【ネギま!】近衛木乃香・桜咲刹那百合専用スレ(7)

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@秘密の花園
     _
   ,.'´  `ヽ    γ'´ ̄ソへ
   i Lllノリリ)」〉 ((l√ノ川リ/       
   | l ^ヮ^ノ|   i| ゚ヮ゚*レノリ     せっちゃんはウチの婿
   ノ⊂||卯リつ?⊂广y/√つ     
   ーく/_|〉┘   ^λ/r \   
     し'ノ    /从_ト ミノ
過疎防止のためにもSS、イラスト、投稿された作品の感想、語り合い大歓迎 むしろエロカモン

原作の早売りネタバレは厳禁です。ネタバレ解禁は水曜日の午前0時から。
基本的にsage進行です。 このせつ情報どんどん下さい。

前スレ
【ネギま!】近衛木乃香・桜咲刹那百合専用スレ(6)
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1174107594/
まとめサイト(管理人:虚武僧様)
http://tonkachi.yu-nagi.com/
2名無しさん@秘密の花園:2007/05/26(土) 01:37:01 ID:1EtpFRcV
[各種データ]
麻帆良学園中等部3年A組13番 近衛 木乃香
1989年3月18日生 (辰年・うお座) AB型

好きなもの:占い&オカルト、料理
嫌いなもの:あんまりない
所属:占い研究会、図書館探検部
備考:学園長(関東魔法協会会長)の孫、関西呪術協会会長の娘(オヤジはゲンドウ)
声優:野中 藍


麻帆良学園中等部3年A組15番 桜咲 刹那

1989年1月17日生(巳年・山羊座) A型
好きな物: 剣の修行。木乃香お嬢様(?
嫌いな物: 曲がったこと おしゃべり
所属: 剣道部
備考:京都に伝わる神鳴流の使い手にして、陰陽道にも通じる剣士・烏族ハーフ
声優:小林 ゆう
3名無しさん@秘密の花園:2007/05/26(土) 01:37:15 ID:1EtpFRcV
[関連スレ]

【ネギま!】13番 近衛木乃香萌えスレ【出席番号と同じ13スレ】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1167376175/
【ネギま!】15番 桜咲刹那萌えスレ【百烈桜華斬】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1176888071/
 魔法先生ネギま!エロパロスレ26 
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158884860/
【ネギま!】ちうとザジに萌えればいいんじゃね?24
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1177733626/
【ネギま統合】魔法先生ネギま!&ネギま!? 1時間目
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anime2/1176560950/
魔法先生ネギま!百合総合スレッド
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1178010068/
【ネギま!】龍宮真名・長瀬楓百合専用スレ
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1166134227/
【ネギま】宮崎のどか・綾瀬夕映スレ【みやあや】
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1174375659/
【ネギま!】高音・D・グッドマン、愛依スレ
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1124628974/
4名無しさん@秘密の花園:2007/05/26(土) 11:52:22 ID:y12mXspS
スレ立て乙!
5名無しさん@秘密の花園:2007/05/26(土) 13:05:06 ID:Y2+HanrH
このちゃんはうちのお嫁さんな?
スレ立て
トンクス安堵乙!
6名無しさん@秘密の花園:2007/05/26(土) 17:21:55 ID:54jYww0A
刹那「お嬢様と愛を育む次スレたててくださった>>1乙です!」
7名無しさん@秘密の花園:2007/05/27(日) 05:09:35 ID:IYTmQP8/
スレ立て乙!
週1でテーマを決めて、SSやイラスト待ってるぜ!みたいなのやってみたい。

最近リクがあってから投下される割合が増えてる気がする。
8名無しさん@秘密の花園:2007/05/27(日) 10:33:09 ID:6UMKyV9Z
スレ立て乙

投下されるssが増えるのはマジ嬉しいわ
9前スレ943:2007/05/27(日) 10:58:49 ID:InOpWZMl
前スレ>>944
SSサンクス!!
思ってた以上に乙だww
これからもSS期待してるw
10名無しさん@秘密の花園:2007/05/27(日) 12:14:20 ID:GKvsgafd
前スレにクラフト氏来てたな。
スランプと言いながらよくあんな長文書けるなとただただ感心するばかりだぜ。テラ乙!
11名無しさん@秘密の花園:2007/05/27(日) 14:45:36 ID:kJpKexw2
テンプレのお嬢様がまだ辰年生まれのままじゃないか。
12名無しさん@秘密の花園:2007/05/27(日) 15:40:05 ID:ZKAvvp4F
前スレの993です。
疑問に思ってたメドレーは「ハイパー☆ハッピー☆マテリアル」だったみたいです^^;
誰かがうpしてくれたのでわかりました。
自作っぽいですね。

http://wwwww.vip2ch.com/dl.php?f=www1111.mp3
13名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 16:41:56 ID:8GxYaRXE
さて、今週のテーマは?
14名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 18:56:06 ID:If0qncEA
5月がおわりそうだけど五月病
15名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 19:05:08 ID:VnGuZ+ez
小ネタでもいいよね?
練ってみよ
16名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 21:07:15 ID:If0qncEA
ワクテカ
17名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 21:51:19 ID:/IV+BzRe
「せっちゃ〜ん、一緒かえろ〜v」
「あ、はい、お嬢様。」
「むぅ〜、またお嬢様って呼ぶ。」
「すみません、つい癖で・・・。」
「よし!わかった!今度からお嬢様って呼ぶときはメイド服やでv」
「メ、メイド服!なんでそんないきなり!?」
「だってメイド服ならお嬢様って呼ばれても違和感ないやんv」
「で、でもそんな・・・」
「おじいちゃんにはウチから言っとくから学校でも大丈夫やえ?」
「いや、そういう問題じゃなくて・・・」
「でもメイド服着てきたらそんなにウチのこと呼びたくないって事になるなあ・・・」
「ええっ!?(じゃあ私はどうすればいいんですかこのちゃん!?)」
「あ、もう部屋つくな、じゃあまた明日な、せっちゃんv楽しみにしてるえ〜Vv」
「あ、お嬢様ちょっと!」
バタン。
「仕方ない、部屋に戻るか・・・」

その日の夜身分を取って恥ずかしいがメイド服を着るのか木乃香の為に明日から「お嬢様」以外の名で呼ぶのかおおいに悩む刹那であった。


マガジンのGWのときの読んで今まで頭にあった妄想、駄文&半端な長さでスマソ、続きはみんなのご想像におまかせします。
18名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:14:28 ID:wyG5D+jm
GJ!
自分的には一人メイド服を着て登校してほしい気も…
続きが気になっちゃうな!!

勝手ながらお題にそっていないけど、勝手な妄想を投下させていただきます。
19名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:18:56 ID:wyG5D+jm
そこはなんだかすごくあたたかくて…
眠気を誘うような雰囲気のする場所だった。

せっちゃんはいつもと違ってすごく積極的で、
ちっさい子みたいに、うちにぎゅーって抱きついてきてくれてて。

せっちゃんの体温もすっごく気持ちよくって、
せっちゃんの頭がちょうどうちの胸のところにあたるから、
髪からふわ〜ってせっちゃんの香りがして、
すっごく心地よくなってしもうて、

あ、せっちゃんが上向いてきた。
目があってお互いふへへって笑って…
したらせっちゃんが顔近づけてきて…

ちゅっ

って音がするかしないか、というくらい短いちゅーだったけど…
20名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:24:38 ID:wyG5D+jm
「お嬢様、お嬢様!おきてください!」

なんかそこから意識がなくって、
気がついたら、せっちゃんがうちのことを起こしていた。

「あれ、せっちゃん?
 もー、あれくらいのちゅーじゃ足らんで。もっと濃厚なヤツやなくちゃー」
そのまま勢いでまたちゅーできるかなって思ったら…

「な、ななな、何をおっしゃっているんですか!?
 そそそ、そ、そんな、、お嬢様とちゅーなんて!!」

あ、あれ?
反応がちょっとおかしい…
んー?さっきのはいったい・・・

「まぁ冗談やって
 じゃあ、準備するから待っててな」
さっきのはいったいなんやったんやろー?


