NOIR/MADLAX/エル・カザド 百合総合2

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1名無しさん@秘密の花園
真下耕一監督 美少女ガンアクション3部作について、
百合妄想・SS・感想などを語るスレッドです。

NOIR公式
ttp://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/tv/noir/

MADLAX公式   
ttp://www.jvcmusic.co.jp/m-serve/madlax/

エル・カザド公式  
ttp://www.elcazador.tv/ 

真下三部作百合SS保管庫(仮)
http://noirmadlaxelcazador.web.fc2.com/

前スレ
ttp://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1168378712/
2名無しさん@秘密の花園:2008/01/05(土) 12:08:14 ID:GMP96D3K
>>1
3名無しさん@秘密の花園:2008/01/05(土) 13:31:29 ID:nKWqb7Ly
>>1おつ
4名無しさん@秘密の花園:2008/01/05(土) 16:31:36 ID:DbJdUWCC
おお、なんとわかりやすいスレタイか!
5名無しさん@秘密の花園:2008/01/05(土) 20:32:48 ID:qrpAoA6V
Noir
6エルダ・タルータ:2008/01/06(日) 00:06:37 ID:qrPJoluq
新スレおめ。どっちにすべきか迷ったけどコッチに。
ここからは19話の途中にこんなことがあったに違いない!という妄想をお送りします(あんまイチャついてないが)


 夜明けの日差しが高木に覆われた密林を通り越し満遍なく辺りを色づかせる。
 マドラックスたちはナハルの案内に従ってドアイホ村への道を進んでいた。
 マドラックスは後方の警戒のため一番後ろを歩く。幸い、敵の増援は来ないようだった。だが安心することは出来ない。ただでさえヴァネッサたちを危険な目に合わせたばかりだ。
 マドラックスは今まで以上に前方を歩いている女性たち注意を払う。中でも最も危うげな足取りで歩くマーガレット・バートンの姿が目につく。
彼女の格好は――ヴァネッサも、エリノア・ベイカーもそうだが――とても山道に適したものとはいえない。今すぐにでも転んでしまいそうだった。
 そしてその危惧は現実となった。小石にでもつまずいたのだろう。マーガレットの身体が前のめりに倒れる。マドラックスは咄嗟に手を伸ばし、その腕を掴んだ。しかしマーガレットは体制を持ち直せず、ゆるゆると地面に膝をつく。
 「お嬢様!」エリノアが短い悲鳴を上げながら駆け寄る。「お怪我はありませんか?」
 「マーガレット、大丈夫?」ヴァネッサもまたマーガレットの元に近づく。
 「うん、平気だよ」マーガレットは二人に笑顔で応える。
 マーガレットの様子が無事だと確認してマドラックスはほっと息をつく。そして、掴んだままのマーガレットの腕を持ち、引き上げようとした。
 「痛い!」その途端マーガレットが僅かに顔を歪ませ再び膝を折る。強く握りすぎたのだろうかとマドラックスは思ったが、マーガレットの痛みは別の理由からであった。
 「足首がちょっと痛い」マーガレットは俯きながらぽつりと囁いた。
7サークス・サーク:2008/01/06(日) 00:07:41 ID:qrPJoluq
 エリノアの心痛で満ち満ちた眼差しを横目にマドラックスはマーガレットの手首に手を添える。特に痛がるそぶりは無い。しかし少し強く押すと、びくりと足を震わす。腫れも見当たらないので軽い捻挫だろうとマドラックスは判断した。
 「大丈夫。少し休めば普通に歩けるわ」それを聞いてエリノアが表情を緩ます。
 「でも、こんな場所に居続く訳にもいかないわね」ヴァネッサがもっともな問題を口にした。
 マドラックスは常備しているテーピングでマーガレットの足首を巻きながら思案する。流石に今すぐマーガレットを歩かせるわけにはいかなかった。また転ぶ危険もある。では誰かが彼女を背負うしかないのだが――
 マドラックスは残る三人の女性をぐるりと見渡す。
 ナハルは道案内もあり、追っ手の気配はマドラックス以上に察知できるはずであるため、辺りの様子に集中して欲しかった。
 エリノアとヴァネッサは、幾らマーガレットが小柄であるとはいえ彼女を支えながら山道を歩く体力は無いだろう。
 結局自分が背負うのが一番早くドアイホ村に着く方法だとマドラックスは結論を出した。後方の警戒が疎かになる恐れはあるものの――何時までも密林の真っ只中に居るのは得策ではない。ならばすぐにでも行動に移そう。
 「よいしょ」マドラックスはマーガレットの背中と膝の裏に手を添え、横抱きにして立ち上がる。マーガレットは宙に浮いた身体を支えるためマドラックスの首に腕を回した。
 普通に背負った方がいざという時に銃を取り易いのだが、マーガレットの背中を晒す訳にはいかなかった。
 「行くわ」二人の様子じっと見つめていたエリノアとヴァネッサを促す。エリノアは何かを言いたげに口を僅かに開くが、ヴァネッサに肩を置かれ先を進む。これが最良の方法であるとエリノアも認めたようだった。
8アーク・アルクス:2008/01/06(日) 00:08:34 ID:qrPJoluq
 二人が前方を歩くのを確認してマドラックスも足を運ぶ。
 「ありがとうございます」マーガレットが微笑みながらマドラックスを見上げる。マドラックスは思わず顔を背けた。マーガレットの吐息が首筋にかかり、こそばゆかったからだ。
 「足、平気?」内の動揺を悟られないようにマドラックスは敢えて素っ気無く訊ねる。
 「はい、あの時あなたが助けてくれたから」マーガレットはその様子を特に気にしたりせずに笑顔を崩さない。
 「そう……」そのまま会話が途切れる。マドラックスは少し途方に暮れていた。
 考えてみれば同年代の少女と、しかも普通の女の子と接することは初めてだった。今まで会った女性は皆大人か、もしくは戦場に毒されたどこか一癖ある者ばかりであった。
 マーガレットとの出会い以降、彼女はマドラックスに慣れない感覚を与え続けている。今この瞬間でも強く感じる。華奢で柔らかい少女の身体。瞬く間に折れてしまいそうで危うい。特にこのような戦場では。
 それに――触れた先から温もりが伝わってくる。それは本来、熱帯気温のこの場所では歓迎すべきことではないはずだったのだが、マドラックスは不思議と心地よさを感じていた。
 ふとマドラックスは気づいた。自分は懐かしい、と思っていると。
 改めてマーガレットを見下ろす。彼女は変わらずにこやかにマドラックスを見ていた。無防備で、暖かで、しとやかで、可愛らしい、自分とは正反対の少女。始めて会った時から強い違和感を感じさせた少女。
 しかし、マーガレットはマドラックスの過去とどこかで繋がっている。彼女も12年前の記憶を失っているのだ……
 「どうしかしましたか?」見つめ続けられて不思議に思ったのだろう。マーガレットが問いかける。
 「何でもないわ」マドラックスはかぶりを振り、微笑む。それは自然に湧いた笑顔だった。
 マーガレットと自分がどのような関わりがあるのかまだ知らない。ドアイホ村で自ずと真実を見ることが出来るだろう。だがその時――これは予感だった――きっとマドラックスとマーガレットの関係も変わってるはず。

 だから今はただマーガレットの温もりをありのままに受け止めたかった。

 マドラックスはマーガレットを離さないように腕に力を込め、歩を進めた。真実の先へと。
9メア!(エピローグ):2008/01/06(日) 00:09:52 ID:qrPJoluq
 ヴァネッサは腰に提げた銃に手を添えながら歩く。マドラックスが銃を使いづらくなった以上、自分が戦う備えをする必要がある。
 ふと視線を横に移す。エリノアが顔の向きを前方に固定したまま黙々と歩いていた。しかしその意識が絶えず後ろに注がれているのを傍目から見ても気づくことが出来る。
 「あの子たち、何だか似てるわよね。お互い気にしているようだし」
 ヴァネッサは何気なくエリノアが気にしている二人を話題に出してみた。しかし、エリノアは難しい表情をして押し黙り続けている。その様子にヴァネッサは思わずため息を漏らした。
 「妬いているの?」
 「違います」瞬時に否定の言葉が上がる。
 「私はただ……あのお二人の12年前の接点について考えているだけです」
 12年前――ヴァネッサも二人には何らかの関係があると思っていた。共通した時期に同じ場所で記憶を失くしている。むしろ何も無い方が不自然だ。
 「確かに、少し心配です。あの方はお嬢様と余りにも異なる生き方に身を置いている方ですし…でも」
 「でも?」
 「今までヴァネッサさんを守ってきた方です。それに何よりもお嬢様があの方を信頼なさっているようですから、私は何も言いません」
 エリノアの言葉は余りも真っ直ぐだった。だからヴァネッサは敢えてからかうことでエリノアの表情をほぐそうとする。
 「なんだ、やっぱり妬いているんじゃないの」
 「だから違います」エリノアはつんと顔を反らす。しかしヴァネッサはその唇の端が少し吊り上っているのを見逃さない。
 ヴァネッサは知っていた。エリノアは単に嫉妬をしている訳ではない。軽症とはいえマーガレットに怪我を負わせ、その負担を自分ではなくマドラックスが負っていることに一人で心苦しんでいるのだろう。
 妬いているのはむしろ私の方だ。問題は――マドラックスとマーガレット、二人一緒に嫉妬していること。我ながら欲張りなものだと苦笑する。みんなヴァネッサにとって大事な存在だった。
 再びベルトの銃に気を配る。だからこそ守りたい。
 この先に何が待っているのかはわからない。だが、大切な人たちが傷つかないことだけをヴァネッサは強く願った。そのためには例え――ヴァネッサは覚悟を新たにし、戦渦の響きが絶えない密林の道を歩む。



以上です。ありがとうござい真下。
10名無しさん@秘密の花園:2008/01/06(日) 00:16:19 ID:mPND1GCU
乙!!リアルタイムで投下ktkr
4人いっぺんに登場とか嬉しすぎる!
誰に萌えたらいいのかわからんwむしろ全員萌えたよGJ!

てか名前欄ワロタwww
11名無しさん@秘密の花園:2008/01/06(日) 00:30:56 ID:qrPJoluq
あ、やべ誤字発見。
>>7
>>マーガレットの手首に手を添える。
>>マーガレットの足首に手を添える。
です。他にも色々あったが気にしないでくれい。
12名無しさん@秘密の花園:2008/01/06(日) 01:45:11 ID:6ZMWyC67
GJ!!
またよろしく
13757:2008/01/07(月) 01:51:58 ID:dWdRTVyB
来ない間に新スレと保管庫が・・・乙よいしょパスタイエッサ!!
取りあえずSSはこっちぽいからこっちに書くよ
14757-7-1:2008/01/07(月) 01:55:34 ID:dWdRTVyB

泥に汚れたブーツで水溜まりを弾き地面を蹴り走る
ミレイユの髪や服を容赦なく雨が濡らしていく

花火が終わった頃、街中の浮かれた気分に幕を下ろすように雨は降り始めた
とうに日付も代わり悪天候のせいもあってか、数時間前まで溢れかえっていた街人や観光客の波は幾分引いていた

「・・・ったく・・・どこ行ったのよ」

強気な口調とは裏腹にその声が震えているのにミレイユは気付いた
ただはぐれただけなら大したことはない・・・
部屋で待っていればいつもみたいに「ただいま」と言って帰ってくる

でも・・・人の波に消える霧香の横顔は、確かに泣いていた
「・・・霧香・・・」
降り続く雨のせいで嫌な記憶が蘇る
睨みつけるように見上げた空のその途中に見えたのはあの見慣れた鐘楼
散々走り回って気づかぬうちにアパルトマンの近くまでに帰ってきていた

もしかしたらと思って部屋に戻ってみるが、中は暗く人のいる気配は無い
灯りをつけて確認する気は起きなかった
15757-7-2:2008/01/07(月) 02:01:43 ID:dWdRTVyB

すぐにアパルトマンを出て駆け出す
大きな通りを車も気にせずに走り抜けてからふと気が付いた
「・・・・・・・・・・・・」
一度部屋に戻ったというのに傘を持ってくるのを忘れた
そこまで頭が回らないほどに焦っている自分を改めて自覚する
「――っ」
ミレイユは胸の辺りを無造作に掴んだ

心の奥底で警鐘が鳴り響いている
あの表情を私は知っている・・・あの子は、また私の側から居なくなろうとしている
(何で・・・)
分からない・・・
もしかしたら
私の想いに気付いたのだろうか・・・・・・

でも・・・
――そんなの・・・もうどうでも良い

ミレイユは走り続けた
当てなんて無い。でも走り回って探し続けなきゃ見つかるものも見つからない
掴みたいものが己の眼でしっかりと見えているのなら、もう間違えてはならないと心のどこかで分かっていたはず

――たとえ、その先に何が待っていようと・・・今はあの子の手を掴みたい

今は見えないそれを掴むように拳をぎゅうっと握り締めた

いつも無くしそうになってから気付く、そしていつも気付かせてくれるのは彼女
あの手紙の時と同じ・・・
(本当に・・・進歩しないわね・・・私は)
僅かに浮かんだ乾いた笑みは、直ぐ雨と共に流れ落ちた
16757-7-3:2008/01/07(月) 02:07:13 ID:dWdRTVyB

細い路地を抜けるとセーヌ川のほとりに出た
「ハァ・・・ハァ・・・」
足を止め上がった息を整える
「・・・ハァ・・・・・・」
真っ直ぐ見据えた視線の先には、パリで最も古い歴史を持つ橋

まだ私が霧香の事を「得体の知れない何か」と思っていた頃、彼女に辛く当たった日があった
そんなバカな私のために、本の手がかりを得るチャンスを逃してまで駆けつけた彼女に
照れ隠しのようにあの学生証を手渡した
一瞬、指先が触れ合ったあの時・・・私は彼女に対して初めて、完全に心を許した

そう・・・あの場所で・・・・・・――
――・・・・・・そこに佇む小さな背中

「いた・・・・・・」
その背中が消えてしまわないように、誰にでもなくそう呟いた

                ―つづく―
17757-8-1:2008/01/07(月) 02:23:47 ID:dWdRTVyB

「あんた・・・雨が降ると放浪する癖でもあるの?」

雨の音だけを拾っていた鼓膜を震わしたのは、聞きたかった、今は聞きたくなかった声
真っ白だった頭の中に色が戻ってくる。一呼吸置いて声のした方を振り返った

――あぁ・・・前にも似たような光景を見た

これこそ幻想であってほしかった。私にとって雨はあまり相性の良いものじゃないらしい


「まったく・・・何やってんの」
雨の中にも鮮明に響くブーツの音がこちらに近づいてくる
「・・・・・・・・・・・・」
「花火、最後まで見れなかったじゃない」
「・・・・・・・・・・・・」
「ほら、帰るわよ」
「・・・・・・・・・駄目だよ・・・」

音がピタリと止んだ

「・・・・・・もう・・・駄目なの」
「・・・何が」
「これ以上・・・ミレイユの側にはいられない」

止まない雨。閉まらない扉。そこから想いが止めどなく流れ出す
18757-8-2:2008/01/07(月) 02:26:51 ID:dWdRTVyB

「・・・何も無かった私に貴女は・・・沢山のものを与えてくれた・・・」
「・・・霧香?」
「でもそれ以上に貴女から沢山のものを私は・・・・・・奪っていた」
「っ・・・その話はもう」
「それなのにミレイユは・・・私が側にいることを許してくれた」

だから私は夕叢霧香として罪を受け入れることができた

「なのに」
――私は貴女を・・・
「また・・・罪を・・・」

息が詰まる。胸が苦しい。段々視界がぼやけていく

「私は・・・」

言葉が、止まらない

「私は・・・ミレイユが・・・・・・好き・・・」

その言葉を口にした途端堰を切ったように涙が溢れ出た。涙は雨に混じり頬を伝い落ちていく

「でも」
貴女の側に居られる、それだけで十分幸せなはず・・・これ以上何を望む?
貴女が大切だからこそ
「これ以上は・・・・・・望めないよ」
19757-8-3:2008/01/07(月) 02:33:09 ID:dWdRTVyB

沈黙する二人の脇を数台の車が通り過ぎた。よろけるように一歩後ずさる
それを止めようとミレイユが手を伸ばした
「霧・・・」
「――っ・・・こんなの!・・・女の人に向けるような気持ちじゃないのは知ってるっ」
バチンと音を立てて伸ばされた手を払いのけた
「変だって・・・・・・分かってる・・・」

――あぁ・・・こんなはずじゃ・・・

「でも、普通じゃないって頭では理解してても、この気持ちはっ・・・どうしようもなかった。
ミレイユが・・・・・・欲しいという気持ちは――抑えられないの」

――もう自分が何を喋っているのか分からない

「・・・だから、もう・・・ミレイユの側にはいられない」
ミレイユの顔がまともに見れず、俯いたまま背を向けて歩み出す
その時、刺すような痛みが手首に走った
「――っ・・・離して・・・」
「うるさい」
「ミレイ」
「黙りなさい」
これ以上無いほどの強さで手首を握られ霧香は顔を歪めた
氷のように冷たい指先が霧香の肌に食い込む
そこに視線を向けるとその手は長時間雨に打たれたのだろう冷えて赤くなっていた

「――・・・・・・・・・」

途端、濁流のように押し寄せては吐き出していた黒く悲しい気持ちがゆっくりと引いていくのを感じた
20757-8-4:2008/01/07(月) 02:55:23 ID:dWdRTVyB


雨の降り注ぐ街の中、手を引かれ俯いたまま歩いていく
大通りも路地もアパルトマンの階段もひたすら無言で歩を進め、
部屋のドアの前までたどり着いてからやっとミレイユの背に視線を移した

――また・・・背中が遠くなってしまった
雨の中散々探させてしまった
――怒らせてしまった
気持ちを知られてしまった
――気持ち悪い思いをさせてしまった

もう、今までのようにはいかない
あの大好きな微笑みも・・・もう見られない
やっと見つけた私の居場所・・・・・・それを自分で崩してしまったんだ


パタンと小さな音を立ててドアが閉まる
籠もった雨の音は聞こえているはずなのに、外界と遮断された途端襲う妙な静けさ
霧香の手首をつかんでいた手が静かに離れた
重力に従って下がる腕。引かれる力を失いその場から動けなくなる
「・・・・・・・・・・・・・・・」
前に佇むミレイユの背中も動かない。ミレイユの前髪からポタポタと雫が落ちて床に弾けた
それでも彼女は微動だにしない
俯いて影を落としたその表情は濡れた髪に隠れて見えなかった
「・・・・・・・・・・・・・・・」
道を、屋根を、街を雨が打つ音だけが響く
その音も耳に届かなくなるような重々しい静けさが廊下を、二人を包み込んでいた
「・・・・・・・・・・・・っ」
永遠に続くかのような静寂の重圧に霧香は耐えられなかった
21757-8-5:2008/01/07(月) 03:05:52 ID:dWdRTVyB

「・・・・・・タオル・・・取ってくるね・・・」
何とか絞り出したその声は震えていた

壊してしまった二人の関係

取り返しのつかないその事実に身体が震え、足が上手く動かない
何とか歩を進めてミレイユの横を通り過ぎる。リビングに向かおうとしたその身体がふと後ろへ引かれた
「あっ」
先程まで強く掴まれていた手首をまた掴まれ乱暴に引き寄せられる。バランスを崩した身体を抱き止めたのはミレイユの腕
「っ!!?」
動揺して開きかけた唇を食いつくようにミレイユのそれが塞いだ

――――え

唇を覆う熱い感触
「――!!」
驚いてミレイユを押し戻そうと彼女の肩を掴むが、逆にその手を掴まれ引き下ろされる
「んっ・・・ミレ・・・つっ!」
下唇に噛みつかれた。壁に追いやられ逃げ道を失う
「っ――――」
掴まれていた両手が一瞬解放されるが、すぐに二の腕を捕まれガツンと壁に押し付けられた
さらにミレイユの身体を押し付けられ唇を貪られる
「んんっ――!」
雨に濡れて張り付いた服越しにミレイユの体温を感じる

苦しい
熱い
  あつい
22757-8-6:2008/01/07(月) 03:11:56 ID:dWdRTVyB

「ふぁっ・・・ん・・・ハァっ」
息継ぎをしようと顔を背け空いた透き間から酸素を取り込んだその時
「っはぁ・・・」
耳を貫いたのはミレイユの切ない吐息
途端にぐらりと世界が回る
膝から力が抜け壁にそってズルズルと床へ崩れ落ちた
ミレイユはそれを追って膝をつき、へたり込む霧香の頬を両手で挟みグッと上向かせ尚も唇を押し付けた
先程まで抵抗していた手はミレイユの服を力無く握っている
霧香の抵抗は、もう無かった
力の抜けたその身体で、与えられる乱暴な口付けを甘受している
それに気づいたミレイユは唇をゆっくりと離し頬に手を添えたままその場にぺたりと座り込んで吐き捨てるように
「ムカつく・・・」
と、やっと言葉を発した

「私はっ」
霧香の首に腕をまわし目の前の肩に額を乗せてミレイユは言葉を絞り出した

「・・・私は・・・側にいるのを許したんじゃない」

その言葉が呆然としていた霧香の胸にグサリと刺さった。だが次の瞬間はっと息を飲んだ
肩に、雨で濡れたのとは違う暖かな水の感触

「側にいてほしいって・・・お願いしたのよ・・・」

忘れたの?とミレイユは震えた声で、でもどこか呆れたような口調で言った
「・・・・・・ミレ・・・イユ・・・」
彼女の言葉が心の中心を覆っていた壁をゆっくりと溶かしてゆく
23名無しさん@秘密の花園:2008/01/07(月) 11:41:40 ID:Vz/mXuXp
新スレ早々GJな作品が多くて幸せだ・・・
24名無しさん@秘密の花園:2008/01/07(月) 12:20:47 ID:Yp1uwXtr
757だが書き込め無くなったがまだもうちょっと8続くんじゃぞ
25名無しさん@秘密の花園:2008/01/07(月) 19:12:36 ID:y5nk+yly
ん?757は連投規制されたの?
26名無しさん@秘密の花園:2008/01/07(月) 23:18:51 ID:h8nGlpwx
757待ってるからまた続き頼むよ
27名無しさん@秘密の花園:2008/01/08(火) 00:56:39 ID:lYDdl3Li
ハァアン(*´Д`)何という生殺しw
GJと言いたいが続き来てからにする!
28名無しさん@秘密の花園:2008/01/09(水) 05:18:38 ID:yb9jbOxW
前スレ埋まったな。
SSが2作投下されたりと幸先は良いので、パート3も期待してみる。
29名無しさん@秘密の花園:2008/01/10(木) 23:21:56 ID:p8owqGMa
GJ!
けどナディエリも読みたいなぁ・・・
前スレのネ申また降臨してくれww

30名無しさん@秘密の花園:2008/01/10(木) 23:41:54 ID:FjnXcDHV
霧ミレ、窓禍(?)、ナディエリ。
5年後は妄想できても10年後はとても想像がつかんw
31名無しさん@秘密の花園:2008/01/11(金) 01:39:13 ID:kMD8pdq8
>>29 
うむ
ここは過疎の割りにレベル高いSS多くてうれしい
32名無しさん@秘密の花園:2008/01/12(土) 00:06:21 ID:A2OiFJpK
10年後か…
エリスが一番想像つかん
霧香が一番まともに成長しそうだな
33名無しさん@秘密の花園:2008/01/12(土) 01:03:53 ID:1WBLEKZ7
忘れていたエルカザドの特典CDとやらがやっと今日届いたぜ
34名無しさん@秘密の花園:2008/01/12(土) 01:09:51 ID:67dNKeRK
どうだった?
35名無しさん@秘密の花園:2008/01/12(土) 01:30:15 ID:6ofI0U7E
kwsk!
36名無しさん@秘密の花園:2008/01/12(土) 13:14:54 ID:idnyNvft
百合は?百合はあったか!?
37名無しさん@秘密の花園:2008/01/13(日) 00:18:32 ID:HnqrTEVt
残念ながら特典はドラマCDとかじゃなくてラジオの延長みたいな感じだった
変態がナディとエリスの前で織田裕二とか児玉清の物真似するカオスなミニドラマ?入ってたけどw

強いて百合っぽいとこをあげるなら、
喋ってる最中に急にナディの中の人がエリスの中の人のおっぱいを揉んだくらいかな
他にもやたらイチャイチャしていたよ
38名無しさん@秘密の花園:2008/01/13(日) 00:42:42 ID:blywk9FS
さすが御前。構成の不備を即フォローして需要を満たすとはな。
39名無しさん@秘密の花園:2008/01/13(日) 01:02:37 ID:0AtnkE4u
>>37
おおお、ありがとう。
やはり中の人ネタだったか。

エル・カザドやっぱり2期やってほしいな。
せめてOVAでもいいから。
40名無しさん@秘密の花園:2008/01/13(日) 10:01:39 ID:zw2iQG8z
>>「エル・カザド」「スパイダーライダーズ」共におかげさまで無事放送終了し,まだ発表はできないのですがビデオ・アニメーションの制作も終了し,
>>現在来年度放映予定の新タイトルの制作が本格的に始動している昨今です.
>>そのうちまとめて発表できるかと思いますのでご期待下さい.
絶対違うだろうけど期待せざるをえない。
41名無しさん@秘密の花園:2008/01/14(月) 01:25:51 ID:hDZvkRww
これは確かに期待してしまうな…。
ビィートレがんがれ、超がんがれ。
42名無しさん@秘密の花園:2008/01/14(月) 01:37:20 ID:/r9HxONM
俺も期待
頼む!
43名無しさん@秘密の花園:2008/01/14(月) 15:11:53 ID:TR1i1K/4
ビィートレ作品のマーダープリンセスって百合なの?
44名無しさん@秘密の花園:2008/01/14(月) 22:29:48 ID:QmSR9dxP
ほんのり百合要素はあるけどメインではない

それにしても三部作の二期が無理でも、また真下×梶浦で新作出してほしいな
45名無しさん@秘密の花園:2008/01/16(水) 02:24:12 ID:1jsbCM5t
エルカザドでやりたいこと吐き出して、これからは普通に売れそうな作品だけやるって可能性も。
これまでは真下の個人商店色が濃かったけど、いつまでもそれじゃやってられないし、
実際オリジナルではノワールしか売れなかったし。

水差してスマソ
46名無しさん@秘密の花園:2008/01/16(水) 06:08:25 ID:4813hWoY
エルカザはやりたいことやったっていうより、後進を育てようとしている気がした。
47名無しさん@秘密の花園:2008/01/16(水) 19:46:02 ID:xGR4arzL
エルカザSS、待ってます。
48名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 00:02:34 ID:4813hWoY
エルカザにもナディとエリスだけでなく様々な組み合わせがあると思うんですよ。
青目とか、リリオとか、Bレディとか、議長とか。
なので、よろしくお願い致します。
49名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 00:45:23 ID:corD+uEU
>>47-48
あなたがエルカザ好きに対して何をしてほしいというのではなく、
エルカザ好きに対してあなたは何ができるかを自問自答してほしい

昔の大統領はいい事言ったもんだ
50名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 01:43:26 ID:SsYKxY5k
前スレでSS書いてた人たちはもういないのかね
つーかID:4813hWoYが日付変わってもIDが変わってないことに驚いた
51名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 05:48:59 ID:XBmVjxpv
今は変わったかな?ID:4813hWoYだけど、たまにID変わったりしないことあるよ。
52名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 08:38:34 ID:CYILECzH
>>49
そうか、わたしは一応SS書いてた時期もあった。
保管庫見て「かなわんわぁ」と思った。
それでもいいなら何かさせてもらおう。
53名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 19:00:26 ID:qjmWeBDT
おお!!
待っているぞ!!!
54名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 21:11:38 ID:LFdkU+xc
エリスがぬこ拾って来て「飼っちゃダメ?」とか言うSS書こうと思った
よく考えたらNOIRにそんな場面があった事思い出して頓挫した
55名無しさん@秘密の花園:2008/01/17(木) 21:13:41 ID:ihRDtweD
本編でも変なトカゲ捕まえてたけどなw
56名無しさん@秘密の花園:2008/01/18(金) 04:35:56 ID:ca1/isQv
そこでナディがあんたがあたしのネコよって返すのさ
57757-8-7:2008/01/18(金) 18:26:06 ID:5/UxHSOw

「・・・確かにあんたは、私の家族を殺して私から沢山のものを奪っていたわ・・・
それがあんたの意思じゃなかったとしても、それは変えられない過去・・・真実よ・・・
・・・でも・・・」
ミレイユは凭れ掛けていた身体を起こし霧香の顔を覗き込んだ
霧香の瞳にうつったのは、もう二度と見られないと思っていたあの
大好きな優しい微笑み
「私に掛け替えの無いものをくれたのも、あんたよ」
自覚が無いみたいだけど、それを忘れないで・・・。そうミレイユは続けた
「霧香が私を・・・好きでいてくれるのが罪だというのなら、私も同罪だわ」
ミレイユの両手が霧香の頬を今度は優しく包み込む

蒼い瞳が真っ直ぐに霧香を見据えた

「私も・・・霧香・・・あんたが好き」
58757-8-8:2008/01/18(金) 18:30:13 ID:5/UxHSOw

「――――っ!」
耳を疑うより先に涙が零れ出た
けれどそれは、雨の中で流したあの涙とは別の、ミレイユが私の肩で流したのと同じ・・・暖かい涙
ミレイユの親指がそれを拭い、そのまま霧香の頬をぐにっと摘んだ
「私にここまで言わせて、それでも逃げるなら・・・また私から大切なものを奪うのなら・・・それこそ私はあんたを許さない」
「っん・・・」
摘まれた頬と溢れ出る涙のせいでうまく言葉が発せず霧香は首を縦に振った

「もう二度と失いたくない・・・どんな関係になろうと・・・・・・あんたとずっと一緒に・・・いたい」

もう言葉は出なかった
嗚咽がでる程泣きじゃくる霧香の背をミレイユはよしよしと撫でて、そのまま息ができないほどきつく抱き締め合った
もう絶対離さない・・・離れない・・・と精一杯身体で示すように


59757-8-9:2008/01/18(金) 18:51:43 ID:5/UxHSOw

暫くして霧香の呼吸が少しだけ落ち着きだした頃、ミレイユは霧香の背を撫でながらゆっくりと話し出した

「私は・・・あんたを失いたくなくて・・・眼を覆ってしまっていた
苦しんでいたあんたに気づかないまま・・・一度、この関係のままが一番いいんじゃないかって思ったわ・・・
でもそれは、逃げてただけだった・・・」
霧香は黙って聞いていた
「『普通じゃない』・・・それが何だって言うの。私達が今まで歩んできた道だって、十分普通じゃなかったのに
今更そんなものに捕らわれて、一番大切な事を見失っていたのよ・・・」
ミレイユは霧香の手にそっと指を絡めた
「心は決して偽れない。それが本当に大切なものなら、正面から向き合うことを恐れてはいけない・・・」
繋いだ手をギュッと握ってミレイユはそう強く口にした
「なーんて、偉そうなこと言って・・・ゴメン・・・私はいつも後手・・・臆病者なのよ、私は」
俯くミレイユの手を今度は霧香の手が優しく握り返した
「ううん・・・私も・・・・・・また逃げちゃったから・・・」
呼吸が落ち着いたのか霧香が小さく言葉を発した
「ずっと怖かったの・・・この想いがミレイユに拒絶されてしまったら・・・そう思うと・・・だから・・・私・・・」
60757-8-10:2008/01/18(金) 20:11:37 ID:5/UxHSOw

また涙が出そうになり瞼を閉じると目尻に柔らかいものが押し付けられた
ミレイユの唇が少しだけ溢れた涙を拭ってくれた

「ほら、泣かないの・・・もう悲しくなんかないでしょ?」
「っ・・・うん」

そう・・・もう、ちっとも悲しくない
手首に刻まれた爪の痕とその痛み、ミレイユの体温が、これが幻想じゃないことを教えてくれる
ぐちゃぐちゃでどうしようもなかった心は想いが通じた嬉しさと
彼女への愛おしさに満ち溢れて暖かさを取り戻していた

――だから今度はちゃんと、笑顔で伝えられる

「ミレイユ・・・大好き・・・」

「私もよ・・・霧香」

二人は笑みを交わし再度相手の存在と、向け合う気持ちを確かめるように
きつく手を握り一つの隙間も無い様に身を寄せ合った
61757-8-11:2008/01/18(金) 20:17:19 ID:5/UxHSOw




十二分に互いの温もりを堪能してから
さてと・・・とミレイユは安堵の溜め息を吐き膝を付いて腰を上げた
「このままじゃ何だし・・・取り敢えずシャワー、浴びたいわ」
気持ち悪いという風に苦笑いしながら肌に張り付いた服を伸ばしてみせ、霧香に手を差し伸べた
「うん・・・このままだと身体冷えちゃうしね」

その手を取り笑みを含んで応えたものの
霧香の身体に籠もる熱は一向に収まる気配はなかった



それはミレイユも同じであった――


                ―つづく―
62757:2008/01/18(金) 20:25:01 ID:5/UxHSOw
SSぶつ切りと流れ読まずにNOIRでスマンかったorz
あと当初はエルカザ本編のナディみたいに後ろから優しく抱き締めるつもりが
俺の中ではどうやってもコルシカのお嬢さんは乱暴で不器用なおにゃのこで甘くならんかった(´・∀・`)スマン
次で終わりです
63名無しさん@秘密の花園:2008/01/18(金) 21:09:57 ID:QAJNKkhW
十分甘いぜ(*´Д`)。続き待ってるよん
64名無しさん@秘密の花園:2008/01/18(金) 23:18:23 ID:PlxKwygs
>>62

楽しみにしてるよ
65名無しさん@秘密の花園:2008/01/19(土) 03:59:06 ID:b+bwvbCc
ラストがんばれー
保管庫の管理人も仕事早くてよいな
66名無しさん@秘密の花園:2008/01/20(日) 11:03:23 ID:tjbBQC9a
おいおいいきなりエルカザSS投下宣言とか、ノワール最終回直前とか
嬉しすぎてたまらんな。
67名無しさん@秘密の花園:2008/01/20(日) 16:58:37 ID:KXjB3Q6h
GJ霧香良かったよ霧香(´Д⊂ヽ
ダメイユは不器用だからこそ優しさが映えるんだよな
68名無しさん@秘密の花園:2008/01/21(月) 00:04:21 ID:tjbBQC9a
ガンスリ二期を見て思った。三部作に二期はいらないんじゃないのかと。
69名無しさん@秘密の花園:2008/01/21(月) 02:01:16 ID:aBmcLlIZ
2期って大体劣化することが多いんだよなぁ
それが判っていても、心のどこかで期待して願わずにはいられないファン心
70名無しさん@秘密の花園:2008/01/21(月) 02:05:21 ID:cpjp9acB
カザドの特典CDで、中の人たちが
「劇場版とかやってみたい」「それを機に2期やってみたい」とか言ってたけど…ねえ
71名無しさん@秘密の花園:2008/01/21(月) 08:42:31 ID:mRBBRu4u
エルカザの第二期よ や つ て く れ ! 主人公はそのままで。
72名無しさん@秘密の花園:2008/01/21(月) 11:36:48 ID:nm8mbRO+
エルカザは旅路は続く。だしナディの過去とか投げっぱなしだし二期しやすいな
マドはマドがまだエージェントだからOVA短編で何とかなりそう
NOIRは続編作ったら二人共死にそうだから怖い
暗殺家業やめてりゃいいがそれじゃ話作れんし
73名無しさん@秘密の花園:2008/01/22(火) 00:25:17 ID:kIBBclXM
ナディの過去って結局うやむやのまま終わったなw
74名無しさん@秘密の花園:2008/01/22(火) 00:41:36 ID:RSejtlZg
そういやCDドラマでナディは雨が嫌いって青目さんが言ってたな
ナディ過去の複線回収フラグかと期待したのに、
この期に及んで更に複線残していってどーするって思ったw
75名無しさん@秘密の花園:2008/01/23(水) 00:49:24 ID:0jXeN282
百合的名台詞集―窓編―


- あの子のことが気にかかる。私を支配する。ああ、あなたはもう一人の私。この気持ち、恋なのかもしれない(11話)
- ここで寝ればいいでしょ?……いっしょに(12話)
- ヴァネッサ・レネ、お姫様はあなた。そして……王子様は私。(12話)
- ねえ、一緒に寝ていい?…だめ?(12話)
- ありがとう、エリノア。大好きだよ(17話)
- 私、あなたが好きです。あなたは優しい人だから(20話)
- そうね。好きよ、マドラックス……(20話)
- どうしようもなく惹かれてしまうのです。マドラックス……(23話)
- 行かせてください!お願い、行かせて!私をお嬢様の所へ!!(23話)
- エリノア、ずっと一緒にいてくれる?(24話)
- もちろんです。それが私の……願いですから(24話)
- あなたの中に私をいさせて(24話)
- あの子ったら…参るわ。まるで告白じゃない(24話)
- 一緒に…なってください(26話)
- 私をマーガレット・バートンを愛してる(26話)


ノワールとエルカザは任せた!(窓の補完も)
76名無しさん@秘密の花園:2008/01/23(水) 00:50:29 ID:0jXeN282
やばい。肝心なもの間違えた。

- 私をマーガレット・バートンを愛してる(26話)
 ⇒私はマーガレット・バートンを愛してる(26話)です。
77名無しさん@秘密の花園:2008/01/23(水) 08:54:34 ID:+fjpPdHP
マドラックスは見たことないけど、それだけ聞くとなんか凄そうだなぁ…
78名無しさん@秘密の花園:2008/01/23(水) 22:15:20 ID:5qdqA9Nm
これはいい仕事を

カザドやりたいけど、録画を見返す時間がねぇ
誰か頼む
79名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 08:27:46 ID:KyK9rtJK
そうだな、記憶を掘り起こして書くと言ってない事まで書きそうだ…
80名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 19:34:29 ID:KyK9rtJK
百合的名台詞集―エルカザ編―


-「仲が良いと笑うの?」
「まぁね」
「…ふふーん」
「無理しなくていいから…」
「仲良しだから」
「笑わなくても、仲良しなの」
「!…そうなんだ」
(10話:自分たち以外の仲良し夫婦を見て)

-「エリスはあたしの相方よ!」
(10話:囚われたエリスを自分以外に助けられそうになったナディ)

-「あたしは決めたの、エリスの傍に、ずっと居るって」
(10話:エリスの護衛をやめろと言う青目に)

-「嫌じゃない? 私が、人間じゃなくて」
「…そんなせつないこと、言わないで」
「ナディ…………いえっさ」
(15話:エリスは普通じゃない件について)

-「困ったなぁ…あの時、かっこつけないで報酬貰っとけば良かった
 …駄目駄目、あんな金受け取ったら、百回生まれ変わっても後悔する」
(16話:青目から護衛終了の報酬を貰わず苦労する一行)
81名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 19:37:16 ID:KyK9rtJK
-「ナディ。……いつも、こういうこと…やってたんだ。私と会う前から」
 「……まぁね」
 「…私……もう、(やれって)二度と言わないから」
 「…いえっさ」
(17話:こういうことをやって死にそうになったナディ)

-「あのね、ナディ…良かった。…ナディと私は、仲良しだよね」
 「ばーか、当たり前でしょう?」
 「一緒に行こうね、ウィニャイマルカ…」
 「行こう」
(…そこに何が待っているかは分からない。でも、エリスが行きたいって言うんなら、
 行こう。何があっても、あたしはエリスの傍に居て、この子を…守る)」
(18話:痴話喧嘩の後、夜の車内で)

-「夫婦に見える?」
 「はぁ!?」
 「仲良し夫婦」
 「夫婦は男と女」
 「いいの」
 「あのぉ…運転しにくいんですけど……まぁ、いっか」
(19話:腕を組んで寄り添うエリス)

-「ナディを助けるの。…なんとかする。……行く。…助けるの。
 いつも助けて貰ってるから。…私はなんにもしてあげた事が無い…」
(20話:彼の者不在。牢屋の中)
82名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 19:38:07 ID:KyK9rtJK
-「夫婦に見える?」
 「はぁ!?」
 「仲良し夫婦」
 「夫婦は男と女」
 「いいの」
 「あのぉ…運転しにくいんですけど……まぁ、いっか」
(19話:腕を組んで寄り添うエリス)

-「ナディを助けるの。…なんとかする。……行く。…助けるの。
 いつも助けて貰ってるから。…私はなんにもしてあげた事が無い…」
(20話:彼の者不在。牢屋の中)

-「あつい…ナディが居ないと、…あつい…」
(20話:聖なる光を失わない…ウイニャイマルカを示している。
 リカルドに伝えろ、予定通り、ナディを助けると)

-「ナディはナディだから。私は、それだけで…いいの」
(20話:ナディはキミを監視してるだけ発言する変態に向かって)

-「行き先なんてどこだっていいの。ただし、一人旅だけは無し。誰かが一緒じゃないとね」
 「誰かって、私のこと?」
 「死ーんだって教えない」
(21話:以下お世辞にも微笑ましくないとは言えない問答が続く)
83名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 19:39:36 ID:KyK9rtJK
二つ被ってた…


-「離さないよ、何があっても。」
 「どうして? もう、傷付けたくないのに…だから、バイバイしたのに」
 「ばか。今度そんなこと言ったら、絶対、許さないんだから。
 …こんなにちっちゃいくせに一人で大きいこと考えて…」
 「だって…」
「あたしの身にもなれ。ウィニャイマルカへ行こう。その為に今まで旅して来たんじゃない。
 あたしは決めたんだからね。…あんたを、全力で守るって…だから心配要らない。
 魔女の力なんてどうでもいい。ウィニャイマルカへ行けば、探してた答え、
 分かるかも知れないんだからさ。大丈夫。何があってもあたしが傍に居る。
 あんただけにつらい思いはさせない。オッケー? 相棒」
 「っ…いえっさ!!」
(23話:ナディは男前)

-「…感じる?」
 「何も感じない」
 「…ここは?」
(25話:何も訊かないで視聴推奨)

-「遺言があったら…どうぞ?」
 「大好きだよ。…ナディ」
(25話:愛してるとは言わない二人)

-「エリス、(この奥さんに先立たれた優男と)結婚してあげたら?」
 「ナディがいいならいいよ」
(26話:ナディと結婚したいって言ってくれるのを待つナディ)

-「目の輝いてるナディが…好き」
 「エリス……よし、行こう!」
(26話:一所に留まって目の死んでるナディに向かって)
84名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 21:55:18 ID:5r6OAkGq
乙っさ
場面説明で吹いたw
85名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 22:09:50 ID:5z21uBnn
おおお、GJ!
でも萌えさせるか、笑わせるかどっちかにしてくれw
20話辺りから説明おかしいからww

あと25話の「感じる」は違うだろwww
86名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 22:50:20 ID:qfFFTP4V
NOIRは状況説明しないと百合的名言だとわからないものが多いような気が。
最強のアイテム「手紙」があるけどさw
87名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:07:34 ID:bSf1mcMl
「忘れ物だよ?」と「どうしてもうまく言えません」がある限りNOIRは不滅
88名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:26:08 ID:RO1wi4zV
NOIRは瞳と文字で語る百合なのですよクロエ
89名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:41:08 ID:2KoTYdo7
百合的名台詞集―窓編― ver0.2


- 「あの子のことが気にかかる。私を支配する。ああ、あなたはもう一人の私。この気持ち、恋なのかもしれない」
(11話次回予告:怖い人→窓。脈絡も無く百合告白)

- 「ここで寝ればいいでしょ?」
 「何ですって?」
 「……いっしょに」
 ドンドンスパーン
(12話:羽→窓。ソファーで寝ると言う窓に)

- 「ヴァネッサ・レネ、お姫様はあなた。そして……王子様は私」
(12話:窓→羽。すっかりベタ惚れの窓。この後、怖い人の元へ)

- 「ねえ」
 「何?」
 「一緒に寝ていい?」
 「……」
 「だめ?」
(14話:窓→羽。この後の二人に大注目)

- 「やめて。離れて。でないと撃ちます。……離れて!」
 「無理よ。そんなに震えていたらこの距離でも当たりはしないわ」
 「逃げて、マドラックス。……逃げて!」
 「邪魔なのよ、あなた。それに酷くいらつく」
(14話:羽⇔窓←怖。恐怖の修羅場)

- 「お嬢様、私もお供させて頂きます」
 「ありがとう、エリノア。大好きだよ」
(17話:禍→襟。そしてガザッソニカへ)
90名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:41:28 ID:2KoTYdo7
- 「こういう足枷。似合わないのよ。あなたには」
 「相手が違うわ」
(17話:怖→窓。羽に銃を向けながら。恐怖の修羅場その2)

- 「それにあなたに頼まれたから。もう死ねないわ」
 「うん」
 「だから、あなたも死なないで」
 「…うん!」
(17話:羽→窓。今後、窓を支えてゆく約束)

- 「どうしてかしら……あの子の顔しか浮かばない」
(18話:怖→窓。上官殺し後)

- 「私、あなたが好きです。あなたは優しい人だから」
(20話:禍→窓。ヴァネッサを助けてくれた窓へのお礼の途中)

- 「そうね。好きよ、マドラックス……」
 「ヴァネッサ・レネ…何てゆう邪魔な女!あの女さえいなければ、私は、あの子と踊り続けられたのに」
(20話:怖→窓。怖い人大暴走)

- 「どうしようもなく惹かれてしまうのです。マドラックス……」
(23話:那覇→窓。ツンデレナハル)

- 「イカせてください!お願い、イカせて!私をお嬢様の所へ!!」
(23話:襟→禍。機関銃をぶっ放しながら)
91名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:41:50 ID:2KoTYdo7
(23話:襟→禍。機関銃をぶっ放しながら)

- 「エリノア、ずっと一緒にいてくれる?」
 「もちろんです。それが私の……」
 「いいえ。それが私の……それが私の願いですから」
(24話:襟→禍。幸せだった一時)

- 「お願いが、あるの。私を見届けて。私という存在を覚えていて欲しいの、あなたに。私を忘れないで。お願い、リメルダ・ユルグ。あなたの中に、私をいさせて」
 「あの子ったら…参るわ。まるで告白じゃない」
(24話:窓→怖。怖い人の脳内お花畑)

- 「一緒に…なってください」
(26話:禍→窓。あなたと…合体したい)

- 「私はマーガレット・バートンを愛してる」
(26話:窓→禍。自分を切り捨てた女をか!)

- 「見続けるわよ、あなたを」
 「馬鹿ね…」
 「そう?」
 「ええ、馬鹿よ」
(26話:怖→窓。怖い人大勝利)
92名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:47:34 ID:2KoTYdo7
ついでにエルカザも

- 「結婚しよう。エリス」
(27話:誓う女)
93名無しさん@秘密の花園:2008/01/24(木) 23:56:27 ID:scj8Po6U
捏造www
94名無しさん@秘密の花園:2008/01/25(金) 01:09:44 ID:x8qMjQgI
ちょww
間違ってないけど色々おかしいww
95名無しさん@秘密の花園:2008/01/25(金) 06:04:09 ID:KPP3ffXY
>>86
確かに嘘はいけない。25話の説明も誠実に差し替え
(25話:感じないエリス)
96名無しさん@秘密の花園:2008/01/25(金) 08:27:13 ID:633uTFy3
アンカー間違えてるってこういうのを言うんだね…
95は>>85 …終わっとる(人生が)
97名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 00:15:31 ID:iJ2p0GPn
窓追加。

- 「そのデータを公表しようとした瞬間、アンファンはあなたを殺す。殺されないためには二つしか方法が無いわ。一つ目はデータを公表しないこと。二つ目は永遠に私を雇い続けること」
(12話:窓→羽。さり気なくプロポーズ)
98名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 00:23:36 ID:Wt7RgWc5
そのノリでNOIRもやってくれw
99名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 22:58:04 ID:iJ2p0GPn
百合的名台詞集―ノワール編―


- 「Make a pilgrimage for the Past, with me」
(1話:顔写真を送りながらお誘いする霧香)

- 「私は奴らに聞きたいことがある。それが終われば私があんたを殺す」
 「待っているわ、その時を」
(1話:終わらないまでは殺しません宣言)

- 「その花、前にも買ってたね」
 「あんた〜つまんないこと覚えてるわね」
(3話:ミレイユのことは何でも覚えている霧香 )

- 「ヤルのね?」
 「ヤルわ」
(3話:黒光りするモノをお互いに向けながらテレパシー )

- 「いいわ、ミレイユ。ヤッて……」
(7話:黒光りするモノを向けているミレイユに対して )

- 「教えてあげるわ。ノワールは二人で一つの名前なの」
 「ノワール…」
 「そう、二人で一つの殺しのユニット」
(7話:私たち、二人で一つです宣言)

- 「あんたと私を結ぶ糸。それはきっと……黒い色をしている。闇よりふかぁい真っ黒な糸よ」
(7話:私たち、結ばれてるんです宣言)
100名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 22:58:37 ID:iJ2p0GPn
- 「死の…接吻!」
 「その意味は知っているでしょ?」
(9話:シルバーナにおもむろにキスをされ怒るミレイユ)

- 「アルテナー!!」
 「おかえりなさい…」
 「ただいま…」
 「お顔を見せて、クロエ。あなたの元気な顔を」
 「はい!」
 「話すことがいっぱいあります。あの子に会いました。そしてこれを貰いました」
 「そう…疲れたでしょ?さあ中へ入ってゆっくり聞かせてちょうだい」
(12話:アハハウフフ)

- 「あんた、せっかくの手がかりをみすみす逃したっていうの?」
 「うん」
 「私のことよりコピーを取りに行こうと思わなかったの?」
 「うん」
 「(学生証を取り出し)忘れ物だよ」
(18話:霧香を受け入れたミレイユ)

- 「お願い、ミレイユ……そんな目で、私を見ないで」
(19話:じっと見つめるミレイユに対して)
101名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 22:59:16 ID:iJ2p0GPn
- 「ミレイユ。私はとても嫌な予感がしてます。だからあなたにこれを書きます。
  あの時、クロエは言いました。ソルダこそ私の故郷だと。
  私はもうあなたと会えなくなるかもしれない。もう一人の私がいる。そんな気がするのです。
  あなたに殺されるのは構わない。でも、もしその時最後の言葉を交わす時間さえ無かったとしたら…
  それでは耐えられない。私にはどうしても伝えておきたいことがあったから。
  ミレイユ。私は一人だった。ずっと一人。私には何もなかった。それが怖くて、苦しかった。でも私は一人ではなかった。
  ノワールがもともと二人で一つの名前だと知った時、それは…もちろん衝撃だったけれど。
  私は心の中で喜びを感じていたの。
  私にはあなたがいた。ミレイユ、あなたがいてくれて嬉しかった。嬉しかったの。とてもとても…。
  大好きなミレイユ。どうしても上手く書けません……。
  ありがとう、ミレイユ。ありがとう」
(23話:愛の手紙)
102名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 22:59:54 ID:iJ2p0GPn
- 「君は世界を相手に一人で戦うつもりか?」
 「一人とは…限らないわ」
(23話:霧香と一緒にいる道を選んだミレイユ)

- 「私の部屋に来ませんか? 」
(24話:霧香を自室にお誘いするクロエ)

- 「あなたに見せたいものがあります」
 「それは……」
 「あの時、あなたに貰ったフォーク。私の宝物です」
(24話:泣けるクロエ)

- 「間もなく儀式の準備が整います。そう、いよいよ真の意味であなたたちがノワールとなる時がやってきたのです」
 「はい」
 「その前に共に身を清め、絆を深めるために、禊を行わねばなりません」
(25話:絆 を 深 め る た め に)
103名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 23:00:17 ID:iJ2p0GPn
- 「アルテナ、私……」
 「なぁに?」
 「私、あなたに愛されて幸せです」
 「まあ…私もですよ、クロエ」
(25話:泣けるクロエその2)

- 「私たちは真のノワール」
 「魂の絆で結ばれ、共に闇の中で生きることを誓い合った二人」
(25話:ノワール=夫婦宣言)

- 「うそつきいいい!!」
 「止めて、クロエ!お願い!!」
 「パリで暮らすあなたとミレイユはとても、とても!!私だったのに!!私のはずだった!!」
(25話:ど修羅場。もう泣けまくるクロエその3)

- 「ミレイユ」
 「なに?」
 「これから、どうする?」
 「パリに帰って、熱いお茶が飲みたいわ。話はそれからよ。どう?」
 「うん」
 「あんたが淹れるのよ?」
 「…うん!」
(26話:新しい一組の夫婦の誕生です!)


やべ、ノワール難しすぎる。
104名無しさん@秘密の花園:2008/01/26(土) 23:06:03 ID:iJ2p0GPn
ついでにエルカザも。

- 「ナディ…赤ちゃんが出来たみたい」
 「……パードゥン?」
 「あの嵐の夜、ナディとエリス。二人の身体に熱い恋の炎が燃え上がるのだった」
 「いやいやいや、身に覚えはあるけど!でも私たち女同士だし!!」
 「だって私、魔女だから」
 「……」
 「ナディ……いや?」
 「嫌じゃない…」
 「ナディ、大好き!幸せになろうね」
 「いえっさ」
(28話:育む女)
105名無しさん@秘密の花園:2008/01/27(日) 00:49:58 ID:irZgJqBR
乙!三部作そろったー
セリフ集あるとss書くとき参考になるから助かるわ

つーか28話とかww
106名無しさん@秘密の花園:2008/01/27(日) 04:21:24 ID:gW2howfT
>>104

バロスwwwww
28話誰かSSにしてくんないかな
107757:2008/01/27(日) 18:00:17 ID:nKoK96tJ
今更だがここエロおkかな
108名無しさん@秘密の花園:2008/01/27(日) 18:22:11 ID:F2OP5/4T
普通にOKだろ。ここ、18歳未満禁止だし。
109757:2008/01/27(日) 19:23:29 ID:nKoK96tJ
おkか
なんかエロパロは(当たり前だが)あるのにこっちではエロ見たこと無いから
NGかとおもた
d
110名無しさん@秘密の花園:2008/01/31(木) 14:06:13 ID:/aBCdgB+
カザドでss書いてみたいけど難しいなぁ
真下作品のキャラや世界観は繊細すぐる
111名無しさん@秘密の花園:2008/01/31(木) 19:25:19 ID:GGzU9dmu
>>109
wktk全裸待機してるぜ!
>>110
確かに繊細だよな
だからSS書きも少ない(マイナー作品で人口が少ないのもあるがw)
でもそれが読み手にとっちゃとても貴重なんだ
気にせずトライだ頑張れ
112名無しさん@秘密の花園:2008/01/31(木) 23:30:16 ID:bpREYX/9
とても長い上勝手な設定だと駄目ですかね

>>109
待って、いる!
113名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 00:46:44 ID:esLzrAYL
>>112
周りの評価など気にしないで、書きたいものを書けばいいんでね?


