喰霊-零-(GA-REI -zero-)で百合萌え

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952名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 00:55:28 ID:FTtNX5qJ
こんばんは
今から先日の桐×冥の直後の、黄泉×冥を投下します
今回はエロ無し、バレンタインネタです
冥姉さんの服装は、皆さん個人々々お好きな様に考えていただくために、抽象的な表現に留めておきました
9531/8:2009/02/16(月) 00:56:36 ID:FTtNX5qJ
冥が対策室に加入してから一ヶ月が経過した。だが、それ以外に冥に変化は無かった。
緊急の呼び出し以外は、定時に出て定時に帰宅という代わり映えのしない毎日。
どうにも黄泉との関係を気にしてぎこちなく振る舞い、周りもそれを知ってるのか気を使った対応をしてしまう。
感情を抑制する事に慣れ過ぎていたせいもあり、己を表現する術を彼女はあまりにも知らな過ぎたのである。
そんな様子を室長の菖蒲が気付かないはずもなく。

「冥ちゃん、どうしたものかしら」
「こればかりは当人間の問題ですから」

桐の言う事は尤もである。だが、彼女は新しい環境に戸惑っているのだ。
対策室に入った時の様に何かのきっかけがあれば良いのだが。
溜め息をつき視線を下に落とすと、卓上カレンダーが菖蒲の目に入ってきた。
今週末は2月14日である。調度良い機会だ。

「桐ちゃん、悪いけど冥ちゃんの面倒を少し見てくれないかしら」
「私が…ですか」
「あらあら、唾を本当につけたのに少し冷たいんじゃない。アフターフォローぐらいしてあげましょうよ」
「はぁ…」

あからさまに気乗りのしない桐に菖蒲が微笑みながら一言。

「それとも、お仕置きが少し足りなかったかしら?」
9542/8:2009/02/16(月) 00:57:38 ID:FTtNX5qJ
途端に桐の顔が紅潮した。お仕置きというのは、冥が対策室に加入したその晩に行われた。
「唾をつけてこい」と言ったが、まさか本当に唾をつけてくるとは思いもしなかった。
行き過ぎた行為は是正すべきと言い、一晩中鳴かされ次の日の午前中はナカにおもちゃを入れて勤務をさせられた。
当日は特に忙しくなかったから良かったものの、仮に会議が入っていたらどうなっていたか。

「解りました…」
「そう、素直が1番よ。素直が」

かくして二階堂桐の作戦は始まった。今回の目的は冥の感情を引き出し、尚且つ対策室での身の置場を与える事。
しかし、それを素直に出来ないのが冥である。桐は一晩中悩んだ結果、冥の服装を変える事と黄泉へチョコレートをプレゼントさせる事を決めた。

−翌日

「何故わたくしが貴女と…」
「任務です」

そう言われて車に乗り込んだものの、未だに行き先を告げられずに冥は苛立ちはじめていた。
それに加えて桐とは先日の一件もあり、どうにも気が落ち着かない。二人きりで何をするのか。

「着きました」

車を降りると、目の前には冥には見た事が無い「今時の若者」が着るような服の店が立ち並んでいた。

「これのどこが任務ですの?」
9553/8:2009/02/16(月) 00:59:13 ID:FTtNX5qJ
訝しげに問う冥に桐は応えた。

「目的は貴女の対策室における立場及び対策室メンバーとの間における意思疎通にあります」
「だからと言って何を」
「服装はその人の感情を現します。今の貴女を変えるには、何らかのきっかけが必要です」
「…」

呆れ返る冥を見て桐は表情を険しくし、一瞬指を広げ腕を振るそぶりを見せた。
俄かにあの日の記憶が冥の脳裏を過ぎる。そうだ、命令第一の彼女に逆らうのは得策ではない。
こうなったら、あの時の様に委ねるしかない。もしかしたら、対策室に入った様に新たなきっかけが出来るかもしれない。
真面目さが邪魔をして感情を紡ぐのが不得手な冥。最近、彼女はようやく自分の心の内へ目を向けはじめていた。

「それでは行きましょう」

それから桐と店員を交えてのコーディネートは始まった。最初は冥も嫌がっていた。
だが、色々と服を変えて鏡に映る自分を見る度に徐々に変化が起きていく。
服一つで悩み、誰かと相談しながら選んでいく。全てが生まれて初めての体験だ。
新しく選ぶ服の様に、もしかしたら自分も少し新しい気持ちになれるのかもしれない。
そんな思いが次第に心の底から沸き上がってきた。
9564/8:2009/02/16(月) 01:00:53 ID:FTtNX5qJ
「これがわたくし…ですの」

