Q.○○書いたんですけど投下してもいいですか?
A.どうぞ、ぜひ投下してください。
条件は「ストライクウィッチーズ」関連であること、
「百合」であることの二つのみです。
ジャンル、エロの有無、本編にないカップリングなどに関係なく、
このスレの住人はおいしく頂いております。
妄想だとか落書きだとか気にせずとにかく投下してみましょう。
ただし、SS専用スレではないので20レスを超えるような長編は事前に断りがあると吉です。
──リレーSSの手引き──
★基本ルール
○始める時は、リレーSSであることを宣言する。
○続ける人は宣言は不要だが、一行目に継承元の安価をつける。
○ただし、結末を書く場合は「次で終わっていいですか?」と訊いておく。
○継承先は指定できない。誰かが早い者勝ちで続きを書く。
○ただし自分自身の続きは書かない。最低2人は挟んでから。
○2レス以上にまたがらない。1レスでクールに。
○重複したら先に書いた方を優先する。
○作者名は名前欄に入れる。名無し希望は未入力でも可。
○リレー進行中は他のリレーは開始しない。
○もちろん普通のSSは、リレーの状況に関わらずどんどん投下してください。
★本文と書式
○語り手や文調はできるだけ継承する。唐突な視点変更は避ける。
○誤解を招きやすいため、科白にはキャラの名前をつける。(例:芳佳「おっぱい」)
○後に文が続く事を意識して、できるだけ色々な取り方ができる終わり方にする。
○「駄文失礼〜」「お目汚し〜」等の前書きやあとがきはナンセンスなので付けない。
★心構えと方針
○無理して面白くしようとしない。ナチュラルに妄想を爆発させるべし。
○不本意なカプの流れになっても泣かない。むしろ目覚めるべし。
○展開を強要したり口を挟まない。流れに身を委ねるべし。
○なかなか続きが来なくても焦らない。気長に有志を待つべし。
○多少の誤字脱字、設定違反、日本語おかしい文章には目を瞑る。スルーすべし。
○参加者はみな平等。新兵もエースもリレー主も一切特権はない。仲良くすべし。
○男はいらねえんだよ!ふたなりネタも自重すべし。
乙
乙ですー
ウジュ!1>>乙
なにがウジュだ…、乙もまともに出来んのか
>>1乙
本格的な芳エイラって見ないよな
おっぱいを巡る話から発展してくような気がするんだが
エイラ「 あ…ありのまま今起こったことを話すゾ。
『私はサーニャがミヤフジに奪われたと思ったら
いつの間にか私が寝取られていた』
な…何を言っているのか(」
って事ですか?わかりません><
そういえば迫水ハルカは
ド近眼で眼鏡をかけるのが嫌いらしいが、
実際の戦闘機乗りは近眼だとなれなかったったと思うが。
まぁ近眼とか言ってられないほど人員不足なんじゃね?
魔女であればokだからな
どんなベースケっ子でも
新スレになったことだし頑張って書いてみるかな
そう言えば最近このスレのエース達が居ないな
改変期だから浮気してるのかもなあ。戻ってくると信じているよ!
フミカネHPにカタヤイネンきた。キャラ概要がほぼこの住人の妄想どおりでワロタ。
フミカネにニパがキター!かわええええええええ
昨日の恐怖は杞憂に終わってよかった
エイラさんの悪戯SS書いてみたいが俺にはムリダナなので誰か頼む
前スレ埋めないとな・・・
しかしニパ男の子みたいだなーw
でも「ツイてない」
だれうま
え?かわいくて困ったのは俺だけ?
27 :
1/8:2009/01/18(日) 03:16:18 ID:/tlMzxnk
>>1乙そして前スレ乙
キャラ増やしすぎて時間かかっちゃいました。
保管庫0553、チャオ!エイラーニャ!の直後の続きとなります。
冬の夜の話題とか出てるところに季節感無視して夏の夜でごめんなさい。
●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 夏の夜はかしましく更ける
目覚めた後はホント大変な騒ぎだった。
全然悪くないサーニャが泣きながらわたしに謝り始め、どうやら行動を吹き込んでプッシュしたらしいルッキーニがサーニャを慰め、シャーリーがそれを手伝い、ビューリングはクールにタバコをふかし、エル姉ははオロオロしていた。
……なんか多くナイカ? イヤそんな事はどうだっていい! サーニャだ!サーニャ!!
状況を理解したわたしはすぐに身体を起こす。
「エイラ! 目が覚めたのね……よかった……」
「サーニャ、泣かないでくれ。わたしならピンピンしてる。ただイキナリだったんでちょっと驚いただけなんだ」
「でも、でも……エイラ、私……」
「ホラ、どっちかっていうとああいうのはルッキーニの行動じゃないか。大方悪戯してみろって言われたんダロ?」
「本当にゴメンね、サーニャ。あたしもエイラがあんなに驚くなって思ってなかったんだ」
「そうだよ。コイツ部下持つようになっても何時までも子供でさ。ルッキーニも反省してるし、な」
「ところでエイラさん大丈夫なんですか?」
でまぁ、そんな応酬が暫く続いた後、話は『実はわたしがおっぱいの大きさを非常に気にしていてシャーリーに会って色々悩んでる所にあの一件があってショックで倒れた』と言う所に落ち着いた。
わたしのイメージとか尊厳とかが色々と打ち崩されたような気がしたけどサーニャが納得してくれたのでなんともないぞ……タブン。
それにサーニャのおっぱいなら触るまでも無く毎日サウナと水浴びの時に確かめてるから大丈夫!
触るなんて恐れ多い事せずともわたしの眼力は完璧ダ! 確実に成長してるから心配スンナ!
って言いたいけどそんな事言えるはず無いジャナイカー。
「……で、だ」
落ち着いたところで周りを見回してひと呼吸。
改めて一言。
「何でこんなに人が居るんダ?」
わたしの言葉に涙を拭いたサーニャも皆を見回す。
「もともと遊びに来たんだし〜」
「そそ、二人にサプライズを楽しませてやろうと思ったのさ」
「そこのリベリアンに絡まれた成り行きだ……ガソリンは感謝する」
「ビューリングさんからエイラさんが倒れたって聞いて……心配でストライカーで飛んできたんです!」
うん、やっぱり一人増えたのは気のせいじゃなかったみたいダナ。
ま、エル姉なら無害だし放置で大丈夫か。
っていうかサプライズって事はシャーリーの奴わざと何も言わずに来たんだな。
ビューリングって雰囲気はあんななのに意外と優しいというか気が利く所あるのカー。
「いや〜でも驚いたよ。到着したらイキナリエイラが血の海に沈んでるんだもんな〜」
「ひっ!? 血の海!!!」
大げさな表現に青い顔をして引いてるエル姉。っていうか軍人なんだからそのくらいのことでビビルナッテ。
「そんなに大げさでも無いな」
「にゃはっ、でも鼻血吹き出した瞬間は結構笑えたよ〜」
外見からのイメージ通りに冷静なツッコミのビューリングと無邪気な笑顔のルッキーニ。
「笑い事じゃないよルッキーニちゃん」
「にゃははぁ、ゴミェン……」
28 :
2/8:2009/01/18(日) 03:17:08 ID:/tlMzxnk
わたしの鼻血をさもおかしそうに笑うルッキーニを嗜めるサーニャ。うーん、やっぱりサーニャは優しいなぁ。
ちょっと怒ったような表情も、自分にむけられてるんでなければ冷静に観察することができるゾ。
むしろ普段あまり見れないサーニャの表情を引き出してくれたルッキーニには大感謝ダ。
現在この部屋、寝室に居るのはわたし、サーニャ、シャーリー、ルッキーニ、ビューリング、エル姉。
二人には広い部屋だけど、6人も入ると手狭だな。
部屋にはダブルベッド、二人の洋服箪笥、調度品、私の占い用の色々なグッズ、本棚、幾つかの小さい楽器、夏場の必需品扇風機、その他諸々。
そういった色んなものが詰め込んであるわたしたち二人の部屋。
って、図らずも二人のスイートホームに皆を招待かぁ……。
「とりあえず、だ。一旦黙って自己紹介ダ。初対面の奴も居るわけだからナ。っていうか士官が揃いも揃ってまとまり無さ過ぎダロー」
改めて全員の顔を見回してから勝手に盛り上がる皆を制し各々の自己紹介させる。
「とりあえずわたし。一応全員の顔見知りだし今更な部分はあるけどエイラ・イルマタル・ユーティライネンだ。後は省略でイイナ」
「サーニャ・v・リトヴャクです。元オラーシャ陸軍の航空隊所属で、エイラとは避難先ブリタニアの501JFWで知り合いました」
「で、今は新婚生活中ですよ、っと」
「ちゃ、茶化すなよシャーリー。ソソソ、ソンナンジャネーヨ」
ああもうっ、サーニャも真っ赤になってうつむいちゃったじゃないかー。
後でフォローする身にもなれよシャーリー。
「こっ、コレハダナッ!」
「あたしはリベリオン出身のシャーロット・イェーガー。あたしも元501の仲間さ。今はリベリオン本国で空軍でテストパイロットをやってる」
「にゃはっ。あたしはフランチェスカ・ルッキーニ。あたしも501繋がりだよ〜。出身はロマーニャ公国〜」
ううっ、茶化しといて進めるとは……っていうかこのコンビも息ぴったりダヨナァ。
「え、えと、いいんでしょうか……」
「あー、エル姉適当にヨロシクー」
「はい、エルマ・レイヴォネンです。スオムス空軍で航空隊の教官をやっています。エイラさんの先輩に当たります」
「エリザベス・ビューリング。元ブリタニアのRAF所属。スオムスの507JFWを経て次はIDFに内定してる。暫くは世話になったスオムスを見てまわるつも
りだ」
「IDFって何なんだ?」
「中東の新興国家の軍隊だ。ネウロイが良く出る場所に無理矢理建国したせいで各国からあぶれたウィッチを募集してる」
へ〜、そんな所があったのかー。シャーリーナイス質問ダ。
「あぶれたなんて……ずっとこのスオムスに居てくれてもいいんですよ。むしろ、本当はずっと居てほしいです……」
エル姉が悲しそうな表情でビューリングに話しかける。5年以上一緒に戦いの日々を過ごしてきた仲間と、これから別れなきゃいけないんだな。
わたしもその気持ちは解るよ。
ブリタニアで知り合って、スオムスでも一緒に戦って、戦争が終わって少しの間だけ離れて、傍らにサーニャが居ない日々はとっても辛かった。
正直誰にもいえないけど、サーニャとずっと一緒に居られるなら戦争が終わらなくたっていいって思ったりもした。
わたしなんかよりもずっとずっと寂しがり屋のエル姉にとっては、今スオムスに残っている最後の仲間が居なくなってしまう事はわたしにとってのサーニャの居ない日々の到来よりもきっと辛いんだろうって、そう思う。
「にゅは、ねーねーシャーリー、告白かなぁ」
「シーッ、こういうのは静かに黙って鑑賞するもんだぞ、ルッキーニ」
「あ、いやその……そんなことしないですよ〜」
「フン」
この二人はまた茶化すのカヨ。エル姉は頬を染めて照れ笑い。ビューリングはいつもの表情。
妙にしんみりした空気になっちゃうよりはこういうところでまぜっかえしてもらえる方がいいといえばいいんだけどナ。
「ま、これで一応自己紹介はOKダナ」
結局半ばわたしが仕切ってしまったけど、現役の少佐がいるってのに何でそういうところをささっとまめられないかなぁ。
ま、エル姉じゃ仕方ないか。
んで、夜も遅いんだけど折角これだけ集まったんだからって事で、かるーくお酒とおつまみ用意してお店の方でだべる事に。
29 :
3/8:2009/01/18(日) 03:17:48 ID:/tlMzxnk
「オーイ、バドはないのかぁ?」
イキナリだなシャーリー。
「ナイ」
「ちぇっ、なんだよ〜、リベリオンビールくらい用意しとけよな」
「ナイものはナイ」
リベリアンは自分の国にあるものが当然他の国にもあると思ってるからたちが悪いな。
「フム、残念だったな。宿にいけばストックがあるんだが」
「ブリタニアだったらギネスとかじゃないのか?」
「口に合わん」
「お〜、お前ホントクールだな〜バイクの趣味も良いし、ホント気に入ったぜ」
「折角スオムス来たんだからちゃんとスオミビール飲んでけヨ。ラピンクルタ、コフ、カルフ、オルヴィ、色々揃えてんだからサ」
まぁ本当はギネスは用意してあったりするんだが、口に合わないといわれたものをわざわざ用意することも無いよナ。
「にゅっは〜それよりも〜ワインあけよ〜よ。ホラ、これっ」
「わ、バカそれ高いんダゾッ」
なんで隠すように置いておいた高級ロマーニャワインをピンポイントで引いてくるかなぁ。
「大丈夫大丈夫っ。アタシの口にはバッチリ合うから〜」
「とっておきなんだからダメダッテ」
「あたしら来てるんだから、こういうときくらいとっておきを出せよ」
「ああもうっ! 今日だけダカンナー」
「あ、サルミアッキ頂きますね……パク」
「ヒッ! ウジュジュッ……だいじょうぶ?」
「はい……えと、ルッキーニちゃんでしたね。何か? ああ、サルミアッキほしいんですね。どうぞどうぞ」
「ごごごごめんなしゃ〜〜〜い!」
「あん? ルッキーニ何やってんだ?」
「フ……お約束だな」
とまぁアルコール入る前から暴走気味な連中はある魔法を使うまでも無く予測済みとして、問題はもうひとりの予測済み行動への対処になる。
「……」
なんだかこんなに人がいっぱいで懐かしい顔も居て騒がしくしてるって言うのになんだか眠そうでつまらなそうなサーニャの表情。
時間が時間だし、明日のこともあるから今日はもう休んでもらった方がいいかな。
ドーバーにいた頃と違って今は規則正しい生活してるし、故郷よりも白夜キツイだろうからなぁ。
「サーニャ、大丈夫か?」
「……」
「眠かったら寝ちゃってイイゾ。ちゃんとわたしがベッドまで運んでやるからナ」
「うん……どうやって運んでくれるの?」
「へ? えと……どうやって、って……そりゃあ抱き上げて……」
「……お姫様」
お、お姫様抱っこか……みんなの前で……。
でも他ならぬサーニャの頼みだし、誇らしくは合っても恥ずかしくなんて無いゾッ。
「お、おう。任せとけよ。お姫様抱っこでベッドへ直行、約束ダ」
「うん……じゃあわたしの事はいいから、みんなと楽しんで」
「ウン、ごめんな、サーニャ」
向き直ると既にビールもワインもコッスも開けられている。
オマエラ展開速すぎるぞ。
30 :
4/8:2009/01/18(日) 03:18:20 ID:/tlMzxnk
「よー、ラブラブトークは終了か〜?」
「終わってるのでしたらこちらへどうぞどうぞ」
「ウニャ〜ワイン美味しいね〜」
「あんまり飲みすぎんナヨ」
とか言ってはみたものの、ま、こいつら飲むだろうな。
先に酔い覚まし様にコーヒーでも用意しておくかな。
そう考えてコーヒー豆を挽きながら会話に参加する。
「二人ともさ、どうせくるならあと一ヶ月くらい後にしろよな」
「何でだ?」
「どーしてぇ?」
「薄情な奴だなぁ。サーニャの誕生日があるダロー」
「おっと、確かにそうだったな」
「ウニャ、じゃまた来るよ〜」
「わぁ、そうだったんですね〜。お祝い、考えておきますね」
「すまんがその頃にはこちらを離れているかもしれない」
「あ〜、悪い。あたしの方もいろいろ忙しくて次の休み取れるのいつになるかわかんないんだ」
「そっか、軍に残ってるってのも大変ダナ」
「もっちろんアタシの誕生日には会えるよ〜ネッ。クッリスッマス〜〜〜にゅは」
ほんと、ルッキーニは初めに大人びて見えたのが嘘みたいに、こうやって騒いでる時は前と変わんないなぁ。
こうやってそのままどたばたが続いていくんだよな〜って油断してたわたしは、その後の展開に慌てることになる。
「ごめんルッキーニ。多分その頃はもっとダメだ」
今まで見たことも無いような神妙な、申し訳なさそうな顔でルッキーニに告げるシャーリー。
「え?」
「軍の方でさ、色々あって暫く休暇取れそうに無いんだ」
「そんなの嘘だよ。シャーリー言ったよ……あたしの誕生日は毎年毎年、ずーっとずーっと祝ってくれるって……だからがっかりさせようとしてもダメだよ」
笑顔だけど、なんだか泣き出しそうな顔のルッキーニがシャーリーに答える。
わたしは、そんな二人の間で何かしないといけないって思ってはみたものの、どうしていいかなんて分かるはずは無かった。
「ゴメン。本当に無理なんだ。この事は今回の旅の中で言おうと思ってた。あたしから約束しといて、ホント悪かったと思ってる。ごめんよ、ルッキーニ」
謝り倒して扶桑式の土下座まで始めるシャーリー。
「ヤダッ! あたし、クリスマスは……誕生日はシャーリーと一緒にいるのっ! 居たいのっ!!」
「あ、あのあの……ルッキーニさん……」
「ナニッ!」
「あ……いえ、なんでもないです……」
ルッキーニに話しかけたエル姉は据わった目で睨みつけられてすごすごと退散する。
ビューリングはコッスを傾けながら静観モード。クソッ、何てクールな動作が様になる奴だ。
「本当にゴメン」
「ヤダヤダヤダッ!」
そんなやり取りを繰り返す二人。これじゃ収拾つかないダロ。
「とりあえずルッキーニ。少し落ち着いてもうちょっとシャーリーの話聞こう。あとシャーリー、なんか今のオマエはオマエらしくないぞ」
「そうだよそうだよっ! あたしのためにだったら命令違反の一つや二つや三つや四つしてくれるのがシャーリーだよっ!!」
「だああっ、ルッキーニ。オマエは一旦黙ってろヨッ!」
「でもっ……」
「いいから静かにシロッ!」
31 :
5/8:2009/01/18(日) 03:18:53 ID:/tlMzxnk
わたしが珍しく鋭い大声を出したもんだから、流石のルッキーニもちょっと大人しくなる。
飽くまでもちょっとなんでまだ小声でぶちぶち言ってる。
「シャーリー、命令違反しろとまではいえないけどさ、お前だったらルッキーニのために無理矢理にでも予定空けられるんじゃないのか?」
「言い訳なんてしたくないんだ。こうなったのはあたしが悪いから。あたしはルッキーニが許してくれるまで頭を下げる……下げ続ける」
頭を下げたまま平謝りモードのシャーリー。潔くはあるんだけど理由とかいろいろ引っかかる部分があるんだよナ。
なによりシャーリーらしくない。そこが一番引っかかる。
多分だけどルッキーニも自分のイメージするシャーリーとの違和感があるからこそ余計に治まらないんじゃないかって気もしてくる。
かといって浮気とかそういう雰囲気でもないし……。
謝るにしては自分に落ち度があるって言い切ってるにもかかわらず妙に態度が堂々としてる。
それってつまり……ん〜、自分の中では一本筋の通った理由って事なのか?
「ったくー、そんな所で坂本少佐みたいに漢らしくされたって困るっての」
「聞いてくれるな……軍事機密なんだ。悪いが言えない」
「あー」「へー」
ソレを聞いて納得して、ルッキーニと顔を見合わせる。
ルッキーニの方も完全に理解したようでわたしと視線をあわせて一つ頷くとおもむろに口を開いた。
「おめでとっ、シャーリー」
「オメデトナ」
「えっ!?」
「え?え?え?なんで突然そういう流れになるんですか?」
シャーリーが驚いた表情で顔を上げ、エル姉が疑問符を投げかける。ま、そりゃそうだろうナ。
でもシャーリーの事知ってる身としては当然の連想ダ。
「お、おい、あたしはまだ何も言ってないぞ。なんでそこでオメデトウになるんだよ」
「だって〜、軍で音速突破の実験決まったんでしょ? おめでたいに決まってるよぉ」
「おんそくとっぱ?」
「うん、シャーリーは公式な記録で音速を超えることを目指してたんだ。コイツみたいな自由人が軍なんていう窮屈な所に残っているのもその夢のためさ」
エル姉に向かって補足、解説。
「お、おいっ! 決め付けるなよ。あたしは何もっ……」
「シャーリーの夢のためだったら仕方ないから引き下がるよっ。だって、あたしシャーリーに夢をかなえて欲しいもん!」
「ルッキーニ……」
「だから正直に話してシャーリー。なんで……約束を護れなくなっちゃうの?」
「ああもうっ……あたしの負けだっ」
「にゅはっ」
「白状するよ。リベリオン陸軍主導で音速突破実験があるんだ。今はその専用のストライカーも準備中で、これから忙しくなっちまうんだよ……っていうか、本当に誰にも言うなよ」
「シャーリー! オメデトー!!」
「わっ、まだおめでとうは早いだろっ、こらっ、あははっ」
さっきまでの不機嫌も何処へやら。自分の事のように喜んでシャーリーに抱きつくルッキーニ。
後はもうお惚気モード。
ま、シャーリーもへんなところで常識人というか何と言うか……。
そこに状況が飲み込め切れてないエル姉が話しかけてくる。
「エイラさん、結局状況が良くわかんないんですけど、仲直りしてみんな幸せ、でいいんでしょうか?」
「ウン、そんな感じで良いと思う」
「わぁ、それはよかったです。あんなに仲の良いお二人が喧嘩を始めてしまった時はどうしようかと思いましたよ〜」
大げさに胸をなでおろすエル姉。雨降って地固まるとはこのことダナ。
「お前は相変わらずだな。いらん子の頃からああいう流れは常識だったろうにいちいちオロオロする」
「だ、だって……」
32 :
6/8:2009/01/18(日) 03:19:26 ID:/tlMzxnk
そんなやり取りをしながらまるで子ども扱いでエル姉の頭をぽんぽんと叩くビューリング。
ほろ酔いで上気して少しだけ赤くなった頬。
きっといつもより少しだけ無防備な、それで居てこの中で一番オトナな表情。
っていうか普段むすっとしてるくせにそういうときだけすごく優しそうな表情をするのって絶対反則だぞ。
「ま、お前はそういうところがいい所だからな。これからもそうやってオロオロして生きろ」
「わ、ひ、ひどいですよビューリングさぁん」
「フッ……」
結構さっきのシャーリーとルッキーニのやり取りに感極まっていたらしいエル姉はちょっとだけ目に涙を浮かべて泣き笑いに反論。
この二人っていいカップルだよなー、ウン。
ビューリングがIDFで働き始めたら遠距離恋愛かー……ソウダナー影ながら応援する方法を模索しておくしかナ。
あ、コーヒー挽くの途中だったな……折角だから酔いが一発で醒ませるように魔法のコーヒーでも用意しておいてやるカナ……ニヒヒ。
っと、サーニャももう寝ちゃってる? 静かだし……って、まだ起きてるのか。サーニャは水を飲みながらボーっとしている。
なんだかあからさまにラブラブな二人と仄かにラブっぽい二人が居たら当てられちゃうじゃナイカー。
そんなにベタベタは出来無いけど、抱っこするくらいの温もりは欲しいゾ。
まぁ、ホラ……なんせサーニャのたのみだしナー。フフフ。
一応明日の事もあるから、頑張りすぎないよう声をかけておいた方がいいな。
「サーニャは休んじゃえよ。明日の事もあるしさ」
「ん……いいの」
真鍮製のぴかぴかのコーヒーミルをごりごりと廻しながら話しかけるわたしの言葉ににそっけなく返し、自分のコップに透明な液体を注ぐサーニャ。
ん? そのラベルにこの匂い……それスピリタスじゃないかー!!
「ちょっ、サーニャ!?」
「いいの」
コクン。
うわわ!? そのまま飲むとはっ!
っていうかビンの中身半分以上減ってるっ! もう500mmlは飲んでるっ!!!
「ササササーニャさん?」
「いいの」
こくん、こくん、とサーニャの白いの首筋がその透明な液体を嚥下するたびに小さく振れる。
でもわたしは知ってるんだ。そのクリアな液体がサーニャの故郷でも最も強いお酒で、火を近づければ燃えるような代物なんだって。
「あ、あの〜」
「いいの」
こくん……ぐびっ……ぐびぐびっ……。
う、うあああああっ!!!
ビンからラッパ飲み!?
異様な気配に気付いたのか、みんなの視線がこっちに集まる。
「サーニャ!?!?」
わたしの声が裏返る。
ふっと視線を上げたサーニャとわたしの目が合う。
据わったその半目からは逃げられそうに無い気配を感じた。
「えいら……」
「ハ、ハイッ」
「正座……扶桑式」
「ハイッ」
33 :
6/8:2009/01/18(日) 03:19:55 ID:/tlMzxnk
フソウシキセイザ。
坂本少佐が命じる反省を促すための姿勢の一つで、れっきとした扶桑の文化らしい。
とろんとしてるくせにやけに迫力のあるサーニャ・V・リトヴャク元オラーシャ陸軍中尉の命令にわたしは従う以外の術を持たず、すぐさまその場に
正座する。
「反省して」
「は、反省っ!?」
こく。
小さく頷くオラーシャ英雄サーニャ・V・リトヴャク。
「あ、あの……サーニャ……」
「反省」
「ハイッ」
って返事をしたものの正直何を反省していいかわかんない。
なんだろ……斃れて心配かけたことかな? でもその事はもう済んでるはずだし、それ以降のことで何かあったっけ?
うう、聞こうにも口を開いた瞬間に「反省」って繰り返されるだけだし……。
どどどどうするエイラ?
「よー、困ってるなエイラぁ、さっきのお返しに助けてやろうか〜?」
「ウンウンあたしたちわかっちゃったモンねっ」
「あ、わたしも大体わかりますよ」
「こういったものの機微には疎いつもりなんだが、な……見当がついてしまうとはやきが回ったか」
ちょっ! なんで!? わかんないのわたしだけっ?
こ、こうなったら聞くしか……。
「皆は教えちゃダメ。エイラに自分で気付いて欲しいの」
「ゐゐっ!?」
にべもないオラーシャ英雄のフリーガーハマーによって助け舟は木っ端微塵に砕け散る。
背後からは生暖かい視線、そして正面には感情の読めない据わったサーニャのヒスイの瞳。
お酒が入ってほんのりと赤みを帯びた白磁の肌に、白熱灯の温かめの光を反射して柔らかく煌めく銀髪。
こんな時だってのに正面から眺めるいつもとちょっと違うサーニャの表情に見とれてしまう自分が恨めしい。
だって考えなきゃいけないのに考えがまとまらずに「サーニャが綺麗だ」って所でループする。
それでも一生懸命考える。だって、きっとお酒の力を借りてまでわたしに何かを伝えようとしてるサーニャの事を失望させたくないから。
もしかしたら数秒だったかもしれない無限にも思える時間の中で気付いた事。
わたしの自惚れだったら恥ずかしいけど、みんなが気付いてるって条件だともうそこ以外に反省点が思いつかなかった。
「……あ、あの……」
「うん、聞かせて」
間違ってたらゴメン、って良いそうになって我慢する。
そんな逃げの態度じゃ、きっとダメだ。
堂々と、しっかり言わないとナ。
すーっ……はーっ……っと、一つ大きく深呼吸。
目を硬く瞑って、叫ぶ!
「ソ、ソンナンジャナクナイゾッ!」
う……ちょっとどもった……でも続けるゾっ!
「わたしとサーニャはっ! 新婚そのものダッ!!!!」
34 :
8/8:2009/01/18(日) 03:22:03 ID:/tlMzxnk
今、間違いなくわたしは人生のクライマックスにいるゾッ!
『おおおっ』と外野の歓声が上がる。
そしてそこに続くのはサーニャの返事ではなく、すーっすーっという静かな音とワンテンポ置いて続く外野の思い思いの笑い声だった。
そ、そ、そ……そこで寝るなよっ! サ−ニャああああっ!!!
そうしてお姫様抱っこの温もりだけを残し、一世一代の決意をした夏の夜は過ぎ去っていくのだった。
もちろんお約束として、朝起きた二日酔いのサーニャはこのことを覚えてなかったし、シャーリーとルッキーニとエル姉とビューリングには絶好のからかいネタを提供してしまったのだった。
ぎゃふん。
以上となります。
エイラーニャでシャッキーニでエルマリングからエイラーニャです。
エイラーニャは山あり谷あり……全部エイラの積み上げた山とエイラの掘った谷ですがw
今回台詞大目で行動や情景描写薄めなんですけど、伝わってますでしょうか?
実はFORMAT BY LYNETTEのシリーズに削った濃いエロい部分付け足して当初投下しようと考えてた場所に投下しようと思ったんだけど、
なんかその場所の雰囲気が悪くて……ムリダナ(・x・)
っていうか一箇所番号間違えてた。
あとニパがボーイッシュな割りにいいおっぱいなんできっとエイラに相当モイモイされて他に違いない。
ビジュアルで心が相当盛り上がったんでニパの話書くぞ〜!!
大作超乙
いいバカップル共だ
>>34 元中尉こええwww
ビューリングとエルマのやりとりにもときめきましたぜ!
笑ったりにやにやしたりさせられてしまった! GJ!
ニパのビジュアルは俺も死ぬほど待ってたので大喜びっすよ。SS待ってます。
さすが元中尉だ!
元少尉にはできないことを出来ない事を平然とやってのける!
そこに痺れる、憧れるうゥ
>>34 喫茶店きたー!相変わらず面白すぎる!
珍しい面子を全員上手く動かしてて凄い。掛け合いが楽しくて8レスが短く感じるなあ
しかしビューリングの所属先には凄まじい不安が…まあ欝は無い世界観だから大丈夫だよね
次回も楽しみにしてます
不安というか、エル姉がしがみついてでも止めないと……。
何してるのかしら、あの子は。
宮藤さんの部屋の前を通りかかると、部屋のドアから大きな箱を運び込もうとして悪戦苦闘している宮藤さんが見えた。
もう少し寝かさないとその幅を通れるはずがないですわ。 あぁもう、そちらに倒したって意味が無いでしょ!
思わずその作業を眺めてしまい、勝手にイライラする私。 まったく要領の悪い。
まぁ、私には関係の無い話。 せいぜい頑張ってくださいな。 私は知らんぷりを決め込んで食堂へと歩き去った。
紅茶で喉を潤して戻ってきてみれば、宮藤さんはまだ大きな箱と戦っていた。 イラッ。
まだやってるんですの? だーかーらー、そこは持ち上げるんじゃなくて下げるんですのよ!
「ちょっと宮藤さん! いつまでアタフタなさってるんですの! イライラしますわ!!」
「わぁっ!! ぺ、ペリーヌさんですか? ビックリしたぁ!」
やってしまった。 とことん無視を貫こうと思ったのに、あまりの無様さに思わず文句をつけてしまった。
この子ったら、なんでもっとテキパキとできないのかしら! 学習速度が遅いんですわ!
「ここはこうやってこうすれば、ほら、簡単に入りますでしょ。 10秒で終わるじゃありませんの!」
「うわぁー、ペリーヌさん凄い! あっという間に部屋に運び込んじゃった! やっぱりできる人は普段からできるんですね!」
キラキラキラ。 うっ。 目を輝かせて無邪気にお礼を言われると、こちらも毒気を抜かれてしまいそう。
ほんっとにこの子は。 凄いじゃないでしょ! 貴女が凄くないのよ! もう少しご自分を省みられたらいかが?
「えへへっ。 それじゃあペリーヌさん、乗りかかった船って事で。 組み立ても手伝ってくれませんか?」
「はあっ?」
組み立て? べりべりべりっと宮藤さんが箱を開けると、そこから出てきたのは天板と土台。
単なるテーブル……ですわよね。 貴女、こんなテーブル程度の組み立てにまで他人の力が必要ですの?
文句を言おうと顔を上げると、宮藤さんはいつの間にか部屋の隅っこの方でもぞもぞとしていた。
「はい! それじゃ私が土台を組み上げるので、ペリーヌさんは上からこれを掛けてください!」
宮藤さんがとことこと持ち帰ってきたものは、お布団。 いわゆる、掛け布団。 へっ? ちょっとちょっと!?
何なの、これ。 テーブルは分かりますわ。 お布団も分かります。 でも、それを組み合わせるという発想が理解できませんわ!
ひょっとしてテーブルクロスのつもりなのかしら。 それともこれが扶桑では普通? 少佐は何と仰ってたかしら……。
「土台できましたー。 ペリーヌさん、ばさっとやっちゃってください! ばさっと!」
「え、あ、はい! えと……こんな感じでよろしくて?」
考え事をしている最中に言われてしまったためか、思わず反射的に宮藤さんの言う通りにしてしまった。 ううっ、癪ですわ。
四方均等になるようお布団をかけて、私はある事に気付いた。 低い。 このテーブルは想像以上に高さが無かった。
「あとは天板で完成……かしら。」
「いいえ、まだまだです! よいしょっと。 こらしょっと。 ぷっすりと!」
もぞもぞと布団の中から這い出てきた宮藤さんが、せかせかと動き回る。
天板を置く。 ミカンをてんこ盛りにした器を置く。 電源をコンセントを差す。 ……え? 電源?
「完成です! やった! やりましたよペリーヌさん! ついにブリタニアにも文明の火が! ご協力ありがとうございます!」
「これが完成形ですの? なんだか色々と突っ込みどころのあるテーブルですわね……。」
「テーブルじゃありません! おこたです! こ・た・つ・でーす!!」
コタツ? テーブルじゃありませんの? そうですわよね。 見た感じ、椅子を置くようなレイアウトではないですし。
「扶桑では百聞は一見にしかずと言ってですねー、とりあえず入ってみれば分かりますよ!」
入る? 入るって? 混乱し続ける私を尻目に宮藤さんが靴を脱いで布団の中に体を滑り込ませた。
えっ。 えーっ!? 直接床に座るんですの? お尻が汚れてしまうじゃないの? ルッキーニさんじゃあるまいし!
「ほらほら。 これが扶桑の文化なんですってば。 坂本さんなんて大喜び間違いなしですよ! 女は度胸! ずびっとどうぞ!」
うぅっ。 扶桑の文化? 坂本少佐も大喜び? えぇ、分かりました。 分かりましたわよ!
少佐と喜びを分かち合うためですもの。 思い切って座りますわよ! お布団に潜り込むため、裾をぴらっ。
んっ? よくよく見ると、土台の下にもお布団が敷いてあった。 なんだ。 カーペットに直接座るわけではないんですのね。
少し肩から力が抜けて、靴を脱いで潜り込む。 あら。
「あったかい……。」
「でしょー、えへへ。 扶桑の冬ではですねー、家族みんなでおこたを囲んで、ミカンを食べたりお喋りしたりするんです。」
裾をまくって中を覗き込むと、天板の裏側に赤熱した明かりが灯っている。
ようやく納得がいきましたわ。 これ、暖房器具なんですのね。 ユニークですわ。
それにしても、何かしら。 暖かい。 暖房器具だから、というよりも。 それ以上にほっとする。 なぜかしら。
「本当に、暖かいですわ……。」
へにょっと背筋を曲げて、宮藤さんが天板にアゴをつく。 普段なら行儀が悪いと叱り飛ばす所だけれど。
今日ばかりは、私も宮藤さんに倣って頬を天板へと押し付けた。 どうしてかしら。 不思議と、そんな気分なの。
「ブリタニアの冬は寒いって手紙を送ったら、お婆ちゃんが、みんなで入りなさいって送ってきてくれたんですー。」
「……そう。 宮藤さんのお婆様が……。」
あぁ、そうか。 匂いだ。 このコタツからはとても懐かしい匂いがするのだ。
お婆様の匂い。 平和の匂い。 暖かかった頃の、思い出の匂い。 今は全て失われてしまって、もう私の手には戻らないそれ。
このコタツはそれを思い出させるのだ。 悲しくて仕方ない。 でも。 暖かくて仕方ない、それを。
「みっかんー。 みっかんー。 農家のむっすめー。」
むきむき。 むきむき。 扶桑の言葉を乗せて、のどかなメロディを口ずさむ宮藤さん。
……たまには。 本当にたまには、ですけど。 こんなのんびりとした時間も悪くないかもしれませんわね。
「みかんビーム。」
「うきゃわぅあっぁ!!??」
のんびりしていたら突如眼球に激痛が走った。 何ですの!? 何ですの!? 目に何か入りましたわ! 痛すぎますわ!!
これがバイオテロという奴ですの!!? のたうち回りながら水道まで靴も履かずに猛ダッシュする私。
死ぬ思いで目を洗い切ると、宮藤さんの部屋までフルスピードで帰還する。
「こんの豆狸!! 少佐を独り占めしようと思って遂に実力行使に出ましたわね!! 決闘! 決闘よ! 表に出なさい!!」
「うわぁー。 ペリーヌさん美味しいリアクションするなぁー。 軍を辞めても芸人で食べていけますね!」
「なんでそんなに他人事なのよ!!!」
ごつんと飛び切りの拳骨を宮藤さんの脳天にお見舞いする。 のた打ち回る宮藤さん。 ふん。 いい気味よ!
「うぅ……。 扶桑の子供の間では、友達にミカン汁を飛ばすのは冬の恒例行事なんですよぉ……。」
「ここはブリタニアよ! 変な田舎ルールで私の目玉を退役の危険に晒さないでくださいまし!!」
もそもそとコタツに入り直す。 まったくもう。 たまに見直してみればこれですわ! 人の気も知らないで!
後でメガネも洗わないと……。 メガネを外して、またコタツに頬をつく。
こつん。 宮藤さんと私の足が触れる。 むむ。 コタツのシステム上、確かにこういう事は起こり得る、けど。
小癪な豆狸。 ささやかな抵抗のつもりだろうか。 ふん。 げし! げし!
「いたた! もう、ペリーヌさん。 もうちょっと左に寄ってくださいよぉ。」
「あら、これ貴女の足でしたの? てっきりゴボウか何かが置いてあるのかと思いましたわ。 ごめんあそばせ。」
ほほほっと笑うや否や、むっとした顔の宮藤さん。
悪かったかしらと思う間もなく、げしげしげしと足が蹴り返された。 あつつっっ!
こっ、この豆狸! 三発! 三発蹴りましたわね! 私より一発多いですわ! 豆狸がにこやかに笑ってのたまう。
「あぁっ本当だ。 なんか大根みたいな物が置いてありますねぇー。 気が付きませんでした!」
……………………。
「……ほほほ。」
「……うふふ。」
げし! げし! げし! げし! げし! げし! げし! げし!
湖にたゆたう白鳥の如く表面上は優雅に。 そして水面下では激しく! 私達の決闘が幕を開けた。
「あいたたた! 四発! 四発蹴りましたね! 私より一発多いじゃないですか!」
「おあいこよ! そちらこそ、一発一発に力を込めすぎではありませんの!?」
げしげしげし。 二人して夢中で蹴り合う。 わっとっと! コタツを揺らしすぎたせいか、ミカンがすぽーんと飛んでいんでしまった。
慌ててミカンを拾い集める私たち。 わ、私とした事が、こんな粗雑な真似を。 恥ずかしいですわ……。
「はぁはぁ……け、蹴り合いはもう止めませんこと? 不毛ですわ。」
「そ、そうですね……やめましょう、蹴るのは。 替わりに。 くすぐっちゃったりなんかして!」
ひぁっ!? びくりと体が跳ねる。 足をコタツに押し込もうとした矢先。
既にコタツの中に投げ出されていた宮藤さんの足指が、今まさにコタツに入ろうとしていた私の足裏を器用にこそばした。
あ、あひゃ、あひゃひゃ! こ、この卑怯者! 無抵抗の相手になんて事をなさいますの!
「ふっふっふっ。 逃げようとしても無駄ですよー。 何年も従姉妹のみっちゃんを悶絶させてきた実績がありますからね!」
も、悶絶って!? 変な連想をしてしまったじゃないの! この子の事だから、他意は無いのだろうけれど。
あは、あははは! そうしてる間にも、得意気に私をくすぐり続ける宮藤さん。 ちょ。 調子に乗るんじゃないわよこの豆狸!!
「ひぅっ!?」
変な声を出してしまった。 蹴っ飛ばしてやろうと思いっきり伸ばした私の足は、宮藤さんにかすりもせず。
思い切り体を押し込んだせいで、宮藤さんの指は、その。 その。
「えっ、あれ? これ、足の裏ですか? ペリーヌさん? どうしちゃったんですか。 なんか顔色が変ですよ!」
「ちょ、ちょっと、宮藤さん! そ、そんな動……っぅ! こ、この豆狸! おやめって言ってるでしょ!!!」
ごつーん!! 本日二回目となる本気拳骨を宮藤さんの頭に振り下ろす。
何がなんだか分からないといった顔で宮藤さんが涙目を向けてくる。 うっっ。 流石に心が痛みますわ。
で、でも宮藤さんが悪いんですのよ! 本当に子供なんだから、もう。
「うぅ、ペリーヌさん酷いです……。 わ、私は私なりにコタツ文化を伝えようと頑張ってるのにぃ……。」
「す、少し動揺してしまったの。 その、とてもくすぐったかったから。 ……叩いて、ごめんなさい。」
ガラにもない仏心にほだされて、思わず謝る言葉が口をつく。 きょとんとした顔でこちらを見つめる宮藤さん。
少しだけ止まっていたと思ったら、その顔にぱぁっと花が咲く。
「いえ! 私の方こそごめんなさい。 えへへ!」
「……お馬鹿。」
我知らず微笑が漏れる。 扶桑ではこんな時何て言うのだったかしら。 泣いたカラスがもう笑った、でしたっけ。
嘆息していると、宮藤さんがコタツから抜け出してまた部屋の隅っこでゴソゴソしている。 あれは……毛布ね。 ごく普通の。
宮藤さんはそれを私の背中側に敷いて、にっこり笑って腰掛けた。
「向かい合ってると、足、ぶつかっちゃいますから。 隣り合わせで寝っ転がりましょう!」
そう言って、ごそごそと私の隣に入ってきた。 ちょっと。 狭いじゃないの。
なんだか照れ臭くって、思わず口をとがらす。 気付いているのかいないのか、宮藤さんが続ける。
「コタツの醍醐味はですねぇー、こうポカポカしたまま寝ちゃえるとこなんですよー。」
そう言って毛布へと体を投げ出す。 えぇっと。 さすがにこれは行儀が悪すぎないかしら。
宮藤さんと一緒に居ると、いつの間にか私まで行儀が悪くなってしまう。
本当に変な子。 でも。 そうね。 悪い気分じゃないわ。 真似して私も毛布へと頭を預けた。
「ね。 くつろげるでしょー。」
「そうですわね……。 ちょっと、上が寒いですけれど。」
下はコタツに入っているからいいとして、上の温度差が気になる。
宮藤さんが目を覗き込んできたかと思うと、きゅっと私の手を握った。 心臓がとくりと鳴った、気がする。
「確かにちょっと冷えてますね。 でもこうしてればあったかいですよ!」
「……そうね。」
言い返すつもりもなくて、目を閉じる。 少しの沈黙。 どうしたのだろうと思って目を開けると、宮藤さんがまじまじと私を見ていた。
「あっ……とっ、と。 えぅ……ごめんなさい! その、あんまりお人形さんみたいで綺麗だったから。」
「ふふ。 何を慌てているんですの。 構いませんわ、別に。」
「……えへへへ。 なんだか、今日は。 嬉しいな。 ようやく。 本当のペリーヌさんが見れた気がする。」
本当の私? いつもの私も、今の私も、大して変わりは無いと思うけれど。 答えるのが面倒で、微笑だけを返す。
あぁ、思考がとりとめも無くなってきた。 少しずつ瞼が重くなってきたのが分かる。 安らぎ。
家族を失った、あの日から。 久しくこんな安らぎは無かった。 宮藤さんの手。 暖かい。 それがとても懐かしい。
「ね、ペリーヌさん。 いつか、任期が終わったら。 扶桑の私の家に遊びに来ませんか。
お母さんもお婆ちゃんもみっちゃんも。 きっとみんな歓迎してくれますよ。 みんな、……く、ですもん。」
宮藤さんもまどろみに落ち始めているようだ。 ぽそぽそと喋って、うまく聞き取れない。
そうね。 坂本少佐と宮藤さんが生まれた国。 このコタツを送ってくださった、宮藤さんのお婆様。
見てみたいかも。 会ってみたいかも。 ふふ。 この私が、扶桑に行くなんて。 子供の頃は考えもしなかった。
ふあぁあ。 あくび。 噛み殺すでもなく、出るに任せる。 宮藤さんが頭をもたせかけてきたのを、ぼんやりと知覚する。
「私たちは、……く、だからぁ…………扶桑は、ペリーヌさんの……るさとの一つ……ですよぉ……。」
くすり。 もう半分寝てしまっているのかしら。 扶桑のことば。 何を言っているのかよく分からないわ。
でも。 そうね。 何が言いたいのかは、大体分かる、なんてのは。 夢の口によくある、都合のいい思い込みなのかしら。
隣で健やかな寝息をたてる、遠い東の国の魔女。 その、繋いだ手が暖かくて。 それがとても幸せで。
まどろむ黒髪に頬を寄せながら、私は、そのまま幸福な眠りへと落ちていった。
おしまい
よしペリGJ!
喧嘩が同レベルすぎる・・・脱衣所でにらみ合ってるシーン思い出して和んだw
こんにちは。LWqeWTRGです。
夜中にSSムリダナとか言っておきながら、突然スイッチ入って妄想が止まらなくなったので急遽書きました。
会話のみ、そして掛け合いなので段落変更ができてません。
読みづらいかと思います。すいません。
エイラ×ニパで「イッルのバカ」です。2レスです。
トントン
「どうぞー」
「よう、ニパ。来てやったゾー」
「よーイッル。来なくて良かったのに」
「来なくて良いはヒドいじゃないカー」
「どうせまたからかいに来ただけなんだろ?」
「にひひ、まぁな。それじゃさっそく、また撃墜されたのカヨ」
「うるせー。またとか言うな」
「ホントのことダロ?しかもまたストライカーの不調ダシ」
「もううるせーな!イッルには関係ないだろ!」
「いーや、関係あるね。無いならこうしてお見舞いなんか来ねーヨ」
「からかうだけなんだからほぼ関係ねーじゃねーか!」
「…ホントにそれだけだと思ってるのカ?」
「じ、じゃあなんだよ」
「パートナーを心配しちゃいけないのかって言ってんだ」
「…!イ、イッル…。…ごめん、私…」
「………ク、クク…プハハハハ!なんだその、やっちまったー私…、みたいな顔!ニヒヒヒヒヒ!ヒー…もうだめ…!」
「な、お、おいこらイッル!やっぱりからかうだけじゃねーか!さっきの私の反省を返せ!」
「ヒヒヒヒヒヒ…!腹イテー…。…ふぅ、いや、心配は一応ホントだよ」
「一応とか言うなよ…」
「だってホラ、からかう奴いないと困るシ」
「今すぐ部屋からでてけーーーーーーーーー!!!!」
「やだね。ニパおもしろいシ」
「私はおもしろくないんだが…?」
「まあまあ。いいジャン」
「よくない」
「いいんだッテ。それにしてもニパ入院好きだよナー」
「まだ続くのか…。というか好きで入院してるわけじゃないんだぞ?」
「やっぱりアレか?」
「なんだよアレって」
「ここの看護婦さん、美人だもんナ」
「私にそっちの趣味はねーよ!」
「いやいや。とか言っちゃッテ実はドキドキしてるんダロ?」
「してないって!お前と一緒にすんな!」
「ウワひでぇ。ニパが私をソンナ目で見てたなんテ…」
「そんな嘘泣きしても無駄だぞー」
「まあそれはそれとして、本当は女の子にドキドキしてるんダロ?白状しろヨ」
「だから、ないって言ってんだろ!もういいから帰れよ!」
「ふーん。じゃあこれでもしないのカ?」チュ
「!!!!!」
「おーおー真っ赤になっちゃっテ。ニパかわいー」
「う…う、うるせーよイッルのくせに!バーカ!」
「バカはないんじゃないカー?」
「うるせー!バーカバーカ!」
「ああ、私のココロは深く傷つきましタ…。なので帰りマス」
「早く帰れーーー!!」
バタン
「イッルのバカ…。…ドキドキするに…決まってるじゃないか…」
END
以上です。
ニパがつっこんでばかりです。
でもいつも漫才みたいな会話してそうだ。
若干ニパの言葉が乱暴になってしまったけどどうなんだろうか。
やっぱり自分はスオムス大好きだと再認識。また書いてみたいと思いました。
それでは、失礼します。
ニパって、507向きだと思う。
エイラ:「よかったナ、地元じゃないカ」
ニパ「お前、知らないのか!あそこはウィッチの墓場って言われてんだぞ。」
やばい予想以上にニパがストライクだった
うーもう少し資料が欲しい
画集の墜落ウィッチがニパだったのね
最近来てなかったんだけどエイラサーニャ間で子供ができたSSってあったっけ?
>>34 GJ!もしこの空間にいたなら確実に萌え死ぬ自信が…。
>>44 この二人もなんだかんだでやっぱり"いいコンビ"だなぁ。
みかんビームww
前スレ埋めの人もGJでした。残りのウィッチの場合も楽しみ。
>>34 喫茶店続きキター!!毎度毎度素晴らしい百合ん百合ん空間でもうたまらんね!GJ!!
酔ったサーニャの破壊力は異常。これで崩壊シリーズ並みの変態度を見せたりしたらエイラが壊れるw
>>44 芳佳自重しなさ過ぎwwでもGJ!目が覚めたらもっさん乱入でセカンドステージですね、わかります。
>>44 おおー! 芳ペリいいな! いいな! ツンツンメガネをここまで丸くできるなんて芳佳は恐ろしい子!
みかんビームとかくすぐりとか和みまくりだろw
>>48 ニパは、まさに、こういう人だと、いいなと、思って通りだ!はぁはぁGJ!
遅れたが前スレの埋め人達GJでございますです
新スレ乙です
さて、総受けハーレムゲルトを書いているつもりが変な具合になってしまいました
苦手な方はご注意
いち!にい!さん!し!
うむ、今日も身体に異常はない。すこぶるいい具合だ
今日のメニューは確か射撃訓練だったな・・・リーネと宮藤の監督もせねばな
その前に、今日は朝食を作らねばならん。
――よし、体操終了。食堂へ行くとしよう。
------------------
(食堂)
「あ、おはよ」
「早いなリベリアン、おはよう」
起床時間前だが、やたら朝は早いなこいつは
そういえばエイラやルッキーニは寝坊の常習犯だが、このリベリアンはちゃんと起きてくるな
ま、そういった面は評価に値する
「いやぁ早く目が覚めちゃってさ〜」
「ふ、だからつまみ食いか?言っておくが今朝はジャガイモだぞ」
まずは軽くイモを洗ってからだな
今のうちに湯を沸かしておく――
「つまみ食いしにきたのはこっち」
「ひっ・・・!」
どこに手を入れてるんだ馬鹿!手まで取るな!
「ずっとこうしたかったんだよね〜♪」
「はなせ・・・っ!」
「ほとんど抵抗してないくせに」
貴様がそんなところを撫で回すからだ!
くそ、力が入らない・・・気が散って魔力もうまく使えん・・・!
「この後みんなここに集まるけどさ、それってなんか興奮しない?」
――ッ!
「んの・・・はつじょ、うさ・・!ひぁッ!」
「あれれ?もうこんなになってるのに、素直じゃないねぇ」
え・・・糸、引いて・・・
あ、ああ・・・嘘だ・・・私がこんな・・・
「早くしないと誰か来ちゃうぞ?まぁ、悪いようにはしないからさ。こっち向いてよ・・・」
こいつの目・・・きれいだ・・・
ああ、早くジャガイモを茹でないと・・・。
------------------
(射撃場)
くそっ!あのリベリアンめ!
朝から盛りのついたようにネチネチと!
しかもなんだ!アレは誰にも見られてはいなかったようだが、食事中ずっと眺めてくるなんて!
なぜ抵抗できなかったんだ私は!情けない!
「バルクホルン、少しいいか?」
「えっ?あ、ああ少佐、なんでしょうか」
「実は、今日中にこなさなければならん雑務ができてな。
昼ごろまであいつらの訓練を見てもらえんか?」
む、マンツーマンではなくなったか・・・まぁいい、少佐もご多忙だからな。
どちらにせよ要領は同じ、断る理由もあるまい。
「私は構いません」
「すまんな、それではよろしく頼む。埋め合わせはさせてもらうぞ(スタスタスタ・・・)」
ああ、なんと気持ちのいい人だ。
部下へのフォローなど、してくれる上官はあまりいないからな。
私もあのような立派なウィッチになりたいものだ。
「では訓練を始める。まずリーネ・・・いつも通りに撃ってみろ。」
「は、はい!(ダン!ダン!)」
うむ、流石に上手いな。
地上での中距離射撃よりも、空で遠距離射撃をさせるべきか。
それとも模擬戦・・・いやこのまま自信を付けさせるのも・・・。
(むにっ)
「おおー、噂通りのハリ・・・」
「〜〜宮藤っ!」
いつの間に背後から・・・・・・おい!なにして・・・
「んっ・・・みや、ふ・・・やぁ・・」
「だ、だめだよ芳佳ちゃん!」
そうだ、止めてくれリーネ!
上官にこのような不埒な行為を許して――
「二人でバルクホルンさんを気持ちよくしてあげるって約束したのに」
・・・え?なんだって?リーネ、お前は――っ!
「んむ・・・ぅあ、ふ・・・・・ふふ、まだおイモの味がしますね」
「わ、キスうまいねリーネちゃん。私も私も!」
「えへへ。じゃあ、かわりばんこね?」
放せお前、ら・・・訓練を・・・く、ん・・・
--------------------
(洗い場)
「はぁ・・・」
部下に、しかも年端の行かぬ二人になすがままにされるのはいかんな・・・
少佐がいてくれたら・・・いや、人に頼るべき事柄ではないな。
「はぁ・・・」
ここは静かでいいな・・・
「ウジャーン!」
「おわあっ!」
「どしたの大尉?元気ないね?」
ルッキーニ・・・頼むから驚かさないでくれ・・・
ふぅ、やはりこいつは小さいな。
まだ純粋で、あんなことは分からんだろうな・・・
「ああ、少し疲れていてな・・・」
「ふーん。そだ!あたしが肩揉んであげよっか?(フニフニ)」
おお・・・おおお・・・何故だ、何故か目から汗が出てくる・・・
ルッキーニ、お前はいい子だ。誤解していたよ。優しいやつだったんだな・・・
「そうか、なら頼むよ」
「じゃ、あっち向いて!」
「はいは――」
「とぅるーでぇー?」
ビクゥ!
は、ハルトマンお前っ!
「なーにルッキーニに体触られて喜んでんのさー?」
「ち、違う!私は肩揉みを頼んで――」
「ルッキーニぃ、君はいまトゥルーデの体触ってたよね?」
無視か!聞こえてたろ今のは!
「ウジャー?うんと、大尉に気持ちよくしてって言われたから〜」
前言撤回だルッキーニ少尉、そこになおれ。
火に油を注ぐな!そもそもそんなことは言ってないだろう!
ああ、ハルトマンに冷たい目で見られてる。誤解だ、誤解なんだフラウ。
「なールッキーニ、あたしも交ぜてくんない?」
・・・は?待て待て、色々とおかしいぞ。
交ざる?お前が?お前は肩揉みするわけじゃないだろ?
「うんっ、いーよ」
「おい!気軽に承諾するな!」
「なに?トゥルーデは私が嫌なの?」
「い、いや・・・そういうわけでは・・・」
「ふーん・・・やっぱりおしおきだね」
なん・・・だと・・・理不尽すぎるだろ!
しかもこいつの言うお仕置きはつまり――
「おおいガッディーノ、トゥルーデの服脱がすの手伝ってくんない」
「やはりか!どうしてお前はそんなに好色なんだ!」
「まーまーお堅いこと言わずに・・・あれ?なんか湿ってない?」
「それは・・・」
「なーにー?大尉おもらしー?にゃははっ」
「ち、違っ・・・ッ!ふら・・う、恥ずかし・・・っぁ!」
「ふふふん、やらしいトゥルーデにはしっかりおしおきしないとね。ほらルッキーニ、ちゃんと見てなよ?」
「あれ?大尉どしたの?顔真っ赤だよ?」
よりによって最年少の子供に・・・
早く、早く終わって・・・・よく・・して、くれ・・・
------------------
(宿舎廊下)
だるい・・・いくらなんでもだるい・・・
今日はなんだ、天罰の日か。もう5人も無理矢理・・・・・・
まだ夕方だというのにもう寝てしまいたい・・・枕を濡らしてしまいたい・・・
そういえばサーニャがそろそろ起きてくる頃――
ガチャ
「ふぉっ!」
「――あれ、バルクホルン大尉」
さ、サーニャか
・・・・何かこう、私の頭が早くここを離れろと言っているような気がするのだが
「(じー・・・)」
「・・・・・・」
「(じー・・・)」
「・・・・・・」
・・・なんだこの子猫は、やたら可愛いじゃないか
ああ、頭を撫でたい。無性に撫でたい
エイラの部屋の真ん前だが平気・・・か?
一日の疲労を癒してくれとの啓示か?
そうか、そうなのか、ならば――
ガシィ!
「・・・え?」
「捕まえた・・・(ニコリ)」
「え?え?――おい引っ張るな!そっちはエイラの――」
ポイ、ボフッ
う・・・ベッドに放り投げられるとは・・・やるなサーニャ・・・
「ニヒ、ヤット来たカ大尉」
「エイラ・・・ん?お前まさか今まで寝てたんじゃないだろうな」
「ソ、ソンナンジャネーヨ!ただ・・・」
「ただ?」
「サーニャが、こうしたいッテ・・・」
なんだ?背後に気配――
「がっ!?」
「大尉のお尻・・・柔らかい」
さ、サーニャ!?どこに手をやって・・・待て!ズボンを取るな!
「手、押さえとくからナ」
「うん、ありがとうエイラ」
「き、今日だけダカンナー」
お前らいつの間に魔力を使って抑え――
(ちゅぐ、ちゅ・・・ぴちゃぴちゃ)
「うぁ・・・!っ・・・さーに・・や・・ぁん!」
「大尉のここ、熱い・・・」
「あ、あんま舐めんナヨ、サーニャ!」
なん、で・・・・今日・・・・・・ちいい・・・
------------------
(風呂)
あいつら・・・揃いも揃って痕をつけていって・・・
おかげで全員あがるまで風呂を待つハメに・・・こんな身体、誰にも見せられんからな
ふぅ・・・・・・さっき、気持ちよかっ――!?
何を考えているんだ!?
そんな、ほとんど年下の奴らに無理矢理、されて、気持ちいい、わけが・・・
・・・・・・ここ、サーニャが、ずっと舐めて・・・
・・誰もいないよな
「ん・・・っあ・・・」
食事に間に合えば・・・間に合いさえすれば平気だ・・・
指、気持ちいい・・・
「トゥルーデ?」
「――っは!?ミーナ!?ま、まだ入ってなかったのか・・・」
「そんな大きな声出すと、誰か来ちゃうわよ?」
「う・・・すまん」
見られた・・・よりによってミーナに・・・
うああ大馬鹿者!これでは蔑まれてしまうだろうに!
それにこんな、痕だらけの姿を・・・
「ねぇトゥルーデ、あなた今何してたのかしら?」
ああ・・・これはいじめられる・・・
久々に泣きたくなってきた・・・
「なにも、なにもしていなかったぞ」
「そう――みんなに可愛がられたのね」
「ち、違う!あんな無理矢理・・・まさか、見ていたのか!?」
「クス・・・どうかしらね」
最悪だ・・・ミーナの能力なら何をされたかも分かってしまうではないか・・・
「ダメね、私・・・すごく妬けたの。だから、キスしてトゥルーデ」
「ミーナ・・・」
「――お願い」
卑怯だ、そんな・・・そんな悲しい顔をされては・・・っ
「き、今日だけ・・・だ。今日だけ・・・」
「・・・ん、ふぅ・・・ぁ・・・ねぇ、さっき一人でしてたの?」
「・・・ああ」
「そう・・・なら私がしてあげる」
これで・・・何人目だ、今日は
もう――どうでもいい
今は、ミーナと・・・
「(んー、トゥルーデって扱いが楽ね)」
-------------------
(自室)
あああああああ!!
