1 :
脇監督:
2 :
脇監督:2009/01/05(月) 18:47:44 ID:gkEMa6oZ
Q.○○書いたんですけど投下してもいいですか?
A.どうぞ、ぜひ投下してください。
条件は「ストライクウィッチーズ」関連であること、
「百合」であることの二つのみです。
ジャンル、エロの有無、本編にないカップリングなどに関係なく、
このスレの住人はおいしく頂いております。
妄想だとか落書きだとか気にせずとにかく投下してみましょう。
ただし、SS専用スレではないので20レスを超えるような長編は事前に断りがあると吉です。
3 :
脇監督:2009/01/05(月) 18:48:07 ID:gkEMa6oZ
──リレーSSの手引き──
★基本ルール
○始める時は、リレーSSであることを宣言する。
○続ける人は宣言は不要だが、一行目に継承元の安価をつける。
○ただし、結末を書く場合は「次で終わっていいですか?」と訊いておく。
○継承先は指定できない。誰かが早い者勝ちで続きを書く。
○ただし自分自身の続きは書かない。最低2人は挟んでから。
○2レス以上にまたがらない。1レスでクールに。
○重複したら先に書いた方を優先する。
○作者名は名前欄に入れる。名無し希望は未入力でも可。
○リレー進行中は他のリレーは開始しない。
○もちろん普通のSSは、リレーの状況に関わらずどんどん投下してください。
★本文と書式
○語り手や文調はできるだけ継承する。唐突な視点変更は避ける。
○誤解を招きやすいため、科白にはキャラの名前をつける。(例:芳佳「おっぱい」)
○後に文が続く事を意識して、できるだけ色々な取り方ができる終わり方にする。
○「駄文失礼〜」「お目汚し〜」等の前書きやあとがきはナンセンスなので付けない。
★心構えと方針
○無理して面白くしようとしない。ナチュラルに妄想を爆発させるべし。
○不本意なカプの流れになっても泣かない。むしろ目覚めるべし。
○展開を強要したり口を挟まない。流れに身を委ねるべし。
○なかなか続きが来なくても焦らない。気長に有志を待つべし。
○多少の誤字脱字、設定違反、日本語おかしい文章には目を瞑る。スルーすべし。
○参加者はみな平等。新兵もエースもリレー主も一切特権はない。仲良くすべし。
○男はいらねえんだよ!ふたなりネタも自重すべし。
┏┓ ┏┳┳┓ ┏━━┓[][] ┏┓ |: : |: :/l:/ | : : : : jハ: :ト、:j: :│. ┏┓┏┓┏┓
┏━┛┗┓┃┃┃┃ ┃┏┓┃ ┏━┛┗┓ |: : |斗‐l ハ.: : : イ: }:/-∨: : | ┃┃┃┃┃┃
┗━┓┏┛┃┃┃┃ ┃┗┛┃ ┗━┓┏┛┏━━━! : W,ィえト ヽ: : |: ィそト、': j/━━━┓┃┃┃┃┃┃
┃┃ ┗┻┫┃ ┃┏┓┃ ┃┃ ┃ |:N小弋ン \j/弋ソ W . ┃┃┃┃┃┃┃
┏━┛┃ ┃┃ ┗┛┃┃ ┃┃ ┗━━━!:{ ∧ ' ,')|.. ━━━┛┗┛┗┛┗┛
┗━┓┃ ┏━┛┃ ┃┃ ┏┛┃ l `ーヘ r‐; /: :| ┏┓┏┓┏┓
┗┛ ┗━━┛ ┗┛ ┗━┛ | : l :个 _ イ |.: :| ┗┛┗┛┗┛
おっつかれー
なんだこの速さ!?…とりあえず
>>1乙!
つうか保管庫氏が帰ってくるまえにまた次スレいったな
誰かdatを保管庫氏にメールしたほうがいいよな
>>9 そだね
保管庫氏はログからツールでSSを抽出してるんだっけ?
手助けできる簡単な事があればいいんだが
全体的に過疎気味な百合板でしかもスレの内容がほとんど作品だけで
一週間ちょっとで完走とか全盛期のなのはスレ以上に凄いわ
もう次スレか
前スレはほとんど読めなかったけど
>>1乙
>>12本人が宣言してないときは別に待たなくていいだろ
色々決めてかかると当人も他の人も投下しづらくなると思う
前スレ
>>505,507
文法云々じゃなくて、単に打ち込みの上での間違いでしょ。
そのサイトを紹介しても的外れすぎると思うんだが
改行がおかしいのは…、多分、文章をストックしてる場所(メモ帳など)の問題じゃないか?
あと
>>1乙
そんなに急いで埋めなくてもいいと思うんだけどなあ
>>15 いや、スレの途中で埋めにはまだ早いって言ってたからちょっと期待してたんだ
でも決めつけはいけなかったな。すまん
>>1乙
前スレ
>>505 メモ帳で「右端で折り返す」にしておくとあんな感じで変な切られ方になると思われ。
っていうか前スレまだ読みきれてないです〜
>>1 乙
>>19 入力するときは便利だけど、コピペして発表するときは変なところで切れて一行スペースが出来るから不便なんだよね
やっぱみんなメモ帳で書いてるんだな
俺もそうだけど
携帯でぽちぽち書いたあとにパソコンで整えてるぜ
正直最近は抱き枕やらに萎えて公式に期待してなかったのだが、今回の更新はパねぇ
テンション上がってきた
公式のエイラーニャは心が綺麗になってくるというかサーニャマジ良い子
今時ヒーローなんて表現使わないぜ・・・そりゃエイラも惚れるわ
25 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 20:55:04 ID:l+rJC5Bo
明日受験だが公式のおかげでなんかやる気出てきたー!
>>12 埋めの人は今文章書けなくて困ってるとこだったからむしろ助かったそうな
別に決まってる訳でもないし、気にしなくていいよ。埋めてくれた人たち乙!
そして
>>1乙!前スレで投下されたSSもみんなGJ!!
読んでる暇なくてエアGJで申し訳ない、あとでじっくり読ませていただきます
前スレのシャーゲル、続きwktkしながら待ってるよ!!
公式のシャーリーとゲルトの絡みも良かったな〜。
シャーリーは案外ゲルトの理解者っぽい位置にいるのがいいね。
28 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 21:24:39 ID:xr3l5YCI
test
申し訳ない。まさか書き込めるとは思わなかった・・ほんと申し訳ない
なんかワラタw
不必要かもしれないけど
保管庫のアドに前スレのdat送ってきた
芳リネ
エイラーニャ
シャッキーニ
シャーゲル
今回の基地探訪はネタの宝庫だな
職人さんに期待
ってか記録集の表紙....。4巻でペリーヌ、5巻で隊長とかもっさんどんだけジゴロなんだよ....
...もっとやれ、やってください。
あれ?そういえば記録集エーリカは?・・・・
もっさんはペリーヌやミーナの前ではジゴロだけど、たぶん竹井さんの前ではめっちゃ乙女
というかこれで記録集6巻目の表紙がもっさんと芳佳なら笑うw
その泣き顔さえも、ハンカチなんかで隠してしまうのがもったいないくらいに美しくて。可憐で。
だから、もっと近くで見たくなってしまう。それは、必然だった。
ながいながい、しかし深くはないくちづけを終えてもなお、碧に輝くふたつの泉は、まるで枯れることを知らないかのように雫を溢れさせていて。
「……もう一度……もう一度言って、エイラ」
ああ、何度でも言ってやル。
名を呼ばれた方の銀髪の少女は、自分のものよりも一回り小さな少女の身体を胸に閉じ込め、つぶやく。
「私たち、ずいぶん遠回りしたよナ……」
そうだったね。
「……ん」
ごめんナ、サーニャ。
抱きしめる力をさらに強め、いまだ嗚咽を漏らしつづける方の銀髪の少女の耳もとに、ささやきかける。
「言うのが遅くなっちゃったけどサ……」
本当に、どれだけ待たされたと思ってるの? 遅過ぎるよ。
「うん……うんっ!」
もう、決して待たせたりしない!
「いちおつダナ」
記録集の表紙は今まで全部カプ絵(のようなもの)か。いい仕事するぜ。
>>37 っちょwwなんかものすごく期待したらそんなオチ!
だが文うまいw
>>1よかったな
公式は百合度高いのはいいんだが、あんまガチにしてカプ固定されると
マイナーカプが想像できなくなる…今回ので芳ーニャとか想像できなくなってしまった…
>>40 な・・・・なんだってー!!」
それはそうと
>>1乙!
さて、久々に投下させてもらいますよ。
まぁ、少し前に妄想で投下した"流れ星を眺めるエイラニャ"の続きをきちんと書いただけなんだけど。
43 :
あおぞら:2009/01/06(火) 00:58:45 ID:/luUZdS6
身体が凍ってしまうくらいの強い風が吹き付ける寒い冬の夜。
吸い込まれてしまいそうなくらいに透き通った夜空を小さな光が流れていく・・・。
「また、流れ星だね」
白い息を吐きながら、嬉しそうに目を輝かせて彼女は冬空に指を差す。
まるで、子供が遊び道具を見つけたような、そんな無邪気な仕種。
「あぁ、綺麗ダナ・・・サーニャ、寒くないカ?」
「うん、大丈夫だよ」
笑顔で彼女に答えながら、私は解けそうになったマフラーを巻き直す。
一人で使うと長いこのマフラーも、二人で巻くとやっぱり少し短いらしい。
なるべく彼女が寒い思いをしないように、私はしっかりとマフラーを引っ張った。
「よし、っと。これでいいカナ」
「ふふ。ありがとう、エイラ」
にっこりと微笑んで、彼女は私の方にすっと身を寄せてきた。
私は少しだけ躊躇った後、思い切って彼女を抱き寄せた。
「ねぇ、エイラ。どうして星が綺麗に輝いて見えるか知ってる?」
冷たくなった缶コーヒーを飲んでいると、彼女が空を見上げたままそんな質問をしてきた。
・・・どういう意味だろう?
そう思いながら、私は飲み終わった缶を地面に置く。
「ウ〜ン・・・太陽の光の反射角度の影響とかカナ? あとは冬だから空気が乾燥してて、空が澄んで見えるからとか・・・」
「うん、それもあるけどね・・・」
彼女は振り向いて、私の顔を見つめる。
水晶みたいに透明な彼女の瞳に私の姿が映っている。
「星が綺麗に見えるのは、エイラの心が綺麗だからなんだよ?」
「えっ?」
心が綺麗だから・・・そんな事を言われて、何だか凄く恥ずかしい。
お尻の辺りがムズムズしてくるようなそんな感じ・・・。
「昔ね、お父様が言ってたの。夜空は鏡だって・・・自分の心がそのまま映るんだって」
私の気持ちを見透かしてか彼女は悪戯っぽく笑う。
「だから、星がこんなに綺麗に見えるのは、エイラの心を映しているからなんだね」
「な、何言ってるんダヨ・・・か、風も強くなってきたし、もう帰るゾ!」
居ても立ってもいられなくなって、私はちょっとぶっきら棒にそう言った。
44 :
あおぞら:2009/01/06(火) 01:00:34 ID:/luUZdS6
月の光に照らされたレンガで舗装された道は私達以外、誰も歩いていなかった。
シーンと静まり返っていて、何だか耳が痛くなりそうだ。
「静かだね・・・」
「そうダナ・・・」
私達はそっと手を繋ぐ。
彼女の細くて白い指は氷みたいに冷たくなっていた。
「サーニャの手、冷たいナ・・・」
「エイラの手は温かくて柔らかいね」
彼女の冷えた手が少しでも暖まるように、私は強く手を握る。
それに答えるように、彼女もぎゅっと力を入れてきた。
「・・・キスしよっか?」
「さ、さっき、したばっかダロ・・・」
「いいでしょ? しよ?」
私の腕に抱きつきながら、彼女は私を見上げた。
少しだけ潤んだ彼女の瞳に私は弱くて・・・。
「と、特別ダカンナ・・・」
顔にかかった彼女の銀色の髪をそっと払って、私は彼女に触れるだけのキスをする。
柔らかくて温かい甘い感触。
幸福感で胸が一杯になっていく。
「ん・・・こ、これでいいダロ・・・」
「うん。ありがとう・・・」
嬉しそうに彼女は微笑む。
私達はまた誰もいない夜道を歩き出す。
「明日も晴れそうだね」
「あぁ、雲も無いからナ」
「またお出かけしたいね」
「時間があったらナ・・・」
特に意味の無い、けれども幸せな会話を繰り返しながら私達は家路を進む。
空に浮かぶ沢山の星と大きな月が私達を照らしていた・・・。
―――ねぇ、云える?
いま星が光っている理由(わけ)
貴女の心を映しているからだよ
明日は心も空も素敵な青―――
おしまい。
この元ネタの曲、あんま好きじゃなかったんだけど、
久々に聞いたら、歌詞がエイラニャっぽくて好きになっちゃった・・・。
>>45、GJ!
エイラニャラヴァーな私は悶えてしまった。
同志たちよ!私は帰ってきた!
真冬の北海道行ってきました。寒い。死ぬ。道端に氷の塊が転がってんのもう見てらんない。
あまりの寒さについ慣れない北国に悪戦苦闘する扶桑人コンビを妄想してしまったので投下しようと思います。
芳リネ、芳美緒、もっぺり、芳ーニャのどれにするかで大分悩みましたが、
難しいペリーヌに挑戦する機会だと思ってもっぺりになりました。
ペリーヌ視点の美緒×ペリーヌで、「Serenite et votre Temperature」です。よろしければどうぞ。
ブリタニアの冬は寒い。
とは言ってもスオムスやオラーシャといった北極圏に比べたら格段に暖かいのだけれど、
少なくとも毎年雪が降る程度には寒い。
聞けば扶桑の首都周辺は雪の降らない冬がたまに訪れるらしい。
夏には気温も30℃を超えるというし、ガリア育ちのわたくしからしてみれば
扶桑は亜熱帯なのではないかと疑いたくなる。
実際南の方の一部は亜熱帯に含まれているというのだから、
欧州の冬の冷え込みは扶桑人には相当堪えるに違いない。
ええ、まったくその通りですとも。
だからこれは別に何もおかしなことではないはず。
そうよ、こんなことで動揺していてはガリア貴族の名が廃りますわ!
「どうしたペリーヌ、眠らないのか?」
仮令わたくしのベッドに坂本少佐が潜り込んでいたとしても、
決して冷静さを欠いてはなりませんことよ!
「い、いえっ、いい今行きまひっ!ぃあ!!」
───ああ、お父様、お母様。
わたくしは今日、そちらにお邪魔するかもしれません……。
────────
思い返すのは1分前、自分の部屋に戻ったわたくしを待ち構えていたのは、
他でもない坂本少佐のお姿。
「し、少佐、何故わたくしの部屋に?」
「おお、来たか。勝手に上がり込んで済まないな。」
「そんな、構いませんわ。」
「いやな、最近夜が寒いとぼやいていたら、それを聞いた宮藤のやつが
なんでもリーネと一緒の布団で寝ているから温かいとか言うものでな。
恥ずかしい話、他に身近な"人肌"がいなかったんで、
こうしてお前に頼んでみようかと思ってな。
どうか一晩付き合ってみてはもらえないだろうか?」
ああ、その照れ臭そうに頭の後ろを掻く些細な仕草だけでも頭がどうにかなりそうだというのに、
そのつまり、要約するとそれは所謂"添い寝"というものなのではないでしょうか。
ということは、わたくしのベッドに少佐が……
あ あ あ !
「あの!えっと、わ、わたくしはその、えっと」
「ダメか?」
「いいいいいえ決してそのようなことはありませんわ!
わたくしなどでよろしければそれはもうお好きなように!」
────────
というわけで今現在、少しでも左を向けば、そこには坂本少佐の美しいお顔が……!
「…………。」
スューペー!シュパーブ!マァーヴェラッス!トレトレトレトレトレビアーン!!
この美しさを褒め称える言葉はガリア語にもブリタニア語にもありませんわ!!
きっと世界のどこを探してもこの素晴らしさを表現できる単語など存在しないに違いありません!
いえ!落ち着きなさい、落ち着くのよペリーヌ。今こそ冷静さが問われるときですわ。
ここで焦って暴走してはダメ。場面をわきまえるのも優秀な部下の条件。
そうよ、寝顔くらいなんだと言うの、いつかこの光景を当たり前のものにしてみせるまで我慢ですわ、我慢……。
この光景が当たり前に……そう、当たり前に……少佐がいつもわたくしの隣にいるように。
毎晩同じベッドに入って、お互いの体温を感じながら、至福の眠りに就くのです。まさに夢の世界。
そして朝目が覚めると、寝惚け眼なわたくしに少佐はそっと唇を寄せ……ああああぁぁぁぁああ!!!!
幸せ過ぎますわ!幸せ過ぎますわ!いくら何でも先走りすぎですわ!初めのうちはもっと
「顔が赤いぞ、眠れないのか?」
「へっ? あっ、 いえ、そのようなことは全然まったく何にもありませんわ。」
「そうか?少し体が熱いような気がするが……」
「わたくしはいつもこのくらいが普通ですのよ。そう、普通ですの。普通。」
「…何をそんなに慌ててるんだ?」
「べべべべべべべべべべ別に慌ててなどいませんことよ!」
だだだから落ち着くのよペリーヌ!これが実戦なら今頃海の藻屑ですわよ!?
ここは是非デキる二番機として気の利いた一言をさらりと申し上げるべき場面のはず。
少佐を安心して睡眠へと誘うには、わたくしがしっかりしてしなくては───
「やはり震えているぞ。お前も寒かったんじゃないのか?」
「いえあの───」
「ガリアはブリタニアよりも暖かいというからな。あまり気を張るな。
私とて万能ではない。お前が平気なふりをしていては、大事な時にお前を守ってやれないだろう?
そういうことはな、隠したりしないできちんと伝えるんだ。
私たちは家族のようなものだ。家族は助け合うのが当然だろう?
ほら、もっとこっちに寄れ。もっとくっついていい。
正直なところ、私ももう少し温かい方がいいんだ。
おい、何を恥ずかしがっているんだ。いいからもっと密着しろ。
そうだ、これでいい。どうだ、寒くなくなっただろう?
ふう……安心したら眠くなってしまったな。それでは、おやすみ。良い夢を……
うん?どうしたペリーヌ、顔色が───うおっ!?お前鼻血出てるぞ!
ちょっとおい大丈夫か!?今氷を……いや、その前に何か布を……ええい、誰か───!!!!」
────────
そういうわけで、その夜のことはあまり覚えていない。
唯一覚えているのは、坂本少佐のお美しい寝巻き姿とその寝顔。
思い出しただけで胸と鼻に熱いモノがこみ上げて……いえ、下品なのでもうこの話はやめましょう。。
ただ、教訓として学んだこともひとつ。
それはつまり、ミーナ中佐の前では少佐との私的な話題は禁物ということですわ。
以上です。いい加減鼻血オチは自重すべきかとも思ったが好きなんだからしょうがない。
向こうでは冬には3時台には日没を迎えるそうです。海流の関係で気温はそれほど下がらないらしいですが、
少なくとも横須賀よりは寒いとか何とか。もっと南のラバウルにいた少佐ならなおさら感じるに違いない。
別パターンとして、ミーナさんが眠っていたところに突然少佐が潜り込んできて、何事かと慌て萌え悶えているうちに
あっという間にむにゃむにゃ眠られて一人寝付けず大興奮のミーナさんというのを考えたんだが誰かバトンパス!ヘイ!
ところで扶桑でも有名なガリア語「Tres bian!(トレビアン)」は、強調したい時には「Tres」を重ねて使うそうです。
扶桑語で言う「超超超カッコイイ!」みたいな感じなのかなあ。どうでもいいか。
もっとどうでもいい話をすると今回のタイトルもガリア語なのですが、これで501の隊員全員の祖国語制覇です。やったぜ!
では久々に保管庫更新してくるとしようかな。ログ送ってくれた人たちありがとう!!
最後に全SSにGJ!!携帯から追ってたけどどれも良かったです。
>>50 お帰り!!!そしてgj!!!!!!
さっきまで某所の芳イラSS読んでたらニヤニヤが止まらない……新たな可能性に目覚めたよ
>>50 おかえりなさい&GJです!
少佐の天然ジゴロっぷりに流石としか言いようがないwww
53 :
1/3:2009/01/06(火) 02:56:13 ID:unNeJ7n1
※いまさら年越しエイラーニャ
かち、こち、かち、こち。
サイドチェアに据え置かれた時計が、規則正しい音を鳴らしている。月明かりに照らされたそれをちらりと見やる。
(あと、じゅうごふん)
音にはせずに、つぶやいた。時計の針はほとんど直角を描いていて、その間をか細く長い針が忙しなく動いている。
あと15分。新しい年がやってくるまでたったそれだけの時間しかない。それだのに。
私が見やったその手前で、すうすうと穏やかな眠りについている人をみやる。はあ、とひとつ溜め息をついた。
新しい年になるそのときは一緒に過ごそうね。そう言ってくれたのはエイラの方だと言うのに、だから私はそれを
楽しみにそのときを待ちわびていたのだというのに。当のエイラと来たらつい30分ほど前そんなの素知らぬとば
かりにとうに眠りこけてしまったのだった。
ねえ、ひどいよ。口を尖らせてみても、ぐっすりと眠りこんでいて気付くはずもない。右手を伸ばして頬をペチペチと
叩く。けれども私の知らない、昼間の訓練だとかでもしかしたら疲れているのかもしれなくて、すぐにやめた。
今日は私たちが夜間哨戒に行くから、と。
ミーナ中佐と坂本少佐に言われたのは今朝の話で、隣で聞いていたエイラは途端に目を輝かせてはしゃいで
いたっけ。
(よかった、よかったなあサーニャ!)
言われているのは私なのになぜかエイラの方がずっとずっと幸せそうで、正直ぽかんとしているだけだった私が
ようやく笑顔を浮かべることができたのはそんなエイラを見て私まで幸せな気持ちになれたからだったことを、
きっとエイラは知らないだろう。
私の心は本当に、エイラの気持ちを見事に映す。エイラが笑顔でいてくれるといつのまにか私も嬉しくなって、
悲しい顔をすると切なくなくなって。私は彼女と全くの別個体のはずなのになぜだかそうして影響されてしまうの
はつまり、絆されていると言うことだろうか。
(だから私たちに何も言わないで、勝手に夜間哨戒に付いて行くなんてことしないようにね。ユーティライネン少尉?)
飛び上がりそうなほど浮き足立っているエイラを、ミーナ中佐が小突いてそう言った。いじわるをする子供みたい
に口許を吊り上げて。げ、と目を逸らすエイラを見て坂本少佐がわっはっは、と笑ったから、私もミーナ中佐も
あはは、ふふふ、とつい笑い声を立ててしまった。笑うなんてひどいじゃないか、と口を尖らすエイラの顔は、
子供みたいで可愛らしかった。
きっと咎められているのはクリスマスイヴのこと。24日の夜、みんながパーティーをしているその最中のこと。
夜間哨戒に出かけなければ行けなかった私を気遣って、エイラは一緒に来てくれたのだ。サンタの格好なんか
して茶化し込んで、その笑顔で私の心を楽しませてくれた。あれは私の記憶の限りで一番幸せなクリスマスイヴ
だった。おぼろげになりつつあるお父様やお母様との楽しい楽しいクリスマスを抜きにすれば、だけれど。私には
その二つを天秤にかけることなんて出来ないから。…まあ、途中でエイラが気絶してしまって私がそれを抱えて
途中まで戻る羽目になった、と言うのも今となってはいい思い出だ。
ううん、咎めているのとはちょっと違うかな。きっと、心配されているんだと思う。だって夜間専従班でもなんでも
ないエイラには、昼間のシフトがちゃんとあるんだから。
私と一緒に哨戒から帰ってきてそのまま待機、そして出撃、と言うことも確か何回かあった気がする。それでも
エイラは「なんてことないって」なんて言って笑うから。そしてその言葉どおり傷の一つもつけずに自分の仕事を
こなして帰って来るから。私はいつも何も言えない。だって本当はもっともっと、一緒にいたいんだもの。そんな
わがままな気持ちばかりが先に立って、私は彼女に気遣いの言葉一つかけてあげれないのだ、いつも。
朝食を終えていったん部屋に戻りながら、そんなことばかりを考えていた。
私を心配して、エイラを心配して。そんなことをまるで息をするように自然に出来るエイラやミーナ中佐たちに
比べて、私はひどくひどく幼くて。自分のわがままを通すことしか考えられなくて。きっとこのままじゃ、エイラにも
愛想を付かされてしまうだろうと思ったのだ。エイラは優しいから、今はいくらでも私のわがままを聞いてくれる
けれど彼女にも我慢の限界というものがあるはずだった。そして多分私はその限界に向かってものすごい加速度
で進んでいるのだろうと思ったのだ。
54 :
2/3:2009/01/06(火) 02:56:55 ID:unNeJ7n1
(あの、あのさっ)
けれどほら、やっぱり。
そうして後ろ向きになったその瞬間、エイラの言葉が耳に届く。まるで映画で好きな人に愛の告白をする俳優の
ように言葉を詰まらせて、立ち止まった彼女に気付かずに先を行こうとした私の服のすそをちょいとつかんで、
けれどもすぐ離して。その、良かったら、あの。二の句を告げずにまた詰まる。戦闘中はひどく毅然としていて、
みんなのいるところではその不思議な言動で逆に周りを翻弄しているこの人だというのになぜどうしてこんな
ところで口ごもるだろう。私には全くその思考が理解出来ない、けれど。
綺麗な色白の肌をこんなにも赤く染めて、瞳を少し潤ませて、少し震えながらそんなことをいう彼女を私はひどく
可愛らしいなあ、と思うから。だから絶対に急かしたりしない。いつものように静かに彼女の次の言葉を待つ。恐
れる必要なんてない。だってエイラが私に悪いことをすることなんてあるはずがないんだから。
(せっかく休み貰ったんだしさ、良かったら今夜、一緒にすごさないか?…ほら、せっかく新しい年だし、迎えるなら
一人より二人のほうがなんか感動できるじゃんか)
──それが彼女自身の願望だったのか、そう言えば昨年は空の上で一人で新しい年を迎えていた私に対する
気遣いだったのかは分からなかったけれど、私はとても、とてもその言葉が嬉しくて。いいの?と尋ねたら「うん」と
答えてくれたことが嬉しくて、嬉しくて。
上手く言葉が出てこなかったから何度も何度も頷いた。もしも私の使い魔が猫でなくて犬であったなら、尻尾を
ぶんぶんと大きく振っていただろうと思うくらいに。
ぼーん、ぼーん、ぼーん…
突然、どこかの部屋から12時を知らせる音が鳴る。驚いて時計を見るも、まだ10分ほど早い。ハルトマン中尉
の部屋かな。「ちょっと話を聞いてよ」と部屋に引きずり込まれたときに見たことがある。確かハルトマン中尉の
部屋にはたくさんの時計が置いてあった。けれどそれらは一つとして同じ時間を指していなくて戸惑ってしまったのだ。
バルクホルン大尉が片付けたばかりだったのだろうか、ずぼらだと言う噂の割には部屋は片付いていたけれど──
言っては悪いけれど確かにハルトマン中尉がいちいちずれた時計を直すような人には思えない。どうしてバルク
ホルン大尉が直してあげないのかはわからないけど恐らく今もずれた時計がそのままなのだろう、と思った。
そんなことをぼんやりと考えているうちに、さらに重なる時計の音。たくさんの時計が鳴らすオーケストラ。ここまで
聞こえるのだからきっとハルトマン中尉の部屋はやかましいくらいなのに違いない。眠くなったらどこででも眠って
しまう私が言えることではないけれどよく眠っていられるものだ、と思う。それとも今、ハルトマン中尉は自分の
部屋にいないんだろうか。…例えばほら、私に語る話の大抵の主題である『説教くさくてうるさくて細かくて妹バカ
なトゥルーデ』の部屋だとかに。今私がエイラの部屋にいるのと同じように。
さきほどまでかちこちと聞こえていた秒針の音は、どこかの部屋からする、少し気の早いファンファーレでかき
消されてしまってよく聞こえない。だから私は暗闇に慣れた目でずっと、エイラの寝顔の向こうにある時計を見て
いる。一緒に新しい年を迎えるはずのエイラは眠ってしまっているけれど、でも、こうして傍にいる。眠ってしまった
のはひどいけれど、それまではたくさん話をして、タロットをしたりして、本を読んでくれたりして…たくさん、たくさん
構ってくれた。ねえもしかしたらはしゃぎ疲れて眠ってしまったのかな。私とこうして過ごせることが嬉しすぎて、
それに気がはやりすぎて。
だったらいいのにな。思いながら頬に触れる。さっき散々叩いた頬。今度は優しく撫でてみる。ごめんね、わがまま
ばかりだよね、私。すぐには変われないから、良かったら来年も私に構ってください。優しいあなたでいて下さい。
エイラが好きだよ、大好きだよ。来年こそは、そう言葉にしていえたらいいのにな。今年までには、今年中には。
たぶん昨日まではそんなことを思っていたのに、私はやっぱりわがままだ。ねえだから来年こそは、あなたからも
何かが欲しいな。なんだっていいから私のこと好きだって、そう分かる何かを形にして欲しいの。
55 :
3/3:2009/01/06(火) 02:57:40 ID:unNeJ7n1
時計の短針がまた一つ動いて、とうとう明日まであと一分を残すところになった。エイラはやっぱりぐっすり眠って
いて、私ばかりが冴えた目でそれを見つめている。ねえ、あなたはどんな夢を見ていますか?幸せな夢ですか?
その夢に私はいますか?少し笑んでいるようにも思えるエイラの顔。でも私はちゃんとここにいるよ。触れる
くらい近くにいるんだよ。夢の中にいるかもしれない私についそうやって嫉妬してしまう自分が、何だか滑稽で
たまらない。
「えいらのばか」
ハルトマン中尉の真似をしていってみた。トゥルーデのばか。私にする話の中でハルトマン中尉は何度もそう
繰り返す。けれどもそう言うハルトマン中尉の顔がなんだか幸せそうなのを、私はとてもよく知っている。うそだよ、
本当は大好きよ。どうせ口にしても届かないんだから、言葉にするかわりに体を寄せてみた、そのとき。
うう、ん。
ぽつり、エイラが呟く。寝ぼけてるのかな、目を瞑ったまま両手を伸ばして、何かを探して。
…その、探しているものが私だったらいいのにな。そう思ったからついその手に触れた。ねえ、ほら、私はここに
いるよ。そう伝えたかったから。
さーにゃぁ。
むにゃむにゃと、エイラが幸せそうに呟いた。なあに、エイラ。答えようとする前に、強い強い力で抱き寄せられる。
さあにゃあ。ふわふわとした声が、耳元でもう一度。心臓がばくばくと音を鳴らす。驚いて何もでいない。ううん、
驚いてるんじゃない。嬉しくて、嬉しくて、幸せすぎて、きっと。
新しい年を告げる楽しげな合奏がひときわ大きくなった。エイラの肩越しに時計をみると、あと10秒。きゅう、はち、
なな…ごくりとつばを飲み込む。嬉しい気持ちとか幸せな気持ちとか、けれど恥ずかしい気持ちとかがすべて入り
混じってわけがわからなくなって…いつの間にか衝動的に動いていた。手を伸ばしてエイラの首の後ろに手を
回す。クリスマスイヴのあのときにそうしたように、けれどもそれよりもずっとすばやく顔を近づけて──
カチリ。短針と長針と、秒針とが重なり合ったのと、唇と唇が軽く重なって離れたその音がしたのが多分、同時
だった。自分は面倒くさがりだと言う割にはひどく几帳面で、細かい作業も得意なエイラが時計のメンテナンスを
怠っているはずがない。
だから、きっと、たぶん。
胸をおおう満足に私はほくそえむ。ねえ、新しい年を迎えたその瞬間、私たちが何をしていたか知っている?
それを告げたならこの人は一体どんな顔をするんだろう。きっと私は恥ずかしくて告げることが出来ないけれど、
想像するだけでも十二分に楽しい。
あけましておめでとう。
去年はどうもありがとう。
今年もよろしくね。
大好きだよ。
そんな気持ちを込めて、今度はその頬にもう一度キスをした。
―――
以上です。
以前書いたクリスマス話に関連してますがまあ読まなくても平気なんじゃないかと
いちゃこらしてるくせに告白してないとか そんなエイラーニャも楽しいじゃないか21X2w2Ibでした
>>35 とか書いてたら管理人さん帰って帰ってきてたwおかえりなさい!
善良なペリーヌ可愛いよペリーヌGJ
56 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 02:59:16 ID:8Ud2fIAU
てす
>>55 GJ!サーニャにだけはいたずらできないエイラだけど、逆にエイラにだけこんなニヤニヤないたずらしちゃうサーニャとか最高です。
エイラは夢の中ではヘタレずにサーニャを抱きしめてるんだろか。
新年と同時にサーニャを抱きしめようとか思ってて頑張って実行できた!とか思ってたのに実は夢でしたとかだったら笑える。
>53
GJですっ!!もう本当にあなたの文章が好きすぎてヤバイ。
基地探検のネタもさりげなく含められててニヤニヤしました(・∀・)サーニャかわいすぎるよサーニャ
今回の公式なんでこんなに素晴らしい事になってんの?
このスレの作者さん達が公式更新したの?
エイラ・・・へたれめ・・・
>>55 GJ! サーニャかわいいなぁw 夢の中の自分にまで嫉妬とかもうね。
無意識に抱きしめちゃうエイラさんももうね。たまらんばい。
あとエーリカとはこんな感じで話してそうってニヤニヤしたw
>>50 GJ!そしてあけましておめでとう!
昨年は保管庫に大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。
それにしてもこのペリーヌはもっさんの寝床に選ばれなかった中佐に凄まじい目に遭わされるんじゃなかろうか…南無w
>>55 GJ!新年から恥ずかしい二人だなw
>>50 おかえりなさい
ペリーヌかわいいよペリーヌ
ヘタレなエイラを見てると、もどかしくて机や布団をバンバン叩きたくなってくるぜ。
もし、あっちの世界の人間だったら、二人が百合百合になるように裏工作するのに・・・。
>>50 管理人さんおかえり!&あけましておめでとうございます!!!
今年もこのスレ&保管庫のはお世話になる予定です!
慌てふためくペリーヌかわいすぎて死ぬ。こうなった時のペリーヌのかわいさは隊1番。
ペリネタ増えて来て嬉しいぜー
我らが同人がご帰還なさった。
更新大変そうだな
同志だ
携帯のバカ
違和感がなかったぞ。
69 :
1/3:2009/01/06(火) 13:28:52 ID:unNeJ7n1
※新年もっミーナ
星が綺麗、と彼女が言うので、そうだな、とポツリと返した。
振り返って君が笑う。なぜだか何もいえなくなる。
期待してもいいんだろうか。私は選ばれたんだろうか。ポケットに入れた懐中時計がかちこちと音を鳴らして
いる。この間うっかり壊してしまった、扶桑にいた頃からの宝物。直せないかとバルクホルンに頼んでみたら
何故だか泣きそうな顔をされたので、その場にいたエイラに見てもらったら困った顔ひとつせずに直してくれた。
その隣ではなぜかひどく誇らしげな顔をしたサーニャが寄り添っていたから、恐らく一分一秒たりとも狂っては
いないその針は確実に、そして正確にその瞬間への時を刻んでいるのだった。
なあ、ミーナ。
少し先を行く、赤い影に語りかけた。司令になってから空を飛ぶことがめっきり減った、と以前呟いていた
彼女は、ひどくのびのびとした顔で夜空を飛び回っている。らん、らん、らん。まるでサーニャのように鼻歌を
歌って、飽くことなく空に夢を描く彼女が、そこにいる。
もういくつねると、おしょうがつ。
おしょうがつには、たこあげて。
こまをまわして、あそびましょう。
いつか彼女に歌って聞かせた、年明けを心待ちにする子供の歌。小児の戯れでしかないそのメロディを、
声楽家を志していた彼女が歌うのはひどく滑稽だ。わざわざ扶桑語で謳ってくれているのは私のためなの
だろうか。微かに狂うイントネーションがいじらしくて、けれどもひどく懐かしい。
「なあに?」
私の言葉に気付いたミーナが、くるりと宙返りをしてふわりと目の前に現れた。まるで妖精だな。そんなことを
言ったら彼女は呆れたように笑うんだろうか。でもほら、綺麗な赤い髪をなびかせて踊るように空を駆ける
様は、本当に美しいと私は思うんだよ。私には不似合いよ、って、君は言うのかもしれないけれど。
どうしたの、美緒。公私はちゃんと分けたいのです。そう言ってこう言った私的な場でしか口にしてくれない
ファーストネームで呼びかけられて少しどきりとする。彼女がこんな物言いをするということは、彼女にとって
今はオンビジネス、要するに勤務時間ではないということだ。上から下から、内から外から、色んなものに
押されて引かれて潰されそうになっている彼女が、肩の力を抜いてくれているということ。たかが呼び名を
変えたくらいで、と笑う人もいるかもしれないけれど、私にとってそれはどうしても信じたい事実だった。
なあ、期待してもいいんだろうか。私は選ばれたんだろうか。ごくり、とつばを飲み込んで、そして続ける。
「…よかったのか?」
「なにが?」
「──こう言うのは『家族』と迎えたいものじゃないか、ふつう」
サーニャさんにお休みをあげたいの。
そう言って、今日の夜間哨戒を引き受ける旨を聞かされたのは今日の朝一番で。日課である素振りをし
ながらそれを聞いていた私はたぶん、ほとんど無意識でそれに答えたのだった。わかった、なら私も行こう。
…それは本当に自然と口をついて出た言葉だったから、私は自分がどんな発言をしたか、彼女の次の言葉を
以って知ったのだった。
(え、…いいの?)
頭の中ではもうすでに今日の予定が夜間シフトに切り替わっていて。それは私の中で当然のこととなりつつ
あった。だから私はこう答えてしまった。
(なにが?)
口を尖らせる代わりに大きな大きなため息をついたミーナが、その手を伸ばして私の上下させていた押し
とどめて。ずいと顔を近づけて、確認するかのようにゆっくりと言った。
70 :
2/3:2009/01/06(火) 13:29:32 ID:unNeJ7n1
(ちゃんと話は聞いてください、坂本少佐。あなたは今晩、私と一緒に、夜間哨戒に出てくれるのですか)
(だから行くっていったじゃないか)
(ほんとうに?)
(ミーナが許してくれるのなら)
(…了解しました)
そんな感じで、ミーナは呆れ半分でいつものように自分本位で物事を決め付け、それを決定事項とした私の
物言いを了承したように思えたから。だから、いざ二人で夜の空に飛び上がった後で不安になった。だって
どこの国でだって、めでたいときは親しい者と過ごしたいものだろう?そう、彼女が普段から『家族』と呼んで
大切に大切にしている、同郷のバルクホルンやハルトマンといった気の置けない仲間たちと。
(えー!今日ミーナいないのー!?)
(……任務なら仕方ないか…)
朝食の席で彼女はそれを二人に告げたのだろう。少し離れたその場所でそんな声が上がったのを聞いた。
明らかに不満げなハルトマンと、『任務なら』ということで必死に寂しい気持ちを押し隠したように思える
バルクホルン。ごめんね、ごめんなさいね。確かミーナは何度も何度も、そう言って二人に謝っていた。新しい
年を三人一緒に迎えることは、きっととてもとても大切なことだったのだ。たぶん、きっと、絶対。
こうしてもう後戻りできない場所まで来てこんなことを聞くのはずるいのだって、分かっているけれど。
それでもやっぱり不安だから、そして微かに期待もしているから、尋ねずにはいられない。本当はもっと早くに
尋ねたかったけれど、もしも否定的な言葉が返って来たらと思うとなんだか切なくなったので聞けなかった。
だから、なあミーナ、教えてくれないか。
私は君と、こうして一緒に新しい年を迎える資格があるのかい?
本当はバルクホルンやハルトマンと一緒に過ごしたかったんじゃないのかい?
私がいつものように自分勝手なわがままを言ったから、君はそれを受け入れてくれただけではない?
かちこちと、ポケットの中で時を刻む時計。連続して繋がっているはずの時の流れを、小刻みに分けてまとめ
て、そしてもうすぐ大きな区切りが来る。これからあといくつそのくぎりを迎えるのかなんてわからないけれど、
とにもかくにも次の区切りがやってくるのはもう一年も先だ。そのとき私は、同じようにここにいられるかなんて
分からないんだ。
一息に口にした本心を、ぽかん、と口を開けてミーナは聞いていた。月が出ているから多少は明るいけれど、
彼女はその光を背にしているものだから表情がよく見えない。もしかしてやっぱりあきれ果てているんじゃ
ないかとか、そんな不安が心をもたげる。いや、不安になるまでもなくきっとそれは真実なのだろうけど。
「美緒、」
ぽつり、とミーナが私の名前を口にして、突然両手を伸ばしてきた。反射的に私も両手を伸ばしてその手と
手をつないで握る。どうしたんだ、と尋ねる前にミーナが微笑みながらカウントダウンと始めた。ご、よん…
つられて私も重ねて言う。さん、にい、いち。
ぜろ。
呟いた瞬間、たぶん新しい年はあっさりと訪れたのだと思う。片手だけを離して時計を見やったら、本当に
ちょうど秒針が12と書かれた数字のところを過ぎ去り終えたところだった。
「訓練学校時代に、トゥルーデと、他のみんなと、一緒にやったことがあるの」
唐突にミーナが言う。うん、とだけ答えて、続きを促した。
「こうして手をつないで、ジャンプして。年が明けた瞬間、私たちは地球上にいませんでした!…なんて」
ミーナがそう言って、無邪気に笑うから。私も不安なんて忘れてふっと思わず笑んでしまった。今よりもずっと
幼い顔をしたミーナが、バルクホルンが、今では考えられないような子供っぽい顔で、はしゃぎながらそんな
やりとりをしている。そんな平和で、楽しかった頃の記憶。…そのときもちろん私はその場に居合わせな
かったけれど──今のミーナの行動で、私はそんな昔の頃から彼女と親しくしていたようなそんな気持ちに
なれた。明確な言葉ではなかったけれどきっと、それがミーナの私の問いに対する答えなんだと、そう思った。
71 :
3/3:2009/01/06(火) 13:30:19 ID:unNeJ7n1
*
綺麗だなあ。
今度、そう叫んだのは私の方で。そうね、と答えるミーナのほうを見ると、明るい光に目一杯照らされて輝い
ていた。瞳も、顔も、その姿も。
一緒に迎えた新年の、初めて昇るその朝日。眩しくてたまらないけれど、目を逸らすことが出来ない。
握り合った手もどうしてか、離すことが出来ない。年を越したその瞬間からずっとずっと、つながれたままの
その手と手。それだけで伝わる。期待してもいいのだと。何もかもが新しいこの善き日を、共に迎えるために
私は選んでもらえたのだと。
「かえろうか、」
「…そうね」
あれよあれよというまに朝日はすっかりと昇りきって、私とミーナとを明るく照らした。明るく燃える天照に
明らかにされて、いまさらながらなぜかひどく気恥ずかしくなって。苦し紛れに呟いて手を離そうとしたら逆に
ぎゅうと握られた。
頬をかく。太陽はまぶしすぎて、もうまっすぐ見やることなんて出来ない。私の手から繋がっている、赤い赤い
その人のことも。
―――
以上です。一応
>>53-55とつながりがありますが読まなくても多分問題ない
無邪気にきゃっきゃうふふするもっさんとミーナが書きたかった
あと前スレかどこかで「タイトルどうやってつけてるか」なんていう話が出てましたが
自分のみりゃ分かるとおり書いたあとに考えて、思いつかなかったらつけないという最悪振りです
無題のとかもう全体的に誰か題名考えてくれないかなあ 21X2w2Ibでした
72 :
71:2009/01/06(火) 16:32:43 ID:unNeJ7n1
改めてみたら分かりにくいな…
申し訳ありません、
>>69の下から5段落目を以下のようにして保管して頂けると嬉しいです
どうしたの、美緒?
(公私はちゃんと分けたいのです。)そんなことを言ってこういうような、私的な場でしか口にしてくれない
ファーストネームで呼びかけられて少しどきりとする。彼女がこんな物言いをするということは、彼女にとって
今はオンビジネス、要するに勤務時間ではないということだ。上から下から、内から外から、色んなものに
押されて引かれて潰されそうになっている彼女が、肩の力を抜いてくれているということ。たかが呼び名を
変えたくらいで、と笑う人もいるかもしれないけれど、私にとってそれはどうしても信じたい事実だった。
なあ、期待してもいいんだろうか。私は選ばれたんだろうか。ごくり、とつばを飲み込んで、そして続ける。
>>71 GJ!無邪気な中佐とちょっと不安げな少佐がかわいい。
なんか全体的に穏やかな雰囲気がしてほっこりしました。
寂しがるエーゲルとか最後の照れてるもっさんとか可愛すぎる。不安になっちゃうもっさんとかもいいなぁ
今までは修理といったらシャーリーだったけど細かい作業はエイラのが得意なのかもしれないね
4巻によってエーリカ×サーニャ同様シャーリー×エイラの可能性が拓けたよな、うん
ところでついでに指摘しちゃうと
>>69の最後の文に刀か何かが抜けてないだろうか
>>71 不安がる少佐をよそに嬉しさ隠しきれてない隊長かわいいよ、GJです!
これの隊長目線も読んでみたくなった。
隊長が手握り返すの最高っすね。
>>71 GJ!
ミーナ中佐と少佐がいい雰囲気ですね〜。
穏やかな雰囲気ながら、宝塚のスターみたいでステキです。
>>71 GJ!エーリカとゲルトかわいいなー。お母さんと新年迎えたかった子供みたいだ
それにしてももっさん脊椎反射で生きすぎだろwでも上手くいっちゃう所が流石坂本少佐
>>74 今回の更新でシャリイラがハンガーで整備しながらぐだぐだ話し合ってるの想像した
シャーリーはツナギ(隠し切れないおっぱい)でエイラは画集の白い服で腕まくりしてる感じで
スオムス人なら運転も得意だろうしそのへんでも繋がり出来るよね
>>50 管理人さんお帰りなさい!&あけおめ!
早速の仕事とSS、GJ!
今年も宜しくお願いします。
荒れるから張るなよ…。そもそもスレチ
Youtube板でやれ
先にフォローしておくとぶっきらぼうなようで
>>80は妥当かつ優しい対応
以下通常進行で
ただの動画だし百合ネタだからスレチじゃなくね?
ニコがあれって言うなら過剰反応だと思うが
>>72 GJ!ミーナさんかわいすぎw
そういや、数ヶ月前に一文だけウルスラ→エーリカを受信したんだ
あなたと肩を並べて飛びたい
…ありきたりですねごめんなさい。ちなみにssにする勇気はない
84 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 20:33:22 ID:1zSy49ox
俺もウルスラ×エーリカ大好きだw
…ちょっと、いらん子買ってきます。
>>72 たぶん読点の位置だよ
ところでいつも思うけど21氏の書くキャラは役割がきっちり振られているよね
読点の位置って難しいよなー。いっつも悩まされる
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
錯乱気味なのがひとつできましたのでどうぞ。
今日、芳佳は洗濯当番だ。隊員達から出される大量の洗濯物を洗って干し、綺麗にして戻す作業。
最近はリベリオンで開発された大型の回転槽式洗濯機が501にも導入され、威力を発揮していた。
回転による遠心力を利用して汚れを落とす仕組みで、電気で動き、レバーひとつですすぎから脱水まで出来る優れものだ。
シャーリーもこの洗濯機には「リベリオン製」と言う事でちょっとした誇りを持っているらしい。
芳佳はいつもと変わらぬ風に、隊員達の衣服や寝具などをより分けていく。上着やシャツ、ズボンなど洗うものは
バラバラだ。軍服やズボンなどはすぐに誰の物か分かるが、内に着るシャツなどは割と似た形が多く、誰のか分かりにくい。
芳佳はそう言う時、嗅覚に頼る。
「……この匂い、リーネちゃんのだ。すぐわかるよ」
芳佳は微笑んで、次のシャツを手に取る。
「……うぇっぷ。なんかケモノ臭い」
誰のモノかは言わずに、とりあえず仕分ける。
「シャツにまで香水付けるんだ。なんかオシャレだよね」
誰に言うとでもなく、ぶつくさ感想や文句を言いながら、洗いやすい様に全員の衣類を分類し、数基置かれた洗濯槽に放り込む。
洗濯槽が回転するときは結構な物音がするので、用事がある以外は少し離れて、休憩がてらくつろぐ。
小春日和の暖かな陽気に誘われ、芳佳はうつらうつらと浅い眠りに落ちた。
ちり〜ん。
何処か遠い所で、小さく物音がする。
ちり〜ん。
それは繰り返され、次第に、芳佳に迫ってくる。
ちり〜ん。
なに、この不気味な音? 芳佳は焦って周りを見た。いつのまにか真っ暗闇で、周囲には誰も居ない。
「なに、この音。……みんな、何処?」
ちり〜ん。ちり〜ん。
背後から迫り来るその音は芳佳に底知れぬ恐怖を与え……
「わっ!」
「うわああああああああああああああ!!!!!!」
「うひゃあっ!」
居眠りの寝起きに驚かせたエーリカ。目の前に居た彼女をがむしゃらに柔道の投げ技でぶん投げると、芳佳は遁走した。
「エーリカ、大丈夫か!?」
慌てて駆け寄るトゥルーデ。
「いたたた……思いっきり投げられちゃったよ」
「宮藤、何をやってるんだ!」
「しっ仕置人、仕置人が来る! 殺される!」
「宮藤、どうした?」
「うわあああ!!!!」
「おわあ!?」
死にもの狂いで叫びながら辺りを逃げ惑う芳佳に、トゥルーデも思わずびっくりする。
とりあえず押さえようとしたが、芳佳は酷く錯乱している様だ。極度の興奮か耳と尻尾が生え、取り押さえるのも容易でない。
仕方なくトゥルーデも魔力を解放し、力ずくで押さえつけた。
「待て! 落ち着け宮藤!」
「仕置人、仕置人がっ!」
「仕置人って誰だ? 何の事だ? 宮藤!? おい!」
「あらあら、どうしたの? 何の訓練?」
「おお、バルクホルンに宮藤、どうした?」
偶然の幸運か、ミーナと美緒がたまたま裏庭にやって来た。
「ミーナに少佐? すまないが手を貸して欲しい。宮藤が錯乱して暴れている」
「え、宮藤さんが?」
「何、またか!? おい宮藤! ……一応ブリタニア語は通じるみたいだな」
「仕置人、仕置人がぁっ!」
「仕置人……」
美緒は芳佳の言葉を確認すると、苦い顔をし、こめかみをぽりぽりと掻いた。
「何、仕置人って?」
ミーナが問う。
「暗殺者と言うか、殺人者みたいなもんだ。何を間違えたのか、自分が襲われたと勘違いしたんだろう」
なおも暴れる芳佳を、何とか羽交い締めにするトゥルーデ。
「バルクホルン、動くなよ」
美緒が扶桑刀を構えた。
「え? ちょっと、少佐?」
流石のトゥルーデも美緒に真顔で刀を構えられ、少し顔を青くする。
居合抜きの要領で、一瞬刀を抜き、鈍い音を辺りに響かせ……美緒はすっと刀を仕舞った。
「今のは?」
「峰打ちだ」
芳佳から耳と尻尾が消え、だらりと力が抜ける。気を失った様だ。
「暴れた時は、この手に限る」
「これだから、扶桑の魔女は……」
ミーナが呆気に取られて言った。
「あれ、ここ何処?」
「芳佳ちゃん、大丈夫?」
芳佳は医務室で目を覚ました。すぐ横にリーネが居て、心配そうに芳佳の顔を見ている。
「リーネちゃん。あ、私……そうだ、仕置人に!」
「え? え? 芳佳ちゃん?」
「宮藤ッ!」
「は、はい!?」
美緒も傍らに居た。一喝されて目が覚める。
「お前、何を錯乱しとるか。うなされて変な夢でも見たんだろう?」
「坂本さん、違うんです。私、確かに聞いたんです! 遠い所から妙な鈴みたいな音がして、背後に迫ってくるのを!」
「だからと言って何故お前を殺しに来る事になる? 理由が無いだろ。第一、ここを何処だと思ってる?」
「あ……」
「ハルトマンを寝惚けて投げ飛ばしたそうじゃないか。ちゃんと謝れ」
芳佳の視線の先には、頭と掌に包帯をしたエーリカが居た。
「ハルトマンさん、ごめんなさい。私、そう言うつもりじゃ」
「いいってミヤフジ。うなされてたとこ、驚かした私も悪いんだし〜」
あっけらかんと笑って手を振るエーリカ。
「エーリカ、お前ってヤツは……」
薄々事情を察したトゥルーデが、またかと言う顔をする。
「大丈夫だよミヤフジ。私は平気。なんたって、ここに頼もし〜い旦那様が居るからね」
「あのなあ」
「ああ痛い、部屋まで連れてって〜旦那様」
「勝手に……うわあ」
手を振り払うつもりが見事に抱きつかれ……仕方なく、お姫様抱っこをするトゥルーデ。
お姫様だっこをして貰いながら医務室から出ていくエーリカ。にやけてピースをしながら、部屋から消えた。
「あいつらもあいつらだな」
美緒が呟く。
「何だか色々誤解が有ったみたいね。でも皆無事……ではないけど、一応解決したから良かったわ」
美緒の横で看護士と話をしていたミーナが戻り、皆に声を掛けた。
「宮藤、本来なら始末書モノだぞ。今回はまあ、皆大目に見ると言う事だが」
「すいませんでした」
「でも、どうして仕置人なんて錯乱したんだ」
「音です。確かに、音がしたんです」
「音?」
首を傾げる一同。
その後芳佳と一緒に、洗濯の続きをしていたリーネが気付いた。
「芳佳ちゃん、もしかして……」
「?」
ルッキーニのシャツに入っていた、異国の小銭にボタン。これらが洗濯槽でかき回され、音を出したのかもしれない。
「服に何か入って無いか、確認しようね?」
「そうだね……なんか、ごめんねリーネちゃん」
苦笑いする芳佳に、リーネは微笑みかけた。
end
91 :
71:2009/01/06(火) 23:17:04 ID:2Mf3nJ0Z
>>74 よくわからないが何かが抜けてるんだな。了解した、分かりにくい文章で申し訳ない
今は出先だから無理だけどあとでちゃんと確かめてみる 指摘どうもありがとう
以上です。
最近仕事やらPSZやら(マテ でなかなかSSに手が回らず……。
公式も更新されたし色々書きたいんですけど……無念orz
今回の元ネタは……某芸人の持ちネタを拝借しました。
「仕置人」と言うことばが個人的に妙にツボだったり。
ではまた〜。
>>92 GJ!おもしろかった……が!
ケモノくさい、って誰よ?誰なのよ?ケモノ!
>>92 さりげなく芳リーネの匂いがしますね GJです!
この洗濯物の分類方法、リーネちゃんがやるとしたら確実にオナ(ry
>>92 割り込んじゃって申し訳ない…
そしてGJwてかケモノくさいって誰のことだw
あとわかった。
>>69の下から2行目、
上下させていた押しとどめて→上下させていた竹刀を押しとどめて
でした。直して保管していただけると嬉しいです
>>92 嗅覚で分かる扶桑の魔女頼もしすぎるw面白かったよ
もっさん居合い似合いそうだなぁ。
ケモノくさい人とシャツに香水をつける人が同じならなんとなく想像がついた。
つーても、扶桑の設営隊が浴場建設してるし扶桑人の少佐のサイクルに合わせて
風呂入ってれば体臭も薄れると思うがなあ。
それはあれか、一人だけ風呂に入ってない人がいることと何か関係が・・・
体臭の原因は食生活も関連があるようだ。
501は皆が同じ食事を摂ってはいるが、その食事に何か…?
