペリーヌに目覚めた者です。
初めてSSを書くまで心動かされました。

ガリア上空のネウロイの巣を倒し、第501統合戦闘団はその役目を終え、ウィッチーズたちは母国へと戻ることになった。
しかし、今だ傷の癒えぬ坂本少佐に同行し、ペリーヌは扶桑へと行くことになった。
(わたくしには家族もいませんし、せめて少佐のお役に立てれば…)
戦争で家族を失い、母国ガリアを奪還した今、ペリーヌは目標を失ってしまった。
だから、大好きな坂本少佐のため、はるか極東の地へと赴く決意をした。
沈没した赤城の乗組員を回収のために来た新鋭巡洋艦「大淀」に乗り込み、芳佳・少佐・ペリーヌの3人は、扶桑への船旅を送っていた。
 
ある夜、士官用の3人部屋で寝ていたペリーヌは、悪い夢でも見たのか、顔いっぱいに冷や汗をかき、うなされていた。
「おとうさま…おかあさま………扶桑…不安…」 
寝言をもらしたかと思うと、ハッと目覚めた。
「いやな夢でしたわ」
額の汗を拭うと、ため息を漏らした。すると
「大丈夫かペリーヌ」
反対側に寝ていた少佐が、上半身を起こして声をかける。
「も、申し訳ありません少佐。起こしてしまいましたか」
慌ててペリーヌが謝ると
「…すまんがペリーヌ、わたしを甲板まで連れて行ってくれないか」
急な申し出に不思議がりながらも、少佐の車椅子を押して甲板へと向かった。
 
甲板に出ると、風もなく穏やかな天気で、空には多くの星が瞬いていた。
暗い海を見つめながら、少佐が口を開いた。
「知らないうちに、わたしはお前に甘えていたようだ」
自分を戒めるように話した。
最初、自分についてくるといったペリーヌに反対した。しかし、ペリーヌの熱意と、献身的な介護に心動かされ、同行を承諾した敬意があった。
「お前が抱える悩みや不安に気づいてやることができなかった。すまない、ペリーヌ」
「そんなことはありませんわ!!」
突然の大声に、少佐は慌てて振り向いた。
そこには、顔をくしゃくしゃにして涙目のひとりの「少女」がいた。
「少佐はわたくしを助けてくれました。大切にしてくれました。いくら感謝してもし足りないくらいですわ」
そういうと、少佐のひざに飛び込み、あふれるように泣き出した。
「少佐…少佐ぁっ…」
ペリーヌが放つ「少佐」の一言には、ときめき・喜び・恐怖・不安…すべての思いが詰まっていた。
すると少佐は何も言わず、美しい金髪をやさしく、やさしく撫でる。
その手はとてもあたたかく、ペリーヌの心を静かに癒していった。
涙も枯れ、やっと平静を取り戻したペリーヌは、真っ赤に染まった顔を上げると、
「も、申し訳ありません少佐。わたくしったらなんてことを…」
「ペリーヌ、前から言おうと思っていたが、わたしを階級で呼ぶのはやめろ。名前で呼べ」
「えっ、そんな、急に言われましても…あの…その…」
いきなりの出来事に、もじもじしながら戸惑っていると
「な・ま・え・で・よ・べ」
どうやら少佐は、ペリーヌが名前で呼んでくれるのを待っているようだ。
「はいっ、…あの…さか…さかもと…さん」
「どうした、よく聞こえないぞ」
「さか…坂本さんっ!!」
ハッキリというと、少佐は嬉しさと暖かさを包み込んだ笑みで
「わっはっは!!これからもよろしくな、ペリーヌ」
日々の鍛錬で鍛えた両腕で、ギュっとペリーヌを抱きしめた。

以上です。
703名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 22:52:46 ID:2GQUpBsO
>>699
俺はペリーヌに萌え狂うわ。かわいいなくそうっ!
>>702のペリーヌも少女でかわいいな。11話と12話のもっペリは大好きだ。また書いてくれ!
704名無しさん@秘密の花園:2009/06/30(火) 22:55:20 ID:UGVGYJUC
なにこれ
ついにペリーヌの時代がきたの?
705名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 00:00:32 ID:ja634H3E
ペリーヌの世紀
706名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 00:03:01 ID:DpZD3J2N
そりゃまた薄っぺらな世紀だな
707名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 00:07:00 ID:rS9cWwT3
あぁ!>>706がやられた!!

……もはや消し炭じゃねぇか
708702:2009/07/01(水) 00:39:17 ID:+91zvTs0
ずっとペリーヌのターンwww
かなり前、本スレでこれを書いたんですけど、
http://www.syu-ta.com/blog/2008/09/13/043646.shtml
規制やら何やらで続き投稿できなかったので、投下してみます

ペリーヌ扶桑へ。その後(エピソード集)
(もっさんは、怪我をした状態のままという設定です)

○お風呂
「すまないペリーヌ。風呂に入りたいのだが、手伝ってくれるか」
「わ、わたしがですか?そんな心の準備が…」
「わっはっは!!何を恥ずかしがっている。女同士ではないか」
「は、はい…(ポッ)」

○ゴボウ
「坂本さ〜んペリーヌさ〜ん、晩ご飯できましたよ〜」
「何ですのこの木の根っこみたいなの。扶桑はこのようなものも食べてますの?」
「それはゴボウといってな、私の大好物だ。歯ごたえがたまらないぞ」
「早速いただきますわ。ガツガツガツ…うっ…みずぅ、みずぅ…」
「わっはっは。私の分も分けてやろうか」

○もんぺ
「何ですのこのみすぼらしい格好は」
「だって、この方が動きやすいし汚れても平気だよ」
「誇り高きガリア貴族のこの私が…」
「お、ペリーヌ、もんぺ姿もよく似合ってるぞ」
「はい〜我ながらそう思いますわ」
709702:2009/07/01(水) 00:50:06 ID:+91zvTs0
○布団
「全く、扶桑にはベットもありませんの?直に床に寝るなんて…」
「この部屋なら、布団3枚引けそうだな」
「はい。これで3人一緒に寝られますね」
「布団最高ですわ!!」

○はし
「ん…うまく持てませんわ」
「どれ、私が教えよう。これはこうして…」
(し、少佐の胸があたってますわ…)

○眼鏡
「それにしても、扶桑にはいいメガネはおいてありませんのね」
「しょうがないですよ。ガリアやブリタニアとかと比べて、種類も少ないですから」
「………」
「どうされました坂本さん」
「いや、何でもない」
(日頃の礼に、ペリーヌに眼鏡を買ったのだが、気に入ってもらえないか…)

○修行
山寺にて、正座で精神統一をする3人
(正座って、こんなに足がしびれますのね…)
30分後
「宮藤は辛そうだな。ペリーヌはよく頑張っているな」
「も、もちろんですわ」(ダメ…もう限界…)
「坂本さん、もう我慢できません…」
ペリーヌの足の方に倒れ掛かる芳佳
「キャアアアアアアアア!!!!!」
ショックでペリーヌが電撃を放ち、真っ黒こげになる2人
710702:2009/07/01(水) 00:50:49 ID:+91zvTs0
○抱っこ
階段を上ろうとして
「ペリーヌさん、車椅子は私が持ちますから、坂本さんをお願いします」
「わ、私が坂本さんをっ!!」
「悪いな2人とも」
結局、お姫様抱っこで少佐を抱える
(し、少佐の身体って、引き締まっていて美しい…それにいい匂い…)
「どうしたペリーヌ?私が重いのか」
「そそ、そんなことはありませんわ!軽くて引き締まっていて、美しいですわ」
「わっはっは!!ペリーヌは口が上手いな」
(ホントのことですのに…)

○食事その1
夕飯の仕度をするペリーヌ
「宮藤さんから教わったとはいえ、ご飯を炊くのは難しいですわ」
頭に三角巾を巻き、もんぺ姿で竹筒で釜に息を吹きかける
「さあ、そろそろですわね」
お釜のフタをあけようとすると
「熱っ!!」
「大丈夫かペリーヌ」
「はい、ちょっと火傷をしただけ…えっ」
火傷したペリーヌのひとさし指を口にくわえる少佐
「よし、あとは水で冷やせば平気だ」
「少佐が…私の…きゅうっ」(バタッ)※顔が真っ赤
「どうした、何があったペリーヌ」

○食事その2
トントントン…(夕飯の仕度をする芳佳)
「宮藤さん、ちょっとお願いがありますの…」
「どうしたのペリーヌさん」
「私にも扶桑の料理を教えてもらえないかしら」
「いいですけど、なんで急に?」
「そ、その、少しでも少佐の役に立ちたくて…」
そして夕飯
「お、今日の味噌汁は味が違うな…」
(えっ、少佐のお口に合わなかったかしら(ドキドキ))
「だが、これはこれで美味いな」
「やりましたわ宮藤さん!!」
「おめでとうペリーヌさん」(手をつないで喜ぶ二人)

夢オチ
「わっはっは!ペリーヌ、今晩は寝かさないぞ」
「はい!喜んでお供しますわ」
………
チュンチュン…
「と、いう夢を見ましたわぁ」(ニコニコ)

以上です。もっさん×ペリーヌは妄想が止まりません!!
需要ありましたら、また投下したいと思います。
711名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 03:10:33 ID:8twEkuP3
需要有りまくりだぜ
こういう小ネタの連続ってあまり見掛けないから新鮮
ストウィの4コマ漫画とか読みたくなるなー
712名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 11:55:40 ID:Zmy8k4YM
ペリーヌ好きとしてはたまらない…
超GJ!
713名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 23:12:03 ID:rJwChbcQ
ペリーヌ無双が止まらない
714名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 23:24:20 ID:Kvc4JCzg
スレチかもしれないけど、ゴンゾがああなっちゃったけど、アニメとゲームどうなるのかなぁ
715名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 23:31:59 ID:hRu1ye3s
「それは本スレでやるべき話題じゃないんですか?」
リーネは四つんばいになった私を見下ろし、冷ややかに言い放った。。
「バルクホルン大尉、芳佳ちゃんの事もそういう目で見てましたよねぇ」
「そ、それは認める……だがお前の事は、本気で」
「そんなの信用できません」
微笑んでこそいるものの、私に向けられる彼女の目は露骨に汚いものを見る目だ。
しかしそんな視線ですら、彼女が自分へと向けた「感情」である事実が堪らなく嬉しい。
「……どうすれば、信用してもらえる?」
「そうですねぇ……じゃあ手始めに服を脱いでください」
私は渋々了承した。とはいっても、それはそう見せていただけで――彼女には見破られていたかもしれないが――昂ぶる自身の鼓動を感じていた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

           O 。
         __
       ,.=, ´:::::::::::`::>=、- 、
     ,ィ´;;;;ノ:::::::::::::::::::::!:::::::ヽ;;!
   /;;;;;;;;/::/:::::::;イ::/ハ!;:::::::ヘ;!
.  /;;;;;;;;;;;/::/:;イ:/ ,イ::l! ! V:::::!;;l
  |;;;;;;;;;;<::イ:/j/Tt- Vl ィTVV;;;!
  ヽ ノ .Y|ハ Vリ  `' lリ lノ `  
       ゝ=-、  _   ノ
      , ィノ _ヘ>- <
716名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 00:03:48 ID:0WMO5cTJ
おばんです
t26gFAxTです
ルー誕なので、ルーデル×アーデルハイド
「凍えた薔薇を溶かすもの」最終話投下します
ttp://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/13790.txt
717名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 07:44:06 ID:J1ZzUfLF
>>714
多分、5スタがまるごとどこかへ移動だろ
角川はもうけたいと思ってるだろうし
718名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 15:55:32 ID:qzOLv3xK
>>716
おお、ついに完結ですか!地味に待ってましたw
いらん子のキャラは描写が少なくて書きにくそうだと思ってましたが、
ここまで違和感なく書けるってすごいなあ
719名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 10:07:56 ID:DVTlGHue
いらんこ中隊新刊てどうなった?
720名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 19:08:39 ID:u8XUDVbH
発売日未定になったと聞いたけど…
き、きっと構想が膨らみすぎて4巻じゃ納まらなくなったから見直ししてるんだよ!きっとそうだよ!
721名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 19:35:13 ID:scDJeLq5
ああ、きっとそうだな!



そうであってくれ・・・マジで頼む・・・。
722名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 20:21:41 ID:pS45di8B
>>720
あ、あたりまえじゃないか、。うん

こんばんは。美緒とミーナで2レス消費します


愛する君へ




街で見かけたそれに、ひと目で私の心は奪われた。

考えたことはひとつ。


これを、あのひとに。



 ◆



 窓の外にはもういくつもの星たちがきらめいている。
いつもの如く美緒はミーナの部屋で穏やかなひとときを過ごしていた。

 ミーナが両手に包みを抱えてもってきた。美緒に手渡すと、プレゼントよ、とウインクする。
「今日はなにか特別な日だったか?」
「そうね、一般的にはおそらく特別な日ではないわね。でも、好きな人に贈り物をするのに特別な理由なんていらないでしょ?」

「ねぇ、開けてみて」

 シンプルだけれども華のあるベビーピンクの包装を解けば、純白の衣服。
ちりばめられたスパンコール、首元や袖口にあしらわれたレース。それらもすべて白一色である。

「あなたに似合うと思って」
「――ドレス?」
「お姫さまみたいでしょう?」
 ミーナはまるで夢の世界をみているかのように瞳を輝かせた。
「私のがらじゃないだろう」
 そう言って笑う美緒。照れくさそうにしているのはきっと、恋人からのプレゼントがびっくりするほど豪華なものだったから。
そしてそれが、うれしかったから。

「なに言ってるの、美緒だって女の子なのよ」
「そんな歳か…?」
「歳なんて関係ないわ」
「まあ一応は扶桑の女だからな、撫子とはいうが、おんなのこ…、私とはずいぶんかけはなれているように感じるな」
「サムライ、だものね」
「ふ。違いない」

「ん…。なあ、私がこれを着るのか?」
「当然! そのために買ってきたんだから」

「…なんだその笑顔は」

723名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 20:23:56 ID:pS45di8B

  “愛する美緒へ――ミーナ”
ドレスの裏地に刺繍された文字。


「…美緒。愛してるわ」

「ありがとう、ミーナ」

美緒は、やさしすぎるキスをミーナの唇に落した。



 ◆



戦いはいずれ終焉を迎える。
たぶんこのドレスは、指輪のようなものなのだ。
私とミーナを結ぶ、たいせつなもの。

好きな人に贈り物をするのに、特別な理由などいらない、と彼女は言った。
果たしてそうだろうか。
人を好きだと思い、そしてその人と自らとを結ぶ証を得たいと思う気持ち、それこそが何より特別な理由だと私は思う。


私もミーナに贈り物をしよう。



Fin...