カールスラント軍人のウィッチが、慰み者になっているではないか!
これではまるで娼婦だ!慎みを持たんか!
「・・・はぁ」
もういいか・・・とにかく疲れた・・・
ようやく寝られるんだ、明日に備えて――明日は周りに流されぬようにしなくては、な
限界だ・・・おやすみクリス・・・
ガチャ
・・・ガチャ?
誰か入ってきたのか・・・もういい加減にしてくれ
大体ノックもせずに――っ少佐!?
「し、少佐?一体何を・・・」
「しーっ・・・昼の埋め合わせだ、バルクホルン」
「え、あ、あの、私はもう」
「寝るのだろう?まぁ、時間を見計らってきたからな」
何を言ってるんだ少佐は?
私は何も身につけていないのですが・・・あの、そんなにじっと見られると・・・
「ん、ああ私も脱がなくてはな。何せ『夜這い』だからな(シュル)」
「ちょっ、坂本少佐!いったい何をおっしゃっているのですか!?」
「む?だからよば――ああ、『夜這い』が分からないのか」
ユバイ・・・扶桑の言葉か?
風習か何かだろうか
それにしても――なんて綺麗なんだ・・・坂本少佐
「ふふ、どうしたんだぽかんとして」
「いえ・・・少し、見とれて」
「・・・オホン、口がうまくなったな。それも宮藤のおかげか」
宮藤の・・・
私の胸を抱き抱えた宮藤の・・・
私の胸を執拗に揉んだ宮藤の・・・
私の胸に延々と吸い付いた宮藤の・・・
「どうした?(ギシッ)」
「いえ!なな、なんでもありません」
い、いつの間にこんなに近くに・・・
しかしこれは・・・近くで見るとよりいっそう――
「私に任せておけ、バルクホルン」
「少佐、いったい何を――」
--------------------
(翌朝、食堂)
「た、大尉っ!どうなさいましたの!?」
「・・・ああ、おはようペリーヌ。少し、少しだけ疲れていてな。昨夜の記憶があまりない」
「青ざめてらっしゃいますわ!私から中佐に言付けしておきますから、今日一日お休みになってください!」
「ペリーヌ・・・っ!(ギュッ)」
「ばっばばバルクホルン大尉・・・」
「ペリーヌ、(私のことをよこしまな目で見ない)お前だけが頼りだ。
これからも(誰かに犯されないように)ずっと、一緒にいてくれないか」
「ふぇっ!?そ、そんな・・・私には少佐が・・・」
「頼む、(それでは割にあわないだろうから)私も(同僚から)お前を守ってみせる」
「大尉・・・」
こうしてバルクホルンはフラグを立てまくっていくのでした
おしまい
エーリカが、寝てるゲルトにフェロモンムンムンになるような魔法薬を飲ませたに違いない
その魔法薬はウルスラが作ったに違いない
今、給料未払い状態の自分は無駄遣いできないのでファンブックはしばらく「ムリダナ」状態。
そんな今日、とらのあなへ百合姫を買いに行きレジについたら百合姫のほか、
ストロベリーシェイク2巻とストライクウィッチーズオフィシャルファンブックを持っていた。
これはネウロイの新しい攻撃ですか?
これはいい ハーレムですね ゲルトさん
総受け体質かもしれないな
>・・・なんだこの子猫は、やたら可愛いじゃないか
これが一番グットきたぜ、アクティブなサーニャもまたいいな!
そろそろ崩壊シリーズが読みたくなってきた今日この頃
これほど受け受けしいのが萌える人もいないな。お姉ちゃん総受けGJだw
しかしペリーヌwwww
>>68 崩壊シリーズ読みたいな...てかもっさん×ミーナが読みたい
ご無沙汰してます、お忘れの方も多いでしょうがトゥルーデ撃墜部隊のkK2NO0Bqです。
久しぶりに投下しに参りました。ずいぶん前に投下したサーニャ×トゥルーデの続きで、エイラ×トゥルーデです。
素敵なトゥルーデ総受けのあとにおこがましいですが、よろしく〜
日が沈み始めた夕方頃。
「エイラさん、なんだか元気がないわね」
うっ…!
食堂でリーネが作ったお菓子を食べてたら、いきなりミーナ中佐に突っ込まれた。
「べ、別にそんなこと……」
元気ないっつーか、ただ複雑なだけだ。
朝起きてサーニャの部屋行ったら、サーニャのベッドでバルクホルン大尉が一緒に寝てたりしたから。
大尉は、サーニャには何もしてないって言ってたし、何かするような人物じゃないから疑ってはいないけど。
でも……サーニャ、あんなにべったりくっついてたし……ううぅ…
「エイラさん?」
「はぇっ!な、なんだよ?」
「…やっぱり、何かあったんじゃない?」
中佐はじーっと私の顔を見てくる。
ど、どうしよう…
「おーいミーナぁ、ちょっとちょっと」
その時、食堂の入り口からハルトマン中尉が中佐を呼んだ。
「今行くわ、フラウ。…エイラさん、何か悩みがあったらなんでも相談して頂戴ね」
「あ、あぁ。ありがとーございます」
中佐は食堂を出ていった。
ふぅ…セーフセーフ。
もうちょいしたらサーニャが起きてくるだろうから、部屋に戻るか。
帰り際、チラッとサーニャの部屋を覗いたら、まだ寝ていた。
昨日、風強かったかんなー。疲れてんだろーな。
そんな疲れてるサーニャと、一体何してたんだよ大尉は。
そんな事を思いつつ、部屋に戻ってタロットで適当に暇を潰していたら。
ガチャ、とドアが開いた。
あれ、サーニャ起きたのかな。
ん、でもあの人影は…
「!バルクホルン大尉…!」
おいおい、なんでこいつが私の部屋に入ってくんだよ。しかもノックもしないで。
びっくりしすぎて声をかけられないでいると、大尉はなんかフラフラしながら私の方まで来た。
「おい、何してんだよ…?」
…なんか、生気が抜けきったよーな目をしてるぞ、こいつ。
そのまま大尉は、私のベッドにばふっと倒れた。
朝、夜間哨戒から帰ってきたサーニャが、間違えて私の部屋に入ってくる時みたいに。
「…?」
何がなんだかわからず、私は大尉の顔を覗き込んだ。
大尉は、これまたサーニャみたいに、すーすーと寝息を立てて熟睡してる。
どーしたんだよ、一体。
起こそうとして、大尉の肩に手をかけたら…
大尉の首筋に、……その、キスマーク…とかいうヤツをいくつも見つけちまった。
「うわ、おいおいマジかよ…」
くそー、起こさなきゃなんないのに顔が熱く…
「んん…」
肩に手をかけたまま固まってたら、大尉が身動いだ。
「うう…やめ…エーリカ……ぁ、ミーナ…まで混ざるな…だれかたすけ…うぅ…」
呻くように呟いた大尉の寝言で、思い出した。
朝、サーニャの部屋での事件を見た時、隣にハルトマン中尉もいたな。
「後でお仕置きだね」とか言ってた。
さっき中佐を呼びにきたのは、まさか一緒に……
……ちょっとだけ、同情するな。
私はまだエーリカやめろとかミーナそんなとこさわるなとか呻いてる大尉を引っ張って、ベッドに寝かせた。
ちょっとくらいなら、貸してやってもいっか。
ホントの本気で今日だけだかんな。
ちゃんとした体勢になって落ち着いたのか、大尉は寝言を漏らさなくなって寝入ってるみたいだ。
こいつの顔、じっと見るの初めてだけど…
綺麗な顔してんだな。サーニャほどじゃないけど。
ふと、サーニャが朝言ってた言葉を思い出した。
『バルクホルン大尉…すごく綺麗で、可愛かったんだよ』
「……」
ちょっとだけイタズラしてみよっかな。
こいつが私の部屋に来たのが悪いんだし。あ、サーニャにはもちろんそんな事しないぞ!
私は大尉の胸に手を伸ばした。さすがに脱がしたら起きるかもな。
軍服の上から、むにっと胸を掴んでみる。
…すご、なかなかおっきいじゃんか。
私は胸を揉むのは嫌いじゃない。てゆーか好きだ。おっきい胸はそれだけで正義だ。
サーニャは別だぞ!
「…んっ…」
大尉は小さく声を漏らした。
なんか、いつもと雰囲気が違う。可愛い…
ちょっと服を捲ってみたら、腰の辺りと、太もものズボンに隠れるギリギリくらいに、いくつか首筋と同じ痕があった。
ここ攻められまくったってことだな。なんてゆーか、あの二人すごいな…
カールスラントは敵に回さない方がよさそーだ。
「ぅ、あ…」
痕を指でなぞってみると、また大尉は声を漏らした。当たりか。
そのまま、胸と弱そうなとこをいじってたら、大尉は脚をもぞもぞ擦り合わせ始めた。
「…エー、リカぁ…もぅ……」
触ってるの中尉だと思ってんのか、こいつ。
こんなへろへろになるまでされといて、結局好きなんだな。
私はちょっと迷ったけど、大尉の脚の間に触れた。
「ふぁっ…」
う、ズボンが湿ってる…見かけによらず結構お好きなんじゃないか、このカタブツ。
「あ、ぁん、はぁ…」
ズボンの上からなのに、私の指の動きにいちいち喘ぐ大尉。
…なんだよ、ホントに…綺麗じゃんか。可愛いじゃんか。
「っく、ァ…も、だめぇ…」
…ヤバい、止まんなくなりそーだ…
「…あぁっ、……ふあっ!?」
「うわっ!」
すると、突然大尉は目を開けて起き上がった。
「あ…こ、ここは…」
「わ、私の部屋だけど…」
「エイラ…?」
キョロキョロと部屋を見回す大尉。…触ってたの、バレたかな。バレてないよな…
「す、すまない…自分の部屋に帰ってきたつもりだったのに…くそ、エーリカとミーナめ…」
ぶんぶんと頭を振ると、大尉は私を見つめた。
「寝床を借りてしまってすまない、エイラ……図々しい頼みだが、この事は誰にも言わないでくれないか」
すがるように見つめられた。よっぽどあの二人、すごいんだな。
まあ、元々誰にも言う気はないけど…
「じゃ、10分間胸揉ませてくれ」
「は…はあっ!?」
これは代償って事で。
あ、浮気じゃないかんな。サーニャが一番だかんな!
>>64 お、トゥルーデ総受けきた!それぞれおもしろかったGJ!
お姉ちゃんの受け受けしさは最高だと思います。
そういやトゥルーデ撃墜部隊氏を長らく見てないな
…まあ個人にこだわるのはよくないか
おしまいー。
エイラの語尾カナが書くの苦手なので、ひらがな違和感あるかも。スマソ。
お目汚し失礼しました
>>76 ちょ、そんなこと言ってたらきてたー!!
まじか!やべえテンション超あがってきたw
これから読ませていただきますが先にGJと言わせてくれ!
おー、さすが日曜日
ゆっくり読もう。職人さんたち乙です
俺の脳内も語尾ひらがなエイラです
なんという被撃墜のエースバルクホルンwwww
ゲルトは総受けがよく似合う
芳佳とも親友と言われるくらいに仲良くなりたいサーニャ
どうすれば仲良くなれるかと考えた時に普段エイラがしてくれることをすればいいと考える。
それで芳佳の面倒をおどおどしながらも見るサーニャ。なぜ自分がこんなに面倒をみてもらっているのかよくわからないがそんなサーニャにドキドキする芳佳
そしてサーニャが一緒のベットに入ってきた時ついに芳佳の理性の糸がっ…!
ていうSS誰か書いてください
>>64 GJ! トゥルーデ総受けワロタ
いいぞもっとやれおねがいします
ベット(笑)
>>83 つまりサーニャと芳佳が一緒に賭けをするんですね、分かります
そして負け続けて芳佳がキレるのか…… よし、書いてきます。(嘘)
ペットに見えた
保管庫の人501スレ目指してたのか・・・w
まあ夢を見なくなったらおしまいだ!頑張ろうw
インフルエンザで死にそうだ・・・。
重い気分で布団に入ってたら、ふと余命数ヶ月のサーニャを
悲しみを殺して甲斐甲斐しく看病するエイラという携帯小説みたいな妄想が・・・。
エイラ×ゲルトルート書いてみました。
投下します。
「いつ」なんて覚えていない。いつのまにか。
「なぜ」なんて覚えていない。なぜか。
「人を好きになる理由」なんて、ない。
夜。もう深夜といってもいい時間。
一人タロットに夢中になっているとノックの音で現実に引き戻された。
「エイラ、いるか?私だ。」
バルクホルン大尉だ。
「大尉?珍しいナ。どうし…」
特に疑問も持たずドアを開けて絶句した。この人バスタオル一枚巻いただけだ。
「ななななななにやってんダ大尉!そんな格好デ!」
「しーっ。」というジェスチャー。ワタシはあっと口に手を当てる。
「とりあえず、いいか?」
「あ、アア…。」
しぶしぶともいえる形で招きいれた。そしたらこの人いきなりベッドに腰掛けた。
たまにこの人どこかずれているんじゃないかと思う。
「デ、なんだヨ。」
「実はな、」
大きくため息を吐いた大尉はうんざりした様子で言葉を続けた。
「フラウが私のベッドを占領してしまってな。」
「つまりベッドを貸してくれってことカ?」
「そうなるな。」
「そうなるな、っテ、ちょっと。」
やっぱりこの人ずれている。この間宮藤のことクリスって呼んでいたな。
「それに、お前の部屋はよく眠れると聞いてな。」
誰に聞いたんだ?サーニャか?宮藤か?
どっちでもいいか。今、ワタシの好きな人が目の前にいるんだ。
「デ、枕とか持ってきたのカ?」
「ああ。それより、いいのか?」
いいのか、って。アンタは何を言っているんだ。
「断ったらアンタどこで寝るつもりだったんダヨ?」
もとより断るつもりなんてなかった。
「ミーティングルームのソファを拝借しようと。」
この人のずれはもう病気なのかもな。
「だめだダメだ駄目だ!風邪ひいちまうダロー?」
ワタシは枕を受け取り、簡単にベッドメイクをする。
「いい香りがするな。」
「サンダルウッドダ。お気に入りなんダ。」
背中合わせでベッドに入る。ワタシはまだ寝るつもりは無かったけれど、仕方ない。
大尉ってハダカで寝るんだな。
「すまんな。」
「いいっテ。でも、今日だけだかんナー。」
本当は毎日でもいい。
「ありがとう。」
その声を最後に、大尉は夢の世界へ旅立って行った。
どのぐらいたっただろう。結局ワタシは眠れないでいる。
隣では大尉が細く寝息を立てている。
ワタシは大尉に向き直り、そっと体を寄せてみる。
あたたかい。
ひとの、あたたかさだ。
それにやられたのか、はたまたワタシ自身半分寝ぼけているのか、ワタシの口が、勝手に言葉を紡いだ。
「…ワタシは、大尉と、一緒にいたイ。」
「この戦争が終わっても、ずっと一緒にいたイ。」
「ワタシは、大尉のことが、好きダ。」
「大好きダ。」
そこまで言って、ワタシは目を瞑った。もう眠ろう。
朝になれば、太陽がすべて洗い流してくれる。今言ったことも忘れてしまうだろう。
ワタシと大尉の関係も、元のままだ。
「わかった。」
誰だ?ああ、バルクホルン大尉か。今日はワタシの部屋に泊まりに来てるんだっけ。
でもちょっとまてよ。何に対して「わかった。」って言ったんだ?ワタシ何か言ったっけ?
ああそうだ、告白したんだ。大尉に。大尉に?
飛び起きた。跳ね上がった。しっぽをふんずけられた猫みたいに。
大尉がゆっくりと起き上がる。上半身が露わになる。綺麗だ、と思った。息を呑んだ。
「まったく、お前がそんな風に思っていたとはな。」
「エ、ア、イヤ、ソノ、」
あたふた。しどろもどろ。
「ど、どこから聞いてタ?」
「『この戦争』あたりだ。」
大尉は眉を寄せ、笑っている。笑って…え?
「エイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉。上官命令である。」
「はっ、ハイ!」
大尉はそのままワタシに体を預けた。
「抱きしめてくれ。」
「…っ!」
「これが、私の答えだ。」
ああ、やっぱり、あたたかいな。
以上です。
タイトル考えてなかった。
失礼します。
エイゲルは未開の地かな
乙であります
ところで二次創作の長所は既定の方針、人間関係の公理があって行動の動機付け説明がほとんど不要な手軽さにあるが
新カプの開発ともなれば惚れた理由くらいは欲しいところでござる
なにも晦渋な精神論とか理屈をかまさなくとも相手の好きなところを並べるだけで十全でござる
久々に来たらなんだなんだ、トゥルーデ受け祭りですか!
潔癖なのに流されやすいトゥルーデ可愛いです。
どうせならペリゲルトも見てみたいナー。
自分もこの祭りに乗って、ちょっと描いてくる。
ふと思ったけどカタヤイネンさんは処女を喪っても超回復力で再生しちゃうんだよね
おかげでベッドを共にして初めてかどうか疑ってしまうエイラと必死に信じてもらおうとするカタヤイネンさんが見えた
見えたのだ
スオムスにいた頃のエイラは上司部下同僚ロッタ(婦人補助部隊)問わず撃墜しまくってそう
しかし久方ぶりに帰ってきたスオムスのプレイガールはオラーシャウィッチに
すっかり飼い慣らされていたという
>>99 それを不思議に思ったスオムスウィッチ達が
その秘訣を知ろうと、挙って問い質して
困惑するサーニャを幻視した
ニッパに転ぶ人は多そうだ
ウィルマも勝気そうな感じが良い
ビジュアルがくるとやっぱり違うものだなと
ところでss感想フォームはどうなったのだろう?
最近は流れが緩やかなので、今のうちに書いていきたいのだが
前回、エイラ×ペリーヌの『新月』を投下したものです。
続編的なもの書いてみた。
「眠い…」
今日も無事、夜通しの任務を終えて基地に戻る。
昨晩、任務のためにハンガーへ向かうとエイラが待っていた。
エイラはたまに、任務外で私の哨戒任務に付き合ってくれることがある。
彼女がストライカーの無断使用を咎められているのを私は見たことがないし、
きちんと使用許可は取っているんだろう。
『今日は私も行くよ』
笑いながら、彼女はそう言った。
『……ダメ』
そんなエイラを、私は拒んだ。
そのときは気付かなかったけど、随分冷たい声で言ってしまった気がする。
『んなっ!?なんで!?』
『…今日は、新月だから』
まさか拒まれるとは思っていなかったのだろう。エイラは捨てられた仔犬のような目で私を見つめてきた。
『…新月の空は、危ないから』
私のように、目で見なくとも遠くまで見通せる能力があれば、新月も満月もさほど問題ではない。
しかし、そのような能力を持たないものにとって、新月の空は危険だ。
目を閉じていても飛行できるような熟練したウィッチであれば、話は別だろうけど。
『…わかった。じゃあ、気をつけていくんだぞ』
エイラは淋しそうに笑って、ハンガーを後にした。
私が一人で夜間哨戒任務にでかけるのとき、エイラは私が離陸するのを見守ってからハンガーを出ていくのに。
やっぱり、怒らせてしまったんだろうか。
『……エイラ?』
返事は、ない。
『…ごめんなさい』
こんな小さな声では聞こえるはずがないのに。
私は夜空へ飛び立った。
ちょっと待って間違えて消えた
消えたと思ったがそんなことは無かったぜ…
泣くかと思った……
続きからいきます。
回想に浸っている間に、基地へ到着した。
エイラの出迎えを、ちょっとだけ。ほんのちょっとだけ期待していたけれど。
「…ただいま」
だけどハンガーに、エイラの姿は無く。
やはり昨晩のことを怒っているんだろうか。
「お、サーニャ。今帰ったのか?」
ストライカーを脱ぎ、フリーガーハマーをしまっていると、背後から声をかけられた。
振り返ると、坂本少佐がいた。
私は坂本少佐のことが少し苦手だ。第一印象で抱いた『怖そう』というイメージがいまだに拭い去れない。
「…はい。…坂本少佐はどうしたんですか?」
「私か?もちろん訓練さ。サーニャも付き合うか?」
「…上官命令ですか?」
私がそう返事をすると、少佐は目を丸くした。
「はっはっは。冗談だよ。まさかサーニャに冗談で返されるとは思わなかったがな!」
いつものように快活に笑いながら、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
…私としては、冗談のつもりはなかったんだけど。
「哨戒任務から帰ったばかりの部下を私の訓練に付き合わせたらミーナに怒られてしまうよ。
…おっと、疲れているのに長話に付き合わせて悪かった。
ゆっくり休め。…そうだな、これは上官命令ってことにしておこうか」
はっはっは、と笑いながら、まだ薄暗い滑走路に少佐は駆けて行った。
私は坂本少佐のことが苦手だ。でも、同時に憧れてもいる。
もし私があの人のように明瞭に話せたら、きっとエイラを傷つけたりしなかっただろう。
「…がんばってください、少佐!」
ちょっとだけがんばって、大きな声を出してみた。それでも小さな声だったけど。
「ああ!」
意識しないと聞こえなかったであろうその声に、少佐は手をあげて応えてくれた。
ハンガーを後にして、宿舎へ戻った。
「……」
エイラの部屋に入っていいものか、考える。
きっとエイラはいつものように、『今日だけだかんな!』なんて言って私を受け入れてくれるだろう。
でも、エイラの優しさに付け込むようで気が進まなかった。
私がエイラを傷つけたなら、私から謝るべきだと思った。
だってエイラは、私の一番大切な親友だから。
だから今日だけは、一人で眠ることにした。
目を覚ましたら、エイラときちんと仲直りしたいな。
おやすみ、エイラ。
以上です。
タイトルは例によって考えてないっていうか、前回のタイトルに共通性を持たせようとしたら思いつかないorz
三日月?朝だっつーの!
ゲルトォとリベリアンが汗だくになって水着姿(ゲルトはブラとズボン)でレスリングしたら物凄い絵になると思うがどうだろう
ガチムチレスリングみたいなノリで
110 :
1/5:2009/01/19(月) 21:57:42 ID:W8UJ991+
はじめまして、いつもはROM専なんですが、
アフリカの星のマルセイユと加東大尉に惚れ込んで
このカプ無いかなーと探してみたんですけど、自分で探した限りでは無かったので、
じゃあ自分で書いちゃえ!と書いてみました。
SS書くのは初めてで拙い所もあると思いますが、どうぞよろしく。
『アフリカの送らない狼』
統合戦闘飛行隊「アフリカ」が結成されて以来、
私たち扶桑からの援軍「加東隊」も、
マルセイユがいるカールスラント空軍の基地に間借りさせてもらっている。
中でも私、加東圭子が住居としている天幕はマルセイユの天幕のすぐ近くだ。
マルセイユは私と気が合うようで、最近は一緒に飲むのが日課のようになっていた。
同じウィッチとはいえ扶桑とカールスラント、文化圏も違うし
距離的にも何千キロも離れている国だ、お互い興味深い話も多い。
いつものようにマルセイユの夜酒に付き合って、他愛の無い話に花を咲かせていると
年頃の女二人らしく、ウィッチの恋愛事情なんて話になってきた。
「なるほど、扶桑でもウィッチ同士が恋愛関係になる事は珍しいことでは無いのか」
でも、って事は他国のウィッチも同じなのかしら。
「そうだな、リベリオンは知らないが欧州では珍しくないよ」
マルセイユが男女問わず人気なのは知っているけど一般的にもそういう事があるんだ。
「そういうケイもモテそうな感じに見えるけどね」
「私みたいな大柄な女は扶桑じゃモテないのよ」
「そうかい?私から見れば十分魅力的だがね」
そう言って薄く笑いながらグラスを煽った。
まったくこのプレイガールめ、何人の子をその手で落としてきたんだか。
111 :
2/5:2009/01/19(月) 21:58:54 ID:W8UJ991+
昼間は40度を超える砂漠も夜になると急に冷え込んで来る。
夜も更けてきたので帰ろうとした私を、珍しくマルセイユが「送ろうか」なんて事を言って立ち上がった。
ありがたく好意を受け取る事にするが、私の天幕はここのすぐ近くだ。
なんでだろうとほろ酔い気分で考えていたらマルセイユの顔がすぐ近くあった。
瞬間、唇を奪われる。
頭が真っ白になる、何も考えられない。
そうしていると強く抱きすくめられた。
嫌なら抵抗してもいい、とマルセイユが耳元で囁く。
扶桑の女としては大柄な私はマルセイユと比較してもそう体格差は無い。
本気で抵抗すれば振りほどけるだろう。
が、マルセイユの目がじっとこちらを見つめている。
徐々に顔が近づいてくる。
私は動けない。
ふと伝説の魔女が持っていたと言う魅了の魔眼の事を思い出した。
ならマルセイユの深い青の瞳は魅了の魔眼だ。
魔法をかけられた私は、魔女の虜になるしかない。
112 :
3/5:2009/01/19(月) 21:59:55 ID:W8UJ991+
最初は唇と唇が触れ合うだけのキス。
いたわるようにマルセイユの唇が私の唇をなぞっていく。
私をベッドに横たえると、興が乗って来たのか段々とキスは激しさを増し、
唇をついばむ様に何度も何度も情熱的にキスを繰り返す。
「…ふぁっ」
息苦しくなり僅かに覗いた口内を見逃さず舌を送り込み、貪欲に私の舌を求めて弄ってくる。
舌先から先ほど飲んでいたサケティーニの味が微かに伝わる。
この即興で作ったカクテルの元になったマティーニを、マルセイユは辛口を好んで飲む。
だがマルセイユの舌と共にサケティーニが与えて来るのは甘美な甘さだ。
二人の唾液が溶け合った熱い蜜を嚥下する度に微熱の様な快感が私の体を満たしていく。
私も反撃を試みるが体勢的に不利は否めず、一方的に攻められるばかりだ。
激しく求めてきたかと思えば、優しく包むように愛撫する。
マルセイユのキスは彼女の戦闘そのもののように変幻自在だった。
113 :
4/5:2009/01/19(月) 22:02:41 ID:W8UJ991+
どの位経ったのだろうか。
濃密な時間は、マルセイユが顔を引くことで不意に終わりを告げた。
二人の唇の間に銀色の糸が引かれる。
「……どういうつもりよ……」
息を乱しながら私は精一杯にらみつけて尋ねる、きっと生贄の子兎の様に迫力が無いことだろう。
「扶桑の撫子は貞淑だと聞いていたが、なかなかどうして情熱的じゃないか」
「答えになってない!」
「ケイが好きだから」
……絶句。
「それだけじゃ理由にならないかな?」と小憎らしい顔でニヤリと笑う。
本ッ当にもう!絶対にこいつの使い魔は鷲なんかじゃなく悪魔だわ!
「……帰るわ」
私は手早く身支度を済ませると振り返りもせず天幕を後にした。
114 :
5/5:2009/01/19(月) 22:04:28 ID:W8UJ991+
翌日の目覚めは最悪だった。
二日酔いで頭が痛いし気分も悪い。
別の意味でも頭が痛い、マルセイユにどんな顔で会えばいいのか。
戦闘部隊の司令官とトップエースが顔を合わせられないなんて由々しき事態だわ。
「やあ、おはよう」
なんて事を悩んでいるうちに悪魔がやってきた、こいつには神経が無いのだろうか。
「……何の用」
「何の用とは酷いな、忘れ物を届けに来たんだ」
見るとマフラーを持っている、たしかに私のマフラーだ。
昨日急いで身支度をしたために忘れたのだろう。
悪魔はニコニコと笑顔で近づいてくると私の首筋を見やりながら
「これを巻いておかないと難儀だと思ってね」とマフラーを渡してくる。
「?……あああっー!!」
そこには立派な撃墜マークが付けられていた。
そして去り際に悪魔は耳元で囁く、今夜また私と遊ぼう、と。
以上です
書き終わってから気付いたんですが、マティルダは何処に?(笑)
117 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/19(月) 22:43:21 ID:lfgOBMIo
>>114 GJ
保管庫で読んで最近この二人が好きだ。加藤さん有能だったんだなーw
専ブラの俺があげてしまった・・・だと・・・?
>>114 待ちに待ったアフ魔女支援キター!!GJ!!
押しに弱い圭子さんがノリノリのマルセイユに押し倒されるシチュだけで毎日メシウマですよね!
砂漠の虎発売前に勢いで書いたら本筋と食い違ってしまった拙文で良ければ#0518をどうぞ。残念だが一番乗りはもらったぜ。
>>114 えろいw マルセイユさんえろいw
「送らない狼」とか「悪魔」っていう圭子さんの呼び名がまたいいですねGJ!
>>119 保管庫にありましたか、灯台下暗しですね
アフリカ戦線は独特の雰囲気があって好きなんですが
展開されてるのが同人誌なせいかほとんど見かけないので
絵もSSももっと増えてほしいですね
アフ魔女は漫画のほうが野郎でまくり絡みまくりらしいから敬遠してる人多いんじゃね
ていうか俺はそれを理由に敬遠してるし
フミカネ絵の表紙は素敵だし鈴木さんの小説もかなりおいしいらしいから欲しいっちゃ欲しいんだがな
絡むってほどじゃないだろ。
あくまで重要なチョイ役だ。
エイラとサーニャがロンドンの街で買い物をしてたら
迷子の女の子を見つけて二人で母親を探してあげる
っていうベタな疑似親子的な妄想してたらテンションが上がりまくって寝れなくなった
「私もあんな子供が欲しいな」とサーニャに言われて、
意味もなくドキマギする純情なエイラさん。
捏造満載のエルマ→エイッカ投下
おんなのこが おんなのこを すきになったら。
地獄に落ちるといったのは私の一番の親友で、それを聞いた瞬間、私は私の恋が一生叶わないのだと
いうことに気付かされて、まるで地獄に落とされたような心地になったのだった。それは士官学校の卒業を
控えたある日のことで、これからそれぞれの部隊に配属されて離れ離れになる私たちは、それまでの
執行猶予をそれぞれの形で送っていた。
「どうしたのかな、あのこたち」
それは穏やかな昼下がりの、食堂での出来事が始まりだった。
ちょん、ちょんとつついて話し掛けたら、なあに、と朗らかな問い掛けが帰って来た。それだけで嬉しくて
胸がいっぱいになって、私はにこにことしてしまう。エルマ。彼女が私の名前を呼ぶ。どちらかというと
長身の私よりもずっと背の高い彼女が私を見下ろして体をかがめて、私の口許に耳を寄せる。
「仲良しだな、って思って。あの子たち」
示す視線の向こうには、手をつないで寄り添って、なにやら楽しそうに話している同期のお友達。お互いに
何かをささやきあっては微笑みあって、おでことおでこがくっつきそうなほどにおでこを寄せ合っている。
"あの子たち"が最近仲の良いことは、周りから鈍いとか、どんくさいとか、散々に言われる私でさえも気付
いていた。けれど私よりもずっと勘の良い彼女はとっくのとうに気付いていたのだろう、私がその日ぽつりと
呟いたその言葉を聞いて彼女は「今更気付いたの?」と言わんばかりの顔をして私を見やった。思わず
ごめんなさい、と呟くと彼女は小さく笑って「どうして謝るの」と微笑んでくれた。そしてまるで泣いた子供を
あやしつけるように手を伸ばして私の頭を撫でて、そしてもう一度まっすぐ私を見て、にっこりと笑うのだった。
昔から情けないばかりだった私の傍に、いつだって彼女はいて。賢く、器用で、明るくて、優秀で。そんな
彼女の周りにはいつも人が寄ってきていたけれど彼女は遠くから彼女を見つめる私を見つけるとそれら
すべてを放ってまで私のところに来てくれるのだった。
そしていつものようににこ、と微笑んで、それがさも当然であるかのように傍らに立ってくれた。ひどく奔放
な彼女のその行動に置いてけぼりを食らったその人たちは少しどよめいたけれど、憎めない性格の彼女
のこと、まあ仕方ないよねと呆れたように肩をすくめて散っていくのだった。私はそれをいつも申し訳なく
思っていたけれど、彼女はすぐにそれを察して「私がしたいことをしてるだけよ」と実に朗らかに笑んで
くれた。彼女がそういったのだろうか、それとも私のことなどどうでもよかったのだろうか、人気者の彼女を
独り占めしていることを、誰かに咎められたことは無くて。それだから私は士官学校での長いようで短い
その期間を彼女の明るい、太陽のような優しさに包まれて幸福に過ごすことが出来たのだ。
「だからね、仲良し、って言っても意味が違ってて、友達って言うか、ええと、そのお」
「はいはい、わかってる、わかってる。あなたの言いたいことは分かったから落ち着いて、エルマ」
『部屋に戻ろ?』。私の問い掛けに答える前に、彼女は私にそう促した。なんで?どうして?疑問の言葉を
重ねる私に「いいのいいの」と答えて、ちょっと強引に手を引いて。部屋に着いたら彼女は「痛かった?
ごめんね?」と申し訳なさそうな顔をしていたけれど、それでも私は嬉しくて、そして同時に切なかった。
だって、私は、そんな風に彼女に手を引かれてずっとここでの日々を過ごしてきたのだ。
入学したとき宛がわれた二人部屋。南を向いたつきあたりの、一番日当たりのいいところ。もうすぐお別れ
をすることになるこの部屋の荷物はもうほとんどまとめられている。昨日じゅうに、二人で手分けして片付
けたのだ。新しく配属されることになる基地に大荷物を送り込むわけには行かないから、大方のものは
捨てざるを得なかった。思い切りの悪い私と違って彼女は非常にさっぱりとしていて、すっかり溜まって
しまっていた私のガラクタたちを、即座に終わらせた自分の荷物の整理のあとに手伝ってくれたのだっけ。
(もー、なんでこんなにたくさん石ころがあるわけ?)
(これはほら、初めて空を飛んだときの記念で、これはロールバレルが出来るようになったときのでしょ、
それでこれが…)
(そんなこと言ってたらきりが無いでしょ!ほら、これひとつだけにしなさいよ)
(…これ?)
手のひらの中にころりと転がったその小石は、キラキラと翠色に輝いていて。その輝きに、私は今となって
はもう遠い遠い、けれども昨日のことのように思い出せる大切な思い出を起こした。陸上訓練とは名ばかり
の体力づくり、要はランニングの真っ最中。学籍番号が近かった私たちはペアを組んで走っていた。私
よりもずっと足の速いはずの彼女がなぜかあまり良く知るはずの無い、ただ偶然並ばされた順番が隣
同士だっただけの私についていたのは、あまりにも私の走り方が危なっかしかったからだ、というのは
あとで彼女から聞いた話だった。
そう、そして私はあの日も、突然つまづきかけたのだった。(レイヴォネンさん!)そう彼女が叫んで、
腕を引いてくれなかったら、私は道に真正面から倒れ込んでいたのに違いなかった。
(あのときの…)
(エルマが転んだ"かもしれない"石。覚えてる?)
(あ、あのときはほんとうに!石につまづいたの!)
(はいはい、わかってますわかってます。いまは何も無いところで転べるけどね)
怪我をしていたら大変!これは緊急事態よ!そう豪語する彼女に半ば引きずられるように、医務室に
行くと言う名目でランニングをそっちのけたら、次の日二人でその残りを走らされた。その最中で見つけた、
綺麗に綺麗に透き通った翠色の石。いびつな形をしているけれど、まるで原石のように輝いている。何に
もないところで転ぶ人なんてはじめて見た、と大笑いしていた彼女に反抗したくて、私はこの石に転んだ
のだと主張したのだっけ。
すっかり人気の薄くなってしまった部屋の、窓際に一つだけ置いてあるその石は今も陽光に照らされて
緑色にキラキラと輝いているのだった。ふ、と彼女がその石を見やるのを見るといつも胸がどきどきして
しまう。あなたの色ね。だってかつてそう言って朗らかに笑んでくれたのだ、彼女は。そして今も、優しい
優しい瞳でそれを見つめている。何となく気恥ずかしくて彼女の瞳を真っ直ぐに見やることが出来ない私は
、そこに私に対する彼女の視線を見る。どこまでもどこまでも柔らかくて温かい、慈しみに満ちたその瞳。
寒い寒い雪の夜にだって、それは私の心にぬくもりをくれた。
「大方、"デキた"んでしょうよ」
窓際を見やったまま視線だけを遠くにやって彼女はつぶやいた。ものごとの境目にはよくあることよ。
そして心底呆れ果てたような溜め息を一つついて続ける。できた?なにが?その言葉の意図するところが
うまく掴めなかった私は尋ね返した。ひねり込みが?宙返りが?なるほど、確かに一緒に何かを達成した
ならその仲は親密なものになるような気がする。…きがする、けれど。
「…でも、あのふたり、友達っていうよりも…」
「ねえ、エルマは第一中隊所属になるんだっけ?」
こいびと、みたいだよ。
そう続けようとして出来なかったのは、恐らくは意図せず、彼女の問い掛けと私の言葉とが被ってしまった
からだった。私が何かを言いかけていたことに気付いた彼女がこちらを見てふわりと笑って首をかしげる。
どうしたの、エルマ。お先にどうぞ?促すように覗き込まれると私は何も言えなくなる。胸がどきどきして、
顔が熱くなって、涙がこみ上げて来そうになって。ごまかすようにぶんぶんと首を振る。ううん、なんでも
ない、なんでもないの。そして彼女の問いに答えた。
「うん……離れ離れに、なっちゃうね」
「…そうね」
会話が途切れてしまうのは、もう、こうして二人で一緒にいられることが日常ではなくなると、お互いに
分かっているから。士官学校を卒業したら、私は第一中隊、彼女は第三中隊に配属されることが決まって
いるからだ。第一中隊と第三中隊とでは部隊はもちろん、駐屯する基地も違う。私たちは離れ離れに
なってしまうのだ。
ふと、先ほどの食堂での光景が脳裏に蘇る。記憶が正しければあの二人も、別々の部隊に配属される
ことが決まっているはずだった。…そう、あれ?と思ったのは、離れ離れになってしまうのに、どうして
今更?と思ったからなのだった。
でも今なら、私は彼女たちの気持ちがなんとなく分かる気がした。二段になったベッドの、下の段に私たちは
並んで座っている。偶然を装ってちょ、っと手を伸ばしたらいとも容易く手が触れた。びくりと震えたのは
私の方。でも、もしかしたらあちらもそうなのかもしれなかった。ちらりと見やると彼女はびっくりした顔で
私を見ていて、けれどもすぐに顔を曇らせてしまうのだった。
「アホネン…いもうと部隊……」
そして突然うつむいて口許に手を当てて、そんなことをぶつぶつと呟きはじめる。アホネン。その名前は
私も聞いたことがあった。と、言うよりも私がこれから配属されることになる部隊の隊長さんなのだ。知ら
ないはずがない。そう言えば配属される部隊を聞いたとき妙にこの人は唖然とした顔をしていて、どうして
か皆に励まされていたっけ。第三中隊といえばスオムスのウィッチのエース部隊だからかもしれない
けれど、彼女の実力を誰よりも知っている私はその様をひどく不思議に見ていたっけ。
きけんだわ。物語の最後にエンドマークをつけるように、彼女の思案はその一言で終わった。けれど
依然としてその顔は今にも吹雪が来そうなほどに曇っていて私は悲しくなる。何とか元気付けたくて、
それだけの気持ちで触れ合っているだけだった彼女の手をぎゅうと握り締めた。
ねえ、ねえ、エイラちゃん。
声には出さずに、傍らの彼女に呼びかける。こんな可愛らしい名前柄に合わないわ、といって自らを
『エイッカ』と呼ぶように皆に触れ回っている彼女だけれども、私にだけはファーストネームで呼びかけて
いいと言ってくれた。以来、彼女のその発言が覆されたことはないから私はずっと彼女のことをそう呼んで
いる。
…それは、彼女にとって私が『とくべつ』なのだと認識してもいいということだろうか。そうであったらいい
のにな、と願う。あの食堂でのあの二人のように、私ももっともっとこの人に近づきたいのだ。離れ離れに
なって、そのままなんて、いやだ。ううん、離れ離れになるからこそちゃんと気持ちを伝えておきたい。
そして出来るなら、同じものを返して欲しい。
その気持ちは多分恋だった。それくらい好きだった。代々ウィッチの家に生まれて、その能力の発現と
共に当然のようにスオムス空軍の士官学校へ送り出された私にとってそれは縁遠いものだと思っていた
けれど──気がついたら、落ちるように好きになっていた。ときめき、どきどき。触れて欲しい、触れてみたい。
笑いかけて欲しい、笑いかけてあげたい。できることなら、同じ気持ちをあなたに抱いていてほしい。
ねえエイラちゃん、私は、あなたのことが。
「…エルマ」
喉まででかかった告白の言葉は、またしても彼女の言葉で頓挫してしまった。私は答える。なあに、エイラ
ちゃん。内心では暴れている心臓が、触れ合った手ににじんでいる汗が、気付かれてなければいい、
ううん、気付いて欲しい。そんなことを思いながら。
私の左手にあった彼女の手の温もりがふっとなくなった。驚いている間にガッと肩をつかまれて二重に
びくりとする。じい、と真剣な瞳が私を捉えて私は泣きたい気持ちになった。けれども決して嫌なのでは
なくて、むしろ逆で、そう、どきどきしすぎて、死んでしまいそうで。
「…アホネンになに言われても染められちゃ駄目よ。あなたは絶対にノーマルでいてね。」
「…へ?ノーマル、って」
「女の子が女の子を好きになるなんて異常なんだから。そんなの間違ってるの。いい?何があっても
流されちゃ駄目なんだからね。」
がつん、と。勢いよく拳骨を食らったような気分だった。いつものようにおどおどと彼女を見返しても、
彼女は笑ってくれない。真剣な瞳の中に私が小さく映っていて、それだけでまた、ばくばくと心臓が音を
鳴らす。
こんなにもどきどきしてる。彼女のことが大好きで大好きでたまらない。でも、この気持ちは異常なんだ
ってその大好きな大好きな彼女が言うのだ。そして私の気持ちを、口にする前から切り捨てる。
「すきになったら、どうなるの?」
問い掛けは、少し震えていた。
「おんなのこが、おんなのこを、すきになったら──どうなるの?」
私の真剣な問い掛けに、彼女の瞳が揺れる。けれどもやがて、意を決したように答えた。
「地獄に落ちるわ。幸せになんかなれないんだから」
きっぱりと彼女が言い切った瞬間、私の恋は終わった。ぼろぼろと涙がこぼれてくる。彼女が慌てた声を
上げる。どうしたの、どうしたの。私はまたぶんぶんと首を振った。なんでもない、なんでもないよ。そう
いいたいのに出来ない。悲しくて仕方がない。
「私はね、ちゃんと、エルマに幸せになって欲しいの。だから」
ぎゅうと抱きしめられる。私が泣くと、彼女はいつもそうして私を抱きしめて背中をさすってくれた。ちっぽけ
なことでもすぐに落ち込んでしまう私はもしかして、彼女のそんな優しさに甘えたくて泣き虫を卒業できな
かったのかもしれない。
(幸せになれないなんて嘘だわ)
泣きながら思う。だって私はこんなにも今幸せなのに。この人が大好きで、大好きで、抱きしめられて、
心地よいのに。
地獄に落ちたっていいと思った。私は、彼女と一緒ならどこででも幸せでいられるだろうと。
けれどもその踏ん切りがつかなかったのは、私が幸せでも彼女が幸せになれるわけが無いと思ったから
だ。それは間違いだとはっきりと言い放った彼女が、こんな私の気持ちを受け入れてくれるはずが無いと
思った。ううん、もしかしたら彼女は私のためなら受け入れてくれるのかもしれなかったけれど──それは
きっと、彼女にとっての『不幸せ』に違いないと思ったのだ。幸せになって欲しい。そう彼女は私に言った。
私だってそうだ。大好きな大好きなエイラちゃん。私は、彼女に誰よりも幸せになって欲しかったのだ。
かくして、私の初めての、一生の恋はあっけなく散ったのだった。
*
「忘れ物はない?気をつけていくのよ?知らない人についていったら駄目なんだからね!」
真新しい水色の制服に身を包んだ彼女が、心配そうに繰り返す。大丈夫だよお、と答えても、彼女は
不安の色を隠せないといった表情でいるのだった。挙句の果てには、私やっぱり第一中隊に転属しよう
かな、なんて無茶なことを言い始める。けれど、彼女ならそれもやりかねないような気がした。そんなこと
をしたらモチロン厳罰ものだろうけれど、とにかくこの人は優しい人なのだ。
「…幸せでいてね」
ふっ、と。彼女の表情が真剣なものになる。そしてその口からこぼれるのは私の幸せを願う言葉。…それ
は表面だけをとってみたらとても美しい、優しい言葉のように思えて──私は、再度不幸せの何たるかを
再確認させられたような気がして切なかった。ねえ知らないの?私はあなたといられた間が、一番幸せ
だったんだよ。そう伝えたい衝動を押さえ込む言葉だった。
「エイラちゃん、あの、これ──受け取ってくれる?」
彼女の言葉に返事をする代わりに、私はポケットから一つのペンダントを取り出した。そして彼女に差し出す。
門出を祝うような快晴の空から眩しいくらいの太陽の光が降り注いできて、そのペンダントの中心にある
翠色の宝石をキラリと煌びやかに輝かせた。あの後すぐ街に行って綺麗に磨いてもらった、美しいグリーン
蛍光のフローライト。私と彼女との思い出の石。
「これ──あの、石?」
「うん。持っていて欲しいの」
「でも、記念なんじゃ、」
「…いいの!」
出発を促す声がする。もうすぐ列車が出てしまう。私と彼女が向かうのは全くの逆方向だ。
私は振り返らずにそちらに向かう。今彼女の顔を見たら、泣いてしまうかもしれなかった。
だいすきだった。つたえたかった。出来ることなら、あの食堂で仲睦まじくしていた二人のようになりた
かった。…でもそれを異常というのなら、それが不幸せだというのなら、きっとそれが正しいのだ。だって
彼女が私に間違いを言った事なんて、一度だってなかった。もしかして私が気付かなかっただけかも
しれなかったけれど、それでも私にとってはいつだって正しかったから。
ミナ・ラスカタン・シヌア。
ペンダントの後ろにこっそりと彫ってもらったその言葉。愛しています、あなたのこと。
気付いてくれればいい、けれど気付かないでいて欲しい。
シートに座り込むと、視界が即座に滲んでいく。涙をどんなに流してももう、慰めてくれる彼女は傍にいない。
心も、体も、もう離れ離れ。
ああ、やっぱり最後にエイラちゃんの顔を見ておけばよかったと、今更ながらに後悔した。
―――
異常です。いや以上です。
エイッカは元ネタの人と同じように、エイラという名前だと思っている
捏造満載で申し訳なく でも楽しかった
>>132 21X2w2IbさんGJです
名前書いてないけど、あってますよね?
彼方の文は、独特で好きです。
134 :
132:2009/01/20(火) 07:36:55 ID:StIRhxC7
>>133 あれ、また書き損ねてたごめん
はい、合ってます21x2w2Ibでした
>>96 アドバイスありがとうございます。精進していきます。
保管庫さんの目標もあるし。
テンションあがってきた。
>>132 GJ!エイッカさん過去に何かあったとしか思えないほど頑なですねw
でもその後もずっとエルマさんのことを一番大事に思ってたりしたらいい。
いらん子後に再会したらエルマさんの隣にはビューリングさんがいて、
「やっぱりアホネンのせいで…無理にでもついててやるべきだったんだ…」とか反省するんだ
そんでもってビューリングさんに突っかかるんだけど性別なんて関係ないだろうとかさらっと言われちゃったり
逆に自分でも気づいてなかったエルマさんへの想いを指摘されちゃったりして(ry
そんな妄想が止まりません。
一日見ないだけで一気に増えるな
3日来ないでいたらなんという速度ww
>>132 エルマはこの辛い恋を経て後輩の『エイラ』をなぜか大事にするんですね、わかるよウンウンw
>>132 こっちの「エイラ」も何気にフラグ潰してるような…w
とにかくGJ!スオムスチームは夢がひろがりんぐすぎる
新人時代シリーズ新作です。前半はネウロイによるオストマルク侵攻の瞬間、後半エイラーニャです。
タイトルはオラーシャの白百合第一話:『魔力の発動と運命の出会い…そして開戦』です。
【501新人時代シリーズ】オラーシャの白百合第一話:『魔力の発動と運命の出会い…そして開戦』
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
プロローグ
─ 時は1910年代、ユーラシア大陸を中心とする世界各地にひとつの脅威があった。 ─
脅威の名はネウロイ。街を破壊し金属を喰らい瘴気を吐き出す謎の存在。
人類はネウロイに対し無力であった。普通の人間はその瘴気に耐えられず、
健康を害し死んでいくか良くても半身不随の生涯を送るかのどちらかであった。
しかし人類も手をこまねいていた訳ではない。
人類の中には魔力を持った【魔女】【ウィッチ】と呼ばれる存在がおり、ネウロイの瘴気に対して
耐性のある障壁を持ち、その魔力によって重い銃器を軽々と扱える、敵であるネウロイと戦うことのできる唯一の存在でもあった。
ある国は飛行機で、ある国は戦車で、またある国では開発されたばかりの
【ストライカーユニット】という魔法の箒を使ってネウロイと戦った。
戦局は熾烈を極め、両者ともに少なくない損害を出しながらも人類が勢いを取り戻しつつあった。
しかし、1925年4月、ネウロイは何の前触れも無く忽然と姿を消した。
十数年にわたって世界を震撼させた悲劇の名は【第一次ネウロイ大戦】
─ その大戦の惨劇が終息し、つかの間の平和が訪れてから約12年、歴史は繰り返されるのか ─
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
オストマルク帝国ウィーン。ここには国立音楽院があり、一人の少女が在った。
少女の名はサーニャ・V・リトヴャグ。隣国のオラーシャ帝国出身で父をピアニストに持ち、
自身も父のような音楽家になりたいと6歳の春に国許を離れウィーン国立音楽院に留学。
入学から半年、サーニャはその才能を ─ 特に声楽とピアノに ─ 発揮し、入学以来学内トップの成績を維持し続けていた。
1937年9月のある日、その日もサーニャは教室にてクラスメイトの前で
ベートーベンのピアノ・ソナタ14番『月光』の模範演奏を行っていた。
静かに流れる叙情的な曲が中盤に差し掛かろうとする頃、『それ』は突然起こった。
目を閉じ滑らかに鍵盤を叩くサーニャの頭に何やらアンテナらしきものが、そしてウィッチの証である黒猫の耳と尻尾が次々に現れる。
次の瞬間、サーニャは演奏を止め普段は出さない大声で周囲に何度も叫んだ。
「みんな!いますぐここから逃げて!ここにいたら危ない!死にたくなかったら早くして!!!」
周囲は一瞬、何のことだかわからなかった。しかし、少女のあまりにも真剣な様子と遠くから聞こえる爆発音と悲鳴が
並々ならぬ状況であることを物語っている。
職員の誘導でいち早く校外に避難した一同は一瞬目を疑った。
空を飛ぶ黒い何者かが遠くの街を爆撃している様子、あちこちに機銃を放つ音、おびただしい赤紫色の空気。
もしあのまま何も知らずに構内にいたら ─ そう思うと学院の全員がぞっとした。
ウィーン国立音楽院の生徒および職員は、突然発動した一人の少女の魔力のおかげでその難を逃れたことになる。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
遠くにあった爆撃が近くなってくる…一同は散り散りに逃げ惑い、サーニャは学院の皆とはぐれてひとりぼっちで街を走り回っていた。
(みんな…どこにいるの?)不安に駆られながら周囲を見渡し、知っている顔を捜そうとする。
その時!《ヒュルルル…カッ!》街に落ちた爆弾の爆風が彼女を襲い、20メートルほど飛ばされて気を失った。
その上空を一機の飛行機が飛行していたが、乗っていた少女が道に倒れたサーニャを発見し、叫ぶ。
「パパ!あそこに女の子が倒れてる!早く行って助けなくちゃ!」少女は父親らしいパイロットにそう言うと飛行機は降下していった。
数時間後─
「…etko…ssa?」「Hei Oletko kunnossa? (オイ、ダイジョウブカ?)」北欧系らしい少女はスオムス語でサーニャに話しかけてみる。
「??」気がついたサーニャは言葉が通じていないのか頭をかしげる。
「Ты в порядке?(ダイジョウブ?)」今度は拙いオラーシャ語で同じ事を聞いてみる。サーニャはこくんと頷く。
「あぁ良かっタ。空から見つけてもう2時間も気を失っていたからてっきり…ここは安全ダ、私のパパの飛行機だから寝ててイイヨ」
「飛行機…?そうだ!オストマルクは?学校はどうなったの?」 「学校?アァ…爆撃でボロボロダゾ」 「そんな…」
「オマエ、ウィッチなのか?」 「えっ?」 「耳としっぽが出てる、それにアンテナみたいなものも…」
「耳…しっぽ…?私、魔女になったの?」 「もしかして、初めてだったノカ?」 「そう…みたい…」
「…ナマエ、何て言うんダ?私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン8歳だ。スオムス出身で、今日はロマーニャからの帰りなんダ」
「…私はサーニャ・V・リトヴャグ7歳。オラーシャ出身で、ここへは留学してきたの。さっきの爆撃…魔女の能力で感知しちゃった…のかな?」
「それはスゴイなサーニャ」 「そうなの?」 「少なくとも爆撃される前に学校の皆に知らせられたんだから大したもんダヨ」
初対面の他人に自分のしたことがスゴイと言われて、サーニャは今更のように赤くなって照れる。
(私はウィッチ…私も軍に入って戦争しなくちゃいけないのかな…?)「…ニャ、ドウシタサーニャ?」 「えっ?」
サーニャは考え事をしていたらしく、エイラの呼びかけにしばらく気づかなかった。
「…ウィッチになったんだから私も軍に入らなくちゃいけないのかな…」
「それはサーニャが決めればいいことダヨ、嫌だったらやらなきゃ良いんだし…でもスカウトが来たらしょうがないけどナ」
「エイラもスオムスでウィッチになるの?」
「私はまだ魔力が発現してないからワカンナイけど…スオムスが戦場になるようなことがあったら入るカモ」
「そう…なんだ」 「ソウイウモンだよ」
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
色々話しているうちに東へ3時間ほど飛んだだろうか。飛行機はブダペスト郊外に着陸した。
「さて、ここまで飛んできたらダイジョウブだろう。ココも一応オストマルクだけど近くにオラーシャ軍の基地があるから保護してもらうとイイヨ」
「エイラはスオムスに帰っちゃうの?」 「アァ、お別れダナ…そうだ、サーニャにコレあげるよ」
エイラは荷室に積んだたくさんの紙袋の中から一本の黒いネクタイを取り出してサーニャに渡した。
「いいの?」 「ドウッテコトナイッテ、パパが買ってくれたんだけど私には似合いそうもないカラ…
それに、サーニャなら似合いそうな気がするんだ。いいだろ、パパ?」
「私は何もあげられない…」 「別にイイッテ、これは私があげたいから渡しただけナンダカラ」 「でも…」
「それじゃ約束シヨウ、いつかサーニャがスオムスに来ることがあったらその時にサーニャからの贈り物を受けるヨ」
「いつかじゃ実現しないかm…」 「『するって決める』事が大事ナンダ。それじゃ、指切りしよう。コレで大丈夫ダロ?」
「うん…ありがとうエイラ」 「約束ダゾ」
二人は再会を約束してエイラは空へ、サーニャは軍施設へ向かっていった…
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
異形の存在ネウロイが人類の前にその恐ろしい姿を十数年ぶりに現した ─ そのニュースは世界中を駆け巡り、
やがて西からはカールスラント軍が、東からはオラーシャ軍がオストマルクに集結、ネウロイとの戦闘の火蓋は切って落とされた。
─ これが後に世界史上最大の戦争と呼ばれ、サーニャが軍隊入りするきっかけとなる【第二次ネウロイ大戦】の開幕である ─
そしてオストマルクで別れた二人が6年後ブリタニアで軍人として再会を果たし、やがて恋人同士になることになるが、それはまた別のお話。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
次回予告のようなもの(サーニャのうた、c/v門脇舞衣)
サーニャです。結局私は軍隊に入ることを選び、夜のエキスパートになっていったのです。
次回、オラーシャの白百合『東部戦線開幕…そして行方不明』です。
お父様お母様、どこへ行ってしまったの? 私はここにいます…
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
以上です。
恒例のおまけを作ろうかと思ったが、たぶん飛行機の中でエイラが泣いているところしか
出てこないのでナシにしましたw
なお、第一次大戦の歴史は勝手に妄想のデタラメですが、案外近いかもw
>>144 GJ!エイラかっこよいぜ…
次回予告、夜のエキスパートとかw誤解を招くw
いやしかし否定はしないがな!
投下します。タイトルは、人の言葉をお前に託して。
一人では少し広くて、二人では少し狭い。
私達に与えられたそんな部屋は私にとってすっかり大切な場所になっていた。
悔しいから言ってなんてやらないが、狭く思ってもお前がいれば私は幸せだったし、
広く感じれば束の間の贅沢な気分を味わうことができたんだ。
けれど、今の私にとってはこの部屋がやけに広く感じられて、束の間、
それこそが部屋が広く感じることを喜びに変えていたエッセンスであったことを否が応でも思い知らされた。
部屋に一人でいることも嬉しかったのはお前と二人の部屋だったから。
ポツリとひとりベッドに座っているのは、お前がどんなに待っても帰ってはこないという現実が付随されればどうしようもなく苦痛だった。
私達はいつもいつも、部屋が狭いだ、窓際のベッドはどちらのものだ、などといったくだらないことで喧嘩をしたものだった。
それに私は、訓練での成績には大して差がないというのに、いざ実戦となると飄々と撃墜数を稼いでくるお前を後目に、
流れ弾やらなんやらで墜落している自分に対して無性に腹が立って、つい強くあたってしまっていた。
あぁ、そんなにつまらないことで、どうして…どうして私は素直になんてなれなくて、いつも跳ね返った言葉しか返せず、
ついぞこの気持ちを伝えるといったことをしなかった…いや、できなかったのだ。
淡いような、甘酸っぱいような、それでいてどこまでも苦味を手放さないこの想いに気づいたときには、
お前は既にはるか遠い異国の地へと旅立った後だった…
正確に言えばそれにも語弊がある。
あまり心の機微に敏感でない類の私だからといって、
自らの胸に巣くうこの感情に気づかなかった訳などなく、認めるという行為をただヒドく怖れていただけなのだ。
戦争の最中だというのに、いつ別れの時が来るかも分からないというのに、それでも私には気持ちを認めることの方がはるかに難く、
跳ねるように波打つ自らの心の臓を強く抑えつけることばかりが巧くなった。
それは、実のところお前がネウロイなどに負けるはずがない、傷つくことなど決してないという、ある種病的なまでの信頼に支えられていたのかもしれない。
この気持ちを伝えることはいつでも容易い。
伝えられなかったならばその時は自らの死の時である。
そう勝手に信じ込んで、私の前からお前がいなくなるなんて露とも思わなかったのだ。
戦争がもたらす別れはなにも死別だけという訳ではないというのに…。
それはお前にとって避けえぬものだったのか、それともお得意の占いで異国の地になにかを見いだしたのか、
はたまたお前は私のパートナーとして役不足だと思い至ったのか…
あの日、お前が漏らした「私、明後日から異動だからなんかくれ。」という言葉はあまりにもいつも通りな様であって、
また私をからかっているのではないかとしか考えられなかった。
どうしてもっと早く伝えなかったのか…胸にこみ上げたその言葉はお前に向けたものなのか、
自らの秘めているモノに対して湧き上がったものなのか私には分からない。
私に分かることは、抱いていた幻想が儚く、そして脆くも崩れ去っていこうとしていることだけであった。
「どこに行くんだ?」とポツリと呟くことしか私にはできなくて、声の震えを抑えられているのか毛ほども自信がない。
「ブリタニア…。」と気のない返事だけが返ってくる。
地図の上ならばあまりにも短いその間隔は、実際にはどうしようもなく遠い。
どれだけ遠くても、それでも見えていたお前の背中が瞬く間に虚空に消えてしまったような気がした。
もう少し早く言ってくれたなら…なんて言うのはあからさまな言い訳でしかなくて、
どんなに前に伝えられていたとしても私は今と変わらない状況をさまようのだろう。
いつ帰ってくるんだのかとつい聞いてしまったのは私が弱いからだ。
戦いに身をおく者として、あるか分かりはしないいつなんて話は御法度だ。
まぁ、それも美しい言葉で飾るのならば、お前は絶対に負けはしない、という信頼なのだろうが、実のところ盲目と言うべきなのかもしれない。
「ガリアのネウロイの巣を潰したらな。」
与えられた言葉は、つまり、ブリタニアに骨を埋めるということだ。
ネウロイの巣…潰した者どころか入った者すらいない悪魔の住処。
もはや伝説的にすら語られる魔女たちでさえその住処を破壊した者はいないのだ、それは不可能と限りなく同義であった。
「じゃあすぐ帰ってこられるな。」
私にできることは精一杯の強がりを返すことだけであった。
「あぁ、なんてったって私はスオムスNo.1の魔女だからな。ネウロイなんかに負けやしないよ。」
お前の紡いだ言葉は、その能力のためなのか、確証のない未来を断定することを避けるお前らしくなくて、
やはりお前らしくない私への気遣いを強く内在していた。
どれだけ単純なのだろうか…。
どれだけお前に魅せられているのだろうか…。
こぼした言葉がどんなに不可能なことであっても、不思議なことにお前の言うことならばなんだか私には現実になるように思えた。
「あぁ、母国をほっといてブリタニアに行っちまうスーパーエース様ならきっと大丈夫だな。」
それでも私はひねくれた返答以外持ち合わせておらず、自らの前から去ろうとしているお前に子供の様な苛立ちを当てこする。
このような瞬間でも私は、自分の内に根をはった思いを認められず、それなのに、
伝えても、認めてさえもいないその気持ちをお前に慮ってもらうことを求めていたのだ。
「 。」
ーーーーーーーー
私は子供の様に、何度だってこの日のことを思い出す。
お前のいない部屋は、私には広すぎるし、寂莫の念は消えはしないけれど、今の私なら自らの心と向き合える。
いつもいつも私をからかって、撃墜される私をニヤニヤと見つめてるくせに、私の心の痛みにだけはやたらと敏感で、気づくと傍にいてくれた…
そう、私はどうしようもなくお前のことが好きだったんだ。
情けないけれど、それでも、面と向かっては言えないから、どこにも出さない手紙を書く…いつかお前に渡せるように。
だから今日もお前の言葉を無に帰さないように、約束を反故にしないように、私は飛ぶ。
お前が帰ってくる故郷をなくさないためにもさ…。
Fin.