ここではないどこかではたまに芳リカの話題でるんだがここでは話題にあがらない…
エイラーニャ投下
あれからエイラはサーニャの顔をまともに見れなかった。
サーニャが自分のことをヒーローと思ってくれてるなんて、嬉しすぎてついつい顔が火照ってしまう。
けど同時に恥ずかしさが込み上げてきて、どうしてもサーニャといつも通りに接することができない。
そしてその行動がサーニャを傷つけてしまうことを自覚し、自己嫌悪に陥って表情に翳りが差す。
パアッと顔を明るくしては溜め息を吐き、また勝手ににやける――この繰り返し。
こうしてエイラはさっきから食堂の隅で一人百面相を続けていた。
晩飯の片付けをしている芳佳とリーネも、気味悪がってなかなか話しかけられない。
それに二人も、どうせサーニャのことだろうとわかっていて半ば呆れてもいる。
当のエイラは、自分にとって告白にも近いあの言葉に、なんて返事をするか真剣に考えているのだが、途中途中に入るにやけ面のせいでどうも真面目に見えない。
結局、芳佳とリーネが片付けを終え、そのことを告げるまでエイラは食堂にいた。
部屋に戻る間も終始サーニャについて考え惚けていたので、自室のベッドにその彼女が腰掛けているのを見たときは、腰を抜かす思いだった。
「エイラ、遅い……」
暗闇でその表情を窺い知ることはできないものの、声音から判断するにサーニャは不機嫌な様子だ。
その理由を察しつつも、踏み込む勇気のないエイラは、とりあえずの疑問を投げ掛けてみる。
「ナ、なんで私の部屋に?」
言ってから、この質問も結局は同じ結果に帰着することに気付いたが、もう遅い。
「昼間からエイラ、なんだかそっけないから……気になって」
刺々しい言葉の端々に、エイラの態度に不安を抱いているサーニャの心中が現れていた。
エイラにとってサーニャが愛しい存在であるのと同じように、サーニャにとってもエイラはかけがえのない人だ。
思えば入隊当初から、サーニャはエイラと一緒にいた。
内気で他の隊員に話し掛けることができず、一人寂しい思いをしていたサーニャに手を差しのべたのはエイラだ。
あのとき――整備場でエイラが話し掛けていなかったら、サーニャは今も暗い記憶に心を囚われ、自分の殻に閉じ籠っていたかもしれない。
もはや日常になってしまったエイラの気遣いに、今さらお礼を言うことは恥ずかしくてできないけど、この思いを少しでも伝えたい。
だからサーニャがエイラをヒーローだと言ったことは、一欠片の偽りもない彼女の素直な気持ちだ。
エイラには少しばかり衝撃が強かったようだが。
サーニャの心奥を知ることはエイラには叶わないけど、サーニャが不安げにしているのを見て放っとけるわけもなく、引き寄せられるようにサーニャの隣に腰を下ろす。
「ごめんナ、もう大丈夫だから」
いい言葉が思い浮かばず、最終的に口に出せたのはそんな短い台詞。
けどサーニャにはそれだけで充分で、エイラが傍にいてくれるだけで、心に暖かい火が灯るような気がするのだ。
サーニャにはまだ、その灯がどのような気持ちの現れなのかよくわからないけど、この火を灯しているのがエイラということだけはわかる。
心地好い安心感と充足感に浸りつつ、サーニャは夜間哨戒に向かうために立ち上がる。
「じゃあ夜間哨戒があるから、部屋に戻るね」
そう言ってノブに手を掛けたところで、後ろから呼び止められたので振り返ると、エイラの口から彼女が絶対に言わないような言葉が飛び出してきた。
「私にとってサーニャは……かっ、可愛くて大切なお姫様だから!」
煙が出るかと思うほど顔を真っ赤にしている。
そんなエイラに歩み寄ってサーニャは、自分にできる精一杯の愛情表現として、
「ありがとう……私の王子様」
優しく額にキスをした。
以上
お姫様とか王子様とか書いててこんなに恥ずかしいとは思わなかったわ
>>102 にやにやした、GJ!百面相するエイラ可愛いなあ 皆にはヘタレでもサーニャにはヒーローだって言うのはいいよね
ところで「例えば誰か一人の命と引き換えに世界を救えるとして」っていう場面に遭遇したとしたら
エイラだったら簡単に名乗り出て、しかも傷一つつけずに帰ってきてくれる気がするのはエイラを過大評価しすぎだろうか
と言うわけでいまさら年明けゲルトマン投下
105 :
1/3:2009/01/07(水) 11:05:37 ID:yIC175Qr
※年明けゲルトマン
なんだよそうやって、みんな私を放っておくんだな。
もういいよ、知らないよ。みんな私なんてほっといて、違う誰かとよろしくすればいいじゃないか。
思いながらボトルからコップの中に、再びその液体を注ぐ。それだけでもう、なんだかくらくらしてきてしまう。
悪酔いしている。わかってる。
(…でも、やっぱりさみしいよ、こういうのは)
先ほどから胸に空っ風を吹かせているその気持ちを言葉にするのは情けないから、コップの中の液体をひと
あおり。鼻に付くアルコールを一気飲み。ちょっと、とぅるーでぇ。顔を上げたフラウが目を丸くしながら叫んだ。
「飲み過ぎだってば、体に悪いよ。トゥルーデあんまり強くないんだからさあ」
そうしてフラウらしくもない、まるで医者のようなものいいでそんなことを言う。今日の昼盛大に、私が、掃除
したばかりの自分の部屋、自分のベッドで。寝転がっているフラウのその手にはどこでいつ買ってきたのか
分からないピンク色の可愛らしい便箋。その三分の一程度はもう文字の連なりで埋まっているようだけれど、
残念ながらそれを読み取ることまでは出来ない。もう視界さえもおぼろげだ。彼女の声さえ風呂の中で聞いた
ようにくぐもっているんだ。
「…なんだよ」
不機嫌さは、口調に出ていたと思う。たぶんそれを言ったならフラウあたりは「トゥルーデが不機嫌なのは
いつものことでしょお」と難癖をつけるのかもしれないけれど、私の中では明らかに違っていた。それはもう、
明白に。
確かに私はいつも怒っているかもしれない。ことフラウ、お前に対しては絶えないくらいに。でもそれは正確に
言うと怒っているわけじゃないんだぞ。カールスラント軍人たるもの、一に規律、ニに規律で、三から二百くらい
までずっとずっと規律なんだ。ネウロイ侵攻の混乱の中でウィッチになったお前は知らないかもしれないが、
それ以前からずっとずっと、骨の髄に染みるまでカールスラント軍で過ごしている私はよく知っている。それが
カールスラント軍人、いいやカールスラント人民でなければいけないのだと。間違ってもロマーニャのシエスタ
少尉やあのリベリアンのようであってはいけないんだ。お前は少々、いや多々それに染められつつある気を
感じるが、それは間違いだ。
「…ハルトマン、私はお前に対して責任がある。ロスマンとも、お前を立派に育て上げると約束した。だから
私はお前に対して決して手を抜くことなどしないし、してはならないんだ。私がお前に辛く当たるのは…
そうだな、上官としての心遣いだ。教育的指導のためなんだ、分かってくれ」
「…トゥルーデ、途中から話されても何言ってんだかわかんないんだけど」
いいから水飲んで横になって。戻したくなったら言ってよ?トイレまで付いていってあげるから。
一つため息をつくと、まるで私が一人では何も出来ない幼い子供か、それとも老いぼれた老人であるかの
ような口ぶりでやつはそんなことをのたまうのだった。はい、水。どうしてか周到に用意されていたデカンタ
からコップに水を注いで差し出してくる。ほら、こっち。そのまま元通り寝転がって、フラウは自分の傍らを
ぽんぽんと叩く。すっかり綺麗にしたはずのベッドの上はもう衣類やら紙切れやらで一杯だ。けれど今はもう、
そんなことどうでも良かった。私にだって色々なことを投げたしたくなるときがある。そしてそれは、今だ。
「任務なんだから、って、」
再び向こうをむいて便箋に向き合い始めたフラウが、こちらには目もくれずに呟く。今日、この状態に至った
理由を思い出しているのだろう。むすう、と顔をしかめたまま水を一気飲みした私は枕を抱きしめてその傍らに
寝転がって、何も言わずにそれを聞く。
「そう私に言ったの、トゥルーデじゃん」
「…そう言うお前は、あの時は文句ばかりだったじゃないか」
「だって、『任務ならしかたない』んでしょ?」
私はねえ、過ぎたことにはいちいち突っかからないことにしてるの。だってそう言うの疲れるもん。
呑気にそう続けて、笑えるフラウが羨ましい。…いや、そうしてこいつがひょうひょうとしているから、もしか
したら私の気持ちはわだかまるばかりなのかもしれないけれど。だって一緒にもっと悲しんで、寂しがって
くれたらもしかしたら私の心は晴れるかもしれないんだ。
でもさ、だってさ。口を付いて出るのは普段の私らしくない、情けない言葉ばかりだ。もっとちゃんと毅然として
いたいのに、上手く口が回らない。頭がふわふわとして、言葉だって滑っていくばかり。
ミーナなんて知らないよ。酒盛りをしようぜ、やけ酒だ!
そんなフラウの言葉で私はここにやってきた。そして今、こうしてる。
その理由は今朝聞いた、ミーナからの謝罪の言葉。ごめんなさいね、今晩は私、夜間哨戒に行くから一緒に
いられないわ。申し訳なさそうに切り出したミーナに、開口一番「えええー!」と口答えしたのはフラウだった。
私は逆にそんなフラウを諭すように「仕方ないな」と切り返して、「気をつけてな」なんてことを言ったのだ。後の
ことは私に任せてくれよ。そのための副官なんだからな、私は。偉そうにそんなことを言いながら、多分自分が
一番打ちのめされていたんだ。だって、私たちは、ずっと、ずっと。
「坂本少佐と一緒だもん。きっと楽しくやってるよ」
「…分かってるさ、そんなこと」
ずっと、ずっと、一緒だったのに。
ほら、もうすぐ新しい年が来るって言うのにミーナはいないし、フラウはここにはいない誰かのために、今日も
せっせと手紙を書いている。相手は誰だろう?いつも書いているのは知っているけれど、そう言えば確かめた
ことがない。だって怖いからだ。私の知らない方向に、大事な大事な仲間の世界が開けてる。それはとても、
寂しいことだからだ。
床に散乱したボトルたちを横目で見やって、ち、と舌を打った。酒は嫌いだ。いつも必死でつくろってる強がりの
壁を、いとも容易く崩してしまうから。
ミーナと、フラウと、それから私。
今まで何度も何度も一緒に、年を越すそのときを過ごしてきた。一緒に過ごそうね、なんて言葉にした事は
ないけれど私にとってそれはもう決まりきっていたことで、なによりも大切にして、守らなければいけないこと
だったんだ。たぶんそれは、フラウにとってだって。
…新しい年を『家族』で迎える。そんな、世界中で当たり前のことを。残念ながら私だってフラウだって、ミーナ
だって、実の家族とは離れて暮らしているわけだけれど──でも、ミーナが『私たちは家族よ』って言ってくれ
たから。だからきっと、寂しがらずにいられるんだ。
「なに、バルクホルン大尉は私だけじゃ不安ということでありますか」
私は真剣な気持ちでいるのだというのに、どうしてか茶化すようにそんなことを言うフラウ。けれど顔では口を
尖らせて、ちょっと不満そうにこちらを見ている。ペンはもう置かれていて、どうやら一区切り付いたらしい。
「それは、そっちのほうだろ──」
さっきからずっと手紙を書いてばっかりで私のことなんてほっといてるくせに。ついにそんな不満をぶちまけ
そうになった、ところで。
ぼーん、ぼーん、ぼーん…
唐突に部屋の中の、特別大きな柱時計が音を立てた。鳴り響くその音はたぶん、10と2つ続くのだろう。窓の
向こうを見やる。ああ、あの空を今、ミーナは飛んでいるのかな。坂本少佐と一緒にさ。それは、私たちといる
よりもずっと幸せなことなんだろう?わかってるよ、もう。
過ぎる時間が恨めしくて、取り外そうと手首の時計を見た。そこでふとあることに気が付く。同時に何故だか
冷静になって、頭が冷え込んでいく。
「おい、ハルトマン」
「んあ?」
「まだ年明けには早いぞ。10分近くあるじゃないか」
「そりゃ、あの時計が進んでるからだよ、たぶん。てゆうか、どの時計が正しいのかなんて私、知らないし」
「…おい、おい!」
107 :
3/3:2009/01/07(水) 11:07:12 ID:yIC175Qr
慌てて部屋を見渡す。見れば見るほど時計だらけなのが、こいつの部屋の特徴だ。そしてそれらはこの部屋
の主のごとく、好き勝手に時を刻んでは一つとして足並みをそろえていないのだった。
「まあ、"だいたいあってる"みたいだし、いいんじゃない?」
「だいたい、でいいわけあるかっ!!…リベリアンに直してもらえよ、あいつこういう作業得意だろ」
「『修理するくらいなら新しいの買え。改造ならしてやるよ』だって。エイラが怒ってたな。『買うくらいなら直して
使えよ!!』ってさ」
「…リベリアンらしいというか、スオミらしいというか…」
「つかさ、それもこれもトゥルーデが直してくれないからだよ」
「勘弁してくれよ、こういうのは苦手だって知ってるだろ」
そんなやり取りをしている間に、一つ、また一つ、部屋の時計が目覚めの泣き声を上げてゆく。いつもは止めてる
のもせっかくだから動かしてみたんだよ、なんて得意そうな顔をするフラウの頭を盛大にはたいた。やかましい。
…本当にやかましい。
先ほどまでの感傷的な気持ちはどこへやら。私は立ち上がって、やかましい音を鳴らし続ける時計たちに
駆け寄った。フラウと来たら何を考えたのか、目覚まし時計のアラームをすべて12時に合わせていたらしい。
おぼつかない手で一つを取り上げて、それらしいスイッチをいじくる。…どうしてか、別の音が鳴る。
…なんだ、なんなんだ、もう。自分の情けなさだとか、部屋のやかましさだとかになんだか泣きたくなって、
ふらふらとベッドに戻った。やあおかえり、などとのほほんと笑うフラウをにらみつけて。
けれどもやっぱりフラウは意に介する気配などなかった。はるとまんのばかやろう。いつもいつも言われて
いる言葉を返すように、喉の奥で呟く。けれどもやっぱりフラウと来たら何食わぬ顔で私に紙切れを差し出して
くるのだ。
「はい、トゥルーデ」
ひとまず受け取ってみるとそれは先ほどまでフラウが相手をしていた便箋と同じ色をしていて。
慌てて開く。見慣れたフラウの文字が、目に飛び込んでくる。
"あけましておめでとう。去年はどうもお世話になりました。"
なんだ、とばかりにフラウを見やった。少し照れたように、顔を紅くして笑っている。なんなんだ、わけがわからない。
扶桑ではさ。呟くフラウ。傍らの紙を取り上げる。すべて白紙。どうやらフラウはずっとずっと、私の今手に
持っている紙一枚と格闘していたらしい。何回か書き損じて、もういやとばかりにぐしゃぐしゃと塗りつぶした跡。
なあ、ここには一体何が書かれていたの?
「大好きな人に、一月一日に"絶対"届くように手紙を送る習慣があるんだって。」
一番最初に渡したかったから、待たせちゃってごめんね。そんなことを言うから私は、さっきまで拗ねていた
自分が恥ずかしくなってしまう。…けど、でも、だって。それならそうと、早く言ってくれれば良かったじゃないか。
そうしたら私もお前に八つ当たりすることなんてなかったのに。
「"よろしくね。これからも、ずっと"」
手紙の文面と、フラウの台詞が重なって。なんだか私はとてもとても泣きたい気持ちになって寝転がったままの
フラウの肩口に顔をうずめる。おおお、と声を上げて微かにのけぞって、けれどもすぐに抱きしめてくれることを
私は知っている。いつも私にわがままを言ってばかりの癖に、どうしてかこいつは人を甘やかすのも好む節がある。
腕時計の針はちょうどついさっき0時を回ったところで。実際のところ、フラウは正確な時間を把握していたの
ではないかと思う。ああ、ほらまたひとつ、部屋の時計が泣き声を上げた。いつまで続くかな。まったくもうしかたが
ないな。お前は私がいなくちゃ、ほんとに。
ねえ次はミーナに『ネンガジョウ』を書こうよ。諭すように言ってくるフラウの言葉を否定する。
「いいさ、そんなの、朝やれば」
うん、今はお前がいれば十分だもの。
―――
以上です お姉ちゃんがらしくないのは酔っ払ってるからだということにしといてあげてください
それと、お問い合わせいただいたのでお答えしますと味噌汁も記憶喪失もプロットだけは出来てます
作業に詰まると別の話に逃げるタイプの思考をしているために滞ってしまい申し訳なく
>>107 2が多い人GJ!
シャーリーが改造してくれた時計は通常の3倍の速さで進む優れものに違いない
カールスラントトリオは絆が深そうで和むな。そんなトリオのお母さんを取っちゃうもっさんは責任とってくだしあ
「シャーリー、時計壊れちゃったから直してー」
「ああ、いいぞ〜貸してみろ」
「ほら、治ったぞ〜ルッキーニ、ついでに通常の3倍の速さで進むように改造してみたんだ〜すごいだろ〜?」
「……シャーリーのバカ!エイラに直してもらうからいいもん!」
「なっ…!ちょ、待ってくれよルッキーニ!!」
こうですかわかりますん
>>107 逆に世話を焼くエーリカとか新鮮だなぁGJ!
>>109 シャーリーマジスピード狂www
てか、わかりますん、にフイタ
>>109 エイラ「んで私のとこに来たわけか。メンドクセーナァ(カチャカチャ)」
ルッキ「うん。直るー?」
エイラ「ほれ。これでいいダロ」
ルッキ「わーい!ありがとエイラー!しゅごーい!」
エイラ「おう、もっと褒めとけ。ってあんまり振り回すとまた壊れるゾー?」
ルッキ「へいきへいk(ヒューン ガシャッ) …あ。(ヤベッ)」
エイラ「時計を直すよりアイツを躾け直した方がハヤイゾ」
シャーリー「ごもっともで」
ルッキ「うじゃああぁぁあん…」
そろそろファンブック発売するのか?
買う予定は無いが、何かいい絵や設定があったら情報をくれ
>>111 ルッキーニ可愛いなw自分はエイラーニャしか頭になかったんだぜ
「エイラー!時計直してー!」
「わ、静かにしろヨ、サーニャが起きちゃうダロ…
…時計って、シャーリーに直してもらえばいいじゃないか」 「zzz。。。。」
「シャーリー使えないからダメー」
「?…まぁしょうがないから直してヤルヨ、今回だけダカンナー」
「やったー!ありがとエイラ、愛してるー!」 「!!(今何か聞こえたような…)」
こんな感じで
公式情報が出てくるたびに、それを元にしたネタが出てきて、さらにそれが作品になっていく……
ここは天国ですか!
エイラーニャ投下します。少し長めで一話完結です。
アンテナから得られた敵(らしきもの)の状況は、サーニャを少しだけ安心させた。
敵は人型2機で、レーダーに察知されぬようパルス波を潜って雲海の下の低空を巡航
速度で移動している。このまま事態が進展すれば、ちょうど雲の切れ目で奇襲できる
はずであり、敗北の可能性は零に等しい。
しかし油断は禁物、最近になってよくあることだが基地との連絡がつかないため、標
的の敵味方識別は一人でなさなければならない。サーニャは何時も一緒に戦い、ベッ
ドで待っていてくれるミーナが司令室で苦闘している様子を想像した。
(今日もミーナ隊長が長機ならよかったのに。確かに過労死を防ぐのには必要な措置
なのかもしれないけれど・・・)
人型と魔法少女は誤認されやすいだけに政治将校の活躍するオラーシャ軍での生活で
磨きの掛かった用心深さを発揮し不安を感じながらも“上官”に敵発見と敵情を報告
する。
“上官”は敵情を知らされると、頼もしい笑みを浮かべ、戦なれした調子の声で各自の
役割を告げ、攻撃を下命した。見る者を戦意と安心で満たすその姿は、ミーナをはじ
めとする、これまで付き従ったよき上官の姿そのものであった。やはりこの人は信頼
できそうだとサーニャは思った。
(ミーナ隊長に相談しておいてよかった。普通の人ならスオムスから昨日来たばかりの
少尉の列機に私を選んだりはしないだろう。オラーシャ軍ならば、そんなことは望めな
いだろう、たとえ私の経歴を知っていても。)
サーニャがいまいち自信を持てない根本的な原因は、その戦歴にあった。一応中尉で
はあるがカンフル剤替わりの階級など、サーニャにとって自信の源にはならない。
更にサーニャの入隊後補充が途絶え、サーニャが昇級で追い抜いた者は、ネウロイや「政
治的意識の高い将校」に消されたためサーニャは、未だ嘗て長機をつとめたことがなかっ
た。
攻撃は成功し、ネウロイは悲鳴を発するまもなく分解した。
鮮やかな勝利・・・ではあったが、魔法少女のほうに油断が生じたことも事実だった。
ひらひらと舞うネウロイの破片がサーニャのアンテナに対して錫箔に似た効果を発揮した。
普段のサーニャなら解析度を上げるのだが、それは、先ほどまでの不安の反動をも 含めた
安堵感ゆえに行なわれなかった。エイラもまた、未熟ゆえにサーニャに状況を尋 ねて雰囲
気を引き締めることが出来ず自身も雲海の上に占位することすら忘れていた。
雲海と破片を突破したネウロイをサーニャが発見したのは明確な殺意を感じ取れるほど接近
されたときだった。
絶望恐怖罪悪感がサーニャの心に流し込まれ、普段より5割ほど大きく見える敵の姿が網膜
に焼きついた。その瞬間に無視して意識を戻してみればその視界に最初に飛び込んできたの
は前方を飛ぶエイラの姿であった。
サーニャはよく訓練された魔法少女だった。彼女は自分のなすべきことと、自分が無策では
ないことを思い出した。その策を実行すれば片方が確実に犠牲になるが、サーニャは怠慢に
よりエイラを危険に晒した責任を取る覚悟を決めてエイラにそのことを伝えようとした。
サーニャの喉からその言葉が飛び出すことはなかった。彼女は見たのだった、エイラが一瞬
魔動発動機を停止させ、逆回転させ後方へ突撃する瞬間を。同時にエイラが自分と同じ目的
で動いていて、それゆえ自分にはエイラに与えられた残りの時間を生き延びるしか選択肢がないことを悟った。
つやつやと輝くエイラの髪がいつもと反対の方向へと靡こうとしてざわざわと乱れ、月光を浴びて煌めき、サー
ニャにはそれが幼い頃に想像した伝説の人魚姫の髪が、波に揺られてゆっくりとゆらめく様子を眺めているかの
ようにはっきりと見えた。
サーニャの涙でかき消されつつある視界がすれ違いざまにエイラが一瞬、控えめにサーニャへ笑顔を向けたのを捉
えた。相変わらず優しく、そして頼もしく、譬えようもなく美しいその笑顔の記憶は溢れかえる負の感情と共にサ
ーニャの心を抉って底の見えない穴を穿ち、サーニャは、氷の剣で全身を突き刺されたような得体の知れない悪寒
に吐き気を催した。
突如としてアンテナからの情報の供給が停止した。サーニャが現実を直視するのを望まなかったからだ。そのこと
に衝撃を受けながら、サーニャは自制心が消えていくのを感じ取った。
必死になって一緒に死にたくなる衝動を堪え、維持上昇で離脱するサーニャの鼓膜を後方からの射撃の音が刺激し
た。狙い通り、エイラが敵一番機の背後に占位したのだった。この射撃で敵一番機を殺害し、敵二番機の攻撃を吸
収できれば思惑通り事態が進展したことになる。
無情にも、射撃の音はせいぜい三発分しか聞こえてこなかった。サーニャは全てを呪って絶望に咽び泣いた。
凍てついたような沈黙が、予想外の音によって打破された。豆を炒るような音が聞こえ、その直後には思わずぞっ
とさせられるような断末魔の悲鳴が轟いた。悲鳴は二度、三度と聞こえた後に、三度聞こえてきた射撃の音によっ
て沈黙させられた。サーニャは漸く状況を理解した。
サーニャは落ち着きと望みを取り戻し、期待を込めてアンテナの解析度を上げた、期待は裏切られなかった。連続
撃墜を果たして少し紅潮し、得意そうにしているエイラが、ひらひらと舞う、白金のように輝くネウロイの破片と
共に雲海の切れ間からカーテンのように降り注ぐ月明かりに照らされていた。
「降りてきちゃ駄目ダカンナー。サーニャ、取り敢えず雲海の上空まで上昇シロヨ。」エイラがサーニャの心中を察
して指図した。サーニャは自分が、全力で離脱しながら、未だに雲海を突破せず、エイラとも意外に近い所にいるの
に気がついた。永遠にさえ感じられたあの時間は、実はかなり短い期間だったようだ。
降下し、エイラに抱きつこうとしていたサーニャは顔を赤らめて、わかりました・・・と答えた。なぜか色っぽくて
恥ずかしくなるような声が出てしまった。桃色に変わったアンテナの光に照らされたエイラも恥ずかしそうにして、
でも笑っていた。自分の言動がどう解釈されたのかは想像できたが、誤解はされなかったようだった。
サーニャもそっと笑い返した。
危険のないことを報告してエイラの背後に占位すると漸くいつもどおりになれた気がした。サーニャは、これから
毎日見ることになるエイラの後姿を眺めながら、考えていることのよく判らない彼女が、さっき見せた表情に違わ
ず、自分のことが好きだといいなと思った。
規制中かな?
支援
一応話としては区切りついてるみたいだから完結と仮定して、
>>116GJ!!なんか普通にエイラがかっこいいwでもサーニャには割とこんな風に見えてんのかな
すっかり恋する乙女状態のサーニャがかわいすぎる
もしも続くのなら、ものすごく期待してる!
時々思うんだけど、できればSS投下するときは何レス続くか明記してもらえると嬉しいなあ
一旦ワードに張り付けて、1ページ60行になるようにページ設定変えてみると楽
>>116 エイラさんヒーローだなw しかも余裕っぽいところがまたかっこいい。
頬とアンテナ染めて照れるサーニャも可愛いぜGJ!
>>107の2が多い人もGJ!
クダまいてるトゥルーでお姉ちゃん可愛いすぐる。途中から話するのワロタw
エーリカも天使だなぁ。素直なときはこういう子なんですよねきっと
ミーナは帰ってきたらちゃんとお留守番してた子達をぎゅっとしてやるといいんだ
ワードでレスを数えるというナイスな技があった事に動揺をかくしきれない。Terapadで行数引き算してたよ……
ストライカー整備してる時のエイラって普通につなぎ着て
髪の毛を後ろで縛って頭にタオル捲いてるイメージがある
それで、サーニャが何か手伝おうとするんだけど
「オイルで汚れるから、」
って言いわれて、差し入れのご飯を作ろうか、一緒にお風呂に入る準備をしようか
必死で考えるサーニャ
考えている内に寝てしまうサーニャ。
目が覚めると、寝冷えしないようにとエイラのつなぎが掛けられていた。
「くらえトゥルーデ! エーリカちゃん特製、愛情マフラーだぞー!」
「わわっ!?」
ノックをしても返事が無いから、勝手に部屋に入っちゃったけど。 なんだ。 いるじゃんトゥルーデ。
……驚かせちゃおっかな? ひひひ。 後ろからぎゅーっとハグして、エーリカちゃんがマフラーになってあげましょう。
って思ってたら。 やられました。 返り討ちでしたよ。 ひゃっこ!
後ろから思い切りトゥルーデの首にしがみついたら、超冷たい。 凍傷になるよ、これ。 何こいつ。 スノーマン?
「エーリカか。 驚かせるな。 まだ残務の途中なんだよ。」
そう言って書類をひらひら見せる。 トゥルーデは佐官の補佐役だ。 ミーナが手一杯の時は、こういう仕事も回ってくる。
壁に掛けてある外套に目をやると、うっすら霜が降りているのが分かる。 思わず文句が口をつく。
「ちょっとちょっと! トゥルーデの体冷えすぎだって! 風邪ひくよこれ! 何? 外行ってたの?」
「あぁ。 見回りやら訓練やらを一通りな。」
「一通りって。 ねぇ。 忙しい時くらい、そういうのは休みなよ。 体壊しちゃうぞ。」
「心配要らん。 私の場合、普段の日課をこなさない方がリズムが崩れるんだ。」
そっけない返事。 んんんー。 トゥルーデの悪い癖だ。 忙しくっても、絶対に自分のスタイルを崩そうとしないんだ。
私がこんなに心配してるのに、トゥルーデときたらこの調子。
「私からすればお前の方が心配だよ。 大抵の事はすぐ飽きて続かない。 あと、これだと書類が書けん。 のいてくれ。」
「むむっ。 出た出たお説教。 私だって続けようと思えばできるよ。 興味の対象が無いだけですー! あとね。 のきません。」
トゥルーデの頭にかくかくアゴを落としながらぶーたれる。 トゥルーデを心配するといつもこうだよ。
自分が他人に心配かけたくないからって、私の話題へと摩り替えるんだ。
「それが本当だったら私も嬉しいんだがな。 継続は力なりだぞ、エーリカ。 言っても聞いてくれたためしが無いが、な。」
そう言って万年筆の柄でこしょこしょ私のアゴ下をくすぐる。 もーっ。 半分笑って、半分怒ってしまう。
本当に心配してるんだぞ。 マフラーくらい買いなよって、それだけの話だろー?
……と。 そっか。 クリスの入院費の事があった。 買えるわけないか。 でも、だからって。
自分の事を何もかも二の次にしていいなんて事はないよ。 トゥルーデがそれで体を壊したら、クリスだって悲しむよ。
それより何より。 私が飽きっぽいなんて大きなお世話だよ!! だから私はぐぐっと体重をかけて、挑戦的に言ってやったんだ。
「勝負しよっか? トゥルーデ。 トゥルーデは私に継続力が無いと決め付けてるみたいだからさ。 だったら勝負しようじゃん。
お題はねぇ。 これから半月の間に私がトゥルーデへのプレゼントを製作する! ってのはどう?
ハンドメイドだよ、ハンドメイド。 うまくできたらもう私の生活態度に関して、二度とガミガミ言わないでよね!」
そう言ってトゥルーデのつむじにアゴをぐりぐり擦り付ける。 くすくす笑うトゥルーデ。
( ;∀;)イイフウフダナー
「ふ。 ならできなかった場合は、毎日定時に起きますと誓約書を書いてもらうかな。 割のいい賭けじゃないか。」
「はぁー!? 何言っちゃってんの!? 可愛くない可愛くない! 気が変わった!! 私が勝ったら思いっきり恥かいてもらうよ!!
私が勝った暁には……えぇと、うんと。 ぶっちゅーっとキスしてもらうからね! 唇に!!!」
「キスでもなんでもしてやろう。 できたらな。」
うあぁもう。 丸っきりとりあってくれてないよこれ! いつもなら、こういうのは全力で回避する癖にっ! むかつくよーー!!
そんな事を考えていたら、トゥルーデがぱしぱしと私の腕を叩いて笑った。
「悪かった。 ちょっと気持ちが煮詰まっていたからな。 心配してくれたのに、すまないな。
愛情マフラーだったか? とても暖まったよ。 ありがとう。 そろそろ仕事を続けさせてくれるか?」
むむむ。 そう言われちゃあ、もう怒り続けらんないんだけどさ。 これじゃ普段と立場が逆じゃん。 面白くなぁーい!
そうだよ、もう。 心配してるんだよ、本当に。 こんなに冷えちゃって。 ん。 マフラー……か。 ん。 ん!
するりと手を離して戸口へ向かう。 へへん! 決めた。 プレゼント、何を作るか決めちゃったよ。
「見てなよトゥルーデ! きっと半月後には泣いて謝ってるんだからね! それじゃおやすみ!」
「期待しないで待ってるよ。 ……あぁ、それと。 心配してくれてありがとう。 おやすみ、フラウ。」
ふんっだ。 ちょっぴり顔が赤くなる。 本当に無理すんなよー。 おやすみっ、トゥルーデ。
「あぁーもう無理ムリ無理ムリ! 超〜難しいじゃん! ありえないよこれ!」
ぽーいっと編み針を投げ出してベッドに突っ伏す。 ごめんねトゥルーデ。 ちょっと編み物なめてた。
そう。 私が作ろうと思ったのは、ずばりマフラー。 あんなに寒そうにしてたし。
これだったら、単純な一枚の布。 きっと私にだって作れるし、トゥルーデにも喜んでもらえるよね。
なんてね。 甘すぎました。 これ、私には無理です。 こんなのスイスイこなしちゃうなんて、世のお母さんたちは凄すぎるよ。
案外ネウロイと戦わせても、町で仕立て屋やってるお婆ちゃんとかの方がいい戦績あげちゃうんじゃないの?
はぁ〜あ。 溜息をつきながらぶっさいくな編み目を光に透かして、トゥルーデの寒そうな首周りを思い出す。
もし、ちゃんとこれ作り上げてプレゼントしたら、トゥルーデ喜んでくれたかな。
寒いからって行動変えるような奴じゃないし。 また今夜も寒い思いしながら頑張っちゃうんだろうな……。
…………。
ぺしっ。 両頬を叩く。 うん。 おバカ馬鹿バカお馬鹿ちゃんだったね。
この程度の事で諦めるなんて、ウルトラエースの名が泣いちゃうね。 こんなの、トゥルーデの頑張りと比べればなんて事ない。
やれば出来る子だって、自分で自分に証明しなくちゃね!
十四日が経った。 約束の期日は明日。 ううっ。 もう駄目だぁ。 ちっとも出来てないよぉ!
明日から定時起床の毎日だぁ……なぁーんてね。 ふふ。 それは十四日前の私の場合。
うっふっふっ。 てんっ。 さいっ! 私天才!! じゃじゃーん!!
編み始めた頃と同じように、編み物を光に透かす。
ただあの頃と違うのは、今私の手元にあるのは、市販品にも滅多に無いくらいの、とても立派なマフラーだということ。
メリヤス編みのシンメトリカルなウェーブ。 少しずつ色を変えていく自然なグラデーション。
長すぎず短すぎず、太すぎず細すぎず、完璧なバランスのフリンジ。 滑らかな肌触り。
それは、まさにどこに出しても恥ずかしくない逸品となっていた。
ちょっとちょっと! 私、進むべき道を間違ったよ! 服飾業界は貴重な才能を失ったよー!
なんてなんて。 ちょっと浮かれすぎ? でも仕方無いよね。 自分でもここまで飲み込みが早いとは思わなかった。
と言うより、自分で言うのもなんだけど、ここまで続くとは思わなかった。 正直、何度も諦めかけたしね。
でも、トゥルーデの鼻をあかしたい一心で、遂にゴール目前まで来れてしまった。 うん。 やっぱり目標があると違うねぇ。
「ふらつくな、宮藤! ミス一つで作戦が総崩れする局面もある! 演習といえど気を抜くな!!」
「は、はい、バルクホルンさん!!」
あとちょっとで完成する。 午後の教練の間も、マフラーが気になってしょうがない。
ちらりとトゥルーデを見る。
っとに。 本当に宮藤がお気に入りだねー、キミは。
明日が約束の期日だよ? 私にも、一言くらいなんか無いの? トゥルーデときたら、完全に約束の事を忘れてるみたい。
まぁいいけどね。 そっちの方がサプライズっぽくなるもんね。
はてさて。 ようやく晩御飯までの空き時間がやってきた。 最後の仕上げといきますか!
あーして、こーして……。 やってる内に熱が入ってくるのが分かる。
ウーシュも読書に没頭すると、いつもこんな感じだったね。 ご飯だよって言っても聞きやしないの。 血筋だな、これは。
ゥー……。 ゥー……。 ? なんだよ、この音。 うるさいなぁ。
ゥー……。 ゥー……。 ゥー……。 !! これ、警報だ!!
やばい。 いつから鳴ってたんだろ? ネウロイが来たっての!? もぉー、ちゃんとアポ取ってから来いよな!!
「何してるハルトマン! 敵襲だ!! 早くブリーフィングルームに来い!!」
「わっわっ! 今行くよ!!」
慌てて用意をしていると、トゥルーデが怒鳴り込んできた。 とっさに軍服の中にマフラーを隠す。
セーフ? 見られなかったよね? そのままトゥルーデに引っ張られていく私。
まっ、まずいなぁ。 マフラー、置いてく暇が無いよ! これが悪い結果に繋がらないといいけど……。
「トネール! ……もう、まだいるんですの!? きりがありませんわ!」
電撃がネウロイを撃墜していく。 そう。 今回のネウロイは飛び込みの癖に団体客。 本当にマナーのなってない奴らだ。
大体の敵は撃墜したけれど、何発使っちゃったのかな? 弾切れが近い事は間違いない。 もう無駄撃ちできないや。
「ハルトマン。 少佐が弾薬切れのようだ。 サポートに回るぞ!」
「了解!」
件の少佐は、扶桑刀でネウロイと渡り合っている。 うーん、相変わらず肝っ玉据わってるよ。
はいはいさっさと落ちてね! 少佐の周りのネウロイを落としていく。
量はともかく、質が伴ってないね。 ちょろいよ!
視界の隅で僚機を確認。 ! トゥルーデのシールドをネウロイの熱線が突き抜けているのを見てギョッとする。
何あの攻撃力!? あんなのがいるの? かろうじてかわしているけど、あれはヤバイよ!
ちゃっちゃと片付けてサポートに行かないと!
これでラストっ。 目前の敵を片付ける。 さっ、フォロー行くよ……って、ん?
わぁお。 残弾ゼロ!
これじゃサポートしようがないじゃん! 少佐たちは今どうなって……。
「乾坤一擲!!!」
ずんばらり。 うそぉー。 熱線のネウロイは哀れ、少佐の一太刀で両断された。 相変わらず只者じゃないね、少佐……。
しかし、感服したのも束の間。 両断されたばかりのネウロイの体が光った。 アレは。 断末魔の熱線!?
攻撃態勢のままの少佐を庇うように、トゥルーデがシールドを展開する。
無謀だよ! 敵の攻撃力を考えたら、後手に回らず撃ち抜くべきだって! って、まさかトゥルーデも……弾切れ?
まずい。 まずいまずい! トゥルーデ。 少佐。 このままじゃ二人が熱線に晒される。
宮藤に治せる傷で済むならいい。 だけどシールドを貫通するようなアレを、あんな至近距離から食らってしまったら?
最悪の事態を防ぐため、私の頭脳が超高速回転する。 弾は尽きた。 私にできること。 何か無いの? 何も無いの?
無意識の内に懐を探っていて。 私は、自分に出来る事を見つけた。
ある。 私には、あと一発だけ弾丸が残っている。 けど。 けど、これは。
迷わなかったと言えば嘘になる。 でも、それはコンマ一秒にも満たない刹那の間。 私は懐からすらりとマフラーを引き抜いた。
「シュトゥルム!!!」
こうと決めたら迷いは無い。 シャーリーが体当たりでネウロイを破壊したように。
ありったけの魔力を込めて投擲したマフラーは、風を巻いた銀の弾丸となって瞬く間にネウロイを貫いた。
はっ、はっ、はっ。 吐いた息が白いもやになって後ろへと流れていく。 戦闘が終わって。
いてもたってもいられなかった私は、晩御飯もそこそこに、さっきの交戦場所を目指して走っていた。
マフラー。 何日も、何日も、トゥルーデのためを思って編んだマフラー。 あれを見つけたかった。
冷静に考えれば、見つかるはずがない。 探し物をするには、あまりに辺りが暗すぎる。
上空の風に吹かれて、離れた所へ落ちてしまったかもしれない。 それでも。 それでもさ。 あのマフラーは。
「この辺り……だったよね。」
途方も無く広い平地。 ネウロイとの戦闘に民間人を巻き込まないために、交戦のポイントも調整されている。
おかげで誰気兼ねなく探せるんだけど。
広い。 広すぎるよ。 そもそも、ここにあるかすら分からないじゃないか。
途方に暮れる気持ちを押さえつけ、持ってきた懐中電灯で辺りを照らす。 指先に感覚が無い。
寒い。 ブリタニアの冬は厳しい寒さに覆われる。 ましてそれが夜なら尚更。
しかも私ときたら、ご丁寧にここまで走ってきてるときたもんだ。 凍えそうなくらい寒い。
なのに。 私は衝き動かされていた。 あのマフラーを、野晒しのままにはしておけない。 その一念だけで動いていた。
無い。 ……無いね。 こっちにも無い。 あれ? ここ、さっき探したっけ……?
ローラー作戦で探そうと思っても、こう何も無い場所で下ばっかり向いてちゃ、方向感覚があやふやになってくる。
もうどれくらい探しただろう。 めったに嵌めない腕時計に目を落とす。 うそ? もう出てきてから一時間半も経ってるよ。
それでも……無い。 やっぱり、見つからないよ……。
「ハルトマン!!!」
その声ではっと我に返る。 トゥルーデ。 なんでここに?
「どこにも姿が見当たらないから探しに来てみれば……。 外出するなら一言くらいことづけろ! どういうつもりだ!」
そっか。 いないって気付かれちゃったんだ。 胸がしくりと痛む。
何やってるんだろうな、私。 こんな事やって、一人で空回りして。 謝らなくちゃ。 帰らなくちゃ。
鉛のように重い足を引きずると、靴に何かが触れた。
信じられない思いで、それに電灯を向ける。 この編み目。 間違えるはずがないよ。
マフラーだ。 私が作ったマフラーだ!
けれど。 気持ちが浮き立ったのは、ほんの一瞬だけだった。 マフラーは、真ん中から無残に焼き切れていた。
震える手でそれを拾い上げる。 こんな。 こんなのって。 体の芯から震えが走って。 私はそれをぎゅっと胸元に抱きしめた。
「エーリカ……? そんなに震えて、寒いのか。 エーリ……カ。」
トゥルーデに腕を掴まれて、向き合う事になってしまって。 トゥルーデの顔を見たら。 もう、駄目だった。
ぽろ。 ぽろ。 ぽとり。 ぼろぼろぼろ。 な。 泣くなよ私。 なっ。 なくっ。
「エーリカ? どうした!? 一体何があった!!?」
「な、何でも、なひっ。 ……しっ、心配かけて。 ごっ。 ごめっ。 もうかっ、帰るかっ、ら。」
嗚咽がこみ上げてうまく喋れない。 トゥルーデの物凄く心配そうな顔。 やだな。 私、どこまで駄目なんだろう。
こんなの、最悪だよ。 自分勝手やって、空回りして、トゥルーデに心配かけて。 泣く資格なんて、少しも無いじゃないか。
「何でもないはずがあるか! 一体……。」
突然トゥルーデが言葉を切る。 しゃくりあげながらトゥルーデを見ると、その視線は私の手元にあるマフラーに注がれていた。
あぁ。 ばれちゃった。 何もかも。 駄目になっちゃったよぉ……。
「ごめっ。 ごめんなさい。 わっ、わたし。 トゥルーデにプレゼントしようと思って。 これ編んでて。
さ、さっきの戦闘で、焼け落ちちゃって。 それで、勝手に、宿舎飛び出して、探しに来たの。 ごめっ。 ごめんなさい。」
なんて。 なんて情けないんだろう。 どれだけ自分が公私混同していたか、嫌というほど分かった。
…………。 痛いくらいの沈黙。 トゥルーデの言葉を待つその間が、永遠のように感じられた。
怖い。 怖いっ。 怒られるのは当然だけど。 きっとトゥルーデは私に愛想をつかす。 それがどうしようもなく怖かった。
けれども。 トゥルーデは私を怒らなかった。
外套を脱いで、私の肩にかけて。 その後、ぎゅっと抱きしめてくれたんだ。
「……なんか最近おかしいと思ってたんだ。 それ。 内緒で、編んでたのか。」
トゥルーデの声も、私を抱きしめる手も。 あまりにも優しくて。 ちっとも怒ってないよって語っていて。
こくこくと頷きながら、私はどうしようもない安堵に襲われて、それでまたしゃくりあげた。
「わたし、みっともない。 最悪だ。 どうしようもないよ。 こんな私。 見せたくなかった。」
「みっともなくない。 最悪でもない。 お前に振り回されるのだって慣れてる。 だから泣くな、フラウ。
……あの時、どうやってネウロイを撃ち抜いたのか、ようやく分かった。 これのおかげだったんだな。
なぁ。 それなら私が責める筋合なんて微塵も無いよ。 いや。 もし責めるような奴がいたなら。 私が絶対に許さない。」
そう言って。 釈明とか、弁明とか、そんなものは一切求めずに。 ただただ私を抱きしめてくれた。
私が私のために泣くのを許してくれた。 私の身勝手さを許してくれた。
私の弱さを許してくれた。 私の気持ちを抱きしめてくれたんだ。
いつもの杓子定規なトゥルーデとは違う。 でも私は知っていた。 これが本当のトゥルーデだった。
支援?
この板は支援がいるのかわからないけど。
「おやおやぁ〜。 若い娘としてこれはどうですかねぇ、エイラさん?」
「そうですネー。 ババシャツ愛好家から言わせてもらうと、底冷えする季節にはピッタリなんじゃないでしょうカ!」
ざわざわざわ。 今朝はいつもより食堂が賑やか。 その原因はと言えば。
ばばーん! ダジャレじゃないよ。 そう。 トゥルーデの腰に燦然と輝くのは、いつもの白いズボンではなく。
私が大事に大事に編んだマフラーくんの生まれ変わりである……毛糸のズボンなのでした。
あの後。 私は、焼き切れたマフラーを見て考えに考え抜いた。
だってさ。 あれだけ泣いちゃったらさ。 あとはもう前に進むしかないもんね。
あれだけ恥かいて、ただ転んだままなんてヤだもん。 ありえません。 エーリカちゃんの主義に合いません!
それで思いついたのが、これ。 残ったマフラー生地をパッチして。 毛糸のズボンにしちゃう事だったんだ。
おかげで、なんとか約束の期日には間に合ったんだけど。 まさか、みんなの前に履いてくるとは思わなかった。
「にゃは〜、毛糸のズボン! あったかそー! お洒落じゃないけどねん!」
「どした、バルクホルン大尉。 いっつも怒ってばっかいるから、気分まで老けちゃったのか〜?」
「優雅という感じではありませんわね。 家庭的ではありますけれど……。」
だよね。 そう。 毛糸のズボンは、お世辞にもお洒落とは言えない。 ううん。 平たく言うと野暮ったい。
「トゥルーデ。 その……冷えるってのは、私もよく分かるんだけど。
毛糸ってのはちょっと、恥ずかしくない? ほら。 周りは若い子たちばっかりだし……。」
みんなに冷やかされて、トゥルーデの顔は紅潮している。 私のためだ。 私に気を使って、履いてくれたんだ。
無理しないでいいよ、トゥルーデ。 私、その気持ちだけで嬉しい。
それで私がみんなに言い返そうとしたらさ。 トゥルーデは言ったんだ。 顔を上げて。 よく通る声で。
「ちっとも恥ずかしくない! 胸を張って言わせてもらおう。 あたたかい、と!」
トゥルーデ。 胸が締めつけられて言葉にならない。 似合ってる。 胸を張るトゥルーデに、私の編んだ毛糸のズボンが似合っている。
それだけで、こんなに嬉しいのは。 ぐすっ。 どうしてなのかな。
「……。 わーるかった。 あたしとした事が、やっかんじまったみたい! なははは!」
「そうね。 うん。 若い子たちの目ばっかり気にしてちゃ駄目よね。 ふふ。 教えられちゃったわね。」
「うむ。 似合っている。 胸が暖かくなる編み目だ。 祖国の母を思い出すよ。」
心が震えたのは私だけじゃなくって。 みんながトゥルーデに暖かい眼差しを向けていた。
あぁ。 トゥルーデ。 凄く時間をかけて。 一杯気持ちをこめて。
それを受け止めてくれる人がいる。 態度で示してくれる人がいる。 わたし。 幸せ者だ。
何を口に運んでるかもおぼつかないまま食事を終えた私は、トゥルーデが食べ終えるのを見計らって一緒に食堂を出た。
そのままトコトコと部屋までついていく。 ベッドに腰を下ろしたトゥルーデの隣に、恐る恐る腰掛ける。
「さっきはごめんね、トゥルーデ。 ……私、何も言えなくて。」
「私が好きで履いてきただけだ。 そしていつも通りあいつらの軽口を貰っただけ。 お前が気にするような事は何も無い。」
そう言って、私の前髪を軽く払って、微笑む。 それだけで心がすっと軽くなる。
優しいね。 嬉しいよ。 こんなに嬉しく思うなんて、想像してなかったよ。
「それに、嘘じゃない。 暖かいよ、フラウ。 こんなぬくもりは……いつ以来かな。」
「へ。 えへへ。 そりゃそうだよ。 隠し味たくさん入ってるもん! はちきれんばかりの愛が!」
二人で顔を見合わせてくすくす笑う。 トゥルーデの肩に頭をもたせかけて、冗談めかしてつぶやく。
「私ね。 本当は証明したかったのかも。 私は宮藤に負けてないよって。 宮藤の事は大好きだけど。
最近トゥルーデにとっての、今まで私のいた場所に、宮藤がいるような気がして。
私がトゥルーデにあげられなかったものを、宮藤は沢山あげている気がしてさ。 なんだろ。 ジェラシー?」
少し胸が痛い。 分かってた。 トゥルーデのためでもあり。 私のためでもあった。 それが私の本音。
分かってたよ。 マフラーなんてあげた所で、宮藤のあげたものの尊さには敵わないって。 それがちょっと悲しかった。
「……そうか。 何て言えばいいかな。 私の解釈は少し違う。 宮藤は私にとって大切な存在だ。
それは、宮藤から何かをもらったから、というよりは。 むしろ、宮藤が私に気付かせてくれたからだ。
私は、既に沢山の大切なものを持っていたのだと。 そんな事も見えなくなっていた私に、気付かせてくれたからだ。」
訥々と語るのを黙って聞く。 うん。 知ってる。 だから私も宮藤が好きなんだ。
「それは私にもできない。 お前にもできない。 我々は、希望を語るには戦争というものを知りすぎている。
宮藤だからできたんだ。 ……まぁ。 あいつが我々ほどの経験を積んだとしても、そこは変わらないのかもしれないが。」
私の髪に、トゥルーデが頬を寄せる。 そのままトゥルーデが続ける。
「私がそんな理由でお前と宮藤に上下をつけると思うのか。 宮藤とはまた違う形で。 やっぱりお前だって私の一番大切な存在だぞ。
宮藤とは違う形で、お前は、お前にしかない沢山の大切なものを私にくれている。 ……全く。 恥ずかしい事を言わせるな。」
どきん、とした。 ちょっぴり泣きたいよ。 いつになく言うじゃん。 うん。 溶けていった。 私のわだかまり。
ちらり。 顔色を伺うと……やっぱり赤ぁーい。 慣れない事言うからだよ。 ふふ。
あぁ。 心のもやが無くなって。 晴れ晴れしすぎて恥ずかしいくらいだよ。 私は照れ隠しをするように話題を変えてみた。
「でも、ごめんねぇ。 これじゃやっぱり、首まわりの寒さは変わんないよねぇ。」
「ふむ。 まぁ首まわりはいいだろう。 ……愛情マフラーもある事だし、な。」
へっ。 愛情マフラー? ……あー。 あーあー。 なんでそんな事ばかり覚えてるかなぁー。
ちょっと顔を赤くしながら、珍しく悪戯っぽく笑っているトゥルーデ。 むむむ。 トゥルーデにやり込められるなんて。
「このー! お望み通りのマフラーだ!」
「ははは! 私だって、たまにはこれくらい言ってもいいだろ。」
首に抱きついて、じゃれる。 一しきり騒いで、はたと見つめ合う。 ちょっ。 近いよ、トゥルーデ。
お互いの息づかいがはっきりと分かる距離で。 トゥルーデは、真っ赤になって言いましたよ。
「そ、それでだな。 お前は約束を守ったわけだからな。 わ、私もだな、その。 ……約束を、果たそうと、思うんだが。」
へっ。 約束? ……あー。 あーあー。 ……。 えええぇぇぇ!!!???
やっ、約束って。 こいつ、忘れてるのかと思ったら細かい所までしっかり覚えてるじゃん! なんだよもー!
やくそく。 わ、私がトゥルーデに何かあげるから。 トゥルーデは、私の唇に、もにょもにょ……。 の、事だよね?
「本当に暖かいんだ、このズボン。 その、物理的な意味ではなく。 どうだろう。 私も、形に示すべきかな、というか。
ほ、ほら。 私なりの愛情マフラー、って奴だ。 い、要らなければ、別にいいんだ! そう言ってくれ。」
ど。 どうだろうって。 どうだろうって!! どうしよう。 どうしよう!? きゅ、急に言われても困るよ! うろたえちゃうよ!!
トゥルーデの首に手を回している事に、急に気恥ずかしさを覚える。 あったかい。 ううん。 熱い。
だってだって! ノリで言ったんだもん! 深い意味は無かったんだもん! こうなるなんて思ってなかったんだよー!!
でも、でもでも。 この毛糸のズボンは嘘じゃない。 確かに、私の気持ちは嘘じゃない。
心の底から満たされるような、あの感じ。 あれって。 あれって、たぶん。 わたし。 トゥルーデのこと。 …………どうなの?
……。 そ、そんなの。 言えないよー! あぁもう! あぁもう! どうすればいいのさー!!??
それでさ。 もうどうしたらいいか分からなくなっちゃって。
だから、トゥルーデの目を見て決める事にしたんだよね。 どんな判断になったってさ。 それなら後悔しないと思ったから。
一体どんな気持ちでこんな事言ってるのか。 じゃれあいなのかな? 友情? それとも……その。
そういうこと、なのでしょうか。 とか。
トゥルーデの目を見れば分かるはず。 信じられるはずだもんね。
うん。 それがいい。 それしかないよ。 それでいこう!!
こほん。
それでね。
私は結局、そのマフラーを巻いたのでした。
おしまい
あまりにもGJすぎるぜ…
どこがいいとかいろいろあるけどどこを取ってもGJすぎる…
ババシャツ愛好家はフイタw
大作すぎるぜ
GJ
GJ アニメ本編でももっとこの二人の絡みが観たかったなあ
GJ・・・!
拗ねたりしょげたりしながらまっすぐにトゥルーデを慕ってるエーリカの可愛さにすんげー萌えた
こんな無邪気なエーリカは生物兵器さながらですな。
ところで、今更かも知れんが、書き込み欄って1回どんくらいの文章量載せれるんです?
>>133 くうー!
こんなGJなの読めて幸せだー! エーリカかわいいなくそう!
幸せな鼻血噴いた。
>>137 この板はMAX60行だよ。行の文字数制限もあるみたいだけど。
>>138 おお!あざっす。結構たっぷりいけるんだね。参考にします。
>>133 うああああああああん!何てもんを読んじまったんだ…テンションがあがって眠れない!!
エーリカまじかわいいです!今まで以上に好きになったかも!!
これぞエーゲルって感じで最高でした!GJ!!
標題にいつも噴くけど何気に毎回イイハナシダナー
エイラーニャ分が足りない
>>142 ありえない、全然足りるだろw
それよりも芳イラ分g(ry
公式でついにエイラがお姉ちゃんをからかったと言うのにエイゲルという選択肢はないのかね
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
投下した皆様GJ! 相変わらずのハイペースですね。
さて、今回は
>>89-90「incoming」の続きとなります。
>>94氏の一言が切欠でこのSSを思い付きました。
今日の洗濯当番は芳佳とリーネ。先日あらぬ失態を見せた芳佳と違って、リーネは賢い。
予め隊員の名前の付いたかごを持って各隊員の部屋を回り、洗濯物を回収していく。
そうする事で、誰がどんな色かたちの何を出したか、その場ですぐ分かり、確認も出来る。
ちょっと一手間掛かるが、確実な方法だ。
「今日の当番はリーネか。頼んだぞ」
「はい、こっち私のね」
質素なトゥルーデの部屋を訪れる。エーリカが当然と言った感じで部屋に居た。
「洗濯物ですの? これ、お願いしますわね」
豪華に飾られたペリーヌの部屋を回る。
「あらリーネさん、洗濯物? よろしくね」
ミーナの部屋を巡る。
「洗濯物か? ああ、これだ。すまんな」
美緒の部屋。
「あー、これこれ。ちょっと機械油が染み込んじゃって取れないかも知れないけど適当でいいや」
「あたしの〜」
まるでガレージか研究室みたいなシャーリーの部屋。一緒に居るルッキーニ。
「これ、サーニャのデ、こっちが私ノ。混ぜるナヨ? ……いや、いいケド」
ちょっぴり神秘的なエイラの部屋。サーニャがベッドで眠っている。
こうして全員分の洗濯物をかごに詰め、よろよろと持って運ぶリーネ。
「リーネちゃん、すごいね。全員分のを最初から仕分けしてるなんて」
「こうすれば、絶対に間違わないでしょ?」
「頭良いね、リーネちゃん」
芳佳に微笑み返すリーネ。
「芳佳ちゃんの洗濯物は?」
「あ、持ってきたよ。これこれ」
「はい。で、これは私の」
「……あれ、かご十個しかないよ?」
「エイラさんとサーニャちゃん、混ざってるみたい」
「うーん、どうしよう」
芳佳は衣類を手に取り、嗅覚を働かせる。微妙な匂いの差を嗅ぎ分けるべく、無駄に魔力を使う。
尻尾と耳を出して、くんくんと匂いを嗅ぎ、服を分けていく。
「……これはエイラさん。……こっちはサーニャちゃん」
「よくわかるね、芳佳ちゃん」
「凄い僅かな差だけど、微妙に違うから分かるよ。でも同じ香水つけたりするともう訳分かんなくなるけどね」
「私、匂い嗅いだ事無いから」
「私は、リーネちゃんのものなら、すぐに分かるよ?」
笑顔であっけらかんと言う芳佳に、リーネは顔を赤くした。
「芳佳ちゃん、なんで分かるの?」
「え? だって一緒に居るし、よくリーネちゃんと、その……」
「そっか」
リーネは試しに、芳佳のシャツを手に取り、匂いを嗅いでみた。
いまいちよく分からない。
魔力を開放し、嗅ぎ分けを試みる。
途端に、芳佳の“匂い”に眩暈を覚え、足元がふらつき、よろめく。置いてあったかごを蹴倒してしまう。
「リーネちゃん、大丈夫?」
芳佳がリーネの肩を抱く。
「う、うん……」
「ゴメンね、リーネちゃん。私の、臭ったでしょ? 汗臭くて……」
「ち、違うの、芳佳ちゃん」
顔が赤く、もじもじしているリーネ。様子が途端におかしくなる。
「リーネちゃんどうしたの? ……あ、洗濯物がごっちゃごちゃに」
「よ、芳佳、ちゃん」
「?」
リーネに肩を掴まれると、洗濯機の有る物陰に連れ込まれた。
「り、リーネちゃん?」
「芳佳ちゃんの、……ばか」
それだけ言うと、リーネは突然芳佳を押し倒し、唇を奪い、身体を抱きしめ、中途半端に疼く身体の想いをぶつけた。
突然の事に驚いた芳佳だが、当然成すすべもなく、リーネの手中に堕ちてしまった。
夕方。
辛うじて洗濯は終わったが……、せっかく仕分けたかごを蹴倒してしまったせいで、
結局誰のものか分からなくなってしまった。
山と積まれた洗濯物を前に、一同は困り果てた。
「これじゃ誰が誰のか分からないよ」
「ごめんなさい……」
「すいません。ちょっと、ごちゃごちゃにしちゃって……」
平謝りするリーネと芳佳。でも何故洗濯物が選別できなくなったか、洗濯機の裏手で何をしていたかと言う頃は、
絶対に言えない。首筋についた痕をごしごしと誤魔化しながら、うなだれる。
仕方なくぶつくさと文句を言いながら、隊員達は自分のものと思しき衣類を探し始めた。
「おい堅物、それあたしのだ」
「何?」
「だって、ここに機械油の染みが残ってる」
「紛らわしいんだリベリアンは」
「あたしだって堅物のなんか着たくないよ」
「エイラ、それ私のシャツ……」
「アレ? 気のせいじゃないカ?」
散々もめた挙げ句、洗濯物を抱えながら部屋に引き揚げる一同。
「おい、私のシャツとズボンが無いぞ。……誰だ、どさくさ紛れに持ってったのは」
ぽつりと残され、首を傾げる美緒。
後ろで見ていた芳佳とリーネは、顔を見合わせた。
end
----
以上です。
厳密に考えたら、各隊員のシャツとか共通の衣類は少ないと思ったのですが、
その辺はインナーだとか普段着だとか……色々補完して頂ければ幸いです。
あと前作「incoming」の「ケモノ臭い」は……ちょっと書きすぎましたかね(;´Д`)
ちなみに、誰かは言いませんw 実は誰であるか想定もしてなかったり(ホントに
ただ、皆の使い魔がみんな言ってしまえば“ケモノ”だから、単純にそう言う感じにしただけで……。
いやホントに。
>>97氏の仰る通り、風呂もサウナも完備してある501では、「臭い」は無いですよきっと。
みんなステキな薔薇の香りがですね(今更カヨ
ではまた〜。
エルマ分が足り名い
ハルカがないなぁ〜
ハルマ
エイラがペリーヌにキスされて、
戸惑ったエイラがサーニャといつも通り接せなくなるシリーズを見てきたばかりの
新入りにオススメのSSを教えてくださいな
>>151 とりあえず同じ作者の作品は、全部読め、
芳佳←リーネ→エイラ→サーニャを見て、もやもやするがいい!
あと幸せの方程式とか……ミーナさん崩壊シリーズとか……
てか、好きなキャラの作品は、全部読め!
>>149 某所でエーリカ×ウルスラ&エルマ&ハルカのSSがあったなぁ
しかも芳イラシリーズというなにそのスキマ産業
エイラーニャスキーの俺がここはあえて補完庫のNo.593(もっミーナ気味)とNo.527(いらん子中隊)をオススメしたい
キャラがいっぱい出てきてるのに読みやすくて楽しいと思うので
と思ったがやっぱ全部見ればいい
大丈夫一日10本読んでも2ヶ月かかる
155 :
94:2009/01/08(木) 08:41:07 ID:4N772oKB
>>147 何となく妄想書いたらSS化されてた! GJです!
盗難の犯人はペリーヌか隊長か…
ってなんで俺
>>133を読み逃してたんだろう
どんだけ可愛いんだこのエーリカ・・・お姉ちゃんもかっこよすぎる
愛だな、愛
>>153 あれはいい風に成長したハルカだよな。それにウルスラもいい味だしてるし
まああの芳イラはすばらしいわ、子犬のようにエイラに甘える芳佳がかなりツボ
芳佳×ペリーヌのSSって無いね
主人公とライバルってポジションなんだから王道だと思うんだけどどうだろう?
ペリーヌはもっさん×ペリーヌみたいに惚れたら一途に尽くしてくれそうだし、
ペリーヌ×リーネみたいにお姉さんポジションになったら厳しくてそして優しそうだし、
いいキャラだと思うんだけどな…
芳佳とペリーヌについては、4話くらいでペリーヌが芳佳のことを認めてるのに
それが劇中の言動に反映されてないから演技的に難しかったって沢城みゆきさんも言ってた。
ペリーヌとサーニャも相性が良さそうな気がする。
ペリーヌとエイラって、何となく似たような性格だと思うし。
某所って中途半端にぼかすくらいならはっきり書くか話題に出さないでくれよ…
芳イラ読みたいのに皆目見当もつかない
やっかんでごめん
>>162 場所が場所なんだよなー
ふたばだから気を悪くする人がいるかもしれん
一応はると
tp://2000navi.com/strikewitches/ss/
>>152 >>154 d
携帯で全部見るのはちと無謀だと気付いたw
まぁそれでも読みますけどねー
とりあえず『あのひのうた』が良かったです
>>162 わざわざぼかす意図を察しろよ
こういうのもあるんから探してみては?くらいに受け取っとけ
住人の皆様の最近お気に入りなカップリングってあります?
