Q.○○書いたんですけど投下してもいいですか?
A.どうぞ、ぜひ投下してください。
条件は「ストライクウィッチーズ」関連であること、
「百合」であることの二つのみです。
ジャンル、エロの有無、本編にないカップリングなどに関係なく、
このスレの住人はおいしく頂いております。
妄想だとか落書きだとか気にせずとにかく投下してみましょう。
ただし、SS専用スレではないので20レスを超えるような長編は事前に断りがあると吉です。
──リレーSSの手引き──
★基本ルール
○始める時は、リレーSSであることを宣言する。
○続ける人は宣言は不要だが、一行目に継承元の安価をつける。
○ただし、結末を書く場合は「次で終わっていいですか?」と訊いておく。
○継承先は指定できない。誰かが早い者勝ちで続きを書く。
○ただし自分自身の続きは書かない。最低2人は挟んでから。
○2レス以上にまたがらない。1レスでクールに。
○重複したら先に書いた方を優先する。
○作者名は名前欄に入れる。名無し希望は未入力でも可。
○リレー進行中は他のリレーは開始しない。
○もちろん普通のSSは、リレーの状況に関わらずどんどん投下してください。
★本文と書式
○語り手や文調はできるだけ継承する。唐突な視点変更は避ける。
○誤解を招きやすいため、科白にはキャラの名前をつける。(例:芳佳「おっぱい」)
○後に文が続く事を意識して、できるだけ色々な取り方ができる終わり方にする。
○「駄文失礼〜」「お目汚し〜」等の前書きやあとがきはナンセンスなので付けない。
★心構えと方針
○無理して面白くしようとしない。ナチュラルに妄想を爆発させるべし。
○不本意なカプの流れになっても泣かない。むしろ目覚めるべし。
○展開を強要したり口を挟まない。流れに身を委ねるべし。
○なかなか続きが来なくても焦らない。気長に有志を待つべし。
○多少の誤字脱字、設定違反、日本語おかしい文章には目を瞑る。スルーすべし。
○参加者はみな平等。新兵もエースもリレー主も一切特権はない。仲良くすべし。
○男はいらねえんだよ!ふたなりネタも自重すべし。
>>1乙!
で、前スレが埋まったら保管庫のアドレスにログのdatを添付で送った方がいいんだっけ
誰か頼む
「いーつーまーでー寝てるんだハルトマン! 起床時間はとっくに過ぎてるぞ!」
「むー。 起きてぅよー。」
「起きてない!!」
ぽこり。 シーツを抱きしめたまま一向に起き上がろうとしない頭をこづく。 不機嫌そうに唸って寝返りをうつエーリカ。
「何年このやり取りを続ければ気が済むんだ! 目覚ましをかけろ! 目覚ましを!」
「あれ、トゥルーデみたいにうるさいからヤっ。」
ぽこり。 ぽこり。 ぽこり。 ぽこり。
「もぉー、いたいっ。 あと5分で起きるってばぁ。 木魚じゃないんだからポコポコぶたないでよー。」
「さっきもあと5分って言ってただろうが!!! さっさと起・き・ろ!!!!!!」
「……という感じでな。 あいつを起こすのは本当に大仕事なんだ。 何が悲しくて毎日こんな苦労をしなければならんのか……。」
「へー。 ハルトマン中尉、木魚なんてよく知ってるなぁ。 扶桑通なんですね!」
朝食のパンをかじりながらどうでもいい部分に感心する宮藤。 まるっきり他人事にしか考えていない証拠だ。
こいつも軍隊における規律の重要さを分かっていないふしがある。 どいつもこいつも……。
勿論この場にエーリカはいない。 あいつにとっての5分は私の30分に相当するらしい。 羨ましい限りだ。
「じゃあ明日から私が中尉を起こしてきましょうか? 大変なんですよね、毎日。」
「へっ?」
一つ説教してやろうと口を開いた時、宮藤がやぶからぼうに言い出した。 思わず間の抜けた声が漏れる。
宮藤が、エーリカを起こす? あの誰が起こしに来ようと、自分の起きたい時間にならないと起きないエーリカを?
「え、と。 お前は私の話を聞いていなかったのか? あいつを起こすのは一仕事どころか一大事で……。」
「だーいじょうぶですよ! 私、こう見えても考えがあるんです! 大船に乗ったつもりでいてください!」
胸を叩く仕草がなんとも頼りない。 本人はご満悦だが、頭痛の種が増えただけに思える。
しかし。 うむ。 考え直す私。 この果てしない徒労から一日くらい休暇をもらっても、神様はバチを与えるまい。
私は宮藤のしたいようにさせる事にした。
「あ。 バルクホルンさん、おはようございます!」
「はよーんトゥルーデ。 どったの? おっそいじゃーん。」
。。。 あれからもう一週間になる。 信じられない事だが。 と言うより、単純に信じるのが癪なだけなのだが。
起こすのが宮藤になったその日から。 エーリカはきっちりと定時に起きるようになったのだった。
「もう一週間よ。 凄いじゃないフラウ。 ようやく私たちも頭を悩まさないで済むのね。 ふふ。」
「えへへ。 私が頑張ってると言うより、宮藤のおかげかなー。 宮藤の起こし方ってね……。」
「わ、わ、わ! ちゅ、中尉! それは秘密って言ったじゃないですか!」
スッキリとしない気持ちで聞き入る私。 くっ。 この駄目リカが! 私があれほど頑張っても一向に起きなかった癖に……。
それだけに、宮藤がどんな起こし方をしているか少し興味が湧く。 もっとも、本人はあまり言いたくないようだが。
「別に宮藤さんの行動なんて知りたくもないですけど。 言いかけた事を途中で引っ込められると、ちょっぴり気になりますわね。」
「隠さなくてもいいじゃんナー。 ひょっとして変態チックな起こし方なノカ?」
「へ、変態じゃないですよ! むしろ綺麗です! 眠れる森の美女作戦なんですから! ……あっ。」
眠れる森の美女? 童話のか? みんなが興味深そうに身を乗り出す。
「あら。 眠りでしたら私、昔バレエでやった事がありますわ。 宮藤さんにしてはハイソですわね。」
「宮藤あうと〜。 そーゆーわけです。 宮藤は毎朝私にちゅーして起こしてくれてるのです。 すごい唇やらかいんだよー。 えへへ。」
「なっ!!! なんですってぇーーーーーーー!!!!!」
「なぁーんだ。 私もシャーリーにチューして起こしてるよ。 芳佳、パクリじゃーん!」
リーネの大絶叫に思いっきりビビってしまった私はリアクションが遅れた。 驚かせるな! 最近お前は唐突な奇行が多いぞ!
それにしてもキっ。 キスで起こしていたとは! エーリカに? 宮藤が?
もんもんとその光景を想像してしまい、慌てて掻き消す。 な、何を不謹慎な想像をしてるんだ、私は!
「てへっ。 私、中尉は自分の気が向かない限り、絶対に起きないタイプだと思ったんですよね。
だから無理に起こすんじゃなくて、ちょっと楽しい気持ちになったら自分から起きるんじゃないかなーって。
ほら、叱って伸ばすやり方の反対で、褒めて伸ばすってあるじゃないですか? そんな感じです!」
照れ臭そうに笑う宮藤。 褒めて伸ばすか。 そういう発想は無かったな。 いや。 むしろ無くて当たり前だな。
一体全体、なぜ私が下手に出ねばならんのだ?
ちゃんと時間通り起きてたのが私で、起きないのがエーリカで、それを起こしてたのが私だ。
私に負い目など何一つなく、エーリカは負い目のカタマリじゃないか。 それをキっ、キス、などと。
ルールを守らない人間を甘やかすなど、相手のためにも組織のためにもならない。 それでいいのか、宮藤?
「よ、芳佳ちゃん! 私、芳佳ちゃんに起こしてもらったこと一回も無いよ!? な、なんで中尉だけ特別扱いなのかな!!??」
「あはは、やだなぁリーネちゃん。 リーネちゃんは物凄く寝起きいいじゃない。 寝相も綺麗だし、私が面倒見るまでもないよ〜。」
盛り上がっている。 よっぽど異論を唱えようかとも思ったが、場の空気というものがある。
宮藤には後で言い含めておけばいいだろう。 私は軽く溜息をついて食堂を立ち去った。
そんな事を考えていたら、瞬く間に一日が経って夜が明けた。 くぁ〜ぁ。 ……参った。 この私が朝からアクビとは。
目前ですやすやと眠りこける少女に目を移す。 こいつの寝顔を見るのも一週間ぶりだ。
こらっ、フラウ。 お前がちゃんと起きてくれてればアクビなんて醜態は無かったんだぞ。 まったく。 幸せそうな顔で寝てからに。
昨日の話が印象的だったせいだろう。 いつもより早く起きた私は、何とはなしにエーリカの寝顔を覗きに来てしまった。
結局、宮藤に何も言えなかったな。 出発点はどうあれ宮藤は結果を出し、私は何も残せてないもの、な。
ふにふにとエーリカの鼻頭を指でつつき、ゆっくりと指を下に運ぶ。 指がエーリカの唇に触れて、宮藤の話を思い出してしまう。
……キスで、起こしてるんだっけ。 ……やわらかい。 そのまま唇を優しくなぞる。
…………私のキスでも。 起きるのかな。
「あれ? バルクホルンさん?」
心臓が口から飛び出たかのような錯覚。 宮藤がエーリカを起こしにやってきたようだ。 もうそんな時間なのか?
時間を忘れてエーリカの唇に触れていたという事実が、私をいつも以上にカチコチにさせた。
「あ、あぁ。 なんだ、その、私はこいつを起こせなかっただろ? お前の起こし方を見学しようかと思って、な。 は、はは。」
「えぇー!? ひ、人に見られるのは恥ずかしいなぁ……。」
そう言いながらエーリカに寄り添う宮藤。 なんだろう。 呼吸が難しい。 どうしてだろう。
宮藤は、これから、キスして、エーリカを起こす。 私が見つめる中、宮藤はそっとエーリカに顔を近付けて。
「ちゅ、う、いー。 あっさですよー♪」
ちゅっ。 宮藤は優しくキスをした。 …………その。 ほっぺに。
「うーみゅ……もう朝なのー? あと5ふーん……。」
「ダーメですー。 ほらぁ、早く起きないとこうですよー。」
「うひゃひゃ。 もぉー、みやふじったら情熱的だぁー。 分かった、起きる。 起きますよー。」
ちゅ。 ちゅ。 ちゅ。 ほっぺに降り注ぐ宮藤のキスは、エーリカの言葉とは裏腹に情熱的でもなんでもなく。
母親が子供の頬にするような、とてもとても優しく牧歌的なものだった。
「み、宮藤。 お前、眠れる森の美女を本当に見た事があるか……?」
「え? 王子様が、お姫様をキスで起こすお話ですよね? 中尉って眠ってたらお姫様って感じだし。 ピッタリですよね!」
「えー、ひどーい。 私起きたらお姫様じゃないんだ。 魔女なんだー。 わたし今うまい事言った。 えーんえーん。」
「そ、そういう意味じゃないですよぉ。 もう、嘘泣きばっかり〜。」
阿呆なやり取りを聞きながら腰砕け状態から抜けきれない私。 そうだよな。 宮藤だものな。 分かっているべきだった。
こいつの至って平和的な博愛主義からは、私の思っていたようなキスなど生まれないと予想できなくてはいけなかった。
「わ、私はてっきりだな……。 いや、そりゃ頬が正解だと思うんだが……。」
?とばかりに二人まったく同じ角度で首をかしげるエーリカと宮藤。 やめてくれ。 そんな純真な目で私を見ないでくれ!
罪の無いじゃれあいに思い至らなかった自分を思い返し、穴があったら入りたくなる。
「ほっぺじゃ駄目なの? う〜ん。 ……じゃあ、くちびるはトゥルーデのために大切にとっておくね。 それでいい?」
ぶふぉっ! 思わず肺の中の空気を噴き出してしまった。 と、とっておく? 私のために!!?
しかし見返すと微塵も他意の無い顔のエーリカ。 あぁもう! なんだお前ら! 私だけがおかしな奴みたいじゃないか!!
「わ、わたし負けませんから! これからキス当番は一日ずつの交代制ですからね!!」
ぶふぉっ! またしても噴き出してしまった。 とっ、当番って! そういうものじゃないだろ! 妙な対抗意識を燃やすのはやめろ!
しかし宮藤はと言えば割と本気な顔で、エーリカの手を引っ張って食堂へと駆け出していってしまった。
む、く、く。 宮藤のしていた事を思い返す。 無理だろ! あれは小動物系の人間にだけ許される! 私には無理!!
首をふりふり食堂へと向かうと、何やら大騒ぎする声が聞こえる。
「なんでこんなに大量の薬を飲んだのリーネさん! 人生に二度目なんて無いのよ! お願いだから、悩みがあるなら相談して!」
「どくんだミーナ! 押し問答している時間は無い! 無理やり薬を吐かせるしかない!!!」
「離して! 離してください! 私はこのお薬で夢と希望を取り戻すんです!!! 邪魔しないでくださぁーーーい!!!!」
! 思わず体に緊張が走る。 薬の過剰摂取。 精神の重圧に耐えかねて、軍部ではたまに起こる事態だ。
まさかリーネが……。 さめざめと泣くミーナの手元にある瓶を何気なく拾い上げる。
睡眠薬。
……………………………………………………………………………………。
心配いらんな。
少佐の芸術的なボディアッパーがリーネの鳩尾に吸い込まれる。 人体が打撃で垂直に浮くとは……。 やはり少佐は尊敬すべき人だ。
安らかに眠れリーネ。 宮藤の起こし方は多分お前が思っているのとはちょっと違う。
お前も是非このガックリ感を共有してくれ。
隣の喧騒などどこ吹く風で、もそもそトーストを食べているエーリカ。 その唇を、何とは無しに見つめる私。
視線を上げたエーリカが私に向かって無邪気に微笑んだ。
それを見た時、私は、本当に薄ぼんやりと、私も明日は宮藤式にトライしてみようかな……などと思ったりしたのだった。
おしまい
10 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/28(日) 18:16:56 ID:gAICzcdD
新スレ1発目GJ!!
顔のにやけが止まらなかった・・・
>>1乙!
あとスペースなくて言い損ねてしまったけれど、前スレ495GJGJ!嫉妬サーニャが可愛すぎる
>>6 グッジョブ!芳リカとは新しい…宮藤は面倒見良さそうだからこういうのもあるかもしれないな
一発目から存分ににやにやさせていただいた
前スレ埋まったんで、datファイル管理人さんに送ってくる
GJ!少佐のアッパー食らったらリーネちゃんが芳佳の子供埋めなくなっちゃうからやめてあげてぇ!
前スレのクリスマスSSもGJ!ほんまトントゥ好きだなw
>>9 GJ!盛大ににやけさせてもらったw
トゥルーデやっちまえYO!エーリカの唇奪っちまえYO!…と思わずにはいられなかった
あと前スレ埋めGJ!
なんでこんなに素敵なのが書けるんだ
「ねえ、サンタさんってどこからやってくるんだと思う?」
「きっとお空から、そりに乗ってくるんだと思うな」
「でもそりは飛べないよ?」
「…そんなことないよ。サンタさんなら飛べるもん」
地上に、夢見る少年少女
夜空を見上げながらの語らい
そこへ、月を横切るふたつの影
「あっ! サンタさんだ! ねぇ、サンタさんがお空を飛んでるよ!」
「え? どこ?」
「ほら、ちょうどお月様のところ」
二人の魔女の美しいシルエット
「…やっぱりサンタさんはお空からやってくるんだ」
「綺麗だね…」
「うん…」
なーんてのを書こうかと思ったけど俺には無理のようだ
埋めGJ&
>>1乙&
>>9GJ!!
嫉妬サーニャもドキドキお姉ちゃんも素敵過ぎる!
ところで
>私もシャーリーにチューして起こしてるよ。
このさりげない一文はつまりそういうことでいいんですかハァハァ
秘め声聞いてますますエーリカのキャラがわからなくなった
17 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/29(月) 00:34:24 ID:p/t91Fbb
ウルスラLOVEは変わらないぞ!
秘め声と記録集でエーリカの百合キャラ度が素晴らしく上昇しててテンション上がりまくり
まさか放送終盤〜終了後にかけてこんなに盛り上がってくるとは本当に考えられなかった
エーリカ良いキャラです本当に良いキャラです
しかしまあエイラの初揉みとかサーニャと仲良いとか
ものすごく新しい方向がまた見つかったというかなんというか
DVD特典担当、監修やってるスタッフには何度感謝してもしたりないというか
医者になりたいので実は芳佳の治癒魔法に憧れてあんなふうにみんなを癒したいと思っているエーリカ
一方でエーリカの戦闘技術に憧れていてあんなふうにみんなを守りたいと思っている宮藤
まで妄想した。ハルマフジおいしいです。
ミーナ隊長の秘め声もよかった
坂本少佐を美緒と呼ぶのが当たり前な感じが良いよね
秘め声とか記録集とかって、(いい意味で)ファンや二次創作作家への挑戦状のように感じるな。
何というか真っ白なキャンバスと色とりどりの絵の具を渡されたような気分だ。
そこからは十人十色の妄想がキャンバスを彩るんだろうなと。
宮藤の提案で、お正月は各隊員がお国のお祝い料理を毎日日替わりで作って過ごす。
そして正月も明けたある夜、脱衣所でシャワーでも浴びようと服を脱いでいたミーナ中佐は自分のおなかがポッコリしちゃってる事に気付き驚愕。
体重計を引っ張りだし、恐る恐る乗ってみたところ、愕然。片足立ちや、しゃがんでみたりするが当然針が指す数字に変わりはなく。
というとこまで妄想して書き留めてたけど、そこからが上手く纏まらなくて後半二回書き直したけど断念……orz
悔しいけど誰か頼むんだぜ(>_<)
羽子板で未来予知使って連戦連勝のエイラ
>>22 最強の刺客はサーニャですね、わかります。
真っ黒な服の♪ サーニャちゃんは♪
いつもみんなの 輪から外れてる♪
でもその年の ネウロイ襲撃に♪
ミーナのおばさんが 言いました♪
暗い夜空は ピカピカのあなたの
レーダーが 役に立つのよ♪
いつも泣いてた サーニャちゃんは♪
今宵こそはと 喜びました♪
「・・・ムリダナ」そうつぶやいて、エイラは歌詞の書かれた紙に
×印を付けた。そして別の紙を手に取った、
あわてんぼうのサーニャちゃん♪
私の部屋にやってきた♪
眠くてルンルンルン♪
寝ぼけてルンルンルン♪
今日だけならいいけどなぁ〜♪
ルンルンルン ルンルンルン
なんとなく恥ずかしくなりこれにも×を付けた。
「はぁ〜、いいアイディアだと思ったのにな〜」
そうつぶやきながら、エイラは椅子の背もたれに身を預けた。
(やっぱりサーニャのお父さんみたいにはいかないな・・・。
っていうか、こんなの渡せるわけないよな・・・)
そう考えながら、机の上にあるバツ印の付いた何枚かの紙に目を落とした。
「どうしようかな・・・プレゼント・・・」
もうクリスマスがそこまで近づいていた。サーニャにプレゼント
をあげようと、欲しいものはないか?と毎日さりげなく聞き続け
たものの、返事はいつも、
「・・・別にない」
だった。しょうがなく色々と思案し、サーニャのお父さんに習って
歌をプレゼントするということになったが、・・・結果は惨憺たるものであった。
エイラは椅子から立ち上がると、×印の付いた紙を本棚の奥に押し込み、そのまま
ベッドの上に横になった。そしてぼんやりと天井を見つめながら、
(まぁ、気にすることはないか。最初の予定の通り明日ロンドンに行って何か
探してみよう。ちゃんと休みも取っておいたんだし・・・)
と頭を切り替え、明日に備えて寝ることにした。
朝日が昇り、エイラが目を覚ますといつものように隣にサーニャがいた。
サーニャを起こさないようにそっとベットを抜け出すと、早速着替えに取
り掛かった。ただ、今日はいつもの軍服でなく白いコートとブルーのマフラ
ーを身にまとった。支度を進めていると、いつのまにか起きたサーニャが、
目をしばたかせながらエイラに声をかけた。
「どこか行くの・・・」
エイラは、いきなりの問いかけに少し驚きながらも、
「あっ、あぁちょっとロンドンに・・・」
と答えた。
「ふ〜ん・・・」
「そっ、そうだ何か買ってきて欲しいものはないか?」
聞き出す最後のチャンスだと考え、サーニャに尋ねてみた。
「・・・、別にないかな」
「・・・そうか、ならいいけど・・・じゃ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
それからしばらくして、ロンドン行きのバスに乗りこんだエイラは、窓の
外の流れゆく風景をぼんやりと見ながらサーニャへのプレセントのことを
あれこれと思案し続けた。
クリスマスを間近に控えたロンドンの町並みは活気に満ち溢れていた。
町は色とりどりの電球がきらめき、鮮やかな装飾が施され、行き交う
人々は大小の包みを抱えながら早足で店から店へと渡り歩いていた。
いつ起きるともわからない戦禍を必死に忘れようとするように・・・。
そんな中エイラは、キョロキョロと店々を見回しながら、いまだに
決まらないサーニャへのプレゼントをどうするかで頭を悩ましていた。
(楽譜!・・・どれをあげたらいいかわかんないし・・・、枕!・・・
もらって嬉しいかなぁ?ネコペンギン!・・・なんかなぁ・・・)
頭の中で閃いてはそれ打ち消す、そんな行為をずっと繰り返していた。
そうしながらトボトボと歩いていると、一軒のジュエリーショップが目に入った。
(アクセサリーかぁ・・・、サーニャがそういうの着けてるのみたこと
ないけど、もらったら喜ぶかなぁ・・・たぶん)
エイラは店の前でしばらく行きつ戻りつをしていたが、意を決して店の中へと
入っていた。
「いらっしゃいませ。何かお探しでございますか?」
どうしたらいいものかと店内をうろうろしていると、店員が
声を掛けてきてくれた。
「あっ、あのクリスマスプレゼントを探しに・・・」
「あぁ、それでしたらこちらにどうぞ」
そういって店員は店内の一角にエイラを案内した。そして、
ショーケースを指し示しながら、
「男性への贈り物でしたら、こういったネクタイピンが最近の流行でして、
お値段もお手ごろ・・・」
(この人勘違いしてる・・・)
エイラは、流暢な説明を続けようとする店員の声を制した。
「あっあのぅ・・・」
「何か?」
「プレゼントをあげるのは女の子なんですけど・・・」
「・・・あっ!失礼しました、私てっきり・・・」
「いや、別に・・・」
「女の子へのプレゼントですかぁ・・・」
あまり例がないのか、店員はあごに手を当てあれこれと模索をした。
しかし、あまり芳しい結果が出なかったとみえ、
「失礼ですが、ご予算ともらわれる方がどのような方かをお教えして
もらえませんか?それに合わせて商品を選ばせていただこうかと・・・」
とエイラに尋ねた。
「予算は・・・これぐらいで」
エイラは手で額を指し示した。
「え!!」
店員は度肝を抜かれた、十代の女の子が友達へのプレゼントとして
払う代金としてはあまりにも高すぎたのだ。
(この子何者だろう・・・)
と店員はエイラを若干訝しみながら
「・・・それで、プレゼントをもらわれる方はどういった方で?」
「え〜と、ん〜なんかこう、儚いっていうか、線が細い感じで、あぁ
こいつのこと私が守ってやんねぇとなぁ〜、てっ思わせるような感じのオラ
ーシャ出身の女の子で。すげぇ可愛くて、歌やピアノもうまくて、ちょっと
太陽に弱くて、あぁでも!!月を背にして夜空を飛ぶ姿なんかは、幻想的っ
ていうか、サーニャの美しさがこれでもかって出てて、それで朝間違って・
・・わざとなのかもしんねぇけど、私のベットにもぐりこんで」
「あっ、もっももう結構です・・・」
店員は、延々と続く恐れのあるエイラのサーニャに対する演説を断ち切った。
「それでしたらこちらに良い商品がございます。持って参りますので、しば
らくお待ちください・・・」
戻ってきた店員は、長方形のケースを開けエイラに中の商品を示した。
「こちら夜をイメージした新作のネックレスでして、シルバーであしら
えた星に小粒のホワイトダイヤモンドを散りばめたものになっています。
お客様のおっしゃられたイメージですとこちらが最適かと・・・」
エイラは、見た瞬間に
(これは、サーニャによく似合う!)
と確信した。喜んでくれるかどうかはわからなかったが、サーニャに
ピッタリのネックレスであることに疑いはなかった。
「これ下さい!」
エイラは即決した。
「・・・お買い上げ、ありがとうございます」
店員は普通のサラリーマンの給料の四ヶ月分もするネックレスを
即決した、それも女の子にあげるという目の前の少女の正体がい
よいよわからなってきた・・・。
商品はラッピングが施され、鑑定書がどうこうという所定の手続きを
経てエイラの手に渡った。エイラは頬を赤らめながら、満面の笑みで
商品の入った袋を手に下げて店を出て行った。店内ではその後すぐに
エイラが何者かの相談が始まっていた・・・
(さて、次の問題は・・・)
あげるプレゼントは決まった。しかし、まだ問題があった。
どうやって渡すかだ。 一番のやり方はもちろん直接手渡しをすること
だったが、どうにも照れくさかったし、あげたプレゼントがもし喜ばれ
なかったら時のことを考えると、どうしても気後れをしてしまった。
ただ、どうやって渡すかをあれこれと考えながら歩くエイラの目にあるものが映った。
「そうだ・・・」
とつぶやきながら、その妙案に一人ニヤと笑った。
帰りのバスは行きのバスとは大きく違っていた。あの重苦しかった悩み
の種は消え、いよいよ訪れるクリスマスの夜がいまかいまかと待ち遠しく
なってきた。
(サーニャ・・・どんな顔するかな)
そんなことを考えながら、ここ数日の悩みの疲れが出たのか、エイラは
スヤスヤと寝息をたてた。
クリスマス当夜
501基地は深夜を迎え、基地の隅々は静寂によって支配されていた。
エイラは自室の扉を開け、首を左右に動かして廊下に誰もいないことを確認する。
確認をし終えると、廊下へと進み出て、そっとドアを閉めた。廊下へと出た
エイラの姿はいつもと異なっていた。赤い帽子に赤い服を身に着け、顔には
白いつけ髭が蓄えられていた。エイラの祖国、スオムスに伝わるサトゥルヌス神の姿である。
エイラがロンドンで思いついた妙案とはこれのことであった。“サトルヌゥス神からの贈り物”
こういう形にすれば直接手渡ししなくてもすむと考えたのである。
エイラは、サーニャの部屋のノブに手をかけ、音が出ないように慎重し少しずつ開けていった。
そして、ようやく室内に入るといつものように真っ暗だったが、勝手知ったるエイラはベッドへとなんなく歩み寄っていた。
(朝起きたら枕もとにプレゼントが・・・。サーニャの奴きっと驚くぞ〜)
エイラは、朝になったらサーニャがどうゆう反応をするかが楽しみだった。しかし、ベッドの傍らに立つと、異変に気づき、
エイラの頭の中の甘美な妄想群は断ち切られた。
「あれ?サーニャがいない・・・」
そう、そこに本来寝ているべきサーニャの姿がないのである。
「おかしいな・・・、部屋から出て行った様子なんてなかったのに・・・」
この思いがけない事態に戸惑っていると、突然部屋が明るくなった。
「ふわぁ!」
エイラは思わず声をあげ、電灯のスイッチのある方向に振り向いた。すると、そこに立っていたのは、
「サっ、サーニャ・・・」
部屋の主のサーニャであった。
「おっ、お前なんで寝てないんだよ!」
とエイラが身勝手な疑問を口にする。
「・・・、エイラの様子がいつもと違ってたから・・・」
「へっ、私の様子・・・?」
エイラはますますわけがわからなくなってきた。
「来るなっていったから・・・」
「来るな?・・・!!」
思い当たることがあった。
それは、少し前にサーニャと部屋の前で別れたときである。おやすみの挨拶のあと、
エイラはついつい、
「いいか、今日だけは私の部屋に寝にくんなよ、自分の部屋でちゃんと寝てろよ!」
と付け加えてしまったのである。
「エイラがそんなこと言うことってないから、何かなって思って・・・起きて待ってた」
エイラは返答に困った。素直にプレゼントを渡しに来たと言えばいいのだが、格好も格好だ
どうにも切り出しにくかった。そのため思わず
「わ・・・私はエイラではない!」
と答えてしまった。
その言葉にサーニャが首を傾げる。
「私は、スオムスから来たサトゥルヌス神である。その・・・サーニャ君は
今年1年いい子にしていたので、特別にプレゼントを届けにきた!」
エイラはしゃべりながら、耳や頬が熱くなっていくのを感じた。
「で・・・、ほら!プレゼント!」
ぶっきらぼうにそう言いながら、ポケットから出した箱をサーニャに手渡した。
「私に・・・?」
「サーニャが他にどこにいんだよ・・・」
「ありがとう・・・」
サーニャはエイラに笑顔を向けた。
(どうしよう・・・可愛い)
その笑顔を見ているだけでエイラの鼓動は自然と早くなっていった。
「よかったらその、・・・開けてみるよ・・・」
エイラはサーニャを促す。
サーニャはコクと頷き、包装を解いて箱を開けた。
そして、箱の中のネックレスを見て
「きれい・・・」
と声を漏らした。
(その美しさだって、サーニャの美しさを引き立たせるものにすぎないんだぜ・・・)
そんな言葉が口をつきそうになるのをエイラは飲み込んだ。
「本当にもらっていいの?」
サーニャが少し心配そうにたずねる。
「いいに決まってんだろ、サーニャのためのプレゼントなんだから」
今度はエイラが笑顔で応じる。
「そうだ!せっかくだから着けてみろよ、私が着けてやるから」
とエイラは提案した。サーニャはコクッとそれに応じた。
エイラはネックレスを受取り、サーニャの後ろへと回った。
そしていざ着けようとしたものの、サーニャの後ろ髪を上げた姿を見ていて
ドキドキがまた強くなってきた。サーニャの前に腕を回すと、
(どうしよう・・・なんか抱きしめたくなってくる)
そんな考えが頭をもたげた。そんな気持ちを振り払い、ようやく
首を一周したものの、今度は留め金をはめようとすると指先が緊張で
自然と震えてしまい、思わず取り落としてしまいそうになる。
(落ちつけ・・・、落ちつけ・・・)
そう自分に言い聞かせながらなんとか作業は終了した。
「どうかな?」
サーニャはクルッとエイラの方を振り返る。
それを見てエイラは、讃辞の言葉が溢れるように湧いて出たが、収まりがつくかわからなかったので、グッ!と親指を突き出すだけにした。
「ありがとう・・・大事にするね・・・」
そう言って、サーニャはエイラに優しくほほえみかけた・・・。
パンッ!
「そうだ!」
サーニャは何かを思い出したのか、突然手を叩いた。
「うわぁ、いきなり何だよ?」
「私からも渡すものがある」
「へっ?」
言うが早いか、サーニャは部屋の片隅へと行き、そこにあった
包装紙で包まれた何かを持ってきて、エイラへと差し出した。
「はい、エイラ」
「へっ・・・、えっ私に・・・?」
エイラは目をパチクリとする。
「エイラが他にどこにいるの?」
サーニャがいたずらっぽく聞いてくる。
「あっ・・・その、あっありが・・・、いやいや」
そう言って出そうとした手を、突然手を大きく振りだした。
「何度も言うが、わっ私はエイラではなく、サトルヌゥス神だ。
だからもらうわけにいかない!」
その言葉にサーニャはしばらくキョトンとしていたが、再び微笑みながら
「じゃあ、エイラに渡しておいて下さい」
と言った。
「あっ、そっそれなら構わないぞ、確かに渡しておこう・・・だが・・・」
「だが?」
「その・・・、エイラは1年間いい子だったのか?」
エイラはポリポリと頬を掻きながら尋ねる。
「はいっ、・・・すごく私に優しくしてくれました」
「・・・そうか、なら大丈夫そうだ」
そう言って、サーニャから大きめの包みを受けっとった。
「じゃあ、確かに渡しておくよ」
「お願いします」
そしてそのまま、扉の方へと歩いて行き、ノブへと手をかけると
「今夜も冷えそうだから、ちゃんとあたたかくして寝ろよ・・・おやすみ」
そう言って小さく手を振った。そして、サーニャもそれに応じるように小さく手を振った。
そして、扉はゆっくりと閉まっていった。
部屋に戻ると、エイラは緊張の糸が切れたのか、その場にヘタリとしゃがみこんだ。
顔全体が驚く程ほどに熱っぽく、静かな部屋が自分の心臓の鼓動だけで満たされてい
るような感覚だった。そして、今までのサーニャの部屋での出来事がもしかしたら夢
だったのではないかという疑念にもかられたが、自分の傍らにある大きめの包みを見
てそれが現実のことだったのだと改めて認識することができた。
(サーニャからのプレゼント・・・)
その包みを見るたびに、言葉にできない嬉しさが胸を込み上げてくる。
それと同時に・・・
(あぁ、何で私こんなかっこで行ったんだよ・・・、別に枕もとに置いておくだけなら、
こんなかっこする必要なかったじゃん・・・、それに部屋に来んな、なんて言ったら何か
あるって言ってるようなもんじゃないか・・・、っていうか明日どんな顔してサーニャに
会えばいいんだよ・・・)
どうしようもない気恥ずかしさに満たされ、自分の行動の1つ1つを振り返っていった。
そんな煩悶を2時間位続けたのち、ようやく落ち着いてくると・・・。
(でも・・・まぁ、サーニャに直接手渡しできたんだし・・・形が形だけど。サーニャの奴
喜んでくれたし、それに・・・)
自分の傍らのプレゼントに目を落とす。
(サーニャからプレゼントももらえたんだし、結果は上々だな)
そう考えながら、エイラはニコリと笑った。
(でも・・・サーニャの奴何くれたんだろう?)
エイラはプレゼントの方に向き直り、逸る気持ちを抑えながら、プレゼントの封を少しずつ
開けていく。そして封が解かれて露わになったプレゼントを見て、
「サーニャの奴覚えてたんだ・・・」
そう言ってクスリと笑った。そして、たまらなく嬉しくなってきた。
それは少し前のこと、サーニャと二人で夜間哨戒の任に就いていたときに
エイラがなんとなく話したことだった。
「でっ、ブリタニアのもまぁ悪くはないんだけど、やっぱりスオムスの奴の方
がいいよ、何かこう肌にくるものが違うってゆうか・・・・・・つまんなかったか?」
「ううん別に」
「そうか?でっ、だからさそのうちスオムスから取り寄せたいと思ってんだ・・・・」
「覚えててくれたんだ・・・サーニャ」
エイラの目の前にあったのは、“ヴィヒタ”と呼ばれるサウナで使うための白樺の枝の束だった。
どちらかといえばおまけの1節
朝日が昇り、エイラはサーニャからもらったヴィヒタを手に、1人サウナでくつろいでいた。
手にしたヴィヒタからは、故郷のスオムスの香りが伝わってくるような気がした。そしてふと、
(宮藤じゃないけど、もう少し女の子っぽいものの方が嬉しかったかなぁ)
手にしたヴィヒタを見ながらそんなことを考える。もちろん本心ではない。
(そしたら、サーニャから結構高かったんだぞって、文句言われたりしてな)
そんなことを考えながらクスクスと笑った。すると突然サウナ室にノックの音が響いた、
(んっ・・・誰だろう?)
「エイラさんいるかしら」
ミーナ中佐の声だった。
(中佐が何のようだ・・・?)
エイラは不審に思いながらも“いる”と返事をした。
「さっきねぁ、面白いものを焼却炉で見つけたの」
エイラは、ミーナ中佐の声を聞きながら、だんだんと背筋が冷たくなってくるのを感じた。
「それで・・・?」
エイラが尋ねる。するとミーナは、
「歌の歌詞みたいなんだけど、これが変わってて、ミーナのおばさんがどうのこうのって書いてあるの」
・・・・・・!
「っで、どうもエイラさんの字っぽいから何か知ってるかと思って」
「あっ、それはその・・・」
エイラはしどろもどろとなる。
「あぁ、別に急ぐことじゃないからいいのよ、だからサウナから出てきたら、私の部屋にいらっしゃい」
その語気には有無を言わせないものがあった。
「それじゃごゆっくり」
そうしてミーナが出ていった。エイラは魔除けのおまじないとして、ヴィヒタで自分の肌叩き続けた・・・・。
ここまで私の拙文を読んでいただけたら幸いだと感じています。本当は
クリスマス当夜に投稿したかったのですが、忘年会やなんやで出来なく
なってしまい、4日遅れのクリスマスSSとなってしまったのが残念です。
最後に、読んでいただいた方はどうもありがとうございます。
>>35 何か見覚えあると思ったらエイラスレの人かGJ!
プレゼント渡すとこの二人ににやにやが止まらなかったw
GJ
落ち担当おばさんの面目躍如ですね!
>>35 書いてくれたんだなGJ!
プレゼント付けて上げる所でニヤニヤ止まらんかったw
遅れたが前スレ埋&
>>9GJ
一日の始まりに幸せなエイラーニャと可愛いお姉ちゃん読めて幸せだw
>>35 GJ!まさに可愛いヘタレだなあw
だが隊長にはしばかれるがいいわ!
>>35 GJ!悩んだ挙げ句プレゼントに高いモノを選んでしまう辺りが実にエイラらしいw
で、それに対してサーニャは昔言った些細な一言を覚えているというね、もうたまらんね。
ところでサーニャが実は仲のいいエーリカとニコニコお話しているところを
陰から目撃してしまい一人アタフタするエイラさんはまだですか?
相変わらずこのスレは元気だな
そういやぁ、皆さん結構な給料を貰ってるんだよなぁ
たまの休暇で、買い物に行ったときとか、店員の反応とか面白そうだな
ハルトマンとか思いっきり衝動買いしそうだが
新兵の芳佳でもかなりの高級だから
もっさんとかミーナはすごそうだ
>9様
しょっぱなからGJ! ニヤニヤさせて頂きました。
>>35様
GJ! 文章に雰囲気出ていて素敵です。
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
トゥルーデ×エーリカ、どうぞ。
「エーリカぁ!」
「きゃ〜トゥルーデったら〜♪」
最近よく見る光景だ。
からかわれたトゥルーデが顔を真っ赤にしてひらひら舞うエーリカを追っかけ回す。
周りの隊員もすっかり慣れた様子で
「よくやるよナ」
「……楽しそう」
「ウニャー あたし達もやってみる?」
「いや、あれはあれで結構体力使うと思うぞ?」
適当な会話を交わしながら、二人を生暖かい目で眺めるのがせいぜい。
たまにやり過ぎでミーナや美緒から雷が落ちる事も有るが、最近はこの二人も微妙におかしいせいで、いまいちぬるい。
こんな体たらくでネウロイと戦えるかっ! とばかりに空へ揚がると人格が変わるのが501の良い所で、
ここ最近のネウロイ戦では全戦全勝、味方の負傷や撃墜もゼロ。昇り調子とはまさにこの事……なのか。
そして今日も。
「エーリカ、お前ってヤツは〜」
「うひゃ〜旦那様が怒った〜」
食後のお茶とお菓子もそこそこに、トゥルーデとエーリカの二人は何処かへと消えた。
逃げる際、エーリカはちゃっかりとお代わり用のケーキを一皿さらって消えた。
「よくやるねえ」
シャーリーが椅子に背をもたれて伸びをしながら言う。
「あの有様で……最先任で大丈夫なのかしら」
ペリーヌが口にする。
「まあまあ。ああ見えても戦いについて一切妥協しないってのは皆知っての通りだしさ」
珍しくフォローするシャーリー。
「そうですけど……ですから、余計に」
「言いたい事は分かるよ。でも、いいんじゃない。あれで結構良い気晴らしになるのさ」
「シャーリー、なに他人事みたいに〜」
ルッキーニがシャーリーの膝の上にぴょこんと乗った。
「あーそうだった。これから二人でストライカーの整備だっけか」
「そそ」
「ほいじゃあたし達もこれで」
輪の中から抜ける二人。
「中佐、あのまま放置して宜しいのですか?」
「ペリーヌさん。気持ちは分かるけど……、まあ確かに、シャーリーさんの言う通りかもね」
「最近、何げにネウロイとの戦いも多かったからな。エース二人の心労も多いだろう。
少しでも気分転換と言うか、気が楽になるなら、それに越したことはない」
指揮官ふたりのフォロー。
「そう仰るなら……」
「ペリーヌ、お前はお前のなす事をすれば良い。それだけの事だぞ? お前はきちんと気晴らししてるか?」
美緒は湯飲みを手に、豪快に笑った。
エーリカが逃げ込んだのはトゥルーデの部屋。
最近はむしろエーリカの部屋と言っても過言ではない。
トゥルーデは軽やかに逃げるエーリカを捕まえると、ベッドに押し倒した。
ぶわさっとベッドが弾む。二人の息も弾む。トゥルーデの髪が、僅かにエーリカの頬に掛かる。
「エーリカ……お前ってヤツは」
「いや〜んトゥルーデ」
「あんまり皆の目の前でだな……」
「旦那様じゃイヤ?」
「違う」
「じゃあ、ヨメで良いの?」
「もっと違う」
トゥルーデは軽い頭痛を覚えた。
ふたりは組み合ったまま、ベッドの上で問答を続けた。
「じゃあ、何て呼べば良いの?」
「普通で良い」
「トゥルーデ?」
「ああ」
「なんかそれじゃ、刺激が足りないって言うか」
「刺激も何も無いだろう! それどころか、他のヤツらの刺激になってないか?」
「そうかな」
「全く……これじゃ私達はまるでバカップルそのものだぞ」
「え? 私達そうじゃないの?」
「自覚してるなら自重せんか!」
「だって〜」
首を傾け、キスマークを見せつける。言葉に詰まるトゥルーデ。
「誰がつけたのかな〜これ。そんでもってトゥルーデにもついてるくせに〜」
まるでルッキーニみたいな悪戯っぽい笑みを浮かべるエーリカ。
エーリカを拘束する力が不意に弱まった。するりと抜けると、逆にトゥルーデを抱きしめるエーリカ。
追い詰めたつもりが、見事に罠にはまった感じになるトゥルーデ。
ベッドの上で、しっかりとエーリカに抱きしめられている。
「これじゃあ……私は、エース失格だ」
トゥルーデはぽつりと呟いた。
「何を言ってるの。エースはエースだよ?」
「ネウロイとの戦績はともかく……最近は二人揃って皆の前で醜態を……」
「醜態? とんでもない」
エーリカはハナで笑って、言葉を続けた。
「私達はエースだよ。二人してこう、愛し合ってるとことかもね」
「それは人に見せつけるものじゃないだろう。それにエースって何だ」
「言い方受け止め方はともかく、今の方が面白いよ。私的にはね」
「おいおい……」
「それに、何事も楽しまなきゃ。せめて戦いの時以外は、もっとこう、気ままにトゥルーデと一緒に居たいな」
「それは、私も同じだけど」
「でもトゥルーデったら、隊の規律だの規則だの、色々縛られ過ぎ。シャーリーも言ってたよ、もっと気楽にって」
「あいつは気楽過ぎるんだ」
「まあ、私やシャーリー程じゃないにしても、もうちょっとリラックスしないと。ね?」
エーリカはトゥルーデの耳元でそう囁くと、分かった? とばかりに耳を唇で甘く噛んだ。
びくりと身体を震わせるトゥルーデ。身体が一瞬硬直し、すぐに脱力するのが分かる。弱点のひとつ。
エーリカはその機を逃さず、ぎゅっときつく抱き直し、口吻を交わした。とても濃く、顎の奥まで鈍く響く、甘い感覚。
はあ、と息をつくトゥルーデ。舌を絡め、雫が垂れるのもお構いなしに、お互いを貪る。
「ねえ、トゥルーデ」
「ん?」
「一昨日、シャーリーと何話してたの」
「いつ?」
「二人して寒い中バーベキューしてた時」
「あれか……」
「私達、隠しっこ無しだよ?」
「分かった、言う言う。あの堅物、数日前にルッキーニの機嫌損ねたみたいで落ち込んでてさ。
少し話を聞いてた。それだけの事さ」
「なるほどね」
「……思い出したぞ。そもそも、あの原因はエーリカじゃないのか?」
「何のこと?」
小悪魔的な笑みで返すエーリカ。
「お前がルッキーニに余計な事するから……」
「あれ、ただの粉薬なんだけどね。私の部屋に有ったんだけど……何の用途かは忘れた」
「そんなもんだろうと思ったよ」
少し呆れるトゥルーデの口を塞ごうと、また熱烈なキスをするエーリカ。
「ちょっと、服、邪魔だよね」
「私も、そう思った」
二人はお互いの服を慣れた手つきで脱がすと、第二ラウンドへと突入した。
夕食前。エーリカがかすめ取ってきたケーキを二人して分け合う。
「色々すると、少しお腹減るよね」
「ああ」
クリームが頬につくのも構わず、かぶりつき、ぺろっと舌を舐め、お互いの頬も舐める。
使い魔がやる行動みたいだけど、当の人同士でやると、お互いの姿を見て興奮してしまう。
愛し合う者同士故の性(さが)か。
食べ終わると、互いの指を舐め、そのまま唇を奪う。
ケーキを食べる時よりも幸せな、ひととき。
しかし、外で微かに聞こえるストライカーの音……帰還した隊員のもの……が、次の哨戒シフトを示唆する。
次の割り当てはトゥルーデだ。
「すまん。そろそろ夜間哨戒第一シフトの時間だ」
「分かってる」
ゆるゆると手を繋ぎ、指を絡ませ、もう一度、二人して気持ちを確かめ合い、一緒にする。
二人の指に燦然と輝く、絆のしるし。
「私、トゥルーデ帰って来るまで待ってる」
「ああ、大丈夫。きっと戻る」
「何か有ったらすぐに飛んでいくからね。絶対に守るよ」
「頼む。それに、お前と私には、ほら」
トゥルーデは自分がつけている指輪を見せつける。
「お守りみたいな……いや、それ以上のものだ。これを持っている限り、絶対に私はやられない」
エーリカは柔らかな笑みを浮かべると、トゥルーデを抱きしめた。
「私もだよ」
やがてふたりは空上と基地内の遠い距離へと引き離される。
でも大丈夫。
ふたりの心はいつも一緒にある。
だから平気。
エーリカは窓から滑走路を見、暗い空へと飛び立つストライカーの翼端灯を眺めた。
指に煌めく指輪と見比べて、うん、と頷いた。
end
----
以上です。
この続きを近いうちに投下したいので宜しくです。
ではまた〜。
>>47 このシリーズのお陰でエーゲルにハマりました。ありがとうございます。
そして、ごちそうさまでした。
このシリーズ大好きです。
49 :
滝川浜田:2008/12/29(月) 22:05:27 ID:oX0Tzjz9
みなさんこんばんは。そしてお久しぶりでございます。
今日は年末用の忘年会ネタを投下します。
「えー、では僭越ながら不肖坂本美緒が、乾杯の音頭を取らせて頂きます。
えー、というワケで…」
「かんぱーい!」
「おっ、おいシャーリー!人の乾杯の音頭は(ry」
というワケで、今日は501部隊の大忘年会。
美緒が乾杯の音頭を邪魔されたり、既にシャーリーがベロンベロンだったりと始まる前からいろいろあるがとにかく始まった。
「…まったく…人の話(音頭)はちゃんと聞かんか…」
「ウフフ、まあいいじゃない、美緒。
みんな楽しそうなんだし」
「…まあ、そうだな」
「はら、美緒も飲んで」
「ああ、すまんな」
「それにしても、今年もいろいろあったわね、美緒」
「まったくだな。一年が過ぎるというのは本当に早い。
楽しい時間はすぐに過ぎていくというのは本当だな」
「ええ、本当に」
「あれ、トゥルーデ飲まないの?」
「みんなはしゃいでいるからな。誰か一人律する人間がいないとダメだろう」
「もう本当に堅物だなあ。こんな時に盛り上がらないでいつ盛り上がるのさ」
「…私はこういうのは苦手なんだ」
「まま、飲んでよ飲んでよ」
「しかし、私は…」
「大丈夫だよ、これアルコール度数は低いから」
「…まあ、それなら…」
「エイラ、顔が赤い…」
「そうカ?私はまだ酔っ払ってないゾ?
…サーニャ。サーニャこそなんか目が虚ろになってないカ?」
「なってない…なってない…私は、大丈夫です……」
(これは…かなり酔っ払ってるナ…)
「…ちょっと介抱してやろうカ?」
ボフッ
「っ…!!!!」
「エイラの膝枕〜〜〜♪」
「ササササササーニャ…////////////」
「エイラの身体…暖かい…♪」
「ブハァッ(エイラ鼻血を噴き出す)」
「芳佳ちゃん、ア〜ン♪」
「リーネちゃん、ちょっと恥ずかしいよ…//////」
「フフ、遠慮しないで♪」
「そ、そう…?じゃ、じゃあ…」
「…ど、どう?」
「美味しいよ!リーネちゃん!」
「本当に!?この唐揚げ、芳佳ちゃんの為に作ったんだよ!」
「そうなんだ!えっと、ありがとう…///」
「わ、私こそ…ありがとう…///」
「アッハハハハハハ!!!!!!
酒をもっと持ってこーい!!!!!」
「シャーリーすごーい!一人でこんなに飲んじゃうなんて!」
「そうだろ!?スゴいだろ!?
どうだルッキーニ、あたしに惚れ直したかぁっ!?」
「うん!!もう惚れ直したどころか、あたしはシャーリーにメロメロだよぉっ…////////////」
「そうかそうか!!なら、もっともっともーーっとあたしに惚れ直せよルッキーニ!!!
アッハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!!!!」
「みんなスゴい騒ぎようね」
「…よっぽど日頃溜まってたんだろうなあ…」
「坂本少佐、お酌をさせて頂きますわ」
「ああ、すまんなペリーヌ」
「いいえ、わたくしは坂本少佐のお側にいますわ。…どんな時も」
「ちょっと、トゥルーデ…飲みすぎじゃない…?」
「なんだと?エーリカ、お前が飲めと言ったんだろう?
だから私は目一杯飲んでるんだ!どうだ!エーリカ!!私は偉いだろ!?」
「うんうん、偉いからそろそろ抑えよう?トゥルーデ」
「エイラァ…(寝言)」
「サーニャ…お前…そんな無防備な姿を…(服をはだけてるし…その柔らかそうな唇…)」
「エイラ…す…きぃ…エイラァ…」
「っ…!!!!!!!!!!!!!!」
「エイラァ…」
「サーニャ…お前…誘ってるのカ…?
もしそうならさすがの私も狼になるゾ…?文句言ったって知らないからナ…!?」
「き…て…」
「サーニャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!」
「……ん…」
「どうしたの?芳佳ちゃん」
「お酒は飲んでないのに、なんか身体が熱くなって…頭がポーッとなって…」
「うわーそれはそれはたいへんだー(棒読み)」
「リ、リーネちゃん?」
「なら私が介抱しなくちゃ!
どこが熱いの芳佳ちゃん?はっきりと明確に答えて!?」
「い、いきなりどうしたの、リーネちゃん…」
「別にどうもしないよ、芳佳ちゃん。さっきの唐揚げになんかの薬を混ぜたとかそんなんじゃないから!」
「ええええええええええええええええ!!!!!」
「(お酒のビンをマイク代わりにして)
♪〜ルッキーニ―――――!お前の事が大好きなんだぁー!愛してるぅー!」
「シャーリー!大胆過ぎるよぉー///////でもステキ―――!!!!」
「あたしの愛は止まんないぜぇー!!!!!!!!!!」
「シャーリー!あたしを抱いてぇー!」
「よっしゃ、抱いてやる!お前を抱いてやる!
今からシャーロット・E・イェーガーはフランチェスカ・ルッキーニを抱きまーす!邪魔したヤツは正義の銃弾をお見舞いするからなー!」
「…す、すごいわね…」
「思った以上のカオス状態だな、コレは…」
「ああっ、坂本少佐ぁっ…!」
「どうした、ペリーヌ」
「わたくし、酔ってしまったみたいですわ〜〜〜♪」
「…お前、一口もお酒なんか飲んでないだろ」
「いいえ!わたくしは坂本少佐!いつも貴女に酔っ(ry」
「クリスゥ―――――!!!!
お姉ちゃんは頑張ってるぞぉー!いつか絶対に結婚しようなぁ!!!
クリスは私の妹であり嫁だぁ―――!!!!」
「違うもん!トゥルーデの嫁は私だもん!!!!」
「エーリカ!!私とクリスは結ばれる運命なんだ!悪いが諦めてくれ!」
「イヤだぁぁぁぁ!!!
トゥルーデは私の婿!!だもん!!」
「知るかぁ!クリスゥ―――――!お前を愛してるぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!
私はクリスと××××したぁ―――――――い!!!!!!」
「あたしはトゥルーデを愛してるぅぅぅぅぅぅぅ!!
あたしはトゥルーデと溶け合いたぁぁぁい!!!!」
「…サーニャ…もう…勘弁して欲しいんだナ……」
「エイラ…すき…」
(なんで私が逆に押し倒されてるんダ………………?)
「エイラ…すき…すき…すき…すき…すき…愛してる……♪」
「ああっその笑顔は反則だあ、サーニャ……って痛たたたたたたたた…!!!
耳噛むなぁ!」
「エイラの耳…すき…♪」
「ちょっ…サーニャ…!くすぐったいダロ…ちょっと、サーニャ…ッ…!!今度は舐めるナッ…!//////」
「エイラの耳……♪」
「ウワワワワワワワワワワ―――――――――――――――――ッ!!!!!!」
「薬はさすがにマズいよ、リーネちゃん!!」
「いや心配無いよ、芳佳ちゃん!!
そんなの私達の愛の前では障害にすらならない事だよ!」
「話が通じてないよリーネちゃん!」
「だからね、芳佳ちゃん」
「って何ズボン脱がしてるの!?」
(うう…力が入らない…)
「芳佳ちゃん!」
「な、なに…?」
「芳佳ちゃんをいただきまーす♪」
「ちょっとリーネちゃん…!やるなら別の場所でやろう…?ね、リーネちゃん…!」
「私は止まらないよぉ―――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃああああああああああああああああ―――――――――!!!!」
(シャーリーはルッキーニを“抱く”為一時退席中)
「………………美緒、これは……」
「……私達は大人らしく飲もう。…な」
「ああ、坂本少佐ぁ…わたくしはもう貴女に酔(ry」
―――――――――――――――――――
翌日
「みんな、おはよう!」
「美緒、大変よ」
「どうした、ミーナ」
美緒の視界に入ってきたのは昨日の忘年会で暴走した挙げ句、二日酔いで死々累々とした隊員たちの姿だった。
「…頭がガンガンする……元はと言えばエーリカ…お前が悪いんだぞ…」
「私はちゃんと酷くなる前に止めたよ……。暴走したのはトゥルーデじゃん……」
「…なあ、サーニャ…昨日の事は覚えてないのカ…?」
「………覚えてない………」
「リーネちゃん……酷いよ…あんな所で無理矢理……」
「…ごめんね…芳佳ちゃん…私どうにかしてたみたい…ごめんね…」
「うぁ……吐き気する……気持ち悪ぃ……飲み過ぎた………」
「フニュ〜〜〜〜……目が回るよぉ、シャーリー………」
「坂本少佐…どうしますか…?」
「…………………」
そして、美緒の呆れきった溜め息と共に、一日休みが宣言された。
そしてその日、皆は学習した事が一つあったという。
“お酒は飲んでも、飲まれるな”と。
END
56 :
滝川浜田:2008/12/29(月) 22:18:39 ID:oX0Tzjz9
以上です。
…なんだこりゃ…
年の瀬にこんなワケわからんSS投下してすいません。
…では、爺はここら辺で…
愛の嵐が渦巻いてますねGJ! シャッキーニ退席早いよ!
サーニャは実は覚えていると見ましたw
じっちゃんGJ
もう年末だなぁ
>>56 こういうカオス大好きです。GJ!
だがおねえちゃん!それはいけない、早まるな!実の妹にそんなことw
そしてペリーヌの扱いの潔さがたまらんかったw
サーニャかわええ!
そしてペリーヌw
4巻のジャケットをいまだにニヤニヤ見てる俺は変態だ
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
>>56御大
GJ! カオス過ぎて吹いたw 流石です。
さて、保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
トゥルーデ×エーリカで
>>45-47「butterfly」の続き、
「energy clock」どうぞ。
かちこち。
こつこつ。
かちこち。
ちくたく。
エーリカの部屋に置かれた無数の時計。
時を刻む音が、互いに反響し合い、増幅させる。
こんな落ち着かない空間の中で眠れる訳がない。
元はと言えば遅刻魔のエーリカの為にとトゥルーデやミーナ、妹のウルスラが贈ったものも合わせて
無数に時計が存在しているのだが、実際のところ目覚ましとなり得るものは殆ど無く、
逆にぜんまいや電池が切れて時計そのものの機能が止まってしまったものも少なくない。
そして現在、エーリカはこの部屋に殆ど立ち寄らない。
いつもは愛しの人、トゥルーデの部屋で一緒に寝起きしているからだ。
この部屋には、たまに荷物を取りに来る位になってしまった。
言うなれば「物置」。
トゥルーデと一緒なら、寝坊しそうになっても起こしてくれる。起こし方は結構乱暴だけど。
トゥルーデと一緒なら、眠りにつけない時でもずっと横にいてくれる。たまに本気で寝かせてくれないけど。
トゥルーデと一緒なら、部屋を移動する事なく、いつでも愛しの人と触れ合う事が出来る。身も心も。
部屋の主が殆ど立ち寄らなくなった部屋はますます荒れ果て、物置とすら形容しがたい一角になってしまった。
トゥルーデが夜間哨戒の前半シフトについて一時間後。
エーリカは暇を持て余してトゥルーデの自室でごろごろと転がっていた。
トゥルーデの日記を読んでニヤニヤしたり、トゥルーデがメモした戦闘記録を読んで空戦の参考にしたり、
クリスに書きかけの手紙を見てこれまたニヤニヤしたり……
クリスとトゥルーデの写真が収められた小さな写真立てを見て、溜め息を付いたり。
……なんで私、今溜め息が出たんだろう。エーリカは自問した。
クリスはトゥルーデにとっても、そして同じく妹(双子だが)を持つエーリカにとっても大切な存在。
トゥルーデにとって、クリスは戦う理由そのものだから。今はちょっと違う様になっているけど。
だからあの“おカタい”ウルトラエースには、妹の存在は欠かせない。
だけど。
トゥルーデがクリスに向ける柔らかで、時として力強い笑顔は、見ていて元気付けられるけど、
エーリカにも同じ顔は、しない。
当たり前だ。本当の家族と恋人では違って当然。
だけど。
分かっては居るけど、心の内側と外側の狭間で、ちくちくと痛む何かが有る。
分かってる。そんなの、ただの見当外れの嫉妬。
「……馬鹿なの」
エーリカは口に出して、写真立てを戻すと、ベッドに横になる。
トゥルーデはこう言う時どうしてるのかなと考えを巡らし、思い出す。確か「指輪を見る」と言っていた。
同じ輝きを見ると、どうの、と言っていた。
エーリカは指輪を見る。少し濁っていた。そう言えば手入れとかあんまししてなかった事に気付く。
常に綺麗にしているトゥルーデが見たら怒るかも。
エーリカは自室へ戻り、柔らかい布を探しに戻った。
部屋に戻る。久し振りの“我が家”……と言うよりゴミ置き場だねこりゃ、と苦笑いするエーリカ。
ベッドの上にまで本やら酒瓶やら服が散らばっている。
また一緒にトゥルーデに掃除手伝って貰わないと、と呟く。
本当はトゥルーデが殆ど全部やってくれているのだが、エーリカはその辺あんまり気にしない。
こんな部屋に綺麗な布なんてあるのかな、と辺りを探す。
適当な布を見つけ、引っ張る。上に積んであるモノの“山”が、がらごろと崩れた。
布の正体はズボンだった。ああ、こんなとこにあったのか、と目の前にぶら下げてみる。
しかし、流石にズボンで指輪を拭く訳には行かない。
他には……探していると、突然背後で時計が鳴った。びっくりして振り返る。
崩れた山の中から「出土」したものだ。その発掘品を手に取る。
箱形でゼンマイ式。サイズも手頃。でもぜんまいは巻かれていないのに何故鳴ったのだろう?