居なかった間の皆様にGJです。
特に喫茶店が大好きなのでとてもとても幸せでした。
あとは21x2w2Ib様GJです。いいなぁいいなぁエイッカさんいいなぁ。
スオムスっ娘はみんな好きだなぁ。
エイッカさんはエルマさんが好きで好きで、でもそんな自分が嫌いで想いを伝えないよう厳しいことを言ったのだと思うとニヨニヨします。
というわけでなんだか流行するんじゃないかというニパさんとエイラさんの話でした。
でも、流行に乗ったわけじゃなくて…前から書いてたと言い訳をします。
ほんとスオムス組はハッセとニパの仲良しも書きたいしエイッカさんもいいしやっぱりニパエイラも書きたいし大好きすぎます。
あぁビューリングさんとエルマさんとエイラも書きたいなぁ…
それに方程式の後日談も書きたいし…あぁ時間が足りません。
という訳で久方ぶりに現れたけれどもまた1ヶ月は忙しいRU1ZZ/dhでした。
うお、タイトルで意味わからないことしてて説明するの忘れてた…
人の言葉でそのまま信頼の信です。宇下人言とは全く関係はないと主張します。
カッコ内の言葉は蛇足な陽ですがまぁお前がいるからブリタニアに行けるてきなあれです。
つまりスオムスはお前がいれば大丈夫信頼してるよと…分かりづらくて非常にスイマセン。
>>149 RU1ZZ/dhさんキター!
待ってましたよー。流石のSS、GJです。
ニパ関連が流行りそうなのは同感です。スオムス良いですよねー。
まだお忙しいようですが頑張ってください!
百合の国スオムス
つエルマ
ニパ書き始めてるんだがクロエもupされて気になる今日この頃。
っていうかスオムスネタが多すぎて幸せすぎてたまらんぜ!皆さんGJ!
エイッカの事もあって、たぶん今フィンランド空軍戦闘機隊読んだらすべてのキャラをウィッチ変換して楽しめる自信がありますよw
スオムスの魅力は異常。
ところでビショップ姉妹がイチャイチャするお話はまだですか?
かわいい妹なんてほっぽらかして渋いおじさんといちゃいちゃしてるんでしょ
ニパすごくおいしいです
方程式の人GJ!ニパいいなあ
不器用だけど人一倍乙女で、エイラ大好きだけど不器用で…みたいなニパが好きです
スオムスはいいよほんと
ついに北欧空戦史を読み出しちゃったんだが、ユーティライネン氏まじかっこよすぎる
なぜか罰ゲームで一日自分の一人称を「ボク」にすることになったエイラとエーリカ
全然平気なゲルト、エイラ可愛いとか思っちゃうサーニャはいいとして、なぜかドキッとして戸惑うもっさんが浮かんだ。
そんなもっさんを見てプライドとか羞恥心とかと闘うミーナさんとペリーヌがだな
ありそうでまだ開拓されてないのは芳佳×ルッキーニあたりか
芳佳がネウロイの巣からでてきた時たしか記憶が正しければ真っ先に叫んで芳佳のもとにかけよったはず
あれを見てキュッ!てなったから流行ると思ったんだが
「ぎゅっ、と。寒いときはこうするに限るナ」
「・・・やめろイッルはずかしい」
「だってきもちいいんだもんニパぎゅってすんの、スオムスの朝はニパの体に限る」ニヤニヤ
「恥ずかしいことあっさりいうな」
「つんけんしてるくせしてここはいっちょ前に柔らかいんだよなーほれほれ」フニフニ
「ひぁ!!なにやってんだ張り倒すぞ馬鹿イッル!!」
「やーん押し倒すだなんてニパのえっちー」
「ば、馬鹿!!!また変な事を!!押し倒すじゃなくて張り倒すだ!!」
「ひゃーこわいこわい」
「そ、そりゃあ確かに機会がありゃイッルを押し倒し・・・って何言わせんだバカ!!バカバカバカ!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・?」
(な、なんだよ突然黙りこくって乙女な顔してさ!・・・くぅっ・・艶っぽい顔のイッルもかわいい・・)
「いいよ」
「はい?」
「ニパが・・・その・・だったら・・・」
「はいいいいいい!?」
>>163 芳佳のおっぱい揉み倒したのもルッキーニが一番多いんだっけ?
小説版で悪いけど、芳佳はルッキーニのズボン掴んで空中戦もやったから相性は悪くないと思うんだ。
シャーリーが相手だと、なんとなく妹扱いされて躱されそうだけど、芳佳だったら邪れ合っている最中
にロマーニャの本能が覚醒して芳佳轟沈とか。
クロエさん露出がかなりきわどいんだが、あの戦闘服着る時に抵抗なかったんだろうか。
……慣れかな。
>>166 どんな経緯で慣れたんだろう。
だけど、坂本少佐は「空では誰も見ていない」と芳佳をノーズボンで飛ばそうとしたから、
扶桑の魔女は慣れていかされるのだろうな。
「これだから扶桑のウィッチは・・・」
>>166 何度も言われてるだろうけど、裸じゃないから恥ずかしくないんだろ
クロエさんはまあ・・・そういう人なんじゃないかな
穴拭さんみたいにナイフでざっくりやられても「GJ!」って親指立てそうな感じ
もっさんとクロエさんは風呂場で手拭いで股間をパーンとやりそう
そのときペリーヌに電撃走る!
>>172 クロエさんともっさんにサンドイッチにされるペリーヌ。
スク水のもっさん、前掛けのクロエさん、スケスケのペリーヌの三機で変態飛行だ。
ちょっと、変態飛行を眺めに行ってくる。
ヘタレのじゅりあさん=エイラ
天然のらんらん=サーニャ
で、ストシェを読み直したら幸せになりました。
エイラ「わたし……されるほうだったみたいなんダ…」
エイラ「お、女同士って、どうやってやればイインダ?」とミーナ隊長に聞くエイラ
それもありだな!
俺はじゅりあさんがリーネで、らんらんがよしか
って感じかなと妄想してたよ。
みんなやることは一緒だな
流石、百合スレw。凄い一体感だなw
>>180 ZLAYはシャーリー、ルッキーニ、エーリカ、ゲルトかな?
>>180 マロニーちゃんに開幕ボディーブローをかますリーネちゃんってどうだよw
らんらんは身長以外は合ってるか。美容師のおねーさんは隊長だな
>>182 じゃあ、隊長はとりあえず食っちゃう人なんですね?
となると、隊長を食べたZLAYの2人は誰になるんですか?
個人的に天然=鈍いで「らんらん」がもっさん、
妄想へたれで「じゅりあ」隊長を連想した。
みんなさすが百合スレ住人だwしづる先生にエイラーニャ描いてほしいなぁ…。
>>184 しずる先生はセーラームーンの同人描いていたころから百合スキーだから
きっとウィッチーズも見ているに違いない!(勝手に決め付け)
ぜひ描いて欲しいなー
皆読んでるものは同じかww
やっぱり
じゅりあ=隊長
らんらん=もっさん
最終的にもっミーナだしな!
路線的にはもっミーナかゲルふじだと思うんだ。<はやしや
そしてゲルトが鼻血吹く
>>187 体中から謎の体液を噴出して空を飛ぶんですね、わかります。
ペリやミーナは体液要員
もっさん大好きなペリーヌは帯刀ですか・・・(´;ω;`)ブワッ
自分で言ってナンだが鼻血吹いてるおねえちゃんの林家絵が容易に想像出来すぎて困る
なんの話してるのかさっぱりわかりません!
よし、元ネタが分からない人が出てきた所で撃ち方やめ!
よし!
話しふっといてなんだが、そろそろ戻そうか
だがもう眠いので寝る
エイラーニャの夢がみられますよーに
こんばんは。LWqeWTRGです。
ストシェをググってきました。百合姫か…。興味あるけど買ったらストパングッズ買えなくなる…orz
さて、いつもヘタレなエイラですがヘタレじゃなくなったエイラを投下します。
需要があるかわからない観察日記の続きです。
そして前々回投下の前スレ
>>373-376「私から」の妄想の元になりました。
7レスです。
―――観察2日目―――
2日目、とあるが実際は先日の日記から何日か経っている。この場合は2ページ目と言った方が正しいだろう。
そんなことより自分がここまで日記を続けられない人間だとは思わなかった。まさか2日目からとは。
でも夜間哨戒を毎日やってて眠いし忙しいしで仕方がないんです。忘れてたわけではないのです。けして。
というわけで今日は私とエイラのお休みの日。って2人揃っての休みは何ヶ月ぶりだろうか…。
まあ今は先日のエイラによるすすり泣きの件によってシフトが全て一緒に変更されているから休みが揃うのは当たり前なのだけど。
私の休みは部屋で任務のある日となんら変わりない1日を過ごす。でもそれはエイラと一緒のシフトになる前の話で、1人だけで外に出る気がなくていつも通りな生活になっているだけだ。
しかし今日は2人でお休み。そこでエイラの提案で近くの丘に行くことにした。
ミーナ中佐に外出することを伝えて許可をもらい、芳佳ちゃんとリネットさんにはお弁当を作ってもらった。
哨戒明けでちょっと眠いけれど、せっかくの休みを無駄にしないためにも普段使わない気合いを入れて耐える。
提案者エイラは朝からふわふわ、きょろきょろ、そわそわを繰り返し、ふと止まったかと思うとニヤっと口の端を上げている。
そのうえ芳佳ちゃんたちはもちろん、シャーロットさんやハルトマンさんに今日の予定を嬉しそうに自慢していた。声が大きい。
私もエイラがこんなではあるけど、部屋と任務以外で2人っきりで過ごすのはとても楽しみだったので、他の人から見れば2人してニヤニヤしていたのかもしれなくて少し恥ずかしい。
基地を出発、丘への道を歩く。
道中は私の腕を取ってゆっくりと歩いて行くエイラについていき、他愛もない話をしていた。
丘に到着。
大きい木の下のなだらかな斜面に寝転び、まずはお昼寝(あの日からずっとエイラの腕の中。寝やすさが増した)。哨戒任務で低下した体力・魔力を取り戻す。
その後起きておしゃべりしながらお弁当を食べた。あ、お弁当とても美味しかったです。
食べ終わってゆっくりとしながら、このままでは観察日記ではなくただの日記になると気づいた、もとい観察日記の存在を思い出した私は、何かしてやろうと頭を働かせる。
……うん。いたずらなんてなにすればいいか知らないや。まあいたずらの基本だろうし驚かしてみようか。
作戦はなにもないけどとりあえずミッションスタート。
なんかわくわくしてきた。
まずは寝たふりでもしてみよう。
「エイラ、私もう少し眠るね」
「昼飯食べたら眠くなったのカー?しょうがナイナー。おいで、サーニャ」
寝るときの定位置に移動を開始。
エイラに腕枕されて胸に顔を埋め、抱きしめられる。そして思いっきり息を吸ってエイラのいい匂いを胸一杯に取り込む。
これは最近のお約束になっていて、こうしないと落ち着かない。
「よし、私が子守歌歌ってやるヨ」
返事も待たずに私の頭の上でスオムス語の子守歌を歌い始めた。
…まずい、ほんとに寝ちゃいそうだ。意外と歌うまいし。
耐えろ…耐えろ私…。エイラにいたずらするんでしょ………。
…あれ?…いつの間にか歌が終わっている。それに規則正しい呼吸…。
ゆっくりとエイラの胸から離れて顔を見る。するとそこにはだらしなく口を開けて寝ているエイラの姿が…。
子守歌をうたう方が先に眠るのは全世界共通なのだろうか。
まあいいや、これはチャンスだ。
起こさないように気をつけながらエイラのおっぱいを触る。
うむ、柔らかい。私より少し大きいだけなのに何故こうも違うのか…。もみもみ。
このまま揉みしだいてやろうかと思ったけどさすがに起きるのでギリギリでこらえた。
…ふぅ。いいおっぱいだった。
エイラは…よし、若干頬が紅くなったけどまだ寝てる。
次は寝顔を拝見。…って普通はこっちが先だな…。芳佳ちゃんに毒されたんだろうか…。
気を取り直して観察開始。
ううむ。これはなかなか…。
さらさらの髪、綺麗なまつげ、柔らかそうな頬、そして可愛らしい唇…。
全てが完璧で私をドキドキさせるには十分だった。
エイラの唇を指でなぞる。
触れた瞬間私の体に電撃が走ったような感覚がして、自分の緊張を知る。
そのなぞった指で私の唇に触れる。心臓が爆発しそうなほどドキドキしてる。
実はキスもいまだにしてもらっていない。行動は積極的になったくせにどうしてそこはヘタレのままなのか。
こんなに距離を縮めることができたのに。あと唇をとがらせるだけで触れられるくらいに近いのに。遠い。
私からキスしに行けばいいのかもしれない。けどやっぱりエイラからしてほしい…。
なんか悲しくなってきた。
気晴らしにもう一度おっぱいに向かう。
ふにふにふにふに!
これでもか、ってぐらいに揉んでやったら呼吸が乱れてきた。
吐息もどこか艶っぽい。
頬なんかもう真っ赤に染まってる。
ふんだ、エイラがいけないんだからね。
と、心の中で子供のように文句をたれていると。
「う、サーニャ…」
やば、起きちゃったかな?
焦って胸から手を離す。
「サーニャ…」
私を抱きしめる力が強まった。
起きたの?まだ眠ってる?
「サー…ニャ…。すぅ」
よかった、まだ寝てる。寝言だったみたい…。
少し安心して、エイラの様子をうかがう。
まだ呼吸は整ってないけど幸せそうな顔してしっかりと寝てる。
そういえばいつもは私が先に寝て後から起きるから寝顔をしっかり見たこと無かったな…。
たまにはこうしてエイラを見守るのもいいかもしれない。
私のが年下だけどお姉さんぶって頭をなでてあげる。
あ。笑った。可愛い。
こんなエイラ見たの初めて。
しょうがないからもっとなでてあげよう。今日だけだかんな。
「サーニャぁ…」
嬉しそうな声。楽しい夢を見てるといい―――
目の前いっぱいになったエイラの顔。
それに唇になにか当たってる。
私…キス…されてるの?
ちょ、エイラ。苦しいってば。
ぷはぁ!やっと離してくれた。
今のはいったい――?
「…エイラ?」
「むにゃ…。さーにゃ…ちゅー」
寝てやがる
「エ、エイラ?エイラってば。起きて、ねぇってば」
「うへへへへへ……。サーニャと…ちゅーしちゃっタァ…。ぐぅ」
「起きて、エイラ!起きなさい!」
「しかも…頭撫でられちゃっタ…。キョウダケダカンナーだって…。それ私のセリフじゃん……。むにゃむにゃ…」
え?声にでてた?うそ。どうしよう。
ってこれ起きてるんじゃないの?全部寝言?なにこの正確な発言。
「いいから起きなさい!ユーティライネン少尉!」
「はいはい了解ですリトヴャク中尉どの〜……」
いつもの寝起きの良さはどこいったんだ…。
「すーっ…ポチョムキン!!」
「ポーチョ…」
「ゲオルギ!ポピエドノセッツ!!スウィアトイ!エフスタフィ!!!」
「すたふぃー?」
なんで起きないの…。喉痛い…。
こうなったら…。
「エイラ、起きて頂戴…」
「ニヒヒー…んむっ!」
お願い…いいから起きて…。
どれくらいしてたかわからない。息が続く限り。
始めバタバタしていたエイラはだんだん落ち着いて腕に力が戻っていった。
ゆっくりと目をあけ、私を見る。
それから顔が紅く染まり今日一番の朱。
「サーニャ…今、」
「うん…そうだよ」
顔が熱い。
サウナでもここまで熱くない。
「今、私と、その…キ、キスを?」
「そうだよ。エイラ起きないんだもん」
エイラったら手が震えてる。
声も震えてる。
目なんか泳ぎまくってる。
まるでヘタレてた頃みたい…。
まさかいつものエイラに――?
――――――
戻りませんでした。
逆に押さえつけるのに苦労しました。
今も横で唇をとがらせてます。
少しうるさいので眠らせました。
今日の出来事により何らかの"たが"が外れたらしく、くっつき方に遠慮がなくなりました。
私自身エイラのアプローチは嬉しいのですが、ご飯の時やミーティング中でも遠慮がないので少々大変です。
それに、今まで以上にひどくしてどうする!ってミーナ中佐に怒られました…。反省文書かなきゃ…。
と、ある意味で散々、でも私としては大満足の休暇になったので良し。
エイラとキス……しちゃった…///
END
以上です。
タイトルは「エイラ観察日記〜丘の上のエイラ〜」です。
ボディブローなサーニャさんを期待してた人(いるのか?)すいません。
あと軽くおっぱ魔神が入りましたすいません。
小悪魔サーニャさんに翻弄されるエイラさんを期待してた人にもすいません。
展開も急でベタですね。
それに書き終わって見直してたら丘設定の意味皆無すぎてワロタ
でも後悔はしていない。
たまにはこんなのもいいよね!
頭なでなでとか超萌えるよね!
では失礼します。
GJ!超GJ!
腕枕で抱きしめたりとか、何てことなさいましてお二方!GJです。
お姉さんぶってるサーニャかわいいな。やはりエイラーニャはいちゃいちゃが良く似合うよ。
>>205 ヘタレ克服してさらに積極性まで手に入れたエイラさんとかまさに最強…
が、へタレを克服してしまったらもはやそれはエイラさんと言えるのか…?NEWか、NEWエイラなのか?
何はともあれGJですw
>眠いし忙しいしで仕方がないんです。忘れてたわけではないのです。けして。
なんという俺がブログを数日放置した時の言い訳…
ヘタレを乗り越えたエイラ
恐怖を乗り越えた花京院的な
本スレ見て思ったんだが名前呼ぶようになるプロセスってやっぱり重要だよね
サーニャが照れながら「芳佳ちゃん」とか呼んでるの考えると鼻血でる
後エイラのことも始めはエイラさんとか呼んでたんだろーナー
それがいつの間にかエイラなんて呼び捨てになる
これまでの過程考えるだけで鼻血とよだれでるわ
>>210 敵の能力の正体を暴いて死ぬフラグが立つからその例えは絶対だめです
>>211 落ち着けいwwww
>>205オラーシャ娘も油断なりゃしねえ…まったく魔女ってやつは
>>207なんだこの神画像は だがべスにナイフを持たせたらあっという間に修羅場画像だぜ……
>>211 逆パターンも気になる
ブックレットみるとエイラとも初手から馬が合った訳ではないみたいだし
エイラも少しは緊張した面持ちで「宜しく、サーニャ中尉(スオムスの皆より肌白いナ…)」
…とかやってたんだろうか
>>213のせいで
>>207のビューリングさんの目から光が失われていく・・
スカーフに添えた手もまるでスカーフをそのまま引き絞るかのように・・・
初めて投下します。
最近、自分の中でエイラーニャ分が足りなかったので自給自足しました。
◇
まばたきするのが惜しい
手持ち無沙汰な午後の昼下がり
ベッドの上で本を読む私、その横で夜間哨戒の疲れを癒す君
お気に入りのぬいぐるみを抱いて満足そうに眠る
どんな夢を見ているのだろう
本の内容なんて私の頭の中に入ってこない
今日も傍らで眠る君を見つめるのに忙しい
身じろぎして寝返りを打つ君
私の部屋着の裾が引っ張られる
私の好きな色に好きな君の印の入ったお気に入りのパーカー
「エイラ」
次にそんな言葉が君の可愛らしい唇から発せられる
私の名前だ
それだけで私の頬は赤く染まる
そんなささいな出来事に、君の小さな仕草にいつも私は惑わされる
大好きだよ
君を守りたい
胸をつく思いはひと時も絶えることはない
私はこれからもずっと君に思い焦がれるだろう
君が大好きなんだ
君を守りたいから私は飛ぶんだ
いつか真っ直ぐ君を見て言える日が来るだろうか
☆
まばたきするのが惜しいな
強く睡魔が襲う日が昇って間もない時刻
ハンガーで毛布に包まるあなたを見つけた、とても簡単に
だって私の飛行脚を片付けようとしたら、あなたが居たの
待っててくれたのかな
そう思うと顔が綻んでしまう
今日も眠るあなたを見つめるのに忙しい
だって起きてる時のあなたはすぐ顔を逸らしてしまうから
私の気配に気付いたのか目を開けるあなた
「おかえり、サーニャ」
あなたは急いで身繕いしながら笑顔で言う
そんな仕草がとても愛しい
そしておずおずと差し出される手
「部屋かえるゾ」
私の顔を見て言ってくれたらもっともっと嬉しいのにな
不器用に与えられるあなたからの行為(好意)を感じるたびに小さな私の体は熱くなる
好き、大好き
だけどいつもあなたに守られてばかりだな私
息を飲む想いはいつも絶えることはない
あなたへのとどまることのない気持ちに心が溢れてしまう
好き、あなたが大好き
いつかこの想いを伝えられるだろうか
伝えたいな
あなたのことを守れる私になりたい
いつかそんな私になれるだろうか
なりたいな
私は今日もあなたの体に身を寄せる
2人の間に距離が出来ないように
おしまい
以上です
タイトルはベースに使った曲から「初恋」です。
ほとんどその曲の歌詞で構成されてます。すいません。
それでは失礼します。
フミカネブログにジュゼがきてる
目が可愛い
>>218 乙乙
俺も足りないからどんどん補給させてくれ
前スレ449のサーニャ視点のssを5レス投下します。
エイラ×サーニャでタイトルは「あなたが来る日」です。
※注意:これは501解散後、サーニャはスオムスではなくオラーシャへ戻ったという設定です。
そしてひたすらサーニャのターン
「絶対に会いに行くカラ。それまで待っていてクレ、サーニャ」
「うん、待ってる。いつまでも待っているよ、エイラ」
第501統合戦闘航空団が解散して。わたしとエイラの歩む路は離れてしまった。エイラはスオムスへ、わたしはオラーシャへ。
別れの朝、わたしはエイラと約束した。待っている、と。だから待つ。何があっても待つ。ずっとずっと待っているよ、エイラ──。
×××
「リトヴャク中尉、手紙が来てますよ」
十二月の始め、わたしの属するオラーシャ帝国陸軍586戦闘機連隊の隊長が小さな水色の封筒を持って来た。
「はい、どうぞ」
「……ありがとうございます」
受け取った封筒を裏返す。予想通り差出人はエイラだった。
「中尉がこっちに戻ってから、よくその人から手紙が来ますね。あっちで出来た友達ですか?」
隊長が優しく尋ねる。501のミーナ隊長とはちょっと違うけど、優しいお姉さんという感じの彼女は、わたしがあまり気兼ねする事なく話せる数少ない人だ。
「はい……そうです。大事な、友達です」
封筒を胸に抱いてコクリと頷く。少し、顔が赤くなった。
「そう。それなら、いつまでも仲良くね」
隊長が穏やかに微笑む。わたしは再びコクリと頷いた。
×××
基地内の自室に戻ったわたしは、大事に抱えていた封筒をベッドの上に置いた。机からペーパーナイフを取り出して、丁寧に封を切る。
中からは封筒と同じく水色の便箋が出てきた。わたしはベッドに腰掛け、ネコペンギンのぬいぐるみを腕に抱いて読み始める。
『サーニャ、お元気ですか? オラーシャも寒いと思いますが、風邪を引いていませんか?』
わたしは元気だよ、エイラ。寒いけど大丈夫。
『私の同僚は、真っ先に風邪を引いてしまいました。いつも決まってコイツが風邪の菌を持ち込むから、いい迷惑です。あっ、でも私は余裕で元気ですので、心配しないで下さい』
同僚……。いつかエイラが言ってた、ついていないカタヤイネンさんの事かな? それにしても、エイラも元気そうで安心したよ。
『ここの所寒くなってきたせいか、ネウロイはあまり現れません。だから暇な時は、隊のみんなでよくスキーやスケートをします』
楽しそうでいいね。エイラなら何でも出来そう。
『ここから本題です。詳しい日時はまた知らせますが、十二月末から半月、休みが取れました。今年の年末は、オラーシャへ伺おうと思っています。
サーニャ。約束、果たせそうです。会いに行くよ』
そこまで読んだ時、わたしの中を電撃が走った。会いに行くよ──。手紙の最後の一文が、まるでエイラが隣で喋ったかのように、わたしの中に生々しい立体感を持って入ってきた。
来る。エイラが来る。彼女に会える──。
わたしはネコペンギンをぎゅっと抱きしめた。とても嬉しい。夢じゃない。離れていた路は、再び交わる。
わたしは便箋を丁寧に畳み、封筒に戻した。それを机の引き出しに仕舞う。
この中には、今までエイラから来た手紙が全部入っている。わたしは落ち込んだ時や寂しい時に、これらを読み返す。そうやってエイラから元気を貰うのだ。
頭の中に、501にいた頃のエイラの姿が浮かんだ。
×××
「汽車、まだかな」
大晦日。わたしはエイラと落ち合う駅のホームで、彼女の到着を今か今かと待ちわびていた。茶色のコートに、赤いマフラー。黒い毛皮の帽子と手袋。防寒対策は完璧、寒くはない。
それなりに大きな駅だから、沢山の人が行き交っている。カートを押す家族連れ、帰省らしき学生、旅行に来ているらしい外国人。みんな、わたしの前を忙しなく通り過ぎて行く。
遠くの線路沿いに、汽車の灯りが見えた。灯りはだんだん大きくなる。エイラはあれに乗っているかも知れないと思って、わたしは近くまで寄ってみた。
大きな音を立てながら、十五両編成の汽車が止まる。ドアが開いて何人かの人が降り、そして何人かの人が乗った。その中にエイラはいなかった。
「……」
吐き出した白い息が大気に混じって消える。少しがっかりしたわたしを残して、汽車は発車した。ホームにいた人々は改札口、もしくは他の場所へと消え、わたしは広い駅に独り取り残される。
誰もいなくなると、途端に周囲の気温が下がった気がした。ここは大きなドームに覆われているから雪は凌げるけど、吹き込む風が冷たい。
わたしは首元のマフラーを巻き直して、近くのベンチに腰掛けた。独りきりなのは慣れているけど、やっぱり寂しい。早くエイラの顔を見たい。
「あ」
その時気付いた。わたしは独りぼっちなんかじゃない事に。
ベンチの側の柱に寄りかかるようにして、一匹の黒猫がじっと座っていた。わたしの上げた声にこちらを向いて、そのまま何秒間か見つめ合う。
「おいで」
猫は好きだし、わたしの使い魔も黒猫だから、この猫には親しみを覚えた。手招きすると言葉が通じたのか、猫はのっそりと立ち上がってゆっくり歩いて来た。わたしの足元まで来ると、軽やかにジャンプして隣のベンチに収まる。
その目は綺麗な青灰色。エイラと同じ、真冬の海の色だ。
「あなたも誰かを待っているの?」
喉を撫でながら尋ねたけど、当然のように返事はない。ただ、満足そうに目を細めただけだ。わたしは何となく猫に話し続ける。
「わたしは、ある人を待っているの。とても大事な人。エイラっていうんだけどね、あなたと同じ色の目をしていて、とっても優しいんだよ」
黒猫が、ちらりとこっちを見た。微笑んでみると、すぐに視線を逸らされてしまった。少し残念。
「彼女は501で初めて出来た友達なの。いつもわたしの側に居てくれてね、毎日が楽しかった」
聞いているのかいないのか。多分後者だろう。黒猫は興味無さそうに、大きなあくびをした。
それでもどこにも行かずにわたしの側に居てくれるのは、この猫の優しさなのだと思う。どこかの誰かさんみたいに。
何も言わなくたって良い。ただ側に居てくれるだけで心が温かくなる事、わたしはエイラから学んだ。それだけじゃない。沢山の大切なものをエイラはくれた。
「今日はね、久しぶりにエイラに会うの。会ったら最初に何て言ったらいいのかな」
いつの間にか日は暮れていた。冬のオラーシャは、日照時間が短い。ドームの外は相変わらず、途切れる事のない雪がしんしんと降り積もっている。等間隔に設置された電灯が、その周囲を寂しく照らす。
「暗くなっちゃったね。あなたは寒くない?」
それきりわたしは黙る。音が雪に吸い込まれたみたいに、辺りは静寂に包まれた。
エイラ。今頃、どこにいるんだろう。汽車が遅れているだけだよね。事故に遭ったりなんかしてないよね。どうしても悪い方へ、悪い方へと考えてしまう。
その時黒猫が、首を撫でていたわたしの手に、甘えるように顔を擦り寄せてきた。その姿に、思わず笑みがこぼれる。
「ありがとう。元気付けてくれているんだね」
黒猫はまるで肯定するかのように、小さくにゃあと鳴いた。
うん、後ろ向きに考えてはいけない。彼女は必ず来る。だからわたしは待つ。信じて待つ。約束したから。
そうだよね、エイラ?
黒猫はもう一度にゃあと鳴いた。わたしは微笑む。ここは薄暗いしちょっと寒いけど、心はほんのり温かかった。
×××
しばらくベンチで過ごして、一人と一匹の時間は唐突に終わった。ホームに人が戻ってきた。そろそろ次の汽車がやって来る時刻なのだろう。
辺りはあっという間に人で溢れかえった。さっきまでのしんみりとした空気は、もうどこにもない。
「騒がしくなっちゃったね」
黒猫を撫でながらわたしは言う。タイミングを逃して、立つに立てなくなってしまった。わたしは目の前を行く人達を何となく眺める。
汽車が到着したらしい。人の群れが動く。それに呑み込まれないように、わたしはただベンチに座っていた。エイラがいるのかは気になるけど、猫を放っておくわけにはいかないし、今は動かない方がいい気がする。
また汽車が来た。ホームはかなり混雑している。人いきれで湯気が立ち籠もる。エイラがいるとしても、簡単には見つからないだろう。
不意に、黒猫が頭をもたげた。そのまま辺りを確認するかのようにきょろきょろと見渡し、ベンチから飛び降りて人混みの中に走り去って行く。わたしも後を追うように慌てて立ち上がった。
「あ……エイラっ!」
つい口から出た言葉に、自分でも驚いた。知らず知らずの内に、わたしはあの黒猫をエイラと重ねていたらしい。両者の青灰色の目が脳裏に浮かんだ。
そして。
黒猫が消えて行った方へ振り返ると、金色のような銀色のような、不思議な色の髪が目に入った。──いつも綺麗だな、と思っていた髪だ。
そこにはエイラがいた。確かにエイラがいた。白いコートに水色のマフラー。手には黒いトランク。走っていたのか、鼻の頭と頬が紅い。白い息を吐く度に肩が上下している。
わたし達は見つめ合った。この瞬間は、まるで永遠のようにも感じられた。
「サーニャ……」
ああ、エイラの声だ。ずっとずーっと聞きたかったエイラの声。その余韻に浸る間もなく、いつの間にか彼女に抱きしめられていた。わたしもその背中に手を回す。
懐かしいエイラの香り。一緒のベッドで寝ていたあの頃から変わっていないそれは、おとぎ話の魔法のようにわたしの内側に入ってきて、わたしの中に眠る彼女の記憶を呼び覚ます。
「エイラ……」
話したい事は色々あるけど、上手く声に出来なかった。最初に言おうと思っていた言葉もどこかへ消えてしまった。嬉しすぎて声にならない事ってあるんだね、エイラ。
「約束。ちゃんと果たしたゾ、サーニャ」
久しぶりに聞く、抑揚の無い彼女の喋り方。その声が震えていたのは、気のせいではないだろう。
わたしはふと、ずっと側に居てくれた黒猫の事を思い出した。あの猫がわたしとエイラを繋いだ。その役目を終えたから去ったのかも知れない。
ありがとう。さようなら、エイラ。そしてオラーシャへようこそ、エイラ。
わたしは、ともすれば泣きそうになる声を振り絞って言った。
「うん。待ってたよ、エイラ」
これから半月。ずっとずーっと一緒に居ようね。
おわり
GJ!
エイラーニャはやっぱいいナァ
GJにも程があるだろ…
常識的に考えて…
なんと心が洗われる話だ素晴らしい
保管庫No.658、652の続き4レス分
基地から見て南の方向に美緒は高度三〇〇〇を並んで飛ぶ物体を発見した。その飛び方は人型そっくりだが、美緒は満足気に
よくやっているな、と頷いた。彼女も、すぐ傍で一緒に模擬空戦を眺めるミーナもそれらが、今回ネウロイ役を務める予定の
ゲルトルートとエーリカであることをそれぞれ地上から各自の魔力を用いて察知したからだ。高度五〇〇〇ではペリーヌと、
フランチェスカが邀撃側として索敵を行ない、そのうちフランチェスカが先に標的の発見を報告、発見までにかかった時間は、
満足すべき短いものであった。美緒とミーナは微笑を浮かべながら襲撃機動を開始したペリーヌ達に注目した。
ゲルトルート達も邀撃側を発見したようだ。ペリーヌ達をやり過ごし、不足している高度を得るべく左方向への上昇旋回で、
回避行動を行なった。ぎこちない感じの動きだがそれは技量の不足に因るものではなく人型の動きを真似ているからである。
彼女等はそのままぎこちない感じで、しかし人型がそうであるように互いを支援しつつ隙のない機動で反撃し始めた。一方で
邀撃側も位置エネルギーから得た運動エネルギーを活用して追撃を開始した。
飛行機雲が螺旋を描き、交錯し、攻撃側も、邀撃側も次第に複雑で、ゆえに編隊を維持しにくい機動を余儀なくされ始めた。
邀撃側は技量が不足しているために標的に対し決定的な一撃を加ええず、攻撃側は、そもそも相手を打ち負かすことは一切
求められておらず、寧ろネウロイとの闘い方を教育するために意図的に手加減するよう命じられているからだ。少なくとも
今のところ、その命令は守られているようだった。邀撃側の編隊に乱れが生じており、仮に攻撃側が本気を出せば、容易に
劣勢に追い込める程になっていたからだ。
美緒とミーナは、その状況に憂慮すべき徴候を見出した。邀撃側のうちフランチェスカが自分より技量の低い長機の命令を、
蔑ろにし始めたのである。それは杞憂にはならなかった。旋回の際に高度の喪失の甚だしいペリーヌに対しフランチェスカは
旋回の際高度を失わないか素早く回復するため編隊が乱れ、突然必死に編隊への復帰を懇願するように命じるペリーヌを無視
して隙のない機敏な動きで上昇し始めた。
確かに邀撃側は高度を危険なまでに喪失し、実戦ならば攻撃側の突破を阻止し得ない状況にあったが、フランチェスカの独断
は明らかに不適切だった。美緒とミーナはフランチェスカの命令違反に思わず顔をしかめた。とはいえ、珍しいことではなく
攻撃側が普段どおりならば、然るべき手段で、編隊を崩した代償の大きさを思い知らせる筈だった。
だが、期待は信じ難いことに裏切られた。美緒とミーナの目の前でゲルトルートは普段の機敏さを取り戻し、困惑した様子の
エーリカを率いより容易に捕捉できるペリーヌのほうへと、上昇から素早い機動で反転、横転すると急降下で攻撃を開始した。
効果的だが難易度の高い機動で、エーリカの技量が高く編隊が崩れなかったことはこの場合不幸中の幸いだった。
美緒の聴覚ははっきりと、恐怖に息を呑むペリーヌの様子やフランチェスカの奇声を捉えた。美緒もミーナも咄嗟に、交戦や
め、の命令を下すことが出来なかった。
ゲルトルートの機動は明らかに邀撃側の圧倒を目指したものであり、よって求められた役目に相反する行動である。その機動
は、フランチェスカにつられて模擬空戦を闘っていることを忘れたとも考えられそうだったが、ゲルトルートは、少なくとも
この部隊へ配属される前には既にきちんとした自覚を持っている筈であった。特に自分より弱い魔法少女に克服し難い恐怖を
植えつけることなど考えられないことである。
だが、事態が進展するにつれ美緒もミーナも自分の知覚を信用せざるを得なくなってきた。ゲルトルートはペリーヌに衝突
しかねないほど接近していたからだ。
「交戦やめ!」
先に命令したのはやはり美緒のほうだった。ミーナは口を噤んだまま頷いてそれを肯定した。
四人からはそれぞれ独特の返事が帰ってきた。予想通りエーリカの返事は安堵感を含んだもので、相変わらず無意味なような
奇声はフランチェスカのものである。ペリーヌは漸く実戦でないことに気づき、しかし未だに信じられない様子で冷や汗を、
流していた。ゲルトルートの声は、かなり震えていた。部下の目の前なので幾分押さえつけられてはいたが、我に返った様子
だった。
美緒は言わなかったほうが好かったことに気付いたが、「何をやっている、トゥルーデ。」と、公の場での呼び方も忘れ苦々
しげに呟いた。
内心は頭を抱えたくなるような状態だった。美緒は他にも課題を抱えていた。芳香に関しては此処に到る経緯から想像される
のとは正反対に、意欲的に振舞い、訓練にも熱心に取り組み目覚しく上達していた。その訳は、美緒には判らなかった。
問題はリーネの方であり、飛行、射撃の腕を上達してもなかなか度胸がつかず、困惑していたところであった。
そんな時に頼りにしていたゲルトルートが調子を崩してしまったのでは仕方のないことだった。
受けた衝撃はミーナの方が大きいようだった。美緒はミーナに付き添い、フランチェスカと、ゲルトルートの処遇とそして、
ペリーヌをどう励ますかについて考えつつ格納庫へと向かった。
司令室の扉が開く音がするとエーリカはうきうきそわそわと曲がり角から廊下の様子を伺った。足音から確信したとおり、
姿を現したのはゲルトルートだった。エーリカは初め曲がり角でいきなり抱きついて驚かせるつもりだったがゲルトルート
の姿を見た瞬間たまらなく恋しくなって駆けつけた。
名前を呼びながらゲルトルートに飛びついたエーリカは相手の反応を確かめることをせずに両手でその頭を捕まえると身長
の低さを補うために思いっきり背伸びをしてもう目を瞑っていても出来る動作、抱きつきながらの唇へのキスをした。
いつもと違いゲルトルートはエーリカの体を支えることなくろくに反応することもなくエーリカをじっと見つめていた。
エーリカはゲルトルートのかぐわしい匂いと甘美な感触、味を求めて無理をしてしがみついていたが、ゲルトルートが口を吸
い返すことも、いつものように舌を躊躇い勝ちに突き出すこともなく、それどころか抱き返してきすらしないので、彼女が今
乗り気ではないことを認めざるを得なかった。
怒らせてしまったかな、と心配しつつも、やはり恋しくてキスをやめるとき未練がましく唇をなめると、ゲルトルートが少し
嬉しそうに震えて、その体温が少し上がったことに気付き、エーリカは少し安心した。
「たったの二時間じゃないか。それくらいの間も独りでいられないようでは、だめだぞ。」
「だって仕方がないじゃない、好きなんだもん。それともトゥルーデは私がいなくても平気なの、邪魔かな。」
「いや、そんなことはないよ。私だってフラウのこと、愛しているんだから。それと・・待っていてくれてありがとう。」
ゲルトルートの受け答えはいつもとエーリカの受け答えを聞いた時にすこしぴくりと動いた以外には変わらなかった。しかし
エーリカはふふふ、どういたしましてと答えながらゲルトルートが、無表情な両目に涙をうっすらと浮かべて哀しそうに、
笑っていることに気付いた。
エーリカは言い知れない衝撃を受けた。彼女は、ゲルトルートが今までそんな表情をしているところを一度しか見た事がなか
った。エーリカは色々と想像してみたが検討がつかないので思い切って尋ねてみることに決めた。
「どうしたのトゥルーデ、可愛いお顔が台無しよ。」
「そんな・・・酷いじゃないか。私の顔、私の顔そんなに酷いのか。」予想していなかった答えにうろたえたエーリカは、
いつもどおり直接的に接した方がよさそうだと気付いて言い直した。
「そうじゃなくて、ごめんね普段使わないような言葉遣いして。私はトゥルーデが打ちひしがれた感じだから、その原因が
判ればそれを取り除くことを手伝えるんじゃないかと思っただけだよ。それで、なんでそんなに哀しそうな顔をしているの。」
ゲルトルートはしばし返事に困っていたが、やがて口を開いて、私は無力なんだ、と言った。
普段のゲルトルートならば必ず、自分が何に対してどのようなことに関して無力かを説明する筈なので、エーリカは問題が、
かなり複雑で深刻であるという認識が正しかったことを知った。
「それじゃ何に対して無力なのか判らないじゃない。ねえ、教えてくれない。」
「戦場で殺しあうなんて、余程のことがないと出来るもんじゃない。みんな、自分達を護るため、もしくは政治的な理由で
此処に集められているが、まあ復讐心を満たそうとしている者以外は、本当は殺し合いたくなんかない。でも、実際には確か
に魔法少女には選択の機会が与えられてはいるものの自分の意思に関係なく参戦せざるを得ない事だって珍しくはない。
そんな時に、私達は部下に勝利の可能性を信じさせ命を代償にして余りある戦いをさせてやらなければならないと私は思って
いる。きっかけは何だっていい。たとえ個人に対する感情に過ぎなくても、その者が仲間を見つけて苦しくなければいい、
そう思っているし、あの日以来私が希望を持ってこられたのも愛しいフラウ達のおかげだ。」
ゲルトルートは少しの間言葉を切り、続けた。
「勿論その前から愛していたさ。」
「えへへ、そりゃどうも。」
エーリカは、自分の愛称を口にする時ゲルトルートが無意識のうちに表情を明るくするのが嬉しかった。
ゲルトルートも本物の微笑を浮かべていた。しかし、突然もとの表情に戻り、混乱して判りやすさに欠けた調子で話し始めた。
「これまで私は、この自分に課した規則に忠実だったと思う。所謂プライベートの際には、若干不純といわれるような動機は
今もあるけれど、最大限優しく接したし、幸いそれを苦に思うような者とも出会わなかった。闘いぶりについても自信がある。
特に、部下を率いる立場になってからは、撃墜女王とさえ呼ばれる立場になりもした。でも、その程度では全ての魔法少女に
希望を与えることなんか出来ないことがはっきりと判った。あの、芳香・・・いや、宮藤と話したときに何故此処で闘う決意
をしたのかを訊いてみた。そうしたら、彼女は、だって仕方がないではないですかこのような状況では、軍隊で働くしかあり
ませんから・・・。私の前にいる皆さんも、私の後に続く皆さんも、全員こうやって青春時代を殺し合いに費やして、数年
たてば開放され、それがずっと続いていくという世界の一部を生きているんです。勿論、勝ちたいし自分だけでなく、将兵ら
しくみんなを護りたいですし、それを目指せれば申し分はありませんし・・・それは軍隊にいる以上守られないかも、
しれませんが、だからと言って救民に反する行動はとらないことも決めています。諦めるつもりはありません。勿論軍に属さ
なければそんなことを心配しなくて済みますが、それは仕方がありません。実家のこと、自分の二十歳をすぎた後のよりよい
未来を諦めたくなければ仕方がありません、ただ、あと数年の辛抱だと思うしかありませんから、と答えた。信じられるか
扶桑には航空三等兵などと言う階級があるが、まさに訓練を受けていない魔法少女など、そんなものであるはずだ。しかし、
宮藤は違った。彼女は、おそらく戦況の悪化も、自分の境遇も全て知っていた。それらを見据えたうえで、彼女はそれらから
目をそむけ、おおよそ身近とはいえない不確かな遠い未来にしか光明を、見出せていないし、誰にもその状況を変えてやる
ことも出来ない。それに、彼女は話してくれた、たった一度だけ経験した防空戦のことを。彼女はシールドでネウロイを
削りネウロイを撃墜したらしい。本人は衝突事故と言っていたけれども。だけど赤城はそのあといきなり爆沈したらしい。
他にもほら、同じ日に別の場所で同型艦が攻撃を受けてネウロイに目をつけられていたと言われる防空重巡や駆逐艦、みんな
沈んだ。フラウも覚えているだろう、海面に浮かぶ無数の溺者達の惨状を。彼女は、護れなかった。少なくとも彼女はそう
思う。私は、完全には慰めることが出来なかった。そんなゆとりはなかったし、今も無い。あの日、私達は護れなかった
のみならず異常な戦法を採用して半ば意図的に国民難民その他に死傷を強いたのだから。呼吸困難に陥ったみたいだった。
部下の苦しみをなくしてやるべき自分もまた同じ悩みを抱えてしかも今日はそれ故無様な様子を見せてしまった。
彼女を救うためには勝たなければならないのだ。嘗て護ることの出来なかった自分も勝てるようになったのだと言うことを
示すため、そして、自分にも未来のためにはあの日の勝利が必要で最良の結果を出すことに貢献したのだと知らせるために、
絶対不敗が求められている。だが、知っての通り私は、今が魔力の最高潮にある時期にある。だから今まで勝っていても、
これからも勝てる保証にならないどころか、そうならない可能性が高いことは判っている。そんなことにも克てないようでは
軍人を名乗る資格はないが私は今そうなってしまっている。もう、終わりだ。このザマでは部下の信用など獲得し得ない。」
ゲルトルートは一瞬泣き出しそうな顔をしたが、思いとどまると未だに他の隊員に気を遣う余力があるらしく一見完璧に演技
をしながら自室へと歩き始めた。
ゲルトルートと抱き合っていたエーリカはいきなり放り出されて吃驚したがゲルトルートが取り乱していることを察知して
急いで追いかけ、追い越して先にゲルトルートの部屋に入ると、彼女が部屋に入ったことを確かめ、扉を閉め、施錠した。
照明は、敢えて点灯しなかった。
時間はかなり早いがとりあえず明日の午前零時を超えて一日の始まりを利用して心機一転、やり直した方がよさそうだった。
エーリカは、しょげ返っているゲルトルートの服を脱がせた。最もその目的はゲルトルートが気兼ねなく眠れるようにする為
の行為で、エーリカは、上着をきたままでベッドに入ってはゲルトルートが嫌がりそうなので上着だけを脱いで、
ベッドインしたがゲルトルートを見、抱き合うだけ、と一応誓いを立てて全ての着衣を脱ぎ捨て、ゲルトルートの手を
とってベッドまで案内してあげた。
しばらく抱き合っているとゲルトルートは、小声で、ろくでなしでごめんね、と言って弱弱しくエーリカの体を撫でた。
エーリカは、ゲルトルートを必死に慰め、ゲルトルートがぼやき続けるのでつい弱音を吐き出す、そのかわいらしい口を唇で
塞いだ。その後に少し強めに一言言おうと思って口を大きく開けた。
その時ゲルトルートはいきなりエーリカに抱きつくと優しく舌を口の奥へと押し込み、なめまわし、そして唇と舌で
エーリカの舌を捉え、激しく舌を絡ませ、吸い付いた。エーリカはこれまでゲルトルートに同じようなことをしたことは
あってもされたことはなかったのでなされるがままになった。
とはいえ、かなりたどたどしい感じのキスだったので不謹慎にも積極的なトゥルーデもいいなと思いつつ、彼女が泣きながら
キスをしていることに気付いたので、より寂しさの無いように、キスをしなおしてあげることにした。
エーリカは、仕方ないよね、呟いて、これも口と口で抱き合っているのだと言い訳してゲルトルートと互いに甘美な感覚を
求め合った。いつもと違うのはゲルトルートが積極的なことだったが、三十分ほどなめあい、吸いあい、肌を密着させるうち
にいつもどおりなされるがままになった。
数時間後にはいつもどおり甘美な感覚に因ってゲルトルートは、夢見心地で、と言うより、幸せそうに眠っていた。
エーリカはその様子を見て少し安心した。やはり理性をやっつけてしまえば嫌な事を、一時的には、忘れさせることが出来る
ようだ。ゲルトルートも明日になればきっと、少しは冷静に自分を見つめられるだろう。
勿論この方法だけでゲルトルートの抱える問題を解決できるはずもないが、エーリカは、明日のことは明日に考えるしかない
と思っていた。
エーリカは不安を感じながらも幸せそうなゲルトルートの表情を見て得意げな気分になりながら、もう一度ゲルトルートを
強く抱き、暫く安らかな内容の寝言を聞いていたが、やがて大欠伸をして一緒に眠った。
続きます
なんか変な長さで改行されてるような…
描写は好きなんだが読みにくいでござる
フミカネブログのガチレズパスタ姉さん更新がほとんど触れられてないのはおかしいと思うの
>>238 目新しい情報はないし、2年前の姿だし。
使い魔が山猫なのは今まで出てなかった気がする。
ルッキーニの黒豹といいロマーニャは現時点では猫系多いな。
黒豹も山猫もデカ猫ワイルドキャット系だね
ライオンが使い魔のウィッチとかもいるんじゃないかな
扶桑とカールスラントは犬系多いね
スオムスは狐、イタチ、エルマ先輩は狸系?お国柄出てる気がするな
+ + 。
* 、-'ヾ'''ヾ`"''','、、 ,
_-'" `;ミ、
_-"ミ;ノリ人ノノヘ/リ; `゛゛ ミ
>ミ/ 'γ、` ミ
了| "~`、 "~"` {,',; ;} 。
"7 `⌒` ⌒ }ミ:. {
'| / レリ*
+ i ( }ィ'
` ー--- /|` +
ヽ  ̄ / |__
`i、-- '´ |ソ:
>>241 ライオンが使い魔とかなにその自分の妄想ウィッチ
受け属性全開のすごく心優しい娘なのに
使い魔の百獣の王のイメージから怖い娘だと思われ避けられるかわいそうなウィッチを想像していました
鷹とか鷲とか鳥系って同人誌以外でいないよね
>>243 今ちょうどバンプの曲を聞いてたおかげで
そのライオンウィッチが、どこかの草原で見つけたタンポポを守るために
ネウロイと戦うところまで想像できた
百合じゃないけど燃えた
基本的に鳥類、哺乳類が使い魔になるのかな
ダチョウが使い魔とかだったら首が長くなるんだろかw
エーリカは胴体が長く・・・
ろくろ首の正体が判明した瞬間である
>>245 俺もストライクのこと考えながらBUMP聴いてること多いなあ
北欧組にスノースマイルとか合うんだよね
エイラーニャ悲恋物読んでる時にsuper novaがランダム再生された時は鬱すぎてヤバかったけど…
しかし、フミカネの新作が智子先輩の2号とはな。
(因みに本妻はハルカ先輩)
次はルーデルさんを頼む!
ルーデルさんもそうだがアーデルハイドさんをだな。いや、高望みしすぎか。でもやっぱり見たい
いつかの連載後日談1。タイトルは幸せの方程式と答えのその先。
一人が暮らすのには不必要なほど広い部屋の間取り。
一人が眠るのにはあまりにも過分な大きさを誇るキングサイズのベッド。
大きめのテーブルに椅子が4つ。
そんな場所で私は目を覚ます。
それはどうしてか?なぜなのか?
理由なんて極めて単純で…つまりこの空間を拠り所とするのは私一人なんかじゃないってことだ。
「う〜ん…おはようございます。」
大きな伸びをして、まだ少し眠り足りなさそうな面持ちの彼女が微笑む 。
「オハヨー、エル姉。」
そう、私の部屋には可愛らしい上官の姿。
つまり、私とエル姉は一つのベッドをともにしているということだ。
なんだか怪しい関係だとか、女二人が同じ部屋にいてなにもない訳がないとか、
あまりにもあんまりな噂が流れているとかいないとかいう話もあるが残念ながらそんな浮いたことはおこっていない。
いや、関係が怪しくないかと言えば完全にそれを否定することはできないような気もするけれど…まぁ、後者については大方否定できるであろう。
なぜならやはりそれは単純な理由で、ベッドの上には影がもう一つ…それはとても小さくて、大切で、なににかえても守りたい女の子。
そう、サーニャもこのベッドを寝床としているのだ。
その様な状況でどちらかと噂で流れるような‘なにか’が起こりうるはずもなく、更に言えばそのどちらもとなど輪をかけて不可能であった。
あぁ、忘れていた…そういえば理由はそれだけではない。
テーブルが一つに椅子が‘4’つ…この差分を埋めるには一人足りない。
しかし、これ以上の影はベッドの上には存在せず、もちろん既に部屋を後にした者がいるわけでもない。
まぁ、あまりにもくだらない言葉遊びをすることをやめると、ベッドの上にいないならば下にいる…
つまり床に転がり落ちながらも器用に眠りこけているその姿、ニッカ・カタヤイネンというもう一人の住人だ。
夜、皆で眠りについたときには確かにベッドの上にいたはずなのに、決して寝相が悪い訳ではないのに、ニパは朝には当たり前のように床に落下している。
これもまたツいてないの一部なのかどうなのか、ベッドからの落下など既にものともしなくなったらしいニパはスヤスヤと枕を抱きしめ眠っていた。
その顔からは、常である若干不機嫌な様はすっかりと消え、なんだか可愛らしいと感じてしまった自分が少し悔しい。
だから私はその八つ当たりとして、男の子みたいな見た目に反してしっかりと膨らんだ両の胸に狙いを定める。
ムニムニ…その質量は、誰と比べるとは言わないまでも、やはり大きくて幸せな感触を与えてくれるた。
うん、ニパ…やっぱりお前がツいてないなんておこがましいよ。
お前は世の中のツいてない人たちに謝罪するべきだよ。
ツいてない(※注 胸除く)カタヤイネンに改名するべきだ。
だから断罪の代わりに揉んだって構わないよな。
「あっ…ん…、えっ!?ななななっ、なにすんだよ!!」
やけに艶っぽい喘ぎを発しながらニパが目を覚ます。
ムニムニ…少し興奮を覚えた私は変態なのだろうか…。
「なにをするって…ねぼすけなニパを起こしてやってるんダ、感謝しろヨナ。」
ムニムニ。
「もっ…揉むな!あっ…やめろって言ってるだろ!」
なんだかゾクゾクしてこないか?
少し意地悪をしてやりたくなる…
「すまないニパ、よく分からない…悪いけどブリタニア語で言ってクレ。」
「はっ!?はぁ〜!!?ス、ストップ!ストップタッチング!ドド、ドントタッチ!!キ…キキ、キル…キルユー!!」
なんだか物騒な言葉を浴びせかけられた…こういうことは退き際が肝心だ。
「おはよ、ニパ。」
「あぁ、おはようイッル…」
ニパの顔からは穏やかな表情はすっかりと消え去り、お得意の怒りの表情をたたえている。
そんな顔しないほうが可愛らしいというのに…まぁこの方がニパらしくていいか。
「覚悟はできてるんだろうな…イッル!!」
あぁ、ニパはすっかりと頭に血を昇らせてしまっている…どうすっかな。
「そうですよね…覚悟はできてるんですよね?」
「エイラは少し反省という行為を覚えるべきだと思うの…。」
背後からのいきなりの言葉に、たらりと嫌な汗が首筋を伝う。
「エ…エル姉…サーニャ…。」
振り向けばそこには冷たい眼差しを私に向けるサーニャと、ニコニコしているのに怒りを溢れ出させるエル姉の姿があった。
これはまずい、とにかくまずい…数分前の、柔らかな膨らみに心奪われた自らを呪う。
せめてニパだけなら、エル姉だけなら…サーニャだけでもなんとかならないかもしれないけど。
「スミマセン…御二方はなぜにそれほどお怒りになられておられるのでショウカ…?」
情けないことだけれども、私にできることは下手にでることだけで、3人分の怒りを相手にする術など持ち合わせてはいなかった。
「そうですよね、エイラさんはやっぱり私みたいなスオムスの雪原体型には興味ないですよね!!」
「エイラは私みたいな穏やかなときの湖体型よりもそのウラル山脈の方がいいんでしょ…」
雪原…。湖…。どちらもとても滑らかでひたすらに起伏に乏しくて…私はなにやらすっかりとエル姉とサーニャの怒りの琴線に触れてしまったようだ。
あぁ…ウラル山脈はとてもよろしいところでしたけれども、別にその様な意図など介在してはいなかったというのに。
「そ、そんなことないゾ!!私はエル姉のもサーニャのも好きだ!!」
言ったぞ、言ってやったぞ。
いくらヘタレやら鈍いやら言われる私だからといって、想いを伝えらてくれた相手に自らの気持ちをこぼすことぐらいはできるのだ!
「エイラの変態…」
「エイラさんの色魔!」
「イッルのスケベ!!」
私、泣いてなんかいないよ…
世の中にはたくさんツラいことがあるってことを身をもって知ったからって泣いてなんかない。
私は、両の眼からポロリとこぼれる汗をそっと拭い去った。
ーーーーーーーー
「ピクニック〜!?」
心に大きな大きな傷を携えた私に意外な言葉がなげかけられた。
どうやら、珍しい4人同時の非番の日を、誰が共に過ごすかを争うのに費やすことは得策ではないと認めたらしい。
まぁ、その予定の計画に全くもって私が関与させてもらえていないことに、私は意見を呈してもよいのではないのだろうか。
しかし、いくら寒さも緩んだ春だからといって、まだ肌寒いのではないのだろうか…
「はい!お弁当も昨日の夜に準備したんですよ!!」
あぁ、いつも私より早く目覚めるエル姉が私より遅く起きるなんて珍しいと思ったらそんなことをしていたのか。
そういえば昨日は皆寝床に来なかったし、ニパもサーニャも目覚めは遅かった…まぁサーニャに関してはいつものことか。
「なになに?なに作ったンダ?」
なにを作ったのだろうか…バスケットの中身が気になるものだ。
「それはお昼のお楽しみだよエイラ。」
「そうだぞ、楽しみにしておけ!」
…サーニャやエル姉はともかく、ニパ…お前は料理出来るのか?