自分的に最近芳リカがかなりきてるんですが、なんかうまいこと作品としてまとめられないんですよねえ
芳佳の治癒能力への憧れがエーリカにはあるに違いないと思うんでそこを活かしたいんですがうまく行かなくて……
>>166 カップリング……4巻ブックレットのせいでハッセ×ニパの妄想が止まらんのは自分だけですかそうですか。
っていうかSSは書いたんだが、思い切りオリキャラ状態なんでもう年越しで寝かせてる。
恋愛とかなしのサーニャもっさんが気になる。性格も対照的だし。
ネウロイって水に弱いんだよね
ネウ子を水鉄砲で撃ったら反撃されるだろうかとふと思った
>>166さん
個人的にはエーリカ×トゥルーデですかね〜。
最初は試行錯誤してレアカプを模索してたが、いつの間にかこの二人が多くなったw
エラソーな事言えた義理じゃないですが、何かきっかけを少しでも書いてみると
そこから思わぬ方に話が広がったりするので、まずはレッツトライですよ。
>>167さん
You投下しちゃいなYO!
当ストパンスレは誰でもウェルカム
ただし男てめーはダメだ
>>166 最近このスレのおかげでシャーゲルが熱いw
あと公式更新見てなんだかシャーロットとエイラもいけるんじゃないかと思ってしまった(CP的な意味じゃないけど
>>163 ホントに貼るやつがあるかい
あいつら繊細だから
ばれたらサイトなくなるぞ
繊細(笑)
>>173 やっぱり駄目でしたよね
すみません自重します…
高校生×小学生
こう書くとなんかぐっとくる
自分の不用意な発言のせいで申し訳ない…
あっちは2ちゃんの事嫌ってるからねえ
あんまふたばの事は話題に上げない方がいい
っつーかそもそも某所の感想をこっちで出すのが筋違いだわ
向こうに書いてやった方が向こうも喜ぶしお互い迷惑にならん
謝ってるしもうこの話はこれっきりで。俺が偉そうに言う事じゃないけどさ
>>172 エイラ「シャーリースパナ貸してくれヨ」
シャーリー「ほいっと」
エイラ「ウワッ投げるなよ!あぶねーな」
シャーリー「未来予知があるから大丈夫だろー?」
エイラ「そういう問題ジャネーヨ!ていうか工具散らかしっぱなしにスンナ!」
シャーリー「いいじゃないか別に。じゃあ片付けてくれよ」
エイラ「めんどくさいからヤダ。自分でやれよな」
シャーリー「ちぇっサーニャ以外には冷たいよなー」
エイラ「そんなんじゃねーよ!」
みたいなって百合じゃなくて男友達だコレー!?(ガビーン)
>>179 どっちも男口調だからなww
でももっとやれ
>>180 >芳佳の絡まないカプはどうすれバインダー
そんな時こそ頭を使えと先人も申しておってですね
妄想を膨らませて、さあ!
>>180 好感度上がれば特別END…
ふたりきりのパジャマパーティー…
にちゃにちゃ天姫&疾風さん参戦…
パラレルワールドってことにしたほうがいいですよこれ
っていうか、天姫ちゃん参戦の時点でパラレルワールド確定ってことですよね
全キャラ主人公で出来るようにしてくれよ!
ゲルトマンとかもっミーナとかさあ!もっふじが出来るのは嬉しいけど・・・
主人公芳佳だと俺ずっともっさんといちゃいちゃさせて楽しんじゃうだろうなあw
アンケートやったら要望結構通ったりするのかな・・・
ついに
公式で芳佳×エーリカがみれるのか
ゲーム版最高ーーーーーーーーーーーーー!!!!!
>>172 シャーリーとエイラでなんか変な電波を受信してストライカーユニットの魔改造を開始。
二人がそこに没頭する余り寂しいルッキーニとサーニャでcp成立する所まで3秒で妄想した。
自分167ですが昼に帰宅したらハッセ話投下します〜。
>>179 そしていつの間にか嫁ののろけ話に発展してしまうわけですねわかり(ry
>>186 某教育番組のわくわくさん気分で待機してる!
ゲームの話しで盛り上がっている所すいませんがどうもこんばんは、mxTTnzhmでございます。
実験的な短いSSが出来ましたんで、ひとつどうぞ。
189 :
I(ai):2009/01/08(木) 23:41:51 ID:ZDMvwycZ
私は腕を組んで考えを巡らせていた。
私は果たして彼女を愛している、と言えるのだろうか。
私の目の前、私のベッドでだらしなく身体を投げ出し、荒い呼吸を繰り返し、
うわごとの様に私を呼ぶ、いとしの人を見て思う。
確かに、私と彼女は恋仲として……と解釈していいのか分からないが……隊に居る。
だけど、彼女と共に行動を共にし、彼女と一緒に夜を明かし、彼女を愛し愛され……
幸せである筈のとき、一瞬、頭を過ぎる問い。
これで、彼女は幸せなのだろうか?
これで、私は幸せなのだろうか?
これで、いいのか?
余りにも根本的な問い掛けを前にして、私は彼女の秘所をまさぐっていた指の動きを止める。
突然の中断に少し身体を震わせ、抱きついて、腰を私に押し当て、身体をゆっくりとしたリズムで動かし、
熱い吐息混じりに名を呼ぶ。
「どうしたの? ねえ……」
私はどう答えるべきか戸惑う。
だが、声を出す事も、考えを続ける事も、彼女は許してくれなかった。
唇を重ね、舌が絡んでくる。拒絶出来ず、私も彼女を味わう。
つうと透明な雫が一筋垂れ、私はそのままベッドに押し倒された。
今度は私がとばかりに、彼女は私の大切な……敏感な場所に容赦なく“爆撃”を喰らわせた。
反射的とも言うべきか、吐息が声と一緒に出てしまう。
彼女は私の弱点を全て知っている。私も彼女に関しては同じだが、ふたりで一緒にベッドの上で
“格闘”をしているときは、お互い快楽と刺激と愛情に全ての感情が押し流され、
単純な事……
彼女を愛したい。
彼女を愛している。
それだけを全身全霊で表現し、ふたりして堕落していく。
官能と言うには余りにも激しく、野性的と言うには余りにも優し過ぎて。
結局、私は答えを見つけられないまま……愛する人に身を委ねた。
夜明け前、ベッドの上で二人一緒に飲むコーヒーが美味しい。
代用品じゃなくて、本物をロンドンで買って来たの、とびっきりのを。と微笑む彼女。
「ああ。香りが最高だな」
私は微笑んで答える。
ほのかに漂う湯気が、二人の間をゆらりゆらりとかすめ、天井へと消えていく。
コーヒーのささやかな刺激で、少し前の問い掛けを思い出し、反芻してみる。
「どうしたの?」
「いや、くだらない事さ。これで良いのか、幸せなのかって、少し思っただけ」
「どう言う事?」
「な? 下らない事だろ? そんな事を考えてしまう程、私はくだらないって事」
私は苦笑した。
「そんな事ない」
彼女はカップを置くと、私の顔にそっと手をやった。
ゆったりとした、優しいキスをくれた。
「私達、いつでも幸せじゃない?」
「その通り」
「考え過ぎ」
「ゴメン」
彼女が頭を肩に寄せてきた。私はそっと肩を抱き寄せ、この先の事に想いを馳せる。
これが邪念と言うやつか。もっと私は、彼女を真剣に愛さないと。
決意にも似た感情が、肩を抱く力に伝わったのか、彼女は身を私に委ねた。
今度は私から、そっと口吻した。
愛している証を。
end
以上です。
具体的な個人名はあえて(極力)出さず、
複数の組み合わせのシチュを想像できるつくりのSSを作ってみました。
私としても実験的なのでSSとしてはちとどうかと思いましたけど……
如何でしょうか。
ではまた〜。
宮藤主人公→芳佳カプしかできない
新キャラ主人公→501の仲を新キャラで崩したくない
501内のキャラから選択式主人公→ライター死亡確定
ゲームってむずかしい
192 :
滝川浜田:2009/01/09(金) 00:10:44 ID:Cp2oZ3yO
皆さんこんばんは。
ゲームか…シャッキーニはどうな(ry
というわけで何故か最近ほとんど無いミートゥルを投下。
3レスほどで参ります。
よく「永遠の愛」などという言葉を耳にするが、私はそんなのは信じてなどいない。
愛に限らずなんだっていずれ終わりが来る物。
それにあまり盲目的に愛し過ぎていると、その愛が冷めてしまった時が嫌だから、私はミーナとは付き合ってこそいるが、キス以上の関係を求めなかった。
…そう、あの時までは。
――This love never ends――
「ねえ、トゥルーデ」
「なんだ、ミーナ」
昼下がりの食堂。
私はミーナに話しかけられる。
二人で向かいの席に座っている。
ミーナはどことなく怒っているようで。
「トゥルーデ、私の事愛してる?」
「なんだいきなり。そんなの当たり前だろ」
「ならどうしてキス以上の事をさせてくれないの?」
「どうしていきなりそんな事を聞く?」
「私達付き合っているのよね?…これじゃ繋がりが希薄過ぎて…」
「キス以上の事をしなくとも、私達はお互い想い合っているじゃないか。
…私は現状それでいい」
私の言葉を聞いたミーナは暫くの間、黙っていた。
ミーナの瞳が暗く沈んで行くのが分かる。
「ミーナ…私は」
「私、それじゃ嫌よ」
「…え…」
「せっかく貴女と両想いになったんだもの。…私は貴女が欲しいわ」
ミーナは真っ直ぐな瞳で私を見つめそう言った。
私を見つめる紅色の瞳が揺れる。
「トゥルーデ」
いつの間にかミーナは私の近くに来ていた。
そして私はミーナに抱き締められる。
「…もう私はキスだけじゃ嫌。身体中で貴女を感じたいの」
「ミーナ、私は今のままでいいんだ…」
「…トゥルーデ…どうしてそこまで拒むの?」
ミーナは悲しそうな声で呟く。
「…私は…お前の事を愛しすぎたくないんだ…。
いつかこの想いが消えた時…その時の事を考えると…私はお前をそこまで愛せない」
「…つまり“永遠”は無い、という事かしら」
「…そういう事だ」
…部屋中に時計の音だけが虚しく響く。
そんな憂鬱な静寂を破る様にミーナが口を開いた。
「…そうね。貴女の言う通り永遠なんて無いのかもしれない。…なら」
ミーナは私の頬に手を添え優しく、だが力強く私に言い放つ。
「私達が永遠を切り開いて行けば良いのよ、トゥルーデ」
「私達が…永遠を…?」
「そう、永遠が無いなら私達が私達なりの永遠を創れば良いの」
私は驚いた。
先程まで揺らいでいたミーナの紅色の瞳は、今まで見た事が無いくらいに輝きだしていた。
「…私達にそんな大それた事が出来るかな」
「出来るわ。だから、トゥルーデ」
ミーナは私の手をギュッと握る。
「今はまだ我慢しておくわ。でも、覚悟してね。
いつか貴女の身体も私のモノにするから」
「…やれやれ、やけに堂々とした宣言だな」
ミーナの言葉に私はただただ、苦笑する他無かった。
だが、それも悪くないと思ってしまった私はやはりミーナに毒されているのだろうか。
「だから今はこれで我慢しといてあげる」
ミーナはそう言うと、私にキスをする。
ミーナの表情はまるで子供みたいな無邪気な顔。
ミーナに全てを許してしまうのも、時間の問題かもしれないなと思いつつ、私はミーナからのキスを受け入れる。
――ミーナ、お前のおかげで少し考え方が変わった。
ありがとう。
だが、私が“永遠”を認めた時、それは私が完全にお前に堕ちた時だ。
お前がそれでも良ければ、私を受け止めてくれないか。
その時はお前に全てを委ねてみる。
私の酷く頑固な所まで愛してくれるならば。
私は“永遠”を信じてみる事にするよ。
END
以上です。
っていうかお久しぶりです。
久しぶりのSSがミートゥルです。
ゲーム…どうなるんだろうか…
他CP好きにも配慮した出来になるといいんだけどなあ…
…爺はここら辺で…
じっちゃん乙です
エーゲルと少佐隊長がメジャーになってきてるからミートゥルは少ないよな・・・
知りたいようで知りたくないが、冬コミの百合とそれ以外の割合はどんなもんだったんだろう
ふたも一応百合に含めるとして
ショップ回って割と確保できたけど・・・表紙買いして地雷踏むと死にたくなるよな・・・
じっちゃんお疲れ様です
>>196 その話題はスルーで
ミートゥルはなんかすごく生々しいというか将来まで続いていきそうななんかがあるなーw
じっちゃん乙です
たまには2chらしくコピペネタでも投下してみる。一応エイラーニャ
777 :Socket501: 投稿日:44/05/01 22:30 ID:Bf109-G2
半年ほど前に、二つ年下(13歳独身中尉)の僚機から「一機整備して欲しいの」なんてと言われました。
ま、使い魔同士も仲がいいし、彼女に言われたら悪い気もしないので二つ返事でOKした。パーツの買出しはスオムスからだったので、一緒に食事をして帰ってきたらいい時間に。
で「続きは明日にでも」と言ったら「構わなければ、今晩試験飛行したい」とのこと。
私は昼シフトでサボリなので断る理由も見当たらず、そのまま組み立てにかかった。なんだかんだで仕上げの魔力のマッピングが終わる頃には深夜になるワケでいい加減疲れちゃって、ちょっとベッドで横になったら寝込んでしまいました。
夜中に・・・っつーか、朝方だったのですが、ふと気が付いて腕時計を見ようとしたら重くて腕が動かない。
そう、彼女が勝手に私の腕を枕にして横で寝ていたのです。
チャンス到来か、、、いや、親の関係もあるし、、、でも、、、ああ、、、とりあえず葛藤の末の結論として、彼女を起こさないように帰ることにしました。
778 :Socket501: 投稿日:44/05/01 22:31 ID:Bf109-G2
翌日、彼女から書置があって、御礼に食事ご馳走したいと誘われました。他愛もない事から、日常の話題、戦場での話、ストライカー全般の話になったところで思い出したように彼女が「ストライカーを音速にしたい」と言い出したのです。
そりゃ、私でももうピピッときましたよ。女の友達(兎)なら5分で済ませる話なんだけど、当然ながら難しそうなフリをして彼女の機体へ向かいました。
たかが音速でしたが、ついでにカスタマイズやら途中だった設定やらでまたまた作業は深夜に及び何とか終了。
何気に重い空気が流れたあと、彼女が「今日は勝手に帰らないでね」と。
それ以来、事あるたびに呼び出されること数回。
補修部品の買出しとか、カメラ撮影とか称して何度か一緒にでかけました。
で、昨日のことなんですが「私自身のサポートもして」と言われました。
例によって断る理由が見当たらないので「一生サポートする」と言っておきました。
元ネタはカップル板のコピペでございます
おやすみ
>>189 どう考えてももっミーナでした。
ほんとうにありがとうございました
一瞬自作PC板かと思った。GJ
砂漠の虎のフレデリカさんとか、元ウィッチが技術者として
ストライカー開発に関わるのは結構ありそうだよなあ。
501やいらん子で該当しそうなのはシャーリーやウルスラあたりか。
ゲームに竹井さん出るらしい!
ミーナとペリーヌと竹井少尉によるもっさん争奪戦が見たい...。
竹井少尉と文通し続けてるもっさん、その手紙の内容が気になるけど扶桑の文字が読めなくて
二人がどんな関係か分からずやきもきするミーナさんとか誰かSS描いてくださいお願いします...
>>201 エイラがそんな男前な台詞を・・・だと?!
>>204 エイラとサーニャの秘め声の起動・終了が聞きたくなったww
ハードは大丈夫だけど、ソフトになるとてんでダメになるエイラ
ビデオの録画は何時もサーニャ任せとか
見守ってるサーニャカワイス
エイラも初期の頃は「こんなの簡単にツクゾ」とか他の人と同じ様に話してるんだけど
サーニャにお礼言われて「ナ、ナンテコトナイッテー」と言いながら不意にドキドキしちゃって
(うー。ナニドキドキシテンダワタシー)とか思っていたらたまらんな
ラフ絵も上手いじゃないか。すごいなあ
それじゃあ裸婦絵も頼もうか
>>208 かわいいのうかわいいのうww
エイラ「電気系統は異常ねーな…あの飛び方見るとやっぱ魔導エンジンの方か…(ブツブツ)」
サーニャ「あの…」
エイラ「魔術符の方に問題あったらちょっと面倒ダナ、オラーシャ機じゃ魔法の系統違うし…ン、点火系はどうかな(ブツブツ)」
サーニャ「えっと……」
エイラ「おっ、ジャスト。流石私だな。これならキャップ交換で間に合う…って何してんだーオマエ?」
サーニャ「あ、あの…」
エイラ「ああ、心配スンナ!スオムスから部品取り寄せて換えりゃすぐ直るから。任せとけって、オマエは部屋でのんびり待ってナ(カチャカチャ)」
サーニャ「あ、う、うん…(そうじゃなくてお礼にご飯のお誘いに来たのに…)」
っていう感じでパソ組むのに夢中なオタク状態!になって空気読めてない初期エイラを想像しちゃったよ
誰が上手いこと言えと(ry
216 :
1/5:2009/01/09(金) 14:47:22 ID:G4elIpI4
zet4j65z=
>>167です。今回本当に妄想の垂れ流しです。
キャラが殆どオリジナル状態なんで先にゴメンナサイしてから投下します。
●スオムス1944 CHASERS
1944年6月、ヴィープリ上空〜ラーッペンランタ基地。
「なぁ、ニパ……」
「なんだい? ハッセ」
「おまえ……」
本当はブリタニアへ行きたいんじゃないのか?
そんな言葉を飲み込んで、視線を走らせていた列機のニパから正面へと視界を切り替える。
「いや、なんでもない」
「なんだよ〜、言いたい事あるならはっきり言えよな、ハッセ」
「……いや、すまなかった」
私はハンナ"ハッセ"ウィンド。
スオムス第24戦隊で第3中隊の中隊長を務めている。
この10日間以上の連戦の中で30機近いのネウロイを撃墜してはいるというのに、雲霞の如く押し寄せるネウロイは一向にその数を減らす気配が無い。
1944年、初夏。
それまで鳴りを潜めて小康状態にあったスオムス方面でのネウロイの攻勢は、全戦域にて激化した。
先日までは時折飛来する小規模なネウロイ飛行隊と小競り合いを繰り返すばかりだった我々第24戦隊も、連日スオムス領空へと侵入する大規模な戦爆連合部隊の迎撃に大わらわだった。
すっかり身体に馴染んだメルスを駆ってネウロイを討ち、蒼穹に星を散らす事が日常となり、見る間に撃墜スコアは伸びていく。
時折襲い来る掛け替えの無い仲間との永遠の別れにも負けずに涙を笑顔に変え、皆でこのスオムス、ひいては人類を護るという意思が一体感を作り出して私達を高揚させていた。
そんな一体感の輪の中に馴染めない奴がいた。
ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン、通称ニパ。
恐ろしい程の才覚に溢れ、圧倒的な実力を持ちながらも原因不明の不運に付きまとわれ、「付いてないカタヤイネン」と呼ばれてその正当な評価を受けられていない傷だらけの航空歩兵。
それでも、何度も翼を並べて一緒に戦場を駆け抜けてきた私や戦隊長、部隊のみんなには分かってるんだよ。
お前こそ最高のストライクウィッチなんだ、って。
だからそんなひねた目で世の中や仲間のことを見なくていいし、無傷のエースであるエイラ・イルマタル・ユーティライネンの事だってそんなに意識しなくて言いと思うんだ。
「あたしはさ、陰でコソコソ言われるのが嫌いなんだ」
「ニパ……」
「だからさ、ハッセも何か思うところがあるんなら言ってくれよ」
「いや、それは……」
お前がここスオムスに居辛くて、ブリタニアの統合戦闘団への転属願いを出したのは知ってるよ。
後方の連中や現場を知らない奴らにとっては、お前は貴重な機材をぶっ壊してまわる疫病神に見えてるんだろうから。
でも、近しい人間は感謝だってしてるんだよ。
整備班長だって、ニパが変な不具合出したお陰でメルスの欠点改修できたって言ってたし、ね。
班長はしょっちゅうお前の事怒鳴り散らしてるから、その感謝の気持ちはうまく伝わってないかもしれないけどさ。
皆がみんなちょっとだけ人間付き合いが下手なだけなんだから、自分の実績にもっと胸張ってくれていいんだよ、ニパ。
217 :
2/5:2009/01/09(金) 14:48:08 ID:G4elIpI4
「…………何も、無いのかよ?」
「ん……ああ……」
正直な所、私だって人付き合いが得意な方じゃない。
今だって、色々と思うところがあってもうまく言葉に出来ないでいる。
それだけじゃなくて、あんまりお前のことを意識すると余計に思考がぐちゃぐちゃになって、動悸が上げしくなって、なんだかわからなくなる。
多分、おまえのことを心配する余りのことだと思うんだが……面と向かって何もいえなくなるんだ。
さっきだってそうだ、横目にお前のことを視線に捉え、薄い色の短い金髪と澄んだ空色の瞳、スレンダーな肢体に何度傷ついても使い魔のお陰で傷跡一つない白磁の肌を見ているだけで、全ての言葉が引っ込んでしまったんだ。
「あんたならさ……トップエースで"極北のマルセイユ"のあんたなら、あんまり喋んないけど……ホラ、何言われても説得力あるから……」
「…………」
持ち上げられてしまった。
とはいえ、そのニックネームは実感がわかない。
ただファーストネームと使っているストライカーが一緒というだけで知らないうちにそんな呼ばれ方もしているだけだ。
勝手に名前を使われていては向こうも迷惑ではないかと思うのだが、どうなのだろうか?
しかし、そのお前にそんなに評価してもらえてるとは……動悸が激しくなるな……赤面しているかもしれない。
空戦中でもないのに赤い顔をしていたら心配をかけてしまうかもしれない……顔は見せられないな。
だが、ここまで言われて何も応えられないのは不義理だ。
いやしかし何と言う?
下手なことを言って彼女を傷つけるのは本位ではない。
かといって黙っているわけにもいかないのにうまい言葉が無い……。
そして逡巡し、迂闊にも振り向いた私はニパと目が合っってしまった。
そこで思わず口をついて出た言葉は……。
「お前の瞳は、美しいな」
「へっ!?」
あ……。
しまったつい本音が……いやしかし大丈夫だ。
だれも自身の身体部位を美しいとほめられて、まぁ戸惑うものはいても傷つくものは居まい。
発言はミスであるが致命的ではない、筈だ。
「お、おまえ……クソッ! はぐらかすなよな!」
「え?」
「いいよ、もう」
一瞬声を荒げてからそれっきり、ニパは黙ってしまった。
むぅ、怒らせてしまったのか……。
やはり、難しいな。
謝罪したいが、口下手なのが悔やまれる。
しかし、幸いなことにそんな気まずい沈黙は長く続かなかった。
「こちらハッセ。敵機発見! 見えるか? 鉄道上に小型ネウロイ7」
「ああ、確認してる。ニパも敵機発見だ。もちろんヤるだろ」
「当然だ」
短く応えて加速。
高度をとってから切り込んでいく。
メルスGのDB605魔道エンジンがうなりを上げ、機体はぐんぐんと速度を上げていく。
しっかりと構えたMG42の感触を確かめるように引き金を絞り、一連射。
先制攻撃はネウロイにとって奇襲となり、私はこのすれ違い様の一撃で一機を撃墜した。
だが、その先が続かなかった。
雲量が多いのと、雑念に思考を取られていたせいで別働隊の存在に気付くのが遅れたのだ。
「おい、ハッセ! 直上だ! 雲の上から来る! かわせっ!!!」
「クッ数が多い……ひとつ、ふたつ……20機近いか!?」
218 :
3/5:2009/01/09(金) 14:48:44 ID:G4elIpI4
応えながら、第一撃を回避。
おびただしい数の火線が一瞬前まで私の居た空間を薙ぎ払う。
ズーム上昇で得意なパターンへと持ち込もうとした矢先に頭を抑えられ、上昇のチャンスを逃した私は見る見る速度を失っていく。
ニパとは互いに視界の隅で場所を計りあい、死角を補い合う。
ネウロイと我々、互いの火線が交差し、戦況は混戦模様となる。
普段ならなんてことの無い敵ではあるのだが今回は余りにも数が多すぎた。
複雑に絡み合った軌跡の中で何とかもう一機撃墜することに成功するが、これで突破口を開けると思ったその一瞬の隙が私に致命的な一撃をもたらした。
「ハッセ!!」
「ぐうっ!」
左足に灼熱の衝撃が走った。
狙い済ましたものではなかったのかもしれないが、とにかくこちらの防御の隙に相手の攻撃が飛び込んだようだ。
開いた突破口は、反撃ではなく逃走に使わざるを得なくなった。
激痛に意識が朦朧とする中で、本能だけでメルスを操って火線をくぐり、ラッペーンランタ航空基地へと進路を向ける。
『コイツ等は全部引き受ける』『全部叩き落してやる!』『ハッセは逃げろ!』『絶対に生き残れよ!』
無線越しにニパの威勢のいい声が響き続けている気がした。
無理だ。
少なくとも私には無理だ。
あんな数の敵相手にたった一人で立ち向かうなんてことはできない。
自分が臆病なつもりは無い。
ただ、自分の力をわきまえているつもりだ。
無理はせず、生き残り、根気よく一日でも多く戦い続けることこそが最終的により大きな結果を生む。
資源の乏しいスオムスのウィッチとしてそう心がけてきた。
だから自分の限界は解るつもりだ。
ニパを見捨てて逃げたくなんか無かった。
でも、私が死ねば……今このスオムスで活動を続けるウィッチの中でトップエースである私が斃れるようなことがあれば、それは全軍の士気にもかかわるだろう。
そう、私では無理なのだ。
でもニパなら?
ニパなら何とかできる気がした。
あんな絶望的な状況をひっくり返せるだけの力を持っている気がした。
あいつは本当はわたしや、ひょっとすると先読みの固有魔法を持つイッルよりも空戦の実力が高いかもしれない。
そして誰よりも逆境に強い。
ニパの潜り抜けてきた死線は並大抵のものではないのだから……。
そう思うと危機感が薄れてきた。
引き返せと心で叫び続ける私をスオムスの兵士としての冷静な私が押し込んで、私はラッペーンランタへと帰還した。
そして私は、着陸と同時に意識を失った。
後で聞いた話しだが、私は意識を失うその寸前まで『まだニパがいる。まだニパがいる』と呟いていたそうだった。
そして私の想い通り、ニパはその日の空戦で27対1の戦闘に生き残り、あまつさえその中で3機もの撃墜を記録したという。
信じない人間も多かったようだが、私はそれが真実だと確信していた。
一週間後、私の入院する病院に重傷を負ったニパが運び込まれてきた。
被弾して帰還し、着陸に失敗したらしい。何でも転がって吹き飛んだストライカーユニットが基地の屋根に突き刺さるほど派手な事故だったらしい。
一時はかなり危ない状態で、見舞いに来た戦隊長は昏々と眠るニパの胸に自らのマンネルハイム十字章を置いて去ったという。
私も同じ想いだ。
ベッドから起き上がることが出来たのならきっと同じことをしただろう。
むしろ私に二つ目の勲章をくれるくらいなら早い所ニパに与えてやって欲しかった。
そして幸いにも一命を取り留めたニパは、結局私と共に2ヶ月ほどの入院を余儀なくされていた。
219 :
4/5:2009/01/09(金) 14:49:34 ID:G4elIpI4
1944年9月初頭、とある病院。
「って言うか大尉、ちょっと鈍感すぎです」
忙しい待機の当番の合間に見舞いに来てくれたエリカ・リリィ曹長と話をするうちに、いきなりそんなことを言い切られてしまった。
「鈍感、か……空戦での空気の変わり目とかはそれなりにうまく読めているつもりなんだが……」
「はぁ……だからそういう事じゃなくって……人の気持ちまで分れとは言いませんから、もうちょっと自分の気持ち位理解してくださいよ」
「いや、そういわれても……何の事やら」
戦場での以心伝心に関しては極めて高いレベルで行えている自信はあるし、実際リリィ曹長にも迷惑をかけた覚えはないと思うのだが……。
「もぅ、なんでこううちらの指揮官はそういうところに疎いですかねぇ」
「いや、本当によく解らないんだが……」
理解できずに困っているとびしっと指を指されながら言われた。
「断言できます! ハッセ大尉はニパに恋してます!」
「え!?」
こ、恋って……いや、それはたしかにニパは可愛いがしかし上官と部下がそんな関係になったらまずいだろうというよりはむしろ私たちは女同士じゃないか……。
む、むむ? なんだか顔が熱いぞ。
「ふぅ、やっと人並みに赤面してくれましたね。その方が戦場での出来事を話しつつ真顔で惚気られるよりはよっぽど健全です」
「イヤ、別にそんなつもりは……」
「つもりが無くてもそうにしか見えないんですよ。自分だって人気があるんですから、その辺の機微と言うか何と言うか……もうちょっと理解して欲しいです」
「いや、あの……」
「アホネン大尉みたいになれとは口が裂けてもいえませんけど、自分の感情に位は素直になってくださいよ」
「じょ、じょうかんを、からかうもんじゃないよ、エリカ……あはははは」
いやまて自分。何故私が動転しなくてはいけないんだ。
と、とりあえず話題をそらして落ち着かなくては……。
「そそそ、そういうエリカはどうなんだ? ほら、好きな人とか、そういうのは……」
「ああ、私ですか? わたしの場合、イッルに憧れてましたけど、元々倍率が高かったんですよねぇ」
「そうなのか!? っていうかお前もそういう趣味なのか!?」
「ウィッチにはよくあることですよ」
ううむ、良くある事なのか……。
しかし、けろりとした顔で肯定されると先ほどまで以上に反応に困る。
何か、こう……気の効いた返事を……。
「で、ですね、大尉」
「あ、ああ……んむっ!」
な、何だこれは!?
唇に、柔らかいものが……って、これは……エリカ!?
湿り気を帯びた、薄い唇の感触。
触れ合うだけの、それはキス……。
頭がくらくらする、何故私は今エリカと唇を重ねているんだろう?
「……んはっ……」
「色気が足りないです、大尉」
「あああ……ええと……その……」
「では、エリカ・リリィ曹長、持ち場に戻ります!」
220 :
5/5:2009/01/09(金) 14:50:35 ID:G4elIpI4
そうして赤面してどぎまぎしたままの私に対し、やけにびしっとした敬礼でそう告げるとくるりと背を向け退室してしまった。
後にはなんとも情けない状態の私が残された。
病室での有り余る時間はただひたすらにリリィ曹長の行動を反芻し考察することに費やされ、暫くしてから傍と我に返った。
リリィ曹長の仮定が正しかったとすると、私はこれからどんな顔でニパに会えばいいんだろう?
意識すればするほど動悸が激しくなり、顔が熱くなる。
まずい、これはまずい……。
私たちは同じ病院に入院しているのだ。
今までも何度と無く顔を合わせている。
これまでは問題なくコミュニケーションをとることが出来たが、こうして意識してしまうと非常にそれが困難な事のような気がしてくる。
思考はぐるぐると悩みの螺旋を描き、深みへと填まっていく。
そんな私をあざ笑うかのごとく、ノックもなしに病室に入り込んでくる人物がいた。
当のニパだ。
「!」
改めて様々な思いが去来する。
もともと混乱していた頭の中がもういっぱいいっぱいになって、ただその綺麗な瞳を見つめることしか出来なかった。
ニパはそんな私の思いなど知らず、一方的に要件を告げる。
「ハッセ! ネウロイの連中が撤退を開始した! スオムスはこれで安全だろ! だからさ、ブリタニア行くんだ! 中隊長の許可も貰って来いって言ってたから、ほら、ここにサイン……よしよし、おっけ〜」
う、勢いに押されてサインをしてしまった……。
「あ……ニパ……あの」
「おいおい、ハッセ顔が赤いぞ。いくら連中撤退したって言ってもまだどうなるんだかわかんないんだからな。さっさと復帰して皆を安心させてやってくれよな」
「え、あの、私は……」
「じゃっ、ブルーステルをセットアップさせてるからさ、北海回りでブリタニア、いってくるわ〜」
バタン。
言うが早いか、扉が閉じられた。
本日2度目の情けない自分をどうにか冷静に見つめ返しながら、ニパがいなければ焦ることも無くなるのかもしれない、と納得しかけてリリィ曹長のことを思い出し、再び悩みの底へと落ちていくのだった。
実は時を同じくしてガリアではネウロイの巣が消滅し、ニパが参加しようとしていた第501統合戦闘航空団は解散しようとしていた。
そこはまぁあいつが『ついてないカタヤイネン』の名の通りツキに見放されたままブリタニア迄たどり着くことになるのだが……。
以上となります。
ハンス・ウィンドのウィッチキャラがいたら絶対ハッセ>>>ニパだよなぁとSSを初めて投稿した時から思ってました。
で、名前的にエリク・リリィあたりもネタにしやすいだろうと思ってたらブックレットで名前ドンピシャだったんで
嬉しくなって誰も付いて来れないだろうと思いながら書いちゃいました。
暫く前にちらっとプロットを書いたニパ話の冒頭部分になってますんで、これからだらだらと書いていこうかと思ってます。
ハッセに関してなんですが、
・名前がカールスラント系
・文献読んでても元ネタの人に関する面白エピソードが無い
・元ネタの人は指揮官で階級が大尉で戦争後も軍に残ってたりする
このあたりから色濃いに弱い堅物系として描いてみました。
『ハッセはソンナンジャネーヨ』って異論は認めますがニパに惚れてるのは譲れないっすw
俺の中でリアリティと描写に定評のあるzet4j65z氏キター!
堅物通り越してるウィンドかわいいよウィンド
リリィは名前のまんまだなwしかしスオムスの魔女は全くもう・・・w
元ネタだとバッファロー名人って言われてなかったっけ?こいつBWで全然強いからもうBW宛がっとけば良いや
みたいな扱いされてたような・・・別の人だったかな
本スレでムック情報きてたけどやべえww
声優色紙の所で凄まじい萌えがwww
うm。絵も良いけど文も良いね
>>222 エイラーニャはホント鉄板だなあ。
それ以上に「お姉ちゃん万歳!!」にワロタ
結ばれるってのは、つまりあれですね
ここの住人でゲットした人はいないのかな
エイラーニャの初陣の話し書いた者です。今回は1940年代らしく(英国やソ連っぽく)節操のない扶桑が出てくるので苦手な人は注意。まだカ
ップルまでは進展せず、です。
1944年、春のシベリアは、にわかに混乱状態に陥っていた。発動機の轟音や、機銃やドイツ風にオルカン(大暴風)と称される超音速ロケット
弾の発射音、ネウロイの雄叫びや悲鳴に満ちたその空の下では、嘗て粛清から逃れてきた人民が今度はネウロイから逃れるべく、列を成して東へと
向かっていった。
イルクーツクの戦いでのオラーシャ軍の全滅により、ウラジヴォストーク演習は目的を果たせず、ネウロイはチタをも生存圏とし、鉱物資源を餌に
増殖し、シベリア鉄道、バム鉄道を混乱させ東西の交流は不可能になったからだ。ネウロイは積極的には人を襲わないが、金属を持っていればその
限りでなく、森林生活の可能な先住民を除けば、群れを成すT−34/85の残骸を貪り喰らうネウロイと暮らすことは出来ない。
鉄道の時刻表は信頼性を喪失し、圧死者の続出する貨車を戦車跨乗兵のように客にしがみつかれた機関車が引っ張っていくと力のないものは諦観を
懐き、力のあるものは人間らしさを余すところなく発揮した。
結果としてあるのは取り残された老人病人孤児怪我人と様々な犯罪もしくはそれに匹敵する悪行の類、飢餓がそれに拍車をかけた。
列車を待つこれらの人々にとっての唯一の希望は(扶桑を護るため)反撃を開始、連戦連勝を重ねる海軍第十一航空艦隊をはじめとする扶桑の航空
隊の存在だったが、それに関してある噂が流れていた。それによれば航空隊の主力は金属製の飛行機であり、魔法少女が含まれていないらしい。噂
は正しくなかったが、大体事実と合致していた。
満州における数少ない魔法少女の一人、最近扶桑へ出張中の坂本美緒は普段噂に聞くのと正反対の疲れの滲み出た諦め顔で眼光だけ鋭くして敵を求
めて飛んでいた。彼女に続く魔法少女も皆同じような表情だったが、しかし彼女等がよく訓練された優れた戦闘員であることは、完璧に安定した飛
行の仕方から判るだろう。そんな彼女等が何故追
い込まれているのかというと、もはや戦力としては扶桑に見切りをつけられ空母への大量の搭載が難しいことを利用され、大艦隊を造る口実や、ネ
ウロイに苦しむ他国との交渉の手駒にされていることがよく判ったからだった。与えられた任務も先制空襲隊という名の囮であり、数百機と会敵す
るネウロイとの戦いで、その数は三日で十六人から六人になった。美緒たちは自分達が犠牲になるとはおもっていなかったが、扶桑は冷酷な国家で
あった。
例えば、南洋島の苦い経験から、扶桑は自治領内においても破壊的すぎる産業活動、特にプランテーションと単民族優越主義を禁じていたが、それ
は人道上の理由ではなく百年以上の間文明を破滅させないためだった。その証拠が中華国に対する待遇である。中華思想の高まりが国家分断の原因
になると判断した扶桑は、それをあえて初動で封じず、少数民族に対する弾圧が始まると世界に大々的に宣伝して世界の支持を得、軍を用いて内政
、外政を掌握した上で制裁した。扶桑は犯罪的だが容易で利益のある方法を利用した。先ずは鉱山の採掘権をアジアの同盟各国と山分けし、その一
部を口封じを兼ねてUKと合衆国に担保とし、国債を大量に発行して資本を取り入れた。
同時に行なわれた徹底した、(あくまで扶桑の傀儡の新政権による)飢餓輸出も結果的には経済を活性化し、何度目かの時には世界恐慌を早期に止
めた(あくまで正体を知らない一般人にとっては)優れた政策とされた。このことが発覚するのは一世紀の後のことだった。
しかし彼女等は長年信じ、尽くした扶桑皇国に失望せざるを得なかった。彼女等には何の有害性もないのだから。
それでも彼女等が反抗しないのは、六人それぞれの訳があった。貧しい農村漁村出身のものは扶桑に恩を感じていたし、同様に裏社会から脱出できた
ことに感激する者もいる。
美緒が今、戦い生き残る決意を固めているのは自分達と同じ境遇に、入隊させるよう命令された宮藤芳香という少女を陥らせないためであった。護る
べきものがあるにも拘らず連合空軍の名の元にスオムス、オラーシャそしてロマーニャから抜擢されてきた魔法少女を知ってはいたが、彼女等もあき
らめていればこそ闘えるのであって完全に騙すのは危険に過ぎる。
逡巡はあったが、今の扶桑なら上手いことその気にさせて入隊させることが出来る以上、何とかその意思を挫折させなければならなかった。その策は
簡単に言えば偽装と機密漏洩であり、他人には云えなかった。
そんな彼女等にとって今日の出撃は決して悪いものではなかった。六人では囮にすらならないため、分進合撃でネウロイの落伍機を狙うことになって
いた。
分進合撃と言う戦法が採られたのは、明らかに、根こそぎ持ち去ったカールスラントの科学者や失職したロールスロイスの飛行機向けの発動機関係の
人員の助力もあって巡航速度が500qを超える新鋭機群、烈風改や震電改の高速が原因だった。それらが数百機も飛ぶ様は九九戦をあてがわれてい
る遣欧艦隊からすれば、唖然とするほかない光景である。遣欧艦隊も実際には八八艦隊計画の生き残り空母に機密保持と飾りを兼ねた旧式機をあてが
われているのである。
作戦の〆は六発機による、チタに集結し密集したネウロイの巣二十余に対する反応弾攻撃で、この反応弾というものは、それらが立ち去れば消えるネ
ウロイの瘴気と違い使用された地区一帯に百年近く瘴気をばら撒くらしいとの噂があった。
ネウロイに慌てた扶桑は未だ実験をも行なっていないこの兵器を使用するに際し、他国への宣伝と住民への避難勧告を兼ねたこの噂を意図的に流した
のだった。扶桑軍とはいえ、人体実験を行なうほど残虐ではない人もいるのと、主に安い労働力をオラーシャから、帰国させないことで奪うことが望
まれたがためだった。
扶桑の暗部を見せられ内心には雑念が渦巻いていたが、それを何とか振り払って美緒は眼に意識を集中させた。その視力が敵を捉えたのはレーダーよ
り早かった。それは視力と指導力で著名な坂井大尉より早かったが、競争をしているわけでもないのであまり勝利した感じはなかった。
敵は人型の旧式が二十機で通報と同時に駆けつけた烈風改によって撃墜される運命にあった。マーリン発動機を戦闘出力にして敵に向かうその姿をち
らりと見て、美緒達は進撃を続けた。数分後視界に捉えられたのは両手に余るネウロイの巣、及び最後の盾となった大型などが必死に破壊光線を張り
巡らせる姿だった。それらには1000m先からオルカンが、続いて落伍機には巣からの支援の届かぬところで新型の三十mm機銃が撃ち込まれ、魔法少女
に活躍の場はなかったし、残念ですらなかった。
脳裏には芳香に知らせるための準備の段取りが浮かんできた。それは実質的な副長の自分になら可能な筈だった。
芳香は、素直で正直だが、普段はともかく一度秘密にすると約束すれば口が固そうだった。美緒は、誰にも責任の残らない迂遠な当初の計画を変更、自
分の口から真実を吐き出そうと決意した。
芳香の家に向かう直前、交通事故が発生し、対処に時間と元気を食われながら、漸く芳香の自宅にたどり着けばなかなか覚醒せず、その後も、芳香に用
があり、覚醒したらすぐ二人きりにして欲しいと言ったにも拘らず暫くの間空気扱いされた。美緒には、その原因が、興奮しているわけを誤解されたた
めだとは判らなかった。また要件の伝達が不十分だったのも失敗であった。
母親と祖母が、壁に耳を当て、おい、あの女軍人サン、芳香に何するつもりじゃろか、何を、って言われても・・・寧ろ覚醒してしまうのが心配だわ、
・・・おい、あんた、もしかして目が醒めたら、てそういうことだったんかね、うーん、まさかとは思うけど、おっぱい狂いにする気かしら、従者にす
るには、可愛いしあの女も芳香のタイプだし、それでは跡継ぎが云々という会話を交わしていたことを知らないのは幸いとしか言えなかった。
芳香との話はかなり簡単に纏まったとりあえず状況は判ったが魔力が足りない不利をすると医院に迷惑が掛かるから些かばかり考えさせて欲しいと頼ま
れた。予想通りの答えだったので、どのみちブリタニアまでは海路進まなくてはならないから赤城に乗って軍隊を見つめつつ将来について考えるという
提案をすると、数日後に認められた。美緒は、田舎に住む過酷さを思い出して溜息をついた。だが、実際には芳香達も決意を固め始めたようだった。ど
っちがより好いのかには自信が持てなくなっていたが、美緒の想像通り事態は進展するように見えた。
扶桑とブリタニアの架け橋である遣欧艦隊、その欠点である防空能力の欠如を補うべく組み込まれていた王立海軍の新鋭艦、防空重巡ルドルフレッドノ
ーズ級が、主砲の6in高角砲を高くそびえさせながら爆沈していくのを見て美緒は絶句した。通常ネウロイは艦艇を狙う際には餌とするため浮かせておく
のが常だったからだ。明らかに撃沈すべき対象と撃破して喰えるものを選ぶ知恵をつけている証拠だ。
その先では切り裂かれ航行停止した赤城の姿がある。もちろん魔法少女の離発着には支障がないが、既に先ほどの自殺攻撃隊に続く捕食増殖隊がすぐ其
処にまで迫っていた。大型一機だが、今の戦力では勝ち目がほぼない。
九九戦隊は、美緒に別れの言葉を告げ、囮として吶喊していく。その死も、多くは美緒に対する妨害をなくすには至らなかった。美緒の耳にそしてイン
カムで繋がる芳香や、杉田等の耳に、天皇陛下万歳の叫びが、ナイフのようにねじ込まれた。
奇跡的に一機が破壊光線に捉われる前にネウロイの翼を切り裂き、焼いた。この隙を突いて美緒はコアを魔眼で発見した。しかし軍刀を使える状態でも
なく、数発の、過熱して腔発の虞のある機銃に頼らなければならない。思案に暮れる暇もない美緒は、無線からの声に銃を取り落としそうなった。
「宮藤芳香、離陸成功、これより救援に向かいます。」
誰にも気づかれずに離艦したという事は、小さい魔方陣でも飛び立てること、魔力の特に強いことを示していた。
戦いが終わり、艦内にいつの間にか充満していたガソリンが炸裂し、轟沈しつつある赤城に、芳香と震えながら、敬礼を送ることすら忘れて美緒は美緒
は疲れ果てていた。もはや芳香の初戦果をすら素直に喜べなかった。それは、あと何年かを無事に逃げ切れることを示唆していて、いくらか救いではあ
ったが。
芳香の運命は定まった、もはや偽装は不可能だった。
ミスりましたまことに申し訳ないです。
元50kbだったがウラジヴォストーク演習に35kbほど使ってることに気づいて自重した。
次からゆりなのでお許しを請います・・・
>>229 ゲットしたけど結構なボリュームで読むのが大変なのでとりあえずざっと読んだ感想箇条書き
・リーネ黒くしてごめんなさい
・芳佳おっぱい星人本気で確定
・中の人公認!エイラーニャ
・中の人公認?ゲルトマン
・中の人願望、ゲーリー
・8話の手紙、ラブレターかどうかはわからない。少年兵の設定もちょっと載ってたけどやっぱり名無し
・2期情報はないけどやる気は結構ありそうです。「今後をお楽しみ」等の「今後」があることは確定ぽい
・いらん子中隊の未公開表情あり?フミカネ画集にあったかな?
・オビのインパクト絶大
スタッフインタビュー沢山とショートストーリーもあるけどそれはまだ読んでない
あと最初のページと最後のページに恐らく新規であろうイラストあり。大判イラストにシャーリー念願の初出演
> ・いらん子中隊の未公開表情あり?フミカネ画集にあったかな?
wiki編集委員だけど、これが気になる……
リーネの元ネタも書きかえなきゃいけないし。
>>233 乙
メモ帳で書いたみたいだな。
こういう横書きの文章では、図書に書かれた縦書きの文章とは違って
一定の字数(原稿用紙なら20文字)になったら強制的に改行する、
ていう手法は、あんまり適用しちゃいけないんだよな。
人によって異なるだろうけど、文がある程度の文字数に達したら、
読点等の区切りの良い箇所で、区切るのが読みやすいと思う。俺の場合は40文字程度。
横幅を増やすより、例えレスの数が増えたとしても、
縦の幅を増やした方が、人間の目からすれば読みやすいんだよな。
相関図みたいのもあるっぽいけどそれは?
ゲーリーて
>>239 たぶん明日手に入るから、自分で実際見てからwikiに反映させますね。
あと、エルマ中尉のモデルがルーッカネンじゃないかもしれないということで
もう一人候補をwikiの方に載せておきました。
不確実な情報なんで、まぁ、参考程度に。
>>234 素晴らしい内容だな軽レポ乙
一人暮らししてれば今すぐにでも買うんだがな、親以外に見る人なんていないわけだし
>>239 それは、エイラーニャが相互矢印になったところ以外は
股間講習会で書かれた相関図と全く同じ、ってことでいいのか?
しかし3000はきついぜ
今月は出費がかさむし・・・SSとかが百合的においしいなら悩む
3000円て学生でも安いような・・・まあ人それぞれだけどね
あとwiki編集者さんいつも乙です
SS書くときの参考にさせてもらってます
>>234 >中の人願望、ゲーリー
ほうじ茶フイタ
願望か…小清水さんか園崎さん発言か…?
>>244 園崎さん発言だったらハルトマンもとい野さく涙目過ぎる
いや、声優の発言や公式設定に囚われすぎるのもどうかと思うが。
まあな。2828するのはまったくもって問題ないが、落ち込むのはイクナイ
最近シャーリー×エイラ妄想が全力で止まらない俺に隙は無かった
エロゲみたいな事になってきたよ!脳内で!
>>234 ゲーリー吹いたwなんと響きの悪い言葉ですこと!
しかし買うしかないではないか
買おうかなあ
どうしようか
SSがどんなもんかによるな
どんな媒体でも美味しくいただいてSSの糧にする
備えよ常に、だ…
ゲルトルート、ペリーヌ、シャーロット、エイラは明日休暇をとるそうです
ゲ〜リ〜ゲ〜リ〜
ホォ〜ムラン!
↑園崎さん位にか分からないかも
強い強い冬の嵐の日。
買い出しの帰りに二人で相合い傘をして帰路を急ぐエイラーニャ。
サーニャが濡れないようにと水色の傘を必死にさすエイラ。
エイラが寒くないようにとしっかりと寄り添うサーニャ。
そして基地に着いたら、二人で仲良くお風呂に入って、
ぽっかぽかのまま、仲良く一緒の布団に入るエイラーニャ。
そして私はは傘が壊れてしまい、ずぶ濡れのまま電車に乗っていると。
午前の訓練をしたあとみんな戻ってきてるのにエイラだけが戻ってこなくて
心配になったサーニャがハンガーに行ったらエイラが整備員に整備について指導をしてた
って妄想がきて文章に起こしてたら途中でどう書けばいいかわからなくなって投げた
>>251 買ってきました SSはどれも短く、挿絵2/1ページを含めて3ページほどです
☆シャーリー単独
5話の後日談。シャーリーの清々しい性格がよく出てます
☆芳ペリ
もっさんが急用でペリの料理を食べられなくなってしまい、かわりに芳佳が食べる話
ペリがかわいい!最初だけ微妙にもっペリ
☆エーゲル
ゲルトがエーリカの洗濯物をむかむかしながら洗ってあげる話
芳佳にゲルトはエーリカが好きなんだと言われて、そうだな私はエーリカが好きなんだなと気付くお姉ちゃんでしたとさ
>そうだな私はエーリカが好きなんだなと気付くお姉ちゃん
君、これはまったく骨の折れる仕事だよ、シャーゲル派の私としては!
>>258 >芳佳にゲルトはエーリカが好きなんだと言われて、そうだな私はエーリカが好きなんだなと気付くお姉ちゃんでしたとさ
その内容に偽りは無いなああああああああああああああああああああ
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお
>>257 そんなエイラを見て何故か胸が痛むサーニャ
その晩いつものように二人で部屋にいるが様子がおかしいサーニャに対し、おろおろヘタレるエイラ
色々あって自分の気持ちに気付いたサーニャがエイラを押し倒し以下略
ダメだ・・・俺には文章にすることなんてできねえ・・・
すっかり忘れてた
明日買ってる来る
フミカネの画集も普通に売れ残ってるような田舎だから多分有るだろう
263 :
滝川浜田:2009/01/10(土) 00:54:27 ID:11V3YIyY
皆さんこんばんは。
ムックか…そのうち買う!…かもしれない…多分…
今日はエッキーニだかシャッキーニだかエーゲルだかシャーゲルだかいまいちはっきりしないSS投下します。
※悲恋注意!苦手な人は避難!
3レスほどで参ります。
枕に顔を擦り付ける。
知っていた。
知っていたのに、私は目の前にある事実を受け入れられずに独りきりの夜を過ごす。
外で寝るのもなんだか肌寒くて、あたしは今夜は珍しく部屋にいた。
「シャーリィ…」
声に出るのは、愛しいあの人の名前。
でも、いくら呼んでもあの人の心にあたしは無い。
人を想うのがこんなにも辛く、苦しいだなんて。
揺らぐ。
あたしの頭には、シャーリーの姿が浮かんだ。
揺らぐ。
あたしの頭には、キスをしていたシャーリーと大尉の姿が浮かんだ。
こんなこと、今思い出さなくてもいいのに。
まるで、さっきの出来事みたいに鮮明に甦ってくる。
ああ、今頃シャーリーは大尉と…
そう考えると涙が出そうになる。
でも、あたしは泣かない。
シャーリーにそう教えて貰ったから。
「……シャーリー…シャーリーなんか、大嫌い…」
ウソだ。
あたしはシャーリーの事が大好き。
ううん、愛してる。
その想いはシャーリーに恋人がいるって知ったその後も変わらない。
だから、余計に辛いんだ。
コンコン
ドアを叩く音がする。
「ルッキーニ、いるんだよね?
ちょっとお話しない?」
中尉の声。
あたしは返事なんかしてないのに、ドアが開けられる。
「ありゃ、やっぱり荒れてたか」
「…なんの用」
「お話しに来たんだよ。平たく言えば傷の嘗め合いかな」
「……」
「ま、ね、今回の件は私にとってもルッキーニにとっても、バッドエンド、だったね」
「…うん」
「まさかさ、トゥルーデをシャーリーに、シャーリーをトゥルーデに奪われるなんて、思ってなかったからちょっとビックリしちゃった」
「……」
「…ルッキーニはさ、シャーリーの事好きになって後悔してない?」
「え…」
「私はさ、正直言うとちょっとしてる。…こんな想いするなら…好きになるんじゃなかった、って…」
「あたしは…」
「ルッキーニは、なに?」
「後悔してない」
「…どうして?」
「だって片想いだったけど、シャーリーの事を想ってる間は幸せだったもん」
「ルッキーニ」
すると、中尉はあたしを抱き締める。
少し、中尉は泣いてる気がした。
「ルッキーニ…強いよ…ルッキーニのそういうとこ、見習いたいなあ」
「中尉…」
と、今度はパッとあたしを放す。
「うん、ルッキーニは強い子だ!」
「…中尉…あたし」
あたしが何か言おうとする暇も無く、あたしは中尉にキスされていた。
軽く、触れる程度の可愛いキス。
「中尉…//////」
「今度、二人の前でキスしようよ。きっと二人ったら唖然とするよ」
「あっ…えっ…//////」
「じゃ、おやすみ、ルッキーニ」
「…ええっ…おっ、おやすみなさい…」
あたしは、二の句を告げられないくらい、中尉に圧倒されていた。
でも、二人に見せつけるのも、いいかも。
あたしはそうぼんやり思いながら、眠りに落ちた。
あたしは夢の中でシャーリーとキスする夢を見た。
当然目覚めは酷く悪いモノだったけど。
あたしからは何故か悔しい気持ちが消え去っていた。
うん、シャーリーに会ったら精一杯の笑顔で、おはようって言おう。
泣けない夜も、泣かない朝も。
そして、あたしのシャーリーへの想いも。
みんなみんな、あたしの財産だから。
END
以上です。
くそ、今年こそは悲恋ものは封印だと思ったのに…またやっちまった…。
今度こそは幸せなシャッキーニ&エーゲルをっ…!!
最後に皆さんGJ!
…では、爺はここら辺で。おやすみなさい…
>>234 >中の人願望、ゲーリー
これが気になって眠れないシャーゲル派の俺がいるw
ようやく帰ってこれたわ・・・まさか飲み会の間カバンにファンブックが潜んでいたとは誰も気付くまい
・芳佳は百合ではなく乳が好きなだけ、ネウ子にはマジで乳を揉みにいった
・ペリーヌは最初は純粋に少佐の強さに憧れていた
・名塚さん「黒リーネ流行らせた。今日の黒リーネみたいなコーナーほしい
・園崎さん「エーリカとのエピソードほしい、個人的にはシャーリーも好き
・野さく「エーリカはゲル芳にジェラったりしない、ウルスラもやりたい
・仲居さん「夫婦化する前の話が見たい、(・x・)の顔文字嬉しい
・シャッキーニがSSで全然なれ合わない(マッハ再現のためルッキーニ問い詰め)
・相関図は講演会以前のものと同じ
・ルッキーニの能力はエネルギー集約と多重シールド(最終回の魔法は後者)
>>269 夫婦化てw
講演会以前の相関図ってどんなの?
>>269 >芳佳は百合ではなく乳が好きなだけ、ネウ子にはマジで乳を揉みにいった
あれ? これを世間では『百合』と言うのでは…
まとめwikiに上がってるような奴>相関図
何の追加も変更もない
芳佳にとっての乳は性欲の対象ではなく子供の玩具、それが股監督の理想の女の子だそうだw
ほか、ゲルトは地味で一番人気が出ない恐れがあったので早々に主役回を用意したら超人気が出て驚いたらしい
ストパンはネットのファンが盛り上げてくれたと、スタッフは本当に喜んでくれてるみたいだ
ファン冥利につきるぜ
超人気って馬鹿の一つ覚えみたいにニワカがお姉ちゃんネタで盛り上がってるだけじゃん
正直つまらない
もし芳佳にとっての乳が本当に性欲の対象だったら本当にアレになるというか、いくらなんでもそれは・・・って感じになるから
そこを子供の玩具とか言うかわいい感じで済ませたスタッフの判断は正しかったと思うなあ
むしろ、芳佳には一切そういうつもりは無く乳揉みしてるのに
揉まれてるシャーリーやリーネはどうしてもその気になってしまうみたいなシチュがバリバリ浮かんできてすごくありがたかったり
ここまで書いて思ったけど、このスレの作品って芳佳のおっぱい星人キャラはあまり目立たないよね
>>263 つまり次はシャーゲルが見せつけられて以下略な話なんですね! やったあ!
>>274 おっぱいから一歩踏み込んで心を揉みしだく百合スレ
あんま黒リーネ黒リーネ言ってると股間キレるぞ名塚さんw
公式は今ひとつ分かってない感があるので余計な事しないでほしいと思う
ま、ブラック大いに有りってことですな
病ませるもよし健気よし万能リーネ
>>275 なにそのフレーズステキ・・・
まさかあなたは宮藤芳佳
>>277 百合百合百合百合言ってるわけにもいかないから、私らに合わない感じの展開になってもしょうがないでしょう>公式
自分達にたまたま合ったらラッキーだ!くらいに思ってたほうが気が楽ですよ
>>280 いいね。タバコ逆さってどんだけwwww
この絵師さんのビューリング好きだw
ファンブックいい夫婦いい夫婦言いすぎで噴いた
ファンブックマジでいいわ
SSの資料に超役立つ
しかしルッキーニ凄いな 一人で固有魔法2つとは・・・流石天才
弱シャーリー×ヘタレゲルトを書こうとしてたのに、気付いたらゲーリーになっていた・・・
でもシャーゲルなんですよネタを投下 6レスほど
その日私は妙に気が立っていて、朝から晩までがなり通しだった・・・らしい。
空で、ハンガーで、風呂でも食堂でも怒鳴り声がしたと思えば、廊下でも響いていた・・・らしい。
理由がなければ怒鳴りはしないし、隊のためを想った行動だったはずなのだが――
最後の最後で、私はやってはならないことをしでかした。
ネウロイを撃墜し、基地へ帰投した直後のことだ。
ミーティングを終え、そそくさと部屋を後にするシャーロットを私は呼び止めた。
あいつに部隊長としてのノウハウを教え込む必要があったからだ。
しかし・・・不測の事態が起こってからでは遅いのだと言っても、奴はへらへらとしているだけ。
そして得意分野でないからなどと言われた時、一気に腹が煮えたのだ。
何のために、誰のためにやるのかと大声でまくし立てた。
そして怒りにまかせて、二人きりの部屋であの言葉を口にしてしまったのである。
普段はちっとも考えない台詞。
『貴様など不要だ』と。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
話を終えるや、ミーナと坂本少佐は困ったように顔を見合わせた。
「お前らしくもないな、バルクホルン。」
「そうね・・・我を忘れるなんて。それにそうして落ち込むのもね。」
私だって落ち込むことくらいある、と言いかけて口をつぐむ。
何時もはなんてことない執務室の雰囲気が、肩や背中に重くのしかかっていた。
少佐に不安定なストライカーの挙動を見抜かれ、ミーナに呼び出された頃にはもう私は弱り切っていた。
シャーロットと目も合わせられない、まともに声もかけられない日が数日続いたせいである。
たった数日、と少佐は言った。
私だって幾日か接しないだけでへこたれてしまうなど、情けないと思うのだ。
それでも――辛い。
傍らにいられないことが、あの髪に、頬に、唇に触れられないことが。
「自分がこんなにもワガママなやつだとは、思いもしませんでした・・・。」
そうだ、私はワガママなのだ。
自らの思慮を欠いた言動で相手を傷付け、自分まで落ち込んでいる。
途方にくれたまま上官に呼び出され、口外無用などと前置きするなど、何様のつもりだろうか。
全てお前の責任ではないか、ゲルトルート。
辛いからなんだというんだ・・・軟弱者め。
「して、お前はどうしたいんだ?」
一瞬、少佐の言葉が飲み込めなかった。
「・・・どうしたいか、ですか?」
「ウィッチ隊としてはお前らが仲睦まじくあって欲しいのだが・・・。」
「クスクス・・・あなただって、シャーリーさんと仲直りしたいでしょう?」
ミーナの言葉に私はたじろぎ、顔を伏せた。耳が熱くなるのが分かる。
どうしたい?仲直り?