木乃香が準備をするので部屋から出た刹那は一人
「自分の妄想を見られてしまったのか!!?
 不純粋なわたしをお許しください!!」
とおかしなことを言っていたとさ。

おわり
21名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:25:42 ID:wyG5D+jm
よくわからない妄想だけど、まとめると
せっちゃんの妄想が現実になってた
ということを書きたかったのだが…
…駄文スマソ。
22名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:30:26 ID:Y/k490Sn
>>17>>21
GJ!やっぱりこのせつ最高だぜ!

前スレ>>944です。たくさんGJサンキューっす。
また近いうちに何か投下出来ればなと思っています。
23五月病?:2007/05/28(月) 22:38:01 ID:8GxYaRXE

「ただいま〜」
「あれ〜? 今日も早く帰ってきたんだ?」
「へ?」

そろそろ5月も終わりという頃。
机で宿題とにらめっこしていた明日菜は、帰宅してきた同居人の木乃香に問いかける。

「なんで? 部活には行ってきたえ?」
「そうじゃなくて。最近、刹那さんの所に行ってないじゃない」
「・・・・あ〜」

木乃香は意味ありげに苦笑した。
その表情から"何か悩み事がある"と親友の明日菜は感じ取り、テーブルの前に座っておしゃべりの体勢をとる。
木乃香も荷物を置くと、明日菜の向かい側に座った。

「喧嘩でもしたの?」
「そうやないけど・・・・なんや、せっちゃん疲れとるみたいでな〜」
「へぇ? 朝練の時はそんな感じしないけど?」

明日菜は傍にあったお菓子の箱を開ける。
それを見て木乃香はもう一度立ち上がり、冷蔵庫から飲み物を持ってきた。
数年同居している二人の、自然な動き。

「・・・・龍宮さんに聞いたんやけど、最近のせっちゃん・・・・だらけとるみたいなんよ」
「だらけ? 刹那さんが?」
「そや。なんや脱力しとるんやって」
24五月病?:2007/05/28(月) 22:39:03 ID:8GxYaRXE

うーんと二人で唸る。
普段二人の前では礼儀正しい刹那だけあり、なかなか脱力している姿など想像できない。
そして先に音を上げたのは明日菜だった。

「ダメ、想像つかない」
「そうやろ? せっちゃんいつもウチらの前ではシャキっとしとるから」
「でも、それがどうして会わない理由なの?」
「せやかて・・・・無理してシャキッとさせるのも悪う思わない?」

明日菜はお菓子をくわえたまま、頬を掻く。
木乃香と会う刹那の表情は、とても無理をしているとは思えない。
むしろ木乃香と会っている時が、一番幸せそうなのだ。

「・・・・木乃香に心当たりが無いなら、むしろ会った方がいいと思うけど?」
「そう? せっちゃん無理せーへんかなぁ?」
「きっとただの五月病だって。それに、二人共揃いも揃って会うの我慢することないんじゃない?」
「二人共?」

木乃香はきょとんとして明日菜を見る。
明日菜はしまったと顔を歪め、そしてお手上げポーズをして観念した。

「実は・・・・最近様子が変だから、朝に"木乃香と何かあったの?"って刹那さんに問い詰めたのよ」
「え、それでなんやて!?」
「無駄に悩んでたわよ〜。このかから誘わないと、刹那さん遠慮して絶対に会いに来ないし」

いつも積極的な木乃香と、仕事や戦闘以外では消極的な刹那。
特に自らを過小評価している刹那は、なかなか自分から木乃香に近づこうとしない。
その為、今回のように木乃香が避けた場合はまったく会えなくなってしまうのである。
25五月病?:2007/05/28(月) 22:39:56 ID:8GxYaRXE

明日菜の助言を得て、急にうずうずしだす木乃香。
誰がどう見ても、我慢しているのはバレバレであった。

「行ってきたら?」
「・・・・行っても、大丈夫かなぁ?」
「どうせ今日は、私もネギとエヴァちゃん所に行っちゃうし」
「・・・・うん、ほな行ってくるな!」

木乃香は勢い良く立ち上がって、玄関に走り出す。
そして出る間際に部屋を振り返った。

「・・・・明日菜、おおきに!」
「明日、宿題教えてよ?」

二人の親友の不器用さに、明日菜は肩を竦めるのであった。

*

「刹那、調子が悪いのか」
「いや、そういうわけじゃないんだが・・・・」

まだ早い時刻だというのに、刹那はベッドの上でゴロゴロしていた。
別に調子が悪いわけでもない。
ただなんとなく、気持ちがシャキッとしないだけだった。

「五月病か」
「違う、と思う・・・・きっと」
26五月病?:2007/05/28(月) 22:40:52 ID:8GxYaRXE

答えもはっきりしない。
最近に至っては、木乃香にも避けられている。
それがさらに刹那の精神を弱めていた。

「夕飯は食べないのか?」
「・・・・一食ぐらい食べなくても死なない」
「重傷だな。まぁ私は仕事に行ってくるよ」
「・・・・あぁ」

遠ざかる龍宮の気配。
部屋に一人になったという気楽さからか、刹那に睡魔が襲ってきた。
普段ならまだまだ寝ない時間だというのに・・・・と思考をフル回転させるが、それもすぐに停止していく。
次第に薄れていく意識。

(・・・・たまには、早めに・・・・寝てもいいかな・・・・)

程よい眠気に負けて、完全に目を閉じる。
何かを忘れているような気もしたが、それを考えるのもだるい。

(今日もあまりお嬢様と話せなかったな・・・・明日は、勇気を・・・・出し、て・・・・)

――ガタンっ!

「――っ!? 誰だ!?」
「ひゃっ!?」

突如部屋に物音が響いた。
とっさにベッド脇にあった夕凪を構える刹那。
しかし抜刀する前に、相手が敵ではないと気付く。
27五月病?:2007/05/28(月) 22:41:46 ID:8GxYaRXE

「お、驚かせてもうて堪忍な・・・・?」
「・・・・お嬢様!? 申し訳ござい・・・・つぅ・・・・」
「どないしたん!?」

刹那はベッドから起き上がると同時に、目を閉じた。
その刹那に木乃香が心配した顔で近づく。

・・・・刹那は血筋の問題で、常人とは違う瞳の色をしている。
それを隠す為に普段からカラーコンタクトをしているのだが、どうやら忘れたまま寝てしまったようだ。
それにより少し目を傷めてしまったらしい。

「どうやら・・・・少し、寝てしまっていたんですね」
「う、うん、せやけど・・・・目痛いん・・・・?」
「乾いた目がコンタクトで傷付いたみたいです・・・・目薬をさせば大丈夫ですよ」

