【ネギま!】近衛木乃香・桜咲刹那百合専用スレ(8)

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1名無しさん@秘密の花園
     _
   ,.'´  `ヽ    γ'´ ̄ソへ
   i Lllノリリ)」〉 ((l√ノ川リ/       
   | l ^ヮ^ノ|   i| ゚ヮ゚*レノリ     せっちゃんはウチの婿
   ノ⊂||卯リつ?⊂广y/√つ     
   ーく/_|〉┘   ^λ/r \   
     し'ノ    /从_ト ミノ
過疎防止のためにもSS、イラスト、投稿された作品の感想、語り合い大歓迎 むしろエロカモン

原作の早売りネタバレは厳禁です。ネタバレ解禁は水曜日の午前0時から。
基本的にsage進行です。 このせつ情報どんどん下さい。

前スレ
【ネギま!】近衛木乃香・桜咲刹那百合専用スレ(7)
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1180111005/
まとめサイト(管理人:虚武僧様)
http://tonkachi.yu-nagi.com/
2名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:10:32 ID:3SKw9IYz
[各種データ]
麻帆良学園中等部3年A組13番 近衛 木乃香
1989年3月18日生 (辰年・うお座) AB型

好きなもの:占い&オカルト、料理
嫌いなもの:あんまりない
所属:占い研究会、図書館探検部
備考:学園長(関東魔法協会会長)の孫、関西呪術協会会長の娘(オヤジはゲンドウ)
声優:野中 藍


麻帆良学園中等部3年A組15番 桜咲 刹那

1989年1月17日生(巳年・山羊座) A型
好きな物: 剣の修行。木乃香お嬢様(?
嫌いな物: 曲がったこと おしゃべり
所属: 剣道部
備考:京都に伝わる神鳴流の使い手にして、陰陽道にも通じる剣士・烏族ハーフ
声優:小林 ゆう
3名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:15:56 ID:3SKw9IYz
[関連スレ]

【ネギま!】13番 近衛木乃香萌えスレ【出席番号と同じ13スレ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1167376175/
【ネギま!】15番 桜咲刹那萌えスレ23【半デコ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1184303065/l50
 魔法先生ネギま!エロパロスレ27
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1182879711/
【ネギま!】ちうとザジに萌えればいいんじゃね?24
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1177733626/
【ネギま統合】魔法先生ネギま!&ネギま!? 1時間目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1176560950/
魔法先生ネギま!百合総合スレッド
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1178010068/
【ネギま!】龍宮真名・長瀬楓百合専用スレ2
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1182943918/
【ネギま】宮崎のどか・綾瀬夕映スレ【みやあや】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1174375659/
【ネギま!】高音・D・グッドマン、愛依スレ
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1124628974/
4名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:17:29 ID:3SKw9IYz
規制で前スレ書きこみできんかったから
新スレ立てたけど良かったかな?
勇み足でないことを祈る。

ちなみに前スレのホストの続きはwebサイトで読もう!!
5名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:18:59 ID:4z3ISOBc
>>1
前スレの885です。
まさか容量オーバーとは・・・・スレの立て方もわからず、途方に暮れていたところです・・・・。
本当に大感謝! 乙!
6名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:24:49 ID:3SKw9IYz
ごめっ。実はオイラスレ立て初めて。

できれば続き投下してください。
ちなみに続編は1希望!
または,刹那のご奉仕で!
7名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 02:28:24 ID:4z3ISOBc
了解しました。
続き投下しますね。
8ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:29:58 ID:4z3ISOBc
「こりゃやばいかも・・・・」

ハルナの無茶苦茶な設定を聞き、木乃香から黒いオーラが流れ出ていた。
ここで木乃香が刹那にやめてくれと言えば、刹那はすぐにでもやめるだろう。
・・・・しかし木乃香は、刹那やクラスメイトがこの日の為に努力をしていたのを知っている。
その為、その努力を水の泡にする事に抵抗感を感じていた。

「桜咲さん、かっこいいな〜・・・・キスしちゃえ〜v」
「・・・・わわ!?」
「――――っ!」

その一瞬の迷いが命取りだった。
刹那を指名した客が、刹那の頬にキスをしたのである。
この客の行動で、木乃香の怒りは頂点に達した。

「・・・・っ・・・・すまん夕映、のどか・・・・ウチ飲食班のお手伝いにいくな・・・・」
「あ、はい――・・・・」
「え? 向こうは四葉さんやチャオリンのおかげで――」
「ハルナ、いい加減にするです」

萌えと優勝に目がくらむハルナを夕映が制した。
その場にいたメンバーは、立ち去る木乃香をそのまま見送る。

「・・・・ごめん、ちょっと調子に乗りすぎたかな」
「当たり前です」
「・・・・まぁ、あの二人ならこんな事でこじれる事はないとは思うけど」
「あ、桜咲さんが・・・・」

木乃香が立ち去っても、場の賑わいは変わらない。
しかし刹那だけは木乃香がいなくなった事にすぐに気付き、不安げな表情を見せていた。
9ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:31:45 ID:4z3ISOBc

*

「あかん、ウチ最低・・・・」

静かな部屋に、木乃香の独り言が響く。
木乃香は出店クラスの控え室に来ていた。
今一番忙しい時間帯なので、その場には木乃香以外誰もいない。

(一瞬・・・・せっちゃんの事呼んで、あのお客さんに見せつけようと思ってしもうた・・・・)

クラスがこの一週間頑張って築き上げたものを、一時の感情で壊そうとしてしまった。
その罪悪感が木乃香の胸を締め付ける。

「・・・・お嬢様?」
「っ!?」

入り口に背を向けていた木乃香の背後から、刹那の声がした。
木乃香は必死で笑顔を作り、振り向く。

「せっちゃん、なんできたん? 忙しいんに・・・・」
「お嬢様が見えなくなったので・・・・その・・・・」

刹那は遠慮しがちに木乃香に近づいてきた。

「お嬢様のお仕事はお店のサポートでしたので・・・・こちらに来る必要ないはずですし・・・・」
「来たらアカン」
「え?」
10ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:35:28 ID:4z3ISOBc

歩みだした刹那を、木乃香は静止した。
その命令に刹那は従い、二人の距離は一定に保たれる。

「お嬢様、どうして・・・・?」
「せっちゃん、戻らんとあかんやろ・・・・今も指名入っとるんやないの?」
「え・・・・」

木乃香のただならぬ雰囲気に、刹那は言葉を失っていた。
木乃香は刹那に背を向け、店に戻るように促す。

(これ以上近づかれたら・・・・この部屋に閉じ込めたくなってまう・・・・)

・・・・想い人が他の人といちゃつく所を見たくない。
しかし、この学校に来て得る事ができた大切な友人たちの努力も、無駄にする事はできない。
八方美人な木乃香の性格は、自らを犠牲にする事を選んだ。

「せっちゃん、行って」

・・・・――バタン

しばらくの静寂の後、ドアが閉まる音がした。
刹那が立ち去ったと悟った木乃香は、嫉妬深い自分にまた自己嫌悪する。

(後で・・・・謝らんとな・・・・)

木乃香は持っていた飲み物を口に含んだ。
とはいっても喉が渇いているわけではないし、味も感じない。
ただ何となく、何かをして気分を紛らわしたかっただけだった。
11ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:36:09 ID:4z3ISOBc

「――お嬢様」
「っ!? けほっけほっ・・・・!」
「あ、すみません!」

刹那はまだ部屋にいた。
確かにドアは閉めたが、それは内側からだったのだ。
驚いた木乃香は、口に含んでいた飲み物を噴出しそうになってしまう。

「けほっ・・・・何でまだいるん!?」
「私はお嬢様の傍にいたいのです・・・・本当にご迷惑でしたら、立ち去りますが・・・・」
「め、迷惑やなんて、そないな事ないけど・・・・」

刹那の不意打ちで、木乃香の憂いの気持ちはどこかに吹き飛んでいた。
刹那は木乃香の拒絶がないと知ると、木乃香のすぐ隣に寄ってくる。

「えっと・・・・お嬢様が持ち場を離れるなんて珍しいですね。どこか具合が悪いのですか?」
「ううん、もう大丈夫や。・・・・せっちゃんも仕事投げ出して、ウチの所に来てくれたから」
「え?」

刹那はわけがわからず、きょとんする。
木乃香はそんな刹那を少し睨んだ。
木乃香が我慢しようとしていた"嫉妬心"が燃え上がる。

「せっちゃん、お客さんの事"お嬢様"って呼んどったね・・・・」
「あ・・・・早乙女さんにそうするようにと・・・・」
「しかもキスされとったね」

完全に怒った木乃香の態度に刹那も気付き、顔が青ざめた。
刹那はこうなった木乃香に一番弱い。
何をされようと抵抗できなくなる。
・・・・それは主従関係無しの、恐怖心による絶対的な支配。
12ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:37:04 ID:4z3ISOBc

「も、申し訳ございません・・・・! でもあれは、突然の事で・・・・!」
「わかっとる。わかっとるけど・・・・ウチの気持ち、わかる?」
「・・・・は、はい」

木乃香は刹那に近寄ると、刹那のスーツに手をかけた。
刹那の抵抗がないのを確かめると、前をはだけさせる。
そして両手を中に潜り込ませて、刹那を抱きしめた。

「・・・・っ」

刹那が身体が硬くなるのがすぐにわかった。
しかし木乃香は離すつもりはない。
刹那自ら、この部屋に・・・・木乃香自身に閉じ込められたのだから。

「・・・・せっちゃんは、ウチのやもん」
「は、はい・・・・」
「ホスト、やめて欲しいのが本心やけど・・・・我侭はあかんもんね。でも・・・・」

木乃香がより一層強く抱きしめれば、刹那は小刻みに震えた。
それもそのはず、刹那は木乃香に触れられるのに敏感になっていたのだから。
それを知る木乃香は、わざとじっくりと刹那を攻めた。

「ちゃんと自覚せなあかんえ・・・・?」
「い、以後気を付けます・・・・っ」
「――よろしい、ほな一緒に戻ろかv」
「あ・・・・」

木乃香は刹那から離れる。
中途半端に刺激を終わらせられ、刹那から寂しげな声が漏れた。
13ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:39:22 ID:4z3ISOBc

「ウチが見てるって事忘れたらあかんえ? ・・・・ちゃんと出来たら、ご褒美あげるからな?」
「が・・・・頑張りますっ・・・・!」

しっかりと刹那が自分の物であると確認した木乃香は、元気よく教室に向かって歩き出した。
刹那もスーツを直すと、慌てて木乃香を追いかける。
・・・・必死に追いかけてくる刹那を見て、木乃香はさらに優越感に浸る事ができた。

「あの・・・・ひとつよろしいですか?」
「ん? なんや〜?」
「お嬢様は・・・・クラスのホスト投票の時、誰に入れたのですか?」

ぴたっと木乃香が止まった。
その木乃香にぶつかりそうになり、刹那は慌てて木乃香を避ける。

「お、お嬢様?」
「・・・・堪忍」
「え?」
「ウチ・・・・せっちゃんに入れた」

・・・・なんという矛盾か。
刹那にホストを止めて欲しいと思いながらも、木乃香はしっかりと刹那に票を入れていたのだ。
しばらくの静寂の後、刹那が笑い出した。

「あはは・・・・お嬢様、矛盾してます・・・・っ」
「もう、笑わんといてー!」
「す、すみません・・・・でも嬉しいです。ありがとうございます」
14ホスト 続き:2007/08/04(土) 02:40:18 ID:4z3ISOBc

この時見せた刹那の笑顔。
刹那は心から嬉しいと感じ、思いのままに木乃香にお礼を言う。
木乃香はその素直な刹那に見とれ、嫉妬していた自分がバカらしくなっていた。

「っ・・・・・・・・せっちゃん!」
「は、はい!?」

木乃香が急に叫び、刹那が後ずさる。
それでも木乃香はかまわずに、刹那に飛びついた。

「今晩は必ずウチに会いにきてな!」
「え、え?」
「たっぷり奉仕してや〜v」
「あ、ちょ、人が見てます〜!」

人前で抱きつかれ、刹那は赤面してもがく。
男装した刹那と、サポートの為に若干オシャレしている木乃香は、はたから見れば完全なカップルだった。
・・・・男の方が立場が下で、若干情けなかったが。

(んー・・・・このせっちゃんが本当に男の子だったら・・・・どうなるんやろ?)

ふと浮かぶ木乃香の疑問。
現実的には不可能であり、ありえない事ではある。
しかしこの疑問は後に、答えとなって戻ってくるであろう。

そう、魔法というものが実在するこの世界ならば、不可能などない。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
15名無しさん@秘密の花園:2007/08/04(土) 12:20:46 ID:WotTbNtm
GJ!!!

前スレで途中で止まってたんで、新手のじらし作戦かと思ったwww
16スレちがいスマソ:2007/08/04(土) 22:43:31 ID:2ratMOS1
http://www.nicovideo.jp/watch/1185986151
野中藍が歌うネギまの歌
17名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 01:35:24 ID:dBHJ/NIz
GJ!!
前スレびびったww
1816 スレちがいスマソ:2007/08/05(日) 09:56:17 ID:ATisw9aD
http://up.spawn.jp/file/up39605.html.html
野中藍(近衛木乃香 役声優)の独唱による歌謡曲の1つ
19名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 11:08:18 ID:KkMvAabr
>>18
マヂ、ありえねぇ
ってか前スレで自重しとけよ
ホント氏ねばいいのに

・・・正統派住民よ、アラシっぽくなってスマソ
20名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 14:44:50 ID:nWDemaDH
こんな過疎板の出張スレが500K越えだなんて立った当初誰が予想したろうか。
これも職人諸氏が頑張ってくれてる証拠だな。誠にめでたい。みんなテラGJス!

あと>>1乙!
21名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 15:28:15 ID:zM+01Oiv
>>1乙です!
俺も途方に暮れていた所だったんでスレ立ててくれて助かりましたっ!
22名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 15:31:48 ID:OlydwzGC
では、空気を変えるために小ネタをおひとつ。

ちりーん…
刹那「夏、ですね…」
木乃香「せやな〜」
ちりーん…
刹那「暑いと、どうにも軽装になってしまいますね…」
木乃香「いつもガード固いせっちゃんやけど、夏はお色気全開やね〜」
刹那「お、おいろけ?」
木乃香「…せやかて!そんなパンツにタンクトップ一枚とか!誘っとるん?誘っとるんか?」
刹那「は?え、ええ?このちゃん?どうしたん?」
木乃香「こ、ここでこのちゃん攻撃なん!?…決定的や。せっちゃん、誘っとるんやね」
刹那「え!?あ、あのちょっ!??」
木乃香「安心しい、ほどよく激しくしたるから…」
刹那「ど、どこに安心し……っひ、ひゃああぁぁん!!」
ちりーん…

図書館組
ハルナ「…とまあ、某スレ的にいくと恐らくこういう事態になってると思うのよね」
のどか「はわわわわ…」
夕映「のどか、目を合わせてはいけません」

明日菜たちの部屋inネギ・明日菜・木乃香・刹那
刹那「やっ……だ、駄目!アカンて!二人が見っ……ひっ!」
木乃香「せっちゃん、敏感やな〜」
ネギ「あ、ああ、刹那さんが…」
明日菜「ちょ、木乃香何して…あ、あんなことまで!?」
刹那「で、ですから足の裏は弱っ……はうぅ!な、舐めな…っ」
木乃香「…アカン、はまりそうや」


刹那はいじられてナンボだと思ってる
23名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 16:50:11 ID:5PHyaIRR
>>22
ちょっ!うはっ!きたっ!
24名無しさん@秘密の花園:2007/08/05(日) 20:38:26 ID:dBHJ/NIz
>>22
ぐはっ!やられた!ww
2522:2007/08/05(日) 22:08:33 ID:OlydwzGC
>明日菜たちの部屋inネギ・明日菜・木乃香・刹那
ああ、不思議だ逆になっている
正しい表記→ネギ・明日菜・木乃香・刹那in明日菜たちの部屋

>>23>>24
素早い好反応dクス!
26名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 00:03:55 ID:xPXNE6zY
このちゃん攻撃てwテンション高いネタはおもしれーな。GJw
27名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 01:27:53 ID:zVaqQScv
今週のテーマ:『熱帯夜』ってのはどう?
28名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 13:02:56 ID:PQKqp7+1
さっき新しいすれ立ったのに気づいた漏れ(遅orz
ホストの続きwktkしながら絵まで描いてしまった;
ttp://www.uploda.org/uporg946448.jpg
色鉛筆;;慣れない事はしなんもんですね。。。
お目汚し失礼します!><
29名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 17:38:25 ID:MmNqZQoU
>>28
せっちゃんかっこいい!!
絵の投下は貴重だから嬉しいな
GJ!!
30名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 22:14:46 ID:akJk3K3w
>>28
み、みれない・・・・。
ストーリーに関係ある絵だったら、ぜひ挿絵にしたいんだが(・ω・`)
31名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 23:31:13 ID:xPXNE6zY
もう404かよorz
32名無しさん@秘密の花園:2007/08/06(月) 23:42:00 ID:NQnFlujn
>>28
この木乃香…
なんか…めちゃ気に入った!!

GJです
携帯で見れましたよ
33名無しさん@秘密の花園:2007/08/07(火) 14:40:19 ID:KpwpRt+8
携帯でみたけど404だったよ?
34名無しさん@秘密の花園:2007/08/07(火) 22:58:29 ID:Vqo0Qt7V
う〜ん。見れないね。いい感じだったのに。
挿絵的に十分に良いと思うんだが。
また落としてもらうか誰か持ってないかな?
35名無しさん@秘密の花園:2007/08/07(火) 23:06:37 ID:kSJkmdmW
>>28
俺はみれたけど、そこにうpするのはやめた方がいいよ。
一日程度ですぐ流れちゃうから。
36名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 03:41:52 ID:9qlQWDXR
近衛木乃香と桜咲刹那の名前での相性診断結果(脳内メーター)
やったことある人ごめん ないひとやってみて
ttp://maker.usoko.jp/nounai_ai/?a=Maker&oo=%B6%E1%B1%D2%CC%DA%C7%B5%B9%E1&oo2=%BA%F9%BA%E9%D1%EB%C6%E1
なんか普通でした。どっちかにHがあると思ってたのに・・・
37名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 14:18:52 ID:EDAt94eD
>>36
せっちゃんバロスwww
38名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 22:19:05 ID:L6UPVcSk
このせつ抱き枕全国放送で流しちゃだめwww
39名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 22:33:18 ID:62Z2ZBi2
えっっ !(゚д゚)!
流れてたの?アレが?


見たかった…orz。
40名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 22:35:49 ID:L6UPVcSk
Never give up!も流れたよ。ちょっと感動
まぁニコニコにうpされるだろうけど
41名無しさん@秘密の花園:2007/08/08(水) 23:03:53 ID:62Z2ZBi2
ひそかにこのせつ動画に萌えた。
うpされるの待つなり…。
42名無しさん@秘密の花園:2007/08/09(木) 00:36:39 ID:sJWcNngp
>>36
木乃香と刹那でやったら…
43名無しさん@秘密の花園:2007/08/09(木) 00:44:43 ID:ZBj2UIjb
>>36
このちゃんせっちゃんでやったら・・・
44名無しさん@秘密の花園:2007/08/09(木) 00:47:55 ID:X7kzEZfj
このか と せつな でやったら…
45名無しさん@秘密の花園:2007/08/09(木) 08:47:56 ID:0LM93X64
それで結果は?
46名無しさん@秘密の花園:2007/08/10(金) 01:09:05 ID:n3Z17IFr
>>36-37, >>42-45
ゲキワロスww 激うけた。
 木乃香x刹那◎
 このちゃんxせっちゃん△
 このかxせつな○
4736:2007/08/11(土) 02:44:04 ID:y0uB90//
36です

なんかssとまっちゃいましたね。
すみませんでした
どんどん投下してください 自分は力ないんで。。
48名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 09:28:07 ID:4rnqyHz3
木乃香「せっちゃん私服かわええなー」
刹那「あ、ありがとうございます…お嬢様」
木乃香「…こう、思わず食べてしまいたくなるなー」
刹那「は、え………ぱ、ぱーどぅん?」
木乃香「こう、めちゃくちゃにしたくなるなー」
刹那「!???(ちょ、明らかに初めよりエスカレートして…!?)」
木乃香「こう…ああ、もうアカン。ウチに服従するんやせっちゃん!可愛がったるえ!!」
刹那「あっ!ちょっいやっ……このちゃ…そんな急に!」
木乃香「嫌よ嫌よも好きのうちってやつやね!上出来や、せっちゃん!!興奮してきたえ!!」
刹那「ち、ちが……ひゃああああっ!」

明日菜「今日も木乃香は元気ねー。…ん?……うわ、刹那さんかわいそうに」
ネギ「あ、あんなものが…!?刹那さん……明日の居眠りは、見逃してあげますね」


>>36の催促に素直に応じてみた
どうしてもこういうノリになってしまうんだが
49名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 11:28:43 ID:1zudRBQR
書く時間が・・・・。
従兄弟だの親戚だの、来すぎなんじゃあ〜!

>>48
そういうノリ大好きだZE☆
50名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 12:42:07 ID:5Reqy0sZ
>>46
中の人も結構面白いよ
51名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 14:44:04 ID:aX+O9Ecn
中の人でやると相思相愛だな
ゆうさんがwww

>>48
木乃香がノリノリでよいww
52名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 17:23:54 ID:+mEIEDBX
話しかえて悪いんだが、前スレより職人様含め人減ってないか?

まだ、ここ見つけてない人のために何かしたほうがいいのでは・・・
53名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 19:47:55 ID:ZpdnhvbE
>>52
まあ8スレ目だしssも時期的にネタ切れ始めたし、マンネリかね
でも誰も書き込まないから「なんだ誰もいないのか」って感じになるから
このせつ話しでもしてそれなりに盛り上げりゃ住人も増えるだろ
5453:2007/08/11(土) 19:48:46 ID:ZpdnhvbE
スマソageたorz
55名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 20:30:03 ID:Wzp706Tt
ではこのせつの話をしよう

最近気付いたんだが、やっぱり初期のこのせつ(4、5巻あたり)が一番萌える気がするんだ。 今のこのせつは木乃香に余裕がありすぎてせっちゃんで遊んでるように見えるんだよな。
もっとこう… 好きな人に対するときめきとかを見せて欲しい。
56名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 20:56:27 ID:Mo4sEHSu
うん、修学旅行がピークだった
57名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 21:05:06 ID:ZpdnhvbE
話終わっちゃったよ(-公-;)
58名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 21:48:33 ID:1zudRBQR
終わるの、はえええ!
この前の記憶喪失ネタでいいのなら、これから時間を費やせばすぐ書けそうだけど。
59名無しさん@秘密の花園:2007/08/11(土) 22:29:05 ID:4rnqyHz3
SS読めるなら何でもいい!頼んだ!
60名無しさん@秘密の花園:2007/08/12(日) 00:08:32 ID:P06htF4+
むしろ>>55-57の流れが付き合いたてのカップルみたいで吹いたwww

俺は最近のこのせつも好きだよ
もう二人の世界って感じでw
61名無しさん@秘密の花園:2007/08/12(日) 00:29:44 ID:dN3MoyrX
>>58
是非是非!大怪我とかで全員の記憶なくすの?
それともこのちゃんとか特定人物だけ?まあ期待してる、頼むぜ!
6228:2007/08/12(日) 12:08:24 ID:3+Nplz7k
どうも28です404すみませんでした;
あとレス遅くてすみませんちょっと旅行で(´・ω・`)
なんか大した絵でもないのに見えなくて逆に期待されてる気が(汗
イメージうp以外あんまし使ったことないからどこでうpしたらいいのかわからないんだが誰かいいとこ知ってたら是非
63名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 03:08:14 ID:cz/NEfQo
刹那が木乃香を殺す展開を赤松に要求する。
64名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 08:10:11 ID:OBp9Y0+A
<<63
ネタ振りか?
微妙にスレチ臭がするぞ。別の板行てやれよ。




SS書く暇が欲しいよ〜書きたいのに〜
邪魔が入ってばかりでさ(*´Д`)=з
でも4〜6巻読んで萌え分補充してた。
やっぱこのせつのバイブルだからさ。
65名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 11:33:29 ID:Cui2mtq+
>>64
俺も暇が欲しいよ。
10歳の従兄弟がきてさ、ゲームに付き合ってたら書く暇なんかねぇ〜・・・・。
・・・・やっぱ10歳って子供だね、ネギ君すごいわ。

記憶喪失ネタ、もうしばしお待ちください・・・・。
66名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 17:10:43 ID:NGVmEKVC
いよいよ今週の金曜だな、ラブセンセイション
67名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 19:31:19 ID:ksFovPaa
もしこのスレの今までのピンクssとか同人にしたら・・・
このせつ同人としては絶対名作になるんだろうな

みんなこのせつ同人何がお気に入り?
68名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 20:00:49 ID:sCeMmCtC
正直ネギま(赤松作品)関連は同人の質が低い気がする…

一番好きなのはやっぱりこのスレのSSとか絵になってしまうな
69名無しさん@秘密の花園:2007/08/13(月) 22:55:27 ID:a4NhAv+U
>>68
うん禿同だな。
70名無しさん@秘密の花園:2007/08/14(火) 00:43:02 ID:TDOr8VPE
BIG-BOSSとか良かったけど解散しちゃったしな
まあせっちゃんの胸を以上に大きくするとかはダメだったけど原作に近くてよかった

>>68
ssはともかくこのせつのその手の絵はなかなか見つからないんだがドコ行ってる?
71名無しさん@秘密の花園:2007/08/14(火) 01:16:58 ID:d+pAZ1Q8
>>27
おちなし,意味なし,筋なしSSを書いてみた。
シチュが理解できたら,後は脳内補完でヨロ。
暑さがオイラの脳を狂わせたと思って見逃してくれ。
721/4:2007/08/14(火) 01:17:40 ID:d+pAZ1Q8
「今夜は暑いね〜。」
「申し訳ございません。空調が不調で…。」
「ええんよ。うちエアコン苦手やし。それに
 せっちゃんがこうして扇いでくれてるもん。」

刹那は手に団扇を持ち,木乃香にさわやかな風を送っている。

「……でもそれにしても暑いなぁ。」

木乃香は,上着の胸の部分をパタパタと扇ぎながら,
大き目のTシャツ1枚を羽織って刹那のベットでごろごろとしていた。
そんな木乃香を見遣るも刹那は,目のやり場に困っていた。

(こ……こんなあられもない格好でごろごろされたら,
 見えちゃうじゃないか…。もう……お嬢様ったら人の気も知らずに……。)

そんなことを思いながら団扇を扇いでいた刹那だったが,頬がやや色味
がかっていたことに気付かないでいた。木乃香はそんな刹那に気付いたのか,
ふと視線を刹那に向け,じっと見つめてみる。
自分の方を見ていないことを確認すると,
刹那のために考えた取っておきのポーズをとる。

「ね〜,せっちゃん。こんなんどうかなぁ?」

木乃香の声で,思考の渦から戻った刹那は木乃香の方を向いて噴き出してしまった。

「ちょっっおっお嬢様っ。なんて格好をっ……。」
「このポーズ,せっちゃん嫌い?」
「嫌いってそんな全然いやむしろ好き…って何言わせるんですかっ。」
「ええやんか〜。」
「ダメです。お嬢様,そんな…は……はしたない……ダメです。絶対ダメ!!」
「だって……暑いんやもん。」
732/4:2007/08/14(火) 01:18:33 ID:d+pAZ1Q8
刹那はふぅっと溜息をついた。

(こんなの続けられたら私の身が持たない。しかたないな…。)

刹那は団扇を置き,冷凍庫へ保冷剤を取りに行った。
くるくるとタオルでくるむと,木乃香の両脇に挟んだ。

「体温が高いときは,両脇とか太股の付け根とか
 から冷却すると効果的なんですよ。」
「へぇ〜そうなん。ひんやりしてきもちええわぁ〜。」
「でもこれじゃ,うちだけひんやりやね。せっちゃんは?」
「いえ,これだけしかないので…。それに私は大丈夫ですから。」
「え〜。それじゃ,うちが嫌や。」
「でも……。」
「じゃ,うちが取っておきのヤツをせっちゃんにしてあげる。」

何を考えたかおもむろに立ち上がった木乃香は,テーブルに
用意してあったジュースを凍りごと口に含み,モゴモゴとさせていた。
一つだけ口に含み刹那に口移しで与える。

「はい。氷。」
「////…ありがとうございます…。」
「じゃ,そこ寝そべってや。」
「?……わかりました。」

刹那をうつぶせに寝かせると木乃香は刹那に知られないように
そっと氷を口に含み,刹那の上に乗る。
手を回して上着を脱がせつつも,口に含んだ氷で,刹那の耳朶に触れた。

「ひゃぁぁぁっ。なにをっっ。」
743/4:2007/08/14(火) 01:19:36 ID:d+pAZ1Q8
そのまま首筋を伝わせ,更に脱がせた背筋に沿って氷を滑らせていく。

「ひゃぁぁっ,ふぅんぅぅぁっ。あ……ヤメっ…。」

性感帯を滑る氷の冷たさに,熱いのか冷たいのか複雑な感覚が体を過ぎる。
刹那の白い肌に残る氷の滴を零さないために,木乃香は刹那の肌に吸い付く。

「はうっぁ………ふぁぁぁん……ああ…あふ…っぁ……。」

ひとしきり,刹那を舐め尽くすと,木乃香は刹那に尋ねた。

「どう?少しは涼しゅうなった?」
「//////………。」

刹那は木乃香に嵌められたことにむくれ,枕に顔を埋めていた。
木乃香は刹那の顔を覗きこむと,恨めしそうな、でも嬉そうな
刹那の顔が見れた。
まんざらでもない刹那の様子を見て,木乃香はちょっとした悪戯
を思いつく。

「…さっきせっちゃん,両脇とか,足の付け根を冷やすといいゆうてたね?」
「!……えっ?!」
「うちがやったるえ。」
754/4:2007/08/14(火) 01:20:12 ID:d+pAZ1Q8
刹那をひっくり返すと,すばやく木乃香は氷を口に含み,刹那の全身を愛撫し始めた。

「あ……っそんな……ちょっと……まって……ひゃあ…ぁん……。」

刹那の身に初めて受ける木乃香の氷による愛撫は冷たくて,でも熱くて,
体の芯まで響くような熱烈なものとなったようだった。

「せっちゃんのここ……熱い……。どんどん融けてってる。
 それに水じゃない何かでいっぱい濡れてる……。」
「ひゃっ……氷でそんなとこっ……ふあぁっ……ぁくっ…やめ…。」
「……中も……こんなに熱い………。」
「ふぁぁあっぁぁぁん。」

寝苦しい熱帯夜は,二人をさらなる熱気の中へと誘って行った。
76名無しさん@秘密の花園:2007/08/14(火) 01:23:53 ID:d+pAZ1Q8
お目汚し失礼しました。
ホントはせつこの目指してたんですが,
このせつになってしまいました。

詠春このせつが超長文になりそうで中々まとまらんorz。
あんまり長いと規制かかっちゃうんかな?
ま、そんな心配する前に書き上げることを目標にしよう。
77名無しさん@秘密の花園:2007/08/14(火) 20:21:05 ID:IDo95MPa
GJ!!詠春このせつも楽しみにしてます
78名無しさん@秘密の花園:2007/08/15(水) 11:12:21 ID:uR1W0Man

木乃香「せっちゃん、早口言葉やってみぃひん?」
  刹那「へっ? いきなり何ですかお嬢様?」
木乃香「これも修行や。やってみぃ〜♪」
 刹那「(お嬢様のこの笑顔には逆らえない・・・)わ、わかりました、では始めは何を・・・」
木乃香「『なまむぎなまごめなまたまご』や。さ、やってみ」
 刹那「はい! なまむぎなまごめなまたなg・・・はぅ!」
木乃香「おっしぃなぁ〜〜。じゃぁ次は『となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ』や♪」
 刹那「よし、今度こそ! となりのきゃくはよくきゃk・・っつ!」
木乃香「くすくすっ♪ 次ぎ行くぇ〜」
 刹那「ところでお嬢様。これには一体どういう・・・」
木乃香「ん?何かゆぅたぁ〜?」
 刹那「(だめだ・・・あの笑顔、断ると何かされてしまう・・・)い、いえ何でも」
木乃香「よっしゃ、次は『とうきょうとっきょきょかきょく』やで。いこかぁ〜♪」
 刹那「行きます! 『とうきょうとっきょこきゃk・・・いったぁ!!』
木乃香「せっちゃんまだまだやね。」
 刹那「つつっ・・・」
木乃香「ん?ど〜したんせっちゃん?」
 刹那「ひ、ひたかんれ・・・」
木乃香「舌噛んだんかいなぁ〜。 ん〜〜、んじゃぁウチが・・・」

  『ちゅぅ〜♪』

 刹那「!!? おおおお嬢様ぁ〜〜!?///」
木乃香「ふふ、舌入れたった。舌痛いの治った?」
 刹那「・・・!! ・・・///」
木乃香「くすっ、やっぱ可愛ええなぁ、せっちゃん♪」
 刹那「・・・///」
79名無しさん@秘密の花園:2007/08/15(水) 20:21:40 ID:Hdx8v01/
>>78
刹那>お嬢様が…おじょうさまがわるいのですよぉおぉおおぉ
木乃香>ちょっせっちゃやめぁあんそんなとこ触っ

80名無しさん@秘密の花園:2007/08/15(水) 21:48:35 ID:S/FRnhDU
>>79
木乃香「甘いえ、せっちゃん!!」
 刹那「な!?あっ…ひゃ、そん……ら、らめえぇぇ!!」
81名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 17:33:46 ID:iqPc4wz6
このせつ派とせつこの派の戦いに笑った
82名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 19:43:35 ID:qg/N9QdR
今更だが>>76GJ!!
これからも期待!

>>81
個人的にこのせつのほうが好き
83名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 21:04:21 ID:w/cwU2Ti
俺はせつこの派
84名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 22:06:31 ID:m85PWnCJ
らぶセンやべえ(´∀`*)
Remix版聖なるとNeverも神だ・・・
85名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 22:25:07 ID:UUu9ksYz
>>84
フラゲ乙
しかし正規の発売日まで感想は禁止だ
86名無しさん@秘密の花園:2007/08/16(木) 23:32:23 ID:iqPc4wz6
そっか、明日が発売日だっけか・・・・。
暑いの我慢してアニメイトいくかぁ・・・・。
87名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 00:00:32 ID:1nRNXZdW
コミケで買ってきます
88名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 00:02:05 ID:qq+hSeGN
コミケでは買うんじゃない!オリコンに反映されないんだよ
89名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 00:06:00 ID:ISOUcvSu
なんて無意味なこだわりなんだろう
90名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 01:06:47 ID:rFGizTSM
ばかちんが、無意味なんかじゃないぜ。
全国ネットででこのせつを晒すチャンスじゃねぇか。
91名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 01:23:17 ID:aubm85Qo
このせつは俺だけのもので良い
92名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 01:29:22 ID:hH8Mhz7r
すぐかけるといっときながら、来客のせいですぐ書けなかった。
すまない・・・・。
書きたい時に書けないからクオリティは低いけど、投下する。
93記憶喪失:2007/08/17(金) 01:30:27 ID:hH8Mhz7r

『ご馳走様でしたー!』
「お粗末さまでしたv」

ここは明日菜と木乃香とネギの部屋。
そこに修行帰りの刹那が加わり、4人で夕飯を食べていた。

「せっちゃん、今日泊まってって?」
「あ、いえ、私は――」
「いいじゃん、布団余ってるし」

遠慮しがちの刹那だったが、木乃香と明日菜の強い押しでお泊りとなった。
明日菜と刹那が修行の話をし、その間に木乃香が余っていた布団をベッドの隣に敷く。
刹那が敷くと言おうとしていたが、それは明日菜によってできなくなった。

「でさー、いつも振り遅れちゃって・・・・」
「ハリセンと大剣ではぜんぜん違いますからね。今度大剣の方で手合わせしましょうか」

布団を敷き終えた木乃香が二人を見ると、二人はまだ話に夢中で木乃香に気付かなかった。
自分以外の人と楽しそうに話す刹那をみて木乃香は、何故か苛立ちを感じた。

「・・・・せっちゃんこっちおいで〜」
「あ、はい?」
「えい!」
「・・・・なぁ!?」

手伝いかと思って用心無く近づいた刹那。
しかし次の瞬間、木乃香に押し倒されていた。
94記憶喪失:2007/08/17(金) 01:31:31 ID:hH8Mhz7r

「せっちゃーん、一緒に寝よv」
「ちょ、ちょっとま・・・・!?」
「こらこら、敷いた意味ないじゃない!」

新しいシーツの上で木乃香に押し倒された刹那を、明日菜が助ける。
刹那は苦笑して明日菜に助け起こされ、ネギは三人の仲の良さに笑みを浮かべていた。
木乃香だけがやや不満げであったが、今日は大人しく別々に寝る事になった。

*

――ゴソ・・・・

(ん・・・・誰かまだ起きとるみたい・・・・)

皆が寝静まった部屋に響く、布が擦れる音。
木乃香は真夏の暑さのせいでなかなか寝つけなかった理由もあり、その音で意識を覚醒させた。

「・・・・刹那さん、起きてる?」
「・・・・はい、私は大丈夫ですよ」

(・・・・え?)

まるで打ち合わせをしていたかのように、明日菜と刹那が起き出した。

「・・・・お嬢様に言わなくて大丈夫でしょうか?」
「・・・・大丈夫だって、逆に言わない方がいいよ」

修行なのだろうかと、木乃香は考える。
しかしそれならば、木乃香に黙っている必要はないはず。
それに律儀な刹那の事、寝る前にそういった事は前もって言ってくれるはずである。
95記憶喪失:2007/08/17(金) 01:32:36 ID:hH8Mhz7r

「それより無理言っちゃってごめんね、どうしても私・・・・」
「いえ、アスナさんの気持ち嬉しいです。私もできる限りご助力したいと思います」

暗闇の中、わずかに笑い合う音が漏れる。
そしてそのまま二人は部屋を立ち去っていった。

(・・・・どこに、行くんや・・・・?)

木乃香は不安に襲われた。
それは今回だけに関わらず、毎朝修行をしている二人を見ている時にも渦巻く不安。
急に仲間外れにされている感じがした木乃香は、じっとしている事ができなかった。

(修行とかやよね・・・・そうやなかったら、どうしよう・・・・)

・・・・木乃香も布団を抜け出し、二人の後を追った。

*

「あれが"魔物"かぁ・・・・なんか京都の時のあいつらとは違うね」
「"魔物"は大体が知性のない化け物をさす言葉です。知性を持つものは魔族と呼ばれる事が多いですね」
「知性のない奴らは害にしかならん。だからこそ私たちが狩るんだ」

森に向かった明日菜と刹那は、龍宮と合流していた。
明日菜は、刹那と龍宮の仕事を手伝いに来ていたのだ。
京都の一件の事もあり、仕事を通して刹那や龍宮から"人外との戦い方"を学んでいるようである。

「うーん、召喚とは違うんだ?」
「はい。もしそうだとしたら、先ほどのアスナさんの攻撃で消えていますし」
「フフフ・・・・急著なくあれに斬りかかるなんて、本当に神楽坂は一般人にしては度胸があるな・・・・」
96記憶喪失:2007/08/17(金) 01:34:18 ID:hH8Mhz7r

一見なごやかにみえる三人。
しかし常に周りに気を配っていた。
それもそのはず先ほどの魔物は、明日菜の攻撃が浅かったために逃げ出してしまったのだ。
もちろん明日菜は責任を感じて追おうとしたのだが、それは刹那と龍宮によって止められた。

「この森には深夜に人は入らないし、魔物も森からは出られません」
「無謀に深追いするのは命取りだぞ」

刹那と龍宮のその助言で、明日菜も落ち着いて敵を追跡する事にしていた。
・・・・しかしその落ち着きも、すぐに消えることとなる。
魔物が逃げた先から、悲鳴が響いたのだ。

――キャー!

「えっ!?」
「今のは・・・・」
「お嬢様!?」

遠くて声は小さいが、確かに女性の悲鳴が聞こえた。
刹那はそれが木乃香のものだと判断して、すぐに駆け出した。
明日菜と龍宮も後を追う。

(そんな、なんで・・・・部屋で眠られていたはず・・・・!)

正気を失った刹那を、明日菜と龍宮は止めなかった。
・・・・否、止めることなどできなかった。

*
97記憶喪失:2007/08/17(金) 01:35:40 ID:hH8Mhz7r

「いや・・・・来ないで・・・・」

木乃香の前には黒い影のような魔物、後ろには大木。
明日菜と刹那を追いかけてきた木乃香だったが、途中で二人を見失ってしまっていた。
さらに道に迷ってしまい途方に暮れているところに・・・・・運悪く、明日菜が取り逃がした魔物と鉢合わせてしまったのである。

「ブルル・・・・」

魔物の姿はイノシシのようだった。
腹部と思われる箇所には大きな切り傷があり、そこから黒い血のようなものが流れている。
眼光は真っ赤で、ただ木乃香のみを睨みつけていた。

「――ガゥッ!」

両者が睨み合う間はほんの一瞬だった。
手負いの魔物はすぐに木乃香に向けて走り出す。

「きゃっ!?」

――ドォン!

既でのところで攻撃を避けた木乃香。
大きさは大型犬ほどの魔物だったが、その身体から繰り出される突進は想像を絶するものだった。
木乃香の後ろにあった大木が、見るも無残に砕け倒れたのだ。

「・・・・!」

魔物は大木を破壊した衝撃にも怯まず、木乃香に振り返る。
目の前の惨劇と魔物の赤い眼光は、木乃香の身体は凍りついた。
98記憶喪失:2007/08/17(金) 01:37:59 ID:hH8Mhz7r

「ガァッ!」

魔物が再び木乃香に向かってくる。
しかし木乃香は立ちすくんでしまい、その場で動けなかった。

(アカン・・・・避けられない・・・・!)

「・・・・きゃああぁぁ!!」
「お嬢様ぁーー!!」

木乃香と魔物の間を遮るように、白い何かが割り込んだ。
そして、その"白い何か"は木乃香を横に突き飛ばす。

――ドンッ

木乃香を助けた為に、"白い何か"は魔物の突進を諸に受けてしまった。
それは木乃香の目には、スローモーションのように映る。
"白い何か"が翼を出した刹那だと木乃香が判断したのは、その惨劇の直後だった。

「がはっ・・・・!」
「・・・・せ、せっちゃん!?」

大木をいとも簡単に薙ぎ倒す魔物の攻撃が、刹那に直撃してしまった。
黒い塊に跳ね飛ばされて、白い羽根が散る。
そして刹那は、背後にあった石に叩きつけられ・・・・その際に頭を強打して意識を手放した。

「せ、刹那さん!」
「魔物は私が! 刹那を運べ!」
99記憶喪失:2007/08/17(金) 01:39:16 ID:hH8Mhz7r

一足遅れて明日菜と龍宮が駆けつけた。
龍宮が魔物を誘導し、明日菜は刹那を抱えて木乃香の手を引く。

「せっちゃんが・・・・せっちゃんが・・・・!」
「このか、アーティファクトは!?」
「部屋や・・・・置いてきてもうた・・・・!」

木乃香は二人を見失わないように慌てて出てきた為、携帯やカードなどを全て部屋に忘れてきてしまっていた。
魔法を使う為の杖もなく、今の木乃香は完全に無力だった。

「助けを呼ぶしかないわね・・・・」

魔物から十分に離れた場所で、明日菜は携帯で連絡を入れる。
木乃香は何もかもを置いてきてしまった事を悔いながら、頭から血を流す刹那を見守る事しかできなかった。

*

刹那の傷は大して深くは無かった。
骨にも異常は無く、魔法の治療により傷口はすぐに塞がれた。
・・・・しかしただひとつ、何よりも大事な物が失われていた。

「もう一度聞くね、君の名前は?」
「・・・・すみません、わかりません」
「さっきの子の事も、僕のこともわからないかな?」
「・・・・はい」

刹那が目覚めたとき、傍には木乃香がいた。
しかし刹那は木乃香を認識できなかった。
100記憶喪失:2007/08/17(金) 01:40:43 ID:hH8Mhz7r

「目を覚ます前の事が思い出せないんだね」
「はい・・・・」

高畑はそれだけ確認すると、刹那に安静にするように言って部屋を出ようとする。

「あ、あの・・・・!」
「ん? どうしたんだい?」
「さっきの・・・・このかさんは・・・・?」

目覚めてから初めて話した人という事もあり、刹那は木乃香の事が気になって仕方がなかった。
"記憶が無い"と伝えた時の木乃香の悲しげな顔が刹那の頭から離れず、刹那は罪悪感を感じていたのだ。

「彼女なら大丈夫。また会えるよ」
「そう・・・・ですか」
「じゃあ、ここで少し待っててね」

そう言って、高畑は病室を後にする。
少し離れた休憩所には木乃香と明日菜、龍宮が待機していた。

「あ、高畑先生! せっちゃんは・・・・!?」
「日常生活には問題ないよ。ただ・・・・"自分に関する記憶"が全て消えている」
「・・・・自分の事や周りの事が思い出せない、という事か」
「・・・・そ、そんな・・・・」

刹那が失った大切なもの・・・・それは"記憶"だった。
木乃香はあまりの現実の惨さに、それ以上の言葉を続ける事ができなかった。
101記憶喪失:2007/08/17(金) 01:42:31 ID:hH8Mhz7r

「か、回復の見込みは?」
「魔法ではなく怪我が原因だからね・・・・催眠術も施してみたけど、効果はなかったよ」
「・・・・自然に思い出すのを待つしかない、か」

今回の件に絡んだ三人は、成す術がなく肩の力を落とした。

「・・・・ウチのせいで・・・・!」
「このかのせいじゃない・・・・ちゃんと出かける前に言わなかった私たちが・・・・」

静寂の中、再び木乃香が口を開くが、出てくるのは後悔の言葉しかない。
それは明日菜も同じだった。

「今更嘆いていても現状は変わらないぞ」
「・・・・っ!」

沈み込む二人を前に、龍宮は冷たく言い放った。
その言葉に明日菜は龍宮を睨み、木乃香は驚いた顔で龍宮を見つめる。

「・・・・そう睨むな。今やれる事をやれと、言いたいだけだ」
「今、やれる事・・・・?」
「"一般人になった刹那"をどうするか、考えないとな」
「龍宮君のいう通り、桜咲君は魔法に関しての記憶も無くしてしまっている。今までの生活は無理だろう」

刹那の今までの生活・・・・すなわち、護衛と退魔師の仕事をこなす生活の事。
しかし力の存在を忘れた刹那に、そのような仕事はできない。
身寄りが無く、仕事もできなくなった刹那は生きる術がないも同然である。
102記憶喪失:2007/08/17(金) 01:44:28 ID:hH8Mhz7r

「学園長先生にも話して、どうするかを決めないとね」
「・・・・うん、ウチおじいちゃんに言うてくる・・・・」
「わ、私も・・・・!」

木乃香と明日菜は学園長の元に向かった。
その足取りは重く、雰囲気は暗い。
しかし全てを忘れた刹那だけは苦しみも悲しみも無く、ただ静かに窓の先を見ていた。

*

「刹那君には色々と頑張ってもらってるからの、今まで通り学園生活を送ってもらってもいっこうに構わんよ」
「ありがとな、おじいちゃん・・・・」

学園長の部屋に来た二人は、全てを素直に話した。
明日菜が魔法生徒の資格を持っていないにも関わらず、無理を言って刹那の仕事に同行した事。
それを知らなかった木乃香が、後をつけて立ち入り禁止の森に立ち入ってしまった事。
そして・・・・刹那が木乃香をかばって記憶喪失になった事。
過ちを犯した二人は怒鳴られる事を覚悟で話したが、学園長は怒らなかった。
二人が何よりも反省している事を感じ取ったからだ。

――コンコン

「失礼します、学園長先生」
「し、失礼します・・・・」
「高畑先生に・・・・刹那さん?」

ちょうど全てを話し終えたところを見計らい、高畑が刹那を連れてきた。
103記憶喪失:2007/08/17(金) 01:45:21 ID:hH8Mhz7r

「高畑先生、後はワシが引き受けよう」
「はい、では僕は他の仕事がありますので」

高畑は後を学園長に任せ、立ち去る。
その際に、木乃香と明日菜に何かを耳打ちした。

「え、えーと・・・・」
「せっちゃん、身体はもう大丈夫?」
「あ、はい」

刹那は知らない空間にしばらく戸惑っていた。
しかし木乃香が近づくと、少し落ち着きを取り戻す。
病院で目を覚ましてから一番最初に仲良くなったので、若干心を開いているようだった。

「さて、刹那君」
「は、はい」
「これからの事なんじゃが・・・・不安かもしれないが、ワシらに任せてくれんかね?」

学園長の申し出に、刹那は少し考える。
しかし刹那は何も覚えてないうえに、身寄りが無いと知らされているので他に頼れるものはない。

「・・・・はい、お任せします」

考えるだけ無駄だと刹那は判断し、その申し出を承諾した。

*
104記憶喪失:2007/08/17(金) 01:48:29 ID:hH8Mhz7r

学園長と話を終えた後、明日菜と木乃香、刹那の三人は寮に向かっていた。
その間に明日菜と木乃香は刹那に、学園の事を話す。

「このかさん達とここに通っていたのですか・・・・とても良い所ですね」

さも新しい物を見るかのように、刹那は周りを見渡す。
記憶を失ってからの刹那は、木乃香の事も敬称をつけて呼んでいた。
そんな刹那を、木乃香は複雑な顔で見つめる。
今の刹那にとってどのような環境がいいのか・・・・木乃香は迷っていた。

「せっちゃんは――きゃっ」
「このかさん!?」

よそ見をしていた木乃香は、階段でつまずいた。
その悲鳴に刹那はいち早く反応する。
刹那は木乃香を助けようと踏み込んだ――。

――ダン!

「・・・・え?」

瞬動術とまではいかないが、刹那は無意識の内に"気"を使っていた。
そしてそれを制御できず・・・・踏み止まる事ができないまま、刹那は木乃香を抱えて階段を転げ落ちた。

「せ、せっちゃん!? 大丈夫!?」
「は、はい・・・・痛っ!」
105記憶喪失:2007/08/17(金) 01:50:03 ID:hH8Mhz7r
先に立ち上がった木乃香が、刹那の手を引く。
しかし刹那は痛みを訴えて木乃香の手を振り払った。

「刹那さん、大丈夫!?」
「手首を少し捻挫しただけなので・・・・それよりも、このかさんは・・・・」
「ウチは平気や。・・・・どうしてウチの事かばったん?」
「なぜって・・・・・・・・助けないとって無意識に・・・・」

例え記憶は失っていても、長い間守り続けていた相手の危機に身体が反応したのだ。
木乃香はそんな刹那を前に、治療をしようとワンドを取り出す。
しかしそれは明日菜に止められた。

『目的を失った者が己に在る力を知れば、例え刹那君でも力に溺れてしまうかもしれない』

木乃香の脳裏に蘇るのは、学園長の部屋でひそかに伝えられた高畑の言葉。
今の刹那に魔法の存在が知れれば、刹那は自らの力に溺れてしまう可能性がある。
それを避ける為に、木乃香は魔法で刹那を癒してはいけない。

「・・・・っ・・・・せっちゃん、ウチ何もできんでごめんな・・・・」
「い、いえ、私が勝手に怪我をしただけなので・・・・!」

刹那のこの気遣いも、今の木乃香にはつらいものでしかなかった。
刹那は記憶を失っても自分を守ってくれるのに、自分は刹那を守る事も傷を癒す事もできないのだから。
・・・・いや、守ることなら、できる。

「アスナ、せっちゃんと先に戻ってて」
「え? ちょっとどこに――」

木乃香は二人をおいて、学園長の部屋へと引き返す。
・・・・刹那が学園長から「京都に帰るように」と告げられたのは、そのすぐ後日だった。
106名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 01:53:02 ID:hH8Mhz7r
木乃香だけを忘れる話がちらほらあったので、全部忘れる方向に。
うーん、雑だ。
読みにくくてすまん。

規制回避にここで止めます。
107名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 01:54:29 ID:+R2tF+Fc
やめるなんて言わんといてー
108名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 04:50:04 ID:zpCGZcty
>>106
GJ!続き待ってます。
109名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 06:56:14 ID:fbplAh36
ちょっ!お預けキツっ!GJ〜。ちょ〜展開期待大♪
つ、続き待ってるんだからねっ!
アタシを待たせたら承知しないんだからっ!
110名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 08:10:05 ID:jNSZvg1y
クリオリティー高いじゃないっすかぁ…
刹那がGJ!!
続き期待
止めるなんていわんといて〜なぁ〜?
111名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 09:02:37 ID:qOniEgLM
>>106
続きwktkして待ってるZE!!!1


規制逃れするんだったら、txtにしてどこかにうpすればよかったんじゃね?
112名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 09:10:03 ID:fbplAh36
良い案だけど個人的には読みにくいから嫌。ついでに言うとまとめサイトでまとめるときに困りそうと思たけどどうなん?
113名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 12:27:51 ID:qmTA9u+9
GJ!

続きの出し方は書いた方にお任せします。待ってますよ〜
114名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 16:39:11 ID:hH8Mhz7r
前回の"ホスト"みたいに、緊急でサイトにうpするっていうのもできるけど。
でも前のスレで「ここに投下した方か過疎防止になる」って言われたから、何かない限りはここにうpする予定っす。
115名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 23:11:04 ID:8xBwB2g/
>>114
ネ申!!分かってらっしゃる。
116名無しさん@秘密の花園:2007/08/17(金) 23:49:31 ID:yu7ZaH9R
>>114
きゃ〜!!
ってことはホストの続きが読めたりするのかな…
個人的にあれはやばい好きなんで嬉しいっす!!
117名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 00:50:56 ID:bXMIGYoj
発売日当日だからもう良いか?

ジャケットは地味だが,最強キャラソンだ!
通販で買ってよかった。こんなんお店じゃ買えないぜ。
顔がゆるんでまう〜。(*o*)。
118名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 04:05:54 ID:nc44Hnxe
>>117
なんか向かい合って歌ってるみたいだよな。
二人で愛を語らってるって感じ。

>>116
ホストは一応、刹那が誘拐される所までは書く予定。
時間あればだけど・・・・。
119記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:06:59 ID:nc44Hnxe

*

刹那が京都に行ってから、数日が経った。
龍宮は刹那が抜けた分の仕事に追われているようである。
そして明日菜と木乃香は、普段通りエヴァンジェリンの別荘で修行を行っていた。
しかし刹那がいなくなってから、この二人の関係はギクシャクしたものになってしまっていた。

「木乃香、本当にいいの・・・・?」

ぴくっと木乃香が肩を震わせる。
明日菜が木乃香に問うのは、刹那の事。
刹那が京都へと帰った後の木乃香は、周りの誰もが気付くぐらいに落ち込んでいた。

「ええんよ・・・・ウチの傍におったら、せっちゃんは傷つくだけや・・・・」
「でも・・・・刹那さんはこんなの望んでないよ、絶対」

二人きりになると、決まってこの話題となっていた。
もし刹那を京都へと返した理由が記憶の回復などであれば、明日菜も納得したかもしれない。
しかし木乃香が刹那を京都に送った理由は、それではなかった。

「せっちゃんは、ウチの為に頑張りすぎたん・・・・」
「・・・・だからって、麻帆良から追い出す事ないじゃない」
「ちゃう!」

明日菜の言葉に木乃香は取り乱す。
木乃香が刹那を京都に送った理由は、刹那の"解雇"だったのだ。
木乃香は刹那を護衛の任から外すように学園長に頼み、更に京都に送って自分からも遠ざけた。
自分のせいで刹那が傷付く事に、耐える事ができなかったのだ。
120記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:07:57 ID:nc44Hnxe

「今やったらせっちゃんは普通の女の子として生きられる! ウチのせいでもう縛りとうないん!」
「でも、記憶を失ったのを利用するのはよくないよ! そういうのはちゃんと話して・・・・ちょっと、このか!」
「アスナにはわからないん!」

木乃香が刹那を京都に送ってから、このような喧嘩は毎日のように起きていた。
木乃香は明日菜の説得から逃げるように、その場を飛び出す。

(ウチのせいで、もうせっちゃんを危険な目にあわせたくないん・・・・!)

明日菜の言葉で決心が揺らぎそうになるたびに、木乃香は逃げ出してしまっていた。
木乃香は誰もいない場所で泣き崩れる。
その木乃香の傍らには、刹那の愛刀・夕凪があった。

*

その頃京都にいる刹那は、木乃香の実家とは少し離れた民家にいた。
ここ数日、温かい家庭といえる環境で平和な生活を続けている。
民家の主は木乃香の父・詠春の知り合いであり、刹那を快く受け入れてくれた。

(どうして急に京都に・・・・ここに記憶の手がかりが?)

刹那はそこで、あり余る時間をかけて過去を探り始めていた。
しかしここは刹那が幼少の頃に過ごした場所とは大きく違う。
これも木乃香の頼みであり、何かの拍子に記憶が戻らないようにと配慮されていたのだ。

(・・・・思い出せない・・・・うーん・・・・)
121記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:08:54 ID:nc44Hnxe

記憶喪失というのは不思議なもので、不安や焦りというものがまったくしない。
それは記憶から起こる悩み等もきれいさっぱり無くなるからであり、刹那も例外ではなかった。

(このかさんはきっと私を知っている・・・・私もきっと、このかさんのことを・・・・)

しかし刹那は、どうしても過去を思い出さなければならない気がしてならなかった。
麻帆良でとっさに助けた少女・・・・近衛木乃香の顔が、なぜか頭から離れないのだ。
ずっと前から知っていたような、誰よりも大切に思っていたような。

(・・・・だめだ、気晴らしにいくか・・・・)

いくら考えても思い出せない刹那は、立ちあがって玄関に向かう。
玄関先では民家の主が植木の手入れをしていた。

「あれ、どこに?」
「少し散歩をしてきます」
「昼食の時間も近いから、あまり遠くに行かないようにね」
「はい、いってきます」

刹那は相手に軽く頭を下げると、人のいない森に入る。
そして誰もいないのを確認すると走り出した。

――刹那のその速度は常人のものではない。
刹那はここ数日で、自分が普通とは違う力がある事に気付いてしまっていた。
しかし誰もそれについて教えてくれないために、刹那も誰にも言うことはなかった。

「川・・・・なんか懐かしいな」
122記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:09:42 ID:nc44Hnxe

森の中で少し開けた場所に出ると、そこには川があった。
刹那はなぜか川に懐かしさを感じて、川縁を歩いてみる。

「向こうまでは10メートル位かな・・・・よし」

刹那はしばらく足元の砂利の感触を確かめた後、強くそれを蹴った。
・・・・普通ならば、決して人が飛び越えることなどできない川幅。
しかし刹那は容易に飛び越える事ができた。

(私は何者だったんだろう? こんなすごい能力を持っていたなんて・・・・)

刹那は上流に向かいながら何度も川を往復し、時には石や木の枝を遠くへ投げる。
刹那は早く走れ、高く跳べ、遠くに物を投げれる事が楽しくて仕方がなかった。
それは高畑が恐れていたこと・・・・"力に溺れる事"への序幕だった。

(あ、いけない・・・・帰らないと)

それでも刹那の律儀な性格は健在で、しばらく楽しんだ後に我に返る。
そして刹那は民家に戻るために、下流に向けて一気に大ジャンプを図った。

「はっ!」

着地地点は、川中央にある大きな岩場。
力加減もちょうどよく、刹那はそこに降りる。
・・・・が、刹那はここで過ちを犯した。
123記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:10:58 ID:nc44Hnxe

グラッ・・・・

「うわっ!?」

その岩場は土台がしっかりしていなかった。
そのため刹那の着地の衝撃に耐え切れず、崩れてしまったのだ。
予想外の出来事に刹那は対応しきれず、そのまま岩と一緒に川に落下してしまった。

「ぷはっ・・・・うっ・・・・!」

先日の雨のせいか、川は荒れていた。
それに加えて衣服に水が浸み込み、身動きが取り難くなる。
"力"がある事は知っていても十分に使いこなせない刹那は、激流に飲まれてしまった。

「がぼ・・・・っ・・・・!」

川底へと流され息ができず、目も開ける事ができない。
何かにすがろうと手を伸ばすが、それも無駄な抵抗となった。

(駄目だ、このままでは・・・・!)

刹那は記憶を失ってから初めて命の危機を感じる。
そして生きるために、必死でもがいた。
しかしその抵抗もむなしく、刹那の意識は呼吸困難によりだんだん暗くなっていく。

(誰か、助けて・・・・助けて・・・・・・・・を、助けて・・・・助けなきゃ――)

・・・・そうやって必死に生きようとする中、刹那の意識に別の何かが混じり込んできた。
何かを求めるように、刹那は手を伸ばす。
124記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:13:15 ID:nc44Hnxe

(助けな・・・・きゃ・・・・、・・・・助ける?)

無意識に、刹那は"何か"を守ろうとしていた。
刹那はその記憶と意識の矛盾に気付き、それがきっかけで冷静さを取り戻す。

(もしかして・・・・過去の記憶・・・・?)

混じり込んできたもの――それは、別の誰かを助けようとして川でもがいた、過去の記憶。
死を前に刹那の意識は、記憶の扉の前にきていた。
それでもその扉には辿り着いただけで、開く事はない。

(助け、なきゃ・・・・初めての・・・・誰を・・・・?)

「・・・・うっ、がはっ・・・・!」

そして死が迫っている事にも変わりない。
刹那は記憶の鍵を探して、新しいわずかな記憶を振り返った。
その間も刹那の頭の中ではフラッシュバックのように、失った過去の記憶がチラつく。

(最初に会ったのは・・・・このかさんだったっけ・・・・)

最初に出てきたのは、真っ白な記憶を持って目覚めた時に傍にいた木乃香だった。
そしてチラつく記憶には、昔川で溺れた幼馴染の姿。

(この、か・・・・このか・・・・無意識に守りたいと思った・・・・。私は昔、川で溺れたあの人を・・・・川で、溺れた?)

その二つが重なり・・・・それが記憶の扉の鍵となった。
125記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:14:31 ID:nc44Hnxe

(・・・・そうだ、あの人は・・・・!)

木乃香を中心に渦巻くように、刹那が失った記憶が戻ってくる。
刹那は全てを思い出した。

「ぷはッ・・・・このちゃん! 今助け――っ」

刹那は昔の記憶のまま、木乃香を助けようと叫んだ。
しかしすぐに現実に戻って、身体に力を込める。

――ドーンッ!