店員は微笑みながら自身たっぷりに告げた。

「とってもお似合いですよ」

2時間後に鏡の前に立っていたのは、誰もが息を呑むくらいに可憐に変身した少女の姿だった。
だが、冥にその自覚は未だ芽生えてなかった。

「成る程、確かによく似合ってますね。では行きましょう」

店を出て車へ乗る迄に、街行く人々が視線を冥へと向ける。それが冥には耐えられなかった。
その視線は奇異によるものではなく、美しい人を追いかけるものだという事を彼女は未だに気付いてはいない。
冥は、背筋を伸ばす様にという桐の指示にただ従うのみだった。

「それでは環境省に戻ったら、着替えて食堂まで来て下さい」
「…はい」

返事も上の空で、冥は車の窓硝子に映る自身の顔を見つめていた。
これが自分だという戸惑い。変わったという喜び。様々な感情が胸の内に渦巻いている。
ただ、心なしか気持ちは軽やかになった気がした。

−環境省にて

「それでは、これからチョコレートの作り方を教えます」
「はぁ…」
「貴女に必要なのは感情の発露です。幸いに金曜日は14日。今日から特訓して、黄泉へ贈るチョコレートを作りましょう」

突然の提案に冥は驚きを隠せずにいた。確かに巷の若い女性が意中の人にチョコを贈る習慣があると聞いた事はある。
だが、いきなりこれでは性急過ぎはしないだろうか。そんな様子の冥を見て桐は告げる。
9575/8:2009/02/16(月) 01:02:49 ID:FTtNX5qJ
「1番駄目な事は、答えを知る前に決めつけて諦める事です」
「それは…」
「どうせ同じように駄目だと思うのであれば、まず試してみましょう」

ずっと黄泉を想ってきた。幼い頃に、一輪の花をくれたあの時から。
ただその想いを打ち明ける事が出来ずに、苦悶の日々を今日まで送ってきた。
還りたくない。今ある機会を逃すと二度と想いを伝える機会は来ないかもしれない。
例え黄泉の想い人が神楽であったならば、その時はその時だ。
そう決意をし、冥は返事をした。

「…中々筋が良いですね。料理や菓子づくりの経験は?」
「基本的な和食と簡単な和菓子程度は」

成る程、確かに初めてにしては形も整っているし、甘さや堅さも程よく仕上がっている。
後は当日までにどこまで完成度を高める事が出来るかだ。
こうして桐による特訓は始まった。これまでに冥が驚かされたのは桐の万能ぶりである。
厨房で冥がそんな顔を見せると、桐は決まって楽しそうに「室長の為ですから」と微笑んで答えた。
いつしか桐も、冥を通して感情を以前より素直に表に現す様になっていた。
さながら姉妹のような二人の姿を、偶然通り掛かった菖蒲は遠目で満足そうに見つめていた。
9586/8:2009/02/16(月) 01:04:03 ID:FTtNX5qJ
−2月14日

遂に当日を迎えた。黄泉は冥に呼び出された近所の喫茶店を訪れた。
店員にテーブルへと案内されると、そこには今までに見た事の無い姿で冥が座っていた。

「あ、冥姉さん…」

綺麗だ。確かに普段の和装も美しい。だが、今のこの姿はどうだろう。
これまで固い服の内側に隠されていた魅力が全面に出ているではないか。
黄泉は姉の姿に、ただただ見とれるだけだった。

「早く座ってくださらないかしら」
「はい…」

鼓動が早鐘を鳴らす。胸の内をどうして伝えたら良いのか。
その様な、何を話して良いのか悩む冥の姿を察したのか、黄泉から話を切り出した。

「冥姉さん、大学へ進学するんですね。おじ様から聞きました」

そうだった。何故その道を選んだのか。素直になろう。一気にではなくてめ、仮面を一つひとつ外していこう。
今の姿のように、きっと変われるはずなのだ。冥は、とつとつと話始めた。

「ええ…退魔師の仕事はいつまで続けられるか判らないでしょう?だから、今の内に少しでも多くの事を学びたいと思って」
「そうだったんですか。でも、お体は…」
「大丈夫です。それに…」
9597/8:2009/02/16(月) 01:05:26 ID:FTtNX5qJ
更に激しく鼓動が鳴らされる。口は渇き、思いは揺らぎ迷いを生む。
答えを聞くのが怖い。でも、好意に関係無くこの思いだけは伝えたかった。