崩れたショックで鳴ったんだろうか。
まじまじと時計を見る。
ブリタニア製と思しきその時計は……、トゥルーデがくれたものだと確信する。
理由は……時計の裏に「愛しの人へ」と書かれていたから。
エーリカは布の事はすっかり忘れ、時計を片手にトゥルーデの部屋へと戻った。
トゥルーデが夜間哨戒から戻ってきた。後半シフトはペリーヌが引き受ける。
最近は夜戦要員のサーニャの負担を減らし、また皆を夜間哨戒に慣れさせる訓練も兼ね、
夜間シフトを半分ずつ交代させると言う変則的シフトをミーナは提案し実行していた。
そんな訳で、真夜中……時計の短針がちょうど十二の字を過ぎる頃、前半組は基地に帰還する。
少しうとうとしていたエーリカはトゥルーデの帰還を喜び、まずはお帰りのキスを交わす。
ひとしきり変わらぬ気持ちを確かめた後、改めて愛しの人に声を掛ける。
「ねえねえトゥルーデ、綺麗な布無い?」
「布? 何に使うんだ?」
「この指輪、少し汚れた気がして」
「……なら、これを使え」
トゥルーデはいささか幻滅した様子で布きれを差し出した。折り目も綺麗なガーゼだ。
エーリカはそれを受け取ると、指輪を無心に拭き始めた。
「あんまり力入れるなよ。歪んだり傷付いたりするから」
「分かってるって。これ高いんだよ?」
「高い事は知ってる。でもあえて値段は聞かない」
答えを聞いてふふ、と笑うエーリカ。
トゥルーデは、ベッドの脇に置かれた時計に目が行った。
「あれ、この時計どうした? 何故私の部屋に?」
「私の部屋から出てきた。と言うか呼ばれた」
「呼ばれた? なんだそりゃ」
「ぜんまい切れてたのに、私の事呼んだんだよ。だから連れて来た」
「……これはお前の為に私がロンドンで買ったものだぞ」
「覚えてるよ。だから」
「まったく」
「トゥルーデ、私の代わりにぜんまい巻いてよ」
「贈った私が巻くのか?」
「そうしたら、私、朝起きられる様になると思う」
「ホントか?」
「だってトゥルーデが私にくれたものだよ?」
「なら……わかった」
ぶつくさ言いながらもきりきりとぜんまいを巻くトゥルーデ。
「時間もセットした。これで万全だ」
「お疲れ様」
エーリカが拭いていた指輪も綺麗になり、指にはめ直す。
「どう? トゥルーデのと輝き具合変わらないよ。一緒だね」
「ホントだ」
二人して指輪を付き合わせて、ふっと微笑む。
ふわわ、とあくびがでるエーリカを見て、トゥルーデが声を掛ける。
「先に寝てて良かったのに」
「トゥルーデ寝て待ってなんていられないよ。起きてたい。何か有ったらすぐ飛んでいけるように」
「ありがとう」
「それに、起きてないと、二人で居られる時間が減る気がして」
「まあ、な」
トゥルーデの髪の結び目をそっと外すエーリカ。髪が降り、肩と首に掛かる。
エーリカはトゥルーデを抱きしめながら、片手でその髪をすくいあげ、匂いを嗅いだ。
トゥルーデ愛用のシャンプーの香りがする。報告もそこそこに、急いで浴びてきたのだろう、
シャワーの残り香と一緒にトゥルーデの身体本来の匂いも微かに漂う。
「急いでたから、少し臭いが残ってる」
「トゥルーデの匂い〜」
エーリカはひとしきり嗅覚でトゥルーデを楽しむと、今度は触覚とばかりに肌を密着させ、
味覚とばかりに口吻を交わす。トゥルーデもいつもの事とばかりに、濃密なものとなる。
たれる雫を舌で絡め、首筋、鎖骨へと這わす。深い交わりになるのに時間は掛からなかった。
「遅刻だよ……」
エーリカは目覚まし時計を見て呟いた。トゥルーデの顔を見て、確認する。
「私は止めてないよ?」
横であたふたと支度をするトゥルーデが顔を赤くして言い訳した。
「すまん。つい癖で……」
「トゥルーデ、起きたら私も起こしてよ? 何で時間過ぎても私達一緒に抱き合って寝てるの?」
「つい、その……」
「目覚まし鳴らなかった?」
エーリカの問に対する、トゥルーデの意外な一言。
「私が、止めた」
「ええ〜」
「もっと、お前と、その……まあ、とにかく急ごう」
トゥルーデはもじもじと言い訳をしながら、服を着た。
でも良いよ。きっと今夜も、トゥルーデは時計のぜんまいを巻いてくれるだろう。
今度こそ、私が先に起きたら……トゥルーデの事を玩んでやるんだ。“やられっぱなし”はちょっと悔しいからね。
エーリカはちょっとした決意を秘め、時計に軽くぽんと手を付くと、トゥルーデの頬に口吻した。
「行こう」
「ああ」
二人は手を取り、部屋から掛け出した。
いつもと変わらぬ、朝の風景。
でも少し違うのは、目覚まし時計のあるトゥルーデの部屋。
贈り主と持ち主が一緒に過ごすその部屋で、目覚まし時計はぜんまいが巻かれ、
“とき”を知らせる役割を引き受ける。恐らく、それ以上の事も。
エーリカにとっては、トゥルーデとの間に出来た新たな刺激のひとつ。
時計ひとつで、毎朝が楽しみになる。なんて素敵な事だろう。
エーリカは急ぐトゥルーデの腕を取り、微笑んだ。
真意は判りかねたが、トゥルーデもエーリカの楽しそうな表情を見て、穏やかな笑みを返す。
目指す部屋はもうすぐ。二人は足を速めた。
end
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以上です。
DVD資料集見てネタを思い付きました。
ではまた〜。
こんにちは
色々感想ありがとうございました
結局張り切って続きを書いてしまいました
4巻発売までの妄想ですが、お付き合いください
いらん子のビューリングとウルスラで7レス
*例によって、ここから読んでも意味わからないです
寒い時期のスオムスは氷点下の日が続く。だから起き上がる努力が人肌の温もりに溶けてしまうのは仕方ないのだと、ビューリングは誰にともなく言い訳する。ちらりとまた壁掛け時計を確認し、そろそろ限界かと未練を振り切った。
「…今日はまた、一段と冷えるな」
「うぅ…ん……スー、スー」
ブランケット内の温もりが逃げていく。代わりに忍び込んできた冷気に身震いし、まだ夢の中にいるウルスラは暖を求めてもぞもぞと移動した。上体を起こすビューリングの腰に腕を巻きつけて熱源を確保する。
「お前がそうすると動けないんだが…朝だぞ、起きろウルスラ」
ひっつき虫になっている少女を揺すれば、それを嫌がってブランケットの奥へ潜っていく。こんなに寝起きの悪い奴だったかと首を捻り、まあ今は本調子じゃないからと流した。とりあえず離れてくれたので、その隙にビューリングはベッドを抜け出す。
「うぅん…う〜…」
唸り声をあげるブランケット。どうやって引っ張り出そうかと顎を撫で、はたと我に返った。何故自分がそこまで気にかけてやらねばならないのか。
理不尽さからちょっとした悪戯心が湧き、手近にあった紙とペンを取ってさらさらと走り書く。
『お前の眼鏡は預かった。返してほしければ食堂まで来い』
紙をサイドボードに置くのと引き換えに華奢なフレームを掴む。壊さないようにそっと内ポケットにしまうと、ビューリングはブランケットの固まりを部屋に置き去った。
食堂の入り口横に仁王立ちしている黒髪美人、りんと背を伸ばして腕組みするのは扶桑海の巴御前こと穴吹智子である。宙を睨みつける精悍な顔はネウロイを相手にする歴戦ウィッチそのもの。
「いい、智子? もう一度繰り返すわよ。あいつがやってきたら昨日の勝手行動を隊長らしく叱るの。
だってあいつったら淫行するし、即効ばれて営倉入りになるし、そのくせ飄々と出てくるしっ。色恋なんて興味なさげにスカしてたくせに突然純愛だとか、もうもう信じられない!
だから私はビシッとこう言うわ。義勇独立飛行中隊の隊員として恥ずかしい行動は慎みなさいって。あいつはきっと迷惑そうな顔をして返事もしないだろうけどここできちんと言い聞かせておかないと」
「……お前、さっきから一人で何をぶつぶつ言ってるんだ?」
「――――――っ?!」
突然かけられた声に1mほど垂直ジャンプ。ギギギッと軋んだ音をたてて智子は顔を向ける。
「ビュ、ビュビュビュっ」
「ビュッフェだろ? 早く入らんと残り物になるぞ」
あわあわする肩を叩き、ビューリングは悠々と食堂の中へ。その背を見送った智子は、頭から音をたてて湯気を噴き出した。雲を踏むような足取りで後に続こうとした体が、後ろから伸びてきた4本の腕に絡め取られる。
「きゃあっ! な、なによハルカ、ジュゼッピーナ? あんっ」
両耳にねっとりとした感触。思わず高い嬌声を上げてしまった智子の顔に朱がのぼる。
「智子中尉は言いましたよねぇ。私はノーマルよって」
「英雄色を好むってことで私は気にしませんけどぉ〜♪」
耳の産毛を代わる代わる刺激され、妖しい戦慄にぷるぷる震える小動物のような人。色っぽく悶えながら廊下をずるずる引き摺られていくその姿に、扶桑のエースの面影はなかった。
うようよいる基地隊員の間をすり抜け、持ったプレートに熱々の料理を盛っていく。
「ぐっもーにん、ビューリング! オーゥ、食欲旺盛ねー」
「…お前に言われるとは心外だ」
早速うるさいのに見つかったと、ビューリングは肩をすくめてやれやれ。キャサリンは豪快に笑うと、おかわりを求めて人だかりに突進していった。
空いたスペースに陣取ってブラックを味わっていると、ビューリングの顔色を窺うようにしてエルマが隣にプレートを置く。咎められたわけでもないのに常にびくびく、それは彼女生来の気質なので仕方ない。
「あっあのビューリング少尉、ウルスラ曹長は一緒じゃなかったんですか?」
朝の挨拶もすっ飛ばして尋ねるエルマ。臆病なのは人一倍、そして仲間想いなのも人一倍である。
ビューリングは不覚にも口の端を持ち上げてしまい、咄嗟にくわえたタバコでそれを隠す。
「ああ、あいつなら」
「ビューリングっ!」
突然の大声に食堂が静まり返った。すわ何事かと全員が入り口を見やると、カールスラントの軍服を纏った少女。
この基地にその軍服を纏う人物は一人しかいない。だけども、皆は間違い探しするような不思議な感覚に陥る。
「こっちだ、ウルスラ」
微妙すぎる空気の中、ビューリングは軽く手を上げて居場所を示した。それに気づいたウルスラは、食堂中の注目を浴びながら居並ぶ人々の隙間をぬって進む。
「やっと目が覚めたのか?」
「眼鏡、返して」
ビューリングの揶揄を無視し、ウルスラはそう言って手の平を突き出した。
その言葉を洩れ聞いた衆人が「それだっ!」っと一斉に手を叩く。もやもやとした疑問が解けると、一瞬で元の騒がしい朝食の場へ戻っていった。
「ちょっと待ってろ…ほら」
ウルスラは手渡されたフレームを開いてすぐに装着する。そうして人心地つくと、ほんの僅かに唇を尖らせた。
「どうして、こんな事を?」
「お前がいつまでも起きないからだ」
さも当然とビューリングは悪びれずに告げる。しかし、これまでウルスラは寝起きの悪さを指摘された事などない。
「嘘。大人げない」
「言ってろ」
「あ、あの…喧嘩するほど仲が良いと昔から言いますが、私としては普通に仲睦まじくしていただけた方が」
淡々と言い合う近くで無関係なエルマがおろおろ。泣き出しそうな中尉に気をそがれ、二人同時に口を噤む。
「「 ……………… 」」
しばし無言で見つめ合ったのちプイッと顔を背け、ウルスラはビューリングの前にあるプレートを強奪する。
まだ手をつけていないそれを横取りされ、運んできた当人はタバコをふかして苦笑い。カップに残ったブラックを飲み干すと、テーブルに山と積んであるパンを二つ手に取り食堂を後にした。
「ぐっもーにん、ウルスラ! オーゥ、ユーも食欲旺盛ねー」
ビューリングがいた場所に立つキャサリンをちらりと見上げ、ウルスラは特に何も返さず黙々と食べ物を咀嚼する。陽気なキャサリンは反応がなくてもめげたりせず、なんだか困り顔のエルマを不思議そうに見やった。
「エルマ中尉どうしましたかー? お腹減ってないならそのプディング、ミーが美味しくいただきねー」
「はあどうぞ…え、えっとそのウルスラ曹長、ビューリング少尉を追わなくていいんで―――っひい、ごめんなさい!」
眼鏡が光った気がして思わず謝るエルマ。当のウルスラは押し黙ったまま山盛りのプレートを着々と攻略する。普段はあまり量を食べない彼女にしては珍しい。
その食べっぷりを見て自分も負けじともりもり食べ、お腹一杯になったキャサリンはふと疑問を口にした。
「そういえばビューリングはどこ行ったですかー? おかわりの列にはいなかったですよー」
「そ、それがですね、コーヒーを飲んでパンだけ持って出て行かれまして…」
今はあまり触れないでと目配せを送るエルマ、ぱちぱちした大きな目を示された方向へ向けるキャサリン。ウルスラは山盛りだったプレートを全て完食し、カップポタージュに口をつけている。
「オー、イエス! そのプレートはウルスラのために取ってたのだわねー。ポテトばっかりだからおかしいと思ったのよー」
「えっえええええーっ、そうだったんですかああぁ?! あっでも言われてみればあの人、ポタージュとか口にされませんものね」
謎は全て解けたとハイタッチをかわし、乙女たちはきゃあきゃあ大騒ぎ。二人は騒々しくする一方で黙り込む少女をそぉっと観察した。
眼鏡がポタージュの湯気で白く曇り一時的な目隠しになっている。しかしほんのりと色づいていく頬はどうしようもなく、顔を見合わせた二人は声をたてないようにこっそり微笑んだ。
ベンチに積もる雪を無造作に手で払い、ビューリングは腰を下ろして白い息を吐く。建物が冷たい風を遮ってくれるので幾分体感温度はましである。足元から太い木の枝をニュッと差し出され、視線をやれば千切れんばかりに尻尾を振る小型犬。
「餌やりの後は遊べ、か。使い魔らしくない奴だなお前」
使い魔がしっかりとくわえた獲物を取り上げ、特に予備動作もなく広い中庭の奥へ放り投げる。さすがウィッチというべきか、常人の全力投擲より遥かに遠くまで枝は飛んでいった。
「行け!」
矢が放たれたように一直線に駆けていく黒い影。短い手足ながらも意外に走るのが速く全体的に筋肉質、ダックスフントは元々猟犬であったので獲物を拾って主人に届けるのが大好きだったりする。
雪を蹴立てて走るさまを遠目に眺めて小さく笑う。懐から取り出したタバコに火をつけて一服。
なんとはなしに隊舎を見上げると、ガラス窓が朝日を反射して非常に眩しい。まるであいつのレンズみたいだと目を細めてふと、先ほど感じた違和感の正体は何だったかと顎をつまむ。
「……早すぎるぞ。ゆっくり考える暇もない」
溜め息をついて思考を中断、ハッハと息をする己の使い魔から枝を受け取る。じっと見つめてくる瞳に苦笑し、小さな頭に手を伸ばして労をねぎらった。
「ほら行ってこいっ!」
振りかぶって投げると、今度はもっと大きな弧をえがいて消えていく。元気いっぱいに駆けていく小さな影を見送り、ビューリングはタバコを燻らせて考え事に没頭した。
「ウルスラ、ユーの初めてはやっぱり痛かったですかー?」
食後のまったりした時間に、とんでもない爆弾が投げ込まれる。投げたキャサリンはなんでもないふうを装い、テーブルにあったコーラに栓抜きを当ててシュポンッ。
「ちょ、ちょっとキャサリン少尉、そういった生々しいインタビューはっ」
顔を上げたウルスラが口を開くより先に、顔を真っ赤にしたエルマが割ってはいった。窘められたキャサリンはコーラを全て飲み干し、肩をくいっと上げて屈託なく笑う。
「オー、ソーリィ。でもエルマ中尉だって興味津々ねー」
「そ、それはまあその。まだ、は私達だけになってしまいましたし」
キャサリンの切り返しにうろたえ、エルマはあたふたと無意味に食器を重ねたり戻したり。年上二人の会話を聞き、ウルスラは不思議そうに首を傾げた。
「二人とも、まだ?」
簡潔すぎる言葉に二人は顔を見合わせ、情けなそうに肩を落とす。こういった経験の有無を年下の少女に聞かれるとせつない。
そんな様子をどう受け取ったのか、ウルスラは無表情に何度か瞬いた。
「遅い人もいると教本に書いてた。心配ない」
「ウルスラは勉強家ねー。そんな本まで読んだのですかー?」
大きな目をさらに見開き、オヘアはずいっと身を乗り出す。カールスラント軍人のモットーは『全てを教科書から学ぶ』らしいから、そっち系の教書もあるのかもしれない。
問いかけに軽く頷いて肯定を示し、ウルスラはさらりと言い放つ。
「手技の参考になる。あとは改良を重ねて」
「しゅ、手技? 改良って?! そんなに急いで大人の階段を上らなくてもいいじゃありませんかああぁ!」
最近のウルスラのモットーは『知識より実践』、それを知っているエルマは自らの許容を超えた事実に泣き叫ぶ。
融通の利かないところがあるウルスラは、こうと決めたら絶対ほかの意見に耳を貸さない。上官であるエルマに泣かれようと勿論それは同じであった。
「段々慣れるとビューリングも言った。これからずっと付き合っていくんだからって」
一応の補足として言い募るウルスラ。しかし輝かしい人類の英知は常に戦って勝ち取る事で得られてきたのだ。研究者の端くれを気取るならば、ここでただ流れに身を任せるなど愚の骨頂である。
「オー、ノーゥ、ミーは今とても恥ずかしいよー! ビューリングったらアウトローの皮を被ったナイトウィッチだったのねっ」
「あ、あの寡黙なビューリング少尉がそう言ったんですかぁ?! あらどうしたのかしら、私が言われたわけじゃないのに動悸が」
オヘアとエルマは真っ赤な顔を覆ってくねくね。
身悶える仲間に不審を感じながらも、ウルスラは特にそれ以上深入りしない。己の発言こそが大いなる誤解の種だと露にも思わず、視界の端に入ったウイスキーの小瓶をじぃっと眺めていた。
「ねえ智子中尉ぃ〜、もう素直に認めたらどうですかぁ? 自分はレズの色狂いなんだってぇ」
「だっ、だぁれがそんな事…っあん、やっやめてハルカ、そんなとこ摘んだりしちゃいやぁ」
「むふふ〜健気に耐えるトモコ中尉も素敵ぃ♪ そうするとここをこうして、こんなのはどうですかぁ〜?」
「ふあああぁっ! 駄目よジュゼッピーナ。私、私おかしくなっちゃうっ」
智子の自室にむんむん漂う甘い芳香、へびのように相互に絡み合う3人は恍惚の表情。密室に消えた彼女たちは朝食もとらずに快楽の虜となっている。
窓の外に見えた人影に新しいプレイを思いつき、ジュゼッピーナは寝台に伏せて喘ぐ人物を引き起こした。素っ裸の智子を後ろから支え、片手でついっと中庭を指差す。
「…あそこ、わかりますか? ほら、あのベンチですよ」
「えっ、あそこ・・・? あれって―――ビューリングっ?! きゃっ!」
朦朧とする意識のさなか、旧知の仲間の姿をみとめて智子は小さく叫んだ。窓から離れようとした体は責められ続けて足腰が立たず、ぐらついた肢体を反対側にいたハルカがすかさず支える。
「丁度良かったですねぇ。これではっきりしますよ。智子中尉の本当の姿が」
「ち、違うもん。私はノーマルだもん。だって私は扶桑海の巴御前で」
「ならこんな事あるわけないですよね〜。同性に見られて興奮する、な・ん・て」
「あ、当たり前…そんな事、誰が―――あふんっ!」
ふと顔を上げたビューリングに反応し、智子は高い声を上げる。あの位置から見えるのかは実際わからないが、痴態をさらして喘ぐ己を意識するともうどうにもならない。
「まあ憎らしい。灰色銀髪の偏屈島国女にこんなにも御執心だなんてっ」
「いい加減認めてしまいましょうよ。そうすれば夢の国にいけるんですからぁ〜」
左右から挟みこみ完全に身動きを封じる。嫉妬にかられるハルカと快楽主義のジュゼッピーナは責めの手を緩めない。
「そ、そんなわけない…あんっ…私、レズじゃない…っん…私…は……んてなんとも思って、ない」
悶え狂いながら智子は否定を口にする。うわ言のように唱えられる言葉と裏腹に、その体は今までの被撃墜記録を大幅に塗り替えた。
玄関ポーチから外へ出ると、ウルスラは眼鏡を正しい位置まで押し上げてぐるりを見回す。先に立ち寄った部屋から見えたとおり、探し人は木製のベンチでタバコを燻らせている。長い指に挟んだタバコの灰が落ちそうだった。
ぼんやりとしている横顔に足が止まり、その場からじっと様子を観察する。すると勢いよく走りこんだダックスフントが真っ直ぐ主人に飛びついた。小型犬をいなす仕草にどこか既視感を感じていると、気配に気がついたのかバツの悪そうな顔が振りむく。
「何か言え。気づかないだろ」
「それは、あなたも同じ」
ベンチ脇まで歩み寄ったウルスラの第一声に、座ったままのビューリングは訝しんで眉を寄せた。
「起床の事か? ちゃんと声はかけだぞ」
「…ポテト」
それを聞いてやっと、ビューリングはウルスラの言葉の意味を理解する。素直とは縁遠い彼女はわざとらしく両肩を上げ、指に挟んだタバコを深く吸い込んだ。良いごまかしが思い浮かばないなら、すっとぼけてしまえと。
「さあて何の事だか」
「捻くれてる」
8歳も年下の少女にびしっと指摘され、ビューリングはらしくなくポーカーフェイスを崩す。むっとした表情でくわえたタバコを噛み、膝の上に乗せた足に肘を立てる。
「お前ほどじゃないだろ」
「論点ずらし」
「ずらしてない。あと、一言で返すのはやめろ!」
相手は10歳の子供だという認識がポーンと飛んでいき、ビューリングは膝を叩いて声を荒げた。
ウルスラの抑揚ないとつとつとした話し方は誤解を招きやすい。そして一言返しは時によってかなり人を苛つかせる。
「図星だから、怒ってる」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ! 怒ってない! これが普通だっ!!」
吸ってはいて、吸ってはいて。ビューリングはもくもくと煙をふかせて怒鳴る。使い魔は主人の剣幕に尻尾を垂れておろおろ、心配げに二人の間を行ったりきたり。
足元をちょろちょろする小型犬を目で追いかけ、ウルスラは更に言葉を募った。
「大人気ないし、意地も悪い」
「今さらだろ! っていうかお前なにを」
「でも、とても優しい」
いきりたって立ち上がったところにカウンターをくらい、ビューリングはポカンとして口を開けた。十分に短くなったタバコが白い雪面へ落っこちる。
ウルスラは俯いたまま顔を上げない。ビューリングは眼鏡の下の頬が薄く染まっていくのをただ呆然と見やり、足元からのキューンという鳴き声に我に返った。
「ようするに、お前はそれを言いにきたのか?」
「…………」
沈黙イコール肯定。口をへの字にして不器用に沈黙するウルスラに、ビューリングは腹を立てた自分自身がおかしくなる。それは心の琴線に触れ、生まれた衝動は次第に体中に広がっていった。
「回りくどいだろ。わざわざ喧嘩までふっかけて」
「早とちりしたのはそっち」
「そっちって、おま…もう、だめだ―――っぷは」
珍しく、本当に久方ぶりに、ビューリングは声を上げて笑う。顔の下半分を片手で覆い、目尻に涙まで浮かべて。
一方そんなふうに笑われてしまったウルスラは当然面白くなく、こちらも珍しく拗ねたような顔をして両手をギュッと握り締めた。いつまでも笑いやまないのを見て取ると、しゃがみこんで足元の雪を拾い固め投げつける。
「わっこら何を…っぷ、くくく……やめろって、おい」
「〜〜〜〜〜〜!」
射撃能力の低いウルスラの雪球は笑いながらあっさりよけられる。素直に当たらない的にカチンときたのだろう、雨あられと投げられる玉からビューリングは回避運動を駆使して逃げ惑った。
「ふぅ〜やれやれ。お前のおかげで体は温まったが、こんな寒い日は酒でも煽りたいな」
二人並んでベンチに腰掛けて休憩。健康的な疲労感に身を委ね、内側から火照る熱を北欧の大気にさらす。ウィッチは自前の魔力がカバーしてくれるので、過酷な環境下においてもある程度までなら適応できる。
「…お酒なら、ここにある」
「ウイスキーなんてどうしたんだ? お前の年なら渡してもらえないだろう?」
ウルスラが差し出す小瓶を受け取り、ビューリングは不思議そうに首を捻った。各国により飲酒の規定は様々でウィッチの規則は緩い方であるが、さすがに10歳の飲酒はどこの部隊も認めていない。
「キャサリンとエルマ中尉が交渉した。アホネン大尉も」
「なんなんだその面子は」
「知らない。どうでもいい」
「それもそうだな。ありがたくもらっておこう」
影で発足した応援団に強力な援軍が加わったとは露知らず、二人は特に深く追求することもなく話題を流す。この中庭でのやりとり一切合財をとっくり見られ、くねくね悶えられていると知ったならば対応も変わってくるのだろうが。
封を切って一気に瓶を煽ったビューリングに小さな手が伸びる。それに気づいた彼女は咄嗟に瓶を遠ざけ、残った片手でウルスラの肩を押さえた。
「おっと…待て待て、子供にはまだ早い」
「もう子供じゃ、ない」
「強情っぱりも程々にな。ほら行くぞ」
「…………」
沈黙を無視してさっさと瓶の封をし、ビューリングは腰を上げる。玄関に向かって数歩歩いたところで後ろを振り返った。
「なんだ来ないのか。ホットミルクにウイスキーを数滴垂らすと美味いんだがな」
「……?」
「まあそれくらいなら許されるだろうさ。体も温まるしな」
そう言って口の端を上げるビューリングの足元に、小さな使い魔が駆けていく。尻尾を千切れんばかりに振り、信頼と親愛を表して。
立ち上がって歩を進めたウルスラの頭にポンと手が置かれる。そして無造作に髪をくしゃくしゃ。
とても温かく感じる手のひら。あの既視感はこれだったのかと、ウルスラは制御を失っていく鼓動を放置して他人事のように分析していた。
「ぶるぶるっ、今日は寒いですねー。フゥン? ミルクの良い香りがしまーす」
「あら私もそれにしようかしら。キャサリン少尉も同じでいいですよね」
静かな空間が一瞬にして破られる。冷たくなった手を擦り合わせながら入ってきた二人は、窓際に向かい合って座るウルスラとビューリングに気さくな笑みを向けた。
もっともウルスラは開いていた本から顔も上げず、ビューリングも粉雪降る窓の外を眺めたままなのだが。しかしそんな不愛想には慣れたもの、ホットミルクを入れたカップを手にオヘアとエルマは隣のテーブルに腰を下ろす。
「ビューリングはお酒ですかー? 食べずに飲んだら体に悪いってダディが言ってたねー」
「そんなにヤワじゃない。水みたいなもんだ」
目を丸くするオヘアにビューリングは酒の強さを誇示する。対面にいるウルスラは山盛りだった氷がすっかり溶けたグラスにぼそり。
「見栄っ張り」
「……何か言ったか?」
「別に」
ウルスラは聞きとがめる声を受け流してページを捲る。片手でカップを取り上げ、ウイスキーを垂らした温かいホットミルクを一口。
「これ町で買ったスモークチーズなんです。美味しいって評判なんですよ。食べてみてください、ビューリング少尉」
「ん? ああ―――これは確かに美味いな、エルマ中尉。酒のツマミに丁度いい」
「そうですか、口に合って良かった。みんなの分もたくさん買ってあるから、どんどん食べちゃってください」
エルマ中尉は意外と猛獣使いの才能があるらしい。栄養価の高い食品の配給にさりげなく成功した手腕を評価し、「エルマ中尉は本当にいい人ねー」とのたまうオヘアや本に目を落とすウルスラも御相伴にあずかった。
「ビューリングっ、ちょっといいかしら!」
バーンと開いた詰め所の扉を部屋にいる全員が注視し、駆け込んできた隊長の顔を緊張の面持ちで見つめる。ネウロイ来襲の警報は鳴っていないが、何か問題でも発生したのだろうか。
「どうしたトモコ?」
窓際のテーブルについてウイスキーを傾けていたビューリングは、気負った様子もなく席を立つ。ギクシャクと歩いてくる智子を不審そうに見やり、自分自身もポケットに手を突っ込んで歩み寄った。
「これっ、読んで!」
「……なんだこれは」
顔の前に突き出された手。危うく殴られそうになったそれを顎を引いて避け、ビューリングは渡された封書をひらひら。
「最近のあんたの行動は隊長として目に余るの。そこには義勇独立飛行中隊の隊員としての心得を事細かに記してあるわ。しっかりと熟読して普段の自分を見つめ直してちょうだい。いいわね、これは命令よっ!」
「はあ? そんなことか。驚かすな…ラブレターかと思うだろ」
皮肉と揶揄を込めたビューリングの言葉。しかしそう思うのも無理からぬ話で、白い洋風封筒のシールが何故か赤いハートマークだったりする。
「〜〜〜〜〜っ?! な、なん、ななななんで」
「読めばいいのか? それじゃ」
「ま、待って! こんなところで開けないでぇ〜っ!」
さくさく封を切ろうとするビューリングに真っ赤な顔をしてすがりつく智子。そんなやりとりを生暖かく見守るオヘアとエルマは、窓際で本を広げるウルスラに聞こえないよう顔を寄せてこそこそと話す。
「切れ者のビューリングも当事者になると鈍るものねー」
「ですよね。あれだけ露骨に態度に出されても気づかないなんて」
肩をすくめるビューリングは鬼気迫る表情の智子に大仰な溜め息。わけがわからないながらも掴まれた服を取り返し、それでも一応手紙は内ポケットにしまいこんだ。
「熟読しろと言ったのはお前だろう? 変な奴め」
「なっ…も、もう許せない! あんたが出した報告書は全部没よっ。書き直して明日までに提出なさい、しないと酷いんだからねえぇっ!」
持ち前の理不尽さを発揮して一方的に告げる智子。言うだけ言って相手の顔をちらちら、間が持たなくなったのか開いたドアから走り出ていった。
「オー、ノーゥ、ミーは今とても恥ずかしいよー…トモコは一体幾つなんですかー」
「スクールの時を思い出します…あの年頃は素直になれないものですよね」
別種の恥ずかしさに身悶えする約2名、とんだとばっちりである。
首を傾げて戻ってきたビューリングが元の席にかけ、テーブルに伏せっているオヘアに声をかけた。
「キャサリン、あいつどうしたんだ? いつにも増しておかしいぞ」
「心と体が違う事をいう、思春期にはよくあることねー。いつもの発作だから放っておけばいいねー」
ひらひらと手を振るテキサスっ子に「そうか」とあっさり相槌を打ち、ビューリングはウイスキーのグラスを持ち上げる。もう底たまりしか残っていないのを見て取ると、窓辺に置いてあった氷と瓶を引き寄せた。
「そっそんな事よりビューリング少尉、早くレポートの書き直しをしないとっ。トモコ中尉に口実を与えてしまいますよ!」
がばっと上体を起こしたエルマは身の危険を訴えるが、ふんと鼻を鳴らしたビューリングはどこ吹く風。上官命令に従わなかったこと数知れず、今まで3回銃殺刑をくらっている彼女には何の脅しにもならない。
「誰が書き直しなどするか、面倒くさい…処罰でも何でも好きにすればいい」
「駄目ねーっ!!」「駄目ですよーっ!!」
途端、声を揃えて乙女たちは奮起する。
応援団として今の言葉は聞き逃せない。好きにすればいいなんて言おうものなら、トモコという名のケモノが目覚めてしまう。
「……何なんだ一体」
詰め寄られてぎゃいぎゃい喚かれ、頭を抱えるビューリング。二人いっぺんに話すものだから何を言っているのか聞き取れない。厄日が続くなと諦めの溜め息をつき、殉教者の悟りで騒動の終結を待つことにした。
「うるさい」
ぼそりと発した呟きは、あまりの騒々しさに掻き消される。上着のポケットから小さなコルクを取り出して耳に装着。一人静寂を取り戻したウルスラはまた一口ミルクを含み、読んでいた文章の続きへ戻っていった。
以上です
本文長すぎて8レスに...
……そして続きます
長編になると落としどころがわからなくなってきた
>>76 うおおおお待ってたよー!GJ!
穴拭自重しろww自重しろwww
ウルスラとダックスフントはほんとにかわいいなぁ・・・でも8歳差か・・・流石に警察かな・・・w
GJ過ぎて言葉に出来ません・・・・・・・
>>78 おととい見た中の人が同じような格好をしてたような気がしないでもない
エイラニャが良すぎて死にそうなんだが
エイラさん、髪留めが凄いキュートです!
これは他の隊員もみんな惚れちゃってもおかしくないレベル
やはりモテモテエイラさん
サトステのほうでエイラーニャって単語が普通に使われてて吹いた
やっぱりセットなのかw
このスレだとやけにもてる設定だよなエイラ
スレの重鎮がエイラ好きなのと、美少女を愛でる女の子の思考的にエイラみたいなのがいいんだろうな
買ったエイラーニャ同人がふたなりだった・・・
個人的な意見だが、好きなキャラがいろいろな愛され方された時の事を妄想したくなるんだよ
エイラはとりわけ萌えそうなリアクションしてくれそうだしな。一途なくせにわたわたしたりさぁ
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
実は……今日がコミケでしかも最終日だった事を今知りました(遅
>>76様
GJ! いらんこネタキター 次回も期待してます
さて、保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
>>64-66「energy clock」の続きです。
一応トゥルーデ×エーリカ(のつもり)ですけども……。
どうぞ。
トゥルーデは仄暗い闇の中、目覚めた。ベッドに縛り付けられている。
これは何事?
食い込んだ細いロープが身体を締め付け、全身の筋肉が悲鳴を上げる。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
聞き慣れた声がする。
顔を上げる。
クリスだった。
手にはロープとサンドイッチを持ち、興味深そうにトゥルーデを見下ろしている。
「クリス、一体これはどう言う事だ?」
「お姉ちゃんの、せいだからね」
「な、何? どう言う事だ」
身動きの出来ぬトゥルーデに馬乗りになると、屈み、頬を撫でる。
「お姉ちゃん」
「な、なあ、クリス。悪い冗談は止めて、これを解いてくれないかな」
「だめ。だって、解くとまた戦いに行くでしょ? 私そんなのイヤだよ」
「何を言う? 私はカールスラントの軍人だ。……お前を守ってやれなかった。だから、私は戦う」
トゥルーデの言葉を遮り、嘲るクリス。
「まったく、だらしないお姉ちゃん」
顔を近付ける。
「クリス、何をしている? 早く解け! 頼むから!」
クリスは言われると、サンドイッチとサンドイッチナイフを取り出した。
「とりあえず、朝食だよ、お姉ちゃん。サンドイッチで良いかな?」
「人の話聞いてるのか? 頼むからまずこれを……」
「何よ、全部私がやれと?」
サンドイッチナイフを手に、トゥルーデに迫るクリス。
「ちょ、ちょっと待て。何でそれを私に向ける?」
「お姉ちゃんが言ったんだよ。切れって」
「それで切れとは言ってないぞ? そもそもサンドイッチ以前にやる事があるだろう。ロープを」
「このナイフだと、間違ってお姉ちゃんに刺さるかも」
「ま、待て。何をする?」
慌てふためき、トゥルーデは混乱する。どうしてこんな状況になったのか。
そんなお姉ちゃんを後目に、クリスは顔を更に近付けた。
「良いよ、もう決めたもん。……そう言えば、私がどうして病院に入ってたか分かる?」
「何を訳の分からない事を……お前は、私が守ってやれなかったから」
「ふ〜ん」
片手でくるっとサンドイッチナイフを回して、言う。
「ま、いいか。理由なんて」
刃をサンドイッチに突き刺すと、皿を退かし、自分の顔をトゥルーデの顔に近付ける。
その距離僅か数センチ。
クリスの目は、何処か輝きが無く……まるで自分の瞳を見ている気がする。
クリスの唇が迫る。
「や、やめるんだ、クリス。やめてくれ」
「お姉ちゃん、良いよね? 病院に入っている理由の償いをしてよね」
吐息が頬に掛かる。
トゥルーデは呻いた。
こんな事……
こんな事が、許される筈が無い!
「ならひとつ、償いの理由を付け足す!」
トゥルーデは咄嗟に魔力を解放すると耳と尻尾を出し、怪力でロープを全てもぎ取り、
数ミリまで迫っていたクリスを抑えた。
形勢逆転。
クリスが、今度はトゥルーデに押さえつけられる形になる。
クリスはトゥルーデの強い力に押さえられたまま、呻いた。
「お姉ちゃん……私にキスする根性も無いなんて」
「そう言う関係ではないだろう?」
クリスは溜め息を付いた。
「強いお姉ちゃんと、か弱い私が相対すると、やっぱりこうなるんだね」
「お前は私の大事な妹だ。馬鹿なマネはやめるんだ。お願いだから」
トゥルーデの説得にも関わらず、クリスは呟いた。
「お姉ちゃんは、自分の事をたのもしい、頼れるお姉ちゃんだと思ってるの?」
その一言がぐさりと胸に突き刺さる。
何と言って良いか分からないトゥルーデを前に、クリスは平然と言ってのけた。
「お姉ちゃんは、私にキス出来ない」
どきりとするトゥルーデ。クリスはなおも続けた。
「お姉ちゃんの、“お姉ちゃん”としての歪んだ気持ちが、私とお姉ちゃんの間を邪魔してる」
「歪んでるのはお前だ、クリス。頼むから……」
「私も、お姉ちゃんにはキスしない。……だって、お姉ちゃんって面白すぎるんだもん。
私とお姉ちゃんは、永遠にこう言う関係の姉妹であり続けるのね」
ふふふ、と笑うクリス。
目に狂気が宿っている。
「クリス。お前を病院に送り返す」
「なら一緒に行こう。相部屋で二人で過ごそうよ。楽しいよ」
「あのなあ」
「ネウロイの来襲で、怪我人は増える一方だよ。空きも無いし」
「クリス!」
トゥルーデは思いっきり叱りつけた。言葉を失い、黙るクリスを前に、トゥルーデは言葉を掛けた。
「私が不甲斐ないせいで、守れなかったのはすまないと思ってる、でも……でも分かってくれ。
私は生命を掛けて、お前を守り続ける。お前の家族であり続ける。だから、もう少しだけ……」
「お姉ちゃん」
クリスは微笑んだ。
その姿はいつしか歪み、粒子となり、霧散した。
ベッドも無くなり、足元が無くなる。トゥルーデは暗闇の中、永遠に落下する。
トゥルーデは悲鳴を上げた。
「!?」
「起きた?」
トゥルーデは目覚めた。傍らにはエーリカが居る。
「エーリカ、ここは何処だ? クリスは? 私の目の前で消えたんだ。あれは一体」
「落ち着きなよ。ほら、周りを見て。深呼吸して」
言われた通りにする。ここは……トゥルーデの自室。501部隊基地の、トゥルーデの部屋。
荒い呼吸を整える。額に手をやる。
あれは、夢?
「トゥルーデ、うなされてたよ」
「やっぱり、あれは夢だったのか……良かった」
「でもどうしたの? クリスの名前ずっと呼んでたけど。どんな夢見たの?」
「そ、それは……」
全身縛られて迫られたなんて、言えない。
「隠し事は無しだよ?」
悪戯っぽいエーリカの笑みに押され、トゥルーデは夢の内容を話して聞かせた。
「なるほど。クリスに迫られたって事だね」
「ああ」
「それは……多分、寝る直前の事が関係してるんじゃない?」
「?」
「今度、クリスとの面会有るでしょ? トゥルーデ随分はしゃいでたから」
「そ、そういえば……」
「あと、寝てる時に脱いだブラが身体に引っ掛かってたよ? それじゃない?」
「な、なに?」
確かに、身体を見ると、二人のブラやら衣服の一部がトゥルーデに掛かっていた。
「だけど……そんな事で、こんな夢を……」
「まあいいじゃない」
エーリカはトゥルーデを抱きしめ、そっと優しくキスをした。
「その夢のアイディア、いっただき〜。今度そう言うプレイしてみようよ」
「な、何? どんなプレイだ?」
「この前の包帯プレイとちょっと似てるかもね。お楽しみに」
ふふんと笑うエーリカ。悪夢さえも遊戯に変えてしまう、恐ろしい娘。
だけど、その笑みで、混乱していた頭と心も、少しは収まる。
トゥルーデから不意に抱きつかれ、少し驚くエーリカ。
「トゥルーデ、大丈夫?」
「すまない、エーリカ。頼むから……少しだけ、こうさせてくれ」
「幾らでもどうぞ。私はトゥルーデのものだし、トゥルーデは私のものだから」
「ありがとう」
お互いの呼吸と胸の鼓動が同じ位になるまで、トゥルーデはエーリカを抱きしめた。
どうしてあんな夢を見たのか。
分からない。
でも、目の前でこうして抱き合うエーリカなら……。
安堵の気持ちはいつしか眠気に変わり……エーリカを抱いたまま、ゆるゆると力が抜け、
トゥルーデはまどろみの中に落ちていく。
「トゥルーデ、大丈夫。私が居るよ」
記憶が飛ぶ間際、エーリカの優しい声が聞こえた。
トゥルーデには、それだけで良かった。
今のところは。
end
----
以上です。
ここんところトゥルーデ×エーリカで書いてます。
秘め声CD聞くと余計に訳がわからなくもなったりw
ではまた〜。
>>90 アトリエ雅のエイラーニャ本を買った漏れ様が真の勝ち組
あそこえいらにゃ本だったのか!?
>>95 GJ!(夢の中の)クリス…怖い子…!
たまに弱くなっちゃうトゥルーデ大好きです
そういえば隊長の秘め声聞いて思ったけど、トゥルーデがあんなに悩みを抱えていたなんてってところ
トゥルーデはミーナの前で大泣きしたりしたんだろうか…
ちょっと想像してみた
>>98 四話のゲルトを指してるのかも。で、あんなに思いつめてたなんて…ってなったのでは
私もまだまだね、とか言っちゃうミーナさん絶品です
幼馴染とは違うけど、長年の付き合いコンビ、美味しいぜ!
コミケから帰還して一休み。
砂漠の虎ゲットしたよん。
小説の方はいい感じに百合妄想ができる内容ですた^^
ちなみにカメラマンの名前は加藤圭子。
あと、501クルーキャップ被って買いに行ったら鈴木氏に「我が部隊へようこそ」っていわれたw
再びこんばんは。mxTTnzhmでございます。
さて、保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
>>93-95「vision」の続き、トゥルーデ×エーリカです。
短いですがどうぞ。
トゥルーデは午後の訓練を終えると、シャワーを浴びて汗を流し、
台所で少し飲み物を口にした後、部屋に戻る。
その後訓練内容の記録、前回の戦闘記録の参照、今後のネウロイへの対処法など……
書類や書物を前に、頭の体操を始める。
規律正しいカールスラント軍人らしく、背筋も伸び、寸分の狂いもない。
時折メモや報告に使うカールスラント製の万年筆が手と紙に馴染み、すらすらと文字を描いていく。
やがて報告書も書き終わり、ひとつ伸びをする。
普段と変わらぬ、いつもと同じ行為。
普段と違う事と言えば、明日で1年の終わり。明後日が新年と言う事か。トゥルーデは思いを巡らせる。
そう言えば……。
カールスラントを始め欧州では一般的にはクリスマスから新年に掛けてゆっくり家族で祝い過ごすが、
少佐や芳佳の居る扶桑では少々勝手が違うらしい。新年、特に最初の1日目に重きを置くのだそうだ。
今日もその新年祝いの準備とやらで、少佐と芳佳は扶桑から持ち込んだ粘度の高い米を炊き、
それを攪拌、押し固める道具を何処から調達したのか用意し……、その道具を器用に使い、
よいしょ、ほいしょと、何かを……餅というものらしい……を作っていた。
餅作りに使うのは木で出来た道具だが、試しにやってみろと言われ持ってみたが意外と重かった。
ペリーヌなど、少佐に教えられてかなり腰が抜けていたが大丈夫だったのか。
それにしても、流石芳佳はあの餅の扱いにも慣れている。この前ルッキーニの祝いでも何か作っていた。
扶桑では、あの餅を丸く飾り立て、新年の祝いのものとして飾るのだそうだ。
面白い習慣だ。何でも扶桑の神様に関わる神聖な行事らしい。
その前には、「扶桑の年越し蕎麦だ」と言って歯応えのある灰色のヌードルを生地から作っていた。
何でも、新年の前日に茹でて食べるとラッキーになれるらしい。色々と面白い国だ。
あの時、少佐は珍しく芳佳と一緒になって楽しんでおられたな、と思い返す。
まあ結局、我が501は異文化交流と言いながら、雑多な行事やら食べ物やらが並び、
楽しく賑やかに過ごすのだろう、とトゥルーデは感想をまとめた。
書類を整理し終わり、ふう、と息をつき、窓の外を眺める。
ここからは見えないが……今、昼間哨戒シフトでエーリカが付近の海域を飛んでいる筈だ。
早く戻って来ないものか。
肘を付き、考える。考えの対象は、勿論エーリカ。
無事に飛んでいるだろうか。ネウロイとの交戦は……出現パターンからすれば無い筈だが……
有っても無事に帰ってくるだろうか。
単なる“仲間”だった頃は単純な戦友としての意識でしか彼女を見ていなかったが、
こうしてお揃いの指輪までして、ふたり一緒に過ごしていると、
どうしてもそれだけでは済まない、微妙な感情も湧いてくる。
心配性。
そうエーリカや、あの堅物に言われもした。
だが、大切なひとの身を案じるのは当たり前の事だ。
空で何か有ったら、すぐに私がストライカーを履いて彼女を守る。
軍で何か言われたら、私が上に掛け合い、彼女を“護る”。
こう考えるとエーリカをまもってばかりだが、実際のところ、こころの面では
彼女に支えられている部分……振り回されている部分も多分に有る……が多い。
不思議なものだ。
手を見る。
指に煌めく指輪の輝きは決して色褪せる事なく、ふたりのこころの結びつきを確認させてくれる。
勿論、極論すれば、これはただの金属の塊だ。
だが大切な写真やぬいぐるみと同じく、それを単純に「印刷した紙だ」とか「色の違う布きれの集合体だ」と
言って片付けるには無理がある。
写真もぬいぐるみも、そしてこの指輪も、それを持つ人々に対して様々な情念を呼び起こすから大切なのであって、
物理的な組成など、この際どうでも良い事だ。
ぼんやりとそんな事を考えながら、トゥルーデは指輪をそっと撫で……愛しの人の帰りを待つ。
やがて時間きっかりになり、滑走路の周囲が慌ただしくなった。
いつもの事だ。エーリカが哨戒から帰還し、ストライカーのエンジン音が微かに聞こえる。
本当ならハンガーに飛び出して行って彼女を抱きしめたい。
でも流石にそう言う事をするのもどうかと思い悩み……トゥルーデはひとり部屋で悶々と待たされる。
そう言うときに限って、エーリカの帰りが遅かったりする。
報告をしたり申し送りをしたり、身を整えたりと、帰還後もやる事は多い。
それは分かっている。
でも、今日は少し遅いのではないか。
トゥルーデは軽い不安を覚えた。
ネウロイとの戦いで動じた事は殆ど無いが……、日常の、エーリカの事となると別だ。
これだから……と他の隊員にはしょっちゅうからかわれるが、仕方ない。
少々のあせり、焦がれる気持ち、軽い怒りが複雑に混じり合い、トゥルーデに重くのしかかる。
「やっほ〜、ただいま〜」
ドアが勢い良く開き、エーリカが入ってきた。
それまでに感じていた色々な気分は全て吹き飛ばされ……少々残るものもあったが……
「お帰り」
トゥルーデは何事も無かったかの様に振るまい、エーリカの手を取った。
エーリカは何やら色々入ったかごを脇にどさりと置くと、トゥルーデを抱きしめ、唇を求めた。
素直に応じ、気持ちを確かめる。
またそうする事により、無事なる帰還と、ふたりの距離をゼロに戻す意味合いもあった。
「ごめんね、待たせちゃって」
「ああ。かなり待ったぞ。いつもより十二分遅かった」
「いや〜時間きっかり計ってるんだねトゥルーデ。ケーキがうまく焼けるよ」
「なんだそれは?」
意味不明な答えを聞いて出鼻をくじかれる。
「さ、トゥルーデ。行こう。もうすぐ夕食だよ」
エーリカはトゥルーデの手を取り、軽やかに立ち上がった。
いつもの事。
いつ何が起こるか分からない。
だからこそ、いつもと同じである事の嬉しさを感じる。
「トゥルーデどうしたの? 力つよいよ?」
エーリカが不思議そうに振り返る。
「いや、何でもない。行こう」
トゥルーデとエーリカは二人並び……恋人つなぎをして……食堂へと向かった。
end
----
以上です。
続きは……現在執筆中って事で。
ではまた〜。
速いw
書くの速すぎw
GJ
まいどどうも、こんばんは。mxTTnzhmでございます。
今回も保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
>>102-103「waiting」の続きで、懲りずにトゥルーデ×エーリカです。
どうぞ。
夕食と軽いお茶菓子の後、他の隊員との無駄話もそこそこに切り上げ、
トゥルーデの部屋でふたりっきりの時間を過ごす。
「今年もあと僅かだね」
「ああ」
「そう言えば、ここに来る前は、ミーナと三人一緒に年を越した事もあったよね」
エーリカが思い出しながら言う。
「そうだな。色々有ったな」
トゥルーデも過去を思い出し、椅子に寄り掛かり呟く。
「これからも、色々有るよ?」
にやけるエーリカに、トゥルーデは少しどきりとして答えた。彼女の笑顔のせいか、それとも……。
「トゥルーデ、これ見て」
エーリカが哨戒から帰って来た時、何か色々入ったかごを持っていた。
ベッドの脇にそれを置き直すと、トゥルーデの手を取り、ベッドへ向かう。
「どうした、エーリカ?」
トゥルーデが聞く間もなく、エーリカが口吻を求めてくる。拒む理由もなく、むしろ積極的に唇を重ねるふたり。
エーリカはキスを続けながら、トゥルーデの服を脱がしにかかる。
トゥルーデもいつもの事かと、エーリカの服を同じくするっと脱がす。手慣れているのは喜んで良いのか悪いのか。
程なくしてふたりはほぼ全裸に近い姿になる。
「さあ、じゃあ始めよっか」
「? 何を?」
キスの途中で突然言われ、一瞬何の事か分からないトゥルーデ。
エーリカはかごからふわふわの布地を出して、トゥルーデの身体に合わせる。
「これは?」
「フリル付きのランジェリー。どう?」
「どこでこんなのを」
「私の部屋から発掘〜」
「お前の部屋は異次元空間か」
「まあまあ。トゥルーデに似合うと思うんだよね」
エーリカは綺麗に畳まれたランジェリーをふぁさっと広げると、トゥルーデの身体に纏わせる。
「……ちょっと小さいかもね」
「はみだすぞ」
妙に派手で、薄い生地がこれまた扇情的で……しかも均整の取れたトゥルーデの身体の各パーツが窮屈とばかりに
ランジェリーの隙間からあられもなくはみ出している。少しばかりの恥ずかしさを覚える。
「流石にこれは……ちょっと」
「私のもあるんだ。ほら」
と言って着てみる。エーリカは逆に少しぶかぶか、ゆるゆるだ。
だがそれが逆に……年端も行かない少女に無理矢理押し着せた様な背徳感が漂い……トゥルーデはごくりと唾を飲む。
「どう? ふたり揃ってイイ感じじゃない?」
「そ、そ、そうか、な?」
「トゥルーデ、何で目逸らすの? いつも何も着てない時と違うよ〜」
ニヤニヤ顔のエーリカ。
「その……何て言えば良いんだ……目のやり場に……困る」
「もートゥルーデったら〜ウブなんだから〜」
しだれかかるエーリカに、トゥルーデは叫んだ。
「お前が先に進みすぎなんだ! 何処でこんなのを覚えた?」
「この前ロンドンに買い物行った時、偶然目にしてさ。結構派手なの売ってるんだよね。ロンドンって不っ思議〜」
「そう言う問題じゃ……」
唇を塞がれる。エーリカは目を閉じ、トゥルーデを味わう事に専念した。
合わさる素肌と、所々で擦れ合う薄い生地の感触に酔いしれ……トゥルーデとエーリカは口吻を繰り返した。
やがて、乳房が合い、身体全体で、お互いを貪り始めた。
小一時間して、息も絶え絶えのトゥルーデ。いつも以上に欲情してしまい……本能と言うか野性に完敗してしまい、
途中からエーリカを押し倒し、口では言えぬ様な事を平気でがむしゃらにしてしまった。
言い知れぬ後悔と懺悔が頭を過ぎる。
同じく息の上がったエーリカが、微笑みながらトゥルーデに抱きついて言った。
「今日のトゥルーデ、凄い積極的〜。嬉しい」
「私は、何て事を……」
「トゥルーデったらもう。さすが私の旦那様♪」
「だから旦那様は……」
「ヨメ?」
「違う」
「とにかく、用意して良かった。たまにはこう言うの、良いよね?」
息を弾ませ、トゥルーデの上に乗り、身体を預けるエーリカに笑顔で言われる。
「まあ……うん」
結局頷いてしまうトゥルーデ。案外流されやすくヘタレてる部分なのかも知れなかった。
お互いの指を絡ませ指輪の所在を確かめ、もう一度キスをする。
トゥルーデの解けた髪がベッドの上に緩いカーブを描いて散らばる。
エーリカの髪は、トゥルーデの頬の辺りを伝って、耳や首に掛かる。
トゥルーデはエーリカの髪を親指と人差し指でそっと触り、感触を楽しんだ。
エーリカもトゥルーデの髪に手を伸ばし、くるくると指に巻いて楽しんでいる。
薄い生地を通して伝わる、お互いの温かさ。呼吸。鼓動。そしてふたりのキモチ。
エーリカは一息つくと、ベッド脇のかごからまた何か取り出した。
色とりどりのリボンに織テープ。これをまた適当に、二人の身体に通し、きゅっと結びつける。
「こ、今度は何だ?」
慌てるトゥルーデの腕をきゅっと縛りながら答えるエーリカ。
「前に言ってたよね、トゥルーデ。夢で縛られたって」
「あ、ああ」
「あんまりぎゅうぎゅうにきつくするのは私の趣味じゃないから……こう言うのはどうかなって」
「包帯の時と似てるな」
さらっと過去の“ふたりのプレイ歴”を言ってしまうトゥルーデ。既に自覚が無いのかどうなのか。
「ランジェリーと合わせるの。それがまた彩りになるんだから」
「私達はサラダか何かか」
「うまい事言うね、トゥルーデ」
言いながらも、長いリボンやテープを結んでいく。
「どう?」
「どうって言われても……動けん」
「当たり前だよ。私も適当に縛っちゃったから、解けないよ〜」
「ちょっと待て。万一誰か入って来たり、緊急の任務が有った時はどうすれば」
「ん〜」
エーリカはちょっと考えた後、事も無げに言った。
「なるようになるっしょ」
「おい」
「トゥルーデ、どう? 離れたくても離れられないの。私達。ほら」
エーリカがごろんと転がると、トゥルーデもつられてごろりと転がる。ベッドから落ちそうになる。
「危ない」
エーリカの身体を持ち上げて回避し、ベッドに戻すトゥルーデ。
「トゥルーデ、こう言うこと前にした事ある? 慣れてない?」
「慣れるも何も……前に包帯で似た事したろ? それに……」
顔を赤くして口ごもるトゥルーデ。その表情をみたエーリカは小悪魔的な笑みを浮かべる。
「そう言うとこが、やっぱり好き、トゥルーデ」
身体が自由にきかないが、無理矢理に口吻を交わす。トゥルーデもその状況を受け容れ……
もうどうにでもなれとばかりに……エーリカの唇を奪い、舌を絡ませた後、吐息を絡ませながら、
エーリカの小柄な身体に没頭した。生地から除く素肌に舌を這わせ……
ランジェリーをすくいあげて秘蜜の部分を刺激し、舐め、舌で雫を味わい……
甘い声がエーリカの喉の奥から遠慮なく出る。
トゥルーデに負けじと、同じ事をし返す。
空戦で言う旋回戦闘みたいに……二人はお互いの身体を巡り……
縛られながらも、その拘束を楽しんで……
夜は更けていく。
明け方。
意識が鈍る頭を巡らせながら、ゆっくりとひとつひとつリボンやテープの結び目を外していくトゥルーデ。
「あと、ふたつ」
「よくやるね、トゥルーデ」
横では、すっかり疲労困憊の域に達したエーリカが虚ろな目でトゥルーデを見上げている。
「このまま朝になると、色々な意味でまずい」
「でも、楽しかったよね」
エーリカの問いに、一瞬の間が空く。
「うん」
小さく、顔を赤くしながら頷くトゥルーデを見て、エーリカは微笑んだ。
「またトゥルーデにやられちゃったよ……だいぶ仕返ししたつもりだったんだけどな」
「私も、エーリカにやられっぱなしだ。色々な意味で」
えへへ、と笑い、トゥルーデを引っ張ると、口吻した。
「これからももっと、色々な事しよう、トゥルーデ?」
「ああ」
「あ。今頷いたね? 良いって言ったね?」
「何かまずいか?」
「前のトゥルーデだったら『そんな事できるか〜』って言ってたのにね」
「慣れてきた。お前に」
「ありがと」
トゥルーデは最後のひとつに取り掛かった。お互いの手首を結ぶ赤いリボン。しかしエーリカはどう結んだのか、
余りに結び目が固過ぎて解ける気配が無い。
「困ったな」
「このままでいいじゃん」
「外に出る時どうするんだ。繋がったままだぞ。これじゃまるで囚人だ」
「お互い、こころの囚われ人ってね〜」
「エーリカ、面白い事を言うな」
「んふふ〜」
嬉しそうなエーリカ。つられてトゥルーデも少し笑う。
「しかし困ったな。流石に繋がったままというのは……」
エーリカは歯でちょっぴりかじり、ほんの少しだけ切れ目を入れた。
「引っ張って」
お互いぐいと引っ張ると、結び目を残してリボンはお互いを自由にする。
だが、ふたりの腕には結び目を起点として、リボンの輪がまだしっかりと残っている。
「これは……目立つだろう」
「服の袖で隠せば良いよ。鋏で切ればそれまでだけど、何か勿体ないし、ちょっと気分良くないし」
「う〜む」
ベッドの上はくしゃくしゃに解けたリボンやらテープやらが散乱している。
おまけに二人して遠慮なく行為にはしった為、普段はきちんと整頓されている筈のシーツや毛布もぐしゃぐしゃ。
そして当の二人はランジェリー姿のうえ半分抱き合った状態で、だらしなくベッドの上でのびている。
隊の誰かが入ってきて目にしたら、何と言われる事か。言われるだけでは済まされないかも知れない。
でも、お互い、愛おしくて仕方ない事は変わらない。むしろ想いは強くなる。
「まあ、風呂に入るまでは……このままで良いか」
「そうしよう?」
「ああ」
「お互い囚われの証ってね〜」
「エーリカ。お前は時々詩人なのか悪魔なのか分からなくなるよ」
「そ〜んな事ないよ。私はトゥルーデの愛しのひとだよ?」
「それは……間違いない。エーリカも、私の愛するひとだから」
「嬉しい。……ねえ、最後にもう一度」
エーリカのおねだりに、トゥルーデは身体を動かすと……ゆるりと抱きしめ、口吻を交わした。
最後のつもりだったのに、それが第三ラウンドの開始になってしまった事は言うまでもない。
きっかけはエーリカ。原因はトゥルーデ。
二人して、快楽の海に再び溺れていく。
目覚まし時計が鳴る頃、二人は本当に疲労困憊し……抱き合ったまま、ぐっすりと眠りに就いていた。
反射的に目覚ましに手が伸び、音を止め、また戻る。誰の手かは言うまでもない事。
ふたりの幸せな時間は、誰にも止められない。
end
以上です。
ストウィでは「下着」の定義がアレなので(ズボンとベルトはともかく)、
単語や表現を探すのに苦労しますね……。
例えばどれを使って良いのやら、とか。
難しい。しかし、実に面白い。
ではまた〜。
mxTTnzhmさん
生き急ぐなwww
mxTTnzhmさんに惚れた。
昨日このスレを見つけた
読んでみた
カルチャーショックだった
この忙しい時期に投下してくれてGJ!
こうなったら援護射撃といことで今から寝ずに
>>78の絵をネタにしてなにか書く
書けるかどうか分からないけど
>>114 >>78を描いたのは自分だけど、寝ないで待ってる
そしてmxTTnzhmさん三連続投下GJwまさにシャーリーとしかいいようがない
そういえば保管庫殿堂入りの30機撃墜クラブの中で一人だけ日にちがおかしかったw速すぎw
>>115 あっむろさん本人が居た
勝手に書き始めてごめんなさいー
118 :
滝川浜田:2008/12/31(水) 02:20:28 ID:4JpBY/QD
みなさんこんばんは。
大晦日の夜どうお過ごしでしょうか。
自分はry
…今夜は今年最後のSS投下をしたいと思います。
2008年最後もマイ・サンクチュアリ・シャッキーニで!
自分でも分かるんだ。
シャーリーに愛されれば愛されるほど、あたしはどんどんワガママになっていく。
今あるモノより多くのモノを求めてしまうんだ。
シャーリーにこの事を言えば、シャーリーの事だから「気にすんなよ」って言ってくれるハズ。
でも、このままじゃいけない。
ちょっとは、シャーリーから離れなきゃ。
――SELFISH VIOLET――
《一日目》
「――だからクリスは最高に可愛いんだ。お前には分かるまい」
「ああもうさっきからその話何百回すんだよ。分かったよ、分かったってば」
…ん?あそこにいるのはマイ・ハニーのルッキーニ。
ちょうど昼飯の時間。
一緒に飯でも食うか。
「おーい、ルッキーニー!一緒に昼飯食べないかぁー!」
「シャーリー…!
…ごめん、シャーリー、あたし別に用があるんだー!」
「あ、そうなんだ」
め、珍しいな…ルッキーニが飯の誘いを断るなんて…
「ふぅ…しゃあない、堅物、一緒に飯食おうぜ」
「済まない、私はエーリカと約束があるんだ」
「おいおい、あたし一人ぼっちかよ…」
《二日目》
ああ、眠い…。だいたいここは起床時間が早すぎるっつーんだよ…
…しゃあねえ、飯食うか…
しかし、寝ぼけまなこでもあたしの目は、マイ・ハニー・ルッキーニを捕らえる。
我ながら賢い目だ。
「お、ルッキーニ。隣良い「ダメ」
被り気味で言われた。
「な、なんで…?」
「なんでも…理由は無いよ」
「……ルッキーニ…」
「あ、あたし食べ終わったから行くね。じゃあ後でね、シャーリー」
「……あ、ああ……」
な、なんか虫の居所が悪いのかな…
だっていつものルッキーニなら、喜んでベッタリくっついてくるのに…
ま、まあ、明日には戻ってるだろ…うん…
《三日目》
「なあルッキーニ、これ食わない?美味しいぞ」
「ごめん、あ、後でねシャーリー」
《四日目》
「これ読まないか、ルッキーニ」
「ごめんシャーリー、あたしミーナ中佐の買い出しに付き合わなきゃ」
《五日目》
「な、なあルッキーニ」
「…………」
「なんか…怒ってるのか?」
「………」
《六日目》
「ううっ…なんだよ…なんだよルッキーニ…!」
あたしはベッドの上で腐っていた。
ここ最近のルッキーニのシカトっぷりにとうとう心が折れてしまった。
「なんだよ、あたしが何かしたか…?
それともあたしなんか嫌いになったって言うのか…?」
「ルッキーニィ…なんで無視すんだよぉ…!バカヤロウ…!」
《七日目》
「ちょっと、トゥルーデ、ルッキーニ…!大変だよ!」
「ウニャ?」
「どうしたエーリカ。腹でも壊したか?」
「違うよ!ちょっと来て!」
あたしはエーリカに連れられて、基地の屋上に足を踏み入れた。
普段はこんな所、滅多に行かないんだけど…
…って、シャーリー…!?
「…俗世間にさようなら…」
「なっ、何をしているんだっ、リベリアンッ…!?」
シャーリーは、今にも下へ転落せんとばかりに絶妙なバランスで枠の上に立っていた。
「……あたしはウサギ…寂しいと死んじゃうんだ…そして生まれ変わったら、みんなに愛される猫に…」
「なっ、何を言ってるんだっ…!早く降りろ…!ルッキーニ、お前も手伝え!
エーリカ、お前はミーナ達を呼んで来い!」
「うっ、うん!」
シャーリーの目は死んでいた。
髪はボサボサだし、服はグチャグチャ。
「あたしに構うな…今なら、今にも翼が生えて空を飛べそうな気がするんだよ…」
「ちょっとシャーリー…!しっかりしてよ…!」
「ルッキーニ……」
すると、シャーリーの目が一気に充血して行く。
「ルゥゥゥッキーニィィィ―――――――――――!!!!!」
「…っ!!」
今まで聞いた事が無いような大声で、シャーリーが叫んだ。
あまりの大音量にあたしと大尉は、ビクつく。
「くあああっ…!このスベスベの肌っ…!久しぶりにお前に触ったよぉぉぉ!!
そして噛まれたい八重歯No.1!
この八重歯ぁっ…!
あたしな、あたしな、お前がいないと死んじゃうんだよぉぉぉ!!!!」
シャーリーの言葉を聞いてあたしは、ピンと来た。
……まさか……
あたしがシャーリーから離れた事が、逆にシャーリーの精神に異常をきたしたって事っ!?