力の使い方を思い出した刹那は気を使い、川から脱出する。
しかし、刹那の表情は暗かった。
幼馴染が何を考えてこの京都へ自分を送ったのかを、刹那は悟ってしまっていたのだから。

*

「長!」
「・・・・どうやら、思い出したようですね」

刹那は民家に戻り着替えると、すぐに詠春の元を訪れた。
民家の主から連絡を受けていたのか、詠春は落ち着いて刹那を受け入れる。

「長、私を・・・・麻帆良に戻してくださいませんか?」
「刹那君・・・・」
「お願いです・・・・私は、このままお嬢様と離れたくはありません・・・・」
126記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:16:04 ID:nc44Hnxe

麻帆良への帰りの切符が無い事。
そして木乃香が持っていった、愛刀の夕凪。
従者が得物を主に取られるという事は、主を守る力を主自身に奪われたという事。
・・・・すなわち、用無しという事を意味する。

「もちろん、私も君を解雇するつもりはありません。ですが・・・・木乃香が頑固でね・・・・」
「な、なぜ・・・・お嬢様は・・・・」
「木乃香は君に・・・・普通の女の子として生きて欲しいと願っています。
 かつて私たちが、木乃香に対してそう思っていたように」

詠春の言葉に、刹那は顔を伏せて唇を噛みしめた。
確かに学園長と会った日に、『全てを任せる』と自分は言った。
しかしその結果、木乃香と離れ離れになってしまった事に刹那は納得がいかない。
特にその判断が木乃香によるものだというならば、なおさらだった。

「・・・・刹那君、君は何ですか?」
「私は・・・・私は、もう・・・・」
「もうひとつあるでしょう?」
「え?」

詠春は顔をあげた刹那に、何も言わずに封筒を差し出した。
刹那はそれを受け取る。
127記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:17:11 ID:nc44Hnxe

「東京行きの切符です」
「え・・・・」
「せっかくお休みになったのですし、"幼馴染"に会ってきてはどうですか? きっと、会いたがってますよ」

それは詠春が、刹那と木乃香に与えた再会の切符だった。
刹那はその切符を、しっかりと握り締める。
その刹那を見て詠春は微笑んだ。

「夕凪を取り戻せば、解雇は取り消しましょう」
「・・・・ありがとうございます、長! この恩は必ず!」

刹那は深く頭を下げ、木乃香の実家を飛び出した。
その後姿を、詠春はわが子を送り出すような表情で見送っていた。

*

「出ていけ、近衛木乃香」
「え? なんでやエヴァちゃん?」

別荘で修行をしている木乃香のところに、エヴァンジェリンが訪れた。
そして会うや否や、木乃香に追放を言い渡す。

「魔力を無駄使いすぎだ、馬鹿者」
「で、でも・・・・」
「邪魔だと言ってるんだ。とっとと出てけ」

その後も反論した木乃香だったが、さすがに真祖が相手では歯が立たなかった。
木乃香は他のメンバーより一足先に、エヴァンジェリンの別荘を後にする。
128記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:18:31 ID:nc44Hnxe

「ウチ、まだまだ大丈夫やのに・・・・」

最近の木乃香は修行にのめり込んでいた。
大切な人が守れなかったのを後悔し、強くなろうと必死になっていた。

(今日もご飯だけ作って、おじいちゃんとこに行こかな・・・・)

木乃香はここ最近明日菜と会話をしていない。
しかし、ご飯の用意だけはするようにしていた。
それが自分の役割だと思っていたし、何より木乃香の料理を幼馴染は「美味しい」と喜んで食べてくれたから。

「ん〜、少し部屋で練習しよっかな・・・・」
「身体に良くないですよ」
「・・・・っ!?」

寮に入って呟いた独り言に、思いがけず返事が戻ってきた。
木乃香は驚いて顔をあげる。
返事の主は、普段木乃香が使う階段の手すりに寄りかかって、木乃香を見つめていた。

「せ、せっちゃん・・・・なんで・・・・?」
「荷物重そうですね、持ちましょうか?」
「だ、大丈夫や・・・・」
「そうですか」

木乃香の手には、学校のバッグと今晩の食材・・・・そして夕凪があった。
しかし刹那は夕凪をすぐ取り戻そうとはせずに、そのまま黙って歩き出す。
木乃香も引き寄せられる様に刹那についていった。
129記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:20:37 ID:nc44Hnxe

(せっちゃん、どうして・・・・)

まだ記憶が戻った事を知らない木乃香は、どう対応すればいいのかわからない。
そのまま二人は会話もないまま、刹那の部屋の前に来た。

「どうぞ、お入りになってください」
「あ・・・・ウチも部屋に戻ってご飯作らないと・・・・」
「ではなぜついてきたのですか・・・・お嬢様?」
「っ、せっちゃん記憶が・・・・!」

記憶が戻った事を知らせるように、刹那はわざと木乃香のことを"お嬢様"と呼んだ。
しかし嬉しい報告のはずなのに、刹那の顔は険しい。

「入ってください」
「あ・・・・」

刹那が戸惑っている木乃香の手を引いて、無理やり部屋に入れた。
刹那はしっかりとドアに鍵をかけ、木乃香に奥に行くように促がす。
木乃香は逆らう事ができずに、おとなしく部屋の奥に座った。

「・・・・せっちゃん、いつ記憶戻ったん・・・・?」
「今日の昼前です」
「じゃあ・・・・すぐ戻ってきたんや・・・・」
「はい」

刹那は質問にだけ簡潔に答えた。
久しぶりの会話が長続きしない。
木乃香は刹那が怒っている事にこの時気付き、これ以上木乃香から話しかける事はできなくなった。
130記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:22:11 ID:nc44Hnxe

「・・・・単刀直入にお聞きします。なぜ、私を解雇したのですか?」
「・・・・・・・・」
「力のない私は、用無しということですか?」
「ちゃ、ちゃう! そんなんやないえ!」

自分の意図とはまったく異なる刹那の発言を、木乃香は慌てて否定する。
その木乃香の言葉で、わずかに刹那の雰囲気がやわらかくなった。

「・・・・・・・・ウチの傍におったら、せっちゃんは傷付いてまうから」

刹那のやわらかい雰囲気に、安堵に似た感覚を感じた木乃香。
静かに理由を話し始めた。

「せやから・・・・せっちゃんはウチから離れて、普通の女の子として・・・・暮らした方が・・・・ええって・・・・」

しかし次第に木乃香の声は小さくなり、嗚咽が混ざり始める。
刹那が記憶を取り戻して、自分の傍にいる事が嬉しい。
でも自分の傍にいては、刹那はまた傷付いてしまう。
目の前に刹那がいる嬉しさと、刹那を守れない自分の無力さが交錯し・・・・抑えきれない感情が溢れだしてきていた。

「せやからっ・・・・せっちゃん、には・・・・京都で・・・・静かに――」
「――嫌です」
「え・・・・? あ・・・・」

気がつけば刹那の顔が、木乃香の顔のすぐ傍にあった。
木乃香はとっさに顔をそらすが、刹那はかまわずに続ける。

「あなたは・・・・昔の私と同じ過ちを犯そうとしています」
「・・・・せっちゃんと、同じ・・・・?」
「はい。誰かを守るために強くなろうとして・・・・結果的に、その誰かを置き去りにしているではないですか?」
131記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:23:36 ID:nc44Hnxe

木乃香はハッとして刹那の顔を見た。
刹那の手が木乃香の頬を撫で、親指で涙を拭う。
もう刹那からは、鋭い雰囲気はまったくしなかった。

「魔力の消費でわかります・・・・私がいなくなってから、強くなろうと頑張っていたのですね」
「・・・・う、うん・・・・」
「その心意気を悪くは言いません。ですが・・・・もうわかりますよね?」

刹那が軽く木乃香を引き寄せ、抱きしめた。
木乃香も刹那を抱き返し、刹那の胸に顔を埋めた。
本当ならば、二人とももっと言う事があるはず。
しかしそれらは二人が長年培ってきた絆により、不必要なものとなった。

「ウチ、間違うてた・・・・堪忍な、せっちゃん・・・・!」
「・・・・昔の私には、この事を教えてくれる人がいませんでしたから・・・・」

あなたには同じ間違いをしてほしくなかったのです、と刹那は苦笑する。
そんな刹那に対して木乃香は顔をあげ、刹那の唇に口付けた。
謝罪と感謝を含めた、軽く触れる程度のキス。

「――これからは・・・・ううん、これからもずっと、一緒にいような・・・・」
「・・・・はい。一緒に修行して、勉強をして」
「あと、一緒に遊んで・・・・な?」
「・・・・それと疲れたら、一緒に寝ましょう」

次の深い口付けは刹那から。
二人は久しぶりの感触に酔う。
しばらくして二人が離れると、木乃香の身体からは力が抜けていた。
132記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:24:23 ID:nc44Hnxe

「アカン・・・・安心したら、眠うなってきた・・・・」
「魔力の使いすぎで疲れてるんです。今は休んでください」
「でも・・・・ウチ・・・・ご飯つくらな・・・・」

刹那は必死に起きようとする木乃香を抱き上げ、自分のベッドへ寝かせる。
そして布団を掛けて、木乃香の額を優しく撫でた。

「少し寝れば楽になります。一時間ほどで起こしますから」
「・・・・ありがと、せっちゃん・・・・・・・・あと・・・・ほんまに、ごめん・・な・・・・」

すぐに規則正しい寝息が聞こえてきた。
刹那は木乃香が寝たのを確認すると、立ち上がって木乃香が持ってきた荷物を振り返る。
そこには愛刀、夕凪が静かに主を待っていた。
刹那は夕凪を手に取って、静かに抜く。

(ふう・・・・ただいま、夕凪・・・・・・・・あっ)

刹那は夕凪を抜いたまま、慌てて木乃香を振り返った。
もちろん木乃香は寝ている。

「・・・・お嬢様に、ただいまって言うの忘れた・・・・」

律儀すぎる刹那は、木乃香に挨拶をし忘れた事に気付いて焦った。
必死にこの後どこで言うべきかを考える。

(起きた時に? いや、でもそれだと"おはよう"が適切か・・・・うーん――)
133記憶喪失2:2007/08/18(土) 04:27:47 ID:nc44Hnxe

ぐぅー。

「うっ・・・・」

刹那が必死に考える中、刹那の腹の虫が鳴いた。
木乃香の寝息だけが聞こえる静かな部屋では、それはとても大きく聞こえる。
慌てて戻ってきた為に昼食を食べそびれたのを、刹那はすっかり忘れていたのだ。

(・・・・留守にしてたから食料もないし・・・・お嬢様にねだるしかないか・・・・)

木乃香に説教をしておきながら、自分もボロボロ。
刹那は自分の不甲斐なさに一人で凹んだ。
そして抜かれたまま放置された夕凪は、そんな主を笑うようにキラリと輝いていた。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード(リクエスト):
『夜中に明日菜と刹那が出かけて・・・・[十六夜様]』
『記憶喪失(全てを忘れる)』
『捻挫[Rob様]』
『呼吸困難[Rob様]』
『夕凪没収』
『再会』
『久しぶりの会話』

心理的なものを三人称で書くのは無謀ですた。
読みにくいな、アハハ・・・・すまそorz
134名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 07:03:08 ID:Mgt6vvJQ
GJ!石投げて遊ぶせっちゃんに萌えた!

ttp://www.sweetnote.com/static2/486c053ce12f939c5beac1a9c4389e82.jpg
センセイションのジャケ個人的に萌えなかったんでちょっと改変してみた
135名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 07:15:49 ID:fRlByKFv
珍しく早起きしたらいい物が見れました。GJ!
136名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 07:39:53 ID:WW4Ic8vz
>>133
毎回毎回GJすぎます感動した!!!!!!
そして元のジャケ絵のあの髪の長さはゆうちゃんへの冒読かと腹が立っていたもんだから>>134の行為にも感動した。ああ向かい合わせ素敵
137名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 11:52:44 ID:bXMIGYoj
ク氏降臨!相変わらずGJだな。昨晩待ってたんだが,早朝とはやられた。
ク氏も書いてるけど,心理的葛藤がもう少しあったらもっと深いが出たと思うぞ。
ま,えろ以外かけない俺が言うことではないが。
と,とにかくGJ!!久々の長編SSに読みいってしまった。

>>134 技あり!!! ジャケットこれにすればよかったのにな。
これ見て聖なる空の下できいたら,萌え死んじゃうぞ。
138名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 18:12:54 ID:6pNRsuU/
ク氏降臨!
(ノД`)∴うわあああああああああああああああああん!
いいssだ!泣けた!GJ!
139名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 20:34:44 ID:PZlma2bh
>>134
超イイ!!!
これがジャケだったら良かったのに
140名無しさん@秘密の花園:2007/08/18(土) 21:04:28 ID:Y3cckD2k
>>133
ん〜、思わず読み入った…。
記憶が戻る辺りなんか、特によかったッス。
感動した〜。

>>134
ジャケットイイ!
ほんとこのせつは素晴らしい。このかかわいいよこのか。
141名無しさん@秘密の花園:2007/08/19(日) 13:47:17 ID:unhQBM5v
>>133
グッジョォォブ!
感動しました

>>134
こっちのが全然いいなw萌える
142名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 08:55:47 ID:NdhrtpBn
>>133
テラGJ!!!!!!!!

これはいい良作だわ…
143名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 22:15:20 ID:YnGBkoGk
他の人に無理やりヤられる刹那は、どこまで許せる?
もちろん木乃香が助けるの前提で。
いっそイかせちまおうかと思ってたんだが、批判が怖いので住人の意見を聞いてみる。
144名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 22:22:02 ID:J+Yo2bgd
>>143
俺は痛くなければ許す。
(手がちょん切れるとか足がちょん切れるとか免弾がなくなるとかは絶対ゆるせん。)

(木乃香が助けること前提で)せっちゃんが痛くないなら作品上必要なこともあると
自分を納得させることも出来るだろう。
ただ,ダメな人ももちろんいると思うから,説明つけて,NGワードとか設定してくれたらなおよい。

つか,このせつCD聞きながら書いてる自分orz。ごめん刹那。
145名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 22:28:55 ID:timYpyg0
>>143
ごめんこのちゃん以外にヤられるせっちゃんは見たくない(´;ω;)
傷付くこのちゃんは見たくない(´;ω;`)
146名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 22:49:54 ID:J+Yo2bgd
この流れでageるのはよせよ。
sage進行だろ?
147名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 23:56:22 ID:GEf6xi40
いきなりだが、俺はぶっちゃけこのせつのふたなりは好かんのだが
同志たちはどう思う?
148名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 23:58:12 ID:J+Yo2bgd
百合スレでふたなり聞くのは
邪道だろうと思うのは俺だけ?

ちなみにマジレすすると,俺もふたなり好かん。
このせつは百合に限る。
149名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 23:58:52 ID:CG4gwvpV
そもそもふたなり自体が嫌い
150名無しさん@秘密の花園:2007/08/20(月) 23:59:28 ID:+y+ZhZ3y
同じく。このせつは百合に限る!
151名無しさん@秘密の花園:2007/08/21(火) 00:16:18 ID:OnAl6/bY
同じく同意。ふたなりって男性的なものも
感じるからちょっと好かない。
152名無しさん@秘密の花園:2007/08/21(火) 02:06:14 ID:c3WskHul
私ふたなり割と好きなんだよな〜…なんでだろ…
まぁそりゃあ純粋な百合が1番だけど!!
153名無しさん@秘密の花園:2007/08/21(火) 02:10:05 ID:ROsU46eb
貴重な意見がいっぱい・・・・。
SS書く時に参考にさせてもらいます。

ずいぶんと前に頂いたジャンクSS。
完成したので投下します。
できる限り送り主の要望にこたえてるつもり・・・・。

・エロ注意
・未来物注意
154リレーSS?:2007/08/21(火) 02:11:41 ID:ROsU46eb

麻帆良を出てから6年と10ヶ月。
中学が終わってから私、桜咲刹那と木乃香お嬢様はロンドンへと留学して来ていた。
私たちが通学している大学は表向き普通の大学だが、魔法に関する学部が機密に存在している。
そこに私たちは所属していた。

「明日の準備はこれでよし・・・・っと」

日本を離れ、本格的な修行を行なってきたお嬢さま。
そんなお嬢さまにも、ついに嫁ぐ日がやってきた。
麻帆良の学園長・・・・お嬢さまの祖父の紹介による、英国の魔法使いがお相手だ。
実力はランクで言えば『A』。
麻帆良の高畑先生ほどではないが、かなりの実力者。

「・・・・くそっ」

・・・・主のご成婚なのだから、私ももっと喜ぶべきなのだと思う。
しかし私は素直に喜ぶ事も、祝う事もできずにいた。
さらにはお嬢さまの婚儀が近づくにつれて、お嬢さまと距離を取るようにもなっていた。
なぜ、こんなにもイライラするのか・・・・大切なお嬢さまの門出を祝えない、そんな自分が腹立たしい。

「霧が酷いな・・・・」

――今夜は霧の都と呼ばれるに相応しく、怪しげな霧が夜の街の暗部を更に覆い隠すかのように立ち込めていた。
それはもしかしたら、この街のもう一つの異名・・・・魔術の都としての側面。
隠遁する魔術師が、その身を隠す為に創り出しているのかもしれない――。
155リレーSS?:2007/08/21(火) 02:12:56 ID:ROsU46eb

そんなくだらないことを考えていると、部屋の呼び鈴が鳴った。
もう、そんな時間か。
時計を見ると、それでも約束の時間は一時間程過ぎていた。
いつの間にそんなに経過していたのか・・・・いけない! 
彼女は明日、とても大切な用事があるのに。

「今開けますっ」

自分が遅刻したわけでもないのに、私は焦りながら扉に向かう。
その来客は案の定、盛装した木乃香お嬢様だった。
私を見るなり彼女は謝る。

「ごめんなせっちゃん・・・・。ウチから言い出したのに遅くなってしもて」
「いえ、彼と会っていたのでしょう。それは私よりも優先されるべきです」
「えっ・・・・あのな、せっちゃん」
「こんな所で立ち話も何です。中へ入ってください」

彼女は恐縮したような面持ちで部屋に入ってくる。
少し無愛想過ぎただろうか?
お茶を出すべきかと迷ったが、淹れておいた物はとっくに冷めてしまった。
何より私の腕前で彼女に出すのもおかしいなと思い直す。
仕方なく市販のビンの水をグラスに入れて出した。

「それで、話とは何ですか。お嬢様」

麻帆良を出てから、私はお嬢様をお守りする為にお嬢様と仮契約を交わした。
しかし私が、木乃香お嬢様のことを"お嬢様"と呼ぶのは変わることはなかった。
何度も直そうとはしたが、やはり気恥ずかしさと立場の問題があったのだ。
156リレーSS?:2007/08/21(火) 02:13:42 ID:ROsU46eb

「せっちゃんはその、好きな男の人とか、いーへんの?」
「えっ? あ・・・・、そうですね。あまり考えたことはありませんでした」
「・・・・一人も?」
「はい。第一、私には必要ありませんから。私はずっとお嬢様の傍にと決めて・・・・あ・・・・」

私はそう考えていたけれど、彼女にとって、それこそ必要無いじゃないか。
こちらに来て本格的に魔法を学び始めたお嬢様は、もう護衛だなんて必要が無いほど力をつけている。
・・・・明日式を挙げるお嬢様のお相手も、かなりの使い手なのだし。
私が、守る必要など・・・・もうすでにない。

「せっちゃん・・・・?」
「・・・・すみません、私は・・・・必要ないですよね」
「え?」

気付いてはいたんだ、自分という存在がもう必要ないことに。
お嬢様は優しいし・・・・お嬢様のお相手の家も理解してくれていて、私に対してもとても良くしてくれる。
お嬢様が嫁いだ後も、従者として私が傍にいる事を許してくれたのだ。
私はただそれに甘えていた・・・・でも事実を意識してしまった以上、もう留まるわけにはいかないだろう。

「あの方と一緒になるのに、私がいつまでもお嬢様の傍にいるのは確かにおかしい事だと思います」
「せ、せっちゃん・・・・?」
「すぐにでも、日本に戻る手筈を整えます」

もっと早く気付くべきだった・・・・お嬢様が、私の存在を疎ましく思う可能性に。
大切な存在ができれば、他の存在が邪魔に思える・・・・人の心理に。
157リレーSS?:2007/08/21(火) 02:14:29 ID:ROsU46eb

私はお嬢様に背を向け、机の上にあった資料に手をかけた。
詠春様から送られた、これからの護衛についての資料だ。
しかし、これももう必要なくなる・・・・。
丁寧に封筒に戻し、机の中にしまった。

「・・・・でもせめて、明日の婚儀には出席させてください・・・・最後に、あなたの門出だけでも――」
「――いやや、行かないでせっちゃん!」

背中に感じる温もり。
お嬢様が、私の背中に抱きついていた。

「ウチは・・・・せっちゃんに、傍にいてほしいんや・・・・!」
「・・・・あなたには、もうあの方というパートナーがいるでしょう? 明日になれば、もう・・・・あなたはあの方のものとなるのです」
「さっき断ってきたんや、やっぱダメやて・・・・結婚できへんって!」
「なっ・・・・!?」

いきなりのお嬢さまの発言に、当然の如く私は驚いた。
あれだけ周りに祝われていた婚儀を、前日になって取り消した・・・・!?

「なんて事を・・・・! 明日の婚儀は東と西の契約でもあり、近衛家としても大切な――」
「ウチは、家に縛られとうない! ウチは・・・・ウチは、せっちゃんと・・・・っ」

お嬢様はそこまで言うと、黙ってしまった。
お嬢さまの言葉による期待と、期待してしまう自分の愚かさに胸が高鳴る。
お嬢様は・・・・私と・・・・?

「私、と・・・・?」
「・・・・せっちゃん、こっち・・・・向いてくれる・・・・?」
158リレーSS?:2007/08/21(火) 02:15:09 ID:ROsU46eb

お嬢さまの腕が緩み、それを合図に私とお嬢さまは向かい合った。
今日この部屋にお嬢さまが訪れてから、初めてしっかりと顔を見たような気がする。

「ウチな・・・・結婚しても、せっちゃんが傍にいるって聞いて安心しとったんや・・・・」
「・・・・はい」
「でも、式が近づいてくるにつれてな・・・・段々不安になってきてもうて・・・・」

お嬢さまは私を正面から抱き締めてくる。
お嬢さまが全てを告げるまで、私は動いてはいけない・・・・なぜだかそんな気がして、抱き締め返す事はできなかった。

「よく考えて・・・・あの人と一緒になったら、一番近くにいるのはせっちゃんやなくなるって・・・・気付いて・・・・」
「それは当然のことです・・・・婚儀を挙げる以上、妻は夫を一番としなくては・・・・」
「それができへん・・・・! あの人を一番に愛するなんて・・・・できへん・・・・!」

従者である私は、これ以上は何も言えない。
これは古来から続く近衛家の一人娘として生まれた、お嬢さまの運命。
御家の為に、己を犠牲にしなければならない・・・・それが、跡取りの運命なのだから。
従者である私は・・・・上の者が決めた主のご成婚を祝うことしかできなく、反対も賛成もする権利などないのだ。

「・・・・せっちゃんは、どうなん? ウチが結婚したら・・・・せっちゃんは・・・・」
「私は・・・・お嬢さまの仰る通りです。やはり、一歩引かなくてはいけないでしょう・・・・」
「・・・・聞きたいんはその事やない・・・・もっと・・・・せっちゃんの心が知りたいん・・・・」

私の葛藤を知っているか否か、お嬢さまは確信を求めてくる。
もしここで本心を言えば、どうなる?
お嬢さまは、私と共にいるために婚儀を取り止めたと仰った。
・・・・となれば、もし本心を偽ってお嬢さまを突き放せば・・・・明日の婚儀が予定通り行なわれる事もありえるだろう。
159リレーSS?:2007/08/21(火) 02:16:00 ID:ROsU46eb

「せっちゃん・・・・答えて・・・・」
「私は・・・・私、は・・・・」

選択は二つに一つ。
本心を伝え、このままお嬢さまの傍にいるか・・・・。
偽りの心を伝え、近衛家の為にお嬢さまと決別するか・・・・。
私の返答次第で明日が大きく変わる可能性が高い。

「せっちゃん・・・・」
「・・・・答える事は、できません」

・・・・結局、私は逃げだした。
本音を言ってお嬢さまの未来を壊す事も、心を偽ってお嬢さまを手放す事も、私はできなかった。
私には選ぶ勇気がなかった。
心からお嬢さまを祝う事も、何もかも投げ出してお嬢さまを選ぶ事もできない自分。
自分で自分が・・・・腹立たしい。

「答えて」
「・・・・無理です」
「・・・・・・・・口で、答えへんなら・・・・」
「え・・・・、むぅ!?」

ふいに唇に感じる、やわらかい感触。
そして目の前にはお嬢様の顔が。
私にとって、契約以外での初めてのキスだった。

「んぅっ・・・・ふ、んぁ・・・・っ!?」
「・・・・ん・・・・逃がさんえ・・・・」
160リレーSS?:2007/08/21(火) 02:16:58 ID:ROsU46eb

ドサ・・・・。

突然のキスに私はよろけ、お嬢様を抱えたまま後ろのベッドに倒れこんだ。
お嬢様は私の上で、真剣な眼差しで見下ろしている。
この目は、冗談では、無い。

「お、お嬢様・・・・」
「逃げるのは、許さないえ・・・・」
「うっ・・・・ん・・っ・・・・あぁっ」

お嬢様の手が、私の胸に触れる。
初めて感じる甘い感触。
本や小説で知識はあったが、実際にこう優しく触れられるのは初めてで・・・・。
脳がとろける様な感覚に襲われて逃げようとするものの、お嬢様に全体重をかけられて逃げる事は叶わなかった。

「せっちゃん・・・・答えて。せっちゃんの、本心を・・・・」
「・・・・こ、答える事は・・・・でき、ま・・・・くぁっ・・・・!」

初めての行為にも関わらず、私の身体は敏感だった。
必死でその感触に耐えるも・・・・敏感な箇所に触れられるたびに、私は声を出してしまう。

「やっ・・・・あ、んぁぁ・・・・っ」
「せっちゃん・・・・」

・・・・これが痛みならば、我慢できたのに。
身体は素直に悦んでいて、ジンジンと疼きだす。
もっと、もっと欲しいと。

「ん、はっ・・・・だ、だめ・・・・やめっ・・・・」
「・・・・せっちゃん・・・・好きや・・・・好きなんや・・・・」
「・・・・っ・・・・!?」
161リレーSS?:2007/08/21(火) 02:17:49 ID:ROsU46eb

快楽の波に飲まれる中、お嬢様の切なげな声が脳に響いた。
お嬢様の理性はもうここに在らず・・・・。
もう、私しか見えてないのか?
一心不乱に私に絡み付いてくるお嬢様を前に、わずかに残っていた私の理性も急速に削られていった。

「お嬢、様・・・・っ」
「せっちゃん・・・・せっちゃ、ん・・・・」
「ふぁっ、う・・・・んっ・・・・――あっ!」

胸の愛撫に気を取られている間に、私のズボンの中にお嬢様の手が潜り込んでいた。
そしてお嬢様は私の愛液を指に絡めると、それを利用して敏感な突起を刺激する。
胸の愛撫とは比べ物にならない、鋭い刺激が私の全身に走った。

「んあっ、あぁぁっ!? そ、そんな、ぐっ・・・・!?」
「まだ・・・・イッたらアカンよ・・・・」
「うぁ、やっ・・・・んぁっ・・・・!」

突起の先端に触れたのは最初だけ。
それからは突起の根元を、揉むように愛撫され続けた。
強い刺激・・・・でも頂点までは行き切れない、甘い感触。

「せっちゃん・・・・本心、聞かせてぇな・・・・」
「うぐ、っ・・・・あぅっ・・・・そこ、は・・・・っ」

今お嬢様が指で弄んでいるのは、今の私にとって急所・・・・弱点。
お嬢様の指はそれを思い知らせるためか、強弱をつけて根元を揉む。
それも絶妙な力加減で、最も敏感な頂点には触れることはない。
少しでもそこを強く押し潰されれば、十中八九、私は果てるに違いないから。
162リレーSS?:2007/08/21(火) 02:18:45 ID:ROsU46eb

「お、嬢・・・・様・・・・私は・・・・!」

しかし果てる事は、どちらかと言えばご褒美に近かった。
こうやって急所を握られている事に・・・・私の身体は悦んでいたから。
そして私の身体はご褒美を求めている。
欲しくて・・・・欲しくて、堪らない・・・・!

「うん・・・・言うてみ・・・・?」
「私は・・・・っ、私も・・・・お嬢様から離れたくないっ・・・・!」

その悦びと期待で麻痺した自制心。
ついに抑えていた本心が溢れた。

「・・・・ほんま・・・・?」
「は、い・・・・! 私は・・・・妬いて、いました・・・・ここ、数日・・・・っ」

一度溢れだしたものは、なかなか止まらない。
いつしか私は涙を流してお嬢様にすがり付いていた。

「お嬢様が・・・・私だけのものに、なれば・・・・良いのに、と・・・・!」
「・・・・せっちゃん!」

強く呼ばれて顔をあげると、お嬢様が笑っていた。
この部屋にきて、初めての笑顔・・・・ずいぶんと久しぶりに見るような気がした。
何よりも好きだったその笑顔を、私自身が本心を抑えることで閉じ込めていた・・・・。

「おじょ・・・・――っ!? うあ、あぁぁっ!?」
163リレーSS?:2007/08/21(火) 02:20:49 ID:ROsU46eb

快楽も忘れて見惚れていたが、それはすぐに下半身に走る刺激で止められた。
急所を、押し潰された。

「ふぁ・・・・あうっ、うぁぁっ・・・・!」
「せっちゃん・・・・ウチのせっちゃん・・・・、もう離さんから・・・・!」
「あッ・・・・!? うぁ、あぁぁぁぁ――!?」

私の秘部に口を近づけるお嬢様。
押し潰された突起を、今度はその口で吸い上げられた。
その刺激で私の意識は白くなり、身体が宙に浮いたような錯覚に襲われる。
・・・・私は、ここで初めて絶頂を経験した。

「せっちゃん、初めてやった・・・・?」
「・・・・はい」
「あ、勘違いしないでな? ウチも初めてやったんやから・・・・」

私が十分に回復するまで、お嬢様は一緒にベッドに横たわって私の頭を撫でてくれた。
私はしばらく絶頂の余韻と撫でられる感触に浸っていたが、お嬢様が先に身体を起こして現実に戻る。

「せっちゃん・・・・ウチ、決めた」
「え・・・・?」
「ウチ、もう絶対に結婚せーへん。一生」
「なっ・・・・!?」

お嬢さまの急な決定に、私は耳を疑い起き上がろうとした。
が、力が入らず・・・・お嬢様はそんな私を見て笑う。
いや、でも笑い事じゃない。
164リレーSS?:2007/08/21(火) 02:22:06 ID:ROsU46eb

「そんなっ・・・・お嬢さまは・・・・!」
「もう決めたもん・・・・これは誰せいでもない、ウチが決めた事や」

一人慌てる私とは裏腹、お嬢さまはとても落ち着いていて戯言ではない事が見て取れる。
しかし大事な近衛家の跡取りが、一生結婚しないなどと・・・・問題発言もいいところだ。

「なぜ、急に・・・・!?」
「身体に聞かないと本音を伝えられない、大好きな幼馴染の為」
「・・・・え・・・・あっ・・・・」

・・・・今更になり私は、自分がお嬢様に本心を伝えてしまった事を思い出した。
身体に聞かれて・・・・それで・・・・情けない事に、お嬢様の思惑通り聞き出されてしまった。
お嬢様は、思い出して赤面する私に微笑みながら、決意の言葉を続けた。

「・・・・ウチな、ずっと逃げてた。将来のパートナー決めるん、まだ早すぎやって逃げとったんや。
 でも・・・・本当は違うん・・・・。将来のパートナーはもう心に決めてたん・・・・ずっと、ずーっと昔から・・・・」

お嬢さまの言葉が胸に染み渡る。
・・・・きっとこの時、私の顔は真っ赤になっていただろう。

「・・・・せっちゃん・・・・パクテオーして?」
「え? で、でも、契約はもう・・・・」
「仮契約やなくて、本契約」

お嬢様の身体が、また私の上に乗る。
お嬢様は服をちゃんと着ていて、私だけ半分脱げていて・・・・脱ぎかけの服がもどかしい。
それを察したのか、お嬢様は自らの服も肌蹴させて直接肌を合わせてきた。

「ウチ結婚せーへんで、世界を周って困ってる人を助ける。
 せやから・・・・ウチの傍でウチを守ってくれるって、約束して。従者として、ずっと最後まで傍にいるって誓って」
165リレーSS?:2007/08/21(火) 02:26:03 ID:ROsU46eb

なんと、我侭な姫君だろう。
大切な婚儀を前日に取り止めて、さらにはいきなり旅に出ると言い出すのだから。

「せっちゃん、返事は〜?」

結構な重みを持つ問いだというのに、お嬢様の口調は無邪気だ。
それは私が"従者としてお嬢様を守る事が居心地がいい"という事を、知られてしまっているから。
だからお嬢様は、7年経っても"お嬢様"と呼び続ける私を、呆れながらも受け入れてくれた。

「お嬢様がお望みならば、私はどこまでもお供いたします」
「・・・・おじいちゃんに大目玉食らうなぁ」
「何人からも、私がお守りしますよ」

この後に行なわれる契りは私から。
きっとあなたはこれからも、私を"命令"という形で傍に置いてくれるだろう。
そんなあなたを・・・・私は命を賭けても守りたい。
いや、守り通してみせる。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

えーと・・・・GJな設定がズドーンとサイトに送られてきまして。
俺は設定に沿って完成させただけです。
GJ、送り主。

あ、エロは俺が勝手に付けました。
送り主は無罪ですよ。
失礼しました。
166追記:2007/08/21(火) 03:13:39 ID:ROsU46eb
サイトの作品庫の中に、送り主の設定置いときました。

送り主さま、もし見ていらしたら連絡くれませんか?
色々と謝罪とかしたい・・・・。
167名無しさん@秘密の花園:2007/08/21(火) 09:29:42 ID:NCdnLjzN
設定もGJだけど書いたあんたも凄いよ!
激しくGJ!完成度高っ!
どんな盛装のこのちゃんかわからんが
そんな格好で刹那を攻めたこのちゃんGJ!
168名無しさん@秘密の花園:2007/08/21(火) 10:05:51 ID:Z6ZcaFQ1
GJ!!感動した
文才すごいなぁ、読み入ってしまう
169名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 19:01:04 ID:Ha7V/fjn
170名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 19:11:15 ID:j78LuM14
>>169
これは実写キャストが歌うのかね?
声だけだったら声優で十分のような。
171名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 19:32:34 ID:hYvnQP1L
>>169
とりあえずスレチ
172名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 19:38:12 ID:gP9IJR3R
>>166
超GJ!!!仕事休憩中ニヤニヤしながら
読まさせて戴きました。最初このちゃん
結婚しちゃうのかぁと切なくなったんだけど、
後の展開が素晴らしい。やっぱりこのちゃんは
せっちゃんが大好きなんだね、こちらも嬉しい。
173名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 19:38:22 ID:ceBO7Fxo
実写はもうスルーすることにしたし別でやってくれ・・・
まあ深夜で見る気しないのと地方でケーブル繋いでないから無理というのもあるが・・・

最近このせつで歌ってほしいと思う歌が多すぎる自分
174名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 20:30:20 ID:6nE59iA/
キャラによるカバーソングってのは最近の流行りだけど…
ネギまはキャラが多いせいで身動きが取り難い部分もあるからなぁ
175:2007/08/22(水) 23:29:13 ID:es15jhwr
流れが実写版になったところで,SS投下。
まだ推敲が足りないような気がするが,この長編をどうにかできる実力(及び体力)が伴わないので,
このまま投稿してみることにする。

ちなみに『エロ』です。淫乱なせっちゃんが嫌いな人は注意。

 ・詠春x刹那
 ・このかx刹那
 ・不特定多数x刹那の仄めかしあり
 ・上/中/後編 の構成(全部で45レス)
176上?編 1/11:2007/08/22(水) 23:30:51 ID:es15jhwr
近衛家総本山の最奥の一室。
わずかな衣擦れの音と共に,一人の少女がその部屋を後にする。部屋の中にはその部屋の主人と思われる男性が一人。
落ちついた面持ちでその身を整えていた。乱れた髪を掻きあげ,落ち着いた微笑を見せる。

「………もう大人…………か…。」

そう呟くと,彼もその部屋を後にした。

◇◆◇

「お父様,せっちゃん見いひんかった?」

久しぶりに本家に戻った木乃香は,廊下で父に出会った。
歓迎会兼夕食もお開きになりつつあったので,木乃香は刹那を探して屋敷中を歩いていたのだ。
ここは木乃香の家であり,幼い頃,刹那と出会った大切な場所…。
仲間に混じって懐かしい自分の家の空気を味わいながら,父の用意した宴を楽しんでいた。
そんな大広間での宴の最中に,詠春について刹那が席を外したのを木乃香は目撃していた。
それもあって刹那の行く先を父に尋ねたのだ。

「さぁ?いないのかい?」

詠春は優しい微笑で答える。

「夕餉の最中,お父様せっちゃんと一緒にお部屋を出てきはったやろ?せやから知ってるかとおもて…。」
「さぁ。知らないなぁ。」

今日は疲れただろう,早く休みなさいといって詠春は木乃香の頭を撫で,その場を後にした。
その時ふわっと木乃香の鼻をほのかな香りが掠めた。よく思い出せないが記憶に擦りこまれた香り。
その場を後にする父の背中を眺めつつ,その香りの記憶を木乃香は探っていた。
177上?編 2/11:2007/08/22(水) 23:31:36 ID:es15jhwr
◇◆◇

「せっちゃん,みーつけた♪」

あちこち歩き回った木乃香は,廊下の柱に寄添って中庭をぼんやりと眺める刹那を見つけた。
木乃香に声をかけられると,刹那ははっとしてふりむき,木乃香が近くにいることにその時初めて気付いた様子だった。

「どしたの?せっちゃん。ぼんやりして,珍しいなぁ。」
「あ,…いえ。何でもありません。…それよりネギ先生達は?」
「夕餉がそろそろお開きになりそうだったんよ。多分お部屋に戻ってる頃やないかと思うえ。」
「あ……もうそんなお時間でしたか。」

ぼんやりとした様子のまま刹那は時間を確認する。
普段とはちょっと違う刹那の様子に首を傾げるも,木乃香はあまり気にせず,ずっと探していた旨を刹那に告げた。

「そうや。もうそんなお時間なんよ。せっちゃんずっとどこ行っとったん?」
「……あ……う……ずっと…ここにいました。」

普段はまっすぐ目を見て話す刹那だが,今回に限っては木乃香の目を見ることは無かった。

修学旅行にこの屋敷を訪れてから数えて,今回は何度目かの訪問となる。
ネギは彼の父の家を訪れるために今回も詠春の屋敷に泊まっていた。
そこは木乃香の実家であるため,木乃香もこの旅に同行した。そして刹那がそれに従い,更にネギパーティが全員それに参加した。結果,芋づる式に今回も修学旅行と同規模の大所帯となってしまったのだ。
木乃香は,また詠春が刹那に面倒な仕事を押しつけたのではないかと推測する。
でも,それを刹那に聞いても無駄だということを木乃香は良く知っていた。

元気のない刹那を見て溜息を吐きつつも,木乃香はひとまず,刹那をお風呂に誘うことにした。

「せや,せっちゃん一緒にお風呂はいろっ。」
「えっ……そんな……私は……。」
「ええから,ええから。昔うちのお風呂一緒にはいったやんか〜。」
178上?編 3/11:2007/08/22(水) 23:32:24 ID:es15jhwr
是も非も言うまもなく刹那は木乃香に風呂場へと連行されてしまった。その時,木乃香は刹那から香る匂いに気がついた。
嗅ぎ慣れた刹那の匂い。この香りは先ほど詠春から香った匂いと同じだった。
それからわずかに香る懐かしい香の香り。それは父詠春の香りだった。

(なんでせっちゃんからお父様の香りがするん?)

二人とも一緒にいたから移ったんかなと木乃香は深く考えずに風呂場へと向かった。

◇◆◇

結局強引な木乃香に逆らえず,一緒に風呂へ入ることになってしまった刹那は,木乃香と少し距離をとって湯船に身を沈める。
大勢で入るぶんには問題ないのに,刹那は木乃香と二人での入浴を苦手としていた。
刹那は目のやり場に困り,動揺しない程度に木乃香と距離をとった。
学園にいるときもよく二人で風呂へ誘われるが,断れる率は日に日に低下していた。

「そないに離れんでもええやん。せっちゃん。……うちのこと嫌い?」
「いえっ。滅相もございません。」

視線を反らせ,刹那は恥かしそうに頬を染める。そう言って一歩近付くが,木乃香の望む距離には到底満たない。

「…せっちゃんがきーひんのやったら,うちがそっちに行くえ。」
「!!おっっお嬢さま……。」

焦る刹那は逃げるまもなく木乃香に捕まってしまった。木乃香の直ぐ隣に刹那が居る。
触れ合える距離に位置したことで木乃香はやっと落ちついたようだった。
誰も居ない静かな浴室。学園ほどではないがその広い空間は,心身をリラックスさせた。
そして熱気を帯びた静寂は入浴者の身を穏やかに包み,思考の糸をほぐしていく。
木乃香の脳裏を掠めた一片の疑問を,何とはなしに刹那に話し出した。

「今日な,せっちゃんの事探しているときにお父様におおてな。その時お父様からせっちゃんの匂いがしたんよ。」
179上?編 4/11:2007/08/22(水) 23:33:14 ID:es15jhwr
何気なく話す木乃香のその一言を聞き,刹那の眉がわずかに動いた。

「うち……別に気にせんかったんやけど,その後せっちゃん見つけてな…。」
「そしたらな,せっちゃんからお父様の匂いがしたんよ。」

平静を装う様子を木乃香に悟られないように,刹那は湯水で顔を洗った。
木乃香はそんな刹那に特に関心を持っている様子も無く話を続けた。

「不思議やな〜。お父様の匂いは強いから仕方ないとして,せっちゃんの匂いなんて一緒にいるくらいでも移ったりするんかな〜。」
「せやったら,うちからもせっちゃんの匂いするんやろか?」

えへへっとにこやかに微笑みながら,木乃香は刹那に話しかけた。木乃香は何気ない世間話のつもりで刹那に話しただけだった。

「ど,どう…なんでしょうか?」

ぼそっと刹那が答えるが,その表情は強張っていて視線は別の方向を向いていた。明かに様子がおかしい。
そんな刹那に鎌をかけるように木乃香は次の言葉を続ける。

「せっちゃんって後ろめたいときとか,目ぇ見て話さへんよね。」
「!」
「さっき廊下におったって言ったときもそうや。」
「なんか……うちに言えんことでもあるの?」
「……そんな………ないです。」

わずかに震える声で刹那は答えると,髪を洗うことを木乃香に告げ,一旦湯船から上がった。
木乃香はお湯の中から刹那の後姿をじっと見つめた。明かに様子がおかしいのに,木乃香には伝えようとしない。
そして,その瞳には刹那らしくない弱々しい色が見え隠れしていた。
何を隠しているのか見当もつかないが,少なくとも木乃香に知られるのは望んでいない様子だった。
180上?編 5/11:2007/08/22(水) 23:34:25 ID:es15jhwr
木乃香は自分と刹那の間の壁に若干の不満を感じていた。
しかし,そう簡単に親密にはなれないのかもしれないと割り切ることにしていた。木乃香は離れていた時間の長さを痛感していた。
重たい雰囲気を振り払い,木乃香も髪を洗うために湯船から上がった。不意に刹那に視線を向ける。
視界の中に何か奇妙なものが映る。木乃香は急いで湯船から上がると,刹那に駆け寄った。

「せっちゃん,これどしたん?真っ赤な跡がついとるえ。」

心配そうに木乃香は刹那の背中に触れた。刹那は急な木乃香の接触に,軽く悲鳴を上げた。
そしてそれの指し示す跡を目で確認すると,パニック寸前に陥り,慌ててタオルで隠した。
急激に変化する刹那の顔色は,まるで沸騰寸前のやかんのように真っ赤に紅潮していた。

「////…………。」
「それ…………////。」

刹那の様子から,ただの跡ではない。しかし木乃香にはその跡がなんなのか理解できなかった。
傷らしくもなく,腫れ物でもない。透き通るような白い肌にその赤い跡は異様に目立った。
知識として知っている中でそのようなものは…。
木乃香の脳裏に思い浮かぶものがあったが,刹那の体に”それ”があることが理解できなかった。
どうしたら刹那の体に”それ”が刻まれるのだろう。奥手な刹那がそのような状況にいるのは想像もつかなかった。

洗い終わった髪を拭くこともなく,刹那は壁際に貼りついて顔を紅潮させたまま引きつらせていた。

「せっちゃん……」
「ごっ……御前,失礼しますっ。」

居た堪れなくなった刹那は,駆け出してその場を後にした。
ひとり残された木乃香は………刹那を追うこともできず,なんとも言えないもやもやを胸に抱えて一人立ち竦んでいた。

◇◆◇

(お…お嬢さまに…見られてしまった……。)
181上?編 6/11:2007/08/22(水) 23:35:42 ID:es15jhwr
そのことが,刹那の身に重く圧し掛かる。それは自分の不注意に寄るところが大きいが,決して知られてはいけないことだった。
特に木乃香には。感の良い木乃香のことだ。気付くのも時間の問題かもしれない。

刹那は空を仰いで,深く溜息をつく。
この広い屋敷の中で,刹那が歩みを止めるただ一つの場所。それは昔木乃香と一緒に遊んだ遊び場に面した廊下の一角。
昔懐かしい童の声が今も刹那の脳裏に響く。初めて心通わせた幼馴染…そして今は,その身に代えても護ると決めた大切な人…。

しかし刹那はたまらない不安を抱えていた。自分の犯した不徳を木乃香が気付いたら…。
それを知った木乃香は自分をどう思うのだろう。刹那の背に広がる白い翼を見て,天使みたいと表した木乃香だったが…。

(こればかりは軽蔑されても仕方が無いか……。)

自嘲的な笑みを浮かべながら,深い溜息をつく。
刹那は,自分の犯した罪を自覚していた。はじめそれは『救いの手』だった。その後それは『安息』に変った。
刹那が足を踏み入れた世界ではそれはただの日常。でも木乃香の住む世界ではそうではないことを知った。

庭先を眺め,木乃香の事を想う。不意に目頭が熱くなる。視界が揺れ始め,頬を伝う滴の感触を感じた。
心が痛い。身を割かれそうな苦しみが刹那の身を覆い尽くす。押し殺した嗚咽が屋敷の静寂に吸いこまれていく。
虫の音と共に,軋む廊下の音が耳に届いた。その音で自分を取り戻した刹那の背後に湯上り姿のアスナがいた。

「ど……どうしたのよ刹那さん?」
「あ……アスナ……さん……。」

刹那は,嗚咽を止めることもできずそのままアスナを見上げた。
その尋常でない刹那の様子に何事かと思ったアスナは,足早に刹那の隣に駆け寄った。
刹那は何も言わず,ただアスナの胸の中で押し殺した嗚咽だけが微かに響いていた。

◇◆◇

「少しは落ちついた?」
「はい……済みません…取り乱してしまって…。」
182上?編 7/11:2007/08/22(水) 23:36:38 ID:es15jhwr
刹那は涙を拭って,アスナに答える。アスナはじっと刹那を抱き締め,背を擦って宥めていた。

「何かあったの?…木乃香もお風呂場でしょんぼりしてたわよ?」

その言葉に,刹那は再び身を震わす。そんな刹那を見てアスナは優しげな視線を投げかけた。
悩み相談なら聞くわよ?と言いながらアスナは陽気さをアピールするが,刹那にはそんなアスナに気を使う余裕はなかった。

「わ……私は…お嬢さまに……酷い…裏切りを……。」

泣き崩れる嗚咽の中でそれだけを言葉にして,刹那はアスナを振り切ってその場を後にしようとする。
逃げる刹那の背に向かって,アスナは問いかける。

「…木乃香から…逃げるの?」

その言葉は刹那の脚を重くさせた。

「やっと手に入れた幸せだって刹那さん言ってたじゃない。」
「でも……。」
「何があったか知らないけど,木乃香はそんなに簡単に幸せ手放したりしないよ。」
「わ………私……。」

握り締めた両の拳はふるふると震え,刹那はその場に立ち尽くした。その視界は涙で遮られて,鮮明な像を結ぶことができない。

「刹那さん。何も話さなくていいから沢山泣こう。」

刹那の押し殺した嗚咽はアスナの暖かい温もりに包まれていった。
そしてその温もりは刹那の胸の内の苦しさを少しずつ嗚咽と共に吐き出させていった。

◇◆◇

「こんなことアスナさんにお話して良いのかわかりかねますが…。」
183上?編 8/11:2007/08/22(水) 23:38:05 ID:es15jhwr
涙が枯れるほど泣き尽くした夜半。刹那が不意に口を開いた。空を眺めると,透き通った空に満月がかかっていた。
月明かりに照らされ,神秘的な雰囲気が漂う廊下の一端で,刹那は自分のことを話し出す。
今夜限りの幻と思って,忘れてくださいと付け加えて。

「私の背に白い翼があることはご存知ですよね。」
「うん。実際見たときはびっくりしたけど,素敵よね。」

そんなアスナの感嘆の言葉に軽く息をついて刹那は微笑を返す。

「私は……そのせいで烏族からも人間からも異質な存在として扱われてきました。」
「一人で里を離れ,数ならぬ身でどう果てようかとしていたところを,京に戻られて間も無い詠春さま…長に拾っていただいたのです。」
「木乃香のお父さんね。」
「そうです。その後神鳴流に入門し,私は剣の道に入りました。」
「そこまでは以前話してくれたことね。」
「はい。ここからは,まだお話すべきかどうか迷っています。非常に個人的で感情的なことですので。」
「刹那さんのそんな話し聞いたことないから。聞いてみたいって気もするのよね〜。」

わくわくとした瞳を刹那に向け,アスナはころころと微笑む。しかし,そんなアスナに刹那は寂しそうな横顔を見せる。

「…そんなに良い話ではありませんよ。きっと聞いて後悔します。」
「いいわ。聞くと言った以上聞かせてください。」

ふっと穏やかな表情を見せると刹那は視線を庭へ向け,言葉を続けた。

「神鳴流に入門してもずっと一人でした。同門の門下生には気の良い者もたくさんいますが,
 心休まるような存在はいませんでした。ここで木乃香お嬢さまに出会うまでは……。」
「心の中で私は,烏族とのハーフというコンプレックスを今でもずっと抱えています。」
「今でこそ木乃香お嬢さまをはじめ,皆さんが受けとめてくれますが,
 それまでは私は烏族からも人間からも疎ましい存在でしかなかったのです。」

アスナは刹那の独白に耳を傾けた。刹那の声はだんだんと震えるようにか細くなっていった。
184上?編 9/11:2007/08/22(水) 23:39:25 ID:es15jhwr
「幼い頃より,私の秘密を知り,可愛がってくださったのは長だけでした。そして……」
「寂しさの紛らわせ方を教えてくださったのも長でした。」

刹那は息が詰まるのを感じた。今から言うことが事実だ。木乃香への裏切りを自分がしているという事実。

「わ……私は……長と肌を重ねることで寂しさを紛らわす術を教わりました。」
「………えっ………?」
「退魔師としてはじめての仕事を終えたとき,どうしようもない孤独感に襲われました。魔物とはいえその存在を消すこと。
 それは自分の姿と重なり,恐怖を感じる行為でした。生きる術として身に付けねばならなかったとはいえ…。」
「あれは,酷い雨の夜でした。この庭先でずぶ濡れになりながら,お嬢様との幼い日々を思い出し孤独に耐えていました。
 そのとき,この廊下を通りかかった長が私を見つけて慰めてくださいました。」
「戦士は皆,戦いの後は興奮を落ちつかせるために,また孤独を忘れるために,自分以外の存在を求めると言って…。」

自分の身を両手で握り締め,刹那は声を搾り出すように言葉を続けた。

「いつか相愛の相手が現れるまでは,長が私を慰めてくださると…。」

アスナはしばらくの間刹那の話を理解できなかった。
それはつまり……,脳内でじっくり理解を深めていって,やっと内容の重大性を理解した。

「せっっ刹那さん……それってつまり……。」
「はい。ご想像通りだと思います。」
「/////(なんて大胆な告白してんのよっ。もう……。)」
「特殊な状況とはいえ,木乃香お嬢さまのお父君と……私は……。」
「しかし既にお嬢様は麻帆良へ旅立たれた後でした。自分を保つために…私はそれを求めたのです。」

刹那は膝上で握り締めた拳を更に強く握った。

「修学旅行の時に,このお屋敷を訪れた折,数年来の私をご覧になって長は…。」
「あれ以来…,今日も…私をお部屋へお召しになりました……。」
185上?編 10/11:2007/08/22(水) 23:40:46 ID:es15jhwr
刹那の面持ちが重く沈む。高揚した頬とは逆に刹那の気持ちは沈んでいく。

「木乃香お嬢さまのいるこのお屋敷の中で私は……わたしはっ……。」

ほろほろと真珠のような涙が刹那の頬を伝う。泣き腫らした目に再び悲しみが宿る。

「……お…お嬢さまにだけは……知られたくない…のです。こんな…こんな気持ちは…初めてで…。」
「人外の私を……受け入れてくださった…お嬢さまに………人として…嫌われたく……ないのです……。」
「……長に抱かれることは…嫌ではありません。けれどっ…お嬢…様にはっ…………。」

アスナのキャパシティを大きく上回る話にアスナは口をつぐんだ。
かける言葉すらも思い浮かばず,ただ嗚咽を零す刹那の肩を,その涙を受けとめることしかできなかった。

「あの……私が偉そうに言えることじゃないけど……。」

刹那の落ちついた様子をはかって,恐る恐るアスナは口を開く。

「刹那さんが木乃香に知られたくないっていう気持ちはわかるわ。普通ならびっくりすると思うし…。
 でもね,木乃香お風呂場で何だかすっごく落ちこんでたから…。」
「私が……悪いのです。」
「木乃香と何があったか知らないけど,今の話と関係あるの?」
「いえ直接は……ないというか…あるというか……。」
「どっちよ。」

しどろもどろの刹那にアスナの突込みが入るが,刹那の顔が暗く沈む。

「………知られたかもしれないと不安なんです。」

握り締めた手が震える。そんな刹那の手にそっとアスナは自分の手を添えた。
不器用な戦友の様子に,もどかしさを感じた。

「支離滅裂かもしんないけどっ…。」
186上?編 11/11:2007/08/22(水) 23:41:54 ID:es15jhwr
頭を掻き乱しながら,アスナはなんとか言葉を組み上げた。

「まずは木乃香を何とかしなさい。刹那さんの気持ちをきちんと伝えるべきだわね。」
「私の……気持ち?」
「そっ。好きなんでしょ?木乃香のこと。」
「すっっ,好きって……その…そんな……/////。」
「刹那さんって面白いわね。もっと凄いことしてるのに,好きって言うだけでそんなにうろたえちゃって…。」
「お……お嬢さまは……と……特別です……から…。」
「それよ。それでいいのよ。それに…」
「刹那さんは,刹那さんだしね。」

驚かされっぱなしだわと,にこやかな表情で言うアスナの優しい笑顔が刹那の心に染みた。
昇り始めた太陽の光が刹那の目には眩しく感じた。
どんな自分でも受け入れてくれたアスナの優しさが嬉しかった。
187前半終了:2007/08/22(水) 23:45:00 ID:es15jhwr
上編てなんだよ->自分
前編だろっ

細かい設定はあんまり突っ込まんといて。
取り敢えず,近日中に全部投下させてもらいます。
お目汚し失礼。
188名無しさん@秘密の花園:2007/08/22(水) 23:49:44 ID:b1kJz1rr
何という暗く深い愛…読んでいて引き込まれるわ。続きwktkして待つ。
189名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 07:43:28 ID:JooOASaX
wktkwktkwktk
190名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 12:00:46 ID:y5u4HqwZ
>>147だけどみんなありがと−!
実はこのせつ百合本探してたんだけどふたなりしかなくてさ。
みんなそんなにふたなりが好きなのか?って思って。
人それぞれなんだな。とにかくこのせつ最高!!

wktkwktkして待ってるぜ!
191名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 13:13:24 ID:IQLpRx+c
続きwktk!
なんかもう完成してるような雰囲気を感じるのは自分だけか?
完成してるのならうp早め希望。
待ちきれないっす
192名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 19:08:43 ID:j9ojKwip
ちょッwいくらせっちゃんのためとはいえ詠春飢えすぎww

>>190
百合のこのせつ本なかなか無いよな、探してるけど見つからない
193名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 20:54:21 ID:u9a2J66G
エロ百合ならエヴァにゃんご乱心オススメ
194中編投下:2007/08/23(木) 21:58:27 ID:pbJw2wsj
みんなー。wktkコールありがとー。
>>192 詠春は百戦錬磨の飢えた狼ですから。まだまだいくよー。
では中編投下。
195中編 12/23:2007/08/23(木) 22:00:19 ID:pbJw2wsj
◇◆◇

「あ……。」

朝日の気配を感じ木乃香は目を覚ました。しかし,隣にいるはずの刹那はなく,敷かれた布団もそのままだった。

(せっちゃん,もどって来いひんかった……。)

やや腫れぼったい目蓋をこすり,障子を開けて外を見ると,元気に響くアスナと刹那の声が聞こえた。
竹刀の響く音も聞こえることから,恒例の早朝練習を決行しているようだ。
木乃香も毎日の習慣から起き上がって厨房にいくが,お手伝い達に追い出されてしまった。
行く場を失い,木乃香は仕方なく刹那とアスナのいる方へ向かう。
しかしその足取りは重かった。昨日のことが後を引き,正直刹那の顔をまっすぐ見ることができるか自信が無かったのだ。

「いいですよ。その感じです。」
「ひぃ〜。元気ね〜刹那さん。」
「なんだか,すっきりしましたから。」
「えい。スキありっ。」
「あまい,あまい。こっちですよ。」

一見鬼ごっこのようにも見えるアスナと刹那の稽古はいつもにも増して楽しそうであり,晴々としていた。
物陰からひっそりと木乃香は刹那の姿を見つめる。少し前の,刹那との距離が遠かった頃の木乃香のようだった。

「木乃香さん。おはようございます。」
「ひゃ。ネギ君か。おはようさん。」
「どうしたんですか?こんなところで。」
「えっ?!や……な…なんでもないえ。」

そう言うも束の間,ネギは今日の予定をアスナと刹那に伝えるために木乃香を引きつれて,稽古に興じる二人に声をかけた。

「アスナさ〜ん。刹那さ〜ん。今日の予定なんですが……。」
196中編 13/23:2007/08/23(木) 22:01:10 ID:pbJw2wsj
ネギの声に二人は手を止めると,ネギの方に視線を移した。その傍らに木乃香がいて,刹那の身にわずかな緊張が走る。
木乃香と刹那にかまわず,ネギはアスナと本日の予定について打ち合わせをしていた。
その脇で立ちすくむ木乃香は不安そうな表情で,一方刹那も胸の内に不安を抱えつつ,お互いにお互いを探っていた。
不意にかけられたネギの問い掛けに,木乃香は我に返った。

「………と言うわけで木乃香さんはどうしますか?」
「へ?……なに?」
「木乃香はお屋敷にいるわよね。っていうか久しぶりの自分ちなんだから,お留守番してなさい。」
「ほぇ?……ん…ほな…そうするわ。」
「……では,私もお嬢さまとご一緒いたします。」
「せっちゃん……。」
「じゃ,そういう予定でいきましょう。」

竹刀を左手に持ち,刹那は姿勢を正す。木乃香は不安を隠せない面持ちで,元気の無い顔を刹那に向ける。
刹那はその表情を読み取り,優しく微笑み返した。今はまだ刹那にはそれしかできない。
しばらくして朝食を済ますと,ネギパーティは木乃香と刹那を屋敷に残して目的地へと向かった。

◇◆◇

優しい風が刹那の頬を撫でる。昼下がりの日差しはややきつく,庭に敷かれた砂地がより一層白さを増したかのように見える。
侍女が播く打ち水は,じんわりと辺りに沁みこみ,白一辺倒の砂地に風合いをつけていく。

「せっちゃん。ここにいたんか。」

そこは,前日思い悩んでいた場所。枯れるほど涙を流し,そして自分のなすべきことを再確認した場所。
懐かしい思い出がそこに息づく,刹那の安息の地。
声のするほうを見遣り,木乃香が来たことを確認する。隣に座っていいかという木乃香の問いに刹那は快くもてなした。

「懐かしいなぁ。ここで良く一緒に遊んだね。」

木乃香も遠い想い出に心を馳せた。
197中編 14/23:2007/08/23(木) 22:02:03 ID:pbJw2wsj
「お嬢さま。あの……」
「……もうこのちゃんって呼んでくれへんの?」
「いえ……。でも本山ですので……。」
「しゃあないか。」

しばしの間二人は昔の話に興じた。優しい空気が二人を包んだが,時々木乃香は悲しそうな顔を見せた。
閑話の後の沈黙。先に切り出したのは木乃香だった。

「……せっちゃんはもう,うちの知ってるせっちゃんやないの?」
「…お嬢さま。それはどういう…?」
「…うち,せっちゃんのこと,ようわからんくなってしもた。」
「お嬢さま…。」
「うちってせっちゃんの何やの?なんでうちのこと守ってくれるん?
 幼馴染だから?近衛家の跡取りやから?お父様に頼まれたから?」

刹那に向き合い,木乃香は必死な表情で刹那に訴える。

「お父様が麻帆良に行けって言うたから,せっちゃんは麻帆良に来たん?!」

木乃香の目に光るものが浮かぶ。昨日のこともあってか,木乃香は感情が昂ぶっているようだった。
興奮気味の木乃香を刹那は正面からそっと抱き締めた。
その抱擁にはいろんな意味が込められていたが伝えたい気持ちは一つだけだった。たった一つでいい。
木乃香の心に響いて欲しかった。

「麻帆良へ……貴方の元へ行ったのは……私の意志です。」
「長の拝命を賜ってはいますが,希望したのは私です。貴方の傍で…,貴方をお護りすることが私の唯一の望みでしたから。」

木乃香を抱き締める腕の力が言葉の真実を物語る。
抱き締められた腕の中で木乃香は,ただ刹那を感じていた。
198中編 15/23:2007/08/23(木) 22:02:59 ID:pbJw2wsj
自分は何を不安に感じていたんだろう。刹那は自分のためにこんなに尽くしてくれているのに。
でも…不安だった。自分の知らない刹那が,自分の知らないところで何をしているのか。
退魔の仕事のことでさえ,刹那は危険だからと言って木乃香に伝えたのはずっと後になってからのことだった。
刹那は自身のことを少しも語らない。唯一話すのは昔のこと。一緒に遊んだ幼い日々のことだけ。

昨日見つけた赤い跡について,木乃香は一晩中思い悩んでいた。
聞いてはいけないことなのか…。知ったら最後自分はどうなってしまうのか?
大切なことはいつも教えてくれない。腫れ物に触れるような刹那の態度に木乃香の不満は募っていた。

いつまでも幼い子供のままではない…と。

主従関係では無く,対等に刹那と接したいとひたすら関係を築いてきた。
けれど,本当に対等になりたかったのは,木乃香の方だった。
いつも木乃香自身を危険から護り,傷だらけになる刹那。
剣の修行のために自分を犠牲にし,中学生らしい楽しみなど何一つ知らなかった。
そして,木乃香よりもずっと世界の広さを知っている…。そのたびに自分の脆弱さを知った。

しかし,木乃香の実家であるこの屋敷の中でも木乃香の知らない刹那がいた。
離れた年月の大きさを身に染みて感じた瞬間だった。
自分は初めての土地に不安を感じながら明朗快活な同居人に出会って,なんの不自由も知らずに学園生活を送っていた。
その違いが今の自分達の壁を作り出しているのかもしれないと思えてならなかった。

「堪忍や…せっちゃん。何度も聞いとるのに。何度も言わせてもうて…。」

包み込まれた腕の中で木乃香もぎゅっと刹那を掴む。すると,口篭もらせながら刹那は謝罪の言を述べた。

「昨日は済みませんでした。…おかしな態度をとってしまって。」

刹那の言葉に,木乃香の身に緊張が走る。
199中編 16/23:2007/08/23(木) 22:03:47 ID:pbJw2wsj
「アスナさんに聞きました。随分と気を落とされていたそうですね。」
「…………うん。」

刹那の腕の中で小さく木乃香は頷いた。いろんな不安が木乃香の中をぐるぐる巡っていた。

「ねぇ…せっちゃん。恋人おるん?」
「ほぇ?………いませんけど。」
「じゃ,好きな人は?」
「えっ?!」

顔を上げ,刹那の顔を見る。先ほどまでの凛とした表情はどこにも無かった。
耳まで顔を紅潮させ,木乃香を抱き締めていた手を解く。刹那は一歩距離を取り,神妙に姿勢を正した。

「えっ……あの……その……。」

その様子に木乃香は少し安心する。良く見知った刹那の姿だった。ついっと傍によって,木乃香は嬉しそうに言った。

「うちはね……せっちゃんのこと大好き♥」

ボンという擬音が聞こえそうなリアクションを取った刹那であった。

「わ…私は……あの…その……お……。」
「せっちゃん。落ちついてや。」

宥める木乃香の声に合わせて刹那は深呼吸を繰り返した。そして,木乃香の方を向いて照れつつも真剣な眼差しで言った。

「私も……お嬢さまのこと…お慕いしております……////。」
「ん〜うれしいっ。うちら両想いやね♪」

茶化す木乃香を尻目に,刹那は無言で項垂れた。そんな刹那の胸に飛び込み,木乃香は自分の本心を伝える。
200中編 17/23:2007/08/23(木) 22:05:11 ID:pbJw2wsj
「でもね……。うちの”好き”はこういう”好き”やよ?」

そういって木乃香はどぎまぎしている刹那の頬に軽くキスした。突然の木乃香の行動に驚きを隠せない刹那であった。

「お…おじょ……おじょ…さま……?」
「嫌?」

悪戯っぽく聞きなおす木乃香に,刹那は正直に答えた。

「////……いえ…滅相もない……です。」
「………うちね…せっちゃんに聞きたいことあるんよ。」

こつんと木乃香は額を刹那の胸に預けた。焦る刹那とは対照的に,木乃香の声音は真剣な響きを保っていた。
神妙な空気を感じ取った刹那は木乃香をつれ,二人の部屋へと足を向けた。

◇◆◇

部屋へ戻ると,布団は既に片付けられており,青々とした畳みが開けていた。
木乃香は部屋の片隅にあったレトロな扇風機のスイッチを入れ,そよ風を作る。
首を振るたびに二人の髪をさわさわと揺らす扇風機の風は,初夏のさわやかさを演出していた。
部屋にはいった刹那の背に木乃香は軽く触れる。

「せっちゃん。うちな……せっちゃんのこと……大好きや。」
「心配だったんは,今のせっちゃんは,うちの知っとるせっちゃんとちゃうんやないかと思たことや。」
「せっちゃんは,うちのことどう思っとるん?」

木乃香は刹那に問い掛ける。なんと表現していいのかわからなかった。自分の不安が刹那に伝わるのかどうか…。
でも言わずにいられなかった。ただ一人で寂しいと,心が寂しいと叫んでることを知らせたかった。

「わ……私は……貴方のことを………。」
201中編 18/23:2007/08/23(木) 22:06:20 ID:pbJw2wsj
刹那が震えているのがわかる。触れた背中からそれを感じた。

「済みませんでした……先に言わせてしまって。」

刹那は振り返ると木乃香の手をとりぎゅっと握り締めた。

「私はずっと貴方のことを想ってきました。僭越ですが……嘘はつけませんので。」

刹那は息を吸いこみ,乾いた喉にごくっと唾液を通した。

「心から……お……お慕い……しています…。」

頬を赤くした刹那はその状態でいるのに耐えられなかったのか,両腕を木乃香の背に回しきゅっと抱き締めた。

「貴方の近くで,貴方を陰ながらお護りできるだけで私は幸せでした。」
「……うちはもっとはよから仲良くしたかったんえ。」
「恐れ多いことでしたから……。」
「でも,うち……悲しかったんよ。ずっと悩んどったんよ。」
「……済みません。」
「ほんま嬉しかったんやから。修学旅行で仲良くなって…。」
「はい……わたしもです。」
「でもな……幼馴染ってだけやないって気付いてしもうたんよ。」

木乃香はそのまま,刹那に語り出した。自分の本当の不安…それが何なのか。溢れてくる想いはもう止めることが出来なかった。

「うちな……いつまでも打ち解けてくれないせっちゃんが不安なんよ。」
「だからせっちゃんに悩む余地を与えないように強引なことしてたん。」

堪忍な,といって刹那の顔を仰ぐ。
202中編 19/23:2007/08/23(木) 22:07:39 ID:pbJw2wsj
「はじめは,他のみんなと一緒でもかまへんかった。遊びも,ご飯も,なんでも。でも,いつからか二人になりたかったん。もっとせっちゃんのこと知りたくなって…。」
「龍宮さんや楓さんが羨ましかった。……それでずっと嫉妬してた。」
「一緒に仕事して,同じ目線で会話して,うちの知らんことようけ知ってて…。」
「うちも……うちもせっちゃんと一緒になりたい!」

木乃香の内に秘めた思いが止めど無く溢れだす。刹那は初めて木乃香の気持ちを知った。
木乃香が今までどんな思いで過ごしてきたのか,刹那は知らなかった。
刹那は,感情の昂ぶる木乃香の髪を優しく撫でる。正直に自分の感情をぶつけてくる木乃香が愛しくてならなかった。

「……昨日,せっちゃんの背中にあったの…あれキスマークやろ?」

不意に告げられ,刹那の体に緊張が走る。

「誰につけられたかなんて,無粋なことは言わんえ。でもあれ見てうち,ショックやったん。」
「せっちゃんが,うち以外の誰かのもんになってしまうかと思たら…。」
「せっちゃんが,うち以外の誰かを見とるんかと思たら……!」
「……せっちゃんのこと…誰にも渡したくないって…うち…せっちゃんのこと……大好きって…気付いてしもたん。」

小さく嗚咽を零す木乃香の額に軽く唇で触れた。目尻に浮かぶ涙を唇で軽く吸う。
感情の昂ぶる木乃香を宥めるように刹那は木乃香に触れるだけのキスを繰り返す。
優しさを感じる刹那の振る舞いに,木乃香の目には別の涙が溢れる。
203中編 20/23:2007/08/23(木) 22:08:35 ID:pbJw2wsj
「ほんまに…恋人いないん?」
「はい。貴方のほかに好きな人はいません。」
「うちのこと……好き?」
「はい。……貴方が…大好きです。」
「……せっちゃん!」
「貴方を苦しませることは,もう二度としません。不安にさせて済みませんでした。」
「内緒なことも…もう少し少なくして……。」
「はい……。」
「敬語もやめて……。」
「………善処します。」
「ほな……このちゃん…呼んで……。」

溢れる涙を指先でぬぐい、木乃香の両頬を刹那の両手で包み込む。

「大好きやよ…このちゃん…。」

そのまま,刹那の唇は木乃香のそれを捕えた。触れ合うだけのキスは,お互いの温もりをきちんと伝え合い,感じあった。
一つになった二人の耳にはネギパーティーの帰宅を知らせる喧騒が聞こえていた。

◇◆◇

「騒がしいなぁ。折角良い感じなのに…。」
「はは,いいじゃないですか。」

ぷぅっと頬を膨らませる木乃香を刹那は宥める。二人とも,部屋を離れネギ達を迎えにいこうとした。
そのとき,刹那の耳傍でそっと木乃香が囁く。

「今日はお部屋に戻ってきてね……せっちゃん。」

どういう意図か刹那が問いかけようとすると,木乃香は悪戯っぽく片目をつぶった。刹那は問いかけを止め,顔を赤面させる。
204中編 21/23:2007/08/23(木) 22:09:39 ID:pbJw2wsj
「せっちゃん。顔真っ赤やで?」
「いやっ,別にっ,そのっ,なんでもっ……。」
「そないに慌てんでもええやん。」

再び声を細めて木乃香は言う。

「続きはまた夜にね。」

思い詰めた空気はどこへいってしまったのか。急に元気になった木乃香に翻弄させられる刹那であった。

わらわらと騒がしく帰宅したネギ達を二人は迎える。普段とそれほど異なる雰囲気はなかったが,
事情を知るアスナはちょっとした二人の雰囲気の違いに感付いたようだ。

「刹那さん。顔色よくなった?」
「あっ。アスナさん。…お蔭様で。」
「なんか二人がうまくいってないとこっちも気を揉んじゃうのよね〜。」
「はぁ……すみません。」

そんな会話を交わしながらアスナは木乃香を眺める。

「でも……やっぱり木乃香には…刹那さんなのよね。」
「なにを……?」
「刹那さんも………やっぱり木乃香じゃないとダメなのかな?」
「?」
「お似合いだって言ってんのよ!」
「ちょっっ。アスナさぁん。」

少年少女らの喧騒を背景に日の傾きが今日の終わりを告げていた。これから起ころうとすることを何も暗示することなしに…。
205中編 22/23:2007/08/23(木) 22:10:31 ID:pbJw2wsj
◇◆◇

相変わらず賑やかな夕餉の時間。それもそのはず。
週末をめがけて帰京しているのだから,明日にはもう麻帆良へ戻らねばならなかったのだ。
来客と木乃香の送迎を兼ね,歓迎と同様盛大に行なわれているのだ。

