「うーん…」
おとなしくなったことはありがたかったが、なんだかシュンとしている紗子がかわいそうに思えて、侑香は少し困って天井を仰ぐ。それからふと横を見ると、ザルに上げていた苺が目に入った。
「さぇこさん?」
「ん…?」
紗子が顔を上げると、目の前には赤くておいしそうな苺。
「はい、あーん」
侑香の声に促されて素直に口を開けて苺を迎え入れると、口の中で甘酸っぱさが弾けた。
「おいしい?」
「うん」
楽しそうに笑う侑香に、紗子もうれしそうに微笑む。
「ゆーかさんも、はい」
紗子も一粒手にすると、侑香の前に差し出す。
困ったように笑った侑香は、せっかく直ったご機嫌を損ねてはと仕方なく口を開く。
「あ…」
一瞬そのまま侑香の口に入るかと思われた苺は、紗子の意地悪な笑いとともにヒュッと引っ込んでしまう。
「ほらぁ」
いたずらっ子のような笑みを浮かべた紗子は、苺を近付けたり遠ざけたりして遊ぶ。
「ふふっ」
侑香も紗子に付き合って、その苺を追いかけて口を開いたり閉じたりパクパクしている。
右手で苺を持った紗子は、危ないと判断してコンロの火を左手で消した。
紗子の動きが止まったその一瞬を見逃さず、侑香がぱくっと苺を捕まえる。
「あー、ゆーかずるい」
「んふふ〜」
満足そうな笑いを紗子に向けて、侑香は再び調理台に向かう。
「あ、さぇこさん火消したの?」
「危ないと思って」
「ん」
言いながら再びコンロのスイッチをひねろうとした侑香の手に、紗子の手が重なる。
「ねえ、ゆーか…」
普段より少し低めな紗子の声が、侑香の名を呼ぶ。
「…だめだよ、さぇこさん」
それがどういう意味なのかわかるから、侑香は苦笑いで紗子を見やる。
「だめ…?」
紗子の瞳は切なそうに潤んでいて、それは甘えるような声とともに侑香の心をぐらつかせた。
「…っ」
慌てて視線を外すと、ドキドキする心臓を落ち着かせようと侑香は調理台に手をつく。
「…ゆぅ、ごはん、つくるから…」
「うん…」
うんと言いながら、紗子の手は侑香の腰に回され、その唇は肩口に押し付けられる。
白い肌を軽く吸われ、侑香の背がピクンと跳ねる。
「っ……さぇこさんっ」
「ん?」
返事をしながらも、紗子は侑香の首筋に舌を這わせ、右手でなめらかな腿を撫でる。
「ゆぅ、料理しなきゃいけないんだか…らっ…」
紗子の左手がエプロンの内側へと滑り込み、キャミをたくし上げる。
そのままやさしくお腹の辺りを撫でている。
「うん…いいよ。邪魔、しないから」
「邪魔しないって…ひゃっ…!」
これまで立っていた紗子は唐突にしゃがむと、膝立ちの状態で侑香の脚に舌を這わせる。
ぬるっとした感触が膝の裏をなぞり、内腿へと上がってくる。
「やっ…やだ、さぇこさん…」
侑香は崩れ落ちそうになる身体を支えようと、必死で調理台に掴まっている。
やめさせなければと思うのに、うまく身体に力が入らない。
「ゆーか?お料理、していいんだよ?」
飽かずに内腿を愛撫しながら紗子が呟く。
「そっ…んなの、…無理ぃ…」
侑香の膝が震えている。
紗子は脚の間に手を伸ばし、下着をそっと撫でた。
「ゆーか、もう、濡れてる…」
ミニスカートの中を覗くようにして紗子が告げると、侑香は恥ずかしそうにぎゅうっと目をつむった。
「これじゃあ、料理なんてできないよね」
納得したように一人ごちて、紗子は下着の上から指を押し付けた。
「あっ…」
侑香の身体がびくんと跳ねる。
湿った下着をこすりつけるように指を往復させると、より一層の蜜が溢れ侑香の下着を濡らした。
