涼宮ハルヒの憂鬱で百合

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938名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 18:51:42 ID:hQpSa3wd
>>935-936 →×
>>934-935 →○
939名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 19:23:20 ID:l7P7pnHJ
|ω・)まとめwiki無いっぽかったから作ったよ・・・
http://www15.atwiki.jp/yuriharuhi/

「ちょっとこのSSが無いなんてどういうことよ!」ってのがあったらどんどん更新していって欲しいです。
今やってるんだけど、オカンから風邪うつされたっぽくてだるい。

940名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 19:41:34 ID:5JzptLBn
>>939
941名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 20:17:30 ID:hQpSa3wd
>>939
あなたにも乙です
スレが寂しい時期に、皆色々頑張ってたんだなあ
942名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 23:27:01 ID:9/nlMphs
>>939

ところで、SSはこっちに投下していい…の?それともwikiへ直投下すべき?
初心者でゴメンorz
943名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 02:01:10 ID:voTRS5K4
一万字の大作を一気に投下するとかじゃないのなら
基本こっちでいいんじゃない?
944名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 09:47:17 ID:oifRPP3l
>>934
ID変わっちゃったけど、トンクス
945名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 05:31:09 ID:IRVMAmAE
wiki見たら色々と増えてた。
更新してる人乙です。
946名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 21:45:52 ID:bQSIwLmz
ハルヒのスレあったのか!
朝倉×長門大好きだったなぁ…
ちょっと書いてこよう
947名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 21:48:19 ID:75ozmJGJ
待ってるぞ!
948名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/11(日) 22:35:39 ID:bQSIwLmz
イラスト可?
949名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 00:01:34 ID:Tma+WFVL
可!
むしろ歓迎!
950名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/15(木) 23:25:42 ID:bPRVrySZ
「ハルヒちゃん」でハルヒが風船膨らませてるカットがみくるの胸を吸ってるように見えたのは俺だけじゃないはず
951名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/16(金) 01:06:34 ID:tE5+EH10
>>935-936
あなたは…!
今回もGJ!!!
長ハル長可愛いよ長ハル長(´д`*)

>>939
乙!!
952ハルみく みくる卒業の日(1/3):2009/01/25(日) 23:56:54 ID:2MLxu/7l
卒業式でした。

わたしは、今日この学校を卒業します。
それは、この時代での涼宮さんの観察という任務が終わるということ。
それは、わたしがこの時代をはなれるということです。

わたしに残された時間は、あと30分ほどでした。1時間が過ぎれば、
TPDDが起動し、この時代から私が消えます。
それは、卒業後、この町に残るにしても、引っ越すふりをするにしても、
わたしは涼宮さんの興味を惹いてしまうと判断されたからです。
それなら、卒業式の後にそのまま帰還し、住居などの後始末は別働隊が行う、
それが上層部の下した決定でした。

あと30分。
ホームルームが終わった時点でTPDDが起動してもよかったはずなのに、なぜか
それから30分間の余裕がありました。
後から考えたら、上層部の「情け」か何かであったのかもしれません。
でも、そのときは、その残り時間を有効に使うことしか考えられませんでした。