というわけで、投下待ってる。
114名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 19:46:02 ID:z82kbB3L
窓追加

- 「感じる…ヴァネッサを感じる」
(12話:禍→羽。感じてるマーガレット)
115名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 19:46:48 ID:z82kbB3L
ついでにエルカザも

- 「女の子の双子の赤ちゃんが生まれたよ」
 「エリス…本当にお疲れ様。ありがとう……」
 「私、一人はナディのように銃が上手いエージェントに。もう一人はとても普通な子に育てたいの」
 「…パードゥン?」
 「だめ?」
 「えーと、エージェントになる子が可哀相じゃないかな」
 「そっか。じゃあ一緒にいられるように死を司る二人の処女にしようね」
 「なぜそうなる!」
 「でも問題があるの」
 「……もう何でもいいよ」
 「私たちの子だから二人ともおっぱいが小さくなっちゃうの」
 「おい!」
(29話:生まれた女)
116名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 19:54:35 ID:9d841P4x
あれは良かったよね。
ナディが汗だくになって苦しそうにしてるエリスの手を握ってやってるとこなんか堪らなかったな。
赤子はどっちも目元がナディにそっくりなんだよな。
117名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 21:52:10 ID:BD5tDHv5
お前らの脳内で絶賛放映中のその話を俺にも見せろ!
118名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 22:46:10 ID:G8PwpI5m
エロ・カザドすぎるぜこいつぁ
119名無しさん@秘密の花園:2008/02/01(金) 23:04:11 ID:WHRyf6sw
ついで追加のエルカザの内容が気になり過ぎる…
アニメでやってよ! 今度こそ録画予約マスターするから!!
120名無しさん@秘密の花園:2008/02/02(土) 23:59:56 ID:BsNORqHx
最近はイラストサイトさんも
カザドではあんまり更新されなくてさみすぃなぁ
ここはやっぱ2期やって、もう一回盛り上がってくれんかな
12152で112:2008/02/03(日) 00:07:37 ID:AByeqeic
書きたいように書いていたら本当に長過ぎで穴だらけの勝手な設定のモノが出来てしまいました。
25話と26話の間くらい。…この後に来た方ごめんなさい。目が腐ります。カザド。



走るしかなかった。
さほど激しくは無いが小降りにも属さない雨に打たれて、手足が冷たい。
痛みさえ麻痺して、既にもう何も感じなくなっていた。
このまま振り続けていたらいつか、粉々になって散ってしまうのでないか?
ふと、そんな恐ろしい想像が頭をよぎる。――でもきっと、そんなことは今、問題じゃない。
(…砕けちゃったのは、…腕じゃない…)
濡れてどす黒く変色した土の上を、ただ走った。雨粒に感情や意志がないのは
分かってる。でも、だから、だけど、だから。大切なあの人に追いつくまでは。

空よ、手を貸して下さい。

――何も言わないから、何かあるんだと思っていた。
『___、小さい頃の事覚えてる?』
『んー、あんまり思い出したくない』

きっと私にヤキモチを焼かせたくないから。
火傷しない様に、言わないで居てくれているんだと、なんとなく直感していた。
小さなリカルドがいっぱい居たに違いない、そう思い込んでいた。それは、間違いだったけれど。

『___は誰にでも優し過ぎるよ』
『…そうかな?』
正直に言って、おばあちゃんから私を頼むと言われていたのも気に喰わなかった。
フリーダとか、イリスとか、綺麗な目をしたあの人。…彼女と関わりを持つ全てに、
内心嫉妬していた。自分は一体なんなんだろう、離しはしまいと必死になって、
彼女の羽織りの裾を探った。…結局全て見失った。
122名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:11:24 ID:AByeqeic
「……っ」
ふと、視界の隅に異様な色彩を捉えて。
ぬかるみに足を取られまいとずっと地面を追っていた顔を前に向ける。十数メートル先で、
地面がぷっつりと途絶えていた。そのすぐ手前。一歩踏み出せば世界が滲んで、
やがて暗闇に塗り潰されるだろうと容易に想像できる。そんな場所に、赤い火が灯っていた。
……白い民族衣装を纏って。

「ぁ…「おはようエリス。…早いね」…」
硬い笑顔でその人は言う。意味は、‘何も言わせない’。…そんな熱の無い挨拶。

「…早いのはそっち…」
エリスの反応に返事はなく、劣悪な素材でできた沈黙が続く。
昔博士に教えてもらった沈黙の優しさ、笑顔の温もり。
どれもが、彼女に出会ってからの数年間で、表情を一変した。
全てが、何よりも輝きを増していたのに、今では全て、肌を切った。

「……そっち?」
いやに間を空けた返答に、それを期待していた筈のエリスは息を潜める。
聞き返された内容の意図が、いまいち理解できない。

「そっちはそっち、…起きたら、車に居ない」
寝ている間に彼女がどこかへ行ってしまう事は、今日に限ったことではない。
しかし、エリスが起きる頃には、彼女はいつも既に隣に納まっている。
目が醒めたら居ない。体感した数を数えると、やはりこれは事実上初めての出来事だった。

「…誰が?」
「え?」
更に難解を極める、彼女の言葉。 ――誰が? 2人しか居ないのに、誰が?
123名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:15:54 ID:AByeqeic
「誰が居なかったって?」
「それは…」
「…………」
その、単語。

「今日は、言ってくれないんだね」
命の終わりを有した淵から離れて、僅か2m程保ったままだった距離を、彼女が埋める。
ほっとしてる筈なのに、酷く怖かった。それ以上歩行が無理なすぐ手前まで来ると、
顔と顔の間の空間を限りなく0にして、彼女が囁く。
「いつもみたいに、___って呼んでよ」

ぱんっと鈍く響く音があった。継いでざあざあと雨音がそれを覆う。
手のひらが仄かに赤くなっていて、痛い。頬を、叩いたらしかった。

「…ごめん」
叩いた事にじゃない……呼べないから。もう、名前は呼ばない。
彼女も、それはわかっている。

「…これが謝る相手にする事?」
それは初めて会った時と変わらない、慈しみで編んだような優しい声で。
叩かれた頬をさすりもせずに、ゆっくり右腕を上げた。やり返すでもなく、そっと頭を撫でられる。
いつもなら柔らかさに定評のある髪も、今は濡れて触り心地は期待できない。
彼女の手はエリスの頭上を何往復かした後、不意に降りてきて人差し指で頬を突いた。
そのまま表面をなぞり何かを描いていく。小鳥のさえずりを聞き漏らさないように、
両手ですくい上げた水を零さないように、エリスは必死に意識を集中させて読み取る。

N、a、d、i、e、
―― ナディ。
「残念。あたしの名前でした…」
―― 意味は。
「もう、知ってるみたいだね」
―― いみは。
124名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:19:48 ID:AByeqeic
「……ゴメンね」

―― 意味は……“名無し”。
数日前に立ち寄った町で知り合った渡り鳥に訊いた。
渡り鳥は各地を転々としながらトラブル解決の報酬で旅を続ける人の総称だ。
酒場で異国の格好をした男に握手を求められ名乗りながら応じるナディ。
その時、相手が僅かに首を傾げたのを、エリスは見逃さなかった。
ナディがトイレに立つと同時に、彼が「あれは本名か」と訊いてきた。
エリスは彼女を表す言葉を他に知らない。そうだと、答える。
そして告げられる、彼の知る南の地方でのその名の意味。
ナディは本来名前としてつけるようなものでは…ない。

『二人で旅している、か…あの子は、きみに何も言っていないね』
それからは狂っていくばかりだった。
『それどころか、言うつもりも無いんだ』
肌の色合い、あの民族衣装、…何処の太陽と風習がそうさせたのか。
『案外きみの事、どうでもいい…のかもね』

賞金稼ぎ。魔女の末裔の刺客。…それ以外の貴女は、私の隣に居たくないのだと言う。
…名が無いとは、どういう意味? 渡り鳥は名が無いと名乗る彼女と親しげに話す。
どうせすぐにでも他人に戻るひと時の関係。だから名などどうでもいいという事なのだろうか。
エリスの入り込めない話題で談笑する二人。…ふと、心が以前のように波立たない事に気付く。
振れ幅がゼロになると、この旅路はどうなってしまうのだろう。どこに繋がるのかと、ぞっとした。
あの宿で夢に見た黄金色の大地に立っていた、あれは誰だったろう?
敵から身を隠す偽名なら、未だに偽名しか知らない自分は、彼女の敵なのか?
猜疑心の暗闇に潜む鬼が、日に日に胸の奥で育っていく。
肥大しきった鬼を隠すのも、限界に近付いた頃だ。……転機は既に、ずっと前に来ていたのを思い出す。
随分前に立ち寄った、ナターリアという魔女が統括する、ガイコツだらけの変な村。
偶然行われていた祭りが、詐欺師の促す酔いから覚め、よからぬ方向へ熱を上げた夜。
エリスはその魔女と二人きりで話をした。…その時だ。
今でこそ魔女であると知れているエリスは、それらしい魔法を一つ身につける。
125名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:21:50 ID:AByeqeic
『私ね、記憶が読み取れるの。これだけは、本当なの』
博士との別れの日、ナディと過ごした日々、その情景の一部を伝えた代わりに。
―― エリスは、その力を手に入れた。  

……今。今が、使う時だ。
不意に、ほんの数秒思い出へ逡巡していた意識が現在へ引き戻される。
一瞬の出来事だ。ばしゃんと、崖の上で視界が一転する。
気が付くとずぶ濡れのナディを組み敷く形で地面に押し倒していた。雨は降り続けている。
これから自分が行うことを許して欲しいと思念を込めたのか、ただ単に寒くて強張ったのか、
ポンチョを掴む手に力が篭った。長旅で元々すすけた白が、泥で更に侵食されていく。

「…エリス?」
流石に自分が何故こんな体勢にさせられているのか思い当たらないらしく、
あっけに捕らわれ疑問符を浮かべるナディ。抵抗がなさそうなので、
この能力の元の持ち主が自分にやったように、そっと、胸に手を置いた。

「……っ…」
体温を奪われ冷え切ったエリスの手が、裾から着衣の中へ進入し
恐る恐る自分の胸を包む。その感覚に、ナディは思わず息を呑んだ。

以前自分が手を添えられたのは服の上からだった気がしたが、ナスターシャからそうしろと
手ほどきを受けたわけでもない。でも、どうした方が良いかは本能で理解していた。
無理矢理記憶を引き出すのだから、相手に直接触れた方が良いに決まっている。
記憶や心は頭ではなく心臓あたりに溜まる気もする。…担げるげんは全て担ごう。
ナディの中心で鼓動を刻むそれに耳を付け……エリスは目を閉じた。

―― 引き出しがある。
古びたラジアータ松の、ささくれ立った引き出し。
見上げると、それが天井にぴったりと隙間なく、部屋の壁一面を覆っている。
床は油とも水とも似つかない液体に満たされ。エリスはそこに両足を浸していた。
126名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:23:29 ID:AByeqeic
「……こころ…」
これが、心。人間が人間たる証の、海。今この瞬間、現実世界のナディはどうしているのだろう。
エリスは記憶を読まれた際、全く身動きができなかったが、自分よりも耐性があると困る。
もう一度城壁の如くそびえ立つ引き出しに目を向ける。……どこから見れば良いのだろうか。
流石に数があり過ぎる。途方に暮れてしまい、不安が咽喉元まで込み上げたその時。

「――っ!!」
それを見る。いや、それが無いのを、見た。ある一つの引き出しを境に、
恐らく遡った位置にあたいするであろう記憶が、ごっそり無くなっていた。
そして、事実上記憶の始まりの引き出しは板を釘で打ち付けられ、
持ち主自らが接触し思い出す事すら拒絶している。…開けるしかない。
エリスは爪を突き立て板を引き剥がす。精神世界でも、爪が剥がれそうに痛い。
もうどうでも良かった。歯を食いしばる。ぎゅいと音がして、…それは漏れ出した。

 彼女は赤髪がおかしいなんて思った事はなかった。
 彼女は水色の瞳は居ないなんて気付く事もなかった。
 彼女を黄金の大地は出迎えてくれる、それは確かだった。

その頃私は農作業の合間に、母さんに妖精の呼べる笛を教えてもらっていた。
既に顔は覚えていないけれど、表情はいつもとても穏やかだったように思う。
穴を塞ぐ指を半分だけずらす、指を飛ばし飛ばし置く。難しかったけれど、随分上達したと自負していた。
母さんも、私の音色を聴いて、上手くなったね、もうすぐ会えるよ。と、それはそれは嬉しそうに。

それはそれは嬉しそうに。

でも結局……音色は、何も呼んではくれなかった。代わりに呼び起こしたのは、全てを焼き尽くす、赤。
あいつらは誰だろうか、どうして私の村を赤で染めるのだろう。…兄弟、祖父母からも迸る、生暖かい真紅。
それ以上に恐ろしい事。…やつらは何故か、私を見ないのだ。
一人でのたれ死ねと嘲り笑うならわかる。…これは、それとは違う。目の前に一人、居るのに。

 ・ ・ ・ ま る で 気 付 き も し な い。
127名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:26:14 ID:AByeqeic
私は崩れ落ちるも未だ燃え続ける家の前で立ち尽くす。…他の何者でもない、
これから始まるであろう一人だけの生には目もくれず。皆との死を、渇望していた。
…不意に、地に落ちた屋根の下から腕が生え出る、…母の手だった。私は駆け寄って
手を掴み母の名を呼ぶ。ナディか?と、くぐもった声で訊かれた。私はそうだと答える。
消え行く命の残り火を削って、母は言葉を紡ぐ。笛の練習ができなくて残念だったと、そして ――

  『ココペリに連れて行かれ損ねたね、名無し』
 “オ前ナド得体ノ知レナイ何カニ、サラワレテシマエバ良カッタノニ”

――赤い世界は暗転した、声はまだ追ってくる。
お前は私の子ではない。ある日突然道端で、服の裾を掴まれた。
名をつける義理も無く、ここに来る前の記憶も無いらしい少女を、家に置いてやった、と。
…ただ、それを知っているのは、この母だけ。思い起こせばこの人に話し掛けた以外、
誰に話しかけられた記憶も無かった、同じ家に身を置いていた筈の兄弟、家族にさえ。
…赤毛の少女は悟る。ああ、それは人の在り方ではない。
自分という存在は世界中の誰にも認識されてはいないのだと。母は最期に告げる。
お前の様な不純物が、この地で朽ち果てるなんて、…許さない。

「あたしは、どこにいるのかな?」
怒濤の様に流れ込んでくるナディの過去に思考の操作を奪われていたエリスは不意にそう投げかける声に、我に返る。
… 声の出どころは、すぐ隣で液体に足を浸けて立っている赤い髪の少女、いつかの宿で出会った、この空間の主。

「…ここに居るよ」
エリスの言葉の波長に耐え切れず、空間が湾曲した。赤髪の少女は苦痛に顔を歪める。

「うそだよ。ごはんもいつも、一人分足りない…あたしに席はない」
「違う…」
「ふえを教えてもらいにあたしが行かなきゃ母さんだって…」
「違うよ…」
「母さんは自分いがいに話しかけるなって言った、ふえが上手くなってとてもうれしそうだった!!」
「違うっ!!」
128名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:28:19 ID:AByeqeic
弾くような否定と共に、エリスは少女を抱き締める。力を加えると今にも折れてしまいそうな、細さ。
世界との関りの弱さを見つめ続け、衰弱しきった精神を、今、腕に抱いている。
……何を言えば良いのか分からない。でも、正解を数式で割り出すつもりも無かった。

「そのお母さんはきっと、凄く悪い人」
「わるくない、あたしなんかいらなかった」
「…お母さんはね、きっと貴女を独り占めしようとしてた」
ただ言葉に削り出しただけの憶測に。微かに、少女の嗚咽に近い震えが止むのを感じた。
…エリスは続ける。

「貴女の胸に酷い悪意を刺して、自分の事を忘れないように…世界に留めようとしてた。
 笑顔で送り出したら、この世界じゃないどこかに行っちゃいそうで、きっと…怖かった」
揺らぎたゆたう貴女を、何とかして側に置きたい。裏腹に片端から消されていく、貴女の面影。
笛を教えたのは、よもやそれが貴女の帰路と思ったから。それなら留めるべきじゃない。
いずれ居なくなるのなら、なおさら、早い方がいい。他の誰にも知られぬ前に。
彼女が自分の影の濃度に、気付く前に。けれど、もし…仮にもし、自らの終わりの日、
これから自分の居ない未来を見に行く貴女に会ったとしたら。きっと…

「きっと…私も同じ事をしたよ…ナディッ!!」

さぁぁぁという雨粒が地面を叩く音が部屋の遠方から押し寄せた。それがあたり一面を包むと、
壁の引き出しから始まって、来客であるエリスのつま先、手足、腹部、胸、首、眼球に至るまで、
部屋を構成していた全ての物が、顔を伏せ表情の窺えない少女と共に、砕け散った。
本来の世界を捉える為の知覚が徐々に目覚める。醒め切らない思考に無理矢理冷気を押し込んで
恐る恐る目を開け、彼女に触れていた筈の指を駆動させる。…雨の止まない崖の上――

「……ナディ…」

――二人は、確かに、…そこに居た。
129名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:29:55 ID:AByeqeic
「…は、ははは……」
組み伏せられたままのナディは力なく笑う。…まだ、‘ソレ’は刺さったままのだ。
「今も…変わらないよ」
今も、自分と世界の関係は変わらない。不必要を肯定する、希薄さが肺に住み着き蝕んでいる。
この十数年で、自分の事は何となくわかってきた。
雇用、契約等で結ばれた人間だけは、ナディという存在を記憶に留め、意識する事ができる事。
自分がそんな欠陥の塊で組まれたモノであるとわかっても、生きていく神経を持っている事。
「賞金稼ぎになったのは、死と一緒に居たかったから。あたしから働きかけなきゃ、
 誰にとってもあたしは居ないモノ。職業の都合上逆に生き易くもあった。
 …でも本当は、母さんと同じかそれ以上。…あたしに命を狙われた相手が、
 憎しみでも良いから心に住まわせてくれるかと、…少し期待してた」
北方では名を馳せたと言うのも嘘で。誰のとも知れない手柄が増えていっただけ。
毎回新人の初手柄として、報酬を受け取る。それはどんな思いで遂行されるのだろう…。

「腕の立つ人間探してたブルーアイズに話し掛けたのもあたしで、だから。」

一旦、言葉を切る。

「だから、あたしを初めて見つけたのは…ミゲルだった」
チャンネルが合った、ぴったりと。周波数が揃った、それは本当に信じられない確率で。
始まりは不恰好な、ナンパだったけれど。でも、かけられる言葉の節々に優しさを感じとる事が出来た。
しかし…望む望まないに関らず、その裏の真意も…彼の最後の瞬間でさえも知ってしまう事になる。
人の隣で生きようなんて思ったのがそもそもの間違いだったのだと、ナディは苦笑する。

「…このままでいい。…もう、独りで、いいよ…」
その諦めの滲み出るナディの言葉に、彼女の上に置いた手を横にどけ、エリスは身を起こす。
…とてもじゃないが、エリスは追随出来なかった。笑わないで欲しい、こんなのって…ない。
激しい体温の低下に力が入らず、思わずよろけそうになるがぐっと堪えた。
……彼女は何も語らなかった。でも語らなかった訳じゃない。
私は作られ、生まれてはいない。けれど、過去がない訳じゃない。
全ては無くて、私は何もあげる事ができない。どうにかできる事でもない。
それだけが事実だった。…それでも。
130名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 00:32:27 ID:AByeqeic
地面に投げ出されたナディの両手を、体重を乗せたエリスの手の平がそっと包む。
指と指の間にじぶんのそれを絡めて、隙間なくぴったりと重ねる。ナディを跨ぐ様にして
膝を地に立て、体を打つ雨から丁度ナディを守るように、空に背を向けて覆い被さった。

「私は…」
「ん?」
「私は、何? ナディの…何?」
「……利用してた」

エリスが人ではないからなのか、他に何か理由があるからなのかはわからない。
彼女は一度も、ナディを見失う事はなかった。現に今日も、隣に居ない彼女をここまで追ってきたのだ。
それだけではない。エリスの傍に居る間だけは、皆が、ナディに気付いた。
正確に測った事は無いが、その効果範囲は随分な面積を有している。
まるで暗闇に埋もれた彼女の物語を、エリスが光で照らすように。憂鬱な雲を、その翼で払うように。
…だったら。エリスは思う。…それなら尚更、二人は離れちゃいけない筈ではないのか。

「ナディ」
胸が、苦しい。
「もう、わかった。私はもう、ナディの傍には居ない」
貴女が独りで良いというのなら、わがままは言わない。

「でもね…一つだけ訊かせて」
「…何」
「ナディは…




 …私が欲しい?」
131名無しさん@秘密の花園:2008/02/03(日) 14:33:07 ID:AByeqeic
雨音にかき消される事も無く、予想以上に、それは響いてしまった。
言葉を選べば良かったと、今更後悔しても遅い。突拍子が無いと自分でもそう思う。
……これは賭けだった。
これまでの旅の中で、そうではないかと思う節はいくつもあった、
けれど決してそうとは言わない彼女に、幾度もエリスは苦悩する。
更に今日は、独りになりたいとさえ言われてしまった。…負けたくない。
あの部屋の海、そのどこか奥底に私の見落とした貴女が居たのなら、それを引き出したい。
それだけできればいい。…例え、もう戻れなくても。エリスはナディの顔を正面から見据えた。
淡い水色の瞳が見開かれ、まっすぐこちらを見ている。ふと吐息を漏らし、…呟く。

「…欲しい」

――心臓が、止まった。

「欲しい、欲しいよ…」

いつからそう思っていたのかは分からない。エリスが欲しい。ずっと自分だけ見ていて欲しい。
この粗悪な魂を受け止めてくれるのは、この子しか居ない。
そんな独りよがりが身を支配していた。旅が続くにつれて、それは強さを増していく。

「でも、自分に都合が良いからだって思うと、怖くて…ッ」

消え入りそうな、震える声でそう告げる、愛しい人。何故だか、体を支える肘の力が抜けていく。
…今度は重力に抵抗しようとはしなかった。高度を下げ、徐々にナディに接近する。

「…あげる」

…少し間があって、繋いだままの両手の片方、ナディの右手が身動きしたいと身をよじった。
上から押さえつけていた自分の左手を解いてどかしてやる。右手は自由になると起き上がって
エリスの背中に回された。落下の速度が加速する。…唇が触れるか触れないかの位置。
そのまま深く…二人は交わった。
132名無しさん@秘密の花園:2008/02/04(月) 20:08:05 ID:AIHAqf+f
なんという寸止め。規制されたの??
133名無しさん@秘密の花園:2008/02/04(月) 20:29:03 ID:nz1VYasL
PINKは規制きびしいなぁ
134名無しさん@秘密の花園:2008/02/04(月) 21:51:13 ID:dhxwcwTj
なんでここだけ書き込めないんだ…
135名無しさん@秘密の花園:2008/02/04(月) 21:58:59 ID:dhxwcwTj
「……ッ、は、は……ぁ……」
「んぁ……あっ…」

まるで、長い間二つに分かたれていた魂が、一つに融合する感覚。
鼓動と熱を交換しながらの、激し過ぎる深いキス。
時には爪を立てて、噛み付くように、相手を取り込もうとでもするように。
何度も何度も狂いそうな程、求め合った。
…このまま互いの座標が同じになってしまえば良い。そう思った。
そうすれば、もう二度と離れはしないから。





―― それからいくらか経って。しだいに雨が止み、太陽が顔を出す。
…高い崖の上。
強い日差しに照らされ、乾き出す地上に、横になっている少女が居た。
勿論、二人。
絞れば水が滴りそうに濡れているエリスの髪を触りながら、ナディは、言う。

「まぁ、一つになれるとは、思ってないけどね」

ちょっと残念そうな相棒に、エリスは笑顔で返す。

「私はナディと合体なんて嫌だよ?」
「はいはいそうですk……ぱーどぅん?」
「だって」
136名無しさん@秘密の花園:2008/02/04(月) 22:03:52 ID:dhxwcwTj
違うから、別だから、二人だから、相手を想う事が出来る。こうして触れる事ができるのだ。
エリスにしては哲学的な私論に、ナディは苦笑する。

「…そんな事言って、世界の端同士ぐらい離れたら、あんたも忘れるんじゃないの?」
「そうかも」
「即答かい…」
「試せないから」
「?」
「…もう、ナディの傍から離れないから」

だから、真相は謎のままだ。…エリスはナディの頬に張り付いた土を指でぺりぺりと剥がす。
そこから覗いた頬は、少し赤くなっていた。
まさか随分前に叩いたダメージが残っているわけではないだろう。
照れ隠しか、ナディは腕を伸ばし横になったままエリスを抱き締めると、
匂いを肺に補充する様に大きく息を吸う。……ほのかに雨と、土の香り。

「ありがと」
「…いえっさ」

何故だか、もう、雨は世界に降らない。…そんな気がした。

そうだ。エリスはふと思い立つ。
今日の記念に一つことわざを作ろう。…… 雨止んで、貴女居る。…うん。いい感じだ。

END


ようやっと書き込めました。
最悪な止まり方して申し訳ないです。…なんでも流れが大事ですね。
個人的にナディはエリス以上に人間離れした存在だと良いなと思います。
137名無しさん@秘密の花園:2008/02/05(火) 01:41:41 ID:NtBXCt4F
狂おしいほど魂が求め合うようなシチュは大好きだ
>>136
堪能させてもらったよ、規制にも負けずGJ!そして乙
138名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 08:20:42 ID:gjGcBh5L
人すくねぇなぁ
またでっかい規制でもかかってんのかね

それともただスレから人が減っただけなら寂しい(´・ω・`)
139名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 08:35:33 ID:j/c/srZU
いや、居るにはいますよ、きっと私の所為で書き込み辛いんだと。

>>137
ありがとう。その言葉でまた生きてける気がします

=========キリトリマセン==========
ここから下はいつものスレッドに…戻ると良いな。
140名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 10:42:50 ID:rZMVpF/Z
>>139
おいおいそんなに卑下すんなよ…単に忙しくて見れなかっただけ。
名無し設定を上手く使ってて大変GJ
141名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 13:30:59 ID:IETTirwz
規制解除来い!
>>136GJです!
ナディ良かったねナディ
142名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 13:33:44 ID:IETTirwz
解除キテタワー

後、ただ今試験中なので保管作業は遅くなるかもです。スマソ
143名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 17:26:09 ID:SH4GFONs
管理人さんか
いつも更新ありがとー
感謝してるんだぜ
144名無しさん@秘密の花園:2008/02/07(木) 18:07:40 ID:qQv6mKNA
PINKの規制は狂ってるからな・・・
>>136
三日に一回くらいしか来ないから遅くなったがGJ!ナディエリにこういう影があるのも良いね〜
>>142
いつも乙!出会ったついでに
NOIRー002の7と8ここに投下された奴となんかズレてね?
145名無しさん@秘密の花園:2008/02/08(金) 02:14:38 ID:Ua7JQkIN
>>142
>>143
べ、別に感謝されたからって照れてなんかい・・・えっさ。
002の7と8、また確認してみます。サンクスです。


このスレはほぼ毎日覗いてるので、他にも何かあれば教えて下さると助かります。
(規制にかかりやすいので返事できないかもしれませんが)
146名無しさん@秘密の花園:2008/02/08(金) 06:45:06 ID:AtsrrR5Q
>>145
遅ればせながらSS保管ありがとうございます!!
管理人さんのお陰で過去作品も読めて幸せです。

キリトリマ線が効いたみたいで良かった。皆さんありがとう。
147名無しさん@秘密の花園:2008/02/08(金) 12:27:58 ID:ALn2856O
後もう少しでバレンタインだな。お前らの妄想力を期待してるぞ。
先にバレンタイン関係のエルカザ追加。

- 「ナディ、私をたべて」
 「ぱぱぱぱぱぱぱぱぱ」
 「パードゥン?」
 「いや、それ私の台詞。いきなりどうしたのよ……」
 「ハポンの漫画で描いてあったハポン式のバレンタインだよ」
 「身体にチョコ塗りたくってリボンで巻きつけるなんて…さすがハポン」
 「常識!」
 「じゃあエリス、知ってる?ハポンのタコスはニョタイモリって言って女の人の身体に具を載せるんだって」
 「初耳〜」
 「でしょ?という訳で今度はタコスでお願いね」
 「いえっさ」
 「ではでは、食べ物を粗末にしてはいけないのでエリスのチョコレートを食べましょう」
 「いやん、そんな奥までチョコを塗ってないわ。へんたい」
 「まだ何もしてないって……どうせするけど」
(ドラマCD第15巻:捧げる女)
148名無しさん@秘密の花園:2008/02/08(金) 22:03:10 ID:8eg7KwIl
3巻から14巻もよろしくw
149名無しさん@秘密の花園:2008/02/09(土) 03:11:50 ID:XL83mE8e
>>136
GJ!!!
凄い。こういうSS大好き、文体に惚れた。
また読みたいです。
150名無しさん@秘密の花園:2008/02/09(土) 19:14:29 ID:j3t4uyOp
投下って絵でもいい?
おまけに小さいけど
ttp://lily.tank.jp/up/img/lily590.jpg
151名無しさん@秘密の花園:2008/02/09(土) 21:08:19 ID:JZioDowh
これはかわええ!保存したぜ。
152名無しさん@秘密の花園:2008/02/09(土) 22:48:13 ID:gSdznMus
>>150
いいも何も最高じゃん(*´Д`)
153757:2008/02/10(日) 15:58:56 ID:Aj0p0ZR2
熱い恋の炎が燃え上がるのだったシーンが糞長いのは
俺がじっくりねっとりセクロススキーというせいでは決してある
また規制くらうかもしれんから途中で分けるかも。御了承下さいorz

>>150
うおお上手い!貰った!
154757-9-1:2008/02/10(日) 16:04:52 ID:Aj0p0ZR2

機械的な風の音と共にふわふわと靡く金色の髪
ミレイユは洗面台に備え付けてあるドライヤーで髪を乾かしていた

「・・・あつ・・・」
バスルームに入りシャワーを浴びてから髪を乾かすまでのこの数十分の間に、同じ台詞を既に四度は吐いていた
霧香の使った後のバスルームは当たり前だが温まっていて・・・
冷水を浴びたはずなのに身体の熱は全く取れなかった。寧ろ時が過ぎていくに従って温度を上げている気がする
「・・・・・・・・・・・・」

原因が何なのか・・・そんなの分かっていた

「はぁ・・・」
うなだれるように俯いて、身体から熱を逃がすように息を吐く
無意味な行為と知りながらもドライヤーのスイッチを冷風に切り替えた
155名無しさん@秘密の花園:2008/02/10(日) 18:37:06 ID:Dtfo/ck3
エロパロだと書き込みの1行目に何も書かないで改行すると弾かれる現象がかつてあった。
似たようなもんかもしれないんで試してチョンマゲ
156757-9-2:2008/02/11(月) 11:03:03 ID:8A7JYDtq
下着と大きめのシャツだけのいつもの格好で寝室へ出ると、タオルを頭に被せたままベッドに腰掛けた霧香が目に入った
声も掛けず少し距離を置いて霧香の横に腰掛ける
「雨・・・止んだね」
霧香の小さな呟きに窓を見ると
さっきまで降り続いていた雨はすっかり止み、雲から顔を覗かせた月の光が灯りの点いていないリビングの床を薄く照らしていた
「本当・・・どうせならもっと早く止んで欲しかったわ」
私の意地の悪い冗談にいつもの少し困ったようなリアクションが返ってくるかと思ったがそれは無く、代わりに訪れたのは妙な静けさ
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
チラッと霧香の方に視線を向けるが被さったタオルのせいで顔がよく見えない
それが何故か不安に思い何も言わず手を伸ばし、一度躊躇してからそっとタオルを引き下ろした

現れたのは、さっき鏡の中にいた私のように耳まで紅く染めた霧香の顔
一瞬潤んだ瞳と目が合うがすぐに反らされた

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

音の無い世界で、渇いた喉だけが潤いを求めてわずかに蠢く

「・・・・・・・・・霧、香」
――あんたも・・・そうなの?

タオルは指先を離れ音もなく床に舞い落ちていった
157757-9-3:2008/02/11(月) 11:06:08 ID:8A7JYDtq
惹かれるように手を伸ばし紅い頬に触れると霧香が目を細め睫毛を震わした
熱がじんわりと掌に広がる
「・・・熱い・・・」
「・・・ミレイユの・・・せいだよ・・・」
熱っぽい視線がミレイユを貫く
霧香の指先が金色の髪をくぐって首筋に充てられた
「・・・ミレイユも・・・」
「・・・あんたのせいよ」
そうミレイユは小さく囁いて誘いの眼差しを霧香に向けた



      ――この身体に疼く熱を解き放てるのは、貴女だけ――



158757-9-4:2008/02/11(月) 11:09:19 ID:8A7JYDtq
「・・・何だか・・・恥ずかしいね」
「ちょ・・・口に出すと余計恥ずかしいじゃない」
「あ・・・うん、そっか」

寝室の灯りを消し窓から差し込む月明かりだけが頼りの中
ベッドに上がり改めて向かい合って座る互いのぎこちない動きと会話に二人の顔から思わず笑みが洩れる

少しの静穏が訪れ、その空気に従ってシーツの上に置いていた右手をゆっくりと上げ
望む方に伸ばすと慌てたように霧香が口を開いた
「あ、あのね、ミレイユ・・・」
「ん?」
「私こういうの知ってはいるんだけど・・・・・・初めてで、その・・・慣れてなくて・・・それで」
「ストップ。それだけ聞けば十分よ」
「え?・・・」
「そうじゃないと嫌だって・・・思ってたから」
「・・・ミレイユ・・・」

我ながら子供っぽい感情には呆れるしかなかったがそれよりも馬鹿正直な霧香に笑ってしまった

「私はしたいようにする。だから、霧香もそうすればいいの・・・分かった?」
「・・・う、うん・・・分かった」
「まったく・・・あんたは」

ムードの無いやり取りに呆れたという風に肩をすくめ微笑むと、霧香が照れた笑みを浮かべた

159757-9-5:2008/02/11(月) 11:17:06 ID:8A7JYDtq
「・・・霧香」
気を取り直してその名を呼び彼女の胸元に右の掌を当てる
布地越しに感じる霧香の体温と、自分と同じ様に激しく脈打つ鼓動

小さく名を呼ばれた
顔を上げ霧香の紅い瞳を見つめる

(まさか・・・自分と同じ『女性』と肌を重ねるなんてね・・・)

――でも・・・
「ずっと、こうしたかった・・・」
「・・・私も・・・」

160757-9-6:2008/02/11(月) 11:22:04 ID:8A7JYDtq
霧香の頬に右手を添えると膝の上に置いていた左手を優しく握られた
両手に感じる暖かさを心地よく思いながら、もっと熱いものを求めるように霧香の唇にゆっくりと唇を押し付けた
すぐ離れると今度は霧香の唇がそれを追って触れてくる
角度を変え戯れるように何度も何度も重ね合う
最初はお互い気恥ずかしさでクスクスと笑みを含んでいたが、その内そんな余裕も無くなってしまっていた
先刻色んな気持ちが綯い交ぜになり一方的にぶつけてしまった乱暴に噛み付くものとは違う・・・
穏やかな、溶け合うような口付けに二人して酔いしれる
「・・・は・・・ぁ」
もっと溶け合いたくて、息継ぎをしようと薄く開かれた霧香の唇の端からスルリと舌を差し込む
「――っ!・・・ん」
一瞬柔らかいものに触れると霧香の肩がビクッと震え、握られていた左手が圧迫された

少し引いて躊躇ってからもう一度舌先で触れる
すると小さな舌がミレイユの誘いに乗っておずおずとだが自ら絡み付いてきた
そこからは互いの頭をその腕に閉じこめ、裏側を擦り、吸い上げ、唇で甘噛みする情熱的なキスへと変わる
「・・・ん・・・」
「・・・・・・はぁ・・・」
合わさる唇の隙間から漏れる吐息と粘着質な音が、二人の情欲をますます高ぶらせていく

161757-9-7:2008/02/11(月) 11:35:12 ID:8A7JYDtq
一度名残惜しげに唇を離し、霧香のショートパンツに手をかけると恥ずかしそうに腰を浮かして脱がしやすくしてくれた
続いてタンクトップを捲り上げ、途中見えてきたブラにも指をかけて一緒に脱がす
眼前に現れたうっすらと筋肉を備えた薄いお腹、そして華奢な細腰に心臓が壊れそうなほど高鳴っていく

そして、同じ歳にしては自分よりずっと幼さを残した・・・というか小ぶりの、でも形の整った胸
触れたい衝動を抑えてわざとそこをかすめ、霧香の右脇の下辺りに左手の指を這わせる
そこから細腰を湾曲に沿って、つぅ・・・っと撫で下ろすと
普段の霧香からは想像出来ないほど扇情的な女性の吐息が聞こえた

その吐息にゾクリと身震いしつつ、霧香の腰に左手を当てたまま親指だけで脇腹を円を描くように捏ね回す
小さな刺激を与えながら、薄く開かれ震えた吐息を繰り返す唇をもう一度唇で覆う
互いの唾液が混ざり合いそれを飲み込む
飲み込みきれずに端から漏れ出たそれが霧香の首筋を伝い、小さな双丘の間に流れ落ちていった
その跡が外気の温度に伴ってヒヤリと冷たくなる
そのせいか、それともキスのせいか・・・既に霧香の胸の中心は硬さを増してピンと張りつめていた
「ミレイ・・・んぅ・・・」
「ん・・・・・・霧・・・香」
甘い声色で名を呼び合い、奪い合うように、与え合うように、深く、深く絡み合う・・・

162757-9-8:2008/02/11(月) 11:56:38 ID:8A7JYDtq
そうして長い間口付けを堪能し糸を引きながら互いの唇が離れた。ハァハァと苦しげに響く呼吸音
脳が痺れる。頭がくらくらする

キスだけで・・・こんなに・・・

唇の端から洩れた唾液を親指で拭い息も整えないままに霧香の肩を押す・・・が、霧香の手がそれを制した
「ん・・・何?今更止めるなんて言わ」
「ミレイユも・・・」
そう言って霧香の指がたどたどしくミレイユのシャツのボタンにかけられる
一つ、二つとボタンがゆっくり外れていく様をミレイユは黙って見つめていた
(・・・・・・私、焦ってるわね・・・)
思った以上に急いている自分には苦笑いするしかなかった
「ん?」
それに気づいた霧香が顔を上げ、きょとんと小首を傾げる。その仕草が堪らなく可愛くて小さな加虐心が顔を覗かせた
おもむろに霧香の頬に頬を擦り付け、そして耳元に唇を寄せる
「早く・・・脱がせて・・・」
そう艶めかしい声色で囁くと、ボッと火がついたように霧香は顔を紅潮させて俯いてしまった

163757-9-9:2008/02/11(月) 12:06:44 ID:8A7JYDtq
ボタンを全て外し終えた霧香は布地と肩の隙間にそっと手を差し込み、二の腕を撫でるようにしてシャツを脱ぎ落とした
そのまま手を背中にまわしブラのホックを外してその豊満な乳房を解放する

月明かりに照らされて、よりいっそう雪のように白く輝くミレイユの華麗な肌
自分には決して持てないその白さと既に成熟したに等しい艶やかな裸体に霧香は目を奪われた
「・・・綺麗」
息をするように自然に発せられたその言葉と自身に向けられる熱い視線
それだけでミレイユの身体は温度を上げうっすらと汗ばんでいた


もう二人の身を隔てるのは一枚の下着だけ
勿論一緒に住んでいるのだから互いのその姿を初めて見るというわけではない

が以前と決定的に違うのは、二人の向け合い確かめ合った想いが変えた二人の関係

――互いの心が互いの身体を狂おしいほどに欲している
そしてそれを遮るものはもう、何も無い――


164757-9-10:2008/02/11(月) 12:15:46 ID:8A7JYDtq
霧香はブラを脱がした時のままだった手を前に持っていき、そのまま吸い込まれるようにそこへ手を伸ばした
掌ですくうように揉み上げられミレイユの吐息が震えた
「ミレイユ・・・綺麗・・・とても綺麗」
「・・・っはぁ・・・」
少しぎこちないが強弱をつけて断続的に与えられる指先の愛撫と、うわ言の様に繰り返される優しい声
それによって引き出される快楽に、ミレイユはいとも簡単に息を弾ませた
逃げるように、でもどこか求めるように体勢を変えると、脚の付け根にぬるりとした感触・・・
それに気付き太腿を摺り合わせてやり過ごそうとしたが、それをあざ笑うかのように霧香の親指の爪が中心を引っかいた
「ふ・・・ぁっ!」
思わず大きな声を上げると指先で摘まれ執拗にそこばかりを攻められる
どうしても洩れてしまう声に耐え切れず、霧香の肩にグッと顔を押し付け
そのままきめ細やかな肌に唇で喰いついた
「ぁっ」
霧香の身体が震え胸を弄る手の動きが散漫になる
それを感じながら首筋まで舌で舐め上げ、トクントクンと脈打つ場所を歯で甘噛みして舌でぐるりと舐め回すと
霧香の指が髪に差し込まれ、対抗するかのように耳の裏に舌を這わしてきた
近すぎる相手の息遣いとピチャピチャと鳴り響く卑猥な音が二人の耳を濡らし
辛うじて残った理性という名の鎖を少しずつ蝕んでゆく
「――っ」
堪えられないという風にミレイユは霧香の肩を掴み、強くその身体を押し倒した

165757-9-11:2008/02/11(月) 12:23:41 ID:8A7JYDtq
霧香の指に自分の指を絡めてシーツに押し付ける
短い髪が枕にゆっくりと沈む

白と黒のコントラスト
それを真上から見下ろす

――この光景を何度夢に見ただろうか

こみ上がる喜悦を噛み締めながら、体重がかからないよう横に肘を付いてゆっくり組み敷くと
背中に霧香の腕がまわされぎゅうっと抱き抱き締められた
互いの胸がピッタリと合わさる。触れ合った箇所の温度が増し鼓動が共鳴するように高鳴っていく
それがなんとも
「気持ちいい・・・」
「うん・・・」

互いに笑みを交わし数回啄むように口づけてから首筋、鎖骨へと唇を滑らしていく
汗に濡れた霧香の肌をミレイユの指が、舌先がゆっくりとなぶっていき
先程かすめただけで触れずにいた箇所にたどり着く

166757-9-12:2008/02/11(月) 12:34:41 ID:8A7JYDtq
仰向けだと霧香の胸は殆ど膨らみを残していなかったが、立ち上がった乳首はしっかりとその存在を主張していた
中心に触れないよう掌で優しく包み込んでピンク色のそこを舌先でちろちろと舐め上げると霧香の身体が大きく跳ねた
そのままそこを吸い上げながら、空いた手でもう片方の胸の先に触れる 
「っ!・・・ぅっ!」
まだ不慣れな感覚に霧香は頑なに声を押し殺しているようだったが
その身体はじわじわと官能の糸を紡ぎ出され、与えられる分だけ順応に反応を示していた
それが嬉しくて悶える小さな身体を押さえつけるように掌で強く揉み上げる
ますます硬さを増し隆起した乳首が掌の中心に当たるのを感じて、ミレイユの口から自然に厭らしい笑みが漏れていた


十分に味わったそこから熱い溜息を吐きながら唇を離し舌先を使って更に下がっていく
ふと眼に入ったのは霧香の左横腹の辺り。まわりの肌とは少し質の違う箇所が二つ

一つはだいぶ前に中東の仕事でついた傷痕。痕と言っても既に目立たなくなっている
もう一つは・・・私を庇ったために刻まれた傷痕。こちらはまだ真新しくはっきりと残っていた

「・・・・・・・・・・・・」

脳裏に蘇るのはこの世界で最も失いたくない命を、目の前に広がっていく赤が奪おうとしたあの日

167757-9-13:2008/02/11(月) 12:40:13 ID:8A7JYDtq
瞼を閉じて深く息を吸い込み再度傷痕をこの眼に焼き付ける
黙ったままそっと指先で触れると頭上からハッと息を飲む声が聞こえたが、構わず尖らせた舌先で傷痕を舐め上げた
「あぁっ!・・・くっ・・・」
この傷痕はきっとミレイユにあの日を思い起こさせてしまうから・・・
だからミレイユにはあまり見られたくなかった、ミレイユなら避けてくれると、そう思っていた霧香は
不意打ちに大きく漏れてしまった自分の声に恥ずかしくなって、ミレイユの肩を強く掴みきつく瞼を閉じた
「・・・っ・・・ん・・・い、やぁ・・・ぁ」
絶えず与えられる熱い舌の感触に堪らずそこを覆い隠そうとする霧香の手。それをミレイユは捕まえシーツに強く押し付ける
そしてまるで獣が怪我をした仲間の傷口を舐めるように、執拗にそこを舐め回した


――見ない振りなんてしてやらない。これもあんたの一部には変わりないから・・・もし、あんたがこの傷痕を嫌うなら・・・
   

チュッと音を立てて朱い跡を刻む

「消えたって何度でも付けてやるわ・・・」


168757:2008/02/11(月) 12:49:46 ID:8A7JYDtq
一旦ここで切ります。直ぐ続き上げます
>>155
助かった!ありがd
169名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 21:03:20 ID:2kjLavIq
>>168
エロ展開キテル!!!!!!!!GJ!!
つづき待ってる
170名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 21:35:49 ID:g24OJYA9
GJ!
じっくりねっとり…
これは続きもwktkせずにいられない
171名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 22:21:32 ID:qlSjtrfz
GJすぎる
172名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 22:50:34 ID:sLEKZ14/
これはエロオオオオイ!!(;;´Д`)
GJ!続き全裸待機!
173名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 23:02:06 ID:YA9LAeRr
素晴らしい
174名無しさん@秘密の花園:2008/02/11(月) 23:12:50 ID:9Hme1piv
エリス
175757-9-14:2008/02/12(火) 00:14:54 ID:xZU3Zw9D
くたりと力の抜けた身体の上から一度身を起こし、自分の身につけた最後の一枚を脱ぎ捨てる
霧香の足の付け根に視線を移すと薄い水色の下着の中心は、うっすらと色を濃く変えていた
こんなにも私を待ちわびてくれている・・・そんなことに喜びと興奮を感じ気持ちが高ぶってくる
布地に指をかけスルスルと下ろしていくと霧香の髪と同じ色の恥毛が見えてきた
「・・・っ」
一気に血が顔に集まってくるのを感じ思わず視線を逸らした

人間の理性とは一番掛け離れたとても敏感で、特別な部分

改めて「こういう気持ち」と「目的」を持って自分以外の女性のそこを目にするという事実に
よりいっそうの羞恥と緊張が走ってしまい、気持ちを落ち着かせるように深く息を吐いた
強張る手でなんとか下着を抜き取り、もう一度その場所へ視線を戻す

――でも・・・特別な部分に触れることを許されるのはその人間にとって唯一の特別な者だけ・・・
それは霧香にとっても・・・そして私にとっても初めてのことで・・・

それが無性に嬉しくて、妙な優越感と独占欲が湧き上がってくるのを実感し
どうしても綻んでしまう口元を隠すように、再び身体を倒して霧香の首筋に顔を埋めた

176757-9-15:2008/02/12(火) 00:20:08 ID:xZU3Zw9D
そのまま手探りで力なく投げ出された太腿の内側に指をはわすと、霧香の脚が閉じようとする動きをみせた

が、既にミレイユの身体が割り込んでいてそれは叶わなかった
なにも言わずに紅い瞳を見つめる
少しだけ揺れた後遠慮がちに見返してきた紅の奥には燃え上がる紅蓮の炎が確かにあった


こちらとしても自分以外のその場所に触れるのは初めての事で加減なんて分からないし
「大丈夫」とか「心配ない」なんて無責任な言葉はかけられない

ミレイユは慰めの言葉の代わりに微笑みとキスを送ってから
しっとりとした恥毛をゆっくり掻き分け恥丘を下り、たどり着いた秘裂へ中指をあてがった

177757-9-16:2008/02/12(火) 00:38:03 ID:xZU3Zw9D
霧香が息を飲むのと同時に、濡れた入り口の浅い部分に少しだけ指を挿し込む
クチッと音を立ててそこが開いた
「・・・っ・・・ぁ・・・」
霧香が耐えるような喘ぎを漏らし、すがり付くように二の腕を強く掴んできた
駆り立てられる気持ちを何とか抑えて内を傷つけないよう、ゆっくりと挿入していく
すでに十分潤っていたそこはミレイユの細く長い指を容易く迎え入れた
そのことに少しだけ安堵し小さく息を吐くと、半分ほど収めた指を暖かな肉壁がキュッと締め付けてきた
「ん・・・霧香・・・」
「っ・・・」
霧香もそれに気付いたのだろうか恥じるように顔を背け一筋の涙を流した
そんな霧香をあやすように黒い前髪を撫で上げ額に優しく口付けて
グッと指の付け根まで沈め終えると、二の腕を掴んでいた霧香の手が背中に回ってきた
「・・・っはぁ・・・」
「・・・痛くない?」
「っ・・・うん・・・」
「良かった・・・」
「・・・ミレイユの手・・・冷たい」
「あんたが熱いのよ・・・」
軽口を叩き合ってみたが
潤いを湛えた紅い瞳の中に映り見える蒼い瞳は、これ以上無いほどの興奮の色を宿していた

178757-9-17:2008/02/12(火) 00:48:10 ID:xZU3Zw9D
「ハァ・・・ハァ・・・ぁ」
「・・・ん・・・はぁ」
汗とボディソープの残り香、そして女性特有の香りがベッドを包み込み
絡み合う脚がシーツの擦れる音を奏で、二人の荒い息と共に寝室に木霊する

中に入れた指をぎりぎりまで引き抜く
ぬらりと光る粘液をまとった指をまた奥まで挿し込む
そうやって抜き挿しを何度も繰り返す内、少しずつ霧香の吐息に甘さが混じり出す
「ん・・・は、ぁっ・・・んくっ」
手首を動かす度、クチュ・・・クチュ・・・と濡れた音が霧香の脚の間から聞こえてくる
その淫らな音と、殺しきれずに漏れる自分の声、そしてミレイユの荒い息遣いが霧香の耳を犯す

眼下で頬を紅潮させ唇を薄く開けて喘ぐ霧香の見たことのない表情に、ミレイユは生唾を飲み込んだ
身体に疼く熱がまた温度を上げ、同時に言いようのない感情がこみ上がってくる
「ハァ・・・っ――」

自分の吐く息と共に何かが弾けたように感じた

ミレイユは霧香の潤いを増した秘部に、側の陰唇を撫で上げていた薬指もぎゅうっと押し込んだ
「くっ・・・あぁ!」
濡れた悲鳴を上げ霧香の背が弧を描いた
二本の指を咥えこんだその隙間から漏れ出る愛液がミレイユの掌まで濡らしていく

179757-9-18:2008/02/12(火) 00:59:34 ID:xZU3Zw9D
荒い呼吸で上下する霧香の胸の先端を口に含みながら、指を腹の方に向かって擦り上げこねくり回すように動かしてみると
あまりに強い快楽に耐えるように霧香の足の指がぐうっと強張った
「んんっ!・・・ハァ・・・ぁっぁっ!・・・くぅっ」
霧香は上半身をよじってその強すぎる愛撫から逃げようとするが
それは腰をミレイユに突き出す形になってしまっていた
恥じる気持ちで一杯だったがそれをやめることが霧香にはできなかった
ミレイユの指の動きに合わせて無意識に腰が揺らめく
「いゃ・・・ぁ・・・ハァ・・・ん・・・ミレイユっ」

片肘を付いて上半身を起こしたミレイユは、乱れる自分を恥じて涙を浮かべる霧香を
熱に浮かされたような目で見下ろし、霧香の力の入った臍辺りにそっと空いた手を添えた
「そんなに・・・いい?」
「――っ!ゃ・・・恥ずか・・・しい・・・」
ミレイユの言葉と視線に霧香は耐えきれず顔を背け枕に頬を押し付けた
「いいのよ・・・もっと、あんたの色んな顔が見たい・・・」
興奮し掠れた声でミレイユは囁き、枕と霧香の頬の間に手を差し込み己の方に顔を向けさせながら
霧香の太腿を跨いで自分の秘部を押し付けた
「――っ!」
肌に感じるそのぬめりにミレイユが何を伝えたいのかを霧香は悟った

――何もかもさらけ出す
もう隠すことの無いように・・・隠すものの無いように

「っ・・・ミレイユ・・・好き・・・」
霧香は背を浮かせてせがむようにミレイユに口付け、視線を絡めながら舌も絡めた
ミレイユもそれに嬉々として答える

180757-9-19:2008/02/12(火) 01:14:52 ID:xZU3Zw9D
ああ・・・やっぱり・・・
今なら分かる・・・

ずっと、・・・多分自分の気持ちを自覚するよりずっと以前から「暗殺者」としてではなく
ただの「人」として彼女に魅了され、彼女を求めていた

それは幾重にも重なったくだらない障壁と、己の目を覆ってしまっていた己の手で隠され
そして、あの黒の世界で生きていくには隠すしかなかった、心の一番奥底の部分

そして全てを脱ぎ捨てた今・・・やっと――

――グリップを握り引き金を引くしか能がなかったこの手であんたに
――赤黒く汚れた私の手をいつも掴んでくれる貴女の優しい手で

触れて
押し付けて
奪って
与えて
肌を重ね合いながら
情欲の焔で灼き尽くし


       ――私の全てを感じて――


181757-9-20:2008/02/12(火) 01:35:51 ID:xZU3Zw9D
「ん、んっ!・・・ふ、ぁ・・・ぁ!」
「はぁっ・・・はぁ・・・ん」
激しく嬌声を上げる霧香の身体を押さえつけ、首の後ろに腕をまわし曝け出された首筋にしゃぶり付きながら
腕をしならせ波打つように、中の感触を味わうように指を動かす
ミレイユの荒い息遣いに呼応するように、霧香の声色が切羽詰まったものに変わってきた
「はぁっ!・・・はぁっ!・・・ぁっ・・・ミレ、イユ・・・もぅ・・・っ!」
「っ・・・霧香・・・きりか・・・」
何度も名を呼び身体中にキスの雨を降らせながら
割り入れた脚を使って霧香の脚を大きく押し開け、縦貫する指の動きを速いものに変えた
「――ぁっ!・・・う、く!・・・んんっ・・・ん、ああぁ!」
ぐぅっと浮きあがる腰。そこにできた隙間に腕を通して抱き締める
ミレイユの背にしがみ付く霧香の腕に力が込もり爪が立てられた
「っ!・・・ぁ」
その痛みさえミレイユは悦びに感じながら
霧香の最奥を突き、充血し突起した肉芽を親指の腹で小刻みに揺らして、耳元で囁いた
ずっと伝えたかった言葉を――

「愛してるわ・・・霧香」
「――――っ!!」

その言葉が霧香の張り詰めた糸を切る
ガクンと背を仰け反らせ頭を真っ白にした霧香は
初めての快楽の高みへと迷うことなく一気に駆け昇った


182757-9-21:2008/02/12(火) 01:42:53 ID:xZU3Zw9D
「・・・っ」
ミレイユの指を霧香の膣壁が千切れんばかりに締め付ける
ミレイユは喉を反らせて震える小さな身体を、熱が疼いたままの身体で強く抱き締めその頬に唇を押しつけた



数秒の間硬直していた霧香の身体から徐々に力が抜けていく
けれど指を絡み込んだままのそこは、まだヒクヒクと律動していた
ぐったりとベッドに沈み込み荒く息を吐く霧香の、その表情は汗と快楽の涙に濡れ
どこか恍惚としていて、とても・・・妖艶だった

「――――っぁ・・・・・・ハァ・・・」
その光景を目の当たりにしたミレイユは、霧香の太腿に秘部が一度擦れただけで
小さく身体を震わせて軽く絶頂に達し、やっと熱を解放した


ふわふわとした意識の中で、背中に感じる霧香の掌の温もりが鮮明に脳裏に焼き付いた


183757-9-22:2008/02/12(火) 01:52:21 ID:xZU3Zw9D
「ぁ・・・ふ・・・ハァ・・・ハァ・・・っん」
落ち着いた呼吸を繰り返す霧香の唇の端にゆるゆるとキスをしてから上半身を起こし
秘部からゆっくりと指を引き抜くと、とろりと愛液が溢れ出てシーツを濡らした
透明より少し白を含んだそれをまとわり付かせた二本の指
そこから霧香の紅い瞳へと視線を移し、そっと指の先を口に含む
息を整え意識のぼやけたままミレイユを見つめていた霧香の頬がまた紅く染まった
「ミ、ミレイユッ」
抗議の声を上げようとする唇に空いた手の指を当てて制する
潤んだ瞳を見下ろしながら見せ付けるようにゆっくりと舌を這わした

(不思議な味・・・これが霧香の・・・)

そう思うとそれはとても甘い蜜の味がした。収まりかけていた情欲がムクムクと膨れ上がる
一通り舐めとってから、その霧香の愛液と自分の唾液で濡れた指を彼女の紅い頬に滑らす
「ぁ・・・」
濡れた指の感触だけで霧香の身体は大きく反応し声が漏れ出てしまった
その扇情的な声にミレイユは喉を鳴らす

184757-9-23:2008/02/12(火) 02:06:01 ID:xZU3Zw9D
もう一度上半身を倒し、鼻を擦り合わせ、互いの唇の距離がゼロに等しい位置で低く囁く
「ね・・・・・・もう一度・・・」
「っ・・・ミレイユ・・・ミレイユ・・・」
霧香の腕が再度背中にまわされ、ぎゅっと抱き締められる
それは、うぶな彼女からの精一杯の承諾のサイン

『待て』を解かれた犬のように、本能の赴くまま霧香の唇に食い付き
舌先で絡め取りながら濃厚な口付けを交わす
そのまま肌に頬を寄せスルスルと下っていく
さんざん弄り尽くし潤ったままのあの場所へ唇と舌の愛撫を与えようと思いたった矢先
頬を密着させていた薄いお腹から、濃密な空気を一気に消し去る音が長く響きわたった

「ぁ・・・・・・・・・・・・・・・」
霧香のお腹が空腹を訴えた

「・・・・・・・・・・・・くっ・・・ふふっ」
余りのタイミングと音の大きさには思わず笑わずにいられなかった

「ゴ、ゴメン」
「ま、昨日は軽食だったし、あれだけ歩けばねぇ・・・それに」
もう夜明けだわ・・・そう言われて初めて霧香は、ミレイユの金色の髪が一本一本まではっきり見えているのに気が付いた
その金色の向こうに見える寝室の天井が、窓から差し込んだ日の光で淡く白んでいた



185757-9-24:2008/02/12(火) 02:13:17 ID:xZU3Zw9D
「今日は霧香が作る番だけど疲れてるでしょ?私がやるからあんたは寝てなさい」
そう言ってミレイユは長い髪を掻き上げながら霧香の身体の上から退いてベッドの端に腰掛た
「ゴメンね、ミレイユ・・・あの・・・お返ししてあげたかったんだけど・・・」
床に落ちていたシャツを拾い上げながら、その『お返し』の意味を理解したミレイユの頬が仄かに桃色に染まる
「っいいわよ。あんたは体を休めなさい。それに、これからはいつでも・・・ね?」
からかうような視線を送ると、霧香は真っ赤になってずり落ちかけたシーツを引っ張り上げ中に潜り込んでしまった

その行為にミレイユはまた吹き出した
「さ、お腹を空かせたお嬢さんのために朝ご飯作らなきゃね」
にやけた顔のままシャツの袖に腕を通す。が、その腕をシーツの中から出てきた霧香の手が制した
「何?」
振り向くとシーツから顔半分だけ覗かせて霧香がボソボソと呟いた
「・・・やっぱりもう少しだけ」
「・・・・・・ワガママ」
「うん」
「甘えん坊」
「ん」
「・・・まったく」

――あんた、どこまで私を幸せにすれば気が済むの?