「やぁ……ふっぅ…」
きゅっと閉じた唇から、こらえきれず甘い声が漏れる。
「気持ちいいの?ゆーか…」
「はぁっ…やめ、てぇ…」
紗子の指が侑香の突起に押し当てられる。
「あぁっ…!や、やだっ…」
「だってこんなに溢れてるし…。やだって言われても、ね…」
クチュクチュという水音が響いて、侑香は羞恥に下唇を噛んだ。
下着越しの愛撫がもどかしくて、息が苦しい。
「…さぇ、こさぁん…」
「ん?何?」
名前を呼ぶと、何もかもわかっているような声が返ってくる。
顔は見えないが、きっと笑っているのだろう。
「ふっ…ん…」
紗子の指が動くたびに湧き上がる快感。
しかしそれだけでは達することなどできず、侑香の腰が更なる快感を求めて震える。
「ゆーか?」
紗子の爪が、侑香の突起を軽く引っ掻く。
「はぁんっ…!」
一際大きな喘ぎが侑香のふっくらとした唇から漏れる。
「どうしたの?ゆーか」
「はあっ…やっ…」
切なげに侑香の眉が寄せられる。
「やだ…苦し…よぉ……」
もう緩やかな刺激だけでは我慢ができない。
直接触れてほしくて、侑香はやっとそれだけを告げる。
「ふぅん…。えっちだね、ゆーかさんは」
「んっ…」
囁きながら紗子の手が侑香の下着にかけられる。
それだけで、期待と不安に侑香の身体が小さく震えた。
「すご…ゆーか…。そんなに感じる?後ろからされるのって」
下着を取り払うと、侑香の秘部はすでにたっぷりと蜜を溢れさせていた。
そのことに悦びを感じながら、意地悪な調子で紗子が問いかける。
「そんなんじゃ…ないも…」
下半身を覗き込まれるようにして見られていることが恥ずかしくて、侑香の頬は一層紅潮する。
「さぇ、こさ……もう、見ないで…」
消え入りそうな声で、侑香が懇願する。
「料理中だとか言って…こんなになってたんだぁ、ゆーか」
「ひぁっ…!」
わざとからかうように言って、紗子は侑香の秘部に“ふぅっ”と息を吹きかける。
小さな叫びとともに、そこがひくりと収縮した。
「ほら、また溢れてきた」
「や、だ…そんなこと…」
「ん…」
「ひゃぁっ!!」
ぬるっとした紗子の舌が唐突に侑香の秘部に触れ、侑香は背を反らし喘いだ。
「っは…さぇこさ…んんっ…!」
溢れる蜜を舐めとると、ピンと尖った突起に舌を這わせる。
「ぁ……ん…」
心地良い快感に侑香の表情が緩む。
紗子の舌に愛されているという事実がうれしくて、でも恥ずかしくて、侑香の胸はたまらなく締め付けられる。
「ふぁ…もぉ、立ってられな…」
優しい舌の動きに煽られ、侑香の膝がカクカクと震える。
「んっ…ふっ…」
そんな侑香に構うことなく、紗子は次々と溢れてくる蜜を吸う。
侑香の表情をみることはできない。しかし反応する身体や声によって、侑香の興奮が伝わってくる。
「やだよぉ…さぇこ、さ…ぅんっ…」
「はっ…」
普段ベッドでするのとは違う、料理中の侑香を後ろから責めるという行為に紗子の息も荒くなる。
「んぅ…」
紗子を押しつぶさないようにと、侑香は必死で調理台にしがみついている。
そんな姿が愛おしくて、紗子はようやく唇を離すと、指先でそっと侑香の脚をなぞる。
「んっ…!」
「楽にして、あげるね…」
呟くと、ゆっくりとその指を埋めていく。
「あっ、待って…待っ……やぁぁ…」
侑香の内部は紗子の指を受け入れると、きゅうっと収縮して更に奥へと誘う。
「はぁっ…」
「ゆーか、中、すごい…」
うれしそうにそう漏らすと、紗子は侑香の内壁を軽く圧した。
「ひんっ…!ぁ、さぇ、こ、さ…」