無理に目を開けて目薬を探す刹那。
その刹那を木乃香が抱き止め、そっと目の辺りに手を置いた。

「お、お嬢様?」
「ウチが探したるから・・・・座っとって?」
「は、はい・・・・」

木乃香は刹那が身体をぶつけない様に支えながら、ゆっくりと刹那を座らせる。
刹那に拒否の色はない。
久しぶりに感じる木乃香の体温に妙に安心感を感じ、思考回路は停止していた。

「・・・・せっちゃん、目薬って机の上のこれ?」
「え、あっ、はい・・・・!」
28五月病?:2007/05/28(月) 22:42:49 ID:8GxYaRXE

話しかけられて再び活動を始める思考。
しかし色々と不意打ちを食らった反動で、なかなか普段通りにはならない。

「ほな、ウチがさしたるな〜」
「じ、自分ででき――」
「ええから、ほら!」
「い、いえ、あの・・・・え!?」

後ろに引っ張られて、ぐるりと反転する世界。
後頭部に感じる柔らかい感触。
何事かと刹那は目を開け・・・・・・・・そこに冷たい雫が落ちてきた。

「っな・・・・!?」
「ほら、ちゃんと上のこれ見て?」
「え・・・・? っうあ!?」

無理に目を開けて状況判断をしようとする刹那に、木乃香はすばやく目薬をさしたのだ。
しばらくして、上手く扱われた事を知る刹那。
少し拗ねたように、木乃香の膝枕から逃げ出した。

「ひ、酷いですよ・・・・お嬢様・・・・」
「せやかて、こうせんとせっちゃん自分でやってしもうて、つまらないやん〜v」
「うぐっ!?」

拗ねる刹那に抱きつく木乃香。
最近我慢していた分が爆発したかのように、木乃香のスキンシップは過剰だった。
刹那はたじたじになりながらも、久しぶりなこの状態に喜びを感じる。

「・・・・龍宮さんや明日菜からきいたえ? 寂しがってたんやってな?」
「さ、寂しくなど・・・・っ・・・・あるかも、しれませんけど・・・・。私、何か気に触る事したでしょうか・・・・?」
29五月病?:2007/05/28(月) 22:44:36 ID:8GxYaRXE

おずおずと訊ねる刹那。
それに対して、木乃香も少し遠慮しがちに答える。

「せっちゃん、ウチの前では無理してるんかなー思うて。それでちょっと離れてみたんやけど・・・・」
「む、無理なんてしてませんよ! ・・・・むしろ、会えない方が、つらいです!」
「・・・・!」

刹那の答えに木乃香は赤面していた。
しかし刹那は目を閉じているので、木乃香の変化に気がつかない。
そして、ふっと浮かんだ疑問を木乃香に問う。

「それにしても、どうやって部屋に?」
「・・・・龍宮さんと廊下ですれ違ってな、入れてくれたんや。ほんまに気付いてなかったん・・・・?」
「はい・・・・本当にたるんでいたみたいです・・・・」

いくら精神的に病んでいたとはいえ、他者の接近に気付かないとは。
刹那はしばらく消沈していた。
そんな刹那を見て、木乃香が立ち上がる。

「・・・・ええやん、せっちゃんやってたまにはだらけても。ご飯作ったるから、ここでダラダラしとって?」
「そ、そんな・・・・私も手伝い――・・・・っ」
「――ええな? ついて来たらアカンよ?」

硬直した刹那を置いて、木乃香は台所に向かう。
その木乃香の後ろ姿を、刹那はやっと開くようになった目で見つめた。
唇に残った柔らかい感覚・・・・これは――。
30五月病?:2007/05/28(月) 22:45:41 ID:8GxYaRXE

「――――っ!?」


・・・・五月ももう終わり。
通常より遅く五月病にかかった刹那であったが、どうやらそれもこの日で完治しそうであった。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『五月病』『カラーコンタクト[Rob様]』
木乃香が漢方薬〜。
五月病とはなんかちょっと違うが・・・・。
キーワード出てから即効書いたので、展開の早さはお許しを・・・・。
31名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:49:47 ID:/IV+BzRe
>>21
GJ!あと自分の馬鹿みたいな妄想にGJサンクス!

クラフト氏降臨!!GJ!です!スランプなんて嘘でしょ!?
その文才を少しでも分けてほしいです・・・とにかくGJ!
32名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 22:53:38 ID:If0qncEA
一気にSSラッシュでみんなGJ!!
33名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 23:03:56 ID:WyONKVTO
GJ!!やっぱヘタレせっちゃんはええわ
最近このせつ分が足りなかったから
久々に補給できたよ〜
34名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 23:28:17 ID:O9WbVGjH
なんかオイラが書こうと思ってた
ネタと良く似ててびっくりした〜。

でもオイラのとは雲泥の差〜。
やっぱヘタレせっちゃんもええなぁ。

クオカの臍だしせっちゃんと共に萌え。
35名無しさん@秘密の花園:2007/05/28(月) 23:34:44 ID:WsFLz9KL
GJ。二人ともよく出来た同居人を持ってていいなw
36名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 00:38:49 ID:weXAdbSC
にやにやがとまんない。

>>34
おっとIDがGj!!
37名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 01:09:59 ID:c+ZZO9cF
何かたくさん投下されてるww

GJ!!!!!1>SS職人様達(まとめスマソ)



さて、さっさとクオカの定額小為替買ってくるか……
38名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 17:24:40 ID:weXAdbSC
無駄に長くなってしまったようなorz
でも頑張ったから落とすぜ。
391/13:2007/05/29(火) 17:25:58 ID:weXAdbSC
「……うっ……お,お嬢様……。」

刹那は夢から覚めると,深いため息をついた。

(なんという……。夢か……。)

折角の休日の朝にしては,寝覚めが悪い。荒い息と熱っぽそうな赤ら顔で
深いため息と絶望感を漂わせつつ,刹那はやや自己嫌悪に陥る。

「なんだ。また近衛か?一日中一緒にいるのに夢の中まで一緒なのか。」

ルームメイトは刹那の声に,声だけで応対した。冷やかしを含めた台詞に
刹那は,声の主をきっと睨み付けるが,声の主の姿は捉えられなかった。
刹那は自分の持つ葛藤を何とはなしに口にした。

「夢は,……私の欲望の現れだ。お前の言うようなものではない。」

どんな夢を見たのか。しかし,刹那自身は理解しているようだった。
それが自分の欲望の現れであること,そして自分の思い人への自分の
本心であること。けれど,発散できない欲望は夢を見ることで自分自身の
理性を徐々に浸食していっていることも,彼女自身既に気がついていた。
だからこその不満。だからこその葛藤。
自分の欲深さをいつまで抑制できるだろうか。

「ふ……ん。”近衛を手に入れたい”というのがおまえの欲望か。」
「なっ。!!!!!  いでっ!!」

刹那は同居人の一言に驚き,飛び起きた瞬間に頭をぶつけたようだ。
ジンジンとする頭を押えながら,今度こそ視線の先に声の主を見つける。
なにをいまさらと言わんばかりに不適な笑みを浮かべていた。
402/13:2007/05/29(火) 17:27:15 ID:weXAdbSC
「ま,見ていればわかるが。」
「さすがに寝言で”お嬢様が欲しい”と言っていてわからない奴はおるまい。」

刹那は,龍宮の暴露発言を聞いて更に自己嫌悪に陥った。

「………私は寝言でそんなことを言っているのか?」
「いや。そこまで露骨ではないが。……そうだな,コレは覚えているぞ?」
「?」
「”あなたを愛しています。あなたの御身も御心も,あなたの全てが欲しい。”っとな。」