はぁ・・・とため息を吐き、ミレイユはもう一度シャツを床へ落とした
もそもそとシーツに身を沈め申し訳なさそうな顔をした霧香を両腕に閉じ込める
「バカね」
怒ってないわよと微笑み愛おしくて堪らない彼女にチュッとキスをすると
それを受けた霧香の表情はくすぐったそうだったが、とても幸福に満ちた朝日よりも眩しい笑顔だった



                   ―つづく―
186757-10-1:2008/02/12(火) 02:17:57 ID:xZU3Zw9D
 ―エピローグ―



「・・・ねぇ、ミレイユ・・・」
「ん?」
「私が傷を治して帰ってきた日・・・あの日の夜、寝る前に二人でワインを飲んだの覚えてる?」
「ええ」
「あの時、寝室に行く直前、ミレイユは私になんて言ったの?」
「・・・・・・あ〜・・・あれね・・・あんた、聞こえてたの?」
「ん・・・聞き逃したままでずっと気になってたの・・・」
「・・・・・・本っ当に、つまんない事覚えてるわねぇ」
「うん・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・部屋が、広かったの」
「え??」
「今年の寒い季節も暖房いらずねって言ったのよ」
「・・・???」
「はぁ〜あったかーい」

甘えた声を出して身を寄せてくるミレイユの、ほっそりした腕に抱かれながら
(去年も暖房使ってたけど・・・)
と、腑に落ちない霧香だったが、自分の胸元に頬を擦り寄せ気持ちよさそうに瞼を閉じるミレイユを見て
まぁいっか・・・と笑みを浮かべた

187757-10-2:2008/02/12(火) 02:23:06 ID:xZU3Zw9D
「ミレイユもあったかいよ」
そう言って彼女のむき出しの白い肩に指を滑らせ
先程付けてしまった傷に触れないようそっと背中を撫でながら呟くと、ミレイユが小さく笑う気配がした

臆病だった心のせいであんなに遠く感じてしまっていた背の温もりを、今この掌に感じること・・・
そんな平凡でこの上ない幸せを噛み締めていると
心地よい疲労感と充足感に、次第に瞼が重くなってくる
朝の光と彼女のぬくもりに包まれながら過ごす至福の時を途切れさすのは勿体無い気もするけれど
少しだけ微睡みの海に意識を委ねることにした


――だって、この朝をこれから数え切れないほど迎えられるから・・・

それに・・・
次にこの瞳に映るもの、それはきっと


私の愛して止まない貴女が目を開けて、微笑む瞬間――




                   ――終――
188757:2008/02/12(火) 02:28:42 ID:xZU3Zw9D
一部EDから引用したがカスラックは見逃して><
ちなみに二人は出会って一年以上過ぎてることになってるんで18歳です
去年ハマッたばっかの遅漏の自己満足ど素人の駄文に
お世辞くれたり長々と黙認してくれてありがとう
いつか霧香の逆syお返し編書いてみたいとおもってるが今のとこはこのへんで読み専に戻るノシ
189名無しさん@秘密の花園:2008/02/12(火) 05:46:40 ID:URD2S3M6
乙!
190名無しさん@秘密の花園:2008/02/12(火) 12:30:01 ID:JTI6Hcde
>>188 乙かれ&グッジョブ!
霧香の傷の所なんか最高にツボだった
191名無しさん@秘密の花園:2008/02/12(火) 23:22:10 ID:VwbbQXJc
>>188
うほっもうキテタ!エロエロGJ!
ミレイユのエロさと霧香の可愛さヤバすぐる(*´Д`)
長い間楽しませてもらったよ
>EDから引用
きれいな感情は霧香視点で聴くと激しくミレ霧だよな
192名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 00:25:24 ID:3frVH0vL
明日はバレンタイン。
NOIR組は仲良くチョコを一緒に作ってそうだ。
窓とナディエリはうまく妄想できない。
193名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 00:32:19 ID:3YZk69+0
NOIRの二人は料理上手そうなイメージがある
194名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 01:01:38 ID:lEQ7SnL2
757読んだ後だとどうしてもNOIR組はキッチンで二人仲良く作って交換し合ったチョコを
結局は二人で舐め合いながらそのままエロスタイム突入しか浮かばない/(^o^)\
カザドだとそこいらで買った板チョコを半分こして分け合ってキャッキャウフフが浮かぶ
「ねぇエリス、バレンタインって知ってる?」
「うん知ってるよ」
「何だ、知ってたのか」
「だからナディは私にチョコくれたんでしょ?」
「う・・・///まぁそうだけど・・・」
「えへ・・・ありがとナディ」
195名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 01:17:02 ID:D0E4AVDU
半分ことかすんごく萌えるんですがw
196名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 08:37:11 ID:op3QbMmr
マドラックスだとこうかな?

高級店のチョコを渡す予定だったが愛しいマドラックスに
「どうせ貰うなら手作りの方がいいな、その方が愛情こもってるって思うもの」と言われ
「このわたしがバレンタインにチョコレート作りなんて…、まるで恋する乙女ね」
とぼやきながらこっそりチョコ作りに励む怖い人
197名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 08:55:10 ID:f16uOy5p
>>194
照れるナディとお礼言うエリス可愛いな。
そう言えばアニメでも板チョコ出てたのすっかり忘れてた。
198名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 09:21:04 ID:RfuDYXru
>>196
だが、窓には羽だ
チョコレートが暗殺の弾丸になる怖い人だ
199名無しさん@秘密の花園:2008/02/13(水) 20:42:07 ID:3frVH0vL
>>196
萌えた。
窓は「まずいわ」とか文句言いながらも全部食いそうだなw
200名無しさん@秘密の花園:2008/02/14(木) 23:59:36 ID:62M5I6x7
>>198こんな感じか?


 その日仕事から戻ったマドラックスは机の上に見慣れない物を見つけた。
 上品なワインレッドの包装紙に包まれ、金色のリボンがかけられた小さな小箱。
 出かける前にはこんなもの無かったはず。なにかしら、と興味の赴くままに手を伸ばそうとしたところで声を掛けられた。
「おかえりなさい、マドラックス」
 そう言って嬉しそうに出迎えてくれたのは、キッチンから出て来たヴァネッサだった。
「ただいま、ヴァネッサ。――ところでこれは、何?」
 机の上にのっていた小箱を手に取りながら問う。
「今日ってバレンタインデーでしょ?」
「ああ。そう言えばそうね」
 そんな日もあったなと思いつつ、機嫌の良さそうなヴァネッサを横目に手に取った小箱を観察する。
 誰へ送るのだろうか? ここにはヴァネッサの知り合いなんかいない筈だ。となると――
「輸送でもする気なの? 送りに行ってあげましょうか?」
 護衛されるべき人が一人でフラフラと出かけるのは控えて欲しい。
 そう思ってマドラックスは申し出た。
 するとヴァネッサはゆるゆると首を振り、マドラックスの申し出を否定する。
「それはね、私から貴方へよ」
「……私に? ヴァネッサが?」
 途端にマドラックスはきょとんとした顔になる。
 何せバレンタインに贈り物を貰うなど初めての事なのだ。
 それどころか贈り物をくれる親しい人など今まで存在したことが無い。強いて挙げるならばSSS位だろうか。
 信じられない、と呆けた顔でいると、
「手作りだから、あまり味に保証はないけどね」
 ヴァネッサが、はにかむように微笑みながら言う。
 そんなヴァネッサにつられてマドラックスもつい笑顔になってしまう。
「……ありがとう」


書いてから気付いたけど、時期合ってないよなこれ。
201名無しさん@秘密の花園:2008/02/15(金) 01:16:39 ID:ZKGJD/Ne
うおぅ久々に窓きたー!
いいよーいいよーかわいいよーGJ!
202名無しさん@秘密の花園:2008/02/15(金) 04:47:36 ID:2KcfHaNR
GGGGGGJJJJJJJJJJJJJJJ
203名無しさん@秘密の花園:2008/02/19(火) 00:18:44 ID:j7ST2/r5
いつの間にか保管庫で百合的名台詞集もあってワロタ。
誤字だらけのSS以上に照れちゃうな。サンクス。
204名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 01:06:34 ID:nP/5yx7q
最近なんか寂しいので投下してみる


「エリス、今日は楽しかった?」
 紅い髪の少女が、隣に座る金髪の少女に問う。
「いえっさ! すっごく楽しかったよ」
 にっこりと笑った金髪の少女につられて、紅い髪の少女も微笑んだ。

 老夫婦の元から旅立って早二カ月。取り敢えずリカルド・リリオ両名との再会を当面の目標に決めたナディとエリスは現在、ある大きな町の宿に泊まっていた。
 夕食とシャワーを終えて、ベッドに入る前の僅かな一時。二人は唯一の光源である暖炉の炎を眺めながら、同じソファに並んで腰掛けていた。
 飼い主に甘える子犬のように、自分にもたれ掛かるエリスの肩を抱きながら、ナディは今日の午後の出来事を反芻する。

 二人がこの町に着いたのは、正午を少し過ぎた頃だった。予定では夕方に着く筈だったのだが、途中で急ぎ過ぎたのだろう。最初からこの町に泊まる予定だったため、昼食を終えた二人はすっかり手持ち無沙汰になってしまった。
「ヒマだね、ナディ」
「まーね……。そうだエリス、実はこの町に遊園地があるんだけど、この際だから行ってみない?」
「遊園地……」
 その言葉に、エリスの瞳が輝き出す。
「行ってもいいの? お金は大
205名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 01:08:51 ID:nP/5yx7q
 ──回想終了。
「そう言えばエリス。アンタは今日が初めてだったんでしょ、遊園地。何が楽しかった?」
 ナディはエリスに話を振ってみたが、当の彼女はガクンと頭が揺れ、それからハッと気付いたように目を瞬かせてナディを見上げた。どうやら、夢の世界へ旅立つ一歩手前だったらしい。疲れているのだろう。初めての遊園地に、はしゃいでいたのだから無理はない。
「ちょっとエリス、もう眠たいんじゃないの? 今日は寝る?」
 そう言ってベッドの方を指し示したが、エリスは首を横に振った。
「ううん、まだ眠たくないよ。もうちょっとこうしていたい」
(いやいやいや。今のは放っておいたら、絶対に寝ていたでしょ)
 明日もずっと移動しなければいけないので、エリスの体力の事を考えたら、もう寝た方がいいのだろう。しかしナディは、少しだけエリスのやりたいようにさせることにした。
「……まあいいけど。それでエリス、今日は何が楽しかった?」
 ナディの問いにエリスは、宙を見上げながら考え込む。
「う〜ん、そうだね……コーヒーカップ。ぐるぐる回すヤツ。ナディは目を回していたけど」
 そう言いながらもエリスは、楽しそうに両手でぐるぐるとハンドルを回すジェスチャーをした。
「やっ、あっ……あれはアンタが回し過ぎだっての!」
 ナディは慌てて弁明する。
「えーとね、ジェットコースターも楽しかったよ。ぐるんと回転するトコは特に。その時のナディの顔も面白かったよ」
「えっ、それマジ?」
「マジ」
 エリスの言葉に、ナディは沈み込んだ。
「うー、失態だわ……。っつーかエリス、アンタは何見てんのよ」
「えへっ。他にはね、ホラーハウスも楽しかった。面白い格好の人達がいっぱいいたね。ナディはキャーキャー言ってたけど。ナディってあんな声も出せたんだね」
「……それが普通だから。それがホラーハウスの楽しみ方であって、私は決して怖がっていたワケじゃ……」
206名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 01:11:22 ID:nP/5yx7q
 ここでナディは一旦言葉を止め、それからハア、と溜め息を吐いた。
「もういいわ、エリス。今のアンタと話していると疲れる……」
「あとね、最後に乗った観覧車」
 エリスはナディの言葉を遮って続ける。
「キラキラしていて、すっごく綺麗だったよ。ナディ、また連れて行ってくれる?」
 てっきり揚げ足を取るような事を言われるかと身構えていたナディは、虚を衝かれてエリスの方を見た。
「ダメ?」
「いや……まあ、いっか」
 その言葉に、エリスがにっこりと微笑む。ナディの内には、先程のエリスの些細な嫌がらせが残っていたけど、水に流してあげる事にした。
「絶対また行こうね、遊園……」
 エリスの言葉は徐々に小さくなり、頭がどんどん下がっていき──
「おーいエリス、エリス?」
 ナディの膝を枕に寝てしまった。
「ってダメだわこりゃ」
 よほど眠たかったのだろう。やはりあの時に、多少強引にでもベッドへ連れて行くべきだったのかもしれない。
「エリス、こんな所で寝ると風邪をひくわよ。起きてちゃんとベッドにね」
 ナディは膝の上のエリスを軽く揺すってみたが、返ってきたのは、ん〜という声だけだった。
「な〜んかもう、どうでも良くなってきたわ……」
 そろそろ自分も眠くなってきたので、ナディはエリスを起こすのを諦めた。今夜はエリス共々、ソファで寝る事にする。
「ま、二人で一緒に風邪を引いて寝込むのも悪くは無いかな」
 そう言いながらナディはソファの背もたれに掛かっていたポンチョを取ると、そっとエリスに掛けた。
「おやすみ、エリス」


終わり
207名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 01:15:09 ID:nP/5yx7q
>>204
しまった
途中切れたので追加

「行ってもいいの? お金は大丈夫?」
「まあ、それ位は何とかなるわよ」
 実際はギリギリの所だったが、大丈夫だろう。それにナディは、魔女として育ったエリスに、出来るだけ普通の事をさせてあげたかった。
「ナディ、行ってみたい」
「分かった。じゃあ決まりね」
 嬉しそうなエリスを見て、ナディも自然と笑顔になる。予定より早くこの町に着いて、良かったと思った。


スミマセン
208名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 08:38:42 ID:FiRRlMm6
>>204-207
エルカザドをこよなく愛する私が言いますよ。ぐっじょぶ!
多少強引にでもベッドへ〜の部分で妄想が膨らんだ自分は
冷水を被って反省した方が良いです。変態ですみません。
209名無しさん@秘密の花園:2008/02/20(水) 11:20:58 ID:GXTq0Dkl
可愛いいい!GJGJ!
210名無しさん@秘密の花園:2008/02/21(木) 22:11:54 ID:QwHX1Rmk
おお〜この過疎スレがもう200か。
211名無しさん@秘密の花園:2008/02/26(火) 00:15:56 ID:EO/IcD2I
>>188
なんという…近づきたいのに近づけないじれったい二人の心情のリアルさ、
鬱憤を晴らすように溜めた分だけ濃くなった終盤のエロさ…凄く良かった…GJ!
これ俺の本編後公式にするわ
保管してくれてる人にも感謝!古い作品に遅れてハマった身分にはほんとありがたいよ
他のシリーズ本編見たら他の小説もお世話になります
ここは書き手さんのレベルが高い悪寒。どんどん増えてくれるといいな
212名無しさん@秘密の花園:2008/02/27(水) 22:56:55 ID:ly2Wc45/
過疎っても規制されてもまだまだ3部作への愛は衰えてないんだぜ
213名無しさん@秘密の花園:2008/03/01(土) 01:17:53 ID:wdV6fNXr
最近盛り上がりに欠けるなー。なにか大きな起爆剤が欲しい…
214名無しさん@秘密の花園:2008/03/03(月) 03:41:26 ID:yZaMm/wp
そーいやNOIRは設定資料集でてたんだっけ?
カザドも出ないかなぁ…
ビィートレも全然情報更新してなくて寂しいんだぜ
215名無しさん@秘密の花園:2008/03/03(月) 06:37:19 ID:wX/yXWNq
Noirの設定集ありますがな。ムックもあるし。
216名無しさん@秘密の花園:2008/03/04(火) 14:28:53 ID:0+6tDk5a
窓もあるよな
217名無しさん@秘密の花園:2008/03/12(水) 02:01:54 ID:iGwDaO+L
三部作、しばらく離れてても、たまに見たくなるなぁ
218名無しさん@秘密の花園:2008/03/12(水) 03:15:40 ID:X6jB0C0D
TVアニメは毎週ドキドキしながら付き合ってくあの感じがいいんだけど、
NoirはこないだDVDで一気に見たら放送時よりもダレなくて好印象。
やっぱり二人の関係がピシッと軸になってるから、次また次と見入ってしまう。
219名無しさん@秘密の花園:2008/03/13(木) 00:38:52 ID:wW+n9bTb
NOIRのDVDBOXが欲しいのだが、
あの絵柄の変わりようで何故か購入ボタンが押せない。
中身は変わらないって判ってるんだが…。
220名無しさん@秘密の花園:2008/03/20(木) 04:23:44 ID:CorcOm5u
むしろ今の絵柄でNOIRのイラストを見られる点に価値を見出して買ったけどなw

やはり作品としての完成度という意味ではNOIR
月村了衛は今なにしてるんだろう
221名無しさん@秘密の花園:2008/03/20(木) 20:23:59 ID:Hd68oGwg
エルカザドであれだけ百合ん百合んしてくれた後に作られるNOIR…
(;`・ω・)ゴクリ
222名無しさん@秘密の花園:2008/03/20(木) 20:53:33 ID:PgvogYjF
しかしNOIRはあの終わり方だったからこそいいんだと思う
あれで続編作られても興ざめだろ、見たくないって言ったら嘘になるけど…
ビバップ劇場版みたいにテレビシリーズの間にあった番外編とかならありか?
223名無しさん@秘密の花園:2008/03/21(金) 13:34:46 ID:eYFnDkaT
月村さんの仕事はWikipedia見る限りおにゃにょこが頑張る作品の脚本が多いね。
最近は規模の大きな活動してないのかな。百合ん百合ん。
224名無しさん@秘密の花園:2008/03/24(月) 02:14:06 ID:NUJGI3m0
またマッシーモや月村さんに百合百合な話を書いてもらいたいな
最近百合成分が不足すぎる…
225名無しさん@秘密の花園:2008/03/24(月) 04:05:36 ID:gv7gdyC9
三部作の後でも百合色の濃い作品を作り続けてくれるといいんだが。
エルカザド売れてないし、当面原作物をやらざるを得ないんじゃないかな。
ビートレは真下の個人商店だから、自由度が高い反面すぐ首が回らなくなる恐さがある。
226名無しさん@秘密の花園:2008/03/24(月) 09:11:15 ID:MN27hOiF
さあ投資だ。ビートレインのDVDをどんどん買うぞ。百合ん百合ん。
227名無しさん@秘密の花園:2008/03/25(火) 20:52:35 ID:UJZcAlhg
やっぱ原作ものか…
http://www.beetrain.co.jp/

百合ぱぅわーがほすぃ…
228名無しさん@秘密の花園:2008/03/26(水) 02:51:02 ID:Px6ODyik
むげにんて、百合要素は…ある訳無いかw
229名無しさん@秘密の花園:2008/03/29(土) 20:04:14 ID:sXZXVsS/
ちょっと待ていつの間にこんなに過疎ってるの!
230名無しさん@秘密の花園:2008/04/07(月) 19:10:30 ID:HBP25o7n
ここで
『エル・カザド続編製作決定!!』
みたいなのがきたら賑わうだろうね。
231名無しさん@秘密の花園:2008/04/09(水) 12:54:06 ID:0+/yvwP/
<ナディ・エリス>ナディエリ「独り立ち」? 初フォトエッセーでお互いへの思い綴る

“ナディエリ”の愛称で知られる双子のタレント、ナディさんとエリスさんが誕生日の23日、東京都千代田区の書店で、
初のフォトエッセー「遺言があったらどうぞ?みっずう!!」の発売記念イベントを開いた。
姉のナディさんはフォトエッセーについて、「悩んだり、将来についてまじめに考えたりする、
今までの(明るい)イメージとは違った“ナディエリ”を見てもらえると思います」とPRした。

フォトエッセーはお互いに内容が知られないよう、別々に制作された。
妹のエリスさんは「1人の撮影は寂しかった。(ナディさんに)頼っていることも多かったんだなって気付かされました」と、
姉妹の大切さに改めて気付いた様子。 一方のナディさんは「(撮影で)みんなが自分だけを見てくれるので嬉かった」
と口をすべらせ、エリスさんに「(1人に)はまっちゃった?」と問い詰められて慌てて否定する場面もあった。

(余談ではあるが、エリスさんがインタビュー後ナディさんをスタジオ裏に呼び出し
 ナディさんの両腕を捕らえ壁に押し付けると「ナディは私が居なくても大丈夫なんだ…」
 と迫り、「ごめん、嘘。…ずっと一緒に居て欲しい」と本音を聞き出し
 唇を奪うという双子ならではの微笑ましい場面をスタッフが目撃した)

それぞれのエッセーの最後には、お互いへの思いを綴った手紙を掲載。
初めて読んだ時に泣いてしまったというナディさんは「身近過ぎて言えなかったことが
すごく詰まっていて、“ナディエリ”の距離が縮まりました」と話した。
232名無しさん@秘密の花園:2008/04/11(金) 02:04:13 ID:ejD3TzwG
>>231
なにこれw
233名無しさん@秘密の花園:2008/04/13(日) 23:53:46 ID:58qBVJtc
「双子ならでは」じゃねぇwww
234名無しさん@秘密の花園:2008/04/15(火) 20:59:28 ID:VySQUc1u
>>231
俺は好きだぞそういうの。
235名無しさん@秘密の花園:2008/04/15(火) 21:41:54 ID:HY5DqAdk
ネタとして扱ってくれる管理人さんありがとう。
236名無しさん@秘密の花園:2008/04/15(火) 21:45:27 ID:HY5DqAdk
だけじゃないわ、皆ありがとう。(レス数無駄使いごめんなさい。
創作する。
237名無しさん@秘密の花園:2008/04/29(火) 11:14:04 ID:x21B+MMA
238名無しさん@秘密の花園:2008/05/07(水) 08:47:36 ID:+udDvNHP
>>83
「…感じる?」(まんま)
「何も感じない」(まんま)
「…ここは痛い…」(ここは一体)
239名無しさん@秘密の花園:2008/05/12(月) 21:48:25 ID:w5/prmYk
神を待つための保守
240名無しさん@秘密の花園:2008/05/18(日) 01:02:20 ID:mhGjUgQu
冬の頃無駄に長いミレ霧書いてた757です(´・ω・)
暫く来ない間に人いなさ杉なので保守ついでに駄文を
初物葛藤スキーなものでNOIRと似てしまうがご了承願いたいです
ナディエリにガチは邪道!な方はスルーで
2411-1:2008/05/18(日) 01:08:14 ID:mhGjUgQu
何度言葉に乗せて伝えても伝えきれない
言葉だけじゃ足りないと分かっていても
それを伝える他の術を私はまだ知らない


E−eagerness−


「まだやってる」
埃で汚れた窓から中を覗きながらエリスは呟いた。
店内では、お釣りがどうとかで相変わらずナディとお店の人が言い合いを続けている。

二人の所持金は今現在、
「次の街には例の支店があるらしい。それまでは「多分」持つだろう」
という状況。
即ち、財布の重みは砂粒の如く軽かった。
ナディが必死に節約という名の戦いに身を投じているのはそのためである。
2421-2:2008/05/18(日) 01:11:06 ID:mhGjUgQu
透明とは程遠いガラスの向こう側でやり取りされている光景に思わず笑みを漏らす。
あの様子じゃまだ暫くかかるだろう、なんて人事のように思いながら視線を通りのほうに移した。

今は急ぎの旅でもない。
ひたすら南を目指し、欠け落ちた記憶を探し求めた旅とは違う。
今日できなかったことは明日やればいい。
飛びたいときは飛んで、休みたいときは木々に止まって羽根を休める。そんな自由気ままな旅路・・・

ナディが死闘を繰り広げる中、そんなことを言ったら
お金は別問題だってナディに怒られそうだけど、でも私はナディが側に居れば他には何も望まない。
そう、思ってる


はずだった・・・

2431-3:2008/05/18(日) 01:14:19 ID:mhGjUgQu
「今日も空、高い」
車での長旅で凝った腰を和らげるために大きく伸びをしたついでに
いつもやるように決して掴めない太陽に手を伸ばしてみる。
こうやってみるといつかこの手が届く気がするから・・・
「・・・・・・・・・・・・」
ただ、この行為が何か別のものの代行である事をエリスは薄々気付いていた。

「・・・眩しい」
強い光を放ち続ける太陽から視線を逸らし、チカチカする目を休ませるように陰を求める。
その途中で、ある物が視界の端に入った。
「?」
小さな路地を挟んで隣接している店の前に設置された錆びたベンチ。
そこにエリスと同じくらい小柄な少女が腰掛けていた。

良く分からないけど
気配を感じなかった、とでも言おうか、
多分私がお店から出てくる前からここにいたのだろうけど、今の今まで気付かなかった 。
こっちの視線に気づいたのか少女の瞳がこちらに向けられた。
ナディの髪の色に、ううんもっと濃い、夕陽のように紅い瞳。

綺麗だなぁと見惚れながら
旅の醍醐味、世間話で暇つぶしもとい交流を思いついたエリスはなんの迷いも無く少女に話しかけた。
2441-4:2008/05/18(日) 01:24:10 ID:mhGjUgQu
「いい天気だね」
突然見知らぬ人に話しかけられた少女は、少し驚いた表情を浮かべたが直ぐ笑みを返してくれた。
「うん・・・本当に」
そう言って少女はゆっくりと空を仰いだ。その首筋にはうっすらと汗が滲み出ていた。
「少し暑い位だけど、でも、この町はとても静かだからそれを感じないわ」
「ここの人?」
「ううん、ちょっと・・・仕事の途中に立ち寄っただけなの」
「じゃあ私達と一緒だ」
と、言った所でエリスは「あ、でも」と訂正を入れた。
「私達はお仕事じゃないや。ナディと私は風の向くまま気の向くままの「あうとろー」な旅の途中」
「ナディ?」
「ナディは私の相棒」
途端、まるで自己紹介のようにナディの怒鳴り声が背中をあずけていた薄い壁から響いてきた。
その声に黒髪の少女の目が丸くなり暗に「この人?」と訊いていたのでエリスは笑顔で肯定した。
「ナディは今お取り込み中だからここで待ってるんだよ」
そこでまたタイミング良く聞こえるナディの声。今度はエリスと一緒に黒髪の少女も笑う。
乾いた一陣の清風が二人の短い髪を優しくなぞっていった。

「貴女も誰かを待ってるの?」
ふとエリスが尋ねると、少女は一瞬思案するように黙り何か思い立ったような表情を浮かべた。

「・・・私は・・・」
少しの間をおいて少女の頬にさっと赤みが差した気がした。
「・・・恋人を待ってるの」
そう口にした少女はささやかな悪戯をした後の子供のようにはにかんでいた。

「恋人?」

とエリスが呟いたのと同時にカランとベルの鳴る音。
少女の座るベンチから更に奥向こうにある扉が開いた音だった。
「まったく・・・」
そうぼやきながら出てきたのは不機嫌そうな顔の女性。
2451-5:2008/05/18(日) 01:27:15 ID:mhGjUgQu
「あ・・・ミレイユ」
表情はあまり変わらないがこの黒髪の少女に尻尾でも付いてたら千切れんばかりにその尾を振っているだろう、
とエリスは率直に思った。
「待たせたわね霧香、行くわよ」
「うん」
キリカ・・・それが彼女の名前。
そして背の高い金髪の女の人が彼女の言っていた恋人。


・・・ん?女の人?


少し意表を突かれて呆気に取られてる間に名を呼ばれた黒髪の少女は「よいしょ」と呟きながら腰を上げ
笑顔で小さく会釈し金髪の女性の元へ行ってしまった。
「何喋ってたの?」
「ん・・・ひ、秘密」
微かに聞こえた仲睦まじい会話に釣られて無意識に視線がそちらへ引かれる。

「・・・ぁ」

私はその二人の交わす視線に私とナディに近い物を、
ううん・・・もっと、何だろう・・・似たようで全然違うものを感じ取った。

「・・・・・・・・・」

エリスは二人が曲がり角で見えなくなるまでずっとその背中を見つめていた。
だが心の中を占めるのは相棒、ナディの事だけだった。
2461-6:2008/05/18(日) 01:36:17 ID:mhGjUgQu
「恋人・・・」

――熱い恋の炎を燃え上がるのだった

ふと、いつか読んだ本に書いてあった一節を思い出した。
仲良しの二人、ずっと一緒にいたい人、大切な人、それが恋人。
私とナディだって仲良しの二人で、ナディはずっと一緒にいたい人、大切な人・・・でも

私とナディは恋人じゃない
だって恋人は、夫婦と同じで男と女だから・・・
でもさっきの二人は

「だぁあー!!二度とくるか!こんのぼったくり!」
怒鳴り声と共に凄い勢いで扉を閉めて、というか叩きつけてナディが戻ってきた。
エリスの思考はそこで一旦遮られた。
「ナディ」
「あーゴメンねエリス、だいぶ待たせちゃって」
「ううん。それよりナディ、負けちゃった?」
「う・・・負けてない」
「じ〜〜〜」
「ま、まだお金の余裕はあるしさ」
「じ〜〜〜」
「しつこいってば」
コツンとナディの人差し指がエリスのおでこを小突いた。
勿論ナディは怒ってない。にこやかな表情で小脇に抱えた中身の少ない紙袋を後部座席に置いていた。
「えへ」
「ほら早く乗った乗った」
「いえっさ」
小突かれたおでこを擦りながら助手席のドアを開け座席に座るとハンドルを握ったナディがじっとこちらを見ていた。
「ゴメン、痛かった?」
強くやりすぎちゃったかな・・・とナディが手を伸ばしてエリスのおでこを優しく撫でる。
「――っ・・・ううん、大丈夫だよ」
ナディの不意打ちに一瞬身体が強張るがエリスはそれを心地よく受け止めた。
ただ心臓はまるで無理に魔女の力を使ったときのように激しく脈打っていた。
2471-7:2008/05/18(日) 01:45:52 ID:mhGjUgQu
――まただ・・・

ナディに触れられるとドキドキして身体が熱くなる
以前からドキドキすることは良くあったけど、いつからかもっと強く、もっと熱く・・・
多分好きだから、大好きだからこうなるんだ。
だから私は何度も言葉に乗せてナディに伝える。
伝えるんだけど・・・



「今日も野宿だなぁこりゃ」
ナディの溜息とは反対にタイヤが地面を蹴る音が軽快に響く
先程の小さな町は既に見えず正面には果てしなく続く土で固めただけの道
横を流れる景色の向こう側にはタイヤが巻き起こした土煙さえも飲み込む赤い夕陽がゆらゆらと揺れていた。

「ナディ」
「ん?」
「大好きだよ」
「い、いきなり何?・・・・・・ん、まぁ〜でも、ありがとエリス」

むぅ・・・
やっぱりなんか違う気がする
ナディが好きな事には変わりない
でも伝えたい「好き」の意味が以前とは少し違う事を私は理解はしていた
理解はしているんだけどどうしたらいいか良く分からない
だからナディにちゃんと伝わらない
まるで目の前に見えるのに手が届かないあの太陽のようなもどかしさ

ただ、今日出会った黒髪の少女と金髪の女性、
あの二人のことを羨ましいと思ったことは確かだった。

この難題はナディに聞けば分かるのだろうか
ううん、多分ナディじゃないと確かな答えは得られない。
2481-8:2008/05/18(日) 01:52:33 ID:mhGjUgQu
「ナディ」
「まぁた何を言い出すつもり?」
「恋人って、夫婦と同じで男と女?」
「・・・・・・・・・うん、そうだよ」
あれ、今・・・なんか・・・
私の突然の問い掛けにさっきみたいにビックリしたり、快く答えてくれるいつものナディとは違う。
気のせいかな・・・エリスはそう思うことにして話を続けた。

「さっきね・・・ナディを待ってる間、同い年位の女の子とお喋りしてたの」
「・・・へぇ・・・」
「その子、恋人を待ってた」
「ほぉ〜妬けるねぇ」
「・・・恋人・・・女の人だった」
「っ・・・・・・・・・」
「ナディ」
「・・・・・・・・・」

ナディの横顔は夕陽の逆行により生み出された影に奪われてこちらからはよく見えなかった。


――今日できなかったことは明日やればいい
でも、今目の前にあるあの太陽が明日昇るとは限らない。

私はナディが側に居れば他には何も望まない。
そう、思うようにしていただけだった。
本当はこの「好き」の意味に手を伸ばして掴みたい、気付いた時からずっとそう切望していた。

だから
見えないこの先へ、私はナディと一緒に行ってみたい

でも、ナディは?
ナディは私の事・・・


「・・・私は・・・ナディの・・・」
触れちゃいけないことだったんだと気付いたのは
「ナディの恋人になれないの?」
そう言ってしまった後。
太陽が地平線に沈み代わりに現れた薄暗闇に包まれてナディの表情が見えた時だった。


                ―つづく―             
249名無しさん@秘密の花園:2008/05/18(日) 01:54:55 ID:mhGjUgQu
あ、いちおう時系列は前書いたミレ霧SSの数日後で土俵一緒でヨロです
250名無しさん@秘密の花園:2008/05/18(日) 19:35:03 ID:giyQjJCA
生殺し!! 続きを待ちます…

ミレーユと霧香の仕事ってまだ殺し屋なんですかね。
本当にもうナディエリ大好きなんで嬉しいです。
251名無しさん@秘密の花園:2008/05/18(日) 22:19:24 ID:0Ol4KXAa
>>757=240
駄文だなんてへりくだらないで胸を張れ。
あなたは我らの神なのだから。
252名無しさん@秘密の花園:2008/05/20(火) 15:22:43 ID:gGnsVekV
>>240
ありがとう!待ってたよ
そして続き待ってるよー
253名無しさん@秘密の花園:2008/05/20(火) 16:59:33 ID:aqEP3StL
期待をしてage
254名無しさん@秘密の花園:2008/05/22(木) 11:37:20 ID:bSFw5tJ8
神が戻って来ていた!続き待ってます。
255名無しさん@秘密の花園:2008/05/25(日) 20:40:02 ID:8R036w7h
ナディエリとミレ霧のいる街がガザッソニカだったら・・・
とか妄想してしまいました
256名無しさん@秘密の花園:2008/06/01(日) 00:15:20 ID:gHIlWKYx
神待ち保守
2572-1:2008/06/02(月) 01:27:29 ID:0nL3otaZ
あんたを守っていくとあたしはあの時誓った
それはあの南の地で目的を終えた後も続く誓い
でもそれが当たり前のように続くと誰が保証したのだろう


N−nebulous−


夜風が大地を柔く撫でる音がした。
キーを回してエンジンを切ると周囲が酷く静かなことに改めて気付かされる。
目が覚めたような、現実に引き戻されたような錯覚。
それでいて真逆の、身体がふわふわと宙に浮いているような感覚。

ナディは背凭れに後頭部を預け一度深く呼吸してから辺りを見渡した。

頭上には満点の星
正面には柵で囲われた草原
側には小さな白い建物

――運が良かった
先刻、辺りが暗くなり野宿を決め込もうと道から外れた先で見つけたのは朽ちかけた柵。
目を凝らして見るとそこに広がっていたのは荒れ果てた放牧場だった。
この一帯は昼夜の気温差が激しく夜に野宿というのは結構堪えるもので、正直助かったとナディは息を吐いた。

ただ、別の意味で助かったと思ってしまう自分が確かに居て、それが酷く情けなかった。

でも今日は、今日だけは彼女と距離を置きたかったから・・・
2582-2:2008/06/02(月) 01:34:20 ID:0nL3otaZ

車のドアを開けてブーツで土を強く踏みしめてから建物の方へ歩み寄る。
近づいて見るとその酷い荒れようが目に付いた。
扉の前まで鬱蒼と茂った雑草、
壁に塗られた白いペンキはあちこちが剥がれ落ち窓枠は茶色く錆付いている。
立て掛けられたまま放置された農機具は雨風に晒され穴があいていた。

人の出入りが無くなって久しいようだったが念のためにとナディは扉をノックした。
途端、鈍い音を立てて少しだけ扉が開いた。
「げ・・・」
鈍い音の正体はドアノブか鍵が壊れた音だった。
ヤバッと思ったのは一瞬だけ。
直ぐに、これだけ放置された建物だ、居るかどうかは分からないが持ち主もドアの一つや二つ許してくれるだろう。
と結論付けてナディは反省を終わらせた。

改めて扉を押し中を覗く。
暗がりでよくは見えないが寝泊まりは十分できそうだった。
「せっかくだから今日はここを使わせて貰おっか」
まだ車内にいるだろう彼女に背を向けたまま問いかけると、ただ一言だけ「うん」と返事が返ってきた。

・・・その声は風の音にかき消されそうなほど小さかった。

あたしがあんな顔をしたから・・・
あれ以降エリスの口数は少なく、
あたしもそれに甘えてエリスのあの言葉に対しては何も答えなかった。


応えられなかった

2592-3:2008/06/02(月) 01:41:55 ID:0nL3otaZ
「・・・・・・」
車の後部座席からドラムバッグを降ろし、中へ入るエリスの背を見送ってから
悟られないよう静かにため息を吐いて壊れかけの扉を閉めた。
窓の形に切り取られた青白い灯を手掛かりに探し当てたスイッチを2、3度押してみるが
カチカチと虚しい音をたてるだけで反応は無し。
仕方なく、以前安モーテルで貰ったマッチを付けると煉瓦造りの暖炉とその側に無雑作に積まれた薪が見えた。
「お、丁度いいや。取り敢えず暖取りついでに灯りもね〜」
と相手に伝えるでも無い曖昧な独り言を呟きながら、薪と近くに置かれた新聞紙を数枚丸めて暖炉に放り込み
持っていたマッチで火を点けた。

幸い薪は湿気にやられておらず、徐々に淡い灯と熱を放ち出した暖炉が周囲の薄闇を消し去っていく。
リビングらしき部屋にはテーブル、ロッキングチェアにカウチ、側には小さなキッチンが備わっていた。
外から入ってきた時のとは違うドアを開けるとそこは脱衣所と、奥にはバスルーム。
外の荒れようとは裏腹に中は比較的良い状態で残っていたようだ。

老朽化による引越しか経営不振による廃業で夜逃げか・・・
そんなどうでもいいことに思考を廻らせてしまうのは、決まって本当にすべきことから逃げている時で・・・

「あ」
ぼんやりしたまま何気なくキッチンの蛇口を捻ると井戸から直接引いているのだろうか水が出てきた。
――今日は本当に運が良い
土埃を落としたいのもあったが兎に角今は頭を冷やしたい気分だった。

「多分お湯は出ないかもしれないけど、折角だからシャワー浴びる?」
そう言いながら後ろを振り返ると、彼女は暖炉の前に佇み赤い炎をただじっと見つめていた。
「エリス」
名を呼ぶとピクリとその瞳が揺れゆっくりと、節目がちにこちらを見返した。
「・・・・・・ん?」
「・・・先、使う?シャワー」
「・・・ぁ、うん」

2602-4:2008/06/02(月) 01:52:11 ID:0nL3otaZ
心ここにあらずといった風な返事を残してエリスが脱衣所に行った後、
ナディはロッキングチェアの背凭れに脱いだポンチョを掛けてから部屋の物色を始めた。
生活用品が少しと、保存食は・・・無し。
他の部屋も覗いてみたが以前のように永久に物言わぬ家主も居ない。
あるのは持ち主に置いていかれ埃の被った数点の家具だけ。
「別に盗りはしないけどさ・・・」
ナディは自分でも何に対して愚痴を言ってるのか良く分からなかったが、とにかく今は何か気を紛らわすことがしたかった。
することの無くなったナディは仕方なく、
自分とエリスの数少ない所持品をごっちゃに詰め込んだドラムバッグを引き寄せ、中の整理を始めた。
「あ、そういえば・・・」
忘れてた。ここにタオルがあるということはエリスは何も持たずにシャワーを浴びに行ったという事で・・・

あの子がシャワーを浴びている間に置いておこう、
そうナディは思い立ってエリスの着替えとタオルを持って脱衣所のドアを開けた。
「―――」
息が止まった。というよりは時が止まった。
目に飛び込んできたのは、透き通るような白い肌。
下着だけを身に着けたエリスの姿だった。
「っ!!!ご、ごめん!」
「・・・ん」
何でこういうことに頭が回らなかったのか・・・
まだエリスは脱衣所で服を脱いでいる途中だった。

慌てて背を向け平謝りするナディにエリスは、気にしないから、と小さく答えた。
「あ、えと、タオルと替えの下着・・・ここ置いとくね!」
足元にあった籠に持ってきた物を入れてナディは逃げるように脱衣所を出てドアを閉めた。

2612-5:2008/06/02(月) 02:06:54 ID:0nL3otaZ
――今日は運が良い・・・なんて、とんだ思い違い。寧ろ逆だ。

変な汗が背の窪みに沿って流れ落ちていった。
それを誤魔化すように閉めたドアに背を預け大きく息を吐き、破裂しそうなほど激しく脈打つ胸元を強く握り締めた。

「・・・っていうか、何・・・謝ってんのあたし・・・」

以前は慌てることも気にすることも、意識することも無かった。
一緒にお風呂に入ったりもしていたしエリスの裸なんて見慣れているはずだったのに。

・・・エリスのあの言葉を聞いてから、無理やり止めていた歯車が動き出したような気がする。
だって、いつものあたしならさっきのようなことがあったって平静を装う事が出来たはずだ。

ナディはもう一度深くため息を吐いてからその場を離れ
ロッキングチェアに深く腰掛けて、観念したという風に瞼を閉じた。

兆しが見えだしたのはロベルト、ニーナ夫妻のところに居たころだったろうか、
今となってはいつごろかなんてはっきりしない。
知らぬ間にあたしは「そうなって」いたから・・・


――女同士なんだからさ、気にすることないじゃない


意識するようになった当初は、そうやって馬鹿みたいに自分に言い聞かせたりもした・・・

けれど・・・あの眼で見てしまった時点で、そんな言い訳は卑怯以外の何ものでもない。
それどころかいつも恨めしく思っているはずの「同じ性」を都合よく利用してる事になる。

だから彼女が着替える時なんかは不自然にならないように気を付けながら、
決してその姿を視界に入れないようにしていた。
でも・・・人間とは面倒くさく出来ているもので・・・
見ないように見ないようにと思っているといやがうえにも意識はそちらに注がれてしまう。
2622-6:2008/06/02(月) 02:20:22 ID:0nL3otaZ
今だって鼓膜を通して脳に送られてくる情報は、
目の前でゆらゆらと揺れる炎が薪を侵食する音ではなく
絶え間なく流れ落ちる水の音。
そして、そこから連想される――
「――っあぁ〜もう!・・・ほんっと最低・・・」

ナディは思考を振り切るように乱暴に立ち上がった。
そのせいで激しく揺れるロッキングチェア。
その揺れる音も次第に収まり再び聞こえる水の音。
ここにいては考え事もまともに出来やしない。
車内に置いてきた毛布でも取りに行こう、そう無理やり頭を切り替えてナディは外へ続く扉へ向かった。

一歩外に出て気が付いた。夜だから暗いのは当たり前だけど、さっきよりももっと暗い。
見上げるとあれほどあった星の群れは厚い雲によって覆い隠されていた。
思わず皮肉な笑みが零れた。
その曇った空があまりにも今の自分そのものを映し出しているかのようだったから・・・


――本当は・・・ずっと前から気付いていた
その瞳に込められた想いにも
そして自分の気持ちも呆れるほどに

当たり前のように続くと思っていた「相棒」という二人の関係。
気付いた時からいつかは訪れると思っていた変化。
それはあたしも望んでいたはずなのに・・・
その望みはいつからかある恐怖によって霞みがかっていた。

「・・・エリス」
縋る様にポツリと名を呼んだ。
その声もまた、夜の闇に覆われていくだけだった。


                ―つづく―  

263名無しさん@秘密の花園:2008/06/02(月) 02:31:50 ID:0nL3otaZ
>>250
そこらへんは次のNOIRSSでちょろっと書く予定なんですがまぁ各人の好み、自由でヨロ(^ω^)
>>251
いやいや恐れ多い・・・しかしありがとう
>>255
ゴミン・・・(・ω・`)
264名無しさん@秘密の花園:2008/06/02(月) 08:47:10 ID:wNykG5GQ
毎回良い所でこのっ…大好きだよ!!(ぇ
早く読みたいと急かしたいけどその所為で
内容に悪い影響が出て欲しくないというファン心。
265名無しさん@秘密の花園:2008/06/02(月) 20:27:10 ID:f9tsNF3Y
はぁはぁ、たまらねぇぜ。
作者さん、GJ!!
266名無しさん@秘密の花園:2008/06/03(火) 00:47:32 ID:2Y4mQT4R
あいかわらず、雰囲気のあるSSだよなぁ。
GJ!!
267名無しさん@秘密の花園:2008/06/04(水) 08:21:14 ID:6t2HHbeE
うおお久しぶりに来たら757神が帰ってきてた!
GJ!またwktk習慣が味わえるw
この波に乗って他の神もご帰還しないかのぉ
268名無しさん@秘密の花園:2008/06/10(火) 03:42:30 ID:SI/09oir
なんと今頃来てたので貼ってみる
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3594948
269名無しさん@秘密の花園:2008/06/10(火) 08:49:52 ID:J351FhBu
>>268
サーセンwww
270名無しさん@秘密の花園:2008/06/10(火) 12:09:49 ID:JennpG1d
>>269
作者!? 朝の貴重な時間削って観ちゃったじゃないか。ありがとう。
271名無しさん@秘密の花園:2008/06/10(火) 17:31:11 ID:2NTjjJxW
>>269
うp主か?
カザド組にハマってSS書かずにいられなくなったのは婚前まとめ前半見たおかげですw
後半も良い活力になったよd

>>268もd
272名無しさん@秘密の花園:2008/06/13(金) 08:50:20 ID:Hd3yGGzG
今頃カザド本出してるサークル見つけたから
嬉しくなって貼ってみるよ
ttp://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0010/14/80/040010148031.html
三部作の二次創作じゃやっぱNOIRが一番息が長いよなぁ
273名無しさん@秘密の花園:2008/06/13(金) 12:21:11 ID:IgcAoDhg
>>272
大分前に買いましたがな。見所は
エリスの○○を妄想するナディか。
274名無しさん@秘密の花園:2008/06/15(日) 17:22:02 ID:1mge14oK
一時の賑わいはどこへ行った?
275名無しさん@秘密の花園:2008/06/16(月) 20:33:04 ID:5z5zNAF8
統計によるとエルカザの続きがくる筈なんだけどな…
待ち遠しくてそろそろ精神に異常をきたしそう
276sage:2008/06/18(水) 21:34:33 ID:2s1bEm1c
今更ながらはまった俺様が通りますよっと
霧ミレ、ヴァネマド最強!
エル・カザドはまだ未見
ずっとヤンマーニがぐるぐるしてるぜw
277名無しさん@秘密の花園:2008/06/18(水) 22:41:55 ID:WGR5z/up
>>276
ゆっくりしていってね!!
エル・カザドを見るともっと幸せになれます
278名無しさん@秘密の花園:2008/06/18(水) 23:10:55 ID:XnWne63D
>276
ベックマンくん(君)を…知らない…だと
279sage:2008/06/19(木) 20:28:44 ID:09xao9+I
なんてことだ、sageミスってるし…

エル・ガザドは体力溜めてからチャレンジする予定さ
NOIR、MADLAXと続けて見たから少し時間をくれー
280sage:2008/06/19(木) 20:29:07 ID:09xao9+I
まじですまん
281名無しさん@秘密の花園:2008/06/19(木) 20:30:22 ID:09xao9+I
バカかもしれん…
282名無しさん@秘密の花園:2008/06/19(木) 22:03:12 ID:Rh56JlAg
大丈夫、体力ならエル・カザド観れば溢れんばかりの微笑ましさで回復する。
必要なのは時間だけ。
283名無しさん@秘密の花園:2008/06/19(木) 22:09:11 ID:oMHqDqXP
>279
『いえっさ』

でほこほこしなさい
284温度変換:2008/06/22(日) 04:59:14 ID:ltnYCTxi
ちょっと書いてみました。

だめだったら暖かい目でスルーしてくださいw
285温度変換:2008/06/22(日) 04:59:51 ID:ltnYCTxi
彼女−マドラックス−が案内してくれた部屋で私は黙々と指を動かす。
せっかく手に入れたデータもパスワードがわからなければ意味がない。
闇雲に文字を打ち続けてはみるものの世の中そう簡単にはいかないもんね。

一向に進まない作業に苛立ちだけがつのってく。

考える事はたくさんある。
時間がないのもわかっている。
でもどうする事もできない自分の無力さが歯痒い。

先ほど入れたコーヒーを一口、無理矢理にでも気分を落ち着かせる。
軽くため息をついてから、背後のソファーに寝そべっている彼女へと意識を飛ばした。

私がPCを触ってる間、彼女はコーヒー片手にぼーっとしていた。
どこを見ているのかしら。
チラッと覗き見るが視線は合わない。
その顔は窓へと向けられているが意思を持って何かを見ている風でもない。
でも彼女のその雰囲気がなぜかとても柔らかくて見ているだけで心が落ち着いてくる。
286温度変換:2008/06/22(日) 05:00:25 ID:ltnYCTxi
「…なに?」

顔はそのまま、こちらに視線だけ移して問うその余裕っぷりに私は慌てて目を逸らした。
見てたのがバレてたのね。

「別になんでもないわよ…」
「…そう」

忘れてはいないつもりだったのにその穏やかな表情をした彼女を見てしまったら、思ってた以上に凝視してしまってたみたい。
彼女は人の視線に非常に敏感だ。
いくつもの戦場で鍛えあげられた生き残る為の術とはいえ、こうゆう時には少しやっかい。
うかつに覗き見もできないわ。
表情だけ見れば何にも考えてなさそうなのに、実際は常に周りに気を巡らせている。
心ここにあらずって感じなのに…そうなの、この顔に騙されちゃいけないのよね。
彼女がまた一口コーヒーを飲む音を聞きながら私は作業に取り掛かった。

「…時間」
「え?」

ふいに後ろから声がかかる。
287温度変換:2008/06/22(日) 05:00:53 ID:ltnYCTxi
それに釣られて後ろを振り向く私の目に入ったのはしっかりとこちらに顔を向けている彼女の顔。

「ないのはわかってるけど、そんなに焦らなくてもいいわ」
「マドラックス…」
「私が側にいる限り、アナタには手を出させないから」

        −……あっ−

      一瞬、息が止まった。

その言葉に微笑みを浮かべる彼女から視線が外せないまま自分の顔が熱くなっていくのを感じる。
よくしゃべる子じゃないのに、どうして今こんな言葉を事も無げにサラッと言ってしまえるのかしら…。
あんまり深くは考えてなさそうな様子だけれど、今の私にその言葉は泣きそうになるくらい深く心に響く。

その声が、その言葉が私にどれだけ安心感を与えるのか貴女はきっとわかってない。

「…そうね」

先ほどまでの苛立ちがキレイに消え去ってしまった。

「…?」

思わず漏れてしまった笑みに彼女が不思議そうな顔をする。
288温度変換:2008/06/22(日) 05:01:39 ID:ltnYCTxi
「貴女って…」
「…なに?」
「けっこう天然よね?」
「…意味わかんない」

片眉をクッとあげておどけたように笑いながら返事をする彼女。
わからなくてもいいわ、だってこれは私が感じてしまった熱の仕返しだもの。

じわじわと湧きあがってくるこの感情の意味を私は知っているけれど…まさかね、そんなはずないじゃない。

「…さてと、コーヒー冷えちゃったから入れなおすわ」

そう、今は変わり始めた自分の想いに今は気遣いないフリ。

「貴女は?」
「…私はいいわ、今ちょーどいいから」
「OK」

これからどうなっていくのかわからない事だけらけだけれど、彼女が側にいてくれるなら私は…。

金色の頭が揺れるのを見ながら自分の中である決断をする。

必ず、真実をつきとめてやる。
彼女と一緒に。
289温度変換:2008/06/22(日) 05:03:26 ID:ltnYCTxi
以上です。
どもでしたー
290名無しさん@秘密の花園:2008/06/22(日) 10:09:01 ID:YVO5Jjnt
GJ!
ドキドキするなあ
291名無しさん@秘密の花園:2008/06/22(日) 14:55:10 ID:ofpHgJxa
うわー雰囲気あるなー
GJ!
292名無しさん@秘密の花園:2008/06/22(日) 22:41:45 ID:wAudqmFa
GJ!
今後も我々を御見捨てにならないでください。
293名無しさん@秘密の花園:2008/06/22(日) 23:07:35 ID:QC6/JNKp
うわー
超下手糞な駄文だなwwww
ダメだこりゃ
ゆとり?
294名無しさん@秘密の花園:2008/06/23(月) 00:18:29 ID:L+pU+XqC
ゆとり教育の弊害のようですね
教育基本法の改正を切に願ってやみません
295名無しさん@秘密の花園:2008/06/23(月) 01:00:22 ID:ujUHER7y
>>289
GJ!最近窓を見直してたから何か嬉しいw
変なのが湧いてるけど気にしないようにねー。
296名無しさん@秘密の花園:2008/06/23(月) 08:36:24 ID:ATyCvk3e
多分読み易いように地文減らしたんでしょう
それができない自分は尊敬します。
エルカザはまだかな…
297名無しさん@秘密の花園:2008/06/25(水) 01:56:48 ID:N2XnALL9
羽窓好きだー。
なんで最後怖い人に持ってかれたんだろう・・・
298名無しさん@秘密の花園:2008/06/25(水) 21:41:22 ID:qPgivXbr
>>289
GJ!madlaxのSSは少ないから短くても嬉しい…
また書いてほしい
299sage:2008/06/29(日) 00:47:01 ID:JhlwxC3P
エルカザ、ワクワクしながら待ってる最中だぉ!!
300名無しさん@秘密の花園:2008/06/30(月) 01:02:16 ID:UHPQ2Qyz
まぁあれだ
ミレイユ、ヴァネッサにはまった流れからいくと
次にはまるのはブルーアイズじゃね?