「シャーリー…!」
「んあっ…!」
あたしはシャーリーの唇を自分のそれで塞いだ。
「んんっ…」
「んむ…ちゅ…」
久しぶりのキス。それは否が応でも激しいモノになる。
「ミーナ達呼んできた…って…何が起こったのコレ…?」
「……さっぱり分からん……」
呆然とする大尉達をよそにあたし達は、熱いキスを交わしていた。
―――――――――――――――――――
「なんだ、要するにこのままあたしに甘えてたらワガママになりそうだから、あえてあたしから離れた、って事か」
「う、うん」
正気を取り戻したシャーリーが何事も無かったかのように言う。
「…あのなあ、ルッキーニ…。今更何言ってんだよ。
そんなの、あたし達が恋人同士になる前からずっとそうだっただろ?」
「あたし、ワガママになったらシャーリーに嫌われちゃうんじゃないかって…ちょっと怖かったんだ」
と、あたしはシャーリーにギュッと抱き締められる。
「…お前がワガママになっても、あたしは大丈夫だよ。お前への愛があれば、乗り越えて行けるよ」
「シャーリー…///」
「…だからさ、もう無視なんて悲しい事はしないでくれ…な?」
「…うん…//////」
「じゃあさ、ルッキーニ…今夜は今までの分、愛し合えるな?」
「うっ…うん、そうだねっ…//////」
あたしは早速、シャーリーにベッドの上に押し倒される。
今夜は、ちょっとだけワガママになってもイイかな、シャーリー…
END
123 :
滝川浜田:2008/12/31(水) 02:33:40 ID:4JpBY/QD
以上です。
まったく今年はストパンに出逢い、リネ芳に始まりシャッキーニで終わる。
…なんという幸せな年だったのだろう。
そして気付けばSSはまさかの100本越え。
自分は一体何をしていたのだろうw
そしてみんなももちろんGJ!
来年もこの勢いが持続すると尚嬉しい!
さて、今年(7月からだけど)は本当にありがとうございました。
ちょっと早いけど、来年もよろしくお願いいたします。
みなさん、良いお年を!
…というわけで、爺は寝ます!おやすみなさい…!
>>109 >>115 >>123 このスレのトップエース達に乾杯!
来年のますますのご活躍、期待しております
自分も書き手として精進します
1日早いけど、今年は最高の一年だった!みんなGJ!!
>>109GJ!
3連投下とかどんだけ早いのかとww
>>123 大人ぶろうとする子猫と寂しがりな兎もまたいいものだw
>>114=
>>124 ブリタニア○○地区公認のエイラーニャとは…雑誌編集者がいい仕事してますなww
現在こんにゃんの文字化orわんぱくガッティーノの続きか迷っている最中。。。
とりあえず形だけは頭の中にあるんだがとにかくやってみよう。
まいどどうも、おはようございます。mxTTnzhmでございます。
>>115 むろ様
GJ! 貴方の絵にはいつも癒されます。
温かさと愛情を感じます。拝見して和んでます。
>>123御大
GJ! 御大のシャッキーニは鉄板ですね。
読んでてニヤニヤしっぱなしです。
>>124様
GJ! 読んでニヤニヤしっぱなしです。
ふたりの買い物話&雑誌記事、和みました。お見事です。
さて、今回は季節柄と言う事で……、
偏りましたがざっくりと書いてみました。
一応オールキャラで行きます。
「坂本さん、お正月と言ったら勿論、お餅ですよね!」
芳佳の元気な一言で、全てが始まった。
「餅か。宮藤、お前は前にも少し作ったよな」
「ええ。でもせっかくのお正月ですから、ここはひとつ新しいのを作りましょう。鏡餅ですよ」
「なるほど。そう言えば私もここに来てからは一度も鏡餅を作ったり飾ったりした事がなかったな」
「じゃあ早速、扶桑海軍の連絡所に行って来ますね。餅米分けて貰って来ます」
「私も一緒に行こう。その方が色々と早いだろう。杵と臼も忘れないようにな」
「はい!」
ふたりはミーナからジープを借りると、扶桑海軍連絡所の有るロンドン目指して走った。
暫くして二人は大量の餅米と、杵、臼などの様々な道具を持ち帰った。
「これは?」
見た事もない木製の道具各種を眺めるペリーヌ。
「今からお餅を作るんです」
「お餅……あの、やたらと粘着性の有る、あの“餅”を?」
ルッキーニ誕生日祝いの席で、きなこ餅でむせた苦い記憶が甦る。
「どうしたペリーヌ。餅は嫌いか?」
「いいえとんでもない! 高カロリーで優れた携帯保存食と聞いております」
「さすがだなペリーヌ。確かにそう言う捉え方も出来るな」
芳佳は慣れた様子で餅米を磨いでから十分に水に浸すと、蒸し器を用意して餅米を蒸す準備に取り掛かった。
やがて十分に蒸された餅米が運び込まれ、これまた丁寧に準備された臼の中に放り込まれた。
手つき用の水も準備万端。芳佳はぐいぐいと杵を使って餅米を臼の中でならして、粘りを出していく。
頃合いを見計らって、芳佳は杵を、美緒に刀の如く丁寧に差し出した。
「坂本さん、お願いします!」
「よおし、いっちょうついていくか!」
料理下手な美緒と言えど、餅つきには妙な自信が有った。杵の振り方は……見た目は剣の素振りと大差ない。
これなら行ける。美緒は妙な確信を持ち、杵を握った。
「よいさ!」
「ほいさ!」
「よいさ!」
「ほいさ!」
初めてとは思えぬ見事なコンビネーション。軽快に餅つきが始まった。
しかしこの扶桑の魔女達……、二人揃ってノリノリである。
台所から妙な掛け声が聞こえて来るので、他の隊員達が皆何事かと集まってきた。
「芳佳ぁ、何の遊び?」
「これはね、お餅をついているの」
「お餅? この前のきなこ餅?」
「あれもそうだけど、今回はお正月用」
「色々あるんだ」
「うん」
「エイラ、あれ……」
「アア。タイミング間違えたら宮藤の手ガ……」
「それにしても凄いね。スリリングと言うか」
美緒は色々と感想を述べる隊員達を目の前にして、豪快に笑った。
「これが扶桑の餅つきだ。よく見ておくんだ。よし、もういっちょ行くぞ宮藤!」
「はい!」
「よいさ!」
「ほいさ!」
「よいさ!」
「ほいさ!」
ぺったんぺったんとお餅が出来ていく。芳佳の手水も絶妙なタイミングで、美緒のスイングをアシストしている。
「米を加工するとこんな形状に変質するのか。不思議だな」
トゥルーデが真面目に観察している。
「お米をそのまま食べるんじゃダメなのかな?」
エーリカの疑問。
「ああする事に何か意味が有るんだろう。よくは知らないが」
「ふ〜ん」
「坂本少佐、随分と熱心ね」
「おおミーナ。来る新年の為に、鏡餅をな」
「鏡餅?」
「正月の、新年の祝いだよ。扶桑では餅を重ねて、祝うんだ。そう言う風習がある」
「なるほど」
「よおし宮藤、まずはひとつめ完成だ!」
「はい!」
芳佳はこれまた慣れた手つきで臼から餅を取り出すと、餅取り粉をまぶしてある台の上にびろーんと広げた。
「芳佳ちゃん、手伝う事有る?」
リーネが芳佳の傍にやってきて聞いた。
「うーん、慣れないと熱くてやけどするから、まずは私がやるよ」
「分かった」
「宮藤、うまく丸い形にしろよ」
「大丈夫です」
素早く餅取り粉をうすくまぶしつつ、綺麗なまるを作っていく。
「よおし、次は二つ目いくか」
「はい!」
「……ん? どうしたバルクホルン、興味ありげだな」
「え? いや、私はただ見てただけで」
「遠慮するな。いっちょついてみろ」
「は、はあ」
「最初は宮藤がやってくれる。つき頃になったら杵を渡してくれるから、やってみろ。宮藤の手を叩くなよ?」
わっはっはと笑う美緒。芳佳は蒸し器からふたつめの餅米を出し、捏ねて下準備をした。
「出来ました。バルクホルンさん、どうぞ」
「これか……」
渡されたので手にしたが、予想以上に重い。木で出来た道具だが、水を吸っているから重いのかと推測する。
「バルクホルン、早くしないか。餅が固くなるぞ?」
「ああ、はい」
「いつでも大丈夫ですよ。声掛けますから、タイミングよくついてください」
「分かった」
「はい!」
「うりゃあ!」
「はい!」
「おりゃあ!」
「はい!」
「えりゃあ!」
「……バルクホルンさん、そんなに力入れなくて良いです。臼割れちゃいますよ」
「何? す、すまん」
「トゥルーデってば、力入りすぎなんだって」
見ていたエーリカが後ろから茶々を入れる。
「これ結構重いんだぞ?」
「よし、じゃあ次はペリーヌ、やってみるか」
美緒からの突然の指名に驚くペリーヌ。
「わ、わたくしが、ですか?」
「お前もガリアの剣術の使い手だろう? 少し勝手は違うが、出来ぬ事はない」
「は、はい……」
トゥルーデから杵を渡される。はやり想像以上の重さによろけてしまい、思わず使い魔の耳と尻尾が出る。
「ウジャー そんなにあの道具重いの?」
「それだけじゃなさそうだけどな」
ルッキーニの問いに、シャーリーはニヤニヤしながら答え、様子を見ている。
やり方が分からずおろおろするペリーヌを見て、美緒が手を添え、身を近付けて丁寧に指導する。
「ほら、こうして持つんだ」
緊張か興奮か幸福か、ペリーヌの尻尾の先端がぴんと張り、先が毛羽立った。
「そう。そうして、杵の重さを利用して、振り下ろす……宮藤、良いか?」
「大丈夫です」
「よし、行くぞ」
「は、はい」
完全に声が裏返っているペリーヌ。
「どうぞ」
「それ行け!」
「あれ!」
「はい!」
「もう一度、それ」
「ひっ」
「はい」
「もう一回」
「あわわ……」
余り力が入っていない様子に、芳佳は首を振る。
「ペリーヌさん、せめてもうちょっと力入れて貰わないと」
「こ、これでもわたくし精一杯やっているのですよ!?」
「いや、無理強いして悪かったなペリーヌ。ちょっと餅つきを体験させてやりたかったんだが。許せ」
「と、とんでもない少佐! それはもう貴重な経験でしたわ」
「貴重、ねえ」
ニヤニヤしているシャーリー。
「あたしもやる〜」
「ルッキーニちゃん、杵結構重いよ?」
杵を渡される。
「おお〜ホント。思ったよりも重いね。重心もトップヘビー過ぎ」
「銃と一緒にするな」
苦笑する美緒。
「出来るか?」
「ウニャ やってみる」
「良いよ、ついてついて」
ルッキーニはよろけながらもすぐにコツをつかみ、餅をぺたぺたとついていく。
「ルッキーニちゃん、うまいね」
「ホント? もっとやろうかな」
「あんまりやると、身体痛めるぞ? あたしに貸してごらん」
シャーリーが替わり、結構慣れた手つきでぺたんぺたんと餅をつく。
「なるほど、ハンマーで木杭を打つ動作にちょっと似てるね」
「シャーリーさん、木杭打った事有るんですか?」
「いや、なんとなく」
「エイラ……」
「サーニャはダメダ。あれは危険ダゾ」
後ろで微笑ましく見ていたミーナが、美緒に近付いた。
「私も試して良いかしら?」
「おお。やってみるか? 結構力要るぞ?」
「大丈夫」
「じゃあ、早速……ぎゃあ!」
芳佳が悲鳴を上げた。餅つきの前の手水を入れた瞬間、ミーナがいきなり杵を下ろしたのだ。
息を呑む一同。ひとり平然と杵を持つミーナ。
「あらあら」
「ミーナ、タイミングをよく確認しないと……。あれじゃ宮藤は確実に打たれるぞ」
「ごめんなさいね宮藤さん。大丈夫?」
「お餅がクッションになったから……何とか」
「どれ。あと少しだ。宮藤、我慢して一気に仕上げるぞ」
「は、はい」
ミーナから杵を預かる美緒。
美緒と芳佳は二人は高速で餅をつくと、台の上に広げ、円の形を作った。
芳佳はそれが終わるとリーネに付き添われて医務室へ向かった。骨は折れていないと思うが、打撲している筈だ。
「私、自己治癒出来たかな……」
「芳佳ちゃん、大丈夫?」
「多分……」
右手を押さえながら、芳佳とリーネは台所から一旦退場した。
「よし、餅は出来た。次は鏡餅だな」
見事に円形に出来ている。形も大小有り、ちょうど重ねると良い具合になっている。
「あとは、少し固まったら上に載せて、飾りを付ければ大丈夫だ」
美緒は頷いた。
「坂本さん、次は蕎麦を作りましょう」
いつの間にか手の打撲が完治した芳佳が、美緒に言った。
「そう言えば、年越しと言えば、蕎麦だな」
「ええ。さっきお餅を貰う時に、そば粉も貰って来てるんです」
「じゃあ早速作るか。頼むぞ宮藤」
「はい」
「……そう言えば宮藤、手は大丈夫か?」
「はい。単にかすり傷だったみたいで。冷やしてたら治りました」
「私にはそうは見えなかったが……まあ、無理はするなよ?」
「任せて下さい」
芳佳はそば粉と小麦粉を混ぜ、水を少量足しながら、ゆっくりと力を入れて捏ねていく。
「粘土遊びみたいだね」
暇そうに見ていたルッキーニが横から口を出す。
「美味しいんだよ? ルッキーニちゃんの国の手打ちパスタに近いかもね。歯応え違うけど」
「へえ〜。扶桑の料理って変わってるね」
「あはは。そうかな」
「こうやって見ていると、なんだか扶桑の頃を思い出すな」
美緒は芳佳の横に座り、腕組みして様子を眺めている。
「あれ、少佐は小さい頃から欧州に居たんじゃ?」
同じく横で見ていたシャーリーが美緒に聞く。
「昔の記憶さ。私は知っての通り、料理はちょっとな。宮藤が扶桑料理が得意で、正直感謝している」
「しかし、何故この日に蕎麦を?」
トゥルーデが由来を聞く。
「扶桑の風習さ。これを新年の前の日に食べると幸運になるんだぞ。主に金運とか。
勿論、科学的統計や根拠は無い。まあ、ひとつの縁起担ぎだな」
「なるほど」
「ここに居る連中は皆高給取りだから、あまり関係ないか」
美緒はどっと笑った。
「芳佳ちゃん、手伝う事有る?」
「あ、リーネちゃん。今そば粉捏ね終わったから、一緒に蕎麦を切っていこう」
「うん」
扶桑海軍の連絡所は美緒達の突然の頼みにも気さくに応じ、かつ気を利かせて色々と道具を貸してくれた。
ロンドン市内にある割烹料理店や大使館の料理番などから、わざわざ借りてきてくれたものもあるらしい。
芳佳はとんとんとん、と均等な幅で鮮やかに蕎麦を切っていく。
リーネは最初大きな蕎麦切り包丁に戸惑ったが、ブリタニア料理で鍛えただけあって、
すぐに要領を覚えて、なかなかどうして、見事に切り揃えていく。
「リーネちゃん上手。扶桑に来ても立派にお嫁さんになれるよ」
「全くだリーネ。いっそ扶桑に来たらどうだ」
笑う少佐を前に、恥じらいと照れ、少々の困惑が混じるリーネ。
芳佳は切り揃えた蕎麦を人数分に分け、蕎麦粉を軽く振り、馴染ませた。
「出来ました」
「よしご苦労。後は、つゆを作るんだが」
「作り置きで良いなら有りますよ? 前に作っておいた出汁がありますから」
「ではそれで良い。完璧だな。早速昼食に出すか」
「分かりました」
昼食の時間になり、隊員達が食堂に集まってきた。
「ねえねえシャーリー見た? ミーティングルームにおっきな餅があったの」
「見た見た。扶桑の風習らしいよ? あれ腐ったりしないのかねえ?」
「……少し、ぷにぷにしてた」
「触ったノカ、サーニャ」
「少佐は余り扶桑の事は言わなかったからな」
「一人だけだと色々ね〜。ミヤフジが来てから雰囲気も少し変わって良いんじゃない?」
めいめいが席に着く。
出されたのは、丼に盛られたほかほかのお蕎麦。上に芳佳お手製の海老の天ぷらが乗っている。
「……この灰色のヌードルは?」
「年越し蕎麦です。食べると金運が上がるんですよ?」
「金運……」
「あ、でも年が明けるまでに全部食べないと、金運が悪くなるって噂も」
「呪いのヌードルカヨ」
「ともかく、そんなに量も無いし、食べやすいから大丈夫ですよ」
一同は恐る恐る口にする。
「スープがちょい甘くて、割と好きかも」
シャーリーが真っ先に感想を言う。
「シャーリーさん、甘辛いのお好きなんですね」
「口当たりが、この前食べたジンジャーソースの煮魚に少し似てるかもね」
「確かに、お醤油ベースですから」
芳佳が説明する。
「トゥルーデ、金運が上がるんだって」
「金運か……私達には余り関係ないかもな」
「クリスが喜ぶかもよ?」
自然と食べる速度が上がるトゥルーデ。にやけるエーリカ。
「おいしい……」
「色は微妙だけど、割と普通ダナ」
ちまちまと蕎麦を食べる北欧コンビ。
「マンマのパスタの方がおいしい! ……でも、これはこれでいいや〜」
「そう? ごめんねルッキーニちゃん。今度一緒にパスタ作ろう?」
「あたし作り方わかんな〜い」
「ええ」
「芳佳ちゃん、美味しいよ?」
「ホント? ありがとうリーネちゃん」
笑顔の芳佳とリーネ。
「リーネちゃんが色々手伝ってくれたお陰だよ」
「私は……ホントに何も」
美緒の「扶桑に来ないか」の言葉を思い出し、何故か顔が赤くなるリーネ。
「金運……」
ぽつりと呟いて、蕎麦を残さず食べるペリーヌ。
「坂本少佐の祖国って面白い……いえ、ユニークな食べ物がたくさんあるのね」
蕎麦を完食したミーナが美緒に微笑む。
「そうか? 本当はまだまだたくさん有るんだが、何せ物資がな」
「仕方ないわよ。宮藤さんも少ない食材でよくやってくれているわ」
「色々ミーナに食べさせてやりたいんだがな。これくらいで許してくれ」
「何も催促してないわよ。十分よ」
ミーナはくすりと笑った。
「坂本さん、次はおせちを作りましょう」
「おせちか……流石にそれは難しいんじゃないか?」
「材料さえあれば……」
「その材料がな」
「そうですね。今ある材料だと、出来て煮豆位、ですかねえ」
「とりあえず、残りの餅も有る事だし、雑煮位は作ろうじゃないか」
「ですね」
「今日はご苦労だったな宮藤」
「いえ。皆さん楽しんで貰えた様で」
「そうだな。次は……」
ぼそっと何かを呟いた美緒だったが、芳佳がきょとんとしていたので
「いや、何でもない」
とだけ返した。
「さて、新年が楽しみだな、宮藤」
「はい」
「まずはお屠蘇と行きたいが……ミーナは許可してくれるだろうか」
酒の事は懲りているので、正直微妙だった。
二人して苦笑いした。
end
----
以上です。
日常的な風景をのんびり書くのもいいかな〜と。
オチは無いですがw
さて。
今年は皆様に大変お世話になりました。
私のSSにレス下さった方々、誠に感謝です。
レスを頂いたお陰で、ここまで書いて来られました。
大きな励みになりました。
またSS職人、絵描き職人の皆様方も超GJ!
GJが追いつかなくて申し訳ない次第です。
来年も皆々様にとって良い年でありますように。
そして「ストライクウィッチーズ」に幸あれ。
ではまた〜。
某所のむろさんの絵に爆撃指令があったので受諾してみるw
『こんにゃん物語〜マーマのパスタは世界一!!〜』
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
─ きょうのお昼当番はルッキーニとエーリカ…のはずが、なぜか芳佳 ─
メニューの相談をして結局ルッキーニの意見でパスタにしようということで、朝から眠気と戦いながら準備がすすむ。
ル「ねぇ芳佳、いつもはリーネと一緒の当番なのになんで今日は私となの?確か今日の芳佳の当番は夕食…だよね?」
芳「あーあのね、昼当番のハルトマンさんが寝坊で無理だからって交代させられちゃったの。。。」
ル「ふぅーん、じゃあ夜はリーネと中尉なの?なんかヘンなもの食べさせられそうでコワイなぁ…」
芳「えっ!?いくらなんでも…ねぇ、それにリーネちゃんが一緒だからヘンな物にはならないと思うよ…たぶん…」
ル「まぁいいや、今日はパスタにするんだから気合入れなくちゃ!」
雑談もそこそこにルッキーニの目つきは真剣そのもの、いつもの乾性パスタじゃなくて
今日は手打ちなので失敗は許されない。
ル「よしできた!コレで完成だよー。みんな喜んでくれるかな?」
芳「ミートソースも出来たよー。これでいいか味見してみて?」 ル「うん、オーケイ!これならみんな大喜びだね!」
そうこうしているうちに皆が食堂に集まってきてにぎやかな昼食が始まった。
二人が作ったミートソーススパゲティは製作者の心配をよそにおおむね大好評であったのだが、
朝食でもいなかった二人分の空席が目立つ。
芳「エイラさんとサーニャちゃん…まだ起きてこないのかな?」
ル「いつものことだから心配しなくても大丈夫だよ、それにコレはあとで暖め直せばいいんだから」
芳「それもそうだね、私たちも早く食べちゃおうよ、私は午後から訓練だしルッキーニちゃんはシャーリーさんと哨戒に行くんでしょ?」
二人が残り少ない時間であわててパスタを掻き込んでいる頃になって、噂の二人が遅めの昼食のために起きてきた。
エ「オハヨー」 サ「…おはよう、ございます…ムニュムニュ」
芳「あっ、エイラさんサーニャちゃんおはよう」
エ「オッ?今日はパスタか、サーニャ、ココへ座ってナプキンを巻いて…」 サ「ありがとうエイラ」
ル「二人ともおそいよー!もう少しで無くなっちゃうところだったよ〜」
ルッキーニのボヤキを聞こえない振りして黙々と食を進める二人。
エ「コレウマイナーサーニャ」 サ「これおいしい…ルッキーニちゃん」 ル「まぁねー、実家のマンマの味だからねー」
エ「ホラホラサーニャ、ここにソースがついてる(フキフキ)」 サ「ありがとうエイラ//」 なぜかサーニャは赤くなる。
エ「ど、ドウいたしましてナンダナ…」 エイラも同じぐらい赤くなって声が裏返ってしまう。
シ「おっお二人さん、今頃起きてきて昼食かい?」 ル「あっシャーリー、私のパスタ美味しかった?」
シ「ああ、とっても美味かったよ。今度一緒に作らないか?」 ル「ほんと?わーい、また今度作ろうっと」
芳「あっリーネちゃんお帰りなさい」 リ「ただいま芳佳ちゃん、急な当番で大変だったね」
芳「そんなことないよー、たまにはいいかなって…それじゃ夕食当番はがんばってねリーネちゃん」
リ「…ハルトマン中尉が暴走しないように気をつけるね」 芳「…そうだね」
芳「そう言えば坂本さんは?」 リ「今日の訓練はなんだか疲れたって言って部屋に戻ったわよ」
芳「そう…なんだ…夕方までには元気になるよね」 リ「そうだといいけど…」
それぞれ雑談をしているうちに皿の上にあった二人分のパスタがどんどん減っていき…
ついにはお互いが引き寄せられるように同じ麺を両端からツルツル…
ハ「おおっ!これはおもしろくなるかも…トゥルーデ、カメラ貸してー!」 バ「カメラなんか借りていったい何を撮るんだ?」
ハ「いいからいいから…もうすぐだよ」 バ「おいハルトマン、アレはいくらなんでも…」
ギャラリー「あ…(もうちょっとで…ドキドキ)あぁ…(ドキドキ)あともうちょっと…」
周囲が見つめる中、ついに最後の一本が二人を引き寄せる…『スルスル、スルリ…チュッ♪』
ギャラリー「!!!(キャーーー!)」 エ・サ「アッ!!(やっちゃった…)」
パシャ、パシャ、ハルトマンがその様子を何枚も激写。
バ「おいハルトマン、フィルムが勿体無いからそれぐらいにしておけ!」 ハ「はーい。(まぁいいか)お二人さーん、あとで写真あげるからねー」
バルクホルンに引きずられて二人で退場。
周囲では喜ぶやら囃し立てるやら呆然として卒倒するやら…とにかく大騒ぎ。
エ「ゴ、ゴメンサーニャ…///」 サ「…ううん、いいの…エイラだったから許すよ///」 エ「サーニャァァァ!」
シ「さーていいもん見れたしそろそろ行こうかルッキーニ」 ル「シャーリー、あたしもあれやりたーい」 シ「ハハッ、そのうちなー」
リ「芳佳ちゃん、私たちも…」 芳「リーネちゃん、お昼まだだったら続きは私のお部屋でね…」
ペ「あぁ…今すぐ少佐とパスタをご一緒したいですわ…」 ミ「美緒!美緒ーッ!どこにいるのー?」
─ 食堂に残された二人はお互いの尻尾を絡ませながらいつまでも見つめ合うのであった ─
end
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
エイラーニャのはずなのに絵に入っていない前半のパスタ作りでルキ芳が追加になってしまったw
て言うか、ナレーション少なくてセリフばっかで収拾がつかなくなってるorz
>>133 餅つきネタGJ!同じような話を自分も考えていたのだが↑のようにセリフまみれになる可能性があるので断念したw
て言うか、自分のもち米は少佐の実家から100kg送られてきた設定だったりw
>>115 とりあえず指令を遂行してみたがこんなもんでいいのでしょうかね…
年末だからかありえないスピードで書いてる化け物が居る
ところで試作のファイルが消えてるようなんだが
どうもお久しぶりです。リーネ&エイラ投下
―――
獣の唸り声のようなけたたましいサイレンの音が鳴り響くと、決まって体を強張らせてそっと物陰に隠れる
のが常だった。どうか見つかりませんように、見咎められませんように。そんなことを祈りながら廊下の、
厨房の、自室の、待機所の、隅っこでぶるぶると震えていた。まるでおびえた猫のように。
「リネット軍曹、なにをしている!出撃だぞ!!」
いっそ空気になって溶けてしまえたならそれが一番楽なのに。けれどもそんな淡い期待は瞬時に露と
消えてしまう。慌しくなった基地内に、彼女を呼ぶ声が響く。は、はいぃ。震える返答に、自分は役立たず
であるという意を込めるのだけれどウィッチの一人、つまりは戦力としてこの部隊に配属されているところ
の彼女が上官の命令を拒絶することなど出来るはずもなく。
抜けた腰を何とか直して起き上がろうとした、ところで。
「ホラ、いくゾ」
もうすっかり見慣れてしまった水色とその上にある不思議な色をした銀色が、座り込むリネットの目の
前にひょい、とやってきて手を差し出した。妙なくらい自分のそれと比べて広く見えるその手のひらに、
リネットは足を抱えたその姿勢のまま彼女の方を見上げて彼女の名前をつぶやいた。──えいらさん。
この間誕生日を迎えたリネットとその同僚とは実のところ同い年で、15歳である。けれどその彼女は
出撃などもう生活のサイクルの一部であるといった様相で、例えば学校に出かけるのをテストがある
からだとかで渋る友人を引いていくような顔で、リネットを見つめるのだった。バルクホルン大尉にどや
されるの、いやだろ?と、懸案事項などそれ以外にあろうはずもないといった表情。
仕方なしに立ち上がろうとする。リネットの腰が抜けているのに気付いたのだろうか、即座に手首をつか
まれる。ぐいと引き寄せられるけれどちっとも痛くないのは、彼女がそういった力加減を心得ているから
だろうか。この人はいつも、リネットよりずっと線の細い印象をうけるふたつほど年下の少女の世話を
焼いているから。
「今日は戦果上げられるといいナ、リーネ!」
無邪気にその、同僚かつ上官であるところの少女は笑った。この部隊に配属されて2ヶ月足らず。訓練
学校からそのままこちらに配属されたこともあるのだろうが、まだ一つの戦果も上げられていないリネット
を彼女はさも当然に気に掛けてそう言う。
はいそうですね、と頷いてみたかったけれど、そんな余裕などリネットにはなかった。心臓がばくばくと
音を鳴らしている。まだ空に出る前だというのに、体に力が入らない。足がすくんで泣きそうだ。
それだのに目の前で手を引く人はというと、いつもの飄々とした態度そのままのような、強いのか弱い
のか分からない握り方でリネットの手首を握り、けれども足をしっかり地に付けて前へ前へ、皆の待つ
格納庫のほうへとリネットを導いていくのだった。その迷いない足取りは、もしかしたら目を瞑っていても
目的の場所にたどり着けるのではないかというほど。
そこにリネットはいつも、明らかな実戦と才能の差を見せ付けられている気がしてならなくなる。そのくせ
「すごいですね」と褒め称えたなら、「そんなんじゃねーよ」とぶっきらぼうに口を尖らせるのに違いない
のだと思った。共に過ごしてまだ短いけれど、彼女は相当の恥ずかしがりらしいことはすぐにわかった。
微かに唇をかみ締める。それがあちらに嫉妬しているからなのか、情けない自分が憎いだけなのか、
リネットには分からなかった。
ゲルトルートを先頭にして空に飛び上がる。後続にエーリカ、エイラ。そのしんがりにリネットはいる。
いつもの定位置。
「リネット軍曹、遅れているぞ。エンジンの出力を上げろ!」
「は、はいっ!」
通信機から、ゲルトルートの鋭い指摘が耳に届く。普段飛行隊長を務めている美緒が今扶桑に帰国して
いる代わりに現在飛行隊長の任を担っている彼女は普段よりもさらに気を引き締めているのだろう。普段
から『規律』を重んじる傾向は以前と変わらないが、ここ一月は更にその傾向が強くなっている気が
リネットにはしてならない。実のところリネットはゲルトルートのそんな気質をひどく苦手としていたから、
さらに辟易してしまうのだった。
「まーまートゥルーデ、そんなにガミガミ言わなくたって。リーネもあんまり固まらないでさ、楽しんでいこ!」
「何を言っているハルトマン!ここは戦場なんだぞ!何かあったら自分で自分の身くらい守らなければ
いけないんだ!僚機に頼ってるようではまだまだ…」
「あーはいはい、わかりましたわかりましたーぁ……ブチっとな」
「おい、聞いてるのかハルトマン!って、おい、通信を切るなぁっ!」
そんな、原隊からの友人同士であるというゲルトルートとエーリカの、穏やかではないはずなのにどこか
ほほえましいやり取りが耳に届いて、リネットはとてもとても羨ましい気持ちになる。思うのは飛行学校
時代の友人たち。本来のプロセスどおりそれぞれの部隊の、それぞれの基地に配属された仲間たちの
中からなぜか一人『エリート集団』と名高いこの第501統合戦闘航空団に配属された自分。確かに訓練
学校時代の成績は悪くはなかったけれど、配属された当初も今も何故自分が、という気持ちは拭えない。
だってこの部隊に集うウィッチたちときたら年上のミーナや美緒たちはもちろん同年代のエイラやペリーヌ
はおろか、年下のルッキーニまでもそれぞれの原隊で腕を鳴らし、エースと謳われていた優秀な人材
なのだから。
同じくらいの実力の子達と一緒に、楽しく上達していけたらよかったのに、何で自分だけ。リネットはため息
をつく。目の前に広がるのは別世界過ぎて踏み込めなくて。手を伸ばしたって届かない。もともと人見知り
の強い気があるリネットでは、話しかけることさえ怖くて出来ない。
いつの間にかゲルトルートより先行していたエーリカを、ゲルトルートが追っていく。その様子を手を頭の
後ろに回して眺めていたエイラがくるり、と振り返ってにこ、と笑った。リネットは飛ぶことだけでも一杯一杯
なのに、こうして平然と冗談じみた会話を交し合ったり、朗らかに笑ったりすることの出来る隊の先達たち
が羨ましい。
ふっと、エイラが視界から消えたと思ったらすぐ後ろからぽん、と肩を叩かれた。頑張ろうぜ、後ろよろしくな。
見事な宙返りを決めて戻ってきたエイラがリネットに囁く。ふい、とエイラが視線を前方に向けたので
そちらを見やったら、数百メートル向こうに黒い機影が複数。
「ネウロイに接触!敵五機、戦闘を開始するっ!!」
再び通信機から届く、ゲルトルートの声。幾分か緊張した声で皆が答える。
「「「イエス、マム!!」」」
突っ込んでいくエーリカ機。シュトルムの作り出す風とその摩擦により生まれる火花がキラキラと輝いて
いる。僚機のゲルトルートはその援護をしながらも確実にこちらよりも多勢のネウロイにダメージを与えて
いる。そのゲルトルートを、更にエーリカが援護して…息のあった二人のロッテが、今一機、ネウロイを
撃墜した。
一方そこから少し離れた場所で別のネウロイを相手にしているエイラも負けてはいない。敵の繰り出す
攻撃を軽やかに避け、確実な攻撃を食らわせてまた離れて。時にはカールスラントの二人の援護に回り、
見事なまでにうまく立ち回っている。『戦場すべてが見えているみたいだ』とかつて誰かが評していたのを
リネットは聞いたことがあったが、こうして遠くから一人眺めているリネットよりもずっと、エイラは戦況を
把握しているような気がして確かにならない。
「リーネ、行けるカ?」
耳元から、いつもの抑揚の無いエイラの声。はた、と気が付いて慌ててリネットは自らの得物──ボーイズ
ライフルを構える。狙撃に特化した長距離型の銃器。それを姉に告げたとき、そう言えば姉は『あなたに
ぴったりね』と小さく笑っていた。恐らく自分の臆病さを見透かしていたのだろう──近距離で面と向かい
合って戦うよりもよっぽど、遠くから気を落ち着けて確実に相手を狙える狙撃手のほうが、リネットには
合っていると。
はあ、と一つため息をつく。照準器を見やって、相手に合わせる。魔力で視力を強化すれば敵がどれほど
離れていようともさしたる問題ではない。風を読んで、敵の動きを読んで──狙うは今エイラと戦闘中の
ネウロイ。彼女が機敏に動き回るおかげで行き場をなくして立ち往生している。あたりさえすれば、この
銃は大きなダメージを与えられる。コアを打ち抜く必要はない。とにかく、当てさえすれば。
(だいじょうぶ、難しくなんかないわ。いつも訓練では出来ているじゃない)
懸命に言い聞かせる。「お前ならきっと大丈夫だ」と、扶桑に出かける前美緒は笑っていた。訓練の出来
具合に関して言えば、問題を指摘されたことはほとんどない。そう、訓練に関して『だけ』を言えば。
だいじょうぶ、だいじょうぶ。何度も何度も言い聞かせる。照準は定まった。あとは引き金を引きさえすれば
いい。そうすれば当たる。絶対当たる。大丈夫。
「リーネ、あぶないっ!!」
指に力を込めたその瞬間、ひどく焦ったエーリカの声が響いた。直後に別の声が重なる。
「左に避けロ、リーネ。」
エーリカのそれとは打って変わった、いつもどおりの落ち着きある声。そう言えばこの人が声を荒げること
などほとんど無いわ、と心の中で思いながらも、言われたとおりに体をひねる──が、その瞬間こめられ
た指が引き金を引いた。
バンッ!!
訓練で感じなれた振動にのけぞるリネット。その反動でリネットは皮肉にもエイラの指示した方向に体を
ずらすことになり、直後その脇をネウロイの放った光線が掠めた。けれどそんなことに構っている状況で
はない。放ったのは自分だから分かっている。自分が今放った、その方向には──
「エイラさんあぶないっ!!よけてえええええええ!!!」
声の限りに叫ぶ。ふ、と振り向いたエイラが再びにこ、と笑ったのをリネットは見た。そして大丈夫、と
いわんばかりにちょいと体を動かす。するとどうだろう、リネットの放った銃弾も、同時にエイラに向かって
放たれた幾本ものネウロイの攻撃も、紙一重でぴたりとエイラの体をすり抜けていく。まるで弾丸が、
光線が、自らその体を避けていったかのように。
そしてぐるん、とまたひとつ下方宙返りを決めて、ネウロイの腹辺りに位置をつけると、先ほどエーリカ
たちネウロイを撃墜したときに当てたその場所に、正確に機銃を打ちはなった。今相手にしているネウロイ
5機はすべて同型だ。そしてエイラはそこにコアが存在していることを、自らも相手と戦闘を行いながら
しっかりと目に留めていたのだった。
「ラストォ!」
そんな呟きと共に、再び機銃を掃射する音が遠く響いたら、先ほどまで視界を駆け巡っていた黒い機体
たちはすべてきらきらとした破片となって霧散しているのだった。ひゅーぅ、とエーリカが口笛を吹く。さすが
だな、とゲルトルートが呟く声がする。そしてエイラは相も変わらず、一人リネットに向かって笑いかけると
こういった。
「惜しかったナ、次はイケルよ、リーネ」
はあ、はあ、と。肩で息をしながらリネットは再び唇をかみ締める。ずるい。ずるいよ。呟くのは誰に対して
なのか。わけ隔てて才能を与えた神か、それともエイラやペリーヌたちに対してなのか──リネットには
欠片も分からなかった。
「ネウロイの消滅を確認。これより帰還する」
ゲルトルートの言葉にきびすを返してこちらにやってくる三人。エイラは楽しげにリネットのほうに近づいて
きてまた、さあ行くぞ、とリネットに手を伸ばす。
「…大丈夫です。ひとりで、いけます」
手を握り返さないのは悔しいからだと、醜い嫉妬心からなのだと、ふうん、と笑って付いてくるエイラは
気付いてさえいないのだろうと思うと、リネットは悔しいような、申し訳ないような、そんな気持ちでいっぱい
になるのだった。
「…危ないところだったな。エイラでなかったら…」
「わわ、トゥルーデのばか!リーネに聞こえたら大変だろ!」
「そ、そうだな…」
大方エーリカ辺りが電源を切り忘れているのだろう。それとも機械音痴だというバルクホルンが使い勝手
を知らないのだろうか。二人の囁き声が通信機を通してリネットの耳に届く。思わず切ってしまいたくなった
けれど、それはひどく傲慢な行為のことのような気がして出来なかった。
「帰ろう、みんなが待ってル」
その通信を聞いているのか聞いてはいなかったのか、エイラがよってきてリネットの頭をかき回し、背中
から手を回して胸をまさぐり始めた。
「ややや、やめてくださいエイラさん!!」
「ほれほれ、元気出せ〜!」
まるで昔からの友人のような態度でエイラはいつもこうしてリネットをからかったりおちょくったり励ましたり
するのだった。それはシャーロットのするような慈愛じみたものではなく、かといってルッキーニのように
全くの純粋なものでもなくて。ただ、同年代の友人とはしゃぎたい、それだけの気持ちしか込められていなくて。
基地に帰り着く。お疲れさーん、と手を振る、仲間たちの姿がある。リネットにはまだ、彼女らを仲間と
読んでいいのか分からなかったけれど。──だって、自分がこの部隊にいていいのか、リネットには
まだわからないから。
タダイマ!!そんな風に無邪気に笑んで、出迎える面々の中に自分の大好きな少女がいるのを見つけて。
「サーニャ!起きてたのカ!」
目を輝かせて景色に溶け込んでいくその背中を、リネットはぼんやりと眺めていた。まるで飼い主を見つ
けた子犬のようにはしゃぐその姿に、先ほどのりりしい姿は片鱗もない。
「相変わらずだなあ、エイラは」
ははは、とエーリカが後ろで笑う。ゲルトルートはふん、と鼻を鳴らしただけであったけれど、それでも重ね
て何も言わない辺り、二人に関しては何も言うつもりがないのだろう、とリネットは思う。
エーリカにとっての、バルクホルン。
エイラにとっての、サーニャ。
自分もそんな相手がいたのなら、こんなに切ない気持ちでいることはなかったのだろうか。惨めな気持ち
を抱くことなどなかったのだろうか。たら、れば。そんな空論を内心で積み上げて、少し落ち込む。
「ぼんやりするな、リネット軍曹」
ゲルトルートに促されて慌てて格納庫へと滑り込んだときにはもうあの空色は消えて、天はすっかり
夕焼け色に染まっていた。
*
「サーニャ、大丈夫かよー」
おぼつかない足取りで歩くサーニャを支えるようにして食堂に入り込む。朝食の開始時間はとっくに過ぎて
いる。エイラとサーニャはいつもこんなぎりぎりの時間に来て、朝食を食いっぱぐれるすんでのところで
ようやく食事にありつくのが常であったから、皆「またか」と肩をすくめるばかりで何も言わなかった。遅れ
てくる理由なんて分かりきっている。どうせ昨日の晩もサーニャがエイラの部屋に潜り込んで眠り、起床
したエイラがサーニャを起こすか起こさないか迷っているうちに時間が過ぎてしまったとかそんな理由
なのだろうから。
席に着くと同時に、「遅いぞ、ユーティライネン少尉」。開口一番ゲルトルートが不機嫌そうにつぶやき、
「そうよ、今度からは気をつけなさいね」とミーナが引き継ぎ、「ねー、私ももうちょっと寝てていいでしょお?」
とエーリカが提案する。
そしてゲルトルートは「そんなわけにいくかっ!」と怒りの矛先をエーリカに向け、ミーナはそれを見やり
ながら穏やかに朝食をとり、「今朝もお楽しみだったのかあ?」「ねー、お楽しみってなーにー!?」と
言ったシャーロットとルッキーニのやりとりに「そんなんじゃねーよ!」とエイラが返す。
そのあと「はしたないですわよ」と更に突っ込みを入れるペリーヌに、「ウルセー」と噛み付いて。それが
いつものパターンで、そして当然のごとくこの日の朝もそのプロセスを飽きもせずに繰り返していたエイラ
ははた、とどこか不思議な物足りなさに気が付いた。まあいいじゃないか、とばかりにわっはっは、と笑う
美緒がいないからだろうか?違う。そして食堂をぐるり、と見渡してようやっとああ、と納得する。
「リーネがいないな。どうしたんダ?」
そう、普段だったらそれらのやりとりのの最後に、いつもテーブルの隅っこでにこにことしているリネットに
「よっ」なんて話しかけて、「シャーリーたちひどいよナ」なんて加えていたから、そのために見やった視線
の先に目的の相手がいないことを不思議に思ったのだった。もちろん、リネットがこの部隊に配属されて
からはまだ日が浅いために、一瞬その不自然さを見逃しそうになってしまったのだけれど。
「…リーネさんなら、今日は具合が悪いから部屋で休んでます、って」
ふう、とため息をついてミーナが答えた。その様子を見るに、どうやら単なる体調不良ではないらしい。
もしかして。エーリカとゲルトルートが顔を見合わせ、その後にエイラを見た。ああ、と思い当たるのは
昨日のこと。間違えてエイラに対して銃を放ってしまったときの、あの世界の終わりを目の前にしたよう
な表情。その後の、泣きそうに歪んだ顔。
大丈夫かなあ、リーネ。ポツリとルッキーニが呟く。この小さな子猫がシャーロットの次といっていいくらい
にリネットに懐いていることに、リネットは欠片も気付いていないのだった。もっともそれはその豊満な
バストがルッキーニの恋しがってやまない故郷の母親に似通っているからなのだけれど、それでも
ルッキーニがリネットに懐いている事実は変わらない。
さあ、どうだろうなあ。答えるシャーロットはどこか意味ありげな視線を送りあうカールスラント勢を見や
って何か勘付いたようであった。大丈夫さ、きっとすぐ良くなるよ。ルッキーニがいいこにしてればさ。必要
以上に踏み込むことを好まないリベリオンの中尉は、そうしてルッキーニの気を逸らす。
エイラの傍らのサーニャばかりが何も分からない、といった様子でこくりこくりと舟をこいでいて。ともすれば
皿に顔を突っ込みそうになるサーニャをすんでのところでエイラが取り押さえる。そしてふう、と一つ息を
つくと、空いた皿を取りあげて言った。
「ミーナ中佐、私、リーネに朝ごはん持ってくヨ。いいでしょ?」
サーニャも行く?恐る恐る尋ねると、サーニャがぱちりと目を開けてうん、と頷く。そうかと答えて、「ジャア、
二人で行ってくる」と重ねるエイラ。
ゲルトルートたちから報告がてら事情を聞いていたミーナは一瞬戸惑った。過失とは言え、間違えて味方
を撃ってしまうところだったこと。それは元来からひどく気の弱いところのあるリネットにとってひどいトラウマ
になったのではないだろうか?エイラだったから良かったものの、もしも他の隊員だったらどうなっていた
か──
けれどその考えを打ち消したのは、「いい?」と尋ねてくるエイラがいつもの底知れない、何を考えている
のかよくわからない笑顔を浮かべていたからだった。何か妙案があるのか、それとも何も考えていない
のか。わからないけれどなんとなく何とかなりそうな気がしてきてしまう不思議な笑み。それは彼女が先の
未来を読んで、自分がそれを諾することを知っているからなのかもしれないし、別に理由なんてないの
かもしれなかった。けれども信じたい。託してみたい。そう思える顔を、エイラはしていた。
「…そうね、お願い。頼んでもいいかしら」
「わかっタ!」
ミーナの言葉を聞くやいなや、エイラはサーニャと共に席を立った。
カーテンの締め切られたリネットの部屋は薄暗く、ゆっくりと扉を開くと微かな嗚咽が聞こえてきた。ひっく、
ひっく。部屋にこだまするその音で、エイラは部屋の主がベッドの上で丸くなって泣いているのだということ
を知る。
ここで待っている、と言うサーニャを扉の外に待たせて、一人部屋の中に入り込んだ。特に抜き足差し足を
したわけではないが、部屋の主たるリネットは全く気付かない様子でひたすらに泣くばかり。
目を瞑っても、フラッシュバックするのは昨日のことばかりだった。昨日はエイラだったその姿が、例えば
ミーナに変わったり、美緒になったり…そうして夢の中で、彼女らはネウロイの攻撃と自分の狙撃、どちら
もを受けて撃墜される。お前のせいだぞ、と憎憎しげにこちらを見やりながらまるでぼろきれのように落ち
ていくその姿を、リネットはがたがた震えながら見やることしか出来なくて、そんなリネットを他の隊員が
冷たい目で見ているのだった。なんてやつだ、と吐き捨てて、お前なんて来なければよかったんだ、と
突き飛ばして。
何度何度謝っても、許されないのは知っていて。だからリネットは謝罪の言葉一つ口にすることが出来ず
にその軽蔑に視線に耐え続ける。そんな夢。
そんな状態で隊の皆のそろう朝食の席に顔を出せるはずもなく…なかなか来ないリネットを見かねて
部屋まで呼びに来たミーナに体調不良を告げた。本来は心に起因するばかりの、言ってしまえば仮病で
しかないそれを。何も言わず、咎めずにいたミーナは昨日のことをもしかしたら知っていたのかもしれ
なかった。
「オーイ、リーネ」
厨房にいたコックに具合の悪い隊員がいること、何か食べやすいものを持って行きたいとの意を伝えたら、
すぐに手早くサンドウィッチを作ってくれた。それとミルクが乗った皿を手近なテーブルにおいてベッドに
歩み寄ると、リネットに触れて揺り起こす。
「起きろ、朝だぞー」
実家から送られてくるのだという色とりどりの花と、それらから作られたドライフラワーとで埋め尽くされた
部屋は、まさに『女の子の部屋』といった趣を感じさせる。ドライフラワーが作られた経緯が、「もったい
なくて捨てられない」だったこと、そう嘆いていた彼女に「じゃあドライフラワーにすれば?」と何気なしに
言ってみたところ本気にしてしまったことだったのを思い出し、リーネらしいよな、とエイラは肩をすくめた。
ふわり、と優しいいい香りが漂うこの部屋で迎える朝はさぞや爽やかなものだろうに、その空間を作り
出した本人はいま爽やかさなどそっちのけでどんよりとベッドの上でいじけている。
「あのサ、昨日のこと気にしてるかもしれないけど、全然気にしなくていいんだからナ」
仲間に撃たれそうになったのなんて、別に一回や二回じゃないしさ。喉まででかかったそれを、なんとなく
今は飲み込んでおく。『不運にも』どうしてか手を滑らせて味方に弾が流れてしまっていた故郷の同僚を
思い出して、く、と笑いを一つ。思えば自分が戦況を広く見られるようになったのは、あの同僚のおかげ
かもしれない。絶対に感謝などしてやらないけれど。
「何があったって私はぜったいにやられたりしないヨ。ぜったい、大丈夫だから」
起き上がる気配を全く見せないリネットは、それでもエイラの言葉は聞いているらしかった。嗚咽をやめ、
押し黙ったベッドの上の膨らみが見えるように体を斜めにして、エイラはベッドの端に座り込む。
その通り、リネットはエイラの言葉を聞いていた。まるで慈しむかのような、同い年のはずの彼女のその
言葉に胸が軋む。『絶対』をこんなにも軽く口に出来る彼女が羨ましくて憎たらしくて仕方がない。ねえ、
どうしてあなたはそこまで自分を信じられるの。あなたが見ているものが『未来』だなんて、誰が決めた
の。それをどうして信じられるの。
そんな歪んだ気持ちは、思わず口を付いて出てしまった。
「エイラさんには、私の気持ちなんて分かりませんよ。…エイラさんみたいな何でも出来る人に、私の
気持ちなんて分からないんです…っ!!」
「私は別に何でも出来るワケじゃ、」
「出来るでしょう!?あんなにたくさんネウロイを撃墜できて、全然怖がったりしないで、挙句の果てには
私に優しくなんかして!!私を可哀想に思ってるんでしょう?そうなんでしょう?でもそれって、私を
格下に見てるからですよね!?私が役立たずだって、落ちこぼれだって、そう思ってるから!!
違いますか!?」
がばり、と起き上がって、まっすぐエイラを見て。胸の中で淀んでいた思いをぶちまけた途端に後悔した。
ひどく驚いた顔でエイラがこちらを見ている。ぽかん、と口を開けてリネットをしばらく見やって、やがて
困ったように視線を落とした。
腹の底から、居心地の悪さと気持ちの悪さが上ってきた。なによりも、そんなことを口にしてしまった自分に
嫌気が差してリネットは泣きたくなる。…分かっているのに。エイラはちゃんと、まだウィッチとして駆け出し
で、うまくいかないことばかりの自分を心配して何かと世話を焼いてくれているのだと。エイラだけじゃない。
今はいない美緒も、ミーナも、ゲルトルートやシャーロットたちも。…分かっている。分かっているのに、
どうしても卑屈になってしまう自分が、一番憎たらしい。
「……ごめんなさい、私…」
謝ってももう遅い。分かっているけれど。同い年とは言え、上官にこんな暴言を吐くなんて始末書ものだ。
出来ればこのまま原隊に強制送還してくれないものか、と思う。
「リーネちょっと、そこに直レ。」
しばらくしてぽつり、と呟かれた彼女の言葉に、言われたとおりリネットは姿勢を正した。美緒の言うところ
の『セイザ』とやらをベッドの上でする。ついに怒られるのだ、と予感した。そう言えばエイラが真面目に
怒るところを、リネットはまだ一度も見たことがない。
「目、つむれ。」
これもまた、言われたとおりに。次に来るのは張り手か拳骨か。そう痛みに耐える準備をして。
言いつけどおり目を瞑ったリネットをエイラは満足げに見る。こうなったら奥の手だ、奥の手。思い出す
のは自分がまだスオムスにいた頃のこと。自分の世話をよく焼いてくれた、少し頼りないけれと、すごく
臆病だけれど、とてもとても優しくて、国やそこに住まう人のことを誰よりも大切に思っていた人のこと。
ウィッチとしての能力なんて、エイラにとっては二の次だった。ウィッチとして何よりも大切なものを忘れず
に心に留めている時点で彼女は自分よりもよっぽど立派であると思っていたから。だからエイラは彼女
のことを尊敬していたし、敬愛もしていた。
手を伸ばして、リネットの頬に触れる。そしてそのまま顔を近づけて──
「…へ?」
素っ頓狂な声を上げたリネットを、エイラはいつものいたずらっぽい声音でく、くと笑った。真っ暗で何も
かもが不確かな世界の中に、一つの感覚が生まれたからだ。
その感覚は額にあった。どこかから伸びてきた手がリネットの額の髪をかきあげて、そしてそこになにか
温かいものを触れさせたのだ。すべすべとしたその感覚が、恐らく目の前にいるエイラの額だろうと勘付く
のに裕に十秒は要した。
「な、な、な」
「見えるカ?」
壊れたスピーカーのような声を上げるリネットをよそに、エイラはいつもどおりの声音で静かに告げた。
思わず反射的に答えるリネット。
「…見えません」
「そうか?私には見えるゾ」
「…なにが」
「リーネの未来。一人なんかじゃないヨ、リーネ。お前にもちゃんと、私にとってのサーニャみたいな大事
な人ができるし、いいスナイパーになれル。…ぜったい、大丈夫」
訝しげに尋ねたら、これまたひどく穏やかな答えが返ってきた。絶対大丈夫。優しい囁きが、リネットの
心に溶けていく。
「知ってるだろ、私の能力。私は未来を先読みできるんだ。大丈夫、間違いないヨ」
頬に触れていた手をぽん、と両肩において。軽く叩いてエイラは笑った。リネットが目を開いたのを見やる
と立ち上がって、立ち去りざまにテーブルの上のサンドウィッチを指し示す。ついでにカーテンを開いた
ので、部屋一杯に光が満ち溢れた。
「朝ごはんここに置いとくからナ。ちゃんと食べて、今日はゆっくり休めヨー」
残されたリネットは一人、ぽかん、としていた。そして先ほどまでエイラの額が触れていたそこに手を
やって、はあああ、と大きなため息をつく。変な人だ、本当に。熱を測るわけでもあるまいし、たかが
未来をみるくらいでどうしてこんなことをするんだろう。…誰かにそう愚痴っても、「そりゃエイラだから
だろ」で済まされそうなところが部隊内で「不思議ちゃん」と名高い彼女の不思議ちゃんたるゆえん
なのだろうけれども。
彼女の"視た"と言う未来は、果たして実現するのだろうか。…実現してもらわなければ困る。だって
あんなに自信たっぷりに言われてしまったら信じざるを得ない。
両手を広げて目の前に持ってくる。祖国ブリタニアを守るためにここにいる自分。それだのにまだ一つ
の役にも立っていない自分。ぎゅ、と握り締める。…落ち込んでいる場合ではない。私に出来ることを、
一つずつ叶えていきたいから。今は難しいかもしれないけれど、確実に一歩ずつ、涙を拭いて。
窓からこぼれてくる光を見やって、遠い遠い空の下にいる、『大事な人』のことを思う。もしかしたらもう
出会っているのかもしれない。臆病さで覆い隠して、気付けていないだけで。
『どうして怒ってるんダヨ、さーにゃぁ〜』
廊下から聞こえてくる情けない声。どうやら廊下にサーニャを待たせたままでいたらしい。
先ほどまでえらそうなことばかりを口にしていた彼女との落差がおかしくて、ぷ、とつい噴出して立ち上が
ろうとした瞬間──足の痺れに、ベッドの上に倒れこんだ。
*
「なー、どうして怒ってるんダヨー」
朝食前のおぼつかない足取りはどこへやら。ひどく機敏な動きですたすたと前を行くサーニャを、エイラは
必死で追っていた。
ちょうどリネットを励まし終えたところで、ドアの外から「遅い」といわんばかりにこちらを見ているサーニャ
の視線に気が付いたので、早々に話を切り上げ彼女の元に向かうことにしたのだというのに…先ほど
からそのサーニャはひどい不機嫌ぶりだ。
待たせた廊下が寒かったのだろうか?それとも朝食が足りなかったのだろうか。もっと眠っていたかった
のだろうか。サーニャの不機嫌の原因が分からず尋ねるも、サーニャはその一つにも答えてくれない。
そう言えば昨日の出撃から帰ってきたときもこんな調子だったな、一緒にいたらいつのまにか直っていた
けれど。そんなことをぼんやりと思い出して。
「もしかして、さっきのリーネの部屋でのコト?」
ふと思い至って言ったら、ぴたりとサーニャが足を止めた。どうやら正解だったらしい、とエイラは内心
大喜びする。女の子の思考というのは複雑怪奇すぎて全く分からない、と自らの性別を棚に上げて思って
いるエイラとしては、サーニャの気持ちを読めたことがひどく嬉しくてならなかったのだ。
「だからー、嘘をついたのは悪いと思ってるヨ。でもあれは仕方ないダロー?」
「…エイラ」
「ナニ?」
「…嘘って?」
「友達が出来るとか、いい狙撃手になれるとか、嘘っぱちの未来をリーネに言ったコト。私がそんな先の
未来見られないこと、サーニャは知ってるダロ?」
「…知ってる、けど」
「…リーネみたいにすぐ怯える先輩がいてさ、前、よく同じようにして励ましてあげてたんダヨ。
まあ、あの人は知っててわざとだまされた振りしてくれれたんだと思うケド」
目を細めて、少し笑んで。そんなことを言うものだからサーニャの不機嫌が更に加速しているのに、エイラ
は全く気が付いていない。自分にもしたことがないことを、目の前で別の同僚にするばかりか『前もよく
やってあげていた』などと楽しそうにのたまうのだ。どんかん、と小さく呟いたらエイラが首を傾げたけれど
、答えてなどやらない。
代わりにようやっと追いついたエイラを見上げて、手を伸ばしてその両頬へとやって。
背伸びをして顔を近づける。こつん、と額と額とが当たる感覚。目を瞑る。温かい。
「…見える?」
「ナニが?」
「私の未来」
「だから見えないってバ」
「私は見えるよ」
エイラと一緒にいるよ、笑っているよ。付け加えるのはやめにして、頭の中で思い描いた未来にサーニャ
は一人ほくそえむ。
「だから他の人にはもう、しないで」
そう言って額を離すと、目の前の想い人は顔を真っ赤にしてこちらを見やっていた。大方、自分の言った
言葉など欠片も理解していないだろうな、とがっかりするサーニャ。優しくされて、嬉しくて、返そうとして、
気付いてもらえなくて。その度にがっかりするのに、それでも離れなれないのはただひたすら好きだから
だと、この人は夢にも思わないのだ。
もういくね。口にしてきびすを返して歩き出したら、数秒遅れでようやっと思考を再開したらしいエイラが
また、情けない声を上げてサーニャを追ってきた。
了
以上です。
補足するとナルキッソスは水仙の意で、イギリスの国花。ラッパ水仙の花言葉は「持って生まれた素質」です
昨日エイラスレにぽんと投下した絵が貼られてて吹きました。コメントくださった方ありがとうございます
絵と文で名前が違うと紛らわしいですね、ごめんなさい。
いまさら言うのもなんですが、あれは一応mixなんとかのあとリーネにお洒落させられたエイラでした
>>124 よんだ!ニヤニヤした!完成待ってるGJ!!
>>136 いつもの方どうもw今回も楽しく読ませてもらいました 自分ではあんまり考えてないけど、
こういう台詞を考えてもらえるとこっちも細かいところで遊びがいがありますw
じっちゃん投下乙!100とか本当にすごいなあ!