そんなこと、この二人なら答えは分かっているはずだろう。
「ぁと・・・ええと・・・・・・その。」
口が上手く回らない、何を言えばいいか分からない。
こんな時ひどく慌ててしまうのだ。
言いたいことが決まっているとなおさら。
そんな私に助け舟を出すがごとく、少佐は口を開いた。
「私も器用なほうではないし、リベリオンやカールスラントの風俗には疎い。だがなバルクホルン、丁寧に謝ればいいのは万国共通のはずだ。変に飾らず素直にな。」
そうだ、自らの非を認めるのが謝罪のはずだ。
分かっている。私は分かってはいるのだ。
しかしその先に一歩、足を踏み出せずにいるのだ。
情けない話ではないか、カールスラント軍人たるものが。
空では恐怖を感じないというのに、人付合いのこととなると調子が狂ってしまう。
恥ずかしい。何もかも、全てが恥ずかしい・・・。
まごつく私を尻目に、少佐はミーナに耳打ちして執務室を後にした。
きっと気を遣ってくれたのだろう。
同い年の旧知の友となら気兼ねなく話せるだろうと踏んだらしい、と思った。
「トゥルーデ、あなたはシャーリーさんのことが好きなんでしょう?」
「・・・へぁ・・・!・・・いや、それは、だな・・・。」
だが二人きりになっても、こんな話題で平静を保てるほどの胆力は私にないのだ。
裏返った声がみっともなさに拍車をかける。
反対に余裕の微笑を浮かべていたミーナは不意に、表情を引き締めてひとり呟くように言った。
「私達は明日、命を落とすかもしれないのよ・・・?」
何故かは分からない。私は咄嗟に少佐の顔を思い浮かべていた。
引退も間近のベテランウィッチは、頑として空を飛び続けることを譲らないらしい。
まれに、出撃前にミーナの顔が冴えないことがある。
そんな時、目線の先にはハンガーへ急ぐ少佐がいた。
ミーナは優しい。私とは対照的に。
それゆえ仲間想いの度が過ぎると思えてしまうくらいに、心配性な一面を持っている。
だが彼女が今、私の立場になったとしたらどれほど上手く立ち回られることだろう?
何の躊躇いもなく謝罪の言葉を並べられるだろうか。
お互いにしばらく黙っていると、背後からドアをノックする音が聞こえた。
私の平静を保っているような顔をを見て、ミーナは入室を促した。
首を曲げて後ろを見やると、モップとバケツを持った少佐と――今、一番会いたくて会いたくない奴が後ろにいた。
見慣れた柔らかいオレンジの髪がひょいとのぞいたのだった。
「「なっ・・・」」
"私たち"は同時に言葉に詰まった。
二人とも目線が少佐の顔と、お互いの顔を行ったりきたりしている。口も半開きで。
気が動転したまま立ちすくんでいると、先にシャーロットが口を切った。
「話が違うよ少佐!なんでこいつがここにいるのさ!?」
「バルクホルンは別件で用があってな。呼び出しておいたんだ。」
「なんだよそれ・・・まるでそれって――」
露骨に不快感を滲ますシャーロットの言葉を、ミーナはぴしゃりと遮った。
「あなたがこの処置に異論を唱える資格はありません。」
それに観念したのか諦めたのか、奴はぶつくさ言いながらも私の隣に並んだ。
正面をまっすぐ見つめる目は、こちらに向くことはなさそうだった。
ミーナは軽く咳ばらいをすると、まるでセリフを思い出したかのように続けた。
「バルクホルン大尉、貴官は先日の戦闘で隊列を乱し、一度撃墜されたうえ、他の隊員にまで多大な危険をまねきました。
イェーガー大尉、貴官は度重なる命令違反により指揮権を脅かし、結果として部隊機能の低下を引き起こしました。」
確かに私は先の戦闘でネウロイに撃たれ、宮藤とペリーヌをはじめ隊全体に迷惑をかけた。
それは揺るぎない事実であり、確かに罰則に抵触しうる問題であった。
しかしシャーロットはどうなのか?
こいつはこいつで参ったような顔をしているが、隊長に呼び出されるほどのことはしていないはずだ。
せいぜい訓練をサボったとか、遊びの度が過ぎた程度の―いや確かに問題ではあるが―ものだ。
「以上を考慮し、貴官らには執務室の清掃を命じて懲罰とします。」
「「は?」」
真剣な顔付きで、どうかしたのだろうかミーナは。
この部屋はつい二日前に掃除をしたはずだ。
機密資料や本部からの文書が詰め込んである執務室を我々二人きりで?
いや、少佐かミーナが監督するに違いない。
ここを放置するなど無用心にも――
「じゃあ、私と坂本少佐は宮藤さんたちの訓練に付き合うから、よろしくね。」
「訓練は二時間の予定だからな。いいか二時間で掃除を終わらせるんだぞ?」
・・・え?
それだけ言い残して、あの二人は逃げるように部屋を出た。
しんと静まり返った空気が痛い。
なんだ?どうするんだ?モップがけを?・・・バケツに水が入っていないのは、汲んでこいということか?
ええい気が散る!いつまで突っ立ってればいいんだ!
ひとまず水だな、水。
水?水はどこで汲むんだっけ?
「・・・ぇ、ねぇったら。」
やつの声が耳に入り、すぐさま全身が総毛立った。
後ろからの弱々しい声。
私は極力意識しないふりをして、バケツのそばにしゃがみこんだ。
「おい、聞いてんのかよ。」
「・・・なんだ。」
「あたしがやるから・・・あんたは座っててよ、ね。」
「そういうわけにもいかんだろう・・・水を汲んでくる。」
違うだろう馬鹿者!いたたまれない雰囲気を作ってどうする!
しかも汲んでくると言った手前、行かないわけにもいかんし・・・。
こんな時こそフラウや宮藤にいて欲しいと――
唐突に背中が、温かく重くなった。
丸くなった私の背を包むかのごとく、やつが膝をついて抱き着いてきたらしい。
向こうも私も押し黙ったまま、互いの言葉を待った。
腰が引けているような、牽制しあうかのような奇妙な沈黙。
時計の秒針だけが静かに、しかし確かに二人の背を押しているかのようだった。
「あたしね、ずっと謝りたかった。せっかくあたしと、皆のことを想ってくれたのに・・・あんなこと言ってさ。」
「・・・・・・。」
「謝らなくちゃって、ずっと・・・でも、どうしても顔合わせられなくて。」
一緒だ。一緒なんだ。
お前も、私も。
「傍にいさせてよ・・・言うこと聞くから、ちゃんと聞くから・・・っ。」
シャーロットの身体が強張ってくるのが分かる。
そして微かに震えているのも。
私はこいつに重たいものを背負わせてしまっていた。
「ごめんなさ・・い・・・っ・・・バルっ・・・クホル・・ごめん、なさっ・・・。」
初めて見る彼女のしゃくり泣きは、二つの年齢差を思い出さざるを得なかった。
焦っていたのかもしれない、とその時初めて気付いた。
「謝るのはこっちの方だ。嫌な思いをさせたな・・・すまなかった。」
弱々しく絡まった腕を解いて、シャーロットと向き合った。
両手で涙を拭う姿はルッキーニそのものだが、そのくせ図体は人一倍でかい。
そのコントラストが私の悪戯心をくすぐったものだから、すすり上げる鼻をつまんでやった。
「ひはい!だにすんだっ!」
「そんな顔は、お前に似合わん。」
なんとなしに口をついて出た言葉が、思いの外効果的だったらしい。
シャーロットは頬を赤らめてへたり込み、そっぽを向いた。
これで形勢逆転。
何時もいいようにされてばかりではないんだぞ?と少し笑って、やつの首をこちらの胸に抱き寄せた。
「ちょっ・・・」
「私も、ずっと・・・こうしたかったぞ。シャーロット。」
「・・・うん。」
子供をあやすように背中をさすってやれば、全身にこいつの体温が流れ込んでくる。
しかしもう子供ではないから、名前を呼んで、上を向かせる。
少し赤くなったウサギの目を見つめてから、唇を重ねた。
久しぶりの感触に、私の頭はじわりと蕩けていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上です
>>290 GJ!弱ってる二人、好きです。
シャーリーかわいいなあ…。なにげにわかってるミーナも素敵
最近SS少なくなってきてたからとてもGJ
>>220 遅レスながら超GJと言わせて下さい!
今後も期待しとります。
最近何気にシャーゲルが多くて、好きな者としては嬉しいぜ
エッキーニも新鮮でいいなぁ
弱い兎さんシャーリーかわいいw萌える
kbとレス数に100も差があるなんて珍しいな
ここもそろそろか
>>290 GJです。受け受けしいシャーリーがなんだか新鮮で、新たなカプ
に目覚めそうです。
ここまでSSが多いと勘違いしやすいけど、別にここはSSスレじゃないからな
雑談もたまにはいいんじゃないの?
雑談多い方が個人的にはいいがね
ところでゲーム公式サイトはまだ開いてないのか?
いつもツッコミたかったんだけど
エッキーニってエイラ×ルッキーニとエーリカ×ルッキーニで見分けつかないですがな
>>290 お疲れ様です
キャラ崩壊もいいとこなのであまり大声では言えませんが
自分も弱い感じのシャーリーが大好きです
避難所にも「SS→GJの流ればっかだから雑談しにくい」なんてレスがあったけど、
真の活気はSSよりむしろ普段の妄想や雑談の中に見出すものだと信じてる。
ただこの作品はたまたま、職人に恵まれ過ぎた。それだけだよ。
というわけでSSにGJを送りつつ、妄想。
ファンブックと一緒に漫画版の2巻買ってきたんだけど、疾風と五色が密航するとき二人は船内で何やってたんだろうか?
堂々と出歩けるならそれなりに退屈しないだろうけど、隠れなきゃいけない2人はろくに光も浴びれないまま倉庫に篭りっきりで、
厨房から食料を奪いながらおちおち安心してトイレにも行けない冷暗所生活…
ともなればすることの無い2人はそれはもうエンジョイしたんじゃないだろうか!2人でする場所を取らない有酸素運動を!
とかなんとか言ってみるテスト
>>299 エッキーニ(ヘタレ有)
エッキーニ(ズボラ有)
でどうだ!
SSで百合萌えしつつ妄想を雑談したい
職人が多すぎるが故の贅沢な悩みだな
>>290 シャーゲルきてたあああ!!GJ!!!!!!!!!
シャーリーは強く出られると弱くなるところがかわいらしいな。
でも「何時もいいようにされてばかりではないんだぞ?」
の何時もも見たいなw
ファンブック見たら、おねえちゃんの中の人がシャーゲルを希望してて大興奮したw
ぜひ2期ではもっとシャーゲル分を!!!!
>>299 エッキーニ、エーッキーニ
なんてマジレスしてみるけどエーッキーニってなんか面白いな
エッキーニはエイッキーニでもいいか…?
ルッキイラとルッキーリカで
百合でもなんでもない小ネタ
*
鳥たちのにぎやかな歌声が止めば、花が、葉が、地面が、屋根や窓までもが静かに合奏を始める。
本来音を発することのないものたちを鍵盤に変えたのは、雨。
その切ないしらべに耳を澄ませ、祖国で過ごした幼き日々を想い、私は唄う。
雨の向こう、遠く遠く離れた大切な人たちにとどくようにと願って。また会えるその日を信じて。
*
短かっ!!!
雨の音を聞いてて何となく浮かんだだけですすいませんでしたー
イルマタルッキーニ!
イルマタルッキーニをよろしくお願いします!
ユッキーニ
>>307 サーニャかな?サーニャだね?サーニャだな!
GJ!きれいな描写に憧れるよ…
もっさん×シャーリーとゆうとんでもない夢見てしまった、もう末期です助けて...
もっシャんですか
シャーリーは何気に、ゲルトやエイラ並にオールラウンドプレーヤーな気がする
そんな俺の頭にはウブな中佐をからかうシャーリーとか、
中佐に尽くしたいと思ってるシャーリーとか
盛りだくさんだぜ
部下思いの少佐に思い切って相談するシャーリー。
相談内容がエロい感じの話だったので話してるうちに、...ああもう書けない...恥ずかしい。
そんな感じの夢。ま、まぁ悪い内容の夢ではなかったが確実にこのスレの影響と思われる。
「トゥルーデ そんなに妹が好きなんだったら私が妹になってあげよっか!なんちゃって」
「いや お前はお断りだ。お前の妹なら話は別だが」
「・・・・・・そうだよね 私なんかじゃ妹にならないよね。変な事言ってごめん」
「ば馬鹿者、勘違いするな!お前は妹でなくてだな・・・」
「そんな感じで我々は付き合い始めたわけだ」
「フーン カタブツなだけかと思ってたらやるジャン!」
「うわーいいなー。バルクホルンさんってロマンチックなんですね!ねっ芳佳ちゃん」
「まったく さすがバルクホルンさんです。エーリカさんと結婚すれば妹と奥さんが一度に手に入りますからね。一石二鳥ですか!」
「・・・・・・」
「ちょ ちょっと芳佳ちゃん!」
「アヤマレミヤフジ!!」
「まさかそれを見抜かれるとはな・・・やはりお前は私が見込んだだけの事はある。お前のことも諦めてないからな 宮藤!」
「えへへへ。いつでもきやがれですよ!」
「ええーー!!??」
「エエーー!!??」
〜〜〜
ファンブックのエーゲル大変おいしゅうございました
エーリカさん ようやくクリス宮藤と同じ土俵に立てて おめでとうございます
>>315 もっと細かく書くんだ
ここで分析してもらえるから
結局サーニャはエイラのことどう思ってんの?
ファンブックにはなんか書いてなかったの?
スレみてwktkして待ってたら密林から今日発送された連絡あって待ちきれない状態。
早く届いたほしいなぁ。
>>221 レスありがと。妄想のハッセをかわいいといってくれただけでもう満足です!
>>240 ヨッペかぁ、たしかに隊長だしなぁ。それでもいいかも〜。
>>305 エーッキーニとかエイッキーニってスオムス語な響きだよなw
ファンブックにはこう書いてあったよ
エイラ──好き───>サーニャ
エイラ<──非常食──サーニャ
そりゃどうしても我慢できなくなった非常事態のごはん
もちろん冗談だけどw
エイラがサーニャを溺愛してる事はあちこちに書いてあるけどサーニャがどう思ってるかはどこにも書いてない
エイラはサーニャに全てを許してしまうほど愛しいそうだ
相関図は友情の線が引かれてて「仲良し」になってる
ちなみに芳佳とサーニャは感情の線とかいうのが引かれててお互いに「気になる」となっている
門脇さんはサーニャがもっと色んなキャラと絡んでほしく、エイラと出会った頃の話が見たい
仲井さんは二人が別れてまた出会う話が見たい、再会したらエイラがサーニャの胸に飛び込む側らしいw
仲井さんはあえて女の子らしくならないように演じていたとのこと
サーニャもエイラに懐いてるって書いてあったよ
エイラーニャは好きだが個人的にどっちもベッタベタだと妄想の余地が無くなるから今ぐらいがいいな
シャッキーニはどうだったんだ?
ヒーロー発言とそのヘタレっぷりに意味深な「・・・」でサーニャ→エイラもガチだと確信したよ
百合厨しねよ
>ちなみに芳佳とサーニャは感情の線とかいうのが引かれててお互いに「気になる」となっている
エイラ敗北確定だな
>>327 分かる、本心が分からない今くらいがちょうどいいよな、芳リーネも他のカプも。
だから相関図とかあんまりやらんでほしいわ。
>>332 インタビュー見ると股間もハァ?って感じだったっぽいしな
しかし宮藤かわいくない→ズンドコには吹いたw
334 :
1/6:2009/01/11(日) 02:04:04 ID:8eHXVrDE
シャー芳のようなもの投下。エロ有
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それは休暇をもらった日のこと。
私とリーネちゃんはその日、一緒にお出かけすることにした。
…………したのだけれど。
「今日はいっぱい楽しもうね、芳佳ちゃん」
「え、あ……うん」
基地の廊下を二人で歩いていく。
楽しそうな笑顔のリーネちゃんとは裏腹に、私はどこか決まりが悪そうな返事。
昨夜あんな夢を見てしまったせいで、リーネちゃんをまともに見れない。
今までもたまにそういう夢を見ることはあったけど、あの海水浴の日から余計ひどくなった気がする。
しかも今日のはシャーリーさんまで出てきちゃったし……私の頭の中って……。
う。思い出したら何か変な気分に……。
「芳佳ちゃん、どうかした?」
「は、はひぃ!?」
びっくりしてつい変な声を出してしまう。
気づくと、リーネちゃんが心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「なんだか顔赤いよ? 大丈夫?」
リ、リーネちゃん、そんなに寄られたら、そんな顔で見つめられたら、私――!
「ごめん! リーネちゃんは先に行ってて!」
「よ、芳佳ちゃん!?」
◇
全速力で逃げ出してきた私は、トイレの中にいた。
ごめんねリーネちゃん。私、友達失格だね……。
個室に駆け込みカギを閉めると、少し気持ちが落ち着いたけど、身体の疼きは治まりはしない。
一回して、落ち着かないと……。
トイレに腰掛けて足を開く。
ボディスーツを汚さないように、ソコを覆う部分を横にずらして行為を始める。
スリットに沿って指でなぞると、じんわりと湿っているのが分かる。
「はっ……」
心地よい刺激に吐息が漏れた。
もっと欲しくて、何度も指を上下させる。
「……っ、……ふっ、んん、はぁっ……」
擦る度に増して行く気持ち良さに耐え切れず、思わず声が出てしまう。
口元を手で押さえようとしたが、濡らさないようにとずらしたソコの布は左手で押さえているし、
右手は本能のまま快感をむさぼるのに夢中だ。
だらしなく開こうとする口をきゅっと結び、必死に声を抑えようとする。
誰かに見つかるかもしれないという緊迫感が、私をさらに興奮させた。
行為を続けながら偶然下に向けた目線が、何かを捕らえた。
ドアと床の隙間から人の足が見える。
……つまり、そこに誰か…………いる。
「――――ッ!?」
思わず叫びそうになる喉を、すんでのところで思いとどまらせる。
ぜ、絶対、聞かれた!!
どどどどうしよう!?
知らん顔で出て行くなんて無理だし、このままずっと待っててもどうにもならないし、
ていうか早くどっかいってよぉ……。
335 :
2/6:2009/01/11(日) 02:04:40 ID:8eHXVrDE
はっ!? まさかこの人、このことをネタにして私をどうにかする気じゃあ……?
ああ、きっとそうだ、そうに決まってるんだ。
証拠写真を見せ付けられて、名前も知らないどこかの誰かに、弄ばれて犯されるんだ。
だったらせめて、潔く自分から……。
そう思った私は、立ち上がって自らドアの鍵を外した。
鍵を開けるやいなや、ずっとこちらの様子を伺っていたであろうその人が、ドアを押し退け
私に向かって倒れこんできた。
「きゃっ!」
私よりも大柄な体躯に圧されて、思わず尻餅をついてしまう。
つまり、相手に押し倒された体勢になってしまったわけで。
そんな、いきなり、無理矢理だなんて!? 恐怖にきゅっと目を瞑る。
今の私には、震える声を振り絞って、せめてもの願いを込めて、
「や、優しくしてください!」
そう叫ぶことしか出来なかった。
◇
足音を殺して声の主へと近づいていく。
トイレに入ったとき、個室の一つからかすかに聞こえてきたこの声。
切なく甘いその声色は、あたしの好奇心を揺さぶるのには十分だった。
(この中だな……)
開いた扉が並ぶ中、施錠された個室が一つ。
内部と外部を隔てる壁に、耳を近づけ様子を探る。
(ふふ〜ん。神聖なる基地内で、イケナイことしてる悪い子はおらねが〜っと……)
もっと多くの音を拾いたいと思い、そっと耳と扉を密着させる。
そのとき、カチャリと鍵の外れる音。
(げっ、ヤバ……!!)
自然と扉に寄りかかる形になっていたあたしの身体は、内側に向かって開いた扉と共に、
個室内へ飛び込んでしまった。
「おわっ!」
私よりも小柄な体躯を巻き込んで、中にいた子と二人で床に倒れ込む。
つまり、相手を押し倒した体勢になってしまったわけで。
違うぞ、事故だ、不可抗力だ!
まずはこの子の上から退こうと両手に力を入れると、
「や、優しくしてください!」
と、下敷きになった相手が勘違いに満ちた叫びをお発しになられる。
いや、そんなふしだらな気持ちはちょっとくらいしかないぞ!?
……って、あれ?なんか聞き覚えのありまくるカンジの声のような…?
身体を起こしてみると、やはり見覚えのありまくるカンジの顔がそこにあった。
「お前、宮藤……だよな?」
声をかけると、彼女は固く瞑っていた目を少し開き、私の顔を確認する。
「シャーリーさん!?」
驚きに目を見開く宮藤。そうそう。あたしシャーリーさん。
それにしても、まさか宮藤の奴がこんなことしてるとは。
ところでこの状況、もしかしてあたし覗きになるの? 言い逃れの余地無し?
いやまあ、盗み聞きしてたのは確かだけどさ。
そんなことを考えていると、不意に廊下から誰かの足音が聞こえてきた。
まずい! この体勢のまま見つかったら、問答無用で変態節操なしの烙印を押されてしまう。
宮藤の身体の上からぴょんと飛び退き、ドアを閉めて鍵をかける。
倒れたままの宮藤を起こし、口と身体を手で押さえて身動きが取れないようにする。
って……これじゃあたし、誘拐犯か何かみたいじゃないか……。
やがて足音は遠ざかり、聞こえなくなった。
「……行ったか。とりあえず、見つからなくてよかった」
336 :
3/6:2009/01/11(日) 02:05:41 ID:8eHXVrDE
ふうと息をついて、宮藤を解放する。
宮藤の奴は別段逃げたり騒いだりはせず、じっと俯いたままだ。
びみょーに、気まずい……。
とりあえずあたしは変態でも誘拐犯でもないことを伝えねば。
「あ〜っと、ごめん宮藤。あたしは別に……」
「あの、何すれば……いいですか?」
宮藤が私の言葉を遮るように言う。
「へ? 何って……何?」
「……わ、分かりました。恥ずかしいけど、シャーリーさんなら――」
そういってシャツを脱ぎ、さらにボディスーツまでも脱ごうとする宮藤。
ていうか、ちょっと待て! 何故脱ぐ!?
「ストップストップ! 脱がなくていいから、つーか脱ぐな!」
「あ……すいません。着てた方がいいですか?」
ボディスーツにかけた手を下ろす宮藤。
うん。『着てた方がいい』とかって、キミ何かとんでもない勘違いをしてないかい。
そうして彼女は便座の上に座り、そのままさっきの行為の続きを始めた。
◇
ボディスーツの上から、ゆっくり優しく秘所を撫でていく。
ついさっきまでしていたせいで、もうそこはぐしょぐしょに濡れてしまっていた。
シャーリーさんは、私の目の前でじっと行為に見入っている。
その存在を意識すると、身体の奥が熱くなって、いつも以上に感じてしまう。
『オナニー』と言われたときは恥ずかしかったけど、いざ始めてしまうと、その恥ずかしさすらも
快感に変えてしまうのだから、人の本能は貪欲なものだ。
擦り続けていた手を止め、股間の生地をずらして肌を外気に晒す。
誰にも見せたことのない場所を、見られてる。
そんなことを考えるだけで、その奥から何かが溢れてくるのが分かってしまう。
「ひゃ……!」
少し触っただけで、信じられないくらいの刺激が身体を駆け巡る。
「はぁ……はぁ……はっ…………」
くちゅくちゅと指に愛液を馴染ませるように、丁寧にその割れ目をなぞっていく。
いつの間にか、シャーリーさんの頬はうっすら紅く染まり、少し息も上がっている。
「宮藤」
私の名を呼び、傍に寄るシャーリーさん。
そして、その顔がすっと私に近づいてきて――
「んむっ!?」
突然、唇にあたたかい感触。目の前にはシャーリーさんの顔。
え? これって……? 私、シャーリーさんと……?
「ごめん、ちょっと……我慢できないや」
唇を離したシャーリーさんはそう言って、もう一度私に口づけた。
長いキスの後、シャーリーさんは私の両足の間で膝立ちになった。
そして当然のようにあそこに顔を近づけられるが、その恥ずかしさは
さっきのように離れて見られていた時の比ではない。
「そんな、ダ、ダメですシャーリーさん!」
思わずそこを両手で隠そうとするが、優しく払われてしまう。
そして私を見上げて、口元に人差し指を立てるジェスチャーをする。
そうだ。ここトイレの中で……誰かに聞かれたら……。
はっとして口を手で押さえる。
それに満足したのか、シャーリーさんは愛液で濡れそぼったそこを、直接指でつつ、となぞりあげる。
「ッ!!」
予想以上の快感に、出そうになる声を必死に殺す。
胸の鼓動がこれ以上ないくらい、一気に加速する。
自分でするのと、全然、違うっ……。
シャーリーさんが立ち上がって、私の耳元でそっとささやく。
337 :
4/6:2009/01/11(日) 02:06:44 ID:8eHXVrDE
「宮藤って、かわいい顔して結構エッチだね」
すっとシャーリーさんの手が私の胸に伸びて、
「こんなに硬くなってる」
いきなり乳首をつねられた。
「ひあっ!」
不意打ちのような刺激に、堪えきれず声を上げてしまう。
「ごめん、痛かった?」
「はぁ……はぁ……っ、いえ……」
心臓が破裂しそうなくらいバクバク鳴ってる。
再び膝立ちになってあそこを弄くり始めるシャーリーさん。
撫でたり突付いたり、その度に声を抑えるのに必死になる。
割れ目の上のほうにある突起を、優しく触り始めたシャーリーさんに尋ねられる。
「ココ、自分でいじったことある?」
「んっ……はあっ、す、すこし、は………ふぁっ……」
「そっか。……じゃあ」
意地悪な表情になったシャーリーさんに、それを包んでいた皮をきゅっと剥かれる。
「はぁあっ!!」
それだけで信じられないくらいの快感が全身に走った。
「しゃ……りーさん……っ、そこ…だめっ……です」
息も絶え絶えに何とか言葉をしぼり出す。
真っ赤に充血したそれは、物欲しそうにヒクヒクしていて、ただ空気に触れているだけでも
私の脳に快楽の信号を送りつけてくる。
「宮藤、こういうのは好き?」
爪で陰核の付け根をコリコリと擦られる。
「ふううっ! んっ、ふあっ、はぁっ……! ふあぁっ!」
どうにかなってしまいそうなほどに、頭を揺さぶる快感の波。
懸命に耐えていても、もう頭の中では気持ち良くなることしか考えられなくなっていた。
「それじゃ、そろそろ……」
擦る指の速度と力が増され、どんどん絶頂に近づいていく。
もう限界……。そう思った時、ふとお尻を触られる感触。
まさか、シャーリーさん、それは絶対、ダメ――!
「イっちゃえ、宮藤」
お尻の穴にずぷ、と指を入れられた瞬間。
「―――――――ッ!!」
そこで私の意識は途絶えた。
◇
最初に見えたのは、シャーリーさんの笑顔だった。
「おはよーさん」
寝ぼけた頭で、おはようございますと返事をする。
……私、寝てたんだ。じゃあ、今は朝かな。
その素敵な微笑みをずっと見つめていたい気持ちを我慢して、視線を横に滑らせてみる。
窓から差し込む光は朱に色づいていて、きっと今は夕方なんだろうなと思った。
……そういえば、ここは誰の部屋だろう。
私は誰かの部屋のベッドで横になっていて、シャーリーさんはベッドの縁に肘を立てて私を眺めている。
段々と頭がはっきりしてきた。そうだ、ここはシャーリーさんの部屋だ。
そうすると、どうして私はシャーリーさんのベッドで寝てるんだろう……?
明瞭さを増してきた意識が、前後の記憶をつなぎ合わせる。
あ、そうだ。私さっきトイレでシャーリーさんと――
気づいたときにはもう遅い。
一気に胸の鼓動が速まり、恥ずかしさで体温が上昇していくのが自分でも分かる。
「ッ、シャシャシャーリーさん、」
思わず飛び起きる。とにかく気恥ずかしさでいっぱいで、うまく口が回らない。
ええと、ええと、まずはどうして私がシャーリーさんの部屋にいるのか聞かなくちゃ――。
私の動揺を察してくれたのか、ずっと楽しそうに私を眺めていたシャーリーさんが勝手に答えてくれた。
338 :
5/6:2009/01/11(日) 02:07:34 ID:8eHXVrDE
「あの後、宮藤、気失っちゃってさ。ほっとくわけにも行かないから、私の部屋まで運んできた。
誰か呼ぼうとも思ったけど……ほら」
すっと彼女が指差した先には、椅子の背に掛けられた扶桑のボディスーツ。
「あれは魔法でも誤魔化せないよなあ」
よくみると、ボディスーツの股座部分が濡れている。
ちょっと待って。あれが私のボディスーツで、それがあそこにあるということは。
さっきから感じていた、内股から下腹部にかけての物足りなさは。
「シャ、シャーリーさん! スースーしますっ!」
「濡れたまんまの着てるのも気持ち悪いだろうと思って、勝手に脱がせちった」
笑いながらあっけらかんと言い放つシャーリーさん。
「脱がせちったって、そんなあ……」
「まあほら、そこは……今更ってことで」
「それは……そうですけど」
やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしいんですよう……。
「というわけで、後輩想いのシャーリーさんは宮藤のために替えを取ってきてあげたのでした」
言いながらボディスーツを取り出してみせるシャーリーさん。
「ごめん。勝手に部屋お邪魔して、持ってきちゃった」
「あ、いえ、別に構わないです。ありがとうございます」
そう言いながら、彼女の手からそれを受け取った。
「それにしても、シャーリーさんが優しい人でよかったです。
私てっきり、手錠とか掛けられちゃうのかなって思ってました」
「は? 手錠?」
「だってシャーリーさん、私を犯しに」
「……宮藤あんた、あたしを節操なしの変態発情ウサギか何かだとでも思ってたの?」
「す、すいません」
「否定は、しないんだ……」
やれやれといった表情でシャーリーさんは肩をすくめた。
「とにかくさ、そのー……ああいうことはもうやめときなよ。あたしが言うのもなんだけど
誰が見てるかわかんないぜ?」
「はい…」
何だか情けなくなってベッドの上で小さくなる私の肩を、シャーリーさんは優しく叩いて。
「悩みでもあるんなら、いつでも聞いてやるからさ」
にっこり笑って、言ってくれた。
シャーリーさんと目が合うと、トイレでのことが思い出されてつい目を逸らしてしまう。
……さっきから何も気にしてない風だけど、シャーリーさんはどう思ってるんだろう。
ああいうことは慣れてたりするのかな……。
気になる。
……聞く権利くらいはあるよね。
「あの、シャーリーさん、いつもあんなことしてるんですか? …キス……とか」
「へ? どしたの急に……」
「わ、私は初めてでした!」
「あ〜……。ええっと……」
ばつが悪そうに頭を掻くシャーリーさん。
その頬が紅く染まって見えるのは、窓から差し込む夕陽のせいだろうか。
「…………」
無言で返事を催促する。
観念したらしいシャーリーさんはそっぽを向いて、
「……………………初めてだよ」
小さな声でそう呟いた。
え――? 初めて? 私が、シャーリーさんの――
「ほっ、ほら! あっち向いててやるから、早く着替えなよ」
顔を隠すように、私に背を向けるシャーリーさん。
もしかして照れてる? そう思うと、ちょっぴり悪戯心が湧いてきた。
替えのボディスーツに着替えると、私はそっと彼女の背中に忍び寄る。
「シャーリーさん」
「ん? ―――んむぅっ!?」
こちらを振り返った瞬間、彼女の首に手を回し、背伸びをしてだまし討ちのキス。
密着した胸と胸からシャーリーさんのドキドキが伝わってきて、何だかうれしい気持ちになる。
339 :
6/6:2009/01/11(日) 02:08:12 ID:8eHXVrDE
口を離すと、硬直したシャーリーさんが目をパチパチさせていた。
「みっ宮、藤……?」
「さっき無理矢理されましたから、そのお返しです」
呆然としていたシャーリーさんは、はっと我に返ると私を両手で捕まえる。
「こいつっ!」
そしてまた、シャーリーさんと四度目のキス。
それは一度目より二度目より、三度目よりもずっと甘い味がして、
このまま時間が止まってしまえば…なんて恥ずかしいことを考えてしまった。
◇
そのころ
「芳佳ちゃん、遅いなー……」
夕陽に染まった空を見上げつつ、待ちぼうけをくらっているリーネだった。
ーーーーーーーーーーー
以上。
おっぱいで絡ませようと思ったら、ほとんどおっぱい出ないで終わってしまった
たまんねぇぜ
>>340 ハニハニ
ちょwエロイよ芳佳とシャーリー
まあこの二人なら仕方ないな。ご馳走様でしたw
んじゃシャイラで初投稿でございます。多分3レスぐらい
342 :
1/3:2009/01/11(日) 03:31:08 ID:iTl0PYxu
「オジャマシマース」
「ん、遠慮せずに上がりなよ」
ノブを回して一見の客人を迎え入れる。
部屋の主人であるシャーリーは客人エイラに振り返って自らの城を誇らしげに示した。
「どうだ?私の秘密基地は」
「色気のねー部屋だな」
「…お前には言われたくないぞー」
抑揚の無い口調で極めて淡白な感想を述べるエイラに口を尖らせる。
だがその感想は最もで床板を抜いて石造りの地が剥き出しになり機械油の匂いが漂うその一室は、
到底年頃の女の子らしいとは形容し難いものであった。
最もシャーリーの反論も十分に的を射るものだったのだが。
「ま、いいや。ちょっと部品探してるからテキトーにそのへん見てて」
「リョーカイ」
言うなり手近に置いてある工具やら部品が入った箱をシャーリーは漁り始める。
(えーと確かプラグとキャップと…)
雑然とした箱の中を掻き分けながらエイラに頼まれた物を反芻する。
珍しく格納庫内でストライカーの前に屈んでいるエイラが、無表情ながら頬を掻いて往生していたのが
数十分前の話である。しかも彼女の前のストライカーはサーニャの黒いオラーシャ製ユニットMig60であり、
彼女の銀の愛機Bf109G-2ではない。
話を聞いてみれば昨夜サーニャと共に出かけた夜間哨戒中、サーニャの機動が少々おかしかったらしい。
とは言うもののわざわざ指摘するほどでも無かったのでその場では特に何も言わずにいたが、
何となく気になって起きてきたとか何とか。
それでユニットを開いてみればエンジン部に異常の兆しを発見したものの部品が足りず、そこにシャーリーが
部屋にあるかもしれないと申し出て今に至る、という次第である。
(それにしても面倒見良いっていうレベルじゃないよなあ)
体力に定評のあるスオムスのウィッチとはいえ、長時間広範囲の夜間勤務を終えた後は相当に魔力を消耗しているはずだ。
にも関わらず普通なら気のせいと済ませる程度の異常を睡眠時間を捨ててまで確認しにきた上、
そのまま整備に取り掛かるとは。それもその機体は他人のものなのである。
(惚れ込んでんのね)
感心を通り越して呆れに近いため息を吐いて、手に取った部品の規格を確認する。これじゃない。
部屋に転がっているバイクやらなんだか良く分からない回路の塊やらを温度のない瞳で眺め回している同僚は、
端正な見た目に反してざっくばらんで、さらにその言動に反してとても心優しいのだった。
343 :
2/3:2009/01/11(日) 03:32:04 ID:iTl0PYxu
「オ、なんだこれ」
背後でちょっとした博覧会の様相を呈している部屋の見物客と化していたエイラから、唐突に興味を滲ませた声が上がる。
「んー?なんかあった?」
立ち上がって振り返る。
エイラの前の棚にはモーターカーやバイク、今年のチャンピオンシップについての雑誌などが納められており、
彼女は手にとっている一冊はその中から発見したもののようだった。
「コレ」
白い手にすっと掲げられた表紙には、黒革のレーシングスーツに豊満な肢体を包んだシャーリーが、
かつて最速を手にした最愛の相棒に身を寄せている姿が映っていた。
「おー!なっつかしーなこれ!捨てたかと思ってたよ!アッハハハ!」
喜色満面といった様子でシャーリーは楽しそうな笑い声を響かせる。
「写真集?」
「ああ、ボンネビル・フラッツで記録を出した後に出版社から記念の写真集をって依頼がきたんだ。軍に入る前にね」
「売れたのか?」
「あったりまえだろ!おかげで良いバイクが買えてさー!
まあ改造してかっ飛ばしてたらおしゃかになっちゃったんだけどね、あはははは」
すこぶるご機嫌なシャーリーがパラパラとページをめくる。いやー良く撮れてるね、と笑う横からエイラも覗き込む。
が。
「…オイ」
「ん?」
「最速記録の記念の写真集じゃなかったのか、これは」
「そうだけど?」
半眼になって尋ねたエイラに、お前は何を言ってるんだと言わんばかりの表情で返すシャーリー。
「じゃあなんで水着の写真があるんだよ!」
白くて長いエイラの指が示したページには、確かに水着姿でバイクに乳を…もとい身を預けているシャーリーの姿があった。
「いやーファンサービスに是非って頼まれてね。断れなくってさー」
「つーかこのページバイクすら写ってねーじゃねーか」
「でも良く撮れてるだろ?」
「そういう問題じゃねーだろ…」
シャーリーの言う通り、ボリュームたっぷりの裸身をトレードカラーの赤い水着で包んだ姿が背後に煌く太陽と、
広がる蒼い海に実に良く似合っている…
のは良いとして面積の小さなそれと汗の浮かんだたっぷりとした乳房は何というか、実に「使える」代物だった。
もう一枚めくる。白い砂浜にビーチマットを引いてその上にシャーリーが寝転がっている、というシチュエーションだ。
結び目だけ解けた水着、寝転んでいても分かる胸のボリューム、際どく寄せられた太もも、
前ページまでの挑発的な表情とは違い切なげに歪められた表情と潤んだ瞳…
344 :
3/3:2009/01/11(日) 03:32:45 ID:iTl0PYxu
「エイラ?」
「はっ」
横から怪訝そうにかけられたシャーリーの声に現実に引き戻される。
「な、な、なんでもねーよ!」
「いや何も言ってないんだけど」
何時の間にか見入っていた事を否定するように声を荒らげるが、逆効果も良い所である。
冷静に返されてさらに顔を赤くするエイラに、シャーリーは何故か酷く満足げに笑みを浮かべた。
(ふーん…なるほどねぇ)
にやにやしているシャーリーにエイラはいよいよ羞恥が極まって来たらしい。
ナニワラッテンダヨ、とかソンナメデミンナ、とか普段の飄々とした冷静さはどこへやらすっかりやってしまうのは
度々見かけるものだったが、それの対象が自分であった事は今までない。
少なくともシャーリーの記憶にある中では、サーニャに関わる物以外では、ない。
(…意外と脈有り?って何考えてんだ私)
とてつもなく沸いた思考に慌てて心中でかぶりを振る。
(でもまあコイツ見た目は良いしなあ。飛んでる時はカッコイイし…)
自分を納得させるべく揺れた感情のフォローしているつもりで、どんどん深みにはまっていっているのに
シャーリーは気づいていない。
(あんまり目立たないけど空戦技術凄いしな…何気に運転も上手かったし…整備も出来るし…
…ってオイ!落ち着け!私!)
歯止めがかからなくなってきた所で、我に返って自分に喝を入れる。
惚れっぽい自分の性質は熟知しているつもりだったが、これでは余りにも軽すぎるではないか。
「おい、聞いてんのか人の話。私は別に見とれてたわけじゃねーんだって」
「ああちゃんと聞いてるってば」
相変わらず意味の無い(しかも半ば自白気味の)抗議を続けるエイラにうるさそうに手を振る。
そのまま手を自分の胸元にやって一言。
「んじゃ本物、見せてあげよっか?」
「ぶっ!!!?」
ネクタイを持ち上げてからかってやる。が、無意識に艶っぽい声が出てしまっている事にシャーリーは気づいていない。
「あっははは冗談だよ冗談!あ、欲しいならその写真集譲ってやってやろうか?」
「いらねーよバカ!それよりとっとと部品探せよ!」
頭から湯気を出してエイラが叫ぶ。その反応に安堵してしまった自分を自覚しつつ、余裕を装って部品探しに戻る。
(そうそう。これでいいんだこれで)
先ほどまでの気の迷いを振り払うようにがしゃがしゃと部品をかき回す。
エイラを見ると赤い顔で何やらぶつぶつ言いながら別の雑誌を見ていた。
ワールドラリー。スオムスのレーサーが無類の強さを誇るレース。
「…あのさ」
探す手を止めて、呟くように呼びかける。
「写真集、どうする?」
…沈黙。
(何言ってんだ、私は)
途端に襲ってきた猛烈な気恥ずかしさに「今のは無しだ」と叫びたくなる。
が。
「…もらう」
水色の軍服の背中の向こうから返ってきた答えは予想外のもので。
その掠れる様な声に想像以上に浮かれてしまった自分に、シャーリーはその夜本気で頭を抱える事になるのだった。
おしまい
えいらちゃぁぁぁぁぁん
シャイラって珍しすぎる組み合わせだなw
だが中々いい
さすがガチ百合エイラさん
これはいいなあ
惚れっぽいとか整備繋がりとか元ネタの取り込み方にときめいた
2人とも可愛いすぎw
シャーリーってまだ16なんだよな・・・
二人とも可愛いなw
エイラさんは部屋に帰ってベッドの下とか棚の本の後ろとかに写真集隠すわけですね
>>350 サーニャに見つかって修羅場突入ですね、わかります。
そこはサーニャにそっけなくされておろおろするエイラだろう
ルッキーニが部屋ひっくり返してたら発見して「ウジュー!エイラずるーい!私にもこれちょうだーい!」
って食堂で大声でバラすよ
一瞬後オラーシャブリザードが吹き荒れてスオムスが和平交渉を試みるもぶち破られて領土(エイラの部屋)を占領されるよ
そういやあの芳佳とサーニャがツイスターしてるのはなんで水着なんだ?
ミートゥル支援です。
『良き副官の恋』
――ミーナ。私はお前の役に立てているか?
唐突なトゥルーデの問いかけに、私は驚いて書類を書いていたペンを止めた。
それは、部屋に入るなり「何か困ってはいないか」と言うトゥルーデに、
「大丈夫よ」と答えた直後のことだった。
「どうしたの、急に。」
「…いや、そうだよな。私では、頼りないよな。やはり、坂本少佐でないと」
「ちょっと、ちょっと」
話が見えない。
「美緒が、どうしたのよ」
「坂本少佐は、よくミーナの相談にのっているじゃないか。それに比べて私はミーナの…副官なのに」
ギュッと拳を握りしめ、うつむきがちで話すトゥルーデ。
唇がわなないているのが見えて、私は急に切なくなって、立ち上がった。
そしてトゥルーデのそばに行き、壊れものを扱うようにそっと抱きしめる。
全く、この子は…。そんなこと気にしなくていいのに。
トゥルーデは大人しく私に抱きしめられていた。
こういうふうにしたとき、私はいつも思うことがある。
本人にはきっとそのつもりはないのだろうから、言えないけれど、
トゥルーデは可愛い。
そしてトゥルーデはちょっと、たよりない。
少しだけ私より小さい身体で、精一杯、胸をはっている姿が。
「副官としてあなたはあなたに出来ることを立派にやってくれているじゃない」
慰めたくて、そう言った。すると、急にトゥルーデはみじろぎした。
「…すまない。わかっているんだ。
私は…規律一辺倒で、怒鳴ることしかできないから。
こんな人間に相談事なんてできないよな」
トゥルーデは私の腕の中から、するりと逃げるように離れてしまった。
「ちょっと…外の風に当たってくる」
そう言い残し慌てて部屋を出て行ってしまう。私は追いかけていいのかわからなかった。
トゥルーデ…またあんなに思い詰めて。
副官として役に立ってるかですって?
悩みどころはあの子らしいけれど…でも…
でも…本当にそれだけ?
「配慮が足りなかったのかしら。隊長として…失格ね、私」
「そうだよ、ミーナ」
自分の小さなつぶやきに急にそう返事がきて、驚いてドアのほうを見ると、
エーリカがふてくされたように頬を膨らませて立っていた。
「フラウ…聞いてたの?」
「なんでわかんないのさ。あんな慰めかたしたら、トゥルーデが傷つくじゃん。
私だって傷つく」
「どういうこと?」
私が、何を間違えてしまったというんだろう。
「そりゃね、少佐の器量に比べたら私なんてぜんぜんだし、
ミーナの相談事にまともにのってなんてあげられないよ。
でもさ、それとこれとは別ってこと」
エーリカはわざとらしく大きなため息をついた。
「早く追いかけてあげてよ、トゥルーデを」
エーリカは私の背後に回り込むと、ぐいぐい背中を押してくる。
私がドアの外に押し出され、エーリカは言った。
「ちゃんとあやまってこないと、ゆるさないから」
言葉に反して、エーリカの声色は優しいものだった。
滑走路のところで、私は星を見上げるトゥルーデを見つけた。
「風邪、引いちゃうわよ」
声をかけても、「そうだな…」と気の抜けた声で言い、こっちを見ようともしない。
そのつれない態度に少し、いじわるしたくなった。
「ねぇ……もしかして、妬いてるの?」
「…ッ!! 妬いてなんか!」
思惑通り、真っ赤になってトゥルーデはこっちを向いた。
その瞳は少し潤んでいて、私はぎょっとした。
「そんなんじゃない。そんなみっともないこと…」
私はどうしていいかわからないながらも、
しどろもどろに何かを続けるトゥルーデの隣に寄り添うように立った。
「ごめんなさい。実は、どうしてあなたを傷つけたのかわからなくて。
副官としての働きを気にしていたんじゃなかったなら、もしかして…って。
それに」
そこで、一旦言葉をくぎる。
私はトゥルーデのつめたくなった頬に手を置いた。あたためるように手のひらで
ゆっくりこすると、くすぐったそうにする。でも離れようとはしなかった。
「それに…そうだったら、ちょっと嬉しいなって」
トゥルーデは、びっくりしたように目を見開いて、それから急に真剣な表情になって
私の頬にゆっくりと両手をあてた。
お互いの頬を暖めあうような格好で、私たちは見つめあった。
トゥルーデの手はすっかり冷え切っていたので、私は冷たくて仕方なかったけれど。
「ミーナ。お前が謝らなくていい。私が…勝手にお前を好きで…
お前の役に立ちたいのに、悩みを分かち合うこともできないのが嫌だったんだ。
ひとりよがりな理由だろう?最低だよ」
「トゥルーデ…」
――それって、やっぱり嫉妬じゃない?
照れ屋のあなたが否定するから、その言葉は飲み込んで。
代わりに、そっと触れ合うだけの口付けを交わした。
*********
以上です。ミーナのために一生懸命なんだけど、
どこか足りない、どこか頼りない。そんなトゥルーデが好きです。
>>339 えろい!えろいよ(褒め言葉)!
次は宮藤がシャーリーを押し倒(ry
>>344 なんつうか、見事だ。新鮮な二人だけど自然に読めた
初々しくてよいよGJ
>>357 GJ、ミートゥル分補給完了!たまに欲しくなるんだよなこの二人
キューピッドなエーリカGJ
>>355 これはいいカールスラントトリオ!GJ!
>>354 エイラさんが二人の絡みにハアハアするために買ってきました
>>360 けどどう見ても二人が絡んでるのを見て焦ってる
サ「み、宮藤さん・・・そこに指は・・・だめです・・」
芳「ひゃ、ひゃあ!ごめんなさいサーニャちゃん!!」
状態になってたからじゃね
エ(ミヤフジコロスミヤフジコロスミヤフジコロスミヤフジコロス)
>>344GJ!
新しい組み合わせに目覚めた!
シャーリーて相手に臆面もなく好きとか言ってそうだな。
相手がエイラだとおもしろそう
「私はおまえの事好きだし、可愛いと思ってるよ。エイラ」
「ナナナ、何言ってんだヨ!!シャーリー!恥ずかしい事言うナ!」
「あたしは別に恥ずかしくないぞ?お前はどうなんだよ」
「ナ、何の事ダヨ!」
「お前があたしの事好きかどうかだよ」
「…………好きダ」
「おお!」
「そ、ソンナンジャネーヨ!バカ!と、友達としてダカンナ!!」
「(やべ、コイツすごく可愛い…)」
「ソンナメデミンナー!!」
妄想爆発した。
職人さん降りてくれないかな。
>>339 >>344 どちらの作者さんもGJ たまにエロいのくるなココ もちろんまったく問題なしですが……!
つーか、何気にシャーリーもその気になれば誰とでも絡ませることがたやすいような、そんな気がする
>>355 ミートゥルがキタゾー!
ミーナ中佐の力になりたいけどなんか弱虫というか不器用というか……後ろ向きなゲルト美味しいです
なのでもっとリードしてあげてください中佐
予想外のシャイラの素晴らしさに感動した
押しの強い娘とヘタレはかっちりハマるからね
癒しオーラは吹き飛ぶけど
シャーリーは秘め声にあった『大好き・・・』とか『見るなよ!』のように
二人きりで相手にデレられると弱くなる感じがですね
このスレだとシャーリーよりエイラのほうがよっぽど惚れっぽいキャラですよね
まあ公式で女の子にモテたいとか言っちゃってるし当然っちゃ当然かあ
ギャルゲ主人公が似合いそうだな、エイラ
ただし絶対一線は越えられない
その点芳佳は軽く一線を越えそう
こんばんは。
ファンブックが週明け入荷で若干おちこみ気味のLWqeWTRGです。
さて、どうやらエイロット(エイラ×シャーリー)っぽい流れですが自分はマイペースにエイラーニャ。
他カプが書けないだけなんですけどねw
タイトルは「私から」
4レスです。
>>370 芳佳はそんなつもりじゃないのにおっぱいもまれた相手がもやもやして芳佳を押し倒して
めでたく一線を越えることになるよ
それは時間にすれば意外と短いのかもしれない。けれども私にとってみればその数倍、数十倍の長さを感じた。
彼女と繋がった瞬間、私の身体に凄まじい電撃がはしって意識が飛びそうになった。
この世にこんなに甘くて、恥ずかしくて、そして幸せなコトがあるなんて。
私から、エイラに、キス。
それはお姫様からヒーローへのお返し。
――――――
いつも通り昨日からの夜間哨戒を終え、エイラの部屋に潜り込む。
今日だけだかんな、と今日もエイラの不機嫌そうに見せかけた嬉しそうな声を聞きながら、エイラが空けておいてくれたベッドの半分を使って眠りにつく。
やっぱりエイラがいると落ち着く…。
「サーニャ。サーニャ、昼飯の時間だゾ。お昼ご飯食べいこウ」
お昼になり、エイラが優しく私を起こしてくれる。
「大丈夫カ?ほら、腕かして」
そう言ってふらふらしている私を支えてゆっくりと歩いていく。
お昼ご飯は自分の食事そっちのけで私に食べさせてくれる。
そのせいでエイラが食べ終わるのはいつも最後になってていつも悪いな、と思う。
お昼ご飯を食べ終えて部屋に戻る。
普段エイラはこれから訓練があったりして一緒に眠れない。寂しいけどエイラの仕事の邪魔をしてはいけない。
けど今日は。
「ニヒヒヒ。中佐に夜間哨戒任務貰ってキタ」
「ほんと?一緒に飛べるの?」
「アア、今日はずっと一緒ダゾー」
ずっと一緒っていう言葉が嬉しくてついエイラの胸に飛び込んでしまった。
「うわっ、サーニャ!おいぃっ!」
「一緒にいられるんでしょ?うれしい…」
「サーニャ…。うん、私も」
うれしいよ、と言ってくれた。
なんだろう…今ものすごく幸せ。
この気持ちをエイラも感じてくれてるといいな…。
「んじゃ、夜に備えて寝ヨ?」
「うん。ねえエイラ、腕まくら…して?」
「うぇぇっ!うう腕まくら?」
「…ダメ?」
「ウウ…。き、今日だけダカンナー!」
調子に乗ってとことん甘えてみる。
お願いはすんなり通ってエイラのしなやかな腕に頭をのせることができた。
なんだか腕に力が入っているようだけど寝心地は最高。
ついでにぬいぐるみの代わりにエイラの身体に抱きつく。
すると腕の力が最大になった。と思ったら急激に力が抜けていく。
どうやら先に寝ちゃったようだ。疲れてたのかな?
「お、おいサーニャ…?もう起きないト…」
「うみゅう…」ぎゅ
「サーニャ!お、おおおきてッテ!」
夕方。ぴったりとくっついて眠っていた私を困った声で起こすエイラ。
「ほら、しっかり食べろヨ」
「うん、ありがと…」
「ナ、ナンテコトナイって」
夕食。私が食べてる時世話をしてくれるエイラ。
エイラの優しさに護られ、それに甘えきってしまっている自分。
感謝してもしつくせないほどのものを貰って私は何か返すことができているのかな。
「エイラ。いつも私の面倒ばっかりみさせてごめんね」
不安に思った私は空で2人きりになった時にそうきりだした。
「どうしたんダヨ、急に」
「エイラは毎日私にご飯を食べさせてくれたり、ねぼけてる私を支えてくれたり…。いつも感謝してるの」
「ナンダそんなことカ。いいんだよサーニャは気にしなくテ。私が好きでやってるんダカラナ」
「でも…、私エイラにしてもらうだけでなにも返せてないんだよ?」
「だから気にすんなッテ。それにサーニャが私のそばにいてくれるだけで私は十分返してもらってル。むしろ私が返し足りないくらいサ」
「エイラ……。ありがとう」
「ふふん、こっちこそアリガトナ」
私がお礼言わなきゃならないのに。
頭の後ろで腕を組んでお礼言われちゃった。
エイラはすごいな…。
私もいつかエイラにきちんとお返しができるようにならないと。
それまでは
「エイラ」
「んー?なんだ?―――んっ」
私から、エイラに、キス。
首に手を回してできる限り近づいて、エイラの唇に自分のを押し付ける。
離れると顔が燃えるように熱い。
エイラの顔も真っ赤。
「サ、ササササーにゃ…?なななんで?どうして?」
「私から…エイラにお返し」
「お返しって、べ、べ別にいいって言ったじゃないカー!」
「ううん。だめなの…。エイラには感謝してもしきれないくらいいっぱいもらってるから…」
「だからっテ、キ、き、キス…」
「エイラは私のヒーローだから…。ヒーローにはキスかなって…」
「ひ、ヒーロー?私が?」
「うん。かっこいいヒーロー」
「そ、そんなんじゃネーヨ…。…じゃあ私がヒーローならサーニャはお姫様ナ」
「うん…。私をこれからも護ってね。私だけのヒーロー」
そうしてまた唇を重ねる。
今度はエイラも私を抱きしめてくれた。
今まで生きてきて一番幸せ。
こんなに幸せなお姫様は世界中どこ捜しても私だけ。
END
以上です。
エイラ観察日記2を書いたら普通のエイラさんでの妄想が降ってきたので書いてみました。
なので次投下予定の観察日記はこれと部分的に似てる箇所があるかも。バカはしてますが。
サーニャのヒーロー発言は公式見れてなくてどういう感じの言い方だったのか知らないまま書いたので、探訪と違ってたらすみません。
それでは失礼します。
最近職人のレベルが下がったなぁ…
「なになにがなになにだ」って感じの文章ばかり
やはり エイラーニャは 良いな
>>378 調子乗りすぎだろ、ちょっとそこ降りろ
なになにがなになにだ、じゃ…何が悪いのかさっぱこわからんw
批評は結構だけど、やるからにはきちんとしないと戸惑いを生むだけだぜ
>377
エイラニャGJ! イチャイチャたまんねーw
エイラ観察日記のサーニャも好きだったんだけど。
ヒーロー発言、エイラには恥ずかしかったんだろうな。きっともっすごからかわれてるww
荒らしだと思うからほっといたほうがいいよ
>>377 GJ!
いちゃいちゃしてるエイラーニャって
ありそうでそんな数ないよな
385 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 23:27:00 ID:qCPa2z2O
つまり
>>378にとって、高かったときというのがあったのか
それは気になる発言だね
どんな高次のものを求めているのかしれないが、二次創作の目的って一重にキャラに萌えることだろ
すでに提示されてる行動理念があるモノを動かすだけのことなんだから説明すべきことなんてたかが知れてる
文学やりたい人がたまに練習してるかもしれないが、基本的に理屈はやらんよみんな、たぶん好かれないと思うからさ
それだから書きやすいし、みんな書くんだから、あんまり辛辣なこと言うと興を削ぐよ
sage忘れて興を削いだ俺が言うのも以下略
ID:qCPa2z2Oさんに萌えました
さすがストライクの百合スレ、パネエぜ…
まあ、キャラ萌えできなきゃどんな高尚な文章でも楽しめませんよ
すいません。
文が説明的になってしまうのは自分の力不足のせいです。
それにただ妄想を形にしようとしてるだけで成長しないのも自分の悪い所だと思います。
でも他の職人様は素晴らしいSSを書かれています。
フォローをくださった方、GJと言ってくださった方、ありがとうございました。
こんな未熟な自分ですがまた投下させてもらうやもしれません。
その時はすみませんが宜しくお願いします。
長々と申し訳ありませんでした。
よし面倒だから
>>386を簀巻きにしておく事でこの件は解決という事にしよう
X-MEN見てたら凄いアホなネタが浮かんだけど封印しておくよ
目からビームを出すもっさんとか嵐を巻き起こしながら飛んでくるエーリカ(はいてない)とか
新年早々、無職になった俺が来ましたよ。
身投げしたい勢いだが、出会いからプロポーズまでを描いた
エイラとサーニャのスピンオフ作品が出るまで、俺は死ねないぜ。
>>388 匿名の掲示板なのでたまに変な人が沸くのはしょうがないんじゃないですか?
出来れば気にせずに職人活動を続けて欲しいです
>>390 自分は去年の梅雨頃から、今年の3月まで無職だ
長引くと本当にやばいから気を付けておくのだよ
>>377 いやすげー萌えた!!サーニャからのちゅーってのがまたニヤニヤを増幅してくれるゼ。
次の投下も待ってる
>>388 そんなに恐縮する事ぁ無いと思いますぜ。
ひとくちに職人ゆうても十人十色、それぞれ皆さん独自の“味”を持っていらっしゃる。
今回も超GJでしたし、次も待ってますよ〜。
気にせず投下、それがこのスレのシャスティス。
ホントこのスレは休む暇がないな!どれもGJ!!
ミートゥルもエイロットもエイラーニャもたまんねえなあもう殺伐としてる場合じゃない。
ところでどうやらゲームに出演しないらしくてますます影の薄い漫画版の同級コンビですが、
例によって誰もやってくれないようなので先陣を切って投下しようと思います。
内容的には
>>300をやりたかったけど、船に乗り込むところから妄想を始めたらえらいことになったのでそこだけ。
もしかしたら微エロの範疇に入るかもしれませんが、どこ触ってんのかはご想像にお任せします。
シナリオノベル形式で疾風×五色、「密航者も楽じゃない!?な日」です。よろしければどうぞ。
「なあ、五色。」
「何?」
「好きだ。」
「えっ!?」
「愛してる。ずっと言いたかったんだ。」
「疾風……
それはつまりギブアップ宣言なのかな?」
「だってもうムリだし……。」
「ムリじゃないっ!!このコンテナから出られなかったら、
私たちブリタニアに着く頃には干物になっちゃうんだからね!?」
「でも開かない。」
「万一開かなくてもきっとどこかに抜けられる穴かなんかが……」
「ない。」
「じゃあどうすんのよ!」
「さあ?」
────────
「……大体ね、計画もナシにこんなとこ潜り込んでね、
どうにかなるって思ったとこから既にして甘かったのよ。」
「ノリノリだったくせに……。」
「言い出しっぺが言うなあ!