おうよ、まさにその通り!
頑張ってますよ!
301age:2008/06/30(月) 23:04:21 ID:nOKxssQ8
はまってますよ、ブルーアイズvv
3023-1:2008/07/13(日) 23:26:27 ID:0Pz7v8aa
私はただ知りたかった
だけど貴女を傷つけるくらいなら知らないままで良かった
貴女の気持ちも私の想いさえも


E−evil−


「冷たい・・・」
ポツリと呟いた一言は、数多の水音の中で小さく響いた。

そういえば、お湯・・・出ないって言ってたような気がする。
でも今のこの状態には丁度いい冷たさだ、エリスはぼんやりした頭でそう思った。
あの夕陽の中でのやり取り以降、大好きなはずの彼女の声が頭に入ってこない。
まるでこのシャワーヘッドから噴出し、ただ流れ落ちる水のように・・・
いっそのこと、今日という日も流れて消えてしまえばどんなにいいだろうか。

3033-2:2008/07/13(日) 23:31:56 ID:0Pz7v8aa
さらりさらりと肌を撫で流れ落ちる水の群。
少しだけ盛り上がった胸の形をなぞり、下腹部、脚を伝って排水溝へと流れていく。
表面の温度を奪い、それでも内側の温度は奪えないその一連の流れをエリスはただその瞳に映していた。
その流下を遮る様に手のひらを胸元に当てる。

――熱い・・・

身体を包む水の流れも、心に吹き込む風の波も酷く冷たいはずなのに
自身の鼓動はわずかにリズムを早め身体の熱を上げていた。

その原因は、先ほどの脱衣所での出来事

女同士だからナディに見られるのは、平気・・・だった。
平気だったのに・・・
いつからだろう
ナディにこの身体を見られる事に抵抗を覚えたのは・・・

以前の「好き」と違う今の「好き」
その明確な違いを表すものの一つが、いつの間にか心の片隅に居ついていた、この

『恥ずかしい』

という感情だった。
3043-3:2008/07/13(日) 23:52:08 ID:0Pz7v8aa
もちろんナディ以外の人にだって見られるのはイヤ。
でも、ナディは、ナディだけはイヤなのにイヤじゃない。
恥ずかしいのに、見られたくないのに

何でだろう・・・

本当は・・・ナディにだけ

触れて・・・


刹那、あの風景が脳裏を過ぎった。
「――っ!」
夕闇の中に浮かぶナディのあの辛そうな顔。そして再び重く圧し掛かる戸惑いと後悔の念。
エリスは堪らず身体を支えるようにして目の前のコックに手を伸ばした。

――そんなこと・・・

コックを捻り水を止める。ポトリと雫が一つ、白いタイルに落ちて弾け散った。

――この気持ちを抱くこと、それは――

3053-4:2008/07/14(月) 00:06:56 ID:yUZ6Nhf/



リビングに戻るとナディの姿は無かった。
ホッとした様で何かが欠け落ちたような寂しさが胸を締め付ける。

さっきは目を合わすのも躊躇っていたのに、結局いつものように彼女を探してしまう自分に少し腹が立った。
側のロッキングチェアには見慣れた白いポンチョ。ふと窓の向こう側に目を向ける。
闇の中に赤い車体に凭れる俯きかげんのその姿。何か、思い詰めたような彼女の横顔が見えた

「・・・ナディ」
――寒空の下、貴女は今何を考えているの?

聞こえるはずも無い言の葉。
聞けるはずも無い問い掛け。

そうさせたのは他でもない私だから・・・

ナディの赤い髪がふわりと舞い、砂が巻き上がる。
壁越しなのに窓に触れた指先から私の身体も風に吹かれた気がした。
闇の中の陽は薄い砂塵に遮られ、それだけで彼女の姿を永遠に見失ってしまうような錯覚に襲われた。

震えが、止まらない。
身体が冷えたのだろう、そう乱暴に解釈しその場を離れ、暖炉の前に腰を下ろす。
3063-5:2008/07/14(月) 00:29:05 ID:yUZ6Nhf/
揺れる炎により温まる身体。それでも心の震えは止まらなかった。
失うことを恐れている。
目の前の炎より熱い、でもとても穏やかな

――ナディ。私の太陽

ナディは優しい
いつでも私を助けてくれる。守ってくれる
たくさんの事を教えてくれ、たくさんの大切なものをくれた。

私は貰ってばかりだから、だから、せめてあの旅が終わった後は
ナディの苦しみを生むような事はしたくないと、思っていたのに。
余りにも彼女が優しくて彼女との距離が近すぎて・・・私は一人、思い上がってしまっていた。


ナディに苦しい思いをさせるくらいなら、太陽が二度と昇らなくなるくらいなら・・・
私の想いなんて、無かったことにしよう


――だってこの気持ちを、この想いを抱くことは

   イケナイコト、だから


                ―つづく―
307名無しさん@秘密の花園:2008/07/14(月) 00:35:52 ID:yUZ6Nhf/
忙しくて中々来れんかった。スマン(;´・ω・)
今回短いのでできれば近日中に4上げます
308名無しさん@秘密の花園:2008/07/14(月) 08:34:19 ID:uMrhyUdb
こちらこそ都合も考えず急かしてすみません…おとなしく待ってます。
本当に描写上手過ぎます。愛してまs(削除
309名無しさん@秘密の花園:2008/07/15(火) 20:58:38 ID:3FndSBH6
続き気になるわぁ
310熱帯夜:2008/07/16(水) 00:38:41 ID:3/B/t2AH
『見られてる』と思う。

例えば私が背を向けてパスタ作りに専念している時とか。
例えばソファーに横になって窓の向こうに広がる変わらない景色を眺めてる時とか。
今もそう、1つのベッドで眠るその背後から視線を…彼女の視線を感じる。
眠れないみたいね。
もうかなり時間はたってるのに。

ベッドの軋みと静かな布ずれ音から伝わってくる彼女の動き。

―― 肩を動かした? ――

ううん、腕か。
背中の空気が移動する。

―― 次は…ため息? ――

それは本当に小さな小さなため息だったけど、なんだかその中に彼女の想いが籠められてる気がして少しだけ気になった。
後ろは振り返らない。

今はまだ

ねぇ、ヴァネッサ・レネ
貴女は今なにを思ってるの?
311熱帯夜:2008/07/16(水) 00:39:19 ID:3/B/t2AH
浮かぶのは昼間の彼女の姿。
作業に集中してこちらに見向きもしないと思ってたのに、気づくと私を見ている瞳。
最初は何か用事でもあるのかしらと問いかけてはみたけれど、返事は決まって

「なんでもないわ」

の一言だけ呟いてまた視線をPCに映す。
ならこっちも気にしないでおこうと思ったけれど、私が彼女を見ていない時に限って視線を感じる。
雇い主に見張られるなんて経険、今までなかったからどう対処すればいいのかな。
とりあえず、私も彼女を観察しはじめてんだけど

眉間に少しだけ皺を寄せて悩むその横顔。
コーヒーを飲むべく伸ばされたその指の動き。
彼女の息遣いと肩を擦る仕草。

で、私に気づいて「なに?」って問う声。
鈍感な貴女でもこれだけ見られてたら気づくのね。
私はそのまま彼女に視線を合わせたまま

「なんでもないわ」

と返す。
その言葉に心当たりのある彼女は言葉につまる。
ふふ…ちょっと楽しいかも。
312熱帯夜:2008/07/16(水) 00:39:59 ID:3/B/t2AH
お互いがお互いを観察しあったまま、今こうして1つのベッドで横になってるけれど彼女の視線は変わらず私を見つめてる
気にはなるけれどそれは決してイヤな物ではなくて、なんだろう…妙にくすぐったいというか心地良いというか。

見るという行為は相手を知りたいという想いへと繋がる。
今のこの状況から対象物は限られてしまうが、彼女の視線にははっきりと私に対する興味が混ざっていて、その中に私という存在が選ばれた事について少し嬉しさを感じ、わざとなんでもない風を装いながら受け続けた。

ああやって探り合うってのも悪くないわ。
けっこう楽しい一日だったし。

瞳を閉じたまま、暗闇の中に沈むその姿を想い描いて少し口角が歪んでしまったのを慌てて抑え込もうとした時

―― …あ ――

唐突にある事に気づいて思わず体が固まった。

最初は軽くからかうつもりだったのに。
あまりにも私を見つめ続ける彼女の視線を楽しむだけだっったのに。
いつしかそれが違うものへと変わってしまっていた。

ちょっと待って、どういうこと?

わたし、
彼女の事が、
気になってしょうがなくなってる。
313熱帯夜:2008/07/16(水) 00:40:34 ID:3/B/t2AH
それに気づいた瞬間、顔に熱を感じた。
首筋にもじんわりと汗が湧き出てくる。
心臓がドキドキと煩くなってきて、なんとか落ち着こうとそっと息を吐く。

私の変化に彼女が気づかないように。

でも1度昂ぶった胸は一向に落ち着いてはくれなかった。
それどころか閉じたまぶたの向こうに今日見た彼女の顔が浮かんでくる。
いくつもの表情が浮かんでは消えを繰り返し、最後に微笑む彼女の顔が残った。

細めた瞳と紅い唇の間から見える白い輝き。

彼女が私に対して見せてくれた笑顔で、凄く楽しそうに笑っててそれを見て私も微笑んで。

あの時、ちょっと可愛いなって思った。
そしてどうしてそうやって笑ってられるのか知りたいとも思った。
だから私も彼女に負けじと見つめ続けてたんだ。

その微笑の意味はなに?
なぜそんな目で見つめているの?
何が気になってるの?

貴女は私の何を知りたがっているの?

…それを私も知りたいって無意識のうちにそう思ってた。

―― ありえない ――

心の中で呟く言葉。
314熱帯夜:2008/07/16(水) 00:41:09 ID:3/B/t2AH
このまま何も気づかないフリして朝を迎えてもいいのかもしれないけれど、今の私にはもう無理な気がした。
だって、いま後ろで横になる彼女が気になって仕方がない。
締め切った部屋には私たちの音しか聞こえてこなくて、自分のよりも後ろからの音に意識が流れる。

何回目かの小さなため息と、少しだけひっぱられるシーツ。

彼女はまだ私を見ている。

頭なんか見ても楽しくないのに。
それに私だけ見られてるのってちょっとずるいわ。

だって…私も貴女の事、見ていたいのに。

ついつい笑みが漏れてしまう。
ありえない、事なんだろうけど実際起こってしまったからにはそれを受け入れるしかないわ。
見るという行為は相手を知りたいという衝動から起こる。
わかってる…それは私自身が一番ね。

ねぇ、貴女は今なにを思ってるの?
私に教えて…知りたいの。

「…ヴァネッサ」

暗闇の中、私の声が部屋に響く。
彼女が息を飲んだのがわかった。

そして私はゆっくりと寝返りをうち、彼女の視線を捉える。

絡み合う視線の熱は2人同じ温度。
315名無しさん@秘密の花園:2008/07/16(水) 00:41:47 ID:3/B/t2AH
そんな感じ!
316名無しさん@秘密の花園:2008/07/16(水) 22:48:01 ID:pwqgGVvl
「ナディ」
「ん? あんたまだ起きてたんだ…なに?」
「あの人とはどうやって知り合ったの?」
「あの人って…ブルーアイズの事?」
「うん」
「長い話になるけど、とある町であいつがビラ配りしてたのよ」
「ビラ?」
「確かまだ持ってたような…あったあった」


■当選おめでとうございます■
〜魔女と行くハポン風温泉旅行メキシコ編期間未定〜

我々が企画する「魔女と行く温泉旅行」 に貴方様が当選されました。
私共が選んだ魔女と一緒に温泉に浸かって一緒にお泊りしていただく企画です。
旅費、交通費などは、全て我々魔女同盟が持ちますので、貴方様は無料での旅になります。

場所や日にちは同行者と会って話し合って自由に決めて頂けます。
尚、只今魔女が行方不明となっておりますのでご自分でお探し下さい。

★同行魔女の指名手配写真をチェック★
ttp://witch-love.net/hapon-onsen/

万が一、旅行へは参加したいけれど、今回の同行魔女が気に入らなかった場合、
残念ながら同行者変更は不可能なので旅行は無効となります。ご了承下さい。

※こちらが派遣する案内人、蒼目のエージェントを怒らせた場合
 旅費は出せませんのでご注意下さい※

当選確認はコチラ
ttp://nanashi-love.net/hapon-onsen/

※道中わけも分からず命を狙われたとしても当同盟は一切責任を負いかねます。※


「というわけよ」
「若気の至り?」
「お、良く知ってるね」
「? 裏にまだ何か書いてあるよ」
「あ、ホントだ。気付かなかった」

旅行中魔女に何をなさっても結構ですって書いてあればもっと良いのに

「「………」」
「この字ナディ?」
「あ、うん…忘れてた」
「おやすみナディ」
「……少しぐらいさ…」
317名無しさん@秘密の花園:2008/07/19(土) 21:18:32 ID:HGx3l0Fk
なあ、続きはないのかい?
318名無しさん@秘密の花園:2008/07/19(土) 21:31:08 ID:5ukcxUVX
こんなもん読んでないでカノ見つけろよ
ブサなのか?
319名無しさん@秘密の花園:2008/07/20(日) 15:17:24 ID:xAZuE2Ne
DVDももうすぐ終わっちゃうのか…寂しい
320名無しさん@秘密の花園:2008/07/21(月) 11:26:32 ID:8pv0ZlKo
全巻購入特典って何なんだろう?
321名無しさん@秘密の花園:2008/07/21(月) 13:51:16 ID:IJDNAnFK
全巻揃えられなかった…OVAとかだったら泣いてやるっ
322名無しさん@秘密の花園:2008/07/29(火) 23:03:34 ID:M6mLoYk9
保守
3234-1:2008/08/02(土) 00:50:54 ID:O/jXfMc7
「同じ」の中に存在する「違い」
それにたいする恐怖という名の小さな砂粒
その異物は歯車を止める役目を担うには十分過ぎるほどだった


N−nasty−


もうどれだけここでこうしていただろう。
中の暖かさに慣れていたせいか、火照った身体にはこの寒さが身に沁みた。
ただ、この頭を冷やすにはまだまだ時間が必要だった。
月も、星も今は見えず、道路からかなり外れたお陰で走り抜ける車のライトも無い。
視界を覆う暗さと冷たい風が肌の温度を奪い去っていく。
ナディは思わず身震いをした。

危うくこの寒さの中で寝るところだった。
昼間立ち寄ったあの町、静かなのはいいけど今時モーテルの一つも無いなんて勘弁してほしい。
頭の片隅に昼間のあのムカつく店主の顔がチラついたが気づかないふりを決め込んだ。
「幸い泊まる場所が見つかったからいいけど・・・」
こんな所で毛布一枚では風邪を引いたかも。車体に凭れ掛けシートを振り返りながらナディは小さく笑みを浮かべた。
だがそれは直ぐ自嘲の笑みに変わった。

エリス、あんたは知らない
あたしが、野宿を嫌う本当の理由も
モーテルでは以前のように椅子で眠る事が多くなっていたことも

そして、あんたの相棒がどれだけ汚れた心を持つ人間なのかを

あんたは知らない――


3244-2:2008/08/02(土) 00:54:38 ID:O/jXfMc7
「こっちで、寝ないの?」

数日前利用した場末の安モーテル。料金に似つかわしい狭い部屋に少し大きめのベッドが一つだけ。
固めのマットレスに身を預け、眠そうな目をしたエリスに突然そう聞かれて、
「前にも言ったけど、これの方が良く眠れるし、癖だからね」
早く寝なさい、と笑いながら私は答えた。

それは半分嘘。
賞金稼ぎをやってた時分に付いた癖だから良く眠れるのは本当。
でも椅子で眠る理由は『癖』だからじゃない。

横になるという行為は身も心もどこか無防備で、踏み越えてはならない境界線が見えなくなってしまう気がした。
ましてや一つのベッドでなんて・・・

自制心という鉄の檻からあの眼が妖しく光る。
それが痛いほど分かってしまうから、
だからあたしは自分への戒めのように、それでも彼女に不安を与えないように微妙な距離をとった。


3254-3:2008/08/02(土) 01:06:28 ID:O/jXfMc7
ただ、質が悪いのは野宿の時。
狭い車内での寝泊まりは、否応無しに距離が近くなる。

二人して一枚の毛布に包まれ身を寄せ合うと、手持ち無沙汰になったエリスの手は決まってあたしの手を握り締めてくる。
そうしてエリスは安心しきった表情を浮かべ眠りに落ちるのだが、
あたしはそこから明日のために十分な睡眠を、というわけにはいかなくなる。

あたしの肩にエリスの冷たい頬が触れる。
あたしの二の腕にエリスの暖かい吐息がかかる。

そんなの・・・意識せずにいられるはずがない。
体温は限界を知らぬかのようにぐんぐん上昇を始め、
繋いだ手、絡めた指先は正直過ぎるほど汗ばんでその部分が酷く敏感になっていく。

このままこの指を解き、無防備な白い腕を汗ばんだ指先で、ゆっくりとなぞり上げてしまいたい・・・
エリスの寝息を聞きながら、あたしはそんなことを・・・

「はぁ・・・」
その時のあたしは酷く獣めいた眼をしているのだろう。
そしてそんなあたしの横には、相変わらず無垢な寝顔を晒す彼女。

彼女の純粋さゆえに己の卑俗が浮き彫りになる。改めて突きつけられる、あたしがエリスに抱く想い。

3264-4:2008/08/02(土) 01:17:03 ID:O/jXfMc7
「・・・ぁ」
風に押されて揺れた髪が頬に触れ、巻き上がった砂塵にはっと我に返る。
乱れた髪を指で後ろへ流す。そのまま剥き出しの肩に触れると、肌の表面はすっかり冷え切っていた。

いい加減中へ戻ろう。それに、あのシャワーの音も聞こえなくなっただろう。
ため息を吐きつつナディは重い腰を上げた。
後部座席に積まれた毛布を手に取って扉を開けると、暖炉の前に座りタオルで髪を拭くエリスの背が目に入る。

ナディは無意識に小さく深呼吸をした。
――いつものように、いつもの・・・
「あれ?早かったね」

いつものあたしの声に彼女の肩がピクリと揺れた。

「毛布持ってきたから、身体冷やさないように」

彼女に歩み寄り、いつもやるように、その肩に毛布を掛ける。

「・・・・・・ありがとう・・・」

掛けられた毛布を握ろうとしたエリスの指があたしの指に触れた。自分の腕がビクリと揺れ思わず毛布を手離した。

「――っ、じゃ、あたしもシャワー浴びてくるかな」
ブーツを脱いでドラムバッグからタオルを取り出しながら、どこかうわずった様な声でそう言ってナディは脱衣所へ向かった。
3274-5:2008/08/02(土) 01:28:05 ID:O/jXfMc7



冷たい水を浴びながら、ナディは深く項垂れた。

まったく、何やってんだか・・・今日のあたしは動揺の連続だ。
細かく言えば、今日というより夕暮れ時のあの出来事から・・・

――『ナディの恋人にはなれないの?』

正直いうとあのエリスの言葉は心底嬉しかった。嬉しかったけど・・・

恋人とか・・・そういうのは、銃を手にする代わりに手放した世界だと・・・そう思っていた。

生きていくために捨てたもの。

手配書に顔を刷られるような「悪人」と呼ばれる輩を、「Dead or Alive」、その文言通りに銃口を向けてきただけ。
だから、この血に塗れた手を今更どうこう思うつもりは無い。それがあたしの選んできた道だし。
なのに、
薬莢の落ちる乾いた音が一つ二つと耳に馴染んだ頃には感じる事の出来なくなった、忘れてしまった温もり。
それをあの子が思い出させてくれた。

この想いが、友愛とか親愛で止まっていたら良かったのにと、何度もそう思った。
あの子は、エリスの出生は色々と複雑だ。しかし性は紛れもなく女・・・
長年旅をしている身分だ。そういうのを知らないわけではない。それだもやっぱり、自分の事となると・・・戸惑いもしたし悩みもした。
この想いが大きくなればなるほどエリスの側にいちゃいけないと、自分に言い聞かせた。
でも、離れなければならなかったのに、離れられなかった。
離れたくなかった。側にいたかった。その事実を認めるしかなかった。
・・・自分でも呆れるほど彼女に恋焦がれていたから。そして彼女が大切だったから。

3284-6:2008/08/02(土) 01:48:59 ID:O/jXfMc7
だからあたしは「いつものあたし」でいる事にした。
いつかは生じる歪みとそれによっておとずれるだろう別れに怯え、
酷い矛盾と醜い葛藤の狭間であたしは、その異物を使って歯車を止める選択肢を選んだ。
自分の気持ちもエリスの想いにも見て見ぬふりをするという選択肢を・・・
・・・酷い事だと、無駄な足掻きだと分かっていても、側にいるにはこうするしかなかった。


それなのに、突然、この赤い手に差し伸べられた暖かい手のひら。
あの子はこんなあたしに、最も恐れていた、でも最も欲しかった言葉をくれた。
女同士、それが世間が決めた「一般」とは少し違うと知っていて・・・

「恋人・・・」

捨てたはずの、もう二度と手を伸ばせないと思っていた世界が目の前にある。
その手のひらにある炎をあたしはずっと、渇望していた。
なのに、それでもあたしは伸ばされた手を掴めない。

――・・・だって、言えるわけ無いじゃない

まさか自分が、自分と同じ性に、エリスに・・・欲情してるなんて

エリスのすべてが、欲しい。もっと表現を変えれば、奪いたい・・・とさえ。
髪も、唇も、肌も、体温も、あたしの全てで感じたい。
小さく細い身体を組み敷いて、白と褐色の境目が分からないほどに――

3294-7:2008/08/02(土) 02:02:29 ID:O/jXfMc7
「・・・はは・・・」
掠れた笑いが漏れた。笑わずにいられるだろうか。
エリスに嫌悪と恐怖を与えかねない、普段の、「いつものあたし」とのこの酷い落差。

本当はその手を取りたくて堪らない。でも、手を取っても、それがエリスの望むものと違ったら?
こんな・・・汚れたあたしが求めるものと、エリスが求めるもの。それは本当に同じものなのだろうか。

あたしの「好き」とエリスの「好き」。それを確かめる勇気があたしには無い。
手を伸ばす勇気も伸ばされた手を取る勇気もあたしには・・・


ナディは閉じていた瞼を開いて自身の手を目の前に持ってくると、ゆっくりと手を前へ伸ばした。
その先は、今最も望むものではなく、無機質なコック。
砂埃と汗しか流してくれないシャワーを止め、バスルームを出る。
タオルを取る途中、ふと脱衣所の壁に掛けられた鏡が目に入った。
埃で汚れた鏡に写る自分の裸身。それを見て先刻の白い光景を思い出してしまった。
頭を冷やすためにシャワーを浴びたというのに・・・とナディは苦笑いを浮かべる。

そういえば、こんなこと思うのもどうかしてるけど、彼女の裸を見たのは久しぶりだった。

3304-8:2008/08/02(土) 02:14:03 ID:O/jXfMc7
以前の彼女なら着替え時にあたしの前でも平気で服を脱ぎ落とし、その白い肌を晒していた。
こっちの気も知らずに・・・でも、今は?
最近ではあたしが見ないようにする前に、エリスの方が隠しているふしがあった 。
最初はあたしの想いに気付いて、拒否反応を示してるのかと落ち込んだ。
次に、ただ見られることに抵抗を覚える年頃か、とも思った。
だけど、どちらも少し違った。

たまに見せる縋るような視線
何かを伝えようとする唇
そして羞恥に染まった頬

・・・・・・これはきっと、「そうであれば良い」というバカな願望が見せる幻。
だって、叶わないと分かっているから。
なのに――

――脱衣所のドアを開けて直ぐ、あたしは立ち尽くした。左手に持つガンホルダーのベルトだけがゆらゆらと揺れる。
異物が絡まっていかれていた歯車が、また大きく動いた気がした。


あぁ・・・そうだった。大事なことを忘れていた。

彼女の涙には敵わない。あたしは、彼女には到底敵わないのだ・・・。


                ―つづく―  
331名無しさん@秘密の花園:2008/08/02(土) 02:23:36 ID:O/jXfMc7
書いててあれだがナディ大変だなw
毎回暗くてスマンが次からマシになるから見逃して(;^ω^)
332名無しさん@秘密の花園:2008/08/02(土) 09:31:45 ID:0K75l0zh
いんや、極めてGJ、GJですぞ!
333名無しさん@秘密の花園:2008/08/02(土) 14:32:11 ID:wKIG+sC+
>>331
来てた…何も文句ありません!! 続き正座して待ってます…
334名無しさん@秘密の花園:2008/08/02(土) 22:41:41 ID:is5ksX0n
そうだとも。俺たちを信じろ!
335名無しさん@秘密の花園:2008/08/02(土) 23:00:20 ID:XwPdIEt6
↑黙れレズババア
336名無しさん@秘密の花園:2008/08/05(火) 21:24:19 ID:25ECdPiK
エリス泣いちゃった(;_;)
ナディがエリスの涙に弱い様に俺達も弱いんだぜ(ノ_・。)

続きマターリ待ってます!
337名無しさん@秘密の花園:2008/08/17(日) 21:44:36 ID:6aHHmPsF
>>331
GJ!!
頼む…早く続きを…!!

338名無しさん@秘密の花園:2008/08/17(日) 21:53:33 ID:Og7ssg3U

キモヲタがチンポしごき中
339名無しさん@秘密の花園:2008/08/17(日) 21:58:51 ID:Og7ssg3U
キモジジイのオナニー用SSを投下

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
340名無しさん@秘密の花園:2008/08/18(月) 10:28:16 ID:ox66Z2rq
こんなことで来なくなったらと思うと不安だ…
341名無しさん@秘密の花園:2008/08/18(月) 22:45:13 ID:OQeYOmQU
agaるとコレが来るのはここの恒例だからw
スマン続きはもう暫くお待ちを
342名無しさん@秘密の花園:2008/08/18(月) 23:58:48 ID:74wxk+4Z
>>338-339
こういう類の書き込みは全てナディとエリスの仲良し夫婦っぷりに
嫉妬したL・Aのものだと思うと納得できる不思議w

>>341
正座で待ってるぜ
343名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 06:39:09 ID:V0J3SPck
タコタコタコ〜ス
344名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 08:01:55 ID:vT4/AaAU
おいしいタコス♪
345名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 20:56:20 ID:7rbV2T05
イケてるタコスは
アミーゴタ・コ・ス♪
てへ☆

346名無しさん@秘密の花園:2008/08/19(火) 22:18:45 ID:GV1i7EUk
壁|皿゚)<そんなに…くっつくなよ
347名無しさん@秘密の花園:2008/08/22(金) 21:04:07 ID:dm7fTbCg
L.AWWWWWW
348名無しさん@秘密の花園:2008/08/27(水) 02:18:03 ID:8lW+GHbN
討ち入りだか打ち上げの時にナディ役の御前がエリス役の愛ちゃんにセクハラをしていたのは有名だが、その後プライベートでの交際はあるのだろうか。
349名無しさん@秘密の花園:2008/08/27(水) 07:39:38 ID:Y62BUVHh
ナディとエリスが結婚したって本当?
350名無しさん@秘密の花園:2008/08/27(水) 08:33:06 ID:on38pkq7
>>348
寧ろ清水さんの方が攻めだったとも聞いたけど
その後の展開はないっぽい…

>>349
それは間違いない。
というか式は挙げずとも既に夫婦でしたね。
351名無しさん@秘密の花園:2008/08/27(水) 11:41:42 ID:skJagUkw
しかし「家族がいなくて孤独→夫婦になりゃ家族じゃん!」の発想は素晴しいな
特に百合アニメでこれをやるあたり真下は天才としか言いようが無い
352名無しさん@秘密の花園:2008/08/30(土) 21:38:44 ID:DKvRA9zO
真下の美少女ガンアクション4作目でねぇかな、マジで
353名無しさん@秘密の花園:2008/08/31(日) 18:44:45 ID:MtYPTxcC
4作目いく前にNOIRのOVAですよ
354名無しさん@秘密の花園:2008/09/01(月) 01:35:28 ID:GnAaDzca
>>353
あの後を真面目に作るとしたら
二人がソルダに追われて
世界中を逃走するシーンしか思い浮かばない
355名無しさん@秘密の花園:2008/09/01(月) 02:55:12 ID:b+pTrYc+
実はクロエが生きててって展開が欲しい
そしてクロエと霧香が学校で再会して仲良くなって、ミレイユ嫉妬みたいなやつを…
百合百合なやつを…切に求める
356名無しさん@秘密の花園:2008/09/01(月) 09:45:17 ID:GGemMOcl
それって別にガンアクションいらなくね?俺も日常系で百合百合して欲しいが
357名無しさん@秘密の花園:2008/09/01(月) 10:23:21 ID:IObf0TGs
757のSSを丸々映像化してくれたら下品に殺されても構わないw
まぁそれはさすがに無理だがエルカザド並みにニヤニヤできる二人を
動きと三石桑島ボイスで見てみたいな
358名無しさん@秘密の花園:2008/09/07(日) 00:17:45 ID:JIwFd24P
359名無しさん@秘密の花園:2008/09/13(土) 01:23:27 ID:XEFhq2c0
MADLAXはエル・カザドより未来の設定の話で
最終的に本質を開放するがどうとかいう話らしいね。
……そこでナディエリがどうするのか本当に興味がある。
360名無しさん@秘密の花園:2008/09/13(土) 14:31:26 ID:iQUzN72g
>>356
でもcandyboyみたいになると逆につまんなくね?
361名無しさん@秘密の花園:2008/09/13(土) 20:31:29 ID:paLPUFql
充電式エボルタ登場でエネループマジ死亡
これからは充電式エボルタ
緑パナでエネループに負けて、ユアサと組んで本気だしたすごい製品
10月1日発売だよ
単3、単4と出る
もうエネループの時代は完全に終わった
エネループは乾電池より微妙に太くて使用出来ない機器がある
充電式エボルタは乾電池エボルタとまったく同じ寸法
なので使用出来ない=入らない機器というのはない
おまけに性能ではエネループをぶち抜いた
まさに完璧理想の充電池
362名無しさん@秘密の花園:2008/09/17(水) 13:13:07 ID:OJ9ZBkdq
こんなスレがあったとは・・・

MADLAXでマドラックスとリメルダに萌え
エル・カザドでナディとエリスに萌えていたのは俺だけじゃなかったか。

NOIRも見といた方が良い?
363名無しさん@秘密の花園:2008/09/17(水) 17:24:48 ID:AoWk1H7D
真下の百合が好きなら観るんだぜアミーゴ
364sage:2008/09/17(水) 22:18:13 ID:x3RXUlq4
観たならば、貴方の世界は変わる
3655-1:2008/09/21(日) 01:00:43 ID:ZaMAZMRj
一人ぼっちの自由な空の苦しみをあたしは知っている
だから間違いを犯して気流を乱したくはなかった
でもそう思うことが間違いだったんだと、雨が降ってからあたしは気が付いた


N−nature−


「・・・エリス」
さっきまであんなにぎこちなかったのに、ただ息を吐くように名を紡いでいた。
ナディの声にエリスの震えていた肩が止まり、腕は明らかに涙を拭く動作をしている。

「・・・泣いて」
「泣いてっ・・・ないよ」
「・・・うそ」
「うそじゃない」
「・・・・・・・・・」
震えた声での否定。見えるのは毛布に包まれた背中だけなのに、安易に想像できる、碧い瞳から零れる涙。
「・・・・・・エリス」
「・・・・・・・・・」
「・・・――」

卑怯だ。エリスの涙の意味を、あたしがエリスを傷付けたからだと分かっていて、
聞こうとしている――何で泣いてるの、と。
でも、もう遅い。開きかけた唇ではそれを止めることはできそうにない。
「――なんで」
「ナディを・・・傷つけた・・・」
「――!」


3665-2:2008/09/21(日) 01:03:42 ID:ZaMAZMRj
馬鹿げた台詞を制してくれたエリスの言葉に、ナディは耳を疑った。

『・・・何・・・言ってんの。違うでしょ?傷付いたのはあんたで、傷付けたのはあたし』

声は、出なかった。開いた唇は微かに空気を震わすだけだった。

「苦しいって顔してた。私が困らせたから」

毛布越しに、自身の二の腕を強く握るエリスの手が見える。

「でも好きって気持ち、どうしても・・・止められそうにない」

『・・・それはあたし自身痛いほど分かってる』

「イヤな思いをさせて、ゴメンね・・・・・・ナディ」

『・・・待ってよ、それはこっちの台詞だって・・・』

「好きになって、ゴメンなさい」

「――っ・・・・・・」


暫く、静寂の時が続く。
否、その長い時の中でエリスの言葉だけが、ナディの胸に切なく木霊していた。

――好きになって、ゴメンなさい

その台詞には覚えがあった。あたし自身何度も、飽きるほど・・・
でも、言われて初めて思う・・・・・・なんて、悲しい言葉なんだろう、と。

そして気付く。自分と彼女があまりにも似ていたことに。

3675-3:2008/09/21(日) 01:12:35 ID:ZaMAZMRj
カラン、と無音の空間を断絶したのは、暖炉の中の薪が形を崩す音。
灰が小さく舞って炎に飲まれていく。それはまるで風に乗り太陽へ昇る砂のように。

今更・・・・・・でも手遅れでは、決して無い。

歯車は規則正しく動き、風車が活き活きと廻る。霞が晴れ、目の前に青空が広がっていく。

空を好きなように飛びまわるのは、自由なようでとても怖い。
どの方向へ、どのくらいの高さで、どれだけの速さで・・・
一人の時には分からなかったその怖さを、側に居てくれる存在の心強さを教えてくれたのが、エリスだった。
そして、その存在を失う怖さも・・・

気流を乱したくなった。だからこう思った。


――この想いを封じて、側にいられればそれだけで、私は充分幸せ――


・・・・・・最初から、分かっていたはずだ。
あたしはそんな「綺麗事」を貫けるほど人間ができていない。
こんなに側にいるのに、今すれ違った見知らぬの男の方がエリスを幸せにする資格があるんだとか、
そんな下劣な気持ちに駆られる事も一度や二度ではなかった。
邪な心を持ったまま「守る」という誓いと「相棒」の立場を利用して、エリスの横を得続けた。
女同士だからこそ容易くできることだった。その場所を、エリスを誰かに取られたくなかったから・・・
彼女が寄せてくれる好意に気付きながら、それでもこんな醜いあたしを知られたくは無かった。

でも・・・どこかでずっと・・・
自ら引いてしまったラインを越える力が、きっかけがずっと欲しかったんだ。
そのために彼女に悲しい思いをさせた。流さなくてもいい涙を流させてしまった。
あたしがあまりに卑怯で臆病だったから・・・

3685-4:2008/09/21(日) 01:16:30 ID:ZaMAZMRj
足を一歩前へ、揺れる炎で生み出された見慣れた影を越えて、懺悔の様に膝を着く。
腕を伸ばし、小さな背を毛布ごときつく抱き締めた。

「ナ、ディ?」
「・・・許して」
僅かに触れ合った肌の部分が酷く冷たくて、おもわず熱くなる目頭をエリスの首筋に押し付ける。
「悪いのは、謝るのはあたしほうだよ」
「・・・なんで?ナディは」
「あたしはまだ・・・何も言ってないから」

あたしの想い。
性の壁、保身、誓い、色んな鎖に雁字搦めになって見えなくなった答えを探し、そしていつからか探すのを放置した。
答えなんて分からない。でも確かなことは、大切な事はいつだってシンプルにできている。


エリスが好き。彼女の笑顔が、大好き。


昔も今もこの先も、エリスの泣き顔なんて見たくない。
彼女もあたしと同じ様に悩み、そしてあたしとは違い純粋な勇気を持った。
そんな彼女の精一杯の想いを受け取ったのなら、結果がどうなろうと今度はあたしが応える番だ。
エリスの涙で覚悟が決まるなんてお粗末な話だけど・・・はぐらかして逃げるのは、ここでお終い。
「時間掛かっちゃったけど」
もう大切な人に嘘はつきたくない、本当のあたしを知って欲しいから。

だから――
「聞いて」

3695-5:2008/09/21(日) 01:20:58 ID:ZaMAZMRj
腕に力を込める、それでも彼女を壊さないように、優しく。
さっきの冷たさが嘘のように温度を上げたエリスの肌が、毛布越しにあたしの心を穏やかにする。

彼女に言われることはたくさんあった。でも言うのはこれが初めて。

「好きだよ・・・エリス・・・」

背中越しの告白に対する返事は・・・静寂。
首を傾け覗き込むと、そこには文字通り呆気に取られたという風なエリスの横顔があった。
「言っとくけど、相棒とか友達とかの好き、じゃないからね」
「・・・・・・え?」
一応念を押してみると、やっと反応するエリス。現状と不釣合いなやり取りに少し可笑しくなってくる。
「男と女が恋人になりたいと思う気持ち、エリスがあたしに寄せてくれた想いと同じ」
「・・・ほんとに?」
「あのねぇ・・・こんな時に嘘は無いでしょ」
「っでも」
まだその意味を飲み込めていないのか、恐る恐るこちらを振り返ろうとするエリスの肩を引いてこちらを向かせる。
はらりと落ちた毛布も、戸惑いの混じった碧い瞳も無視して白い頬に掌を添える。
親指で涙の跡を消し去り、薄く開いた唇をゆっくりとなぞってから――

3705-6:2008/09/21(日) 01:35:11 ID:ZaMAZMRj
ここに触れた瞬間、何かが大きく変わる、それを怖れていた。でも結局どんなに取り繕っても、同じくらいに渇望していた。
今は風が吹くように、水が流れるように、自然にそれができる。

「――っ」
押し付けた箇所の隙間から、静かに息を飲む音が一つ。少し強引なやり方だったが腕を伸ばして退けられる事も無く、静かで。
一瞬で酔ってしまいそうになる柔らかさに、喰らいつきたい欲望を何とか抑え、湿った表面同士をただ触れ合わせ続ける。
決して長くない時を経て、名残惜しい気持ちを置いていくようにゆっくりと唇を離す。
開けた視界に入ったのは瞼を閉じたエリスの姿。
濡れた睫毛が上がり現れた揺れる碧を、青が真っ直ぐに見据えた。

ひた隠しにした想いも、見えない誰かに向けた黒い気持ちも、全部あたしの・・・
「これが、あたしの好き」
エリスの頬に触れていた掌を滑らせ首筋、胸元へと下り、肌とキャミソールの狭間で動きを止める。

願わくば、偽りのないありのままのあたしを、好きでいて欲しい。
「あんたに触れたくて堪らない、どうしようもなく、全てを一人占めにしたい・・・あたしの好きはこんなのだから」
言ってしまってから、顔に熱が集まるのを感じた。
自分の性的指向がどうなのかは分からない。他の女性の肌を見ても、きっと何の感情も持たないから。
でも、エリスに対しては・・・ハッキリと性的欲情を抱いている。それは紛れもない事実で――
「こんなあたし、恐い?」
今の自分の頬はサルサ・ロハのように赤く染まっているだろう。
これは多分暖炉の炎のせいだ、そう、こじ付けても俯き気味になった顔を上げることは困難に近かった。

「・・・!」
ふと、感じる一点の冷たさ。そこに視線を移すとエリスに繋がる自分の腕に落ちた一粒の光。
はっとして顔を上げると、もう見たくないと切に願った涙。
でも。
涙が伝うその頬は真っ赤で。それは、暖炉の炎のせい・・・ではなく。
「嬉しい」
照れ臭そうにはにかむ彼女の返事はシンプルで。
「良かった」
釣られてシンプルになってしまい、他にもっと言葉があるだろうと心の中で悪態付く。
でも、“らしくて”良いかな、とナディは小さく笑いエリスの涙を指で拭った。


3715-7:2008/09/21(日) 01:47:06 ID:ZaMAZMRj
ありがとう、そう言ってナディの肩におでこを乗せたエリスは続けた。
「ナディはナディだから。私はそんなナディも好き。・・・いけないこと、じゃないよね?」
見上げたエリスの表情には、まだ不安が残っていた。ナディはそれを拭うように優しく髪を撫で下ろす。
「いけないことじゃないよ。男を愛する女や女を愛する男もいれば男を愛する男、女を愛する女もいる。
 もちろんそれを受け入れられる人もいれば、そうじゃない人も。世の中色んな人がいるから」

彼女も知っている。南を目指したあの旅で知り合った様々な人々を。

「・・・子連れの賞金稼ぎとか?」
「組織の一員からチェーン店の支部長になった女とか」
互いに顔を見合わせクスリと笑うと、エリスが、あっと小さく声を上げ自身を指差した。
「魔女もいるよ」
「うん、しかも“超世間知らず”のね」
ムスッと頬を膨らますエリスを見て堪らず吹き出したナディは、冗談、そう笑いながら付け加えた。
「そして、そんな魔女に心底惚れちゃってる女賞金稼ぎも」

あたしは知った。乾いた荒野を彷徨いながら感じた様々な想い、愛の形を。

「だから、魔女と女賞金稼ぎが恋人同士でもいいと、あたしは思う」

3725-8:2008/09/21(日) 01:54:10 ID:ZaMAZMRj
「じゃあ、私はナディの恋人になれる?」
「もうなってるよ」
こんな時でも突っ込んでしまう自分にナディは心底うんざりした。
「えへ。ナディ、好きだよ」
「エリス・・・」

ありきたり。そう言われたらそれまでだけど、それ以外の言葉は浮かばなかった。

「愛してる」

改めて口に出すのは照れ臭くて、思わず頬を掻いてしまう。
小さな声で「そっか・・・」と呟いたエリスが輝いた瞳をこちらに向けた。
「ナディ、愛してるよ」
きっちり言い直す。予想通りの彼女がとても可愛くて・・・
「うん、あたしも――」

――愛してる

その言葉は唇でエリスの中へ・・・


3735-9:2008/09/21(日) 02:10:06 ID:ZaMAZMRj
揺れる二人の影は限り無く一つに近く、誰も存在しないこの空間に響くのは、二人で紡ぎ出す音色だけ。
もう何にも縛られない、誰にも咎められない。ナディの瞳に映るのは自分に身を預ける愛しき少女のみ。
どうしようもなく気持ちが高ぶっていく。それが危険だと分かっていても、ナディは甘美な口付けに酔いしれた。

「ん・・・」

ほっそりとした白い肩を撫で下ろすと、合わせていた唇の隙間から漏れる鼻にかかった吐息。
それがナディの鼓膜を舐め上げた。
「――っ」
眩暈。甘い響きに脳が揺れる。もっと、聞きたい。聞かせて欲しい。
「エリス・・・」
もっと深く交わりたくて唇の角度を変え、押し付けたままそこに体重をかける。
小さな悲鳴を無視して、そのまま身体を毛布の上に押し倒すと両手でエリスの頬を包み逃げ道を奪う。
どちらともつかない荒い息が、二人の唇の間で熱い渦を巻いてまた二人を引き合わせる。
幾度か交わったそこから頬、そして耳元を、産毛を撫でるように濡れた道を創っていく。
「・・・ッハァ」
吐く息が、身体が酷く熱い。
どうしても疼いてしまう下腹部の熱を無理やり押さえ込むように、さながら雌豹のように背を撓らせて、
辿り着く白の終わり。その先のキャミソールの盛り上がった部分に触れようとしたその時。
肩を強く掴まれる感触・・・
「・・・・・・――」
顔を上げた先には、瞳に潤みを湛え上気したエリスの羞恥に染まった顔。
そしてそのエリスの太股に、自身の脚の付け根を押し付けている事に今更気付く。
「――っ!!!ゴ、ゴメン!!」
慌てて腕を突っぱねて重ねていた上半身を起こす。熱に浮かれたまま、その勢いに流されている性急な自分を恥じた。

――ここで止まらなければ

それなのに、決して突き放そうとはしない彼女の指の感触に、思わず生唾を飲む。

――ここで、止めてしまうのか?


「――っあぁ〜ダメダメ!絶対ダメ!」

3745-10:2008/09/21(日) 02:25:58 ID:ZaMAZMRj
過剰な期待と愚かな切望。
冷静な判断ができなくなっている脳を冷やすように頭を左右に振る。
「ナディ?」
「こ、こういう大事なのは順序ってのが〜っていうか、いきなりすぎるっ」
調子に乗るのが悪い癖だ、とナディは必死で自制心をフル稼動させた。
「いいよ・・・」
「――っ」
それを止めたのは、ナディの情動を受け止めたのは背中に感じる小さな温もり。
「――やめて・・・あたしを甘やかさないで」
それでも上半身を浮かせる腕を曲げることはできない。
欲しくて欲しくて、頭がおかしくなりそうだった。今まで見ないふりして耐えてきたその想いを、全てぶつけてしまう気がしたから。
「エリ・・・」
「私のために我慢するナディは、もう見たくない」
まだ湿り気を帯びた紅い髪をエリスの指が梳いていく。
「ナディ・・・ぼんやりと分からないままだった、いけないことだと思ってた。だけど、ナディが教えてくれた」

――いけないことじゃない

「私も、ずっと、ずっと前からこうなることを望んでた。だから『いきなり』じゃないよ」
白い両手が褐色に紅を乗せた両頬を包む。近付く碧い瞳と青い瞳。
「ナディは私の恋人で、私はナディの恋人だから」
好きだから、愛しているから望む。境目を無くす事を。
「それが私にとっての大事な・・・こと」
不慣れで幼い口付けをナディは静かに受け止めた。強張った身体が和らげていく。
「・・・エリス・・・でも・・・っ」
言葉は途中で消え失せた。
エリスの掌が、ナディの頬から顎、胸を通って、剥き出しになっている薄い腹を慈しむように触れている。

「ナディの全てが欲しい」


3755-11:2008/09/21(日) 02:35:14 ID:ZaMAZMRj
もう限界。
檻の中にいた獣は、彼女の言葉でいとも簡単に鎖を引き千切ってしまった。
それでも穏やかな気持ちでいられたのは、あたしと同じ熱を、エリスの体温を、全身で感じていたから。
「怖い思いをさせちゃうかも」
「平気」
「分かってる?あたしがあんたに何をしようとしてるか」
「分かってるよ。あ、でも本の内容はいつも男の人と女の人だったから・・・」
「あーー・・・んんっと・・・」
皆まで言わずとも言いたいことは分かる・・・
とナディは今更羞恥を感じたがそれよりも、そんなのいつ読んだんだ・・・という思いの方が強く内心苦笑いした。
人間そういうところから『そっち』の知識を得る場合も多いし、よしとしよう。
そう無理やり気を取り直すと、エリスの前髪を撫で上げキスをする。
「出来ないことはないけど・・・女の子相手にこんなことしたこと無いから、多分下手だよ?」
「男の人とはあるの?」
「な、無いよっ!」
「なら良いや」
「あんたね・・・」
「えへ」


3765-12:2008/09/21(日) 02:45:53 ID:ZaMAZMRj
呆気なく彼女のペースに飲まれるのが悔しくて、両腕でエリスの頭を包み込み、
首筋に顔を埋めてから低い声で呟く。
「・・・どうなっても、知らないから」
「・・・ナディがいるから、大丈夫」

――あぁ、やっぱりこの子には適わない

「バカ・・・嫌だったらちゃんと言ってね」
「いえっさ」

結局あたし達ってどこまでいっても変わらないなぁと、思ったその刹那。
炎の熱を感じた。
彼女の掌を握る自分の掌と、強く握り返す彼女の掌から。
でも、それよりもっと熱いのは、組み敷く彼女から向けられる碧い眼差しだった。

思わず、息を飲む。

夜の荒野に咲く花の爆ぜる熱。
それは確かに、今までの二人とは違う一面を垣間見せた。
でも、もう不安も、恐怖も感じない。


――だから行こう、二人で。二人の、この先へ。


                ―つづく―
377名無しさん@秘密の花園:2008/09/21(日) 02:53:40 ID:ZaMAZMRj
予想以上に長くなってしまった(;^ω^)
ごちゃごちゃ文章は色々悩んでわけ分からんくなったナディの心境ということにしてw
あと、アニメ本編でナディからの「好き」ってあったかな?見逃してたらスマン(;^ω^)
次エロですが暫しお待ちを
378名無しさん@秘密の花園:2008/09/21(日) 03:07:31 ID:B6eV3xTd
>>377
今回も最高でした感謝。
好きは無かったと思います。カザドのそこがまた好きだ。
……工口期待してて御免なさい。正座で待ってます。
379名無しさん@秘密の花園:2008/09/21(日) 12:11:45 ID:2aJn/0iL
>>377
今回も激しくGJ!!!
待ってた甲斐がありました
二人ともかわいいなぁ
380名無しさん@秘密の花園:2008/09/21(日) 22:15:24 ID:KGfLk4Fd
続きキテタ━━*´Д`*━━!!GJ!
マジ二人の絡みが溜まらんのぉ
つか757氏のどこか生々しい心理描写が俺は大好きだぜ

ところで、エロいく前に既に俺のリヴァイアサンがプロジェクトしたんだがこいつは一体
381名無しさん@秘密の花園:2008/09/21(日) 22:51:07 ID:2aJn/0iL
>>380の股間に
つ炎

これで次の投下まで乗り切るんだ
382名無しさん@秘密の花園:2008/09/22(月) 16:13:49 ID:hzFcBfXX
シャボン玉フラグ自重w
383名無しさん@秘密の花園:2008/09/30(火) 12:57:09 ID:kzp6RoPi
最近ナディエリの妄想が止まらないのは恋だと思。
384名無しさん@秘密の花園:2008/10/01(水) 19:17:50 ID:HSxWsuxj
ナディエリいいよなぁ
こうなんつーか百合百合なんだがありきたりな閉鎖的百合とは少し違う自然体にお互いを必要としてる二人にグッとくるよ
なのに二次サイトとか全然無いしSSもこことエロパロくらいしか見かけないのが悲しいなぁ
385名無しさん@秘密の花園:2008/10/02(木) 12:17:07 ID:R/NK2UMV
>>384
>自然体にお互いを必要としてる
どうしてカザド組にこんなに惚れ込んだのか
分からなかったけどその一言に納得した。ありがとう
386名無しさん@秘密の花園:2008/10/04(土) 21:25:00 ID:97K3WMPv
昔のノワールオンリーみたいに
真下三部作オンリーがないかな
387名無しさん@秘密の花園:2008/10/04(土) 22:08:34 ID:KB+pLz+f
三部作の終わった今、NOIR、窓、エル・カザドと
順にOVA化くらいしてもう一度盛り上げなきゃオンリーなんて無いだろうなぁ
真下に嘆願書でも送らなきゃ
388名無しさん@秘密の花園:2008/10/06(月) 00:43:04 ID:kJ54CRPp
今期の百合アニメが皆無なのでエル・カザドでも見直そう…
389名無しさん@秘密の花園:2008/10/07(火) 04:38:02 ID:VPWt7H5J
ここまでの百合アニメ最近ないからなあ・・・
390名無しさん@秘密の花園:2008/10/11(土) 06:34:16 ID:6Wv7SRcB
>>387
嘆願書を送る相手は真下監督ではなく北山P
391名無しさん@秘密の花園:2008/10/14(火) 12:21:40 ID:RWpMUv69
この寂しさは時の流れの所為か…凄い連載が継続中なので
今は出せないという人も居るのかな。寧ろ居てくれ。
392名無しさん@秘密の花園:2008/10/16(木) 08:40:57 ID:tXBUa6R3
…以上、自分じゃ書けないへたれ読者の願望でした。
393名無しさん@秘密の花園:2008/10/23(木) 00:27:23 ID:Jnhy/iN3
窓はいつBOXになるのかな保守
394名無しさん@秘密の花園:2008/10/25(土) 10:26:10 ID:8JQQmPeG
レンタルだけどエル・カザドやっと全部見れたよー
面白かった!
オカマを最後まで引っ張るとは思わんかったわ
395名無しさん@秘密の花園:2008/10/25(土) 15:25:21 ID:N9NGOloA
>>394
面白かったなら良かった(←何様)
396名無しさん@秘密の花園:2008/11/12(水) 18:14:54 ID:FXRTPJZM
エルカザの設定資料がヤフオクに出されてるな、珍しい。
いつも静かで寂しいだけに盛り上がってるのを見ると何となく嬉しくなるぜ。
397名無しさん@秘密の花園:2008/11/12(水) 19:53:18 ID:lgCNdQOc
>>396
今の最高入札額22,499 円…高過ぎる。
でも非売品だとか。どうしよう、欲しいな。
398名無しさん@秘密の花園:2008/11/13(木) 00:26:06 ID:N1Id1wl3
会員以外5000円までしか入札できないとか…

アニメイトの資料集メリッサさん載ってなかったもんなぁ
良い物はそれなりに高いな。手に入れた人おめでとう。
しかし出品者はアニメ関係の人なのか?
カザドとお近付きがあるなんてうらやましい。
399名無しさん@秘密の花園:2008/11/29(土) 19:25:28 ID:XgZJu1uI
第27話 求める女

ベックマン「ご無沙汰してます」
ナディ「あ、お久しぶりー。ニーナのところで会って以来だっけ。ビラ配り中?」
ベックマン「はい、良かったらナディさんにも」
ナディ「クーポン付なら願ってもないんだけどね、まぁ、ありがと」
ベックマン「それでは失礼します」
ナディ「はいはーい………なんだこれ」
ブルーアイズ「あらナディじゃない、この街に来てたのね、
        まさかビラ配り中の私の部下に会ったりしてないわよね」
ナディ「ばっちり会ってそのあんたの部下にこれ貰ったんだけど」
ブルーアイズ「オワタ!!」


 <裏求人からの特別募集要員>

 ●募集人数:1名(女性限定)
 支部長秘書兼パートナー

 ●一勤務 20万円(日払い)
 勤務時間 日によって異なる(2時間〜8時間)

 ●業務内容
 支部長の身の回りのお世話。
 主にプライベートでの情欲管理。

 ●条件
 18歳以上。支部長の欲求に応えられる方。(女性限定)
 人並みの体力と持久力がある方。(女性限定)
 長期、短期、どちらでも。(女性限定)
 女性限定(女性限定)

 http://shibucyono-onegai.net/ura_kyujin_buruaizu/

 今回1名の緊急募集ですのでメールを頂いた時点で即決致します。
 すぐに勤務開始OK。
400名無しさん@秘密の花園:2008/11/29(土) 19:31:54 ID:XgZJu1uI
ブルーアイズ「あせふじこp」
ナディ「何配らせてんのよ。あんたの会社のビラってこんなのばっかじゃない」
ブルーアイズ「…貴女にもいつか分かるわ…」
ナディ「分かりたくないし」
ブルーアイズ「Bレディの子達結構ガード固くて」
ナディ「聞いてないし」
ブルーアイズ「それはそうと貴女、その求人受ける気はない?」
ナディ「話そらすなよ…って、へ?…あたし??」
ブルーアイズ「給与に関して言えば悪い話じゃないでしょう?
       私も以前のクライアントとして少しは貴女の事も分かってるつもり。
       下積みがあるからお互いやりやすいと思わない?」
ナディ「んー……嬉しいけどやめとく。就職先もう決めてるの。…受かるかわかんないけど」
ブルーアイズ「……その就職、永久がつくのかしら?」
ナディ「まぁ、そんなとこ」
ブルーアイズ「そう。じゃあその希望先に‘ふられ’てフリーエージェントになったらうちに来なさい」
ナディ「あはは。残念だけどフリーになることはないかな」
ブルーアイズ「どうして? 今だって流浪のアルバイターでしょう?」
ナディ「あんたが思うほど私は自由じゃない。…囚われてるから」

どういう意味か問う前に、ナディはにかんだように笑う。そして、そっと胸に手を当てて。


「…心がずっと、エリスにね」
401名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 22:04:34 ID:JbXB2qgI
真下監督がファントムオブインフェルノをアニメ化するとか。
ttp://www.phantom-r.jp/
アニメ製作はビィートレだけど、原作から考えると百合にはならないかな・・・
でも楽しみ。

>>399
GJ!最近過疎ってたから嬉しい!!
402名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 22:37:31 ID:oh8EZQ0U
黒田の名前があるのが不吉wwww
403名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 23:44:21 ID:rTN+9Xhi
急になんだがココの住人で麻雀わかる人います?
404名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 23:47:19 ID:0/7q37io
宇宙麻雀なら少し
405名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 23:51:20 ID:oh8EZQ0U
ドンジャラなら少し
406名無しさん@秘密の花園:2008/12/13(土) 23:52:38 ID:rTN+9Xhi
書かない方がいい・・・か・・・?

