>>1 / \ ―┼
. / 入 \ソ } ヽ /l
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ト | 〃 :.:.:.}
l 下 .:.:.:.: -‐1 ノ /二フ¨
l |ゝ个 ._ ー' イ /
l |│.| l/ \−/ヽ
| / .│二二\ / \/ 二二┐ ―|―
|/ /\ ` ||c ヽ 丿
| /| | .|| / |
Q.○○書いたんですけど投下してもいいですか?
A.どうぞ、ぜひ投下してください。
条件は「ストライクウィッチーズ」関連であること、
「百合」であることの二つのみです。
ジャンル、エロの有無、本編にないカップリングなどに関係なく、
このスレの住人はおいしく頂いております。
妄想だとか落書きだとか気にせずとにかく投下してみましょう。
ただし、SS専用スレではないので20レスを超えるような長編は事前に断りがあると吉です。
──リレーSSの手引き──
★基本ルール
○始める時は、リレーSSであることを宣言する。
○続ける人は宣言は不要だが、一行目に継承元の安価をつける。
○ただし、結末を書く場合は「次で終わっていいですか?」と訊いておく。
○継承先は指定できない。誰かが早い者勝ちで続きを書く。
○ただし自分自身の続きは書かない。最低2人は挟んでから。
○2レス以上にまたがらない。1レスでクールに。
○重複したら先に書いた方を優先する。
○作者名は名前欄に入れる。名無し希望は未入力でも可。
○リレー進行中は他のリレーは開始しない。
○もちろん普通のSSは、リレーの状況に関わらずどんどん投下してください。
★本文と書式
○語り手や文調はできるだけ継承する。唐突な視点変更は避ける。
○誤解を招きやすいため、科白にはキャラの名前をつける。(例:芳佳「おっぱい」)
○後に文が続く事を意識して、できるだけ色々な取り方ができる終わり方にする。
○「駄文失礼〜」「お目汚し〜」等の前書きやあとがきはナンセンスなので付けない。
★心構えと方針
○無理して面白くしようとしない。ナチュラルに妄想を爆発させるべし。
○不本意なカプの流れになっても泣かない。むしろ目覚めるべし。
○展開を強要したり口を挟まない。流れに身を委ねるべし。
○なかなか続きが来なくても焦らない。気長に有志を待つべし。
○多少の誤字脱字、設定違反、日本語おかしい文章には目を瞑る。スルーすべし。
○参加者はみな平等。新兵もエースもリレー主も一切特権はない。仲良くすべし。
○男はいらねえんだよ!ふたなりネタも自重すべし。
ごめん…
>>1 スレ立てと同時にSSまで投下するとかGJすぐるだろw
絡みありなのにすごくきれいなエイラーニャでした乙
>>1乙
ひと昔前にこんな感じのあったな
ひたすらやっちゃってるばかしなのにやたらと綺麗なエイラーニャ
>>1乙
600ちょっとで次スレってwww
ここの勢いは止まる事を知らないみたいだ
>>618 GGGGJJJJJ!
やっぱりエイラーニャはガチ
美し過ぎて感動した!!
朝起きたら次ぎスレになってた
乙
前スレ最後ワロタw
11 :
1:2008/10/21(火) 08:21:53 ID:yAAXfdvG
サーニャ、ドーンハンマーを使うぞ
乙
最近シャーゲルがメジャーになってきたみたいで喜ばしい限りだ
pixivにあった色鉛筆の人のハロウィン絵、ルッキーニャに衝撃を受けた。
前スレ
エイラーニャ乙
>>1乙です〜
アクセス規制されてるうちに次スレとは……。
保管庫管理人さんにも感謝^^
そろそろゲームの新情報が欲しい
PIXIVネタ続けてわるいけどゲル芳ミーナのほのぼの餅つき絵のゲルトおねーちゃんの変態度がパネェ ねw
ちょw
少し目を離してる内にもう新スレとかw
>>1乙&&ナイス埋めGJ!!
朝になったら次スレになってると信じてた!!
というわけでここらでこの不肖私が先陣を切ってSS投下しようと思います。
前のカールスラント組シリーズの番外編という扱いになりますが、
実は一番最初に書き上げたのがこの話だったりします。
お互い恋人がいる中で、どれだけの関係を築けるのか……という所に主眼を置いたつもりです。
例によって長め、微エロですがよろしければお付き合いください。
ミーリカルーデ・シャッキーニ前提のトゥルーデ視点で、「Schokolade Kuss」です。
何だかんだで結局三人一緒が一番!!という結論に達してから、
ウォーロック事変をもってしてウィッチーズが解散するまでの短い間、
私達の間には全くと言っていい程色気のあるエピソードは発生しなかった。
……と、エーリカとミーナは思っていることだろう。
だが、実は一度だけあったのだ。
私とあいつだけが知っている、一夜限りの甘い過ちが────
────────
その夜私は、上層部に呼ばれて顔を出しに行ったミーナとエーリカを見送った後、
何をするでもなく部屋でぼーっとしていたのだった。
風呂には入ったし、歯も磨いたし、後は寝るだけ。
ただ、寝るには少し早い時間なのだ。
まあ、ゆっくりできる日に思い切り堕落してみるのも悪くないかもしれない。
そう思ってベッドの上で目を瞑ると、睡魔というのは案外あっさり襲ってくるのだった。
静かな夜だった。
鳥や虫の声さえしない。木々の穏やかなざわめきだけが、
私を夢の中へと導いて…………
『ドンガラガッシャーン!!』
『うわあ!?』
…………。
何だ今のは。
『ガシャーン!!』
『ぎゃあー!!』
最悪な勢いで目が醒めた。今の声はイェーガーだろう。一体何をやってるんだ。
放っておくのもまずいと思ったので、部屋まで様子を見に行くことにした。
────────
「おい、何をしている、リベリアン。」
開けっ放しのドアから中を覗くと、下着姿のイェーガーが自分の足を抱えてベッドの上を転げ回っていた。
床には何かの工具やら部品やらが散乱している。
「工具箱が……足に……っ痛ぅー……」
「…………あー」
どうやらベッドに腰掛けたまま機械いじりをしていて、
何かの拍子に持っていたものを取り落としたらしい。
さしずめ、一度目の悲鳴は部品、二度目は工具箱といったところだろう。
「まったく……これだからリベリオンの人間はガサツだなんて言われるんだ。」
「うるさいなあ……あててて」
「怪我したのか?」
見ると、イェーガーの左足指が擦り剥けて血が滲んでいた。
過去の経験を思い出して思わず同情する。
痛いんだよな、あそこ。
「うえっ、ちくしょー。やっちまったかー。」
「待ってろ、今救急箱持ってきてやる。」
そう言って部屋を出ようとすると、何故か「は?」という顔をされた。
「あんた、熱でもあるのか?」
「……どういう意味だ?」
「いや、あんたのことだから、『それくらいどうってことない』とか言われるもんだと思ったんだけどな。
意外や意外、流石は神経質なカールスラント人。」
「……いるのかいらないのかはっきりしろ。」
「おいおい、意地悪はナシだろー?」
まったく、こいつは私を何だと思っているのやら。
何だかこいつの為に医務室まで往復するのがばかばかしくなったが、
言った以上行かないわけにもいかないのでとっとと用を済ませて自分の部屋に戻るとしよう。
────────
持ち出し用の小さな救急箱を持ってイェーガーの部屋に戻ると、
イェーガーはベッドの上で片足を天井に向けてピンと伸ばすという理解不能な姿勢をとっていた。
「リベリオン流の民間療法か?」
「持ち上げたら血が止まるかと思ってね。」
よっこらせ、と元の姿勢の戻ったのを見届けてから部屋の中に踏み込む。
瞬間、ジャリ、という音がして足元が動いた。
「おい、モノを壊さないでくれよ。」
「少しは片付けろ!!」
「しょーがないだろ、置き場がないんだよ。それに、どれもよく使うやつなんだ。」
仕方ないのでそろそろと床を踏みわけて歩く。ええい、面倒臭い。
「ほら、とっとと終わらせるぞ。足を出せ。」
「うん?」
プラプラさせていた左足を手に取って消毒液を箱から出そうとすると、またしてもぽかんとした顔をされた。
「今度は何だ。」
「バルクホルンがやってくれるのかい?あたし自分で出来るよ?」
「…………。」
言われてみれば、救急箱だけポイと渡せば私は用ナシなのだった。
「……じゃあ、はい、これ」
「何だよ、せっかくだから最後までやってくれよ。」
「お前は私をおちょくりたいだけなのか?」
「まさか。ちょっと話をしたいと思ってさ。」
まったく、何でこいつの前にいる時に限って事がスマートに進まないのか。
「いいだろ?」
「好きにしろ。」
イェーガーは私に足を預けたまま、後ろにバフンと倒れ込んだ。
────────
「あたしはね、案外驚いてたりするんだよ。」
「何の話だ?」
ひとしきり間があった後、イェーガーは独り言のように語り始めた。
「君たちがあたしと同類のばかやろうだったってことさ。
ぶっちゃけるとあたしもさ、女の子が好きなんだよね。」
「……。」
「もちろん最初は自分が嫌いでしょうがなかったさ。
でもそういうこと考えるの、すぐに面倒臭くなってやめちったんだ。
逆境を乗り越えてこそ恋愛だ!!と思ったからね。
それでまあ、君たちが何だかんだと揉めているところを先行者としてニヤニヤ観察させてもらったわけだけど。」
「先行者?」
「ああ。あたし今、ルッキーニと付き合ってるんだ。」
持っていた薬の瓶を取り落としそうになった。
ちょ、ちょっと待て、どういうことだ。
今さりげなく重大発表しなかったか?
「まあ、知らなかったと思ったから言ったんだけど。」
「し、知ってるわけないだろ!!いつの間にそんな……」
「かなり前からさ。てか確かにわざわざ発表したりはしてないけど、
うちの連中で知らなかったの、多分あんただけだよ?」
「…………。」
どうやらまた一つ、私の鈍感伝説が増えてしまったらしい。
何てことだ。
「その鈍感振りに敬意を表して付け加えるなら、エイラとサーニャ、
それにリーネと宮藤もかなーり怪しいんだけどねー。気付いてた?」
「……。」
最早語るまい。
「まあいいや。それでえーと、そうそう、とにかく君たちがうまく両想いで収まって良かったよ。
いや、"両"想いとは言わないのかもしれないけど。とにかく、おめでとう。」
「……どうも。」
「あんたが『どうも』だって。うひひっ。」
「あのな……。」
「冗談。ま、同類同志仲良くしようじゃないの。」
「お前のような女と同類にするなよ……。」
「寂しいこと言うなよ。親友だろ?」
「そういうことを言ってるんじゃない。」
まったく、どうしてこの女はこういう態度しかとれないのか。
ただ、こういう風に思い切り軽口をぶつけ合える関係というのも案外心地良かったりするわけで。
だが、流石に次の一言には私も参った。
「ところでさ、ちゅーしない?」
────────
衝撃のあまり指にかけていた包帯を思い切り引っ張ってしまった。
「いだい!!引っ張り過ぎ!!」
「あ、ああ、すまない。お前今何て言った?」
「だからさ、ちゅーだよ、ちゅー。キス。」
「あのな……。」
妙な単語を連発するんじゃない、まったく。こっちが恥ずかしい。
「いかなる思考もしくは外的干渉をもってその結論に達したのか理解できん。」
「そんな大袈裟なもんじゃないよ。」
「なら尚更わからん。お前は大袈裟な理由もなしに他人にキスをねだるのか。」
「言い方が悪かった。理由は、そうだな……。
一つは好奇心、もう一つは興味かな。」
「同じじゃないか。」
「違うんだ。えーと、その……。」
いや、みなまで言うな。これ以上この話を続けると包帯がうまく縛れん。
「ルッキーニ以外の女の子も、同じ味がするのかと思ってさ。
あと、他の人はどんな風にするのかなー、とか。
ほら、えっちなんてそうホイホイするもんじゃないし、何か新しい発見があるかも?」
「ホイホイするもんじゃないなら私に振るな!!」
「だって他に相談できるヤツもいないし。このタイミングで言うのもなんだけど、
あたしはあんたのこと嫌いじゃないっていうか、信用できるヤツだと思ってるんだ。
だからさ、……ちゅーしよ♪」
おいおい……。
栄えあるブリタニア海軍第501統合戦闘航空団はいつからリリーガールの巣窟になったんだ。
これはとっとと逃げた方が良さそうだな。
「断る。」
「えー、何で?」
「軽々しく他人とキスなどできるか!!」
包帯の結び目を確認してから救急箱をバタンと閉める。
「あっそ。じゃあ勝手にしようかな。」
イェーガーの科白を聞き流して立ち上がり、さあ部屋を出るぞとドアの方へ振り向く。
……いや、振り向こうとした。
────────
一瞬何が起きたのかわからなかった。
突然袖が引っ張られたかと思うと、何かに視界を遮られ……躓いた。
「んっ……」
唇に生暖かい感触。このシチュエーションには覚えがある。
確かそう……エーリカに風呂で押し倒された時もこんな風だった。
何てことだ。
「んく……ちゅ、ちゅ……」
「……っ!!」
私は一瞬でイェーガーに組み伏せられたのだった。両手は押さえられ、体重をかけられて動けない。
そして両足は膝から先がベッドの縁で宙ぶらりんになり、力の入れようがない。
完全にしてやられた。
「んむ、ぐ……っ、んんっ」
「ん……ふ、ちゅ」
抵抗する間もなく、口の中を思い切り蹂躙される。
およそ十数分に渡って猛攻撃を受け続けた私は、漸く唇が離れた時にはぐったりしてしまっていた。
「はあ、はあ……バルクホルンのキスって、甘いんだな。」
「…………。」
精一杯顔を動かして怪訝な視線を送ってやると、イェーガーはニヤリとして自慢げに言った。
「ルッキーニのキスはどっちかっていうと甘酸っぱくて、ストロベリーかチェリーみたいなんだ。
バルクホルンはもっと濃厚な……そう、ピーチかな。」
「あのな……。」
私は一体あと何回心の中で"まったく"と言えばいいんだ、まったく。
ただ強いて言うなら、ミーナはピア、エーリカはグレイプ、こいつは……?
……いや、私は何を考えているんだ。ペースに呑まれてどうする。
「もういい。何でもいいから、早く部屋に帰らせてくれ。」
「んー、でもなあ……」
「何だ。」
「ずっとキスしてたらムラムラしてきちゃったんだけど。」
勘弁してくれ。
「な、いいだろー?」
「いいわけあるか!!さっさと私から降りろ!!」
「まあまあ、減るもんじゃないし。」
「そういう問題じゃない!!貴様それでも ────〜〜!!」
問答無用で唇が塞がれる。
ああ、一体何なんだ。
何で抵抗できないんだ。
何でこいつのキスはこんなに甘いんだ。
ストロベリーでもチェリーでもピアでもグレイプでもない、
こいつは…………そう、例えるならチョコレートだ。
それも、ミルクでもビターでもなく、ホワイト・チョコレート。
とびきり甘くて、とろけるようで、異国の香りがして、
それからほんの少しだけ──苦い。
それは多分、罪の味なのだろう。
「んむ……」
「んん……」
イェーガーは私の上着の釦を外しながらも、私にその甘い唾液を流し込むことをやめない。
逃げなくてはいけないのに、私はその甘い誘惑を振り切ることができない。
私はどうなってしまったというのだ。
気付けば背中に腕を回していた。
気付けば自分からその蜜を欲していた。
夢中になって、その背徳的な味を求めていた。
思考はまばらになり、身体はコントロールを失い、
最後に私は────意識を手放した。
────────
聞き慣れない目覚ましの音に驚いて目を醒ますと、私は自分がイェーガーの腕の中にいることに気が付いた。
「んん……ふぁ」
同時に起きたらしいイェーガーが頭上の音源をパシンと叩くと、
けたたましいベルが止み、外から小鳥の囀りが聞こえてきた。
カーテンの隙間から眩しい光が差し込んでくる。
私はぼんやりした頭で、何故こいつの部屋に自分がいるのか考え……後悔した。
何てことだ。
「ああ、まったく……」
「うん?」
「お前のせいで図らずも浮気してしまったじゃないか。
どうしてくれる。」
イェーガーは私を抱き締めたまま大きく欠伸をし、こともなげに言った。
「責任取れって言うならそれでも構わないさ。
なあ、トゥルーデ。あたしはこう見えて結構惚れっぽいんだよ。」
「あのな……。」
飄々としたその笑顔に何故かドキリとする。というか仇名は反則だ。
改めて近くで見ると、実に魅力的な女性だ。
だが私は、その甘い誘惑を、自分の意志で断ち切らなければならないのだ。
「悪い冗談はよせ。お前とはこれっきりだ。」
「あらら、振られちゃったか。あたしは割と本気なんだけどな。」
ああ、わかっているとも。お前はそういうやつだ。
一生を左右する一言だったというのに、まるで軽い食事でも断られただけような顔を見せる。
そしてその何気ない表情に一瞬、ほんの一瞬だけ、もう一つの選択肢を夢想する。
こいつと一緒に────
それはもしかしたら、3人という中途半端な現実よりよっぽど幸せな未来かもしれない。
「だとしてもだ。」
「?」
「私には、守らねばならん約束がある。
それはお前も同じはずだがな。」
そして私は、私にできる精一杯の妥協を、最後に付け加えた。
「そうだろう、……シャーリー」
「ああ。そうだな。そうだったよ。」
シャーリーは足元をまさぐって私の服を引っ張り出すと、
それを私に押し付けてからまたもや大きな欠伸をした。
「隊長たち、昼には帰ってくるんだろ?今の内にシャワーくらい浴びてこいよ。」
「ああ。」
「ふぁ……あたしはもう一眠りしようかな。」
「何言ってるんだ。今日の朝食当番、お前だぞ。」
「うえ、忘れてたー。」
────────
あいつとはもうそれっきりで、ついさっきの別れの挨拶も短い簡単なものだった。
「じゃ、またな。」
「ああ。また。」
まあ、却ってそれくらいの方が、後腐れがなくていいのかもしれない。
その数分後にはもう、用意された軍用車に乗り込んで、
カールスラントへ向けて出発したのだった。
初めは色々とお喋りしていた車内も今はすっかり静かだ。
バックミラーに視線を遣ると、ミーナとエーリカが互いに寄りかかって寝息を立てているのが目に入る。
私はこれから、この二人を幸せにしてやらねばならない。
その前にやらなければいけないことも山積みだが、
今はただこの穏やかな時間を大切にしよう。
そして時折ふと、あの夜のことを思い出してもいい。
私と、私の一番の親友の、ほんの些細な思い出として。
それくらいの権利は、あってもいいだろう。
そういう話だ。
return 0;
以上です。読んでくださった方ありがとうございます。
最初の注意書きにシャーゲルって書くの忘れてたorz申し訳ない。
シャーリーが惚れっぽいという設定を一度使ってみたかった。自分ではこれくらいが一番納得できる関係だと思います。
余談ですが、異国の人とキスをすると、自国の人とは全く違う味がして驚くそうです。
体験談ではないので真偽は不明ですが、ちょっと面白いなあと思った、そんな噂話が元ネタ。
それにしても、ここまで書いてきたがトゥルーデが常時受けなせいでえっちの描写がいつもフェードアウトですね。
そろそろ違うカップリングの攻め視点にして最後まで書いてみたいです。
管理も更新も乙です
おねーちゃんの人気っぷりが最近ますます激しくなってる
というかほとんどの人ともう組ませたのでは?
>>31 GJ
ちゅーしょーでなぜか吹いた、相手ゲルトだし
おねえちゃんはいつでも誰に対しても世話焼きだね
そこを付け込まれるんだけど、そんなゲルトが大好き
そして私も祝新スレ&エーゲル投下
一話完結だけど以前書いたフルハウスその後の感じ
「ひとりじゃできないもん!」
〜act1〜
《コンコン》
ドアをノックする音が聞こえる
私(ゲルト)はドアの向こう側へと向け入室を促す
「お邪魔しまーす」
エーリカだ、やけに丁寧ではないか
普段ならドカドカと部屋に押し入るものを、しかもこんな夜更けにだ
いったい何を企んでいる?
エーリカはそんな私を余所に、足早に進むとベットへと腰を下ろした
「お願いがあるの」
ほら来た、予想通りではないか
こいつの頼み事を聞いて、ろくな目にあった例しなどない
私が間髪入れずに断ると、エーリカは直ぐ様切り返す
「ひとりじゃできないもん!」
ひっ、一人で出来ない事とはいったい何だ?
あれか?あれなのか?あれしかないよな…
エーリカは続けてこう言った
「トゥルーデにしてほしいの」
…無理な申し出だ!自分で何とか処理しろ!
エーリカは更に続けて怪しい小瓶を差し出す
「入れて…」
!!!
何処に入れろと言うんだ!
「目に…」
目に?
小瓶には‘Eyewash’と書かれている
よく見るとそれは目薬だった
エーリカは左手に摘んだスポイトを上下させながらニヤリと笑う
こいつは…わざとだな!わざと思わせ振りな態度を…
いやいかんいかん、ここで逆上して墓穴を掘るのが私の悪い癖だ
私は素直に小瓶を受け取る
早く済ませて帰ってくれ、そんな気持ちからだった
〜act2〜
「ねぇトゥルーデ、ひざまくら…膝枕して」
しまった!私は悔いた
チェスに例えるならキング単身で敵陣に乗り込んだ様なものではないか
頭に描かれた盤上をただ突き進む、私に残された手筋は他になかった
私は無言でエーリカの隣に腰を下ろし、自分の腿をパシパシと叩いた
ブロンドがふわりとなびき、その柔らかい髪が私の腿に降り注ぐ
ひゃっ!私はくすぐったくも心地好い感覚を押し殺す
そして碧い円らな瞳がこちらを見上げている
ううっ落城は近い、チェックメイトまであと何手だ?
いや目薬を点すだけではないか、早急に済ませてしまおう
私はスポイトへと液体を流し込み、その雫を碧い瞳へと垂らす
ポタリ…雫は目蓋の上へと落下する
ポタリ…ポタリ…それは二度三度続いた
一人では目薬を点せないというのは真実なのだ
案外…いや、ここはやはりと言うべきか、こいつは子供っぽい
ふふっ、かわいい所もあるんだよな
目をつぶるなと言っても恐らく無理な話であろう
私は左手でエーリカの目蓋を抉じ開ける
ぷぷっ、結構まぬけな顔だ
普段かわいい顔をしているという意味では断じてない、断じてない
「ちょっとさ、なに笑ってるの真面目にやってよ」
気付くと私は声に出して笑っていた、いつもの二人の雰囲気だ
私のいらぬ妄想は全て吹き飛んだ、この駆け引きどうやら私の勝ちらしい
〜act3〜
点眼を終えてもエーリカは帰らなかった
私の膝から起き上がると鏡台からブラシを持ち出しベットの上に膝立てした
「髪梳かすね」
エーリカはそう言いながら既に私のリボンを解いてる
そして私は黙ってそれに従った
私の髪は結構硬い、梳かさずに寝ると翌朝ひどい事になる
就寝前に髪を梳かすのは私の習慣なのだ
髪を梳かすくらい一人で出来る、とは言わなかった
なぜならエーリカにこうして貰うのが好きだったし、
エーリカもそれを知っていたのだから
そういえばこの様な事いつ以来だろうか、かなり昔の事に思える
「明日は雨かな」
ふいにエーリカが呟く
「さあどうかな」
私は答える
「雨だと思うよ」
エーリカはそう返し、私はただ頷いた
〜act4〜
「ねぇトゥルーデ…このままここで寝てもいい?」
本当のお願いとやらはどうやらこの事だったらしい
やっと切り出して来たか、毎度の事だがずいぶん回りくどい奴だな
「仕方ない…ただしおまえの枕はない、部屋から取ってこい」
「枕ならあるよ、ここに」
そう言いながらエーリカは私の腕にしがみ付く
「今日だけだからな!」
私は無愛想にそう答えた
私は既に奴との駆け引きに負けていたのである
〜act5〜
私達は服を脱ぎベットへと潜り込む、そしてエーリカは私に擦り寄って来た
こうやって肩を並べて寝そべるのもいつ以来だろうか、かなり昔の事に思える
私がそんな思いを巡らせる中、エーリカが口を開く
「ねぇパジャマパーティー、今度みんなでやろうよ、きっと楽しいよ」
「構わないが私達はパジャマなど持ってないだろ」
不意な提案に私は面食らいながらも
口から出る言葉はひどく論理的な回答だ、自分の思考を疑う
「だったら買いに行こう、ミーナと三人でさ」
「私達三人一緒に休暇を取るなんて無理だ、だから…」
私は一呼吸置いて続けた
「私達二人で選んでやろう、ミーナに似合うパジャマをさ、な?」
「うん、そうだね」
幾分エーリカの声のトーンが上がったので私は思いを切り出した
「何かあったのか、エーリカ?」
「ううん、なにもないよ…なにかなきゃダメ?」
「そんな事はないさ」
「うん、そだよね」
そして暗闇の中静寂が続き、私は眠れぬ夜を覚悟した
…いや静寂は長くは続かなかった、途端に轟音が鳴り響く
出所は私の腕の中、エーリカの鼾、呑気な奴だ…
その轟音は不思議と心地好いものであり、私は深い眠りへと落ちていった
〜act6〜
いつもと変わらぬ時間、私は目を覚ました
なにやら夢を観た気もするが覚えてはいない
窓から差し込む光は薄暗く、それにやたらと髪がごわつく
今日は雨か…
窓枠に雨粒がへばりつき、くっついてははなれ不規則に流れ落ちていた
窓枠から視線を手前に引き戻すとエーリカの寝顔が目に入る
おまえの予報は当ったよ、そう言いながらエーリカの頬に口付けをした
どうせこいつは寝起きが悪い、暫く起きはしないだろう
…そういえばこいつ、寝起きは悪いが鼾をかくような奴だったか?
私はエーリカの顔を覗き込む、頬は赤澄み呼吸は荒い
…
こいつ…起きている!
しかも頬とは対象的に目の下には青黒い隈が出来ているじゃないか
つまり一睡もしていなかったのか…
眠れもせずにおまえは何の為に私の部屋で寝たんだ…
いやすまんな…分かり切った事だった
とりあえず、どうする私?
今日は休暇だ、たまには寝坊も悪くない
頭に浮かんだのはひどく非論理的な回答だ、自分の思考を疑う
左腕の感覚は失われているが、抱き抱えたエーリカの体温は不思議と感じられる
憂欝でも快適でもない、このアンニュイなけ怠さをもう少しだけ楽しもう
リベリアンは驚くだろうな、あいつの驚愕した顔を眺めるのもまた一興だ
エーリカ…おまえはどう思う?
やはり私は変わったと言うのだろうか?
なにも変わってなどいないよ、ただ少し昔の私に戻っただけさ
〜おしまい〜
以上です、前回に続き読んで頂いた方々、レス頂いた方々ありがとうございます
先日目薬を点していただけでなぜか友達に誉められた、そんな感じで思いつき
目薬一人で出来ない娘は誰かサーニャ?あるいはシャーリーか?と考え
結局エーリカ…自分が思っている以上にエーリカ好きだったと今頃気付く私
今回はエーリカがゲルトの上手を取る形になりましたが
上手を取った方が表面上貧乏挫を引く、この二人はそんな関係かなと
ところで設定思い付いてもなかなか筆が進まないので
書きかけの二つの話をくっつけて結果締まりのない話が出来上がったのですが
みなさんどうやって綺麗な文章書いているんでしょう、流石です
などとこのスレに再び驚愕を憶えつつ失礼致します
>>31 >>36 GJ!本当にお姉ちゃんは人気だwww
でも俺はあえて空気を読まない!
新スレ記念でシャッキーニ投下です。
この気持ちが恋なのか、それともただの友情なのか。
予想もしなかったルッキーニからの告白。
返事はいつでもいい、と言われた。
分からない。分からない。分からない。
この感情が何なのか。
分からない。分からない。分からない。
このモヤモヤが何なのか。
好きだと言われるのは悪い気はしない。
だけど、あたしが抱いている“好き”と
ルッキーニの“好き”ではきっと意味が違う。
あたしの“好き”は『友達』としての。
ルッキーニの“好き”は『恋人』としての。
あたしに想いを伝えたルッキーニは震えていた。
“好き”という言葉一つ伝えるだけで、どれだけの勇気が要っただろう。
どれだけの覚悟が要っただろう。
そう考えると、ルッキーニの気持ちを無視する事なんて出来ない。
それでもあたしはルッキーニの告白に
“うん”と返事する事が出来なかった。
いや、しなかった、のかもしれない。
付き合う気も無いのに、あたしがここで
“うん”と言ったらどうなる?
そんな事、分かってる。
傷付くのは他の誰でも無い。
…ルッキーニだ。
あたしはルッキーニを傷付けたくない。
ルッキーニだってあたしを傷付けたくないだろう。
だから、ルッキーニもあたしに無理強いをしなかった。
きっと、ルッキーニは苦しかったはずだ。
“いつでもいい”なんて嘘で自分の気持ちを押し殺したんだ。
ウソツキ。
オクビョウモノ。
ヨワムシ。
そう言われても仕方ない。
それはあたしにもルッキーニにも向けられる言葉。
想いを隠しきれなかったウソツキと
その想いをはぐらかしたオクビョウモノ。
そしてそれを言葉に出来ないヨワムシ。
二人ともどうしようもない大バカだ。
バカ過ぎて涙も出ない。
あたしはまだこの気持ちが何なのか分からない。
非常に不安定で、極めて曖昧な気持ち。
でも、曖昧なら曖昧で、そんな気持ちも悪くない。
ごめん、ルッキーニ。
あたしのこの気持ちが何なのか分かるまで、お前に返事は出来ない。
でも、いつかきっとこのモヤモヤした曖昧な気持ちが晴れたら、答えは出る。
それまで、ちょっと待たせる事になるけど。
その間だけ、少しだけ、あたしに振り回されてくれないか?
曖昧なあたし達も、そう悪くない。
END
以上です。
ベタベタなシャッキーニも好きだけど、ちょっとだけドライなシャッキーニも最近好きな今日この頃。
ってかこのスレ本当にスピードが速いwww
追いつけねえよwww
これからもこのスレの繁栄を願って…
…では爺はここらで…
初っぱなから皆さんGGJJ!このスレほんと素晴らしいw
どさくさに紛れて私も投下します。ちょくちょく言っていたシャーリー×エーリカ。
エーリカ悲恋注意。駄文すぎ注意。
40 :
『乙女の――』:2008/10/21(火) 22:24:18 ID:I06j6zB7
『乙女の――』
「ぐっもーにん‥」
朝食の時間より一時間ほど遅れて、あたしは食堂へやってきた。
ネウロイはきのう制圧したばかりだから、今日は平和な一日になりそうだ。
「ぐっもーにーん」
けだるそうな応答の発信源はハルトマンだ。
彼女も今来たばかりのようで、今日の朝食と思しきバターロールの最初のひとくち目をかじっているところだった。
「あれ、一人?」
「うん」
「バルクホルンとかは?」
ハルトマンのまぶたが一瞬ぴくりと反応したように見えたのは、気のせいだろうか。
「トゥルーデは妹のお見舞い。少佐とかは訓練にいったし、エイラとサーニャはまだ寝てる」
バルクホルンの妹のお見舞いって、いつもハルトマンが付き添ってたんじゃなかったっけ…という疑問はすぐに解決された。
「おみまい、今日はミーナがついてったんだ。たまには…って」
「ふぅん…」
「どうせ二人で買い物でもしてくるんじゃないの?」
すこし驚いた。こいつ、こんな愚痴めいた口調で話す奴だったか?なんだろう…すごく不機嫌そう。
――ぶっちゃけ理由はなんとなくわかるんだけど。
あたしは用意されていたバターロールを皿にのせて、ハルトマンの隣に腰を下ろした。
とくに会話もなく、ふたりして黙々とバターロールを頬張る。
食べ終わっても、なんとなく席に座ったままボーッとしていた。
ルッキーニも見当たらないし、今日はやることがないなあ――ユニットの整備でもすっか‥などと思いながら、意味もなく視線を移していく。
すぐ目の前にあるハルトマンの食事のトレイ付近をみる。
突然、茶色いテーブルにポタリと染みができた。
―え?
はっとして見上げると、ハルトマンの頬に一筋のこる、涙の痕。
「…ちょっと、ハルトマン!?」
あたしはびっくりして立ち上がり、彼女の肩をつかむ。
「……えっ、なんで私…?」
「どうしたんだよ、急に」
自分が泣いていることに気づかなかったのか、目を見開いて私を見ている。
「ううん、なんでもない」
「なんでもあるだろ!お前が涙流すなんて!」
「ほんと、なんでもないってば」
もしかしたら私に話したくないのかもしれない。そう思ったから、ここで追求するのはやめた。
それに、ハルトマンの表情がひどく痛々しくて、踏み込んだら壊れてしまいそうだった。
妙に重い空気になってしまった食堂をあとにして自室に戻ってからも、さっきのハルトマンの表情が頭から離れない。
あたしは、以前似たものを見たことがあるんだ。
あの涙―、あれは間違いなく、恋する乙女の涙だった。
41 :
『乙女の――』:2008/10/21(火) 22:25:55 ID:I06j6zB7
●
トゥルーデはよく、ミーナを見つめている。
ミーナの指示を聞くときはもちろん、食事中や、自由時間のときだって。
そんなとき私はきまって、トゥルーデの透明琥珀色の静かな瞳に、火傷するくらいにたぎった情熱を感じるんだ。
きっとそれは思い込みなんかじゃない、事実。
そんなことを考えていたら、なぜか眼から涙があふれてしまった。
シャーリー、心配したよな…。悪いことしちゃったな…。
そこへ、扉をノックする音が聞こえた。
トゥルーデやミーナのそれとは違う、聞いたことのない軽快な音だ。
「どーぞ」
呼びかけると、外から扉が開く。
訪問者は、洗面用具をかかえ、にこりと微笑むシャーリーだった。
「一緒に風呂でもどうだ?」
●
「あいかわらず、だな」
「どこみてんのシャーリー…」
とりとめのない雑談をはさみながら、私たちはおたがいの背中を流し合った。
それから、お湯につかる。やっぱり朝風呂は気持ちがいい。
ちょっと間を空けてからシャーリーが話しかけてきた。
「おまえ…何か悩みがあるんだろ?あたしでよかったら相談ににのるよ」
そっか。やっぱりこの人は最初から私の話を聞くため、お風呂に誘ってくれたんだ。
私の想いをシャーリーに話したら、すっきりするだろうか…。
この想いは、ずっと隠してきた。態度も普通を装ってきたけど、それ故にどんどん気持ちは大きくなっていくばかり。
「…バルクホルンのことか?」
「――なんで」
即座に疑問を口にした私に、シャーリーはふっと息を吐いて言った。
「こう見えても、あたしは他人の色恋沙汰には鋭いほうなんだぜ?」
「うわ…、そんなの初耳」
まぁ、とシャーリーは続ける。
「その分自分のにはめっぽう鈍いんだけど」
濡れた髪をかき上げて少しだけ照れくさそうに、でも爽やかに笑うシャーリーは、すごくかっこいい。
私がシャーリーみたいにかっこよかったら、トゥルーデは私を見てくれるのかな。
…いや、たぶんだめだ。トゥルーデはかわいさとかかっこよさとか、そういう単純なことで人を好きになったりしない。
…でも、だったら、なんでミーナなんだろう。なんで私じゃないんだろう。
ねぇ、トゥルーデ‥‥
42 :
『乙女の――』:2008/10/21(火) 22:27:27 ID:I06j6zB7
●
「ばかみたい。なんでこんなに…好きなんだろ」
眼を伏せ、頬を染めながらハルトマンがつぶやく。
うらやましいほどに可愛く、そして乙女ティックだ。
こんな女の子に愛されるなんて、もう最高じゃないか。
でも、あたしは知ってる。ハルトマンの想い人であるバルクホルンの瞳が、ミーナ中佐だけを追っているということを。
二人が両想いなのかはわからないけど、ハルトマンはきっと気づいてるんだ。
――バルクホルンの心に、そして自身の恋の行方に。
こればっかりは、さすがのあたしでもどうにもできないからなぁ…。
「あたしも、そんなこと思ってた時期があったよ」
「うそ、シャーリーに?」
「ああ」
ルッキーニへの気持ちが大きくなりすぎて、でもそれを彼女に押し付けることはできなくて…。
あの頃は悩みに悩んだものだ。
そこらへんの話、――とくにあたしが今『あのころはバカだった』と思えるような話――をハルトマンに話してきかせた。
「結局ルッキーニにうながされる感じで…こう、今に至るわけだけど」
う〜ん、ちょっとしゃべりすぎたな。
「そっかー。いいな、シャーリーは…」
「そーか?」
「うん。ずるいくらい!」
べ、と舌をだしてみせるハルトマン。ちょっとだけ、風呂に入る前より表情が明るくなったように感じた。
「でも、ありがとね。シャーリーのバカ時代の話きいて、心が軽くなった気がする」
「そんなら、光栄だ」
…バカ時代、は言い過ぎだけど。
ハルトマンは「すうっ!」と息を吸って一気に湯の中へ潜った。
そして、水中で叫ぶ。
ああああ、とかなり長く泡を放出したあと、勢いよく頭を出した。
ばしゃあという大きな音と飛沫。
「ふー。すっきりした!」
なるほど、大きくなりすぎた想いやらストレスやらを、大声にして発散したわけだ。
あたしにはできなかった芸当だ、さすがハルトマン。
長話をしたせいで、お互いにのぼせかけていた。
あたしは風呂上がりの牛乳をぐいと飲み込む。
「なあ、ハルトマン」
「ん?」
あたしとおまえは、同い年だからな。
「泣きたくなったら、いつでも呼べよ。胸貸してやるから」
「さんきゅ。そんときはお願いするよ」
43 :
『乙女の――』:2008/10/21(火) 22:28:42 ID:I06j6zB7
●
シャーリーはウインクしてから、脱衣場をでていった。
大人だな…シャーリーは…。
さっきはああ言ったけど、たぶん私がシャーリーの胸で泣くことにはならないだろう。
泣くのはすべてが終わったときだけって決めてるんだ。
私がトゥルーデに想いを告げてしまったら、優しすぎる彼女のこと。私に遠慮するに決まってる。
…だから告白はしない。
大好きなトゥルーデには、遠慮なんかせずに、心から幸せになってほしいから。
Fin..
なんか微妙すぎる…
今まで以上に何が書きたいのかわからない作品になってしまった。
私の文では表現できてないんですが、エーリカとシャーリーはサラッとした関係…でもお互いを信頼しあっていて…基本的にはいたずらっ子二人組!
みたいな感じの関係だと妄想。
ちなみにエーゲルが成立してる場合はのろけあったり、キワドい話をしあったりする仲だったらいいな。
また今度この二人でリベンジしたい…(シャッキーニ&エーゲル前提で)
では、失礼致しました
最近SSの後1レスも挟まずに次の投下という異常事態が日常茶飯事になってきてるから困る。
>>36 目薬と聞いて最初に想像したのが嘘涙ネタだった私は心が汚れてる。GJ!!たじたじお姉ちゃん最高!!
>>38 大雑把なシャーリーも好きだがこういうたまに乙女なシャーリーも好きだ。GJ!!
>>43 GJ!!新ジャンルかと思ったら何だこの友情話。イイハナシダー(AAry 個人的には平気な顔でキワドイ話をするエーリカが見てみたいw
ラッシュすげぇw
テンション上げてレスさせてもらうゼ!
>>31 待ってました、じらしすぎ。でもGJ!
そろそろ違うカップリングの攻め視点・・・シャーリー総攻めですね?わかります。
>>36 んなもんこっちが聞きたいわW
あんたみたいな伏線バリバリのSSどうやったら書けるのか教えて欲しい。
マイナーカプの開拓者でもある頭ん中一度見たいわ。
>>38 じっちゃんの頭ん中は見ないでもわかるW
あんたの正体シャーリーだろ!とすら思ってるW
>>43 あんただったのかよ。
これで微妙とか言わないでくれ!せつなさ炸裂さすがだわ。
やはり・・・シャーリー総攻め時代の到来か!
早く続き書いてくれ。いや書いてください。
t26gFAxTです。
前回分にレスをいただき、ありがとうございます!
気がつけば、DVD2巻発売が近くなってきてwktk
このwktk感にのせ学園ウィッチーズシリーズ第9話投下します。
日曜日の朝の食堂は、土曜の朝同様、閑散としていた。
エイラ、サーニャ、ペリーヌ、リーネの四名はそれぞれ向かい合って、パンをちぎって口に運び、合間にスープを飲み、サラダを食べ、を繰り返していた。
エイラは、手を止めて、昨夜の食事時を思い出し、つぶやいた。
「なあ、昨夜遅れて戻ってきた奴ら、なにか様子がおかしくなかったか?」
エイラ以外の三人はそれぞれ視線を交わらせ、困惑の表情を浮かべる。一足先に食べ終わったペリーヌがテーブルに手を置いた。
「確かに妙な雰囲気は感じましたわね」
「バルクホルン先輩が、その……いつも以上に沈んでいるように見えました」と、リーネが付け加える。
「ミーナ先輩も」
サーニャもぽつりとつぶやいて、エイラに視線を移す。エイラはしばらくサーニャの視線を受け止めて、リーネとペリーヌに向き直る。
「バルクホルン先輩っていつからああなの? 正直、笑顔とか…見たことないけど」
「先輩はここに来る前は軍に所属していらして、なおかつ戦闘も少なからず経験しておられますから、私がここに来たときから、その……むやみに感情を出さないというか。常日頃からああいう感じでしたわ」
「あのね……。本人から聞いたことはないけど、先輩には妹さんがいて、戦争中に大怪我をして今も入院しているんだって…」
「リーネさん、それは噂でしょう」
「うん。だけど…」
エイラは椅子の背もたれにもたれながら、初めて会った時のゲルトルートのそっけない態度を思い出す。
決してエイラに悪感情を持っているわけではなく、彼女は彼女なりに色々抱えていた故の態度だったのかもしれないと。
「エイラ、心配なの?」と、サーニャが覗き込む。
「え、いや、そんなんじゃ……」
エイラ以外の三人が彼女をじっと見つめ返す。エイラは椅子の上で後ずさりをして、染まった頬を指でかく。
「な、仲間なんだから……当たり前だろ……」
ミーナは、起床後、服を着替え、ゲルトルートの部屋へ向かい、ドアの前に立ち、ノックをしようと拳を握る。
「バルクホルンはもう外出したようだぞ」
と、坂本が刀を片手にミーナに歩み寄った。
ミーナの瞳が動揺に震えるのを見て取った坂本は、ちらりと、窓の外の中庭を一瞥する。
中庭の木々は、日差しでまぶしいぐらいに輝いていた。
「いい天気だ。少し、歩こうか」
ルッキーニはカーテンの隙間から差し込む日差しで覚醒し、体を起こし、服を着たままで眠ったため、わずかにこわばった体を伸ばし、部屋を見回した。
が、ベッドの主はすでにいなかった。
枕もとの紙には、「昨夜はありがとうな 昨日の事があるから今日も格納庫にいるよ シャーリー」と走り書きされている。
ルッキーニは、にひ、と声を上げ、紙切れに軽く口付けし、ベッドに丸まった。
坂本とミーナは、日が射す中庭を、並んで歩いていた。
しばらく歩いた後、坂本が立ち止まる。
「昨日、学園で何があった」
ミーナは、無表情に振り向くが、じっと見つめる坂本の視線に耐え切れずといった様子で、息を吐いた。
「トゥルーデと訓練飛行をしていて、彼女が墜落したの」
坂本はわずかに眉を吊り上げながら、
「ストライカーの故障だろう?」
「いいえ。シャーリーさんいわく、ストライカーに問題は無いわ。これはあの子の…」
言いかけて、ミーナは、唇を噛み締める。詰まった言葉を放った途端、疑念が事実に成り変りそうで恐ろしかったからだ。
坂本の眉が今度は下がり、悲痛の表情を空へ向けた。
「……あいつは自分を責めすぎだ」
「そうね…」
「ミーナ。バルクホルンは、お前が学園を選んだ理由を知っているのか?」
「……今のあの子にはかえって重荷になりそうで」
「これ以上あいつを傷つけたくないという気持ちは分かるが、今のあいつの殻を破れるのはお前だけだぞ」
ミーナは、考え込むようにあごを引くが、坂本が頬に触れ、じっと見つめた。
「時間は無限ではない。後はお前がいつ動くかだ。あいつは……たぶん学園に向かった」
坂本は、ミーナに触れていた手を外し、背を向けると、彼女の前から立ち去った。
シャーリーはひと仕事終えたといわんばかりのやれやれとした表情で額を拭い、格納庫の重たい扉の隙間から、格納庫へすべり込む。
並んで整備スタッフの仕事を見学していたビューリングとウルスラが振り返った。
「バルクホルンは寮に戻ったか?」
「いやぁ、それが……。どうしても作業が終わり次第結果を、とか言ってテコでも動こうとしないから、ハルトマンに協力してもらって生徒会室に押し込んだ……」
「いっそ、話してしまってはどうだ? 魔力を失ってもここにはいられる。あいつはセンスもいいし、飛べなかったとしても特別教官にはなれるぐらいの才能が…」
シャーリーが口を開きかけるがすかさずウルスラが切り込んだ。
「あの子の性格上、それはありえない。事実を知ったら、その場でここからいなくなる」
「それもあるし。ほら、あいつの場合は、精神的な問題での魔力減退かもしんないから、結果を出すのはまだ早いだろ、先生?」
二人のバルクホルンへの強い気遣いに、ビューリングは一本取られたというような顔をして、珍しく頬を緩ませた。
「バルクホルンは幸せ者だな」
「誰が幸せ物だって?」
ビューリングは聞き覚えのある声に驚愕して振り返った。
声の主は北欧系の長い金髪がさらりと流し、紺碧の瞳をきりりと光らせ、鼻に横に走った傷をそっと指で撫でる。
ビューリングは背筋を伸ばし、まっすぐに向き合った。
「お久しぶりです、ルーデル中佐」
「つい先日大佐になられた」と、すかさず、ルーデルの背後にいた、副官と思しき女が付け加える。
「大佐、訪問されるとは聞いておりませんでしたが…」
「後輩にちょっとした用があってな。お気遣い無く、すぐ帰るよ」
「……後輩ですか」ビューリングはすぐさまゲルトルートの顔を思い浮かべる。
「それにしても日曜だというのに整備とは随分忙しいな。なにか問題でもあったか」
ルーデルはすでに何かを掴んでいるかのように話しながら、ストライカーに近づき、そばにある報告書にちらちらと目を通す。
シャーリーは止めようとするが、ビューリングが制止した。
ルーデルはお目当ての報告書を見つけたのか、それにじっくり目を通すと、すうっとビューリングたちに視線を送り、格納庫の扉へ向かった。
「ビューリング。ゲルトルート・バルクホルンはどこにいる」
「高等部校舎、生徒会室です」
ルーデルは副官を伴って、格納庫を出て行く。それを確認した途端、シャーリーが噛み付く。
「おい! どういうつもりだよ」
「落ち着け。あの様子だともう大佐は状況を把握している。あとはバルクホルン次第だ」
シャーリーとエーリカに生徒会室に押し込められたゲルトルートは、機嫌を損ないながらも、仕方が無いという感じで、書類仕事を始める。いつもはミーナやゲルトルートに仕事を任せきりのエーリカも、今回ばかりは付き合っていた。
機械のように次々書類仕事を片付けるゲルトルートを眺め、エーリカは手を止めて、机に肘を突いた。
「トゥルーデ」
「なんだ」
「最後に笑ったのいつ?」
ゲルトルートははじかれたように顔を上げるが、そのまま徐々に頭を垂れ、作業に戻る。
「答えてよ」
「忘れてしまったよ。そんなこと」
エーリカの視線に冷たいものが混じり、ゲルトルートに差し向けられた。
「クリスのことはトゥルーデのせいじゃない」
「……よせ」
「今のトゥルーデ見たら、クリスはきっと…」
ゲルトルートは立ち上がり、今にも怒鳴り返しそうな表情でエーリカを見据えた。
エーリカの脳裏に、もう一人の同郷の赤毛の魔女の顔が浮かび、殴られてもかまわないといった覚悟をした様子でまた口を開いた。
「鈍感」
「なんだと?」
「自分の殻に閉じこもって、感情とかも全部閉じ込めて。私はクリスを守れなかったから笑う資格すらないってこと? それで贖罪のつもり? トゥルーデを選んで、そばにいることを選んだやつの身にもなってあげなよ。もっと周りを…」
重い軍靴が廊下を進む音が聞こえ、二人はドアに顔を向けた。
ドアを開けたルーデルがどこか不敵に微笑んだ。
「お取り込み中だったかな?」
サーニャは、寮の談話室の一角に据えられたグランドピアノを開くと、楽譜を立て、ゆっくりと音をなぞるように弾き始める。
遅れてやってきたエイラが、グランドピアノの向こうからひょっこり顔を出すと、サーニャは手を止め、微笑んだ。
エイラは、サーニャの隣に座ると、楽譜に手を伸ばし、ぱらぱらとめくる。
「見たこと無いやつだな。買ったの?」
「ううん。ミーナ先輩がくれたの」
「へえ、先輩も弾くんだ」
「どちらかというと、声楽志望だったみたい」
「そっか。ん? それならなんでこの学園に。音楽に強い学校じゃないよな…」
「守りたいもの…」
「え?」
「守りたいものがあるのかも。私も、そうだから」
サーニャがどこか遠くを見つめるかのような瞳で、つぶやいた。
エイラはサーニャの知らない一面をさらに引き出すため、言葉を探すが、サーニャはエイラの手を取ると、鍵盤に乗せた。
「一緒に弾こう」
「い、いいけど。すんごいへたくそだぞ…」
「それでもいいの」
二人の、お世辞にもうまいとは言い難い連弾が、寮に響く。その後、耐えかねたペリーヌが怒鳴り込んできたのは言うまでも無い。
第9話 終わり
職人さんたち相変わらずGJ!
ところで隊長の「私達は家族」発言ペリーヌが聞いたら切れそうだよな。隊長のこと苦手って言ってたしさらに反発。
しかし隊長が上辺だけでなく心からそう思ってることに気づいて家族の暖かさに涙。…ペリーナってどうですか?
>>53 ペリーナだと!?
初めてのカプなんじゃないか?
見てみたいわー
かなり難しそうだが頑張ってくれ!
怒涛のSSだな
もっ×ミーナ
シャー×ゲル
が濃くて好きだなあ
隊長の言う家族の対象はカールスラントリオの事かと思ってた
あの時が隊長×ゲルトのピークだったなあ
>>54 すまん、文才ないので言ってみただけだ
>>57 一応「この部隊のみんながそうだ」って言ってるんだよね。でもカールスラント組への思いのほうが強いだろうしやっぱりちょっと無理があるか?
いやまてよ、そこをペリーヌにつかれてペリーヌの過去を改めて思い出し軽率な発言だったと動揺・反省。それからペリーヌが気になって気になって…。
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書き込んだあと、感想つけてくれてる人がいたんで
「あとでレス付けよ〜」
って思ったらその後SSが連投されてて読んでたら時間がががw
感想つけてくれた人ありがとっす^^
そして職人さんたちはGJ
ラブラブECM発動時、絶対エイラは鼻血吹いてると思ってますw
超幸せモードでふにゃふにゃになってるにも拘らず、
明るいエイラとの生活妄想→未来への展望→未来予知精度向上って流れで相変わらず被弾せず。
逆にミーナとトゥルーデは応答の無いエーリカに焦りを募らす。
っていうかここであれこれ語るより、別視点版書くかw
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って、前スレの時点でカキコしようと思ったらアクセス規制で書けなかったっす;;
と、いうわけでかいてみました。
書きはじめると長くなるのが悪い癖です。
●ブリタニア1944 くらやみのそらつなぐてのひら
「当直じゃないってーの!」
と、文句言ったところで警報が鳴り止むわけじゃない。
ベッドから飛び起きた私は引っつかんだ上着の袖に腕を通しながらブリーフィングルームへ。
中佐と少佐とバルクホルン、それとエイラは既にブリーフィングルームにいた。
あたしに遅れて他の連中も部屋に入ってくる。
一番最後のルッキーニが入るが早いかバルクホルンが口を開いた。
っていうか、寝起きの悪いサーニャと根本的におきてこないハルトマンがいないと集合早いな〜。
「状況を説明する。現在501基地はレーダーと通信の妨害を受けている。他の沿岸レーダーサイトも同様だ」
バルクホルンは委員長モードだ。
ハルトマンとの連絡が取れてないってのに冷静なもんだ。
「この状況を受け、北部に展開する他飛行隊がロンドン上空のエアカバーに入っている。我々は脅威の元を断つ事になる」
ヒュウ、とあたしは口笛を吹いた。
なかなかご機嫌な対応じゃないか。
てっきりパターン的に状況が判明するまであたしらはここで待機かと思ってたよ。
口笛に顔をしかめつつ、バルクホルンが支持を続ける。
「通信は不能、レーダーによる誘導も無しの出撃となる。各自、心して飛べ!」
そんなバルクホルンを引き継いでミーナ中佐が命令を下す。
「今回は私が空中指揮を行います。総員、出撃準備」
『イエス、マム!』
あたしたちは声を揃えて了解。ハンガーへと駆け出した。
通信機からはノイズに混じり、時折ネウロイの歌声らしきものも聞こえてくる。
ストライカーを装着する。
ノースリベリオンP−51Dが私の脚を包み、固定する。
今日もマーリンの吹き上がりは上々。
誘導も無い夜空ってのは多少不安ではあったけど、エンジンの轟きだけで不安が消えるなんてあたしも案外単純じゃないか。
「芳佳ちゃん……」
「大丈夫」
見れば夜空に怯えたらしいリーネの手を宮藤が握って勇気付けてる。
あいつも大分サマになってきたよな。
「シャーリー!」
「お、何だ? ルッキーニ」
「あたしたちもつなごっ」
「よし、そうするかっ」
こいつの場合は怖いとかそういうんじゃなくて、単に手を繋ぐのが楽しそうとか面白そうとかそんな感じだよな。
そんなあたしたちを見て思いついたのか、中佐がロッテ同士で手を繋いで飛ぶようにって指示を出した。
確かに、通信が出来ない状態で雲の中に飛び込みでもしたら性能の違う機体でペアを組んでるロッテはあっという間にバラバラになるかもしれない。
そういうわけであたしとルッキーニ、宮藤とリーネ、少佐とペリーヌ、バルクホルンとエイラがロッテを組み、手を繋いだ。
中佐は自分の能力を使って全体を把握するって事で単機で最後尾。
ペリーヌは憧れの少佐と手を繋げて舞い上がりきってるな。
仲間がピンチかもなんだからもうちょっと緊張感持てよな〜。
バルクホルンとエイラのロッテっていうのも珍しいな。
こいつら共通点ってあんまりないもんな〜……って、そうか。今はあるか。
二人とも、いつもの自分のパートナーがいないんだ。
低く低く雲の垂れ込めたドーバー夜空は、思ったより暗く、狭い。
雨は上がっていたけど、依然高い湿度のせいで左右の翼端から流れる薄明かりを湛えたヴェイパーが、あっという間に夜空に吸い込まれていく。
繋いだ左手の先。
ルッキニーニの小さな手のひら。
こんな暗闇の中で見失ったら、あたしはどうなってしまうんだろう?
無意識にルッキーニの横顔を見つめる。
翼端灯の弱い赤と緑に照らされたルッキーニの表情は、いつもと変わらず明るい。
私と手を繋いでいることが嬉しいのか、こんな暗闇の中でも能天気に変な鼻歌を奏でていた。
視線に気づいたのか、振り向いたルッキーニと目が合った。
こちらの不安が表情に出ていたのか、ルッキーニは一瞬だけ表情を曇らせる。
「どしたの〜? シャーリー……あ♪ わかった! 暗いの怖いんでしょ〜」
で、話しながらいつもの表情に戻るとこちらをからかい始める。
ま、その様子に元気付けられてこちらの不安も吹き飛んだんで悪いことじゃないんだが、図星だったのは半ば図星だったのは確かなんで誤魔化しとく。
「そういうわけじゃないよ。二人が心配だっただけさ」
「にゃは、シャーリーやっさしー。やっぱり大好き〜」
言うが早いか繋いだ手を中心にして回転し、胸に飛び込んでくる。
オイオイ、そりゃこの姿勢ならはぐれないだろうけどさ、後ろ飛んでるミーナ中佐に怒られるぞ……って……。
前を見ればペリーヌは少佐の左手に腕を絡めてて少佐も諦めてる様子。
横を見ればリーネも宮藤に半ば抱きつくような姿勢で飛んでいる。
そして、後ろを見たらちょっと怖い顔のミーナ中佐が追いついてきて、丁度あたしたちに声をかける所だった。
その更に後ろにはもっと怖い顔で睨み付けるカールスラントの堅物と、前を飛ぶあたしたちの様子すら目に入っていない様な、焦燥感に駆られて不安でいっぱいのエイラの顔が見えた。
「大尉、もう少し、真面目にお願いね」
ミーナ中佐はそれだけ言い残すと今度は右方向の宮藤&リーネロッテへと声を掛けに行った。
通信機が使えないから、注意するにしても直接声掛けないといけないもんなぁ。
あたしとしちゃあ必要以上に緊張することを回避するのも重要なコンディション調整ではあったんだけど、まぁ後ろの二人に対する配慮が掛けてたのは確かだったな。反省。
「よし、ルッキーニ、元の位置へ」
軽く頭をなでながら軍人口調で指示。
「はぁい……」
ちょっとつまらなそうな声。それでも素直に言うことは聞いてくれた。
っていうかミーナ中佐。
緊張感とか真面目にって言うなら組んだロッテに手を繋がせた時点で敗北だろ!
とか思ったけど、あたしにはルッキーニと違って口には出さないだけの分別があると自負できるんで言わない。
「ねぇねぇシャーリー。この組み合わせで手〜繋いでたら、みんなgdgdになっちゃうよね〜」
言いやがった。
通信できなくてあたしにしか聞こえないのが幸いだったな。
「あまりにもその通りなんだが、こうしてる間にも二人はどんな目にあってるか分からないんだ。真面目に行こう」
「うん」
その時、ノイズとネウロイの歌しか伝えなかった通信機に変化が現れた。
時折、何か違う声が聞こえてくるような気がする。
先頭を行く少佐が翼を振って合図。
速度を落として合流。
大声張り上げれば声が届くところまで編隊を緊密に。
後流に煽られて失速するような奴なんて501には……いた。
「わ、うわ、うわわわわっ! 芳佳ちゃん、バ、バランスがっ!」
「だだ大丈夫!? リーネちゃん!」
リーネ、お前宮藤にしがみつきすぎだよ。
くるりとロールをうち、一瞬だけ高度を落として後流を逃れ立て直す。
坂本少佐の訓練がいいのかストライカーがいいのか本人のセンスか、まぁそのどれもなんだろうけど宮藤はこういう程よい緊張状態になると途端に動きがよくなってくる。
リーネの飛行が安定したところを見計らって「ごめんなさぁい」と声を掛けながら改めて合流。
「妨害が晴れつつあるのかも知れん。各自エンジン出力を落として通信に集中しろ」
少佐が指示を出す。
緊迫した空気が流れる。
考えられる可能性は二つあった。
一つ目は二人がネウロイを落としたという事。
二つ目は二人がネウロイに落とされたという事。
そして、妨害が一気に晴れたのではないという今の状態は、二つ目の可能性を可能性を強く示唆していた。
誰とも言わずそれに思い至ったのか、空気が重くなる。
いつだって明るさを失わないルッキーニの表情さえも沈み、不安を湛えてる。
横目でバルクホルン&エイラをみると、二人とも今にも泣き出しそうな顔だった。
「い、痛いよ、大尉」
エイラがか細い声で抗議する。
「す、すまん」
バルクホルンが繋いだ手に力を入れすぎてしまったんだろう。
あたしにも、他の誰にも、今の二人に声を掛けられる奴なんていなかった。
息を呑む声が聞こえた。
ミーナ中佐だ。
「どうしたミーナ!」
坂本少佐の声とともにみんなが中佐に注目する。
案の定一番耳のいいミーナ中佐が一番に何かに気づいたようなんだけど、どうも様子がおかしい。
あらあらあら、って表情で少し頬を赤らめて、なんだか戦場に似つかわしくない表情を浮かべてる。
おいおい、いったいどうしたってんだよ。
「おいミーナ! 状況を報告しろ!」
坂本少佐が強い口調で迫ったその時、唐突に大音量が降って来た。
「エイラッ! 大好きっ!!」
ぶっ!
ちょっと何だこれ!!
普段の様子からは考えられないほど大きく、明瞭なサーニャの声。
当のエイラは目を見開いて硬直している。
エイラだけじゃなくみんな呆然。
勿論あたしルッキーニも呆然。
更に続けて声が降って来る。
「エイラ、好き。エイラ、愛してる。世界で一番エイラが好き。エイラ、大好き。エイラ、エイラ、エイラ……」
ちょっとちょっとちょっと!!!
いったい何が起こってるんだよっ!
誰か説明してくれよっ!