「貴女は諫山を継ぐ身です。貴女が前に立てる様、わたくしが後ろで支えたいと思ったからです」
「冥姉さん…」
「だから少しでも、多くの事を…」

嫌われていると思った。養子で年下でありながら、家督を継ぐ自分を彼女は快く思っていないと考えていた。
だから、いつからか彼女に近づくのが怖くなり、そして腫れ物を扱う如くぎこちなく接する様になっていった。

(あの人が言った事、本当だった)

冥は、桐が服を選ぶ時に「服装は気持ちを現すと」話していた事を思い出していた。
ようやく心の皮が一枚剥がれて、少しだけ素直になれた。

「これは、わたくしの感謝の気持ちです」

貴女がいたからここまで強くなれた。貴女を強く想ったから少し素直になれた。
そんな思いを込めて作り上げたチョコレートを小箱に積めて、彼女へと差し出した。

「食べて良いですか」
「ええ、是非」

一つ、黄泉は口へチョコレートをほうり込んだ。舌の温度で程よく小さな固まりが蕩けていく。
チョコレートは二人の間に横たわる蟠りやこれまでの思いをゆっくりと、静かに溶かしていった。
9608/8:2009/02/16(月) 01:08:10 ID:FTtNX5qJ
「一緒に帰りますか?」

黄泉に差し出された手を迷わず握った。そして冥の手を黄泉も握りかえした。
ようやく一つの思いが繋がった。一方で、伝えられなかった思いもある。
いや、まだ焦らなくて良い。これまでに長い時間をかけて歪み、絡まっていった物なのだ。
一つひとつ、一歩一歩解いていこう。

「冥姉さん、チョコレートありがとうございます」
「いえ」

延びる影がいつか重なる事を信じて。



END





−その頃

「良かったわね、桐ちゃん」
「はい」

桐と菖蒲は二人の様子を室長室のモニターで眺め、ようやく安堵の表情を浮かべた。

「まぁ、とりあえず及第点という所かしら」
「ありがとうございます」
「じゃあ、今晩はご褒美をたっぷりあげないとね」

菖蒲が桐に口づけ、二人の口をチョコレートが行き交い蕩けていく。
今晩のこちらの蜜事は、桐が贈った甘いチョコレートの如く一層甘く濃密な物になりそうだ。




END
961名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 01:09:20 ID:FTtNX5qJ
以上です。公式の冥姉さんの絵と笑顔をみて思わず書きました
962名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 01:13:59 ID:ObsvKIfQ
どうころんでも一晩中なかされる桐ちゃん(;´Д`)ハァハァ
963名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 01:18:37 ID:Ha3skztx
仲いい冥姉さんと黄泉は素晴らしい!
964名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 06:14:50 ID:DnLFuHVR
GJ!
公式であんな仲が良さそうな絵を見せられると余計にorz
せめてこのスレぐらいでは三人姉妹がキャッキャウフフしたっていいよね?
965名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/16(月) 15:04:54 ID:DCuuBOUI
甘甘GJでした!
966名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/20(金) 18:35:28 ID:MvQlFyJX
桐ちゃん
967名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/20(金) 21:05:23 ID:7xqcwR8b
age
968名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/25(水) 17:40:03 ID:DOipyhCG
百合ームコロッケ
969名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/26(木) 02:14:56 ID:pN9fWLF2
ちょっと食べてみたいよな
970名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/27(金) 01:17:54 ID:mgbMmHjE
今月号のエース、きれいな黄泉復活はいいが泉の意識はどうなるか心配。
神楽も黄泉しか見てないから、泉が自分だけ見てとヤンデレ化して黄泉を
取り込むことを期待
971名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/27(金) 08:42:47 ID:Zhbm0jaN
黄泉復活したのか…
これは百合百合エンドに期待
972我流:2009/02/27(金) 17:42:13 ID:dryki+lw
ここで喰霊関係で
水原×みのりん
を希望
973名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/28(土) 14:13:10 ID:ZKim0Ya/
>>972
レズ声優スレあるけど
いま空気悪いな
974名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 14:03:27 ID:X6ZamuH1
>>972
架空の人間ならまだしも実在する人間でやるのはどうなんだろう?
そういう801スレとか百合スレもあるんだけど、
なんか本人に対して失礼な気もする。
975名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 17:05:03 ID:UZdxJ2Pi
中の人の話題は、燃料になるとこもあるから小ネタとしては歓迎するが
中の人同士の百合話をクレクレしたり
三次元のエロパロ是か非かみたいな微妙な話題は完全にスレチだろう。