エルカザドで麻雀
407名無しさん@秘密の花園:2008/12/14(日) 04:15:00 ID:WpGlgwP3
>エルカザドで麻雀
どういう経緯で麻雀を打つ事になったのか、
メンツは誰なのか、各人の打ち方とか、
非常に気になる…
408名無しさん@秘密の花園:2008/12/14(日) 14:04:31 ID:Sd7m60v1
なんぞw
ヘタだけど一応打てる、打てなくともその題目だけで充分面白そうだ。
やっちまえ
409名無しさん@秘密の花園:2008/12/14(日) 22:33:24 ID:hpEGgGsw
お遊びでもいいし、お金を稼ぐために賭け麻雀とか…?

メンツはエルカザドの登場人物

●打ち方

全ツッパ     →敵がリーチしてようがいまいがお構いなしに勝負!
まわし打ち移行型 →基本は全ツッパだが状況に応じてまわし打ちに移行する。オリない。
まわし打ち拒否型 →全ツッパかベタオリのどちらかしかしない極端な打ち方。
バランス型    →基本はまわし打ちを行い、必要に応じて勝負やオリることも。
ベタオリ移行型  →まわしきれなくなったときベタオリに移行する。
完全ベタオリ型  →リーチされるとベタオリに。

ナディ    →まわし打ち移行型、錯乱戦法
エリス    →テンパイしたらとにかくリーチ ←(笑)
       (全ツッパ)

ブルーアイズ →バランス型、錯乱戦法
Bレディ(紫)→ベタオリ移行型
Bレディ(金)→ベタオリ移行型
(ブルーアイズと同卓(仲間)の場合は二人とも全ツッパになる)

ベックマン   →完全ベタオリ型(ブルーアイズと同卓(仲間)の場合はベタオリ移行型に)

リカルド    →まわし打ち移行型
リリオ     →全ツッパ

金髪ホイップの女→バランス型
紺髪の女    →まわし打ち拒否型

●好きな役

ナディ    →タンヤオやファンパイなど。ピンフは意地でもやらない
エリス    →リーチ、ツモ

ブルーアイズ →タンヤオ、ピンフなどの軽い手
Bレディ(紫)→チャンタ、ファンパイ
Bレディ(金)→チャンタ、ジュンチャン

ベックマン  →タンヤオ、染め手

リカルド   →ピンフ
リリオ    →トイトイや三暗刻、四暗刻などの刻子系の役

金髪ホイップの女→ピンフ、ファンパイ
紺髪の女    →ピンフ、チンイツ

この決め方があっているのかいないのかは「?」
(最後の二人はオマケ)
410名無しさん@秘密の花園:2008/12/15(月) 02:58:25 ID:Hp/G0Sj8
轟盲牌とか天地創世とか使う人はいないのか。
411名無しさん@秘密の花園:2008/12/15(月) 19:02:16 ID:XBoc/KDH
>>398
前回と同じ設定資料集今来てる。
今現在7,000円だからもうちょっと様子見かな・・・
412398:2008/12/16(火) 08:38:52 ID:XlYrPoH4
>>411
ななせ…!? 既に手の届かない金額…
しかしそうそう流通する代物なのかな?
偽物だっていう噂は本当かもしれん…
413名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/28(日) 19:31:59 ID:HQxiPpzb
SS書きさん、たまに顔出してもう少し待ってって
言ってくれるだけでも嬉しいんだが…
414名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/28(日) 22:35:44 ID:8MNvHkqD
まぁまぁ、きっと忙しいんだよ。
妄想でもしつつ待ってようぜ!
415名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/29(月) 08:49:03 ID:qWbRrZ/M
携帯から失礼
待たせてしまって申し訳ない
休みに入り年内には上げられる予定だったんだが今規制に巻き込まれとります('A`)もう暫くお待ちをorz
416名無しさん@ローカルルール変更議論中:2008/12/29(月) 18:50:35 ID:dMLRlPUT
>>415
おお…! ありがとう!!
妄想でもしつつ待ってます
4176-1:2009/01/05(月) 03:34:43 ID:YQepHzke
白い陽の下で撒いた種は
赤い残り火を背に芽吹き
静夜を奏でる闇の荒野に、一輪の愛色の花を咲かせた


N―nocturne―


細い身体の上に身を重ねて、ふと不思議な懐かしさをナディは感じていた。
誰かに全てを委ね、委ねられる無防備な心地良さ、今はもう無い故郷にも似た暖かさを・・・
でも、風に押され擦れる草の音も、虫の鳴く音色も同じなのに、
ドクドクと耳の奥で鳴る血の巡る音が、その懐かしい心地良さとの違いを教えてくれる。

今まで誰とも肌を重ねた経験が無い身体は、不思議にもそうする事を知っているかのように、自然と動いていく。
エリスの左手に絡めていた右手の指を解いて、白い手首に浮いた筋を撫でると、組み敷いた身体がフルッと揺れた。
触れ合う肌からその振動が伝わってくる度、ナディの鼓動は痛いほど高鳴っていく。
「ナ、ディ・・・」
もう一度あの柔らかさを味わいたくて近付いた唇から、自身の名が紡ぎ出されナディは動きを止めた。
「ん?」
「くすぐったい」
「・・・・・・なんじゃそりゃ」
期待した甘い言葉には程遠い、普段と変わらぬ調子のエリスに、ナディはガックリと脱力した。

4186-2:2009/01/05(月) 03:38:42 ID:YQepHzke
「・・・あのねぇ・・・これでも一生懸命やってるんだから」
なんとか気を持ち直し、エリスの額にコツンと自分の額を押し付けた。
「えへっ」
「だぁからー・・・このっ」
楽しそうに笑顔を浮かべる少女の、脇腹をわざとくすぐってやる。
腰を捩じらせて逃げようとするエリスを身体で抑え、バタつく脚も脚で絡めて捕らえる。
「助けてぇ〜」
イヤイヤと首を横に振って下手な演技をするエリスに、とうとうナディも笑い出した。

先ほどとは打って変わったいつもの、陽射しの中でやるような光景を繰り広げる。
――それこそが「演技」ということに、互いに気付いていながら・・・

毛布が擦れる音、二つの息遣い。漂う香り。
ずっと待ち望んでいたのに、耳を撫でるその甘さが二人には照れ臭くてしょうがなかった。

――けれど、右手がエリスの胸に触れた瞬間、いつもの戯れの延長線はいとも簡単に終わりを告げた・・・

「ぁっ・・・」
思わず漏れてしまった声に、エリスがハッと息を飲む。
「――っ!」
それを耳にしただけで、ナディの頬は一気に温度を上げる。
その熱の呼び掛けに応えるように、青い瞳には狩りを始める前の獣の色が射し込んでいた。

「・・・・・・くすぐったい?」
ゆっくりと、胸の膨らみを下から押し上げながら、掠れた声で意地悪く問い掛ける。
「っ分かん、ない・・・でも」
浅く息を吐くエリスの途切れた言葉を引き出そうと、ナディは震える唇に自身の唇を触れる寸前まで近づけて囁いた。
「・・・でも?」
「・・・っドキドキ、する」
お世辞にもふくよかとは言えない膨らみに重なった掌が、エリスの鼓動と呼吸に合わせて小刻みに上下している。
「うん・・・凄くドキドキしてる。それに――」
巡らす視線の先には、まだ触れていないのに薄い布を押し上げて小さな陰を創る、胸の中心 。

4196-3:2009/01/05(月) 03:44:21 ID:YQepHzke
「ナディっ・・・」
「――エリスっ」
哀願に満ちた瞳に射抜かれて、もう我慢ならないという風に、触れないでいた唇を激しく喰らいにいく。
左手をエリスの髪に差し込み、逃げられないように後頭部を支え、
右手でエリスの左胸を緩く撫で擦る。
「ぁ・・・んん――」
漏れ出るはずの喘ぎは、差し込んだ舌によって咥内に押し込められた。
舌先に感じる柔らかい弾力。ナディより少し温度の低いその舌は、突然の侵入者に驚きもせず、その手を取り共に踊る。
ざらりとした感触もツルツルした感触も、表も裏も判らなくなるくらいに絡め貪る。
くちゅくちゅと淫らな音が鳴り、荒い息と共に隙間から零れ落ちていった。
ナディは口付けを繰り返しつつ、エリスのワンピースの裾から右手を捻じ込むと、
人指し指と親指で、探し当てた胸の突起をキュッと摘み上げ弄くり回す。
「ぁっ・・・や、ぁ」
乱れた呼吸を繰り返す唇を開放すると、標的を耳朶、首へと移し、
肩に掛かったストラップを唇で挟んで引き摺り落とす。
肩や胸元をきつく吸い上げると、背に廻されたエリスの手に力が入り、
浮き上がる肩甲骨の輪郭を強く撫でつけられた。
「ん・・・」
思わぬ反撃に、吐く息もますます熱の籠もったものになる。

「・・・ナディ・・・――」

今まで色々な人によって呼ばれてきたその名。
同じ形のはずなのに、エリスの唇から紡がれるそれは――酷く心地よくて、嬉しくて、心が満たされる。
朝目が覚めた時も、夜眠りにつく前も、
旅の途中で見る初めての景色を共有する時も、特に用が無い時にだって。
もう何度も、何度も耳にしてきた・・・それなのに・・・
それなのに、今は甘く切ない響きであたしをどうしようもなく高ぶらせ、少し乱暴な気持ちさえ抉り出してくる。
満たされるはずが、もっと、もっと、と渇望する。

もっと甘い声で、あたしの心を、激しくかき乱して欲しい――

そう思うとナディの視線は自然とエリスの下腹部へと向かっていた。

4206-4:2009/01/05(月) 03:47:51 ID:YQepHzke
密着する二人の間で捲りあがったワンピースは、エリスの太股を晒し、その先の場所へとナディを誘う。
「ぁ・・・ダメっ」
胸からお腹へと滑っていく掌の動きに、次に触れられる場所を悟ったエリスは制止の声を上げるが、時すでに遅し。
ナディの人差し指が下着の上からその部分に触れた。
「・・・!」
微かに感じる、濡れた感触。エリスがあたしの拙い愛撫に、感じてくれている証。
「・・・下着・・・替えたばかりなのに、ね・・・」
「っ・・・」
自身の下腹部に起きた変化に、戸惑いと羞恥の涙を浮かべるエリス。
いつもなら慌ててしまうところだが、今のナディにそれは抑止力にはならず、ますます欲情を駆り立てるだけだった。
「ごめん、エリス・・・あたし、あんたが思ってるよりずっと、厭らしい女なんだ」
前半の謝罪の言葉とは裏腹に、指先は熱を広げるように縦の亀裂を上下になぞり、後半の言葉を忠実に体現する。
「っ!ぁ・・・ぁっ・・・ん!」
エリスの荒い息と連動するように脈打つ、柔らかい左右の恥丘。
その合流地点にある小さなしこりに、爪先を軽く押し付け円を描く。
ビクンと大きく身を跳ねさせるエリスの、碧い瞳に溜まった涙が一つ、頬を滑り落ちて毛布を濡らした。
下着越しなのに指に纏わり付くぬめりは一層濃くなり、それに呼応するようにナディの下腹部も切なく疼き出す。
「・・・ナディ・・・っ・・・から」
ふと、もごもごと籠もっていたがハッキリと聞こえた、切羽詰った声。

――『・・・ナディ、だけじゃない・・・からっ』
確かにエリスはそう言った。
顔をナディの胸元に隠すように埋めていたが、短い髪から見え隠れする真っ赤な耳がそれを証明する。
その言葉を理解すると同時に、疼く下半身に浮力が加わっているのに気が付いた。
下から押し付けてくる身体が必死に訴える。布越しの愛撫、そのもどかしさに絶えられないと・・・

4216-5:2009/01/05(月) 03:52:16 ID:YQepHzke
「っ・・・・・・」
ナディは無言のまま膝立ちになり、中途半端に捲り上がったワンピースの中に両手を入れると、
すべすべの肌と小さな双丘を堪能しながら上へと滑らせる。
両腕をあげるエリスが早く、と急かしている様で・・・
ワンピースを頭から抜き取ると、焦らす事もせず下着を一気に脱がし、一緒くたにして傍に放った。


改めてエリスを見下ろした刹那、息の仕方も、声の出し方も忘れてしまった。
どこか神秘的な雰囲気さえ醸し出している少女の裸身に、一瞬で全神経を奪われ心酔してしまう。
アクシデントとはいえ、数時間前にも目の当たりにしたその姿。
なのに、まったく異なって見えるのは、そこに罪悪と禁忌が存在しなくなったからか・・・
穢れを知らないと主張するような白い肌には、既にナディの痕跡があちらこちらに薄く咲き乱れ、
僅かに開かれた脚の間の、水気を含んだ金色の陰毛が艶やかに濡れ光る。
そして、その薄さでは隠しきれていない、少女の中心が、ヒクヒクと――
「・・・ナディ?」
「はいっ!!?」
不意の呼びかけに、ナディは思わず大声で返事をしてしまった。
「どうしたの?」
「ん・・・・・・いや、その、・・・見惚れてて・・・」
ナディが頬を掻きながらそう言うと、白い肌がみるみる淡い桃色に変わっていく。
それを見て褐色の頬もまた同じ色に染まっていった。

いい加減、彼女だけでは申し訳ないとナディは思い立ち、
自分の服のボタンを一つ、二つ、三つと全て外し肩から脱ぎ落とすと、ホットパンツのファスナーを指で抓んだ。
ジリジリと金具が外れていく音が、まるで檻に掛かる最後の錠を解く音のように、部屋に響き渡る。
が、一瞬その音がピタリと止んだ。
「・・・・・・」
少女の視線が水が流れていくように、上から下へと、ゆっくり撫でているのを感じる。

4226-6:2009/01/05(月) 03:58:55 ID:YQepHzke
羞恥、その隙間から見え隠れする興奮に身体の芯が火照り出し、首筋を流れる汗にさえ過剰に反応してしまう。
ナディは震える手で何とか下着とホットパンツを脱いで、無造作に放ると、もう一度エリスの脚に跨った。
「――っ」
身体に痺れが走る。撫でているのは視線だけでは無かった。
肘を突き背を浮かせたエリスが左手を伸ばし、
右胸の下からくびれた腰へと、ナディの形状、存在を確かめるように撫で降りていく。
「ぁ・・・ん・・・」
痺れは太股の外側を降り、表面、そして内側へ・・・
指先と視線が、望む場所へと近付くにつれて、ナディの呼吸が浅くなっていく。
「エリ、っ」
名を呼びきる前に、エリスの脚に跨る形で開かれた脚の付け根、赤い茂みの奥に白の指先が触れた。
「っ!!・・・ぁあっ!」
高い声も、秘部を前面に押し出す形を取る背も、揺れてしまいそうになる下半身も自分のものとは思えない。
「ナディも、濡れて」
「――!いっ言わなくて、いいから」
その先を遮るように自分の下腹部に伸びる腕を掴んで、細い身体ごと毛布に沈めた。

胸元に頬を擦り寄せる。直に感じる肌の温もりと、聞こえる鼓動のリズムが気持ち良い。
自然に出た溜息が目の前にある乳首に触れたのか、エリスの身体がピクリと震えた。
ナディは小さく笑うとその尖った乳首に唇で触れ、舌先を伸ばしねっとりと絡み付かせた。
「ん・・・あ、ぅ・・・」
与えられる刺激に堪えるように反る背に、左手を添えて持ち上げる。
突き出る胸の柔らかい線が、動きに合わせて僅かに揺れ動く。
お腹や太股を撫でさする右手がエリスの左手に捕らえられる。交差する指の動きがくすぐったい。
その動きに酔いしれながら、ふとナディは気が付いた。

自分の指とは違う、触れ合った指先から感じる微かなぬめり。
それは、エリスがナディの中心に触れた時の”残り火”――
「・・・ぁっ」
瞬間、その火がエリスの指先からナディの指先、そして全身へと一気に燃え広がっていった。


4236-7:2009/01/05(月) 04:02:43 ID:YQepHzke
こうなるともう、止められない。
できるだけ、優しく抱いてあげたい。
そんな想いは塵となって、サラサラと零れ落ちていく。

――あまり、大人じゃなくて・・・ごめんね・・・エリス・・・

まるで、あたしの心の内を覗いたかのように。
ゆっくりと落ちるその塵を、一気に吹き飛ばしたのは、魔女の声だった。

「・・・私、言ったよ?」

いつの間にか、演戯に成り下がっていた「いつものあたし」を包み昇華してくれた光。

――『ナディの全てが欲しい』

獣の、あたしの鎖を壊したあの言葉が、胸にいつまでも響いてる。

「ナディは?」

――そんなの

「エリス」

――そんなの、言わなくても分かってるでしょ

彼女の喉元に噛み付く。それが言葉の変わりに形となる答えだった。

膝に掌を置くと、僅かに開く両脚。導かれるまま脚の付け根に掌を滑らせ、
陰毛や恥丘を濡らすぬめりを中指に馴染ませてから、割れ目の奥へと押し当てた。
「いくよ・・・」
コクリと頷くエリスを確認し、深呼吸してからゆっくりと指先に力を入れた。
「っ――!っ!・・・ッ」
濡れた肉が割れると同時に指に絡み付く音。
やはりというべきか、指の第一関節あたりで膣壁が異物感にきつく絞まり、
ナディの肩を掴むエリスの爪先が薄赤い線をその皮膚に刻む。
「っ・・・力、抜いて・・・」
できるだけ優しく囁いて、耳朶に舌の愛撫。
4246-8:2009/01/05(月) 04:22:11 ID:YQepHzke
エリスの身強張った体が一度ビクリと揺れた後、少しずつ和らいでいく。
途中まで挿し込んでいた指は、緩んだ膣壁を一気に割って奥へ沈んでいった。
「っ・・・ぁ、あ!」
急な衝撃に上へと逃げる腰を、左手でガッチリと掴む。
体勢を整えようと身体を浮かした時に、ふと見えた下半身。
エリスの秘裂が、ナディの中指を根元までくわえ込む様が、視界に飛び込んできた。
「・・・ッ!」
ブルッと身体が大きく震え、総毛立つ。
触覚でさえ十分なのに、視覚までも加わると、もう堪らない。
エリスの中にあたしが存在することに、今までに感じたことのない強い興奮が湧き上がってくる。
自分の卑しい思考に嫌気が差すが、それ以上に強く思う。
この場所の、隅から隅まで、一度に全部知り尽くしたい、と。
そんな欲望と首に廻されたエリスの腕に促されるように、ゆっくりと指を動かす。
きつい。でも次第にハッキリと感じる。
何度も出し入れを繰り返す度、指に纏わり付く愛液はさらさらとしたものに変わり、
少しずつエリスの吐息にも艶が混じりだす。
「・・・ん、ぁあっ」
エリスの顔に苦悶の表情は無く、恍惚ささえ垣間見えた。
そんな彼女にホッとすると、少し余裕ができてくる。
膣口付近まで指を引き抜き、そこで小さな振動を加えてみる。
「っ・・・や、ぁっ!・・・ァッ」
指を逃がしたくないという風にヒクヒクと蠢く膣内と、
いかないで、と右腕にすがり付いてくるエリスの震える手。
眩暈がする。ちょっとしたイジワルが、かえって自分を追い詰めた。
「ぁっ・・・はぁっ・・・」
激しくなるナディの吐息と指の動きに合わせて白い雪が融け、秘裂の隙間から卑猥な音と共に溢れ出る。
指を伝うエリスの愛液がナディを犯し、ナディはその愛液を利用してエリスを侵す。

揺れているのは炎に踊らされる二人の影か、あたしの視界か、彼女の白い曲線か・・・
肌に浮かぶ汗の滴一つ一つが怪しく光り、彼女を彩る。
渦巻く快楽に腰を反らせるその姿はとても美しくて、幻想的とさえ思ってしまう。

でもこの情景は現実で。そうさせているのは紛れも無く――あたし。


4256-9:2009/01/05(月) 04:33:05 ID:YQepHzke
「っ・・・エリス・・・」
高ぶる感情をどこかに繋ぎ止めたくて、吐息混じりに名前を呼ぶと、潤んだ瞳がナディを真っ直ぐに見据えた。
その瞳にさえ煽られて、口付けを強請る。
伸ばされた舌先に舌先を絡めながら、勃起した陰核を掌で撫で回した。
「ん、ん・・・ぁっ!・・・っ!」
思わず顔を逸らして唇から甘い悲鳴を上げるエリスに、ナディの口角が上がる。
しがみ付く力が強くなり呼吸が早くなってくる。もうすぐだとエリスの身体が告げている。
「ァっ、・・・な、んか・・・変だよぉっ、ナディ・・・!」
「うん・・・」
上擦った声で何かに耐えるように、エリスはナディの左肩に額を強く押し付けた。
ナディは中指を曲げて、奥の指先を小刻みに動かし、膣全体を揺らして追い打ちをかける。
「やっ、ぁあ!・・・ナディ・・・ナディっ」
初めて味わうだろう、身体の奥底から迫り上がる感覚に怯えないように。
私はここにいる、だから大丈夫だとナディは優しい声で促した。

「いいよ・・・エリス・・・このまま・・・」
「ふぁ、ァっ!く、んんっ――っ!あああぁ!!・・・っ!・・・ァ・・・っ・・・」

一際大きな声を上げたその後は、とても静かで・・・
なのにしがみ付く身体は、駆け巡る強い快楽にビクンビクンと大きく痙攣し、
膣内に沈めたままの指を何度も、何度もきつく締め付ける。

声にならない声、無言の喘ぎの中に、ふと見付けた自分の名。
――酷く心地よくて、嬉しくて、心が満たされる。あの感覚にナディの身体も小さく震えた。



4266-10:2009/01/05(月) 04:37:55 ID:YQepHzke
暫くして、耳元に聞こえる呼吸音は緩やかになり、背中に廻されている腕から徐々に力が抜けていく。
それを感じたナディは、エリスの膣内からゆっくりと指を引き抜いた。
部屋には二人の吐く息だけが響き、余韻に浸る甘い空気と、いつもの夜の香りが混ざり合って辺りに漂う。
「・・・・・・エリス・・・」
身体を浮かせながら、大丈夫?と続けようとした矢先。
疲労感の混じる動きで、でも真っ直ぐにエリスの左手がナディの胸元、心臓のあたりに触れた。
「ん?」
小首を傾げてそれを見守るナディに、エリスは嬉しそうに微笑んだ。

「――届いた」

掌を握り拳に変え、何かを掴む動き。
それはまるで、陽射しの中、青空へ向けてエリスがよくやる仕草。
気付く、その意味。感じる、暖かさ。彼女の手があたしの魂に、触れている。

「――っ!」

幸福感に胸が一杯になり、涙が溢れそうになる。
グッとそれを堪えると、エリスの手に自分の手を重ねてナディも微笑んだ。
「・・・うん、届いてる。感じるよ、エリス」

「えへへ」
はにかむエリスの頬に手を添えて、顔を近づけると、深く口付けを交わす。

――ナディ、私の太陽・・・

唇を離したすぐ後に漏れたエリスの囁きに、落ち着きを取り戻しつつあったナディの頬は、またもや真っ赤に染まった。
「〜〜っ!!」
誤魔化すように、二人の下敷きになっていた毛布を半分ほど引っ張り出し、
折り畳むようにして自身とエリスを包み込む。
「顔真っ赤」
そう言われてムスっと睨み付けた先の少女の顔も、負けないくらい真っ赤だった。
「・・・あんたもね。」
クスっと笑うとエリスも恥ずかしそうに微笑む。

4276-11:2009/01/05(月) 04:45:53 ID:YQepHzke
一頻り笑い合った後、クッと身体を伸ばしたエリスが小さく欠伸を漏らした。
「眠い?」
「ちょっとだけ」
見るからに”ちょっと”ではなさそうなエリスのやせ我慢が、かわいい。
「もう眠ろうか。明日は早めに街に着きたいしさ。今度こそは良いホテル取って、久しぶりに柔らか〜いベッドで」
「その前に資金稼ぎだよ?」
「・・・・・・」
そうだった・・・と、深い溜息を吐くナディをエリスは他人事のように笑いながら、よしよしと赤い髪を撫でて慰めた。
「ん〜・・・まぁ、ブルーアイズの管轄だから、何とか口利きできるでしょ」
着々と自分の担当区域を広げる彼女の手腕は、流石というべきか・・・
本当にああいうのが向いてるんだな、とナディが感心している間に、本格的に眠たそうに目を擦るエリス。
「ほーら、もうおやすみだよ、エリス」
額に、目尻に、そしてもう一度唇にキスをして、就寝を促す。
「うん。おやすみなさい、ナディ」
エリスは満足げに鼻を鳴らしナディの胸元に顔を埋めると、瞼を閉じた。

直ぐ眠りに落ちていった少女を見て、少し無理させてしまっただろうかと反省するナディだったが、
この子の魅力の前では、その反省は今後活かされる事は無いだろうと苦笑した。

華奢な身体から伝わる暖かさを、全身で受け止めていると素直に思う。
自分の性を忌まわしく思ったりもしたけれど、
あたしが「あたし」に生まれて、エリスに出逢い、「エリス」に恋をして、愛して本当に良かったと。

あたしは女性として、女性のエリスを愛している。
それは、やっと手に掴んだ、誰にも覆せない、不滅の想い。

「もしも」なんて考えても仕方ないけれど。
何か一つでも欠けていれば、今この瞬間も、明日も、この先もきっと・・・
このかけがえのない温もりを感じることはできなかっただろう。


4286-12:2009/01/05(月) 04:49:38 ID:YQepHzke
狂い舞う炎で幕を閉じた、故郷の思い出。黒煙を背に塵を足元に、進んだ先は果てなく続く乾いた「自由」
長い間、その孤独の中をさ迷ったあたしと出会った一人の少女。
最初はただの仕事だった。次に使命感、約束、そしていつの間にか、あたしの全てになっていた。
エリス、一度、この手で奪ってしまった命に対して、言える立場じゃないけれど――

「生まれてきてくれて、あたしを愛してくれて、ありがとう」

勿論、小さな囁きでは規則正しい寝息をたてる彼女から返事が返ってくることは無かったが、
それでもナディは満足げにため溜め息を付いた。

気付けば暖炉の炎は既に消えていた。
代わりに部屋を照らしていたのは、埃まみれの窓で幾分明るさを奪われた白銀の光。
光の筋を辿って見えるのは黒い雲ではなく数多の星と太陽の光を反射する月。

その、どこまでも自分の心を映し出す空にナディは苦笑したが、
直ぐ何かに気付き、穏やかな笑みを漏らした。


空があたしの心を映す鏡なら、きっと――


「明日も、良い天気になりそうだ」


                   ―つづく―
429名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 05:03:56 ID:YQepHzke
長らくお待たせしました'∀`;
そして無駄に長くてスマン。6の流れは1書く前から決まってたのに、
いざ書き出すとナディエリ好き&L・A並の変態故予想以上に話が膨らんでしまったww
いやマジで長すぎ申し訳ないorz
本筋はここで終わりで後はエピだけです。暫しお待ちを
430名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 10:09:05 ID:u/++zGxs
…!! 最高でした。ホントにもうナディエリ好きで良かった。
上手過ぎて全編通して感動しちゃうのが悔しいっ エピローグ待ってます。
431名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/05(月) 22:03:56 ID:IPeve9go
く、くやしい・・・でもGJしちゃう!!!
ド級のラブをありがとうでした!真面目に感動した。
432名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 01:41:27 ID:P2T0SORL
GJ!GJ!!感動しました!
何かもう・・・ナディが羨ましい・・・
433名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/06(火) 23:33:45 ID:Zkut+Jmh
これは素晴しすぎる
「――届いた」 のところで本編がフラッシュバックして泣きそうになった
434名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/01/12(月) 11:32:11 ID:HNf1uppd
不意打ちに乗り遅れた!GJ!
大声で返事するナディワロwとかおっきしながら読んでたのに最後らへんで全俺が泣いた
感涙おっきなんて初めての体験っくやしい・・・でも!ビクビク
何だかんだ言ってやっぱり優しいナディがたまんね
435名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/18(水) 19:39:29 ID:JSFysexW
age
436名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/19(木) 23:35:02 ID:IGEzgu3F
ここは湧くときは一気にブワッと湧くのにすぐまた居なくなるなw
真下新作が無いから仕方ないが
437名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/20(金) 01:29:24 ID:N0iZNoRO
毎日来てるんだけどね、作家さんたちにはこの熱意が伝わらんらしい。
438名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/20(金) 20:48:21 ID:3jLHDeks
供給側は需要側より遥かに苦労するんだから、そう言わさんな。
熱意があれば書けるかというと、そうでもないんだし。
439名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/20(金) 23:01:29 ID:k077tfKn
もともと真下作品は絵描きも文章書きも少ない上カザドは目立たずNOIRは八年も前の作品
二次新作が作られることがほとんどない昨今
ここ一年新SSしかも良作が読めるこのスレは昔からの真下百合ファンの枯れ果てた俺からしたら奇跡に近い
440名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/21(土) 00:10:59 ID:vJnfOyBT
全くだ
ROM専の俺にできるのは正座で粛々と投下を待つことだけだ、全裸で。
441名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/21(土) 00:33:46 ID:Tw9euDSI
熱意があれば書けるさ…良作は無理だけど。
442名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/02/22(日) 00:09:36 ID:MzGVzcHo
>>441の締めは無理‘だった’けどの間違いですすみません
443名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/25(水) 23:48:52 ID:63nS4Ust
おれはmadlaxのマドリメ物しか書けない
444名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/25(水) 23:53:22 ID:18DzW7RW
友よ、窓のDVDはその2人のために買ったようなもんだ
445名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/03/27(金) 20:35:19 ID:sMivMxVE
ナディとエリスが結ばれて
本当によかった……
作者GJすぎだろ…

泣いてなんか…
いないんだからねッ!!!!
446名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/14(火) 23:41:21 ID:Ccb4h2Jm
ほす
ファントムは三部作には入らないのか
原作には一組どマイナー百合カプいるが
447名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/15(水) 08:43:52 ID:ez54FsS2
あのアニメではエルカザのおかまさんの片割れに
似てる人とブルーアイズさんの中の人?
違うならなぜ削ったってところですか
448名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/04/29(水) 20:48:32 ID:JuLLpHSv
>>447
ネタバレになるがフェンフとノインという後世代量産型ファントム
原作に「いつしか心も身体も慰め合う仲に」という感じの一文が出てくる
アニメに出てくるかは分からないし
登場してもせいぜいカップラーメンができあがる前に○んでしまうが

それよりのアインがクロウに脱がされてる絵をソルダ眼で無理やり霧香とミレイユに変換してモエマシタワー
三部作でもあの位際どい絡み絵描いて欲しかった
449名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/11(月) 22:00:11 ID:sRW4VrMN
あげ
450名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/11(月) 22:25:35 ID:s3izqzQ1
公式TOPの女の人は誰?
百合百合詐欺?
451名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/24(日) 21:05:59 ID:QKAmXu/J
>>450
なんて悪質な詐欺なんだww
452名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 13:39:04 ID:tLrsa9qf
依頼人がマドに接触したみたいな場面で。

「あなたは・・・この世界のナンバーワン、だそうですね・・・
一度もしくじったことがないと・・・」
「・・・」
「あなたを紹介してもらったSISの友人から聞いております・・・
あなたはプロ中のプロだと・・・
私もそうだった・・・あの時までは・・・

あれは私のせいじゃないっ・・・

でも、あの日のことがトラウマになって・・・今では人前で演奏しようとすると手が震えだす始末・・・
もうすぐ伝統のチャリティーコンサートがある・・・
私も演奏する予定だったのに結局降ろされてしまった・・・。」
「用件を聴かせて・・・」
「そ、そうでしたね・・・、・・・私の代役がクラーラに決まった。・・・それが許せないのですっ」
「クラーラ・ケルンスカヤ、・・・?」
「ご、ご存知なので?!」
「名前だけなら・・・」
「クラーラは幼い頃からのライバルなの・・・
ロシアでは人気はあるけど実力なら私のほうが上よ・・・っ
もし、彼女が今回のチャリティーコンサートまで成功させるようなことになれば・・・っ
それだけは・・・!なんとしても阻止したいのですっ・・・
彼女の演奏中にバイオリンの弦を狙撃してもらいたいのですっ・・・」
「バイオリンの・・・弦を・・・?」
「そうっ!彼女にはアンコールでG線上のアリアを弾くように頼んであります・・・
G線上のアリアはG線、つまり四弦だけを使って弾く曲です。そのG線を狙撃して切って欲しいのっ!
・・・も、もちろんっ 人間やバイオリンは・・・キズつけずに・・・」
「・・・」
「きっとクラーラも気が動転して無様に立ち往生するに決まってる・・・!
誰でもそうなるのよ! それを世間にわかってもらえば・・・私の名誉も回復できるという訳、なのっ
引き受けてくださいますか! ミス・マドラックス!」
「ホールの図面は・・・?」
「・・・ここに持ってき」

ジャキッ

「ぅっ!・・・」
「ゆっくりと・・・ね・・・」
「え、えぇ・・・」
「これが・・・そうよ・・・。それからこのディスクにはクラーラの演奏が録画されてます・・・
参考になるでしょう・・・
代金は指示通りに用意しました・・・。
あなたもナンバーワンなら私の気持ちがわかるはずよ。クラーラに屈辱を与えてやってちょうだい!」
「・・・」
453名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 13:42:12 ID:tLrsa9qf
こっからどうやって百合に持っていこう・・・?
454名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/05/30(土) 16:38:51 ID:y+CVvo5J
ちょwゴルゴ眉のマドが浮かんだじゃねーかw
455452:2009/05/30(土) 16:53:55 ID:VkNcPgaa
マドラックスでゴルゴみたいのがあればまたゴルゴ13とは違った
面白さがあるんだろーなーと思ってる・・・
(マドの場合はどうやって侵入するのか、とか)
456名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 01:21:05 ID:HUOo8WOE
マドラックスの絵(正確にはエロいカラダのエロい人)
を投下したいんだがここでいいのかな? とくにスレないようだし・・・
457名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 01:25:55 ID:uN268X7V
頼む
458名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/04(木) 14:33:12 ID:ryKU1YEU
wktk
459456:2009/06/05(金) 01:56:33 ID:K8Zv2H8Q
>>457
早いなw レスが。



ここでつ。
http://imepita.jp/20090605/067590

マドラックスにベッドに押し倒されて
「マドラックスぅ・・・ 何でも言うこと聴くからぁ、乱暴にしないで・・・」
みたいな流れで。
460456:2009/06/06(土) 00:46:11 ID:4xiAQ7zW
あれ??
なんでみれないんだ?

ttp://imepita.jp/20090605/067590
461名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 02:00:37 ID:kOLufGCm
保管庫の中の人です。
456さんのイラストですが、保管する前に消えてしまったようです・・・
もし宜しければ再投下して頂けるとありがたいです。
こちらの不手際でお手数をおかけして申し訳ないですorz
462456:2009/06/07(日) 10:13:00 ID:fWG7IL0j
460のはまだありますよ??
463名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/07(日) 21:11:23 ID:kOLufGCm
>>462
本当ですね、今見てみたらありました。
何で見れなかったんだろう・・・
ともかく、ありがとうございますー
464456:2009/06/07(日) 21:25:25 ID:W6dhTF/X
自分のほうでも確認してみたらなぜか飛べなかったので・・・
不思議に思っていまそた
あ〜い
465名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/15(月) 20:22:32 ID:HN32yo1w
ナディエリエピローグはまだかなぁ…
466名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/16(火) 08:32:13 ID:kjO4K0lA
私も待ってる…
467名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/19(金) 23:41:43 ID:BvBcDh4i
久々に来たら窓リメ投下されてる!!1!GJ!
ここは保管庫があるから安心してられるけど、うpろだに残ってる時に見れるとなんか嬉しいな

>>443氏のマドリメも待ってるよ

早く窓のBOX発売されないかな…
468名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 00:11:39 ID:/Yc64luG
>>467
>久々に来たら窓リメ投下されてる!!1!GJ!
どこのことを言ってるんだ??
469名無しさん@ローカルルール変更議論中:2009/06/20(土) 01:27:34 ID:KbVJxWZ7
>>468
>>459、絵は単体だけどシチュエーションは窓リメだからそう書いたんだが…
俺の幻覚じゃないよな…?
470468:2009/06/20(土) 10:36:38 ID:7UcmpBh7
>>469
あ、ああ・・・それか・・・
「ちょ、俺の見落としかっ?!どれだよどれ!」
と思って結構前まで探しに行っちゃったよw

幻覚じゃないでつ
ごめんよぅ
471名無しさん@秘密の花園:2009/06/25(木) 10:42:31 ID:nRuLDyK4
2期をいまだにあきらめてない
472名無しさん@秘密の花園:2009/06/26(金) 04:40:29 ID:4bB/scz9
>>471
さすがにもう・・・いや、いいんだ、気にするな
473名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 15:29:11 ID:iIYXMIfv
>>472夢はでかい方が・・・
474名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:47:03 ID:J/pjZwwi
今、ナディがミゲルに給料を詐欺られているところをリアルで視聴中。
やはり男は信用ならん生き物だな・・・。
475名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 22:50:42 ID:J/pjZwwi
ナディがミゲルに会いにイットル・・・アホかこいつ。www
476名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 23:01:41 ID:J/pjZwwi
ナディは男に騙されたがっているようだな・・・。
477名無しさん@秘密の花園:2009/06/27(土) 23:11:41 ID:4Nz0cet5
俺が心地よく騙してあげよう
478名無しさん@秘密の花園:2009/06/28(日) 00:22:41 ID:BZjes+Ba
いいかいナディ?
このお薬を飲めばたちまち「ナイスBODY!!」になれるよ
479名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 06:11:17 ID:bRBkSSJ+
この3作のうち、百合度がいちばん高いのは?
480名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 18:58:58 ID:Na7+I6WU
甘さで答えるならばエル・カザドだろう
481名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 19:01:40 ID:H1C106LW
カップリングの多さではMADLAXかね
482名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 19:10:55 ID:vmvYWdYM
エンディング後なら、NOIRだと思う
483名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 19:13:51 ID:mmdE+QSL
要するに、3部作サイコーってことで
484名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 21:08:29 ID:k6w7VMIb
MADLAXとカザドも近所に無かったよちくしょー!
NOIRしか借りられなくて残念だ…
485名無しさん@秘密の花園:2009/07/01(水) 23:26:57 ID:IhO0OIgY
エルカザド見てるが面白い

表情のつけ方がうまい
486名無しさん@秘密の花園:2009/07/02(木) 00:35:59 ID:twb30YER
>>479-483の流れが美しくてフイタwww
487名無しさん@秘密の花園:2009/07/03(金) 05:52:14 ID:znn4CWb1
真下は百合づくりの天才だ

488名無しさん@秘密の花園:2009/07/03(金) 20:14:20 ID:3AL7ESO2
NOIR、霧香がミレイユに感情を表してきてるのに対してソルダ絡みで余裕のないミレイユの対比に萌える
あとクロエが思ってたより声が可愛くて吹いたw
アルテナ大好きで満面の笑みを見せるクロエ可愛いよクロエ
いまんとこ霧香×ミレイユ、アルテナ×クロエかな
489名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 05:49:29 ID:Zk/8T5re
>>487
逆に百合でない真下はいかにつまらないか、Phantomで自ら実証してくれているな
490名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 06:05:35 ID:WVLm1EvB
やっぱり…
俺はそう思って初めからスルーしたよ
491名無しさん@秘密の花園:2009/07/04(土) 15:25:14 ID:Uei8NWUf
クロエが純粋すぎて胸が痛い(´;ω;`)
三人で暮らせよちくしょー
492名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 01:57:00 ID:/x+iVtGW
どーしてエル・カザドは人気ないのか考えようぜ・・・・百合アニメの中じゃ間違いなく神なのにな
493名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 05:55:35 ID:JsEje5Kh
人気ないの?
494名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 08:52:43 ID:8m+rYa/f
ひんぬーだしな
495名無しさん@秘密の花園:2009/07/11(土) 22:50:21 ID:pS35gkO5
ナディエリは好きだがサブキャラ満載で
進みの遅いストーリーは苦手だな…
496名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 01:50:43 ID:1P0t7zun
エルカザは多分、ナディがあんま強くないのも低人気の要因なんじゃないかな
霧香とマドラックスはチートな強さだったし

俺はナディのそんなところが好きだけど
あんま強くないゆえに物語のテンポが悪くなってる気がする
ただ百合としてだけ見ればエルカザが一番百合百合だと思うんだけどね・・・
497名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 05:38:52 ID:vAQ9gyI9
直接的表現では一番だね

>>489
見てないんだけど、百合要素全くなし?
だとしたら真下の方向転換か…
498名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 14:29:44 ID:2U+zemUu
ファントムは原作付きだからな
主人公を女に改変してくれればおいしかったんだが
そんなことしたら原作ファンに叩かれるに決まってるし
499名無しさん@秘密の花園:2009/07/12(日) 20:47:42 ID:vAQ9gyI9
オリジナルに期待するか•••
っていつになることやらヽ(;▽;)ノ
500名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 19:26:48 ID:NyPM9m+X
どーしてもエル・カザドの二期を期待してます。DVDも3本ずつ買ったけど・・・・・あきらめません
501名無しさん@秘密の花園:2009/07/13(月) 20:22:23 ID:1kKVrF+D
三本!(◎_◎;)
俺もノワール二本づつ持ってるけど、
さすがに三本はない。
ファンの鏡だな•••
502名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 01:42:27 ID:9NZA4Et9
エル・カザドは、三部作の中で表情の可愛さではずば抜けてると思う
そういう表情が出てくるようなストーリーだったってのもあるんだろうが

ところでまだ窓のBOXが発売されないってのは、豪華特典付きBDのBOXを期待してもいいんだろうか
503名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 05:45:26 ID:GKqURIfj
BDは厳しいかも知れんが、BOXはあると思うよ
MADLAXのボックスが先か…
504名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 08:39:48 ID:jTrkTjcO
>>500
7万以上が×3で少なくとも21て…すごいな。
二期希望するならそれくらいしないと駄目か…
505名無しさん@秘密の花園:2009/07/14(火) 17:35:39 ID:/eEwFKBQ
俺はノワールだけだけど、
軽く30万超えてるよ(−_−#)

やっぱりセル画が大きかった•••
506名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 19:57:58 ID:BwUy0YU9
女の人の肌から赤ちゃんの種がつくれるようになったのって本当?


もし本当なら・・・嬉しい
507名無しさん@秘密の花園:2009/07/16(木) 22:36:34 ID:cjQ/EfyX
ん〜もしかして卵◯だけで子供を
つくる技術のこと?