「もう。お父様ったら何回同じこと言ったら止めてくれはるんやろか。」
「貴方が行ってしまうことを寂しがっておられるんですよ。」
「せやかて……。」

もう何度も戻ってきているのに一向におさまることのない歓送迎の宴。
その盛大さに木乃香があきれ果てているところを刹那が宥めていた。

「どうかしたのかい?木乃香に刹那君」

声をかけたのは詠春だった。どうやら一人一人に送迎の挨拶を交わしているようだった。

「お父様。」
「長。」

いいかげんに盛大な宴は止めてっと木乃香が親子の歓談を交わしている間に刹那は片膝をつき,頭を下げる。

「…私のような者にまでお声をかけてくださって,勿体無く存じます。」
「相変わらずだねキミは。これからも木乃香のことをお願いするよ。」
「はっ。桜咲刹那,命に代えても,お嬢さまをお護り致します。」
「木乃香も,刹那君に迷惑をかけるんじゃないよ。」
「わかってるえ。お父様。」

3人は,軽やかな笑い声に包まれていた。
206中編 23/23:2007/08/23(木) 22:11:44 ID:pbJw2wsj
「……それと…刹那君。後で私の所に来てくださいね。」
「……はい,承知致しました。」

刹那の身がピクっと震える。その微妙な仕草には誰も気付かなかった。立ち去っていく詠春の背を眺めて木乃香は呟いた。

「お父様,せっちゃんになんか用なんかな?」
「さ……さぁ?一体何用でしょうか。」
「面倒なことやないとええな?せっちゃん。」

木乃香はにっこりと優しい笑顔を刹那に向ける。その笑顔を見て刹那の胸が,ぎゅっと締め付けられた。
どんな用なのか…。刹那にはわかっている。もう木乃香を苦しませることはしないと誓ったばかりなのに。
刹那は心の中で葛藤していた。浮かない表情で,木乃香と目を合わせない刹那を怪訝そうに見つめる木乃香であった。

◇◆◇

木乃香は人気のない廊下を歩いていた。先ほどの刹那の様子が気になったからだ。
宴の最中に刹那は,「長に呼ばれていますので…。」と言って席を立った。
あまり考えを表に出さない刹那が,あれほど浮かない表情を見せるには何か理由があるに違いない。
木乃香はそう思えてならなかった。だから,刹那が席を立った後,こっそりとその後を付けたのだった。

木乃香からは随分と距離があったが,刹那が最奥の部屋に入っていく姿が見えた。そっと部屋に近付く。
襖の間のほんのわずかに開いた隙間から中を窺う。よくは見えなかったが,中の人影とわずかな声が聞こえそうだった。
木乃香は盗み聞きをするようで悪いとは思いつつも,好奇心には抗えなかった。
中の様子を見るが,さほどおかしい様子もない。木乃香は,心配しすぎだったかと思い,その場を後にしようとした。
しかし思いもかけない様子を目の当たりにしてその場から動けなくなってしまった。

(なして……せっちゃんとお父様が………。)

それは,詠春に抱きとめられる刹那の姿だった。
207中編終了:2007/08/23(木) 22:13:39 ID:pbJw2wsj
中編終了です。ベタな展開で済みませんorz。
あと後編が残ってますのでそこまでお付き合いお願いします。
お目汚し失礼。
208名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 22:20:06 ID:NPQGfaM5
せっちゃん、このかと両思いってなったのに長かよっ!
続き激しく期待!!
209名無しさん@秘密の花園:2007/08/23(木) 22:23:33 ID:JooOASaX
すげw鳥肌たったwww
wktkwktk
210後編投下:2007/08/24(金) 00:11:21 ID:Jax8sGcv
じゃ(別に意味があるわけではないが),日も変わったので後編投下。
早い反応が嬉しい今日この頃(T^T)。wktkサンクス。
ちょー長いけど,堪忍やで。
211後編 24/45:2007/08/24(金) 00:12:35 ID:Jax8sGcv
◇◆◇

「遅かったね,刹那君。」

刹那は呼ばれるままに部屋に入ると,詠春の姿を探した。しかし,部屋には詠春の姿はなかった。
確かに呼ばれたはずなのにと,刹那は部屋を見渡す。すると,急に視野が高くなった。
気配もなく,詠春は背後から刹那を抱き上げたのだった。そして前出のセリフを告げる。

「お……長っ,放してくださっ………。」

驚いた刹那は詠春から逃れようともがいていた。しかし,詠春はその様子を愉しげに眺めると,刹那の唇を自分のそれで塞いだ。
ねっとりと絡みつく詠春の舌は刹那の体からもがく体力を奪い取るだけでなく,拒もうとする意識すら霧散させてしまった。
詠春の舌使いに,刹那は次第に応じ始めた。躊躇いがちに動かす刹那の舌を詠春は更に執拗に絡めとる。
わずかな息継ぎも許されない強引な口付けに,刹那は自然と詠春の腕の中に納まっていった。
刹那の動きが落ち着いたところで詠春は口付けを解く。

「ふっ………ぁ…ん……。」

絡まった舌先から名残惜しそうに唾液が落ちた。刹那は熱い吐息を零しながら恍惚とした表情で詠春を見詰めた。

「はぁ……酷いです……こんな性急な……。」
「遅いキミを待ちきれなくてね。」

木乃香を彷彿とさせる優しい笑みを詠春は刹那に向ける。
冗談はお止め下さいと,わずかに頬を染めながら刹那は視線を反らした。
しかし急に何か思い出したかのように慌てて詠春に抵抗する。

「長…いけません。こんな際で…。先ほど人の気配がっ……。」

静かに騒ぎ立てる刹那を,詠春はやはり楽しげに眺める。
駄々をこねる子供をあやすように,詠春は刹那の額に優しく口付けながら言う。
212後編 25/45:2007/08/24(金) 00:13:52 ID:Jax8sGcv
「心配性だね。キミは。…なに,人払いの術が掛けてある。ちょっとやそっとでは誰も近寄ったりしないよ。」
「でもさっき人の気配がっ……。」
「この屋敷の者なら大丈夫だろう。僕らサイドの者なら,僕とキミがこうしていても何もおかしく思わないさ。」
「……でもっ……ここにはお嬢さま達がっ……。」

そんな刹那を愛しそうに見詰めながら,詠春は刹那の敏感なところに唇を落としていく。

「お…さ…,ふぁ……くぅ……っん……。」
「どうしたんだい?…今日は名前で呼んでくれないんだね?」

詠春の細やかな愛撫は刹那の性感を確実に捕えていた。啄ばむような口唇愛撫に続いて詠春の無骨な指が刹那の体を這い始めた。

「ま……待って……ふぁ…ぅん……待って…っくださぁい……。」
「キミはもう明日行ってしまうんだよ。待っていられると思うかい?」
「っぁ………でもっ………ぁん……はぅ……ん……。」
「昨日はあんなに素直に受け入れてくれたのに。」

詠春は刹那を抱きかかえたまま,御簾の奥へと向かった。その時恐らく廊下と思われる外から,床の軋む音がわずかに聞こえた。
その気配に刹那は気付いて身を硬くするが,詠春は捨て置きなさいと一言述べ,そのまま奥へと移動した。

◇◆◇

木乃香は,足音を潜め,でも足早にそこを後にする。信じられない光景を目撃して,心中穏やかではなかった。
この気持ちをなんと表現していいのか正直わからない。木乃香は,零れる涙を留め,嗚咽を零すのに耐えた。
どうして泣きたくなるのか,そのもととなる感情は複雑だった。

ふと足を止め,外へ視線を流した。そこは昼間刹那と二人で過ごした場所。
幼い頃,共に遊んだ思い出の場所。木乃香の脳裏には色々な刹那が映し出された。
213後編 26/45:2007/08/24(金) 00:15:06 ID:Jax8sGcv
”お嬢さま。行きますえ。”
”やん。お嬢さまなんていわんでー。このちゃん呼んで”

”守れなくてごめん。このちゃん。ウチもっともっとつよおなる。”

”貴方の傍で…,貴方をお護りすることが私の唯一の望みでしたから。”

”大好きやよ…このちゃん…。”

昼間の告白を思い出す。
刹那の相手が見ず知らずの者なら,まだよかったのかもしれない。

「なして……お父様と……。」

誰とはなしに口から零れる。両目に溢れる滴の熱を感じた。

「せっちゃん………うち…苦しいえ……。」

隣にいない刹那に,愚痴を零す。

「ウチを苦しませること…もうしないって…ゆうたやんか……。」

溢れる涙を堪えきれずに木乃香は一人立ち止まり,声を殺して泣いていた。

◇◆◇

一方詠春の部屋では,奥に用意された寝所に刹那は連れられていた。
詠春に抱きかかえられ,優しげな前戯を施された刹那からは,ここへ来る前に抱いていた決断が揺らいでいた。
しかし,廊下からの人の気配で自分を取り戻し,今日想い人に立てた誓いをもう一度胸に刻み込んでいた。

「どうしたんだい?」
214後編 27/45:2007/08/24(金) 00:16:52 ID:Jax8sGcv
詠春はぼんやりと座る刹那を自分の胸に抱き寄せながら尋ねた。
刹那は言う。ここへ来た目的は,今までとは違うということを。

「……詠春さま。私はこの胸の温もりに幼い頃から救われてきました。」
「覚えているよ。土砂降りの中,庭先で一人佇んでいたキミの姿を…。」
「あの時,詠春さまがいてくださらなかったら,今の私はありません。」
「……そんな偉そうなものじゃないさ。」

詠春は刹那の顎を取り,上向かせる。刹那の瞳には寂しげな色が宿っていた。

「こうして詠春さまの温もりを得て,私は退魔師として身を立てることが出来ました。」
「………そんなことないよ。実際キミの努力は目を見張るものだった。」
「……気の昂ぶりは性的なそれとよく似ている…。それも身をもって知りました。」
「気を使う時は戸惑ったものです。もう……慣れましたが。」

刹那の髪を撫でながら,詠春は優しげな視線を送った。そして刹那は,惑いつつ再び言葉を続けた。

「………心の充足など,私には無縁なものと思っていました。」

刹那は,詠春に抱かれたまま,その胸に顔を埋めた。詠春の着物を握り締める手はわずかに震えていた。

「それでいいと思っていたんです。それで十分だと。でもそうじゃなかった。」

その身を振るわせたまま,刹那の独白は続いた。

「………好きな人がいるんです。共に歩みたい人が……。」

そう言うと,刹那は詠春の体を押し退け,姿勢を正して座した。

「……詠春さま。今日は,そのことを告げにまいりました。」

詠春は刹那の様子を優しげに見守っていた。そして昔を思い出すと,ふっと笑みを零した。
215後編 28/45:2007/08/24(金) 00:18:40 ID:Jax8sGcv
「そうだったね。相愛の相手が現れるまでキミを慰めてあげると約束したんだったか。」
「……はい。」
「いつまでも……僕の元にはいてくれないんだね。」

寂しそうに詠春はそう呟いた。優しい笑みは崩さないまま,詠春は眼光の鋭さを増す。

「……でもね,刹那君。自分の傍に大事な人を置くというリスクを覚悟しなければならないよ。敵は必ず,キミの弱みを突いてくる。愛する人を守れる強さを身につけなければ,相手を不幸にするだけだということを十分に肝に命じておきなさい。」
「…はい。詠春さま。私が必ずこの身に代えてもお護り申し上げます。」
「……?」

刹那のこのセリフはよく耳にするが……,そう詠春は思うが,気付かないふりをすることにした。
意趣返しも含め,詠春は刹那に誘いをかける。

「……で刹那君。今日はこれで帰るつもりかい?」

近くにあった刹那の手を取り,ぐいっと引き寄せると,軽々刹那は詠春の元へやってきた。

「え……詠春さま……?」
「今日を限りにこうしてキミと会えなくなるんだ。私には最後の情けをかけてもらえないのかな?」

その言葉を聞いて,刹那はしばらく逡巡すると,意味ありげな視線を詠春の方へ送った。
その視線を詠春は諾と受け取ると,そのまま布団の上に刹那を押し倒した。
そして刹那の理性を一瞬で奪い去る,熱烈なキスを施す。

「キミとこうするのも,これで最後かと思うと残念だね。」

刹那の首筋に舌を伝わらせ,刹那の薄い皮膚を過敏にさせていく。詠春の巧みな舌使いに刹那からは熱い溜息が漏れる。
部屋に入った途端,強引で情熱的なキスを施され,刹那の体には既に火入れがなされていた。
幾分落ち着いたとはいえ,刹那に抗える力は残っていない。

詠春は刹那の身を包む制服を手際よく脱がしていく。堅く締められたサラシを緩めると,わずかに膨らんだ刹那の乳房が現れた。
色づいた先端に詠春はそっと舌を這わせる。既に尖っていたそこは,詠春の愛撫に敏感に反応する。刹那から切ない声が漏れた。
216後編 29/45:2007/08/24(金) 00:20:21 ID:Jax8sGcv
「詠春さま……私などよりっ……もっと女性らしい者は…多くおります…ゆえ。」
「…刹那君。僕が適当にキミを召したとでも思っているのかい?」

詠春は,刹那の言葉に若干の不機嫌さを感じ,刹那の乳首を強めに噛んで言った。
苦痛にゆがむ刹那の表情も,また艶を帯びていて妙に扇情的だった。

「ここを旅立つまでは,確かに幼さの残る少女だった。でも…。」

再び優しく乳房を撫で,先端を癒すように優しく舐めた。

「しばらく見ないうちに,成長したキミの姿に僕は一瞬感動したよ。」
「年齢ではなく,肉体美でもなく,キミの人間的な美しさに惹かれたんだよ。」

詠春は,開いている手をわき腹に伝わらせ,腹部を撫ぜると,更にその下に移動していった。
刹那から零れる溜息はどんどん熱を帯びたものとなっていった。
刹那の下半身を覆っているものに詠春の無骨な手が進入していく。

「こんなに濡らして……可愛い子だ…。」
「え……えい…しゅん…さまっ……ぁ…。」

節くれだった詠春の指が,刹那に秘所を弄る。
濡れたそこへ指を挿し入れると,その進入を待っていたかのように,内壁は煽動を繰り返し,詠春の指を内部へと誘う。

「初めて僕を受け入れたときから変らないね。きついくらいの締め付けだ。」
「うぁ…くっ……んっはげしっ…ぅん……はぁ……。」

手馴れた様子で詠春は,次々に刹那を昂ぶらせていく。

「麻帆良へ行く前か…。退魔師として本格的に活動することが決まってからだったね。」
「は……はいっ……,一人前になるために…必要なことでしたっ…から…。」
「キミは………僕に抱かれることを望んだ。」
217後編 30/45:2007/08/24(金) 00:22:11 ID:Jax8sGcv
そう言うと,刹那の体に唇を寄せ,薄紅の所有印を残していった。名残惜しそうに啄ばみ,全身を隈なく検分していく。

「わ……くぅ…ん……私には……詠春さましかっ……っ…ませんでした……からっ…。」

詠春の愛撫による昂ぶりを隠しきれない刹那は,弾む呼気を抑えながら詠春に応える。
刹那の昂ぶりを確認すると,詠春は刹那の秘所から指を抜き取る。自ら着物を脱ぎ,裸にした刹那の横に横たわる。

「いつものようにしてくれるかな?」

詠春は,刹那を見遣ると邪気のない笑顔で言った。刹那は,身を起し躊躇いながらも,詠春の体を四つん這いになって跨いだ。
刹那の眼前には刹那を貫くための詠春の男根が聳え立っていた。
戸惑いつつも,刹那はそこを唇で触れ,吸い付きながら舌を這わせる。

「ん……上手になったね。」

詠春は刹那の尻を鷲掴み,刹那の秘所を自分の口元までぐいっと引き寄せた。
ご褒美といわんばかりに刹那の敏感な突起を舌先で舐め取るように愛撫する。
刹那からは切なそうに喉が鳴るが,詠春への奉仕は続けられた。
詠春はそんな刹那の様子を快く感じて,更に強めにそこを吸い上げる。

「ふぁぁ…んぁあぁぁ……。」

堪らず刹那は声を上げた。まだ幼さの残る刹那の秘所からは奥から止めど無く快楽の蜜があふれ出ていた。
その蜜を指に絡めとり,詠春は蜜壷の更に後ろの秘蕾へと指先を進めた。

「昨日の今日だけど,こちらはどうかな?」

ゆっくりと揉み解すようにマッサージをしてから,くいっと指先だけを内部へ侵入させる。

「あぁぁア……ふぅ…ん…。」
218後編 31/45:2007/08/24(金) 00:23:59 ID:Jax8sGcv
再び刹那の口から快楽の声が漏れた。まだ開通させて間もないのにそこはしっかりと詠春の指を受けとめ,性感の一部として受け入れていた。内部をくいくいっと揉むと,それに応じて刹那も同じリズムで詠春のモノを刺激した。

「昨日の今日なのに…ね。刹那君。」

嬉しそうに詠春は,刹那の濡れそぼった蜜壷にも指を挿し入れ,秘芯を強く刺激し始めた。
堪らず刹那は詠春のモノから口を放し,全身から汗を噴き出しながら身悶えた。

「ふぁっ……詠春さまっ……やめ…強すぎっ…ぁん…。」

刹那の声にならない声が響く。更に休むことなく続く秘所への刺激に刹那はあっけなく達した。
激しく息を吐いて呼吸を整えようとする。しかし,直ぐに詠春によって体勢が入れかえられ唇を奪われる。
胡座をかいた詠春の上に抱きかかえられる刹那は,息吐く暇もなく詠春のそれに貫かれた。

「ふぁぁぁぁぁ………。あふぅ…あっ……ああぁぁっ。」

刹那は詠春に体を預け,そのまま激しく突き上げられる。
刹那の腰を固定している詠春の手は,刹那の秘蕾に伸ばされており,先ほど同様詠春の指先がそこへ進入している。
もぞもぞと動く感触に刹那の腰が揺れる。その動きに合わせて詠春は腰を突き上げた。

今までになく激しい攻めに,刹那は気を失いそうになるが,詠春の言葉がそれを引き戻した。

「いい具合だよ,刹那君。僕のモノを咥えて放さない。手放すのが惜しいくらいだね。」
「ふぁ…そんなっ…。」

一瞬不安が過ぎるも,抵抗する力など刹那は持ち合わせていなかった。手練手管を相手に,刹那などひとたまりもなかった。

「ふふふっ。…冗談だよ。約束だからね。」

そう言うと今度は別の体位で更に刹那を攻めたてる。

「……でも今日は堪能させてもらうよ。何度でもイきなさい。」
219後編 32/45:2007/08/24(金) 00:25:54 ID:Jax8sGcv
全身を襲う快感に翻弄される刹那は,経験のない強烈な性感に必死に耐えていた。
一際高い声を上げ,自制のきかない自分の体を不思議に思いながら,その後何度も何度も頂点に達し,最後は詠春の熱を腹部に浴びて意識を失った。

◇◆◇

刹那は身支度を整えると,静かに部屋を後にした。時間は随分と経っていて屋敷全体が夜の静寂に融けこんでいた。
湯浴みをしてから戻ろうと刹那は風呂場の方へ足先を向けた。

初めて本気の詠春の攻めを全身に受け,刹那はかなりの疲労感を感じていた。
詠春も刹那のことを考えていつも接していたのだと改めて思った。
今日は,激しく攻められたりしたが,別段おかしな事はなかった……はずだ。最後の詠春の言葉以外には…。

”激しくして済まなかったね。悪気はなかったんだが。思わず……ね。…また何かあったら私を尋ねなさい。
 それと………木乃香をよろしく頼むよ。”

これまで情事の最中に木乃香の話をしたことなど一度もなかった。
何か感じたことでもあったのだろうか,と物思いに耽っていた刹那だったが,廊下に落ちたあるものを見つけ,意識をそちらに集中する。

(これは……。)

それは見覚えのあるパスケースだった。
おもむろに中を見ると,そこには修学旅行の時に撮った木乃香と刹那の写真が入っていた。
木乃香はお姫さま,刹那は新撰組の羽織を当てている。

(なんでお嬢さまのパスケースがこんな所に……?)

刹那は疑問符を頭上に掲げるが,直ぐにその疑問は解けた。はじめに感じていた人の気配,そしてそれは途中で消えた。
簡単な人払いの護符は,強力な魔力を持った木乃香にはほとんど効力を発揮しないだろう。

「……お嬢さま……。」
220後編 33/45:2007/08/24(金) 00:27:23 ID:Jax8sGcv
恐れていた時がとうとう訪れてしまった。
刹那は風呂場に誰もいないことを確認すると,頭を冷やすために水をかぶり,念入りに体を洗った。
今回のことで匂いの謎も解けてしまったことだろう。おそらく部屋で待つ木乃香が今は怖くてならなかった。

◇◆◇

廊下で涙していた木乃香であったが,人のざわめきが聞こえたのでその場を後にする。
今自分の姿を誰かに見られては何を言われるかわからない。何より,自分が何かを口走ってしまいそうで怖かった。

自分の部屋に戻ると,きちんと敷かれていた布団に倒れこんだ。それは柔らかい弾力で木乃香を包む。
しかし,木乃香を癒せる温もりはなかった。

(一緒に寝よ言うたけど,せっちゃん戻って来てくれるんやろか?)

夕方に交わした約束を思い出す。

(でも…うち,どんな顔してせっちゃんに会えばええんやろ。)

どうしようもない気持ちを抱えて悶々としていると,廊下からアスナの声が聞こえた。お風呂への誘いらしい。
木乃香は,その誘いを断ろうかと思ったが,あまりおかしな素振りを見せるのもどうかと思ったのか,アスナと共に浴室へと向かうことにした。

「なんかあったの?」

必死に平静を装っていた木乃香であったが,ぎこちない笑みと泣き腫らした目ではアスナを誤魔化すことは出来なかった。
アスナからの問いに木乃香は無言で答える。元気のない視線だけが,今の木乃香の心情を物語っていた。
浴室で木乃香は冷たい水で顔を洗った。火照った顔がひんやりとして気持ちいい。一息つくとアスナが声をかける。

「このかがそんな顔するの,刹那さんのことでしょ?」
「……さすがアスナやな。うちのことようわかっとるんね。」
「小学生からの付き合いでしょ。舐めてもらっちゃ困るわよ。」
221後編 34/45:2007/08/24(金) 00:28:53 ID:Jax8sGcv
でも,木乃香は口をつぐんだ。胸に留める思いをアスナに伝えれば,楽になるかもしれない。
でも木乃香は口にすることが怖かった。自分の不安定な感情をまだ言葉には出来なかった。

「……このか。わたし何も聞かないわ。」

湯をかぶりながら,アスナは言った。水滴の滴る髪を振り乱し,アスナは木乃香の背を叩く。

「刹那さんは刹那さんだし,このかはこのかよ。何があったか知らないけど,私は二人とも大好きだからさ。」

アスナの明るさが木乃香の心の曇りを取り払ってくれたような気がした。
迷うことも驚くことも,混乱することもまだたくさん残ってる。
でも,一つだけはっきりしているのは,それでも刹那のことが好きだということだった。

「……うちもアスナのこと好きや。ありがとうな。」
「わかったら,ぼやぼやしてないで部屋もどんなさいっ。」
「あ〜ん,アスナ〜。うちまだ髪洗ろうてないえ〜。」

二人の元気な歓声が浴室に響いていた。

◇◆◇

風呂から戻ってきた木乃香は部屋でじっと刹那を待っていた。
しかし,ひっそりとした夜の空気はいつまでたっても待ち人の到来を知らせない。
静寂に押し潰されそうになりながら木乃香は一人耐えた。夜も更けてきたので布団に入ってはみるが,一向に寝つけない。
これで眠ってしまえば,今日のことは夢だったと思えたかもしれないのに。木乃香はそう思いながら廊下の方へ寝返りを打った。

廊下に面した部分は障子張りになっていて,月の明かりでぼんやりと明るく光っていた。
そしてその隅には見なれた人影が映っていた。
222後編 35/45:2007/08/24(金) 00:30:31 ID:Jax8sGcv
それは刹那の姿だった。待ち焦がれたその姿に木乃香の心は軽くなる。
しかし一転して,その胸には重く圧し掛かる感情もあった。
でも,刹那に会いたい自分がいた。木乃香は静かにその影に近付き,勢いよく障子を開けた。
すると,そこへ凭れ掛かっていたのか,刹那が背後に倒れ,部屋に転がり込んできた。

「お………お嬢さま。起きておられたんですか?」

木乃香が起きていたことに驚いたのか,刹那は倒れこんだまま,そう声を上げた。

刹那の浴衣に一つ,また一つと染みが出来る。木乃香の押し殺した嗚咽が聞こえてきた。
両手で溢れ出る涙を拭い,木乃香は子供のように泣きじゃくった。

「もう……うちの傍に……来て…くれないのかと……思った……。」

木乃香の涙の意味を図りながら,刹那は木乃香に触れた。どうしてこんなにも彼女は自分のために泣いてくれるのか。
先ほどまでの不安が嘘のように穏やかな気持ちになった。刹那は木乃香の頭を撫で,木乃香を落ち着かせる。

「何があっても……私は貴方のお傍にいますよ。」

◇◆◇

幾分落ち着きを見せた二人は,障子を空け,壁に凭れて月を眺めていた。青白い光は,夜空に生え,神秘的な輝きを見せていた。

木乃香は刹那に寄添う。木乃香の髪を優しく撫でる刹那に甘えた表情を見せていた。
ふと視線を上げると,その先に何かを捉えた。白く透き通るような刹那の肌に薄赤く浮きあがる赤い印。
木乃香は,刹那の首筋にその跡を見つけ,そっと唇で触れた。

「お嬢さま?!」

木乃香の行動に戸惑う刹那をよそに,木乃香はそこを軽く吸いながら,着ていた浴衣をそっと肌蹴させた。
223後編 36/45:2007/08/24(金) 00:32:54 ID:Jax8sGcv
「やめっ…っお嬢さま……こんな…ところでっ……。」

無言のまま木乃香は首筋から続く赤い印に順番に口付けていった。軽く吸い付きながらそこを舌先で撫ぜていく。
皮膚の薄い,刹那の敏感な箇所にそれは残されていた。月明かりに照らされ,薄紅だった印は一層赤みを増した。

「はぁ…………。」

刹那から,けだるげな溜息が零れた。木乃香の行為が腹部へと差し掛かったとき,それは止まった。
かわりにそこへ木乃香の重みを感じた。刹那は木乃香の頭部に手を沿えると,そこはかすかに震えていた。

「………知って………しまわれたんですね……。」

自嘲的に言う刹那の言葉に,木乃香は静かに頷いた。

「………軽蔑……しますか?」

刹那はそのまま,木乃香の髪に触れて言う。木乃香の反応の全てを感じたかった。

「お父様と………どうして?」
「貴方のいないここで……長は私の救いでした。」
「せっちゃん?」
「赤い糸を夢見続けるには………現実は厳しかったんです。」

木乃香は刹那を見上げた。涙目にみる刹那の瞳は遠くを見ていた。その瞳には遠い昔の幼い二人が映っていた。

”せっちゃん。赤い糸は運命の糸なんやで。”
”運命の糸?”
”せっちゃんとうちも赤い糸で結ばれとったんや,きっと。”

幼い木乃香は幼い刹那の手を取り,小指を立てて見せた。
そこには何もないけれど,二人には間違いなくしっかりと結ばれた赤い糸が見えていた。
224後編 37/45:2007/08/24(金) 00:35:00 ID:Jax8sGcv
”せっちゃん。うちせっちゃんこと大好き。”
”……うちも,うちもやよ。このちゃん。”

刹那は,木乃香を起きあがらせると,乱れた浴衣を正す。
いつまでも無垢なままではいられなかった自分を思い出し,木乃香を突き放した。

「…こんな穢れた身で貴方の隣に立つわけには参りません。昼間のことは忘れてください。」
「うちのこと好きっていったのは……?」
「私には………そのようなことを言える資格すら…ありません。」
「うちがせっちゃんとお父様のこと知ったから?知らんければよかったん?」

木乃香は必死な形相で刹那にしがみつく。木乃香のその言葉に,刹那は辛そうに重い口を開いた。
木乃香を想う自分の想いに偽りは無い。でも…。

「………長だけではありません。貴方の知らないところで私は……。」

木乃香の手が驚愕に震える。刹那の告白は木乃香には衝撃的だった。
刹那は姿勢を維持できず,木乃香の前で項垂れた。床の上で握り締めた拳に,しずくが一つ二つ落ちてはねた。

「貴方をお慕いする気持ちに偽りはありません。ですが…。」

刹那は嗚咽を堪える。

「貴方のいる同じ屋根の下で…,貴方のお父上と…。貴方を裏切るような行為をした私には…貴方を愛する資格はありません。」

歯を食いしばるが,木乃香への忠誠を裏切った自分自身への責め苦は辛かった。心が痛い。その涙が今,零れ落ちていた。

「せっちゃん………。」

木乃香は崩れ落ちた刹那の手を取り,抱き寄せた。優しい木乃香の抱擁は,刹那を困惑させた。
その抱擁の意図が刹那にはわからなかった。
225後編 38/45:2007/08/24(金) 00:39:10 ID:Jax8sGcv
「あんまり,自分のこと責めんといて。自分で自分のこと苦しめたらあかん。」

刹那の背を撫で,木乃香は言う。

「せっちゃんはせっちゃんや。うちのことずっと護ってくれてた。」
「どんなんでも,うちの知ってるせっちゃんはええ子や。」
「うちの知ってるせっちゃんは,ここにいてうちのこと想おてくれてる。」
「うちは,せっちゃんが大好きや。」

木乃香の言葉がはんなりとしたリズムに乗って傷ついた刹那の体に染み込んでいく。
言い表せない嬉しさで,涙が頬を伝う。自分を抱きとめてくれる木乃香を刹那は自分から抱き締めた。腕に篭る力しか今の自分を伝える手段は無かった。強く,しっかりと木乃香を抱き締め,木乃香の胸で泣いた。

◇◆◇

「目,腫れちゃったね。」

泣き止んで落ち着いた刹那に木乃香はくすっと笑って言った。

「……済みません。」
「謝ることないやん。こんな感情的なせっちゃん,うち初めてやわ。」

新鮮な刹那の反応が見れたためか,木乃香は嬉しそうに言った。部屋の中で,愉しそうにじゃれ合う二人は今までよりもずっとうち溶け合った空気を共有しているようだ。じゃれあいの中,二人は縺れて布団の上に倒れこんでしまう。木乃香は,刹那の上に馬乗りの体勢になった。

「せっちゃん。」
「ん……なんですか?」

真剣な眼で木乃香は尋ねた。

「うちだけじゃ……ダメ?」
「これから…こういうことするのうちだけじゃダメ?」

刹那の唇に木乃香の唇がそっと触れた。木乃香が言わんとしていることは,自分とだけ刹那と特別な関係を保ちたいと言う意志だった。
226後編 39/45:2007/08/24(金) 00:41:58 ID:Jax8sGcv
「/////……貴方が苦しむことはもうしません。」

照れくさそうに刹那は言う。

「さっきせっちゃん,自分のこと「穢れた」って言ったよね。」
「……はい。」
「ほな,せっちゃんの穢れ……,うちに清めさせて。」

そう言うと,刹那の唇に自分のそれを再び押し当てた。
優しく吸いつく木乃香の唇に,刹那は困惑する想いと,甘い陶酔感を覚えた。
相愛の人とのキスが,こんなにも甘くて切ないものだなんて刹那自身初めて知ったことだった。
恍惚とした表情の刹那に,木乃香は自信なさげに呟いた。

「うち慣れてへんからあんまうまくないけど,せっちゃんとこうしていたいん。」
「そんなっ…そんなことありません。キスがこんなに気持ちいいものだなんて…そのっ…し,知りませんでした。」

恥かしそうに,でも満足そうな表情で刹那は言った。
木乃香の頬に手を沿え,再びキスを求める。木乃香は無邪気な笑顔で刹那の求めに応じた。
刹那がゆっくりと舌を挿し入れると木乃香の体に緊張が走った。
でもそれも束の間,求め合うキスに変貌するのにそう時間はかからなかった。

どちらかともなく唇を放すと,名残惜しそうに唾液が伝った。紅潮した頬を感じながら,二人は見つめ合う。
木乃香は,刹那の首筋についた薄紅の印に吸いついた。

「御清め……してあげる。せっちゃんの穢れ,うちが清めてあげるえ。」

もともと詠春がつけた所有印と同じ場所に木乃香はそっと口付けた。念入りに,念入りに刹那の穢れを吸い取るように。
それは刹那の敏感な箇所につけられているので,苦も無く,木乃香の口唇愛撫に刹那の息が弾む。

「はぁ…ん…お嬢さま……んんっ…んぁ…。」
227後編 40/45:2007/08/24(金) 00:45:32 ID:Jax8sGcv
刹那の浴衣の帯を解き,肌蹴させると全身につけられた所有印を一つ一つ丁寧に舐っていった。

「昨日よりもたくさんついてるんやね。」
「今日は……その……激しく……て…。」

木乃香に問われ,なんと言えばいいのか困る刹那だったが,与えられる快感に刹那の理性は蕩けはじめていた。

「もう……はぁ……長に抱かれないと…伝えたら,最後だからと……。は……激しく攻められてっ……。ふぁ…。」

刹那の告白の最中も木乃香は愛撫の手を止めない。

「……でもっ…もう……ありません。んぁ…お嬢さま以外に…はっぁ…お嬢さまだけ…ですっ……。」

刹那は木乃香の愛撫を全身に感じつつ,木乃香を抱きしめた。
木乃香はその抱擁から刹那の感じている快感や,幸福感が伝わったような気がした。
木乃香は再び刹那の唇に自分のそれを重ねる。今度は自分から刹那を求めた。絡み合う舌はもどかしそうにお互いを求め合う。
それだけでは物足りないと心のどこかで感じた。
木乃香は,刹那をうつぶせにさせると,本当に全身に隈なくつけられた所有印を目の当たりにする。

「これじゃ,しばらくお風呂も無理やね。誰に何言われるか…。」
「これは…わ……私への…罰ですからっ。」

つつっと背中に触れる木乃香の指先に息を弾ませながら刹那は言った。

「またそんなことゆうて。だからうちが御清めしてるんよ。」

再び,木乃香は刹那の肌に唇を落としていく。もとあった印よりもより濃くて鮮やかな所有印を付けていく。
どの箇所も絶妙に服に隠れる位置についていて,普通なら困ることは無かった。
でもそれが癪だったのか,刹那の首筋に木乃香は1ヶ所だけ,自分のオリジナルを残した。

「せっちゃんは,うちのもんや。もう放さへんよ。」
「はぁ……お嬢さま…。」
228後編 41/45:2007/08/24(金) 00:47:21 ID:Jax8sGcv
刹那の引き締まったヒップに差し掛かると,刹那はきゅっと身を縮めた。
木乃香は,触り心地のよいお尻を愉しそうに撫で回しながら,そこにもキスをする。

「ひゃっ!!」

刹那は驚いて身を更に縮めるが,動きが大きかったためか,刹那の秘所から湿った水音が聞こえた。
木乃香は,そこに興味を引かれ,後ろからそこに触れた。伸ばした指の先に熱気の篭った生暖かい湿り気を感じた。

「んぁっ!!」

触れるたびに刹那は嬌声をあげ,体をひくつかせた。

「もしかして……感じてくれてるん?」

木乃香は様子を見るようにそこを何度も何度も指先で触れた。
刹那はもう耐えられないといわんばかりに,シーツを握り締め,その刺激に震えていた。

自分に感じてくれているのか知りたくて,木乃香は刹那の顔を覗きこんだ。
上気した顔に汗で髪が貼りつき,熱い溜息が零れ落ちた。
刹那はそんな自分の表情を見られまいと,顔を背けるが再び秘所に触れられ,霰も無い喘ぎ声を漏らした。

「感じてくれてるん?」

刹那はけだるげな体を仰向けに起し,心配そうに覗き込む木乃香を見つめる。
相愛の人に触れられるだけで自分がこれほど昂ぶってしまうなんて…。誰よりも,何よりも幸福感に満ちていた。
心の充足…今まで欠けていたものが満たされつつあった。

自分の霰もない姿を木乃香に見られ,刹那は羞恥に頬を染める。
そのまま木乃香を抱き寄せ,思いの丈を込めて木乃香の唇を奪った。

「ねぇ…答えて。せっちゃん。」
229後編 42/45:2007/08/24(金) 00:48:41 ID:Jax8sGcv
刹那自身の言葉で,今の心情を聞きたいと木乃香は願った。

「……幸せ過ぎて……言葉に出来ません。」

羞恥に頬を染め,刹那は木乃香から視線を反らした。

「そんなせっちゃんも……好きやよ。」

木乃香は嬉しそうに告げると,開いている方の手を刹那の胸の膨らみに沿え,既に起立した先端へ唇を寄せる。
反対の手は,刹那の秘所へと伸ばされていた。

刹那の胸の先端をチュウチュウと吸い,その感触を楽しむように木乃香は口の中で転がしていた。
秘所に伸ばされた指先は濡れそぼったそこに触れるだけでその感触を楽しんでいるようだった。

技も知識も無い愛撫だったが,その素朴な動きに刹那は敏感に反応していた。
今まで一度も感じたことの無い,満たされた行為だった。
木乃香の指先が,刹那の敏感な秘芯に触れると,刹那は甲高い声を上げ,歓喜に震えた。

「ここ……ええの?」

見つけた秘芯の感触を楽しむように指先でそっと転がして,刹那の様子を見た。

全身を駆け抜ける快感に刹那の顎がのけ反った。
全身で感じる刹那を見て愉しそうに木乃香はそこを刺激する。

「ここも,御清めしたるえ。」

木乃香は刹那の秘所に顔を近付ける。

「だっ……お嬢さまっ…そこはっ……汚っ……。」
「そないなことあらへん。せっちゃんは綺麗や。」
230後編 43/45:2007/08/24(金) 00:50:39 ID:Jax8sGcv
潤沢を帯びたそこに舌を這わせ,刹那の愛液を舐めとる。刹那の内部から,敏感な秘芯までじんわりと舌先で舐る。
もう限界が近いことを刹那は悟っていた。熱の篭った視線で木乃香を見つめ,そのことを告げる。

「お…おじょ…さまぁっ…もぅ…わた…し……イ……。」
「ええよ。もっと感じて。」

一際強めに秘芯を刺激され,満たされた心地良い快感に包まれた刹那は,絶頂に身を委ねた。

荒い息を繰り返す刹那を木乃香はそっと抱き締める。
まだ整わない乱れた呼吸の合間に刹那は小声だが,はっきりと木乃香に伝えた。

「…っこんな……こんなのっ…初めてです。」
「うちもうれしいん。せっちゃんと仲良うなって。」

まだ呼吸の弾む刹那を胸に抱き締め,木乃香は刹那の髪を撫でた。

「せっちゃん。ずっとうちの隣にいて。なんも気にせんでええよ。うちの隣にはせっちゃんしかいられへんのやから。」

そういって木乃香は刹那の手を取り,小指を見せる。

「離れててもうちとせっちゃんの運命は切れんかった。うちの赤い糸,まだせっちゃんと繋ごうとるよ。」
「………はい,は……い……お嬢さま。」

木乃香の言葉を嬉しそうに聞きながら刹那は木乃香の胸に顔をうずめた。

◇◆◇

目を覚ますと,朝日が調度昇り始める頃だった。暖かな温もりを感じて,隣に目を向けると穏やかな呼吸で眠る木乃香の姿があった。
昨日はあれから疲れて眠ってしまったようだった。
231後編 44/45:2007/08/24(金) 00:52:03 ID:Jax8sGcv
そっと体を起すと,全身にキスマークが付けられていることに気がつき,慌てて布団で隠した。
誰が見ているわけではないけど昨日のことが思い出されて気恥ずかしかった。
そっとその所有印の一つに触れる。一つ一つに込められた木乃香の想いが刹那の心を満たしていく。

「ん……せっちゃん?」

目覚めた刹那の気配に木乃香が目を覚ました。

「お嬢さま,まだお早いですからもう少しお休みになられてはいかがですか?」
「うん。せやね。もうちょい寝かせて。」

寝ぼけ眼を瞑ると,再び寝息をたてる木乃香であった。無垢な表情を見せる木乃香を,刹那は愛しそうに撫でる。

「私も……そう簡単に手放したりしませんよ。」

そう言うと刹那は木乃香を抱き寄せ,再び眠りについた。

◇◆◇

日も高くなる頃,帰路に着くために,ネギパーティはわいわいと賑やかく荷造りをしていた。
喧騒の中,詠春は木乃香に声をかけた。

「エヴァに魔法を習っているんだってね。順調かい?」
「まだまだやけど,うちも『立派な魔法使い(マギステル・マギ)』を目指すえ,お父様。」
「では,お前もいつかは『魔法使いの従者(ミニステル・マギ)』を従えるのか。」
「ん〜〜。そゆことになるんかな?」
232後編 45/45:2007/08/24(金) 00:54:54 ID:Jax8sGcv
あまり実感が無いのか,木乃香は能天気に会話をする。そんな木乃香を見守り,にっこりと微笑み返す詠春の言葉。

「そのときは……『GLADIARIA ALATA(翼ある剣士)』かな?」
「お父様……?」
「お前の力を必要とする人は世界中たくさんいるだろう。頑張りなさい。」
「はい!お父様。」

出発の準備が出来たことをネギが知らせていた。荷物を手に立ちあがると,木乃香は刹那を呼ぶ。
刹那は戸惑いつつも,木乃香の手を取りその隣に立った。

「行こっ!せっちゃん。」
「…はい!お嬢さま。」

――ずっと貴方の傍で,貴方の隣で貴方と同じものを見ていたい。――
―― 二人一緒なら,きっとどんなことだって乗り越えていける。  ――

お互いの気持ちを確認するように,二人はしっかりと手を取り合っていた。
233名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 00:57:58 ID:35s+HD0G
あの流れからハッピーエンドに持って行くとは!素晴らしい!!!
234後編終了:2007/08/24(金) 01:00:00 ID:Jax8sGcv
読んで下さった方,大変長らくお疲れさまでした。
申し訳無いことに,オイラの駄作だけでかなりのレスを消費しますたorz。
でもかなり気張って書いたので,書いたほうは満足。

最後に木乃香と詠春の会話が普通とか言う突込みはなしで。

>>233 レスサンクス。
やっぱこのせつはハッピーエンドでなくちゃね!
このせつ〜お幸せに。
235名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 01:11:18 ID:3DFwHsO9
テラGJ!

一言だけ言わせてくれ
長のバカヤロおぉおおぉぉおおおおぉおぉおお!
236名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 01:42:02 ID:YVOJGqWn
GJ。近衛親子と鳥、、これが本当の親子丼……なんて言ってる場合じゃない!
百合スレにちん(ryもとい男はいらん。エロパロスレ行け!
237名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 01:49:59 ID:qEVHNIli
>>234
GJ!といいたいところだが、>>236の百合スレに男はいらん。てのには禿同。
詠春との描写は省いて欲しかったぜ。
238名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 06:31:09 ID:8IxKN9nn
>>234
GGGJJJ!!!やべwもうほんといいわこれww
あるサイトで見てから詠せついいなと思ってたけど、これで完全にハマった
長編お疲れ様!

>>237
そうか?自分は大満足だった
むしろ興奮した!
239名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 08:18:53 ID:jakSVuyT
>>234
ちょ、すごい感動した!!!GJ過ぎてなんて言葉で表せばいいかわからん。

A春がいようがいまいがこのせつで幸せに終わったんだ、お腹いっぱいですオイラは!
A春を出したからこそ話が引き立ってるじゃないかな、あの展開からここまでの流れに持ってこれる文才に嫉妬。
なんかもうありがとう!!!!尊敬してる!!!!!!
240545:2007/08/24(金) 09:07:12 ID:c2SD3vi7
GJ!!!このせつ、詠せつ共に補充させていただきました!!
今後も作品に期待w
自分も詠春との描写はあってよかったと思うが。

>>236の親子丼にワロタwダレがうまいこと言えとwww
241名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 12:17:00 ID:xHDHStIJ
A春はいらんけど最初に注意書きがあったからおk
GJでした
242名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 13:19:54 ID:xjztW7k7
注意書きがあったからセフセフ。
でもA春カットの方が、少し幅が広がったね。
243名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 14:03:04 ID:06LdD1Uc
GJ!!
他人と刹那を絡ませるシチュが新しく生まれて小説の幅も広がったと思う(・ω・)
ある意味革命だ。妄想も広がった。
244名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 15:43:26 ID:3DFwHsO9
ttp://www.uploda.org/uporg980882.jpg.html
料理このちゃん
お目汚し度々失礼します;
いまだに他のうpろだ探してません orz
245名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 19:35:47 ID:ypdAD4W+
やべーなこのss、同人化したら間違いなく名作になりそうだ・・・
246名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 20:37:41 ID:xHDHStIJ
>>244
404…
247名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 21:19:19 ID:8IxKN9nn
>>245
だ、誰か!早く同人誌を作る作業に移ってくれ!!
絶対買うよ三冊くらい。永久保存用と読む用と布教用にww
248名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 21:44:25 ID:jakSVuyT
>>244
かわいい(*´∀`)

ここのを含め他このせつサイトさんの作品とか全部まとめて本になったらどんな手段を使っても手に入れたいと思います
249名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 21:52:05 ID:jakSVuyT
連続でごめんなさ。
>>244、オイラは404前に見てたんです

癒された!
250名無しさん@秘密の花園:2007/08/24(金) 22:04:26 ID:RAlqRUAu
ブヒブヒ言ってる豚レズばばあ痛すぎwww
251名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 00:13:38 ID:VZIHnZub
大事なこのせつ板で45+αレスを消費した者です。
すっげレス進んでて感激! みなさん反応ありがとうです。GJコールさんくす!

はじめの注意書きに「詠せつのえろアリ」って入れて無くって済まんかった。
話し自体が長いんだから,節々で注意書き入れたほうが良かったみたいだな。
今後の参考にさせていただきます。

反応があると調子に乗ってまた書いちゃうんだよね。
調子に乗った結果,本作品で15作目となりました。
またの機会もどうぞお付き合いくださいませ。
252名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 00:44:02 ID:KjJ5yvXs
注意書きうんぬんじゃなく、実写の話題みたいに、男と絡むことに拒絶反応起こす人もいるってことを忘れないでほしい。
なんのためのカップリング百合スレなんだか。
253名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 00:59:59 ID:VZIHnZub
>>252
うん。まぁ。納得だ。さすが百合スレ。
このせつをこよなく愛する集団でしたね。
GJコールに励まされつつ,注意喚起を心にトドメ…。っぐへぇ。
254名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 12:55:11 ID:ceuWqCea
まぁみんな楽しくいこうZE☆
ここはみんなのこのせつ板だし。

とりあえず、どうかな?って思ったらみんなの意見聞いて書き込んでくれればいいし。
255名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 13:03:02 ID:bB5TMeCF
このせつ板とか言い始めちゃったよ
256名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 16:45:05 ID:s3gzei0e
みんなの意見といっても感性は人それぞれだから意見はまとまらない場合もあるよな。
257名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 16:51:39 ID:ls6bHWzq
基本はこのせつ。
で、違った内容になる場合は注意書きを入れればいいんじゃないかと。

何にせよSS書いて下さる方々GJです!
258名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 17:29:51 ID:aE98q82W
ttp://s163.photobucket.com/albums/t300/whipped_surpreme/?action=view¤t=untitled.jpg
この頃このせつばっか描いてるんです、すみません(汗
Photobucketでうpしてみました。404じゃなかったら幸いです。
259名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 17:47:13 ID:ceuWqCea
スマソどうやって見るのかわからん(´д`:)
260名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 20:09:48 ID:img/vsvS
見れねぇ
261名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 21:08:21 ID:VZIHnZub
クリックしたら見れたぞ。計四枚。うぉ〜GJ!
関係あるかわからんけどオイラは炎狐ユーザー。
262名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 21:15:30 ID:DfPrq78r
>>244
俺も普通に見れるが…

記憶喪失モノより、せっちゃん精神幼児化?でクラスメイトが呆れるぐらい甘々いちゃいちゃなせつこの書いてくれ
せっちゃんは常時京弁になっていれば完璧
263名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 23:28:03 ID:uMzXaxzP
>>262
いいネタ!職人さん!是非お願いします!!orz
264名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 23:29:00 ID:IrX6i+Rs
漏れは各部の後輩たちと絡むssが読みたい

・・・希望ばっかでスマソ・・・orz
265名無しさん@秘密の花園:2007/08/25(土) 23:39:22 ID:VZIHnZub
>>264
おっ,奇遇!おれ剣道部の話しかいてた。
今回はエロ無しだけど。出来はまだわからん。
266名無しさん@秘密の花園:2007/08/26(日) 02:10:45 ID:S89sS4IG
何というタイミングのよさww
お前がミスタータイムリーか
とにかくwktkして待ってる。エロありでもなしでもおk
267名無しさん@秘密の花園:2007/08/26(日) 10:35:14 ID:h9ZdhgLy
たまにはほのぼのも読みたいなー
268ミズタータイムリー:2007/08/26(日) 10:40:19 ID:nnyx1Hzj
>>265
wktkして待ってるぜ!
こうゆう話は、エロよりもギャクとかほのぼのがあってると思うから
マジ期待!
269名無しさん@秘密の花園:2007/08/26(日) 13:32:21 ID:OVUx4uGH
>>265
涎垂らして待ってるぜ!俺的に剣道部は新ジャンルだ。wktk
270名無しさん@秘密の花園:2007/08/26(日) 15:20:01 ID:1LSHesJ5
265だけど,期待にこたえる自信は無いが,それなりにまとまったら投下したい。

ついでに,ク氏のホスト続編を切に待ってます。わての駄作のせいでアレ気味になってスマン。
あんたのSSを心待ちにしてるんだ。投下する気になるのをじっと待っているぞ。
271名無しさん@秘密の花園:2007/08/26(日) 23:36:03 ID:UWM67J3y
>>270
いやいや、駄作だなんてとんでもない。

「ホスト」の続編投下します。
まだ前作を読んでない人は、そちらからどうぞ。
「他人にヤられる刹那」がテーマだったんですが、反対意見がほとんどだったので改良してます。
その為にやや雑な部分がありますが、ご了承ください。
272ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:37:21 ID:UWM67J3y

『いらっしゃいませー!』

昨日から始まった小麻帆良祭。
二日目は土曜日なので、他の学年や学校からのお客も来る。
前日の口コミの効果もあり、3−A組は開店早々から満席に近かった。

「刹那さん〜、今から30分だけ休憩してもいいよー」
「はい」

切りがいい所でホスト役やサポートメンバーを休ませる。
二日目であるために、この切り替えは上手くいっていた。

「せっちゃん。ファンに捕まっても、プライベートやって言って断るんやえ?」
「あ、お嬢様。わかりました」
「うん。・・・・気ぃつけてな」
「? はい」

刹那も切りがいい所で教室を抜け出し、休憩室に向かう。
途中で何人かに話しかけられたが、後にして欲しいといって断った。

「――桜咲さんだよね?」
「あ、はい。そうですけど?」
「ちょっといいかしら、お話があるんだけど」

休憩室まで後一歩という所で、今度は高校生と思われる女性に捕まった。
普通のファンであれば「プライベートですので」と言って休憩室に入っただろう
しかし、その女性はどこか突き刺さるような雰囲気を放っていた。

「・・・・なんでしょう?」
「ここじゃ言いにくいわ、ついてきてくれる?」
273ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:38:30 ID:UWM67J3y

刹那は少し躊躇する。
木乃香は断れと言っていたからだ。
だがもし護衛関係の話であれば、断るわけにもいかない。

「・・・・わかりました、簡潔にお願いします」

刹那は少し考えた後、休憩時間を犠牲にする事にする。
しかし・・・・その判断が過ちであった事に、後になって気付くのだった。

*

「・・・・ここで、なにを?」
「・・・・」

相手は答えない。
刹那は学内の第三校舎に連れてこられていた。
連れてきた相手の他に、数人の気配を感じる。

(・・・・どうやら、仕事関係ではなさそうだ)

刹那はそう判断した。
仕事が関係ないのならば、ここに留まる理由はない。

「・・・・すみませんが、そろそろ時間なので戻らせて頂きます」
「待ちなさいよ、誰がそんなこと許した?」

274ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:39:41 ID:UWM67J3y

――バタン

屋上の扉が閉まった。
そしてどこからともなく、相手の仲間と思われる女性達が出てきた。
数は10・・・・いや、15ぐらいは居るか。

「えっと・・・・こんなに大勢で、何か御用ですか?」
「あんたさ、最近調子に乗ってるよね」
「・・・・え?」

女生徒は麻帆良祭などで活躍する刹那に対して、醜い嫉妬心を抱いていた。
そして今回呼び出した目的はおそらく、そういった有名な相手を嬲る事で得られる快感。
不良グループがよくやる"遊び"のひとつだ。

(これは俗に言う・・・・まさか、私が捕まるとはな・・・・)

刹那も、自分が玩具として標的にされたのに気付いた。
接近されすぎないように注意を払う。

「しかもあんた、あの学園長の孫と幼馴染なんですって?」
「っ・・・・なぜそれを?」
「周りじゃ結構有名よ。どうせ学園長の孫を利用して伸し上がったんでしょ?」
「なっ、そんなこと――・・・・っ」

刹那は完全に否定できず、押し留まった。
自分は近衛家の世話になり、そして木乃香がいたからこうして人間として生きる事ができている。
利用したという意識は決してないが、端から見たらそうなのかもしれない。

(お嬢様がいなければ、私はここにはいない・・・・明日菜さん達とも・・・・)
275ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:41:06 ID:UWM67J3y

刹那の動揺に女生徒達も気付き、ニヤリと怪しげな笑いを浮かべて近づいてきた。

「あら、図星?」
「なっ・・・・違・・・・」
「じゃあなんで動揺してるのかしら? 麻帆良祭でもイカサマな映像で皆をだまして・・・・」
「ちょっと容姿がいいからって今度はホスト? 笑っちゃうわね、生意気よ」

刹那は歯を食いしばる。
これが精神的の攻撃だとは気付いている。
神鳴流として訓練を受けている刹那は、この程度でくじけはしない。
しかし修学旅行を経てから、段々と他人との壁が薄くなってきていた刹那の心は、確実にダメージを受けていた。
相手は、その刹那に触れる事ができる距離まで近づいてくる。

「そんなんじゃ・・・・あの学園長の孫にも愛想を尽かされるわね」
「・・・・そんなこと・・・・」
「まぁ、もう二度と人前に出れない身体にしてあげるけど」
「――っ!?」

不意に刹那の右腕に、鋭い痛みが走った。
相手の手には、光る物が握られている。
その先端には、赤い液体が見えた。

「やらせの武道会で勝ち残った実力で、この人数はどう?」

(――やられた・・・・)
276ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:42:11 ID:UWM67J3y

思考の波に飲まれていたからといっても、神鳴流が敵意を持つ相手の接近をここまで許してしまうとは。
刹那は相手から離れ、臨戦体勢に入る。
よくよく周りを探ると、まだ物影に伏兵がいるらしい。

(全員一般人・・・・力を使うわけにはいかない・・・・)

過去に刹那は、鬼100体を相手に「チンピラ100人を相手にする程度」と言った事がある。
チンピラが100人いたところで、刹那はそれに勝る力を持っているのだ。
しかし・・・・それはあくまで、力を使った状態での事。
今回の状態ならば、鬼20体ほどを力無しで相手するのと同じといったところだ。

(これは、ちょっとまずいかな・・・・)

相手は全員、得物を持っている。
しかし今の刹那には、得物といえる物は何もなかった。

*

「ちょっとー、刹那さんまだ!?」
「もう休憩時間終わってるのに・・・・」
「休憩室にいないよ〜!」
「せっちゃん・・・・」

30分経った後も、刹那は戻ってこなかった。
あの刹那が時間を守らないのは珍しい。
さすがに木乃香も不安を感じる。

「このか、ちょっといい?」
「ん〜? 朝倉さん、どないしたん?」
277ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:44:10 ID:UWM67J3y

刹那が気になって仕事に身が入らない木乃香は、朝倉に誰もいない準備室に呼び出された。

「友達がね、刹那さんを見たって」
「え、どこに!?」
「それが・・・・あんまり良い噂を聞かない連中についてったみたいで・・・・」

木乃香の顔から血の気が引いた。
あれほど気をつけろと言っておいたのに。
特に良い噂を聞かない連中というのだから、刹那が何かをされている可能性もある。

「朝倉さん・・・・相手は一般人?」
「私の情報網だとそうだね。高等部の女不良グループ」
「・・・・せっちゃんは、どこ?」
「第三校舎の屋上だって・・・・って、このか!?」
「ウチの仕事、少し引き受けとって!」

木乃香は走った。
例え刹那でも、相手が一般人であり女性であるならば本気は出せない。
集団であれば尚更だ。
魔法の力を知られる危険性が増えるので、身動きが取りにくくなる。

(せっちゃん、無事でいて・・・・)

次の角を曲がれば第三校舎。
木乃香は周りに注意せず、一気に曲がった。
278ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:45:50 ID:UWM67J3y
――ドンッ

「きゃっ」
「うわっ」

木乃香は、向こうから走ってきた誰かにぶつかってしまった。
向こうの方が勢いがあった為にはじかれる。
木乃香は地面に叩きつけられるのを覚悟した・・・・が、相手に抱き支えられて怪我をする事はなかった。

「だ、大丈夫ですか・・・・って、お嬢様っ!?」
「せ、せっちゃん! 大丈夫!?」

相手は、木乃香が探していた刹那だった。
刹那の服はボロボロであり、何かがあったのは一目瞭然。
木乃香は慌てて刹那の上着をめくり、怪我を探した。
・・・・そして、右腕から血が滲んでいるのを見つけた。

「・・・・あ、あの・・・・」
「・・・・せっちゃんのばか。これどうしたん?」
「その、喧嘩を売られて・・・・一般人だったので油断してしまいました」

木乃香は大したほどの怪我ではないのを確認し、ほっと一息ついて刹那を抱きしめる。
刹那は怪我をしてない方の腕で、木乃香を抱き返した。

「・・・・心配した」
「ごめんなさい・・・・その、仕事かと思ってしまって・・・・」
「気をつけてって、言うたやん・・・・」

二人は誰もいない校舎の裏側に周る。
木乃香は刹那の上着を脱がせ、治癒魔法を唱えた。
刹那は黙って治癒魔法を受け入れる。
その間、刹那の表情は曇ったままだった。
279ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:47:31 ID:UWM67J3y

「・・・・せっちゃん、他にも何かされたん?」
「え?」
「なんか、辛そうな顔してる」

刹那は驚いて木乃香を見つめた。
治癒を終えた木乃香も刹那を見つめ返す。
しばらく見つめあった後、刹那は重い口を開けた。

「・・・・生意気だと、言われました」
「え? せっちゃんが?」
「はい」

刹那が気負う理由にしては、若干物足りなさを感じる木乃香。
てっきり、もっとすごい事をされたとばかり思っていたのだが。

「・・・・それだけ?」
「・・・・"調子に乗っていると学園長の孫にも愛想を尽かされるぞ"、とも言われました」
「なに、それ」

刹那は生意気でも何でもない。
いつも謙虚な彼女だからこそ人気がある。

「・・・・せっちゃん?」

言葉攻めだけで挫けるほど、刹那は弱くないはずだ。
木乃香は他に何か隠してないかと刹那を軽く睨んだが、刹那はそれを違う意味に解釈した。

「あ、あの・・・・やっぱり私は、生意気でしょうか?」
「なわけないやん・・・・」
「・・・・愛想尽かしたりしません?」
280ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:50:22 ID:UWM67J3y

あれ?っと木乃香は首を捻った。
目の前で必死に問う刹那は、木乃香が思っているほど傷付いていないように見える。

「・・・・ウチに愛想尽かされるんが、嫌なん?」
「あ、当たり前です!」

刹那は顔を真っ赤にして強く言い切った。
木乃香の様子を伺う刹那の瞳は、心の負傷ではなく"恐れ"だった。
木乃香もその瞳を見て、今回の件は自分を話題に出された為に不覚を取られてしまっていたのだと、理解した。
木乃香はそんな刹那が無性に可愛く感じて、思いっきり抱きつく。

「・・・・もー、かいらしすぎ!」
「あわわ!?」
「嬉しい・・・・けどな、あんま他人の事信じると本当に愛想尽かすえ?」
「え!?」

わけがわからず刹那は身体を硬直させる。
木乃香は不機嫌な顔で、刹那と顔を合わせた。

「ウチが昨夜もあんなに好きや言うたのに・・・・そんなに信じられへん?」
「い、いえ! 信じてます!」
「なら、他人よりもウチの言葉信じてぇな。誰の言葉も信じるんが、せっちゃんの悪い所や」

コツンッと額が合わさる。
視線も交わり、刹那は木乃香のまっすぐな視線で動けなくなった。
そのまま徐々に、唇の距離も縮まり――。
281ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:51:25 ID:UWM67J3y

「――お二人さん、良い所で悪いんだけど」
「っ!?」
「あ、朝倉さん!?」
「心配してきたんだけど、余計だったみたいだね」

木乃香一人の援軍に不安を感じた朝倉が、乱入してきた。
おそらく不良グループの暴行現場を、写真に収めて助けるつもりだったのだろう。
遠隔送信の準備が整った携帯を手に持っていた。

「でもそろそろ戻らないと、教室大変だよ――って二人とも聞いてる?」
「お、お嬢様・・・・人の前で・・・・っ////」
「ええやん、朝倉さんやし〜?」

朝倉が話してる間、刹那は照れて木乃香から離れようとしていた。
しかし木乃香はがっちりと刹那を捕まえて離さない。
離れるか離れないかで仲良く争う二人を前に、朝倉は目に見えない友人・・・・幽霊のさよと苦笑しあった。

「・・・・ほら、痴話喧嘩は後にして着替えてきなよ! みんなカンカンだよ!」
「ち、痴話!?」
「しゃあないなぁ・・・・行くえ、せっちゃん」
「あ・・・・はい!」

名残惜しそうに木乃香は立ち上がり、刹那の手を引いた。
刹那も嬉しそうにそれに答えて、木乃香と一緒に歩き出す。
朝倉はその二人を見送りつつ、カメラを向けた。
282ホスト 二日目:2007/08/26(日) 23:52:45 ID:UWM67J3y

――パシャッ

「・・・・やっぱ、いいコンビだよねぇ」
『はいっ』

特ダネにはならない写真。
しかしそれは後に二人の思い出として、木乃香のアルバムに鋏まれる事になった。
もちろん3-Aのホスト喫茶も、記録的な数字を出して堂々の優勝だったらしい。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

続編の「刹那性別転換編」は反対意見もあるので、こちらに投下はしません(できません
283名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 00:36:42 ID:xK7KzkiX
性別転換は見たくないけど、他人に・・・ってやつは見たかったな
その方が話に厚みが出た気がする
生言ってすまん
284名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 00:37:11 ID:Mp821a5x
ぐっじょおおおおおぶ!
最後に離さない木乃香に萌えた
朝倉とさよもいれてくれてもういうことなしです!
285名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 00:48:16 ID:SYhIcmYF
>>283
意見はそれぞれですからね。
無難にカットです。
後日サイトの方に未公開SSのページを作る予定なので、時間があれば載せておきます。
286名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 01:25:07 ID:uUv8r0MT
>>285
うむ、ここに投下するにはこれが最善だと思う
GJな判断にGJな小説でした
せっちゃんが可愛い!!
287名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 22:56:21 ID:NZWi9tiO
ホストなかなかいい出来だよ!
GJGJ!
288名無しさん@秘密の花園:2007/08/27(月) 23:51:31 ID:NXvEUmz5
最高や!GJ!!
289名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 12:01:11 ID:+sOycAQl
ホストGJや!
でもせっちゃんが可愛そうだたのぉ(ノ_・。)。
290Alcohol:2007/08/28(火) 18:03:51 ID:kcQYI8bP

ここは刹那と龍宮の一室。
今日は龍宮だけが仕事であるため、刹那は剣の手入れをしていた。
その横では仕事服に着替えた龍宮が出掛ける準備をしている。

「では行ってくる」
「あぁ、足元に気をつけて」
「わかっている。怪我して休みに休養させられるのはご免だ」

外は土砂降りだった。
ちなみに今日は金曜日。
明日からは土日の休みとなる。

「・・・・それと、そこにあるのは先月の報酬らしい。好きなの持っていけ」
「わかった」

大抵の報酬はお金で支払われる。
しかしたまに、お金以外の物も報酬として送られてくるのだ。
それは食べ物であったり、マジックアイテムであったり・・・・。
感謝の意が込められた物なので受け取らないわけにもいかなく、二人は山分けして適当に処分していた。

(・・・・夕凪の手入れはよしっと。報酬でも見ておくか・・・・)

玄関に置かれたダンボールの封をあける刹那。
そこには外国の物と思われる袋やビン、小物が入っていた。
どうやら先月の依頼人たちは二人に、相当感謝していたようだ。
刹那は予想以上の量の報酬品に驚きながらも、丁寧に中身に目を通していく。

(怪しい物もなし・・・・これといって役に立ちそうな物もないな・・・・ん?)
291Alcohol:2007/08/28(火) 18:05:39 ID:kcQYI8bP

ガチャリと大きなガラスの音が響く。
数本入っているボトルが接触したようだ。
刹那はそのボトルを取り出す。

(・・・・お酒? そういえばクライアントに年齢は教えてなかったな・・・・)

依頼主は刹那達のことを"成人した人間"と勘違いしていたようだ。
元々中学生がこういった仕事をしているほうが非常識。
仕方のないことだった。

(・・・・お酒か・・・・どんな味がするんだろう?)

疼く好奇心。
明日から二連休だという事が、刹那の自制心を緩めてしまっていた。

(少しぐらいなら・・・・)

真面目な刹那からは考えられない行動。
まさにこれが"魔が差した"というものだろう。
刹那は数本あるボトルのうち一本を取り出す。
そしてコップに氷を入れると、ボトルの中身を注いで飲んでみた。

(・・・・お世辞にも美味しいとは言えないな。ジュースを入れてみようか?)