「ゆーか…」
名前を呼びながら、侑香の中に埋めた指を蠢かせる。
「あぁっ…くぅ……も、だめぇ…」
侑香の膝がガクンと折れる。
紗子は、右の指はそのままに立ち上がると、左手で侑香の身体を支える。
「はっ…さぇこさん…?」
「大丈夫だよ、ゆーか…」
後ろから抱きしめる格好になると、紗子は侑香の首筋に優しく唇を落とす。
「んっ…」
一瞬気が緩んだ侑香を確認して、一気にその指を押し進める。
「はっ…ぁ」
奥深くを押し上げると、侑香の腰がびくんと跳ねた。
紗子は侑香にぴったりと身体をくっつけ、崩れないように支える。
「ゆーか、かわいいよ…」
「んッ…んッ…」
甘く囁きかけながら、紗子の人差し指と中指が侑香の感じるところを突いていく。
侑香はもう、その感覚に耐えることで精一杯で、薄く開いた唇から苦しげに息を漏ら
している。
「…ゆーか…」
「…っあ…ふぅっ…」
紗子の指の抽送に反応して、侑香の表情は艶っぽく歪む。
「んっ…ここ、いい?」
「ひぁっ、ん……そこ…だめぇ…」
侑香は紗子の指が奥を突くと苦しげに眉を寄せ、その指がぎりぎりまで引かれると切
なそうにうっすらと目を開く。
しかし紗子は背後に立っているため、侑香にその姿を捉えることはできない。
そのことが、侑香の胸を寂しさで塞ぐ。
「っ…さぇ、こさん…」
「ん…ゆーか…?」
侑香を支える紗子の腕に力が込もる。
しっかりと抱きしめたまま侑香の肩に顎を乗せると、頬と頬が触れる。
そうされることでやっと訪れた安心感に、侑香の頬が緩む。
「っは…どうしたの?」
優しく尋ねる紗子。
何も言わなかったのに欲していた行動をしてくれる紗子に、侑香は微笑んでかぶりを振る。
「…なんでも、ない」
「……ヘンなの、ゆーか」
紗子も小さく微笑むと、再びその指の動きを再開させた。
「あぁっ…!さぇ、こ…さっ…」
先程までよりも激しい責めに、侑香が白い喉をのけ反らせて喘ぐ。
「やぁ…はげし…よぉ…」
「かわいいよ…ゆーか」
「ひんっ…ぁ、あぁっ……」
挿入されている紗子の指に、侑香の内壁がきゅうっと吸い付く。
そのたびに紗子は、自分の意識がどこかへ行ってしまうように感じる。
「やぁっ……さぇこさぁん…」
甘く掠れた声で名を呼ばれ、上気した横顔を眺める。
切なげに寄せられた眉、熱っぽく潤んだ瞳。
自分がされているわけでもないのに、紗子の中には確実に、甘い快感が生じていた。
「はっ、ぁんっ…」
紗子の指が侑香の内側を擦り上げると、侑香は切なそうに熱い息を吐き出す。
「ゆーか…」
耳元で囁くと、それに応えるように侑香の内部が紗子の指を強く締め付けた。
「あぁっ、さぇ…こ、さ…」
限界が近いのだろう。侑香は激しすぎる快感を逃がそうとするように、身体をくねら
せる。
「さぇこさ…も、ゆぅ…だめぇ……」
侑香の唇が震える。
「はや…く…」
達する直前の、もどかしいような切なさ。
早く解放してほしくて、侑香の腰はねだるように揺れる。
「うん。イッていいよ…ゆーか……」
「ひぁっ…!ぁっ、あっ…」
紗子は恍惚とした表情で囁くと、その指の動きを速める。
「ゆー…か…」
真っ赤になった侑香の耳たぶを唇で挟み軽く歯を立てると、侑香の背がふるり、と震
える。
「ふぁっ…も、だ、め…さぇこさっ……さぇこさぁんっ…!」
「っ、ゆーか…っ」
紗子の指先が侑香の最奥を、トン、と突いた。
「―――――っ!」
「…っは…はぁ…」
調理台に両手をついて肩を上下させる侑香。
「ふっ…ん…」