部室には、涼宮さんしかいませんでした。
パソコンのディスプレイの後ろに、いつものように座っています。
いつもならその横のパイプ椅子に座っている長門さんもいません。
「最後の時間は、好きに使えばいい。私が介入ならびに
妨害すべきでないということは、この2年で学んだ。
あなたが消えるまで、部室には誰も近寄らせない」
最後のホームルームの後、教室の荷物をまとめて部室に向かうわたしに、
長門さんはそう言うと去って行きました。
彼女のことを少し誤解していたかもしれません。でも、去り際、
「私には、まだ1年ある」
わたしにしか聞こえないようにそう言い残した気がします
953ハルみく みくる卒業の日(2/3):2009/01/25(日) 23:57:34 ID:2MLxu/7l
「みくるちゃん、卒業おめでとう」
わたしに気が付いた涼宮さんが、笑顔でそう言ってくれました。
「ありがとうございます…」
ちょっと泣きそうです。でも、泣いてる暇はないですよね。
「まったく、今日はみくるちゃんの卒業のお祝いをするって決めてたのに、
キョンも古泉君も、それに有希もまだ来ないのよ、なってないわね」
長門さんが、二人きりにしてくれているのでしょう。
「それでね、お祝いに新しいメイド服を用意したのよ」
この期に及んで…涼宮さんは、ハンガーにかけてあるメイド服を
取り出しました。
「卒業だから、スカートは短くしてみたけど、どう?」
笑顔で得意そうに、涼宮さんはそう言いました。
今まで着ていたメイド服より、明らかにスカートが短くて…映画の時の
衣装ほどではないですが、多分脚は露出してない部分の方が少ないでしょう。
ああ、全くこの人はさいごまで…でも、今日の涼宮さんの笑顔は、いつもの
夏の日差しのような力がありません。
「もう、この部室も最後なんですね」
あと20分ちょっとが過ぎれば、見慣れたこの光景の中にわたしは居ません。
「そうね、でも、みくるちゃんはSOS団のOG第一号なんだから、いつでも
遊びに来ていいのよ」
「そう、ですね」
それだけしか言えませんでした。でも、最後だから、言ってしまおう。
「ねえみくるちゃん、早速着替えてみせてよ」
「あっあの涼宮さんっ」
メイド服を構える涼宮さんと向き合います。
「わたし、涼宮さんのこと…」
じっと見つめられました。そんな風にされると。
「メイド服も似合いそうだなって思ってました。最後だから、見せてくださいっ」
覚悟したつもりなのに、なぜごまかしてしまったんでしょう。わたしは馬鹿です。
954ハルみく みくる卒業の日(3/4):2009/01/25(日) 23:58:27 ID:2MLxu/7l
告白し損なったわたしを、涼宮さんは不思議そうに見てました。いつも通りなら、
わがまま言わずに着なさい、と言われて、彼女の手で着替えさせられていた
はずです。でも、今はちがいました。
「…まあ、みくるちゃんの卒業祝いだから、特別サービスよ」
靴を脱ぎ、ソックスもとります。スカートのホックが外れたところで、
「みくるちゃん、私の着替えに興味あるのかしら」
「え、あ、その」
少しでも多く涼宮さんを見ていたかったんです。そう言おうとすると、
「見てていいわよ」
スカートが落ちました。ものすごく無防備な格好の涼宮さんが、余計にかわいく
思えてなりません。
そして、今度はセーラーのブラウスです。以前キョン君が、あいつは脱ぎッぷりが
よすぎて逆に色気がない、と、団ができた直後に言っていたのを思い出しました。
何でも、まだ男子が居る教室で体育のための着替えをはじめたんだそうです。
でも、そんなことはなくって。
わたしは、こんなふうにするとかわいく見えるんだな、と思いながら、下着姿の
涼宮さんを見つめます。
「ガーターベルトはつけたことがないのよね」
…そんなものも用意していたんですね。涼宮さんはガーターベルトを着けると、
「ストッキングも、このタイプもつけたことないのよね」
バニーガールの時は切り替え無しのタイツでしたからね…。と、涼宮さん、それちがいます。
「涼宮さん、ガーターベルトのサスペンダーは、ショーツの下に通してください」
「みくるちゃん、流石に詳しいわね」
涼宮さんは、サスペンダー部分をそのまま下着の下に通します。脱いで、
ストッキングを着けてからはき直すという、正しい手順をとらないところが
すごく涼宮さんらしいです。
955ハルみく みくる卒業の日(4/4):2009/01/26(月) 00:00:35 ID:2MLxu/7l
涼宮さんはストッキングを着けてサスペンダーに止めると、今度は
ミニのワンピースにとりかかりました。背中のファスナーを上げます。
「さすがに、胸が余っちゃうわね」
やはり、わたしのサイズでつくってあったようです。
最後はエプロンでした。
「みくるちゃん、後ろ、結んでくれる?」
エプロンの帯の結び目をきれいに造るのは、意外と難しいんですよ。
わたしは、涼宮さんのうしろにまわると、その背中で結び目をつくります。
涼宮さんの神から、シャンプーのにおいがしました。いつもの、リボンのついた
黄色いヘアバンドを外して、かわりにプリムを乗せます。
残り2分…もう、ここで言わないと、おしまいです。
私は、離れるかわりに、後ろから手を廻して、そのまま涼宮さんに抱きつきました。
「…みくるちゃん、さっきから言いたがってることは何?」
涼宮さんはそれを振り払おうともせず、廻したわたしの手の上に、その手を重ねて
くれました。
「私がいつもしてたように、メイド服着せて抱きつきたかっただけじゃ
ないんでしょう?」
「違いますっ」
もう、顔を見てもらう時間は残ってないでしょう。だから、我慢せず泣いちゃいます。
「ちょっと、みくるちゃん、泣いてたら分からないでしょ」
さっきより力をこめて涼宮さんにしがみついて、そのまま。
「わたし、涼宮さんのこと」
TPDDの起動がはじまりました。急がないと。
「好きです」
言い終わったとき、わたしは、どこでもない場所をTPDDに運ばれていく途中でした。
私の気持ちは、涼宮さんのところに残していけたのでしょうか。
956後書き:2009/01/26(月) 00:03:42 ID:4wm2lcHL
久々に電波が降りてきたので書いてみました。
分割数間違えたよorz