冷蔵庫からペットボトルのジュースを出し、コップに注ぎ足してみる刹那。
一度崩れた自制心はなかなか戻る事はなく、好奇心のままに刹那は行動していた。

(・・・・うん、これならなんとか)
292Alcohol:2007/08/28(火) 18:06:23 ID:kcQYI8bP

調子に乗った刹那は、慣れないアルコールの刺激を楽しみ始めた。
お酒を飲みながら、テレビを見る。
・・・・そして番組がひとつ終わる頃には、ボトル一本のお酒は無くなっていた。

*

(さすがに、飲みすぎたかな・・・・)

アルコールによる眠気で、刹那は横になっていた。
初めてにしては、結構な量のアルコール摂取だったはず。
しかし刹那は眠気以外に大した変化は感じていなかった。
どうやら刹那はお酒に強い体質らしい。

――ピーンポーン

「はい?」

――ガチャッ

「お邪魔するえ〜」
「お、お嬢様!?」

住人の許可なしに立ち入る客人は、幼馴染の木乃香だった。
龍宮がいないと知っていての行動。
木乃香はよく、龍宮が居ないのを見計らって泊まりにきている。

「今、お茶を淹れます!」
「そんな気ぃつかわんといて〜?」
「いえ、お嬢様は客人ですから・・・・――」
293Alcohol:2007/08/28(火) 18:07:10 ID:kcQYI8bP

慌てて刹那は立ち上がり、台所に向かおうとした。
しかし、ここに来て自分にアルコールが入っている事を思い出した。

「――うぁっ!?」
「せっちゃん!?」

足腰に力が入らず、よろけてしまったのだ。
刹那はなんとか壁に手をつき持ちこたえたが、普段ないこの異変に木乃香が驚いてしまった。

「せっちゃん、どないしたん!?」
「あ・・・・えーと・・・・」

まさか護衛であり未成年である自分が、"お酒で酔ってます"だなんて言えるはずが無い。
口ごもる刹那に、木乃香はさらに誤解をしてしまった。

「昨日のお仕事で怪我でもしたん!?」
「え? いえ違――」
「言い訳はええから、見せてみ!」
「――へっ!?」

慌てた木乃香は刹那の服に手をかける。
力の入らない刹那は、その衝撃で尻餅をついてしまった。
刹那は力の入らない両腕で、必死に木乃香を抑えて白状した。

「あの、本当に違います・・・・っ! テーブルの上を見ていただければ・・・・っ」
「え?」

テーブルを振り返る木乃香。
そこにはボトルが一本と、空のペットボトルが置いてあった。
木乃香はボトルを手に取り、中の匂いを嗅いでみる。
294Alcohol:2007/08/28(火) 18:08:01 ID:kcQYI8bP

「これって・・・・お酒?」
「ご、ごめんなさいっ」

母親に悪戯がばれた子供のように、刹那は土下座して謝る。
木乃香はそんな刹那に手を伸ばす――ビクッと震える刹那。

「・・・・叩いたりせんから安心し?」
「あ、いえ・・・・! そんなつもりでは・・・・」
「ええから。・・・・あんま心配させんといてな?」

木乃香は安堵した表情で刹那の頬を撫でた。
刹那の頬が赤いのはきっとお酒のせい。
実際にはもう一つ原因があるのだが、刹那は自分の心を誤魔化した。

*

それからの二人は、いつも通りだった。
一緒にテレビを見て、他愛のない話をして・・・・。
でもそんな日常が、今日は少し変わった。

(せっちゃん・・・・寝てもうた)

木乃香がテレビに夢中になって話しかけなかった間に、刹那は眠りに落ちていた。
アルコールのせいなのか、テーブルに顔を伏せて眠る刹那の姿は珍しい。
いつしか木乃香はテレビの電源を切り、眠る刹那を見ていた。

(可哀想やけど・・・・風邪ひいたらあかんからな・・・・)

しばらく刹那を見ていた木乃香だったが、刹那の身を案じて刹那を起こす事にした。
刹那の肩をゆすり、名を呼ぶ。
295Alcohol:2007/08/28(火) 18:08:59 ID:kcQYI8bP

「せっちゃん、ほら・・・・ちゃんとベッドで寝ような?」
「・・・・あ・・・・すみません・・・・うーん・・・・」
「せ、せっちゃん?」

刹那は寝惚けた声を出して、木乃香に寄りかかる。
木乃香は完全に全体重をかけられた為に、耐える事ができず床に押し倒された。
刹那の身体は少し冷えていて、その下がった体温を戻そうとするかのように木乃香に身体を摺り寄せる。

(はわわ・・・・////)

木乃香は刹那の行動に戸惑いながらも、これ以上身体が冷えないようにそっと抱き締めた。
さほど時間もたたず、再び聞こえてくる寝息。
・・・・身動きがとれなくなってしまった。

「・・・・どないしよ・・・・」

木乃香の腕力では、刹那を抱え上げる事はできない。
今日は龍宮も戻ってこないと聞いている。
まさにお手上げ状態だった。

(このままやと風邪引いてまうな・・・・起こさないように、そーっと・・・・)

二度も起こすのはさすがに可哀想だと思った木乃香は、この場で寝かせる事にした。
刹那に抱きつかれたまま、ベッドの方に手を伸ばす。
そしてベッドにあった掛け布団を引っ張り出して、それを自分ごと刹那に掛けた。

(・・・・昔も、こないな事やったなぁ)

木乃香は刹那の頭を撫でながら京都にいた頃の事を思い出す。
そして掛け布団の中で刹那を抱き寄せて、目を閉じた。
やがて寝息は二人分になり、外では未だに雨が大きな音をたてて降っていた――。
296Alcohol:2007/08/28(火) 18:11:28 ID:kcQYI8bP

*

幼い頃の二人は、お互いが初めての友達だった。
二人とも初めての友達が嬉しくて嬉しくて、それはもう連日のように楽しく遊びまわっていた。
そんなある日の事。
外は雨で、二人は屋内で遊んでいた日の事だった。
家の中で走り回る中、木乃香は家の綺麗な骨董品に目を奪われていた。

『・・・・あれ? せっちゃん? せっちゃんどこやー?』

いつもなら傍にいて離れない刹那が、突然消えてしまった。
一人になる孤独を知っていた木乃香は、当然刹那を探し回る。

『どこや、せっちゃーん! あ、クロちゃん。せっちゃんしらへん?』

木乃香が話しかけたのは、屋根下で寝ていた黒い犬。
前に木乃香に襲いかかった野良犬である。
しかしその際に、木乃香を守ろうとした刹那に竹刀で一打入れられて、すっかり大人しくなった。
今では刹那に服従していて、さらに近衛家に飼われている。
刹那にとっても木乃香にとっても、第二の友達となっていた。

『わんっわんっ!』
『そっちなん? あっ』

犬は汚れた足のまま、家の中に入り込む。
そのまま家の奥に一気に駆け出して、すぐに見えなくなった。

『おいてかんで〜!』
297Alcohol:2007/08/28(火) 18:12:54 ID:kcQYI8bP

木乃香は慌ててその後を追う。
犬の足跡は点々と続いていて、追いかけるのにさほど苦労はなかった。
そしてその足跡は、骨董品置き場からさほど離れていない一室へと消えていた。

『・・・・せっちゃんいてるん〜? あっ』
『わぅ!』
『クロちゃん、しーっ』

何もない一室で、剣道着を着た子供が夢の世界に落ちていた。
その子供こそが木乃香の探していた刹那だった。
日頃の稽古と木乃香との遊びで、疲れが溜まっていたのだろう。
犬が少し吼えただけではまったく目覚めなかった。

『クロちゃんしずかにな。・・・・たしかここに〜・・・・あったー!』

幼いながらに母性本能をくすぐられた木乃香は、押入れから掛け布団を取り出して刹那に掛ける。
布団の重さに負けて少し乱暴になってしまったが、刹那は少し呻いただけで起きる事はなかった。

『くぅん』
『あっ、クロちゃんだ〜め〜! ひゃ!?』

その布団に犬が潜り込む。
それを阻止しようとした木乃香だったが、力負けして一緒に引きずり込まれてしまった。

『もー、おこしちゃダメやえ?』

犬は答えるように、鼻を鳴らして伏せた。
木乃香も刹那の横に寝転がる。
大きな大人用の布団だったので、子供二人と小型犬が入っても十分に余裕があった。
298Alcohol:2007/08/28(火) 18:14:54 ID:kcQYI8bP

『せっちゃんがねてるん・・・・はじめてみるなぁ・・・・』

木乃香の隣には、大好きな幼馴染いる。
しかし寝てるため、もちろん会話はない。
大好きな人がすぐ隣にいるのに、話しかけられない・・・・この状況は、木乃香にとって初めてだった。

『・・・・せっちゃんねてると・・・・ウチさみしい・・・・』

誰に聞かせるでもなく、木乃香は呟く。
また一人残される孤独感。
木乃香は少し泣きそうになってしまい、刹那の手を握る。
刹那のその手は温かく、木乃香を安心させた。

『すぅ・・・・すぅ・・・・』
『・・・・ぐぅ』
『あ、クロちゃんもねてもうた・・・・ウチもねむうなってきたなぁ・・・・』

隣の刹那の体温が心地よく、次第に眠くなってくる。
そして木乃香も襲ってくる睡魔に勝てず、そのまま目を閉じた。
外では、まだ降る雨の音。

(おきたら・・・・たいようさん、でてるとええなぁ・・・・そしたらせっちゃんと・・・・)

木乃香は刹那の手を握ったまま、夢の世界に落ちていった。

*
299Alcohol:2007/08/28(火) 18:16:03 ID:kcQYI8bP

――チュンチュン

「ん・・・・」

刹那は窓から差す光で目覚めた。
どうやら寝る前に、カーテンを閉め忘れたようだ。
軽い頭痛に疑問に思いつつ、刹那はまた目を閉じて昨日の事を思い出す。

(そうだ、お酒を飲んで・・・・お嬢様がきて下さったのに寝て・・・・ん?)

ふいに頬に感じるやわらかい感触と、鼻をくすぐる優しい香り。
刹那は一度閉じた目を、もう一度開けた。

「・・・・っ!?!?」

木乃香が隣で寝ている。
そして刹那の目の前には、木乃香の胸があった。
それも抱き締め合っていたらしく、しっかりと刹那の腕も木乃香の身体にまわっている。

「おじょ、じょ・・・・!?」
「・・・・ん・・・・あ、おはようさん、せっちゃんv」
「お、おお、おはようございますっ」

刹那が取り乱して大きく動いた為に、木乃香も目覚めた。
起き上がってググーッと背伸びをする木乃香。
刹那はその間に木乃香から大きく離れた。

「お酒抜けた?」
「あ、はい・・・・少し頭痛がしますが・・・・」
「立派な二日酔いやな〜。水持ってきてあげるな」
300Alcohol:2007/08/28(火) 18:17:06 ID:kcQYI8bP
木乃香は苦笑いしながら立ち上がると、台所から水を持ってきた。
それを刹那に渡し、そっと額に手を当てる。

「真っ赤やけど、これも二日酔い?」
「い、いえ、これはその・・・・っ」
「・・・・言うとくけど、先に抱きついてきたんはせっちゃんやからね?」
「ぶっ! げほっげほ・・・・!」

誤魔化すように水を飲もうとした刹那は、木乃香の発言でむせた。
木乃香は笑いながら更に続ける。

「このちゃーんって言うて、抱き締めてきてな・・・・」
「・・・・え? えぇ?」
「ウチのこと押し倒して、ほんで昨夜は熱い・・・・」
「わーわー!? ・・・・つぅっ」

木乃香は刹那の反応が面白く、わざと嘘を織り交ぜて昨日の事を話す。
刹那は大慌てで、木乃香の言葉を遮るように叫んでしまった。
そしてすぐに自分の声で頭痛を感じて、ダウンした。
木乃香はそんな刹那を、優しく撫でる。

「冗談冗談。それより、外ええ天気やから・・・・遊びにいこ?」
「え、あ・・・・冗談・・・・って、これから?」
「もちろんや、二日酔いは理由にせんどいてな?」
「は、はい・・・・」

木乃香は二日酔いの刹那を引っ張った。
刹那はまだ頭痛を感じていたが、大人しく木乃香に引っ張られて行く。
そして心に強く誓ったという。
「もう決して酒は飲まないぞ」と。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
301名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 18:23:05 ID:kcQYI8bP
昔書いたまま放置してた奴・・・・少し改良して投下。
お目汚し、すみませんでした。
ちなみにもう一作あるのですが、少しシリアス入って雰囲気ぶち壊すので、後日で落としますね。
302名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 18:38:52 ID:PWL731b+
リアルタイムに遭遇したwwww

いつもGJ!!!!!!1
303名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 20:04:24 ID:tlcKDZc4
ほのぼのGJ!!!
癒されました
304名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 21:07:44 ID:amDUpQe6
酒が入る→自制が効かなくてエロ系 と思ったらほのぼのでしたか!素晴らしい!
305名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 21:27:52 ID:+sOycAQl
やっぱほのぼのはええなぁ(´∀`)
好奇心いっぱいのせっちゃんいいっ!
306名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 22:22:55 ID:QAFZxa8f
天然せつこの→このせついいですねえ!GJ!
307名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 22:57:50 ID:WtmJ3OXC
ぐっじょぶ!最高っス!ク氏!!
308名無しさん@秘密の花園:2007/08/28(火) 23:49:32 ID:I62Yz/j4
ぼのぼのGJ!
シリアスも好きだぜ!wktkして待ってる
309愛しき女(ひと):2007/08/29(水) 00:35:21 ID:DdxKh/+V
愛しくて 切なくて 

自分の立場を嘆いて、逆にそれを利用して
そんな自分が嫌になって
けれど貴女は 愛してくれた

愛しい貴女
私の頭の中は何時だって 貴女だけ。
貴女のことだけ。

なのに私は肝心なことも言えずに
貴女を不安にさせた

貴女の涙は切なくて
だから私は
貴女に愛を告げた
それは 小さな 小さな声での
たった一言の言葉だったけれど
貴女は涙を流して 喜んでくれた。

貴女の涙は 切ないけれど
流すのならせめて こんな嬉し涙がいいなと思った。
だから私は、貴女を喜ばせるために生きようと 思った
貴女の笑顔を護るために生きようと 思った

貴女の笑顔と貴女の嬉し涙で
私はきっと 生きていられる

だからどうか、笑っていて下さいね?このちゃん。
310名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 00:37:28 ID:DdxKh/+V
お目汚しスマソ。
ちょっと思いついたモンで書いちまいました。
せっちゃんはこんな感じだと思うんですっ!
311名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 00:37:49 ID:DIV0/CrT
 こ れ が 萌 え と い う も の か ッ !

いやマジGJwここ最近で一番のお気に入りですこれ(ノ∀`)・゚・。
いろんなネタで書けるからホントすごいよなぁ
312名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 00:38:59 ID:DIV0/CrT
>>310
割り込まなくてよかった…こっちもGJです!
313名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 00:40:41 ID:LDAOdxgF
>>310
天才現るwwwwww

GJ!!!
314名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 01:29:30 ID:kPBhi4dF
>>310
詩っていいよね
短いけれど、それ以上の思いやテーマがこもってる
何が言いたいかと言うと心が和んだ
GJだ
315名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 07:22:53 ID:iJiimnu7
                 ,. -、
            _.,,/-....._ヽ
         ,.-=7..:.:.:.:,:lー、::ヽ...、
         〃 /:::/:/lj`_ `;:::l`、.、
         //  ク:l(::フ  l:.::j l::::l  l i
       ,' ;'  ゝl −`l =L):!  .! l   恥ずかしいセリフ、禁止っ
       i l     (\..|_」、-,'ニ、   l .!
      ,! l  _,/_ゝ. \/  .}   l l
.     l ,!   (/  _,>、 ´ヽ /    l l
       l l   ゝ-l} /l 丶ノ-' {.    l l
       l l   (´lj/|、ヽ|| _j   l l
      l l    `| | .|ゝ'´「´    l .!
.       ! l     j j. |  丶   ,! l
316名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 08:19:06 ID:NUzZ5R0Q
>>310
ヾ(≧∇≦*)ゝ
くはっ!きたっ!朝からこれきた!
まったりしちまったじゃねえか。
もうGJだぜ。また閃いてくれよな!
317名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 12:48:01 ID:DdxKh/+V
みんなありがとう(ノ∀`)・゚・
310です。何でこんなにも暖かいんですか同志達は!!

実はコレが2度目なんですけど、受け入れてくれて嬉しいです!
318名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 17:40:01 ID:rQo6cYFB
このスレの住人はいい奴ばっかりさ☆
319名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 18:27:57 ID:svusGrfs
だからこんなに盛り上がってるんだなぁ

このせつ好きはみんないいやつだぜ
320名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 18:29:32 ID:Wl+V7gRg
けっこう前のこと持って来るけどさ・・・
「魔法仕掛けは恋のライバル」のこのせつverって最高じゃない?
個人的にらぶセンより好きなんだが・・・
321名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 20:19:24 ID:kPBhi4dF
せっちゃんはね
刹那っていうんよほんとはね
だけどウチが一番好きなのがせっちゃんだからせっちゃんって言うんやよ
かわいいわ せっちゃん♪

「な、いきなり何を?」
「せっちゃん、これからもよろしゅうにってことや♪」
「………は、はい! お嬢様!」
「このちゃんって呼んでぇな」
「うん、このちゃん!」

うん、とにかくこのせつはいいコンビだって言いたかったんだ
駄文でごめんなさい
322名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 20:38:07 ID:dfH8GvrD
>>321謝るなよ、偽z…………なんて誰が言うモンか。ブラボーだ!!
…………ってこのせつとは一切関係ないネタですな、申し訳ない…………。
323名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 20:41:48 ID:kPBhi4dF
>>322
実はせっちゃんの中の人が演じてるどM忍者の歌のパロをやってみたかったんだ
ジャンプ繋がりだな………やれやれだZ………なんて言わない、ありがとう!
324名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 21:12:43 ID:JyPeIBf2
さっちゃんとせっちゃん1文字ちがい
325名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 21:29:58 ID:svusGrfs
ジャンプつながり??
326名無しさん@秘密の花園:2007/08/29(水) 23:19:21 ID:DdxKh/+V
http://www.nicovideo.jp/watch/sm253675
べ、別に>>320の為に貼ったんじゃないんだからねっ!
ちょ、ちょっとここに貼りたかっただけなんだからっ!!
327320:2007/08/30(木) 00:17:24 ID://w8oLgQ
>>326
ツンデレwwわざわざありがとう、でもそこからすでにMP3で取ってるんだ
328名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 00:40:43 ID:o0NBR3Ac
>>320
見たかったのにフラッシュ新しくしろって言われた(T^T)。
古いパソコンなめんなよよよっとニコニコに言ってみる。
329326:2007/08/30(木) 00:53:01 ID:kfjtTBhR
なっ、何よっ!そ、そうならそうと早く言いなさいよねっ!
ま、まぁ、別にアンタの為にやったことじゃないし…。
ほ、ほかのこのせつ好きのみんなの為なんだからっ!
かっ、勘違いしないでよねっ!!
330名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 00:57:17 ID:o0NBR3Ac
くはっ。ツンデレwwwキタ乙
そんなお前に惚れたぜなんて,もう二度と言わないからな!!
ツンデレに免じて,はよ新しいPCにしよっと。


331名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 02:53:18 ID:xfZ1j+Hb
結婚しちゃえよwww
332名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 07:32:10 ID:0a8/bd+d
な、なんか自分のせっちゃんのうたのせいで荒れてる………じゃない?
ふ、ふん! 悪かったわね!
ツンデレってムズい
333名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 07:42:11 ID:tPi/69kt
別に荒れてなくね?このせつにツンデレはないから面白かったぞ。
334名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 09:50:25 ID:0a8/bd+d
>>333
いや、あの、ツンデレってこうかなと思って………
ツンデレって定義がないからどんな感じか分かんないや
335326:2007/08/30(木) 11:27:06 ID:kfjtTBhR
ちょ、ちょっと何よ!
な、何でみんな私の真似するのよっ!
は、…、恥ずかしいじゃない…(///)
とっ、とにかく!このせつ…、大好きなんだからっ!!
336名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 12:08:47 ID:/BsCVJvH
>>334
意地っ張りな照れ屋、つーか天の邪鬼?
まあ定義なんて人それぞれだけど。



ツンデレなんて明日菜やエヴァあたりに任せとけばいいじゃない!



でも……そのテのネタもつまらなくなんかないんだからね……?



と、こうですかわかりません
337名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 18:00:47 ID:XX9voT7w
ツンデレ祭りだなwww
338名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 18:45:13 ID:0a8/bd+d
>>337
べ、別に便乗しようとおもったわけじゃないからね!
339名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 21:49:48 ID:kfjtTBhR
「ん〜?なぁ、せっちゃん。」
「?何でしょう?お嬢様。」
「なんや、アスナみたいな人がいっぱいおるえ〜?」
「あれ?本当ですね。」
「まぁ、うちらには関係ないけどな〜、せっちゃん?」
「えっ、あっ、ちょっとお嬢様!?」

みたいな……。
周りがどうでもこのちゃんとせっちゃんはいちゃこらするんですよ!!
340名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 22:37:15 ID:XX9voT7w

「べ別にせっちゃんのためにお弁当作ったんとちゃうんやからね!おかずが余っただけなんやから…///」

「…お、お嬢様?;」

「あとテスト前の復習用のノートもせ、せっちゃんのためとちゃうからッ!ありがたく受け取り//」

「え…あ、ありがとうございます;」

「なんやアスナとかエバちゃんの真似しようとか思ったんとちゃうからね…っ!!」

「良いわよこのか、その調子その調子♪」
「今日の特訓はここまでだ。良い感じだぞ、このか」
「ふぅ…、やっぱツンデレは難しいなぁ」

「Σなんの特訓してるんですかー!?」
341名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 22:49:01 ID:2mfl+/TI
うーん、木乃香でツンデレは想像できんな・・・・。
>>340みたいに真似とかはありそうだが。
逆に、主従関係に縛られた刹那はツンになりえるかもな。
342名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 22:55:54 ID:XX9voT7w
龍宮とかに対してはツンっぽそうだなせっちゃん。
343名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 23:09:23 ID:tPi/69kt
まなせつではツンデレで、このせつではデレデレなんだなw
うはっ!せっちゃんかわええ(≧▽≦)
344名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 23:11:35 ID:XX9voT7w
デレデレだな確かに(*´Д`)可愛いなぁせっちゃんはマジ可愛いよ
345名無しさん@秘密の花園:2007/08/30(木) 23:51:56 ID://w8oLgQ
いや、もっと広く見てみよう
1巻から見直すと・・・せっちゃんそのものがツンデレだったってわかるさ
最初は目も鋭くてそっけなくてツンだった、
でも今は目元も柔らかくなって可愛くなったのと自分から突っ込みしたりしてデレに

まあ本質的には変わってないしお嬢様単体じゃないけどね
346名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 00:41:43 ID:ALFQBIAP
せっちゃんにツンデレ属性が加わった!
347名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 00:49:22 ID:h7twXbh5
萌え度が99999上がった!!
348名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 00:53:46 ID:xtZvd2eK
>>346
そろそろsageようかw
349名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 12:16:48 ID:GJkKk9Ch
刹那「龍宮!無事か!?」
龍宮「ああ。心配してくれたのか?」
刹那「べ、別にお前を心配してるわけじゃない。足手まといになられたら困る、それだけだ!」
龍宮(密かな私の特権…それはツンデレ刹那を独り占めできること!!)

おまけのこのせつパート
木乃香「…せっちゃん、この台詞読んでな。ちゃんと感情込めるんやえ」
刹那「は、はい。……えと、『べ、別に寂しかったわけじゃ…』…ん?あの、お嬢様?」
木乃香「ツ、ツンデレ…悶死寸前やあぁ…」
刹那「…??」
木乃香「Σっ!!(ツンデレより今の顔のがギザカワユスやあぁぁ!!)」

こんな感じか
350名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 15:25:35 ID:dayN+Q7s
>>349
(*´∀`)
351名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 17:02:35 ID:xuCuK6bo
>>349
(*´ω`)
352名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 17:44:49 ID:wGvwUGBg
>>349
ヽ(*´ω`)ノ
353名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 18:06:29 ID:tkvrKHgA
>>349
良いけど、このせつがおまけというのは許せない
354名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 22:48:26 ID:ALFQBIAP
まぁ無いよりマシやから固い事言わんとー
>>349
(*´ω`)σ‖
355名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 22:51:23 ID:97hrK8kt
初書きだけどこのせつ書いていい?
356名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 23:00:01 ID:hSn/xrnD
>>355
どうぞどうぞ。
このせつへの愛があれば、誰にでも権利はある。
357名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 23:06:11 ID:h7twXbh5
おお!誰にでも初めてっのはあるもんだ!!
ぜひとも書いてくれ(´∀`)b
358名無しさん@秘密の花園:2007/08/31(金) 23:52:10 ID:ALFQBIAP
初めてだからって遠慮する事ないよ(^ω^)
みんな良い人達ばっかだよ、だからミスも優しく受け止めるさ。
359迫る日:2007/09/01(土) 00:08:36 ID:DO73My75
迫る日

夜の寮は友達の部屋になだれ込んだり、親しい同士でお泊りをしたりする。
木乃香と刹那もその一組だ。
テストも近く、刹那は木乃香と一緒に勉強をしていた。
明日菜はバイトでしばらくしないと戻ってこない。

剣の修行を優先している刹那は、どちらかというと勉学は弱い方。
優秀な成績な幼馴染の木乃香に必要な場所をしっかりと教わった。
勉学は弱いものの、修行の一環だと思い真剣に取り組んだ。
「これでテストは万全やー」
「ありがとうございます、お嬢様」
ある意味剣の修行よりも結構疲れる。
木乃香もほっとした表情で笑っていた。

「せっちゃんー」
木乃香はおもむろに刹那の背後をとって首筋にキスをしてきた。
「いけませんお嬢様」
刹那は振り払おうとするが、木乃香は離そうとしない。
しかし木乃香は片腕を刹那の体に回して離そうとしない。
「お嬢さ……ん…」
今度は唇にそっと口付けを行う。
舌を入れて熱いキスを交わし、刹那を押し倒さんという勢いだった。
さらに、猫が主人に甘えるように刹那の頭を抱きしめて頬擦りするような仕草をする。
「何を甘えているのですか」
必死に平静を保とうとしていた刹那だが、木乃香は不機嫌そうな顔をした。
「―――!」
360迫る日:2007/09/01(土) 00:09:32 ID:DO73My75
次の瞬間、木乃香は力の限り刹那の体を抱き起こすとベッドへ押し倒す。
刹那の体は木乃香と比べると背が低いため、一瞬の間なら刹那に太刀打ちできた。
刹那を一気に押し倒すと木乃香はさらに熱い口付けを行った。
「んっ……お、お嬢……」
「っ………」
キスから抱きしめて、首筋に舌を這わして制服のボタンを外していく。
「いけません、お嬢様…」
赤面して顔を反らそうとする刹那は抵抗して木乃香の手を払おうとする。
「あかん、もう止まらへん……」
刹那の制服の隙間から手を入れてくる。
サラシの上から胸を刺激してくる木乃香は興奮状態であった。
胸では効果が薄いと思った木乃香は、刹那のスパッツへと手を伸ばし――。

「それ以上したら本気で怒りますよ」
木乃香に向かって怒りを向ける刹那。
流石にまずいと思った木乃香は腕を止めた。
「せやったら……最後に一回だけキスして」
そのことに刹那は目を閉じ、木乃香を誘うようにして軽いキスを交わした。

「せっちゃん酷いわぁー。ウチは本気やのにー!」
木乃香の刹那押し倒し作戦は“またも”失敗に終わった。
刹那は素早く服を直すと上半身を起こして木乃香を見た。
「仕方ありません、私はお嬢様をお守りしなくてはならないのですから」
木乃香の立場上、あまり深く介入することは許されない。
これが刹那の考えていた持論だ。情が出ると脆くなってしまう。
だから一定の距離を保てばそれでいいとさえ考えている。
「お嬢様が本気なのは分かります。ですが、私なんかではもったいない気がするのです」
軽く微笑む刹那は立ち上がって筆記用具を片付けだす。
「そんな、ごまかさんといて! ウチは本当に本気なんやで!」
361迫る日:2007/09/01(土) 00:10:24 ID:DO73My75
木乃香は怒りで刹那を呼び止めようとした。
すると刹那はいきなり振り向くと、木乃香のおでこに軽くキスをした。

「安心してください。私からあなたのように本気でせがむ日が来ますよ」
俄かには信じられない言葉だった。
木乃香がさっきしたようなことを刹那がやると言ってきたのだ。
「ほ、ホンマに!? いつなん!」
顔を真っ赤にして恥かしがる木乃香は、本気になって聞いてくる。
「それは秘密です」
刹那はそう呟いて部屋を後にした。

大丈夫、その日はきっと来ないと思う。
今の木乃香には刹那という存在が大写しになっているから。
もしかしたら、いやずっとこれが続いてほしいと思っていた。
――その日が来たということは……
今の木乃香には刹那がいる。だがもし、それが崩れたとしたら?
相手はどんな男? いや、この際相手が女(たとえば明日菜)だって構わない。
――その時は、私のことなど眼中にないでしょう……。
その日が来たということは、木乃香が刹那を一番愛する相手だと見なくなった時だから……。

その頃、部屋にはようやくバイトを終えた明日菜がやってきた。
「ただいまー……って。木乃香どうしたの?」
明日菜が部屋に戻ってきた時、木乃香は布団に包まってぶつぶつ呟いていた。
「せっちゃんが迫ってくるっていつやろか……卒業の日? ウチは結婚やってOKや
 どなんしよー。せっちゃんが本気になってくれる日っていつやろかー」
当の本人にはそんな自覚は全く無い。

362355:2007/09/01(土) 00:12:18 ID:DO73My75
どうも>>356-358さんの要望に応えて1時間で書き上げました。
ちょっと勘違いしているようですので申し訳ないのですが、初書きというのは
このスレでという意味ですので、SS自体の歴は長い方です。
363名無しさん@秘密の花園:2007/09/01(土) 00:34:01 ID:kU1ksV4/
GJ!!
素敵過ぎる!しかも早くてビックリした!!
最初の辺り見た瞬間もう「プロだ」と確信してしまったw
364名無しさん@秘密の花園:2007/09/01(土) 18:52:43 ID:SCXHdosf
GJ!でもなんだかせっちゃんが冷たすぎてちょっと違和感・・・
スマソorzまあ書けん素人が言うことなんで気にしないでくれ
365名無しさん@秘密の花園:2007/09/01(土) 20:55:03 ID:6uu33wA4
>>362
最後のせつないせっちゃんとあくまでせっちゃん一本でいきそうなお嬢とのギャップが微笑ましかった。
良い仕事してる!!
366名無しさん@秘密の花園:2007/09/01(土) 22:28:14 ID:64MkIaLv
キャラはそれぞれの人の中で生きてるからな。
俺はドライな刹那も好きだぜ。むしろ普段のより好きかもw
367名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 02:52:39 ID:HaaDwI3m
 はぁ、木乃香お嬢様。夏だからといって、夜一人、お外でお待ちになるのは、とても、危険な行為ですし、
風邪をひくおそれが、ございますので、先にお部屋で、お休みになっていてくださいって、
私仕事前に、何度もしつこく言いましたよね。 
今日もなんですか? またずっとここに、座っていたんですか? 私もう、何回お願いしているか、お分かりですか?
ご名答です。そうですね、毎日のように、言っていますので、数えきれませんね。
いいえ、言い訳は、結構です。私が、ただの警備で、怪我をするわけがないでしょう。
え? じゃあなんで、息切れしてるかって? そりゃあ、走って帰ってきたからですよ。少々、お待ちください────。
私だって、麻帆良都市の外れから全速力で走ってくれば、息切れぐらいいたします。
今日は色々あって、遅くなってしまいました。だから怪我はないですって。
え? じゃあなんで右手を隠しているかって? 気にしすぎじゃないですか? 何のことだか私にはさっぱり。
とにかくお嬢様、ここは自販機の明かりに寄ってくる虫たちだらけで、お嬢様には不釣合いな場所です。
ご存知ですか? 先生たちの間では、深夜、自販機前に座っている生徒は、不良の仲間入りだと警戒され、ずっと目をつけられるんですよ。
さ、問題児認定されたくなければ、寮へ戻りましょう。あ、み、右手はなんでもないですってば。ほら、早く寮へ。
明日も部活あるんですから、早くお休みになっていただかないと。いえ、結構です。
お嬢様の手を煩わせる訳には行きません。宿題は自分でやらないと、意味がないですからね。
……あ、あの、お嬢様。ここから先、足元がとても暗くなっていますので、よろしければ手を。 
へ? さ、誘ってなんかいませんよ! あ、ちょ、お嬢様!? 何するんですか!? あ、駄目! 
まだ、駄目です! いえ、そういう意味じゃなくて、ここでは明かりが。あ、ちょ、離してくださっ……あっ──
ぁ〜、えっと……か、勘違いしないでください。
たまたま警備中見つけて。とても珍しかったんで、夏休みの自由研究にと、捕まえてきただけです。
……はい、昔よく一緒に見ましたよね。そんな、お礼なんていいです。いえ、意外と簡単に捕まえられますよ。
私はただ……、お嬢様の喜ぶ顔が、見たかっただけです。はい、ちょっと近すぎて照れてしまいましたが。
あ、そ、そうですね、うっかりしてました。もし暗いところだったら、お嬢様のお顔を拝見することはできなかったですね。
今日は新月ですから──。星が降ってきそうですね。ふふ、何をお願いしたんですか?
……え? 今から私と散歩に行きたいってことですか? そんな、今森の中には吸血魔物たちが、うようよ徘徊しているんですよ。
お嬢様が襲われでもしたら大変なことに……。私は虫除けスプレーをたっぷりかけていますから平気です。
そ、そうですね。私が蚊取り線香代わりになって、くっついて歩けば大丈夫ですね。
えっと、では、その蛍しっかり捕まえていてください。これからその蛍の仲間たちのもとへ、ご案内致します。
少し遠いですから、空を飛んで行きましょか。あ、最初からそのつもりだったんですか。 あの、翼出したいので、少し離れていただけますか? 
──そんな、お嬢様のような方を天使と呼ぶんですよ。……こ、このちゃん。ほな、しっかり捕まっててや!
368名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 03:17:13 ID:BEFSazhu
これもツンデレの流れか!!
ちと読みにくかったが,面白かった!
369名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 03:26:04 ID:BEFSazhu
>>266-269

部活編がんばってみたが討ち死にしたorz。
きっとオイラは「詠このせつ」で力を使い果たしたに違いない!(たくさんえろ書いたから。)

どこをどう直していいかわかんないから,取り敢えず投下してみる。
また感想とか聞かせて欲しいよ〜。これから腕磨くぜ(心意気だけは)。

多ジャンルが書けるク氏の凄さを実感いた。
3701/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:27:57 ID:BEFSazhu
「桜咲,お前が試合に出てくれたら麻帆良は優勝間違いなしなんだけどな〜。」
「他流試合は禁じられていますので…。」
「わかってるって。無理言って稽古つけてもらってるんだからね。」

剣道部の部員が刹那に声をかける。それは部活に顔を出すたびに言われるセリフ。
京都神鳴流の名は一応極秘扱いなので,刹那はとある道場の門下生ということになっていた。
その腕前から選手として試合への出場を乞われていたが,剣士としての技量を十分に備えている刹那が中学生の大会に出場するなど論外であった。
そもそも刹那は,剣術に関するというだけで剣道部に所属していて,部活動自体にはほとんど関心が無い。
試合に出れないならせめてコーチをつけてくれという剣道部の主将からの熱心な依頼で,刹那はその依頼を引受けたのだった。
時々顔を出す程度の部活動だったが,大会も近いことから最近は毎日部活動に参加していた。
黒い胴着に身を包み,しっかりと汗をかいた刹那は本日の活動を終わろうとしていた。

「あ……あの,桜咲先輩。これ使ってください。」

ふとかけられた声のほうを向くと,柔らかそうなタオルが差し出されていた。その持ち主は名も知らぬ女子部員…らしい。
ジャージを着ているため部員かどうか良くわからなかったが,ひとまずそう判断した。
先輩と呼ぶからには後輩なのだろうかとぼんやりと考えていた。

「あ,ありがとう。」

差し出されたものを刹那は条件反射で受け取ってしまう。そのような行為には不慣れな刹那は戸惑いつつも汗を拭いた。

「…洗って返しますね。」
「いえ,そのままで良いです。」
「でもそれでは…。」
「イ,いえ…良いんです。」

と,しばらく押し問答が続いた。そうこうしてる内に遠くから聞きなれた声が刹那を振り向かせた。

「せっちゃ〜〜ん,終わった〜?迎えにきたでぇ〜。一緒に帰えろ〜〜。」
3712/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:28:47 ID:BEFSazhu
道場の入り口でぶんぶんと手を振って木乃香が叫んでいた。

「はーい。今参りまーす。」

そう木乃香に声をかけると,刹那は向き直ってタオルを手にして一言。

「洗って返します。また次の機会で良いですか?」
「は……はい!もちろんです。」
「それでは,私は急ぎますので。」

そう言い残し,刹那はその子を後にした。
更衣室の出口近くで木乃香が待っていると,物凄い早替えで刹那は登場した。
息一つ乱さないその身のこなしには驚嘆に値する。

「……桜咲先輩。」

自分には向けられない刹那の人懐っこい優しい笑顔を遠くに眺めてその子は呟いた。

◇◆◇

「今日も部活頑張ったんやね?」

木乃香は刹那の腕を取り,刹那を引き寄せて言う。

「うぁぁ。お、お嬢さま。いっ,いけませんそんなっ。」
「別にええやん。腕くらい〜。」
「あの,汗一杯かきましたから,その…汗…臭いと思うので……////。」
「……せっちゃんならええも〜ん♪」
「うぁぁ。私が困るんですって。」
3723/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:29:39 ID:BEFSazhu
木乃香は帰り道で刹那にからんでいると,その手に見なれないタオルがあることに気がついた。

「せっちゃん,それせっちゃんの?」

木乃香が何を指しているのかわからなかったが,木乃香の視線は先ほどのタオルに向けられていることに刹那は気がついた。

「あぁ。これですか。渡されたのを反射的に受け取ってしまったんですよ。」

洗って返さないとと思って,と言葉を続けたとき,不意にタオルに意識を向けると香ってきたのは刹那の好きな香り…。

「うちの趣味と似てるんかな。その子。」

木乃香の元へもその香りは届いたようだ。

刹那を迎えに来た木乃香の目にもその情景は映っていた。道場で刹那の傍らにいた少女。
遠巻きから眺めていたので良くはわからなかったが,多分…。木乃香は感じていた。
そのことについて深く言及するつもりは無かったが,ちょっと嫉妬心が疼いた。

「…せっちゃんはもてるんやね〜?」
「っっんな,何のことですか?」
「なんや…。わからんならええわ。」
「ちょっ,お嬢さま〜。」

木乃香はそんな刹那を嬉しく想う。色恋に疎くて,女心の理解も薄い。
けど,真面目で,実直な刹那は,木乃香に対する思いを自然に表現してくる。

(そんなんやから,うちも安心してられるんやで……。)

まだ幼馴染以上の進展はないけど,以前よりもずっと近付いた距離が今は心地良かった。
3734/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:30:34 ID:BEFSazhu
「せっちゃんは女心に疎いからなぁ。」
「……ぷぅ。…一応私も女ですけど……。」
「せやねぇ〜。でもせっちゃんやしなぁ。」
「ちょっっ,それってどういう意味ですかっ。お嬢さまっ。」
「言葉のままやえ〜。」

愉しげに会話を交わし,二人は寮へと帰路についた。

◇◆◇

刹那は自分の部屋で自分のものではないタオルを見つめた。
洗濯を済まし,手近の紙袋に畳んでしまった。

「お前らしくない持ち物だな。お嬢さまのプレゼントか?」

真名が物思いに耽る刹那を見て,ニヤリを笑う。

「違う。後輩らしき女子生徒に手渡されたんだ。」

特に何も思うところ無く刹那は答える。

「ふ……ん。やるな,お前も。近衛だけでは飽き足らず,後輩にも手を出したか。」
「ちがーう。そのようなものではない。それにお嬢さまとはそんな関係では無いっ。」

必死に弁明する刹那を見るが,真名のニヤニヤは納まらなかった。

「……戦闘以外では,お前は隙だらけだな。もう少し情緒を養え。」
「なっ?!」

明らかに馬鹿にされた感があるが,図星と感じたのか刹那は黙ってしまった。

(お嬢さまも龍宮もなんのことを言っているのかさっぱりわからん。)
3745/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:31:14 ID:BEFSazhu
刹那は悔しそうにクッションを抱き締め,頭を悩ましていた。

◇◆◇

試合が近いので,しばらくの間,刹那は毎日道場に顔を出した。少し早めに道場に着いたが,まだ他の部員の姿は無い。
刹那は黒い胴着に身を包み,通常の長さの木刀を持って素振りをはじめた。
きゅっきゅと軋む道場の床の音を楽しみながら,いくつか踏み込みの練習を行なう。
刹那の身のこなしは洗練されていて,その動きは旋風を思わせた。
何時の間にか刹那の周辺には部員が集まってその動きに見惚れていた。

「なっ,何してんですか!早く練習はじめますよ!」

見られていたことが恥かしかったのか,刹那は部員達に声をかけ,練習を促した。

「みんな先輩みたいに格好良くなりたいんですよ。」

その声に振り向くと,昨日の女子部員がくすくすと笑いながら立っていた。

「あ……。昨日の…。タオルありがとう。これ……。」

刹那の手には,昨日準備したタオルが,そしてそれを彼女に手渡した。

「いつでも良かったのに…。」
「いえ。早いほうが良いと思って。」

その少女は手渡されたタオルを嬉しそうに受け取った。そしてそれをきっかけに,二人はしばらく歓談していた。
ふとした会話の間隙に,躊躇いながらも以前から思っていたという疑問を尋ねられた。

「桜咲先輩って黒い胴着なんですね。女子は普通白い胴着ですけど…。」
3756/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:31:44 ID:BEFSazhu
道場をぐるりと眺めて,他の部員を確認する。袴の色は様々だったが,胴着は全員白い物を着用していた。
ほんの少しの間を置いて,その質問に刹那は苦笑しながら答えた。

「……特に理由はありませんよ。たまたま黒があったから…。」

刹那はそう返答し,稽古がありますのでと告げ,その場を後にした。
少しだけ空気が張り詰めたのを感じ,その子は心配そうにタオルを握り締め,刹那の背中を見送った。

◇◆◇

今日もまた,木乃香が迎えにきた。その手にタオルを携え,木乃香の元へ走り寄ってきた刹那の汗を拭いた。
仲睦まじい二人の様子を見て,少女は手に持ったタオルをまたぎゅっと握り締める。
直ぐに着替えてきますね,と言って刹那は見事な早換えをして木乃香の元に跳んで戻ってきた。

「せっちゃん。あっちで昨日の女の子が見とるえ?」
「さっき少し話していたからでしょうか?」

木乃香と言葉を交わし,今日も刹那は木乃香と帰宅した。

「どんな話してたの?」

帰り道で,興味津々な顔をして木乃香は刹那に尋ねる。
他愛も無い世間話ですよ,と刹那は答えた。

「それと……どうして胴着が黒いのか聞かれました。」

刹那は苦笑しながら言うと,二人の間にはしばらくの沈黙が訪れた。

「せっちゃんの憬れの色だもんね。」
3767/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:32:29 ID:BEFSazhu
徐に木乃香が言った。それを聞いた刹那は驚きの表情を隠せなかった。
ためらいを見せる刹那の手を,木乃香はそっと握った。
にっこりと微笑む木乃香の顔を見ると,刹那はその手をぎゅっと握り返した。
自分を理解してくれる人がいるという安心感が刹那の胸に広がっていた。

◇◆◇

大会までの間,刹那は道場へ通う。その度にタオルを渡した女子部員は刹那と会話を交わした。
会話の内容は,少しずつ親密さを増す。けれど,未だに刹那はその部員の名前すら知らなかった。

大会前日,急遽スケジュールが変わり,予定時間よりも早めに部活動は終了した。
刹那は,着替えつつ,余った時間をどうしようか思案していた。予定は急な変更だったため,木乃香はそのことを知らないのだ。

「桜咲先輩,一緒に帰りませんか?」

いつもの女子部員が刹那に声をかけた。

「いえ,私はまだ帰りませんので。お申し出はありがたいのですが……。」
「近衛先輩を待ってるんですか?いつも迎えにいらしてますね。」

図星を突かれ,刹那はぽりぽりと頬を掻く。その子は深呼吸すると,躊躇いがちに刹那に尋ねた。

「先輩と,近衛先輩ってどういう関係なんですか?」
「どういうって……。」

唐突な問い掛けに刹那は躊躇した。まさか事情を正直に言うわけにもいかず,刹那は困り果てる。
黙って沈黙を守る刹那にその子は続けた。

「近衛先輩といる刹那先輩って凄く優しそうな笑顔をしているから……。」
「………私にも……あんな笑顔見せて欲しい……。」
「えっ?」
3778/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:33:36 ID:BEFSazhu
思わず出てしまった言葉に言った本人は動揺する。

「あっ……。済みません。こんなこというつもりじゃなかったのに……。」
「それはどう言う意味で仰っているのでしょうか?」

刹那は突然の展開に戸惑っていた。今まで興味を持つことも無かった他者との関係。
しかし,少しづつ関心を持つようになっている自分を刹那は感じていた。
その子は,恥ずかしそうにしながらも自分の気持ちを正直に刹那に伝えた。
その表情は,かつて見た,のどかが必死にネギに告白したときのような,そんな表情を思わせた。

「でも近衛先輩とお付き合いされてるのかなって…気になってたので…。」

この学校では不思議じゃないって,と刹那の表情を見つつ慌てて弁解する。

「あのっ,済みません。こんなこといってもご迷惑ですよね…。」

自分と木乃香がそんな仲に見られていたのかと認識すると,刹那は困って顔を赤くする。

「木乃香お嬢さまは,確かに私の大切な人ですが,そういう関係ではありません。」

自分に好意を寄せてくれているのに無下に扱うことも無いだろう。一息つき,刹那はその子を見る。
必死に自分への想いを語る少女を前に,自分に好意を寄せてくれる人がいたことを嬉しく思った。
でも,はじめての告白に興味はあったが,それでどうということも無かった。
いつかのネギのようにバタバタと慌てふためいて自分もどうにかなってしまうものなのかと思っていた。
しかし,意外と冷めてる自分がいた。
少女の必死な表情を見ても,自分が受けとめられるわけでもない。それに,受けとめるつもりも無かった。

時折,ふと脳裏を過ぎるのは木乃香の姿…。しかし,刹那はそれを慌てて打ち消す。
刹那にとって木乃香は今の状況に登場するような対象ではない……はずだ。
でも,何故か思い浮かんでしまう。なんなのだろう。このもやもやとした気持ちは……。
3789/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:34:24 ID:BEFSazhu
気を取り直して,刹那は今の状況を打破すべく,自分の心情を伝えた。

「私のこと好きになってくれて,ありがとうございます。」
「でも私は貴方のことを良くは知らないし,貴方も私のこと知らないでしょう。だから…。」
「知ってます。先輩のことずっと見てましたから。」

切迫感をもってその子は言った。でもその言葉に刹那は自分の中に生まれた不愉快さを感じた。

「……でもあなたは私が黒を好む理由を知らない。」
「そんなっ。」
「…木乃香お嬢さまは…ご存知でしたよ…。」
「何も知らないのに,私の事を知っているなど,軽々しく口にするものではありません。」
「…ごっ,ごめんなさい。」

刹那の静かな剣幕に驚き,引き合いに出された木乃香を羨みながら,その子は刹那に謝罪した。
刹那はその様子をみて少し反省しつつ,穏やかな口調で続けた。

「私こそ偉そうなこと言って済みません。私を好きになってくれてありがとう。この数日間の歓談は愉しかったですよ。」
「…先輩…。」
「この大会も終われば,道場へ来るペースは少なくなるでしょうが,また時々顔を出しますので,その時はよろしくお願いします。」
「はい……。」

部活動での関係を望むと,間接的に言い残して,二人の会話は終了した。
それでは,と刹那はその場を後にする。後にはじっと立ち尽くす少女の姿があった。

まだ木乃香は部活中の時間のはずだったので,刹那は校舎の方へ向かうため道場の角を曲がる。
するとそこには木乃香が立っていた。思いもかけない木乃香との遭遇に刹那は驚きを隠せなかった。

「お嬢さまっ!なんでここに!」
「しーっ。大きな声出したら聞こえてまうえ。」
37910/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:35:23 ID:BEFSazhu
刹那は声を潜め,木乃香とともにその場から離れる。

「丁度な,剣道部の子が帰るのが見えてな,部活終わったんかと思て様子見に来たんや。」
「いつからあそこに……?」
「堪忍な。せっちゃん。うちせっちゃん達の話し聞いてもうた。」

木乃香は手を合わせ,刹那に謝った。ばつが悪そうに刹那は尋ねる。

「あの……どこから?」
「はじめから,全部や。あの子が「一緒に帰ろ。」言うたとこから。」
「……一部始終ですか。」

二人は寮へと帰路につく。しばらく沈黙が続いた。

「……可愛ええ子やったね。」

木乃香は,徐に口を開いた。

「やっぱせっちゃんは,もてもてやな。」

うちの言うた通りやろ?っとにっこりして刹那の顔を覗きこんだ。

「…他人から好きと言われたのは初めてなので少し嬉しかったのですが,でも,それだけでした。」
「うちはいつも言うとるよ?」
「おっ,お嬢さまは別です!!」

自分の心情を吐露する刹那をからかっているわけではないが,木乃香が刹那を茶化しているように刹那には聞こえてしまう。

「……むしろ私は……お嬢さまのことが知りたい……です。」

恥かしそうにでも,はっきりと刹那は自分の気持ちを伝える。歩みを止め,刹那は木乃香の目を見つめた。
38011/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:36:13 ID:BEFSazhu
「……どうしてお嬢さまは私が黒を好む理由をご存知なんですか?」

木乃香は優しい微笑を返して,そっと刹那の手を取り,その暖かさを確かめた。

「今から。せっちゃんの部屋行ってええ?そしたら教えてあげる。」

黙って頷くと刹那はそのまま,自室へと向かった。木乃香の手はずっと刹那の手を握ったままだった。

◇◆◇

刹那の部屋には人の気配は無く,しんと静まり返っていた。真名はまだ戻っていないようだ。
それに寮全体もまだ人の気配が少なかった。

木乃香は窓を開け,部屋の空気を入れかえる。刹那は,冷蔵庫からジュースを取り出して二つのコップに注ぎ分けていた。

「せっちゃん。あの子にな,あんなこと言ったら可哀想やよ。」
「?」

ジュースを一口のみ,徐に口を開く木乃香が意図する内容が刹那にはわからなった。

「うちは,せっちゃんの秘密知っとるから。だからなんよ,きっと。」

知らん子にあんなん言ったら可哀想や,そう言って木乃香は刹那を見る。

「でも…だからって。それだけでなぜ?」

真剣に尋ねてくる刹那に,木乃香は軽く溜息をついて答えた。

「……せっちゃんは,ずっと黒い羽が欲しかったんやろ。」
「黒かったら,故郷を離れることも,仲間から嫌がられることも無かったって。」
「自分の不幸の原因はずっと白い羽だって思ってきたから……そうやないの?」
38112/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:37:39 ID:BEFSazhu
刹那の黒に対する思い入れがどこを発端にしているのか,木乃香なりの分析を刹那に伝えた。
自分が同属と認める仲間からの迫害。きっとそれは木乃香の想像もつかないくらい過酷なものだったに違いない。
本来守ってくれるべき両親もいない中で,どうやって刹那が生き延びてきたのか。
木乃香は知りたかったが,聞くに忍びず,いつか話してくれる日が来ることをずっと待っている。
苦しい過去は,誰かに吐き出すことによって,幾分軽くなると木乃香は信じていたから。
木乃香は刹那にとって,そんな存在になりたいと思っていた。

木乃香の言葉を聞いて,刹那の体に緊張が走る。
自分の持つコンプレックスがまだ根強くそこにある。木乃香に見抜かれていたことを知った。

「……お嬢さま。」
「でもなっ。」

木乃香は,続ける。

「せっちゃんの羽が白うなかったら,うちはせっちゃんと会えんかったんやえ。」
「せっちゃんが黒くなることに憧れを持ち続けとることもわかるけど,うちはせっちゃんの羽が白くて良かったと思うとるんよ。」

無責任に聞こえるかもしれんけど,堪忍な,と木乃香は続ける。

「でもせっちゃんの心はせっちゃんのもんや。うちがどうこう言えることやないえ。」

優しく微笑んで木乃香は自分の考えだと言ってそれを伝えた。
刹那は,木乃香に自分の心が見透かされて恥かしい気持ちもあったが,それ以上に木乃香の思いが暖かかった。

「私も……貴方に会えて良かったと思います。今では,この羽を疎んではいません。むしろお嬢さまが仰るように…。」
「この羽があったからこそ,今の自分がいると…。今は,両親に感謝しています。」

刹那は自分のコンプレックスが,少し軽くなった気がした。
そう簡単にこのコンプレックスは無くなりはしないが,木乃香に自分が受け入れられた時のように,心が軽くなった気がした。
38213/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:38:27 ID:BEFSazhu
「せや。せっちゃんの羽,うちにくれへん?」
「えっ!?」
「やっぱ,毟ったら痛いん?」
「おっ,お嬢さまっ!」

木乃香のおねだりには叶わず,刹那はしぶしぶ羽を広げ,比較的綺麗な部位を選んで2本毟った。

「いてっ!」
「あははっ,堪忍。」

嬉しそうに微笑んで,木乃香は刹那の羽を受け取った。
羽をしまうと,刹那は木乃香にどうするのか聞いた。

「内緒や。大事にするえ。」
「はぁ。お嬢様が喜んでくださるならそれで良いんですけど…。」
「うんっ。せっちゃん,ありがとな。」

木乃香は嬉しそうに羽を受け取り,刹那にもう一度良く話した方がいいと助言を与え,自室へと戻って行った。
刹那は木乃香を見送ると,まず今日の出来事についてもう一度良く考えてみることにした。

◇◆◇

「やったぞ,桜咲!入賞したぞ!お前のおかげだよ。」

大会が済んだ翌日,大会の様子を聞きに道場へ行くと,主将をはじめ部員達が駆け寄ってきた。
以前,中々勝ち残れないとぼやいていた部員達だったが,団体戦でベスト3まで勝ち残ったらしい。準決勝で負けてしまったが,3位決定戦でストレート勝ちしたそうだ。

お世辞にも強いとは言えない部だったが,刹那が練習を見るようになってから徐々に強くなっていった。
練習を見ていたのは2年程度だったが,修行の成果というのは努力すれば必ず現れるのだと刹那は改めて感じた。

部員の喧騒から離れて,ふと道場の隅によると,例の少女がもじもじと立ち竦んでいた。
いつもの活気が感じられなかったが,自分のせいか…と刹那は自嘲した。
38314/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:39:24 ID:BEFSazhu
「あの……。」

刹那はその子に声をかけた。声をかけられると思わなかったのか,驚いた表情でその子は刹那を見ていた。

「あの…この前…済みませんでした。なんだか余計なこと言ってしまったみたいで。」
「………いえ…。私が変なこと言ったせいですから…。」

改めて言うのもおかしいかもしれないですが,と刹那は自分が冷静になって考えた結果を話し始めた。

「貴方の好意は嬉しかったのは,本当です。でも私には他に大切なものがありますから,貴方の好意に報いることはできません。」

刹那はその子の様子を見守りながら,それで…と,ポケットから何かを取り出した。

「これ……良かったら使ってください。」

刹那は,竹刀用の鍔(つば)と鍔止めを手渡した。

「いつもジャージ着てますね。どうでしょう?一緒に……剣道しませんか?」

にこっと微笑んで刹那はそれを手渡した。
それはどこにでもあるものではなく,少し意匠が凝っていた。

「私の道場で使っていた入門用のものです。私は竹刀はもう使わないので良かったらお譲りします。」

複雑な表情で,その少女は鍔と鍔止めを受け取った。
それが刹那にできる精一杯の行為だということを直感的に理解したようだった。

「はい……。私も,先輩に剣道教えてもらいたいですっ。」

刹那の伝えたい気持ちが伝わっただろうか。
刹那が手渡した鍔を受け取り,その子は何度もお礼を繰り返していた。
38415/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:40:14 ID:BEFSazhu
◇◆◇

木乃香はいつもよりも早く道場に来ていた。そっと中の様子を見守っている。
何故かいつもみたいに,刹那を呼び出す気にはなれなかった。

(あの子……どうしとるんかな?)

気持ちの報われない辛さが,木乃香の共感を誘った。

「あっ,近衛先輩…。」

その声に振り向くと,たった今想像していた少女が目の前に立っていた。

「あ……。桜咲先輩ですか?呼んできましょうか?」

どんどん機転を回してくれるその子を,木乃香はなんとか留める。

「ええねん。様子見に来ただけやし…。」

そう伝えるが,特に意識しなくとも,じっとその子を見つめてしまう。
特別面識があるわけではなかったが,その子は同じ空気を木乃香から感じ取ったようだった。

「桜咲先輩の大切なものって近衛先輩ですか?」
「えっ?」

他に大切なものがあるからって言われたんですと,地面をけりながら,その子は言う。
それを聞いて,木乃香は苦笑する。

「………うちな…,まだせっちゃんの中には入り込めてないねん。」
「せっちゃんの中には,うちが入りこむ隙間はまだないんよ。」
38516/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:41:48 ID:BEFSazhu
刹那が主従関係以上に木乃香を見ることは無いとそう木乃香は感じていた。
木乃香と刹那にとってそれが今の二人の関係だと…。
気持ちを報われてないという点では同じ立場だと木乃香は伝えた。

「そんなこと無いですよ。……桜咲先輩の目には貴方しか映ってないのに…。」
「……知っとるよ。そないなこと気付かんうちや無いえ?」

軽く溜息をついて木乃香はその子を見遣る。
気付いているのになぜそのようなことを言うのか,その少女は木乃香の言葉に驚いている様子だった。

「せっちゃんやからな……まだ自覚ないんやと思うわ。」

せっちゃんには困ったもんやねぇと優しげな笑顔を見せながら木乃香ははにかんでみせた。
刹那を理解する木乃香を目にして,その少女の肩から力が抜けた。

「あーあ,ダメですね。やっぱり私,桜咲先輩のこと全然わかってないんだ。」
「せっちゃんのこと好きになるなんて見込みあると思うえ?」
「……今は諦めます。でも私,この気持ちは変えられませんからっ。」
「まぁ,頑張り〜。せっちゃんのことよろしゅうな〜。」

ぺこっと頭を下げ,その子は道場の方へ戻って行った。
木乃香は,再び自分の部活へ戻り,改めて刹那を迎えに来ようとその場を後にする。
しかし,後から自分を呼ぶ声がして、足を止めて振り返った。

「お嬢さまっ!」

刹那が追いかけてきたのだ。来ているなら声をかけてくれれば良いのにと,刹那はぼやく。

「だってせっちゃん,もてもてなんやもん♪」

木乃香は,部員に囲まれた刹那を形容して言う。二人は歓談しながら,校舎へ向かって並んで歩き始めた。
38617/17  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:44:27 ID:BEFSazhu
「せや,これせっちゃんに上げるえ。」

木乃香は鞄から何か取り出した。手にしているのはどうやらしおりのようだ。

「これはっ?!」
「せっちゃん,日記付けとるやろ?よかったら使ってや。」

刹那の羽が挟みこまれたしおりだった。木乃香の手作りらしい。
木乃香は,天使の羽根やえと言って,もう一つ同じものを手にして見せた。

「このしおり見て,うちが思うとること忘れんといて。」
「……お嬢さま。」
「うち……せっちゃん大事やからっ!」

いつも通り,優しそうな笑顔で木乃香は言う。
今まで何気なく,心休まる思いでその笑顔に刹那は癒されてきた。
そんな木乃香に,なんとか恩に報いようとそれだけを思って努めてきた刹那だったが,今日は木乃香の笑顔を見て何故か心が弾んだ。
何かが違う。刹那ははじめての経験を経て,何かが変わろうとしていた。

「……大事に…使います…お嬢さま……。」

木乃香の行為に恥かしそうに,でも嬉しそうに戸惑う刹那を見て,木乃香はまた優しく微笑む。
いつかこの関係も変わるときが来るかもしれない。
急がなくてもいい。二人の想いは,二人の間で着実に暖められているのだから。
木乃香は心の中で刹那に伝えていた。

刹那の心の微妙な変化を感じた少女だけは,刹那の鍔を握り締め,去っていく二人の背中をじっと見送っていた。
387終わり  ◆yuri0euJXw :2007/09/02(日) 03:52:16 ID:BEFSazhu
お目汚し失礼しました。ほんと。マジで。(と思うなら落とすなってのはナシで)

刹那の成長とか書きたかったんだよ〜。
でも発展途上って難しい…。俺の経験不足?orz
取り敢えず,燃え尽きた…。ついでに知恵熱出そう…。
388名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 04:04:01 ID:HaaDwI3m
あぁ〜……もうレスついちゃったけど、まとめサイトではこれ下につけてください。
ttp://pict.or.tp/img/18253.jpg

>>387
乙。今から読むよ。
389名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 09:43:55 ID:U2vP00JF
>>387
GJな出来じゃないか
自信もって

そういやせっちゃんの中の人は、雑誌でせっちゃんのことを語る上で剣道着姿を披露したが、白だったな
剣道部に入っていたことがある俺の経験上、女性部員の半分ほどが白だったな
かわいい娘はたいてい白だけど、少し顔に難ありな娘は藍色だったな
390名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 14:48:11 ID:0e8K1p/L
女性は白が多いね。
単に好みの問題だと思うけど。

>>387
GJ!
胴着の色を入れたのはやられたぜ。
そのネタは思いつかなかった( ̄ー ̄
391名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 15:34:03 ID:gb+I252c
>>387
GJ!! やばいほど萌えました
木乃香の「そないなこと気付かんうちや無いえ?」にやられた。
392名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 15:58:58 ID:BEFSazhu
読んでくれてありがとう。GJサンクス。
単行本9巻の黒い胴着のせっちゃんに引っかかってて生まれたネタなんだよ〜。
技が欲しい〜。このせつの溢れる愛を表現する腕が欲しい〜〜,切々。

>>389
おいらはちなみに女の子の白胴着&白袴が好きだった。せっちゃんにはとてもよく似合うと思うぞ。
組み合わせ的には,白×紺,白×黒ってのが定番だな。紺×紺や白×白は少ない気がした。
男は紺×紺か紺×黒が圧倒的に多いね。

>>388 ツンデレ刹那GJ! 新しいジャンルがここに生まれた…。
393名無しさん@秘密の花園:2007/09/02(日) 17:27:46 ID:6uSNMd4w
ちょっと出遅れたが>>387GJ!!
やっぱ、もどかしくて初々しいこの距離感がこのせつの魅力だな!

…後輩の女の子にも何気に萌えたw
394満月の魔力:2007/09/03(月) 00:41:15 ID:lC6xBC44

――ばさっ

「せっちゃん、気持ち良さそうに飛ぶなぁ・・・・」

少し遠くで聞こえる羽音。
せっちゃんが高い空で、白い翼を羽ばたかせている。
その背景では、真ん丸の月が光っていた。

「・・・・ウチもいるって事、忘れてそうやな」

自然と漏れる苦笑。
まるで公園で無邪気に遊ぶ子供を見ている様。
この二人だけの夜の散歩をするようになったのは、いつからだったっけ?
せっちゃんの羽音を聞きながら、ウチは草のじゅうたんの上に寝転がった――。

――。

『せっちゃん、今日遊びに行ってええ?』
『今日は日が・・・・すみません・・・・』
『あ、そか・・・・ごめんな〜』

月に一度、この日は来る。
せっちゃんはその日の夜になると、誰とも会いたがらない。
だからウチは仕方なく、自室でネギ君と話していた。

『小太郎君も今日は大変でした』
『コタ君もなんや〜』
『ちょっと、何の話よ?』
395満月の魔力:2007/09/03(月) 00:42:53 ID:lC6xBC44

夕方、配達から帰ってきたばかりの明日菜が話に割ってきた。
ウチは明日菜にお茶を用意するために立ち上がる。
その間にネギ君が明日菜に事情を話していた。

『へぇ〜、満月の日って大変なんだ』
『マスターも小太郎君も、満月の日は元気で・・・・もうヘトヘトです・・・・』
『せっちゃんも満月の夜には会ってくれないんよ』

お茶を用意し終わって、ウチも会話に参加する。
満月の夜になると、妖怪とかその血を引く人は少し性格が凶暴になるって、エヴァちゃんが言っていた。
満月の魔力が原因らしい。
そのせいか、コタ君はネギくんといつも以上に喧嘩したがる。
エヴァちゃんは魔力の復活も手伝って、上機嫌になるらしい。
そしてせっちゃんは・・・・一人になりたがって、ウチとも会ってくれない。

『でも満月の日に閉じ篭るのって、とても辛いらしいですよ』
『え、そうなん?』
『小太郎君によると、無性に走り出したくなったり喧嘩したくなって、ジッとしてるのが苦痛らしいです』
『じゃあ今頃、刹那さん苦しんでるのかな?』

ネギ君とアスナのその言葉がきっかけ。
いつもなら次の日に会えるのを待つんだけど、その日は我慢できずにせっちゃんの部屋に押しかけてしまった。
そしてウチが初めてせっちゃんの裏側の姿を見たのも、その日だった。

*
396満月の魔力:2007/09/03(月) 00:44:02 ID:lC6xBC44

(・・・・あれ?)

先ほどまでの視線を感じなくなって、私は地上を見下ろした。
下ではお嬢様が目を閉じて倒れている。
具合が悪いのかと思い、慌てて戻った。

「・・・・お嬢様?」

しかしお嬢様は目を開けない。
不安になって、口元に耳を近づけてみた。

すぅ・・・・すぅ・・・・

(・・・・寝てる、だけか・・・・)

規則正しい寝息が聞こえて、ほっと一安心。
心を落ち着かせてお嬢様を見る。
しかし、すぐに後悔した。

(・・・・なんて格好で////)

目の前で無防備に寝ているお嬢様。
まだ夏だからお嬢様は薄着で、どこか妖艶な雰囲気が漂っていた。
そんなお嬢様を前に、私の胸には抑えきれない欲望が湧き上がってくる。
ごくり、と無意識に唾を飲むのがわかった。

(・・・・触り、たい・・・・)
397満月の魔力:2007/09/03(月) 00:45:51 ID:lC6xBC44

私は"あの日"、味を占めてしまった。
あの日の事は今でも鮮明に覚えている。
満月の魔力とお嬢様の優しさに負け、お嬢様を襲ってしまったのだ。

(だ、駄目だ・・・・さすがに寝込みを襲うなど・・・・!)

何とか理性をフル稼働させて、過ちを犯さないように距離をとった。
お嬢様が初めて、満月の夜に来た日・・・・。
あの日から私は狂ってしまったのだろうか?
それとも、あるべき姿に戻ったのだろうか?
私はお嬢様からは見えない位置に座り、白い翼と月を見比べた――。

――。

『お、お嬢様!?』
『せっちゃん、来てもうたv ・・・・って、汗だくやん!?』

じっとしているのが辛くて、私は部屋でトレーニングをしていた。
お嬢様は問答無用に玄関に上がりこんできて、私の汗を拭う。
その際に先ほどやってしまった事後を見られてしまった。

『せっちゃん・・・・シャワー室の戸、壊れてへん?』
『・・・・す、すみません』

満月のせいで私は、高ぶる感情と力を制御できずに破壊行動に移ってしまっていた。
でも"満月の仕業"だなんていい訳が、通るはずも無い。
私は理由も言えずに、ただ謝るしかなかった。
・・・・でもお嬢様は、全てを知っていた。
398満月の魔力:2007/09/03(月) 00:48:15 ID:lC6xBC44

『力加減、間違うた?』
『えっ・・・・いや、その・・・・』
『隠さんでもええよ、日が悪かったんやろ?』
『・・・・うっかり・・・・』

うっかり戸を壊すだなんて、私はどれほど乱暴者なんだ。
自分で言った言い訳に、私はうな垂れる。
そんな私を部屋に押し込むように、お嬢様は部屋に踏み込んできた。

『お嬢様、あの・・・・っ』
『・・・・今日、泊まってええかな?』
『え・・・・あっ、だ、駄目です・・・・! 今日は――』

先ほども駄目だと言ったはずなのに、お嬢様は私の部屋に入ってくる。
慌ててお嬢様を止めようと手を伸ばしたが、逆にその手を取られて一緒に引き込まれてしまった。

『で、ですから・・・・!』
『・・・・せっちゃんが苦しんでたら・・・・ウチはその時に傍にいたいん』
『お、お嬢様・・・・?』

お嬢様は私の手を握ったまま、少し悲しそうな顔でそう言う。
・・・・苦しい?
今の私が、苦しんでいる?

『・・・・私が、苦しんでる?』
『部屋に閉じ篭るなんて、無理してる証拠やないの?』
『わかりません・・・・。でも・・・・』
399満月の魔力:2007/09/03(月) 00:49:24 ID:lC6xBC44

確かに、苦しいのかもしれない。
満月の日になると、決まって身体の調子がよくなって戦闘能力が向上する。
それに加えて感情も高ぶりやすく、普段よりも格段に好戦的になる。
だから退魔の仕事をするのには、この日はとても都合が良い。

・・・・だが、人間として暮らす私にとって、それは不必要な物でもあった。
自我を失いやすいという欠点があるのだから。
油断すれば私は欲望のままに行動してしまう。
だから私はそれを防ぐために、この日は仕事も引き受けずに一人で引き篭もっていた。

『一人よりも二人の方が、気分は紛れるんやない?』
『で、ですが・・・・私は・・・・満月の日の私がわからない・・・・』
『大丈夫やえ、せっちゃんはせっちゃんや。それにウチが傍におるから』

お嬢様のその言葉に、私は何処か開放された気分になった。
自分でも気付かない傷をお嬢様は見つけ、癒してくれる。
その存在と安堵感に、私は酔い始めてしまっていた。

『せやから・・・・泊まってもええ?』
『・・・・はい、わかりました』

ここがあの日の分岐点だったのだと思う。
ここでお嬢様を追い返していたのであれば、お嬢様と私はただの幼馴染でいれた筈なのだから。
しかし"受け入れる"という判断をしてしまった私は、もう戻れぬ所まできてしまっていた・・・・。

*
400満月の魔力:2007/09/03(月) 00:51:30 ID:lC6xBC44

(う〜、寒ぅ・・・・)

思い出しているうちに、ウチは少し寝てしまったらしい。
夏の夜といっても、自然が多い麻帆良の夜は寒くなる日も多い。
薄着できたのは間違いだった。

(・・・・あれ?)