あの時描き損ねたけどじっちゃん特別最上名誉勲章受勲祝いのシャッキーニも描きたいなあと画策してます
で、mxTTnzhmさん、すごい、とにかくすごいとしかいいようがない…GJ
自分の今年の投下はこれで最後になりますが、みなさんよいお年をお過ごしください。21X2w2Ib
148 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/31(水) 10:40:51 ID:hPLsgz8Z
アニソン三昧の一曲目
わたしにできること
だったよ
熊本県熊本市の
恥ずかしくないもん♪さんに
感謝
>>147 乙ー
リーネイラでに萌えて
エイラーニャでにやにやした
>>137 とりあえず夜起きてた人用だから・・・
絵を元にして書くのは初めてだから期待しないでいいです
あっちなみに書いてたのは思いつきで書く男eIqG1vxHTMでした
>>148 さっきウテナのOPリクした人のラジオネームがトゥルーデだった
>>147 そしてその後リーネはおっぱい魔人の餌食になるんですね
年末とかぜんぜん関係ない前々スレ
>>408のつづき投下します
年内におわらせたかった連載なんですがムリポ
表面上はほぼかわりないと言ってもさしつかえない現状に、シャーロットはむしろ困惑していた。彼女がとりかえしの
つかぬ失敗をしてしまった日から時間はそれなりに流れていたが、いったいどの程度の日数がすぎたのかを考える
余裕などなかった。あれから、くずれるべき関係が成立したままでもっともきれてはいけないところがすっかりと切断
されてしまっていた。だかしかし、表面上はほぼかわりがないのだ。外から見たとき、エーリカがバルクホルンのこと
をまったく口にしなくなった現在は、それ以前とくらべてそれほどまでの変貌を遂げてはいないようなのだ。格段に
エーリカといることがふえたような気がするのに、それがまるでいままでどおりのように。自覚のないまま、以前まで
もエーリカとすごしている割合はこれほどまでにおおきかった。シャーロットはその事実に混乱し、息苦しいほどの
圧迫感にいまにも胸がおしつぶされるのではないかと不安で不安でしかたがなかった、だが反面、そうなればきっと
楽だとも考えいたってしまう。
「シャーリー」
自分のベッドのうえに寝転んだエーリカがひとの名を呼ぶ。ふたりがいる場所はエーリカの自室であり、なにもして
いない彼女のとなりでシャーロットは本来ならば彼女の役割でない作業を強いられていた。ハミングが耳にとどく。
背後でだらしなくからだをのばしている人物が、おそらく故郷のものなのだろう、シャーロットのききなれない歌をふん
ふんと鼻で奏でていた。
「……おなかがすいた」
その合い間にぽんとことばをまぎれこませ、わがままをなげかけてくる。シャーロットはベッドのとなりの床を一所懸命
片づけていたところであったが、その台詞にすっくとたちあがる。それからふりむき、いちばんに整頓したベッドのうえ
であおむけて天井をぼんやりとながめている少女を見た。
「甘いものが食べたい」
「片づけは?」
「おやつもってきてくれてからでいいよ」
「ちがう、おまえもちゃんとやれって言ってるんだ」
まるですべてがシャーロットの仕事であるかのような物言いに、形だけの反論をしてみせる。バルクホルンのための
作業は、いまではふしぎなことにシャーロットにおしつけられるものとなっていた。ここにだけは手をだしてはいけない
と常々思っていたところなのに、と彼女は内心で歯ぎしりをする。先程からまるで無理やりにやらされているような言い
様であるが、実のところはシャーロットがほぼ自らそれに手をだしているのだ。あくまでエーリカは部屋がきたないんだ
と愚痴をこぼすだけ、そうすれば口がなんと言いだそうとも、手は勝手に荒れはてた一室をどうにかすべく動きだして
しまう。エーリカが泣いた日に、罪滅ぼしか、と黙々と部屋を片づけるバルクホルンを責めたてたことがそのたび思い
だされる。そんなことをしてもなにもかわらないと伝えたかったはずなのに、いまシャーロットは、自身がまったく同じ
ことをしている。ふん、ふんとまた歌いだしたエーリカを目を細めて見つめ、しかたがないというようすを繕うために
ため息をついた。
「……なんか探してくるよ」
返事はない。くるりとひるがえって、背に歌声をうけながら出口へとむかう。
ばかみたいだね、とエーリカは言ったのだ。あのとき、シャーロットの手首をつかみ額を首元におしつけて、こぼれて
きたのはあきらめに似たつぶやきだった。だれが、とはきけるはずもなかった。そして彼女は、シャーロットをしばり
つけた。いくなとひきとめられて、シャーロットがそれをふりきることなどできるはずがない。エーリカがその気ならば、
彼女が飽きてしまうまでそばにいることが義務だと思った。バルクホルンのかわりになれるなどはなから思っていない、
だけれど部屋の片づけくらいならしてやれる、わがままくらいなら満たしてやれる。ひどい逃げ道だと思った。これ以上
自分が動いてこじれてしまうことがあってはつぎこそ立ち直れる気がしないと、そうやって臆病になっているのも事実
だったが、結局シャーロットは、エーリカに甘えられることがかすかにうれしいのだ。
(なにもない)
食堂にたどりつき、冷蔵庫のなかをのぞきこむ。しかしこまったことに、甘いものを所望しているおじょうさんが満足
するようなものはなんど見てもひとつとしてない。どうしようかと途方に暮れる。こんなときバルクホルンならどうする
んだろう、そもそも、片づけの途中におやつの時間などもうけないのだろうか。シャーロットは、自分がかなり弱って
いることを自覚していた。やつがエーリカを満足させられるはずがないときめつけていたくせに、そのバルクホルンの
思考回路を真似てみようと試みるなど、筋がとおっていないにもほどがあるのだ。ばたんと冷蔵庫をしめて、そのかたい
扉に背をあずけた。
(どうしてあのときつかみかかってくれなかったんだ)
エーリカにひきとめられながら見た、気にもとめないような背中。うつむいていたエーリカだって、それをたった一瞬
でも見ていたにちがいない。おい、あんたの大事な子がほかのやつに手をだされてんだぞ、どうして、そんな平気な
態度でいられるんだよ。かすかにわきあがる憤怒がおそろしく醜いものに思われる。シャーロットは、あれはしかた
なかったのだと、ひそかに納得しかけていた。そう、自分はエーリカに近づきすぎた、限度があるとわかっていて、
盲目になっているあわれな少女を咎めてあげなかった。とっくのむかしにシャーロットは、ほぼ完璧にバルクホルン
の居場所をうばいさっていたのだ。その証拠に、エーリカがバルクホルンからすっかりとはなれてしまおうと決めた
現在も、一所懸命いちいちやつのようすを気にしていた過去も、外から見れば、すなわち、バルクホルンにしてみれ
ば、どちらもなんらかわりない、シャーロットとエーリカがずっといっしょにいるという紛れもない真実にすぎないのだ。
「……そうか、悪いのは最初から、あたしだったのか」
だれもいないのをいいことに、震えた声でつぶやいた。それなのに、バルクホルンにもエーリカにも、こちらがじれ
ったいほどに責められやしない。それが余計につらくて、どうしたらいいのかわからなくなるのだ。
部屋にもどってみれば、鼻歌はぴたりとやんでいた。あるのはかすかな寝息だけ。シャーロットは唯一見つけた朝食
ののこりのパンを手のなかで遊ばせながら、ゆっくりとベッドに近づく。からだはあおむけたまま、それでも顔はこちら
から背けるようにして、エーリカは浅い眠りについていた。目をとじた横顔を見おろす。結局あれからのばしっぱなし
の髪がシーツのうえにひろがっていて、いつ見てもきれいだと思う。だけれどもうそんなことは冗談でだって言えなく
なった。エーリカは以前にまして甘えるようにすりよってくるようになったのに、無理やりにつくっていた空気の壁など
とはくらべられないほどの強固な壁が目に見えるようなのだ。だから、ほほにかかった髪をすくってといてやることも
きっともうできない。
(ハルトマン)
しんとした無表情の寝顔に、シャーロットはかなしくなる。どうしてそんな顔をしているんだ、夢のなかでくらい、かわ
いい顔でしあわせそうに笑ってほしい。
(ごめんね)
くるりとからだの向きをかえ、すとんと床にすわりこみベッドにもたれかかる。きっとこれではよろこばせることは
できなかったであろうパンをかじり、まだ片づけきれない散らかる部屋を見まわす。最後にバルクホルンがきれいに
してくれてから、エーリカはそれをすこしでも保っていたくなかったのか、わざとかと思われるほどにすぐさま部屋の
なかをひっくりかえしていた。彼女にとってうれしくてしかたのないはずのバルクホルン仕様の自室は、シャーロット
のせいで見ているだけでも非常につらいものになってしまった。
「ごめん、ごめんね……」
どうしたらいいのかわからないのだ、だから、あやまることすら正しいのか判断できない。シャーロットは眠っている
エーリカに、絶対にきこえない謝罪をゆっくりなんども繰り返すしかできなかった。
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ひらかれたハンガーから空に描かれたふたつの白い軌道をながめ、シャーロットはストライカーのとなりで手に
もったレンチを無意識にきつくにぎりしめていた。美しく狂いのない、まるでお手本のような飛び方。エースがふたり
そろっての訓練ほど目の保養になるものはない。ただしそれは、平生のことならばの話だ。もどかしくてしかたがない、
とシャーロットは思っていた。どうしてそつもなく以前のようにぴったりと息をあわせてしまうのか、どんどんとずれが
おおきくなっているはずのエーリカとバルクホルンのこころの距離は、信じられないほどに彼女たちの仕事に影響を
およぼさなかった。おそらくそれはプライドだった、エースとしてのそれと、そしてお互いに対しての。こじれてしまった
仲など自分にとってはたいしたことでないのだと、そういうふうに相手に見せつけないときっと気がたもてないのだ。
だから事務的な会話はいままでどおりにかわしているし、お互いに不自然にさけるようなこともない。シャーロットは、
見ていて気味が悪くてしかたがなかった。どうしてふたりして取り繕うのがそれほどに上手なんだ、どうして、器用で
ある必要のあるところはおどろくほどにうまくできないくせに、そうやって誤解をさらに深めるようなことばかりが得意
なのだろう。
だから、彼女たちがおかしなことになっていると気づいている人間はかなりしぼられる。ふたりにとってはほかの
ひとたちになにかしら勘づかれることもきらっているのだろう、それでも気づくものは気づいているように思われた。
だけれど、やるべきことに支障をきたしていないエースのふたりに物申せるものなどなかなかおらず、ふたりの佐官
も、彼女らが軍人としての勤めをないがしろにしないかぎりプライベートな部分に足をふみいれることはしない姿勢の
ようだった。
「おつかれ」
ふと、背後から声がする。あいかわらず空を見あげていたシャーロットは緩慢な動きでふりかえり、そこにたつ人物
を認めた。エイラが右手を腰にあてて、ぼんやりとした表情で数メートルはなれたところにたっている。
「おー。おつかれ」
レンチをにぎる手をひょいとあげて、シャーロットはのんきな声をだす。ついにきたか、と思う。かのふたりをつつく
ことができないなら、それならばもうひとりの当事者であるらしい自分に白羽の矢がたてられるのは当然のことだ。
愛想がよくほがらかで温厚なシャーロットは、そういったときに敷居がひくく、きっかけにつかわれることがすくなくない。
彼女はそれをとくに気にしたことはなかったが、今回ばかりはすこしうんざりとしてしまった。
エイラは無表情なシャーロットが用件の内容に気づいたことを悟ったのか、なにがあったのかはしらないけどさ、と
単刀直入に前置きする。
「……つらそうじゃないか、最近」
「そうかい?」
「そうさ」
くいとストライカーにむきなおりしゃがみこむと、とんとんと気配が近づいてくる。シャーロットはふりむかず、ストライ
カーに手をかけた。そのようすをながめながら、エイラはふうんと鼻をならす。
「あんまり、お節介は性にあわないんだ」
「はは、そうかな。おまえの得意分野だと思うけど」
話をつづけるまえにシャーロットにそうきりかえされ、エイラはえ、と声をあげてひるんだ。彼女がバルクホルンを
ひそかに気にかけているのは、シャーロットのしるところであった。そして自分にも、エーリカにもだ。これよりまえの、
もっとも明確だったお節介は、ミーティングルームで新聞を読んでいたバルクホルンをエーリカとシャーロットがからか
おうとひとつ企んでいたときだ。偶然いあわせていたふうなエイラとサーニャ。ふたりともなんとなくこちらを気にして
いるようだったが、とくにエイラが明らかだった。そのうえ新聞紙にさえぎられているのをいいことに、サーニャと
ぼそぼそと話しながらも露骨にじろじろとバルクホルンのようすをうかがっているように見えた。
それはおそらく、無意識なやさしさがにじみでているのだ。だが、エイラ自身がそれをひとに言われず自覚すること
はいままでなかったのだろう。だからお節介は性にあわないなどと、はたからみれば滑稽な台詞がでてしまうのだ。
そのくせ実際にいまのこのときだって、まずはじめにしびれをきらして、話をきこうとお節介しようとやってきたのは
彼女にちがいない。ちらりと横目でうしろを流し見れば、エイラが瞬きをしながら唇をとがらせ、よくわからない表情で
混乱しているようだった。シャーロットは思わずくっと笑い、つい饒舌になるのをとめられそうにない。エイラの訪問に
いい顔をしないような素振りを見せながら、どこかでだれかにきいてほしかったらしい自分がひどくまぬけだと思う。
「そうね、つまりは、自分のしらない自分ってのは、だれにだってあるってこと」
「……、なに?」
唐突な指摘からまだたちなおれずにいる背後の人物に、これまた唐突な現状の説明をしてやった。
「そういうことさ、あたしにだって、自分のしらないところがあった」
「もっと簡単に言うと?」
「あたしは、自制がきくほうだと思ってた、だけどそんなことはなかったし、たいてい冷静でいられるってのもかんちがいだったみたい」
しゃべりすぎか、とシャーロットが自覚したころ、エイラは混乱からたちなおり、おぼろげながら全体の筋を把握し
かけていた。つまりは、と、エイラが両手のひとさし指をたてそれらをかよわせたり遠ざけたりしといったふしぎな動き
をする。
「冷静じゃなくなったシャーリーが、なにかしちゃって、ふたりの仲がこじれた、と」
明解すぎる物言いに、シャーロットはストライカーをにらみつけたままの顔をゆがめる。もうすこし歯に衣というもの
をきせてはいかがか。寸分の狂いもない名解答にぐうの音もでない。そうしてシャーロットがだまっていると、エイラは
またふうんと鼻をならす。
「だからか。だから、悪いと思って、最近あんなに一所懸命ハルトマン中尉のご機嫌とってるわけね」
そしてつぎにつぶやかれたことばは、またしてもひどく的を射ていた。しかも、シャーロットにとってもっとも痛いところ
にはなたれた矢はつきささる。ぞくりと背筋がふるえて、思わず手にもっていたレンチをとりこぼし、かしゃんとかたい
音がひびく。よく似た感覚を最近味わってばかりだ、バルクホルンをまえにしたとき、そしてエーリカをまえにしたときも。
「……おいエイラ、そもそも、あたしのところにくるのは間違ってんじゃないか。おまえが気にしてるのは根性なしの
バルクホルンだ、だっておまえもあいつといっしょで根性なしだもの、さぞ他人事じゃなかったろう、だったらな、苦言
ならあいつにしてやったらどうだよ」
震える声が大声にならなかったことだけがすくいだ。シャーロットは言いきる瞬間にはっとして、あわてて口元を手で
おおった。ごくりとつばをのむ音が、ひどくおおきくひびいた気がする。ふりかえることもできずに、シャーロットはごめん
とつぶやく。
「いまのは完全に失言だ、とりけすよ。ごめん」
なにをわざわざ冷静でいられないまぬけさを実演してみせているんだ。シャーロットはなさけなくなり唇をかむ。やっと
のことでおそるおそる首をまわし、そこにたっているエイラを見やる。すると彼女は予想外のシャーロットの悪意に驚愕
するように目を見開いていたが、すぐに具合が悪そうに眉をよせて視線をそらした。
「……や、こっちもわざといやな言い方した。ごめん」
だってへんじゃないか、とエイラは言うのだ。シャーロットはたちあがり、なんとか真っ直ぐに彼女のほうへとからだ
をむける。するとあちらも、再度視線で目前の人物をとらえる。その瞳の光があまりにつよくこちらにとんでくるもの
だから、シャーロットはぎくりとし、瞬きをした。
「らしくないじゃないか、いらいらしてなにもしないなんて。……シャーリーは、そんなふうにこわがって行動できない
ようなやつじゃないだろ、成せば成るっておおきくかまえて、いまのままじゃだめだってわかってるときにだまってたり
しないよ」
それも、シャーリーのしらないシャーリーなのか? ぽんとなげられた疑問、それはシャーロットの思考を真っ白に
した。思いもよらぬ指摘はその目をひらかせ、呆然とした表情をつくらせる。しばらく返事もできずに、それどころか
微動だにできず、シャーロットは力のぬけた顔で呆然とエイラを見かえしていた。
「……いや」
無意識のうちに、声がでる。それからやっと我にかえり、ふいと顔をそらしてシャーロットはまたもとのようにストライ
カーのそばにしゃがみこむ。
「あたしは、能天気な楽天家だ、エイラの言うとおりさ。なやんでるのなんて、それこそ性にあったりしないようなね」
バルクホルンとエーリカには近づきがたいから自分のところへきたなどと、大層に失礼なことを考えていたものだ。
エイラはもとから、シャーロットを心配してやってきたにちがいない。かのふたりばかりがおかしなことをしていると思い
こんでいた、だけれどそれはまったくちがう。おかしくなっていたのは、シャーロット自身もそのとおりなのだ。はあ、と、
思わずなさけなく息をついてしまう。
「エイラ、おまえいいやつだね」
「……そんなんじゃねーよ。それに、機嫌の悪いシャーリーには二度と近づかないって教訓ができたからおあいこだ」
「だからごめんってば。おねがいだから見捨てないでおくれ」
「ちぇ、しらじらしいの」
背中で話すと、すねた声がとんできた。思わずくっくと笑いがもれる。シャーロットは気をとりなおすようにおとした
レンチをひろいあげ、やっとストライカーの整備へととりかかる。すると気配がはなれていく音がした。あらわれたとき
と同じようにかすかな気配が、シャーロットから遠ざかっていく。
「おい」
ふと、呼びとめてしまう。それにエイラも立ちどまる。シャーロットは手元をかちゃかちゃと言わせながら、すっと息
をすった。
「今度デートしよう、お詫びとお礼に、なんかおごるよ」
「……サーニャにもおごるってんなら、つきあってもいい」
「はは、じゃああたしはルッキーニでもつれてくかな」
ふん、と、エイラは鼻をならし、そのままかけだしていってしまった。背をむけているシャーロットはそのときの表情は
確認できなかったが、おそらくそれはひどく安堵した、満足したそれにちがいないと思われる。お節介やきのエイラは、
すっかりとお節介をやいてきっとうれしそうなのだ。
(そうだよ、失敗をこわがるなんて、そんなのはあたしじゃない。あとのことなんてあとから考えればいい、まずは行動
しなくちゃいけないんだ、……)
いまだ彼女たちの飛行訓練はつづいている。シャーロットは空を見あげずになにかを決意したかのように唇をひき
しめ、ゆっくりと丁寧に、自分のストライカーの整備をつづけていた。
つづく
支援いただいたエイラニャの要素をいれたかったんですが、中途半端になってしまいました、申し訳ないです
あとエイラが書きなれてない感まるだしですみません
>>156 続き待ってたよGJ!
前回の話とかで、この後どうなるんだろうと思ってたけど、そろそろ片が付きそうですね
この続きも楽しみにしてます
うおおなんとかしあがったんで連投で申しわけないんですが
>>156のつづき投下します。これで最終話です
年内におわらせられてよかった
エーリカは飛行訓練をおえ汗を流し、他人に片づけてもらった部屋のベッドのうえでぼんやりとしていた。頭はかわか
さないままからだをなげだし、きょういちにちのことを、むしろここしばらくのことを思いかえす。彼女にとってつかれる
ことばかりだった、バルクホルンはやはり自分のことなどどうでもいいかのごとく、こんなにもいっしょにいることがなく
なってしまったのに普段どおりの顔色をしているのだ。かの扶桑の新人がはいってきたばかりのころはひどく機嫌が
悪く動揺だってしてたはずのバルクホルンは、エーリカのことについてはうろたえもしていなかった。
(……むかつく)
必死に、こころのなかで悪態をつく。それはまるでかっこうのつかない強がりだから、エーリカはもう二度と彼女の
ことを口にすることができないのではないかと思っていた。それでよかった、このまま、この気持ちがきえてしまえば
いい。ふとした眠気を感じながら、エーリカはそっと目をとじた。が、その瞬間に、ばたん、とおおきな音をたてて自室
の扉があけはなたれるのだ。ぎょっとしてからだを起こせば、そこにいたのは険しい顔をしたシャーロットだった。異様
な気配に面食らう。
「え、なに」
「……」
無言のまま、シャーロットがずんずんと入室してくる。エーリカは不審に思いながら、唐突な嫌な予感に目を見開く。
シャーロットは問答無用に、目を白黒とさせている少女の腕をつかんだ。いろいろ考えたんだ、いまはベストじゃない
んだ、いまのままじゃ、だめだろ。それからそうやって、半ばさけぶような調子で言うものだから、エーリカは肩をこわ
ばらせる。急激な変貌だった。エーリカは事態の展開についていけずに、呆然と、きつく自分の二の腕をつかむ力に
顔をしかめた。
「なに、なんだよ、痛いよ」
でるのは動揺をかくせぬ声ばかりだ。シャーロットはあれから、エーリカにまるで腫れ物にでもふれるかのように
接してきた。余計なことはしないようにとおとなしく、彼女のわがままに従っていた。そんなことはしなくてもいいと
思っていた、だけれどそう言うこともできなかった。だからずっとシャーロットは、こんなふうにエーリカの予測しない
ような行動をとろうとするようすなどまったく見せなかった。
「急に、なんだよ」
「一所懸命、考えた。だけど、これっくらいしか思いつかなかったんだ」
それなのにいまときたら、質問にも答えない。あいかわらず眉をよせて唇をひきしめ、こわい顔をしたシャーロット
がいた。エーリカは混乱したまま、彼女の急激な変貌の起因に思いあたれない。だけれど、ひょっとしてと思う。わたし
があんまりこきつかうから、今度はシャーリーにもほとほと呆れられちゃったのかな。瞬時にそうにちがいないという
結論がでる。そしてその当然の成り行きに顔をしかめていると、唐突にからだが浮いた。
「な」
状況を理解したころには、早足で歩くシャーロットに廊下までつれだされている。エーリカの細いからだはシャーロット
のからだとは前後反対にわきに抱えられ、手足が宙をかいていた。
「は? しゃ、シャーリー」
「……」
無言の圧力が、後頭部のもっとうしろからとんでくる。腰を抱えこまれたエーリカは一所懸命ふりかえりシャーロット
の背中をこぶしでたたく。が、シャーロットはまったくひるまない。だまったままで足をとめずに、ひたすらに廊下を
歩いていた。そこでエーリカは、彼女の目的地に気づいてしまう。さっと、血の気がひいた。
「……ちょ、ちょっとまってよ」
「またない」
「なんだよ、どうしちゃったんだよ。おかしいよこんなの、はなして、はなしてよ、はなせっ!」
「うるさい!」
シャーロットが声を荒げたところで、彼女の足も同時にとまる。ある一室のまえ、つまりバルクホルンの部屋のまえ
だった。いやだ、いやだ、やめてよ、なにするんだよ。エーリカがそうやって逃げきるまえに、シャーロットはそのドア
をあけてしまった。彼女からはなかのようすはまったく見えない、けれど、部屋の主が息をのんだのはわかった。と
思っているうちに、またからだが浮く、というよりもほうりなげられる。
「なっ」
エーリカのものではないおどろいた声。それが耳にとどいた瞬間に、からだがどこかぶつかり衝撃をうける。だけれど
ひとつも痛みはなくて、あるのは柔らかさとぬくもりだけ。反転した視界に、シャーロットがいた。冷静になれない頭で
なんとかまわりを観察する。なげつけられたエーリカは、バルクホルンに見事にキャッチされ、それでも彼女があと
ずさってすわりこんでしまったベッドのうえで抱きとめられていた。
「……じ、じれったいんだよ、おまえら」
震える声がひびく。うえとしたが反対のエーリカの視界の真ん中で、シャーロットが怒っているのか泣いているのか
唇のはしをひきつらせながら、エーリカをなげつけた体勢のままでかすかに息を荒げている。それからゆっくりとうつ
むき、だらりと両手をさげてたちつくした。お互いにかっこつけて、誤解ばっかりして、ちゃんと、本音ぶつけあえよ、
なんで、なんでそんな。入り口のそばで、彼女は声を徐々にちいさくする。怒鳴られているふたりは呆然と、そのようす
を眺めていた。
「おまえらばかだ、ばかばっかりだ、でも、いちばんばかなのはあたしだった、ごめんふたりとも、ごめんなさい」
それが最後のひと言で、シャーロットはうつむいたまま、逃げるようにあけはなたれたままの扉をくぐりぬけていって
しまう。ばたんととざされた出口、そのむこうでばたばたと足音がとおざかっていく。とりのこされたひとびとはあいかわ
らず呆然とし、かたまったままにその扉をながめていたが、唐突に、そのうちのひとりが我にかえる。
「……あの、はなしてよ」
ちいさなつぶやき、それをはなったエーリカを抱えこんでいたバルクホルンはやっとはっとして、自分の胸のなかに
拘束されもぞもぞともがいている少女をあわてて解放した。するとその子はさっさと彼女の腕からぬけだし、バルク
ホルンに背をむけるようにベッドのうえにすわりこむ。これはいったい、どういうことなんだろう。エーリカは奇妙に
冷静な頭でぼんやりと考える。この状況をつくりだしたシャーロットは、無責任にもとびだしていってしまった。わから
ない、わからないけれど、ここにいるのはいやだと思った。ごめんね、シャーリーが勝手にへんなことをしただけ
なんだよ。背後のひとにそう言って、さっさと逃げだそうと思った。それなのに口がまわらなくて、自分が緊張している
んだと悟る。ならばせめて、にげるだけでも。そう思ってベッドのうえからとびだそうとした。それなのにできない。
だって、バルクホルンがいってしまおうとしたエーリカの手首をつかんだのだ。
「あ」
ぎょっとしたエーリカがふりむききるまえに、バルクホルンは思わずといった風な声をあげてその手をはなしてしまう。
だけれどすっかりとタイミングを逃してしまったせいで、エーリカは結局彼女とむかいあうはめにあい、反射的に顔を
ふせた。それはむこうもおなじで、ふたりそろってベッドのうえで沈黙する。ああ、そういえばこのひとのベッドのうえ
なんて久しぶりだ。そんなことを考えていても、シーツの感触をたしかめる余裕もない。エーリカはやはり緊張しながら、
この事態を打破する方法を必死にさがした。
「……あ、あの」
しかし唐突に、ぼそりとしたつぶやきが耳にとどくや否や、がばりと顔をあげてしまう。まさかむこうからこの沈黙を
どうにかしてくれるとは思いもしない。だけれど目があうことはなく、バルクホルンはうつむいたまま。しかもつぎに
ことばがつづかない。エーリカは徐々に高まる気まずさにやはり逃げだしたくなって、しかしそれは先程すでに失敗に
おわっているのだ。
(さっきのって、ひきとめられたのかな)
顔をふせているバルクホルンの、たれる前髪をぼんやりとながめる。どうして彼女がそんなことをしたのかわから
なくて、エーリカは理由がしりたいと思った。途端、意を決したようすのバルクホルンが顔をあげ、緊張した面持ちで
口をひらく。
「ちゃんと、部屋のそうじは……」
そして言いかけ、しかしすぐに口ごもる。ちがう、私が言いたいのはそういうことじゃなくて。ぶつぶつとつぶやき
もたもたとやりにくそうに手をもんで、彼女はまたうつむいてしまうのだ。一方エーリカは、途中でとまってしまったとは
いえ久々のバルクホルンからの小言がひどくうれしい自分に驚いていた。ばかだと思う。そんなうるさいだけのもの
に、なにをどきどきしているんだろう。
「ミーナが、言ったんだ」
うんざりしていると、また唐突な発言。なんだろうと思っているうちに、ぎくりとした。だって急に、手がにぎられた。
シーツのうえにおかれていた両手が、目のまえのひとの手につつまれている。
「おまえが、あいつとなかよくなるのはいいことだって、言ったんだ」
エーリカは、冷静になれない思考で一所懸命バルクホルンの発言の意図を読もうとした、それでもバルクホルンの
手がまるで必死に、すがるように力をこめるたびに無駄におわる。あいつ、本音をぶつけろって、言った。今度は
そんなことを言って、ぽんぽんと話がとぶものだから余計に混乱する。もともと説教以外の話をするのが不得意な
バルクホルンなのだから、この異様な状況で簡潔にまとめられた話をすることなど不可能と言って過言ではないに
しても、エーリカだってそれはおなじで、普段の聡明な理解力などいまはないに等しかった。わかったのは、あいつと
いうのがシャーロットのことであることくらい。
「そうだなって思った、思おうとしたんだ。けど、だめだ。私は、おまえが私じゃないやつといっしょにいるのは、いやだ」
だから、そうやってつづけられたことばの意味なんて、全然わからなかった。ぱちぱちと瞬いて、なにも言えないで間
のぬけた顔でゆれている前髪をまたながめた。するとバルクホルンがゆっくりと顔をあげて、いまにも泣きだしそうに
ふるえる目尻でエーリカの視線をうけとめようとした。だけれどすぐに我慢できないようすでうつむいてしまう。でも
おまえは、そういうの、いやだろう? そして勝手に結論づけてつぶやいて、それは急に、呆然としていたエーリカの
逆鱗にふれてしまう。ばっとにぎられた手をふりきって、そのままの勢いでなんどもバルクホルンのてのこうをたたいた。
べちべちと音がして、こどもの戯れみたいなやり方になってしまうのがくやしい。
「い、痛い」
「いたいもんか、こんなの」
「痛い、いたいよ」
「うるさい、なんだよ、わたしがいやだって言ったことなんてないじゃないか、勝手にきめつけるなよ」
「だ、だって、おまえはそういうやつだ」
まるでエーリカのすべてをわかっているかのような物言いに、ふと、エーリカはたたきつけていた手をとめてバルク
ホルンを見た。ばかだと思った、なにもわかっていないくせになにをおおきな口をきいているんだ。どんどんと、原因
のわからない怒りが腹の奥からわいてきて、それなのに手は、先程まで攻撃の対象になっていたものをにぎって
いた。するとバルクホルンはぎょっとしたように手をひきかけたけれど、力をこめられて観念したのか絡んでくる指を
にぎりかえした。
「…それに、私なんかといっしょにいても楽しくないだろうし、私じゃ不釣合いだってあいつに言われもした」
「それで、真に受けちゃったの」
「ちがう、むかしから思ってたんだ。私は、おまえのこと、どうすればいいのかわからない」
「なにそれ、そんなのいらない。トゥルーデがしたいようにすればいいじゃないか」
「でも」
「なんだよ、シャーリーの言うことはきくのに、わたしの言うことはきけないわけ」
「ち、ちがう、ちがうよ……」
あんまりぼそぼそとしゃべるものだから、余計に腹がたってくる。それなのに思いきりどなりつけられないのはどう
してなんだろう、すこしずつほほが赤くなって、視界がぼやけてくるのはどうしてなんだろう。エーリカは気づかれたく
なくて、バルクホルンがこっちを向けないように一所懸命こわい声をつくった。
「わたしがシャーリーといっしょにいておもしろくなかったんなら、言えばいいじゃないか、なんだよ、いっつもすました
顔しちゃって、ばかじゃないの」
「だって、おまえはあいつといっしょにいたら楽しそうで、それで、あいつといっしょにいたいんなら、しょうがないじゃ
ないか」
「しょうがなくないよ、シャーリーといっしょにいたら楽しいよ、でも、それだけでいっしょにいたいなんて思わないよ」
「う、うそつくな」
「うそなんてつくもんか、ばか、トゥルーデのばか」
あ、だめだ。思った瞬間には、涙がほほをつたっていた。だけれど、必死なバルクホルンはそれにも気づけないで
だってと言う。
「き、キスだってしてた」
「あんなの、シャーリーが冗談でしただけじゃないか、急だったからよけられなかっただけで。ちゃんと見てたわけ、
目、節穴なんじゃないの」
「それに、あれからだってずっといっしょにいる」
「そんなの、いやがらせにきまってるよ。わたしは、だれかに迷惑かけないといきてけないんだよ、なんだよ、トゥル
ーデだってしってるくせに。せっかくいままではトゥルーデですんでたのに、どうでもいい顔してどっかいっちゃうのが
悪いんだ」
「どうでもいいなんて、私がおまえになにもしなくなっても平気な顔をしてたのはそっちじゃないか」
「わたしはいいんだよ、わたしはいいけど、トゥルーデはだめなの」
「な、なんだよそれ、おかしいよ、そんなのおかしいよ」
「おかしいもんか、もうやだ、トゥルーデなんてきらい、きらいだ、だいっきらい……」
最後のほうはのどからもれる嗚咽にかきけされていってしまう。ぼたぼたと涙も本格的にこぼれはじめて、バルク
ホルンはそこでやっとエーリカの有様に気づくのだ。
「ふ、フラウ」
「うるさい、見るなよ」
こぼれてくるものをてのこうでなんどもぬぐうけれど、一向におさまってくれる気配はない。ばかみたいだ、こんな
かっこうわるい姿を見られるなんて。はずかしくてうつむいた、すると急に、ぬくもりがからだをつつむのだ。
「なくな、なくなよ、おまえがないたら、私は、どうしたらいいか……」
エーリカは、バルクホルンの腕のなかでなさけない声をきく。まるでそちらこそが泣きだしそうで、背中にまわって
いるてのひらだって震えていた。やっぱりばかだ、ふたりそろって、こんなにかっこうわるい。
「いやだ、はなしてよ、わたしはもう、トゥルーデなんてきらいなんだ」
「き、きらいなんて言うな、そんなのこまる、こまるよ」
エーリカがもぞもぞともがくと、バルクホルンは余計に力をこめて拘束する。さっきははなせと言えばあんなにあっさり
と解放したくせに。涙はまだとまっていなくて、バルクホルンの軍服をぬらしていく。それがなんとなく申しわけなくて、
今度こそ本気でにげだそうと胸をおしかえすところだった、それなのに急に、バルクホルンが耳元に唇をよせて緊張
した震えた息をはいてつぶやいてしまう。だってすきなんだ。
「……」
一瞬、いや数瞬意味の理解ができなくて、エーリカはかたまる。それからバルクホルンの顔を見たいと思ってつぎ
こそちゃんと胸をおしかえそうと試みるが、バルクホルンははなしてくれない。絶対はなさないようにと逃がさないよう
にと、ちいさなエーリカをかかえこんでしまっていた。
「……な、なんだよそれ、すきならすきでそれでいいじゃないか、なのにいちいち建前ばっかり用意して、それで、その
せいで、こんなに……」
こみあげてくる感情をごまかそうと一所懸命悪態をつこうとした。でもそんなことは、なにもかきけしてはくれない。
うわあんと、エーリカは今度こそ大声をあげて泣いた。涙がこぼれるのも声がかれるのも気にしないで、わんわんと
泣いた。そのたびバルクホルンがあわてた声で泣くな泣くな泣かないでくれと言うけれど、それがあんまりうれしい
エーリカは、そんなことで泣きやめるはずがないのだった。
----------
(やっぱりキスも冗談だと思われてたか)
シャーロットはバルクホルンの部屋の扉によしかかり、そのからだにルッキーニをもたれさせてその耳をふさいで
いた。むこう側からはしあわせそうな泣き声と本気であせった声がひびいていて、シャーロットはふうと息をつく。それ
からルッキーニの耳をおさえつけていた両手をはなして、そのままちいさな手をとって歩きだす。気になってしかたが
ないのに、ひとりで盗み聞きをする勇気もないなんてまぬけにもほどがある。こんなにおさないルッキーニをひきつれ
て、自分はいったいなにをしているのか。
「あれ、シャーリー?」
急にひっぱってこられたと思ったら耳をふさがれていたルッキーニは、新手の遊びでもはじまるのかとシャーロット
にされるがままわくわくしていたが、結局なにもないままもといたほうへとつれていかれそうになってふしぎそうな声
をあげる。シャーリー、ともういちど声をかけるが、いまの彼女に返事をする元気などない。
(憎まれ役ってか、損な役)
ルッキーニの手をきゅっとにぎった。はじめてエーリカが部屋にとまりにきたつぎの朝、役得だなどとにやけていた
自分を殴りたおしたい。にやけていたかったなら、それ以上接近してはいけなかった。
「ルッキーニ、きょうはいっしょにねようか」
「へ、なんで?」
「んー、なんでかなあ」
ことばをにごすと、ルッキーニがつないだ手にすこしだけ力をこめる。ああ、ルッキーニは聡い子だ、本当に。さみしい
からだよと言えもしないのに、なんとなくそういうことがわかるらしかった。いいよー、と、まるでシャーロットをかわいがる
ようにつぶやいてからにこにこと笑う。
(ああ、癒されるなあ)
ふたりとも、おめでとう。末永くおしあわせに。もしよかったら、これからもともだちでいてくださいね。シャーロットは
とおざかる扉のなかへと語りかけ、そこでやっと、満足したようにふふと笑った。
「あ、そうだ」
そのとき、ぽんと思いだしたようにルッキーニがつぶやいた。そしてつぎにつづくのは、あまりに予想外のことば。
「ねえねえ、シャーリーってろくでもないの?」
「は、はあ?」
「なんかねえ、ハルトマン中尉が言ってた」
「へ…、あ、そう、そうなの」
はは、とかわいた笑いをうかべるが、ルッキーニはさらにつづける。
「あとね、シャーリーってたまにちょっと邪魔だよ」
「……。な、なに?」
「これもハルトマン中尉が言ってやれって言ってた」
「……」
もうかわいた笑いも、ああそう、なんて気のぬけた返事もできなかった。
(そうなの、あたしって、ハルトマンのなかではそういう感じに位置づけられてるわけね)
なんだかちょっぴり、泣けてきた。シャーロットはルッキーニの手をなんとかひきながら、やっぱりもうともだちも無理
かもしれない、と、うなだれたのだった。
おわり
おちがひどい\(^o^)/
自分なりのエーリカとゲルトを全力投球したら笑えない長さになってしまった。とにかくこれだけ長いのに最後まで
つきあってくださったかたには謝るしかない心境です。もっと短くまとめられるようになりたい
このままではおねえちゃんが自主的にしたことといえば余計なことと被害妄想くらいなので告白くらいかっちょよく
きめてもらおうと思ったんですが結局告白もマダオ流にしょぼい感じにおわりました
そもそもかっこわるいゲルト×おしたおされたいエーリカではじめたんでおしたおすとこまでいきたかったんですが
このペースだと何年かかるんだろうと途方に暮れたのであきらめました
つか、いちばん懸命に動いていたシャーリーの役回りがいちばんかわいそうだったことが最も申しわけない
とにかくここまで読んでくださった方、レスくださった方は本当にありがとうございます。みんなのおかげでここまで
つづけられました
そして元のネタを散々ぱくらせてくださったり支援してくださった21X2w2Ibさんにはもう足むけて寝れない…
本当にありがとうございました
それではみなさんよいお年を
>>164 最大級のGJを送らせてください。GJ!
ほんとお疲れさまでした。エーリカ号泣のところでは自分も泣きそうになった…
しかしエーゲルエンドでよかった。(シャーリーはかわいそうだけど…)
もう「本音と建前」っていうタイトルからして最高です
GJ!
>>164 乙!
仕事早いww
何故か読みながらニヤニヤしてました
>>164 お疲れ様でした
これがこのスレの、今年最後の作品となるだろうかww
この作品、このスレに会えて本当によかったと思っています
作者の皆様、住人の皆様、良いお年を
来年もよろしくお願いしますね
>>164 お疲れさまっした! GJです!
以前読んだときははらはらするほどの泥沼でしたが、エーゲルがちゃんとまとまってよかったです。
すねるエーリカとおろおろするトゥルーデがかわいいなぁ。二人とも本音と建前な人ですよね。
シャーリーはしばらく気まずいだろうけどルッキが癒してくれるじゃんw あまえればいいよー
遅れましたが
>>147もGJ!
年の最後にかわいいサーニャが見れてよかった
エイラならではのやり方でしっかりリーネを立ち直らせたエイラはイイヤツダナーと思いながら、
不思議ちゃんの天然攻めにこいつめw とちょっと思った。
まだ来そうな気がしますが、皆様方よいお年をw
ふっふっふ…夜はこれから…
このスレのことだ、今年のうちにあと五本くらい投下されてもおかしくないw
やべーこのSS群のおかげで年末楽しいwよいお年すぎるw
>>146 GJ!ほんまにエイラは恋愛じゃないことには頼りになるなあw
リーネちゃんかわいいです(^q^)
サーニャも許してあげてくれw
>>164 うおおおお完結おめでとう!全編わくわくしながら読ませてもらいました!
言い回しだけじゃなくてミーナやエイラルッキーニなどの多くのキャラの動かし方の上手さに脱帽です
それにしてもめんどくさいなゲルトマンは!w目が離せなくて転がりそうだ
あ、煩悩兎さんはストライカーの整備でもしててください(^^)
NHKでえいらーにゃ曲キタキターーーーー!!!!!
先陣がいたか
さぁ、英雄よ出てきなさい
送ったけど名前なかった
でも送ってくれた皆さんありがとう!
よりによってエイラーニャとはw
名前いえてねえwwwRN自重しろwwwwおなかいてええええwww
アニソン三昧を哨戒中に聴いてたエイラーニャ
聞き逃したー!
なんて紹介してた?
あと少しで今年も終わり
最後に投下できなかった・・・
最後だから言おう
エイラ大好きだ
携帯から失礼、保管庫の中の人です。
ろくに流れも追えないうちに口は挟むまいと思ってましたが、
このスレのあまりの活気についのこのこ出てきてしまいました。
自分の今年最後の投下が崩壊シリーズなのはあまりにアレなので、という名目でシャーゲルを一本書いたので、
とりあえずそっと置いておきますね。
即興なのでシナリオノベル形式ですが勘弁してください。
年越しパーティーから抜け出した二人、というテーマでトゥルーデ×シャーリー、
「Step by Step」です。
「なんだ、先客か。」
「バルクホルンかい?」
「あの子猫についていなくていいのか?」
「お前こそ、病院に行ってやれば良かったのに。」
「ふん、休みでもないのにそんな真似できるか。
それにしても、あのお祭り好きなリベリアンが祝日にテラスで一人酒とは、らしくないな。」
「お祭りはクリスマスで終わりなのさ。
大晦日はさっさと寝て、年が明けたらみんなで肉でも焼いて、
次の日からはいつも通りなんだよ、うちは。」
「ほう、それは面白い。まあ建前はともあれ、乾杯。」
「乾杯。」
「堅物には祭りは合わないんだろ。無理すんなよ。」
「別にそういうわけではないが……。」
「そういうわけだろ。お前ってさ、飲んでる時でもいまいち楽しそうじゃないっていうか、
なんか気が抜けない感じなんだよ。」
「はあ……」
「まあどうせ"軍人たるもの常に敵襲に注意しろ"とか何とか言うんだろうけどさ。」
「ぐ……し、しかしだな……。」
「あのな、お前はもう少し仲間を信頼しろ。気張ってんのはお前一人じゃないんだ。
年に一度くらい肩の力を抜かないと、魔力より先に体力が尽きちまうぞ?」
「……。」
「来年はちゃんとあたしを頼ってくれよな。」
「……やはりらしくないな。」
「今年の恥は今年のうちに、ってね。」
「諺か?」
「今考えた。」
「あのな……」
「ほら、もうすぐ0時だ。隊長んとこ行ってやれよ。」
「言われるまでもない。貴様のようなリベリアンと年越しなど御免だ。」
「あたしも堅物の顔を見ながら一年が始まるってのは勘弁して欲しいところだな。
それに、あたしの可愛いガッティーノがそろそろおねむの頃合だ。」
「まったくだ。それじゃ。」
「ああ、待ってくれ。」
「?」
「その、なんだ。お前には散々悪洒落をぶつけてきたけどさ、
あたしはあんたのこと嫌いじゃあないからな。」
「ふん、そういう科白は、別れ際までとっておくものだ。」
「バルクホルン……」
「挨拶は"A Happy New Year"で良かったか?じゃあな。」
「はは、お前こそ、そりゃあ年が明けてから言う科白だよ。
……Happy New Year,Trud.」
endif;
以上です。携帯からは初なのでどこかおかしいかもしれません。
とりあえず今年全てのSSに最高のGJを!!
帰ってから更新するのが今から楽しみだ。
しかしコミケは行けないし、ラジオも聞き逃すしで散々だよ。
来年からもこのスレが活気という名の妄想で溢れ返ることを願って。
それでは良いお年を。
年越し蕎麦ウマーなt26gFAxTです。
そろそろ投下が増えそうな時間なのであぷろだにテキスト一発上げで投下。
http://www1.axfc.net/uploader/He/so/176778.txt&key=0320 たまには難しいこととか何も考えず、ミーナとトゥルーデ書きたいっつうことでまったりな年越しネタ。
自作「すべてを捧げて」よりちょっと前の頃の設定。
ミーナはトゥルーデをいつから「ソンナ目」で見るようになったかについて、自分の中で整理するために色々こねくり回してみました。
本編とのつじつまあわせを優先すると芳佳を出せない寂しさ。
来年もミートゥル、学園ウィッチーズはもちろん、ブリタニア、カールスラント、扶桑、スオムスのウィッチたちのお話など、浮かんだプロットは恥ずかしくない程度に形にして実現できるよう、頑張ります。
最後に、皆様よいお年を。
「ふじ、たか、なすび。 うん。 上手に書けた!」
みんなでのんびり年の瀬を過ごしていると、芳佳ちゃんが唐突にそんな事を言い出した。 ? 何の呪文だろう。
芳佳ちゃんが紙に扶桑語で何か書いている。 私たちがきょとんとしていると、坂本少佐が笑って説明してくれた。
「扶桑では初夢で縁起を担ぐものでな。 扶桑一の山である富士山、動物の鷹、食物の茄子を夢に見るのが最も縁起がいいとされる。
それらを称して一富士二鷹三茄子というわけだ。 宮藤はその事を言いたかったのだろう。」
「そうそう! その通りです! それが言いたかったんです!」
もう、芳佳ちゃんったら。 調子のいい台詞に思わず笑ってしまう。
今年は素敵な一年だったな。 祖国のためにウィッチになって。 う、運命の人に出会えちゃったりなんかして。
きゃっ、もう恥ずかしい! 変な事言わせないで芳佳ちゃん!
「なーリーネ……なんで私はパシパシどつかれてるんだ?」
どうやら一人でわたわたしていたら無意識の内に隣のシャーリーさんをはたいていたらしい。
ご、ごめんなさい。 勝手に盛り上がってしまってちょっぴり恥ずかしい。
「そう言えば枕の下に名前を書いた紙とか写真とか入れておくと、その人が夢に出てくるって言うよねー。」
「なら宮藤の名前を書いておけば、宮藤・二鷹・三茄子になるかもしれんな! わっはっは!」
「やだぁ、坂本さんったら。」
きゅぴーん! 何気ない談笑。 でも、私はぴんと来てしまった。 それ、本当に名案なんじゃないかな?
夢見はその日一日の気分を大きく左右するよね。 じゃあ一年の最初の夢が、芳佳ちゃんの夢だったら?
一年中ハッピー間違いなしなんじゃないかな? ……うふふふふ。 いいです! それ、いただきです!
「ハハハ。 そ、それ結構面白そうダナ。」
「え、えぇ。 迷信でしょうけどね。 ちょっとくらいふざけてみてもいいかもしれませんわ。 えぇ。」
どうやら皆さんもそう思ったみたいで。 うーん。 それはいいんですけど。
もしこの中の誰かが芳佳ちゃんって書いたら、その人の夢に出張している間、私の夢には出てこないかも……。
そう思ったら、急にみんながライバルに見えてきた。 ううん、駄目よ、私。 仲間を疑うなんて。
でも……。 さりげなーくみんなの様子を窺ってみる。
芳佳ちゃんは贔屓目抜きで、みんなの輪の中心になりつつある。 私以外に芳佳ちゃん狙いの人がいても不思議じゃないよね。
集中してみれば分かったりしないかな? うん。 集中よリーネ! あなたは魔女だもの。 きっと心の声が聞こえるわ!
うーん……うーん……
(坂本少佐……坂本少佐……)
(サーニャ……サーニャ……)
(宮藤……宮藤……)
(じゃがいも……じゃがいも……)
(美緒……美緒……)
(芳佳ちゃん……芳佳ちゃん……)
うそっ。 き。 聞こえた? 本当にみんなの心の声が聞こえてしまった。 ような気がした。
これが私の思い込みからきた幻聴なのか、私の魔力なのかは分からないけど。
いた。 芳佳ちゃん狙いの人が二人ばかりいた! ……何か変なのも混じってたような気がするけど。
むむむ。 どうやってその人たちを出し抜けばいいだろう。 他の日なら譲ったっていいけれど。
今日この日だけは負けられません! んんん……。
はっ! 閃いた! ……ふふふ。 この作戦なら大勝利間違いなし。 他の人には悪いけど。
芳佳ちゃんは私の運命の人なんです。 自分でも、ほんのちょっとだけズルっこいとは思うけれど。 許してくださいね……。
「ア・ハッピーニューイヤー!」
「そんじゃおやすみ〜。」
そうこうしている内に。 年が明けて。 挨拶をしてからみんなそれぞれの部屋に散らばっていった。
さて。 ミッション・スタート。 作戦はとっても簡単。 芳佳ちゃんは眠りに落ちるまでがとっても早い。
私は芳佳ちゃんが寝たのを見計らって、芳佳ちゃんの部屋に忍び込む。
そして枕の下に私の名前を書いた紙を入れる! 私は芳佳ちゃんを、芳佳ちゃんは私をブッキング!
これなら他の人が芳佳ちゃんの名前を書いた所で、芳佳ちゃんが私をキープしてるんだからずっと一緒にいられるという寸法よ!!
ふふふ……。
こそこそこそ。 しずか〜にドアを開けて芳佳ちゃんの部屋に忍び込む。
いたいた。 子供みたいに可愛い寝顔で、芳佳ちゃんはとっくにぐっすり眠っていた。
芳佳ちゃん、天使みたい……。 ぽっ。 ……。
はっ。 見とれている場合じゃないよね。 私は仕事をしにきたんだもん!
ごめんね芳佳ちゃん。 今日だけだから。 ちょっとだけ、私のわがままを許してね……。
芳佳ちゃんを起こさないように、そぉ〜っと枕の下に手を伸ばす。 かさり。 ……うん?
こそこそ。 かさり。 ……これ。 紙? ひょっとして……芳佳ちゃん、とっくに名前書いた紙置いてる?
予想外の事態に小パニックを起こす私。
天使な私が言う。 これは芳佳ちゃんのプライバシーだよ。 いくら友達だからって、勝手に覗くのは許されないよ!
悪魔な私が言う。 でも、書いてあるのが私の名前じゃなかったら? 交換しちゃえばいいじゃない!
どうしよう。 ここまで来て。 うぅ。 ……。
見るだけ。 見るだけ、なら。 私は悪魔の声に身を委ねた。
そぉ〜っと紙を取り出して、息を整える。 ……もし。 もし書いてあるのが私の名前じゃなかったら?
どうするの、リーネ? ……分からない。 泣くのかな。 怒るのかな。 あぁ。 私、今すごく最低な子になってる。
こんな気持ちになるくらいだったら。 最初からこんな事しなければ良かった。
でも。 止まれないよ。 好きなんだもん。 ごめんね。 ごめんね芳佳ちゃん。
そっと紙を開いた私。 ゆっくりと文字を読む。 そこに書いてあったのは私の名前ではなかった。
「あ、おはようリーネちゃん! 改めてあけおめ! ……わっ?」
「おはよう芳佳ちゃん! ……いい初夢見れた?」
芳佳ちゃんをぎゅっと抱きしめる。 芳佳ちゃんが戸惑ってるのが分かるけど。 それでも抱きしめ続けた。
言葉に出せない気持ちも何もかも、全部込めて。
紙に書いてあった言葉。 そこに書いてあったのは私の名前ではなかった。
お父さん。 お母さん。 おばあちゃん。
そう。 芳佳ちゃんは家族に会いたかったのだ。 私が独りよがりな気持ちを抱えている時に。
芳佳ちゃんは、会えない家族に思い焦がれていたのだ。
そんな気持ちも知らずに、私は身勝手な事をしようとした。 本当に自分が恥ずかしかった。
だから、芳佳ちゃんを抱きしめるの。 今年の私が、もう二度とあんな事をしないように。
芳佳ちゃんの心を、今までよりもっともっと強く強く焼き付けておきたいの。
「初夢か〜。 なんかね。 家族の夢が見たいな〜って思ってたらね。 501のみんなが出てきた。
リーネちゃんも、坂本さんも、みんなが出てきたよ。 ……ふふふ。 当然かな。 家族だもんね、私たち。」
「! 芳佳ちゃ……。」
ニコニコと笑う芳佳ちゃん。 視界が歪む。 あぁ。 神様。 私はもう二度とあんな事を致しません。
自分の幸せなんて望みません。 ですから。 この人が幸せでありますように。 いつまでもいつまでも幸せでありますように。
そんな事を考えていたら、向こうの方からバルクホルンさんがやってきた。
「おっ、宮藤。 おはよう。」
「ばっ……! わ、私、急用を思い出しました! し、失礼します!」
はれっ? 芳佳ちゃんは、顔を真っ赤にして走り去っていってしまった。 ……はれっ? その反応は何、芳佳ちゃん?
「ふむ。 あの様子だと宮藤は私の夢を見たようだな。 作戦成功、といった所か。」
へっ? ぽかんとした心境のまま、バルクホルンさんの言葉が耳に入ってくる。 ……作戦?
「ふふふ。 どうだリーネ。 私の筆跡……宮藤のものに似ていただろう?」
「えっ。 …………えーーーーーっ!!!???」
笑うバルクホルンさんがひらひらと振る紙に書いてある言葉。 お父さん。 お母さん。 おばあちゃん。
そっ。 それっ!
「夕べ食堂でお前が怪しい作戦を練っていたのには感づいていたからな。 やはり軍人たるもの、トラップにも精通してなければいかん。
まだ経験が浅いながら見上げた根性だと感心したよ。 だから、先輩軍人として一つ稽古をつけてやろうと思ったわけだ。」
えっ。 じゃ、じゃあ。 その紙は。 芳佳ちゃんが書いたものではなく……?
「お前の行動を二手三手先まで読んでこの紙を仕掛けておいたわけだが。 ふっ。 まだまだ甘いな、リーネ。」
「なんですってぇーーーー!!!!」
呆然としてしまって頭がうまく回らない。 えっ? それじゃあ、私、千載一遇のチャンスを逃した……だけ?
「あまりに張り合いが無かったので、お前が去った後にこの紙を仕込んでおいた。 まぁ、これくらいなら罪にはなるまい?」
そう言ってバルクホルンさんが取り出した紙には、達筆で一言だけ書かれていた。 思わずそれを読み上げる私。
「お姉ちゃん。」
「うむ。 一応、私を名指ししたわけではないからな。 宮藤の反応を見る限り……私を連想したようだが。」
一人悦に入るバルクホルンさんを見つめる私。 こっ。 こっ。
「こんな一年の始まりはイヤーーーーーー!!!!!」
私の絶叫が基地に響き渡る。 あぁ芳佳ちゃん。 私、こんなんでうまくやっていけるのかなぁ……。
おわり
というわけで、ちょっと滑り込み投稿になってしまいました。
すみません。
>>185 >>186 今年は一年ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
まだちゃんと読めてないので、とりあえずエアGJになってしまうのですが……
GJ!!
2008年は本当いい年だった
俺は年明けをこのスレと共にするぜ
全員GJ、そしてありがとう
あけおめー!
あけおめ〜
195 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/01(木) 00:03:24 ID:4dX9ejQ3
あけおめ!今年もこのスレにお世話になります〜
196 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/01(木) 00:07:22 ID:+DKK649U
あけおめことよろさくおせ!!
あけました!
今年も4649!
「ハッピーニューイヤーだね」
「あけましておめでとうリーネちゃん、今年も仲良くしようね」
ちゅ…
「ふふっ」
「あはは」
あけたっすね。
今年も世話になります。よろしく!
あけましておめでとう!
今年もスレ住人、ひいては作者様、そして総てのウィッチ達にとって良いお年でありますように
201 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/01(木) 00:36:05 ID:sTko5wqq
あけおめです!!
今年もこのスレに栄光あれ!!!
今年こそはスレに初投下したい
あけおめ〜
今年は501の皆でSSを書いてみたいなぁ…
今年は、エイラと他のキャラのカップリングも書いてみたいです
あけおめ! SS書いた人みんなgj!
今年こそはSS初書きに挑戦して医者コンビをはやらせたいものだ
「あけましておめでとう、エイラ」
「おめでとサーニャ。今年もよろしくナー」
「うん…でも、今年だけ?」
「う……………。
……ずっと、ダカンナー」
「うん…」
ちゅ…
「ふふっ」
「あはは」
今年は!
必ず!
よしもっさんを投下する!
予定!w
今年もゆりんゆりんでありますように
あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします
実生活が勝負所なのでいくらもは書けないと思いますが
未出ペアのネタもあったりなかったりするので、
その辺を上手く形に出来ればナーと思っています。
では、このスレの素敵なウィッチたちの未来を祈りつつ……
「A Happy new year!」
「Ein gutes neues Jahr!」
「Buon Anno!」
「Bonne anne!」
「Hyvaa uutta vuotta!」
「С Новым годом!」
「あけましておめでとうございます!」
全員ヶ国語分集めてみた。
今年の目標!統合戦闘航空団勲章をいただく!
あけましておめでとう・・・ダナ。
あけましておめでとう・・・
俺はこれからエイラーニャともっぺりと芳リーネが百合百合してる初夢を見てやるぜ。
正直、勤勉、寡黙、おしゃべり、いいかげん、てきとう、のんべえ
フィンランド人気質らしいね。まんまエイラに当てはまる気がするww
扶桑の御神籤と称して、全員分の運勢を占わせられるエイラを幻視した
皆様、あけましておめでとうございます。mxTTnzhmでございます。
今年も宜しくお願い致します。
>>136 pinkman ◆IQ64WVvgjQ134様
GJ! 雰囲気出てます。セリフにテンポが有って良いですね。楽しく拝見しました。
>>147 21X2w2Ib様
GJ! もう何と言うか全ての描写が見事です。リーネイラとエイラーニャ素敵です。
>>164 j4ntaz3y様
GJ! 長編お疲れ様です。読んでてドキドキしました。エーゲル最高です。
>>185 保管庫 ◆YFbTwHJXPs様
携帯からGJ! 微妙な関係の二人が良い味出してますね。
>>186 t26gFAxT様
GJ! ミーナさん素敵過ぎるw カールスラント組の関係が良い味出てます。
>>191様
2008年最後のGJ! お姉ちゃん策士過ぎw リーネも黒いんだか何だか分からんけどワロタw
さて、お正月と言う事でネタを一発。
時系列的に(アニメ本編とは合わずに)おかしい部分も有りますけど
その辺は何卒ご容赦を……。
新年を迎えたミーティングルームには紙吹雪が舞っていた。
「イェーイ、ハッピーニューイヤー!」
「いえ〜」
シャーリーとルッキーニだ。いつ用意したのか、天井から紙吹雪を部屋中に撒き散らしている。
「何だこれは」
ソファーに腰掛け、エーリカの肩を抱いたトゥルーデが不思議そうに眺める。
「あたしの国はね、街中こうやって紙吹雪散らして新年を祝うんだ。ホントは花火も打ち上げるんだけどそれは流石にね」
「なるほど。リベリオンらしい派手な祝い方だな」
エーリカの頭にとまった紙切れをそっとはらってやるトゥルーデ。
「ちょっぴり雰囲気出るね」
エーリカはそう言うと、トゥルーデの胸についた紙切れをつまむ。
「へえ、結構手が込んでるね」
じっと見つめて、トゥルーデに向かいニヤリと笑い、話し掛ける。
「ねえトゥルーデ……」
「エーリカ、お前の言いたいことは何となく分かるぞ」
「ならいいや。今度楽しみだね」
「どんなプレイになるんだ……」
エーリカはトゥルーデに頭を寄せてくつろいだ。
奥の長椅子では野苺のジャムをお茶請けに、紅茶を飲むエイラとサーニャの姿が有った。
「オラーシャのお茶請けは甘いナ」
「うん。ハチミツとか砂糖も一緒に舐める。でも、お茶には入れない」
「変わってるヨナ……まあ、スオムスも肉料理にジャム添えたりするけどナ」
「変わり者同士ね」
小さく微笑んだサーニャに脳天をやられ、顔を赤くするエイラ。
「なあサーニャ。こ、今年コソ……今年……コト……」
「なあに、エイラ?」
「今年もヨロシク」
「私も」
サーニャに手を柔らかく握られ、びくりとするエイラ。固まったままのエイラの身体に、サーニャはぽんと頭を預けた。
自然と肩を抱く格好になり、かちこちのままだけど、幸せなひととき。
「エイラってば、緊張してるよ」
様子を見てふふ、と笑うエーリカ。
「人それぞれさ」
「まあね。トゥルーデ、カッコ付けてる?」
「そんなんじゃないよ」
ペリーヌとミーナは、珍しくテーブルに向かい合って何かを話している。
「中佐。今年こそ、ガリア奪還を目標にしたいと思います」
「そうね。まずはガリア奪還を足がかりに、カールスラント、オストマルクと行けば良いのだけれど」
「わたくしもガリア出身の身として、去年以上に頑張りますので……」
「期待してるわ、ペリーヌさん。……そう言えば、ガリアでは新年のお祝いとかは無いの?」
「ガリアですか? 新年に『ガレット・デ・ロワ』と言うパイ菓子を切り分けて食べるのが伝統となっております。
中にひとつ、『フェーヴ』と言う陶器の小さな人形が入っているのが特徴で、これに当たった人は
一日女王様になれると言う習慣がありますのよ」
「あら、面白いわね。皆でやったら盛り上がるんじゃないかしら?」
「……その、わたくし、料理はあんまり」
「あら、そうなの……残念ね」
台所では、芳佳とリーネが大鍋に向き合い、美緒が横で様子を見ていた。
「坂本さん、お雑煮出来ました」
「ごくろう、宮藤、リーネ」
「私は、お手伝いしただけですから」
「あっはっは。良いんだリーネ。宮藤ひとりだけだと難儀したからな。お前が居てくれて助かる」
「リーネちゃん、本当に今度扶桑に来ない? 色々リーネちゃんに教えたい事とか、見て貰いたいもの、
たくさんあるんだよ?」
「ホント? 嬉しい、芳佳ちゃん」
照れが混じった微笑みを浮かべるリーネ。芳佳の口からも「扶桑に来ないか」と言われ、心が揺らいでいる様子。
「さて、お屠蘇の方はどうだ?」
「みりんとお酒、砂糖、それにロンドンの市場で手に入ったハーブを代用して作ってみました。どうでしょう?」
芳佳から味見用の皿に数滴出される。
「どれどれ」
ぺろりとなめてみる美緒。
「代用品を使ったにしては上出来だ。雰囲気出てるぞ」
「ありがとうございます」
「芳佳ちゃん、『オトソ』って何?」
「うーんとね。お正月のお祝いのお酒なんだけど……坂本さん、ご存じですか?」
「扶桑で新年に飲む祝い酒だ。これを一家全員で飲んで、一年間の邪気を払い長寿を願うと言うものだ」
「魔除けのお酒ですか」
「そうとも言えるな」
「でも、扶桑のお酒は……」
「ああ、アルコールはそんなに高くないから大丈夫だろう。いつぞやの酒盛りみたいに悪酔いはしない筈だ」
「そう、ですか」
「よし宮藤。早速皆の居るミーティングルームに持っていくぞ。リーネも手伝ってくれ」
「はい!」
ミーティングルームに、雑煮の柔らかな匂いが漂う。
「お、料理が来た」
「何だろウ?」
「あら坂本少佐、今度は何かしら」
「扶桑の正月祝いには欠かせない、雑煮とお屠蘇だ。雑煮は諸説あるが、正月に食べる伝統の料理だ。
お屠蘇は、魔除けと長寿を願う酒なんだ。……少し位なら、良いだろミーナ?」
「少しって、どれくらい?」
ミーナが顎に指をやり質問する。
「この盃一杯だ」
「あら、それだけ?」
返って来た言葉に拍子抜けする美緒。
「なら、良いよな」
「ええ」
「よし、なら早速いこう。我々501の武運長久を祈って。まずはルッキーニからだ」
「ハニャ? あたしから? なんで?」
「この酒は、若い者から順に飲んでいくのが扶桑のしきたりなんだ」
「へえ〜。じゃあもらうね」
盃一杯をぺろりと飲んでしまうルッキーニ。
「甘いね。あと何か薬っぽい味する」
「扶桑の材料無かったから、ロンドンの市場で買ったハーブ使ったの。味は近いよ?」
ルッキーニの感想に、説明してあげる芳佳。
「ふ〜ん。面白いの」
「次はサーニャか」
「いただきます……」
「別に毒は入ってないぞ。大丈夫だ」
酒器を手に、笑う美緒。
「さあ、次、どんどん行け。後は皆歳が近いから、適当に来い来い」
次々と飲んでいく一同。
やがて年長者……と言っても幾つも違わないが……に盃が回ってきた。
「ミーナ、さあ、飲んでくれ」
「こんな少しじゃ酔えないわよ?」
「これは酔うものじゃないさ。あくまでも儀式的なものだ」
「あら、面白い味ね。薬っぽくて、甘くて。もう一杯頂けないかしら?」
「良いぞ?」
ぐいと盃を開けるミーナ。
「気に入って貰えて何よりだ」
「坂本さん、お注ぎします」
「おお、すまんな」
美緒も芳佳に勧められ、ぐいと盃を空けた。
「さて、雑煮を食べよう。冷めないうちにな」
めいめいに雑煮の入ったお椀と箸が手渡される。
「これも餅……」
「ペリーヌ、餅が嫌いなら調理法を変えるが」
「いいえとんでもない! せっかくの扶桑の祝いを台無しにする程わたくしは……」
「小さくちぎって噛めば大丈夫だ」
美緒は頷いた。
「お雑煮と言っても地方によって全然味とか入れるものが違うんですけど、私の実家の味で作りました。どうですか?」
「さっぱりしてるね。例の扶桑のソイソースがベースなのかな?」
シャーリーが一口食べて芳佳に聞く。
「ええ。お餅と、鶏肉を入れて、後は彩りの野菜を少し」
「よ〜し、これ食って今年も元気に行くか! なあルッキーニ」
「ウニャー お餅のびるぅ〜」
「つきたてだからな」
笑う美緒。餅をついて良い感じに仕上がったので満足感もひとしおだ。
「扶桑の料理って変わってる……」
「不味くはないけどナ。面白いナ」
ちまちまと雑煮をつつくエイラとサーニャ。
「ペリーヌ、用心しろよ?」
「ええそれはもう!」
慣れぬ箸を使ってのびる餅と格闘するペリーヌ。
「餅か。ゲル状の携帯保存食……」
「観察は良いから食べようよトゥルーデ」
「芳佳ちゃん、美味しいよ?」
「有り難うリーネちゃん!」
美緒も雑煮をさっと平らげると、豪快に笑った。
「これで501も安泰だ。なあミーナ?」
部隊指揮官の方を振り返り、美緒は固まった。
ミーナが居ない。お屠蘇を入れた酒器と盃も無い。
嫌な予感がした美緒は、その場の和やかな雰囲気を皆に託し、そっと退席した。
ミーナは何処へ? 行くアテは大体分かる。美緒はミーナの部屋へ向かった。
やはりミーナはそこに居た。
酒器を片手に、お屠蘇を注いでは飲み、を繰り返していた。
「おいミーナ、何で抜けたんだ」
「良いじゃない。今日くらい、みんな好きにさせても」
ぐい、と盃を煽り、お屠蘇をとぽとぽと注ぐ。
「ちょっと飲み過ぎじゃないか?」
「全っ然酔ってませんから」
早口で言い切るミーナ。
「いや、そう言う問題じゃなくてな」
「このお酒美味しいわね……薬用酒みたいで」
言いながらぐいぐいと飲んでいくミーナは、既にほろ酔い加減を超えていた。
「ミーナ? 少し止めてだな……」
「大っ丈夫ですから。もう少し飲ませて」
早口で断言するミーナ。
「あの……」
睨まれ、立ち尽くす美緒。
ミーナはこんなに酒癖悪かったか? と自問自答する美緒。
これまで度々飲んできたが……確かに飲むたび色々な表情を見せては来たが……
これ程までに痛飲する……と言ってもお屠蘇だが……ミーナは見た事がない。
おまけに態度もとげとげしい。
「なあ、ミーナ?」
ミーナは酒器を持ったまますっと立ち上がり、グラスを棚から取り出すと、
残りのお屠蘇を全部グラスにどばっと注ぎ、一気に飲み干した。
「おい、それは幾ら何でも……」
「うまい! もう一杯!」
「もう、無いぞ」
「そんなあ。酷いわ美緒」
グラスをごとんとテーブルに置くと、美緒にしだれ掛かる。
「せっかくの新年祝いなのに……」
むせび泣くミーナ。
(泣きたいのはこっちだ)
内心呟きながらも、美緒はミーナをベッドに連れて行き、横にさせた。
「少し落ち着け、ミーナ」
「酔ってません」
「いや、酔ってる。この指は何本に見える?」
聞かれたミーナはわざわざ魔力を解放させ、美緒の指を凝視したあと
「三本」
と答えた。
「違う、二本だ。魔力使ってまで間違うとは相当だぞ」
ミーナは答えず、よろけながらベッドの上を這い、美緒の腕を掴む。
そのままぐいと美緒を引っ張り、強引に唇を奪う。
お屠蘇の甘ったるい匂いを辺りに漂わせながら、ミーナは呟いた。
「美緒……」
魔力は解放したままなので、物凄い力で引っ張り込まれる。ベッドの上に転がり、
美緒をぬいぐるみの如く玩ぶミーナ。
「まさか……お屠蘇の飲み過ぎで魔力の制御が利かなくなったとかじゃ……」
「何の事?」
ミーナは既に美緒を喰らい尽くす気満々だった。目の色が危険領域に達している。
いつぞやと同じく上着を乱暴に脱がせ……ボタンが飛び……ボディスーツも力任せに破り捨てる。
一方の美緒は全然酔っていないので、どうしたものかと解決策を探す。
(こんな時にネウロイが来たらどうするつもりだ)
内心ヒヤヒヤする。
が、そんな時に限って警報が鳴るので始末が悪い。いつ聞いても気分の良い音ではない。
食いつくミーナを必死に引きずりながら、美緒は慌てて部屋の鍵を掛けた。痴態を見られない様にする為。
美緒自身の為でもあり、なにより大切なミーナの為でもあった。
その危惧は見事に当たり、鍵を掛け終わった瞬間、ドアががちゃがちゃと動かされ、鍵が開閉を阻止する。
「中佐、部屋に居るのか!? ネウロイだ、指示を!」
ドア越しに聞こえるのはトゥルーデの声だ。
「バルクホルンか? ミーナは今体調不良で……うわっやめろ……作戦行動不能状態だ。
私が……だからそこはっ……ミーナの看病をするから、最先任のお前が代理として指揮を執れ」
「了解。直ちに迎撃に向かう。少佐、済まないが中佐は任せた」
「ああ」
足音が遠ざかる。やがて格納庫から滑走路へと、ストライカーを履いたウィッチーズが飛び出し、
空へと消えていく。
「やれやれ……新年早々大丈夫なのか」
窓の外を見て、ふうと溜め息を付く。
ぐい、と顔をねじ曲げられる。
ミーナの怒った顔があった。
「どーして美緒は外を見てるの?」
「いや……」
「私を見なさい。私だけを」
美緒にはそれ以上何も言わせず、ベッドに押し倒すと、情欲を持て余すミーナが襲い掛かる。
(お屠蘇の飲み過ぎには、注意が必要だな)
その教訓を頭に刻み込み……後はなすがままにされる美緒だった。
end
以上です。
2009年一発目と言う事で、正月をネタにしたんですが……
とりあえず次も頑張ります(汗
では改めて、今年も宜しくお願い致します。
皆様、よいお正月を。
それではまた〜。
あけ
まして
おめでと
う
メルシーボークー
新年早々良作の投下恐縮の極み
>>164 あんたのおかげでシャーゲルが好きになった
今度はエーゲルが好きになったよ ありがとう
でもホントにシャーリーカワイソスぎるw
初っぱなから投下GJ!