その肩に顎を乗せたまま、紗子も荒い息を吐く。侑香の絶頂と共に、紗子も軽く達していた。
侑香を抱きしめ、その甘い香りに酔う。
「ん…ゆーか…」
「はっ…んむ…」
名前を呼んでこちらを向かせると、紗子は侑香の唇を奪う。
「はぁっ…ゆーか、苺の味するね」
「…それ、さっきも言った」
唇が離れると互いの上気した頬を見合って、そんな言葉を交わす。
「ん…」
小さく微笑んだ紗子は、再びその柔らかさを求めて侑香に近付く。
「…だめ」
「ぶふっ!」
しかし紗子の唇は侑香の両手によって遮られてしまった。
「なーにすんのぉゆーか」
不満たっぷりに紗子が唇を尖らせると、侑香は身体を捩ってその拘束から逃れる。
すっかり冷めてしまった鍋を見て、それから非難するようにその視線を紗子に移す。
「…やめてって言ったのに」
「…ごめん」
気まずげに視線を外す紗子。
「はぁ…もう…」
ため息をつきながら侑香は脱衣所に移動し、下着を取り替える。
「だってさ、ゆーかがかわいいからいけないんだよ?それに、あたし別に料理を邪魔するつもりなんてなかったし…」
その後をついて歩きながら、紗子が弁明する。
「なんか、苺食べてるゆーかってエロいんだもん……エプロンだし、ミニスカだし、なんかいろいろ反則っていうか…」
再びキッチンに戻った侑香は、手を洗いコンロのスイッチをひねると紗子に向き直る。
「もーわかったから」
「ゆーか…」
情けなく眉尻を下げて紗子が侑香の顔を覗き込む。
その様子に、侑香の怒りは急速に鎮まる。
「…その、ゆぅも、ちゃんとダメって言わなかったし、だから別に…」
結果として紗子を受け入れてしまったのは自分だということに思い当たり、侑香の頬がかすかに朱を帯びる。
「…別に、さぇこさんに怒ってるんじゃないから…ていうかもう、怒ってないから」
恥ずかしそうにうつむくと、そのまま身体を反転させ、再び料理を開始する。
「ゆーか…?」
恐る恐るといった感じで、紗子が侑香の顔色を窺う。
忙しく木べらを動かしながら、侑香が口を開いた。
「……え、えろいとか…」
「え?何?」
「えろいとか、言わないでよぉ…」
「…は?」
侑香はもう耳まで真っ赤である。
「あ、さっきの?」
先程自分が言った言葉を思い出して、紗子がポンと手を打つ。
「いや、えっと、ヘンな意味じゃ…ってヘンな意味だよね…」
フォローにもならないことを言いながら紗子が苦笑いを浮かべる。
「…もおゆぅ、苺食べない」
すねたように侑香が呟く。
「は…」
そんな侑香に一瞬ぽかんとした紗子は、
「あっはは!」
次の瞬間には、楽しそうに笑う。
「何笑ってんのぉ!」
「だって、ゆーか…ははっ!」
「もー何ー?」
お腹を抱えて笑いながら、紗子は思う。
この子は、なんってかわいいんだろう―――と。
「…なにニヤニヤしてんのさぇこさん」
「ん〜?」
はぐらかすような含み笑い。
「……もう知らないっ」
ザルに上げていたその他の野菜を鍋に投入して、侑香は赤くなった頬を膨らませる。
その横顔が、たまらなく愛おしくて。
「ゆーかっ」
「きゃっ」
紗子は侑香に抱きつくと、頬と頬をくっつけるようにしてグリグリと押す。
「もっ…さえぽん邪魔〜」
「ゆーかさぁん?」
「なによぉ」
相変わらずうりうりと頬を寄せながら、紗子が囁いた。
「だいすきっ」
おわり
以上です。
途中からは携帯から書き込んだのでおかしいところあったらすみません。
無駄に長いから規制とかかかるんだよな!精進します…
読んでくれた方ありがとうございました!