気がつけば、せっちゃんの羽音が無くなっていた。
空を見上げるも、目立つはずの白い羽根は無い。

(帰ったんかな・・・・よいしょっと)

冷えた身体を擦りつつ、身体を起こす。
満月の夜のせっちゃんは、ウチでもまだ把握しきれていない部分がある。
せっちゃん自身も把握しきれないらしいし。
だから"満月の夜は人と会うのを避けていた"と言っていた。

『――ある程度自由にさせれば、それなりにコントロールできるようになってくる』

これはエヴァちゃんの助言。
だからウチはとりあえず、この夜の散歩でせっちゃんを好きに行動させるようにしてる。
そして何度か満月の夜を共にして、わかった事があった。
大きく変わるのは感情の変動ぐらいで、せっちゃん自身が変わる事はない。

(ん〜、せっちゃんが一人で帰るなんてありえへんな・・・・)

最初は自由にさせた途端に、どこかに行ってしまいそうで不安だった。
でもせっちゃんは大空を飛び回った後、必ずウチの所に戻ってきてくれた。
空を飛んでるときも、何度もウチを振り返ってウチがいる事を確認してくれる。
その様子が可愛らしくて、この"夜の散歩"が満月の日の日課となった。
401満月の魔力:2007/09/03(月) 00:52:37 ID:lC6xBC44

(もうこんな時間・・・・そろそろ戻らな・・・・)

ウチは時間を確認して立ち上がる。
もちろんせっちゃんを探すため。
せっちゃんの事だから、決して遠くにはいないだろうし・・・・。

(どっかで墜落してたりしてそうやな・・・・今のせっちゃんならありえそうや・・・・)

うっかり戸を破壊してしまうのだから、うっかり墜落する事もあるかもしれない。
ウチは不安に思いながらも、寮に向かって歩き出した。

――ばさ・・・・

「・・・・ひゃっ!?」
「何処に、行くんですか?」

突如、背後から抱きしめられた。
ウチの身体に、白い翼が覆うように巻き付く。
振り向かずとも誰かわかった。

「せっちゃん、おったんや?」
「はい、寝てらしたので・・・・どうしようか悩んでました」

やっぱり、ちゃんと戻ってきてくれた。
漏れる笑いはちょっとした優越感からくるもの。
でもせっちゃんは少し不機嫌そうだった。
402名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 00:54:11 ID:X2f4iwRp
>>387
なんというGJ。>>269でねだらせてもらったが、期待以上の作品にただただ感動だぜ。
次作も待ってるぞ!w
403満月の魔力:2007/09/03(月) 00:56:45 ID:lC6xBC44

「・・・・なんで、置いて行こうとしたんですか?」
「ちゃうよ。探しに行こうとしたん」
「・・・・本当に?」

絡まるせっちゃんの腕と翼に力が入る。
その感触が心地よくて、ウチはせっちゃんに体重を預ける。
一人で飛び回っていたかと思えば、一人にしようとすると寂しがるせっちゃん。
普段せっちゃんが我慢している"自由"と"我侭"を見れる事が、なぜか嬉しかった。

「・・・・帰る場所があるから、不安無しで飛び回れるんです」
「そんなん知ってる。・・・・ウチやって、帰ってきてくれるから放っておけるんやえ?」
「・・・・知ってます」
「ならお互い様やん・・・・」

冷えた身体にせっちゃんの体温が浸み込む。
それと同時に、お互いがお互いを必要としている事実が心を暖めた。
きっと後ろにいるせっちゃんも同じだと思う。

「・・・・お嬢様」
「ん、なんや? ・・・・わわっ?」

ふいに、せっちゃんがウチを包んだまま倒れた。
でも衝撃はほとんどない。
せっちゃんの翼がクッション代わりになったから。

「・・・・せっちゃん、ここ外やよ?」
「・・・・貴女がl、置いて行こうとするから・・・・」
「だからちゃうってばー」
404満月の魔力:2007/09/03(月) 01:01:56 ID:lC6xBC44

せっちゃんのやわらかい翼が、布団のように身体の下にある。
翼に包まれたまま押し倒されている状態。
身長は同じぐらいなのに、翼を出したせっちゃんは何倍も大きく見えた。
その状態で、自然とせっちゃんの手がウチの服にかけられる。

「せっちゃん、せやからここじゃアカンて・・・・」
「・・・・身体、すぐに温まります」
「そやなくて・・・・ウチの話も聞いてぇなー」

人間二人を支えて飛べるほどに力が強くて大きい翼だから、ウチがもがいた所で抜け出せるはずも無い。
そのまま抵抗できず、せっちゃんの体温と包まれている安心感で、次第に身体から力が抜けていった。

「今日ぐらい・・・・好きにさせてください」
「あ・・・・」

満月の光を浴びて、白銀に輝く翼。
そして満月の魔力を受けて、本能を剥き出しにするせっちゃん。
ウチはそんなせっちゃんに魅了されて、堕ちていく。
そういえば、初めての日はどんな感じだったっけ・・・・。
理性が薄れていく中、ウチの意識は過去を思い出していた――。

――。

部屋に入って普段通りに会話をしていると、すぐにいつもとのせっちゃんとの違いがわかった。
少しでもカマをかけると、すぐに拗ねる。
いつもは照れて嫌がるスキンシップも、受け入れてくれる。
珍しくせっちゃんからスキンシップを図ってくる事もあった。
すぐに離れていくけれど・・・・。
405満月の魔力:2007/09/03(月) 01:03:03 ID:lC6xBC44

『せっちゃん、もっと近くにいてええのに〜』
『い、いえ・・・・私は、護衛ですから・・・・それに・・・・』
『それに?』
『な、なんでもありません!』

せっちゃんは、どこかウチを警戒した目で見ている。
いつもとは違う部分を、必死で知られまいとしているのがわかった。
きっと知られるのが怖いんだと思う。
ハーフである事を隠すために、ウチから離れていた時期もあったぐらいだから・・・・。

『せっちゃん・・・・何かあったら言うてな』
『え? あ、はい・・・・』
『ウチ・・・・せっちゃんやったら、どんなせっちゃんでも受け入れるから・・・・無理はしないでな』

近づくとせっちゃんは身体を硬直させる。
それでもウチはかまわず抱き締めた。

『お、お嬢様・・・・』
『せっちゃん暖かい〜・・・・』
『・・・・あまり抱きつかないでください・・・・』
『あはは、堪忍な・・・・え?』

さすがにやりすぎだったかと思って、せっちゃんから離れようとした。
でもそれはせっちゃんに抱かれて、止められる。
この珍しい感触に、ウチは驚いた。

『・・・・せっちゃん?』
『・・・・我慢、できなくなります・・・・!』
『ひゃっ!?』
406満月の魔力:2007/09/03(月) 01:04:25 ID:lC6xBC44

――ばさっ

羽ばたく音と共に身体がふわりと浮いて、気がつけばウチはベッドの上にいた。
視界にはせっちゃんと、せっちゃんの大きな翼のみが映っている。
唐突にだけど、ウチはこれから何をされるのかを悟った。

『・・・・う、ぐ・・・・』

でもせっちゃんはそれ以上は何もしなかった。
少し苦しそうに唸ったかと思うとベッドから降りて、ウチから目を逸らすように床に崩れ落ちる。
せっちゃん表情は翼が邪魔をして見れなかったけど、その翼は小刻みに震えていた。

『せっちゃん・・・・?』
『に、逃げてください・・・・今の私は、何をするかわからない・・・・っ』

せっちゃんは絞り出すようにそれだけ言うと、翼を元通りにしまった。
きっと、ウチの逃げ道を作るためにしまってくれたんだと思う。
でもその為にせっちゃんの表情が丸見えになって、それを見たウチは逃げる事ができなくなった。

『お嬢様、早く・・・・』
『・・・・あかん』
『な、なんで・・・・』

・・・・せっちゃんは必死に何かを耐えていて、その横顔が何処となく切なげだった。
ウチはその顔に、妙に惹かれていた。
そして悔しく思った。
無理して欲しくないと、言ったばかりなのに。
もっと、頼って欲しいのに・・・・。
・・・・受け入れてあげたいのに。
407満月の魔力:2007/09/03(月) 01:06:00 ID:lC6xBC44

『せっちゃん・・・・』

発破をかけてしまったのは、ウチ。
だからせっちゃんがウチに何かをしたくて苦しむなら、ウチはそれを受け入れたい。

『お、お嬢様・・・・!』
『ウチは、逃げへんから・・・・せっちゃんも離れないで・・・・』

ウチは少し離れた場所にいるせっちゃんを引き寄せる。
そしてそのまま抱きしめて、頭を撫でた。

『うっ・・・・その・・・・』
『我慢しないで? たまには自由になっても、ええんやない・・・・?』

ウチのその言葉にせっちゃんは驚いて、様子を伺うように見上げてくる。
その目には、はっきりとした期待の色があった。
でもせっちゃんはすぐに素に戻って、逃げようともがく。

『だ、だめ・・・・お嬢様・・・・』
『大丈夫。せっちゃんのしたい様にしてええよ。その代わり・・・・名前で呼んで・・・・』
『・・・・お嬢・・・・う・・・・、このちゃん・・・・!』

この日初めて・・・・ウチとせっちゃんは一線を越えた。
普段見せないせっちゃんの荒々しさ、情熱的な求愛。
しかしそれらは激しくあっても、決して乱暴ではなかった。

*
408満月の魔力:2007/09/03(月) 01:07:20 ID:lC6xBC44

「はっ・・・・せっちゃ、・・・・おかしくなる・・・・!」
「・・・・はぁっ・・・・、このちゃん・・・・っ!」
「せっちゃ・・・・あ、ひゃぁあ・・・・!」

せっちゃんは、ウチをいとも簡単に溶かし尽くした。
体力差の問題もあって、この求愛行動のあとは決まってウチが意識を失う。
でも今日は初めての野外だったからか、せっちゃんは手加減してくれてた。
せっちゃんの翼に守られて、不安も無かった。

「はぁ・・・・はぁ・・・・」
「・・・・っ・・・・」

一通りの事を済ませて、ウチは空気を仰いだ。
せっちゃんは夜間飛行と求愛行為で満足したのか、横で夢現になっている。
それでもウチが冷えないように、しっかりと翼でウチを暖めてくれていた。

「外、やのに・・・・」
「・・・・でも、気持ちよかった・・・・」
「・・・・もうっ」

拗ねた振りをして、そっぽを向く。
本気で怒っているわけじゃない。
でも隣のせっちゃんは急に不安になったみたいで、動揺が翼を通して伝わってきた。

「あ、あの・・・・お嬢様・・・・」
「・・・・」
「怒ってる・・・・? ・・・・ひゃっ!?」

思いっきりせっちゃんの羽根を掴んでやった。
ビクッと翼が跳ねる。
だけどお構い無しに掴んだ所を撫でたり、指先で羽根の生え際を弄くった。
409満月の魔力:2007/09/03(月) 01:09:15 ID:lC6xBC44

「この翼が気持ちよすぎるん、えいえいっ」
「わっ、ちょ・・・・くすぐった・・・・・・・・このぉ!」
「わひゃっ、羽根でくすぐるんは反則やえ!?」

先ほどまでのアダルトな時間とは裏腹に、ウチらは無邪気にじゃれ合う。
せっちゃんの敏感な翼を攻めたり、逆にその翼で攻められたりする。
今夜のような特別な日は、決まってウチが負けるんだけど。

「・・・・せっちゃん堪忍、堪忍っ」
「心配して損した!」
「せっちゃんが怒ってどうす・・・・ひゃっ、あはは!」

――せっちゃんは昔とずいぶん変わってしまった。
家柄と生まれが彼女を変えてしまった。
でもそれらさえ無くなってしまえば、せっちゃんは昔のままだった。
今夜のような日は、昔のようにこうやって昔のようにじゃれ合う事ができる。

「はぁ、はぁ・・・・ウチもう限界〜・・・・」
「あ・・・・えーと、その・・・・私はまだ足りないです・・・・」
「・・・・まだやるん・・・・?」
「こんなに積極的になれるのは、満月の日だけですから・・・・駄目?」

せっちゃんにそんな懇願するような目で言われたら、断れるはずが無い。
ウチは返事の代わりに、せっちゃんの身に体重を預けた。

「部屋に戻りますね」
「・・・・うん」
410満月の魔力:2007/09/03(月) 01:13:00 ID:lC6xBC44

せっちゃんはウチの額にキスを落とすと、そのままウチを抱き上げて空に舞い上がった。
この後はまた部屋で、熱くて濃い夜を過ごすに違いない。
満月の夜だけの、特別な・・・・。
滑るように空を飛ぶせっちゃんの腕の中で、ウチは期待に胸を躍らせていた。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『夜の散歩』『薄着』『せつこの』

途中の割り込みに笑った。
タイミング悪かったなぁ。

それと・・・・結局俺は、何が書きたかったのだろう。
きっと「せつこの」が書きたかったんだと思う・・・・。
オチがイマイチでした、すみません。
411名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 01:22:07 ID:8J2D9Ur1
久々リアル遭遇!!!
満月の魔力に本能を揺さぶられる皆様が個性的に描かれていて読みいってしまった。
刹那のワイルドさがイイ!青姦に走っちゃうとことか(笑)
ク氏のえrってイイ感じに綺麗でキてるから好き!
久々に胸を掻き毟るほど悶えました。とにかく言い表せないほどGJ!

途中の割り込みはオイラもわろた!だけど程よく励まされた。
みんなリロードしてから書き込みしようね。
412名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 01:29:23 ID:iezSq6Zi
超GJです!!
このせつもいいけどせつこのもまたまた捨てがたいなあ
せつこのっていつもヘタレ攻めの刹那だったから今回の刹那に激しく萌えた!

同じく途中n(ry
413名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 11:57:23 ID:e0AXOHGK
面白かった!設定も魅力的。
ただ、セリフの京都弁が少々気になると言えば気になる。
414名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 13:14:25 ID:S0XYi/ux
GJ!!せつこの最高!!
でも、俺もちょっとだけ方言気になったな。せっちゃんが関西弁喋ってんのか、標準語なのか
わかんなかった部分もある。
生言ってスマソ(´A`:)
415名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 13:53:09 ID:lC6xBC44
GJありがとう。
そして、わかり難くてすまん。
一応補足しておくな。

せっちゃんは京都弁を喋ってません。
逆切れしてるときに、タメ語になってるだけです。
京都弁がよかったんだけど、技量不足で混乱しそうだったので諦めました。
416名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 14:18:47 ID:lC6xBC44
すまん、間違えた。
夢現になってるとき〜逆切れの時にタメ語になってる。
素直に敬語にしておくべきだったな(><;
417名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 15:58:01 ID:1raD77kt
関西出身だから個人的に細かいところは気になるけど
ク氏が関西出身でないなら十分GJだ
418名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 17:30:16 ID:AuSyPa8s
GJ!!せつこのいいなオイ!!
まぁ自分的に細かいところあんま気にならなかったよw
419名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 17:49:38 ID:3SCC39V3
いや、感動した!DJ!!!
420名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 19:04:54 ID:j/gVwpZ/
このスレ的に、実写版のこのせつはどう思う?
421名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 19:15:23 ID:9odgyeVx
422名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 21:40:05 ID:k1RzPnYm
刹那の前にエヴァを置いてみる。
エヴァ「…最近幸せそうだな」
刹那「は、はい(あれ?前も同じことを言われたような…?)」
エヴァ「お嬢様と最近いい感じなんだろう?…来るべき日のためにきちんと準備はしているか?半端な知識ではお嬢様を満足させられないぞ」
刹那「…へ?は、え?」
エヴァ「鈍いやつだな。私が教えてやるといってるんだ。それこそ手取り足とりな…」
刹那「………はっ!?え、ちょっそれってまさか…………アッ−!!」
423名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 21:41:48 ID:k1RzPnYm
そして刹那の前に木乃香を置いてみる。
木乃香「せっちゃん…(今日こそせっちゃんの○○…奪ったるえ!)」
刹那「……覚悟はできています。どうぞお好きなものをお選びください」
木乃香「へっ?」
刹那「鎖、鞭、蝋燭。…バイブなんかもありますが。あと媚薬も」
木乃香「せ、せっちゃーん!?(泣)」
刹那「(エヴァさんが始めは泣かれるかもしれないと言っていたな…)…心配ありません、お嬢様。初めはちょっと怖いですけど、慣れると結構…」
木乃香「ア、アカンせっちゃん!!ちょお聞き!!」ガシッ
刹那「はい」
木乃香「それ、誰かに教わったん?」
刹那「はい」
木乃香「…だ、誰に?」
刹那「エヴァンジェリンさんです。私がこちら方面に疎いことを案じてくださって、ご親切にもご指導くださりました。
お嬢様もきっと喜ぶと……あれ?お嬢様どうかしましたか?…え、ちょ、どこに行…エヴァンジェリンさんのところ?なら私も行きましょう。お礼を…え?
い、いけません一人でだなんて!ちょ!!アカンて!!このちゃん待っ…早!?え、ちょほんと何でこんなに早…こ、このちゃーん!?」

もちろんこの後きちんと再教育され(ry
424名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 22:42:58 ID:NRB3pCG1
劇うけ(藁!!
425名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 23:07:29 ID:PyparMB/
陵辱で目覚めるせっちゃん(´Д`*)ハアハア

久々に濃厚なこのせつエロが読みたくなってきた
426名無しさん@秘密の花園:2007/09/03(月) 23:17:44 ID:NRB3pCG1
濃厚ってどんなヤツがご希望なの?
シチュ披露してヨ。
妄想できたらめでたく文字になるかも?
427名無しさん@秘密の花園:2007/09/04(火) 10:52:24 ID:AvqDodcp
>>423
これはせっちゃんの〇〇が奪われたでおけ?
428名無しさん@秘密の花園:2007/09/04(火) 22:22:25 ID:UyMMRjz2
おけ
このちゃんは見事に出遅れました
ただし再教育に余念はない

>>424
dクス
その反応、本望だ

>>425
せっちゃんは純粋まっしろゆえに染められやすいんだ
だがそれがいい

>>426
シチュは何でもいい
書いてくれれば狂喜乱舞する
429名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 00:13:04 ID:MJRzx1u3
藤真氏のHPにneoの表紙うpされてる。そっこー壁紙にした。
背中合わせのこのせつやっぱいいな。イメージしたSS誰か書いてー。
430名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 00:14:48 ID:l1vh6dXe
>>428
きっとガバガバになるまでエヴァに教育されたんだな
で、このちゃんに二人まとめて再教育
せっちゃんかわいそうなんだかよかったんだか………
でもこのちゃんのために〇〇をエヴァに捧げたせっちゃんはすげぇよいろんな意味で
431名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 00:38:02 ID:JE8oVxVj
>>429
うは〜ん。萌えた!!!
432前書き  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:41:22 ID:GZjKaNPA
426です。>>422-423,430 を題材にしてみました。

>>425、428
濃厚かどうかわからんけど,久しぶりにエロ書いてみた。また感想聞かせて。

めもめも

この×せつ  
一応ハードエッチのつもり。
雰囲気はダークっぽくなったけど。
ジャンルは何に分類されるのかわからん。
4331/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:42:31 ID:GZjKaNPA
「せっちゃん……うちなこんな魔法も使えるようになったんよ?」

お嬢さまは,にこやかに微笑んで練習用のステッキを振った。
私にはその微笑に,普段の優しさを感じることが出来なかった。

時を遡ること少し前,私はエヴァンジェリンさんの言葉に唆され,取り返しのつかないことをしでかした。
そのときは,お嬢さまのためという言葉を信じ,恥かしさに耐え,エヴァンジェリンさんの修行?を受け入れた。
来るべき日のために…。
しかし,そのために備えた経験だったのに…。お嬢さまもきっとお喜びになると思っていたのに…。全ては逆効果だった。

お嬢さまが詠唱をはじめ,くるっとステッキを振る。
瞬間,旋風が巻き起こり,私の体はその風に押され,ベットに座りこんでしまった。
慌てて立とうとしたときには,もう手足をシーツに絡めとられ,身動きの取れない状態だった。

「せっちゃんでも逃げられないやろ?」

ふふっと嬉しそうにお嬢さまは言う。その瞳には、私を抑えこんだ優越感が見え隠れしていた。

「えいっ!風花 武装解除(フランス・エクサルマティオー)!!」

ステッキの動きと共に,私の衣服はぼろぼろに見るも無残に引き裂かれてしまった。

「ちょっ!お嬢さま,使い方が違いますっ!」

私は必死に抵抗をして見せるが,お嬢さまにはなんの効果も無かった。
私の顎をしゃくりあげ,捕らえた獲物を品定めするかのようにじっくりと舐めるように見詰められた。

「……うちな…せっちゃんに早よ見せたくてな…。」
4342/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:43:27 ID:GZjKaNPA
艶やかに濡れた唇は私のそれを塞ぐ。柔らかく暖かい感触が私の脳を刺激する。
いつからだったか…,もう何度も繰り返された行為。はじめの頃は気持ちを確かめ合う行為だった。
けれど,あの日以来,キスはそれ以降の行為の合図になった。
お嬢さまとの愛を確かめ合う大切な行為は,エヴァンジェリンさんの介入によって,快楽を貪り合うためのただの行為に成り下がった。そして,私の体に刻み込まれた隷従の快楽はお嬢さまを次第に支配の虜にしていった。

「うぐっ……んんん……ぁ…。」

乱暴に挿しこまれるお嬢さまの舌と,容赦無く流し込まれる唾液。私が喉を鳴らして飲み下すまで,決して開放されることは無い。
口腔内を犯される様は,これから始まる快楽の儀式に私を酔わすための媚薬に相違ない。

「……ぁは…はぁはぁ…っぁ……。」

荒い息をつく私を見下ろし,お嬢様は愉しそうに目を細め,次の行為に移っていく。
私の敏感な箇所に唇を這わせ,軽く歯を立てていく。
敏感になった肌に走る噛まれた刺激は,何にも変えられないほど気持ち良かった。

「ふぁ…ぁんっ……あふぅ…ん。」

抑えられない嬌声と,全身を走る刺激によって,私の体の奥の方で本能を揺さぶる疼きが生まれてきていた。

「そや……せっちゃんもできるんやったな…。」

そう言うとお嬢様は指先に小さい炎を灯して言った。昔,お嬢様が見習い魔法使いとして練習していた頃を思い出す。
「うちもできるようになったえ」と微笑んで,その炎を私の肌に近付けた。じりじりと,炎に炙られる感覚を感じる。
火傷こそいないが,その熱さはじりじりと私の肌と神経を焦がした。

「熱いの…嫌?」

小首を傾げ,お嬢様は私に尋ねられる。けれど何を答えられるというのだ。
私はこの炎の刺激すらもその身に快楽を感じ取っているのに…。
4353/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:44:22 ID:GZjKaNPA
「…はぁ……いっそのこと…焼いて…ください。貴方の炎に焦がされてしまいたい…。」
「…さすがせっちゃんや。」

満足げに私の返事を受け取ると,炎の灯った指先で,私の乳首を摘んだ。
炎は一瞬で消え去り,酷い火傷になることは無かった。しかし,じりじりとした焦燥感が私の胸の先端に沸き起こったのを感じた。
じっくりとそこへお嬢様は舌先を伸ばし弄る。ちりちりとした刺激が,舐められる感触に混じって私の神経に到達した。
敏感に尖ったそこは,お嬢様に与えられる刺激を受けて,更に大きく膨らんだかのように赤く腫れていた。

「気持ちええの?」

そう言うと,お嬢様は乳首を口にくわえたまま,私の秘所に手を伸ばされた。
下着の上から指先で触れられる。そこはもう十分湿っていて,くちゅくちゅと音が聞こえそうなほどだった。
くすっと笑うとお嬢様は,またステッキを振る。
すると私を脚を固定していた布達は、私の両足を大きく広げるように変化し,再び固定する。
大きく股を開いた状態で,私はお嬢様の眼前に羞恥の泉を晒す格好となった。

「もうぐちょぐちょや…,どうしような?」
「どうって……。」

選ぶ余地は無い。もうそこは次の刺激が欲しくて欲しくてひくついているのだから。
意地悪く指で弄ってお嬢様は言う。

「エヴァちゃんに調教されたせっちゃんは,うちの指じゃ物足りんのやろ?中で感じるようになったせっちゃんの体じゃ,女の子同士のエッチは無理とちゃう?」
「そんなっ…,私は…私はお嬢様だけですっ!」
「じゃあ,なんでエヴァちゃんと…。」
「それは……。」

今更「貴方のためです。」なんて言っても通用しないのはわかっている。これも何度も繰り返された問答。
しかし,あの時はお嬢様のためだと信じていた。こんなことになるなんて夢にも思わなくて。

「……触って下さい…。もう…我慢できないんです。」
4364/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:45:02 ID:GZjKaNPA
疼く体に抗えなくて,お嬢様に懇願する。でもそれだけでは,相手にしてもらえない。
どうすればお嬢様を満足させてさし上げられるのか。私はいつも頭を悩ませた。

「…淫乱やね…。せっちゃん,乱れた姿も綺麗…。」
「お嬢様が欲しいんです。」
「下着が濡れて透けとるよ…せっちゃんのここパクパクしとるえ。」
「……お嬢様…お願いです…。」

妖艶に微笑むお嬢様は私の濡れたそこに足の指を押し付けた。お嬢様の足先は器用に私のそこを弄っていく。
待ち焦がれた快感と,物足りない繊細さが入り乱れて,私の胸を掻き乱した。煽られる欲求が体の中を駆け巡っていく。

「脚でもいいんや。せっちゃんのここ。」
「ひっ,ひゃ…ぁあぁぁ……あぁっああふぅ…。いや…。」
「なんて?」
「……いや…です……。こんなんじゃ……あふぅ…。」
「気持ち良さそうやけど?」
「あ…あふぅ…た……足りない……あ…ぁんぁ…ああっ!」
「はぁ……わがままやなぁ,せっちゃんは…。」

そう言うとお嬢様は私のもう役に立たない下着を剥ぎ取り,敏感な秘芯を剥き出しにする。
軽くつねるような動作と,柔らかい舌先による責めが私の体を襲った。
直接的な刺激に耐えられるはずも無く,あっさり頂点を迎えた。荒い息をつくが,お嬢様の責めが留まることは無い。
何度も何度もその刺激を与えつづけ,私の呂律が回らなくなるまで何度でもイかせ続けた。

「はぁ……ぁ…はぁはぁ…ぁん…ぃい……。」
「ほな,本番いっとこか?」

お嬢様の手には,グロテスクな形をしたバイブが用意されていた。そのくねり具合を愉しそうに見詰め,妖艶な表情でお嬢様はそれに舌を這わせていた。

「中で感じるせっちゃんにはこれが1番やないの?」
「はぅ…え?」
4375/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:46:18 ID:GZjKaNPA
もう私のことなんかお構いなしで,ひたすら責めつづけてくるお嬢様。これは私への罰なんだろうか?
でも,仕込まれてしまった私の体はそれすらも快感の一部として受け入れてしまう。
そんな私にお嬢様は,更にサディスト的な要素を育まれていく。
日常生活は何も代わることは無いのに,私とお嬢様の関係はだんだん深みに嵌っていった。

「うぁ……あぁぁぁあああっぃいいあ……んんんんっ!」
「すごっ。一杯,潮吹いたえ。この角度がええんかな?」
「だめぇぇぇぇ…あぁあ…いぃぃっ……あぁんぁ……。」

幼い頃のお嬢様と今のお嬢様ときっと何も変っていない。変ってしまったのは私のほう…。あの時道を誤ったために。

「……乱れて…せっちゃん……大好き。」
「ふぁぁぁ……お……お嬢様……。」

戻れるなら戻りたいのだろうか…。あの分岐点へ。いや……きっと今の方がいいのかもしれない。
素直にお嬢様を感じ,お嬢様のありのままを受け入れ,今までよりももっと身近に感じられるようになった。
お嬢様の存在を…護衛としてではなく…。

ほとんど意識が途切れかかっている状態でぼんやりと思う。オルガズムを迎えて,意識が朦朧としている中で耳に聞こえたのはお嬢様の声。

「…うちのせっちゃん…もう誰にも渡さん……。」
「エヴァちゃんがはじめてなんて…許せへん…。けど…」
「せっちゃんはうちのもんや……うちだけの……。」

自由の利かない四肢をもどかしく思いながら,一言だけ告げる。

「私は………お嬢様のものです……。」

嫉妬心をぶつけてくるお嬢さま…,支配欲を満たすお嬢さま…,不器用な愛情を見せてくれるお嬢さま…。
エヴァンジェリンさんにはやはり感謝しなければいけない。今の関係が歪だと誰が言えよう。私はお嬢様といて幸せだ。

二人を結ぶ絆が,赤い糸から鎖に変っても私はお嬢様といて幸せだ。遠のく意識の彼方で私はそう感じていた。
438終わり  ◆yuri0euJXw :2007/09/05(水) 02:47:52 ID:GZjKaNPA
終わりでーす。お目汚し失礼しました。
即興なので,誤字脱字があるやも知れません。
そのときは,さりげなく指摘してください。とは言っても訂正できませんが。
439名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 06:34:20 ID:kZYWj+37
GJです、個人的にはかなりツボ。
ダークこのせつかなり好きだ。
440名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 20:03:25 ID:y81FsHtj
GJ!
乱れまくってドンドン堕ちていくせっちゃん(´Д`*)ハアハア
SMとかアブノーマルなとこもあって良かった。
441名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 21:19:07 ID:lKvTa2Df
さすがエロ職人、GJ!
仕事が早いのぉ。
442:2007/09/05(水) 23:31:46 ID:NiouQLPA
貴女の色は何色だろう?

あの人は赤、あの人は青。

貴女は一体何色なのですか?

でも、貴女が何色でも関係ないです。

私の色は決まっていますし。

貴女が赤なら、私も赤です。

貴女が青なら、私も青です。

貴女が白なら、私も白でいられるでしょう。

貴女が黒なら、私も黒で在るでしょう。

私は貴女と同じ色。

だって私は 貴女色に 染められましたから。

ね?お嬢様。
443名無しさん@秘密の花園:2007/09/05(水) 23:37:43 ID:NiouQLPA
スマソ(´A`)
またもや思いついたので投下。
444名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 00:34:33 ID:v9qIkpCG
最近はこの手の流れできてるね。DJ!
オイラの駄文のダーク臭が程よく中和されて良かった。
余談だが,待ちに待ってたこのせつQUOカードが今日届いていた。(・∀・)イイ!!
445名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 00:40:59 ID:nmokxv6S
このちゃんに染められるせっちゃん(・∀・)イイ!
職人が覚醒してきて良い感じだ。
この調子で頼むぜ。
446名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 07:34:09 ID:GeJp6sXR
                 ,. -、
            _.,,/-....._ヽ
         ,.-=7..:.:.:.:,:lー、::ヽ...、
         〃 /:::/:/lj`_ `;:::l`、.、
         //  ク:l(::フ  l:.::j l::::l  l i
       ,' ;'  ゝl −`l =L):!  .! l   恥ずかしいセリフ、禁止っ
       i l     (\..|_」、-,'ニ、   l .!
      ,! l  _,/_ゝ. \/  .}   l l
.     l ,!   (/  _,>、 ´ヽ /    l l
       l l   ゝ-l} /l 丶ノ-' {.    l l
       l l   (´lj/|、ヽ|| _j   l l
      l l    `| | .|ゝ'´「´    l .!
.       ! l     j j. |  丶   ,! l
447名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 17:25:32 ID:xSM+2bBI
あれなんだよね…
投下してみたいけど皆さんがあまりにGJな作品を
バンバン投下するからなんか書けない!!

初書きはいつになるのやら…

書いてもいないのにリクエストしちゃいまぁす。

このちゃんの浮気ネタみたい!!
切なめな黒めでww
大人になった木乃香と刹那のがみたいっす。

願望ばっかの希望ばっかのリクばっかでスマソ。
448名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 22:49:06 ID:Kfdy4xwB
>>447
断片的なシーンは浮かんだけどこのリクはムズいって(>_<)

しばらく忙しいからなかなか書けんけど書けたら考えてみるぜぃ。流石に今回はタイムリーとはいかなかったな…。

ついでに言うと、初SS書いてごらんよ。この板の住人は良い奴ばかりさ。このせつをこよなく愛する仲間ジャマイカ。思い切ってみるのも大事だぞ。

…べ、別に楽しみになんてしてないんだからね。
449名無しさん@秘密の花園:2007/09/06(木) 23:10:06 ID:1YZBIBQe
>>447
448のいう通りだ!ここにいる皆はこのせつが好きでここにいるんだ。
だから思い切って書いてみることをお勧めするぞ。

べっつに…、楽しみになんか、し、してなんだからっ!
450名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 01:24:35 ID:RLP43G5z
またツンデレな流れですか
お前ら好きだなぁw

べ、別に私はす…っ好きじゃないんだからねっ!!
451名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 19:44:06 ID:L2EIlug9
なんかせっちゃんがこのちゃんにおしりフリフリしちゃうのって興奮するな
452名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 20:22:24 ID:AepFFczR
453名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 20:27:28 ID:inN9VVb+
刹那ぶろぐ
454名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 22:28:53 ID:MLEWTpxT
バイブネタでエロ書いてくださる職人さんいませんか?
シチュは
・木乃香お嬢様に今日一日バイブを入れているよう言われるせっちゃん
・リモコン式で授業中とかに色々悪戯される
・最後は放課後に部屋で・・・
・お嬢様はダークで可、むしろお願いします。orz

455名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 23:04:40 ID:kXaFe+tO
>>454
You書いちゃいなyo!!
……こほん。つーかそこまでネタが色々浮かんでるなら自力で何とかできないかな?
ネタを出した本人が一番イメージに沿って書けるんじゃね?とか思うんだぜ!!
456名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 23:13:33 ID:Z6dJNz3z
ずいぶん鬼畜木乃香だなw シチュをみただけでドキドキしてしまうぜw
457名無しさん@秘密の花園:2007/09/07(金) 23:15:46 ID:vJnBcZ4l
>>454
密かに妄想してしまった…。うほっ!447といいエロイしチュな妄想ネタだな。
455が言うのも最もな感じもし。自分の妄想も書きたいという気もし…(忙しいのでしばらくお預けorz)

つうわけでオイラも455の意見に便乗!結構いけると思うぜ?

だっ、だから書いてみなさいって言ってんのよっ!
べ、別にアンタのSSが読みたいって訳じゃなくて,
そう,この板でSS待ち望んでるみんなのためよっ。
私が読みたいなんて一言も言ってないわよ?
ソコんとこ分かってんでしょうね?

ツンデレ〆
458序  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:17:34 ID:Iv7PnejA
>>451-452
キちまったじゃねーか。イラストGJ!そんでもって煽られた妄想落とすぜ。
即興だからちと日本語変かも。だがしかし,今に始まったことではない!

このせつ,ハードエッチ(のつもり),アナル攻め。
危険エリアの人は退避してください。
4591/4  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:18:42 ID:Iv7PnejA
「お嬢……さま……こんなの……止めて……許して……。」

か細い声で刹那は言う。

「またそんなこと言うて。ワンちゃんは嬉しいときにしっぽ振るんやで?」

にっこりと木乃香は微笑みながら,刹那のしっぽに手を伸ばした。………ん……しっぽ?

「そんなっ…お嬢さまがどうしてもってっ……。」
「学園祭で病み付きになってもうたんやない?せっちゃんからコスプレしてくれるんなんてな。」

ひらひらとしたコスプレ用のメイド服に犬耳をつけ,本当の犬の様に刹那は伏せのポーズを取っている。ス
カートの下からはフサフサとした可愛らしいしっぽが生えていた。
そのしっぽはくねくねと刹那が身を震わすのに合わせて揺れていた。

木乃香は,刹那の顎に手を伸ばし,その喉元を可愛がるように撫でた。

「ふぁ……。」
「まんざらでもないんやん?」
「っ………。」

伏せの格好から高く掲げられた刹那のお尻。
まだ,見えそうで見えない長さのスカートの裾に隠れている。
しかし,大きなフサフサのしっぽはその中から伸びていてもう少し大胆に動けばきっと顕にめくりあがってしまうに違いない。

木乃香は,しっぽの根元に手を添え,ゆっくりと動かした。

「あぁぁあ……んんぁ…ん。」

じわじわと刹那の下着のクロッチの部分が湿っていくのがわかった。
4602/4  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:19:30 ID:Iv7PnejA
「好きなんやから……もう。」
「ちがっ,こんなの知らなくて…ふぁ……あぅ…んんぁん……。」

木乃香がしっぽを動かすたびに,刹那は大きく体を揺らして,嬌声を上げていく。

「こんなにお尻振り振りして…うち……興奮してまうよ?」
「いやっ……こんなの,いやぁ……。」
「ぷぅ……。そんなに嫌なら,もう止めてあげる。」

そう言って,木乃香は愉しそうに動かしていた手を止めた。
まさか,止めるとは思っていなかった刹那は,驚きの表情で木乃香を見詰める。

「さ,せっちゃんの好きにしたらええよ。」

熱っぽい視線を残す刹那をよそに,木乃香は本を片手に読書をはじめた。

「お…お嬢さま?」
「……ん……なに?」
「………………いえ…。」

刹那に無関心な木乃香に寂しさを覚えるも,ほっとした表情を見せた。刹那は着替えようと姿勢を戻す。
しかし,自分の体の中に妙な振動を感じた。徐々にそれは強くなっていく。
刹那は腰に力が入らず,身を起して座ったまま,木乃香の方を見遣る。
無関心を装っていた木乃香は何時の間にか刹那を見詰め,その手にはリモコンらしき小型の道具が手にされていた。

「……それな…リモコンで動くんや。」

その言葉と同じに,緩急をつけた振動が刹那を襲った。
その刺激に座っていることもままならず,再び刹那は前のめりに体を倒した。
堅く目をつぶり,刹那は必死にその刺激に耐えた。
4613/4  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:20:26 ID:Iv7PnejA
それでも零れ落ちる,熱い溜息とわずかな嬌声。
明らかにその振動は刹那の快楽を呼び起こしていた。

「うちの見立て……悪くないみたいやね。」
「………ふぇ?」
「しっぽ型リモコンアナルバイブなんよそれ。」

どうやってせっちゃんにつけようかよう考えたえ,と木乃香はにこやかに微笑んで見せた。
緩やかな振動から,激しい振動まで,いくつも連なったビーズが刹那の中でくねり,内壁を抉っていく。
次第に高まっていく快感が刹那を追い詰めていく。

「せっちゃん…お尻でイくん?」
「はぁ…無理ですっ……そんぁ……。」

もう耐えられないと刹那は木乃香に熱い視線を送る。しかし,一向に木乃香に反応する気配は無い。
高まる快感をなんとか避けようと,体をくねらす。しかし,その動きは刹那には逆効果だった。

「エッチやね。そんなにお尻くねらせて。しっぽが嬉しそうに揺れてるえ?」
「ぁ…っぁぁ…ぁあ……あぁ………お…嬢様ぁっ……。」
「ワンちゃんは喜びを表すのにしっぽ振るんやよ?」
「はいっ…私はっ,お嬢様にお尻を弄られて…よ…喜んでますっ……だから…もぅ…。」

目に涙を浮かべて,刹那は必死に懇願する。体中を襲う快楽の熱をどうにか放出してしまいたかった。

「どうして欲しいん?」
「私の…ここ…触って…イかせて…くださいっ。」
「手…開いてるやんか。自分でしたらええやん。」
「やっ…やだっ…一人でなんて…。お嬢様と……このちゃんと…一緒がいいっ……。してっ…してくださっ。」

その言葉を聞くと,木乃香は刹那のお尻を高く持ち上げ,ぐいっと下着をずらした。露出した秘裂に舌を這わせ,たっぷりと潤った愛液を舐め取る。そしてすっかり尖って自己主張をはじめた刹那の秘芯に舌を伸ばした。
4624/4  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:21:35 ID:Iv7PnejA
「ひゃっ…も…だめぇ…いく…イってまう!!」
「もっと……乱れて…。」

赤く充血した秘芯に木乃香は勢い良く吸い上げた。

「ひゃぁぁぁあぁぁ…ぁぁんなぁっぁあぁあっぁ…。」

甲高い嬌声の次に来るのは,強烈な脱力感。激しく呼吸を繰り返し,刹那は果てた後の余韻に浸っていた。
木乃香はスイッチを止め,ゆっくりと刹那の中からしっぽを抜き取る。
一つづつ,ぽこんぽこんと音が聞こえそうなくらいすぼまったそこから排出されるビーズ。
その刺激に合わせて,刹那の体もびくんと跳ねていた。

「もう。お嬢様酷いです。あんな……。」
「気持ち……良かったやろ?」
「////…………。」

刹那は俯いて,恥かしさで赤くなった顔を隠す。しかしその手は木乃香をしっかりと捉えていた。

「また………してあげるね。」
「Σえっ?!もう…けっ…結構ですっ!!」

うちの大事なわんちゃん,大好き。
刹那の泣きながら懇願してくる姿に,病み付きになってしまった木乃香を刹那はまだ知らない。
わがままなお姫様に苦労の耐えない刹那であった。
463終  ◆yuri0euJXw :2007/09/08(土) 10:22:34 ID:Iv7PnejA
お目汚し失礼しました。さて,仕事,仕事……。
464名無しさん@秘密の花園:2007/09/08(土) 14:49:53 ID:tQ5Z4Mhe
GJ!鼻血が出ちまったぜ。やっぱせっちゃんはわん娘(こ)だよなー。
ってか>>463さん、IDが……w
465名無しさん@秘密の花園:2007/09/08(土) 16:26:31 ID:Z9hQs1zO
>>464
トリだろ?
狙ってんだと思ってたけど違うの?
偶然だったら神
466名無しさん@秘密の花園:2007/09/08(土) 16:47:47 ID:t6TgXeMS
これはGJ
また書いてほしいわ。
467名無しさん@秘密の花園:2007/09/08(土) 16:56:32 ID:FrDRJLBZ
うはっw絵がSSになってるww
しっぽ付アナルバイブて。本当にあったら素敵だね。
468名無しさん@秘密の花園:2007/09/09(日) 22:29:28 ID:QbFxBEVk
残暑見舞いに木乃香描こうと思ったんだが、構図と背景決めたら何故かストーリーが思い浮かんで
じゃあ漫画にするかなと安易に考えたが全くの素人には無理だったw

しかし思い浮かんだストーリーをSSにすることもできずこのスレの職人は改めてスゴいなと。
469名無しさん@秘密の花園:2007/09/09(日) 22:48:57 ID:VVLANURI
思い浮かんだシチュを箇条書きなどにして落とすのもありなのでは?
ク氏に届けられた例のGJな設定のように。
何にせよその喜びを共有させてほしいぞ。
なんてな♪
470名無しさん@秘密の花園:2007/09/09(日) 23:40:44 ID:QbFxBEVk
箇条書きでもいいのかな。でも絵で浮かんでるから難しいかも…

とりあえず帰ったら文字にしてみますわ。せっかくだしな
471名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 00:02:08 ID:aNS/xQVE
<<470 ヨロ!ガンガレ!

もっと言うとイラストキボン!!だゾ?

忙しさのあまり,このせつに飢えてる。
誰か〜このせつ分を補充して〜。鼻血でも萌えでも良いから〜。
472名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 00:06:54 ID:RrB04ylp
絵がね、描くには描くけど画力無さ過ぎて叩かれるのが怖い・・・
473名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 00:35:25 ID:RZzv+TvC
俺初代スレから居るけど投下されたイラストが叩かれたことなんて一度もないと思う。
イラストなんて上手く描けない人が大半なんだぜ?気にせず投下してくれ!

作者の愛が感じられれば上手い下手なんてオマケみたいなもんだぜ。
474名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 01:28:02 ID:djiEB0QX
470だけどマジ箇条書きなんだよね…作品未満なんだけどいいのかな(´・ω・`;)
いちおう投下するけどIDNGを推奨しておく…
475名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 01:29:26 ID:djiEB0QX
(窓の風鈴)リーン……

声「I wish I were a bird...」

部屋で夏休みの宿題をしている二人。

木「あーこれは仮定法やね。このくらいの簡単のなら
  私立の入試では出るみたいやで」
刹「はぁ……そうなんですか」
木「昔、何かのCMで見たことあらへん?
  こないな風に女の子が防波堤の上歩くねん」
(木乃香、窓の柵の上に乗ってブーン⊂二二二( ^ω^)二⊃)

刹「お、お嬢様! 危ないですからおやめください」
木「ふふ、せっちゃんここ1階やで?」
(窓枠に座る)

木(外を見ながら)「それにしても、もう夏も終わりやな……」
刹「そうですね。夕方の風も大分涼しくなってきたようです」

(窓の外から)カナカナカナカナ……

木「すごい夕焼け、やな……」
(木乃香の頬を涙が伝う)
刹「このちゃ、お嬢様っ?!」(立つ)
476名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 01:32:31 ID:djiEB0QX
木「ご、ごめんな。なんや急に……」(涙をぬぐう)
木(照れ笑い)「えへ、急になんやすごい寂しなってもうて……
  なんで夏の終わりて 寂しくなるんやろな」

刹(心臓の音)
刹(動揺して何か言わなきゃ!って勢いで)
刹「あっ、あの!」
木「ん?」(←ここの窓枠にもたれてる木乃香が描きたかったの)
刹「あの……私がいますから
  これからはずっと、私が一緒に居ますから!」

木(驚き顔)
木(照れ笑い)「あ、あはは
 そうやな、せっちゃんが居てくれてはるのに
 ウチ、寂しいやなんて……」

木(歩いて言って軽くくっつく)
木(俯きながら)「堪忍な?でも、うれしいえ……」
刹「お、お嬢様、あの」
木「ずっと、ずっと一緒にいてくれる?」
刹「あ、あなたが望むなら」

木(顔を上げて)「あんな……ウチ、おかしいねん
  せっちゃんのこと考えるとどきどきして……ホラ」
木(刹那の手を取って自分の胸に当てる)
刹「あっ?!」
木「だめ……?」
刹「あ、う……?」(木乃香に寄りかかる)
木「ひゃっ?!」
477名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 01:35:31 ID:djiEB0QX
刹(失神しちゃいました)
木「せっちゃん……ごめんな」

(もう夜)
(座って刹那を抱きしめてる木乃香。うちわで扇ぐ)
木「せっちゃん……あのあと何て言おうとしたん?」
木「せっちゃんがいなくなったら、ウチ……」
(心配顔で顔寄せる(キス?)→怒り顔で止まる→泣きそうな顔で引く→俯いて前髪で見えない)

刹「このちゃん……」
木「えっ?!」(顔上げる)
刹(寝言でした)

木(真顔)「...I wish I were a bird」
木(笑う)
「せっちゃんがどこかに飛んでいってもうても」
「もう、今までのウチやない」
「飛んでいって追いかけるよ」

(デコにキス)

「大好きやで、せっちゃん」

(了)
478名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 01:43:13 ID:djiEB0QX
もうなんか自分の妄想ビジョンを無理矢理文にしたので他人に伝わるのかどうかorz
念写できればいいのになと思うこの頃です。しかも無駄に長くて暗くてゴメン;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
479名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 02:06:44 ID:IgWjcjf6
リアル投下でみた、いいシチュ(´Д`;)GJ!
時間かかってもいいから、絵になる事を望みます・・・・。
480名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 02:09:55 ID:aNS/xQVE
うはっ!!なんか異常に萌えた…v(^o^)v

ある意味臨場感あってよかったよ!
このせつスキーならこれは間違いなくキタって。
やっぱこういう関係がこのせつの醍醐味だなぁ。
いいぞ!GJだ!かなり萌えた。起きててよかったなぁ。
481名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 04:04:52 ID:RZzv+TvC
ここまでピュアなこのせつは久しぶりだな…忘れていた何かを思い出したよw
このせつ萌えを思い出させてくれてGJ! そして漫画にしてくれ頼む!w
482名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 14:55:49 ID:RL+6Sdd/
GJ!!
483名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 17:34:32 ID:VdCD6cq6
なんかいろいろグダグダなんだが投稿しても良いだろうか…?
とてつもなく短いのだが
484名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 18:43:20 ID:lNDT1fgr
グダグだで長いのは読みがたいが
短いのならドンと来い!
485名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 18:47:33 ID:27BXoZPr
では投稿。





「せっちゃんは今幸せなん?」

木乃香と刹那は今学校のカフェにいる。向かい合っていろいろな話をするのが2人の日課だ。
いつも付き合ってくれてありがとうな?いつだったか木乃香がそう言ったとき、刹那は穏やかに答えた。お嬢様が望むのなら、私は何だって致しますよ。
自分で訊いたことなのだが、木乃香は少し後悔した。別に悪い質問ではないのだろうが、なんとなく刹那の答えを聞くのが躊躇われたのだ。
刹那が何か言おうと唇を少し動かしたので、木乃香はじっと刹那が喋るのを待つ。

「…正直、私にはどんな状態が『幸せ』と言えるのかがよく分かりません」
「分から…んの?」
「はい。…不幸自慢をするわけではありませんが、幼少時代はそれなりに大変でしたし、この学園に入学してからも、護衛の仕事と剣の修行でいっぱいいっぱいでしたから」
「そうなん…」

なんとなく見えていた答えだった。思えば、自分を護ることに徹底していた刹那が幸せを感じられるほどの余裕があっただろうか。
木乃香はなんとなく自己嫌悪に陥ってしまう。と、不意に冷たい熱を持つ手が木乃香の頬に触れた。
木乃香が驚いて顔を上げると、優しく微笑んでいる刹那の顔がある。
486名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 18:50:40 ID:27BXoZPr
「せっちゃん…?」
「ですが」

それはさっきまでの無感情な口調ではなく、どこか穏やかさを感じらる口調だった。

「こういう時間がずっと続いていたら、と願った時期はあります。昔、貴女と一緒に過ごしていた時です」
「え…」
「そしてそのときの感覚が幸せと呼べるものなら、」

一度言葉を切り、木乃香に向かって笑いかけた。













私はきっと今、あの時以上に幸せなのでしょうね。



情景描写に乏しいわなんかせっちゃんが余裕かましてるわでゴメン
せっちゃんみたいな子って、自分が幸せでもその感覚がよく分からないような
感じだと思うんだ…もしくは幸せすぎて不安になりやすいタイプ。
487名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 19:21:41 ID:lNDT1fgr
初々しくてよかった

1行が長いところがあるけど、改行して短い文を並べたほうがテンポ良く読みやすいかな。
488名無しさん@秘密の花園:2007/09/10(月) 22:52:43 ID:RL+6Sdd/
クソよかったと思います
次の作品とか期待していいでしょうか?できれば長いn
489名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 00:20:09 ID:Jj6SyQy2
>>487
感想と改行アドバイスありがとう!次から気を付けてみよう

>>488
ありがとう。長いの…上手くまとめられないかもしれんが、書いてみます
490478:2007/09/11(火) 00:25:16 ID:oIZdCLvL
亀だがおまいらの懐の深さに心から感謝(´;ω;`)
漫画は難しいけど励ましてもらったので頑張ってみます!

文章で情景とか表情とか心情を描ける職人諸氏はやっぱりスゲーわ。

>>486
GJ!次のも待ってるぜw
491名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 00:33:28 ID:fd/MCBD/
一度間違って、書きかけのSS消去した・・・・。
悲しい・・・・。
書き直しバージョンを投下するが、消してしまったのよりは質劣る・・・・すまない;
492隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:34:38 ID:fd/MCBD/

「あの、アスナさん。お嬢様は・・・・」
「あー、今日も委員会と部活だってさ〜。私はバイトあるから、もう行くね!」
「そうですか、わかりました・・・・」

(お嬢様の予定までわからなくなってきている・・・・これはまずい・・・・)

刹那はがっくりと肩を落とした。
最近どうも、木乃香とすれ違いが多くなっている。
今日みたいに刹那がフリーの時には木乃香が忙しく、木乃香がフリーの時には刹那が忙しいのだ。

「桜咲さん、あそぼー!」
「え・・・・?」
「ダメですか〜?」

諦めて帰ろうとした刹那に、鳴滝双子が話しかけた。
刹那も鳴滝も、まだまだ遊び盛りの中学生。
昼休みや放課後といった時間、部活がない人はこうやって同じように暇な人を誘う。
修学旅行でクラスメイトと馴染んだ刹那も、こうやって誘いを受けるようになっていた。

「今日は部活もありませんが・・・・」
「なら決定だね! 一人追加〜!」
「・・・・?」

一人追加、と言う事は団体で遊ぶのだろうかと刹那は考える。
といえばバスケやバレー、ドッヂボールといった遊戯が普通だ。
しかし鳴滝の周りには・・・・というか、教室にはほとんど人はいなかった。

「他の皆さんは、もうグラウンドに?」
「ううん、学校のどこかにいるよ」
「・・・・どこか?」
「はい、今日は隠れ鬼なんです〜」
493隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:36:35 ID:fd/MCBD/

隠れ鬼とは、かくれんぼと鬼ごっこを合わせたもの。
鬼以外の人は広大な敷地の中で鬼から隠れる。
そして万が一見つかっても、逃げる事ができる。
特に場所が"校舎"ならば、隠れる場所が多いので体力はあまりいらない。
逆に体力に自信があるならば、屋外にいて逃げ切れば良い。

「そ、そうなんですか・・・・鬼は誰なんですか?」
「今は桜子だよ、でも教えるのは最初だけだからね」
「鬼が入れ替わったら、私たちがメールで『鬼が変わった』ってメールしますー」
「だから捕まったらメールするんだぞ。あ、それと今日は3-Aしか参加してないから」

それは主催者である鳴滝双子以外は、リアルタイムで鬼を知る事はできないという事。
逃げる側が鬼を把握するには、誰かが捕まったところを見るか、鬼が誰かを探る洞察力を駆使するしかない。
となれば・・・・手ごわい相手を敵にまわしたくなければ、一緒に行動した方が得策だろう。

「あ、嘘つくのは絶対にダメだからね?」
「あとで集合するですから、ルール違反が発覚したら罰ゲームです〜」
「は、はい・・・・わかりました」
「じゃ、最終予鈴がなったら寮の玄関に集まってねー!」

鳴滝双子はルールだけを言い残して去っていった。
参加メンバーが誰かも伝えずに。
この様子だと、今日暇な3-Aの生徒は全員誘われているのだろう。

(・・・・3-Aが相手だと、油断できないな。下手な修行よりも疲れそうだ・・・・)

ルール違反が罰ゲームだと言っていた。
しかしこのクラスの事・・・・最後まで鬼であれば、その人にも何かが待っているに違いない。

(はぁ・・・・まぁ暇つぶしにはなるか・・・・)
494隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:38:02 ID:fd/MCBD/

刹那はため息をつきながら、教室を後にした。

*

刹那が教室を離れてから一番最初、"不参加者"を装った桜子が近づいてきた。

「刹那さーん、こんにちはー!」
「え、あ、はい・・・・」
「ちょっと手相を拝見・・・・って逃げたー!」
「す、すみませんー!」

もちろん情報を得ていた刹那は、桜子から逃げる。
さすがに一般人である桜子は刹那には敵わず、刹那は無事逃げ切る事ができた。

「とりあえずどこかに隠れるか・・・・」

桜子から逃げ切った刹那は隠れるために、屋上へと向かう。
ちょうどそこには誰もおらず、刹那はしばらくそこに身を隠した。
・・・・が。

「お! ここにいるって事は、刹那さんも参加者だにゃー!?」
「・・・・あっ・・・・!」
「まてー! ・・・・って、飛び降りた!?」

桜子に捕まったであろう裕奈に見つかってしまった。
屋上は入り口が一つなので、袋の鼠となってしまう。
しかし刹那はとっさに、プロの身のこなしで屋上から飛び降りた。
495隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:39:21 ID:fd/MCBD/

「あっ・・・・しまった、つい・・・・!」
「くー、さすが刹那さんだなぁ・・・・くやしー!」
「・・・・納得するのか・・・・さすが3-A・・・・」

一般人から常識外れな逃走をしてしまった刹那だったが、どうやらこのクラスはそういった常識に欠けてるらしい。
刹那はほっと一息ついて、急ぎ足でその場から非難した。

*

(下手に隠れるより、見通しが良い所にいたほうがよさそうだ・・・・)

刹那がそう判断して休憩所に来てから、10分ぐらい経つ。
その間、刹那の携帯には数分単位で鬼変更のメールが届いていた。
どうやらどこかで激戦が行われてるらしい。
スリルを楽しむクラスメイトならその場に向かうだろうが、あまりそういった事に積極的でない刹那はその場に留まった。

「・・・・お前も参加者か?」
「っ!? 龍宮か・・・・」
「あぁ・・・・」

気がつくと、刹那の背後には龍宮がいた。
ジリッと刹那は身構える。
しかし身構えているのは、相手の龍宮もそうだった。
しばらく睨み合った後・・・・二人同時に力を抜いた。

「ふふ・・・・この私が捕まるとでも?」
「それは私だって同じだ。・・・・楓やクーならまだしも」
「私としては、お前がこんな事に参加する事が意外だ。ずいぶんと丸くなったものだな、刹那?」
「・・・・お互い様だろ」
496隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:41:15 ID:fd/MCBD/

龍宮は、休憩所のベンチに腰掛ける。
刹那も同じベンチに腰掛けた。
刹那はこの仕事のパートナーが傍にいるだけで、大きな安心感を感じていた。

「・・・・それで、龍宮はなぜここに?」
「校舎の方で鬼が走り回っててな。面倒だから離れた」
「なるほど・・・・」

参加こそはしてるものの、結局は龍宮も傍観側らしい。
そこで会話は止まり、二人は心地よい風に身を委ねる。
それでも両者共に周りに気を配り続けていた。

「――せっちゃーん!」
「あ、お嬢様・・・・!?」
「む・・・・」

しばらくそうしていた後、校舎の方から木乃香が走ってきた。
刹那は警戒を解いて、慌てて立ち上がる。

「あ、龍宮さんもおったんや・・・・」
「ああ・・・・それより、近衛は刹那に用があるんじゃないのか?」
「そうやけど・・・・せっちゃんはここで、龍宮さんと何してたん?」
「え・・・・鬼から、逃げてて・・・・」
「・・・・ふーん?」

木乃香はジトーッとした目で刹那を見て、ゆっくりと近づいていく。
刹那はその木乃香から滲み出る黒いオーラに、息を呑んで立ち竦んだ。
497隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:42:52 ID:fd/MCBD/

「ウチがせっちゃん探しとる間、龍宮さんとのんびりお話しとったんや?」
「え、あ・・・・ごめんなさい! お嬢様は今日は部活だとお伺いしていたので・・・・!」
「先生が出張でな、休みになったんよ・・・・メールしたえ?」

刹那は顔を歪めた。
従者が主の連絡に気付かない事は、重大な失態だ。
刹那は胸ポケットに入れていた携帯に手を伸ばす。
・・・・が、その手は木乃香に捕らえられた。

「えい!」
「――わわっ!?」

そしてそのまま木乃香は、飛び付くように刹那に抱きついた。
刹那は赤面して慌てていたが、木乃香は黒い笑顔ですぐに刹那から離れる。

「せっちゃん、捕まえたえ」
「・・・・・・・・へ?」
「・・・・やっぱりな」

一人だけ、わけがわからない刹那。
目の前と後ろで笑う二人を前に、ぽかんとしていた。
その刹那に、龍宮は少し呆れた顔で告げる。

「近衛が隠れ鬼の"鬼"だったんだよ、刹那」
「・・・・なっ!?」
「せっちゃん、ウチの傍にいないからわからないんやえ・・・・?」

刹那は驚き、携帯を見る。
5分ほど前に鬼が変わったと連絡が来たきり、メールは止まっていた。
校舎からここまでは5分もかからない・・・・木乃香が鬼であっても、なんら不思議はない。
498隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:44:19 ID:fd/MCBD/

「ひ、ひどいですお嬢様・・・・」
「・・・・ひどいんは、どっちやろね・・・・せっちゃんの、バカ・・・・」
「・・・・お嬢様?」

木乃香はそれだけ良い残し、その場から去っていった。
刹那は慌てて追おうとする・・・・が、今の自分の状況に気付いて踏み止まる。

(今の私は鬼・・・・ここでイベントを止めるのは・・・・)

そう・・・・刹那は今、隠れ鬼ではメインキャラともいえる"鬼"なのだ。
その鬼が仕事を放り出すのは、自分勝手すぎる。
刹那は周りに捕らえる事ができるクラスメイトがいないかと見回したが、残念ながら周りには仕事の相棒しかいなかった。

「た、龍宮・・・・って、遠っ!?」
「悪いな・・・・」
「は、薄情者〜!」

・・・・そしてその相棒も、逃げた。
相棒の裏切りに肩を落とす刹那・・・・しかしすぐに、体勢を立て直す。
そして木乃香が去った方向に走り出した。

「とりあえず・・・・お嬢様を捕まえよう。捕まえ返してはいけないなんてルール、なかったはずだしな・・・・」

刹那は結局木乃香が気になり、木乃香を追う事を選んだ。
そして刹那には絶対の自信があった。
木乃香が自分から逃げ切れるはずはない、と。
・・・・しかしその自信は、あっけなく崩れ去った。
499隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:45:49 ID:fd/MCBD/

「み、見つからない・・・・!」

あれからもう30分は経つ。
刹那は木乃香を探し続けていたが、姿はおろか気配すらも掴めないでいた。
木乃香のみを探していたので、他のクラスメイトも見つける事もできていない。

「最終予鈴まで時間もない・・・・どうする・・・・?」

他のクラスメイトを見つけ出す事ができれば、罰ゲームは避けられるだろう。
しかしこのまま木乃香を放っておくこともできない。
刹那は体育館の用具室で考え込んだ。

*

(・・・・せっちゃん、はよどっか行かへんかな・・・・)

木乃香は同じ用具室に隠れていた。
手には『気配消し』と書かれたお札がある。
刹那から逃げ切るため、木乃香は魔法を使用していたのだ。

(・・・・なんでウチ、こないに必死に逃げとるんやろ・・・・遊びなんに・・・・)

いつもの木乃香ならば、魔法などという力を使わずに純粋に遊びを楽しんだに違いない。
しかし自分以外の人と楽しそうに遊ぶ刹那を見た瞬間、木乃香の中に邪な感情が湧き上がった。
怒りのような、悲しみのような・・・・嫉妬という感情が。

「仕方ない・・・・」

木乃香に気付かないでしばらく考えていた刹那は、そう言い残してその場を離れていった。
その時呟いたその台詞を、木乃香は『他の人を探す』と解釈する。
500隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:47:21 ID:fd/MCBD/

(せっちゃん・・・・行ってもうた・・・・)

木乃香の中に再び抑えきれない感情が沸き起こり、札を握る手に力がこもる。
確かに木乃香は今、本気で刹那から逃げている。
しかし、見つけて欲しくないわけではない。
本気で逃げる自分を、本気で探して欲しかった。
京都にいた頃の、あの日のように。

(・・・・せっちゃんの・・・・馬鹿・・・・)

刹那は最後まで自分を探さずに、他の人の所へ行った。
もう自分だけを見ていた刹那はいない。
木乃香はそれが堪らなく悔しかった。

(・・・・もう、かえろっかな・・・・)

木乃香は大きな音を立てないように、立ち上がる。
そして用具室を出た。

「――感情が漏れてますよ」
「っ!? せっちゃん!?」

突然声をかけられ、木乃香は驚く。
声をかけてきた相手は、紛れもなく刹那だった。
立ち去ったと思っていた相手の登場に、木乃香は動揺する。

「術は完璧でした・・・・ですが感情を剥き出しにしていたら、気配も一緒に漏れてしまいますよ」
「・・・・やってもうたわ〜・・・・ウチが出てくるん、待っとったん?」
「はい。用具室を出た直後に気配を感じまして・・・・戻ってきました」
501隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:48:46 ID:fd/MCBD/

刹那は木乃香に近づく。
それでも刹那は、木乃香を刺激しすぎないように距離をとっていた。

「やっぱ、せっちゃんには敵わんわぁ・・・・」
「いえ、まさかここまで術を会得しているとは・・・・驚きましたよ」

『陰陽道にも才能があるのでしょうか?』と、刹那は一人で呟く。
木乃香はそんな刹那に近づいて、刹那の顔を覗きこんだ。

「なぁせっちゃん・・・・泣いた?」
「え?」
「ウチの事見つからんくて、泣いた?」

刹那はきょとんとする。
木乃香は『覚えてないん?』と、続けた。

「ほら昔・・・・京都で、かくれんぼしたやん・・・・」
「あ・・・・はい」
「そん時せっちゃん・・・・ウチの事見つけ出せんで、泣いてもうたやん」
「・・・・え!?」

刹那は顔を赤面させて、必死に思い出そうとする。
木乃香はそんな刹那を見て笑っていたが、結局刹那は思い出す事ができずに木乃香に頭を下げた。

「す、すみません・・・・覚えてないです・・・・」
「もう、大切な思い出やのに・・・・せっちゃんは、もうウチだけの物やないんやね・・・・」
「え・・・・?」

木乃香は俯き、黙った。
刹那からはその表情を見る事はできず、二人の間に嫌な空気が流れる。
502隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:51:13 ID:fd/MCBD/

「・・・・ウチ以外の大切な人見つけて、どっかいってまうんやろな・・・・」
「そ、そんな事はありません!」
「あるえ・・・・さっきやてウチの事諦めて、他の所行こうとしたやん・・・・」
「それは、貴女がここに隠れているのに気付かなかっただけです! 貴女を探しに、この場を離れようとしたんです!」

拗ねる木乃香に、刹那は必死で訴えた。
偽りのない刹那のまっすぐな言葉に、木乃香は顔を上げる。

「ほんまに? ウチの事探してくれるん?」
「もちろんです!」
「せっちゃんでも手の届かないような、遠くに行ってしもうても?」
「生まれ変わってでも、必ず探し出します!」
「・・・・死んだらあかんて。せっちゃんあほやなぁ」

刹那の飛躍しすぎた考えに、木乃香は噴き出す。
刹那はまた顔を紅くして、うろたえた。
それでも刹那は訂正をしない。
その刹那の決意に木乃香は満足し、心の底から素直な笑顔を刹那に向けた。

「・・・・見つけてくれてありがとな、せっちゃん」
「い、いえ・・・・私は当たり前のことをしたまで・・・・」
「でもな、なんか忘れてへん?」
「え? ・・・・あ!」

――キーンコーンカーンコーン

「し、しまった・・・・!」
「これは隠れ鬼やえ? ウチ見つかってもうたけど、捕まってへんよ?」
503隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:55:26 ID:fd/MCBD/

刹那もそれを思い出したが、もう手遅れ。
無残にも、終了を告げる最終予鈴が鳴ってしまう。
木乃香の方が上手だったようで、最終予鈴が鳴る時間も計算に入れていたようだった。

「うちのクラスは悪ノリが過ぎるからなぁ・・・・罰ゲーム、楽しみやね?」
「・・・・うぅ」

木乃香は再び黒い笑顔を見せる。
そして刹那は、がっくりと肩を落とした。

「・・・・大丈夫やて。ウチが何とか言うて、罰ゲーム軽くしてもらうえ」
「ほ、本当ですか!?」
「でも、コスプレぐらいは覚悟しぃ?」
「・・・・十分重いですよ、それ」

完全な敗北に涙を浮かべる刹那。
木乃香はそんな刹那の手を笑顔で握り、寮へと歩き出した。

*

そしてこの後、罰ゲームを受けた刹那。
木乃香の頼みで罰ゲームも軽く(?)なり、犬耳メイドのコスプレをさせられた。

「・・・・わ、わん・・・・」
「っ! ・・・・刹那、お前にそういった趣味があったとは・・・・!」
「ち、ちがう! というか龍宮、お前が逃げたせいでこんな目にあってるんじゃないかー!」
「あかん・・・・せっちゃん似合い過ぎやわ・・・・!」
「そ、そんな・・・・、お嬢様まで・・・・!」
504隠れ鬼:2007/09/11(火) 00:59:11 ID:fd/MCBD/

この、泣き言を言いながらもしっかりと罰を受ける刹那に、クラスメイトの数人が悩殺されかけたとか。
もちろん木乃香もその一人であり、必死で刹那を魔の手から死守したのは言うまでもない。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『鬼ごっこ』『かくれんぼ』『犬耳メイド(あのイラスト)』

オチに悩んでるときに、あの絵を投下されたんですよ。
無駄に長くて、しかもあまりまとまってなくてごめんなさい。
ギャグ調に挑戦して玉砕した感が大有りです。
505486:2007/09/11(火) 01:08:22 ID:3QJ1LHNO
長文が良いとリクを頂いたので調子に乗って書いてみた
駄文スマソ




刹那が挨拶をすると、木乃香も眠そうに目を擦りながらも挨拶を返した。
朝早い教室にはまだ生徒の姿はまばらで、その少ない生徒も
だいたいは固まって世間話に没頭している。
窓から差し込む光が心地よくて、ただでさえ眠い木乃香は欠伸をしてしまった。

「ふわぁ〜…やっぱ眠いなぁ」
「睡眠はしっかり取られているのですか?」
「多分取れてると思うんやけど…昨日勉強してたからかなぁ?」
「しっかり休むことも大切ですよ」

穏やかに刹那がそう言う。ついこの間までには無かった会話が確かにそこにあった。
それが嬉しくて、木乃香は自然と笑顔になって頷く。



修学旅行から、1週間ほど過ぎた頃のこと。








506486 続き:2007/09/11(火) 01:10:52 ID:3QJ1LHNO
幼馴染と再び話せるようになったのはとてもいいことだ。木乃香はそう思う。
話しかけても以前のように避けられることは全く無くなったし
(ボディタッチをしようとすると逃げられたりもしたが、
最近は諦めたのか少しずつ慣れてきているように見える)、
少しずつ、自分のことも話してくれるようにもなった。
昔と違って敬語で話し掛けられるのが少し不満だけれども…そこはある程度
仕方ないのかもしれない。
ともかく、刹那が自分のことを嫌っていない、むしろ好意を抱いてくれていると知って、
木乃香はだいぶ楽になった気がする。
そう素直に伝えると、「お嬢様を逆に苦しめることになっていて、
本当にすみませんでした」と土下座の勢いで謝られた。
冷静でとても大人のように見える刹那も、自分のこととなると顔を紅潮させたり、
焦ったり慌てたりしてくれる。それは木乃香にとってとても嬉しいことだった。
だからこそ、今までの想いが募っていたぶん、コミュニケーションも積極的になる。

「せっちゃーん!午後、ウチの部屋遊び来ーへん!?」
「うあっ!?」

思いっきり木乃香が抱き着くと、刹那は変な声を出してびくりとかたまった。
慣れてきたとはいえ、やはり抱き着かれたりするのはまだ苦手らしい。
逃げ出さないだけでも成長したものだ。
507486 続き:2007/09/11(火) 01:13:04 ID:VsAWyAVu
「ご、午後、ですか…?」
「そう。今からやー」

今日は午前中授業なので、午後はまったくの自由。何やら明日菜はバイトを
入れてあるとかで、午後はまるまるいない。
となると、刹那と2人で過ごすにはもってこいだ、木乃香はそう考えた。
刹那の部屋に行かせてもらおうかとも思ったのだが、龍宮が居るかもしれないし、
何より刹那が自分を部屋に入れてくれるかどうかの自信がない。
何故かドキドキしながら木乃香は刹那の返事を待つ。

「…す、すみません、今日は、ちょっと…」

「…あー」木乃香は大きくうなだれてため息をついた。
やはり避けられているのだろうか。そんな思いが顔に出ていたようで、
刹那が慌てて両手を振る。

「ち、違いますお嬢様!じ、実は昨夜から少し風邪気味で…!」
「…ほぇ?風邪?」
「はい、ですから、私がお嬢様の部屋に行ってうつしてしまうわけには…!」

風邪。木乃香の落胆は即座に心配へと変わる。

「せっちゃん大丈夫なん!?どこ調子悪いん?」
「え、と…少し身体がだるいくらいなんですが…」
「熱ないん!?」
「へ…」

木乃香は無意識のうちに刹那の頭をかるく引き寄せて、自分の額とこつんと合わせてみる。
前にネギが風邪をひいたときもこうして熱を確かめたことがある。
そんな木乃香には自然な行為でも、刹那にとっては充分すぎるほど衝撃だったようだ。
508386 続き:2007/09/11(火) 01:14:51 ID:VsAWyAVu
「〜〜!!!」

真っ赤になって刹那が木乃香から離れる。その勢いが良いのなんの、
後ろにあった自分の机に激突して思いっきり背中を打ったらしく、
倒れはしなかったもののへたりこんでしまった。驚いて木乃香が刹那に近寄る。

「だ、大丈夫せっちゃん!?」
「う、あ…」

慌てて木乃香が刹那の目線に合わせてしゃがみこみ、肩に手を置いた。
顔が赤いまま刹那は木乃香から目を逸らす。と、荷物をひっ掴んで
あっという間に教室を飛び出していってしまった。

「すすすみません、失礼します!!」
「あ…」

木乃香が手を伸ばすも、もう教室に刹那の姿は無かった。
509486 続き:2007/09/11(火) 01:17:05 ID:VsAWyAVu
「…で、結局帰ってきてしまったと」
「…あぅ…」

木乃香は半分涙目になりながら頷く。正面にいる明日菜が困ったようにため息をついた。
結局刹那はその後教室には戻って来ず、
仕方なしに木乃香が自分の部屋に戻ったところ明日菜がいた。
どうやらバイト先から「今日は人手が足りているので、明日にしてほしい」
と頼まれたらしい。
茶を囲み、テーブル越しに泣く木乃香の頭を明日菜がよしよしと撫でてやる。

「刹那さんもいきなりで吃驚しちゃっただけじゃない?嫌われてなんかないわよ」
「でも…せっちゃんあんま触られるの好きやないみたいやし、
ウチがあんなことしてもうたら…ウチのことまた避けてまうかもしれへん…っ」

触られるのが好きじゃないというより、耐性がないだけなのだろう。
明日菜は困り果てて自分の頭をごしごし擦る。
あまり女同士のスキンシップに慣れていない刹那にとって、
木乃香とのでこ合わせは確かに厳しかっただろう。だが、久しぶりに幼馴染と
話せるようになってスキンシップを取りたくなってしまう木乃香の気持ちもよく分かる。
第一、今回のことは木乃香が意識してやったことではないし、
どっちに原因があるとも言えない。

「…せっちゃん、またウチと話してくれへんようになったらどうしよ…」
「そんなことないって、木乃香」

510486 続き:2007/09/11(火) 01:18:39 ID:kRfVJuvo
木乃香は本気で沈んでしまっている。いつも笑っている木乃香が泣いていると
どうも落ち着かない。明日菜は今日は木乃香が泣き止むまで夜通し慰めるぞ、と心に誓った。
まだ時刻は午後2時半なのだが。
と、急にドアをトントンとノックをする音が聞こえた。

「はいー?」
「明日菜さん、あの、刹那ですが…お嬢様はいらっしゃるでしょうか」

ドアの向こうから聞こえてきたのはまごうことなき刹那の声である。
と、木乃香が急に顔を上げておろおろしはじめた。

(ア、アスナ〜ウチどないしよ〜…あわわ)
(ちょっと木乃香、いいじゃないちゃんと話せば。席はずしててあげるから!)
(む、無理や…泣いたとこせっちゃんに見られとうない〜!)
「明日菜さん?入ってもよろしいでしょうか」
((ああ!!))