さて年明けちゃったけど
>>78のネタを投下
ホントはmix-turegretの絵らしいですけど
いまから投下する話はまったく関係ありません
・・・ごめんなさい
とにかく服装ネタで書いてみました
休暇を貰った
しかもサーニャとセットでだ
基本的に休みはあまり無いし、有ったとしてもサーニャと被ることはほとんど無い。
私が休みの時はサーニャと基地で一緒に待機して、サーニャが休みの時も大抵私と基地にいる。
別に二人で居られるからそれでも構わないのだが、たまには二人で出かけてみたい気持ちも有る。
その事を口に出して言ったわけでは無いのだが、隊のみんなは気づいていたらしく
二人でデートしてこいと言われ休暇を貰った
普段頑張ってるご褒美らしい
ホントに良い仲間達だと思う
◇
さて町に来たわけだが特に目的が有るわけでも無く
二人でブラブラ歩きウィンドウショッピングをして面白そうな店があれば入ったりした。
特に計画を立てず二人で歩くだけでも楽しいものだ
「・・・ねぇエイラここ入ろ」
「ここは・・アクセサリーショップかぁ」
普段あまり貴金属は二人とも身につけないし戦闘の邪魔になる
ただまぁこういう時じゃないと入る機会も無いだろうし入ってみるか
「よし入ってみるか」
「うん」
店内は明るめの雰囲気でガラスケースの中のネックレスや指輪が輝いていた
「へぇー綺麗なもんだな」
「そうだね」
二人でケースの中の物を見てこれは似合うんじゃ無いか?とか話しながら見ていたら
「なにかお探しですか?」
店員に話しかけられた
別にただの冷やかしなんだけどなぁ
素直に冷やかしと言うわけにもいかず答えに困っていると
「ネックレスをちょっと見てみようと思って」
答えに迷っている私に変わってサーニャが答えた
あぁネックレス買うためにここに入ったのか
「ご自分用ですか?」
「いえ彼女にです」
「サーニャ!?」
「プレゼントしてあげる」
プレゼント!?
ビックリする私をよそにサーニャは店員と話を進めて行き、私はすっかり置いてけぼりだった。
サーニャはネックレスのコーナーでケースの中の物を真剣に見つめていた
「・・・・・すいませんこれ出してください」
「えっこちらの商品ですか!?」
店員が驚いていた
そりゃどう見ても少女の買える額じゃ無いからだ
ただまぁ私達はウィッチだから割と給料は良い
しかもサーニャは中尉だ
私よりも高給
・・・ちょっと悲しくなった
「お客様失礼ですがご予算は?」
「・・・・・」
サーニャは鞄から分厚い封筒を取り出した
おいおい危ないなぁ
盗まれたらどうするんだよ
「・・・とりあえずこれだけです」
たぶん相場が分からないから給料一ヶ月分くらい持ってきたんだろうけど
どうみても持って来すぎだ
「・・・失礼しましたこちらの商品でよろしいですか?」
「はい」
「それでは包装をしますので・・・」
そう言って店員は奥に入っていた
「サーニャなんでプレゼ――」
「お礼」
かぶせるように言われてしまった
「お礼って言ったて高過ぎだろ・・・・」
「・・・・私はあんまり欲しい物は無いけど、使う時には使う。それがエイラへのプレゼントなんだから高いかどうかは関係無い」
「サーニャ・・・」
「それに今日の記念も込めてね?」
そう言って笑うサーニャの行為をむげに断るのもなんだから悪い気がして
素直にお礼を言った
「ありがとな」
「うん」
◇
「ありがとうございました」
店員の声を背中に受けながら店を出た
たぶん不審を抱いてるだろうナァ
「そろそろお昼だしなにか食べるか?」
「うん」
しかし店と言っても料理がなぁ
まずいとは言わないが好きじゃ無い
サーニャもたぶん同じ気持ちだろう
うーんと考えてると声を掛けられた
「ねぇあなたち少し良いかしら?」
「えっ?」
振り返ると若いお姉さんが居た
「後ろ姿で声を掛けたけど予想以上に二人とも可愛いわね」
「・・・どうも」
なんだこの人?
すこし警戒心を抱きながらサーニャを背中に隠す
「そんなに警戒しないでね?」
にこやかに笑顔を向けてくるが怪しい
「なにか用か?」
「えっーと二人とも今時間有る?」
「ナイ」
「即答!」
当たり前だ貴重な時間をこんな奴に割けるか
「そんなに警戒しないで話しだけでも聞いて?ね?私こういう者なんだけど」
そう言って名刺を出す
そこには聞いた事もない名前の会社だった
「知らない」
「えー知らないの!うちの会社の雑誌有名なのに」
「雑誌?」
面倒なのに絡まれた
「そっファッション雑誌よ」
「ふーん」
「でもねぇ今月出す号のメインのモデルの子がまだ決まって無くて・・・どう貴女たち出てみない?」
「ヤダ」
「えー雑誌に乗れるのよ!?普通の子なら雑誌とかに載りたいでしょ?」
「別に」
雑誌とかにはスオムス時代に載ったことは何度か有るし
「そんなーお願い!?今日中に撮らなきゃ発刊できないのよ!」
「えー」
ホント面倒なのに絡まれたなぁ
「バイト代も出すから!ねっ?お願いします!」
最初とは随分違って下手に出てきたなぁ
それに別にお金はいらない
ただこの人があまりにも騒ぐ者だから周囲の目線が痛い・・・
「・・・ねぇエイラ」
「ん?」
「困ってるみたいだよ?」
「えぇー」
つまり断らずモデルをしろと?
「サーニャは良いのかよー恥ずかしいだろ?」
「・・うん・・・でも困ってるし。それにエイラと一緒だから・・・」
恥ずかしそうに言うサーニャは反則的に可愛くて
はぁこの子はなんて私を落とすのが上手いんだろ?
「しょうがないなー。時間ないから速くしろよ」
「えっ!引き受けてくれるの!ありがと−!」
さっきの深刻さは何処吹く風ですぐ元気になった
・・・やっぱ止めてとけば良かった
◇
という事で連れて来られた建物
「ここで撮るのか?」
「違うわよ撮るのは外。ここは衣装合わせとメイクする所」
「ふーん」
「じゃっあなたはこっち。彼女は向こうね」
「えっ!別々なのかよ!」
「狭いから同じ部屋でなんか無理なのよ」
「うぅー」
「・・・エイラ私は大丈夫だから」
「でもなー」
「エイラ」
「分かったよーでもなんか有ったら言うんだぞ?」
「うん」
そう言ってサーニャは向こうの部屋に入った。
私も部屋に入り椅子に座らされて髪をいじられ始めた
「随分仲が良いのね?」
「まぁな」
「私貴女たちみたいに仲が良い二人なんて見たことないわよ」
「そうか?」
「そうよ。ねぇ知り合ってどれくらいなの?」
「んー半年も経ってない気がする」
「えっそんなに短いの?」
「別に仲良くなるのに時間は関係ないだろ」
「そっかーでも彼女可愛いわね。守ってあげたくなるタイプね」
「サーニャが可愛いのは当たり前ダロ」
「ふふっ随分入れ込んでるのね。」
「そんなんじゃねーよ」
「そんなに照れなくてもいいじゃない」
そういえばサーニャと仲良くなるのは時間がかからなかった
ふとした切っ掛けで話すようになって、それから自然と二人でいるようになった
多分お互いに相性が良かったんだと思う
私は誰とでも隔てなく仲良くなれるタイプでは無いし、サーニャもそうだ
でもなぜかサーニャとは息があった
サーニャなら私のパーソナルスペースに入ってきても嫌な気がしない
むしろ側にいてくれたほうが安心する
「あなた髪綺麗ねー」
「いきなりなんだよ」
「ストレートもいいけど、髪あげてみましょうか」
すいすいと慣れた手つきで髪をまとめていく
「前髪もわけてっと」
いつもは髪を括るのがめんどくさいから
髪なんか括らないからなんだか不思議な感覚だった
「でこれが今回着て貰う服よ」
持ってきたのは鮮やかな服
普段私が着ないようなおしゃれな服だった
「さっ着て着て」
急かされるままに着てみた
「うん!私の見立て通りね。まさかここまで似合うとは思わなかったわ」
「そうかー?」
確かに何時もとは雰囲気が違う私がそこに居た
基本的に制服だし私服と言ってもパーカーや楽な服装が多い
だからこんなオシャレをするのは初めてだった
「後は薄くお化粧してっと」
そういえば化粧なんてしたことないな
まぁ今までの生活せする必要な無かったし
・・・たまにはこういう事をするのもいいかな
「さっ完成!あなた色が白いから服が映えるわね」
「そうか?」
「ええ!どううちの専属になる?」
「勘弁してくれ」
こういう事は今日だけだ
◇
サーニャはもう少し時間が要るらしいので
私はコーヒーでも飲みながらゆっくりしていた
「ふー」
サーニャとのデートがまさかこんな事になるなんて・・・・・・・・・・
「ごめんねーお待たせ」
さっきの人が出てきた
私の着替えが終わった後、サーニャのほうを手伝いに行っていたのだ。
「いやー彼女、サーニャちゃん?いいわねー繊細で」
「サーニャに変なことしていだろうな?」
「そんなに睨まなくても大丈夫よ。ほらこっち来て」
そう言って恥ずかしそうに来たサーニャの服は
いつもの黒と白のモノトーン調の服ではなく赤を基調とした優しい色
それがサーニャをいっそう引き立てていた
「・・・どうかな?」
恥ずかしそうに尋ねてくるサーニャにすぐにすぐに答えられないくらい
見惚れていた
「エイラ?」
「あっああ凄く似合ってるぞ、いつも以上に可愛く見えるぞ」
焦って恥ずかしいセリフを言ってしまった気もするけど、今は気にならなかった
私の言葉に恥ずかしそうにうつむくサーニャも、またいつもの何倍も可愛く見えた
「エイラも髪型すこし変えるだけですごく大人っぽくなるね、最初誰だか分からなかったよ」
「んーそうか?」
「うんすごく美人に見える、ホントのモデルさんみたい」
「さっサーニャ」
「ねぇさっき買ったの付けてみて?」
「んああっこれか」
さっきサーニャにプレゼントされた物を出す
シンプルだけど繊細な模様が刻まれて
光を反射して金色に輝いていた
「どうだ?」
「うんよく似合ってるよ」
「そりゃサーニャが選んでくれたからな」
「ふふっありがと」
嬉しそうに言うサーニャと、いつもと違う服を着てる姿を見れただけでもこの仕事を受けて良かったと思う。
「いやーなんか見てるこっちも恥ずかしくなっちゃった」
「なっ!」
しまった他の人の事を忘れてた
「二人とも予想以上に似合ってるわね」
「・・・どうも」
「さて、ささっと撮ってしまいましょうか」
◇
と言うことで連れて来られた近くの公園
「でポーズとかどうすればいいんだ?」
「そうねーあまりポーズ指示しても、変になっちゃいそうだから二人で歩く姿を撮ることにするわ。この公園を適当に歩いてくれる?」
「そんなんでいいのかよ」
「貴女たちの雰囲気から落ち着いた感じのほうが似合ってると思って」
「ふーん」
「じゃっよろしくね〜。あっ手でも繋いでくれるとより仲が良さそうに見えるから助かるわ」
よろしくと言われても、結局は歩くだけだ。
そんなに固くならず、何時ものように散歩すればいい
「んじゃ適当に散歩するか」
「うん」
そう言ってサーニャは私の手を握るのではなく
腕を抱えるようにしてきた
「さーっ」
「ほら行こ?」
腕を引っ張られるように歩き出し
私の抗議は無視されたしまった
横を見るとサーニャは恥ずかしそうに赤くなっていた
・・・恥ずかしいならしなければいいのに
まぁ私も悪い気はしなかった
「・・・・」
「・・・・」
お互い特に話すこともなく歩いた
会話は無くても私達は幸せだった
たまに同じタイミングで横を見て目が合ってそれがなんだか面白くついつい笑ってしまったり
途中少し寒そうなサーニャの首元に私の衣装のマフラーを巻いてあげて
そのおかげで余計距離が縮まって
サーニャがさらにくっついてきて
お互い歩きづらかったけど、そんなの気にならないくらい幸せな時間だった
私達はすっかりモデルの事を忘れたデートを楽しんでいた
◇
「はいお疲れー」
「あっ」
声がかかり
ふと我に返った
とたんに恥ずかしくなった
よくよく思い出せば私達は随分大胆な事をしてたんじゃないか?
私もサーニャもすっかりモデルのバイトの事を忘れていた
あんなにくっつてたら主役の服がよく見えなかったんじゃないか?
「貴女たちホントに仲良いわね?なんだか見てたら癒されたわ」
「・・ごめんなさい」
「なんで謝ってるの?それにしてもいい絵が撮れたわ」
「ホントに?」
「いやーなんか初々しいんだけど、お互いもう心が近いというか、見てる方にも伝わってきたわ」
「はぁ」
なんだから随分恥ずかしい事を言われてる気がする
「いやーこの仕事やってて一番かも!もうおまけでバイト代とは別でその服はあげちゃうわ!」
「いいのか?」
「いいも何も私からの感謝のしるしよ」
くれるんなら貰おう
私はともかくサーニャにはこういう服も持たせてたい
「仲の良い友達どうしの写真をとるつもりが、なんだか恋人どうしの写真のなっちゃたけど、むしろ良かったわ」
うっそんなふうに見えたのか
さすがにくっつきすぎたか・・・
サーニャもその自覚があったらしく赤くなっていた
「これは先頭に特集で載せるわ」
「えっー!」
「発売したら送るから」
「ん?なら住所を・・・・」
「別に必要ないわよ、貴女たちウィッチでしょ?」
「えっ!なんで知ってるんだよ!?」
「あらら、自覚なかったのか、ふふっなんで分かったかは雑誌を見たら分かるわ」
「なんだよそれ」
私達はお互いに顔を見合わせてみたがさっぱり分からなかった
◇
バイト代も貰った時には、そろそろいい時間になっていたので、帰ることにした
せっかく髪もセットしてもらったんだし着替えるのも面倒なのでこのままで帰ることにした
帰りのバスで運良く二人並んで席に座れた
「なんだか慌ただしい一日だったな」
「そうだね・・・でも楽しかったよ」
「疲れてないか?」
「・・・大丈夫」
「でも眠そうだな、眠くなったら言うんだぞ?」
「・・・うん」
それからたわいもない話をしばらくしていが
走り出して少ししたらサーニャは眠たそうだった。
「・・眠い」
「ん了解、私は起きてるから寝てて良いぞ」
「うん・・・ありがと」
そう言ってこてりと私の型に頭を乗せてきた
「サーニャ・・」
「エイラ・・・・写真・・・楽しみだね」
そう言った後すぐにサーニャは寝てしまった
なんだか折角のデートを最初は邪魔されたと思ったけど
終わってみればなかなかいいデートだったと思う
普段は出来ない体験も出来ないこともしたし
服も貰えた
それにサーニャが楽しんでくれたことが今日一番の収穫だったと思う。
基地まであと20分程度
その間に私は今日の出来事を頭に思い浮かべながら彼女の手を握った
◇
なんとか晩ご飯までには戻ってこれた
戻って来るなりさすがにみんなビックリしたようすだった
なにせ朝とはまったく別の服装で帰ってきたんだから
「うわーエイラさん綺麗!、サーニャちゃん可愛い!」
「どうしたんですかこの服?」
「いやさぁ」
今日の出来事を話す
なりゆきでモデルをしたことや、服を貰ったことなど
「へーそんな事があったんですか」
「でもエイラもサーニャもよく似合ってるじゃないか」
「ほんとほんとーいいなぁ私もオシャレしたーい」
隊のみんなから褒められ
なんだか恥ずかしい
あまり褒められるのは慣れたにからだ
(・ω・)(・ω・)
規制っぽいな
「わっ私達着替えてくるから!」
そう言ってサーニャの手を引き自室へと行く
もう今日はこれ以上恥ずかしい思いをするのはゴメンだ
後ろから'逃げた’だのなんだの言われたが、無視した。
自室へとサーニャの手を引いて歩いているとサーニャが口を開いた
「ねぇエイラ?」
「ん?なんだ」
「今日のエイラはすごく綺麗でいつもとは別人みただったよ」
「サーニャだって・・・・」
「ありがと・・・・でも私エイラのその姿見た時私はまだ全然エイラの事を知らないんだなぁと思っちゃった」
「そんなこと・・」
「・・・私が知らないエイラがまだまだいて、だから私はもっともっとエイラの事を知りたいと思ったよ」
「サーニャ・・・」
「だからこれからもっとエイラの事を教えてね?」
そう言って微笑む彼女は今日一番の笑顔だった
◇
数日後
基地に私とサーニャ当てに例の雑誌が届いた
「普通のファッション系の雑誌ぽいなぁ」
「あっ!届いたんだ見せて見せて−!」
「あっコラ!私だってまだ見てなんだぞ!」
見ようとするルッキーニを押さえていると
他の隊員たちも集まってきた
「おっ来たの速く見ようよ」
「楽しみですね、二人がどんなふうに映ってるか」
ホントは部屋でサーニャと二人こっそり見るつもりが
ルッキーニが騒いだせいでばれた
「うー見たっておもしろもんじゃないぞ?」
「いいから速く速くー」
急かす声を背にページを捲る
「あっ」
探すまでもなく直ぐに見つかった
ページを見開きで使った大きな写真
「ふふっ、綺麗に取れてるじゃない」
「うわー二人とも可愛いですねー」
そこには照れながらも私の腕に抱きつくサーニャと
頬を掻きながらもまんざらでもなさそうな顔をしてる私が乗っていた
しかも二人とも尻尾と耳が出てる
・・・いつのまに
たぶん無意識のうちに出たのだろう
だからあの記者ウィッチだと分かったのか
・・・言えよな
「うわ見てよトゥルーデ一つのマフラーを二人で巻くなんて」
「・・・まぁ仲が良くていいんじゃないか」
たしかにこんなマフラーを二人で巻いたりしていた写真がメインで良いのかな?
ふと見ると記事には大きく
今年町で見かけた一番のカップルと書かれていた
「なっ!」
「うわーよかっねエイラとサーニャもうこの辺りの地域では公認だよ?」
ハルトマン中尉がニヤニヤしながら教えてくれた
この雑誌は結構広い地域で発刊されるらしい
つまりそれだけこの記事が人の目に付くことがあるということだ。
しかも私とサーニャはウィッチという事もあって割と名が知られてる
それにもし渡り渡ってスオムスの仲間にでも見られたりしたら・・・・
「いっ今すぐ発売中止を・・・」
「無駄だってもう売り出してるんだから」
そんな・・・もう町を歩けない
「よかったじゃんこれで気兼ねなく二人は腕を組んで町を歩けるよ」
「できるかー!」
「そんな照るなよー」
ふとサーニャを見ると私達のページに書かれてる文書を真剣に読んでいた
しかも恥ずかしいそうに
・・・・なんとなく書いてあることは想像できる
あぁますます外に出られ無くなってしまった・・・
他の隊員もいつのまにか雑誌を読んで頬を赤らめていた
「――私達をそんな目でミルナー!!」
とにかく今の私は叫ぶことしかできなかった。
◇
後日談というか次の日の事
どうもあの特集がかなり好評だったらしく
またモデルをしてくれないかという申し出があった
もちろん断ったが
あの記者は絶対諦めないという不吉な言葉を残していった帰っていた。
・・・ほんと勘弁してくれ
さらに恐れていたことが起こった
私の事を知っていた人が勝手にスオムスに雑誌を送ったらしい
数日後に届いたエル姉の手紙には今度帰る時にはサーニャを連れてくる事と書かれていた。
だからこの事が501解散後のサーニャの転属に関与してたのかは今でも謎だし、
スオムスに連れて帰って来た時に部隊の仲間全員に冷やかされたのはまた別のお話。
おわり
せっかくの元ネタの絵をそんなに生かせなかった
すみません
それに予想以上に長くなってまさか規制されるとは・・・・
さて皆様、遅れながら今年も宜しくお願い致します。
放送終了してからも相変わらずのハイペースなので
ぜひこれを維持していきたいと思います。
ということで◆eIqG1vxHTMでした
よいお正月を
正月ネタってなにがある?
和服のもっさん美しすぎて死にそうなんだが
ミーナさんもいつにもましてはりきってしまうことだろうな
>>238 正月ネタ。
着物、羽子板、餅つき、書初め、お年玉、凧揚げ、おせち料理、初詣、寝正月?
着物はズボン丸出しの丈の短い着物をリーネに着せる芳佳。
巨乳に着物は着崩れを起こしやすいので、肌蹴られた胸に芳佳が暴走して餅つき開始。
シャーリーとルッキーニは芳佳から聞いた羽子板を実行すべく、60k爆弾とシールドで空中羽子板開始。
止めに入ったペリーヌは巻き添え。
エーリカはバルクホルンにお年玉をねだり。ねだられたバルクホルンはエーリカの「お姉ちゃん」と呼ぶ甘い声と、お年玉はクリスも喜ぶと言われてノリノリになる。
「サーニャちゃんて肌白いよねぇ」と言った芳佳の言葉を反芻しながら、ベッドに眠るサーニャを見つめるエイラの手には筆。
「書初めって新年に向けての想いを書くンダナ」と眠るサーニャの肌に筆を這わすエイラ。
もっさんとミーナは着物を着て新年を神棚に向かって挨拶した後、お代官ごっこに突入。
暖房はコタツがある。食い物もおせち料理で確保済み。後は色んな意味での寝正月開始。
つたないけど、ネタとしてどうだろうか。
>>210 上からシャーリー、カールスラント、ペリ、ルッキーニ、エイラ、サーニャ、扶桑かな?
>>241 惜しい、ロマーニャとガリアが逆。他は正解。読み方はグーゴー先生に訊いてくれ。
きっとカップルはお互いの国のやり方について色々教え合ったりするんだろうなあ……。
しかし某病んデリーネの影響で"無知な芳佳に手取りナニ取り教えてあげるリーネ"という構図が
どうしてもまずいことになってしまうんだがどうすりゃいいw
>>240 あのへたれに果たしてそんな大胆な真似ができるかな…?
どっちかっていうとサーニャの方がやりそうだ。
そして誰も読めないキリル文字で大胆過ぎるコトを書いておく、に1$。
なんというか日本人の妄想力は凄いな
そろそろ姫初めネタがこないかなあとwktk
>>210 いつも思うんだけど、ひらがなはともかくオラーシャ語って全角だから、
サーニャが一生懸命声張り上げてる感じがしてなんだかどきどきしてこないか…
ってスオムスの少尉が言ってたけど
246 :
245:2009/01/01(木) 13:48:30 ID:ti1TYXCO
しまった、最後の「けど」はいらない
反省してえいらにゃ姫初め…埋めにはまだはやいな。やめとこう
出先なもんでレスつけられなかったけど昨日今朝投下したみなさんGJ!!
帰ったらじっくり読むよ!
埋めじゃなくたって絡みも大歓迎だぜ!
全力で埋めろってことですね。ちょっと頑張ってみるか……。
ここから1人で埋めるだと!?
超大作投下の予感!!
無茶フリしてやんなやw
「ミーナ、その・・・扶桑には姫初めという言葉があっむぐっ」
姫初めはいろいろ無理だったので
>>242の妄想をやっつけで書いた。相すまん。
---
年が明け、迎えた新年を501では盛大に祝っていた。
隊員が各国それぞれの祝い方を見せ合う中、取りわけ異彩を放っていたのが東洋、扶桑の”ショウガツ”だ。
坂本少佐が赤城にわざわざ積んできたという、モチ、ハゴイタ、ハレギ、そんな物珍しいものに、部隊全員が
夢中になっていた。
「何してんだミヤフジー」
いつもの夜間哨戒中に年を越したエイラとサーニャは、佐官への報告を済ませてやってきた食堂で、
床に新聞紙を広げて、”スミ”で何かを書いている芳佳に声をかけた。
「『書き初め』だよ。扶桑ではこうやって年の始まりに墨で文字を書くの」
「…ふぅん。何を書くんダ?」
「何でもいいけど、今年の目標とか、願い事が多いかな。
今年はこうなりますように、とか、今年はこうしたいとか、強く願っていることを、筆で書くの」
「ソウナノカー…」
エイラは隣りにちらりと視線を向ける。立ったまま眠そうにしているサーニャ。
エイラの望み。強く願う事。そんなもの、一つに決まっている。
「……で、ミヤフジのそれは何て書いてあるんダ?」
「うん! 『世界の乳を揉みつくす!!』」
「おお!」
「エイラさんもやろう! 手始めに501全員から!」
「それはいい目標だナ! サーニャは駄目だけどナー」
「次にネウ子ちゃん! ……そして今年の私は、あのウォーロックの乳ですら揉んでみせます!」
「……私は人間の胸がいいナー」
あいつ乳ないだろう、と新たな領域に目覚めてしまったおっぱいの伝道師にツッコミを入れようとしたところで、
エイラの肩にこつんと何かが当たった。
「お、おいサーニャ、まだ寝るなって」
肩に頭を当てて倒れてきたサーニャを、エイラは肩を掴んで支える。
「サーニャ、眠いのか?」
「…うん、平気」
「もう寝よう。どうせ起きてもまだみんな騒いでるッテ」
サーニャの手を取って、エイラは食堂を出る。
--
眠そうなサーニャの手を引いて部屋に戻る途中、二人はハゴイタを手に持ったシャーリーをルッキーニとすれ違った。
「何て顔してるんダヨー…」
この二人らしく、行き過ぎなところまではしゃいでいたらしい。
あはは、と笑う二人の顔は○や×やの落書きだらけ。特にシャーリーの顔には『シャーリー大好き!』
そして喉元から胸に矢印を引いて『↓あたし専用!』。それでもにこにことしている二人を見てエイラは呆れる。
「……落ちないんじゃないのカ? ソレー」
「水で洗っても取れないんだよなー」
顔をこすりながらぼやくシャーリー。
「だから二人でお風呂いくの!」
おっ風呂ー! と叫びながら、ルッキーニはシャーリーの手を引いて風呂に連れていく。
(※注:墨汁はなかなか落ちません)
「ハハ…なんか…みんな騒ぎすぎだよナー」
「そうだね…」
エイラが笑うと、サーニャも二人の背中を見送りながらそう言う。
(願い事かー……)
サーニャの手を引いて部屋に戻りながら、エイラは芳佳の言葉を思い出す。
隣を頼りなげに歩く銀髪の少女。自分の手を握っている小さな手。願う事なんて一つしかない。
(今年も来年も、ずっとサーニャの側にいられればいいのにナ……。)
--
(ん……?)
「今日は部屋間違えんナヨ」と言って部屋の前で別れた後で、急速に眠りに落ちたエイラは、自分のおなかの上を
何かが這う感触に気づいて目を覚ました。
「……え!? 何ダ何々?」
「……駄目。動かないで」
身体を起こそうとすると、冷静な声に止められる。
「……さ、さーにゃ?」
カーテンをしめた部屋の中、サーニャがエイラのおなかを見つめ、そこに当てた筆をゆっくりと動かしていた。
首を動かしてそこを見ると、黒々としたキリル文字が不吉な感じで並んでいる。
「な、何してるんだヨー!」
「…書き初め」
尚も手を動かしながら、事もなげに言うサーニャ。
「…あのなサーニャ、『書き初め』って言うのは、多分紙の上に書くもんダゾー」
「…ルッキーニちゃんはシャーリーさんに書いてた」
「あれは違うんダッテ! 罰ゲームなんダヨ!」
「罰ゲームでも羨ましかったから」
「だからって……」
「お願い事、書くの」
「な、なんか混ざってナイカー……」
こんな事やめろよーと言おうとしたところで、エイラはサーニャの真剣な顔に動けなくなる。
「……他の人の胸揉みたいなんていう、エイラが悪い」
自分をじっと見つめている視線の中に、静かな怒りを感じ取って、エイラは敗北を認める。
「うう……」
何を書かれているか知らないけど、サーニャを怒らせてしまったら、気がすむまで耐えるしかない。観念して体の力を抜く。再び動き始める筆。
「……ちょっと…くすぐったいって……!」
「動かないで。シーツ汚れちゃうから」
身をよじるエイラをサーニャが静止する。
や、ヤメロヨナー、と時々小さな声でいいながら、エイラは身体の上を這う筆のくすぐったさに耐えた。
「……も、もういいのカ?」
サーニャが筆を置いたのを見て、エイラはおずおずと聞いた。
「……うん」
寝ぼけ眼のまま、サーニャはにっこりと笑う。体を起こして、エイラは体に書かれた墨の跡を見る。
「うー。……何て書いてあるんダヨー?」
「うん?」
エイラが聞くと、サーニャは眠たげな半目のまま、ベッドの上に上がる。
「……『サーニャの』」
エイラにぴったりとくっついて囁くような声。サーニャは目を閉じた。
(※注:墨汁はなかなか落ちません)
--
いろいろ相すまん。御免。
>>164 ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org27883.jpg そこはひだまりで、膝の上ではルッキーニが幸せそうに寝息を立てているのだった。
しばらくぶりに戻ってきた静寂に、あくびが出そうなほどの平和に、シャーロットは穏やかに笑んで子猫の頭に手を伸ばす。
黒は熱をよく吸収する色だという。その通り、彼女の頭は熱いくらいに熱を持っていた。
こうしているとまるでいつもどおりで、慌しかったここのところのことなんて忘れてしまいそうだ。いや、本当はそうして忘却の
かなたへ追いやって、シャーロットは以前と同じ楽観的で多少の物事には動じない自分に戻りたかった。いや、それはもともと
建前の自分で、本当は情けなくてろくでもなくなることもある、そんな自分に気付く前の、幸福で一杯の自分に戻りたかった。
はあああ、と、一つ大きなため息をつく。でも戻れないんだろうな、と思うと目頭が熱くなる。だってもうこじれちゃったんだ。全部
全部、自分が壊した。なんだかぐらぐら揺れていて面白そうだからつついてみた。そのうちに壊したくなってちょっと力を込めた
らものの見事に崩れてしまった。懸命に立て直そうと立ち回ってみたけれどでも、元通りになろうが新しい何かをあの二人が形
作ろうが、シャーロットが壊してしまった事実は変わらない。
「あ、シャーリー」
不意に後ろから掛けられた声に、びくりとする。彼女が自分の一番近くにいた。それはつい、数日前までのこと。
可愛い、愛しい。そう思っていたあのときの気持ちが蘇って、でもそれ以上に過ちを犯した自分のことも如実に思い出されて
苦しくなる。あちらが何を言ったわけじゃないけれど視界に入るのさえ申し訳なくて、気がつけば避けていたのかもしれない。
「なんか最近、つれないじゃんかよう」
すす、と気配が近づいて、それでもシャーロットは振り向かない。振り向いたらまた、冷静になれなくなってしまうような気さえ
した。そんなのはいやだ、と思った。
不意に視界が明るくなる。シャーロットの傍らで、エーリカの金色の髪が光を目一杯に反射している。まぶしい、と思って顔を
しかめた。
「あのねえ、シャーリー」
「…なんでございましょうか」
一向にこちらを向かないシャーロットだったけれども、そんなことはエーリカにとってはどうでもいいことだった。自分は根っから
のわがままであるのだから、そのわがままを通し続けるのが自分の仕事なのだ。そうじゃないと私が私じゃなくなっちゃうん
だから、とエーリカは思う。
「トゥルーデがね、私とシャーリーが一緒にいるのはいやだっていってた」
「さいですか」
「てかね、私が、トゥルーデ以外と一緒にいるのはいやだって」
「そっか。よかったじゃん」
「でもね、いまさ、ここすっごく気持ち良さそうじゃん」
「…まあ、そうだな」
「私さ、ものすごく眠いんだよね」
「…でも、私と一緒にいるなって、そう、バルクホルンが言ったんだろ」
だいすきな、だいすきな、さ。付け足そうと思って、やめにする。そんなこと聞いていれば分かるし、見ても分かる。視界の端に
映る金色はまるで太陽の化身のようだ。長く長く伸びた彼女の髪がバルクホルンのためだと、結局エーリカは告げたのだろうか。
あなたにかわいいといってほしいからのばしてたんです、って。
「うん、だからかしこいかしこいエーリカちゃんは考えたんです」
そんなシャーロットの思考など無視してエーリカは立ち上がった。驚いて振り返ると、扉の外に金色が消えていく。ほ、と安堵
すると同時に落胆もしている自分がまた恨めしい。虚しくなって向き直る。ルッキーニはそ知らぬ顔ですやすや、すやすや。ろ
くでもなくて邪魔かもしれないけど、でもやっぱり愛しくて仕方がないから。だから一緒にいさせてくれな、ごめんな。
そのうちにシャーロットも眠くなってきてうつらうつらとしはじめた。意識が温かな日差しに解けていく、その直前で。
ぽん、と。その肩に何かが寄りかかってきてびくりとする。見ればそこには先ほどと同じ金色がこちらを見上げてにこにこと笑ん
でいて。なんだよ、なんなんだよ。混乱していると、別の人間の声。
「何するんだフラウ、おい、はなせ!」
エーリカに抱え込まれて倒れこんでいる茶色い頭、二つのお下げ。離せと口で言う割に身じろぎしないのはきっと、まんざらでも
ないからだとシャーロットは思う。
「ほら、トゥルーデと一緒なら私嬉しい、トゥルーデおこんない、シャーリーはまあどうでもいい。
こういうのを『一石二鳥』っていうんだって。坂本少佐が言ってた」
ねえ、賢いでしょう?
数日前までの出来事なんて全部忘れたと言った朗らかな顔でエーリカが笑うから、シャーロットは嬉しくなってつい、その金色を
片腕で抱え込んでぐしゃぐしゃと撫で回してしまう。彼女の腕の中のろくでもなしがぎょっとした顔をしたのを見たから、謝罪代わ
りにはなをむけてやることにした。
「ねえ、髪を伸ばしたハルトマンってかわいいと思わない?」
…こんな感じの後日談が読みたい的な
ルッキーニとのやり取りとかエイラとか加えたかったけど自分が後日談かくわけにも行かないので省略
つまり何を言いたいかと言うと、本音と建前、どこまでもどこまでもGJ!!GJとしかいいようがないくらいGJ!
勝手に支援とかしてすみませんでした。それも加えてくださって本当にどれだけお礼を言ったらいいか ありがとう、ありがとう
それと
>>237、完成おめ!試作版のときから楽しみにしてたGJ!こういうデートが自分には思いつかないので
mixなんとかの後日談は放り投げたという経緯が 誰か考えてください
>>254にやにやした、にやにやした!『サーニャ』って、キリル語?ではどう書くんだろ。とにかくGJ!!
あれ、いつの間にか消えてた
大丈夫だとは思いますが、
>>255-256は保管庫に加えないでください、お願いします
Санья
Саня(Александра) Владимировна Литвяк
かな?
かわいいよサーニャ
260 :
滝川浜田:2009/01/01(木) 22:27:14 ID:sgctfKsu
みなさんこんばんは。
そして改めて新年めでたい。
めでたいっつー事でSS投下と参ります。たまには幸せなもっペリで参ります。
眠いのでマッハで投下します。
―――――――――――――――――――○月※日 晴れ
朝の訓練中、今日もペリーヌがおにぎりを作って来てくれた。
うん、美味い。
これならペリーヌは良いお嫁さんになれるなと冗談で言ったら、ペリーヌの奴、「嫌ですわ、坂本少佐。わたくしは坂本少佐のお嫁さんですわ!」だと。
アッハッハッ!言ってくれるな!
まったくストレート過ぎて聞いてるこっちが恥ずかしいくらいだ!
―――――――――――――――――――#月Ω日 曇り
私がペリーヌと付き合い出してから、ミーナの様子がおかしくなった。
一体どうしたんだと聞いても「貴女の胸に手を当てて聞いてみるがいいわ!」としか言わない。
…本当にどうしたんだ…?
…まさか、ミーナ、ペリーヌの事が好きだったのか…?
もしそうだとしたら、非常に申し訳ない事をした。
今度、ペリーヌの写真でもプレゼントするか。
―――――――――――――――――――※月♀日 晴れ
今日は元旦。実にめでたい。
しかしブリタニアには神社というものは無いらしい。
仕方ないので、隊でお参りをする事にした。手作りの賽銭箱を用意して、そこでお参り、という方式だ。
みんなそれぞれの願いがあるのだな。
必死に願っている者がいたりと、見ているだけでかなり面白い。
…私の今年の願いは…
勿論、ペリーヌと幸せに過ごす事だ。
去年はペリーヌと付き合い出して、ペリーヌのいろんな所を知る事が出来て幸せな年だった。
勿論、今年もそれは変わらない。
寧ろ、去年よりも幸せで、尚且つ、いつまでも新鮮な想いでペリーヌに接する事が出来るように。
横を見れば、ペリーヌは何かを必死に願っている。
まったく、ペリーヌの奴は横顔すらもこんなに可愛い。
…少し、悪戯をしたくなるじゃないか。
―――――――――――――――――――
「ペリーヌ」
「なんですか?少佐」
私はペリーヌの頬にキスをする。
優しく、甘く。
「少…佐…///」
「…今年も、よろしくな。ペリーヌ。」
「はっ…はい…今年もよろしくお願いいたしますっ…少佐っ…///」
私はペリーヌの肩を掴み、自分の方へ寄せる。
「愛してるぞ、ペリーヌ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜//////////////////」
「うわあ、凄いね、リーネちゃん///」
「そ、そうだね、芳佳ちゃん///(いいな、私もあとで…!)」
「アハハ、あの二人、ラブラブだね、トゥルーデ!私達も真似してみる?」
「…!こっ、断るっ…!//////」
「今年も良い年になるといいナ、サーニャ」
「…うん、そうだね…(いつまでも、いっしょに…)」
「シャーリー!今年もよろしくね〜!(と言いつつシャーリーの胸に顔を埋める)」
「おお、ルッキーニ!あたし達は永遠にラブラブさぁ〜♪(今年こそはルッキーニと初セッry)」
「美緒が私のモノになりますように美緒が私のモノになりますように美緒が私のモノになりますように美緒が私のモノになりますように美緒が私のモノになりますように美緒が私のモノになりますように…」
―――――――――――――――――――
今年も楽しい年になりそうだな。
今年もみんなに幸せが訪れますように…。
END
以上です。
もっペリでラブラブって意外と難しい…
なにせ叶わない恋をしているイメージが強いもので…w
姫初めネタか…
明日くらいにでも投下するかな…
…では爺はここら辺で…
今年もみんなに幸あれ!
うわ〜〜〜皆GJすぎです!新年早々このスレのぶっとばしっぷりに感動。
妄想色々書きたいが絵も文も書けんからなぁ...。職人さんGJ!!
しかもラブラブなもッペリとか超貴重な物見れた、有り難うじっちゃん。
シャーリーとミーナさんの願い事wwww
でもペリーヌかわいすぎて恋が叶ったっておかしくないと思うのは俺だけ?w
>>254 >>242は俺だがテキトーに考えた妄想をこんな素晴らしいSSにしてくださるなんて、
新年早々いいことがあったぜGJ!
多分「サーニャの」は「Для Санья(ドリャ サーニャ)」になるんじゃないかな。ブリタニア語だとまんま「Sanya's」って感じ?
ああ、こんな時自称言語フェチの保管庫管理人さんがいてくれたら…w
>>256 うひゃあこここれはいい!最後のシャーリーの一言が良過ぎる。
このスレのエースには敵う気配がしないぜGJ!
ネタが無い時はそれとなく「〜したら○○はどんな反応するかな?」とかさりげなく書き込むといいよ。
ここの住人の妄想力は全てを凌駕するからな。下手をするとそのネタで先に書かれるというありえない事態が起きるけどw
>>263 やっべいいもっペリだったのに最後のミーナさんのインパクトあり過ぎてそれどころじゃないwwでもGJ
姫初めは例によってシャッキーニですね、わかります。期待して待ってる!
まずは
>>1乙&前スレ最後のあたりからここまでの皆にGJ
読むのに出社してから午前中の間を費やしたさw
そんなわけであけましておめでとう御座います。
新年早々空気も読めずに変態注意ですが投下します。
WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING
以下の作品には「エロス」「露出」「SMちっく」などの成分が含まれています。
耐性の無い方は読み飛ばすことをお勧めします。
【ブリタニア1944 format by LYNETTE】の外伝的アフターストーリーとなります。
WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING 閲覧注意 WARNING
●扶桑・ヨコスカ1945 formated by LYNETTE
「芳佳ちゃ……ん、んむぅ……ぁん」
「あむ……ん……」
暗闇の中で、キス。
絡み合う舌と混ざり合う二人の唾液。
しんと冷え切って澄んだ大気に、わたしと愛する芳佳ちゃんのくぐもった声が小さく響く。
早鐘のようなわたしの鼓動に混じって、愛しい愛しい芳佳ちゃんの鼓動も直接感じる。
きっと、芳佳ちゃんにもわたしのドキドキ、つたわってるんだろうな。
些細な事でも芳佳ちゃんと共有できる何かがあるだけで幸せになってしまうわたしは、今もこうして芳佳ちゃんを犬扱いして変態的なことをしようとしているにもかかわらず、私のほうがその存在に依存して飼いならされてる。
芳佳ちゃんの故郷、ここヨコスカは三方を海に囲まれた小さな半島にある。
今いる場所から1マイルも離れていない先には軍港があるって言うのに、地形が変化に富んでいるせいでまるで山深い場所にいるような錯覚を覚える。
今日は1月1日。まだまだ暗い早朝。
色々あって扶桑まで押しかけてしまった私は芳佳ちゃんと一緒に暮らしていて、扶桑の風習である初日の出を拝む為にここにいる。
周辺は軍施設に程近く、一般人の立ち入りが制限されているから、わたしたちが二人きりになるにはもってこいの場所だった。
少し身をよじると、わたしの厚手の冬物のブレザーと同じく厚めのつくりな芳佳ちゃんの紺色をした冬物セーラー服が擦れ、密着し、冷たい感触の中の暖かな体温に安らぎを覚える。
そうして幸せに浸りながら、もっともっと幸せな気持ちになりたいと感じた私は、その身体を抱きしめる為に背中へと廻していた右手を背中の性感帯をなぞりながら下へ下へと移動させていく。
「!?」
ビクン!と芳佳ちゃんの体が一瞬強張る。
その反応に、まだ芳佳ちゃんの身体を抱く行為を続けている左手に力を込めて、より二人の体が密着するようにする。
芳佳ちゃんの細いけど柔らかくていい香りのする感触を強く感じ、繋がれたままの唇の中で交換され続ける唾液の味が甘露となってわたしの心をとろけさせる。
「んっ……」「んむ……」
くちゃ、ぴちゃ、とろり。
唇の端からそれが垂れて、首筋へと届く感触。
その伝った筋が性感帯にでもなったように、仄かにくすぐったく甘い感覚が駆けて、快感になる。
そんな気持ちよさのお裾分けというわけでもないけれど、魔法発動中の印である尻尾を避ける動きで右手を更に下げて、量感は無いけど形と感触のいいお尻へと到達する。
そこには扶桑式のボディスーツの無い、むき出しのお尻がある。
物覚えのいい芳佳ちゃんは、その敏感な場所に触れられてももう身体を強張らせたりしない。
さっきの背中をなぞる行為がこうしてお尻に届く事を知っているから。
だからわたしの手の感触を待ち焦がれていたかのように、その触れた場所から僅かな動きが伝わってくる。
それはわたしの手を、指を誘う動き。
わたしの可愛いワンちゃん、牝犬ヨシカがリネット・ビショップの事を求める動き。
芳佳ちゃんも待ちきれなかったんだね。
待ちきれないから、私に抱かれる事で動きが不自由にもかかわらずお尻と尻尾を振る。
わたしは優しいからちゃんと期待に応えてあげたいんだけれど、今日はちょっと別にする事があるから芳佳ちゃんが求める最後の部分まではしてあげるわけにはいかないんだ。
ゴメンね、芳佳ちゃん。
柔らかい素肌の感触を楽しみながら、まず左側の尻たぶをやわやわと揉んで、次に右側にも同じ事をして、尻尾の付け根をくすぐって、ちょっとだけその肌から手を離して股間に差し込んで、アリの門渡りのあたりを指で刺激する。
「ひぃん!」
「んむはぁ……ふぅ、んふ……まだ、お口はなしちゃだぁめだよ、芳佳ちゃん」
敏感な場所への刺激に、芳佳ちゃんがのけぞって、二人の甘い甘いキスの時間は終わる。
月の無い夜空、かすかな星光に照らされて、二人の口からは銀色の糸が伸び、途切れる。
「ご、ごめんねリーネちゃん。でも、その……くすぐったくて……」
「芳佳ちゃん……ふふふ、そこは素直にキモチイイっていっても良いんだよ」
「えと……うん、きもちよくて、ちょっとびっくりしちゃったの。あ、あの……でもでもっ、キスを、止めたくなった訳じゃないんだよっ」
「うん、わかってるよ。でも、わたしも止めたく無かったのに、芳佳ちゃんから口を離しちゃったんだよね」
「う……ごめんね、リーネちゃん」
「ふふ、いいよ。これからちょっとゲームに付き合ってくれたら許してあげる」
「ゲーム?」
「うん、まずは、ね……」
ポケットから予め用意しておいたものを取り出して、芳佳ちゃんに見せる。
「……これをつけて欲しいの」
それは皮製の目隠し。
「ず、ずいぶんと容易がいいね、リーネちゃん」
「芳佳ちゃんも……んふふ……」
良いながらそのむき出しの股間に触れて、感触を確かめる。
「ああんっ」
「ぴちゃ……ぺろっ、随分と準備が早くなったよね。嬉しいな」
触れた指を目の前まで持ってきてからそれを芳佳ちゃんに見せ付けるようにして、舐める。
「は、はずかしいよっ! リーネちゃん」
「そうやって恥ずかしがる芳佳ちゃんのこと大好きだよ……ちゅ」
「りーねちゃん……」
軽く唇に口をつけてから、目隠しをつける。
つけながらもっと反応が見たかったから追い討ちをかけてみる。
「さっきキスをする前、ここで服を脱いでもらってからもう『にちゃ』ってしてたよね。わかってるよ」
「も、もうっ! いちいち恥ずかしくなる事言わないでっ……ほ、ほんと、ほんとに、恥ずかしいんだから……」
芳佳ちゃんは目隠しを付けられる事に抵抗せず、ただそういったえっちな指摘に対して恥ずかしがる。
愛する人の事を何でも分かってるわたしには、もちろんこんな時の芳佳ちゃんをなだめるのに一番の方法もわかっている。
わたしのベストを捲り上げて、シャツのボタンを外す。
左手で芳佳ちゃんの右手をとる。、
いろんな事を期待してブラジャーをつけてないわたしの胸にその手を誘導する。
むにゅ……ぎゅ。
初めは柔らかく、そして次にはぎゅっと強めにおっぱいを掴まれる。
「ぁんっ! ちょっと、強い、よぉ……」
「りーねちゃぁん」
誘導していない左手も伸びてきて、芳佳ちゃんにじっくりとおっぱいを弄ばれる。
もみもみ、むにゅむにゅ……。
何度も繰り返された行為で私の弱い所をすっかり知り尽くしているから、目なんて見えなくっても恐ろしいほど的確な攻め手を見せる。
「あ、ああんっ……よ、しかっ……ちゃぁん……、今は、ちょっとだけっ……」
「ううん、もっと、もっと触りたいよぉ」
甘える芳佳ちゃんにキュンとしながらも自制心を動員してその手を引き剥がす。
「はぁ、はぁ、はぁ……あのね、芳佳ちゃん……」
「……うん、なぁに?」
ちょっと不満そうな返事。私だって大いに不満ではあるんだけど、後でたっぷり悦ばせてあげるし、悦ばせて貰いたいから今は我慢だね。
「あのね、その目隠しをしたまま、わたしの事を追ってきて欲しいの」
「ええっ!? 無理だよ。目隠しなんて……それにここ、山道だよ」
「四つんばいなら転ばないよ」
「え!?」
犬のように四つんばいに、そう言いながら芳佳ちゃんに用意していた次のものを装着する。
二人の思い出の品、犬耳によく似合う真っ赤な首輪。
そして着けられた芳佳ちゃんは観念したようにというか、スイッチが入ったというか、そんな様子でその場にしゃがみこんで、膝と膝の間に両手を付いた。
犬で言うお座りの姿勢。
下の服を着ていない今の芳佳ちゃんがそんな格好をすると、女の子の一番大事なえっちな部分が丸見えになる。
寒さ対策で魔力を使っていた私は使い魔のスコティッシュホールド譲りの夜目でそこを凝視。
さっきからの行為で既に濡らしていたズボンを更に濡らしてしまう。
「素直な芳佳ちゃん、大好きだよ」
「うん、褒めてくれるリーネちゃん、好き」
手を置くのに丁度いい位置にある頭を軽く撫でると嬉しそうに鼻を鳴らす芳佳ちゃん。
大き目の目隠し越しにもその表情が笑顔だって言う事がわかる嬉しそうな口元と、パタパタと振られる尻尾。
芳佳ちゃんが喜んでくれると、私も嬉しいな。
「芳佳ちゃんはワンちゃんだから、鼻が利くよね」
「え、うん。一応少しは利くよ」
「それじゃあ、ね」
そうしてわたしは、溢れ出したえっちなお汁に濡れたズボンを脱いで、体温の残るそれを芳佳ちゃんの鼻先に持っていく。
「芳佳ちゃん、この匂いを追ってきて」
「この匂いって……もしかしてリーネちゃんの……」
「は、恥ずかしいよ、芳佳ちゃん。あの……あのね、いますごくスースーしてるの」
「ああ……リーネちゃんの匂い……すーっ、すーっ」
「よ、よしかちゃあん! そ、そんなに音を立てて匂い嗅がれちゃうと私のほうが恥ずかしいよっ!」
「あは、こ、これでおあいことか……どうかな?」
「もうっ、そんな芳佳ちゃんも好きだよ」
「でも、あの……幸せに浸っていないで、ちゃんと追いかけてきてね。絶対だよ」
「あ、待ってよリーネちゃん」
制止を無視して先を急ぐ。
芳佳ちゃんが自分で目隠しをとってしまうとか、そんな事は全く心配しなかった。
だってそれが、度々繰り返されてきた二人の暗黙のルールだから。
だからわたしは、先の展開に心を躍らせてスースーする股間をえっちなお汁で潤わせながら、高台への道を急いだ。
実は今回のこれは数日前から念入りに準備してあったりした。
年末何かと忙しい芳佳ちゃんの身の回りのことを手伝いつつも時間を作ってはここへきて、何箇所ものポイントで……あの……ひとりえっちを……その、何回も……してた。
わたしは外で行う背徳的な行為に身体を昂ぶらせ、この日のことを思って盛大に果てる事を何度も繰り返した。
だからきっと、その辺に撒き散らした私の匂いを辿ってくる限り芳佳ちゃんは何の危険も無く私を追いかけてこれる。
もしもの事とかは、考えない事にした。
だって、わたしは芳佳ちゃんのことだけを考えて危ないところを通らないようにお汁をこぼしたし、わたしの事が大好きな芳佳ちゃんならきっと確実にその匂いを追ってきてくれるから。
これは二人の絆を確かめる為にはもってこいのゲーム。
本当は確かめる必要なんて無いほど強い絆なんだけど、たまにはこうして形に出来るような行為があったっていいんじゃないかな、ってそう思う。
でも、なんでだろう。
なんだか、不安になってくる。
考えないはずの色んなもしもが首をもたげ、胸が苦しくなってくる。
もしも、もしも、もしも……芳佳ちゃんに何かあったらどうしよう……。
でも、今ここで待つことを止めてしまうのは、芳佳ちゃんのことを信じることを止めてしまうようで、それもイヤだった。
自分で始めたことなのに、一人ぼっちの暗闇の中でそんな自分の愚かな行為を恨み始める。
そしてそう考えることが芳佳ちゃんとわたしの絆を疑っていることになるかもしれないと思い、思考がぐるぐるとループを始める。
そんな状態のまま、一歩も動けずに暗闇の高台で待つこと暫く。
東の空が白み、続いて赤みを帯び始めた頃に、果たして芳佳ちゃんはその姿を現した。
「リーネちゃん、リーネちゃん……どこ?」
私の名前を呼び、セーラー服のスカーフに結びつけたわたしのズボンの匂いと地面の匂いを嗅ぎ比べ、近付いてくる。
ズボンの匂いを嗅ぐ時は幸せそうに、そして地面の匂いを嗅ぐ時は不安そうに……。
そんな様子で四つんばいのままこちらに近付いてくる芳佳ちゃんの姿に、感動で胸がいっぱいになる。
「芳佳ちゃん!」
「リーネちゃん!」
本当は私のところまで辿りついて来るのを待つつもりだったのに、思わずこちらから行って抱きしめてしまった。
ここへ来れて当たり前、っていう心つもりでいたのに、何故か涙までこぼれてしまう。
「芳佳ちゃん、芳佳ちゃあん……」
「リーネ、ちゃん……泣いてるの?」
「う、うん……ぐすっ……ご、ごめんね、こんな無茶な事させて」
「リーネちゃん……無茶なんかじゃないよ」
「芳佳ちゃん……」
「わたし、リーネちゃんのいい匂いを辿れたよ。だからね、あの……褒めて欲しいの、いっぱい……いっぱい」
尻尾を振りながらわたしに褒めてと訴える芳佳ちゃんの姿に、改めて胸がいっぱいになって、言葉も無いままにただ抱きしめる腕に力を込める。
「あんっ、柔らかいけど、苦しいよ……リーネちゃん」
「ご、ごめんなさいっ」
その時、光が来た。
慌てて我に返り、律儀に着けたままだった芳佳ちゃんの目隠しを外す。
「あっ、リーネちゃん? っ……眩し……あ……初日の出だ……」
「ご、ごめんね芳佳ちゃん。出る瞬間、見れなかったでしょ……」
見下ろすヨコスカの軍港の向こう、トーキョー湾を挟んでボーソー半島の山から、オレンジに輝く太陽が昇る。
港には大小さまざまな軍艦が並んでいる。一際大きいのは赤城の同型艦の天城で、他にもその護衛の艦艇たちが舳先を並べ、静かに新しい年明けを祝っているようだった。
抱き合ったまま、眩しさに目を細めながら、澄んだ空気の中で輝きを放つ陽を二人で見つめる。
やがて初日の出は上りきり、その輝きを増していく。
眩しさにそこから視線を外せば、自然に愛しい人と視線が絡みあう。
曙光に照らされた横顔が赤みを帯びて、視線を合わせたときと同じ様にどちらからとも無く自然に唇が触れ合う。
暗闇の中での行為をなぞるように背中を撫で、腰を通って尻尾を避け、むき出しでスースーしてるはずのお尻へと辿り着く。
今度は両手でそこをさすり、もみしだく。
左右の手で性感帯を丹念に責めるうちに、芳佳ちゃんの手もわたしの胸へと伸びてきた。
お互いのしたい事を探り合うリズムが一致して唇が離れ、芳佳ちゃんがお尻を突き出し気味の姿勢で頭を下げ、わたしの胸に顔を埋める。
「リーネちゃん……お天道様に見られてるの、すごく恥ずかしいよ」
「扶桑では、太陽も神様なんだね」
「うん」
芳佳ちゃんにおっぱいをもまれ、心地よさに身を委ねながらながら呟く。
「じゃあさ、芳佳ちゃん。折角だから神様公認の仲になろう……ね」
返事は聞かず、芳佳ちゃんの一番気持ちいところを両手で責めはじめる。
嬌声と共に芳佳ちゃんも応えて、私の胸に直接手を這わす。
後には二人の声が響いて、わたしたちは神様公認の仲になった。
以上となります。
普通に地元ネタで横須賀港と初日の出の見えるスポットからもっさんとみっちゃんあたりを絡めて芳佳で普通に初日の出を眺めるつもりだった筈なのに……、
>>242が目に入って少しは影響力を持っていたことに嬉しくなって書き始めた結果が『ごらんの有様だよ!!!』
一応、現時点で考えてるformat by LYNETTEの完結後の延長線上にあるお話なんで、
今までのお話を特殊な属性への耐性が無くて読んでない方には非常にシチュがわかりにくいかも……。
一応エロ抑え目なんだけど、変態度は相変わらず高いといわざるを得ないか……。
っていうか新年早々ナニやってるんだかなぁ、自分。
今年もエロ、戦闘、ほんわかの三方向全てにがんばっていきますんでヨロシク〜^^
今年もここは盛り上がりそうだなあ
もっぺりも可愛くてキュンキュンするしエロ芳リネもハアハアするし…
今年もウィッチが幸せでありますように
絵師にイメージ画を付けられるほど名誉なことってないですね。しかも素晴らしい絵師。
いい文章に、いい絵と、二十歳すぎてお年玉がもらえるなんてここは天国でしょうか。俺は死んだのだろうかと。
もしそうなら、俺はじっちゃんに殺されたんだと思う。前後しててあれだけど萌え尽きたよ。
萌えとギャグとなんかちょっといいハナシダナー、ってのが鼎立しててナイス調合。やばいナ。やっぱりあんた神だろ。うん、やっぱり俺死んだんだね。
自分でも善良かつ幸福なもっぺりをこそこそ書いてるけど、今年こそもうちょっとくらいはペリーヌをみんな幸せにしてあげて。
素晴らしい職人方には今年もお世話になるです。あけおめです!
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
>>237 ◆eIqG1vxHTM様
GJ! 話が補完されてて一層ステキになりましたね。お見事!