(な……なんと言う恥ずかしいことを私は言っているのだ!!……)

耳まで真っ赤にしてわなわなと震えている刹那に龍宮はトドメを刺す。

「刹那。近衛とはそれなりの関係なんだろ?」
「素直に伝えてみたらどうだ?」
「そんなフラストレーションが溜まった状態では仕事に差し支えるぞ。」
「護衛が主人に欲情して仕事に失敗したら末代までの恥だな。」

次から次へと気にしていることを,しかも容赦なく浴びせつづける真名。
いいかげんに頭にきた刹那が言い返そうとした顔を上げた瞬間,龍宮は
すっと刹那のすぐ近くに詰め寄って息のかかる距離で囁いた。

「それとも,性欲だけなら協力してやろうか。」

言うが早いか龍宮は刹那を押し倒す。

「ちょ……待て,龍宮!!おいって。こらっ。」

刹那はもがくが,刹那より体格の良い真名にうまく抑え込まれてしまった。

「近衛がお前の何にご執心なのか興味があって…な。」
413/13:2007/05/29(火) 17:28:31 ID:weXAdbSC
真名はもがく刹那を難なく抑えこみ,刹那の薄い唇を味わおうとした瞬間,
ドアが勢い良く開き室内に華奢な人影が飛び込んできた。

「あんな〜,せっちゃん。起きとる〜?今日どっかあそ…び……に……。」

満面な笑顔で入ってきた木乃香の目に飛び込んできたのは,
龍宮に押し倒されている刹那の姿。

乱れた髪,はだけた胸。潤んだ瞳…。
そのどれ一つもが普段からでは想像できないほど艶を帯びていた。
自分の知らない刹那を目の当たりにして,木乃香の胸の奥にチクッとした
痛みが走った。どうして苦しいのかわからないけれど,居た堪れなくなって
一歩二歩と後退ってしまう。

「おっ,お嬢様!!あのっこっこれは!!」
刹那は慌てて真名を押し退け,寝巻きを整え,今の状況を説明しようとした。

「ごめ…なんや…うち…邪魔してもうたみたいやな…。」

木乃香は踵を返し,足早に刹那の部屋を後にした。刹那の必死の弁明も
木乃香には届かず,むなしく壁に吸い込まれていった。

「お嬢様……。」

がっくりと項垂れる刹那に龍宮の一言が突き刺さる。

「ちょっとおふざけが過ぎたか?」

真名の戯れで,失った木乃香の信頼。この代償は
あまりにも刹那にとって大きなものであった。
424/13:2007/05/29(火) 17:29:33 ID:weXAdbSC
◇◆◇

刹那の部屋から足早に去っていく木乃香。
両手で自分の胸をぎゅっと抑えながら,今にも泣きそうな表情で
自室に向かって走る。
先ほど目の当たりにした状況に戸惑っているのか,ただ単に
困惑しているだけなのか,なにやら良くわからない状況で
混乱しているのは確かなようであった。

(なんやろ。胸が苦しゅうてドキドキが止まらん。
こんなん初めてや。なして?)

つい先日,お互いの想いを確かめ合ったばかり。
ただ触れ合うだけのキスを木乃香が強引に迫ったときも
真っ赤になって慌てふためいてオロオロいた刹那が。
同室人に組み敷かれ,あのような艶めいた情景を作り出すとは
思いもしなかった。
木乃香の隣に佇む刹那は,常に凛々しく礼儀正しい。
その清らかな姿は見るものを魅了する力に溢れていた。

「どうしたんですか?木乃香さん。」
「…うん。なんか刹那さんとなんかあったらしくて…。」

木乃香の同居人が様子のおかしい木乃香をそっと見守っていた。
木乃香自身自分のもやもやの正体がわからないままアスナに
相談することもできず,また今朝目撃した事実をありのままに
話すこともできず,すっかり塞ぎこんでしまっていた。

自分の胸に広がるもやもやがなにを意味しているのか
木乃香自身はわからないまま,1日が過ぎ去ろうとしていた。
435/13:2007/05/29(火) 17:30:54 ID:weXAdbSC
◇◆◇

木乃香は寝不足の目をこすりながら教室にいた。
刹那の姿は見えない。

「なんや…。せっちゃん来てないんか…。」

アスナに,「何があったか知らないけど、早いとこ
話し合っておいた方がイイよ。」と助言されていたので,
思いきって昨日のことについて尋ねようとしていた木乃香だった。
しかし,肝心な刹那は姿が見えず,
また悶々とした思いを抱えざるを得なかった。

放課後になって,刹那の様子を知りたくて,龍宮に声をかけようとした。
しかし,昨日のこともあって逡巡していると,

「近衛,少し良いか。話しておきたいことがあるんだ。」

先に声をかけたのは龍宮だった。

龍宮は,場所を換えようと,人気のない場所を選んで移動した。
木乃香は黙々と龍宮の後ろについていく。木乃香の脳裏には
昨日のアクシデントがチラチラと映し出されていた。

「そう睨むな近衛,お前の刹那を獲ったりしないから。」

目的の場所につくなり,龍宮が木乃香に声をかけた。木乃香の
知らないうちに真名に向けた嫉妬心が顔に現れていたようである。
慌てて表情を直した木乃香に,真名は静かに話し始めた。
446/13:2007/05/29(火) 17:31:56 ID:weXAdbSC
「昨日のは戯れが過ぎたみたいだな。申し訳なかった。しかし見兼ねてな。」
「見兼ねて?」

木乃香には龍宮が言わんとすることがいまいち理解できなかった。

「ああ。刹那が苦しんでいるのをな。」
「ええっ?せっちゃんなんか病気なん?」

真名の言葉に木乃香は心底刹那を心配した。なにも知らないまま
刹那に何か無理をさせていたのではないかと,また自分の知らない
ところで刹那に……。
ところがそんな心配をよそに龍宮は声を殺して笑い出した。

「っっ。近衛。お前がそんなだから刹那が苦しんでいるのだぞ?」
「ほえ?」
「お前の温もりを感じてしまったときから,刹那はお前が欲しくて堪らないのさ。」
「?」
「こう言うことだ。」

龍宮は周囲をうかがい何者かの気配を確かに確認すると,
木乃香の肩に手を這わせそっと木乃香に口付けようとした。

「ぉぉぉぉお!お嬢様に!触るなぁぁぁっ!!不埒者ぉぉ!!!」

疾風のごとく踏み込まれ,豪快な太刀筋が真名を襲う。
言うまでもなくそれは,野太刀「夕凪」。
踏み込む人影は……。

「せっちゃん!」

桜咲刹那その人だった。
457/13:2007/05/29(火) 17:33:18 ID:weXAdbSC
「やっと出てきたか。お嬢様に合わせる顔がないとか言っていたような…?」
「誰のせいだ。ばか者。どんな事情があろうとも,お嬢様をお守りするのが私の勤めだ。」

太刀を収め,木乃香を背に庇い,真名と昨日のことで
喧々囂々(けんけんごうごう)の口論を始める。
そんな様子を眺めていた木乃香は,こみ上げてくるものを感じ
刹那の背中にそっと抱きついた。