あーもう、こんなことならせめてナイフくらいは持ち歩いておくべきだったな……。
やっぱり私、軍人としてダメな出来損ないなのかな……。」
「そんなことない。五色はちゃんといいとこあるよ。」
「ほんと!?例えば?」
「えっ、いや、えっと、五色は可愛いしそれに、それから、あー、うーん……
……可愛いし。」
「同じだよ!しかも見た目は軍人的には重要じゃないし!!」
「いいから五色も少し休め。肩肘張っててもいい結果は出せないだろ。」
「あっ、……ごめん。」
「ううん。」
とすっ
「はあ……」
「五色。」
「何?」
「そこ私の足。」
「うそ、ごめん。暗くてわかんなかった。」
「罰ゲーム。うりゃ」
「うひゃあ!?」
ふにっ、ふにっ
「相変わらず育たないな。」
「やっ、ちょっ、やめ、んっ」
「この胸とももうおさらばか……」
「ふあっ、は、疾風、何言って」
「なあ五色、私さっき、冗談で言ったわけじゃないから。」
「へっ?」
「好きなんだ。いつかこうしてみたかった。」
「……それって」
「ごめん五色、私は後悔したくないんだ。」
「!? どこ触って───んあっ!!ちょっと、疾風、……やっ、んんっ!」
「好きだよ五色。愛してる……。」
「イヤっ、こんな、やだ、やめ……っ!!」
「五色の体、やわらかいな。」
「やめて疾風、お願い、やめて、やめ……
やめてっつってるだろうがー!!」
べちーん!!
「痛い」
「あのね、言っとくけど、私はまだ死ぬつもりはないからね!?
ここから出る気満々なんだから邪魔しないでくれる!?」
「……」
「そんなに私が欲しいならせめてここから出してから言いなさいよ!
こんなところで野垂れ死になんて、死んでもお断りだっつーの!!」
「ここから出せばいいのか?」
「うん?」
「それは私がここから出せば、五色は私のものになってくれるって意味なのか!?」
「いや、それはその」
「扶桑軍人に二言はないな!?」
「ちょっと、疾風───」
すぅー
「そいやああああ────!!!」
────────
「とまあ、そんな調子で色々大変な思いをしたわけ。」
「コンテナの壁って素手で破れるものなの……?」
「だから密航って簡単に言っても楽じゃなかったんだぞ。
厨房から缶詰いっこ奪うのにどれだけ苦労したか……」
「ろくに日の光も浴びられないし……」
「潜水艦状態だったからな。」
「お風呂どころか水浴びすら滅多にできないし……」
「ていうかまずトイレがいちいち面倒だった。」
「そうそう。見つからないように交代でね……。」
「へえー……二人とも大変だったんだね……。」
「ほんと、もう二度とごめんだわ!」
「で、疾風ちゃんと五色ちゃんは付き合うことにしたの?」
「聞いてくれ芳佳、こいつときたら──」
「わーっ!!わーっ!!」
「せっかく助かったのにちゅーもさせてくれないんだぞ?」
「五色ちゃん……?」
「もぉ勘弁して……。」
「(ここだけの話、寝てる時にこっそり初ちゅー奪ってやったけどな)」
「(ちょっ……疾風ちゃん意外と大胆だね……)」
「そこ!二人でひそひそ話しないでよ!」
「五色ちゃん、自分で言ったことには責任を持たなきゃダメだよ?」
「だからあれは勢いっていうか言葉の綾で……!」
「言い訳無用!五色ちゃんは約束を破った罰として、
疾風ちゃんの言うことを何でも一つ聞いてもらいますっ!」
「そ、そんな───」
「五色……(ゆらり)」
「タタタンマタンマ!!ちょっと芳佳───!?」
「じゃあ私は訓練の時間だから!」
「五色……(ハァハァハァ)」
「待って芳佳お願い助けちょっまっやっ
いやあああああああ!!」
endif;
以上です。良ければ私のベッド使っていいから!by芳佳
メディアミックス漫画特有の微妙な出来を再現するのに苦労したが果たして。
漫画版芳佳の妙に今風な感じは嫌いではないけど、彼女にはもっと乳房への飽くなき探求をだね……。
ともかく疾風と五色の夫婦漫才は大好きなのでもっと二次創作が普及して欲しい今日この頃でした。
燃料さえ……燃料さえあれば……!!
>>398 五色のツンデレかつおあずけかつ誘い受けっぽい感じに萌えすぎてこまったwww
なんなんだお前らもったや(ry
メディアミックスだからこそ期待(or妄想)できる色んな絡みに2828しつつGJと叫ばざるを得ないw
疾風は陸軍だから巫女装束なんだよな
芳佳の巫女装束も可愛かった
目覚めそう
>あと芳佳とエーリカが一緒につまみ食いしたりする仲というのにとても萌えた
本スレにこんな書き込みがあったから公式のタロット何回もやってたら本当にでてきたよw
で、芳佳を見捨てて逃げたエーリカに芳佳がおしおきをするssはまだですか?
>>401 いやここはあえて…
「もぉー! ハルトマンさん! 一人で逃げるなんてずるいですよ!」
「あははー、ごめんねー! 怒られるの嫌だったからさぁー」
「…謝ったって許してあげません!」
「むむー、仕方ない宮藤の機嫌を治すとっておきの魔法を使おう! はい、ちょと目つぶってー」
チュッ
「どう、機嫌治った宮藤ー?」
「……全く今回だけですよ」
「えへへー」
……みたいのもいいかもしれん
>>402 チュッ
「どう、機嫌治った宮藤ー?」
「……全く今回だけですよ」
「えへへー」
「オマエら、それ昨日も言ってたヨナ……」
>>403 エイラ「ってことがあったんダヨ!あいつらはいっつもいっつもー!」
サーニャ「・・・エイラ」
エイラ「え?」
ちゅっ
サーニャ「機嫌、治った?」
エイラ「!?!?!?」
>>404 ミーナ「なんてことやってるのを見ちゃったわ・・・風紀のためにも一度きつく言った方がいいかしら」
少佐「ふむ・・・こうか?」
チュッ
ミーナ「!!み、美緒?!」
少佐「まぁ少しくらいは多めに見ようじゃないか。私たちもやってることだしな。わっはっは!」
>>405 「あんなふしだらなことしちゃダメだぞルッキーニ」
ちゅ
「あ、こらルッキーニぃ!!」
「わたしだってシャーリーとしたいもん」
「だめ?」
「ぐぐ・・・そんな目で見ないでくれ!!」
「うー」
「わかったわかった・・・」
「やたー!」
「じゃあ今度はシャーリーがしてくれるよね?」
「な!?」
「わたしの機嫌、直らないよ?」
「むぐぐ・・」
なんというバカップルの連鎖
>>407 残るはペリーヌ×リーネと・・・
あれ・・・お姉ちゃん・・
おねえちゃんには妹がいるじゃない
「おまえが言うな」的流れを予想していたので正直困惑している
>>406 ペリーヌ「まったく、揃いも揃ってだらしがありませんわ!」
チュ
ペリーヌ「ななな、なんてことなさいますの!」
リーネ「どうです? 機嫌直りました?」
ペリーヌ「そ、そんなことあるわけないでしょ」
リーネ「じゃあもっとしちゃいます」
チュチュチュチュチュ
お前らいい年こいてチュッとか恥ずかしくないのか
いいぞもっとやれ
お姉ちゃんが余るなんて珍しい
よりどりみどりなのに
>>409 はいはいバルクホルンさんお薬飲みましょうね
>>411 トゥルーデ「いったい何をやってるんだこいつら…
風紀を乱すのもいい加減にしろ!」
エーリカ「こんなところにも不機嫌さんが一人…」
トゥルーデ「な、なんだよみんな揃って」
エーリカ「みんないくよー! せーのっ」
チュチュチュチュチュチュチュチュチュ
こんなのはだめですか?
ここまで繋がるとは…
やはりこのスレの妄想力はすごいなw
ゲルトルート・バルクホルン大尉
二階級特進
おねえちゃん総受けオチふいた
こんにちは放送終了から結構立ちますけど未だに毎日投下されているこのスレは凄い
さて最近忙しくてなかなか投下できなかったので、投下します。
私達は相性が良いと思う
ある日ふとしたきっかけで話しかけてから、波長でもあったのか二人で居ることが多くなった
そしていつの日か私には彼女が必要な存在になった。
私の隣にいないと落ち着かない
彼女が居ないと不安になる
でも彼女は?
彼女はどう思ってるんだろう?
友達?親友?それとも同僚?
私の彼女への気持ちが一方通行なのだろうか?
私が向ける気持ちと彼女の気持ちは同じじゃないんだろうか?
最近そんな事ばかり考えている
◇
「ハァ」
ため息をつきながらベットに寝転がる
最近ため息が増えた気がする。いや間違いなく増えた
悩みはもちろんサーニャのことだ。
まったく自分はいつからこんな一つのことに悩むような人間になったんだろう?
昔はもっとシンプルだったはずだ
きっとサーニャが私を変えたんだろうなぁ
そう思い窓から夜空を眺める
今日の夜間哨戒は宮藤とサーニャだ
前の夜間哨戒の任務を経験してから、ローテションにくまれるようになった。
意外とあの二人は仲が良い
それに珍しくサーニャが積極的に関わろうとしている相手だ。
宮藤のなにに惹かれたのかは解らない
ただ、興味があるらしいのは確かだ。
別にサーニャがだれかと仲良くなるのはかまわない
私だってそこまで縛るつもりはない
ただ最近
「あのね・・芳佳ちゃんの故郷はね・・・」とか「その時芳佳ちゃんがね・・・」
と明らかに宮藤絡みの会話が増えている
私は適当に相づちを打ちながら話を聞いているが
サーニャはその話をする時いつも以上の饒舌になって、なんだかひどく悔しくなる
そしてそんな事を考えている自分の器の小ささに、あきれてまたため息が出る。
「はぁ」
とにかくもう寝よう
こういう時は寝るに限る
そう思って布団をかぶるもののなかなか眠気は訪れなかった。
◇
ドサリとベットになにかが倒れ込んだ
もう毎度のことなので驚きはしないが、眠りから覚めてしまった。
なんで私の所にくるんだろう?
ほんとに寝ぼけてるから?人肌恋しいから?
サーニャが何を考えているのか解らない
もしかしたらそのうち宮藤の所にも行くようになるんだろうか?
「はぁ」
しまった、無意識のうちにまたため息をついてしまった。
だめだなぁ最近
とりあえずいつものようにサーニャの服を畳んでやる
この後大抵二度寝するのだが、今日はとてもじゃないがそんな気分じゃないので起きることにした。
サーニャを起こさないように、こっそりと部屋を出る
まだ早朝ということも有り、空気が澄んでいて少し肌寒い。
そろそろ冬が近づいてきているのだ。けどスオムスの寒さに比べればたいした事は無い。
そういえばスオムスからここに来てもう随分立つ
ここのネウロイを倒したら部隊は解散。サーニャとはきっとお別れだ
いつか別れるなら今以上の関係を望むのは止めた方がいいのかもしれない
きっとつらくなる
そんな事を考えていて廊下を歩いていると、宮藤が向かい側から歩いてきた
こいつまだ寝てなかったのか?
「よお、おつかれ」
「あっエイラさん。おはようございます」
「まだ寝てなかったのか?」
「寝る前にお風呂に入っときたくて、行ってきたんです」
「へーそっか」
サーニャは帰ってすぐ寝て、起きた後に風呂に入ることがほとんどだからなぁ
まぁ人それぞれか
「どうだった今日の夜間哨戒?」
「あっはい。今日はネウロイは出現しなかったので、大丈夫でした」
「いやそりゃ知ってるけど、なにしてたんだ?」
「えーとですね、今日はサーニャちゃんが故郷の話をしてくれました」
「故郷の?」
「はい。音楽学校の時の事とか、訓練校時代の事とか教えてくれました。この前は家族のことを教えてくれましたよ。
私の故郷の事も知りたいって言うからこの前教えてあげたりしたんですよ」
「・・・・へぇ」
そう言って相づちを打つ私の声はひどく冷く
楽しそうに語る宮藤を見る目はひどく冷淡だったと思う
「・・・・まっ仲良くやれてるんならそれで良いよ、ゆっくり休むんだぞー」
「あっはい。ところでエイラさんこんな早朝になにしてるんですか?」
「んー?目が覚めたかちょっと風呂でも入ってくる」
「そうですか、それでは」
「ん、おやすみ」
そう言って別れる
危ないちょっとイラッとしてしまった
思った以上に自分は独占欲が強いのかもしれない
今までは、サーニャの話し相手はほとんど私だった
そこに最近宮藤という存在が入ってきた
もういままでとは違う
二人きりでは無いのだ
「はぁ」
しらずまたため息が出る
とりあえず風呂に行くつもりだったけど、そんな気分じゃない
そこでふと思い立って私はある場所へ足を運んだ
◇
目的地はハンガーだった
このモヤモヤした気持ちを忘れるためには、なにか一つの事に集中したほうが良いと思ったからだ。
それにそろそろ整備しとこうと思ってた所だ
もちろん整備士の人を信用してないわけでは無いが、自分の命を預けるものだ
自分の目で確かめたいし、乗ってる私にしか判らない事もある
ペタリと愛機に触れる
そういえばこの機体に乗り換えてから、随分立つ
基本的に不具合は修理して直すし、今のところ撃墜された事もないでの乗り続けている
「さて、やりますか」
と思ったが自分の格好は寝間着にパーカーを着ただけだった
別にこのままの格好でもかまわないのだが、お気に入りの服が汚れるのはいやだ
そこでふと目にとまったのは、見慣れた作業着だった
あれはシャーリーのだよな?
そう思い手に取る
うん間違いないシャーリーのだ
たまにこの格好で整備してるのを見たことがある
「・・・ちょっとくらい借りてもいいよな?」
そう思いいそいそと着替え始める
身長的にもサイズ的にもそんなに問題は無い
よく使い込まれた作業着を着る
ついでに工具も借りることにした
まぁばれたそのときだ
さっそく作業を始める
といってもただの微調整だ
この前の戦闘の時にちょっと気になったエンジンバランスを少しいじるだけだ
ストライカーをいじっていると、自然に悩みは忘れていた
がちゃがちゃと早朝の静かなハンガーに音が響く
すっかり熱が入ってしまい、エンジンだけのつもり他の部分にまで手をだしてしまい
ふと気がつくとかなりの時間がたっていた
「あっちゃー」
時計を見るとかなり時間がたっていた
自分の手や服を見てみるとすっかりオイルやらで汚れていた
借りてよかった
結構汚してしまったので、後で洗っとこうかなぁ
と考えていると声をかけられた
「よっ」
「うわっ!」
後ろかいきなり声をかけられたので、ビックリしてしまった
振り向くとそこにはシャーリーがいた
「おまえがそんなに驚くところ初めて見た」
「・・そうか?」
「ところでなにしてんだ?私の服着て?」
「あー」
そういえば無断で借りてたんだった
「いやさーちょっとストライカー整備しようと思ったんだけど、作業着がなかったからさー」
「それで借りたと?」
「うん、ごめん」
「まっ別に良いけど、ちょうどそれを洗濯しようと思って、取りに来たんだから少しくらい汚れても」
「あっなら私が洗っとく」
「ん?いいのか?」
「まっ勝手に借りたわけだしそれぐらいはする」
「そっかなら頼むぞ」
「りょーかい」
「しかし意外に似合うな」
「なっ!褒めてもなんもないぞ」
「別に事実を言ったまでだよ、そんな照れるなって」
「照れてねーよ」
「ほんとにー?」
「当たり前だろ」
「まっいいけどさ」
そう言ってフンフンと鼻歌を歌いながら私のストライカーを眺めていた
「でっ何が合ったんだ?」
「へっ?」
「隠すなって、おまえと私の仲だろ?」
そう言って肘でつついてくる
「どんな仲だよ・・・」
「えっそれを私の口から言わせるのかよ」
「なっなんでちょっと怪しい関係っぽくなってるんだよ!」
「はっは、でもなにか合ったのは事実だろ?」
「・・・別に」
そう言って見つめてくるシャーリーの視線に耐えられず、目線を外す
「まぁおおかたサーニャ絡みなんだろけどさ」
「そんなじゃね・・」
「無く無いだろ?だいたい夜間哨戒明けのサーニャのそばに居ないで、こんな所に居る時点で変なんだよ」
「・・・・」
事実なので弁解出来ない
「たまにはお姉さんに悩みを打ち明けてごらん」
「一歳しか違わないだろ・・・」
カモーンと両手を広げるが、とてもじゃないが相談できない
なにせ私自身なにに悩んでるのか判らないんだから
「はぁ」
またため息をついてしまった
最近の悪い癖だ
「・・・・思ってる以上に深刻そうだな」
「どうなんだろうな」
「まっ私はここで適当に工具の整理をするから話したくなったら言えよ」
そう言って私が散らかした工具をしまっていく
なんだか一歳しか違わないのに私の方が子供みたいだ
普段手のかかる奴の世話をしてるからだろうか?
せっかく聞いてやると言ってるんだ、ここは一つ相談に乗って貰うのも悪くないかもしれない
「あのさー私とサーニャは割と他の隊員と居るより二人きりで居る方が多いだろ?」
「ん?あぁそうかもな」
「元々他の隊員との接点が少なかったのもあるし、私としては二人っきりのほうが良いからそれでかまわなかったんだけどな」
「うん」
「サーニャは宮藤が来てから変わった。サーニャがあれだけ積極的に関わろうとするなんて珍しいんだ。
もちろん変わらないヤツなんて居ない、それくらいは分かってる。でも最近じゃ私と話す時もサーニャは宮藤の事を話すんだ。
今まで友達が少なかったから嬉しいんだろうけど、嬉しそうに話すサーニャを見ると少し悲しくなって、そんな自分が嫌になる」
「・・・・」
「もう今までとは違う。私が必死に護ってきたつもりのサーニャはもう一人でも大丈夫なのかもしれない。
そうしたら私はもう要無しなのかもしれないな」
はっはと力なく笑いが出て
そう私は寂しいんだサーニャが私だけのサーニャじゃなくなるのが
「大事に育てた娘があっさり他の男の所にいく父親の心境か?」
「なんだよそれー」
「ただの例えだよ、でもおまえは今そんなかんじだろ」
「…かもな」
「おまえ以外と独占欲強いな」
「それも自覚してるよ、そしてそんな自分に嫌気がさしてるところだ」
「そう暗くなるなって、しかしなんでそんなにサーニャに執着してるんだ?」
「自分でもよくわかんないけど、なんかほっとけなくて」
「まっこういうのは口じゃ説明できないものか」
「なんだよー上から目線で」
「まっ私のほうがお姉さんだからな」
お姉ちゃんって読んでみる?
と笑いながら聞いてくるので
呼ぶわけ無いだろーと返した
うん、ちょっと元気が出た
やはり誰かに聞いて貰うのがよかったのだろうか?
それともシャーリーだからか?
「・・・・まっいっか」
深くは考えないことにする
「とりあえず風呂に入ってこいよ、それから朝飯だ」
「だな」
「まっ本当に寂しくなったら私の所にこいよ、慰めてやる」
「・・気が向いたらな」
「じゃな」
そう言ってシャーリーはハンガーから出て行った
断らなかった自分は、思った以上に誰かに頼りたいのかもしれない
いや甘えたいのか?
「はぁ」
深くは考えないことおにする
とりあえず風呂に入ってそれから今日どうすえうか考えることにしよう。
つづく?
ということで多分つづきます
今後シャイラに行くかエイラニャに行くかは未定なのでぼちぼち進めていきます
後名前欄にタイトル入れ忘れてた
タイトルはため息の理由
それでは◆eIqG1vxHTMでした
ワッフルワッフル
シャイラが流行りなのか?
続きwktk
でもエイラーニャも捨て難いなぁ
人気のない肌寒い廊下に佇んで、見上げたのはチークのドアだった。
光沢を失い、所々亀裂が目に付く寂れた小さなドアである。
そこは五○一統合戦闘航空団の図書室だった。
静寂が支配した。緊張して息を殺すと、荒波のような鼓動が耳に響く。
自慢のブロンドを手櫛で梳いて、端正な眉を指の腹で撫でる。
乾いた唇を擦り合わせ艶を出すと、眼鏡を古くから家に伝わる紋章の刺繍が入った
桜色のハンカチで丹念に磨きあげ、最後に服装を念入りに整えて完成だ。
坂本少佐は今日も来ていらっしゃるのかしら
ごくりと溜った唾を飲み込んで、音を立てないよう、そっとドアを押した。
古書の黴臭い匂いが流れ出た。今はなき城の主が勉学のために造成したものを、軍が咀嚼したのがこの部屋である。
だけども、少し前までは私の他には誰も利用しなくて、ひっそりと忘れられた空間になっていた。
将来は貴族の子女として、またガリア空軍の将校としても人の上に立ち、人々を導いて行かねばならぬ身であるから
日々図書室に通い、物事の見識や造詣を深めていたのであった。
それが、先週から坂本少佐もここに通うようになったのだ。
なんでも、後進に自らの空戦技法を伝えるためだとか。
実に素晴らしいお考えで、その理念には感嘆するばかり。
そうして、坂本少佐が大小様々な書籍を広げ、筆を片手に机に向かうのは、決まっていつも夜中のことだった。
それからというもの、読書なんてすっかり手に付かなくなって
今では本の陰に隠れて少佐を盗み見る毎日である。
中を覗くと見慣れた風景が視界に入る。二方の壁と、部屋の中央に位置する八つの本棚に
天井から吊された、一つの大きな古びた電球と、カチカチと、ときを刻む古風な振り子の付いた柱時計。
そのどれもこれもが大好きだった。
本棚に囲まれた奇妙な圧迫感も、仄暗い電灯も、黴臭い空気すら。
それが、私と坂本少佐をつなぐものなのだから
汚い部屋も不快ではなく、むしろ、心地好い気持ちになってくる。
だって、最近の坂本少佐ときたら、御自身が扶桑から連れて来た宮藤さんとばかり過ごすのですもの。
訓練だって、少し前までは私がお付き合いをしていましたのに
今ではとんと、宮藤さんに付きっきりで御指導なされて、なんとも寂しい限り。
斯くして私の心に暗雲が立ち籠めて、意気消沈していた、そんな時に、颯爽と坂本少佐が現われて
それがとても嬉しくて、初めは、幻覚では? なんて訝しんだりしたものだ。
来て居るのなら、窓辺の閲覧席である。狭小な図書室には、その円卓一つしか、この部屋に机は存在しないのだ。
手を胸の前に出して、若干前屈みになりながら、そこに目を澄ますと…
――いた
いたいた。いました。
小躍りするのをどうにか抑えて、確かめるよう、何度も目を瞬かせた。
恐る恐る後ろ手で、把手に手を掛けると、躊躇いながらも漸くにドアを閉めた。
慎重に手近な本棚まで足を進め、身が隠れると気が緩んだのか、どっと息が漏れた。
適当に書物を繕うと、坂本少佐の差し向かいの席に腰をおろした。
自然に装うために、大して興味のない大判の本を開いてみる。
適度にページを捲るものの、耳に響く筆の走る軽快な音に堪らず目線を上げた。
窓から差し込む月明りに照らされたその姿に、思わず息を呑んで、うっかり見惚れてしまう。
長くさらさらした後ろで結った緑の黒髪、艶艶の桜色の唇、吸い込まれてしまいそうな漆黒の瞳。
ああ、どうして貴女はここまで私を魅了しますの…
「…なあペリーヌ。私の顔に何かついているのか?」
「へっ。あっ、いや、な、何でもありませんわ!」
「そうか。ならいいんだ」
素早く本の陰に顔を隠す。頬が熱い。穴があったら入りたい気分。
本当になんたる醜態ですこと。ガリア貴族として面目が立ちませんわ。
はしたなく口角を流れる涎を拭い、多少の居心地の悪さを感じながらも、心は既に夢見心地。
性懲りもなく盗み見てる間にも、夜はどんどん更けていく。
いつの間にか寝入ったペリーヌを見て私は、またかと、そっと嘆息を吐いた。
でも、本を開きながら幸せそうに寝息をたてる姿を見てると
まるで子どもみたいで心底可愛らしくて、自然に笑みを零してしまう。
仕方ないな。そう心中で呟くと、卓上に散らばった書籍を纏め、本棚に返していく。
自身の外套をペリーヌに被せると、起こさないようにおんぶして
背中越しに温もりを感じながら部屋を出た。
すやすやと、耳をくすぐる柔らかな吐息を聞きながら、月夜の廊下を緩歩する。
彼女の部屋に着くと、いつものようにそっと、天蓋の付いたベッドにゆっくり降ろす。
ふと、突然に欠伸が一つ漏れた。何気なく時計を見ると短針が二時を指していた。
時を認識した瞬間、途方もない睡魔が私を襲い、視界が朧になってきた。
微睡んだ意識の中で、自室に戻るという選択は億劫になっていて
堕落した精神は、いつか聞いた諦めの言葉とともに私を振り返えらした。
「今日だけだからな」
そう言って瞰下のベッドに突っ伏すと、温かな眠気にこの身をゆだねた。
おわり
QB1eHhb+でした。
近所の図書館で本を読んでいたら
ふと閃いたので稚拙なのを承知して書きました。
他の作者様の様に心理描写を巧く書けないのが悩み。
それはそうと、保管庫管理人様に御一つ頼みごとを。
続カレワラの方を削除していただきたいのです。
公式と設定が乖離していて、これ以上やると薮蛇になりそうなので。
多分続きはもう書かないので、面倒だとは思いますがどうかよろしくお願いします。
では、失礼しました。
早く基地探索更新しないかなー
>>427 シャイラはいいコンビだよな
面倒見のいいシャーリーまじいい人!GJ!
>>432 語彙が豊富な人には憧れるよ
もっペリごちそうさまでしたGJ!ペリーヌ幸せになれ…
【501新人シリーズ】わんぱくガッティーノ:最終話『ブリタニアの新しい仲間』
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
あらすじ:(例の音楽でw、c/v郷田ほづみ)
1943年4月、ロマーニャ空軍のフランチェスカ・ルッキーニ少尉がブリタニア転属を命じられた。
祖国との別れは辛いけれど命令なので仕方ない。
上官や仲間、そして家族との別れを済ませ、彼女はブリタニアへと向かうのであった…
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
─ ブリタニアへ向かう輸送機の中 ─
「…いい?ロマーニャにいた時みたいに…しないでよ…」 「…なんで?…じゃないの?」
「それは…なのよ」 「そうなの?…なんだ…」 「それで…ちょっとフランカ!聞いてるの?」 「え?はいはいきいてるよー」
「んもう…しょうがないなぁ、そんなにそわそわしなくてもブリタニアは逃げないんだからちょっとは落ち着きなさいよ」 「はーい」
「それでね─」
移動の機中、上官の訓戒をうわの空で聞きながらルッキーニは新しく配属される部隊のことに気持ちを向かわせていた。
「そろそろロンドンに到着するわね…さぁさぁ早く降りる支度しなさい」 「はーい♪」
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
─ ブリタニア王国某所、連合国第501統合戦闘航空団基地執務室 ─
ジュ「ロマーニャ空軍第四航空団よりフランチェスカ・ルッキーニ少尉ならびに付き添いとしてジュゼッピーナ・チュインニ特務中尉到着しました」
ル「えーと、フランチェスカ・ルッキーニ少尉です。よろしくお願いします」
到着した二人はロマーニャ軍の敬礼を、迎える側の二人もブリタニアの敬礼で返す
ミ「お二人とも遠路はるばるご苦労様です。連合国第501統合戦闘航空団統括隊長のミーナ・ディントリーデ・ヴィルケ中佐です」
美「同じく戦闘隊長の坂本美緒少佐です。訓練時間やその他シフトについては追々決めていくということで、
今日はまず隊員の皆に紹介しておこうと思うのだが…バルクホルン大尉とハルトマン中尉はまだ訓練か?」
ミ「そうね、あと1時間もすれば戻ってくると思うから…イェーガー中尉とユーティライネン少尉も
そろそろ哨戒から戻ってくるはずよ。それとサーニャちゃんはまだ寝ているわ」
美「そうか、それではしばらくここで待機、先日送ってもらったデータの確認ともう少し詳しい話を聞かせてもらおうか。
ジュゼッピーナ中尉、貴官には先日の失礼な手紙の件もあるしな…」
引継ぎのためにルッキーニ以外の3人は作戦机に向かって本人にはわかりにくい難しい話を始めてしまった。
しかしルッキーニはすることがないので面白くない。部屋の中をいろいろ見て回るもすぐに飽きてしまい、
こっそり部屋から出て行って基地の探検へと向かった。
「ウジュー…ここどこだろ?…迷っちゃったかも」
「ねえ、ここで何やってんの?ここはハンガーだよ」 ル「ヒッ!…あ、あの、迷っちゃった(エヘッ)」
「…(迷っちゃたって…)ここは子供の来るところじゃないよ、お嬢ちゃんは誰だい?」
「オーイ、シャーリーどうしたンダー?アレ、その子ダレ?」 「いや、なんか迷子みたいなんだけど…」
「あ、あの…(ガクガクブルブル)」 「あっ!もしかして、今日新しく入るってミーナ隊長が言ってた子か?」 「ソウナノカ?」
「二人ともそんなところで何を…ん、その子は誰だ?」 「ただいまー!あれ?みんなどうしたの?」
「あーお帰り。実は─」
─ 2時間後 ─
ミ「それでは新しい仲間を紹介します。ロマーニャ空軍の…」
ル「フランチェスカ・ルッキーニ少尉です。みんなよろしくねー♪」
ミ「ちょっと!人の話は最後まで…」
エイ「エイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉ダ。こっちはサーニャ・リトヴャグ中尉。よろしくナ」 「…よろしく…ムニャムニャ」
シ「シャーロット・イェーガー中尉、シャーリーって呼んでくれればいいよ。よろしくね♪」
ハ「エーリカ・ハルトマン中尉だよ。よろしくね」
バ「ゲルトルート・バルクホルン大尉だ。まったく…ロマーニャには緊張感というものはないのか…」
ミ「やれやれ…身の回りの世話や基地のことなんかはシャーリーさんお願いね」
シ「了解です隊長」
美緒「いっそのことロッテもシャーリーと組むか?」
ル「わーいシャーリーのおっぱいおっきぃー!」 ゲ「おいおいこんなところで…まったく…ヒッ!」
エリ「トゥルーデー私もおっぱいー」 バ「うわっ、ばかよせっ!あとで部屋でゆっくり…いいかげんにしろ!(ポカッ)」
エリ「あーんトゥルーデがぶったー。いたいよー!(チラッ)」 バ「ったく、お前がやめないからだろう…ウソ泣きしてもバレているぞ」
エイ「静かにしろ!サーニャが起きちゃうじゃないカ!」 サ「…エイラうるさい…Zzz」 エイ「アァゴメンサーニャ…部屋ニ帰ロウカ」
ミ「やれやれ…また騒がしくなるわね」 美「はっはっは!ここもまた明るくなっていいじゃないか」
ナレーション:ル「こうして私はこの基地へやって来て新しい仲間に出会ったのでした。シャーリーだーいすきーっ!
…になれるのかは…ひみつだよ♪」
【501新人シリーズ】わんぱくガッティーノ 完結
(番外編(ジュゼッピーナ&ルッキーニ関連の手紙)はあるかもしれない)
※ペリーヌはまだここには居ません。(7月入隊予定)
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
次回予告のようなもの(サーニャのうた、c/v門脇舞衣)
サーニャ・V・リトヴャグ7歳です。
1937年9月、ここはウィーンの音楽学校。私はここで初めての体験と初めての出会いを
同時にしてしまって…そんなことよりネウロイがオストマルクを攻撃して…
次回、”オラーシャの白百合”第一話『魔力の発現と運命の出会い』です。
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
おまけ
ジュ「久しぶりねイッル」 エイ「ア、アァ…久しぶりダナパスタ准尉(なんでコンナトコでコイツに会うンダヨ…)」
ジュ「いつブリタニアに?」 エイ「エート…今年の初めぐらいダト思ウ」
ジュ「ところであれから好きな人は出来たの?『ソンナコトは好きな人とするもんダ!』なんて言って
あれだけアホネン大尉から逃げてたんだからさぞかし…」
エイ「バッ、バカッ!何言ってンダこの変態准尉!」
ジュ「あーら、そんなこと言ってもいいの?これからスオムスに引退の挨拶に行くんだけど、
むこうのエルマ少佐とニパ中尉になーんて報告しよっかなー?(ニヤニヤ)」
エイ「エ?エル姉に?ソ、ソレダケハヤメテェェェー…」
おまけその2
美「ジュゼッピーナ中尉!先日の手紙の件だが…」 ジュ「あーあれね。別にいいんじゃない?今から備えておけばいざという時に…」
美「まだ私は18だ!他人に自分の引退を口にされるほど衰えてもいないし、余計なお世話だ!」
ジュ「ということは自覚してるのね」 美「くっ…とにかく私はおまえなんかにとやかく言われたくない!」
ジュ「交渉決裂ね、それじゃこの話は終わりにしましょう(そのときが来るまでね…)」
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
以上です。
おまけ部分でジュゼッピーナがひどい人ですがそこは先輩風を吹かしてるということで…w
相変わらずセリフでごまかしてますがなんとかシリーズ構成しなきゃ。
ということで次回はエイラーニャです。(501新人シリーズはサーニャの順番ですが二人の出会いのお話の予定)
シャーリーの部屋のミニバイクの調子が悪くなったんだけど整備兵に
見てもらうのは悪いということでエイラに見てもらうことにするシャーリー
普段タメ口なのになぜか敬語で接してくるシャーリーに怪しく思って問いただし
事情を知って仕方なく見てあげるエイラ
寝て起きたらエイラが部屋にいなくて探すんだけど心当たりのある場所にはどこにもいなくて
勇気を出して隊長にまで問い合わせるけど知らないと言われて泣きそうになるサーニャ(そのころエイラはシャーリーの部屋で整備中)
という妄想をしたが自分では文章にできないので誰か拾って
バイクならどう考えてもシャーリーのほうが得意分野だろう、という違和感が。
いや、エイラにちょっかい出すための口実と考えれば(ry
シャーリーは501で唯一、草食動物が使い魔
というか今まで使い魔が明らかになっているウィッチで草食動物が使い魔なのは
シャーリーだけだよね
薄幸系スオミ娘ことカタヤイネンさんすらイタチなのに…つまりシャーリーは何処に
行っても受けということなんですねわかります
>>441 ウサギは精力が(ry と前に話が出たような。
>>441 兎の発情は(ry
確かに前にも出たね。誰か一発えろいので書いてくださひ
>>438 GJ!
そういえばジュゼッピーナもいらん子にいるんですよね。エイラとの絡みは盲点でした。エイラーニャ楽しみにしてます。
シャイラな流れを切って悪いですが、エイラーニャで5レス投下します。
タイトルは「会いに行く日」
※注意:これは501解散後、サーニャはスオムスではなくオラーシャへ戻ったという設定です。
今までの人生で、一番楽しかった思い出は何ですか?
そう尋ねられたら、私は迷わず答えるだろう。あの、ブリタニアで過ごした数ヶ月間の事を。501の仲間達と共に闘い、共に笑い合った日々の事を。
あの頃私の周りには、ちょっと恐ろしいけど優しい隊長がいて、いつも豪快に笑っていた少佐がいて。
堅物と自由奔放のエースコンビがいて、スピード狂と人懐っこい子どものお気楽コンビがいて、ツンツンメガネがいて、おっとりした軍曹がいて、なかなか見所のある新人がいて。
そして私の隣にはいつも、恥ずかしがり屋でとても綺麗な、オラーシャの妖精がいた。
彼女──サーニャと初めて出会った日の事は、まだ鮮明に覚えている。これから先もずっと覚えていると思う。何て綺麗な人なんだろうと、一目で心を奪われた。外見だけじゃない。彼女の内面も、とても綺麗で繊細で。知れば知るほど私は彼女に惹かれていった。
幸福で満ち足りた日々。しかし、そんな日々もやがては終わる。ウォーロックの撃破とガリア地方のネウロイの巣、消滅。それをもって第501統合戦闘航空団は解散。私達ウィッチはそれぞれ故郷に戻り、離れ離れになった。
「絶対に会いに行くカラ。それまで待っていてクレ、サーニャ」
別れの朝、私はサーニャと約束した。必ず、必ず会いに行く、と。
「うん、待ってる。いつまでも待っているよ、エイラ」
いつ果たされるのか分からない約束。もしかしたら、二度と会えないかも知れない。二人の歩く路は平行線のまま、闘いの中で死んでしまうかも知れない。
それでも私達は小指と小指を絡め、不安な未来を払拭するように指きりをした。いつか、再び会える日を信じて。
×××
「おーいイッル、そろそろ出るぞー。準備は出来たかー?」
スオムス空軍の基地。部屋の外から、同僚のニパが呼ぶ。私は忘れ物がないか、辺りを見渡した。
「ああ。出来ているゾ」
ハンガーに掛かっていた白いコートを着て、水色のマフラーを首に巻く。茶色の毛皮の帽子を被って、黒いトランクを手に持つ。私は部屋を出た。
「あまり時間はないぞ。早く出よう」
「済まナイ、ニパ」
部屋の外には、似たような格好のニパがいた。私達は、並んで廊下を歩く。
正面玄関の戸を開けると、冷たい風邪がブワリと吹き込んできた。雪も混じっているようだ。
吹きさらしの風にコートの裾をはためかせて、私達は駐車場へと足早に歩いた。吐く息が白い。何も覆っていない顔に、冬の風が容赦なく吹き付ける。
「うう、相変わらず寒いな」
「全くダ」
駐車場に停めてあった、一台の軍用車両に私達は乗り込んだ。この日のためにニパが借りてきてくれたものだ。私は助手席へ、彼女は運転席へ。
ニパがキィを差し込んでエンジンを掛けた。ブルブルとシートが小刻みに振動する。ワイパーがフロントガラスに積もった雪を掻き落とす。
「ていうかイッル、新年になってから出発しても良かったんじゃないのか?」
車が動き出す。降り積もった雪に轍をつけて、ゆっくりと走る。
「ずっとあっちに居たんだから、年明け位はこっちでゆっくりしてけば良いのに」
ゲートを抜けると道路の雪は固められて、比較的走りやすくなっていた。どうやら時間には間に合いそうだ。私はニパの方を向く。
「一刻でも早い方が良いダロ? それにクリスマスはこっちで過ごしたんだシ」
「まあそうだけど。でもなあ……」
「何ダ、ニパ。私が居ないと寂しいノカ?」
「ち、違うぞ! そんな事は断じてない!」
「フ〜ン」
それきり車内は沈黙に包まれる。
そう。私は今日、オラーシャへ旅立つのだ。あの時のサーニャとの約束を果たすために。
私はこの日のために、半月の休みを取った。今向かっている駅から、汽車で片道三日の旅路。国境を越えた遥か遠くの地にサーニャはいる。私はそこへ向かう。
「イッル、着いたぞ。まだ時間は少しだけあるな」
帰ってもいいと言ったけど、ニパはホームまで見送りに来た。私の席は二等寝台車。車内は空いていて、四人用コンパートメントを丸々一つ独占する事が出来た。窓を開けて、ニパと出発前最後の会話をする。
「サーニャちゃん……だっけ。久しぶりに会うからってはしゃぎ過ぎるなよ。嫌われるぞ」
「サーニャはそんなヤツじゃナイ。っていうかお前がちゃん付けするナ!」
「あっ、言い忘れてた。お土産はマトリョーシカでいいぞ」
「誰が買うカ!」
汽笛が鳴る。汽車がゆっくりと滑り出す。
「イッル! その……気を付けて行けよ!」
ニパは汽車に合わせてホームを走る。けれども汽車の速度はどんどん増していく。だんだん離されていく。
「楽しんで、来いよ!」
ホームの端まで走ってニパは止まり、大声で叫んだ。私はそれに応えるように汽車の窓から身を乗り出し、親指を突き上げて声を張り上げる。
「アァ。行って来ル!」
汽車がカーブを曲がって、互いの姿が見えなくなるまで、私達は手を振り合った。
「フゥ」
私は窓を閉めた。室内は外気で寒くなってしまった。
これから始まるオラーシャへの旅。久しぶりに会うサーニャ。私の胸は期待に高まる。
×××
真夜中。二段ベッドの下段で毛布にくるまって寝ていた私は、ふと目が覚めた。相変わらず独りきりのコンパートメント。独りきりの旅。すっかり慣れた枕木の振動が体に響く。
私は窓際のテーブルの上の水筒から水を一口飲む。明日にはサーニャに会えるから、寝ないといけないと分かっているのに眠れない。目が冴えてしまった。まるで遠足前夜の子供みたいだ。
「ンン〜」
両腕を宙に伸ばす。コンパートメント内を少し歩いて、私は凝り固まった筋肉をほぐした。
窓の外は極寒の大地、氷点下三十度の世界。だけどこの時期の北国にしては珍しく晴れていた。雲の合間から大きな満月がぽっかりと孤独に浮かんでいる。どこまでも続く荒涼とした雪原。月光に照らされたそれは青く幻想的に、そこはかとなく幽玄的に光る。
私は夏、サーニャと宮藤とで一緒に飛んだ時の事を思い出した。あの夜も綺麗な満月だった。その柔らかな光に照らされたサーニャは、どこまでも神々しかった。
サーニャも同じ空の下で、この月を眺めているのだろうか。私はオラーシャの彼女に思いを馳せる。元気にしているだろうか。原隊の人達とうまくやっているだろうか。髪は伸びたのかな。
近況は手紙を出し合っていたから、ある程度は知っている。でも会いたい。今すぐにでも。
汽車はタタン、タタンと単調なリズムを繰り返しながら夜のオラーシャを走り続ける。
ブリタニアの501では、私はいつもサーニャの側にいた。いつしかそれが当たり前になっていた。私はサーニャが大切で、隊に馴染めないでいた彼女の世話を焼いた。頼られる事に喜びを見出した。
四六時中側にいたあの頃。近くに居過ぎて見えなかったものがある。離れて初めて分かった事もある。
サーニャに嫌われたくなくて、一番になりたくてとにかく必死だった私。あの頃の自分を今こうやって振り返ってみると、自嘲にも似た思いが込み上げてくる。
大事だからこそ触れられない。体の良い理由を言い訳にして、結局私は先に進む事を恐れていただけだ。自分の中で色々な事を誤魔化して、言い訳して。それで一体、何が得られたのだろう。
明日、サーニャに会ったら伝えたい。私の気持ちを。私がどんなに彼女を大切に思っているかという事を。臆病で何も出来ない私とはさよならだ。
私はベッドに潜り込んだ。ちらりと見えた月は、相変わらず孤独にそして優しく世界を照らしていた。
×××
大晦日。つまりサーニャと会う日。だけど、
「ああモウ、なんだっていうんだヨー」
汽車は大幅に遅れていた。予定では既に駅へ着いている筈なのに。
窓の外は、見渡す限り曇天。厚く立ち込めた灰色の雲が空を覆い尽くしている。それに今日は雪も降っていた。風だって強い。手紙によると、サーニャは駅のホームで待っているらしい。風邪、引いていないといいんだけど。
ちなみに私の準備は完璧だ。ベッドは整えたし、荷物も仕舞った。防寒着も着込んで、後は降りるだけ。
私はさっきから、コンパートメント内をウロウロしていた。嬉しさと興奮、焦りと緊張など様々な感情がごちゃ混ぜになって、私を落ち着かなくさせる。
汽車が大きくカーブを曲がった時、白色と灰色の世界の遥か遠くに黒い点が見えた。それはどんどん大きくなる。街だ。予定時刻から遅れる事二時間、ようやく街に着いたのだ。
汽車は徐々にスピードを落としながら市街を走る。窓の外を石や煉瓦の建物が流れて行く。いつの間にか線路の数が増えていて、それらは前方のドーム──駅へと続いていた。
やがて私の乗った汽車は完全に停止した。ドアが開く時間さえもどかしく、私は外に飛び出した。
今まで暖かい所にいた私の全身を、オラーシャの寒気が容赦なく襲う。でも私だって生粋のスオムスっ子だ。寒さには慣れている。そんなのに負けていられない。
「サーニャァァア!」
声を張り上げてみたけれど雑踏にかき消されてしまった。運の悪い事に、同時にいくつかの汽車が到着したらしい。辺りは人、人、人の群れ。
「どこダァァア!」
人混みを縫うようにして早足で歩く。ホームは広くて薄暗く、視界も悪い。焦りは募るばかりだ。
その時ふと、目の前を黒いものが横切った気がした。何だったのか確認しようとしたけど、そんなものはもうどこにもなかった。見間違いだったのかも知れない。
しかし不思議な事に、その瞬間私の中で焦りとか緊張などという感情が消えていた。残ったのは穏やかな気持ちだけ。
「あ……エイラっ!」
耳に届いた懐かしい声。前方の茶色のコートを着た小柄な少女がゆっくりと振り返る。その表情が驚きに、そして笑顔に変わった。
「サーニャ……」
足がもつれそうになりながら、私は彼女に近寄った。人目もはばからず、その華奢な体を思いっきり抱き締める。
この瞬間を、いったいどれ程夢に見ただろうか。サーニャもぎゅっと抱き返してくれる。その感触で、これは夢ではないのだと実感出来た。
「エイラ……」
互いに顔は見なかった。感極まった私の顔は多分、見せられない程格好悪いと思うから。
「約束。ちゃんと果たしたゾ、サーニャ」
「うん。待ってたよ、エイラ」
私達は、再び会う事が出来た。ここから始まる新たな第一歩。別れの時は必ずやって来るけど、また二人で色々なものを見つけたいと思う。
だからサーニャ、よろしくな。
おわり
本当は旧年中に投下したかったんだけど、いつの間にか時間が経ってました。
>>325を見て、ちょっと最後を変えてみたり。
一応、これのサーニャ視点も書いています。書き上がったらまた投下します。
お読み下さってありがとうございました。
>>449 この後のいちゃいちゃっぷりを読みたいぜ
GJ!
あいかわらずこのスレの陣容の厚さはすごいぜ!
どの職人さんもGJ、つまりゴッドジョブすぎて、
もうこのスレで漏れが書きこむのはこの単語だけ。
わっふるわっふる
シャーニャとはまためずらしい
これはなかなか珍しい組み合わせダナ
つながりがわからん
>>453 シャーリャは五巻の秘め声しだいでは化ける可能性をひめているな
きっとサーニャもシャーリーのあの豪快な性格にはあこがれているはず
とこれでファンブックを買ったんだが最初のほうのイラストでさ
芳佳とエーリカが顔赤らめてるのはお互いに意識しあっているということでよろしいですね!!?
いいとも(*^_^*)
それを燃料に私は生きている
冷戦終ケツ?
>>453がシャーニャと聞いて、すごく気になるんだけど
404になってる・・・どなたか再うpしていただけませんか
>>461 マジですか・・・すみません・・・事情も知らずに本当に申し訳ありませんでした、ありがとうございます
流れたんじゃなくて、アップロードした本人が消去なされたんですかね?
こんなに早いとは
>>462 ふたば は、すぐ流れる
ふたば は、2chを嫌ってる人も多くて、特にあっちの保管庫から2chに転載すると
保管庫ごとサイトを移動したりするとこまであるからなー
ま、あんまり キニスンナー
>> 439
ごめん、サーニャまで書ききれなかったけど、こんなので、どう?
「エ・エイラさん、ちょ、ちょっと・・・いいですか・・・?」
「・・ぶほっ、ナ・なんだヨ、シャーリー・・気色悪い声出しテ・・・」
思わず吹き出したお茶を拭いながら振り向くと、凄い顔をしたシャーリーが居た。
いつも、颯爽とした立ち姿には覇気が無く、髪はボサボサ。
シャツはヨレヨレだし、目の下には大きなクマが出来ている。
「・・・おい、シャーリー、何があっタ? 凄い顔だゾ・・・?」
「い・いやぁ、ちょっと、いっぱいあってな・・・。で、ですね。エイラさん、ちょっと頼みg」
「気色悪イから、それヤメロ。・・・ほら、ちょっと来いっテ・・・」
言いづらそうにしているシャーリーを引っ張って、食堂を出て、空き部屋に入る。
「・・・デ、なんなんダ?」
「・あ、ああ、あのな。エイラs」
「そレ、ヤメナイと帰るゾ」
「すまん、エイラ、一生で一度の頼みがある!!」
すぱんっ、と小気味の良い音をたてて肩を叩かれる。
「い・痛ぇヨ、シャーリー!」
「す・すまん・・・。」
「・・・いいから、デ、なんナんだ?」
「あ、ああ。ほら、明日ってルッキーニの誕生日なんだけどさ・・・」
「・・アア、そういや、ソウダナ」
まぁ、もうなんとなく、予想が付いてしまった。
普段からアレやコレやとルッキーニの世話を焼いているシャーリーのことだ。
ルッキーニ絡みの頼みなのだろう。
まぁ、とてもシャーリーだ。
「ほら、あいつ、私のバイクに憧れててさ。しょっちゅうペタペタバイク触ってさ。いやー、もーその様子が可愛くてさ。この間なんかな・・・」
「・・・帰ってイイか?」
「ま・待て。エイラ! いや、それでな、ルッキーニも大きくなったし、私の部屋に転がってたミニバイクあるじゃん? アレ直してプレゼントにあげよっかって思ってたんだよ。」
「ンー? あー、そういやあったナぁ。アレ、動くのカ?」
居住空間よりもバイクやストライカーのパーツがところ狭しと並んだシャーリーの部屋を思い出す。
そういや、壁に飾りで掛かってた気がする。
あれなら、小さなルッキーニにも乗れるかもしれない。
まぁ、シャーシとハンドルだけしか無かった気がするが・・・。
「エンジンはかかった。」
「いヤ、それ、動くって言わないからナ・・」
「何、言ってんだ。エンジンかかれば、後は何とかなるだろ?」
「・・・何とかなったのかヨ?」
「・・・なってないから、頼みにきた・・・」
頭が痛くなってきた。状況を整理しよう。
明日、ルッキーニの誕生日。
シャーリー、プレゼントのバイクが出来てない。
今は昼。もうしばらくしたら、サーニャも起きてくるだろう。
ヨシ。決まったナ。
「まァ。応援してルから、頑張ってくレ」
「お・おい、エイラ。待て、待て待て、待ってくれってばー」
踵を返して外に出ようとしたが、回り込まれてしまった。
ルッキーニの事になると必死になるなコイツ。
「何だヨ。これから、サーニャのご飯、持ってくんだヨ。邪魔すんナ」
「・・いや、そこ曲げてな。・・頼む。他に頼める奴いないんだ!」
「整備兵のドワーフがいるだロ」
「いや、頼んでみたんだけど、私的立場での接触は禁止されています。の一点張りでさ。困ってるんだって!」
「な、な、頼むって!!」
「アー、そういや、そんな規則あったッケ。まァ。頑張レ」
あれだ。シャーリーがルッキーニを大切なのは分かる。
よく分かるが、同じように私もサーニャが大事なのだ。
まぁ、面倒だし。
ということで、さっさとサーn
「分かった! お礼に私の胸揉んでいいから手伝ってくれ!!」
・・・ナンデスト?
思わず、振り返ってしまった。きょとんとした顔のシャーリーと目が合う。
「・・・マジデ?」
「お、おお。勿論だ。手伝ってくれたら幾らでも揉んでも良いぞ!!」
「オオオオ・・!」
たゆんと目の前で揺れるおっぱいに釘付けになる。
いやいやいや、待て。待て待て。待つんだ。エイラ。
落ち着け。落ち着くんだ。Koolになれ。
今は何時だ。12時半だ。サーニャが起きてくるのは何時だ? 16時くらいだ。
それまで手伝って、帰ってくれば良いんじゃないか?
だって、おっぱいだ。巨乳なのだ。たゆんたゆんなのだ。
ルッキーニのやつが独り占めしてるから、なかなか触れないが、私は覚えている。
そう、あの夢のような感触を!!!!
「・・・で、手伝ってくれるか、エイラ?」
「お、オオ、仕方がないナ。手伝ってやるサ!」
「そうか、じゃあ、早速で悪いが、時間がない。すぐかかろう」
「ン。・・・ああ、でも、あれだかんナ。サーニャが起きてくる時間になったら抜けるからナ?」
わきわきと動いていた両手を握られ、せかせかと急がされて、部屋を出た。
・・・ん、何故ダ・・・。何か凄くいやな予感がすルぞ。
私の能力は未来予知である。
とはいえ、そんなに遠い未来ではなく、近い未来しか見えない。
そう、だから、この結果を予想できなくたって仕方がないのだ。
「・・・おイ。シャーリー」
「どうした、エイラ?」
「・・・ミニバイクを直すって言ってタよナ?」
「ん? そうだぞ?」
「・・・このゴツいマフラーはなんダ?」
「お、それか? それ、高かったんだぜ。元は私のについてたやつだけどな、高いだけあってイイ品d」
「コのエンジンはなんだ?」
「ああ、それはな○○R500CCって言ってな。MOT○GPで」
「おイ! この、爆破スイッチみたいなのは何ダ!?」
「おお! それなんだ、それが出来て無くてな。そのニトr」
「ミニバイクじゃねーヨ!!!!」
シャーリーの部屋に鎮座した馬鹿でかいミニバイクという名の化け物マシン。
馬鹿でかい車体に、馬鹿でかいタイヤ。やたら厳ついエンジンに、ごつげな排気筒。
怪しげに光る赤いスイッチ。どこをどう見ても、昔、飾ってあったミニバイクの面影はない。
「いや、ほら。スピード出すなら、パワーがいるだろ?」
「ドンダケ、スピード出すんだヨ!! 前のミニバイクのパーツなんかネージャねーカ!!?」
「・・いや、ほら、ここのハンドルの辺りとか。ルッキーニが持ちやすいようにしてだな・・」
「コンナデカブツニ、ルッキーニガ乗れルワキャネーダロ!!!!!!」
「・・・はっ、そ・そうか! ど・どうしよう、エイラ!!? しまった。全く考えてなかった!!!!」
「マッサキニ考エロー!!!!!」
やばい。頭が痛くなってきた・・・。
シャーリーは、部屋の真ん中でオロオロあたふたしている。
シャーリーって、こんな駄目キャラだっけ?
私の中では、すごい爽やかなキャラのイメージだったんだけどな・・・。
「・・・ミニバイクのパーツはどこダ?」
「あ、ああ、えーと。この辺りに・・・。あー、そっちのミニバイクのこの辺りだな」
「コレをミニバイクと呼ぶナ!!! アー、モウイイ。ほら、とっとと組み直すゾ。早くしロ」
「お・おお。悪いな・・・」
実を言えば、この時、私は油断していたのだ。
私のいやな予感という奴は、コレで終わったのだと、すっかり油断してしまっていた。
本当の悪夢はここからだというのに・!!
**************
「あ・ああ! ま・待て。エイラ!! そんな貧弱なエンジンに返るな!! あー!? なんで、そんな馬力の出ないマフラーにするんだ!?」
「ウルサイ・・・」
「ま・待て。やめろ。辞めるんだ。辞めてくれー!! そのニトロシステムだけは、あーーーー!!!!???」
「ミニバイクにニトロはイラネー!!!」
**************
「・・・ン。静かになったナ。おい、シャーリー、そっちは出来たのカ?」
「・・・」
「・・・シャーリー?
「・・zzZ」
「コラ、シャーリー!!! 寝るナぁ!!!!」
チチチ。
外からは、早起きの小鳥たちの声が聞こえる。
もう朝だ。外は、うっすらと明るくなってきている。
結局、昨日の昼から、徹夜だ。
まぁ、徹夜した甲斐はあった。
「デ・出来タ・・・。」
「・・・zzZ」
「オイ、シャーリー。出来たゾ。起きロ!!」
シャーリーは、疲れ果てて眠ってしまっていた。
かけてやった毛布の中にくるまって、スースーと寝息を立てている。
「・・・ハァ。仕方のない奴だナ」
まぁ、当然だナ。部屋の中においてあった誕生日スケジュールを見ながら思う。
とんでもないスケジュールだ。
これをこなしているなら、シャーリーは少なくとも3日は、徹夜をしているはずだ。
どれもこれもルッキーニの誕生日を祝うための準備だ。
一番のプレゼントがシャーリーの趣味丸出しな辺りがいかにもシャーリーだけど、分からなくもない。
(私だっテ、サーニャのためなら、これくらいヤッチマウカモな。)
なんてことを考えていたら、サーニャに会いたくなってきた。
昨日はあれから、会えずじまいだったのだ。部屋に置いてきてしまったから、心細い想いをしているかもしれない。
そう、考えると居てもたっても居られなくなってきた。
・・・そうだ。そろそろ夜間哨戒から帰ってくる時間だ。ハンガーに迎えに行って、一緒にサウナに行くのがイイ。
それがいい!! そうと決まれば、シャーリーには起きてもらわなくては困る。
「ほラ、シャーリー。起きロ。起きロッテば」
「・・zzZ。うーん、ルッキーニ、激しいってばぁー」
「起きロ!! この色兎!!!!」
「うおっ! エイラ!? な・なんだ!? なんで、ここにいるんだ!?」
「アー、モー、ミニバイク頼んだんだロ。ほら、そこにあるから、微調整くらいはやれヨ」
「・・・お、おお。 す・すげぇ。 わ・悪い。いや、ありがと。いや、ありがとうございます。エイラさん。」
「・・・気色悪イから、ヤメロって言ってるダロ」
寝起きだからか、あたふたとミョーな事を口走るシャーリー。
半眼でじとーっと、見つめてやったら、おろおろと更に挙動不審になっていく・・。
ソンナノ、イイから、サーニャに会いに行きたいんだけどなぁ・・・。
「いや、あの、感謝してるのはホントだって。まぁ、ニトロは、惜しいけど・・・いや、何でもない・・・」
「え、えーと、・・・あ、そうだ。ほら、胸揉むか? 揉みたがってたろ?」
ピクン、と。耳が出てしまった。
いや、あれだ。これは、仕方がないんだ。生理現象。・・・そう生理現象ナンダ!!
「ほら、遠慮すんなって、今日はすっかり世話になったから、好きにしてイイんだぞ?」
まぁ、あれダナ。これは役得と言っても過言ではないだろう。
だって、あのグラマラスシャーリーの胸を好きに出来るなんて滅多にない。
普段、ルッキーニが独り占めしてるから、これを逃せば、もうほとんどないだろう。
・・・でも。
「・・・ヤメトク。」
そう言って、私の手を握ろうとするシャーリーの手を押し返した。
「エ・エイラ!? ど・どうしたんだ? らしくないぞ!? 芳香、ルッキーニに次ぐおっぱい魔神のお前が!? おっぱいを触らないなんて???」
「・・オイ・・・。」
全く、コイツは一体何を言って居るんだ?
私が何時そんなに、おっぱいおっぱいと言ったと言うんだ。全く。
「・・・アノナ。アレはルッキーニのプレゼントなんだロ」
「あ、ああ。そうだ。」
今は姿形も性能もミニバイクになったミニバイクを指差しながら言う。
「私がシャーリーの胸揉んだの知ったら、ルッキーニいい顔しないだロ」
「いや、まぁ、そうかもしれないけど・・・でもだな」
「ミニバイクの対価がシャーリーの胸だって知って、ルッキーニ、喜ぶカ?」
「・・・」
「プレゼントを汚すナ」
「エイラ・・・」
「ン、分かったカ?」
「・・・お前、イイ奴だな。」
「フン、今頃気づいたのカ?」
「くーっ、いやー、コノ、コノォッ!」
「い・痛ぇ。痛いってルだロ!! シャーリー!!」
シャーリーは力加減を知らない。叩かれた背中がひりひりする。
叩かれた次は、抱きかかえられてしまった。
シャーリーはでかいから、すっぽりと覆われてしまった。
ていうか、おっぱい、顔に当たってる。
うわ、やばい。気持ちイイ・・・。
さっき、格好いいこと言ったけど、やっぱ触ってれば良かったカ?