>>960甘甘なさえぽん×ゆーかたんGJ&ありがとう!
こんな早く作品を投下していただけるとは!
2人でお互いの苺の味を一緒に確かめ合うところでとろけかけたよw
tiarawayは大好きだし需要はあるので大歓迎なので安心してまた来てくださいね!
tiarawayもうりょっちも百合はいいものだな
はふー(*´Д`)
萌え尽きるぜ…
藍ぽんのブログ・・・
ラジオ聞けない環境だからパスわからん
>>964 採用されれば送られてくるらしいからとりあえずネタ送りまくれば。
A.I.E.Nって需要ある?
>>966 久しぶりにこの言葉を使う時がきたな
「需要のない百合などない」
もちろんあるとも
えりんゴスは妄想が負けるほど仲が良くて困る
いや本当は困らないんだが
俺にはある
専用すれがあるのが微妙だがまあよい
お言葉に甘えてA.I.E.N投下
彼女にとってそれはただ息抜きかつストレス解消かつお付き合いな飲み物である。
けれどそれは私にとっては最大級の薬になりうるのだ。
それも媚薬という名のやっかいな薬に。
「ありがとうございました」
「姉ちゃん、がんばってな」
―――パタンッ
ガッハッハなんてよく漫画でいる頭は固いが気はいいおじさんみたいな笑い方をしながら送られるエールに、私は苦笑をしながらタクシーの扉を閉めた。
遠ざかっていくタクシーを見送って、ついでに隣にいる人を見てため息一つ。
「はぁ……」
ぐったりと赤い顔をして今にも地面に座り込みそうになっている彼女。
本当は心配すべきところなんだろうけど、これから起こるであろうことを考えると……
「……はぁ……」
やっぱりため息一つ。
あ、息が白くなった、なんてどうでもいいことを考えながら。
事の発端は一本の電話だった。
受信相手は智秋さん。
もしもしなんて電話での決まり文句も無くいきなり”麻美が大変だから来て!”というのが第一声であり、口調もいつもより慌てていたもんだから詳しい事情も聞かずに家を飛び出したのが運の尽き。
たかはし家についてみれば真っ赤な顔でよくわからない言葉を発している今井麻美、その人がいた。
漂うアルコール臭と足元に散らばる酒ビン。
―――あぁ……
私はそこで大きくうなだれることになる。
家でアルコールが抜けるまで休ませてもよかったんだけど、アタシ今から可愛い可愛いツンデレっ子の元にいかなきゃいけないから、とは智秋さんの談。
でもだからって私を呼ばなくても……
そうも思ったが、人の袖口を掴んで何が嬉しいのかご機嫌に笑っている顔を見るとほっとけない……というか、他の人に見せるのが嫌だと思った。
私の独占欲。
私以外の誰とも会わせないとか私以外の人と話させないとかそんなことは望んでないけど、今この時、この笑顔だけでも独り占めしたいって。
……たまにはいい、よね。
胸の内で呟き、私は麻美ちゃんを支えながら智秋さんの家を出た。
そんなこんなでなんとかタクシーを見つけ、運転手さんに手伝ってもらいながら車の中に押し込み、家の前まで連れて来たのだった。
さて、そんな回想をしてる内に四苦八苦しながらも無事に家の中のソファまでたどり着いた。
ちょっと無理矢理にソファに寝かせて自分は少し離れた椅子に腰掛ける。
半分くらい引きずってたせいか首とか肩とか腕とかとにかく体のあちこちから鈍い音がたった。
こういうとき仁後ちゃんがいたら助かったのに……
あ、いや。
こんな酔っ払い、巷でいうノミンゴスを任せるのは酷過ぎるか。
逆に私が仁後ちゃんぐらいの力をつければ……
「ん……」
ソファのほうからうめき声が聞こえてハッと意識を戻すと体を起き上がらせている麻美ちゃんが目に入った。
どうやらこの酔っ払い目が覚めたようで、でも酔いは未だ覚めないらしい。
虚ろな視線で辺りをキョロキョロ見渡してむー、とかんあー、とか意味もない言葉を繰り返していた。
と、不意に目線がぶつかったかと思うとすっごいいい笑顔で私を見て一言。
「えりちゃんだー!」
うぁ、……これはなんていうか、ずるい。
……というか可愛い。
「なんでえりちゃんがちあきのうちにいるのー?」
「ここ私の家だから」
「あれぇ?」
もう一度辺りを見渡して本当だー、なんて小さい男の子がカブトムシを見つけた時みたいに目を輝かせている。
あぁ、うん……
これでも私より年上なんだよね。
「えりちゃんがつれてきてくれたのー?」
「え、うん」
そっかー、なんて言いながらトテトテなんて擬音が似合いそうな感じで近づいてきた。
やっぱりすごいいい笑顔で。
って、なんだかすごい近い……?