ひさびさgf1xJeg9でした。失礼しました。
いらん子がんばれ。
724名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 02:02:38 ID:KotZT+p6
なんという正統派、やはりもっミーナは良いものだ、GJ!!
725トゥルーデ撃墜部隊:2009/07/05(日) 19:30:58 ID:xX69vNqP
お久しぶりです。
秘め歌デュエットシリーズのエイラーニャ投下します。
726Sweet Duet:2009/07/05(日) 19:32:18 ID:xX69vNqP
気が付くと、私は空を飛んでいた。星が輝く静かな夜空を。

隣にはいつものようにサーニャがいる。でも何だか違和感を感じた。
よく見たら、サーニャはストライカーを履いていない。使い魔の耳も尻尾も生えてない。そういう私も、脚にストライカーを付けている感覚がなかった。
なんだ?なんでストライカーなしで飛んでんだ、私たち。

「ねぇ、エイラ」

サーニャが柔らかく私を呼んで、微笑んだ。

「一緒に歌わない…?」
「へっ?」

唐突なその言葉に、思わず間抜けな声を上げてしまう。

「一緒に歌おう。ね?」

小首を傾げるサーニャはめちゃめちゃ可愛くて…

「い、いや、でも…私、サーニャみたいにうまくないし…」

むしろこんな状況だったら、サーニャの独唱をずっと聴いていたいくらいだ。独り占めじゃんか。
でも……

「ダメ……?」

うぅっ…そんな上目遣いで見られたら断れねーよ。

「わ、わかったよ…」

私が頷くと、サーニャは嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、エイラからよ。せぇの…」

ららら、とサーニャが前奏を歌い出した。
ふわふわと儚い声なのに、私を含むこの空全部を守ってくれているような。
サーニャの歌は不思議だ。どこまでも飛んでいけそうな気がする。
星みたいにきらめくその歌声に少しうっとりしてから、私は息を大きく吸い込んだ。

727名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 19:33:28 ID:xX69vNqP
――――

「あなたの…う〜たに…」

私の背中に寄りかかって眠るエイラは、むにゃむにゃと寝言を言っている。
私がよく歌うお気に入りの歌を歌っているみたい。
ふふ、エイラ…可愛い。

「よるに…はぐぅれ、ないよ…に…みちび…ぃて…むにゃ…」

そういえば、二人で夜間哨戒についてても、いつも私は歌っていてエイラは聴いてるだけ。
星の下で一緒に歌ってみたいな。でもエイラは「私はうまくないから」って言うかな…
エイラの歌声、とてもエイラらしくてまっすぐで…私は好きなのに。

「んぅ〜…」

きゅ、と私を抱き締める腕に力がこもった。
エイラは、寝ている時はなんだか甘えん坊。可愛い…

「エイラ…」

体に回されている腕に触れた。
とってもあったかくて、安心する温もり。エイラのこの両手が、大好き。
この両手に包まれているだけで、なんにも怖くなくなる。

「どこま…も〜…ひびかせ…て…」

かく、とエイラの頭が傾いて、私の頬にぱさりと髪の毛がかかった。…くすぐったい。

夢の中から途切れ途切れに聞こえるエイラの歌声に、私もメロディをかぶせた。
いつか私とあなたが、雲をわたあめにしちゃうくらい甘い甘いハーモニーで夜空を包む日が来たらいいな、なんて願って。



♪…Sweet Duet…

728トゥルーデ撃墜部隊:2009/07/05(日) 19:34:39 ID:xX69vNqP
おしまいです。エイラーニャ不慣れなため短いですが…

今月もオンリーがあって楽しみです
729名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 23:39:43 ID:mgtWus5B
つまんね
730名無しさん@秘密の花園:2009/07/05(日) 23:45:46 ID:LxiwbZHH
あまーい!
ごっつあんです!
731名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 00:00:45 ID:ivqwbGvm
>>727
GJ!エイラーニャらしく甘くていい!
エイラの歌声も好きってサーニャに言われたらエイラは狂喜しそうwそして音速で逃げそうw
732名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 14:24:48 ID:dikDGndv
なんつーか、あからさまな…
733名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 15:08:14 ID:O3xqpp1W
>>732
自分のことかw?
734名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 15:24:04 ID:1XTUSTkw
世界がもし100人のフラウだったら

97人が朝トゥルーデにたたき起こされます。

24人がその日履くズボンを見つけられません。

7人が朝食にじゃがいもを食べます。

36人がブルーベリーをおかわりします。

54人がリーネの入れた紅茶を美味しそうに飲みます。

6人がつまみ食いを試みて、そのうち5人が芳佳を見捨ててさっさと逃げます。

22人がサーニャとおしゃべりしています。

16人がペリーヌを棘だらけとからかいます。

7人がミーナ中佐から褒められます。

10人が坂本少佐から冷ややかな視線を向けられます。

12人がクリスのお見舞いに行きます。

1人がエイラに胸を揉まれます。

68人が自室禁固の回数でシャーリーを上回ります。

5人がルッキーニのズボンを履いています。

36人が今日もウルスラに手紙を書きます。

80人が陸にいて、20人が空を飛んでいます。
僚機を失う人は誰もいません。

世界がもし100人のフラウだったら、
おそらく世界は平和です。
735名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 15:51:46 ID:F/zQozuz
噴いたw
736名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:10:08 ID:ceOknH+l
ちょwwwwwトゥルーデが過労死するだろwwwww
737名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:36:18 ID:HtFbBAv6
いや、むしろいきいきしながら叩き起こしにかかるかもしれないw
97人でもゲルトさんならきっと何とかしてくれる……!
738名無しさん@秘密の花園:2009/07/06(月) 23:59:12 ID:J6LOAezp
ttp://www1.axfc.net/uploader/Img/so/51105

ケヒッ

いや、ちょっと描き換えてみただけなんだ。それだけなんだ。すまない。
739名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 00:32:16 ID:Ee/9Psuo
>>738
なんか宮藤がかっこよすぎて宮藤じゃないみたいだ。
でもGJ
740名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 04:46:43 ID:dMjkz3uX

こんばんは、DXUGy60Mです。SSを3レス分程投下します。

最後まで読んでいただけたら、幸いに思います。
741星に願いを:2009/07/07(火) 04:51:59 ID:dMjkz3uX

「ねぇ、エイラ、七夕って知ってる?」
星空を眺めていたサーニャ・V・リトビャクは、隣で腰を下ろしているエイラ・イルマタル・
ユーティライネンにそう切り出した。
「タナバタ?う〜ん。扶桑のお祭りだってのは知ってるけど、詳しいことはよく知らない
な〜。そのタナバタがどうかしたのか?」
「さっきね、坂本少佐が笹を運んでたの」
「ささ?」
首を傾げるエイラにサーニャがこくりとうなずく。
「うん。それでね、それを何に使うんですかって聞いたら、七夕に使うんだって言って、
それで七夕のことについて教えてもらったんだけど、七夕にまつわる伝説がすごい素敵
なの」
「ふ〜ん。どういう話なんだ?」
エイラは、話の続きを促した。サーニャの表情から、話を聞いてほしいというのが手に取
るようにわかるくらいだった。エイラの言葉を受けて、サーニャは喜びながら、少し興奮
しながら七夕にまつわる星々伝説を話し始めた。
「あのね、織姫っていう人がいるの。織姫は、天の神様の娘で機織りが上手な女の人なの。
 その織姫に彦星っていう人が恋をして、二人とも働きものだから、天の神様は二人が結
 婚することをゆるしてくれたの。でも、二人とも毎日一緒にいることが楽しくなっちゃ
 て、働かなくなってしまったの。それを、天の神様が怒って、二人を天の川で隔ててし
 まったの。ほら、こと座のベガが織姫でわし座のアルタイルが彦星なの」
そう言ってサーニャは天を指差し、エイラもそれに従って顔を空に向けた。空には、二つ
のα星が輝き、それはどことなく寂しさをまとって輝いているようにも見えた。天の川を
隔ててそこにいるはず相手に、自分の姿がそこにあることをただただ知らせるために。
「でも、天の神様は、一年に一度の七夕の時にだけ二人が会うことを許してくれたの。
 それが、7月7日で、この日だけは天の川に橋がかかって二人は会うことできるの」
そういって、夜空を見上げるサーニャの横顔を、弱々しい天の川の光の帯が照らす。
そして、自分がこの古の伝説に胸をときめかせているように、普段見慣れた星々の新たな
物語を知った喜びを、きっと相手も感じているはずだと思い、振り向き、
「どう?素敵な話だと思わない?」
そう尋ねた。
742星に願いを:2009/07/07(火) 04:55:28 ID:dMjkz3uX

「えっ、あぁ・・・う〜ん」
サーニャのキラキラとした顔を向けられたエイラの表情は何故か曇り、煮え切らない返事
をする。そして、曇り顔は伝染した。
「エイラは、そうは思わなかった?」
サーニャの声には、失意の色がありありと浮かんでいた。
「いや、私だったら・・・ずっとそばにいたいなって」
エイラはそうボソリとつぶやいた。
「え?」
目を丸くするサーニャにエイラはまくしたてる。
「だってそうだろ、彦星と織姫は、神様に無理矢理別れさせられる前は、毎日いっしょに
いたんだろ?それぐらい好きだったら・・・それぐらいいっしょにいたい相手がいるな
ら、私だったら無理してでも会いに行くな。一年に一度だけなんて・・・寂しすぎるよ・・・」
「でも、会いたくても天の川があるのよ?」
「泳いで渡る!」
「・・・泳いで渡れないような川だったら?」
「船で渡る! もういっその事橋を作って、毎日会いにいけるようにする!」
エイラのキッパリとしたもの言いにサーニャは思わずたじろぐ。
「あっ! あ・・・ごめん。なんか・・・強く言っちゃって・・・。で、でも・・・
 その・・・、私だったら、いつまでもそばにいたいなって・・・。確かに素敵な話だけどさ
 ・・・そっちのことばっかり考えちゃって・・・」
言い終わって怖々とサーニャの顔を覗き込む。
サーニャが暗い顔、悲しそうな顔、怒った表情をしているのではないかと不安だったが、
予想に反してサーニャは口元を上げて、柔らかな笑みを浮かべている。
「そうよね、私も・・・やっぱり大切な人といつでもいっしょにいたいかな」
その言葉を聞いてエイラの顔はパアと明るくなった。
「そうだよな」
「うん。あっ、でもいっしょにいたいからってお仕事を休んでちゃだめよね」
「まぁ、そりゃそうだな」
「特にエイラは気をつけないと」
「そうだな・・・って、なんだよそれ〜。それじゃ私が、いつも隊務をサボってるみたいじゃないか〜!」
そう言うエイラの表情を見て、サーニャはクスクスと笑いだす。それにつられて、エイラも思わず
苦笑いをした。
743星に願いを:2009/07/07(火) 04:58:38 ID:dMjkz3uX

「そうだ。それでね、話の最初に出た笹なんだけど、それに願い事を書いた紙を吊るすそ
うよ」
「願い事を書いた紙?」
「うん。そうすると、願い事が叶うんだって」
「一年に一度しか会えないのに、人の願い事まで叶えてやんなきゃいけないなんて、意外
と彦星と織姫も大変なんだな」
エイラはそんなことを思い浮かべたが、口にはしなかった。なんとなく場違いな考えのよ
うに思えたからだった。
「ねぇ、エイラは何をお願いする?」
「私?そうだな〜、まぁ1つは決まってるかな。サーニャは?」
「私は・・・やっぱり、お父様たちと早く会えることかな」
そう言って夜空を見上げるサーニャの横顔は、力強いようにも、儚く物悲しげにも見えた。
そして、そのまま顔の向きを変え、
「それで、エイラの1つは決まっているお願いって何?」
エイラにそう尋ねた。
「えっ!まぁ、別にそんな詳しいことはいいじゃないか」
そう言って、エイラがごまかそうとすると、サーニャはすねた声で、
「ずるい・・・人の願い事だけ聞いて・・・。それとも人には言えないような願い事なの?」
「なっ! ん、んなわけないだろ!」
エイラは、自分を不審げな眼差しで見つめるサーニャの視線を振り払おうとする。
「じゃあなんで言わないの?」
「それは・・・ああ!」
突然のエイラの大声に、サーニャの体はビクッとする。
「そろそろ夜間哨戒の時間じゃないか。頑張ってなサーニャ。私もそろそろ寝ないと・・・」
そう言って立ち上がろうとするエイラの左腕を、サーニャは両手でギュッとつかんだ。
「なっ、なんだよ〜」
「エイラの願い事を聞くまで、行かせないし、私も夜間哨戒に行かない」
そう言うサーニャの表情は、ムッとしているようだが、どこか楽しげにも見えた。
「そ、そんな〜」
エイラは、シャーリーの胸を揉めますように、とでも言っておこうかと思ったが、それじ
ゃ絶対に白い眼で見られるなとその案を慌てて引っ込めた。
『サーニャの願い事が叶いますように』
それがエイラの願いだったが、本人の前でそれを言うのはなんとなく照れくさかった。
エイラは、左腕にからむ感触をどこか喜びながらも、
『うまい言い訳が思いつきますように』
と、無責任な程に光を放ち続ける星空にそう願うのであった。

Fin
744名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 07:05:38 ID:W23Nvpny
>>743
朝っぱらから萌えた!GJ!
エイラ言っちゃいなよwとつついてやりたいw
745名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 07:56:55 ID:ItbpEeLt
神「私も鬼じゃない。7日に一度、会うのを許します」
織「よかったぁ……」
彦「本当だな!?」
織「よかったね彦星っ」
彦「7月7日だけ会っていいんだなっ!?」
織「えっ」
彦「えっ」
神「じゃあそれでいこうか」
こうして七夕の日だけ二人は会えるようになった