桐ちゃんや冥姉さんがホワイトデーのお返しになに貰ったら喜ぶかでも考えようぜ
976名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 18:22:45 ID:X6ZamuH1
希望や意見述べただけでスレチかよ。
そういう話が延々続くならわかるけど。
977名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 19:21:08 ID:UZdxJ2Pi
ああ言葉が足りなかったな、ごめん。
これ以上突っ込んだ話をしていくならスレチになると言いたかった。
特にナマモノ系の話題は個人個人好きな人と苦手な人で
感じ方や許容範囲も本当にそれぞれのジャンルだと思うから。

別に意見希望を言うなと言いたかったわけでもないよ。
気分を害したなら申し訳ない。
978名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/01(日) 22:30:07 ID:xWvpiM5n
漫画の方、絵が下手で駄目だわ。
同人レベルだろあれ。
979名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 02:46:36 ID:cTk/rPsl
アニメの出来が良すぎたんだ
仕方ない…
980名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 17:14:18 ID:oVo3Ehk0
神楽×黄泉 を投下します。
どっちを先に書けばいいのか悩みましたが、神楽×黄泉で。
誰?って感じになってるので合わなければスルーでお願いします。
奈落さんが死んだ後の妄想世界です。
冥さんもスルーしています。
981神楽×黄泉 1:2009/03/03(火) 17:15:43 ID:oVo3Ehk0
閉め切った風呂場に湯気が立ち込める。
その無害な霧は留まることを知らず、視界が悪くなる程にこの場を満たしていた。
私と神楽は一言も交さずにただ黙々と身体を洗い続けている。
特に私はキチガイかと思われる程丹念に、手足の指先から膣に至るまで。
何度も何度も磨いた。

先に終わった神楽は歯ブラシをくわえ、湯に浸かりじっと此方を見ている。
歯も磨いているが重点的に磨いているのは舌だ。
私はシャワーでたんまり乗った身体の泡を落として行く。
掻き消える泡から現れる私の身体を見つめる神楽は、何を思っているのだろうか。

自問自答とは言うが、答えはとうに分かっている。
お風呂嫌いな子供が数え歌が終わるまでお湯から出ない様に、神楽もまたじっと待っているのだ。
何のため? それこそ答えは出ている。
お風呂から出た後に、楽しいことが待っているから。

湯気がさらに辺りを覆う。
洗う時と同じように、私はゆっくりと丁寧に身体を流す。
シャワーを止めると神楽も舌磨きを終えた。もう上がりたそうだった。

私 湯船に入ってないんだけどなぁ…

瞳で訴えると、申し訳なさそうな顔をするも譲歩するつもりはないようだ。
モジモジと催促するように私を見つめる。
早く早くとでも言いたげな顔に、私は閉ざしていた口を開く。

「そんなに、我慢出来ないの?」

ブルッと神楽の身体が震えた。自分でも驚く程に妖艶で色めき立った、誘うような声。
紡いだ唇から全身へ、熱と震えが回って行くのを感じた。
982神楽×黄泉 2:2009/03/03(火) 17:16:39 ID:oVo3Ehk0
「黄泉…私もう…」

神楽が待ちきれないとばかりに私に近づいて来る。
しまった…こんな所でするつもりなんて無かったのに、事もあろうに私からその気にさせてしまった。

「か、神楽…私の部屋でしよ……ね?」

私の微かな抵抗も意味を成さず、神楽は私の左手人差し指を口に含んだ。
座っている私に合わせるように腰を降ろし、ペタンと座り込む。
両手でしっかりと腕を握り、指を味わう。

「んっ…ちゅ…はぁ…んん…」

唾液を絡める音に熱い吐息が混じる。
諦めた私は空いた右手で見上げる神楽の頬をそっと撫でる。
そのまま下へと神楽の顔、そして身体の輪郭をなぞって行く。
細い首筋から脇、可愛らしいくびれのある腰へ。
触れていると認識出来るギリギリの力加減で肌を愛でる。