急にバスケットの中身へのドキドキが別種のものと化し、思わずニパの顔を覗き込む。
「な、なんだよその失礼な眼差しは!!私だって練習したんだぞ!!」
そ、そうか…なんだか可愛らしいことをしているものだと思ったが、なにも私が主に心配しているのはそこではないのだ。
意外とどんなことでも器用にこなすニパならば、料理だってそうヒドいことにはならないだろうとは思う。
けれどもニパときたら、大事な時に限って想像の斜め上を音速で越えていくような恐ろしいことを引き起こすのだ。
だから決して気を抜いてはいけない…
「だ、大丈夫ですよエイラさん!!私たちもしっかり見てましたし、いざという時のためにニッカさんの作った分だけは厳重に隔離してあります!!」
それならば万が一のことがあっても被害は最小限に抑えられる…
しかし、それにしてもエル姉は意外と残酷なことを言うな…
「ひ、ヒドいじゃないかエル姉!私の料理のどこに隔離されるような要素が…」
やはりニパもショックであったのだろうか、うっすらと目尻に雫を溜めていた。
「よ、世の中には譲れないことがあるんですよニッカさん。」
ニパの目尻に溜まった雫がすっかりと溢れ出した。
エル姉がとどめをさした…もしかしたらこの人は案外恐ろしい人なのかもしれない。
ーーーーーーーー
ピクニックの行き先はどこか…そんなこと聞かなくとも答えは一つに決まっている。
ここは北欧スオムス…スオムスという国号自体が千の湖を表すスオミという言葉に由来する。
そのような国でピクニックに行くとなったら目的地は湖畔と相場は決まっているのだ。
ブォーっと音を立てて、エル姉の危なっかしい運転に操られたジープが停止する。
ついた場所はそれこそ名前すらついていないような湖であった。
まぁ、それだからこそネウロイの侵攻した土地からも離れていて、このような休暇の場所として使用できるのだから文句は言わない。
いや、第一この国には湖があまりにも多すぎて、
近隣にすむ住民が○○の湖とか△△の湖だとか呼ぶことがあったとしてもしっかりとした呼称のないものなど五万とあるのだから湖の名前などもとより関係のない話だ。
その湖は既に春の息吹を浴びて、冬の間にせっせと表面に蓄えた氷を手放し、川から流れ込む水流がキラキラと輝いていた。
「ほらサーニャ!これがスオムスの湖だゾ!スオムスは湖だけはいっぱいあるんダ!!」
幼いころから従軍していた私にも、その故郷の姿は久しぶりで、どうしようもなく嬉しさが込み上げる。
「ふふ、エイラ…はしゃぎすぎだよ。」
少し気持ちが高ぶりすぎた…サーニャからそれを指摘されて私はなんだか急に恥ずかしくなった。
「ご、ゴメンナ、サーニャ。」
あぁ、やっぱり少し子供っぽかったか…私だってもういい大人なんだからこんなことではしゃいでちゃだめだな…。
「ううん、いつも大人っぽいエイラがはしゃいでるのがなんだか可笑しくて…可愛かったよ?」
サーニャからのいきなりの言葉に体中の血液が激しく体を巡る…きっと今私の顔は真っ赤なんだろうな…。
「おいイッル!二人の世界に入るなよ!!今日は皆で遊びにきたんだぞ!!」
「サーニャちゃんもズルいですよ!エイラさんは皆のものなんですからね!!」
正直少し助かった…ドキドキと高鳴る心臓が二人の声で落ち着きを取り戻しはじめる。
「ソ、ソンナンジャネーヨ!!ただ話してただけダ!!」
そう言い聞かせたのは自らの心にであったのは言うまでもない。
「ところでピクニックってなにするんでしょうか?」
あまりにも…あまりにもあんまりな疑問をエル姉が投げかけた。
エル姉ときたらピクニックがどういうものかも知らないで 計画を立てていたらしい。
いや、計画を立てたとは言えないだろう、つまりピクニックに行くという事実だけが唯一私たちが決めた予定なのだ。
「エル姉…ピクニックってのはだな、ピクニックは…ご、ご飯をみんなで食べるんダ…」
どうしよう…私もよく分からない。
まずピクニックにはテンプレートがあるのだろうか…
「ほ、他には何をするのでしょうか?」
うん…ほ、他に?
「そうダナ…後は、た、楽しむことだけがルールダ!」
うん、きっと間違ってない。
仮にそれがピクニックではないとしても楽しめたらそれでいいんだ。
「あの…何をして楽しんだら良いのでしょうか…?」
そ、そうだよなぁ。やっぱりなにかやらなくちゃなぁ…
「あ、あの…ごめんなさい…私がダメなばっかりになんの計画も立てずに…私なんかいらん子だから…いらん子だから…。」
あぁ…久しぶりにエル姉がネガティブモードに入ってしまった…どうしようか。
途方にくれて辺りを見回すと、スオムスにはたくさん、それこそ捨てるほどたくさんあるものが目に入る…コレダナ。
「エ、エル姉…ゆ、雪合戦ダ!!そう、ピクニックと言えば雪合戦と伝統で決まってるンダ!!」
勝手にスオムスのピクニックの伝統を作り上げたことに若干の自責の念を感じざるをえないが仕方ない。
これもエル姉をネガティブモードから引きずり上げるためだ。
「雪合戦ってお前…」
ニパ…少しお前は黙ってろ…好きだよな雪合戦?
スオムスの子供なら雪合戦とスキーとソリは皆好きなんだよ!!
「た、楽しそうですねえ。」
そう、さすがエル姉!生粋のスオムスっ娘なら雪合戦大好きなんだよ!!
「私も雪合戦好き…。」
さすがオラーシャ娘のサーニャだ!!
そう、雪国の娘は皆雪合戦が好きなんだ。
「え…雪合戦だぞ?」
あぁほんとにニパはダメだ。
雪合戦を楽しもうという気概が感じられない…ほんとにスオムスっ娘なのか?しかたない…
「おりゃー!!」
即興で固めた雪玉をニパの顔面めがけて投げつける。
まぁ、それで大体コントロールがズレて体やら足やらに当たるんだ。
うん、当たるはずだったんだ。
私は相手が誰だか考えていなかった…だれであろうと多分ニパに向けて投げたなら、いや向けて投げなくてさえ、雪玉はニパの顔面に引き寄せられていく…。
まぁはっきり言ってしまえば私の投げた雪玉は見事にニパの顔面にクリーンヒット。
ニパがひくひくと肩を震わせているのがしっかりと認められた。
「イ、イッル…?許さねー、絶対許さないからな!!」
という訳で、ピクニックとは名ばかりの雪合戦の火蓋が切って落とされたのだった。
ーーーーーーーー
「ハァハァ…。」
「ハァハァ…。」
私とニパの息遣いが重なる。
結局のところ激しい雪合戦による争いは、私とニパの間という狭い空間のみで勃発し、サーニャとエル姉はそれを眺めながら仲良く雪だるまを作っていた。
最終的には二人とも魔力を展開し、雪玉を全て避けきる私と、どんなに玉に当たってもものともしないニパという構図が描かれてるという死闘が繰り広げられた。
「は、腹ヘッタナー。」
「私もだ…。」
すっかりと力を使い果たした私たちのお腹がぐるると音を立てる。
「じゃあお弁当にしましょうか。用意してきますよ!!」
「私も手伝います…」
雪だるま作りが二人の間に友情を芽生えさせたのか、エル姉とサーニャがお昼の準備に向かった。
正直、私もニパもヘトヘトだったので大助かりだ。
ご飯はなんだろな〜?
「エイラさん、ニッカさん!来てくださ〜い!」
エル姉が呼んでいる。ご飯ご飯〜。
「待てよイッル。私をおいてくな。」
ニパは既に疲労から回復したらしい…羨ましい体質のやつだ。私たちはご飯の準備のためか、焚き火をしているエル姉のもとへ走った。
「お昼ご飯はサンドイッチと、サーニャちゃんが作ってくれたボルシチを冷めないように水筒に入れて保温してきたんですよ!!」
暖かい湯気と香りが食欲をそそる。まさか暖かいものが食べられるとは思わなかったので、ボルシチを口に運ぶとすっかりとその美味しさがお腹に染み渡った。
「やっぱりサーニャの作ったものは美味しいな。」
サーニャが嬉しそうに微笑む。私はサーニャの笑顔を見ているだけで幸せになれるんだ。
エル姉が作ったと言って差し出してくれたサンドイッチも口に運ぶ。
「エル姉!美味しいゾ!なんだかエル姉の作ったもの久しぶりだから嬉しいナ。」
エル姉もにこりと笑ってくれる。
私は小さいころからエル姉の笑顔が大好きで、エル姉が笑っていてくれれば不安なんてなかった。
「ニパが作ったサンドイッチはどれなんダ?」
それを聞いたのはいざという時のために身構えるためということもあったが、私は純粋にニパが作ったものに興味があった。
「そ、それだよ。」
あぁ、確かにあった。他のサンドイッチとはしっかりと区切られた、少し形も悪いし具の挟み方も大雑把な一角が。
「別に無理して食べる必要なんてないんだからな!!」
ニパのサンドイッチの在処を聞いた理由が自らを笑うためだとでも思ったのだろうか…ニパはすっかりとへそを曲げていた。
「私はニパのサンドイッチ食べてみたいゾ。」
ニパの顔が朱に染まる。ふふっ、言ってはやらないけどニパのそういうところは可愛らしい。
「じゃあ…いただきま〜す。」
モグモグと咀嚼してもなにか刺激的で攻撃的な成分の存在は感じられない…うん、むしろ美味しい。
「なんだニパ、普通に美味しいじゃないカ。ツマンナイやつダナー。」
なんだか少し悔しいので素直には言ってはやらない。
「ふん!つまらなくて悪かったな!!」
そう言ったニパの顔にも微笑みが浮かんでいて、私が隠した気持ちなんかすっかりと見透かされていたのかもしれない。
ふふっ、一時はどうなるかと思ったけど、こんな関係も悪くないじゃないか。
いつかは答えを出さなくてはいけないし、それは遠くない未来なのだろうけれど、今はこの関係が幸せだ。
みんな仲良く、みんな幸せになれたらいいな…心からそんな気持ちが湧き上がっていた。
「サーニャ、ニパ、エル姉、大好きダヨ。」
Fin.
では続いてシャーゲルを
「ふわぁ〜・・・」
さすがに寝不足だなぁ・・・んー眠い
毎晩すると流石に疲れるね、うん
いや、あいつが可愛すぎるのが悪い!
昨日だって××で××××のに××××××だったから抑えがきかなくて・・・
あたしが××××したら×××して、しまいには××××までしてきたからね・・・ふふん
あ〜朝風呂は一人だし、幸せだなぁ・・・
これで眠気ゼロならいいんだけど、いやもう眠いのなんのって・・・
・・・・・・・・・ん・・・今意識とんだかも
あーもー無理、寝る
5分な、5分だけ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「それでのぼせたあげく、午前の訓練をすっぽかしたと」
「あい・・・」
「具合はどうシャーリーさん?」
「まだだめっす・・・」
「トイレ掃除〜トイレ掃除〜♪」
「笑うなよルッキーニ・・・」
「なんにせよシャーリーが回復せんとな。しばらくそこで寝ていろ」
「じゃあルッキーニさんは訓練の続きね」
「アイアイサー!」
あー・・・行ったか
鞘で頭殴るなんてひでーよ少佐、まだじんじんするなぁ・・・
眠気は若干さめたけど、気持ち悪くて仕方ないや・・・
このままソファで寝ようかなぁ
「ぶざまな格好だな」
この声は・・・こんにゃろイヤミでも言いにきたのか
「悪いけど、今のあたしは掛け合いする元気もないぞ」
「そうか。静かでいいじゃないか」
「なんだよそれ。ちょっとは心配しろよ、可愛いげのないやつ」
つーか顔見せろよ。ソファの背もたれの裏に隠れやがって
「何を言うか。リベリオン軍人はそんなひ弱な筈がないだろう?」
「うぐ・・・痛いとこついてくんなよ」
「ま、せいぜいそこで反省するがいい。それとトイレ掃除は手伝ってやらんからな」
「はいはい・・・で、何しにきたわけ?」
「今日の訓練はこなしたからな。新聞を読みに来ただけだ」
ああそうかい。優等生だねえ・・・ってそんなとこに座るなよ
頭の上にいられちゃ落ち着かないじゃん
「寝るのか?」
「んー、そうする。勝手に起きるから起こさないでね」
「もとよりそのつもりだ」
「へいへい・・・んじゃおやすみ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょっと冷えるミーティングルームのソファで横になって、そばに新聞読んでる人がいるけどさぁ
いくらあたしがリベリオン出身だからって、こんな状況じゃ寝れないや・・・
寝よう寝ようと思えば眠れないしね・・・つーかこいつが頭の上にいるから、なんかなぁ
意識しない方が難しいよ、昨日あんなことしたし
「・・・もう寝たか?」
んお?なんだ?
うーん・・・寝たふりしてみるか
・・・・・・。
・・・・・・。
いや、なんか言うとこだろここは。合宿じゃないんだから
ちぇーつまんないの・・・
ファサ
なんだ?なんか掛けられたな。これは・・・軍服?
「すまない、無理をさせてしまったな・・・」
なになに?なんか責任感じてるとか?
っていうか、さっきのツンケンした態度とは正反対だなぁ。素直じゃないやつ
「ふ・・・寝顔はかわいいよな」
な、なんか視線を感じる
うう・・・起きてるのばれてないよな
ちくしょー照れる・・・気付くなよ気付くなよ・・・
「頼むから起きないでくれよ・・・」
いや変なことしなければ起きないから・・・おい早速首を持ち上げるなよ
ぽすん
うわ柔らか・・・って、これ膝枕?
そうだよなぁすべすべしてるし、あったかいし
こいつ普段はこんなことしないのにね・・・かわいいやつ
「ねぇ」
「う・・・お、起こしてしまったか?」
「ずっと起きてたから」
「・・・・・・はぁ!?」
「いやー、見てないとこでは素直になるんですなぁ」
「〜〜っ!なら体を起こさんか!」
「やなこった。気持ちいいんだもん。それに誰かさんの独り言のせいで、眠りたいのに眠れないからね」
「永遠の眠りにつかせてやる!」
「ね、そんなことよりあんたも昼寝しようよ」
「・・・戦闘待機中だ」
「いいって言うまでどかないぞ」
「はぁ・・・やれやれ。分かったよ。このままにしてればいいんだろう?」
「そゆこと・・・」
「まったく、相変わらず強引なやつだ」
「あんたもね」
「ふふ、違いない」
「・・・おやすみ」
「ああ、しっかり休め」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
芳佳「寝てるね・・・」
リーネ「うん・・・」
芳佳「気持ちよさそうだね・・・」
リーネ「うん・・・」
芳佳「なんだかいいね、こーゆーの・・・私たちもいつかやろうね」
リーネ「うん!」
エイラ「おおい、持ってきタゾ」
エーリカ「二人とも器用に寝てるなぁ、うしし」
芳佳「じゃあ起こさないように、撮っちゃいましょうか」
おしまい
みなさま本日もGJです。
y4wjv0wXのこの話の続きがとても気になります。オラーシャの人たちにからかわれればいいよ。ニヤニヤ出来そうでとても妄想が広がります。
どうも久しぶりじゃ全然無いというか忙しいのに睡眠時間を削ってたらできたので投下しました。
多分あと1〜2作は後日後日したのを書きたいのですすみません。
あぁそういえば絶対盛大に祝いたかったエイラさんの誕生日は100パーセント投下ムリダナでなきそうです。
みんなが精一杯祝う様を楽しみにしております。
やはり忙しいので気まぐれ投下はあるかもだけれども多分しばらく投下できないのが悲しいRU1ZZ/dhでした。
うお割り込むトコだったすみません。
今から読むです。とりあえずGJ!
2つともGJ!
>>257 このシリーズ大好きだから、まさかの続きが読めて嬉しいぜ!
エイラの自覚のない天然タラシは本当に罪ですねw
>>260 お姉ちゃんは素晴らしいツンデレww
ちょっとだらしないシャーリーとはいいコンビだw
>>262 いえいえ割り込んだのはこっちですから 失礼しました
ハーレムエイラ、おいしくいただきました!
今日は豊作だな
ペリーヌはやっぱり不人気なのだ、と気付いた
>>245、249
アレ、俺が書き込んでる。
『真っ赤な空を見ただろうか』はエイラニャ。
『ラフ・メイカー』は芳リーネ。
そんな気がするんだぜ。
>>257 方程式の続きキター!!一気にテンション沸騰した!!GJ!!
やー北欧組はたまらんなあもうみんな可愛すぎる幸せすぎる。
ところで1ってことは何だそのつまり、まだ続くことを期待していいんですよね?いつでもお待ちしております。
>>260 ラブラブシャーゲルGJ!!素直なお姉ちゃんの破壊力は異常。
自重しないシャーリーも最高ですね。ニヤニヤしっぱなし。
>>266 ペリーヌには絶対的な相方がいないからね。人気とかよりも王道萌えの人には絡ませにくいんだと思う
もっさんには中佐、リーネには宮藤がいるし
何で501のウィッチは奇数なんだろ
>>250 智子さんの本妻はビューリングさんや!
>>266 不人気と思うのならSS書いてあげてくだしゃい
ペリーヌは少佐への想いを胸に秘めたまま、誰かと結婚する事なく、
故郷で一人、孤児院とか作って生涯を過ごしそうなイメージがある。
"私が恋心を抱いたのは、あの方だけでしたわ"みたいな。
>>569 極上生徒会も奇数だった気がする。
ペリーヌの恋人は祖国なんだよ
っつーかもっさん罪作りすぎだなーw侍じゃなくて恋泥棒だw
>>271 パライエッタみたいな感じか
極上生徒会は知らないけど
極上は13人くらいだったっけ?
放送終了から数年たってもたびたび話にでてくる極上は、やっぱりいろんな意味で伝説のようなアニメなんかねw
関係ないが最近ニパが好きすぎる!かわいすぎる!
んで方程式の人GJ、スオムス万歳
>>273 そんな感じだね。ロードレはリーネあたりで。
てかパラ様って、シャーリーの声なんだよな。
>>274 俺を百合ヲタにした作品だったりする。
ゲームは酷かったけどねw。
ちくしょう昨日妄想しすぎて風邪ひいた
芳佳の治癒魔法って風邪とかなおせるのかな?
でもなおせなかったとしても寒いっていってるリーネちゃんに裸でくっついてあっためてあげたりしてそうな気がして鼻血がでるね
愚問だな
このエイラさんはちょっとわかってないよなー
紐ズボンはこう、ほどくのがいいのに…
さらに言うならば穿いてる相手自身にほどいてもらうのが作法なのに…
穿かせてるんだろう
日頃から初体験に並々ならない理想を持ち、作法やシチュエーションには人一倍こだわりを持つエイラさんも、
いざとなるガチガチにテンパって、震えを止めるのに精一杯なんだろう。
そして事後に「エイラ、いっぱいいっぱいで可愛かったね」とサーニャに言われて凹むと。
某STEED〜さんのとこのエイラーニャ漫画がいいヘタレっぷりで実によかった
宮藤とハルトマンはバカップルになりそうだよね
芳佳とペリーヌも「傍から見るとバカップル」になりそう
ハルトさんも
エーリカ、シャーリー、芳佳、エイラが絡むカップルは皆バカップルになりそうww
リーネが入らないのが納得できません
>>286 なるほど
言うまでもないけどペリーヌって芳佳のこと大好きだよな
最初は純粋に「なにこのちんちくりん」
次は「少佐とあんなに仲良くして!ガルルル」
次は「ふうん…なかなかやるじゃない」
次からは…まあ、わかるな?
サーニャ「エイラをそんな目で見ないで!」」
リーネ「芳佳ちゃんは私以外を見ないで」
芳佳「シャーリーさんのおっぱい、大きい…」
普段眠たそうにボーっとしてるサーニャが
誰かに対して必死になるという
そのギャップが
大好物です
ペリーヌ「こっ・・・この豆狸!////」
「くやしい・・・でも豆狸かわいいですわビクンビクン」
目を閉じて瞑想してたら天からのお告げが聞こえてきた
ニッカ→エイラ→サーニャ
実はこの矢印の方向にヘタレてるのではなかろうか
「宮藤はリーネのどこが好きなんだ?」
「リーネちゃん?まずすっごく優しくてね、物腰が柔らかいっていうか……。
いつも気が利くから助けられちゃうし、なんだかお母さんみたいです。
お料理もお洗濯もお掃除も私より上手なのに、それを自慢したりしないんですよ。
それにいつも笑顔で、にこにこしてて、すっごく可愛いんです!
髪の毛の色も扶桑にはないキレイな色だし、さらさらしてるし。
お風呂に入る時はほどくんですけど、私初めて見た時思わず見とれちゃいました。
お肌もすべすべで真っ白だし、何だかいい匂いがするし……。
そうそうそれから、おっぱいが超おっきいの!!」
「お前そんなに早口なブリタニア語喋れたのかよ。」
「冷静になって考えたらやっぱりシャーリーさんの方が大きかった。」
「訊いてないよ。」
>>290 ペリーヌと芳佳のスール話なんて素敵じゃないですか
芳ペリといえばこの前投下されたこたつでぬくぬく乱闘する二人の話が素敵過ぎた
二人とも可愛すぎてしょうがなかった
あれ読んで以来ずっと芳ペリが書きたいの
ペリーヌの出てるssって110本もないんだな…
エイラさんとゲルトは250本越えてるのに…。
>>299 口調からして相手はシャーリーかな?とりあえずワロタ
シャー芳って流行っててもおかしくないカプなのにぜんぜん人気ないよね。
ょιヵ’ヵヮィィなシャーリーがいたっていいじゃんないか。
12歳を押し倒す勇気がなくて悶々としてたところに芳佳が同じように甘えてきて
元来の惚れっぽさが発動してつい……とか萌えるじゃないか。
萌えるじゃないか。
久しぶりに来たんだがなんでこのスレってイラストコラムの中でカタヤイネンだけやたら市民権得てるの?
なんかあった?読んだ方がいいssある?
ルッキはマンモーニだから母性の象徴たるおっぱいの大きいシャーリーに甘えているんだな
>>303 もっさんと全キャラ抜いたら殆ど残らないよな
むー、かわいいのに
>>307 さあ、ペリーヌSSを量産する作業に戻るんだ。
主要となるもっさん抜いたらサーニャだってエイラ抜いたら殆ど残らないんじゃないか
がっちりとガードされて熱愛を享受してるサーニャ。
かたや……。なんて理由が違い過ぎて悲しい仲間扱い。
きっとペリーヌ好きにだけ文才がないんだ、そうに違いない
その書き方はペリーヌSS書いてる人に失礼だろう
コピペだけど、
某大全に載ってた。
いちゃいちゃ四十八手。
どう見ても、百合百合な風景です。職人様がネタにしてくれることを強く期待。
第1手 手をつなぐ
第2手 ポケットの中で手を繋ぐ
第3手 指先でそっとつなぐ
第4手 指をからめる
第5手 腕を組む
第6手 膝枕
第7手 膝枕・顔の向きが逆
第8手 耳かき
第9手 男が女に膝枕
第10手 ハグ・通常
第11手 ハグ・後ろから抱きしめる
第12手 ハグ・胸の中に頭を抱え込む
第13手 お姫様抱っこ
第14手 おんぶ
第15手 おんぶ・背中へ一方的にのしかかる
第16手 目隠しだーれだ?
第17手 熱いまなざし・じっと見つめる
第18手 熱いまなざし・お互いに見つめあう
第19手 ほおずり
第20手 耳に息
第21手 キス・唇に
第22手 キス・おでこに
第23手 キス・頬に
第24手 ないしょ話
第25手 キス・首に
第26手 キス・手に
第27手 くっつく・背中に寄り添う
第28手 くっつく・肩と肩が触れ合う
第29手 肩にもたれる
第30手 睦言・近距離で
第31手 睦言・遠距離で
第32手 頭をなでる
第33手 髪をいじる
第34手 手料理
第35手 「はい、あーん」女から男へ
第36手 「はい、あーん」男から女へ
第37手 両端から食べる
第38手 ラブレター
第39手 プレゼント
第40手 ネクタイを結ぶ
第41手 二人で下校
第42手 お買い物
第43手 浜辺でおいかけっこ
第44手 いっしょにお風呂
第45手 添い寝
第46手 くすぐる
第47手 のろける
第48手 やきもち
なんという…強力な燃料w
男という言葉が出ているようだがそこは住人の百合脳で正しく変換するのだwww
>>312 ああ、もれはこの中のひとつとして経験しないまま、死ぬんだろうなあorz
俺は全部経験した事あるよ
ゲームで
俺は全部妄想したことあるよ
女×女で
第1手 手をつなぐ
第2手 夜が怖くて飛べないから手を繋ぐ
第3手 運命線重ねる
第4手 指をからめる
第5手 腕を組む
第6手 膝枕
第7手 膝枕・顔の向きが逆
第8手 耳かき
第9手 乳を揉む
第10手 ハグ・通常
第11手 ハグ・後ろから抱きしめる
第12手 ハグ・胸の中に頭を抱え込む
第13手 お姫様抱っこ
第14手 おんぶ
第15手 おんぶ・背中へ一方的にのしかかる
第16手 目隠しだーれだ?
第17手 熱いまなざし・じっと見つめる
第18手 熱いまなざし・お互いに見つめあう
第19手 ほおずり
第20手 耳はむはむ
第21手 キス・唇に
第22手 キス・おでこに
第23手 キス・頬に
第24手 キス・ふとももに
第25手 キス・首に
第26手 キス・手に
第27手 くっつく・背中に寄り添う
第28手 くっつく・二人用ストライカーで
第29手 肩にもたれる
第30手 睦言・近距離で
第31手 睦言・遠距離で
第32手 頭をなでる
第33手 髪をいじる
第34手 手料理
第35手 「はい、あーん」年上から年下へ
第36手 「はい、あーん」 上官から部下へ
第37手 両端から食べる
第38手 ラブレター
第39手 プレゼント
第40手 ネクタイを結ぶ
第41手 二人で夜間哨戒
第42手 お買い物
第43手 浜辺でおいかけっこ
第44手 いっしょにお風呂
第45手 添い寝
第46手 くすぐる
第47手 のろける
この時まさか48手リレーSSが始まるとは誰も思わなかった
おもしろそう
むしろ絵で見たいところだ
誰か神が光臨してくれることを祈って生きよう
>>317を見たら妄想があふれでて止まらなくなってしまったので。
初投稿なので、少し変なところがあってもご勘弁ください。
--------------
第1手 手をつなぐ
「サーニャ、そろそろご飯ダゾ、食堂行こ」
珍しく寝ぼけ眼じゃないサーニャに声をかけながら
私は数ヶ月振りの思いに胸がドキドキしてた。
――サーニャと手をつないで食堂に行く。
何を今さら、と言われるかもしれないナ。
でも、寝ぼけたサーニャを食堂に連れていくのと、
起きてるサーニャと手をつないで食堂に行くのでは意味が全然違うんダ。
何ていうかその……。
起きてるサーニャと手をつないで歩くなんて、
……まるで恋人同士みたいじゃナイカ。
私は部屋のドアのところでサーニャを待っていた。
いつも通りに。そう、いつも通りに。
サーニャに変に思われないように。普通に、普通に――。
「おまたせ。いこう、エイラ」
私のすぐ近くでサーニャがにこっと笑った。
あー、もう、その笑顔は反則ダゾ、サーニャ。
「ソ、それじゃ行コウカ……」
私はぎこちなくサーニャに手を差しだそうとして……
そして、やっぱり手をひっこめてしまった。
「イ、行くゾ!!」
恥ずかしさをごまかすみたいに一歩先に部屋を出る。
あぁ、やっぱり私はダメだな……。
「あ、待って」
誘っておきながら勝手に行ってしまった私をサーニャが
小走りで追いかけてくる。
そして――
「一緒に行こ、エイラ」
私の右手には、確かなサーニャの柔らかい手の感触。
「キ……、キョウダケダカンナー // 」
思わず口に出した強がりの最後、ちょっと声が小さくなってしまったことにサーニャは気づいてないよナ。
Fin.
>>323 「終わった・・・48枚目」
ペンを持つ手が止まる
「百合スレに・・投下しよう・・・」
世間に吹きすさぶ冷たい風と連日の激務、蔓延する風邪にもはや体は限界であった
それでもそこに、1と0で構成されたちっぽけで広大な世界に、自分を待ってくれている人達がいる
それだけを想い、風邪をこじらせてでも魔女達を世界に描いた
たくさんの愛を持って触れ合う魔女達を、麗しき魔女達を
静かに書き込みボタンを押す
「こんなに頑張ったから・・・少し・・・寝てもいいよね・・」
そう呟いて机に委ねたそのボロボロの体はそのまま、二度と起き上がることはなく
PCのモニターの前に伏した顔は二度とモニターを、光を見ることはなかった
最期に何を思ったのか、最期に何を見たのかはわからない
だが、モニターの中に映り触れ合う魔女達が皆、幸せに溢れた満面の笑みを浮かべていたこと
そして、スレ住人達の心が柔らかな気持ちに包まれたのは揺るぎなき事実だった
>>258 昨日だって××で××××のに××××××だったから抑えがきかなくて・・・
あたしが××××したら×××して、しまいには××××までしてきたからね・・・ふふ
↓
昨日だって股間で××××のに××××××だったから抑えがきかなくて・・・
あたしが××××したら×××して、しまいには××××までしてきたからね・・・ふふ
芳ーネ投下2レス
ーーーーーーーー
ベッドに入ってから、どれくらい経ったろうか。
寝つきは良い方のはずなのだが、今日に限っては何故だか眠れなかった。
目を開けて身体を起こすと、ぼんやりしていた意識にもすぐにスイッチが入った。
薄暗い部屋の中で、どうしたものかと考える。
…少し、外に出てみようか。
カーテンの隙間から差し込むかすかな光は、きっと夜空の星からのもの。
お気に入りのあの場所へ空を眺めに出かけよう。
*
私がそこに着いたとき、そこには既に先客の姿。それが誰かはすぐに分かった。
「リーネちゃん?」
「あ……芳佳ちゃん」
やや驚いたように振り返る先客さんは、私の友達その人だった。
そのままリーネちゃんの隣に座ると、不思議そうに尋ねられた。
「どうしたの、こんな時間に」
「ちょっと寝つけなくって。リーネちゃんは?」
「…うん、私も同じ」
二人で星空を仰ぐ。その先には、暗闇に瞬くたくさんの小さなきらめき。
そよそよと吹く夜風が心地よくて、思わずため息がもれた。
「キレイだね……。リーネちゃん、夜にもよく来てるんだ?」
隣に顔を向けると、こっちを見つめていたのだろうか、彼女と目が合った。
リーネちゃんは慌てたように、さっと視線を空に戻して言った。
「あ、えと、うん。……でも最近は減ったかな、ここに来るのも」
「そうなの?」
「前はよくここで夜空を見上げてたの。…………そうしてると……」
――任務のこと、忘れられたから。
薄闇に消え入りそうな声。
ドキッとした。私が来てからリーネちゃんは変わったって、みんなは言ってたけど。
リーネちゃんが変わる切っ掛けになれたと、思い込んでいたけれど。
ひょっとしたら彼女はまだ――。
眉を八の字にまげて俯き、そのままリーネちゃんは自嘲気味に微笑んだ。
「だから、こうしていつも一人でいじけてたの」
「リーネちゃん……」
「そんな顔しないで。芳佳ちゃんのおかげで、実戦でもちゃんと動けるようになったし……。
気づいたら、こうすることも無くなってた」
「そんな、私は何もしてないよ。リーネちゃんの実力だよ」
「ふふ。ありがとう」
顔を上げて笑った彼女はいつもどおりの笑顔に見えて、私は少し安心した。
「覚えてる? 私が芳佳ちゃんに基地を案内した日……。二人でこうして景色を見てた」
「忘れるわけないよ。リーネちゃんと友達になれた日だもん」
「あの時はひどいこと言ってごめんね、芳佳ちゃん」
「ううん、気にしてない」
遠く海の向こうを見つめながら、リーネちゃんは言葉を続けた。
「私ね、芳佳ちゃんがうらやましかった。明るくて、力もあって、一生懸命に頑張れる芳佳ちゃんが。
私が持ってないものをたくさん持ってて……だから嫉妬しちゃった」
「リーネちゃんだって。優しくて、気配りできて、料理上手で家庭的で、それに狙撃の腕もすごいし!」
「もう、芳佳ちゃんってば」
顔を見合わせて二人で笑った。
*
いつも失敗ばかりで、みんなの足を引っ張ってた。
ミスを取り返そうと必死になればなるほど、ますます空回りした。
部隊のどこにも、私の居場所が無い気がした。
出撃するのが怖かった。
一人の不手際で、全員の命が危険に晒されるかも知れない世界。
トリガーにかけた指が震えて、狙いも満足につけられなかった。
『気にするな』
『まだ新人だから』
そう言って励ましてくれた人もいた。
でもその度に、自分で自分が許せなくなった。
芳佳ちゃんには才能があるって聞いたとき、また怖くなった。
この人もすぐに私の横を通り過ぎて、そのままいなくなってしまうんじゃないのか。
……置いて行かれたくなかった。
だから、自分から距離をとった。
でも、芳佳ちゃんは私を待っててくれた。
ぐずぐずしてる私に、一緒にがんばろうって手を差し伸べてくれた。
二人で協力して敵をやっつけたとき、すごくうれしかった。
芳佳ちゃんがいてくれたなら、出来ないことなんてないって思った。
その日から、私の隣にはいつも芳佳ちゃんがいる。
まるでずっと昔からの幼なじみだったように、たやすく心を開くことが出来た。
芳佳ちゃんの隣にいたい。芳佳ちゃんと一緒に歩いていきたい。
居場所をくれた彼女の傍を、ずっと離れず二人でいたい。
以前の私なら誰かの重石になることに耐えられなくて、こんな考えは抱かなかった。
それくらいに、彼女に惹かれていた。
私はドジだから……時々つまづいたり、迷ったりすることもあるだろう。
でも、芳佳ちゃんが私の隣でいつもの笑顔でいてくれれば、何度でも立ち直れる。
そう信じられるから……だから――
「リ、リーネちゃん!? どうしたの!?」
「――えっ?」
うろたえながら私の肩を揺さぶるのは、並んで座っていた芳佳ちゃんだった。
少しぼやけた視界と、頬を伝う冷たくて温かい感触。
あれ、なんでだろう。
私、泣いてる……。
「どこか痛い? だったら私の魔法で……」
「ち、ちがう、違うの芳佳ちゃん」
不安そうな彼女を安心させてあげたくて、必死に目元を拭ってみせる。
けれど、私を心配してくれているというたったそれだけの事実が、今の私にはうれしくて。
手のひらの隙間から涙はますます零れ落ちてしまった。
「あのっ……あの、ね、芳佳、ちゃん、…うっく、ありがと……」
「……リーネちゃん」
そっと私を抱きしめる芳佳ちゃん。
いとおしいその小さな身体を、私もぎゅっと抱きしめ返した。
「わ、私、こんな……うう…っく……こんな泣き虫で、意気地なし、だけどっ」
「…うん」
「これ、からもっ、よろしく、ね」
「うん」
以上でした。芳ーネは書き易くて好きだ
第1手 手をつなぐ
第2手 夜が怖くて飛べないから手を繋ぐ
第3手 二人だけの秘密
第4手 指をからめる
第5手 腕を組む
第6手 膝枕
第7手 膝枕・顔の向きが逆
第8手 耳かき
第9手 お買い物
第10手 ハグ・通常
第11手 ハグ・後ろから抱きしめる
第12手 ハグ・胸の中に頭を抱え込む
第13手 お姫様抱っこ
第14手 おんぶ
第15手 おんぶ・背中へ一方的にのしかかる
第16手 目隠しだーれだ?
第17手 熱いまなざし・じっと見つめる
第18手 熱いまなざし・お互いに見つめあう
第19手 ほおずり
第20手 肩にもたれる
第21手 キス・おでこに
第22手 キス・手に
第23手 キス・頬に
第24手 耳はむはむ
第25手 キス・首に
第26手 キス・ふとももに
第27手 くっつく・背中に寄り添う
第28手 くっつく・二人用ストライカーで
第29手 キス・唇に
第30手 睦言・近距離で
第31手 睦言・遠距離で
第32手 頭をなでる
第33手 乳を揉む
第34手 手料理
第35手 「はい、あーん」 部下から上官へ
第36手 「はい、あーん」 上官から部下へ
第37手 両端から食べる
第38手 運命線重ねる
第39手 ラブレター
第40手 プレゼント
第41手 ネクタイを結ぶ
第42手 髪をいじる
第43手 浜辺でおいかけっこ
第44手 いっしょにお風呂
第45手 添い寝
第46手 くすぐる
第47手 のろける
第48手 パヤパヤ
手をつなぐ行為ってなんか、こう胸がドキドキしてこないか…?
芳リカで想像したらなんかいい感じだわ
こう自由きままなハルトマンがどこかいっちゃいそうで怖くて宮藤が手つないでくれませんか?とか言うんだよ、そうしたらさ、ハルトマンがもしどこかに行くとしてもこんな風に宮藤も連れていくよ みたいなこと行って手をにぎっていきなり走りだすんだよ
で、しばらくやみくもに走りまわったあとに二人が顔赤くしながら笑いあうんだよ
>>324でティンときた。
四十八手を保管庫で公開して、早い者勝ちで題ごとにSSか絵を募集して、
特設ページ作って公開するという企画を思いついたんですがどうだろうか。
お題制なら凝った構成にしなくても短文として成立するから書いたことない人でも挑戦してみる気になったりしないかなあ……なんて。
流石に人集まらないかな。
>>332 いいんじゃない?やるなら俺もSS書かせてもらいますが。
>>332 最近少し勢いなくなってきてた(といっても百合スレじゃかなり早いほうだけど)活性化にも繋がりますしいいと思いますよ
応援してます!
>第39手 ラブレター
で思いついてかっとなって書いた。ってか書いてるうちに企画になりそうになってるっていう
>>332 早い者勝ちってのはやめた方がいいかと。いろんな人の読みたいし、絵も見たいな。
2レス使わして頂きます
面白いことを思いついた
普段からカールスラント軍人うんぬんかんぬん言っている、カタブツと呼ばれるあの人。
そんな彼女に、普段から私の抱いているこの胸の内を手紙にしたためて送ってやろうって。
するとどうだろう。
きっとあの人は顔を赤らめてこそこそと手紙を読むんだ。
根っこからまじめな彼女は三日三晩もんもんと悩み続けるに違いない。
そんな状態のあの人の行動はさぞや面白いだろう。
そこに私は胸を張って言ってやるんだ。
最近の挙動不審はなんだ!カールスラント軍人たるもの……なんだっけ?
まあそんな感じで普段とは逆の立場にたってもらって、私は彼女の驚いたり悔しそうにしたりする
百面相を楽しむって寸法さ
これはいいアイディアだ。想像するだけで楽しい。
珍しく自分で片付けた机に向かって、さあ!いざ!…と意気込んで30分、
何から書けばいいのやら。こう見えて手紙は妹とのやり取りで書きなれている。
普段の手紙ならサササーっとスラスラーっとちょちょいのちょいで書けるのに。
普段と違うことといえば、あの人が顔を赤くして三日三晩挙動不審になるような、そんな私の気持ちを書くだけだ。
なのになぜか筆が進まない、そればかりではなく手に汗までかいて、なんだか顔も熱くなってきた。
おい、ちょっとまて私、柄にもなく恥ずかしがっているのか?
ヘタレってやつか?いやいやヘタレはあのスオムス出身の不思議ちゃんだ。私はヘタレではないはず。
何事にもマイペースで、ちょっとの事には動じない、スーパー魔法少女な私がそんなことあるはずがない。
しかしながら、なかなか言えない事というものはなかなか書けないというもので。
これは困った。計画する段階では計算に入れてなかった私の純情可憐スィートハートがここにきてネックになるなんて…
だいたいあの人がいけないんだ。
こんなにも私の心を捕らえてしまっているのに、そんな私の気持ちにはちっとも気付いてくれない。
まあわたしの愛情表現はわかりにくいだろうけどさぁ
最近はそんな気持ちを持て余しぎみになってしまって、なんだかネガティブ思考。
そんな、らしくない自分とはおさらばだ!と、何か面白い事をしようと三日三晩考えて、
この胸の中で渦巻くもんもんとした気持ちも吐き出せて、さらに彼女の面白い行動も楽しめるという
一石二鳥ないい考えを思いついたと思ったのに!……
はあ、なんかもういいやと手に持っていた筆を開放した。今日はなんだか疲れたし、もう眠いから寝よう。
トゥルーデめ、
いつか絶対三日三晩眠れなくなる、ついでに私の事しか考えられなくなって仕事も手につかなくなるような、
そんな手紙を書いてやる。
とりあえず明日は、昼まで寝て、起こしにきた彼女に
この胸いっぱいの悔しさを込めて
おはようお姉ちゃんとでも言ってやろうっと
おわり
なんか面白そうな企画が。
第16手「目隠しだーれだ?」をシャーゲルでやらせていただきます。
「だーれだ?」
「声はルッキーニ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声はハルトマン、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声は宮藤、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だーれだ?」
「声はサーニャ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「だ、だーれだ?」
「声はペリーヌ、だが目隠ししてるのはリベリアンだな」
「おい堅物、なんであたしだってわかるんだよ!?」
目隠しされた手をほどき振り返れば、リベリアンは不思議そうな顔でそう訊いてくる。
「……なんとなく、そんな気がしただけだ」
私は曖昧に言葉を濁した。
まさか本当のことなんて言えるはずない。
背中に押しつけられた胸のサイズでわかったなんて。
うほっ、面白い展開だな
もっとやれ
>>338を許可も取らずにエイラーニャに変えてみた
「だーれだ?」
「声はルッキーニ、けど目隠ししてるのはサーニャだな」
「だーれだ?」
「声はハルトマン中尉、けど目隠ししてるのはサーニャだな」
「だーれだ?」
「声は宮藤、けど目隠ししてるのはサーニャだな」
「だっ、だーれだ?」
「声はリーネだな、けど目隠ししてるのはサーニャだな」
「だ、だーれだ?」
「声は……ペリーヌか?、でも目隠ししてるのはサーニャだな」
「だーれだ♪」
「この声……まさかミーナ中s……目隠ししてるのはサーニャだな」
「ねぇエイラ……なんでわたしだってわかるの?」
目隠しされた手がそっとほどかれ、振り返れば、サーニャは不思議そうな顔でそう訊いてくる。
「イッ…イヤホラ、ワタシの魔法、未来予知ダカラ……」
私は曖昧に言葉を濁した。
まさか本当のことなんて言えるはずナイジャナイカ。
サーニャの……いい匂いがシタカラナンテ……
>>338>「なんであたしだってわかるんだよ!?」
もしも二人がいい仲ならば、「匂い…」とかボソッとゲルトが言うわけだ。
場所は談話室、するとみんなの目もある中で、柄にもなくあせるシャーリーが「変態っぽいこと言うなよ」とか言うに決まっていてだな。
ところがこちらでは、唐突におっぱいを、しかもみんなの前で大胆不敵に当てられて、何事かってなもんなわけだ。
変態と言われてたちまち憤慨する気持ちと、冗談で返されたことの落胆と羞恥がみるみる頬を染めていくわけ。
―――――
「変態ってなんだ! そもそもいきなり胸を押し付けてくるおまえの方が、どれだけ恥知らずだ!」
と、こう大真面目にやり返したあとでゲルトは即後悔。みんなが好奇の目で見てるからだ。
恥ずかしい やら馬鹿馬鹿しいやらで目尻に涙を浮かべはじめる。
「ばか」
と、言って急にその腕をつかむシャーリーは、ゲルトのそんな様子を見て、一刻もはやくここから逃が
してやらなきゃいけないって思うんだな。 手をつないで飛び出していく二人のうしろで黄色い歓声があがるのは必定だ。
部屋に逃げこむなりシャーリーは、自分も顔を真っ赤にしながら息を切らせてこう言うだろう、
「なんであんなこと言ったんだよ」
「わ、悪いのはわたしじゃない。おまえがいけないんだ…だって…」
ゲルトは自分が悪いと知っている。怒っているふうに見せたいが、どこかしょげきった犬みたいだ。哀れな目でシャーリーを見返す。
「ばか。匂いってなんだよ…それに、べつに胸を当てようなんてつもりがあるわけないじゃない…」
と、シャーリーもどう言っていいかわからなくなって真面目に応えだすに決まってるんだ。すると、
「誰かが後ろに立っている気配がしたんだ」と、唐突にゲルトが言うわけ。「誰かが、たぶん年少組のやつらが、またぞろ悪戯を思いついたのかと」
そう言われてシャーリーは思い出すんだな、いつもこいつの後ろを取る前に振り返られて破綻する、ルッキーニやエーリカの悪戯のことを。
そうだ、とシャーリーはあることに気づくんだ。いつもどうして こう緊張しきりの、こいつの後ろなんて取れる人間いないじゃないかと。
するとゲルトが言うわけだ、
「振り返ろうとしたときに、おまえの匂いがしたから…」
なにをしたいのか知らないが、おまえだから放っておいた。そう言ってまたいっそう顔を赤くするゲルトを見て、
「そんなの……あたし、においなんかする?」
しどろもどろでシャーリーは聞くけど、ゲルトはしおらしく頷くと、つかまれっぱなしの腕を今度は自分から引っ張って、相手の服にそのにおいをかぐんだな。
「な、なにしてるんだよ」と、シャーリーはちょっとだけ突っぱねるんだけど、
「おまえのにおい」とか言われて犬のようににおいをかがれるまま。しばらくそうしていたら、しんぼうたまらなくなる。
「嘘だよ」と言って、シャーリーは、ゲルトに抱きつきにおいをかぎだすわけだ。「あんたのにおいしかしないよ」
シャーリーはゲルトの服をかいでいるのに、そんな当たり前のことを言う。
「あんたの部屋で寝た次の日は、あたし、あんたのにおいしかしないよ」
「嘘だ。おまえが部屋へ来てしばらくは、どこもかしこもおまえだらけだ」
こう言って二人が、ゲルトが今朝もぴんとシワを伸ばしたベッドを踏むころには、
「変態っていったの、あれ、ごめん。だって、恥ずかしかったから仕方なかったんだ」シャーリーは白状して、
「知っている」ゲルトは認めてやりつつも、「だっておまえは、わたしにそんなことを言う資格なんてないよ」
と、早くも服を脱がせにかかるシャーリーの頭をなでなでするわけだ。うん。
>>305 人気があるのはモトネタの人のエピソードとかのせいじゃないかなぁ。余りにも波乱万丈すぎるw
SSはRU1ZZ/dhさんの幸せの方程式シリーズがオススメ。
ついでに自分のも読んで貰えたら嬉しいかもw
>>ペリーヌ 前にも書いたことがあったと思うけど、やっぱり口調が難しいんだよね。
潜在的なファンは多いと思うんだけど難易度高くて断念してる職人予備軍がきっといっぱいいるはず……多分。
>>332 面白そうですね〜……なんて思ってる間に続々増えてるしwww
でも一つ気をつけなければいけない点があるとすれば、ここからの誕生日ラッシュ!
2月13日からは3週連続で聖誕祭が襲ってきてその後3月にも二人分あるんで遅筆な人は今からしっかり準備しておくんだぜ。
そんなわけで保管庫0657の続きで別視点というか、むしろ0657がプロローグでこっちが本編かも。
343 :
1/3:2009/01/24(土) 12:48:29 ID:SKcWLOyi
●スオムス―ブリタニア1944 CHASERS01 ついていなくも無いカタヤイネン
イッルに会いたかった。
あいつのいない場所なんて考えられなかった。
確かに祖国は大事だし、護りたい。
でも、それも大切な人あってこその場所だろうと思う。
だから、物を壊しすぎて上から疎まれてたあたしは、中途半端なことを続けるくらいなら自分から厄介払いされれてやろうと思って何度もブリタニアの統合航空戦闘団への転属を願い出ていた。
でも返って来る答えはいつも同じ、却下だった。
曰く、優秀なストライクウィッチをこれ以上放出する事はできない、だそうだ。
やってられるかよ!
優秀だって評価してくれてんなら今の中途半端な扱いを改めてくれ。
かといってそれでふてくされてサボるなんていうのは誰にだって出来る話で、そんな筋の通らない事をやるつもりのないあたしとしては怒りは全部ネウロイにぶつける事にしてた。
結果的に撃墜数は稼げるんだけどあたしの評価もまたまた中途半端に上がるから余計ブリタニアへの道は遠ざかる。
同じレントライブ24を仲間は結構よくしてくれて、特にハッセ大尉なんて口数少ないけど色々あたしの事庇ってくれてるみたいだったんだけど、実際の所はいまいちナニ考えてるかわかんなかったりする。
ま、同い年ながら腕は確かな上に真面目だし、頼もしい奴ではあるんだよな。
6月の終わり、そんなハッセがあたしとの出撃の時に被弾して病院送りになった。
かねてからのネウロイの大攻勢で、休む間もないまま出撃の出番ばかりがまわってきてたせいか、その日のトップエースは精彩を欠いていた。
いつもだったら機敏に反応して交わせるはずの一撃を生身の脚へと受けたハッセは、痛みと出血で意識を朦朧とさせながらも撤退を開始。
気合入れて体張って、20機以上の敵の攻撃を引き受けて、なんとかあいつを基地へと帰す事はできた。
そしてハッセは「まだニパがいる」って呟いてから気を失ったらしい。
なんか、多分自分で思ってた以上にハッセからは信用されてたのかもしれないな。
直前の会話でちょっと嫌な感じのやり取りになったにもかかわらず、意識を失うまであたしの事を思っててくれたんだもんな。
そうした絶え間なく続く激戦の中、肩を並べる戦友たちの信頼を心の糧にして戦い続けたあたしにもついにリタイアの時が訪れた。
被弾して帰還した際に魔道エンジンの不調で急激に魔力を消耗し意識が途切れて減速できないまま滑走路に突っ込んだんだ。
誰もがついにあたしにも死神が舞い降りたと思ったらしいが、どっこい何とか生きていた。
とはいえ昼夜問わず出撃して魔力体力の限界を迎えた状態で負った重傷には自慢の回復能力もおいつかなくなったらしく、あたしはそのままハッセのいる病院へと担ぎ込まれる事になった。
入院してる間はいろいろと人の優しさを実感する日々だった。
生死の境をさまよう間、戦隊長が個人的に送ってくれたマンネルハイム十字章、忙しい中見舞いに来てくれた24戦隊の仲間たち、そして自分の方が怪我の治りは遅いってのにあたしの事ばかり気にかけてくれたハッセ。
自分からくさってしまって周りが良く見えなくなってたんだと思うけど、あたしは本当に色んなものに支えられてたんだと、そう思った。
それからもう2ヶ月。
すっかり良くなってるってのに中々退院の許可が出ないあたしは、結局病室でふてくされてた。
解ってくれてるのは戦隊の仲間たちだけで、上は何にも解っちゃいない。
こうしてる間にもネウロイは攻めてきてるんだぞ。
スオムスにはひとりのウィッチだって休ませとく余裕なんてあるはずないだろ。
ハッセが飛べない今、あたしが飛ばなくてどうするんだよ!
でもそんな苛立ちはあっけなく解消される事になる。
唐突に、スオムス方面へと侵攻していたネウロイ集団が撤退を開始したんだ。
その情報を知った時、あたしの行動は素早かった。
転属願いをとりあえず出してから休暇の延長申請と機材の使用許可と渡航許可、それともう一つ肝心な退院の許可をもぎ取ってブリタニア息の準備を整える。
色々サインを貰って来いって話があったので手近な所から攻めてみる。
344 :
2/4:2009/01/24(土) 12:51:12 ID:SKcWLOyi
「ハッセ! ネウロイの連中が撤退を開始した! スオムスはこれで安全だろ! だからさ、ブリタニア行くんだ! 中隊長の許可も貰って来いって言ってたから、ほら、ここにサイン……よしよし、おっけ〜」
病室で考えことをしてたらしいハッセを勢いで頷かせて書類を突き出す。
よし、ハッセのサインはバッチリだぜ!
「あ……ニパ……あの」
「おいおい、ハッセ顔が赤いぞ。いくら連中撤退したって言ってもまだどうなるんだかわかんないんだからな。さっさと復帰して皆を安心させてやってくれよな」
夏風邪は治りにくいって言うからなぁ……。ハッセには気をつけて欲しいよ、ホント。
「え、あの、私は……」
「じゃっ、ブルーステルをセットアップさせてるからさ、北海回りでブリタニア、いってくるわ〜」
色んなものを溜めまくっていたあたしはそれを発散するが如く一気に全ての許可を取り付け、転属の承認が降りる前に飛び立つ準備を完了した。
メルスは貴重なんで貸し出せないって言われたんだけどこっちとしては初めから航続距離の長いブルーステルを借りるつもりだったから問題なしだ。
「ねぇ、ほんとにブリタニア行っちゃうの?」
「何だよエリカ。おまえあたしの本気を信じてなかったのかよ」
滑走路でエリカ・リリィ曹長が話しかけてきた。
コイツも同い年の戦隊の仲間で特別目立った戦果を上げてたわけじゃないけれど列機としてとても安心できる奴だ。
ちょうどあたしが清掃係やってる頃とかに結構イッルとつるんでる事も多かったんで結構嫉妬してたりもしたんだけど、まぁいまにして思えばあたしがガキだったんだというくらいはわかってる。
「ん〜、そういうわけじゃないけどさ……ハッセと何か話した?」
「ああ、速攻でサインしてもらえたぜ。ただちょっと顔が赤かったからなぁ……体調崩してるかも知んないからちょっと様子見てやってくれよな」
「あ〜〜……そう……ハッセも報われないわね」
なんか半目で呆れたような感じに頷くエリカ。
理由はわかんないけど旅立ちの前にそんな顔しなくても良いんじゃないかって思うんだけどなぁ。
「ま、いいわ。あたしの分もイッルによろしく伝えといて」
「おう、まかせとけよ。じゃ、行ってくる」
笑顔になったエリカと他に何人か見送りに来てた連中にも軽く挨拶して既に暖機の終わっているブルーステルに魔力をこめる。
久しぶりのストライカーユニット、久しぶりの加速……そして離陸。
あたしはあっという間に空の人になってブリタニアへの旅路へとついた。
ブリタニアへ向かうって行っても直接一直線に飛ぶわけじゃない。
いくらスオムスの誇るタイバーン・ヘルミがリベリオンでは海軍機として航続距離に優れてるって言っても流石にそれは無理なんでノルトラントで一泊、ブリタニア領内に入ってから二泊する手はずだ。
航路に関しては地図や地球儀とにらめっこしながら何度もイメージトレーニングしたんでバッチリ頭に入ってる。
気になる部分があるとすれば天候と持ち前の不運なんだけど……なんかあっさりとノルトラントまでは到着してしまった。
こういうときは油断すると、いや、油断しなくても痛い目を見る前兆だからしっかりじっくりと整備をする。
整備をした上でゆっくり休む。
休みながら先のことを考える。
北欧半島の西端に近いこの場所からブリタニアの北の外れのシェルトランドを経由して海岸線伝いでドーバーへ向かう事になるんだけど、多分ここの工程が今回の旅路の山場になるはず。
なんの目印もない海上を飛ぶ経験なんて生粋のスオマライネンであるあたしにあるわけは無いんで、一番緊張を強いられる飛行になるからだ。
とはいえそこさえ終わってしまえば後は楽なもんで、本島側にさえ辿り着いてしまえば最悪ストライカーが不調で飛べなくなっても鉄道でも何でもドーバーに行く手段はある。
345 :
3/4:2009/01/24(土) 12:52:34 ID:SKcWLOyi
夢の中でもあたしはイッルの悪戯にしてやられ続けた様な気はするんだけどあんまり嫌な気分ではなくて、むしろそんなイッルとじゃれあえてる夢を見れた事はうれしいくらいだ。
夢見がよくて気分も上々のあたしは宿泊所代わりにした倉庫の一角で起きがけからブルーステルを装着し、保存食をかじりながら暖機を開始。
間借りした基地の管制に挨拶とお礼を言いながらタキシングして滑走路へ入り、加速を開始。
丸一日の巡航ですっかり勘を取り戻した身体は、昨日感じる余裕の無かった空を飛ぶ事に関わる色んな喜び与えてくれた。
空の青さ、雲の白さ、空気の冷たさ、見下ろす景色の雄大さ、そしてなによりもこの身一つで風を切る爽快感。
はしゃいでくるくる回りたい気持ちを抑え込んでコンパスをこまめに確認しながら北海を行く。
でもそんな気持ちのいい空は長くは続かず、程なくあたしの身体は広がる雲海の中へと突入する。
もがくように高度を上げて雲海を見下ろす位置から飛ぼうとするけど高度を上げすぎればそれだけ魔力体力を消耗するんである程度であきらめ、雲の中を行く事にする。
飛び始めたときから正面に雲が広がっていたんである程度覚悟はしていたんだけど、いざ視界が閉ざされ始めると心に不安が広がり始める。
故郷スオムスの地吹雪でホワイトアウトした世界に比べれば寒さがない分だけマシと考えられなくもないが、もしもの時に降りる場所がしっかりと踏みしめられる大地じゃなくて一面の海原だって言うのは結構怖い。
気流もあるから身体感覚を極力当てにせず、簡素なコンパスに命を預けて進路を調整しながら飛ぶ事数時間……。
ふと、視線を感じた。
あたし以外飛ぶもののいないはずのこの空で、誰かに見られてる。
緊張が走る。
背負っていたスオミ短機関銃を右腕に握り、周囲を注意深く観察する。
進行方向より方位2時の方向、同高度、白い闇の中たまたま密度が薄い空間のその向こうに、黒い、大きな塊が見えた。
大型ネウロイかよっ!!
視覚情報での判断より先に身体が反応し、大きくに左ロールを打つ。
ブルーステルはメルスほどの鋭さは無いにしろ十分なほど機敏に反応し、あたしは10時方向へ向けてショートダイブ。
遅れて白い闇を引き裂く赤の光条がさっきまであたしのいた空間に奔る。
「クソッ! やけに調子がいいと思ったらこういうことかよ! 全くついてないぜ!」
悪態をつきながら機動。
位置の変更で彼我の雲量が変化し、視線を遮蔽する。
相手の姿が捉えきれなくなった所で向こうからもこちらが見えないはずだと踏んで減速し、様子を伺う。
案の定ビームのめくら撃ちが始まり、白く閉ざされていた世界が禍々しい赤に彩られる。
ネウロイは数発の射撃で掃射を切り上げ雲海へとその姿を隠蔽する。
辺りを不気味な沈黙が支配し、不安を掻き立てる。
ちらっとしか見えなかったけど、こっちのほうの戦線でよく目撃されてるって言う400ftオーバークラスのネウロイだったか?
いやむしろ相手の正体なんかよりもなんでこんな所にネウロイがいるんだよ。
ネウロイの領域からは十分離れているはずだろ……航法をミスったか? そんなはずは無いよな……。
だああっ! それもどうでもいい! 重要なのは現状どうするか、だ。
手持ちの武器はスオミ短機関銃と銃剣だけだ。
小型はともかく大型のネウロイとやり合える装備じゃない。
それに戦闘機動をかませば辛うじて保っている機位を喪って遭難する可能性だってある。
だったらお互いをロストした状態を維持してこのままやり過ごすのがベターか……。
悔しいな。
目の前にイッルたちと戦ってた獲物がいるってのに狩の準備が整ってないなんて。
ここが飛びなれたスオムスの空で、メルスとMG42を装備してるんならあんな奴あたし一人で叩き落してやるってのに。
ついてない……全くついてないぞニッカ。
346 :
4/4:2009/01/24(土) 12:53:15 ID:SKcWLOyi
でも今は我慢だ。
雲に紛れ、自分の存在を殺してやりすごすしかない……って、なんだか雲量が減ってないか……?