こんな裏話があるとかないとか聞いたことがある
彦星、エイラっぽくね?
746名無しさん@秘密の花園:2009/07/07(火) 09:48:35 ID:jpnMC55j
>>743
早朝からGJ!!
素晴らしいものを読ませて貰った
コレで今日1日頑張れる

>>745
テラワロスwww
そんな話聞いた事ないが、確かに彦星がエイラみたいに見えるなwww
747zet4j65z ◆XYex8TeNzA :2009/07/08(水) 18:29:44 ID:Tzum8wKL
喫茶店続きです。
6レスいきます。

●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 晩夏のハミング

 サーニャと、ついでに宮藤の誕生日から数日の後。
 8月もそろそろ終わり、それはスオムスの短い夏の終わり。
 カレリアの空気はいつの間にか秋のそれに変わって、夜などは肌寒いほどになる。
 今日の昼間は忙しかった。
 夏が終われば、秋なんて一瞬で過ぎ去って長い長い冬が訪れる。
 そうなれば深い雪に閉ざされて復興作業も何も全て中断して、春の雪解けを待たなきゃいけない。
 だから、みんな急ぐ。
 急ぐから、こんな辺鄙な所にある喫茶店が繁盛する。
 そんな喫茶ハカリスティの、本日の営業は終了だ。
 
「ありがとうございましたー」「ありがとうございました」

 最後のお客さんを二人で見送って、人心地つく。
 今日は忙しかったなー。
 こんな日に限って……、

「今日、ニパさんいないのちょっときつかったね」

 サーニャがちょっと疲れた、それでいて満足げな表情で呟く。
 そうなのだ、サーニャの言葉通りニパの奴は今日は別の用事でお休みだったんだ。

「でもさ、二人で頑張れたな」
「うん」

 わたしの言葉に嬉しそうに頷くサーニャ。
 何だか誕生日からこっち絶好調って感じなんだよな。サーニャが笑顔だとわたしも嬉しいから、だから二人とも絶好調。
 きっと今だったらどんなネウロイが現われても二人で手を取り合えば倒せちゃうぞ。

「サウナ、用意してくるね」
「あ、それだったらわたしが」
「じゃあ水浴び場のお掃除するね」

 ちょっとした作業の取り合い譲り合いもいつもの事。
 そうやってお互い声を掛け合うという行為自体が楽しい。
 ニコニコしながらちゃちゃっとサウナの準備を終わらせてサーニャの様子を見に行くと、掃除の方ももう終わったみたいだった。
 空はだいぶ暗くなってる。
 そろそろこの時間のサウナにも明かりが必要かな。

「ニパさんいないの、久しぶりだね」

 二人、脱衣所で服を脱ぎながら呟くサーニャ。

748zet4j65z@トリ忘れた;;:2009/07/08(水) 18:31:14 ID:Tzum8wKL
「ああ、そうだな」

 相槌を打ってからついうっかり二人きりと意識してしまい、何だか緊張する。
 そういえばそうなのだ。
 最近ずっとニパがいたんだ。
 それでアイツが何かと色んなことに絡んだりまぜっかえしたりするせいで、ここでサーニャと二人で住んでるんだって事を何となく忘れがちになってたんだよな。
 それを、今意識してしまった。
 意識したついでにこの前の誕生日に久しぶりにあったせいで、宮藤の言葉を思い出してしまう。

『サーニャちゃんって肌白いよねー』

 そうなんだよな。
 凄く、白い。
 わたしもこっちの人間だから白くはあるんだけど、ほら、サーニャの場合は日に焼けてもいないせいで白さが際立つんだよな。
 うん、こうして見ると本当に白い。
 特にサウナのときは髪をアップにしてタオルでまとめてるせいで普段お目にかかれない首筋からうなじにかけてのラインが……こう……。

「どうしたの? エイラ」

 無意識に「そんな目」で見ながらサウナの熱気の中に心の絵を描いているうちに、気がつくとエメラルドグリーンの瞳が目の前にあった。

「うわわわっ! ななななんでもないぞっ! なにもみてないぞっ!」

 思わずお尻を30cmくらいスライドさせ、手をバタバタさせてやましい事は無いとアピール。

「ふふ、変なエイラ」

 よし、笑顔で流してくれたからきっと大丈夫。
 サーニャは優しいし心が広いからわたしのちょっとした奇行くらいは軽くスルーしてくれるもんな。

「ねぇ、エイラ。そういえば、伸ばし伸ばしになっていた日課、あったよね……」

 ひどく真面目で、それでいて緊張した中に微かな恥じらいを含んだ表情。

「え? 日課?」
「うん、その、初日に失敗しちゃって、そのあとはニパさんも一緒だったから何となくやりにくくて、その……『ニッカがいて日課ができない』とか……あはは、は……はは…………ごめんなさい」

 えと、サーニャが面白い事を言った気がする。
 扶桑語も交えたハイレベルな奴だ。

「い、いや、謝る事は無いと思うぞ、うん。今のはなかなかハイレベルだった、と思う。面白かったぞ」
「いいのエイラ。緊張して思わず言っちゃっただけだから、その……恥ずかしい。……冗談って難しいね」

 フォローというかなんというか、まぁきっとアレだ。
749zet4j65z@トリ忘れた;;:2009/07/08(水) 18:31:57 ID:Tzum8wKL
 わたし的には難しいがきっと扶桑でなら通用すると思う。
 多分宮藤とか坂本少佐辺りには受けを取れそうな気がするな。多分。
 まぁでも言った事を後悔して沈み込みつつあるっぽいサーニャをフォローするのもわたしの役目だ。

「別に無理をする事は無いんだぞ。サーニャにはサーニャのやり方があるだろ。そうだ、所で日課って何だっけ?」

 そしてさりげなく話題の方向も修正する。完璧だな、わたし。

「え……、それは、あの……お互いに、お互いの、その…………を、…………で、おおきくするって……」

 しかしサーニャはさっき以上に何だかいいにくそうな様子。というか、小さくて聞き取れないほどの声で喋るサーニャは久しぶりに見た気がするな。

「どうしたんだよサーニャ。今は二人きりだから、恥ずかしがる事ないぞ。だからもっと大きな声で言ってくれよ」
「う、うん」

 すうっと深呼吸してから、一言。

「お互いにっ、おっぱいをもみ合って……大きくしましょ!」

 ゑ?

「え、ええと……ゴメンサーニャ。どうやら聞き間違えたみたいだからもう一度……」

 言ってくれないかと言葉を続ける事はできなかった。
 だってサーニャはその白かった顔を真っ赤して目線をそらして、恥ずかしい、とか呟いているんだ。
 そうだよ、サーニャは本気なんだ。
 元はといえばわたしの行動が不甲斐ないばっかりにすることになった日課で、その日課をこなせなくなった原因だってわたしにあるわけだから、ここは私がリードするしかないだろ!
 わたしだっていつまでもヘタレじゃないんだからな。

「サーニャ!」
「は、はいっ」
「一つ提案があるんだ」
「うん」
「ホラ、この間はさ、緊張してのぼせちゃったじゃないか」
「う、うんそうだよね。ニパさんが様子見に来てくれなかったら、危なかったかも」
「だろ。だからとりあえず、それはサウナを出てからにしよう」
「そ、そうね……それじゃあ」

 頷いて立ち上がり、私に向けて手を伸ばすサーニャ。
 それはお姫様抱っこのサインだから、私も立ち上がってすっと右手をその手に回す。
 サーニャは右手で、私は左手で互いに自分の身を覆っていたタオルを取り、床へと落す。
 互いに髪をまとめるタオル以外は生まれたままの姿。
 サーニャの伸ばされた手は私の首へと大きく回され、その羽のように軽い身体を一旦私の右腕でへと預ける。
 刹那の体重移動の中で左手を太ももの下から回し、膝下で固定してから持ち上げる。
 この瞬間二人の日課であるお姫様抱っこが完成する。
750zet4j65z@トリ忘れた;;:2009/07/08(水) 18:32:27 ID:Tzum8wKL
 大分慣れはしたんだけれど、ニパのからかいの声がないと却って抱き上げたサーニャの存在感を意識しすぎてしまって緊張する。
 身体が密着してるから、ドキドキが隠せない。
 どれくらい隠せないって……そりゃあサーニャのドキドキが伝わってくるくらいに隠せてないんだ。
 でも、二人ともドキドキなら多分、きっと、大丈夫。

 ぱしゃ。

 小さな水音を立てて、半ば露天の水浴び場、その水の中へと足を踏み入れる。
 ひんやりした外の空気に包まれていても、その大気を受けて少し冷たい水にもこの身体のほてりが収まらない。
 だから、少しでも身体を冷やす為に、冷静になるために、わたしを冷静じゃなくさせるサーニャをお姫様抱っこしたままその水の中へと歩を進める。

「ひゃ」

 わたしが腰をかがめると、サーニャは足先とお尻から水面へと降りる事になる。
 その一瞬の冷えた感触に可愛らしい声を上げながら少しだけ顔をしかめるサーニャ。

「大丈夫か?」
「うん」

 お互いの言葉まで含めていつものやり取りだ。
 ここで、やる。
 この水の中ならきっと前みたいな失敗なんてしない。きっと大丈夫。
 そう自分に言い聞かせながら、椅子代わりになっている水の中の石へと腰を降ろし、サーニャの身体をわたしの右へとおろす。

「こ、ここでさ、少し身体を冷やしてからならきっと大丈夫だと思うんだ」
「う、うん、そうだね、エイラ」

 ぎごち無い会話。
 うう、大丈夫だとか言いながら全然大丈夫じゃないぞ。

「え、えと、前は背中からやろうとしてうまくいかなくて、正面からお互い同時に……って所で完全にのぼせちゃったんだよね」
「そ、そうだな」

 わたしも丁度考えてた事を、サーニャが口にする。
 ううううう、何だかさらにドキドキが加速した気がするぞ。

「どう……する?」

 サ、サーニャがわたしの言葉を求めてる。サーニャもきっと緊張してるから年長者であるわたしに答を求めてるんだよな。うん、きっとそうだ。
 保護者として責任ある回答をしなくてはっ!

「み、見詰め合ってると変に緊張してしまわないか?」

 うぐ、どもった上にはじめの「み」が裏返った……。

751zet4j65z@トリ忘れた;;:2009/07/08(水) 18:33:01 ID:Tzum8wKL
「そ、そうね、緊張しちゃう」
「だろ、でも、公平にはやりたいから……お互いに向かい合って、目を閉じてするって言うのでどうだろ?」
「う、うん……じゃあ、そうしましょ」
「おう」

 お互いに同意し、向かい合って立つ。

「…………」
「…………」

 見詰め合う事暫く……やがてどちらとも無く目線を逸らし、

「ま、まだちょっと冷却が足りないかもしれない」
「そ、そうよね、もうちょっと身体を冷やしてからじゃないと……まだ、熱過ぎるよね」

 そんな事を呟いて一度肩まで水に浸かり、やや間を置いてから一旦水に潜って、顔を水につけたままちょっと浮いてみる。
 ちらりとサーニャの方を見ると椅子代わりにしてる水の中の石の上で膝を抱えた姿勢で顔の下半分を水面に沈め、わたしを見ていた。
 視線の一致したタイミングが余りにもピッタリだったんで何だか気恥ずかしくて思わず目を逸らしてしまう。
 暫くの間そのままでいて、ちょっと呼吸が苦しくなった所で今度は姿勢を仰向けにして浮かぶ。
 瞳を閉じて、大きく深呼吸。
 心を静かにしたくて、ぼんやりと空を眺めた。
 綺麗な空だった。
 西の空はまだ明るくて、でも東の空には仄かに星が瞬いて、藍と紫からオレンジと赤の微妙なグラデーションを描いたまま静止する空。
 なんとなく、サーニャの感謝のピアノが聞こえた気がした。
 それは幻聴じゃなくて、空を見上げたサーニャの奏でるハミングだった。

 綺麗な空だよな。

 そう言葉にしようと思って、やめた。だって、サーニャのうたを邪魔したくなかったから。
 代わりに、海月のように浮かんだままサーニャを見た。
 また、視線が合った。
 今度は逸らさずに、微笑む事ができた。
 サーニャも微笑んだ。
 もうそれで十分だった。
 わたしが口に出来なかった言葉も、それで通じてるって思えた。
 視線を、もう一度空へ。
 身体が冷えてドキドキも収まったけど、もう暫くこうしていたくて、ただ、サーニャのハミングへと耳を傾けながら空を見つめていた。

「くしゅん」

 そんな幸せな時間を中断させたのはサーニャのくしゃみだった。

「わ、大丈夫か? サー……に、へ、へ、へっくし!」
「え、エイラこそ大丈夫? くしゅん」
「ううっ、身体冷やしすぎたかな?」
752zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/08(水) 18:35:38 ID:Tzum8wKL
「そ、そうかも……」

 くしゃみを繰り返し、鼻を啜りながら提案。

「と、とりあえず一旦サウナにもどろっか?」
「うん、そうしましょ」


 …………。
 だが、とき既に遅し。
 すっかり身体を冷やしてしまった結果、結局そのまま二人して仲良く夏風邪で寝込んじゃって、次の日に元気良く登場したニパを困惑させ、助っ人を呼んで喫茶ハカリスティを回す事になるんだけど、それはまた別のお話。


 ちなみに日課に関しては、なんかそのままうやむやに……。 


以上となります。
やっぱりエイラーニャ二人だけだと書きやすいですね〜w
っていうか、トリどうだっけか……。
753名無しさん@秘密の花園:2009/07/08(水) 19:56:48 ID:IfpaQvGy
>>752
喫茶店キタ!
お前らときたら全くもって破廉恥でしてよもっとやれ!
別の話ではお互いを看病しあうんですね!体拭いてあげたりするんですね!
ご馳走様でしたGJ!
754借りてきた猫:2009/07/09(木) 00:57:09 ID:DF0S8uEv
昨日、ネウロイに基地の間近まで迫られた。
なんとか撃墜に成功したものの、ネウロイの破片が基地に直撃し、宿舎は半壊。
修繕が完了するまでの間、私たちは新たな部屋割りで生活することになった……