最初は戦うウエイトレスさんを着せようかと思ったのですが、
もっていきかたに無理があって変更しました。

次は多分長ハルに戻ります。
957名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/26(月) 00:06:00 ID:4wm2lcHL
残り時間なおしそこねてるところがorz
最初は残り1時間で書いてたのを短くしたのです。

回線切って(ry
958名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/26(月) 00:19:19 ID:bg6MenwK
>>952-955
うおおおぉぉせつねええええぇぇ
GJ!
長ハル本命だけど正直グラリときた…
959長ハル 出会い篇(1/3):2009/01/28(水) 02:34:06 ID:X7kR1yNh
彼女との出会いは、この部室に彼女が押しかけてきたことであった。
当初の予定では、私は観測対象である涼宮ハルヒと距離を置いて、つまり、
人間関係としての接点を持たずに、第三者的な観測を行う予定であった。
直接接触は、バックアップ、つまり朝倉涼子の役目であった。
そのために、もっとも涼宮ハルヒが近づかないであろう「文芸部」の、唯一の部員
というポジションを設定したのだ。
情報統合思念体ですら予想していない事態であった。予想していたら、
私に書道部にでも入るように命じていたに違いない。

昼休みに文芸部室で読書をしていると、いきなり扉が開いた。
この部屋に第三者が近寄る確率を下げていたはずなのだが。
「よし、誰もいないわね」
扉の外から部室を覗いて、彼女は不躾にもそう言った。その時私は、
本棚の後ろにいたのだ。
「なにか用?」
眼鏡越しに、闖入者に視線を向けた。
「あら、ごめんなさい。文芸部って人がいないっていうから見に来たのよ」
そこにいたのは…観測対象、いや、涼宮ハルヒだった。
予定外の事態に、情報統合思念体にリンク。指示を請う。
『観測せよ』
返答はそれだけであった。つまり、私を通じて推移を見たいということだ。
960長ハル 出会い篇(2/3):2009/01/28(水) 02:36:32 ID:X7kR1yNh
「私は文芸部の部員。なので、部員は存在する」
「そうなの、あなた、一年生?」
彼女は、本棚と、そこにぎっしり詰まった本と、折りたたみ机と、私の分のパイプ椅子しかない部室を
見回してから言った。
「そう」
「私も一年よ。ねえ、この部屋くれない?」
…意味がわからなかった。
「入部するならこれを書いて提出」
きわめて一般的な反応をしてみせる。観測対象との直接接触は、バックアップの役目のはず。
つまり完全に予定外だ。
「入部したい訳じゃないのよ。この部室が欲しいの」
部室というのは、「くれ」「やる」でやりとりすべきものではないはずだ。
…だったはずだ。自信満々、当たり前のこととして言う彼女を前に、判断が揺らぐ。
「ここは文芸部室。私という部員がいるので、文芸部が占有している」
彼女は、少し考えるそぶりを見せた。そして、今読んでいる本の表現を借りると、
「チェシャ猫の微笑み」をみせて、
「じゃあ、あなたもいっしょにもらえばいいのね」
はぁ?
手から本が落ちた。それよりも、私は、自分があっけにとられて「はぁ?」という