「サーニャ、すっご〜い!」
ルッキーニは目をキラキラさせながら感心してる。というか楽しんでる。
「……サーニャはエイラの事が……大好きっ!」
って、ああああああ! エイラが鼻血吹いた。
「おいっ! 大丈夫か! しっかりしろエイラ!」
バルクホルンが介抱。
「だ、だだだ、駄目かも、わたし……」
情けない声でへたれてるエイラ。
まぁ、気持ちは分かる。
「こうしてる間にもハルトマンがどうなってるか分からんのだぞ! しっかりしないか!」
「そうね、バルクホルン大尉のいう通りよ。ハルトマン中尉の声が拾えないか、みんな集中して!」
カールスラントの二人の言う事は正論だ。
正論なんだけど、こうしてる間にもサーニャの告白は続いてる。
こんな通信に集中したって赤面するだけだっての。
「サーニャちゃん! サーニャちゃん! 応答して! お願い!
宮藤の呼びかけに応答は無い。こちらからの通信の呼びかけは通じていない様子だ。
「ミーナ、正直様子が分からん! 状況が理解できん!」
「そ、そうね」
「そろそろ二人が消息を立った空域だ。雲の上に出て確認しよう」
「分かったわ。雲の上に抜けるわよ! 総員、上昇!」
中佐の号令一下、あたしたちは上昇を掛ける。
同時に、突風と共に頭上の雲底が割れた。
「シュトルムかっ!?」
答えは、空から降って来た。
短い金髪、あたしと同い年の癖にルッキーニ並みに平板な体。
武器は無く、Bf-109Gのストライカーは左足から煙を吹いていたけど、その表情は笑顔だった。。
ハルトマンは何事かを呟いてこちらに軽く手を振ると、満足そうな表情で目を閉じた。
後ろからは、やはり武器の無いサーニャが落下するハルトマンに追いつき、その体を抱きとめていた。
そして、更にその後ろからはネウロイが追いすがる。
あたしたちはさっきまでの緩んだ空気を、上昇することで入れ替えて、ネウロイへと立ち向かった。
まぁ、換気に失敗した人も約一名いたんだけどね。
以上となります。
【ブリタニア1944 くらやみのそらのくものそこ】のシャーリー視点です。
最後のネウロイ戦は迷った上で書きませんでした。
っていうか、エイラに鼻血吹かせた所で満足したのは内緒です。
シャーリー視点にしたのは多分に爺の影響と思われ。
北欧組とカールスラント組があれば何もいらないはずだったのに、このスレは罠すぎる
で、シャーリーとルッキーニでアフリカで何かするネタでも考え中。
エイラとサーニャのその後が気になる
愛を確かめ合った恋人が部屋にこもってすることなんてひとつだろ、jk
やはりエイラの部屋に閉じこもった後はお楽しみだったと…
69 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/22(水) 21:56:05 ID:vMEIyZkW
お前ら宮藤芳佳のねんどろいど買うか?????
俺は買うぜwwwww
70 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/22(水) 22:25:18 ID:AY5iL0JK
>>65 よしよし飴ちゃんをやろう。言いたい事は
>>66-68が言ってるのでなんか別の感想をw
>宮藤はこういう程よい緊張状態になると途端に動きがよくなってくる。
>エンジンの轟きだけで不安が消えるなんてあたしも案外単純じゃないか。
こういうさりげなくキャラをよく表してる文が好きだなぁー
しかしシャーリーは軽い雰囲気重い雰囲気選ばない万能キャラだな
ガッデエエエエムさげたはずなのにミスってらぁ
ドン・ルッキーニ
>>66-68 それでも手が出せないエイラこそ自分の求める至高のヘタレキャラ!
きっと今回の一件で少しだけ大胆さを身につけたサーニャがリードする事になると思われ。
>>70 そういうところを評価していただけるのは嬉しいです。
3人称にしたらもっと描けるかと思うんですが、自分の場合長くなりすぎて
書きおわらなそうなんで一人誰かをチョイスしてやってる感じです。
いつものように寝ぼけたふりしてベッドに倒れこむ。
エイラは、「今日だけダカンナー」とかいいつつ毛布をかけてくれる。
でも今日も本当に望んでることはしてくれない。
我慢できなくなって、ベッドから這い出ようとするエイラに抱きついた。
「サ、サーニャ!?」
「・・・どうして、何もしてくれないの?」
勝手に涙があふれてくる。
「わ、私に魅力がないからっ・・・ひっく」
不意にエイラに引き寄せられた。そのままぎゅっと抱きしめられる。
背中を優しくなでてくれる手が心地いい。
耳元にエイラの唇がよせられ、ささやかれた。
「じゃあ何かしても・・・イイノカ?」
一気に頬が熱くなる。
いつもとは違うエイラの少し意地悪そうな声。
されるがままに押し倒されて、エイラの唇が降りてくるのを感じて
サーニャはぎゅっと目を閉じた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
/ \
/ ヘ \ ヽ
/ /{ i ヽ ヽ
〃 / / / ハ i ! ', ',
j/ / / /{ ′' i } i } i
/ ,′ ' / / ii ', 八 i 亅 i
. / l ! / ii './ ハ __| i /ハ !
{ハ ! _j. { r 7"" i /ヽ 「 | iフヽ | ハ、
/ { ´ { ハ|_,厶ニ ニ=从L.、 | } リ `
'、 { 从レ'"f'´:::::j}` ´{レ:::`}ヾ>| j八/ なんてね。
八 l ヘ, ` 弋:::(_ノ ‘.::(_ノ ″j/ .
. / \l\\ `゛´ ,′ ',
// ヘ '"" ' '"" / ,ハ
{ハ { 人 人 / ∧ }
{ ヽ八 | 丶、 ´ ,. イ } /j/ ノ
\ ト、\ |` . __,. ィ | ノレ j/__
「`⌒)ーヘ|_厂冂 |勹__,ノ⌒:く::.:」、
j/ )::.::.::ヽ::.::.ヘく 〉::}::.::.::.::.::. i└ァヽ
/ r─- 、::.::.::.:.:},」 -─…─- : ::.::.::: ;. -─┐
{ | { ̄ >'" ` <  ̄}亅
{ { { / \ } }
/ \ /
. / 入 \ソ } ヽ ∠─ヽ
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l / /// \|,=\| .トソ | |
l |// ,, =x ′ ` j/ ノ
ト | 〃 :.:.:.}
l 下 .:.:.:.: -‐1 ノ /二フ¨
l |ゝ个 ._ ー' イ /
l |│.| l/ \−/ヽ
| / .│二二\ / \/ 二二┐ ―|―
|/ /\ ` ||c ヽ 丿
| /| | .|| / |
やってみせろよ!
ヘタレなエイラが一番だけど
たまにはサーニャへの感情が弾け飛ぶところも見てみたいんです
保管庫No300を取らせていただいたので、ちょっとしたネタを投下していきます。
エイラもこの中佐くらい強引になって下さい。
いややっぱいいです。キャラ変わってるんで。
坂本「それで、私は謹慎中何をすればよいのですか?中佐殿。」
ミーナ「いいえ、何もしないから謹慎なのよ?」
坂本「ふむ・・・では瞑想でも――」
ミーナ「坂本少佐、何もしないのが謹慎だと言ったでしょう?動かずに私のなすがままにされていなさい♪」
坂本「ミーナ、それは・・・・」
ミーナ「い い で す ね ?」
坂本「はっ!問題ありません!」
ミーナ「よろしい・・・では少佐、今からこれに着替えてもらいます。」
坂本「これは・・・サーニャのベルトに似ているような・・・」
リーネ「つべこべ言わない!30秒で着替えなさい!」
坂本「は、はいっ!」
30秒後
坂本「中佐・・・この二本のリボンはどこに・・・」
ミーナ「あら、言ってなかったわね。髪に結ぶのよ、蝶結びでね。」
坂本「しかし・・・」
ミーナ「もしかして結んだことがないのかしら?」
坂本「はっ!その通りであります!」
ミーナ「ふふふ・・・ではこちらに来なさい。結んであげるわ。」
坂本「し、失礼します!」
ミーナ「〜♪」
坂本「(楽しそうだなミーナは・・・ふむ、たまには良いかもしれん)」
ミーナ「はい、できたわよ。じゃあこれを持って♪」
坂本「これは・・・金棒でありますか?」
ミーナ「そうよ・・・では、上官命令です・・・」
坂本「(ゴクリ・・・)」
ミーナ「――ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪って可愛く言いなさい。」
坂本「・・・・・・は?」
ミーナ「もう!こっちも恥ずかしいのに・・・コホン、ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪と回りながら可愛く言ってみなさい!」
坂本「ま、回りながらでありますか!?」
ミーナ「減棒されたいのかしら?」
坂本「いえ!問題ありません!」
ミーナ「よろしい♪では始めなさい。」
坂本「・・・・・・ぴ、ぴぴるぴるぴる・・・ぴぴるぴぃ・・・」
ミーナ「やり直し」
坂本「そんな・・・!」
ミーナ「や り 直 し な さ い」
坂本「は、はっ!・・・・・・・ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜!」
ミーナ「ああぁぁ・・・・可愛いわ美緒・・・」
坂本「ミーナ・・・よだれが・・・」
ミーナ「えっ?や、やだ私ったら・・・」
坂本「それで、私はいつまでこれを着ていればよいのですか・・・?」
ミーナ「そうね・・・あ、そろそろお昼ね。食事を取りに行きましょうか。」
坂本「中佐が、でありますか?」
ミーナ「何言ってるの?あなたも一緒に来るのよ。勿論その格好で♪」
坂本「なっ!?」
ミーナ「不服かしら?」
坂本「(目が笑っていない・・・)しかしこれは――」
ミーナ「さ、行くわよ。」
坂本「うわあぁぁ引っ張るなあぁぁ!」
------------------------------
ミーナ「みんな面食らってたわね♪」
坂本「(終わった・・・色々なことが終わった・・・)」
ミーナ「謹慎とは言っても、書類整理なんかは部屋で出来るし・・・もちろん出撃はしてもらうから、まぁ普段とあまり変わらないわね。」
坂本「なぁミーナ、この格好なんとかならんか?ベルトが脚に当たって気になるし、それに・・・」
ミーナ「それに?」
坂本「なかなか・・・恥ずかしいのだが・・・。」
ミーナ「(ピチューン)」
坂本「・・・ミーナ?」
ミーナ「ふふ・・・ふふふふ・・・」
坂本「(いかん!ミーナの変なスイッチが・・・)」
ミーナ「じゃあちょっとした訓練といこうかしら♪」
坂本「お、おい・・・手を縛ったら身動きが――」
ミーナ「敵兵に捕まって拷問を受けても、いかなる情報を漏らしてはいけないの。さぁ、どこまで耐えられるかしら?」
坂本「ミーナ!足も縛らなくていい!というかこれは――んむっ!・・・・ん・・・い、いやあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
-----------------------------
芳佳「リーネちゃん!さっきの坂本さんすごかったね!」
リーネ「坂本少佐、顔が真っ赤だったね・・・」
ゲルト「あれはミーナの趣味だな・・・私も一度着せられたことがある。」
芳佳「バルクホルンさんがあの服を!?」
ゲルト「いや、私のは違うものだったが・・・そうだ宮藤、お前もあれを着てみないか!?きっと似合う、いや必ず似合うぞ!」
芳佳「やです。」
ゲルト「ゲフウゥ!」
以上です。
中の人ネタが嫌な方いらっしゃると思いますが・・・ほんとすいません。正直反省しています。
例の赤い制服で金棒振り回す少佐を想像してにやけが止まらなくなった。GJ!!
これでわっかとツインテを付ければ完璧ですね。
そういえばもっさんの頭の上にわっかが付いたAAがかなり前からあったがもしや……!?
ttp://www.imgup.org/iup714323.jpg 自分で描いた絵を見てたらなんだか小ネタが出来たので投下
───
女の子は複雑怪奇なもんだなあ。
自分の性別は棚においておくことにして、エイラはひたすら思う。
「サーニャ…それ、楽しいのかー?」
おそるおそる、彼女に押し付けられたペンギンなのだかネコなのだかよくわからないそのぬいぐるみを
抱きしめながら、尋ねた。
もともと口数の多いほうでないところのサーニャは黙ってただ頷くだけで、何がどう楽しいのかと言った
答えをその行動からは全く推測させてはくれない。
目の前で、サーニャの小さな手がゆっくりと動いている。触れているのはエイラの髪だ。さらさらとした
その髪をなでて、サーニャはうっとりとその髪を編みこんでいた。もちろんのこと、エイラにその感覚は
全く理解できていない。
確かに自分の髪の毛は長いほうであり、そういったことをすることにも適しているとは思う。まっすぐに
さらりと伸びていて、癖など全くなくて、エイラはいいなあ、と何度言われたことか。
けれどもいかんせんエイラはそういったことに全くといっていいほど興味がなかった。切るのが面倒
だから伸ばしている。出来ることなら切りたいが故郷でもそれを口にするたびに周りが「いやだ」やら
「やめろ」やらと繰り返すものだから仕方なしにそのままにしていたのだ。
とにかく、エイラにはわけのわからないことだが、女の子というのは総じて髪いじりが好きな傾向にある
らしい、と言うことは別に今に知ったことではなくて。実際に今までだっていろんな同僚に髪の毛をいじ
られてきた。そのまま出撃をする羽目になって、いつもとは違う感覚にひどく戸惑ったことがあるのも
事実だ。もちろん、そんなときでさえエイラは一弾も被弾せず、傍から見れば悠々と敵機を撃墜して
帰ってくるのだから更にその名声は高まるわ、いつもと違う髪形をした彼女のプロマイドが男に女に
バカ売れするわだったわけだが、そんなこと当のエイラがあずかり知ったところではない。
「♪、♪、♪」
ふん、ふん、と。鳴らすのは果たしてどこの国の歌だろう。サーニャの父親が創った曲だろうか。芸術に
対する興味もからっきしであったエイラが分かるわけがなかったが、ただ、彼女とのそれなりの期間の
付き合いのおかげでとにかくサーニャがいまとても機嫌が良いのだと言うことを知る。
エイラはサーニャの歌を聴くのが好きだった。それがどこの国のなんていう曲だろうが、ただたったいま
サーニャの頭をよぎっただけの何の意味もない節だろうが関係ない。サーニャの声が音を奏でる。エイラに
とってはそれだけでも十二分に神秘的だったからだ。
はあ、と小さくため息をついた。それはサーニャの理解不能な態度に呆れたからと言うよりも自分にとって
は意味不明なことをされて身動きを取れなくなっているのに、なぜだかとても嬉しい自分が照れくさかった
からなのだけれどもたぶんサーニャの耳には届いていないだろうからどうでも良い。
「キョウダケダカンナー」
そう呟くのも、もちろん単なる照れ隠しだ。そんなこともちろんサーニャは知っているが、その事実にエイラは
気付いていない。だからエイラはその一言を言うことで非常に満足した。
今度の休日には二人で髪飾りを買いに行こう。ただ自分がつけるのは嫌だからサーニャに似合いのリボン
だとかを。…問題はどうやって誘うか、だが。
目を落とすと腕の中のぬいぐるみと目が合う。ふてぶてしい顔のそれに「このドへたれめ」と叱咤されている
気がする。ウルセー、とばかりにその腹を叩いてやった。中に入った綿に跳ね返るばかりで何の手ごたえもなかったけれど。
さて、どう切り出そうか。
夢中になって自分の髪をいじっているサーニャを横目で見やりながら、エイラはしばらくの間そんな思案にふけることにした。
───
ペリエイラの続きとか描いている真っ最中なのになぜか別の話ばっかりが出来ていく…
エイラスレで絵を見た方、こちらこそいつもお世話になってます
>>83 ぬおおあいかわらず秀逸すぎる絵だ……文章もうまいとか反則
エイラーニャは職人が充実しすぎていて書く勇気がもてないw
というわけで私はこりずにシャーゲル。甘いやつのリベンジ…になっているかはしらん
妙な関係だ、とずっと思っていた。やつの笑い方はいつだってかわらない。これからもだ、これからもずっと、
妙な関係だと思いつづけるにちがいない。そんなかすかな確信が、胸の奥底に沈殿している。
ぎしとベッドがなり、一瞬とんでいた意識がひきもどされる。かち、という音。ベッドのわきのテーブルのうえの、
ちいさな照明がつけられた音。ぼんやりとむけた視線のさきには、私から光をさえぎる背中があった。ライトの
となりの透明なボトル、あんたものむかい、とこちらを見もしないで声をかけられてやっと、これがシャーロット
の背中なんだと思いあたった。
「ああ」
思考回路の接続がどうにもとぎれがちらしい。なかなかすっきりとしてくれない。私のみじかいことばにあちら
も了解というひとことで返事をすませ、ならんだコップに水をついだ。なにからも隠されずにさらされたなめらかな
背筋、それにあかるい色のやわらかそうな髪がかかり、すこしだけ見とれそうだと思う。
「のみたかったらからだおこしなよ」
一足さきにコップに口をつけながら、シャーロットが私にもうひとつをさしだしている。そうだ、おきなくては。
そう思うのに、からだはベッドにふかくしずんだまま。ああ、と思わずため息をつくと笑われた。
「あんた、おわったらすぐねむくなるもんね」
たのしげに言われて、だけどふしぎな感じがする。あいかわらず光源はシャーロットのむこうがわにあるのだ。
逆光のなかのやつの表情はよめようもなく、じりじりと、胸がやけつく。これは不安だ、唐突な動揺だ。そう思う
反面ではげしくそれを否定した。なにをおびえることがある、やつのなにもかもが見えなくてぼやけていて曖昧
なのは、いまにはじまったことじゃないだろう。
「……なあ」
「うん?」
妙な話だ。笑ってないでおこしてくれと、そんな頼みごともできそうにない。シャーロットはよく笑う、いつだって
笑っていて、私はこいつがなにを考えているのかわかった試しがないのだ。
おやすみ、いい夢を。やつらしい、つまりはリベリオン人らしいブリタニア語の発音でもって気障たらしくシャーロット
はドアノブに手をかけながらささやき、いつも朝になるまえに私の部屋からでていった。ひらりと手をふり私に返事
をする間もあたえずに、ありえないほどにあっさりとドアを閉めてしまうのだ。あたしのこれはね、リベリオン語の
つもりなんだけど。ブリタニア人の話し方よりも、まろやかだろう? 昔にそんなことを言われて、残念ながら私に
とってはブリタニア語でもリベリオン語でも、ただの同じ言語にしかきこえないよ、と正直にこたえてつまらなそうな
顔をされたことがあった。ところがどうだ、いまじゃあこんなに自然にやつらしい発音だなんてことばが思いうかんで
しまう。これがいったいなにを意味しているか。考えるのもいやな事柄だった。
それはすれ違いざまだったり、横を追いこしていく瞬間だったりした。ただ時刻が書かれただけの、それ以外は
真っ白なちいさなメモを、やつの手が私の手ににぎらせる。だれにもばれないようにと、まるで秘め事のごっこ遊びだ。
これはやつからの誘いで、私に断るすべはない。手渡すときシャーロットはどんな顔をしているのか。こどもみたいな
ふたりだけの約束、やつはこんなことがたのしいのだろうか。
「トゥルーデ、なにそれ」
「べつに、なんでも」
だけど私自身も、エーリカあたりにそれが見られそうになれば必死ともとれるほどに隠した。握りつぶしてポケット
におしこみ、秘密を死守する。もしかしたらたのしんでいるのは私なのかもしれない。納得できる気のしない事実。
そんな日の夜は、書かれたとおりの時間にやつが私の部屋をおとずれた。はやくもないしおくれもしない、ぴったり
な訪問はじつにシャーロットらしさを欠いていた。そこからもまたやつの遊び心が垣間見られてなんとも複雑な気分
になる。時間を守る誠実さがふざけた行為に見えるなんて、私たちはなんと歪んでいることだろう。
やることと言えば寝ることくらいだ。すなわちこのメモのきれはしの数だけ私はやつと肌をあわせた、……いや、
正確にはそれには枚数がひとつたりない、最初の一度は、多分ただの過ちだった。
「あんたって、髪おろすと別人みたい」
あたし以外には、もう見せちゃやあよ。ふざけた口調の甘い台詞が軽々しく、いくつもやつの口からは飛びだして
くる。だけどそれはベッドのうえでだけの話だ。普段は話をするほうでもない、ふいに顔をあわせることがあれば
くだらない言いあいをする程度。あいかわらず仲がいいのね、とミーナに微笑まれて、そのすぐあとにはそんな顔を
しないでと苦笑されたことがあった。私がどんな顔をしていたかは見当もつかないし、ミーナがいったいどうやって
そんな評価をくだしたのかもわからない。普段の我々は他人だった。そのはずだ。
机のいちばんうえの引き出しのなかにたまっていくメモの束。あつめたくてあつめているわけではない、最初の
数枚の処分にこまっていると、いつのまにかどんどんとふえていっただけの話だ。くしゃくしゃにまるめてしまった
ものは丁寧にしわをのばし、クリップで束ねて引き出しの奥へ隠す。習慣になりつつあるこの行動に、私は私に
あきれてみせることしかできなかった。
唐突に気配がうごいてぎくりとする。回想は強制終了。ぼやけた背中のラインがゆっくりとゆれていた。床に
ちらばったふたり分の衣服を足でかきわけて、シャーロットは自分のものをさがしあてる。もう自室へと帰る気
らしい。影がかがみ、そのせいで遮るもののなくなった光が私を直接的に刺激した。照明のとなりには、水が
はいったボトルと、空になったコップにもうひとつは並々とつがれたまま。
あんたって、髪おろすと別人みたい。シャーロットが言ったこと。そのなかで、この台詞がいちばん記憶に
のこっている。理由はわからない。かの姿をほかの人間に見せることを禁止されて、私はひそかに、確かにそれを
守っていた。
「ここで寝ればいいだろう」
きっぱりとした発音。シャーロットの、きれいな髪がゆれる。ゆっくりとふりむいた。ぞくりとする、私はなにを言って
いるんだ。いままで言わなかった、ちがう、言いたくてしかたがなくて、それでも言えなかった台詞だ。やはり思考回路
がショートしているらしい。危険な誘い。断られたら私はどうなる、ひょっとしたらたちなおれなくなってしまうのでは
なかろうか。
シャーロットはいつも笑っていたし、それは余裕ぶった本当の余裕だった。私の部屋にいるときだってかわらない
表情で、きっと私はそれがとてもおもしろくなかった。だってそれって、私はべつに特別じゃないってことだろう? 自分
に問いかけて、だから、ふりむくシャーロットの表情が、信じられなかった。
「いいの?」
まるでずっとほしかったおもちゃを、かってあげると言ってもらえたこどものような、上擦った声。いつもは気だるげ
におちかけている瞼はおどろきでおおきくひらかれて、しきりに瞬きをくりかえしていた。だれだ、これは。私はたぶん、
シャーロット以上に動揺していた。
「……だめなんて言った覚えはない」
かんがえるまえにことばがでてくる。掛け値なしの本音で、下手をしたら、でていってほしくないとすら思っていたはずだ。
やつはまだ瞬きをくりかえしている。これは夢?とでも言いだしそうなほど、シャーロットは呆然としている。それこそまるで
夢だった。重いからだをもちあげて、それからやつと視線の高さをおなじにする。状況がよめないな、そうささやけば、
シャーロットは目をそらした。
「だって、うざったいって思われたりしたら、いやだった」
「なんの話だ」
「……あんた、そっけないんだもん」
いつだってあたしが誘う側だったし、普段だって夜のことなんてないみたいに他人の顔をして、……あんたがただ遊んでる
だけだってことくらいわかってるんだ。最初のいっかいなんて、あんたにとっちゃただの勢いだけのまちがいだったんだろ、
だからせめて、邪魔がられるのだけは。うつむいたままぼそぼそと、普段の軽快さをおしかくしたつぶやきがこぼれていく。
「ちゃんとドアはあけてくれるから、それだけでいいって思ってたんだ」
なくか、と思われるほど、シャーロットは声をちいさくする。私は呆然として、つぎにはどくどくと心臓がなっていることを自覚
する。ああ、と、声がでそうになってなんとかこらえた。それから体温があがって、それなのに頭の真ん中はすっとさえていく
んだ。ばかみたいだった、シャーロットの言っていることは、全部全部、こっちの台詞だった。
「……もういやだ、ないちゃいたいよ」
シャーロットが私に背をむけて、それでも着替えをはじめるようすはない。あいかわらず背筋はきれいにながれていて、
ただ、頼りなげに呼吸のたびに上下している。
「なんだよ、ずいぶんとなさけないことを言うな。いつもの、ひとを小ばかにした笑い方はどうした」
「ちぇっ、言わせたいの? かっこつけてるだけじゃないか、いつだって」
大人ぶってとりつくろって、それであんたにすがってるんじゃないか。飄々とした軍人はきえた、知らない少女が目のまえ
にいる。シャーロットが力のかぎりで守りとおしてきた仮面がはがれていくのだ。私はこみあげる興奮をなんとかおさえて、
シャーロットのいれてくれた水を手にとった。ゆっくりとながしこむ。はやくこの心臓がおさまってくれればいい、そうしないと、
死んでしまいそうだった。
「しらなかったよ、シャーロット。君がそんなにかわいい顔をするなんて」
紳士ぶった口調をつくれば、やつはくやしそうに唇をかんですねた顔で私をにらんでからすぐにまたうつむく。どうした
ことか、このふてぶてしい女が、いま私のてのひらのうえでころころと転がされている。いままでは自分だって目のまえの
人物のことで散々なやんでいたのに、ということはすっかりと棚にあげてしまい、私はつかの間の優越感にひたることに
する。思わずははと声をあげて笑うと、シャーロットはやっと顔をあげた。
「……あんたのそんなうれしそうな顔、はじめてみた」
なにをよろこんでるのかは知らないけどね。そう言ってやつも、ふふと笑う。シャーロットはよく笑う、だけどきょうの
こればかりは、いつもとちがって感じられた。その予想はきっと間違いない。だってこの私が、こんなにうれしいんだから。
くくく、とひとしきり笑ったあと、さてと、つぎはきっとこちらのばんだ。シャーロットがこんなにさらしてくれたのだから、
私もじつのところを告白しないとフェアじゃない、そうだろう?
「おい」
「……なに」
「いっしょに寝るんだろう? だったら、こっちにきたらどうだ」
なにから話してやればいい、思った以上に、私はこいつに言いたいことがたくさんあるらしい。絶対言いたくないはずの
ことだって、いまのこいつになら言ってやりたい気になった。しまったな、気がおおきくなっている。きっとそのうち後悔して、
いつかにはきょうの饒舌っぷりをからかわれてしまうんだ。
妙な関係だと思っていた。それはこれからもずっと。だけどすこしかわってしまったのは、これがとてもしあわせに
感じられるようになってしまったこと。
「……おやすみ、いい夢を」
やつのなごやかなリベリオン語を、私はきょうから、耳元でささやかれることになるのだ。
おわり
ふたつ年上のゲルトに対して一生懸命大人ぶって余裕ぶっているシャーリーは宇宙規模で萌えることに気づいた
ところで個人的にはシャーリーにはわるいけど米語より英語の発音の仕方のほうがすっきりしていてすきです
ほんま萌えるでぇ。
なんというセフレからの昇進w
88 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/23(木) 02:14:17 ID:AZOLK13P
本編で絡み凄い少ないのに盛り上がってるなシャーゲルw
うまく言えないけどシャーゲル百合って『レズビアン』ってより『ゲイ』って表現のが
あってる気がする。
>>89 双方肉体派(?)じゃけんねぇ
個人的にはそういうキャラが仄かなアプローチ見せる状況がイイ
レズやゲイは肉体関係まで持っちゃうんだけどな
もちろんエイラーニャも最終的には肉体関係まで行っちゃうはず
何年先かは分からない
エイラーニャはそこまで行かなくてもいい
二人で健やかに暮らしててください
喫茶店でも開いて
やっぱり、誘い受けのサーニャとヘタレ攻めのエイラなんだろうか?
>>93 2人暮らしか
痺れを切らしたサーニャがガン攻めしそうだ、性的な意味で
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たまには勇気見せてくださいよエイラさん。性的な意味で
唇が触れ合うかどうかギリギリのところで「やっぱりダメダヨ・・・」と踏みとどまるヘタレエイラを
ほんの少しだけ、優しくも力強く、引き寄せるサーニャ。
そんな二人が大好きです。
エイラーニャといえば今朝とてもおかしな夢を見た。
俺は舞台みたいなとこの客席に座ってんの。
で、ステージの上にはなぜか診察台みたいなのに乗せられたエイラが横たわってるの。
それだけならまだいいんだけど、なぜかエイラは服着てないの。つまり全裸なわけ。
それだけならまだいいんだけど、エイラの肌には黒のマジックでなんか線が引いてあんの。
で、文字でもないしなんなのかなーって、エイラの裸をじっと見つめて考えてたら、それがなんなのかわかったわけ。
それはなんとピアノの鍵盤が書いてあったの。
一番右(音楽の知識ないから音階はわからん)はエイラの乳房で、そっからまっすぐ直線が伸びてんの。
ところどころ黒鍵があって。で一番左は要するにあそこの部分なわけ。
なんでこんなことしてんだろうと思ったら、なんか手足が拘束されてて逃げられないみたいだったの。
で、しばらくそれを眺めてたら、なんかステージの袖からサーニャが登場してくるの。
なにか始まるのかなって見てたら、なんとエイラの肌に書かれた鍵盤を弾き始めるの。本物のピアノ弾くみたいに。
で、もちろんピアノの音は出ないんだけど、代わりにエイラが喘ぎ声を出すの。
たまに言葉とかも喋ったりとかして。ヤメロとかそこはダメダとか。
でもサーニャは気にもせず、一生懸命エイラの肌の鍵盤を引き続けるの。
たまに乳首とかあそこの部分に指が触れたりして。
で、そうして弾き終えたら会場はスタンディングオベーションの嵐になったの。
もちろん俺も立ち上がって喝采を送ったんだけど、結局そこで目が覚めた。
あ、オチはないです。夢分析的にどうなんでしょう?入院した方がいいですか?
あーもうみんなGJ
>>99 なんか良いコピペになりそうなレスだ・・・インパクトでけえw
おっきした
クソワロタw
>>99百合スレでここまで腹を抱えて笑うことになろうとはw あー笑いすぎて腹減ったw
108 :
滝川浜田:2008/10/23(木) 20:57:01 ID:x7ipL3JL
SS投下します。隊長×もっさんです。
が、キャラ崩壊がかなり激しいので、許せる方のみ読んでください…。
「次は…コレッ」
「…なあミーナ」
「なにかしら美緒」
「やはり二人でババ抜きというのは死ぬほどつまらないな」
「…ええそうね。というよりやる前から気付くべきだったわね」
「やはりトランプは大勢でやるに限るな」
「なら美緒神経衰弱をしましょう」
「断る」
「まだ何もルール説明もしてないわよ」
「だいたい分かる。というより聞きたくない。私の魂がそう叫んでいる」
「あるお題にそって私達が答えるの。その答えが一緒なら正解ね」
「勝手に話を進めるな」
「それで、答えが合ったら私が美緒を好き放題。
合わなかったら罰として美緒は私に好き放題されるの」
「ああなるほど…ってオイ!納得できるか!
どっちにしたって私が襲われる事には違わないじゃないか!
しかもトランプ関係無い事になってるし!」
「失礼ね!襲われる、じゃないわ!
貴女は私をもっと知る事になるの!
そう、美緒は私無しでは生きていけないイケナイ女になるの!」
「知るか!というかそっちの方がなんか嫌だ!表現が生々しい!」
「というワケでヤりましょう」
「“や”をカタカナにするな」
「それではお題は…」
「…お前、私が好きって言う割りには私の意見を無視するのな」
「お題は、テレビアニメ『ストライクウィッチーズ』第8話『君を忘れない』で、みんなの前で美しい歌声を披露した連合軍第501統合戦闘航空団「STRIKE WITCHES」の隊長と言えば!?」
「…お前それ答え一つ「せーの!」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ!」
「…」
「…なんで答えないの」
「いや、合っても合わなくても襲われるならいっそ答えないのも手かな、と」
「…フッ、甘いわね、美緒」
「…何がだ」
「答えなかった場合、三日三晩私に攻められるペナルティを作ったわ!今!」
「今かよ!というよりそれは無効だろ!そういう事はやる前に言え!
あっでもどっちにしろ私は襲われるのは決定してたのか?
卑怯過ぎる!お前それでもストライクウィッチーズの隊長か!」
「知らないわ!知らない!
貴女と一緒にいる時は貴女を求めるだけのただの牝よ!」
「やめろその言い方!!
本当に生々しいから!っていうかもう脱がされてるし!」
「美緒、貴女にペナルティ―――――!!!」
「や、やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
完
以上です。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!
と良いながらもこのシリーズ、まだあります。
気がむけば多分投下します。
本当にごめんなさい!
…では爺はお風呂に入ってきます…
>>110 爺よ気にスンナw俺の脳内ミーナもだいたいそんな感じだからw
だから最終回の少佐への甘えっぷりは萌え狂ったもんよ…
なので烈火の如く続きを所望する
自分の気持ちに素直になれなくて不幸な恋愛をした分少佐とは幸せになってほしいよ…
>>86 あなたのシャーゲル素晴らしすぎるよ!
このシャーリーは新しい。乙女な一面はゲルトじゃなくても興奮するw
この二人は正反対のようで、実は似たもの同士だったんだなぁ。
>私はひそかに、確かにそれを守っていた。
>私もじつのところを告白しないとフェアじゃない、そうだろう?
真面目なゲルトの性格を上手く表してるなと思った。
「最初のいっかい」がとても気になるのですがw
あとこの話の続きも…お互いの想いを知った後どうなったのか!?
エイラがサーニャに対してドMにしか見えない
>>110 じっちゃんGJ!むしろ俺はこういうネタの方が好きなくらいだ。
続きも楽しみにしてる。
それはそうと、最近はもっペリが全くないな。
仕方ないから自分で書こうかな。需要なさそうだけど。
俺はもっペリ読みたいぞ!
何かこう、胸が暖かくなるような幸せなペリーヌネタが読みたいぜ。
>>99 たまたま資料が手元にあったので調べてみたら実にいい結果だったのでマジレスさせてくれ。
『演奏会の夢は、自分の魅力を大勢の人に認められたいという強い顕示欲を表します。
演奏会を聴いている夢も、あなた自身がステージで演奏する夢も同じ意味です。
(中略)
ギターやピアノなど、楽器を演奏する夢は、快い性的な興奮を味わいたいという願望を表しています。
静かな美しいメロディーをかなでている夢は、コンスタントでゆっくりとした興奮を求め、
はげしいリズムの曲を演奏する夢は、急激な興奮を求めている証拠です。』
──光文社カッパ・ブックス「夢診断」より抜粋
さては君、エイラーニャのSSか絵を書いたが投下を躊躇っているな!?
いやそこまで行かなくても、君のエイラーニャへの愛は君の創作意欲を何かしらの形で刺激し続けているはずだ。
夢に見るほど愛せるカップリングがいるなんて、君こそまさに百合紳士の鑑と言えよう。
まあとりあえず、病院など行かなくても君はこのスレ的には極めて健康だから安心したまえ。
>>110 じっちゃんご乱心wwでもGJ!!
しかし隊長が本気になったら確かに少佐は押されまくりそうな気がする。
>>65に対してレスをくれた連中、及び
>>92以降にかんれんしたカキコ、特に
>>93を書いた奴
「何て事なさるんですかぁ!!」
折角シャッキーニに心傾けて、
●北アフリカ1944 陽炎のミーティア
熱ちぃ……。
っていうか熱すぎる。
あと砂がじゃりじゃりしてウザイ。
じりじりと照りつけるサハラの太陽。
時折吹き付ける強風と打ち付ける砂塵。
足元には動かなくなった愛機のストライカー、P−51D。
半径数10kmに渡って、知り合い所か誰一人として生きた人間が居ない世界。
水は小さな水筒にちょっとだけ。
食べ物はレーションのビスケットがポケットに少しだけ。
突然だがあたし、シャーリーことシャーロット・イエーガーは、見渡す限りの砂漠のど真ん中で途方に呉れていた。
…………。
なんて書き出しまでやったのに全部吹き飛んだ! 全部エイラーニャのせいだ! いいぞもっとやれ!
そんなわけで喫茶店です。
●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景
大きな戦いが終わって除隊したわたしは、故郷で喫茶店を持つ事にした。
カレリアにある閑静な田舎町の、木造の住居兼用店舗。
裏庭は広めで、そこにはちょっと無理して買った自家用のフィーゼラーシュトルヒ。
グランドピアノを置いたせいでちょっと手狭な、でも落ち着いた感じの店内。
ぴかぴかのコーヒーミルや食器類。
6月の麗らかな日差しに照らされて、軒先では狐と黒猫が日向ぼっこ。
そして隣には、大好きなサーニャ。
朝早くにヴィープリの駅でサーニャを迎えて、郊外からシュトルヒでひとっ飛び。
1時間とちょっとでわたしの喫茶店。
復興の進むオラーシャの実家に帰ってたサーニャと直接会うのは半年振りくらい。
色んな所が少しづつ成長したサーニャは前よりもすっと魅力的になっていた。
そして、二人でお店を始める準備を開始。
再会から一週間。開店を明日に控えたわたしたちは、未だ準備に大わらわだった。
この日の為に料理の得意な連中から色々聞いて練習したんで、私の方だって料理はバッチリ!とまではいえないけどそこそこいけてると思う。
もちろんサーニャは完璧に仕上がってて、お母様の下で学んできたオラーシャの家庭料理の仕上がりは完璧!
食文化的には比較的近いんで、サーニャの料理はスオムスでもきっと受けるはず。
で、まぁ直前に色々と確認したら発注しておいた幾つかの物が届いて無かったりとか。
何度も煎れる練習をしたせいで意外とコーヒー豆の在庫が少なかったりとか。
知り合い様のネタとして用意したシュールストレミングの缶が、倉庫の中で落として弾けて大変な事になったとか。
そんなこんなで駆け回ってるうちに開店直前の感慨も何も吹き飛んであっという間に夜。
夜と言っても白夜なんで時計と睨めっこして無いといつの間にかアレッ?って時間になってるという感じ。
サーニャから缶詰臭いって言われちゃったんで、サウナに入る前に扶桑式のお風呂でよく身体を洗う。
スンスン臭いを確認しながらよく石鹸を泡立てて身体を擦る。
と、人の入ってくる気配。
って、サーニャ!?
「ダメだってサーニャ。臭い移っちゃうよ。あいつの臭い強烈なんだから」
「うん、知ってる」
「もうちょっとしっかり臭い落としたら遠くから確認してくれればいいからサ」
「ダメ」
「ナ、ナンデダヨ〜」
「私も手伝う」
「あ、あのな〜、明日は開店なんだから、もし二人とも臭かったら客さんに迷惑になっちゃうダロ」
「そうしたら、今日の事笑い話にして、お客さんと笑いたい。私、こんな事だって二人の思い出に出来ると思うから」
ヤラレタ……毎回だけど。
その天使すらもひれ伏す笑顔を私だけに向けてくれるサーニャ。
「だ、だったら……お言葉に、甘えます」
「うん。髪の毛って匂いがつくと落ちにくいって言うから、私がするね」
「ハイ」
サーニャって普段は大して自己主張しないのに、こういうときだけは強い。
ツマリ、ソノ、ナンダ……わたしがサーニャに対して遠慮した時に限って攻勢にでるんだ。
今回の事意外にでも、わたしがサーニャの代わりに何かを負担しようとすると、押し切られて分け合ってしまう事になる。
わたしはサーニャの為に何かしたいのに。
こんなんでサーニャに苦労かけちゃいけないのに。
これから二人、ずっと一緒だから、わたしががんばらなきゃいけないのに。
目を閉じてそんな事を考えながらも、髪と頭を撫でるサーニャの優しい手の感触に心が温かくなって、動悸も早くなる。
そしたら今度は脚に触れる感触。
「!?」
「落ちた缶から噴出したのって、下半身にかかったでしょ」
すべすべの手とタオルの感触が私の脛からふくらはぎをなで上げて、感触が上に上がってくる。
あわわわわわわ……!
「ダメーっ! サーニャ!」
思わず強い口調で言ってしまい、驚くサーニャ。
でも、あれ委譲されたら理性が崩壊って言うか、もうおしりの辺りの感触が石鹸じゃないものでぬるっとしてる気もするし。
そんなの見られたらわたしがサーニャに対して『そういう事』考えてるのがバレチャウジャナイカ!
ダメっ! ダメッ! ダメダメダメダメ絶対ダメッ!
「どうして……」
あああああ、サーニャに悲しそうな表情させちゃったよ……そんなつもりは無いんだっ!
わたしはただサーニャを邪悪なわたしから守りたいだけなんだよっ!
「あ、脚はさっ! くすぐったいから自分でやるからっ……それより、ホラッ、髪っ、髪の毛」
「髪はもうしたよ」
「ホラ、鼻が慣れちゃってるかも知れないし、ここで油断せずに念入りにオネガイ」
「うん」
嬉しそうに頷いて洗髪を再開してくれるサーニャ。
その後はサウナ、水浴びの定番コースを辿ってから就寝。
その間、ずっとあの感触が頭から離れなかった。
髪の毛とか、背中を洗い会うことなんていつもの事なのに、跪いたサーニャに脚を触られる事がこんなに『くる』行為だなんて知らなかった。
これから一緒に二人で生活を続けたら、わたし、理性持たなくなっちゃうカモ。
がんばるんだわたしの理性!
結局、開店を控えてるって言うのに、同じベッドに居るサーニャが気になって気になって気になって殆ど眠れ無かったよ。
ま、何はともあれわたしとサーニャのお店、『喫茶ハカリスティ』本日開店ダ。
以上です。
見ての通り続きます。
自分の中では何年たってもエイラはヘタレなサーニャ信者って設定で行きます。
一応色んなウィッチキャラが来店する様を書いていけたらな〜とか思ったり。
本当はエイラーニャ成分は他の人のSSから補充するつもりだったのになぁ。
まぁ、勿論バトル物が好きだし、寂しがり屋のウサギさんが砂漠のど真ん中で
ルッキーニを思う様とかも書きたいんでそっちも書きます。
>>99 むしろ病院逃げて〜!!
とかおもったら
>>118のマジレスに吹いたw
あと密林から届いたDVD2巻にてシャーリーの突起は確認した!
>>124 GJGJ
>あと密林から届いたDVD2巻にてシャーリーの突起は確認した!
詳しく話してもらおうか
>>124 よくやった!GJ!
2年経ってるのに身体接触全然無しとかお父様もびっくりだよ。両親とエイラは会ったのかな?
>フィーゼラーシュトルヒ
ユーティライネンさんが戦後乗ってた自家用機ですな。航空ショーとか出てたらしいねw
こういう小ネタ探すのはスト魔女本編の小ねた探しに似てて楽しいな
>>126 ネタバレスレに画像あがってたーよ
他の細かい修正も結構入ってるみたいね
さっきのカキコは3話見終わった時点だったんだが、
今4話見終わって、股監督の仕事振りにスタンディングオベーション!
詳細は紳士として自分で確認してくれ。
俺のIDなんか変・・・
誤殺
ネタバレスレは我慢して到着を待とう
2巻はリーネ・トゥルーデか早く聞きたい
>>116 もっぺリ希望!!ペリ根は良い子なんだ、幸せになって欲しい。
t26gFAxTです。
DVD2巻は相変わらず良いできのようでただひたすら到着を待つのみ。。
それでは夜も深くなってきたのでいつもどおりさくっと10話投下します。
生徒会室へやってきたルーデルと副官を見、ゲルトルートとエーリカは、軍に在籍していた頃の敬礼で二人を迎えた。
ゲルトルートは敬礼を解くと、姿勢よく立った。
「お久しぶりです。ルーデル中佐」
「今は大佐だ」と副官が付け加える。
「失礼しました、大佐」
「何の用ですか?」
エーリカがどことなくぶしつけにつぶやいた。
ゲルトルートと副官は唖然とするが、ルーデルは大きく笑う。
「相変わらずだな、ハルトマン。妹は元気か」
「大佐、さきほど格納庫にいたのが…」とまた付け加える副官。エーリカは"格納庫"という言葉にわずかに反応を示す。
「ああ。そういえば、そうだったな。彼女の研究の一部はさきの戦争で食い荒された大地の復興にも非常に役に立っているよ」
「ありがとうございます」
妹への賛辞については素直に御礼をしつつも、エーリカの態度はさきほどの、どこか憮然さをにおわすものと変わらなかった。
ルーデルはエーリカの心中を知ってか知らずか、余裕を込めた笑みを保ったまま、ゲルトルートに向き直る。
「さて、本題に入ろうか。中将から伝言を預かってきててね…」
言いかけて、ルーデルは何かを察知したように、ドアを指差し、副官に向け、軽くあごを突き上げる。
「アーデルハイド、開けてくれ」
アーデルハイドは、生徒会室のドアを開けると、廊下の向こうで誰かが走る音に気づく。
しばらく待っていると、ミーナが現れ、アーデルハイドの姿を確認し、一瞬驚きながらも、速度を緩め、歩きながら、生徒会室にやって来て、ルーデルの姿を確認すると、表情が険しくなる。
ルーデルは机に腰をかけ、腕を組んだ。
「こうして揃うと、昔を思い出すな」
いらつきを表情に浮かばせたゲルトルートが、ルーデルの前に立った。
「大佐、話の続きを」
「こいつらを外させなくていいのかな?」
ゲルトルートは、エーリカを見やり、ミーナを見つめ、しばらく考え込んだ後、もう一度ルーデルへ視線を移す。
「かまいません。もう秘密を作る必要はないですから」
「ほぅ。だがな、バルクホルン。中将はお前の要望は受け入れることはできない、とおっしゃっていたよ」
ゲルトルートの眉間にしわが寄り、ルーデルに詰め寄った。
ルーデルは机から降り、部屋を歩き回り、ゲルトルートから数メートル離れると、黒板の前に立ち、チョークを弄る。
「中将は、見越しておられた上で今回の返事を寄越したのかは定かではないが、さきほど格納庫に寄らせてもらって、私の中では納得したよ」
ルーデルの体が青白く光り、持ち上げられたチョークに魔力が込められ、ゲルトルートに向かって投げつけられる。
魔力を込められたチョークは、ゲルトルートが無意識に張ったシールドをいともたやすく突き破ると、彼女の顔の数センチ横をかすめ、壁にぶつかり、壁に小さな穴だけ残して、粉もろくに残さずに消滅する。
「バルクホルン、今のお前が要人警護など到底無理だ。シールドの展開もままならない魔女などを投入したらカールスラントの名誉に関わる。死に急ぐようなやつはなおさらだ」
「そんな気は!」
「話は終わりだ。帰るぞ、アーデルハイド」
ルーデルは払いのけるように言い放つと、茫然自失状態のゲルトルートの横を通り過ぎ、ミーナの前で立ち止まる。
ミーナは、ゲルトルートに向けていた視線をルーデルに戻す。
ルーデルは、厳しい表情から一転、また余裕のこもった笑みに戻り、アーデルハイドとともに生徒会室を後にした。
廊下にて、アーデルハイドは珍しく自分から口を開いた。
「バルクホルンの魔力は戻るでしょうか?」
「ああいうやつこそ、誰かが背を押せばあっさり打開できるんだよ。抜け出せなければそれまでの奴だということだけさ。それより腹が空いたな。食事に行くぞ、アーデルハイド」
「承知しました」
二人の規則正しい足音が、廊下の向こうに消えていく。
「あーあ、これどうすんだろ」
と、エーリカはルーデルがあけた壁の穴を見つめながら、両手を頭の後ろで組み、振り向く。
手前にいるミーナとその奥にいるゲルトルートは、エーリカに付き合う余裕もうせてしまっているのか、お互いにぴくりともせず、佇んだままだ。
エーリカは二人の背に、呆れたような、そんな笑顔を向け、「お腹空いちゃったなあ〜」とわざとらしい口調で言うと、部屋を出て行った。
エーリカが出て行って、足音が遠くなるのを確認してから、ミーナは、顔を上げ、ゲルトルートの背中に、咎めのない、どこか気をつけたような口調で話しかける。
「要人警護なんて、いつから考えてたの?」
「……覚えていないが、ただ漠然と。だが、断られてしまったな」と、ゲルトルートは自嘲する。
「中将も大佐も賢明な判断だったわ。私にも、あなたが死に急いでいるようにしか見えない」
ゲルトルートは、きっとした視線をミーナに向けた。
「私はウィッチだ! 誰かを守ることに、命を懸けて当然だろう? 仮に死んだとしても、悲しむ奴なんていない」
ミーナの赤い瞳がかっと見開かれ、一歩ゲルトルートに歩み寄ったかと思うと、彼女の頬にを手のひらで打つ。
ゲルトルートはよろけるが、持ちこたえ、怒りよりも、驚きをいっぱいにした表情でミーナを見た。
「クリスはまだ生きているのよ! 明日にでも目を覚ます可能性だってある。それなのに、あなたがいなかったら……。そう考えたことは無いの?」
ゲルトルートは痛む頬を押さえ、冷静さを取り戻したかのように、椅子にかける。
ミーナは、いったん部屋を出て、すぐ目の前に据えつけられている蛇口でハンカチを冷水に浸し、絞ると、また生徒会室に入る。
ゲルトルートは、落ち着きを取り戻したのか、ミーナを目で追いながら、わずかに穏やかさを込めて、口を開いた。
「ミーナ……、なぜ、音楽を捨てた」
「捨てたつもりはないわ」と言いながら、ミーナはゲルトルートの前に立ち、頬に置かれた彼女の手を取って、じっと見つめ返すと、頬に濡らしたハンカチを当てた。
「けど、今はあなたといることを選んだの」
ゲルトルートの瞳が動揺で震えた。
「……馬鹿だ、お前は」
「後悔はしていないわ」
ミーナの眼差しに、射抜かれ、思考を停止させられるかのような錯覚を覚えながらも、ゲルトルートはなんとか言葉を搾り出す。
「すまない。一人に、してくれないか…」
ゲルトルートの言葉が震えているのに気づいたミーナは、彼女の懇願に素直に従い、部屋を後にした。
ミーナが出て行った事を確認したゲルトルートは、やり場の無い感情を持て余したかのように、前髪をかきむしり、歯を食いしばると床を強く踏んだ。
生徒会室から出たミーナは階段を下りようとして、踊り場のエーリカに気づく。
エーリカは、屈託ない笑顔でミーナに駆け寄った。
ミーナは、ほっとしたのか、ようやく、強張らせていた表情を緩め、エーリカの前に立ち、姉が妹にするように、自然に手を握る。
「トゥルーデに、がつーんと言ってやったの?」
「こっちの気持ちが十分に届いたかは分からないけど」
「鈍感だからね〜」
「そうね」
二人は、気難しい同郷の友人をそれぞれに想いながら、寮へと戻っていった。
その日の夜、ゲルトルートのいない食堂はやはりどこかぎこちなく、各々が居づらさのようなものを感じながら、夕食で空腹を満たしていた。一人、また一人と、自室や入浴に向かい、ミーナは、紅茶を片手に、空っぽになっていく食堂を眺める。
芳佳は余ったご飯を握り始めたので、ミーナはカップから口を離す。
「宮藤さん、それトゥルーデの?」
「はい。バルクホルンさん、今日なにも食べてない気がするんで」
「……そうね」
遠くを見据えるような面持ちのミーナに、芳佳はあっけらかんと提案した。
「握ってみますか?」
ミーナは、突然の事に驚きながらも、芳佳の無邪気な笑顔に吸い寄せられるように、カップを置いて、静かに立ち上がると、上着の袖をまくり、彼女の隣に立った。
ゲルトルートは、夜風に吹かれ、寮にたどり着く。すぐでも自室にこもりたいという気持ちはあったが、精神的にも身体的にもすっかりくたくたで、今にも倒れそうな自分に気づき、重い足取りで、食堂に向かう。
食堂から漏れるうっすらとした明かりに躊躇しながらも、ゲルトルートは前進し、芳佳の声を聞く。
「もうちょっと軽く、ふんわりとさせる感じで……そうそう」
聞こえてくる芳佳の言葉の状況が量りかね、訝りながらも、食堂に入り、芳佳と、その隣のミーナを見、わずかに体を緊張させるが、後にも引けず、彼女たちに近づいた。
「バルクホルンさん、おかえりなさい」
「おかえりなさい、トゥルーデ」
「ああ」
ゲルトルートは、細くなった自分の声に唖然としながらも、ようやく岸にたどり着いた泳者のように椅子にへたり込む。
芳佳が、ミーナと握ったおにぎりを彼女の前に差し出す。
料理上手の芳佳、なんでもそつなくこなすミーナが作ったというだけあって、どのおにぎりも綺麗な形で握られている。
「たくさん食べてください。ミーナさんと二人で握ったんです」
ゲルトルートは、芳佳に、ほんの少しだけ自分の妹を重ねている自分に気づいて、目をそむけそうになるが、なんとか踏みとどまり、皿を受け取り、おにぎりのひとつを鷲づかむと、小さく口を動かして、飲み込む。
「どうですか?」
「悪くないな。ただ、少し、しょっぱい…」
芳佳は、ミーナに顔を向け、ミーナは肩をすくめる。芳佳は、ミーナとゲルトルートを交互に見つめ、少し考え込んだ後、割烹着を脱ぎ始めた。
「じゃあ、私、リーネちゃんと約束してるんで、お部屋に戻りますね」
ゲルトルートは、思わず動きを止めてしまうが、芳佳をとどめる理由があるはずもないため、食堂を後にする彼女の背中を目で追いかけた。そして、またおにぎりを食べ始める。
ミーナは、空いたカップに水を注ぎ、ゲルトルートの正面の席について、水を差し出すと、肩肘をついて、彼女を見つめた。
ゲルトルートはおにぎりを食べつくし、グラスの水で唇を湿し、ミーナを見つめ返す。
かけるべき言葉はたくさん浮かぶが、どれもこれも己の鈍感さゆえに傷ついたであろうミーナを癒すには足りない気がして、ゲルトルートの喉は行き場をなくしたように、小さく上下する。
ミーナは、立ち上がり、ゲルトルートの肩に手を置いた。
「もう、焦らなくてもいいわ。私は、いつまでも待ってるから」
ゲルトルートの肩からするりとミーナの手が降りて、彼女は食堂を出て行った。
誰に届くでもなく、ゲルトルートの痩せた声が響く。
「……すまない」
エイラは自室のベッドで落ち着きなく、右へ左へと、寝返りを打つ。
昼間、連弾したときに時折触れたサーニャの手の感触が、エイラの後頭部をじんわりと熱くする。
サーニャが少し眠そうに見えたので、つい、押し込むようにして部屋に返してしまったことを今更になって、エイラは後悔する。
一分でも一秒でも、同じ時間を共有したい。
そんな考えにたどり着いた途端、エイラは跳ね起きる。
「ダメだ、なんかそれじゃ、お互い息苦しくなる…」
一人言に返すものはもちろん誰もおらず、すっかり目のさえてしまったエイラは、水色のパーカーを引っかぶると夜の散策に繰り出す。
真っ暗な廊下を抜け、エイラはテラスに向かう。
テラスに据えられたベンチには先客がいたため、エイラは立ち止まったが、目を凝らし、相手を認識したのか、静かにベンチに近づいていった。
気配に気づき、先客――ゲルトルートがエイラを見上げた。
「どうした、こんな時間に」
「いや、眠れなくて……」
真ん中に座っていたゲルトルートは、そのまま横にスライドして、スペースを空ける。エイラは、軽く頭を下げ、隣に座り、夜空を見上げた。
ゲルトルートは、比較的新しい寮生にあたるエイラに、頭からつま先まで、視線を投げた。
「そういえば、きちんと話したことは無かったな、ユーティライネン」
「エイラでいいよ」
「わかった。そう呼ばせてもらう」
沈黙。
エイラは、少しばかり迷った後、頭に浮かんだ疑問をそのままぶつけた。
「あの……、なんか、最近元気なさそうな感じだけど……」
ゲルトルートは、つい、強張った表情をエイラに向けてしまう。
エイラは「まずったか?」と思いながらも、不思議と恐怖は感じず、ゲルトルートの琥珀色の瞳を見つめ返した。
「わ、私なんかじゃ、役に立てるかわからないかもしんないけど、せっかく……、せっかくこうして一緒に暮らすことなったんだから、力になれることがあれば、言ってくれよな……」
生来の不器用さなのか、緊張ゆえなのか、たどたどしい言葉遣いに、まだエイラをよく知らないゲルトルートには、彼女の気持ちを完全に汲み取ることはできなかった。
しかしながら、少なくとも、彼女が自分を心配してくれてはいるということはなんとなく読み取れ、胸の奥が熱くなる。
「……仲間とは良いものだよな。エイラ」
「え? あ、うん。そうだな」
思わぬ反応にどぎまぎするエイラに、次第に、ゲルトルートは、身も心もほぐれ始め、さきほどミーナが手を置いた辺りに自分の手を重ねる。
ふと、気配に気づいたゲルトルートは親指で背後を指す。
「お迎えだぞ」
エイラが、指さされたほうを見て、勢いよく立ち上がった。
「サーニャ! そんな格好で外でたら風邪引くって…」
「だって、眠れなかったから、エイラの部屋にいなかったんだもん」
「わかったよ。悪かったよ…」
エイラは頬を膨らませたサーニャをなだめつつ、ゲルトルートに振り返るが、ゲルトルートは早く戻れと手で合図する。
テラスに静けさが戻る。
ふっと強い風が吹き、ゲルトルートは反射的に閉じた目を静かに開けた。
ベンチの前に、彼女の使い魔であるジャーマンポインターが現れる。
ゲルトルートはベンチから立ち上がり、膝を折り、使い魔と目線を合わせた。
「私にまだ資格があるのであれば、力を貸してくれ」
ゲルトルートは、使い魔の背中を撫でる。
使い魔は何も言わず、そっとゲルトルートに近づき、彼女の体に溶け込むかのようにして、また闇に消える。
ゲルトルートは感じるままに、湧き上がる魔力を開放して、胸に手を置いた。
「ありがとう…」
第10話 終わり
>>109 恐ろしく吹いたwもっさんにわがままいうミーナは可愛くていいなあ
>>124 恐ろしく萌えた。エイラのへたれっぷりが可愛すぎる…!続きwktkしてまってる!
>>137 学園ウィッチーズキター t26gFAxTさんとは生活リズムが似てるような気がしてならない
最後拗ねてるサーニャとなだめるエイラが可愛すぐる
ところでこれからうっかり書いてしまったので美緒+エイラを投下します
恐ろしくもっさんがどんよりしているというか、ぐだぐだ悩んでいるのでお気をつけください。
あと
>>83を投下するとき自分の名前を思い出せなくて打つの忘れちゃいました、ごめんなさい
夢を見た。空の夢だ。目一杯に広がる青く果てしない空を、私はどこまでもどこまでも飛んでいく。私は
そこに、初めてストライカーで空を飛んだ日の記憶を見る。他の余計な機械など何も要らない。ただ足に
取り付けたストライカーユニットのみで、私はどこまでも飛び上がった。どこまでも、どこまでも。大空は
圧倒的な存在感を持って私を温かく包み込み、吹きすさぶ風の叫びを以って私を盛大に出迎えた。
まさにそれは夢心地だった、文字通り。
自由だ、と思った。
喜びで体中が震えて、一緒に声がかれるまで叫びたいと思った。
いま、この瞬間なら死んでも構わない。だってそうすれば私はきっと空そのものになれる。
私はこの世の誰よりも、何よりも、幸福だった。
けれどその幸せはいつもあっけなく壊されることとなる。至上の幸福の中で空を飛びまわっている私の前に、
突如黒い影が現れるからだ。──ネウロイ。敵襲かと応戦しようとするも、手元に武器はない。ならばせめて
生還せねばとシールドを張ろうとするも、私のシールドはもはや盾としての意味を全くなさないのだった。
ネウロイの攻撃に傷つき、逃げ惑い、ああこれで終わりか、けれどこの空で散ることが出来るのならば
本望だ──そう思った瞬間、突然ストライカーの動きが止まるのだった。そして私は奈落へと落ちていく。
どこまでもどこまでも落ちていき、地面すれすれで、ああ、死ぬ──
そこでいつも、夢から覚める。
目を覚ましたらまだ恐らく夜半過ぎで、空は少しばかり欠けた月がぽっかりと浮かんでいる他はすっかり
暗闇に包まれていた。静かで、穏やかな夜だ。それだのに体は汗がびっしょりで、両手は情けないくらいに
震えていて。握り締めても上手く力が入らずに掴み取ろうとした何かはぽろぽろとこぼれているばかり。
ははは、と乾いた小さな笑いが漏れた。けれどそれもすぐに小さくかすれ、私は震えるその手で片目を覆う。
普段眼帯をつけている方の目だ。今はつけていない。魔力も放出していないから、きっと左の目と同じ色している。
(こわい)
タイムリミットが迫っている。そんなこと私にだって分かっているのだ。魔力のピークはとうに過ぎた。後は
衰退していくだけで、きっと来年の今頃にはもう、ウィッチとして戦場に赴くことも出来なくなっているのだろう。
成年しても魔法を使える魔女はいる。けれどもネウロイと対峙するには不可欠のシールドを展開するほどの
魔力は残らない。ストライカーを駆って空を飛びまわることはできても…自分ひとりを守る力もない人間が
戦場に出るなど愚かしいにもほどがある。それは長らく空に身を置いていた私だからこそ痛感できることで、
でも、だからこそ何よりも、つらい現実だった。だって私は空がとてもとても好きだから。
窓の外に広がる景色はひたすら海と、空。
それしかないのだというのに、どうして海と空とはあんなにも遠いのだろう。融けあえないのだろう。
(いやだな)
怖いのは、ネウロイにやられて死ぬかもしれないことじゃない。空を失うことだった。幼い頃からずっとずっと
空を飛びまわってきた。空がひたすらに好きだったからだ。自分の前世はきっと鳥であったのだろう。そして
来世もきっと鳥になろう。空を自由に飛びまわりながら、そんなことをいつも考えていた。
情けないことに、涙が溢れてくる。悔しいのか悲しいのか恐ろしいのか、よくわからない気持ちが胸を支配して
言ってとどまることを知らない。ウィッチーズは私がいなくなってもきっと、上手くやっていけるだろう。ミーナが
いるし、部下たちはみな優秀だ。それに、宮藤の伸びしろはこれから計り知れない。ガリア開放の悲願が達成
されるのも時間の問題だと思う。
…けれど、私はどうなるのだろう。飛ぶことを奪われた私はそれから一体どうやって生きていけばいい?