木乃香は慌ててクローゼットの扉を開け、中に隠れた。
(ちょっと〜!?)明日菜が驚いて止めようとするも、もう一度ドアがノックされる。
(…ああもう!!)半分ヤケになりながらも、明日菜はドアを開けた。

「よ、ようこそ刹那さん。どうしたの?」
「…?なんだか明日菜さん、汗かいてませんか?」
「ななな何でもないのよ〜!さ上がって上がって!!」
「?お邪魔、します」
511486 続き:2007/09/11(火) 01:19:59 ID:kRfVJuvo
刹那が小さく会釈をして部屋に入ってきた。クローゼットの中の木乃香は、
息をひそめて隙間から様子を伺う。
いつもの刹那なら気配で気付きそうなものの、本当に風邪らしい。
あまり気にしたふうもなく明日菜が勧める座布団に正座で座った。

「…で、刹那さん、今日はどうしたの?」
「…いえ、少し、お嬢様に申し訳ないことをしてしまって」

明日菜が問うと、刹那の顏に暗い陰が落ちる。いきなり核心か、と明日菜は意気込んだ。
何も知らないような顔で「何?」と訊いてみる。
刹那は最初は言いにくそうにしていたが、やがでぽつりぽつりとさっきの出来事を話し始めた。

「…というわけで、お嬢様は私の風邪の心配をしてくれたんですが…私は逃げてしまって…」
「まぁ、木乃香にも悪気があったわけじゃないしさ、刹那さんにも問題はなかったって、それは」
「そうでしょうか…」

刹那が申し訳なさそうにうつむくと、クローゼットから呻くような物音がした。
少しだけ木乃香に殺気を飛ばし、明日菜は続ける。

「あのさ、ひとつ訊いていいかな…。刹那さんにとって、木乃香ってどういう存在?」
「え!えっ…と…」
512486 続き:2007/09/11(火) 01:21:42 ID:kRfVJuvo
驚いたように背筋をピンと伸ばす刹那。生真面目な性格が伺えるなぁ、
と明日菜はしみじみ思った。

「…お嬢様とは昔のように対等な立場で接することは出来ませんけど、も…」
「も?」
「…私にとって一番大切なお方ですし、命を賭してお護りしたいとも思います。
お嬢様のお望みになることなら、微力ながらそれに応えたいですし…。
…今回のことも、私が不甲斐なかったから起こったことなんです。
お嬢様は私に接しようとしてくださっているんですし」
「あ、分かるんだ?」
「はい。そ、その、そういったお心づかいもすごく嬉しいですし、…」

刹那が再び赤くなってうつむく。そこに、さっきまであった陰りはあまり感じられなかった。
「刹那さん…」明日菜が少し感動しているところで、後ろのクローゼットの扉ががたんと開いた。

「せ、せっちゃん〜!!」
「お、お嬢様!?どうしてそんなところに!?と言うか、今の話全部聞…!」

呆気に取られる明日菜をよそに、焦りまくる刹那に木乃香ががばりと抱き着く。

「ゴメンな、ウチ…ウチ…!!」
「う、あぁ…」

刹那が呻きながらもとりあえず木乃香の頭を撫でる。
しかしその顔はもう林檎も顔負けなほど赤い。
明日菜は安堵と呆れが入り交じったため息をついた。



513486 続き:2007/09/11(火) 01:23:23 ID:kRfVJuvo
「良かったじゃない、木乃香。ちゃんと2人で話ししなさいよ」
「え、ちょ、明日菜さん!?」
「うん、うん…ありがとなぁアスナ〜」
「がんばんなさいな」

木乃香の頭をぽんと叩き、明日菜が部屋を出ていく。
一方刹那は何が何だか理解出来るはずがない。混乱する頭でとりあえず木乃香を慰める。

「お、お嬢様…泣かないで下さいー…このちゃん…」
「…うー」

ひととおり泣きつくしたたらしい木乃香が刹那からやっと離れる。
その目は真っ赤で、刹那はずきりと心に痛みを感じた。
木乃香の横に座り直して、木乃香の頭を撫で続ける。それくらいしか慰めの方法が
思い付かなかったのだ。
木乃香が目をこすろうとしたので、そっと手を掴んで止める。

「このちゃん。視力が落ちてしまいますよ」
「…」
「…えっと、その」

どうしたら良いか分からず、刹那は口籠る。と、木乃香がずいっと顔を突き出してきた。
いつもなら反射的に顔を逸らす刹那だが、今日は真っ直ぐに向いたまま木乃香の目を見る。
514486 続き:2007/09/11(火) 01:24:51 ID:kRfVJuvo
「…逃げへんね」
「逃げませんよ」
「…ウチが近付いたり、手ぇ握ったり、腕組んだり、抱き着いたりしても嫌やないん?」
「い…嫌じゃありません」
「ほんまに?」

ええ、と答えてから、ひとつ息をついて刹那は言う。とてつもなく緊張しているのが見てとれた。

「…まだ、慣れてないのでこのちゃんの望むようなコミュニケーションは
取れないかもしれませんが…構わずにいつでも抱き着いて下さい。
時間はかかってしまうかもしれませんが、必ず受け止めます。
それ、に…このちゃんに抱き着かれるのは、照れるけれど…
私にとってすごく嬉しいことなんです」
「ほんま?」
「はい。本当です」

赤くなりながらも、木乃香から目を逸らさずに刹那が答える。
木乃香はなんだか胸のうちで張り詰めていたものがぷつんと切れて、
再びその目から涙が溢れてきた。

「こ、このちゃん…!?どどうしたんですか!?」
「うっ…堪忍な、なんだか安心したらまた急に泣けてきてもうて…」

涙声で答えて、木乃香はまた刹那に抱き着いた。首に腕をまわして、ぎゅうと抱き締める。
刹那はもう固まっていなかった。おそるおそるといった感じで、そっと木乃香を抱き締め返す。
木乃香は刹那の胸に顔を押し付けたまま、絞り出すように言った。
515486 続き:2007/09/11(火) 01:28:16 ID:kRfVJuvo
「ウチな…すごいせっちゃんのこと好きやから…っ…また話せるようになって
すごい嬉しかって…。…せっちゃんもウチのこと嫌やないって分かって、
すごい安心してもうて…いっつも、困らせてばっかで堪忍な…
今日やって体調悪いのに、ここまで来させてしもて…」
「この、ちゃん…謝らんでよ…」

蚊の鳴くような、消え入るような声で刹那は呟く。

「う、ウチも、大好きやから…このちゃんのこと…」

木乃香の頭に隠れて、刹那の表情は見えない。
だが、相変わらず真っ赤に染まったままの首筋は、
刹那がどういう表情をしているのか読み取るには充分だった。







一気に投下してしまった…スレ流しすまん!!
もういろいろダメな感じが出てるがスルーしてやってくれ…
あと>>504 GJすぎる
516名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 01:32:19 ID:fd/MCBD/
>>515
いやいや、そちらの方こそGJ。
白い木乃香がいい感じだぜ(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
517名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 08:19:07 ID:hlUN/RWW
うはっ!SS祭りだぜ!黒いも白いもエロからピュアまで幅広くサポートされてて充実度満載だ。

その効果恐るべし犬耳メイド刹那。周囲を悩殺するだけでなくSSも誘発させるとは!

お二方ともGJ〜!萌え分チャージさせていただきました!朝から萌え苦しんだぜ…。
518515:2007/09/11(火) 17:40:42 ID:NPV+Wi5n
>>516
そちらの黒木乃香にはいつもハァハァさせられまくりだ
自分はいつも何故か白しか書けないので、黒木乃香書ける人本当に尊敬ですぞ…

イ…イラスト投下よろしいだろうか?;;
ttp://www15.oekakibbs.com/bbs/kihana-music/data/91.png
519名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 18:15:50 ID:hlUN/RWW
ほんわか雰囲気に癒された〜o(^^o)(o^^)o
GJだね!
520名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 19:20:34 ID:T1Ydqdza
>>518
すげGJ!!
二人とも可愛い
521名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 19:47:11 ID:wBecw2iG
あー、このスレはマジで素敵だな。
SS・イラスト問わず微笑ましいのもエロいのもどっちも楽しませてもらえるってなんて贅沢。
与太やナマ言うぐらいしか出来ない身だが言わせてください、住人の皆様に幸あれー!
522名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 19:47:28 ID:1P+UF0WP
>>518
うめぇえぇえええ
523名無しさん@秘密の花園:2007/09/11(火) 22:43:40 ID:3K/7Ty6x
うっはwこれは素晴らしい! 携帯の待受にしちゃおうかな
524まとめ”管理”人:2007/09/12(水) 02:21:42 ID:Ko9eVgeq
相変わらず職人の皆さんGJ。

もうこのスレも500過ぎちゃってますが、やっとまとめが本スレに追いつきました。
携帯用はまだ更新してませんが、近々更新すると思います。

8スレ目になってから絵の投下が多かったんですが、
残念なことに保存する前に流れちゃって全然保存できませんでした・・・
保存できたのはまとめたんですが、
>>452ってどっかの転載だったりするんでしょうか?
何も書いてなかったから判断ができなくて・・・
525 ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:04:01 ID:OeF4OP6o
まとめ管理人さま乙です!
452は見れますよ。例の「犬耳メイド服刹那」です。
是非挿絵として貼りつけていただけると読むほうとしては感激でッス!
描いてくれた人が見てくれてたら,なんか感想欲しいですが…。板に来てるんでしょうか?

>>まとめ管理人さんに相談!
ところで,最近トリをつけたんですが,コテハン扱いになりますか?
トリナシで落とさせていただいた作品も何作かあるんですが…。
きっと編集面土井ですよね〜。
作業的にどうなのか聞いてみたいと思って書いただけですんで。
526序  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:06:42 ID:OeF4OP6o
連投済まん。忙しいと言いつつ,最近の板の盛り上がりに便乗させてもらいたいなかな〜
なんて思ってみたり。いや,ただ単に行き詰まってるので気晴らししてるってだけなんだが。

というわけで駄作投下行くぜい!
5271/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:09:15 ID:OeF4OP6o
「お願い……。ちょっとだけ…じっとしてて……。」

そう言ってお嬢様は私の胸に額を預けてきた。
そっと触れてくるお嬢様の様子を私はじっと見詰めてしまった。
トクンと高鳴る鼓動が聞こえてしまうかもしれない。
普段とは少し異なるお嬢様の態度に私は期待してしまっていた。

「どう……なされたのですか?」

乾いた喉に唾液を通し,なんとか次の言葉を搾り出す。

「ん……なんやろね?……急に…こうしたかったん……。」

はじめて龍宮のいない日に泊まりにいらしたときもそうだった。
お互いの鼓動が聞こえてしまうくらいの静けさの中,ただ私達は視線で語り合いながらお互いのぬくもりを感じ合っていた。
それ以上何かがあったわけではないが,その日以来,お嬢様の仕草が少しだけ変化した。
普段は何も変らない無邪気なお嬢様。
でも二人きりになると,時々意味ありげな視線を送ってくる。
私はその度に,ありもしない何かに期待するようになっていた。

お嬢様は,私の胸に擦り寄ってくる。そんなお嬢様の様子に私は心拍数が更に上昇するのを感じた。

「せっちゃんの胸……すごいドキドキしてるね……」
「貴方が…急に……こんなことするから……。」
「……ごめん……堪忍な……。」

もうちょっとだけ,こうさせて…とお嬢様は続けた。
さらさらと艶やかな黒髪が揺れる。
衝動的に私は,お嬢様の背に腕を回し,そっと抱き締めてしまった。
胸だけに広がっていたお嬢様の温もりが,体全体に広がっていく。
それと同時に感じたのはお嬢様の鼓動…。私と同じかそれ以上に高鳴っていた。
5282/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:11:48 ID:OeF4OP6o
「……せっちゃ……」
「…お嬢様………。」

お嬢様は戸惑いの声で私の名を呼ぶ。その声を覆い尽くすように私は抱き締め返した。
お互いの温もりが心地良くて,どちらからとも無くもっと密着しようと少しずつ体勢を入れ替える。鼓動が徐々にシンクロし始めるのを感じた。
お嬢様の長い髪に手が触れる。何故だかそれを愛しく感じて,そっとその感触を楽しんだ。
指の間からさらさらと零れる黒髪がキラキラと輝いて,神々しかった。

「すみません……こんな…。」
「せっちゃんも急やね?」

愉しそうに呟くお嬢様の後頭部に手を添え,そっと引き寄せた。
それに逆らうことなくお嬢様は私の首筋へと顔を埋めた。
私は今,全身でお嬢様を感じていた。お嬢様もきっと私を感じてくださっているに違いない。
その証拠に,それまでどうしていいか迷っておられたお嬢様の手は私の背にそっと添えられたのだから。
シンクロする鼓動が時を刻む。高鳴る鼓動に後押しされて,どちらからとも無くお互いに視線を絡め合った。
その時のお嬢様の視線も,何か期待に満ちていた。何かを求める視線を私に向ける。
それはずっと,私に向けられていた視線と同じ…。
でも,いつもよりもずっと熱が篭っていて,潤んだ瞳が印象的だった。

「ねぇ………キスして……」

長い睫が揺れる。冷静な私ならきっと慌てふためいて硬直したに違いない。
でも,私は動揺することなくお嬢様の求めに応じた。それは突然の申し出ではなかったから。
ずっと心のどこかで感じていた,あるかどうかもわからなかった期待そのものだった。

お嬢様は目を閉じ,私を待っている。閉じられた目蓋に長い睫が際立つ。
濡れた唇は,柔らかそうで,期待にわずかに震えていた。
少しずつ距離を寄せる。お嬢様の頭部を,回した手でそっと引き寄せた。

「……ん……」
5293/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:14:00 ID:OeF4OP6o
お嬢様から小さな声が漏れる。触れ合った唇は他のどことも比べられないくらいやわらかな感触で,抱き締め合うだけでは得られない一体感を感じた。
その感覚がとても甘美で,私は更にお嬢様を求めた。
私の唇の動きに可愛らしく反応するお嬢様が嬉しくて,そっと舌先でお嬢様の唇を舐めた。
その感触がくすぐったかったのか,再びお嬢様は小さく声を漏らした。

この感覚をなんと表現すれば良いのか。
愛しくて,切なくて,そして,もっと…お嬢様を感じたくて…。
頭部に回した手で項を撫で,背中に回した手でお嬢様の背を優しく擦る。
お嬢様は私の動きを拒むことなく,それを受け入れていた。
私の求めに応じて,私の背に回された手でぎゅっと私の服を握り締め,溢れ出る声を押し殺していた。
お嬢様も,この甘美な感覚を感じていらっしゃるんだろうか。
震える体と,朱に染まった頬が,お嬢様の様子を物語っていた。
私の背に回された腕から,力がスッと抜けていくのを感じた。私は唇を開放し,お嬢様を気遣った。

「はぁ……せっちゃん……。」

けだるげな溜息をついてお嬢様は私を見詰めた。いっそう潤んだ瞳に,私は胸を射抜かれた。
再びお嬢様の頭部を自分の肩口に抱き寄せる。

「せっちゃん,どうしたん?」

戸惑うような声でお嬢様は,私にお尋ねになる。

「あ…貴方があまりにも可愛らしい仕草をなさるので……。」

最後の方はモゴモゴと口篭もってしまったが,私は更にお嬢様を抱き締めることで,自分の想いを伝えた。お嬢様は,ふふっと嬉しそうに微笑んで私の肩口に顔を埋めた。

「…せっちゃん…うちのこと…好き?」

お嬢様の問いに,そのままの体勢で返事を返した。ずっと心に秘めてきた想い。
今は,腕の中にお嬢様を感じ,その耳元で自分の気持ちを伝えた。
お嬢様はまた,嬉しそうに微笑まれ,顔を上げて私を見詰めた。
5304/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:15:07 ID:OeF4OP6o
「うちもね……せっちゃんのこと大好きっ。」

そういってお嬢様は,私に唇を重ねられた。
私はその暖かい感触と共に,優しい温もりに包まれていった。






「………ちゃん。」
「…せっちゃん。」
「せっちゃん!!」

私は体を揺り起こされる感覚で意識を取り戻した。
どうやら眠っていたようだ。目の前にはお嬢様が…。私は寝ぼけて,お嬢様を抱き寄せた。

「わっっ,せっちゃんってばっ。龍宮さんもおるんに……。」
「刹那。私の目の前で近衛と絡むのか?…別に私は構わんが……な。」

いるはずの無い龍宮の声を聞き,急に目が覚めていく。

「あれ?!お嬢様?それに龍宮どうして?!」
「どうしたもこうしたも,ここは私の部屋だ。」
「せっちゃんが寝言でうちの名前呼ぶから……。」

お嬢様のその言葉を聞いて,それまでを振りかえる。あれは……夢?

「お嬢様……寝言って……?」

にっこり笑って,二人の声が揃って聞こえた。
5315/5  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:20:00 ID:OeF4OP6o
「「私はお嬢様が大好きです!」」

お嬢様は嬉しそうに私を抱き締めた。龍宮は「お前どんな夢見てたんだ?」とニヤニヤしながら問い詰めてきた。私は,何も言い返すことが出来ず,お嬢様の肩口に顔を埋めた。そして顔がやけに熱くなっていくのを感じた。

「さて,邪魔者は消えてやるか。」

そう言って,龍宮は部屋を出て行った。
部屋に残されたのは,お嬢様に抱き締められる私と私を抱きしめて離さないお嬢様の二人だけ。
私とお嬢様は,今一度お互いの顔を見合わせて,目覚めのキスを交わした。

あの夢は,今日のこの日のために見たのかもしれない。
いつからか始まったお嬢様との関係を再確認するために。
幸せなこの日が,いつまでも続きますようにと…。

貴方が大好きですと,貴方に伝えたあの日から私は…今もずっと満たされた時を過ごしていますよ。
そう伝えるために,私はお嬢様に優しく触れていった。
532終  ◆yuri0euJXw :2007/09/12(水) 03:21:45 ID:OeF4OP6o
夢おちです。

意味不明で済みません。なんか良くわかんないけど,キスシーンが書きたかった。
過去の回想ってことで,ヨロ。

お目汚し失礼致しました。
533名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 08:08:35 ID:Ph3NH3b4
皆激しくGJ
このスレはすごい人ばっかだ
534名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 21:55:42 ID:lk9IUQyr
なんという夢オチ…
GJすぎます…最高のキスであった。

>>553
同感
すごい人が多くて、読んでるこっちはありがたい限り
535名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 23:26:47 ID:KAic9evo
つい最近からこのせつにハマり
まさかまた絵を描くことになるなんて思ってなかったです
とりあえずお目汚しですが貼らせてもらいます
ttp://nukkorosu.80code.com/img/nukkorosu1924.jpg
536名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 23:28:43 ID:DiE0NVcG
>>545
う、うめぇ・・・・
心が撃たれたぜ・・・・
537名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 23:38:14 ID:fmsWdMzo
ちょwwSSといいイラストといいこのスレのクォリティは異常杉w

これが愛の力なのか…
538名無しさん@秘密の花園:2007/09/12(水) 23:40:35 ID:Bj6yT7fQ
>>535
>>545

GJ!
539名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 00:51:57 ID:ep5LD0GI
皆さんGJです!いつの間にか職人さん増えてますね。
>>524
まとめ管理人さんいつも乙!>>452は私の脳内転載です。
犬耳メイドせっちゃんを一目見たくて、ニヤニヤしながら落書きした一部です。

それにしても職人さん。あんな妄想イラストをSSにするなんて、どういう神経しているんですか。
あの犬耳メイド姿が軽い罰ゲーム? そんでもってあの尻尾がリモコン付きアナルバイブだと?
………………全く、何リレー小説みたいなことしているんですか。
早く寝ないといけないのに、脳内このせつ一色に侵食されてピンク妄想が止まりません。
職人さんたちのおかげで今日はいい夢を見られそうです。SSにしてくださり、ありがとうございました!
540名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 00:57:57 ID:5Ao5xnrd
>>539
怒ってるのか喜んでるのか、わからない。
迷惑だったならもう書かない。
どっち?
541名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 01:04:59 ID:bVPz0Tm3
>>540
バカw
どう見てもツンデレだろ


それにしても>>545に期待ww
542名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 01:26:26 ID:CsCDG56w
なんで誰も突っ込まないんだ?レス番違い。そう言うもんなの?
>>535 つかGJイラスト見れんかった…。(´・ω・`)ショボーン

>>539 激しく済まないな。オイラの神経はこのせつとエロに汚染されてるから。
ツンデレおk!
また無防備にイラスト落として。でもイラスト投下がわかるように一言くらい書いてくれよ。

532だが >>533-534 反応ありがとう!読んでもらえて嬉しいぞ。
レスもらえるとおいら調子に乗るから、そこんとこよろしくな♪
543まとめ”管理”人:2007/09/13(木) 01:30:59 ID:Fo9nWIPg
>>539
なんというツンデレw
レスどうもっす。
どっかのサイトからの転載だったら
まとめから外そうと思ってたんで描いたのがうp主さんと分かって良かったです。
>>532
トリつける前の作品教えてもらえれば
次の更新で反映できると思いますよ。
>>535
保存した!

>>545>>553に期待
544名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 01:41:05 ID:CsCDG56w
532です わかりました。週末にでも整理しますね。よろしくお願いします。
545名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 08:52:15 ID:5Ao5xnrd
http://id40.fm-p.jp/35/sieg73/index.php?module=viewbk&action=ptop&hpid=sieg73&stid=6

PASS:0910ks

注意書き:
ホスト二日目の別分岐SSを置いてます。
レイプやダーク苦手な人は進入禁止。
ですがおまけとして、ホワイトデーに没になった作品も置いてあります。

両方とも没作品なので、クオリティに突っ込みはなしで。
サーバの規約違反でびくびくしてるので、数日で消します。
546名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 09:59:24 ID:qdBJ0b/b
鼻血でました
GJ!
547名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 12:01:07 ID:tsLATTaT
ハァハァして読んでしまったよ。ク氏っぽくってGJ!
誕生日に美味しく頂かれるせっちゃんが見てぇぜ。
548名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 19:52:45 ID:myywAQ9p
どちらの作品もGJ!!このちゃんテラエロスw
そーいや欧米だったかな?裸足は裸よりはしたない、ってな文化を持ってたのは。
あとダークせっちゃんカコイイとか思っちまったのは何故なんだぜ?
549名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 22:45:43 ID:z7wY6D/k
勢いだけでやりました、いろいろアレですけども。
しかもちゃんとオチてないよ…
http://nukkorosu.80code.com/img/nukkorosu1931.jpg
おまけ
http://nukkorosu.80code.com/img/nukkorosu1932.jpg
550名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 22:46:48 ID:z7wY6D/k
>>549
うわ、直リンしちまった…orz
551名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 23:04:02 ID:0wUMPp9G
>>549
GJ!!!!!
絵がかわゆいよ!!(^・ω・^)
552風花:2007/09/13(木) 23:09:37 ID:ClW7Qpo6
「すっかり寒いなぁ」
「もう冬ですね」

木乃香がぷるっと少しだけ震えながら呟くと、刹那は微笑んで答えた。
帰り道、明日菜が今日は何やら用事があるということで、木乃香と刹那は2人で帰って
いた。
もう12月に入っていて、学校も、道行く人々も、どこかその足並みは慌ただしいように
感じられる。だが、刹那と木乃香は、昔よりもゆっくりと歩くようになっていた。
特に刹那は、修学旅行前までは早足できびきびと歩いてばかりだったのに、最近は普段
の歩みも少しゆっくりめになった。木乃香はそう思う。

「やっぱり寒い日はココアやな」
「私は温かいお茶が一番好きですね…」
「せっちゃん渋いなぁ〜」

持っていた缶のココアをひとくち飲んで木乃香が言うと、刹那は少し考えながら答えた。
木乃香は笑って缶を少しだけ強く握り絞める。手袋をしていないため、指の先が冷える
のだ。
それは刹那も同じようで、さっきからしょっちゅう手を擦ってばかりいる。

「せっちゃん手ぇ冷たいん?」
「あ、はい、少し…でも大丈夫ですよ」

木乃香が訊くと、刹那は苦笑して顔を上げた。
自分も手袋をしていないのだが、「ちゃんと手袋せんとアカンよ」と言って木乃香は刹那
の左手を自分の右手で掴む。刹那が少し赤くなった。
553名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 23:11:05 ID:I6hU3tOV
画像投稿初めてだからちょい不安だけど
このスレ見てたら勢いで描いてしまった…
ここの人たちみんなすごいです
ss描いてる人たち、これからも頑張って下さい!
てか、流れ読んでなかったらごめんよ!

ttp://nukkorosu.80code.com/img/nukkorosu1933.jpg
554風花:2007/09/13(木) 23:11:21 ID:ClW7Qpo6
「ほら、だいぶ冷えとるがな」
「あ、ありがとうございます」
「あっためたげるな〜」

微笑んで木乃香が刹那の手をきゅっと握る。と、何か違和感を感じたようで、刹那の手を
とってまじまじと見た。その手の親指と人さし指の間に、細い切り傷の跡がいくつもある。
感じた違和感はこの傷だったらしい。木乃香の視線に気付いた刹那が、ああ、と頷いて答
えた。

「居合い抜きをするときに付く傷ですよ。左手で鞘を握るので、抜いた瞬間に切ることが
あるんです」
「痛く…ないん?」
「はい。小さい頃の傷ですし、もう完治していますよ」

刹那は屈託なく言った。そして、明日から手袋を付けてきます、と笑う。
だが、木乃香は別のことを考えていた。
これこそ斬り合いで付いた傷ではないけれど…きっと刹那には、今までの戦いや任務で負っ
てきた傷跡がいくつもあるのだろう。
それなのに刹那はいつも微笑んでいて、自分を護ろうとしてくれる。


(なぁ、せっちゃん…傷は治るけど、跡は残るんよ?)


心の中で呟いて、さっきよりも強く刹那の手を握った。刹那は少し驚いたような顔をしたが、
そっと。木乃香の手を握り返す。と、急に顔を上げた。
555風花:2007/09/13(木) 23:12:34 ID:ClW7Qpo6
「お嬢様、雪です」
「…へ?雪?」

つられて木乃香も顔を上げた。空は青空で、朧げに太陽も出ているのに、白い雪がちらちら
と降ってきていた。初雪だ。
見慣れぬ青空と雪の組み合わせで、それはまるで空から白い花弁が降ってきているようだった。

「綺麗やなぁ…」
「風花ですね」
「風花?」

晴れている空から降ってくる雪のことです、と刹那が答える。そして顔を紅潮させながら笑
った。

「お嬢様と一緒に初雪を見ることが出来て幸せです」
「…せっちゃん…」
556風花:2007/09/13(木) 23:15:10 ID:TMUKpQhC
木乃香は手を離さないまま、刹那に抱き着いた。「わわっ!?」刹那が慌てたように動く。そん
な刹那を、木乃香はぎゅっと抱き締めた。服ごしに伝わってくる、刹那の冷たい熱。




自分の力を持ってしても、消せない刹那の傷。
身体だけじゃない、ときどき疼くであろう心の奥深くの傷だって
全部、全部





「どんなに寒い日でも、ウチがせっちゃんのことあったかくしてあげるから」
「…?は、はい…」
「だから、もう絶対離れたらダメやえ?」
「…はい」

照れくさそうにはにかんで、刹那が頷く。
ずっと一緒に居させて下さい。小さい呟きが木乃香の耳に届いた。





ちょっと(かなり)早いですが冬モノのSS。
相変わらず木乃香が黒くならずに悪戦苦闘
最終的にやっぱり白くなった ははは…

557名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 23:26:13 ID:5Ao5xnrd
絵が可愛いわ、エロいわ、SSはほのぼのだわ・・・・。
なんか急にこのスレ、職人増えたなぁ。
皆さん、GJです!

>>553
ドンマイっす。
でもGJ!
558名無しさん@秘密の花園:2007/09/13(木) 23:45:39 ID:I6hU3tOV
553です

>>556
うっわ〜…激しくすまん…
くそ邪魔ですね自分…

でも!ほのぼの白このか最高!GJ!
自分は白い方がどっちかっつーと好き


>>557
ありがとう!
そして読むの邪魔してすまなかった!
559556:2007/09/14(金) 00:05:34 ID:VXRIfoON
>>558
気にするな〜
自分が投下し始めたタイミングが悪かった

世間では黒木乃香が定説(?)っぽいので
そう言ってくれるとありがたいぜ!
560名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 00:19:29 ID:5BWF/tjm
あぁ幸せだ…
みんなGJ!!!
幸せな気持ちをありがとう!!
561名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 08:46:13 ID:oZPwmmMk
イラストの投下多くなってきたしさ、このせつスレ専用うpロダ借りちゃえば?
流れる心配ないと思う。問題は誰が管理人になるかだけどね。
562名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 12:40:09 ID:jtqz7/BT
な、なんか…
白いこのせつが流行っているのか?!
や、やばいぞ…

なんか、ssを書く職人さんが増えてきてありがたいかぎり。
それに便乗して我も処女作を書こうと考えてた今日この頃。
しかし、
考えていたssがなんとも真っ黒なこのせつで…

まいるぜ。
563名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 14:09:59 ID:8p+8IORS
自分的には真っ白な木乃香もドス黒い木乃香どっちも好きだZE☆

んな訳で書いてくれ!
564名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 14:16:22 ID:3wRgrLQd
白木乃香も黒木乃香も、白刹那も黒刹那もドンと来い。
565名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 14:43:36 ID:3wRgrLQd
566名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 15:23:18 ID:oZPwmmMk
>>565
早っw
ちゃんと携帯でも見られるじゃん。GJです!
性転換とか、男の象徴が出てくる注意書きが必要なSSをうpしてもいいかもね。
二次加工物はうpして平気? 壁紙とか、mp3とか。
567名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 17:58:29 ID:OZa2AIGl
>>565氏乙&GJ。
>>562
老婆心ながら





白でも!黒でも!
最後まで貫き通せたこのせつへの愛に
偽りなどは何一つない!!





…………えーと、要するに…………是非書いてくださいお願いします!!
568名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 18:17:53 ID:3wRgrLQd
>>566
うーん、同人?に著作権はあってないようなものだけど・・・・。
加工してあるんだったら大丈夫じゃないかな。
569名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 21:23:47 ID:YcboYTf+
>>565
乙ですー
これで他のうpろだに上げてびくびくしなくて済みますww
ってことでちょっと漫画っぽいものをうp
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00002.jpg
ようやく!?の本編見始めたので、既にネタにしてる方がいてたら申し訳ない><
自分がこのせつ描くと特に木乃香がアホっぽくなるなぁ…
570名無しさん@秘密の花園:2007/09/14(金) 23:18:47 ID:3+we+IKy
>>569
可愛いw
571名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 00:12:40 ID:n0R3m3pK
>>569
カワユスwww


ところで、>>553の画像がセキュリティソフトのせいで見れなくて( ´・ω・)ションボリなんだが、誰か再うpしてくれないか?
572名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 00:42:32 ID:Y6zTIIvc
残念だなぁ。エロ可愛いのに…。
と言いつつ携帯なので何もしてやれん。誰か何とかしてやってくれよ〜。
そうだなひと仕事終わったら妄想SS書き始めるか…。
駄作だが完成したらオイラまた投下させてもらうぜ!
573名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 00:47:36 ID:ZlutoaKr
574名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 00:48:59 ID:n0R3m3pK
>>573
dクス!見れたぜ
575名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 00:50:51 ID:yoisCa5o
もっと早くロダ作ればよかったね
576名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 01:09:23 ID:0sW6zJRx
ネギま!と他漫画のクロス小説、ちょっと長めのを書いたんだが…
バリバリこのせつなんで、クロス小説スレに落とそうか
こっちに落とそうか迷ってる。
あっちのスレは百合苦手な人もいるだろうし、こっちにしようかと思ってるんだけど、
この板にクロス駄目な人がいたら言ってくれ
577名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 01:16:54 ID:ZlutoaKr
>>576
作品にもよると思う。
ぜんぜん知らない作品とクロスだと、ついていけない。
注意書きとかしておけばいいんじゃないかな。
578名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 01:44:20 ID:l3JJGkxs
>>576
まずクロス先の作品とか設定とか教えてほしい
579名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 02:04:11 ID:vyor1Von
ではクロスの設定説明

ネギま×銀魂のクロス作品。
世界観というか、そういうのはほぼネギま寄り。銀魂もキャラがそんなにたくさん
出てくるんじゃなくて、某柳○編より有名になったキャラが2人出てくるだけ。こ
ちらも百合カプ。
クロス作品って言ってもネギま設定はそんなに変えてないんで、銀魂知らない人
でも読めるとは思う。銀魂のほうは、本誌みたいな江戸時代じゃなくて現代社会で
ある3z設定。こっちはいくつか設定は捏造してある。

こんな感じかな
銀魂しか知らない人には読みにくいだろうけど、
ネギましか知らない人は読めないことはないと思う
580名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 02:37:01 ID:04z+zjtv
>>579
銀魂ねぇ………お妙と九ちゃんか?
まぁがんばれ
581名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 02:38:01 ID:FQjGfV3i
自分は銀魂知らんけどこのせつなら何でも読みたい
582名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 03:12:23 ID:l3JJGkxs
自分も銀魂は知らんけど、このせつなら読んでみたいが…
ここに落とすのはどうなんだろう
あぷろだでURL投下が一番安全かなーと思いますが
583ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 03:20:28 ID:r4sTY9cc
では投下させていただこう
九ちゃんのキャラがちょっとおかしい気がするので
気になる人はスルーで頼む。




「…あれ」

木乃香が急に振り返ってその場に佇む。遅れて、それに気付いた刹那も足を止めた。
今日は、週末ということで、木乃香が刹那を誘い2人で街に遊びに来ていた。午前中
だけ授業があったので、制服姿のままなのだが。
街に人はそこそこ多くいるが、秋になりかけなのであまり暑苦しさは感じない。から
りと乾いた風が吹いていてむしろ涼しいくらいだ。その風が、木乃香の髪を揺らす。
刹那は動こうとしない木乃香を不思議に思って訊いた。

「お嬢様、どうされたのですか?」
「ううん…なんや、せっちゃんに似た人がおって」
「私に?」

うん、と木乃香は頷く。が、まだ歩き出す気はないらしい。少し木乃香より前にいた
刹那は歩いて木乃香の隣まで行く。

「多分同い年くらいかなぁ?せっちゃんによく似とって」
「…はぁ」

どう答えたらいいのか分からずに刹那は返事をする。似ているとは容姿のことなのだ
ろうか。
584583:2007/09/15(土) 03:23:27 ID:r4sTY9cc
>>582
わ、すまん!書き込み読まずに一話目投下してしまった
やはりうpろだが安全か…
うpろだについてはよく知らないのだが、そっちでやってみようかな
585名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 03:37:24 ID:XKsD8kH7
大丈夫だとおもうよ?
なんか、一話目みたかぎりでは、
全然おっけー!!
586名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 09:44:15 ID:G9eDcSj2
おう。俺もちょっと読みたくなった。
587ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:36:37 ID:8rvNSYen
そ、そうか?ありがとう
では続き投下させてもらいます



「うーん、髪型も似とったし、身長も同じくらいやったし…。あと、せっちゃんみた
いに木刀袋背負っとったからやもなぁ。雰囲気が似とった」
「なんというか、複雑ですね…」

刹那は苦笑して夕凪を見る。町中でこんな木刀袋を背負っている人間を見かけるのは
珍しい。剣道部なのかな、と考えたところでまた苦笑した。自分は何を真面目に考え
ているのだろう。
木乃香はとうとうその「似た人」を再度見つけることが出来なかったらしく、残念そ
うな顔で振り返り、「待たせて堪忍なー」と謝って歩き出す。刹那もそれに続いた。

「でもなぁ、本当に似とったんよ…またどっかで会いたいなぁ」
「それは中々難しいですよ」
「そやなぁー…うーん」

木乃香はまだ微妙な表情をしていたが、刹那と歩いているうちに、だんだん気になら
なくなってきたようだった。

---
588ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:37:30 ID:8rvNSYen
翌日、いつもの通り木乃香と刹那が帰ろうとしていると、何故か慌てた様子で剣道部の
部員が刹那のところへやって来た。走ってきたらしく、大分汗をかいている。

「せ、先輩…探しました…」
「え…どうしたんですか?」

後輩に敬語で接する刹那。普段、あまり部活に顔を出さないため、ほとんど関わりが無
いのだ。
しかし剣道部員達は、たまに刹那が部活に来た時に稽古を付けてもらうことがあるので、
刹那の実力はよく知っている。その部員も、普段あまり話すことはないがかなりの腕で
ある刹那と話すことに緊張を覚えているように見えた。

「えっと…今日、他校からの交流試合ということで数名の剣道部の方が見えているので
すが、そのうちの1人がかなりの実力者で…全国でもかなり上の方の方らしいんです。
それで総部長が、先輩を呼んできて、先輩と手合わせしていただいた方が良いのではな
いかと」
「交流試合、ですか?」
「はい。相手は高校生の方なのですが」

高校生。刹那は少し唸る。
ただの剣道の有段者なら、刹那は高校生だろうが大人だろうが勝てる自信がある。刹那
はここは総部長に任せた方がいいのではないかと思った。総部長だって剣道の腕はかな
りのものであるのだし、普段あまり部活に出ない自分が彼に代わって手合いをするとい
うのも悪い気がする。
しかし、木乃香の方はそう思ってはいないらしく、目を輝かせていた。
589ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:38:52 ID:8rvNSYen
「せっちゃん、行ってみん?」
「えぇ?しかし…」
「ウチせっちゃんの剣道やってるとこ見たいし…部長さんが譲って下さっとるんなら」
「お願いします」

部員も頭を下げる。こうなると刹那に断ることは出来ない。もともと頼みごとはあまり
断らない性格なのだし、ここまで頼まれているのに無理矢理断ろうとも思わない。

「分かりました。お引き受けします」

刹那が返事をすると、部員は嬉しそうな表情になった。木乃香もくすりと笑う。

「せっちゃんがかっこいいとこ、見れるなぁ」
「お嬢様…///」






着替えをして柔剣道場に入ると、おそらく他校の剣道部員だという5人がいた。そのうち
4人はもう手合いを終えたらしく、汗を拭ったり麻帆良の剣道部員と談笑をしたりしている。

(ということは…あの人が私と手合いをするという…)
590ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:40:20 ID:8rvNSYen
刹那は、床に竹刀の先をつけて立っている、小柄な人物を見て思った。防具は付けていな
く、胴着と袴だけだ。
と、木乃香がその人物を見てあっと声を上げる。

「せっちゃん。この前見たせっちゃんに似てる人や」
「え?」
「やっぱり剣道やっとったんやな〜。まさかまた会えるなんて思わんかったなぁ」

高校生やったんか、と木乃香が呟く。
刹那はまじまじとその生徒を見た。長い黒髪をポニーテールにして括っていて、顔は中性
的だが整っていた。ぱっと見では少年のようにも見えるのだが、どうやら女生徒のようだ。
あまり顔に表情を出さない方らしい。時々麻帆良の部員が何かを話し掛けても、無愛想な
わけではないのだが、表情を変えずに対応している。
だいぶ小柄で、なるほど身長は刹那と同じくらいだろう。木乃香が中学生だと思っても無
理はない。
だがその生徒を見たとき最も印象に残るのは、その左目だろう。怪我でもしているのか左
目は眼帯に覆われていた。

「遅れてすみません」

刹那が声をかけて軽く頭を下げる。その生徒も、刹那に気付いて頭を下げた。
その動きはしっかりとしていて、「なるほど、出来るかもしれない」と刹那は少し気を引
き締める。
総部長が確認を取るようにその生徒に歩み寄った。

「防具は付けなくてもよろしいですか?」
「大丈夫です。…あぁ、こちらの部員の方は」
「桜咲も防具はいいでしょう。では、そのままということで」
591ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:43:31 ID:+O5gKVN1
いいよな?と総部長が刹那を見る。刹那は頷いた。
刹那は近くの部員から竹刀を受け取って、位置に付いた。相手の生徒も竹刀を持って位置
に立つ。

「お願いします」
「お願いします」

互いに挨拶をし、竹刀を構える。やはりその構えを見てもなかなかの使い手であるようだっ
た。空気がぴんと張り詰めているように見える。
周りでは、緊張した様子で部員達が見ている。その中に木乃香も混じっているのを横目で
見付け、刹那は少し顔を紅潮させた。これでは不様に負けるわけにはいかない。

「始め!」

総部長の声で、刹那は勢いよく前に出て打ち込む。最初の一撃を入れてしまおうと思った
のだ。本気で入れようと思えば刹那はそれだけで総部長にすら勝つことが出来る。
だが絶対に入ると思った小手への一撃は相手の竹刀で防がれた。(何!)刹那は少し驚い
た。何しろ年上であろうと、プロの剣士である刹那の一撃を受け止められる者など、ただ
の剣道部員にはほとんどいない。
少し気を抜いてしまった瞬間、相手の竹刀が閃いて、真っ直ぐに刹那の胴に入る。
(しま…っ!)慌てて防ごうとするが、相手の一撃があまりに速くて対応しきれなかった。
胴に直接竹刀が入り、防具をしているときとは違う鈍い音が響く。

「…あ…」

手加減されていたため、痛みはそれほどでもなかったのだが、思わず刹那は小さく声を上
げてしまった。「止め!」総部長が止めをかける。
こんなに早く1本入れられるなど思っていなかった…刹那は信じられない気持ちで相手を
見る。
相手は、相変わらず表情を変えずに刹那を見ていた。

---
592ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:45:02 ID:+O5gKVN1
「せっちゃんが1本取られるとは思わんかったなぁ」
「…面目ないです…」

結局3本勝負のうち2本は刹那が取り、最終的には刹那が勝ったのだが、その試合はいつ
もよりだいぶ長いものだった。さすがに「気」は使ってはいないものの、刹那としては
かなり危ういところで勝てたという感じだ。反省しながら、木乃香からのタオルを受け
取る。
相手の生徒も刹那と同じくタオルで汗を拭っていた。隣に立つ背の高い女生徒部員が彼
女にドリンクを差し出している。刹那の視線に気付いたのか、木乃香が「綺麗な人やなぁ」
と言った。確かに背の高い部員のほうはかなりの美人だ。

「はい。…それにあの相手も、なかなかの使い手でした」
「名前、訊いたん?」
「まだ訊いていません。一応伺っておかなければいけないですね」

刹那が息をつきながらそう言うと、先程の2人が刹那達を見て近寄ってきた。刹那は会
釈をしてさっき対峙した生徒を見る。目線が大体同じ位置だ。

「先程はお手合わせ、ありがとうございました。お強いのですね」
「いや、僕こそ驚きました。思っていたよりもずっと強くて…。中学生にも、ここまで
の強者が居るものなのですね」

どうやら一人称が「僕」らしい。凛とした低めの声だ。

「柳生九兵衛と申します」
「私は桜咲刹那といいます。また、お手合わせ願います」
「こちらこそ」

再び2人は頭を下げる。九兵衛の横にいた背の高い部員がふっと笑った。
593ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:46:30 ID:+O5gKVN1
「なんだか、桜咲さんってどことなく九ちゃんと似ているのね」
「え…」
「あぁ、やっぱり」

木乃香が嬉しそうに頷く。背の高い部員と目を合わせて、くすりと笑った。
どうやら気が合うようだ。

「私は志村妙といいます。こちらのお嬢さんは?」
「近衛木乃香言います。よろしゅうお願いします〜」

木乃香がはんなりとした雰囲気で答える。そのまま、楽しそうに続けた。

「やっぱりせっちゃんと雰囲気が似てるなぁ思て。それに、すごく柳生さんって強いん
ですね。せっちゃんから剣道で1本取れる方なんて、いるなんて思ってへんかった」
「お、お嬢様!」

慌てて刹那が木乃香を止める。だが2人はほとんど気にしなかったように笑った。

「私も驚いたわ、九ちゃんに勝てる子が中学生にいたなんて」
「僕はそれほどでもないが…。けれど、今日負けたことで自分の弱点も見つけれられた
し、精進しなければと思わされました。ありがとう」

ふっと九兵衛の表情がやわらかくなる。表情のつくりはどちらかというと大人びて見え
る方だが、こうして笑うと志村部員に負けず劣らず綺麗な顔をしていることが分かった。
何故だか木乃香が少しだけ顔を赤らめる。そして、何かを思い付いたような顔にな
った。

「そや。今から一緒に少しお話できませんか?まだ早い時間やし、少しお話したいなぁ
って思うたんですが…。ダメかな、せっちゃん?」
「えっと、私は大丈夫ですよ。今日は仕事もありませんし」
「あら、じゃあ是非。九ちゃんもいいでしょう?」
「では、僕も是非」
594ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 12:52:33 ID:u+QMsEza
初対面だが、互いの相性は良かったようで、すぐに話はまとまった。しかし、こういう
とき、刹那は毎回のように木乃香の社交性には舌を巻く。自分はこういう話の切り出し
方は苦手なのだ。
(お嬢様のように気軽に相手を誘えたらいいなぁ…そうしたら自分から声をかけられる
のに)
そう考えてから刹那は、結局は羨んでいる木乃香本人に気軽に声をかけられるようにな
りたいだけだということに気付いた。顔を赤くして、ふるふると頭をふるわす。

(いや!私などがお嬢様を気軽にどこかに誘うなど!第一身分が)
「せっちゃん、どうしたん?行くえ〜?」
「え、あ、はい!」

木乃香の声で我に帰った刹那は慌てて木乃香達のところに歩み寄る。相手は高校生だと
いうのに、木乃香はすっかり2人に溶け込んでいた。
そのまま4人はカフェテリアへと移動した。刹那は着替えたが、九兵衛、妙は剣道着の
ままだ。汗はそんなにかいていないし、着替えると時間を取ってしまうからである。ち
なみに木乃香が絡んでいるときの刹那の着替えは驚くほどの早業なので、刹那に至って
はその心配は必要無い。
カフェテリアの席につくと、木乃香はうーんと唸りながら2人を見ていた。九兵衛と妙が
不思議そうな顔をする。そして妙が頼んだ飲み物を取りにいっているときに、九兵衛に
向かって笑顔で言った。




書き込みに規制入りそうなんで
続きは明日投下します
595名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 13:31:04 ID:G9eDcSj2
GJ!(´∀`*)
楽しめますた。
596名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 14:33:40 ID:QbSLZUIW
wktkwktkwktkwktk!!
597名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 18:47:08 ID:FQjGfV3i
GJ!
続き待ってます!
これを機に銀魂でも読もうかと思った
598ネギま×銀魂 投下できるかな…:2007/09/15(土) 21:53:00 ID:yhYSstgG
「もしかして、柳生さんと志村さんって付き合うたりしてるんですか?」
「ぶっ!」
「かはっ!?」

いきなりの質問に、九兵衛だけではなく刹那まで吹き出す。というかその質問はどうな
のか。何かいろいろ問題がある気がする。

「お嬢様!いきなり何を…!」
「なんやそう思ってしもて」
「そ、そういう関係ではないです!ただ仲がいいだけで」

九兵衛がむせながら赤くなって答える。刹那はさすがに九兵衛に同情した。
そして九兵衛の方を見て言う。

「柳生さん、敬語でなくても結構ですよ。私達は年下なわけですし」
「…そうかな?じゃあ敬語はやめておこう」

少し落ち着いた九兵衛はそう言って、刹那を見て微笑んだ。

「桜咲さんは中学生にしてはとてもしっかりした敬語で話せるのだな。動きも洗練され
ているし、とてもすごいと思うよ」
「いや、敬語は昔からの癖で…」
599ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:53:43 ID:yhYSstgG
無論、昔から身分上木乃香と話す時は敬語が多かったためだ。木乃香は敬語はやめてほ
しいと日々訴えているが、刹那にとっては木乃香と対等な言葉遣いで話すなどありえな
いし、何より敬語の方が話しやすい。それに、九兵衛の言葉遣いだって結構固い気がす
る。龍宮と同じような言葉遣いだろうか。
刹那は、自分も龍宮とだいぶ話し方が似ていることには気付いていなかった。

「はい、どうぞ」

妙が手慣れた手付きで持ってきた飲み物を配った。剣道部員というよりはマネージャー
のような雰囲気だ。
ありがとう、と九兵衛が妙から受け取る。どこか他とは違う空気が2人の間には漂って
いたが、生憎その方面に疎い刹那はあまり気にしない。親友同士なのだろう、と思った
だけだ。

「はい、せっちゃんv」
「あ、ありがとうございます」

刹那も木乃香から受け取り、おずおずと口を付ける。ちなみに刹那はジュースがあまり
好きではないので、紙コップの中身は茶である。
そんな様子を見ていた妙が、何故か嬉しそうに目を光らせた。そして木乃香と目を合わ
せて2度頷く。本当にこの2人は相性がいいらしい。
木乃香が席から立ち上がり、九兵衛に向かって満面の笑みで言った。

「柳生さん。あの、ちょっと着いてきてほしいところがあるんやけど、駄目ですか?」
「え?僕は構わないが…」

九兵衛は少し目をしばたかせたが、頷いて立ち上がる。それを見た妙が、刹那に言った。
600ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:54:22 ID:yhYSstgG
「じゃあ、桜咲さん。私達はここで待っていましょう?」
「あ、はい」
「ほな、行ってくるな〜」

飲み物のコップを持ち、木乃香と九兵衛が離れていく。特に何も思わずに、刹那はもう
一度茶に口を付けて妙に話し掛ける。

「柳生さんって、礼儀正しい方なんですね」
「そうね。子供の頃からとても真面目なの」
「いいことですね」

刹那が少し感心すると、妙はくすっと笑った。

「刹那ちゃんもだいぶ真面目そうね」
「そうでしょうか?そうでもないですよ」
「刹那ちゃん、木乃香ちゃんのこと好きでしょう?」
「ぶっ!!」

本日ニ度目は飲んでいた茶を吹き出した。いきなりそんな質問をされてはさすがに焦る。
というかさっきお嬢様が似たようなこと柳生さんに訊ねてなかったっけ?
妙はそれを見て可笑しそうに口元を押さえて声を出して笑う。刹那は赤くなって視線を
逸らした。

「か、からかわないで下さい…」
「ごめんさない、なんだか可愛くて…。…どうしてあの子に敬語で接するの?」
「ええと…お嬢様の家はかなりの名家で、私はそれに仕える身ですし…」
601ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:55:11 ID:yhYSstgG
あら、と妙は少し驚いた顔をする。

「だから箱入り娘って雰囲気がするのね…なんだか私達と似てるなぁ。
私達の場合は逆だけれど」
「逆?」
「九ちゃんのお家ね、とてもお金持ちの名家なのよ。すごく有名な」

落ち着いていたり、言葉遣いが丁寧だったりするのは、そのためなのだろうか。刹那は
そんなことを考えて茶のカップをテーブルに置いた。
妙の口調からは、木乃香の家柄への対抗や、友達の自慢をしたいという感じは全く伝わ
ってこない。妙が続ける。

「だけれどね、九ちゃんは、剣で私を護ってくれるって、いつも私の傍にいてくれるの。
私にとっても九ちゃんは一番大事な人だから、いつも傍にいたいなぁって。
あなたたちの関係もそんな風じゃない?」
「え…どうして、そんなに分かるんですか…?」
「雰囲気よ。なんとなくだけど」

妙はキャラメルマキアートに口を付けて微笑んだ。この人はどこか人を惹き付ける魅力
がある、と刹那は直感する。おそらく容姿だけではなくて、独特の優しくて温かい雰囲
気のためだろう。明日菜の周りに自然に人が集まってくるように。

「私はいつも危ない時、九ちゃんに護られてきたんだけれど、…ただ、ときどきそれが
すごく辛いときがあって」
「辛い?」
「護られてばかりというのは辛いから。大切な相手は、自分だって護りたくて」

(守られてるばっかりはイヤやわ…ウチも守りたい!!)
602ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:56:30 ID:wHGPEgAV
木乃香の声が耳の奥で蘇る。
守ることで逆に傷つけてしまっていたとあのとき刹那は知った。だから、それ以来ずっ
と木乃香を傷つけまいとしてきたけれど、一生を賭けて木乃香を守るという決意は変わ
っていない。そのためには命を落としたとしても構わないと。

「それにね、護ってくれる相手、護る相手という以前に、私にとって九ちゃんは親友だ
し、刹那ちゃんにとっても木乃香ちゃんは大切な友達でしょう?」
「…はい。…身分を弁えずに言わせていただけるならば、親友…です」
「親友にはね、相手から歩み寄ってほしいものよ。どうも九ちゃんはその辺の押しが足
りないわ」

妙がため息をつく。刹那は笑った。

「というわけで、刹那ちゃんも木乃香ちゃんを押し倒すくらいしても良いと思うわよ」
「…かはっ!!い、いきなり何ですか!!」
「あら。なんだか刹那ちゃんもそんな感じがして。いつも受け身でしょう?」
「おっ、押し倒すとかそういうのは違います!」
「ふふ」

必死で反論する刹那を受け流す妙。肩で息をしながら、刹那はかなり疲労を感じていた。
お嬢様といい志村さんといい、どうしてこんな問題発言ばかりなんだ。なんでこんな疲
れる人達が世間には溢れてるんだ。むしろこの思考回路が正常だとしたら、人間界はお
かしい。絶対におかしい。少しだけ本気で烏族の中で過ごしたいと思った。
そこまで考えて刹那は、自分は他人と会話をすることはとても苦手なはずなのに、この
人達とは何故だか気軽に話せているということに気付いた。

「あら、木乃香ちゃんたちも帰ってきたみたい」
「え」
603ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:58:32 ID:wHGPEgAV
妙の視線の先を見ると、木乃香が九兵衛の手をひいてきているところだった。今にも発
火しそうなほど赤い九兵衛の顔を見ると、どうやらこちらと似たようなことを言われた
らしい。

(…大変、だっただろうな)

思わず心の中で九兵衛に合掌をしてしまう刹那であった。








「じゃあ、僕らはこれで。今日は本当にありがとう」
「いえ、こちらこそ」

あれからも少し話をして、気が着けばもうすっかり夕方だった。自分の高校の制服に着替
え、荷物をまとめた九兵衛が刹那に礼を言う。妙は先に荷物を専用の車にのせているとい
うことで居なかった。木乃香もそれを手伝っているため、今この場に居るのは九兵衛と刹
那だけだ。

「…あの、お嬢様に何か訊かれましたか?」
「…まあ、いろいろ。君も妙ちゃんに訊かれたみたいだな…」
「はい…困ったものですね」
「困ったものだ」
604ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 21:59:33 ID:wHGPEgAV
2人は同時にため息をつく。だが何故か少し笑みが零れてきて、2人してふふっと笑った。

「けれど、志村さん、すごくいい方なんですね」
「ああ。だけど、近衛さんもいい子だね。君は相当想われているな」
「な…!」

刹那は赤くなって思わず慌てる。九兵衛は右目を細めて笑ってみせた。
そして木刀袋を背負い直し、「それでは、また」と言って歩き出す。刹那は思わずその小
さな背中に声をかけた。



「あの、すいません!」
「?」
「その左目、どうしたんですか?」

九兵衛の目が驚いたように見開かれる。そして、どこか寂しそうな表情になって言った。

「昔、妙ちゃんを護ろうとしたときに付けた傷」
「…」
「結局まだ護りきれていないのだけれど」

またいずれ、手合わせ願う。
そう言って九兵衛は去っていった。刹那はしばらく袋に入ったままの夕凪を握り締めて、
そこに立っていた。

605ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 22:00:28 ID:wHGPEgAV

---


「妙ちゃん。お疲れさま」
「あら、九ちゃん。こっちも終わったわよ。さて、帰りましょう」
「うん、そうだね」
「…ふふ」
「どうした?妙ちゃん」
「いえ、最近の九ちゃん、前よりもよく笑ってくれるようになったなぁって」



---


「せっちゃんー!」

手伝いを終え、妙を送りだしてきたらしい木乃香がかけてきた。刹那の腕を抱き着くよう
にして掴む。少し赤面して、刹那は、お疲れさまです、と声をかけた。

「お嬢様…もしかして志村さんと組みましたか?」
「うんvせっちゃんも柳生さんもなんやシャイやからな〜。お互いに探ってみようて」
「目線だけでそこまで心が通じたのですか…」

半分呆れて刹那はため息をつく。それでも、木乃香から逃げることはせず、腕を掴まれた
まま歩き出した。

「暗くなってしまいますし、帰りましょう」
「そやね〜」
606ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 22:01:05 ID:wHGPEgAV
刹那に逃げられなかったことが嬉しいらしい。木乃香は刹那を掴む手の力を少し強めた。
ぎゅ、と握られ、刹那は更に赤くなる。絞り出すように声を出した。

「あ、あの、お嬢様…ひとつ、質問があるのですが」
「質問?」
「はい。あ、あの。…私って受け身でしょうかね?」
「…?そりゃ、受けか攻めか言うたら受けやなぁ」
「いや、そういうことではなく…」

どう表現したら良いのか分からず刹那はヒートアップした頭で考えた。

「えっと、志村さんに、自分から歩み寄った方が良いと言われたのですが」
「ふむぅ…で、せっちゃんはどういうふうに歩み寄ってきてくれるんかな?」
「…う…ぁ…えっと」

木乃香がさっきよりも身を寄せてきて、しどろもどろになりながら刹那は答える。

「…と、とりあえず、明後日の水曜日…授業が終わったらどこか遊びに出掛けませんか?」
「遊び?」
「い、いつもお嬢様に誘われてばかりだったので…」

またふむぅと木乃香が唸る。断られるのではないか、と刹那はドキドキした。
と、いきなり木乃香が自分の顔を刹那の顏にぐっと近付ける。

「50点」
「は、はい?」
「いつもより成長したけど、まだまだやなー。歩み寄る言うんやったら、これくらいせな
アカンえ?」
「え…」
607ネギま×銀魂:2007/09/15(土) 22:01:54 ID:wHGPEgAV
木乃香はそのまま刹那に顔を近付けた。唇と唇が重なる。掠めるほどのキス。
「〜〜っ!!!」刹那はこれ以上ないというほど赤くなり、後ろに下がった。木乃香が不満そう
に口を尖らせる。

「せっちゃんイケズやなぁ」
「ももも、申し訳…っ…!!」
「自分から出来るようになるんはいつかなぁ?」
「…ど、努力は、します…」

この調子ではしばらくは無理そうだ。半分残念に思いながら、木乃香は笑って再び刹那の手を引く。

「まっ、ウチはずっと待つからええよ〜。で、水曜はどこ行くん?」
「え…あ…えーと…」
「考えてなかったん?」
「…申し訳ありません」

刹那はうなだれたまま木乃香に手をひかれて歩く。が、途中でそっと木乃香の手を握りかえ
した。さすがに恥ずかしいため、うつむいてしまったが。
木乃香が驚いたように刹那を見、そして微笑む。刹那は大きく胸のうちで息をついた。


まずはここから。いずれは、自分からもっと好きだと伝えられるように。
それまで待っていて下されば嬉しいです、このちゃん。


608名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 22:05:20 ID:wHGPEgAV
規制かかるかなって思ったけど全部投下できました
ク、クロス小説って難しいな…
グダグダ感に溢れてる上に長くてすまん
そしてここまで読んでくれた人、ありがとう
609名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 22:31:47 ID:/2as29h2
>>608
全然よかったと思うよ。
クロスでも違和感なかったし。
610名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 23:16:22 ID:G9eDcSj2
>>608
まったくだ。GJ!
611名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 23:30:59 ID:84eO+oBF
銀魂全然知らんけど面白かった。GJ!ちょっと銀魂見てみようかと思った。

最近はこの流れか…。エロや黒がちょっと落としにくいかも!でも落とすときは流れ無視して一気だけどね。

投下規制ってどのくらいでかかるんかな?板の設定は一応ナシになってるみたいなんだけど…。
誰か経験ある?前の長いヤツのときも全然問題無かったみたいだったよ。
612名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 23:33:29 ID:QbSLZUIW
GJ!
すげえよかった!
613名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 23:36:59 ID:SHlwS2/a
素晴らしい!GJ!
614名無しさん@秘密の花園:2007/09/15(土) 23:51:42 ID:ZlutoaKr
>>611
過去の『悪夢の現実』が規制かかった事ある作品だよ。
レス数を数えて見ると新しい発見があるかもね。

>>608
GJ!
wikiで二人のとこだけみてきた。
幼馴染ってやっぱいいなぁ。
615名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 00:03:20 ID:6ueMKqC5
まとめサイト管理人さんへ

#)09HJq4mです。過去作品をリストしました。次更新のときにでもお願いします。

年齢制限ナシ
スレ(6) 832
スレ(7) 39 224 245 266 549 834 「短編 582」
スレ(8) 72 370
年齢制限
スレ(6) 766
スレ(7) 135 340 444 472 492 630 685 812
スレ(8) 176 433 453
616名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 00:06:01 ID:Ckz5/QuW
>>608
照れまくりせっちゃんGJ!
銀魂の2人もよかった!