続きを期待しても宜しいですか?w
>>254様
GJ! ニヤニヤさせて頂きました。
「自己所有」のしるしが部隊内で流行ったら面白そうだなとか妄想したり……。
>>256 21X2w2Ib様(むろ様)
GJ! 絵ステキ過ぎです。ほんわかとした温かさを感じます。
後日談も、続きが気になりますよ〜。文章も続き読みたいなあ、なんて。
>>263御大
GJ! もっさんの天然ぷりに吹いたw
ペリーヌも幸せであって欲しいですね〜。
>>270 zet4j65z様
GJ! エロいエロ過ぎる! 描写や表現がまた見事ですね(性的な意味で)
流石です。シチュも想像して身悶えました(*´Д`)
横須賀が地元ですか。いいとこですよね。海軍カレーも(レトルトで)前に食べたけど美味しかったです。
さて、今回も保管庫No.450「ring」シリーズの続編となります。
>>106-108「chiffon」の続きで、懲りずにトゥルーデ×エーリカです。
>>216-219「new year crisis」の話も入ってますのでよしなに。
これが「姫初め」なのかどうかは微妙ですが、どうぞ。
年明け早々、いきなりのネウロイ襲来にもひるまず立ち向かい、あっさり撃破したウィッチーズ。
但し、新年のお祝いがてら、お屠蘇を飲み雑煮を食べ皆で和んでいた途中での襲来だったので
戦闘を終え基地に帰って来た頃にはすっかり正月気分も空回り。
「どうする?」
「とりあえず、今日は片付けて寝るか……」
めいめいがそれぞれ片付けを行い、だらだらと眠りに就く。
あっけない新年初日の終焉。
勿論、朝起きたら、また改めて新年の祝いが始まるのだろう。
彼女達は何かとお祭り好きなのかも知れなかった。
そんな中、エーリカは一人別行動を取っていた。。
シャーリー達が作った紙吹雪の残りをごっそり頂き、よいせと担ぐとそのままトゥルーデの部屋に持ち込んだ。
「トゥルーデ、お待たせ〜」
「何だその大きな袋は」
「紙吹雪の残り物〜」
不意にトゥルーデは笑った。エーリカは理由を聞いた。
「一足遅れて来てしまったサンタみたいだ」
トゥルーデはそう言うと、ふっと笑顔をエーリカに向けた。エーリカも笑顔で袋を床に置いた。
「未来のサンタでも良いよ。とにかくやろうよ、ね?」
「大体分かるよ、エーリカのやろうとしてる事は」
「なら良いよね?」
「掃除、大変そうだな」
「後のことなんて気にしな〜い」
エーリカはにやけると、袋から紙吹雪を両手一杯にすくい取り、部屋の天井目掛けて投げた。
部屋の中をきらきらと光り輝き、舞い降り、散る紙吹雪。
ひらひらと舞う紙吹雪を手で受けとめ、指の隙間から落とす。
ふたりの指に煌めく指輪に負けぬ美しい情景が、質素な部屋をはちきれんばかりに輝かせる。
「あーあー、部屋が」
「綺麗だね。雰囲気出るよね」
至る所紙片だらけになるも、お構いなしに吹雪を散らし、その中で抱き合い、口吻を交わす。
雪降る中での口吻にも似て、部屋の中に浮かび上がる二人の姿はまるで絵画。
二人揃って紙吹雪まみれになり、少しおかしさを覚えた。
「何やってるんだろうな、私達」
トゥルーデがにやけながら、後悔とも自嘲ともとれる言葉を口にする。
「楽しんだ者の勝ちだって。……あ、トゥルーデ」
頬と額についた紙片を取り払い、唇を当てる。
「エーリカも」
頭と肩についた紙片を払い除ける。微笑むエーリカ。
ひとしきり紙吹雪の中で遊んだ後、エーリカはベッドの隅に置いてあったかごを持ち出してきた。
「そしてこれ。やっぱり合うと思うからさ、トゥルーデ」
この前着たばかりの、セクシーなランジェリーを取り出す。
二人して服を脱がし合い、ランジェリーを身に纏う。
「やっぱり……何度着ても、ちょっと……」
戸惑うトゥルーデを見てエーリカは我慢出来ないとばかりに抱きしめ、キスをする。
「トゥルーデ、とってもエロ〜い。見ててなんか襲いたくなっちゃうよ」
「エーリカだって十分あぶない! 特にお前は、身体の釣り合いとか、その……」
「トゥルーデ、したい事が顔に書いてあるよ〜」
「ううっ……」
「良いじゃん。二人して楽しもうよ?」
答えは聞かないとばかりに、唇を塞がれるトゥルーデ。
分かってる。エーリカのしたいこと。私も同じ気分と言う事も。
また、この前と同じ事をしてしまう。
だけど、それはとてもステキな事で……エーリカも私も、心躍り、身体も弾む。
キスの次のステップに進むまでに、時間は掛からなかった。
その次を、じっくりと時間を掛けて、二人はお互いを愛する。
激しく乱れる息を整えるトゥルーデ。紙吹雪に埋もれかけた身体を起こし、エーリカを抱きしめる。
同じく肩で息をしていたエーリカだが、トゥルーデに優しく抱かれているうちに、
いつしか呼吸も整い、ふたりほぼ一緒のリズムで、ゆったりとした息遣いになる。
「写真、撮っておきたいよね」
「きっと、後で見て恥ずかしくなるだけだぞ?」
「私とトゥルーデがどんなコトしてたか、記録〜」
「そ、それはわざわざ写真にしなくたって……」
「全部覚えてるって言いたいの? トゥルーデ」
「ううっ、いや、それは……」
エーリカはトゥルーデから少し離れると、紙吹雪を散らせ、写真のモデルの様に、ポーズをつけてみた。
ひらひらと舞う紙吹雪の中、背を向けてトゥルーデを見つめるエーリカ。
「どう? こんな感じ?」
彼女の背中には、まるで羽が生え、髪の輝きからは光輪が見えた気がして……
そう。彼女はまさに、トゥルーデにとっての、愛すべき使徒。
それは目の前に居る最愛のひと。エーリカ。
何度呼んだか忘れた彼女の名を繰り返し呼び、抱きしめる。
「くすぐったいよ、トゥルーデ」
「エーリカ、愛してる」
「私も愛してる、トゥルーデ」
抱きしめる力を緩めず、トゥルーデはエーリカのうなじに唇を当て、舌を這わす。
自然体な彼女をあまさず味わい、胸のふくらみを吸い、首筋に自分だけのしるしをつけ、エーリカの唇へと回帰する。
エーリカは瞼を閉じ、ゆっくりと開け、目の前で自分を見つめる最愛のひとの姿を焼き付ける。
トゥルーデはそんなエーリカのしぐさに心うたれ……言い知れぬ、幸せな気分になる。
彼女の瞳の輝きは、トゥルーデを見つめる純真な気持ち。
瞳の奥に覗くのは、トゥルーデの全てを自分のものにしたいと言う純粋かつ重い情念。
それらが混然と、トゥルーデを見つめ返す。潤んだ目はトゥルーデの心に重く鈍い一撃を喰らわせ、
理性の鱗がひとつ、またひとつと剥がれ落ち、最後に残る無垢なひとつの気持ち……
(ただエーリカを愛しい、ずっと)
と言うただひとつのことに、円環の如く戻る。
『官能を殺す事など出来るだろうか? むしろ官能の無邪気さを知るべきだ』
カールスラントの哲学者の言葉は、全くもって正しい。
かのひとの“血”で示されたそのことばをぐっと噛みしめ、トゥルーデはエーリカをただ、愛する。
エーリカもトゥルーデの心を知り、しっかりと受けとめ、全身全霊でこたえる。
トゥルーデは再びエーリカの虜となり、エーリカの中へと堕ちていく。
その意味では、彼女は堕天使、つまり“悪魔”の様なものに近い存在なのではないかとも思える。
実際彼女の渾名は「黒い悪魔」。偶然か必然か。
でも、そんな事は、二人が愛し合う時には全く意味のない事。
今夜も、二人はお互いをより深く、愛し、もっと好きになる。
明け方。
薄く顔を出しかけた陽の光が窓辺に射し込み、朝が近い事を知らせる。
無数の紙吹雪に埋もれ、幸せそうに抱き合って眠るふたり。
戦いの時には決して見せない、やさしい乙女の顔。
恋人同士にだけ見せる、こころを許し合った穏やかな表情がそこにある。
朝になれば、またいつもの訓練や哨戒などの任務が二人を待ち構えるが、
せめて今だけは、そっとしておいて欲しい。ふたりきり、自由にさせて。
静かに同じ時を過ごし、朝を迎える二人の表情は穏やかで美しく、
空駆ける戦乙女も、いまはピュアな“天の使い”。
end
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以上です。
甘々のトゥルーデ×エーリカを書いてみました。
「姫初め」では無いかも分かりませんが一応。
ではまた〜。
なんか急に投稿数が増えたな
みんなGJ
よく晴れた元旦の朝。
二人で仲良く初詣に出掛けるエイラとサーニャ。
参拝を済ませた後、記念におみくじを引く二人。
サーニャは大吉。エイラは凶。
苦笑いを浮かべながら、自分のくじを木に括りつけようとするエイラ。
そんなエイラのくじに、自分のくじを結んであげるサーニャ。
「これで、はんぶんこだね」というサーニャ。
サーニャの優しさに無言で照れるエイラ。
寒い風の吹き付ける帰り道の参道。
サーニャの手をそっと握るエイラ。
「これで寒さもはんぶんこだからナ・・・」とぶっきらぼうにいうエイラ。
静かに微笑んで、エイラの手をぎゅっと握るサーニャ。
今年も百合百合なエイラとサーニャ。
何を書いてるのか、眠くて自分でもよくわかんないや・・・。
とにかく、スレの皆様、今年も宜しくね。
278 :
名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/02(金) 07:22:57 ID:+h5D8TrT
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今年もウィッチーズを引き続き支援するぞ!!
>>275 GJ!甘過ぎ!ラヴラヴすぎ!
ふと「保管庫」ってワードをこのスレ内で検索したらmxTTnzhmさんの連続で衝撃を受けたw
>>277 これは幸せなエイラーニャ!GJ
はんぶんこ、って言葉はいいものだ
>>278 AAになってもリーネちゃんかわいいです
公式更新まだかなー・・・
絵のほうの『こんにゃん物語』にもっさんが居なかったので勝手に追加してみたw
>保管庫様
>>134-135のendの下に追加しておいてくださいませ
おまけ:
美「びぇっくしょい!ブルブル…なんだこの悪寒は…やはり今日はおとなしく寝ているのが吉かもしれないな」
訓練後昼食を摂らずに自室に戻ったので食堂で何があったのか知る由もなく、後日パスタが食卓に上がったときに周囲の様子に違和感を覚えることになるが、それはまた別のお話。
(なぜか坂本の両脇に座ったミーナとペリーヌが恐ろしく真剣な表情で左右から同時にパスタを差し出してくるのをどうやって対処しようか困惑することに…)
おまけその2:
ハ「おーいお二人さーん、この前の写真出来たよー」
エ「ばっバカッ!恥ずかしいから写真をそんなにピラピラ振り回すなヨー!///」 サ「…(エイラとパスタでつながった…写真…)//」
(ここまで)
ということで、妄想魔神pinkmanの妄想に終わりはないw
素晴らしいSSが出来るとその絵が描かれ
素晴らしい絵が投稿されるとその絵のSSが書かれる。
これって凄くない?
何とかして砂漠の虎手に入れたぜ、記者氏の名前は加東圭子だったんだな。
とりあえず誰よりもまず一番乗りにこう言いたい。
加東大尉×稲垣軍曹こそ至高、と!
ていうか何だこれは、マルセイユと稲垣軍曹の間で加東大尉の取り合いが始まる予感が止まらないんだが。
加東大尉のイラスト上がってるし、マルセイユは攻める気満々だし、委託が始まったらめっちゃ盛り上がりそうだ。
野上氏の漫画のキャラはノンケ臭しかしないが……
あと
>>270、
>>275GJ!!ホント新年から飛ばしてるな。
皆様あけましておめでとうございます。LWqeWTRGです。
昨年は初めてSSを書いてここに投下させてもらうことができて嬉しいやら恥ずかしいやらでした。
しかも感想まで頂いてもう本当に嬉しくて、その後調子に乗って投下しようといろんな妄想してました。
自分のSSはあまり上手いものではないですが、今年は楽しんで貰えるように精進して頑張っていきたいと思います。
まずは甘甘なSSを書けるようになりたい。
というわけで投下。エイラニャです。
正月関係なしです。
エイラがヤバい
なにがヤバいかっていろいろと。
前はそんなことしなかったのにだんだん言動に制限が無くなってきている。
「サーニャー」
こうやって意味なく呼ぶことも増えた。
なぁに、って返すと呼んだだけ、と返ってきて、いつしかまた繰り返す。
それだけならまだ可愛いほうだったが、最近ではみんなが寝静まっている時、つまり私が夜間哨戒で基地にいないときに毎晩すすり泣いていたらしい。
あんまりそれがひどいため、現在の夜間哨戒は私とロッテを組んで任務に当たっている。
ミーナ中佐はこのままでは部隊の士気に関わる…いや、いつか大変面倒な事態が起こりかねないとし、このノートを「エイラ観察日記」としてエイラの観察及び更生を行っていき、経過を記していくよう私サーニャ・V・リトヴャクに命じた。
―――観察1日目―――
夜間哨戒明けのふらふらの頭で私だけ呼ばれてノートを渡され、へろへろと敬礼を返したのがついさっきのこと。
ミーナ中佐はなにか深刻な顔をされていたけど、なんとなくエイラにくっついてなにかしていればいい、ということと、そのことについて日記を書けばよい、ということを聞いてつい口元が緩んでしまった。
おしおきとかげんこつとか不穏な言葉が聞こえた気がするけど、話の中身は最近のエイラによる普段よりも奇抜な行動をどうにかしてくれっていう頼みのようだ。だからそれを受けるのはエイラのはず。なので聞かなかったことにする。
ノートを持ってよろよろと私はいつものようにエイラの部屋に転がり込む。
服を脱ぎ捨てベッドに飛び込もうとすると、夜間哨戒を終えた後、先に戻ったエイラが腕を広げて待ちかまえていた。満点の笑顔を見せている。
仕方ないので倒れながらお腹に1発いれておく。胸に飛び込んだときに目がキラリと光ったので割と強めに。
「ぐふぅっ!キ、今日だけ…ダカン…ナ……」
普段と同じ台詞が聞こえたので安心して気絶したエイラの上で眠る。今日はエイラとサウナでおしゃべりしてる夢を見た。
昼食の時間。気がついたエイラが私を抱きしめ耳元でハアハアと息を荒げつつ起こしてくれた。
が、一向に私を離す気配がなく魔力による力の増幅で脱出。昼食に向かう。
昼食は私がいつも寝ぼけているのでエイラが食べさせてくれる。これはいつの間にか決まっていたからいいのだが、廊下を歩いているとぴったりとひっついてくる。
そして部屋に着き扉を開け私を中にいれると、シャーロットさんもびっくりな速度で扉を閉めて私よりも先にベッドにダイブ。腕を広げて待ちかまえている。
なんだこれは
とりあえず朝と同じくボディブローを決め、のびたエイラの上に横になって今朝の中佐の話を思い出す。
最近お前の旦那の奇行が目立つからどうにかしろよ。って言っていた。まさかそれがこんなにアグレッシヴな行動だとは思わなかった。
いや、実は眠くてあまり意識してなかっただけでこの行動がここ数日続いているのには気づいている。
確かにこれは隊の規律を乱すだろう。ミーナ中佐が頭を抱えるのもわかる気がする。
このままではヘタレの名を欲しいままにしてきたエイラではなくなってしまうだろう。ヘタレクイーンの冠もスオムスに返さなければならない。
私が治さないと。
ひとまず名前を呼びながらのびているエイラの頬をぺちぺち叩いて起こす。…だんだん恍惚とした表情になってきた。
思いっきりデコピン。
「ィイテッ!こらサーニャ!ヒドいじゃないカー!ってウワァ!!」
起きた。後半驚いてるのは多分私がすぐ目の前にいたからだろう。そんなことより。
「ねえ、エイラ。最近なにか変なことあった?嫌なことでもあったの?」
「エ?いや、なにもないケド?」
「辛いこととか、悩んでることは?」
「辛いことなんかナイヨ。サーニャがそばにいてくれるからナ。悩みは…ずっとサーニャのこと考えてル」
「そ、そう……」
これは重傷だ…。
本格的にヘタレクイーンの座をスオムスのエルマさんという人に送ることを考えた方がいいかもしれない。いや、エルマさんは臆病なだけだったかな?
じゃなくて本当にこれはヤバい。
ここまでひどくなった原因はなんだろう?
被撃墜?そんなはずはない。被弾すらしないのがエイラの力であり、すごいところ。というか最近の任務はずっと私と一緒だったし…。
まさかなにか拾い食いを…?
そんな馬鹿な使い魔を従えている訳ではないし、エイラがよつんばいで物を食べる訳な…い……ちょっと可愛いカモ…。
「サーニャ?おーい、サーニャー?」
「はー……。…え?な、なぁに?」
「サーニャこそボーっとして大丈夫カ?眠くないカ?」
「う、うん、大丈夫だよ」
「サーニャ、なにか辛かったり苦しかったりしたら私に言うんダゾ?ツンツンメガネなんか気にスンナ。ナ?」
よつんばいエイラを想像して脳内でいろいろしてあげていたら逆に心配されてしまった。この辺の言葉はいつものエイラと一緒だ。
だけどいくら考えても原因がわからない。
でもこんなにひどいとなるとなにをすればいいかもわからない。
「なぁサーニャ。そろそろ眠らないト。夜間哨戒のとき眠いゾ?」
「…そうだね。うん、私眠るね。おやすみ、エイラ」
「アァ、オヤスミ(私の胸ニ、サーニャが…)」
「あ、ごめんね。重かったよね」
「イイヤ全然!サーニャが重いわけないダロ!むしろもっと乗ってクレ!もっと私にくっついてクレ!」
「(あれ?積極的なのもなかなか…)」
「ン?なんか言ったカ?」
「ううん、なんでもない。じゃあ遠慮なく」
「オオ、どんどんノレー」
「うん。じゃあおやすみ」
「オヤスミ、サーニャ」
―――――――
こうしてエイラに抱きしめられたまま眠ってしまった訳だけど…。なにも原因がわかりません。
でも優しく暖かく包まれていつもより気持ちよく眠れました。
その後の夜間哨戒でもどこか紳士的で、優しくて、だけどもアグレッシヴなエイラがいました。
そして今日意識をもった上で改めて今のエイラを見た感想は、ミーナ中佐には悪いけれどもう少し積極的なエイラを楽しんでみたいと思いました。ごめんなさい。
しかし、どちらにせよなにも解決法がわからないので、結局はこの状態がしばらく続きそうです。
今後は原因を探るためにいろいろなことを試して、エイラであそ…じゃなく、エイラの反応を見て調べていこうと思います。
それにしても、狐の姿になったエイラも可愛かったな…。
END
以上です。
タイトルは「エイラ観察日記〜となりのエイラ〜」にします。
最初に甘甘とか言いながらあまり甘くない…?
サーニャさんは今後原因探りと称して様々ないたずらをする予定。
ネタが浮かんだらまた書きたいなと思ってます。
このSSでエイラさんのヘタレ脱却、というか変態化させたかっただけなんですが、サーニャさんも若干暴走してしまいました。
っていうか崩壊シリーズという素晴らしいものがあるのになに書いてんだ?俺…。
今年もこんなふうに調子に乗って変なSS投下したりしますが宜しくお願いします。
>>292 いやいやサーニャさん、原因は明らかにあなたのボディブr…
ちょまっ…やめっそこは急しy…
>>292 GJ!
エイラさんあなた変態ですか!いやサーニャも結構ヤバいがw
ところで職人のみなさんに質問なんだが
SSの題名ってどうやってつけてる?なんでみんなあんなにセンスのいい題名つけれるの?
FROM北欧なサーニャ+ボディブロー=ザンギ=エイラにスクリュー=やめてあげて
まだ2日だというのになんてえ早さだ
>>284 自分はやっぱマルセイユと加東さんが…
稲垣軍曹はそんな二人にどんどん惹かれてくとか
まあ、夢は広がりまくりんぐですな
野上氏の漫画も個人的にはゴチだった! ああいう乙女の涙には弱い…
巻末の漫画は…買う人の参考用に書くとしたらすげえおバカなエイラーニャが在る、とだけw
とらの通販だと1050円とメール便送料で買えるんでないかな
勇気があるならとらとかメロンに直接突撃してもよさげだけど
>>291崩壊、暴走、どんとこーい!
>>294 自分の作品のタイトルがセンスよいと思ったことはないが、
自分の作品を読み返してぱっと浮かんだものをそのままつけたり、
とにかく色んな言葉を調べて組み合わせたり、
好きな作品(映画とか音楽とか)から拝借したり色々です
皆GJ!新年早々にやにやしっぱなしです。
投下します。
朝凪だった。暦は既に十二月。海岸地帯特有の現象に徒波も、小鳥の囀りすら聞こえない、静かな払暁のしじまに、ブロロロと、濁った音が耳にそっと入ってきた。
それは正しくストライカーの音である。歓喜に胸が高鳴った。とくんとくんと、鳴り散らす心臓は俄に活気を帯びてきた。
――早くいけ。早く会いにいけ。
エイラには、心臓がそう請うているかのように聞こえていた。
昂ぶる気持ちを押さえ付け、点々に散らばった軍服を、気が急く思いで拾った矢先に身に纏う。上着のボタンを留めながらドアを勢いよく開いて廊下へ出る。
寒かった。部屋の籠った暖気に慣れた身体は、外気の寒さに身を縮ませる。不意に一筋の風がエイラの脚部を撫でた。基地内は完全な無風では無かった。
――ズボン履くの忘れた…
無論、重ね履きする方のズボンだ。寒さの原因はこれだった。十二月の寒風はエイラの脚部を遠慮無く撫でる。
――ズボンを履きに戻ろうか。
そんな思考を読んでいたかのように、心臓の動きが一段と活発になった。ドクンドクン。早く早く。心に囁く声は瞬く間に怒声に変わる。
エイラは駆け出した。雷声の鼓動に憶したからではない。自分の意思での行動だ。私だって早く早く、サーニャに会いたい。そんなの決まりきっている。
誰に言われるまでもない、純然たる私の気持ち。偽りの無い私の気持ち。だから、私は駆け出した。早く早く、サーニャに会うために。
ハンガーの戸口の前に二人は居た。サーニャとハルトマン。遠くから見てもやっぱりその可愛いさは陰る事無く溢れ出ている。
胸に手を当て、荒げる息を落ち着かせる。幸いにも、二人は背を向けていた。ミーナ中佐の部屋へ向かっているのだ。こんな醜態を奴に見られたら、何を言われるか堪ったものではない。
喧伝でもされてみろ。私はともかくサーニャにまで被害が及ぶのは明らかだ。そんなのは断固として阻止しなくてはならない。
気が鎮まったら私はゆっくりと、しかし早歩きで二人を追いかけた。別にひそひそと、忍び足で迫っている訳ではないのだが、二人は全く気付かない。あと三メートルと言った所で声を掛けた。
「おはよう」
思いの外、甲高い声だった。しまったと思った。驚かすつもりは無かったのだ。
そんな心配事も杞憂に終わる。二人は驚く事も無く、ゆったりと私の方へ振り返った。
「おーエイラぁ。何してんだぁ」
全く抑揚の無い声でハルトマンが応えた。
二人は柔らかい微睡みの中を漂っていた。瞼は錘を付けて忙しなく澱んだ瞳を隠そうとしている。口は断続的にふわぁ〜と、欠伸を繰り返している。完全に意識は夢の中であった。
それでも二人が向かうのは、一方が習慣であれ、一方が中佐への畏怖であれ、やはり意識は朦朧だ。
「迎えにきたんだ」
迷惑かけたから…。
それは建て前では無い。実際ハルトマンには感謝している。私のせいで面倒を押し付けて申し訳なく思っているのはやはり本音だった。
だけど一番はやっぱり……
「へぇー」
間延びした声を響かせながら、ハルトマンはふと、視線を下に落とした。
へぇーの声が上擦った。ハルトマンの顔に生気が戻る。
「へえー大胆だな〜エイラ〜」
何時もの様に、にひひと笑って、肘で私の脇腹を突いてくる。
倣って視線を落とすと…露になった私の脚が確かにそこにあった。「違うんだハルトマン! これはそんなつもりじゃ!」
「いいって、いいって。言わなくても分かってるって」
私の続く言葉を手で制しながら、ハルトマンの頬は緩みっぱなしだ。いやー遂にエイラも女になるのかー先越されちゃったなぁー
皮肉めいた発言も、私を赤面させるだけだった。傍らのサーニャにはこの出来事など知る由も無い筈だった。
「仕方ないなぁ。私だけで行くからサーニャは部屋に戻っていいよ」
ハルトマンは踵を返すと、後ろ手で手を振りながらふんふんと、鼻歌を口ずさんで去っていった。
私は奴が見えなくなるまで手を振った。感謝の印にね。
「さて、じゃあ行くか」
傍らのサーニャに目を遣ると、なんとサーニャも遠慮がちに手を振っていた。
叫びたい。はち切れんばかりに暴れる心臓を。全身に伝播する、赤みを帯びた忸怩のむず痒い熱気を。この激する感情を余すこと無く吐き出したい。
だけど今は朝だ。皆に迷惑は掛けれない。サーニャだってまだ眠たい筈だ。
心の中で、意識は振り子のように、照れと分別の間を揺れ動く。どっちが良いんだろうって、まるでプレゼントを決められない子どもみたいに、引っ切り無しに揺れ続ける。
伏せた顔をどうにか上げて、サーニャの表情を覗いてみる。私の顔は否応なしに熱を宿した。
…聞こえていたのなら、サーニャだって感情が表に出る筈なのだ。サーニャは照れ屋さんだから、純真な娘だから、気持ちを隠せない、子どもみたいに素直な娘。
だからこそ、すやすやと、寝息を立てるサーニャを見て私は凄く安堵した。サーニャは既に夢の中。先の話なんて覚えないな。
視界から、安堵は転がるように胃に落ちて、じわっと手先に迄拡がると、瞬く間に喜びに変わった。やっと二人の時間だ。
子猫みたいに眠るサーニャを見ると、私の顔は穏やかに緩み、心はほかほか暖かい。
そっと肩を抱くと、華奢な体が私に凭れた。掠める髪から鼻腔を擽る甘い香りに私の心は酔い痴れる。
頭を優しく撫でながら、とてもとても大切な、ガラス細工のように繊細な身体を大事に大事に抱き留めて、起こさぬようにゆっくりと、供に私の部屋へと歩みだす。幸せな時間を噛み締めるように、ゆっくり、ゆっくりと…
部屋のドアは開いていたので難無く私室へサーニャを招入れた。ふと、時計を見ると六時をちょうど過ぎた処だった。
部屋に入るとサーニャは私の手を離れ、服を脱ぎ散らすとベッドにばたんと倒れこんだ。
いつもこんな風にしてたのかと、子どもみたいなサーニャの行動に自然と笑みが零れる。
散らばった衣服を手に取ると、ベッドにぺたんと座り込む。この幸せに私の頬は緩みっぱなしだ。
えへへと、だらしなく口角を上げて、目も細くする。
――神様。私こんなに幸せで良いんですか。ニパの分まで取ってないですか。
心の中で諧謔をふっと漏らす。服を畳み終えると、傍らのサーニャに目を移す。すやすや眠るサーニャはとても可愛かった。
下着姿で眠るのを見て、風邪を引いたらいけない。そう思い、俯けで眠り込けるサーニャの柔肌に、さっと布団を掛けてやる。
やっと落ち着いて、サーニャを見つめやる頃に、今まで気配もしなかった眠気が燎原の火の如く、私の意識を奪いはじめた。
あぁ、待って。もう少しだけ……。
薄れゆく意識の中でそう願いながら、私はばたんと、温かい闇の中にその身を託した。
つづく………?
QB1eHhb+でした。例によって携帯からです。すいません。
改行はきちんと出来てるでしょうか? 少し不安です。
話が予想より酷く長くなってしまって申し訳ないです。
このままのペースだと一ヵ月は掛かってしまいそう。
実際にSSを書いてみて、改めて他の作者様の凄さを思い知りました。
これの他にも、ペリーヌの話とかプロットだけは一丁前にあるので、調子にのって投下するかもしれません。
こんな不束者ですが、今年もどうかよろしくお願いします。
皆さんの創作活動の苦労を身をもって知るため自分も書いてみました
ベタなネタ&新参なんでネタかぶりがあったらごめんなさい!
あと微(?)エロです
以上を踏まえましてよろしければお付き合いください
↓
「あの、お願いがあります・・・見学させてもらってもいいですか・・・?」
ベッドの上で固まっている芳佳ちゃんとリーネさんに私はお願いした
「け、見学って何を・・・?」芳佳ちゃんが聞いてくる
「だからその・・・二人の行為を・・・」
「ちょ、ちょっと待って!」リーネさんが立ち上がり私の肩を抱いて語り出す
「あのね、サーニャちゃん。エイラさんと何があったのかは聞かないけど、
愛の形っていろいろあっていいと思うの。だからその・・・なんていうか・・・
そ、そう!人のことは気にせず自分達の愛を信じればいいんじゃないかな?」
リーネさんが優しく諭してくれる。だけど・・・
「だけど私、不安なんです・・・私とエイラのやってることが本当に正しいのか・・・
エイラったら時々私を子ども扱いするし・・・だからその、
私達のやってることはただのスキンップなんじゃないかって・・・」
「協力してあげようよリーネちゃん!」芳佳ちゃんが立ち上がりリーネさんの腕を掴む
「サーニャちゃんだって不安なんだよ。夜も眠れないくらいに。
見学させてあげることでサーニャちゃんも自分達が間違ってないって安心して
ぐっすり眠れるなら、それは人助けになると思うよ!」芳佳ちゃんがリーネさんを説得する
「・・・そうかな・・・そうかも・・・そうだよね・・・そうかしら・・・」
「そうだよ!だからほらっ!」
「キャッ!」芳佳ちゃんがリーネさんを強引にベッドに押し倒した
「それじゃお願いします・・・」私は頭を下げた
「うん、それじゃリーネちゃん・・・ちゅっ」
「ぁん、芳佳ちゃん・・・」
体中が熱い。まるで普段使ってない血液まで体内を循環してるみたい。
体の震えがすごい。ここは戦場?それとも地震?
「あぁ、リーネちゃん!いいよぉ!」
「わ、私も!芳佳ちゃん!芳佳ちゃぁん!」
二人の行為は激しかった。戦い以上にアグレッシブな芳佳ちゃんに、普段は控えめなリーネさんも
大きな声で全身で応えている
「リ、リーネちゃん!私もうらめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「わ、私もぉ!芳佳ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
二人は全身から嬌声を発し、果てるとベッドで抱き合いキスをした
「あ、あの、有難うございました」
きっと真っ赤になっている顔を見られたくないので私はうつむいてお礼を言った
「はあはあ、サ、サーニャちゃん、安心したでしょ?今日はゆっくり眠ってね!」
(今日のリーネちゃん可愛かったな・・・こういうのもいいかも・・・)
「はあはあ、芳佳ちゃん、今晩はサーニャちゃんだって・・・ねえ?うふふ、困ったらまたいつでも来てね」
(今日の芳佳ちゃん激しかったな・・・こういうのもいいかも・・・)
脈打つ体を抑えながら私は二人の部屋を辞した
体の震えが止まらない。乱気流に呑み込まれちゃったみたい
熱を帯びた体は今はだんだんと快感にすら思えてくる。それなのに・・・この寂寥感は何?
(ううん、きっと二人は特別なの。あんなに仲良しだし、歳だって近いし・・・
そう、だから気兼ねなくお互いの愛をぶつけられるの・・・きっとそう・・・)
自らを鼓舞し決死の足取りで向かったのはシャーリーさんの部屋だ
(ルッキーニちゃんは私より年下だし、シャーリーさんといるとまるで親子みたいだし・・・
だからきっと、親が子育てするように、優しく愛を育んでいるはず)
そう信じ、私はシャーリーさんの部屋をノックした
「なに〜見学ぅ?あっはっは、サーニャも変な奴だな〜エイラと喧嘩でもしたか?」
「しっしっし〜。さーにゃんのエッチ!」
からかうような口調の二人に、赤黒くなってそうな顔を必死で振りながら否定した
「そうじゃないんです!ただ、私とエイラのしていることが間違っていないって確認したくて・・・」
「ふ〜ん、よくわからないけど、見学くらい構わないぞ」シャーリーさんがいつものおおらかな口調で答える
「ああん、見ててもいいからシャーリー早く〜」ルッキーニちゃんは臨戦態勢だ
「そ、それじゃお願いします・・・」
「おう!いくぞ、ルッキーニ・・・ちゅっ」
「・・・えへへ、シャーリ〜・・・」
なんだろう、貧血じゃない。むしろ血が昇り過ぎ・・・?
頭がくらくらする。このまま蒸発しちゃったらどうしよう・・・
「ああ、凄いぞルッキーニ・・・お、おまえはやっぱり・・・天才だ・・・!」
「いひひ〜シャーリー大好きー!えい!どうだ!」
信じられない・・・私より年下のルッキーニちゃんがあのシャーリーさんを
手玉に取るようにリードしてる・・・それに、あれは何?
「ヴィィィィィン・・・いっしっしー、シャーリー気持ちいい?」
「バ、バカ!ルッキーニ!そこは・・・はあぁぁぁぁん!」
見たこともない道具を自在に操り、ルッキーニちゃんはシャーリーさんを攻め立てる
普段は豪放磊落なシャーリーさんが、まるで人にあやされるウサギのように見える
「あ、あの!有難うございました!」
「はあはあ、なんだサーニャ、最後まで見ていかなくていいのか・・・うぅん!」
「さーにゃんバイバーイ!にしし〜シャーリー次はこっちか!」
もはやまともに立っていられそうもない体を引きずるように、
尻尾でバランスを取りながら逃げるように私はシャーリーさんの部屋を辞した
頭の中が麻痺してきた。考えを巡らすたびに体が締め付けられるようになる
(ルッキーニちゃんは天才肌だし、きっと成長が人より早いんだ・・・
その成長の手助けをする為、シャーリーさんは身を投げ打って応えてるの・・・
絶対そう、絶対そう・・・それにしてもあの道具はなんだろう・・・)
最後に向かったのはミーナ中佐の部屋だ
(ミーナ中佐と坂本少佐はもう分別のある大人だし、きっと節度のある愛を育んでいるはず・・・)
嫌な予感で足取りも重かったが、なんとかミーナ中佐の部屋にたどり着いた私は
一縷の望みをかけて部屋をノックしようとした。その時・・・
「ピシィッ!」部屋から何か叩くような音が聞こえた
私はそっと耳を扉に寄せ、中の様子を窺った
「ピシィッ!ピシィッ!いいわ美緒!もっと!もっと強くぅ!」
「わっはっは、相変わらずミーナも変わった奴だ!だがその痛みに耐える顔は
妖艶でいい!わっはっは!そらっ!」
「ピシィッ!ああ、美緒、素敵!素敵よぉぉぉ!」
扉に頭から倒れこみそうになるが必死で踏ん張り、私はそのまま扉の前から立ち去った
洗面所の鏡を覗く。赤くなっていると思っていた私の顔は、
幽霊のように青褪めている
(ペリーヌさんに言われるのも無理ないな・・・)
なんの為にみんなの部屋を訪れたのか、目的も頭の中から飛んでしまった
空虚な頭でふらふらとエイラの部屋へ戻ると、部屋を忙しなくうろうろとしているエイラがいた
「おオ!なんだサーニャどこか行ってたのカ?うん?顔が青いゾ、大丈夫カ?」
優しいけれどちょっと頼りないエイラ。だけど・・・
「まったく、風邪引くゾ?風邪薬もって来てやるからナ。・・・ほら、ってこれ胃薬ダ」
いつも心配してくれるけどどこか抜けているエイラ。だけど・・・
「ちゅっ」
「な!い、いいいいきなり何すんダー!」
顔を真っ赤にし、鼻の下を伸ばしながら怒ってるのか喜んでるのかわからない、
器用なのか不器用なのかよくわからない不思議なエイラ
そんなエイラがやっぱり私は大好き
リーネさんも言っていた。人にはそれぞれの愛の形があるって。だから・・・
「ねえエイラ、体が冷えちゃった。温めてくれる・・・?」
「は、恥ずかしいこと言うナヨー。ったく、今日だけダカンナ・・・?」
抱き合うと二人でベッドに腰をかける
やっぱり私にはエイラくらいがちょうどいい、ううん、エイラじゃなきゃダメ
それぞれがお互いを信じるように私もエイラを信じればいい。ただそれだけ
それがよくわかった。だから今日はとても良い勉強になった
・・・そうだ、今度エイラと一緒にみんなを訪ねてみようかな
また新しいエイラが発見できるかも・・・うふふ
「エイラ・・・大好きだよ」
素敵な想像をめぐらしながら、私はエイラに身を委ねた
以上です
あ〜、夜間哨戒はペリーヌが代わってくれたってことで、ペリーヌごめんなさい!
あとエーゲルは自分にはいまいち想像つきません、ごめんなさい!
これは想像以上に難しい&なんか恥ずかしい・・・
名物職人さんたちに改めてお礼申し上げます
でわ!
皆様あけましておめでとうございます。pinkman◆IQ64WVvgjQです。
>>292GJ!
サーニャ…観察という名のいたずらでエイラは翻弄されるんですね、けしからん、もっとやれw
>>300GJ!
生足エイラに萌えた。
>――神様。私こんなに幸せで良いんですか。ニパの分まで取ってないですか。
ちょwエイラwwカタヤイネンがついてないのはおまえのせいかw
ということで新人時代シリーズ@わんぱくガッティーノ第2話です。
わんぱくガッティーノ:第二話『別れのとき』
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
あらすじ:(例の音楽でw、c/v郷田ほづみ)
1943年4月、フランチェスカ・ルッキーニ少尉11歳がブリタニア転属を命じられた。
ロマーニャ空軍に入隊してから1年余りでエースへと成長した彼女は最前線へと派遣─
軍司令部執務室長ジュゼッピーナ・チュインニ特務中尉は感慨深げにルッキーニの成長を思い返し、
彼女自身の現役最後になるであろう命令を部下に発令するのであった。──
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
「フランチェスカ・ルッキーニ少尉、入りまーす♪」
そう言っていつもの無邪気な笑顔で執務室へと飛び込んできた少女は、自分がなぜここに呼ばれたのか知らされていない。
「もう少しかかるからそこで待ってて」ソファに座らされ、退屈な静寂の時間がしばらく続く…
「お待たせしたわね、こっちへいらっしゃい」ジュゼッピーナが少女を机の正面に立たせ、敬礼ののちに命令書類を読み上げた。
【フランチェスカ・ルッキーニ少尉、1943年4月10日付でブリタニア王国連合軍第501統合戦闘航空団への転属を命ずる。】
(ブリタニア…第501…なんだっけ?転属?4月10日って…4日後!?)敬礼をしつつなんのことだか理解しかねるといった表情の少女に上官は話を続ける。
「おめでとうルッキーニ少尉、あなたはロマーニャ空軍を代表してガリア戦線最前線への派遣が決定したのよ」
「ガリア…そこはネウロイがいっぱいいるの?やっつけなきゃいけないんだよね?」 「そうよ、あなたの力が必要なのよ」
「それじゃもうジュッピーともみんなともお別れなの?もう会えないの?」 「そうよ、これからは向こうの新しい仲間と頑張らなきゃいけないのよ」
(ムコウノ、ナカマ…怖い人じゃなきゃいいんだけどな…)
ジュゼッピーナは最後まで上官らしく振舞おうとするが。お互いの瞳にはすでに涙が浮かぶ…
「ばかね…なに泣いてんのよ、永遠にお別れってわけでもないのよ」 「ないてないもん!目にごみがはいっただけだもん!
それに中尉もウルウルだよ」
「私もゴミが入ったのよ!ったく、最後までナマイキねぇ…」 「えへへ…たまには手紙、書くね。いいでしょ?」
「そうね…6月までは私もここにいるけど、それから先は多分軍を辞めて士官学校の教官にでもなるわよ」
「え?なんで軍隊やめるの?続けたらいいのに…」
少女の質問にジュゼッピーナはしばらく考え、言葉を接いだ。
「ウィッチっていうのはね、大人になったら魔力がなくなってしまうからもう空を飛べなくなるのよ…もし飛べてもシールドが機能しないから
ネウロイに撃たれたら攻撃を防げなくて死んじゃう…私はもうそろそろ現役引退ってわけよ。
それにもしウィッチじゃなくなっても軍隊には今ここでやってる地上勤務っていう道もあるんだけど、それだと自分が飛べないのに他の人が飛ぶのを見るのが辛くなるから却下」
「そうなんだ…」 「そうよ、私は同時に二つのものを失うのよ。一つはあなた、もう一つは空を飛ぶこと」 「ふたついっしょにって…さびしいね」
「そうね、寂しいわね…でも、最後にあなたという存在をここまで育てられたんだからそれだけで満足よ。でもお願いだから向こうに行ってもスオムスで活躍した私の名前に泥を塗らないでね。
送り出した後になってまで『フランチェスカ・ルッキーニを育てた魔女は軍の規律も教えられないろくでもない奴』なんて言われたくありませんからね」
「はーい、気をつけまーす」
「よろしい。それに、向こうに行ったらあなたにとっての私みたいな、あなたを大事にしてくれる人・母親やお姉さんのような存在になってくれる人が
いるでしょうから寂しくはないはずよ…まぁ、ここみたいに子供だからって甘やかしてくれない怖ーい上官もいるでしょうけどね」
「えー?こわいひともいるの?気をつけようっと…」
「さて、そろそろ湿っぽいお話は終わりにしてここでの最後の訓練に行きましょうね。」 「りょうかーい」
二人はお互いに敬礼で会話を締め、最後の訓練に向かうのであった…
end
次回予告のようなもの:(例の音楽でw、c/v斉藤千和)
ジャジャジャーン!あたし、フランチェスカ・ルッキーニ。ロマーニャ空軍の少尉です。
ロマーニャから私一人がブリタニアの新しい部隊へ行くことになったんだけど、そこで待っていたのはカールスラントのやさしい?隊長とお子ちゃまエースと
カールスラント&扶桑の怖ぁーい上官二人とスオムスとオラーシャの変な二人とおっぱいも背もおっきいシャーロットっていうひと。
あたし…ここでうまくやっていけるのかなぁ… 次回、わんぱくガッティーノ:第三話『ブリタニアの新しい仲間』です。みてね♪
わーい!シャーリーだ〜い好きーーーっ!
*:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:**:.。o○o。.:*。o○o。.:*。o○o。.:*
以上です。
ジュッピーとか適当な愛称つけてますがそこは生暖かい目で(ry
それにしても…相変わらずセリフまみれでストーリーが作れてないorz
あらすじと予告は勢いでつけてみたから後悔はしていない。
>>308GJ!
リロードしないで投下してたので割り込んだんじゃないかと不安だったがギリギリ間に合ったようで安心w
313 :
滝川浜田:2009/01/02(金) 22:57:46 ID:AMa8a/PD
な…なんだこの流れ…!
とにかくみんなにGJ!
そして自分はシャッキーニを投下する。
参ります。
「なあルッキーニ」
「なにシャーリー」
「姫初めってのやらないか」
「姫初めってなに?」
「なんか扶桑に伝わる風習みたいなモノなんだってさ」
「ふーん。でなにやるの?」
「うん、なんでも年の初めに夫婦(またはそれに準ずる関係の人)と交わる、って事らしいんだけど」
「交わるって?」
「エッチのこと」
「ウニャッ…!!///////////////」
「おーおー、顔なんか赤くして」
「えっち!シャーリーのえっち!」
「ちょっと物投げるなって!別に今更嫌がる事じゃないだろ!?
あたし達もう既にそんな関係じゃんか」
「だ、だからって新年早々そんな事言わなくても…////////////」
「いや、なんかめでたいじゃん。年の始めの姫初め。一年に一回しかないんだぞ?
激しく交わろうぜ、ルッキーニ」
「…なんかシャーリーの目、ギラギラしてるんだけど」
「いやあさ、しばらくお前とシてないからさ、いろいろ溜まってんだよ」
「……」
「だからさ、ルッキーニ。シないか、姫初め」
「…分かった。シャーリー言い出したら聞かないから。そのかわり優しくしてね」
「おっしゃ!じゃあ早速しようぜ!」
「ちょっと…そんな無理矢理押し倒さなくてもっ…!!////////////」
「あ、ルッキーニ」
「なにシャーリー」
「優しくは出来ないかもしれないから」
「ええっ、なんでっ…!?」
「さっきも言ったけど、久しぶりだからかなり溜まってんだよ。
ただでさえお前相手だと抑えが効かないのに、こんな状況となると…ね」
「ちょっとシャーリー痕つけないでぇっ…!」
「大丈夫だよ。服で見えない部分にやるから」
「シャー…リー…ッ//////」
「…好き、だよ…ルッキーニ……可愛い…あたしだけの…可愛いルッキーニ…」
「シャー…リー…もっと…優しく…して…//////」
「…ごめん…無理…あたしもう止まんない……今夜はもう…逃がさない、から」
「ウニャア…シャーリー…////////////」
―――――――――――――――――――
翌朝
「ウニャ〜…おはよー」
「ああ、おはよう」
「…あれ、大尉しか起きてないんだ」
「ああ、まったくみんな正月ボケでもしてるんだろう」
「…あれ、大尉の首筋。なんか赤くなってる」
「…お前の首筋も痕だらけだぞ」
「…大尉も大変なんだ…中尉ってよっぽど激しいんだね…」
「そういうお前こそ…よくリベリアンの相手を出来るな…」
「シャーリーが(性的に)本気になった時ってあたしでも止められないから…大変で大変で…」
「私もエーリカの相手をするのは大変でな…まったくアイツは(性的に)魔神みたいなヤツだよ」
「…お互い大変だね…」
「…ああ、まったくだな…」
END
316 :
滝川浜田:2009/01/02(金) 23:04:41 ID:AMa8a/PD
以上です。
姫初めネタは実はミーナさん崩壊シリーズでも一本書いてるんで、それは明日以降って事で。
タイトルの付け方は、自分も好きな歌とかから付ける時が多いかも。
あとは自分の書いた文から一文抜き出してそのままタイトルにする事もあるかなあ。まあ、あんまり深い事考えずに付けてるかもw
…というわけで、爺はここら辺で…
317 :
294:2009/01/02(金) 23:42:07 ID:ZxmWYqb+
>>296>>316 なるほど…参考になった。ありがとう
しかしペースやばいなw携帯からだと読むのが大変w
ひとつひとつ感想かけなくて申し訳ないが、みんなGJ!
ちょっwペースが速い
微エロで
エイラ「ほら、あんまり動くなよ」
サーニャ「いた、っ・・・」
エイラ「頑固だなー・・・ローションが要るな」
サーニャ「ふぅっ、ふぅ・・・もういい?」
エイラ「まだだぞ。我慢するんだ」
サーニャ「あっ、やだ、染みてく、やだっ、もうや、やだっ、もうやめて」
エイラ「もう少しだぞ」
サーニャ「わっ・・・」
エイラ「ああ・・・沢山出たな・・・(にんまり)」
サーニャ「はあ・・・終わった・・・」
(恍惚としているエイラの膝から逃げるサーニャ)
エイラ「あっコラコラ、まだ大物が残ってるって」
サーニャ「エイラの耳かきしつこいよ。なんで私の耳まで掃除したがるの?」
エイラ「もっとかき出したいんだ、お願い、深追いさせて・・・ああ・・・
サーニャの耳って沢山たまってるから好きなんだ・・・」
サーニャ「エイラ怖い・・・」
(もみ合う二人)
ペリーヌ「お二人とも他所でやってくれませんこと?ティータイムなのに汚いったらないわ」(横目で一瞥)
芳佳「(二人きりで耳かき?二人きり?ハアハア)」
終
耳かきだと・・・
最高じゃないかっ!!!
坂本「やはり綿棒はよく取れるな、西洋人は特に。」
ミーナ「(美緒の膝枕・・・すべすべして気持ちいい・・・)」
坂本「よし、終わったぞ!(ふっ!)」
ミーナ「ひゃん!ち、ちょっと!耳に息なんてかけないで!」
坂本「はっはっは!すまんすまん、ついな。じゃあ次は反対側だ。」
ミーナ「・・・ええと、反対になるためには――」
坂本「こっちに顔を向けて寝返りをうてばいいだろう?」
ミーナ「えっ?いえ、それは・・・」
坂本「むぅ?ほら、遠慮するな。」
ミーナ「・・・・・・分かったわ・・・。(もぞもぞ)」
坂本「さて、きれいにしてやろう。」
ミーナ「(ち、近い・・・///)」
そんな中学生ミーナさん
耳かきをザックリ刺してしまうエーリカ
夜が明けた、初日の出だ
結局これを見るのは私だけになってしまった、寂しいものだ
本当は501の皆でこの美しい朝日を見る予定だったのだが
年越しの飲み会で少々派手にやり過ぎたのか、日の出の時刻の遥か前には多くの隊員が潰れてしまい、各々の部屋に出払って行った
宮藤がリーネを連れていき、サーニャがエイラを連れていき
ハルトマンがバルクホルンを連れていき、シャーリーがルッキーニを連れていき・・・・
今思えばその組み合わせにはどこか作為的な物が・・・まあこの際それは言うまい、年末年始だからな
結局、最後まで私と広間に残っていてそのうち完全に眠りに落ちたミーナとペリーヌに毛布を被せてきたのであった
私は一人で初日の出を眺める
神々しい光が目に染みる、涙が出たのはきっとこの光のせいだけではない気がする
今から眠る気にもならないので、私は新年初の訓練に勤しむことにした
普通の人間ならば寒さに耐えられないだろうが我々は体温を調節できる、ウィッチの魔力の賜物である
新年の眩しい光を浴びながらの訓練というのは気分がよく体もよく動き、いつもと同じ時間内にいつも以上のメニューをこなすことが出来た
一年の計は元旦にありという、この日にこんな素晴らしい内容の訓練が出来たのなら、今年も良い訓練ができるだろうな
さて、いい汗をかいたことだし汗を流しに新年一番風呂といこう
おそらく皆いろいろな意味でまだベッドの中だろうから私が一番のはずだ
訓練も風呂も全て一番!ううむ気分がいいな
部屋に戻って着替えの準備をしていると、ノックの音がした
予想外の来客に誰なのかを問うと、返ってくる一声
「美緒」
・・・ミーナか・・眠っていたと思っていたが、起きて来たのか
急いで私は扉を開ける
「やあミーナ、今から風呂に行く・・・」
まあ見事に酔いが覚めていないようだ、かなり強いアルコール臭に乱れた衣服、赤い顔
もしかしてまた飲んで来たのだろうかとさえ思えてくる
「ずいぶん酔いが抜けてないようだな・・・ちょうどいい、私も訓練が終わって汗をかいたので風呂に行くところだ、一緒に・・・」
「ふえー」
私の言葉を無視し、ふらふらとした足取りで私の部屋へと入り込み、ベッドに飛び込む
「全くミーナ・・・おい、酔い覚ましに行くぞ・・・!?」
ミーナを抱き起こそうと彼女を抱えた瞬間、私はベッドに引き倒され仰向けにされる
「美緒・・・かわいい・・・匂い・・・する・・」
「な、なっ!?ミーナ・・・待て!私は訓練終わりで汗をかいている!あまり体が綺麗じゃないんだ!」
わたしの体に抱き着き、その香を犬のように嗅ぎまわるミーナ
「いい匂いだよ・・・すっごいいい匂い・・・・・すっごい美緒の強い匂いがするよ・・・」
「や、やめろ!恥ずかしい!!それに!こんなに汗くさかったらおまえに申し訳」
「美緒のこんな匂い嗅いだらわたし・・・もっと変な気持ちになっちゃう・・」
ダメだこいつ・・・酔って完全に頭のネジが外れているのか
訓練でそれなりに疲労が溜まっている私はかなりの力で私を抑えるミーナを振り払えない
そのうちミーナはわたしの腋を舐め始めた
「ひ、ひゃっ!」
「美緒の汗・・・おいしい」
「や、やめろっ!そ、そんな・・・」
「そんな声出されると・・・もっと・・・!」
「くうっ・・・ミーナ・・ぁっ・・」
「姫初め・・・姫初めよぉ・・・美緒が教えてくれた・・」
うなじやふともも等の弱いところを攻められ、もはや私はミーナの手の中
なすがままに服を脱がされ、私の二つの丘はミーナの舌技に制圧される
「ミーナ!・・・ミーナっ!!やめっ!!ミーナぁっ!ダメだっ!そんなところっ!」
「美緒っ!みおっ!かわいい!ホントにかわいいっ!」
私のぐしゃぐしゃに濡れそぼった秘所に難無く滑り込んだミーナの滑らかな舌が、その一点を刺激する
「あっ!はあっ!ミーナあああああっ!!!!」
自分ですら聞いた事も無いような高い声で、私を貪る愛する人の名を呼んだ
わたしの中で白い爆発が起きて、意識を凄まじい勢いで埋め尽くす
薄れ行く意識の中見たのは、ぐしょぐしょに濡れて恍惚の表情をしたミーナだった
「まさか訓練で散々汗をかいた後にあんな目にあわされるとはな」
散々乱れたベッドの上で隣に眠るミーナを眺めながら呟く
あの後もまさにケモノのようなミーナに太刀打ち出来ず、私は撃墜スコアを荒稼ぎされた
思い出しただけでも赤面するほどミーナに乱れさせられたのはこれが初めてだ、いつもは私が攻めなのに
酒と私の匂いがこれほどミーナを目覚めさせるとはな・・・
「遊びの時は動物のように元気一杯で、眠る時は安らかに健やかに・・・」
「子供だな、まさに」
誰とも無しに呟く
とりあえず、もはや汗どころではない、いろいろな体液でぐしゃぐしゃなこの体を早いところ綺麗にしてしまいたい
私は着替えを取り汗の残る服を来て浴場へ向かった
わたし達が体も洗い終え、長くゆったり風呂に入ってると、坂本さんが浴場に現れた
「あ、坂本さーん!!おはようございますー!」
「おっはようございまーす!」
「おはようございまーす」
「あ・・・宮藤にルッキーニにシャーリーか、新年の朝風呂は気持ち良いだろう?私も体を洗ったら入らせてもらうよ・・・」
「ねえねえよしか、シャーリー」
「どうしたルッキーニ」
「坂本少佐からすっごいミーナ中佐の匂いがしたよ、これってもしかして坂本少佐が昨日私たちがやったのと同じごぶっごぼぼぼぼぼ」
突然慌てたシャーリーさんがルッキーニちゃんの顔をお湯に沈める
「えっ?何?何?どうしたんですか?シャーリーさんとルッキーニちゃん何」
「あー!いやいやなんでもない!!なんでもないぞー!!あははー!さて、私達はそろそろ風呂から上がるかなー!!」
シャーリーさんはそう言ってルッキーニちゃんを抱えて浴場を出ていった
新年なのに、なーんか皆変な感じだなー・・・
終
>>328 寝る直前だったのに…。
GJダ(・ω・)
>>322 エーリカ「よし。今日はトゥルーデのためにシてあげるv」
トゥルーデ「まっ、待て、いい! 遠慮する!」
エーリカ「そんなこと言わないの、お・ね・え・ちゃ・ん!」
トゥルーデ「ぅ…ってわああ! 押し倒すな!」
エーリカ「んじゃいくよ…」
トゥルーデ「あ! …ぅ、い゛…んっ、は」
エーリカ「どう? 気持ちいい?」
トゥルーデ「き……」
エーリカ「お。デカいのがとれ…」
ポロリ
エーリカ「…なかった」
トゥルーデ「ばか、落とすな!!」
エーリカ「ごめーん、あれ、奥いっちゃったかな」
トゥルーデ「うぁ…やめ、ん…」
エーリカ「えい」
トゥルーデ「うああ! 刺すな!」
エーリカ「…もっと奥いっちゃった」
トゥルーデ「く…」
エーリカ「トゥルーデなに泣いてんの」
トゥルーデ「…痛い…(涙)」
トゥルーデかわいそすぎたw
正月に書きあがったので失礼します
いらん子のビューリングとウルスラで6レス
今回で完結です
続きものなので読まれる際は前作からどうぞ
ぱたんと部屋の扉を閉める。やっと開放されたビューリングは上着も脱がずにベッドにごろん。
「押し負けするとは…屈辱だ」
レポートを書くと約束するまで離さないとしがみつかれ、金魚のフンを2つくっつけて歩くのに音を上げた己を嫌悪する。スオムスにくるまで鼻摘まみ者だった自分をどうしてそこまで構うのか不思議だが、約束した以上はそれを果たさねばならなかった。
溜め息をついて渋々起き上がり、デスクにかけて紙とペンを手に取る。書くとは言ったが、真面目にやるとは言ってない。適当にさらさらと枚数を増やし、一番最後に所属部隊と署名を施してレポートは完成した。
「ふむ上出来だな―――っん?」
一服しようと懐を探り、その手に触れるものに思い出す。内ポケットからそれを取り出してデスクに置くと、まずタバコに火をつけて深く煙を吸い込んだ。手近な灰皿を引き寄せてタバコを置くと、封を破って中身を広げる。
「おいおい…なんだこれは」
数枚にわたる手紙を流し見て溜め息をつき、再び内ポケットに戻すと重い腰を上げた。どうせトモコにレポートを提出しなければならないのだから、彼女に直接問いただせばよかろうと考えて。
コンコンッと智子の部屋のドアが鳴る。
そわそわと落ち着かなげに歩き回っていた智子はビクッと身を竦ませ、なぜか隠れる場所を探してクローゼットを開けたり閉めたりした。そうこうしているうちに業を煮やした来客が勝手にドアを押し開ける。
「なんだ、いるじゃないか」
「まっまだ開けていいとは言ってないわよっ!」
どぎまぎしている己を隠そうと喧嘩口調。返事もしなかったくせに智子は早速ビューリングに噛みつく。
ビューリングはドアノブを握ったまま肩をすくめ、特に悪びれた様子もなく鼻で笑う。
「それは失礼。私の部屋のドアを切り捨てた奴の言葉とは思えんな」
「ぬあっ?! あれはあんたが訓練サボるからっ」
昔の無茶を掘り返されて智子は赤面する。色々と反撃を考えているその眼前に、紙の束が突き出された。
「御所望のレポートだ。それでいいんだろ?」
「え? ええ……本当に書いたの、あんた」
「なにか知らんが周りが書け書けとうるさくて。お前も隊長としてそこそこ敬われてるじゃないか」
「もっもういやだそんなやめてよっ私が部下想いの素晴らしい隊長とか」
ビューリングは嫌々ながら書いたんだと強調したつもりだが、智子の都合のいい耳にはそう聞こえなかったらしい。受け取ったレポートをくしゃくしゃにする智子を呆れて見やり、タバコをくわえたビューリングは後ろ頭をかいた。
「…ああ、それはそうと。さっきの手紙の件だがな」
「ひゃっ?! ま、待ってまだ心の準備が」
「私に扶桑語は読めんぞ。従って熟読もできない。以上だ」
「―――っへ?」
間抜けな表情で智子は固まる。停止した思考のなか必死に記憶を手繰ると、ついつい熱が入って墨で書いたとっておきの手紙は確かに縦書きだった。信じられない失態をおかした己を許せず、智子はがっくりと膝をつく。
「読めないなら直接聞けばいいと思って持ってきたんだが」
「きっ聞くってそんな、だって言えないから手紙にしたわけでっ」
構わず続けるビューリングに、跳ね上がった心臓を抱えた智子は後じさった。遅れてギュギュギューンっと血が上ってくる。
「途中でハルカに会ったから見せてみた」
「…………はい?」
今度はササアァーっと血の気が引いていく。今聞いた事実を受け入れられず、智子は耳に手を当ててワンモアを要求する。
長話が面倒になったビューリングは話を先に進めた。
「あれは扶桑の軍規なんだろ? ここはスオムスだからまるで意味がないな。それじゃあ私はこれで」
軽く手を上げてそう言い捨て、ビューリングは無情にも部屋を後にした。
はっとした智子は廊下に飛び出し、曲がり角に消える背中を見つけ、待ったをかけようとしてその場に硬直する。
「白やぎさんからお手紙着いた〜♪」
「黒やぎさんたら読まずに食べた…」
背中側からいっそ無邪気に聞こえる歌声。感じる妖気にカクカクと膝が笑いだす。
軋んだ音をたてて智子が振り返った先に、満面の笑顔を浮かべるジュゼッピーナとハルカ。
「仕方がないのでお手紙書いた 〜♪」
「さっきの手紙のご用事なあに …」
「うっひいいいぃィーーーっ?!」
ジュゼッピーナはまだいいとして、ハルカの目が非常にやばい。総毛立った智子は一目散に逃げようとするが、足をもつれさせてすってんころりん。あっさりと両脇を拘束され、無限に流れ続ける歌にのせて自室へ引き摺られていった。
ゴリゴリ、ゴリゴリ―――
幾つかの乳鉢に分けた材料が磨り潰されていく。
ここはウルスラの自室。他の隊員の部屋と少し離れた場所に設けられているのは、彼女のライフワークである火薬研究に起因する。調合の失敗で部屋を吹き飛ばすたび隣室も巻き添えになるので、これはその予防線としての措置だった。
「おかしい。あの時は上手くいったのに…」
空対空ロケットを完成させた折はこの世の全てを手に入れた気さえしたのに、ほんの少しの所作で変わってしまう結果に四苦八苦している。乳鉢を摩る手を休め、ウルスラは先ほど届けられた手紙を見やった。
「少尉、か」
比類なきウィッチの才を持つ双子の姉。最初の出撃こそ散々だったと聞いているが、めきめき実力を発揮した今では『黒い悪魔』という称号すら与えられたという。もっとも姉は手紙に戦闘の事などちっとも書いてこないのだけど。
埃っぽさが気になり眼鏡を外して机に置く。そして備え付けの鏡に映る自分をじっと見つめた。
双子だから似ていて当たり前、カールスラント軍人だから服だって同じ。こうして黙って立っていれば親だって区別がつかない。物心つかない小さな頃はそれも嬉しかったものだけど。
ゴリゴリ、ゴリゴリ―――
止まっていた作業を再開する。
追憶が僅かなミスを生む。チカッとした光にすぐさま床へ伏せたウルスラの頭上を、轟音立てた爆風が駆け抜けていった。
大きく伸びをする背中に嫌な戦慄、ビューリングは戦場で培った勘に従いその場から飛びずさる。爆音とともに弾けたドアが鼻先を通過し、向かいの部屋へと突っ込んでいった。命拾いしたと喜ぶ暇もなく立ち上がり、もうもうと煙る室内へと特攻する。
「おいっウルスラ! 大丈夫か、どこにいる?」
口元を覆って火薬のにおいがたちこめる室内を見回す。廃墟と化した部屋にまさかを想像してゾッとなり、ビューリングは何度もウルスラの名を呼んだ。すると積み重なった瓦礫が微かに揺れる。
「―――――っ! ここだな、ちょっと待ってろ。すぐにどけてやる」
使い魔の力を借りて重たい瓦礫をかきわけると、下から煤で顔を真っ黒にしたウルスラが出てきた。悪運が強いのか偶然瓦礫の隙間に嵌ったようで、その体には怪我らしい怪我はない。
「ごほっ…けほっ…失敗した」
「見ればわかる。これで何度目だ、まったく」
ビューリングは安堵の吐息をつき、咽て咳き込む背中を叩く。粉塵はおさまりそうになかったので、ウルスラを抱え上げて部屋の外へ退避した。
「オー、やっぱり今の爆発はウルスラでしたかー。今回はまた一段とグレイトねー!」
「褒めてどうするんですキャサリン少尉… あのそれより大丈夫でしたかウルスラ曹長?」
爆音にかけつけてきたオヘアとエルマ。その後ろでは手馴れた感のある基地防災担当がわらわらと室内に突っ込んでいく。
地に足をつけたウルスラは背筋をしゃんと伸ばし、いつもの平坦な口調で返した。
「問題ない。想定の範囲内」
「そんな煤けた顔で言っても説得力がないわけだが」
頭の上から聞こえた突っ込みに唇を噛み、ウルスラは服の袖で顔をごしごし。そうしてからやっと、そこにあるべきものがないという事実に気づいた。
「眼鏡、ない」
「お前の眼鏡なら瓦礫に潰されているのを見たぞ」
顔をぺたぺた触って何度も確かめる仕草を怪訝に見下ろし、ビューリングはありのままを告げる。それを聞いたウルスラはピタッと動きを止めて蒼ざめた。そして急に落ち着きをなくしソワソワキョロキョロ。
「どうしたねー、ウルスラ? どこか具合でも悪くなったですかー?」
「顔が真っ青ですよ。ああいえ、煤と混じって灰色という珍しい顔色に」
「なんでもない。なんでもないから、放っておいて」
覗き込んでくる仲間から必死に顔を背けるウルスラを観察し、ビューリングはベンチで考えていた違和感の正体に思い当たった。
「ウルスラの具合なら私が部屋で確かめる。二人は後処理を頼む」
悪いと思いつつ宣言すれば、何故だかキラキラした瞳で迎えられる。居心地の悪さを感じたビューリングは俯く少女の腕を掴み、その場からそそくさ姿を消した。
自室にウルスラを引っ張り込み背中でドアを閉める。ドアに寄りかかったまま腕を組んだビューリングは、突然の変調をきたしたウルスラを見やった。
突き刺さる視線を感じているだろうに顔を上げない。明らかに他人の『目』を気にしている。常に泰然としているあのウルスラが。
「ウルスラ、お前…視力は悪くないだろう?」
食堂での動き、さっきの行動、そこから導かれた結論。ビューリングの指摘に少女の肩がビクッと跳ねる。
やはりそうかと一人頷き、ならば何故いつも眼鏡をかけているのかを考える。はっきりとした確証はなかったが、ビューリングはおそらくと思われる推測を口にした。
「双子の姉がいると言っていたな。あの眼鏡はそれに関係する事か?」
「…………双子だから……私たちは本当にそっくり」
沈黙の後、力ない声が洩れる。ウルスラが話しやすいよう視線を外し、ビューリングは耳から入ってくる情報に集中した。
「あれがないと……私と姉さんの区別がつかない。みんな…困る。だから」
そう言ってウルスラは沈黙する。あの眼鏡は二人を見分けるためのアイテムであり、あれがないと周りが困るのだと。
ビューリングはその説明に引っかかりを覚えて首を捻り、しばし自分の中で言葉を整理して口に出した。
「区別したかったのは…みんなではなく、お前自身じゃないのか?」
「違うっ! だって小さな頃から私たちはずっと一緒で、楽しくて。どっちがどっちでも構わなかった」
意外なほどの強い否定、それはつまり痛いところを突かれた裏返し。
ようやく顔を上げたウルスラの目を真っ直ぐ見つめ、ビューリングは穏やかに先を続ける。
「だろうな。元々1つの存在が2つに分かれて生まれてきたのだから。だが頭の良いお前は冷たい現実に気づく。机上の計算のように全てを等分できるわけないと」
叶うならなら同じでいたかった。だけど同じでないのなら、区別しなければ。
呆然とする少女に優しい気持ちが芽吹き、ビューリングは目尻を下げて微笑む。
「なんとなくそう思った。だってな、スオムスではそうする意味がないだろ」
「どうし、て…?」
「ここにいるのはウルスラ・ハルトマンだけだ。区別する必要などない。まあ、してほしかったら幾らでも思いつくが――――例えばいつでも本を持ち歩いてたり、
体中火薬くさかったり、まめに届く姉からの手紙を心待ちにしてたり、タバコのにおいを嗅ぐと顔をしかめたり、人の体で暖をとっておきながら寝坊したり、
ポテト料理が好物なくせにわざと取らなかったり、一言返しで苛々させ」
「もういい、黙ってっ!」
パシッと両手で口を塞がれ、ビューリングは無理やりに黙らせられる。あれこれ自分の他覚情報を並べられたウルスラの顔は真っ赤。
そんな顔すら新しい情報に加えたビューリングは、もごもご続きを語ろうとして諦め、全力で押しつけられる口封じを指で突いた。
「…もう言わない?」
こくんと頷き返すと、やっとの事で手が外れる。ビューリングは赤くなった口元を撫でて大きく息をついた。
「痛いじゃないか。力加減くらいしろ」
「ビューリングが悪い。恥ずかしいこと言うから」
「恥ずかしいとは何だ。お前自身の事だろウルスラ」
「嘘を混ぜてる。私はそんなんじゃない」
ああ言えばこう、こう言えばああ。二人はムキになって自らの主張を譲らない。
やがて飛び交うネタも尽きた。言い合いに疲れた二人は肩で息をし、立ち話もなんだと並んでベッドに腰掛ける。
「話を戻すが…スオムスで眼鏡はいらないだろ?」
「駄目。外からきた人が間違う…ルーデル大尉みたいに」
ウルスラの言葉に記憶を探り、ああそんな事もあったなとビューリングは懐かしむ。あの時は確か、眼鏡をかけていても間違われたのだ。各方面のメディアがこぞって取り上げるから、カールスラント空軍の最前線で活躍するウィッチは有名である。
「そうか。なら、眼鏡を買うまでこれを付けてろ」
ビューリングは己の白いスカーフを解き、ウルスラの首元へ巻きつけた。たっぷりとした生地は余りすぎて首全体を覆いつくす。
立ち上がったウルスラは鏡の前まで移動して沈黙。軍服の上からぐるぐる巻かれたスカーフにより所属国家の見当すらつかない。大雑把すぎる、わかりやすすぎる、そんな代用品をギュッと両手で握り締めて一言。
「……タバコくさい」
「私のだから当然だ。嫌なら返せ」
取り返そうと伸びた手からウルスラは逃げる。たっぷりとしたスカーフに口元を埋め、くぐもった声で告げた。
「これがいい。ありがとう」
とても素直で真っ直ぐな言葉。
またもやカウンターをくらい、ビューリングは腰砕ける。宙に浮く手のやり場に困った末、結局クシャクシャと薄い色の髪をかき回した。
ざわざわとした憩いのランチタイム。食堂中の視線は今、とある二人の人物に向けられていた。間違い探しの箇所は明らかなのだが、何故それがそこにあるのかという新たな疑問は解決できそうもない。
そんな衆人環視の状況を歯牙にもかけず、昼食プレートを持った大小の二人連れは空いた席につく。
「…不躾な奴らだ」
「どうでもいい」
常のマイペースを保つ強者たち。注目を浴びる理由はわかっているが、わざわざ説明してやる義理はない。堂々としていればそのうち飽きるだろうと放置し、彼女たちは各々のプレートに手をつけた。
「おい、それは前掛けじゃないぞ。ソースが飛んでる」
「パスタはそういうもの。仕方ない」
今日のランチはロマーニャの伝統料理。ソースを変えるだけで色々な味が楽しめるという大所帯では便利な代物。そして今日はよりによってトマトソースだった。
「人のだと思って…あんまり汚すなよ」
大事な本は除けておきながらしれっと言われ、ビューリングは苦笑。返却される頃にはきっと、シルクのスカーフは無残な姿になっているだろう。
ジュゼッピーナとハルカにべったり挟まれた智子が入り口から入ってきた。智子はゲッソリとやつれた風体、対する後の二人はお肌つやつやである。
「運動したらお腹空いちゃった♪ それにしてもどうしたんですトモコ中尉ぃ〜、ハイネックに着替えるなんて?」
「どうしたもこうしたも、あんたたちが跡をつけまくるからでしょおがあぁっ?! うぁしまったっ…」
「ふふふ、語るに落ちましたね智子中尉。愛する人の肌に愛の証を刻む、これに勝る喜びなん――――へぶううっ」
智子渾身のアッパーをくらって吹っ飛んでいくハルカ。要領の良いジュゼッピーナは近くにいる人々に避難を勧告する。備前長船に手をかけた智子が仁王立ち、最後通牒を突きつけた。
「それ以上一言でも言ってみなさい。刀の錆だからねっ、切り捨て御免だからねっ!」
「きゃあ〜サムライの殺陣を生で見られるなんてジュゼッピーナ感激ぃ〜♪ 遠慮なくやっちゃってください」
「へっへっへ…随分威勢がいいんですねぇ。さっきは私の腕の中であんなに弱々しく震えていたくせに」
懲りずにジゴロじみた感想が述べられると、もう何度目になるかわからない無礼打ちショーが開始された。
「「「 …………………… 」」」
「なにか、勘違い、してない…か?」
食後の一服をくわえてぐるりを見回すビューリングの額に冷や汗。戻ってきた視線がおかしな具合になっている。あなたたち朝からお盛んねぇといったふうに。
そういえばと、ビューリングは思い出す。昨日から中隊仲間のみならず基地隊員全ての挙動が怪しかった。営倉から釈放されたことで誤解は晴れたと、そう勝手に思い込んでいた自分を殴り飛ばしてやりたくなる。
「ち、違うっ――――これはっ…だな」
思わずガタンと立ち上がったビューリングは、対面に座るウルスラを視野に入れて言葉に窮す。
誤解の真相、スカーフの理由。全てを話してしまうのは簡単だったが、こんな場でウルスラ個人の秘め事を公にするほどビューリングは鬼畜ではない。
「お〜ほほほほ、照れなくてもいいんですのよ。あなた達の純愛はしかとこの私が証明してさしあげますからっ」
突如甲高い高笑いが巻き起こった。取り巻きたちが押しのけた人垣の隙間から進み出てきたのは、言わずとしれた第一中隊のアホネン大尉。
また面倒な奴が現れたとビューリングは頭を抱える。
「余計なお世話だ、引っ込んで……ん? おい大尉、純愛ってどう」
「オー、何の騒ぎですこれはー? サプライズパーティならミーに余興をお任せねー!!」
問い詰めようとする声が更なる大声にかきけされた。
腰からリボルバーを抜くオヘアを見て咄嗟に全員床へ伏せる。食堂の壁に次々開いていく大穴、やはり今回も実弾を装填しているらしい。
「大人しくそこへなおれえぇーーーっ、こぉのちびっ子変態海軍がああぁーーー」
「トモコ中尉素敵ぃ〜、頑張ってぇ。これで中尉の二番機の座は私のもの。きゃはっ♪」
「させるもんですか、パスタ准尉! 智子中尉の二番機は未来永劫この私ですっ」
団子になって移動してきた三人は、群集に構わずすったもんだの痴話喧嘩。
完全に頭に血が上った智子は抜き身の軍刀を振り回してハルカを追い掛け回す。無邪気なふうを装い黒い願望を口に出すジュゼッピーナ。ハルカもジュゼッピーナを盾にするという高等技を駆使し、ライバルを屠ろうとやっきである。
「きゃああぁ皆さん、何をっ何をしているんですかー! また冷酷非道なハッキネン少佐に叱られちゃいますよ。何故かおもに私があぁっ!」
ひいいぃィーと顔に縦線を入れてエルマは泣き出す。いつの間にか腕組みして真後ろに立っている雪女にも気づかずに。
「もう知らん…どうにでもなれ」
やさぐれてタバコを噛み、ビューリングは火を点けた。こんな面子に囲まれて正常でいる方が難しい。
「お前はやっぱり『どうでもいい』のか?」
ビューリングは周囲のやりとりに全く無頓着な少女に問いかけた。あらぬ噂がまことしやかに一人歩き、それでもいいのかと。
開いた本から一瞬だけ視線をやり、ウルスラはまた読書を再開する。そして、ぼそりと簡潔に呟いた。
「人の噂は75日」
「なんだそれは?」
「扶桑の諺」
ウルスラらしい返答。本から顔を上げもしない。
意味がわからんと溜め息をつき、脱力するビューリングは天を仰いだ。
以上、際限ないので終わります
ウルスラの眼鏡の設定は作者の妄想なのでスルーしてください
いらん子好きが増えればいいなと願いつつ、これにて
ありがとうございましたー
保管庫管理人さま
4つに分かれて投下してますが、1つに繋げて格納していただければ嬉しいです
よろしくお願いしまーす
>>338 GJ!