反応をするとは思っていなかった。それは、むしろ朝倉涼子の担当する範囲ではないのか。
「あなたが私のモノになれば万事解決ね。ああ、あなたって呼ぶのも変だから、名前教えて」
「長門有希」
「私は涼宮ハルヒよ。有希って呼んでいいでしょ?」
知っている、とは言えない。かわりに、じっと彼女を見た。なぜ、彼女は顔を赤くしたのだろう。
「かまわない」
「それで有希、私のものになるわよね」
強引だ。一般的な反応であれば、断るか怒るかだろう。
「今この部室を使っているのは私ひとり。なので、使うのはかまわない」
観測に都合のいい方で応じた。部室でなく私を要求していたが、部室の要求の言い間違いと判断するのが
妥当であろう。
961長ハル 出会い篇(3/3):2009/01/28(水) 02:37:54 ID:X7kR1yNh
「ありがとう、これで本拠地が決まったわ」
いきなり抱きつかれた。涼宮ハルヒの体温を観測…と、何をしているのかと自問する。
だが、こうやっていると、第三者的観測で得られない情報が多く得られる。
体温。におい。触感。だきしめられるというのはどういうことか。
もう少し情報を獲得しよう。
私は、観測対象の背中に手をまわした。彼女は、それを何かの合図と思ったのだろうか。
「あ、ごめんなさい」
体をはなす。だが、手が私の顔に向かってのばされた。
「眼鏡、ずれちゃったわね」
彼女の手で眼鏡が直されるまで、私は、眼鏡がずれたことに気が付いていなかった。
「じゃあ、放課後にまたくるわね」
彼女は、入ってきたときと同様、疾風のような勢いで部室を出て行った。
なぜか、放課後が待ち遠しくてたまらなかった。

「へえ、涼宮さんがあなたのところに行ったの」
帰宅後、朝倉涼子と観測方針の調整を行なった。彼女は、
このような調整を行う際に、毎回何らかの料理を持参ずる。そのため、調整は
常に、食事を行いながらとなる。
「確認したところ、私も直接観測を行うよう命じられた」
「…そうなんだ」
朝倉涼子の目がしばし泳ぐ。涼宮ハルヒと私の接触状況の情報を受け取ったのだろう。
「…いきなり抱きつかれたんだ」
「予想外だった」
「そうね。そのわりには、積極的に観察しているのね」
今後の観測方針を調整するはずが、ただ無言の食事となった。
962後書き:2009/01/28(水) 02:45:22 ID:X7kR1yNh
長門とハルヒの出会いを妄想してみました。
でも、長朝でヤンデレもいいかなと思ってしまう自分がorz
…ついでに、消失ハル長な電波も降りてきたよorz
963名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/02(月) 01:06:45 ID:mEfmxPKb
どうして連続でSSが来たのに、レスが無いんだろうか?
少し前はもうちょっと人が来てたのにな・・・
>>952
切なすぎです。甘いのもいいですが、こういう方がぐっと来ます。
>>959
これから二人がどうなっていくか、本当に気になりますねw
個人的にはヤンデレ展開を期待でw
964名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/10(火) 20:03:18 ID:7CQMzZo+
世界平和のために活躍する涼宮ハルヒ