新しいあぷろだありがとうございます!
早速イラスト投下いたします・・・どうかな?
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00004.jpg
617名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 00:09:03 ID:6ueMKqC5
悪夢の現実->33レス

位置レスの改行数も31行だから30辺りがラインかもね。
長対策の時は注意が必要だ。

あぷろだが出来た途端画像投下が増えたな。
萌え絵がおおくて嬉しい限りだ。

>>616 リハビリを兼ねてSS妄想してもいいか?
618名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 00:15:23 ID:Ckz5/QuW
>>617
そんなこと言ってくれるなんて嬉しい限りw
どんどん妄想してくれよな!
619名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 00:38:13 ID:xcvR3AkO
>>608
すごいな、GJ

銀魂とクロスしてるのにこのせつがボケやキャラ崩壊してないせいか違和感ないな
620名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 02:05:23 ID:/oD9Is7b
連日お邪魔してます
描ける時に描かないとほんとに描けなくなるもんで…
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00005.jpg

百万が一せっちゃんがおkしても、自分の技術レベル的に無理なオチ
621名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 02:15:06 ID:6ueMKqC5
>>620

うはっ!あんたの4コマ好きだ!萌えた。
そうだ!どんとこい!このせつの愛を分かち合おう!
木乃香がんばれ!負けるな刹那!
622名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 02:36:48 ID:jTlLIe65
>>616
すげーw
>>620
今回も可愛いですw萌えました!
623名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 03:19:08 ID:VMk2o6ja
>>616
楓かと思った
624名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 03:58:58 ID:6ueMKqC5
>>616
すまね。駄作だが,落とさせてもらう。
落ちがネェ。
6251/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:01:14 ID:6ueMKqC5
「好きなんや……せっちゃんのこと……。」

夏風が,火照った頬を撫でていく。
突然のお嬢様からの告白は,私の世界を変えた。

これまでずっと抑えてきた感情…。それを意識的に避けてきた。
今,自分は十分にお嬢様の近くにいる。それだけで十分だった。
以前の自分を省みれば,それがどれほどのことか存分に身に染みた。

しかし,お嬢様が私にかけた言葉,それは私の抑えていた感情を呼び起こすものだった。
私にそのことを告げた時のお嬢様の表情は,困ったような,でも嬉しそうな…。
わずかに高揚した頬は,恥かしそうに私にはにかんで見せた。
まるでその返事はわかっているとでも言うように,不安な素振りは見せず,お嬢様は誇らしげに私にそう仰った。

「……せっちゃんは?」

お嬢様は静かに微笑んで私に問い返す。お嬢様は私に何をお望みなのか?
私は自分の気持ちを言葉にすることが出来ず,黙して立ち竦んでしまった。
手が震える。足が……竦む。
どれほどの強敵を前にしても,闘志を打ち破られることは無かった。
どうしてお嬢様は私をこれほどまでに動揺させるのか。
動きを見せない私に,お嬢様は困ったように私の顔を覗きこんで言う。

「困らせてもうた?」

屈託の無い笑顔に,私は乾いた喉から無理やりに声を出した。

「……いえ…,その…」
6262/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:02:14 ID:6ueMKqC5
でも,なにも言葉にはならなかった。
お嬢様は,私の手をとり,もう一度お尋ねになる。

「どうなん……せっちゃんは…。」

お嬢様の瞳は,私の心を見透かしているようで,何も言わないまま終わらせてくださる雰囲気はなかった。
これまでに,一度として認めるわけにはいかなかった。お嬢様への恋慕の情。
決して許されるはずも無く,お嬢様を困らせるだけだと思い込んで,抑えつけてきた。
でも,その反面,胸の奥でずっと暖められたその感情は,決して消えることは無かった。

お嬢様のたおやかな手は私の両手を握る。やわらかな温もりが私を包み込む。
胸が高鳴るのを感じた。

認めてしまっても良いのだろうか?
私はお嬢様を恋い慕っている。そしてお嬢様も私のことを…。
お嬢様は,私にそのことを教えてくださった。
そして,私に”素直になれ”と勧めている。

「私は……」

搾り出すように言葉を紡ぐ。
お嬢様は私の想いを受けとめてくださると仰っているのだ。
胸の奥から耐え忍んだ感情が,止めど無く溢れ出てくる。

「私も…お嬢様をお慕いしております。」

もう……抑えていられない。貴方が好きです,お嬢様。誰よりも貴方を…。

「貴方が……好きです。」
6273/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:03:05 ID:6ueMKqC5
耳まで熱くなるのを感じた。情けなくも,こみ上げた感情のせいで目頭が熱くなった。
一筋流れた滴をお嬢様は,そっと指で拭って私に優しい笑顔を向ける。

「やっと…言ってくれた。」

そう言うと,お嬢様は私の背に腕を回し,私の胸に体を預けてきた。

「せっちゃん……大好きや。」
「お嬢様……。」

私は,二度も言うことが出来ず,胸の中のお嬢様をそっと抱き締めた。

◇◆◇

あれから,いくらか時間が経った。季節も変り,秋の風が心地良い。
お嬢様との距離は,以前とそれほど変らない。
でも確かめ合ったお互いの感情が,二人の間の空気を満たしてた。
かつてあった遠慮がちな一面は,お互いの思いやりに満ち,以前とはまた違う充実した関係を築いていた。

でも,人というのは欲深い存在で,手にした幸福に満足すると,次の欲望が姿を現してくる。
お嬢様の温もりを知ってしまった今,その温もりを一層感じたいと願う。
一方お嬢様は,以前から私が戸惑うくらいのスキンシップを日常的に行なわれる。
むしろそれは一層過激化しており,私はいつも理性を総動員して冷静さを保つのに必死だった。
でも,それは私のとは違う。お嬢様は,私が困るのを楽しんでおられる節がある。
私を煽って,そして茶化して…。
このままプラトニックな関係をご希望なのだろうか,それとも…?

私は対面に座るお嬢様を見詰めた。いつからか日課になった私とお嬢様でのお茶会。
以前はお嬢様のお部屋に呼んでくださっていた。アスナさんやネギ先生も一緒で。
でもいつからか,場所は私の部屋に変更された。
そして,龍宮の不在のときにはお嬢様がお泊まりになることもあった。
6284/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:03:44 ID:6ueMKqC5
屈託無くおいしそうにおやつをほお張るお嬢様を見て,私は邪な考えを捨てる。
にっこりと微笑んで愉しそうに色々なお話を聞かせてくださるお嬢様に私の頬も緩んだ。
少しもお茶菓子に手を伸ばしていない私を見て,お嬢様は徐に私の隣に座す。
そして,次の行動に移られたが,私はその行動に動揺せずにはいられなかった。

「はい♥あ〜ん。」
「!!!」
「だから,あ〜ん,して♥」

どうしてお嬢様はこうも無防備なのか?
他に誰もいなくても,私は緊張しないわけにはいかなかった。
私に逃げを許さないお嬢様の雰囲気に,私は思い切って大口を開けた。

「はいな♪」

ヒヨコに餌付けするかのように愉しそうに,お嬢様は私の口にクッキーを一かけら入れてくださった。
モゴモゴと口を動かし,私はそれを味わう。普段食すクッキーと何ら違いは無いのに,
何故かそれは酷く甘くて,今まで食べた何よりもおいしかった。
たったそれだけの行動で,私の胸は高鳴った。まだドキドキしているのを感じる。
どうにかその雰囲気を払拭しようと,私はお嬢様の襟についたクッキーの欠片を見つけ,それを払うために手を伸ばした。

「おっ…お嬢様っ,襟についていますよ。」

動揺が現れてしまったか,言葉が詰まってしまった。
そしてお嬢様の襟に手を伸ばした瞬間,お嬢様に腕ごと急に引き寄せられて,私は倒れこんでしまった。
警戒していなかったために,普段ならバランスを崩すことも無いちょっとした引力にそのまま体をもっていかれてしまったのだ。
形の上では,お嬢様を押し倒しているように見えるかもしれない。
私の目の前には,真摯な視線を私に向けたお嬢様の顔があった。
6295/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:04:35 ID:6ueMKqC5
本来なら,直ぐに退かなければならない。それに,いつもの私ならそうしたはずだ。
けれど,至近距離で見たお嬢様の表情に,私は捕らえられてしまった。
熱っぽい視線を絡ませてくる。私の高まる鼓動を更に激しくさせる妙な期待感を含んでいた。
潤んだ瞳が,妙に色っぽくて私を捕らえて離さない。
桜色の唇が私を誘う。

「せっちゃん……」

濡れた唇が切なそうに私の名を紡ぐ。私の掌はじんわりと汗ばんでいた。

(お嬢様は,私を求めていらっしゃるんだろうか…。)

自分の決断にいまいち自信が持てなかった。そんな私の葛藤が顔に現れていたのだろうか。
お嬢様の手が私の頬に触れた。ひんやりとした掌が紅潮した私の頬に気持ち良かった。

「うち……せっちゃんならええ。だから我慢せんで。」
「…お嬢様…何を……。」
「うちかて……せっちゃんと同じや。」

何事も無いように仰るお嬢様だったが,これからを期待してか,うっすらと頬を紅潮させ恥かしげに呟かれた。
私は,お嬢様の言葉に後押しされ,濡れた唇にそっと近付く。
私とお嬢様の間を埋めるために必要な距離はたった十数センチ。
ほんの少しの距離なのに,私はその距離詰めるのに長い時間を要した。
一歩一歩近付くたびに感情が昂ぶり,目頭がじわっとしてくる。
でもそれはお嬢様も同じで,目尻には涙が溜まっていた。潤んだ瞳が一層潤んで私をどんどん引き寄せる。
あと一歩で,お互いの唇が重なるというその瞬間,がんがんとドアをノックする音が響いた。

「木乃香〜。刹那さ〜ん。いる〜?」

その声から,来訪者はアスナさんだということがわかった。
私とお嬢様は,その音に驚き,慌てて体を起した。
6306/6  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:05:13 ID:6ueMKqC5
「今日はお預けみたいやね?」
「!!……。」

いたずらっ子のような表情をお嬢様は,私に向ける。

「そんな残念そうな顔せんでも,直ぐ次の機会があるえ?」

お嬢様の言葉に,そんなに残念そうな顔をしていたのかと自分の顔を抑えつけ,2,3回叩いた。
私はお嬢様に視線を向ける。お嬢様は嬉しそうに微笑みを返してくれた。

私はそのとき,何時の間にか縮まっていた距離に中々気付けなかったことを知った。
お嬢様もそれを望まれていたのだ。
おそらく,私とお嬢様の距離が「0」になる日もそう遠くは無いだろう。

それにしても…。
私の気持ちをお嬢様は全部お見通しなのだろうか…。
いつまでも一枚上手なお嬢様に頭が上がらない。しかし,そんなお嬢様が私はやはり大好きなのだ。
私はお嬢様に優しく微笑みを返し,がんがんとうるさく鳴り響くドアへと向かった。
631終  ◆yuri0euJXw :2007/09/16(日) 04:08:06 ID:6ueMKqC5
終わりで〜す。駄作でスマン。自分全然上達してネェなorz
ん?何が書きたかったかって?GJイラストに絡めた『告白』が書きたかったのさ。

お目汚し失礼しました。
632616:2007/09/16(日) 07:59:54 ID:Ckz5/QuW
>>623
(´・ω・`)楓…本当だな
顔似てなくてごめん…



>>631
うわああああああ!!!!!!!!!!
なんというおあずけ…
GJ!GJ!GJすぎ!
てか>>631のSSは毎回毎回ホントいい!
自分の絵に絡ませてくれて感激だ!
ここまで妄想を発展展開できる才能に嫉妬w

正直、顔赤くし過ぎたとか、涙はやり過ぎたとか思ってたけど、
SS読んだらやってよかったって思えた!ありがとう!
これからもSS作るの頑張って!応援してます!
633名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 13:46:55 ID:JUuk3HEV
最近はこのスレも過密になって良かった。
職人さんもいっぱい増えてきたし。
GJ!
634名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 21:28:19 ID:/oD9Is7b
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00006.jpg
ネギま!?OVA夏より
「ネギ君と本屋ちゃんが赤い糸で繋がれてもうたけど、ウチらも運命の銀の鎖で繋がってるんやえー♪」
「鎖もよくわからないですが、この耳としっぽはなんなんですか…」

おまけ。
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00007.jpg
635名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 21:34:59 ID:yoauNxUE
>>634
アカン、可愛すぎる。
絵が描けるってうらやましい・・・・!
636名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 22:45:30 ID:5hAEN8Cy
>>635
テラカワユスwwww
637名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 22:46:13 ID:5hAEN8Cy
安価ミスったorz
×>>635→○>>634
638名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 23:41:19 ID:Ckz5/QuW
>>634
ちょwwww身もつながれっこwwwww
つながれっこしてる絵も見てえwww
639名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 23:53:43 ID:T7Blfsrw
>>634
かわええw
640名無しさん@秘密の花園:2007/09/16(日) 23:59:10 ID:+Tg90SJ6
なあなあ、このせつ本含めてネギま百合本って
コミケ以外ではどういうイベントに出てる?サンクリとか?
スレ違いだったらごめん。
641名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 00:51:08 ID:5Rk4Cpao
>>631
嬉しい反応dクス!
最近レスあんまり無いから最近のネタの受けが良くないんだと思ってた。

オイラも正直ちょっとリアル過ぎかもwwと思ったけど(ピンポイントで涙にキタ!),
この板の住人は程よく脳内補完してくれる(いつもしてもらってる)ので
おkかとおもた。

自分的には良いリハビリになったので喜んでもらえると嬉しいぞ。
オイラそろそろ20作を越えたようなのでマンネリを打破すべく、もちっと頑張ってみる。

この板もク氏の貢献(うpろーだネ)でイラスト充実しきてるし
盛り上がってるのは嬉しい限り!!

でもキャワユイイラストも萌えるがオイラはそろそろク氏の
悶え萌えSSが読みたくなってきたゾ。
642名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 00:59:20 ID:5Rk4Cpao
あれ?アンカミス
631じゃなくて632だわ。自分に送ってどうすんだよ〜orz
643名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 14:19:29 ID:cHG0i0CX
寸止めしまくりのSSって、だれかかけないかな?

漏れはどっちかっていうと文より絵だからエrはかけないんだよな・・・orz
644名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 14:33:22 ID:la7n5mZt
>>643
詳しくお願いします。
645名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 14:42:43 ID:5Rk4Cpao
>>643
いまいち意味がわからんのだけどどういうこと?
寸止めしまくりって‥‥。
646名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 17:34:54 ID:lhnIN57N
寸止めしまくり…?

せつこのだったら、誘い受けこのちゃんが何度もいいとこで逃げて悶々溜ったせっちゃんが一気に襲うとか?
このせつだったら、このちゃんがせっちゃん襲うんだけどいつも序の口だけでストップして、せっちゃんが自ら要求するまで追い詰めるとか?

寸止めとはまた違うか…
うーん?
647名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 17:44:17 ID:qYmk52Zy
>>646 ちょwwエロ!
俺それで良い!誰かSSキボン!
648名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 17:49:46 ID:AX9eM+0B
>>646
いい!
自分はこのせつの方が見たいな。
職人たち頼む!
649名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 18:11:51 ID:+BOlj54R
拘束プレイで寸止めでせっちゃんが堕ちておかしくなるみたいな
同人でいえば喘ぎとか台詞の最後に絶対ハートがつくみたいな

やべ、自分の妄想でおっきした・・・
650名無しさん@秘密の花園:2007/09/17(月) 18:23:01 ID:qYmk52Zy
じゃ。じらし祭り(まくり)だな。
みんな書こうぜ、そんでもってハァハァしちまおう!
せつこの このせつ 何でも来いやれ!
651名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 00:30:53 ID:OUuuYz9R
ぜひ誘い受けこのちゃんでww
652名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 00:51:33 ID:Q0MnU7yn
>>646
どっちにしろ寸止めされるのはせっちゃんなのかww
653名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 01:07:13 ID:Ga6ToHjs
寸止めされるこのかも新鮮でいいと思う
と、いう希望を書いてみる
654名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 02:45:44 ID:Ga6ToHjs
じらし祭りへの期待で一枚描いた
エロ絵とかダメな人いたらごめん
で、特にじらしてないです…

ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00008.jpg
655名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 07:08:16 ID:axC3GxVS
>>654
うほっ!!
656名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 17:43:20 ID:F3YO61aN
>>645
うは!エロかけない自分にとってはすばらしすぎるwww

ながれにのって自分も描いてみたのでうpしてみる。
この間のホストの雰囲気だ出たらいいなと思ったのだが撃沈だった…
そして木乃香もいないけれど…スルーしてくれたらうれしい
http://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00009.bmp
657名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 17:44:15 ID:F3YO61aN
連投すまん!
そして画像も直だったこともスマソ…!
658名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 18:01:07 ID:imSoWAuu
bmpは容量でかくて携帯で表示できない場合があるから、jpgでお願いします。
659名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 18:23:29 ID:ZR+7Y+5A
みんなスゲーなあ
自分なんか鉛筆画しかできんもんだから・・・
色って何で塗ってます?簡単なソフトあったら教えて下さいorz
660656:2007/09/18(火) 18:38:51 ID:F3YO61aN
jpgのほうが良いと指摘をいただいたのでうpしなおしてみました。
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00009.jpg
661名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 18:51:16 ID:qICdXyvr
>>660
それでも重かったけど何とか見れた!
上手いな〜このせつ絵も是非!
662名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 19:33:47 ID:+0XRmc1x
見れなかった〜(;_;)
663名無しさん@秘密の花園:2007/09/18(火) 22:45:00 ID:3BJR4Y5L
旅行から帰ってきたらなんて良祭りがww
という事で便乗させてもらいました
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00010.jpg

しかしえろの欠片もなくいつものアホこのせつ
えろを描くには中の人の実力不足みたいです><
664名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 00:07:59 ID:M5Oj8gwq
>>663
>いつものアホこのせつ

だがそれがいいw
これ、俺の中では結構ツボなんだwwwwww
665名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 00:35:02 ID:eLCDYq2Q
>>663
俺も同じくツボにはまってますwww
もっとやって!
666名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 00:44:25 ID:uj5djfeg
>>659
色も塗れないカスはこのスレに書き込む資格無し
667名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 01:06:37 ID:IdoUEwcf
>>663
ナイス・・・・!
かなりツボってます・・・・!
これからも頑張って!

焦らし物かどうかは自信無いけど、SS投下します。
668疑心:2007/09/19(水) 01:10:03 ID:IdoUEwcf

「んぁ・・・・ぁ・・・・、っ」

目の前で喘いでいるのは、ウチの大事な幼馴染。
でも意識は無い。
夕食に混ぜた薬で、深い眠りについている。

「・・・・っ・・・・はぁ・・・・」
「・・・・せっちゃん」

睡眠薬と一緒に投与した媚薬の効果で、寝ててもせっちゃんの身体は快楽に反応した。
これは愛の確かめ合いではなく、一方的な愛情の押し付け。
こんな行為はもう、数回繰り返している。

「ぁあ・・・・ん・・・・」
「・・・・ごめんなぁ・・・・でも、こうでもせんと・・・・」

せっちゃんは逃げてしまうから。
きっと起きてる時にこうやって迫れば、せっちゃんはもう一緒に居てくれなくなる。
だからこれは・・・・ウチだけの、秘密。

「・・・・はぁ・・・・あぁぁ・・・・っ!」
「せっちゃ・・・・ぁ・・・・!」

決して続けてはいけない行為。
それはわかっていたけど、ウチは欲望に打ち勝つ事ができなかった。

*
669疑心:2007/09/19(水) 01:11:57 ID:IdoUEwcf

「うーん・・・・いい天気だ・・・・」

せっかくの休日だと言うのに、私は学園にいた。
今日は魔法生徒、魔法教師限定の健康診断の日。

「昨日は良く眠れたし、心配はないだろう・・・・」

今私は診断を終えて、結果を待っている。
先日にお嬢様が泊まっていたので、緊張して寝れないと思った。
しかし疲れが溜まっていたのか、すぐ眠る事ができたので問題ないはずだ。
お嬢様が作ってくれた手料理のおかげだろうか?

「おい、刹那」
「龍宮か、結果どうだった?」
「私は問題ない・・・・が・・・・」

仕事のパートナーである龍宮は、歯切り悪い口調で言葉を切る。
そして私の顔を覗き込んできた。
私の方に何かあったのだろうか?

「どうした? はっきり言え」
「お前、薬でもやってるのか?」
「・・・・は?」

龍宮によると、私は内科検診で引っかかったらしい。
詳しい事はわからないが、何かしら薬の成分が見つかったとかで、再検診の紙を渡された。
しかし心当たりなどまるでない。

「これから再検診を受けろと・・・・」
「この学園は魔法関係に関しては嫌に厳しいしな」
「・・・・お嬢様に、なんて言おう・・・・」
670疑心:2007/09/19(水) 01:15:30 ID:IdoUEwcf

検診に引っかかったと言えば、きっと心配されるだろう。
言い訳を考えていると、龍宮はまだ怪訝そうな顔で私の顔を覗いていた。

「・・・・本当に、心当たりはないのか?」
「あぁ・・・・昨日もお嬢様が夕食を作ってくれたし・・・・」
「近衛に何か盛られてるんじゃないのか?」
「なっ!!」

お嬢様は断じてそのような事はしない、するはずがない。
私が睨みつけると、龍宮は両手を上げた。
・・・・しかし謝りはしなかった。

「まぁ・・・・念のためだ。これからは何か食べたときはこれでも飲んでおけ」
「・・・・これは?」
「説明書は中に入ってるさ、じゃあ私は神社で仕事がある」

私は無造作に渡されたそれを受け取り、龍宮を見送った。

*

再検診はかなり時間を要した。
色々な方法で検査をし直し・・・・結果はやはり陽性。
でも悪いものではなかったようで、入院など深刻な問題にはならなかった。

「遅かったなーせっちゃん」
「すみません、仕事の話もあったので・・・・」
「ほっかー、すぐ夕飯の支度するな〜」
671疑心:2007/09/19(水) 01:16:53 ID:IdoUEwcf

再検診をしてたと言えるはずも無く、結局"仕事"と言い訳をする。
幸いお嬢様は、深く考えなかったようだ。
あまり深く考えないお嬢様の性格には、たまに感謝させられる。
時折すごく鋭かったりもするのだが・・・・。

「私も手伝います」
「ううん、せっちゃん座っとってな。疲れとるやろ?」
「いえ、これぐらい・・・・」
「だーめ!」

龍宮が神社で寝泊りしているからか、お嬢様は最近よく泊まりに来るようになっている。
私は仕事中心であるため、必然的に家事などはお嬢様がやるようになった。
まるで新婚のような・・・・。

(・・・・し、新婚!? な、何を考えて・・・・!)

「せっちゃん何一人で赤くなっとるん?」
「はい!? い、いえ、別に・・・・!」
「そう? はい、夕飯できたえ〜」

あってはいけない妄想をしてうろたえている間に、お嬢様の料理が完成したようだ。
中学生が作ったとは思えないほどの豪華な料理がテーブルに並ぶ。

「い、いただきます」
「はいなv」

その料理を一口ずつ味わう。
それは薄味で上品であり、私の好みに合った。
お嬢様は食べる人の好みに合わせてくれるので、ネギ先生も入国したばかりの頃は助けられたと言っていた。
672疑心:2007/09/19(水) 01:19:00 ID:IdoUEwcf

「・・・・どう?」
「はい、とても美味しいです」
「そらよかったわ〜、どんどん食べてなv」

お嬢様の手料理は本当にどれもおいしい。
とくにお嬢様と楽しく会話をしながらなので、あっという間に平らげてしまった。

「ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした〜」

そして食べ終わったら二人で片付け・・・・とはいかなかった。
お嬢様が私が立つのを許さず、さっさと一人で片付けを始めてしまう。
片付けまでが料理らしく、楽しみの一つだと言って譲ってくれなかった。

「ふわぁ・・・・」

満腹になったせいか、眠くなってきた。
お嬢様の料理は、心も身体も温まるようで・・・・。

――カサッ

「ん・・・・?」

伸びをした腕を下ろした際、腕がポケットに触れて紙の音がした。
ポケットにあるのは龍宮がくれた紙袋が入っている。
あの後説明書を読んだら、これは"直前や直後に飲んだ毒や薬を無効化する"高価なものだとわかった。
薬を薬で無効化するのはどこかおかしい感じもしたが、昔戦場で役に立ったものらしい。
673疑心:2007/09/19(水) 01:21:09 ID:IdoUEwcf

『近衛に何か盛られてるんじゃないのか?』

蘇る龍宮の言葉。
今食べたこのおいしい料理に、毒でも混ぜられているとでも言いたいかのような言い方だった。
だが、そんな事あるはずがない。
確かにお嬢様の料理を食べると、気が緩んで寝てしまう事は多いが・・・・。
・・・・。

「あれ? せっちゃん座っておってええのに・・・・」
「・・・・眠くなってきたので、歯を磨いてきます」
「ほか、ほなら今日もはよ寝よか」

お嬢様は疑問を持たず、後片付けを続ける。
私は洗面所につくと、音を立てないように薬を開封した。
・・・・お嬢様を疑うわけじゃない、どうせ無意味で終わる。

私は薬を一個取り出すと、それを水で一気に喉に流し込んだ。

*

しかし疑心は晴れる事がなかった。
薬を飲んだ途端、急に眠気が引いたからだ。
それはすなわち、睡眠薬のような薬を盛られていたと言うこと。
お嬢様の料理以外は口にしていないので、お嬢様の料理しか心当たりはない。

「せっちゃん、寝なくて大丈夫なん?」
「あ・・・・」
674疑心:2007/09/19(水) 01:22:46 ID:IdoUEwcf

お嬢様も私も、寝る準備はとっくに済ませている。
でも私は眠気がすっかりなくなっていた。
・・・・それでも薬の真偽を確かめる為に、私は寝た振りをする事にする。

「・・・・そうですね、もう寝ます」
「うん、電気消すな・・・・はい」

私たちは布団に入り、お嬢様が電気を消してくれた。

「せっちゃん、おやすみ・・・・」
「はい、おやすみなさい・・・・」

この日最後となる挨拶を交わし、目を閉じる。
さほど眠くはなかったが、静かで暗い空間は自然と精神を落ち着かせた。

・・・・。

しばらく静かにしていたが、お嬢様に動きはない。
何か意図があるならば、行動に移るはずだ。
やはり睡眠薬は考えすぎだっただろうか。

(やはり考えすぎだ・・・・龍宮め・・・・)

それからさらに十分ほど経って、私は諦めてそろそろ本格的に眠ろうとした。
・・・・その時。
675疑心:2007/09/19(水) 01:23:45 ID:IdoUEwcf

――ゴソ・・・・

隣で布が擦れる音。
それはお嬢様が起きる音だった。
私は意識を覚醒させて、お嬢様の行動に集中する。

「・・・・せっちゃん」

小さな声で呼ばれる。
その声は寝ているのを確認するように、わずかに聞こえる程度。

「せっちゃん?」

今度はしっかりとした声。
それでも黙っていると、お嬢様は私に近づいてきた。

「・・・・ごめんな」

何で謝るのだろうか?
私はまだ起きている事を伝えようと目を開けようとする・・・・が、その前に唇に何かが当たった。
柔らかくて温かいもの・・・・それは・・・・。

「――っ!?」
「ひゃっ! お、起きとったん!?」

突然の感触に、私は飛び起きてしまった。
お嬢様を驚かせてしまったが、正直言って私もそれと同等以上に驚いている。

「おおお、お嬢様!? な、なぜ・・・・!?」
「え、えと・・・・!」
676疑心:2007/09/19(水) 01:25:31 ID:IdoUEwcf

お嬢様は私から離れて慌てている。
この短時間で、私が完全に寝ていると思っていたらしい。
という事は・・・・やはり・・・・。

「・・・・薬も、お嬢様なのですか?」
「っ! ・・・・か、堪忍・・・・!」

電気をつけ、その後もお嬢様に詳細を尋ねた。
しかしお嬢様は謝罪を続けるだけで、何も言おうとしない。

「ではお嬢様・・・・混ぜた薬品を見せていただけますか?」
「そ、それは・・・・!」

お嬢様は大きな動揺を見せる。
ただの睡眠薬なら、これほどまで取り乱さないはずだ。
・・・・これはどうしても、実物を確認しないといけなくなった。
お嬢様がこの先、道を誤らないためにも。

「実は今日、検診で引っかかったのです」
「え・・・・」
「このままでは私は、薬物を無断で使用してるという事で隔離されてしまうかもしれません・・・・」

隔離されるという事は、私はお嬢様の護衛でいれなくなるということだ。
それは私の不本意でもあるし・・・・なによりお嬢様の望む事ではないはず。
真剣な眼差しの私に、ついにお嬢様は折れた。

「・・・・わかったえ・・・・見せるから、怒らんで・・・・?」
「・・・・はい」

お嬢様は台所へと行き、ビンを二つ出してくる。
・・・・二つ?
677疑心:2007/09/19(水) 01:27:31 ID:IdoUEwcf

「二種類入れてたのですか?」
「・・・・うん・・・・」

お嬢様は薬を私に渡すと、そのまま俯いてしまった。
やはり罪悪感があるのだろう。
その反省している姿だけで、私はお嬢様を許す気になっていた。

「こっちが・・・・睡眠薬ですね。じゃあこっちは・・・・何も書いてないですが・・・・」
「・・・・びやく、やえ・・・・」
「ビヤクですか・・・・って、媚薬っ!?」
「っ・・・・!」

思わず大きな声で叫んでしまい、お嬢様はビクッと身を竦ませた。
私自身も少し混乱している。
睡眠薬と媚薬を混ぜて盛られていた?
という事は・・・・。

「あの、その・・・・もしかして・・・・しました?」
「・・・・う、うん・・・・」
「ど、どこまで・・・・?」
「・・・・最後まで・・・・」

その答えを聞いた途端、私の頭は真っ白になる。
私はまだ、一線を越えるつもりはなかった。
せめて高校を卒業するまでは、手を出すつもりも・・・・出されるつもりもなかった。
それなのに、まさかお嬢様から先手を打たれて・・・・。
・・・・いや、まずい、とにかく落ち着こう。
何か飲み物でも飲んで・・・・お嬢様も飲むだろうか。
678疑心:2007/09/19(水) 01:29:08 ID:IdoUEwcf

「ま、まって!」
「・・・・え?」
「行かんで・・・・!」

飲み物を取って来ようと立ち上がった私に、お嬢様がしがみ付いてきた。
お嬢様の身体は震えている。

「あ、あの・・・・」
「何でもするから・・・・離れんといて・・・・!」

その言葉を聞いて、やっと私は気付いた。
お嬢様は、また昔のように私が離れるのを恐れている。
その様子に私が戸惑っていると、お嬢様は涙を堪えた目で見上げてきた。

――ゾクッ

背筋に走る感覚。
必死に私を引き止めようとするお嬢様を前に、私自身我慢していた欲望が湧き上がってきていた。
いや、しかし・・・・ここで流されるわけにはいかない。

「の、飲み物を取ってくるだけです・・・・すぐ戻ってきますよ」
「ほ、ほんま・・・・?」
「はい。ですから・・・・離して下さい」

私はやや強引にお嬢様を引き剥がすと、台所に逃げ込んだ。
そして高鳴る鼓動を押さえつつ、何とか落ち着こうとする。

(まずいまずいまずい・・・・抑え切れるか・・・・?)
679疑心:2007/09/19(水) 01:32:33 ID:IdoUEwcf

守っていた操を奪われたと知った時から、何かが私の中で崩れ始めていた。
それでも必死に自我を保ち、私は飲み物を用意する。
その用意した飲み物を持ってお嬢様の元に戻ると、お嬢様は少しほっとした顔で飲み物を受け取ってくれた。

「それで・・・・なぜ、このような事を?」
「我慢、できんかったん・・・・でも迫ったら、絶対避けられてまうと思うて・・・・」
「それで、私を眠らせたと・・・・」
「うん・・・・」

・・・・正直、信じられなかった。
お嬢様は私の事を、ただの幼馴染として見ているとばかり思っていたから。
幼馴染をただの幼馴染と見れなくなっていたのは、お嬢様も同じだったという事・・・・。
それを確認してしまった私は、私の中でついに何かが切れるのを感じた。

「・・・・お嬢様」
「っ・・・・な、なに?」

感情を押し殺しているような呼びかけに、怯えた返事を返すお嬢様。
お嬢様はまだ、私の拒絶に怯えている。
私はまたどこかゾクゾクとした感覚を、全身に感じていた。

「お嬢様、この薬に副作用は?」
「な、ないえ・・・・」
「それはよかった・・・・では」
「え? ・・・・んっ!?」

私はお嬢様が持っていた媚薬を、残り少なくなった飲み物に混ぜる。
そしてそれを口に含み・・・・お嬢様に口移しで与えた。
お嬢様は突然の事で拒絶しきれず、それを飲み干す。
680疑心:2007/09/19(水) 01:34:38 ID:IdoUEwcf

「せ、せっちゃん、これ・・・・!」
「まだ足りませんか?」
「え、ちゃう・・・・ん・・・・!」

残りの一口も、口移しで飲ませた。
少し私も飲んでしまったが、これぐらいなら問題ない。
龍宮がくれた薬が解毒してくれるだろう。

「はう・・・・」
「・・・・もう、効いてきてるのですか・・・・?」
「せっちゃん効きにくいから・・・・これ、強力なん・・・・」

私はちょっとした体質の問題で、薬や毒物が効きにくい。
その私に合わせて強化した薬だったらしく、お嬢様はすぐに薬の効力で力を無くす。
私はそんなお嬢様に手を添えようとした・・・・が、それは拒否された。

「お嬢様・・・・?」
「あ、あんな・・・・一人にさせて、くれへん・・・・?」
「なぜです?」
「・・・・こ、こんなん・・・・恥ずかし・・・・」

苦しそうな顔でお嬢様は身をくねらせる。
それでも私が近づくと、お嬢様はそれに合わせて後退した。

「・・・・私の初めてを奪っておいて・・・・お嬢様は一人でするのですか?」
「せ、せやかて・・・・!」
「・・・・では、こうしましょう」

私は立ち上がってロッカーにいくと、仕事用の縄をとり出す。
魔物や魔法生物を縛りあげる為の、丈夫な奴だ。
そして力が入らないお嬢様の背後にまわると、それでお嬢様の腕を後ろで縛った。
681疑心:2007/09/19(水) 01:39:57 ID:IdoUEwcf

「せ、せっちゃん、何すん・・・・!」
「媚薬を盛られた分は媚薬で、睡眠薬の分は縄で・・・・これで、全部許しましょう」
「・・・・っ!」

意味を悟ったお嬢様は、そのまま黙る。
私は大人しくなったお嬢様を、私のベッドへと運んだ。

「せ、せっちゃ・・・・」
「まだ一人にしてほしいですか・・・・? でしたら、私はこれから龍宮の実家にでも行きますが・・・・」
「ち、ちゃう・・・・そやのうて・・・・」

・・・・本当は、こういったお仕置きなどするつもりは無かった。
でも私を引き止めた時のお嬢様の目と、私の手を振り払ったお嬢様の行動・・・・あれが私を煽った。
私を・・・・壊した。

「はう・・・・はぁっ・・・・」
「苦しいですか?」
「う、ううん・・・・くぅっ・・・・」

手を縛られ、自分で自分を慰める事もできないお嬢様。
身体の中で暴れる欲望に翻弄され、ベッドの上で悶えている。
でも私は助けの手を伸ばさなかった。

「せっ、ちゃん・・・・!」
「・・・・はい、なんでしょう?」

私は呼ばれて近づくが、言葉で答えるだけ。
恥じらっているお嬢様は、普段とは違う妖艶さを漂わせている。
お嬢様をそんな状態にさせたのは私で、お嬢様は私しか頼る人がいなくて・・・・。
・・・・お嬢様を追い込む事がこんなにも気分が良いなんて、初めて知った。
682疑心:2007/09/19(水) 01:42:58 ID:IdoUEwcf

「お嬢様の頼みでしたら・・・・言って下されば、なんだってしますよ?」
「っ・・・・!」

恥じらい耐えるお嬢様の耳元で、そっと私は囁いた。
甘い誘惑・・・・これでお嬢様が落ちれば、もうお嬢様は確実に私の物になるだろう。

「・・・・せっちゃ・・・・ん・・・・」
「はい」
「もっと、こっち・・・・きて・・・・」

私が身をかがめて待つと、お嬢様は私の耳に顔を寄せた。
そして、恥じらいつつもちゃんと"お願い"をしてくれた。

「・・・・わかりました」

この時の私の顔はきっと、とても黒いものだったに違いない。
だが私はすぐに部屋の電気を消し、暗闇に紛れる。
そして私はその暗闇の中で・・・・初めてお嬢様を、手に入れたのだった。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『縄』『媚薬』『焦らし』『黒刹那』

最初からエロ全開。
前書きで言うの忘れました、ごめんなさい。
てかこれ、焦らし・・・・?
683名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 01:45:22 ID:kb13O3U9
>>668-682
リアルタイム遭遇してwktkしながらリロードしまくったw
超GJ!エロいな(*´Д`)=3
684名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 01:48:05 ID:sH4/W2Ui
久々にリアル遭遇!!10xGJ!
十分焦らしだが,俺敵にはもっと焦らして欲しかった。
罪悪感と羞恥に悶える木乃香に精一杯懇願してもらいたい!!
エロ全開でかつ良いところで寸止め!
焦らされてるのは,オイラ達読者のことだぜ。
685名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 01:48:43 ID:1iEeOID4
>>682
や、やややばいマジでGJ!!せっちゃん黒ッ!
686名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 01:51:48 ID:FBx8UPmb
>>682
焦らされてるのは俺らだちくしょう!
リロード押しまくりんぐの俺は勝ち組ww
黒刹那もいいもんだな。
GJ!!!!エロス最高です!
687名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 02:14:25 ID:sOob6rOX
>>682
リアル遭遇ktkr
木乃香の誘い受けにたじたじのせっちゃんもいいいけど
立場逆転、黒いせっちゃんもいいなぁ、テラモエス

>>659
自分はSAIメインでphotoshopではjpgへ変換とセリフ入れたりする程度でやってます
個人的にはSAIをお勧めしたいんですが、タブレット推奨ソフトなので
タブレットを使ってない場合だとPixia辺りが良さ気ですよ
688名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 02:45:09 ID:PPO7rX3J
●このせつ名場面リスト●
・(4巻収録) 30・31・32時間目
・(5巻収録) 42・43時間目
・(6巻収録) 50・51・52時間目
・(7巻収録) 62時間目
・(8巻収録) 68・71時間目
・(10巻収録) 86時間目
・(12巻収録) 108・109時間目
・(13巻収録) 110時間目
・(18巻収録) 165時間目
・(19巻収録) 169・173・177時間目

過去ログにあったテンプレに追加してみた
689名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 03:00:21 ID:uCH/lAXy
なるほどな、じらし祭りの本意は俺たちがじらされるって事だったのかww
まだまだ祭り続行中だよな?
俺も何か書いてみるかな
690名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 08:31:30 ID:KrRMeLZl
>>689
おおw
wktkして待ってるw
691名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 09:37:02 ID:M5Oj8gwq
>>682
続きマダー?(・∀・ )っ/凵 ⌒☆チン

GJすぐるwww


>>689
期待してるぜ
692名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 15:25:00 ID:vBDRVIIh
>>659
オイラは鉛筆画もすきだよ、見てみたいな!
693名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 17:37:35 ID:t/IGCpic
あぁ…あれなんだよなぁ…

自分が今書いているssがなんとまぁ、
似たようなssが多いこと…
全くもってのオリジナルってキツいよ、マジで。

作者が違うとssも違ってくるんだろうけど
どうすればいいんだべか。
694名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 18:23:22 ID:KrRMeLZl
>>682
GJ!!!!!!!
最中のところもゼヒかいてほしいな!まってます!!

>>693
がんばれ!
作品wktkしてまってる!
695名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 20:46:59 ID:FBx8UPmb
654です。
絵ちょっと描き直したんだけど
うpしてもいいかな?
同じ絵だし、別に必要ないっていう意見があったり
スルーだったらやめます。
696名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 21:11:26 ID:ehmPNBu8
貧乳(胸無し) キャラ人気投票
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1188113849/415
697名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 21:14:21 ID:N3PABAR8
今週のせっちゃんでネギまで久しぶりに鳥肌立ったんだが
このスレで全く触れられてないのはナヅェダ!
698名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 21:17:49 ID:xC2hoYjp
ライブで読んでないからさ。
699名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 21:57:02 ID:xC2hoYjp
>>695
どこ直したのか見たい。
700名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 22:26:55 ID:KrRMeLZl
>>682

「何でもするから・・・・離れんといて・・・・!」
「の、飲み物を取ってくるだけです・・・・すぐ戻ってきますよ」
「ほ、ほんま・・・・?」
「はい。ですから・・・・離して下さい」

部分をマンガ風にしてみました。
勝手に描きやすく解釈したりしてますので…スミマセン。
いちおう、木乃香が刹那の胸の部分にすっぽり収まってる感じで…
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00011.jpg
701名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 23:12:12 ID:7IpfsuuR
>>700
重過ぎてみれなかったよ(T-T)
702名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 23:16:48 ID:aqtdEmki
ティッシュティッシュ
(.ω・`≡´・ω,)
703名無しさん@秘密の花園:2007/09/19(水) 23:54:56 ID:FBx8UPmb
>>699
反応サンクス。
じゃあ載せちゃいますよ。
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00012.jpg


>>700
カワユスww
このちゃんの泣き顔に呆然とするせっちゃんに萌えたww

webに画像出す時は、
jpg画像圧縮もっとした方がいいよ
100kb以下でもそこまで劣化しないと思う
元の絵のサイズによりけりだとおもうけど
704名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 00:11:13 ID:S5DsFo80
『疑心』へのGJありがとうございます。
本番は書く予定がないんです・・・・脳内完結してくださいorz
エロいSS職人さまが、また受け継いでくださってもOKです。

>>700
うぉ、まさか漫画風にしてくれるとは・・・・。
才能に嫉妬!
そして感謝感激です!
705名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 01:08:46 ID:O/62+QAp
ティッシュティッシュ
(.ω・`≡´・ω,)
無いよ無くなっちゃったよ
706名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 07:35:12 ID:OceSph8h
>>700
うっんめええええ!
テラGJです!
707名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 08:13:16 ID:mGVHZPpx
>>704
書きたいし妄想SSも一杯!だけど時間が取れないから書けねーよ〜!しばらくお預けや〜 (*´Д`)=з
誰かク氏の『疑心』に便乗して激しいヤツをお見舞いしてくれるチャレンジャーはいないもんか‥‥。
ちなみにオイラは前作の時に書かせてもらった。
読み応えはさておき、書いた方はかなり満足だったぞ?

じらし祭り実施中だから無礼講でいこうぜ!
708名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 08:37:36 ID:S5DsFo80
>>707
地味に>>707のエロを期待していたが、時間無いか(・ω・`)

書けるかどうかわからないけど・・・・。
白刹那に戻るか、黒のまま突っ走るか、どっちがいい?
709名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 09:04:15 ID:mGVHZPpx
どっちも!流れ的に黒かっ?でもこのせつ的に白かっ!

後二〜三週間くらい待ってくれたら黒から白くなる感じな妄想を文字化できるかも。

…と強がりを言ってみるが、俺的にはク氏のエロを切望するぞ!
710名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 10:18:37 ID:QFbOuTf8
縛ったり薬使う焦らしプレイは、クラフトさんの十八番でしょ。
711名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 13:05:55 ID:OceSph8h
ttp://www3.uploader.jp/dl/konosetu/konosetu_uljp00013.jpg.html
スカ木乃香とちび刹那
どちかとゆうとスカ刹那よりちびのが好きです(ぇ
お目汚し失礼します;
712名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 14:31:09 ID:S5DsFo80
>>709
いつまでも待ちますともっ。
では、黒で練ってみます。

>>710
し、失礼な。
激しく誤解を招く言い方を・・・・orz

>>711
おぉ、かわいい!
では今度は、スカせつなとちびちゃんとスカこのかで・・・・。
原理上不可能な組み合わせではないはずだっ
713名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 16:52:21 ID:mGVHZPpx
スカせつながミニスカせつなに読めた。
714名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 17:34:06 ID:yZuaaRjr
>>663でじらされる?せっちゃんを描いたので
今度は木乃香を、と言うかもう何がなんだかやりたい放題ですね
例のごとくいつものアホこのせつです
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00014.jpg

うpした絵を可愛いとかツボとか言ってもらえて嬉しい限りです
ほめられ慣れてないのでどんなリアクションしていいのかわからないんですけど
気持ちはありがたく受け取らせてもらってますんでー
しかし「スレに落とすのそろそろ自重しろ」みたいな夢を見た
夢の中までこのせつかよ!><


>>712
個人的には白が嬉しいなと言ってみたり
黒でも全然おkですけども
715名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 19:47:03 ID:mGVHZPpx
うはーん。やっぱツボ!ヾ(≧∇≦*)ゝ
規制しなくても良かったのに…。
夢ってのは反対を表すな事もあるからな〜。

べ…別に励ましてるんじゃないからね!
716名無しさん@秘密の花園:2007/09/20(木) 20:45:43 ID:gaVYuLAy
み、みんなすごいな…
黒やらエロやら最高すぎるぜ。だからこのスレはやめられん。
無駄に初々しいのしか書けない自分は自重してるが、
投下されたのはハァハァしながら読ませてもらってるよ。ありがとう!
717名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 04:07:00 ID:GHPg8Wmb
自重しなくたってええやないか!
初々しいのがあるからハードなヤツも楽しめるんだぜ?

住人も増えたみたいだし,今この板も416kbだからな。
次のスレ立てる時,>>688も含めて,テンプレ見直そうか?
専用うpローダも出来たしな。

それにしても先スレからすげーことだらけだなwww。
1000レス行く前にお腹いっぱいって言われるわ,専用うpローダはできるわ、
職人や絵師が急激に増えるわ……。
ほかのネギま関連板が廃れている中でこの盛り上がりは驚愕!!!
やっぱこのせつは偉大だわ。俺も今週のネギまで早く萌えたい!!!!!
718名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 08:53:09 ID:pmaogMpC
>>714,716

 何 で 自 重 す る ん だ

投下してくれww

しかし>>714の絵はツボに入るw


>>717
因みにこの流れは去年のX'masイブ(このせつスレ4)から始まった
719名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 20:27:30 ID:dctQKTXE
何kbでおなかいっぱいだっけ?
720名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 20:41:28 ID:Gs/ilLfm
なんかすごい盛り上がりだよねww
これも、
沢山の方々が作品を投下してくださったおかげだ!!
しかも、もの凄い速さで何度も何度も投下してくださる
方々がいるからこそだね。
最近は絵も書いてくださってる人たちも出てきたし!!

本当にありがとう!!

こっちも頑張ってここを盛り上げていけるようにssが
書けるように、頑張ってみるよ!!
721名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 22:11:06 ID:TWsuxEBj
>>718
じゃ、じゃあお言葉に甘えさせてもらうが…
マジでえろないぞ?祭り開催中にこんな!!って感じだぞ?
それでも良ければ↓
722花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:12:42 ID:TWsuxEBj
せめて、せめて、美しいものを。










木乃香が買ってきたらしいその袋の中を見て刹那は少し眉をひそめる。
別に変な物ではない。そこらで普通に売っている物である。ただ、それは
1ヵ月ほど前までの話だ。

「お嬢様、花火はちょっと季節外れではないでしょうか…?」
「気にせんといてな〜」

陽が落ちるのが早いんやし夏よりもやりやすそうやん。木乃香はあっけらか
んとそう言う。
そもそも刹那は花火をしたことがない。木乃香達と観に行ったことならある
のだが、こういった線香花火の類いは触ったことさえなかった。だけれど、
少なくとも花火というものは普通は夏に行うものだということくらいは知っ
ている。考え方が固い刹那には、秋に花火をするという木乃香の行動がよく
理解できないのだが。
木乃香はがさがさと袋の中から花火の包みを出しながら言う。

「今夜やろう思てな〜。明日菜と、せっちゃんで」
「え…私も、ですか?」
「もちろんやえ。それとも、嫌?」
「いえ、そうではないですが…」
723花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:13:43 ID:TWsuxEBj
まだ不思議そうな顔をしている刹那。木乃香は可笑しそうに吹き出した。

「せっちゃん頭カタいなぁ。秋に花火もオツなもんやよ」
「そう、ですね…。ではありがたくそのお誘いお受けします」

校内で火を使うのは校則違反ではないのか。刹那の頭にそんな考えがよぎっ
たが、あえて気にしないことにする。真面目な刹那だが、やはり木乃香や明
日菜と過ごせるというのは嬉しいものだった。






夜。
初秋というのは昼間はまだまだ暑いのだけれど、夕方になった途端涼しくな
るものだ。7時になった時点で陽はすっかり沈んでいて、涼しい風がゆるやか
に吹いていた。
制服の上から上着を羽織ってはいたのだが、木乃香が少し体を震わせて「寒
いなぁ」と呟く。

「お嬢様、大丈夫ですか?」
「ま、やってるうちにあったかくなってくるんじゃない?火使うしね」

3人が来ていたのは麻帆良の森の中であった。学園中を知り尽くしている、さ
んぽ部の楓にいい場所はないかと訊いたところ教えてくれた場所だ。彼女曰く
「誰かに見付かることはまずない」場所だという。すぐ近くには小川も流れて
いるので、水の心配もない。
だが、やはり夜の森は暗く、明日菜と木乃香は若干戸惑っているようだった。
724花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:14:43 ID:TWsuxEBj
「森ってなんとなく怖いなぁ…」
「まあ、夜だしねぇ」
「お2人とも、あまり明かりから離れないようにして下さいね」

ロウソクに火を灯しながら刹那が言う。ちなみに刹那は別に怖さは感じないと
はいえ、あまり夜目が効くほうではない。理由は簡単、鳥目だからだ。
小さく音を立ててロウソクに火が灯された。懐中電灯とは違った、やわらかい
光が辺りを照らす。木乃香が小さく声を上げた。

「綺麗やなぁ」
「こら木乃香、本番は花火でしょー」

刹那は笑って「どうぞ」と何本かの花火の束を2人に差し出す。少しそれを手
の中で玩んだあと、明日菜がそっと火に近付けた。木乃香もおそるおそるとい
った感じで火を付ける。
しゅぱぁぁ、と音がして花火の先から光り輝く火花が噴出した。

「おお!ついたついた!!」
「わー!キレイやーv」
「見事なものですね」

3人とも感動してしばらくその美しい火花に見愡れる。とはいえ、1本の点火
時間はさほど長くはないため、途切れないように何本も使いながら。色とりど
りの光に溢れ、辺りはとても明るくなった。

「なんや、秋の花火って落ち着いた感じするなぁ」
725花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:15:28 ID:TWsuxEBj
ふと木乃香がそう言う。その言葉に明日菜が頷き、

「だよねぇ。夏場のは思いっきりテンション上がる感じだけど、秋のはなんだ
か感動して見ちゃうな。雰囲気が違うからかなぁ」
「ウチ、こっちのが好きかもしれんわ〜」

楽しそうに微笑んで木乃香がまた花火に火を灯した。そして、隣にいる刹那の
方を向く。

「せっちゃん、そういや花火初めてやったんやろ?」
「え、そうだったの?」
「はい。すごく綺麗ですね」

刹那も答え、手の中の花火をそっと持ち上げる。まだ慣れないような表情でま
じまじと見ているが、瞳は楽しそうに輝いていた。
30分ほど過ぎると、残りの花火はだいぶ少なくなっていた。花火は消費する時
間がその量に比べて格段に早い。ゆっくりと花火を楽しんでいた3人だが、残念
そうにため息をつく。

「ほとんどなくなっちゃったねー」
「もう一袋買っとけば良かったなぁ」
「でも、なんとなく戻るのは勿体無い気がしますね…」

刹那が呟くと、明日菜と木乃香も頷いた。少し涼しいとはいえ、とても穏やか
な夜で、なんとなくもう少し、ここに居たい気分だった。
「もう少しここにいよ?」木乃香が訪ねると、2人も穏やかに賛成する。草の上
に3人で並んで座り込み、取り留めのない話をする。
726花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:16:17 ID:TWsuxEBj
(まぁったく…)

楽しそうに話す刹那と木乃香を見て、明日菜は苦笑した。すっと立ち上がり、少
し困ったような顔をして言う。

「ごめん、木乃香、刹那さん…。今思い出したんだけど、エヴァちゃんに用事が
あるって呼び出されてたんだった。私先に戻るね」
「えー!アスナ行ってしまうん?」

木乃香が驚いて訪ねられ、明日菜は申し訳なさそうな表情をした。

「ほんっとごめん。2人で話しててよ」
「そっかぁ…しょうがないかぁ」
「明日菜さん、戻る道、気を付けて下さいね」
「大丈夫。じゃ、先行ってるね!」

明日菜が自分の懐中電灯を持って駆けていく。相変わらず俊足だ。
残された木乃香と刹那は、改めて隣に座りなおす。刹那が「明日菜さん、エヴァン
ジェリンさんに用って…大丈夫ですよね…」と心配そうに呟いた。彼女のスパルタ
は刹那も充分承知している。
木乃香も少し心配そうな顔をしていたが、その表情にはどこか嬉しそうな色があっ
た。

「お嬢様、どうかされたのですか?」

どことなくうきうきしている様子の木乃香に刹那が訪ねる。木乃香はえへへ、と笑
って答えた。

「明日菜が行ってもうたのは寂しいけど…せっちゃんと2人きりやもんv」
「なっ」
727花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:17:06 ID:TWsuxEBj
刹那が顔を赤くする。困ったように視線を逸らした。
一方木乃香は見るからに楽しそうで、隣に居る刹那の腕をぎゅっとつかむ。ますま
す照れる刹那に、木乃香は満足したように微笑んだ。

爽やかな夜風が2人の頬を撫でる。不意に空を見上げた木乃香が、「あ」と声を漏ら
した。刹那は木乃香の方を見る。

「せっちゃん!今日、満月やえ」
「え」

つられて刹那も空を見上げると、大きな満月がくっきりと光の輪を描いて浮かんで
いるのが見えた。星はあまり見えないものの、雲はほとんどなく驚くほど夜空は澄
んでいた。その美しさに、思わずみとれてしまう。
「秋ですね…」思わず感慨深げに刹那が呟く。木乃香も頷いた。

「せやなぁ。ほんまあっという間に過ぎてってしまうな…」

その呟きにどこか寂しげなものが混じっているのを感じ取り、刹那は照れながらも
微笑んだ。少しだけ木乃香との距離を詰め、夜空を見上げたまま言う。

「本当に早いものですね。月日が経つのは」
「毎日が楽しいだけに、なんかさみしいもんやなぁ…」
「でも…こうしていると幸せですね」

刹那が目を細める。じっと見つめる木乃香の視線に気付き、赤くなった。

「お、お嬢様や明日菜さん達と…こうして毎日、いろいろな体験をして、たくさん
の綺麗な物を見たりして…そういう毎日が、私は幸せだなぁと」
「せっちゃん、ウチらといるとき幸せ?」
「もちろんです。お2人とも、と、とても大切な人ですから…っ」
728花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:17:48 ID:TWsuxEBj
たどたどしく噛みながら刹那が言う。焦ったように視線を逸らして、また空に浮か
ぶ月を見上げた。照れ隠しのように「綺麗ですよね」と呟く。
木乃香ははにかんで、刹那に寄り添った。服越しの熱に刹那が固まるのが分かる。

穏やかな風が吹き、ロウソクの火がゆらりと揺れた。それに気付いた刹那が、ま
だ赤い顔で言う。

「お嬢様、そろそろ火を消しておいたほうがいいかもしれません…」
「あ、ほんまやな〜。ごみとかに燃え移ったら大変やな」

刹那から身体を離し、木乃香はロウソクの近くに行った。火を消す前にそばにある
花火の包みもまとめ始める。と、何かに気付いたようで手を止めた。

「ありゃ?なんや、少しだけ花火残っとる」
「へ?」

木乃香の手に握られていたのは、区分けされて薄いビニールに入った線香花火。
いつも花火をやるときは最後の締めとして使っていたのだが、今日は最初から落ち
着いた雰囲気で行っていたために忘れていたようだ。木乃香がそれを持ったまま刹
那に振り向く。

「せっちゃん。これ、やってまおうか?」
「あっ、はい。そうですね」
「これな、ウチが一番好きな花火なんよ」

せっちゃんも多分好きになってくれると思うんやけど。
木乃香は本数を数え、分けてその半分を刹那の手に渡す。受け取った刹那が火を灯
そうとすると、急に声を上げて止めた。
729花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:18:42 ID:TWsuxEBj
「スト−ォォップ!!」
「え?はっ、はい」

「一緒につけような」

木乃香はほんの少しだけ刹那を睨むようにして言う。その目は純粋に刹那を見てい
て、怒ってなどいないことが分かったのだが。
「…はい」刹那は赤くなって微笑み、肩をすくめた。隣に木乃香が戻ってくると、
揺れるロウソクの火に線香花火の先端を近付ける。

「じゃあ、いくえ?」
「はいっ」
「せーの」

2人の花火がロウソクの火に触れる。
やがて、さっきとは違う控え目な光が2人を包んだ。最後の光の宴だ。

「わぁ、キレイですね…」
「せっちゃん、線香花火好き?」
「はい。私もこれが一番好きかもしれません」

ぱちぱちと音を立てて光る線香花火。その言葉に嘘はないようで、心底感動してい
るような顔で燃える火を見ていた。木乃香も微笑み、刹那と自分、2人分の光を見る。
そしてふっと顔を上げ、幸せそうな刹那に顔を近付けた。刹那も顔を上げる。
730花火と天体観測:2007/09/21(金) 22:19:15 ID:TWsuxEBj
「せっちゃん…」
「はい?」




そっと、2人の唇が重なる。
刹那から顔を離して、木乃香は刹那に笑いかけた。刹那もそれに応え、赤い顔では
にかむ。

「せっちゃんだいぶ慣れてきたな〜」
「て、照れるのであまり言わないで下さいよ〜」
「ふふっ。満月の下で花火って、すごい贅沢やなぁ」

大切な人と一緒に、と言いかけて木乃香はやめる。言う必要はないだろう。
満月のあたたかな光を見ながら木乃香は考えた。
刹那もきっと今の贅沢な状況を感じてくれているから。それで充分。



秋の夜の風が、2人の髪を揺らして通り過ぎていった。

731名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 22:23:13 ID:jxISMLbi
投下終わり。ホンット空気読めてない作品でスマン。
あと、今まで投下したやつ、持ってるサイトにあるやつを落としてたんだが
一応アドレス貼っときます。
恥ずかしすぎてここに投下してないこのせつとか、一応あるにはあるんで…
似たようなやつばっかで良ければ
ttp://id26.fm-p.jp/45/kihana/
732名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 22:34:47 ID:X3tONa/R
>>731
すごくよかった!ぼのぼのGJ!
空気読む明日菜もGJ!
733名無しさん@秘密の花園:2007/09/21(金) 23:43:24 ID:VBpSMp99
仕事から帰ってきて覗いてみりゃなんというGJ!!
疲れた身体が癒されました…ありがとう!!
そしてss書いたら空気なんて読まないで
どんどん投下してくれると嬉しいんだな!読む方としては。
734名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 00:52:15 ID:NIOq0YQK
>>731
GJ!!癒されたよ〜
735名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 09:11:15 ID:S+A0pkpY
>>719
508ではなかったか?
499を越えたらか990レスを超えたら、次スレ立てるようにしようか?
736名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 13:22:57 ID:/epXwvIA
500じゃなかったっけ。10レスじゃ不安だから980でいいんジャマイカ?
737名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 13:58:01 ID:PniiPPnc
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00015.jpg
ぬいぐるみじゃ物足りない人とぬいぐるみすら恥ずかしくて触れない人
思ったより小さくなりすぎたな…orz
今からおまけに色塗り始めますよ

>>715
>>718
コメありです、こそこそうp続けてくんで今後ともよろですー
738名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 15:15:52 ID:S+A0pkpY
うっはっ!
俺もほしい!このせつぬいぐるみ。
739名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 23:27:25 ID:MqUt1XLt
>>731のss読んで線香花火に集中してるせっちゃんっていいな〜と思って
勢いで描いてしまった…

描いたあとで冷静になって読み直してみたら
なんか2人の格好が全然違ったぜ…
木乃香の方が上着羽織ってたのね。しかも制服の上に。
>>731ごめん…ssにはちゃんと感動したんだよ?

ただの情景って感じで、
見て萌えられるような絵じゃないです。すんません。
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00016.jpg
740名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 23:54:22 ID:CcwUubuc
>>737,>>739
うは、GJ。
SSからイラストに、イラストからSSになるって良い循環だな。
741名無しさん@秘密の花園:2007/09/22(土) 23:58:41 ID:cK4lG11O
>>339
じ、じ…自分のssがイラストになろうとは!!
あああありがとう!!感激の極みだ!
最高すぐるよこのイラスト
742741:2007/09/23(日) 00:25:45 ID:zWzUiumq
ちょwアンカつけ間違い…ozr
>>739ありがとう
743名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 08:16:53 ID:IXOtxKYG
>>739
綺麗だ
744名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 11:37:58 ID:rjlvP3XZ
GJすぐる絵だ……GJ!

>>742
>ozr
ひとまず落ち着いた方がいいかと
745742:2007/09/23(日) 14:51:07 ID:oMe6VZ9+
ホントだw
どんだけテンパッてたんだ自分…
746名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 15:43:02 ID:MFK1W1vn
PS2のゲーム版にこのせつはある?
747名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 15:53:11 ID:OFHXprUK
>>746
「2時間目」で、さらわれた木乃香を刹那が助けるイベントがあるよ。
修学旅行前の話だから、一風違ったこのせつが見れる。
機嫌が悪い時の木乃香の台詞も、意外と妄想膨らむ。

あと「どりーむたすてぃっく」のかぐや姫で、このせつを"かぐや姫"と"御門"の役にできる。
でもこっちは他のキャラも絡んでくるから、それほど濃くはない。
748名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 16:08:54 ID:MFK1W1vn
おお!サンクス      一時間目は漫画読んでればやんなくておk?
749名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 16:16:38 ID:OFHXprUK
すまない、残念ながら上記二本しか持ってないんだ・・・・。
ただ木乃香も刹那も、1時間目でもそれぞれイベントがある事は確か。
絡みがあるかはわからないが。
漫画にはない一面は見れるよ。
750名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 16:36:24 ID:qdquLFhz
そっかー
とりあえず安かったので一時間目と二時間目買ってきた
即レスありがとう
751名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 17:00:37 ID:OFHXprUK
いえいえ。
『疑心』の続きに行き詰ってて、ちょうど2時間目でこのせつ分チャージしてるところだったんだ。
では良いネギまライフを。
752名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 17:23:56 ID:HlYlO6oC
>>731
どうしてもサイトに行けないorz
753名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 19:19:07 ID:V+f9nlaj
>>752
マジでか 携帯?PC?
一応両方で見られるページだとは思うんだが…
754名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 20:53:22 ID:VKMq16bM
>>737のおまけというか続きというか
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00017.jpg

「やっぱり『ホンモノ』が一番やv」
「え?何の話ですか?」
「ううん、なんでもないえ。それより今日は一緒のふとんで寝よなーvv(ずるずる)」
「え、ええーっ!?」

続きはあったりなかったり。
755名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 21:13:59 ID:GWoAY/M9
も〜。萌えすぎ♥
ついでに落ちも付けてくれ!!

あ゛〜。書きてぇ〜。このせつ〜。でも仕事が〜。
でも誘惑に弱い俺……。

ク氏よ。あんたの続編待ってるけど、アナザーストーリー書いても良いか?
駄作だけど妄想しすぎて疲れたよオイラ……。
756739:2007/09/23(日) 23:32:02 ID:iYiKBplx
>>740-744
遅くなっちまったが、絵にレスくれた人ありがとう!
ssの作者さんも喜んでくれたみたいでよかった…ホッとした…

自分の絵柄じゃ需要ないだろうな…と思ってたから、
反応してくれたのはマジでサンクス!!


ss職人さんたちみんなチャージ中か…
新しいの待ってるZE!!
757名無しさん@秘密の花園:2007/09/23(日) 23:47:32 ID:OFHXprUK
>>755
どうぞどうぞ!
萌えるの待ってるぜ。

>>756
空気読めないSSならあるんだけどね。
とりあえず『疑心』を完結させようかと・・・・。
758名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 00:21:27 ID:1yQHZjk9
>>757
自分はssならいつでもどんなものでも読みたいから
あるなら読みたいが…
まぁク氏が今だ!と思った時に好きなものを出してくれれば
私らそれで勝手に萌えますよ(´∀`*)
759名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 00:39:27 ID:bVsm/G28
>>754
可愛いなぁ(*´∀`*)
760名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:20:10 ID:DqGfwWfA
いつものごとくほのぼのこのせつ書いたのだが
落としてもいいだろうか?
しかし自分もいつまでもク氏を待ってるぜ!そう、いつまでも!!
761名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:21:43 ID:j86dURz1
かもんwwかもんww ドンどん行こうぜ。
762名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:29:22 ID:DqGfwWfA
そ、即レスありがとう ちょっとビビったw
では



「せっちゃーん。大丈夫?」
「…大丈夫…じゃないかも、です」

刹那はぐったりとした様子で、ベッドに顔をうずめながら答える。
そんな刹那を心配そうに見やる木乃香。

今日は3連休の最終日。学生たちが最も遊び呆ける日だ。
にも関わらず、刹那はこの連休ずっとこんな調子だった。

刹那を苦しめている原因は「雨」だった。
窓の外で振り続けている、しとしととした雨。
普段の雨なら別になんともない刹那なのだが、春と秋に降る雨には何故か弱かった。平
気な日もあるのだけれど、今週は特に頭痛が酷かったらしい。なそれが烏族の血に何か
関わりがあるのかは分からないのだが、いわゆる偏頭痛持ちなのであって。

「偏頭痛は、ウチの能力じゃ治せんのになぁ…」
「…お心遣いありがとうございます…」

ベッドから顔を上げ、木乃香の方を見て刹那が弱々しく答える。最近は頭痛のせいで体
力もだいぶ弱っているようだ。

雨が続いていると部屋から出るのも億劫らしく、刹那はほとんどの時間自分の部屋に籠
ってしまう。木乃香が誘えば無理をしてでも付いてくるのだが、さすがにそれは酷い気
がした木乃香が刹那の部屋にやってくることが多くなった。
しかし刹那としては、自分がこんな状態でも木乃香に気を遣わずにはいられない。
763名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:30:28 ID:JIIZ9jk4
「お嬢様、お茶のおかわり煎れてきますね…」
「あ!せっちゃん無理せんといて!」
「し、しかし」
「ウチがやってくるから、座っとって」

立ち上がろうとする刹那を押さえ付け、木乃香がコップを持って茶を煎れにいく。
後ろで「すみません…」という刹那の申し訳なさそうな声が聞こえた。
コップにほうじ茶を注ぎながら、木乃香はため息をついた。

(ウチの能力で治してあげられればええのに…。…せっちゃんが大変なときに、役に立
てないんやから)

自分のことを恨めしく思いながら刹那のところに戻る。刹那は、だるそうに机に突っ伏
していたが、木乃香が戻ってくると顔を上げた。無理に背筋を伸ばそうとする。
そんな刹那を見兼ねた木乃香が口を尖らせた。

「せっちゃん、ウチの前じゃ無理せんといてよ」
「え…ですが…」
「辛いときは別にだらーってしてて良いんよ。ウチに出来ることがあったら言ってくれ
ればいいし」

少し強めに言おうと思ったのに、訴えかけるような口調になってしまった。コップを机
に置いて、木乃香は刹那に向き直る。
刹那は戸惑ったように視線を落としていたが、やがて「…あ、あの」と唇を動かした。
小さな呟きを聞き逃すまいと、木乃香は刹那の方に身を乗り出す。

「…で、では、大変失礼ながら…お願いがあるのですが」
「うん。何?」
「あ、あの、多分ちょっと眠ったら頭痛も少しは治まってると思うんです。昨日もそう
でしたし…。…で、あの」
764名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:31:17 ID:JIIZ9jk4
口籠りながら刹那が言う。「何〜?」と木乃香はさっきより顔を近付けて聞いた。
刹那が少し赤くなって続ける。

「お、お嬢様に少し寄っ掛からせていただけないでしょうか…?」
「へ?ウチに?」
「お、落ち着いて眠れそうな気がするので…」

ダメでしょうか?と刹那が木乃香を見る。
木乃香は一瞬呆気に取られてしまい、刹那があわてて両手を振った。

「すすす、すみません!!いきなりそんなこと…っつ…」

頭痛がまたぶり返してきたらしく、刹那がこめかみを押さえた。慌てて木乃香がその手
の上からそっと自分の手で押さえる。

「無理せんでな…ええよ、そんなこと。全然」
「え…えっと…」
「せっちゃんから言ってきてくれるん珍しいなって少し驚いただけや」

でも嬉しいんよ?と木乃香が刹那に微笑みかける。刹那はますます赤くなった。そんな反
応を楽しそうに見ながら、木乃香が刹那の隣に座る。寄っ掛かりやすいようにするため
だ。

「これでええかな〜?」
「…は、はい。…ありがとうございます」
765名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:32:12 ID:JIIZ9jk4
小さく礼を言った後、失礼します、と呟き刹那が控え目に木乃香に寄り掛かる。木乃香
がそっと撫でるとぴくりと身体が固まったが、やがて数分もすれば聞こえてくる寝息。
相当、弱っていたようだ。

「…せっちゃん…?」

木乃香が小さく名前を呼んでみたけれど、刹那は目を閉じたままだった。その髪をゆっ
くり撫でながら、木乃香は刹那を眺める。

(…ウチの能力って役立たずやなぁ…)

心の中で呟いて、すぐ横にある刹那の顏を見た。さっきまでしんどそうに顔をゆがめて
いたけれど、眠っている今は穏やかな表情だ。ずっとこんな表情をさせてあげられたら
いいのに、と木乃香は考える。
ただでさえ学生生活の上に退魔の仕事、剣の稽古をこなしている刹那は一般人に比べれ
ば苦労も多いだろう。そういえば今日は無いけれど、明日になればまた仕事が控えてい
るらしい。

(それまでにせっちゃんの頭痛、治るとええなあ)

魔法で役に立たなくても自分がこうすることで刹那が休めるならそれでいい。
せめて、こうして自分と居ることで少しは楽になれるのなら、いくらでも傍にいよう。
木乃香は心の中でそう決めて刹那の背中にそっと手をまわした。
766名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:35:09 ID:JIIZ9jk4
「なぁ、せっちゃん」

語りかけるように刹那に言う。勿論刹那は眠ったままなのだが。
そんな幼馴染を、慈愛の表情で木乃香は見守る。


せめて、今は安らかな休息を。
明日からはまた大変な毎日が待っているのだから。
頑張るのは明日からでいい。



「だから、今はゆっくり休んでな…せっちゃん」



起こさないように気を付けながら、そっとその額にキスを落とす。
外の雨の音が、少しだけ弱まった気がした。




というまったく空気の読めてないssを投下してみる。
さあ、いつでもク氏様頼みます。
というか、全くえろが書けない自分に誰か恵んでやってくれ。頼むから。
767名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:38:43 ID:j86dURz1
>>762 びびらせたかすまん。
ほのぼの萌えた。
あえて一言いうなら,コメントと本文は分けた方が良いんで無いかい?