思わず身を引いたけど所詮は椅子に座っている身。
結局のところ鼻と鼻とがくっつきそうなくらい近づかれた。
反射的に目をつぶりそうになったのをぐっと堪えて両手で麻美ちゃんの両頬をむにっと掴む。
「う〜!あにすんの〜!!」
「お酒臭い人は嫌いです」
笑顔でそういって、横に引っ張ったり戻してみたり、かと思えば後ろに引っ張ったりと麻美ちゃんの頬を堪能する。
遮られたからか不満げに唸ったりはするものの結局のところは触られていることはまんざらでもないようで、すぐにご機嫌な笑顔になった。
あー麻美ちゃんのほっぺ気持ちいいなー。
そういえば麻美ちゃんに触ったの久しぶりだな。
仕事が忙しかったとかいうわけじゃないけどなんとなく、本当にたまたま都合が合わない日が続いてたりしたから。
……
…………
…………なんか変な気になってきたかも。
って、だめだって。
理性を振り絞りなんとか麻美ちゃんの体に近づいていた右手を押さえ付ける。
気づけばいつの間にやら頬を引っ張っていた両手は、左が頭に右が体に向かっている状態だった。
お、落ち着け私。
相手は酔っ払ってるわけだしいくらそういう仲だからって手とか出しちゃだめだよ……
うん、だめ、なんだって……
わかってはいるんだけど……
嬉しそうな笑顔。
蒸気した頬。
潤んだ瞳。
「……もしかして狙ってやってる」
「なんかいったー?」
首を傾げる仕種なんて本当に誘われてるようにしか思えないし。
本人無自覚でお酒のせいってわかってるけど、抑えられないのが人間というものでありまして。
無駄な努力も虚しく結局のところ手が出ちゃうんだなーこれが。
「麻美ちゃん……」
「なにー、んっ」
重ねた唇からは予想通りお酒のニオイがした。
当たり前のように差し込んだ舌からお酒の味が広がった。
逃げるそぶりもなくむしろ積極的に舌を絡めてくる様子を感じるとやっぱり誘ってたんだ、なんて思えてくる。
静かな部屋に湿った音が響き渡り体のほてりが強くなる。
そろそろ息が続かなくなってきたかな、ってところで唇を離すと二人の間に糸が伝う。
スルッと手を服の中に忍ばせて、ブラのホックを外しにかかる。
ホックはすぐに外れた。
手慣れているから、と言うと誤解を生みそうだけどあくまで私は自身もしているからなわけであります。
ゆっくりと胸の感触を味わおうと背後に回っていた両手を前にやり、……
―――と。
「あ、麻美ちゃんっ?」
私の方に体重がかかる形に麻美ちゃんの体が傾いた。
予期していなかったことだけに体は準備が出来ているわけもなく、自然と押し倒されている状態になる。
え、なにっ?
やる気満々なのっ?
麻美ちゃんからって珍し……じゃなくて。
このままとか私まずくないですか……?