「お”お嬢様?」
「せっちゃん。うち嫌われてもうたかと思ったえ……。」

何らかの事情で離れ離れになるより,刹那自身が離れていってしまうのが何より辛い。
そう感じていたのかもしれない。一筋涙を流す木乃香に優しく刹那が応える。

「お嬢様。私の身も心も,髪の毛一本まで,私はあなたのものです。」

刹那は木乃香のほうへ向き直ってそっと抱きしめる。

「最後まであなたと共に…。そして必ず守り抜きます。」

「うち……。浮気は許さんよ。」
「いや(汗)。だからあれは事故です。龍宮が私をからかって…。」

刹那のその言葉に,ふと先ほど聞いた龍宮の言葉を思い出した。

「せっちゃん,さっき龍宮さんが…。」
「良いんです。お嬢様のお傍にいられることで私は余りあるほどに幸せなんですから。」

何も気にするなと,刹那は目で木乃香に訴える。

(やせ我慢して……。あのバカは。)
468/13:2007/05/29(火) 17:34:11 ID:weXAdbSC
そのやり取りを眺めながら,龍宮は思案していた。

「真名。ここにいたでござるか。」

そうこうする間に楓が真名を迎えにきた。
どうやら本日真名は楓の部屋にお泊りらしい。

「と言うわけだ。近衛。刹那が寂しがるから,今夜は泊まりに来てやってくれ。」

木乃香にそう言いつつ,そっと小声で告げる。

「刹那がお前を欲しいと言う意味。知りたいなら今夜問い詰めるがいい。」
「龍宮さん……。」
「誰だって,相愛の人とは一つになりたいものさ。」

チラッと楓の方を見つつ,そう言い残すと,
先に行くからと真名は楓と仲睦まじく去っていった。

(……どういう意味なんやろ?)
その言葉は,木乃香の脳裏に染み付いて離れなかった。
479/13:2007/05/29(火) 17:35:28 ID:weXAdbSC
◇◆◇

「ウチがご飯作ったるな〜。」

真名に言われたように,木乃香は刹那の部屋を訪れ,
せっせと世話を焼いていた。相変わらず刹那の手伝いの申し出は
朗らかな笑顔に拒絶され,仕方なくそこそこ片付いた部屋を片付けながら,
今日の放課後のことを思い出していた。

(最後に龍宮は何をお嬢様に言ったのか?結局お嬢様は
何も教えてはくれなかったが,まさかまた何か余計なことを……。)

「……ゃん。」

(しかし,あの龍宮が一体何を…?)

「…っちゃん。」

(わからん。でも昨日のことは誤解ということで済んだのかな?)

「せっちゃんてばっ。」
「わひゃ。な,何?このちゃん。」

思案中に抱きつかれ,刹那は驚きのあまり何処から出たかわからない声を上げる。

「んもう。何回呼んでも返事がないから,様子見に来たんぇ。ほな食べよか?」

何事もなくいつも通りに接する木乃香を見て,刹那はひとまず安堵した。
そして,てきぱきと食卓の準備をし,至福の時を迎えようとしていた。

(はぁ〜。しあわせだ…。お嬢様の料理が頂けるなんて…。)
4810/13:2007/05/29(火) 17:36:26 ID:weXAdbSC
木乃香の料理で幸せに浸っている刹那を目を細めて眺めながらも
木乃香は昨日のことを思い出していた。時々見せる浮かない表情に
さすがの刹那も気がついた。食事も程よく済み,二人でお茶を
飲みながら一服しているときに,ようやく刹那は切り出した。

「お嬢様?どうかなされれましたか?」
「……昨日のことや。……そないに驚かんでもええ。うちせっちゃんに聞きたいことあるんよ。」

どぎまぎしていた刹那は一言ずつ搾り出すかのように話す木乃香にじっと耳を傾けた。

「せっちゃん。なんか無理しとるの?龍宮さん言ってたえ。”見兼ねて”って。どういうこと?」

刹那は昨日の経緯について龍宮なりの事情を木乃香に伝えたらしいことは理解した。
しかし,刹那の秘めた気持を隠し通すことには非協力的だったようだ。
刹那に詰め寄る木乃香の目には自分の知らない心配と不安が入り混じった
複雑な色を見せていた。

「たっ,龍宮が何を言っていたかは知りませんが,お嬢様が心配なさることでは…。」
「龍宮さんならええの?うちがせっちゃんのこと心配するは当然や。」

なんで教えてくれへんのや,と涙を流しながら木乃香は刹那の胸に竦み込んでしまった。

「…お嬢様。」
「うちのこと好きやゆうてくれたやないか。なして?」

自分の胸で,自分のために涙を流す木乃香をとてもいとおしく思う。
刹那はそっと木乃香の背に腕を回し,優しく包み込むように抱きしめた。
そして,ゆっくりと自分の気持ちを伝える。
4911/13:2007/05/29(火) 17:38:15 ID:weXAdbSC
「好きだからこそですよ。お嬢様。お嬢様を大切に思うからこそ,
邪な自分が許せなかったんです。私は欲深い存在です。こうしてこのちゃんを
抱きしめていられるだけでも十分なはずのに…。」

刹那の腕に力がこもる。

「こうしてこのちゃんの温もりを感じていると,もっと貴方のことが欲しくなってしまうのです。」

刹那の腕の中で,木乃香は刹那の深い愛情を感じた。どうして刹那が
苦しんでいるのか,真名の言わんとしていたことが木乃香にも
ようやく理解できた。木乃香だってそう思わなかったわけではなかった。
でもキスですらあたふたしてしまう刹那にそれ以上を望むのは酷なことだし,
急ぐ必要もなかった。今はただ隣にいられること,お互いの親愛を深めて
いければそれで十分だと思っていた。しかし逆にそれが刹那を苦しめていた
のだとすれば,癒してあげたいと思うのもまた,自然な発想であった。

「龍宮さん言ってた。誰だって,相愛の人とは一つになりたいものだって。」

木乃香は顔を上げ刹那の瞳を見つめた。

「……うち…せっちゃんやったら,ええよ。うちもせっちゃんのこと,もっと感じたい。」
「……お嬢様。」

木乃香は目蓋を閉じ,すっと刹那に唇を寄せた。柔らかい感触と共に暖かい温もりが伝わってくる。
それは触れるだけのキスだったが,お互いの温もりを感じ合うには十分だった。
暗闇の中,重なり合う陰は一つになっていった。
5012/13:2007/05/29(火) 17:39:04 ID:weXAdbSC
◇◆◇

窓から射し込む朝陽によって先に目覚めたのは刹那だった。
隣に想い人の温もりを感じながら,その幸せそうな寝顔に見入っていた。
想いを遂げた朝は妙に恥ずかしい。昨日まであんなに思い詰めていたのに
今朝は信じられないくらい晴れ晴れとしていた。

腕の中には思い人の姿,健やかな寝息と暖かな温もり。
守りたいものがここにあると改めて実感した。

「ん……。おはよう,せっちゃん。」

寝ぼけ眼で目覚める木乃香。

「おはようございます。お嬢様。」

にっこりと優しい笑顔で返事を返す刹那。朝日も手伝ってか,刹那の笑顔は
いつもにも増して木乃香を魅了した。

「////……。なんや,気恥ずかしいえ。せっちゃん綺麗なんやもん。」

そんな木乃香を抱きしめて刹那は言う。

「私が間違っていました。私の身も心も全てお嬢様のものです。
これからも貴方のお傍に,もう離れることはできません。」

真面目な刹那の告白に感動しつつも,木乃香から発せられたのは
気恥ずかしさからの返事。

「こうなったら,せっちゃんに”せきにん”とってもらわんとな。」
5113/13(終):2007/05/29(火) 17:40:05 ID:weXAdbSC
でもそれは刹那の良いところ。いつでも真面目な刹那は優しい笑顔でこう応える。