ストパン本編よりいらん子の方が生々しくて好きだ
>>338 GJ!完結おめ!終わっちゃうのがなんか寂しいよ
相変わらず智子さんの天然ぶりが面白すぎるwここまでいらん子の雰囲気を出せるのは本当に凄いなあ
スカーフをつけて活躍するウルスラ想像したらなんかじんときた
また貴方の作品を読める事を楽しみにしてます 改めて乙
341 :
名無しの様な者:2009/01/03(土) 15:54:04 ID:VVETGZ4g
1話50KB超えるのが何本かたまってるんだが此処に落としていいの
txtでうpろだに上げるのをオススメする
いまさらだけど新年ネタのプロット書けた 1月一杯は新年気分でいいよね
エイラーニャでニヤニヤ話書きたくなると同時に、リーネイラで背徳感いっぱいの
クリスマスとか元旦とか書きたい自分もいて困る
誰か書いてくれないかなあ
>>338ごちです! いやはや、どこまでもマイペースなウルスラとビューリングそして彼女らを囲む面々の描写が楽しい作品でした。
>>338 ウルスラはほんとかわいいなぁw 言い訳できなくなってるビューリングもごちです。スカーフはいい話だなぁ。
でもこのシリーズはいらん子キャラ全員が魅力的に動いてて好きでした。
一区切りのようですが際限なく続けていただいきたいっすw ばっちこーい
>>338 GJ!なんかすごい「いらん子」っぽさが出てて好きだ、大好きだ!
流れぶった切るみたいですまない…ただの愚痴だから聞き流してくれ
今日、頼んでたエイラーニャの同人誌が6冊ぐらい届いたんだが…
エロが見事にフタナリばっかだった…まぁこれはまだいいんだが
百合あり、陵辱ありって書いてあったやつが、内容8割陵辱だし…
まぁしょうがないんだけどさぁ…なんかちょっとへこんだな……
誰か、今から買えるやつで、百合百合したのしらないか?
できればエイラーニャがいいんだが…
>>338 GJ! いらんこの雰囲気最高ですね。
是非続けて頂きたい心境。
>>347 例えば、虎通販サイトでストウィのカテゴリー検索を掛けて
見本ページなんかを見ながら欲しいのを探すのはどうよ?
意外と有るぞ。
俺は同人は諦めた
ここがあれば同人なんて必要ないぜ
百合もありとか書いてる陵辱って最大級の地雷だな
>>347 百合初心者なんだろ?そう気を落とすなって。
百合はよく表紙とか宣伝文句でいい釣り餌にされるから本物を見極めるのは難しいのだよ。
何年も百合ばかりを追っているとそのうち地雷を見抜く眼力みたいなのに目覚めるからそれまでの辛抱だ。
例えば一番判り易い例としては、カメラ目線なら地雷、見つめあってたらガチ、とかね。
それはそうと
>>338GJ&完結乙!
むしろ際限なく書いて欲しい位のたまらなさだったよ。
最高級のビュースラと貴重なハル智分をありがとう!
>>349 虎ではないけどそうやって買ったらふたなりと言うね…
別に嫌悪感はないけど期待してただけに…
もうエイリーネでもいいから買おうかな
>>351 中身あとがき除いて23ページ中、百合?っぽいのが6ページ
いや、まぁ買わなきゃいいじゃんとか言われたらそうなんだけど…何か凄い喪失感というか…
なんだろ…娘を目の前でレイプされた感じ…かな…
こんばんは。mxTTnzhmでございます。
投下した皆様GJ! 流石正月、速度が速い!
私、初夢になんとストウィの夢を見ました!
その夢の内容を文章にしましたのでどうぞ。
短いですが、よしなに。
355 :
chaos:2009/01/03(土) 18:31:32 ID:4T7Ng34E
夢を見た。とんでもない夢。話せば長い。あれは……
「あっはっは、宮藤、貴様ぁ! 私と言うものがありながら!」
迫ってくるのは坂本さん。どうして笑いながら扶桑刀を振り回して追っ掛けて来るのか分からない。
木の茂みをうまく使ってひょいひょいと逃げているのに、坂本さんは扶桑刀で乱暴に枝葉を切り裂いてなおも追ってくる。
その殺気、尋常じゃない。……殺されると私の直感が告げる。
坂本さんの後ろをひたひたとついて来るのはペリーヌさんとミーナ中佐。レイピアに拳銃に、
二人揃って物騒なものを持って坂本さんの後を追って来ている。
「美緒待って〜」
「少佐、わたくしも加勢致しますわ! 今度こそ豆狸を屠って、少佐をわたくしのものに……」
「……ペリーヌさん、今何て?」
「ですから、わたくしの……」
「とりあえず、宮藤さんを片付けてから考えましょう」
目が怖いよミーナ中佐。三人に追い掛けられて、私は基地の中を逃げ回る。
誰か、誰か助けて!
あ、リーネちゃん! てか何でボーイズ持ってるの? こっち向けないで!
「芳佳ちゃんそこどいて! そいつ殺せない!」
「はいい!?」
私の疑問に答える事なく、リーネちゃんは狙いを付ける。
慌ててしゃがみ込む。
リーネちゃんは迷わず引き金を引いた。
強力な一発は坂本さん目掛けて飛んでいく。しかし扶桑刀で弾を両断する。
「扶桑刀を舐めるな! この鬼畜が!」
肉薄する坂本さん目掛けてボーイズを連射する。リーネちゃん、あんなに早くリロード出来たんだ……。
同じ場所に集中して受けたら、流石の扶桑刀も刃こぼれして折れる。
鈍い金属音をして、坂本さんの扶桑刀が折れた。そのままもう一発撃たれ、地べたに這いずる。
「ええい、リーネ……貴様もか」
坂本さんの叫びを止めるべく、リーネちゃんはボーイズを連射する。
ああ、ペリーヌさんがレイピア毎撃ち抜かれた。
ミーナ中佐が素早くPPKを構えるも、リーネちゃんの一発の前に沈む。
気付くと、私の後ろに、三人が血溜まりの中に沈んでいる。
「あああ……リーネちゃん、何て事を」
ゆっくりとボーイズを下ろしたリーネちゃんに、私は近付いた。
「芳佳ちゃん」
満面の笑み。
火薬が弾ける音が、数回。私は音の在処を見た。
お腹を撃たれてる。リーネちゃん、それ護身用のPPK……
どうして私を撃つの?
力が抜けて、苦痛に歪む私の顔を見て、リーネちゃんは微笑んだ。
目が、怖いよ……。
「芳佳ちゃんは私のもの……誰にも渡さない」
「どうして? リーネちゃん、どうして?」
「他の誰かの手に掛かるなら、いっそ私が」
そういうものなの、リーネちゃん?
ああ、意識が遠退く……リーネちゃん笑顔がステキだけど……これじゃあもう、私……
「ふうん、凄い夢だね」
リーネちゃんは私が見た初夢を、興味津々に聞いていた。
一緒にゆっくり寝ていたのに、何で私はこんな強烈な夢を見るんだろう?
「リーネちゃんはどんな夢みたの?」
「私は……、今は、秘密。後で教えてあげる」
「うん。必ずだよ」
でも何でリーネちゃん、部屋にボーイズを持ち込んでるの? おまけにPPKまで……。
そ、そんな事、無いよね。
これはきっと夢だよね。私の服が真っ赤に染まってるのも。
きっと夢。
これは、きっと。
end
以上です。
何というか、まさに「カオス」と言うほか無い夢、と言うか。
新年早々なんて夢見てるんだと。
リーネが……。
ではまた〜。
>>356 これは…やばい…夢でよかったですね
>>352 ありがとうございます、この世界はこの作品からです…参考にさせていただきます。
鍛えれば、ふたなりと百合も見分けられるようになるでしょうか
エイラーニャメイン本は結構買ったけどふたなりが一冊だけだったな
この一冊もわかってて買ったもんだし
なんか多分手に取った瞬間違いがわかるとか、そういう能力が身に付く時がくると思う
ふたなりはいやなり
>>356 乙です
リーネはやっぱヤンデレ成分が強いのだろうか・・・
このスレ見てたら初夢で自分が501にいた
エイラニャふたなりのおかけでふたなりに目覚めた
パンツコキ最高です
>>361shyか。あの人巧いよな。ふたなりには驚いたがw だがサーニャの台詞はある意味せつなくなった…
>>347 確かに冬コミで買ったエイラーニャのエロ同人は8割はふたなりだったねえ。
コミケだと男性向けの島中や突発で出す大手の多くは百合慣れしてないから、ふたなりに流れる傾向があるよね。
11月のオンリーはエーラーニャのエロでもふたなり率はコミケに比べれば低かったし、次のオンリーには期待していいんじゃない?
まあ、最強の護身はエロ同人を買わないことなんだけどw
健全本なら百合かギャグの二つに一つだ。
>>352 表紙でカメラ目線やピンでもガチな百合本も普通にあるから油断ならないよね。
即売会に出向いて中身を確認すること以上に確実なことはないし。
同人なんだから期待外れだからって叩くのは筋違いだよね
まぁこの話題はそろそろ止めようぜ
荒れる
>>358 百合の道は長く険しいですね…これからも精進します。
>>365>>366 叩くつもりはなかったんですが…お気を悪くするような書き込みしてすみませんでした。
どってことナイッテ
まぁ、とりあえずだ。
息が白くなるような寒い寒い朝、ベッドの中でいちゃいちゃしながら、暖をとるエイラニャはまだかね。
「寒い・・・エイラ、ぎゅっとして?」
「・・・こ、こうカ?」
みたいな。
積極的サーニャは大好物ですw
ふたなりについての議論は前にも何回かあったな…私は断然アレ派ですね
そう、指と舌。
こんばんは、gf1xJeg9です
大晦日から元日にかけて妄想していたミーナリーネをひとつ
リーネ→ミーナかな?
なんかパンチが足りぬ文ですが、許してくだされ…
「サーニャの肌、本当に冷たいジャナイカ〜」
「エイラ、温かい」
Her warmth
夜10時半をまわったころ。
隊のみんなはおそらく自室でくつろいでいるか、早い人ならもう寝てしまっている時間帯だ。
寝るまえになにか飲もうか、ならば何を飲もうかと、私は厨房でひとり思案していた。
そこへ、薄いシャツ一枚で彼女はあらわれた。
ミーナ中佐。私の…憧れの人。
お風呂上がりなのだろう。まだ乾ききっていない髪と、肩に巻かれたタオル、シャツのボタンはほとんど開いている。すごく色っぽい…。
こんなに無防備な姿はそう見られるものではなかった。
「あら、リーネさん」
眼を見開いていかにも意外だ、という表情。やっぱり、誰もいないと思ったからそんな格好で来たんだ。
「ごめんなさいね、こんな格好で」
「いえ」
ああ、直視できない。ボタンの隙間から見えてしまいそうなんだもの。
なるべく見ないようにしながら、尋ねる。
「紅茶、お入れしましょうか?」
「ええ。お願いするわ」
私に向けにこりと微笑んでから、中佐は食堂のイスに腰掛けた。
お風呂を上がってまだ数分も経っていないというのに、ミーナ中佐はもう書類を広げている。
一枚の紙をじっと見つめて、深く考えこんでいる。
入れたお茶を書類からすこし離して置くと、中佐はすぐにとって口をつけた。
「――熱、」
舌をわずかに出して眉をよせるだけのその仕草が、とても可愛くて――なんて私が考えていることを知ったら彼女はどう思うのだろうか。
「ごめんなさい、熱すぎました?」
「いいえ。無意識のうちに口をつけて、びっくりしただけよ」
無意識…。それだけ集中しているということだ。
中佐がもう一度紅茶を飲み、ふうと息を吐いたのを、私は見逃さない。
ごまかしていたけれど、今のはきっとため息だから。
ささ、と背後にまわって、ミーナ中佐の両肩に触れる。
「え? なに、どうしたの?」
驚いた顔もまた、素敵です。
「お疲れでしょうから…」
言い、手に力を入れる。
やっぱり硬い。ミーナ中佐、無理しすぎてる。
「……ありがとう」
「あ、ほら。書類から手を離してください」
「えー」
なんだか甘い声。胸のドキドキが止まらない。
「仕事する時間と休憩する時間、ちゃんとわけなきゃダメですよ」
「…わかったわ。じゃあお願い」
続けて、手に力を入れては抜き、入れては抜きを繰り返す。
中佐からただよう良い香りに、酔ってしまいそうだった。
むしろすでに、酔っていた。
なぜって、私はいま、この人を抱きしめたいだなんて思ってしまったのだ。
だって彼女の肩ときたら、身体の大きいとは言えないこの私でも包みこめてしまえそうなくらいに華奢なのだから。
こんなに細い身体で、この人は隊のすべてを抱えている。
私たちが知らないところで軍の上層部と連絡をとり、
偉い人たちにどんなことを言われたって、みんなの前では愚痴ひとつどころかため息だって吐かないのだ。
突然力んでしまい、ん、と中佐から声があがった。
「すみません! い…痛かったですか?」
「あ、いいえ。大丈夫よ」
ぐっ、ぐっ。
一生懸命揉みほぐしているのに、まだまだ硬い。
「あの…ミーナ中佐」
「なぁに?」
「その…、なんていうか、お仕事がんばりすぎないでください」
「え?」
「…あんまり無理すると、お身体に悪いですし…」
自分から切り出したくせに、スムーズに次の言葉が出ない。
中佐は顔をこちらに向け、紅い瞳に私の顔をうつした。
あ、私だ。あなたの瞳の中に私がいる…。
「リーネさん、もしかして心配してくれてるの?」
「…は、はい」
そんなに真っ直ぐ見つめないで欲しい。どくどくと私の血液が全身をながれる音が聞こえる。
「ありがとう。私は幸せ者ね…」
そんな大げさな。
「でもいいのよ。私にはこれくらいが丁度いいの」
また、この人は。隊員の心配をよそにまだ働くつもりなのだ。
「じゃあ、」
せめて愚痴とか言いたいこととかあるでしょう、言ってください、私に。
と、私が声に出すまえに中佐は立ち上がった。
「それより。リーネさんこそ、がんばりすぎてると私は思うわ」
肩をつかまれる感覚がして、私はイスへとおとされていた。
「いつもみんなに気をつかって。訓練もあるのに…、疲れてるでしょ?」
ぐっ、ぐっ。
ああ、なんてことだろう。さっきと関係が逆転、今度は私がミーナ中佐に肩を揉まれていた。
「そんな、私が!」
「いいからいいから」
…気持ちがいい。やさしいのに、きちんとポイントをおさえているというか。
ゆったりと一定のリズムを刻む中佐の手。
実に心地がよくて、いつしか私の意識は遠のいていった。
◆
いけない、寝ちゃった!今何時!?
とっさに周囲を見渡すと、隣のイスに、ミーナ中佐。
片腕で頬杖をついた状態で眼をとじていた。
寝ているのだろうか。
けれど心なしか頬が紅くなっている。
「…中佐?」
ぴくっと肩を上下させ、すこしだけばつの悪そうにまぶたを開けた。
「…おはよう、リーネさん。といっても、さっきから一時間くらいしかたってないけど」
「わ、私そんなに寝てました?」
いまの中佐の態度に多少の疑問を覚えるけれど。
そんなことより、私が寝ているあいだこの人はずっとそばにいたのだろうか。
「うふふ」
「…ごめんなさい、お疲れなのに」
「いいえ。ほらはやく部屋に戻ってゆっくり寝なさい」
「…あなたも」
「ええ。そうするわ」
言ったきり中佐は一言もしゃべらなくなってしまった。
私に背を向けてティーカップを厨房にはこんでいる、その耳はびっくりするほど赤い。
な…、なんだろう。
寝ているあいだに私は変なことでもしてしまったのだろうか。
もしかして寝言とか!やばい…大変!
好き、とか愛してます、とか言っちゃってたらどうしよう。
急に顔がぼっと熱くなった。うう…きっとそうだ、だから中佐がなんかおかしいんだ。
「じ、じゃあおやすみなさいね」
片付けを終わらせて、そそくさと出ていく中佐。
え?え?なんですか、私ってばなにしちゃったんですか?
疑問ばかりがのこる頭の中。
朝起きたらどうしようか、ミーナ中佐にどんな態度をとればいいのか、私は厨房でひとり思案していた。
Continue...
以上です
見てのとおり続きます。というかミーナ視点を書きます。(これから)
いつになるかわかりませんが…
私はいつも携帯からなのですが、このスレ速すぎて追いつくのがたいへんw
いやそんなところが好きですが!
では失礼しました
GJです!ミーナさんお姉様だなあ…
二人とも初々しい感じで可愛いです。
この二人の組み合わせもいいわー
377 :
滝川浜田:2009/01/03(土) 23:21:25 ID:dxyxb0qS
みなさんこんばんは。
昨日言っていたもうひとつの姫初めネタ投下します。
っていうか二日連続で姫初めネタって!
もっミーナで参ります。
「美緒!姫初めよ!」
「…お前は正月からなんて事を…正月くらいゆっくりさせてくれ…
せっかく総集編をやったばっかりだと言うのに…」
「扶桑には姫初めという風習があるんでしょ?」
「必ずやる風習というわけでは無いが…やりたい人がすれば良いだけの話で」
「じゃあヤりましょうか!今年一年の始まりに愛し合う二人の運試し!」
「まあ、宮藤とリーネはもうやってるかもしれないが。あの二人は恋人同士だしな」
「ああ、私が美緒と姫初めをするのは一体いつかしら」
「心配しなくとも絶対に一生来んから、無駄な心配はしなくて良いんじゃないか?」
「酷いわ!貴女の事を思って大晦日はずっと大人しくしてたというのに!」
「ああ、なんか平和だと思ったらそうだったのか。何故それを持続出来ないんだ?
お前のソレさえ持続すれば世界はまるっと平和だと言うのに」
「バカ!この溢れ出る性欲を抑えるのは、本当に大変だったんだから!
褒めて、美緒!さあ褒めて!」
「ああえらいえらい」
「素っ気ない!素っ気ないけど嫌いじゃない!
そんな態度をとられる度に私は貴女を好きになるわ!」
「とにかく姫初めというのは本当に好きな人とやるものだ」
「だから私は美緒を本当に好きだからいいわよね?」
「…訂正。両想いでないと姫初めというのは成立しない」
「あらあらあらなんて予防策」
「とにかく正月は大人しく過ごそうじゃないか。ほれ、おせちでも食べようじゃないか」
「…そうね」
(…やけに素直だな…なんだか怖いが…)
―――――――――――――――――――
夜
「私は夜の女王様よ…美緒…貴女の操いただきま」
「何をしてるんだ、ミーナ」
「あら起きてたのね。
何って夜這いに決まってるじゃない。野暮な事聞くわね」
「じゃあ私もお前にとっては野暮な事を聞くか。
何 故 夜 這 い を す る ? 」
「姫初め!」
「うるさい!堂々と答えるな!」
「おかしいわね。夜這いのスペシャリストに夜這いの方法を聞いたはずなのだけど」
「…誰だ、その夜這いのスペシャリストというのは」
「フラウ」
「後でシメとくか」
「貴女は気配を感じる事が出来るのね!スゴいわ!」
「気配云々じゃなくて私は常にお前に対しては警戒しているぞ?
知らなかったのか?」
「カッコいい!更に惚れたわ!」
「とにかく、夜這いは止めとけ」
「残念だわ…貴女が眠っているうちに貴女の全てを奪って、何事も無い朝を迎えたかったのに」
「お前そんな事考えていたのか!
怖い!怖い!それはお前、立派な犯罪者の考えだろ!」
「何を言ってるのかしら?これは純愛故の過ちよ…」
「それを言うならお前の人生全て過ちだ!」
「過ちも過ぎれば真実となるわ…貴女もそう思わない?美緒」
「もう帰れ!」
―――――――――――――――――――
数日後
「ハルトマン」
「なに?坂本少佐」
「ミーナに夜這いを教えたのはお前か」
「そーだよ」
「何故教えた。そのせいで私は新年早々いろんなモノを失う所だったんだ」
「アハハハ、もういい加減ミーナの気持ちを受け入れたら?」
「…ミーナがもう少しマトモになってくれたら、考えない事もない…なんだそのニヤニヤ顔は」
「…なんだかんだ言って坂本少佐もミーナの事好きなんだね」
「バカ言うな。ただの戦友だよ」
「フフフ、どーかな」
「ん?なんか言ったか?」
「ううん、なんでもなーい(…本当に素直じゃないんだから、ミーナも大変だね)」
380 :
滝川浜田:2009/01/03(土) 23:27:49 ID:dxyxb0qS
以上です。
二日連続でこのネタってどうなのよ…とは思いましたがせっかく書いたしこのままお蔵入りもアレなので投下しました。
正月からこんなのばっかりでなんか申し訳ない。
…では、爺はここら辺で…
>>375 GJ! 初々しい関係はいいですね〜。
その先が気になりますよ。
>>380 じっちゃんGJ!
相変わらずのノリが良い味だしてるw
毎日乙
>>375 ミーナ×リーネか…ゴクリ
トゥルーデがお姉ちゃんならミーナはお姉さんとかお姉さまだと思うんだ
ミーナ×リーネは姉妹(百合的な意味で)っぽくなりそうで期待してる!
ネタが無いので
>>369のネタでも挑戦してみる
だれかもう書き始めてたらゴメン
ネタが欲しい
じゃあミヤフジとエイラでサーニャ覗き作戦
じゃぁ、おっぱい争奪戦とズボン争奪戦。
あと、宮藤芳佳争奪戦。
エイラーニャと言い難いネタを1本。
スレに書き込むのもストウィチSSも初めてだからお見苦しい点が多いかとは思うけどご容赦を。
Side Eila
“触れたい”って思って触れる、なんて
そんな簡単なこともできない。そんな難しいこと、できっこない。
躓きかけた身体を受け止めることならできるし、眠たそうに揺れる身体を支えることならできる。
不安なら手を曳いてあげることだってできるし、君が淋しいと言うのならその柔らかな髪を撫でることだってできる。
だけどそれって無意識で必死だし。怪我なんてしないように。悲しい思いなんてしないように。そうやって必死だし。
それなのに、“触れたい”って思った瞬間、私のノーミソと身体は切り離されてまったくどっちも役立たずになって
しまうんだ。意識は無意識を超えることはできない。意識が無意識を駆逐する。あぁどうして私は普段なんてことな
いように触れられているのかなって無意識が恨めしい。だけど無意識を手放したら本当に私は君に、髪の毛一本に
だって触れられなくなるんだろう。
ベッドに転がってさぁもう寝てしまおうと思うのに君の気配とか匂いだとか形はないのにやけにくっきりとした
曖昧なものがシーツの上に居残っているような気がしてどうにも心が安らがない。君は何もしてやいないのに、
こんなとき自分勝手に君を責めてしまうんだ。ずるいって。
真っ暗になるはずの部屋はだけど薄手のカーテンが月の光や基地内の夜間照明をまったく遮ろうとせずに招き入れ
るから夜だってのにちょっと眩しいくらい。そういえば今日は満月なんだっけ。雲の上はもっと眩しいんだろうな。
今日もあの子は歌っているのかな。綺麗な声で。儚い声で。澄んだ声で。優しい声で。
聞きたいな。
今すぐに。
なーんて
「無理ダって知ってんだけどナー」
彼女は今日も夜間哨戒。
そもそも、無理だって知っているからこんな無茶なことが考えられるわけで。例えば今日彼女の夜間任務がなくて
例えばすぐ隣の部屋にいるとしたって『会いたい』とか『歌って』とかそんなの言えっこないわけで。
「あー」と濁点がついていそうなため息を吐き出してうつ伏せに寝転んでみる。
歌が聞きたいな。
君の歌が聞きたいな。
君の声で歌って欲しいな。
そうすれば今日だっていつだってもやもやとした意識無意識に、“触れたい”なんていう欲求にちくちくと悩まされる
ことなく部屋の中にいない人の気配を感じてこんなにも君を恋しがることなくぐっすりと眠れただろう。それとも
君がそばに居たら眠ることなんてできやしないのかな。
眠ろう。眠って意識を手放そう。この耳が今はもうすっかり覚えてしまっているあの夜色の歌を思い出しながら。
◆ ◆ ◆
だけど君は本当に本当にずるいから。
この部屋が今度は朝日で満員になるころ無意識に片足突っ込んだおぼつかない足取りでやってくる。
そんな彼女は夜間哨戒帰り。
パサリパサリと衣擦れの音を演奏しながらトテトテと不均一な足音を奏でながら
ベッドに倒れこむ間抜けな音でフィニッシュ。
バフンッ
素晴らしい名演に、ここは拍手喝采を贈るべき?
そんな馬鹿な!
「あー・・・またかヨ」
一瞬だけ大地震を起こしたベッドの上から非難失敗した私は浅い眠りから緊急浮上。
いつものことなのにいつまでたってもどうしても慣れることができない。いつものこと。今では彼女があと何歩で
ベッドにたどり着くかカウントできてしまえるくらいにいつものことになってしまった。
だって彼女は昨日も夜間哨戒。
だって彼女は一昨日も夜間哨戒。
だって彼女は先週も。
あぁきりがない。
なんてずるくてなんて無防備でなんて可愛らしいんだろう!
いとも簡単に意識を手放してしまった君の安心しきったような吐息がシーツの上に広がっていく。
無意識に、そう無意識に部屋を間違えてさも当然といった顔をして深く深く眠り込む眠り姫。そりゃあそうさ当然さ。
だって君はここを君自身の部屋だって致命的に勘違った確信を持っているんだから。
君の無意識はなんて無防備でなんて可愛らしくてなんてずるいんだろう。
可憐な寝顔。
綺麗な寝顔。
無垢な寝顔。
“触れたい”と
無意識の君の頬に伸びゆく意識を伴った私の掌。
まるで部屋の中の空気が夜の静けさと冷たさに固まってしまったんじゃないかと思ってしまうくらいにこの手は冷たく
て堅くてなかなか進んではくれない。君への目測はどこまでも遠い。
“触れたい”と
心臓が叫んだ。
あまりにもその絶叫が大きく鳴ったものだから石っころみたいなかちかちの手が一回だけ震えて、指の間から見える
君の寝顔が遮られたりはっきりと見えたり。
そうしているうちにカーテンの隙間から忍び込んだせっかちな朝日が薄く細く伸びてきて
なんの躊躇いも逡巡も恐れも意識もなく
いとも容易く
彼女の大理石みたいに白い頬に触れた。
光に、そっと撫でられたあたたかさにか眩しさか
きゅっと、その眉が顰められて
唐突に、思い出す。
君と私の距離の、その近さを。
その頬に伸ばそうとしたときの100分の1の速さで慌てて手を引いてそのまま100倍の速さで鳴ってるんじゃないかと思うほ
ど慌しい心臓に手を当てる。そうでもしないと暴れまわるこの心臓が胸を突き破って飛び出してきてしまいそうだったから。
そうだ。
危うく、夜通し飛んで疲れ果てている彼女を起こしてしまうところだったじゃないか。
ホッとしたのは一瞬で、やっぱり触れることなんでできやしないな、なんてため息をこぼしてみて。また傍らで眠る少女
を見遣って
昨日も一昨日も先週も言った、自分への、或いは彼女へのいいわけをぶっきらぼうに吐き出した。
「今日だけダカンナー」
いつの間にかちゃっかり朝日があたらない場所に移動していたらしい彼女のその細い肩に、触れないよう触れないよう意
識しながらきっとまだ私の体温が残っているはずの毛布を、ちょっと恥ずかしいとは思いながら掛けてやった。
さて、彼女が脱ぎ散らかした服をたたんでおくとするか。
Fin.
以上です。正月とか姫始めとか全然関係なくてサーセン。エイラーニャ難しいや;
>>393 GJ!
エイラの心情が細やかに描かれててすごいと思う。自分じゃこうはいかない。
それにこの詩のような文の並びが好きだ。
あと Side Eila ってことは Side Sanya もあるんですよね?期待して待ってます。
同じような文章の反復は読む気が削がれる
本スレとかでも空気読まずに話題が出てた
realのエイラーニャ本も百合じゃなくてふたなりでがっくりきた…
わざわざ汚い物を付けたがる奴の心情はまったく理解できんけど
まあ公式や世界観無視して男絡みを描く奴に比べりゃマシと思うしか
>>393 欲求にちくちくされてドキドキシテルエイラさんかわいいw
Side Sanyaも全裸で待ってる!
汚いもんとか言ってるやつはとりあえず自分のそれを切ればいいんじゃないかな
ふたなりでも純百合でもどっちでもいいけど
男は出すな
男さえ出なければいい
同人な以上男云々言うのはどうかと思うがね
公式じゃないんだからどうしようが個人の自由さ
とりあえず話題変えようか
ペリーマンというどっかの超人っぽい名前の組み合わせを考えようとしたけど全然関係が発展しなかった
>>401 エーリカか
っていうかペリーマンってwww
>>388です。レスありがとうございました。
ただサーニャ視点のはレス読む前に書き上げちゃってたからより一層読み難い文章になってると思うけど、折角だから投下しときます。
Side Sanya
今日だけ。今日だけ。今日だけ。
そうやって何回も何回も『今日だけ』を積み重ねていったら、それって“ずっと”になったりしないかな。
ねぇ、エイラ。
あたたかい部屋で目覚める。やわらかい毛布につつまれている。ゆらゆらとおぼろげな視界で見回してみてもここ
には私以外に動くものはない。
「・・・エイラ?」
カーテンを透かしてしめたとばかりに入り込んでくる日差しなんかよりずっとあたたかくて優しい、この部屋の主を
呼んでみても当然のように返事はない。寝ぼけ眼を装って夜間哨戒任務の後にこの部屋に訪れるようになったのはい
つからだっただろう。今朝で何回目になっただろう。最初は本当に無意識だったのだろうし、でも本当に無意識に彼女
を求めていたんだろうとも思う。
この部屋は私の部屋よりも朝日に対して正直で、
この部屋は私の部屋よりなぜか居心地がいい。
このベッドは私のものより随分と暖かだし、
このベッドは私のものよりもなぜか寝心地がいい。
何よりこの部屋には、彼女がいるから。いつだって素直に感情を面に出す貴方の隣はいつだって私にとって居心地が
よく不思議と胸の辺りが熱を持ち、そんな貴方の部屋だから私は何にも不安に思うことなくぐっすりと眠ることがで
きる。
だから私は、ここへ来る。貴方はいつだって『今日だけ』と仕方なさそうにでも優しく言ってくれるものだから、だか
らなんだかもう、私にとって帰る場所っていうのはいつの間にかこの部屋だと頭の中で置き換えられてしまったのだ。
だってどんなに眠くたってエイラの部屋だけは間違えない。迷うことなく私はこの部屋を目指すことができる。
だけど彼女はそんなこと知る由もなく、何間違えてンダヨと一寸ため息をついて私にそっと毛布を掛ける。彼女とき
たら折角の睡眠を邪魔されたって早朝にたたき起こされたって寝床と毛布を奪われたって文句の一つも言わないもの
だから、それどころかいくらも気にしていないかのように振舞うものだからともすれば私は一瞬、今朝は間違って自
分の部屋に帰ったのかなと思うことだって珍しくない。
今朝はどうだろう。ベッドの端で綺麗に揃えられて着られるのを待っている私の軍服、日差しを遮るのにあまり役立っ
てはいないカーテン、部屋の主の趣味の片鱗か光を反射する大きな水晶玉、お気に入りのぬいぐるみの不在、そういっ
たものすべてはここが私の部屋ではないことを雄弁に示している。
彼女が今朝毛布と共に掛けてくれたお決まりの言葉もちゃんと耳に残っている。
今日だけ。今日だけ。今日だけ。
あの言葉は、今はもうどれだけ積み重なっていっただろうか。
“ずっと”までは、まだ遠いかな。
ちかちかと部屋を照らす日差しは今にも部屋を満たさんとしている。隙間から、また強引にカーテンの布地を透かして。
室内はそのおかげかほんのりと温度を上げ、私の覚醒をより確かなものへと促す。
この頼りない幕を開ければ今度こそこの部屋は日差しで満員になってしまうだろう。私にはどうにも真昼の空は似合わ
ないらしいから、この身が纏うのは任務にふさわしくこんな夜色をしたものだから、知らずおそるおそるという形容が
ふさわしいだろう手つきになってしまうこの頼りなく細い掌は、それでもカーテンの裾を掴んだ。ぎゅっと。
小気味いい音がしてカーテンが開かれていく。直接的な光に慣れていなかった目が眩しさに閉ざされる。門前払いを
受けていた日差しが勢いよくなだれ込む。
眉間に力を込めながら思わずやぶ睨みに見遣った真っ青な空を、横切る、細長い
幾筋かの雲。
昼前の空はどこを見渡しても真っ青で、それを切り取るストライカーユニットの軌跡はどこまでも真っ白で
きっと訓練中なのだろう白く尾を引く中空の魚たちは規則正しく無個性にも見えた。
貴方も、今、大空を真っ直ぐ切り取っているのだろうか。
貴方が纏うのは空色の軍服と雲色の肌とお日様色した髪と。
そんなにも青天に似つかわしい色ばかりをしているものだからいとも容易く空に溶け込んでしまって混じり合ってし
まってこの目にはっきりとした輪郭を伴って刺激を伝えてくれない。
でもそれは逆説的に言えば、どこまでも空に近しいのが貴方であるという証で、だから私は誰よりも稀薄な姿を探す。
あれが、彼女だろうか。
そう予測をつけた瞬間その軌跡が急な弧を描いて青いカンヴァスに落書きした。一緒に訓練に出ているであろう宮藤
さんだとかペリーヌさんだとかをからかおうとして転回してみせたのかもしれない。訓練中にそんなことをしたら後か
ら少佐に怒られてしまうかもしれないのにエイラってば。
思わず緩みそうになった口元を右手で押さえようとして、途中で何を思い返したのか窓枠に向かって手を伸ばしてみる。
いや、窓枠にではなく、彼女の影に。緩やかに弧を描くその軌跡に。
貴方の心はどこまでも遠い。
すべて受け入れるような笑顔で、両手広げて抱きとめてくれそうな姿勢で待ち構えているように見せながらその実、誘
われるようにふらふらと近付いてその優しさに甘えきってしまおうとすれば直前で、おっとここまでだよとでも言うよ
うにすぐさま身を翻してしまう。私には、どうしても立ち入らせてはくれない。
なんてずるくて、卑怯な人。
これでは美味しい餌につられて捕まってしまった愚かな獣みたい。あぁでも餌をぶら下げていた罠は獲物がかかる前に
逃げてしまうからこの喩えはあてはまらないかもしれない。けれど私は所詮弱いばかりの猫だから、いっそ早く捕まっ
てしまって、この部屋のようにあたたかな檻の中に閉じ込められてしまったって構いはしないの。
右手は貴方の雲を追うばかり。
いつか、追いつくことができるだろうか。
その罠に。
いつになれば、届くのだろう。
貴方の心に。
無意識のうちに伸ばしきっていた右手から柔らかな布地が小さな音を立てて逃げていった。
冬の寒さから眠りを守る心地いい肌触りの厚手の毛布はもう、
本来の持ち主の温もりを忘れて久しい。
残ったのはこの身に馴染みすぎた少し低めの体温だけ。
この頼りない自身の体温でも、今や部屋中に満たされた日差しにも、どうしてか貴方の隣にいるときのようにこの胸は
熱を持たない。
貴方の匂いをかすかに残す毛布に、シーツに、包まれるのは夜空に晒されて冷え切った身体には心地よくて有難いものな
のは確かなのだけれど、
本当はこんな分厚い毛布なんかじゃなくて貴方の腕に包まれて抱きしめてほしいんだよ、なんて。
こんなこと言ったら、
エイラはどんな顔するんだろう。
今日だけ。今日だけ。今日だけ。
貴方が自戒のように繰り返す言葉を、あと何回溜め込んだら、私は───。
思い出したように、青空にたなびく白線が基地への帰路を描き始める。午前中の訓練はどうやらこれで終了らしい。た
ぶん私がここでまどろんでいられる時間も。
少し肌寒いかもしれないけど、私と彼女を隔てるこの窓を開けてしまって、夜通し閉じ込められていた部屋の空気をそ
ろそろう解放してあげよう。
そして私は
訓練でへとへとに疲れきっているだろう彼女に告げよう。
『おかえり』の言葉を。できる限りの笑顔と親愛と、これ以上閉じ込めておけない想いを詰め込んで。
その後2人並んで食堂で、とびきりの昼食を摂るために。
2人の、とびきりの明日のために。
Fin.
以上です。自分でもちょっとくどすぎたかなと思う。
では失礼。
ふたなりはまだ許せるなぁ。
>>408 やっぱりエイラーニャはいい・・・
文章うまいしお互いの気持ちがしっかり表現できててすごいと思う
俺が書くとたんなる出来事の羅列になっちゃうんだぜ
>>404 よかったです!
散文詩調の文体が個人的に好きというのもあるのですが、
情景と心情がリズミカルに伝わってくるので、
本当はもう合わさるほど近いのに、少しだけすれ違ってる切なさともどかしさが、
凄くいい感じでした。
次回作楽しみにしています。
>>375 お姉さんミーナ隊長キター、ミーナ視点を正座して待ってる。
自分の妄想ではリーネとミーナがお互いに肩を揉んでいるうちになんだか気持ちよくなってきて…(ry ですが何か?
>>380 >「私は夜の女王様よ…美緒…貴女の操いただきま」
ミーナ隊長…もう少し自重しないと少佐に本当に捨てられt(ry おや、誰か来たようだ
>>393 >>408GJ!
二人のそれぞれの心情や葛藤が手に取るように分かる気がする…
現在わんぱくガッティーニの番外編を執筆中。佐官コンビとジュゼッピーナですが
後半で坂本少佐がえらいことに…
>>408 凄く良かった
サーニャの切なさがひしひし伝わってきた。エイラーニャはこのSSみたいなすれ違いが好きだなあ
>>410が言ってるみたいに俺もすぐ出来事の羅列になっちゃうので
細やかな心情の描写は憧れる。文や言い回しもきれいだし
>>408 詩みたいで良かった。
くどいとは自分は思わなかったけど。
むしろ言葉の使い方がとてもきれいに感じるよ。
【501新人時代シリーズ】わんぱくガッティーノ:番外編1『ロマーニャからの報告書』
─1943年3月中旬、 連合国第501統合戦闘航空団【ミーナ・ディントリーデ・ヴィルケ中佐および坂本美緒少佐】両名宛てに一通の書簡が届い
た。
送信元がロマーニャ空軍司令部だったことから、かねてより懸念であった補充についての返答と思われる ─
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
『昨年末に貴国より打診のありました第501統合戦闘航空団補充要員について、ロマーニャ空軍よりの人員一名が
決定いたしましたのでご報告および人物データを送付いたします。ちなみに貴部隊への着任は本年4月10日といたします。
※なお、この書簡はブリタニア・ロマーニャ両国にとりましては重要機密書類となっておりますのでお取り扱いの間違いなどありませんよう ─』
【ロマーニャ空軍第四航空団第二大隊第二中隊副隊長:ジュゼッピーナ・チュインニ特務中尉】 部隊印
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
名前および所属・階級:フランチェスカ・ルッキーニ ロマーニャ公国空軍第4航空団第二大隊第二中隊少尉 【胸上写真(正面)】【全身写真(左か
ら)】【全身写真(正面)】
生年月日・年齢:1931年12月24日生まれ 11歳
身長144cm、体重32kg、スリーサイズは本人希望により未表記。
使用機種および使い魔:ロマーニャ製G55チェンタウロ、使い魔は黒ヒョウ。
使用武器:メインウェポン→M1919A6(ブレダ-SAFAT 12.7mm機関銃)、サブウエポン→ベレッタM1938A
得意戦術:遠距離での射撃援護・または中距離でのコア破壊。
魔法特性:光熱エネルギーを身体の前に一点集中に展開し、一気に放出する事で相手に大ダメージを与える攻撃特化魔法(「小さい太陽」「光熱
の弾丸」とも表現される)
ただしこれは魔力消耗が著しく激しいため連発不能、また超接近戦用の特攻攻撃にあたるため戦術上必要なとき以外は使用させないこと。
個人情報:
性格:まだ11歳なので天真爛漫で協調性に欠けるがこれからの教育・成長により改善可能。
また、子供っぽい人懐っこさも持ち合わせているため人の心に踏み込みすぎる傾向があり、距離を置いた人間関係の形成が必要。
行動:子供というのは基本的に本人の直感の赴くままに動くのでよほど有能な操縦役(できれば母親的存在)が必要。
基地のあちこちに秘密基地を営巣することもあるので消灯時間に不在でも心配しないで待っていれば朝食時には戻ってきます。
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
「あらあら、ジュゼッピーナもしばらく会わないうちにずいぶんお堅い文を書けるようになったのねウフフ」
「そうだな…あのスオムスいらん子中隊のパスタ准尉が国に戻って2年で特務職とはいえ中尉で副隊長か、出世したものだな…扶桑の恋人穴拭
少佐やカールスラントのルーデル大佐に知らせたら何て言うかな。フフッ」
「あら、2枚目があるわよ」「ほう、どれどれ…」
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
…と、堅苦しいお話はココまでねー。
ハーイ♪ミーナ、ミオ、お元気ですかぁー。お久しぶりデース♪
スオムスが落ち着いたからカールスラントじゃなくてロマーニャに戻ったのはいいけど、空も飛ばないで基地の中での隊長業務や事務作業なんて
お気楽者の私には似合わないよー。
…あっそうそう、ミーナ隊長就任おめでとうね。
まとめ役のあなたに隊長はお似合いだけど、政府や軍司令部と対等に渡り合って隊員を護るのって結構大変よ、胃に穴が開かないように気をつ
けてね。
それに、ガリアは激戦地だろうけどしっかりがんばるのよ!
それからミオ少佐?あなたはあと1年半で成人だよね?そろそろ引退後のこと考えておいたほうがいいよー。
私もあと2ヶ月で空からはお役御免だけど、その後のことなんてもう決めてるよ。
あなたも、もしそのときが来ても慌てないように心構えだけは持っておいたほうがいいわよ。
もし悩んでることがあったら遠慮せず私に相談してねー♪先輩としていいアドバイスしてあげるからね。
それでは、お互いの健闘とより多くのネウロイ撃墜をを祈ります。
またねー。
P.S.
フランチェスカ・ルッキーニ少尉の機材引渡しと搬送には当官も帯同いたしますのでまたお会いしたときにでも旧交を温めあいましょう。
ロマーニャ空軍第四航空団第二大隊第二中隊副隊長:ジュゼッピーナ・チュインニ特務中尉 【サイン・部隊印・国家承認印】
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
美緒「な…なんだこれは!私の引退後の心配だなんて…まだ1年以上あるのに大きなお世話だ!」
ミーナ「まぁまぁ美緒…まったく、あの子も相変わらず空気読まないわね…」
美緒「来月一緒に新人を連れてくるらしいから、その時にでも抗議してやる!」
─ 翌年8月、坂本美緒が実際に”その時”になってジュゼッピーナに相談をしたかどうかは定かではない ─
end
☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆☆´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`Y´⌒`☆
以上です。もうお気づきかもしれませんが『わんぱくガッティーノ』は【ジュゼッピーナ引退直前シリーズ】でもあったりするw
ちなみにジュゼ准尉はカールスラントやスオムス(エイラ新人時代)にも出てきますのでこれからの活躍?にご期待。
※なお、【501新人シリーズ】番外編はすべてお手紙形式です。
何人か予定していますがやらないかもしれない(マテ
>>412 名前に鳥パスつけないでそのまま出してしまったのでpass漏れではないです。
ふたなりよりは男を出すほうがいい。
エイラーニャふたなり本だとエイラにペニスが生えるわけで
奇形としかいいようがない…
もういいよその話は。
そういや使い魔が草食動物なのってシャーリーだけだよね。あとはみんな肉食動物だし。
つまり受けオーラを出しまくってるシャーリーに辛抱堪らなくなる501の面々ですね。
エイラとサーニャが2人でいちゃいちゃしていれば性交の内容がどんなものであろうとも良い
>>420 ちょwwそれやべえ!超燃えるw
誰か書いてくれ、いや下さい!
>>420 動物的に強いのはルッキーニ(豹)ミーナ(狼)辺りかな
あともっさん、エイラ、ゲルト辺りも強そうだな
狐は使い魔の中でも高位らしいけど
なんでエイラが黒狐と契約できたのだろうか・・・
隊員たちの契約の話って公式でやってくれないかな
かなり面白そうだ
>>420 但しウサギってのはな……いや、何でもない。
性欲が・・・・・・・いや、何でもない。
使い魔って先天的なものじゃないの?
そりゃあお前、御狐様もエイラの不思議っぷりとヘタレっぷりが心配だったんだろうよ
>>420 それは盲点だったわ
新しい桃源郷が見えてきた
ウサギは絶r・・・おっと来客だ
「済まない、着付けが遅くなってしまった。」
隊員たちの目が一斉にこちらを向く。 大分待たせてしまったようだ。
「うわぁー! 坂本さん……うわぁー!!」
「しょっ、少佐……そんな。 美しすぎます! あぁ……。」
「えー! 少佐なの? 別人でしょー!?」
「ナデシコって奴だねぇ。 いや凄いわ!」
くすり。 まぁ予想はしていたが。 隊員たちには普段の私との落差が面白いようだ。 私とて撫子。 決める時には決める。
隊員たちもこの日のためにインポートショップで思い思いの振袖を買ってきていた。 中々似合っているじゃないか。
「素敵よ美緒。 言葉が見つからないわ。」
「ありがとうミーナ。 やたら息が荒いが大丈夫か? 待たせて悪かった。 お参りに行こうか。」
「さ。 ネウロイも冬休みに入った事だし。 私たちも羽を伸ばしましょうか!」
発端は数日前に遡る。 ミーナの台詞に宮藤とリーネがぽかんとした顔を見せた。 配属初年度だからな。 無理もなかろう。
「ふ、冬休み……ですか。」
「えぇ。 有史以来の統計で、ネウロイは年末年始に活動休止するの。 これを私たちはネウロイの冬休みと呼んでいるわ。」
「年末年始はお休み……公務員さんなんでしょうか。」
なんともリーネらしい、平和な感想だ。 笑いを噛み殺しながら説明を加える。
「例年ならばネウロイの巣を殲滅する好機なのだが、今年は我々の用意が整わなかった。 よって特別休暇に振り替えようというわけだ。」
「予算を削減されすぎたのが響いてるのよね。 月辺りの予算を削って戦闘が延びたら本末転倒じゃないかしら……ぶつぶつ。」
もっともだ。 まぁ、過ぎた事を悔いても仕方がない。
「あ、あの。 それでしたら、ブリタニアの神宮にお参りに行きませんか?」
私と宮藤が同時にリーネの方を見る。 神宮だと? ブリタニアのか?
「えっと……それって、ブリタニアの神様にお参りに行こうってこと?」
「違うよ芳佳ちゃん。 扶桑の大使がなんていうか凄い人でね。 扶桑の神様を奉るお社を、大使館の横に作っちゃったんだよ。
非難轟々だったけど取り壊すのもなんだしでそのままになってるの。 私、芳佳ちゃんのキモノ姿とか見てみたいし。」
すっかり忘れていたが、そう言えば聞いた事があるような気がする。 ブリタニアに神宮! 何とも妙な感じだ。
しかし初詣か。 一体最後に行ったのはいつだろう。 ふむ。 郷愁をくすぐられる。
リーネもこう言っている事だし、扶桑への理解を深めてもらう事は損ではなかろう。 ここは一つ、みんなで初詣といこうか!
「しゃー・・・り・・しゃーりー・・もう8回・・め・・・だよ・・」
(いつも元気なルッキーニがこんなにぐったり・・・ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ)
「つかれたよ・・・しゃーりー・・・今日は・・・もう・・寝よう・・・ね・・・?」
「燃えてきたああああああああああああああああああああ」
「ひいああっ!しゃーりー!」
流石リベリオンのロリコンウサギは末恐ろしいデース
「さっ、坂本さん、美人です! 綺麗です!! 素敵です!!! 線もぴちっと揃ってるし、もうケチの付け所がありません!」
「分かった分かった! お前もよく似合っているよ。 もう何回目だ、このやり取り。」
はしゃぎ回る宮藤に苦笑を禁じえない。 宮藤はご母堂に持たせて頂いた振袖を着ていて、さながら瑠璃の珠のようだ。
七五三に浮かれる童女の如き振る舞いに、叱ってやるべきかと思いつつも、ついつい母性にも似た愛情が先に立ってしまう。
「分かりきった事でしてよ豆狸! 綺麗な緑のおぐしを結うかんざし一つとっても、貴女とは格が違うではありませんの!」
「いや、宮藤はかんざしを持っていなかったからな。 これは私のと同じだ。」
「……。 に、似合い方が違うという事ですわ。 そう、着こなしている人と着られている人の違いです!」
「芳佳ちゃんだってすっごく可愛いですよ! それに、いつもとは違ったいい匂い……。」
ふふ。 聡いな。 私も宮藤も、白梅の香水を振りかけてある。
梅の季節には少し早いが、次いつこのような機会があるかも分からないしな。 そうこうしている内に神宮に辿り着いた。
「おぉー、これが扶桑の神宮かぁー!」
「カー!」
「うじゃー!」
シャーリーたちが感嘆をあげる。 私も驚きを隠せない。 もっと道楽者の建立した、安っぽいものかと思っていたが。
神宮の名を許されるだけの事はある。 鳥居があり、狛犬があり、手水舎があり……どれも手入れの行き届いた本格的なものだった。
他国にこんなものを作ってしまうとは恐るべき図々しさだな、しかし……。
「こ、こんなの作っちゃって良かったんですかねぇ……。」
「むしろこれほど巨大なら、建設中に幾らでも気付けたんじゃないかという気になるな……。」
扶桑出身の私たちは恐縮しきりだが、意外にも他の面々はそうでもないようだ。 なにしろ。
「なんですのコレは! 人でごった返してるじゃありませんの!! どこを歩けばよろしいの!!?」
「さ、サーニャがいないゾ! うあぁ!? あんな所まで流されテル!!!」
そう。 ますます驚いた事に、この神宮はとても賑わっていた。 同郷らしき姿もちらほら見えるが、大抵は欧州人だ。
「ブリタニア人には受けが悪かったんですけど。 隣国の人たちには評判良かったんですよね、これ。」
なるほど。 国民性の違いか、はたまた他人事だからか。 禅の心など、東洋の精神論を気に入る欧州人も少なくないらしいしな。
「ふふん。 こりゃ相手にとって不足は無いね。 よーし、ルッキーニ、ハルトマン、エイラ、バルクホルン! 突撃すっぞ!!」
「とつげきぃーーー!!!」
「待ってろサーニャぁぁぁーーー!!!」
「わっ、私を仲間に入れるな! こらエーリカ手を離せぇぇーー……。」
待てお前たち! 待ち合わせ場所くらい決めていけ! 時既に遅く、バルクホルンの叫びは空しく人波へと吸い込まれていった。
「もう、あの子たちったら。 でも良かった。 ちょっとの間でも、息抜きになってくれて。」
「あぁ。 まぁ、私たちはゆっくり回るか。」
歩き出そうとすると、左手が何かに引っ掛かる。 振り向けば、宮藤が振袖の裾を掴んでいた。
「ご、ごめんなさい。 なんか、こうしてないとサーニャちゃんみたいにはぐれちゃいそうで……。」
くすり。 全く。 なんとも頼りない軍曹どのだ。 おほんと咳払いを一つして叱りつける。
「それでも軍人か、宮藤!? しゃんとしろ、しゃんと! ……ふふ。 ほら。 手を貸せ。」
「えっ? あっ、はい。 …………あっ。」
宮藤の手をきゅっと握る。 生活感の溢れる手だ。 が。 小さい。 私は女にしては手の大きい方だが、それにしても小さい。
最近の成長ぶりに目を細めていたが、考えてみればまだほんの少女だ。 ……仕方ない。 今日くらいは甘やかしてやるとするか。
「あっ、ありがとうございます。 坂本さんの手……なんだか凄く安心できる。 ……ぽっ。」
「そ、そうか。 さぁ! それでは気を取り直して我々も参道を歩くとするか。」
んん。 頬を染めて恥ずかしそうに俯く初々しげな様は、未熟ながらさすが扶桑の撫子。
小生意気にも、一瞬色気を感じてしまった。 照れ臭さを誤魔化すように大きな声を出して己を鼓舞する。
「ね、ねぇ芳佳ちゃん。 少佐はインストラクションがあるし、私が手を繋いでた方が邪魔にならないんじゃないかな?」
「そ、そうですわ宮藤さん。 誰かに手を引かれているより、考えもなく人波めがけて突っ込んでいく方が貴女らしくてよ?」
「もう、二人とも。 変な事を言っては駄目よ? 例え心の中で思っていたとしてもね……。」
なぜだろう。 ミーナたちの士気が低いように感じるが。 年初からこのような事では、先が思いやられるな。
「? これは……矢、よね。 なぜ武器なんて売っているのかしら。 しかも高いわ。 こんなの絶対ネウロイには効かないわよ。」
「こちらはナタかしら? 随分と物騒なんですのね。 その割に木製だなんて、費用をけちってらっしゃいますけど……。」
「とするとこれが盾ですかねぇ……。」
仲見世を冷やかしながら思い思いの事を口にする。 おいおい。 物騒なのはお前たちの発想だ!