翼を失った私に一体何が出来るという?この地べたで這いつくばりながら、息苦しく生きながらえること
なんて拷問と変わらない。
「…いかんなあ」
声にしたのは、そうすることで冷静になりたかったからだ。こんな夢を見たあとはいつも気持ちが後ろ向きに
なってしまって困る。私はまだ立ち止まってはいけないのに。宮藤やリーネのように続く若者を育てなければ
いけないし、シールドの強度に不安があるとはいえネウロイの脅威は日々迫っているのだから休んでいる
暇もない。
(…訓練でもして、夜を明かすか)
そんなことをしていたと知れたらミーナ辺りから壮絶な説教を頂戴しそうだけれど、今の私に気を紛らわす
方法はこれくらいしか思いつかなかった。鍛錬に、鍛錬を積む。そうしたらもしかしたら、ウィッチとしての
寿命も延びるかもしれない。もう少し、空を飛んでいられるかもしれない。
…実際のところ、私はそんな一縷の望みにすがっていなければ立てないほど打ちのめされていたのだ。
いつもの服に着替えて、そろりそろりと部屋を出る。ミーナの部屋の前を通るときは特に慎重に。いや別に
怖いとかそんなわけではないのだがあんなにも理路整然とした説教を聞いていると頭がおかしくなってしまい
そうな気がしてならない。心配してくれているのは分かるけれども私だって別に小さな子供ではないのだ。
リスクぐらいしっかりと理解して、その上で行動している。「だからこそ余計性質が悪いんじゃない」とミーナは
いつもため息をついて言うけれども。
その部屋をようやく通過して、エイラの部屋に差し掛かったところで、突然その扉が開いた。驚きに思わず
身構えると、相手はもっと驚いたようで体を硬直させて「わあああ」と叫…びそうになったので、慌てて
その口をふさぐ。何度も言うがミーナに起きられたらたまったものじゃない。
「…静かにせんか。みんな、起きるだろう」
鋭く囁くと、抑えられた口でふがふがと返事をしながら何度も何度も頷いた。手を指差して『早く放せ』と
主張してくるものだから仕方なしに口をはずしてやる。
「なナンデ少佐がココニ!」
「しっ…だからしゃべるなと……場所を変えるか」
「…ウン」
頷きあってそのまま、なぜか私たちは無言でとりあえず食堂に向かうことにした。理由などはないが、
とりあえずお互いその方が都合が良い気がしたのだろう。食堂まで行けば多少声を高くしても少なくとも
部隊の者たちが起きてくることはない。
「…で。なんで起きているんだ、エイラ」
咎めるような私の問いに、エイラはばつの悪そうな視線を返す。いや、そのお…、ともじもじとしながら、
どうやら懸命に言い訳を考えているらしい。
「さ、坂本少佐こソ、なんで起きてるんだヨ。こ、こんな夜中じゃないカ」
「私は…いや、その、な、」
痛いところを突かれて、しどろもどろになったのは私のほうだった。咎める立場の人間が同じことをしていては
確かに面目も立たない。かといって夜中に訓練に出掛けようとしたことを言ってそれが広まったらこれまた
面倒だ。
「…どうしても寝付けなくてな。水でも飲もうかと思ったんだ」
適当にごまかすが、部屋に洗面台が付いているのは周知の事実で、言ったあとに後悔した。だが幸いに
してエイラはそのことに気がつかなかったらしい。彼女の興味を引いたのはもっと別のことだったからだ。
「へぇ、坂本少佐でも寝付けないとかあるのカ?」
「…私を一体なんだと思ってるんだ」
「だ、だってホラ、少佐は私よりもずっと大人ダロ?」
『オトナ』。エイラの口を付いて出たその一言に、多少ショックを受けている自分がいた。けれども、そうだ、
エイラはまだ15歳なのだ。その年齢にしてみたら、4歳の差なんてひどく大きいものなのだろう。そう納得
して気を落ち着かせる。
「…私にだってあるさ、もちろん。寝付けない夜が、な」
そうだ。悪夢にうなされる夜だってあるんだ、私にだって。そう心の中で付け足したことに、エイラが気付く
はずもない。気付かれていいはずがない、こんな不安など。この部隊内で私はきっとそうであるべきなの
だろうから。…けれどもどこかで誰かに知って欲しかった。この不安を、悲しみを。扶桑に戻れば引退した
先達たちがいる。彼女らならばこの気持ちを理解してくれるのかもしれない。──けれどもここはブリタニアで、
ガリア地域のネウロイとの最前線だ。そんな人たちがここにいるわけもない。
「ア!それなら!」
しばらく、考え込んでいたエイラが不意に無邪気な声を上げた。そして「ちょっと待ってテ」と言い残して厨房の
奥へ去っていく。何も言えないままそれを見送りながら、薄暗い部屋に差し込む月の光が、エイラの髪を
キラキラと照らしているのを見た。
いま、こうして、まっすぐで無邪気でいる彼女もまた、いつか私と同じように思い悩む日が来るのだろうか。
エイラの後姿の残像を見ながらぼんやりと思う。エイラはまだ、15歳だったか。その日はきっと、エイラにとって
したら気の遠くなるくらい先の未来の話だ。…それでも、恐らく多少の期間は軍に身を置いているのであろう
彼女は自分の先輩たちの姿を見て、それをいつかの自分に重ねたりしてきたのだろうか。…それを思うには、
やはりまだエイラは幼すぎるのかもしれない。
自分が15歳の頃だって、何も考えてやしなかった。ただ目の前にするべき事だけがあってそれを遂行
していればよかった。限りなんてどこにもなかったから、不安に思うこともなかった。空はどこまでもどこまでも
果てしなく続いているような気がしたから、何も恐れずに飛んでいけた。…でも違うんだ。私たちの飛ぶ空には
見えない天井があって、いつしかそこにぶつかって私たちは地上に突き落とされてしまう。そしてその天井が、
私にはもう見えている。
その思案は少佐、ホラ!帰ってきたエイラが食堂のいすに座っている私の前に何かをコトリ、と置いたことで
中断されることとなった。
「え、ああ…どうしたんだ?」
「コレ!飲んで!」
それはマグカップで、すぐ隣に座ったエイラが自分のものらしいマグカップを手に持っている。
ほわん、と立ち上る湯気が月の微かな光に溶けてゆく。甘くて温かい香りが微かに漂ってきて、先ほど散々
汗をかいて水分を欲していた体が自然とそれを手に取った。無邪気に笑うエイラに勧められるままに一口
すすると、熱さ。そのあとに口いっぱい広がる柔らかな甘みに、思わずほう、と息をつく。
美味いな。初めて飲むその飲み物に正直な感想を述べると、エイラが肩を揺らしてクックと笑った。
「眠れないときはホットミルクが一番だって昔言われたんだヨ。すごく気持ちが落ち着くんダ」
そう言われてもう一度口にすると、なるほど。ほのかな甘さが、喉に、胃に、流れていく温かさがなんとも
言えない心地よさを運んでくる。緑茶とはまた違った落ち着きだ。とにかく心がとても安らぐのだ。…もしか
したらそれは、私のためにわざわざエイラが淹れてくれたから、と言うこともあるのかもしれないが。
心が穏やかになってくる。目の前を目障りに飛び回っていた悩みの種まで、それと一緒に飲み下してしまった
ようだった。
「……そうだな。本当に、落ち着く。よく眠れそうだ。」
「良かっタ。少佐が落ち込んでると、私だって、みんなだって、悲しいカラ」
「…ああ。ありがとう、エイラ」
その穏やかな気持ちのまま、柔らかく微笑んで。ふと思い立って、手を伸ばして頭を撫でてやると『子ども扱い
するな』と口を尖らせながらもヘヘヘ、と肩をすくめて笑った。
無邪気な心だ。天井の存在も、翼をもがれる恐れも知らない、純真な子供だ。かつては自分も持っていた
その愚かさを羨みながらも同時に、愛しいものだとも思う。…だって私は一言も『落ち込んでいる』だなんて言って
ないのにこの子は私の気が落ちていることを敏感に感じ取って無意識の心遣いで励ましたのだ。
子供というのは、つくづく恐ろしい。自分のかつてそうであったことなど信じられないくらいに。
「これで、明日もお前たちをビシバシしごけるな!わっはっは!」
「えええええ!それは宮藤たちだけで十分ダロ〜!?」
「いいや、エイラのおかげで元気になったんだ、よく眠ったら、礼にエイラも鍛えてやらねばな!!」
「……さ、さぁわたし、もう行かなくっチャ!」
弱いところを見られてしまった気がして気恥ずかしくて、いつものように笑いながら冗談めかしてそう言うと、
瞬時にエイラの血の気が引いた。そして逃げるように飲み終わった二つのカップを手に持って、エイラは
もう一度厨房へ走り去ろうとする。
と、一度立ち止まって、振り向きざまに。
「少佐はもう、寝ればイイヨ。私は格納庫に、ちょっとダケ用事があるんダ」
ああ、そうだな。私は答える。エイラがこんな時間に起きている理由なんてもとからなんとなくわかっていた。
…今も夜間哨戒に出掛けている彼女の小さな同僚を気遣っているのだろう。
優しい子だ。温かい心で、そう思う。もう一度頭を撫でてやりたいような気持ちになったが、今度こそ拗ねられそう
なので止めておくことにした。
「エイラも、あんまり夜更かしするんじゃないぞ。…サーニャを心配するのは分かるがな」
「そ、ソンナンじゃないって!……タダ、昨日ちょっとストライカーの調子が悪かったから、ソノ…」
「…ふむ。まあ、そう言うことにしておくか。ならば仕方がないな」
「だ、ダロ?ダロ?」
ぱあっ、と明るくなる口調ですぐに分かる。つくづく嘘のつけないヤツだ、と思う。
恐らく今晩、エイラはサーニャの帰りを待つつもりなのだろう。誰もいない格納庫で、一番に彼女を出迎える
ために。何か悪い予感でもするのかも知れない。ただの気まぐれかもしれない。けれどもサーニャはきっと喜ぶ
だろう。…自分のためにそこまでしてくれるエイラの存在がどれほどサーニャを支えているか、きっと本人は
知らない。知らないからこそ出来る行動なのかもしれないが。
「おやすみ、エイラ」
「ウン、お休みナサイ、少佐」
来るときは二人でそろりそろりと来た道を、今は一人で悠々と歩く。恐ろしくもなんともないのはたぶん、
先ほどのホットミルクがまだ心を温めてくれているからだ。
不安は消えてなくならないだろう。タイムリミットは確実にやってくる。そしてそれは間近に迫っている。
…でも、それでも。
私はふと、気付かされたのだった。もしも空が飛べなくなったとしても、私が今宮藤やリーネにしているそれの
ように、あとに続く者たちを育てていく。そして自分の思いを託す──そんな未来が、あってもいいのではないかと。
空に恋焦がれていた。美しさも、恐ろしさも、雄大さも、寛大さも…空のことなら、きっと何でも知っている。
その素晴らしさを伝えていきたい。そしてこの世界を守りたい。仲間を失って、悲しむ事のないように導いてやりたい。
そのためには、生き残らなければ。それも私一人じゃない。ウィッチーズみんなで。
空が好きだ。けれども私は、この部隊の、扶桑での、仲間たちだって大好きなのだ。とても、とても。
あのホットミルクを、いつかすぐ無理をするあの年下の上官や、頑張り者のガリアの少女だとかに飲ませてやろう。
……そのためには、自分が元気でなければ。だっていつもどおり「わっはっは」と笑って、差し出してやりたいから。
大きくひとつあくびをして、私は眠りながら今日エイラたちに課す訓練のメニューを考えることにした。
―――
…書くのを忘れていました。すごく長いです。以上です。もっさんはもっとさばさばした人なんでしょうが、
自分が書くともれなく後ろ向きなネガティブ人間になります。
本編では何かと絡みの少なかったエイラ(エイラーニャ)をみんなと絡ませたい衝動が抑えきれない。
>>143 なんか切ないけど心あったまるもっさん×エイラGJ!!最高だ!!!
もっさんは人前では決して泣かないって書いてたし、飛べなくなる恐怖とか密かに抱えてたんだろうな。
エイラなんて優しい子!!まじでGJ!!
確かにエイラーニャともっさんの絡み本編でも見たかったな。もっさんは父親的ポジションだし
ペリーヌみたいに宮藤やサーニャもお父さんの面影を重ねてしまって...みたいなのがあったら最高だな〜。
そして何故か割烹着を着てお母さんやろうとするミーナとお姉ちゃん役をやりたがるゲルト、
でpixivにあった皆がこたつ囲んでるほのぼの家族が出来上がる、と。
>>143 ∩
( ⌒) ∩_ _
/,. ノ i .,,E)
./ /" / /"
./ / _、_ / ノ'
/ / ,_ノ` )/ /
( / good job!
ヽ |
\ \
146 :
滝川浜田:2008/10/24(金) 04:49:50 ID:OWGyiTp9
>>109-110にレスくれた人ありがとうございます!
まさかこんな作品にレスをくれるとはw
で、こんな時間ではありますが、シリーズ第2弾投下します(別に続きものではないですが)。
「……………………………………………」
「どうしたんだ、ミーナ」
「これを見て」
「ああ、これは大人気アニメ『ストライクウィッチーズ』のDVDのジャケットだな。これがどうかしたのか?」
「第1巻限定版のジャケットが美緒と宮藤さん」
「ああ」
「第2巻限定版のジャケットがリーネさんとペリーヌさん」
「そうだな」
「第3巻限定版のジャケットがシャーリーさんとルッキーニさん」
「ふむ」
「第4巻限定版のジャケットがエイラさんとサーニャさん」
「うむ」
「 あ れ お か し い わ ね 私 と 美 緒 の ラ ブ ラ ブ ジ ャ ケ ッ ト は ど こ か し ら ? 」
「まあ普通に考えれば、第6巻限定版のジャケットはウィッチーズ全員だろうしな。
となると第5巻限定版のジャケットは自動的にミーナとバルクホルン、エーリカになるな」
「goddam! 第3巻通常版のジャケットもカールスラント三人組みたいだし…。
いや、トゥルーデもエーリカも大事よ?
大事だけど、私は美緒と一緒がいいのー!」
「いや、私に駄々こねられても…」
「というワケで今から新・ジャケット案をG○H並びに角○書店に提出しようと思うんだけど、どうかしら」
「構わんが、その時はお前をストライクウィッチーズの隊長から外すぞ」
「それは私へのプレイかしら?ハァハァ…」
「お前がネウロイなら私は迷わずお前をブった斬ってただろうな。
良かったよお前が人間で」
「それでは一枚目はこちら」
「本当に人の話を聞かないなお前は」
「私達が手を繋いで空を飛んでいるの」
「まあそれなら有りだな。見た目も良いしな」
「続いてこちら。そして熱いキスを交わす二人…」
「ミーナ」
「そして、美緒はミーナを自らのベッドに誘う」
「おい、ミーナ」
「そして、二人は遂に…!!!!」
「ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ!
お前本当にいい加減に人の話を聞け!!」
「もう何、これからが良い所なのに」
「こんなのジャケットに出来るか!
そんなのジャケットにしようもんなら全国のショップでは18禁コーナーでストライクウィッチーズを見る事になるぞ!」
「だって私と美緒のジャケットが無いってやっぱりおかしいわ」
「…いろいろあるんだよ。大人の事情ってヤツを汲んでやれ」
「知らないわ!私じゅうはっさいだから大人の事情なんか知らないもん!」
「…………」
「というワケで美緒。
このジャケット案をGD○並びに○川書店に提出してくるわ」
「お前人の話本当に聞いてなかったのか!?…そんな事したら…!」
(ミーナ、ストライカーユニットを履いて出撃)
「……胃薬、どこにしまったかな…」
以上です。
隊長の変態化が加速してますwww
このシリーズは基本的にこんなテンションなので、ご容赦くださいw
…では爺はここらで…
>>148 じっちゃんGJだけど今平日の朝5時だから!ホントどんな生活送ってんだよ!
レスする自分もアレだけど!
つか職人さんは夜型多いんダナ。朝起きたらSSラッシュだもんナ
>>148 朝からGJ!
体調管理に気をつけてナー
学園で知らないキャラが増えてきた
しかたない漫画にも手を出すか・・・・
ブリタニアをぶっ潰せ!
ごめん
>>143 うおおおおお!もっさん!もっさん!もっさーーーーん!
もっさんは元祖宮藤式ストライカーのウィッチだし引退には人一倍色々抱えそうだよなあ
しかもそれを人に見せる事は絶対しなさそうだ…
はあ、いいもっさんをありがとう
>>151 アウト!セーフ!よよいのよい!
ハッ…俺は何を
ギアスか
そういえばブリタニアは悪役?だったなぁ
>>148 なんかじっちゃんの書く隊長もっさんは良いなw
この二人わりとシリアス多いし。ものすごくGJ!!そしてシリーズ化是非希望!!!!
すっかり百合に目覚めてしまった俺はこれから何処にいくのだろうか
DVD買ってきた。
秘め声に百合は期待するだけ無駄と思っていたが、
今回のは実に興味深い話が聞けて良かったよ。特にお姉ちゃん。
・今のところクリス>>>(超えられない壁)>>>ミーナ≧エーリカ
・リーネとミーナは似ているらしい。
・宮藤∽クリス。妹が2人いるみたいに思っている。「悪くはないな」とか。
・リーネは「リネット軍曹」なのに宮藤は「宮藤」。
・ペリーヌへの印象は意外と良い。4話での出来事を未だに気にしている。
・シャーリーとは大尉同士としていずれ一緒に隊を支えていく覚悟を決めている。
・原隊にロスマンという同僚がいたらしい。エーリカと同じくらいは親しかった様子。
・エーリカの部屋を片付けてやるのは"いつも"らしい。
・本人以外の前では普通に「フラウ」って呼んでる。
お姉ちゃんフラグ立ちすぎだろう。だがそれがいい。
あとエイラがサーニャに付きっきりということについてのコメントが
「ナイトウィッチにでもなるつもりなのか?」だったが、
聞いた瞬間「騎士ウィッチ」に変換されて
「あの鈍感がエイラーニャでそんな妄想を!?」
と思ってしまった私はもうダメかもわからんね。
リーネは相変わらず芳佳一筋で安心した。
"芳佳について"以外で芳佳の名前が出ること多数。いいから早くプロポーズしろよ。
長文sry
最後に
>>124 >>137 >>143 >>148 GJ!!
毎朝必ず新作があるので読むのが毎日の楽しみになってるよ。
お姉ちゃんはエイラーニャ萌えだったのかw
>「ナイトウィッチにでもなるつもりなのか?」だったが、
聞いた瞬間「騎士ウィッチ」に変換されて
良い耳と頭脳をお持ちのようで
大変素晴らしいですね
騎士ウィッチw
ならサーニャはお姫さまダナ
ちょっと頼りない騎士だなw。
でも、エイラにはぴったりだ。
それにしても、芳リーネとエイラーニャは鉄板だな。
もう『その花びらにくちづけを』ぐらいイチャイチャされても驚かないわ。
秘め声評判悪いなぁ。まぁ百合分求めてって人には不満なのはわかるけど
他の隊員についてのとこなんてマイナーカプ妄想するのには便利だけどな。
あと感想
ペリーネは接点ないらしいorz
リーネ曰く、ハルトマンは空気
ゲルトがエーリカを「フラウ」って呼んでた!
シャーリーの呼び方は「リベリアン」が公式なのか?
騎士(ナイト)ウィッチwwwww
秘め声のお約束は誰が誰に言ってるのかを妄想して楽しむが吉か・・・
秘め声でゲルトの機械音痴が発覚したわけで
シャーリーにストライカーを見てもらうのとか妄想が広がるってもんだ!
このスレの影響で4話の食事のシーン
ゲルトが去って行く時のシャーリーの表情が「しょうがない奴だなぁ」って
ゲルトのことを知り尽くしてるように見えるから困るw
>>147-148 イイヨイイヨー!!! 自分はギャグが苦手だからこういうの書けるのすごく憧れるw
ミーナさん18歳やっぱり可愛いなあ
今朝のもっさんエイラ話に感想を下さった方々ありがとうございました。
それではペリエイラ話の続きを投下します。また5レスぐらい続きますがご辛抱ねがいます。
3.
朝はサーニャが起きる前に部屋を飛び出して、朝食をかき込んで。なるたけ忙しい振りをして訓練に
出かけたり、当直でなくても率先して出撃したり…そんな風に過ごして、数日がたった。
けれども胸のもやもやは晴れる気配を知らない。当たり前だ。どんなに避けていたって私はその二人と
同じ場所で生活しているのだ。どうしたって出くわす場所では出くわすし、何も知らないかわいそうな
サーニャはいつもどおり私のそばに来てくれる。愚かで馬鹿な私はそれを突き放すことなんてできや
しない。何とか自分の気持ちをごまかしながら、サーニャの気持ちを欺きながら、ペリーヌの気持ちなんて
分からないまま、一日一日を文字通りやり過ごしていた。
…けれどやっぱり最近の私はついてない、らしい。どっかのカタヤイネンじゃないが。
それは昼間の格納庫でのことだった。サーニャが夜間哨戒からなぜかそのまま私の朝食についてきた
サーニャを彼女の部屋まで送り届けて、眠りに就いたのを確認してからここまできた。そうでもしないと
サーニャが私の後ろを付いて回るようになったからだ。…サーニャにもきっと、いろいろと勘付かれている
のかもしれない。
そうしたらすでに、先客がいた。
「よぉ、エイラ」
鼻の頭にオイル汚れを引っ付けたシャーリーは驚いた顔をして「珍しいな」と笑った。暇さえあればストライ
カーをいじっては自分の限界とやらに挑戦しているシャーリーに比べればそりゃ私はここにくる頻度は
ひどく低いだろうな、と思いながら何も言わない。『会話』にならないよう、言葉を濁しながら少し離れた
ところに行き、自分のストライカーの整備をはじめた。…出来ればひとりになりたい気分だったけれあちらが
先にいた手前追い出すわけにも行かないし、ぶらぶらと辺りをほっつきまわっているわけにもいかない。
そのほうがよっぽど気が滅入るからだ。
そうして、お互いにしばらくは無言だった。
私は喋る気分じゃなかったし、シャーリーはシャーリーですぐ横で眠っていたルッキーニに気を遣っていた
のだろうと思う。実際のところは分からないけれど。
…けれど、嫌な予感はしていたんだ。だってシャーリーと来たらずっとずっと、何か言いたげな顔でこっちを
見ているんだから。
「エイラ、お前最近お姫サマとなんかあったの?」
だから、がちゃがちゃと音を立ててストライカーをいじりながらなんともなしを装ってシャーリーが尋ねてきた
とき、私はむしろついに来たか、と思ったのだ。この数日間、確かに私は普段よりもずっと挙動不審だった
はずで。…恐らくは、ペリーヌだってそうだった。
そしてシャーロット・E・イェーガーならば、こんなおいしいえさを目の前にしてバルクホルン大尉のように
ふんと鼻を鳴らして見てみぬ振りをするとは思えなかった。…だから実はシャーリーのことも多少は避けて
いたのだけれど、そもそもそろそろ本当にする事がなくて武器やストライカーの整備でもしようと格納庫に
来てしまったのが間違いだったのだろう。そんなのせっかく熊が冬眠している穴に自分から入り込むような
ものだって、わかりきってたのに。
「…ペリーヌは姫って柄じゃないダロ」
努めて平静を装って答える。まあ確かにあいつは立ち振る舞いもやたらと洗練されているような気もするし、
実際に貴族の出らしいから頷けなくも無い。
(ああ、そうか)
ふと納得してしまったのは、あの時ペリーヌが泣いた理由が少しだけ判った気がしたからだ。だってあいつは
それを、目の前で奪われたんだ。ネウロイに襲われて、家族も領地もすべて焼き払われて。──そして
それは今、私たちの戦っているネウロイの巣の、真下にある。
どんな気持ちだったんだろう、それは。私なんかが推し量ることもできないくらいに辛かったろう、苦しかった
ろう。
…そんな中で出会った坂本少佐の存在は、あいつに、ペリーヌにとってきっと支えだったろう。少佐にすがって
いればなんとか立っていられたんだろう。守りたい人が、一緒にいたい人が、いれば人間はいくらだって
強くなれるから。
かわいそうだ。そう思ったらやっぱりアイツは怒るのかな。
同情なんていらないと、ツンとそっぽをむくんだろうか。でもやっぱり可哀想じゃないか。誰がなんと言おう
ともその事実は変わらないじゃないか。
…はあ。あれから何度ついたかわからないため息を吐き出そうとした、そのときだった。
がしゃーん!と。
盛大に工具を取り落とす音がして思わずそれを飲み込む。みるとシャーリーがぽかんとカバみたいに口を
開けてこちらを見ていた。なんだなんだ、らしくもない。
「…大丈夫か?頭でも打ったのか」
わなわなと震える手を差し出して、恐る恐るといった感じでシャーリーが問う。手を伸ばして額に触れる。
…どうでもいいけどオイルくさい。
私は何を言っているんだとばかりに顔をしかめて首を振った。正常とは言い難いけどおかしくはなっていない。
「いや、やっぱおかしいよお前。最近やたらと訓練とかにも熱心だし…ちょっと疲れてるんじゃないか?
医務室いかないか?ほら、ルッキーニみたいに寝たらどうだ?絶対そうしたほうがいいって!!」
自前の毛布の上で丸くなっているルッキーニの隣をぽんぽんと叩いて促すシャーリー。さっきの音でも
起きなかった辺り、あのガッティーノは相当安らかに眠っているようだ。
もう一度首を振る。何だか子ども扱いされているような気がして口を尖らせた。だって私はルッキーニよりも
ずっとオトナだ。子ども扱いすんな。
「なんなんダヨ、さっきカラ」
耐え切れずに口を開く。すると私の両肩に手を置いたシャーリーが、ひどく真剣な顔でこう言った。
「だってさ、お前。お前の『おひめさま』って言ったらそりゃ、サーニャだろ?」
その言葉に、今度は私が工具を盛大に取り落とすことになった。
*
「…で。何があったんだ?」
「何にもナイ」
「そんなことないだろ。普段のお前だったらもっとサーニャサーニャしてるはずだ!坂本少佐と来て
『わっはっは!』なのと同じくらい!」
「何だよ、ソレ」
「ンニャー、なにがあったのー?」
私のすぐ隣で、シャーリーが私を質問攻めにする。さっきの音で今度こそ目を覚ましたルッキーニが
その後ろに引っ付いてさらにわけの分からないことになっている。半ば無視をしながら、私は目の前の
ストライカーの整備に没頭しようとしていた。だってこんなこと、言えるもんか。
「ペリーヌとサーニャが喧嘩したとか?」
「違ウ」
「サーニャがペリーヌについに復讐したとか?」
「違ウ」
「サーニャとペリーヌが結託してお前を倒しにかかったとか?」
「あり得ナイ」
「わかった、ペリーヌとの浮気現場をサーニャに見られたんだな!」
「だからチガ…アアアアアア!!!」
最後の問いの答えが叫び声に変わったのは、思いっきりストライカーにつんのめって工具をセイミツに
入り組んでいる部分に差し込んでしまったからだ。その光景が面白かったのか、ルッキーニがキャハハハハ
と笑う。私は情けなさにひたすら泣きたくてうつむいて、シャーリーはというと。
「…マジ?」
「マジじゃナイ」
「嘘だ。エイラは嘘つくの下手だな」
「……見られたわけじゃナイ」
「浮気したのか」
「ウウウ浮気じゃナイ!ていうか何だよ浮気って!!私とサーニャは別にそんなんじゃネーヨ!」
思わず声を荒げてしまう。そうだ。私は別に、サーニャとそんな関係とか、いうわけじゃないんだ。もちろん
ペリーヌとだってそうだ。それなのにこの、胸を捉えて離さないようなもやもやした気持ちは何だろう。
なんでこんなにも二人に対して申し訳ないんだろう。
泣きたい。でもシャーリーのいる前でなんか泣きたくない。こんな理由で泣きたくなんかない。…例えば
ここで私が泣いて、シャーリーが抱きしめてきたりしたら私はどんな風に思うんだろう。やっぱり残酷だと
思うだろうか。…思わない。だってシャーリーは私のことを心配して、ただそうしたんだと分かっているから。
…あの時私だって、そうだったのに。
(全然わかんねーよ、バカ)
文句を言いたいのはペリーヌに対してなのか、自分に対してなのか、もう分からない。これから分かる気も
しない。
「なあ、何があったんだ」
「…」
もうこれ以上何も言うものか。そう誓って口を結んだ。目の前には見るも無残に不思議な色の煙を出して
いるストライカーがある。ああ、どうしよう。隊長に怒られるだろうな。そう思うと更に気が滅入ってきた。
何もかも上手くいかない。歯車もボタンもウマだろうがソリだろうが、噛み合わない。
なんとも言えない、と言った表情で私を見ているシャーリーと、それを必死に見ないようにしている私と。
微妙な空気がだだっ広い格納庫に流れた。そこに、何にもわかっていない子猫が能天気に笑い声を上げる。
「なになに〜?エイラ、サーニャと喧嘩したの〜?」
「ま、そんな感じだな」
「それならいい方法があるよ!ほら、こうして『愛してる〜!』って言ってちゅーするの!コレで全部
かいけつ!!」
言いながらルッキーニがシャーリーの頬にキスをした。あまりにも気恥ずかしい光景に思わず顔を背ける。
「あっはっは、ルッキーニはかしこいな〜。私も大好きだぞ〜」
二人でけらけら笑う声。普段だったら私だって二人のこんな明るいノリが結構好きで、一緒に笑いあったり
するけれども今はそんなの無理だ。
「…スオムスをロマーニャと一緒にするナ。」
口をついて出た言葉は、変に拗ねたような口調になってしまう。なんなんだよ、もう。これじゃあまるで
小さな子供じゃないか。自分で自分に悪態をつきながらも、止まらない。…むしろこのまま自分をどこまでも
打ちのめしたい気分なんだ。ペリーヌの気持ちが分からない自分に、サーニャのことを忘れてしまっていた自分に、
腹が立って仕方がない。
「エイラってさ、意外とこういう経験少ないんだな。」
「…」
「ほら、お前って黙ってればきれいな顔してるし、飛んだらスオムスの英雄、ダイヤのエース、だろ?
隊の他のウィッチから引っ張りだこで、『エイラ様はワタシのもの〜』とか揉め事とかあったんじゃないのか?」
「…そんなのあるわけないダロ。スオムス空軍を何だと思ってるんダ」
「でもほら、スオムスってそう言うので有名なんじゃないか?ほら隊長を『お姉さま』って呼ばせる…」
「…あ、あれは特例ダ、一緒にするナッ!私だってよく知らナイ!」
ああ、頭が痛くなってくる。シャーリーはこんなネタみたいなことも逃さず食いつくから性質が悪い。
そして更に悪いことには、ここにはルッキーニという純真の塊がいることだ。…こいつもまた、よく状況を
飲み込んでさえいないくせに、何でもかんでも『何それ何それあたしも混ぜてっ』と来るものだから面倒
なんだよなあ。
「なになになになに?何の話っ!?」
ほら、きた。…で、さっきまでやたらとシリアスな顔をしてたシャーリーの顔が緩む、と。
そして、シャーリーもいつもの調子を取り戻すのだ。
「あはははは、ルッキーニは知らなくていい話だぞ〜」
「ぶー!ずるいよずるいよ!」
「ほらほら、今度クッキー作ってやるから」
「ほんと!?じゃああのマアム作ってよ!絶対だよ!」
「了解りょうかーい。ほら、あっちいっておいで〜」
シャーリーの妥協案(という名のごまかし)に気をよくしたルッキーニは楽しげにステップを踏み始めた前を
見ずにふんふんと妙な歌を口ずさんで踊っている。単純だ。けどだからこそ面倒だ。
ここ数日間まともにしゃべってさえいなかったのに急にしゃべったり叫んだりしたせいか、頭がくらくらしている。
私は今この上なく傷心モードなんだから頼む、しばらく放っておいてくれよ。泣いて懇願したい気分だった
けれどそれをやったらきっと一生ネタにされるだろう。それだけはゴメンだ。ペリーヌのようにはなりたくない。
…そこでペリーヌとの一件を思い出して、また凹む。もう私はだめだ、疲れてしまった。
「と、とにかくっ、あの部隊は伝説的に特別ダ。スオムス空軍の名誉に誓ってもイイ。」
「……必死だな、お前。女の子にモテモテになりてー!とか言ってなかったか?」
「…そんな昔のことは忘れタナ。」
「でたよスオムスのヘタレ性が。やっぱり口だけか〜?」
「ウルサイッ…だっ、だいたい国民性に例外がないんだったらハルトマン中尉はどうなる?」
「…そうだな、あいつも一応カールスラントの堅物のはず…なんだよな…」
思い出すのはあの、ズボン騒動のこと。自分のズボンをなくしたらしいハルトマン中尉がルッキーニの
ズボンを持ち去って、そのルッキーニがまたみんなのズボンを盗んで逃げたもんだからみんなで
基地じゅう大捜索、そんなときネウロイの襲撃があって…というアレだ。数メートルはなれたところで
いまだに踊っているルッキーニはもう思い出したくもないくらいの出来事だろうな。
…そのハルトマン中尉の、そもそものズボンをなくした原因が『部屋が散らかりすぎていたから』だったのだ。
うわさには聞いてたけど、実際に見てみたら想像を絶するほどだった。
「だーれの噂してるんだ〜?」
突然後ろから掛けられた言葉に驚いて振り返って、シャーリーと二人戦慄する。なぜか決めポーズをして
いるハルトマン中尉がそこにいて、私はまたぼろぼろと工具を取り落とすことになった。目の前のストライカーが
花火みたいな火花を上げる。これはもうだめかもわからないね。……色んな意味で。
「よ、ようハルトマン。珍しいな。どうしたんだ?」
「いやー、ついに寝る場所なくなったからトゥルーデの部屋潜り込んだら朝イチに叩き起こされて説教
食らってさ〜。『部屋は片付けといてやるからたまにはストライカーの整備でもしろ!』って
追い出されちゃった。」
「ははは、バルクホルンらしいと言うか、ハルトマンらしいと言うか…」
「まあ、でも、今聞き捨てならないことを聞いた気がしたから、もちろんシャーリーとエイラがやっておいて
くれるんだよね?たすかったぁ〜」
「ナナナナナ!!」
「…あきらめろエイラ…」
るん、るん、とルッキーニのようにその場で歌って踊り始めるハルトマン中尉。その『スーパー魔法少女
エーリカちゃんのうた』とはなんですか、とか、メロディがサーニャの歌と一緒です本当にホニャラララとか、
もう突っ込むことも出来ない。ああ、疲れた。昨日までとは全く別の意味で、掛け合わせて疲れた。
と言うか『何コレおもしろーい』なんていいながら、私のストライカーをうっかりを装って更にはちゃめちゃに
しないで頂けませんか。もうそのストライカーのライフは0だと思います。
ああ、サーニャのところにいきたい。いって隣でおとなしく歌でも聴いていたい。癒されたい。…でも、無理ダナ。
自分でもわけの分からないくらいに今はペリーヌのことで頭がいっぱいになっている。あれからまともに会話を
交わしてさえいないのに。だからだめなんだ、もう。私はダメダメなんだ。
「シャーリ〜〜〜もういい〜〜?お話終わった〜?」
少し離れたところからルッキーニが駆けてくる。その足元にはシャーリーや私が落として散らばった工具の
数々が、ある。…いやまさか、ルッキーニだってウィッチの端くれだ。そんなお約束な展開なんてあろう
はずがない…そう思って、嫌な予感がしたけれどあえて未来は見ないことにした。
が、悪い予感は、割と当たるものらしい。
「にゃは〜、待ちくたびれちゃった…あああああああああ!!!」
…今度の叫び声は、私じゃない。工具に躓いたルッキーニが、私のストライカーに向かってダイブする
ときの声だ。
ドンガラガッシャーン!!とギャグのような大きな音が格納庫に響き渡る。もしかしたら基地の中にまで
響いたんじゃないかとさえ思えるくらいの音量だった。
『格納庫、何があったの!?報告しなさいっ!!』
通信機からミーナ隊長の声がした。無残なことになっている私のストライカーと、その上で伸びている
ルッキーニを3人でぽかーんと見ている。
「…シャーロット・E・イェーガー大尉、エイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉。」
「…なんだ、エーリカ・ハルトマン中尉」
中尉の呟きに、シャーリーが答えた。私も中尉の方を見やる。
「逃げよう。」
「…『僚機を失ったものは戦術的に負けている』んじゃないのカ?」
「戦術的に負けたって、ミーナの説教からは逃げられたほうがいいと思わないか、ユーティライネン少尉」
「…イエス・マム」
私の返事を皮切りに、瞬時にきびすを返して私た逃げ出すことにする。どうしてこんなことになったのか、
やっぱりこれも自分のせいなのか、と思ったけれど、とりあえず何かに夢中になっている間はは何も考えずに
いられたからそれはそれでありがたいとも思った。
つづく
―――――――
以上です。恐ろしく長くなってしまいました、すみません。
せっかくだから隊のみんなをドタバタからませたくて書いていたらわけのわからない方向に突っ走りました。
次にはまたもとの真面目な方向性に戻そうと思います。続きます。
そして結構前から冒頭の『お姫様』の下りは決めてたんだけど、投下する前に騎士ウィッチの流れになってびっくりだ
関係ないけどここでのシャーリーとの絡みを見ながら、シャーリー×エイラを想像してしまった。
「黙ってればかわいいのに」とエイラを翻弄するシャーリーを誰か書いてくれないものだろうか
書くの忘れてた。前スレ
>>486-488、保管庫0284の続きです。
それと保管庫管理人様申し訳ありません、うっかり残してしまったのですが、保管の際は冒頭の「3.」を
消していただけるとありがたいです
今日のレス量が半端ないのでそろそろ引っ込みます。それでは。
早くリーネちゃんが芳佳ちゃんにプロポーズしないかな。。
芳佳ちゃんはおkするのかな・・ドキドキ
>>172 エイラーニャ至上主義の俺だが楽しく読めたよ
お姫サマのくだりで何の違和感もなくサーニャだと思った俺もシャーリーと同じ見方をしてるというわけか・・・
同じこと考える人もたくさんいるんだね
騎士エイラと姫サーニャなんてお似合いだ
なんだなんだ、私のどうでもいい聞き間違いが話題になってて変な気分だw
>>172 GJ!!エイラに感情移入しすぎてシャーリーの「おひめさまって言ったら──」のくだりでハッとした。
文章巧いのに構成に抜け目がないというか、実にたまらんねこれは。わっふるっわっふる
シャーリー×エイラだと……?そのネタ貰った!と言いたい所だがどうかな……。
>>157 「ロスマン」さんが気になったので調べた。
・パウル・ロスマン
・階級は曹長
・新人だったハルトマンの教官役だった
・体を壊していたので、格闘戦より頭脳戦派
・小柄だったけどイケメンだったのでモテモテ
要はこの人なくして撃墜王ハルトマンなしだった人のようだ
もし、二期なりなんなりでハルトマンの過去話を書くのなら、おそらくこの人が出そう
つうかこのことから考えても、秘め声の脚本は鈴木氏か
>>172 いいなこういうドタバタ。にやけてくる
>「黙ってればかわいいのに」
やべえそれ書きたい
すまない。
パウル・ロスマンでなくて
エドムント・ロスマンみたいだw
>>177 ロスマン×ハルトマンですね、わかります。
いや、さすがに情報が少なすぎるか……。
興味深い話をd
派生が多すぎてキャラが分からん
ウルスラ物が少ないのは悲しい・・・
>>182カミングスーンとだけ。お気に召されるか保証はできませんがw
投下いたします。ここ最近ギャグものばっかだったので、まともなヤツをw
芳リネです。
――何度、何度貴女の夢を見ただろう。
何回夢の中で触れ合っても、心が満たされる事は無い。
それに夢の中の私は貴女とずっと一緒なのに、現実の私は、貴女に手を伸ばす事も出来ない。
今の私に出来るのは、貴女を私の力で出来る限り支えてあげる事だけ。
私の想いが届かなくたって、私は芳佳ちゃんだけ見てるから。
――あの日夢見た願い――
「よし、これで今日の訓練は終了だ!」
今日も苛烈な訓練が終わる。
みんな思い思いの場所へと散っていく。
でも、私は芳佳ちゃんからはせめて離れたくないから、いつも一緒にいる。
それが私に出来る、唯一のアプローチな訳で。
「リーネちゃん、ちょっと話さない?」
「うん、いいよ」
他の誰からでもない芳佳ちゃんからのお誘い。
もちろん断る訳が無い。断る理由も無い。
芳佳ちゃんに連れられてやって来たのは、大きな木の下。
向こうには海も見渡せる私も大好きな場所。
芳佳ちゃんはん〜っと背伸びをして。
「坂本少佐の訓練って疲れるね」
「フフ、そうだね」
「でも、疲れててもここに来ると、疲れが消えてなくなる気がするよ」
ウーシュもいいけど、だれか可愛いビューリングさんを書いてください
「本当にここからの景色って、綺麗だよね」
私は無意識に芳佳ちゃんの肩に頭を預ける。
「リーネちゃん」
「ああっ、ごっ、ごめんなさいっ…!!//////」
「ううん、いいよ。リーネちゃんも疲れてるだろうから」
芳佳ちゃんのその言葉に安心した私の瞼はどんどん落ちて来て…
―――――――――――――――――――
気付けば、夕方。
でも芳佳ちゃんはまだ隣にいて。
うっすら芳佳ちゃんの声が聞こえる。
「リーネちゃんったら…無防備過ぎるよ」
…何を言ってるんだろう…?
「…ちょっとくらい、いいよね…?」
そう呟くと、芳佳ちゃんは、私にキスをした。
優しく、暖かいキス。
あまりにビックリした私は、そのまま、スッとまた眠りに落ちた。
―――――――――――――――――――
……………………………………
目を開けたら、天井が見えた。
私の部屋みたいだ。
っていう事はさっきまでのは、夢?
…そうか、そうだよね。
こんな都合の良い事、夢でしか有り得ない。
すると、私の部屋のドアがノックされる。
と、同時に芳佳ちゃんがヒョコッと顔を出す。
「リーネちゃん、起きた?」
「芳佳ちゃん!」
「ビックリしちゃったよ。私の肩で眠っちゃうんだもん」
「ごっ、ごめんなさいっ//////」
「それより、もうすぐ晩ご飯の時間だよ」
時計を見れば、もう7時前。
みんなも食堂で待ってるみたいだ。
「うん、そうだね、芳佳ちゃん先に行ってて」
「うん」
芳佳ちゃんはドアのノブに手をかけて。
「リーネちゃん」
「なに?芳佳ちゃん」
「―――――――」
私にも聞こえない声で何か呟いた。
「ま、待ってるから!」
そのあと、芳佳ちゃんは真っ赤な顔をして、足早に私の部屋を後にした。
―――もしかして、あれ、夢じゃなかったの…?
芳佳ちゃんの呟いた言葉は聞こえなかったけど、あれは夢じゃなかった。
そう思ったら、途端にまた眠気が襲って来た。
でも、これは夢じゃない。
そう、これは紛れもない、現実なのだから。
そして私はまた、眠りに落ちる。
起きたら芳佳ちゃんに聞いてみよう。
これは、夢じゃないよね、って。
END
以上です。ギャグものばっか書いてると、その反動で純愛ものも書きたくなるんですw
っていうかミーナ隊長のシリーズが意外と好評なのには驚きましたがw
…では、爺はここらで。おやすみなさい…
みんなGJすぎる!追いつかねーw
誰か芳佳と少佐書いてくれ…最近この二人少ないと思うんだ
ってばっちゃが言ってた
じっちゃんGJ!!色んなカプ書けるのが素晴らしいなぁ!!
>>189 芳佳×少佐も良いよな!自分的にはこの二人がきっかけでウィッチーズ見るようになったもんだし!
師弟コンビ、ってのがまた良いw需要は十分あると思うよ!!
>>188 GJ
最近勢いのない芳リネスキーには嬉しい投下だぜ
>>188 割り込んでしまって申し訳ない
やっぱり芳リネは2人の純情さがいいよな。GJでした!
元ネタの人をどこまでも追っかけたらサーニャにも戦死した恋人がいたことになって
たぶんエイラとエイラーニャスキーが自殺してしまう。もちろん俺も
秘め声でそんな過去があかされないことを激しく果てしなく祈る
そういえば、サーニャの元ネタの人は未帰還なんだよな・・・。
戦後、幸せな夫婦生活を送るエイラとサーニャ。
そんなある日、たまたま街でミーナ隊長と再会するエイラ。
お茶をしながら、昔話に花を咲かせる二人。
他の隊員達の近況についての話題になり、サーニャの話になった時、ふと表情を曇らせる隊長。
そんな事に気づかずに、二人の生活について、照れながらも楽しそうに話すエイラ。
一通りエイラが話し終わった後、ぽつりとミーナ隊長が言う。
「サーニャさんは未帰還なのよ?」
店を飛び出し、大急ぎで家に帰るエイラ。
中に入り、家中を探し回るがサーニャの姿が見当たらない。
そして、ピアノの上に一枚の手紙が置かれている事に気づくエイラ。
―――ごめんね。私はもう、エイラと一緒に居られないんだ。
短い間だったけど、エイラと二人で居られて凄く楽しかったよ。
もし、生まれ変わったら、私はまたエイラに会いたい。
二人で一緒に空を飛んだり、料理をしたりしたい。
エイラの為に、歌を歌ってあげたい。
だから、お願い。
エイラは私の事、忘れないでいてね。
大好きだよ、エイラ。―――
以上、某ドラマからインスパイアしてみました。
死んだエイラの血の染みた軍服を大事そうに抱きかかえるサーニャ
196 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/25(土) 12:29:34 ID:bHPRaSB7
>>194 1979年にドミトリェフカ村付近の草原で遊んでいた子供たちが愛機の残骸の傍らに
葬られているリディア・リトヴァク(サーニャの元ネタの人)の遺体を発見したそうだ。
ゲル芳分が足りない!
ゲル芳が読みたいです・・・
もうJG52のパイロット全員が出てきても違和感ないな。
っつかそこのパイロットの殆どが100機超撃墜のエースばっか。
>>188 遅くなったがGJ!久しぶりにリネ藤読んだ気がするよ!
>>197 ゲルしかってあってもたいていギャグになるんだよなあ
>>200 そうそう、たまには芳佳に対してもカッコイイバルクホルンが見たいなーなんて思ったり
サーニャかエイラが死んだら一週間は放心状態になるわ
某アニメで主人公の妹と仲間の女の子が死んだときもそうだった
サーニャが死ぬなんて言うなよ…泣きそうだ…
エイラ絶対サーニャのこと守れよ!
投下します。
シャッキーニ、エーゲル前提シャーゲル。
――私は雨の夜がどうも好きになれない。理由はまあいろいろある。
…早い話が、エーリカと喧嘩した。
理由はまあいろいろある。
私は気を紛らわすように雨がしとしと降る外を眺めていた。
「はぁ…」
「よお、何してんだよ、堅物」
「おっ、お前、いつ私の隣にっ…!」
「いやいやセンチメンタルだねぇ。何かあったのかい?」
「……お前には関係ない」
「なんだ大方エーリカと喧嘩したってとこか」
「…………」
「…図星かよ」
「…図星で悪いか」
「んにゃ。別に悪くない。
…あたしもルッキーニと喧嘩したから」
「…なんだ、浮気か」
「バカ言うな。あたしはこう見えても一途だよ。
ことルッキーニに関しては。
っていうかあたしの事詮索するなら、お前の喧嘩の理由聞かせろよ」
「……詮索か。断る」
「…まあいいよ」
ザーッ
「雨、止まないな」
「ああ」
「…このまま雨が降り続けて大洪水になったらどうするよ」
「まあ、とりあえず避難だろうな」
「何持って行くよ」
「クリスの写真だろうな、第一に。
お前はどうする」
「あたしはやっぱルッキーニを連れて行く!
なにせ恋人だからな」
「喧嘩中じゃないのか」
「喧嘩中でもルッキーニはあたしの恋人に変わりないよ」
「…それはそうか」
「さて、堅物くん。
あたし達が真に語るべき事は、いかに恋人と仲直りするか、だよ。
洪水云々語ってる場合じゃないんだ」
「…お前から話を振ったんだろ…」
ザーッ
「さて、どうしようか」
「素直に謝るのが一番だがな」
「それが出来りゃここにはいないって。
堅物もそうなんだろ?」
「……」
「…ま、別にそれはそれで良いけど」
ザーッ
「雨、小降りになってきたな」
「ああ」
そう言うと、リベリオンは背伸びをして。
「…謝るか」
「やはり喧嘩はお前が原因か」
「詮索すんなっつったのはお前だろ。だからあたしは黙秘する」
「フフッ、別に良い。
お前らの喧嘩の原因など知った所で私にはどうでもいい事だしな」
「その言葉、そっくりお前に返すよ」
私達は静かに笑い合う。
「じゃ、あたしはルッキーニと仲直りしてくるけど、お前はどうする?」
「もうちょっと此処にいるよ。少し気分を落ち着かせたい」
「そっか。まあ頑張れよ」
「お前にその言葉をそっくりそのまま返してやる」
「アハハ」
「明日報告しろよ」
「嫌だよ。それ言うならお前もあたしに報告しろよな」
「断る」
「アハハ!じゃあな」
「ああ」
そう言うと、リベリオンは闇の中に消えて行った。
「……行くか」
この雨が、止まない内に、エーリカに謝るとするか。
…ありがとう、リベリオン。
今回は少しだけお前に感謝するよ。
…だが、結果は報告しないからな、リベリオン。
END
以上です。
自分の中のシャーゲルはこのくらいの関係が丁度良いと考えてます。
ほどほど良い距離というか…
…では、爺はここらで…
>>208 爺は相変わらずきれいに短く気持ちよくまとまってていいなぁ。
>>リトヴャク未帰還
サーニャの死亡フラグは1943の8月を過ぎた時点で回避されてるから絶対に死なないさ!
死んだらオラーシャ英雄に序せられるけどねw
ちなみに前に書いたオラーシャ1943は死亡フラグ回避になんか理由つけてみたくて書いた話だったりします。
それはそうと、未帰還といえば欝展開で途中まで書いて止めてある
もっさん×みっちゃん
があるんだが、投下すべきか?
>>208 GJGJ
>>209 もっさん×みっちゃんだと!?
なんだその異次元CPは
是非投下すべき
なんか休日の夜なのに珍しく止まってるな。
投下直後にこんなことを考える私が麻痺してるだけだろうが……。
>>208 GJ!!GJなんだけど、リベリオンは国の名前なんだ。リベリアン、が呼び名ですよ。
シャーリーは何だかんだでルッキーニのことすごく大事にするよね。エイラーニャに負けないくらい。そう信じてる。
>>209 新ジャンルに躊躇いを感じるようではこの戦場は生き残れないぞ。総員、次弾装填!!
ただ完結してからの方がいいんじゃないかと個人的には思いますが。
212 :
208:2008/10/26(日) 03:05:32 ID:VgNjNFze
>>211 おお、それは失礼した。
なにせシャーゲルはあまり書いた事が無いもの…
っていうか細かいミスが多いな自分…
嫌になるわい…
というわけで保管庫管理人さん、修正お願いします。
>>211 戦士の休息
しかし今日の夜にはまた戻られることを期待しよう
連載ものもwktkして待ってる
そういや先日ガンパレやっててスト魔女のゲームもこんくらいの配分だったらいいなと思った戦闘とか
↑スルー推奨
DS版はシムーン、PS2版はアカイイトorアオイシロorストパニぐらいだったらいいなと思う今日この頃>>ゲーム版
エイラーニャの結婚イベントとか、芳リーネの扶桑同棲イベントとかは流石にないだろうけど。
芳佳の一人ENDも欲しい所だ
フラグを立てずに帰国
扶桑人形にハマってしまう
とか
前に投下された智子人形ネタ思い出して吹き直したじゃねーか.。
BADエンディングが扶桑に帰国とか、それはどう考えてもみっちゃんフラグじゃないのか……。
21X2w2Ibです。
>>167-171の続きと言うか、別視点と言うか、番外編を投下します。
シャーリー視点。
幕間-交錯の外側
「おい」
「んー?」
格納庫から逃げ出して、とりあえず、あたしの部屋までたどり着いた。今日は出撃予定もないみたいだし、
一日部屋でおとなしくしていよう、と柄にもなく思ったのだ。
扉を開いて迎え入れる。そしてパタンと閉めてようやく、『そいつ』に呼びかけた。
「なんでハルトマンがあたしの部屋まで付いて来るんだよ」
「……なりゆき?」
成り行きってなんだ成り行きって。どう考えてもお前自分からにこにこひょこひょこついてきたろう。その
一言は、とりあえず飲み込んでおくことにした。そう言えば一緒に逃げ出していたはずのエイラがいない。
今はハルトマンよりもエイラに用事があるんだ、あたしは。
「って言うか、エイラはいつの間にいなくなったんだ?」
「さあ?知らない。そんなことよりシャーリー!私喉が渇いたよ、なんか出して!」
ちゃっかり私の部屋に居座ったハルトマンは私のいすに座して私の机をバンバンと叩いた。
「私はさっきの発言をまだ根に持ってるんだからね。すっごい傷ついたんだからさ!」
「傷ついたって…あんなの陰口にも入んないだろ、事実じゃん」
だいたいカールスラント軍人らしからぬぐらい自分がズボラだってことを一番分かっているのはハルトマン
自身なんじゃないのか?むしろ自分からその『国民性』とやらに反するようにわざとしているんじゃないかと
あたしは踏んでいるんだけれど、もしかして違うんだろうか。
…まあ、聞いたってどうせこれは答えないだろうからあえて聞かないけどさ。
しかたなしに、戸棚からジュースのビンを取り出して投げてやる。ルッキーニ用に置いてあったのだけど
これもまた放置しておくと面倒なことを私はバルクホルンを見て散々学んでいる。ハルトマンがハルトマンが
ハルトマンがハルトマンが、などというやつの愚痴に何回つき合わされたか分からないからだ。…あれ?
あたしなんか中間管理職的なポジション?いやだなあ、あたしにはそう言うのあってないはずなのに。
わーい、ありがとー。
なんていいながらハルトマンはオレンジジュースのふたを開けてごくごく飲み始めた。そして一気に飲み
干して「ぷはー」なんて一息ついて…お前はいったい何歳なんだと突っ込んでやりたくなる。この顔で実は
私と同い年なんていうんだからたまに私は自分が老け込みすぎているんじゃないかと不安になるのだ。
…それともあたしは将来ミーナ中佐みたいな立場になるのかな。バルクホルンは一番上に立つの嫌い
みたいだしなあ。…部下が年上なのにわっはっはだったり同い年なのにシスコンだったり黒い悪魔だったり
エトセトラなこの隊をしっかりと取りまとめている中佐の気苦労を考えて今から胃がキリキリと痛んできた。
いけない、いけないぞあたし。
「…で、そっちのほうはどうだったんだ?」
ベッドの上に座り込んで、あたしは尋ねた。ハルトマンはにっこりと笑って指を一本立てる。
「いち?」
ふるふると首を振るハルトマン。笑顔が満面過ぎてむしろ怖い。
「…おかわり?」
「ああ、よくわかったね!優秀な上官を持って私は幸せだよ」
「…ついこの間まで同じ階級だったじゃないかよ」
「ただの同僚から昇進したんだ、ありがたく思うべきじゃない?」
「へいへい、ありがとうありがとう」
もはやこれに付き合うものか、と思いながらもう一本ジュースを取り出してやる。ストックはもう少ない。
あとでまた厨房から持ってこなくちゃなあとひとりごちる。
ハルトマンはと言うと「それにしてもシャーリーの部屋は落ち着くねー」なんてのんびりいいながらやっぱり
早くしろと言わんばかりに机を叩いていた。それはあたしの部屋が散らかっていると言いたいのかよろしい
ならば戦争だ。…まあ、否定は出来ないけれど。散らかってるって言っても程度があるだろ。10段階で
評価したら私はまだ3段階そこそこ、ハルトマンのとこなんて10振り切って100いってるぞ。…という
のは実はバルクホルンの弁で、以前部屋に上がりこんで愚痴に付き合わされたときにすすけた背中で
言っていた。
「それで何の話だったっけ?」
「そっちはどうだったんだって聞いたんだよ」
「こっち…ああ、ペリーヌのほうね」
やる気のなさそうに返事をするハルトマン。おいおい、しっかりしてくれよ。昨日の談話室での相談を思い
起こしながら確認するように事の顛末をもう一度言ってやる。…あくびをするなハルトマン。
「最近エイラたちの様子がおかしいから、あたしとルッキーニでエイラ、ハルトマンとバルクホルンでペリーヌ、
宮藤とリーネでサーニャを担当して、この何だかわけのわからなくなってる状況を上の二人にばれない
ようにさっさと解決しようって手はずだったろ!」
「あーハイハイハイわかってる。それはそうなんだけどさあ」
言いながらメモらしき紙をポケットから取り出す。覗き込むと、
「…白紙じゃん」
何も書かれていなかった。何かを期待していたかというとそりゃ期待なんて寄せてなかったけどここまで
とは思わなかった。落書きに犬の絵でも書かれていたほうがまだマシだってもんだ。
もちろんメモの中身を把握していたハルトマンはけろりとした顔だ。見れば分かるじゃないかといわん
ばかりに言い張る。
「白紙だよ?なーんも書いてないもん」
「おいおい…」
脱力してベッドに倒れこんだ。拍子にその上に放置していたスパナが後ろ頭に思いっきり当たる。痛い。
ジュースを飲み終えたらしいハルトマンがそのビンを床に転がす音が聞こえた。これだから散らかる
んじゃないかと思っていたらそしてベッドの上、私の隣に座り込んでくるのを感じたあと、一応言い訳らしい
言葉が上から降ってきた。同時に手を伸ばして自然に毛布をとって包まっている辺り、こいつはここで
シエスタと決め込むつもりらしい。
「だいたいトゥルーデって言うのが人選ミスだったんだよ〜。出会い頭にブリーフィングリームに引っ張って
いってどうするんだと思ったら『何があった。さっさと吐け』なんて尋問してるの!あんなことされたら
誰だって口開けないさ」
「ははは…バルクホルンのヤツ…」
のんきにこんなことを言っている時点でハルトマンもその脇で面白おかしく傍観していただけなんだろうな、
というのは簡単に想像できる。大体そのバルクホルンを抑えるためにお前を充てたんじゃないか、と
内心で文句を言うけれどそんなことしたってプリンに釘を打つようなもんだ。逆に指を叩いて涙目になる
んだろう、恐らくは。
「でも、格納庫に向かう途中で宮藤たちに会ってさ、とりあえずそっちの話も聞いといた」
お、やるじゃないか。宮藤たちならカールスラントコンビのようなへまはやらかしてないだろ、と耳をそば
だてる。
「…そっか。どうだって?」
「サーニャは何にも知らなくて、むしろ混乱してるっぽい。…けどエイラの様子がおかしくなったのは
正確には4日前からじゃない。5日前の夜から、だったって。」
5日前の記憶を掘り起こそうとする。うーん、よく思い出せない。もともとエイラはみんなと行動時間の
ずれてるサーニャに合わせて生活しているせいであたしたちともすれ違いが多いんだよな…っていうのは、
もしかしたらここ数日エイラがあたしを避けていただけなのかもしれない。
…相当突っ込まれるのが嫌だったのかもな。今日格納庫に来たときもかなりばつの悪そうな顔してたし。
「ふうん…サーニャの様子は?」
「相当いじけてるみたい。宮藤たちの目でもわかるんだからよっぽどなんだな」
まあ、当のエイラはそれどころじゃないみたいだけどねえ、とため息を付くハルトマンは、まあこれでも
こいつなりに仲間の心配をしているんだろう。日常生活が多少あれだとは言えハルトマンが仲間想いだと
いうことはみんなの知るところだ。実際、ハルトマンと一緒に出撃したときは誰も大きな怪我をしない。
それは仲間が危険な目にあわないようにやつが気を配っているからだ。
にしても、こんなにわかりやすくハルトマンが仲間を気遣うのは珍しいんだぞ。雪が降ったらどうしてくれる
んだ、エイラ。お前は北国育ちだから強いのかもしれないがあたしは嫌だ。
「…ナイトウィッチになるつもりなら、お姫様の世話は責任持ってやって欲しいよなあ」
「あははっ、騎士ウィッチ!それいいな、洒落てるぅ!」
夜と騎士に掛けた冗談が通じたんだろう。ハルトマンが笑い出す。あたしも笑う。状況は全く好転の兆しを
見せないけれど、だんだんとつかめてきた。こういうときに忘れちゃいけないのは笑うことだ。楽しんでれば
きっと世界は前向きに動いていくもんだよ、な?