「はい。貴方とならば,どこまでも。」

言い忘れてたことがあるんや,と木乃香は付け足し,そっと刹那に口付けた。

「身も心も髪の毛一本までうちはせっちゃんのもんやで。」
52名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 17:46:00 ID:weXAdbSC
ホントは初エッチ書きたかったな。
駄作な上に冗長なのでorz。

キャラの性格違うとかいうのは
SSなんでおおめに見てくれよ。

誰か口直しSS待ってるぜ。
53名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 19:12:36 ID:erYOsIuj
GJ!!
後ろ向きなお嬢様もいいね
54名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 19:24:58 ID:7OIL0qiZ
>>52ぐっじょぉぉぉおぶ!!ハァハァ(´Д`)して読んじまったよ!
55名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 20:59:44 ID:aczBTtO9
密かなたつにん(´∀`)
ああ良いよ!!!!よすぎるよGJ!!!!!!!!
56名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 22:10:46 ID:amH/hTK5
GJ〜!
嫉妬物はいいねぇ。
57名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 22:26:46 ID:8Ap4kJoe
GJ!様々なせっちゃんが想像できてよかった!かなりの名作だな!!
58名無しさん@秘密の花園:2007/05/29(火) 22:35:18 ID:weXAdbSC
>>53-57

みんな妄想に付き合ってくれてあんがとよ。
お蔭様で3作目,またよろしくな〜。
59名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 03:51:15 ID:P/wv+KSD
>>52
こんな長文をすごいな…感動をありがとう!乙!



ところで刹那スレを見て思ったんだが、誰か木乃香ゆびちゅぱ後の刹那を書いてくれないか…
俺じゃ妄想力が乏しすぎて…(泣
60名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 07:02:08 ID:xOEhqNZX
自分の指を見つめる刹那

刹(このちゃんが舐めたんだよな///)
刹(ん?まてよ…まだ拭いてないし口つけ
れば間接フェラぁぁぁあ!?

どうする!?刹那!!

…なんかスマン
61名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 12:34:35 ID:0lYwLlti
>>52
ぐじょおおおぶ!
木乃香可愛すぎいいい
62故郷:2007/05/30(水) 19:01:46 ID:fgjB1J6r

『最後の一時まで、生きる事を諦めるな・・・・』
――父上?

『私が死んだら・・・・里を去りなさい・・・・ここにいては、あなたも・・・・』
――母上?

『白烏はどこにいった!?』
――逃げないと。

・・・・ただ、走った。
この背中には白い翼があるけれど、まだ飛ぶ事はできない。
走る事で生まれる風が翼に当たって、しみるような痛みを感じる。
あぁそういえば・・・・自分で羽根を毟ったんだっけ。
この白い羽根さえ無くなれば、私も烏族の仲間として受け入れられると思って。

結局、受け入れられることはなかったけれど――。

*

「・・・・っく・・・・はぁ!」

ドクンっと心臓が高鳴り、私は飛び起きた。
いつもと同じ部屋・・・・夢・・・・?

「夢見が悪かったようだな」
「・・・・悪夢だ。それも、思い出したくない・・・・」
「昔の夢か」
「っ・・・・」
63故郷:2007/05/30(水) 19:02:33 ID:fgjB1J6r

乱れた鼓動が治まらない。
お嬢様に受け入れられて、乗り越えたはずのコンプレックスが蘇る。
私は異端児。
私はケダモノ。
私は――。

「――刹那、お前はどうするつもりだ?」
「・・・・・・・・?」
「聞いてなかったのか」

わざと大きくため息をつく龍宮を相手に、少し頭にきた。
私がそれどころではないと、こいつはわかっているはずなのに。

「だから、"私は今日から月曜まで実家に戻る。その間のお前の予定は?"と聞いたんだ」
「・・・・とくに」
「そうか」

なぜ聞くのかわからない。
他人のことには余り口を出さないこいつが、なぜ私の予定を聞くのか。

「・・・・仕事ぐらいなら、代わりに引き受けてやるが?」

・・・・ああそうか、こいつなりに気を使っていたのか。
だがあいにく今引き受けている仕事は無い。
そう伝えると、龍宮は「ではまた月曜に」と言いながら部屋を出ていった。
龍宮が去った後も、しばらく私はぼうっとする。
背中では、隠している翼が疼いていた。
あの時毟った羽根はもう既に生え揃っていて、飛ぶ事に支障は無い。
色も白のまま。
64故郷:2007/05/30(水) 19:03:24 ID:fgjB1J6r

そういえば、あの里はどこだっただろう?
神鳴流の道場に預けられてしばらくした後に、「烏族の里を落とした」と話を聞いた事はあった。
式神として召喚される烏族と違って、己の意思で好きに行動できる烏族が集まる、私の故郷。
そこは神鳴流にとって邪魔なものだったらしい。

・・・・断ち切ったはずの過去。
随分と長い間忘れていた記憶たちが蘇ってくる。
決して戻らないと誓っていたはずなのに、なぜこうも私は想いを馳せるんだ?
何度か頭を振って振り払おうとしたが、それも無駄だった。

「・・・・・・・・すみません、お嬢様・・・・少し出掛けてきます」

私は簡単に荷造りをした。
別に深く考えてなどいない。
すぐに戻ってくるつもりだ。
持っていくのは交通費と、術に必要な型や札と・・・・そして夕凪のみ。
ネギ先生との契約の証であるカードや、その他携帯等の連絡手段は全て机の上に置いた。
ただ独りで行きたかった。
任務も何もかも忘れて、生きる術を手に入れたこの身体で・・・・自分の生まれた場所を確かめたかっただけだった。
65故郷:2007/05/30(水) 19:04:56 ID:fgjB1J6r

*

人の夢というのは、いくつかに分けられる。
予知の夢、願望の夢、思い出の夢。
特に"思い出の夢"というのは重要なもので、人はこれを見る事で思い出を維持するという。
魔法か何かでこの"思い出の夢"をいじると、そのまま記憶も摩り替わってしまうほどだ。

もしネギ先生の魔法で、思い出の記憶をいじる事ができたなら・・・・少しは楽になるのだろうか?
今度頼んでみようか?
・・・・いや、そんな事をいったらきっと明日菜さんやお嬢様に叱られるだろうな・・・・。

『――まもなく、京都です――』

そんな物思いに耽っていたところに響く車内放送。
今私が乗っているのは京都行きの新幹線だ。
あれから私はすぐに京都行きの新幹線に乗り込んだ。
故郷の位置の記憶があやふやなままだったし、出るなら早めがいいと考えての事だった。

京都駅からは自分の足で目的地へと向かう。
立ち入り禁止と書かれた看板を無視し、道を外れて山の奥へと進んだ。
昔もここは、妖怪が溢れていた危険な山だった。
しかしここらの妖怪も私の里と同じように、神鳴流によって調伏されたと聞く。

そんな安全で静かになった山でも、一般の人々は訪れない。
それはきっと、古くから語り継がれる"恐れ"があるからだろう。
日本の古都と呼ばれる京都の地には、こういった一般人が踏み入れない場所が数多く存在していて、
私のような異端の者たちがそこで生まれ、生活している。
66故郷:2007/05/30(水) 19:06:55 ID:fgjB1J6r
"気"を使って一気に山を走り抜けると、不自然に拓けた場所に辿り着いた。