神楽はその焦れったさにうっとりと惚け、身動ぎしながら私の左手の指を次から次へと貪る。
その姿を見て、その刺激に感じて、神楽と同じような恍惚の表情を私も浮かべてしまう。
もうこうなったら私も止められない。
湯気だけでなく、何か別の熱気が籠った浴室に私も当てられていく。

風邪引いちゃうかも…

一瞬そんな呑気なことを考えるも、直ぐに掻き消える。
何時まで続くか分からない快感へ、私は身も心も委ねていった。
983神楽×黄泉 3:2009/03/03(火) 17:17:32 ID:oVo3Ehk0
神楽は大切な人を殺した。
頑張って慰めて励まして、元気を取り戻してくれたと思ったら、今度は私の大切な人が殺された。
神楽は自分の心が癒えていないにも関わらず、傷付いた私のことを心配してくれた。
泣いて、抱き締めて、抱き締められて、また泣いて。

もう私たち2人は限界だった。
悲痛の相乗効果は私たちの心を必要以上にどんどん病ませていく。

先に耐えきれなくなったのは神楽だった。
一緒に寝ていた、いつもの夜。
神楽は私の指を欲した。
赤ん坊のように、指をくわえてスヤスヤと眠る。
それは自分の指ではなく、私の指。

神楽の口の中で感じる粘液や触れてくる舌。
不思議と嫌な気持ちはしなかった。

そうして、神楽はどんどん私にベッタリになった。
どんな時にも着いて来るし、引っ付いて離れようとしない。
学校も、どうせ授業に出ないから黄泉とサボるなんて言い出す始末だ。

そんな神楽を私はとことん受け入れた。
学校がつまらない私にはサボりを断る理由もないし、何より神楽が笑ってくれるのだ。
指を舐めるようになってから数日、神楽は随分元気になった。
食事も摂れるようになったし、落ち着きを取り戻した。
おしゃぶりは相変わらず続いているが、きちんと回復に向かっているのだ。

私もただただ幸せだった。
その「回復」が元来と同じ意味、同じ方向であるかどうかなど、取るに足りない問題である。
そう、私さえいれば、私だけいてくれれば、神楽は神楽でいられるのだ。
神楽は私だけを必要としてくれている…それが堪らなく嬉しかった。
984神楽×黄泉 4:2009/03/03(火) 17:18:30 ID:oVo3Ehk0
神楽と共に休みを貰っていた私は、神宮寺室長に呼ばれ久々に対策室へ足を伸ばした。
内容は電話ですれば良いような話ばかり。
些細なことなのに、私は激しい苛立ちを覚えていた。

帰り道、私の足はどんどん加速する。
息が切れる程の全力疾走に肺がどんどん苦しくなるが、それとは別に胸を締め付ける何かがあった。
怒りや苛立ちだけではない、このドロッとした暗く重たい何か。
身体の内側からせり上がる不快感を振り払いたくて、私はひたすら走った。
辿り着いた家で待っていたのは、涙で目を腫らした神楽だった。

「はぁっ…はぁ……かっ…神楽…?」
「!黄泉……黄泉ぃ!」

息も切れ切れの私に神楽が思い切り抱き着いて来る。

「朝起きたら、黄泉がいなくて…黄泉…黄泉…」

私に顔を埋める神楽を抱き締めた瞬間、胸の重さが取れた。
息はまだ荒いが、確かに何かが楽になった。
ろくに話せない言葉の代わりに、きつくきつく抱き締める。
そして、ようやく理解する。

「ずっと、一緒にいようね…神楽」

少し離れただけで、あんなに孤独や恐怖、不安を感じた。
神楽だけではなかった。私もまた、神楽なしでは生きられない。
985神楽×黄泉 5:2009/03/03(火) 17:19:28 ID:oVo3Ehk0
あの日以来、神楽は寝る時以外でも私を求めるようになった。
舐める箇所も様々で、今では私の身体で神楽の舌が這い回らなかった場所はない程だった。
足先の時は途方もない征服感が心を満たし、
お尻に舌を入れられた時は気が狂う程快感によがり、身体は絶頂で何度も仰け反り跳ねた。

私の身体は全て神楽のモノ、神楽だけのモノ…そう考えるとゾクゾクした。
脳が痺れ、身体は歓喜に震え熱を帯び、心はどうしようもなく満たされた。
神楽からの一方的なアウトプットだったものだが、私からもお願いするようになった。
やがて、私も神楽の身体を盛んに求めるようになる。