ぼす、とハルトマンもベッドに倒れこむ、あ、その辺りには工具箱がだな…と言おうとしたら、ガツン!と鈍い
音がして脇でハルトマンが頭を抑えていた。ざまーみろ。
「こっちは結構つかめたよ。どうやらなんかあったのはエイラとペリーヌの間らしい」
「…ああ、なら話はつながるね」
答える声は涙声。あえて何も見なかったことにして話を続けるあたし。
「エイラをつついてみたところによると」
「…よると?」
「ペリーヌと浮気した、感じ?」
「うっわー、ありえなさ過ぎて言葉も出ない…」
「…だよなあ」
ペリーヌとエイラとで何かがあった。コレだけは確かだ。ケンカ?けどあいつらって割とよく言い争いはして
いるからなあ。いたずら好きのエイラが反応のいいペリーヌをからかうのはいつものことだし、それに
キャンキャンとペリーヌが噛み付くのもまた然り、だ。
「なあハルトマン、お前の妹ってほら、あのサーニャのごっつい武器作ったりして…頭良いんだよな?
こういうのどうなんだ?聞いてみたらスパーンと名探偵みたいに解決してくれたりして」
んー、と考え込むハルトマン。まさか妹の存在を忘れてるんじゃないだろうな、と思いかけたところで、その
妹らしき名称は割とあっさりとハルトマンの口からこぼれ出た。
「ウーシュはこういうの苦手だろ。あの子が得意なのはもっと数字とか記号とかそんな感じのもんだから。」
私にはよくわからないけどね!と自慢げに言うハルトマン。それ威張って言うことかあ?
「…ふうん」
それ以外に返答が浮かばなかったのは、言葉の割にハルトマンの口調が楽しげだったからだ。食べること、
遊ぶこと、寝ること。欲求以外のことでここまで機嫌の良いハルトマンはあたしからするとひどく珍しい。
「話しかけても構ってくれないし、没頭するとなりふり構わないし…ま、そういうところもウーシュらしくて私は
好きだけどさ」
「…そういうもんか」
「そう言うもんさ。…て言うか面白すぎること言わないでくれよ、今名探偵のウーシュ想像したら…くくっ、
笑いが止まんなくなっちゃっただろ!」
あははははは、と、お腹を抱えてハルトマンは笑う。実際のところ伝聞程度でしかその『ウーシュ』とやらを
知らないあたしは横で笑いこげるハルトマンを肩をすくめて見やることしか出来ない。
姉妹の、それも双子のウィッチ。見た目はよく似ているけれど、性格はぜんぜん違うと聞いた。マニュアルに
則ったことなんてひとつもしない姉と比べて、マニュアル通りにしか動けない妹だと。でもきっと、そうして
比べて妹のことけなしたりとかしたら、ハルトマンはやっぱり怒るんだろうなあ、と思う。さっきの陰口
(のようなもの)とはまた別の怒りをもって。あたしにはよくわからないけれど、そんな気がしたから言わない。
たぶん、『そういうもん』なんだろう。
…これ以上この話をしても仕方がないな。あたしはとりあえず話題を変えることにした。
「ところで、さっきの話なんだけど、どこまで本当だったんだ?」
「っくくく、あははは…へ、さっき?」
「格納庫で、『部屋が散らかりすぎて追い出された』とかそう言う話してたじゃないか。あれ全部本当じゃないだろ?」
「ああ、あれかあ」
涙を拭いながら答えてくる。うーん、と唸っているのは、今朝の出来事を必死に思い出しているんだろう。
そして指折り数えながら、今朝の出来事ウソホントを話しはじめた。
「寝る場所がなかったのはホント」
「うん」
「トゥルーデの部屋に潜り込んだのは、半分ホント」
「半分?」
「トゥルーデの部屋に行ったのは行ったんだけどすぐに追い出されちゃってね。しょうがないからミーナの
部屋で寝てたんだ。まあ朝になったら私を探しに来たトゥルーデに見つかって怒られたんだけどさ。」
「?ミーナ中佐じゃなくてか?」
「昨日の晩はミーナ部屋にいなかったからね。坂本少佐のとこいってたんだろー」
最近特に仲良いねえ、なんて、のんきに笑うハルトマン。けれど私はその瞬間、ハッと閃いてしまった。
そして頭を抱える。ばかだなあ、あたし。様子のおかしいやつら以外が知らず知らずのうちに関わってるって、
なんで思わなかったんだろう。
「で、トゥルーデが私の部屋の片づけしてるのもホントだけど、それはペリーヌへの『尋問』が上手くいかなくて
拗ねてるからなんだよね。私はとんだとばっちりだよ」
「…なあ、ハルトマン」
「ん〜」
「あたし、なんとなーく話が見えてきた気がしたよ…」
「ああ、それはよかったなあ!じゃあお祝いにジュースもう一瓶飲もう!むしろお酒にしよう酒さけサケ!
カールスラントのビールはないのか?あるんだろ?」
楽しげに今度はベッドをバンバンと叩く。…ああ、もうコイツ話聞く気も考える気も気ないな、とため息をひとつ。
「…そんなもんないっての。ルッキーニが飲んだら大変だろ」
そこで思い当たる。ああ、ルッキーニも助けに行かないといけないな。きっと帰ってきたら散々文句言われる
だろうな。クッキーどれくらい焼いたら許してもらえるだろうか。
(そう言えば)
もうひどくおぼろげの、5日前の晩のことを思い出す。そう言えばあの晩、急に部屋にやってきたルッキーニが
なにやら言っていなかったか。その日出撃があって疲れていたあたしは話半分にしか聞いてなかったけど、
たしかこうだ。
──エイラとペリーヌは、よくけんかしてるけど本当はすごく仲良しなんだねっ!!
…ルッキーニは、あの晩に何かを見たのかもしれない。それ如何によっては…また、話が変わる。
「…ちょっとルッキーニ迎えに行って来るわ」
「いってらっしゃ!じゃあ私は寝る!」
「…ここでか?」
「もちろん。私は自分から虎の巣に入るほど愚かじゃないんでね」
虎ってのが掃除の鬼の化しているであろうバルクホルンのことなのか、それとも絶対零度の笑みを浮かべて
いるのかもしれないミーナ隊長のことなのか、あたしはあえて聞かなかった。
とりあえず、ルッキーニにも話を聞かないと。今頃警察に捕まっているであろう子猫をどうやって助け出す
かを頭の中で必死にシミュレートしながら、ぱたぱたと手を振って見送るハルトマンにドアの辺りから一言
こういった。
「…散らかしたら自分で片付けろよ」
返ってこない返事に、帰ってきたときの自分の部屋の惨状を憂く。
(…全部お前のせいだからな、エイラ)
このツケは絶対に払ってもらおう。3倍返しくらいで。
(つづく)
>>223 GJ!!シャーリーとエーリカは意外と気が合いそうだな。
やっぱり世話焼きキャラと焼かれキャラは、どの組み合わせでもいけそうだな
エイラとエーリカの組み合わせも面白いかもしれん、誰か書いてみてくれ
夕方にうたた寝してたら501で赤ん坊を預かる夢を見たので、妄想爆発した。
芳リーネ&シャッキーニ
赤ん坊を芳佳が抱くと泣く、リーネが抱くと喜ぶ。
おっぱいに抱きつく赤ん坊を見ておっぱい星人覚醒。
「リーネちゃんの胸は私のなのに!」
シャッキーニも同じ。
↓
エイラーニャ
エイラが赤ん坊をあやしてサーニャが子守歌を歌ってあげる。
赤ん坊眠るがエイラのおっぱいから離れない。
エイラ「キョウダケダカンナー」
その一言にサーニャが嫉妬し、エイラの背中に抱きつく。
エイラ身動きがとれず、もうどうしていいのか解らなくなる。
↓
エーゲル&もっペリ
ゲルトが赤ん坊を見て幼い頃のクリスを思い出し、強く抱きすぎて赤ん坊泣かせてしまう。
エーリカに赤ん坊を任せるが、おっぱいが無いので泣き止まない。
もっさんが替わるとあっさり泣き止む。「子供とは可愛いもんだな。わっはっは!」
ペリーヌ想像妊娠。
エーリカはゲルトのおっぱいに帰る。
↓
ミーナが赤ん坊の親を連れてくる頃には、501内でおっぱいブーム到来。
ざっと書いてて、自分の文章力のなさに泣いたorz
誰かこのネタで書いてくれ。
ブルドロ思い出したw
これはペリーヌが色々と大変なことになりそうだ。
>>223 GJ!ナイトウィッチのくだりでは思わずうわお!と叫びたくなったw
16歳コンビいいな。
続き待ってる!
>>225 ペリーヌwww。
もっさんに「責任を取って下さいますか」と迫るんだろうか?
>>226 そういえば線香持参の声、ペリーヌの中の人だったね。
てか、よく考えたら玉青ちゃんもペリーヌの中の人なんだよな。
>>223 比較優位性が働いて普段と違った一面が出るのは楽しいよね
今後もエーリカの出番を増やして欲しいな
>>224 エイラとエーリカの話は私ともうお一方書いているからぜひ読んでみて下さいね
え〜っと、ゆりたまごからのお願いでした
>>225 そうそう赤ちゃんネタは基本だよ、頑張って仕上げて下さい
私も得意そうなリーネに指示されながら、あたふたするミーナを考えて
結局、美緒&ミーナ夫妻に変更したままオチが決まらなくて進んでないから
人様に頑張れとか言えないんだけどね
エイラーニャ投下します。保管の際には作者名:wic2dg+mでお願いします。
「サーニャ・・・怒ってるノカ?」
ぷい。
ベッドの上、正面に座るサーニャに呼びかけるも、ふくれつらで横を向いてしまった。
「さーにゃぁ・・・」
我ながら情けない声が出てしまう。そしてサーニャからの反応はなし。
自分はいったい何をやらかしてしまったのだろう。
いくら考えてもわからない。
夜間哨戒で疲れているサーニャを一人部屋に残したのが悪かったのか?
そのあと、すぐに食堂に起きてきたからやっぱり寂しかったのかな。
それとも、知らない内にサーニャに何かひどいことを言ったりしてしまったのだろうか。
わからない。
でもはっきりしていることは、サーニャは今ご機嫌を損ねていること。
そしてどうやら、その原因はワタシにあるということ。
考え込んで我に返ると、サーニャが上目遣いでこっちをにらんでいる。
そんな顔も可愛い、なんて考えている場合じゃない。
食堂で声をかけてもそっぽ向かれて、部屋に帰ろうとするサーニャを引き止めて、
なんとかワタシの部屋に誘ってから数十分。
サーニャはむくれたまま、まだ一言も口をきいてくれていないのだ。
まずい、まずいゾ。
今までも小さいケンカをしたことはある。
いつだって全力であやまってきた。
だってサーニャに嫌われちゃったら生きていけないからナ。
今回も、何が悪いかわからないけどとりあえずあやまろう。
「サーニャ、」
「やっぱり、エイラは胸が大きい方がいいんだ・・・」
目線をそらしたまま、そんなことをつぶやくサーニャ。
なんだって?
一瞬わけがわからずぽかんとしてしまう。
そして、すぐに思い当たった。
そういえば、女はやっぱり胸がある方がいい、とかなんとかさっき宮藤とかと食堂で話したような・・・。
でもサーニャはまだ食堂に来てなかったはずなのに。聞かれてたノカー!
私は異常だ、たぶん。
ウォーロックを倒し扶桑に帰ってからは赤城の艦長さんからいただいた扶桑人形ばかり見ている。
別に引きこもっているわけでも友達が減ったわけでも勉強ができなくなったわけでもないが、
暇さえあればずっと扶桑人形を見ている。部屋に飾ってある扶桑人形の数も増えてきた。
最初こそお母さんやおばあちゃんは部屋に入るたびに目を大きくして口をパクパクとさせていたが、
最近は慣れたのか増え続ける扶桑人形に呆れたのか何も言わなくなった。
今ウィッチーズで連絡を取っているのはミーナさんだけ。
理由は私の趣味を理解してくれそうで実際に理解してくれた人だから。
たまに手紙(といっても最近カールスラントリオがカールスラントコンビ+1になってる。転属したいとかそんな感じのネガティブな内容だが)とカールスラントの人形を送ってくれる。
カールスラントの人形は扶桑人形とは違い本物の女の子みたいでこれも中々魅力がありとても気に入ってる。
今度扶桑に行きたいと手紙に書いてあったので家に招待しようと思う。
「芳佳、美智子ちゃんが着たわよ。」
そういえば今日はみっちゃんの所へ遊びに行くんだったな、時計の針は12時と30分をさしている。
まだちょっと早いけど、みっちゃんは部活の帰りかな?
「はーい。」
「こんにちわ芳佳ちゃん。」
「芳佳、寝癖が付いてるわよ。」
「え!?……え、えへへ……」
お母さんに言われるまで気付かなかった。扶桑人形や漫画が好きな人はよく身だしなみを整えられないって言うけど
私も徐々にそういう人になってきてる気がする。ちょっとショックだな…
「じゃあ、私ちょっと着替えてくるね」
自分の部屋にもどりパジャマを脱いで服を着る。今日はウィッチーズに居たころサーニャちゃんにもらった
パーカーを着ていこうかな、大事にしすぎてあまり着てなかったけど入るかな?
最初に来たときとほとんど着心地の変わらないパーカーと最近掛けだしたメガネをつけて玄関へ行く。
もちろん服を着る前に寝癖は直している。
(もうちょっと胸のところが苦しくなると思ったんだけどなぁ……)
すこしショックだったけどまあいっか。
「わあ、その服とっても可愛いね芳佳ちゃん!」
「本当? ありがとう!」
サーニャちゃんのことを疑ってた訳ではないが、みっちゃんに可愛いといわれて安心した。
サーニャちゃんやエイラさんみたいに綺麗な人だから何を着ても素敵だけど私が着れば変なんじゃないかと
思ってたので、みっちゃんの素直な感想はとてもうれしかった。
みっちゃんの家に着くまでかけっこをした。今まで勝てていたのに負けてしまった……
ずっと扶桑人形ばかり見ててあんまり運動してなかったからかな?
今日はショックを受けっぱなしな気がする。
すみません被っちゃいました!
申し訳ないですorz
>>232 いえいえこちらこそ。
>>230 続きです。
「あ、いや、それは」
必死に弁解しようとするが、やはりぷい、と横を向かれてしまう。
確かに、サーニャはあまり胸があるほうではない。
でもサーニャはまだ14歳だし、これから成長する可能性は十分・・・。
いや、そういう問題ではなくて、胸なんか関係なくサーニャがスキダ!
なんて言えたらどんなにいいだろう。
でも結局言えなくて、とりあえず勢いのまま口をついて出た言葉は。
「いや、ワタシは胸が小さい方が実はスキナンダ!」
・・・マチガエタ。これじゃあ変態だ。
案の定サーニャがジト目でこっちを見ている。
「いや、違う、そうじゃなくて!」
必死でこの場を切り抜ける上手い言い訳を考えていたら、いつの間にかサーニャが近づいてきたことに気がつかなかった。
足を開いて座っていたワタシの胸の中に、すっぽりおさまって首の辺りに頬をすりつけられる。
こんな風に、無防備にくっつかれることは初めてじゃないけど、それでもその破壊力は十分で。
ワタシは固まってしまった。
「もう、いい。・・・いっこだけ、お願いきいてくれる?」
胸の中のサーニャに言われて、ぶんぶんと首を縦にふって同意する。
「あのね・・・頑張るから、私が成長するまで、もう少し待ってて?」
恥ずかしかったのか、顔を赤らめながらそんなことを言われてはたまらない。
胸なんかどうでもいい。今すぐサーニャに触れたい。
そんな気持ちをぐっと我慢して、そっとサーニャの華奢な背中に手を回すだけにする。
赤らめた頬を隠すように、ワタシの胸に擦り寄るサーニャ。
そのまま召集がかかるまで、ずっとずっと、二人でくっついていた。
数日後。
食堂でまたまた胸の話になり、ワタシはもちろん前回の反省を生かして余計なことを言わないように
黙っていたんだが。
誰かが言った、「好きな人に揉まれると大きくなるらしい」
の一言で、茹でダコのように赤くなったワタシとサーニャが、皆にさんざんからかわれたのは、
また別の話。
おしまい
嫉妬サーニャがかきたかったんだが、なかなか難しい。
本スレにシャーゲルがあったから思わず転載
(ドンドンドン)
「ノックは、もうちょっと静かにしろー」
「トリック ア トリート〜」
「・・・ん?なんだリベリアンか。それで、その格好は何だ?」
「ハロウィンの仮装。みんなの所行って、後はカールスラントの堅物だけさ〜。お菓子をくれないとイタズラするぞ〜」
「お菓子なんか無いぞ。だから帰った、帰った」
「そっか、お菓子無いのか・・・。だったらイタズラするか。・・・えいっ」
「や、やめろ・・・。どこをさわってるっっっ・・・」
「お菓子くれなかったから、やめないぞ〜。おっ・・・、ココとかソコとかは柔らかいのだな。うりうり〜」
「あっ・・・ソコは、・・・きゃ・・・・・ふあっ、・・・んんっ〜〜〜」
(省略されました、続きを読むには”カールスラントの堅物は、頭だけだった”と書き込んでください)
 ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O。
/゛! /゙!
{ .{ / ,'
∨ハ,. ‐―y /
, ^:".: : : : :`ヾ'ヽ
/: :〃!l: : : }l: :ヽ: :',
/ィ :ナ代 : :リTト、!: |l
ノ |l:.:{T圷゙∨圷T,リ 人
Wバ┘ └' ,イ:リ お菓子を前もって準備してるわけ無いし
. 乂ゝ、 ー' ∠ イ この作戦で完璧だ
,.┴イjス7个、:.|
. { ( ( ≠,、 ヾ,
. 乂トrrェ-rく__,.イ
f゙¨丁¨゙ー'くW
〈、_人__,.イJ
| 7f´ !
! ,' ',. !
| ,' ',. |
ヒフ .ヒフ
ん!みんなGJ!
…なんだけどこれSS投下していいの?
ミーナさんシリーズ新しいの出来たんだけど
>>235 見る側の人間としてはどんどん来て欲しい
では行きます。引き続きミーナ隊長キャラ崩壊注意。
「美緒、恋人同士と言えばセックスよね」
「…ミーナ、もう少しオブラートに包め。直接的な単語は良くない。
それ以前にお前と私は恋人同士ではないが…。
というかなんだいきなり」
「宮藤さんとリーネさん、シャーリーさんとルッキーニさんも既にそういう関係なのよね。
あっ、ちなみにエイラさんとサーニャさんは、エイラさんが極度のヘタレだから未だ手を出せず」
「…そんな具体例はいらん」
「というワケで今日はセックスの在り方について考えていくわ」
「だからセックスって言うな」
「美緒はセックスに大事な事って何だと思う?」
「(こいつわざとだな…)そうだな、やはりお互いの想いじゃないか?
じゃないと愛のある行為は出来んだろ」
「さっすが私の美緒☆カッコいい!
…でもね美緒、大事な事はまだあるわ」
「…だいたい分かるが一応聞いておく。
……なんだ」
「それはね、身体の相性よ」
「言うと思ったよ!お前はどこかのタレントか!この性獣め!」
「だって大事だと思うわよ?実際問題」
「しかしだなあ、ミーナ。
身体の相性というのは行為をしてみないと分からないものじゃないか?」
「そう言うと思って今日は特別ゲストを呼んであるわ!
自分より年下(12歳)の幼女に手を出したシャーロット・E・イェーガーさん(16歳)よ!」
「……あの、ミーナ中佐。そんな紹介やめて貰えますか…。なんかそれじゃあたしが犯罪者みたいでちょっと…」
「あら、手を出したのは事実なのよね?」
「だから手を出したって言うと一方的にしたにしか聞こえませんから!
ちゃんと同意の上ですから!」
「すまんなシャーリー。ルッキーニとなにか約束があったのではないか?」
「あ、いえどうせルッキーニは木の上でグーグー寝てるんで」
「で、どうなの?ルッキーニさんとの夜のフライトは」
「お前今日いつもよりヒドいぞ」
「…ま、まあ、上手くいってますよ」
「ルッキーニさんの喘ぎ声可愛い?」
「ミーナ!お前いろんな意味でOUTだぞ!」
「あたしに腕を回して『シャーリィ…好きぃ…もっと…』って言って来ますね。
…それが可愛くて可愛くて…//////」
「シャーリー!お前も答えるな!」
「嗚呼良いわねえ。恋人同士良いわねえ。
というワケで美緒!私達も夜のフライトしましょう!」
「これ以上近付くと本当に斬るぞ!」
「シャーリーさーん、ルッキーニちゃんが泣きながら探してますよー」
「おー宮藤、ありがとー。
じゃああたしはここら辺でー」
「美緒―――――――☆ ミーナ行きまーす!!」
「斬っ!!!!!!!!!!!!!!!」
以上です。
ここ2日くらい見ててなんか人減ってない?と思った自分は少し毒されてるんでしょうか…
それとも少し風邪気味だからそんな錯覚が起こってるだけ?
…いずれにせよ、爺はもう寝ます。おやすみなさい…
>>238 爺様GJ
人が少ないのは皆SSを練っているんだと勝手に解釈してます
適当に書いたとはいえとりあえずもう一度
私は異常だ、たぶん。
ウォーロックを倒し扶桑に帰ってからは赤城の艦長さんからいただいた扶桑人形ばかり見ている。
別に引きこもっているわけでも友達が減ったわけでも勉強ができなくなったわけでもないが、
暇さえあればずっと扶桑人形を見ている。部屋に飾ってある扶桑人形の数も増えてきた。
最初こそお母さんやおばあちゃんは部屋に入るたびに目を大きくして口をパクパクとさせていたが、
最近は慣れたのか増え続ける扶桑人形に呆れたのか何も言わなくなった。
今ウィッチーズで連絡を取っているのはミーナさんだけ。
理由は私の趣味を理解してくれそうで実際に理解してくれた人だから。
たまに手紙(といっても最近カールスラントリオがカールスラントコンビ+1になってる。転属したいとかそんな感じのネガティブな内容だが)とカールスラントの人形を送ってくれる。
カールスラントの人形は扶桑人形とは違い本物の女の子みたいでこれも中々魅力がありとても気に入ってる。
今度扶桑に行きたいと手紙に書いてあったので家に招待しようと思う。
「芳佳、美智子ちゃんが着たわよ。」
そういえば今日はみっちゃんの所へ遊びに行くんだったな、時計の針は12時と30分をさしている。
まだちょっと早いけど、みっちゃんは部活の帰りかな?
「はーい。」
「こんにちわ芳佳ちゃん。」
「芳佳、寝癖が付いてるわよ。」
「え!?……え、えへへ……」
お母さんに言われるまで気付かなかった。扶桑人形や漫画が好きな人はよく身だしなみを整えられないって言うけど
私も徐々にそういう人になってきてる気がする。ちょっとショックだな…
「じゃあ、私ちょっと着替えてくるね」
自分の部屋にもどりパジャマを脱いで服を着る。今日はウィッチーズに居たころサーニャちゃんにもらった
パーカーを着ていこうかな、大事にしすぎてあまり着てなかったけど入るかな?
最初に来たときとほとんど着心地の変わらないパーカーと最近掛けだしたメガネをつけて玄関へ行く。
もちろん服を着る前に寝癖は直している。
(もうちょっと胸のところが苦しくなると思ったんだけどなぁ……)
すこしショックだったけどまあいっか。
「わあ、その服とっても可愛いね芳佳ちゃん!」
「本当? ありがとう!」
サーニャちゃんのことを疑ってた訳ではないが、みっちゃんに可愛いといわれて安心した。
サーニャちゃんやエイラさんみたいに綺麗な人だから何を着ても素敵だけど私が着れば変なんじゃないかと
思ってたので、みっちゃんの素直な感想はとてもうれしかった。
みっちゃんの家に着くまでかけっこをした。今まで勝てていたのに負けてしまった……
ずっと扶桑人形ばかり見ててあんまり運動してなかったからかな?
今日はショックを受けっぱなしな気がする。
「おじゃましまーす。」
「いらっしゃい、今日はお爺ちゃんもお兄ちゃんもいないからゆっくりしていってね。 かけっこして体が熱くなっちゃったし縁側で蜜柑でも食べようか。」
「うん!」
冬の冷たい風も、運動して汗をかいた後だととても気持ちいい。
私たちは縁側でいろいろな話をした。学校のこと、ウィッチーズのこと…ちょっとだけ、扶桑人形のこと。
やっぱりちょっとだけ気になる。扶桑人形が好きな人って普通の人に動思われてるのか。
「ねえ、やっぱりお人形が好きって言うのは変かな?」
「ううん、私は変じゃないと思うよ。……変な私が言うのもなんだけど。」
「え、みっちゃんが変?」
「うん……あのね私、実は好きな子が女の子なんだ。」
もじもじと告白するみっちゃんを見て、言いようの無い安堵感と少しだけの好奇心を覚えた。
「へえー、じゃあみっちゃん今好きな子っているの?」
「芳佳ちゃん。」
私が全部言い終わる前にみっちゃんは私に告白の言葉を放った。私は結構大きな声で話していたつもりだがその言葉は
はっきりと私の耳から頭へと届いた。
「みっちゃん……本当?」
「大好きだよ。」
「友達とかじゃなくて?」
「うん。」
短い言葉を交し合った後、みっちゃんの顔が近づいて着た。ああ、キス、するのかな。
でも、みっちゃんならいいかもしれない。
蜜柑の甘酸っぱくていい匂いのする唇が、私の唇と重なり、眼鏡が少しだけずれた。
それはたぶん一瞬だったんだろうけど、キスなんてした事の無い私にはとっても長い時間に思えた。
「私は芳佳ちゃんが扶桑のお人形が好きでもずっと芳佳ちゃんのことが好きだよ。
もしかしたら私に振り向いてくれるかも知れない、ずっとそんなこと考えて芳佳ちゃんのことが好きなまま。」
苦々しく話すみっちゃんは一度息をすうと
「ね?たとえ芳佳ちゃんが変だったとしてもお互い様だよ。」
ああ、やっぱり私は異常だ、絶対。こんなに想ってくれる人が居て、まだ扶桑人形が好きだなんて。
せっかく時間ができたのにまったく推敲せずに10分くらいで書き上げたのを投下するのは
気持ちいいね!
>>229 すいません今の今まで気づきませんでした。
今から読んでみます。
>>238 フイタww
職人の生活サイクル似てるのかなってかみんな職業人なら当たり前か
自分は暇な学生だからいつでものうのうとコメしてるが、職人方はマジで乙であります
なんだけどジッチャンが撃墜王たるスタンスで強力な爆撃しまくってくるので俺的にはわりと満ち足りていられる
てことでジッチャンGJだ!
こんばんは。t26gFAxTです。
前回分へのレスありがとうございます。
ただ、推敲したはずなのに読み返したらものすごいありえない誤字がいっぱいあったのでorz
DVD2巻が届き、隅から隅までお楽しみ中。
記録集の表紙がすばらしすぎる。
特に秘め声CDと記録集は使えそうなネタがたんまりでまだまだいけそうですね、これは。
それでは学園ウィッチーズ第11話いきます。
とある描写でサーニャが変態みたいになったけど、後悔はしていない。うん。
主任教官室の一室で、ゲルトルートはぴんと背筋を伸ばし、後ろで手を組んで、目の前の執務机に座って書類に目を通す主任教官であるハッキネンの言葉を待っている。
ハッキネンが書類を机に置き、メガネを指先で持ち上げた。
「報告書を読む限り、ストライカーには問題がないことから、今回の墜落事故は人的要因により引き起こされたものとみて間違いないですね?」
「はい。間違いありません」
ゲルトルートはきっぱりと、嘘偽りなく、答える。ハッキネンは、ゲルトルートを熟視した後、椅子にもたれる。
「それでは、処分を言い渡します」
ゲルトルートの表情にかすかに緊張が走り、後ろで組んだ手を思わず握り締める。
「本日より、放課後に、同行者を必ずつけて飛行訓練を行ってください。訓練報告書も、同行者のサインを入れて、忘れずに提出するように」
ゲルトルートは意表をつかれたのか、目を白黒させながらも、言葉を搾り出す。
「お言葉ですが……それは……、処分なのですか?」
「不服ですか?」
「いいえ、また飛べるのは嬉しいですが…」と、本音を言いかけ、ゲルトルートは口をつぐむ。
「バルクホルンさん。この学園の目的はご存知ですか? この学園はすべて生徒の"可能性"を探るためにあります。
あなたもウィッチであるとはいえ、例外ではありません。報告された内容だけを見れば、あなたの魔力が失われつつあったことは明白ですが、今のあなたからは、確かな魔力を感じます。
よって、それに賭けてみたいと思ったからこその処分です。訓練は必ず行うように」
「承知しました」
ゲルトルートはこみ上げる喜びをなんとか胸にとどめ、凛とした態度で返答すると、勇ましい足取りで部屋を後にした。
ハッキネンは立ち上がり、窓を開けると、桟に手をつき、視線を落とした。
ただようタバコのにおいに顔をしかめる。
「盗み聞きとは、悪趣味ですね」
「学園内じゃ禁煙とうるさいからここで吸っているだけだ」と、しゃがんだビューリングは悪びれた様子も見せず、また煙を吸い込む。
「本当は心配していたくせに、素直じゃない」と、ウルスラが持っていた本でタバコの煙をあおいだ。
ビューリングは否定するでもなく、ふん、と鼻だけ鳴らす。
ハッキネンは、呆れながらも、真一文字に引き結んだ唇をほんの一瞬緩ませながら、「今後は、学園敷地内での禁煙も検討します」とだけ、いたずらぽく言うと、窓を閉じた。
「弱ったな。もう空で吸うしかないな……」
「禁煙すれば」
「そうだな。ハルトマン姉妹の仲が良くなったら止めてみるかな」
ウルスラは、苦々しい顔をビューリングに向けると、くるりと背を向けて、校舎へ戻っていく。
ビューリングはその様子を眺めて最後の一息を吸い上げると、空に向かって吐き出した。
「お前だって素直ではないじゃないか」
エイラ、サーニャ、ペリーヌ、リーネの4人は、屋上でランチボックスを開いて、昼食を囲んでいた。
ひとしきり食べ終わったエイラはごろりと寝転がり、曇天の空を見上げると早速ペリーヌがため息をついた。
「まったくお行儀が悪い」
「かたいこと言うなって。ていうか、宮藤呼ばなくていいのか、リーネ?」
カップにお茶を注いでいたリーネの手が止まり、わずかに目元を引きつらせながらも、笑顔を向けた。
「うん。今日は医療研修で忙しいみたいだから。邪魔しちゃ悪いかなって」
「そっか。あいつ治癒魔法使えるし、実家も診療所だって言ってたな。いつかは扶桑に…」
と、言いかけてエイラは起き上がり、リーネが注いだ紅茶に口をつけ、火傷する。
ペリーヌはいつものように呆れ、リーネは苦笑し、サーニャはくすくすと笑った。
エイラはサーニャにつられて笑いながらも、学園生活が終わり、いつかはサーニャと離れる日が来るということ、目の前のペリーヌとリーネもいずれはそれぞれの想い人と離れてしまうことを漠然と思い出し、つい、瞳を伏せる。
サーニャは、そんなエイラの想いを気取ったのか、彼女の口元に指を置いた。
緑の瞳がじっとエイラを射抜いて離さない。
目の前にいるリーネとペリーヌも思わず息を呑んだ。
「痛いの痛いの飛んでけ〜…」
頼りない、そよ風のような声が奏でた言葉に、エイラは目を点にし、頬を真っ赤に染めた。
「こ、子供扱いすんなよな!」
「だって、芳佳ちゃんがとっても効くおまじないだって…」
リーネとペリーヌはかわいらしい二人のやり取りに声を上げて、笑い、エイラはそんな二人を制止しようとあたふたする。
サーニャは、三人を見つめながら、エイラの口元に置いた指先で自分の唇をそっとなぞった。
エーリカは廊下を駆け抜け、生徒会室のドアを開け、ぱっと瞳を輝かせる。
「おー、いたいた」
机に肘をついていたゲルトルートが振り返り、また前を向いた。
「何か用か」
「ミーナが探してる」
ゲルトルートは、立ち上がると、ドアに施錠をした。エーリカの顔から電灯が消えたように、笑顔が失せ、わずかに厳しさが透けた。
「どうしたのさ?」
「エーリカ。お前はミーナがこの学園に来た理由を、知ってたんだな」
「ご名答。なに? 責任感じて、ミーナから逃げ回ってるわけ?」
図星をつかれたゲルトルートは眉間にしわを寄せ、拳を握り締めた。
「私なんかのために、無為な時間を…」
「それは、違うんじゃないかなあ? そりゃ、音楽も好きだろうし、でも、ウィッチとして人の役に立ちたいってのもあるだろうし、なによりトゥルーデを…」
「私を、なんだ?」
エーリカは、本当に何もわかっていなさそうなゲルトルートの表情に、呆れつつも、にやっといたずらっぽく笑い、ゲルトルートの肩を
叩いた。
「残りは本人に聞きなよ。あんまり逃げ回ってると、魔法使われて常に位置把握されちゃうぞ」
「……努力する」
ミーナは廊下の曲がり角で、つい余所見をし、ちょうど歩いていた坂本とぶつかり、よろける。
「ごめんなさい」
「随分あわただしいな。どうした?」
髪を耳にかけ、視線をそらすミーナに、坂本はすぐに合点がいったのか、ふと微笑んだ。
「バルクホルンを探しているのか?」
「そんなところね…」
「あいつの処分は事実上なしみたいだ。ただし、しばらくは、放課後に飛行訓練をしなければならないそうだ」と、言いながら、坂本は窓の外の格納庫に目を向ける。
ミーナは、坂本の言葉に胸をなでおろし、息を吐いた。
坂本はその様子を視線のすみで追いながら、窓の外を指差した。
「飛行訓練には、同行者が必須だ。一緒に飛んであげてはどうだろう」
ミーナは、ちょうどゲルトルートが格納庫に入っていくのを見ると、弾かれたように駆け出した。
ゲルトルートが格納庫を訪れると、そこにはすでに彼女のストライカーを準備するシャーリーの姿があった。
他の整備スタッフは見当たらない。
シャーリーはゲルトルートに気がつくと、大きく手をあげた。
「よぉ」
「お前だけか」
「ああ。誰かさんのおかげでスタッフの休日返上させちまったからなあ」と、シャーリーはにやついた。
「……そうだな、すっかり迷惑をかけてしまった」
昨日までの棘だらけだったゲルトルートがすっかりしおらしくなっているものだから、シャーリーは、少し考えた後、持っていた工具をがっしゃんと工具箱に戻した。
「一緒に飛ぶか? 同行者、必要なんだろ」
「そうしてもらえると、助かる」
あっさりと同意され、今度はなぜかシャーリーがどぎまぎし始め、なにより、彼女自身が、自分の胸の高鳴りに困惑を始める。
「……で、でも、私よりミーナ先輩のがいいんじゃない?」
「いや、ミーナは……その……今は…」
「ケンカでもしたのか?」
シャーリーはいつの間にやらゲルトルートの目の前に立ち、わずかに腰を折って、彼女に詰め寄る形となっていた。
ゲルトルートが、話してよいものかどうか、迷っているうちに、格納庫の屋根をてんてんと雨が叩き始め、次第に本降りとなる。
「これじゃ、今日は無理そうだな…」
「……ああ」
バシャバシャと足音が聞こえ、二人が入り口のほうへ視線を向けると、ちょうどミーナが駆け込んできた。
ミーナが顔を上げる前に、シャーリーはゲルトルートから離れ、工具を片付け始めた。
濡れた髪を撫で付けるミーナに、ゲルトルートは勇気を振り絞ったように近づいて、ハンカチを差し出した。
先日ミーナが渡したものである。きっちり糊付けでもされたのかという具合に、しわが伸ばされ、たたまれた状態に、ミーナはゲルトルートの生真面目さを見て取って、くすっと笑った。
「ありがとう」
シャーリーはそんな二人を見、傘を掴みあげると、ゲルトルートに向かって放り投げた。
ゲルトルートはしっかり受け取るも、怪訝な顔を向けた。
「一本だけか?」
「もう一本は私とルッキーニの。予備なんだから贅沢言うなって。飛行訓練はまた明日な。ほら、今日はもう店じまいだから出てった出てった」
ゲルトルートはしぶしぶといった様子で傘を広げると、ミーナを伴って格納庫を出て行った。
入れ違いで、ルッキーニがビシャビシャになりながら入ってきて、体を震わせ水を弾いた。
「うえぇ、風邪引いちゃうよぉ〜…」
一人ごちるルッキーニは、ぼおっとするシャーリーの前に立って、手を振った。
「おーい、シャーリー? どしたぁ?」
シャーリーは、まるで今目覚めたかのようにルッキーニに気がつくと、取り出したハンカチでルッキーニの濡れた顔を拭いた。
ルッキーニは、八重歯を見せ、嬉しそうにその状態を愉しむ。
シャーリーはそんな彼女を真剣な眼差しで見つめ、抱きしめ、格納庫の入り口から見える雨の風景を、じっと見据えた。
ゲルトルートとミーナは、1つの傘に身を寄せ合って入り、寮へ向かっていた。
傘を持つ、ゲルトルートの冷えた手に、ミーナが自分の手を重ねた。
「明日の飛行訓練だけど、同行者はもう決めたの?」
「一応、リベリア……シャーリーに頼んだが……」
ミーナはひときわ寂しそうな瞳をゲルトルートに向けて、また、正面を向いた。
ゲルトルートは、ミーナの視線に気づかぬまま、じっと前を見つめ、昔もこんな風に1つの傘で雨の中を二人で帰ったこと、そして、数日前に見た夢の光景を思い出す。
幼い頃に、ミーナの両親は立て続けに亡くなって、その頃のゲルトルートにできたことは、ただ傘を差し出して、抱きしめて、そして言葉をかけてあげることだけで。
あの時、私は――
ゲルトルートは、大きく目を見張って、立ち止まった。
ミーナがそばにいてくれたのは、あの日の約束の――
ミーナも立ち止まり、ゲルトルートを覗き込んだ途端、片手で抱き寄せられる。
「すまない。私は……。馬鹿なのは私だ。ミーナの両親の墓前の前で……約束したのに…」
ミーナは、ゲルトルートの背中に手を回し、きつく抱きしめた。
ゲルトルートの手から傘が離れ、二人の上に容赦なく雨が降る。
「……トゥルーデ、今のあなたはまたあのときの約束をしてくれる?」
ゲルトルートは、両手でミーナを抱きしめ、耳元でささやいた。
「ああ。いつまでも、そばにいる」
第11話 終わり
>>238 ミーナさん崩壊シリーズはぶっ壊れたミーナ隊長もおもしろいがそれ以上に
もっさんのクールさがおもろいw二人の温度差笑えるなぁwww
欝話書く上で心の均衡を保とうと書き始めた話の方が先に出来上がる罠。
前スレで影響受けてもやもやしたものがそこそこ形になったんではないかと思われ。
●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 エルマ来店
喫茶ハカリスティ、本日開店。
缶の臭いはバッチリとれて、二人ともお店での服にお着替え。
ちょっと恥ずかしいけど、わたしはサーニャの勧めでウェイター姿。
男物のズボンなんて似合わないよ〜って思ったけど、一緒に買いに行ったサーニャに押し切られて渋々試着。
で、姿見でサーニャと一緒に並んでみたらなんだか思わず自分で言うのもなんだけど似合いすぎちゃって即買い決定。
サーニャはベルトが長めのウェイトレス。
今まで着てた服とデザインは似てるけど、ポイントとして入るのはオラーシャの赤い星じゃなくてスオムスの青十字。
サーニャは何を着ても似合うなぁ……うんうん。
お客様第一号はご近所の一家。
その他にもお店の立ち上げを手伝ってくれた比較的近所のおっちゃんやらおばちゃんやらその家族やらが来店して、朝から昼過ぎまでは大忙し。
みんながサーニャの料理を褒めてくれて、ちょっとだけ私のコーヒーや料理も褒めてくれて、サーニャも笑顔で最高に幸せ。
心残りと言えばちょっと忙しすぎてサーニャのピアノとか歌声とかを披露できなかった事くらいカナ。
まぁ立地が『閑静な』場所だけあって近所組みが帰っちゃうとお客さんはグッと減る感じ。
一応街道沿いではあるんだけど、まだ復興の進んでないオラーシャ側とスオムスを結ぶ街道なんてそんなに人通りが多くないんだよナァ。
でもきっといつか、呼の街道も人通りを取り戻すって、そう信じてる。
そんな気だるい昼下がり。
見知った顔がやってきた。
「こんにちはエイラさん。お元気してますか?」
店内に入るなり笑顔で挨拶する短めの薄色の金髪の20歳過ぎの女性。
私服でサマーセーターを着てたけど、思い出の中にあるいつもの軍服じゃないだけで、その優しげな声も顔も忘れたりなんかするもんか。
「エル姉ぇ!」
わたしはその来客、エルマ・レイヴォネン、スオムス空軍少佐に抱きつこうとした矢先、
すってーん!
エル姉は盛大にコケた。勿論何も無い所で。
寸前でピンときたわたしは抱きつこうと広げた腕のままもう一歩踏み込んで、姿勢を低くして抱き留めるアクションへとシフト。
最終的にはわたしよりちょっとだけ背の高いエル姉をお姫様抱っこ状態になる。
「ごめんなさぁい」
「モ〜相変わらずダナ〜エル姉は〜」
年上で上官なのにドジで気弱な可愛い人。
でも扶桑のアナブキ中尉から学んだって言う航空指揮はとっても的確で、幾つもの戦闘で勝利を得ている。
地味に撃墜数とかも稼いでて、スオムスでは3番目に多くネウロイを撃墜してたりする。
「そんなエイラさんは相変わらず勘も動きも鋭いですね〜」
「ソンナンジャナクテ、魔法なんて使うまでも無く知ってる人なら誰でもピンとくるって」
そのままサーニャの居るカウンターに向いて、その姿勢のままエル姉を紹介。
「サーニャ、この人わたしのスオムス空軍の先輩のエルマ・レイヴォネン……今は少佐でよかったよね」
「あ、あのちょっと、恥ずかしいですから降ろしてくださぁい」
「見ての通り年上だけどドジッ娘。リーネといい勝負、いやエル姉の勝ちカナ?」
「はい、あの、サーニャ・リトヴャクです。その、エイラ、降ろしてあげたら」
サーニャはちょっとこちらから目線を逸らしつつ控え目な自己紹介。
ん?なんだか久しぶりに人見知りモードかも。
エル姉は誰にでも優しいからそんなに緊張すること無いのにナ。
あ、少佐って聞いてサカモト少佐を思い出したのかな。
方向性ぜんぜん違うから大丈夫なのに。
「ホラ、エル姉、座った座った」
言いながら直接カウンターの椅子に座らせる。
わたしは久しぶりに会ったエル姉と思い出話。
で、エル姉が大人しいのをいい事に、いろいろ悪戯なんかして、酔っ払っても優しく叱ってくれるエル姉に少し甘えてみたり。
ニパやハッセ、その他の仲間たちの近況を確認してみたり。
でも、何度水を向けても、サーニャ微笑を浮かべて相槌を打つばかりで、話に混ざってきてはくれなかった。
途中夕方になってお客さんが入り始めた。
ちゃんと喫茶店のウェイターをしてるうちに、飲ませすぎてしまったらしいエル姉は寝息を立てていた。
途中気付いたサーニャが毛布をかけて置いてくれたんだけど、当のサーニャはなんだかちょっと様子が変だった。
開店初日で疲れたとか、そんなのとは違う気がした。
「エイラ、レイヴォネンさんを送ってあげて。その間にサウナの準備をしておくから」
なんとなくその言葉に逆らえなくて、「うん」とだけ頷いてまだむにゃむにゃいってるエル姉を抱き上げた。
その瞬間、サーニャが少し悲しそうな表情を浮かべた。
「え!? ちょっと、サーニャ!」
でもサーニャはすぐに背を向けると「気をつけてね」とだけ言い残して奥へ引っ込んでしまった。
もやもやしたまましばらく突っ立ってたけど、幸せそうな表情で頬を染めて身じろぎするエル姉の重みを思い出したわたしは、裏手のシュトルヒに向かった。
シュトルヒの後席にエル姉を押し込んで、固定して離陸。
少し離れた航空基地で教官をやってて、今日は非番なんで足を延ばしたって言ってたから、そこまで置いてくればいいと思うんだけど……。
問題は突然軍の基地に行っていきなり試行機下ろさせてくれるかだよな。しかも時間遅いし。
そんなことを考えながら転針していると、エル姉が起きる気配がした。
「エイラさんおはようございます。あ、これ自家用のシュトルヒですね。すごいですね〜」
「あ、エル姉起きた? ヨカッタ。これでいきなり対空砲で撃たれるのだけはなさそー」
「エイラさんて、本当に変わらないですね〜」
「ナニガ?」
なんだか、記憶にあるエル姉以上にほわほわした感じがする。まだお酒のこってるのかな。
「自分の気持ちに不器用なところとか、そんなところに自分で気づいてるのに踏み出せないところとか」
「え、エル姉まだ酔ってるダロ〜」
「はい、酔ってますから普段できないこととかしちゃいますよ〜……、エイッ」
「ひゃっ!?」
唐突にエル姉が私のおっぱいをもみ始めた。
シュトルヒが蛇行するけど、流石は元航空歩兵だけあって普通の人なら悲鳴をあげるところで平然と揉み続ける。
「エル姉ノンケじゃなかったのかよー!」
「私にだって揉む権利があると思うんですっ!」
しかもなんか揉み方がいやらしい感じ。ンッ……なんか、だいぶ手馴れてナイカ?
「ヤメロ酔っ払い!」
「ふふ、じゃ、やめます」
あっけなく手を離す。ちょ、ちょっと興奮しちゃったじゃナイカ。
「全くモー……何なんだよ、エル姉」
「エイラさんが余りにも幸せそうで、余りにも鈍感で、余りにも残酷なんでちょっと意地悪したくなっちゃったんですよ」
「チョットの意地悪で墜落しかけたぞー」
「今のはチョットの悪ノリです。意地悪はもう済ませました」
ジト目で抗議するけどあっさりとかわされる。
「うぇ、やっぱりエル姉変わった〜。昔はもっといい人だったよ」
「それでですね、サーニャちゃんですけど、」
「サーニャが何っ!?」
まさかサーニャに何か意地悪したのか!? まさか様子が変だったのはエル姉のせいなのかっ!?
「わ……食いつきが凄すぎですね。その、多分ですけどエイラさんが自分を律しすぎてるんじゃないかな、って思います」
え?
「もう少し……その、自分の欲望みたいなものをうまくサーニャさんにぶつけてみるとか、うーん、うまく言えませんね」
いっ欲望!?
「わ、わたしがっ、その、そんな事したら……サーニャに嫌われちゃうよ……」
でも、わからない。
そして、頭の隅に追いやってたことを思い出してしまった。
さっきのサーニャのなんだか変な、よそよそしい感じの、突き放した様子。
「エル姉、わたし、サーニャに何か悪いことしちゃったのかな?」
ああ、なんか思い出したらわたし気弱どころか涙声になってる。
「はい、してましたよ」
「えええっ! なに?なに?なに?わたしいったい何シチャッタ?」
「多分答えだろうと思うものはわかってますけど……それを言わないのが今日はちょっと意地悪な大人のエルマです」
「ひどいよエル姉っ!」
うう、本当に意地悪だ。
「あ、飛行場ですね」
そういうとエル姉は窓から身を乗り出して地上に手を振っていた。
程なくして誘導員が出てきて着陸。
別れ際、「ヒント:お姫様」とだけ言うとエル姉はさっさとシュトルヒを離れて手を振り始めてしまった。
仕方なくタキシングして離陸。
考える暇も与えてくれないほどあっという間に飛び上がるシュトルヒの性能が、このときだけは恨めしかった。
煮え煮えになりながら帰宅。
サーニャは笑顔で「お帰りなさい」って迎えてくれたけど、なんだかちょっと無理してるような気がした。
わたしもエル姉のくれたヒントの事でいっぱいいっぱいになってて、気の聞いた返事もできずに「タダイマ」とだけしか返せなかった。
お姫様……。
サーニャがわたしのお姫様なんて、私の中では当たり前だし。
いやそれだけじゃなくて天使とか妖精とか女神とか……たいていのものは当てはめられちゃう自身はあるぞ。
ん〜でも、エル姉のいうお姫様って一体なんなんだろう?
二人でサウナ。
身を寄せ合うようにしてるのに、なんだか心が遠いようで辛い。
本当はもう少し言葉を交わす時間なのに、二人ともずっと何も喋れなくて、ただずっと静かな時間だけが過ぎて。
多分わたしたちは、いつもよりも長く、サウナにいた。
「あがるね」
そんな長い時間の中で、初めて発された言葉。
サーニャはそういうと立ち上がるんだけど、のぼせてしまったのか、足をふらつかせた。
ああ、もう!
ナニヤッテンダ! わたし!
こうならない様に、いつものぼせないようちゃんと時間を計ってたんじゃないのか!? わたしのバカ!
自分を罵倒すると同時に、最悪の状況を回避すべく反射的に踏み出したわたしは、しっかりとサーニャの体を抱きとめた。
咄嗟だったから気を回していられなかったんで、二人の体からはらりとタオルが落ちる。
火照った肌の接触。
すべすべの感触。
細くて可愛らしい身体。
そんな腕の中の存在に崩壊寸前の理性を?ぎ止めてくれたのは、何時間かぶりに見る心からのサーニャの笑顔だった。
「こうして欲しかったの」
「えっ!?」
「ごめんなさい。私、エイラにこうやって抱っこしてもらえるエルマさんに嫉妬してたみたい」
え?え?え?どういうこと!?
「私ももうちょっとドジだったりしたら、もっと早くこうしてもらえてたのかな」
何気にサーニャ真剣な表情でちょっとひどい事言ってるゾ。
「その、言ってくれればこれくらいの事は……」
いや、まてよエイラ、これはまずい。
裸でこんなおっぱい同士が触れ合うほど接触してるなんてっ! こんなんじゃ私がどうにかなっちゃうじゃナイカッ!
「お願いがあるのっ!」
思考が沸騰する前にサーニャが強く言った。おかげで少しだけ冷静に。
「サウナから水浴び場まで、毎回こうやって抱っこして欲しいの」
いや! そそそそれはまずいよサーニャ! わたしが獣になっちゃうよ!
でも、サーニャの頼みを断るわけにはいかない!
そうだ、今日だけ、今日だけならきっと耐えられるっ!
耐えられるに違いないっ!!
「キ、キョウダケ……」
「エイラ……」
上目遣い。反則ダロ。
で、でも精一杯サーニャの願いをかなえるのがわたしの使命ダロ!
「アシタマデ……」
「…………」
今度は目を伏せる。
「コ、ココダケッ、ダカンナー」
多分のぼせたときよりも真っ赤になったわたしは、叫んだ勢いで水浴び場までサーニャをお姫様抱っこ。
後はそんな幸せな状況に頬は緩むままに任せ他愛の無い会話。
明日以降の理性なんてその時がんばればいいさ。
何よりも、昨日より笑顔が輝いて見えるんだから。
それがとっても幸せ。
そんなわけで、ちょっとばたばたはしたけれど、喫茶ハカリスティ開店初日はまずまずの仕上がり、カナ?
エル姉アリガトネッ!
以上となります。
ユーティライネン、カタヤイネンに多分ルーッカネン、アホカスまでいるんなら、
きっとハンス”ハッセ”ウィンドもいるだろうと思って名前を入れてみた。
公式に出てきたら「まだニパがいる」ネタでもやりたいなぁ。
坂本×山川に関しては月曜夜あたりに投下できればと思ってます。
っていうか、密林!
DVD2巻ではいい仕事したというのに、島田フミカネ画集が届かないのはどういうことよ!
さーにゃんかわいいなあ…
エイラちゃんは幸せもんですね!
GJ!
>>245 学園キター!
やっとゲルト復活できて嬉しい
後はミーナの気持ちに気付いて肉体言語で語り合うだけですね、性的な意味で
まだまだ続いて欲しいですw
学園シリーズはアニメだけじゃなくていらん子のキャラも出てくるから嬉しいです
特にビューリングが可愛い
260 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/27(月) 09:13:53 ID:d15++2pO
すまん途中で書きこんじまった…
>>248 これはまさかのシャーゲルのながれかな?
わっふるわっふる
>>257 グッジョブ!エイラーニャ良いなぁ
今日も一日幸せな気分で過ごせるよ
>>241 ・・・・・・・・なんという
妄想を具現化してくれるとは思っても見なかったです
ここの人は本当に読ませてくれる作品が多くて好き
学園シリーズも眼が離せません
エイラとゲルトのやつの続きはまだですか?
一日放置すると読みきれない量が投下されるから困る
いや困らないけど
感想が追いつきません!
職人さんみんなGJGJGJ
>>257 GJ!!最初のお客さんがエルマさんでなんか嬉しいぜ!
サーニャ以外には無自覚で紳士なエイラがツボにきたw嫉妬サーニャかわいいなぁ
ところでざっと見た感じフィンランドの著名な軍人にレイヴォネンって人いない
みたいなんだが、氏はエルマさんのモデル誰かにしている?
参考にしたいのでよければ教えてくだされ
268 :
267:2008/10/27(月) 20:27:00 ID:9yXZnO0f
すまない、もう一人のエイノさんだったか>エルマさんのモデル
たしかヨルマって名前の人もいたな
>>267>>268 エイノ・アンテロ・ルーッカネンだな
ユーティライネンとかカタヤイネンに比べるとインパクトは少ないが
まぁあの方たちが異常なだけだから。
ルーッカネンって言いにくいw
元ネタの方々は調べてみるとなかなか面白いよな。
ヴィルケ本部長
ペリーヌ・クロステルマンの場合
前年から25%を超える大減俸に対して
「ふざけるな!という金額。そういう提示をするのは、わたくしをいらないということでしょう」
「ショックで震えることってあるんですね。金額を見た瞬間に足ががくがくになりましたわ」
「1話に一言しかセリフのない人とは違うのですわ!」
「実は来年の5月に子供が生まれるんです(想像妊娠)。何とかミルク代として」
>>267〜
>>270 感想ありがとっす〜
アニメのまとめwikiみたらルーッカネンになってた。
自分的にもキーワード的に39年に独立した自分の部隊を率いていて、
苗字がLから始まっててエイラの先輩っていうと、
有名どころではルーッカネンかな、と想像してた。
投下します。久々のシャッキーニ。
――ああ、くそ、あんなゲームなんかして後悔した。
まさかルッキーニに告白する事になるなんて…
―――confession game―――
遡る事一時間前。
「なあ堅物、ちょっとゲームしないか?」
「ゲーム?」
あたしは食堂でカールスラントの堅物にゲームを挑んだ。
「簡単なゲームだよ。今からこのトランプの中から一枚引く。
そのトランプの柄を当てる。それだけのシンプルなゲームさ」
「ほう、それで負けた方には何かペナルティはあるのか?」
「ペナルティか…」
「ゲームには無ければいけないだろう」
「うーん…あたしこういうの考えるのは苦手だからなあ…。
あんたがなんか考えてよ」
「…そうだな。
好きな相手に告白するというのはどうだ」
「…っていうか堅物。お前に好きな奴なんていんのか?」
「失礼だな。
…いるに決まってるだろ」
「ふ〜ん…じゃ、始めようか」
「待て。お前じゃ何をやらかすか分からない。
私がトランプを切る」
「…あたしどんだけ信頼無いんだよ…」
堅物はトランプを切る。
「じゃあ、今から当ててみようか」
「その前にルール確認だ。もしも二人の予想が外れたらどうする」
「それは、サドンデスに決まってるだろ。
じゃなきゃ面白くない」
「…なるほど」
…なんかやけに乗り気だな…
「じゃあ、予想しようか。まずは堅物から」
「そうだな…。ダイヤの3にしようか」
「ならあたしは…ハートのエース」
堅物はトランプを引く。
そして一枚のトランプをテーブルに叩き付ける。
そこにあったのは…
「ダイヤの3…だと…?」
「フッ」
堅物が不敵にニヤリと笑った。
「なっ、なんで一発で当てられるんだよっ…!」
「フッ、リベリアン、お前は勝負を挑んだ相手を間違えたようだな」
「…なんだと?」
「私はここ一番には強いんだよ。特に賭け事に関してはな」
「くっ…!」
「ほら、早く告白してこい。
……まさかとは思うが、好きな相手は私じゃないだろうな」
「アホか!お前なんか好きになるワケないだろ!」
「そうか。なら安心した。ほら、心置きなく告白してこい」
堅物はそう言うとあたしを無理矢理食堂から追い出す。
―――――――――――――――――――で、今に至る。
今、ルッキーニは宮藤、リーネと話し中だ。
廊下の曲がり角からルッキーニをジロジロ見ているあたしは今はただの変態だろう。
「ん?何をしているんだ、シャーリー」
あたしの様子を見た坂本少佐が話し掛けて来た。
「さっ、坂本少佐!」
「ルッキーニに何か用なのか?」
「ええ、まあ」
すると気を利かせたつもりなのか、坂本少佐は、
「おーい、ルッキーニ!
シャーリーが何か用があるそうだー!」
「っ…!?」
なんとルッキーニを遠くから呼んだのだ。
「ウニャ?なに、シャーリー」
「あっ…いや…あの…さ…//////」
ルッキーニを前にすると、言いたい事(っていうか言わなきゃいけない)が頭をグルグル回って口に出せない。
「…っ…あっ…あのさ…//////」
「?」
「……なんでもない……」
「あ、そ」
…あたしいつからこんなにヘタレになったんだっけか…
あまりの自分のチキンっぷりに心底呆れる。
「じゃああたしからいい?」
あたしが死ぬほど落ち込んでいると、ルッキーニが話を切り出して来た。
「…ん?なんだよ」
「…ここじゃ恥ずかしいからさ、ちょっと向こう行かない?」
「あ、ああ、別に良いけど」
そう言うと、あたしはルッキーニに手を引かれてどこかへと、連れて行かれる。
「おい、どこ行くんだよ」
「もっと、遠くだよ。…誰もいないような…//////」
「ルッキーニ…?」
ルッキーニの様子が少しおかしい。
「シャーリー」
「なんだよ」
「…あたしの話、ちゃんと聞いてね?」
「ん、ああ…」
ルッキーニは大きく深呼吸して、あたしに話を始める。
「……実はね、シャーリー…あたし…シャーリーの事が…」
―――――――――――――――――――
《シャーリーの様子を傍らで見ていたトゥルーデ
「イカサマなんて私らしくも無いな」
トゥルーデの手には先が少し折れ曲がったダイヤの3のトランプが。
「フフ…面白い報告を待ってるぞ、リベリアン」
そう言うと、トゥルーデは持っていたダイヤの3のトランプを投げ捨てた。
END
以上です。
久々のシャッキーニ、やっぱり書きやすいw
…さて、いよいよ体調が悪くなってきたので、爺はもう寝ます。おやすみなさい…
ふぅ……久々にリアタイきたぜ
>>276GJ!!何だこのお姉ちゃんww
トランプに興じる女の子たちっていいですよね。そしてナイスシャッキーニ。
いやはや、ここはパラダイスですね!
みなさんGJすぎる……。
特に学園ウィッチーズシリーズはすごく…ミートゥルで…2828でした。
GJ!
前スレでちらっとカールスラントトリオは3Pでいいよ!