「随分と・・・・私の故郷は廃れたものだ・・・・」

やはりというか、そこには何もなかった。
数年前に神鳴流に滅ぼされてから、自然と一体化していったのだろう。
所々に何かが生活していたような面影はあったが、それも一時住んでいた私だからわかる些細なものだった。

私はそこからさらに先にある草木が茂った道を進む。
しばらく放置されていた為か、見るだけでは"道"とわからなかった。
そしてこの先にあるのは・・・・小さな滝。
・・・・小さい頃に一人でこっそりと来て羽根を毟っていた、あの滝だ。
ここだけは昔と変わらない。

滝の裏に向かうと、そこにあるのは小さな洞窟。
そしてその奥に立てられた、小さな石。

「お久しぶりです、父上・・・・母上・・・・」

忘れるはずも無い。
自分で作った両親の墓・・・・無事で、良かった・・・・。
先ほど駅前で買った菊の花を添える。
手を合わせると、なぜか気持ちが落ち着いた。

しかし、このとき私の中ではもう一つの感情が渦巻いていた。
それは心の奥深くに封じ込めていた、負の感情。
お嬢様たちが取り払ってくれたはずの、心の闇だった。

続く              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

誰もが一度は妄想するであろう里帰り話。
リアルの作業が終わったら続き投下ー。
67名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 19:33:55 ID:SaZkznJB
おお〜!
続き期待大。

初エちー構想練っているときに
こんなシリアスがをとされているとハ!!

♪俺は待ってるぜ〜。
68名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 21:24:46 ID:0lYwLlti
wktk wktk
69名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 22:37:44 ID:H0kPCyUz
「せっちゃんあんなん飲めるん?ウチはちょっと・・・」
「確かにちょっと苦いですが、慣れたら大丈夫ですよww」
ご想像のままに・・・

クラフト大明神降臨!GJ!
70故郷:2007/05/30(水) 23:18:52 ID:fgjB1J6r

――麻帆良を出て、何日経っただろう?
ここに来てから1週間・・・・それ以上の夜を迎えたと思う。

最初は土日の2日で、麻帆良に帰る予定だった。
それなのになぜか故郷から離れられない。
護衛に戻らないといけない、それはわかっている。
お嬢様に心配をかけさせるわけにはいかない、それもわかっている。

「・・・・廃れても、やはり故郷は故郷なのか・・・・?」

かつて村があった何も無い場所に、寝転んで空を見つめる。
昼下がりだというのに空が暗い。
なんか、雨が降りそうだな・・・・。
こうやって空を見ながら・・・・お腹が空けば川で魚を捕り、夜になれば滝の裏の洞窟で眠って・・・・。
勉強も仕事も無く、ただ自然と生きていくだけ。
それが幼年期の自分が過ごしていた環境。
もし私が"白烏"でなければ・・・・このまま、ここで静かに生活していたかもしれない・・・・。

――せっちゃん。

ふいに空耳が聞こえた。
ここに来てからというもの、毎日必ずこの空耳を聞く。
父と母に会いにきたはずなのに、お嬢様の事が頭から離れない。
71故郷:2007/05/30(水) 23:22:53 ID:fgjB1J6r

・・・・会いたい。

――戻ろうと思えばすぐに戻れるのに。
なんで戻らないんだろう。
自分の心なのに、わからない。

・・・・お嬢様・・・・元気にしてるかな。

――疑問に思うなら、会いに行けばいいじゃないか。
ここ数日、ずっと自問しているが答えは出ない。

目を閉じ、心を落ち着かせてみる。
不思議と自分も自然と一体化した感じがして、もうずっとここにいてもいい感じがした。
むしろ、もうこのまま動かないで・・・・本当に一体化してもいい・・・・。

風がなびき、少し離れた場所にある木々が音を立てる。
雨の匂い・・・・本当にこれは一雨来るな・・・・。
・・・・どこからか生き物が動く音がする。
獣が私を狙っているのか・・・・。
72故郷:2007/05/30(水) 23:24:06 ID:fgjB1J6r

――ガサッ!

「・・・・・・・・せっちゃん!」
「え・・・・?」

空耳・・・・?
いや、これが空耳のはずない。
目を見開くと、道らしい道もない草むらからお嬢様が顔を出していた。

「やっと・・・・みつけた・・・・!」
「・・・・お嬢様・・・・なぜ!?」

なぜ、ここに・・・・?
この場所を知っているのは、烏族と神鳴流の者のみのはず・・・・。

「お父様に聞いて・・・・きたんや・・・・」

なるほど・・・・詠春様なら、この場所を知っていても不思議は無い。
お嬢様はこちらに駆け寄ってきた。
慌てて私も立ち上がる。
それにしても――。

「ここまで一人で・・・・!? なんて無謀な――」
「せっちゃんの、どあほっ!!」

――パンッ!

静かな自然の中に、弾ける様な音が響いた。
特に私の耳にはダイレクトに響く。
その直後に左の頬が熱くなった。
73故郷:2007/05/30(水) 23:26:36 ID:fgjB1J6r

「――っ!?」
「どあほどあほどあほ! こん・・・・どあほっ!!」

・・・・初めて見た。
お嬢様が、こんなに怒る顔を。
叩かれた痛みなど感じなかった。
ただびっくりした・・・・お嬢様に叩かれるだなんて、予想もしてなかったから・・・・。

「・・・・心配、したんやから・・・・っ!」
「お嬢様・・・・」
「お祖父ちゃんもお父様も、知らん言うから・・・・もう会えんかと思うた・・・・っ!」

・・・・。
お嬢様が、泣いている。

「泣かないでください・・・・」
「・・・・だれが、泣かせてると、思うとるん・・・・!」
「・・・・っ」

その答えは、"私"だ。
お嬢様が泣きながら私を抱き締めてくる・・・・でも抱き締め返す事も、謝る事ができなかった。
はがゆいような感じが胸の奥からして、なぜか謝りたくなかった。


――ポツ・・・・ポツッ

雨が降り出した。
私の予想は的中。
・・・・ここにいては、お嬢様が風邪をひいてしまう・・・・。
私だけならまだしも、それだけは避けたかった。
74故郷:2007/05/30(水) 23:27:34 ID:fgjB1J6r

*

「滝の裏に洞窟やなんて、ロマンチックやね」

先ほどの憤怒した顔が嘘のように、お嬢様は穏やかな顔で微笑む。
そしてお嬢様は気付く。
洞窟の奥に不自然に置かれる石と、その前に置かれる花に。

「これって、もしかして・・・・」
「両親の墓です」

少し、冷たい口調になってしまった。
お嬢様の顔も少し固くなる。
また、怒らせてしまったかも・・・・。

滝の音が響く中、私とお嬢様は沈黙していた。
お嬢様はずっと私を見ているが、私は顔を合わせる事ができない。
謝罪の言葉も、まだ出ていない。
悪いとは思っているのに・・・・それなのに・・・・。

「なぜ・・・・こんなところまで、きたのですか?」

出てくるのはこういった、引き離すような冷たい言葉ばかり。
・・・・というか、なんで私はこんなことを聞くんだ。
お嬢様は優しいから、だからに決まっているじゃないか。

「・・・・なんで、そないなこと聞くん?」

やっぱり、言われた。
私は下を向いたまま、黙る。
75故郷:2007/05/30(水) 23:28:38 ID:fgjB1J6r

「心配やからに・・・・きまっとるやん」

やっぱり、優しい。
そんなあなただから、明日菜さんのような良いご友人にも恵まれた。

「会いたいからに、きまっとるやん・・・・」

・・・・会いたい?
自分の事しか考えてなかった、こんな私に?
お嬢様と顔を合わせないまま、私は自虐的に少し笑う。
あぁ、見られた。

「・・・・せっちゃん?」
"私など、必要ない"