といいつつ,そんでもって激エロを次に投下しようか迷う俺がいる。
実はこれが,即レスの理由だったりして‥‥。
768名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:46:41 ID:NfcvVkOK
>>768
指摘ありがとう!
次から分けることにしてみるよ

エロ投下是非してくれ
ほくほく(死語)しながら待ってるさ!!
769名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:47:13 ID:tcgW4mrv
>>762
GJ!!!弱っててこのかに頼るせっちゃんナイス!
ほのぼのはいいな、やっぱり
幸せになれるよ

そしてほのぼの後に激エロにだって?
なんつー贅沢な…投下待ちだな
770名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 01:54:34 ID:j86dURz1
おっし!も一回誤字探ししたら投下するぜい。
771前書き  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:12:46 ID:j86dURz1
ほのぼのの後にすまねぇが,駄作落とさせていただきます。

9巻76〜77話で出てきたネコマタこのせつ と
>>654および>>703 の萌え絵を素材にさせていただきました。

このせつ漬け。激甘エロ(のつもり)です。焦らし祭りなんで‥‥。
いつもながら落ちもストーリーもあったもんじゃない。勢いだけで行きます!
7721/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:15:14 ID:j86dURz1
木乃香は刹那と一緒に作業に没頭していた。
もう時期学園祭だというのに,毎年のようにクラスの作業ははかどっていなかった。
木乃香と刹那は比較的堅実派なので,こうして寮に戻ってからも少しずつ準備を進めているのだった。

「それにしても‥‥」

作業を続けつつ,木乃香は何かを思い出すように,口遊む。
黙々と作業を続ける刹那は,その声を聞き,木乃香の方へ目を向けた。

「せっちゃんのネコマタ,よう似合うとったなぁ。」

ネコマタの扮装をした刹那を思い出して木乃香は萌え苦しんでいた。

「なっっ,何を仰るんですかっ!」

と照れながら刹那は答える。
彼女自身髪を下ろし,可愛らしい装いをすることに慣れておらず,異常に恥かしがっているのだ。

「なぁ〜。せっちゃ〜ん。も一回うちだけにネコマタしてくれへん?」

変装用の髭と猫耳は二人とも持ち帰ってきている。
刹那の部屋で,木乃香のために,その扮装をしろと木乃香は言うのだ。

刹那は戸惑うが,他でもない木乃香のおねだりに渋々了解する。ここなら他に誰もいない。
真名がいれば,盛大にからかわれそうだと刹那は思った。
刹那が鏡を見ながら猫耳を付けていると,木乃香は時計を見ながらそわそわし始めた。

「なぁ,せっちゃん。今日龍宮さんは?」

結構日も暮れてきているのに,真名の帰宅する気配は無かったからだ。
7732/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:16:07 ID:j86dURz1
「あ‥‥龍宮は今日‥‥か‥‥タヌキ狩りに行くから帰らないと言っていました。」
「タヌキぃ?‥‥別に龍宮さんならおかしくないけど‥‥。」
「お,お嬢様ほんとにタヌキを狩りに行くわけではありませんよ〜。」
「ほならなぁに?」

刹那は猫耳を装着すると,木乃香の元に戻り,溜息をつきつつ呆れた表情で話を続けた。

「タヌキって楓のことですよ。」
「楓さん?なんでタヌキなん?」
「龍宮が言うんです。楓は動物に例えると絶対タヌキだって。」
「へぇ〜。‥‥そいで,タヌキ狩り。でもどう言う意味なん?タヌキ狩りって‥‥。」
「‥‥あのっ‥‥だから‥‥その‥‥。」

顔を赤くして口をモゴモゴさせる刹那を不思議に思いながら,木乃香はその先を言うように勧めた。

「あの‥‥だから‥‥楓を‥その‥」

これ以上は言えませんっと,刹那は顔を真っ赤にしてかぶりを振り出してしまった。
ひらひらと動く猫耳が可愛らしい。木乃香は思案する。

(そう言えば,土日は楓さん修行の日やね。龍宮さんはその楓さんを狩りにいくんやろ。狩りにいくって‥‥)

ああ,そう言うことかと,木乃香はなんとなく理解した。刹那の様子を見れば十分納得がいく考察だった。
あんなに刹那が動揺するのには,また何か刹那を過剰にからかうようなことを真名がしたに違いない。
刹那は顔を紅潮させたまま,上目遣いで木乃香を見る。なんともその視線がいじらしかった。
お気に入りの猫耳に,情を誘う上目遣い‥‥。もじもじとする仕草がなんとも言えず木乃香をそそった。
7743/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:17:08 ID:j86dURz1
「それじゃうちは‥‥。」

木乃香は刹那の手をつかんで,くいっと引き寄せる。
刹那の極め細やかな頬に自分の頬を摺り寄せながら続きを囁いた。

「ネコマタ狩りでもしよかな♪」

刹那の鼓動が大きくなる。刹那は,木乃香の言葉の意味するところを瞬時に感じ取り,その身を振るわせた。
木乃香は,刹那の早まる鼓動を感じ取るかのように優しく刹那に頬擦りをして,下ろした髪の間から見える刹那の耳朶にそっとキスした。

「ひゃっ!! お‥‥お止め下さいっ!!」

鼻から抜けるような甘い声を漏らしながら,刹那は軽い抵抗を見せる。
でも拒絶の意志は感じられなかった。

木乃香はそのまま,制服へ指先を移動し,ボタンを一つずつ外していく。
じれったいほどのゆっくりとした動作の中,刹那は微動だにしなかった。
緊張のために強張らせた体は,少しずつ木乃香の視線に晒されていった。

前だけ肌蹴られた制服の中から,刹那の白い肌が浮かび上がる。
木乃香は,手際良くサラシを剥ぎ,そっと指先でその肌に触れた。
弾力を確認するようにゆっくりと,力を込めすぎないようにそっと‥‥。
軽く触れられる感触は,敏感な刹那の肌を通して,官能的に響く。

「はぁ‥‥お嬢様ぁ‥‥。」
「うちの猫さんはエッチやねぇ。こんな可愛らしい声だして‥‥。」
「ぁ‥‥いやぁ‥言わないで‥‥くださ‥‥い。」

木乃香は耳から首筋に唇と移動し,肌に触れていた指先で,刹那の胸を触れた。
ささやかな膨らみの頂点には色づいた蕾が物欲しげに起立していた。
7754/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:18:09 ID:j86dURz1
「ここやて‥こんなに堅くなってるえ?」

指先で摘んで,その感触を確認する。
その刺激に耐え切れず,刹那の喉からうめくように声が漏れる。

「‥‥感じてるんやね。」

そう言って,木乃香は刹那をゆっくりと横臥させる。
木乃香の体重が重くないように配慮しながら,刹那の上に覆い被さった。
それまで弄っていた胸の先端にかぶりつき,赤ちゃんが母乳を吸うようにチュウチュウとそこを吸い出した。
舌先で,その感触を確かめることも忘れない。

「ふぁ‥‥」

堪らず,刹那は背を反らして喘ぐ。ひとしきり堪能すると,木乃香は刹那の制服に手をかけた。

「このままだと皺になってまうから脱がしたげるな。」

そういって,上半身を覆っていた衣服を剥ぎ取り,スカートを脱がした。
刹那はスパッツのみ身に着けた格好となった。

「や‥‥見ないでください‥‥恥かしっ‥‥。」

刹那は,肌まで紅潮させ,両手でくねらせた体を隠す。

「うちの可愛ええ猫ちゃん,おいしく頂いちゃおっかな♪」

そう言うと,木乃香は敏感な刹那の耳に口を近づけ,ぺロッと耳に舌を這わせた。そして,刹那の秘所に手を添え,スパッツ越しに揉むように刺激を送った。
スパッツの内の形状に沿って木乃香の手はやわらかな動作を繰り返す。

「っ‥‥ぅあ‥っく‥‥はぁ‥‥ん‥‥。」
7765/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:19:05 ID:j86dURz1
木乃香の送ってくる刺激に刹那は悶える。全身に響き渡る官能的な刺激と,局部から送られてくる直接的な快楽‥。それらは刹那の体の中に渦巻いて,新たな欲望を呼び起こしていた。

「‥‥あ‥‥。」

木乃香は掌に感じる弾力が変わってきたことに気づいた。むっちりとした肌の弾力が刹那の体の状態を代弁していた。

「お‥‥お‥嬢様ぁ‥‥。」

刹那は蕩けそうな声で木乃香を呼ぶ。その目は木乃香を見詰め,何かを訴えていた。

「ネコマタさん♪うちはお嬢様なんて知らへんよ。」

熱の篭った刹那の視線を木乃香は無視した。相手にしてもらえない刹那は官能に悶えながら,呼び名を変える。

「この‥‥ちゃん‥‥。」
「なんや?うちのエッチな猫ちゃんww」

木乃香は快く返事をし,刹那の秘所全体を揉むように刺激していた動きを止め,刹那の秘裂を中心に撫で始めた。

「んぁ‥ぁあぁぁぁ‥‥ふぁ‥‥。」
「このちゃ‥ぁん!」
「なに?」

木乃香の名を呼ぶが,刹那はその続きを言おうとしない。熱っぽい視線だけが,木乃香に向けられていた。

「せっちゃん。言いたいことあるならはっきり言わんとあかんえ。」

木乃香は,更にゆっくりと刹那の秘所に指を沿わせる。
スパッツの上から送られる刺激は,刹那の体に中途半端な刺激しか届かず,刹那のそこは熱く滾っていた。

「こんなのもええやろ?」
7776/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:20:38 ID:j86dURz1
そういって木乃香は,しばらくの間スパッツの上から刹那を焦らすように何度も何度も秘所を刺激し続けた。
しばらく繰り返されるその行為に刹那の思考はほとんどきかなくなっていった。

「この‥‥ちゃ‥‥ぁ‥‥。」

もう十分に蕩けている刹那は,それでも何度も木乃香の名を呼んだ。
その声は,木乃香に届くたびに熱が増し,甘ったるいものへと変化していった。
そんな刹那の表情を確認すると,木乃香は自分の体を刹那の足の間へ移動させ,湿気の篭った刹那の秘所へと顔を寄せた。

「せっちゃん。スパッツまでこんなに濡らして,そんなに気持ちえかったん?」

木乃香の言葉を聞いた刹那は,恥かしさに身を震わす。
しかし,その後に続く木乃香の愛撫に些細な羞恥心は忘れさせられた。
木乃香は刹那の湿った秘所にかぶりつき,勢い良く吸いついた。
尖らせた舌先は秘芯を突付いた。木乃香はわずかな刹那の愛液の味を感じた。
それと同時に木乃香の唾液がそこへ染みこみ,滑らかな感触のスパッツを更に変質させる。

「うぁ‥‥やめっ‥‥ぁあ‥‥んぃ‥‥。」

それでも刹那に与えられる刺激は中途半端なもの。刹那は木乃香の頭部に手を添え,更なる刺激を求めた。

「せっちゃん。おくち‥‥ついとるやろ?」

木乃香は,刹那の秘所に寄せていた口を放し,刹那の顔をグッと覗き込む。
刹那はにっこりと微笑む木乃香を,ぼんやりとした思考の中で眺めていた。
木乃香は,刹那の唇に今日はじめて触れる。
しっとりとした木乃香のそれは,唇を唇で揉むように,刹那のそこに吸いついて離れない。
次第に緩んでいく刹那の唇を舌で割り開いて中に進入する。
十分に揉み解された刹那は口腔内も非常に敏感で,歯茎や舌の裏をなぞられるだけで,くぐもった声を漏らした。
脱力した刹那を開放すると,木乃香との間に名残惜しげに唾液が残った。
7787/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:22:11 ID:j86dURz1
「さ,エッチなネコマタさんは,うちに何して欲しいん?」

木乃香が刹那の耳元で,再び囁き始める。そっと唇を耳に近づけ,刹那の敏感な耳を軽く甘噛む。
木乃香の熱っぽい吐息を耳元で感じ,刹那は次第に自分の欲望を口にし始めた。

「はぁ‥‥‥ちょ‥‥直接‥‥ぅ‥触って‥‥ください‥ぃ‥。」

それでも,恥かしそうに顔を紅潮させ,木乃香を見詰める目は一層潤いに満ちていた。
満足げに木乃香は,刹那の唇に再び唇を重ねる。
そして,ゆっくりと刹那の腰に両手を添え,下着ごとスパッツを脱がし始めた。
ぴっちりと秘所に密着していた部分は,粘り気のある愛液を粘つかせていた。
十分濡れそぼったそこへ木乃香は指を這わせる。
つつっと秘裂を撫ぜるだけで,刹那は体を弾かせて感じた。
言葉にならない艶声が,刹那の口から漏れる。

「ほらぁ。エッチなネコマタさん♪触るだけでええの?」

木乃香は焦らしながら刹那の秘裂を撫でる。秘芯には触れず,奥深く指を沈めることもしない。
耳元で繰り返される木乃香の囁きに,刹那ももう限界を感じていた。
木乃香の焦らしを知ってか,刹那は木乃香の背に両腕を回し,しっかりと抱き締める。
続けられる木乃香の焦らしに耐えつつ,今度は木乃香の耳元で,刹那が囁いた。
荒い息を抑えつつ,喘ぎながら囁く刹那が,なんともいじらしかった。

「この‥‥ちゃ‥ん‥‥ぁ‥‥きて‥‥ぃ‥‥いかせてっ‥‥くださぁ‥‥ぃ‥‥。」

必死にしがみついて,必死に伝える様子が可愛らしくて,木乃香も戸惑うくらいに胸がきゅんとした。
そのまま木乃香は,刹那の首筋に唇を寄せつつ,刹那の中に指を沈めた。
十分に愛液を蓄えたそこは,木乃香の指を待ちわび,そして奥へ奥へと誘う。
きゅっと締め付ける感触を感じながら,木乃香は刹那の敏感な部分を揉み込んだ。
あられもない嬌声を上げ,刹那は身悶える。木乃香をキツく抱き締めたまま,決して放すことは無かった。
刹那の抱き締めてくる腕の強さから木乃香は刹那の感じる快感を知り,急に抜けた腕の力と木乃香の指を締め付ける刹那の内圧に,刹那が軽くイったことを知った。
7798/8  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:23:35 ID:j86dURz1
「はぁ‥‥せっちゃん‥‥もっと気持ちええこと‥‥したるな‥‥。」

そういうと,木乃香は,体を下へずらし,刹那の乱れた秘所へ唇を寄せた。
溢れた愛液を一通り舐め取り,再び指を中へ挿入する。そして,内壁を揉みながら刹那の反応を確かめた。
再び反応する刹那を見て,木乃香は刹那の秘芯に舌を這わせ,少しきつめにそこを吸い上げた。

「うぁぁぁあっあぁぁぁ‥‥やめっ‥‥ぁあ‥‥んんんんぃぁっぁあ‥‥。」

激しく声を荒げる刹那を感じながら,木乃香は,自分も十分に感じていることを察していた。
濡れた秘所の感触を体の奥で感じ,必死になって自分を求めている刹那に充足感を感じていた。
もうダメですっという刹那の甘い声が耳に響いて,再び愛撫の手に力をこめる。
一際甲高い声と,刹那の体が弾けるのが同時に起こり,満たされた脱力感が二人を襲った。

荒い息を吐き,激しく胸を上下させる刹那を木乃香は優しく抱き締める。

「もぅ‥‥‥このちゃんは‥‥イジワルです‥‥。」
「せっちゃん‥‥可愛すぎやわww」

不貞腐れる刹那を,愉しげに抱きしめる木乃香は,満足そうに刹那の髪とそこに付けられた猫耳を撫でていた。

それから度々,ネコマタ狩りを楽しむようになったとかならないとか‥‥。
それはまた,別のお話。
780終わり  ◆yuri0euJXw :2007/09/24(月) 02:27:43 ID:j86dURz1
駄作済まん。なんて言うかその‥‥イラストで萌えたのでエロが書きたかった。

忙しいのに‥忙しいのに‥‥なんでこの板には萌えが集まるんだぁぁぁあ。
やっぱりこの焦らし祭りは俺らを焦らす祭りなんじゃないか?

とまぁ仕事の進まん理由にしてみる。
少しだけ,ストレス解消したので,も少し頑張って仕事するぞ!

というわkでお目汚し失礼しました。
781名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 02:36:14 ID:7ldFHOEy
>>780
G J す ぐ る
なんという萌え…!!やはりエロはいいものだな…

同じく。自分も忙しいのにこの板にすぐ来てしまう…
テスト勉強なぞやってられるか!このせつが読みたい書きたいんだァァ!!
…うん。みんなのssとイラストで体力補給できたから頑張る
>>780もお仕事頑張ってくれ
782名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 02:50:25 ID:tcgW4mrv
>>780
ちょww自分の絵だったwww
ウレシスwwww
しかもスパッツの使い方に激しく共感ww
スパッツ有効焦らし活用してくれてありがとうww
GJすぐるな!ホントにさ!
イカせて下さいってせっちゃんが言うとこで
木乃香と一緒にキュンってなった!


確かに最近気づいたらすごい焦らされてるな、ここに
自分も本当は課題あるけど
課題やらなきゃと思えば思うほどここに来てしまう…
783名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 03:03:16 ID:yyOZhUON
御二方、GJです!
なんか二人の純粋な(?)このせつを読んだら、今書いてるSSが恥ずかしくて仕方ない。
784名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 04:02:29 ID:0iMt4XVz
>>780
えろいけどラブラブでお腹いっぱいだ…
えろかけないので羨ましい、かいてて照れる自分バカス

>>783
どんなSSでもばっちこいですって
今書いてるSSうpを楽しみに待ってますよー

では、自分も>>754の完結編を落とさせてもらいます
描き過ぎなのは自分でもよっくわかってますが、お付き合いを><
785名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 04:07:35 ID:0iMt4XVz
「ん…」
ふと目が覚める。
ぼんやりとした頭で枕元の目覚まし時計を手探りで探して掴んだ。
「…まだ4時か…」
時計を戻して、少しだるさの残る身体を起こす。
この身体のだるさは、まぁ、その…
『今日は一緒のふとんで寝る』と言ったお嬢様に部屋まで連れて行かれて、そのまま…という流れだ。
こういう事をするのは嫌な訳じゃないけど、やっぱり照れる。
回数を重ねても照れはなかなか消えてくれない。
まぁ、恥じらいを無くしてしまったらそれはそれで問題なのかもしれないが…
「…っ」
首の辺りをさすった時にかすかに痛みを感じた。
首筋には赤い痕が点々と咲いている。

『せっちゃんはウチのもの、って印付けとかな』

そう言って、前に付けたものが消えそうになる度に新しい印を付ける。
最初の頃はバレないかどうか心配だったけど
今ではそれが安心できるようになってきてるのは慣れてるって事なのかな…
自嘲する様な笑みを浮かべて、隣で眠るお嬢様に目をやった。

すやすやと寝息を立てるお嬢様。
こうやって寝顔を見てる限りではとても可愛らしい。
…夜の人格を全く感じさせない無垢な顔で眠っているのだから。
「今日は休みだし、このまま昼間でゆっくり寝るか…」
朝8時に鳴るようにセットしたアラームを解除する。
ゆっくり寝て目が覚めたらお嬢様の朝御飯、と言うには遅い時間だけど
ふんわり甘い卵焼きを作ってくれるようにお願いしてみよう。

貴女とのんびり過ごす今日1日を想って、もう一度目を閉じた。
786名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 04:09:42 ID:0iMt4XVz
>>785の挿絵っぽいもの
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00018.jpg

久々に文章書いたら案外時間かかった…やっぱSS書くのは向いてないや><
てな訳でお目汚し失礼しましたー
787名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 12:08:15 ID:UOV/JOaL
>>780
エロ杉wwwGJ!
しかし気になったんだが作品では「ネコタマ」って言ってなかったっけ…?
俺の勘違いだったらスマソorz

>>786
いやいや普通にいい文章でしたぜ。しかもイラスト付きとは!!テラGJス!!!
788名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 15:10:39 ID:j86dURz1
>>787
ショック どショック 大ショック!!!|||orz
ネコタマだった。何見てんだ俺‥‥orz
指摘されるまで気付かんかった。管理人様,ご慈悲で置換お願いします。

ほんとは,龍宮にタヌキ狩りについて何を言われたのかとか
問い詰めて刹那を攻める木乃香とかも書きたかったんだけど,
こんなげろアマエロになってしまいました。懲りずに読んでくださった方々
そしてレスありがとうございます!

懲りずにまた書くんでよろしくお願いします。取り敢えず仕事‥‥。
うわぁ。でも妄想広がるぅ‥‥。つれーよー。

>>786 超萌えた。どんな風に人格代わるんだか気になってしょうがない。
789名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 20:20:27 ID:nPCvxQEP
激しい戦闘で無惨にも折れてしまった夕凪・・・
木乃香を守るためとはいえかけがえの無い相方を無くし、涙を流し悔やむ刹那・・・
しかし京都、関西呪術協会総本山にて強化する術を聞く

希少金属の発掘、人との縁を断った名工とのいざこざ
様々な苦難を乗り越えとうとう夕凪は生まれ変わる
最後に必要な物・・・それは強き「想い」
刹那の木乃香を守りたいという想いが乗り移った時、それは形となった

その名は「近衛守神風(このえのかみちかみかぜ)」今、刹那は新たな力を手にする
刹那「己が想いを力と成して、今再び・・・お守り致します!」

次週
魔法先生ネギま!1315時間目「かくて神風は吹く・・・」お楽しみに!

とかいうのが夢にでてきますた(´・ω・`)
790名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 20:36:46 ID:kLzGouYw
1315時間目www誰か赤松からネギまを引き継いだらありえるかもねー。
もちせっちゃん主人公、このちゃんメインヒロインで。
791名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 20:49:12 ID:lc025P/r
ネギ、アスナ、その他クラスメイト、死亡。
エヴァ、茶々丸、さよ、かろうじて存在。
みたいな。
ほぼ、二人の世界(´∀`*)
792名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 21:20:18 ID:j86dURz1
そんなのさみしすぐる〜 ヽ(`Д´)ノウワァァン
793名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 21:39:07 ID:yyOZhUON
>>791
さよは死んでますから〜。

疑心の続きがgdgdになってしまったが、投下しても大丈夫だろうか。
正直、自信が無い・・・・。
794名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 21:44:46 ID:RcY2giZg
ク氏降臨!!
全然オッケですとも。投下してくだされ〜
795名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 21:45:10 ID:j86dURz1
ク氏だって全て自信満々ってわけじゃないでしょ?
いいじゃまいか。色々あるから良作が引き立つんだしさ。
wktkしてまってるぞ!!
796名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 21:50:30 ID:pzUHXjpC
>>791
どうやったらそんな都合いい夢見れるのか教えてくれよ…
自分も見てえよ、このせつ夢

>>793
疑心続き読みたい読みたい!
投下してくれ〜!!
797疑心2:2007/09/24(月) 23:17:14 ID:yyOZhUON

「・・・・わかりました」

私はお嬢様を落とした優越感に浸り、部屋の電気を消す。
お嬢様は媚薬と束縛の効果で、暗い部屋でもわかるほど妖艶な雰囲気を漂わせていた。

「せっちゃん・・・・はよぉ・・・・」
「焦らないで下さい・・・・私はお嬢様と違って、初めてなのですから・・・・」

お嬢様は私を眠らせて、思う存分やっていたかもしれない。
しかし私は寝ていて記憶がないので、もちろんこれが初めて。
でもリードする立場の私が不安がっていたら、お嬢様も不安になってしまう。
私は平静を装って自分のパジャマを肌蹴させると、同じようにお嬢様のパジャマのボタンも外した。

「・・・・綺麗です」
「あ、あんま見んと・・・・」
「見ないと何も出来ませんよ」

手を後ろで縛られた状態でお嬢様は、恥らって身体を横に向けようとする。
しかし私がそれを許すはずも無く、お嬢様を仰向けに戻して覆い被さった。

「逃げる事も、防ぐ事も許しません・・・・」
「・・・・優しくしてな・・・・」

ゆっくりと身体を下ろしていく。
直接肌を合わせると、お嬢様の身体はすでに熱くなっていた。

「せっ・・・・ちゃん・・・・」

目をぎゅっと閉じて私を待つお嬢様。
私の理性も、もう限界に近い。
798疑心2:2007/09/24(月) 23:18:15 ID:yyOZhUON

「お嬢様・・・・」

二人分の体重にベッドが悲鳴をあげる。

――ヴヴヴ・・・・

「・・・・む・・・・」
「っ・・・・」

しかしそんな空気を壊すかの様に、テーブルに置いてあった私の携帯が震えた。

*

「・・・・なんだ?」

せっちゃんはウチから少し離れて、電話に出た。
こんな大事な時でも、せっちゃんは連絡の送受信を怠る事は無い。

『――・・・』
「何を馬鹿な事を。だからお前の方こそ・・・・」

相手の声はよく聞こえない。
せっちゃんの顔も、暗闇と携帯でよく見えなかった。
だけど口調は相手を信頼しきったものだった。

「っ・・・・」

さっきまでウチに向いていたせっちゃんの意識が、今は電話の相手に向いている。
それが堪らなく悔しくて、ウチはせっちゃんにもたれかかった。
せっちゃん少し驚いて、声を詰まらせる。
799疑心2:2007/09/24(月) 23:19:31 ID:yyOZhUON

『――・・・・』
「・・・・いや、心配はない」

せっちゃんは携帯を持つ手を変え、空いた手でウチの頭を撫でてくれた。
でも身体はこっちにあっても、意識はまだ向こうにある。
早く電話を切ってほしい、意識も身体も全部戻ってきてほしい。
ウチの視線に気付いたのか、せっちゃんは少しウチに身体を向けた。

「その話は、今は・・・・」
「ひゃんっ・・・・!?」
『――・・・・』

次の瞬間、せっちゃんの手がウチの身体を這っていた。
まさか電話中に触れられると思ってなかったウチは、敏感に感じて声を出してしまう。
電話先の相手にも聞こえたのか、怪訝そうな声が携帯から聞こえた。

「どうした?」
『――・・・・』
「・・・・っ・・・・くぅ・・・・」
「気のせいだろう・・・・それよりも――」

せっちゃんの手は止まらない。
いつしかパジャマの中に進入してきていて、優しく揉む動作に変わる。
ウチは声を抑えるので精一杯・・・・でもさっき飲んだ媚薬のせいで、すでに限界も近かった。

『――・・・・』
「あぁ、またこちらから連絡する。では」

――ピッ
800疑心2:2007/09/24(月) 23:20:27 ID:yyOZhUON

「・・・・ん、あっ、やぁぁ・・・・!」

せっちゃんが電話を切った直後・・・・ウチは耐え切れずに声を上げた。

*

電話を終え、私は携帯を閉じる。
隣では軽く達してしまったお嬢様が、息を乱して私を見上げていた。
迫力こそは無いが、若干睨まれてる気もする。

「気持ちよかったですか?」
「・・・・あほぉ・・・・聞かれてもうたやん・・・・」
「大丈夫ですよ。誤魔化しましたから」

しかしお嬢様はそっぽを向いてしまった。
私は乱れてしまったお嬢様を抱え、電話が来る前の体勢に戻る。

「怒ってるのですか?」
「・・・・」
「・・・・お嬢様」
「ふぁ・・・・ん・・・・」

沈黙で抗議してくるお嬢様。
しかしその抗議にかまわずお嬢様の身体に手を這わせると、お嬢様は身をくねらせた。
媚薬の効果は相当なものらしく、軽く達しただけでは治まりがつかないようだ。

「黙らないで下さい・・・・」
「・・・・っ・・・・んぅ・・・・」
「身体はまだ・・・・満足して無いみたいですよ・・・・」

お嬢様の欲望を満たして差し上げようと、胸元に口を寄せる。
801疑心2:2007/09/24(月) 23:22:18 ID:yyOZhUON

「ん、・・・・いやっ・・・・」
「っ! ・・・・」

が、お嬢様は身を逸らしてそれを避けた。
その瞬間、私の中でどこか怒りのような感情・・・・いや、相手を嬲りたいという感情が湧き上がってくる。
お嬢様に対してこの様な事を思うのは、自分でも不思議でならなかった。

「では・・・・やっぱり、お嬢様お一人で・・・・やりますか?」
「え、あ・・・・」

私がお嬢様の上から退くと、寂しげな声が聞こえる。
すこし前の私だったら、こんな声を出されたらすぐに手を差し伸べただろう。
でも今の私は・・・・壊れてしまった私は、お嬢様は見下す事に快感を覚えている。
ゾクゾクとした感覚が堪らなく気持ちよく、あえてお嬢様から背を向けた。

「そんな・・・・せっちゃ・・・・」
「一人で、お好きにやればよろしいでしょう・・・・?」
「・・・・ほんなら・・・・せっちゃん使うてええ?」
「・・・・はい?」

意味を理解しようと、お嬢様の方を振り向く。
するとベッド端に座る私の胸に、お嬢様が倒れ掛かってきた。
でもお嬢様は手を使えない状態。
バランスをとるのが困難でベッドの外に落ちそうになってしまい、私は慌ててお嬢様を支えた。

「何だかんだ言うて・・・・優しいん・・・・」
「あ、危なっかしいからですよ・・・・。それで・・・・?」
「・・・・こう、するん・・・・」

お嬢様は私の首筋に顔を埋めた。
生暖かい感触がそこに這い、くすぐったいような不思議な感覚が私の身体に走った。
802疑心2:2007/09/24(月) 23:23:13 ID:yyOZhUON

「むぅ・・・・っ」
「ん、はぁ・・・・せっちゃん・・・・・」

それは段々下がってきて、私を焦らせる。
しかしお嬢様は無理な体勢のせいで辛いらしく、感触は途切れ途切れだった。
それでも必死に私を誘うお嬢様の姿は、私の理性を再び削っていく。
なるほど・・・・私を使うとは、誘惑して襲わせるということか・・・・。

「・・・・うぁ・・・・くっ・・・・」
「あっ・・・・!?」

自らの欲望も満たすために、お嬢様は密着度を高めてくる。
私は再び理性の危機を感じて、とっさにお嬢様を引き剥がしてしまった。

「・・・・っ・・・・さすが、お上手ですね・・・・」
「・・・・せっちゃんが、わからん・・・・」
「はい・・・・?」
「ウチの気持ち知っても、せっちゃんは教えてくれへんし・・・・抱いて・・・・くれへんし・・・・」

お嬢様は私に背を向けてベッドに横たわってしまった。
まだ息は荒く、必死に身体の熱を抑えているのがわかる。

「お嬢様・・・・?」
「教えてくれへんなら・・・・出てって・・・・」
「・・・・本当にそう思ってるのですか?」

お嬢様の肩が大きく震えた。
お嬢様はいつもそうだ。
本当に苦しい時、助けを求めようとしない。
803疑心2:2007/09/24(月) 23:24:18 ID:yyOZhUON

「お嬢様、こっちを見てください・・・・」
「・・・・嫌やっ・・・・!」

涙声でまだ反抗するお嬢様。
私は肩を掴んで、お嬢様を無理やりこちら側に向かせる。
・・・・やはり、お嬢様の目は濡れていた。

「ここまできて、何もせずに置いていくなど・・・・すると思いますか?」
「じゃあせっちゃんは・・・・どう思うてるん・・・・?」
「さあ・・・・どうでしょうね・・・・」
「っ・・・・!」

お嬢様は嗚咽を漏らす。
泣かせてしまった事に罪悪感を感じるが、それ以上の満足感が私の中にあった。
お嬢様の下のパジャマと下着を剥ぎ取ると、お嬢様が息を呑むのがわかった。
だがそれにかまわず私は、お嬢様の胸の突起に吸い付いた。

「ひゃ・・・・やあっ、・・・・な、んで・・・・こない、な事・・・・!?」
「ご自分で・・・・考えてください・・・・」
「ん、ぁ・・・・考え、られへん・・・・!」

お嬢様が抵抗できないのいい事に、今までギリギリ避けていた敏感な部分を正確に攻めていく。
右手は既に、お嬢様の秘部を捉えていた。

「やっ・・・・あかん、もう・・・・!」
「お嬢様・・・・よく、考えてください・・・・」
「・・・・あぁ、ふあぁ・・・・!」
「特別な感情を持たない者に・・・・この様な事など・・・・」
804疑心2:2007/09/24(月) 23:25:22 ID:yyOZhUON

もうこの声が届いてるかも怪しい。
それでも自覚を持ってくれないお嬢様に、歯痒さを感じていた。
・・・・いや、先に歯痒さを感じていたのはお嬢様だったのかもしれない。
そうでなければ、強淫などしなかっただろう。

「ん、んん・・・・!」
「・・・・お嬢、様・・・・」
「はぁっ・・・・あ・・・・あぁぁぁあ!」

一度イっても、私は手を止めない。
口で下の陰核を捉え、指は内部をかき乱す。
・・・・今のこの行為が強淫だと言われても、かまわない。
これはお嬢様が蒔いた種であるし、私をこの様に壊したのもお嬢様だ。

「・・・・愛してます・・・・」

でもこれだけは、偽り無い気持ち・・・・。
この直後、私の理性は全壊した。

*

私が正気を取り戻した時、目の前のお嬢様は既に失神していた。
シーツは滅茶苦茶で染みがついていて、事後である事がわかる。

「・・・・ぁっ・・・・っ・・・・」
「私はなんて・・・・ことを・・・・」

さっきまで真っ黒だった私の心は、今では僅かながらも澄んでいた。
しかし・・・・手遅れ。
黒で白を染めるように・・・・私はお嬢様を穢してしまった。
決して拭い取る事ができぬ、汚い黒で・・・・。
805疑心2:2007/09/24(月) 23:26:19 ID:yyOZhUON

「・・・・くっ・・・・!」

気がつけば私は逃げ出そうとしていた。
押し寄せる罪悪感と後悔に押し潰されそうだった。
私はお嬢様を拘束する縄を解き、布団をお嬢様に掛けてベッドから離れようとする。

――ぐいっ

「っ!」
「せっちゃ・・・・行かない、で・・・・」

動揺していたせいか、目覚めたお嬢様に気付く事ができなかった。
お嬢様は自由になった手で、私を捕らえている。

「せっちゃんの、声・・・・聞こえたえ・・・・」
「え・・・・?」
「ウチも・・・・愛しとる・・・・」

ぐったりと疲労した身体で、お嬢様は穏やかに笑っている。
そのまま弱々しく引き寄せられ、私は布団の中に収められてしまった。
あぁ、そうだ。
お嬢様はあくまでずっと、白だった。
私を抱いていたときも、私に抱かれた後の今も、ずっと・・・・。

「ウチら・・・・両想いやったね・・・・。嬉しいなぁ・・・・」
「・・・・お、お嬢様・・・・」
「ちゃんと・・・・責任とってぇな・・・・? もちろん、ウチ・・・・も・・・・」
806疑心2:2007/09/24(月) 23:28:50 ID:yyOZhUON

お嬢様は微塵の怒りも見せないで、私を抱き寄せてくれた。
そして最後まで言い終えず、お嬢様はまた寝息を立て始める。
白に染められること・・・・それは穢れると言うのだろうか?
・・・・いや、もうやめておこう。
色や穢れにこだわるのは、私の悪い癖だ。

「・・・・すぅ・・・・」
「・・・・次は・・・・普通にやりたいですね・・・・」

純粋な愛を込めて口付けを。
そしてその日から、お嬢様の料理に薬が混ざる事はなくなった。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )


(ノ_<;)ノミ【旅に出ます、探さないで下さい】
807名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 23:40:52 ID:v8WF5xyc
>>806
GJ!
ってどこへ行かれるのですか神様!?
808名無しさん@秘密の花園:2007/09/24(月) 23:56:26 ID:j86dURz1
ドキドキして読んでしまった‥‥。ちょwwwwGJwww!!
こいつを超えるアナザーストーリーはちょっと苦しいかもっ。ちと後悔。
やっぱ、あれか?拘束と媚薬はク氏の十八番なん?
読んでるほうもめっちゃじらされたぜい。
このせつエロパワー補充!!さっさと仕事片付けておいらもやるぜー!
809名無しさん@秘密の花園:2007/09/25(火) 00:17:03 ID:vJdXDZJr
>>806
GJ!! と思ったらそんな…何処へ…
お帰りを心からお待ちしてます!!
810名無しさん@秘密の花園:2007/09/25(火) 02:35:26 ID:eQpxwnaa
うはwwやられたもうだめだwwww
GJを通り越してもう何だこの気持ちはw これが神の所業かww笑うしかねぇ
811名無しさん@秘密の花園:2007/09/25(火) 13:26:20 ID:LZMWwTQU
皆笑いすぎwwwww

>>806 テラGJ ドキドキ止まんないww
何処へ行ってしまうんですか!?
812名無しさん@秘密の花園:2007/09/25(火) 17:45:12 ID:BdDvdt2r
>>806
GJ!!やべぇwwニヤニヤしてまうwww
神様行かないでー!
813まとめ”管理”人:2007/09/26(水) 03:41:12 ID:HPCr9XTv
PC用だけ最新まで更新。

>>731
スレにサイトのアドレス貼ってあったんで
まとめの過去ログからもリンク貼らせてもらいました。
問題がある様ならリンク外すので連絡ください。
>>◆yuri0euJXw
>>772-779
ネコタマに全置換したはずだから残ってないはず・・
>>806
疑心の続きキターって思ったらク氏どこ行くんすか!?
814名無しさん@秘密の花園:2007/09/26(水) 04:18:01 ID:wOCmQF+7
まとめさん乙です!!

>>806
疑心テラGJ!!!!!!
エロGJ!!!
ク氏、旅が終わったら戻ってきてくれよな!!
815名無しさん@秘密の花園:2007/09/26(水) 21:07:29 ID:QFjkmBiI
まとめ乙です
いやもうアレなくらい同じ絵柄ばっかり自重
保存やら貼り付けやら手間取らせて申し訳ないです><

スレの容量って500kが上限?
このスレが終わる頃に1枚懲りずに絵をうpしようかと思ってるんですが今投下だとちと早いかなと思ったり
って言ってる間に投下し損ねて次スレいっちゃうんだろうな…w
816名無しさん@秘密の花園:2007/09/26(水) 21:41:44 ID:VT5dAdg3
疑心へのGJありがとうございます。
恥ずかしさで穴に埋まりたい勢いです・・・・。
あと・・・・拘束と媚薬は十八番ではありません・・・・。
抵抗できないシチュが好きなだけです・・・・あれ?

>>815
うp!うp!
817名無しさん@秘密の花園:2007/09/26(水) 23:27:56 ID:QFjkmBiI
>>816
仕上げてたらいろいろ修正したくなって、結局間に合わなかったww
明日仕事が早く終わればうpします、ちと気の早い締めですが…
818名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 03:28:10 ID:MelpBBvd
>>816
この正直もんwww。でもそのフェチには禿同!

>>813
乙です!駄作に手をかけてもらってスマソ。
モバイルもまたお願いしますだ。所々リンク切れてたりするので,
また報告しますな!

>>817
あと30k程度だからどんどんイコー!!
819名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 16:17:20 ID:FLz0n+3r
>>813
乙です!
サイトのアドレスも貼っていただきありがとうございます

>>816
ク氏…!なんという萌えなシチュが好きという…!!
820名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 20:20:34 ID:vUc3B9jT
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00019.jpg
ちょっと気が早いですが、そろそろ容量いっぱいに近づいてるみたいなので。
このスレの真ん中辺りからいろいろ描かせてもらってたのですが楽しかったです
このせつ最高、ありがとうこのせつ。
次スレも盛り上がりが続くといいですね、ってな事で自分的締めー。

こっちは文字無しで出席番号入り。需要があるかは謎ですががが。
ttp://www3.uploader.jp/user/konosetu/images/konosetu_uljp00020.jpg
821名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 21:03:26 ID:bQhiRdDO
500まであと22キロバイトなり。
スレで埋まるかネタで埋まるか……さぁ、どっち!!

オイラ睡眠不足で疲労困憊……。あぅ…旨そうな焼きサンマの匂いが……。
誰か旨そうなこのせつヨロ〜。(フラフラ)
822名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 21:56:48 ID:H8fx//hX
>>820
GJGJGJ!
次スレでもよろしくお願いします!

>>821
美味しくないが、これでも召し上がってください。
823帯刀:2007/09/27(木) 21:57:59 ID:H8fx//hX

「せっちゃん、もう駄目!」
「そ、そう言われましても・・・・すみません、あの、返してください!」
「せやから・・・・アカンって言うとるやん!!」

パンッ!

「痛っ・・・・」
「あ・・・・!」

早朝の世界樹広場に響いた、弾ける様な大きな音。
ウチはその音を出してしまった事に、目の前が真っ白になった。

*

「刹那さんの事、叩いた〜〜!?」
「そりゃー、一体全体どうしてだい? このかお嬢ちゃん」
「け、喧嘩ですか!?」

気がついたらウチは、部屋に逃げ帰ってきてしまっていた。
同居人の明日菜たちに事情を理由を話すと、みんなは驚いた声を出す。
ウチだって、せっちゃんを叩いてしまうなんて思わなかった。
だからここまで動揺してしまっている。

「せ、せっちゃんが言う事きかへんから・・・・カッとなってもうて・・・・!」
「刹那さんになんて言ったの?」
「・・・・せっちゃん、最近無理しすぎやから・・・・修行はもう止めてって・・・・」

せっちゃんは退魔の仕事っていうのをしている。
それに加え、朝はアスナとの修行をしている。
夜遅くまで仕事をして、早朝に修行の生活。
それが原因で疲れているのか最近、授業中に上の空になる事が多かった。
824帯刀:2007/09/27(木) 21:59:26 ID:H8fx//hX

「それに、龍宮さんからメール来てたん・・・・放っておけなかったんや・・・・」
「木乃香・・・・」

龍宮さんによると、せっちゃんは昨日の夜に疲れが原因で軽い熱を出したらしい。
それなのに、今日も一人で修行をしていた。
それでウチが修行を止めさせようとして・・・・結果、こういった事態になってしまった。

「刹那さんの事ですから、謝れば許してくれますよ」
「・・・・嫌や」
「おいおい、木乃香お嬢ちゃんらしくないな」
「せやかて・・・・」

ウチは悪くない。
悪いのは、心配してもそれをわかってくれないせっちゃんの方。
ウチは黙ったまま俯き、同居人の二人と一匹はもう何も言わなかった。

*

「刹那さん、おはよー!」
「あ、おはようございます。明日菜さん」
「・・・・」
「あ、あの・・・・」

いつも通り、寮の前でせっちゃんと合流する。
でもウチはまだ話す気になれなくて、せっちゃんを無視して駅に走った。

「このか、まだ怒ってるの?」
「・・・・気にせんといて」
「気になるわよ、一緒に登校してるんだからさ・・・・」
825帯刀:2007/09/27(木) 22:01:37 ID:H8fx//hX

電車の中でも話をしなかったウチらに見かねて、明日菜が話しかけてきた。
ウチは先頭を走りながら、それにぶっきらぼうに答える。

「らしくないよ?」
「・・・・わかっとるけど・・・・」

ウチは後ろを振り返る。
せっちゃんはウチとアスナの後ろで、ネギ君と話してた。
肩にはしっかりと刀がある。

(あれだけ、刀から手を離してって言うたのに・・・・)

ウチは朝に『今日は護衛も仕事もしなくてええから、刀を置いて』と、せっちゃんから刀を預かろうとした。
刀があれば、せっちゃんは護衛をすると思ったから。
でもせっちゃんはそれを受け入れるどころか、少し強引に刀を奪い返そうとした。
そして今も・・・・しっかりと刀を持っている。

「・・・・もう知らへん」
「あ、ちょっと木乃香・・・・はやっ!」

ウチはローラーブレードで、ありったけのスピードで学校に向かう。
しっかりと明日菜達はついてきたけど、せっちゃんは昨日の熱のせいか少し辛そうな顔をしていた。

「刹那さん、大丈夫?」
「は、はい・・・・朝の修行、張り切りすぎたかもしれませんね・・・・」
「もー、そんな事やってると私の代わりにバカレンジャーになるわよ?」
826帯刀:2007/09/27(木) 22:02:30 ID:H8fx//hX

――ゴンッ

会話をしながら靴を履き替える明日菜とせっちゃん。
途中、せっちゃんの肩から刀がずり落ちて床に当たる。
その時に重そうな音が床に響いた。

(あの刀がなければ・・・・)

せっちゃんも、ゆっくり休めるに違いない。
ウチは携帯を取り出すと、朝倉に向けてメールを出した。

*

今日もいつもと変わりない日常生活。
ただせっちゃんは、少しぐったりとしていた。
やっぱり疲れが溜まってるみたい・・・・。

「刹那さんなんか調子悪そうだね・・・・」
「そやね・・・・昨日から悪いみたいなん」
「傍にいてあげなよ」
「・・・・」

ウチはそれを素直に聞き入れる事ができず、せっちゃんに目線を戻す。
ちょうど柿崎さんが、せっちゃんに近づくところだった。

「桜咲さんのそれ、木刀?」
「え、いや・・・・まぁそんなものです」
「見せてくれないかな〜?」
「す、すみません、これは・・・・」
827帯刀:2007/09/27(木) 22:04:28 ID:H8fx//hX

いつもはさほど気にされない、せっちゃんの木刀袋。
でも今日のクラスの皆は、せっちゃんの刀を取ろうとする。
・・・・それはウチが朝倉に頼んだせい。

「刹那さんー、それ貸して〜?」
「あ・・・・だ、駄目です・・・・ごめんなさい・・・・」

ウチは朝倉さんに、せっちゃんの刀と食券を引き換える約束をした。
いわゆるイベント。
こういった遊びは3-Aではよくやる事で、今回はせっちゃんの刀を奪えば賞品を手にする事ができる。
もちろん賭けだから、参加費は既にもらっている。

「刹那さん、待てー!」
「うっ・・・・すみません・・・・!」

借りてから奪おうとする人もいれば、最初から全力で奪いに行く人と、様々な攻防戦が繰り広げられている。
でもせっちゃんはそれらを軽く避けた。
さすがはせっちゃん・・・・でも、悔しい。

「このか・・・・いい加減にしなよ」
「ん? 何の事や〜?」
「刹那さんの刀の事よ。どうせあんたの差し金でしょ?」

・・・・さすが同居人。
今回のイベントの主がウチだって、気付かれた。

「ウチしらへんもん〜」
「あ、ちょっとこのか!」

ウチは適当に誤魔化して、のどか達の所に行く。
一瞬せっちゃんがこっちを見た気もしたけど、それはわざと無視した。
828帯刀:2007/09/27(木) 22:05:54 ID:H8fx//hX

*

「今日はこれで終わりです。また月曜日に会いましょう。それでは号令を」
「はーい! きりーっつ!」
『さよーならー!』

結局誰もせっちゃんから刀を奪えなかったらしい。
残念、とメールがいくつか来た。
ウチはそのメールそれぞれに『お疲れ様』と送り、荷物をまとめる。

「私、今日美術部に寄ってくけど・・・・」
「うん、ウチ先に寮に戻ってるな」
「・・・・刹那さんと――」
「――もう、ほっといてって言うとるやん? ・・・・もう、大丈夫やから」

今日ずっと心配してくれた明日菜のおかげで、怒りとかそういうのはどこかにいってた。
まだせっちゃんとは仲直りできてないけど・・・・。
ウチは意を決して、明日菜が見守る中、帰りの支度をしているせっちゃんに近づいた。

「・・・・せっちゃん?」
「え、あ、お嬢様・・・・」
「朝は・・・・その・・・・堪忍な? うっかりやったん・・・・」

珍しくウチの接近に気付かなかったせっちゃんは、驚いた顔で振り向いた。
ウチはそんなせっちゃんに、手を顔の前で合わせて精一杯謝る。
すると、せっちゃんは笑い返してくれた・・・・怒ってないみたい。

「いえ・・・・お嬢様は悪くありません」
「でも叩いてええわけやない・・・・ごめんな・・・・」
829帯刀:2007/09/27(木) 22:06:50 ID:H8fx//hX

ウチの視線は自然と、机に立て掛けてある刀に向く。
この刀を取りあげようとしたのが、今回の原因だったから。
せっちゃんもそれに気付いたのか、刀を伸ばす――。

――ガタン!

「せっちゃん!?」
「刹那さん!」

せっちゃんがバランスを崩して、倒れた。
ウチは慌てて抱きかかえる。
・・・・熱い。

「せっちゃん、熱が・・・・!」
「すみません・・・・なんだか昼頃から、力が入らなくて・・・・」
「と、とにかく保健室に運ぶわよ!」

後ろで見ていた明日菜が駆けつけ、せっちゃんを抱き上げる。
ウチはせっちゃんの荷物を持ち、保健室へと一緒に向かった。

*

「本当に申し訳ございません・・・・」
「ええんよ・・・・」

弱々しく謝るせっちゃんの額に、濡れたタオルを乗せる。
その冷たい刺激に、せっちゃんは少し顔をゆがめた。
830帯刀:2007/09/27(木) 22:08:11 ID:H8fx//hX

「無理せんでええのに・・・・」
「すみません・・・・今日は大人しくしてようと思ったのですが、なぜか皆さんが夕凪を狙うので・・・・」
「・・・・追いかけられとったね」
「はい・・・・」

せっちゃんは困ったような顔で、立て掛けてある刀を見る。
今日は休み時間も静かに過ごすつもりだったらしい。
それなのに、ウチがみんなに変な事を提案したせいで・・・・せっちゃんの熱を悪化させてしまった。

「・・・・ごめんな」
「なぜ、お嬢様が謝るのですか・・・・? たまたま今日の遊びの標的が・・・・私だっただけでしょう」

せっちゃんはウチの事を疑いもせず、苦笑いした。
ウチはそんなせっちゃんに心から謝罪しつつ、刀を手にとって見る。
せっちゃんは何も言わなかった。

「朝もそうやったけど・・・・この刀、大切にしてるんやね」
「その刀は・・・・夕凪は、詠春様の物だったんです・・・・」
「え、お父様の?」

それは初耳だった。
お父様も神鳴流とかいう流派の剣士だったと、聞いた事はあったけれど。

「夕凪は、詠春様の想いです・・・・詠春様の、お嬢様への想いが・・・・夕凪には込められています・・・・」
「お父様の・・・・」
「夕凪でお嬢様を守る事が・・・・私に、とって・・・・だから、盗られる訳に、は・・・・」

せっちゃんの声は、次第に小さくなってくる。
自分が何を言っているのか、熱のせいでもうわからなくなってるのかもしれない。
831帯刀:2007/09/27(木) 22:12:50 ID:H8fx//hX

「わかったえ・・・・わかったから、少し寝ような?」
「・・・・頼みがあるのですが・・・・盗られない様に、見ててくれますか・・・・?」

せっちゃんは刀に目を向けて言う。
ウチは刀をしっかりと抱きかかえた。

「ちゃーんと見とるえ。安心し?」
「・・・・ありがと、ございます・・・・。明日は・・・・仕事も無いので・・・・」

せっちゃんはそこまで言うと、規則正しい寝息を立て始めた。
その額を撫でて、ウチは夕凪とせっちゃんを見比べる。

「これ狙っとったん・・・・ウチなんやえ・・・・?」

それなのにせっちゃんは、一切疑うことなく大切な刀をウチに任せた。
クラスメイトでも触る事すら許さないのに。
どこまでも真っ直ぐで、頑固で・・・・ウチには全てを許す大切な幼馴染。

「・・・・あほ」

今朝叩いてしまった頬を撫でる。
そしてそのままウチは、そこにキスを落とした。
明日からの休日に、二人で遊べることを祈って・・・・。

その日からせっちゃんの刀は、ウチにとっても大切な物になった。
刀は・・・・夕凪は、ウチら共通の宝物。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
832名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 22:13:27 ID:H8fx//hX
キーワード:『常に夕凪帯刀』『保健室』

埋めで投下です。
新スレの立て方わから無いので、勝手ながら・・・・どなたかお願いしますorz
833名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 22:16:31 ID:i2e8WiCc
激しくGJ!
834名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 22:17:07 ID:BIMZlFJI
ぐっじょおおおおおおおおおおぶ!
やっぱあんたの書くSSは最高だぜ!
835名無しさん@秘密の花園:2007/09/27(木) 23:31:06 ID:D2luLKNX
ヤベ死ねる(´∀`*)
むしろ夕凪でブッ斬ってもらいてぇ…。
836名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 04:12:19 ID:HOMwrPmG
>>832 GJ!美味なこのせつをありがとうございます。
相変わらず仕事速いな‥‥。俺もこのせつに漬かりてぇよぉ〜。ヽ(`Д´)ノウワァァン

>>820 まじ貼りてー。これ。まとめサイトでgo to homeとかにしてもらいたい。とにかくGJ!

今回の投下で約10Kだから,も1回々規模で落としてもらうとおおかた埋まるわけか‥‥。
maxは512kBだから500Kこえたら次スレ立てよか。

じゃさ,次スレ立てのとき,次のこと追加してちょ。

・容量が500Kを越えるか,レス番が980を越えたら新スレを立ててください。
・このせつイラスト投下専用うpローダ[URL]
 <注>リンクソースや無くてダウンロードファイルのURLを貼ること。

他なんかあるか?
837名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 05:28:22 ID:UIQYQ7b6
追加と言うより、修正。
確か木乃香か刹那のどっちか、干支間違ってるんだよね?
俺が間違ってたらごめん。
838名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 14:21:39 ID:8TNPYglO
あと木乃香の父親の名前もそろそろなおしたほうが…。

839名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 18:45:03 ID:UIQYQ7b6
埋めようと思えば、拍手用に作った微妙なSSを投下できるけど・・・・大丈夫だろうか。

あとそろそろ住人達の妄想話とか聞きたいな。
ネタが見つからなくなってきた。
週間テーマ復活をお願いしたい。
840名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 19:40:19 ID:DEOS4+0i
そういえば週間テーマっていうのやってたね。
たまには密かな片思いみたいなの読んでみたいな。
841名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 19:48:41 ID:E6FCTNjj
>>839
何でゲンドウなんだ?
詠春ね

>>839
ゼヒ投下してくれ!
842名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 20:56:09 ID:AZ7w+eBh
ある日足元を見ると、何故かムチが落ちていた。
木乃香「何やこれ?どうせならトンカチにして欲しいえ」
文句を言いつつも、ちゃっかり拾う木乃香。
その顔には歪んだ笑みが張り付いており、酷く黒いものを感じざるを得ない。
木乃香(……せっちゃん、喜ぶかなあ♪)
ムチの使用法をあれこれと夢想しながら、危険なお嬢様は愛しい護衛の部屋へと急ぐのだった。

刹那「うっ…!?い、嫌な予感がする…龍宮!ちょ、ちょっと傍に行っていいか」
真名「嫌だ。お前の嫌な予感は当たる。そしてそのとばっちりだけは御免だ」
刹那「お、お前…この薄情者!!それでも私のパートナーか!?」
真名「……あれはあれ、これはこれ、それはそれ」
刹那「…………っ!!(悔し泣き)」

哀れ。刹那に逃げ道はないようだ。

刹那「あ、あんみつ奢るから…」
真名「………」
刹那(…あ、ちょっと迷ってる……)

ちょっとだけ希望を垣間見た刹那だった。
843名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 20:58:09 ID:AZ7w+eBh
しまった、つい龍せつ分が…
ちゃんとこのせつも好きなんで許してくださいorz
844名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 21:23:17 ID:E6FCTNjj
ムチで叩かれて喜んでるせっちゃん想像したら萌えた(*´ェ`*)
龍せつをいいというのはスレチではあるが、
でも隊長に頼るせっちゃんも萌えるな(*´ェ`*)
845名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 23:28:36 ID:UIQYQ7b6
>>841
いや、俺にきかれても・・・・;

では投下しますね。
原作では描かれてない部分を妄想したSSです。
846タイトル未定:2007/09/28(金) 23:31:02 ID:UIQYQ7b6

「ひゃああ・・・・////」

木乃香は目の前で繰り広げられている事態に驚愕していた。
目の前では、担任の教師と親友のラブシーン。
後にそれは世界樹の魔力のせいだと知ることになるが、それでも刺激的なものであることには変わりない。

(どどど、どないひょー!?)

強固な親友の明日菜が、10歳のネギによる濃厚な口付けで無力化されている。
それは普段の明日菜からは想像ができないほど・・・・色っぽい。
ネギもまた、普段見せない顔で明日菜を虜にしていた。

――ごくり

木乃香の喉が鳴った。
胸の中から何かが湧き上がるのを感じて、前にいる幼馴染の顔を見てみる。
幼馴染も目の前の出来事に成す術がなく、顔を真っ赤にしてそれを見守っていた。

「・・・・!?」

そこにいる誰もが明日菜とネギに注目している中、木乃香は幼馴染の刹那に近づく。
背後から触れるとやっと刹那も気づき、身を震わせた。
木乃香は刹那を盾にするような形で、刹那ぼ背中に密着する。

(お嬢、様・・・・?)
「・・・・っ」

木乃香は何も言わない。
刹那の背中に張り付き、顔を押し付けていた。
847タイトル未定:2007/09/28(金) 23:32:50 ID:UIQYQ7b6

――ドクンッ・・・・ドクンッ・・・・

目の前で繰り広げられる、濃厚で刺激的な光景。
そして密着する想い人の身体。
刹那も木乃香も、自らの体温が上昇している事に気付いていた。
そして密着している相手も、自分と同じように・・・・。

「――あ、あれ? 僕いったい・・・・?」
「あ、あ、あんたは〜・・・・このエロバカネギ坊主ー!!!」
「ぎゃぴーっ!?」

ネギが魔法から解き放たれ明日菜が憤怒した瞬間、木乃香と刹那も離れる。
二人の鼓動は、今までに無いくらい大きく高鳴っていた。
衝撃的な現場を見ていたからでもあったのだが、何よりも二人はその光景を自分と幼馴染に重ねていたのだ。
あのようなキスを・・・・この人とやってみたい、と。

*

「いらっしゃい、せっちゃん」
「はい、お邪魔します」

それから色々あった麻帆良祭も終わり、二人は久しぶりの休息を満喫していた。

「麻帆良祭、長かったなぁ・・・・」
「何度も往復しましたからね・・・・もう二度とない経験でしょう」
「ウチら、貴重な体験したんやね〜」

さまざまな経験を二人は語り合う。
時を移動した事、超たちとの戦い・・・・そして、恋愛沙汰。
848タイトル未定:2007/09/28(金) 23:35:15 ID:UIQYQ7b6

「ゆえとのどか、トロトロにならんで良かったわぁ・・・・」
「トロトロ・・・・? で、でも確かに仲直りできたのは良かったですね」
「あとアスナとネギ君がチューしたんは、びっくりしたね?」
「そ、そうですね・・・・初めて見ました・・・・」

あっけらかんと話す木乃香とは対象に、刹那は頬を紅くした。
刹那がこういった話に参加する事はほとんどない。
珍しく会話に乗ってきた刹那に、木乃香は興味津々で刹那に問い詰め始めた。

「せっちゃん、ああいうんのした事ないん?」
「え・・・・、そ、それは・・・・ネギ先生とのパクティオーが、初めてでしたし・・・・////」
「ふーん・・・・ウチと同じやね」

身を乗り出して刹那に質問する木乃香。
そして二人の距離は次第に、お互いの体温がわかるほどまで近づいていた。

「・・・・お、お嬢様・・・・?」
「なぁせっちゃん・・・・ウチもな、興味あるん・・・・」
「は、はぁ・・・・」

木乃香の手が刹那に触れた。
その時の木乃香の顔は、先ほどまでのあっけらかんとしたものとは大きく異なる。
どこか妖艶な雰囲気を漂わせていた。

「あ、あの・・・・!」
「・・・・キス、してええ?」
「え・・・・えっ!?」

木乃香のいきなりの申し出に、刹那は驚いて後退した。
それでも木乃香は近づいてくる。
刹那は顔に熱が帯びるのを感じた。
849タイトル未定:2007/09/28(金) 23:37:53 ID:UIQYQ7b6

「おおお、お嬢様!? お戯れはほどほどに――!?」
「からかってへんえ・・・・本気や・・・・」
「あ、・・・・お、お嬢様・・・・!」

ついに刹那は壁に追い込まれ、木乃香に捕まった。
刹那を捕らえた木乃香は、両手で刹那の頭を固定して顔を近づける。
刹那は高鳴る鼓動を感じながらも、身動きがとれないでいた。

「・・・・っ」
「せっちゃん・・・・」

震える刹那をなだめる様に、木乃香は刹那の頬を優しく撫でる。
そして最後の距離を詰めようとした。
唇が触れるまで・・・・後、数センチ。

「――あ・・・・、だ・・・・ダメです!!」
「ひゃっ・・・・」

あとわずかという距離で、刹那が木乃香の接近を拒んだ。
木乃香の肩を押し、距離を一気に離す。
刹那の本気の抵抗に、木乃香は押し切る事ができなかった。

「せっちゃん・・・・どうして?」
「わ、私たちは、女の子同士です!」
「そんなん関係ないやん? せっちゃんやて、してみたいんやろ・・・・?」
「で、でも・・・・ダメなんです!」

刹那は剣士の身のこなしで逃げ出し、木乃香に背を向けた。
この刹那の拒絶に、木乃香は迫るのを止める。
それでも手は逃がすまいと、刹那の服の袖を掴んでいた。
850タイトル未定:2007/09/28(金) 23:39:00 ID:UIQYQ7b6

「ダメなんやね・・・・」
「・・・・・・・・は、い・・・・」
「嫌やないん・・・・やね?」
「え・・・・?」

一瞬刹那は違いがわからず、きょとんとした。
しかし考えてみれば、確かに大きな違いだ。
同じ拒絶でもこの違いは大きい。

「・・・・嫌じゃ、ないです・・・・」
「ほんま?」
「はい・・・・でも、その・・・・」
「・・・・よかったぁ・・・・ならええ・・・・」
「え?」

刹那は顔だけを木乃香に向ける。
木乃香は少し悔しそうな顔をしていたが、傷付いた様子はなかった。
木乃香は木乃香なりに、刹那を理解したようだ。
刹那を後ろから抱きしめて、安堵の吐息を漏らした。

「せっちゃんがいいって言うてくれるの・・・・ウチ、まっとるえ」
「・・・・え、あの・・・・」
「でもな、ウチは・・・・はよパクテオーしたい。もちろん、ディープの方でな・・・・」
「うっ・・・・」

いきなりの難易度に、刹那は言葉を失う。
それでも木乃香はどこか嬉しそうだった。
刹那はその笑顔に固まった。

(私の考え方・・・・やっぱり古いのか・・・・?)
851タイトル未定:2007/09/28(金) 23:44:29 ID:UIQYQ7b6

背後に感じる木乃香の温もり。
そしてその無垢な笑顔に、刹那は申し訳ないと思っていた。
今一歩踏み出せない自分のせいで不安にさせてしまっていると、刹那は気付いていたのだから。

*

「本屋本屋〜」
「教会の神父さんのところ行ってきたって? どうだった?」
「スゴクためになったよー。神父さんもいい人で――・・」

麻帆良祭明け早々、3−Aではなにやら怪しげな話題が広がっていた。
それは、春日美空が勤めている教会の懺悔室の話題。
かなり良い評判らしい。
しかもその情報の出が宮崎のどかならば、信用もできるというもの。

「そーゆ、いいんちょはあるですかー?」
「ホホホ、当然ありますわよ。悩みくらい!」
「・・・・」

刹那もちょうど、その話題の時に教室にいた。
刹那は先日の木乃香とのやり取りで悩んでいたため、この話題に興味を持つ。

(懺悔・・・・相談でもいいのだろうか・・・・)

普段はこういった事に頼らない刹那。
しかしつい先日に、自身では解決できない問題にぶつかってしまった。
早めに解決したい事でもあったので、まさに神の意見にもすがる思いだったのだ。
852タイトル未定:2007/09/28(金) 23:46:18 ID:UIQYQ7b6

この後刹那は悩んだ結果、懺悔室を訪れる事となる。
懺悔室の神父がクラスメイトだと気付く事もできずに。
その神父に豪放磊落にキスを薦められたのは、言うまでもないだろう。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

すまん、間違って上げてしまった・・・・。
10巻の「しばらくそのままでお待ち下さい」と、「文化祭終了から懺悔室編」の間の妄想SSでした。
853名無しさん@秘密の花園:2007/09/28(金) 23:51:12 ID:7piPdjmn
さすがにク氏……。目の付けどころが…。ネタかぶってまった〜〜〜(/_;)/~~
でもシチュが全く違うので忘れた頃までに仕上げて投下しよう。うん。
激しくジィJ〜!!初携帯リアルタイムだた。
854名無しさん@秘密の花園:2007/09/29(土) 00:12:08 ID:V2WnY7X5
>>852
ク氏GJ!!
保身的なせっちゃんと迫る木乃香いい…v
855名無しさん@秘密の花園:2007/09/29(土) 00:46:55 ID:X2btOfM/
>>852
うお!!!!!
GJGJGJGJGJGJ!!!!
原作のからめ方がナイスすぎる!!

そして>>841でク氏に変な質問したのは自分です…スイマセン
普通にアンカ間違いです…めっちゃ恥ずかしいわ…
856名無しさん@秘密の花園:2007/09/29(土) 04:22:54 ID:ogY01DJh
GJありがとう。
今更ながら誤字に気がついた・・・・すまないorz

>>855
いえいえ、気にせずー。
857名無しさん@秘密の花園