なんて話をしてたしがない絵描きですが、ぴぃvに後でコッソリ投下します…。
インスピレーションくださった、保管庫管理人様のSSに感謝。
彼是一週間くらい保管庫が更新されてないな
この時期はみんな忙しいのかな
ぐはぁ、遂に言われてしまった。今修羅場真っ最中なんです、申し訳ない……。
11月までには何とかします。多分。
いらん子ネタで一本書いてるのでそれで勘弁してくださひ……。
>>276 トゥルーデがカッコイイ惚れ直しました。
>>280 修羅場真っ最中なのに創作活動を忘れない管理人さんが素敵です。
がんばってください。
そんなわけで予告どおり自分の投稿いきます。
内容が欝です。
なんか最後がうまくまとめらん無かったんで前半部だけ投下してみます。
ごめんなさい。
朝一番に見る内容じゃないと思われます。
本当はこれ完結させてから口直しに喫茶ネタを投下できればよかったんですが、
どうにもうまくいかないもんです。
一応、坂本美緒×山川美千子となります。
●扶桑皇国1945 残された者たち
横須賀 昭羽20年7月
宮藤からの手紙が届いた。
あいつは向こうでもうまくやっているらしい。
あの人懐っこい性格と空戦の実力ならにべなるかな。
現在、扶桑は大陸からのネウロイによる空襲に悩まされ、一人でも多くのウィッチが必要とされていた。
大戦初期に活躍し、魔力を失いつつあったウィッチは後進の指導の為にストライクウィッチ養成校の教官となっているものが多かった。
私もそんな中の一人だ。
精強なウィッチを育て、戦場に送り出す事。それが今の私に出来る宮藤への最大の支援だと考えている。
「坂本教官、試験を始めるとの事で技官の方がお呼びです」
物思いにふけるうちに、山川が来た。
彼女は宮藤のはとこにして親友で、最近になって魔力を発現したウィッチだ。
宮藤ほどの素質に恵まれているわけではないが、新機材の開発の為に癖のついていないウィッチが必要だと言う事で横須賀空技廠に出向している。
同時に私も彼女の監督官と言う事でここ空技廠に通う身だ。
格納庫へ向かう道すがら、山川が好奇心を押さえきれずに話しかけてくる。
「さっき見ていたお手紙って、芳佳ちゃんからのですか?」
「ああ、戦闘は大変だがうまくやってるらしい」
宮藤も私や家族以外に手紙を送りたいようではあったが、忙しい防空任務の合間に手紙を書いている身ではどうにも出来ず、申し訳なく思っているようだ。
「そうなんですか〜。私も早くちゃんと飛べるようになって芳佳ちゃんの助けになりたいな」
「当然だ。私も宮藤の為に何かしてやりたいと思っているからな。今はお前を一人前にするのが、何よりも宮藤のためになるだろう」
「はいっ、がんばります!」
新機材、ストライカーユニットJ7は野心的な設計の局地戦で、今までのユニットに慣れたウィッチには扱いにくいだろうと思われた。
未完成な部分も多く、まさしく今この瞬間に山川と共に成長途上にあるといえた。
だが、完成すればこの戦闘脚こそが扶桑の防空の要となる。そんな予感を与える機体でもあった。
J7は兎も角、山川に関して心配事があるとすれば、宮藤に対する思いが少々強すぎる点か。
まぁ、私もあまり人の事は言えんのだがな。
実は、手紙はもう一件あった。
ネウロイの猛攻の前に劣勢に立たされつつある扶桑での、連合部隊発足に関する連絡だ。
元501統合戦闘航空団を中核とし、増強した混成部隊になるという。
そして、部隊番号は現在欠番となっている501番が使われる。
勿論この部隊には宮藤も呼ぶつもりだし、山川も推薦してある。
宮藤は今、第三四三航空戦闘隊に所属し、西扶桑の空を護っていた。
本来ならば私が赴くべき空だったのだが、魔力の低下は如何ともし難く、私はこの横須賀の地から宮藤の活躍を見守る他はなかった。
宮藤がその名を上げたのは今年の2月の事だ。
大型ネウロイ12機に対して単身防空戦を行い、内2機を撃墜。
右手に機銃、左手に使い魔を具現化した護身刀九字兼定を構え奮戦するその姿は「空の二刀流」と写真つきで新聞にて報道された。
今や人気は私や竹井、陸軍の穴吹や加藤すら凌ぐ勢いだ。
そんな一般国民の盛り上がりと裏腹に、西の防空は過酷さを増しているらしい。
余程状況が悪いのだろう。
国民に知らせられ無い情報が多すぎて、同じ軍内部にいる私にすら正確な情報が入らないことがままある。
今のところ帝都は無事だが、本格的なネウロイの攻撃が始まるのも時間の問題か。
歯痒いものだな。
手紙や新聞の宮藤は明るい部分しか見せていない。
だが、私には分かる。
防空任務についたウィッチ達の損害の表す数字。
確実に宮藤の身近でも何人ものウィッチが帰らぬ人となり、或いは二度と飛べない体となっているはずだ。
守りたい。
そう強く、何度も語った宮藤の力強い眼差しを私は覚えている。
私の命を繋いだ眼差しだ。忘れられるはずが無い。
守れない。
私が大戦初期に欧州で味わった絶望感。
宮藤は、今その時と同じ気持ちで居るはずだ。
私には、その時隣には竹井がいて、くじけそうな心をお互いに支えあってきた。
勿論今一緒に戦っている連中も大切な仲間には違いないはずだ、だがそれを少し踏み越えた関係である者が隣に居る事がより望ましい。
宮藤にとってはリーネや山川、そして自惚れるなら私といったところか。
しかし、リーネは遠く海の向こう、山川は未だ実戦力とならず、私は既に戦う力を失った。
それでも為すべき事はまだある。
新生501の為に尽力してリーネたちをこの扶桑に呼び込み、一日も早く山川を一人前のウィッチとして鍛え上げればいい。
私は、そう自分に言い聞かせながら格納庫への道を急いだ。
夕刻、試験の項目を終え山川と共に帰還。
山川は疲労の限界で自力でストライカーを脱ぐことも出来なかった。
「しょうがないやつだな」
「ご、ごめんなさい」
自分のストライカー、零戦22型から機種転換した紫電21型を外すと、山川の除装を手伝ってやった。
私の紫電もそうだが、山川の使用している戦闘脚J7は局地戦用だ。
高い攻撃力、防御力、ダッシュ力を持っている代わりに魔力、体力の消耗が早い。
私の場合はストライカーユニットそのものへの完熟度が高い為、衰えた魔力でもこの程度の飛行時間は問題にならないが不慣れな山川にとってはまだまだきついのだろう。
「まだ起き上がれんか?」
「た、立てます」
と、上半身を起こすが、腕にも力が入らないのかそのまままた倒れこんでしまう。
「あっはっは。まったくしょうがないやつめ」
私は頭を打たぬように手を差し伸べるとそのまま抱き上げた。
「汗びっしょりだな」
まだまだ力を扱えていない証拠だろう。無駄に力が入ってしまっているのだ。
「あ、はい、ごめんなさい」
「まぁ慣れんうちは仕方があるまい。よし、報告書の前に風呂に行こう」
多分に早く力になりたいと言う思いや新機材への周囲の期待が重圧になっている部分もあるのだろう。
ならば、それをほぐすのはゆっくりと湯につかるのがいいだろう。
「ええ、いいんですか?」
「私が言うのだから構わんさ」
視界の隅に未だ痙攣を続ける爪先が映る。まだ立てそうも無い、か。
そう判断した私は山川を横抱きにしたまま格納庫を出、風呂のある棟へと向かった。
「き、教官、これはちょっと恥ずかしいです」
ふむ、所謂お姫様抱っこで人目に触れる場所を歩くのは恥ずかしいものなのか。
「あっはっは、では恥ずかしい目に合わん様に飛行後もしっかり歩ける身体を作らんとな」
「もうっ、教官意地悪です」
「あっはっは」
そのまま棟に入り風呂に向かおうとすると、従兵の土方が血相を変えて走りこんできた。
「少佐っ!」
「馬鹿モンっ! こちらの棟は男子禁制だぞ!」
「申し訳御座いません。報告がありまして、後姿を見かけたものですから……出直します」
そう言う土方の表情は呼吸を荒げ、そして心なしか若干蒼褪めていた。
「構わん、急ぎの用ならさっさと報告しろ」
「はっ、本日正午頃、呉に対する大規模な空襲が発生。三四三空が全ウィッチを以って迎撃、これを撃退しました」
呉、三四三空、宮藤の所属する部隊か。
「301隊の宮藤の戦果は?」
「地上の損害は軽微、三四三空の、活躍の、お陰です……」
目線を逸らし、俯き気味に言葉を繋ぐ。
「おい土方! はっきりと答えろ! 宮藤の戦果はどうしたと聞いているっ!」
言葉を切りながら、辛そうに報告を搾り出す土方。
そのただならぬ様子に、私の心を不安が覆った。
「……301隊は未帰還が3。その中には宮藤少尉も含まれています」
以上となります。
最後の方の展開がうまくまとまらないんで、もうちょっと待っててください。
やっぱ大戦末期の扶桑撫子には薄幸なシチュが似合うと思うんですがどうでしょ?
じじじじGJだけど続きが気になってはわわナンダナ
GJであります
醗酵なシチュというと不時着した芳佳は食糧確保の為、大量に納豆を作っているということですね
GJ!
でも少佐にはやっぱり現役で戦ってほしいんだぜ
SWの百合スレの作品って確かに素敵なのばっかなんだけど
女が女を好きってことにコンプレックスがあって、そこに身もだえるって作品多いよね?(それはこの作品だけの話じゃないけどw)
普通に女のコが女のコを好きなのが普通っていうかそんなに変な事じゃないっていうか
当たり前、当然とまでは言わないけど、その気持ちが普通であるような設定の作品も書いてほしいな
……ダメだな、なんかうまく伝わらない。わかってくれる人はいないだろうか
要するに女同士で結婚するのが普通の世界か
コンプレックスを描いてない作品は普通になかったっけ?
俺10本以上書いたけど、そんなのまったく意識したことなかったな
性別関係なく、好きなら好きでいいんだよ!(断言)
>>290 言いたい事はわかる
この作品はナチュラルに百合っぽいんでそっちの方が基本じゃないか?
むしろ男の存在を全く考慮してない作品のが多いと思うぞw
話は変わるが、保管庫みてると案外絡みありの作品って多いんだな。
できたら保管庫にエロの有無も書いてあると嬉しいなと思った
エロの基準って人それぞれだし作品数も半端ないから現実的には無理だろうが…
>>294 あ、あのタイミングで書いちゃったから勘違いされちゃったかな
さっきの作品について感想を言ったんじゃなくて
ただ単に自分が言いたかったことをあのタイミングで言わせてもらっただけです、申し訳ありませんでした
先程の作品に関しては、少佐×みっちゃんネタを心待ちにしていたので、GJとしか言いようがありません
この先の展開がすごく気になりますです
土方のヤツが現状報告の名目でちゃっかり出てきたのは許せませんでしたがね
わたしが坂本さんなら張り倒すか切り捨てますねw
>296
(前略)
そのまま棟に入り風呂に向かおうとすると、従兵の土方が血相を変えて走りこんできた。
「少佐っ!」
その姿を確認するや否や、私は刀を抜き放ち土方を袈裟懸けに斬り捨てた
「こちらの棟は男子禁制だ」
(後略)
こうですね、わかりません
作者の方すいませんごめんなさい
男出しちゃってゴメンナサイ。
設定にあるキャラなんで何気なく出してから、
でもここの板だしあとで名も無い女性従兵にでもするかな〜と思って
後の展開に悩んで修正忘れてました。
>>298 書き上げて欝モードだったんだけど笑わせてくれてアリガトw
そんなわけで
>>285の続きです。
目の前が、真っ暗になった。
全身から力が抜け、膝から崩れ落ちた。山川の重みを支えらなくなり、その身体を取り落とした。
「嘘です! 嘘って言ってください!!!」
涙声の、搾り出すような叫びが聞こえた。山川がこんな声は初めて聞いた。
山川は脱力した私とは逆に、土方の襟首をつかんで詰め寄っていた。
土方はただ視線を逸らし、立ち尽くすだけだった。
「山川、防空任務だ、扶桑の空で戦っているんだぞ。今は未帰還でも、何日かすれば無事だってことがすぐ……」
「誤魔化さないでくださいっ!!」
こちらに向き直った山川は、そう叫んで私の言葉を遮った。
すでにその瞳は決壊し、とめどなく涙が溢れていた。
「そんな震えてっ、自分に言い聞かせるような言い方でっ、説得力なんか……無いって……う、ううう……」
「山川……」
その通りだった。
そして私は、自分がそんな声で喋っていた事も、視界が涙で歪んでいる事にもたった今まで気付けない程動転していた。
「うわああああああああああああぁぁぁぁぁっ!」
山川は、泣きながら自室へと駆け込んだ。
私は土方に退出するよう命じると、風呂へ向かい、冷たい水を被った。
何度も。
何度も。
何度も。
そして、覚悟を決めた私は山川の部屋へと赴いた。
「入るぞ、山川」
鍵はかかっていなかった。
山川は膝を抱え、うずくまっている。
「希望を捨てるな、山川」
平静を装った声。
自分で無い誰かが、どこか遠くで囁いている様な感覚だった。
言っている私が一番希望を持てずにいるのだ。
以前の宮藤なら、きっと無条件に生存を信じられたのだろう。
だが、写真の向こうの、手紙の向こうの、疲れ切った空っぽの笑顔は死を予感せずにいられなかった。
「一番宮藤の近くにいたお前が、あいつを信じてやれなくてどうする」
優しく微笑みかけながら、虚しく響く言葉を繋ぐ。
大丈夫だ。
今の私は、完全に自分を騙せている。
尚早も不安も、一寸だって表に出して居はしない。
「あんがい寝て起きたらひょっこり帰っているかも知れんぞ。わっはっは」
大人になったものだと思った。
心にも無い台詞を言いながら笑える自分は、魔力を失って当然なのだと、今初めて実感できた気がした。
「坂本教官、嘘ついてる」
少しだけ顔を上げた山川が口を開いた。
そのぞっとする様な静かな言葉に、空気が凍りついた。
「わたしにはわかるんです。芳佳ちゃん、疲れてた、とても」
私の認識が甘かった。
山川にとって一番である宮藤の事など、当にお見通しだったのだ。
「わたしの知ってる芳佳ちゃんは、あんなに無理して笑わなかった。ブリタニアから帰ってきて、暫くは一緒だったのに、西へいって、有名になって、会えなくなってから、変わっちゃった」
胸が痛い。
「きっと芳佳ちゃんは、みんなを助けたいって言ってた芳佳ちゃんは、それでも助けられない人がいっぱい居て……、だからあんなに無理して笑って」
感極まり、詰まりながらつむがれる言葉の一つ一つが、刃となって私の胸に突き刺さってくる。
「私、知ってます。本当は坂本教官が三四三空に配属されるはずだったって。だから……」
先が予想できた。
頼む、その先は言わないでくれ。そう絶叫したかった。でも出来なかった。
親友で、血の繋がりもある山川には私を責める理由も権利も義務もあるのだ。
「坂本教官がちゃんと飛べていれば、芳佳ちゃんは死ななかった」
静かな声だった。心が空っぽになったような口調が告げるのは、紛れも無い真実。
「やめろ」
私は力なく制止した。
もう仮面を被る事など出来なくなって、ただその言葉を認める以外の選択肢は無かった。
死。
そう口にしてしまったら本当にすべてが返らなくなる気がしていて、無意識に避けていた言葉。
未帰還という曖昧な状態に縋り、騙し続けていた坂本美緒の土台を、年下の少女はいとも簡単に打ち崩した。
深呼吸をする。
今の私には、どんな些細な行動すら覚悟が必要だった。
「私の事ならば、その通りだ。私が力を失わなければ宮藤が三四三空へ行く事は無かった。宮藤は、私が殺したも同然だ」
瞬間。
山川の体が動いた。
その手には銀色のきらめき。
「うわあああああああああああああああ!」
そして、私への体当たり。
「…………」
山川が隠し持っていたハサミで私の腹を刺したのだ。
だが、ハサミはそこそこ深く腹に刺さっていたが、致命傷にはなり得ていなかった。
痛みはある。
しかし、その傷は胸の奥で心に突き刺さっている宮藤の死よりも、痛くは無かった。
返ってその現実の痛みが私を冷静にし、山川を見つめる余裕を与えてくれた。
怒りと憎しみのこもった目。
悲しみと絶望を湛えた目。
そうか、私にそんな思いをぶつける事で、立ち直り、羽ばたけるのならば私は喜んでその礎となろうではないか。
「それでは、人は殺せん」
山川がハッとなる。
衝動でとった行動の理不尽さに気付いたのだろうか。
「人を殺すにはもっとしっかりした得物を用いる必要がある。そうだな……私を殺すなら私の軍刀を用いるがいい」
「な、何で……」
山川に動揺が走った。
その手は震えてハサミは取り落とし、怯える様に半歩下がる。
「だが、死ぬ前にお前に頼みがある。遺言と思って聞いて欲しい」
そんな山川の様子を無視して下がられた半歩を詰め、鈍く響く続ける傷の痛みをこらえて続ける。
「さ、坂本教官……」
「聞けっ!」
「はい!」
「山川、お前はまだ半人前だ。だから宮藤の為にも、この扶桑を、いや世界を護る他の仲間達の為にも、一人前のウィッチになれ」
私はまっすぐに山川の瞳を見つめ、言った。
「そして願わくば、その力をより多くの人を守る為に」
山川はただ立ち尽くし、視線を交わしたまま暫しの静寂が流れた。
「……くっ……」
そんな均衡状態は痛みにふらついた私によって崩された。
「坂本教官っ!」
「願い、聞いてもらえるか?」
踏みとどまり、問う。
山川は、半ば怯えたような悲しげな表情のまま目を伏せ、ゆっくりと首を横に振った。
そうか。
全身から力が抜けた。
当たり前だ。
誰よりも宮藤を大切に思っていた山川から、その宮藤を奪ったのは無力な私なのだ。
そんな私が頼みなどと、全く片腹痛いというものだ。
無力感に任せ、倒れこもうとした私を支えるものがあった。山川だ。
「山川……」
「私、無力です。まだネウロイと戦える力なんて無い。私にはまだ練習が必要なんです」
抱きつくような姿勢で私を支え、囁く山川。
「でも、私……私……、ネウロイが悪いってわかっていても……やっぱりあなたの事を赦せない」
わかってはいるんです。坂本教官が芳佳ちゃんの為に、私が早く芳佳ちゃんの力になれるように厳しく、優しく鍛えてくれてたんだって。
だから、私きっと坂本教官以外の人の下じゃ強くなれない……。でも、でも……芳佳ちゃんを奪った教官の事、やっぱり赦せない!
どうしたらいいか……わかんない。
私、芳佳ちゃんの為に一生懸命だった教官の事を嫌いになりたくない……。
これからも教官に教わって、一人前のウィッチになって、ネウロイを倒したい。
いっぱいネウロイを倒して、芳佳ちゃんの仇を討つの。討たなきゃいけないの。
でも、やっぱり……芳佳ちゃんを身代わりにして、こんな所で生きながらえてるあなたを、殺してやりたいほど赦せない。
わかんないよ、助けてよ。芳佳ちゃん……」
私の胸に顔をうずめたまま、嗚咽する。
割り切れ、などとは言え無かった。
そんな事が出来るほど心が大人ならばきっと、魔力を授かる事も出来なかったのだろう。
暫くそんな状態が続き、山川は私の胸の中で小さく呟いた。
「坂本、教官……。私にあなたを愛させてください。憎しみを消したいんです」
無理だ。
人の心は、そんな簡単じゃない。
それでも……それでも私は、宮藤を冥府へと追いやったこんな私を、僅かでも想ってくれる少女の決意に応えたかった。
支えてもらっていたはずの私の体が、いつしか震えて嗚咽する山川を支えていた。
どうしていいか解らないのは、私とて同じ。
錯乱しているだけだ、と突き放すのがきっと簡単で、後腐れも無いのだろう。
だが、後に続く者へと未来を拓く義務が、私には在ると思った。
それで空が飛べるなら、それで力を得られるなら、その錯乱した世界に私も飛び込むべきなのだと、私は結論した。
「山川……」
肩を抱き、その頭を撫でる。
そして、胸に埋められたその顔が程よい距離を保てる様に少しだけ肩を押し、離す。
細い顎に指を当て、僅かに上向ける。
美千子は素直にその動きに従い、その身を硬くしながらも私のくちづけを受け入れた。
いつしか服を取り払い、まるでそうする事が当然の行為であるというかの様にお互いの肉体を愛した。
降りた夜の帳の中、常夜灯の薄明かりに照らされた美千子の深い色の瞳は私を通して別のものを見ていた。
私の傷に触れ、何度もごめんなさいと謝りながらその傷を舐める姿を見ながら、お互いに傷を舐めあっているのだと思った。
身体が火照り、その炎に溺れるほどに心のどこかが冷えていく。
これは偽りの愛の営みなどではなく、美千子が負の感情のぶつける先を、全てネウロイへと向ける為の儀式なのだ。
そんな三千子を私は許容した。
汚い大人である私もまた、ネウロイに対する復讐の為に傷心の少女を利用し、戦士を作り出そうとしていた。
利害は一致している。
だから悩む事は無い。
真夜中、私の心と体に幾つもの痕を残し、儀式は終わった。
昭羽20年8月。
急速に力を伸ばした美千子と、奇跡が起きたのか少しだけ力を取り戻す事の出来た私は、帝都の空に居た。
ネウロイで黒く覆われた空。
くじけそうな心を奮い立たせる様に美千子と繋いだ手に力を込め、弾幕の中へと切り込んだ。
以上となります。
っていうか、微エロと微グロ?って前書きに書き忘れてたすいません。
なんか、最後の方うまくまとまって無くてすいません。
書きながら色々な状況考えちゃったんで、もしかしたら関連した話とか書く、カモ。
>>299 気にする必要ないと思うよ。もっさんの部下として説明なしで自然に使えるキャラだし、話の本筋に絡んでるわけでもないし。
>>305 乙です
みっちゃん病んでますねーこわいですねーw
芳佳もどうなったかわからないし、凄く終わったあとに黒いものが残る感じのSSでしたねー
このまま終わるのもそれはそれでいいのでしょうが
私としてはできればその関連話も書いていただきたいですねー、このままだと救いなさすぎですし…
>>308 もっさん×トゥルーデいいなあ。
ちょっと書いてみようかな。
でも今日投下するのは変態ミーナさん。
「美緒、見てみて」
「…何の真似だ、ミーナ」
「貴女を真似てみたの」
「一体なんのために…」
「貴女になれば、何故美緒が私を避けてるのかが分かるのかしらと思って」
「…今までの行動全部総ざらいして来い。
話はそれからだ」
「でもね、美緒の制服を身に纏っていると、身体が熱くなってくるの。
嗚呼今私、美緒に包まれているんだって」
「…ミーナ、暴走を承知で聞くが、その制服、もしかしたら…」
「ええもちろん貴女の制服よ」
「やっぱり!
というか『だから何?』みたいなトーンで返すな!」
「いけないの?」
「いけないに決まってるだろ!!というかいつの間に私の部屋に入ったんだ!
ストーカー+不法侵入+窃盗だぞ!」
「私は貴女をこんなに愛しているのに?」
「それはもう痛いほど分かってるよ。
というかお前の想い自体が重い」
「ウフフ、面白いダジャレね、美緒」
「…お前、本気で隊長の座から引きずり降ろすぞ…
…とにかくこれは脱げ!」
「嫌よ!私はいつまでも貴女の温もりを感じていたいの!」
「洗濯してるから私の温もりは残ってない!!
だから早く脱げ!」
「いやそんな事は無いわ!微かに残る貴女の温もりが私を壊すの!
そうだわ、美緒にも私のズボン履かせてあげるわ!」
「 全 力 で 拒 否 す る ! ! 」
「えー」
「いいから脱げ!!」
「嫌ぁぁぁぁぁ!美緒が獣になったわ!」
「それはどっちかと言えばお前だろ!!
お前のせいで私は過去二回も貞操を奪われそうだったんだぞ!
いいから返せ!」
「いや!」
「返せ!」
「いや!」
「返せ!」
「坂本さん、ミーナ中…さ…」
「み、宮藤っ…!」
「しししししし失礼しましたぁ――――――――!!!!!!!////////////」
「あらあら宮藤さんったらウブねぇ」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――――――――――――――――――――――――――――――っ!!!!!!!!!!!!!!!!」
以上です。
もう自分の中でミーナ隊長がなんだか分からなくなってきたw
…では爺はここいらで…
…風邪早く治さにゃなぁ…
>>310 場を明るくする暴走ミーナが最高w
っていうか白服ミーナ想像して萌えた
爺サマお大事に〜。
>>306 そういっていただけると助かります〜
>>307 あれでカップリングが成立しちゃった後に芳佳が生きてるとそれはそれで欝ダナ。
幾つかのキーワードから思い立って書いてみたんだけど、
素直に明るくもっさん×みっちゃんとか描けないかな〜とかも思ったり。
この黒髪長髪ペアってビジュアル的に萌えませんか?
>>308 ハサミって辺りで錯乱して衝動的な行動に出てるってところが伝わっていただければ幸いです。
>>311 >あれでカップリングが成立しちゃった後に芳佳が生きてるとそれはそれで欝ダナ
あー……ってことは、一応未帰還だけど、作者さんの中では芳佳は死亡確定ですか…キツいですね…
>明るくもっさん×みっちゃん描けないかな〜
是非そちらの方、よろしくお願いします、期待させていただきます
坂本さん×みっちゃん、自分もとてもいいと思います
>300
GJです。
ああ・・・芳佳
>309
これでミーナは指揮がとれるんだろうかw
乙です
>312
護れなかった絶望と怪我で記憶を失って幼児退行して、
瀬戸内海の島の1つで島民の女の子とのんびり過ごしてる芳佳とかなら許容範囲
>>310 ミーナさんはこれくらいのほうが可愛いな・・w
だんだん変態度が上がってますがww
4話の「トゥルーデを助けてくれてありがとう」の下りと同じようなことが
ミーナともっさんのときもあったんだろうなと予想
「ミーナ最近楽しそうなんだ、少佐のおかげだよ」
「そうなのか?私には分からないが…」
「ミーナはさみしんぼだからね。大切にしてあげてよ」
「…ああ、約束する」
と言うもっさんとエーリカを書きたいが文章にならないので誰か頼んだ!
>>310 だめだ…おもしろすぎる…
もう変態ミーナさんを愛さずにはいられないwGJ!
>>315 それいいな。だれか一発書いてくれ。俺は最近妄想力が弱まってきた…
月曜夜に本スレで「この人いい意味で頭がおかしい。」と書かれていて素直に喜んでしまったt26gFAxTです。
その他「リバウの誓い」とかに関しても粋なレスをいただきありがとうございましたー、ってここで書いても意味無いか……w
今後も、淡々と、頑張ります。
また、学園ウィッチーズ、前回分にレスをしていただきありがとうございました。
と、言いつつも、今回は「ルーデルさんフミカネ画集でようやくご尊顔を拝めたよ」記念ということでルーデルさんとアーデルハイドさんのごく短いのを投下します。
一応いらん子2巻で二人が初登場する数日前という設定。
相変わらず小説読んでないとわかんねーよネタですんません。
どうやら上官と副官というのがすごい好きだと気がついた。ミーナとゲルトしかり…
1940年のある日。
カールスラント方面の空は、昼だというのに赤く染まっていた。
戦況は良くなる気配を一向に見せず、日に日に隊員たちにも、精神的、身体的、両方の疲弊がたまり始めていた。
カールスラント空軍第二急降下爆撃航空団第十飛行中隊の長であるハンナ・ルーデル大尉は、宿舎の窓から、厳しい面持ちで赤い空を見つめ、シャワーを浴びた体をタオルで拭うと、ガウンを羽織った。
おろしたてのガウンの心地よい香りと、部屋に居座った硝煙の香りが鼻をかすめる。
あと何年この匂いにさらされるのか。
ルーデルはそっとため息をついた。
部屋のドアがノックされ、ルーデルは振り向きもせず、言った。
「入れ」
「失礼します」
ルーデルの副官であるアーデルハイドが敬礼をし、部屋に入ると、ルーデルは顔だけ振り向いて、鋭い視線でアーデルハイドを見据えた。
「今日の出撃予定は?」
「本日も待機との事です」
「またか。これで何回目だ」
「5回目です」と、アーデルハイドはきっぱりと言う。
「仲間達は連日空を飛んで闘っているというのに…」
「お言葉ですが、昼の制空権が奪われてしまった以上は、今我々が飛んでもかえって足手まといになるだけです」
「そうだな…」
いつになく、覇気の失せた上官の態度にアーデルハイドは、少しだけ、肩の力を抜いて、表情を和らげた。
「大尉、今の状況はあなたのせいではありません。恐れ多いですが、お気持ちは、わかります…」
ルーデルは、アーデルハイドの気遣いに即座に気づくと、すっかり弱気になってしまった自分を嘲り、気を引き締めなおした。
「おい」
「はい?」
「ちょっと来い」と、ルーデルはアーデルハイドを手招いた。
二人は対峙する様に向き合って、ルーデルは、じぃっとアーデルハイドを見つめる。
凍らせた薔薇のような美貌を持った副官、アーデルハイド。
「アーデルハイド、お前が私についてからどれぐらいたったかな?」
「軍に入ってからですか? それとも、士官学校時代からの?」
ルーデルは、あくまでも真面目を貫くアーデルハイドに、思わずにやついてしまう。
まったくこいつときたら、すべて覚えているのか。
ルーデルは、そっとアーデルハイドの頭の後ろに手を回し、髪を撫でた。
「動くなよ」
「はい」
ルーデルとアーデルハイドは、まばたきもせず、互いの瞳に顔を映した。
アーデルハイドが、自分が置かれている状況を、かつて、中隊の年下隊員たちに付き合わされて見た恋愛映画と重ね合わせた瞬間、ぶしつけに、ルーデルの唇が重ねられた。
「ふむ。"凍らせた薔薇"とは言え、唇は温かいな」
ルーデルはまるで母親が子供の熱を額で測ったかのような態度であっさりと言う。
アーデルハイドは、白い頬を徐々に赤く染め、気が抜けていく風船のように、しなびた言葉を搾り出した。
「な、なにを…」
「なにって、キスだろう? 嫌だったら断ってくれれば良かったのに」
「あなたが動くなといったからです!」
「拒むことはできただろう」
アーデルハイドは、手を顔の前において、上官の視線から逃れる。
ルーデルの唇の感触が消えてくれず、胸が高鳴った。
「初めて……の、キスだったのに…」
震えた、年相応の少女を感じさせるアーデルハイドの声に、ルーデルはわずかに目を見開いて、頭をかく。
「すまない。ただ……、いたずらに口づけたわけではない。私も人間だ。弱気になると、人肌が恋しくなる」
「あなたに憧れている人なら他にも…」
「そうかもしれないが、私が欲しいのはお前だけだ、アーデルハイド」
アーデルハイドは、自分の手を顔から離して、ルーデルに顔を向ける。
今のは告白なのだろうか。
ルーデルは、目に厳しさを残しながらも、どこか吹っ切れたような、穏やかな笑顔を向け返した。
「そんな顔もするんだな」
アーデルハイドは、もう一度、いつもの表情に戻ろうとするが、熱くなった頬は硬直することを許さない。表情を作ることにあきらめ、アーデルハイドは疲れきったかのように、ルーデルに倒れこむようにして、体を預けた。
「……責任は取っていただきます」
「望むところだ」
その翌日、カールスラント空軍第二急降下爆撃航空団第十飛行中隊はスオムス派遣を命じられた。
終わり
>>318 ぶはっアーデルハイドもえるな。小説のキャラも素敵なのばっかりだし自分も書きたくなる
えっと
>>86シャーゲルの「最初のいっかい」が気になると言われた気がしたのでなにも考えてなかったのを無理くり形にしてみました
>>86のちょっとまえの話です。このスレってえろあんまり需要ないのかなと思いつつちょっとえろいのでお気をつけください、そして長い
おそらく、どうにも寝つきがわるいからって真夜中に散歩にでたのが運のつきだったんだ。あとになってそう思いあたっても、
結局そんなのは後の祭りなのだ。
ただ気のむくままにあるいていると、いつのまにか管制塔のベランダにでていた。この基地でいちばんたかいところ。きらい
じゃない場所。適当に夜風にでもあたって部屋にもどろう。ふうと息をついて手すりに背をあずける。と、視界のはしに意外な
ものがうつった、気がした。
「なにしてんの?」
きいたことのある声。もう一度視線をそちらにむけると、やはりさきほどのは見間違いじゃなかったと確信するはめになる。
シャーロットがそこにいて、壁によりかかってすわりこみ、さらにはビール瓶を手にもっていた。
「……そっちこそ」
「べつにい。ただのやけ酒」
やけ酒。なにかやけにならなくちゃいけないことがあったのだろうか。首をひねっていると、シャーロットが自分のとなりの
地面をぽんとたたいた。なにを示しているのか理解できず怪訝に眉をよせると、シャーロットがすわれば、とそっぽをむきながら
提案する。それからシャーロットのむこう側にまだあったらしいビール瓶がさしだされる。
「ひとり酒ってのもむなしいもんでして」
「そうか、だが残念ながら辞退させてもらう」
「ふん、つれないの」
シャーロットが手にもっていた瓶に口をつける。どうにもふてくされているじゃないか。らしからぬ厭世的な表情をうかべている
同僚が、すこしだけ気になってしまった。ふむ、と思案してから、私はやつのとなりに腰かける。するととなりをすすめた張本人
がぎょっとした顔をする。
「きょうはめでたい知らせをきいただろう」
「……めでたいねえ」
本日の昼間に、ミーナからきいているはずだ。大尉への昇進。自分のしてきたことが認められた証拠だ。そんなすばらしい
こともわすれるほどにいやなことでもあったなんて、私はかすかに同情する。話くらいきいてやろうと、そんな気になる。
「めでたかないさ、全然」
「なんだと?」
予想外のことばについおどろいた声をあげてしまい、するとシャーロットは肩をすくめてため息をつく。あたしはね、自由な
ほうがいいなあ。でも、階級があがるたびに責任だなんだってのが重くなるじゃない。あたしって、あんたが思ってる以上に
不真面目なの。もっとこう、適度に好き勝手してられるくらいがさ。ぐちぐちと酒のいきおいにまかせてかシャーロットがつぶやく。
なんてことを言うんだ、こいつは。さきほどの同情の念などさっぱりふきとんでいき、おいおい、と思わずおおきな声がでてしまった。
「無責任なことを言ってくれるな。おまえはおなじ大尉としてこれから私と……」
「ほらね、すぐにこういうこと言うひとがいるんだもん」
「シャーロット・イェーガー大尉」
「かたくるしいなあ」
ぐい、とあたらしいほうの茶色の瓶がさしだされる。私がうけとろうとしなくてもずっとシャーロットの右手が私の二の腕に
つめたいガラスをおしつけるから、仕方なしにうけとった。だけどそれだけだ。両手のうえでそれをいったりきたりさせて
もてあそぶ。のみなよ、と不躾な声が言うが、私はそれを無視することにした。
シャーロットが責任をはたす人物であるということは把握しているつもりだった。普段から規律を無視するような奔放な
ふるまいをするにしてもそれはあくまでやるべきことをやったうえでの行動で、やつ自身には確実に分別というものと責任感
というものが備わっている。そうでなければ、大尉になどなれはしない。きょうのこれだって、これまでとちがうさきのことを
案じて弱気になっているだけなんだろうと思った。それこそ、責任感があるからこその不安だ。なにごともそういうものだ、
手放しですべてがいいと言いきれる出来事などおそらくこの世に存在しやしない。
「昇進するのがいやだというわりに、たかいところはすきみたいじゃないか。こんなところで晩酌なんてな」
「ふん、そうでもなけりゃストライクウィッチなんてやってられないさ」
「……それはそうだ」
おや、という顔が私を見る。やつのジョークに私がすなおに頷いたのが意外だったらしい。確かに、そんな程度の気概
でウィッチを名乗るなと言ってしまえる場面ではあったが、やつがよわっているならきょうくらいはおおめに見てやる。なんだ、
と見返すと、シャーロットはふいと視線をそらした。
それからしばらく空を見あげる。夜空。かぞえきれない星。きょうもサーニャがとんでいる。ゆっくりと、意思がぼんやり
としてくる、眠気だった。さてと、当初の目的は果たせた、そろそろもどることにしよう。地面につけていた両手に力をいれて
たちあがろうとした、だけどその片方に急にあたたかいものがふれてさえぎられる。ふとみれば、シャーロットの手が私の
それをつかんでいた。はっとして顔をあげれば、シャーロットの目がすぐそばにあって息をのむ。
「やさしいじゃん、きょうは」
「……べつに、ふつうだ」
「あたしさ、せっかくだからもっとポジティブにとらえることにするよ」
「……」
それはよかった、ぜひそうしてくれ。そう言おうにもなぜか口がうまくまわらなかった。思考のよみとれない視線が顔面
のすぐそばで私をとらえているのだ。背筋がふるえる。ぎっと、手にのったてのひらに力が加わり、いやな予感がした。
……あんたにやっとおいつけたんだって思えばいいや。ちいさなつぶやき、それがこぼれると同時に、やつが私にふれる。
唇で、唇にだ。
「……な」
「昇進のお祝いしてよ、そしたらすごくうれしい」
あまりにみじかい一瞬だったから感触など覚える間もなく、私が驚愕にひるんでいるうちにシャーロットがとなりから
私の正面にまわりこみ、まだ自由だったほうのビール瓶をかかえたままの手首も拘束する。壁と地面の境目に両手
をおしつけられて、私は身動きをとれない。
「なんのつもりだ」
「もしかしてはじめてだった?」
「そんなことを言っているんじゃない、どけ」
「やだね、あんたが祝ってくれたら、どいてもいい」
祝い? なんの話だ、なんのつもりだ。ぐるぐると混乱する思考で、だけどやつのもとめていることの見当は、憎々しくも
ついている。私のひざに自分のそれをわりこませながら、シャーロットが私の目を見ている。逃げ場はなかった。また接近
するやつの唇、どうしてだ、あごをとられているわけでもないのに、私は顔をそらすことができなかった。舌が強引にわりこみ、
くいしばる歯と歯茎をなぞる。執拗にくりかえされて、ついあごの力をゆるめればさらに奥まで侵入される。舌に舌がふれて
妙な味がした。ビールの苦味とはちがう、まるで脳髄がゆられるような。シャーロットの舌が好き勝手に動きまわって、私は
なす術もなかった。
「はあっ……」
やっと解放されて、ひさしぶりに酸素をとりこむ。しかし、げほとむせてしまってうまくいかない。それでもなんとかおおきく
なんども息をすい、やっとおさまったきたころにつうとほほに生理的な涙がながれるのを感じた。それにはっとわれにかえる。
いったいなにをされて私は大人しくしているんだ。堰をきったようにやつからにげようともがいて、しかしうえからおさえつけ
られていては抵抗もしがたくびくともしない。
「あたしだって、それなりに鍛えてるんだ。腕力にだってちょっとは自信がある。ま、あんたが魔力つかわないなら、の話だけど」
ふと、にげたいならいつでもにげられるんだと示唆される。それは余計な混乱をまねくばかりだった。にげられたいのか、
そのくせ、目は私をとらえてはなさない。シャーロットはその一瞬の躊躇をのがすことはなかった。呆然とした私の首筋に
すいつき、舌をはわせる。下品な動きが私の肌を犯した。
「…やめっ……」
「ねえ、両手ふさがってちゃ服ぬがせらんないや。歯でひきちぎっちゃおうか」
「やめ、ろ、やめろ!」
耳元に吐息がかかる。あついそれは、私のからだから力をうばっていき、息を乱れさせる。歯がリボンをかみ、ひかれた。
器用なうごきで、口だけでボタンがはずされていく。なんだよ、なんだよこれは。まともな抵抗もできないで、私は従順だった。
じきに、簡素な布きれが空気にさらされる。
「あんたさ、もっとかわいい下着つけたら? 色気もくそもないよ、こんなんじゃ」
「そんなの、どうでもいいだろう」
「よくないな、あたしはもっとおしゃれな下着のが興奮するもの」
だったらなお、どうでもいい。そう叫ぼうと思ったのに、あまりに急な刺激があった。私は息をのむのに精一杯で目をつぶる。
シャーロットが、布のうえから突起を口にふくんですいあげていた。
「や、やめ、あっ」
高い声。自分の声だなんてしんじられなかった。こらえきれない感覚が音になって私のからだからにげていこうとする。舌先
がそれをなぜてつぶしてころがす。じわじわとやつの唾液がしみこんで、そのぬくもりにぞくりとする。声はとまらないし、表情
が見えなくてもシャーロットはたのしげだとわかる。こんなことのなにがおもしろいのか、そう思うのに、私はじきにたえられなく
なっていた。
「あ、は、……も、やめ、んっ」
「うそつきなって、あんた、さっきから自分からおしつけてきてるよ」
ふと口をはずして、無自覚の行動を指摘されてかっとはずかしくなる。私はくやしくて、唇をかむしかない。だけどシャーロット
がそんな私にかまうはずもなく、ついには私のそれを夜の空気のなかにさらした。下着の下部を歯でつまみ、そのままめくり
あげる。もうべたべたにされていたその片方は、つめたい風を敏感に感じとり、それすらも刺激になる。息をのむと、シャーロット
がくっと笑った。
「ねえ、あんたこんなことされるのはじめて? はじめてが外でさ、それでそんな興奮するって、変態っぽい……」
自身も興奮していることをかくす気もない上擦った声で言い、シャーロットはこんどこそ直接それをたべてしまう。くらべようも
ないほどのきつい刺激。甲高い声がでて、いつのまにか解放されていた両手でやつの頭をかかえていた。まるではなさない
ようにと、いったいなにをやっているんだと思うのにおしつけるのをやめられない。私と同時に自由となったシャーロットの片手が、
もう片方をつつむ。舌とはちがうやり方でせめられて、私は思わず首をふって限界を示した。それをくんだのか、シャーロットは
思わずといったふうにあつい息をはき、あいた手を下部にはわせる。
「いや…っ」
そんなところに他人がふれるのははじめてで、その事実だけで背筋が粟立つ。体温があがって頭のなかがぼろぼろになって
いく。私は必死にシャーロットの頭をかかえこんで目をつぶった。そしてやつの爪が布のうえからちいさな突起をつぶした瞬間
にさっと閉じたままの目のまえが白くなり、声にもならない声が脳内でひびく。未知の感覚に脱力して、私はうしろの壁にからだを
おとしそうになるまえにだきとめられた。とたんに息苦しくなってあわてたように呼吸をする。ぜえぜえと無様に息をきらしている間、
シャーロットはふしぎなほどやわらかく私をだきしめていた。
「いっちゃった」
だけど言うことといえばひとを辱めるようなことばかりだ。かあと腹の奥から怒りがわいて、それでも腕のなかからぬけだそう
としてもからだにうまく力がはいらない。私は意を決して、精神をとぎすませる。そして息のおさまらないままに、ぐっとシャーロットの
胸倉をつかむ。やつはといえば、唐突に魔力をおびた私のからだにぎょっとして反射的に身をひいていたがもうおそい。言われた
とおりに、魔力でねじふせてやることにした。
「ぐ…っ」
ひきよせて、そのいきおいでからだを反転させて今度はやつを壁際においつめた、ぎっときつくおしつけて、するとシャーロットは
苦しげに口もとをゆがませる。それなのに目は、あいかわらずのよめない視線で私をながめていた。
「そんなに怒るなら、最初からこうやってにげればよかったんじゃないか」
もっともなことを言う。だけど私はもうそんなことはどうでもよかった、だらりとのびた両腕を片手でまとめて、やつの頭上の壁に
拘束する。シャーロットはそこでやっと汗をたらした。それはそうだろう、だって、おそらくいまの私はひとを殺してもおかしくない
ような形相をしているんだ。息だって乱れたまま、だけどこれは息苦しさからくるものじゃない、私は確実に、まだ興奮していた。
「……っ」
無理やりに唇をおしつけた、極度にそばで、シャーロットの瞳がおどろきでゆれている。そうであってくれなくては困る、だって
私自身も、自分の行動が理解できないんだから。かみつくように歯をたてて唇をおしつぶす。気のぬけたような同僚は動こうとも
しないで、だから私もすぐにはなれた。
「……なぐられると思った」
「……」
つぶやきがきこえて、だけどおちつかない私はすぐにシャーロットの軍服に手をかける。もたついた手つきでボタンを片手で
はずしていき、じれったくなった私は最後のほうになるといきおいまかせに服をひく。ぴっと音がしてボタンがふたつくらい飛んで
いった。なんて品のないことをしている、そう思うのにからだがいうことをきかない。
「んっ」
ホックをはずすのも面倒で、下着をおしあげてつかみかかった。やり方なんてよくわからないから、さきほどのやつの動きを
まねて刺激する。片方ずつを指と舌でころがした、上目遣いで表情を盗み見れば、シャーロットはふるえる目で私を見ていた。
「あ…っん、は、あっ」
上気したほほと、苦しげに結ばれる唇にぞくりとした。見たことのない表情。夢中になればシャーロットも声を高くして、私は
余計になにも考えられなくなる。
「あ…ねえ、も、はなして……」
息を乱しながら、シャーロットが拘束された手を動かす。私はそんなのもちろん無視するが、急にやつがひざをおりまげて、
おしつけられて動きをとめる。ぐいぐいと無遠慮にすりつけられて、私ははしたない息をつくほかなかった。それを見て、
シャーロットはいい気になって笑うのだ。
「ほんとは、ここに……」
やつが言いおわるまえに手をはなして首に腕をまわして唇をうばった。シャーロットはわかっていたような顔をしてそれを
うけいれて、両手を腰にまわしてだきよせてくる。すると私のひざはやつの両のふともものわきにつくことになり、結果足が
おおきくひらかれてしまった。
「耳も尻尾も、まだひっこめちゃだめだよ」
耳元でささやかれる。さらには尻尾をなであげられて、私はなんとかシャーロットにすがって自分をささえていた。さっきさ、
こわい顔で、月を背景にうえからにらみつけられて、どきどきした、ちょっときれいだったよ。場違いな感想をもらしながら、
シャーロットの指がすすんでゆく。うしろからなであげ、うすい布きれのすきまからもぐりこんでくる。私はふるえて、すこしだけ
こわくてつばをのむ。だいじょうぶだよ、こんなにぬれてる。安心させたいのか煽りたいのか、シャーロットは興奮にふるえる
声でささやいた。
「い……」
唐突に、侵入する。かすかな水音をたててゆっくりと、繊細でやわらかいものがはいってくる。痛みはなくて、かすかな違和感が
腰のあたりをあつくする。シャーロットは目をとじて、まるで真剣な顔をして浅い息をくりかえしていた。徐々に侵入するものは奥
まで進み、急にまた質量をふやす。
「あ、あっ」
「…っ、二本目も簡単にはいっちゃった」
「や……」
うそだ、そんなの、全然簡単なんかじゃない。異様な感覚の波が下から全身にかけめぐり、私はいつのまにかないていた。
見られたくなくてやつの首筋に顔をうずめる。ねえ、もう一本いれてみようか。たのしげに言われて、私は必死に首をふる。
ふるふると、まるでことばを知らないちいさなこどものように訴える。
「かわい…」
「や、もう、やめ、んあっ」
「やだね、やめない…、そんなこと言ってこんなに尻尾ふっておねだりして…」
ほんとにあんた犬みたい。あたしに従順な犬みたい。シャーロットが指の動きをはやくする。もしかしたらまた指がふえていた
かもしれない。だけどそんなことを考えている余裕もありはしなくて、私は夜のひえた空気のなかで火照っていて、なりふりなんて
かまっていられなかった。こらえきれず、気づかぬうちにシャーロットの肩口にかみついていた。
「いっ……」
低いうめきがきこえたけれど、やめられそうにない。いろんなことをおしかくすのに必死だった。ぎり、といやな感触、血がでて
いるかもしれない。だけどふたりとも、そんなことに気をとられない。シャーロットは、なんども私をよんでいた。
「…バルクホルン、あ、バルク、ホル、……」
そのたびに、胸の奥底から奇妙な感情がわいてくる。声の主が、まるでいとしいかのような錯覚。皮膚に歯をたてながら、
どんどんとおいつめられていく。自分でもわかった、もう限界で、もう目のまえもなにもかもがかすんでいった。
「……き、……きだ……」
まだなにか言っている、ききとれない。耳を必死にこらすのに、私の意識はふっととぎれてしまって、それっきりだった。
-------------
気がつけば自室のベッドのうえだった。時計をふと見てもう朝だと確認する。それからあまりに重いからだをもちあげれば
いつもどおりになにも身につけておらず、ひょっとしたら昨夜のことは夢だったのかとたった一瞬だけ安心するが、そんなはずも
なかった。かけられたシーツのうえに、私の衣服がほうりなげられている。いろんなものでうす汚れたそれは、きのうのことを如実
に現実だと語っていて、それなのにやつの気配は、きれいにきえてしまっているのだ。
「……」
急速に、我にかえっていく。ばかだな、買いかぶりすぎだった。あんなところであんなことをするやつに分別なんてありはしないし、
こうやってひとのことをほうっておいてしまえるほどにやつは無責任じゃないか。そう思いついてから、まるで責任をとってほしいような
思考だと自分に呆れる。あれは、ただやつの憂さばらしに使われただけじゃないか。くだらないことだ、もう、わすれてしまえばいい。
代えの軍服に袖をとおして、いちばんに風呂場にいくことにしよう。体中がいやな感じだった。ゆっくりとドアノブをまわして、おす。
と、最悪なタイミングだった。廊下のむこうから、やつがこどもとつれだってあるいてくる。
「あ、バルクホルン大尉だ、おはよー」
たのしげに、ルッキーニが手をふる。私はごくとつばをのみ、おはようとかえす。隣人は、いつもどおりの薄ら笑いをうかべている。
そうだ、いつもどおり。きのうのことなどなかったような。
「あれ、どこいくの?」
食堂へむかうふたりの反対方向へとあるきだすと、ルッキーニがきょとんとした声をあげる。ちょっとなとかえすと、朝食くいっぱぐれるなよ、
とのんきな声がした。ついぐっとこぶしをにぎってしまう、わすれてしまえばいいと、自分でそう思ったくせにその態度にいらつく。
もしそうなれば、確実にきさまのせいじゃないか。言いだせはしない、なかったことにするときめた。
「ああ、そうだ」
背後で、やつがふと声をあげる。きく気もないのに耳にはいって、足をはやめた。だけど、まだまだやつの声は私のほうへととんでくる。
「あとで医務室いかないと」
「なんで?」
ルッキーニのたずねる声。一瞬だけ間があって、またやつが口を開く。
「きのう、犬にかまれちゃったから……」
はっとした。思わずふりむく。なにそれ、と首をかしげるルッキーニのとなりで、やつは横目を私にむけている。しつけがなってない
よな、これからちゃんとしつけてやらないと。ささやく口調で言いながら、シャーロットは背をむけてあるきだす。けがしちゃったの?
心配するルッキーニを笑顔でかわして、やつはもうこちらを見ない。
「……」
たちすくんで動けなかった。走馬灯が脳内をかけめぐる、わすれたいきのうのこと。ゆっくりと体温が上昇して、私はごくりと、
つばをのんだ。
>>84へつづく
すみません途中までタイトル○/7ってなってるけど○/6のまちがいです。すみません
ところで図らずもゲルトがマゾっぽくなったが後悔はしていない
>>324 な、なんちゅうガチ過ぎるエロ・・・ww
いや・・・ははは・・クオリティ高すぎ・・・
乙です
素晴らしすぎて鳥肌たったww
>>324 もちろん夜間哨戒中のサーニャさんは全部見てて、触発されてエイラーニャに続くんですよね!わかります!
夜間哨戒を続けていた私のアンテナが、何かを感じ取った
明らかにネウロイの反応とは違う・・・強烈で・・絡み合う人の思念のような物だろうか、基地のほうから感じられる
幸い今夜はネウロイの反応は全く見られず、夜間哨戒を切り上げようと思っていたところだったので報告をしてから、基地のほうへ向かうことにした
基地の方へ近付くにつれて、その思念は強くなっていき、その発生源が像を結び始める
「これは・・人・・・女性が二人・・・管制塔に?これは・・何を・・・?」
そして、その像がはっきりと見える距離に入った
「バルクホルン大尉と・・・イェーガー中尉・・!!!」
そのとき、感じていた思念はさらに強烈になって、私の脳内に強く干渉した
烈情と快楽の入り混じった濃い色をした感情が、私に激しく流れ込む
「はあっ・・・はあっ・・・これは・・何?・・・報告・・・したほう・・・が・・いいの・・・かな・・」
体が熱い、なぜか私は、報告が出来なかった。
いつもは、部隊の皆を柔らかい母性で包む優しいイェーガー中尉と、真面目で精悍な雰囲気を漂わせているバルクホルン大尉の媚態が絡みあうその姿に、私は戸惑う
流れ込む感情と相俟ってその光景は私の体を果てしなく熱くして、私に考えるということを許さない
魔力はまだ残っているはずなのに、体が、脳が飛ぶことを拒否している。このまま墜ちてしまうかもしれない・・・
ふいに流れ込んでいた感情が立ち消え、先程の二人も動かなくなっていた
汗などではない、なにか、別のなにかで私のズボンはびしょ濡れになっていた
「なんだったんだろう・・・わたし・・・なにか・・おかしかったのかもしれない・・・エイラに・・・相談・・してみなきゃ・・」
私はストライカーの出力を上げ、基地への帰りを急いだ・・・
>>327あの夜、サーニャはこんなんなってたんですねわかりません
>>324 トゥルーデがマゾなのは自分の中ではすでに織り込み済みさっw
エロス分の補充は任せた!
で、
欝話に自分を誤魔化すようにオチをつけてみた。
>>304 「っていう夢をミタンダ」
「キーッ! 何なんですのっ! その山川という娘はっ! よ、よりによって坂本少佐とっ! そのっ……ゴニョゴニョ……なんてっ!」
「夢に文句イウナヨナー」
「ね、ねぇねぇエイラさんっ! 私どうなっちゃってるんですか!」
「芳佳ちゃんどうなっちゃってるんですかっ!?」
「いや、夢の話しだしそんなに乗り出すナヨー」
「オイ、少佐はその後どうなるんだ?」
「続き気〜に〜な〜る〜! 教えてくれないとヤダ〜」
「夢だからそこまでしかミテナイッテバ」
朝食後の食堂の風景。
エイラが見た夢の話をして、みんなが盛り上がってる。
エイラは冗談めかしてるけど、本当は必死だって事、私はしってる。
悪夢に飛び起きて、何度もタロットをかき混ぜて、毎回つかんでしまう正位置の塔が出なくなるまで何度も何度もタロットを並べなおした事。
何十回も並べて最後に引いたのは、逆位置の死神。
いいカードとはいえないけど、それでもエイラはそのカードを抱いてホッとしてた。
「タロットは自分の納得のいく並びが出るまで何度でも引いていいんだ。タロットだけじゃない。占いとかなんて、みんなそうだ」
背中越しに、起きている私に気付いて教えてくれた。
そのときは解らなかったけど、今わかった。
エイラは夢の内容を回避するために、少しでも打てる手を打ってる。
私には今は祈る事しか出来ないけれど、その時が来るのなら、そんな未来を回避するためにみんなの力になりたい。
だから、エイラにはもっと頼って欲しいな……。
以上です。
気がつくとエイラーニャな罠。
ちなみに、芳佳がどういう風に生き残って復活して再会するか迄考えてから、
「あ、ドロドロの三角関係になりそう」と思い立った次第。
っていうかリーネも居るからもっと病んだ成分が増える。
>>328 書き込んだらなんか追加されてたwwwGJ
部屋ではエイラの理性が大ピンチ!
ネタを言えばそれをすぐにSSになっているとは・・・このスレはすごいな
皆まとめてGJ
>>324 ああ、もうやばい。
リベリアンとカールスラントの堅物。
極めて正当な『年下攻め』ナンダナ。
つかシャーリーは女をかわいがり慣れ過ぎ!!
きっとレーサー時代から遊んでたな。これはw
ttp://www2.ranobe.com/test/src/up29353.jpg 「バルクホルン・・・今日はお疲れ様だったな、まだ痛むか?」
「いえ、大丈夫です坂本少佐。あの新人の治癒魔法が凄い効力で、あっという間に・・・」
「あっはっは、そっちの話じゃないさ。ミーナにきついのを一発、もらったろう?」
「あ、ああ・・・これですか・・・いえ、大丈・・・」
「ちょっと見せてみろ・・・はっはっは・・ミーナも派手にやったなあ、頬が真っ赤じゃないか」
「自分が悪かったですし・・・あのようなことをされても当然だと思います・・」
「あれもミーナが仲間を大切に想っている故の行動さ、わかってやってくれ・・・そういえば、おまえのほうが付き合いは長かったな。」
「申し訳ありません・・・ありがとうございました」
「それにしても本当に痛そうだな・・・すまないな、私は宮藤のように治療はできないんだ、あの魔法が使えればその程度の痛みは抑えてあげられるんだが」
「・・・・・・・・・」
「そうだバルクホルン、少し顔をこちらに」
「あ、はい・・・わかりました」
「よし・・・ぺろっ、とな」
「ひゃっ!?さ、坂本少佐っ!?」
「はっはっは。このくらいしか私には出来んよ、早く痛みが収まるといいな。今日は休むといい、いろいろあったし、な」
そう言うと坂本少佐は行ってしまった
少し湿り気の残る頬に触れる。坂本少佐の優しさ、仲間を想う気持ちを指先にも感じた。
坂本少佐を見る目が変わった。この事、この気持ち。そうそう、忘れられそうにない・・・
 ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
__
,.=, ´;:::::::::::`::>=、- 、
,´;;;;;ノ:::::::::::::::::::::!:::::::ヽ;;!
/;;;;;;;;/::/:::::::;イ::/ハ!;:::::::ヘ;!
. /;;;;;;;;;;;/::/:;イ:/ ,イ::l! ! V:::::!;;l
|;;;;;;;;;;<::イ:/j/Tt- Vl ィTVV;;;!
ヽ ノ .Y|ハ Vリ `' lリ lノ `
ゝ=-、 _ ノ 少佐・・・いや、美緒・・・お姉・・・さま・・
, ィノ _ヘ>- <
// ハ: :ゝ-Y-'^.i
ヾ=-' l: : i:. ̄ハ:):l
l: : ノ: : :.l!: :l:.l
V/: :二 l!: :.V
/!: : : : l!: : :l
. ヾニハ: : : :A: : :.!
l! !: : /L!V: :!
>>308の3枚目と
4話ラストの後を
混ぜて想像して
こんな夜中に
ひっそり投下
>>333 絵を見た瞬間13時間くらいフリーズしてしまった
なにこの、なに?
俺もう死んじゃうかも
もっさんの魅力が発揮されすぎてる一枚だな
少女漫画の王子的な
可愛過ぎだよぉ
シャーゲル…
シリーズで読みたい。
シャーリーが秘密のメモを渡すところからはじまるやつ
>>333 ぶはっ!自分の絵にGJな妄想SSが…。ありがとうございます!
もっさんゲルト需要が意外とあって嬉しいなぁ。
>>308 で、こちらの1番上の絵なんですが…
エーリカの腕がふたつあるなんていう前代未聞の大失態を犯しておりまして。
世に出てしまったものは仕方ないんですが、
もしよろしければ修正版も見ていただきたいです。・゚・(ノ∀`)・゚・。
今、もっさん×トゥルーデ執筆中なんだけど、あれおかしいな、トゥルーデがどんどん乙女になっていく…
>>339 同じくシリーズ化希望!!
このシャーリーはなんか乙女で好きだなぁ。
今出先なんで帰ったら感想書きますw
>>328 ここここれはエイラさんのエイラさんによるエイラさんのためのお医者さんごっこが始まっちゃう感じですか!?わかりません><
>>324 もうだめだwシャーゲル萌えすぎる!
たまんねえ…GJだああ!!
公式更新来てるよ。
歴史講座がまた一段と芳リネ化してて爆発しそうになった。
あとミーナは誰において自爆しそうになったんだろうか。トゥルーデか少佐か、それとも……?
そして戦闘記録集の表紙がどう見ても事後な件。
>>348 まじだ!ニヤニヤ止まらんかった!!自爆はどう考えても少佐だろう。
前も少佐のおっぱい触った芳佳に怒ってたし。てかリーネのせいで顔緩みっぱなしだったわ。
記録集の表紙はエイラニャか〜。表情まで見えないが色々想像させてくれるなww
てことは秘め声はシャーリーとサーニャになるのか?
2巻がリーネとトゥルーデだったしな…
エイラーニャはセットで作ってほしかったが…
と思ったらもう画像貼られてた…流石は百合スレ
よっしゃ、じゃあ夜辺りにでももっさん×トゥルーデ投下するか!
…出来は期待しないで下さい…
しかも細かいところが
>>333と被ってるし…
お姉ちゃんの解説見てて思ったんだけど、写真撮影をウィッチがやってるってことは
野郎整備士共とは違って501の面々とも何かしらやり取りがあったんじゃないだろうか。
アフ魔女の記者氏みたいに一杯食わされた系のエピソードがあったりしたら萌えるかもしれない。
>>324 遅ればせながら感想を。「最初のいっかい」リクしたら実現して歓喜!!
しかも予想の斜め上すぎる素晴らしい作品でたまらんです。
本気でシリーズ化して欲しい!!
お互いまだちゃんと告白(?)してないようだし。
お互い意地っ張りで照れ屋さんだったりしたら
実はエイラーニャ並みに進展が遅そうwww
「……あんたにやっとおいつけたんだって思えばいいや。」にキュンときたw
でも手馴れてるシャーリーはいつどこで誰と?!
魔力解放で形勢逆転かと思いきや、やっぱり受けなゲルトさん萌え。
魔力を解放するとまずミーナさんにバレてそう。
そして現場を目撃したミーナさんが真っ直ぐ向かうはもっさんの部屋、
まで妄想した!