写真はガザ市で14日、「子どもを殺さないで」
と書かれたプラカードを手にデモに参加する少女。(c)AFP/MAHMUD HAMS
http://www.afpbb.com/article/1174867
965名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 11:06:03 ID:ncqZTXol
過疎ってるな

wikiのほう、SSは多分全部移した。
一応もう一度URLを貼っておく

ttp://www15.atwiki.jp/yuriharuhi/
966名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 15:19:15 ID:lLjWudJr
GJ!
967名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/11(水) 19:51:24 ID:C1PQj8Zg
>>965
乙です
968名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/12(木) 23:43:14 ID:/OrDWXsJ
ニュータイプの今月号を見て、
消失朝長に目覚めた俺ガイル

ハルヒと朝倉涼子が長門の取り合いという
妄想が一瞬にして成立した。
969名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 07:44:17 ID:PhCDO274
バレンタイン翌日に投下したかった消失長ハル出会い編
キョンがいなくてもハルヒと長門は出会う運命だと思う。



きっかけはただの偶然、もしくは運命。
バレンタインの翌日、昨日までは世間の主役といわんばかりにもてはやされていたチョコレート達が
手のひらを返したとばかりに安売りされる。それを見越した私は寒空の中、バスを待っていた。
目指すは近所のデパート、毎年、チョコレートの在庫処分が盛大に行われているのだ。
特別、チョコレートが好きなわけではないけれど、かと言ってバレンタインをただ無視してしまうのも面白くない。
行事になるべき参加するのが私のポリシーだけど、チョコをあげようと思う相手もいない。
だから、こういう形でもバレンタインに関わってやろうという魂胆だ。
時刻表を見て、バスが来るまでまだ時間があることを確認した私はベンチに腰をおろした。
まだ時間も早いせいか、休日にも関わらずバスを待つのは私ともう一人、女の子がいるだけだった。
その女の子は日曜日だというのに、制服を着ている。
見覚えのあるその制服は、たしか坂の上にある北高のものだった。
黙々と本を読み続けるその横顔は知らない顔なのに、なぜか懐かしく感じる。
短くそろえた髪の毛の柔らかさを、私の指は知っている気がした。
あの白い頬の感触や、あの小さな体の体温を、まるで実際に触れたかのように思い出せる。
初対面で、ただ横顔を見ただけなのにそんなことを感じる自分でも不思議で仕方ない。
このまま考えていても埒が明かないので、話しかけようとしたその時、視界になにか白い物がうつった。
空から降ってきた白いそれは、ひらりひらりと空気の流れに身をまかせて地面に落ちていく。
朝から冷えるとは思っていたけど、寒いわけだと何故か感心してしまった私は意味も無く、それの名前をつぶやいた。
「ゆき」と。
本当に意味の無い、ただの独り言だった。
「なに?」
だから、それに反応があったことに私は強く驚いたのだ。
相手の女の子の方も驚いていたから、余計に意味がわからなかった。
970名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 07:45:15 ID:PhCDO274
「え?」
一瞬の沈黙。意味不明の気まずさが漂う空気。
そんな空気を察したのか、自分の勘違いに気がついたのか、制服姿の女の子が口を開いた。
「私の名前は有希。だから間違えた」
必要最低限の口数だけど、よくわかる。
つまり私の独り言が、自分を呼んでいるのと勘違いをしてしまったらしい。
そうとなれば、こちらに非があるわけで一応謝っておく。
「そう。ややこしい独り言でごめんね」
「いい」
彼女、有希は短く答えるとまた読書へと戻っていった。
私はと言うと、彼女への興味は強まるばかりだった。
短いなりにも会話したことが既視感を加速させる。
この女の子は私が守らなければいけないという、よく分からない使命感が勝手に燃え上がっていく。
私がどうやって話しかけようかと、有希が観察していると、どうも読書には集中はしていないようだ。
さっきから1ページも進んでいないし、ちらちらと横目で私のことを見ているのが分かった。
「ねえ、有希」
「なに?」
先ほどと同じように、やはり驚いた様子で有希が答える。
「ねえ、あたしたち初対面よね? もしかしてどこがで会ったりしてない?」
「ない」
私はずっと気になったことを聞いてみたけど、やはり初対面らしい。
「けど」
「ん?」
有希は本を静かに閉じると、私の目をまっすぐに見つめて
「私をあなたを知っている気がする」
戸惑いながらも、そう言った。
「そうよね!?」
自分と同じだったのが嬉しかったのか、あたしは思わず有希の手をとった。
「あたしも同じことが考えてたのよ!有希がこと知ってる気がするって!これって前世?前世に違いないわ!」
私の勢いに驚いたのか、手を握られたことが恥ずかしかったのか、それともその両方か。
有希の頬をわずかに赤く染まっている。
971名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 07:45:57 ID:PhCDO274
その反応は何故だかとても意外で、貴重で、なにより愛おしく思えた。、
私は手を離すと、勢いのまま有希をぎゅっと抱きしめた。
「あ」
一文字だけ発して、硬直する有希。
私は、初対面でやりすぎたかなと思うと同時に、既視感と同じの抱き心地に安心していた。
「ごめん有希、嫌じゃない?」
私は胸の中で固まっている雪に声をかける。
普通に考えて、初対面の相手にいきなり抱きしめられて嫌じゃないわけがないけれど。
「不思議」
「え?」
「こうしているのが嫌じゃない。安心する」
そう言ってわずかにではあるが、確かに微笑む有希を見て、私がさらに腕に力を入れるのであった。