…※…※…※…

「無事な部屋は……私、バルクホルン、宮藤、シャーリー、エイラ、サーニャの5部屋か……どうする、ミーナ」
坂本少佐が顎に手を触れながらミーナ中佐に視線を向けた。
「そうね……」
言われたミーナ中佐がぐるりと私たちを見渡す。しばらく考える素振りを見せた後、再び口を開いた。
「……バルクホルンはハルトマン、シャーリーさんはルッキーニさん、宮藤さんはリーネさん、エイラさんはペリーヌさんをそれぞれしばらく受け入れてくれるかしら?」
一部を除き、了解という返事を返す。
「……あのっ」
『一部』に当たるサーニャが、珍しく声を発した。
「私は…どうしたら……」
「ありがとう、サーニャさん」
俯き気味に言ったサーニャに中佐が柔らかな笑みを向けた。
「あなたは哨戒任務等で生活リズムが他と異なることが多いでしょう?だから気にしなくていいわ」
「はい……」
そう言うサーニャの横顔は、ちょっぴり寂しそうで。
あぁ、私の部屋も吹っ飛べはサーニャの部屋にいけたのになぁ。
よりによってツンツン眼鏡か。ま、仕方ないな。
755名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 00:57:37 ID:DF0S8uEv
…※…※…※…

「失礼します……」
私の部屋に、今日からしばらく居候が住み着く。妙にしおらしくて、思わず笑ってしまった。
「な、何がおかしいんですの!?」
「何でもないッテ」
その笑いをなんとか抑えながら、ペリーヌを宥める。
プンスカしてるようだけど、実際には他人の部屋に間借りすることに緊張するあまりに普段よりツンツンが控え目。
からかうにはもってこいだな。
ま、ホントにからかったらしばらく居心地が悪くなる恐れがあるし止めておくけど。

そんな感じで、私はこの間借りについてあまり深く考えていなかった。
とある重要なことに気付いたのは、サーニャを見送って戻ってきてからだった。
756名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 00:58:24 ID:DF0S8uEv
…※…※…※…

部屋の扉を開けると、ペリーヌが部屋を右往左往していた。
「まだ寝てなかったのか」
私がそういうと、ペリーヌは困ったような顔を私に向ける。
「……?どうしたんダヨ」
「ベッド……」
「ベッドならそこに……あ」
うっかりしていた。
他の連中は『仲良し』だから、きっと気にせず――バルクホルン大尉だけは表面上嫌がりながら――同じベッドに入るだろう。
しかし私たちは少なくとも『仲良し』ではない。
女同士とはいえ、なんだかな……

「わ、わたくし床で寝ますわ……」
唐突にペリーヌがそんなことを言いだし、床にぺたんと腰を下ろした。
「ちょ、待てよペリーヌ!」
今でこそ軍人だけど、お嬢様育ちのお前が床で寝れるわけないだろ、と言い掛け、堪えた。
そんなことを言えばコイツは意地を張って本当に床で寝ようとするだろう。
「今日はお前がベッド使え」
「あなたのベッドなのですから、あなたに使う権利があるはずですわ」
「その持ち主が良いって言ってんだ」
「……でも」
ちょっと上目遣いで私を見上げてきた。
「じゃあこうしよう。明日、何かベッド代わりになるものを貰ってくる。一日置きに、それとベッドを交互に使う。どうだ?」
「……わかりましたわ」
ぷいっと顔を背け、ペリーヌは立ち上がってそのままベッドに腰掛けた。
やれやれ。
「……がとう」
「え?」
「なんでもありませんわっ!」
突然ぷんぷんし始めたペリーヌはそのまま横になった。
何か言ったような気がしたんだけどな。そう思いながら、私も硬い床に横たわる。
何も敷かずに寝るのは初めてだ。
757名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 00:58:55 ID:DF0S8uEv
…※…※…※…

さすがに床で寝るのは辛い。何度か目が覚めた。
しかし最後の目覚めは寝苦しさに依るものではなかった。
「ぐえっ……」
何者かに踏まれた衝撃のためだ。
しばらく床の上をゴロゴロとのたうち回った私は、床に撒き散らされた見覚えのある衣服に気が付いた。
そういえば辺りが若干明るくなっている。もうすぐ朝だ。
サーニャは今日も私の部屋に迷い込んできたらしい。

……と、いうことは。
ハッとして、ベッドを見た。
思わず鼻から何か飛び出そうになる。
「ん……」
なんてこった。ペリーヌに抱きついたサーニャが耳元で甘く囁いている。
ホントなら私が抱きつかれていたはずなのに……
嫉妬に燃える私の目の前で、今日のサーニャは一味違った。
「!!?」
思わず目を見開く。
「い…いけませんわ坂本少佐……」
そんなバカな。サーニャがペリーヌの耳をはむはむし始めただなんて。
……コレは見ていて良いモノなのだろうか。
ゴクリ、と生唾を飲み込んだ。
758名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 00:59:37 ID:DF0S8uEv
サーニャは更にエスカレートする。
ペリーヌのネグリジェの裾から手を差し入れたのだ。
「ああっ……」
その手は果たしてどこに触れたのか。ペリーヌが艶っぽい、小さな嬌声をあげた。
「ふふっ」
「ひゃうっ」
サーニャが小さく笑った次の瞬間、ペリーヌの身体が小さく跳ねた。
心なしか、二人とも息が荒くなってきたような。
「ひゃぁっ!!」
再び、ペリーヌの身体が弾んだ。先程よりも遥かに大きく。
直前、サーニャが舌先をペリーヌの耳に触れさせたのが辛うじて見えた。
「さ……か…しょ…さっ」
「かわいい……」
チロチロとペリーヌの耳を責めていたサーニャが、愉しそうに笑う。
……本当に寝てるのか?
そう思ってしまうほど、サーニャはペリーヌを鳴かせ続け―――

「にゃ……あっ…」
いよいよペリーヌの顔が、トマトのように真っ赤に染まってきた。
身体は痙攣しているように小刻みに震え、鳴き声は一向に鳴り止まない。
「耳しかしてないのに……」
サーニャが、本当に愉しげに呟く。
「―――えっち。」
「ちが……にゃうぅぅっっ」
759名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 01:00:02 ID:DF0S8uEv
…※…※…※…

荒い息を繰り返すペリーヌの横で、満足げにすやすやと寝息をたてるサーニャを見つめる。
さっきのは夢か、はたまた現か……

それはさておき。とりあえず、ズボンを履き替えたエイラだった。
760名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 01:02:18 ID:DF0S8uEv
続くのかい続かないのかい、どっちなんだいっ!

わかーらないっ!!


少なくとも今回は投下終了
761名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 01:04:01 ID:yGTGw0FD
設定からして面白い
エーゲルも書いてくれると嬉しいね
762名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 06:17:35 ID:jhcvGWQd
通常絡みようがない組み合わせは面白いな
実際はエイラがペリーヌに部屋貸して自分はサーニャのところに行きそうだけどw
763名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 06:30:04 ID:7vZfq4Zx
他の組み合わせも面白そうだ
とにかく続けてくれ。ください
764名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 07:04:21 ID:ICP1tPh8
>>760面白いな。是非続きを
えーゲルも書いて
765名無しさん@秘密の花園:2009/07/09(木) 23:43:10 ID:DF0S8uEv
続編を急いで書くと微妙になる人なので、気長に待ってほしいです
766LastWitch Standing / rQBwlPEO:2009/07/10(金) 00:32:39 ID:D+TO+Bx1
了解。待ってますw

エイラvsトゥルーデ(エイラ&トゥルーデ)投下します。
エイラもお姉ちゃんもひどい事になってる話がだらだら続きますのでご注意ください。

http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/16090
pass:sw
767名無しさん@秘密の花園:2009/07/10(金) 06:45:36 ID:h8MbOGdu
これはいいお姉ちゃん
そしてエイラw 何にも悪くねえw
768名無しさん@秘密の花園:2009/07/10(金) 23:40:32 ID:D/9vs1xT
>>766
なんというお姉ちゃんwwGJ!!
最後の土下座シーンが脳内再生されて吹いた
こういうくだらない話最高だ
769名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 12:56:23 ID:UD3vjFMM
接続がタイムアウトしました
sofia.axfc.net のサーバからの応答が一定時間以内に返ってきませんでした。

何日か前からこれなんだが
俺だけ?
770名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 02:40:14 ID:qFhZxaLM
ttp://www1.axfc.net/uploader/Img/so/51635
もっさんが誰かを教導している横でも別の教導が進んでおります。

前回の芳佳もそうだけど、ここまでくるともう確信犯というか、名乗らなくても誰かバレますよね(・ω・`)
ちなみにだいぶ突貫工事なのでかなり仕上がりは粗いっす。
771名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 02:56:51 ID:zjJcrnKQ
>>769
最近調子悪いな
ダウンロード画面まで行くんだけど反応が返ってこない事がある
772名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 10:12:22 ID:uYbz5++3
フミカネ更新キター
といっても番外編だから新キャラはないけどマイルズ少佐初の全身カラー

部下11人もいたのか
まるでどっかの第一中t……いや、なんでもない
773名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 22:13:13 ID:qFhZxaLM
時速30kmの歩行ってどんな歩行なんだろうか……
774名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:11:43 ID:dhOFHxmR
意図的に改行を増やしたものを書いたのですが、投下するとスレが見にくくなるんじゃないかとちょっとためらってます。
避難所とかの方がいいでしょうか。
775名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:23:40 ID:5gxCjkpy
>>773
スコープドックみたいになるんじゃないの?
776名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:26:39 ID:qFhZxaLM
SSだったら躊躇わずにバスンと行っちゃえばいいんじゃないかな!こう、バスンと!

とは言ったもののもし不安なら、ここで投下したければテキストファイルでろだにうpとかすればいいんでないかと。
それが煩わしいようなら、避難所の方がいいかもしれません。

ま、己の判断に任せますよー。読む人はどんな形であれ読んでくれますからb
もちろん俺も読みますb
777名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:27:50 ID:jDf6Mjbh
30レスあるとかじゃなきゃOKだと思うよ
778名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:29:20 ID:4Ve6N8tL
例の荒らし以来すっかり過疎っちゃって、
1000行く前にスレストなんて、望むべくもなくなったしねえ。
問題ないかと。
779名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:31:42 ID:dhOFHxmR
レスありがとうございます。ここで投下させていただきます。

改めましてこんばんは。LWqeWTRGです。
短いくせに分割しまくり、改行が異常に多いエイラーニャです。
短いのに6レスまで膨れます、よろしければ読んでやってください。


あ、雨、だな…。

サーニャ、傘、使いなよ。
私は濡れても平気だし。
サーニャが風邪ひいたら大変だ。


は、……え!?
い、いいい一緒に使う!?
いい! 私大丈夫だから! この傘ちっちゃいし、な!?

ちょ、サーニャっ…!
うぅ……。わ、わかったよ……。


っ…!
あの、サーニャ…?

う、腕…組まれると…恥ずかしいんだけど……。


――――――――――

780名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:33:44 ID:dhOFHxmR
うふふ。いいでしょ?

……。

ん、なぁに…?
うん、私は大丈夫だよ。
それよりエイラこそ、濡れてない?
大丈夫?

……そう、よかった。

……。


ふふっ、ぎゅーっ。


――――――――――

……。

……っ!

……さ、ささ、サーニャ…?

い、いいや、なんでもない…。
なんでも…ない……。

……。


たっ、たまには雨も良いもんだなっ!


――――――――――

781名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:35:06 ID:dhOFHxmR
ねぇ……。

エイラは、ね?
好きな人って、いる?


……そうなんだ…。

じゃあ……。
ずっと、一緒にいたいって思える人は、いる……?

……ふふ、ありがと。


ありがとう、エイラ。


――――――――――

そ、そういう、サーニャは…。

サーニャは、ど、どうなんだ…?
す、好きな人って、いるの?


え――?

そ、そう…。
そう…なんだ……。

…そ、れで…、どんな人…なの…?

い、いや…。
気になる…んじゃなくて…。
私は…ただ…。

ただ……。

……。


…。


――――――――――

782名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:36:43 ID:dhOFHxmR
……。

その人はね…?

めんどくさがりで、いたずら好き。
とっても寂しがりなくせに、とっても恥ずかしがり屋さん。
うーん、ちょっぴりあわてんぼさんでもあるかな?

でも。

とっても優しくて、暖かくて、一緒にいてものすごく安心できる人。
かわいくて、かっこよくて、とても強い人。
そして、私のことをいつも護ってくれる人…。


私は、その人がだいすき。


だから……、――っ!


――――――――――

ちゅ……。


さ、サーニャっ…!
さっきは好きな人はいないって言っちゃったけど……。

わ、私はきみがすきなんだ…。サーニャが、すき…。
そう、サーニャを愛しているんだ…。


いきなり…キスなんかしちゃって…、ごめんな…。
それに…、も、もう遅いかも…っ、…しれないのに…。

でも…これだけは…。

いつまでも一緒に…。
サーニャと…ずっと一緒に、いたいんだ……。

私は、サーニャがだいすきだから…!


――――――――――

783名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:38:00 ID:dhOFHxmR
……私はその人がすきなの。


だから。

だから聞きたかったのよ?
エイラの、気持ち。


…うん、そうだよ。
エイラの気持ちが…聞きたかった。

ふふ、えっとね?


私は、エイラのことがだいすきです。


――――――――――

わ、わたし……が…?
わたしが…すき?

だ、だって…。
だって、そんな…。


ちが、そっ、そんなわけっ!
イヤなわけないだろっ!

というか…、私もサーニャが…、サーニャのことが…。
すきだって、言ったばっかしなんだぞ…?


…っく……。
な、泣いてねーよっ…。雨、だよ…! あめ…。
うれし泣きなんて、してないっ…!


――――――――――

784名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:39:38 ID:dhOFHxmR
もう、大げさよ…? エイラ…。

ぐす…、私は泣かないもん…。
な、泣いてないよ…?
うれしいから。笑うの。

えへへ…。

…ほら、エイラも。
顔上げて、ね?