あと、えろも需要あると思うよ〜。
357 :
滝川浜田:2008/10/29(水) 21:02:21 ID:L5FNpNjV
>>353のもっさん×トゥルーデ投下します。
うーん、何せ勝手が分からないもので、変なところがあったらスマンって事で。
「よくやったな、バルクホルン!」
出撃の後、ネウロイを撃墜した私は少佐から褒められた。
その言葉と同時に、私の頭の上には少佐の暖かい手の感触。
たったそれだけの事で、私は自分を見失いそうになる。
これは、他の誰にも抱いた事の無い感情。
そして、これからも誰にも抱かない感情。
……少佐、私は、貴女の事を―――。
――茜色の約束――
「ネウロイ襲撃!リーネさんとサーニャさんは待機!他のみんなは出撃よ!」
今日もネウロイ襲撃か。
全く、たまにはネウロイにも休んで欲しいものだ。
…そんな事愚痴っても仕方ない。
私達は世界を守る為に、ネウロイ撃滅の為に空を飛んでいるのだから。
―――――――――――――――――――
今日のネウロイは分裂型か。
くそっ、少し厄介だな。
「どちらかのネウロイにコアがあるのかしら…。美緒、少し見て貰えるかしら」
「ああ」
少佐は右目の魔眼でネウロイのコアを探り出す。
「…どうやら左側のネウロイにコアがあるみたいだ。
しかし、このネウロイの動きは素早い。
一点集中で狙撃する事はほぼ不可能だな」
「じゃあ分けましょう。右側のネウロイはエイラさん、ペリーヌさん、宮藤さん、ハルトマン中尉。
左側のネウロイは少佐、ルッキーニさん、シャーリーさん、バルクホルン大尉、そして私で行きましょう」
「ああ」
「みんな、行くわよ!」
みんな一斉に自分に与えられた役割を果たす。
「もう一体のネウロイは宮藤さん達がフォローしてるけど、問題はこっちね」
「本体を叩かないと、意味は無いだろうしな。
よし、バルクホルン、ついて来い!」
「はっ、はい!」
少佐が空を駆ける姿はあまりに勇ましく、そしてあまりに美しい。
私はそんな少佐につい、見とれていた。
「ウニャァ、このネウロイ固すぎ〜!」
「なんだよ、この防御力!
半端じゃねえ!」
「みんな、諦めないで!
いくら防御力が高くても、攻撃を続ければそのうちボロが出るわ!」
「バルクホルン、今から私が指す場所へ向かって撃ってくれ。そこにコアがある」
「はい、分かりました」
「よし、行くぞ」
そう言うと少佐はネウロイへと向かって行った。
「ここだー、バルクホルン!
ここに向かって撃て!」
私は少佐の指示通り、銃を構える。
そして引き金を引く。
ギューン
見事に銃弾はネウロイに直撃、コアが現れた。
「よくやった、バルクホルン!
あとは私に任せろ!」
「気をつけてください、少佐!」
少佐は刀を抜いて、空高く舞い上がる。
その向かう先にはコアを剥き出しにしたネウロイ。
「うおおおおおおお―――――!!」
少佐の一刺しが、コアを粉々に破壊する。
すると、私達が相手していたネウロイと共に向こうで宮藤達が応戦していたネウロイも音を立てて崩れ始める。
「やっぱり対になってたのか…」
すると物凄い爆風とネウロイの破片が私達を襲う。
油断していた私はその爆風に飲まれ、破片で頬を切ってしまった。
「しっ、しまった、油断して…っ!」
すると、私を抱きかかえるように助けてくれた影一つ。
「少佐…」
「大丈夫か?バルクホルン」
「はっ、はい…///」
…私らしくも無い。
今、私の胸の鼓動は有り得ないくらい高鳴っている。
…少佐に抱きかかえられている。
その事実は、私を乱してしまう。
「ん?頬に傷があるな」
「あ、これは多分ネウロイの破片かと…」
「そうか、帰ったらすぐに治療せんとな」
「いえ、そんな大した傷では…」
「とりあえず止血しておこう。
しかし今は拭くものが無いな…。仕方無い…」
そう言うと、少佐は…
ペロッ
「少佐っ…!//////」
私の頬を舐めた。
「すまんな、今は拭くものが無くてな」
赤面する私をよそに少佐は話を続ける。
「それと、バルクホルン。
今回のネウロイはお前のサポート無しでは倒せなかった。お前のお陰だ。ありがとう」
「いえ、そんなっ…」
「やはりお前はストライクウィッチーズにはいなければならないな」
「…//////」
「坂本少佐ー!」
向こうから宮藤達の声がする。
全員無事だったみたいだ。
「帰るか、バルクホルン」
「はっ、はい」
「よし、総員基地へ帰還する!」
―――――――――――――――――――
夕方、怪我の治療も済み廊下でぼんやりしていると、少佐に話しかけられた。
「頬の傷、痛まないか?」
「いえ、このくらい」
「アッハッハッ、そうか、それは良かった」
「少佐」
「ん?なんだバルクホルン」
「もし今ここで、部下から告白されたら…少佐ならどうしますか?」
「…それは、お前からの告白と受け取っていいのか?」
「…それはっ…///」
「すまないが、今はお前をそういう対象としては見られない」
「…そう、ですか」
落ち込む私の肩に、少佐は手をポンッと乗せる。
「…だが、これからはどうかと問われたらそれは分からない」
「少佐…」
そして少佐はいつもの笑顔で私に返す。
「私を惚れさせるくらいの女になってみろ。
…お前にそれが出来るか?バルクホルン」
夕陽の中の少佐はいつも以上に美しく、そして眩しく私には映った。
「少佐、それは私に対する挑戦状として受け取っても良いのですか?」
「お前がそれでいいなら、な」
「私、少佐の為なら、どんな事でもする覚悟はあります」
「バルクホルン」
「そして、いつか貴女に振り向いて貰えるような女性になります。
だから、待ってて下さい。
いつか少佐は私しか見えなくなりますから」
「バルクホルン…」
「だからこれだけは言わせて下さい。
そしてこの言葉をその時まで覚えておいて下さい」
私は少佐への想いをこの言葉へ託す。
「少佐…いえ、坂本美緒…貴女の事が…好きです」
その言葉を何かの呪文みたいに、少佐にかける。
…もう逃げられないように。
「アッハッハッ、そんな情熱的な告白をされちゃ、忘れようにも忘れられないな」
「少佐…」
「待ってるぞ、バルクホルン。
お前がどんな女になるか楽しみだ」
「あ、あんまり期待しないで下さい」
そう言うと、少佐は私の頭に手を乗せる。
「いや、期待せざるを得ないぞ。
そんな大々的に予告されてはな」
「少佐…」
「もう日も落ちてきた。そろそろ晩御飯の時間か。
…行こうか、バルクホルン」
「…はい」
私達は並んで、廊下を歩く。
「…少佐、私本気ですから」
「ああ、分かってるよ」
「誰にも負けない女性になってみせます」
「…待ってるよ」
私が少佐好みの女性になるまでは時間がかかる。
それでも少佐は待っていてくれる。
これは、少佐の期待を裏切ってはいけないな。
「少佐」
「なんだ?」
私は少佐にも聞こえないほどの声で呟いた。
(…愛してます、少佐…)
END
以上です。初めてのCPだから勝手が分からん!
やはりマイナーCPは書くのが難しい…。でもこの二人、広げれば可能性があるCPかもなあ。
あとトゥルーデが乙女でスマン
…さて、爺はここら辺で…
>>362 乙女なゲルトも素晴らしい!!ニヤニヤ!!!そして少佐が格好良すぎる!!!
爺はホント、ホントGJ!!!!秘め声聞くとゲルトは少佐褒めまくってるから可能性はあるなぁ。
t26gFAxTです。
前回投下分のルーデルとアーデルハイドの短編にレスいただきありがとうございます。
この二人に関しては今後も一人で勝手に盛り上がっていきますw
つーこって、学園ウィッチーズ第12話いきます!
エイラは、短い悲鳴をあげ、目を覚ました。額の汗が前髪をぺったり濡らしている。おそらく悪夢を見ていたのだろうが、幸いというべきなのか、内容はまったく覚えていない。
昨日の夕方から降りしきる雨はいまだに窓を叩いていて、止む様子は無かった。
エイラは朝の冷気に晒された額を拭って、毛布の下にもぐりこんだ。
ルーデルとアーデルハイドはまだ朝日も昇らない、暗い、そして雨が降りしきる空をストライカーで駆ける。
「大佐、なぜこんな時間に? 早く軍に戻らないと」
「いや、車でこちらに来たときに気がかかることがあったんでね。それに軍に戻っても今は書類仕事ばかりでつまらないからな」
アーデルハイドはため息をつきながらも、ルーデルの発言を否定するでもなく、飛び続ける。
ルーデルは、スピードを緩め、その場にホバリングしながら、眼下に広がる、家々を見て、その向こうに位置する山に目を移した。
生活に使うためだろうか、一部分の木々がごっそりと切られている。
ルーデルは空を見上げた。
「アーデルハイド、どうやらもうひとつ用事ができた」
自室のベッドで目覚めたゲルトルートは、カーテンの隙間から覗く窓の景色を見つける。
雨はようやくやんだようだが、空は灰色だ。
「今日こそ飛べるといいんだが」
と一人ごち、起き上がって、服を着込むと、チェストの上で伏せられていた写真立てを起こす。
写真の中のクリスと別の写真に映る幼いミーナに交互に視線を送ると、表情を引き締め、部屋を後にした。
食堂に一番乗りしたシャーリーは、用意された食事を口に運び、昨日の帰り道の出来事を思い出す。
ルッキーニと相合傘をして、降りしきる雨に負けないように、つないだ手を揺らしながら、二人で調子はずれの歌を歌ったが、寮へ向けて歩を進めるごとに、シャーリーの歌声は小さくなり、ルッキーニの無邪気な歌声だけが響いた。
シャーリーたちの数十メートル先で、ゲルトルートとミーナはきつく抱き合っていたかと思うと、落ちた傘を拾い上げ、手をつなぎ、寮へと歩き始めていく。
ルッキーニは、シャーリーがきつく手を握るものだから、とうとう歌うことをやめてしまった。
シャーリーは、ただぽつりと、ああ、悪い悪い、とだけ返すのが精一杯だった。
どんな顔をしていたのかは定かではないが、ルッキーニの向ける表情から察するに相当おかしなことになっていたのだろう。
シャーリーはごくりと噛み砕いたパンを飲み込む。
「おはよう、シャーリーさん」
食堂に響いた声にシャーリーは顔を跳ね上げた。気がつけば、ミーナがトレイを持って、すでに彼女の前に座ろうとしているところだった。シャーリーは、なぜだかびくつく心臓を必死で抑えようとして、こっそり深く息を吸い込む。
「おはようございます」
ミーナは、紅茶を一口飲むと、そっとカップを置いた。
「シャーリーさん、今回は本当にありがとう。一時的に、スタッフに口止めをしてもらったり、嫌なことまでさせてしまって…」
「たいしたことじゃないですよ。あいつに魔力が戻ったのは、あんたのおかげだろうし」
少しばかり吐き捨てるような口調になり、シャーリーは唇を噛む。
なんだよ、この態度。
すべてがいい方向にいってるはずなのに。
シャーリーは雰囲気を変えるためにも、努めて明るい口調で、強引に話し出す。
「そういえば、放課後の飛行訓練だけどさ。同行者、やってあげてくんないかな?」
「……けど、トゥルーデはあなたを指名したんでしょう?」
「きっと心変わりしてるって、今はあんたと飛びたいはずさ」
なぜだか声が震え、シャーリーは頭痛さえ覚え始めた。
吐き気がする。
自分自身に。
シャーリーは立ち上がると、ぱっと笑顔を見せた。
「ごめん。用事思い出したからもう行くよ。同行者の件、よろしくな」
ミーナがどことなく異変を察知し、呼び止めようとするも、シャーリーは持ち前の早さで食堂から去っていった。
ミーナの手が空を漂う。
折角のもっトゥルなのに少佐の前で乙女なゲルト見てると結局
なんかでもっさんに褒められてどことなく嬉しそうなゲルトの横でシャーリーむくれ顔
「あんたさー少佐の前だと乙女はいるよね」
「はあ?」
「(うわ本気で怪訝な顔…無自覚とか厄介すぎ)
あんたやっぱり年上が好みなの?」
「なんだ、さっきから。変なことばかり言ってないでさっさといくぞ」
「……。(バルクホルンのバカ…)」
という寸劇が繰り広げられてしまう俺のシャーゲル脳を誰かどうにかしてくれ
むしろ誰かこれをSSにしてくだしあ><
廊下を進むシャーリーは、目の前に現れた人物に、身構えた。
ちょうど部屋から出てきたゲルトルートは、彼女に気づくと、また部屋に戻り、出てくると、シャーリーに傘を差し出した。
「返すよ。おかげで濡れずにすんだ」
嘘つけよ。傘ほっぽり出して抱きしめあって、二人してずぶ濡れだったじゃないか。
シャーリーは頭に浮かぶ悪態に、抗うように、笑顔を絶やさない。
ゲルトルートはシャーリーの中に渦巻く感情の嵐に気づくはずもなく、じっと彼女を見つめ、ささやいた。
「それと、ミーナに聞いた。色々気を遣わせたらしいな。すまなかった……」
ミーナに聞いた、か。
ふいにミーナとゲルトルートが話し合う光景が浮かび、シャーリーの目がどことなく遠くなる。
いつにないシャーリーの様子に、ゲルトルートは手を伸ばした。
「おい、顔色が…」
「触んないで!」
びりりと廊下の壁がきしむほどの大声。
ゲルトルートは、動揺するでもなく、命令に従うように、じっと、無表情に、手を下ろした。
シャーリーはいてもたってもいられなくなり、ゲルトルートに背を向けると、寮の外へ駆け出した。
朝の鍛錬を終え、寮に入ろうとした坂本は、やわらかいものに押されて、吹っ飛びそうになりながらもこらえて、腰に手を置いた。
「おい、シャーリー、気をつけろ」
肩で息をするシャーリーは、今にも泣き出しそうな顔で、坂本は彼女の腕を力まかせにつかむと、中庭の隅にあるシャーリーが勝手に作った簡易ガレージに引っ張り込んだ。
坂本は、ガレージにおいてある木箱にシャーリーを座らせると、壁にもたれ、向かい合う。
「……なにかあったのか?」
シャーリーは、拗ねた子供のような瞳を坂本に差し向ける。
さきほどよりは深刻さが薄れたその表情に安心し、坂本は苦笑する。
「そんな目で見るな」
シャーリーは、膝を立てると、自分の頬を乗せ、坂本に視線を戻した。
「ねえ、横恋慕ってどう思う?」
坂本は、ぽかんとした表情でシャーリーを見据える。
「ねえってば…」
「……お前が恋の相談をしてくるとはな」
「じゃ、やめる…」
「まあ待て。そうだな……横恋慕。経験は無いが、好ましいことではないな。あくまでも私の意見だが」
シャーリーは、立てていた足をまた下ろして、天井を見上げた。
「そうだよな、やっぱ。良くないことだよな。わかってるんだ。でも、気づいちゃったから……。止められなくて、怖くなってきて…」
「そう思うのなら、間違いはしでかさないだろう。お前は、自由闊達に見えて、締めるところは締めるからな」
「買いかぶりすぎさ」
「おいおい。珍しく褒めたのだからもっと喜んでくれ」
遠くでルッキーニの声がこだまする。
どうやらシャーリーを探しているらしい。
坂本は体を起こすと、ガレージの入り口に手を置いた。
「シャーリー」
「なに?」
「好きな人が多すぎる事は問題だろうか?」
「さあね。私も今考えてるとこ。なんか気づいたらまた声かけるよ」
すっかりいつもの調子に戻ったシャーリーの口調に、坂本はふっと笑うと、「そうしてくれ」と、言い残してガレージを後にした。
放課後、エイラはペリーヌとリーネにはさまれながら、格納庫に向かう。
一応学生とはいえ、ウィッチたちは、今でも戦闘以外の用途でストライカーを使用する事もあるため、常にベストな状態で機動できるよう、定期的に飛行をしなければならないためだ。
エイラは、ちらりと窓の外を見やった。
「また、雨降りそうダナ」
「悪天候のほうが訓練になりますわ」
「そういえば、今日はバルクホルン先輩とミーナ先輩も飛ぶって」
「へー、ちょっとした小隊だな」
一足先に格納庫に着いたゲルトルートは、ブーツを脱ぎ、隣のミーナに視線を向ける。
ミーナは視線は厳しくも口元では笑みを浮かべ、二人は、特に合図をするでもなく、ほぼ同時にストライカーに飛び込み、魔力を開放した。
ミーナは、肌に感じる、ゲルトルートの確かな魔力に胸をなでおろす。
これならいける。
また二人で空を飛べる。
ゲルトルートも同じ心境なのか、湧き出す感激を抑えられない様子でミーナを見つめた。
二人は、そっと互いの手をさしのばすが、格納庫の向こうからやってくる、エイラ、ペリーヌ、リーネの三人の気配に気づき、慌てて手を引っ込める。
「久しぶりだなあ」と、マイペースに言うエイラは徐々に魔力を開放し、ストライカーを暖気する。
「戦時中はエースだったんだろう、エイラ?」
隣のゲルトルートが珍しく話しかけてくるものだから、エイラは驚きながらも、照れくさそうにする。
「ちょ、ちょっとしか出撃しなかったけどナ…」
先頭のミーナが振り返る。
「みんな、準備は出来た?」
一同が一斉に返事をすると、ミーナは、インカムをセットし、叫ぶ。
「発進します!」
ミーナ、ゲルトルート、エイラ、ペリーヌ、リーネの5人は、曇天の空へ向け、飛び立つ。
一同は、適度な高度を保ったまま、誰も遅れを出すことがなく、順調に飛行を続けた。
眼下の緑が途切れ、家々が見え始め、そのさらに向こうの山々が視界に入ったところで、ミーナが異常に気づき、一同に制止するようジェスチャーする。
ホバリングし、空中に留まったミーナ以外の四人は、山を沿って作られた道路にあるトンネルに気がついた。
トンネルの一方には、大きな岩が転がり、玉突き事故でも起こしたのか、もう一方には、横転した車が数台ある。
ミーナは他の4人の顔を見つめる。他の4人は、ミーナが言わんとしていることをすでにわかっているのか、それぞれうなづいて、意思を示した。
ミーナはインカムを使い、学園のハッキネン主任教官につなぐ。
「こちら、カールスラント1」
『こちら"雪女"。状況をどうぞ』
「現在、地点G-3飛行中。トンネル内にて数台の小規模な車両同士の事故を確認。救助支援の許可を」
しばし、インカム内で紙がこすれあう音が聞こえた後、ハッキネンの静かな声が響いた。
『許可します。ビューリング教官を寄越しますので、その間、あなたが指揮を代行して下さい』
「了解」
ミーナは表情を引き締めて、指示を出す。
「救助支援の許可が出たわ。行きましょう」
「了解!」
地上に降りたウィッチたちは、すばやく、的確に、怪我人を車から出していく。
トンネルの外で横転していた車の主たちに重傷者はおらず、多少の出血はあるものの、皆意識ははっきりしていた。
初老の男がミーナに語りかける。
「山から落石があってそれのせいで…」
トンネル内に入ったゲルトルート、エイラ、ペリーヌ、リーネは、横転したスクールバスを見つける。
割れた窓から、子供たちが運転手に助けられながら、這い出してくる。
運転手は、現れたゲルトルートたちを見て、安堵の表情を向けた。
「ああ、なんてついているんだ」
運転手は安心して気が抜けたのか、頭の怪我のせいなのか、その場にへたり込んで気を失ってしまう。
ゲルトルートは、ひとまず運転手を抱え上げ、先にトンネルの外へ向かう。
残ったリーネ、ペリーヌ、エイラの三人は子供たちを二人ずつ抱えて、次々とトンネルの外へ連れ出した。
気がつけば、あたりは降り始めた雨で濡れていた。
トンネルの外に出たゲルトルートは運転手に語りかける。
「残りはあなたのバスの乗客だけだ。全部で何人だ?」
「……子供たちは……全部で15人だ」
「よし」
再びストライカーでトンネルに向かいかけたゲルトルートの肩をミーナが掴んだ。
「トゥルーデ。あとは私に任せてあなたは休んで、長時間のストライカーの稼動は…」
ゲルトルートはミーナの手を握り返す。
「大丈夫だ。どちらかというと、魔力が湧いてきて持て余しているぐらいだ。ここで待って、みんなを指揮してくれ」
ゲルトルートはそっとミーナの手を肩から外すと、ストライカーの出力を上げ、トンネルに吸い込まれていく。
ちょうど、12人目と13人目を担いだエイラとすれ違う。
「先輩、残り2人だ」
「了解した」
トンネルの外に出たエイラは、担いでいた子供たちを下ろし、頭を撫でる。
と、その瞬間、嫌な予感を感じ、叫んだ。「みんな離れろ!」
エイラ、ペリーヌ、リーネ、ミーナは、その場に残っていた数人を、それぞれ担ぎ上げ、その場を飛び立つ。
エイラの悪い予感どおり、いくつかの大きな岩が落ち、土砂が崩れ、エイラたちがいた場所を飲み込み、トンネルの両側を塞いだ。
第12話 終わり
うわあ投下中に割り込んじゃってごめんなさい
学園待ってた!しかもシャー→ゲルとは…粋すぎるね
と思っていたら怒涛の展開につづきが待ちどおしすぎる
つづき待ってます!
むじょうけんにこうふくだよ、もう。
朝の光にきらきらと、きみのかみが輝いている。起き抜けのきみはぼんやりとわたしのベッドに座り込んだまま、
どこか虚空を眺めているのだ。
愛しさが募ってつい、手を伸ばした。猫みたいにふわふわの髪の毛が右手に触れる。きみが顔を上げる。
どうしたの、といわんばかりにわたしを見上げて首をかしげる。
それだけでもうノックダウンだ。白旗上げて無条件降伏だ。ああもうなんて可愛いんだろう、きみは。
どんなに抗ったってきっと敵いやしないさ。どんなに不幸な事だってその一瞬で溶けて消えてなくなって、
温かい気持ちだけが残るんだ。この気持ちの名前をわたしは知ってる。恋をしてるとひとはいう。
サーニャ、
エイラ、
同時に互いの名前を紡いで、その瞬間何となく恥ずかしくなって目を逸らした。きみはどんな顔をしてるかな。
みたいけれども顔を直視するのさえ照れくさくて出来ない。顔なんていつも会わせてるのに不思議だ。きみの
目を見て話せないんだ。部屋にある水晶玉よりもよっぽど、きみの翠色の瞳は真実を映し出す。きみに
見つめられてうろたえて、どうしようもなくなってる自分の姿を描き出す。大馬鹿者と笑われてもね、やっぱり
どきどきしてしまうんだ。
きみがわたしの名前を呼んでくれる。囁くように、でもはっきりと。
それはわたしの心と鼓膜とを優しく柔らかく震わせて胸を快い波で満たしてゆく。ああなんか眠くなって
きちゃったな。何だか夢の中みたいだ。無我じゃないけど夢の中。夢状圏で恋う福を、ただただひたすら
噛み締めてる。
エイラ。
もう一度名前を呼び掛けられて、夢見心地から目を覚ます。けれどもきみは相変わらずで、眠そうな顔を
してひとあくび。ばくばくと暴れてる心臓は、きみに聞こえてやしないだろうか。
もしかして、知っているのに素知らぬ顔??どうでもいいかな、だってほら、きみはふわりと笑うんだ。だから
わたしも微笑み返す。ごまかすためじゃなくて、なんだかとってもうれしいから。
わたしね、えいら。
眠たそうに言いながら、すりすりと体を寄せて来る。きみはまるで猫みたいだね。耳元でごろごろと喉を
鳴らす代わりに、わたしの名前を何回も何回も囁くんだ。えいら、えいら、えいら。聞きなれた、でもいくら
たってもなれない、その響きに心臓は容易く呼応して踊りだす。
何かをねだっているような気がしたから背中に腕を回して抱き締めた。どきどきとやかましく鳴っている
心臓の音なんて構うもんか。なんだかきみからも同じく早くて強いリズムを感じる気がするよ。気のせいかな。
そうでないといいな。わたしとおんなじこと思っていてくれたら、たぶんわたしは幸福すぎてどこまでも行ける。
それはきっと無上圏まで届くほどの幸福なんだ。
さーにゃ、わたし。
抱きしめる手に力を込めながらわたしは言う。きみの体がびくりと跳ねる。どうしたの、びっくりしているの?
たずねたらふるふると、腕の中で首を振る。きみの言葉は少ないから、きみの気持ちはつかめない。けれど
きみがわたしの服を握り締めてくれるから、たぶん嫌われてはいないんだと実感できる。今のわたしには
それだけだって十分で、その喜びを表したくて腕に力を込めるのだ。
寝巻き代わりの衣服は薄く、肩も腕も腹も足もありとあらゆる肌が触れ合うばかりだ。すべすべのきみの
肌は心地よくて、通う体温は温かい。きみが手を伸ばしてわたしの頭をそうっとなでた。ひと房とって口付けて
いる。なんだかどきどきしてしまう。
温かいね。
柔らかいね。
気持ちいいね。
可愛いね。
綺麗だね。
きゅうと胸をしめつける、愛しい愛しいこの気持ち。
触れ合うだけでそうして伝えることが出来ればいいのに、臆病なわたしは言葉にしないからきっとわたし
には伝わっていない。それはきみを寂しがらせたりしてるだろうか。この想いを伝えたら、きみはどんな顔する
だろうか。笑ってくれたらとても嬉しいけれど、それでもわたしは口に出来ない。
もしかしたらそれはきみも同じだ。だってこうして何度も何度も抱きしめるのに、きみは何ひとつ言葉をくれない
んだ。ねえわたしのことどう思ってる?尋ねたら答えは返ってくるのかな。そう思案していてもいつのまにか、
聞き出せないままに時間が過ぎてしまう。
それでも二人でいれば無条件に幸福で、それいじょうはなにもいらない。そうとさえ思えてしまうわたしはもう、
どこかの回路が焼ききれているのかもしれない。頭はとっくにショートしていて、きみのこと以外何も考えられない。
出来ることなら今すぐに、この気持ちを言葉にしたい。飾りなんてつけずに贈りたい。だってたぶんお互いに、
いつも言いかける言葉のあとに続くのは同じ言葉だ。確信めいたその気持ちで、なんとなくもうわかってるんだ。
きみがすきだよ。
けれどやっぱり言葉に出来ないから、体を少し離して、名残惜しそうに見上げるその頬を包んで唇を寄せる
ことにする。そうしたら口にしなくても、直接そこから思いが伝わる気がしたんだ。
むじょうけんこうふくだ。静かに口付けを終えた後、ぽつりと呟いたらきみはくすりと笑って、仕返しとばかりに
顔を近づけてきた。そのまま体重をかけられてベッドに倒れこむと、言葉の代わりにたくさんの想いのカタチが、
せきを切ったように降りかかってきた。
───
こんな深夜に申し訳ない
ほろ酔って家に帰ってきたらエイラーニャが公式的に大勝利過ぎて妄想がとまらない
言葉遊びが凄いなGJ!深夜とか気にせずどんどん妄想してください
すごく恥ずかしかったけど本屋でメガミを買ってきた
2期の可能性見えてきたし、エイラーニャと芳リーネおまけルッキーニポスターは素晴らしかったし
何より良かったのが鈴木さんのインタビューとキャラ紹介のサーニャの「エイラと共ににスオムス戦線に異動」の一文
なんたる僥倖!生き恥を晒した甲斐があったというもの!
学園シリーズまたまたキター!!!
投下ペースの速さと文章力と展開に感動させられました・・・
しかも今大流行のシャーリー×ゲルトも入ってきてる
続きが気になって仕方がないです
げるとぉぉぉぉぉ・・・・
カップリングの幅を押し拡げたいのでいらん子中隊を買ってきいなと思っているのですが
SW関係の板のどこで聞いても「2巻は心して読め」「糸川は我慢だ、最後まで読め」「糸川はマジでイライラする」
「智子はビッチではなく流されやすいだけだ、我慢しろ」「2巻は読み直したくはないな」との感想を頂いたんですね
そこまで言われると怖くて怖くてですね
百合スレの方々的にいらん子はどうなんでしょうか、特に2巻について。教えていただければ幸いです
ご意見によっては2巻だけすっ飛ばして買うとかも考えてみようかと
>>376 ここまで言われてんのにビビるとは
じゃあ最後に一押ししてやる
『1巻〜3巻まで全て主要キャラで男は出ない』
4巻はまだ出てないからなんとも言えないけど
>>376 百合というよりレズ気味で、アニメよりミリタリー臭(戦争物っぽさ)が強いけど
キャラは立ってるし、ページ数少ないのに内容は濃いし、それなのに文章は読みやすい。
とにかくサブキャラも含めてキャラはみんな魅力的。
小説版を書いてるヤマグチさんは現在のライトノベル業界で最も人気がある作家さんの一人。
2巻は個人的には3冊で一番おもしろいと思う。
主人公の智子の恋愛話が入ってくるんで、
好きなキャラ同士のカップリングしか認めないとか、
キャラが自分の気に入らない言動を取ったらヘタレ主人公ダメキャラ認定したりとか、
ちょっとでも男との絡みがあるとダメとかいう人がいるでしょ?
ああいう人には受けつけないんだと思う。
それ以外の人は大丈夫。
ハルカも典型的なダメキャラ、足手まといキャラに描かれてるけど
かわいらしいしコミカルに描かれてるよ。
ハルカは「芳佳+ガチ百合−主人公属性」としか言いようがない。
>>374 > サーニャの「エイラと共ににスオムス戦線に異動」の一文
一緒にスオムスへ結婚なのか?
スオムスで嫁ぐことになるとは…
>>378 やっぱり一部の奴らが騒いでるだけなんだろうな
試しに今度買って見よう。横からだけどthx
いらん子はレズビアンをギャグとして描いてる感じがあるからなー。
脇キャラのガチな子達も本気なんだろうけどキャラのせいで本気の恋愛に見えないっていうかギャグっぽいっていうか・・・。
>>378が理由で嫌ってる人もいるだろうけど、百合の淡い感じを求める人にも向いてない気がする。
>>377>>378>>382 ご意見ありがとうございます・・・レズ気味・・・・・レズをギャグとして・・・ふむ・・
さんざ言われてる、糸川さんとやらはどのくらいやかましいんですかね?
>>383 もうネタバレするぜ
主人公といい感じになっちゃうイケメン。と思ったら実は女でしたってオチ。
端的に合わん人には合わんだけw
自分の好み以外全否定のバカはいちいちわめくのでうざいw
ストーリーのネタバレする人もいるからね…
人に聞くくらいなら、気になるなら買っちゃえば、とも思う。
三冊買っても1500円ちょっと、三冊読んでも6〜8時間くらいだし。
ざまぁwwww
>>374 とりあえずエイラーニャポスター及びサーニャインタビューが
どんな感じなのか喋ってもらおうか、
返答によっては私も共に生き恥を晒そう…
イイハナシダナー
エイラーニャはスオムスでかもめ食堂を営むのかw。
ところでシャッキーニはどうすんだろうね?
スピードの魔力に取り付かれて、新記録の更新の事しか頭に無くなったシャーリー。
そして、無茶の繰り返しで事故を起こし、生死をさ迷う羽目に。
そんな絶望に沈むシャーリーを支えるルッキーニ。
リハビリの過程で、ルッキーニへの『愛』に気づくシャーリー。
奇跡的な復活を遂げ、再び世界の頂点に経ったシャーリーは、
インタビューの席で「愛する事だけはやめられなかった」とルッキーニに想いを告げるのだった・・・。
みたいな感じだったらいいな。
3巻難民の私涙目w再版まだー?
2巻まではメチャクチャ面白いので自信を持ってオススメできるがね。
いらん子ネタで一本書いてるがキャサリンの喋りが難しすぎる。
>>392 シャッキーニの欝話書いてる途中で、その妄想見てビックリw
鬱はイヤン
ハンナ・ルーデル
アーデルハイト
アドルフィーネ・ガランド
ヘルマ・レンナルツ
ウィルマ・ビショップ
加藤武子
黒江綾香
横川和美
西沢義子
竹井醇子
ミカ・アホネン
ハッキネン
ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン
この辺の人達って、イラストがあるだけで、口調とかキャラは全然わかってないですよね?
登場させるとしたら、キャラ付けはほぼオリジナル、人それぞれなんですかね?
ハンナ・ルーデル→いらん子に出ているのでキャラ、口調は判明
アーデルハイト→いらん子に出ているのでキャラ、口調は判明。ただしイラストが無いため詳しい容貌不明。
アドルフィーネ・ガランド→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
ヘルマ・レンナルツ→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
ウィルマ・ビショップ→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
加藤武子→いらん子に出ているのでキャラ、口調は判明
黒江綾香→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
横川和美→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
西沢義子→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
竹井醇子→現在連載中のほうの漫画版に出ているのでキャラ、口調は判明
ミカ・アホネン→いらん子に出ているのでキャラ、口調は判明
ハッキネン→いらん子に出ているのでキャラ、口調は判明
ニッカ・エドワーディン・カタヤイネン→イラストコラムのみ。口調、キャラともに不明
ミス。
ガランドさんは相関図でミーナの上司というのはわかるけど、確か顔は出てない
>>398 アリガトウ
ゴザイマス
ハンナ・ルーデル
アーデルハイト
加藤武子
竹井醇子
ミカ・アホネン
ハッキネン
こいつらはちゃんと口調、キャラがわかってるんですね
意外と補完されてるんすね
いらん子は一巻しか持ってないんだ…。だって地元のあらゆる書店、どこにもないんだぜ!?
3巻しか持ってない俺みたいなのもいるぜ。1・2巻とついでに乙女の巻がどこにも売ってないから困る。
>>401 それくらいでしょげるなよ!
俺の近所の本屋なんて一冊も無いんだぜ!?
いらん子も乙女の巻も全部発売日買いしてるな。
キャラの個性とかは、外見と元ネタになった人物から
人間関係まで想像して考えてみるのも楽しい作業だと思われ。
それはそうと、忙しくて流れに乗るには遅きに逸した感じなんだけど、
>>328のサイド展開をせっかく書いたから投下してみるぜ。
>>328視点を変えて続きを妄想してみた【へたれ編】
ハッ、と目が覚めた。
胸騒ぎがした。ここに居たら危ない、そういう予感がした。
だから私は上着だけ引っつかむと危険な香りのするハンガーを避けて表へ出た。
まだ朝早いよなー。
でもなんか部屋に居たらまずい気がするし。
何でだろ? サーニャがそろそろ帰ってきてもいい時間なんだけど。
いやまてワタシ!
まさかこのわたしがサーニャを避けてるって!?
冗談じゃないぞ!
そんなはずがあるもんか!
でもなんか部屋に足がむかない。ナンデダロ?
モヤモヤとしながらこんなでなんとなく基地内を歩いていると、気配がした。
見ると、夜明け前の微かに白み始めた空の下で、坂本少佐が早朝の鍛錬を行っていた。
「毎朝こんな時間から訓練ですか?」
「む、エイラか。どうしたんだこんな時間に」
「それはこっちの台詞だよ。まだ暗いじゃないか」
「今日はたまたま、な。エイラこそもう一眠りできる時間じゃないのか?」
「んー……なんとなく目が覚めたんで散歩してた」
胸騒ぎで目がさめたとか言ったらなんかいろいろ突っ込まれそうだし、そこは秘密にしとく。
「うん、折角ここまで来たし、たまにはちょっと朝練に混ざってみようかな」
部屋に戻る気はしないし、興味本位で言ってみる。
「ふむ、確かにそれも良いかも知れんが、私としてはお前の実力に疑問は無い」
おお?なんだか訓練好きな少佐にしては意外なお言葉。
「勿論訓練を怠る事を由としている訳ではない。ただ、お前にはこの時間にもっと大切な事があるだろうと思ってな」
「大切な事?」
「ああ、サーニャの事だ」
ドキッとした。その辺の事を頭から振り払いたくて混ざろうかと思ったのに。
「お前がきっかけを作って、宮藤が後押しをして、大分良くはなったんだがな。あいつはもうちょっと自分を出せるようになって欲しい」
サーニャのことを考えただけでなんとなく頬が熱くなるのを感じながら、少佐の言葉を聞く。
「だから、あいつが一番なついているお前が支えて後押ししてやって欲しい。そろそろ夜間哨戒から戻る頃だ。きっとまたお前の部屋に行くだろう。だから一緒に居てやれ」
いつに無く優しい表情でサーニャのことを気にしてくれる少佐。
「うん、じゃあ部屋に戻ってサーニャを待ってるよ」
豪快なだけじゃなくてすごく細やかだったりするのがカッコイイ。ペリーヌがぞっこんになるのも無理ないな。
とか思いつつ建物の方へ戻る。
…………。
やっぱり足が向かない。
これは本当に重症かもしれない。
建物に入ったは良いけど部屋に向かえないわたしは、廊下を適当にぶらついていた。
すると階段の方から気配がする。
なんだろうと思って行って見ると、バルクホルン大尉をお姫様抱っこしたシャーリーが居た。
「いっ!?」
「シッ!」
驚きの余り、慌てて声を上げそうになるわたしを口の前に一本指を突き出したシャーリーが止める。
右腕はバルクホルン大尉の膝の下に回っているんで顔を前に突き出してのジェスチャー。
そうなると半分以上はだけられたでかすぎるおっぱいがバルクホルン大尉の顔をやわらかく押しつぶす。
「うわわわわ……な、何やってんのシャーリー?」
何でこんな時間にこんな所に?ってこともあるけど、問題はその服装だ。
二人とも胸はだけてるし、抱かれてるバルクホルン大尉は意識が無いみたいだし、そのおなかの上に載ってるのは……くしゃっと丸めた二人のズボン!?
「静かにっ! こいつや皆が起きたらどうするんだよ」
声を殺しつつシャーリーが制止。
わたしも一応合わせてひそひそ声で喋る。
「お前ら一体何ヤッテンダヨ」
「やってるんじゃなくて、ヤッた後だ」
「品の無い受け答えだなぁ、リベリオンじゃみんなそうなのか?」
呆れながら言う。言いながらもシャーリーのおおきなおっぱいから目が離せないし、なんか股間がムズムズしてくる。
「まぁ、ホラ……いろいろと自由なのさっ」
と、にやけ顔で言った途端突然真顔になるシャーリー、そしてその顔のままで声を潜めると、
「おいエイラ、お前濡れてるのわかるぞ」
シャーリーの言葉に思わず上着のすそを捲り上げて股間を見る。
「ぷっ、引っかかった。図星か〜ぁ?」
う、しまったぁ。
「べ、別にっ……ナンテコトナイッテ……」
う〜っごまかす事しかできないのが悔しいなぁ。
「ところであんたは……」
シャーリーが再び口を開きかけた時、それは起こった。
「……シャーロット……ん……やわらかいな」
「!!」
「んっ……ぁは……何っ……」
目覚めたのか寝ぼけたのか、バルクホルン大尉は顔に押し付けられてる左のおっぱいの先端を口に含みながら右のおっぱいを揉み始めた。
「あん、やめ……歯を立てるな……」
おおおおおおおおお!!!!!!
もしかしてわたし今すごいものを見てる!!!
内股になってから、それでも支えきれなくて背後の階段の段差に向かってゆっくりとしりもちをつくシャーリー。
お尻が床を叩く音だけじゃなくて、水音も混じってるような気がした。
その間もバルクホルン大尉は、必要におっぱいをいじり倒してる。
そのヤラシイ光景に思わず見とれてしまったわたしも既に腰砕け。アソコがジンジンしてきてズボンがぐっしょりになるのが自分でもわかった。
「あわわわわわわ……」
喘ぐシャーリーを唖然と見守るうちに太目が合った。
「……見、見るなよぉ……」
「ご、ごめんっ!」
とだけ言って、わたしはへろへろになりながら駆け出して部屋に戻った。
部屋に戻ったわたしは濡れてヤな感触になったズボンをゆっくりと脱いだ。
着替えはあったけどすぐに穿きかえる気にならず悶々とした気持ちを抱えながら波が過ぎるのを待っていた。
でも、何時までたってもあの強烈な光景は忘れられなくてアソコのうずきは募るばかり。
一旦脱ぎ捨てたズボンを拾って足の通る穴を両手で広げてみる。
うぁ……ぐっしょりで染みになってるよ。
真ん中の部分は微妙な感じに透けてる。
って、これで自己嫌悪で収まる事を期待したんだけど、改めて自分の興奮具合を確認しちゃって余計にうずうずむずむずもんもん……。
「んんっ……もぅ、こんなのサーニャに見せらんないよ……」
そう呟いたその時、がちゃりと扉が開いた。
「何が見せらんないの?」
「ゐっ!?」
思わずそのままの姿勢でドアを振り返ると、ズボンの穴越しにサーニャと目が合った。
以上です。
この先の展開は各自で妄想だw
>>408 GJです
いつの間にやら3人の作者さんリレー小説状態っぽくなっていた不思議
このスレの作者さんのチームワークに脱帽です
>>408 な、なんという生殺し…
いいだろう、俺の妄想力をフル回転させてもらうぜ!
帰還したサーニャもシャリゲルの媚態を上空から目撃しててムズムズしてるところ
エイラもこれかよw!!!!
つか
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ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart8 ↑ココ
レズ板なのに...
人達のチームワーク半端ないwシャーゲルもエイラ(ーニャ)も素晴らしすぎるだろ!
各自の妄想だけではおさまらず
これの続きを文にしたためる人がでてきたり…?
ミスった
職人達のチームワークな
アイアムシャーリー
そういや戦闘記録集の表紙のエイラーニャが事後っぽいことになってるけど
あれってもしかして実は朝サーニャが夜間哨戒明けにエイラの部屋にきて
服を脱いでたらその物音にエイラが起きた瞬間の絵なんじゃね?
エイラがおあずけされてムラムラしてる図だと解釈してた
サーニャは小悪魔だから
>>408 ちょ、え、おい!
素晴らしい生殺し
続きを、続きを書いてくれー
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↑
これなら良いわけですね?わかります
>>416 サーニャ「ウフフ.......エイラの服........」
エイラ「サ、サーニャ!なんてわたしの.......」
サーニャ「フフ」
エイラ「..................」
サーニャ「うふふ・・・エイラのズボン・・」
エイラ「あぁ!ダメ!サーニャぁ!」
サーニャ「ひゃ・・!びしょびしょ・・・」
エイラ「う・・・あうぅ・・・」
サーニャ「エイラ・・・なにを・・」
>>328 続きって書いてあったのに今気付いた・・・
どうもどうもすみませんありがとうございますうふふ・・
安価ミス
さっきのは
>>408さんへ
3連続レスとか恥ずかしさの極み
425 :
本ヌレより:2008/10/31(金) 03:27:12 ID:jubjQJsP
426 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/31(金) 04:06:49 ID:RZjIxISI
81歳のババアが18禁とか言うなよw
これはけしからん
428 :
滝川浜田:2008/10/31(金) 17:32:57 ID:USzj1JpO
シャッキーニSS投下します。
…が、かなり欝要素が強いので、読まれる方は気をつけて下さい。
あと、一応シリーズものです。
今、あたしの目の前に広がるのは、一面真っ青な空。
そしてあたしは海に浮かんでいる。
…あたしはひたすら速さを追い求めて、ここまで来た。
―――でも、もう限界みたいだ。
なんだか意識が遠のくんだ。
それになんだか胸の辺りがジンジン痛む。
ん、なんだこの赤いの。
……ああ、これ、あたしの血じゃん。
―――platinum 第1話「曇天」―――
なんだっけか、確かルッキーニを庇ってネウロイの攻撃を食らったんだったか。
魔力も残ってないし、ストライカーユニットもこの感じだと多分ぶっ壊れてる。
……ん、雨だ。
ああ、すげえどしゃ降りになってるじゃん。
こりゃみんな助けに来られないよなあ。
雨水が傷に染みる。
目も霞んで来た。
ああ、多分あたしこのまま朽ちて行くんだろうな。
これはアレか?
神様から与えられた休息か?
いや、休息っつーより死刑宣告かもなぁ。
ああもういいや、考えるのもめんどくなってきた。
だってあたし、このまま死ぬんだもん。
ああでも、死ぬ前にもう一度、ルッキーニに逢いたいなあ。
それで、伝えられなかった想いを告げるんだ。
それが出来れば、あたしは満足だ…。
…好き、だってさ…
430 :
滝川浜田:2008/10/31(金) 17:38:29 ID:USzj1JpO
第1話以上です。
これからちょっと辛い展開が続きますが、バッドエンドにはならない…つもりです。
これ以降も読んでいただけたら嬉しいです。
…では、爺はこれで…
ええ、何とか修羅場を乗り切りました私ですこんばんは。
そんなわけで前にチラッと書いたいらん子ネタでも投下しようと思います。
舞台は2巻の中盤、智子が正式の中隊長に任命されてから、糸川技師と街に出るまでの空白の辺り。
エルマ中尉が、智子をベタ褒めしている割にはなんだか寂しそうな事を呟いていたので妄想してみた。
エルマ視点のキャサリン×エルマで、「Ansio ajaksi Paradoksaalinen」です。
「今まで中隊長任務ご苦労様です。これからはあの扶桑のエースに、
スオムスのウィッチの名に恥じぬよう、万全なサポートをお願いします。」
「り、了解しました!」
────────
私に代わってトモコが中隊長に任命された。
いやまあ、元々私の提案だから嫌というわけじゃないけど、
こうもあっさり降格されるとやっぱりちょっとは凹むというか……。
「はあ……。」
氷に覆われた飛行場を眺めて、溜め息。
外気でキンキンに冷えた窓ガラスからは、
閉まっていてもなおヒヤリとした冷気が漂ってくる。
暖炉に当たり過ぎて火照った肌を冷ますにはちょうど良かった。
「元気ないねー、中尉」
後ろから間の伸びた声がした。キャサリンだ。
「これからトモコの昇格パーティーでもやろうかと思ったんだけど、
そのトモコが全然その気じゃないね。困ったねー。」
どうやら今のところやる気なのはキャサリン、ウルスラ、ハルカの三人だけらしい。
正直私も今はそんな気分じゃない。
食欲もないし、お酒を飲んだら悪酔いしそうだ。
そんな私の心の内など知るよしもないキャサリンは、
相変わらず楽しそうな笑みを浮かべている。
その無邪気な視線がなんだか酷く疎ましい気がして、
つい無意識に愚痴をこぼしてしまった。
「いいですね、気楽そうで。」
「うん?」
「どうせ私に、中隊長としての資格なんてなかったんですよ。」
ああ、私はいやなやつだな。
楽しいお誘いに来た友人に、こんな鬱々とした気分をぶちまけるなんて。
「でも、トモコを中隊長に推薦したのはエルマ中尉だったね。
さっきも自分で推薦しまくってたね。」
「そりゃそうですけど……。」
「気にすることないね。トモコがすごすぎるだけで、エルマ中尉は今でもミーよりずっと優秀ね。」
「でも、役立たずには変わりないじゃないですか。
さっきハッキネン少佐にトモコをサポートしろって言われたけど、
そのトモコさんはついこの前私に"戦闘に参加するな"って言ってるんですよ?
だったら私がここにいる意味なんて……。」
キャサリンは黙ってしまった。きっと呆れていることだろう。
背中に痛いほどの視線を感じて、振り向かないようにしながらもう一度溜め息を吐く。
ぼんやりと変な形に曇ったガラスはまるで、このやるせない気持ちが外に出てきたようだった。
────────
「ミーはエルマ中尉が好きね。」
長い沈黙が続いたあと、不意にキャサリンが言った。
「だからヘソ曲げないね。いらん子呼ばわりはミーも一緒ね。
ミーたちにもきっと何かできることがあるね。トモコもそのうちわかってくれるね。」
「……。」
私は何も言えなかった。窓の隅についたゴミをじっと眺めていると、
突然後ろから温かくて柔らかい感触に包まれてハッとなった。
両手でぎゅっと、抱き締められたのだった。
「トモコにとってはいらん子でも、ミーたちには必要な仲間ね。
だから元気出すね。そんなところで泣いたら涙が凍ってパリパリになるねー。」
「なっ、泣いてなんていません。」
「でも、涙が出てるねー。強がりはカラダに毒ねー。」
言われるまで気付かなかった。私は泣いていたらしい。
私はどうしたかったんだろう。
どうしてこんなに悲しいんだろう。
何で泣いていたんだろう。
わからないけど、今はただ──胸が苦しい。
ずっと引き摺り続けてきた荷物を、急に肩にずっしりと載せられたような、
空虚な重圧が心を押し潰しているようだった。
「わたし……なんで泣いて……」
「エルマ中尉は自分を必要としてくれる人がいなくなるのが怖いねー。」
私を後ろから抱き締めたまま、キャサリンは耳元で囁いた。
それは、大雑把で日和見主義的な普段の彼女とは違う、
私を心から心配した、真摯な言葉だった。
「ミーはフネの上でもいらん子だったね。
いつか海の真ん中に放り出されるんじゃないかと思ってずっと怖かったね。
でも誰もそんなことしなかったね。ミーのこと嫌いなんだと思ってた仲間が、
フネを出る時"本当はもっと仲良くしたかった"って教えてくれたね。
だからエルマ中尉も自信持つね。ユーにいなくなって欲しくないのは、ミーだけじゃないねー。」
「キャサリン……」
彼女の言う通りだ。
私は多分、怖かったのだろう。周りのみんながどんどん先に進んでいくのに、
上官であるはずの私はずっと止まったままな気がしたからだ。
このままフラッといなくなっても誰も気付かないような、
そんな存在に自分がなってしまうのを恐れていた。
私にしかできない何かが欲しくて、持っていたものを取り落としてしまいそうだった。
「私には仲間がいたんですね……。」
腕を振りほどいて向き直ると、キャサリンは私の顔を見ていつもの笑みに戻った。
屈託のない、とても魅力的な笑みだった。
「さあ、そうと決まったらパーティーねー!部屋でみんな待ってるねー。」
「あ、はいっ!!」
キャサリンは照れくさそうに私の手を引くと、大手を切って歩き始めた。
危うく引き摺られそうになりながらも、横に並んでついていく。
繋いだ手の温かさを感じながら、今度は別の溜め息をついた。
まったく、どうして面倒事っていうのはこう次から次へと降ってくるんだろうか。
胸のつかえが取れたと思ったら、今度は別の意味でどきどきしてるじゃないか────
endif;
以上です。何というか……キャサリンの再現は思ったよりも遥かに難しかったです。あの口調は真似できんね。
蛇足ですが、私の脳内設定としてエルマ中尉はもともと智子に惚れまくりだったりします。
だから智子に「いらない」と言われてメチャクチャ落ち込むわけです。しかし自分の事に鈍感な彼女は気付いてない。
そしてそこに颯爽と現れる仲間……を想像した時最初に出てきたのがキャサリンでしたと言うオチ。
もちろんこの時智子はもう仲間意識に目覚めているわけですが、
エルマ中尉はきっと昔の言葉を今でも引き摺ってるんだろうなあと思ったので。
まあ、自分も3巻難民なんですけどね。設定食い違ったらごめんなさい……。
あと今日はハロウィーンだと言うのに時事ネタじゃなくてすまない。
もう長いから書かないけど
>>310 >>318 >>324 >>362 >>369 >>372 >>408 >>430 全部GJ!!
毎朝電車の中で読んでます。どれもこれも素晴らしい!続き物は続き期待して待ってます。
さて、久々に保管庫更新できるぞー!!
オヘアさんは包容力あるなぁ。ただのロリコンじゃなかったんですねw
本スレでも出てたけどいらん子2巻と3巻はwebKADOKAWAで買えるよ。
437 :
名無しさん@秘密の花園:2008/10/31(金) 21:33:38 ID:vJ+ukU7O
GJです!保管庫の更新もがんばってください。
いやはや管理人様無事でよかった
お疲れ様です
結局ハロウィンネタ思い付かずにハロウィン終了・・・
うぅ・・既にけっこう使い切ってた感があったからなあ・・
本スレでやってた惚れ薬ネタあたりで一発やりたいような・・・
t26gFAxTです。
なんかハロウィンっていつのまにやら盛り上げられるようになったよなーと思う今日この頃皆様どうお過(ry
学園ウィッチーズ前回分にレスいただき、誠にありがとうございます。
週末には次回分投下します。
とろくてすんません。
今日は絶賛流行中(自分の中だけでw)のルーデルさんとアーデルハイドさんものの続きを投下させていただきます。
読みきりのつもりだったけど、妄想とまりませぬ。
ミーナとトゥルーデもそうだけど、流行らないなら自分で書きまくって流行らしてしまえ(という名の洗脳…)ホトトギス!精神で頑張りますw
派遣されたスオムスでのスラッセン奪回作戦が成功に終わり、ルーデルが率いるカールスラント空軍第二急降下爆撃航空団第十飛行中隊は再び、カールスラントへ戻ってきた。
宿舎にたどり着き、自室へ戻ったルーデルは、ほぅっと息をつき、外套をばさりと机の椅子に引っ掛けると、ベッドに腰掛け、革のケースに押し込んだグルカナイフを取り出し、眺める。
ナイフが放つ光が、ルーデルの紺碧の瞳に反射する。
コンコンと丁寧なノックがされ、慎重にドアが小さく開けられ、アーデルハイドがそっと覗き込んだ。
「お呼びですか?」
「ノックはもうしなくていいと言ったろう」
「……申し訳ありません、癖で」
「まあ、いい。入れ」
アーデルハイドは、後ろ手にドアを閉め、左に視線を寄せ、横目でルーデルを見つめ、また視線をそらす。
かすかに頬を染めて。
ルーデルは一瞬だけ目を丸くして、また、いつもの余裕の笑みを見せると、顎でベッドを指した。
「ここに座れ」
アーデルハイドは、少しばかりためらった足取りでベッドに近づいて、30センチほどの間を空けて、ルーデルの隣に座った。
アーデルハイドがベッドに座るのを見届けると、ルーデルは再びナイフを眺める。
「……それは、あのブリタニアのウィッチの?」
「ああ、ビューリングにもらった。なんだ妬いているのか?」
「ち、違います! 珍しい……表情をされていたものですから…」
「困り者だった元部下の成長が、なかなかに心地よくてな」
アーデルハイドは、柔らかな表情のルーデルを目に焼き付けるように、横目ではなく、顔をしっかりと向けて、彼女の横顔を見据えた。
絶望的なまでに負け戦続きだった本国での戦いからいったん離れ、異国にて、"寄せ集め"の部隊と、辛勝であったとはいえ、作戦を遂げた。
次は、また負けるかもしれない。
仲間がまた一人、戦場から去るかもしれない。
目の前にいる上官が、また、大怪我をしてしまうかもしれない。
だけど、今は――今この瞬間だけは、勝利の喜びをこの人と分かち合いたい。
アーデルハイドは身を乗り出すようにしてルーデルを見つめていた自分に気づき、慌てて身を起こそうとするが、気がついたルーデルが手を伸ばし、アーデルハイドの腰を抱き寄せた。
アーデルハイドの体が少し大げさに動いて、ルーデルの膝からナイフが革のケースと一緒に滑り落ち、無機質な音で床を叩く。
しんと部屋が静まり返り、二人の呼吸の音さえ聞こえない。
隙あらば、鋭く射抜こうとしてくるルーデルの瞳をかわすように、アーデルハイドが視線をそらすと、ルーデルは、アーデルハイドに顔を近づけ、そのまま唇を奪い、アーデルハイドをきつく抱きしめる。
アーデルハイドは、手を伸ばしかけ、体を離そうとするが、そのままぽすんと力なくベッドに腕を落とし、指先で肩を押され、ベッドに倒された。
天井に備え付けられた電灯の光が、ルーデルの影にさえぎられる。
いつもの、余裕の笑み。
「心の準備は出来たかな? この間は、結局お預けだったからなあ」と、ルーデルは、アーデルハイドの白い手の甲に唇を滑らせ、ささやいた。
「いつなったら"責任"を取らせてくれる?」
「それは…」
「痛めつける気は無いんだが」
ルーデルが、頬に口づけ、耳元でささやいた。アーデルハイドは、かっと頬を染める。
「い、痛いとか、そういう怖さではないのです……。ただ、変わるのが怖くて…」
「では、少しずつ慣らしていけばいい」
「慣らす?」
「服を脱げ」
「た、大尉…それは…」
「お前をもっと近くで感じたいんだ」
ルーデルは、きっぱりと言い切って、出撃前のような、真顔を差し向け、まずは自分から手本を見せようという具合に、自分の軍服のボタンとシャツのボタンを片手でたやすく外して、下着を取り、上半身をあらわにする。
鍛えられ、引き締まった体に、それなりに豊かさを供えた胸、それでいて、どこかまだ幼さを思い出させるような肩の曲線、そんな印象を与える裸体に、アーデルハイドは、つばを飲む。
「恥ずかしいのなら、後ろを向いていよう」
ルーデルは、背を向ける。
その背中には、過去の戦いで刻まれてしまった弾痕やその他のいくつかの傷が生々しく残る。
我々は軍人なのだ。
アーデルハイドが、改めてそんな事を考えていることに気づくはずも無く、ルーデルは、一つに結っていた髪を下ろし、背中の傷は隠れた。
アーデルハイドは、ひくことはできないと判断し、震える指先で、ボタンを解いて、下着も取って、真白い肌を部屋の空気に晒す。
ルーデルはまだ振り向かない。
アーデルハイドは、意を決したように、ベッドの上を膝で移動し、後ろから、ルーデルの背中に手を触れ、傷をなぞった。
「おい、くすぐったいぞ」
「す、すみません」
ぐるりと振り返るルーデルに、アーデルハイドは胸を隠す。
「……おい」
「はい」
「手をどけろ」
自分だけずるいぞ、とルーデルの瞳が語る。アーデルハイドは、高鳴る心臓に震えながら、両腕をおろした。
ルーデルは上から下に視線を移し、ふむ、とうなづいて見せた。
ふむ、の真意が落胆なのか、はてはその逆なのか、アーデルハイドには判断がつかない。
晒した肌が部屋の冷気に負けて、わずかに鳥肌になる。
ルーデルはブランケットを引っ張り上げ、アーデルハイドにかぶせ、自分ももぐりこむと、アーデルハイドの髪を撫でた。
「アーデルハイド、私を見ろ」
アーデルハイドは、命令どおり、わずかに瞳の潤んだ顔を向けた。
ルーデルは、アーデルハイドに体を密着させ、背中に手を滑らせる。
「お前は、美しい体をしているな」
「運が、良いだけです……。それに、私も、あなたの体は美しいと思います」
ルーデルはわずかに体を離し、ぽかんとした様子でアーデルハイドを見つめた。
「すみません。言葉が過ぎました。でも、お世辞ではありません」
と、アーデルハイドはようやくいつもの冷静さを取り戻したかのように、引き締めた表情で伝えると、ぎこちなく、ルーデルの両の頬を
手で包み、口づけた。
ルーデルは、そっとアーデルハイドの胸に手を触れるが、アーデルハイドは慌てて唇を離した。
「あ! ……明日は早いので今日はもう…」
「やれやれ、またお預けか」
その晩、ルーデルとアーデルハイドは互いの体温を肌で感じながら、眠りについた。
第2話 終わり
>>442 乙です、たまりませんねえ。傷をなぞるシーンとか
ルーデルさん、こんなにエッチな人ですっけねえ・・ww
二人ともほとんどわかんないキャラなのにニヤニヤが止まらないwwwやっべwww壁に頭打ち付けてきますww
>>442 ぬおああ続くのかこれ!続くんですか!ちきしょうめ、たまらんではないかGJ!!