乳首をコロコロとねぶられている時に、思い切り抱き締めて顔を胸に押し付ける。
私の乳房がぐにゃりと形を変え、乳首が擦れてピンとはりつめる。
きつくきつく、それこそ窒息死させんばかりの勢いで神楽を求める。
力を緩めると、酸素を求める苦しそうな神楽が露になる。

乱れた髪、涎が垂れる口を大きく開いて呼吸する、赤く上気した顔。
とろんとした涙目は、それでも私だけを映している。もう、堪らなく可愛い。

その恍惚とした顔のだらしなく開いた口に、私は思い切り舌を突き入れる。
直ぐに神楽は答えてくれて、私たちは身体を密着させる。
汗と唾液でベタベタの身体を擦り合わせ、私たちは留まることを知らない快楽にいつまでも溺れていた。
986神楽×黄泉 6:2009/03/03(火) 17:20:32 ID:oVo3Ehk0
「黄泉ぃー。何でそんなに必死になってるの?」

ここはお風呂場。
立ち込める湯気の中、私は丹念に自分の身体を洗っている。

「私って、そんなに汚い?」

湯船に浸かる神楽が私に疑問を投げ掛ける。私は振り返り笑顔で答える。

「そんなことない。私の身体は神楽だけのモノなんだから、綺麗にしないと嫌われてしまうもの」
「嫌いになんてならないよ?」
「それともう1つ。私が綺麗な身体で神楽に愛されたいからよ」

私はそう言って湯船に入り、神楽を後ろから抱き締める。
私の腕の中でちょこんと収まる可愛らしさに、私は思わずニヤけてしまう。
神楽の肩に自分の顎を乗せ、耳元でそっと囁く。

「もう私、神楽なしじゃ生きられない…」

神楽が此方を向く。その口元は私と同じように緩みに緩んでいる。

「…ふふ…」
「…ぷっ…」
『あはははは!』

笑い声が反響し、それがさらに私たちを面白可笑しくさせた。

逆上せちゃうかも…

一瞬そんな呑気なことを考えるも、直ぐに掻き消える。
余計なことを考えられなくなるくらい、私たちはただただ幸せだった。
987名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 17:22:31 ID:oVo3Ehk0
以上、共依存でラブラブな2人でした。
ダークな感じを狙ったのですが、電池が切れて結果グダグダに。

関係ないですが、次スレってたつんですかね。
まだまだ書きたいなぁと思ってるんで、ドキドキしてます。
988名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 17:47:32 ID:7+d/xbhN
GJ(*´Д`*)
一時も離れるのは嫌とかハァハァ
989名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 18:08:56 ID:ibf+yLn4
百合で依存は至高の果実だと思う。GJ!
990名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/03(火) 19:14:25 ID:eh5fKQ+6
投下されたSSが多すぎるから次スレ立てるときにまとめサイト(保管庫)が欲しいところ。
991名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/04(水) 06:39:13 ID:1qiA6996
>>990
まとめ@wiki
http://atwiki.jp/
992名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/04(水) 22:01:44 ID:9eZ2SBRa
頑張ってくれ
993名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 07:08:51 ID:7r4iNbjZ
次スレ立てないの?スレ落ちちゃうよ。
994名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 22:02:42 ID:7r4iNbjZ
保守
995名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 22:05:08 ID:iZ05jeoE
立てた
喰霊-零-(GA-REI -zero-)で百合萌えpart2
http://babiru.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1236258277/
996名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 00:18:45 ID:b/UBkKJg
乙喰霊
埋め
997名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 10:51:15 ID:fKFUE6OA
乙喰霊ぃぃぃ!
後はこの身を賭して埋めるのみ!
998名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 11:04:31 ID:V3Q0qfBb
こんなまったりした埋め立て見たことねえ
まあサーバ負荷的には980越えたスレは
放置しとくほうがいいんだが
999名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 16:01:40 ID:U8+LyFPM
500KBじゃなかったら1000いかないと気持ち悪いし
急速に埋めると鯖負荷かかるし迷子になる人いるし
スレを埋めたい
スレをすべての不幸から埋めたい
スレを全ての災いから埋めたい
スレを傷つける者、スレに危険を晒す者、スレに災いをもたらす者、
そのすべてを消し去りたい…!
お願い…スレを埋めて…不幸を消して…災いを消して…
例えそれが…私自身であったとしても!
1000名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/06(金) 16:04:08 ID:fO46035G
1000なら黄泉ちゃんは神楽の嫁
10011001
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。