確か「単為発生」っていうやつで
女同士で子供をつくれ、しかも
女しか生まれないので、一時期
もう男は要らないのかと騒がれた

まあ俺は真っ先にミレ霧に使う
べきだと思ったよw
508名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 01:39:26 ID:P/jXFfBG
>>507そんな技術があったとは・・・・情弱だなおれ・・・


妄想の範囲がかなり広がった
509名無しさん@秘密の花園:2009/07/17(金) 19:39:17 ID:MbXaJHyr
>>507
いい事聞いた
510エルディ:2009/07/25(土) 12:51:12 ID:DGJMtOso
初小説書きます。エル・カザドです。
読みづらいとこもあるかと思いますがお付き合いください。
511エルディ:2009/07/25(土) 12:52:23 ID:DGJMtOso
シャワーを浴びて一日の汗を流して、寝る前の少しの時間、ナディは拳銃の手入れをしていた。
すでにナディは賞金稼ぎから足を洗っていたが、
女二人旅だと何かと面倒に巻き込まれることも多いので拳銃は身につけている。
テーブルの明かりだけじゃちょっと手元が暗いかもしれない。

「ナディ…」

すでにベッドに入っているエリスが呼ぶ。

「んー?」

あたしは拳銃の手入れをしながら答える。

「ナディ」

「…何よ?」

あたしはようやく顔を上げてエリスを見た。

「ナディ」

その刹那、エリスの瞳に釘付けになった。
何か言いたげな瞳。
この子はまだうまく言葉が出てこないことがあるから…。
そんなことを頭の隅で思いつつ、銃をテーブルの上に置いてエリスに近づく。
ベッドの横に腰かけると、エリスの頭に手を乗せた。
512エルディ:2009/07/25(土) 12:53:26 ID:DGJMtOso
「どうしたのよ?なぁに、疲れたの?」

「ナディ…」

あたしを見つめる瞳。
またおかしな感覚に襲われる。目が離せない。
吸い込まれるような深い群青色。海の底のような。深い、深い、深い。
あたしは気づいたら、エリスの唇に自分の唇を寄せていた。
柔らかな感触。何だか安心する。
触れ合った唇から、エリスの吐息が零れた。

「!」

あたしは急に我に返った。

「ご、ごめんね。エリス」

慌てて、エリスに謝る。どうしちゃったんだあたしは。
あたしの方が疲れてるのかもしれない。
513エルディ:2009/07/25(土) 12:56:00 ID:DGJMtOso

「ナディ…、きて」

「何言ってるのよ、あんたは…」

ぎょっとしてエリスの顔を見る。
何か言いたげな瞳がまだそこにあった。
また目が離せなくなる。何なのこれは。
一体、あたしはどうしちゃったんだ。
疲れてるんだあたしは。
あたしは、あたしは、あたしは…。
エリスの瞳を見つめたまま、何も考えられなくなっていく。
頭の芯がしびれるように麻痺している。
514エルディ:2009/07/25(土) 16:17:44 ID:DGJMtOso

「エリス…」

エリスの肩を押して倒す。
覆いかぶさるようにしてキスをする。
最初はついばむ様に。次第に深くなっていく。

「んっ…ぁ…」

もっともっと深くエリスを知りたい。

「ぁっ……っ…はっ…」

「んっ…はぁ……、んんっ…」

甘い吐息が漏れる。
何度キスを繰り返しても飽きない。
このまま溶け合ってしまいたい。
515エルディ:2009/07/25(土) 16:20:14 ID:DGJMtOso
すいません。ageちゃってました。大変失礼しました。
516エルディ:2009/07/25(土) 16:25:17 ID:DGJMtOso

「…ナ、ディ」

ずっと唇がふさがっていたせいか、苦しそうに名前を呼ばれる。
それをきっかけに、あたしはエリスの服に手を掛ける。
胸に手を滑り込ませる。
ちょうど手に収まるくらいの小ぶりな胸。
柔らかくて温かい。
感触を楽しんでると、頭をなでられた。
顔を上げると優しく微笑んでるエリスの顔が見えた。
こんな笑顔が出来るようになってたんだ。
出逢ったばかりの頃なんて、全然表情が変わらなかったのに。
頬を緩めながら、そっと胸に口づける。
すぐに固く尖ってきたそれを優しく吸い上げる。

「は…っ。んっ…ぁ…、ぁっ…んっ、ナ、…ディ」

あたしはエリスに頭を抱かれながら、赤ちゃんみたいに一生懸命吸いつく。
強く吸ったり、甘く噛んでみたり。
そのたびにエリスの息が甘くなっていく。
あたしもエリスの甘い吐息を聞くたびに、身体の芯が痺れて濡れていくのがわかる。
517エルディ:2009/07/25(土) 16:30:11 ID:DGJMtOso

そのまま下へと唇を這わす。
おへその辺りも丁寧に舌で辿っていく。
くすぐったいのか、たまにエリスがくすっと笑う。
薄い茂みに辿りつくと、そっと舌を割り込ませる。
すでに小さく尖っているそれに優しく舌を這わす。

「んんっ!」

エリスの身体がのけぞる。
優しく優しく舐めあげる。

「ぁっ……っ…はっ…んっ…ナ、ディ、もう…」

この子にはちょっと刺激が強すぎたかな。
唇を離して、代わりに指を這わす。
すでにそこは十分に潤っていた。
518エルディ:2009/07/25(土) 16:40:11 ID:DGJMtOso

エリスの後ろにまわって背後からぎゅうっと抱いて、耳元で囁く。

「エリス、足開いて」

従順に足を開いたエリスの薄い茂みの中に指を差しいれる。
しばらく優しく撫で続ける。
次第にエリスの息が熱くなってくる。
エリスのむせ返るような匂いに包まれ、頭の芯がぼんやりしてエリスに吸い寄せられる。

「エリス」

耳元で囁いて、唇を重ねる。
絡み合う舌。
そのまま、指をエリスの中へゆっくりと沈めていく。

「んっ!」

「大丈夫だから。エリス、力抜いて…」

ゆっくりと指を動かす。
519エルディ:2009/07/25(土) 16:45:33 ID:DGJMtOso

「んっ…んんっ…!」

舌でエリスの耳を舐め上げ、片手でエリスの小さな胸の突起を摘まみながら、次第に中の指の動きを早める。

「あんっ!…はっ…んっ…!」

エリスの身体が熱くなってくる。

「ナ、…ディ、ぁっ…んっ、私、なんか…、へん…」

「ん…、大丈夫だよ、エリス。後ろで支えてるから安心して解き放っていいよ」

そう耳元で囁くと、後ろからしっかり抱きしめる。


「はっ…ぁっ…ナ、ディ!」


その瞬間、エリスの身体から温かい光のようなものが溢れてきてあたしを包んだ。
それはとても優しくて小さい頃母さんに抱きしめられたようなそんな感覚だった。
とても満たされる。落ち着く。
そのまま、溶け合っていった。



……………
520エルディ:2009/07/25(土) 16:48:17 ID:DGJMtOso


あたしの腕の中でエリスは胸元に頬を寄せていた。

「ねぇ、エリス」

「なに?」

「あんた、何か力使った?」

「使ってないよ」

「ほんと?」

「ほんと。でも、ナディに近づきたいなって思ったよ。ぶつかるくらい」

「ぶつかるくらいって、あんたね(笑)」

「だって、ナディって何度も呼んでるのに全然こっち見てくれなかった」

「そっか。ごめんね」

「…ううん。もういい。ナディに近づけたから」
521エルディ:2009/07/25(土) 16:50:24 ID:DGJMtOso

近づいたっていうのかな、これって。

「まぁ、いっか」

苦笑しながらエリスの顔を覗き込むと、穏やかな群青色の瞳が広がっていた。

「ふぁ…」

「あんたも今日は疲れたでしょ。もう寝なさい」

「うん。疲れた。もう寝る」

「…タコタコタコース、おいしいタコス、イケて…」

「いいから早く寝ろ」

「いえっさ」

月明かりの下、すぐに穏やかな寝息を立て始めたエリスの顔を眺める。
この子には一生敵わないかも。
そう呟いて、あたしもゆっくり目を閉じた。
522エルディ:2009/07/25(土) 16:57:30 ID:DGJMtOso
お目汚し失礼しました。

エル・カザドは知ってはいたんですが、最近になって最初から全部見ました。
ナディエリ最高!
幸せな二人の続きが見たくって、勝手に書いちゃいました。
二人が結ばれるのは運命だと勝手に思ってますw

ありがとうございました。
523名無しさん@秘密の花園:2009/07/25(土) 17:22:13 ID:9BYx03gL
GJ!
素晴らしかった
また書いてくれぃ
524名無しさん@秘密の花園:2009/07/25(土) 19:04:24 ID:dELWxm5q
素晴らしい!
できればノワールも•••
525名無しさん@秘密の花園:2009/07/25(土) 20:13:43 ID:ms1JwPGW
最高でした。また書いてください。
526エルディ:2009/07/26(日) 08:14:40 ID:wBZJJM7u
ありがとうございます。
喜んでもらえて嬉しかったのでまた書きました。
短いですがお付き合いください。
527エルディ:2009/07/26(日) 08:15:50 ID:wBZJJM7u

最近いつもエリスの胸の中で目覚めることが多い。
不思議だ。
だってあれこれした後は、決まってあたしの腕の中でエリスは眠りに落ちるのに。

「ねぇ、あんた不思議じゃない?」

どうにも解せなくてエリスに尋ねる。

「いいの。いつも守ってもらってるから。たまには私が守るの」

エリスはあたしの頭をなでながら、至って真顔で答える。

「それ、答えになってないし」

小さい頃に親を亡くしてから、自分の身はいつも自分で守ってきた。
誰かを守ることはあっても、自分が守られることはなかった。
慣れないせいかなんだか、妙にくすぐったい。
528エルディ:2009/07/26(日) 08:18:20 ID:wBZJJM7u

「まぁ、いっか」

エリスの胸に頬を寄せる。
温かい。規則正しい鼓動が聴こえる。ここは安全なんだと信じられる。
たまにはこうやって守られるのもいいかも。

「ふふっ」

「ナディ、笑ってる」

「なーんか、あんたも成長したなって思って」

「成長してるよ」

唇をとがらせてエリスが答える。

「ありがとね、エリス」

「何もしてないよ?」

あたしを信じて、一緒に来てくれて。
エリスの無垢さに、あたしはいつも救われてると思う。
でも、もしもあたしがエリスの幸せの邪魔になるようなことがあったら、
あたしはすぐにエリスの前から消えるから。
それくらいしか、あたしはエリスにしてあげられないから。
529エルディ:2009/07/26(日) 08:20:08 ID:wBZJJM7u

「いいの。あんたは傍に居てくれるだけで。オーケー?相棒」

「いえっさ」

エリスの満たされたような微笑みを見て、あたしの心も温かくなる。
エネルギー充填。

「よーし、今日も走るぞ!」

「走るぞー」

「その前に、朝ごはん食べなきゃね」

「朝ごはん…」

途端に、ぐぅ〜とエリスのお腹が鳴る。
あたしは笑いながら、エリスの手を取って起き上る。

「よし!ごはんだ!」

「いえっさ!」

屈託のないエリスの笑顔を見ながら、
あたしはエリスの好きな焼きソーセージを出してくれる店を思い浮かべた。
530エルディ:2009/07/26(日) 08:26:34 ID:wBZJJM7u
お目汚し失礼しました。

13話の「まだか…」「こっちもか…」のやり取りで出てきたあれは、
焼きソーセージで良いんでしょうか。
あのやり取り、すごく可愛くて好きです。

>>524
すみません。ノワールは見たことないので…。

531名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 12:08:23 ID:mDDc19JX
とても素晴らしいです!また書いてください。お願いします!
532名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 14:16:46 ID:ZPwjuWmo
>>497
方向転換も何も女二人主人公、って作品はそもそも三部作とダーティペアくらいしかないんじゃない?
マイネリーベなんていう男しか出てこない作品もあるし
533名無しさん@秘密の花園:2009/07/26(日) 19:35:24 ID:1FlyYEgk
>>530
焼きソーセージが好き以前に空腹が大きそうでしたよね(笑
最高でした。とりあえず貴方はまたナディエリを書くべきです。
ながっながと感想書きたいです本当に、ありがとうございます!!
534名無しさん@秘密の花園:2009/07/27(月) 13:02:42 ID:fd3kkH8t
偉そうに命令口調すみませんでした…
気が向いたらまた宜しくです。 ナディエリ最高!
535エルディ:2009/07/27(月) 17:24:16 ID:gN6F9NoX
ありがとうございます。
調子に乗ってまた書いてしまいました。
ご期待に添えるかわかりませんが、お付き合いください。
前回の話から数年後という設定です。
536エルディ:2009/07/27(月) 17:26:18 ID:gN6F9NoX

最近エリスが「結婚式、結婚式」ってうるさい。
ブルーアイズとあのローゼンバーグに似た部下、えーと何て名前だっけ。
…忘れた。
彼には悪いけど、エリスを傷つけたローゼンバーグに似ている彼に、
あたしはついきつく当たってしまう。
ちょっと冴えないけど、でも本当は優しくて気のいい奴らしい。
きっと、ブルーアイズも幸せになるだろうと思ってる。
あたしも大人げないって、わかってるんだけどね。
まぁ、そいつとブルーアイズの結婚式に招待されてから、
エリスはすっかり感化されてしまったらしい。
537エルディ:2009/07/27(月) 17:29:15 ID:gN6F9NoX

「わたしたちも結婚するの」って言い張るから
「結婚は男と女」って言ったんだけど、「いいの」ってきかないんだから。
幸いここスペインでは同性同士の結婚に多少の理解があるらしくって、
探せばいくつかの教会では式を挙げさせてくれるらしい。
でも、あたしはそんな儀式みたいなのしなくたって、
心が繋がっていればそれで良いと思ってるんだけど、
女の子はウエディングドレスに憧れるみたい。
て、あたしも一応女の子なんだけどさ。
あんなわさわさしてて動きづらいもん着て、敵に襲われたらどうするのよ。
て、あたしもう賞金稼ぎじゃなかったっけ。

それでもエリスの喜ぶ顔が見たくて、結局朝からこうして
女同士で式を挙げられる教会を探してるってわけ。
あーあ。あたしもほんと健気だなぁ。
538エルディ:2009/07/27(月) 17:32:06 ID:gN6F9NoX

「…ナディ。お腹すいた」

起きたと思ったら、おはようの挨拶も無しにいきなりご飯ときたか。
あたしはため息をつきながら、ブルーアイズからもらったお下がりのノートパソコンの電源を落とす。

「ねぇ、エリス」

「なに?」

「あたしたち、今までずっと旅してきたでしょ」

「うん」

「あんたはさ、どっか落ち着きたい場所とかあった?」

「ううん。別にない」

「そっか。あたしはね、あたしのホームはあんただと思ってる。
 家なんか無くても、あたしの帰る場所はエリスのところだと思ってる」

「うん。わたしもナディのところに帰るよ」

「そっか。ありがと」
539エルディ:2009/07/27(月) 17:35:05 ID:gN6F9NoX

この子、本当にあたしの言った意味わかってるのかな。
お礼を言いつつ苦笑する。

「だったらさ、別に結婚式なんてしなくても…」

「するの」

あっ、そう。
もう答えは決まっていて、それは揺るがないのね。
あたしはまたため息をつく。

「オーケー!相棒。じゃあ、教会に行こう。二人でウエディングドレスだ!」

やけくそになって叫ぶ。

「いえっさ。ナディ」

エリスが飛びついてくる。
あーあ。あたしってほんとこの子に甘いなぁ。


540エルディ:2009/07/27(月) 17:36:56 ID:gN6F9NoX

「まぁ、いっか」

エリスがこんなに喜ぶのなら。

じゃあ、早速リリオとリカルドに招待状出さなきゃね。
あのしかめっ面のポーカーフェイスもさすがに驚くに違いない。
もちろんブルーアイズたちにも。おっとその前に教会に電話だ。
エリスを抱きしめながら、あたしもいつの間にか笑顔になっていた。

541エルディ:2009/07/27(月) 17:41:10 ID:gN6F9NoX
お目汚し失礼しました。

>>533

確かにあれは空腹のほうが大きそうですね(笑)
エリスの好物って何なんでしょうね。
とにかくあのシーンが可愛すぎて、3回も見直してしまいましたw

>>534

ナディエリ最高!
542524:2009/07/27(月) 21:33:25 ID:AZz0pCaB
ますます素晴らしい!
ありがと〜

ノワールは残念ですが、もし時間があれば
ぜひオススメします!
真下の百合WORLDの真髄に出会えますよ
543名無しさん@秘密の花園:2009/07/28(火) 01:40:25 ID:kj1b3duO
とても素晴らしいです!ニヤニヤしながら読ませてもらいました。新婚生活編も出来れば書いてほしいです><
544エルディ:2009/07/28(火) 22:49:48 ID:oNZ1ZJ/r
ありがとうございます。
みなさんの感想がとても励みになりました。
そして、性懲りもなくまた書いてしまいました。
良かったらお付き合いください。
545エルディ:2009/07/28(火) 22:50:38 ID:oNZ1ZJ/r

エリスと結婚するって決めてから半年が経った。
さすがにすぐってのは無理で、式のお金を貯めたり、いろいろ準備もあったし。
チャペルはエリスが水のあるところがいいって言うから、
小さいけど湖畔の横にひっそりと佇むここに決めた。

いよいよ式は明日。
招待したリリオやリカルド、ブルーアイズとその旦那も一緒に
チャペルの近くにあるコテージを貸し切って泊まっている。
みんなでにぎやかに夕飯を食べた後、ひとしきり騒いで飲んでもう夜も深くなって、
ようやくみんな自分たちの部屋に引き揚げていった。
546エルディ:2009/07/28(火) 22:51:51 ID:oNZ1ZJ/r

お酒には割と強いエリスだけど、ある一定の量を超えると急に電池が切れたみたいに眠ってしまう。
みんなに注がれるままに飲んでたから、部屋に戻った途端ベッドに倒れこんでしまった。
今頃、ベッドでぐっすり眠っているだろう。
あたしはなんだか眠れなくて、外の空気でも吸おうと一人表に出た。
夜風が気持いい。ひとつ深呼吸をする。
辺りを見渡すと月明かりの中、古いジープが停まっているのが見えた。
あれはリカルドのに違いない。

「よっと」

ボンネットに腰かけて、明るく照らす月を見上げる。
どれくらいそうしていただろう。
小枝の折れる音がして、あたしは無意識に太ももに手を掛けて気付く。
そうだ。もう銃はここには無い。
547エルディ:2009/07/29(水) 00:41:37 ID:iZVRAnH1

「誰?」

声を掛けると、

「俺だ」

と、両手にビール瓶を持ったリカルドが現れた。

「あんた、まーだ飲んでるの?」

「飲むか?」

片方の瓶を差し出す。

「いくら飲んでも酔えないのよね」

あたしは軽い感じで答えながら瓶を受け取る。
548エルディ:2009/07/29(水) 00:42:51 ID:iZVRAnH1

「そうか…」

「あんたもさ、びっくりしたんじゃない?あたしとエリスが結婚ってさ」

「そうだな」

「あたしもまーだ信じられないや」

肩をすくめておどけてみせる。

「でも、そう意外にも思わなかったぜ」

「そっ?」

遠くでコヨーテが鳴いている。

「ナディ…、何か迷いでもあるのか?」


しばらく沈黙が流れた。
手持無沙汰で手の上で瓶を転がしてみる。
549エルディ:2009/07/29(水) 00:46:17 ID:iZVRAnH1

「…あの子さ、後悔しないかな?」

リカルドは何もしゃべらない。

「あの子はひよこっていうのかな。博士が死んで、自己喪失してるところに
 たまたまあたしが現れてさ。ひよこが初めて見た動くものを親だって錯覚するように、
 あの子も錯覚してるんじゃないかな」

「エリスを信じてないのか?」

「そういう訳じゃないけど…」

再び、沈黙が落ちる。


「あたしは別にこんなことしなくたって、エリスの傍にいるのに…」

550エルディ:2009/07/29(水) 00:48:27 ID:iZVRAnH1

夜風があたしたちの間を通り抜けていく。

「…あたしは、あの子に幸せになって欲しいの。
 無表情で感情も乏しかったあの子が、最近はさ、本当に楽しそうに生き生きしてるのよ。
 この世の中は光輝いてる。あの子にはこれからもっともっと、
 みんなに愛されて生きていって欲しいの」

「ナディ…」

ずっと開けずに手のひらで転がしていたビールがすっかりぬるくなってしまっている。

「あたしなんかでいいのかな…。
 あたし、あの子を幸せにする自信なんてない…」

リカルドが夜空を仰ぐ。
551エルディ:2009/07/29(水) 00:50:20 ID:iZVRAnH1

「ナディ、お前はわかってない。エリスが何故、結婚式なんてもんをしたがってるのか」

「だからそれは、ウエディングドレスが着たいからで…」

「そうじゃない。それはいくつかある理由のうちの一つだ。それが主じゃない。
 エリスはお前に幸せにしてもらおうなんて考えてない。
 エリスはお前と二人で幸せを作っていきたいんだ。
 だからそれを神様とみんなの前で誓いたいのさ」

あたしは月を見上げる。

「お前たちがいつもお互いを思い遣ってるのはわかってる。
 エリスが幸せになるにはお前が必要なんだ、ナディ」

すうっとあたしの頬に涙がこぼれる。後から後からこぼれてくる。
エリスの一番近くにいたのに、あたしは一体エリスの何を見ていたんだろう。
リカルドはあたしの涙なんて気づいてない素振りで、
月を眺めながらぬるいビールを飲んでいる。
涙が止まるまでの少しの間、ただ黙って二人で心地よい夜風に吹かれていた。

552エルディ:2009/07/29(水) 00:52:48 ID:iZVRAnH1

「少し喋りすぎたな」

リカルドが帽子のつばを下げながら言う。

「ありがとね、リカルド」

「いいから早く休め。明日は早いぞ」

「あんたもね」

相変わらずのしかめっ面のポーカーフェイス。
でもこのリカルドに育てられてるリリオは、
きっととびっきり素敵なボニータになるに違いない。
リリオが年頃になってボーイフレンドなんて連れてきたらどうするんだろう。
そうなったら、このポーカーフェイスもさすがに崩れるんだろうな。
そんな未来を想像して口元が綻ぶ。

「おやすみ、リカルド」

「ああ」

553エルディ:2009/07/29(水) 00:54:10 ID:iZVRAnH1


音を立てないように階段をのぼり、
一番奥にあるあたしたちの部屋のドアをそおっと開けると、
出て行った時と変わらない体勢で寝ているエリスが見えた。
そっとベッドの端に腰かけて、柔らかい金色の髪に触れる。

「ん…、ナディ?」

「ごめん、起こしちゃった?」

「…ねむれないの?」

「ううん。これから寝るとこ」

「そっか」

エリスが見上げる。
554エルディ:2009/07/29(水) 00:55:31 ID:iZVRAnH1

「ナディ、結婚式、いや?」

「なーによ、いきなり」

「だってナディ、きょうずっと変だったから。ナディのことが心配」

気付かれてたのか。
ほんと敵わないなぁ。

「ばっかね、ちょっとナーバスになってただけ」

「ナーバスってなに?」

あたしは苦笑しながらエリスを抱き寄せる。

「いいの。さ、明日は早いんだからもう寝よう」

「いえっさ」

あたしの腕の中ですぐに安らかな寝息を立て始めたエリスを見つめる。


「そうね。二人で幸せになろうね、エリス」


そして、あたしは誓いのキスを眠るエリスの頬にそっと落とした。


555エルディ:2009/07/29(水) 00:59:09 ID:iZVRAnH1

…以上です。

今まで稚拙な文章にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
小説は初めて書いたんですが、ここまで不思議にあれこれ二人の様子が浮かんできて
すごく楽しかったです。
これからはまた1ファンとして、地味に暗躍していきたいと思います。


>>524>>542

ノワールは他の方からもお薦めされたんですが、近くのレンタル屋には置いてなくて…。
エル・カザドもあちこち探して、隣駅まで遠征して見たんです。
でも、機会があればノワールもぜひ見てみたいです。
ありがとうございました。

>>543

新婚生活ではありませんが、結婚式前夜でご容赦下さいね。
楽しんでいただけたら幸いです。
556名無しさん@秘密の花園:2009/07/29(水) 21:40:53 ID:UL6UhScS
とても良かったです!ありがとうございます。また機会があればお願いします!
557名無しさん@秘密の花園:2009/07/30(木) 13:21:25 ID:JNUX8X+5
リカルド•••相変わらずいいやつだ
本編と比べても違和感ないよ!

エルディさんのSSが、だんだん
心のオアシスになってきましたよ
558名無しさん@秘密の花園:2009/07/30(木) 22:47:22 ID:+xtWWooO
>>555
感動した!
本当に、初めてとは思えないGod Job!!
機会があれば是非マドラックスも、と言いたい所だけどあれもほとんどレンタルにないね
オンラインで配信ならあるけど…
559名無しさん@秘密の花園:2009/07/31(金) 08:45:44 ID:YLU1sb1Z
>>555
もう終わりなのか。寂しい…本当にありがとうございました!
結婚直前でエリスが後悔しないか不安になるとか、
ナディが愛される自信なさ過ぎで悶えました。大好きです。
560名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 06:03:47 ID:SL5q+MKb
あくまでも参考までに聞きたいんだけど、
リメルダとマドがあの後二人で暮らしてるとして、リメに対するマドってどんな感じ・態度だと思う?
生活感ある会話を一つもしてないからマドのキャラが安定しないorz
561名無しさん@秘密の花園:2009/08/01(土) 06:06:31 ID:SL5q+MKb
失敬
×マドのキャラが
○リメを好きなマドのキャラが
562名無しさん@秘密の花園:2009/08/03(月) 22:02:20 ID:7jOHmaS9
続きが欲しい><
563名無しさん@秘密の花園:2009/08/03(月) 22:26:51 ID:LxagHX5d
いつでも戻ってきてください。
         ――あなたのファンより
564名無しさん@秘密の花園:2009/08/06(木) 13:54:38 ID:csqA/pm2
ナディエリ小説でぐぐってみ
565名無しさん@秘密の花園:2009/08/07(金) 13:52:49 ID:YKq3vrp1
コピペだと・・・・!?
566名無しさん@秘密の花園:2009/08/15(土) 23:22:02 ID:eEnKCpil
小説更新されてたな
567名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 11:15:52 ID:bxz+SQY3
え?どこどこ
568名無しさん@秘密の花園:2009/08/16(日) 21:31:22 ID:42fme5b9
>>561
ふつーっしょ?
マド「マズイわ…(もくもく)」
リメ「それにしてはずいぶんと箸が進んでるみたいだけど? くすっ…」
マド「ふふ…(いつもの優しい笑み)」
569名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 00:35:58 ID:GJZgNqeD
忙しくて中々リメマドネタに食いつけなかった…

>>560
リメルダって窓のことを「あの子」って呼んでるんだよな
だからって窓の方は、リメをお姉さん扱いってわけでもないような
かと言って年下扱いしないで!って感じでもないような…

難しいな もう一度観直したくなってきた
570名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 03:29:48 ID:VCF2qSud
超遅ればせながら、エル・カザドを一気見した。遺言はこれだ。

ナディエリ最高


Adios!
571名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 08:22:27 ID:iHSYJxIh
ナディエリは最高。これはアニメの真理。
572名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 08:24:38 ID:GIZx86Jr
wikipediaで調べてたら
アルテナの中の人がまる子ちゃんと知ってshock!
573名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 10:09:25 ID:uTgWOZX0
もっとみんな見てくれるといいよな。エル・カザド。
でも今頃取り上げてるサイトさんもほとんど無いしな。
このまま尻すぼみになっていくのは寂しいな。
祭りとかあればいいのにな。
574名無しさん@秘密の花園:2009/08/21(金) 20:18:59 ID:a+XhHhby
>>568
自分が考えてたマドより控えめだ。
でもイメージできるわ。

>>569
その点ではクライアントやヴァネッサに対してもそうだったように、
マドはリメに対しても年齢気にせず対等に接してるとは思う。

前回書き込みしてから色々考えてたらなんとなくイメージ固まってきたよ。
レスサンクス。
だがリメルダの普段着が全く想像できないwww
575568:2009/08/22(土) 01:36:37 ID:niEZ0fZd
>>574
リメ公はあまりファッションには気まわさないんじゃないか?
「お国のために〜!」と一心不乱にがんばってきたからさ。
そして普段着ときいてなぜか真っ先にノースリーブが思い浮かんだ…
オレはセンスなさそうだなorz
576名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 07:10:10 ID:dSO8HIJw
リメルダの下着はどんなもんか激しく気になる。
軍人だったから地味めなのつけてそうだけどカロッスアとの時どうだったんだ。
黒かな。黒か?黒なのか!?
とりあえずつなぎの下は真っ裸だと踏んでいる。
577名無しさん@秘密の花園:2009/08/23(日) 23:44:27 ID:jQQZcFFY
カロッスアさんのときは
「(や、やっぱり・・・男の人は…黒がいいのかな…???
で、でもでもっ! こ、こんな…スケてるのこんなの、干せないじゃない?!
で、でも…う、うぅ〜ん… これに…)」
と買うときレジの女店員に目をあわせられないリメルダでした

つなぎの下はスポーテーなやつじゃないか?
578名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 00:39:43 ID:SisWVDJw
>>577
リメルダカワユスwww

スポーテーか、なるほどそれがあったな
つなぎと着物のリメルダはそそるわー
579名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 16:57:28 ID:uaLlNUJH
旅に一区切りついてからそろそろ2年…
ナディとエリスの結婚式はまだですか?つーか何処であるんですか?
580名無しさん@秘密の花園:2009/08/24(月) 23:17:15 ID:Zp69iCOq
>>579

>>564
ナディエリの結婚式が読める
581名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 00:55:04 ID:RvnJeNuY
どうせ自分のイメージだと黒でしょ、って感じで
適度に男受けよさそうなのを選んどく割り切りリメルダもアリ
しかし窓を追って来るときは勝負下着
つなぎの下なのに勝負下着
つなぎの胸元結構あけてたから、スポーツブラではないと思うんだよな
582名無しさん@秘密の花園:2009/08/25(火) 01:38:30 ID:WD6srmyo
ごめん、それはかなり前に検索済だ。
だがナディエリを愛する同士の親切心は忘れない
583リメマド1/2:2009/08/25(火) 21:51:55 ID:R9E0PWH5
>>581
そして時を見計らって破けたつなぎをさらに破いてブラチラさせるリメルダはやっぱりエロい人www

最終話ラストシーンにて


私が運転するジープは聖地を後に、首都へと爽快に走っていた。
隣にはひたすら追い求めたマドラックス。
この子とドライブデートできるなんて夢にも思っていなかった。
向かい風が心地良い。ジープに乗る前に大きくさせておいたつなぎの破れ。
風ではだけて、いい感じで下着がチラッと見えてるといいんだけど。
「ねえマドラックス、パスタが食べたいなら最寄りの町に寄らない?」
「そうね…もうあの家には帰れないし。それに、とりあえずリメルダの服を買った方がいいし」
「え?」
「つなぎがボロボロで下着が見えるわ。なんだかみっともないわよ?」
ああ、良かれと思ってやったことが裏目に出るなんて。
私は曖昧に返事をするだけで精一杯だった。



1時間程ジープを走らせると小さな町に着いた。
代わりに買ってくるからと、町の入り口にジープと私を置き去りにして行くマドラックスを見送る。
全く通じなかった自分の色気に自信を無くしそうだ。
ハンドルに突っ伏して深く溜め息を吐いた。


程なくして戻ってきた彼女から受け取った包みに入っていたのは、薄い若草色のワンピースだった。
「リメルダって緑系の色のイメージだから」
緑って和みとか癒やしの色よね。
この子から見て、私はそんなイメージなのかしら。
けど、高揚した気分を再び突き落としたのは次の一言だった。
「ほら、軍服とかつなぎ着てるでしょ?たまには明るい色を、と思って」
ああ、そうなの…。
584リメマド2/2:2009/08/25(火) 21:53:52 ID:R9E0PWH5
それからその町唯一の飲食店でパスタを食べている間も、
これまたその町唯一のこじんまりとしたホテルの一室を取っても、
気持ちを落ち着けようとシャワーを浴びても、肝心の一言が言えずにいた。
「見続ける」とは言ったけれど、それが「ずっと一緒にいたい」と受け取ってくれているかはわからない。
とにかく、「一緒に暮らしたい」と言う旨を伝えてはっきりさせなければ。
自分はこんなに奥手だったろうか。恋愛下手だったろうか。
カロッスアとなら簡単だったのに。
立ち替わりにシャワーを浴びに行ったマドラックスの立てる水音が気になって仕方がない。
余裕のない自分に、本当にあの子のことが好きなのだと改めて気付かされる。
17歳の年下に翻弄されるなんてね。
だけど経験はこっちのが豊富なはず。
今度こそ上手く駆け引きして勝たなきゃならない。


ベッドの上で壁に寄りかかって考え込んでいると、同じバスローブ姿でマドラックスが部屋に入ってきた。
「もう電気消していい?」
髪を拭きながら彼女は尋ねる。
「え、もう寝るの?」
「朝一でここを出るわ。
私は仕事の依頼が入ったし、出来れば明日の内にダマンで部屋を見つけたいの。
今度はもう少し広い部屋にしないと。あ、テラスは必須だと思うんだけど、どう?」
彼女の話についていけずにいると、そんな私に気付いたようで
「これからも見続けるんでしょ?私を」
悪戯っぽい笑顔を向けられる。
「…!ええ、勿論…!」
素直な笑顔を出しそうになるのを抑えて、私も含み笑いを返した。
だがこの同居人(明日からの)を落とすのはそう簡単ではないだろう。
そう思いつつ入るように促したタオルケットを尻目にマドラックスはソファーに横になった。
持ち上げていたタオルケットが、私の腕を滑って空しくシーツに落ちる。
訂正。落とすのはかなり、難しい。



なんか即興で書けてしまった。
今まで練りこんでたのはなんだったんだろう。
PCからなんだが改行とかがおかしくて読みにくかったらすみません。
585名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 08:36:35 ID:NWqDHsrW
>>583-584
マドラックス観た事ないんですが、その、
リメルダさんって可愛いですね、ありがとうございます。
というかこれで即興とか許せないでs(嫉妬いくない
586名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 15:40:32 ID:k72vAi4A
リメルダは怖い人
587名無しさん@秘密の花園:2009/08/26(水) 22:40:19 ID:9sugC540
正直MADLAXは窓と怖い人の絡みが見たくて買った
ラストがさっぱりしていて、残念なような、妄想が膨らむような
588名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 02:22:12 ID:fDp4gijW
エル・カザドの最終話さっぱりさとその後の妄想の膨らみ具合は異常。

…しかし最初にエル・カザドから入った俺は、どんな気持ちで噂のNOIRや窓を見れば良いんだ…
589名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 02:26:54 ID:8pGeH8J5
同衾タイムにハァハァする気持ちで見ればいいと思う
590名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 08:42:37 ID:G6FK/O+X
カザドから入ってノワールは意外と広き門だった。終わり方が切ないけど…
591名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 16:50:20 ID:e/kRaBwP
>>590
ttp://noir2ch.at.infoseek.co.jp/
FAQ見れば明るくなれる
592583-584:2009/08/27(木) 21:37:30 ID:tJZvYAXl
>>585
リメルダは怖い人でエロい人ですけどかわいい人ですよー。
これで興味持ってもらってMADLAX見てもらえると嬉しいです。
593名無しさん@秘密の花園:2009/08/27(木) 22:40:29 ID:8m4U2JMa
>>591
こんなページあったんだ
センキュー!
594名無しさん@秘密の花園:2009/08/28(金) 12:15:09 ID:CFvwzglU
>>591
最後読んだ。公式絵があるんですね。ホントありがとう。
あとはそれを一目でも見れれば…
にしてもnoirってばイラスト集まで出てるとか(^ω^#)ピキピキ
595581:2009/08/28(金) 23:05:09 ID:3PQ7cyld
>>584
GJ!!!!!
窓の言動に一喜一憂する怖い人イイ!
読んでて場景が脳内に浮かんできたよ
気が向いたらまた書いてくれると嬉しいな

放送終了して結構経つのにこうして語れるのはいいものだ
これで窓のBOXが発売されれば言うことなし!
596名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 05:03:06 ID:9XaCaNM7
>>594
窓やエルカザドのイラスト集ってないの?
597名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 09:25:25 ID:QvZnuTzD
MADLAXは詳しく知らないけどエル・カザドは無いですね…
その所為でアニメ制作時使ってたとかいう設定資料が高値で出回ってますし。
598名無しさん@秘密の花園:2009/08/29(土) 09:39:00 ID:jfQaLEF8
>>596
窓はあった希ガス
見た事はないけど
599584:2009/08/29(土) 20:04:09 ID:u2DpdVaC
>>595
ありがとうございます。
「つなぎなのに勝負下着」と聞いてばばっと思い浮かんだので
勢いで書いてしまいました。

遅筆極まりないですが、書けたら
またうpさせていただきたいと思います。


>>596
MADLAXはムック本が出てますよ。
sssの顔も載ってます。
600名無しさん@秘密の花園:2009/09/02(水) 14:49:01 ID:5aP2ZOAt
>>580

小説続き書いてたの知らなかった。
最後の良かったな。
教えてくれてさんくす。
601小ネタ:2009/09/02(水) 20:30:34 ID:fBBzm2Sl
マド&リメ投下。



振り出したスコールから逃げ遅れ、ようやく見つけた軒下に逃げ込んだ頃にはずぶ濡れになってしまっていた。
両手に紙袋を抱えて灰色の空を見上げて私は息をつく。
いつもより勢いは弱い気がするけど、30分、下手したら1時間は足止めかな。
傘を持ってこなかった事を後悔したが、両手が塞がっていては差すこともできないし、そもそもスコールの中で傘などほとんど役に立たない。
ガザッソニカの首都、ダマンに戻って一息吐くと新しいアパートを借り、生活に必要最低限のものを揃え終えた。
他のものは後々増やしていくとして、最終的な部屋の片付けをリメルダに任せ、夕飯の買出しに出てきたのだ。
両腕に抱えた袋を見て思う。
今までは自分一人の分だけだった。
これからは、リメルダと私の二人分。

「マドラックス」
声のした方を振り返ると、レインコートを着たリメルダが立っていた。
思わず呆気に取られてしまう。
「…どうしたの?」
「お迎えよ。片付けも終わったし」
この人はからは本当に逃げられないと心の中で苦笑した。
遅くても一時間もしないうちに降り止むというのに。
もっとも、逃げるつもりはもう無いのだけれど。
だって気付いたらいつの間にか捕まってしまっていたんだもの。
「迎えに来てくれた気持ちはありがたいけど、レインコートだなんてつくづく実用主義なのね」
「花柄ならマシだった?」
「…似合わないわ」
想像してみると違和感があり過ぎてあり過ぎて。
「な、失礼ね」
不服そうな顔をされたって、軍服か作業着のイメージが強すぎるんだもの。
今のリメルダはひとまず買ったラフな服装のままで、その上には透明のレインコートだ。
でもきっと、この人の女らしい所もこれから少しずつ知っていくんだろう。
「どうして私の分も買ってきてくれなかったの?」
「最後の一着だったのよ」
見え見えの嘘だと知りながら何も言わずに、リメルダが広げたレインコートをかぶる。
「片方持つわ」
「ありがとう」
紙袋の一つを渡し、空いた右手でコートの裾を引っ張る。
レインコートをかぶっただけじゃ傘と同じで、家に着く頃には二人ともずぶ濡れだろう。
息を合わせてどしゃ降りの雨の中へ走り出す。
時々肩がぶつかって、噛み殺していた笑いをどちらともなくふき出した。
些細なことがこんなに楽しいとは知らなかった。
夜の森で吐露したifの話が現実になった。
リメルダと友達になれたこと。
近づくにはお互いまだ言い訳めいた理由が必要で、もどかしいけどそれすら楽しんでいる自分がいる。

もう一つのifの話?
…なんだったかしら。


「面倒だから一緒にシャワー浴びましょ」
「嫌よ、変態」

===========
キスまでもう少し…っ!
602596:2009/09/03(木) 10:38:55 ID:UQDt4wUe
ネ申だ!
603名無しさん@秘密の花園:2009/09/04(金) 01:15:30 ID:XrHfE/5C
ナディエリで好評らしいドラマCDを海女で頼んだんだが、まだ着かないんだぜ。5日も待たせんなよ〜
604581:2009/09/04(金) 23:55:18 ID:JIEW3Luz
>>601
一つ布団の下にはまだ入れないけどレインコートなら…っ!
と思ったらww
まだまだ翻弄されそうなリメルダさんカワユス
出会いから原作でのエンディングが波乱万丈だっただけに
その後こういう日常のちょっとした出来事から距離が縮まっていくってのがいいな
605名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 12:29:39 ID:DV0QSkxo
リカルド「age」
606名無しさん@秘密の花園:2009/09/12(土) 20:04:15 ID:GjsxRmWY
ちゃーん!
リリオだよ。
607名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 18:08:01 ID:BlK4HfbS
タコタコタコース おいしいタコス イケてるタコスはアミーゴターコース♪

タコスの廃品回収にまいりました。
支部長のブルーアイズです。
608名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 18:31:19 ID:TnToJw9J
えへっ はどうした えへっ は
609名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 19:32:11 ID:8LEzqgHt
>>607
ブルーアイズにSッ気たっぷりにいい詰めるナディ(orエリス、二人でも可)
という風景が浮かんだ。
メモっとこう
610名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 22:08:33 ID:BlK4HfbS
何たる不覚!
えへっを忘れるだなんて!
カザドを語る資格なんてない、もう自分には。倒置法。
611名無しさん@秘密の花園:2009/09/13(日) 22:17:05 ID:BlK4HfbS
タコスの廃品回収してると、突然現れたナディとエリスに責めたてられるブルーアイズ。
涙目で2人に抗議するブルーアイズ。
次回の廃品回収はどうなる?

つづく
612名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 00:56:34 ID:8HeqFPqy
ブルーアイズを追いかけてアミーゴタコスの社員になったBレディ1号・2号×支部長
とかいいと思ったんだけど、意外と描く人がいなかった…
613名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 01:17:53 ID:2hELv5N2
意外と紫髪はカワイイ瞳してたしね
金髪はツリ目かなぁ…ミレイユ似なのが…
614名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 01:44:55 ID:N0Csqv/4
>>607
もっと貧乳な女を連れて来い
615名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 04:19:46 ID:OWF3HfG5
思った。「魔法少女リリカルエリス」って、完全無欠に当てはまるんじゃないかって。

そして運命(fate)の人がナディ。
616名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 05:03:43 ID:H4TI6UkC
運命の人を拘束して撃ち落すのかw
617名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 16:52:17 ID:g/LNEAPj
>>612
支部長ってどなたでしたっけ……
618名無しさん@秘密の花園:2009/09/14(月) 18:47:35 ID:WbAnAXv/
ヘイワードのことだろ?
619名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 08:33:06 ID:FTDN8mgz
>>615
プロジェクトFとかエリスがはまり過ぎだから逆では?
620名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 11:29:34 ID:cxxp9eek
>>619
単に「魔法」「少女」「百合っぽい(これは意図的に間違い)」がすげー適格に当てはまるんじゃないかということ。
621名無しさん@秘密の花園:2009/09/15(火) 23:35:23 ID:y1p8Nfbv
一日一善。

L・Aだよ。
622名無しさん@秘密の花園:2009/09/16(水) 08:53:56 ID:M+myG7Bh
>>620
確かに細かい設定に敏感になり過ぎました。
どっちがどうとかの話じゃないですね、すみません。
623名無しさん@秘密の花園:2009/09/16(水) 10:46:09 ID:vhivNgdD
またつまらぬものを撃ってしまった。

リカルドだ。
624名無しさん@秘密の花園:2009/09/17(木) 10:22:02 ID:SJauis8W
海賊王にわたしはなる!

エリス

625名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 02:23:26 ID:uf/lhgSh
この味わい…感しょもとい触感…相変わらず最高ね…

エ○ス。ちょっと大人のビールです。

ナディよ。
626名無しさん@秘密の花園:2009/09/18(金) 13:40:13 ID:NMAaL21F
なんで伏せ字wwwww
627名無しさん@秘密の花園:2009/09/22(火) 20:55:50 ID:BObhq8TO
釣りはいらない!

エリス
628名無しさん@秘密の花園:2009/09/25(金) 19:32:17 ID:lwxEbMaE
「赤ちゃんってどうやってつくるの?」
エリス
629名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 09:57:54 ID:rFvb4rrf
「いいよぉ〜、エリス。ぼくが手とり足とり教えてあげるよ〜」
630名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 10:09:49 ID:lXx0fRHX
もう終わりにしよう…エル…名前忘れた…
631名無しさん@秘密の花園:2009/09/26(土) 10:11:20 ID:jP0KklyQ
エルカンターレ
632名無しさん@秘密の花園:2009/09/27(日) 12:47:01 ID:7adcQHok
バイバイ、エルエー。ナディに教えてもらうから。
633名無しさん@秘密の花園:2009/09/28(月) 19:34:14 ID:uicG6Q8q
本気で二期を期待してるんだかな・・・・・・何年待たせる気だ?せめてOVAだけでも・・・・
634596:2009/09/29(火) 16:21:04 ID:/TRtV0i5
待ってたのか!健気な・・・
635名無しさん@秘密の花園:2009/09/30(水) 17:43:18 ID:DJ2htSvK
ファントム終った直後だけど、次回作はいつ頃発表するんだろ?
636名無しさん@秘密の花園:2009/09/30(水) 21:04:40 ID:CtX6pfc3
ノワールのBOX発売が決まった時から、次は窓だよな!と信じて待ってたんだが
未だに何の音沙汰もないな…
三部作ってそれぞれどの位売れてるんだろう
637ムラムラ:2009/09/30(水) 23:58:02 ID:oV54ooF8
みんなには悪いが取りあえず マレンヌは俺の嫁
638名無しさん@秘密の花園:2009/10/01(木) 01:20:58 ID:hSoGbky1
みんなには悪くなく、エリスはナディの嫁。
639ムラムラ:2009/10/01(木) 07:27:28 ID:1XtMQntR
みんなには悪いが取りあえず マレンヌは俺の嫁
640名無しさん@秘密の花園:2009/10/01(木) 08:24:38 ID:xWhtOaoK
分かってると思うが、霧香はミレイユの嫁(離婚不可)
641名無しさん@秘密の花園:2009/10/01(木) 08:27:28 ID:iPLxxkz8
>>638 申し訳ないが、ナディが嫁でも可
642名無しさん@秘密の花園:2009/10/02(金) 04:04:44 ID:Ny1YiiEc
何と言おうと、窓は羽の嫁
643名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 10:43:05 ID:8YsPUztd
実際には怖い人との三角関係
644名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 12:30:47 ID:lIVFOyX8
俺に絵心があればみなみけ1期のOPの1:22辺りをトレスして
ミ←霧←クと羽←窓←怖を書くんだけどね
エルカザはまだ10話までしか見れてないから相関図がよく分からないが
ナ←エ←Lでいいのかな?
645名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 14:22:54 ID:KtHWArYg
>>644
スネーク「食えるか!」

の場面?
(たおれてるとこ?)
646名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 14:30:27 ID:oMbbcX0N
>>644
ナ→←エ←Lだと思う
647名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 16:38:20 ID:AayrIjRP
もっと細かく言うと
×ミ←霧←ク
○ミ→←霧←ク

×羽←窓←怖
○羽→←窓→←怖
648名無しさん@秘密の花園:2009/10/03(土) 23:02:41 ID:MLwi20pL
>>646 いやいや
ナ×エ ロ↓←L
  ↑←←←
649名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 10:48:18 ID:33d1gjBp
>>648
つまり「いやいや」→「×」ということでいいのだろうか?
650名無しさん@秘密の花園:2009/10/04(日) 15:36:40 ID:9sZf+FNo
流れを汲むべきでしたすみませ…
>>648 そういうことです
651名無しさん@秘密の花園:2009/10/05(月) 00:24:40 ID:uVSWViWj
アンカー間違えた…
>>650>>649
652名無しさん@秘密の花園:2009/10/05(月) 22:40:03 ID:6OIZaSr9
なんかみんな本スレ行っちゃったのかな?
書込みペースがすごいよ
653名無しさん@秘密の花園:2009/10/05(月) 23:47:24 ID:uVSWViWj
あそこ胸の話になると人増えるんだよね
654名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 09:19:13 ID:FD8NKtOz
本スレってどこ?
655名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 17:55:10 ID:tLPnFodS
懐アニ平成にあるよ〜
656名無しさん@秘密の花園:2009/10/06(火) 22:16:09 ID:U1i1S4Vc
あ、NOIRか。カザドと勘違いしてた。
どうしてあんなに盛り上がり方に差があるんだろう
657名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 12:24:52 ID:ye1vVOig
熱烈なファンが多いからじゃ・・・
ちなみに俺は狂信者のレベルだw
658名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 17:47:25 ID:meCNtRt7
そもそもこの作品に対して、2スレしか消化してないのはおかしい
659名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 19:10:58 ID:7fN4GWvu
うーん、本スレが49スレもいってるし
なりきりも10はいったはず
大半のファンの需要は満たしてると思うよ

このスレはその中でも特に百合百合を求めてるファンのためのスレでOK?
660名無しさん@秘密の花園:2009/10/07(水) 20:10:24 ID:DvfjK3zF
板からしておk
661名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 08:23:54 ID:8OBcijZi
しかしネタがなかなかないのがツライな
662名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 09:26:35 ID:o0A8ws6/
せめてカザドのDVD-BOXが出てくれれば…。
しかしあんなにも百合百合しいのに舞-HiMEとか神無月のように残らないのは何でだろう…。
663名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 09:45:31 ID:vkplwXNM
>>662
ストーリーの方が淡白だったから
664名無しさん@秘密の花園:2009/10/09(金) 12:50:39 ID:8OBcijZi
でもDVD-BOXが出ればファンは必ず増えると思うよ
俺もノワールのDVD-BOXを見たから今ここにいるw
665名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 01:53:46 ID:B9PfJUah
舞-HiMEは百合なのか?静なつとかは百合だけど
主人公は変な男が好きだったから見るのが苦痛になった。

エル・カザドでボックスでたら絶対買う
666名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 08:33:28 ID:GKDZttWC
舞-HiMEという作品自体は百合主体じゃないが藤乃静留という一キャラが2004年百合全盛期に千歌音に続く百合を通り越したガチレズだったから
作品自体引っ張られて百合として有名になったんじゃ無かろうか
逆にエル・カザドのどこが百合作品なのか?と人によっては百合の定義が曖昧だし
まぁ舞-HiMEを百合目的で見るなら静なつかでぼ雪だけに焦点当てましょうとしかw
667名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 11:18:37 ID:IubjDaPy
え?エルって完璧に百合だと思ってたよw
俺は全話みてないから、誰か名場面プリーズ!
668名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 11:45:54 ID:sFP5aPcl
>>667
スレ全部読めば分かるだろうに…
>>80-83
669名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 14:23:13 ID:eFr10eWF
カザドのDVD-BOXって出たらいくらくらいなんだろう?
出来れば2万以内だといい。
さらに欲をいえば1万5千円以内だったら
初めての人も買ってもいいかなという気になるんじゃないかな。
670名無しさん@秘密の花園:2009/10/11(日) 16:32:50 ID:IubjDaPy
>>668
ほんとだ!センキュー!

つーかこれ読んで百合じゃないって言うのは無理があるぞw
671名無しさん@秘密の花園:2009/10/12(月) 07:38:26 ID:uN3eMFkj
女子校ものなら百合
女キャラが大量にいれば百合
女キャラ同士手を繋げば百合
女キャラ同士の絆が描かれてたら百合
女キャラ同士精神的繋がりが強ければ百合
女キャラ両方もしくは片方に精神的以上の繋がりを欲求してれば百合
女キャラが女キャラへ男女同等の愛の告白があれば百合
女キャラ同士肉体関係描写があれば百合

人によって色々あるがようは自分がそれに萌えまくって悶えまくって
妄想が止まらず二人の幸せを願えばそこに百合はあるのさ
672名無しさん@秘密の花園:2009/10/12(月) 09:49:58 ID:DgfFfvt1
うまいこと言うな〜
俺的には「精神的繋がりが強ければ」以上だな

673名無しさん@秘密の花園:2009/10/13(火) 21:08:59 ID:kZ8IKPS3
>女キャラが女キャラへ男女同等の愛の告白があれば百合
これMADLAXであるよね。大好きだ
674名無しさん@秘密の花園:2009/10/13(火) 21:24:16 ID:Wj0fz7fx
>女キャラ同士精神的繋がりが強ければ百合
強いってレベルじゃねーぞ@MADLAX
675名無しさん@秘密の花園:2009/10/13(火) 21:36:38 ID:ONWdeCRl
MADLAXの終盤は大好きだ
iPodに入れて持ち歩いてるぜ
676名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 15:24:27 ID:xFWpWoX4
>>674
ノワールもな
とりあえずエンディング後に、二人が一線を超えるに一票
677名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 21:46:28 ID:3qdVUaN0
>>676
カザドだって負けないやい!エンディング後に二線は越える。はず。
678名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 22:09:26 ID:V+aqp8xt
>>677
はずとかw もっと強気で行こうぜ!
679名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 22:28:23 ID:3qdVUaN0
>>678
おうよ!相棒!弱気になってすまなかった。
ナディへたれだからちょっと心配だったんだw
680名無しさん@秘密の花園:2009/10/14(水) 22:36:19 ID:kAJlFRXX
「夫婦に見える?」
「ナディ?」
「仲良し夫婦」
「夫婦は男と女、ってナディがいってた」
「……いいのっ」



「いえっさ」
681名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 08:29:25 ID:mwBNEuQ0
×夫婦○婦妻
682名無しさん@秘密の花園:2009/10/15(木) 10:26:12 ID:Pn6nF/V2
いや、夫婦でいいだろ
683名無しさん@秘密の花園:2009/10/17(土) 10:27:33 ID:Hc+PZ4jl
やばい
百合成分が不足してきた
684名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 10:57:32 ID:gLqGI2LH
うちも百合成分が不足。
ナディが欲しい。エリスが欲しい。
こうパァっと無いかねー。
685名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 22:30:56 ID:HtZWoWwW
百合成分というのは… 糖分や塩分みたいなものか?
不足すると、どうなるんだ?
686名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 23:11:26 ID:r9vxY1mG
日々の輝きが色褪せ性格がさばさばしてくる。
こうなってくるとSSを3本は摂取しないと危ない。
…ナディエリ、ナディエリ!
687名無しさん@秘密の花園:2009/10/19(月) 23:21:16 ID:Aaz3JoMx
俺も似たようなもんだなw
ミレ霧補充しないと・・・
688名無しさん@秘密の花園:2009/10/20(火) 08:11:39 ID:FDAFJ/QY
性格がさばさばしてくるならいいんじゃね?w
お薦めSSあったら教えて欲しい。百合成分補給に。
689名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 01:27:33 ID:NcHojFLw
タイムリーにミレ霧を補充させてもらったけど、そこ個人サイトさんだからなぁ
690名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 08:24:40 ID:AShbkxXf
あ〜、多分あそこだな
そこは確か管理人さんがにちゃん苦手な人だから
そっとしておくか・・・
691名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 12:09:08 ID:zLYKLUo+
自分が思いついたところとは違うな
そこの管理人さんは他ジャンルで2に投下してたはずだから
意外とまだ書いてくれる人がいるんだね、嬉しい
692名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 12:39:59 ID:zLYKLUo+
ちなみに自分が言ってるのは、木に咲く花を英訳した単語のところ
693名無しさん@秘密の花園:2009/10/22(木) 18:12:18 ID:wPzEb7jV
ありったけ探したが、見つからなかったヽ(;▽;)ノ
694名無しさん@秘密の花園:2009/10/23(金) 16:57:39 ID:lhXWB+Oe
>>693
GLさーちで>>692のワードを検索
他ジャンルサイトだからはしゃぎすぎないようにな
695名無しさん@秘密の花園:2009/10/23(金) 20:12:27 ID:tPCNnfml
>>694
センキュー!!
甘々ミレ霧に百合成分補給完了(#^.^#)

作品別でnoirに分類されてなかったから
最初気付かなかったよ
696名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 02:26:19 ID:z1TrbBC8
ナハルがマドラックスに惚れたのって何でだろう
そんなことを最近毎日考えてます
697○∞〜:2009/10/25(日) 12:19:26 ID:h4Khz+uu
だれか、アルテナ×マレンヌ考えた奴いない?
698名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 15:09:02 ID:ct5PG42D
たしかどっかのSSサイトさんにあったような気が・・・
699名無しさん@秘密の花園:2009/10/25(日) 18:17:20 ID:kRgHIOx6
>>696
百合フェロモン
700名無しさん@秘密の花園:2009/11/02(月) 10:42:46 ID:eKEOrj8z
701名無しさん@秘密の花園:2009/11/05(木) 04:22:55 ID:qvVtzib+
しゅガーのような甘い恋の炎が燃え上がるのであったbyエリス
702名無しさん@秘密の花園:2009/11/05(木) 05:19:31 ID:ZlFaaOBi
この3作は、まだ未見なんですが、“百合度”は、
この3作のうち、どれが一番、どれが最下位ですか?
703名無しさん@秘密の花園:2009/11/05(木) 08:33:53 ID:iQAfp1hI
>>702
どれも同じ位じゃないかな
ただし作風は違う

元気になりたい->エル・カザド
暗い気分にひたりたい->ノワール
いっそ狂ってしまいたい->マドラックス
704名無しさん@秘密の花園:2009/11/06(金) 22:35:35 ID:AphigzV0
エル・カザドはほのぼの百合
マドラックスはどのカップリングに注目するかによって色々
ノワールは…緊張感のある百合、かな
ある意味窓が一番多彩かも
705名無しさん@秘密の花園:2009/11/08(日) 14:08:04 ID:Mrimd7mV
ニーズを幅広くカバーしてるなw
706名無しさん@秘密の花園:2009/11/13(金) 19:37:22 ID:G6WxcnAe
エルカザドが一番好き
他のも好きだけど
707名無しさん@秘密の花園:2009/11/13(金) 20:27:51 ID:2S6HSP87
エリスってマンコ舐めてあげたりしたらちゃんと気持ち良がってくれると思う?
708名無しさん@秘密の花園:2009/11/14(土) 06:05:41 ID:kJT0PjLq
多分普通によがると思う
709名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 00:38:30 ID:rxeAps3l
多分相手がナディじゃないとダメ
710名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 01:14:05 ID:m8gs9DeJ
伊藤静は清水愛が家に泊まった時、絶対何もしないからと言って同じベッドで寝たらしいじゃかいか。


むしろ何かしてくれてたら、音声録音してリアルナディエリの完成だったのに…
711名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 01:52:57 ID:f/BjvdWQ
伊藤さんが客人の清水さんにベッド明け渡して
床で寝ようとしたのを清水さんが「何もしないから」って
無理言って一緒のベッドで寝ることになったっていうのは聞いたな。
最初なにかされると思ってたのは伊藤さんだったとかなんとか。
でもその後ベッドの端で伊藤さんも「何もしないから」と…。
両者とも言い分同じってどういう…w
712名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 06:08:42 ID:PeFzSoqs
>>707
エリス「そこもっとー」
713名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 08:30:16 ID:kLynxoxC
三石桑島、沙苗久川、静愛を同室に呼んで三部作名シーンコメンタリー収録して欲しい
714名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 08:55:33 ID:AY2bS47K
>>711-712
「何もしないから」と言ってる時点で、お互いを「何かしてくる相手」と認識してるわけだ。
そして二人とも旦那への義理立てで一晩一睡も出来ずw
715名無しさん@秘密の花園:2009/11/15(日) 16:21:41 ID:puqxq9A0
>>713
>三部作名シーンコメンタリー収録

それいいなあ。ブルーレイが出たらぜひ収録して欲しい。



…再生環境ないけど orz
いまだに VHS だけしかない。
716名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 04:51:10 ID:KitEu74h
>>709
じゃあ皆相手が決まってるじゃんw
717名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 08:26:38 ID:RrTzl2Zh
それでいいと思う(真顔
718名無しさん@秘密の花園:2009/11/17(火) 21:56:12 ID:KitEu74h
やっぱりそうだよな
死ぬまでパートナーは変わらないに一票!
719名無しさん@秘密の花園:2009/11/18(水) 19:17:29 ID:vPk8TpOn
しかしこれもうグッズ出ないだろうな・・・
知るのが遅すぎたよ

まあ散々百合作品を見尽くした後だからこそ
Noirの良さに気付けたんだけどね
720名無しさん@秘密の花園:2009/11/20(金) 06:54:27 ID:cVmXvMgr
いや、まだ間に合う。DVDを買い占めたら・・・・・いや、無理か・・・・・
721名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 10:38:17 ID:Y0PuXclS
何度DVDを見ても飽きないな
722名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 11:27:47 ID:VwA/KLOC
カザドから入ってNoirはほんと良かった
自分が好きそうな人がことごとく脱落者と
聞いてまったく手が出ないマドラックス…
723名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 13:02:23 ID:Y0PuXclS
俺はNoir見てから、百合コレクションを段ボールごと手放したよ

これがあればもう何も要らない・・・
724名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 13:38:26 ID:XfdMulrZ
>>722
脱落するのって物凄く終盤だよ
俺の大好きなあの人もアレしちゃったけど、MADLAX好きだ
725名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 16:58:49 ID:jl2mpyop
>>722
見てもないのに批判すんなよ
そして乗り気じゃないなら見るなよ
726名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:07:39 ID:VwA/KLOC
すみません、観てないから許して
727名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:13:15 ID:VwA/KLOC
なんか主人公を探して一人さまよってそのままとか聞いたんだけど、
そんなに終盤なら過敏すぎました…ごめんなさい
728名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:20:09 ID:XfdMulrZ
大分誤情報つかまされてんなw
序盤はマドラックスとマーガレットの二人の話が交互に並行していく感じで
徐々にそのラインが交差していって、って感じだよ
729名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 18:21:57 ID:XfdMulrZ
並行しての後「進んで」が抜けちゃった
730名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 22:52:55 ID:Y0PuXclS
まあ自分の好きな人がアレしたら誰でもショックだよな

俺もNoirの最後でショックを受けた一人だけど
ムック本見て救われた記憶があるな・・・
731名無しさん@秘密の花園:2009/11/23(月) 23:16:36 ID:nq7UBnfj
>>725
そんな殺気立たなくてもええやん。まぁ、バーボンでも飲んで落ち着こうや。(´・ω・`)

>>722
あんたは率直なええ人や。でも作品を好きな奴からしたら少し不用意やったかな。
まぁそう言っとる俺も見てないんやけどな。
732名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 05:51:38 ID:USpYnbEi
>>731
あんたもええ人や。まあ皆でバーボン飲もうや
733名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 08:27:48 ID:lavtBxeB
まぁあれやな、新キャラ関西系の登場に戸惑いを隠せへんわ
734名無しさん@秘密の花園:2009/11/24(火) 08:50:32 ID:YnjA1DzY
そやな。人生いつもサプライズやな
735名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 08:33:39 ID:XyKoTl9s
リカルド「人生は、出会いやな」
736名無しさん@秘密の花園:2009/11/25(水) 21:10:27 ID:ucec9Z3I
「この不景気じゃ、うちのタコスも商売あがったりですわ〜」

ブルー・アイズ
737名無しさん@秘密の花園:2009/11/30(月) 20:05:08 ID:jlJMeBLo
まったりしてきたことだし、DVDでも見てくるか・・・
738名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 08:58:04 ID:6S03/zod
夢の中でカザドの続編?番外編?みたいのがやってた
相変わらず心が温まる話だった
百合成分は…覚えてないけど…
スレチかな…スマソ
739名無しさん@秘密の花園:2009/12/01(火) 19:56:46 ID:Z4NIOXy9
めちゃくちゃ羨ましいな
俺はノワールの続編を見たいよ
もちろん百合百合でw
740名無しさん@秘密の花園:2009/12/03(木) 01:32:03 ID:Fh4CcHJo
>>738
寒い冬。ぜひナディエリで心温まりたい。
その夢を文章化キボンヌ!
741名無しさん@秘密の花園:2009/12/08(火) 22:33:56 ID:3tBxrpEZ
静かだな、とても。
742名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 18:02:45 ID:NKXfdD69
第4話の波の音を思い出すな・・・
743名無しさん@秘密の花園:2009/12/09(水) 22:05:38 ID:iYnK5E4k
ここはとても普通な場所・・・
744名無しさん@秘密の花園:2009/12/13(日) 22:06:23 ID:HvtT/7Jk
今日のTBSの世界遺産で荘園っぽいところ出てた
位置は微妙に違ったが、昔は葡萄畑が盛んだったらしいし、麓の町もそっくりだった。
745名無しさん@秘密の花園:2009/12/13(日) 22:06:58 ID:HvtT/7Jk
微妙に誤爆ったorz
746名無しさん@秘密の花園:2009/12/14(月) 20:21:32 ID:LBbJcUWQ
いや、いいんだ・・・気にするな・・・
747名無しさん@秘密の花園:2009/12/16(水) 12:25:02 ID:xgLw5/Rq
何万回と言われたがエル・カザドの最終回の良さは異常だよな?