もうっ、泣かないの…エイラ…。
笑って、笑って。


……エイラ。


だいすきだよ。


END

―――――――――
以上です。
タイトルは「あめのひ。」です。

ゆっくり流れる感じがだせたらな、と思い改行をこうしました…。

それでは失礼します。

785名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 23:46:11 ID:pzicz1bG
>>773
RX-78ガンダムは時速100kmで走るんだぜ
786名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 00:19:52 ID:IESkkjs3
>>784
甘酸っぱさに読みながら悶えたんだがどうしてくれるw
間を取った書き方もも雰囲気でてて良かったGJ!
787Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/07/13(月) 01:44:15 ID:3r58QKk4
>>784
やっぱりそのまま投下して正解だったと思う。ゆったり感も出てるし、ぐっじょぶです。

というわけで最近画像投下してばっかりだったので、久々にSS投稿ー。
久しぶりに書いたので、以前の作品以上に読みにくいと思います…orz

また、通信室のほうに『エース』シリーズの感想で「この設定の続きが読みたい」と
書いて下さった方がいたので、思い切って「時間軸が数ヶ月ほど飛んだ続編」を書いて
みました。そのため『エース』を読んでないと一部クエスチョンマークが
つくところがある上、『エース』を読んでいたとしても「これどういう状況?」に
なってるところが大きいので、まあ何も考えるぼけーっと読んでやってください。

あと、噛ませ犬というか、物語の都合上、  どうでもよさげな男が一匹出てきます  。
まあ深く考えずに読んでやってください。

[高らかにその剣を掲げ] 芳佳&クリス
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/blade.txt

俺の脳内での芳佳の位置づけはこんな感じです。
>>770 みたいな感じです。

以下、読み終わった人向け質疑応答。

Q.ゲルトが「芳佳」って呼んでんだけど?
Q.なんかコールサインっぽいので呼びあってるけど?
Q.芳佳が編隊長??
A.『エース』にてそういうイベントが起きました。

Q.敵機の機種がウィッチーズ隊と対するにはおかしくない?
A.機種と状況から世界情勢を察してあげてください。
788名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 14:19:02 ID:Fysosq8e
>>785
それくらいスティーブ・オースティンだって時速100kmで走るぜよ
789名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 18:11:12 ID:pxquuaU+
ガンダムと比べるなよw
790名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 20:03:51 ID:1lDsZnBx
ところでシャーゲルはどこかな?
791zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:07:11 ID:i37NmDaG
時速30kmっていうとマチルダUより速い感じだね。
同人誌の漫画の描写を見る限りでは地面をすべるように移動してる感じかなぁ。
っていうか相変わらずマイルズ部下の眼鏡の人が萌なんで名前くらい知りたい今日この頃。

>>784
詩みたいな感じですごくいいとおもいます〜。

>>787
個人的には戦いに積極的な芳佳はちょっと……なんだけど、教え導く姿はすごく好きだったりします〜。


とりあえず、看病と店のフォローとか思ったんですが、ニパ視点で書き始めたらなんかどたばたに。
6レスくらいでいきます。
792zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:07:38 ID:i37NmDaG
●スオムス1946 ついてない喫茶店の風景

「しっかし、緊急で召集してよくこれだけのメンバーが集まったな……」

 集まった連中を見渡して、ハカリスティの制服(?)であるウェイトレス服に身を包んだあたし、ニッカ・エドワーディン・カタヤイネンは呟いた。
 店主とその嫁(悔しいが認めざるを得ない)が夜の水浴び場で不埒な事をした結果病欠ダウンした喫茶ハカリスティは本日緊急編成だ。

「そうですね。エイラさんの人徳ですかねー」

 幸せそうな顔で微笑みながら言うのはエル姉ことエルマ・レイヴォネン。

「いや、あの……緊急事態って、この店を手伝う事、だったのか? ニパ、エルマ……」

 しっかりと戦闘服を着込み、脚には国産ストライカーユニットのピョレミルスキを装着し、その手にMG-42を持って困惑した表情を浮かべているのは極北のマルセイユことハンナ"ハッセ"ウィンド。
 っていうかエル姉ってばどういう伝え方したんだ?

「いい加減ハッセもエル姉の言動に惑わされないようにしなさいって……」

 普段着のまま呆れ顔で突っ込みを入れているのは空軍時代には良くつるんでたエリカ・リリィ。
 コイツは多分だがこの中で一番の常識人だ。

「では、私はさーにゃんの看病に集中しますね」

 真摯な表情で揺れるおっぱいは実は呼んでいない、というか呼ぶコネなんて無かったのに勝手にやってきたおっぱいの人だ。
 名前は確かハイデマリー・W・シュナウファーだったか? とにかくおっぱいが大きいんで害は無いと思う。
 自分で言ってるんでサーニャちゃんの面倒は見てくれるだろう。多分ついでにイッルの分も。

「ワタシが来たからにはもう安心ネー」

 底抜け能天気に安心宣言を出すおっぱい二号はキャサリン"クラッシャー"オヘアだ。
 おっぱいは大きいがコイツはきっと何かをやらかすと思う。揺れるからっておっぱいばかり見てたら絶対後で痛い目に合いそうだ。
 ……っていうか誰だよこいつ呼んだの? エル姉か! エル姉なのか!?
 
「所でエル姉、他のメンバーは何となくわかるんだけどなんでコイツまでいるんだよ」
「はい、人手は多い方がいいと思いまして、丁度フィンランド湾にレキシントンが来ていたのでちょっと呼んじゃいました」
「ミーとエルマはとっても仲良しさんねー。お友達が困ってたらお仕事よりも優先よー」

 オヘアがエル姉に抱きついて困った事を言っている。つまり本来の仕事を放って来たって事かよ。
 しかしまぁ、知り合いのツテってのは恐ろしいもんで、喫茶店の手伝いだってのに名だたるエースが揃いやがった。
 寝込んでるイッルも含めればスオムスのトップ3揃ってるし、夜戦最強おっぱいはいるし、いろんな意味でのクラッシャーおっぱいもいる。
 今この瞬間ネウロイの再侵攻が始まったとしても全部叩き落せるんじゃないか?

「既に開店時間を回っているようじゃないか。こうして雑談をしていても埒は明かないだろう。ニパ、ここに慣熟しているお前が指揮を執って我々を使え」
「そうね、一ヶ月お店やってるんなら色々わかってるんでしょ」

793zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:09:05 ID:i37NmDaG
 根も態度も真面目なハッセと常識人のエリカが全うな意見を出す。
 あたしもそのつもりだ。
 とはいえサーニャちゃんのオラーシャ料理だけはここで再現できる人材がいないんで、今日はメニューをサンドウィッチとコーヒーに偏らせて提供するしかないだろうか?
 いや、もしかしたら意外と料理が上手な奴もいるかもしれないから一応確認はするべきか。

「とりあえず、スオムス組はサンドウィッチとコーヒーはいけるな。あとはオラーシャ料理できる奴はいるか?」
「はい、私少しなら出来ますけれど、飽くまでも出来るのは少しなんでメニューにあるものを上手く再現できる自信がありません……ごめんなさい」
「あ、私もできますけれど……残念ながらさーにゃんの看病に来たのでお店は手伝えません」
「ハーイ! リベリオンのバーベキューするね。お肉いっぱい焼くよ。食べるよー」

 エル姉は自信なさそうにしてるけどそれはいつもの態度だし、家庭的な事は得意だし、サーニャちゃんと料理の情報を交換してたみたいだし、多分それなりに信用できるな。
 おっぱい一号は……まぁ、サーニャちゃんのことを任せておけばいいか。とか考えているとさっさと奥へ引っ込んでしまった。マイペースな奴め。
 おっぱい二号は……っていうか何でバーベキューだよ! 連れ来たの誰だよ! エル姉か! クソッ、とりあえず無視だっ。

「ハッセ、とりあえずストライカー脱いで、リリィも一緒に着替えろ。服はイッルのやつならサイズ的に着れるだろ。ハッセがウェイターでリリィがウェイトレスで行こうか」
「了解した」

 服装の指定に関してはぶっちゃけあたしの趣味だ。異論は認めない。

「エル姉はとりあえずエプロンだけつけて厨房に頼む」
「エプロンだけって!? は、はだっ……」
「んなわけあるかっ! そのままの服でいいから袖まくってエプロンだけつけてろってんだよ!」

 何でそういう方向性の勘違いするかな……。
 あたしの中ではありだけど、さすがにさせらんないな。

「こんな事もあろうかと自前の衣装を持ってきたねー。じゃじゃーん」

 口での効果音付きで何だか服を取り出す二号。
 馬鹿でかいおっぱいを強調するような殊勝なデザインだ……っていうか衣装じゃねーよ。
 頼むからつれてきた奴は責任とってコイツを引き取ってくれ。エル姉じゃ無理なのはわかってるけど。
 とか嘆いてるうちにお客さんが入り始めた。
 オーダーを取ってエル姉に回す。
 程なくして着替えを終えたハッセとエリカが合流し、一気に昼のラッシュへと雪崩れ込んでいく。
 普段から何がどこにあるかをサーニャちゃんが良く整理していたのとエル姉の家庭的スキルのお陰で意外と店は回る。
 しかし前々から思ってたんだが、ここって喫茶店のはずなのにすっかり復興作業員専門の食堂になっちまってるよなぁ。
 イッルもサーニャちゃんもその辺に意義を見出してるみたいだからいいんだけどさ。
 そんな事を考えながら店内を見回すと、リリィが難なくオーダーをこなしてるのはいいんだがハッセが何だか流しで苦戦してるようだった。

「どうしたんだハッセ?」
「ん? ああニパ。どうにもこの汚れが気になるんだ」

 見るとハッセは流し台についた傷についた汚れと格闘していた……いや、そんなのいいからさっさと食器を洗えよ。
 真面目で凝り性なのも考え物だな。
794zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:09:30 ID:i37NmDaG
 そこはいいよ、と一言だけ言って自分の仕事に戻ろうとすると、顔が柔らかいものに埋まった。

 それはばかでかいおっぱいだった。

「うぶっ」
「オー、ニッカは積極的ねー」

 これは役得……いや、何でこんな高い場所におっぱいがあるんだ?

「ちょっとなんだコレ!?」

 慌てておっぱいを押しのけると、信じられないほど軽い手ごたえが返って来てキャサリンの姿が急激に遠ざかり、おっちゃんたちの座るテーブルへと滑らかな動きで近づいていって……。

 どんがらがっしゃーん!

 ちょ!!! 一体ナニがっ!?

「突然押しては駄目ねー。まだローラースケートにはストライカーほど慣れていないよ」
「何だそりゃ! 何でそんなもの履いてるんだよ!」
「見れば解るね。ローラースケートよ」
「だからなんでそんなもんここで履いてるんだよ!」
「ミーはこういうのに憧れていたね。チャンスをくれたエルマとニッカに感謝ねー」

 言いながらよろよろと立ち上がって、そのまま抱きついてくるキャサリン。
 行動に悪い気はしないんだが、アレだ。
 悪気が無いだけ性質が悪い。
 初めから悪戯するつもりで奇行に走るイッルの方が何倍もマシだ。
 ついでに周りのおっちゃん達も怒ればいいのに笑ったり歓迎したり口笛吹いたり「もっとやれ」とか言ってるから更に性質が悪い。
 もうあたしに出来る事といったら大きなため息を一つついてから、

「とりあえずそれは脱げ。抗議は全部却下だ」

 と、言う事だけだった。

「残念ねー」

 当の本人はさして残念そうでも無く笑顔でそう言うとローラースケートを脱ぎ始めた。
 ま、ああいうオプションでもなければ騒いだりぶっ壊したりするにも限度があるだろうから後はもう大丈夫だろ。

「キャー!」

 ってなんだこの悲鳴!? エル姉かっ!?

「どうしたッ! 何があった!?」
795zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:09:57 ID:i37NmDaG
「ででで出ましたっ!」
「冷静に状況を報告しやがれ! 少佐だろ!」
「ねっ、ねねねねね……」
「ね?」
「ネズミさんですっ!」
「そんなんでいちいち騒ぐなっ!」
「で、でも〜」
「でもじゃない! 小動物でいちいちびびんな! 使い魔だって同じようなもんだろうに」

 なんかまだ色々と小声でぐちぐち言うエル姉を無視して背中を向ける。
 っていうか、何だってこんな事になってんだ?
 あたしか! あたしのせいか! あたしがついてないからこうなのか!?
 いや違う! 断じて違うっ!
 そもそもイッルがヘタレなせいだっ! そういう事にしとかないと収まんないぞっ!
 憤慨しながらも丁度コーヒーのオーダーが入ったんで煎れる。
 コレがなかなか湯加減とかあったりして難しい。
 冷静でないと出来ない作業なんで、結果的にではあるけれど目の前の豆やカップ達と向かい合う事によって心の中のカリカリした部分が追い出されていく。
 ふぅ、ちょっと落ち着けたか。

「ねぇニパ」
「ん、何だエリカ」
「キャサリンがまた暴走してるんだけど私は止められる気がしないのよね」
「ゑ?」
「コーヒーの方替わるから宜しく」

 と、いいながらこちらが呆気に取られた隙を利用してすすっと身体の位置を入れ替える。
 しまった、逃げ場を奪われた。
 仕方なく店内を見回すと、キャサリンが赤と白で彩られ青色で文字の書かれたリベリオンビールのビンを客のおっちゃんたちに配っていた。
 しかも大量に。
 あんなのいつの間に用意したんだよ……。
 横目にハッセがサンドウィッチのパンのエッジを綺麗に切りそろえる為に頭を悩ませているようだったがもうそんなことはどうでもいい。

「おいっ! お前一体何やってんだよ」
「ミナサマに監査の気持ちねー」
「うちにはそんなのメニューにないっての!」
「大丈夫ねー。全部ミーのポケットマネーで揃えたよ」
「コレ全部をか?」

 いつの間にか積みあがっていたボトルケース。
 っていうか良く見ると外でリベリオンのフライトジャケットを着た女の子が動き回ってるじゃないか。
 コイツ部下まで動員しやがったのか!?
 クソッ! マジで常識が通用しない!
 そしてノリのいいおっちゃんたちはまだこの後も作業があるだろうってのに呑む呑む呑む!
 最早手遅れだった。
796zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:10:25 ID:i37NmDaG
 既にイッルとサーニャちゃんのこの小さな喫茶店はリベリアンの魔の手によって収拾がつかない程の混沌と化してしまった。
 うう、イッルたちの為に良かれと思って人を集めたって言うのに……。
 所詮あたしのやる事は全部裏目かよ。
 うなだれているとぽんぽんと肩を叩かれ、