真面目な人が乙女乙女してるとこっていいよな……。
しかし軍板の英雄スレの常連二人組もまさか美少女になって百合ん百合んさせられるとは思っていなかっただろうな
もうやだこの国(褒め言葉)と思ったもんだw
お久しぶりですと思ったら一昨日投下したばかりでした。21X2w2Ibです。
別所で妄想だけ落としてたエイラーニャのED後補完話を投下。6レス続きます
ノックもせずにその部屋に入り込むと、部屋の真ん中でエイラが夕陽の赤に染まっていた。だだっ広い
部屋の真ん中で座り込んでいたエイラは私の来訪に気がついて顔を上げると「サーニャ、」ゆっくりと
穏やかに微笑む。
ゆっくりと視線をめぐらす。何もない。何も、ない。
エイラの部屋には水晶球とか、こっちに来てから買ったのだという変な石像だとか…とにかく不思議な
ものがたくさんあって、それら一つ一つがこの部屋がエイラのものだと言うことを主張していたのに、
それらが何ひとつ、もう、この部屋にはないのだった。
がらんどうになったその部屋は、何だか私の部屋によく似ている。無機質で空虚な、睡眠をとるため
だけの部屋。誰でも受け入れる代わりに、誰ひとり認めない。ただ人と人との移り変わりだけを期待
していたその居住空間は、私が荷物をまとめても何も代わり映えしなかった。強いて言えば窓の覆いを
なくしたせいで、ひどく明るくなったことくらい。
だから私は数日前に一度去ることになったときも、そしてつい先ほども、何の感慨も感じなかったの
だった。異分子であった私がいなくなってせいせいしたよ、と言われているような気がしていたたまれ
なくて、だから隣にある、エイラの部屋にやってきた。
どうしたの、と。
エイラが首をかしげた。どうしてそんなところにいるの。こっちに来ればいいのに。そう言って容易く私を
部屋の中まで誘う。たぶん昼間からそのままなのだろう、明かりをつけていない部屋は夜に近づくに
つれてだんだんと薄暗くなっていく。
だまってエイラのすぐ隣に座り込んで体を寄せた。エイラの肩に額を乗せてぎゅうと腕を抱きしめると、
確かに血の通ったエイラの気配を体一杯に感じることが出来る。どうしたんだ?と優しい、けれど落ち
着いた声でエイラは呟いた。悲しいくらいに、エイラは冷静だった。
さみしいと言ったらきっと困った顔をするんだろう。そんなこといったって仕方がないじゃないか、と優しく
私を諭すのだろう。
だって、明日にはもう、私たちはまたそれぞれの場所に戻らなくちゃいけない。
ガリアのネウロイは消滅した。この場所はもう、恐らくは安泰だ。
けれどネウロイの巣はまだ、世界中に点在している。それは、私たちの故郷にも。
だから戦わなくちゃいけない。守りたいものがある。取り戻したい場所がある。だから私はウィッチに
なったんだもの。芳佳ちゃんが思い出させてくれた。強い瞳で『守りたい』と繰り返す彼女に、私は何度
力づけられたことだろう。私にしか出来ないことがある。それを待っている人がいる。それなら、できる
だけのことをしたい。
そしてそれは多分、エイラも同じ。
アカギ-ウォーロックとの戦いの後、私たちは一度基地に帰還した。けれどそれはそこで再び過ごす
ためではなくて、今度こそ別れを告げるためだって、分かっていた。
昨日の晩はささやかながら祝勝会をした。私はピアノを弾いて、ミーナ隊長は歌を歌って。芳佳ちゃんの
料理は美味しくて、シャーロットさんとルッキーニちゃんは面白くて、ハルトマン中尉はにこにこしていて、
バルクホルン大尉は人が変わったように大笑いしていた。坂本少佐はいつものように私たちみんなの
肩を叩いて、わっはっはと元気な笑顔を見せていたっけ。
そして私のすぐ横にはエイラがいて、楽しそうに私のピアノに耳を寄せてくれていた。いつか『音楽なんて
わからない』とばつの悪そうな顔をしたエイラの、『でもサーニャのピアノは好きだ』という言葉がどれ
だけ私を喜ばせたか、結局言うことが出来なかった。でも嬉しかったんだよ、エイラ。そう思いながら私は
指を動かしていた。いつだったかエイラが好きだと言ってくれた曲を、エイラのために奏でていた。
そんな夢のような夜が明けて、今日。基地はとても静かだった。することと言えば荷造りくらいで、それも
一度済ませたようなものだからすることなんてほとんどなくて。けれども誰もはしゃぐ気持ちにはなれ
ないようで、ほとんど会話も交わさずにひたすら部屋にこもっているようだった。…と言うのは私がそう
だったからなので、もしかしたら他の人たちは誰かと一緒にいて、どこか別の場所で思い思いに過ごして
いたのかもしれない。
暗闇に落ちていく部屋の真ん中で、エイラは微動だにしない。何を考えているのかな?…普段から
ちょっと不思議なエイラ考えていることは、部屋の暗さで表情が隠れてしまうとますますわからない。
前にこの基地に別れを告げたときはただただショックで、突然だったから感慨にふけっている暇も
なかった。不安な気持ちを抱いたまま寝て起きて、たぶんエイラに導かれるままに列車に乗ったの
だろう。あの時はとにかく、心にも時間にも余裕がなかった。
でも、今は違う。今日一日たっぷりと、私たちには時間があった。余計なことをいっぱい考える時間が
有り余っていた。戦いに駆りだされる危惧もなく、訓練もなく、もちろん夜間哨戒のために眠る必要もない。
言付けられた予定もない、真っ白の一日。…そんなの、ひどく久しぶりだ。もしかしたらウィッチになって
からは初めてかもしれない。
目頭が熱くなってきて、エイラの私服であるパーカーに顔を押し付ける。鼻から大きく息を吸い込むと、
清潔な石鹸のにおいとその奥からする何だか優しいエイラの香り。
もう、こうすることもないのかもしれない。こうして二人で同じ部屋で、何をするでもなしに一緒に過ごす、
なんてこと。
だって、エイラはもう、この部屋の住人ではないのだ。悲しいくらい夜の暗闇に慣れた目は、いつもと違う
その部屋の様子を胸が締め付けられるくらいに伝えてきた。
「なあ、サーニャ」
エイラがぽつりと口にする。なあに、と私は小さく答える。顔を押し付けているせいで何をしているかは
わからないけれど、きっと先ほどまでと同じように窓の外を眺めているんだろう。
「………月が綺麗ダヨ。見に行こうか」
うん。私はまた、短く答えた。
エイラとならどこまでも行きたい。そんな気分でさえ、あった。
*
空に行きたい、と。言ったら整備の人たちは二つ返事で了承して、一度は片付けたストライカーをすぐに
用意してくれた。いつもどおりの黙々とした作業だったけれど、こんなわがままを聞いてくれたことが
すごく嬉しくて何度もエイラとお礼を言った。あちらはと言うとつばを掴んで頷くだけだったけれど、たぶん
そうでなくてはいけないのだろうから仕方がない。
慣れた手つきでストライカーを装備して、飛び上がる。このために先ほど着替えたいつもの軍服は、
まだ体温を返してはくれなくて少し肌寒い。
「懐かしいな、」
くるくると回りながら、エイラが言った。何を?首をかしげると「ほら、ミヤフジと一緒に夜間哨戒にやった
ときのこと」と言う答えが返って来る。まだ1ヶ月もたっていないのに『懐かしい』なんて思うのはひどく
おかしな感覚だったのかもしれないけれど、確かにエイラの言うとおり、想像したら懐かしさがこみ上げた。
「…て、つなぐ?」
「な、なんでダヨ!!」
「…つながない?」
「………つなぐ。」
エイラが近づいてきて私に手を伸ばしてきた。私はその手を組むようにぎゅっと握り締める。
月の光の前に明らかになっているエイラの頬はほんのりと赤くなっていて、けれど目が合ったらすぐに
逸らされてしまった。大丈夫だよ、私もきっと、同じ顔してるよ。そういつも言いたくなるのだけれど、私も
恥ずかしいから言えない。
きょうだけだかんな、って、言って欲しかった、なんて。
言えるはずがない。言ったらたぶんエイラは悲しい顔をする。そしてたぶん「ごめん」とだけ言う。
だってエイラがそう言うのは、私がまた同じことをすると知っているからだ。夜間哨戒のあとはエイラの
部屋で眠るし、服も散らかすし、寂しいと思ったら傍によるし、構って欲しかったら服を掴む。…もっとも、
エイラはそれらすべてを私の無意識の行動だと思っているようだけれど。
もう、そうしてエイラにわがままを言うことなんてない。だからエイラはその言葉を言わない。今日で
最後だから、何をしても許してくれるつもりなのかもしれない。
そう、今日で、全部、最後だから。
「…ラジオ、聞かないのか?」
尋ねてきたから首を振った。そして答える。
「…今日は、いい」
「…そ、そっか」
「エイラと、話したいから」
「………ウン。」
つないだ手が少し強まって、エイラのほうに引き寄せられた。それは無意識のものなのかもしれない
けれど、それだけで私は飛び上がりそうなほどに嬉しくなる。
私がこうして遠くの電波を拾ってラジオを聞くことが出来るのを、一番最初に話したのはエイラにだ。あれ
は二人で一緒に夜間哨戒に出掛けた初めての夜のことだった。
「今でもよく覚えてる。スオムスのラジオが聞こえた」
「…うん」
「嬉しかったんだ、スゴク」
それは本当に、偶然だった。あわせた方向と、その波長が彼女の故郷のものだったのだ。どんな内容
だったのかなんてもう覚えていないけれど、ただ、エイラがすごく嬉しそうに笑ってくれたことだけは
覚えている。そして、今もそれは変わらない。私がおどおどと差し出すすべてを、エイラは本当に嬉しそう
に受け取ってくれる。
ひとつきっかけを導き出したら、あとはぽろぽろと、零れ落ちるように思い出が頭の中に蘇ってくるの
だった。エイラと出会ってから、私はたくさん笑った。たまにちいさなちいさな諍いを起こしては二人で
落ち込んだりもしたっけ。
それはちがうよ、とか、あれはよかったよね、とか。紡いできた思い出一つ一つを刻む込むように語り
合った。どれもこれも思い出話でしかないのに、まるで昨日のことのようにさえ感じるのが不思議だった。
ふふふ、あはは。笑い声が夜の風に溶けていく。こんなに楽しい夜の空は初めてだわ、と強く強く思う。
尽きることを知らない話題に、もしかしたら永遠はあるのかもしれないと思った。
「それで──…」
けれど、そんなことはなくて。
何かを言いかけたエイラが途中で口を止めて、うつむいた。それだけでなんとなく分かる。ああ、もう話す
ことがなくなってしまったんだ、と。私たちの『いままで』の話はすっかり終えてしまった。『いま』は一瞬で
過ぎてしまうから、残る話題はもうひとつしかない。
「…──それで、サーニャは、どこまで遠くのものを見渡せるの?」
ああ、やっぱり。不意に話題が提げ返られる。伺うような物言いがひどく切ない。
「…わからないけど、ずっとずっと、向こうまで」
坂本少佐にかつて『お前なら地平線の先まで見えるだろうな』と言われたことがあった。実際に地平線の
向こうからネウロイが来た事なんてないからわからないけれど、たしかに私の索敵範囲はとても広い。
ネウロイほど大きくて、特徴だったら、少佐の言うとおりそれこそ地平線の向こうにあっても見つけることが
出来るのだと思う。
「…そしたら、離れテテも、私のいる場所、わかるかなあ」
そのつぶやきはとてもとても小さいものだったから、エイラは私に呼びかけたつもりはなかったのかも
しれない。けれど、どんなに離れていても耳の中に取り付けられた通信機はどんなに小さな声も相手の
耳元に届けてしまうことを、エイラは失念していた。それはつい先ほどまで普段と何も変わらない、
むしろ普段よりもよっぽど落ち着いた様子であったエイラがこぼした、初めての弱音だった。
つないだ左手に力を込めて、軽くこちらに引き寄せる。はっとしたらしいエイラが「聞こえチャッタ?」と
恥ずかしそうに尋ねてくる。つないだ手を更に強めることで、私はそれに答えた。
けれど、エイラの呟きには答えない。答えることなんて出来ない。確かに私は魔法を使えばどこまで
だって見られる。けれど『どこ』に『なに』があるかなんて詳しいことはわからない。私に分かるのは
『なんだかわからないもの』が『どのあたり』にあるか、と言うことくらいだ。それはネウロイを見つける
のにはとても役立つけれど、人探しには全く向いていない。
わかるよ、エイラのことなら、どこにいても。
たとえ嘘でもそう言うことが出来ればエイラは微笑んでくれたのかもしれない。けれど私には言えな
かった。そんなこと自分にはできないと、実感するのが嫌だったから。
これからふたり、別々の列車に乗って。これからふたり、べつべつの場所に戻っていって。そして
これからふたり、また以前と同じように、別々の人生を生きる。もしかしたらどこかで偶然会えるかも
しれないけれど、遠く遠く離れてしまったらこれからは『今まで』どおりではいられない。
これから、これから、これから、これから。
『今まで』を全部話し終えて『今』を生きている私たちに残されているのはもう、『これから』の話題しか
なかった。これからどうする?なにをする?…けれどどんなにそれを口にしたって、その未来にエイラは
いない。これまで当たり前のようにすぐ傍にあった日常はもう壊れてしまったから、新しく組みなおす
しかない。私に、それが出来るだろうか。出来なくてもごまかして生きていくしかないのだけれど。
固く重ねあわされている手と手で、体温が通い合っている。まるでその部分が融けてふたつ、一緒に
なってしまったかのような感覚に陥る。
空を飛ぶことにすっかり慣れてしまっている私たちにとっては、その手の先にある相手の存在は手かせ
にしかならない。あの夜の芳佳ちゃんのように夜の空に怯えることなんてないし、ひとりきりのほうが
ずっと自由にこの空を飛びまわることが出来るから。
けれど、この手を離すことなんて出来るはずがなかった。だって離れたくなかったから。離れたくない
から、離したくなかった。
離れ離れなんていや。一緒に逃げてしまいたい。ネウロイのことなんて考えなくたっていいような遠い
遠い場所で、穏やかに二人で暮らすの。
そうできればどれだけ幸せだろう。私の胸は今、そんな気持ちで一杯だ。たぶん、エイラだってほんの
すこしでも、そう思ってくれているのだと思う。
けれど私たちはそれをあえて口にはしなかった。叶わないと知っていたから。叶えてはいけないと
知っているから。私たちがこのブリタニアに来たのはお互いに出会うためじゃない。戦うためだ。そして
それはまだ終わっていない。
今この瞬間にも、ネウロイの襲撃に怯えている人たちがいる。しかもそれは自分たちの故郷で。
それを分かっていてすべてを放り出せるほど私たちは子供じゃなかった。自分たちの今一番しなければ
いけないことぐらいわかっていた。
…でも、すべてを割り切って、何食わぬ顔で別れを告げられるほど大人にも、なれなかった。
もしかしたらエイラは努めてそうしようとしていたのかもしれない。感情をひけらかすと悲しくなると知って
いたから、冷静であろうとしていたのかもしれない。たった1歳の差でしかないのに、エイラは不意に
私よりもずいぶんと大人びたところを見せ付ける。
沈黙が、二人の間を通り抜けていく。月だけが清かで、いつもと何も変わらない。
遠く遠く離れていても私たちは同じ空を見上げて、飛んで、同じ月を見ることが出来るのに。…どうして
私たちはこんなにちっぽけで、一人では何も出来ないほど子供なんだろう。分別が分かるほどに
大人なんだろう。
「エイラ、お願いがあるの」
言いながら、体を寄せた。エイラは少し戸惑った顔をしたけれどもすぐそれを抱きとめてくれる。エイラの
体はいつだって柔らかくて温かい。なんだ?そう耳元で囁かれるとくすぐったくて、ちょっとだけどきどきする。
「ウィッチを引退したら、迎えに来て。…待ってるから、」
今の私にとって見たら、これが精一杯の告白だった。抱きついているせいでエイラの表情は見えない。
私の表情も見られていない。それはありがたいと同時に、もどかしくもあった。
「…おねがい。」
重ねて口にする。だってこうでもしないとエイラは私を縛り付けてはくれないだろう。私の心はとっくの
とうにエイラに絆されているのに、エイラはその臆病さと優しさで私と彼女とを結ぶ手綱を握り締めよう
とはしないのだ。
私は必死だった。彼女と自分とをつなぎとめておくための何かが欲しかった。形なんてなくたって良い。
たったひとつ、約束してもらえれば私はそれを頼りに生きていける。あえない寂しさにくじけたりなんか
しない。
耳を済ませてエイラの返事を待つ。なかなか耳に飛び込んでこない優しい声に、ひどく泣きたい気持ち
になったとき、突然強く抱きしめられた。ばかだなあ、と囁く声。
「そんなに待たなくたって、私が世界中のネウロイ全部やっつけて、会いに行くヨ。すぐに行ク。」
スオムスのエースをみくびるなよ。普段、冗談でだって自分が祖国のエースだとは絶対に口にしない
エイラがおどけたように言う。
ありがとう、とエイラが続けたのは、一体どうしてだったのかはわからなかった。
もしかしたら言ってはいけないのだと暗黙の了解になっている、あの言葉の代わりだったのかもしれない。
(大好きだよ、愛してる)
そう言葉に出来たらどんなに良かったろう。その言葉にエイラが応えてくれたなら私は天にも昇る気持ち
になれたんだと思う。けれどもそうして言葉にしてしまったら、もうこの人と離れることなんて出来ない
気がした。
戻ろうか。眠いだろ?尋ねるエイラの腕の中で、私は頷いた。本当はちっとも眠くなかったけれど、
エイラの体が少し冷えていたからそのほうがいいと思った。
「帰って、お風呂入って、寝よう?」
「……いっしょに?」
「…ウン、一緒に」
戻る部屋はもう、がらんどうだって分かっている。けれどもふたりでいっしょなら、たぶん満ち足りた
気持ちで眠ることが出来ると思った。
今日は最後の夜だから、ずっとずっとくっついていよう。どんなにエイラが恥ずかしがっても離して
なんてあげない。いくらだってわがままを言おう。いつものように無意識を装ってごまかしたりなんか
しない。私がエイラに出会えてどれほど幸せだったか、全部全部伝えたいのだ。
だって、きょうだけだかんな、の免罪符は、もう手札には残っていないんだから。
*
ガタン、ゴトン。ガタン、ゴトン。
列車が、心地よい振動を体に伝えてくる。
前に同じ列車に乗ったときは急ぎだったおかげで席がなく、「どうせなら空が見たい」と言うエイラの
意向で貨物部分に乗り込んでいたのだっけ。
けれども今回は比較的余裕があったせいか、私はエイラと二人でひとつのコンパートメントを割り当て
られていた。
「…眠イナア」
「…うん…」
ボックス状になった席の目の前に人はいない。荷物だけがぽん、と置かれていて、私のお気に入りの
ぬいぐるみがころんとひとり寝転がっていた。
ふわあ、と二人で大きなあくびをひとつ。なんだか気恥ずかしくなって少し、顔を合わせてお互いに照れ
笑いを浮かべる。
「…にしても隊長、ああ言う連絡はすぐにして欲しいヨナ…。『忘れてたわ、ごめんなさいね』って、出発
したあとだったらどうするつもりだったんダヨー」
あの人もどこか天然入ってるよなー、なんてエイラがぼやくのは、今朝の朝一番にミーナ中佐が
にっこりと微笑んで私に手渡した一枚の書類が原因だ。それはいま向こう側の座席の上に無造作に
置かれてぬいぐるみの敷布団となってしまっている。
そこには私の、スオムス戦線への転属命令が書されているのだった。つまり私は今、エイラと一緒に、
エイラの故郷であるスオムスに向かっている。
口を尖らせているエイラとは逆に、私はそれからずっと頬が緩んでいて仕方がなかった。だって、
エイラの生まれた国に行って、エイラとまた、一緒に過ごせる。一度は失うと思った幸せが、今私の
すぐ隣にあるのだ。今の私だったら地平線の向こうはおろか、裏側までも見渡せるかもしれない。
上手く言葉に出来ないから何も言わないけれど、内心ではそれほど舞い上がっていた。
「アー、モー、落ち込んでソンした!!」
「…エイラ、落ち込んでたの?」
「あああ、あたりまえダロッ!!」
失言したとばかりにどもって、そむけるエイラの顔は真っ赤だ。と、それと同時にまた体を離そうとした
ものだから私はさらに窓際のエイラに身を寄せる。もう際の際にまで追い詰められてしまったエイラに
逃げ場はない。
私に抱きしめられていない左手で照れくさそうに頭をかいている。さみしかったよ、そりゃあ。もごもごと
付け足される言葉を何よりも聞きたかったのよだなんて、エイラは知らないだろう。
「でも、わたし、うれしかった」
昨日の晩のエイラはいつもよりもいっそう優しかった気がする。してくれたことも、掛けてくれた言葉も、
すべてすべて私の心を温めて溶かして、更に注ぎ込んで勇気付けてくれていた。
「いまも、すごく、うれしい」
とろとろと眠気が襲ってきて私はエイラの膝の上に頭を乗せて体を半分横たえる。ビクッとエイラの体が
跳ねて、下からその顔を見上げたら真っ赤で泣きそうな顔だった。だけどちょっと、微笑んでいるようにも
思える。
「き、きょうだけダカンナ!!」
私のすべての行動を許す免罪符を、再びエイラは口にする。次があると知っていながらも、『今日だけは』
許してくれる。
うん、また、明日も、あさっても、これからも、ずっとそうして私のわがままを許してね。
あやすように額を撫でる大好きなその手の甲を取って、何かを誓うように唇を寄せた。
以上です。
ペリエイラーニャの続きもあるのにエイラーニャ大勝利過ぎてうっかり書き上げた、今は反省している
あと
>>371-372も自分でした。名乗ってないの気付かなかった、申し訳ない
GK
間違った、ごめん
GJ
突っ込まれる前に書いておく
リーネとペリーヌごめん
G…J…っ!いい話すぎる…
すべてに感動した!
エイラーニャ万歳!そして、GJ!!
459 :
滝川浜田:2008/11/01(土) 17:35:01 ID:yidvk7SN
「platinum」の第2話投下します。
今回は欝要素はあまり無い…かも。
ルッキーニ視点。
ブリタニアに大きな風と強い雨が打ち付ける。
そしてそこには、混乱する少女が一人。
その少女の涙は、雨となって降り注ぐ。
―――platinum 第2話「混乱」―――
「シャーリー!!シャーリー!!」
「ルッキーニさん、危ないわ!だから…」
「だって、シャーリーがぁっ!シャーリーがぁっ…!死んじゃうよ!シャーリー!!」
取り乱す少女とその少女を押さえる女性。
そして、二人の後ろに佇む少女達は黙ったまま俯いていた。
「シャーリー…!死んじゃうよぉっ!シャーリー!シャーリー!」
「ルッキーニさん!落ち着きなさい!」
「うっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!シャーリーが…、シャーリーが死んじゃうよ…っ!!」
赤毛の女性、ミーナは、その少女、ルッキーニを優しく抱き締める。
「…すまない。
私がリベリアンから目を離したせいだ」
「…誰のせいでもないわ…
…きっと、きっとシャーリーさんは無事よ。
あの程度で亡くなるような人じゃないもの」
「シャーリー…ッ…!」
「風が強くなってきたな…」
遠くを見ていたルッキーニは、やがて意を決したように、ミーナに話しかける。
「ミーナ隊長…」
「…なに?ルッキーニさん」
「あたし、やっぱり行く」
「おっ、おいルッキーニ…!」
「…だってこのままここで、指をくわえて待ってるだけだなんて…あたし…」
「ミーナ、ミーナからも何か…!」
ミーナは暫くの間、黙る。
そして、ゆっくりと口を開く。
「………本気なの?」
「…うん」
「ミーナ、ちょっ」
「バルクホルン大尉は少し黙っていて。
…私はこの隊の隊長として、隊員の考えを尊重する責務があります。
こと貴女達に関しては、いろいろと問題もあるから」
「………」
「……私には、貴女達の考えを止める権利は無いと思ってます」
「ミーナ隊長…」
「フランチェスカ・ルッキーニ少尉!
貴女にシャーロット・E・イェーガー大尉の救出を命じます!
そして補佐としてゲルトルート・バルクホルン大尉、貴女もついて行きなさい!」
「ミーナ、本気なのか…?」
「本気も何も、隊員命令よ」
「ミーナ隊長…」
「…ルッキーニさん、必ず、シャーリーさんを見つけ出して助けてあげて。そして」
「……」
「……必ず、無事に帰って来て頂戴」
「……はい!!」
そう言うが早いか、ルッキーニは既に飛び立っていた。
「おっ、おい、ちょっと待て!」
そしてルッキーニの後を追う様に、バルクホルンも飛び立つ。
「ミーナ」
「何?美緒」
「お前なら、どうしたかな」
「どう言う事かしら」
「私が波にのまれて消えたとして、お前はどういう行動を取っていたかな」
「…さあ、分からないわ…。
それはその時の状況によると思うわ…
…でもルッキーニさんの想いは本物よ」
「ミーナ…」
「ルッキーニさんなら、必ず、シャーリーさんを助け出してくれるわ。…ルッキーニさんの想いが強ければ大丈夫よ。
それにトゥルーデもいるしね」
「ミーナ、お前は強いな」
「フフ、ありがとう」
「…どうする、雨風も強いし、基地の中に入るか?」
「いえ、もう少し、このまま」
「…そうか、なら私も付き合おう」
「貴女まで風邪ひくわよ」
「構わない。
私はこの目でシャーリー達が帰って来るのを見届ける」
「それはみんなも同じみたいよ、美緒」
美緒とミーナの後ろには、芳佳達が立っていた。
「私達、ここから動きません!」
「お前ら…」
「結局みんな同じね…誰も諦めてなんかいないもの」
「…フフ…アッハッハッ!お前ら全員確実に風邪ひくなあ!」
「それは覚悟の上ですわ!」
「どーせ戻ったってやる事ないしねー」
ミーナは空を仰ぎ見る。
「止まない雨はないわ。
…みんなここへ帰って来るわ…必ず…!」
そしてミーナは手を翳す。
来るべき、希望のその先を掴む様に。
いつまでも、いつまでも。
464 :
滝川浜田:2008/11/01(土) 17:46:07 ID:yidvk7SN
第2話以上です。
さてここからは、シャーリー、ルッキーニ、トゥルーデのみで話が進みます。
あ、あとこの作品はシャーリーを助け出してからが本題なので、ちょっと長いですが最後までお付き合い下さい。
…では、爺はここら辺で…
>>464 リロードしてなかった
割り込んで申し訳ないです
読んだ。しかも電車内。
にやにやを抑えるのに必死だった。
なんていいえいらーにゃ、GJ!
エイラーニャ最高すぎる…毎日の原動力だ
>>464 GJ!
あなたはシャッキーニの神様です。こんどはどんなシャッキーニになるか…続き待ってる!
レス下さった方ありがとうございました
あとキャラスレのほうで背中押ししてくださった方ももしいたら感謝です
申し訳ありません、恐ろしい誤字がありました
>>372の一行目一番最後の「わたし」を「きみ」に訂正お願いします
こまごました誤字は他にも満載だけどその辺は心意気とかで何とかしてもらえると幸い
…あまりにもありすぎて、もう自分でHTML打って直したファイルごと管理人さんに
渡したほうがいいような気がしてきた
>>469 n n
(ヨ ) ( E)
/ | _、_ _、_ | ヽ
\ \/( ,_ノ` )/( <_,` )ヽ/ / good job!!
\(uu / uu)/ エイラーニャgood job!!
| ∧ /
>>454 反省する必要なんでないだろ…
常識的に考えて…
さあ、反省する暇があったら、
ペイエイラーニャの続きを執筆する作業に戻るんだ。
エイラーニャにシャッキーニと王道はやっぱいいですな。
もぅ、どっちも百合CPの殿堂入りしてもいいと思うんだ。
ところで最近、もっぺりが少ないので、ちょっと小ネタを置いてきます。
その街には朝からずっと、さらさらとした粉雪が降っていました。
白い雪は戦争で傷付いたその街を癒すように、街全体を白く覆って行きます。
戦災を免れた古いビルにも。
建て直された家々にも。
新しく植えられた樹木にも。
分け隔てなく白い雪は降り積もっていきました。
陽が沈みきった頃、街の中心にある広場の時計塔の下に一人の少女が立っていました。
キラキラと光る長い金色の髪。
雪の様に白い肌。
お人形さんみたいに、細く小さい華奢な身体。
透き通った青い瞳に縁無しの眼鏡を掛けた、お姫様の様にとても美しい少女です。
少女は時計塔の下で人を待つ傍ら、目の前を通り過ぎていく人々を眺めていました。
街を行く人々は皆、明るい表情をしていました。
一日の仕事を終え、ほっと息を吐きながら家路につく大人達。
積もった雪を投げ合って、はしゃぎ合いながら駆けていく子供達。
夕食の献立を話し合いながら、仲良く手を繋いで歩いていく親子連れ。
そして、お互いを温め合うようにしっかりと腕を組んでいる恋人達。
戦災から立ち直りつつある街は冬を迎えても活気で溢れていました。
少女はそんな街の人々の様子を、とても穏やかで優しい顔をして眺めていました。
戦争が終わってからずっと、少女は故郷であるこの街の復興のために頑張ってきました。
仲間達と一緒に泥だらけになりながら樹を植えたり。
人手の足りていない病院で怪我や病気の人の看護をしたり。
家を失った子供達の為に建てられた孤児院に寄付をしたり。
その小さな身体で故郷の復興の為に一生懸命に頑張ってきました。
戦争が終わってから初めての冬を迎えて、昔の様に、街に笑顔が戻ってきたのを見て、少女はとても嬉しく思っていました。
時計塔の鐘が鳴ってすこし経ってから、少女の前に一人の女性が現れました。
結い上げられた黒い髪。
鋭い眼差しを隠すように右眼に掛けられた眼帯。
厚手のコートをまとったしなやかな身体。
まるでお伽話しに出てくる騎士の様な凛々しい女性でした。
女性は少女の姿を見て、真面目そうな表情を崩して、はにかんだ笑顔を見せました。
少女はその笑顔を見て白い頬をほんのりと赤く染めました。
二人は戦争中に結ばれた恋人同士でした。
女性は待ち合わせの時間に遅れてしまった事を少女に謝りました。
少女は自分も今着いたばかりだと、女性にちょっとした嘘をつきました。
しかし、少女の肩や髪には白い雪が積もっていて、寒さで微かに震えていました。
女性は少女が自分に気を遣ってくれている事にすぐに気づきました。
少女の気持ちが嬉しかった女性は、冷えきった少女の身体に自分の着ていたコートを掛けてあげました。
そして、少女をそっと抱き締めました。
しばらくして、二人は歩き始めました。
時計塔から少し歩いた所にあるレストランに向かうためです。
そのレストランは少女がよく食べに行っているレストランでした。
道を歩きながら少女は女性の手を静かに、控えめに握りました。
少女は前を向きながら言いました。
「迷子にならないように、エスコートさせて頂きますわ・・・」
顔を真っ赤にしながら、少女はそんな風に格好をつけました。
少女の強がる様子が可笑しくて女性は豪快に笑いました。
「はっはっはっ! ペリーヌに案内して貰えるなんて私は幸福者だな」
大きな声で笑う女性を見て、恥ずかしそうに、でもちょっぴり嬉しそうに少女は微笑みました。
まるで、雪の妖精さんが笑ったみたいに可愛らしくて幸せが溢れた微笑みでした。
おしまいです。
引っ越したばかりで、ネットが使えなかったんで、ケータイで書いたから変になってるかもしんないで、すんません。
もっぺりはもっと評価されてもいいと思います。
ここでなら聞ける!
なんで坂本少佐はもっさんって呼ばれてるの?
坂本さん!さかもとさん!さかもっさん!もっさん!
さかもっさん
5話の後のおはなし
格納庫に行くと、今朝と変わらずシャーリーさんはストライカーユニットをいじっていた
私が来たのに気付いたのか、一定のリズムを保っていた金属音は鳴り止み、シャーリーさんの声が響く
「んあ?リーネか、なにか用かい?」
「シャーリーさん・・・今日は大丈夫でしたか?」
「大丈夫だよ。シールドのおかげで私はへっちゃら。お気に入りの水着は消し炭になっちゃったけどね〜」
「そうですか・・・それなら・・・よかった・・」
それだけのやり取りが終わって、再び訪れる沈黙
私は意を決して口を開く
「あの時、シャーリーさんが凄いスピードで飛んで行っちゃったとき、シャーリーさんがそのままどこかに行ってしまうような気がしたんです」
「シャーリーさんがネウロイとぶつかった時、シャーリーさんがそのまま砕け散って無くなっちゃいそうな気がしたんです」
「あの時冷静に救助に迎えたのが、不思議だと思ってます」
「シャーリーさんがいなくなったら・・・シャーリーさんが死んでしまったら・・・そう思うと・・気が気じゃなかった・・・・・」
話しているうちに、私の目は涙を流していた
涙は冷たい格納庫の床にぶつかり、弾け飛んで染みを作る
「リーネ・・・」
「私の目の前で、大切な人の命がどこかに行ってしまったら、私は・・」
気が付けば私はシャーリーさんの胸の中だった
「だーいじょうぶ、私はどんなに速く飛んでも、そのままどっかに行っちゃうことは、無いからさ」
「ううっ・・・ううっ・・シャーリーさぁんっ・・・」
「ほーらほらよしよし、落ち着くまでずっとこうしてていいぞ〜」
シャーリーさんの体から伝わる暖かさとその優しい声を受けて、沸き上がる感情の津波
とめどなく溢れる涙で、シャーリーさんの胸のあたりは雨に降られたあとのようだった
涙が止まるまで、ずっとずっと長い時間、シャーリーさんに抱きしめてもらっていた気がする
「すみませんでした・・・つい・・・」
「いーんだよ。そんなに心配してくれてたなんて、びっくりした。ごめんねリーネ」
「・・・それにしても・・リーネの泣き顔、可愛かったよ」
「へ?」
「今日の私はなかなか役得って感じだったな。リーネのかわいい泣き顔が見れて、リーネのかわいい水着姿が見れて」
「シャ、シャーリーさん〜」
「ふふっ、お世辞じゃないよ?ホントだよ?」
「もう・・からかわないでくださ・・・ふむっ!?」
わたしの冷えた唇に、柔らかく暖かい唇が被さって、離れた
私はもう、何も話すことは出来なくなった。
顔を赤らめたシャーリーさんが言う
「・・・さて、リーネ。これから新しいストライカーユニットの試験運転と行こうと思うんだけど・・・一緒に飛ぶかい?」
わたしはぼんやりとしたまま頷く
「それはよかった、隊長にちょっとお願いを出してくるよ」
一人残ったわたしは、ぼんやりとした目つきで、格納庫の屋根を見上げる
とろけてしまいそうな脳で、さっきの一瞬、あの一瞬を思い出そうとした
唇を舐めるとあの暖かさと優しさが頭の中に流れ込んでくる
空の上で何を話そう、何から話そう
まともに話せるかな、わたし・・・
リーネ惚れ前提のシャーリー×リーネというよくわからないものを考えた
ある意味で部隊の2トップだし、シャーリーのおおらかさとリーネちゃんの気弱なとこってなんか相性いいんじゃねとかふと思ったり
どうやってリーネが惚れたんだろうってところまでは考えつかなかったんですがね!
シャーリーはホント誰と組ませてもいいキャラだと思いますねえ、ホント
このおおらかさは凄い、どんなキャラでも受け止められる気がします
シャーゲルが盛り上がって自分もまんまとこの二人にはまってしまった昨今ですがこの感じ、何かに似てる……と思ってたら約半年近く前アオイシロの2次創作で右オサに嵌まった感覚とそっくりだったのに気付いた。
楽観主義×堅物ってなんかよいね
>>328 >>405-408 ちょっなんかつづきができてるw遅レス申しわけないが言わせてくださいGJ
>>319-324の序盤でサーニャのなまえをだしたのは「うえからサーニャが見てるかもね」とシャーリーにゲルトを煽らせようと思ってたからなんですが
まんまと描写し忘れていたのにほかのひとに補完してもらえた気分です
もうほんとなんなのここのひとたちいいぞもっとやれ
シャーリーの「見るなよぉ」にくそもえたwwww
ねぼけてない正気のときもゲルトさんにはこれくらいせめてほしいものです…まあ無理か
ところで
>>405-408エイラーニャのつづきはまだかな……?w
あとシリーズ化希望の声ありがとうございます。素でうれしい
しかしメモ渡すとこからはじまるやつということはメモの数だけのふたりのセックル日記をかくということなのかしらん
残念ながらもうえろ描写のストックがそこをついt……
でもゲルト=犬で確定したのでわんわんプレイくらいはひょっとしたら書くかもしらん。ひょっとしたら
でも
>>86のつづきは書く予定です
本当にみなさんレスありがとう。まじ感謝です
ふぅ……片っ端から読み直しながら更新作業してたらいつの間にか一日仕事になっちまったw
2週間足らずで37本……いやまったく、年中無休ですね!!
そんなわけで
>>442 >>454 >>464 >>475 >>481全部GJ!!どれも楽しんで読ませていただきました。
そしてじっちゃんのSSが遂に90本を突破した件。
これはそろそろギネスブック編集部に送る申請書の文面を真面目に考えなければいかんかもしれんねw
ところでミーナさん崩壊シリーズの破壊力に触発されて思わずサーニャさんverを書き始めてしまったんだが、
これは最後まで書いてしまってもいいんだろうか……。
更新お疲れ様です!
書いてくださいお願いします >崩壊シリーズサーニャさんver
ハイテンションヤンデレは見ててすごく楽しいw
この作品、「百合 アニメ」とか「百合 作品」とかでググっても意外と出てきませんねー
意外とレズ百合好きーな方への認知度低いんですかねー
やっぱこのズボン丸出しスタイルとか、スカガに似た感じのせいで、百合好きな人には敬遠されちゃうんですかねー
百合要素がある作品って認識も薄いんでしょうねー
今度のオンリーとか、冬コミにも、もっと百合ものの本がほしいんですがねー
やっぱヘテロものばかしになるんですかねー……
京極さまのはエロなし百合ものでほぼ確実っぽいですけどねー
もっと認知度が高くなってほしいですよねー
>>484 更新お疲れ様でした
じっちゃんの隊長崩壊シリーズは毎回まじで楽しみすぎる。100話くらいやって欲しい。
もっさんがあの隊長を受け入れる日はくるのだろうか...
>>486 脳内で語尾を全部んぬに変換したら萌えました
>>483 シャーゲルのシリーズ化キター?!
セックル日記wwwえろ以外の二人の日常でも全然おkだと思うんだけどな。
二人の駆け引きが結構好き。電撃戦だ!
>>86の続きが読めるのはマジで嬉しい!!楽しみにしてるよ!
行為の最中は余裕ぶってるシャリーも内心は必死だったんだろうなって
考えると激しく萌えるw
あさってのオンリーも期待してるけど同人に手を出さなくてもすでにココとかPIXVのクオリティーが高すぎて
逆にオフラインでは普通エロが目立ってしまってる気がする。
ところでココ見てる人で股間に会いにいく方はいらっしゃいますか?
>>483 ぎゃーーーーーーww!!<セックル日記
し、しかもワンワンプレイって....
え〜とゲルトが犬だからちnちn??いや、そうではなくてあのスタイルでの放ny...
夢がひろがりんぐです><
あ、けっこう百合紳士の方もいらっしゃるようですね。
>>492 安心しますた。
ハガキにはパンツ云々書いてあるのかいささか心配ですがwしかも京大だし。
>>490 なるほど……そうなってしまうものなのかもしれませんねー
悲しいですねーオフラインにもイメージ浸透してほしいですねー
>>491 ふたなりですかw
495 :
名無しさん@秘密の花園:2008/11/02(日) 02:00:39 ID:1n/rejbr
>>86のつづきだとぅ????!!!
蜜月ではないですか!
今からテカテカして待ってます。
>>490 ノシ
会社が臨時出勤にならない限り行きます!新幹線で……or2
2週間くらい間が空いてしまったけど投下しても平気かな
たぶん結構容量食うけど
どんと来い
では遅ればせながら前スレ(たぶん)407のつづき
ep7.
朝のサーニャの悲鳴はそのじつ、場にいたすべてのものの耳にあまねく入って、およそ一人の例外もな
く驚きの目をみはった。今やゲルトルートとエイラの昵懇ぶりは周知のことではあったけれど、未だに
いろいろなことが噂され、観測がなされ、空想されていたのは、そこに誰にとってもたいへんな心配事
が潜んでいたからだ。
しかし、それが今朝、衆目のもとついに爆発してみると、そのことを直接口に出して心配することに誰
もが恐怖しはじめていた。彼らはまず、任務が万事とどこおりなく遂行されたことに普段以上歓喜し、
そのあとの手持ち無沙汰の時間にも、この問題について一言も語らず、まるで自分たちが、技師やパイ
ロットという頭脳や雄志ですべて出来ているのであって、女の子ではないみたいに、空模様やエンジン
の調子だけを話題にしつづけた。
ようするにそれくらい彼女らは女の子であったし、この不穏な出来事の奥に、自分の恋の不安をみない
ものはいないくらいであった。
●
「サーニャちゃん、だいじょうぶかな」
これで十回、いや十五回にもなるだろうか、芳佳がまたもや言った。その度に作業の手をとめ、無意識
にエプロンの紐をほどき、わざわざきちんと結び直したりしている。
「バルクホルンさんも。どうしちゃったのかな、ケンカでもしちゃったのかな」
呆けたようにつぶやいて芳佳が完全に手ばなした仕事を、補うようにテキパキと働きながらも、リネッ
トは眉尻を下げ、こちらも幾度目かになる相槌を打った。芳佳があるまじきことに、隊員の中でタブー
であることを易々と口にすることが、リネットをじりじりさせる。反面、彼女にはよくわかっていた、
それは芳佳の真っ直ぐなところ。それよりよっぽどわからないのは、今朝のネウロイの来襲の方だ。
ところで、その調査に奔走する監督が不在だったので、この午後の訓練は中止だった。そこで、リネッ
トはサーニャを見舞ったさい、元気づけに彼女の領土料理をつくると、傍らにはりついてはなれない
「世話役」に請けあってきたので、今はすぐさまこれにとりかかっているところであった。
つまり、いささか不謹慎ながら、リネットはもろもろのお陰をこうむり、芳佳を独り占め同然にするこ
とができたのだ。
キチンに差し込んでいた夕陽がすぐにでも空の向こう側へ沈もうとしていた。間もなくこの場所にたま
った熱も、夜に冷まされてしまうだろう。リネットは窓の外を見やり、身震いした。
「ねえ、芳佳ちゃん」
「なあに、リーネちゃん?」
そんなことを訊くのははしたないと思ったけれど、彼女は是非知っておかなくてはならない、という気
がしていた。気兼ねから、今やほとんど怒ったように眉をひそめていた。そんな感情のこわばりを意識
してか、絶対に相手の目を見まいとしたままで、遠慮がちにこう訊ねた。
「芳佳ちゃんは、すっごく仲の良い友達と、他の子が一緒にいたら、嫌な気持ちになったりする?」
「えっ、ならないよ!」
リネットは、恋に病みわずらった胸を真っ二つに裂いてみせたつもりであったのに、芳佳は一顧だにせ
ずにそう答えた。ときどきリネットは芳佳を大嫌いだと思うことがある。
「どうして?」
と言ったものの、もうあまり知りたくはなかった。
「だって、すっごく仲が良いんでしょ? それなら三人で一緒にいられるんじゃないかな」
「…そう、そうだよね。友達だったら、そうなんだよね…」
溜め息まじりにつぶやくと、リネットはまるで理不尽なことで叱りつけられた犬のように唸り、またそ
のようにくすんと鼻をならした。目の前に置かれた銀製の調理用ボウルに、相手のとぼけきった表情が、
たいそう歪んでうつっていた。なんという憎らしさ、だがそれが、どれほどの可愛いさに原因している
か知れない!
「どうしてそんなこと聞くの?」
リネットの気持ちを知ってか知らずか、芳佳は大きなくるくると良くまわる明朗な眼で見つめ、いぶか
しげに小首をかしげる。リネットが横目で覗くと、その中に心配が揺らめいているのがわかった。彼女
のやさしさが、真っ直ぐさがこんなとき、なんと残酷なことだろうか。
「どうしてって…」
「リーネちゃん?」
「ううん、なんでもない。そっ、そんなことより急ごう、芳佳ちゃん」
リネットはぷいっと背を向けると、手でこねていたものを火に入れた。不安は怒りに変わり、だがすぐ
に涙腺をくすぐるかなしみに取って代わられたのだ。
芳佳は何やらはっきりしない仕事をまだつづけて
いた。その大半が、つまりはエプロンの紐を解いたり、結わえたりしながら、頭を抱えるところにあった。
しかし今度は、どうやらそれさえほっぽり出して、目の前にあらたに生じたじつにわかりかねる問題に
手をのばした。それはリネットの背中で綺麗に括られていた。
リネットはそのまま移動し、手を洗い、ブリタニア風の刺繍のついたエプロンで手を拭いた。瞬間、反
対方向へ同時にひっぱる力に、紐がはらりとほどかれた。リネットは振り返って芳佳を見た。射るよう
な表情が、その青い瞳にあらわれていた。
「でも、リーネちゃんが他の子と一緒にいたら別だよ、誰が相手でも、わたし嫌だよ」
「どうして?」
「だって」
「だって?」
「だって、好きだから」
リネットは晴れやかな顔でにっこり微笑んだ。だがその余裕にみちた表情と裏腹に、頬は赤く燃えてい
た。まるで料理に使うポルト酒のビンを一人でからっぽにしたみたいだった。彼女はまだ今朝のような
ことが妬ましくて胸がやけたが、つとめて思い出さないことにした。よくよく考えてみれば、誰だって、
誰かを愛でたくてたまらないのだし、芳佳は当然のこととして、リネットのものなのだ。
「わたしも、芳佳ちゃんが」
リネットは言いかけて、そのまま口をつぐんだ。少女らしいごく当たり前の恥じらいが、彼女の胸の中
でふくらんで息をつまらせたのだ。芳佳はそれを認めたので、相手がことばの途中で口ごもっても、委
細かまわず手を握った。それから一気に二人の距離を縮めた。リネットをかかえ込み、彼女の髪の毛に
頬をこすりつけた。するとふいに、周りが静かになった。とぼけて大胆不敵であってみても、芳佳もま
た、恋に心をそっくり奪われたひとりの虜だったのだ。
リネットはしばらくして天火を見やった。とたんに、中に放ってある小麦粉を練ったものがちりちり焼
ける音がした。
「嫌だった? 朝のこと」
芳佳は、二人のあいだでぺしゃんこになった、リネットのまるまるとした胸を心地よく感じながら、自
分からその話を持ち出した。
今朝のテーブルマナーについて、他の人に指導を仰いだこと、作戦中に疾
風にとりまかれて、思わず隊長の胸の中に飛びこみ、うっかり(ちゃっかり)それを鷲づかみにしたこと、
また、全員が撃墜の喜びを分かつさい、真っ先に撃墜者であるシャーロットのたわわな胸へ突撃をかま
し、どさくさでそれを鷲づかみにしたことなど、芳佳が今朝中に働いた失態の数々を、リネットはすっ
かり思い起こした。今朝というならばそれだけでも、しかし昼食の席に同様なことがあったことを思え
ば、きっと彼女の自覚の中に、ひとつめは入ってすらいないのだろう。
しかし、完全に自分の責任となる、こと熱病のような事態に関しては、相手のことを責めたってどうし
ようもない。それにあんまり彼女が好きだった。
「いやだった」
と、リネットは甘えるように言って、相手の腰のあたりに腕をまわした。
「ごめんね、わたしそんな気で……さみしかったの?」
芳佳は甘やかすような声で言った。
「さみしかった」
「じゃあ今からは、リーネちゃんの思い通りにしよう」
何をしたい? と今や芳佳は、まるで二人だけの秘密を喋るような素敵な声音で言うのだった。リネッ
トはそのすばらしい提案を聞きながら、ほんの少し身をよじって、相手の腕の中に縮こまった。そして
思い通りになった「今」の瞬間から最初の言葉を考えていたが、芳佳をどうしていいかわからなかった。
その芳佳はすでに、リネットの耳の横の髪を噛んだりしていたので、リネットはただ「うー」と言って、
自分の優柔不断にもだえることしかできなかった。それからただ単に、
「一緒に…」
と言った。芳佳はもちろんうんと言って、リネットがおとなしくしているのをいいことに、今度はちょ
っとつま先立ちして彼女の耳と首のあいだにキスをした。芳佳がそんなふうに欲しがることはめずらし
い、何かが彼女を不安にさせているのだ。
二つの心臓は互いに相手に聞かせようとしてさかんに打った。なので、二人はそのまま、何も言わずに
じっとしていた。
リネットは幸福の内にあって広がる、内心の暗がりで考えていた、なぜ一緒にいるだけではまずいのか。
障害ならばすでに山とあるような恋なのに。もしかすると、彼女のそう、愛らしさに、ほとんどみんな
当てられてしまったっておかしくはない。リネットはおそろしくてしようがなかった。それを予防する
ために、考えなければいけない破局がたくさんある。でもどうしたって彼女が、たとえ他の人たちと一
緒にいるときでも、わたしのことを考えてくれる、そうでなくっちゃ嫌なのだ!
天火の中からおいしそうな匂いが漏れて、キチンの中にぎっしりつまり、抱き合うふたりの間にも強引
に分け入った。リネットはサーニャのことを心配する。彼女の悲鳴を一番理解したのはリネットだろう。
ついさっきまでの彼女は、サーニャの苦痛の中にすっかり入り込んだような気になっていたのだ。恋を
邪魔するものならば、たとえ上官であれ、友達であれ、すべて不倶戴天の敵だった。その共振する想い
がつめこまれ、ふつうより大きめのピローグが焼き上がるだろう。
リネットは、相手の背中でぼんやりといじくっていた扶桑の奇妙なエプロンの紐を手ばなし、恋人をぎ
ゅっとした。そしてこう思った。
(明日もきっと二人で訓練を頑張ろう。それからまたあの場所に座ろうね)
「好き」
と芳佳が勝手に二回目を言った。リネットはまだ今日、言わせてもらえていなかった。ときどきリネッ
トは芳佳を大嫌いだと思うことがある――――愛しくて―――。
●
「こら、お二人さん」
はっとして、幸せな二人のコックが、ぎこちない仕草で、だがひじょうに素早く互いの身を手ばなすと、
食堂の側のカウンタごしにシャーロットがのぞいているのを同時に認めた。
「なーんかいい匂いがするなーと思ってきてみたら」
シャーロットはわざと、大げさな無遠慮をよそおい、多少とも好奇心ありげにそう言ってにやりと笑っ
た。大きく見ひらいた二人の目は、後ろですでにテーブルについたフランチェスカが、おなかすいたー
と言ってわめいている姿まで認めた。それからようやく顔を真っ赤にした。
「ていうか、なんか臭くない?」
コックは顔を見合わせて、あっ、と叫んだ。そして急いで天火を開けるが、やっぱりピローグは真っ黒
焦げだった。
シャーロットはふっと複雑な笑みを浮かべると、ご機嫌でテーブルをたたき、食事を催促するフランチ
ェスカに歩み寄った。
「どうやらまだかかるみたいだよ」
「そんなー、おなかすいたー」
「そうぐずるなって。ほら、レーションのビスケットならあるぞ」
「いらないー」
期待を裏切られた子供もはぷうっとふくれ面をして、差し出された食べものをほんとうはちょっと欲し
くても、つっけんどんに押しやることで目一杯の不服を表明してみせた。シャーロットはそれをポケッ
トへ戻す格好のまま、自由な片手でフランチェスカの髪をくしゃくしゃにした。それからキチンの中へ、
楽しげに働く二人を見比べるような視線を送り、独りごとを言った。
「なんにしても、こっちはいい風に収まったみたいね」
「なにが?」
「ううん、いやさ、二人はいつも一緒だなって」
シャーロットはどう言ったものかと考えながらそう言った。
「芳佳とリーネ? 階級が同じだから? 訓練が一緒で、料理が得意で、好きな遊びが同じだから?」
「総じて、精神構造の点じゃ、ひじょうに良く似ている、と言うことができる」
相手の口から飛び出すどの意見にも、漏れなくふんふん頷いていたシャーロットは、さらにことばを引
き継いで、やたら難しそうな表情を作ってそう言った。それはお笑い種、といった感じのものだったの
で、意味はわからずともフランチェスカはきゃっきゃと笑った。
「見てご覧、二人はまったくそっくりだ、それもお互いを補うように、うまいところばかりがさ。
「ようするに、シャーシーとエンジンはお互いに補い合うように、一つのユニットとして作動するように設計するべきなのさ」
とシャーロットが言った。少し頭をひねってから、フランチェスカは当てずっぽうに訊ねた。
「それって連携技のこと?」
「もちろん、ガッティーナ、おまえってほんとうに可愛いくせに、どうしてそんなに賢いんだろう?」
「でも、それだけじゃないよ」
当然たっぷり甘やかされた後では、仔猫のご機嫌は元通り以上のものになっていた。その彼女が次に、
声をひそめて内緒をしたいふうだったなら、シャーロットはすぐにでも身体をこごめて耳を貸してやる
のだ。
「だって二人は恋人でもあるんだよ。恋人ならいつも一緒にいたいでしょ?」
フランチェスカは得意満面にそう言うと、勢いこんでつけ足した。
「あたしもシャーリーといつも一緒がいいもん!」
「ようし、それじゃあ夕食までの間、一緒に昼寝でもしようじゃない。あっちもまた二人きりにしてあげようよ」
シャーロットは空腹でふにゃふにゃになったフランチャスカを抱き上げて、食堂をあとにしながら考え
た。では、性格もまるで噛みあわない人間同士、どこまでうまくいくものだろうかと。なぜ例の二人が
一緒にいるのかは、しばらく観察していればすぐにわかった。彼女らは連れ立って外出したり、散歩し
たり、立ったり座ったりし、謹厳に偏ったり、やたらうちとけたり、熱心に会話したりしていることも
あったが、シャーロットの目にそれは単に、自分の影を踏まないように気をつけて歩いているようにし
か見えなかった。二人が一緒に歩き、たまたまその歩調を合わせることが容易だっただけなのだと。よ
うするに、ゲルトルートとエイラはどこか、絶対的に噛み合わせてはいけない部分が、決定的に良く似
ていたのだ。望ましく異種の材質で噛み合わされているギアも、小歯車が頑丈なものでなければすぐに
磨耗してしまうだろう。時間の問題だ。
シャーロットは人知れず哀れむような微笑を浮かべた。彼女はその場面に遭遇しないまでも、今朝起こ
ったことに凡その察しがついていた。病床のサーニャに、エイラの顔面蒼白、そうでなくともカールス
ラント組は格別に妙で、隊長はそわそわし通しだったし、中尉はおかしなほど機嫌を損ねているふうだ
った。何より当の堅物大尉ときたら――――――機械なんててんでいじれやしないのに、自分たちを追
い出してまでハンガーに居残ったゲルトルートは一体、何をしたかったのだろう。今度のことで、誰が
誰にどの程度の同情を寄せているか定かではないが、少なくともシャーロットはそれが第一に気がかり
だった。胸の中で心配性のウサギが絶望的な跳躍をしている、どれもこれも、杞憂だったらいい。
●
結局この日の夕食は、豆のスープやブリアニア風の焼肉など、簡易な料理が出されたが、欠席者だらけ
で、不平を言うものがなかった。それに、リネットは今度、芳佳の隣に席をとったので、相手ばかりを
むしゃむしゃ食べて、ほかの料理はことごとく箸もつけづにさげてしまった恰好だった。
以上、続く可能性がある
どさっと誰かが布団に倒れ込む音と同時に肩に何か当たって私は目を覚ました。
「なんだ、エーリカ。いくらベッドに行きつけないほど片付いてないからといって
、ここで寝るな。自分の部屋へ行って……」
寝返りをうった私の目の前にある頭は、エーリカの明るい金色の髪ではなく、
雪を思わせる銀色に輝く髪だった。
「なっ!」
起きあがると顔をあちらへ向けすっかり眠り込んでいる
サーニャ・リトヴァク中尉の横顔が見えた。
「部屋を間違えたのか……」
ドアから彼女の通ったベッドまでの道は今まで着ていただろう制服が
点々と落ちていた。
中尉にしては意外だった。
まるでエーリカみたいだ。
彼女はピアノも弾けて、もっときちんと整理整頓ができる深窓の
令嬢だと私は思っていたんだが。
いやいや、それはこちらの思い込みというものか。
起こすべきか、それとも起こさず寝させておくべきか?
幸いもう朝だ。私は朝の訓練に行かなければならない。
その後は朝食にそのまま行くし、自分の部屋に戻るのは昼ごろになろう。
起こすのはそのときでもかまわないか。
夜間哨戒から戻ってきて、せっかく眠りについたんだ。
また起こしてしまうのは可哀想というものではないか。
それにしてもだ。
中尉は夜間に活動しているだけあって日の光を
浴びてないせいかとても白い。
そして華奢だ。
人に言わなければ、誰もネウロイと戦うウィッチーズ隊の一員とは思わないだろう。
ふとピアニストの手はどうなってるんだろうと変な疑問が浮かんで
布団から出ている彼女の手を見てみた。
白くて細くて指が長いきれいな手だった。
まるで何かの芸術品みたいだ。
彼女はもしかして大理石で出来てるんじゃないか?と一瞬頭に浮かんだ。
まさか。
そう思って恐る恐る彼女の手に触れてみる。
温かい。
やっぱり人の手だ。
変なことを考えた自分が馬鹿らしくなる。
ガチャッとドアの開く音がした。
「と、トゥルーデ!」
「!」
部屋の前にはドアを開けて、部屋の様子に驚いたエーリカがいた。
「トゥルーデ、ひどい!私というものがありながら!」
「ちょ、ちょっと待て、エーリカ。なぜそうなるんだ?」
「トゥルーデなんて知らない!」
エーリカはダッとかけ出すと部屋の前から去っていった……ように見えたが。
「エーリカ、ドアの影に隠れてるのはわかってるぞ」
「あ、ばれた?」
エーリカは隠れたドアからひょこっと身を出した。
「一体なにしに来たんだ、おまえは?」
「トイレに起きたんだけど、一人で寝直すのもつまんないかなと思って」
「……もう朝だぞ?」
「まだ6時。充分寝直せる時間だよ」
そう言うとエーリカはあくびをした。
「でもさ、中尉、よく寝てるよね」
言いながらエーリカは寝ている中尉の肩当たりをつんつんとつつく。
「こら、せっかく寝てるんだからやめろ」
「ふーんだ。トゥルーデは私が一緒に寝よって言うと自分の部屋で寝ろって怒るくせに」
さらに中尉をつつく。
「わかった、わかったから!」
「なにがわかったんですかぁ、バルクホルン大尉?」
「今日の夜は寝ていいから……ここで」
私の言葉にぱっとエーリカは笑顔になった。
「わーい、トゥルーデありがとう!」
まったく現金なヤツだ。
「あ、そうだ」
「今度は何だ?」
エーリカはぐいっとこちらに顔を近づけた。
「さっき中尉の手を握ってたけどなにしてたの?」
「へ?」
「襲おうとしてたとか?」
「な、な、なにを言うか!た、単にピアニストの手がどうなのか気になって……」
「だと思った。トゥルーデにそんな甲斐性ないもんね」
エーリカはくすくすと笑った。
「あとね、言い忘れてたけどユーティライネン少尉が中尉を探してたみたいだよ?」
私は服を着替え、リトヴァク中尉を探して基地内をうろついていた
ユーティライネン少尉を呼んだ。
彼女は手慣れた様子で中尉を起こして服を着せ、半分に眠ったような
中尉を操り人形のようにして手をつないで去っていった。
「起こせばよかったのか……」
「わたしがつついても全然起きなかったよ?なにか起こし方とかあるのかな?」
「さぁ……」
「やっぱり愛の力とか?」
「愛の力?」
「鈍いなぁ、トゥルーデは」
なにが鈍いんだか。
エーリカはくるりとこちらを向き期待に満ちた目を向ける。
「で、今日はトゥルーデの部屋で寝ていいよね?」
「……明日は自分の部屋で寝ろよ」
「えー!明日もー」
「だめったらだめだ。それよりもせっかく起きたんだ、訓練していくか?」
「いいよ。遠慮しとく」
『訓練』の言葉にそそくさとエーリカは逃げ出してしまった。
あれでカールスラントのエースだというのだから、まったく。
「さてと」
服を直し、私は部屋を出た。
窓から見える外はいい天気だ。
きっと空を飛ぶととても気持ちがいいに違いない。
以上5レス。
ぶつ切りみたいなラストになってすまん。
ラストが思いつかずダメダメになってしまった。
ここに書く人はやっぱりすごいよ。
>>512 乙ですー
自分はこの終わり方好きですよ
エーゲルは、バルクホルンがエーリカの気持ちにちょこっと気付いてるけど
恥ずかしいから冷たくしちゃうというかなんというかみたいな
そんな感じが好みなので個人的にすごくツボでしたねーはい。
サーニャ?エーゲルのいいスパイスだったかなw
ここの住人でオンリー行く人いる?
乙が追いつかないんだナ
>>482 あれ・・・俺この時間はバイトに行ってたはずなんだが・・・
>>516 あ、俺はエーゲル本とよしもっさん本も頼むわ
オンリーイベとシャーリーの中の人の学祭、両方行く人は…いないか
>>516 エーゲル本と芳リネ本とキャッキャウフフ本を一つ……
>>516の人気に嫉妬w
自分も行くけど、何か同志だけにわかる目印でもあったら当日発見してニヤニヤし合ったりできるんですけどね。
そして果たしてどれだけの割合が百合本になるのだろうか……。地雷踏みそうで今からガクブルだぜ。
>>525 髪とか胸元に百合の花を挿していくとか……メルヘン過ぎますかねw
ディーラーさんとか、それやってくれるとありがたそうですけどねw
中身見なくても「これは百合本ですよ」ってわかる印みたいな感じでー
ノーマルも百合も買って来ようと思うレイプだろうが隊長の彼氏だろうがなんでもかかってこいだぜ
ただ少年兵はだめだなぁ…
このスレでそういう発言は軽率
そうだよなぁ。
ストウィは結構、男ネタの本が多そうだよね。
たくみなむちも男絡みの本だしてたし。
ちなみに前に行った極上生徒会のオンリーは半分くらいが男ネタだった。
ストパニみたいなオンリーだったら行くんだけどね。
てか、ここのスレで百合分の補給はばっちしな気がするw。
>>529 でもやっぱ、なんやかんやで絵も欲しいんですよねー
流石にここだけじゃ限界あるようなw
自分が書けるんなら問題ないんですけどねー
参加サークルのHP回った幹事、むしろ単純な男性向けの方が少なく感じたけど・・・
俺が無意識にそれ系を忘れるようにしてるせいだろうか
まぁ行く人はなんか軽いレポートでもお願いします
本スレであんまやれない話だし
とらとかに委託されなかったら俺はどうやって生きていけばいいんだ…
今保管庫見てたんだが、シリーズ物のリンクが作ってあった…
ここの保管庫管理人さんいい仕事しすぎだろGJ!!