見る見るうちに雲の密度が薄まっていく。
慌ててコンパスで方位を確かめるが残念ながら方角は大体あってる。
つまり、このまま進めばさっきのネウロイとガチでやりあう羽目になるって事だ。
と、決意を固めるよりも早くに右手上空数百ft向こうに黒い影。
こっちは更に高度を下げて距離をとり、少しでも雲による視線の遮蔽効果を上げる。
相手の方が図体が大きい上に明るい空を背にしている分多分発見はこちらの方が早かったはずだ。
その証拠に相手は機動を掛ける様子はないし、ビームだって打ち込まれてこない。
とはいえこちらも後流まで誤魔化す事なんて到底無理な話なんで、このまま行けば雲にくっきりと残っているであろう航跡を追って発見されるのは時間の問題か……。
だったらこうだ。
効率が落ちるのを覚悟で思い切って高度を下げ、雲底を抜ける。
眼下には冷たそうな黒々とした北海の海原が延々と広がっていた。
正直あたしにとってはこんな場所なんかよりもスオムスの雪原の方がよっぽど温かみがあるって言い切れる。
高度は目測で1000ftを大きく割り込み、湿気を孕んだ大気がまとわりついて飛行感覚が重くなる。
飛行効率が落ちている事を肌で感じながらも背に腹は変えられず海上を飛行すること30分以上。
いつの間にか背を流れていた冷や汗が冷え始めて身震いする。
そこでやっと経過した時間を自覚し、大きくため息をついて胸をなでおろす。
これだけの時間何も反応も気配も無いって事は、どうやらうまくやり過せたってことだよな。
改めて周囲を見回すと断雲の切れ間からは所々陽が射し、広がる海面を神々しく照らしている。
さっきは寒々しいなんともやるせない風景だなって思ってたけど、心の持ちようで結構変わるもんだよな。
あたしはそんな事を考えてその風景を惜しみながら、ネウロイとの接触によって生じた時間と魔力と体力のロスを取り戻す為、高度を上げた。
とりあえずは以上となります。
今回は百合分が薄めになっちゃってごめんなさい。
先の展開に関してはもうちょっとほかのキャラを絡めようかと思案中。
>>341の妄想っぷりに吹いた
シャーリーが絡むと、相手がお姉ちゃんでもバカップルになるなw
あと投稿なさった皆さまGJ!
飛行士って地理学者に匹敵する星の理解者だろ
ストライカーがいつもどう悪天候に対処するか、
いつも何で角度を計るのか、気になっていたところ
それをコンパスひとつとは恐れ入ったぜ
>>346
星を当てにするのは航海士じゃないの
星っていうのは地球
ごめん
ちなみに飛行士は星座を覚えるよ
サンテグジュペリか
>>340 ウホッ、なんというだだ甘。
許可なんていいからどんどんやってくだせえ。
>>341 なんか続きっぽいのまで書いてもらえてるw
そしてなんという妄想力。このスレマジですげー。
あとついでに第35手「「はい、あーん」 部下から上官へ」をペリーヌちゃん支援込めて芳ペリで。
出先でケータイから。なんか中途半端に長くなってしまいました。すいません。
多分3レス。
「ペリーヌさん、入りますよー」
「…………はあい」
数回のノックのあとの扉の向こうからの宮藤さんの声に、わたくしはようやく気だるい返事をした。
ここ数日のうだるような暑さにやられて、すっかり夏バテになっていたのだ。
「食欲ありますか?」
そう言って部屋に入ってくる彼女の手には、皿の2つのったお盆があった。
「おそうめんくらいなら食べられるかと思って」
「おそうめん?」
聞き慣れぬ言葉に思わず反芻する。
「小麦粉で作った扶桑の麺料理です。さっぱりしていておいしいですよ」
ベッドから身を起こしてのぞいて見ると、白くて細い麺が皿いっぱいに盛られている。
見た目は悪くはない。納豆のような鼻をつく臭いもなかった。
ソースの類いはかかっていない。代わりに、別の小さな皿に黒いスープのようなものが入れられている。
「ここにあるつゆをつけて食べるんです」
“おそうめん”とやらを前に戸惑っているわたくしに、宮藤さんは説明を加えた。
わたくしは理解し終えると、ようし食べようと手を伸ばした。
手にしたのはフォークではなく、箸だった。扶桑料理なのだから当然か。
まあ、以前坂本少佐にご教授してもらったことがあるので大丈夫だろう……。
わたくしは箸をおそらく正しいような持ち方をして、“おそうめん”を掴もうと試みた。
が、ただでさえ夏バテで意識がぼんやりするのだから、なかなかうまく掴むことができない。
「あの、ペリーヌさん」
「なによ?」
「私が食べさせてあげましょうか?」
「な、なにを言っているの!?」
あまりに突拍子もない彼女の言葉に、ついわたくしは声を荒げた。
「でも、あんまりゆっくりしてると麺が伸びちゃうし……」
「だからこうして食べようと……」
わたくしはいっそう懸命に“おそうめん”と格闘するも、やはりうまくはいかない。
「あのー、やっぱり私が食べさせてあげます」
まだ言ってくるか、この豆狸が。
「自分で食べると言っているでしょ!」
そう強がってみるものの、もう箸を投げ出したい気分だった。
「でも…………」
「………………」
認めよう。たしかにこのままではらちが開かない。
しかし、だからと言って食べさせてもらうなんていうのは……
「どうしてそんなに嫌がるんですか?」
どうして、ですって?
どうしてって、それは――
「………………恥ずかしいから」
なにを言っているのか、わたくしは。
「とにかく、お断りですわ」
人に食べさせてもらう?
それはつまり、あーんしてきゃははうふふという、そういうことなのでしょう。
もしいちゃいちゃに48手があるなら、それはもう35手くらいの行為ではないか。
それをなぜわたくしが、坂本少佐ならいざ知らず、こんな豆狸としなければならないのか。
「そうですよね……。ペリーヌさんの気持ちも考えずに、私って……」
沈んだ声で宮藤さんは言った。
がらにもなくしょぼくれたりしている彼女に目をやると、自分があまりに無下な物言いだったことに気づかされる。
わたくしのことを心配してわざわざ部屋まで来てくれて。
食欲のないわたくしのために“おそうめん”なるものを作ってきてくれて。
箸の扱いに不自由なわたしを見かねて、食べさせてあげますとまで言ってくれて。
たしかに彼女の申し出は突拍子もないものであったし、抵抗がある。
けれど、そうした厚意のひとつひとつは、わたくしを思ってのこと――
「ごめんなさい、ペリーヌさん」
なぜ、宮藤さんが謝るのか。
むしろ謝るべきはわたくしの方ではないのか。
わたくしとて、自分を省みないわけではない。
「だって、なんだか恥ずかしいですもんね」
……そのことは忘れてほしかったのだけど。
「宮藤さ―ー」
「あっ、そうだ!」
わたくしの言葉を遮って、宮藤さん手のひらをぱんと打ちあわせた。
「ちょっと待っててください」
そう言うと、宮藤さんは部屋を出てどこかへ行ってしまった。
なにかを思いついたようだけれど……
食堂に行ってフォークの一本でも持ってきてくれるのだろうか。
しばらくして宮藤さんは帰ってきた。
その手には冬に着るような厚手のコートを引っさげて。
なぜにコート? なにゆえに?
「それで宮藤さん、これは一体なんなのかしら?」
わたくしは背中にぴたりとひっつく宮藤さんに訊いた。
しかも宮藤さんは、わたくしに着せたコートの中にすっぽり入ってしまっている
なんという密着感。
ただでさえこの暑苦しさだというに、なぜこんなものを着てこんなことをしているのか。
「二人羽織です!」
「ににんばおり?」
またしても聞き慣れぬ言葉に、わたくしは反芻する。
「これなら恥ずかしくないはずです!」
いやいやいやいや。
そんなことはないでしょうに。
というより、そもそも意味がわからない。
「これで、今から私がおそうめんを食べさせてあげますね」
そうして宮藤さんは箸を手に取った。
しかし、頭まですっぽり入ってしまって大丈夫なのだろうか。
さ迷うように箸の先を行ったりきたりさせる。やはり見えてないんじゃないかしら。
わたくしはもっと右だの左だの指示を出した。
それに合わせて宮藤さんは“おそうめん”のありかを探り、ようやくそこにたどり着く。
場所さえわかれば慣れたものなのか、上手い具合に麺を挟んで、つゆをつける。
なかなか巧みなものだ。
そうして、わたくしの口元にそれを運んでくる。
「はい、あーん」
「…………あーん」
うながされて、ついそんな言葉が漏れる。
まあいい。今は彼女の厚意に素直に甘えよう。
すぐ目の前の“おそうめん”にわたくしはめいっぱい首を伸ばして、口の端がそれを掴んだ。
ちゅるん、と軽くすすって、口の中に入れる。
そして、もぐもぐと何度か噛みしめてから、“おそうめん”を飲みこんだ。
「どうですか、ペリーヌさん?」
「……悪くないわね」
それは偽りのない感想だった。
さっぱりとした爽やかな味わい。
麺は少し伸びてしまっているようだったけれど、それでもやはり悪くはなかった。
「よかったぁ」
宮藤さんはほがらかにそう言った。
それは裏表のない、心からの言葉なのだろう。
「………………ありがと」
一応、お礼だけは言っておいた。
「え? なにか言いました?」
「……別に」
聞こえなかったのならそれで構わない。
そう何度も言う言葉ではない。
「じゃあどんどんいきますね」
そう言うと宮藤さんは、次々と“おそうめん”をわたくしの口に運んでくる。
すでに皿やわたくしの口の位置を熟知したのか、そのスピードは見えているんじゃないかというほど速くなっていた。
わたくしは次々運ばれるそれを口にしていくものの、徐々に遅れだしてきた。
なにも……そんなに焦る必要は……
もう少し、味あわせてくれればいいでしょうに。
「ちょ、ちょっと……もっとゆっくり……」
「え? なんですか? 聞こえにくくって」
「だから、もっとゆっくりと……」
わたくしは振り返って声を出した。
すると、顔のすぐ近くで、
ガシャン
という音がした。
箸が、なにかに当たったのだとわかった。
気づくと、わたくしの視界が割れていた。
否、わたくしの眼鏡が割れたのだ。
以上。
ペリーヌ好きなんだ。不人気だけどそこがまたいいんだ。
>>338>>341 シャーゲル立て続けにきたーー!!!!
好きな人の匂いってわかるな。でも変態扱いwww
「あんたのにおいしかしない」とか激しくツボでした!GJ!!!
48手
キャラの誕生日
バレンタイン
これから501にはイベントいっぱいでたまりませんね
リアルではどうなのってじゃかあしいわボケ
バレンタインかあ。なかなか渡せない子が何人かいるね。
ペリーヌスキーな俺は身悶えしたぞ
流れに便乗してみる。
第17手 熱いまなざし・じっと見つめる
「・・・美緒。」
「ん、なんだ?」
「・・・その、そんなに見つめられると恥ずかしいのだけれど・・・」
マグカップ2つを片手に部屋にやってきた美緒。
美緒は、そのまま組んだ両手の上にあごを乗せ、ニコニコと私を見つめている。
「いいじゃないか。ミーナは綺麗だからな。ちょっと見蕩れさせていてくれ。」
「み・美緒!!」
思わず声が出る。頬が紅く染まってしまうのが分かる。
それでもめげずに、きっ、と美緒を睨む。
「・・・・・(ニコニコ」
「//・・・っ!」
「・・・・・(ニコニコ」
「////・・・っっ!!!?」
・・・けれど、美緒ときたら相も変わらず子供みたいな無邪気な笑顔を向けるばかり。
耐えきれなくなった私は視線を逸らしてしまう。
顔から湯気が出るんじゃないかと思うくらい、顔が熱い。
恨めしそうな視線を向けても、美緒は「ん?」と不思議そうな顔をするだけで、視線を外してくれようともしない。
自分がどれだけジゴロっぷりを発揮しているかちっとも理解していない美緒はこんな事まで言い出した。
「・・・ミーナ。」
「な・なんですか?」
「照れてるミーナも綺麗だ。」
「////・・・ボンッ!!!!」 Fin
四十八手絡みたいんだけど単発でって考えると意外と難しいなぁ。
しばらくはみんなのを見てニヤニヤしてようw
>>348 自分の描写というか説明不足ですた。
一応4次元ポケット的なポーチの中に必要な地図、海図、最新の天気予報、
簡単な気圧計とか高度計とか科学的なもの魔法的なもの合わせて入ってるつもりではいます。
ただ、紙を広げる場合は雲の中を抜けながらだと濡れて駄目にしてしまう心配があるんで、
お話の中で参照してるのは時計と太陽と貧弱なコンパスのみです。
劇中で航法ミスらずに飛べてるのはイッル会いたさに病室で繰り返した事前のイメトレの賜物と考えていただければ幸いですw
>>355 ペリそうめんごちそうさまっした〜
はじめてSSを投下します。流れを無視してすいません。
タイトル『胸だけじゃないから』
「はぁ〜、柔らかいー」
リーネちゃんのおっぱいに顔を埋めながら小声で言った。
毎日のようにこうやって触らしてもらっているけど全く飽きない。
服の上からでも弾力と温もりがしっかり伝わって気持ちいい。
もし、直に触って、揉んで、顔を埋めたらどんな感じなんだろうと
想像するだけで鼻血が出そうになる。
私は顔を上げ、リーネちゃんを見る。
――あれ?今日のリーネちゃん何だか元気が無い。
何か悩んでいるような暗い表情だった。
そう言えばいつもはお喋りとかしながらやるのに今日は黙ったままだ。
「ねぇ…芳佳ちゃん…」
「えっ、あ…何?」
私が「どうしたの?」と訊こうとした矢先に
リーネちゃんから話しかけてきたのでちょっとびっくりした。
「芳佳ちゃんが今こうして私の傍に居てくれるのは
自由に胸を触れるからなの?」
「へ?」
「だからその…例えば私以外の誰かが胸を触らしてくれたら
その人の所に行くのかなって…」
確かにそこそこ大きくて触っていいなんて言われたら
私は欲望のままに触るだろう。
だけど、こんなふうにわざわざ部屋に
おしかけてまで触ったりはしない。
「私はリーネちゃんが好きだからここに居るんだよ。
だから他の人に誘われても断るよ」
「本当?」
「うん」
「じゃ、じゃあ…キス…してくれる?」
リーネちゃんは恥ずかしそうに小声で言う。
私は頷くとリーネちゃんと口付けを交わした。
―完―
以上です。拙い文章ですが読んでいただけたなら幸いです。
それにしても初めて書いた百合SSがこんな恥ずかしい内容とは…。
>>365 いや、和みました。
素晴らしい芳ーネをありがとう。
ペリーヌの不人気の理由は率直に言ってあまり女性受けするキャラじゃないからかなあって思うよ。
口調が難点、という人は叙述形式を変えれば、と思うが、やってみて気づくんだろうな、三人称のむつかしさに。
学生時代からの友人がOL兼ティーンズノベル書きやってるけど、
女性一人称だといい感じだけど三人称で書くとだいぶ落ちる。
やっぱり難しい&苦手らしい。
>>365 GJ!
おっぱ揉みに部屋まで行くとはさすが芳佳。
ペリーヌの口調は書いてて楽しいんだけど、坂本さんがあまり絡みにきてくれない…orz
まだまだ妄想力が足りないな…
ペリーヌ大好きだよ。ただ、美緒ミーナの方がもっと好きってだけで。
>>368 さあ、知り合いに百合ん百合んなストパンSSを依頼する作業に戻るんだ。
もとはといえば坂本さんが悪いと思うの
ミーナさんにおしおきされるんですよね
374 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/25(日) 01:07:09 ID:Wa7EbZ74
フミカネブログに新しいヒトきてますが・・・・誰???
完全初出っぽいな
いてもたってもいられずさっそくSSに取り掛かってるぜ
ハイデマリー・W・シュナウファー(44年時15歳)
カールスラント空軍所属。使い魔は白隼。大尉。
カールスラント最強のナイトウィッチ。
44年末時点で100機に迫らんという撃墜数の全てが
夜間戦闘によるもの。
ナイトウィッチとして必須であるレーダー魔導針に加え、
星の明かりで暗闇を見通す夜間視能力を持つ。
幼少時には夜間視能力の制御ができず、常に薄暗い
屋内で生活することになった。
10歳でウィッチ養成機関に編入され、能力の制御を
学びながら、ナイトウィッチとしての才能を開花させた。
夜間視能力の暴発はなくなったが、以前に傷めた
視神経は魔法治療でも回復せず、かなり度の強い
眼鏡を常用している。
幼少時の生活環境の反動からか、同世代の友人を
求める気持ちが非常に強く、特にナイトウィッチに対し
てその傾向が顕著。
44年時現役の夜間航空歩兵。
後に撃墜100期達成、少佐に進級し、カールス
ラント最年少の戦闘航空団司令となる。
サーニャと出会ったらエイラの強力なライバルとなるのか…
これはサーニャの良い相手になりそうだな
>幼少時の生活環境の反動からか、同世代の友人を
>求める気持ちが非常に強く、特にナイトウィッチに対して
>その傾向が顕著。
サーニャと絡めてくださいと言わんばかりの見事な設定いただきました
しかしまあ、夜間戦闘で100機とはなんでカールスラントはチートなウィッチだらけなのかねえ
しかしまあ、このキツそうな見た目で友達にはデレデレとかならすごいかわいいキャラですね
「イッルはお前なんかに負けない!」的な愛が芽生えそうだ
>>380 「リーネちゃんお姉ちゃん」ってなんか変?
でも素晴らしいですよこの作品、和みました
>>376 ハイデマリー→サーニャ←エイラの三角関係か
しかしエイラさんはサーニャ以外にはジゴロっぷりを発揮しそうなので
ハイデマリー→エイラ←サーニャ
これもおいしい
>>368 遅レスだが、逆に自分は三人称で慣れちゃってるから一人称はダメだ。
話し手と書く自分の距離感がつかめないっていうか。
一人称だとどうしても書いているキャラに自分が出てきてしまう。
>>383 そっちの方がいいな
ナイトウィッチの撃墜に定評のあるエイラ
>>書いているキャラに自分が出てくる
それは大概やってしまうよね。それか延々説明され尽くしたことの反復。
言葉を捻れば面白味は大いに出るけど、そもそもその形式を採る理由が理由だからあまり期待できるものでもないし。
三人称にしたところで一元視点のひっくり返しで進行するようなのじゃ、やっぱり独白とどこも変わらないのだし。
このマリーさん(仮ニックネーム)の設定、ホント素晴らしくないですか?
『カールスラント出身』→トゥルーデ、エーリカと絡められる
階級は『少佐』→上官関係でミーナ、もっさんと絡められる
若干15歳にしてのこの『胸』→乳藤、エイラ、ルッキーニを惹きつけ、リーネ、シャーリーのライバルとしても絡められる
そして先程から話題になってる『ナイトウィッチと友達になりたい』→サーニャと絡められる
どうすかこれ!!501ほぼ全員と絡められるじゃないですか!!
最高ですよ!!二期の新キャラもこの娘を希望したいくらいですよ!
ペリーヌ?どんまい!!マジどんまい!!明日があるさ!!
愛称はハイディとマリーどっちがいいのだろうか
ペリーヌ「・・・どうせわたくしなんて・・・」
>>390 保管庫の管理人さんだ。
いつも乙です。
感想フォームに関しては暇なときで良いんじゃないですか。
無理することもないですよ。
>>390 いつも乙です管理人さん
企画にもそのうち参戦したいと思ってます
管理人さんの戦いの援護射撃になるような文が書きたい!と思いつつ投下です
『雪ふる街のかたすみで』
「……今日は馬鹿に冷えるな」
静かな部屋に響く声。それはほんの小さなつぶやき。
窓の外は昨夜から降り始めた雪がそろそろ積もり始めようとしていて、
その光景が視覚的にも寒さを呼び起こしてるのだと声の主である銀髪の女性は考察する。
彼女の名前はエリザベス・ビューリング。どこか厭世的で声音とうらはらに、
齢24になる彼女のその顔立ちはむしろ幼い印象さえ与えるものだった。それも今はひどく落ち着かない。
冷気を遮るように薄いカーテンを引いて、ビューリングはかじかんだ手の指に白い吐息を一つ、ふぅとついた。
片手には握りしめられた一部の新聞。どこにでもありふれたくだらないゴシップ紙だ。
結婚……か。
今度は声に出さず、ビューリングは胸の内でそう吐き出す。まるで現実感がなかった。
そもそもファラウェイランドの冬は寒い。それはこの土地出身の彼女にはごく当たり前のことだ。
内陸のモントリオールならなおのこと。その冷たさは痛いほどに肌を刺す。
それでも……、と彼女は部屋の隅にある古びたベッドを見やった。一つのベッドに二つの枕。
一緒にその寒さを、体温を共有してくれる人がいるならば、それはたいした問題ではないはずだった。
それはほんの何日か前まで確かにあったはずなのに。ビューリングはそんなことを思いながら、
くしゃくしゃにしてしまったゴシップ紙を、もう一度広げる。片隅の小さな記事。他はどうでもよかった。
「ウィルマ……」
そこに写っている人物と、ついこの間まで一緒にいた人が同一の存在だなんてどうして信じられるだろう。
その内容は――美貌のうら若き元ウィッチと、30も年上のエリート将校の結婚は、
都会でありながら話題の少ないこの街の関心を引くには十分なものだった。
ウィルマ、ともう一度つぶやいてビューリングはため息をつく。ひどい喪失感。
全く自分らしい結末だ、と自嘲気味に気持ちをまるめ込もうとして、上手くいかなかった。
彼女の脳裏に浮かぶのはただ一つ。その元ウィッチ、ウィルマ・ビショップのこと。
ビューリングの認識が正しければ――今はその確信も無かったが――彼女の恋人であるはずの人物だった。
もう5年だ。スオムスから帰ってきて、ウィッチとしての最後の務めを故郷でと決めてから。
それを話した時、彼女はなにも訊かずただうなずいてくれた。そして、私も、と短い言葉でそう言ったのだ。
その時が、二人が本当の意味での特別な関係をはじめた瞬間だったとビューリングは思う。
ファラウェイランドで、あるいは請われてもう一度渡ったスオムスで。
一日、また一日と同じ時間を共有すること。それが、二人にとって一番大切なことだった。
同じ時間を過ごせなくなること。その意味を痛いほど分かっていたから。あんなのはもう見たくなかった。
それがウィルマであるならばなおさらだ。ウィルマにとってはビューリングがそうだった……はずだ。
無事に揃って退役の日を迎えて、二人はビューリングの故郷であるこの街で新しい生活をはじめた。
都会の端の小さなアパート。それまでと一緒にいることに変わりはなかったのに、全てが新鮮な風に思えた。
こんな穏やかな時間があるなんて、想像だってしたことがなかった。
もう、私は必要のない存在なのか……。
二人で過ごす時間はいつだってビューリングの、そしてウィルマの心を満たしてくれた。
それはあまりにあたたかくて、ビューリングは時々問い掛けたい気持ちになる。
こんなに幸せでいいのですか、と。あの人の幸せをこの世から失わせた私が。
そんな時、ウィルマはいつもこう言うのだ。だから、私たちは幸せにならないといけないんだ、と。
その言葉だけでビューリングの揺らぐ心は居場所を見つけることが出来た。
目の前の愛しい少女を幸せにする、自分のすべてを賭けてでも。そう彼女は思うのだ。
それが微妙なすれ違いを生んでいたとも知らないで。
「……煙草なんて二度と吸わないと思っていたのにな」
何年ぶりかに吸う煙草はひどく不味い物だった。こんなものを好んで吸っていた過去の自分が信じられない。
ビューリングの吸う煙草の本数は、彼女の心を包んでくれる存在の大きさときっちり相関する。
それはほんの偶然に過ぎなかったけど、彼女はその事実を極めて確からしいことと捉えていた。
彼女を大切だ、と言った何人かの人がみんな揃って煙草が苦手で、ウィルマもそれは例外ではなかったから。
つまり、自分は心に無数の隙間が空いた時、それを煙で埋め合わせているのだと。
ウィルマの大丈夫、と言ったそばから喉を押さえてせき込んでいる姿を見るにつけて、
ビューリングは人生で三度目の禁煙を決意する。そして、それはもう一生のことのはずだと彼女は思っていた。
ウィルマ・ビショップという人物の人となりを訊ねるなら、まず明るくて快活という評価が返ってくるだろう。
それは全く正しい、とビューリングは思う。明るくて、前向きで、行動的で。
時々負けず嫌いの一面が覗くのも愛嬌かもしれない。つまり意識せずとも誰からも好かれる、そんなイメージ。
しかし、それだけが彼女の全てではない。本当は寂しがりやで、強い劣等感も抱えている普通の少女なのだ。
たかだか1ポンドの体重の増減に一喜一憂したり、遠く離れて暮らす家族や弟妹のことを心配したり。
そんな他愛もない話につきあうのは、エリザベス・ビューリングの特権と言ってもよかった。
それでも、ある一つの話題についてだけは、彼女はどうしようもなくその特権を放棄したくなるのだった。
“私は、きっとあの子にはかなわない”
なにかのきっかけでそう言った時のウィルマは、決まって飲めない酒をいつもの何倍も流し込み、
ふらふらの身体でビューリングにキスをせがむのだ。なにかを確かめるかのように、何度も、何度も。
私はお前を他の誰かとくらべたりなんかしない。勿論アイツとも――そう言いたい彼女の口は
空気の通る間さえないほど塞がれていたから、彼女は腕の中の少女をただ抱きしめることしか出来なかった。
そんなことを思い出しながら、ビューリングは戸棚の酒瓶をあさる。酔って、もうなにもかも忘れたい。
それなのに手にしたリンクウッドにはW,I,Lの文字があったし、
その透き通る琥珀色は彼女の無意識のうちに、今ここにいない人のブロンドを思い起こさせるのだった。
リズ? ちょっと可愛すぎると思うんだけど
そう? でも、ベスって柄でもないよね?
リリィ、とか?
ないない! だって想像出来る?
……人の名前だと思って好き勝手言ってくれるな
でも、いつまでもエリザベスじゃ硬すぎるよ
そうね……。ライザ、エルザ?
エルザかぁ。そんなカンジかも
後は、リーザとか……リーズ?
……もう、好きにしてくれ
リーズ? あ、なんかしっくりくる気がする
リーズかぁ。いいね、可愛いよ。ね、リーズ?
もうその名前を呼んでくれる人はいないのに。どうしたってその声が離れない。
共鳴する二つの声。――もう止めて! こんなのはただ見えない記憶の内側だけにあればいいんだ。
お願いだから呼び起こさないで。その名前を呼ばないで。
“リーズ……”
――――!
言いようのない感覚とともにビューリングは跳ね起きた。勢い飲み過ぎたリンクウッドがまだ頭に残っている。
こめかみを押さえて見やった窓の外はもう真っ暗だった。自分はどれだけ寝ていたのだろう。
そして同時に感じる妙な違和感。自分がベッドに入った時には羽織っていなかったはずのカーディガンと毛布。
なにより濃厚に感じるその気配。そんなの決まっていた。ここの鍵を持つ人物なんて自分の他に一人しかいない。
「おはよう。といってももう夜だけど」
「……ウィルマ」
薄明かりの中に浮かび上がるシルエット。誰よりよく知ったその輪郭。
突然のことに心の準備が整わない。もう、会うことはないのではないかと思っていたくらいだから。
「ながいこと眠ってたから、もう起きないのかと思った」
「私はどのくらい眠ってた?」
「……私が来てからはまる半日。だからそれ以上だね」
随分普通に話すんだな。そう、ビューリングは感じた。
時計はもう夜の11時を回っている。自分の記憶のあるのが朝8時。
それほど眠っていたというのに、まるでその感覚がない。
べっとりとかいた汗。手の指が震えて言うことを聞かなかった。
「……世の中分からないことだらけだな」
「記事、みたんだ」
「たまたま、な。……結婚、するのか?」
「……うん」
「そうか。幸せにな」
急に襲いくる現実。やっと感覚の戻った手を握りしめて、ビューリングは平坦な声でそう答えた。
「……そんな言い方、するんだ」
そんな言い方だって? じゃあ、なんて言えばいい? ビューリングはそう叫びたい気持ちになった。
今更わめいたってなんの埒も開かないことくらい分かり切ってる。なら、受け入れるしかない。
「お前が決めたことなんだろう? 私に何か言う資格なんてないよ」
「それじゃあ、ビューリングにとって私ははじめからどうでもいい他人だったみたい」
「ずいぶん他人行儀な呼び方をするんだな。それにどうでもよかったのはウィルマの方だろう」
「……リーズ、私はそんな風に思ったことなんてない」
「なら、今起こってることはなんだ?」
自然と声が硬くなる。自分で訊いておきながら、答えなんていらないとビューリングは思っていた。
どんな答えが返ってきても、どのみち自分から出てくるのは醜い感情だけなのだ。
「優しい人よ。私の無茶な話も聞いてくれて。大人だよね」
「それは知ってる、何度か会ったこともあるしな。
年齢差は気になるが、ウィルマがいいというのならいい人なのだろう」
「結婚の話は私から言い出したの。向こうはもっとゆっくり考えるべきだって言ったけど」
「最後は了承してもらったのだろう? よかったじゃないか」
「……よくない」
「何がだ?」
「だって、リーズはそれでいいんだ?」
「どうして私が関係するんだ、それはお前とその人との間の話じゃないか」
「そんなの、違うよ」
「私が反対するんじゃないかというのが心配なのか? そんなこと」
「違う、そうじゃない! 私は」
そんなことあるわけがない。そう言おうとした言葉の端が遮られる。
脚に意識して力を込めてビューリングはなんとか起き上がった。自分をじっと見つめる蒼い瞳。
ビューリングは思わずウィルマの視線から顔を背けた。外にはガス灯のほのかな明かり。
雪は朝よりも量を増して、視界一面を白く覆う。不意に吹いた風が、窓をかたかたと揺らしていった。
「私は……リーズと一緒にいたかった」
何度も息をととのえて、ウィルマはそう言った。その言葉の意味がビューリングにはつかめない。
少なくとも自分がウィルマを、まさか邪険に扱ったことなんて一度だってないのだから。むしろ、その逆だ。
「過去形なのか。今はもうそうじゃないと」
「……ううん。今だって、一緒にいたいって思ってる」
ならどうして? どうしてこんなことになっている? 形さえも見えない疑問がビューリングの心を渦巻く。
「私は、一緒にいてほしくないなんて言ったことはないだろう?」
硬い表情のまま振り向いたビューリングに、ウィルマはこくりと小さくうなずいた。
「リーズはいつも優しかった。リーズといる時間はいつだって楽しかった。
……でも、それでもダメなんだ。私じゃ、ダメなんだ」
「ウィルマ?」
「だって」
言葉を切って、ウィルマは床に置いてあったボストンを手に取った。そこでビューリングは初めて気づく。
ウィルマはトレンチを着込んでいて、それはきっとここに戻って来た時からずっとそのままで。
そうだ。さっきも彼女は来た、としか言わなかった。帰ってきた、とは言ってくれなかった。
唇をかんで顔を上げたビューリングの視界のウィルマが、もう泣きそうな表情をしていた。
「だって……リーズは、私なんて見てなかったよ」
透き通ったその声が震えながら、でもはっきりとビューリングにそう告げた。
「リーズが見ていたのは、私のむこうに映るあの子だけだったもの」
いつからだろう。あなたを好きになったのは。
そんなことを何度も考えて、出る答えはいつも同じだった。
――はじめから。初めて知った時から、多分ずっと好きだった。
人当たりが悪くてタバコ臭くて、上官の命令なんてまるで聞かない。とんでもないヤツだと思った。
そのくせバカみたいに優しいのだ。
遠くからしかあなたを見ないほとんどの人は、そんな事なんて知らない。
知っていたのは私たちだけだ。その長くて綺麗な銀の髪がふれる距離にいた私たち。私と、あの子。
「気になるの?」
いつだったか、あの子はそんなことを訊いてきた。
答えはイエスに決まっていたけれど、元から素直じゃない私がそんなこと言うはずもなく。
照れ隠しながら、まさか、と言うと彼女はくすくすと笑いながら、
聞かなくてもわかるよ、……私だって同じだもの。と言うのだ。
「知ってるよ」
私は視線をそらしながらそう言った。陽の光を浴びてキラキラ光る彼女のやわらかなプラチナブロンド。
気づかないハズなんてなかった。私が無意識に見つめるその先にはいつも二人がいて。普段、少し寂しそうな、
私から見ると羨ましいくらいに大人びた彼女のその表情は、あなたといる時だけ年相応の素顔に戻るのだから。
私の部隊がブリタニア本国に派遣されてからは、三人で一緒に過ごす機会は以前よりさらに多くなった。
私の気持ちは以前と変わりなく、むしろよりその重みを増して私の中にあったけれど、
それが叶うこともありはしないのだと私はもう気づいていた。
あの子だけじゃなく、あなたもあの子のことを誰よりも大切に想っていて、
二人の心の描くラインが少しの狂いもなく一致していることを、そばで見ている私はよく分かっていた。
あの子は私の親友で、優しくて可愛くて、とても優秀なウィッチで。
誰よりも一生懸命だったから、私は二人が結ばれることを一番応援していたのだ。
それは多分間違いないことだったと、今でもそう思っている。
だけどそれなのに、彼女の認識は私のそれとは違うものだったのかもしれない。
「……私はウィルマがうらやましい」
二人が国際ネウロイ監視航空団としてオストマルクに行く直前、あの子はぽつりとそう言った。
私にしてみれば、彼女は理想の女の子で。うらやましいのはこっちだよ、と私は当たり前のように返した。
それを聞いた彼女が少し困ったような表情で、ありがと、とだけ答えたのを憶えている。
思えば、一つだけ分からなかったのは――それは不可解とさえ言ってよかった――
もう2年も恋人のように過ごしてきた二人が、それをはっきり言葉にしていないらしいということだった。
でも、今度のオストマルク派遣が二人の関係になにかの変化をもたらすのかもしれない。
私はそう、ぼんやりと考えていた。それが正に振れるのか負に振れるのかは、知る由もなかったけれど。
結局それがあの子と交わす最後の会話になるなんて、その時の私は考えもしていなかった。
嘘だ、そんなこと……。ねえ、何があったっていうの?
オストマルクから帰ってきた時のあなたは――リーズは、それは酷いものだった。
当直を終えると、振り向きもせず近くのパブに行って壊れたように飲み続けるのだ。
パブのマスターの静止も聞き入れない位に。止めようなんてなかった。
オストマルクから帰ってきた少女達は、行った人数からすると本当にごく一部のその少女達は、
同じように心に二度と消えることの無い傷を負っていて、それをなんとか忘れようともがいていたから。
オストマルクで何があったのか、その場にいなかった私には分からない。
分かっていたのは一つだけ、リーズがその命を粗末に投げ捨てようとしていたことだけだった。
そんなことしたら、あの子のしたことが全部無意味になるじゃない!
思わず叫んだ私を見て、リーズ凍りついた表情で俯いたまま、もう何も言おうとはしなかった。
その日を境に会ってもくれなくなったリーズがスオムスに行ったことを私が知ったのは、
またさらに何日も経ってからのこと。
それから連絡一つないまま、一年以上の間、私はただ待つことしか出来なかった。
二人の間に落ちる沈黙。ほんのわずかな間が永遠にさえ思えた。時間も、距離も。
ビューリングはなんとか言うべき言葉を探したけれど、それはいっこうに見つからなかった。
その間にも混乱しきっている自分とまるで正反対にウィルマは落ち着きを取り戻したようだった。
リーズを困らせたいわけじゃないの。そうとでも言いたげに見せる悲しげな笑顔。
「……ごめんね」
ドアノブに手をかけ、ビューリングに背を向けながらウィルマは小さくそう言った。
「リーズはなにも悪くないよ。リーズが私を大切に思ってくれてること、私は知ってるから」
「……それではいけなかったのか? 私はウィルマに幸せになってもらいたいと」
呻くように言うビューリングに顔を向けて、ウィルマはふるふると首を横に振ってその瞳を閉じた。
1フィートはあったはずの顔と顔の距離が、気づくと1インチまで近づいていて。
もうすっかり自分の一部になっていたその甘い匂いと空気をつたう熱の感覚。
ビューリングの身体がそれをはっきりと認識した瞬間、ウィルマがぱちりと瞳を開けた。
まるで夢はもう醒めてしまったのだというように。そしてもう一度、ごめんねとつぶやく。
もし、部屋の外を通う風がもう少し強かったなら、聞き取れなかったかもしれないくらいの声。
でも、それは確かに聞こえていたから。そうだ、このまま終わりになんて出来ない。
だからビューリングはもう離れようとするウィルマの手首をつかんで、無意識にその身体を引き寄せていた。
ウィルマ……っ!
胸の奥で叫んで、ビューリングはウィルマの口唇を塞ぐ。
一瞬びくりとはねるその身体。ウィルマの手の中から鞄が落ちて重たい音を立てた。
身体に力を込めてなんとか抵抗しようとするウィルマを制しようとビューリングは手首をさらに強く握りしめる。
本当はウィルマに少しだって抵抗なんて出来るはずもなかった。
もう、このままこの心地のいい痛みに身を委ねてしまいたい、いや、むしろ自分から求めたいくらいなのだから。
もしあと少し、ほんの数秒その時間が長かったなら、そうしてしまっていただろうとウィルマは思う。
でもビューリングが決してそうはしないのだということも彼女はよく分かっていた。
そしてその通り、臨界点に達するわずか手前でその手首に込められた力がふっと緩むのを彼女は感じた。
「……ありがと、リーズ。大好きだよ。今でも、大好き」
するりと拘束からのがれる細い腕。さよなら、と小さく足してビューリングに背を向けたウィルマが
今度こそ振り返ること無くアパートの階段を駆け下りていく。
呆然と立ち尽くしたままビューリングは、その小さな背中をただ見送ることしか出来ずにいた。
最初から分かっていた。自分があの子にかなわないことくらい。
分かっていても、少しでも求められるならそれでよかった。そう思えるだけでよかったはずだった。
スオムスから帰ってきたリーズに、一緒に来てほしいと言われて、本当に嬉しくて。
二人で全てを分け合えば、きっとあの子のことも大切な過去に出来ると思っていた。
はじめはそれで上手く行っていたのに。でも、実際は気づかなかっただけだ。
軍にいる間は毎日が戦争のことで追われていて、ただ一緒にいるだけでよくて気づけなかった。
私がその名前を呼ぶたびにあなたがほんの少しだけ傷ついたような顔をしていることに。
そのことに気づいた時、私はどうしようもない気持ちでいっぱいになった。
それはつまり、私といることがなによりリーズを傷つけているということなのだから。
きれいに過去の引き出しにしまい込むには、あの子の存在はあまりに大きかった。
リーズにとっても、私にとっても。
もう、リーズから離れよう。何度考えても、それ以外の結論はついに出てこなかった。
雪は間断なく降り続き。私はアパートの路地裏にもぐり、その壁に背中を預けて大きく息をついた。
泣くな! 泣きたいのは私じゃなくてリーズのはずなのだから。
大事な親友も、自分を大切にしてくれた誰より好きな人も。裏切ったのは私の方だ。
どうすればよかったんだろう。そればかりがぐるぐるまわる。
望んでいたのはたったひとつ。リーズと二人で幸せになること。
そうでなければ、誰に胸を張って幸せと言える? あの子にも、リーズにも、自分自身にも。
それでも、本当は一緒にいたいのに、あなたのそばにいたいのに。どうしたってそれが出来ないなんて。
氷のように冷えきった両脚から力が抜けて、私の身体は積もる雪の上に滑り落ちていた。
いつからだろう。君を好きになったのは。
そんなことを何度も考えて、出る答えはいつも同じだった。
――はじめから。初めて知った時から、多分ずっと好きだった。
もう10年も前。まだ自分がファラウェイランドにいた頃に出逢った一人の少女。
単身ブリタニアから渡ってきて、常に気丈に振る舞う姿に目を惹かれた。
その少女がある夜、一人泣いているのを見た時、私は引き寄せられるように彼女を抱きしめていた。
それはほんの気紛れだったはずだけど。“名前は?”と聞く私に返ってきた“ウィルマ”という小さな声。
それを聞いた瞬間からその存在は確かに私の中にあって、それが変わることは一度だって無かった。
ブリタニアで再会して、それから長い距離をずっと遠回りして。
“彼女”を死に追いやった贖罪を死を以てでなく、その少女を幸せにすることで果たそうと私は誓ったのだ。
窓の外、積もる雪に残された一組の足跡。これも朝には消えてしまうのだろう。
ウィルマが――あの時出逢った幼い少女が、自分にどんな言葉を望んでいたのか。本当は分かっていた。
それでも私は思ってしまうのだ。君がただ幸せでありますように、と。
そしてもし願えるのなら、私の心に残された足跡もこの降り続く雪がかき消してくれますように……と。
fin.
なんでこーなるかなー、みたいな。あと
>>207に萌え死にました
というわけで、へたれ娘とかんちがい娘。もとい、ビューリングさんとウィルマさんです
リズウィルでもウィルベスでもなんでもいいんですが。別のペアを書いてて後回しになってましたこの二人
in my〜,Fillの続きをベースにした話ということになります。設定が更新されたのでそれに合わせました
フミカネ氏の公式情報が次々と発表されてますが、みんな可愛いですね! 絶賛おっぱい増量中ですね!?
秘かにらいばるさんの公式絵も書いてくれないかなとか思ったり
なにはともあれ、楽しんでいただければと。そうは思ってても毎度表現力のなさに……
リアルが忙しくなって、またしばらく開くと思いますがよろしくお願いします。ねこぺんでした。でわでわ
>>400 リアルで投下されたのを読んでました。
GJとしか言葉が出ないです。
本当にGJ!
ハイデマリー・W・シュナウファーとミーナ・ディートリンデ・ヴィルケの出会いは3年前のことであった。
501戦闘航空団が創立される前、ハイデマリーとミーナは同じ部隊にいた。
生まれたころから12回目の誕生日までハイデマリーは父と母の愛しか知らず、
その能力からウィッチ養成機関へと編入させられ、父と母の愛すら奪われてしまった。
そのコミュニュケーション能力の無さと棘々しさを感じる赤い瞳のせいでウィッチ養成機関では
友人を作ることができず一人訓練に勤しんでいた。
こんな能力が無ければ父と母の愛を奪われることは無かった。
こんな能力が無ければ学校へ行き友達と楽しい時間を過ごせた。
自分の能力を呪いながら訓練を続けた結果皮肉にもハイデマリーはナイトウィッチ
として十分前線に立てる能力を2年で身に着けた。
配属された部隊にミーナはいた。そこではミーナはナイトウィッチであった
その部隊はナイトウィッチが一人もおらず、索敵能力のある自分が夜間哨戒をしていると
15歳の時のミーナはハイデマリーに伝えた。
如何に訓練のときに優秀で会ったとしてもハイデマリーはまだ新人であったため
一人で飛ぶのは危険であるしばらくはミーナの護衛として飛ぶようにと
部隊の隊長に指示された。
ハイデマリーは初めてほかのウィッチとまともに話した。同じナイトウィッチ同士
仲良くしたいとは思ったものの、碌にほかのウィッチと話ができなかった養成期間時代
を思い出し、黙ってなるべく迷惑をかけないように飛んでいようとしていた矢先
ミーナが声をかけてきた。
「あなたって、出身は何処なの?」
まさか声をかけられるとは思っていなかったため何度もどもって返事をしてしまった、
ハイデマリーはきっと変に思われただろうなと俯いてたが聞こえてきたのはくすくすという
上品な笑い声だった。
「そんなに緊張しないで、これからは私達皆あなたの家族になるんだもの。」
しっとりと耳に入ってきた言葉はハイデマリーが最も望んでいたものだった。
それからハイデマリーは機関銃のようにしゃべった。生まれて10年を過ぎてからほとんど
人と話していなかったため何度も言葉を詰まらせたり噛んでしまったが、
ミーナは笑って聞いてくれていた。
ミーナのシフトが変わってからもハイデマリーは眠いのを我慢してミーナの所へと出向いた。
自分の昔の事、ミーナの昔の事、たくさんの事を話した。
その中でハイデマリーの心を一番揺れ動かしたのは
二人と同じ部隊にいるゲルトルート・バルクホルンのことであった。
ウィッチの中では一番付き合いが長い、
ボーイフレンドを失ったときずっと慰めてくれていた、
ゲルトルートのいろんなことを聞いた。
そしてミーナはことあるごとにゲルトルートを最高の友人と言っていた。
ハイデマリーは悔しかった。このころからハイデマリーは自分がミーナへと向けている感情を
だんだん自覚していた。ミーナは自分のことをどう思っているのか、
ゲルトルートと自分は同じように見てもらえているのか、
ゲルトルートに対して愛という感情があるのか、面と向かって聞けないことばかり考えてしまう。
半年後、ミーナとゲルトルートと新しく部隊に入ってきたエーリカ・ハルトマンは
ブリタニアに向かうことになった。突然の移転だった。
そもそもこの部隊自体が壊走した部隊の生き残りや新人を寄せ集めて作った部隊のため、
割と重要らしいこの拠点には精鋭をそろえた部隊が配属されるとのことだった。
別れの日、ハイデマリーは少しの時間ミーナと二人きりになった。
どうしても言いたいことがあるとハイデマリーがミーナを呼び出したのであった。
いつものように微笑みながら「どうしたの?」と聞いてくるミーナにハイデマリーは
意を決した、つもりだった。「好きだ」そういうつもりだった。
喉から「す」が出てくれなかった。ハイデマリーは顔を真っ赤にし
てがんばってくださいとだけ告げた。
ミーナはやはり微笑みながらありがとうと言い、ハイデマリーの額へキスをして、
ゲルトルートとエーリカのところへ向かっていった。
そして今、ミーナ達はまたカールスラントで飛んでいる。
そこへハイデマリーも夜間戦力補充として向かうことになった。
やった、また彼女に会える。彼女はどうなったのだろう、また綺麗になったのかな、
自分にまた微笑んでくれるだろうか、そして、自分は今度こそ思いを告げられるかな。
ハイデマリーの胸は高鳴っていた。
早起きしたからエロパロの方に投下予定のネウロイでウィッチをあそぼ的なもの作るつもりが
新キャラが出ていたので勢いで書いてしまった
今は反省してる
わっふるわっふる
406 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/25(日) 10:20:56 ID:zeVuO8HA
素人のSSよんで喜ぶやついんの?
こんな短い文章に同じ表現を二回以上使うやつは恥ずかしいと思う
>>404 まず始めにミーナと絡めてくるとは……
あと結構気にする人もいるからここにそういうこと書かない方がいいよ
ちゃんと住み分けようぜ
スルーしようぜ
クロウカシスまだかな…
閑話休題で48手行きます。
>>390でもう保管庫にコーナー出来てるとか。毎度ながら管理人様には頭が下がるばかり。
第10手「バグ・通常」をエーゲルで。
「ねー、トゥルーデ」
「ん? どうかしたのかフラウ?」
「“はぐ”していい?」
はぐ……?
ああ、hugか。
いつも前から後ろから、突然現れては抱きついてくるくせに。
それがいったい、どういう気まぐれだろう。
「なぜに?」
「なんかいちゃいちゃ48手の10手目らしいんだ」
「だからってなぜそれをお前と私が?」
「だってトゥルーデとがよかったんだもん」
「な、なにを言い出すんだ!?」
「わー、トゥルーデが赤くなったー」
「なってない」
「やーい、まっかっかー」
「なってないったらなってない!」
「ねー、いいでしょー?」
しつこくフラウは食い下がってくる。
まあ、たかだか抱きつかれるくらいで今さら拒む理由もないか。
しかし、こうやっていちいち確認をとられるというのも、それはそれで気恥ずかしいものがあるな。
私は無言で小さくこくりとうなずいた。少し腕を開いてみたりとか。
フラウは私に身を預けるように体を寄せてきて――私の制服のボタンに手をかけた。
「なっ、なにをしているんだ、フラウ!?」
「“はぐ”してるの」
「いや待て! これはもっと別の行為だろ!」
「なに言ってんの、トゥルーデ。服を“はぐ”してるんじゃん」
ようやく私は理解した。
フラウの言う“はぐ”が“剥ぐ”だということに。
そうして私は身ぐるみをすっかり剥ぎ取られてしまった。
が、話はそこで終わらない。
服を“はぐ”のはまだ10手目――
その後、フラウの勘違いは48手目まで続いた。
以上、ただの駄洒落です。すいません。
ネタ的におkなのかどうなのか。
すごくどうでもいいけどハイデマリーさんペリーヌに似てるよね
搾乳したくなる乳
48手の運命線重ねるってなんなんだw
>>410 GJ!GJなんだが!
断じて「バグ」ではないぞ!
415 :
256kb:2009/01/25(日) 13:54:13 ID:QUBtLQsL
ぱっと浮かんだエーリカ×ハイデマリーネタいきます。
エーリカはナイトウィッチとの相性がすごく良いと勝手に思ってるので。(秘め声のサーニャとか)
ちなみに今回は前編です、後編も出来次第投下します。
あと、ハイデマリーがちょっと病んでる感じになっちゃったので苦手な方はご注意を。
では……
Sonne und Mond(前編)
それはまだ、カールスラントがネウロイの手に落ちる前のお話。
「夜間哨戒?」
朝食の時間のこと。茹でたてのじゃがいもをマイペースにつまんでいるハルトマン。その対
面に座ったバルクホルンが切り出した。
「そうだ」
「私はナイトウィッチじゃないよ?」
「ミーナやその他の上層部と相談して、ウィッチ隊全体が夜間任務にも対応できるよう、訓練
の一環として組み込むことになったんだ。最近はネウロイの攻撃も激しくなってきている、そ
の対応策として――ということでもある」
「そんなの養成機関時代にやったことじゃんかー」
じゃがいもを口内でもごもごさせながら、露骨に不満そうな眼差しを投げるハルトマン。
「現在の私たちの夜間任務についての知識はあくまで基礎でしかない。早くからナイトウィッ
チとして訓練されたウィッチならともかく、我々の普段、つまり日中とはまったく異なった環
境での戦闘となると、今のうちにより多く経験を積ませた方がよいという判断だ」
対して、涼やかな表情で反論しつつじゃがいもを平らげるバルクホルン。
「それで、最初は夜間哨戒などで慣らして、徐々に実践的な訓練へ……ってところ?」
「その通りだ。で、早速今日から夜間哨戒のローテーションを組むことになった。ハルトマン
中尉、一番手はお前だ」
「えぇええー!」
夜は寝る時間、朝もできるだけ寝る時間というハルトマンにとっては、まさに寝耳に水とい
うべき宣告であった。
◇
かくして、ハルトマンの安眠の日々は失われたのであった。
「――なんて、冗談じゃないよ」
朝食を終えた私は早速ミーナに直談判した。たまには素行態度の挽回を、などと諭され、し
ぶしぶロッテのパートナーの部屋に向かうことに。まぁ、ミーナにもいっぱい迷惑かけちゃっ
てることだし、たまには、ね。
今回の哨戒はロッテ――二機一組で行う。私のパートナーは、ミーナ曰く、類稀なる才能を
持ったナイトウィッチだそうだ。私も『彼女』の噂は少しだけ聞いたことがある。とはいえ、
私たち日中に活動するウィッチとは活動時間帯が違うので、本人に会ったことは一度もなかっ
た。せっかくの機会だし、どんな人なのか確かめるのも悪くない。
「ここかー……」
部屋の主の名前を確かめ、ノックを数回。
「どうぞ」
鈴を鳴らしたような凛とした声がドアの向こうから届いた。
「失礼しまーす」
ドアを開けると、薄暗い部屋の中、椅子に姿勢よく腰をかける人影が目に映った。
夜間迷彩にぴったりの黒い服と、浮かび上がる白い髪のコントラストが、妙に綺麗だった。
「あの」
その髪に見入っていると、彼女のほうから話しかけてきた。きらりと光が反射した眼鏡の奥
から赤い瞳が私を見つめている。
「エーリカ・ハルトマン中尉――ですね?」
「そ、そうだけど」
彼女は腰を上げ、立派な敬礼を私に見せた。
「本日夜間哨戒でロッテを組ませていただく、ハイデマリー・W・シュナウファー大尉です」
それが後に『カールスラント最強のナイトウィッチ』と称される少女の姿だった。
命令通り、哨戒の時間まで待機する。私はそのままハイデマリーの部屋に居座り、少しだけ
会話をした。
私よりひとつ年下で、私よりひとつ階級が上で、私より(いや、ミーナより?)胸がおっき
い(!)、そんな彼女はとても大人しく、冷静な子だった。
私の人となりについては、ミーナが話を通してくれていた。彼女も私の噂をいろいろと聞い
ているらしく、一応の理解は持ってくれているようでほっとした。規律やらで口うるさいのは
トゥルーデだけでいっぱいいっぱいだしね。
会話の後、ハイデマリーは本を読んでいた。私が来たときもこうして明かりも点けず、カー
テンも開けず、ひたすら読みふけっていたらしい。そんな彼女の姿を私はハイデマリーのベッ
ドに腰掛け、暗さに慣れた眼で見つめていた。ていうか、この暗がりで読んでたらすごく目が
悪くなりそー……だから眼鏡なのかな。いや、もしかしたらこれもナイトウィッチの訓練法の
ひとつなのかもしれない。
「……そろそろ寝ましょうか」
と、手にしていた本を閉じる。
「あなたも自室に戻って寝たほうがいいわ」
「……ねえ、ハイデマリー」
ちょっと図々しいかなと思いつつも、ハイデマリーに提案する。このまま自分の部屋に戻る
のもつまらないし、かといって私が彼女のベッドを占領してしまうのもアレなので、
「せっかくだし、一緒に寝ない?」
「え?」
彼女は私の提案を聞いて数秒固まった後、急にうつむいてしまった。
「ああ、嫌なら別にいいけどさ」
やっぱりちょっといきなりすぎたかなぁ、と思いつつそう言うと、
「……構わないけど、狭いわよ」
うつむいたまま、ハイデマリーは小さな声でつぶやいた。
「だいじょうぶ! トゥルーデ……えっと、バルクホルン大尉のベッドも同じぐらいだし」
「仲がいいのね」
「まあね! でもね、細かいところまでいちいち厳しいんだよ。朝早く起こされるし」
「噂は聞いているわ。規律に厳しいけど妹さんにはめっぽう甘い、って」
さすがトゥルーデ、有名だね……。
「ハイデマリーは誰かと一緒に寝たりしないの?」
「……ええ」
彼女は答えた。ほんの少し眉をひそめたような気がしたが、暗くてよくわからない。
「もしかして、私がはじめて?」
「……そうね、家族以外では」
そう言ったハイデマリーの表情は、やはり闇に溶けてわからなかった。
◇
服を脱いで先客がいるベッドに潜り込む。いつもより温度が高い毛布の感触がなんだかくす
ぐったかった。
今日は、ひとりではない。
「へへー」
ハルトマン中尉が抱き付いてくる。
「……ちょっと……」
「まぁまぁ、スキンシップスキンシップ! ふふー」
私の言葉の前に、そう言って屈託なく笑った。不思議と嫌な感じはしない。
ふと、子犬が懐くときはこんな感じなのだろうか、と思った。
彼女はミーナ中佐やバルクホルン大尉と共に話の種になることが多いが、それに納得した気
がする。朗らかで自由で、素行が悪いという面で話題に上ることもあるが、誰からも愛される
ムードメーカー的な存在。
私とは――まるで逆の存在。
そんな私と彼女が夜間哨戒でロッテを組むなんて、本当におかしな話だ。
「すー……」
ハルトマン中尉は私にしっかり抱きついたまま眠っていた。彼女の無邪気な寝顔を見ている
と、無益なことを考えているのが馬鹿らしくなってきて、私も目を閉じた。
沈んでゆく意識の片隅で、私は遠い昔のことを思い出していた。
こうして私を抱きしめてくれた両親のことを。
ひとのからだは、こんなにもあたたかくて、やさしいことを……。
◇
その夜。
目の前にはいつもとは違う、誘導灯が整然と灯った滑走路。夜の闇にストライカーのエンジ
ン音が突き刺さる。
「うーん、やっぱりいつもと感じが違うなぁ」
「具体的には?」
「いやぁ、もう何もかもが違うって感じだよ。ストライカーの翼端灯点けるのも久々だし」
「今日ネウロイが来る可能性は低いらしいから、ゆっくり慣らすといいわ」
準備が整ったところで、発進しようとハイデマリーに向き直ると、
「……おおー!」
「何?」
ハイデマリーの頭部には、魔力で発現したレーダー魔導針が備わっていた。
「かっこいいな!」
「え? これ?」
「うんうん、いいなー。夜間って感じ!」
「どんな感じなのよ……」
ひとしきり憧れたところで、ふたりで発進する。いつもとは違う夜空に身を躍らせる感覚が、
なんだかむずがゆかった。
ハイデマリーと並列を保ちながら、眼下に広がる町並みを眺める。とはいえ、ほとんどの人
が寝静まっているのか、明かりはほとんどない。
「うー、やっぱり見えないよー」
「そうか……今夜はちょうど新月ね。さすがに星だけの光量じゃ厳しいかしら」
「ハイデマリーは見えてるの?」
「ええ、あなたよりかは」
「それがハイデマリーの能力?」
「ええ」
「どれぐらい見えてるの?」
「そうね……あなたからすれば、今日が満月に思えるぐらい」
「すごいな!」
私が言うのもなんだけど、ハイデマリーって不思議な子だ。
うまく言えないけど、なんだろう。私にはないものをいっぱい持ってる――そんな気がする。
トゥルーデもミーナもそうだけど、ふたりとはまた違った魅力がハイデマリーにはあるのだ。
「うらやましいな!」
「そうかしら」
彼女は涼しい顔で前方の空を見つめていた。
「真っ暗なところでもちゃんと見えるんだろー? すごくいい能力じゃん!」
「私はきらい」
「……え?」
彼女の表情はそのままだったけど、発した声は今までと打って変わって、冷たかった。
突然のことに困惑している私に続けて彼女が投げた言葉は、悲しい色を帯びていて、私にそ
の理由を理解させた。……彼女にとっては、ほんの一部なのだろうけれど。
「どうして私が眼鏡をかけているか、わかる?」
◇
夜間視――光量の乏しい夜間でも視認性を確保できる能力。
幼い頃、私はこの能力をちゃんと制御できなかった。
そんな私にも太陽の光は平等に、無慈悲に降り注いだ。それこそ、眼が焼けつくほどに――。
自ら眼球を握り潰したくなるような苦痛の中で私は育った。眩しくて痛くてまぶたを閉じ、
それでも眩しいから手で覆い、それでもなお、光は私を蝕もうと隙間から潜り込んできた。
暗い部屋から出てこない私は、傍から見ればとても不気味だっただろう。いや、不気味とす
ら思われなかったかもしれない。私の存在を知る人間がどれだけいるのかさえわからなかった。
友達なんてできるはずもなく、ひたすらに両親の『看護』を受けた幼少時代。
十歳になり、私はウィッチ養成機関に編入された。親元を離れ、光と孤独に怯える日々。
能力の制御を覚えるのと、私の両眼が潰れるのと、どっちが先か? 恐怖を必死に塗り潰し、
時には耐え切れず自棄を起こしたこともあった。
そして私は能力の制御を、ナイトウィッチとしての力を得た。
光を恐れる私の生活は終わりを告げた。けれど傷痕は残った。長期間傷めつけられた視神経
が回復することはなかった。
初めて眼鏡をかけたときの悲しさは計り知れなかった。確かに眼鏡で私の視界は綺麗になっ
たけれど、フレームの外の世界は以前と同じように、あまりに不確かなままで。まるで私と世
界が厚い壁で隔てられているような気がして。
「本当の世界はお前には届かない場所だ」と――そう告げられているような気さえして。
眼鏡の度が強くて、痛くて、悲しくて、悔しくて、涙が出た。
カールスラント空軍に配属され、夜空を駆ける魔女となった今でも、私はこの能力が大嫌い。
こんな能力――
◇
「こんな能力、なければよかったのに」
ハイデマリーのその一言に、彼女の悲しみがぎちぎちに詰められていた。
私の勘は、たぶん当たってる。ハイデマリーはきっと、私にはないものをいっぱい持ってる。
私にはない能力も、思い出も、苦悩も、たくさん――。
頭部の魔導針がノイズのように揺らめいた後。
「……ごめんなさい。あなたには、関係のない話だったわ」
彼女はそんな言葉をか細くのどから絞り出して、私から顔を背けるように先行した。
「ハイデ――」
彼女を呼び止めようとした刹那。
「――っ!」
ハイデマリーの魔導針が、ノイズと同時に赤く明滅した。
「……いる……」
「いる、って……ネウロイ!?」
「静かに!」
さっきまでとは別人のように張り詰めた雰囲気を纏わせ、彼女は目をつむっている。どうや
ら魔導針で敵機の情報を検知しているらしい。
「十字方向、距離四千。小型が三機。まっすぐこっちに向かってる」
「ミーナたちに知らせなきゃ!」
あわててインカムを基地に繋ぐ――繋ごうとした。
「……あれ?」
「どうしたの?」
「……つながんない……」
何度繋ごうとしても、応答するのは断続的なノイズのみ。
「ジャミング!?」
恐らくは、ネウロイが妨害電波のようなものを発信しているのだろう。これで連絡手段は断
たれた。
「連絡が取れないと、応援も来ないわね……」
「急いで基地に戻れば……」
「無理ね。町が敵の的になるわ」
「……じゃあ」
「ええ」
やるしかない。
背負っていた武器を取り、安全装置を解除。
互いに目を合わせ、結論を声に出し、己を奮い立たせた。
『私たちで撃つ!!』
後編に続く!