2人を遠くから見てみたい・・・
通行人Aでいいから・・・・
二次に行かせてよ・・・
見るだけだから・・・
748名無しさん@秘密の花園:2009/12/17(木) 23:28:27 ID:7QAkf80P
2人はクリスマスをどう過ごすんだろう

749名無しさん@秘密の花園:2009/12/18(金) 04:26:59 ID:Vw/vKOrU
そりゃもちろんラブラブイチャイチャキャッキャウフフでギジア遺言があったらどうぞ?
750名無しさん@秘密の花園:2009/12/18(金) 05:39:44 ID:DLef7PX7
まあミレ霧もそんなかんじだな、多分
751名無しさん@秘密の花園:2009/12/18(金) 23:27:23 ID:0Z1hfdaL
二組ともラブラブでいいねえ
お幸せに
752名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 00:15:55 ID:szKogqc7
赤い糸が太すぎますw
753名無しさん@秘密の花園:2009/12/19(土) 00:17:45 ID:H67HjB9R
一方リメルダは窓のためにクリスマスのパスタを茹でていたが
茹で上がる前にちゅっちゅするのに夢中になりすぎて、アルデンテとは程遠い状態に
それでも窓は「だから後にしようって言ったのに…」と言いつつ完食
そして心置きなく更に濃厚n(ry
754名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 00:34:14 ID:Wj4jTdxX
>>753脳内で再生できる不思議!!!!!
755名無しさん@秘密の花園:2009/12/20(日) 00:36:30 ID:QaBl6Myw
リメルダのためだけにDVD揃えた甲斐があったってもんだ( ;∀;)
756心理学者青井瞳のオンライン恋愛診断室:2009/12/23(水) 04:03:26 ID:FFKA3/tB
====================================
はじめまして。賞金稼ぎの20歳独身です。

私は、今結婚を考えている人が居ます。

従事する仕事のブランドに惹かれるのではなく、
純粋に自分を好きになってくれる人と一緒になりたいと思い、
その子に、「銃を捨てて、田舎にタコスの店を開きたい。」
と切り出しました。それでも付いて来てくれると思っていたのですが、
その台詞を言うとやんわり断わられました。

結婚なんて向こうは考えておらず、私が思い上がっていたのでしょうか?

(20歳 女性 中南米 独身)
====================================
757心理学者青井瞳のオンライン恋愛診断室:2009/12/23(水) 04:04:43 ID:FFKA3/tB
あなたが彼女に仕掛けているテストは、あまり意味がないわ。
(相手が男性だと思い込むと思ったの?アホね。)

意味がないどころか、そんな心理テストをことあるごとにしていると
彼女があなたから去っていく危険性があります。

もし、本当にあなたのことを「純粋な気持ち」で彼女が愛しているとしても、
「仕事を辞めて、田舎でタコスをつくりたい」という唐突なあなたの言葉は、
彼女の真の愛情や信頼感を失ってしまうものだと思います。
それは、決して「タコス」が嫌いだからではないし、
「仕事」をやめることが問題なのでもない。
そんな見え透いた心理テストを仕掛けてくる、あなたの「人間性」を疑い始めているのよ。

魔女は人の質問を、字義通りには受け取ってくれない生き物。
質問のウラに潜む意図を、直感的に読み取るものです。
だから、あなたの台詞を耳にしたとき、女性の脳裏に浮かぶのは、だいたい次のようなことです。
「この人は私を試そうとしている。なんだか卑怯で小さい感じがする」という失望。
「一方的に自分の意志をぶつけてくるなんて、私と共に生きていくという気が初めからないのだ。
 私は愛されていなかった」という孤独感。
女性は、「自分は試されているのではないか」という状況に、ものすごく敏感に気がつきます。
田舎でタコスのソースまみれになるのがいやなのではなくて、
試されている、という事実にショックを受けるのよ。

だから、女性をコトバで試そうとしても、絶対にうまくいきません。
つまらない口げんかに歯止めがきかなくなって、
残るのは「気持ちがすれ違ったままの別れ」という残念な選択肢だけです。

ちなみに、「もしも話」の世界で意見を合致されることは、
あなたに興味がない人にとっては、実に簡単なことです。
あなたのことを真剣に考えていなければ、「わあ、素敵!タコスって憧れちゃう!」
などと、女性はいくらでも適当に合意できるものです。
けれどその彼女は、本気だったからこそ、真剣に返したのではないかしら。
女性の愛情を本当に試したかったら、コトバのやり取りではなく、行動面に着目するべきです。

たとえば彼女が、
あなたがデートで派手にお金を使わなくても、上機嫌でいてくれる
誕生日のときなど、ささやかなプレゼントでも心から喜んでくれる
そういう人なら、「田舎でタコス」などという極端なテストで試すまでもなく、
あなたは確実に愛されていると自信をもっていいと思います。

「もしも」の話でお互いに傷つくような関係は、終わりにしなさい。
それでは実際にはなにも試すことはできないわ。
「もしも、これから」ではなく、「いま、ここで」の関係を深めることによって、
純粋な愛情は育てられていくものだと思います。
その結果として、
「あなたがのぞむなら、私はどこだってついていく。仕事のブランドもお金もいらない」
という、あなたの欲している心からのリアクションが、実際につちかわれていくのではないかしら。
758心理学者青井瞳のオンライン恋愛診断室:2009/12/23(水) 04:08:33 ID:FFKA3/tB
最後に。
これは癪だから言いたくなかったけれど、彼女が断ったもう一つの理由として。
…貴女自身が全く店舗経営に向いていない事まで理解した上での判断だった可能性があるわ。

一回よく話し合いなさい。貴女が本当にしたいことは何?
それに気付いているのが彼女なのだとしたら、これ以上ない素敵な二人よ。
あいにくだけどバカップルの為のコーナーではないからこれっきりにしてちょうだいね。
それじゃ、頑張りなさい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――






  「――ねぇエリス」

     「なぁに?」

  「次はどこ行こうか」

    「ナディが居るならどこへでも」

   「「……いえっさ」」









「…にしても、青井先生って何者…いくらなんでも言い当て過ぎ…」
「ナディ何見てるの?」
「?!え、えっと…ハポンの…経済情報サイト…」
「そうなんだ…私とタコスの株価はどっちが高かった?」
「…………知ってるなら聞かないでよ…」
759名無しさん@秘密の花園:2009/12/23(水) 21:03:57 ID:DLnot8/M
ブルーアイズさんwwww
760名無しさん@秘密の花園:2009/12/24(木) 01:52:10 ID:KJJrIK9T
GJ
761名無しさん@秘密の花園:2009/12/27(日) 17:26:30 ID:vew5urHJ
最近MADLAX見始めて、今折り返しなんだが。
急に百合成分増えてきて2828wエル・カザドとはまた違ったアダルティックな雰囲気が堪らん。
一緒に寝るならしちまえばいいの(ヤンマーニヤンマーニ
762名無しさん@秘密の花園:2009/12/27(日) 19:21:58 ID:AO4gMmXE
二周も殆どしない俺だが窓だけは三周したな
BGMのクオリティが三作の中でも特に秀でてると思う
763名無しさん@秘密の花園:2009/12/28(月) 00:41:59 ID:F6EeZWBg
BGMとダンスな
最高だ
764名無しさん@秘密の花園:2009/12/29(火) 01:17:25 ID:ONg9Xjgt
>>761から引き続き窓鑑賞中。
窓が怖い人に「抱き合っていたかもしれない」と


・・・・・・・・『抱 き 合 っ て い た か も し れ な い』
・・・・・・・・だと・・・・・・・・・・
えるだたるうううううううううたあああああああああああああああ!!!!!!(壊れた)

あと怖い人はつまりヤンデレなんですねわかりました。
765名無しさん@秘密の花園:2010/01/01(金) 13:02:14 ID:m6Symnoz
新年が明けたな。
2010年も幸せなナディエリを切によろしくお願いしたい。
766名無しさん@秘密の花園:2010/01/01(金) 22:33:49 ID:SOdzdtpi
同じくミレ霧もな!
767名無しさん@秘密の花園:2010/01/02(土) 03:12:35 ID:7HFPVFzR
マドリメやマドヴァネやマガエリもな!
768名無しさん@秘密の花園:2010/01/11(月) 20:49:11 ID:oq5bi4mj
むー、もう神は降臨しないのか?
ミレ霧SSでは最高の作品だったのだが・・・
769名無しさん@秘密の花園:2010/01/13(水) 02:25:52 ID:jsrO9oIC
気付くのかなり遅いが、エロパロ板にも三部作スレ立ってたんだね
このスレとの違いはエロの有無?
こっちのが居心地いいんだけどエロ有はエロパロ板?
770名無しさん@秘密の花園:2010/01/13(水) 12:49:02 ID:1jEqYWuh
そんなことはない、投稿するならどっちでもどうぞ。
どちらかというとこっちの方が人が多い(気がする)ので
恥ずかしがり屋が向こうを利用する感じではあるかな。
771名無しさん@秘密の花園:2010/01/13(水) 19:09:54 ID:sxskLooN
俺もどっちでもいいと思うよ
ノワールに関しては、こっちの方がエロだしw
特に757のタイトルのSSは、数あるSSの中でも最高傑作だと思ってる
772名無しさん@秘密の花園:2010/01/15(金) 23:38:36 ID:1h5XZZUR
>>770-771
サンクス
書きあがったら投下するわ
773名無しさん@秘密の花園:2010/01/16(土) 05:25:45 ID:ThFWbyOi
頑張って!
首を長くして待ってるよw
774名無しさん@秘密の花園:2010/01/16(土) 21:18:38 ID:z1iRKrFD
>>772
俺も待ってるぞー!
775名無しさん@秘密の花園:2010/01/19(火) 23:10:50 ID:HXvL4Yth
ワクワク
776名無しさん@秘密の花園:2010/01/20(水) 16:03:55 ID:UpsRWxvj
テカテカ
777名無しさん@秘密の花園:2010/01/24(日) 18:00:02 ID:JpycR48m
キュッキュッ
778名無しさん@秘密の花園:2010/02/10(水) 21:32:11 ID:sTNasg0y
保守〜
779名無しさん@秘密の花園:2010/02/14(日) 23:38:02 ID:SCozJkTv
てすと
7807-1:2010/02/14(日) 23:45:07 ID:SCozJkTv
言葉だけじゃない
この溢れる想いを貴女に伝える術を
私は知っている


E−enchantress−


「あ゛っ!!ちょっとぉ!何これ!?」

太陽が最も自己を主張する時間帯。
燦々と降り注ぐ日差しを受けて活気付くとある街。
その中心を縦断する大通りから少し外れた路地に、
怒りと焦りの混じった声が気持ち良く響き渡った。

木霊を辿って小さなコインランドリー店へ目を向けたのは、
偶然脇を通りがかった初老の男性と、
紙袋とアイスキャンデーで両手を塞がれた少女エリスだけだったのが幸い。

丁度隣の小さな食料品店で買い物を済ませて、
路肩に生えた街路樹の傍に停めた車に向かっていたエリスは、
訝しげな表情を浮かべてランドリー店からこちらに目配せする男性に、
曖昧な笑みと会釈を返した。
その間にも店の奥からは相棒ナディの呻き声が洩れ聞こえていたが、
取り合えず重い荷物を持つ右手を開放するために、車の後部座席に紙袋を積み込む。
ふぅと一息ついて、先ほどのお店でついつい買ってしまったアイスキャンディーの
溶け出した部分を舌で舐め取ってからランドリー店の出入り口に視線を向けた。
7817-2:2010/02/14(日) 23:50:44 ID:SCozJkTv

「・・・見えない・・・」
こちら側は日光の輝く白、あちら側は切れ掛け蛍光灯の濁った白。
ここまで明暗の差が出ては中の様子もかなり見辛く、仕方なくじーっと目を凝らして店内を観察。
暫くしてその暗さに瞳が慣れ、徐々に奥の景色を捕らえるとやっと浮かんで見えたのは、
乾燥機相手に一人悪戦苦闘している相棒の姿だった。
「・・・・・・」
片足を乾燥機の縁に突っぱねて蓋の取っ手を引っ張って仰け反る様子を見るに、
どうやら蓋の機嫌がこの上なく悪いらしく、洗濯物を返してもらえないらしい。
「・・・・・・」
「例の支店」で旅の資金を稼ぎ財布の重みが増したところで、それに比例するように溜まっていた衣類。
ここから暫く山越えということもあり、再出発前の恒例「清潔調達」という名の洗濯に来ていたのだが、
これまた恒例の「旅にトラブルは付き物」も同時進行してしまい、スタートライン手前でこの有様であった。

「・・・くっ・・・ふふっ」
相棒が苦戦しているのにも拘わらず、
もうすっかり慣れてしまった光景にエリスの口元は緩まずにはいられなかった。
手助けしたいのは山々だけど・・・。
人の多い街で、屋根が全開のままで私物を乗せた車から離れるのは余りに無知というもの。
人が一人立っているだけで十分防犯になる。
以前そう教えてくれたのはナディだし、
今回の役割分担は「食料調達」と「回る衣服と車の見張り」と言ったのもナディだった。
だから、今お取り込み中のナディに変わり「車の見張り」をできるのは自分しかいない。

7827-3:2010/02/15(月) 00:00:20 ID:SCozJkTv
「よし・・・」
と、意気込むエリスだったが、
午後の穏やかな空気と、野良猫の暢気な鳴き声がその奮起を悉く削いでいく。
街路樹の緑が風に揺れ、足元のアスファルトにキラキラと太陽の星を無数に散りばめている様が、
エリスの行為を見張りから、ただの日光浴に変えるのに然程時間は必要なさそうで・・・

賞金稼ぎならすぐそこにいるが、強盗やマフィア、
ましてや殺し屋なんて闇の部分とは到底無縁の、のどかな街並み。
「う〜ん」
ちょっとくらい離れても大丈夫だろうか・・・
と、辺りを一瞥しながら悩んでいると、ふとエリスの視界の端に人影が写り込んだ。

「「あ」」

声が綺麗に重なった。
数日前、出会ったばかりの人物と別の街で同じ様な状況で再会するという、
奇跡に等しい偶然にエリスの心は大きく躍った。

黒髪で、夕陽のように紅い瞳が印象的だった少女。名前は確か――きりか

「また会ったね」
「うん。すごい偶然」
再会の喜びに微笑む二人だっかが、直ぐ互いに目を丸くした。
偶然とはこうも重なるものなのか、と驚くエリスの視線の先には霧香の右手。
その手に握られているのはコーンに乗ったアイスクリームだった。
もちろん霧香の視線はエリスの手元に向いている。
「いい天気だけど」
「今日も暑いね」
前回と同じ様な会話が可笑しくて二人で笑い合っていると、
「こ、のぉおおー!」
前回同様素晴らしく良いタイミングで自己紹介をするナディ。
エリスと霧香は互いに顔を見合わせてから、震源地であるランドリー店に顔を向けた。
また外の明るさに慣れてしまっていたエリスには店内の様子がよく見えなかったが、
霧香は奥で暴れている人物を、その紅い瞳で瞬時に捕らえている風だった。


7837-4:2010/02/15(月) 00:07:31 ID:D8wBWMM9
「あの人が貴女の相棒さん?」
「あ、うん、相棒で、」
よく見えたなぁという感想は頭の隅に置き、エリスは数日前の出来事を思い出していた。

夜の空き家、暖炉の前、赤く揺れる炎と影。
そしてその次の朝、目が覚めた時の彼女の照れた笑み。
あんなに積極的だった癖に「何か、恥ずかしいね」なんて言って、
互いに裸のまま、朝の光と毛布に包まれて暫く笑い合っていた。

そう、あの日から私達の相棒という関係に、もう一つ加わったものがある。
それは
「――恋人」

心臓がドクンと震えた。
他者にナディを自分の恋人だと言うのは初めてで、
よく分からない誇らしさと小さな不安が混じり、くすぐったいような不思議な気持ちに駆られた。
思わず赤くなる頬を隠すように俯いてから、ちらりと正面に立つ少女を見やる。
霧香はきょとんと目を丸くした後、「そっか・・・」と、とても優しい声色で呟くと穏やかに微笑んだ。
それだけ、
たったそれだけでエリスの中の小さな不安は吹き飛ばされ、胸が熱く満たされたのだった。

「綺麗な人だね」
「えへへ〜」
自分の恋人を誉められるというのはこんなにも照れるものなのか・・・
不慣れな出来事に体温が上がったせいか、手に持つアイスがじわりと溶けた。
人前で魔女の力を使えないのは歯がゆいがここは自重して、
これ以上溶けられるのはまずいとエリスは話題を変えた。


7847-5:2010/02/15(月) 00:17:56 ID:D8wBWMM9
「お仕事はもう終わったの?」
「うん。だから今日帰るわ・・・国へ、私達の家へ」
遠い国なのだろうか。霧香の言葉の雰囲気がそう思わせた。
「そっか。また会えるかな」
「それは分からないけど・・・会えたらいいね」
霧香の言葉にエリスが強く頷いたその時、背中越しに短くクラクションが鳴った。
「あ」と反応する霧香に尻尾が生えていたらパタパタと左右に大きく振れていただろう・・・と、
エリスは以前と全く同じ感想を抱く。
音が鳴った方に目を向けてみると、数ブロック先の交差する通りに一台の車が停車していた。
その車内からサングラスを掛けた金髪の女性が手招きしている。

「あ、恋人さんだ」
ポツリと呟いたエリスの言葉に、霧香は頬を染めて小さく笑う。
「うん。それじゃ、またね」
「あ、待って」
エリスは歩を進めた霧香を呼び止めると、
片手でわたわたと自分の着衣に付いたあらゆるポケットを探り始めた。
暫くして「あったぁ」と歓喜の声と共に取り出されたのは、
先程アイスキャンディーを買った時、何かの祭りのキャンペーン中だとかでお店のおばさんに貰った物。
「これあげる」
エリスの手から放たれて白い弧を描くそれは、
キラリと太陽の光を反射させながら、霧香の左手にしっかりと受け止められた。


7857-6:2010/02/15(月) 00:35:46 ID:D8wBWMM9
「この前のお礼」
「お礼?」
小首を傾げる霧香に、エリスは「まぁ、お土産みたいなもの」と、付け加え満面の笑みもおまけに付け加えた。
「・・・うん。ありがとう」
まだよく分からないという表情を浮かべていた霧香だったが、笑顔で礼を言うと恋人のもとへと駆けていった。


エリスは去る背を満足げに見つめながら、霧香と最初に出会った日のことを思い出していた。

――「ありがとう」を言うのは私の方

それは、ほんの小さな切っ掛けにしかすぎないけれど・・・
確かにあの日、霧香の言葉に、あの二人の後ろ姿に、羨望という手のひらに背中を押された。
触れてはいけないことだと、「禁忌」なのだと、無意識に思っていたせいでぼやけていた願望へ、
心の奥底が望む未知の場所へと歩み出す勇気を、私は貰った。
勿論その後の事は私とナディ二人の勇気だけれど・・・
最初の一歩、『最初の勇気』はあの時に・・・

空を仰いだエリスは、街路樹の緑の隙間から見える太陽に目を細めると、
そこから零れる光の帯の一つを手のひらで掬い上げた。

――互いを想うからこそのすれ違いや、紆余曲折はあったけど

太陽から生まれた小さな煌めき。
ナディの体温に似たその暖かさをギュッと握り締める。

――私は、私の太陽に触れることができたから

「ありがとう」
小さな囁きが風に乗って届いたのか、車に乗った霧香がこちらへ手を振っていた。
大きく手を振リ返して、走り去る車を見届けた後、
溶けて小さくなったアイスの存在を思い出し、慌てて口に含んだ。
最後の一口まで十分に味わって、残った木の棒を街路樹の前に設置されたゴミ箱に放り込んだところで、
「はぁ〜〜えらい目に遭ったわ」
と、壮大な溜息と共にドラムバッグを背負ったナディが戻ってきた。


7867-7:2010/02/15(月) 01:02:14 ID:D8wBWMM9
「お疲れ様」
「エリスも買い物と見張りありがとね。ってか、話し声がしてたけど、誰かいた?」
格闘の末、何とか返して貰ったのだろう衣類が詰まったバッグを、紙袋の隣に積みながら訊ねるナディ。
助手席に乗り込んだエリスの胸にふと意地悪な心が芽を出した。
「ん〜、ひ〜みつ」
此れ見よがしに、したり顔を浮かべるエリス。
ポケットから取り出した車の鍵が付いたキーホルダーを、指にかけてクルクル回していたナディは、
キョトンとした顔をしながら運転席に乗り込んだ。
「え、何?気になるじゃんか。教えてよ」
「お・し・え・な・い」
「な・ん・で?」
「な・ん・で・も」
「お・し・え・て・く・れ・て・も・い・い・と・お・も・う」
「・・・それ私の台詞ぅ」
「いやいや意味分かんないから。ほら、教えて」

そう言ってナディは身体を斜めに傾けてエリスに耳を寄せる。
「じゃあ、はい」
そんなナディの催促を無視して、ちょいちょいと人差し指で自身の頬を指差すエリス。
「な・・・」
絶句する相棒をよそに、瞳を閉じたエリスは差し出した頬に落ちるそれを心待ちにしている。
要は、ここにキスしてくれなきゃ教えない、という無言の訴え。
「う・・・」
小さな唸りと共にギュウッと革手袋がハンドルに擦れる音がエリスの耳に届く。
チラリと片目で盗み見ると何やらキョロキョロと周りを窺っているナディの姿。

別に教えないつもりはないが、ここまで焦らしたのだからもう少し遊んでみたい・・・
でも、恥ずかしがり屋のナディだから時間掛かるだろうなぁと、内心苦笑したエリスだったが。
「――っ!」
意外と直ぐに要求した温もりを甘受できたのだった。
しかもそれは差し出した頬ではなく、全くの無防備だった唇で・・・


7877-8:2010/02/15(月) 01:13:55 ID:D8wBWMM9
「これでOK?」
真っ赤になって俯くエリスの顔を、してやったりとでもいう風に覗き込むナディだが、
やはり恥ずかしかったのかその頬は赤かった。

いつか読んだ本に、人を惑わせ魅了する魔女が出てきたけれど、
実はナディもそういう類の魔女の力を持っているのではないだろうか・・・
だってこうして私は今日も貴女に魅了され、恋に落ちる。
「・・・こんな不意打ち、卑怯」
口を尖らせ不貞腐れてみても、自分の声が浮ついているのを痛感して余計に恥ずかしくなる。

――本当に卑怯で、可愛くて、綺麗で、優しくて、暖かくて

貴女の隣にいるだけで、どうにかなってしまいそう・・・

ねぇ、本当に好き。大好きだよ。愛してる。

沢山の想いが次から次へと胸の底から溢れ、要領範囲を超えて言葉にならない。
でも大丈夫。言葉にできないのなら「直接」伝えればいい。

そうすれば――――

白い手が、赤い服の胸倉の部分をぐいっと鷲づかむ。
「うわっ――っ」
引かれる力に驚く声は途中で短い呻き声に変わり、触れ合う小さな唇を震わせた。
そうして直ぐに離れたエリスが間近に見たものは、
照れ臭そうに、けれど喜びに溢れたナディの満面の笑み。

――――ほら、ちゃんと伝わった


7887-9:2010/02/15(月) 01:21:46 ID:D8wBWMM9





「もぉ・・・後でちゃんと教えてよ?」
コインランドリーでの出来事などすっかり忘れたかのような顔で、鼻歌まで歌うナディ。
その様子が可笑しくてエリスの頬が緩む。それを誤魔化すように返事は首を縦に振ることで返した。

「よし!じゃ、行くとしますか!」
キーを廻し、ハンドルを握り締め、前を見据えながらお決まりの台詞。
軽快なエンジン音が道行きを力強く示している。
「目的地は?」
エリスの問いかけに、「知ってるくせに」とナディはニヤリと笑った。

出会った人の数だけ増えていく私達の世界、それは――
「この道の続く先」

私と貴女の日々が、無限に広がるこの先へ。


「「いえっさ」」


                   ―二人の旅路は、つづく―
789前スレ757:2010/02/15(月) 01:47:01 ID:D8wBWMM9
リアルの多忙と謎の規制ラッシュで大変遅くなってしまいましたorz
こんな奴を待っていた方本当に申し訳ない!

カザドSS当初はもっと短い(半分位)予定だったがついつい二人を動かすのが面白くて
NOIRより長くなってしまったw
未熟ゆえ文章を書くスピードや短くまとめるのが下手糞で申し訳ない
誤字脱字ありましたらすみません。保管庫管理人さんも保管ありがとう
そして長々とお邪魔しました。
今年でエル・カザドから早3年目。真下百合周期、今年は何もないのだろうか
と期待しつつNOIRSSの続き書いてくる
790名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 02:02:47 ID:Ud3G413Z
キタ━(゚∀゚)━!

待ってました!

想いを叶えたエリスの、まったり感がたまらない
相変わらずナディは、一人で賑やかだなw
洗濯してるものの中には、あの夜の痕跡も含まれているのだろうか?
そう思うとムラムラするなぁ、こんちくしょうw

真昼間から路上でチュッチュって、バレンタインデーだからって熱くなりすぎww

霧香が受け取ったものが気になるけど、NOIRSSの布石だろうか?
そっちも楽しみでなりません

次作も、よろしくお願いします!
791771:2010/02/15(月) 21:26:25 ID:/er/VTjt
>>前スレ757
同じく待ってました!
最近ノワールにはまったものです。
これまでにノワールのSSを300以上集めましたが、本編との整合性
(特にミレイユと霧香の性格)、文体のうまさ、ラブラブ度(笑)
を考慮して一番気に入っているのがあなたのSSです!

エンディング後を描いたSSは数知れず。
ただ性急に相手を求めるなどちょっと不自然なSSも多いなか
このスレのSSは二人が結ばれるまでをゆっくり丁寧に描いていて
展開がとてもうまい!

「おかえりなさい」から「あの時の約束」「観葉植物」
そして二人だけのベッド・・・
お互い自分の気持ちを意識しているにもかかわらず、
拒絶された時の恐怖から相手へ伝えることをためらう二人。

それでも、相手を愛おしいと思う気持ちを抑えきれず
次第に結ばれていく展開がにくいほどうまい(笑)
特に、霧香のハーブティやミレイユの「よかったわね」等さりげなく
相手を気遣う描写は読んでいるこっちが身もだえしてしまうほど!

こんな素晴らしいSSを本当にありがとうございます!
お世辞でも何でもなく、直接お礼を言いたいと思っていました。
これ以上求めるのはある意味贅沢だけど、それでも期待してます。
これからも無理のないペースで頑張ってください。
792名無しさん@秘密の花園:2010/02/15(月) 23:10:24 ID:qYn4+FLJ
>>789
ついに完結しちゃいましたね、寂しいですが
素敵な作品をありがとうございました!

エリスが自分の恋人を褒められて照れるとか
胸倉を掴んで自分からキスするとか
積極的過ぎて読んでて顔から火を噴く勢いでした
その後のナディの反応がまた可愛過ぎる…
エリナディの可能性を示した感動のEDどうもです。

NOIRに取り掛かるそうで、そちらも楽しみにしてます。
でもいずれまたカザドに浮気してくれてもバチはあたらn(削除
793名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 00:19:53 ID:68fNy8nm
>>789
スレに来てみたら投下の最中だったから、わくわくして待ってたよ!
ええもん読ませてもらいました
3年経っても(ノワールはもっとだけど)こんな素敵なSSが書かれるなんて、真下ファンは幸せ者だなー
ノワールの続きも待ってるよ!
794名無しさん@秘密の花園:2010/02/17(水) 00:24:06 ID:Pko01ATu
ノワールすっごいハマってた!
ss投下したのもノワールが初めてだったし、懐かしいなぁ…
まさかこんな素晴らしいスレがあるとは…涙
795名無しさん@秘密の花園:2010/02/18(木) 05:35:56 ID:5nXVM/cz
とりあえずカザドと窓は見た。うーん、良かった。
しかし窓の内容は結構ハードと聞いていたから、カザドのあとで勝手に
ハードボイルドな美女ズを想像していた俺はアホですw
さてそろそろnoirを観るとするか・・・
796名無しさん@秘密の花園:2010/02/18(木) 11:19:07 ID:LgMdgY+j
>>789
素晴らしいですっ!

あなたの(ものだと思われる)作品が大好きです
プロの小説家か脚本家でしょうか
あなたのカザドとノワールの世界を、もっともっと感じていたいです

ありがとうございます!
797名無しさん@秘密の花園:2010/03/04(木) 00:50:46 ID:66nZL82q
保守〜
798名無しさん@秘密の花園:2010/03/05(金) 17:28:51 ID:j6BKfXfV
>>789
見捨てられたのかと思ってたぜ;;
もう素晴らしすぎてラブラブすぎてまさかのNOIR組再登場で失神したw
パート1とパート7の絡ませ方が上手すぎる
前スレ757氏のSSは読んでてハッとすることが多いというか
こんなに心動かされる百合SSは少なくとも俺の好きなジャンルでは中々無い
マイナーな真下作品の中でも更に知名度が低いエルカザドでこんな長編をしかも丁寧に描写された百合作品を
こんな過疎スレでw拝めて俺は幸せ者だと思うマジで
しかもカザドで終わりかなぁと心配してたんだが一年半以上前の宣言通りNOIRの続編くるとか嬉しすぎて脳汁出たわ
もうほんと感謝します

ところでつかぬことをお伺いしますが氏はサイト持ってないの?
799名無しさん@秘密の花園:2010/03/15(月) 00:15:18 ID:4UZ+dC0o
保管庫の人です。
SS作者の皆様、いつも素晴らしい作品をありがとうございます。

スレをご覧になっている皆様にお願いがあります。
突然で申し訳ないのですが、3月末〜6月中旬の間に投下される作品を
どなたか保存しておいて頂けないでしょうか?(できれば複数名にお願いしたいです)
その間、スレをチェックできない環境におかれるので・・・

手伝っても構わない、という方は一言でいいのでレスをお願いします。
三部作と直接関係のない話でスレを利用して申し訳ないです。
800771:2010/03/15(月) 19:42:46 ID:GT1k1rzI
>>799
お疲れ様です!
私でよければ保存しておきますね
・・・って、どうやってそのデータを渡せばいいのでしょうか?
801名無しさん@秘密の花園:2010/03/15(月) 23:18:32 ID:4UZ+dC0o
>>800
本当に助かります!ありがとうございます。
そうですね、復帰できる状態になったらまた書き込みますので
その時うpろだにでも上げて頂けると助かります。
もしくはアドレスを貼るので、そこへ送って頂くか・・・という感じでしょうか。
802771:2010/03/16(火) 23:20:08 ID:CNuhGAff
>>801
了解しました〜
それではその時にご連絡いただければ送りますね
803799:2010/03/17(水) 00:07:16 ID:s6W3q0dp
はい、宜しくお願いします!
それでは消えます・・・
804名無しさん@秘密の花園:2010/03/25(木) 22:57:20 ID:lDNFerf3
誰か・・・ナディエリ成分を・・・・
保守
805名無しさん@秘密の花園:2010/03/26(金) 20:17:38 ID:vewpbXc0
ミレ霧成分も・・・神の降臨は・・・
806名無しさん@秘密の花園:2010/03/26(金) 22:40:10 ID:ogFayTTy
だったらマドリメも・・・
807名無しさん@秘密の花園:2010/03/27(土) 23:56:08 ID:C9QECb9n
初SS投下します。ナディエリです

全然文章の書き方とか知らないんで見苦しいかもしれませんが、アドバイスくれたら幸いです。
808名無しさん@秘密の花園:2010/03/27(土) 23:56:47 ID:C9QECb9n
最近、というか今日の昼ごろからエリスの様子が変だ。

車の中でもツンとした態度でずっと外を見ているし、晩飯を食べている時に話しかけても返事は適当だし、それにベッドではいつも暑苦しいくらい引っ付いて来るくせに、今は私に背を向けている。

寝息は聞こえない、どうやら起きているようだ。
はて、何か怒らせるようなことをしただろうか。
私は意を決してエリスに訪ねた。

「ねぇ、エリス起きてる?」
「・・・うん」
「何か怒らせたようなこと、した?」

正直エリスが機嫌を損ねるなんてそうそうないので、私は焦る、というか少し困った。

「今日」
「きょう?」
「ナディが男の人と、仲良さそうにしてた」

・・・、可愛いこといってくれるじゃない。私は自然と抱き寄せようとした手に気付いて、手を引っ込めた。
実はというと、この旅の間中、私はエリスにあんな事やこんな事をするのを我慢していた。
そりゃあ、もう。

いや、しかし、理性がそろそろ限界だ。エリスにあんな事やこんな事をするのはエリスがもっと常識を覚えて、大人になってからって決めたのにっ・・・!

「いやいや、あれはただの賞金稼ぎ仲間よ、別に親しいわけじゃないって」
「そう、なんだ」
「そうよ、」

私はエリスを無理やりこちらに向け抱き寄せた。

「それに私が、好きなのはエリスだけだよ」
「私も、・・・んっ」

理性はそれを了承の証と受け取ったのか、私の唇は意識とは関係なくエリスの小さい唇へと近づいた。

ぷにぷに、くちびるを合わせているだけなのに。

喉の裏からお腹の奥を引っ掛けてつま先まで切ない熱が走った

三つ編みに痛みが走った、エリスが苦しそうに引っ張っている。夢中になりすぎたようだ。

「ナディ苦しい」
「あはは、ごめん、もっかいしていい?」
「苦しくしないならいいよ」
「いえっさ」

809名無しさん@秘密の花園:2010/03/30(火) 12:40:09 ID:A/cejzql
なにこれめっちゃかわいい

GJ!!
810名無しさん@秘密の花園:2010/03/30(火) 22:06:54 ID:spsDZx5g
>>807
ほんとに初SSなの?
GJです!
811名無しさん@秘密の花園:2010/03/31(水) 06:47:38 ID:ODUb4yr5
ブクマしてるサイトさんのナディエリ小説が更新されてた!
812名無しさん@秘密の花園:2010/03/31(水) 07:34:56 ID:3E5RCB+3
どのサイト? kwsk
813名無しさん@秘密の花園:2010/03/31(水) 12:24:38 ID:ODUb4yr5
814名無しさん@秘密の花園:2010/04/01(木) 15:04:47 ID:ltQIFunC
ところで真下三部作の中で評価が高いのってどれ?
やっぱりノワール?
815名無しさん@秘密の花園:2010/04/01(木) 19:18:06 ID:Gf+d7p3d
だろうね
816名無しさん@秘密の花園:2010/04/01(木) 22:37:26 ID:nZB88e2I
評価:NOIR
知名度:MADLAX(というよりヤンマーニ)
萌え:エル・カザド
817名無しさん@秘密の花園:2010/04/03(土) 23:09:06 ID:JZufxZjz
百合(本編):エルカザド
百合(エンディング後):Noir
818名無しさん@秘密の花園:2010/04/07(水) 13:27:04 ID:CfkZg0g7
知名度はエル・カザドのほうが上では?
819名無しさん@秘密の花園:2010/04/08(木) 22:53:22 ID:5iUtwkjf
マドの立場がw
820名無しさん@秘密の花園:2010/04/11(日) 17:47:52 ID:0GJz2Tr3
マドとノアール見たことない。近所のレンタル屋にもない。再放送してくんないかなー。
821名無しさん@秘密の花園:2010/04/12(月) 05:44:46 ID:nvJHFmqz
確かにないよな・・・Noirはキッズでいつだか再放送やってたよね
DVD買うしかないのかw
822名無しさん@秘密の花園:2010/04/12(月) 10:36:59 ID:Az8rtXyz
キッズでやってたんだ?見たかったー!!
またやらないかなぁ。兄マックスでもいいから。
そしたら速攻スカパー入るわ。
823名無しさん@秘密の花園:2010/04/19(月) 20:20:43 ID:70hGuXIi
ブレフォールさんは百合オタ。
824名無しさん@秘密の花園:2010/04/19(月) 21:31:12 ID:tTGYKn2N
真下三部作の何が安心できるって
男キャラが死んで退場するか出しゃばらず、いい具合に距離を取ってくれるとこだな
三角関係の一角を担うのは男じゃなく女ってのは百合オタ的には最高過ぎる
825名無しさん@秘密の花園:2010/04/20(火) 17:51:47 ID:Ih1okKcw
リカルドお父さんは俺達の大師匠みたいなもんだね、と
あんな親父になりたい。
826名無しさん@秘密の花園:2010/04/24(土) 01:15:28 ID:PDnjv1x+
>>824
まあ確かに・・・
これを見ると、他のアニメがかすれて見えるw
827名無しさん@秘密の花園:2010/05/06(木) 23:21:43 ID:Wsd+jb/C
hosyu
828名無しさん@秘密の花園:2010/05/07(金) 22:47:31 ID:T0j7IOmx
神はいずこ
829757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/07(金) 23:42:22 ID:TQRH2DgY
tst
830757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/07(金) 23:46:49 ID:TQRH2DgY
―1―



彼女の匂いがする

背を預けるシーツから、身を包む毛布から彼女の――


「ミレイユの匂いがする」

いつだったか、ベッドに寝ころびながらそんなことを呟いたことがあった。
視線の先でソファに座り新聞を読んでいた彼女は、「はぁ?」とでも聞こえてきそうな表情でこちらを見やる。
「何が?」と怪訝そうに眉を寄せて問う彼女に「ベッドが」と答え「良い匂い」と付け加えると、
「・・・何言ってんのよ」と、溜め息混じりの返事とページを捲る音。
そして上擦った声を正すような咳払いがひとつ返ってくる。
暫くするとまたページを捲る音がして、
それに紛れ込む様に「・・・私は、あんたの匂いがすると思うけど」とボソッと反論された。
ガサリと新聞紙の角度を変えられたせいで彼女の顔は見えなくなったけど、
金色の髪の隙間から覗く耳朶の色を、私は見逃さなかった。


――きっと私の耳も同じ赤色に染まっているのだろう・・・

831757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/07(金) 23:54:13 ID:TQRH2DgY
微睡みの中だというのに、鮮明に思い出される彼女との会話や温度。
案の定、あの時の様に耳朶が熱くなってきて、おまけに身体の温度まで上がってしまった。
クローゼットから引っ張り出したばかりの毛布は失敗だっただろうか・・・
一瞬後悔したものの頬を撫でる秋の空気は冷たく、直ぐに考えを改める。
体内時計の感覚や街の賑わい、瞼の向こうに感じる光の具合で、
だいたいお昼頃かな・・・と推測してから、そろそろ起きようと思い立ち、
未だ半覚醒状態の身体を目覚めさせるように深呼吸して――

・・・あ、やっぱり。これはミレイユの匂いだよ

と、今更過去の彼女に聞こえない返事。
鼻腔をくすぐるこの匂いは、いつも彼女自身に包み込まれている様な錯覚を引き起こす。
そのせいで、空気を入れた風船がまたしぼむ様に、身体から力が抜けていってしまいそうになる。
それを何とか我慢してから、霧香はやっと瞼を上げた。

光と共に一番初めに瞳に映るのは、きっとそうだと良いと期待していた、『彼女』の寝顔。
普段より少しだけ幼く見える寝顔が、今日はなんだか余計にそう見えるのは、
前髪がくしゃくしゃになっているせいか。
ろくに髪を乾かさず眠ったのだろうか、所々凄い寝癖が付いていてつい笑ってしまう。
まだ二人がただの殺しのパートナーだった最初の頃は、意識して見たことなど無かったあどけない表情。
今はこんなにも違う気持ちで、こんなにも眺めていられる。
この大好きな時間がもっと続けばいいのにとも思うが、いつもそれに反比例して、
早く声が聞きたいという過ぎた願いも湧いてくる。
大好きな声を紡ぎだす大好きな場所。そこをただ見つめているだけなのに

――起こすなら肩を揺らすよりおとぎ話のようにキスをして――

なんて、変なことを考えてしまい、またしても耳が熱くなってしまった。
勿論そんな事は恥ずかしくて出来ないし、眠る人をむやみに起こす事はしたくない。

「あ・・・」
しかし、刹那の願いが届いてしまったのか、はたまた穴が開くほど見つめられたせいか、
眠り姫は口付けを受けずして目を覚ましてしまった。

832757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:04:16 ID:dYsjMyAQ
申し訳なさそうな、ばつの悪そうな顔をする霧香を、
まだ少し寝ぼけ眼の蒼で捉えると、ふっと柔らかい笑顔を浮かべるミレイユ。
「おはよぉ」
と、掠れた声であいさつをして顔を寄せると、霧香の頬に唇で触れる。
「おはよう、ミレイユ」
霧香も、まだ慣れてない行為に羞恥しながら遠慮がちにミレイユの頬に口付けた。
すると、その『まだ慣れてない』を体現するたどたどしい動きに何かのスイッチが入ったのか、
ミレイユの目や口元に妖しい色が混ざり出す。
「ん?」
事の変動を察した霧香は慌ててミレイユの腕を掴むが、時既に遅し。
白い指先は霧香のタンクトップの内側へするりと潜り込んでいった。
「ちょ・・・ミレイユ」
「んー?」
「っ・・・も・・・お昼だよ?」
「んー」
キスを受けるおでこから直接響いてくる、全く聞いていないのがありありと分かる生返事。
それどころか、もぞもぞと身を寄せて腕の届く範囲を延ばそうとしている。
「ダメ・・・だって・・・っ」
ダメっていうか、ミレイユは午後に用事が入ってるから、このままだと・・・
そう頭の中では分かっているのに、臍の周りをやわやわと撫でてくる指の腹が思考の邪魔をする。
「――っ」
やっとの事で寝返りを打ち、背を向けて形ばかりの抵抗を試みるが、
腰から括れへ流れる温もりがそのままゆっくりと上に向かって滑り出すと、
抵抗は呆気なく無意味なものへと成り下がっていった。
「・・・っ、ん」
胸の下辺りまで上ってきた指先の感触。思わず漏れる息を閉じ込める様に唇をキュッと堅く結ぶ。
「・・・・・・」
が、しかし、その後は予想していた動きは何も起こらず。
まさかと思い聞き耳を立ててみると・・・
「・・・・・・すぅ・・・」
背後から聞こえてきたのは聞き慣れた彼女の寝息だった。


833757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:08:28 ID:dYsjMyAQ
「・・・え」
一瞬思考が停止する。
「・・・・・・ミレイユ?」
念のため小声で名前を呼んでみるが、もちろん返事は無く。
「・・・・・・ふぅ・・・」
これは安堵の溜息か、名残惜しさの溜息か。
霧香はタンクトップの内側に入り込んだまま動かなくなった腕を抓る事は勿論せずに、ただそっと手のひらを重ねた。


夏のあの日からこうやってぴったりと肌を寄せ合いながら、いくつもの夜を越え朝を迎えた。
勿論恋人なのだから、それなりの行為も片手で数えるには足らない程には重ねてきたのだが・・・
実はそれに比例するように、霧香の中で一つの悩みと、それによる焦燥感が肥大していたのだった。

そして、先のミレイユの行為もそれを増幅させたのは言うまでもなく――

寝ぼけているにしても、こんな中途半端に手を出したまま眠ってしまうなんて・・・
と、抱き枕状態のまま恨めしそうにミレイユの腕を見やるが、
頭の直ぐ後ろから聞こえる気持ちよさそうな寝息に、責める気にもなれず。

それに――

チラリと見た時計の、正午を少し過ぎた針の位置も霧香の気持ちを宥めてくれた。

834名無しさん@秘密の花園:2010/05/08(土) 00:15:46 ID:R0ujua/c
か、か、神がきたぞーーー!!

甘すぎて鼻血が出そうなんだが
835757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:21:11 ID:dYsjMyAQ



中南米での長期に渡る仕事を終えて帰国したのは、夜と朝がまだ同居する時間帯だった。
朝焼けの橙色と共にすっかり秋の寒さに包まれていたパリの街。
タクシーを降り、前日まで滞在していた国との温度の差に付いていけない身体を震わせて、
二人揃って寒い寒いと言いながら石畳を歩いた。
途中、早朝から開いているパン屋に寄って昼食用のパンを買ってから帰路を辿り、
久方ぶりの我が家に着いて開口一番、疲れた〜と大きな溜息を吐いたミレイユは、
キャリーバッグをリビングに放り投げると、どさりとイスに腰掛けた。
その様子に霧香も緊張の糸を解いてふぅと一つ息を吐くと、
「よいしょ」と、口癖と共にショルダーバッグを肩から降ろす。
それを無造作に放られたミレイユの荷物と一緒に隅に寄せてから、キッチンへ向かった。
買ってきたパンを空のバスケットに入れ、水を入れたやかんに火にかける。
小さく欠伸をして、キャビネットからティーセットを取ろうと視線を下ろした時、ふと床が目に入った。
(あ・・・掃除しなきゃ)
暫く留守にしたせいで、うっすらと埃が積もっている。
(そういえば、買い物も行かなきゃ)
出国前に日持ちの短い食物は片付けたから、中は殆ど空だ。
(確か、ミレイユが午後に予定を入れてるとか言ってた筈だから・・・
掃除は私がして、出掛け序でに買ってきて貰おうかな・・・)
そうやってうつらうつらと思案をめぐらしていた霧香の意識を突然引き戻したのは、
お湯が沸いた事を知らせる笛の音だった。

836757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:31:02 ID:dYsjMyAQ
カモミールの香りと一緒にリビングに戻ると、ミレイユはパソコンを立ち上げて何やら作業を始めていた。
「寝ないの?」
カップを差し出しながらディスプレイを覗くと、どうやら依頼の後処理をしている模様。
「さっさとこの仕事を片付けたいから」
カップを受け取りつつ、呆れとも怒りとも付かない表情を浮かべた後ミレイユは苦笑する。
もうこの件には関わりたくないという思いがひしひしと感じられて、
霧香も同意の笑みを漏らさずにはいられなかった。
「それならコーヒーの方が良かったね」
「ううん、いいのよ。ありがと」
カップに口を付けたミレイユは美味しいと一息つくと上目に霧香を見やる。
「先に寝ていいわよ?」
そう言って吹き出しそうになるのを我慢しているような表情で「凄ぉく眠そう」と続けた。

どうやら気付かぬ内に言葉通りの物凄く眠いという顔をしていたらしい。

ミレイユの気遣いに甘えて先にシャワーを浴びた霧香は、肌に感じる寒さに僅かに身震いをした。
ラジエターを点けるほどではないが、夏用の掛け布団では風邪を引きそうだったので、
クローゼットを開けて毛布を取り出すとそれをベッドに掛け、一緒に取り出したカーディガンを持ってリビングへ下りた。
おやすみの挨拶と、「無理しないでね」の言葉と一緒にミレイユの肩にカーディガンを掛ける。
ありがとうと、おやすみなさいの不意のキスを受けた頬を薄紅に染めながら踵を返し、浮つく足取りを何気なく落ち着かせる。
「ねぇ――」
「ん?」
寝室へ戻ろうとしていた霧香は短く呼び止められて振り向くと、
ミレイユは開いた口をそのままに考えあぐねている風だった。
「あー・・・――ううん、何でもないわ。おやすみなさい」
眠気に勝てそうになかった霧香はミレイユの様子に小首を傾げつつも、向けられた微笑に背中を押され、
こくりと頷くともう一度おやすみと言ってからリビングを後にした。
ベッドに潜り込んだ後も暫くは隣の空いたスペースを見つめてそこの主を待っていたのだが、
キーボードを叩く音を子守唄に、いつの間にか睡魔の誘いに引きずられ眠りの淵へと落ちてしまっていた。



837757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:35:21 ID:dYsjMyAQ



きっと、ミレイユはその後も暫く作業を続けていたのだろう。
睡眠時間もそんなに取れていないだろうし、寝ぼけてしまった事も、今のこの状態も不問にしよう。
霧香は気持ちを切り替えるように小さく咳払いをすると、
再度時計の針の位置を見て、ミレイユの用事までまだ少し余裕がある事を確認する。
ギリギリまで起こさないでおいて、このまま彼女の温もりに包まれて二度寝を貪るという贅沢も堪らなくそそられる。
「・・・・・・」
が、やはり鳩尾の辺りに触れられたままの手のひらの感触と、
項に掛かる吐息が完全に眠気を追い払ってしまっていた。

残された選択肢は昼食の準備という名の雑念からの逃避しかなく・・・
霧香は主な原因である悪戯な腕を、どこか名残惜しげにどかすと変わりに自分の枕を抱かせて、
身体を起こし捲れ上がったタンクトップをいそいそと元に戻してから、ゆっくりとベッドを下りた。


足音をたてないようにそっと寝室を後にし、
キッチンに向かう途中、ふと目に留まったのは壁に掛けられたカレンダー。
歩みを止めた霧香は、そこに並べられた数字を時を遡るように見やってから、
溜め息と共にとある『日数』を呟いた。


「・・・一ヶ月と二週間」


                   ―つづく―
838757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/05/08(土) 00:45:42 ID:dYsjMyAQ
いつまでも757だとスレ毎にややこしいかと思ったので酉付けてみた
つか霧香がベッドでぐだぐだしてるだけでおわたwすまん^q^

あと前書き終えたSSにカザドの挿入歌から色々引用させていただきました
歌詞カード見て触発されてSSの流れを思い描いたので
というのをこの前書き忘れたw
梶浦さんはほんと人間国宝になるべきだと思う
来月には多分初生リチフォが聞けるのでwktkがトマリマセンワー

>>791
いやお礼とかなんかびっくりしたというか恐縮です。
こちらこそ自分は好き勝手妄想書いてるだけなんだが細かく拾ってもらえるのはとても嬉しいです。
あと、書くのおっそいのに長いこと待ってくれてるここのどM住人にいつも驚愕wと感謝
>>796
プロどころかSSはここにうpした二つと
某尼と二挺拳銃SSの三つしか書いたことの無いただの百合オタの糞素人ですwすみません
>>798
持ってないです。ここで保存させていただいてるのでw
何よりサイトとかめんどくry
839名無しさん@秘密の花園:2010/05/08(土) 11:44:46 ID:JcQPBbXp
>>838
キターーーー!!!!!!