「元気出すねー。いっぱい頑張ってるユーにもお裾分けヨ」

 能天気な声で話しかけながら良く冷えた紅白+青のボトルを頬っぺたに押し付けられた。
 ひんやりとしたそれの感触。
 底抜けの笑顔。
 何かどうでもよくなったあたしはビンをひったくると一気にそれを煽った。
 ノリのいいおっちゃんたちも囃したて、あたしも加速する。
 なんか店のコッスも煽りだしてエル姉やハッセに止められた様な気もするけどちょっと飲みすぎたせいでなんかもう覚えてない。


 …………。
 で、どうやら最終的にはサウナを経由せずに水浴び場へと飛び込んだらしい。
 そして今あたしがどうしているかというと……。

「まさか一日で立場が逆転するとは思わなかったな」
「うん、でも大丈夫? ニパさん」
「う〜……あたま痛いぞ……げほ、げほ」

 なんというか、二人の替わりにキングサイズのベッドに一人で横になっているわけだ。
 一緒に飛び込んだらしいキャサリンはその後酔っ払いながらもピンピンしながら帰ったらしい……ストライカーで。
 混沌空間と化した店内はエル姉、ハッセ、エリカが何とか片付けてくれたみたいで、ハイディの奴も二人の看病を無事完遂したようだ。

「こらこら、身体起こすなよ。まだ熱高いんだからさ」
「はい、冷やしたタオル、替えるね」
「ん……」

 イッルの言葉に従って身体を楽にすると毛布を直してくれた。
 そしてそのままサーニャちゃんにおでこのタオルを取り替えてもらう。
 正直かなり辛くて物を考えるのも億劫だが、コレはコレでもしかして幸せかもしんない。
 なんせこの二人がお互いに求め、しかし今回は結局果たされなかったお互いに看病してもらうっていうイベントをあたし一人でこなしてるわけだからな。

「わ、オマエなにをニヤニヤしてんだよ。熱が脳に来ちゃったか!?」
「だ、大丈夫? ニパさん」
「んふー」

 二人の心配する声を聞きながら手を伸ばしてその頭を抱き、にへらーっとしながら胸に抱いてみる。
 イッルが抗議の声を上げるけど無視で、熱に浮かされた衝動に任せてみる。
 二人とも大好きだぞー、って。
 心のどこかで、こんな事普段じゃ出来ないなー、後でからかいのネタにされるかなー、でもそれもいいかなーとか思ってみたりしながらまた意識が遠のいていく。
797Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/07/13(月) 23:13:22 ID:3r58QKk4
シャーゲルと言われて書いてみた。3時間ぐらいで突貫で書いたので誤字脱字がいつもより
ひどいと思います。

[相対するもの](注:×そうたいするもの ○あいたいするもの)ゲルトルート&シャーロット
ttp://sky.geocities.jp/tsuki_no_tomo_sibi/swss/mahounokotoba.txt

怖いものに立ち向かう、というほど大層なものでもないですが。
しっとりというか、こう、どこかじめじめと付きまとうんだけど、最後は
なんとなくさっぱりなるような感じを心がけてみました。

「ひときりの部屋」ってサイトの「恋は距離の二乗に反比例する」っていう曲がぴったりくる感じをイメージ。
798zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/13(月) 23:14:34 ID:i37NmDaG

「エイラさーん。氷水もってき……ひゃっ!」

 ずるっ。
 ばしゃ。
 がらん。

「つ! つめたっ!!!」
「エル姉っ!」
「エルマさんっ!」

 どこかでそんな声と音が聞こえた。
 漠然と次のかぜっぴきはエル姉かぁ。
 とか思いながら。
 私は眠りについた。
 

以上となります。
おちが弱いかな〜とかおもいつつも、まぁニパが不幸中の幸いを見つけ出してるからいいかなぁ、と思ったり。
799Laevatein ◆nc1Kth5AW6 :2009/07/13(月) 23:15:43 ID:3r58QKk4
うわー、最悪……F5押したタイミングが悪くて、話ぶった切ってしまいました。
本当に申し訳ない……すみません;;;
800名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 00:22:47 ID:ghE8Dk0K
>>798
熱が出ていて辛そうなはずなのに、おかしいな。ニパが大勝利してるように見える…。
zetさんのスオムス組は初登場でしたか?ハッセ面白いw でも「エプロンだけ」はもっとワラタw

>>799
シャーゲルが言葉を交わす食堂のシーンが萌える。かっこいいな二人とも。
801名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 00:24:37 ID:CI0OgQix
久々に重複
わざとじゃなくても投下が重複しちゃう
のが昔のスレだったんだよな今のスレは二期と
新キャラを待ち侘びるスレになってるから困る

読んでるうちに日付変わっちまったぜ
両者ともGJ!!さにゃさにゃなハイちーにニンマリしつつお姉ちゃん人格分裂に新たな可能性を見た。
802zet4j65z ◆le5/5MRGKA :2009/07/14(火) 01:26:19 ID:LpTcjf44
>>799
おきになさらず〜^^ よくあることですよwむしろ盛況なしるしだと思われ。
まだ読んでないんで跡で読みます〜。

コメントありがとうございました〜。
キャサリンって考えてみると書くのはじめてかも。
あといらんこで書いてないのって、ウルスラとジュゼとトモコさん……っていうか結構書いてないなw
本当は>>753みたいなのもいいなぁ、と思ったんだけれど実は前のを投稿した時点でこっちが8割書き終わってた罠。

友人宅で50インチモニタで全話マラソン上映してからいろいろ気合が入ってきがする今日この頃。
次は何を書こうかなぁ。
8031/2:2009/07/14(火) 07:35:35 ID:LpM9anD8
えいらにゃで2レス
―――

それはふとした気まぐれで、私は彼女に請うて自らの手と彼女の手を重ね合わせたのだった。彼女は
一瞬怪訝な顔をしたけれども、それでもすぐにふわ、と笑んで私の突発的な行動を許容する。

そしてその二つの重なった手に頬を寄せて、優しく優しく私を諭すのだ。



「エイラ、手」

要望はたった二言で終わった。うつらうつらしていた私の傍らでお気に入りの水晶玉を磨いていた
エイラは、いびつに歪んだ自分の姿が映るその球をからすぐに顔を上げて私を見てくれる。

「ン?」

スオムス特有の、少し変わったイントネーション。指摘すると頬を膨らますのに違いないから私は
あえて口にしない。ましてはそんなところも素敵だなんて、恥ずかしくてとても言えない。

「て?」
「手。」

片手を上げて開いたり閉じたりするエイラに、頷きながら私も右手を上げた。すかさず身を倒して
彼女の手と私の手を重ねて、温もりを共有しあう。寝起きで体温の高い私のそれと違って、エイラの
手は少しだけひんやりしている。

「ドウシター?さーにゃー」

少しだけ不思議そうな顔をして、エイラは私のその手を受け止めてくれる。きゅ、と力が込められて、
彼女の手に軽く包み込まれた。私より一回り大きなその手は、不思議な力強さに溢れている。私自身
ピアノを志していた一人だからその手が小さいとは思わないけれど、けれどもやっぱりエイラの手は
私のものよりもずっと大きいような気がするのだ。

さーにゃ。付け足される私の名前に、言葉でも包まれているような気持ちになる。だってエイラの声
ときたらいつもは感情の機微をほとんど感じられないほど平坦な癖に、私の名前を呼ぶときだけは
どうしてかひどく柔らかくて、温かみと深さに溢れている。もしかしたらそれは単なるうぬぼれなの
かもしれないけれど、それでもいいと思えるほどその響きは私の胸に幸福をもたらすのだ。

私は何も答えない。だって、それは本当にただの気まぐれだったのだもの。夢うつつから覚めたその
ときに、不意に舞い降りたなんて事のない妙案。私の手と彼女の手の大きさを、重ねてその差を確か
めるというだけの行為。もちろんそんなの確かめるべくもなくエイラのほうが大きな手をしていて、
それはすっかり私を包み込めるほどだと私は知っていたのだけれど、それでも無性に確かめたく
なってたまらなかった。

「さーにゃー?」

もう一度私の名前を呼ぶ頃には、すっかり彼女は私の行動なんて許容してしまっているのだった。
しかたないなあ、と肩をすくめて、きょうだけだかんな、なんて口許を緩ませて、彼女は私のすべて
をいとも容易く受け入れてしまう。

エイラ越しに見た外の景色は曇天で、今にも雨が降り出しそうな気配。だからこそ私たちは外に出ず、
エイラの部屋で休日の午後のひと時をぼんやりと過ごしているのだ。
8042/2:2009/07/14(火) 07:37:35 ID:LpM9anD8
空に立ち込める灰色には一部の空も見当たらないけれど、けれども私はすぐそこに、広くて遠くて
つかみ所のない、人の形をした空を見る。光の加減で金色にも銀色にもきらめく不思議な色をした
髪は太陽の用でも月のようでもあって、彼女はまさしく空であると私はたまに息を飲むほどの気持ち
になるのだった。

私の手に宿っていた熱が、エイラのほうへと移って。そしてもともと別の体温を持っていた二つの
手が一つに解け合ってゆく。繋がって行く感覚がこそばゆくも心地よくて目を細めたら、自分の体を
支えるために床につけていた手が、別の温もりに包み込まれた。今度は私が驚いてそちらをみると、
同じように床についた大きな手が私の片方の手も上から包み込んでいた。顔を上げて彼女を見れば、
照れくさそうににしし、と笑う。けれど茶化したようなその顔もすぐに掻き消えて、ふっと彼女が
真剣な顔になった。

「かなしいゆめでもミタ?」

片方の手には頬を寄せて、もう片方の手はきゅっと握り締めて。諭すように彼女は言う。優しい響き
で、諭すように紡ぐ。どうしたの、怖い夢でも見たの、だからそばに誰かがいることをたしかめたく
なったの?一身に私を心配するその音は、あきれ返るほどに自分を勘定に含めていない。どんな理由
であれ、私が求めたのはエイラ・イルマタル・ユーティライネンその人であるというのに、まるで
私が誰に対しても寂しさを覆い隠さないような人間であるといわんばかりの物言いをするのだ。

違うわ、エイラ。私が欲しかったのはあなたよ、あなただけよ。そう言い返したくなってやっと、
私は自分の本心に気がつく。人恋しかった。温もりを求めていた。エイラに触りたかった。だから、
私はいまこうして彼女と手を重ねているのだ、と。

…気が付けばいつもそうだ。知らず知らずのうちに本心を見透かされて、それでも相手はそのことに
気が付いていなくて。私ばかりが気恥ずかしくなって、頬を熱くしている。

そう、だから、私はいつも。

「…なんでもない」

ただ、あなたと手を大きさ比べをしたかっただけよ。
そんな実際は建前に過ぎなかった当初の目的さえ告げることさえ悔しくて、彼女に対する言葉すべて
をつぐんでしまうことにするのだ。だってつぐんでしまってもエイラはいつも私の本音を容易く拾い
上げてしまうのだもの。私が気付いていなくたって、すぐに掬い上げてしまう。

重ねあった手はそのままに体を倒して、彼女の膝に顔をうずめた。「さ、さーにゃ!?」いつもどおり、
エイラが慌てた声を上げる。私は何も言わない。そのまま目を閉じて、眠ったふりを決め込む。それ
でもエイラの衣服や肌からエイラの香りがして、私はすぐに眠りにいざなわれてしまうのだ。

「さーにゃぁー……うっわ、もう寝てるジャン…しかたないなーモー……きょうだけだかんなあー?」

両手の不自由を奪われてもなお、そうして私を許しきってしまうエイラが愛しくて嬉しくて、私は
ぎゅうと、その手を強く握り締めるのだった。

ねえだいすきだよ。だいすきだよ。言いたくても恥ずかしくて言えるはずのないその言葉を、掬い
上げてくださいと願いながら。


おわり

うっかりできてた挿絵みたいなもの:ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader1083854.jpg
いまさらですが>>634-635も自分21X2w2Ibでした
しばらくぼけっとしてたらたくさん投下されててびっくりしました
あとでがっつり読みます。みなさんGJGJ!
805名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 07:42:19 ID:po8/tGMm
GJ
絵も描けるとか天才かよ
80621X2w2Ib:2009/07/14(火) 13:51:36 ID:F+PtTHpt
すみません、毎度のことながらミスをわんさか発見したのでせめてひとつだけ訂正を。

>>804
両手の不自由を奪われても

両手の自由を奪われても
に訂正願います。ほんとうにすみません。
807たなばた 1/4:2009/07/14(火) 19:58:05 ID:LpM9anD8
えいらにゃ今更七夕話
―――

ねえこんやきみにあえたら。
小さな願いをポケットの中にしまいこんで切に想う。言葉にして出すことは気恥ずかしくてとても
とてもできないから、それは儚い願いでしかない。
雲の上の空はいつも晴天。ねえ年に一度しかあえないなんて本当はうそで、雲に隠れて二人はいつも
いつも会っているのではないかしら?そんなことを考える。

ねえ、こんや、君に逢えたら。
きっと叶うことのない願いを、もう一度。
ミルクを空に流したかのように煌く星空と、それをはさんで向かい合う二つの星座。ねえ、あなたが
わしだというのなら、こんな河なんてひとっとびではないの?だって、そうでなければ寂しすぎる
じゃない。大好きな大好きな人と逢えるのが365日のうちのたった1日だけなんて、私だったら
きっと耐えられない。

QSLカードの入ってるポシェットに、こっそり忍ばせた深い水色のタンザク。願い事はすでに書いて
あったけれども、みんなと同じようにササの枝にくくりつける気にはどうしてもなれなかった。