「いやー、もー、私、エイラのそーゆートコ、すっごく好きだわ。・・コノ、コノぉ」
・・・ハ?
「ウリウリウリー」
なんか、不思議な言葉を聞いた気がする。スキ?
なんだ、ソレハ?
というか、なんでシャーリーが私に頬ずりしてるんだ。
いや、それは好きだからだろう。
ハ? 好き? え、好き? ナンダソレハ?
「バ・ババババカ! 何、トチ狂ったこと言ってるんダ、シャーリー!! 離せ、コラ!!!」
「んーー、照れてんのかー? むふふふー、うい奴、ういやつー」
「ウルセー!!! 私はサーニャのとこに帰るんダ!! テメェは、ソレの調整でもしてやがレ!!」
魔力を解放し、強引にシャリーを振りほどく。
こんなトコ、とっととおさらばだ。早くサーニャの所へ行こう。
「お、オイ、エイラ、待てってば!」
「待たナイ。じゃーナ」
「えーと、ほら!! コイツ持ってけ!」
「アー? なんだこりゃ?」
ドアを開けて、出て行く気満々の私に放り投げられたのはぬいぐるみ。
あんまり可愛くない。なんだ、この不思議物体は。
「ナンダ、コリャ?」
「ネコペンギンだ。」
「イラネー」
「お、おい。投げ返すな。出て行くな、待て待て。 お前が要らなくても、サーニャが欲しがってたぞ」
「・・・ホントカ?」
「ああ、ホントだって、リーネ達と話してたの聞いたんだよ」
「ナンデ、シャーリーが持ってんだヨ」
「・・いや、ルッキーニに買ったんだけど、興味を示さなくてな。人気商品なのに・・・」
「・・・ソレ、ホントニ、サーニャ、欲しがるのカ? 嘘くさいゾ?」
シャーリーの腕の中のそれは、どうみたって、可愛くない。
というか、ぬいぐるみのくせになんだ、そのふてぶてしい目つきは。可愛くないぞ。
「マジマジ。大マジだって。リーネだって、芳香だって、欲しがってたんだからな。コレ。」
「フーン、じゃあ、モラってく」
芳香のセンスは微妙だが、リーネが欲しがっていたのなら、まぁ、人気があるのも本当かもしれない。
私には分からないセンスだけど。
「おう。 エイラ、ありがとな。 この借りは今度返すからな」
「アー? 私の借りは高いんだゼ? ソンなこと言ってイイのか?」
「はっはっは、女に二言はない! ってなぁ!!」
まるで、少佐みたいに笑うシャーリーに見送られながら、外に出る。
「ウオッ!?」
「悪者はやられちゃえ!! ベーっ、だっ!!!」
ばたん。と扉が開くのが待っていたかのようにルッキーニが飛び込んで行った。
私へのアッカンベー付きで。
どうも機嫌が悪いらしい。
まぁ、ルッキーニからしたらシャーリーを取っていたような格好になっていただろうから、当然か。
今日はあいつの誕生日だし、放っておけば、機嫌も良くなるだろう。
それより、サーニャだ。昨日会えなかった分、会いたくて仕方ない。
プレゼントもあることだし、早く行くとしよう。
※注意。以下の続きは書いてないので、もやもやしたくなければスキップ推奨(サーニャ、絡めるのむずいよー
ハンガーで、しばらく待っていると、聞き慣れたエンジン音が聞こえてくる。
サーニャだ。すぐに分かった。
飛び出していきたくなる気持ちを抑えながら、大きく手を振る。
「サーニャー!!!」
サーニャも私に気づいたみたいで、ホッとした顔を浮かべてる、気がする。遠くて見えないけど。
・・・アレ? なんか、顔を背けられた気がする・・・?、遠くて見えないから、気のせいだよナ?
「サーニャー!!!!!!!?」
ぬいぐるみを置いて、さっきよりも大きな声で大きく手を振った。
・・・え、ト。何の反応もナイのは、遠くて聞こえないし、見えないからなんだ。そ、そうだよな・・・?
「さ、サーニャ?」
降りてきたサーニャは、私、怒っています。という顔をしてる。
アア、怒った顔も可愛いなぁ・・・いや、そうじゃなイ。
なんでか分からないが、サーニャの機嫌が悪いのは良くなイ。
「え、ト。その、コレ。プレゼント・・・」
「・・・」
黙ったまま、ぬいぐるみを受け取るサーニャ。うつむいてて表情はよく見えない。
空気が重い・・・。
「そ、ソノ、サーニャ。もしかして、お、怒ってる?」
「エイラ」
「ハ・ハイ!!!」
聞いたことナイ声を聞いた。
声が凄く冷たい。
スオムスの冬より寒いんじゃないかってくらい寒い。
嵐なんてレベルじゃない。ブリザードだ!
「・・・昨日、何処に居たの」
思わず、気を付けの姿勢を取ってしまった私に問いかけるサーニャ。
声は相変わらず、氷点下だ。
バナナどころかケフィアで釘が打ててしまう。
「・・・しゃ・シャーリーのトコ・・・」
引きつったような声になってしまった。だ、だって、サーニャの視線が痛い。
冷たいなんてもんじゃない、突き刺さるように痛い。さ・サーニャが怖い・・・。
「一晩中・・・?」
「・・・あ、あア、シャーリーの奴、途中で疲れて寝ちゃったけど、あ、でもそれは、ルxt」
「・・・(ジトー」
「い、いや、え、あの、さ・サーニャ?」
「一晩中、シャーリーさんの胸揉んでたんだ・・・」
「!!!?? ち・チガウ。ま、マテ、サーny」
「エイラ」
「ハ・ハイ!!!」
マズイ。非常にまずい。どうやら、シャーリーとの話を知っているらしい。しかも、中途半端に。
怒っている理由も分かったけど。
サーニャの怒りが半端じゃない。
いつも、眠そうに緩んだおめめが、いまは獲物に襲いかからんとするネコ化の目になっている。
繰り出す言葉はグングニル。
見つめる視線はブリザード。
ああ、でも、そんなサーニャもイイかもしれない・・・。
なんて、甘いことを想っていた。次の台詞を聞くまでは。
「エイラ、大嫌い!!!」
サーニャが去っていく。声をかけなきゃいけない。
チガウって、誤解だって、伝えなきゃ行けない。だっていうのに、私の体は、まるで動いてくれなかった。
**************
「ウジュー。デネ。悪者エイラはね。サーニャにとっちめてもらうよう頼んだから、シャーリーは心配しなくていいんだよ!! シャーリーは、私が守ってあげるんだからね!!」
「くー、ルッキーニイイ子だなぁ!! ・・・ん? サーニャ、悪者エイラ? ヤ・ヤベェ・・・」
koolなSSダナ
わっふるわっふる
男嫌いなのは分かるがドワーフとか言っちゃうとエイラがひどい子みたいで気になる・・・
>まぁ、とてもシャーリーだ。
この表現に吹いたw
シャーリーとエイラいいなぁ 趣味の合う友だちって感じ
ふむ、シャーリーって誰とでもCP成立できる魅力がありますな
シャーニャも気になるwこの世界には冷戦とかないよね
>>474 いくらサーニャに心酔してるとは言え僚友の請願をにべもなくはねつけたり、
かと思えばおっぱいくらいでたちまち姿勢を変えるエイラならそれくらい言うかもしれん
ツンデレと性悪は紙一重、そこは一人称ならでは地の文でフォローしないと
嫉妬サーニャがたまらんカワユス^^
一番にサーニャを考えるエイラ、よかったです。
GJ!シャーリーがロマーニャバイクを改造しなくて良かった…燃料系的な意味で
良い事言うけど最終的にかっこつかないのはエイラの可愛いとこだなw
趣味の事になるとブレーキが壊れるシャーリーも良かったwエイラを見かけてほっとするサーニャも可愛いな
どたばたなSSは見てて楽しいし書けないから憧れる。乙です
「ったくー、ホント今日だけだかんナー」
…サーニャは私を信頼しているから、こんな格好でベッドに入ってくるんだろうか?
それとも、やっぱり私を誘っているんだろうか?
今までどおり静かに寝るべきか、今日こそは手を出すべきか…悩むんダナ
むむむ………こういうときは…
間をとって、オナニーしてから寝よう
これで私もヘタレじゃなくなるナ
初めてですが投下します。
エイラニャです。
今は夜。
夜は、そう――サーニャが頑張っている時間。
そう思うと、寝てなんていられない。
窓から夜空を見上げ、また心で念じてしまう。
サーニャが、無事でありますように。
サーニャと、また会えますように。
祈ってばかり。
怪我とか、そうゆうレベルならまだいいんだ。
でも万が一、撃墜されたら――
…恐ろしくて、考えられない。
「帰って来いよな…」
私は月に、言葉を投げた。
◇
実はまだ、私はサーニャに自分の気持ちを言っていないんだ。
大好きな、サーニャ。
想うだけで、心は溶ける。
だけど…。
やっぱり、恋人になりたいな。
手とか、繋いでさ。
笑いあってみたいんだよな…。
サーニャを好きになって、自分が女なんだなぁって実感するわけで。
まるで小説の恋する乙女だな。いや、違わないんだけどな。
でも。自分を女だと実感するたびさ、少し悲しくなっちゃうんだ。
やっぱ、サーニャ、女と恋人になんてなりたくないかな…。
◇
朝。
私は目が覚めた。あれから寝ちゃったんだっけな。
あと5分だけ、寝ちゃおうかどうしようか迷っていると…ドアが開く音がした。
誰だよ朝早く…と思ったら。
やっぱり、な。
サーニャだった。
また間違えちゃった、私の天使…。
部屋に入るなり、いきなり服を脱いであっとゆう間に下着姿。
いつも思うが、無防備すぎだよ。
間違えても宮藤の部屋には入るんじゃないぞ?
そりゃ、宮藤がまさか寝てる状態の人に変なことするとは思い難いが、万が一サーニャが嫌な思いするようなことがあったらやだからな…。
サーニャは私の隣に倒れ込む。
まったく。本当、今日だけだからな…?
スヤスヤ眠る、私の思うサーニャ。
見れば見るほど、愛おしくて。
「…おかえり、サーニャ」
つぶやく私。
無事に会えて、嬉しいよ。
頑張って、みんなの夜を守るため、こんなにも華奢な体を使ってさ。
本当に本当に、お疲れ様。
私はベッドをサーニャに譲り、着替えて支度をした。
先ほど、サーニャが脱ぎ散らかした衣類をたたんでおく。
しわになっちゃ、やだもんな。
さて、朝食までまだあるけど部屋からでるかな、なんて思ってドアノブに手をかけたその瞬間、
「行かないで…」
なんて後ろで声がするもんだから。
「サーニャ?」
サーニャに近付く。
なんだ、寝言か。
ビックリしちゃったよ。
でも。
サーニャの閉じられた瞳から、涙が流れていたんだ。
一筋の、悲しい滴。
どうしたんだろう。
なんか、嫌なこととかあったのかな。
悲しむサーニャなんて、見たくないよ。
「…エイラ…」
またも寝言を言うサーニャ。
今度は私の名を呼んだ。
私の夢でも見てるのか?
「どうした…?なんかあったか…?」
手をとりサーニャに、語る私。
「…そばに、いて…」
…サーニャ。
その言葉を聞いてわかったよ。
サーニャは、寂しいんだ。
夜空、1人きりの仕事。
ただでさえ夜空は暗くて。
どんなに月が照らしても、どんなにラジオを流しても、闇に1人は寂しいよな。
帰ってきて、眠くって。
寝るときまで1人きり、そんなんやだよな…。
「…サーニャ…1人には、しないからな。…だから、泣くなよ。サーニャは笑顔が似合うんだから…」
語りかけた私。すると…
「…えへへ…ありがと…ね…」
笑顔に変わるサーニャ。
ほら、ね。
やっぱりサーニャは笑顔が可愛い。
手を少し、強く握って。
安心して、夢を見てくれ。
まだ寝言、言いたそうな口。
すると言葉が紡がれ出して…
「……だいすき…エイラ…」
え?
今、なんて言った…?
ただの寝言なのに。
自分の恋が実った、そんな気がしてしまって。
ばか、私。サーニャの好きは、そんなんじゃない。
そんなじゃ、ないんだから…。
でも、すっごく嬉しくって。
やだ、泣きそうだ…。
「…サーニャぁ…」
涙が、こぼれてしまった。
私の滴は、サーニャの瞳に落ちて。
「……エイラ?」
今度は寝言なんかじゃない。
開かれた、瞼。
サーニャは起きてしまった。
「どうしたの?…泣かないでよ、エイラ…」
もう、これ以上、自分の気持ちを押さえることなんてできなかった。
気が付くと、心の中の長い間あった、どうしても言いたくて、でも、決して言うことができなかった、ある言葉を言っていた。
「…大好き…」
「…え…?」
「…大好き、なんだ。サーニャのことが…」
…言っちゃった。もう、後戻りも何もかも、できないんだ。
「………」
黙らないでくれよ。嫌なら嫌だと早く言ってくれ。頼むからさ。
「…ごめん。今の、なし。忘れてくれ」
私は訂正することにした。いや、言ってどうにかなるわけじゃないけど。
この言葉のない雰囲気が、重くて嫌だったから。
「…忘れられないよ…」
ようやく口を開くサーニャ。
「…せっかくエイラが言ってくれた、大切な言葉なんだもん…」
サーニャはそう、言ってくれた。
「…サーニャはさ、私のこと、好き?嫌い?…勿論、友達としてじゃなく、ひとりの人としてさ…」
ねぇ…どう思ってるの?
さっきの寝言、やっぱり違うの?
ドキドキドキドキ。
うるさく暴れる私の心臓。
不安と、緊張。
嫌だよ、言わないで。
でも、言って。知りたいよ。
いや、やっぱり知りたくない…。
矛盾が私を支配する。
「…私…エイラが…好きだよ…」
時が、止まった。
そんな、気がした。
「…サーニャ…!!」
私はもう、じっとなんてしてられなくて。抱きついてしまった。
今まで思い続けてきたことが、全て実を結んだ。
そう思うと、嬉しくて。
「だいすき…だいすきだよ、サーニャ…」
「エイラ…こんなにも、私のこと、好きだったんだね…私も、大好きだから…」
囁かれる、サーニャの言霊。
…幸せ過ぎて、死んじゃいそうだよ…。
「…エイラ」
「………なんだ…?」
サーニャに何か、言われそう。何だろう。
「ありがとう…こんなにも、好きになってくれて…」
お礼、言われちゃった。
私も言わせて。
「こっちこそ、ありがとな…好きって言ってくれて…」
◇
「私、もう行かなきゃだから…」
手をつないで。一緒にベッドに寝転がっていた私たちだったが、私はもう部屋を出なきゃいけないわけで。
「うん…頑張ってね」
ありがとう、サーニャ。
サーニャもぐっすり、寝るんだぞ?
「じゃあな…」
名残惜しいが、仕方ない。
すると…
「バイバイ」
といって、サーニャは手をふっていて。
私は、心が暖かくなってゆく。
私の好きな、可愛い天使。
私も軽く、手をふって。
バイバイなんて、言いながら。
私は部屋を、後にした。
また、ここに帰ってくる、そう決意しながら。
愛しの、サーニャが待つ場所に。
以上でした。
口調がエイラっぽくないのはごめんなさい。
やっぱエイラーニャ、大好きです。
まぁあれだGJ
>>487 なんか新鮮な気分になったよGJ!
乙女エイラかわよいです
仕事前の電車の中で幸せになれた。
GJ
甘すぎて砂糖吐いた
こういうストレートな物はやはり最高だ
各スレで話題になってる、秘めごとキャンプやってみた。
作者さんはこのスレの住人か?
>>487 GJGJ
小説版読み返しててふと「そういえばスツーカってもともと二人乗りだったよな」と思って
漫画版の赤トンボの要領でラブラブ密着飛行を行うルーデルとアーデルハイドを妄想しようと試みたが
よく考えたらスツーカの銃座は後ろ向きなのでやっぱり無理だったというどうでもいい報告。
>>494 そこは背中合わせで、ふと呼ばれて振り向いたら頬を寄せてきたとか
そういうのを妄想してにやにやするんじゃないかw
サーニャと芳佳
お互いに気になる存在…
だけど気になる、昨日よりもずっと…。
それなんて甘くて苦いマーマレード?
アーデルハイドさんのヴィジュアルがわからん…
フミカネ画集もファンブックもまだ手に入ってないんだよ!
マーマレードガール
pixivでいつものようにストライクウィッチーズの絵を見ていた。俺はエイラーニャ
一筋だった。だから、今日もいいエイラーニャが見られることを期待していたんだ。
芳エイラの画像がでてきた。自分の中で何かが変わった。
何が言いたいのかっていうと、エイラには無限の可能性があるってことだ!
最近、泣き虫なリーネ&サーニャを不器用に慰める芳佳&エイラ・・・
という構図が浮かびまくります。
>>502 エイラに無限の可能性があるんじゃなくて芳佳だろ...
∞←おっぱい
さすが芳佳さん、発想力がハンパ無いっすね
507 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/14(水) 16:43:49 ID:ROHlrAQP
いや、俺的にはエイラに可能性があるんだと思う!
芳佳もエイラもどっちも無限の可能性あると思うよ
誰と絡んでもいい味でるし
お互い正妻がいるから皆愛人にすればいいよ
芳エイラに嫉妬するもどちらに嫉妬しているのか自分でもよくわからないサーニャ
だが、実はエイラーニャやシャッキーニが正妻同士だという証拠は無いんだよ。
そもそも正妻という現象は仮説に過ぎない・・・そう主張する人も少なくない。
ふっ、どうも私は口下手で困るよ。つまり常識を疑えということだ。
そう、君の中の常識。シャーゲルは危険だ・・・美しいが。芳ーニャは危険だ・・・素敵だが。
その『危険だ』の部分を疑うんだ。よく見てごらん。考えてごらん。ペリーネは美しくて素敵だ。だが、危険かい?
温暖化さんアニメ違うぞww
そういえば、玉青ちゃんの中の人がペリーヌ版のもあったな。
要様、ペリーヌは危険だと思います
彼女は…寝とります
>>449GJ!
このあとが気になる…サーニャ視点を激しく求む。
>>439 >>471GJ!
ルッキーニww
エイラがこのあと必死に説明したけどそれでも許してくれないサーニャが見えたw
「それじゃ、キスしてくれたら許してあげる」とかなんとか…
>>487GJ!
へたれない乙女エイラはいいですな。
加山雄三の『君といつまでも』を聴いていたら芳リーネ(一部美ーナですが)の電波が降りてきたので
一本投下してみる。
タイトルは『君といつまでも〜扶桑乙女のプロポーズ〜』です
『君といつまでも〜扶桑乙女のプロポーズ〜』
─ 1944年、とある夏のある日、扶桑からある一枚のレコードが届いた。 ─
坂本少佐が取り寄せたものらしく、お気に入りのようでたまに聴いているらしい。
ここはミーティングルーム、みんなでこのレコードを聴いているのだが、オール扶桑語なので
美緒と芳佳以外のメンバーには『クワヤマユウゾウ』という扶桑の男性歌手というほかは内容がわからない。
ふいにリーネが隣にいる芳佳に話しかける。
リーネ「…ねえ芳佳ちゃん、この歌詞ってどういう意味?」
芳佳「えっ?…あ、あの…言えない//」
リーネ「どうして?なにか恥ずかしい言葉でも入ってるの?顔が真っ赤だよ?」
芳佳「い、いや、そういうことじゃないんだけど…今度教えてあげる///」
リーネ「…芳佳ちゃんのいじわる…」
芳佳「うぅ…ヒントは、『私からリーネちゃんへの気持ち』がそのまま入ってる…かな?」
リーネ「えっ!(私への気持ちってなんだろう…ドキドキ)」
美緒「どうした宮藤、お前にはこういうのはまだ早かったかな?」
芳佳「いえ…リーネちゃんにどう説明したらいいやら…」
美緒「はっはっは、確かに平気な顔をしてサラっと言える内容ではないが…リーネ、この歌の内容をそんなに知りたいのか?」
リーネ「えっ!は、はい、知りたいです」
美緒「そうか、それでは私がブリタニア語で歌ってやろう。そうだな…誰に捧げようか…
私の場合だと…ミーナ、君にこの歌をささげようかな。//」
ミーナ「エッ!わ、私に?いいの?」
美緒「ああ、ミーナにぜひ聴いてもらいたいんだ」
ペリーヌ「坂本少佐がミーナ中佐のためにお歌を歌ってさしあげるなんて…なんてうらやましい!いえ…
なんて上官思いな方なんでしょう…でも、できれば私のためにも少佐から一曲賜わりたいものですわ…」
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*〜ブリタニア語で歌唱中〜*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
ふたりを夕やみが つつむこの窓辺に ─ 幸せがくるだろう
君のひとみは 星とかがやき ─ 炎と 燃えている
大空染めてゆく 夕日色あせても ─ いつまでも
『幸せだなァ… 私は 君といるときが 一番幸せなんだ…
私は 死ぬまで君を放さないぞ! いいだろう?…』
君の瞳は 星と輝き 恋するこの胸は 炎と燃えている
今宵も日は暮れて 時は去りゆくとも 二人の想いは変わらない いつまでも
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*〜扶桑語ではありません〜*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
ペリーヌ「う…嘘ですわ!少佐がミーナ中佐のことが…なんて…そんなのイヤァァァ!(バタッ)」
曲が終わったと同時にペリーヌはあまりの衝撃に卒倒、ミーナや他の隊員たちは顔を赤くするやら
キャーキャーはしゃぐやらで大騒ぎ。
美緒「…というのがこの歌の歌詞の意味だ。わかったかリーネ…そ、それに…ミーナ中佐殿///」
リーネ「は、はい!はい!よくわかりました!芳佳ちゃん、私も同じ気持ちだよ!」 リーネは喜色満面で答える。
芳佳「ごめんね秘密みたいにして…でも、とっても恥ずかしいから云えなくて…」
リーネ「ううん、不安になったのわかるよ、『もし相手が自分のことを嫌いだったら、同じ気持ちじゃなかったら…』
なんて考えたら私でも言えなくなっちゃうよ。でも、ありがとう芳佳ちゃん」
ミーナ「私もよ美緒!私も同じよ!またあとで二人きりのときにゆっくり聞かせてね」
その後基地内ではこの歌が頻繁に歌われるようになった。
お互いがお互いのために歌い、愛を深め、部隊内の結束は固まっていった
─ ある一人を除いては ─
ペリーヌ「うぅぅ…なんで、なんでなのよ!なんでこうも私は報われないのよぉぉぉ!」
end
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
おまけ
サーニャ「エイラ、あの歌また歌って…そしたらいっしょに今日も寝てあげる」
エイラ「エッ!ィ、ィャ…アノ…ソノ…今日ダケダカンナー!」
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
以上です。
最近このスレはシャーリーSSがたくさん出てきて芳リーネ分が足りなくなってきたので自分で補給してみたw
…と言うか、『幸せだなァ〜』がやりたいから書いただけですが、いつもいつも1レス投下したいのに
どうしても60行オーバーで改行が多すぎます規制には勝てないw
※ちなみにおまけの内容はあくまで「お約束」ですのであしからず。
>>517GJ!歌を題材にって言うのはなんかいいな
芳リーネ、好きなんだけど自分じゃうまく書けないからにやにや分補給できたw
自分は特に意識してないけど、この曲がこの二人そのものだ!って言うのがあったらぜひ聞いてみたい
それだけで伝わる、なんてちっとも思ってなかったけれど。
それでもどうしようもなく胸を覆うこの想いを、幸福感を、言葉にしたくて仕方がなかったから。けれども、直接的
な言葉になんて出来なかったから。
それだから私はその気持ちを、こんな言葉に乗せることにしたのだった。
それはごくありふれた、なんて事のない一言なのだった。聞くほうにしてみたら多分他人行儀で、だから恐らく
あなたも怪訝そうな顔で振り返ったのだ。
格納庫でしゃがみこむ背中はたぶんストライカーの整備の真っ最中なのだと思った。近づいてみて、それが
彼女のものではないことを知る。黒ずんだ色のストライカー。夜の闇に溶け込むための塗装がなされた、見慣れ
た色。ああ、私のものだ。幸福感で胸がいっぱいになって、どうしようもなくなる。けれどもうまく表情に出来なくて
私は、奇妙に顔をくしゃくしゃにするだけ。でも、ねえ、気付いている?私にこんな表情をさせるのはあなただけ
なんだよ。奇色かもしれないけれど、満面の喜色を浮かべているの。あなたには伝わらないかもしれないけれど。
えいら、と。
目の前の作業に没頭している背中に呼びかける。ひとたび夢中になるとこの人は、なかなかそれを放り投げない
のだということを私はよく知っている。ひょうひょうとしているのに、そのくせ一途で。だからきっと私のことを放り
投げることも出来ないのだろう。ずっとずっと、まるでその為に自分は生まれてきたのだといわんばかりの態度で
接してくれるのだろう。
だってほら、呼びかけたらぴたり、と作業を止めてくれるのだ。その瞬間彼女の中で何かが切り替わり、ふ、と
息をついてオイルで汚れた手袋を取り外す。一拍置いて、その彼女が振り返る前に私は言った。
「 ?」
それはごくありふれた、なんて事のない一言で。
それでも何度も私が繰り返すものだから、彼女はいつものようにふう、と一つ息をついて振り返ったのだ。顔は
少し怪訝そうだけれども、微かに笑んで、確かに柔らかさが溢れていて。それだけで私はまるで洗濯したばかりの、
太陽の香りのするシーツに顔をうずめるような幸福な気持ちになった。くい、くいと指を曲げるのは、こっちに
おいでとの招きなのだろうか。それとも彼女の国の挨拶をしているだけなのだろうか。尋ねて聞いたことなどない
から私は知らない。けれど、結果的に意図するところは同じなのだろうから十分なのかな、とも思ったりする。
そして彼女は言う。
いーよ。
私の言葉に対する返答は、そんなたった一言ですんでしまうのだった。ねえあなたは知っているのかしら。ただ
許可を求めるだけのその問い掛けは、私にとってはとてもとても大切な意味を帯びているのだって。きっと知ら
ないよね。だって語って話したことなんてないのだもの。
「あんまり近づくなよ、オイル付くかんな」
そう言われるけれども私は頓着しない。だってそんなもの洗ってしまえば同じでしょう?「オイルはなかなか落ち
ないんだぞ」とあなたは呆れたように言うけれど、それならいつもよりもっと、もっと、念入りに、一生懸命洗えば
いいだけのこと。それよりももっともっと大切なことがある。それは、あなたが私の欲した『それ』を許してくれたこと。
それだから私は許されたそのことを、遠慮なく実行している。
ふっと笑んで頬を寄せる。甘える猫のようにそうすると、彼女はいつも大きな大きなため息をついて私の名前を
情けなく叫ぶ。さーにゃあ、勘弁してくれよ。けれどもそれ以上咎めることはしない。彼女が熱中屋だと言うことを
知っているのと同じように、私が強情であることを彼女はちゃあんと知っているからだった。まあいいか、とぱたりと
工具箱を閉じたらもう私の勝ち。ほら、と立ち上がって、彼女が私に手を伸ばす。風呂にでも行こうか、それとも
サウナ?
手を伸ばすと当たり前のように握って引き寄せられて、けれどもすぐに離されてしまう。どうして、なんていう言葉
はたまにしか言わないことにしている。だって同じような状況だったら、私だって同じようにしてしまうかもしれない。
それは彼女の手がオイルくさいからとか、そんな理由とかでは決してなくて、もっと根本的で、けれども深刻なもの
だ。
そして一緒に歩き出す。私のすぐ傍ら、左側に彼女の肩。当然だと言わんばかりに彼女の体がそこにある。
真正面でもなく真後ろでもなく、ぴったりと寄り添ってすぐとなり。そう、となり。
(月が綺麗ですね)
扶桑には、同じ言葉をこう言った人がいるのだという。それは人づてに聞いたものだから、語学の先生であった
のだというその人が、その人にとっては意味の通るはずであったありふれたそのブリタニア語を、いちいちそんな
厄介な方向に訳したのかなどわからない。そう思ったのだからそうしたのだ、と言われたら文句など言えるはず
もない。もちろんつける気など毛頭ないけれど。
ただそれを聞いたとき私がひどく感心したのは、その言葉ではなくて彼のそんな考え方なのだった。それはもち
ろん、その人がただ単にひどいひねくれものだっただけなのかもしれないけれど──ある言葉を、別の言葉に
置き換えて相手に伝える。そんなその人の思考が私にはひどく好ましく思えたのだった。
それだから私はその晩に、一人でそれを考えた。ラジオを聴くこともせず、全くの無音の空の上で、私は一人心を
澄まして考えていた。月が綺麗、なんていったって私の大好きなあの人は「そうだなあ」なんて言って済ませて
しまうのだろう。それより何よりその言葉はきっとそれを考えたその人にとってだけのもので、私にとってはなんの
意味も成さない。だから私は考えた。私にとってだけの、その言葉を。考えて考えて、そしてふっと大好きな大好きな、
彼女の後姿を思い起こしたその瞬間、ふっと答えは生まれたのだ。
それはごくありふれた、なんて事のない一言だった。恐らくはきっと、近しければ近しいほどに言葉に橋なくなるような、
そんな他人行儀な言葉でさえあった。けれどもあえて私は問いたかった。問うて、その答えが欲しかった。それ
だけでこの気持ちが伝わるだなんて、気付いてもらえるだなんて、そんな虫のいいことを考えたわけじゃない。
ただ私はどうしようもなくこの胸を一杯にするこの気持ちを、少しでもあなたに返したかったのだ。直接的な言葉に
したら、普通に喜んでくれるのかもしれなかったけれど、私にはまだ、そんな勇気がなかったから。
だから私はこの気持ちを、こんな言葉に乗せることにした。
「おとなりよろしいですか?」
再び言葉にしたら、それは呟きほどの声量だったはずなのに辺りにほわん、と柔らかく響いた。
湯で満たされた浴槽に、のんびりと使っていた彼女が振り向いて、またちょっと怪訝そうに笑う。肩をすくめて、ほら、
おいでよとまたいつものポーズ。そうしてさも当然のように、私を傍らへと招き入れる。
ねえあなたは知らないでしょう?それがそれだけ嬉しいことか、あなたには多分分からないでしょう?隣にいたいの。
一緒にいて欲しいの。月が綺麗に出ていなくたっていい。あなたが隣にいることを許してくれれば、私はそれだけ
でも心が満たされるから。
ねえ気付いている?それは私にとって、愛の言葉なんです。
ねえ伝わっている?これが私の、何よりもの愛の告白なんです。
願うことならどうかあなたも、同じ気持ちを私に抱いてくれたならいい。
先ほどと同じように体を寄せると、湯あたりしたせいか、それとも別の理由か、彼女の白い肌が真っ赤に染まって
いる。体だってかちこちに固まって、まるで石になってしまったかのよう。
ずっと、ずっと、これからも、ずーっと。
となりにいてもいいですか。となりにいさせてはくれませんか。あなたのとなりは、私のために空いていますか。
加速していく気持ちをごまかすように更に身を寄せたらばしゃりと彼女が立ち上がったので、私も慌ててその後を
追うことにした。
いいでしょう?
だって、最初に「いいよ」って笑ってくれたのは、エイラのほうなんだから。
了
2が多い人GJ!読んでるだけで心が暖かくなる心理描写が相変わらず素晴らしい…
よく素敵な言葉を考え付くなあ。それに持ってくまでの文も上手いし
それにしてもサーニャが毎回かわいいなぁ
や……やっと300レス近くを一気読みして追いついた…
>>ID:vuQDKBBPさん
これはしっとりと良い感じ、なんだか暖かくなります。
そして「月が〜」の下りは夏目漱石でしたよね、
昔の日本の文化だと「愛しています」というのが適した語とはされてなかった
のでそんな婉曲的な(と言うより無関係な)表現にしたとかしないとか…
まあそんな小難しい話よりも、素敵なお話しをありがとうございました!
>>517 久々に芳リーネ見ました GJ!
ペリーヌの最初の台詞で吹きましたw
キャラソン発売決定
今年もとことん絞り取るという心意気が……w
価格は各2500円なのでドラマ的なものも入る可能性濃厚
----------------
ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 1(仮)
千葉紗子(坂本美緒)、 福圓美里(宮藤芳佳)
ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 2(仮)
仲井絵里香(エイラ・イルマタル・ユーティライネン)、 門脇舞以(サーニャ・V・リトヴャク)
この商品は2009/3/18に発売予定です。
ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 3(仮)
園崎未恵(ゲルトルート・バルクホルン)、野川さくら(エリーカ・ハルトマン)、 田中理恵(ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ)
この商品は2009/4/1に発売予定です。
ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 4(仮)
名塚佳織(リネット・ビショップ)、沢城みゆき(ペリーヌ・クロステルマン)、 福圓美里(宮藤芳佳) (
ストライクウィッチーズ キャラクターコレクション 5(仮)
小清水亜美(シャーロット・E・イェーガー)、 斉藤千和(フランチェスカ・ルッキーニ)
この商品は2009/4/15に発売予定です。
アイマスオタの俺からしたらストウィはかなり良心的な価格設定だと思うけどなw
コストパフォーマンス超高い
そしてもっさんと絡めない隊長…w
>>526 ドラマ入るといいな! CPずつじゃなくていろいろなキャラと絡んでくれるといいんだが
>>522 相変わらず見事なお手前。GJ!
以前のかかれた絵はこういうしーんだという目で見ていいんですね! いいんですね!
サーニャらしい表現ですりよってくサーニャも困り果てるエイラも可愛くて仕方がないな
シャッキーニは4月か…
遠いな…w
こいつを待ってた、ドラマは分散するより密着度の高い方がよいと思う
デュエットやトリオも聞きたい(ジュルッ
もっさんと芳佳のところにいれてやれよペリーヌ……
ペリーヌもリーネに甘えられて満更でもなさそうだしいいんじゃない?
俺は、ペリーネ好きだぞ
というかどんな組み合わせも基本的に美味しくいただく
出されたものは残しません
ルッキーニャ
ブリタニアで慣らした私達STRIKESは濡れ衣を着せられ当局に解散させられたが監視の目を盗み基地に戻った
しかし基地でくすぶっている私達じゃあない
胸さえ揉めりゃ大きさしだいで何でもやってのける恥知らず
不可能を可能にしあらゆる胸をもみしだく
わたしたちおっぱい魔人Yチーム!!
私はミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐
通称みーなさんじゅうはっさい(美緒への)奇襲戦法と変装の達人
私みたいな天才策略家でなけりゃ坂本少佐の嫁は務まらん
私は坂本美緒
通称もっさん
自慢のルックスに女共は一ころさ
はったりかまして肝油から新人まで何でも揃えてみせるぜ!!
私はサーニャ・V・リトヴャク
通称サーニャ
チームの常識人
情報収集は美貌と頭のアンテナでお手の物
おまちどう宮藤芳佳だ
通称おっぱい魔人だ
ウィッチの素質は天下一品だ!!
奇人?変態?だからなに??
ゲルトルート・バルクホルン
通称トゥルーデ
妹のためなら司令でもぶん殴ってやらあ!!
でも機械だけは勘弁な
私達は道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する頼りになる神出鬼没のSTRIKES
助けを借りたいときは何時でも言ってくれ
元ネタ分かる人いるのかすら怪しい微妙なネタでスマン
なんという特攻野郎Aチーム
どこの特攻野郎ですかwwwwwww
エーゲルとエイラーニャのCDで5000円か…
どうせなら一枚にまとめて、トラック毎で各カップリングのショートエピソードって感じにして欲しかったなぁ。
そして最後の最後で各話が一つに繋がるっていう仕組みならなおよし。
そんでもって、話の内容もアニメより更に深く踏み込んだガチ百合な話で・・・。
まぁ、高望みしすぎだっていうのは分かってるけどね。
高いなぁ
搾取するのは良いけどちゃんと続編を作ってくれよー
キャラソンて・・・まあ出すかもとは思っていたが
こういうのは個人的にはいらんからスルーだな
471です。
みなさん、レスありがとうございます。
つたない出来ですが、後編をコソコソと置いて行きます。そんで、また、ROMに戻ります。
>>518 ペリーヌに愛をw
サーニャが目を覚ましたときには、太陽が西に随分傾いていた。。
(・・・ねむい)
もそもそと、毛布の中に潜り込む。
いつものように、そろそろと隣に手を伸ばす。
恥ずかしがり屋のあの人が驚かないように、ゆっくりと。そっと。
・・ぱた、ぱた。・・けれど、私の手はすっかり冷たくなったベッドを撫でるだけだった。
「・・・はぁ。」
エイラは優しい。すごく優しい。
私がどれだけ甘えても怒らないし、良くご飯をすっぽかす私のご飯の用意をしてくれたりする。
凄く嬉しい。嬉しいのだけれども、私としては、エイラが隣に居てくれる方がずっと嬉しい。
でも、エイラにはそれをちっとも分かってくれない。
私の好きな食べ物、好きな服、いつも選んでいる下着もみんなみんな知っているくせに、どうして分かってくれないのだろうか。
分かってる。
こんな考えが私の我が儘だって事くらいは。
けれども。それでも、エイラなら・・・。と、期待してしまう私はやっぱり悪い子なのだろうか?
私にだってエイラの考えくらいは分かる。
ほら、今、隣に居ないのだって、眠っていた私の食事を取りに行ってくれているから。
エイラは、すぐ私を子供扱いする。
これでも、私は祖国では中尉なのだ。
私にだってちゃんと起きて食事を取ることくらい出来る。
けれども、エイラが私のために持ってきてくれたご飯というのは、何だか特別な気がして凄く美味しいし、
隣で「ウマイカ?」なんて、笑いかけてくるエイラの体にもたれかかるのも大好きなのだ。
それが嬉しくて、ついつい期待してしまって寝坊しているだけなのだ。
ああ、もう・・。どうして、エイラは今ここにいないんだろう?
隣にいてくれれば、ぎゅって抱きつけるのに。
でも、大丈夫。いつもなら、私が起きる頃にエイラは戻ってくる。
幸い、夜間哨戒の時間にはまだ時間がいっぱいあるから、それまでいっぱいエイラに甘えよう。
そんなことを想いながら、エイラの枕をそっと抱きしめて目を閉じた。
(・・・遅い。)
時計の短針が一周しようとしてもエイラは戻ってこなかった。
(何かあったのかな・・・)
急に胸の中を不安が覆う。
会いたい。エイラに会いたい。会って、「サーニャ」って、呼んで欲しかった。
どうして、私のココロはこんなにもエイラでいっぱいなんだろうか?
いつも居てくれる場所にエイラがいないだけで、こんなにも胸が切なくなる。
「・・・エイラ、どこ?」
我慢できなくなった私は、エイラを探しに行くことにした。
**************
食堂、ミーティングルーム、ハンガー、サウナ、屋上、水浴び場、エイラがこっそり教えてくれた泉のほとり。
全部、回った。エイラはいない。
なんだか、泣きたくなってきた。
隊のみんなに聞いても、昼時から見ていないそうだ。
(・・・エイラ、どこにいるの?)
そっと、心の中で呟いてみても返事はない。
実を言えば、あと一つだけ心当たりがある。心当たりはあるのだけれども、そこに行くのは凄く恥ずかしい。
ミーナ中佐の部屋だ。
エイラはミーナ中佐のことを凄く信頼している。
だから、もしかしたら、ミーナ中佐の部屋に居るのかもしれない。
2人とも凄く優しい。それも、相手に分からないように優しくするのが得意な2人だ。
きっと一緒に居る。
私のことを雛鳥を見やる親鳥みたいな目で見つめるミーナ中佐にこんな事を聞きに行くのは恥ずかしいけれど、行ってみよう。
コンコン。
「・・サーニャ・リトヴャクです。入ってもいいですか?」
「サーニャさん? どうぞ、入って。」
そっと、扉を開けて部屋に入る。
落ち着いた空気のする部屋の中をさっと眺めるけれど、エイラはいない。
「サーニャさん? どうしたの? まだ、夜間哨戒の時間には早いけれども・・」
「・・あ、え、、と。」
「ん? どうしたの?」
そっと、微笑んで、んーっ、と伸びをするミーナ中佐。
それから、私のことをそっと見つめる。決して、私を焦らしたりしない。
そこにあるのは暖かい視線だけ。
・・・やっぱり、とても恥ずかしい。
「・・・あの、エイラ、来てないかなって・・」
「エイラさん? いえ、今日は朝礼から見てないわね。 エイラさんが見つからないの?」
コクン、と。うなずいて、返事を返す。
恥ずかしくて、顔を上げられない。
だって、ミーナ中佐の声の中には、微笑ましい物を見るようなそんな声の響きが混ざっていたから。
「大丈夫。エイラさんはサーニャさんのこと、とっても大切にしているもの。きっと夜間哨戒の時までには姿を見せてくれるわ。」
「わ、分かりました。すみません。こんなこと、聞いて・・」
いいのよ、なんて、クスクス笑いながら手を振る中佐に見守られながら、部屋を後にした。
「はぁ・・・」
やっぱり、ミーナ中佐は、すごく大人だ。
それに対して私はどうだろう? 1日、エイラに会えなかっただけで、こんなになってしまっている。
なんて、私は子供なのだろうか?
目頭が熱い。気を抜いたら泣いてしまいそうだった。
「アーっ!!! サーニャ、見つけた!!!」
「・・!? ルッキーニちゃん?」
「サーニャ、こっち。こっち来て!!」
「え? え??」
泣きそうになっていた私の手を取って、どこかへ走り出すルッキーニちゃん。どうしたんだろう?
**************
「大変だ!! サーニャはシャーリーの胸に負けたぞ!!」
「・・え?」
空き部屋に入った瞬間の第一声がそれだった。
「実はな、さっきカクカクシカジカで。」
「え、エイラ、シャーリーさんの所にいるの?」
ほっ、とした。
エイラはシャーリーさんの所にいるらしい。そういえば、2人は仲が良かった。
あの2人のコンビならハンガーにいることが多いから、シャーリーさんの部屋というのは気付かなかった。
「そうだ! エイラがシャーリーをひとりじ・・・って、サーニャ!? 何処行くの?」
「・・エイラの所。」
「ちょっと待てって、サーニャ、怒らないのか!?」
「なんで?」
「な・なんでって、・・・えーと、えーと、ウジュー???」
ルッキーニちゃんは、頭を抱えてしまったようだ。
なんだかよく分からないけれど、まぁ、いいや。
エイラが居るところが分かったら、ほっとした。
シャーリーさんの部屋はここから、さほど遠くない。
エイラの顔が見たい。エイラのそばにいたい。さぁ、早くエイラの所に行こう。
「さ・サーニャ、待てってば!! サーニャは浮気されたんだぞ!! 悔しくないのか!!?」
なんだか、ルッキーニちゃんが不思議なことを言っている。
「・・浮気?」
「そう、浮気だ!! エイラは、シャーリーの胸に浮気したんだよ!!」
そういえば、エイラは常々言っていた。シャーリーの胸は凄いよな、って。
「サーニャのご飯持ってくの、ほったらかして、シャーリーの胸を揉みに行ったんだよ!?」
私の胸は、あんまり無い。ルッキーニちゃんほどではないにしろ、ぺったんこだ。
エイラは、やっぱり大きな胸が好きなんだ・・。揉んで大きくするって言ってたのに、エイラ、最近全然、揉んでくれないし。豊胸運動でもしようかな・・・。
まぁ、それはそれとして。
「・・・って、なんで、サーニャ、出て行こうとするの!?」
「だって、エイラに会いたいし・・」
「ウジュー!! 私だって、シャーリーと遊びたいのー!!」
(・・・一緒に来ればいいのに・・・)
シャーリーさんも居るんだから一緒に来ればいいのに、なんて思いながら外を見やる。
夕日がまぶしい。すごく綺麗だ。
ああ、もうすぐエイラに会える。そう想っただけでこんなに嬉しくなる。私ってやっぱり子供だ。
「ウジュー。 サーニャ! 手伝って!!」
「・・何を?」
ぼぅっと、外を見ていたら、ルッキーニちゃんが真剣な目で私を見つめる。
「私とシャーリーのらぶらぶ大作戦を!!」
「ら・らぶらぶ?」
「そうだ!! サーニャは毎日してるかもしれないけど、私なんか3日もシャーリーとちゅーしてないんだぞ!!」
「・・ちゅ・ちゅー!? ・・し・してない、ちゅ・ちゅーなんてしてないからっ!」
「ウジュ? なんで?? サーニャとエイラ、らぶらぶ夫婦じゃん。なんでしてないの?」
「・・夫婦・・・。な・なんでって」
なんだか、ルッキーニちゃんが凄く恥ずかしいことを言っている。顔が熱い。
ら・らぶらぶ、だなんて。別に私とエイラは、そんなのじゃない。
そんなのじゃないけれど、シャーリーさんとルッキーニちゃんはたしかにらぶらぶで夫婦かもしれない。
いつも、抱きついたり、キスしたり、大好きなんて言ったりしている。
それを目にする度に羨ましくて、エイラの事をじっと見るんだけれども、エイラときたら、真っ赤な顔で私の髪を撫でるだけ。
それだけで、すっかり嬉しくなって満足してしまう私も私なのかもしれないけれど。
「・・サーニャは、エイラとちゅーしたくないの?」
「・・・したい・・・。」
「よし!! 私に任せろ!!! エイラとちゅーさせてやるぞ!!」
「・・ほんと?」
「ウジュ。 そのためには、サーニャの協力が必要なんだ」
「・・ん。どうしたらいいの?」
「いいか、サーニャ。 浮気は悪いことだ。 悪いことをしたエイラは悪い子だ。 悪い子は誰かがしかってやらないといけない!」
「そして、それは、エイラのお嫁さんであるサーニャの役目だ!!」
「・お、お嫁さん、私が、エイラの・・・お嫁さん・・。」
お嫁さん。
お嫁さんだったら、毎日、いってらっしゃいと行ってきますのキスしたり、
2人でキッチンに並んでご飯作ったりとか、
2人で作ったご飯を「あーん」しあったりとかするんだろうか?
「・・・サーニャ?」
「・・ん。なんでもない・・。・・でも、私、あんまり怒ったことないから・・・」
「ウジュ? ちょっと怒ってみて。」
「うん。・・・ぷんすか。」
「・・・。」
「・・・。」
「ニャー!!! そんなので、エイラが反省するかー!!!」
「え、じゃあ、・・・ぷくー。」
「頬ふくらませたって、ダメー!!! そんなのカワイイだけだー!!!」
「・・むずかしい・・・。」
「ウジュー、、、。そうだ! エイラ、嫌いって言うんだ!!」
「・・・そんな、嘘、言えない・・。」
「それくらい言わないと、エイラはまた浮気するぞ!!! サーニャはエイラとちゅーしたくないのか!!?」
「・・・したい。・・・けど、嫌いって言って、どうやってキスするの?」
「何言ってんだ!! 仲直りの証拠にエイラにちゅーさせるんだ!!」
「・・・仲直りのキス・・・?」
「そうだ! どんなに喧嘩したって一発で元通りの魔法のちゅーだ!!! したくないのか、サーニャ!」
「・・・したい。」
「じゃあ、言うんだ!!」
「うん。じゃあ・・・エ、エイラなんか、嫌いっ!」
「・・・。」
「・・・。」
「チッガーウ!!! それ、ツンデレのツンの時の顔! しかも、ちょっとデレがまじってるじゃんかー!!!!」
「・・・ルッキーニちゃんの言うこと、むずかしい。」
**************
ルッキーニのらぶらぶ大作戦は、ほぼ予定通りに進んだ。
予定通りと言うよりは、予想以上の結果が、ここにあった。
「エイラ、嫌い」
「ば、ばっちりだ・・・」
・・・どう? と、首をかしげるサーニャにルッキーニはちょっと怯えながら答える。
(・・・というか、サ、サーニャ、怖い・・・。ミーナ中佐より怖い・・・。)
ルッキーニの指導の元、怒り方を追求した結果、なんだか想像以上の出来となったサーニャがそこにいた。
「・・・怒った後は、どうしたらいいの?」
「ウジュ? うー、部屋で待ってたら、エイラ謝りに来るんじゃない?」
「そうかな?」
「そうだよ。・・・サーニャ、忘れるなよ! エイラが謝るまで甘い顔見せちゃダメだからな!」
「うん。・・私もエイラとキスしたいから・・・」
「ウジュ。・・・そういや、サーニャ。夜間哨戒は?」
「・・・あ。 行かなきゃ、遅れちゃう・・・。(・・結局、エイラに会えなかった・・。)」
(・・・完璧!!)
ルッキーニは、自分の計画に実に満足していた。
今の状況はおかしい。
ルッキーニとシャーリーがらぶらぶで、サーニャとエイラがらぶらぶなのが本来の姿だ。
悪いのは、シャーリーを誑かしたエイラだ。
悪いエイラを正すのは、夫婦であるサーニャの役目だ。
かわいそうなシャーリーを助けるのは、シャーリーの婿であるルッキーニの役目だ。
これで、ハッピー! みんなハッピー 完璧だ!!
うきうきした気分で、シャーリーの部屋の前に着く。
耳をぴとっと当てて中をうかがう。
・・・まだ、シャーリーはバイクに夢中みたいだ。
シャーリーはバイクが大好きだ。もしかするとルッキーニよりも好きなのかもしれない。
でもでも、いいのだ。
ルッキーニは12歳だから、大人なのだ。大人だから、シャーリーがルッキーニの方を向いてくれるまでちゃんと待てるのだ。
振向かせなくちゃいけないときもあるけれど、今はそうではない。それくらい、ちゃんと分かるのだ。
そうして、ルッキーニはシャーリーの部屋の扉が開くのをじっと待つことにした。
かちゃり、とドアが開いた。
(!!! 開いた!! シャーリー!!!)
出てきたのはエイラだ。早く出て行けばいいのに何やらシャーリーと話をしてる。
どこかで見たようなぬいぐるみを持って、ようやく出て行くエイラ。
もはや、ルッキーニが待っている理由なんて無い。シャーリーの所に行くのだ!
おっと、悪いエイラには、こうだ!!
「ウオッ!?」
「悪者はやられちゃえ!! ベーっ、だっ!!!」
疾風迅雷。先制攻撃で出鼻をくじいて、扉を閉める。後は、サーニャがやってくれる。
「シャーリー!!」
「おお、ルッキーニ!!」
ぎゅぅっと、シャーリーの体を抱きしめる。シャーリーもぎゅっと、ルッキーニのことを抱きしめてくれる。
やっぱり、シャーリーはシャーリーだ。ルッキーニの大好きなシャーリーだ。
「グシュグシュ。寂しかったよ、シャーリー。」
「おお、ごめんよ、ルッキーニ。今日はずっと一緒にいるからな」
「・・ホント?」
「ホント、ホント。ほら、コイツを見ろ」
シャーリーの指差した先を見ると紅くて大きかったバイクが、小さくなっていた。ルッキーニでも乗れるくらいの大きさに。
「ルッキーニ、私のバイク見て、いいなぁ、って言ってたろ。 ほら、こいつが誕生日プレゼントだ」
「・・わ、わたしの?」
「そうだ。ルッキーニのだ。」
「シャーリー・・・。・・・大好き!!!」
「あはは、くすぐったいてばっ。」
・・・愛してるのちゅーをしながら、ルッキーニは思う。シャーリーはやっぱりルッキーニのことが大好きだった。
ルッキーニもシャーリーのことが大好きだ。
そうだ。シャーリーに悪いエイラをとっちめてやったことを教えて上げよう。
「ウジュー、シャーリー、聞いて聞いてー」
「ン、どうした、ルッキーニ?」
**************
ゴンっ!!
「シャーリー痛い!!!」
シャーリーにぶたれた頭をさすりながら言う。けれど、シャーリーはむすっ、とした顔のままだ。
「シ、シャーリー?」
「ルッキーニなんて、嫌いだ」
「・・・ッ!!!?」
ガンっ。音がしたみたいに思えた。さっきぶたれた頭なんかよりずっと痛い。
シャーリーに嫌われてしまった。せっかくの誕生日なのにシャーリーに嫌われてしまった。
「ウジュ、シャーリー、嫌わないでー(グジュ 」
「ああ、ほら、冗談だって。好き、好きだよ。ルッキーニ。好きだから、泣くなって」
(・・・アレ?)
そういって、ルッキーニを膝の上にのせるシャーリー。さっきまでのむすっ、とした顔はどこかに行ったみたいだ。
「ほら、ルッキーニ。好きな人から嫌いって言われるのは、悲しいだろ?」
「・・・うん。」
「ルッキーニは、サーニャにそれを言わせようとしたんだぞ?」
「ウジュ・・ゴメンナサイ・・・。」
「うん、分かればいい」
「ウジュ、デモね。シャーリー。」
「うん?」
「ルッキーニね。みんなが、ね。ハッピーになれるようにしたかったんだよ? 私とシャーリーがらぶらぶで、サーニャとエイラがらぶらぶなのが、一番なんだよ?」
「うん。分かってるさ。ルッキーニは、とびきりの良い子だからな」
「・・・うん。えへへ。」
「・・・でも、ルッキーニ。」
「ウジュ?」
「・・・・・・半分は八つ当たりだったろ。」
「・・・。」
「・・・。」
「・・・ウン。(ゴンっ) シャーリー、痛いー!!」
「ほら、エイラとサーニャに謝りに行くぞ」
「ウジュー」
ハンガーに着くとエイラが居た。なんか、サーニャのストライカーの前で突っ立ったまんまである。
「おーい、エイラー!!」
「ウジュ、エイラ?」
反応がない。仕方がないから、シャーリーと二人してエイラの前にのぞき込んだ。
『・・・うっ。』
思わず、引いた。引いてしまった。
そこにエイラは立っていた。いつもの軍服にいつもの髪型。いつものエイラだ。ただ違うのは。
泣いていた。
エイラは、ぽろぽろと大粒の涙をこぼして泣いていた。
顔をくしゃくしゃにして泣くのではない。いつもの無表情な顔に、ぽたぽた、ぽたぽたと止まらない涙で頬を濡らしている。
「お、おい。エイラ? だ、大丈夫か・・・」
問いかけるシャーリーの声も、魂(さーにゃ)の抜けたエイラには届かないみたいだ。
体はサーニャで出来ている。
血潮はさー・・・違う。変な物を受信してしまった。
「エ、エイラ。しっかりしろ、エイラ!?」
「・・ア。 〜〜〜〜〜〜!?」
「お、おい。エイラ!? ま、待てエイラ!! ・・・は、速い。」
シャーリーに揺さぶられることで、エイラの目が焦点を結んだ、と思った瞬間に、エイラは、顔を伏せる。後ろを向く。走り出す!!
速い。とにかく速い。シャーリーが感心するほど速い。あっという間にエイラはいなくなってしまった。
「ウ、ウジュ。まだ、謝ってない・・・。どうしよ。シャーリー」
「ど、どうしよっか・・?」
**************
サーニャは、エイラの部屋に居た。
エイラからもらったぬいぐるみを胸に抱いて、ベッドに横になっている。
夜間哨戒明けでとても眠たいけれど、エイラが戻ってくるまで待っているつもりだった。
(エイラ、大嫌い)
さっきは、エイラにひどいことを言った。ルッキーニちゃんの作戦なのだけど、やっぱり大好きなエイラに嫌いと言うのは辛かった。
本当は、凄く嬉しかった。
ハンガーで私を待っていてくれたのが、
嬉しそうに手を振ってくれたのが、
欲しかったぬいぐるみをくれたのが、
サーニャって名前を呼んでくれるのがとても嬉しかった。
だから、早く仲直りがしたかった。ルッキーニちゃんの言うところの仲直りのキスがしたくてたまらなかった。
(・・・エイラ、早く帰ってこないかな・・・。)
なかなか戻らないエイラを待ちながら、ぬいぐるみをぎゅっとする。
たぶん、エイラは知らない。私がこのぬいぐるみを気に入った理由を。
私が気に入ったのはぬいぐるみの目だ。
真ん丸の目に\/のまつげ。・・・ほら、エイラそっくり。
エイラの代わりに頬ずりする。こうすると、エイラはいつも真っ赤になる。
ああ、早く返ってこないかな、エイラ。
コンコン。
ノックの音が鳴った。
「エイラ!」
思わず、嬉しそうな声が出てしまった。いけない。まだ、私は怒っていなくちゃいけないのに。
「いや、シャーリーだ。エイラ、居るか?」
「・・シャーリーさん?」
意外な人が来た。ドアを開けるとルッキーニちゃんも居た。
なんだろう。ルッキーニちゃんの顔が暗い。なんかイヤな予感がする。
「エイラなら、まだ戻ってないけど・・・」
「ウジュー。」
「あー、そのサーニャ、あのな・・・」
*** 事情説明中 ***
「すまん。」「ウジュ、ごめんなさい」
「・・・。」
事情を聞いた。
どうしよう。私はエイラを傷付けてしまった。エイラはいつも私のために必死なのに。
それなのに、私は、私の我儘のためにエイラを泣かせてしまった。
エイラが泣いた所なんて、一度も見たことが無い。そのエイラを泣かせてしまったのだ。
やっぱり、私は子供だ。なんだか、自分が嫌になってきた。
「さ、サーニャ、ほら泣くな。泣くなって。」
「そ、そうだぞ。サーニャ。サーニャが泣いてちゃ、エイラも泣いたまんまだぞ!!」
「・・えぐっ。・・・エイラ、どこ? 謝らなきゃ・・・」
「・・それが、今探して居るんだが、見つからなくてな・・・。」
「ウジュー、隠れ家いっぱい見たけど、どこにも居ないー」
「・・・私も探す。」
「そ、そうか。私たちも探して見付けたら連絡するから。」「ウジュー、エイラ隠れるの上手い、見つからないよー・・・」
シャーリーさんたちは、慌ただしく去っていった。
こぼれる涙をぬぐいながら私も立ち上がる。
辛い。エイラを泣かせてしまったのが、凄く辛い。けれど、エイラはもっと悲しかっただろう。
すごく優しいエイラだから、その分、傷付いているに違いない。
早く、早くエイラに謝らなくては・・・。
「・・・はぁはぁ。」
夜間哨戒前に回った全ての箇所を回った。みんなの部屋も回った。
居ない。エイラは、どこにも居なかった。
(・・・エイラ。・・・ドコ?)
あふれ出る涙をもう抑えられなかった。後悔がいっぱい胸に溢れてくる。
エイラはいつも私を助けてくれていた。なのに私はエイラに迷惑をかけてばかりだ。
どこでだって寝てしまう私をちゃんとエイラは見付けてベッドまで運んでくれる。
それなのに、私は、今、エイラを見付けることが出来ない。
(・・・私の能力でエイラを見付けることが出来たらいいのに・・・)
私の能力は大きな物を探すのにはとても役に立つ。けれど、人みたいな小さな物を見付けるにはすごく不向きだ。
試しに、魔力を解放してみても全く、エイラの行方は分からなかった。
(・・能力!?)