534 :
滝川浜田:2008/11/02(日) 21:11:37 ID:RnQhY8D3
SS投下します。
が、ここのところシリアスなヤツが続いたので、別のヤツ(ミーナさん崩壊シリーズ)を投下します。
それにしてもこのシリーズが好評って事がなんか信じられないw
キャラ崩壊も甚だしいのにw
あと、100話はさすがに無理ですw
「美緒、私トゥルーデと結婚するの」
「そうか、幸せにな」
「…止めないの?」
「何故止める必要があるんだ?
バルクホルンと結婚するという事は非常に幸せな事じゃないか」
「私は美緒が好きなの」
「ああ、分かってる。でもそれ以上にバルクホルンが好きなんだろ?
なにせ結婚するくらいだもんな」
「……」
「ほら、他のみんなにも伝えて来い。
私バルクホルンと結婚するって」
「美緒の…」
「ん?」
「美緒のバカ―――――――――――――――――ッ!!!!!!!!!」
「……勝った(ニヤリ)」
―――――――――――――――――――
「坂本少佐」
「ん?どうしたバルクホルン」
「ミーナの姿が見えないんですが」
「そういえば昨日から見てないな」
「坂本少佐ー!」
「どうしたリーネ」
「バルクホルンさんの部屋にこんな置き手紙がっ!!」
「手紙…?」
『私の美緒へ
嗚呼 貴女はなんて悪い女―ひと―
私が貴女の気を引く為に嘘までついたというのに
貴女が空気を読まず トゥルーデと結婚すればなんて言うから
死にます 私はもう死にます
さようなら みんな そして愛しの美緒
貴女のミーナより
PS:司令室にいます』
「……………………………………………」
「坂本少佐?」
「あ、いやなんでも無い。すまん、ちょっと用事が出来た」
「はあ…」
―――――――――――――――――――
「ミーナ」
「美緒、なんで来たの!?」
「なんでって、お前場所書いてただろ」
「あら、見つけたの?
流石私のお婿さ「いいから帰るぞ。今のままじゃお前は頭の痛い18歳だ。病院行こう今すぐ」
「嫌よ!っていうか私は正常よ」
「今までの行動が正常な人間が起こす事か!」
「だって貴女に私を見て貰いたかったんだもの!」
「…あのなミーナ。
私に見て貰いたいなら、まだ手段はあるハズだろ」
「…だって」
「私は何もお前の事が嫌いとは言っていない。だから落ち着け、な」
「…分かったわ。今度からはアタックするのは週7(要するに毎日)から週6にするわ!!」
「(あぁ〜…そういう事を言っているんじゃないのだが…。しかも週7から週6って全く変わってない…)
…ああもうそれで良いよ…。だからミーナ、戻るぞ」
「あら、手を繋いでくれるの?」
「きょっ、今日だけだからな…///」
「(フフッ、美緒の照れ屋さん♪)
…ええ♪」
以上です。今回は割と抑え目…のハズです。
その反動で、次回はヒドい事になってますがw
しかしシリアスなヤツを書いたあとにこのシリーズを書いているので、もう何がなんやら分からないですw
…では、爺はお風呂に入って来ます…
ミーナさんワロスw
自分の欲望に忠実なミーナさんもかわいいな
>>536 待ってました!GJ!!
これで明日まで持ちこたえられるぜ!!色々耐え切れん!!!!
こういうちょっとだけいい話っぽくまとめられるのはやはりじっちゃんの実力なのか……!!
バカやりつつにやにやもできるというもう色々素晴らしかったです。
>>536 ミーナさん崩壊シリーズキターー!!!
なんかこのミーナさんキャラ崩壊しすぎて逆に可愛いわ!!
シリアスな話の休憩でもいいから次回もよろしく!!!GJ!!!
>>515 お互い良いシャーゲル本が見つかればいいよね!
なくてもかわいい変態バルクホルンな本。
>>526 頭に百合挿す紳士......or2
>>522 いいともは何処の学祭出るの?
>>536 じっちゃんとこのミーナさんともっさんは結ばれなさそうだけどおもしろいからヨシ!
ところで、明日おんりー行く紳士の中に今日都参謀行ってきた方は居る?
変態バルクホルンか・・・。
最近、部隊内の年下隊員に総妹化計画を実行中のゲルトさんがブームだ。
>>536 ミーナさん崩壊シリーズキター!!
既に次回も決まってるのか!wktkして待ってる!
>>541 早稲田だよ
そろそろ、ルッキーニ、芳佳、エーリカが手を組んで基地のおっぱいというおっぱいを揉みまくる、
そんなSSが書かれてもいいと思うんだ……
t26gFAxTです。
前回投下のルーデルさんとアーデルハイドさんのお話にレスいただき、ありがとうございました。
そして保管庫管理人さんも、いつも保管作業いただきありがとうございます。
祝日にかまけて作業してたらこんな時間になってしまいましたが、
学園ウィッチーズ投下します。
担いだ人々を安全な場所に下ろしたエイラは、空に上がり、岩でつぶされ、土砂でふさがれたトンネルに絶句し、降下しようとするが、ミーナが痛いぐらいに腕を掴んで、引き止めた。
「離せよ! まだ中に人が……、バルクホルン先輩がいるんだぞ!」
エイラは、そう言った瞬間、ミーナの表情が悲痛に包まれるのを見て取って、口をつぐんだ。
ミーナは、エイラに悟られまいとするように、表情を引き締めた。
「……必ず、助けるわ。でも、まずは私たちが冷静にならなければいけないの」
エイラの腕からミーナの手が離れる。
雨に混じり、遠くから一同を呼ぶ声がして、振り返ると、雨を弾きながら、ビューリング、そして、手を振りながら、芳佳が近づいてくる。
異常に気づいたビューリングは芳佳を追い抜き、ミーナの前で止まる。
「バルクホルンはどうした」
トンネルに視線を向けるミーナに、ビューリングは冷静に言う。
「埋まってから何分だ?」
「5分です」
「バルクホルンのストライカーの波長は感じるか?」
「ええ、彼女はまだ生きています」
まったく視界の利かない暗闇の中で、ゲルトルートは、目を覚ます。
落石でも当たったのだろうか、額に冷たい感触があり、片方のまぶたは痛みで開かない。
インカムは抜け落ちてどこかへいったようだった。
片足は、ストライカーが壊れ、脱げたのか、実体化している。
もう片方のストライカーは生きているが、反応は微弱。
右腕は、いや、右肩は、外れたのか、気がついた途端、痛みが伝わり始め、ゲルトルートは顔をゆがめる。
両手に温かい、しかしながら、震える肩の感触を感じる。
子供たちが、ゲルトルートにかぶさるような状態でしがみついていた。
「二人とも、無事か?」
ゲルトルートの優しい声に、子供たちは泣くのを押し殺したような声で無事だと答えた。
手探りでポケットの中からマッチを取り出し、子供に渡すと、子供はもたつきながらもマッチに火を灯した。
小さな火ではあったが、ゲルトルートは状況を確認する。
トンネルの両側は土砂でふさがれ、落石もあったのだろう、足の向こうには、トンネルを貫くように落ちてきた岩が居座っており、天井に空いた穴は他の岩が塞ぎ、今のところ、抜け道は見当たらなかった。
火が消え、子供たちはまた慄き始める。
幸い、空気はまだあるようで、ゲルトルートはひとまず安心し、子供たちに語りかけた。
「いいか。今、トンネルの向こうには私の仲間たちがいる。だから、安心して待とう」
ゲルトルートは、動かせる手で子供たちの頭をなで、天井を――その先にいるはずであろうミーナを見上げ、目をつぶった。
「応援を呼んだ。揃ったらすぐに助け出す」
ビューリングが振り返り、他のウィッチたちに伝えると、ミーナの隣に並ぶ。
「バルクホルンの、より正確な位置の把握はできそうか?」
「美緒の能力とあわせれば…」
「よし。チャンスは一回だ」
と、ビューリングは移動しかけたが、留まり、ミーナの肩をつかむと、自分に振り向けた。
覇気のうせたミーナの表情に、ビューリングはわずかに唇を引き締めて、眉間にしわを寄せる。
「……そんな事では困る。仲間を、そしてなによりも、バルクホルンを信じろ」
ミーナは、ビューリングの言葉に目を見張り、そして、首を縦に振った。
「シャーリー、ハルトマン、落ち着かんか」
気が急いているのか、どんどん隊列から離れようとするシャーリーとエーリカに、坂本がインカム越しに伝えると、二人は顔を見合わせ、坂本の後列に戻る。
最後列のルッキーニがインカムを叩く。
「でも、急がないとバルクホルンが…」
「戦場でも災害現場でも冷静にだ。あと数分で着く。それまでに心を落ち着けておけ」
ルッキーニの隣にいるサーニャは言葉を発さず、じっと坂本の言葉に聞き入って、前方を見据えた。
ビューリングは、トンネルの周りを飛び回り、観察する。
落石はトンネルの中間あたりに穴を空けながらも、土砂をせき止めている。
落石を排除すれば、すぐにでもトンネルには入れそうだが、山の土砂はまだまだ余力を残しているといった様子で、落石を取り除いた瞬間、あっという間にトンネルに流れ込むであろうことは容易に予想ができた。
落石の排除は難なく行えるだろう。
しかし、土砂は……。
ビューリングは、止みそうにない雨を恨めしそうに見上げ、つぶやいた。
「必ず成功させる…」
ゲルトルートは、体中の痛みに耐えながら、考えをめぐらせる。
ストライカーはまだ片方は生きている。
トンネルは、両側を土砂で塞がれているし、出口になるとすれば、トンネルの天井に突き刺さるように落ちた岩が作った穴からだろう。
片手は無傷で、まだ動く。
「そばにいると約束したばかりなのだから、守らねばな…」
ゲルトルートは、拳を握り締めた。
坂本達が到着し、ミーナはさっそく、彼女と手をつなぐと、ゲルトルートの正確な位置の把握をし、ビューリングに伝えた。
「彼女は、あの岩の真下付近にいます」
ビューリングは、その言葉を聞くと、一同を一列に並ばせ、声を上げた。
「作戦は単純だ。土砂をシールドでせき止めつつ、岩を排除し、トンネル内の残りの3人をただちに救出して離脱する」
エイラが、眼下の家々に目を向けた。
「住人は避難させたのか?」
「避難については醇子たちに任せてある、安心しろ」と、坂本が差し挟んだ。
「よし、質問はもうないな? それでは、ルッキーニ、サーニャ、エイラ、宮藤の4人は、土砂崩れに供えてシールドを張ってくれ。
坂本、ミーナ、ハルトマン、リーネ、ペリーヌと私は岩を排除するぞ。シャーリー、お前は岩の排除が済んだら直ちにバルクホルンと子供たちを確保しに行け」
シャーリーの表情に緊張が走り、不意にミーナの横顔に目を向けるが、気づいたミーナから逃げるよう、また前を向いた。
「では行くぞ」
ビューリングの号令とともに、ウィッチ達がトンネルに向け、降下を始め、それぞれの位置につく。
一番外側に、ルッキーニ、サーニャ、エイラ、宮藤の4人が立ち、シールドの展開を開始する。
彼女たちのシールドを確認し、坂本、ミーナ、ハルトマン、リーネ、ペリーヌそしてビューリングは、岩に手をかけ、ストライカーの出力を上げ始めた。
シャーリーは彼女たちを見上げる位置でホバリングし、イメージトレーニングをしながら、岩の排除を待つ。
岩が徐々に持ち上がり始めるが、それにより崩れた均衡が、ただちに土砂に侵攻を許し始める。
シャーリーがインカムに向け叫ぶ。
「おい。ひとまず私も加わったほうが…」
「だめよ。あなたには万全の状態でいて欲しいの」と、すかさずミーナが伝えた。
シャーリーは、場違いながらも、昼間の、ミーナへの態度に恥ずかしさを覚える。
この人は、どこまでも、仲間を、あいつを――それなのに、私は。
シャーリーが口を開きかけると、インカムからミーナの戸惑いの声が響いた。
「トゥルーデのストライカーが!?」
トンネルから魔方陣がつき出し、岩が一気に持ち上がり始めるが、大量の土砂も同時に滑落する。
ルッキーニ、サーニャ、エイラ、宮藤の4人は持てる限りの魔力でシールドを張り、持ちこたえた。
岩がさらに持ち上がり、トンネルから離れると、岩を下から持ち上げるゲルトルートが姿を現す。
子供二人を背にかかえ、左手と片方のストライカーだけで上昇をする彼女はじっと目をつぶったままだった。
シャーリーは、その姿につばを飲み込んでしまうが、我に返り、すかさずミーナの後ろに回った。
「シャーリーさん!?」
「ここは任せて、早く下にいるあいつを!」
ミーナは、シャーリーがなぜ自分と代わったのか、考えかけたが、それどころではないと判断し、言われたとおり、岩の下に回り、ゲルトルートと子供たちをかかえた。
顔を血だらけにしたゲルトルートに言葉を失いながらも、温かさの残る彼女の体を抱き寄せ、子供たちに笑顔を向けた。
「確保しました!」
ミーナの声を合図に、岩を持ち上げたウィッチたちは、岩を移動し、ビューリングが叫んだ。
「離脱しろ!」
シールドで弾き損ねた土砂を受け、体をどろどろにしながら、ルッキーニ、サーニャ、エイラ、宮藤の4人は離脱した。
その途端、土砂がトンネルを丸々飲み込み、そして、止まった。
一足先に地上に降り立ったミーナは、子供たちを下ろし、ゲルトルートを横たえる。
残ったストライカーが、足から離れ、ミーナはゲルトルートの頬を撫でた。
「……トゥルーデ、目を開けて」
指先で触れた首もとの脈はきわめて弱い。
ゲルトルートは、だらりと首をたらす。
ミーナは、ゲルトルートの上着のボタンを外すと、心臓マッサージを施し始めた。
ミーナ以外のウィッチ達が降り立ち始め、ストライカーを外すと、駆け寄ってくる。
ビューリングが膝をつき、ミーナを見やる。
「もうすぐで車が来る。それまで持たせるぞ。ペリーヌ!」
ペリーヌが自分で自分を指差し、戸惑いながらも、ゲルトルートを不安げに見つめながら、その場にしゃがんだ。
「ビューリング教官、治癒なら私ではなく宮藤さんが…」
「心肺蘇生は宮藤の治癒魔法よりお前のほうが適任だ。前に二回ほど、お前の魔法で心臓を蘇らせたことがあったろう」
「あ、あれは……。調整も難しいですし…」
「ペリーヌ、お前ならできる。訓練していたじゃないか」と、やってきた坂本が肩に手を置いた。
ペリーヌは頬を熱くし、ビューリング、ミーナに交互に視線を移す。
ミーナの、今にも泣き出しそうな、乞うような眼差しを無視できるはずもなく、眉を引き締め、ビューリングの腰元のナイフに目を向けた。
「着衣を切りますので、貸して下さい」
雨の中、ペリーヌは集中力を高め、ゲルトルートの胸元に手をかざし、ささやくように、魔法の言葉を唱えた。
ゲルトルートの体が大きく跳ね上がり、彼女は苦しそうに咳き込み、うっすらと、片目を開き、ぼけた視界の中にミーナを見つけると、安心したように、目をつぶる。
ミーナは、すかさず脈を診て、周りのウィッチに向け、微笑んだ。
第13話 終わり
>>548 うぉおおGJ!すごい緊張感だった…。
トゥルーデが無事でなによりだ
トネールにこんな使い方があったのか…
>>548 GJぇぇぇぇ!
何よりもトゥルーデが無事で良かった
そしてペリ犬のトネールをこんな形で使うなんて…俺は考えもしなかった;;
はっ!?
降りる駅を過ぎてしまったorz
私はこれから家を出て会場に向かいます
無事帰還したらレポ書きます
歩いて15分…15分の場所にいるのに…!
五時まで自由じゃないなんて…!!
15分って結構遠いんじゃね……1〜2kmくらいあるだろ?
管理人さん更新乙でした。
そしてここまでの作品にGJ
オンリーは開始時間がもっと早ければ夜勤明けに寄ったのになぁ。
今日も夜勤ある身では無理><
その代わり暇な時間を利用して書こうと思ってたのを書いてみた。
書き出しとか前に
>>120で書いたのと変わってるけど気にせずヨロ。
●北アフリカ1944 陽炎のミーティア
正直な所、実は結構ずっと悩んでた。
飛ぶ事は好きだし、中でもスピードの限界に挑戦する喜びは何者にも変えられないと思ってる。
でも、考えてみるとあたしにはそれだけだったりするんだよな。
航空機動歩兵としてはどうなんだろう?
P−51Dの高性能ぶりに助けられている癖に、501の尉官以上クラスの中じゃ撃墜数は一番少ない。
カールスラント組と自分を比べようとなんて真似は出来ないけど、実際の所ペリーヌやサーニャ、ルッキーニよりも撃墜数が少ないのは事実だ。
大尉って階級だって、多分にリベリオンの影響力のおかげだろう。
私にはスピードがある。
でも、スピードしかない。
で、そんなあたしにだってプライドがあるから、弱気な事は言えない。
相棒に打ち明けたらどうだろうと何度か思った事もある。
あいつの事だから笑い飛ばして気にしないんだろうけどさ……。
まぶしく輝く太陽の横に立ち続けるってのは、意外と気力の要る作業なんだよな。
そんな想いは、501が改選した後にここ北アフリカに転戦した後でも変わらなかった。
「ねぇねぇシャーリー、テスト飛行だって〜、付き合って〜」
そんなことを考えつつ物憂げに日光浴をしていると一緒に転戦したルッキーニが来た。
にゅは〜、とかいつもの良く分からない言語というか擬音を発しつつあたしの胸にダイブ。
「おっと、コラコラ。そこに飛び込まれたらあたしが立てなくなっちゃうだろ〜」
「飛ぶ前の景気付け〜」
いつものじゃれあい。
これであたしも元気を貰ってたりする。うん、やっぱり太陽の近くってのは暖かくっていいもんだ。
ルッキーニの明るさもたいしたもんだよな。
「はいはい、お二人さん。じゃれ合うのも良いんだけど回りに気を使ってよね」
あたしの頭の上から声がかかる。
「ん? ああ、マルセイユ大尉か。いーじゃない、減るもんじゃないし」
「減らないけど増えるのよ。ホラ」
と親指で遠くの方を指す。
柵があってこの区画は男子禁制になってたりはするんだけど、その向こうから双眼鏡でこっちを見てるロマーニャの歩兵分隊がいた。
こちらから見たのに気付くと連中は慌てて解散して行った。
「ただでさえロマーニャの連中には苦労してる上に、あんたのおっぱいは大人気なんだからもうちょっと自重しなさい」
「アハ、ウチの連中はあれが生きがいだから仕方ないよ〜」
「別に実害があるわけじゃないだろ〜」
「航空機動歩兵は尉官以上で固めてるけど、陸の連中はそうも行かないのよ。気の弱い下士官だと小隊指揮官より階級低かったりもするからね」
マルセイユ大尉が眉間に皺を寄せて言う。
「あなたの痴態で増えたリビドーを放出する先がそうなったら、まずいでしょ」
「ハイハイ、わかったよ〜」
ったく、カールスラントの連中はハルトマン以外みんな堅物だな。
「別にわたしは堅物なんかじゃないわよ。ロマーニャとリベリオンが柔らかすぎるから相対的にそう見えるだけ」
む、思考が顔に出てたか?
「考えが顔に出てたとかじゃなくて、こういう台詞を言ったときの一般的に抱くだろう感想を口にしてみたのよ。ふふん、図星?」
ま〜確かに、バルクホルン辺りと比べるとこいつはいろいろ冗談が通じそうな雰囲気とかあるんだけど、真顔で言う辺りその辺りの間合いがつかみ難くて困る。
「あーあー図星だよ。あとアンタが堅物なんかじゃ無いってのも分かったさ。よし、行こうルッキーニ」
「アイアイサー」
小言に来たマルセイユ大尉から逃げるように、あたし達はハンガーへと向かった。
途中、ルッキーニが唐突に口を開いた。
「ティナさんいい人だよ〜」
「ん?」
一瞬誰だろうと思ったけど、ティナていうのはさっきのマルセイユ大尉、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユの愛称だ。
着任間もないあたしとしてはまだその愛称で呼ぶほどの仲じゃないと思ってたんだが、ルッキーニの順応性はほんっとに高いな。
「さっきね〜、二人でトロピカルジュース飲んだ〜」
むむむ? 二人でって!?
「喉乾いたたって言ったらマティルダさんが用意してくれたのっ」
にぱっと笑いながらルッキーニが楽しそうに言う。
「もしかして、一つの器から二人でストローさして飲んだのか?」
なんとなくトロピカルジュースと言うイメージから引っかかるものがあったんで一応確認してみる。
「にゃっは〜。シャーリー大当たりぃ!」
くっ! マルセイユめ! なんて羨ましい事をっ!
「ルッキーニ! 今度はあたしとトロピカルジュースだ。約束だぞっ」
「うんっ! そう言うと思った〜」
するとルッキーニはあたしの腕に絡み付いて胸に頬を寄せながら、
「だからシャーリー大好きっ!」
と言った。
っていうかあたしもしかして乗せられたか? ま、ルッキーニに乗せられるならいっか。
格納庫についたあたしとルッキーニは、それを見ると微妙な気分になった。
ロマーニャの新型飛行脚の北アフリカ環境でのテスト、との事でルッキーニが飛ぶ事になっていたんだが、止めたくなった。
ユニットは木で出来ていた。
しかも、仕上げが悪いのか所々木が反ったり歪んだりして、合わせ目があっていない様にも見えた。
これ飛ぶのかよ? と聞いてみたけど技術者は大丈夫の一点張りで、木製のストライカーの利点について主張するばかり。
「ま〜、頼まれてOKした試験だし〜飛ぶよ……」
明らかに楽しくなさそうなうんざりしたルッキーニの一言でとりあえず飛行する事にはなったけど、地上からの支援だけじゃなくてあたしの同行をとりつけた。
「あたしも一緒に飛ぶからさ、ストライカーに不安があってもいいから思い切りぶん回して、さっさと評価を終了しちゃおうぜ」
「ウンッ」
飛び立つ空は快晴。
アフリカの日差しは強いし、砂漠の砂にはうんざりさせられるけど、澄み切った乾いた空気は最高に気持ちいい。
はずなんだけど、ルッキーニの危なっかしい飛行を見ていると気が気じゃなかった。
「アゥゥゥゥジュジュジュ……フニャっ…………ンヌヌヌヌ……」
通信機越しに聞こえるルッキーニの擬音は、相当難儀している事をあたしに教えていた。
「おいルッキーニ、ぜんぜん飛行が落ち着かないぞ。降りた方がいいんじゃないのか?」
「ウジュジュ、大丈夫っ! これくらいあたしなら乗りこなすっ!」
あ〜、ちょっと意地になってるな。
ルッキーニ、いくらお前が天才でも飛行脚の体を為していない物を乗りこなせないのは恥じる事じゃないぞ。
と思ってもルッキーニの気持ちも分かるので口には出さない。
大体、物事をはっきり言うあいつが嫌だと言ってないって事は、なんだかんだでこの状況を楽しんでたりもするんだろう。
だからあたしにできる事は、あれがいきなり壊れて飛べなくなった時にルッキーニを助けたり、ツマンナイと言い出したルッキーニをエスコートして連れ帰ったりする事くらいだよな。
そう思いながらよく観察していると右の翼が異常なフラッターを起こしている。
「ルッキーニ、右翼が変だぞ」
「わ、わかってりゅりゅりゅっ」
翼の振動につられてルッキーニがバランスを崩し始める。
あたしがフォローに入ろうと距離を詰めた瞬間、それは起こった。
フラッターが激しすぎて思わぬ右ロールを打つルッキーニ。
そしてロール中に不規則な振動をしながら右ストライカーが左のそれと接触。
一瞬の後に右ストライカーユニットの外板が剥がれ魔道エンジンが脱落。
左だけになったストライカーユニットのトルクに引きずられ、右ロール状態から左ロールへと急激に転換。
あっという間に失速して錐揉みに陥る。
刹那の出来事だった上に発生したロールの鋭さにフォローの判断が遅れたあたしは、急激に高度を落とすルッキーニを追いかける羽目になった。
「ルッキーニッ!」
飛行が不安定で高度を上げられていなかったのが災いし、あっという間に地上が迫る。
あたしは迷わずに固有魔法の高速機動を発動した。
全身を魔道エンジンから溢れた淡い色の青い輝きが包み、世界が減速する。
いや、あたしが加速している。
高速化対応し、視界も変化する。
彩度を失い、モノトーンとなった世界の中で急速にルッキーニの体が迫ってくる。
手を伸ばす。
微妙なバランスをとりながらのアクション。
動作の中で末端部分が音速を超え、乾いた空気から水蒸気を搾り出して糸を引く。
あの時の感触を思い出す。
音速を超えた瞬間の、何物にも変えがたい爽快感。
今のあたしでは届かない、越えられない壁の向こうの領域。
でも、今手を届かせなければいけないのは、目の前でくるくる回りながら堕ちゆく小さなあたしの太陽だ。
そして手は届く。
だけど加速のつきすぎた状態のあたし達は立て直すだけの高度が無い。
「クッ……」
なんとか姿勢を水平に持ち込んでシールドを全開。
胸にルッキーニを抱え込んで背面から砂丘に不時着。
相当な衝撃を覚悟したんだけど、ルッキーニの方でもシールドをはってくれたお陰でたいしたダメージを受けずに済んだ。
「あはっ、ナイスフォローだ、ルッキーニ」
「それはこっちのセリフっ。助けてくれてアリガトね、シャーリー」
言いながらあたしのほっぺにキスするルッキーニ。
「ウジュ……すなっぽい」
「あっはっは。キスは基地に帰ってシャワー浴びてからだなっ」
「ウンッ」
「で、そこまで終わったらロマーニャの技術者連中に文句言ってやろうぜ」
「ウンウン、さすがにバラバラはないよっ! けちょんけちょんにいってやるっ!」
「うん、じゃ、帰ろうか。あたしのP−51Dはまだ飛べるからさ」
そういいながら、ルッキーニを抱えて立ち上がる。
「しゅっぱつしんこ〜」
こんなひどい目の後でもルッキーニは底抜けに明るい。
あたしはそんな様子に安心しながら離陸すると基地へと向かった。
うん、撃墜数のことに目をつぶれば、やっぱりあたしってすごいウィッチだよな。
この加速の力があればいつか公式記録で音速だって超えてやれるさっ!
果たしてたどり着いた基地はシャワーどころじゃなかった。
幾つかの陸戦部隊駐屯地に対してネウロイの爆撃が行われているらしい。
既にマルセイユ大尉も他の航空歩兵も出撃済み。
帰還したあたし達にも出撃命令が下ったんだけど、
「イタタ……」
ルッキーニは左足の付け根を押さえてびっこを引いている。
さっきの急激な左ロールで傷めたようだ。
「ルッキーニ少尉は残って安静にしてろ」
「エ〜、あたしも行く〜」
案の定駄々をこねる。
「その脚じゃ無理だって。上官の命令って事でちゃんと従っとけ」
「ヴ〜」
不満そうに頬を膨らますルッキーニ。そんな仕草も可愛いぞ。
「ささっと片付けてすぐ戻ってくるさ。だから脚治して待ってろって」
「きっとだよ。気を付けてね」
心配そうにルッキーニが見上げてくる。
その頭をくしゃっと撫でると少しだけ笑顔が戻ってくる。
「ああ、行ってくる」
そしてあたしは、慌しく装備を受け取ると青空へと飛び立った。
なんだかマーリンの吹き上がりが悪い。
さっきルッキーニを助けに不時着した時に砂を被ったのが原因かもしれない。
防砂フィルターつけてても半分砂に埋まっちゃ意味が無いか……。
戻ったらすぐに分解整備してやら無いとな〜とか考えつつ回転を抑え気味にして巡航。
すると行く先に黒煙があがっているのが見えてきた。
被害がでてるのか、急がないと……。
この区画の救援に入ったのはあたし一人だったと言うことを思い出す。
さっきの固有魔法発動で魔力も消耗してるけど人の命には代えられない。
エンジンの調子を心配しつつ出力を上げていく。
近づくにつれ地上の様子も見えて来る。
対空戦車や対空銃座が間断なく火線を打ち上げ、立ち込める黒煙の中を車両や人が走り回っている。
良かった、基地はまだ無事だ。
どうやら歩行脚装備の装甲歩兵も少数ながら配備されているらしく、爆炎の中に青白いシールドも見え隠れしていた。
この分なら見た目の雰囲気よりも被害は少ないかもしれない。
よくがんばった。後はあたしの仕事だ。
心の中で陸の連中にGJと親指を立てつつ仕事に取り掛かる。
爆撃コースに入った中型のネウロイの鼻先に機銃を打ち込んでけん制。
こちらの目論見どおり相手は回避機動の為にコースを外れる。
そのまま背後につけて爆撃型ネウロイへの攻撃に入ろうとすると、地上掃射を行っていた護衛の小型ネウロイ数機が上昇してくる。
そちらに気をとられると今度は爆弾を投棄して身軽になった爆撃型が対空攻撃に移行。
敵は撤退に入りながらもあたしへの攻撃の手を緩めなかった。
あたしは数に物を言わせて順繰りに攻撃位置については離脱する小型機のせいで爆撃型への攻撃位置につけなかったが、小型機が地上掃射を続ける可能性がある限りは爆撃型への圧力を弱める事ができなかった。
もう少し基地から引き離すまではこれを続けるしかないか。
ルッキーニがいればどっちかを任せて余裕で全部叩き落とせるってのになぁ……と、愚痴ってもしょうがない。
エンジンの吹き上がりも悪くて瞬発力が出ない、一人ぼっちのあたしにできる事はけん制に徹して基地から敵を引き離す事くらいだ。
緊張を強いられる飛行が暫く続く。
無心で機動を繰り返し、火線を避け、隙を見て射撃位置につける。
地平線から黒煙を視認出来なくなるまで離れた所で攻撃の手を緩めて離脱。
案の定ネウロイもこちらを追っては来なかったんで一安心。
気がつくと陽は傾きかけていた。
「こんだけ頑張って撃墜0ってのは滅入るよなぁ」
一日中飛び回ってクタクタになった身体に「帰ったらルッキーニとシャワーでキャッキャッウフフ」だっ!と気合を入れて方位を確認しようとした矢先、エンジンが息をつき始めた。
オイオイちょっと待てよ。帰ったらしっかり整備してやるんだからこんな所でヘソ曲げるなよな。
と、文句を言っても始まらない。
どうにかしてエンジンの回転を上げようとするけどなんだか込めた力が空回りしているような感じだった。
徐々に高度が落ちて300フィートを割る頃には流石のあたしも焦ってくる。
「くっ……回れ、回れ、回れっ!」
ボフッ、と嫌な音がして煙を吹いた。
がむしゃらに魔力を注ぎ込んだのが災いしたみたいだ。
エンジンが息を吹き返したのはいいけど、同時に魔力供給過多に陥って弱っていた右エンジンがブロー。
何とか体勢は維持するもさっきからギリギリの飛行をしていたあたしとP−51Dはあっという間に高度を落とす。
地面が30フィートまで迫った辺りで覚悟を決めてシールドに集中。
そして、シールドが地面を削る途中でエンジンが止まり、シールドが消失する。
「!!!」
あたしは何十フィートも無様に砂丘をを転がり、半分砂に埋まって停止した。
「ぶはぁ、一日に二度も不時着なんてついてない」
本日二度目の不時着でズボンの中まで砂だらけ。
転がってきた方を見るとかなりいいかんじに砂をえぐった跡がついてる。
まぁあれだけ転がってちょっと体が痛い程度で済んでるんだから不幸中の幸いって奴かな。
そこではたと気付いた。
ぶちまけられた装備品が転がった後に散らばってる。
慌てて確認する。
通信機、無い。
コンパスも、無い。
これはちょっとついてないどころの話じゃなくなってきたぞ……。
あたしは途方にくれて夕暮れの空を見上げた。
とりあえずはここまでとなります。
やっぱりリベリアンはフィートやポンドでもの考えるんだろうな〜
と思って単位調べながら書きました。
>>561 GJ!!と、イベント会場から書き込むというカオスw
シャーリー格好良すぎる。
さて、実況は自重するとしても、スレ民がどれだけ来てるのかは気になるな。
一段落ついたらどっかで集まれれば面白いんだが……
一段落してることはしてる気がするが帰っちゃってる人多いんじゃ
めぼしい処は即完売で一段落したから航空祭に向かってる訳ですが…天気悪ー
百合やギャグ系とそれ以外の割合はどんくらいだった?
誤爆・・・だけどまあいいか
男が出てきたのは即座に記憶から抹消したので正確にはわからんが……
ギャグと百合率はかなり高かった。予想以上。
多分百合4:ギャグ4:男2くらいは来てたね。
帰って戦利品チェックするのが楽しみだ。
テンション上がったし、帰りの電車でまたSSでも書くしか!
>>568 ほお、それは嬉しい傾向だな
まあオンリーに出るくらいのとこならそうか
冬や夏だと一気にエロが増えるんだろうけど
やっぱオンリーにでるとこだとある程度わかってんだなあ
すばらしいわ
もう委託してるとこも多いな
めんどうだから通販でしか買えんが、健全本もけっこうあっていい感じ
あぁ…行きたかった…としか言い様がねえ…
委託みてまわるか
ところでクミチョウって人は本出したのかなぁ。
くみちょうさんは知らないがにんげんさんは居たよ
オンリーより帰還&戦利品チェック完了
24冊中22冊年齢制限なしというさわやかぶり
…うそです。おっぱが表紙にでーんと描かれてるのが買えなかったチキンです
買った中で百合率は80%以上。我ながら大勝利
R18の百合本とかは逃したのでおそらく全体でも半分以上は百合入ってると思われます
ギャグ本も結構百合入ってますね
特にエイラーニャと芳×ゲルトが多くてこの組み合わせが面白い
エイラさんは言うまでもないけどゲルトさんも結構ヘタレでw
リーネちゃんはどのサークルも黒いです。ブラックリーネ大好きなのでご褒美だけど
意外と女性が描いてるとこ多いのね
売り子かなとおもったら色紙描いてたし
コスプレや普通に買いに来てる女性もそこそこいた
コマンドーの人か…
委託されてんのかな…
俺も行きたかったよ…
委託を待つか…
仕方ないからSS投下の準備してくる
労働からようやっと開放された自分参上
帰ったらあのSSの続き投下するんだ…
今日の収穫ちぇっくしたが濃いめの百合(肉体的ってより精神的にね)を描くのはやはり女性作家ナンダナ..
エーリカコスの子かわいかったな。でも大将はぱんつ芳佳
サルミアッキを大量に眼にしたいちにちでした。
オンリーから無事帰還、以外に女性の姿があったの安心感
京極しん氏の新刊がなにげに少佐×隊長でうれしい
茶のみ童子氏が新刊落として涙
藤枝雅氏の新刊完売で大泣き
最後までねばったコピー誌は並んですぐに完売、置いてあった肝油だけ食べた
目当てがあらかた完売、もしくは落として7冊だけしか・・・orz
でもめげない!私には自転車で20分の所に「とらのあな」があるから!
委託まで待つ!
でも一番悔しいのはシャッキーニが無い事だった、鉄板じゃないの?
滝川師匠!シャッキーニは鉄板ですよね?王道ですよね?
そう信じたい・・・
>>580 昨日の某オンリーのノリでフラッと行ったら男性率の高さに軽く涙目w
やはりファーストインプレッションのせいなのか…でもさすがにオンリーに出す方々はわかってらっしゃる!8割方は百合意識してるかんじでしたね
エイラーニャ本でよさそうなのあった?
委託されたら買いにいきたいんだけど
>>580 俺は藤枝さんの所は買えたけどKOHARUCYAHAさんとあかねのねさんの新刊買えなくて泣いた
開始10分で完売じゃ一人じゃ無理だわ…どれか1つしかいけない
エーゲルはあったのだろうか
とりあえず明日はとら見に行くか
あるかわからんが
>>580 シャッキーニどころかシャーリーはちょっと期待してたトコも普通エロでor2
シャーゲルとか盛り上がっちゃってるココはもしかしてストパン百合同人界では最先端過ぎるんだと痛感したお
>>582 ジャンル的には一番サークル多かったけど大半がコピ本だったからor2
そのぶん冬に期待セヨ!でした。
あ、委託してるエイラーニャ本は全部オヌヌメです。
やっぱ女性作家さんが書くのは基本百合モノなんだなあと思ったが
たくみなむちさんの前回の同人は男絡みだったのよねえ、哀しかった
女性作家さん全員が百合描くわけじゃないのよねえー
コ、コスプレとな……!?
それはそうと、そろそろ次スレの季節ダナ
まあまだ600レスもいってないんだが
589 :
滝川浜田:2008/11/03(月) 22:00:44 ID:5LzswCJh
>>580 シャッキーニは王道!鉄板!全くもってその通り!
そんな悔しさをぶつける為、残り容量もアレなのに二本立て投下します!
吹き荒ぶ嵐の中をルッキーニとバルクホルンは飛び続けていた。
―――platinum 第3話「恋心」―――
「ルッキーニ、お前は強いな」
「なに、いきなり」
「リベリアンの為にここまでやる強さだよ」
「だって、あたしシャーリーの事好きだもん。
大尉はシャーリーの事嫌い?」
「…嫌いでは無いな。ギャーギャーやかましいが、いるといないでは結構違うしな」
「さすがシャーリー、みんなから好かれてるんだね」
「…お前の好きと私達の好きでは、少し違うのでは無いか?」
バルクホルンの言葉に、ルッキーニは真剣な顔付きになる。
「そう…なのかな。
なんだかシャーリーの事想うと、胸がドキドキするんだ」
「それは恋ってやつだな」
「…恋?」
「ああ。誰かの事を想うとドキドキするというのは立派な恋だ」
「…あたしがシャーリーに…」
「まあ、今はそれより、リベリアンを助け出すのが優先だ。
それからの事はリベリアンを助け出した後に考えるといい」
「そ、そうだね…!」
(フッ、本当にリベリアンが好きなんだな…)
>>587 適当な男が出てくるのは悲しいが、
ミーナさんの過去の男の人みたいな、
その人にとって特別な人である、という描写が出来るなら男が絡んできても良いと思う
>>587 え!!!たくみなさんって女性だったノカ??
男絡みは悲しいけど、絵のキレーさが悲しさに勝った結果結局購入or2
(あと男の扱いが殆ど道具みたいだったからギリOK)
コスはおずぼん気になったけど正視でけへん
―――――――――――――――――――それから数分後、ルッキーニが海上に浮かぶ何かを見つけた。
「ん?ねえねえ、なんかあるよ」
「あれは…リベリアンのストライカーユニットだ!」
「えっ、っていう事は…!」
「ああ、恐らくリベリアンはこの近くにいる。
あれからそれほど時間も経っていないはずだ」
「シャーリー!」
「ちょっと待て!」
「なっ、なに!?
シャーリーが近くにいるかもしれないんだよ!」
「勢いだけで行ってしまったら、私達まで迷ってしまう。
そうなれば、リベリアンを助けるのは愚か、見つけ出す事さえ困難になってしまう」「それは…」
「ここは冷静になるべきだ。
焦る気持ちは分かるが、ここで焦ってしまっては元も子もない」
「………分かった」
「よし、聞き分けの良い子だ」
そう言うと、バルクホルンはルッキーニの頭を撫でる。
「ねえ大尉」
「なんだ」
「…シャーリー…生きてるよね」
バルクホルンは小さく笑う。
「お前が信じてやらなくて誰が信じるんだ?」
「大尉…そう…だよね…!」
「ほら、行くぞ」
「…うん…!」
(待ってて、シャーリー…!あたし、絶対シャーリーを助けてあげるからね!)
…うわあ、すっげえ雨だ…。
全然止む気配が無い…。
雨が冷たい…
…あたし、このまま死ぬんだなあ…。
―――platinum 第4話「涙雨」―――
人間死ぬ時って、どういう感じなんだろう。
そんな事は何度だって考えた。
レーサーの時だって、そして今だって。
生きているうちは死の恐怖なんて常につきまとって来るもの。
そう、割り切ったつもりだったのに。
怖い。
今更になって死ぬ事が怖くなってきた。
おいおい、いくらなんでも往生際が悪すぎだろ、あたし。
そう言い聞かせても、やっぱり死ぬ事が怖い。
怖くてたまらない。
嫌だ。
死にたくない。
涙が、止まらない。
なんだよ、やっぱり怖えんじゃん、あたし。どんだけ臆病なんだ。
あたしはまだやり残した事があるんだ。
まだ速さを極めてないし、まだ遊び足りない。
飯だってまだまだ食い足りない。
それに…
ルッキーニにまだ、想いを伝えてない。
それまで…死にたくない。
死んじゃ…いけないんだ…
ルッ…キーニ……お前に…まだ……
―――――――――――――――――――(シャ…リ…し…て…)
……あれ おかしいな…ルッキーニの声がする…。
(ま…ある…あげる…ニ…)
…ありゃ、堅物の声まで聞こえてきた。
ハハハ、こりゃ本格的にヤバいかもな…。ありもしない幻聴聞くなんて。
ああもう幻でもいいよ。
ルッキーニ…。
あたし、お前の事…ずっと…
好きだったんだ…
以上です。シャッキーニがマイナーと思われてる事自体非常に由々しき事態だと思うんだ。
くそう、自分に絵心がありゃなぁ…
…というワケで爺はここら辺で…
あと容量食って申し訳ない。
次スレってもう立ってるんだっけ?
>>594 リロードしてなかった、途中割り込みすいません……
じっちゃんホントにスマソ
>>595 立って無い。立ててもイイカナ?
>>592 女性作家という事実もさることながら、ストパニの漫画書いてた人なんだと知ってショックが倍増しましたorz
今回は出ていなかったようですが、冬コミでは百合モノを出していただきたいですよね。あの絵柄は素晴らしい、とても綺麗
>>594 やっぱシャーリーは本編で一切そんな描写無かったから
かなりノーマルなイメージしか無いんでしょうね。周りのキャラがこれまたガチっぽいというのもあって
ルッキーニとの関係もよく親子と形容されてますし
シャーリーが百合キャラとして盛り上がっているのは、ネット上のここか本スレだけだと思います。悔しいことですが。
ストパニの漫画って言っても、単に仕事として請け負ってただけだから
別に百合好きというわけじゃない。手がけてるのは基本的にヘテロ物の方が多かったはず
ホスト奇声されてたお...
どなたかお願いもうしあげます。
>>598 あのやわらかい感じはやはりそうだったのですね。
雅さんとかみたいな例外な方もいらっしゃるからわからなかった。
でもみなむちさん位になると自分の好み云々+ビジネスな部分も出た結果
ガチ男性向けになったと思いたい><
>>599 いちおうそれもわかってはいたんですがね…やっぱダメージは大きかった
ま、そこは割り切るしかないですよね
あと、スレ立ては
>>597さんにお願いしてよろしいのでしょうか
>>583 あるある
藤枝氏の並んでたら他の目当ての本完売で涙目w
あーリロードしてなかった
>>600失敗ですかあ…
誰か立てられる方、おられませんかね…
立てられるか、行ってくる
>>605 超乙!
最近失恋ものしか浮かんで来ない…
シャッキーニは障害が無さ過ぎて話が作りにくいとか
イベントはカプだとエイラーニャが圧倒的だったな
あとは芳佳リーネゲルト絡みが多かった気がする
エイラーニャの裏では黒リーネと変態お姉ちゃんゲル芳が多めだったかな...
一瞬エロに見える表紙の中身ギャグ本のクオリティが高かったヤバかった
帰ってきたら次スレか……まるで本スレを見ている気分だ
>>605乙
個人的にはエーゲルが意外と多かったのが嬉しかったね。
変態お姉ちゃんも多かったけど、他カプ本のサブカプとして
エーゲルが使われてるのが多くてホクホクだ。may系サークルは特に顕著だな。
エイラーニャ率高すぎて薄れてたけどシャッキーニも確かにあったよ!!全部コマの隅ばっかだけど。
あともっペリが数冊あったけど二人がちゃんと結ばれる話がホントに1つもなくて吹いたww
何はともあれ百合住民大勝利!!なイベントだったよ。
開場混乱中誤って男が出たりBURN(ryな本を数冊買ってしまって処分に困っているがそれ以外は実に良かった。
てか、天下の公式サマが百合志向なんだから、男絡みの同人なんか有っても気にならない
そんなの描いてる方が作品世界を理解してない異物ってことなんだから鼻で笑うだけさ〜
じつはちょっとだけふたゲル本欲しかった...完売だったけどw
ノマカプはこういうえっちなかっこした女の子が戦うアニメだもの。大目にみようよ。
ついつい男絡みの話や同人にイラッとくる人
>>612みたいに考えると本当楽な気分になれるぞ
百合紳士だって他作品等で普通に考えたらノンケキャラで百合妄想するし
お互い様ってことで。
赤城艦長と坂本さんが囲碁とか将棋してて
そこに芳佳がお茶をもってって…
みたいな同人なら読んでみたい
みんな股間督の言葉を思い出せ
「そのへんの男にうちの娘はやらん!」だぞ!
だから
>>612は間違っていない!
あとはファビョって他人様に迷惑かけなければいいのさ
エロパロ板まで出向いて文句言っちゃう奴は痛いけどナー。あれほんとやめてほしい。
>>612の言い分は全くもって正しいんだが、
他スレ見てると改めて自分たちのマイナーさ加減に気付かされるというか……。
まあ気にしないでスルーするのが一番、というのが何よりの真実だな。
ところでエイラスレに何か来てるみたいだな。童話系ネタは心が癒される……。
>>614 DVD版で胸が出るのもイラっとくる漏れ異端者。そのせいでDVD買ってないしw
サービス精神旺盛なのは嬉しいんですが、それを見て間違った認識をする方がいると思うと…な気になってしまいます。
我ながらキモいと思ってるので、気分害される方いたらスマソorz
マイナーを嘆くなんてくだらねぇぜ!
>>620 湯気が全く無くなってるんだもんナw
もうちょっとうっすら見える...って程度で全然良かったとおもうよw
芳佳が生生しくてお姉ちゃんがムラムラする気持ちがなんかわかるw
例え好きなCPがマイナーでも好きだって言う強い愛さえありゃ、それだけで良い。
シャッキーニが好きだってシャーゲルが好きだって良いじゃないか
シャーリーって501全体通しても最も百合的な表現がなかったキャラだけど
『惚れっぽい』って要素とお気軽な国柄リベリアン設定のせいで簡単に常識のハードルを
乗り越えていってしまいそうな期待を抱かせるんだよねぇ...
シャーリー×ルッキーニは余裕
シャーリー×バルクホルンもこのスレの影響で妄想できるようになった
だが他の組み合わせはなかなか妄想が難しい…
もっさんがお父さん。
ミーナ隊長がお母さん。
ゲルトお姉ちゃんが生真面目でちょっと怖い長女なら、
シャーリーは優しくて面倒見の良い次女って感じがするなぁ。
シャーリーネとかシャーペリとか好きだけどね。
作者さまのクオリティでだいぶ妄想できるようになったよね<シャーゲル
そしてお姉ちゃんをますます可愛いと思えるようになりました!その裏でもっぺりバナナみたいなえげつないエロもすきなんだけどねw
ここの職人さん凄いな。妄想は次々わいて来るんだが、文才なくて文章化できん。orz
マイナー好きが埋めネタに501内で発見しても、そっとしておきたい秘密を妄想爆発した。
もっさん×ルッキーニ
もっさんがスキップできないのを悩んでいて、隠れて練習している。
隠れ家で見てたルッキーニが一緒にやって教えてあげる。
シャーリー×リーネ
シャーリーがリーネのストライカーを整備してあげてる。
お返しにリーネがシャーリーの服のほつれを、隣で繕っている。
ペリーヌ×ゲルト
ペリーヌがこっそり造花で内職してる。
偶然見つけたゲルトがクリスの見舞いついでに、ペリーヌの納品に付き合って外出してる。
芳佳×ミーナ×エーリカ
芳佳が故郷の文化として演歌を二人に教えている。
なぜか歌のうまいミーナより、エーリカの方がコブシがきいている。
エイラーニャ
サーニャがエイラをソンナ目で見ている。
異色の組み合わせばかりだが、このスレの職人さん達のおかげでエイラーニャは鉄板になった。
余談だが、ペリーヌが
「高貴なガリアの貴族であるわたくしが、お金に困るはずありませんわ」
とか言っときながら夜中にひっそり部屋の明かりをつけて、せっせと造花組み立ててたら萌える。
このスレの居心地のよさは異常
容量も少なくなってきたところで。
ミーナ×リーネを妄想するとしたらどんなシチュがあるかな?
頑張って妄想してるんだがどうも進まん…
リーネは指揮官向きらしいからそれに必要なこと教えるためにミーナさんが自分の仕事手伝わせたり個別授業とかで二人っきりに
仕事できる人ってかっこいいなーとか思いながらミーナさんを見てたら急に二人っきりであることを意識してしまって頬を赤らめるリーネ
まで妄想した
エイラ「リーネ、モイモイ!」
リーネ「ひゃあ!なんで突然胸に触るんですかエイラさんっ」
エイラ「何言ってんだ。スオムスでの挨拶はこうするんだぞ。」
リーネ「手をわきわきさせるはいいとしてなんで胸を」
エイラ「あー、悪い悪い手がすべっちまってさ。まあキニスンナ。ほれもういっちょ、モイモイ!」
リーネ「…やめ、やめてくださいエイラさん…っ…なんで両手で…きゃあっ」
エイラ「やー、おっきいからなぜか手が当たってしまうなーでも仕方ないよなー」
リーネ「ひ、ひどいです…」
って感じのSSをだれかひとつ
>>634 ダメだ、リーネイラを想像しているはずなのに
物陰からエイラに黒い視線を送り続けるサーニャの顔しか浮かんでこねぇww
病んだら一番怖いのは誰か考えたとき、もしかしたらリーネより
サーニャのほうがヤバイかもしれないという妄想
※埋め美緒ミーナ・絡みあり
考え付いたらその場で行動してしまわないと気が済まない。次の瞬間には機会はもう失われてしまう
気がする。そう言う状態のことを猪突猛進と、私の国では昔から言う。前しか向いていないから、
右にも左にも曲がれない。猪のようにひたすらに、前へ前へと進むだけ。「あなたは本当にまっすぐ
ですね」と、その頃はまだそこまで親しくもなかった彼女に言われたことがある。年下の上官である
ところの彼女は私よりもよっぽど大人びた表情を浮かべて、まるで小さな子供を諭すかのように
そう言い放ったのだ。
今にして思えばそれはもしかしたら精一杯の嫌味だったのかもしれないけれど、私はさほど気に
留めなかった。たぶんいつもどおりに笑みを浮かべて、うっかり礼までも述べてしまったのかもしれ
ない。そう言う風に当て推量できるのは、直後の彼女の表情をよく覚えているからだ。「仕方のない
ひと」と言わんばかりに肩をすくめて小さく微笑んだ彼女のその顔は、歳相応に柔らかくてそれは
それは綺麗だったから。
それからまた時を経て、私と彼女との距離はそのころよりもぐっと縮まった。それは階級の近さや
部隊での立場上と言ったところもあるのかもしれない。それでもその、真面目で堅実な彼女の表情が
崩れて幼くなる瞬間を目の当たりに出来るようになったことは私にとっては何よりも幸福だった。
いつだって厳しく自分を律しているようでもあった彼女が、私がファーストネームで呼びかけた途端に
まるで重い外套を脱ぎ捨てたかのように甘えたような態度を示してくれることも、なんとなく、嬉しかった。
そしてたぶん、私も彼女に対してだけははばからずにわがままを言うようになったのであろうと思う。
今日一日の仕事を終え、部屋での瞑想を終えた後ふと彼女のことを思い出した。そう言えば今日は
まだ朝礼以外で顔を合わせていないなと思う。昨日書類がたまっているとこぼしていたから、今日は
一日それに追われていたのかもしれない。
会いたい、と思った瞬間と、自室をあとにした瞬間が多分、同じだった。
思い立ったらすぐ行動するばかりか、私は行動したあとに物事を思い立つのかもしれない。そうおどけ
て言ったなら、彼女はまた仕方のなさそうに笑むのかもしれないと思った。だってしょうがないじゃないか、
私は本当にまっすぐなんだから。
迷うこともなく通路を歩いていって、すぐに彼女の部屋にはたどり着く。ノックをすると向こうから、
『どうかしましたか』と仕事仕様の彼女の声。なんでもないんだが、と私は答える。
「何をしているところだ?」
「もう、寝ようと思って」
「そうか、わかった」
答えたのと、有無も言わさず扉を開いたのが、またしても同時だった。サイドチェアの上に据え置かれた
ランプがぼんやりとした明かりを放って、彼女の美しいシルエットを映し出している。
「やあ」
私は笑った。
「…こんばんは」
一拍置いて、彼女が答える。
「無用心だな」
「いま鍵をかけようと思っていたんです」
「その格好でか?」
「もう、すぐ、寝るところだったんです」
言いながらうつむくのは、羞恥に顔を染めているからだろうか。暗がりでよく見えないから、そう言う
ことにしておく。
ベッドの脇に立っている彼女は、彼女がいつも寝るときにそうであるようにその体に一枚の衣服も
身につけておらず──端的に言ってしまえば裸、だった。
「いけないな。鍵はきちんと閉めなければ」
言いながら後ろ手で、鍵を閉めた。がちゃん、と鍵の掛かる音が静かな室内にやけに大きく響く。
「誰かが入ってきたらどうするつもりだったんだ」
ゆっくりと部屋の奥に入り込んでいって、彼女の目の前まで行って。
顔を見やる。赤い瞳が戸惑いに揺れている。けれどどこか、何かを期待しているようでさえある。私は
それを、自分勝手にも前向きに捉えることにした。
「…こんな時間に、無理やり押し入ろうとするのなんてあなたぐらいだわ、坂本少佐」
「今は勤務時間外だ。階級付けで呼ばれるいわれはないぞ、ミーナ」
でも。
何かいい応えようとしたその唇を自分のそれを持ってふさぐ。歯列を舌で叩いて開くように促したら、
いとも容易く最後の扉は開かれた。舌を入れて更に深く口を吸う。どうしてって、そうしたいと思った
からだ。
唇が離れると、ミーナの瞳は潤んで熱っぽくなっていた。そのままへなへなとこちらに倒れこんで
くるのを見やってそれを抱きとめて、そしてそのまますぐそこのベッドに横たえる。
みお。ミーナが私の名前を呼んだ。よくできましたとばかりに軽く口付ける。離したら今度はあちらの
ほうから口付けてきた。
「どうしたの?」
尋ねる声は、何だか甘くて、幼い。それは私の耳が今どうかしているからだろうか。そんなことはどう
でもいい。私にはそう聞こえるんだから関係ない。
「なんのことはないさ」
笑いながら応えた。私の体の下で、一糸まとわぬ姿でミーナが荒い息をついている。これでもう一目
瞭然ではないかとさえ思う。
「君を抱きたくなったんだ」
それは当初の目的と多少ずれている気がしたが、それは非常に瑣末な問題のよう気がした。右手で
豊かな胸に触れれば、それはひどく柔らかく温かく心地よく手のひらの中で形を変える。別にどこかの
誰かのように大きな胸に対する特殊な嗜好があるわけではないと思うがこれは良いものだ。なにより
も、触れるたびに変わる表情が、びくりと敏感に震える体が、ひどくいとおしくていじらしい。
私もまた、ベッドに横たわってミーナと向かい合う。胸を揉みしだきながらその頂を指で引っかくと、
声にならない声を上げて彼女の体が大きくのけ反った。イッたのか、と尋ねるとぷいと顔がそらされて
しまった。その顔は真っ赤に染まっているのに、実際のところ彼女の手は私の首に回されていて、
離すまいとしているのだ。
それだから、やめて、と可愛らしい声を漏らしているその口は、唇でふさいでしまう。
「みお、み、お…」
そう繰り返す頃には彼女はすっかり出来上がっていて、甘くとろけた声でむしろ私を求めてきているの
だった。
普段は毅然として、それでも包み込むような優しさを持ってこの部隊を取りまとめているこの少女が、
夜はこんなにも乱れて可愛らしい姿を見せることを一体他の誰が知っているだろうか。誰も知りは
しないだろう。そして私も誰にも教えはしない。
すべすべの肌を堪能しながら、ゆっくりと片方の手を下のほうに伸ばしてゆく。すでに濡れそぼった
そこに触れたら、嬌声がひときわ大きくなった。いやいやと首を振って「やめて」とそこに触れる私の手を
押さえる。
「だめ、へんになっちゃ、う、から」
「なればいいじゃないか」
「や、そんな、はずか…あんっ」
残された手で顔を覆いながら、そんなことをいうミーナのなんと可憐なことだろう。こんな情事のその
最中に、彼女は一番幼く見える。
蜜壷に指を差し入れた。かきまわすと先ほどの口付けとはまた違う色をした水音が部屋中に響き渡る。
ミーナはと言うともう答える気力もないようで、私の指の動きに呼応してひたすら喘ぎ声を上げるだけだ。
その間にも口で彼女のふくらみのひとつを愛撫して、もうひとつのふくらみは空いた手で揉みしだいて
弄繰り回すことはやめない。彼女の体と来たらどこまでも柔らかで温かで心地が良くて、触れている
だけでもひどく快い気分になれる。
みお。
彼女がまた、私の名前を呼んだのでどうしたんだと口に耳を寄せた。触れるほどに近づけると、荒い
息が耳に掛かってぞくぞくする。
「わたしだけっ、はあ、こんなかっこう、で、ずるい、みお」
「ずるいも何も、君は最初からそうだったじゃないか」
「でもっ」
「…やれやれ、仕方がないな」
中に挿入していた指を抜いて、ふうとひとつため息をついて体を起こした。彼女の蜜で濡れた指を
一舐めするとミーナの顔がまた羞恥に染まる。
それから、私も衣服を脱いだ。寝巻き代わりの着物は、帯を緩めればすぐに脱ぎ捨てることが出来る。
「これでいいのか?」
答えを聞く前に、ミーナに覆いかぶさった。胸と胸、腹と腹、足と足。直接に触れ合うと、先ほどよりも
ずっと心地よい。膝を彼女の股間にこすり付けると熱い蜜で濡れた。切ないのだろうか、無意識に腰を
動かすミーナ。
私は再び右手を舌に下ろしていって、指をそこに挿し入れた。…今度は、二本。ひゃうっ、と言葉に
ならない声を上げてミーナが私にすがりついた。体と体とかこすれる。それがまた私に、恐らくはミーナにも、
快楽を連れてくるのだった。
「みお、や、だめ、わたし、もお…っ!!」
その叫びを以って、私は彼女の絶頂の近いことを知る。ぎゅうと体を抱きしめて、深く深く口付ける。
そして彼女の中にある指で、その天井を引っかく。
その瞬間、ミーナは大きな声を上げて、ぶるる、と大きく体が震わせて。
私の腕の中で、果てた。
*
小鳥のさえずる声が聞こえる。目を覚ますと空はすっかり白んでいて、朝の訪れを告げていた。
ああ、訓練に向かわなければならない。そう思って体を起こした瞬間、自分が何も身につけていない
ことに気がつく。そう言えばここは自分の部屋ではない。
視線をめぐらせて、最後になってようやっと、私は自分の傍らにある温かいものを見やった。灯台
下暗しと言うやつだ。大切なものはいつだってそばにあるのだ。
そこには赤毛の少女がいて、すうすうと穏やかな寝息を立てているのだった。『少女』といったら
もしかしたら彼女は「もうそういわれる歳じゃないわ」と反するのかもしれないけれど、私からして
みれば彼女はまだまだ幼い、少女そのものだ。だってこんなにもあどけない寝顔をしているのだ。
小さく笑って、その額に口付けた。その瞬間に彼女の目が開いて、赤い瞳の中に私の姿が映る。
「おはよう、ミーナ」
「……おはようございます、坂本少佐」
「不機嫌だな」
「誰かさんのおかげで、体がとてもだるいのです」
「さあ、だれだろうな、それは」
肩をすくめて笑いながら今度は口にキスをする。けれどもミーナの表情は憮然としたままだ。
「…あなたは、ずるい。人を弄んでばかりで、いつも余裕ぶっていて」
「私はいつもまっすぐに生きているよ。それは君が一番よくわかっていることだろう?」
「だから、やっかいなんです。誰にでも同じことをするくせに」
「ひどいな、それは」
君だけだよ、と繰り返しても恐らくミーナは信じてはくれないのだろう。ミーナだからあんな夜でも
会いたいと思ったし、受け止めてくれると思ったから部屋に行ったし、それが嬉しかったから抱いた。
胸をよぎったその劣情さえも、ミーナならば受け入れてくれるだろうと確信していたから。
「君ももっとわがままになればいい。私も遠慮なくわがままを言うから」
「…本当に、仕方のない人」
「はっはっは、それも、受け止めてくれる人がいてくれるからこそさ」
じゃあ、ひとつだけわがままを聞いてくれる?
尋ねられて、迷わず「いいとも」と返した。子供のような無邪気なその顔がひどく愛らしくて、思わず
頬に口付ける。ここまでして愛情を示しているのに、どうして彼女はそれを疑うだろう。
「もうすこしだけ、ここにいて」
身を寄せて唱えられた彼女の精一杯のわがままを、まあ今日くらいはきいてやろうと私は再びベッドに
体を滑り込ませた。