バス停で初対面の相手と抱き合うという貴重な体験との引き換えとでも言うべきか。
私達が気付かないうちに、バスはバス停を過ぎ去ってしまったらしい。
「全く、気が利かない運転手ね! 声くらいかけてくれればいいのに」
「さっきまでの私達を見たら、通り過ぎるのが普通」
確かに、朝早くから女の子同士が抱き合ってるのを見たら、運転手もスルーしてしまうかもしれない。
「まあ、いいわ。それだけ有希と話せる時間が長くなったんだから、ね?」
有希は答えず、かわりにコクリとわずかに頷いた。
次のバスまで時間がある。これからどんな話をしようか、どんな事を聞こうか。
有希のことをもっと知りたいし、知って欲しい。
「あの」
「どうかした?」
「名前、まだ聞いてない」
ああ、そうか。そう言えばまだ名乗っていなかった。
お互いのことを知るには、まず自己紹介からすべきよね。
「よおく、覚えておきなさい! あたしの名前は――――」
これからずっと、おなたと一緒にいる私の名前を知ってもらうためにも。

オッワーレ
972名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 07:53:09 ID:PhCDO274
wiki作った人、編集してる人には感謝してます。
書いたものを保存しておく習慣が無いので、残しておいて貰えると嬉しいです。
昔書いたものを読んで、一人羞恥プレイを楽しんでおります。
973名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 09:32:54 ID:8LFruo2Y
うわあ…にやにやする。
ハルヒがかなりジゴry
有希が乙女だな。かわいいな。
974名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/26(木) 23:58:21 ID:xVfaMpIv
あげ
975名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/05(木) 15:03:08 ID:sG+BzFiw
>>969-971
朝長萌え〜!GJ
最近だとハル長にも開眼で禿萌え!ハルみくも好き
976名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/09(月) 22:15:32 ID:pdzzLosj
今度はリボルテックで長ハルしたんだが、画像は
まとめWikiの掲示板に貼ってここにリンクさらした方がいい?

リボルテック激動付が半額になってオプーナさんのところにいたので、
制服ハルヒ欲しさに買った。Wiiは持っているがゲームは開封もしていない。
977名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 02:35:28 ID:VMoem/cc
まとめWikiのBBSに、リボルテック長ハルを
貼ってきました。
978名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/13(金) 23:02:22 ID:4kZL2BQk
>>977
GJ!!
979名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 08:16:44 ID:lA3kGivA
百合というには無理がありそうだが
長門とあちゃくらさんの仲良しっぷりにニヤニヤが止まらない
980名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/22(日) 12:29:05 ID:T9LXklNf
ハルヒちゃんだと森さん×鶴屋さんとかか?w