居た。エイラを確実に探し出せる能力を持った人が。
私は、その人の元に走った。
「お願いします! エイラを、エイラを見付けたいんです」
「・・・サーニャさん。」
飛び込んできた私を驚いた目で見つめるミーナ中佐。
そう、ミーナ中佐の魔法は、「聴力を高め、遠くの声や気配を知る」ことだ。
今のエイラはきっと泣いているから、ミーナ中佐なら見付けることが出来るはずだった。
けれど、
「サーニャ・V・リトヴャク中尉。 自分が何を言っているか分かっているのですか?」
「は、はい。 魔法を私用で使ってはいけないのは、知っています。けど・・」
「分かっているのなら、理解しなさい。リトヴャク中尉。」
「で、でも、エイラを見付けたいんです。 私が、私がエイラを傷付けてしまったから、謝らないと・・・」
「・・・リトヴャク中尉。それは、全てあなたの個人的な理由に過ぎません。そんな理由で、規則違反を見逃すことは出来ません。」
「・・・。」
「今の話は不問にします。・・退出してよろしい。」
「・・はい。申し訳、ありませんでした。」
ダメだった。当たり前だ。ミーナ中佐は部隊長だ。その人に規則を破れと言うのが無理なのだ。
とぼとぼとドアに手をかける。
手をドアノブにかけたところで声がかかった。
「・・・リトヴャク中尉。」
「はい。」
「今から独り言を言いますが、聞き流すように」
「・・え?」
「エイラさんは、南の第2倉庫に居るわ。まだ、泣いているみたいだから早く行ってあげなさい。」
「ミーナ中佐・・・。」
そっと、柔らかな声がかけられる。
目頭が熱い。やっぱり、ミーナ中佐はいい人だ。エイラと同じで分かりづらいけれど、とても暖かい人だ。
「ありがとうございます!」
「・・ただの独り言よ。 ほら、早く行きなさい。」
ありがとうの気持ちがいっぱい伝わるように大きく声を上げて、私は外に出る。
背中にはいつもと同じ暖かい視線を感じる。
いつもは恥ずかしいそれが、今は凄く嬉しく感じる。
・・エイラ。すぐに行くから!
**************
バタンと、大きな音を立てて扉を開ける。
「エイラ!!」
「(ビクン!!)・・ヒック。」
かすかに、しゃくりあげるような声がした。良かった。エイラはここにいる。
「エイラ、ごめんなさい。さっき、嫌いって言ったのは嘘なの!」
「ぬいぐるみ、ありがとう。 ホントは凄く嬉しかった。 エイラがハンガーで待っててくれて、ホントに嬉しかった。」
「だから、エイラ。私のこと、嫌いにならないで・・・」
「・・・ヒック。・・・サーニャ・・・。」
「サーニャ!!!」
顔をしわくちゃにしたエイラに体当たり気味に抱きしめられる。
エイラの腕の力がいつもよりずっと強い。離さないと言われているみたいで、凄く嬉しい。
私も負けずにエイラの背中に腕を回して、ぎゅっと抱きしめる。
「・・・ヒック。サーニャ、私のこと嫌いになったりしテない?」
「嫌いになるわけ無いよ。・・・エイラ。ごめんね。嘘ついて。・・・その、エイラ、私のこと嫌いになってない?」
「ナルワケナイ・・・ヒック」
ああ、ごめんなさい。お父様。お母様。サーニャは、悪い子です。
エイラを泣かせたのは、私なのに。泣いているエイラを見て、凄く可愛いなんて考えています。
でも、可愛いんです。いつも勝ち気な目が涙で潤んで、不安そうに私を上目遣いで見つめるエイラは、記録集に載せたいくらい可愛いんです。
嫌いになるわけないって、言ってくれただけで飛び上がりそうなほど嬉しいのに、ルッキーニちゃんが教えてくれた魔法を使おうとしている私は、やっぱり悪い子ですか?
「・・・ね。エイラ。仲直り、しよう?」
「・・・ウン。」
小さな声でうなずくエイラ。・・・やっぱり、可愛い。いつもの格好いいエイラもいいけれど、可愛いエイラもすごくイイ。
ああ、私、浮かれてしまってる。いいんだろうか?
「じゃあ、仲直りのキス・・・して?」
「・・・エ?」
「仲直りのキス」
「////・・・サ・サーニャ? ハ、ハナシテ ソ・ソノ、チカイ・・・。」
「やだ」
そんな小さな声でもがいたってダメなのだ。昨日から、ずっとエイラに会えなったから、私にはまだまだエイラ分が足りない。
もっともっと、エイラで私の中をいっぱいにしてもらわなくちゃダメなんだから。
「キス」
「////・・・サ・サーニャ。」
「キス」
「/////////////」
エイラは、真っ赤になってしまった。涙で潤んだ恥ずかしそうな瞳に、紅く染まった色白の肌が凄く色っぽい。
ああ、さっきはあんなに可愛かったのに。今度はこんなに綺麗だ。エイラは、どうしてこんなに素敵なんだろうか?
「キス」
「////・・・メ、トジテ」
4度目のおねだり。
エイラの胸の辺りから伝わる心臓の鼓動はドクドクとすごい音を立てている。
私の心臓の音も同じだ。すごくドキドキしている。
顔が熱い。エイラがその気になってくれた。ホントにキスしてくれるなんて、思ってなかった。
だって、エイラはいつもするりとかわしてしまうから。
心臓の音がバクバクうるさい。
エイラの顔がゆっくりと近づいてくる。
そっと、くちびるが重なった。
あったかい・・・。
エイラのくちびるは暖かかった。
いや、私が冷え切っていたみたいで、それに気付いたエイラがそっとくちびるを動かして、はむはむと私を暖めていってくれる
弾力があるのに吸い付くような感触。
くっつけるとむにむにとしていて、遠ざけるともちもちとしている不思議な感触。
ぽーっとなって、すごく気持ちいい。
「////・・・メ、トジテッテ イッタノニ」
ぽーっとなっていたらエイラをじっと見つめてしまっていたみたいで、エイラににらまれてしまった。
でも、大丈夫。私にはとっておきの魔法を持っているから。
「・・・ごめんね。エイラ。・・今度は私から、仲直りのキスするから・・」
「////・・・ウン」 Fin
>>556 >私にはまだまだエイラ分が足りない
いいところなのに吹いちゃった
けどGJ
>>556 ちょwwGJすぎるww
キスしてくれたら云々という自分の一言がこんなに広がるとわ…Σ(゚Д゚;≡;゚д℃(゚д゚)
そして隊長ったら…魔力の私用禁止規則を独り言という逃げ道で部下を導く…なんといい上司w
ルッキーニには『策士策に溺れる』ということわざを進呈しよう。
ちなみに自分の作品ではペリーヌを幸せにすることが出来ないのでその分野は他の職人に任せたw
エイラとサーニャ大杉
もっとペリーヌとミーナ増やしてけれ
俺男なんだけどヘテロって本当にきもいなぁw
害虫はちゃんとストパン関連スレ全てから追い出さなきゃ
お前らもそう思うだろ?
>>560さん、お願いします!そう感じる人が生み出さないとね!
公式の次の基地探訪が不安で仕方ない
七話の映像鑑賞はエーゲルとハルマフジが補充できるかもしれないが、問題は八話
まあ鈴木さんのことだから少年兵にはふれないと思うけど…
少年兵にふれても映像鑑賞では芳ーネにしてくれるはず
というかほんとに基地探索の芳ーネは良すぎる
リーネが嫉妬して、ついつい芳佳を責めてしまうかも。
えっちな事をされるリーネからえっちな事をするリーネになるんですね。
わかります。
芳リカ書きました。
というか初めてssというものを書きました。
投下させていただきます。
568 :
芳リカ・1:2009/01/15(木) 15:32:10 ID:Sxrx5nPz
夜中に目を覚ましてしまったわたしはキッチンへと向かっていた。
時計は二時を少し回ったくらい。
夜って少しわくわくする。何か起こりそうで。
ドアを開けると、キッチンの明かりがついているのが見えた。
かちゃかちゃ聞こえる。誰か何かやってる。ミヤフジだった。
ぶっちゃけて言うとわたしは、新人ミヤフジヨシカに心惹かれていた。
すき、なんだろう。ミヤフジがいるとなんだか嬉しい。いないとちょっと寂しい。
ふと気付くと、ミヤフジのことばっかり考えてぼーっとしている。
この間トゥルーデに怒られた。「最近いつになくたるんでる」って。
だってしょうがないじゃない。恋する乙女ですもの。
私はミヤフジに声をかけた。
「ミヤフジー?」
「ふわっ!…は、ハルトマンさん…?」
ミヤフジは手に持った…マグカップ?みたいなものを落としそうになってた。相当驚いたんだろう。
「なによー人をオバケかなんかみたいにー!」
突然声をかけたわたしも、まぁ、悪かったかもしれない。
「で、なにしてんの?」
「実はちょっと寝付けなくて…。で、明日…もう今日かな、夜間哨戒なので、朝まで起きてようかなって。」
ふ〜ん。ちょっとつついてみようか。
「なんか悩みでもあるのかな〜?」
なんて。
少しの、間。
あれ?わたしなんか触れちゃいけないところに触れちゃった?
「あの…、」
「ん…?」
「お茶、いかがですか?」
569 :
芳リカ・2:2009/01/15(木) 15:34:28 ID:Sxrx5nPz
「うヴっ!」
ミヤフジにもらった緑色の液体を吐き出しそうになった。
「にっがーい!なにこれー!」
笑いながらミヤフジがこたえる。
「扶桑のお茶です。坂本さんが持ってきてくれたんですけど、評判があんまりよくなくて…。」
で、こうして消化してるわけか。
「んー、でも慣れれば結構いけるかも。」
「ホントですか!?」
おーおー目ぇきらきらさせちゃって。かわいいなあ。
わたしたちは、故郷のこと、仲間たちのこと、なんかくだらないことを話しながら過ごした。
マグカップみたいなものはユノミというらしい。
時計が三時を回ったころ。ミヤフジの口がとまった。
「…ミヤフジ?」
「…さっき、悩みが…っていいましたよね?」
「あー、うん。」
「その、件なんですけど。」
「おーなになに?この超絶せくしー魔法少女エーリカちゃんがなんでも聞いてあげるよ?」
なんだ、さっきわたしは図星をついていたわけか。
ミヤフジがなんかそわそわしてるけれど、とりあえず話を聞くことにした。
「で、なんだい?」
「すきな人ができたんです。」
これは意外。そしてちょっと悔しい。
でも、おかしいな。
ほぼ男子禁制のこの501で、だれをすきになるって?
「でも、いけないことだってわかっているんです。こんな状況だし、」
ミヤフジは話を続ける。ふむふむ。
「それに、女の人をすきになるなんて。」
ん…?女の人…?
「ちょっと待ってミヤフジ。それはつまりウィッチ隊の誰かってこと?」
こくり、と小さくうなずくミヤフジ。
なんてこった。なにか起こってしまった。
570 :
芳リカ・3:2009/01/15(木) 15:37:03 ID:Sxrx5nPz
そこから二人ともしばらく黙っていた。
ミヤフジは俯いたままだし、わたしはわたしで、何を言ったらいいのかわからない。
お茶はすっかり冷めてしまっている。
「わたしの、好きな人は、」
先に口を開いたのはミヤフジ。わたしはなぜか畏まってしまった。
「とっても強くて、頼りがいがあって、」
「最初は、憧れだったんです。かっこいいな、とか、私もあんな風に、とか、」
「その人がいると嬉しくて、いないと寂しくて、気付いたらいつもその人のこと考えてて、」
「好きです。ハルトマンさんのことが。」
リーネのボーイズより、サーニャのフリーガーハマーより強い何かがわたしを打ち抜いた。
「わた、し?」
「はい。」
ミヤフジはもう俯いていない。まっすぐにわたしを見据え、はっきりと答えた。
なんてこった。両思いだったのか。
「あ、の、ごめんなさい。気持ち悪いですよね。忘れてください。」
ミヤフジはユノミを片付けようとしたのか、立ち上がった。
ちょっと待て待つんだミヤフジ。言われてばっかりなわけにはいかない。
「ちょっと待って。」
「ミヤフジは、自分のことをすきになってくれる人が居たとして、その人のことを気持ち悪いと思う?」
「…いえ。」
「わたしにもすきな人がいるんだ。その人がいると嬉しい、いないと寂しい。いっつもその人のことばっかり考えてる。」
「…?」
「にっぶいなあ。わたしたちどうやら両思いみたいだよ。」
ミヤフジはまたユノミを落としそうになった。そして、笑う。
まんまるな目に、わたしは吸い込まれていく。
571 :
芳リカ・4:2009/01/15(木) 15:38:09 ID:Sxrx5nPz
「じゃあ、あの、おやすみなさい。ハルトマンさん。」
なんか違う。…わかった!
「ね、エーリカって呼んでよ?フラウでもいいよ?」
「えっと、エーリカ、さん?」
「エ ー リ カ!」
顔真っ赤にしてるよ。やっぱりかわいいなあ。
「お、おやすみ、エーリカ。」
「おやすみ、ヨシカ。」
わたしはそっと近づいてヨシカの唇を塞いだ。
唇を離して、わたしはそのまま背を向け自分の部屋に戻ろうとした。
きゅ、と服の裾をつかまれる。
振り返ると顔を真っ赤にしたヨシカ。
夜間哨戒、私も出られないか、ミーナに相談してみようかな。
以上です。
芳リカ増えないかな。
失礼します。
>>572 甘い甘いよ!gj!
芳リカいいよね、たしかにもっと増えてほしい
とりあえずケーキのつまみ食いをネタに書いてみようと思ったんだが文才なさに絶望してテキスト消すの繰り返しだわ
芳佳関連のカプはゲームで補充できるだろうからいいよな・・・
レズセックスまだ?
イクー
>>556 GJ、泣いてるエイラとか綺麗すぎてやばいと思うんだ
そしてミーナ中佐に何よりのGJを送りたい。最高だよ部隊長!
>>571 これはいいGJ!
リーネのボーイズより〜のところの表現がまさにストライクウィッチーズって感じで好き
どうでもいいけどハルマフジってかなり逞しい呼称だなw相撲取りみたいだw
ああss書きたいけど時間がない!
>>342のエイロット書かせてもらった者です。これだとまるでメダロットみたいです
ファンブックのエイラの設定見てテンション上がった勢いで書いたSSを投下したいんですが
なんかイラストコラム見てないと分かりづらい上に余り百合じゃないという
あえて言うなら芳佳×エイラ(の狐?)なんだろうか…
そんな感じのあれですがよろしければ7レスほどお付き合い下されば幸いでございます
「おい宮藤、扶桑からの補給物資が届いたぞ」
そう坂本美緒に呼び止められた宮藤芳佳が、その荷の中身を確認して顔を綻ばせたのはつい先日の事だ。
規格外の魔法の才以外の能力は平々凡々と言わざるを得ない彼女だが、唯一料理に関しては同じ年頃の
少女の追随を許さないものを持っている。
曰く、「自分の料理を食べて人が美味しいと喜んでくれるのが好きだから」。
彼女を知るものが聞けば「いかにも宮藤らしい」という動機で培った料理の腕は、寄り合い所帯の
第501統合航空団では非常に重宝されていた。
そんな理由で台所事情における宮藤の発言力は非常に強力で、扶桑からの補給の内食料品に関しては
彼女の陳情(というほど強固に主張するわけでも無いが)が通る事も珍しい事ではない。
今回届いた補給物資の中にも彼女の要望通りの品が入っており、それらを確認した宮藤は早速厨房へと向かったのだった。
「きーみっとなっらー、きっとーふーふっふふっふーん♪」
ウィッチの間で流行している歌を口ずさみながら、寿司桶の中のご飯を手早くかき混ぜる。
絶妙な炊き加減のご飯からほんのり立ち上る甘酢の匂いに、宮藤は戦果を上げた時よりもよほど嬉しそうに口の端を上げた。
「芳佳ちゃん、煮汁はこんな感じでいいかな?」
鍋の前に立ったエプロン姿のリーネに問われて、宮藤は鍋の中身を一掬い。
「うん、ばっちりだよリーネちゃん!」
まるでもう料理が完成したかのような笑顔にリーネもつられて目尻を下げる。
訓練を終えた後の穏やかな夕食の準備の時間は、多少の面倒にも関わらず二人にとってはむしろ憩いの時間でもあった。
「それにしても芳佳ちゃん、今日のメニューって」
「あっエイラさん!」
コンロに火をかけようとしたリーネが何気ない疑問を口にしようとしたのと、食堂に姿を現した人物に
宮藤が声をかけたのは同時だった。
「よお。サーニャがそろそろ起きるからさ、何か食い物持ってこうと思って。何かない?」
どうしたのかと問われる前に答えて、エイラはカウンターに身を乗り出す。
たった2つ、サーニャが誕生日を迎えた今では数の上では1つしか年の違わない少女に対して凄まじく
過保護な態度を取っている自分に、疑問を覚える事はまるで無いらしい。
周りもまたそんな二人の関係はとっくに見慣れたもので、今更を通り越してむしろそれが自然だという認識である。
「もう少ししたら稲荷寿司が出来るよ。ちょっと待っててもらえるかな?」
「イナリズシ?」
準備に取り掛かる前のリーネと同じく聞きなれなくて当たり前の単語をオウム返しにしたエイラに、
宮藤はやはりリーネに答えたのと同じように、
「えっと扶桑のお寿司の一種でね。この油揚げにご飯を入れて食べるの」
作り置きのお手製油揚げを一枚手にとって掲げてみせる。
生まれて初めて見た物体に興味をそそられて、エイラはその深いアメジストの視線を注いだ。
「なんかスカスカしてるな。ゴハン入れたら破れちゃわないか?」
「大丈夫だよ。入れる前にね、これを…」
と、説明を続けようとした所で。
突然、エイラの身体が淡く輝いた。
「うおっ?」
自らの身の異常に珍しく慌てた声を上げるエイラの身体から、するりと何かが抜けて出る。
宮藤とリーネはといえばびっくりしてそのまま動きを止めていた。
現れたのは、一匹の黒狐である。
「おい、いきなり何だよ?」
主人の言葉をさらりと聞き流して、重みを感じさせない足取りで宮藤の足元に近寄ってくる。
漆黒だが、主人の髪と同じく光が当ると微かに銀の輝きを返す見事な体毛を纏った黒狐は、その黄金の双眸で
宮藤を見上げてちょこんと座った。
油揚げを持ったままの間抜けな姿勢で宮藤はその美しい獣と見つめ合う。
狐。こっちを見ている。油揚げ。
ぴん、と思いあたる節があり、宮藤は膝を屈めて狐に視点を近づけた。
「もしかしてこれが欲しいのかな?」
「ハァ?」
当たり前だがエイラにとっては突拍子も無い言葉に思わず怪訝な声が出る。
だがそんな主人の様子を尻目に、黒狐は差し出された油揚げにしっかりと眼差しを固定していた。
「はい、どうぞ」
宮藤がにっこりと笑ったのを合図に、したかどうかは分からないが、黒狐は油揚げを咥えるとそのまま身を翻して
扉の方に消えていった。
「あれ?行っちゃった」
「あー、アイツ人見知りするんだ。愛想ねーし」
ごめんな、と使い魔の不躾な態度に申し訳無さそうに頭を掻いて、エイラは狐が消えていった扉を眺める。
「ううん、そんなの全然気にしてないから」
「そっか。ならいいけど。…それにしても何でいきなり出てきたんだろ。なぁ?」
「さあ…お腹が減ってたとか…」
エイラの至極当然の疑問に、リーネは人差し指を唇に添えて無難な回答を上げてみる。
しかし宮藤だけはほぼ確信に近い正答を持っていて、それを二人に教えてやるのだった。
曰く。
扶桑では狐はお稲荷様と呼ばれ神様の使いであるということ。
その狐は油揚げが大好きでそれを使った料理は稲荷料理と呼ばれること。
今作っている稲荷寿司の名もそれに由来するものであるということ。
「神様のお使いって事は天使様みたいなものなのかな?」
「いやそれはちょっと違うと思うよリーネちゃん…」
「なんにせよ、随分俗っぽい好みの御使いだな」
言いながらひょいと油揚げを一枚つまんで口の中に放り込む。
ああっと奇襲を阻止できず悲鳴をあげる宮藤に構わず、どこかに行ってしまった使い魔と同じように
油揚げをもしゃもしゃと咀嚼しながら、
「…味がねー」
そう言って眉をしかめたエイラに、宮藤とリーネは思わず顔を見合わせて笑った。
呼ぶ声がする。
自分を、自分の名前を。
(誰だ…)
肉声ではない、だが確かに自分を呼ぶ声にエイラの意識が覚醒する。
深い眠りの闇に落ちている彼女の脳内に直接響く声の主は、聞き違えようも無い、彼女にとって最も近しい者。
それこそ彼女が愛して止まない、世界で一番大事で、今も傍らで寝そべる少女よりも遥かに近しい者だ。
(なんだよ、私は眠いんだよ)
抵抗の意思を示すも、それをまるきり無視して声の主は彼女を呼び続ける。
(分かったよ、起きればいいんだろ)
ふてぶてしく吐き捨てると、途端に闇が晴れて世界が白んだ。
現実に浮上する意識の中、故郷の白夜にも似たその世界にほんの一瞬、黒い尻尾をゆらりと揺らして、
「彼女」が肩越しにこちらを見やる――
「……」
重々しく瞼を開くと、夢の中までわざわざご足労して叩き起こしてくれた「彼女」が腹の上に乗っていた。
「…重いんだよ。どけ」
言うが早いか、黒狐はひらりとエイラの上から飛び降り、音も無く着地するとちらりとエイラを一瞥する。
黒い尻尾をゆらりと揺らして。
「どこ行くんだよ」
主の呟きをその場に放り捨てて黒狐は走り去る。
昨日の食堂の時といい、今日といい、珍しい事が続くものだ。無愛想で気紛れで、さらに思慮深い彼女の使い魔が
自ら実体化する事は滅多に無い。特に慣れ親しんだスオムスの白銀の大地を離れ海洋性気候のこの基地に来てからは
一度たりとも無かったはずだ。
それがどういう風の吹き回しか。少なくともブリタニアを抜ける生暖かな偏西風の吹き回しでは無いに違いない。
ただ確かなのは未来予知の力を持ち妖狐の眷属である「彼女」が、自らの意志で顕現し、主人を夢から引っ張り出し、
あまつさえ寝起きの主人に向かって「こっちに来い」と仰る以上、看過できない事態があるという事だ。
「…ちぇ、仕方ねーな」
身を起こしたエイラに寄り添っている銀の髪の眠り姫を起こさぬよう、慎重にベッドを降りる。
室温から来るものではない寒さにほんの少し身じろぎしたサーニャを背に手早く軍服を着ると、エイラは黒狐を追った。
辿り着いた先は格納庫だった。
薄暗く機械油の匂いの立ち込めるその場所の片隅で、ストライカーを乗せた台車をダークグレーの作業着を着た整備兵が
囲んでいる。
台車に乗った機械の箒は、銀色の細身だが強力な出力を誇るエンジンが自慢のベストセラー、Bf109-G2。
そこから少し離れた僅かに錆び付いた棚の上、工具箱や軍手、何かのユニットが並ぶ列にちょんと黒狐は鎮座していた。
追ってきたエイラの姿を認めると、ひょいと降りて整備兵によって日常点検をされている彼女のストライカーの方へ
歩き出した。
(まさか、出撃しろってか?)
察しの良いエイラはその意図に気づいて、目を丸くする。
すると最後の点検を追えユニットの蓋を閉めた整備兵が、予想外の来客に気づいて素早く工具を片付け始めた。
「ちょっと待て。わりーけど、私のメルス出してくれないか」
「…飛行訓練の予定は聞いていませんが」
「いや、そのな」
庇で目線を合わせぬまま返された答えは、言外に隊長の許可を得ろという至極当然のものだった。
どう説明したものか逡巡していると、横から整備兵の前に躍り出た黒狐がくるりと軽やかに身を躍らせる。
翻る尻尾。オーロラの切れ端のような極光の軌跡が渦を巻く。
見慣れぬ動物に目を奪われた整備兵達の表情から生気が消えた。文字通り、狐に摘まれたように。
「ちょ、何したんだお前」
ハイライトの消えた目で発進ユニットにストライカーを取り付け始めた整備兵を無視して黒狐に半眼を向ける。
使い魔の仕業とはいえ魔法を用いた威力行為で整備兵に強制しての無断出撃は、ちょっと洒落にならない。
予想される罰則に二の足を踏んでいるエイラに、しかし黒狐はまるで取り合わずエイラの身体に戻った。
意志とは無関係に顕現する耳と尻尾。何がなんでも出撃しろ、という事らしい。
「ああもう分かったよ。行けばいいんだろ、行けば!くそっ!」
半ば自棄になって毒づくと使い魔に劣らずの身軽さでストライカーに足を滑り込ませる。
滅入っているにも関わらず始動したエンジンの吹き上がりは抜群で、離陸を終えた頃には意識を取り戻すであろう
整備兵の心遣いにエイラはなんだか泣きたくなった。
「よーし宮藤ぃ!そろそろ上がれー!」
「はいっ!」
インカム越しに朗々と響いた坂本の指示に返した宮藤の返事は、元気は良いもののわずかに上ずっていた。
弾んだ息と上下する肩が訓練の激しさを物語っている。
新兵である宮藤とリーネには通常勤務以外に特別訓練と称したメニューが課されているのだが、
夏の太陽を照り返すドーバーの大海原の上空に浮かぶ彼女の傍には、不安を分かち合う相方の姿は見えない。
所謂女の子の事情というやつで部屋で伏している。
「…ん?おい、誰だ!勝手に飛んでるのは!」
坂本の大声に振り返ると、今まさにエイラが滑走路から飛び立った所だった。
「あー。ちょっと自主訓練ついでにミヤフジに付き合おうかなって」
「それは感心だがそれなら事前に言わんか馬鹿者!それにもう宮藤は上がるぞ!」
「え、そうなの?」
「はい。っていうかエイラさん、今日は夜間哨戒あるんじゃ…」
叱られながら宮藤に近寄ってきたエイラには飛ぶ理由が無い筈だ。
えーじゃあどうしようかな、などとはっきりしない面持ちで頭の後ろで手を組んでいるエイラに宮藤は疑問符を
浮かべる事しか出来ない。
「なんだよもー。なんもないなら、私も降り」
愚痴っぽく言いかけたエイラが言葉を止め、ばっと顔を洋上遥か向こうに浮かぶ雲海に向けると、
数瞬遅れてネウロイ襲来を告げる警報が基地に鳴り響いた。
「敵襲か!…チッ、雲に入られた!かなり速いな…」
滑走路上で魔眼を輝かせた坂本が舌打ちをする間に、エイラはグリッドロケーターを確認する。
「坂本さん!私が先行します!」
「おい待て!魔力を消耗しているお前が行ってもどうにもならん!!」
「でも、足止めぐらいなら出来ます!」
「出来るか!銃も無いくせに!」
「銃ならあるぞ」
エイラは先走りかけた宮藤に前もって持ってきていた13mm機関銃を押し付けると、落ち着いた声音で、
「少佐、私が長機を務める。それなら良いだろ?」
「…。分かった、だが無理はするな。宮藤の魔力も少ないからな。すぐに私達も出る」
「了解、行くぞミヤフジ。遅れんなよ」
振り返ってウインクをしたエイラは、どこか楽しげに見える。
「は、はい!」
子供っぽい仕草にほんの少しだけ浮き立った心を勢い良く頷く事で無視をして、宮藤は魔力をエンジンに注ぎ込んだ。
「…報告は以上かしら?」
「ああ」
エイラが機械的に頷くと、執務室の机の向こうのミーナがため息を吐いた。
カーテンをすり抜けた夕暮れ前のおぼろげな日差しを背に受けた18歳の部隊長の表情は逆光に沈んで
窺い知る事が容易ではないが、恐らく眉根を寄せて年不相応に心労を滲ませた顔をしているに違いない。
「使い魔の誘導で無断でストライカーを使用。そこに丁度ネウロイが現れて交戦、共同撃墜。
…貴女の使い魔の特性を考えると、偶然とは言い難いけど」
「無断出撃は無断出撃だ。罰則は受けるよ」
「…そう。良いわ、処分は追って通達します」
行きなさい。そう退室を促されて執務室を後にしたエイラを待っていたのは、申し訳なさそうに
頭を垂れている宮藤だった。耳と尻尾が出ていればより如実に彼女の心中を物語っていただろう。
「何してんだ。お前は別に用ねーだろ」
「そうだけど…謝りたくて。助けに来てくれたのにエイラさん怒られちゃって…」
「あ?別にお前のせいじゃねーよ。それに助けに来たのは私じゃないっつーか
…そうだ、要するに全部コイツのせいだ」
エイラは忌々しそうに独りごちると、目を閉じて黒狐を実体化させた。
お前のせいだぞと言わんばかりに睨みつけてくる主人の事などどこ吹く風と言った風情で黒狐は毛繕いを始める。
「コイツのせいって、この子が何かしたの?」
「ああ。無理やり私を引っ張ってきて出撃させてくれたんだよ、この悪戯狐め」
「そっか。それじゃあキミが助けに来てくれたんだね」
「へ?」
その発想は無かったのか、疑問符を浮かべたエイラの前に屈んでじいと黒狐を見つめる。
ぺろぺろと体毛を舐めていた黒狐が視線に気づいて宮藤の澄んだ瞳を見返した。その瞳が、細まる。
「助けてくれて、ありがとう!」
その笑顔を花が咲いたようなと表現するのなら、きっとその花は向日葵なのだろう。
混じり気の無い感謝をぶつけられた黒狐はしばらく目の前で咲いたそれを眺めていたが、
不意に身を翻すと開いていた手近な窓に吸い込まれるように姿を消した。いつぞやと同じように。
「あれ?また行っちゃった。…嫌われてるのかな?」
「いや。そーでもねーよ」
「え?」
「あいつ素直じゃねーからな、むしろ喜んでんだよ。捻くれもんめ」
にひひと口の端を歪めて笑うエイラの横顔は、先ほど彼女が吐き捨てた悪戯狐そのものだ。
それにしても。
ぶっきらぼうで素直じゃなくて、それでもいざという時は助けに来てくれる。
(あ、そっか)
繋がったその思考回路に思わず手を打つ。昨日といい今日といい、なんだか最近自分は冴えている気がする。
「あの狐さん、エイラさんに似てるんだ!」
大発見だと言わんばかりに笑顔を向けた宮藤に、しかしエイラは呆けたように目を丸くする。
「…私のどこが捻くれてんだよっ!」
何を言われたか理解したエイラが伸ばした手を避けようとするも、未来予知の能力を持たない宮藤には不可能で。
「ふにゃあ」
頬を引っ張られながら宮藤は、「狐さんの方が優しいのかもしれない」などとさらに頬の伸び率記録を
更新されそうな事を考えるのだった。
おしまい
589 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/16(金) 00:46:07 ID:m48uveYH
>>572 芳リカという新しい扉が開きました
ヤバイ破壊力の超GJです。
扶桑の魔女は本当に凄いですな
>>588 黒狐さん登場だけでベッドから転げ落ちるほど悶えました。
狐の恩返しだけど素直じゃないところがGJGJ!
そして扶桑の魔女は、ついに動物もオトした。
すいません、ageてしまいました。
あとSSまとめのシャーゲルに悶えて
シャーゲル投下します。
591 :
シャーゲル1:2009/01/16(金) 01:21:39 ID:m48uveYH
「いってー。どうやったら頭ぶつけるんだろ」
「しーらない」
海から這い上がったシャーリーは、先ほど思い切りぶつけた額部分を撫でながら、ぼやくように呟く。回収したストライカーユニットの備品やらを抱えていた、シャーリーの妹分のようなフランチェスカ・ルッキーニは、にししと意地悪そうに笑う。
「頭からズトーン! だったね。垂直落下!」
「音速に近い速度は、急には止まれんのだよ。でもまーさか途中で取れたパーツが頭に落ちてくるとは思わなかったなー。いつ取れたんだ?」
減速しながらとはいえ、海に垂直落下も相当危険である。どうしてそうなったのかは不明であるけれど。もっともシールドは張っていたし、魔法も使っている最中だったから、それほど大事には至っていない。
しかし問題は、一番気を抜いた時に落ちてきた部品の方である。気を抜いていた分だけ魔法力が落ちたのか、それとも部品なりの懇親の一撃だったのか、それはそれは痛かったのだ。
「ルッキーニ。デコどうなってる?」
>>588 果たして使い魔が主人に似たのか主人が使い魔に似たのか・・・w
素直じゃない1人と1匹可愛かったっス。GJ!!
ところで、なんとか13レスくらいにおさめたちょっと文字数多めなSSは投下してもおk?
txtで25KBくらいあるんですが
593 :
シャーゲル2:2009/01/16(金) 01:22:25 ID:m48uveYH
ぽたぽた水の滴る髪を持ち上げてルッキーニに尋ねると、彼女は少し覗き込んでかたら、けたけた笑っていた。
「まっかっかー! こぶになるね!」
「切れなかっただけマシってことなのか……」
諦めたように溜息をつくと、隣でルッキーニは笑う。馬鹿にするわけでもなくただ笑っているルッキーニを見ると、なんだか少し気分が楽になる。周りを明るくする力があるんじゃないか、とシャーリーは思った。
少し和んだ二人の間に、一陣の風が吹き抜ける。
その瞬間ぞくりとしたものが背中を走ったかと思うと、鼻がなんだかムズムズしてきた。
「ふえっきし!」
「シャーリー大丈夫?」
「水着だと頭からずぶ濡れでもたいしたことないんだけどなぁ。やっぱり服は不便だな。次からは水着かマッパでやろう。うん。そうしろってことなんだ、うん」
力強く言う。
本当は今日やろうかと思ったが、本当に布を少なくするだけで早くなるのか実験したい気持ちもあった。今日は普段来ている軍服を一枚減らして、軽量化を計っていたりする。結果は、前より早くなっていた、気がする。
やはり、布か。次は全裸確定だ、と小さく呟いた。
「あーシャーリーなんか頭についてる!」
594 :
シャーゲル3:2009/01/16(金) 01:23:53 ID:m48uveYH
考えに没頭していたシャーリーの思考を遮ったのは、ルッキーニの驚いた声である。
言われたように頭に手をやってみると、なにやら変なものが頭に付着していた。
「んー? げっ! なんじゃこりゃ!?」
「海草?」
「なんでこんなもんが……?」
「海に落ちたからだよー」
なるほど、と思う反面、もっと何か体についているんじゃないかと思って、嫌な気分になる。
海は嫌いじゃないし極度の潔癖という訳でもないが、やはり体が汚れるというのはあんまりいい気分じゃない。
それに海に落ちたせいか、太陽の光で乾いてきたところが妙に痒い。多分水気が飛んで塩になってる。
猛烈に、お風呂に入りたかった。
「こんな海水の水びだしじゃ、備品の掃除もセットも出来ないしね。うん、一回風呂に入ろう。そうしよう」
「その後またユニット触るんでしょ? 汚れちゃうよ」
そう言うルッキーニに、ニカッとシャーリーは笑った。
595 :
シャーゲル4:2009/01/16(金) 01:24:54 ID:m48uveYH
「あっはっは! 大丈夫! もっかい入るから。いちち……」
笑った拍子に、額がずきりと痛む。
周期的な痛みは引いてきたけれど、それでも、ふとした拍子にズキっとしたものが襲ってくる。
「芳香に頼んだら?」
「いや……あたしの勝手な挑戦で、あたしの不注意で起きた事だしね。宮藤に迷惑掛けるわけには行かないよ。
それにまあ、そのうちに治る治る! 風呂上がったら、氷のう頭に乗っけて機械でも弄るさ!」
この痛みをバネに、次こそ公式的に音速を超える。そう考えると、この痛みもたいしたことないように思える気がした。
気のせいだとは思うが、まあ細かい事など気にする事ない。
シャーリーはルッキーニも風呂に誘ったが、彼女はもう眠いからいい、とよじよじ木の上に移動していた。どこでも眠れるのはいいことだが、どうして木から落ちてこないのか、正直不思議だったりもする。
「まあ、いいか。落ちてこないんだし」
細かいことは気にしない気にしない。結果的に落ちていないのだからそれでいいのだ。
そう思って風呂に向かってシャーリーが格納庫を歩いていたときである。
ふと、珍しい奴が、いつも通り眉間にシワを寄せて目の前に立ちはばかったのだ。
596 :
シャーゲル5:2009/01/16(金) 01:25:45 ID:m48uveYH
「見事にずぶ濡れだな、リベリアン」
「脳天からつま先までね。余すとこなくべったべた」
垂れてきた髪の毛をかきあげ軽口を叩くと、目の前の人物は眉間のシワをより一層増やす。
目の前の人物とは、堅物妹好きの通り名を馳せているゲルトルート・バルクホルンである。
「全く、ストライカーユニットだってタダじゃないんだぞ。スピード中毒で壊されたんじゃ、たまったもんじないな」
「失敬だねぇーバルクホルン。ついでに堅い。向上心は大事さ。それに遊んでるわけじゃないしね」
「訓練をサボってユニットを壊すなんて、いい向上心だな。いいか、いつネウロイが襲撃してもおかしくないんだぞ。もうちょっと」
「ああ、はいはい。今日はその手の話題を、耳が受け付けない日なんだよ。ついでに理解する脳みそは臨時休暇とってる」
これが全く知らない奴の会話なら、多少なりともイラっと来るものがあるかもしれない。でも相手はバルクホルンなのだ。
――まあ、軽いジャブって言ったところなんだよね。
慣れてない人から見るとヒヤヒヤするらしいが、やっている方は別段気にしてない。朝会ったら「おはよう」という。そういうことだ。
だが会話はいいのだが、訓練も終わっただろうこの時刻に、バルクホルンが意味もなく格納庫にいるとは思えない。それが不思議だった。
597 :
シャーゲル6:2009/01/16(金) 01:26:52 ID:m48uveYH
彼女は真面目と妹好きが服を着て歩いているような人間なのだ。
特に軍の規律や効率的な行動に関しては、溜息がつきたくなるぐらい完璧。
行動だって手際がよくって、片付けもちゃっちゃと済ませてしまう。
終わったらさっさと帰って、また何かをやり始める。そういう人だ。
「で、何か用なんじゃないのかな?」
完璧主義で無駄のない彼女だからこそ、ただなんとなく格納庫にいて、なんとなくシャーリーに声を掛けたとは極めて考えにくい。
しかも話しかけてきたのは向こうだ。確実に何かある。
少し身構えてそういうと、バルクホルンがはじめて眉間のシワを解いた。
「何構えてるんだ、取って喰ったりしないさ。まあ、多少はびっくりはするかもしれないが」
「へ? 何を――」
言うより速く、バルクホルンの顔が消える。
いや、消えたわけじゃない。『何かが二人の間に割り込んでいる』のだ。
そう理解したのは、それが顔に当たった後だった。
「うおあ!? 冷てー!」
顔でワンバウンドした後、シャーリーの豊かな胸にぶつかり
、そして待ち構えていた手に着地したそれは――氷のうだった。
598 :
シャーゲル6:2009/01/16(金) 01:28:08 ID:m48uveYH
驚きとまた痛み出した額の分の怒りを混ぜて睨むのだが、バルクホルンは笑いを一生懸命堪えているだけだった。
「くっくっ……凄い顔してるぞリベリアン。記録に残しておけばよかったな」
「い、行き成り物投げるなんて、カールスラントじゃ随分と紳士な教育してるじゃないか!」
しかも腫れているデコに命中したらしく、また周期的に痛み始めているのを感じる。
そういう抗議をしこたま練りこんで言ったのだが、バルクホルンは気にしていないようだった。
「だろ? 自慢の国だ」
ニヤっという言葉がとても似合う笑みである。
氷のう投げ返してやろうかと思ったのだが、『それが氷のうである』という事実を思い出し、はっとなった。
シャーリーが理解したのを感じたのか、それともシャーリーが口を開くより早かっただけなのか。
バルクホルンは少し視線を外した。
「ウィッチたるものか、あんな間抜けな理由で怪我するとはな。リベリアンのウィッチの力量を疑うぞ!
鉄の塊だったからよかったものの、これがネウロイの攻撃だったら、今頃お前の頭がなくなってたところなんだからな」
「……見てたのか?」
「ぬっ……」
小言が止まる。
別にシャーリー自身、深い意図があって言った言葉じゃない。
ただ口ぶりから、シャーリーが音速に挑戦している様子を見ていたようだったから、口に出して聞いただけである。
いつも誰かしらに速度を測定してもらってるし、別に失敗したところを見られても別段恥ずかしくはない。
でもバルクホルンは、照れくさそうだった。
「鼓膜が悲鳴をあげるくらい凄い音だからな。まあ、気になってちょろっと」
599 :
シャーゲル7:2009/01/16(金) 01:30:08 ID:m48uveYH
「ふぅん。その時って、訓練時間だったんじゃないのか? 訓練中のバルクホルン大尉に気に止めてもらえるなんて、光栄ですなぁ」
「ぬっ」
また言葉に詰まるバルクホルン。一度バランスが崩れると、バルクホルンはどこまでも崩れていくので、それは正直面白いと思う。
一種の才能なんじゃないかとシャーリーは思ってすらいた。いや、才能以外のなんだというのだ。
「と、とにかくだ。一応冷やしとけ。ただの打撲とはいえ頭だし、腫れてるんだろ?
あと余計なお世話かもしれないが……今は痛くないかもしれないだろうけど、風呂入るとズキズキ痛むぞ、その額」
「風呂に入らずとも、今のでまた痛み始めたってーの」
「避けないお前が悪い」
いいから早くデコにでも当ててろ、とバルクホルン。
思わずニヤケそうになる口周りの筋肉を必死に引き締めながら、シャーリーは言われたとおりに、氷のうを額に当てる。
初めは少し痛かったが、次第に氷のうの冷たさが、気づかぬうちに熱を持っていた額の熱を吸収する。
気持ちよかった。
「つまり心配してくれた、でオッケーかな?」
色々言われっぱなしが癪だったのと、ちょっと照れくさい気持ち。それらが合わさって出てきた言葉は、何となくいつも通りのやりとりであった。
バルクホルンは慌てふためくのだろうか。
そう思って彼女の反応を待つと、彼女は――とても優しい笑顔を浮かべていた。
慌てふためかせるはずが、こちらが逆にドキリとしてしまった。
「まあ、訓練をサボるのは全くいただけないが、何か一つのことを、ずっと頑張るっていうのは悪くないと思ってる。
でもユニット壊すなよ。それあんまり壊すとミーナが泣くぞ。烈火のごとく」
じゃあな、と踵を返すバルクホルン。
なんだったのだろうか。
近頃随分丸くなったとは思っていたが、こんな柔らかい表情を、
真正面からシャーリーにぶつけてきたのは初めてだったように思う。
妙に心臓の辺りが熱い。額の打ちつけたところが、ずきりずきりと痛む。
600 :
シャーゲル8:2009/01/16(金) 01:31:16 ID:m48uveYH
それに呼応して、心臓も動いている気がした。
まだ数歩と進んでない彼女がこれ以上離れるのが『癪だ』と思い、シャーリーは去り行く彼女の背中に、最後の軽口を叩く。
「あたしもそこまで面倒見が悪くないと思ったけど、バルクホルンも中々世話焼きだな。お姉さんみたいだよ」
そういうと、くるりと上半身を少しこちらに向けたバルクホルンが、心外と言わんばかりに微笑んでいた。
「馬鹿者。実際私は、お前より年上だ」
――その顔は反則だろ。
痛む額にぎゅっと氷のうを押し付ける。
そういえば年上なんだっけ、と今さらながらに思い出したのは、内緒だったりする。
The end
601 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/16(金) 01:37:13 ID:MtSoT+5O
>>579 実際いるけどなハルマフジって
もちろんパンツじゃないから恥ずかしくないゾ
602 :
592:2009/01/16(金) 01:45:45 ID:sJb3o/H4
>>600 うお。タッチの差で割り込んでしまった。すみません。。
シャーゲルが最近熱い身としてはかなり萌えた!
この微妙な付かず離れずの雰囲気がイイ(・∀・)!!
そんな関係でキュンときちゃった日にゃあそれはもう恋の始まりってヤツですなww
立て続けに長編SSが二つもくるとはいい日だ
>>600 GJ!
ニヤニヤがとまらないぜw
シャーゲルって何かツボにくるものがあるな
>>588 てっきり使い魔の影響で我を忘れて稲荷寿司に食らいつくエイラさんというギャグ話が見られるかと思いきや
ほのぼのいい話でしたGJ!きつねさんかわいいよきつねさん
>>592 おkじゃないか?気になるならロダでもいいけどどちらにせよ風邪引く前に投下してください!
>どちらにせよ風邪引く前に投下してください!
ズボン履けよww
>>573 >>579 >>589 レスありがとう。
4話以降芳リカが止まらないワケで。
ちなみに、宮藤→エーリカの呼び方(ハルトマンさん)はファンブックのssを参考にしました。
ってか容量重視のssスレだとこういうレスもご法度なのかな?
で、エイラーニャ超短編書いてみました。
投下します。
夜間哨戒。わたしの任務。今日はエイラとのロッテ。
いつもの時間に、いつものように。発進。
透き通った、きれいな夜空だった。
「サーニャ、ちょっといいカ?」
エイラがわたしを呼び止める。何か見つけたの?
わたしから10メートルほど離れたいったエイラは、いくつか私に指示を出した。
「もうチョット上。OK。そこデ膝を抱えるみたいにできるカ?。」
わたしはエイラの顔を見つめたまま、言われる通りにした。
クエスチョンマークしか浮かんでこないわたし。
エイラは両手でフレームを作った。
「きれいダ。サーニャ、お姫様みたいダ。」
「カメラ借りてくればよかったナ。」
わたしの向こうには、三日月、星空。
書き込んでから気付いちゃうことあるよね。
タイトルの「も」いらねえええええorz
では失礼します。
>>2 >SS専用スレではないので
幸運にも職人さんが多くてこういう状況になってるだけだから容量重視なんてことは全く無いかと。
611 :
592:2009/01/16(金) 09:30:30 ID:sJb3o/H4
ヒートテック製のズボンで風邪予防(嘘
ではお言葉に甘えて。
前スレでSide EilaとSide Sanyaって独白調のSS書いた人です。
またしてもエイラーニャ。長さの割に山とか谷とかないですサーセン。13レス。
明日は、早起きをしよう。
寒空の中空へ飛び立つサーニャにマフラーと手袋を押し付けて「いってらしゃい」と見送って(耳あては任務の
妨げになるだろうから渡さなかった。・・・・つけたらすっごく似合うとは思うけど)、食堂でリーネと宮藤のお手
製であるシチューを平らげて、いつもなら夕食後もタロットや隊の皆とのお喋りに興じているのだけど、今夜
(いや明日の?)私には重大な任務がある。いつも通りツンケンした声音で宮藤をからかっているペリーヌを
更にからかってやれるほど暇じゃないんだ。
他の人よりジャガイモを多めによそったスープ皿を前に機嫌をよくしている人物に声を掛けた。
「大尉」
私から声を掛けられることはあまりないからだろう、わずか目を見開いたバルクホルン大尉は「食事中に声
を掛けるのは関心しないな」と前置いて、それでも機嫌を悪くすることなく応えてくれた。・・・ジャガイモ効果
か、宮藤効果かどっちだろう。
「どうした、エイラ」
「大尉、イマ時計持ってル?」
「あぁ。持ってはいるが何だ?自分のを壊しでもしたのか?」
ややうろんな表情で尋ねてくるのに首を振って応えながら、彼女が差し出した時計と自分のものを見比べる。
大して心配はしていなかったが2つの時計の分針はまったく同じ位置を走っていた。秒針は30°ほど自分の
方が遅いかも?彼女の時計がせっかちなのか私のそれがのろまなのかは分からないが、おそらく彼女の時
間は正しいのだろう。そうじゃなきゃわざわざ訊いたりしないし。生真面目なカールスラント人にさらに輪をかけ
て生真面目な彼女だから、時間を尋ねるのにはもってこいだったのだ。
「ま、これくらいナラ許容範囲カナ。アリガト。もういいヨ」
覗き込むようにしていた視線を時計からバルクホルン大尉へ。そこには私の突飛な行動に納得いく理由を欲し
がっている表情があったけれど、素早くお礼だけを返答に差し出せばそれで曖昧に頷いてくれた。別に大した
ことじゃないんだし、理由を言う必要もないだろう。
なかなかの成果にホッとしたのも束の間。背を向けて足早に食堂から去ろうとする私に大尉らしい忠告が飛ん
できた。
「何を企んでいるのか知らないが、寝坊して訓練に遅刻するなんてことはしてくれるなよ」
「・・・・わ、わかッテルっテ」
ちょっと声が上擦ってしまったかもしれない。なんてこった。もしや彼女も未来予知が使えるっていうのかな、
なんてあるはずもない勘繰りをしてみたりして。
こうして私は無事正確な時間と小言を手に入れた(後者はできれば手に入れたくはなかった)わけだけど、そ
れにしても企みだなんて失礼な。・・・いや、確かに企みには変わりないかな。でも訓練に遅刻なんて、そん
なことにはならないさ。ふふん、バルクホルン大尉の未来予知は大はずれだな。
何せ私は、明日は思いっきり早起きしなきゃならないんだから。
部屋に戻って就寝準備はばっちり。念のために時間を尋ねていたけれど、枕元の目覚まし時計は心配御無
用といった風貌で元気に時間を刻んでいた。優秀な奴だ。仕度は上々。
サーニャが夜間哨戒から帰ってくるのは夜が明けてすぐくらいの時間。ブリタニアの冬は夜明けが遅いから
な、と朝の相棒とにらめっこしながらカチカチとタイマーを合わせておく。大雑把なものだ。これなら別に小言
を貰う必要なんて最初からなかったのかも知れない。
部屋の照明を落としてしまっても今日は月夜だから、冬の澄んだ空気のせいかピタリと閉めても隙間ができ
てしまうカーテンのせいか、真っ暗にはならない。その上この部屋には占いに関する物が多いから、自分で言
うのも何だけどちょっと不気味な雰囲気が出来上がっている。それでも私にとってはこの上なく居心地がいい
のだけれど。サーニャにとっても、そうなのだろうか。彼女はこの部屋が気に入っているから、毎回夜明けにこ
こに迷い込んでしまうのだろうか。女の子っていうのは総じて、占いとか運勢とかいうものが好きなものだしな。
そう簡単に訪れてはくれない眠気を待ち構えながら考えるのは、やっぱりサーニャのことばかり。でもそれを
最早当たり前のこととして受け止めている自分がいる。今日ばかりは仕方のないことだ。
明日の朝は早起きをしよう。明日も彼女はここへ来ようとするだろうか。今彼女は寒い思いをしていないだろ
うか。いくら魔力を発動してたって、いくら防寒してたって、雲の上は罅割れてしまいそうになるくらい寒
いのに。
対して今の私は温まりだした毛布にくるまれて一人ぬくぬくとしている。罪悪感とか、そんなものを感じてしま
うのはお門違いだろうけど、それでも申し訳ない気持になる。こうしていつもより早めに寝ようとできるのは彼
女のおかげで、だから彼女のために「おかえり」って、「お疲れ様」って、言いたいんだ。
それから、それから・・・・・
たまにはホロスコープでも見てみようかなと中途半端に開いてみたカーテンの向こうに星は穏やかに果てしな
く瞬いていたけれど、2つほど星座を探し出したあたりで睡魔につかまってしまった私は、深夜の神話に優し
く飲み込まれていった。
◆ ◆ ◆
気が付けば耳元で何かがやかましく鳴いていて、うっすらと意識が浮上していく。
なんとなくぼーっとする視界を瞬きでやり過ごして、そしてまた何かの音を聴覚が再確認する。
部屋には眠りに付く前とまったく同じような明度が満たされていているので時間なんて過ぎてないんじゃな
いかと一瞬疑ってしまった。けど昨日わざわざ確認した優秀な目覚まし時計が言うのだから間違いない。
どうやら朝のようだ。
っていうか私いつの間に寝てたんだろ。あれはうお座かなー違うかもなーって空を見てたあたりで覚えてい
る限りの記憶が途切れたので、朝っぱらから元気にがなりたてる時計を叩いて黙らせる。あ、ごめん折角起
こしてくれたのに叩いちゃって。うん、おつかれさん。とりあえずさっきは叩いた時計を撫でておいて、未だ明け
切らぬ空に伸びをした。
「うーんっ」
ベッドが窓際に位置するせいで吐き出した息がほの白くて冬だったことを思い出すと同時に肌寒さもひたりと
張り付いてきて思わずくしゃみを1つ。
おっといけない。こうしている間にも空は白みはじめている。
この季節には似合わないスピードでプライベート用のパーカーを素早く着込んで、一晩中冷気に晒された布地
の冷たさにちょっとだけ震えるのを済まして
迫り来る朝日に追われるように部屋を飛び出した。
もちろん皆を起こしちゃ悪いから、控えめな足音で。
扉の先に広がる廊下はひんやりと静かだ。常夜灯が消えているのは夜が明けようとしている証拠。足を速く進
めようとしても心ばかりが逸って起きぬけの身体はなかなか付いてきてはくれない。
やっとあったまってきた身体と共にたどり着いたハンガーは無機質で硬質な寒さをもって私を迎えた。適当な鉄
骨の上に腰掛けると益々身体は冷え込むが、きっと少しだけの辛抱だ。そんなこと未来を見ようとしなくたって
分かる。
だって、ほら
雲の向こう側から朝日を引き連れて帰ってくるあのストライカーユニットの音。
この音だけは聞き間違えっこないって、絶対の自信があるんだ。
駆け寄りたい衝動を、照れくさいから必死に抑えて、抑えて、抑えて、抑えようとしたっていうのにハンガーに
滑り込んできた彼女はすぐに私を見つけてしまって、驚いたように目を瞠るものだから
衝動も羞恥も小心も忘れ去って正直に、真っ直ぐ彼女へ駆けてった。
どうしてなんだろう。見つけてもらっただけで、彼女の瞳に自分が映るのが分かっただけで、こんなにも嬉しく
なるなんて。
「サーニャ!」
顔が弛んでしまうのは、ただ目が合ったのが嬉しかっただけじゃない。一晩ぶりに会うサーニャが実体を伴って
目の前に存在するということ、
「・・・エイラ、どうしたの?」
朝焼けの中を飛んだ彼女が光の名残を瞳に残しているのかわずか目を細めて私を見遣って、私の名前を呼ん
で、返事をしてくれること、
「たまたま、早く目が覚めタカラ・・・」
言葉を交し合えること、
「そっか。・・ありがとう」
風に揺れる綿帽子みたいな微笑みをくれること。
その全部が、私を幸せにし、ぽかぽかとあったかくしてくれる。
不思議な魔法。サーニャだけが使える、私にとってはこれ以上ってないほど効果抜群の特別な魔法。
“たまたま”だなんて多少の嘘、君は許してくれるかな。昨日は随分と早寝をしたんだよって言ったら、万が一
を考えてバルクホルン大尉に時間を訊いたら余計な小言まで貰っちゃったよなんて言ったら、君は笑うかな。
小春日和みたいにくすぐったい声を転がしながら笑うのかな。
その笑顔が見たくてもう全部言っちゃおうかなって一瞬だけ思ったけど、やっぱりそれってほら、なんかさ
恥ずかしいじゃないか。
どうにも素直になれない自分に後ろ向きなフォローを入れてどうにか自家発電気味な納得を手に入れようとして
しまうのもまた情けない。やけに耳が熱く感じるから、私の耳は言うまでもなくなんていう言葉が不必要なぐらい
には赤くなっているんだろう。ほのかな朝焼けは、肌の紅を誤魔化してくれるだろうか。真っ赤な夕焼けの下なら
そんな願いも簡単に叶えてくれそうだけど、爽やかすぎる日差しには無理な願いに思えた。
でもそうやって私が自分勝手に自分を装って躍起になったって、夜通し魔力を使い続けていた彼女にはどこ吹く
風。ストライカーとフリーガーハマーっていう重装備をいつの間にか解いていたサーニャは身軽になった身体で私
の目の前に佇みながら、それでも重くって仕方がないのだろう瞼を必死に持ち上げようとしていた。あわわ。こうし
ちゃいられない。何の為に早起きしたんだ。夜間哨戒帰りのサーニャの睡眠時間をいつも以上に削るためじゃな
いはずだ。言いたかった言葉がある。届けたかった言葉がある。
なによりこれは重大な任務の中間地点にしか過ぎないんだから、折角坂本少佐より早く起きたんだから、しっかり
しなくちゃいけない。
そうしてるうちにもサーニャの眠気は質量を増すばかりで、長い睫毛に縁取られた瞳が完璧に姿を消してしまうそ
の動きと一緒に、小さな軽い身体がゆっくりと傾いて
とん、と。
風に翻る羽根みたいに軽く、私の肩口のあたりに可愛らしい頭が不時着した。
「っ・・・!?」
先ほど感じた熱さよりはるかに膨大な熱量が耳に、頬に、目の奥に、首筋に、身体中に溜まっていくのを感じて
のどもとまでようやくたどり着いていた言葉が押し留められる。
軍服越しに触れている肌も寒空に晒されている肌も私にはただ熱いばかりで、そのせいで彼女と同じように足元
がおぼつかなくなりそうだ。それでもサーニャは、私がまさか頼りなくふらついてしまうだなんて思っていないよう
にもたれ掛かってくるから、その小さな掌が控えめに私の裾を握っているのに気付くことができたから、
密やかに深呼吸を一回だけした後に押し留められていた言葉をどうにか紡ぎだすことができた。
「おかえり、サーニャ」
私の肩に顔を埋めたまま暖を取ろうとしている君は、眠気のせいかいつもより甘えた声で小さく呟いた。
「・・・・ただいま」
くぐもった、声で。
私は傲慢なので、その声音がかすかな安堵を湛えていたと錯覚する。
その薄い身体に
その冷たい身体に
腕を回せなかったことだけは、だから許してくれるかな。
あと、
「ここで寝ちゃ駄目ダゾ、サーニャ」
うん、こんなことろで寝ちゃ駄目だ。そうだろ?
叱るように言おうと思っていた言葉はのどから放たれた瞬間私の意思をも離れてしまっていたのか、耳に届
いたその声は今にも朝靄に解けてしまいそうな稀薄さ。ちょっと待って今のナシ、と言って慌てて言い直そう
としたのも束の間。私にもたれ掛かったままのサーニャが少しだけ、本当に少しだけ顔を上げて、目線だけ
で私を捉えようとしたので、必然的に上目遣いになってしまうわけで、どうしようもなくこの至近距離のドキド
キは解消されなかったわけで。結局言葉を飲み込んでしまうより他なかった。そのせいかのどがごくりと鳴っ
てしまって、きっと彼女には聞こえているんだろうと思うと恰好悪い自分がいたたまれない。しかも彼女はそ
んな私の動揺を他所に言うのだ。
いつもより油断しきった声で言うのだ。
「ん・・・なんで?」
なんて。ちょっと不満そうに口を尖らせたりしちゃって、狙ってやってるとしたら本当に恐ろしい。だけど本当
に寝ぼけているだけだって知ってるから私には何も言えない。こんなに甘えん坊なサーニャを見ることがで
きるのは私だけだって知ってるから尚更。一層瞼を閉じようとする眠たげな容貌を見て、いっそのことこのま
ま抱きかかえて部屋まで連れてってあげようかって思ってしまったのは内緒だ。さっきから自分に負けてばか
りの私だけど、ここで諦めたら試合しゅうりょ、もとい計画が台無しになってしまう。スオムスのエースとして、
自らに課した任務を遂行しなきゃって思うのは、当然だろう?・・・結局はただの、独り善がりなのかもしれな
くても。
「何もこんな寒いところで寝なくたっていいダロ?ついでだし部屋まで送っていってやるカラ。ナ?」
“ついで”なんていう心にもない言葉で武装することでしか君の手を曳くことができない私はやっぱりどこか
恰好がつかない。“ついで”扱いされた君も心ない言葉に不満を持ったのか、身体を離して「ほら」と差し出し
た私の手に「・・・ん」という一音だけをどうにか吐き出して、しぶしぶと言っていいほどの緩慢さで応えた。
先ほどは転がり込むように駆けてきた廊下を、今度は床を踏みしめるようにゆっくり歩く。歩みまでも緩慢さ
に支配されたサーニャのために。おぼつかない彼女の足取り。交わされない言葉。
重ねられた手はそれでもあたたかい。
今にも眠りに落ちてしまいそうな彼女の体温のせいだろうか。それとも私の心臓を通常よりいくらも早いリズ
ムで打ち鳴らす何かに起因したもののせいだろうか。冬の日でも確かに存在を主張する互いの平熱が混じり
合って触れ合った結果生まれた単純な足し算のせいだろうか。そのあたたかさは彼女の手を曳いていない
手とは比べようもないほどの熱量だった。あぁでもそれって、私が自分勝手にひたすら熱を上げてるだけか
も知れないな。だからといってこのぬくもりを手放すのは忍びなく
それは、
この手を放したらどこででも寝てしまえる彼女が冷え切った廊下で寝てしまうんじゃないかと思ったから
彼女の手は私のかじかんだ手にようやく馴染んだ上等な手袋のようで名残惜しかったから
支えを失った彼女が硬い廊下に体を打ち付けてしまうんじゃないかと危ぶんだから
ただ、彼女のいつもより少し高めの体温を、繋がったこの掌をこの瞬間を
放したくないと思ったから。
離れたくないと、思ったから。
君の迷惑なんて顧みずに、サーニャの部屋がずっとずっと遠くて、いつまで経ってもたどり着かない所にあ
ればいいのにって、小さな手を曳きながら、ほんの一瞬だけ思った。
そんな馬鹿なこと思った罰なのかな。さっきまで、しんと静まり返った廊下はどこまでも続くように見えてい
たのに、いつの間にか見慣れた茶色い扉はすぐそこだ。
こんなに近くだっけと、ハンガーからサーニャの部屋までの距離を記憶と共に掘り返してみても今と過去の
間に隔たりは多く見つけられない。
どうか気付かれませんようにと少しだけ、血管が収縮するくらいのわずかな挙動で握った手に力をこめた。或
いはそれはただ短く震えただけだったのかも知れない。足元から侵食してくる寒さに、心臓の鼓動が響かせ
たように。もしかしたらその両方のせいで。
とうとう目の前に迫ったドアノブに、空いた手で触れる。
そこから伝わる冷たさといったら!