明日朝から仕事入ってるんですけど……
あ、先に始めたのは私だったっけ、あははー。
なんて身構えてみるが一向に動く気配が無い。
むしろ徐々に重力が大きくなってベッドの沈みが深くなっていっているような、そんな気がする。
「……あ、さみちゃん?」
声をかけてみるも返事はない。
というかこれは……
「あさみちゃーん」
―――スースー
「今井さーん」
―――スースー
「今井あさミンゴスさーん」
―――スースー
あぁ、そうですか……
お酒飲んでかなりきていたっていうのあるし、たぶん下着が外れた分圧迫感も無
くなっておまけに私っていう湯たんぽがあるからね。
眠くなっちゃうのもわかるんだけど。
「何もこんな時に寝なくてもいいじゃん……」
息が出来ているのか不安になるくらい枕に顔を埋めているから表情は見えないけ
ど、きっと見たら許しちゃうような顔してるんだろうな……
「はぁ……麻美ちゃんのばーか……」
悪態をついたところで何か変わるわけでもないがつかずにはいられない。
もう私も寝ちゃおっかなぁ。
あ、でもさすがにベッドには行かないと。
風邪引いたら大変だし。
……って、無理だよねこれ。
家に着いた時のように多少意識があって力入れてくれるわけでもないので、当然
のように動くことのない体。
今、下手に動くとソファからどちらか片方が落ちてしまいかねない。
しかたないか。
起こしちゃうのは可哀相だけど。
「あーちゃん、おっきしてベッドの方までいこうねー」
肩を軽くゆすりながら起こそうと試みる。
ちなみに幼児扱いなのはせめてもの皮肉がこもっていたりする。
「ん゛ー……やらぁ」
予想はついたけどね。
はぁ、どうしよっかなぁ。
「えりちゃん……」
「んー」
「……大好きぃ……」
そういって人を抱きまくらみたいにしておもいっきり抱き着いてきた。
……まぁ、いいか。
そう思った。
あいにく人肌の温もりで寒くはないし、風邪引いたら引いたときできっと麻美ち
ゃんが看病してくれるだろう。
起きてからの事とか、仕事の事とか、体の事とか考えないようにして。
明日の事は明日考えればいいんだし。
私はゆっくりと目を閉じた。
麻美ちゃんの温もりを感じながら。
以上です。
長々とお付き合いありがとうございました。
二人とも偽者になったけど、
保管庫に中村先生とミンゴスの名を残したいが為に書いてみたw
書き終わってからトリップ付け忘れ気づいたYO!!\(^○^)/
お疲れ様。ちょうどこっちも今井視点で構想練ってたところだから
面白かった。やっぱりノミンゴスは外せないなw
禿げ萌えた!!
>>982GJ!
さりげないもしかして智ますっぷりにもニヤニヤ(・∀・)
この週末はいい夢が見れそうだYO!
>>982 超GJ!!ニヤニヤが止まらん。
えりミンて鉄板なのにSSは超レアだよな。
かなり萌えた!
ノミンゴスかわゆすなぁ。
智ますっぽい箇所も萌えましたw
本当、SS見ないよね。
GJ!!中村ノミンゴス最高!
書いてくれて心から感謝しておる!
989 :
名無しさん@秘密の花園:2008/11/16(日) 15:37:52 ID:Kkksv+kL
980越えたから誰か立てないとすぐ落ちるぞ
じゃあ、わたくしめが
>>982 GJ!大いに萌えた!
今後はアイマス声優のSSも増えるといいな。
智秋×ミンゴス
あさぽん×アッキー とか
書いてくれる神の降臨に期待。
>>991 乙です
994 :
名無しさん@秘密の花園:2008/11/17(月) 00:41:38 ID:jg5isiu8
もう埋めちゃう会あげ
梅
あいゆう熱再燃梅
なばいと至高梅
1000-1
1000 :
名無しさん@秘密の花園:2008/11/17(月) 16:04:10 ID:jg5isiu8
なばいとはジャスティス
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。