981大みくハル ハルヒ卒業の日(1/3):2009/03/23(月) 00:30:47 ID:m+YHLOJ8
卒業式だった。

私は、今日この学校を卒業する。
それは、私がこの学校に来ることがなくなるということであり。
それは、SOS団の居場所もここではなくなるということだ。

みくるちゃんがいなくなったのは、去年の今日だった。
卒業式のあと、文芸部室で、みくるちゃんは忽然と消失した。
後ろから抱きついてきた腕の力も、背中で感じた体温も、全部覚えている。
なにより、みくるちゃんの視線を感じながら、彼女のリクエストで
メイド服を着て見せたことも。
それなのに、気が付いたらみくるちゃんはいなくなっていた。
私のこと、どう思っていたのか最後まで聞いてないないのに。

あのときは、キョン、古泉君、そして有希の三人が部室に、申し合わせたかの
ように一緒にやってきた。
三人にみくるちゃんが消えたことを訴えると、キョンと古泉君は顔を見合わせて、
有希はじっと私を見たまま、ああそうか、という顔をした。
まるで、みくるちゃんのことを何も知らないのは私一人であるみたいに。
そして、私のメイド服姿にすら、キョンは突っ込みを入れなかった。
説明になっていないけれど、説明をしてくれたのは、I家さんだけだった。
「まあ、みくるだって戻ってこられるようになれば戻ってくるさ、ハルにゃんは、
みくるをまっててあげるんだろ?」
なぜか、I家さんの言うとおりにしてみようと思って、一年がたった。
982大みくハル ハルヒ卒業の日(2/3) :2009/03/23(月) 00:32:21 ID:m+YHLOJ8
最後のHRが終わってから、私は、一人で文芸部室に向かっていた。
有希が、ピンク色の封筒を持ってきたからだ。有希がわざわざ手紙を書いてきたのは、
卒業だからだろうか?最初はそう思った。
「有希、これは?」
「預かった」
どうやら、有希の書いた手紙ではないようだ。
「誰からなの?」
有希は、それには答えず、かわりに、ちょっとだけ寂しそうな目元をした。
「いまから30分、部室にはあなたしか近づけないようにしておく」
そう言い残して、私が封筒に目を落としているうちに、教室を出ていった。
封筒をひっくり返す。宛名はない。
ピンクの封筒だから、キョンのいたずらでなければ男子からということはないだろう。
有希にメッセンジャーをやらせるなんて、一体誰だろうか。
花束をかたどったシールで封がしてある。それをやぶかないようにはがして、封筒をあけた。
中身は、これもピンク色の便箋。丸い、女の子が書いたと思われる文字で、一行。

部室で待っています。

私にとっての部室とは文芸部室であり、そこで待っていられて、それを有希に伝えてもらえる。
心当たりは一人しかいなかった。そして、悪戯である可能性も、全く考えなかった。
有希が手紙を持ってきた時点で、これが悪戯ではありえない。
私は鞄と卒業証書の入った証書筒、つまり今日の荷物を全て持つと、教室を飛び出した。
983大みくハル ハルヒ卒業の日(3/4 :2009/03/23(月) 00:33:17 ID:m+YHLOJ8
高校に入ってから卒業する今日まで、息を切れるに任せて廊下を走ったのは、これが最初で最後に
なるだろう。
私は荒い息のまま、文芸部室の引き戸を開いた。
「この部室…こんなに広かったんですね」
真っ正面、昨日まで団長席があった場所に。
「全部片付いちゃって…明日からここはまた文芸部室ですか?」
窓から注ぎ込む光を背負って。
「実は、一度くらい団長席に座ってみようと思って楽しみにしてたんですよ」
私が待ち続けた人がそこにいた。
期待して来たとはいえ、それが本当であったことの衝撃で、私の手から荷物が落ちる。
鞄がまっすぐ落ちて、どさっという音を立てる。
証書筒が落ちた後軽い音を立てながら転がる。
机も椅子も、3年前にあったものだけになった部室の床を転がったそれを、彼女が拾い上げた。
「えっと、卒業おめでとうございます…涼宮さん」
みくるちゃんは、一年会わないうちに、ずいぶん大人になっていた。
背が伸びて、髪のカールがつよくなって、赤いルージュを引くようになって、タイトミニにストッキングなんか
はいて、靴もハイヒールになって、白いブラウスの胸なんか、去年より更におおきくなって。
私は、みくるちゃんの元に駆け寄る。赤いルージュを引いた唇の位置は、私の唇より高い。
みくるちゃんの背が伸びたのと、ハイヒールの分だろう。
私は、みくるちゃんの赤い唇に。