420 :
256kb:2009/01/25(日) 14:01:20 ID:QUBtLQsL
キャラの全体像がはっきりしていないとやはり難しいですね。やりがいもあるともいえますが。
それではまた後編にて。失礼します。
>>381 ありがとうごじあます
リーネちゃんお姉ちゃんは普通にミスですね
一応読み直したんだが見落としってあるもんだなあ
しかし早くもハイデマリーネタが2つも・・・
ここの住人執筆力ありすぎだろww
なんか本立て(保管庫0414)の後日談っぽいものをぼけっとしながら書いてたらあほのような長さになったのでtxtであげ
「本音と建前・その後」
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org3438.txt 量的には続本立ての三話分くらいっぽい
本編のおちで扱いがひどすぎたのでフォローのためにシャーリーばっかりです。ほのぼのとかは多分あんまりしてません
すこしまえに某2からはじまる方に後日談かいてもらえたのに悶えすぎで勝手にそれのつづきっぽい要素もはいって
ますが、むしろそれをぶち壊した感が否めんのであれを読んだ方はこっち読まない方がいいと思います
あと遅レスですが
>>341 これはいいシャーゲル。すげえもえた
ふたりになった途端ぐだぐだデレていく過程ににやにやできるのがシャーゲルの魅力のひとつだと思う
>>400 素晴らしすぎるぜGJ!将校はウィルマを娘のように可愛がってるに違いない。
ウィルマの本当に大事な人が他にいるのも知っててウィルマの我がままに付き合って、
ウィルマが自分の気持ちに素直になったときには笑顔で送り出すようなそんな紳士。だから許す。
>>422 読んできた…なんかもうすげえとしか言いようが無いです
どんだけ柔らかい文章が書けるのよ…登場人物多いのにそれぞれを上手く書き切ってるし全員可愛いし…
GJというレベルじゃないです
それにしてもゲルトマンはほんとに恥ずかしいなwそしてシャーリーはやっぱ素敵な女性だ!
>>400 久々にSSでゾクっときてしまった。GJ!!
>>207作った甲斐があった。
このどうしようもないやり場のなさが絶品過ぎる。思わず「あ゛ー!!」とか叫ばざるを得ません。
>>404 >>420 仕事早過ぎ吹いたwwGJ
カールスラントトリオとは誰と組ませてもおいしくいだたけそうですね大尉殿。
これで501に行って離れ離れになってもずっと想い続けてたのにいざ帰ってきたら3人とも誰かとくっついてたオチだったら涙出てくるわ。
>>410 先生それ扶桑語、扶桑語!!でもGJ
>>422 ぼけっとしながらこれが出てくるあなたの脳がうらやましいです。
GJ!!一瞬ミーロットフラグかと思ったけどそんなことはなかったぜ。
ずっと「らしくない」描写ばかりなのに、却ってシャーリーらしさが出てるとかもう勝てる気がしない
>>207の再うp希望
キャッシュ消しちまったのかな…
フランチェスカを甘やかしたいときに「かしこい」って言葉をよく見受ける気がするけど、
それって子供を褒めるときの常套句? 何か元ネタがあるの?
作品も感想も多くて久々に追いつけやしねえ…
>>400 日曜の夕方にガッツポーズしてしまった……
ウィーリングキター
しかもねこぺんさんだー
どうしても「あいつ」が捨て切れないビューリングとそれに悩むウィルマ
良 す ぎ る
結婚設定もきっちり持ってきてくれたところに好感
俄然やる気出てきた。自分も急いで書き上げねば!
>>404 マリミーナなのにミートゥルを探し出す自分の読み方に呆れつつも…
新しいキャラにしてはすんなり読めました
反省はしなくていいと思いますが初めての恋に悩むハイデマリーちゃんの続きを(ry
というかミーナに憧れるあまり航空団司令にまで登りつめてしまったけど、それじゃあ一緒の部隊にはなれないじゃあないか!
と絶望するおとぼけマリーもいいかもしれませんな
>>420 マリーマンキター
体のスペックは違うけど、メガネ姿にウーシュを重ねるエーリカとか勝手に妄想しつつ…
なにはともあれ後半もwktkでお待ちしております
>>422 ミ、ミーロットがきたぞー
と勝手に心躍らせつつ、シャーリーマジ苦労人……そして天使
ルッキーニの絡め方に存分に感心させられてしまった
もっふじかいてたらほぞんせずとじちゃった
しにたい
貞造設定、貞造キャラ祭ですが投下しまーす
長いので申し訳ありませーん
「うわああああああああん!!!!」
叫び声とともに私の部屋に転がり込んできた銀髪の少女は涙をたっぷり目に浮かべていた
「どうしたんだユーティライネン少尉・・・」
いちおう聞いてはみるが、彼女がこうなった原因にはほぼ確信的な心当たりがある
「なんなんだヨあのハイデマリーってヤツー!!私達の部隊にやってきた途端にサーニャといちゃいちゃしやがってー!!」
やはり・・・ハイデマリーか・・
数日前に私達の部隊に配属された彼女―ハイデマリー・W・シュナウファーは私の母国カールスラントの誇る最強のナイトウィッチだ
彼女はその暗き生い立ち故に、友人・・特にナイトウィッチの友人を激しく求めるフシがある
サーニャの話をしてやった時も、彼女は嬉しそうにしていたからな。エイラとは一悶着ありそうだとは思っていたが・・・
◇
「うふふ・・・とてもかわいい・・・サーニャ・V・リトヴャク・・・」
「少佐ともあろうものが、そんなだらし無い照れ顔をするな全く!」
「久しぶりよ・・・こんなステキなナイトウィッチ・・“トモダチ”になれるってだけで幸せ・・・少しくらいにやにやしたっていいじゃない?」
彼女はいたずらっぽくウィンクをしてみせる
・・・不覚にも少し鼓動が速くなった
顔が紅くなるのをごまかすように口を開く
「だいたいだな!ハイデマリーと・・・むが」
私の唇を抑えたのは彼女の清らかで白く美しい人差し指だ
彼女は続けた
「昔からの仲なんだから、『マリー』って呼んでくれてもいいでしょ、トゥルーデ?」
「・・・・・・昔、か」
―――そう、昔
彼女は常に薄闇の中だった
彼女の部屋のドアをノックして、返ってくる「どうぞ」というか細い声を聞き、ドアを開く
闇の中に光る彼女の白き肌と紅く爍る瞳には、歳不相応な妖艶さを感じた
暗中の紅が私のほうを向いた。何を考えているのかは読み取れなかったが
私はその紅が用件は何かと問うているものだと思って、口を開く
「一般戦闘航空歩兵の夜間任務対応のために、ナイトウィッチ随伴の訓練が行われていることは聞いているな」
「・・・はい」
「私がハイデマリーとロッテを組むことになった。よろしく頼む。一緒に任務をこなしたことはないが、名前くらいは知ってくれているか?ゲルトルー・・・・」
「ゲルトルート・バルクホルンさん・・・ですね。よろしくお願いします・・・」
「ん、あ、ああ、よろしく頼む」
止まる、会話
・・・ああ、もういかんいかん会話が止まってしまった。
これから夜間任務の訓練に付き合ってもらうと言うのに、心を開いてもらえなくてどうする
・・・といっても、何を言えばいいのか。話せばいいのか。皆目見当がつかない
迂闊に言葉を放つと突っぱねられてしまいそうだ
私だってお世辞にもとっつきやすい雰囲気は持っていないのは自覚している・・・が・・
彼女のそれは私以上のものがある・・・正直少し、あの娘が怖い
ああ・・・こうしている内にも気まずい雰囲気が部屋に広がっている・・
このまま「何も話すことがないなら出ていって」等と言われたら私は立ち直れそうにない・・・
深い思慮を巡らす私を余所に、ハイデマリーは窓から見える夜空に紅き視線を移していた
私はその様子に気付き、恐る恐る言葉を放つ
「星を見るのが・・・好きなのか?」
しばらくの静寂の後、彼女は口を開く
「・・・見れないんです」
「?」
「好きとか、そういうのじゃなくて見れないんです、星の光しか」
「いつだって暗闇の中にいるのもそのせいです。夜間視能力がうまく抑えられなくて、日中にいたら危ないんです」
「日の光なんて、知りません。嫌いです。私を痛め付ける存在でしかない」
「私を照らしてくれるのは星の光と月の光だけです。私の道しるべになってくれるのは星の光と・・・」
「す、すまなかった!!本当に!本当に!」
あまりの申し訳なさから大声をあげてしまった。ほとほと自分が嫌になった。ぶしつけな質問で他人を傷つけてしまった
事情も知らずにあのようなことを言ったのが浅はかだった。思い出したくないようなことを思い出させて彼女を哀しませてしまった
「事情も知らずにずけずけこんなこと聞いてくるような奴とロッテなど組みたくないだろう・・・済まなかったな・・」
「本当に済まなかった・・・」
声は、震えていた
情けない自分の姿を見られたくなくて、部屋を出ようと振り向き、ドアノブを掴む
「待って!!」
背中を暖かい感触が包み、細すぎる柔腕が腰に絡み、私を引き止めた
「何故だ・・・どうしてなんだ・・嫌だろうこんな・・・無愛想で・・とっつきも悪くて・・」
「いつも皆!!」
私の卑下は、彼女の喉から出るとは到底思えない声量に遮られる
「いつも皆・・・暗闇の中にいる私を気味悪がって・・・話し掛けてくれなかった」
「用が或る人も皆、用件を伝えたら逃げるように離れていった」
「私は・・・仲良くなりたい・・・なりたかったのに・・」
「だから貴女は・・・私に話し掛けてくれた貴女は・・私にとっての光だから」
「一緒に飛んでください・・・お願いします!私の“友達”に、なってください!」
搾り出すような願いだった、声は私以上に震えていた、所々言葉になっていなかった用にも思える。私の背中は暖かく濡れていた
どうしようもなく彼女が愛おしくなり、振り向いて彼女を抱きしめる
「ああ・・・よろしくっ・・・頼む・・友達だ・・・私とっ・・・お前は・・ずっと・・・・・!」
もう情けなさ等気にする暇も無い、私は泣いた。彼女を抱きしめた。彼女の感じてきた孤独を、少しでも埋めたいと思ったのだ
――――――――――・・・デ・・・トゥルー・・・トゥルーデ!!
気がつけばマリーの顔が、触れ合う数センチの所に来ていた
ほんの数分の思慮だったはずだが、ずいぶんと浸っていたようだ。顔前のマリーの顔は少し、ふくれている
「トゥルーデ、聞いてるの?もう・・・」
瞬間、唇に熱が触れた
「うふふ・・・・・これで起きたかしら?もうミーティングの時間だそうよ・・・ミーナも来ているわ、行きましょうトゥルーデ。自己紹介させてもらうから・・・」
「全く・・・」
ふいに先程思い出した昔の彼女の像を、今の彼女と重ねた
妖艶さも、一見きつそうな見た目も変わらない。むしろあの頃からは想像できないほど成長した胸が、よりいっそうの妖艶さを・・・な、何を言うか私め!!
とにかく、昔の彼女の像は重なるようで重ならない。昔と今で、彼女は変わったのだ。変わらないようで、変わったのだ
私は唇を噛み締め、ミーナとハイデマリーを追った
◇
なるほど・・・これはエイラも嘆くわけだ、食堂にきてみれば、ハイデマリーはさっそくサーニャにラブラブアタックを仕掛けている
にやにやしながらそれを見つめる者、朝から付き合ってられるかと無視する者、反応も様々だ
スオムスの姫はたっぷりの涙を目に浮かべ、頭から怒りの湯気を噴き出している
ぼんやりとそれを眺めていると、視界の下から柔らかい金色のブロンドヘアーがせり上がってきた
「 見 す ぎ 」
「んあ・・・ハルトマンか」
「トゥルーデもやっぱおっきいのが好きなわけー?」
「ベ、別にそんなわけじゃ!」
「カールスラントのエースははみーんなおっきいもんね・・・ひんそーぺったんはわたしだけー・・・ぐす」
「なんだその膨らませた顔は・・・焼いたもちじゃああるまいし・・」
「妬いてます!!やきもちですー!!」
「かわいい顔が台なしだぞ。止めろ止めろ」
「なっ!はあああ!」
金色やきもちには効果覿面だったらしい、一発で赤くなって黙ってしまった
―――バルクホルンさんのおかげで―――
―――ハイデマリー、これからも一緒に夜を舞い―――
―――ずっと、友達―――
―――願わくば私は―――
(マリーの、光に―――)
思わず出掛けた昔の想いを飲み込んで、私は真っ赤になったお嬢さんをいつもより強く、強く抱きしめた
なんかおかしいなーと思ったら終わり入れるの忘れてたorz
切り方もミスっ・・・ああこれはまとめサイトには関係ないか
もっともこんな拙作がまとめてもらえるかどうかすら危う(ry
さてありのまま起こったことを話すぜ
「ハイデマリー→サーニャのラブラブアタックにエイラブチ切れな話を書くつもりが
ハイデマリーとトゥルーデの馴れ初めみたいなものを書いていた」
カールスラント最高だとか最終的にはトゥルーデ×エーリカじゃんとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしい・・・ああもう訳わからん
時系列がイミフなことになってそうなので補足させていただくと
最初がハイデマリー配属数日後→ハイデマリー配属翌日→回想→ハイデマリー配属翌日→数日後に戻ってきてfinです
他の作者様もGJです!広がれハイデマリーの輪!!
マリーさん最高!!最高マリーさん!!ハイデマリー最高!!
寒い!!脳が寒すぎておかしくなったっぽいんでこの辺で失礼!!寒い!!
>>439のスレで作者さんにお礼をお願いします。マジで。
それと作者が自演してるとかほざいてる馬鹿がいるので、
自演じゃないと教えてやってください
200 名前:ローカルルール・その他変更議論中@自治スレ[sage] 投稿日:2009/01/25(日) 19:19:27 ID:UI6yP7NI
ストパンスレまで来るな
↑
空気読めてないなコイツ
他所から来たと書いたら意味ないんだよ
もともといる百合スレ住人達がこぞって褒めてくれてるように見せないと意味ない
それと作者さんを自演よばわりしてる奴を叩くのが先だろ
スルー検定実施中…?
うん
ハイデマリー・W・シュナウファーは芳佳とかとも絡めそうだよなー
おっぱい大きいし誰にでも友好的な芳佳ならすぐに友達になってくれそうだ。
やべぇ、
>>422さんのを読んだ後に
>>438さんのを読むと積極的なトゥルーデに違和感を覚えてしまったw
積極的なトゥルーデもヘタレなトゥルーデもいいよね。ていうか、エーゲルっていいよね。
御二方GJ!
お前らたくましいな・・・
>>439のスレで作者を自演よばわりしてるお馬鹿さんがいるので
「自演じゃないよ」か「さっきから単発ばっかだなw」と書いて欲しい
ふいにハイデマリーゴールドという言葉が頭をよぎった
これはマリーヌSSを書けという啓示なのか
好物:ナイトウィッチが一夜で仕上げるパワーを与えたのか…
各々GJ!
朝、夜間哨戒から帰投したサーニャは寝惚けながらエイラのベッドに倒れ込む
エイラは「キョウダケダカンナー」とお決まりの台詞をいい、何時もと変わらぬ日常に安堵する
サーニャに毛布を掛けて自分ももう一眠りしようとするがそこへ新たなる刺客が
サーニャと共に帰投したハイデマリーが、半ば寝惚けたままサーニャの後を追ってエイラの部屋に
呆然としたエイラに構わずサーニャの隣に潜り込み、密着する二人
エイラは追い出したい気持ちでいっぱいだったが、任務で疲れているサーニャを起こしてしまうのではないかと
こらえ、渋々了承することに
だが再び寝ようと横になろうとすると、寝ていた筈のハイデマリーが此方を見詰めているのに気が付いた
その紅い瞳にぎょっとするエイラだったが、ハイデマリーは勝ち誇ったような笑みを浮かべると
まるで自分のものだと言わんばかりに眠るサーニャを優しく抱き締め、耳元にキスをすると自身も眠りにつく
という電波を受信したのだが
ハイデマリーさんはナイトウィッチの友達が欲しくてついつい過激になっちゃうんだ
でん…ぱ…?もうそれで固定されてしまったようなr
501のみんなでさえ自重してた命知らず投入でござる
フミカネ氏の画像のファイル名から、シュナウファー大尉のあだ名は「ハイジ」である説が濃厚のようだ。
マリーさんて呼びやすくていいんだけどなあ……。
それはそうと
>>438GJ!!
>「うふふ・・・とてもかわいい・・・サーニャ・V・リトヴャク・・・」
病んスキーな私にとってこの一言だけで今後の妄想の方針が決まってしまった。
なんか某犬ちゃんを思い出してしまったのは秘密な。
>>426 ちょこっと修正版
ttp://2d.moe.hm/sw/img/sw0122.jpg
>>422 大晦日からメチャクチャ待ってた
あなたのシャーリー最高なんですGJ!GJ!GJ!
>>450過激になっちゃうというか、たぶん、あまり人と絡んでこなかったから「ソウイウコト」は本とかでしか学んでない
故に端から見たらえらい過激な行動してるな、と思われる
ナンテナナンテナ
短いの2本と普通の1本投下。それぞれエイラエルマとえいらにゃとニパエイラ。
第45手添い寝
空気中の水蒸気さえもが凍りつき、太陽も昇ることを忘れるスオムスの冬。
いくら基地内の防寒機能が優れているからと言って、その寒さはそうそう防ぐことのできるものではない。
あぁ、つまり、それならば、できるだけ暖かいところを寝床としたって仕方がないことなのだ。
そう自らに言い聞かせると、私はある部屋の扉を開いた。
スヤスヤと、どこまでも穏やかに安らかに眠る‘彼女’の姿を視界に捉えると、意味もなく胸に暖かいものが込み上げる。
ゴメンナサイ…今日だけだから…と、すっかりと慣れた言い訳をもって、私はベ
ッドへと潜り込んだ。
その瞬間、‘彼女’の目はいつも通りパチリと開き、私を見つめる。
「今日も来てしまったんですか、エイラさん?仕方ない娘ですねえ。」
ふふっ、そして私をエル姉はいつもと同じ台詞で迎えてくれるのだ。
その頭には、追い返そうだとか、迷惑だとかいった類の考えは全く存在しないようで、どこまでも暖かい。
私はここにいてもいいんですね。
あなたは私を受け入れてくれるんですね。
この広い広い基地の中であなたは私の帰る場所となってくれるのですね。
「エイラさん、魔法を教えてあげましょう。」
エル姉がなんだか得意気に、少し勿体ぶって言葉を紡ぐ。
ふわり。
それはあまりにも唐突で、私を狼狽えさせるには十分であり、しばらくしてやっと、エル姉の腕が私を包み込んでいるのだと気がついた。
「あれ?だめでしょうか…子供のころにお父さんやお母さんにこうしてもらうと心
までぽかぽかしたものですが…。あぁ、やっぱり私なんかじゃダメですよね…。」
あぁ、あなたはどこまで自分を信じられない人なのか…ただ私は注がれたものの
あまりの暖かさにボーっとしてしまっただけだというのに。
そう伝える代わりに、自らもギュッと抱きしめ返す。
伝わっているよ。アナタの暖かさも優しさも、何もかも伝わっているよ。
言葉にしてしまおうかと思ったけれども、それはなんだか気恥ずかしくて、私は睡魔に身を任せた。
Fin.
第22手キス・おでこに
しっかりと起きられたならスタンプをあげよう…
これは、エイラがサーニャに対して結んだ約束であり、それはもう1ヶ月も前に交わされたモノであった。
「エイラ…、エイラ…、スタンプ、欲しい。」
朝、サーニャは目を覚ますと、エイラからスタンプをつけてもらうことが日課となっていた。
まぁ、朝とは言っても、サーニャは夜間哨戒を担当としているため、
どうしたって睡眠の開始が遅くなるから既に昼と言った方が正しいのではあろうが。
この行為を始めてから、サーニャは、
エイラが作ってくれた可愛らしいスタンプカードをスタンプで埋めることが嬉しいためであろうか、寝覚めがよかった。
「今日も頑張ったナ…エライエライ。もう随分と埋まったじゃないか…新しいヤツを作ってやらないとナ。」
そう言ってエイラはサーニャに微笑みを投げかける。
彼女にとって約束は、ボーっとしているのが常であったサーニャを、
このままではいつか困ることになると考え、どうにかしてしっかりとした生活に近づけてやりたいと思っての提案であった。
しかしなにが気に入ったのか、毎日目を覚ますと真っ先に彼女に対してスタンプを求めるサーニャの姿に、エイラは嬉しさを押し隠せない。
本当にくだらない、なにか特別なスタンプでもないというのに、律儀に自らとの約束を守るサーニャが、エイラには愛しくてたまらなかったのだ。
「うん、エイラ…今日で1ヶ月。ありがとう。」
サーニャの感謝の言葉は、エイラが自らを気にかけてこのような提案をしたことに気づいてのためであったが、
どこか鈍いところのあるエイラにとってはさっぱりなことであった。
「頑張ったのはサーニャなんだから、礼なんて言う必要はないんダゾ?訓練が終わったら新しいスタンプカード描いてやるから待ってろヨナ。」
あまりにも鈍くて、エイラは感謝さえマトモに受け取ってはくれないのだ。
エイラは与えることばかりに慣れていて、受け取るということにはヒドく疎い…
だが、サーニャは、エイラのそんな無償の優しさが好きなことも事実であった。
それはまぁ、自らの送る気持ちにもひたすら鈍感なことは、サーニャも辟易してはいるものではあったのだが。
「ううん、いつも見守ってくれてありがとう。私もね、エイラにあげるスタンプを考えたんだ…こっち来て。」
エイラがサーニャの言葉を拒む理由はない…エイラはすっとサーニャに近づくと不思議そうな表情をつくる。
スタンプカードだってスタンプだってそこには存しなくて、ただサーニャがいるだけであって、エイラの困惑も無理はない話であった。
「いつも感謝してるよ。大好きなんだよ。」
そう言ってサーニャは少し背伸びをしてエイラの額に唇をおとした。
それはすっかりとサーニャにたまったエイラへの感情が溢れだしたもので、少しずつ少しずつ想いのたまる速度は加速していた。
エイラときたら目をパチクリとさせ、気づいたように頬を朱に染めて、見事な百面相を見せる。
また想いが溢れたならばスタンプをあげます。
サーニャはふとそんなことを思いながらエイラへと微笑んだ。
Fin.
第28手くっつく・二人用ストライカーで
「これは…なんだ?」
目の前に存在している現実に対して、私の口からは、ただそれだけの言葉が零れ落ちた。
いつも通り、そう、いつも通りに私は哨戒任務に飛び立とうとしていただけなのだ。
しかし、ハンガーには使い慣れたメルスの姿は存在せず、変わりに奇妙な、あまりにも奇妙な、見慣れないストライカーユニットが鎮座していた。
「遅いゾ、ニパ!」
あぁ、意図的に、そう、意識的に無視を決め込もうと心に決めていた存在が私に呼びかける。
見慣れないストライカーユニットには既に搭乗者の影…
そこでは、私の天敵で、そして相棒でもあるエイラ・イルマタル・ユーティライネンが楽しげに笑っていた。
「いきなり変なモノに乗って私に話しかけるな…さっさと私のメルスを返せ!!」
私に今必要なのはこのニヤニヤした生き物ではなくて、私を支えてくれるメルスだ。
どこかに行ってはくれないものだろうか…
「ふふん。お前のメルスはこの前の戦闘で爆発大破…直っているはずがないダロ。」
あぁ、それは私もおかしいと思っていたのだ。
だが、哨戒を命じられた以上メルスの修理が終わったものだとばかり思っていたのだ。
しかしメルスがないとなると…任務は連絡ミスであろうか。
つまり私の代わりにイッルが哨戒に行くということにでもなったのかもしれない。
それならばストライカーを身に付けたイッルの存在も理解ができるというものだ。
「なら哨戒はイッルに任せて構わないということか?」
そう言って視線をイッルの顔へと向けると、不意にイッルの口元がニタリと歪む。
なにやら良くない予感が私の頭を通り過ぎたのと、イッルの唇から言葉が紡ぎ出されたのはほぼ同時であった。
「私がなんのために‘コレ’に乗っていると思うンダ?」
あぁ、やはり違和感をありありと発するその異物が問題となる訳だ。
最初に目に飛び込んできたときはなにか全くもって分からなかったソレは、
存在は勿論知っているモノであったが、私たちが目にする機会はほとんど皆無に近いと言ったとしても過言はないモノであった。
「複座式ストライカーか…まさか私にソレに乗れと言う訳ではないよな?」
ソレは、この国では、空を駆ることを恐れという感情をもってしか受け止められない者が訓練として乗せられる装置である。
教官の位置となる後座ならともかくとして、訓練生用の前座に乗り込むことなどプライドに障るものだ。
「それ以外になにがあるって言うんだヨ!!ほらニパ、さっさと乗りこメ!!」
くっ、イッルときたら私をなんだと思っているのだ。
そんな情けない位置に…それにお前がそこにいるというのにできるはずがない。
そこに収まることに反感を覚えなくなったならば、私のエースとしての生命も終わりだ。
なにより、子供っぽいことであるのだが、その行為は私とイッルとの距離を果てしないものにしてしまうようで受け入れられなかった。
「あぁ、ニパ…お前勘違いシテンナー?別にこれはお前をバカにしてのことじゃないヨ…新しい兵器開発のためのデータ収集ダゾ?」
む、それは一体どういうことなのか…私になにをさせようとしているのだ?
一体全体、今更、複座式になんの未来が存在すると言うのだ…。
「どういうことなのかハッキリと言ってくれ。上手く理解できていない。」
疑問に思ったことを私はそのままにしておくことができるような性格をしていない。
イッルのことであるから、やはり、空に上がってから、アレは私にストライカー
を身に付けさせるための方便であったと言いかねないのだ。
それならば、ハッキリさせておくことに越したことはないという訳だ。
「魔力の分担ダヨ。強力な固有魔法ってのはどうしたって魔力の消費が激シイ…だから飛ぶ者と魔法を展開する者との分担をして、
できるだけ長い時間の魔法使用を可能にするって話ダ。それに互いの固有魔法を連携させるのにも適するって話だしナ。」
ふむ、ない話ではなさそうだ…ならば複座式に乗ることも吝かではない。
それに、一応、上からの命令であるらしいしな…仕方のないことだ。
「ふん、やっと乗る気になったのかよ…めんどくさいやつダナー。」
ストライカーの前座へと身を収めているとイッルの声が耳に響いた。
めんどくさいやつで悪かったな…
「じゃあニパ!!ほら発進だ!ストライカーユニット発・進!!」
なんだか馬車馬のような扱いだが我慢してやろう。
私の固有魔法は超回復…世界中探しても上回る者はいないかもしれない程の能力であるイッルの未来予知とは希少価値が違う。
飛行用の魔力供給を担当するのは仕方ないことだ。
「じゃあ飛ぶぞ!!舌噛むなよイッル!!」
心地よい風…複座と二人分の重さのため、メルスと速度性能は比べるべくもないが、それでもやはり頬を撫でる風は快かった。
「2人っきりだなニパ。」
そう呟きながらイッルは私の胸部のあたりにそっと腕を回した。
「スオムスはさ、確かに寒いけど、お前といれば暖かいヨ、ニパ。」
もう既に私は耳まで熟れたりんごのように染め上げているのだろう、吹き付ける風がなければ顔から火がでてしまいそうだ。
こんなウジウジした気持ちは私らしくない…そう思うのだが、そこには、なんとなくこんなのもいいかな、などと思う自らを確かに感じていた。
Fin.
>>452 「ハイジ」ってより「ハイディ」じゃないかな?
っていうか名前見た瞬間自分の中では愛称ハイディで決定してたんだがマリー派が多いのかな?
それはそうと画像の方はシャーリー並の速度で保存させてもらった。GJ
本当はこっちをつなげるよていだったけど、これだと胸を揉むとかに抵触しまくりなので…
でも、もったいないから一応投下。
まぁどちらにせよ睦言には抵触してる気もしますが…
発進してからこれにつながります。
ムニムニ。ムニムニ。
ははっ…数瞬前までの心地よさを妨げるかのごとくなにやら不快な感触が胸へと走る。
「…なにをやっているんだ、イッル?」
はぁ、なにか理由があるのならばサッサと言え…まぁ、イッルのすることにまともな理由などあるとは思えないのだが…。
「そこに胸があるから…私は揉ム!!」
やはりイッルの頭の病気であった。
しかしこの複座式…後座に対して前座の者は干渉できない。
「おい、やめろ!!あふっ…哨戒終わったら覚えてろよ!!」
イッルときたら私の軍服をしっかりと捲り上げ、服の中まで手を伸ばしていた。
「ふふっ、ニパはやらしくて可愛いナ。声が我慢できないなんてなぁ…でも、そんなとこも愛してるヨ。」
イッルはいつもそうだ…勝手に私を求めて、勝手に愛を囁いて、そして勝手に私を満たしていく。
それはあまりにも自分本位で、私のこの気持ちなんて気にもとめてくれないで、
私の中ではお前を満たすための思いがすっかりと行き場をなくしてしまうのだ。
「イッルのバカ…。」
顔は見えないが、きっとイッルは微笑んでいるのだろう…さっきまで私の胸へと
延びていた腕は私をしっかりと抱きしめていた。
「あっ、ニパ…ゆっくりと降下シロ。後…先に謝っとく、ゴメンナ。」
私はイッルの指示通りゆっくりと降下を開始する。
しかし、先に謝っとくとはおかしな話だ…お前ときたら先ほどから私に不埒なことを働いて…謝るのならば今で正しいというのに。
「うん、もう限界ダナ。後は頑張れヨ!!」
確かにイッルがそう囁くのを感じると私の体を加速度による圧力が襲った。
あぁ、これのことだったのか…やはり今日もツいていない。
そう、ストライカーは私とイッルの間でしっかりと分離して、私は落下しているのだ。
しかし、それでもなぜだか私は妙に冷静で、急速に近づく地面へと向けてゆっくりとシールドを展開した。
ドスンとどこか他人ごとのような音を聞くと自らの体を調べる。
かなりの高度から墜落したのに運がいいのか悪いのか、雪がクッションとなりほぼ無傷…いや、正確には傷はついたそばからなきものとなっていた。
ははっ、空を見上げるとストライカーの崩壊をいち早く、それどころか崩壊の前から未来予知で察知して、
薄情なことに一人だけ離脱したイッルの姿がくるりと旋回していた。
「さっさと降りてこい!!まず一発ぶん殴らせろ…話はそれからだ!!」
私はそう叫ぶが、それでも、確かに胸に存在するどこかイッルを憎めない心の存在を感じ取っていた。
Fin.
皆様本日もGJです。勢いがすごすぎてびっくりです。
どうも3作連続という無理を働きました。
本当はニパの話とサーニャの話を書いて20本目に到達してからしばらく休もうと思っていたのですが、
なんだかこの二人をかいてエルマさんだけ書かないのは仲間外れをしているような気がしたので3作投下です。
まぁとりあえずすいませんでした。
スーパーハイデマリータイムが進行中ですが、誰かスーパーニパタイムにも付き合ってほしいです。
まぁきっと2人ぐらいはニパ好き様もおられると信じている!!
最近ニパが好きすぎてニパ話ばかり書いているRU1ZZ/dhでした。
保管庫管理人様ー
>>432-437にタイトル付けていただいていいですかー?
よろしければタイトルは「Hypoxis aurea」で、お願いします
ふふ・・・何の因果かこれ・・・ユリ目なんだな・・ふふ・・・
ハイディ説とマリー説とハイジ説、ニックネームはどれなんですかねー気になる気になる
私はSSで使ったからにはマリーを推したい・・・ところですが実際はハイディかハイジでしょうねwwww
RU1ZZ/dhさん乙です
あなたの書くスオムス組は最高です
ほっこりしますね
>>462 3作とは…凄すぎる…!GJです!
というかまったりしてたら48手終わってしまうw
そしてスーパーニパタイムですが、及ばずながら私めも加えて下さい…。
とか言いながらエイラニャ投下します。
第17手 熱いまなざし・じっと見つめる
なんなんだろう…。
なんか、こう…ドキドキしてくるじゃないか…。
「な、なぁ、サーニャ。早く食べないと冷めちゃうゾ?」
「ん、わかってる」
「…なぁサーニャ。おなかすいてないのカ?」
「ううん、おなかすいてるよ?」
「……サーニャ。私の顔になにかついてる?」
「んーん、ついてない」
「…えと、サーニャ?」
「なぁに?エイラ」
「あの、そうやって見られてると非常に食べづらいんダケド…」
「そう?」
なんなんだろう…。目を離してくれない…。
頼むから普通に食べさせてくれ…。
「ちょ、サーニャ!よそ見するからこぼすんダ!」
「あ、ごめんね」
「いいからちゃんと前向いて食えよナー」
「うん、わかった」
おい…サーニャ…。なぜ皿を持つ…。
なぜ椅子ごとこっちを向く…。
「どうしたんダヨ、急に…」
「別に…いつもと変わらないけど…」
「いつもって…」
「私は、いつだってエイラを見てるよ」ニコッ
瞬間、私の皿のトッピングに鉄分が追加された。
以上です。
エイラーニャはすでに48手クリアしかけてるんじゃなかろうか。
LWqeWTRGでした。
466 :
影の人:2009/01/26(月) 00:34:18 ID:wr0n5JnX
48手のやつ投下します。
シャーリー視点でゲルトと夜間哨戒する話。
わりとコンパクトにできたはず、です
いつ雨が降ってもおかしくない曇り空の下、あたしとバルクホルンは夜間哨戒の任務についていた。
普段はサーニャ一人に任せているところだけれど、あたしたちも夜間戦闘の感覚を忘れてしまわないよう定期的にロッテを組んで出撃させられる。
今夜は空一面に黒い雨雲が垂れ込めていることもあり、空と海の境界線がわからないほど暗かった。
「おい、バルクホルン、異状はないか?」
インカムで相棒に応答を求める。
日中の出撃を主とするあたしたちにとって、いくらか目を慣らした程度では焼け石に水だった。
月明かりがあればまだしも、星の光も見えない曇天ではわだかまる闇がネウロイなのか、ただの影なのか判別するのが難しい。
目で見るだけでなく音などに対しても神経を張りめぐらせておく必要があった。幸いにもあたしは音に関して鋭敏な特性を有している。
「おい堅物! 返事しないと中佐に言いつけるぞ!」
インカム越しに脅しをかけるとようやく覇気のない声が返ってきた。
「あ、ああ、これといった異状はない。そっちはどうだ?」
「異状はないはずだ。なにかあったらすぐに知らせろよ、わかったな、バルクホルン?」
「りょ、了解した……」
カールスラント軍人のものとは思えない、弱々しい声音だった。
暗闇のせいで確認はできないけれど、あたしの右方数十メートルの位置を等速で飛んでいるはずだ。
あいつがいったいどんな顔をしているのか、あたしには手に取るようにわかる。
出撃前、あたしはあいつにこんな話をした。
『そういえばリーネから聞いたんだけど、なんでも最近、夜間哨戒中に変なことが起こるらしいぞ』
『変なこと? それはネウロイに関係あるのか?』
『ネウロイなら倒すだけだろう。そうじゃなくて、白い霧のようなものが見えたり、インカムから女の子がすすり泣くような声が聞こえてくるらしい』
『…………』
『ま、有り体に言えばゴーストみたいなものらしいけど、そんなのうさんくさ……、あれ、バルクホルン?』
『ハ、ハハハハ、りーねハジョウダンガスキダナ、マッタク』
『だよなー。まさかこんな話を本気にして怖がるようなやつはウィッチーズにはいないよなー?』
『ア、アタリマエダ、ハハハハハ……』
そう言って右手と右足を同時にくり出す姿はじつに滑稽だった。
ルッキーニといっしょにペリーヌをからかうのも楽しいけど、一人でからかうならバルクホルンも捨てがたい。
やつはリベリオン人の気質に否定的なところがあるから神経を逆撫でしてやったときの怒りっぷりはペリーヌ以上のものがある。
本人は自覚がないけれど、あれでけっこうコメディアンなどに向いているかもしれない。もちろんやつはツッコまれる側で、あたしがおちょくる役だ。
「バルクホルン、闇が濃くて埒が明かない。互いの距離を縮めて防御性を高める。いいな?」
「ああ、了解だ」
「間違っても左から近づく影を撃つんじゃないぞ」
あたしは体を傾けて右寄りに体重をずらしていった。
明かりがまったくない闇の中を飛ぶのはいささか心許ないものだ。
ネウロイが潜んでいるかもしれない恐怖とはべつに、人は自分の機能が及ばない領域に対して本能的に警戒する傾向があるからだ。
見えない、聞こえない、得体の知れない空間はたとえウィッチであろうと不安に思う気持ちを消し去ることはできない。
右方向に影が見えてきた。
それからすぐに形がくっきりとし、強張った顔つきで飛ぶバルクホルンの姿になった。
「よう、堅物」
「……別に貴様に鉛弾をお見舞いしてやってもよかったんだが」
「おいおい、それはぞっとしないジョークだな。カールスラントのウルトラエースが味方を誤射しました、なんてシャレにならんだろう」
「ふん、ただの冗談だ」
バルクホルンは変わらず強張った顔を前に向けたまま、暗闇を見透かすように鋭い視線であたりを見回した。
冗談を口にしているわりには表情に余裕が見られない。予想以上にいたずらが効き過ぎてしまったらしい。
こういった柔軟性に乏しいところがバルクホルンらしいといえばらしいのかもしれないが。
「あー、もしかしてさ、さっきの話、気にしてたりする?」
「……なんの話だ」
「ほら、ゴーストが出るとかそんな話。ひょっとして怖かったりとかし――――」
「怖くない! ぜんっぜん怖くないぞ! カールスラント軍人たる者、そのような低俗な迷信になぜ怯えなければならない!」
「あー、べつに怖くないならいいけどさ。ただまあ、仮にそういうのが怖くても悪いことじゃないと思うぞ、うん。あたしにだって怖いものくらいあるしな」
あたしの言葉にバルクホルンの垂れ耳がぴくり、と反応したのを見逃さなかった。
顔つきは険しいままでもこちらの言葉の続きを待っているのが気配でわかった。
本当に強情で素直じゃないやつだ。
ある意味、ルッキーニよりも手が掛かるタイプだろう。
「戦闘で死ぬのはもちろん怖いし、ルッキーニや仲間が負傷するのもイヤだな。それに宮藤がつくる扶桑の……、なんていったかな、魚をミソとかいうので煮込んだやつ。
あれは嫌いというより恐ろしさを感じる。あの系統の味だけは受け付けない。ほかにも怖いものなんて腐るほどあるぞ」
「……そういうものか」
「ああ、そういうものだろうさ。怖いものがない人間のほうがどうかしてる。あんたにだって怖いものの一つや二つ、当然あるんだろう?」
あたしの誘導によってバルクホルンの表情がわずかに和らいだ。
軍人としてのプライドの高さを切り崩すにはこちらから譲歩しなければいけない。
それがこいつとの付き合い方なのだとあたしは気付きはじめた。
わがままで自由奔放なルッキーニにはルッキーニなりの、バルクホルンにはバルクホルンなりの自分を形成する基盤がある。
それをむやみに傷付けるのではなく、“自由”がお国柄であるあたしのほうがデコボコに合わせて変形してやれば衝突することなく、すべて丸く収まる。
それがリベリオン出身のあたし流の処世術なのだ。
バルクホルンにはまた消極的で軟弱だと怒鳴られそうではあるけれど、あたしはそれでいいのではないかな、と思った。
当の本人はあたしの言葉にすこしだけ心を許したのか、もごもごと口元を動かしてぼそぼそと本音を漏らしはじめた。
ほれ、見たことか。あたしの処世術の大勝利だ。
「まあ、私とて怖いものがない……、と言い切るのは難しいかもしれんな。妹のクリスのこともあるが、ミーナや隊のみんなのことも……」
「それだけか?」
「あとは、そうだな……、幽霊などというものの存在を恐れているわけではない。だが、まあ……、得体の知れないものは、あまり好みではないかもしれないな。別に苦手というわけではないが、あくまで倒し方が定かでないというのが、やや不安……かもしれない」
やっぱり怖いんじゃないか!と声を大にしてからかってやりたかったけど我慢した。
むしろあたしは小さな子どもが罪を告白して反省できた褒美に頭を撫でてあげたいような、そんな心地を味わっていた。
あの堅物が自分の怖いものを素直に白状できたのだ。
任務が終わったら宮藤を叩き起こし、扶桑式のお祝いをしてやるのもおもしろい。
たしか赤いライスを炊くのだとか聞いた覚えがあった。
それはそれでこいつは顔を真っ赤にして怒るのだろう。想像しただけで笑いがこみ上げてくる。
けれどあたしは少しだけ大人になって、頑固な相棒にささやかなご褒美を与えるのだった。
「そうか、それなら手でも繋ぐか? そうすればすこしは怖くなくなるだろう」
「な、だから私はそんなもの怖くないと言っているだろう! あまり好きではないというだけで、けっして――――」
「はーいはーいはーい、じゃあ周りが真っ暗ではぐれたら元も子もないから手を繋ごう。それならいいだろう?」
あたしのほうから右手を差し出して言い逃れできないように牽制する。
こういうのは言った者勝ちだ。ルッキーニがそれを体現している。
「なんでこの私がリベリアンなんかと仲良しごっこしなければならない。何度も言うが、私は怖くもなんとも――――」
「だー、わかったよ、小指の一本でいいから。ほら、これくらいなら“あたしのお願い”を聞いてくれるだろう? たのむよ、バルクホルン大尉」
しぶとく虚勢を張りつづける堅物に最後の妥協、小指の先をすこし絡めるだけ。
繋がっているとは名ばかりの接触だけど、それは確かな繋がりになる。
バルクホルンに向けて突き出した右手、その親指から薬指を折り曲げ、小指をぴんと立たせてやつに捧げた。
この期に及んでまだごにょごにょと文句を言おうとしていたものの、さすがに譲歩に譲歩を重ねたあたしの戦法にやつの良心がうずいたらしい。
しぶい顔はそのまま、仕方ないとでも言いたげにため息をつきながら左手を差し出してきた。
そして小指をかるく曲げ、あたしの小指に引っ掛けた。
バルクホルンの指は思っていたより冷えていた。
気温が低いのが原因だろうけど、もしかしたらあたしの話したホラ話を真に受けて血の流れが悪くなっているのかもしれない。
あたしはぎゅっと指に力を込め、やつの小指をあたためる攻撃に出た。
やつの耳が瞬時に赤くなったのは言うまでもない。
それから暗い夜空の下をいっしょに飛びまわり、ネウロイと出くわすこともなく、あたしたちは無事に基地へと帰還することができた。
バルクホルンはあからさまに不機嫌そうな態度で、しかし赤らんだ顔を隠すようにそそくさとハンガーを後にした。
置き去りにされたあたしはその後ろ姿にくすりと笑い、さきほどまで繋がっていた小指を暗い夜空にかざした。
頑固で不器用なやつだけど、意外にかわいらしいところもある。
これからもっとあたしの懐の広さなりを教えてやらないといけない。
水と油のようなあたしたちだからこそ認め合えるものがきっとある。それを見つけていきたい。
それに、今夜のことで一つだけはっきりとわかったはずだ。
少なくともバルクホルンはあたしについて一つ知ったことになる。今日はそれだけで充分かもしれない。
なあバルクホルン、あたしの指は存外、悪くなかっただろう?
おしまい
以上です。読んでくれた人に感謝。
楽しんでもらえたら幸い。
48手見ているとキャラがだいぶ偏っているのがよくわかるわ
>>472 __
マ´ `マ
! ill i! i! i! )
リ !|(.;)ー;ノ|
c(,_U_U
いや、ごめんそうでもなかったわ
この世界のAWACSSやATFがどうなるのか、想像したら面白そう。
ATFはそれだけで百合が一本かけそうな気がするね!
そういえばこのスレ的には芳佳×エーリカは芳リカと呼ぶの?
本スレだとハルマフジだからさ
はぁ・・・シャーゲルはいいっすなぁ・・・心が洗われる
ビビってるゲルトとフォローのうまいシャーリーね、いいコンビっすよホント
>>保管庫さま
保管庫No.699において、冒頭部分が
>>326の下段のものが掲載されていますが
>>326の改変は自分のものではありませんので、『股間』を『××』に修正して頂けませんでしょうか
お手数おかしけてすみません
アニメ2だろ。宮藤エーリカはまだ呼称定着してないような
最近はここしか覗いてないがこれといって新情報はないのかな
フミカネブログくらいか
ゲームが待ち遠しいな
>>471 GJ!あなたの作品でシャーゲルが見られて嬉しいです。
昨日はvipperが頑張ってくれたけど、今度はこのスレの住人で絵師さんを応援しようぜ
今頃のこのこ出てきて絵師さんを叩く屑に負けるな
ゲームは真っ先にペリーヌ落とす
>>483のスレで絵師さんの自演を規制事実化しようとしてる阿呆を論破してください
かなり応援集まってるwwwいつもサンクスw
スルー検定実施中…?
うんうん。
>>479 今思えば本スレでも特に固定されてるわけでもなかったわ、はやとちりすみません…
まあぶっちゃけ名称よりも肝心なのはこのカップリングがはやってほしいってことなんですけどね!!!
「宮藤と結婚したければ二つの指輪を取ってこい」と少佐に言われるエイラ。
↓
南にある死の火山で大火傷を負ったリーネを助けつつ、「ほのおのリング」を入手。
↓
北にある山奥の村でサーニャに再会。その後、サーニャと共に滝の洞窟で「みずのリング」を入手。
↓
少佐に二つの指輪を渡し、芳佳との結婚を許される。
↓
「サーニャちゃんはエイラさんが好きなんです」と芳佳に言われ、朝までにサーニャと芳佳のどちらかを花嫁に選ぶように少佐に言われる。
さて、どちらを選ぶんダナ・・・。
>>491 |┃ガラッ
|┃三 ___
|┃ ▽ `▽
____|┃三 i i ッィテナィlル
|┃ ヘィメ ゚ -゚ノィ! イッル!結婚してくれ!!
|┃ p(,_U_U
エイラ「な、なんだtt」
|┃ガラッ
|┃ __
|┃ マ´ `マ
|┃ .!リ/`wヘ)
|┃ ル!)゚ ヮ゚ノ) エイラさん!わ、私との約束を破る気ですかあっ!?
____|┃三 ./テ=|:=]、
|┃ (_モj´i`ョj)
|┃≡ ゙ヒ!.ヒ!"
レッツ修羅場
>>491 サーニャと逢ったところで約束すっぽかしそうだなw
>>491 f、ヽ、
|!-‐== 、-‐: :  ̄ ¨__- 、 _____
! /: : : : : : : : : : : :.ヾく二 -‐‐ ¨フ
∨: : : ://:. ;〃: l: : : :i: : ∧ /
.〃:/: :〃:.:/ /l: :|ヽ: : l: :|: :.∨ /
//:/!: : lム⊥_{ W_ヾ:ト、l: : :.Yi
. l/ |!: :.{ ∨‐ - `メ リ: i :}:リ
. |! |\ir=ミ ≠=ミ ノ:.从リ
/.| !::::::: , :::::::∠ノュ ノ. あんなに愛し合ったのに……
+ //::::| ヽ ┌ ┐ ,.ィ:ァ<.
| i::::::| > 、_ .,.ィ ⊥ォ: : :.Y 私とは遊びだったの?
| l::::::| ____ ノT゙ ̄/::ヽ: : ム
 ̄|::.| 〃:::/:::}从/:::::/:::::ヾ: : ゙Y
(,二)⊂) 〃-‐ヽノフ∠::_/¨::::;::-‐-Y: :{
(,二) ノ:::ヽ ,{:{::::::/ //:::::::>〃:::::::::::::}: : :)
`ヽ、::: ::: : ::::/ //::::/:::〃 ::::::::::::::i : : ゙ヽ,
ヘタレジゴロのせいで傷害事件に発展ですね、解ります
へんじがない、ただのしかばねのようだ
やっぱ坂本さんが、一番最強のジゴロなんかね
ほぼ公式で、カップリングが3パターンあるし
エイラとかトゥルーデ、宮藤のジゴロっぷりはなんだかんだで二次創作上だし
ミーナと芳佳とあと一人が思い出せなかった
ごめんよぺりーぬ
前の方でストシェの話題が出てたが、俺は同日発売の
『純水アドレッセンス』の生徒と先生がペリーヌと少佐に見えるw。
同じく
ごめんよぺりーぬ
なんか体の調子が悪いと思ったら黒リーネぶんが足りなかった
>>496 まぁ確定してるのはもっさんだけだしなぁ
エイラも能力と言い、性格と言い、素質はありそうだけど……
てか、ふと思ったんだが女同士の場合、
ジゴロとジゴレットどちらが正しいのだろう?
>>496 サーニャ入れていいのかもっさんもいれていいのかで芳佳の勝ち負けが決まるな
ミーナさんもなんだかんだで厳しいし
とりあえずエイラとトゥルーデはジゴロじゃないだろう。二次創作上では別だけど...。
結果として扶桑の魔女は恐ろしい、と。
エイラは本編ならどう見てもサーニャ一筋だし
トゥルーデはエーリカだもんねえ
ss投下本数(保管庫登録分)
エイラ 263本 ゲルト 254本
−−−−−−250本の壁−−−−−−
サーニャ 230本 シャーリー 213本
−−−−−−200本の壁−−−−−−
芳佳 189本 フラウ 186本
ミーナ 180本 もっさん 179本
ルッキーニ 172本 リーネ 165本
−−−−−−150本の壁−−−−−−
ペリーヌ 112本
ちなみに、オールキャラ 93本
クリス 10本 意外とゲルトは妹に…
ニパ 21本 なぜか人気。
いらん子は良く分からないけど多分エルマさんが1番でウルスラが2番。
本編だと鉄板なのはエイラとサーニャ、シャーリーとルッキーニぐらいだろ
後者は百合とは程遠いがw
他は、そこまで濃厚なのは見えてこないなあ
もっさんにその気さえあればペリーヌをすぐにでもめちゃくちゃに出来るのだが…
…ペリーヌ応援しようかな
おっさんはそういうのに疎いから仕方ない
おっさんってなんだよ・・・もっさんだよ・・・
ちょっとペリーヌにトネールされてくる
いや、間違ってないんじゃないか……
おや、窓の向こうに雷雲が……
本数考察
エイラ 21X2w2IbさんとかRU1ZZ/dhさんとかエイラ大好きみたいな人がいる。新兵はエイラーニャから入ることが多い気がする。
ゲルト 総受体質。爺様の長編やj4ntaz3yさん、mxTTnzhmさんとかが稼いでいる。
サーニャ エイラーニャ至上主義者はやはり多い。上であげたエイラ好きの人はサーニャも勿論好き。
シャーリー 一人やばいとしか言いようがない。意外と多方面の組み合わせがある。
芳佳 オールキャラには必須な気がする。おっぱい星人は組み合わせも多彩。
フラウ ゲルトとの組み合わせとオールキャラにも出しやすい性質。
ミーナ 落ち要因でも大活躍。もっさん以外もちらほら。崩壊した姿も人気…?
もっさん 多方面に手を出す。ペリーヌしだいではきっと躍進する。
ルッキーニ やはり一人やばい御方がおられる。意外と伸びなかった。
リーネ やはり芳佳命だと幅が狭い。
ペリーヌ 頑張れ。超頑張れ。口調がめんどくさい。きっと皆の2番手3番手だから出しにくいんだきっとそう。ペリーヌメインの書き手求む。
クリス お姉ちゃんの理性が崩壊するときっと伸びる。
エルマ なんかスオムス好きの軍団がいる気がする。
ウルスラ やはり501と接点があるキャラは強い。
ニパ よく見たら一人ニパ祭が起きていた。正確には3人ぐらいで踊っています。
という訳でペリーヌに愛を!!リーネに芳佳以外の相方を!!ルッキーニにもシャーリー以外を!
エイラゲルトサーニャシャーリーは今までどおり頑張って!
中間層は良くわからない。
上から目線リクエストはどうかと……
結局、書き手さんの頭に振ってくるかこないかだからなあ
そうか、わかったぞ!ペリーネを書きまくればいいんだ!
…誰か頼んだ
そういえば滝川さんはどうなったんだろうwwww
生存報告だけでも無いのだろうかwww
「シャ!未来視でこれからの戦局を占うんダナ!」
* * * *
「サーにゃん。」
「なーにマリりん?」
「・・・・・・うふふ。呼んでみただけ。」
「・・・・・・ふふふ。」
「マリりん。」
「なーにサーにゃん?」
「・・・・・・ふふふ。呼んでみただけ。」
「・・・・・・うふふ。」
「・・・・・・えへへ。」
* * * *
「うっがぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!誰だオマエはぁぁぁぁあぁあぁぁあぁ!!」
「きゅ、急に暴れだしてどうしたんですかエイラさん!」
「くっ・・・・・・!よっぽど恐ろしい未来が視えたに違いない・・・・・・!」
「つっ、続きは!?続きは一体どうなるんダナ!??」
* * * *
(指が触れ合う)
「あっ・・・・・・ごっ、ごめんなさいサーにゃん。」
「う、ううん!わ、私の方こそごめんね、マリりん。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
(そっと手と手を重ねる)
「・・・・・・(ポッ)」
* * * *
「うっ、がっ、ごっ!!ぐっがぁぁぁああああ!!!!!……。うっ。ぐっ。………………うえぇぇぇぇん……。」
「泣き出したぁーーー!!??」
「一体どんな悲劇が待っているというんだぁーーー!!!!」
ニッカについて参考になりそうなレスがあったので転載。
でもフミカネが喋らせらん事には、キャラ設定なんて想像しか出来ないしなー
505 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/01/26(月) 22:49:14 ID:frK/ng0B
「北欧空戦史」に掲載のインタビューを見ると、ユーティライネンはたくましく自信に満ちた感じ、カタヤイネンはおとなしく控えめで、それでいて暗さが無く、何を話してもよくうちとける人柄、と書かれていた。まあ、だいぶ年がいってたんだろうけど。
あと、二人で日本の航空雑誌に見入っている写真とか脳内女体化変換余裕でした。
ペリーヌスキーは他力本願すぎw
そうだな、せめてシチュ妄想くらい落としたら職人さんの琴線に触れるやもしれん
だめだ浮かばない
リーネちゃんの胸を偶然触ってしまい、それ以来リネっぱいが気になってしょうがないペリーヌとか…
とりあえずフミカネはいい加減にオラーシャとガリアのウィッチを描いてくれ、特にガリアの新キャラを
これによってペリーヌの状況がある程度変わるかもしれない、てか変わるはず
本編に出てないのに設定と絵だけあるウィッチが多い、扶桑組とカールスラント組とスオムス組が強すぎるのよ
一瞬リーネ×ルッキーニで話が浮かびかかったけど途中で途絶えてしまった。
自分の中じゃ芳佳×リーネ、シャーリー×ルッキーニ、サーニャ×エイラで
殆ど固定されているからこれを崩して書くのは難しいです。
エーリカ×ペリーヌ妄想して延々とニヤニヤしてるのは俺だけですかそうですか。
8話でからかわれてたりしてるのに。7話で一緒にED歌ってるのに(こっちは余りもん組ませたくさいが)
家族なくしたペリーヌと家族思いのエーリカってなかなかよくね?
強引なエーリカにペリーヌがツンツンデレツンしちゃうの。
あと二人とも芳佳に対してジェラシーみたいなもの感じてて、
それがきっかけで惹かれてくの。
さて、48手にでも書くかな。
シャーリーに頼まれてルッキーニをあやしているうちに
目の前で失った家族、可愛かった妹を思い出して涙を流しルッキーニに慰められるペリーヌとか
クリスが遊びにきてトゥルーデといちゃいちゃやってるのを悲しげに見つめるペリーヌ
気になってトゥルーデがミーナに話を聞くとペリーヌに優しい姉がいたことがわかって
それを聞いたトゥルーデがペリーヌをきゅっと抱きしめて私を姉だと思ってくれて構わないとか
エイラのちょいエッチないたずらがエスカレートしていってついにペリーヌがもうダメ状態になって変な雰囲気に
それ以来ペリーヌを意識し始めるエイラとか
あーなんか思いつかねーあーあーうー
モデルつながりだと実はペリーヌとビューリングって仲良いんだよね
一般的にバーリングと表記されることが多いのにビューリングなのは
クロステルマンの著書のためだと思う
空飛びたいけど機材が足りなくて搭乗番が回ってこないから上官受けがよければ多く回ってくるかと思い
滑走路に使用する凍結した湖の状況を早朝に起きて数時間かけて確認し、そのことを上官に報告したら
「よく確認してくれた、疲れてるだろうから今日はゆっくり休め」
ってその日の搭乗番をふいにするカタヤイネン(実話
普通にやさしい上官なエルマさんとのエピソードに変換してニヤニヤしてたけどSSにできるまで膨らませない罠。
あと、仕事の合間にググッて見つけられなかったんだけどハイディの誕生日ってわかる人いる?
「2月15日に体調崩してそのまま誕生日の間も寝込んでた……」
って表記は見つけたんだが正確なところがよくわからん。
でもその周辺なのは間違いないと思うんで、13日シャーリー、21日エイラ、28日ペリーヌの間のどこかに挟まることになる。
やばいな。
っていうかマジで時間ほしい……燃料が多すぎて燃やしきれない状態だorz
>>528 カールスラントのwiki見たら16. Februar 1922って書いてあったよ。2月16日だね。
誕生日SSに期待。
キャラの誕生日表みたいなの作ってSSまとめのところに貼っておけば
皆忘れることもないしイベントがあるぞーみたいな感もあって
作者様その他住人のモチベーションアップに繋がるんじゃないかなあとか言ってみたりする
だが他力本願
>>520 少佐とミーナさんの計らいでリーネの家でお世話になる事になったペリーヌ。
大家族に温かく迎えられ、悪態をつきながらもペリーヌは久しぶりに家族の温もりに触れる。
その夜、家族を失った時の夢を見るペリーヌ。
悲しくてクスンクスンと泣くペリーヌに気づくリーネ。
恥ずかしくて、「なんでもありませんわ」と必死に誤魔化そうとするも、涙が止まらないペリーヌ。
そんなペリーヌを優しく抱き締めて、頭を撫でなで、背中をぽんぽんしながらリーネは優しく言う。
「大丈夫ですよ。もう一人じゃないですよ・・・」と。
やがて、泣きつかれたペリーヌはリーネの胸の中で赤ん坊のように眠り始めるのだった・・・。
こんな感じでプロットを纏めた事はあるんだけど、
書いてる最中に「これは百合なのだろうか」と思い悩んで挫折しますた・・・。
可愛い女の子が二人いればそれはもう百合なのだよ
芳佳とリーネのいちゃいちゃっぷりに並ばなきゃ
百合とは言えん!!
前スレのjaneのdatを誰かうpしてくれまいか、ここ一ヶ月ネット出来なくて涙目だった俺俺・・・
みんなエーリカのキャラどう判断してるの?
セリフなさすぎて全くキャラがつかめない
>>536 無口なんだか陽気なんだかはっきりしないキャラ設定を逆手にとると
あら不思議なんでもこなすユーティリティプレイヤーに
>>536 ウーシュ大好き、くらいしか考えたことがありませんw
やっぱり想像しかないか
それかゲーム待ちか
ありがとね!