お茶の時間の喧騒を、寝ぼけ半分で聞いていた。聞くに、盛り上がっているのは特に坂本少佐と、
おそらくは先日扶桑からやってきたばかりの宮藤さんであろうと思う。何のことだろうと視線を
ちらりとそちらにやると、幹も茎も枝も葉っぱも、全部鮮やかな緑色をした大きな木のような枝の
ような何かが見えて。けれどこの穏やかな昼下がり、特に強い光に弱い私はそれが何なのか判別する
前に傍らに座っていたエイラのひざにぼふりと突っ伏してしまう。「ワアアアアア、さ、さーにゃっ!」
なんて、あわてた声を上げてあわてて助け起こすエイラの反応が、とてもとても楽しくて、それで
いてとてもとても安心する。興味津々、といった面持ちでみんながその不思議な植物のところに集
まっていって、そして宮藤さんが得意げに何かを説明しているように思えた。私はエイラのひざから
肩に頭の位置を変えて寝ぼけ半分でそれを聞く。もちろんのこと、内容なんて頭に入っていない。

「今日はタナボタ…いやタナバタだったかな…なんだってサ」

エイラに連れられてサウナに行って、水浴びをして眠気を覚ました後になって、私はようやくその
内容を知ることとなった。私の聞き漏らしたことは全部エイラが拾っておいてくれて、逐一私に
教えてくれる。ミーナ中佐がなんと言っていたか、宮藤さんというあの新人の子が、どんな話をして
いたか。そういったことを記憶して、いちいちだれかに説明して聞かせるのは決して彼女の性に
あった行動ではないだろうに、それでも彼女は私に対してそうした気遣いを怠ることをしないの
だった。

「なんだったかな、ほら、天の川。あそこを挟んである二つの星が恋人同士でサ、年に一回、
7月7日…つまり明日ダナ。しかあえないとかそんな伝説があるんだって、扶桑には」

まだ少し眠気の残っている目をこすりながら聞いている私に、そうして一枚の紙を差し出した。

「このタンザクっていう紙に願い事かいて、あのササとかいう木にくくりつけるんだって。」

そうすると願い事がかなうらしいよ、そんなんで叶ったら苦労しないよなあ。なんていたずらっぽく
笑う割に、エイラは楽しそうだ。自分にあてがわれたらしい水色の短冊を見つめて少し微笑むのは、
何を願うか考えているからだろうか。
私のものらしいその細長い紙を受け取って、両手で掲げてまじまじと見る。うえのほうに紐がつけ
られていて、大きなしおりのようだと思った。
808たなばた 2/4:2009/07/14(火) 19:58:52 ID:LpM9anD8
「…ま、眉唾モンだけどさ、出かける前に書いてつるしたらいいんじゃないか?」

そんなことを話しながら通り過ぎるベランダに、掲げられている笹の枝。色とりどりの短冊がすでに
たくさんくくりつけられていて、今もまた、シャーリーさんに肩車されたルッキーニちゃんが手に
短冊の束を持って手を伸ばしている。

「ルッキーニのやつ…確か夕飯前にも相当書いてたぞ…いくつ書く気ナンダヨ…」
「…エイラは?」
「ん?」
「エイラは、まだひとつも書いてないの?」
「んー、ああ、なんか、夜になったら海に流すらしいから、ギリギリでいいかなって。
 願い事書くのはいいけど、みられんの恥ずかしいダロー」

少し頬を赤くして、鼻の頭を掻いて、照れくさそうにエイラは言う。彼女の頭に去来している願い事
は、いったいどんなものなのだろう。聞いてみたいようで、それは少し怖いことでもある。だって
いつも一緒にいるようで、私は実は彼女のことをあまり知らないのだ。私ばかりが彼女の前でいつの
まにかすべてを暴かれている。もっとも、暴いた本人はそのことに気づいていないようなのだけれど。

「ルッキーニちゃんは、なんて書いたのかな」
「んあー?パスタ一年分とかそんなんじゃネーノ?あとは母親に会いたいとかさー。ミーナ中佐たち
はみんなしてまずイモがどーとか書いてたよーな。そういえば『おっぱ』とか訳のわかんネー
書きかけのやつもあったゾ。いったい誰が書いたんダヨ」

あとでみんなの見て笑ってやるー、なんて、自分のことはすっかり棚に上げてエイラは笑っている。
いたずら好きなこの人は、きっとまたなにか楽しいことを思いついているのに違いない。私のとても
とても出来ないようなことをひょいとやってのけて、そしてひょうひょうと笑う。エイラはそう言う
人だ。

「あ、サーニャのは笑わないかんナ!ナ!」
「…ふふ、わかってるわ、エイラ」

それでも、はっとして。あわてて付け足す様がなんともいとおしい。大人びた表情ばかりを見せる
彼女は、不意にこうして子供のように無邪気になる。端正な顔がほころびてくしゃりとなったその
表情が、なんとなく好きだった。

「じゃあ、そろそろ、私…夜間哨戒の準備するね。エイラは待機でしょう?」
「うん。見送ってやろうか?」
「大丈夫よ。ほら、ちゃんといかなくちゃミーナ中佐にまた怒られちゃう…このあいだ、怒られて
 いたでしょう?」
「う、それは、そうだけど…」
「それに、ほら」
「ほら?」
「願い事書くところ、見られたくないじゃない?」
「…あ、そっか。そうだよなー…」

渋い顔をしていたエイラがその一言でようやっと引き下がった。まだ少し不服そうな顔をしていた
けれど『書くのを見られるのは恥ずかしい』と先ほど自分で言った手前おそらく反論ができないのだ。
気をつけろよ、無理スンナよな。そう言われて頭をぽんと軽くなでられて、別れを告げたのが、最後。



一人きりで空を飛ぶのにはすっかり慣れきっていた。それはこの部隊に配属される前から変わらない、
いわばルーチンワークであったし、『あなたにしかできないことよ』とかねてから言われてもいた。
そのとおり、私の能力は夜間哨戒という業務に非常に合っていた。ううん、能力だけじゃない。極度
に臆病で、人と触れ合うことが苦手で、自分の殻にこもりがちな私の性質もまたそれにとても合って
いたのだ。
809たなばた 3/4:2009/07/14(火) 20:00:03 ID:LpM9anD8
晴れていたら、天の川が見えるのにな。空を見てエイラが呟いていた。これじゃ雨が降りそうだ、
なんてことも言っていた。七夕の雨は、河が氾濫して逢うことの適わなかった二人──織姫と彦星──
の流した涙なのだと、宮藤さんから聞きかじったらしいエイラは語っていた。眉唾物だよな、なんて
言う割りにひどく残念そうにそういったエイラは意外と女の子らしい性格をしている。

今夜の月は細く、上弦の形をしていて、まるで恋人同士の二人を乗せて運ぶ舟のようだ。私が出かける
ころちょうど空気が湿り気を帯びてきていたから、眼下に広がる厚い雲の下はおそらく雨降りだろう。
それでもここでは乏しい月明かりの下で、星星が形作った空を彩る河が煌いているのだった。

(雨が降ったら二人は会えない、なんてきっとうそだわ。)

その光景を見て、私は思う。だって雲の上はいつも晴れていて、二人はその上にいるのだもの。
むしろ晴れの日は見られるのが恥ずかしくてそれをしないだけで、誰も見ていない曇りや雨の日は
いつもいつも逢引を交わしているのではないかしら。月の舟に乗って、想い人に会いに行って。
ううん、舟なんて必要ないかもしれない。だって彦星の星はアルタイルときいた。アルタイルと
いったら、わし座をつかさどる一等星だ。力強い翼を持ったわしが河のひとつも渡りきれないなんて、
そんなのおかしいもの。

考えれば考えるほど、気持ちは確信に満ちていく。そうよ、きっとそうなのよ。
そして、二人が恨めしくなっていくのだった。だってあなたたちがそうやって幸せでいるのに、私は
私の大好きな人といっしょにいられないのよ。そんなのずるいわ。眼前に広がる光景をひとにらみ
して、そんな悪態をひとつついて。

願いを書いた短冊は結局笹にくくりつけることをしなかった。いつも持ち歩いているQSLカードと
一緒に、腰のポシェットにしまいこんだ。
だって天のお星様にお願い事をするのに、あんな低い場所でどうして届くというの?本当に願いを
かなえてくれるというのなら、私は自分の手で届けたかった。…もちろん、自分の願い事を誰かに
見られたくないというのもあったけれど。

お父様のこと、お母様のこと。国のこと、仲間のこと。
いっぱいいっぱい考えた。エイラと別れたあとに、私はこの短冊に一体どんな願い事を綴るべきか、
とても、悩んだ。

悩んで、悩んで、それでも。
出てきたのはたった一つ。

(ねえ、こんやきみにあえたら)

私の願いを受け取って。あなたになら、届くかもしれないと思ったから。きっと届かないだろう
けれど、届いたらいいなと思うから。
どこにいるのかもわからない家族よりもずっと、私を支えてくれる人。
ねえ、ねえ、かなえてお星様。私に光をひとつください。大切にするから、ずっと、ずっと、いつ
までも。

ほら、つい数時間ほど前に分かれたばっかりなのに、もう心が寂しがってる。本当に大切なのに
丸一年も逢えないなんてきっときっととてもくるしい。
ねえ、今夜あの人に逢いたいの。伝えたい言葉がたくさんあるの。いつもありがとう。本当に感謝
しているの。ねえあなたたちも、その気持ちわかるでしょう?

ポシェットから短冊を取り出して、握り締める。かなったらいいな。かなえばいいのに。そんなこと
を切に願いながら。遠く地上にいるあの人にその願いが届くはずはなかったけれど、届いたなら
きっと飛んできてくれるのだろうと思った。だって彼女はそんな人だ。

(ねえ、エイラ。今夜あなたに逢いたいの)
810たなばた 4/4:2009/07/14(火) 20:02:48 ID:LpM9anD8
二人を星座になぞらえて、なんてちょっと乙女チックすぎるとおもうけれど、今晩会うことができた
ならなんとなく特別な意味があるような気がしたから。だからもう一度、何度でも願う。お星様、
エイラに逢いたい。逢いたいの。
魔導針がネウロイを感知する気配はない。今日はこない。そんな確信がどうしてかあった。

やっぱり心細いし、ラジオでも聞こうか。それとも、他のナイトウィッチと交信できるかもしれない
──そう思って、魔導針の出力を変えようとした、そのとき、だった。

『───さーにゃっ』

私一人の静寂に包まれていた辺りに、突如としてもう一人の存在が浮かび上がる。不意に名前を
呼びかけられてびくりとした。インカムから聞こえてきた呼びかけ声は、待ちわびたその人のもの。

「え、エイラ?」
『い、いまそっちいくっ』

その言葉とともに、目の前にひとつの影が躍り出た。肩にはいつもの銃と、大きな笹の枝。大量の
短冊がぶら下がっている。ぽたぽたと水滴が落ちているのは、雲の下が雨降りだったからだろう。

「いや、タナバタは雨だと意味がないってミヤフジが言ったらルッキーニがそんなのやだって駄々
 こねてさ。じゃあ雲の上行けばいいんジャネ?ってことになったから、その、まあなんだ、じゃあ
 どうせ私待機組だし、い、行こうかなって」

笹の枝を勢いよく振りながら、ごまかしにもならない言葉をエイラが言う。振るたびに水滴が飛んで、
きらきら輝いて小さな星空を作った。なんだかおかしくて、そしてうれしくてくすくす笑ったら、
エイラもまた照れくさそうに笑ってくれるのがもっとうれしい。

「……それにっ」
「それに?」
「さ、サーニャの願い事も、叶わなかったら悲しいダロ?こうしてほら、雲の上までもってくれば、
 いつも晴れだからっ!だから叶うヨ、サーニャの願いもっ!!」

誇らしげに掲げた笹にはやっぱり、色とりどりのたくさんの短冊。雨にぬれてにじんで、もう誰が
どんな願い事を書いたのか分からなくなっている、それ。
私の願いを叶える。…きっとエイラは本当は、その一心だけでここまでやって来てくれたのに違い
ない。避けられない運命なら、その先から新しく作り直せばいい。叶わない願いなら、叶うように
努力すればいい。そんなエイラの精神は、すぐにくじけそうになる私をいつも救い上げてくれる。

(……でも)
「…エイラの、おばかさん」
「ん?なんか言ったカ?」
「ううん、なんでもないっ」

ごめんね、と一言心の中で呟く。だってエイラは知らない。そうしてまで叶えようと抱えてきた
笹の枝に、私の願い事は掛けられていないことを。
一緒に天の川を見上げて、「きれいダナー」なんてのどかに呟いているエイラの傍らで笑ったら、
エイラは首を傾げてこちらを見た。なんでもない、と首を振って、ふわりと浮き上がる。そして
エイラの抱えている笹の枝の、その天辺。一番空に近い場所に、私の短冊を手早く括りつけた。

『今夜、エイラに逢えますように』。もう叶った願い事の書かれた、その短冊を。


おわり
なんかかけたので連続になりますが投下。微妙にサーニャの「twinkle star」と表現かぶせています
21X2w2Ibでした
811名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 21:13:41 ID:m1IDIbsl
>>810
涙腺緩んだじゃネーカッ!
すばらしすぎます。美しいエイラーニャでした。ぐっじょぶなんかじゃ足りないぜ!
812名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 22:56:17 ID:ghE8Dk0K
>>810
素敵な話だw やるなエイラさん。
そんなのおかしいもの、って思ってるサーニャもかわいいw
>>804みたいないちゃいちゃも好きだ! GJっす!
813名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:24:09 ID:5lyxsFWg
ハルトマンとバルクホルンのCPってなんて名称?ハゲル?
814名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:24:32 ID:pR5zteUI
エーゲル
ゲルトマン
815名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:29:44 ID:mpgCN56v
「ゲルマン」だとそのまんまドイツ人です本当にありがとうございました。
816名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:30:28 ID:dbtbmqwC
バルトマン
817名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:31:35 ID:dbtbmqwC
ハルクホルンorハルトホルン
818名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:37:10 ID:gzxdP/XI
エーーデ
819名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:49:47 ID:2Azh1LN8
ええでぇ。