両手の人差し指を突っ込んで思いっきり左右に引っ張った。
984大みくハル ハルヒ卒業の日(4/4 ):2009/03/23(月) 00:34:51 ID:m+YHLOJ8
「みくるちゃん、この一年間どこでなにをやってたか、この私に分かるように説明しなさいっ」
「しゅじゅみやしゃん、にゃにすりゅんでしゅかー」
一年ぶりのみくるちゃんの、面白い顔を堪能してやる。そのあとで、みくるちゃんの唇から指をぬいた。
改めて近くで見ると、みくちゃんは、「かわいい」から「きれい」に変わっていた。
それは、この一年、私とみくるちゃんが離れていた証拠のような気がして。
「この一年、私がどんな思いでいたか」
目元が熱くなった。顔を伏せる。ちょうど、みくるちゃんのブラウスの胸に顔をうずめるような
形になった。
そういえば、みくるちゃんの胸を揉むときは、いつも後ろからだった。
「私は…それよりも長く待ちました」
みくるちゃんの腕が、私の背中にまわされる。こうやって、前から抱き合うのも初めてだった。
二年間一緒にいたのに、こうやって再会するまで、していないことがこんなにあったなんて。
「…あ、えっと、わたしは一年以上に感じてたんです、そういうことにしてくださいっ」
みくるちゃんは聞かれてもいないことをなにか一人でごまかしていた。
問い詰めたいところではあるけれど、今はもう少し、みくるちゃんを感じることを優先しよう。
「それに、あのとき最後になんて言ったの?」
ずっと気にしていたことを聞いてみる。
「やっぱり、聞こえなかったですか?」
「みくるちゃん、私のことがなんなのかを言う前にいなくなったでしょ」
あのときを思い出した、このみくるちゃんは、また肝心なことを言わずにいなくなったりしないだろうか。
怖くなって、私はみくるちゃんにぎゅっとしがみつく。
「もう一度言わないと、わからないですか?」
見上げると、みくるちゃんと目が合った。みくるちゃんに上から目線で見られるときがくるとは、
正直思っていなかった。
「わからないから言いなさい。団長命令よ」
声が震える。みくるちゃんがあのとき何を言い残したか、分かっているつもりだった。
でも、本人の口から聞きたい。私は、みくるちゃんの目をのぞき込んだ。
「は、はいっ、わたし、涼宮さんのこと」
今度も、その答えは最後まで聞けなかった。
みくるちゃんの唇が、私のものと重なっていたからだ。
目を閉じると、みくるちゃんの姿が視界から消える。それでも、みくるちゃんが誰よりも近い場所に
いることが、視覚以外の全てで感じられた。
985後書き:2009/03/23(月) 00:40:08 ID:m+YHLOJ8
拙作>952-955の一年後として書いてみました。
前作はハルみくだったのですが、今度は書く前の予定に反して
大みくハルになったのが自分でも意外でした。

書いていてちょっと長門が不憫になってきたので、次があると
したら長ハルか長朝の予定です。
986名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/23(月) 01:03:32 ID:m+YHLOJ8
分割数と鶴屋さんの字を間違えましたorz
回線切って憂鬱から一気読みし直しますorz
987名無しさん@ローカルルール変更議論中
>>981-984

GJ!!!
ハッピーエンド最高!