もっさんがペリーヌを惨殺するSS書いて
>>519 モデルの人のエピソードだと、エイラはニパのプロポーズの手伝いをしてたりする。
それぐらい仲は良かったんだろうね
さて、美緒×ミーナで26手が書き上がったんで投下
まぁお世辞にも立派なものじゃないですけど、妄想のお役に立てたら
「・・・ふむ(チラ)」
「あら、美緒が読書なんて珍しいわね」
「おいおい、私だって少しは本を読むさ」
「そう?本よりもカタナを持っているイメージが強いのかしらね。どうにも違和感を覚えるわ」
「まぁ確かに最近あまり読んでいなかったな・・・」
「くすくす・・・ところでどんな本を読んでいたの?」
「ああ、作法の本だ」
「作法?」
「そうだ。作法は国や地域によって全く異なっていたり、似通っていたりするからな。その様が面白くて。
それに挨拶一つでも間違えると嫌な顔をされるからな。趣味と実益を兼ねているんだ」
「ふぅん・・・そうだ、扶桑ではどんな挨拶の仕方があるのか、教えてもらえないかしら?」
「ああ構わない。ではそこに立っていてくれ」
「こう?」
「うむ(スッ)」
「え?どうしたの急に跪いたりして・・・」
「ご機嫌うるわしゅう、ミーナさま。この坂本美緒、貴女のために、この身を挺すことも厭いませぬ」
「え?え?」
「ミーナさま、お手を」
「手?・・・こう、かしら」
ちゅっ
「あっ、み、美緒・・・」
「この身が引き裂かれ、燃え尽きるまで・・・貴女をお守りいたします」
「・・・・・・」
「と、いうのが扶桑流の挨拶だな」
「もう!からかわないで!」
「む、お気に召しませんでしたかな、ミーナさま?」
「ばか・・・」
「(まぁこれをやりたいが為に作法の本を読んだフリをしてみたが・・・存外効果的のようだな)」
「ねえ美緒」
「なん――ミーナ!?泣いているのか!?何か嫌なことでも・・・」
「ううん、そうじゃないの。嘘でも嬉しくて・・・」
「ミーナ・・・」
「側にいて、守ってくれる?」
「・・・ああ、お前が嫌だと言っても離れるものか」
「ありがとう・・・愛してるわ」
「私もだ、ミーナ・・・愛してる」
ああ、40手もついでに・・・連続してすみません。通勤のお供に
エイラーニャとシャーゲルでネクタイを結ぶ話ですね
「サーニャ、ネクタイ結んでやるから動くナヨー」
「ん・・・ありがとうエイラ」
「へぇ、手慣れたもんだなぁ。毎日やってんのか?」
「そ、そんなことネーヨ!」
「またまたぁ、照れんなよ。いいじゃん、ほほえましいよ」
「どっか行ってろバカシャーリー!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ってことがあったんだよ」
「そうか。エイラとサーニャの仲が睦まじいのは良いことだな」
「・・・おい、そうじゃないだろ?なんかさぁ、もっと何かない?」
「何がだ?」
「はぁ・・・いや、やっぱいいよ」
「そうか、明日は私が食事当番だからな。悪いが先に寝かせてもらうぞ」
「へいへい・・・」
「(・・・・・・ネクタイ、か)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
数日後
「ほら早く起きろ、遅刻するぞ」
「ふわ・・・」
「いつまで寝ぼけているか・・・おい、ネクタイがぐちゃぐちゃだぞ」
「んー?・・・結ぶのめんどくさ・・・」
「・・・仕方ない、ほらこっちを向け」
「なんだよー」
「いいからじっとしていろ」
シュル、シュル・・・キュツ
「お・・・」
「ほら、できたぞ。さっさと目を覚ませ」
「・・・ありがと」
「え、あ、なっ、なんてことないだろう。こ、こんな、ネクタイくらい」
「練習したの?」
「・・・・・・知らんな、いいから早くしろ!」
「ふーん・・・やっぱ好きになってよかったかな」
「何か言ったか?」
「なんでもなーい」
>>529 アリガト
で、クロエの誕生日が2月17日か……クロエとハイディひとまとめにして誕生日合わせになんかやってみるかな。
>>546 なんという良い仕事
感謝せざるを得ない
こんな夜遅くまでご苦労様です
>>546 いつも乙です。エイラーニャの独立カプ率に吹いたw
ちなみにウィルマさんの誕生日は5月20日だそうですよ(闇文から
>>546 管理人様毎度ながら超GJ!
流れにのって48手の第42手「お買い物」……を書こうとしたんですが、
書いてるうちにまったくの別物に……
まあもったいないからいきます。いちゃいちゃどころかギスギスしてますが。
2レスの予定。
「……というわけで、坂本美緒少佐の吸ったり吐いたりした空気は25ポンド8シリングでペリーヌが落札ト。ミーナ中佐は残念ダったナ」
「くッ……!」
「アー、あんまり睨むナヨ。エート、続いてはコチラ。宮藤芳佳軍曹の使用済み歯ブラシ。1ポンドから」
「1ポンド1シリング!」
「オ、バルクホルン大尉が1ポンド1シリング。他にはないカ?」
「5ポンド!」
「オ、リーネが5ポンド。サア、他にはないカ?」
「5ポンド1シリング!」
「またバルクホルン大尉。5ポンド1シリング」
「10ポンド!」
「今度はリーネが10ポンド」
「…………バルクホルン大尉が16ポンド1シリング。他にはないカ」
「17ポンド! バルクホルンさん、いい加減諦めたらどうですか?」
「17ポンド1シリング! リネット・ビショップ、お前こそもう引き時だぞ?」
「1シリングずつあげるのはやめてください! 18ポンド!」
「18ポンド1シリング!」
「19ポンド!」
「19ポンド1シリング!」
「じゅ……19ポンド10シリング!」
「どうした? そろそろ苦しくなってきたか? 19ポンド11シリング!」
「そ、そんなことはありません! 19ポンド15シリング!」
「19ポンド16シリング!」
「バルクホルンさん、妹さんの治療費で大変なんでしょう? 19ポンド18シリング!」
「リネット・ビショップ。お前だって家族への仕送りがあるはずだろう? 19ポンド19シリング!」
「にっ……20ポンド! もういい加減にしてください、バルクホルンさん」
「フン、20ポンド1シリング! どうだ、リネット・ビショップ?」
「……………………」
「おやおや、なんだもうおしまいか?」
「というわけで、宮藤芳佳軍曹の使用済み歯ブラシは、20ポンド1シリングでバルクホルン大尉が落札ト。リーネは残念ダったナ」
「まあ結果は最初から目に見えていたか」
「……そんなことはありません」
「素直に負けを認めたらどうだ? そもそも軍曹と大尉では貰える俸給が違うんだ」
「くッ……!」
「リネット・ビショップ。ひとついいことを教えてやろう」
「…………なんですか?」
「ヤラしいことをしたければ偉くなれ」
「あのう、なにやってるんですか?」
「ウワッ! 宮藤、いつからいたんダ?」
「ついさっきですけど。ごはんの時間なのになかなかみんなこないから探したんです」
「そ、そうカ……」
「それで、みんなでなにしてたんですか?」
「ア、イヤ、コレは、ソノ……」
「あれ? それ、私の歯ブラシじゃないですか。なくしたと思ってたやつ」
「ア、アア、洗面所に落ちてたんダ。ほら、今度は無くすナヨ」
「わあ、エイラさん、どうもありがとう」
「私の……」
「? バルクホルンさん、どうかしたんですか?」
「……別に、なんでもない」
「エイラ遅い。なにしてたの?」
「ミーティングがつい長引いてサ……ゴメンナ、サーニャ」
「もういい。みんな揃ったし、食べよ」
「ン? でも、ペリーヌと坂本少佐がいないけどナ」
「ああ。ペリーヌさんだったら今、坂本少佐にお説教されてる」
「お説教? なにかあったのカ?」
「実は…………あんまり大きな声じゃ言えないんだけど……シンナーのようなものを吸ってたんだって」
以上。
1ポンドって20シリングでいいんだっけ?ペンスの方がよかったのかな。
本当にすいません。
>保管庫氏
資料館の作成GJであります。
誕生日表は501新人シリーズにて有効な支援兵器として活用させていただく予定です。
(どうしても「何年前」ネタになるので、年齢の整合性が向上して作品の精度も上がります)
ということで、芳佳で第1手「手をつなぐ」を書こうとしたら長くなりすぎた&その要素が薄いので、
仕方なく【501新人シリーズ】の最後に登場させる予定だった宮藤芳佳ストーリー第1話、芳佳と坂本と竹井醇子の幼少時代です。
※男性キャラとして宮藤博士が後半に出てきますが、ストーリー上必要なので仕方がない。
タイトルは【501新人時代シリーズ】扶桑の治癒術師:第一話『迷子とお父さんと二人のおねえちゃん』です。
【501新人時代シリーズ】扶桑の治癒術師:第一話『迷子とお父さんと二人のおねえちゃん』
今から約10年前の夏…まだネウロイの影はどこにも出現していない頃のお話。
当時宮藤芳佳5歳、竹井醇子・坂本美緒ともに9歳のことだった…
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
ここは横須賀市にある、とある神社のお祭り。
いつもは仕事でなかなか家にいない父親が久しぶりにいっしょなので家族で来ていた。
しかし、縁日が楽しくて境内をあちこちを走り回っているうちに芳佳は家族とはぐれてしまった。
芳佳「ヒック…しくしく…ここどこ?おとうさんどこいっちゃったの?…」
醇子「どうしたの?迷子になっちゃったの?」 芳佳「…うん、おとうさんいなくなっちゃった…」
見上げると少し年上の、買い物かごを抱えた巫女装束の少女が心配そうに覗き込んでいる。
醇子「そう…一緒に探してあげたいんだけど…私まだお仕事あるから一緒に探してあげられない…
でも神殿に連れて行ってあげるからそこで待ってればお父さんかお母さんが探しに来てくれるわよ」
芳佳「しんでん…ってなに?」
醇子「神殿っていうのはね、そこの階段の上にある神社の建物よ。私のお家でもあるんだけどね」
芳佳「そこでまってればおとうさんきてくれる?」
醇子「そうよ、そこまで連れて行ってあげるから手、つなご。また迷子はいやでしょ?」
芳佳「うん…」
芳佳は今度こそはぐれたりしないように醇子の手をぎゅっとにぎった。
醇子「そう言えばあなたの名前なんていうの?私は竹井醇子よ」 芳佳「わたしは…みやふじよしか…5さい」
醇子「私は10歳よ、『みやふじよしか』ちゃんかぁー…そう言えばさ、ここら辺では見ないけどどこの子なの?」
芳佳「えーっと…『かまくら』ってところのしんりょうじょなの。おかあさんとおばあちゃんはけがをなおせるウィッチなんだよ」
醇子「鎌倉!?鎌倉って…ここは横須賀よ、ずいぶん遠いところから来たのね」
本殿まで行く間、醇子と芳佳は離れないように手をつなぎ、お互いのことや家のこと、父が仕事で年に何ヶ月も家を空けがちなことなど、
いろいろな話をしながら時間は過ぎていった。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
醇子「さぁ着いたわよ、中に入りましょう。そこに座って待っててね」 芳佳「うん」
美緒「おい醇子、遅いじゃないか!買い物に何分かかって…おや?その子は誰だ?」
醇子「ごめんね美緒。それが…この子迷子みたいで、とりあえず神殿まで連れてきたの」
美緒と呼ばれた、醇子と同じく巫女装束で右目に眼帯の少女はやれやれといった顔で呆れる。
芳佳は突然現れた眼帯の少女に驚いて醇子の後ろに隠れてしまった。
美緒「ふむ、迷子か…ここに連れてきたのはある意味正解だが、これからどうするんだ?」
醇子「どうもしないわよ、この子のご両親が迎えに来るのをただ待つだけよ」
美緒「おいおい…連れて来ておいてそれはあまりにも無責任とは言わないのか?」
醇子「それがね、この子の父親ってもしかしたら私たちの知っている人かもしれないわよ?」
美緒「なんのことだ、この近所の子なのか?私は知らんぞ」
醇子「違うの…この子確かに『宮藤芳佳』って言ったわ。それに、家は鎌倉の診療所で母親と祖母がウィッチだとも…」
美緒「宮藤…鎌倉の診療所…ウィッチ…おい!それってまさか…」
醇子「ちょっと待って美緒…よしかちゃん、あなたのお父さんの名前言える?」
芳佳「えーっとね…わたしのおとうさんはね、『みやふじいちろう』っていうんだよ。それがどうかしたの?」
醇子「やっぱり…ねぇ芳佳ちゃん、もしかしたらお父さんすぐに見つかるかもしれないわよ」
芳佳「ほんとに?じゃぁはやくさがそうよ!」
醇子「ちょっと待って…落ち着いて芳佳ちゃん、さっきも言ったように私はここのお仕事があるから、
代わりにこの美緒おねえちゃんに一緒に探してもらおうね」
芳佳「みお…おねえちゃん?わたしよしか、よろしくね」
美緒「あぁ、私は坂本美緒9歳だ、醇子とは近所の知り合いで…今日はここの神社がお祭りで忙しいから手伝いに来たんだ。」
醇子「そうね…ご苦労さま。もう交代しましょう…あなたも休憩が必要よ」
美緒「あぁありがとう、休憩ついでに一仕事だな」
醇子「そういうこと。あっそうそう、さっきお饅頭買ってきたんだけど二人とも食べる?」
芳佳「わーいおまんじゅうおまんじゅう〜♪じゅんこおねえちゃんありがとう」
醇子「くすくす…それじゃがんばって探してきてね。(ヒソヒソ…じゃ、博士にヨロシクね美緒)」 美緒「あぁ、任せておけ」
美緒「それじゃ早速行こうか。はぐれないように手をつないでいよう」
芳佳「うん!いこういこう、おとうさんさがしに!」
美緒「はっはっは!父上がすぐに見つかるかもしれないとわかったら元気になったな」
さっきまで自分がやっていた巫女の仕事は醇子に任せ、二人は元来た道をしっかり手をつないで戻っていった。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
美緒「宮藤はか…いや、芳佳のお父上はどんな方なんだ?」
芳佳「おとうさん、おしごといそがしくてあんまりおうちにいないからわかんない…でも、とってもやさしいよ」
美緒「そうか…(そう言えば基地ではあまりそんなところは見たことないな)それはさぞかし良い父上なんだろうな…」
芳佳「うん!わたしのじまんのおとうさんなんだよ、ところでみおおねえちゃんのおとうさんってどんなひと?」
美緒「私の父上か?そうだな…海軍の偉い人で怒るとすごく怖いんだ。
『こらーっ!』って大声で怒鳴って…でも、うちももう何年も会っていないからたまには顔を見たいかも…」
芳佳「…そんなにこわいの?」 美緒「あぁ、芳佳だったら泣き出しちゃうかもしれんな」
とりとめもない話をしていると、『…ーっ!』『…しかーっ』 大人2〜3人が叫んでいる声がどこからか聞こえる。
『よしかーっ!』『芳佳ーっ、どこにいるんだーっ!』
芳佳「!!、おとうさんとおかあさんだ!」 美緒「そのようだな。ほら、あの辺から聞こえるぞ、ちょっと待ってろ」
美緒は眼帯を外すと声のするほうを見て紫色の右瞳【魔眼】に魔力を込める。
すると100mほど向こうで夫婦らしき二人組が何かを探すように周囲を見渡しながら芳佳に呼びかけている。
芳佳「みおおねえちゃん…?」
美緒「…お、いたいた。ご両親は向こうのほうに居るから一緒に行こう。さぁ走るぞ、ついて来い!」
芳佳「うん!」
芳佳は離されないように美緒の手をしっかり握ってついていった。
ほどなくして4人はめぐり合った。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
芳佳「おとうさぁーん、おかあさぁーん!!」 芳佳はしこたま転ぶのも気にせず両親の元へと駆け寄っていった。
一郎・清佳「芳佳、よかった!」 芳佳「おとうさん、おかあさん…ひっく…ひっく…ごめんね…ひっく…」
清佳「どこにいってたの?心配したのよ」 一郎「まぁまぁ母さん、こうして見つかったんだからいいじゃないか」
美緒「あの…」 一郎「やぁ!坂本曹長じゃないか、こんなところでどうしたんだい?」
芳佳「え?え?えぇーっ?みおおねえちゃんとおとうさんってしりあいだったの?」
一郎「そうだよ、この坂本美緒さんはお父さんの仕事を手伝ってもらってるんだ」 美緒「そういうことだ」
一郎「それで今日はどうしたの?」 美緒「実は…カクカクシカジカで…ということです」
一郎「なるほど、竹井曹長が保護してくれてたのか…坂本君、芳佳を連れて来てくれてありがとう」
美緒「いえ、当然のことをしたまでですから礼を言われるほどでは…」
一郎「それより神社に行って醇子君にもお礼を言わなくちゃいけないな、今日は君も竹井神殿の手伝いなんだからどうせ戻るんだろう?」
美緒「そうですね、それでは参りましょうか」
芳佳「おとうさん…じゅんこおねえちゃんのこともしってたんだ…」
芳佳は父の知らない部分を知ってしまってちょっと複雑であった…
それよりも、自分とそんなに年齢も変わらない年上の少女二人が軍隊で大人の仕事の手伝いをしていることのほうにショックを覚えていた。
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:* 2時間後、竹井醇子の実家 *:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
夜9時、坂本美緒と竹井醇子は巫女装束のまま居間に入ってきた。
芳佳は今日色々あって疲れたのか、すやすやと寝息をたてていた。
醇子「皆様お待たせしました、さっきやっと仕事が終わって…今日はもう遅いですし、是非うちでご飯を食べていってください。
さぁ美緒、ちょっと運ぶの手伝って。芳佳ちゃん、ご飯だから起きてね」
美緒「これを持って行けばいいのか?醇子、今日は結構ご馳走だな」
芳佳「うーん…もうごはん…?あれ?ここどこ?」
一郎「ここは醇子お姉ちゃんのお家だよ、今日はもう遅いからここでごはんを食べていこう」
芳佳「うわーっ!すごいねおとうさんおかあさん、おさかながいっぱいあるよ!」
清佳「これ芳佳!お行儀が悪いわよ、先に手を洗ってらっしゃい」 芳佳「はーい」
竹井家でのささやかな食事会はあっという間に時間が過ぎていった。
一郎「そろそろ帰らないとおばあちゃんが心配するだろう…軍の仕事もしばらくは一段落という感じだし、
当分家でゆっくりしているよ。たまには娘にも家族サービスしないとね…」
芳佳「そうだよおとうさん、あしたはいっぱいあそぶんだからね!」 一郎「ははは…芳佳にはかなわないなぁ」
美緒「ところで博士…例の件ですが…」
一郎「それはまた今度にしよう。君達もたまの休日なんだからゆっくりしたらいい。士官学校は休みなんだろう?」
美緒「わかりました。急ぎでもありませんのでこの件は後日ということで…」
醇子「そうよ美緒、あまり真面目なのもどうかと思うけど…」 美緒「はっはっは!それもそうだな」
そして午後11時、それぞれの別れのときが来た。
芳佳「それじゃまたねおねえちゃんたち」
醇子「またいつでもいらっしゃいね」
美緒「またいつか会うときがあったら今度は私の家にも来てほしいものだ」
─ 宮藤一家は自宅までの帰路、車中では話が尽きることがなかった ─
それから2年後、宮藤一郎は最新ストライカーユニット開発のためブリタニアへ、これが父娘の最後の対面となる。
5年後、ブリタニアから父の死亡通知が届く。芳佳は不思議と涙は出なかった。
そして最初の出会いから10年後、宮藤芳佳は竹井醇子『扶桑皇国海軍中尉』および穴拭智子『元連合国507少佐』
(1944年初頭に軍を退役してスオムスより帰国、同年4月から鎌倉市第一高等学校の体育教諭で芳佳の担任となる)の二名によって、
坂本美緒『連合国501少佐』へウィッチ候補として強力に推薦され、ブリタニアで501のウィッチになるが、それはまだまだ先のお話。
『迷子とお父さんと二人のおねえちゃん』end
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
次回予告のようなもの(ストライカーの飛翔、c/v福圓美里)
宮藤芳佳10歳です。最近私の家にかわいいワンちゃんがよく来るようになって…
ちょっ!なに?この子ったら…そんなとこ触っちゃ…ぁん♪やめなさい!
…ゴホン!次回、扶桑の治癒術師第二話『使い魔は豆柴犬』です。
…まったく、兼定ったら元が刀の精霊だとは思えないぐらい○○なんだから…
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
おまけ:
醇子「美緒、あの子ってあの伝説の秋山芳子陸軍中将のお孫さんよね?」
美緒「あぁ、確かそうだが…それがどうかしたのか?」
醇子「ということはあの子の魔力量は通常の何十倍もあるはずよ」
美緒「どういうことだ?」
醇子「相変わらず鈍いわね…あの子がウィッチになってみっちり鍛えたら相当すごい人材になるはずよ、
もしかしたら治癒能力も発現するかもしれないし、戦争になったら相当役立つってことよ」
美緒「そうだな…時期が来れば博士にも話してみようか」
しかし、1938年から二人がリバウ戦線に赴いている間にブリタニアの研究施設が何者かによって破壊され、宮藤一郎博士は行方不明。
その生死すら不明になったため、その相談は果たされぬままとなった…
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
以上です。最初は「第1手:手をつなぐ」の予定だったのにその部分は少ししかなく、
あまりにも長くなったので新人シリーズ:芳佳パートに転化します。
て言うか芳佳5歳はひらがなしか話せないので読みにくかったら申し訳ない。
なお、『扶桑の治癒術師』は【501新人時代シリーズ】としては一番最後(11人目)になる予定なので、しばらくお休みです。(たぶんw)
558 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/27(火) 18:06:45 ID:1qZsl8Fb
あーあー、一応ルッキーニとペリーヌでssを書いたんだ。
しかし何分不慣れなもので、これでいいのだろうか?
口調が変な気がするぞ?
そんなものでも投下していいだろうか?
>>558 エイラ「イインダナ」
サーニャ「グリーンダナー」
560 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/27(火) 18:24:12 ID:1qZsl8Fb
あ、んじゃ、いきます。
題はないですが。即出ではない、はずだっ!うん。
赤く大きな太陽が、西の海に沈みかけている。
「すう、すう」
真っ赤に染まって人気のないミーティングルームに静かな寝息だけがきこえる。
そこへ、昼寝をしていたのか、お気に入りの毛布を引きずりながらルッキーニがミーティングルームに入ってきた。
ここで寝なおすつもりなのだろう。まっさきに一番大きなソファアにむかい、そこに先客がいるのを発見する。
「う、わぁ。めずらしぃ」
静かに寝息を立てていたのはペリーヌだった。ひじ掛けを枕にして大きなソファアの上でわざわざ小さくなって眠っている。
いつもは自分がミーティングルームで気持ちよく寝ていると起こしてくるペリーヌ。おもしろくなかった。
「むぅ〜どんな顔でねて、ぃ・・・」
間抜けずらを拝んでやろうと思ってペリーヌの顔にかかっていた髪をどけかけたところでルッキーニの手が止まる。
ペリーヌの目もとには涙がたまっていて、頬に涙が走った跡があった。
「なんで」
突然のことに戸惑っているとペリーヌがもぞもぞと動いた。ルッキーニの肩がはねる。
「んん、お母、さま・・・」
「あ、」
小さな声だった。けれど、ほかに誰もいないミーティングルームでははっきりと聞こえた。
(強がってても子供なんじゃんか・・・)
ルッキーニでも、彼女の国の事情は知っている。その寝言から、涙の理由にも見当はつく。
それでも、すぐに何かをしてやることはできないのだ。彼女も子供だから、何をしてやればいいかもわからない。
(特別だかんな)
そう心の中で呟きながら、自分のお気に入りの毛布をペリーヌにかけてやる。そして、シャーリーがいつも自分にしてくれるように、ペリーヌの頭を優しく撫でた。
「ん、あれ?わたくし・・・」
「んきゅぁっ!」
「ひゃっ、なんだ、ルッキーニさん?」
思わぬタイミングで起きたペリーヌに驚いたルッキーニが声を上げる。その声に驚いて声を上げたペリーヌがきょとんとした顔でルッキーニを見た。
そこで初めてルッキーニはペリーヌが眼鏡をかけていないことにきづく。おそらく眠るために取ったのだろう。眼鏡越しではない、きれいな黄金色の瞳はきらきらと
涙と夕日でひかっていた。
561 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/27(火) 18:24:48 ID:1qZsl8Fb
きれ〜)
そんなペリーヌの瞳にすっかり見とれてルッキーニはペリーヌを見つめて何も言わないので、ペリーヌのほうはだんだん不安になってくる。
「あれ?ルッキーニさんですわよね?この毛布も・・・」
「・・・」
「あの、ルッキーニさん?」
「え、はにゃにゃ、そうだよ!」
ペリーヌが目の前で手を振ったことによりやっとルッキーニはかえってくる。
そんなルッキーニをみてペリーヌは一安心したあとため息をつく。
「わたくしったらこんなところで寝てしまって、はしたないですわ・・・。ああ、しかも眼鏡まではずして」
そういいながら目もとに手を当てようとする。
「ああっ、だ、ダメ!」
「へ?」
ルッキーニは、ただ一つしか考えていなかった。
この強がりのお嬢様は自分が家族の夢を見ながら泣いていたことを、しかもその泣き顔を他人に見られたと知ったら自分を恥じるだろう。
もちろん、ルッキーニはそんなことは恥だなんて思わないが、ペリーヌはそう思うだろう。そういう性格だと理解するぐらいには長く二人は一緒にいる。
「ちょ、ちょっと!」
だから、ペリーヌの手を押さえて、涙を舌ですくい取る。頬に走った跡まで。しっかりと。
「な、なななな」
みるみるペリーヌの顔が赤くなっていく。ペリーヌが流した涙の跡がわからなくなるぐらいのころには、普段は白い肌が真っ赤な湯でだこのようになっていた。
「なにをするんですの!!」
しばらく口を開け閉めしたあと、やっとのことで声を出す。
「ん〜、お昼のミートソースついてたから〜」
ルッキーニはいつもの調子で返す。すると、ペリーヌは下を向いてプルプルと震えだす。
「そ、そんなわけないでしょう!!」
次の瞬間勢いよく立ちあがった。
「うきゅぁ〜。本当だもん〜」
それを見てルッキーニは急いで出口にかける。
「あ、こら!おまちなさい!」
それを慌てて眼鏡をかけて追いかける。
「ミートソースおいしかったよ〜」
ルッキーニは全力疾走で逃げる。脱兎のごとく逃げる。
「きー!!嘘をつくのはおよしなさい!止まりなさい〜」
それをペリーヌが追いかける。
「嘘じゃないも〜ん」
ペリーヌに追いかけられながらルッキーニはそう叫んで、そのあとに心の中で付け加える。
(ミートソースじゃぁなかったけど)
そんなルッキーニはちょっとだけ嬉しそうなのでした。
おわり
562 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/27(火) 18:27:45 ID:1qZsl8Fb
あ、ごめんなさい!石は投げないで!
研究不足ですみません。でも、どうしても書きたかったんだ。
ペリーヌは時々家族を思って泣いてるのではないかと、でも強いのがペリーヌ。
ペリーヌは好きなキャラだっ!
イイ・・・。 心が洗われるようだ。
>>562 GJだが次からはメル欄にsageと書いてくれ
>>559 吹いた。なんてノリのいいサーニャ!
ここは是非頬を染め、小声で…でもちょっとの遊び心を秘めた瞳で言ってほしいものだ、グリーンダナ。
>>562 この二人はなぜか新鮮に感じたよGJ!ペリーヌ幸せになってくれ…
次からはsageような
おほめの言葉ありがとうございます。
あと、申し訳ない。次からは気を付けます。sageます。
というか次があるのか甚だ疑問ですが。
一応頭の中にはあるんですがね、一応。
文才のないペリーヌスキーはお役ゴメンです。ここで昼寝をしております
今日も皆様GJです。
特に管理人さんGJ!!
なんだかお前がスオムスばっか書くからペリーヌの悲劇が起こってんじゃないか!!
ペリーヌに謝ってこいやと言われたような気がしますが(大嘘)スオムス好きはやめられないな〜。
あと言おうと思っていて忘れていた。もう3日も前になるのか…zet4j65zさんGJでした。
ニパ好きがいると嬉しいなぁ嬉しいなぁ。
自分の中でもハッセ→ニパ→エイラなのでわくわくです。北欧空戦史でのエピソードからハセニパは仲良し仲良しに違いないと妄想していた甲斐があったぜ!!
エイラがニパのプロポーズの手伝いから、エイラニパにどんな告白が嬉しいか聞かれて必死に考える→実は好きなのお前だよ!!で1話書きたいけど時間ないから誰か書いてくれないかなぁといってみるテスト。
ニパと誕生日が1日違いで嬉しくてテンション上がってるからほんとはいっぱい書きたいんだけどなぁ。
とりあえずシャーリーと竹井さんの誕生日が同じことに何かを見出す作業に戻るか…
好きこそ妄想を形にするパワー!
今後もスオムスってください
そういえばニパって公式で喋ってるっけ?
このスレでのニッカ像がすっかり俺の中で定着してるんだが
喋ってないと思う
ところで誰か
>>527をもう少しkwsk
>>557 シリーズ宣言したり予告編入れたり…
イタくて見てらんないわ
オナヌーもいいけど、他の人のSSもちゃんと読んでみたら?
なんで自分にレスが少ないかわかるんじゃない?
>>570 でもフミカネの設定で
>少年のような容姿で、白黒はっきりつけたがる性格。
>前向き一直線すぎて周りが見えなくなる性格で、
>エイラのいたずらによく引っかかっていた。
っつってるからこのスレのSSでの像に限りなく近いと思うんだがね
あれでめちゃめちゃ乙女な性格とかでも「え…?」って感じだし
ウィルマさんのときはどうなるかと思ったがフミカネやるじゃんと思った
ウィルマ、ニッカ、黒江大尉、マリーは……
まあ、完全な捏造だわナw
ただまあ大きく外しているものはないと思う
思いたいw
すまない。黒江大尉はまだSSないね
流れが速くて追いつけない!遅レスですが…
>>544 エイラーニャからシャーゲルへ繋げるとは新しい!?
密かに練習してたおねえちゃんかわいいなw
それに気付いてあげてキュンとするシャーリーもイイ!!
はじめまして、じゅういちじゅうにと申します
最近ROMだけでは物足りなくなってきたのでペリーネを投下してみます
(芳リネ、もっぺリも入るかも)
時間軸としてはアニメ本編終了後、ふたりがガリア復興に力を入れているところです
そして続きます……
#she said 01
「ペリーヌさんっ!!」
ばたばたとかけてきたリーネの頬は赤く染まっている。
いや、頬だけではない。顔全体を紅潮させて、髪を揺らして自らに駆け寄るリーネが次に何を言い出すのか、
ペリーヌにはよく分かっていた。
だから、息を切らして肩に手をかけようとしてくる(普段ペリーヌに声をかけるときですらおっかなびっくり
なのに、まったく無防備で無邪気な仕草だった)彼女にそれと気付かれないように、ペリーヌは座っていた椅子
を引いてふたりの間の距離を心持ち広げた。自然と行き場を失ったリーネの両手は、一目で彼女だと分かるスト
ライプソックスの膝にかけられた。
(「お手紙」、ですわね)
そこにつけられるべき固有名詞は敢えて思い浮かべなかった。
「ペリーヌさんっ」
「聞こえてますわ」
やがて顔を上げたリーネは、まっすぐペリーヌを見上げていた。
はじける笑顔。
「芳佳ちゃんから、お手紙!」
*
無論、ペリーヌの分もあった。明らかに書くことがないのだろう、『ペリーヌさん、お元気ですか?わたしは
相変わらず元気です』からはじまるブリタニア語の手紙には芳佳の近況が意外に簡潔な言葉で記してあった。
しばしば「坂本さん」に関する記述が登場した。更にときどき、ガリアのニュースが扶桑に入るときにはそれに
関連した文句もあった。そして開いたあとの一瞥以外はペリーヌの引き出しに仕舞われるままとなった。
この一瞥はいつもリーネの前で行われていた。
今日の手紙が届いたのは、めずらしく夕食のあとの遅い時間帯で、ペリーヌは最近漸く建った掘立て小屋では
ない、復興協力者寮の食堂兼居間で本を取り出し、リーネは自らの部屋に戻ろうとする途中だったらしい。つい
でにポスト、確認してきますね、と最後に残ったペリーヌに声をかけて出て行った。彼女は日に、ペリーヌの知
るだけでも2回はポストを確認する。
そうして、午後いっぱいほぼ休みなしで働いた今日は確認のかいがあったというわけだ。
「開けてみます、わたし」
ペリーヌの傍にいそいそと腰かけ、自らの手紙をしかし丁寧な手付きで開封する。つまりリーネがいつもペ
リーヌの前で読み出すものだから、ペリーヌもなんとなく、そうせずにはいられないのだった。
たぶん、リーネはペリーヌがこう言い出すのを待っているのだろう。
『ねえリーネさん、あなたの手紙を見せて下さいませんこと?わたくしのもお見せしますから』
さすれば彼女は、芳佳がペリーヌに何を書いたかを把握出来る――しかしペリーヌはそうするつもりは
なかった。自分宛の手紙に、リーネが心にかけるべき事項が書かれたことはなかったし、これからもないだろう
から。
小さくため息を吐き、自らも気が進まないながら封筒に手をかける。
と。
はらり。一枚の紙が封筒から零れ落ち、
「あっ」
声を上げたのはペリーヌだった。呟いたのは、リーネだった。
「写真……」
テーブルの上、ふたりの間に落ちたそれには、ふたりぶんの笑顔が映されている。セーラー服を身にまとった
少女たち。同じような笑顔は少しだけぎこちなく、照れくさそうなもの。ひとりは勿論、宮藤芳佳。では、繋が
れた手を、触れあった白い頬を辿った先のもうひとりは?
「ああ、よかった、」
リーネの声を聞くまでは、単なる好奇心からきた疑問だった。が聞いたあとのペリーヌには危惧となった。
よかった、とリーネが本当に口にしたのかどうかすら分からずに、しかし確かめる勇気も持てず、ペリーヌは
視線を彷徨わせ、しばらくはリーネから必死に意識を逃がし、最後にテーブルに目を落とした。小さな手が、
写真に伸びる。それを大切そうに胸元に抱えて――。
「芳佳ちゃん、相変わらず元気そう」
写真の中の少女たちと同じように、リーネの口許には小さな笑みが浮かんでいる。けれどもそれは、ペリーヌ
が密かに憧れた無邪気な愛らしい、リーネの素直な性格をそのままに表したいつもの笑顔ではなかった。
「ね、ペリーヌさん……」
震える唇が、何よりの証拠だった。
リーネは、弱い。たぶんときには、自分よりはるかに。ペリーヌは久しぶりに、ガリアにふたりで降り立って
からははじめてそのことを思い出した。そうしてリーネの肩に手をかけた。ひとまず写真を取り上げるつもりだった。
これがよくなかった。
「何するんですか、ペリーヌさんっ?!」
「見せていただきたいだけですわ」
「うそ、嘘よ!ペリーヌさんも同じ、この子と同じ、わたしと芳佳ちゃんを、わたしには、芳佳ちゃんしか
いないのに――」
「お黙りなさい!」
惚けたように、それまでは握り締めた拳を膝に押し付け、目をつむってむちゃくちゃに叫んでいたリーネが
ペリーヌを見上げた。
その言葉だけは聞きたくなかったのだ。
だから彼女をぶった。
わたくしは、悪くない。
言い訳を声もなく繰り返しながらペリーヌはそうやって立っていた。てのひらがひりひりとして痛い。リーネ
も痛いのだろうか、ペリーヌの打ったのとは逆側の頬から涙が一滴だけ零れ落ちた様子を、どうしてかどこかで、
美しい、と感じた。
*
午前零時。
ネグリジェに着替えたペリーヌは、自分のベッドに腰かけていた。手元には例の手紙があった。
今頃リーネは眠りに落ちているのだろうか。なんとか暴れる彼女を引きずり普段着を剥し寝間着を着せ(この
ころにはリーネもおとなしくなっていた。流石に風呂の面倒は見なかったが)ベッドに押し込めたのは、いつも
ならばとっくにふたりとも夢を見ている時間だった。そのあとにペリーヌはペリーヌで寝仕度もしなければなら
なかった。幸い、明日は休日で、だから少しくらい夜更かしをしてもいい。
素早く封を切り、封筒の中を探る。すると零れ落ちたのは、案の定リーネを狂乱状態に陥らせたのと同じ写真
だった。
宮藤芳佳の呑気な笑顔がペリーヌを見ている。
ペリーヌは、頭の中だけで彼女を罵った。
(つづく)
読んでくださってありがとうございました。これからよろしくおねがいします。
あと最初のトリップは気にしないで下さい……ものすごく初歩的なミスをしてしまったorz
自分の頭でペリーネ妄想していた矢先にwktkなペリーネキタコレ
続き待ってま〜
ペリーネって愛称?いつからそう呼ばれるようになったの?
なるほど( ゚д゚)
エーリカって自分のことあんましゃべらないキャラだと思ってる
GJ、ペリーヌ分が増えて嬉しいぜ。
ところで
>>546 西沢義子 01/27
今気づいたんだが突っ込んでもいいんだろうか。
やはり情報が少なすぎたのが敗因か……
>>579 わっふるわっふる。激しく続きが気になるんだぜ。
なんか今日はペリーヌ多いな。嬉しい。
では48手の第20手いきます。
>>513とか気にせずリネ芳です。
(はじめはルッキーニ×リーネで考えてたんですけど)
2レスの予定。
「あちっ!」
沸騰したやかんは取っ手まで熱くなっていて、掴もうとするも一瞬、私は反射的に手を離した。
ふぅー、災難、災難。
鍋つかみでもしておくんだった。やっぱり横着はよくない。
手のひらにふーふー息を吹きかけ、かるく赤くなった手の熱を冷ます。
「芳佳ちゃん、大丈夫?」 と、いっしょにアフタヌーンティーの準備をしていたリーネちゃんが訊いてくる。
「ぜんぜん平気。気にしないで」
ばたばたっ、と手首を振り回しながら私は答えた。
火傷というほど大したものではない。
私は指を顔にやった。
すると、リーネちゃんの表情が心配そうなものからなんだか不思議がってるふうに変わった。
「ああ、これ?」
リーネちゃんの視線の意味を察して、私は教えてあげた。
「ここ触ってるとひんやりするの」
「へぇ……」
準備をし終え、ぞろぞろとみんながオープンカフェにみんなが集まってくる。
そうしてアフタヌーンティーが始まった。
私とリーネちゃんも席についた。
「熱ぅ……」
リーネちゃんはカップにつけた口を離して、声を漏らした。
可愛くぺろっと舌を出してみせる。
「リーネちゃん、猫舌?」
「うん、そうなのかも」
そういえばリーネちゃんの使い魔は猫だった。って、これって関係あるのかな?
同じく使い魔が猫の、私たちと同席のペリーヌさんはそうでもないようだから、やっぱり関係ないのかも。
私もカップを手に取った。
紅茶の香りが鼻先をくすぐる。いい匂い。音を立てないように気をつけて飲まなきゃ。
――と。
リーネちゃんがまじまじと私に視線を送ってくることに気づく。
「芳佳ちゃん、ちょっといい?」
リーネちゃんはそう言うと、椅子から腰をあげ、私に近寄ってくる。
私のすぐ傍らに立つリーネちゃん。触れあうくらいに、その距離は近い。
そうして――すっ、とリーネちゃんは顔を私の顔の方に近づけてくる。
ちょ、ちょっと。リーネちゃん、なにを……!?
キスされる、と思った。
ダッ、ダメだよ、リーネちゃん。
あ、いや、別に、リーネちゃんとキスするのがイヤってことじゃないの。
そうじゃないの。ホントだよ。
でも、ほら、こんなところで。アフタヌーンティーの最中なのに。だってみんなだって見てるんだから。
なのに、いきなりそんな……
いろんな気持ちが頭のなかを駆け巡るのに、私はそれを言葉にのせることができない。
リーネちゃんの唇がすうっと開いていくのが見えた。それが最後。
私は反射的に目をつむってしまっていた。
そうして――
はむ。
と、リーネちゃんは唇の先で、私の耳たぶをかるくかじった。
驚きとあまりのこそばゆさに私は立ち上がってしまいそうになる。
「ほんとうだ。芳佳ちゃんの耳たぶ、ひんやりする」
リーネちゃんはいったん唇を話し、満足そうに言った。
すぐ耳元でのささやき。リーネちゃんの息がかかる。その熱を直に感じられる。
リーネちゃん…………。
そうして再び、リーネちゃんは私の耳たぶをあまくかみ始める。
はむはむはむはむ。
「ちょ、ちょっと、リーネちゃん……」
私はただただ、あわてふためくばかりだった。
リーネちゃんは優しく、私の耳たぶを刺激してくる。得も言われない感触を私にもたらす。
歯のかたい感触がくる。たまに舌の先がちょっぴり触れたりしたりする。
その唇は少し湿っていて、けれど私にはまだ熱いままなのかはわからない。
私の頭はすっかり熱にうかされていた。
それは、耳たぶからリーネちゃんの熱を受け取ったせいだけではない。
なおもリーネちゃんは耳たぶへの攻撃を仕掛けてくる。
かといって私から、たとえばリーネちゃんの体を突き放すなんてことはできない。
だってリーネちゃんの胸がちょこんと私に当たっているのだから、そんなことができようはずはない。
ああ……。
ペリーヌさんの視線がチクチク刺さってくる。痛い、痛いよ。
真っ昼間からなにをしてるのと言わんばかりの目だ。
「リーネちゃん……リーネちゃんってば……」
私は声を荒げる。
けれど、リーネちゃんは一向にやめてはくれない。
もう、リーネちゃんのばか……。
>>586 これはすごいいちゃいちゃですね GJです!
アニメ本編でも人目をはばからず抱きつきまくってるリーネのことだから本当にやりかねないですね
初投下してみようと思います。
使い古されてるかも知れませんが、流れをぶった切って(?)智子とビューリングのカップルで。
このスレを知って衝動的に書いたので過去ログもまともに読んだりしていません…。
なのでネタが被っていたり言い回しが誰かと同じだったりしたらごめんなさい。
あくまで衝動的で初心者ですので描写不足はご勘弁orz
このレス含め6レスで行けるはずです。ビューリング大好きです。
あ、智子は既に百合に目覚めてる設定で(・ω・´)
――
ネウロイ襲撃の報も少なくなり、落ち着きを取り戻したいらん子中隊。
毎晩のように智子はハルカやジュゼッピーナに撃墜されている。
ビューリングはそんな智子の、"夜の声"にいつも悩まされるのだった。
最初は意識なんてしていなかった。意識したとしても、深く考えないようにしていた。
一方智子は一種の諦めと共に、新しい自分が目覚め始めていることに気付いていた。
(いつまでもやられっぱなしは悔しい。だけど、ハルカやジュゼッピーナには敵わない…。
反抗するにしても、すぐに巻き返されるだけだ…。どうすればいいの…?
誰かにこの感情をぶつけたい。私も、一度ぐらい攻めに回ってみたい…。)
そして、その夜もまた、智子は七回の被撃墜を経た。
――
翌朝、ビューリングは少し早く目が覚めた。
というより、満足に寝られなかった朝に、諦念で眠気が身を引いた。
ほぼ徹夜。もし今日ネウロイの襲撃でもあったとしたら、集中できないかも知れない。
せめて眠気覚ましに濃く熱いコーヒーでも飲もう、そう思ってミーティングルームに向かった。
ストーブに火を入れ、その上でコーヒーを煮出す。
ソファに座って頭を抱える。
(全く、どうして智子はああなってまで抵抗を試みたりしないのだ…。
迫水曹長やジュゼッピーナ准尉にやられっぱなしでは、悔しかったしりないのか…。
ああなる前の、規律正しい智子は見所もあって凛々しかったのだがな…。)
出来上がったコーヒーを愛用のアルミマグカップに移して飲み始める。だが、流石に熱い。
冷えた手を温めることにして、若干冷静になった頭でもう一度顧みる。
(…って、ちょっと待て、それでは以前の智子が好きだったとか、そういう風に誤解を招くことになってしまう。
いや待て待て、どうしていきなり好きがどうのという話になるんだ。
私は、ああはならないと決めたはずだ。それがどうしてこんなに…。)
ビューリング本人は気付いていないが、その感情の裏には隠しきれない受身の気持ちが芽生えていた。
二人の為すがままになってしまう智子。何故やり返さないのか。
智子のことを意識してしまったビューリングは、"そういう行為"に対しても考えを巡らせている。
(私も、もしかしたら…智子と同じ、流されやすいタイプなのかもしれない。
普段なら全然大丈夫だ。冷静に戦局を見計らって戦うことができる。
だが、"夜の流れ"に抗える自信は……。)
何しろ智子の声だけでここまで意識してしまっているのだ。
ビューリングは頬を赤らめて、誤魔化すようにコーヒーを呷った。
――
――
智子は疲れ切って気絶するように寝ていたが、扉が閉まる音を聞いて目が覚めた。
まだ疲れているし、寝ていたい。しかし一体誰が出て行ったのかが気になる。
部屋を見回すと、どうやらビューリングが出て行ったらしいということが分かった。
昨夜も迷惑を掛けてしまっただろうか。大きな声を出したし、暴れたりもした。
寝ぼけていた智子は、何となく謝ろうなんて考えて部屋を出た。
ビューリングはこのことに関して無関心だ。我関せずを貫いてくれている。
そんな彼女に改まってこんな話題を振るのはどうなのか、そう考えることが出来るほど智子の疲れた脳は余裕が残っていなかった。
何処に行ったのだろう、そう考えてよく彼女が寛いでいるミーティングルームが浮かんだ。
コーヒーでも飲んで眠気を覚ましているかも知れない。
扉を開けると、ビューリングらしからぬリアクションで、彼女はマグカップを取り落としそうになるほど取り乱した。
――
――
「なっ?!」
右手の力が抜けてマグカップが落ちそうになったのを何とか阻止したが、コーヒーは若干こぼれてしまった。
机を汚してしまったので後で掃除しておこう。
「何よ−、そんなに驚かなくてもいいでしょー…?」
…突然現われた智子の声は、かなり眠そうだった。
そういえば智子はああいうことがあった翌日はよく浮気気味で、呆としていることがよくあった。
花を花瓶に挿してみたり、窓の外を見てうふふと言ってみたり…。そんな智子を見たことがあったビューリングだから、納得した。
「い、いや、すまん。誰も起きていないものだとばかり」
「扉が閉まる音で目が覚めて…」
「…すまん、私の手抜かりだ」
なるべく音は立てないように出てきたはずだが、どうやら智子を起こしてしまったらしい。
智子は完全に寝ぼけているらしく、ビューリングの隣に座って肩に撓垂れてきた。
(え、ちょ、そんな…。)
ビューリングの内心は既に崩壊気味だ。まともなことが考えられず、頭が沸騰している錯覚もある。
「私…どうして逆らえないんだろうね?」
「…あの二人に、か?」
「うん」
「思い切って言ってみたらどうだ…? 攻めてみたいと」
(ちょっと待て、幾ら何でも私の頭もおかしくなりすぎだ! 智子の髪の匂いなんかに惑わされるな!)
「でも、私…あの二人にそうやって逆らって、立場逆転したとするじゃない?」
「ああ…」
智子は謝ろうとここに来たはずだが、ビューリングを見ると、愚痴が優先されてしまったようだ。
「絶対、途中で巻き返されると思う。…"ツバメ返し・夜"…なんて」
そう言って自嘲気味に笑う智子の頭も相当来ているのだとビューリングは思って、コーヒーは机に置いた。
さて、どう言葉を掛けたものか。ごちゃごちゃの頭を何とか働かせた、その時だ。智子がふいに言葉を発した。
「攻めてみたい」
目の前に、智子の双眸。肩から流れて目が合う。
「…え?」
ビューリングは惚けて、その言葉の意味を理解しようと躍起になった。
(そうか、これは練習だな。あの二人に言うための…んっ!)
唇が重なった。
(嘘…練習じゃないのか…? そんな…)
智子の顔を見ていられなくて、ビューリングは目を瞑った。
ビューリングの頭に、智子を押し返すという選択肢は生まれなかった。
両肩に柔らかい感触が乗る。智子の手だった。
智子はさらに身を乗り出してきて、唇を押しつけてくる。
乱暴なその様子に、本当に攻めは慣れていないのだということが窺い知れた。
ここでビューリングが口を離して落ち着いた言葉で囁けば、形勢は一気に逆転したことだろう。
しかし、今朝のビューリングはいつもとはひと味もふた味も違った。
智子の為すがまま、その肩に乗せられた手の熱さを感じていた。
唇が離れて、目を開けたビューリングと、潤んでいるがどこか勝ち誇った様子の智子の目が合う。
そして言わずもがな、今朝の智子も、いつもとは決意が違うのだった。
ビューリングは、智子にされるがまま、皆が起き出してくるまでの間智子と共に過ごした。
それからは極偶に、智子がビューリングの布団に忍び込むようになったり、二人が逢引きするようになったという…。
――
―おまけ―
「ビューリングまで落ちたネー。ミーたちの足場が狭いネ」
「…」
「私たち、ああいう趣味に関しては弱い立場ですし…あの流れがこちらに来たら流されそうです…」
「毎晩毎晩元気過ぎるネ。トモコも開き直ってるようだしネ」
「ビューリングさんが落ちてしまったら、私たち三人は、ストレートで行きましょうね?」
「んー。別にミーは楽しければ構わないネ」
「!?」
ウルスラの本が落ちた。
――
以上で終わりです。読み返すと百合分少なすぎですね…。
エッチなのは書いた経験あまり無いので最後で切って描写も少なめに…。
その所為で満足いただけなかったり不明な点があったら申し訳ない限りです。
今後もし書き込むことがあったら、きっとまた智子とビューリングだと思います。では
>>594 何気に本格的なビュー智は貴重なんだ、GJ!!流されるビューリング、いいよな。
普段は熱い言葉を囁いて智子を真っ赤にさせる癖に、いざ押し倒されると……とかね!とかね!!
謙遜することはない、もっと書いてくれ。
芳ーニャの人気のなさに絶望した
>>594 GJ!読みやすくて面白かった
ビューリング良いよね
>>597 芳ーニャに明るくおめでとなするエイラさん。
数ヶ月後、サーニャとの想い出が胸いっぱいになる。涙が勝手に出てくる。
そこにやってくるニパ。ぼろぼろと涙を流し続けていたエイラを見て、落雷にうたれるニパ。
ただただ、静かに寄り添って、目を腫らした彼女を守りたいと願うニパ。
強くてかっこいいイッル――の筈なのに、小さく笑うエイラのかわいさにドキドキが止まらない少女なのだった。
そういうサイドストーリーが見えて悲しくなるんダ
〜最新更新のシュナウファーはここが初出ですが、なぜこのキャラか
というと、ハルトマン、マルセイユ、ルーデル、シュナウファーで
ストライク世界での昼間エース、対地エース、夜戦エースのスコア
ナンバーワン全てが出揃うからです。
スペックインフレの回避といいますか、少なくとも撃墜スコアベース
での最強という意味では、ストライク世界でこの面子を上回る
ウィッチは存在しません。
〜フミカネブログより抜粋〜
>>595 まさか…いつのまに俺、書き込んだっけ?
受けビューリングええわ…ええわ…GJなんだな
>>595 >>598 >>601 ありがとうございます。
極偶に忍び込んだり逢引きしたりと最後に書いたので
今後また妄想が溢れればそういうときの話になるかと。
ビュー受けもいいですが、自分はビュー攻めでも一向に構いませんw
ビューリングの強引な攻めににゃあにゃあ騒ぐ智子もいいなぁ…(*´∀`*)
初投稿です。
第十一手『ハグ、後ろから』に挑戦しました。
ミーナ×もっさんの拙い文ですが……
〜酔いどれ狼〜
「ホントにおいしいわねぇ、このお酒」
「ああ……扶桑から取り寄せたとっておきのヤツだ」
ぐい、とミーナはもはや何杯目かわからない扶桑酒を己が体に流し込んだ。
顔が赤い、あからさまに飲み過ぎている。
「飲み過ぎじゃないか?」
「そうかしら? そんなことは無いと思うけど?」
いさめる言葉も聞きやしない。どうしたものだろうか?
×
ことの発端は一時間ほど前。
私が手伝ったこともあって、ミーナが今日、(既に昨日となったが)やるべき仕事は全て片付いていた。
で、一息ついていたミーナに私は激務におわれる彼女をねぎらうつもりで、久しぶりに飲まんか?――と持ちかけたのだが……
やめておきべきだった。
ミーナは他愛のないこと話しながらみるみるうちに扶桑酒を飲んでいき、すっかり出来上がってしまったのだった。
結果、誘った手前置いていくわけにもいかず未だ私は彼女の隣に居る。
ねえ美緒――と言いながら真っ赤な顔のミーナが口を開く。
「最近ね、私のとんでもない呼び名があるの……知ってる?」
呼び名? 心当たりがない。
「知らないが……。何なんだ?」
「聞いて驚きなさい! 『ミーナさんじゅうはっさい』ですって……あんまりだわ……」
成程。確かに読点の位置を間違えるとかなり無残な呼び名となる、だれが考えたのだろう? ミーナには悪いが中々の発想力だと思う。
「別に落ち込むことは無いと思うがな? 悪意のあるものじゃないよ、多分」
「悪意なんて関係ないわよッ! トゥルーデも18なのにそんな風には呼ばれてないじゃない!」
「そりゃそうだが……」
彼女だってお姉ちゃん、などとからかわれる事は度々あるのだが……黙っておこう。今のミーナはいつもと完全に違う。
「美緒ぉ……私は花も恥じらう18の乙女なのよ……それなのにい……」
花も恥じらう乙女は同僚に愚痴りながら酒をあおったりはしない。
ぐびりぐびりぐびり! 酒瓶から直接飲んでいる。たしなめる気はとっくに失せている。こうなったら最後まで付き合うまでだ。
「う、うふふふ……なんだか気持ち良くなってきたわぁ……」
適当に相槌をついてやりながら、さらに十数分程たった――
やたら楽しそうな顔なのが腹立たしい、私はちっとも酔えてない……。
ミーナの頭に使い魔の耳と尻尾が顕現する。魔力の抑制がきかなくなったか?
「魔力が抑えれていないぞ? まったく、これじゃ皆に示しがつかん」
私が頭を抱えていると、ミーナはおもむろに目を閉じ、とんでもないことを口走った。
「あらあら〜宮藤さんとリネットさん……何で同じ部屋にぃ?」
「馬鹿、何をしてるんだ! そんなことに自分の力を使うな!」
もう限界だ――これ以上の暴走を看過することはできない。かといってどうしたものか? まったくもって始末に負えない。
「ひっ……く、馬鹿は無いでしょう……馬鹿は? もしかしてあなたも……『五月蠅いさんじゅうはっさいだなあ』とか思って、る?」
今度は泣き顔。誰か、助けてくれ。
「思ってない、思ってないぞ!」
「嘘よぉ! うそうそ! 年上の美緒にさえわたしはおばさん扱いなのよお! うわあぁぁ!」
むせび泣くミーナなんて普段の姿からは想像もできなかった。酔った勢いもあるのだろうが、よほどおばさん扱いを気にしていたのだろう。
ならばこれはその悩みに気付いてやれなかった私のせいでもある。なんとかして慰めてやりたいところだが……
「私は戦友をおばさん扱いなどしないッ! お前は紛れもなく『ミーナさん、じゅうはっさい』だよ」
「ぐす……本当に?」
「あたりまえだろう、もっと自分に自信を持て」
「ううう、ありがと、みおぉ……あいしてるわ……」
潤んだ眼。赤らんだ頬。そんな艶めかしい顔なのも酒の所為か――。
そんな顔で変な事を、言わないでほしい。
ろくに飲んでいないはずの私まで赤くなってしまう。……うむ、もう寝るか。
「……さて、すっかり遅くなってしまったな。そろそろお開きにするか」
顔を赤らめてしまったのを隠すようにそそくさとコップやら空の酒瓶やらを片付ける。そんな私をミーナはどことなくうつろな目でじっと見ていた。もう夢を見ているのだろうか。
「さぁ部屋に帰るぞ、もう遅い」
ミーナをうながして席を立つ。そして食堂から出ようとした瞬間、後ろから衝撃を受けて私はつんのめった。抱きしめられたのだ、後ろから、ミーナに。
「いきなりどうしたミーナ?」
肩に体を預けられて少々重いが、とても温かい。どうにも酒臭いのは閉口させられるが。
「あたたかいわ……美緒。とっても、ね」
「お前もな」
「それにやわらかい……そんなに大きくは……ないかしら」
ミーナは私にもたれかかったまま、躊躇いなく私の胸をまさぐった。手つきがいやらしい、とてもいやらしい。
「ひゃ、あッ……。馬鹿! 投げ飛ばすぞ?」
思わず恥ずかしい声が上がってしまった。動揺が魔力の集中を激しく妨げる、情けないことに既に魔力で強化されたミーナを振りほどけない。
「美緒になら何をされても本望よ……。それよりこんな服着てたら暑い、わよね? 脱がせて……あげる」
ぷちぷちと片手だけで器用に軍服のボタンを外されて、下に着込んだスーツが露になる。まずいことになってきた。
「いい加減にしろ! 飲み過ぎだぞ!?」
「そうかし……ら? そんな……ことはないとおもうわ?」
ちょっと前の会話が繰り返された。ただし、ちょっと前のミーナは後ろから私を抱きしめた上で胸をもんだりしていない。
力が抜ける。思考がぼやける。体が疼く。
ひょっとして私はもう眠っていて悪夢を見ているに過ぎないのではないか? もうどうでもいい。
×
「はぁ、はぁ……ミーナ?」
そして、無限に感じられた十数秒後。ミーナの動きが緩慢になって、止まった。不気味だ、あれほどやめろと言っても手を止めなかったのに。すぐそばにある、ミーナの顔を見てみれば――
「すー……」
安らかな寝顔があった。
「はっはっは、いい気なものだな、酔っ払いめ」
思わず笑いがこみ上げる。胸を弄られたのも、この寝顔に免じて許してやるとするか。
これで良いのだ。散々だったが普段じゃ絶対に見れない色々なミーナが見れた。それだけで良かったと言うことにしよう。
「明日、どうする気だ?」
「んん、むう……」
無論、後ろからの返事は無い。ここで寝かせるのは流石に不憫だな……寝室まで運ぶとするか。私はそのままミーナをおぶって、今度こそ寝室を目指す。
こんな夜も悪くは無い。まぁ――当分の間はゴメンだが。
了
もっさんが全然それらしくない……と、言うよりSSを書くのがこんなに大変とは……職人様は凄すぎます。
お付き合いいただきありがとうございました。
受けもっさん!受けもっさん!