シャルクホルン
820名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:50:58 ID:JQJn/2L+
ハルト
821名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:53:58 ID:sEsDrhEk
ハルさんバルさん
っていうと隊長がご老公になっちゃいますねすみません
822名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 00:57:54 ID:zCyob7E0
>>821
                      -── -  _
     三|三           :'"::::::::::::::::::::::::::::::: 丶、         
      イ `<         //:::::::::::xヘヘ\::::\::::::::::\      
      ̄          /:::/:::::::::::/'⌒⌒' :丶:::::\::::::::::ヽ     
       ∧         ,':::/:::::/::::/ ノ (  l:| \::::丶 :::::::'. 
      / \        ::::/::::/::::/  ⌒   !|   ヽ:::: \::::l     
                |::,'::::/l::::,' -―   リ-―‐-':;:::::: ヽ|      
      └┼┘       V::/::!/|  -     ‐   ';::ヽ::::';   
     |_|_|      /::/::: |:N __     ィ==-、 }::い :|      
      __       |::ハ/^{:|〃´⌒`       ,, ハ|∧:l. 
       /       |,'ハ(小. ''     '      ー/  ';!    
       ´⌒)      |!  `、:ーヘ、     v ァ    イ:,′ j|     
       -'           \:::l>_      , イ/:::i
        , 、          ';:::|::::r|> ー '´|::W:::::|
        ヽ ヽ         |:::L:八    |/│::::|
          }  >'´.-!、t―ェェ|:::|<\\ //;>|::::::l>、
         |    −!  ̄ ̄j::∧\>ィ介ト<;/∧::::|丶、辷>、_
         ノ    ,二!、     |/ ヽ{ ̄{{_} ̄}/ ヽ:|     / |
          /\  /  ∨  /   `7/{{ヘ匕.   丶   / │
823名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 01:39:33 ID:mpgCN56v
目標>>821。跡形もなく消し飛ばしてやれ。

ステンバーイステンバーイ
824名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 07:56:16 ID:5lyxsFWg
ハルトマン×バルクホルンの呼称多いな
半年くらい前ハルトゥルーデというのをみたがこれは?
825名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 08:06:40 ID:7Z4PKUjB
俺が聞いたことあるのっていうとゲルトマン、トゥーリカ、エーゲル……ぐらいかなぁ
826名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 08:08:26 ID:+kzCSlr5
エートゥル
827名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 16:51:37 ID:5lyxsFWg
最近ストパンにハマった
今俺の中でゲルトマンが熱い
828名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 17:30:45 ID:saWWVa6Y
一月ぶりくらいにきたが何か変わったことあった?
829名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 17:54:14 ID:5nhCJ6j/
>>828
フミカネサイトに新キャラ登場
830名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 18:01:59 ID:tg6uD7/E
今はゲーム待ち状態だね
831名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 21:26:25 ID:CCJ4EWzc
>>828
ペリーヌを慕う後輩ちゃんの登場でぺりーヌ株が高騰中。
832名無しさん@秘密の花園:2009/07/15(水) 22:10:15 ID:+kzCSlr5
アメリーヌSS見たいよ−
833名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 01:25:17 ID:TLO6ErcQ
っていうか、容量的に次スレの季節か…。
834名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 19:01:20 ID:H2NC5Dr8
もう490越えてたんダナ
今から立ててくる
835名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 19:02:11 ID:Mx1dX7ag
>>834
いてらー
836名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 19:14:49 ID:H2NC5Dr8
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1247738923/

おそらく無事立ったっぽいです
さて、埋め用にひさびさにSS書くカナ
837名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 19:29:59 ID:/Q8TTy4W
久々に1000まで行かずに埋まりそうだな
838名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 20:50:52 ID:vbzJHCe3
乙梅
839名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 22:36:37 ID:H2NC5Dr8
埋めます。芳リネでおそらく2レス。完全には埋まりません。


 夕焼け小焼けの逢い引きの帰り道。カラスの群れが鳴いている。
 みるみる世界は赤々と染めあげられ、じきに日は水平線の向こうに隠れてしまう。
 潮のにおい。波の音。どちらともなくつないだ手のひらのぬくもり。
 黄昏時。
 でも並んで歩くあなたのことを、他の誰かと間違えることはない。
 その姿をたしかに瞳に宿しているから。どんな暗闇だってありありと輪郭を思い浮かべられる。

 今日はすっごく楽しくって、けれどもうじき終わってしまう。
 それを切ないと思ってしまうのは夕日のせい?
 だけど、過ぎていく日を惜しんでも、悔やみたくはない。
 それよりも明日を見つめていたい。どこまでも期待したい。
 今日の続きに明日があって、明後日があって、そんな日々が続いていったらいいのにな。

「ねぇ、リーネちゃん。こんなの知ってる?」
 私は靴のかかとをずらすと、おもいきり足を振りある。
「あーした天気になーれっ!」
 そして前へと靴を飛ばした。願いをこめて。

 明日あなたの見あげる空が、明るく晴れていますように――

 放たれた靴はみるみると舞いあがっていく。
 落日の空に描かれる放物線。
 地面にぽんと一回跳ねると、ころころと転がりはじめる。

 裏、表、裏、表……

 おねがい、表が出て!

 横……裏……横…………表。

 やった! 表だ!
840名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 22:37:53 ID:H2NC5Dr8
「これね、扶桑のおまじないなんだ。靴を飛ばして表が出たら明日は晴れ」
 私は自慢げに説明した。飛ばした靴の元へとけんけんで向かいながら。
「じゃあ明日は晴れだね」
「うん」
 うなずこうとして振り返り、私は思わずこけそうになる。
 でも間一髪でリーネちゃんが手をつかんでくれた。
「だいじょうぶ?」
「うん、ありがとう」
 苦笑いをしながら答える私。微笑みかけたあなたに見とれたなんて言えるはずもなくて。
 寄りそうように私はリーネちゃんに身を任せた。
 リーネちゃんの顔が赤い。
 それはなにも、夕日に染められたせいばかりじゃない。
 今の私も同じ色をしているに違いない。
 あなたは少しだけ私より背が高くって、だから私はほんのちょっと背伸びをした。

 茜色の空の下。
 長く長く、ふたつの影が伸びている。
 そのふたつがまじわるように重なって――
 そうしてやがて、ひとつになった。



以上です。
ラストの解釈は好きなようにとってくだされば幸いです。
タイトルは「あした天気になあれ」です。OsqVefuYでした。
841名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 23:12:26 ID:TPRI2J9J
>>840
乙です。わーい、久々の芳リーネ嬉しいです。
ちょっとだけ、秋を連想しました。二人の仲良しは、
何よりも好物です。

それにしても501の皆でやったら喧嘩になりそうだw
842名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 00:03:35 ID:zr8PWL17
>>840
GJ
二期のエンディングはまさにこんな感じで頼む!
843名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 00:37:59 ID:U/Jev5Hp
エイラのサーニャとの親密度
LV0 サーニャ・V・リトビャク?どうせ典型的補充要因ダロ?どうでもいいヨ…。
LV1 見た目はあんまり軍人ぽくないナ。ってかコイツ何を受信してんノ?
LV2 肌は白くて綺麗ダナ。放っておくとスヤスヤ寝てて結構楽カモ。
LV3 歌い始めると女神ジャネ?理想の歌声って感じ…。
LV4 ピアノも上手で素敵ダナ。思わず見惚れてしまう。
LV5 何故だろう…、もっとサーニャを知りたいと思うようになったんダナ。
LV6 二人だけの秘密が出来たんダナ。
LV7 サーニャと一緒にサウナに入っていると胸がドキドキするんダナ。
LV8 サーニャとずっと一緒にいたい…。サーニャの家族を捜すの手伝ってあげるヨ。
LV9 今日だけ…ダカンナー!
LVMAX ミギダナ、ウエダナ。
844名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 03:02:19 ID:P4zEO2mL
サーニャのエイラに対する親密度

Lv0 …はじめまして
Lv1 夜間哨戒の同行…?
Lv2 ……なんか、安心出来る人だなぁ
Lv3 一緒に寝ても、いいの、かな…?
Lv4 サーニャって呼んで、欲しい……
Lv5 一緒にサウナ……え、頭洗ってくれるの、エイラ?
Lv6 ……………他の皆の胸は揉むのに、私のは触ってくれないんだ…?
Lv7 エイラ、他の皆と話す方が好きなのかな?
Lv8 エイラ、私だけを見てくれないんだ?
Lv9 あれ、エイラ…どこいくの?
LvMAX ふふっ、ここが好きなんだよね。…ね、エ・イ・ラ…?ふふふふふ……
845名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 03:06:55 ID:i0i9VzFO
ヤンドルガナ!
846名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 16:31:36 ID:dqVVTcfI
847名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 16:41:50 ID:Ux8MQISY
※梅シャーゲル 絡みなし2レス

しまった、と思った。目を見開いたその瞬間すぐ上にあったその顔の、下部に引かれた一本線。
紅色に彩られたそれがそれが見る見るうちにつりあがってゆくのをみとめて、腹立たしく思うと
同時に顔が熱くなる。

「…どうして、おまえが」
「どうして、ってそんなの、」

無茶をして、帰投した途端にくーすか眠りこけちゃった同僚の介抱をしてあげてるだけだけど。
まるで問われることがわかっていて、すでに考えておいたものであるといわんばかりにそいつは言う。
言われて記憶を掘り起こせば、なるほど今日の昼に出現したネウロイの討伐を終えて、帰投した以降
の記憶があいまいで、体を起こそうとしたら額から湿らせたタオルがずりおちるのだった。

「それにしても、…まさか、あんたからこんな言葉聞くとは思わなかった。
 ルッキーニからはよく言われるんだけどね。まさか、あんたから…ねえ?。」

そうか、それはありがとう。ではしつれいする。そのまま体を起こして例を言って立ち去ることが
できればどんなによかったか。けれどやつときたらそんなところは無駄に聡くて、にやにやと口元を
吊り上げたまま私をそうして追い込んだ。誰にも、特にこいつにだけは、見られたくなかった弱い
部分を露呈してしまった自分に嫌気が差して差して、心臓の裏辺りがむかむかといらだつ。

とうに失ったものだった。ふるさとを失ったそのときに、私は妹以外のすべてを失ったのだ。あの
ときたった一つだけ、守ることのできたその妹さえ、私は失いかけていた。そんな私にとってその
単語はもう意味を成さないものであって、他人ごとでしかなかったはずで。だって私にとってのその
存在はもういない。弱さをまるごと包み込んで拾い上げて、受け入れてなでて慰めてくれるそんな
存在なんて。むしろ私と同様にしてその存在を失った妹のために、私はそんな存在でいてやらな
ければいけないはずだったのだ。

オレンジ色の、癖の強い長い髪。釣り目で蒼い瞳。不要なほどに大きな胸。オイルの香りがかすかに
する、衣服。
どれをあげても、どうやっても、記憶の中のその人とこいつとは似ても似つかない。同じ部分なんて
見つけ出せるはずがない。

でも、なら、なんで。
母さん、なんて、言っちゃったんだろう。

「…めんどうをかけた。しつれいする」

いたたまれなくなって、今度こそ彼女のひざの上におかれた頭を起き上がらせようとする。最近少し
無理をしすぎていたのだろうか、まだ少しからだがけだるいけれど、きっとシャワーでも浴びれば
さっぱりするに違いない。心も、体も、きっと。

「ちょっと、まちなって」

けれどそれはかなわずに、彼女の手によってたやすく額を押さえつけられてしまうのだった。瞬間、
力がふっと抜けてまたやわらかな彼女の太ももの上に頭が落ち着いてしまう。悔しいけれど、心地
よいのは否定できなかった。頭がどうしてか軽い気がするのはきっと、二つに縛ってある後ろ髪が
とかれているからなのだろう。
848名無しさん@秘密の花園
「『バルクホルン大尉に付き添って、しっかりと休養を取らせること。』悪いけど隊長命令だからね、
聞くことはできないんだな」
「お前に付き添ってもらわなくたって、一人で部屋に行って休むくらい、できる」
「いやね、待機サボって格納庫でストライカーいじってたのばれてね。こっちにも逆らうことは
できないんだわ」
「お前の処罰がどうだろうと、わたしにはかんけいない」
「ミーナ中佐に怒られてもしらないぞー」

リベリアンめ。口の中で悪態を付いた。私がミーナの名前を出すと断れないことを、なんでしって
いる。

「ハルトマンにも言われた。ほっといたら許さないって。愛されてるじゃない、あんた」
「……そんなの」

言いかけて、口をつぐんでしまう。昼下がりのミーティングルームに、ほかの人間はいない。何か
強いエネルギーをもてあまして押し殺したような、恐ろしいくらいに静かな午後。ソファに横た
わったまま窓の外を見ていると、訓練をしている仲間の姿が見える。

「なきそうな顔してたな。珍しく訓練行くなんていっちゃって、あんたのこと見てられなかった
のかな。ね、あの子って意外と泣き虫?」
「…しるか」

交わすとりとめもない話。楽しげな物言いは先ほどとは少し音色を変えて、まるで私の失態なんて
なかったかのよう。
けれど、私の頭の中では。「まさか、あんたから」。そう繰り返された彼女のそんな言葉が頭をぐる
ぐる回っている。そんなの、私だって。私だって、まさか私からそんな言葉が出るなんて思わな
かったよ。

かあさん。

魔力と一緒に体の力も抜けて、目の前が真っ白になってゆく感じがした。自分がまるであたたかな
ミルクに浸されたパンになったかのようなふわふわした気分で、まどろみの中をたゆたっていた。

その世界が少しずつ薄れて、形を成していって。やさしく髪をかきあげて、、頭をなでてゆく感覚に
気が付いて。なんだか私はとてもとても懐かしい気持ちになったんだ。温かな光。優しい手。やわら
かな風。全部全部、失って久しかったものだったから。

気が付いたら声に出ていた。ねえ、戻ってきてよ。さみしいよ、そばにいて。内心では叫びながら、
懸命に手繰り寄せようとしていた。

かあさん。

悔しい、悲しい、苦しい、辛い。
いつも覆い隠している、弱い気持ちが流れ出したいと叫びを上げている。でもそれだけじゃない。
どうしてだろう、なんだかとても、うれしいんだ。

「…今日は少し、天気が悪い、だけだろ」

窓から差し込んでくる陽の光がまぶしすぎたから、片手で顔を覆うことに下。それでもじんわりと
手がぬれるのは、きっと天気が悪いからだ。ちがいない。
なあそうだろ?ミーナ、フラウ。今日の空は、雨降りだよな。

「あー…そうだね、こりゃ、大雨だ」

太陽みたいな色をした、彼女が暗闇の向こうでつぶやく。
もう二度とこんな失態はするまいと思いながら、けれども今だけは、甘えてもいいような気持ちに
なれた。

おわり