「これは破魔矢。 魔除けの道具で家に飾るものだ。 私が買っても飾る所が無いな。 お前の部屋に飾ってくれるか? ミーナ」
「え? えぇ、勿論よ。 一本といわず、十本でも百本でも!」
「そんなに飾ってどうするんだ! お前の部屋が武器庫になってしまうぞ! で、こっちは羽子板。
飾ってもおけるが、これでスポーツもできる。 帰ったら一勝負してみるか、ペリーヌ? 私が教えてやる。」
「しょ、少佐と一勝負!? 手取り足取りご指導!!?? そ、そんな……わ、私などが相手で宜しいのですか? 少佐。」
「勿論だ。 お前は飲み込みが早いし、何をやらせてもそつが無い。 私も今から楽しみだ。」
「!!! はぅあ……。」
笑いかけると、途端にペリーヌがふらついた。 人ごみに酔ってしまったのだろうか? 無理もない。 ブリタニア神宮は大盛況だった。
「わーい! でっかーい!!」
「ルッキーニー、そろそろ替わってよー。」
「こっ、こらお前たち、あんまり騒ぐな! 恥ずかしいだろ!」
……。 本殿に来てみれば、ルッキーニとハルトマンがご満悦のていで鈴緒をがらんがらん鳴らしていた。
遠目でもはっきり分かる。 バルクホルンが悲しいほど無力な所まで、はっきりと。
「う、うーん。 あの人たち、相変わらず恐れを知らないですねぇ。」
「本当よ! あの子たちの顔を知ってる人だって少なくないのよ? 私の身にもなってちょうだいよ……うぅ。」
あ、神主が出てきた。 なぜかバルクホルンが滅茶苦茶叱られている。 哀れな……。
「奴らの事はとりあえず忘れよう。 ここではな、賽銭といって、小銭を投げ込んで一年の願いを祈願するんだ。」
「まぁ。 トレビの泉みたいですのね。 ロマンティックですわ。」
「ふっふっふっ。 百聞は一見にしかず! 私がやってみせますから、みんなは見ててください!」
そう言って宮藤は大きく振りかぶって……って、おい! こんな所から投げるんじゃない!
びしっ!!!
宮藤の投げた賽銭は見事に神主の頭にヒットした。 あーあーあー。 ギロリとこちらを睨み付ける神主。
とっさにしゃがみこむ私たち。 私たちは見つからなかったが、怒り狂った神主にバルクホルンが猛烈にキレられているのが見える。
すまん。 本当にすまんバルクホルン。 宮藤に拳骨を一発くれて、私たちは大人しく前の方に進めるまで待つ事にした。
がらんがらん。 ぱん、ぱん。
(今年こそネウロイを駆逐し、人々が安心して暮らせる世界を作れますように……)
「とまぁ、こんな風にな。 賽銭を入れ、鈴緒を鳴らし、拍手を二回叩いて心中で祈願するわけだ。 是非やってみてくれ。」
「はーい!」
(私たちがネウロイをやっつけて、世界のみんなが幸せに暮らせますように……)
(芳佳ちゃんともっともっと仲良くなれますように……胸がこれ以上大きくなりませんように……)
(坂本少佐が私の事を認めてくださって、できればずっと私の事だけを見てくださいますように……)
(美緒と両思いになりますように……みんなが手の掛からない子になりますように……隊の予算が増えますように……あと美緒が……)
「ミーナ、まだか? もう一分くらい祈願しているが……。」
「い、いえ。 もう済んだわ。 待たせてごめんなさいね。」
ほほほと笑って戻ってくるミーナ。 もちろん神主の前を通る時はみんな揃って目を伏せた。
「ンンン……見えた! これが大吉ダナ! ……ウッ。 末吉だ……。」
「あんたこういう時は本当に当たらないねー。 ま、あたしは大吉だったからいいけどね〜。」
来た時とは別の参道から帰ろうとしたら、シャーリーたちと合流した。 エイラとサーニャも一緒か。 手間が省けて良かった。
「おみくじか。 欧州人でも分かるように、結果の一覧が作ってあるんだな。」
「あたしねー、中吉だったよ、中吉! シャーリーとハルトマン中尉は大吉だって!!!」
「ルッキーニさん、さっきは本殿で騒いでいたわね。 公共の場であんな事しちゃ駄目よ。 フラウにも言わなきゃ。 あの子は?」
ルッキーニが指差した先には……うっ。 物凄く沈んだ空気を漂わせたバルクホルンを、ハルトマンが必死に慰めていた。
「あたしたちから遅れて出てくる事10分……疲れきった奴の心におみくじがトドメを刺した。 そっとしといてやってください。」
「そ、そうか……。」
「わたし吉!」
「わたしも吉!」
「「 一緒だねーー!! 」」
新人コンビが嬉しそうにはしゃぐ。 私は中吉だった。 ミーナとペリーヌは青い顔をしているので聞かない方がよかろう。
「別におみくじの結果が悪かったからと言って嘆く事はない。 こうやって枝に結んで厄祓いをすればいいわけだ。」
みんなが私を真似て枝におみくじを結ぶ。 さて。 あとは適当に仲見世をブラブラして帰るだけだ。
また宮藤の手をぎゅっと握ると、宮藤が傍目に分かるほど顔を赤らめた。
「ん? すまん。 もう手を繋いでいる必要は無いか? 宮藤。」
「い、いえ! 心の準備をしてなかったから、ちょっとドキッとしただけです。 きょ、今日の坂本さん、本当に綺麗だし……。」
「ふふ。 それとこれとに何の関係があるんだ? さ、行くぞ。 こうしていると、私たちは姉妹のように見えるかもな。
まぁ、それも悪くない。 宮藤のような妹だったら、な。 私の贔屓目かもしれないが! わっはっはっ!!」
「も、もう、坂本さんったら。」
「いえ。 さすがは少佐! 少佐のご慧眼には感服する事しきりです。 私もまだまだ見習う所だらけです!」
うわっと! 気が付けばバルクホルンが復活していた。 その目には、これまでになく強い仲間意識のようなものが見える気がする。
ま、まぁ、元気になったのならそれに越した事は無いんだが。 その目の輝きはちょっと極端すぎないか? 一体何が……。
「サーニャちゃん、それ何? ネコペンギン……とは違うよね。」
「……ウシペンギン……。 ……エイラが、お年玉だって、買ってくれた……。」
「えー、サーニャだけ特別かよー。 私にもお年玉くれよー。」
「くれよー!!!」
わたわたするエイラを尻目に、私たちは笑って参道を歩き出した。
帰る前の小休憩にと立ち寄った甘味所で、私は人生最大の危機に直面していた。
は……。 は……。
は ば か り に 行 き た い !!!!!!!
振袖で用を足すのは非常に骨が折れる。 なるべく水分を摂らないようにしていたのだが、限界だ。
このような満天下で粗相をしてしまっては、扶桑の撫子の名折れでは済まない。 自決する以外に祖国に顔向けする術は無い!
私に万が一は許されん。 恥を忍んででも宮藤についてきてもらった方がいいな……。
思うや否や、机の下から手を回し、宮藤の手をぎゅっと握り締める。
「ひゃっ!? えっ、えぇと……誰ですか?」
「唐突にすまん、宮藤。 お前に聞いてもらいたい事がある。 何も言わず、私についてきてほしいんだ。」
「えっ…………。」
瞳にありったけの思いを込めて、真剣に宮藤の瞳を見つめる。 一瞬ぽかんとした後、宮藤の顔が真っ赤に染まった。
恥ずかしげに俯く様を見ると、私の窮状に気付かれてしまったのだろうか。 我ながら情けない。
きっと私の顔も宮藤に負けず劣らず真っ赤になっているだろう。 くぅ……。 だが駄目だ! もう何分も耐えられん!!
はやくこの願いを聞いてもらわねば!!!
「そっ、そんな真剣な顔で……。 いっ、今ですか? 本気なんですか!? わっ、私、心の準備が……。」
「お願いだ、宮藤。 今でなければ駄目なんだ。 お前でなければ駄目なんだ。 二人っきりになりたい。 私と一緒に来てほしい!」
カラーンと音を立てて3つのスプーンが落ちる。 ミーナ、リーネ、ペリーヌ……そんな目で私を見ないでくれ!
自分でも情けないと分かっているんだ!! おぉっ!だとか、そうなの?だとか、気付かなかった!だとか、周りが色めきたっている。
くうぅ。 気付かれてしまおうが何だろうが、もはや恥も外聞も無い。 私は宮藤の手を強引に取って走り出した。
残された者たちの視線を、痛いくらい背中に感じながら……。
「…………ふぅ。」
「お、お手洗だったんですね。 言ってくれれば良かったのに。 きょ、今日一日の感じからして、私てっきり……。」
水を切って、手拭で手を拭く。 すっきりした。 なんと清々しい気分だろう。 ふぅ。
とは言え、宮藤に着付けを直してもらいながら、少しだけ落ち着かない私。 ちらりと見れば、宮藤も同じような感じだ。
恥ずかしい所を見られてしまった。 そう思うと、いつまで経っても顔の火照りが取れなかった。
「すまん。 恥ずかしながら、冷静な判断力が残っていなかった。 上官失格だな、これでは……。」
「そ、そういう意味で言ったんじゃありません! 私、坂本さんの役に立ててとても嬉しかったんです。 本当です!!!」
宮藤……感激だ! 着付もそこそこに、宮藤と私は情熱的に手を握り締めあったまま、熱い涙を流していた。 ……はばかりで。
「こ、こらペリーヌ、自重しろ! そんなに店内を探し回ったら店に迷惑だろ!」
「店の都合なんてどうでもよろしくてよ! 大切なのは、あの二人に何もないか確認する事ですわ!!」
「ペリーヌさん、駄目ですよぉ! こんなペリーヌさん野放しにしておけないから、仕方なく私もついていきます。 てへっ。」
「そうね。 仕方ないわよね。 ペリーヌさんが心配だもの。 ねーペリーヌさん止まってー。」
「なんでそんな嬉しそうなんだお前ら! なんなんだこの馬力は! うおお!! 私はおみくじなんか信じないぞーーー!!!」
はばかりの入り口に見慣れた顔がずらずら現れる。 あんな退席の仕方だったからな。 心配されて当然か。
うっ! バルクホルンの色が物凄く薄くなっている! す、すまん! 私が心配をかけたばっかりに!!!
「しょ、少佐……。 なななんでその豆狸と手を取り合ってますの?」
「ぴっちりと合ってた線が、着付けが乱れてるように見えるのは気のせいよね……。 気のせいよ……。」
「よ、芳佳ちゃんにとっては涙を流して真っ赤な顔をしてるなんて普通だよね。 あは。 あははは……。」
ペリーヌがキッとこちらを睨み付けてくる。 只事ではない剣幕に後ずさる。
「この豆狸! あ、あなた少佐に何をしたの!!」
「誤解だペリーヌ! 私が宮藤に無理矢理迫ったんだ。 宮藤は何も悪くない!」
「む、無理矢理、迫ったですって……。」
「さ、坂本さんだって悪くありません! 私、嫌じゃありませんでした! ううん。 あんな事、坂本さんじゃなきゃ嫌です!!」
「あ、あんな事!? あんな事って何なの芳佳ちゃん!?」
宮藤! お前、こんな情けない私の事を庇ってくれるのか……。
「宮藤ぃ!!!」
「坂本さん!!!」
感極まってガバッと抱きあう私たち。 くうぅ……熱い、熱すぎる! 仲間っていいなあ!! こうして感動を分かち合えるのだから!!
この情熱ある限り、今年も我らが501は大安泰だ!!! わっはっはっはっ!!!!!!!
ばたーん。 ……ん? ミーナ、リーネ、ペリーヌ。 三人が同時に倒れた。 なんだなんだ。 どうしたんだ?
「……卒倒。 してますね。」
「うーむ。 我らの情熱にあてられてしまったのだろうか。 こ奴らも熱き血潮を持った仲間だからな! わっはっはっ!」
「……………………。」
てんやわんやの騒ぎを何とか収拾させ、なんとか基地に戻ったその夜のこと。 バルクホルンが辞表を提出してきた。
どうしたと言うんだ。 我々は仲間ではなかったのか…………。
おしまい
>>433 投下がかぶってしまいました、すみません!
滝川御大系ですねw
今日みなさんのSSを一気に読みました、GJが止まりません;_;
今年もよろしくお願いいたします
>>439 何この新年早々腸炎でナイアガラリバースな俺へのお年玉SS
珍しくしおらしい芳佳とにどきっとして内心慌てるもっさんとかマジ俺のストライクにウィッチーズだわ
弄ばれるリネペリ隊長も不幸なお姉ちゃんも面白いw最高に楽しめたよーGJ!
>>440 ロードしてませんでした
ジャンピング土下座100回でもまだ足りません
本当にごめんなさい
>>440 み、宮藤が可愛いいな!
いや、いつも可愛いg…うわっ!何をする、やめろ!
バルクh(ry
>>440 初詣SSGJ!
皆楽しそうだw
この後、扶桑の呪いとかを聞いて藁人形を持った3人が(ry
うかつに芳佳ともっさんがくっつくとnice boat間違いなしですねwww
扶桑の魔女は恐ろしや
>>440 面白かったー! 扶桑の魔女って…w
着付の乱れを見切るミーナさんがさすがだ
一瞬色気を感じてるもっさんがいいなw もっふじもっふじ!
>>446 ミーナさんの頭の中は
「おやめになってミーナ様〜」
「よいではないか美緒よいではないか〜」
「ああん」
みたいなことになっていたに違いない
>>440 天然扶桑の魔女コンビに振り回されるミーナ、リーネ、ペリーヌとか最上級にストライクです!!!
しかも宮藤ともっさんの師弟コンビSSも久しぶりだし!!!とにかく最高にGJ!!!!!おもしろかった〜〜!!
今日中に後10回くらい読み返す事を誓いますwww
449 :
滝川浜田:2009/01/04(日) 20:21:25 ID:MHcWamU+
みなさんこんばんは。
最近もっペリの良さに気付いてきた奴が通りますよ。
というわけで今日はもっペリ投下。
ちょっと長め。
わたくしの敬愛する坂本少佐。
わたくしは貴女の事を、愛してやみません。
少しでも、この気持ちに対して想っていてくださるなら、深夜1時、食堂に来てくださいませ。
――わたくしの気持ちを全て込めた手紙。
形にするのは少し恥ずかしかったですけれど、行動を起こさないと、何事も始まりませんわ。
今、この気持ちを貴女に…
――光射す方へ――
一晩かけて書き上げたこの手紙。
この手紙には、わたくしの愛と苦労が込められています。
と、わたくしの部屋に風が吹き抜ける。
その風に乗って、まだ便箋に入れる前の手紙が何処かへと舞って行って。
「ちょっ…!わたくしの手紙がっ…!」
何故行動を起こした時に限ってこうなるんですのっ…!?
わたくしは急いで手紙を追って外に出る。
手紙を追うも、今日は風が強くて、なかなか手紙が降りて来ない。
「もうっ…!とことんついてませんわっ…!」
ヒラリ、ヒラリ。
風に舞う手紙。
いくら手を伸ばしても到底この手では届く高さでは無く、わたくしの気持ちをよそに手紙が速度を付けてヒラヒラ舞う。
「あっ、ペリーヌ」
「何をしてるんだ、ペリーヌ」
「大尉、ハルトマン中尉…!すみません、今ちょっと手紙を追いかけててっ…!
手が離せませんのっ…!」
わたくしはお二人の横を通り過ぎる。
「…なんだったんだ、一体」
「トゥルーデは本当に鈍いなあ」
「…?どういう事だ…?」
「ペリーヌは恋する乙女だよ。
恋する乙女に手紙と言えば…だよ」
「…ラブレターか?」
「そう!そしてあの様子からすると、せっかく書いたラブレターを風に巻き込まれて、一生懸命に追いかけている、と見た」
「ストライカーユニットで追いかければいいじゃないか」
「カ―――ッ!トゥルーデは分かってないなあ!分かってない!乙女心の何たるかが!
それじゃ意味が無いんだよ!自分の手で掴まなきゃダメなんだよ」
「…そういうモノなのか」
「そういうモノ!」
―――――――――――――――――――
まだまだ風がやむ気配は無い。
それにどんどん足に疲れが溜まってきた。
もう、ダメかもしれませんわ…
すると、突然風がフッとやむ。
本当に突然の事で、わたくしも対応が出来なかった。
風の力から解き放たれた手紙がヒラヒラと落ちて来る。
そして、手紙が落ちた先は…
「…ん?なんだこれは…?」
「さっ…坂本少佐っ…!//////」
よりによって坂本少佐の元へ落ちるなんて…!
「なんだ、ペリーヌ、お前のか」
「えっ、いや、そのっ…//////」
なっ、なんて答えたら良いんですのっ…!?//////
ですけど、ここで物怖じしていては、動き出す物も動き出しませんわっ…!
「…あの、坂本少佐」
「ん、なんだペリーヌ」
「それ…坂本少佐へのお手紙…です」
「そうなのか」
「さっ…坂本少佐…!」
「なんだ」
「そっ、その手紙はわたくしが去った後ゆっくり読んでくださいまし!」
「あ、ああ…」
わたくしの鬼気迫る表情に、坂本少佐は少し驚きながら、返事をする。
「で、ではこれでっ…!」
わたくしは坂本少佐の元を足早に去った。
手紙は渡した。
あとは…わたくしの気持ちが坂本少佐に伝わってさえいれば…!
―――――――――――――――――――
翌朝。
わたくしは失意のまま、朝を迎えた。
もしかしたら、とも考えて一晩中食堂にいたのだけれど…
やっぱり来なかった。
まあ、こんな事になるとは思ってはいたけれど…。
「坂本少佐…」
寂しさと悔しさから少佐の名前が口を吐く。
すると、後ろから声が聞こえて来た。
「すまん、ペリーヌ」
「坂本少佐…っ!」
「昨日はいろいろあって早く眠ってしまったんだ…!本当にすまん!」
「あっ、いやっ…!あのっ…」
あまりの驚きで、言葉が出ない。
伝えなければいけない事があるはずですのに…
「…それでペリーヌ。あの手紙の事だが…」
「……はい」
「お前が私を想ってくれていて嬉しい。だが、私は考えたんだ。お前にはもっと相応しい人がいるのでは無いか、と」
「……」
…終わり、ですわね…。
「…しかし、お前がそこまで私の事を想っていてくれているのなら…私にはお前の気持ちを拒否する理由は無いな」
「…え…」
「ペリーヌ。こんな融通の効かない女で本当に良いのか?
お前は…こんな私をずっと、好きでいてくれるか?」
…あ、あれ、悲しくも無いのに…どうして涙が…流れるんですの…?
「…わたくしは、坂本少佐のそんな所も愛してますわ…。でなければ…こんなに長い間、貴女だけを一筋に想ったりしません…!」
「…そうか」
坂本少佐はニコリと笑ったかと思えば、わたくしをギュッと抱き締める。
「ささささささささ坂本少佐っ…!!////////////」
「そんなに私の事を好きでいてくれたのか…。嬉しいな、ペリーヌ。
人に想われるとはこんな気持ちなのだな」
「坂本少佐…////////////」
「…好き、だ。ペリーヌ」
「坂本少佐ぁっ…//////////////////」
ああっ、坂本少佐からの告白っ…!
わたくしもう、死んでしまいそう…//////
「お前が私を長い間想っていてくれた分、今度は私がお前に何かを返さなければいけないな」
「えっ…いえ、そんな別に…!」
「ふむ、そうだな…」
と、坂本少佐は何かを思いついた様で。
「ペリーヌ、目を瞑れ」
「えっ、でも」
「いいからいいから」
「はっ、はあ…では…」
わたくしは坂本少佐に言われた通り、目を瞑る。
「…………坂本少佐、まだ目を開けてはいけませんの?」
すると、わたくしの唇に柔らかい感触。
こ、これは……
恐る恐る目を開けると…
「っ……!!!!!!!!」
坂本少佐がわたくしにキスをっ…!!!!
やがてお互いの唇が離れる。
「なんだ、目を瞑っておけと言ったのに、開けてしまったのか。フフ、仕方の無い奴だな」
「坂本、少佐…なっ、何をっ…!//////」
「ん?恋人同士がやる事と言えばやはりコレだろう?」
「いっ、いやこういうのはもう少し、段階を踏んでからの方が良いというか、あの、その…////////////」
「アッハッハッ!キスくらいでそんな事を言っていては、これからいろいろと辛いぞ!」
「なっ………!////////////」
わたくしの顔は火が出るくらい熱くなる。こっ、こんな事をさらっとおっしゃるなんて…!
そ、そういう所も、素敵ですけどっ…!//////
「ペリーヌ」
「はっ、はい」
「こんな私だが…これからも一緒にいてくれないか…?」
「そんなの…答えるまでも無いですわ…!」
「そうか、ありがとう」
「いえ、こちらこそ…」
わたくし達は見つめ合う。
「あ、あの、坂本少佐」
「なんだ、ペリーヌ」
「今度は、ちゃんと目と目で見つめ合ってキスをしたい…です…//////」
「アッハッハッ!そうかそうか!他ならぬペリーヌからの頼みだ。
今度は正々堂々、キスしよう」
「…はい…//////」
“坂本少佐…わたくし今、とてもとても幸せです”
…そんな事が面と向かって言えるハズも無く、わたくしは坂本少佐に抱き締められたまま、もう一度キスをする。
こうなる事を望んでいたハズなのに、いざそういう状況に陥ると、恥ずかしくて堪らない。
そんなわたくしの状況を察したのか、坂本少佐は少し、抱き締めを強める。
「ペリーヌ…」
「坂本…少佐…」
わたくし達は、しばらく夢の中へ…
このまま、覚めないで欲しいと何度願ったか分からない。
わたくしは心の中で何回も呟く。
「坂本少佐…貴女になら……」と…。
―――――――――――――――――――
「ペリーヌゥ♪」
「なんですの?ハルトマン中尉」
「坂本少佐とは順調みたいだね」
「なっ、何故その事をっ…!?///」
「みんな知ってるよ?ペリーヌが最近地に足が付いて無いって」
「もう…本当にこの隊の人達は…///」
「ねえペリーヌ」
「…なんですの?」
「幸せ?」
「…やけにストレートな質問ですわね」
「いいからいいから。幸せ?」
…はあ、このままはぐらかしていても良い事はありませんわね。
「…ええ、幸せですわ。…世界中の誰より一番、にね」
END
455 :
滝川浜田:2009/01/04(日) 20:33:22 ID:MHcWamU+
以上です。
手紙から始まる関係ってのはイイですな〜。
一回こういうの書いてみたかったから満足です。
しかし、ペリーヌ視点で話を進めると、一人称とかいろいろ違和感があったなあ…
慣れないキャラで書く事がこんなに難しい事だとは…
ペリーヌには幸せになって貰いたいものです。
…さて、爺はここら辺で…
>>454 だぁぁぁぁ!じっちゃん〜〜!リアルタイムで読めた、もっぺリ〜〜〜!
なんだろ、最終回のガリア奪還といい、ペリーヌが幸せになるとすごい泣きそうになる、嬉しくて...。
もっさん、ペリーヌを思う存分幸せにしてあげてください。
GJが止まらねぇ、なんだここの職人さん達は!ありがとう!
>>455 じっちゃんGJ!
リアルタイムで読みました!
いやいいですね、こう言うかたちも。初々しくて。
続きが有ったら期待して良いですかね?w
さて改めてこんばんは。mxTTnzhmでございます。
使い魔と言うと、それぞれの動物の習性とか特性と言うか有ってですね。
例えば、猫なんて発情期になるとそりゃもう(ry
さて、今回は
>>355「chaos」の続編と言うか、顛末をリーネ視点で、どうぞ。
----
寝る間際、芳佳ちゃんが「姫初め」という扶桑の風習? を教えてくれた。
何でも、新年の初めに愛を確かめると言う事らしくて……その……
普段いつも毎晩している事なのに、言葉の魔法なのかな、芳佳ちゃんが凄く魅力的に見えて……
私は芳佳ちゃんに溺れた。
「リーネちゃん、もう四回目……私、もう……」
ベッドの上で、息が完全に上がってる芳佳ちゃん。目が潤んで、涙がつうと顔を流れる。
それすら魅力的に見えた私は、丁寧に雫を舐め取った。
フルマラソンの後みたいに、全身汗でぐっしょりの私達。髪も解けて、所々に見える愛した証も消える事無く。
ふらふらになりながらも、芳佳ちゃんは私の名を呼んだ。
芳佳ちゃんが、壊れそう。口からだらしなく涎が一筋。私は舐めて、そのまま唇を奪う。
「んんっ……リーネちゃん……」
芳佳ちゃん。私だけの芳佳ちゃん。ふらつきながら私の身体を抱きしめ、彷徨う様に髪を触り、胸に手をやる。
この胸も、髪も、身体も、全部芳佳ちゃんのだから。好きにしてね。
「芳佳ちゃん……好き。愛してる。だからもう一度……何度でも」
「リーネちゃん、私も、好き、愛してるよ。でも、私、私……おかしくなっちゃうよ」
「私もう、芳佳ちゃんにおかしくなってる」
身体の疼きを止められず、私は芳佳ちゃんを貪る様に、味わった。
芳佳ちゃんの声が甘い悲鳴に変わった。私も、負けじと芳佳ちゃんの名を呼び、行為に没頭した。
あれから何度交わっただろう。
芳佳ちゃんは完全にダウンして、ぐったりとベッドの上で寝ていた。
気絶したまま寝ちゃったのかな。
私は芳佳ちゃんを抱いたまま、優しく、芳佳ちゃんの頬を撫でる。
弱々しい息遣いも、寝顔も素敵。
そっとおでこに、頬に、唇を当てる。
私だけの芳佳ちゃん。
不意に、芳佳ちゃんが苦しそうな表情をし始めた。
少佐の名が、芳佳ちゃんの口から出てくる。少佐がどうかしたの?
ペリーヌさんとミーナ中佐も? 芳佳ちゃん、苦しそう。
芳佳ちゃん、うなされてるの? どうして?
一体どんな夢見てるんだろう。出来るなら、助けてあげたい。
でも、無理に起こすと悪いって聞いたし……そうだ。
お母さんに教わった、私の家に伝わる、悪夢の払い方。
ベリーを数種類混ぜて、身体と頭にそれで文字を書くと良いって話し。
早速やってみよう。
私は台所からブルーベリーにラズベリー、クランベリーなど幾つかの種類を持ち出し、
汁を混ぜて、芳佳ちゃんの頭に少し、お腹に少し……うわ、芳佳ちゃん急に寝返り打たないで!
ああ、芳佳ちゃんの服に、汁がべったりついちゃった……。まあ、これはこれで。
そう言えば、扶桑の言い伝えで、芳佳ちゃんに聞いた事がある。
ええっと……ホウキを逆さにして置いておくと、何かが……それは違ったかな。
でも、似た事をすれば良いのかも。夢に出てくる化け物を追い払うには……ええっと
ホウキの代わりに、銃で何とかならないかな。銃と言えば……そうだ。
私は芳佳ちゃんをそっと寝かせると、部屋から出た。
あ、台所にミーナ中佐が居る。……ちょうど良かった、ミーナ中佐!
「あらどうしたのリーネさん。そんな格好で」
あわわ……急いでたから上にシャツ一枚しか着てなかった。とにかく事情を説明しないと。ええっと……
「……なるほどね。宮藤さんがうなされているから、何とかしてあげたい訳ね」
そうです、ミーナ中佐。
「宮藤さん、熱とか無かったかしら? 体の調子が悪かったりすると、悪夢をみたりうなされたりするけど」
それは無いです。私と一緒でしたから。
「でも、銃ねえ……扶桑にそんな言い伝えが有ったなんて……後で美緒……いえ、坂本少佐にも聞いてみます」
ありがとうございます、ミーナ中佐。それで……今回だけ、何とかお願い出来ませんか?
「そうねえ……。じゃあ今回だけ、特別に貴方の銃器の持ち出しを許可します。名目は調整と点検と言う事でね。
但し何か有ったら困るから、武器庫で銃から弾薬を全て取り外して、持っていってね」
ありがとうございます!
私は御礼を言って、武器庫を目指した。……でも何で台所にミーナ中佐が居たんだろう。
ともかく、急いで芳佳ちゃんを助けないと。
これでよし、と。
ミーナ中佐の言う通り弾薬も全部外して、私はボーイズを担いで部屋に戻った。
護身用に持ってるPPKも、ついでに横に置いておこう。
あとは……私が護ってあげる。芳佳ちゃんに、どんな悪いやつが来ても。
芳佳ちゃん、まだ眠ってる。私は芳佳ちゃんをそっと抱きしめて、軽く口吻する。
不意に、私の名前が出て来た。
芳佳ちゃん、どんな夢見てるんだろう……。やめてって言われても、私何もしてないよ?
夢の中の私って、どんな風に見えてるんだろう……。芳佳ちゃんを……。
……やだ、私、なんで夢の中の私に妬いてるんだろう。これじゃあ病気みたい。
芳佳ちゃん……お願いだから、悪い夢は見ないで。
私が、芳佳ちゃんを夢の中でも守れたら。
私がそばについてるから。安心してね。
少し、穏やかな顔になった。うわごとも治まり、呼吸も落ち着いてきた。
良かった。やさしい寝顔も素敵だよ、芳佳ちゃん。
芳佳ちゃんの胸に手を当ててみる。普段は私の胸を触ってるけど、たまには良いよね。
鼓動も落ち着いてきた。
自然な膨らみが、ちょっと羨ましい。私の胸は大きくて、少し不便な事もあるし。
芳佳ちゃんが好きならそれで良いんだけど……。
私は芳佳ちゃんが起きるまで、寄り添って、一緒に居てあげる。
でも、芳佳ちゃんの寝顔を見ているうちに、何だかドキドキが止まらなくなって……
私は、いけない事をしてるのは承知で、芳佳ちゃんの唇を塞いだ。
ホントはゆっくり寝かせてあげたいけど、私、もうだめかも知れない。
芳佳ちゃん、好き。愛してる。だから、もう少し、私に、芳佳ちゃん、頂戴。
お願いだから。
今夜だけでも。
end
----
以上です。
この後芳佳が目覚めてリーネに
>>355の夢の話をする、と言うオチで。
魔除けの方法とかは適当に思い付きました。ホントに有るかは知りません(超適当
何か少しリーネが病んでる気もしなくはないですが……、愛の形って事で。
芳佳の悪夢の原因が何故かは……ご覧の通りです。
でも、芳佳×リーネもいいなあ。
ではまた〜。
>>455 おはあ…これはいい。どこか恥ずかしいんだけど嬉しくて…。
うまく言えん!ペリーヌお幸せに GJ!
>>459 GJ!
ちょっと病んでるくらいが、愛に溢れてるって感じがするんじゃないかな、と僕は思うんだ
ところで中佐は台所で何を…?
正月は離れてたが見事に溜まってるな
ここ読むだけで当分生きていけるぜ
シャーゲルもいいけどシャーリーは実は誘い受けなんじゃないかと思い
かわいいシャーリー書きたいなと思ったらこんなゴチャゴチャのできました 3レスです
シャーリー「くぉら待てお前らー!」バタバタ
ルッキーニ「にゃははっ♪にっげろ〜!」バタバタ
宮藤「待ってよぉルッキーニちゃぁーん!」バタバタ
ゲルト「騒がしい奴らだ・・・」
エーリカ「んー・・・」
ゲルト「ズズー・・・・・・ふぅ、紅茶がうまいな」
エーリカ「ねぇトゥルーデ」
ゲルト「なんだ」
エーリカ「シャーリーってかわいいね」
ゲルト「ブーッ!」
エーリカ「なんていうかさ、温和で優しいし、笑顔もかわいいしね〜」
ゲルト「ゴホ・・・だ、だからなんだというんだ?別に私はあいつのことなど・・・」
エーリカ「トゥルーデのことは聞いてないよ」
ゲルト「そ、そうか。それもそうだな」
シャーリー「ルッキーニいぃ!宮藤いぃ!あたしのズボン返せえぇっ!」パタパタ
ルッキーニ「やっだにょ〜♪」バタバタ
宮藤「シャーリーさん追いかけないでくださぁーい!」バタバタ
エーリカ「ふーん、ズボンとられたのかぁ。なんか顔赤かったな」
ゲルト「・・・・・・///」
エーリカ「だからトゥルーデのことじゃないって」
ゲルト「ち、ち、違う!さっきから、その・・・見えている・・・・というか・・・あいつのが・・・」
エーリカ「うわっ、やらしーなぁトゥルーデは。さすがに私でもそんなとこ見ないぞぉ?」
ゲルト「%$*♀△※!!??」
エーリカ「おおー、シャーリーに負けじと顔を赤くしてるね」
シャーリー「ルッキーニー!どこだー!」
宮藤「うぅ・・・痛いよぅ・・・」
エーリカ「宮藤は逃げ足が遅いなぁ・・・」
ゲルト「宮藤に逃げ足なぞ必要ない。なぜなら――」
エーリカ「私が守ってやるって言うんでしょ?この節操なし」
ゲルト「な・・・なぜだ・・・なぜ分かったフラウ・・・」
エーリカ「(こいつは・・・)っていうかクリスと宮藤どっち選ぶのさ?」
ゲルト「な、なぜその二人なんだ!?」
エーリカ「だって二人を見る目がおんなじだもん。」
ゲルト「違う!そうじゃなくてだな!確かにクリスは血の繋がった唯一無二で完全無欠のウルトラスーパーシスターで
宮藤もそのクリスによく似ているようで似ていない良さがあっていい味を出している!
しかし、だ!根はいい奴なのに素直になれないスレンダー妹メガネや引っ込み思案だが家庭的で心優しくあどけなさを微かに残した巨乳妹や
無邪気で裏表のない無垢さを有する舌の肥えた甘えたがりの小さな妹だとかいつも眠そうにしていながら華奢な身体でピアノを奏でる繊細さとフリガーハマーを使いこなす荒さを併せ持った美白妹とか
舌足らずで掴み所のない性格でさっぱりしているのに私にだけは世話焼きな北欧の妹に加え空ではエースなのにずぼらな歳の割に発育していない仲間と姉想いの妹とかいるだろうに!」
エーリカ「・・・なにそれ。っていうか最後の私じゃん」
ゲルト「はっ!?しまった!妹パラダイス計画に差し支えないように口外は控えていたのに!私は何をしているんだ!」
エーリカ「帰ってきてトゥルーデ」
シャーリー「ルッキーニぃ〜・・・怒らないからあたしのズボン返してぇ・・・」
宮藤「(ルッキーニちゃんの気配が消えた!?これは・・・ッ!伝説の胸揉みアンドアウェイ!?)」
エーリカ「・・・シャーリーは妹じゃないの?」
ゲルト「あいつは・・・・・・妹ではなくて・・・」
エーリカ「ふぅん」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シャーリー「ただいまぁ・・・」
ゲルト「今日はさんざんだったな」
シャーリー「もぉルッキーニはなんでも秘密基地に持ち込むからなぁ・・・」ボフッ
ゲルト「こ、こら。ベッドに倒れ込むな」
シャーリー「・・・んー?まだ何もしてないけど、なんでそんな顔赤いの?」
ゲルト「いいいいや!なんでもない、ちょっと思い出しただけで・・・」
シャーリー「何を?」
ゲルト「え・・・・・・その、な・・・昼間のお前の・・・・・・はいてないす、姿が・・・」
シャーリー「・・・っ!」ボムッ!
ゲルト「枕で殴るなシャーロット・・・」
シャーリー「うるさいっ!変態!色ボケ!色情魔!シスコン!」ボムボムボム!
ゲルト「(く・・・やはりかわいい・・・)」
シャーリー「〜っ!変な目で見るなぁっ!」
以上です 2レスにおさまっちゃいました
シャーリーもはや別人ですね
なんかいろいろ投げっぱなしの部分ありますけど生暖かい目でスルーしていただければ
元日から読んでました。凄い量と質でした。ニヤニヤドキドキしっぱなしw
みなさんにGJ!!!
ところでもう見た方もいるかもしれませんが、
http://en.akinator.com/(英語)
人物当てです。現実の人でも仮想でもOK。
サイトの白い吹き出しのplayをクリック(英語になってなかったら左上のアイコンで切り替え)
適当に名前とかいれて後は誰かを思い浮かべながら質問に答えていくと20問くらいで結果がでます。
質問の意味が分からないときはGoogle先生などで。
結果が違うときは結果画面下のmoreをクリック。
ちなみに私はサーニャを思い浮かべながらやったわけですが、一発で出ましたw
やっぱりサーニャはかわいいな!
エイラ「カワイイニキマッテルジャナイカ!」
それではお暇でしたらどうぞ。長々と失礼しました。
昨晩某所でやった猟奇ゲーのせいで何だか眠れなくなってしまったんだが
突然「悪夢を見てハッと目が覚めて思わず泣き出すミーナさんとそれを優しくなだめるもっさん」という構図が降臨して
ニヤニヤし過ぎて恐怖を感じてる場合じゃなくなったというどうでもいい報告。
それはそうと
>>440 >>455 >>459 >>463GJ!まったくいつ来ても感想が追いつかない幸せなスレだ
しかしミーナさんがどんどん美緒好き好きキャラになっていくのはミートゥル派としては寂しい限りだ
>>466ミートゥルはミートゥルで今年も目いっぱい頑張らせてもらうぜ(ニヤリ
というか、そろそろ新スレ立てますか?
>>462 誘い受けシャーリー可愛いよ、赤くなってゲルトを枕で叩く姿が脳内再生された。
妹パラダイス計画…お姉ちゃん、マジ自重ww
>>466 そのゲームってもしかしてデモゲフンゲフン
それはともかく、
>>467さんもおっしゃる通りそろそろ次スレタイムっぽいですよね
レス数とスレの容量がほとんど同じスレなんて私はここぐらいしか知りませんよwww
あらためてここは本当に凄いスレだと思います
なんだ
あそこには俺嫁とかヘテロな奴らしかいないと思ってたらわかってる奴もいたんだなあ
まさかここだけで自分含めた3人もあそこの人を見つけてしまうとは
あの〜次スレって立てるんですか?
480KBぐらいでおk
>>466 泣き虫ミーナさんをなぐさめるもっさんとか最高の構図だな。
一応部下だけど最年長として精神的にミーナさんを支えてあげるもっさんとか大好きすぎる。
8話の車で泣いてたミーナさんを一人で待っててあげた所とか二人の関係が想像出来て最高だった。
「えいっ! やあっ…… はぁ、はぁっ」
「どうした宮藤! 息が上がっているぞ!」
「は、はい! えいっ! やあっ!」
八月とはいえ少し寒いブリタニアの朝
毎朝後ろ髪を引かれながらも暖かいベッドに別れを告げ、最早日課になりつつある早朝の鍛練に励む
「よし、今日はここまでだ」
「はい! ありがとうござい、ま……あ、れ?」
お辞儀をしようとしたところでふらついてしまい、坂本に抱き止められる形になる
「おいおい大丈夫か、宮藤?」
「あっ、す、すみません ……!!」
慌てて離れようとしたのだが何をどう間違えたのか、先日と同じように坂本の胸を鷲掴みにしてしまう。
「……宮藤」
「…………」
「宮藤、もう大丈夫なら離れろ」
「………………うわぁ! すすすすみません!!!」
しばしの間トリップしていたらしい
「まったく……わざとやってるんじゃないだろうな」「ち、違います!」
……たぶん、と心の中でだけ呟く
「それにしても、最近ぼうっとしている事が多いんじゃないか?」
「い、いえ、そんな事は」
「何か悩み事があるなら聞くぞ? 馴れない事も多いだろうしな」
「坂本さん……ありがとうございます!」
「あっはっはっはっ! 遠慮するな、ここでは私がお前の親代わりだからな」
坂本につられて芳佳も遠慮がちに笑う
「さあ、話してみろ。 誰かに話すだけで楽になる事もある」
「うぅ……笑わないで下さいよ?」
「誰が笑うものか」
「…実は最近、あまり眠れてないんです……おかしな夢も見ますし」
「おかしな? どんな夢だ?」
何故か突然顔を赤くする芳佳
「それはっ、そのぅ……リーネちゃんの、夢です」
それを聞いて坂本はチラリとリーネの部屋の窓を見た(今日も、か)
「それに、一日中リーネちゃんの事ばかり考えちゃって、寝る前もリーネちゃんの事で頭がいっぱいになってなかなか寝付けなくて……」
リーネの部屋の方をチラチラ見ながら黙って話を聞いていた坂本だったが
「あっはっはっはっ! なんだ、そんな事か」
「そんな事って! ひどいです坂本さん! 私真剣に悩んでるんですよ!?」
急に笑いだした坂本に、笑わないって言ったのにぃ! と泣きそうになりながら怒る芳佳
「すまんすまん、まぁしかしその悩みならもう半分は解決していると思うぞ?」
「……? どういう事ですか?」
なぁに、簡単な事だ、と何やら耳打ちすると芳佳の顔はますます紅潮していった…
リーネは顔面蒼白だった。よ、芳佳ちゃんと坂本少佐が抱き合ったり、ほっぺにキスしたりしてた…よね
ベッドに突っ伏して大きなため息を吐く
やっぱり芳佳ちゃんは少佐と……だから毎朝早起きしてでも鍛練に行ってるんだ
リーネが壮大な勘違いをしていると、部屋のドアがノックされる
「はっ、はーい」
「…リーネちゃん、だいじな話が、あるの」
おわり
ナンダコリャー 多分人生最初で最後のSS(おこがましい)なんで記念に投下(迷惑)
>>474 ああ、あれはよかった
もっさんの男らしさに泣いた
>>475 芳リネ初々しくていいねGJ!
しかし。それでも宮藤、おっぱい星人は健在かw
基地探訪更新来た!
何だ今回の更新は、ニヤニヤ所が多過ぎるぞ
とりあえずリーネに続いてミーナさんまで扶桑語をマスターしていることが判明したわけだがこれは美緒の為か?
そしてエイラーニャ、スタッフからも隊員からも公認過ぎワロタw
でもってシャーゲルとシャッキーニ。堪能した。
公式だめwwしぬwwwww
俺の萌え回路がスタックオーバーフローだよ!
やばい今回トップレベルでヤバイw
芳佳ちゃんのこたつになってあげるから始まり
最後までニヤニヤが止まらなかった
というかエイラのへたらがついに公式になったな
しかしエイラーニャ分が今回は凄いw
へたら→ヘタレ
興奮して打ち間違えた
足跡だけでルッキーニだとわかるシャーリー…恐ろしい子!
いま気づいたけどDVD5巻の記録集かなり良いいな
隊長コンビで鼻血が出そう
しかし、宮藤はハルカはともかく「扶桑海の巴御前」ぐらいしらんのかw
そりゃ人形もらっても反応薄いわな
オイオイオイw
今回最高ダナ
芳一ネはいつも通り良いし
シャッキーニはルッキーニの私の宣言
エイラーニャは全部良い。
秘め声の表紙も良いし
記録集の表紙は良すぎて死ぬ
確認してきた…
ななななにこれこれこれ!たまらねえ!
たまらねえ!やばいなおい!つかシャーゲルきちゃったよたまらねえ!
そして最強エーリカw
ストライクスタッフは俺らの見方すぎるよたまらねえ!
エイラがヘタレた後のサーニャの「……」が気になってしょうがない
多分「芳佳ちゃん!」「リーネちゃん!」みたいな事がやりたかったんだろう
「サーニャ!」「エイラ・・・」と前フリも万全だったし
その結果がツンデレ全否定だよ!
スタッフここ見てるのかってくらい、良かった
ところでサーニャのほかの部分より白くてエイラが見てたって所は結局どこ?
普段服で隠れてるとこ。まぁ胸だろうよ
正解は歯でした
なるほどだからサーニャの胸にかんしてはオーソリティなのか
どうでもいいけど最後のエイラはいつだって私のヒーローがこのスレで言うナイトウィッチっぽかった
はじめまして。私も皆さんに感化されてシャーゲルのSSを書きました。
13.5KBあるのですが、SSの投稿は初めてなのでどの程度の容量で区切って投稿していいものか分かりません。
どなたかアドバイスいただけませんか?よろしくお願いします。
なんか進んでると思ったら公式やべえw
この調子で突き進んでほしいが
>>493 13.5kbなら区切らず投下すれば良い
ただ10レスを超えるようなら規制がかかるぽいから注意
>>493です。
>>494 ありがとうございました。
では、これよりシャーゲルもの投下します。
至らない文章ですが、何かしらご意見頂けるとうれしいです。
タイトルは『オペレーション宮藤』で
目の前のかわいい妹(予定)の後姿に声を掛ける。
「み、み・・・みや、みふじぃっ!」
が、きわめて平静を装ったつもりで掛けた一言は、自分でも分かるほど情けないものだった。
「はい!」
目の前に居たかわいい私の妹(予定)・・・もとい、宮藤芳佳は、そんな私の素っ頓狂な声に驚い
て、まるで跳びはねるようにこちらを振り返る。
あぁ、そんなちょっとした動作の一つひとつが愛らしいなぁ、芳佳は・・・今の動きなんてまるで
リスのようだ。びっくりさせちゃってごめんよ。お姉ちゃん(予定)これからは気を付けるからな。
「あ・・・、バルクホルンさ・・・じゃなくて、バルクホルン大尉。えと・・・どうかしました?」
「大尉・・・、たいい・・・・・・、たいぃ?」
あ・・・れ・・・・・・・?おかしい・・・ぞ?芳佳は今私のことを何と呼んだ?・・・大尉?だ
と?(脳内設定なら)『お姉ちゃん(予定)』と呼んでくれるはずでは?・・・いや、待てよ。『た
いい』とは扶桑の言葉で『お姉ちゃん』という意味なのでは?だがそれにしても、芳佳の声はかわい
いなぁ、まるで天使の歌声のようじゃないか。芳佳かわいいよ、芳佳。あの瞳なんて(略
「え?・・・あの、バルクホルン大尉?」
「・・・あっ、すまん」
いかん、いかん。冷静になれバルクホルン。芳佳が困った顔でこちらを覗き込んでいるではないか
。
そう、これは現実なんだ。芳佳と私が姉妹の契りを交わしたのは私の妄想の中だけなんだ・・・。
あまつさえ、実際には私と芳佳にはたいした交流もないんだ・・・。
だが、これから仲良くなればいいじゃないか!そうだ、そのつもりでこうして芳佳に声を掛けたの
ではなかったか?よし・・・まずは
「あ、その・・・なんだ。えと、み、宮藤・・・・。その、バルクホルン大尉という呼び方だが・・
・///」
くっ、どうしたというのだゲルトルート・バルクホルン。ここからが・・・ここからが重要ではな
いか、勇気を振り絞るんだ!!
「・・・ッ、『バルクホルンさん』・・・でも構わんぞ!わ、私たちは家族なんだ!いちいち気を使
うことなど!!・・・ない・・・・・・だろう・・・?」
言うだけ言って、私は自分の顔が熱くなるのを感じて顔をすぐさま伏せてしまう。・・・何とか、
言い切れたのか・・・?
498 :
オペレーション宮藤:2009/01/05(月) 18:05:15 ID:Sb8A3kbm
芳佳の様子は?・・・無理だ、芳佳の反応は気になるがとても芳佳の顔を見れそうにない。
突然、あんな大声を上げたんだ、驚いていないわけがない。もしかして、変なヒトと思われたかも
しれない。どうしよう。どうしようどうしよう、どう・・・
「あ、あの!・・・、本当に、いいんですか?」
え?今、芳佳はなんて?・・・いや、聞き間違いじゃないのか?・・・だがもしも、聞き間違いじ
ゃないとするとここでの返事は重要になるぞ、どうすればいいんだ?どうすれば・・・あせるな、こ
こでの返事は重要だぞ、よく推敲して・・・私は芳佳に対する最も適切な返事を考え始めたが
「っ!?・・・もちろんだとも!!」
頭の考えとは裏腹に、私の口からは全く考えのない返事が滑り出していた。
なんで、私はいつもこう肝心なときに考えなしの行動をとってしまうんだ。・・・と、自己嫌悪を
しだすと。
「じゃあ、えと・・・・・・バルクホルン・・・さん。で、いいですか?」
芳佳のそのはにかみながらの一言に、私は天にも昇る気持ちになった。
「良いも悪いもないじゃないか。もちろん私はぜんぜん良いのだぞ、あっ!?もし、宮藤がそれでも
なお呼びづらいようなら、『トゥルーデ』というのはどうだ?というか、むしろそれで頼む。そうな
ると、私の宮藤に対する呼称も『宮藤』のままでは申し訳ないな。そうだ!『芳佳』と私も呼ばせて
もらっていいかな?うん、それが良い考えだ。宮藤にばかり・・・いや、芳佳にばかり要求していて
は不公平だからな、決して、私が『芳佳』と呼びたい訳ではないのだぞ、あっ、いや、呼びたいわけ
ではないというのはそういった意味ではないのだぞ、先ほどの言葉に語弊があるようだから訂正して
おくが、むしろ私も『芳佳』と呼べることはとてもうれしく思うぞ、そうそう、呼称といえば、少し
話は変わるが私たちは家族なのだから・・・」
「おい」
「その、芳佳が気に入ってくれるのならば私のことを『お姉・・・」
「おい。・・・ったく、ゲルトルート・バルクホルン!!!」
「っ!?」
馬鹿みたいな大声に、しょうがなく私がそちらに顔だけ振り向くとそこには
「なんだ、リベリアンか。」
リベリアン。そう、シャーロット・E・イェーガーがそこに居たが、
「今、私は大事な話をしているんだ。用事があってもなくても後にしてくれ」
そう言って、芳佳の方に私が顔を戻そうとすると、ヤツは溜息なんかついて一言
「宮藤なら、もう訓練に行ったぞ」
そう言った。・・・・・・なに?
私は、急いで芳佳の方に振り返ったが、そこにはもう誰もいなかった。
「あんた、全然状況が飲み込めてないわけ?」
内心混乱している私に対して、後ろからそんなのん気な声が掛けられる。
「ハハッ、撃墜王ゲルトルート・バルクホルン大尉殿も宮藤の前じゃ随分と・・・」
「どういうことだ?」
「・・・?だからさ、アタシはあんたが結構可愛かったよって・・・」
「そうじゃない!」
私はシャーロットの言葉を遮って、再び問いかける。
「私は芳・・・宮藤が訓練に行ったというのが、どういうことかを聞いているんだ。」
正直、いつの間に芳佳が私の前から消えてしまったのかさっぱり分からない。
「『宮藤』ねぇ。・・・はぁ、今更『宮藤』なんて、変に隠そうとしなくてもいいよ。ほらほら、『
芳佳』って言ってみ?」
「うるさいっ、茶化すな!質問に答えろ!」
シャーロットのヤツがニヤニヤしながらそんなことを言ってくるから、顔が熱い。それを誤魔化す
ためについつい大声をあげてしまう。
「ほんとに可愛いなぁアンタは。・・・っと、そんなに睨むなって、はいはい質問に答えればいいん
だろ。宮藤のことだよな?」
なおも茶化してこようとするシャーロットを睨みつけてやったら、やっと芳佳のことを話す気にな
ったらしい。こいつはなんでこうすぐに人をからかおうとするんだ。私は一刻も早く『芳佳が訓練に
行った』というのがどういうことなのかを知りたいのに。
「いやさ、あんた宮藤から『バルクホルンさん』って呼ばれたとたん固まっちゃってさ。後ろから見
守ってた私も驚いちゃったよ」
なんだと?私が固まった?
「でさ、宮藤が話しかけてもそのまんまだったし、さすがにこのままじゃマズイかなぁと思ってアタ
シも出てったわけよ。ここまではOK?」
「あ、あぁ・・・。続けてくれ」
コイツの言っているコトの意味がいまいち分からなかったが、どうもその意味の分からないコトは
私のコトらしい・・・。
「それでも、あんたはウンともスンとも言わなくて、さすがに困っちゃったよ。で、肝心の宮藤なん
だけど・・・訓練があるらしくてさ、遅刻させたらかわいそうだから先に行かせたんだよ。あ、愛し
の宮藤に迷惑かけずに済んだんだから、ちょっとはアタシに感謝しろよな」
「・・・・・・すまない」
つまり、私は芳佳にまた情けないところを見せてしまったらしい。
「・・・そう気を落とすなって。・・・・・・そうそう、面白かったのが。あんたさ、宮藤が居なく
なったとたんにいきなりいろいろしゃべりだすんだもんな。『トゥルーデ』がどうの『芳佳』がこう
のやら、思い出すだけでも・・・っぷ」
シャーロットが笑いをこらえる。
どうも、私が調子に乗って芳佳にまくしたてていた言葉は芳佳には届いていなかったらしい。冷静
になってみると、それはその方が良かったのだろう。だが、シャーロットには聞かれていたみたいで
、なんだか急に恥ずかしくなってきた。
「ん?ん?どうした?顔、真っ赤になってきたぞ?あれは、意味わかんなかったし、相当恥ずかしか
ったもんな。良いも悪いもないじゃないか。もちろん私はぜんぜん良・・・」
「うるさい!!黙れ!黙れ!黙れ!」
シャーロットがあのときの私の言葉を復唱しようとするので、たまらず大声で遮る。
だが、シャーロットがこうやって私を元気づけようとしてくれていることは、なんとなく分かる。
コイツにはこういう優しさがある。そこには、私以外にも多くの者が助けられている。
「でもさ、宮藤には『バルクホルンさん』って呼んでもらえるようになったんだから、一歩前進じゃ
んか。迷惑じゃなかったら、またアタシも相談ぐらいにはのるからさ。さっさと元気だしなよ」
そうなのだ。今回の宮藤と仲良くなるために話しかけることも、シャーロットに相談を持ちかけて
アドバイスをもらってから実行に移したことなのだ。
ハルトマンやミーナに相談すると後々なにを言われるかも分からないので気が引けて、シャーロッ
トが芳佳とそれなりに仲がいいということで、最初はなんとなくで相談にのってもらったが、コイツ
には随分と助けられた感じがする。
今日など、頼んでもいないのにわざわざ見守りにきて、どうも私が固まっている間にフォローまで
してもらったようだ。
「・・・ありがとう・・・・・・」
これだけいろいろしてもらったんだ、礼ぐらい言うべきだろ。そういう訳で一応、感謝の言葉を口
にする。いささか声が小さかったような気もするが、まあ仕方あるまい。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
シャーロットのヤツはまるで狐につままれたような顔をしている。
「何かおかしかったか?」
「いや、おかしいってことは何もないんだけどさ。さっきのは感謝の言葉ってやつだよね?まぁ、小
声で聞き取りづらかったけど。」
そんなことも確認しなければ分からないのかコイツは?癪だが一応「ああ」とそっけなく応えてや
る。
「そうかそうか。うんうん」
シャーロットはなぜか楽しそうに頷き始める。なんなんだコイツは?
「だから、何かおかしかったか?と聞いているんだが」
「あんたが『ありがとう』なんて言うのに驚いちゃって・・・。そうそう。この場合、どういたしま
してっと言っとけばいいのかな?」
わざわざ、『ありがとう』の部分は私の口調をまねて言う。
「べ、別に私だってありがとうぐらい言える。それから、いちいち人をからかうな」
「はいはい。でも、私はあんたからありがとうなんて言われたのは初めてだと思うけどなぁ?」
「それは、普段のお前が感謝されるような行動をしないからだ。」
「そうかな?」
「そうだ。」
「う〜ん?自分では結構、アタシってイイヤツって思ってるんだけどなぁ・・・」
「気のせいだろ」
しばらく、こんな感じで押し問答が続いたが、シャーロットのヤツが「やっと、いつも通りのあん
たになってきたね。」なんて漏らすもんだから、こいつは私のことを元気付けてくれていたのではな
いかと思い当たり、とたんに気恥ずかしくなってしまった。
それを誤魔化すために私は顔を横を向けたが、少しわざとらしくなってしまったか?
「おいおい、今度はどうしたんだ?」
シャーロットが心配してきたということは、気づかれてはいないようだ。
「あっ、わかった。次はどうやって宮藤と仲良くなったらいいのかアドバイスが欲しいんだろう?」
見当ハズレなことを自信満々に言ってくるが、話を適当に合わせるか。それに、宮藤と仲良くなる
方法なら大いに興味をそそられる。
「今度は、宮藤と共通の話題・・・そうだなぁ、おんなじ趣味とかをもって、宮藤と楽しい会話をす
る。ってのはどう?」
私が顔をシャーロットの方に向けるとこんなことを提案してきた。
確かに、芳佳とろくに会話の続かない私にとって、共通の趣味を嗜むことは有効だろう。だが、芳
佳の趣味・・・か。
「つまり、私も料理をできるようになれば良いということだな?」
「う〜ん。料理でも良いとは思うんだけど、それじゃあ、あんたがまともに出来るようになるまで時
間もかかるし・・・。悪いけどあんたが料理することを楽しめるとは思えないんだけど?」
ふむ、なるほどコイツの言うことにも一理ある。だが、そうなると、芳佳の他の趣味を見つけなけ
ればならないが・・・・・・なにかあったか?
「料理以外となると・・・」
私が芳佳の趣味が他にもないものかと考え込んでいると、シャーロットは「フッフッフッフ」なん
て言いながらいつの間にか私の後ろに回りこんでいた。
「宮藤の大好きなものといえば・・・・・・これだっ!!」
「!?」
なんて言いながら、私の後ろからのしかかってきた。さらにグイグイ体を押し付けてくるが、意味
が分からない・・・・・・それに、正直少し重い。
こんなことが芳佳の好きなものとどう関係しているんだ?なにより、シャーロットがグイグイ動く
たびに・・・。どう考えても、ただの奇行なのでさすがに抗議の声を上げる。
「おい!これがなんだというんだ?意味が分からないぞ?・・・それに、お前が動くたびに背中で・
・・その・・・・・・不愉快なものが動いているんだが?」
「おいおい。不愉快なものとは失礼だなぁ!?まさに、その『不愉快なもの』が宮藤が大好きなんだ
けど?」
「・・・・・・なに?」
なおも、私の背中に引っ付いて縦横無尽に動き回るシャーロットを背中から引き剥がし、正面に向
き直る。
「だからさ・・・宮藤は女の胸、おっぱいが好きなんだよ。」
そう言うとシャーロットは、今度は正面から自分の胸を私の胸に押し付けてきて先ほどと同じよう
に動き出しながら「これだよこれ」と言ってくる。
「ほらほら、宮藤の大好きなおっぱいだぞぉ〜。なんなら、揉みしだいちゃっても良いんだぞ〜」
全く訳のわからない事態に私の頭はショート寸前だ。確かに、芳佳が女性の乳房に並々ならぬ興味
を抱いているという話はきたことがあるような気もするが、これはいくらなんでも・・・・・・。
さらに、止めとばかりにシャーロットが顔を少し赤らめながら発した一言。
「や・さ・し・く・し・て・ね」
それを聞いた瞬間私は自分の顔がとんでもなく熱くなるのを感じて、いてもたってもいられなくな
った。
「な、ななな、なんだと!?」
そして思わず、シャーロットを突き飛ばしてしまう。
「いてっ」とシャーロットが尻餅をついたことにも構わず私は後ろに振り向き走り出す。
自分でもどこに向かって走り出しているのか分からないが、あまりのことに頭がどうにかしてしま
っているようだ。
「じゃあ、今夜あんたの部屋で作戦会議な〜!」
という、シャロットの声が遥か後方から聞こえたが、それにも構わずなおも私は走り続ける。
「はぁ〜あ。いくらなんでも、いきなり走って逃げちゃうこともないのになぁ」
とっくに走り去って行ってしまったアイツのことを思うと溜息が漏れてしまう。
「よいしょっと」
とりあえず、このまま尻餅をついたままというのもなんなので、その場で立ち上がる。
「これだから、カールスラントの堅物は・・・」
アイツに対してこれまで何度吐いたか分からない台詞を、今は一人呟く。
ふと、アイツがアタシの部屋を訪ねてきたときのことを思い出す。
あの時は驚いた。今までアイツが私の部屋を訪ねてくるなんてことなんて今までなかったというこ
ともあったが、改めて思い返すとハッキリと分かる。私はアイツに惚れていたんだ。だから最初は内
心スゲー動揺してたっけなぁ。
惚れてるっていってもきっかけはよく分からない、でもそれを意識しだしたのはアイツが撃墜され
たと聞いたときかな?あの時は、本当に、いてもたってもいられないってのがどういうことなのか身
をもってよく分かったよ。
それから、アイツの何気ない仕草の一つ一つが気になって・・・・・・今じゃアイツにメロメロだ
よ・・・。
そんな訳で、アイツが私の部屋に来たときはイロイロ期待しちゃったんだよなぁ。まぁ、告白され
ちゃうかも?なんて考えは甘すぎたよな。
でもさ、「宮藤と仲良くなりたいから手伝ってくれ・・・!」はないよなぁ・・・、ちょっとは空
気読んで欲しいよアイツには・・・・・・はぁ・・・。
まあ、アイツが喜んでくれるならって、手伝いを始めちゃったアタシもアタシなんだが・・・。
だぁ〜〜!!ウジウジ悩んでもしょうがないよな!!
今は、宮藤のおかげであいつと過ごせる時間が増えたんだ!やったぜ!!と前向きに考えることに
している。その方がアタシらしいしさ。
「うっしゃ!!早速、今夜だな!」
先ほど無理やり気味にこぎ付けたアイツと会える時間を一人で口に出して確認する。
アイツと会えるひと時のことを考えると自分でも驚くほど気持ちが昂ってくる。
そういえば、今日のアイツがんばってたなぁ・・・。
アタシもいつかはこの気持ちをアイツ・・・ゲルトルート・バルクホルンにつたえなくちゃな!!
以上になります。
書き込み方が下手だったりsage忘れてすみませんでした。
OKさ
>>504 GJ。誰でも始めは新兵さ
>>505 いいサイト教えてくれてthx
次スレ頼んだ。駄目なら俺がいく
乙!
>>509 乙!
スレを一週間で使い切るのが普通になってて少し怖いぜ
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ぐあああああああああああ!!!サーニャはは家族を捜しに行く!!!!あ…ワタシもよく考えたら…
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そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!ニパァアアアア!!
この!ちきしょー!やめてやる!!兵隊なんかやめ…て…え!?見…てる?サーニャがこっちを見てる?
サーニャがワタシを見てるゾ!サーニャがワタシに話があるって言っているゾ!サーニャがワタシに話しかけてるぞ!!
サーニャがまた今度会えるよねだって!!!よかった…いつでも飛んで行くからナ!
いやっほぉおおおおおおお!!!ワタシにはサーニャがいる!!やったよエル姉!!ひとりでできるもん!!!
黒猫のサーニャアアアアアアアアアアアアアア!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあサーニャァア!!サ、サーニャ!!サーニャァアアアアアア!!!サーニャァアアアア!!
ううっうぅうう!!ワタシの想いよオラーシャへ届け!!隣の国のサーニャへ届け!