ミレイユの行動から目を離せない霧香が可愛いすぐる!
一ヶ月と二週間、何のイベントでしょうねー、楽しみですwww

続き待ってます、ありがとうございましたっ
840名無しさん@秘密の花園:2010/05/08(土) 12:29:18 ID:HFu55EjI
GJ!
841名無しさん@秘密の花園:2010/05/08(土) 17:52:13 ID:qmTd4XCU
>>838
GJ!! 続き待ってるよ〜!
842名無しさん@秘密の花園:2010/05/08(土) 18:12:19 ID:cm9daRix
>>838
素晴らしいぃぃぃー
定期的にチェックしてて良かった
個人的にはナディエリ派だけど、こうして見るとミレ霧もなかなかどうして
またお願いします
843791:2010/05/09(日) 23:16:52 ID:/HOsXXg7
>>838
ずーっと待ってました!
今回もラブラブなミレ霧ありがとうございます!
しかも前回の続きとくれば、ファンとしては失神ものです(笑)

結ばれても、お互いまだ初々しい反応をしているのもいいですし
相変わらず相手のことを常に考えているところも最高です。

細かい描写も神がかり的にうまいです!
特に「風船がまたしぼむ様に」や「ただそっと手のひらを重ねた」
のところなんか萌え死ぬかと思いました(笑)

757茶様には、いくら感謝してもしきれません。
どM住人として、どこまでも待ってますので
ゆっくりまったりよろしくお願いします。
844名無しさん@秘密の花園:2010/05/10(月) 22:21:55 ID:NIUZrMdB
>>838
レズレズですな 神
845名無しさん@秘密の花園:2010/05/11(火) 20:14:38 ID:Wd6RUXxi
>>838
キター!超GJ!
セクハラミレイユとなんか主婦主婦しい霧香に萌殺されたw
次まで正座待機
846名無しさん@秘密の花園:2010/05/25(火) 02:21:09 ID:kqpFXkCX
ここに神がいた!>>835の細かい描写がNOIRっぽくてすごくイイ!
847名無しさん@秘密の花園:2010/06/05(土) 10:15:58 ID:x9deq+ll
>>838
神GJ!
ライブ参加かな?
もしそうなら同じ空間にいるかもw

誰かマド系カイテー
848名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 20:03:07 ID:7fWdsUov
>>847
ということはまさか梶浦ワールド?
849名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 20:32:47 ID:yKNjM9yj
エルカザドは19話が一番萌えた
850名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 21:56:34 ID:Ad3KY9t/
マドラックスは次回予告のリメルダ突然変異にフイタ
851名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 22:01:36 ID:Ng6ozU7b
オナニーしてるときが一番ハァハァした
852名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 22:06:54 ID:znBoHvUB
ぶっちゃけリメルダのためにDVD買った
853名無しさん@秘密の花園:2010/06/06(日) 22:27:27 ID:7fWdsUov
ノワールはミレ霧だね
もうラブラブ過ぎて好きにしてってかんじw
854名無しさん@秘密の花園:2010/06/07(月) 06:12:59 ID:aQCfPcgI
ナディエリェロ同人どっかないもんか…
855名無しさん@秘密の花園:2010/06/07(月) 06:39:18 ID:ZDvwNMdl
気が向いたら描こう描こうと思いながら・・・スミマセン
856名無しさん@秘密の花園:2010/06/07(月) 23:54:59 ID:QXrrIEFh
>>855
じゃあミレ霧ならOK?
857名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 00:05:05 ID:Xb9DZhtH
>>850
12話予告の「この気持ち、恋なのかもしれない」ってやつ?
あれは俺も噴いたw
リメマドに落ちたのはその辺だったかも
BOX待ってるんだけど、ノワールの箱が出て2年以上音沙汰ないから諦めてDVD買おうかな…
858名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 00:15:33 ID:i+lWr3c+
いえ、おそらく描くとしたらナディエリの方で・・・

需要のあるなしに関わらず描きたい作品なので、
もし出すことになったらここかエル・カザ本スレで宣伝しますネw
859名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 00:44:06 ID:ra53UKhi
ナディエリ楽しみに待ってます

ぜひがんばってください
860名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 11:07:34 ID:vVLBIKiT
>>857
そうそれ。>>89-91を見て改めてフイタw
あの辺から暴走しだすんだよなリメルダは。
最後はクロエ的に退場するキャラだと思ってたから後半の展開は予想外だったわ。
ヴァネッサ的な意味で。
861名無しさん@秘密の花園:2010/06/08(火) 13:28:47 ID:6BNb7dB0
エリスって最初の頃はノンケっつーかナディの男嫌い疑惑に若干引いてた節があったのになw
最終話の後にあれと似たようなエピソードがあったらとんでもない事になりますよ
862名無しさん@秘密の花園:2010/06/09(水) 02:32:40 ID:n1Lba8HT
良く考えたら自分の百合萌えの起源はノワールだった
当時はそんな風に意識はしてなかったから萌えを上手く言葉に出来なくてもどかしかったなあw
863名無しさん@秘密の花園:2010/06/09(水) 09:45:23 ID:f9oH+VyO
>>861
想像するだけで萌えるなw
864名無しさん@秘密の花園:2010/06/10(木) 21:53:21 ID:40sjXiAn
>>861
引いてるナディの唇を有無を言わさず奪うんだろうか
力負けしたナディは抵抗を諦めて「もう好きにして」って感じになる

で、事が済んでから幸せそうに寝息を立てるエリスの横で、
賞金稼ぎは頭抱えて悩むんだろうな
数日は悶々と過ごすに違いない

そんな状態のナディに、街でうっかり因縁つけてしまったチンピラの不運に萌える
865名無しさん@秘密の花園:2010/06/10(木) 22:21:02 ID:4zOGn39J
>>862
俺は逆だったな・・・
あらゆる百合雑誌、百合漫画、百合アニメを見ていたのに
Noirを一回見てNoir以外の雑誌、漫画、アニメを全て売ったw
866名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 00:13:28 ID:yxcjhZwm
キルミーベイベーって漫画が百合でNOIRっぽいから読んで見ろ
867名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 00:20:20 ID:oYLl6GS8
あのちょっと嗜虐的な4コマか・・・
つーか、あれが百合ってのは嘘だろw

NOIRっぽくて百合なら、秦野なな恵の「ピエタ」をオススメする
雰囲気もNOIRのその後って感じでいいぞ
イチャイチャするのではなく、研ぎ澄まされた緊張感のある百合漫画だ
868865:2010/06/11(金) 00:47:02 ID:dS7KCvVZ
>>867
確かにピエタは良かった
あれもある意味完成された百合だと思う
869名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 01:30:56 ID:VRytgbsN
退廃的な雰囲気と百合は相性が良いのかもしれん
それはそうとノワールの一つのベッドで背中合わせで寝てるシーンが死ぬほどツボに入った
あの二人は後半の関係も良いけど前半の距離感もたまらなく良いよな
870名無しさん@秘密の花園:2010/06/11(金) 14:40:36 ID:12qZu/E+
今思えばエル・カザドは放送時期が悪かったな
871865:2010/06/11(金) 19:15:46 ID:dS7KCvVZ
>>870
そうなの?
872名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 19:17:09 ID:pm/IcOm7
今放送しても結果はそんなに(ry
873名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 19:41:42 ID:BeVVyf2h
ナディエリは最高だったけどそれ以外の部分がちょっとな……w
874名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 19:58:24 ID:DfvGBIL+
ロードムービーみたいな雰囲気は好きだった。ラスボスがショボ過ぎた。
875名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 20:43:30 ID:sxgiYhB7
エルカザドはラスボスよりラスト1話
876名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 21:07:22 ID:45ZoCckK
おれは2話かなぁ
…ダイナーの話って2話だよね?

ああいうのが一番雰囲気出る
877名無しさん@秘密の花園:2010/06/12(土) 22:34:11 ID:bbUiq7/I
雰囲気や百合的に一番好きなのはNOIRだけど最終回はエルカザドが一番美しかった
まさか真下であんな感動的な締めくくりをお目にかかるとはwと
878名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 03:37:11 ID:WBf2w5b6
地獄の季節って百合的には微妙な話かもしれないけど(話自体はかなり好きだけど)
逆に二人の百合関係を描く上では必要なエピソードだったのかもしれない
まあそんなわけで13話と14話はセットのエピソードだと思う
879名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 09:53:46 ID:3cfROsOT
873と874の意見に同意。
26話あったんだからもう少しストーリーに深みが欲しかった。
ナディの過去も結局よくわからないままだし。
ラスボスもあれだけ煽っておいてあっさり終了だし。お前何したかったんだw
物語重視で見てしまうとガッカリ感があるのは否めないな。

ただ、ナディエリは最高だった。ロードムービーな雰囲気も良かった。
880名無しさん@秘密の花園:2010/06/13(日) 17:27:00 ID:tF6La1zE
>>878
まあ確かにセットと言われればそんな気がする・・・
ミレイユ以外に初めて心を開きかけるが、自分に近づく人はみな不幸になる

そこで14話で唯一心を許せるミレイユにわんわんっぷりwを発揮し
さらにミレイユが唯一の身寄りより自分を選んでくれた
(むろんソルダについたら誰だろうと許さないのかもしれないが)ので
ますますミレイユになついていく

16話では我が身を省みずマフィア共に向かっていき
ミレイユに「バカよ…あんたは」と言われても、あの嬉しそうな顔ときたら!
そう考えると、確かに重要な回だったね・・・
881名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 00:13:04 ID:wwGjifsf
何処かで見た、【リカルド:よく訓練された百合萌え 青目:ナディエリラブ ローゼンバーグ:百合に混ざりたいKY】という分析、かなり的確だと思うw

882名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 00:32:05 ID:+H9BxZEp
問題はナディの百合度だと思う
相棒のエリスのことを、妹か娘のように大事にしてるのは分かる
しかし果たして、それが性衝動に結びつくかどうか・・・
883名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 05:12:59 ID:VTEJRBiY
本人がガチじゃなくてもエリスに圧されていつの間にかズルズルとそっちの道に進んでしまう図なら容易に想像できる
884名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 21:02:54 ID:4QAfIR2U
882の言うことは納得できる。
ただエリスとナディが離れてしまう未来は想像できない。
ゆえに883の流れに一票を投じたいと思う。
885名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 21:32:44 ID:klBbaQNt
俺も一票!
886名無しさん@秘密の花園:2010/06/14(月) 23:49:27 ID:TqutZoEm
俺にも投票権はあるよな?

883に1票だ
887名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 05:23:21 ID:qz6hl+4W
俺はミレイユと霧香に一票だな
なんせ運命の赤い糸だしw
888名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 21:47:25 ID:wgnH/e01
エルカザドに足りないのは三角関係成分ではないだろうか?
889名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 21:57:44 ID:4lI5JV7J
エルカザドに三角関係は不要

ただナディとエリスがいちゃついていればそれでいいのだ
890名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 22:33:52 ID:ZzPWJjDS
夫婦に見える〜?
891名無しさん@秘密の花園:2010/06/15(火) 23:45:49 ID:qz6hl+4W
ガチですw
892名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 00:55:23 ID:DsUtf4E7
>>888
LA涙目
893名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 02:18:00 ID:6MGRM9gP
最近盛り上がってて良いことだ

ちょっと文章考えてみた

その日ベッドの上で目を覚ましたナディは、まず自分の身体を確認した。
…見事なまでに裸であった。そして、恐る恐る横を見る。
そこに幸せそうな顔で寝ていたのは、一番の親友であり、相棒であり、庇護の対象であるエリス…なのはいい。まだ、いい。
問題なのは、エリスもまた…素っ裸だったって事で。
わかっているのだ。別に酔っ払ってこんな事になったわけではないので、昨晩何があったのか…というか、ナニをしてしまったのかは。

全く夢であったらどんなに良かったか…いや、それとも夢じゃなくて良かったのか?
とりあえずナディは、一つ大きな溜め息を吐いた。
「う………ん」
エリスが寝返りを打った。窓から差し込む光に照された横顔は、あどけなくて、でもとても綺麗で…何だかどうでも良くなって、ナディは思わず優しさを含んだ苦笑い。
「ナディ…美味しいけど…もう食べられない…」
…なんだこいつ、狙って言ってるのか?だとしたら大したものだ。
「このぉ…起きやがれ」
ちょっとだけ顔を赤くしたナディは、エリスの頬っぺたを軽くつついてやる。
「…おが?」
また変な声で目覚めたものだ。
暫く目をぱちくりさせたエリスは、ナディの顔を認めると
「………おはよ、ナディ」
にへ、という効果音が似合いそうな表情で笑って言った。
「……あのさ、エリス。昨晩…その、あたしと色々して…次の日の第一声が、それ?」
「朝起きたらおはようだよ?」
随分と真っ当な事を言ってくれる。
「いや…まあ……いい、か。それはそれとして…」
ここで深呼吸一つ。
「こうして事に及んでしまって…確認しときたいんだけど」
「うん」
「あんた…昨晩、魔法使ったんじゃないの?」

894名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 03:04:07 ID:6MGRM9gP
続き


昨夜のこと。
「ねえ…ナディ…」
「んー?なに、エリス?もう遅いんだから、そろそろ寝なさいよー」
そう言って水差しの水をコップに注いで一口。
「わたしとナディは、こいびと同士になれないの?」
吹き出した。
「げほっ……は?…エリス、何だって…?」
「わたしはナディのこと、大好きだよ?ナディはわたしのこと…嫌いなの?」
「いや……好きとか嫌いとかじゃなくてね?恋人ってのは男と女で…」
「ナディ…」
エリスの目が、光を帯びた…気がした。
「わたしは…ナディのこと、もっと知りたいよ」
「………」
「…ナディ、は?」
「…………………」

――――――――――
そして、今に至るわけで。
「…うん。多分、使った…と思う」
「やっぱり…」
「でも、使ったのは最初にちょっとだけだよ?」
え?
「わたし…ナディともっと近付きたいと思って、その時魔法が出たんだけど、それだけ。後は全部…なんて言うんだっけ?」
「そこで成り行きとか言ってくれるかこの魔女は」
「でもつまり、半分はナディのせい」
うぐ、と言葉に詰まる。
「ナディにハートを貫かれたのは、これで二度目だね」
「…なに笑顔で人の前科をつつくり回してくれてんのよ」
「でも…今、すごく嬉しくて、しあわせ」
またまた言葉に詰まる。いや、むしろ何を言えと。ピタリと身体を寄せてくるな。あたしの脳みそが蕩けて崩壊してしまう。
「………ナディは?」
訊かれて、はた、と考える。あたしとエリスの関係は…親友で、相棒で、保護者と比保護者で…だからこそ、ある意味停滞していた。
そんな間柄で…これから先も一緒にいられるかなんて、わからないのに…考えるのを先伸ばしにしていた。
それはあたしもエリスに少なからずの好意を持っていたけど…それが恋心だとか、思った事もなかった。
そこにエリスは…風を吹き込んだんだろうか?あたし達が一緒にいられるための、軛と共に。
「そうね……」
起きた事は変えられない。でも、未来は作りあげていく事ができる。
多分あたしの場合…エリスと一緒なら、最高に愉しくて、素晴らしい未来を。
「今はあたしも…凄く幸わせ」
微笑んで、エリスの頭を撫でてやる。微笑み返してくるエリスが、とてもいとおしい。
「これからも一緒にいよう、エリス」
「……いえっさ」
きっと二人なら、どうにでもなる。
895名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 03:05:11 ID:6MGRM9gP
おわり



ナディエリ…最ッ高…(某海の男風に)
896名無しさん@秘密の花園:2010/06/16(水) 15:25:43 ID:Z6aXba0W
>>888
エル・カザドに足りないのはストーリーの深みだと思う。

>>893
GJ!半分はナディのせいというセリフに2828した。
ウチらが心配するまでもなく二人ならどうにでもなるだろうw
897名無しさん@秘密の花園:2010/06/18(金) 03:58:49 ID:VbqBBsuM
>>893うおぉぉぉ!GJ!!!もう、エリスの魔法で子供創っちゃえよwww
898名無しさん@秘密の花園:2010/06/19(土) 22:54:55 ID:5sCl21iI
>>897
それはナイスアイディアw
899名無しさん@秘密の花園:2010/06/20(日) 01:12:15 ID:6YqKcaOh
>>895
GJ!!!
ナディの心境が、戸惑いから最後の1行に着地するのがイイ!
900名無しさん@秘密の花園:2010/06/23(水) 19:13:51 ID:JI+cngBo
ノワールのエンディングってやっぱり事後なのか……?
はわわわ
901名無しさん@秘密の花園:2010/06/23(水) 20:48:23 ID:4w2C//a9
ミ「霧香、あんまり窓の側に立つと見えるわよ」
霧「大丈夫。私たち以外誰もいないわ」
ミ「じゃあ今夜も声出しても大丈夫ね」
霧「・・・ばか」
902名無しさん@秘密の花園:2010/06/25(金) 03:18:02 ID:qhAEj9g3
ミ「あんたが挿入れるのよ」
霧「よいしょ」
903名無しさん@秘密の花園:2010/06/28(月) 19:29:36 ID:AAktNsmh
しかし窓はあれだな
性別に目を瞑ればハーレム作品の主人公みたいだな
904名無しさん@秘密の花園:2010/06/29(火) 00:41:50 ID:5n0gsAFQ
ミ「暑い・・・」
霧「すやすや」
ミ「嬉しいんだけど、夏はやっぱり暑いわ・・・」
霧「んー、ミレイユぅ」
ミ「う・・・」

こうして夜がふけていきます
905名無しさん@秘密の花園:2010/06/29(火) 02:04:27 ID:eU0GWObD
>>904
いいねえ
翌朝を想像してみた

霧「ミレイユ」
ミ「なに」
霧「昨日、眠れなかったの?」
ミ「そんなことないわ」
霧「だって。ここに、くまが」
ミ「……触らないで。コーヒーの飲みすぎかなんかよ、きっと」
霧「ふうん」

ぺろっ

ミ「ななななに舐めてんのよ!?」
霧「ミレイユはうそつきだ」
ミ「嘘なんかついてないわ」
霧「コーヒーは苦いのに」
ミ「……?」
霧「どうして、こんなに甘いの」
ミ「う……(やばい、ぎゅーってしたい!)」

こうして一日がはじまります
906名無しさん@秘密の花園:2010/06/29(火) 05:54:26 ID:t5O96ouM
>>903
サフィズムで検索したまへ
907名無しさん@秘密の花園:2010/06/30(水) 16:38:43 ID:rIhddYIL
男女間の恋愛を経て最終的に百合に至るのが真下の美学なのかもなー
hackのsignもそんな感じだったし
908名無しさん@秘密の花園:2010/07/01(木) 20:14:38 ID:4j+Vgx4R
那覇まで窓狙いだったとはなあ
たまげたなあ
909名無しさん@秘密の花園:2010/07/06(火) 21:26:44 ID:J0trARaZ
>>907
それはあるかも
男にも興味あったけど、結局お呼びでない・・・とw
910名無しさん@秘密の花園:2010/07/07(水) 17:50:37 ID:y9wfYynD
最近やったなんか雰囲気の美しいエロゲ(70%程度百合)のヒロインの一人がエリスにかなり似てる件。
相手の女の子も髪が長いので、ナディと妄想できなくもない。素晴らしい。
因みにストーリーの作りも良い。これエロシーン抜いたら普通に文学作品として通用しね?という感じ。
百合に対して否定的な面も全く見られない点も良い。
911名無しさん@秘密の花園:2010/07/07(水) 19:00:01 ID:mNgbns5d
ああ、あの青姦ゲーか
912名無しさん@秘密の花園:2010/07/09(金) 19:17:45 ID:ZpzAeTti
分かんないよw
913名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 01:16:36 ID:M2w+aU/e
カタハネ。
914名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 10:09:20 ID:aPN8FW89
え?あれは100%百合だろw
(男のシーンはスキップでとばした)

でも確かに百合ゲーでは神レベルだったな
俺の中ではフライングシャインのNoelと並ぶ最高作品

つーか、ノワールの同人ゲームどこかにないの?
915名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:18:41 ID:M2w+aU/e
百合ゲーにしてアインさん(♂)の素敵さは異常。掘られてもいいくらいだが、デュアさんと天国で結ばれて下さい。
俺もあんな人やリカルドパパみたいな大人になりたいもんだ。
916名無しさん@秘密の花園:2010/07/15(木) 22:04:20 ID:PBb0ba92
そろそろ本当にミレ霧成分が底をつく・・・
神はいずこに
917名無しさん@秘密の花園:2010/07/15(木) 23:01:08 ID:4GGevsuc
>>916
神がいないなら神になればいいじゃない。
918名無しさん@秘密の花園:2010/07/15(木) 23:16:19 ID:lQtW4yyE
ミレイユ「アンタ目、いくつ?」
キリカ「? 二つ?」
919名無しさん@秘密の花園:2010/07/17(土) 00:47:08 ID:KqlTuwwp
ミ「じゃあ耳は?」
霧「・・・ふたつ、あっ」
ミ「ふふ、ほんと。ちゃんとあるわね」
霧「ミレイユ・・・」
ミ「じゃあ、胸は?」

こうして今日も長い夜が始まります

920名無しさん@秘密の花園:2010/07/17(土) 23:02:46 ID:uJ7ZrxCc
ミレ霧の二次創作してるサイトは見かけないけど、存在しているんだろうか?
921名無しさん@秘密の花園:2010/07/18(日) 05:00:41 ID:T/9xVwz1
>>920
以前はかなりあったらしい
今はそれこそコミケに出してくれる人のサイトでしょ!
個人的にイチオシはタケ◯さん
老舗サークルだけど、とても上手いよ
922名無しさん@秘密の花園:2010/07/18(日) 15:24:33 ID:T/9xVwz1
ちなみに「カツラ屋」で検索すればすぐ見つかるよ
923名無しさん@秘密の花園:2010/07/18(日) 21:15:16 ID:DNAo+UlF
>>922
以前、静なつでお世話になった気が・・・、とりあえず覗いてみますね。
924名無しさん@秘密の花園:2010/07/18(日) 22:28:41 ID:T/9xVwz1
>>923
あー、確かにそっちも出してる
何書いても上手で百合百合だよ

俺はノワール専門だけど、応援の意味で当日は全部買ってるw
925名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 01:40:15 ID:zFP6A568
誰か俺の為にナディエリの二次創作サイトを作ってくれ・・・、小説でもイラストでも何でもいいから・・・
926名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 01:45:23 ID:5eybRcES
そしてそれは俺のためでもある・・・

ナディエリは至高
927名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 07:06:42 ID:AUz0PL9L
同意だ…
ナディエリさい…こ…う…
928名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 23:33:19 ID:rkYYkwOx
ミレ霧はもう見れなくなったのも含め昔からそれなりにあったのに
マド組やナディエリの二次創作の少なさは異常気象事態…
929名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 23:48:50 ID:zFP6A568
OVAでも何でもいいから出せば活気が出るはず

そういやエル・カザド漫画なかったっけ?
見たこと無いけど
930名無しさん@秘密の花園:2010/07/21(水) 23:54:54 ID:+/8X9ncB
エルカザドの漫画はひどいから見ないほうがいいよ
931名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:43:26 ID:datozSLR
どうも>>808で拙いssを書いていた者です。

余りにもナディエリ成分が足りなかったので自給自足精神でss書いたので投稿します。
人生二本目のssなので、やはり前回同様拙い文章ですがアドバイスとかあったら嬉しいです。
932名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:44:00 ID:datozSLR
「〜♪」
リリオが嬉しそうに、私のポンチョを掴み直ぐ後ろをついて来る。
「ねぇナディ。これからどうするの?」
エリスは、私の隣を歩きながらそう聞いた。
「んー、どうしよっか・・・」



どうして私達とリリオが一緒にいるのかといえば、話は数分前に遡る。
一週間連続の野宿に加え朝食無しという苦行のような朝を迎えた私達は昼過ぎにようやく街に着いた。
私達はシャワーよりも食糧確保、と乙女としては0点の思考回路の元すぐさまタコス屋を探し出し、昼食を取る事にした。
そこで、目にしたのは実に数ヶ月振りとなるリカルドとリリオの姿だった。
「ナディか、丁度いいところにきたな」
リカルドは私達を見るなり、そう言った。
リリオは久しぶりに私達に会えたのが嬉しいのか、エリスの元へと駆け寄った。
「・・・何か、アンタらしくない第一声ね。嫌な予感がするんだけど」
「そうでもないぞ、実はこれから仕事が入っていてな明日の朝まで帰れそうに無いんだ。リリオをホテルに一人で残そうか悩んでいたんだが、まぁ、もう悩む必要は無さそうだ」
「明日の朝まで、か。先を急いでる旅じゃ無いから、別にいいんだけど。タダでっていう――」
「もちろん、多少の金は出すさ。お前達とリリオの滞在費と・・・そうだな、今回の仕事の賞金の2割やろう」
「ワーォ!エリス、今日は久しぶりにゆっくり出来るわよ」
とナディは後ろを振り向きエリスの方を見たが、エリスはリリオとタコスキッズセットに付いてくるおもちゃで遊ぶのに夢中でナディの話は聞いてなかった。
「・・・」
「商談成立だな、じゃ後は頼んだぞ」
933名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:44:40 ID:datozSLR
――ということがあったわけだ。
ただホテルで寝かせて終わり、というのもリリオが可哀想だし、何よりまだ日は高いので街の観光でもすることにした。
「リリオ、何か食べたいものある?」
と、エリスはお姉さん風を吹かしてリリオに聞く。
(最近は甘えてばかりだったけど、リリオがいることはエリスにとっていい影響かも)
などと、エリスの年齢と比例しない甘えん坊ぶりに少し心配になっていた私としては嬉しい場面だ。
「アイスでも食べよっか」
私は公園の近くで営業しているアイス屋を指差すとリリオは嬉しそうに首を縦に振った。

「――、ほら、リリオ。ほっぺにアイスついてるよ」
エリスはリリオのほっぺについたアイスを指で拭き取ってやる。
「〜〜♪」
「ふふっ、エリスったらお姉さんみたい」
「みたい、じゃなくて。お姉さん、だよ」
と、自信満々に言うエリス。
「――!」
リリオが何かに気付いたような声を上げ、私に顔を近づける。
「ん?何かあった?」
と、言った直後、私の頬に舌を当てて舐め上げるリリオ、どうやらアイスがついていたようだ。
「ナディのほっぺにアイスがついてたんだね。えらいよ、リリオ」
「〜〜♪」
エリスはよしよし、とリリオの頭を撫でてやる。
私はというと突然舐められた、ということよりエリスが何も反応しないことにショックを受けていた。
(エリスが嫉妬なり、やきもちなりしないということは、これは私離れが徐々に成功してるってコトなのかな?教育係を自負している私としては嬉しいけど・・・)
と、なんやら言い表せない気持ちを押さえつけ「ありがと、リリオ」と笑いかけた。
934名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:45:01 ID:datozSLR
日も暮れて遊び付かれたリリオはホテルに帰るなり、直ぐに寝息を漏らし始めていた。
「つかれちゃったんだね」
「そうねー、あんだけ遊べばね。エリスは疲れなかった?」
「んーん」
「お姉さんだから?」
「うん」
エリスはそういうと、シャワーを浴びに浴室へと向かった。
「エリスー?頭洗ってやらなくていいのー?」
いつもは洗ってー、と強請ってくるエリスが何も言わず一人で向かったことに疑問を感じ私は浴室の方に向かって言う。
「おねーさんだから、だいじょーぶ」
と、間延びした声が返ってきた。






「すまなかったな、ほれ約束の金だ」
リカルドが迎えに来たのは、朝7時頃だ。
「ほら、リリオもお礼を言いなさい」
リリオは私に抱きつき、思い切り笑顔を向けた。リリオなりのお礼だろう。
リカルドたちが去った後、エリスと二人で部屋に戻ると、エリスがルームサービスのアイスを急に頼んだ。
「朝からアイスかい・・」
「いいの」
アイスが来ると、しょうがないので朝飯と割り切って私は食べ初めた。
アイスを食べる私を、エリスはまじまじと見つめる。
「なに?なんかついてる?」
「んーん、ついてないから見てるの」
「?」
エリスの不思議な言動を気にしながらも、私は二口目を口に運ぶ、が、
「冷たっ」
寝起き頭の所為かスプーンはあらぬ方向へと向かい、私の頬に当たった。
エリスは待ってました、と言わんばかりに顔を近づけアイスを舐め上げた。
「アンタ、まさかこれを狙ってたとか?」
「うん、昨日リリスにやってもらってたの見て、私もやりたいなって思って」
「アンタねぇ・・・」
私はあきれ果てたようにエリスを見た、まだ何か物欲しそうな目をしていたので、頭を撫で
「えらい、えらい」
と褒めてやると、満足げな表情をした。

アイスを食べ終えると、エリスは私の袖を引っ張った。
「今度はなーに?」
「頭洗って、ナディ」
「お姉さんだから、大丈夫じゃないの?」
「お姉さんは、昨日までだもん」
どうやら、私離れはまだまだ遠くなりそうだ。
・・・一生離れない方が私は嬉しいけど。
935名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:47:14 ID:9L2rU2Zm
魚おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

支援支援
936名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:48:35 ID:datozSLR
これで終わりです。
リリオって喋ったイメージ無いけど公式で喋らない設定なのか分からんから困った
937名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 00:51:47 ID:9L2rU2Zm
十二分です

ありがとうございます

本当にナディエリ成分が切れてるときのこういうのはありがたいです
またお願いします
938名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 01:46:14 ID:AUbMXVpn
素晴らしい!
頭洗うとか想像するだけで萌える
939名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 03:54:00 ID:9tiVGDjH
正直萌えた・・・。
甘えるエリスのいい笑顔が目に見えるようだぜ!ありがとう!
940名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 04:43:15 ID:e2q94+Mz
ナディの徹底した受けの姿勢がいじらしい
941名無しさん@秘密の花園:2010/07/22(木) 23:14:54 ID:Ez9/NizW
>>936
かわいいいい
GJです!! こういうほのぼのしたの好きだ
942名無しさん@秘密の花園:2010/07/23(金) 14:10:02 ID:CO1l2M2n
なんだかんだ言ってもここを含めるとナディエリSSって多いね
マドヴァネなんて本番ありのは一つしか見たことねーw
943名無しさん@秘密の花園:2010/07/23(金) 18:11:23 ID:JPx9nC15
>>942
書きたいんだけどネタが思いつかない
あとどっちもあんまり喋らないし
944名無しさん@秘密の花園:2010/07/23(金) 19:07:13 ID:tDHuhH2B
今更な上にスレチなんだけど
Amazon.ukが話題になったときに購入した向こうのNOIRのDVDセット

7枚あるディスクに番号が振られてないので以外に不便…
945名無しさん@秘密の花園:2010/07/23(金) 22:39:57 ID:1990p7SJ
>>944
え、そうなの?
それは不便すぎるでしょf^_^;)
946名無しさん@秘密の花園:2010/07/24(土) 04:06:44 ID:4WvO1PSh
947名無しさん@秘密の花園:2010/07/24(土) 18:34:30 ID:/EbpFKyV
>>946
百万回保存した
948名無しさん@秘密の花園:2010/07/24(土) 21:04:00 ID:xGKMTQ+k
>>946
GJ!!そしてありがとう
949名無しさん@秘密の花園:2010/07/25(日) 12:13:06 ID:w7DDvtWF
>>946
何回か見たことあるな。エルカザのイラストとかまとめて落とすとよく入ってるけど、誰が書いたんだろ?
950名無しさん@秘密の花園:2010/07/25(日) 21:04:52 ID:ho0n0U6P
>>949
多分しらたまさん
pixivに前載せてたよ
確か夫婦になったミレ霧もいたはずw
951名無しさん@秘密の花園:2010/07/29(木) 11:15:22 ID:iH/jFRHw
またもやナディエリ禁断症状が〜〜〜
定期的にやってくるんだ波のようにな
ささやかでもいいからメディア展開してくれたら盛り上がるだろうにな
952名無しさん@秘密の花園:2010/07/30(金) 01:33:29 ID:QMIo+Szc
真下はもう三部作みたいな百合ガンアクションアニメやらないのかな
新三部作みたいな感じで
953名無しさん@秘密の花園:2010/07/30(金) 02:22:33 ID:FRW28ABs
そしたら今度は百合ソードアクションだな。
ガン×ソー(ry
954名無しさん@秘密の花園:2010/07/30(金) 12:07:44 ID:IZQOjHje
「私は処女よ!!」
「わ・・・わたし、だって・・・!」
「言わないで、はしたない!!」

ですかわかりません
955名無しさん@秘密の花園:2010/07/30(金) 15:16:24 ID:/pmmjB2o
難易度高すぎて俺もどっからそんな思考がきたかわからない・・・
956名無しさん@秘密の花園:2010/08/01(日) 22:33:12 ID:qWJ8MdXT
せっかくきれいに終わったもんをいまさらむしかえさんでも
957名無しさん@秘密の花園:2010/08/05(木) 21:59:25 ID:mXxuTvfb
ノワールのBOXの発売決定以来ずっと窓のBOX化を待ってるんだが
これはもう諦めて普通のDVDでそろえた方がいいんだろうか…
958名無しさん@秘密の花園:2010/08/05(木) 22:46:32 ID:+BkV2Cxp
そういや出ないな
マドならギリギリ出せそうな気もしたんだが
959757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/05(木) 22:55:21 ID:HW0aqNQ5
生理描写がちらりと出るのでそういうのが少しでも嫌な方は回避お願いします
それでもおkと言う方がいれば幸いです
960名無しさん@秘密の花園:2010/08/05(木) 22:58:40 ID:iPbnFxLU
なんでもおk
たのんます
961757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/05(木) 23:03:10 ID:HW0aqNQ5
―2―



「よいしょ・・・っと」

口癖と共にリビングの床に掃除機を下ろした霧香は、ふぅと息を吐いた。
今朝立てた予定を実行するための気合いを引っ張り出すように、
掃除機からコードを引っ張り出してコンセントに差し込む。
空気の入れ換えに窓を開けると、朝方よりも幾分柔らんだ温度を纏った風がさらりと部屋の中に滑り込できた。
霧香は両手の指を組んで腕を伸ばし軽く柔軟体操をすると、
陽を浴びる尾根の群を見渡してから、そのまま何となく路地を見下ろした。
「あ・・・」
瞳が捕らえたのは、先程見送ったばかりの見慣れた背中。
霧香がその姿に気付くのとほぼ同時に、金色の髪の揺れが止まった。
そうして振り返ったミレイユの唇も、交わった視線に意表をつかれたのか「あ・・・」と小さく開いていた。

何故か動揺してしまった霧香が思わず手を振ると、
ミレイユも照れ臭そうに口元に笑みを含みながらひらひらと手を振り返した。
再び背を向けて歩いていくミレイユを曲がり角が隠してしまうまで見送ってから、
やっと霧香は掃除を開始した。

あのふわふわの髪・・・
次に見る時にはほんの少しだけ短くなっているのだろう。

何故ならミレイユの今日の予定は、
中南米のギラつく太陽に曝され続けて痛んでしまった毛先のカット・・・は、おまけで、
本当の予定は買い物と、ポーレットの所に預けた観葉植物を取りに行く事。

きっとポーレットさんも仕事内容の愚痴をぶつけられるのだろうな、と
霧香は小さく笑い観葉植物の指定席、窓の傍のラックに目をやった。
(ポーレットさん、枯らしてなければいいけど・・・)
預けておいて本当に良かったと霧香は心の底から安堵した。
当初はこんなにも留守にする予定では無かった、長く見積もっても一週間位だろうと思っていた今回の仕事。

それは職種を微妙に変えてからの初めての仕事だった。

962757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/05(木) 23:16:43 ID:HW0aqNQ5



二人が心を重ね、初めて身体を結んでから数日たった夏のある日。
ミレイユは部屋の修復工事中、時期的には庄園から帰って来て数日後の頃に、
アパルトマンの管理会社が知らぬ間に変わっていたことに気が付いた。
妙に引っかかりを覚え、詳しくその会社を調べた結果、最終的に行き着いたのはとある大企業の名。
そこの最高責任者の名前は、レミ・ブレフォール。『ソルダ』だった。
いつからそうだったのか、もしかしたら最初から・・・
ミレイユは相当のショックを受けたが何かほっとした相反の思いもあった。
あの悪趣味なステッキを持つ男。
快くは無いが、ソルダにしては信用に足る人物で聡明さも感じていた。
その男が、ダミー会社をいくつか紐解き辿って行けば直ぐに割れてしまうほど、
ここまでハッキリと痕跡を残したということ・・・それはつまり向こう側の意思表示。
少なくともソルダの手はいくらか距離を置いたという姿勢を取ったのではないか・・・と。
ミレイユの意見は霧香の推測と一致した。
とりあえず向こうの内輪揉めに巻き込まれることは無さそうだろうと安堵したが、
同時に、やはりその影の驚異には畏怖の念を抱かざるを得なく・・・

それに・・・

霧香の瞳から意思を読んだミレイユは黙って頷く。

――あの荘園で原理主義派の全てを壊滅できたという確証は無かった。

分かってはいる。
今まで歩いてきた道が道なのだ。そう簡単に泥は拭えない。
自身は拭ったつもりでいても、それを許さない者もいるだろう。
だから、今はまだ情報が耳に入る位置にいた方が賢明だ、と二人は判断した。

『殺しはやめる』
でもそれは『殺しには行かない』というだけで
この先、決して人を殺さない、とは言い切れなかった。
それは大切なものを守るため、そのためなら・・・
ミレイユを守るためなら、私は微塵の迷いも無く引き金を引くだろう。
それに私はミレイユの側を離れない。ミレイユを一人にはしない。
これはあの日に立てた誓いでもあり、自分の意思でもある。
だから私は生きるのだと、霧香はミレイユに語った。そしてそれはミレイユも同じ想いであった。

こうして話し合いの結果決めたのは、銃は手放さずの暗殺代行業廃業。

――今はまだ、灯りを求める場所から闇を見渡そう。
それが霧香とミレイユ、両方が望み選んだ道だった。

そうして職種を微妙に変え、人脈を生かして情報屋兼仲介役を開業した矢先、
二人の下にポーレット経由から依頼が来たのは今から一ヶ月以上も前の事。

963757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/05(木) 23:39:23 ID:HW0aqNQ5
管轄外だと断りを入れようとしたが、
突然依頼人自ら接触を求めてきたのでしぶしぶ会ってみると、
それがミレイユが過去お世話になったという古い知人で・・・
しかも深々と頭を下げられてしまったものだから、仕方なく今回だけ、と引き受けたのだった。

そして直接聞いた依頼の内容は、驚くほど実に簡単なもので。
でも何故か裏業界のたらい回しに合っていたというその仕事。

それは、『茶封筒を一つ、ある人物に届ける』というものだった。

「何か問題があるの?」
「・・・・・・受取人にね」
霧香の問い掛けに溜息混じりに呟いたミレイユの言葉通り、確かに受取人の、主に性格に問題があった。

裏業界ではよく腕の良さや悪行で名が売れるが、その受取人もある変わった理由により名が売れていた。
「当たりくじ」だとか「疫病神」だとか、人によって違う異名で呼ばれる人物。
めったにお目にかかれない破格の礼金もその名を轟かす要因の一つなのだが、
もう一つ有名だったのが、極度の人嫌いと機械嫌い、異常なまでの警戒心を持つ人間らしく、
直接授受行為をとったのに誰も顔を見たことが無いということ。
依頼を受け、無事終えた数少ない前例から受取人の身体的特徴が一切聞かれないのはそのためだった。

良く言えば慎重な性格と言うべきか・・・こういう世界に警戒心が強いに越したことはないのだが、あまりにも度が過ぎている。
それは依頼人から渡された依頼書に添付されていた合意書にもよく表れていた。
簡単にまとめると、
茶封筒の中身は知らされない、見てはいけない。
個や集団に追われるかもしれない、もしそうなっても追われる理由も知らされない。
その理由を調べてはならない、ただ指示通りに動き物を届ける。
との事だった。
もし追われても何に追われているのか、それさえ謎なのだ。
対処もできないとなれば何気にリスクの高い仕事。
殆どの場合、そんな得体の知れなさ過ぎる内容と、元々持ち合わせている噂や異名で断わられるだろう・・・
そこまで思考して、あぁ、だからたらい回しに合っていたのか・・・と、霧香は変に納得しながらフランスを後にした。

964757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/05(木) 23:56:05 ID:HW0aqNQ5
そして二人は最初の指定先、南米に渡ったのだが・・・
受取人の例の警戒心の強さで受け渡し場所を転々と変えられ、その度にこちらから連絡をするはめになり、
しかもこちらの特定連絡先を持つことは禁止されていたので街から町へ移動する度、
公衆電話の少ない町だとわざわざ店の電話を借りて連絡を取るという、
手間と時間をこれでもかというほど取らされていた。
様々な人種、言語が入り乱れ、マイナーな言語も残っている土地柄、現地人との通訳はもっぱら霧香の役割で、
車の運転や、受取人とのやり取りはミレイユの役割だったものだから、
移動させられる度、連絡を取る度にミレイユの怒りのメーター値は上昇し続けるのだった・・・

そうしてブラジルから始まった仕事の経路はどんどん北上していき、
メキシコのとある街、店先の吹き曝しの公衆電話にて、
「物を足下に差し込め」との言葉で唐突に終わりを告げる。
困惑しつつ、指示通りに公衆電話下の地面にはめ込まれた格子状の通気口、
その隙間に茶封筒を差し込んだ。
電話口から聞こえた「ご苦労様」と共に向こう側へ茶封筒が消えた時、
明らかに人為的な引力を感じたミレイユは、怒りのぶつけ先を顔も拝めないまま逃してしまったと肩を落とし、
霧香もなんと慰めてよいやらと困り果て、二人して暫く呆然と立ち尽くしていた・・・

こうして、直ぐに終わると思われた仕事は散々振り回された結果、
伸びに伸びて一ヶ月という長旅に変わっていたのだった。
幸い霧香達が引いたのは当たりくじの方だったらしく、悪意の視線や殺気を感じる事も銃を抜く機会も無く・・・
白頭の鷲を敵に廻したり、アマゾンの未開の地まで行かされたという過去の例を鑑みれば、
一ヶ月間の中南米たらい回しなんてかなりマシな方なのだろう。
それに実のところ、こめかみに青筋を浮かべるミレイユを余所に、
霧香は中南米の広い空の景色を楽しんでいたのだった・・・



「一ヶ月と二週間・・・」
掃除機をかけながら先日までの長旅を回想しつつ、本日二度目の言葉を呟いた。
しかしそれは長旅の日数ではなく、ある決意を固めてから実行出来ないまま過ぎ去った日数。

幾度目かの夜の情交の後、眠るミレイユを前に霧香が立てたその決意とは、

――今度こそは私がミレイユを・・・!

と、いうものだった。

965757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/06(金) 00:18:31 ID:+AKQCbUX
二人の性格上そうなってしまうのは致し方ないのだが、霧香はまだミレイユに最後までしてあげた事が無かった。
勿論、最中にミレイユの身体に触れる事はあるものの、逆に触れ返されたりして力が抜けてしまい、
最終的には伸ばした手はシーツに押し付けられて、いつものようにそのまま身を委ねて・・・だったり・・・

そうやって次こそは、次こそはと何度も足踏みをして、
やっと決意を固めた直後、一度頑張ってみたことがあったのだが・・・結果は惨憺たるもので・・・
最初から主導権を握ればいいのだ、と勢いに任せてミレイユの身体を押し倒すつもりが、
文字通り勢いに任せたせいで、霧香の突然の行動を受け損なったミレイユが、
ベッドボードに後頭部を強打するという事故を起こし・・・
当然その後は怒られたり呆れられたりで、とてもじゃないがそんな雰囲気には持っていけず。
その夜は飼い主に叱られた子犬の様に、身を小さくして眠りに就いたのだった・・・

そうやって手探りの試行錯誤という名の迷走を始め出した途端に、何という運命のいたずらか。
最初にミレイユ、ミレイユが終わると間髪を容れずに霧香に月経が訪れてしまった。
日本で虚偽の生活を送っていた頃や、この国でミレイユと暮らすようになった後も、
不規則ながらにきちんときていたそれは、雨の日の墓地での別れを後にピタリと止んでしまっていたのに、
巡礼の旅に終止符を打ち、療養のため身を潜めている間に周期は規則正しく巡り始めていた。
女性の身体は心とこんなにも密接に繋がっているんだなと、どこか他人事のように感心しながらも、
勿論他人事ではなく、面倒というか恋人が同性で運悪く期間が連なればかなり厄介なものだった・・・
しかも、二人共自分が月経の間は触れられる事を良しとはせず、
逆の立場の時は相手の体調を気遣って事に及ぶことも無かったので、大人しく穏やかな夜を過ごしていた。

そして、そんな節制の二週間を送った後には急遽中南米での仕事が始まり・・・
仕事中は互いにプロ意識というものが働いて、
ホテルなど二人だけの空間にいても、キス以上のあれやこれやは一切しなかったのだった――

――つまり、

一人密かに立てた決意の日から、現在に至るまでの日数にほぼ等しく

一カ月と二週間

――――身体を重ねていなかった・・・

「うぅ・・・」
自分の不甲斐無さと、以前の恥ずかしい失態が脳裏を過ぎて思わず呻いてしまう。
寝室の端の埃を取るために移動させようと掴んだ姿見に、肩を落とした自身の姿が映っていた。
情けない顔を苦笑で誤魔化し、これじゃあ駄目だと気持ちを持ち直そうとした時、
絶妙のタイミングで洗濯乾燥機の終了音に呼ばれてしまい、霧香はまたガックリと項垂れてしまった。

966757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/06(金) 00:39:42 ID:+AKQCbUX



「ふぅ・・・」
シーツも替えたし荷解きもした、洗濯も終えたし・・・
指を一つ一つ折りながら、予定の殆どを片付けた事を確認した霧香は、
一息付こうとビリヤード台の傍の椅子に腰掛けたところであることを思い出した。
座ったままの椅子をくるりと半周回転させると、
後で仕舞おうと壁際に置いてあった空のショルダーバッグを手に取って、外付けポケットからあるものを取り出した。

仕事の途中と、帰りの空港へ向かう途中、偶然に二度も出逢った少女。
二度目にあった時、自分の相棒を恋人だと言って照れていた時の笑顔が印象的だったその少女に、
別れ際良く分からないが「お礼」にと貰った、黒猫と白猫が寄り添った形のマスコット人形。
宿泊したホテルのテレビで、このキャラクターのアニメがやっていたのを覚えている。

霧香は、椅子ごと窓際にコロコロと移動してラックに猫達を置いてみた。
よく見ると二匹のしっぽは緑白赤で彩られ、真ん中の白い部分には小さすぎて潰れているが、
あの国の旗からするに鷲とサボテンが描かれているのだろう。

「なんか不細工ね、この猫」
貰ってすぐミレイユには酷評されたが、霧香はこの二匹をとても気に入っていた。
その独特の可愛さも惹かれる要素だったのだが、
実は『魔法の猫』と『招き猫』みたいだと、ただ勝手にそう思って、
子供じみた理由だがそれが寄り添っているのが無性に嬉しかったのだ。

霧香は『招き猫』の鼻を指先でつんと押して、早く福を招いて下さい、と恋人の帰宅をお願いしてみた。
すると、願いが叶ったのかただの偶然か、
ふと窓の外を見ると、紙袋を両手に持って裏路地を歩くミレイユの姿が見えた。
心躍った霧香は、荷物運びを手伝おうと思い立ち腰を上げたが、
次に目に映り込んだものに身体の動きが止まってしまった。
ミレイユの肩をポンと叩く、背の高い男性。なにやら親しげに声をかけている。
男性の方を振り返ったミレイユの表情はよく見えないが、それが余計に霧香の心に靄をかけた。
容姿端麗な彼女だから、街を歩けば男性に声をかけられるのはよくある事だ。
何を今更思うことがあるのだと霧香は自分に言い聞かせ、談話する二人から視線を逸らすと、
冷えてきた外気を遮断するようにゆっくりと窓を閉じた。

967757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/06(金) 00:53:31 ID:+AKQCbUX
キッチンへ行き湯を沸かす準備をしながら、霧香はぼんやりと思案を巡らした。
いつもなら大して気にしないのに・・・何か自分の胸の内に引っかかりを覚える。
「はぁ・・・」
無意識に吐いた溜息と、その後に聞こえたコツコツという足音にハッとした。
慌てて玄関に向かいおかえり、とドアを開けると、
肩で呼び鈴を押し鳴らそうとしていたミレイユは少し驚いた表情をした後、
ただいま、と微笑んで自分の頬を霧香の頬に軽く触れ合わせた。
それだけで、先程までのもやもやとした気分が幾分か吹き飛んだのを感じた霧香は内心苦笑した。
「はい、無事生還」
そういってミレイユは植木鉢の入った紙袋を霧香に手渡した。
よく見ないと分からない位少しだけカットされたミレイユの髪とは逆に、青々とした葉は一月前よりも伸びている様だ。
「重かったでしょ、ご苦労様」
「霧香も掃除ありがとね」
枯れずに帰ってきた観葉植物にホッとした霧香は心の中でポーレットさんにお礼を言うと、
ドアを閉めて、リビングへ向かうミレイユの後に続いた。

「あ〜寒かったぁ」
持っていた紙袋をビリヤード台に置くとミレイユは大きく息づいた。
霧香はラックの上、猫達の後ろに植木鉢を置いて満足げに眺めると、何気なくミレイユの背中へ視線を向ける。
心の隅にある焦燥感が、先程見た窓からの景色を皮きりにじわじわと中心まで浸食している。
ミレイユの無防備な背中を見た時、霧香はそれに気が付いた。

「そうそう、新しくできるって言ってたあのお店、もうオープンしてて・・・」
背を向けたまま紙袋の中を漁るミレイユは、食料と日用品を分けながらが話を続けるが、
霧香の耳はそれを拾えないでいた。

「ほら、お土産――」

ミレイユの言葉を小さな衝撃が遮った。

「・・・・・・」
「・・・・・・」
ミレイユを後ろから抱きしめた霧香は金色の髪に額を押し付ける。
話を中断させてしまった事は申し訳ないと思いながらも、霧香はどうしても自分を止められなかった。
「・・・なぁに?・・・」
「・・・うん・・・」
子供をあやすような優しい声色に、霧香は気恥ずかしくなってただ頷く。
「・・・・・・まだ陽も沈んでないのに・・・その気になっちゃうわよ?」
冗談ぽい口調のミレイユに、霧香は更に身体を押し付けて遠慮がちにこう呟いた。

968757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/06(金) 01:24:57 ID:+AKQCbUX
「・・・そのつもり、なんだけど」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

沈黙が、微動だにしない空気が霧香の顔をみるみる赤く染め上げた。
自分の『らしくない』行為がとてつもなく恥ずかしくなって、全身が燃えるんじゃないかという位熱くなってくる。
焦った霧香はミレイユの腰に廻した腕を解こうとしたが、その時冷たい感触がそれを制した。
外の寒さで冷えていたミレイユの手が、霧香の腕から手首の方へゆっくりと移動して手に重なった。
冷たいはずなのにミレイユの手の平に包まれた手の甲がジンジンと痺れて熱くなる。
息を飲んだ霧香が、もう一度躊躇いがちに腕に力を込めて身体を押し付けると、
ミレイユも軽く凭れるようにして身体を預けてくる。
甘ったるい吐息が聞こえた瞬間、
いつの間にか、夕暮れのオレンジ色に塗りつぶされていた部屋が甘い空気に満たされた。
もうすぐ部屋の温度も下がる、空の色も寒色に変わるから、二人で温度を上げて、肌を暖色に染めて・・・


――と、良い雰囲気だったのもつかの間。
突如としてその空気を一気に霧散させる笛の音が、二人の肩をビクリと震わせた。
勿論その音は真っ赤になった霧香の顔からではなく、キッチンの方から。

「あ・・・お湯・・・」
火を通したままだったヤカンを思い出した霧香は唖然としたまま呟いた。
「ふふ、ざーんねん」
そう言ってミレイユがパッと手を放すと霧香の腕もずるりと落ちていった。
「これ冷蔵庫に入れといてね」
食料だけをまとめた紙袋を、未だしょげている霧香に差し出したミレイユは、
「ヤカンのお湯、吹き零れちゃうわよ?」と笑いながら付け加え霧香の頭をぽんぽんと撫でた。
そこでやっと霧香は「う、うん」と真っ赤な顔のまま必要以上に深く頷くと、
受け取った紙袋を持って恨めしい笛の音の鳴る方へ小走りに駆けていった。


――本当はドアを開けて、階段を下りて、アパルトマンを出て、彼女の荷物を半分持ってあげたかった。
でも、何故かそうできなかった子供のような自分が、とても嫌になる。


                   ―つづく―
969名無しさん@秘密の花園:2010/08/06(金) 01:25:52 ID:W3uJbGty
いいね!!
970757茶 ◆hdaHemy54Y :2010/08/06(金) 01:33:58 ID:+AKQCbUX
今回も霧香はほぼ回想と掃除してオワタ
あまりいちゃいちゃしてなくて百合的には微妙かも?しれん
次はもっといちゃいちゃ頑張ります

>>839
イベントとかじゃなくてこんな理由でした。正直サーセンw

>>847
自分の地域公演の時に限ってリチフォ歌われなくて涙目w
しかしまさかの真下三部作メドレー聴けたから大満足でした

>>250
ということでまだ居るかどうか知らんが2年も掛かってしまって申し訳ない
自分的にはこんな感じの仕事して運よく大金せしめて
徐々に灯りのある方へ、というのが勝手な理想です
二次のソルダは優れた百合紳士\(^o^)
971名無しさん@秘密の花園:2010/08/06(金) 10:58:29 ID:ZX3YcVCJ
もう二年も経ったんですね…
どれだけ掛かっても作品投稿して下さるだけで嬉しいです。
情報屋兼仲介屋となれば、人工魔女についての
資料をどこぞに届けたりして
面倒な事になれば良いのにと思いました
972名無しさん@秘密の花園:2010/08/07(土) 08:29:43 ID:PnEfJfzK
今日は立秋だとよ。
読書の秋だ。「白痴」読もうぜっ!
973名無しさん@秘密の花園:2010/08/07(土) 18:15:41 ID:x3IpYvEH
>>970
キテマシタワアアアアア
今回もGJ!!これで微妙とか何だw
毎回自分のツボをど突いてくるので感服します
霧香が若干?欲求不満ぽいのがたまらん
974791:2010/08/08(日) 06:54:14 ID:as6WdXS5
>>757
待ってました!!
しかも職業が「暗殺代行業」から「情報屋兼仲介役」になってる!
これはとても重要な点で、霧香が人を殺す悲しさを認識した後に
殺しを進んでやるとは考えにくかったので(もちろんミレイユを
守るためなら例外としてOKなのも納得)この展開は最高です!!

もちろん百合な点も楽しませていただきました。
特に「頬に軽く触れ合わせた」場面は、パートナーへの愛情が
溢れんばかりに伝わってきました!

相手へ感謝の気持ちを事あるごとに伝えているのもいいですね。
身体を重ねなくとも、こんなにあったかくなるミレ霧を
ありがとうございます!

757茶様にはいつもながら感謝感謝です!
私も2人が徐々に灯りのある方へ進むことを期待しておりますので
どうかこれからも頑張ってください。
975名無しさん@秘密の花園:2010/08/11(水) 01:37:13 ID:EEhKvTHu
>>970
今回のもすごい良かったです。
おとなしそうな霧香の心をこれだけ揺さぶれるのは、ミレイユだけですね!
次は、ミレイユをリードする格好良い霧香が見えるのか、楽しみにしてます。


>二次のソルダは優れた百合紳士\(^o^)

ブレフォールは絶対に、ジャバンエキスポに行って、
百合作品漁ってますねw
976名無しさん@秘密の花園:2010/08/12(木) 16:35:58 ID:eUAMBrhe
>>970
イチャイチャ超期待!
徐々に灯りのある方へ・・・最高じゃないですかw
977名無しさん@秘密の花園:2010/08/13(金) 20:36:32 ID:XQqKg/p6
とあるサイトさんのナディエリ小説が更新されてた!
この人の書くナディエリ好きだ
コメント書けんみたいだから応援の意味をこめてポチっといた
978名無しさん@秘密の花園:2010/08/14(土) 00:42:28 ID:vdI5e32M
>>977
そうだよな( ´ ▽ ` )ノ
書いてくれる人にはいくら感謝してもしきれないよ
979名無しさん@秘密の花園:2010/08/16(月) 02:54:43 ID:yfeUPNxo
noirを改めて全話観てみたら、すごく良かった
霧香がだんだん表情豊かになっていくところとか、ミレイユの人間性とか、もうたまらん

原作を見返して、やはり757さんのssは感情の移り変りが丁寧に表現されていて素敵だと思った
980名無しさん@秘密の花園:2010/08/17(火) 19:29:26 ID:HRsLdN1W
>>979
俺も最初から見直してる
もう五回目だけど、全然飽きないw

やっぱり霧香がミレイユになついていくのが可愛すぎるw
981名無しさん@秘密の花園
次スレそろそろ考える?
スレタイは2を3にするだけでいいみたいだけどw