逆側の、彼女と繋がっている手の温度と反比例してどこまでも凍えていたのだった。金属特有の強固な冷感
が容赦なく私の身体を走り去って思わず背筋を伸ばさせた。そしてその温度差は私に隔たりを想起させるに
容易すぎた。ドアノブの冷たさ。君は。サーニャは、私の部屋を訪れるときいつも、こんな痛みに似た拒絶を味
わっていたのだろうか。こんな、罅割れてしまうような鋭さを?君は無機質な熱持たぬ、掌に収まるほどの小さ
なドアノブから身勝手にそれを作り出してしまったことが、あるのだろうか。私自身はいつだって君に拒絶なん
て抱いたことないのに?それどころか。
・・・・それどころか、何だ?
突如として浮き出たかすかな疑念を振り払うように思い切って冷え冷えとする金属片を握り締める。
温度差が。乾ききった温度差が
握った掌から体温と一緒に表層に張った皮膚と強がりと建前を根こそぎ奪い去っていくようだった。拒絶に張
り付いて縋って無理やりに剥がされてしまって何もかも暴かれていくようだった。
「サーニャ、着いたヨ」
振り返って眠気に目を擦るサーニャに声を掛けた。幼い仕草は意図的でないにせよ庇護欲をかき立てられ、だ
がしかし私の手はそれとは逆に彼女の手から離れた。放した。それはサーニャの細い腰に手を添える為だった。
彼女の部屋に唯一拒絶されない彼女を導くためだった。
そしてドアノブから放した手からべりっと生々しい音が聞こえたのはきっと気のせいだったはず。だってこの手は
傷一つたりともついていないのだから。むしろ彼女にこんな痛みを味わわせずに済んだのだから僥倖と言えよう。
目覚めたばかりの金属の冷たさは彼女には残酷すぎる。
「・・・・なんか、いつもと違う」
部屋を見渡してポツリとこぼれ出た、彼女の言う“いつも”は一体何を指しているのだろうか。こうやって手を曳
いて、まるでお姫様をエスコートする騎士然とした私がいること?そう、“いつも”彼女は夜間哨戒を終えた後
彼女一人だけでハンガーを抜けて廊下をひたひたと歩く。そうして“いつも”私の部屋へやって来ては無防備な
寝顔を晒すのだ。
それでは彼女はこの部屋の様相を見て『いつもと違う』と言うのだろうか。私の部屋ではないから?
そんなはずはない。
なぜなら彼女は明確な意思を持って隣室の、つまり私の部屋に来ているわけではないのだから。寝ぼけて勘
違いしているだけなのだから。ならば不思議そうに“いつもと違う”と呟くのはやはり、こんな早朝に、起きてい
るはずのない私が、彼女の隣にいるという、それに起因することなのだろう。
自問に対する答えを、当然の帰結を導き出しながら言ってやる。
「何にも違わないヨ。ここはサーニャの部屋ダ」
「・・さーにゃの、へや?」
そろそろ眠気が限界値なのかただ告げられた言葉を反復するように自身の名を紡いでしまっているのが何
とも形容しがたく可愛らしかったので思わずその細い腰に添えた手が強張ったが、どうか気付かれませんよ
うにと願う。ほら、今にも閉じてしまいそうな瞳を今この一瞬だけでいいからこの部屋に向けてあげて。サ
ーニャの部屋だろ?自分の部屋だろ?カーテンの隙間から覗く太陽の光を乱反射させるばかでかい水晶
玉もないし、途中で飽きて乱雑に散らかしたタロットカードもないだろう?ここは日差しを遮って余りある分
厚いカーテンも完備されてるし、明るいところじゃ寝付けない人にも安心。
ここが君の部屋なんだよ。疲れた君がきっと一等安らげる格別の場所で、この部屋だっていつも夜間哨戒
帰りの君を待ってたはずなんだよ。抱き心地のいい(ネコなのかペンギンなのか判断に窮するけど)とって
おきのぬいぐるみだって早く抱きしめて欲しそうに今にも腕を伸ばさんとしている。そのことに早く気付いて。
「サーニャはいっつも部屋を間違うからナ。今日は特別に私が、ちゃんとサーニャの部屋まで送り届けてや
ったンダ」
そしてどうか君の悪習(それは私にとっても)が完治しますように。
ねぇだって、部屋を間違えて私の元に君が来てしまうことを、どこかで嬉しいと感じてしまっている私がいるん
だ。邪な気持ちなんて一切抱いていないはずだと自分に言い聞かせてみても、高鳴る胸には何ら効果はなく
て。無防備に眠る君の柔らかそうな頬に手を伸ばしてみたことなんて、一度や二度じゃない。人はそれを“へ
たれ”だなんて言うかも知れないけれど、本当は褒められてしかるべきなのに。だって私は私から君を守って
いるっているっていうのに。
だけどもうそれだって、私の防衛本能だっていつ音をあげたっておかしくはないわけで。そりゃあ折角の睡眠
時間を中途半端に妨げられるのは誰だっていい気分はしないだろうけど、それにしたってその睡眠を破るの
がサーニャだっていうなら不快も不機嫌も途端に消えうせてしまってむしろ、どこかくすぐったいようなむず痒
い気持ちを感じてしまっていたわけで。
このままじゃいけないと考えた挙句自らに課した任務を、只今遂行中なのだ。
防衛ラインは決壊寸前って?
そんな私の言葉に納得したのかしていないのか、サーニャは私のパーカーの裾をわずかに掴んだまま朝露
に湿った自身の衣服を脱ごうとしたのを、片手が塞がったままじゃ無理だと悟ってやけに時間をかけて手を
放した。そうしてそのままの緩慢さで身に纏った暗色色の、だけど彼女が身につけているとどこまでも可憐に
見えるしかつめらしい軍服の合わせ目に手を掛けたものだから、反射的にというより当然のマナーを弁える
つもりで背を向けた。普段一緒にサウナに入ることだって珍しくはないはずなのに今更何を、と自分の中に
わずか残った冷静な部分が意地悪に告げるが、あえてここは万国に通じるであろう言い訳を使わせてもらう。
『それとこれとは別だ』と。すぐ背後には黙々と就寝準備にいそしむサーニャがいる。何度も見たことがあ
る下着姿より衣服を脱ぎ去るその行程の方がより艶かしいと思ってしまう自分は本当にどうかしている。
ここまでくれば後はもう彼女はベッドに倒れこむだけだろうと、奇妙な焦りの中で吐き出した安堵の息を暗
い部屋の中に置き去りにしたまま、また冷え切っているであろうドアノブに手を掛けようとした私の耳に届く、
彼女の声。
「どこ行くの・・・?」
その声音はやけにはっきりとした硬度とは逆に、脆弱な心もとなささえ湛えていた。あと数瞬でノブに届こう
としていた手は動きを止める。
どこへ行くってそんなの、この部屋においては所詮闖入者でしかない私に対しては愚問なんじゃなかろうか。
「どこって自分の部屋に」と投げ返した言葉はだけど「どうして?」という君の言葉に効力を失ってしまう。
背中越しの会話に飽き飽きしてギギギギとまるでオイルを注し忘れた歯車のように軋む音を伴って後ろを振
り向いた私の目に映ったのは下着姿でお気に入りのぬいぐるみを抱きしめようともせずベッドに腰を沈めたま
まこちらを見つめているサーニャの姿で。そのまわりに散らばった衣服を視界に捉えたことで質問の意図を無
理やりに理解した。そっか、出てくなら服を畳んでからにしろってことか。どうやら君はお姫様なんかじゃなくて
それよりももっと高貴な王女様だったらしい。「しょうがないがないな」とその衣服を拾い集める私はさながら
王女に仕える従順な召使いだろうか。
脱ぎ散らかしたばかりの衣服には、いくら冬の空気が足早に熱を奪い去ろうとしていても未だ彼女の体温が
残されていて、触れるのはどこか気恥ずかしい。だけどこの仕事を終えなければどこか息苦しい(普段はそん
なこと思いもしないはずの)彼女の部屋から去るのは困難だった。
普段皆には見せないだらしなさを解放してくれることに頬の筋肉はだらしなさを顕現し始めるが、どうにか表
層に現さないようにと不自然に顔に力を込めながら彼女の衣服をたたんでいく。丁寧に。丁寧に。この仕事を
終えると今度こそ私はこの部屋から出て行かなければならないのだから。
そうして出来上がった几帳面な布の塊をいつものようにベッドの隅に置こうとしてサーニャを見遣れば、はたと
目が合った。何もやましいことをしていたわけじゃないのに心臓が跳ね上がった。どうやら私はずっと彼女に見
られていたらしい。眠たくって仕方がないはずなのに一体どうしたことだろうと首をかしげてみても彼女から与
えられる回答はなく、私は畳んだ衣服をそっとシーツの上に据えた。
「それじゃあ――」
規制orz
「おやすみ」と、言うつもりでいたのだ。私は。いまだベッドの上で所在無さげに座っているサーニャに任務完
了とばかりに微笑みかけて、言うつもりだったのだ。「ゆっくり休めよ」と、なんなら頭を撫でてやってもよかっ
た。可愛い可愛い君を精一杯可愛がるように、慈愛だけを詰め込んで触れてもよかった。
しかし結局はそのどれもを行動に移すことはなかった。
移せなかった。
サーニャの服をシーツに下ろすためにわずか身をかがめていた私の手はまるで待ち構えていたかのよう
な彼女の手に引き寄せられ
「お、おぉぉ?っおいサーニャ!?」
どさり
「おやすみ」を言うために形作られていた唇は間抜けな声を飛び出させ、
気付いたときには私の身体はやわらかい何かによって受け止められていた。いや何かなんて言うまでもない。
まだ温められていないひんやりとした触感。
サーニャのベッド。
引き倒された身体。腕に絡みつく心地いい体温。
視界に映るのは、サーニャ、だけ。
近っ
「さ、サーニャ!?何やってんダヨ!?」
「・・・おやすみ」
「“おやすみ”じゃなくテ!」
あまりの至近距離にうろたえて仰け反りそうになりながらも搾り出した声は上擦って震えていた。互いの視
界に互いしか映り得ない距離で向かい合っているなんて、うろたえないわけがあるか。思わず起き上がろう
としてもサーニャが私の腕を掴んでいるせいでそれは叶わず、それどころか彼女は私の慌てようなど軽やか
に聞き流してまるで逃がさないとでも言うようにこの腕を抱き寄せるのだった。
何かと、勘違いをしているのだろうか。お気に入りの枕とか、ほら例えばベッドの隅で淋しげに倒れているあの
ネコペンギンだとか。或いは寒さのために身近な熱源を求めたのだろうか。確かに私の今の体温は平常より遥
かに高いような気がするけどそれにしたって。そもそも先日彼女が夜間哨戒帰りに誤って私の部屋で眠ってし
まったときだってサーニャはこんなことしなかったはずで。
あれやこれやと理由を考えてみるけれどとりあえずは私にとって心臓に悪いこの状況から脱出して君にとって
常日頃の相棒であるネコペンギンを私の代わりに(いやもともと私の方がぬいぐるみの代わりだったのだけど)
抱きしめてもらうことにしよう。
任務中に予期せぬことが起こるなんて当たり前のことだ。大事なのは不測の事態をどれだけスマートに解決
するか。
冷静とは言い難い思考で戦況を確認していた私に
「・・・だめ?」
不測の事態、再び。
その声は確かに呟くようなものだったというのに吐息の色さえ感じ取れるほどの明確さを持って私の意識をい
とも簡単に吹き飛ばしてしまった。だって今にもシーツの皺に潜って溶けてしまいそうな声だったのだもの。だっ
て
繊細に震えるまぶたからじっとこちらを見つめる翡翠色がはっきりと覗いていたのだもの。
そんな声で、瞳で、追い詰められた私に答えられるわけがないじゃないか
「だ、だめじゃ・・ナイ」
そう言ってしまうより他にないじゃないか。
それまでは不安そうに眉を下げていたサーニャが私のおぼつかない許容を聞き入れた途端安心したように少
しだけ微笑んだ。もうそれだけで自分の口にした言葉が間違いなんかじゃなく君の求めるものだったんだって
私の頬も意思とは無関係に緩んで、どうしようもなく緩んでしまって、君に求められるのならばたとえ枕と間違え
られようと手っ取り早い熱源としてだろうと何だって構いやしないって思えた。あぁだけど先程ほんのちょっとの
我儘を言った君の瞳には疑いようもなく私だけしか映ってなかったなとどうにか視線をサーニャから逸らしなが
ら(だってこんな至近距離でいつまでも見つめていたら心臓が悲鳴をあげてしまう!)思考を彷徨わせていたが
「え・・・?」
ふと腕に軽やかな重みが乗せられたことに気付く。
改めて見遣るまでもないほどの距離で、サーニャが
ついさっきまで抱えていただけの私の腕をあろうことか自身の頭の下に敷いてしまっていた。所謂、これは
・・・腕枕?
「っ!?」
今度こそ、呼吸が停止した。
いやもしかしたら心臓だって一瞬止まってしまっていたのかもしれない。
サーニャのやわらかい髪の毛の先端が首筋に届いてくすぐったい。そう、その感触でようやく心臓は鼓動を取り
戻し、倍速なんていう速さじゃ物足りないくらいの速度で走り出した。
指先の毛細血管まで沸騰しているような感覚。震えている錯覚。
「さ、・・」
“サーニャ”とその名を呼ぼうとして、その身体からあらゆる緊張が解けて弛緩しきったのを感じて慌てて音
を嚥下した。一度開いた私の唇はただ空気を取り入れるために幾度か開閉を繰り返すだけ。無理やりな腕枕
といった状態でできた常以上の身長差のせいで私からは彼女の顔は見えない。
眠って、しまったのだろうか。こんな状態で?これ以上ってないほどに密着した状況で?諦念と羞恥とこそば
ゆい気持ちを全部混ぜ合わせてため息を一つ。この熱い息を一度吐くだけで体内の熱さが軽減されたならど
れほど楽になっただろう。結局はまるでおさまる様子を見せなかった熱を抱えながら、私はもう為す術もなく
いつものように白旗を上げることにする。
「今日だけ――」
「やだ・・・」
君の髪から香るどこか甘い香りを吸い込んで喉を振るわせた私の囁きを遮ったのは、ともすれば聞き逃して
しまいそうな声量。だけどそれは間違いなく大好きな君の硝子のような声で。
確かにこの鼓膜はその声に震わされたはずなのに思わず耳を疑った。
“今なんて”と聞き返そうとした私より早く、次いで放たれた君の声は先程の2文字よりなお一層小さかった。
それでも全神経を耳に注ぎこんでいた私に
届いた、その言葉は
「・・“今日だけだから”は、いや・・・・」
声が、質量を伴って私の胸を打ち付けたのだろう。鼓動が身体中に響いた。
君が部屋に来る度いいわけみたいに投げつけていた言葉。つい今しがたも使おうとした常套句。それが君
の甘い拒絶によって封じられてしまった。
でも“今日だけ”が嫌だなんて、それはどういう意味で言ったの?
もはや癖みたいに毎回毎回私の部屋を訪れる君をその場限りのいいわけでその日限りの寝床にするのを
許していること?それとも今日みたくまっさらな早朝に君を迎えに行ってあまつさえこうして枕の代わりにされ
ること?今日だけじゃイヤなのは、ねぇどっち?
そう尋ねようとしても傍らの君は規則正しい寝息を取り戻してしまっていてそれきり言葉を発することはなかった。
時折むにゃむにゃと音を紡ぐ以外は。
「寝言カヨ・・・」
ため息と一緒に戸惑いが溶けていく。
なんだか今日のサーニャはやけに甘えん坊だ。よほど疲れていたのだろうか。感情のままに、それは我儘と
紙一重な程。
普段ルッキーニがシャーリーに好き放題我儘を言ってのけているのを見ているとシャーリーも大変だなとかな
んでいちいち聞いてやれるんだとか、無理難題押し付けられてんのになんでだらしなく笑ってんだよとか思って
いたのだけど
確かにこれは、悪い気分じゃない。
むしろ背筋がくすぐったくなるような。
サーニャの我儘ならなんだって叶えてあげたくなってしまう。
きっと今私はあのときのシャーリーとおんなじ顔してるんだって、鏡を見なくてもわかった。
あの、困ったようなだけど嬉しそうな顔。
うん。本当に困ったな。どうやらこれは、離れられそうにない。
今更、離れていくつもりもなかったけれど。
それに、どうやらサーニャも放してくれそうにない。
昨晩から練っていた任務はどうやら失敗したらしいと判断を下すと、2人ぶんの体温で温められた毛布の心地よ
さをようやく知る。同時に、たっぷり睡眠をとったはずの私にも睡魔が忍び寄ってきた。
もうこのまま、眠ってしまおうか。
君の珍しい我儘を、叶えるために。眠ってしまおうか。
くぁ、と欠伸を一つすれば目の前がおぼろに溶ける。
真っ暗なはずの部屋なのに、サーニャの髪だけはなんだか艶やかに光ってるみたいだ。月の光をたっぷり浴び
て、生まれたての朝日を引き連れて。
ほら、鼻を寄せればかすかにお日様の匂いがする。
気持ちよくて、幸せで
私の意識が溶けてくのにも時間はかからなかった。
眠りに落ちていく前に、これだけは呟けておけたらな、と思う。
「おやすみ、サーニャ」
優雅に二度寝した私がバルクホルン大尉に「だから昨日言っただろうが」と説教されたのは、その日の午後の話。
Fin.
以上です。前後編とかに分ければよかったorz
セリフ少なくて緩急がないのはたぶんもう癖かと。でも書きたかったもの書けてなんとなく満足。
ありがとうございました。
>>626 GJ!連投支援できんですまなかったな、許してくれ
後半ニヤニヤが止まらなかったw「寝言カヨ・・・」じゃないだろ早く気付けエイラー!w
>>626 >「・・“今日だけだから”は、いや・・・・」
おれも いや!
GJ!エイラ空回りすぎるww
サーニャが部屋に来る理由わかるかなぁ〜わかんねえだろうな〜
文章が個人的に凄い好みっす。次の話も楽しみにしてます
名前を消し忘れても恥ずかしくないもん!
夜中に、目が覚めた。
サーニャは夜間哨戒からまだ戻っていないのだろう。私の隣に彼女の姿は無かった。
…今日は自室に戻ったという考えが先に出るべきだろ、と小さく一人ツッコミを入れる。
寝返りをうち時計を見ると、最後に確認した時間から大した時間は経っていなかった。
『今日は新月で危ないからエイラは来ちゃダメ』
哨戒に出発する直前、サーニャに言われた言葉を思い出す。
サーニャの言うとおりだけど、面と向かって来るなと言われると、ちょっと悲しい。
サーニャの魔法の光が夜空に消えるのを見ながら、そんな切なさを抱いて眠りについたのだった。
サーニャはまだブリタニアの夜空を飛んでいるだろう。
「……」
もう少し寝よう。そう思って目を閉じた。
しかし。
「……むぅ…」
すっかり眠気は飛んでしまっていた。
足を大きく振り上げ、それを振り下ろす反動を利用して身を起こし、溜息をついた。
基地をぶらぶらしてればじきに眠くなるだろうと、パーカーを着て、ついでにジャケットを掴んでから、静かに部屋を出た。
一応、こっそりサーニャの部屋を確認する。うん、まだ帰ってない。
散歩しようと思って部屋を出てきたのに、私の足は真っすぐ格納庫へと向かっていた。
宮藤が来てから、私とサーニャの関係は少し変わった気がする。
正確には私とサーニャと宮藤の三人でネウロイを撃破したあの日からだ。
それまでのサーニャは恥ずかしがり屋で、私以外と言葉を交わすことはほとんど無かった。
あの日を境に、サーニャは宮藤をはじめ、他の隊員とも少しずつ話せるようになっていった。
それはとても喜ばしいことだけれど、内心複雑だった。
傲慢な考えだが、サーニャが私だけのものじゃなくなった気がしたから。
いつしか、私のほうがサーニャに依存していたのかもしれない。
だって、サーニャの帰りを待ちわびる自分の姿は、まるで飼い主の帰りを待つ仔犬のようではないか。
「サーニャはまだ帰って来ねーよ…」
自嘲するように呟いた。
眠くなるまで基地を適当に散歩するつもりだったのに、私は思考の迷宮に迷い込んでしまっていた。
今日はもう眠れそうにない。
格納庫から滑走路に出た。夜風が少し冷たい。頭を冷やすにはちょうど良さそうだ。
気まぐれで持ってきていたジャケットに袖を通しながら、暗闇の海に伸びる滑走路の先へ歩を進める。
この先から見える景色はなかなかのものだ。最も、こう暗くては何も見えないだろうが。
「くしゅんっ」
そろそろ滑走路の先端に着こうかいうころ、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえた。
「うわあぁぁっ!?」
普段の私なら、くしゃみ―しかも小さな―程度で驚いたりしないのだが、
私しかいないと思い込んで気を抜いていたために、思わず悲鳴をあげてしまった。
「きゃあぁぁっ!?」
気を抜いていたのは、くしゃみの主であるその人も同じだったようだ。
私の悲鳴に驚いた彼女は、私にも負けないほどの悲鳴をあげた。
「ななな、なんですの!?」
普段通りとはいかないまでもある程度の平常心を取り戻した私は、その口調と声から、くしゃみの主が誰であるか感付いた。
「ペリーヌ…?」
「そ、その声…エイラさんですの?」
向こうも同じように、私だと気付いたらしい。
「なんでオマエ、こんな時間にこんな所にいるんだよ?」
とりあえず、一番気になったことを訊いてみた。
「べ、別にあなたには関係ありませんわ…」
返事は期待してなかったが、案の定誤魔化される。
「…エイラさんこそ、こんな時間にどうしたんですの?」
自分は私の質問に答えなかったくせに、同じ質問をぶつけてきた。
「別にオマエには関係ねぇよ」
だからというわけじゃないが、私も同じように返事をして、
ペリーヌの位置から少し離れたところに座った。
ペリーヌはそんな私をしばらく見ていたようだが、結局その距離を保ったまま、同じように座った。
どれくらいの時間、海を見つめていただろう。
思考の迷宮から抜け出すことはとっくに諦め、代わりに迷い込んでいることを忘れた。
先送りしたにすぎないが、今の私はこの迷宮を制することは不可能だと思った。
そう結論を出してからは、何も考えずにぼんやり海を見ているだけだった。
「くしゅんっ」
再び、小さな可愛らしいくしゃみが聞こえてきた。
そういえばペリーヌもいたんだっけ、と頭の片隅で思ったが、そのまま海を見ていた。
私がペリーヌと距離を置いて座ったのは、別にペリーヌが嫌いだからじゃない。
こんな時間にこんな所にくるということは、誰にも邪魔されずに考えたいことがあるのだろう、と思ったからだ。
「くしゅんっ」
またくしゃみが聞こえた。
ちらっとペリーヌのほうへ視線を移す。
さっきよりは暗闇に目が慣れたので、はっきりとは見えないが、ペリーヌの姿がある程度視認できた。
「……?」
見間違いでなければ、ペリーヌはネグリジェ―彼女の寝間着―を一枚着ただけの、とても簡素な格好をしていた。
「くしゅんっ」
夏とはいえ、夜は寒い。あんな格好では風邪をひいてもおかしくはない。
「…しゃーねぇな」
ボソッと呟き、私は立ち上がった。
ペリーヌに近寄って、着ていたジャケットをペリーヌの肩にかけてやった。
「…そんな格好じゃ風邪ひくだろ」
ペリーヌが振り返って、私を見上げるように見つめてきた。
「…ありがとう」
ペリーヌに『ありがとう』なんて言われるのは何度目だろう。初めてかもしれない。
まぁ『ありがとう』なんて言われるようなこと、殆どしてないから仕方ない。
それにいじっぱりなペリーヌは、素直に『ありがとう』なんて言わないだろうし。
「…別に、オマエが風邪ひいたら私たちに皺寄せが来て大変だから…」
思わずそんなことを言ってしまった私も、人のこと言えないな。
「……なぁ」
「…なんですの?」
「…隣、座っていいか?」
「……どうぞ、お好きに」
そんなやり取りをして、ペリーヌの隣に腰を下ろした。
しばらく無言で海を見つめた。
そういえばこの海の先にあるのはヨーロッパ…いや、ガリアだ。
ペリーヌはここから海の向こうの祖国を懐かしんでいたのかもしれない、と思った。
「…さっきの、質問のことですけど」
不意に、ペリーヌが沈黙を打ち破った。
「ん?…あぁ、うん」
「…夢を、見ましたの」
「…夢?」
横目でペリーヌを見る。俯いているうえに暗いので表情はよく見えない。
「ガリアが…いえ、わたくしの家が燃えている夢。…わたくしの家族が、燃えている…夢」
「…ペリーヌ」
「わたくしは無力で、何もできなくて。ただ、泣き叫ぶだけ」
「ペリーヌ」
きっとペリーヌは泣いている。そう思った。
「場面は代わって、501の皆でネウロイと戦っていましたわ」
「ペリーヌ、もういい」
ペリーヌがその先に紡ごうとしていた言葉を、私は魔法の力で理解した。
「…私たちは、ペリーヌの前からいなくならないよ」
その悲しい残酷な言葉を紡がせたくなくて、私はペリーヌを抱き締めていた。
戦争中の軍人らしからぬ言葉を添えて。
押し殺すような嗚咽が聞こえてくる。
抱き締めた小さな身体は小さく震えていた。
私は何も言わず、少しだけ腕に力をこめた。
「…参ったなぁ」
私の腕の中で小さく泣いていたペリーヌはもうだいぶ前に泣き止んだ。
…泣き止んだのだが、どうやら泣き疲れて眠ってしまったらしい。
それに気付いてから何度か呼び掛けてはみたものの、起きる気配はないし、
寝ている相手を無理に起こすのもかわいそうだと思う。
「はぁ…今日だけだかんな」
仕方ないので、眠ってしまったペリーヌを彼女の部屋まで運ぶことにした。
そっとペリーヌを抱き上げる。
彼女の部屋へ向かう道すがら、色々なことを考えた。
スオムスのこと。サーニャのこと。501の皆のこと。そして、ペリーヌのこと。
サーニャの家族の話をしたとき、宮藤が言ってたっけ。
『今は離ればなれでも、いつかはまた会える』って。
サーニャはそうだ。家族が生きているから。でも、ペリーヌは…
頭をブンブンと振り、そんな考えを振り払う。
どちらがより不幸だなんて、そんなこと考えても仕方がない。
ペリーヌの部屋にたどり着き、そっとベッドに下ろした。
「…あ」
ペリーヌの右手が私の服の裾をしっかりと握り締めていて、なんとも不安定な姿勢になってしまう。
「……」
外そうとしてみたが、案外強い力で掴まれていてどうしようもない。
仕方ないのでパーカーを脱いで脱出を図ろうとした。そのとき。
「…うぅん」
小さく呻き声をあげ、ペリーヌが寝返りをうつ。彼女の右手が私とは反対側に行ってしまった。
私の服の裾を掴んだまま。
「うわっ」
不安定な姿勢だったため、簡単に引き倒されてしまった。
慌ててベッドから抜け出そうとしたが、ペリーヌが再度寝返りをうった。
そのままペリーヌに抱き付かれる。動けない。
「ペリーヌ…?オマエ本当に寝てるか…?」
口角をひくつかせながら聞いてみるが、返事はない。
こうなる未来が見えなかったし、本当に寝てるんだろう。寝てるヤツの動きまで予知できない。
「……あー、もう」
溜息をひとつ。
「今日だけだかんな」
願わくば、夜間哨戒から帰ったサーニャが今日だけは素直に自室に戻りますように。
終わりです。
タイトルなんて考えてないです。
『新月』でいいや。さらば
ペリーヌかわいいよペリーヌ
ペイラにこんな破壊力があるとは
久々に追いつけない速さだな。
これからゆっくりss読ませていただきます
ペリーニャってのを妄想してたけどなかなか話が進展しない
ss書いてる人ってすごいな
ゲーム公式出来てるけど、PS2版はどうみてもギャルゲだな
島田フミカネサイトにウィルマ・ビショップのイラストキターゾ
まあ、百合スレ的にはショッキングな記載もあるが……
だが可愛いぜ
30歳年上だと・・・!?
>>637 GJ!!ペリーヌ可愛いよ、可愛いがこれはどう見てもサーニャとの修羅場フラグと思ってしまった私はもう戻れんな
ところで容量が450kB超えてるからそろそろ注意だな。週明けには次スレか?
647 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/16(金) 22:44:01 ID:sEv+3myT
フミカネが独断で変な設定つけないか、今回の更新で一気に怖くなったよ
すみませんsage忘れました
まあ脇キャラの設定なんてどうでもいいや
まぁリーネの姉はまだ許せるけど
アニメや小説のキャラが最終的にこうなってこんな人と結婚しましたとかそのうちされると困るな
特に小説とか堂々と百合小説とか書いてるし
ノボルはさすがにその辺空気読めるだろうけど、公式スタッフはちょっと怖い
エイラーニャは除隊後二人でいつまでも暮らしましたとかならいいけど
うーん脇キャラだしそこまで厳しく百合百合言う気はさらさら無いけど
せめて501といらん子のメンツくらいはあまり百合スレ的には美味しくない設定にしないで欲しいな
なんか2期で公式スタッフがやらかしそうな気がしてきた。
原作者の意見は否定できないだろうしそもそも股監督は百合好きってわけでもないんだよなぁ。
フミカネに2期でこういう設定をプッシュされなけりゃいいが。
ここでは非公式めのカップリングでも、百合ならいいよね?
ね!
その将校がおじさんであるとは誰も言っていないわけだが……。
いいじゃないか、おじさん趣味だったけど女将校の勇ましい姿に人生変わった!ってことで。
そうすると某氏のウィルマ×ビューリングにもなんとなく納得がいく気がする。
ビューリングは妙に落ち着いてたり煙草臭かったり、年上要素強いし。
ウィルマについて……。
妹とキャッキャウフフするために手近の一番生活の安定しそうな人間を捕まえた。
とか速攻妄想してみたんだがどうだろ?
だって行動力の塊なんだぜ!
ハイレベルな作品が続いてこうしちゃおれんと思いつつ忙しくてSSかけない><
個人的にはペリーヌ絡みのネタはやらせたいんだけど今書いてるのはペリーヌが出てこない罠。
だれかじかんをください〜。
まぁ主軸キャラくらいは、このまま百合っぽくして欲しいな
基地探索とかだと大丈夫そうだけど
>>653 鈴木さんならなんとかしてくれると信じるしかないんだよなぁー
男はだしませんとか、小説に超百合小説だ!とかいい夫婦とか書いてるのを見ると、一応俺たちの気持ちも判ってるみたいだけど、
なんか不安なんだよなぁ
とりあえずウィルマとビューリングの年の差がわかったので満足です
>>659 講演会で聞いた限りだと、基地探訪の百合っぷりは鈴木さんじゃないみたい。
鈴木さんは真面目に書いてるのに、アップされたものはご覧の通り。
つまり鈴木さんと公式を繋ぐ謎の人物が俺たちの救世主に違いないw
つーかこの手の設定は誰も得しないと思うんだがな
例のかんなぎ騒動とか見ればわかると思ってたが
まああんまり騒がない方がいいと思うよ
混乱に乗じて過剰に騒ぎ立てる変なのが来ると思うし
この手の騒ぎだと大体百合厨死ねコール起きるからねw
ところでSSの投下今晩は来ないのならもう寝ちゃうかんね!
久しぶりに会った中学高校時代好きだった初恋の女の子から
現在の彼氏や旦那とののろけ話を聞かされる寂しさ、みたいな?
>>662 ありがとう、謎の百合ウィッチマイスター
百合ウィッチマイスターは実は鯖かしてる人
>>665寂しそうにタバコをふかすビューリングの背中がありありと……
というか時間が許せば2本目、3本目とウィルマとビューリングの話を書きたいな
pixivのイラストでウィルマが増えれば尚嬉しい
百合ウィッチマイスターがグッとガッツポーズしただけで百合カプが5組ぐらいできた
8話の鑑賞会でどう扱うかで方向性がわかるんじゃね?
>>670あの頃のミーナはとてもつらそうで見ていられなかった。だがなんとか力になりたくて……と切々とバルクホルン大尉が語りだしたら個人的に大勝利
>>669 ハブは誰と誰だ、・・・いややっぱいい
PS2版で芳コンプリートだぜぇ
そういや8話だっけ?鈴木氏に氏ね!ってメール一杯来たの
PSの方のゲームは芳佳主人公と、オリキャラ(当然女だが)のどっちがよかった?
まあ芳佳でよかった・・・か?
姉は30歳年上の将校(♀)と。
妹は扶桑のオッパイ魔神(♀)と。
ビショップ家は大変だなぁ。
ゲームは楽しみではあるけど、不安でもある
いやどっちかというと不安の方がでかい
不安も何もゲームはゲームじゃないか
おじ様と結婚ルートがあればびっくりするがw
極上生徒会みたいな展開じゃないんなら、無問題だね>>ゲーム。
シムーンやアオイシロみたいに百合姫とコラボしてくれたら最高だけど、それは120%ムリダナ・・・。
コラボするのは本格的に本出してないからだかんな
がっちり角川作品なのに百合姫はムリダナ
ゲーム初回特典は林屋志弦先生の書き下ろし漫画がつきます!
とかならもう確実に買ってしまう
>>680 じゅんじゅんみたいなエイラに、しぐまみたいなサーニャ、
>>668 私たちは軽く泣いていいと思います!
ウィルマさん可愛過ぎて二度泣いた
一緒に補完SS書きましょうか……
ゲームの初回特典に江戸屋ぽちの悲恋系エーリカ漫画とかついてきたら
俺泣くかもしれん
リーネ姉の一件で興味がかなり薄れ、なんかスタッフが信用できなくなってきた
多分、次が止めの一撃になりそうなのでそれがきたらスト魔女からすっぱり手を引くと思う
こういうのは明言しない方がいいって先のかんなぎ騒動でも分かっているだろうに
アフ魔女でさえ手放しで称賛されているわけではないのにねぇ
脇キャラだからってこれはないわ
脳内死に設定にすれば楽勝です
>>685 まあその気持ちはわからんでもないというかよくわかるんだが、生暖かい目で見守るのがいいんじゃないかな
本編で男出すとかはもうしないだろうし、所詮アニメ本編以外は副次的なものと思えば
もういいよ俺の中でウィル姉は芳子ばあちゃんと結婚したから
逆にこう考えるんだ
夫は歳で夜の生活は疎遠になり、若い身体を持て余すウィルマ
愛し合った末の結婚とはいえ、やはり心の隙間は埋まらない
そこへ訪れる旧友のビューリング
さぁよく鍛えられたスレ住人ならばお分かりだろう?
喰霊の室長×桐ちゃんのようなものだと思えばいいのさ
個人的には、リーネの姉の事より
ここの住人が居なくなるほうが一大事なんだが……
まぁ、そんなに気にする必要は無いだろ
芳佳の父親が居る以上、一人ぐらいは結婚させとかないと、
話に説得力が無くなるからな……
それに、わざわざ30歳年上のキャラを相手役に選んでるという事は、
いつでも退場できるように、という意味が込められてるとも取れる……
つまり何が言いたいかっていうと……
メインキャラが結婚しない限り、俺たちの妄想が尽きる事は無い!
俺たちには、まだ希望が残されてるということだ!
さあみんな! 萌えと希望を胸にこのスレで思う存分、妄想を垂れ流そうじゃないか!!!
・・・なんか寝不足で妙なテンションだ……
>>690 よく訓練されているなwww
楽しげに思い出話を語らううちにふっと憂いを浮かべるウィルマ
それが気になったビューリングが「どうした?」と聞いたのが運の尽きで
思いのたけをぶつけてしまうウィルマと彼女の幸せを壊してしまいそうで躊躇うビューリング
喰霊知らんのだがそんなのを想像した
一ヶ月放置していたハルカのメガネ話がとりあえず出来たので投下します。
タイトルは"ハルカのメガネ問題第1話『トラウマ』"です。
ハルカのメガネ問題第一話『トラウマ』
─ 1939年も暮れようかという時期、初めて全員で協力して"連携"らしきものを駆使してディオミディアを撃墜した日から
数日後…迫水ハルカ一等飛行兵曹は"あること"で悩んでいた。 ─
「やっぱりあの人の前では"コレ"は使えない…戦闘に必要だとはいえ、こんなグリグリで厚底ではぶっさいくすぎて
あの人に嫌われちゃう…現にあの時だって…グスッ…」
…かと言って代用品があるわけでもなく、"それ"がなければ視力に問題のある自分は射撃が当たらなくて隊のみんなに
迷惑をかけてしまう…などと堂々巡りな思考に囚われていると、机の上にウルスラの眼鏡が置いてあるのが目に付いた。
「これって、ウルスラ曹長の…かな?ちょっとかけてみようかな…」
幸い本人は風呂に行っており、この基地の食堂には自分以外誰もいない。
恐る恐る年下の同僚のそれを自分の目の前に当て、レンズを通して周囲を見てみる…が、そもそも伊達メガネなので見えるはずもない。
「ハァ〜…やっぱり伊達じゃ参考にならないよね…双子のお姉さんとの判別のためのものだそうだし…」
溜め息をつきながら元に戻してみるも、薄いレンズが気になってしょうがない。
「そう言えばハッキネン大尉も眼鏡をかけているし、一度相談してみようかな…」
しかし一介の下士官である自分ごときが基地の司令部へと気軽に立ち入れるはずも無く、
仮に相談できたとしても『外見なんて戦闘には関係ない』と冷たく切り捨てられそうな気がしてイマイチ気が乗らない。
行くべきか行かざるべきか…
「ハルカさん、こんなところで何やってるんですか?それにそのメガネ、ウルスラ曹長のじゃ…?」
「ひゃうっ!」 考え事をしているところへ急に後ろから声をかけられてハルカは固まった。
「い、いえ、なんでもないです!」 慌てて誤魔化そうとするが声が上ずってしまい明らかに怪しい。
「本当に何もなかったらいいけど…悩みがあるなら相談してね、私だって一応中隊長なんだから出来ることがあればしてあげたいし…」
エルマ中尉はそう言って不審がりながらも厳しく追求することはなかったが、心配そうな眼差しでひとつのことに思い当たる。
「…もしかして、この前のこと気にしてるの?」
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*【この前のこと 】*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
それはハルカが極度の近視で、眼鏡がないとネウロイどころか味方に銃口が向きかねない状態だということ。
しかし、その【厚底眼鏡をかけた自分】は外見的にコンプレックスになっており、出来れば避けて通りたい。
特に、自分が惹かれつつあるあの人─ 穴拭智子少尉 ─の前では死んでもその姿は晒したくない。
そう思っていても、不本意でも使うべきものは使わなければならない時は必ず来るものである。
そして、まさに"その時"は来た。
超巨大爆撃ネウロイ『ディオミディア』に対し遠距離から有効な射撃兵器を使えるのは自分しかいないという時、
とりあえず眼鏡無しで何とか撃ってはみたものの、狙いの定まらないものは当たるはずも無く弾丸は空を切る。
怪訝に思ったエルマ中隊長に近視であることを看破され、「眼鏡があるなら最初から使え!」と隊の全員から総スカン。
しかし『ぶっさいくな自分を晒すこと』に比べたら、愛する智子の扶桑刀で無礼討ちにされたほうがよっぽどマシだとさえ思えてくる。
使わなければ打ち首だと脅してくる上官に【眼鏡をかけて戦闘するかわりに自分を抱いてくれ】という冗談のような約束を
強引にとりつけメガネをついに装着…そこで悲劇は起きた。
「ぷぷっ!くすくす…」 なんと、智子に笑われてしまった。笑われてしまったのだ…
恋する乙女心はとても傷つきやすい。《やはり笑われるほどに自分の姿は…くっ…》
それでもなんとか『あの約束』を心の支えにして気を持ち直し自分の任務を果たし敵を攻撃するも、
約束の相手はそれを本当に守ってはくれなかった。
いざその時、智子は『自分はノーマルだから』と、暗闇で【そっちの趣味がある大尉】とうまく入れ替わり、事なきを得ていた。
しかしハルカは《やっぱり自分のメガネ姿がアレだから智子少尉は自分を抱いてくれないんだ…》と勘違い。
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:* そして現在に至る。 *:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
「…エルマ中尉、私はどうしたらいいんでしょうか…?ウルスラ曹長やハッキネン大尉のような薄型レンズのものは
自分の視力に合わないし…かと言って扶桑の技術力ではこの厚底が限界だし…やっぱり諦めるしかないんでしょうか?」
「メガネのことなら一度ハッキネン大尉に聞いてみたら良いんじゃないですか?それが手っ取り早いですよ」
「でも…大した用でもないのに一介の下士官である私が司令部に行くってのもどうかと…下手したら営倉行きになりかねませんよ」
「…しょうがないですね、わたしがそれとなく大尉に聞いてみます。『大尉のような知的なメガネはどうやったら手に入るのか』とか色々…」
「ぢゅうい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ーあ゛でぃがどうごじゃいましゅぅぅぅ…グスッ…」
「ですからその鼻水一杯の泣き顔を何とかして下さい。トモコ少尉に見られたらまた叱られますよ」
プープープー…ちーん!
「それではエルマ中尉、お願いします」
─ 部下の悩みを解決するために中隊長は司令室へ向かった。 ─
end
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
次回予告のようなもの(c/vできれば田中理恵)
カウハバ基地第3大隊のハッキネン大尉です。
まったく、女ってなんでこうも外見第一なんだか…そんなもの戦闘には関係ないですのに。
ちなみに私のメガネは実用第一なので、外見は二の次ですわよ。
次回、ハルカのメガネ問題第二話『相談』です。 …まったく、恋する乙女の考えていることは解りませんわ。
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
おまけ
ウルスラ「それ私の眼鏡…返して」
ハルカ「えっ?あ、あぁ…ごめんなさい。あっそうだ、ウルスラ曹長はどこのメガネを使用しているの?やっぱりカールスラントの?」
ウルスラ「私の眼鏡はカールスラント工学機器メーカーの『カール・ツァイス社』のもので材質から何から全てオーダーメイドです。
そもそも『カール・ツァイス社』というのは…1846年イェーナに顕微鏡製造のための工房を…
1884年頃からはフリードリッヒ・オットー・ショットが…世界最高水準の光学機器メーカー、要するに世界で一番優秀ということ。」
ハルカ「…あ、あぁ…もういいです…(聞くんじゃなかった…)」
○o。◎o。*。o○。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎*○o。*。o◎
以上です。
1話完結の予定だったのに【この前のこと】を挿入したら終わらなくなってしまったw
たぶん2話も余計な要素が入り込んで終わらないんだろうなw
ということで連載(『みんなで…』、『501新人時代(オラーシャの白百合以降)』『クリス・バルクホルンの日記』、『ハルカのメガネ問題』)をまたひとつ抱えてしまって、
頭の痛いネタが増えてしまったww
>保管庫様
『わんぱくガッティーノ最終話』のエイラの着任時期(おまけ1)を今年の初め→去年の初めに直しておいてくださいませ。
たった4ヶ月ではサーニャの入る隙間がなくなってしまうことに気づいてしまった…(あくまでもエイラが501の先輩)
島田フミカネサイトみてきたが別にいいんじゃね
百合キャラと期待させといて裏切るよか、最初っからきちんと言明してくれるだけ他に比べりゃましかと
しかし、この記述からするとリーネ迎えきてた車のおっさんって、ファラウェイランドさんだったのかねえw
>>696 GJ!ハルカSSとか初めて見たw
メガネつけた後は射撃の腕めちゃくちゃ上がってるよね…実は弓道凄いんじゃなかろうか
なんだかなー
うらやましい
まさかカタヤイネンさんも男とくっつくってことはないよな
ないよね?
>>702 ものすごい恐怖を感じた
でもニパだってスオムスっ娘だから、女の子すきーでエイララブのはず
エルマさんでも可
たかが脇役のウィルマくらいでそこまで悲観しなくてもいいのに
設定なんて俺らの脳内で変えちまえばいいのさ!!
おまえらの震えが伝わってくる
百合っこはトラウマ持ちが多いからな・・・
そんな不安な夜はいつまでも抱きしめるよ、サーニャをエイラが
>>706 こうですかね?
「ねぇ、エイラ。"ぎゅっ"てして?」
「ん?・・・こう、カ?」
「もっと強く・・・」
「・・・これぐらいカ?」
「もっと・・・」
「苦しく無いカ?」
「うん・・・エイラの腕、あったかくて優しいね」
「そ、そうカナ?」
「うん・・・エイラ?」
「ナンダヨ?」
「大好きだよ・・・」
寒い日は心があったかくなるような話が読みたいンダナ。
そしてもうすぐ480KBなんダナ。
次スレまでに書き終わればいいナ
フミカネが空気よめないのはエースコンバットの一件からも確定的に明かw
原作者は神だから文句言っちゃいけない
俺たちを悲しませるのも
俺たちに妄想の糧を与えるのもまた原作者及びスタッフ達なわけで
712 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/17(土) 17:48:04 ID:D3m47OvX
フミカネと鈴木が空気が読めないのも
空気が読めないからやたら迎合するのも
お約束になってるような。
元がミリタリーとフェチ物だから
女の子をかわいく描くことを忘れたら
すぐにみんな離れていくよ。
>>712 百合スレ住人の怒りが有頂天になったのかw
てか、そろそろこの話題には飽きてきたんだぜ。
もっと楽しい話をしようぜ。
>>707 エイラニャは寒い夜に二人くっついて寝るのが似合ってるな。
北欧は寒いから、ちょうどいいんだぜ。
>>715 全く良い事を言う
サーニャは都会育ちだから暖房でぬくぬく育ってそう
んでエイラは村育ちなイメージがあるから寒さに強くて寒がりなサーニャの抱き枕に
>>715 あれだ、雪上訓練中に突然の吹雪により遭難してしまうエイラとサーニャ
慌てて近くの洞窟に避難するも、あまりの寒さに凍える二人
このままでは危険だ、こういう時は裸で抱き合ってやり過ごすというが・・・
ど、どうすればイインダー
な状況を妄想して一人ホクホクしてた
翌日、同じように遭難してたカポーが妙に仲良さそうに戻ってくるところまで
ふっ、つくづく夜と寒空が旬のカポーだ
春芳ーネ夏シャッキーニ秋冬エイラニャ
こんなイメージ
秋はエーゲルorミーゲルかな?
何かドイツ=秋ってイメージがある。
初夏はもっぺりで。
ところでそろそろ新スレ立てるかい?
行くならスレ立てチャレンジしてみるぜ。
>秋はエーゲルorミーゲルかな?
あー分かる
でも俺のイメージは多分じゃがいもの茶色から来てるのかもw
480KBだからスレ立てよろちくび
規制でダメだった。
誰かヨロ。
>>720 そうか。じゃがいもだったのかw。
ビールの麦も収穫期の秋を思わせるしさーw
んじゃー俺行ってくる
ゲェー規制!すまんが別の人たのむ・・・
じゃあ投下もできない俺がいってくる
ごめんスレタイを盛大にミスった
ごめんなさい
誰かお願いします
おい、スレタイ・・
正直秋をおざなりにしましたごめんなさい
>>726 タイトルと名前を間違えたぜw
初めてのスレ立てで心臓がバクバク鳴ってたんだw
許してください
立て直して放置してdat落ちさせた方が良いような
>>727 俺も初めてのスレ立ての時は死にそうになったから大丈夫だw
つっても何年前の話だけどさ…
削除依頼して放置か?
いいじゃない使えば
シャイなエイラがきにくくなるじゃないか
略してシャイラですね分かります
このまま使ってもいいけど
>>727の胃が痛くなるんじゃね?w
諸事情で落ちるので使ってくださるようでしたらテンプレ何方か頼みます
ご迷惑を掛けて大変申し訳ありませんでした
どうする削除依頼して新スレたてるか?
そのほうが良いと思う
それがいいような。
悪意がないのは十分理解できるけど
あのスレタイだと現在のスレ住民しかスレを捜せなくて
ちょっと排他的だと思われ。
削除依頼出さなくても
立て直して誘導レスして放置して1週間たてば即死でdat落ち
もしレスが20以上つくと即死しないからそんときは削除依頼
とりあえず新スレ立てれるやついるかー?
行ってみるよ
乙すぎて涙が出た
, .. -.‐:<:. :ノ:. /:. :. :. ://o:. :. :. :. /:. :. :. // / ゝ、:. :. :. :. :. :/
,_==_´:. :.-V:. :\r─┴:─oナ<:. :. /Y:. :. :. :.| ' ノ:. :. :. :. :. ヘ
i \ ,ー_、:. :\: . : o. /o: . :/:. :. :. ヽ:._:i_,、--<:. :.-‐─:. :. :. :ヘ
{ \ ヽ=ミ、_:. :.ゝ三人レ´:. :.r.r '´ / \:. :. \:. :. :. :. :. :. :.
>.、 ー- _ フ ‐‐' `ー-二 --‐ '´ ̄ V´ / , \:. :. :\:. :. :. :. :. ;
く:. :. \ --. 〉 __>=ニ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``ーV ./ r、ー--、'´:.\_: -┴ ' ´  ̄
\/:/://ー´´ ` ー ` ー─- 、__ `ヽ、〉;ヽ:. :. :/´ ̄
Y/:/ ヽ ` ー-- 、 _ ̄ ̄ ̄Y:. :. :. 〉
レ´ ヽ  ̄ ̄` レ:. :. く
/ ヽ
>>741乙! ト、:. :./
/ ヽ / !::..::く
j ヾ / !::..::..::\
j V`ーーイ´ ト、::..::..::.\
i jヽ,-、,┤ ! ヾ;:..::..::..::.\
| |:./ V:i ! ヾ;:..::..::..::....\
| |'´ Vi ! V::..::..::..:..:..:.ヽ
l | ヘ ! V::..:..:..:..:..:..:..ヽ.
l | V ! V:..:..:..:..:..:..:..:..:〉
. ! j V ! V:..:..:..:..:..:..:..j
! j V i }:}:..:..:..:..:..:..jj
. ! j V i Vj:..:..:..:..:../j
! j V l ij:..:..:..:../
>>745なんだろうな。マイナーなカプほど、もう隣り合っててくれていれば何もいらネーヨ、って境地に……
>>720 ストパンを見始めた頃、各キャラのズボンを覚える時に
エーリカ=じゃがいも色 で覚えたのを思い出しちまったw
ふぅ・・・
フミカネはスレの反応を見て反省したと思いたい。
フミカネはスレの反応を見てしてやったりと思いけり。
エスコン6の時といいフミカネは良い趣味をしてやがりますね
/ / i ヽ
/ / / /| i
'ー-ヽ / / ./{./ / i /l |
| | | / / {// ヽ ノ | l
ノ i / i / !/_ ヽ/ | /
_i__ /i { | | /~ ヽ、 −゛ lノ
/ | / i i | ./ .:.:.:.: ~ ̄`ヽ /
´ ┘ / /ヽ | { ´ .:.:.:.:.:.`/ /
―|‐ | / ヽ| ヽ {~ ―, / / 人!
,ノ ヽ/ i / ヾ/i > .. ー ´ /| /! / )
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ノ _. - イ ,|、 {i`<´
・ /ヽ ノ ヽ /ヽ、
/ \/ l⌒lヽ / |
xQl8TeR8です。
埋めともいえない分量ですけど落とさせていただきます。
「もしサーニャがエーリカの部屋に間違って入ったら」
(……なんか、スースーする)
またベッドから落ちて床で寝てるのか、それとも毛布を掛けるのを忘れたのか。
エーリカはどちらなのかと起きあがろうとしたが、右の腕になにか載って動かなかった。
重い。しかもしびれて感覚がない。
(ウルスラ?)
こんなことをするのは一緒に寝ているウルスラくらいだ。
エーリカは顔を横に向け自分の腕を枕に寝ている人物を確かめようとする。
(……じゃないな。この子は……サーニャか)
サーニャが制服のまま隣に横たわっていた。
左手で右手を引っ張って引き抜き、血が通うまで感覚のない腕をもみほぐしているうちに
エーリカの寝ぼけた頭もはっきりしてきた。
(ウルスラのわけないのに。なに寝ぼけてんだか)
ウルスラとは離れてもう7年になるのだ。
手紙や電話のやりとりはしているものの、ウルスラの姿は5年くらい見ていない。
(ウルスラ、どうしてるかな?)
そう考えたとき、エーリカは忘れていた寒さに震えた
夏とはいえ欧州の朝は寒い。
それはここブリタニアでも例外ではない。
「寒……」
エーリカは取られた毛布を引っ張り、サーニャに身を寄せる。
その拍子にベッドの上にあったなにかが落ちた音がしたが、エーリカは
かまうことなくかつてウルスラにしたように右手でサーニャをかかえてみた。
(……なんかちがう)
ウルスラはここまで華奢じゃなかったような気がする。
自分は子どもだったし、ウルスラと背も体重も変わらなかったから?
でも体格以上になにかが違うのだ。
ミーナやゲルトルートといっしょに寝たときとも違う。
(サーニャはウルスラやトゥルーデじゃないしなぁ)
ではなんだろうかと首をひねったエーリカだが、考えている自分にちょっとバカらしくなり、そのうえ外に出た身体がさらに寒くなってきたので、考えるのをやめた。
エーリカは右手を戻して、背中合わせに向きを変えると毛布にくるまり、もう一度寝直そうとした。
しかし毛布がサーニャに引っ張られ、体半分が出てしまった。
エーリカは引っ張り返すが、また引っ張られた。
このままじゃどちらかが、あるいは両方とも風邪を引きそうだ。
ここはとるべき方法はひとつ。
エーリカはサーニャのかたわらに起きあがると声をかけた。
「朝だぞ〜、起きろ〜」
ダメだ、起きない。
当たり前か。夜間哨戒に出ている彼女にとって朝は寝る時間だもの。
「夜だぞ〜、起きろ〜」
サーニャは少し身じろぎをした。
もう一押しで起きそうだ。
エーリカはその「一押し」にいい考えを思いついた。
これならきっと起きてくれるかもしれない。
「サーニャ、起きろ〜。夜間哨戒の時間だゾ〜」
少しスオムス訛りの入ったぶっきらぼうなブリタニア語を
サーニャの耳元でささやいてみる。
エーリカの言葉にサーニャはぴょこんと獣耳を出し、
さらに頭の上にはアンテナまで出している。
(おおっと、効果覿面だねぇ)
「夜間哨戒だゾ〜」
もう一度ささやくとサーニャは寝ぼけ眼で起きあがった。
エーリカはすかさず彼女の手を引っ張って立たせると、
そのまま部屋から連れ出した。
廊下を小走りしてエイラの部屋まで来ると、エーリカはドアを開け、
サーニャを放り込むように押し入れた。
中ではベッドに起きあがっていたエイラがいきなり入ってきた
サーニャにびっくりした顔をしているのが見えた。
サーニャはエイラのベッドに軟着陸し、その横であわてふためく
エイラの様子を少しだけ楽しむとエーリカはドアを閉めた。
(それじゃ、ごゆっくり〜)
エーリカは自室に戻らず、途中にあったゲルトルートの部屋に入ると
ベッドに寝ている彼女の横に身を滑らした。その性格をあらわしたかのように
まっすぐの姿勢で眠っているゲルトルートに右手を伸ばして抱えた。
(あぁ、これこれ)
さっきのサーニャと明らかに違う、自分がよく知ってるぬくもり
に身を浸したエーリカはふと思った。
(さっきのサーニャから感じたのって夜の寒さなんだ)
基地に戻ってきても残るほどの寒さに晒されていたサーニャに
ちくりと胸が痛んだが、包まれたぬくもりに眠気を誘われたエーリカは
眠りへと落ちていった。
「!」
抱えられて目が覚め、ベッドの中がいつもと違うことに気づいたゲルトルートが
毛布をはいで起きあがった。
「ハルトマン! また人のベッドに潜り込んで!」
「う〜、もう少し寝かせて…」
「起きろ!自分のベッドで寝ろ!」
「起床ラッパが鳴ったら起きるからさぁ」
その一言はゲルトルートにかなり効果的だったらしい。
「……ほんとだな? 絶対に起きろよ」
とだけ言うと不機嫌そうに横になったものの
再び絡みつくエーリカの手を解こうとはしなかった。
しかしいつもと同じようにゲルトルートが苦労したのは
言うまでもなかったのだった。
以上4レスです。
それでは名無しに戻ります。
┌――――――――〔片思い〕―――――――┐
↓ │
美緒―┬―ミーナ │
(父) | (母) .│
| │
| │
シャーリー .│
(長女) . │
| . │
トゥルーデ │
(次女) .│
| .│
エイラ―〔婚約〕―サーニャ―〔友人〕―芳佳―〔相思相愛〕―リーネ―〔友人〕―ペリーヌ
(三女)
|
エーリカ
(四女)
|
フランチェスカ
(五女)
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\\ 一 万 年 と 二 千 年 前 か ら 走 っ て る //
\\ 八 千 年 過 ぎ た 頃 か ら も っ と 走 り た く な っ た //
\\ 一 億 と 二 千 年 後 も 走 っ て る //
\\ 道 を 知 っ た そ の 日 か ら 僕 の お 口 に 昆 虫 は 絶 え な い//
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し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J. し ⌒J
サーニャ!サーニャ!サーニャ!サーニャァァアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!サーニャサーニャサーニャァアアァアァアアアア!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!サーニャの雪のような銀色のの髪をクンカクンカしたいナ!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えタ!モフモフしたいナ!モフモフ!モフモフ!さにゃさにゃモフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
ピアノを弾くのサーニャかわいかったヨ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
ガリアがネウロイから解放されて良かったナサーニャ!あぁあああああ!かわいい!サーニャ!かわいい!あっああぁああ!
いっしょにスオムスに…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!サーニャはは家族を捜しに行く!!!!あ…ワタシもよく考えたら…
ガ チ レ ズ 大 尉 が 待 っ て い る !! にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ニパァアアアア!!
この!ちきしょー!やめてやる!!兵隊なんかやめ…て…え!?見…てる?サーニャがこっちを見てる?
サーニャがワタシを見てるゾ!サーニャがワタシに話があるって言っているゾ!サーニャがワタシに話しかけてるぞ!!
サーニャがまた今度会えるよねだって!!!よかった…いつでも飛んで行くからナ!
いやっほぉおおおおおおお!!!ワタシにはサーニャがいる!!やったよエル姉!!ひとりでできるもん!!!
黒猫のサーニャアアアアアアアアアアアアアア!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあサーニャァア!!サ、サーニャ!!サーニャァアアアアアア!!!サーニャァアアアア!!
ううっうぅうう!!ワタシの想いよオラーシャへ届け!!隣の国のサーニャへ届け!