いつも攻めばかりだけど受けもっさんはとても素敵だと思うんですよ
ミーナの色気や芳佳の積極性にどぎまぎしちゃうもっさんいいと思うんですよ
わた……竹井さんと美緒との絡みもいいと思う
「おー、これから夜間哨戒か。 気をつけろよ。」
「えぇ、行ってきます。 ……そういうあなたはサーニャが心配で見送りですか、エイラさん?」
「誰も心配なんてしてねーヨ!」
顔を赤くして反射的に言い返すその姿が、微笑ましくも妬ましい。
気をつけろよって。 たったそれだけで私の心が浮き立ったのが分かる。
例えそれが、私に向けられた言葉ではないにしても。
「サーニャの事もお前の事も心配してない。 扶桑の言葉で餅は餅屋、だっけ? アマがプロを心配するのは筋違いダロ!」
「……おやすみなさい、エイラさん。」
「エイラでいいって! おやすみハイディ。」
おやすみと言ってるのに、その視線は辺りを彷徨っていて。 ちくちくと、胸が疼く。
「エイラ……行ってくるね。」
「おう! 気をつけてな! おやすみサーニャ!」
どうやら彼女は尋ね人を見つけたみたい。 聞いている方まで胸が暖かくなるような声。 はぁ。 溜息出ちゃうな。
きっと。 これが恋なんだ。
「サーニャです。 初めまして。 よろしくお願いします、シュナウファー大尉。」
「ハイデマリーでいいです。 こちらこそよろしくお願いします、サーニャさん。」
それは501部隊に配属された最初の日。 初見から、私と似ているな、と思った。
同じナイトウィッチ。 同じ引っ込み思案。 そしてきっと……同じ感性。
たった少しの間の握手で、何かが伝わってきたような。 繊細な指先が、穏やかな外面に隠された感受性を思わせる。
先天的に惹かれたのだ。 思わず瞳の影を追うと、彼女もまた、眠そうな瞳で穏やかに私を見据えていた。
なんて勝手な思い込み。 でも。 胸がドキドキするのが止められない。
ともだち。 この人とならきっとなれる。 早くこの人と一緒に哨戒に出かけてみたいな。
人と人が親しくなるには、共同作業に取り組むのが一番だもの。
「じゃあ今夜は腕によりをかけちゃいますね! 楽しみにしててください!」
横から飛び込んできた快活な声で、私は現実に引き戻された。 声の方向に目だけを向ける。
一目で一切の悪意も裏表も無いと分かる最高の笑顔。 ここに来るまでにファイルを見ていたから、すぐに分かった。
この人が501のキーパーソン、宮藤芳佳。 ……うっっ。 ううっ。
私はその笑顔に耐えられなくて顔を背けた。 だ、駄目。 この人は駄目。
いつもそうだ。 これは、強すぎる。 この人の放つ力は、私には強すぎる。 あぁ、私は。 怖いのだ。
夢にまで見た、同年代の友達候補。 でも駄目だ。 宮藤芳佳。 この人は、私には無理だ。
この人は太陽だ。 人との触れあいを経験してこなかった私にとって、この人はあまりに眩しすぎる。
私の目を傷つけた太陽のように。 この人の近くにいると、私の心はコンプレックスという棘によって傷ついていくだろう。
仄暗い部屋に閉じこもっていた自分との、そのあまりの隔たりの深さに、どこまでも沈みこんでしまうだろう。
だから、この人とは向き合いたくない。 なのに、困った。 単なる部隊の仲間として付き合うには、この少女は人懐こすぎた。
情けないと思う。 戦績を評価され、最年少での昇進と誉めそやされるカールスラントのトップエリート。
その精神がここまで脆いだなんて笑い話にもならない。 でも。 恐ろしかった。 宮藤さんの輝きが恐ろしくてたまらなかった。
結局、今でも私は日の光に恐怖を抱いているのだ。 毎日のように夢に見て、うなされてしまうほどに。
「こら宮藤! 新入りをびびらせてんじゃねーヨ! 先輩風吹かせちゃってサ!」
「宮藤先輩こわーい!」
「こわーい!」
「え、え? も、もう、エイラさん、シャーリーさん、ルッキーニちゃん! 変な事言わないで! 私、何もしてませんってば!」
そう。 そんな縮こまっていた時の私の頬を、いきなりむにっと掴んだのも。 そう言えば、彼女だったっけ。
「ま、こっちの新入りさんにも問題があるけどな! やだやだ怖い顔しちゃって。 ほーれほーれ、リラックスリラックス。
ペリーヌみたいになっちまってるゾ! ……いや、ゴメン。 この胸にそんな事言ったら失礼だったナ。」
「ちょ、ちょっとエイラさん、何なさってるの! 相手は大尉ですわよ! それに、私の胸が何ですって!!?」
ひゃわわわ。 たってたって、よっこよっこ、まーるかいて、ちょん。 視界が縦横にガクガクと引っ張られる。
何がなんだか分からない私の前に、突然にょきっと現れた、その顔。
「あのな、大尉。 人と親しくなるには、まず笑顔から! ブサイクになっちゃってもいいからさ。 顔全体で笑うんダヨ!」
ぶふぉー! 取り戻した視界に、あまりに衝撃的な映像。 な、何ですかその顔は! はっ、ひっ。 あっはっは!
……あぁ、きっと普通にしていれば美人なのに。 ファンの人たちにはとても見せられないような物凄い顔。
瞼を大きくひん剥いて鼻を大きく吊り上げて。 後で聞いたんだけど、これ、友達同士の遊びで、睨めっこって言うんだって。
「うっひゃっひゃ! エイラ、その顔やべー! やばすぎる! やっぱりあんた天才だな!」
「ちょっと何それ最高ぉー! あーっはっはっ!」
「も、もうエイラ。 何してるの!」
みんなにばっしばっし叩かれながら、少年のような笑み。 あぁ。 あぁっ。 これ。 この人の笑顔は。
呆ける私にニカッと白い歯を見せて、エイラさんは言ったのだった。
「そうそう。 今あんたがしてるのが、仲間の笑顔って奴だから。 よろしく、ハイディ!」
「月のような笑顔だな……って。」
「月?」
魔力の防壁の隙間から僅かに夜気を感じながら、サーニャに向かって頷く。
もう随分親しくなってきた気がする。 哨戒が同じシフトになる度に、私たちはお互いの事を語り合った。
私たち二人はどこまでも近かった。 人付き合いが下手な部分も。 光に憧れる気持ちも。 そしてきっと……好きになるタイプも。
サーニャは宮藤さんに憧れているみたいだから。 私と同じっぽい、なんて理由は当てはまらないかもしれないれど。
彼女が、エイラさんの事をどう思っているのか。 それが無性に気になった。
「んだよ、二人で閉じこもって! 私にも声かけろよナー!」
サーニャと一緒に居ると、いつも私とサーニャの間に割り込んできた。 だから、嫌でも気付かされた。
彼女はサーニャさんが好きなのだ。 だから、いつでもサーニャさんの隣にいたいのだ。
そして、今はずっとその場所に私がいるものだから。
やきもち。
そんなものを妬いているのだ。 私がサーニャの一番になってしまう事を怖がっているのだ。 私の気持ちも知らずに。
でも、それなのに私とサーニャの仲を引き裂けない。 それは自分のためであって、サーニャのためではないから。
だから、少しでも私と仲良くなって、相対的に私がサーニャに惹かれる度合いを下げようとする。
まるで好きな子に対して素直になれずに、石を投げて気を惹く少年のようないじらしさ。
エイラさんはそういう人だった。 宮藤さんとサーニャが出会った時にも、同じような事をしたらしい。
どこまでも無防備で近付いてくる宮藤さんに対して、エイラさんは適切な距離をとって接してくる。
とても心地よい距離感。 それは、彼女のぞんざいで蓮っ葉な口調とは裏腹の、まるで月の光のような優しさで。
いつしか私の中の憧れは、より具体的で暖かな気持ち……恋、と呼ばれるものに変わっていた。
「……ハイディ、最近よくエイラと一緒にいるね。」
「う、うん……。」
人が聞くとぶっきらぼうな会話かもしれないけれど、これが私とサーニャのふつう。
でも。 うん。 今の言葉は、ふつう、とはちょっと違った気がする。 親しげな会話というものに慣れていないせいだろうか。
僅かばかりのくすぐったさと、ちょっとばかりの……怖じ気。
まさか。 サーニャは怒っているのだろうか。 もっとはっきり言えば。 妬いているのだろうか?
それはエイラさんに対してだろうか。 それとも、ひょっとして、本当にひょっとすると。 私に対してかも、な。
やきもち……?
「おはようハイディ。 ……んーと。」
「サーニャは先に戻りましたよ。 行き違いになったんじゃないですか?」
「だ、誰もサーニャを探してるなんて言ってねーダロ! おかえりって言おうとしただけだっての!」
哨戒を終えて人心地ついているとエイラさんが起きてきた。
強がりを言ったって、彼女とばったり会うのはサーニャと同じシフトの日だけ。
それはサーニャの幸福なわけなのだけど。 友達の幸福は祝うべきなのだけど。 素直に祝うには、私の心は、まだ幼すぎるから。
何も言わずに笑ってる事にした。 私の心がこぼれていかないように。 こぼれて人に見られてしまわないように。
しばらくそうやって見つめていると、エイラさんもニコニコしだして。 ひょいっ。
「うあー、なんだコレ! ちっとも見えやしねージャン!」
「わわわわわ!? わ、私もちっとも見えないですよー!」
唐突にメガネが取られた。 本当にぼんやりとしか見えない裸眼でエイラさんを見ると、勝手に私のメガネをかけてるみたい。
この人いっつもこの調子。 何の前触れもなく、突然変な事をしたがるんだ。
ユーモアの勉強をしてこなかった私は、どう反応していいのかさえ分からないというのに。
「もうー、早く返してください!」
「まぁまぁ。 そんな普段から見えすぎたっていい事ないって! ほら。 部屋まで私が目になってやるからさ! ニヒヒ!」
「え、エイラさんにはこの不安は分からないんですよ! 返してくださいってば!」
「いや。 分かるヨ。 自分を傷つけるくらい見えすぎる、ってのカナ。 分かるんだからさ。 ま、私に任せとけって!」
がしっ。 え。 えええええ! 突然肩を抱かれて、頭の中がパニックになる。 な。 な。 なーーー!?
ど、どういう事なの。 当然、こんな経験あるわけなくて。 薄ぼんやりだけど、とても近い位置に顔があるのが分かる。
そんな一人でワタワタしている私に向けて、エイラさんは言った。
「お前、やっぱりちょっとサーニャに似てるかも。 あのさ。 一人で抱え込むのもいいけどさ。
必要なら、遠慮なく私を頼れよナ。 私じゃなくて他の奴でもいいけど。 仲間使いなんて、荒いくらいで丁度いいんだから。」
……。 何を言ってるのかよく分からなくて。 その一瞬あとで、突然パッと閃いた。
エイラさんは分かったのだ。 私が悩んでいると、その観察力で気付いたのだ。 サーニャとの関係。 エイラさんとの関係。
見えすぎる、だなんて。 分かるはずだ。 彼女の魔法は未来予測。
私の暗視能力が私を傷つけたように。 未来予測の力が彼女を傷つけた事が、きっとあって。
だからこそ私に、手を差し伸べてくれたんだ。
荒涼とした力強さと、満月のような包容力と、三日月のような気紛れと。 あぁ、まさしく。
彼女を月と言わずして何と言うのかしら。 この気持ちを、恋と言わずして。 何て言えばいいのかしら……。
「エイラ……どこ……?」
そんな感じで私がちょっとポーッとしていると、サーニャが現れた。 その言葉を聞けば丸分かり。
サーニャはエイラさんを探していた。 サーニャはエイラさんを求めていた。 サーニャはそれを自覚していない!
持てる者だけに許される愚鈍。 ねぇ。 友達にこんな気持ちを抱いていいのか、よく分からないけれど。
ちょっとだけムッとしてしまう私がいるわ。
「あっ、サーニャ、おかえり!」
この笑顔が私に向けられた事は無い。 羨ましい。 妬ましい。 サーニャはどんなに幸せかしら。
ほら、サーニャも満面の笑顔で応えて……。 って、あれ? ……サーニャ。 何か、ムスッとしてる?
「……あのね、エイラ。 私、今日は自分の部屋で寝るから。 それを、言いに来ただけ。 ……それじゃ。」
「え、ちょ、サーニャ? 待ってっテ! 自分の部屋って……。」
ピタッと足を止めるサーニャ。 う゛っ。 こちらを振り返らなくても、その背中からは拒絶のオーラがありありと滲み出ている。
「……悪いけど、今物凄く眠いから。 何かあるなら明日にして。 ……ハイディ、おやすみ。」
「お、おやすみなさいサーニャ。」
「そ、そうか。 サーニャ、おやす……」
エイラさんがみなまで言い終わらない内に。 サーニャはさっさと歩き去ってしまった。
サーニャと私の仲を邪魔しなかったエイラさんの大人な対応と比べて、サーニャの対応はあまりにも少女なそれで。
今、エイラさんはどんな気持ちだろう。 見ているしかできない私は、まるで我が身の事のように胸が締め付けられて……。
って、あれ? エイラさん。 これ以上無いくらいニコニコしてる!?
「いやー参ったナー。 今のサーニャ。 どうやら私たちが仲良くしてるのを見て怒っちゃったんダナ!
なぁ、これって、ひょっとするまでもなく……やきもち。 だよナ!?」
百年の恋も醒めそうなくらい、緩みきった締まりの無い笑顔。 てっきり傷つくと思っていたのに。
エイラさんは、傷つくどころか冷たくされて喜んでいるようだ。 あぁ、なんだろう。 なんだろうこの気持ち。
私の心なんてまるで気にする風もなく、エイラさんが突然真顔になって私の肩を掴む。
「なぁ。 サーニャはやきもちを妬いているよナ。 これひょっとして、サーニャは私のこと、す……好きだったり、するのカナ?」
でへっと。 完全無欠ののろけ顔でそれを聞かされた私。 あぁ。 うん。
発見って素晴らしい。 この人たちと出会ってから、私は初体験ばかりの毎日だわ。
ぼけっとしていた目を、突然まんまるに見開くエイラさん。 あら。 視えたんですね。
見えすぎたっていい事無いって、本当ですよね。
とりあえず今日分かったこと。 それは。 私は、やきもちを妬くと、思わず手が出るタイプだということ!
おしまい
48手企画、第48手「やきもち」をテーマとして書いてみました
48手、面白いですね!
早速というほど早くはないですが、一つ乗らせていただきました
今週に入ってからの皆さんのSS、実はまだ読めていないので、これからゆっくり読んでいこうと思います
皆さま、GJでした!
このスレ見てるとジゴロもっさんと総受けバルクホルンとかモテモテエイラとかは多いけど、何故か本編であれだけ撃墜した芳佳がジゴロになることないよね
なんでだろ?
明日はある意味大本命の秘め声か
明日から2,3日エイラーニャ率が上がるか否かってとこか
>>589です。
煩悩から妄想が逆流した!
自分の妄想は止むところを知らず、智子とビューリングのカップルは進行していく…!
……ごめんなさい調子乗りました。
調子乗りついでに智子とビューリングのデート風景を一部書いてみました。
よければお楽しみください。4レスです。即興です。
>>589のその後ということになっています。
――
そして、昨日ネウロイを撃退したばかりの基地内でのことである。
「…」
ウルスラはミーティングルームのソファに、銅像のように居る。
智子に聞いた話だが、扶桑には二宮金次郎という偉大な人が居たらしい。…はは、冗談だ。
ビューリングは煙草とコーヒーで昼の一時を寛いでいた。
ウルスラが紫煙を嫌がる風も無いため、遠慮無く吸っていた。
両者、口数は多いわけではない。無口同士に沈黙が下りたとしても、それは苦痛ではない。
偶には何も考えないでこうして休暇を過ごすのも良い。
そしてウルスラとは違うソファに腰掛けていたビューリングは、珍しく横になった。
一分ばかり経過しただろうか。ついうとうとしかけて、落ちた煙草の灰が顔に降りかかった。熱さに驚き慌てて振り払う。
「っつぅ!」
「…」
私としたことが…。ビューリングの頭に反省が浮かんだ。
火傷にもなっていないようだし、一先ず息を吐いて、胸をなで下ろした。
(ウルスラ曹長…。今のは見られていたのか否か…)
リアクションが皆無の彼女に僅かに呆れ、ふと入り口の方に目をやったビューリングは目を見開いた。
「いっ?! 智子…?」
(いつから…? いつからそこに居たんだ智子…!)
危うく咥えた煙草を落しそうになってしまった。
(全く、不意に現われたりする智子に弱すぎるな、私は…。
そういえば、智子との馴れ初めもかなり突然だったか)
「ビューリング、ちょっと話があるわ。こっちに来て?」
別段怒っているような様子ではないのだが、少し乱暴な呼び方だった。
疑問を感じながらも何だ、と応えて席を立つ。その際に煙草を灰皿に捨てておいた。
――
――
智子は廊下にビューリングを連れ出した。
(さっきの取り乱し様、ビューリングも大分可愛くなったみたい…。)
何て考えたり。一番可愛いのは私の腕の中に居る時、何て飛躍した考えもあることにはあった。
中々の変態に出来上がっている智子である。
「それで、何の用だ? 智子」
「ビューリング、今日非番よね?」
「昨日の襲撃があったから非常事態が起きない限りは非番だな。そういう智子だってそうだろう?」
「ええ、そうだけど。じゃあ当然、その、暇よね?」
「さっきも思わず寝そうになっていたところだ…。火事になりそうだったが…」
「寝煙草は気を付けなさいよね。ビューリングを火事なんて理由で失いたくないわ」
「ああ、気を付ける」
ビューリングはばつが悪そうに耳の裏辺りを掻いた。密かに、智子の失いたくないという言葉が嬉しかったことの照れ隠しだ。
そして智子は、本題を端的に切り出した。
「デート、しましょう」
「ぁ、…ああ」
面と向かって誘われるのはやはり慣れない。顔の温度が上がった。
しかし、決して嫌なわけではない。
「何処に行く? スラッセンか?」
「そうね。今すぐ行ける?」
ビューリングが頷くと、智子は先導して歩き始めた。
歩きがてら煙草でも吸うかとポケットから箱を取り出したが、やはりやめておいた。デート前に口臭を気にするのと同じだ。
しかし先程も吸っていたし、あまり意味のないことのように思えたが。
――
――
スラッセンは大部分の復興が完了し、今では市場も開かれるようになっていた。
立派なものはあまりないが、文句は決して生まれない。
ビューリングと智子は二人で市場を散策していた。
お互い、手ぐらい繋ぎたいと思ったが、あちこちから軍人さん、穴拭さん、ビューリングさん、などと声が掛かるために叶わなかった。
孤児院の子供達からは元気にお姉ちゃんたち来てくれた−! と声が掛かるので、下手なことをすればたちまち子供達にからかわれてしまうし。
先程購入した蒸し芋を齧りながら、二人は塀に凭れていた。
「少し小振りだが、いいジャガイモのようだ」
「…私の、塩が少ないわ」
味が全然しない、と智子は不満を漏らす。
「へえ、どんなものかな」
そう言ってビューリングは迷わず智子の手に握られていた紙袋の間のジャガイモを齧った。
「…ふむ、確かに塩はあまり効いていないみたいだな…きっとハズレだったんだ」
智子を見遣ると、素っ頓狂な顔と赤らめた頬をしていた。
ビューリングあなた何してるか分かってるの…?! そんな顔だった。
「私のを食べてみるか? 丁度良い塩加減で美味しいぞ?」
紙袋を智子の口元に持っていく。智子は未だ状況があまり飲み込めていない様子だったが、何も言わずに可愛い仕草ではむ、と頬張った。
数秒もぐもぐと口を動かしていた智子が呟いた。
「うん、美味しい…」
智子はビューリングとの今のやりとりを噛み締めていた。本当に恋人のようだと思ってしまった。
今の雰囲気はとてもいい。今の智子は、状況に流されやすい智子だった。
「交換しようか? 私は味が濃いめが好きだが、あまり塩ばかり摂っても仕方無いしな」
「……、うん」
信じられないといった表情を浮かべた智子だったが、差し出された紙袋を受け取った。
ビューリングは代わりに智子の紙袋を手にとった。
二人のデートはいつもこのような形だ。若干、ビューリングがリードするような形で。
だが二人はいざ"そういうとき"になると立場が逆転するから面白い。
もちろん智子が強引にビューリングを誘ったりすることもある。
二人の関係は、まだ始まったばかりだ――。
――
―おまけ―
ウルスラは灰皿に残された煙草を見つめていた。
これは先程ビューリングが捨てていった煙草だ。
彼女が火を消したつもりだったが、かろうじてまだ火がついていて、紫煙を噴き出していた。
ウルスラはそれを手に取り、ビューリングの見様見真似で口を付けて一息、吸い込んでみた。
……ウルスラの手から本が落ちた。
――
すっかりウルスラがオチ担当に…。
スラッセンに関しては覚えていることが少なかったので小説内の描写とは違うかも知れません。
ビューリングに幸あれ
>>609 詩的な比喩表現が素敵ですね!
詩的センスはあまりない自分は憧れるばかりです
>>620 GJ!
智子好き陸軍好きとして、小説版の売れ行きや人気とは半比例して
智子ネタが皆無なのが淋しかった身としては尚更GJっす。
お久しぶりです21x2w2Ibです
いつぞやのエイッカエルマ捏造話のエイッカ視点を投下
その言葉は実際のところ私の情けなさの具象で、けれども私はそれでも、今まで大切に大切に守って来た
彼女を守り続けたかったのだった。ううん、正確には違う。そんな強硬手段でもないと、私は彼女を守れない、
と思ったのだった。それは逆に私をもえぐる言葉だったけれども、それでも彼女がそれで幸せになれるなら、
私はそれでよかった。
(女の子が女の子を好きになったら、どうなるの?)
問いかける声は震えていた。それに私が答えた瞬間、ひどくショックを受けた顔をしていた。
もしかしたら彼女には、誰か懸想している相手でもいたのかもしれない。この世の誰よりも愛らしい私の小鳥
は、意外に思われるかもしれないけれど実は密かに慎ましく愛されるとびきり素敵な子だったから、彼女を
愛してる人なんてきっといくらでもいた。けれど恐らく彼女はそのことを知らないだろう。ひっそりと寄せられる
好意の瞳を、私がすべて阻んだから。
(人気者だね、エイラちゃん)
何も知らない彼女は私が彼女の許に赴くとその逆に私よりも少し低いその身長の分私を少し見上げて、嫉妬
の気持ちなどかけらも滲ませずにそう穏やかに笑んで言うのだった。
人気者。確かに傍から見たらそうかも分からない。私は確かにいつも誰かに囲まれていたから。けれどそれは
単に私が仕切りたがりの性格であるがゆえに班長やら級長やらを任され、同輩や後輩たちから頼みにされる
立場にいたからだ。そりゃ多少の黄色い声はあったかもしれないけれど、私はこの、可愛らしいひばりが側に
いてくれれば満足だった。そのくらい夢中だった、たぶん一目見たその日から。
もうすっかりと暗くなった窓の景色を見やる。凍湖の上に作られたこの仮設基地が私たちの部隊の住まい
なのだった。
凍った湖の上に作られたものだというのに、私の今いるミーティングルームはほのかな暖かさに包まれて
いる。しっかりと形作られた暖炉が赤々と燃えていて、部屋中を照らし、温めてくれているからだ。仮にも仮設
基地だというのに、どうも私たちの国の人たちは妙に凝り性なところがある、と思う。いつかは取り壊される
場所なのに彼らは嫌な顔一つせずに作業をし、「ウィッチの皆さんが使うならきちんとしたものでないと」と妙な
こだわりを見せて作業をするのだ。我々はウィッチのファンクラブみたいなものだからな、とマンネルハイム
将軍に面と向かって言われたときは正直驚いたけれど、つまりは、そういうことなんだろう。
窓の外はいつの間にやら真っ暗闇。けれど何でだろう、私の頭には彼女と共に時間を過ごした、あの士官
学校での明るい日差しが目に付いて離れないのだ。あれは南側の突き当たりで、たぶん一番日当たりの
良い場所だった。鼻歌を歌いながら窓際に花を生けている光景を、私は二段ベッドの下、彼女の寝台の上で
何度ぼんやりと見やったろう。意外にもすらりとした身長を、けれどもその自信の無さが具象して丸まった背中
を、そこから伸びるうなじを、キラキラとした薄い金色の髪を、私はそうやっていつも見ては小さくため息を
ついていた。
何でもないところでも転べるような彼女を、私は「放っておけないから」とよく世話を焼いて。だから彼女も
私に懐いていたのだと思う。エイラちゃん、エイラちゃん。何かの一つ覚えのように後ろをついて回る彼女を
回りは肩をすくめながら見つめていたけれど私は幸せだった。ううん、もしかしたら呆れられていたのは多分
私のほうだったのだと思う。
大好きだった、初めて見たその日から。けれど私はそれを結局伝えることをしなかったのだ。その理由は
たった一つ、私がひとえに臆病者で、情けない性格をしていたから。
(幸せでいてね)
私がいなくても、どうか。
そう言って別れたあの日からもう何年もたった。私と彼女の住まいとする基地は互いに遠く、手紙のやり取り
は続けていたけれど結局直接には会えずじまい。それでも続いているのはたぶん奇跡で、けれども私はそれ
を運命と思いたかった。
おんなのこが、おんなのこをすきになったら。
地獄に落ちるよ。言い切ったその瞬間の彼女の顔を、私はいまだに忘れられない。脳裏に残って焼き付いて、
胸を衝いて離れない。記憶に残る他の彼女は、全て私の大好きだった可愛らしい笑みを浮かべているのだと
言うのに。
もしかしたら誰か、好きな人でもいたのかもしれない。それが誰だか私には見当も付かなかったけれど、付け
始めたところで空しくなるだけなのはわかっていたから考えないことにした。私が願ったのはただひとつ、彼女
の、エルマの、幸せだけ。…ううん、そんなの嘘っぱちだ。私は、私の大切で大好きなあの子をただひたすら
独り占めしていたかったのだ。他の誰かになんか奪われたくなかっただけ。
女の子を好きになるくらいで地獄に落ちるのだったら、私だってもうとっくのとうにその候補者だ。だからそれは
私をもえぐる言葉だった。そうと分かっていたけれど、私はそれでも、そうして彼女を守りたかったのだ。そう
でもしないと、私の大切な誰かが他の人に奪われてしまう。私の知らない、女の人に。
彼女の配属された第一中隊は、別名"いもうと"中隊として名高かった。隊長のアホネンを"お姉さま"と呼ば
せ、挙句の果てには……とても口では言えないようなことまで、すると言うのだった。
そんな噂を私は以前から聞いていたから、彼女が士官学校を卒業したあとに配属される部隊がそこだと聞い
た時、思わず教官に詰め寄るところで。いや、正確には詰め寄りかけたのだけれど級友たちに必死で止め
られたと言うのが正しい。あきらめなよ、と諭された。あなたも運が悪いわね、と。当の彼女はと言えば一人
何も分かっていない顔できょとんとしていて、それがさらに私の不安を募らせた。気弱で大人しい彼女のこと
だ。あのにっくきアホネンに言い寄られたら、NOの一言も言えずに捕まって、流されて、体を許してしまうのに
違いない。そんなのはいやだった。だってそんなのがエルマの幸せには思えなかったからだ。寵愛を受ける
たくさんの子達のうちの一人だなんて、そんなのひどすぎる。そんなの、ずるすぎる。
言ってしまえばいいのに。好きなんでしょう?
そう励まされもした。"大好きな大好きなエイラちゃん"の言うことならきっとなんでも聞いてくれるわよ、と。
そう言った級友はちょうどこれから、同じように別の部隊に配属されることの決まった仲間に想いを伝えてくる
のだと言っていた。かくしてそれは実ったようで、数日後二人は仲睦まじく食堂でいちゃついていたっけ。
(そんなんじゃないわよ、私とエルマはっ!)
一応隠し通せていたはずのその気持ちが気恥ずかしくてついそう返してしまったけれど、本当は私はエルマに
こう言いたかったのだ。言いたいほどの衝動が、本当は胸にあったのだ。
ねえ地獄まで一緒についてきて。きっとあなたを幸せにするから。
けれども言えなかったのはただ単に、私が臆病者だったからだ。それでも守りたかった。誰よりも幸せになって
欲しかった。恋愛ははしかみたいなものだと誰かが言っているのを聞いたことがある。そんな一時の疾患で、
彼女の人生全てを決め付ける権利なんて私にはなかった。ないのだと思った。
だから私は言ったのだ。女の子が女の子を好きになったら、地獄に落とされてしまうのよ。幸せになんてなれ
ないの。そうすることで彼女を守りたかった。臆病な私では、彼女を自分につなぎ止めることなんてできないと
思ったから。何も出来ずに彼女が変態女に奪われるくらいなら、誰か一心に彼女を愛してくれる異性と一緒に
なったほうがずっと、よっぽど、エルマの幸せだと思った。
ベストよりもベターを。
それでいいんだと、思っていた。
*
「…いちょー、エイッカたいちょー!」
バキリと暖炉にくべた薪が折れる音と、私に呼びかける幼い声で我に返る。どうやらひどくぼんやりとしていた
らしい。
同時にぽふり、と足の間にやわらかな感触。
「…イッル、私は座椅子じゃないよ」
「いーじゃん、さみーんだもん」
「あのねえ…今日だけだからね!」
「はーい」
ご機嫌に返事をするイッルこと、エイラ・イルマタル・ユーティライネン。私と同じファーストネームを持つがゆえ
に彼女はこの部隊でそう呼ばれている。
にしても、ソファーに座っている私の、足の間に入り込んで縮こまっているこの少女がいま急激にネウロイの
撃墜スコアを伸ばしているスオムス随一のエースだなんて、誰が信じるだろう。幼さを表すプラチナブロンドが
きらきらと冷たいのに柔らかい光を反射している。はあ、を息をついてテーブルの上においてあった書類を
見やった。…途端に、どんがらがっしゃーん!どこかから大きな音。そして叫び声。イッルのバカやろー!
と言っている気がする。…まちがいない。
「…ニパに何したの」
「なにもしてないよ」
「嘘言わないの」
すごむように言うと、「はーい」と気の乗らない返事と共に舌をちょろりと出して、彼女は答えた。
「ニパが通りそうなところにバケツを設置しといただけだって。他のやつらは誰も引っかからないのにアイツ
いっつもひっかかんだ、面白いよ」
「………あの子もつくづく"ツイてない"わねえ、って、コラ!そう言う問題じゃないでしょ」
ポカリと拳骨の背で軽くイッルの頭を叩く。後でちゃんと謝っておくのよ、と諭したら「わかったよ」といったけれ
どどうせそれが果たされることはないだろう。あと数分もしたら怒鳴り込んでくるであろうわが部隊のもう一人
のエースのことを考えて、またため息をついた。
『ルーッカネン分遣隊』。私の名前を冠したそれがこの部隊の名前で、名目上は一応、第三中隊選りすぐりの
機動部隊ということになる。…の、割には若いというか、幼い子達が多く、半分私がお守りをすることになって
いるのが頭の痛いところだけれど。そもそもまだ16歳そこそこの私が隊長という時点で何かが間違っている
のだ。
(あー、そうでもないか)
そこで、思い至る。そうだ、彼女は、エルマは、15歳で隊長の任を任されたのだった。手紙でそれを報告して
きたときは非常に緊張していて、そんな彼女に私は『頑張ってね、応援してる』などという差しさわりのない言葉
を書いて送ったことを覚えている。…カワハバ基地に新設される義勇独立飛行中隊。それがいわゆる各国
からのはみ出しものの"寄せ集め"に過ぎないという噂は聞き及んでいたから。そしてその隊長に、エルマが
配属されるということは、つまり、エルマが。それを聞いた瞬間私はまたすぐにでも15回目の第一中隊への
転属願いを提出するところだったけれど、『いもうと部隊から解放されると考えれば』と言う説得でようやく
気持ちを落ち着けたのを覚えている。
書類に目を通す。そろそろ次の場所に移ることになるらしい。この辺りのネウロイも落ち着いてきたし、恐らくは
他の基地の加勢に入るのだろう。歳若い者が多くどちらかといえば小規模なこの分遣隊は、恐らくは非常に
動かしやすい立場にいるのだ、軍部にとって。別に不満はないけれどたまにはひとつところに腰を落ち着けて
過ごしたい気持ちにもなる。そう、士官学校でのあの穏やかな日々のように。とは言ってもあの頃はまだ
ネウロイの脅威もなかったから、また事情は変わってくるのだろうけれど。
ばさりとテーブルにそれらを置きなおすと、私はいつもかけてあるペンダントを手に取った。きらり、と翠色に
光るその石は、私と彼女との思い出の石だ。二人の出会いの記憶のはずだったそれは、私の口にしたあの
一言のせいで苦くてくるしいものとなってしまった。
色々な記念に様々な石を溜め込んでいた彼女にたまりかねて、私が一つ、これを残しておきなさいと選んだ
石。それはこの石と同じ色をした彼女の瞳に、初めて彼女が映った記念で。私が残りは処分しなさいと言った
らいつものように従順に笑んでその通りにした。それだから思い出と一緒にたくさんの小石を溜め込んでいた
彼女の手元に、この石は唯一残るはずだったのだ。
……それなのにどうして彼女は私にこれを託したろう。私に黙って街まで行って、磨いてペンダントにまでして。
目を見れば気持ちなんてすぐに分かると自負していたのに、私はいまだに彼女の真意が掴めないのだ。
だって別れのあの時に、エルマは私を見てはくれなかった。遠ざかって行く背中に本当はすがりつきたくて、
周りがギョッとするくらいに私が泣いていたことを彼女は知らないのだろう。エイラちゃんはすごい、と彼女は
いつも私を褒めたたえたけれど、それもこれも全て彼女の瞳に映りたかっただけなのだ。できるだけいっぱい
に、他の人なんて視界にさえ入らないように。
ねえたいちょー。その言葉にはっと我に帰る。私の体に収まった小さな体がにやにやといたずらっぽく顔を
緩ませている。
「…なに?」
「そのペンダント、いつもつけてるよな。あ、もしかしてコイビトからのプレゼントってやつ?」
「何言ってんのよこのマセガキ」
「いやあ、たいちょーどのも隅に置けませんなあと思いまして」
「面白がるのも分かるけど、残念ながらなんてことないわよ、イッル。士官学校時代の親友にもらったの。
…卒業記念にね」
別れの贈り物だと自重気味に言い切ってしまいたくなるのをぐっとこらえる。だって彼女はきっと、もう二度と
その瞳いっぱいに私を映してはくれないのだ。
貸して、と手を伸ばされたので特に何の含みもなく手渡してやる。あのツイてない可哀想な子ならともかく、
この子は意外にも冷静な性格をしていて滅多なへまをしないのだった。そう言えば確かに私はいつもこの
ペンダントを身に着けていたけれど、こうして言及されたのは初めてだわ、と不思議な気持ちになる。
結構凝ってんなあ、等とぶつぶつ呟きながらイッルはペンダントをまじまじと眺めているのだった。私は手持ち
無沙汰になってイッルの頭に顎を乗せて同じようにそれを見ている。その言うとおり、よくよく見ると石の据え
置かれている金属部分にも繊細な装飾がなされていて。…そんなところもまたエルマらしい、と今更ながら
思う。それと同時にそんな彼女の確かな心遣いに今の今まで気付いてあげられなかった自分に腹が立った。
ばかだ、私は。彼女が私に抱いていたのがどんな感情だったとしても、彼女は最初から最後までちゃんと私に
優しかったのに。
「…んな」
しばらくしてそう言って、イッルの体が固まった。瞳はペンダントの裏側に釘付けになって、凝視していて。
「…部下おちょくるのも大概にしろよ、隊長!」
「はぁ?」
「しししんゆうって、こんなの立派な…!」
「何言ってんの」
「わわたしに言わせんなー!!」
よく見ろこのバカエイッカ!そう言ってイッルが立ち上がってペンダントを突き出した瞬間、
「イッル!!!」
勢いよく誰かが部屋に入り込んで来る。短い髪に中性的な顔立ち。扉のすぐ前にある物体に私が気付いて
声を上げると同時にお約束とばかりに盛大にこける、それはこの部隊のもう一人の歳若いエース、ニッカ・
エドワーディン・カタヤイネン。通称ついてないカタヤイネン。
「…ニパ気をつけろー、そこにはバナナの皮がだなー、って、もう遅いか」
私の肩越しにニパと呼ばれた少女を見やるイッル。いたずらが大成功して嬉しいのか、ひどいにやけ顔だ。
私はもう一度溜め息を付いて、返されたペンダントを見やる。子供のお守り同然の私の現状を見て、エルマは
一体どんな顔をするだろう。哀れむだろうか、それとも(可愛い。)なんて笑むのかも知れなかった。ペンギン
好きだという彼女はネコペンギンなどという不恰好なキャラクターが大層お気に入りで、以前私が気まぐれに
プレゼントしたぬいぐるみを大切に大切に抱いていつも眠っていたっけ。
「隊長、イッルがああああ」
後ろからニパが涙声で進言してくると、イッルがベー、と舌を出す。こんにゃろう!そして始まる小さな攻防、
歳相応の幼いけんか。この二人が今、スオムスで一番将来を期待されてるウィッチだなんて信じられる?
エルマ。本人には届けられないから、そうして彼女の色をした石をはめ込まれたペンダントに語りかけた。
…そして、そのとき、それは私の目にとびこんできた。
「…んな」
思わず声が漏れる。慌てて目を近付ける。ぱくぱくと口が上下するのは、書かれたその言葉をうまく読み
上げることが出来ないからだ。
ははは、と渇いた声が漏れる。なんてことだ。今の今まで気付きさえしなかったなんて。イッルが恥ずかしがる
はずだ。私だって、言葉になんか出来そうもない。…繊細な性格をした彼女のことだ、こんなことをしたのにも
きっと、意味があるのに違いなくて。それはたぶん、私に伝えたい言葉に違いなかったのだった。
ミナ・ラスカタン・シヌア、ブリタニア語でアイラブユー。
けれど好きです、なんて生易しいものじゃない。ことここスオムスで口にしたら即プロポーズと受け取られかね
ないほど深い愛情のこもった言葉。
「…地獄に落ちたい…」
思わず顔を覆う。声が漏れる。笑いたいのか泣きたいのかわからない。ただ一つ分かるのは、私はなんて
ひどい愚か者だったのだろうと言うことだ。
ねえ、エルマ、エルマ。今更遅いかもしれないけど、来てくれませんか、地獄までいっしょに、どうか。
場所なんて関係ない。あなたがいるならそこは間違なくパラダイスだもの。私にとっては、どんな場所も。
でも知っている、もう無理だよね、だめなんだよね。理由なんてただひとつ、それは私が臆病すぎたから。
もしかしたらあなたは私のことを私が思う以上にずっと好いてくれていた?私は、その気持ちをずっとずっと
ないがしろにしてきたのかしら。もしそうだったとしたら、私はどうしたらいい?わからない。会いたいのに、
会ってもどんな顔をしたら良いのかが分からない。
「ちょ、隊長!?」
「地獄に落ちるって困るだろ、明日にはまた次の基地に行くんだろ!?」
突然うなだれた私をはさんでいた二人が驚きの声を上げた。…こんなしおらしい姿見せたことないもんね、
仕方ない。けれどもうどうしようもない。そんなことに構っていられる心境ではないのだ。
「骨はどうかカワハバ基地に埋めて…」
「だからそのカワハバに行くんだって!!しっかりしてくれよ!」
ほら、そこにも書いてある!ニパの発言に顔を上げた。机の上のプリントを見やるとそこには、確かにカワ
ハバの文字が見慣れた転戦の命令とともにタイプされている。…それにそうだ、私はこの間『今度はカワハバ
基地に行く』と言う旨をエルマに書いて送って、そしてその言葉にエルマは非常に喜んでくれたのだ。
記憶に残るエルマはやっぱり、泣きそうな顔をしている。背中を丸めて、そうして私を見上げているのだ。
泣いたっていいのよ、私は全部受け止めてあげるよ。記憶の中の彼女に今更手を伸ばしても遅いのだと
知っているけれど、脳裏の浮かぶのはそれだけなのだ。
「よ、よくわかんないけど隊長、元気出せよ、な!」
「我らが"L飛行隊"の隊長だろ、胸張ってくれよー」
私を挟んでけんかをしていたせいで、私に抱きつくようになっている二人がおろおろと励ましの言葉をかけて
くる。…こんなときだけじゃなくて、もっと普段から仲良くしてなさいよ。そう言い聞かせたかったけれど、残念
ながらそんな元気はなくて、頭を撫でたりぎゅうと抱きついてきたりする二人にされるがまま。
きっと離れてしまった心と、否応にでも近づけていかなくちゃいけない体がもどかしい。
願うのは、遠く離れてしまった彼女がせめて笑顔で私を迎えてくれれば良い、それだけだった。
以上です
書き忘れてた、>>127-..132の続きでした。
そんなことより、
>>422の本立て後日談に感動して泣いた。もうありがとうグッジョブGJとしかいいようがない
支援も応援もすごく楽しかった、こちらこそどうもありがとう!
ねこぺんさんも方程式の人のもテンション上げながら読みました最高ですというかもうみんなGJGJ!
どうも追いつけなくてレスできなくて申し訳ない
さて、四十八手かかなくては
>>620>>629GJです!!!!
こんなにも沢山SS作品の投下があるのはここくらいじゃないだろうか…真面目にすごい
ところで、去年の夏あたりからちょびちょび時間みつけて自分でSS書こうとしてたんだが
やっぱり上手くいかないので良ければお願いしたいんだけど…
ルッキーニと少佐の中身が入れ代わって色々あるSSを誰か書いていただけないだろうか…
最近アニメ本スレで自分と全く同じ妄想してる人みつけてビックリしたw
>>630 前にエーリカと芳佳で入れ代わり書こうとしたら凄く芳佳が悩みっぱなしで暗くなってしまった、ギャグ書きたかったのに
21x2w2Ibさんの文章はすごい好きだ…。これからも頑張ってください!
やっぱりスオムス組はいいなぁ。
633 :
zet4j65z:2009/01/29(木) 13:16:06 ID:UNnXHlWk
>>568 わざわざコメントありがとうです〜。
あまり考えずに書き出した結果現在ヨーロッパ地図を眺めながら話の流れを整理中。
百合的には別にどうだっていいじゃん!って部分ではあるんだけど折角だから移動に整合性持たせてやりたいと考えてるうちに深みにはまっております。
方程式シリーズは自分的妄想ニッカ像にバッチリ一致するんでこれからもがんばってほしいです〜。
で、地図見てて思ったんだけど、ベルギーって結構目と鼻の先なんだよね。
ベルギーのサン・トロンがダイナモ作戦後に大陸側に残った最後の橋頭堡だったりするのかな?
あの距離なら普通に通信とかできそうな気がするんだよね。
そんなわけで夜間中に流れてくるサーニャのうたに憧れを募らせて悶々とするハイディが目に浮かんだりした。
それはそうと四十八手効果なのか最近新しい書き手さんが増えてきてメチャアクチャア嬉しい。
で、自分の方はなんか欲張っちゃってテーマをひとつに絞れないんで四十八手ムリダナ(・x・)
明日はDVDの発売日
今日フラゲしてきた人良いなぁ
人格転移ネタは前に書こうとしたなぁ
2万字超えても収集着かない上、まったく百合じゃないから結局放り投げたが
それはそうとそろそろ次スレダナ
エイラーニャの秘め声は聞きたいようで聞きたくない
エイラの秘め声はサーニャとおっぱいとへたれに満ち満ちているゾ
あとサーニャはオラーシャ的倒置法
芳佳「カタヤイネンさんってエイラさんよりもスリムでボーイッシュでカッコイいんですよね」
エイラ「お前ヘンなこと知ってんのな…」
サーニャの秘め声はエイラが聞いたら死んでしまうかもしれん
>>631 俺もひょんなことで体が入れ替わって本人とかみんなが入れ替わりに気付く前は
普段通りに振る舞う少佐とルッキーニにみんなが戸惑ったりで
気づいた後は坂本少佐がルッキーニの姿でわっはっはっは言いながらみんなに指示とか
坂本少佐の姿のルッキーニがペリーヌ,芳佳,ミーナと色々あったりとか
ずっと色々と考えてたんだが…文章にするのが難しい…orz
公式に影響されやすい自分は秘め声次第で今後のSSの方向性がアレになってしまうのでもにゃもにゃする
記憶喪失ネタとかが流行ってた時期に俺も入れかわりネタを考えた
いつか書こうと携帯の保存メールフォルダに題名だけ入力してある
…いつか書こう
伏兵多過ぎワロタ
ネタだけ温存してる兵士が一体何人いるんだ。
それはそうと
>>620、
>>629GJ!!
ビュー智たまらん!!いいからもっと素直になれww
スオムス話も素晴らしい!!エイッカもいいが幼エイラ×幼ニパもイイ。
で、フラゲ報告はまだかね?
っていうかsageたつもりなんだがGONZOスタイルから例のブツが届いて浮き足立っていたみたいだ。
sage忘れごめん。
で、今のところ3回ほどリピートしてる秘め声報告。
>>637でも書いたけどエイラはサーニャとおっぱいとへたれ成分で構成されていると言っても過言ではない。
あと料理はサンドイッチw
サーニャはシャーリーの性格に憧れてるとか、
ハルトマンと5時間ほどおしゃべりしたりとか、
エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
料理はオラーシャ風だけでなくウィーン風もいけるとか、とりあえずそんな感じ。
実は年末忙しくてカオスな部屋の中で4巻の秘め声CDをロストし、
いまだ聞いてないんで今回はそうならないように速攻聞いたzet4j65zがお送りしました。
……っていうかどこ行った4巻のCD……orz
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
ウオオオオオオオオオオオ!
ダライアーーーース!!
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
生きててよかった
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
うひょおおおおおおおお!
グラディウーーーース!!
>料理はオラーシャ風だけでなくウィーン風もいけるとか、とりあえずそんな感じ。
マジかよ!
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
>チョコパフェとか
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
「…エイラが私以外の女の子に触れるなんてやだよ」
ってこと?
そろそろ480kbだし立てた方がいい?
>>652 なんで私には触ってくれないんだろう…?
みたいな事も言っているのであながち間違いじゃないかもしれない
立ててくる
変更ないよねー
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか、
なんだ、もう春か。
>>653 よろしく。無理なら次は俺が挑戦致そう
>>654 発育が悪いのを気にしてるのってやっぱりそうだったんだなあ
全く子猫ちゃんはこれだからよー!w
規制かかってた\(^o^)/
このスレ立てるの失敗したからリベンジしようと思ったんだけどな。
>>657さんお願いします。
立てに行った結果がこの規制だよ!
次の人おながいします
仕方ない、私めが
>>661 GJ!
ご褒美にzet4j65z氏の4巻の秘め声CDをやろう
>>661乙ダナ
サーニャ「エイラがデレデレするのは許さない。絶対に許さない」
嫉妬だ!嫉妬マスクの降臨だ!
>エイラがほかの女の子の体に触るのは良くないと思うとか
嫉妬ですね、わかります。
ていうか、このフレーズにみんな食いつき過ぎwwwさすがだなwww
上で書いてる記憶喪失で思い出したが
あれって完結したの?
たしかいろいろカップリングがあったはず
エイラが他の女の子と仲良くしてるのを見て、何故か分からないが胸が痛くなるサーニャとか大好物です
それでエイラに腕組みしたりしてお約束どおりヘタレるエイラとか
>>661乙です〜
>>662 そ こ に あ っ た の か ! ?
つまりエーリカ部屋並の混沌力を誇るこの部屋からピンポイントにCDを回収できる
>>662の能力はトゥルーデに匹敵するお姉ちゃん力があるということか。
ってうか気になってちょっと探したけどマジで見つからん><
記憶喪失といえば、エイラの記憶が無くなる話の続きを楽しみにしてる。
なんかサーニャにヤンデレの香りが
フリーガーハマー撃っちゃだめ
DVDフラゲしたのでカキコ。
秘め声CDと資料集はホント第一級の資料やでホンマ。ネタの宝庫。
エイラーニャは鉄板です。ありがとうございました。
「お姉ちゃん」に危機を覚えるエイラワロタw
さっきからエイラだけループしてる(*´Д`)
これを元にSS書きたいが……仕事忙しくて時間が無いorz
もっさんとミーナさんが良い夫婦だった>表紙
職人の皆様GJ! クオリティ高すぎです。
そして、
>>661 乙です。
>>672 ちょっと妄想してみた。
他の女の子と仲良くするエイラに怒って、フリーガーハマー乱射するサーニャ。
「サーニャ、ごめんよ〜」と情けない声で謝りながら全弾避けるエイラ。
……、アリダナ。
第39手 ラブレター 自分としては珍しくエイラニパ。やっぱ自分で書いてしまった。
「なぁ、イッルはさ…どんな告白されたら嬉しいと思う?」
そう頬を赤らめて、幸せそうにニパは笑った。
しかし、私にはお前がなにを言っているのかが理解できなくて…いや、理解したくなかったと言った方が正しかった。
あぁ、お前はその微笑みの先に誰を浮かべているのか…くらりと意識が途切れそうになるのを少し舌を噛むことでどうにか防ぐ。
「ははっ…好きなヤツでもできたカ?」
精一杯の強がりを見せるが、その声はきっと震えていて、本当は今すぐにでも逃げ出したかった。
誰かの心の変容を止めることなど、どだい無理な話なのだ。
ニパがどこの誰を好きになろうとも、私にはそれを妨げることはできないし、ましてやそのようなことをする権利などあるはずもなかった。
「うん…だからさ、ラ、ラブレターを書こうかと思うんだ。でもさ、私、なに書いたらいいか分からなくてさ。」
ニパはもう耳まで赤く染め、俯きながらもそう答えた。
頭をガツンとハンマーで叩かれたような衝撃がはしり、胸に溢れるのは後悔の念。
この思いをいくら叫んだとしても、今更遅いのだ。
いつのことであっただろうか…お前に惹かれていたことに気づいたのは。
私はニパが好きだった。
けれども、そう言ったとしても信じてはもらえないであろう。
なぜなら私は、自らの気持ちを自覚すればするほど、素直になどなれなくて、それはもうまるで子供みたいに反発してしまうのだ。
好きな相手に意地悪してばかりいてはだめです。
いつか後悔することになってしまうかもしれませんよ?
あなたがそう言ったことは確かに真実であった。
しかし、後悔ってものはしてからでは遅いのだ。
つまり、現状はまさに後の祭としか言いようがなかった。
私にはニパの笑顔の先に立つことはもう不可能だという現実が、どこまでも胸を押し潰す。
「やっぱりさ、ニパの気持ちを素直に書けば一番ダヨ。ちゃんと女の子らしい可愛い手紙にするんダゾ〜!!」
いつも通り。私はいつも通りを心がけなくてはいけないのだ。
気を緩めたらこの気持ちも涙も全て溢れだしてしまう。
今更そんなことをしてもニパを困らせるだけで、その様な事態は私にとって、そしてもちろんニパにとっても、望ましいことではない。
「あの、イッルはさ、どんな色が好きなんだ?」
あぁ、本当に、本当にニパはソイツが好きなんだ…いつもなら何事もはっきりと自らで決めることを好むニパが、私にまでこんなに意見を求めるなんて。
「ニパはバカだなぁ。私の好きな色を聞いても何の参考にもならないだろ?ソイツはどんなヤツなんだよ?一緒に考えてやるからさ。」
ニパの頬の朱が濃さを増す。
もうその顔は、なんだかまるで熟れたリンゴみたいで、見ているこちらまで恥ずかしくなってしまう様であった。
もし相手がニパでなかったとしたならば、私もそんな様を見て穏やかな気持ちをもてたのだろう。
あぁ、しかし、それは紛れもなくニパで、私の心を訪れるものは痛みだけであった。
「ソイツはさ、優しくないんだ。意地悪でさ、いつもヒドイことばっかするんだよ。」
そう述べたニパは、それでもなんだか嬉しそうで、誰だかわからないソイツが憎くてたまらなかった。
どうしてか、どうしてそんなヤツがいいのか。
そんな嫌なヤツなんかやめて…私もさ、オマエに優しくするからさ、だから行かないでくれ。
どんなにそう言ってやりたかったことか。でも、そんなこと言う権利が私にないのは私が一番知っていた。
「なんでそんなヤツ好きなんだよ?ニパって変態なのカ?」
「そんなことねーよ!ソイツはそんなだけどさ、ほんとは優しいの知ってるんだ。カッコよくて優しくて、私に感謝なんてさせてくれない卑怯なヤツさ。」
ニパが子供みたいに、どんなにかソイツがイイやつなのかを語る様は本当に幸せそうで、
私はニパの気持ちを助けてやらなければ嘘だと思うしかなかった。
「じゃあさ、ソイツにお前が一番似合うと思う色の便箋を使ってさ、お前の気持ち全部詰めてやれ。
お前はさ、黙ってれば可愛いし、性格もまぁ悪くないからきっと上手くいくサ。」
ニパは少しムッとした顔をしたが、なにか少し考えると微笑みを見せた。
−−−−−−−−
もう手紙渡したのかな?
そんなことばかり考えてしまって、ここ数日訓練だって手につきやしない。
ニパときたら私の気も知らないで、必死に机に向かってペンを走らせていて、どうしてもその気持ちの先にいる相手が羨ましかった。
こんな気持ちのときは部屋でごろごろしているのが一番だと決めた私は、部屋への帰路を急ぐ。
バタンッと大きな音を立て、ドアが開くとニパが飛び出して行った。
あぁ手紙を渡しにいくんだな、と思うととうとうきてしまったという恐ればかりが胸に募って、急に身体を気だるさが襲う。
もう今日は寝てしまおうと、ニパが開け放した扉を通ると、ベッドの上には空色の手紙が置いてあった。
ニパのヤツ忘れていったな…見てしまおうか、どうしようか、好奇心と罪悪感を天秤にかけ、随分と重かったらしい好奇心に身を任せた。
エイラ・イルマタル・ユーティライネン様へ。
ふんっ、バカじゃねーの。様なんて使う間柄じゃねーだろ。
そう文句を言うと、私はニパを探しに行くことにした。
Fin.
どうも皆様GJです。
特に21X2w2Ib様GJ!!エイッカさん可愛いなぁ可愛いなぁ。
やはり出来る人なのにそういう方面は鈍い人が自分は好きだなぁ。
秘め声聞いたー!!人生で初めてDVD買ったよ!!
あえて言わせてもらおう!!エルマさんとニパとの間に自らの誕生日が挟まれている自分勝ち組と!!
スオムス組ばっか書いてて良かった!!ちなみにエルマさんの誕生日は6月4日だそうで。モトネタ分かるのかな?
あとは開始して即行あれなエイラ可愛いかわいい。エイラさん自重しなすぎだろ…
もうしばらく来ない詐欺を働くRU1ZZ/dhでした。
GJ!
何かすごくニヤニヤした
アニメしか見てないんで最近のネタは分りませんが
>>549は面白かったです
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>>680 たまらんのう。なんかこう、くすぐってえなぁ。これが百合なんだなぁ。
そりゃ好きだからじゃないか?
48手力作ぞろいで最高です。特に
>>609氏の3人のやきもち合戦が可愛すぎました。
もちろん他のみなさんもGJ!
>>680 一枚目、「ついてるカタイヤネン」ってのは何度見ても秀逸なタイトルだと思う
>>609 やきもちの三すくみワロタwww
いいぞ、もっとやれ。
>>688 名前が間違ってるのはまだいい
だがその題名はつまり、このかわいらしい涙目カタヤイネンが、忌むべきふた…
この情景も、生えてきて涙目なカタヤイネンのソレをエイラが触って確かめてるってこ…
…なるほど、ふた(ryにもガチ百合にもどっちの意にも取れるから、秀逸ってことなんですね…
そういえば芳ーニャ派としてはサーニャ→芳佳の印象が気になっているのですがどうだったんでしょうか?誰が教えてください
女なんだからついてないカタヤイネンで当たり前だな、わっはっは
>>690 エイラに触ってもらえてついてるってことだな
>>691 芳ーニャ派のやつには絶対教えてやらないんダナ
誰も埋めないようなのでここは私が埋めるとしようか……。
シナリオノベルでエイラ&シャーリー、ところによりサーニャイラ
サーニャさん崩壊シリーズ番外編「Скажите в Слове(言葉で伝えて)」
----------------
「あーやっぱダメだ!わかんねー!」
「ん?こんなとこで何やってんだ、エイラ?」
「なんだシャーリーか……。」
「なんだとは失礼だな。」
「オラーシャ語の勉強してたんだけどさ、何回読み直しても全然わかんねー。
語形複雑過ぎっていうか活用多過ぎっていうかまずキリル文字が読めないっつってんだろ!!」
「あたしに当たられても困るんだけど。」
「なまじっか文法を理解してもまともに発音できる気がしねー。
何だよzheーって。zheーだぞ、zheー。平仮名にできないじゃないかー。」
「ヒラガナ?」
「なあシャーリー、なんかこう急激にオラーシャ語が喋れるようになる裏技とかないのかよー。」
「知らないって!大体そんなに急いで勉強する必要あんのか?」
「当たり前だろ!この戦争が終わったらすぐにでもオラーシャに行って、
サーニャと2人でサーニャの両親を探すつもりなんだ。
現地の人と会話できなかったら話になんないだろ?
サーニャにばっか頼って自分は何もできないなんて、ただの役立たずはイヤなんだ。
私はサーニャの支えになるんだ。言葉くらいどうにかできなきゃな。」
「その意気だよ、エイラ。」
「え?」
「投げやりなこと言って悪かった。そうだよな、他でもないサーニャのためだもんな。
お前ほんといいやつだよ。よし、あたしも協力してやるよ!」
「ホントか!?」
「ああ。どうせ非番だしな。それにあたしもオラーシャ語ってちょっと興味あるし。」
「シャーリー……。ありがとな。」
「いいってこと。」
────────
「……ダメだ、やっぱり言えねー。」
「そんなことないって。お前さんならできるはずさ。
サーニャのためと思えばそれくらい簡単だって。」
「私が言ってんのは、なんで例文が、こっ告白っていうか口説き文句なんだよ!?」
「その方が感情を込めやすいだろ?オラーシャ語は韻を踏んで覚えろ、ってここに書いてあるし、
もっと長い文を声に出して、音で覚える方がいいんだって、きっと。」
「ホントかよー……?」
「いいからほら、もっかい言ってみ?ここにサーニャがいると思ってさ。」
「余計緊張するって。」
「じゃあ誰でもいいから。ほら、"Ty nuzhna mne"……」
「Ты нужна мне……」
「"Ya ne mogu zhit bez vas"」
「Я не могу жить без вас……」
「あのな、そんなんじゃあサーニャには伝わんないぞ?」
「余計なお世話だ!」
「わかった、じゃあまずはスオムス語で言ってみろ。それなら誰かに聞かれても平気だろ?
それで感じを掴んだら、次はその感じでオラーシャ語で言うんだ。」
「……ナルホド。よし、い、言うぞ。」
「ばっち来い!」
「Sanya...Minulla on teita hyvin tarkea kertoa.」
「いい感じだ!」
「Tulkaa minun kanssani, jos te haluatte.」
「うん、うん!」
「Mita te pidatte minusta?」
「そこでこのフレーズ!」
「Я ЛЮБЛЮ ТЕБЯ!!!!」
ドサッ
「エイラ……」
「げっ、サーニャ。」
「どどどうしたんだサーニャ、ままままだ3時だぞ。」
「やっぱりイェーガー大尉とそういう関係だったんだ……。」
「(あちゃー……)」
「シーツの髪の毛はやっぱりそういうことだったんだ……!!」
「ちょ、ちょっとサーニャ───」
「私だけを見てくれないエイラなんていらないっ!!」
「違うんだサーニャ誤解だ!!これは別にやましいことをしていたわけじゃ……!!
ああああごめんなさい!謝るから!謝るから銃を下ろすんだサーニャァァァ!!」
────────
「言ってくれれば私がいくらでも教えてあげるのに……。」
「ごめんよサーニャ。ちょっとびっくりさせたかっただけなんだ。」
「вруша」
「うん?」
「ふふっ、いいの。その代わり、エイラの国の言葉も教えて?」
「スオムス語を?なんで?」
「私、結婚したらスオムスに行きたいな。そうしたら言葉は必要でしょ?
それで、エイラの住んでた街にお家を建てるの。
白い壁の小さな家に小さなお庭があってね、煙突が出てて、暖炉にはいつもポトフのお鍋がかけてあるの。
それから二階には寝室があってね、暖炉の真上にあるからいつも温かいの。
もちろんベッドも枕も一つしかいらないよね。だから残りの空間は子供部屋にして、
大きくなったら机と本棚と、ぬいぐるみを買って───ねえエイラ、ちゃんと聞いてる?
どうして恍惚とした表情で遠くを見てるの?私を見て、私を。
ねえ、エイラってば。」
「私とサーニャの子供……フフッ……フフフフフフ……」
終
スレ末だから告白すると……実は私芳ーニャ派なんだ……。
じゃあ何でこんなの書いてるかって言ったらサーニャイラも同じくらい好きだからさ!
あと本文中のオラーシャ語、スオムス語は辞書とにらめっこしながら書いただけなので適切な訳でない可能性があります。
それでは次スレでお会いしましょう、Moi moi.
ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart19
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1233220209/
>>690 ナニがついてるのと、エイラとイチャニチャできて運がついてる、の二つを掛けたんだろ
埋まると思ったのにギリギリ埋まらなかった……はずかすぃ