「・・・・せっちゃん」
"私の代わりなど、どこにでもいる"

「・・・・・・・・見てぇな・・・・」
"ならば、このまま一人で・・・・"

「こっち見てぇな・・・・・・・・刹那っ!!」
「っ!?」

沈み込む私に、お嬢様は急接近してきた。
顔を無理矢理上に上げられて、睨むように瞳を見つめられる。
私の名を呼び捨てにするお嬢様の声。
力強く私の顔を持ち上げる手。
見つめてくる瞳。
それらに迷いは無く・・・・とても真っ直ぐで・・・・。
76故郷:2007/05/30(水) 23:30:03 ID:fgjB1J6r

「ちゃんと、見て話して・・・・?」
「・・・・・・・・は、い・・・・」

・・・・曲がった私を、あなたは叩き直した。
次第に手から力を抜くお嬢様。
完全に力が抜けても、私はお嬢様を真っ直ぐと見据える事ができる。
今なら・・・・真っ直ぐな、自分の気持ちを伝えられるかもしれない・・・・。

「お嬢様・・・・こんな事を言ったら、また怒られてしまうかもしれませんが・・・・」
「うん・・・・」
「私は・・・・迎えに来てほしかったのかも、しれません・・・・」
「迎えに?」
「はい、とは言っても・・・・きっと両親に、ですが・・・・」

それはずっと昔、道場に預けられた時の願望。
もしかしたら両親は生きていて・・・・迎えに来てくれるのではないかと夢を見ていた。
――もちろん死人が蘇るはずも無い。
お嬢様と出会ってからは次第にその夢も薄れ、忘れていった。
それでも、無意識に待っていた。
「ただいま」と言って、抱き締めてほしかった。
それは幼き頃に見ていた夢・・・・数日前に見た思い出の夢は、無意識にそれを思い出させた。

「このままここにいれば・・・・近いうちに、両親が迎えにきていたでしょう・・・・」
「それって・・・・死ぬって事・・・・?」
「言い難いですが、そういうことですね・・・・」
「・・・・また、しばかれたい?」

・・・・睨まれた。
まぁ確かに、こんな事を言えば怒るのは当然なのかもしれない。
でも――。
77故郷:2007/05/30(水) 23:31:30 ID:fgjB1J6r

「でも・・・・、あなたが迎えに・・・・きました・・・・」

あなたなら迎えに来てくれるかもしれないと、心の奥底で思ってはいた・・・・でも。

「自信がなかった・・・・あなたに受け入れられても、それでも・・・・怖かった・・・・」

幼い頃にできた傷跡は、今も心に残っていて。

「あなたも、誰も、迎えに来ないかもと・・・・思って・・・・」

追うだけの虚しい人生ならば・・・・私の存在を作った両親の元で、静かに尽きようと・・・・。

「でも、あなたは・・・・こんなところまで、来て・・・・っ」

謝罪よりも何よりも、今は・・・・今の気持ちは・・・・。

「うれし、かった・・・・っ!」

謝らないといけないのに、それなのに嬉しいだなんて。

「ありがとう・・・・、このちゃん・・・・っ」

涙が止まらない。
迎えに来てくれるという事は・・・・こんなにも、暖かい。

「一緒に・・・・帰ろう・・・・」

このちゃんは、そんな私を優しく抱き締めてくれた――。
78故郷:2007/05/30(水) 23:33:56 ID:fgjB1J6r

*

「ほな、帰るえ? みんな心配しとったよ?」
「申し訳ございませんでした・・・・あっ・・・・」

私は両親の眠る墓を振り返る。
きっと、もうここには来ないだろうから・・・・。

「せっちゃん〜!」
「あ、すみません!」
「・・・・また、来ような?」
「・・・・・・・・え?」

向かってくるお嬢様は私を通り越して、両親の墓の前に立った。
そして手を合わせる。

「せっちゃんのお父様にお母様。せっちゃんはウチが幸せにしますから、安心してください・・・・」
「お、お嬢様!?」
「ほら、せっちゃんも!」
「うあっ」

ぐいっと引っ張られて墓の前に立たされる。
改めてこの場に立つと、なぜか気恥ずかしい・・・・。
どうしたものかとお嬢様を見たが、催促するような目で返されて仕方なく墓に向き直った。

「えと・・・・その、父上・・・・母上・・・・」

・・・・これは、口に出して言うことなのだろうか?
ふと疑問に思ったが、この状況で何も言わないのは、逆に後が怖い。
79故郷:2007/05/30(水) 23:36:42 ID:fgjB1J6r
「・・・・私は、このちゃんと出会えて幸せです・・・・産んでくれて、本当にありがとうございます・・・・」

ありきたりだけれど、これは心から出た感謝の気持ち。
生まれなければ、このちゃんとは出会えなかったのだから。

「また来ます。次は最初から、このちゃんと二人で・・・・」

再びお嬢様を見ると、頬を染めて嬉しそうな顔をしていた。
は、恥ずかしい・・・・。

「・・・・い、行ってきます!」

逃げ出すように洞窟から出て、翼を広げる。
そして私は、後からきたお嬢様を抱きかかえた。
よくよく見るとお嬢様の服にはかなり泥がついていて、ここまで来るのに相当苦労したのが見て取れる。
本当に、悪い事を・・・・。

「ほな、家に寄ってから帰ろな。せっちゃん綺麗にせなアカンし」
「あっ・・・・す、すみません、こんな汚い格好で・・・・!」
「気にせんでええよ? その代わり、ウチがせっちゃんの事洗ったるからな〜」
「うっ・・・・優しくしてくださいよ・・・・」

二度目の旅立ち。
でもこれが本当の旅立ちなのかもしれない。
私は、闇の中から救ってくれた愛しいの人を抱え、空高く舞い上がった。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
80故郷:2007/05/30(水) 23:37:51 ID:fgjB1J6r
キーワード:『独り[487]』『墓参り[拍手]』『刹那視点[拍手]』

過ぎた母の日と、これからの父の日を^^;
刹那視点だけだとちょっと物足りないですね。
でも今の所、木乃香視点を書く予定はないです・・・・。
81名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 23:44:02 ID:jsbJz5e5
泣ける
82名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 23:44:24 ID:2TA9vyNi
GJ!!
せっちゃんを大事に思うこのちゃんに萌えました〜
83名無しさん@秘密の花園:2007/05/30(水) 23:56:30 ID:xOEhqNZX
GJ!!全米が泣いた
84名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 00:34:45 ID:FDWegAqu
超GJ!!

素晴らしい!感動をありがとう。
刹那の葛藤がとても良く感じられ,
そして木乃香の愛情に感動した。

いいな。シリアス。
プロポーズチックなのがまたイイですな。
85名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 01:00:46 ID:BtONSSvZ
GJありがとー。
誤字発見・・・・見なかった事に・・・・。

>>84
どうやら俺はシリアスエロ属性のようです。
メールで言われちゃいました(ノ_・;
誰かギャグ属性を教えてください・・・・orz
86名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 01:23:25 ID:R937Nkw+
>>80(>>85)
全俺がガチで泣いた
マジGJ!!!!12


ギャグ属性は、アニメ2期とか本編のクラスメート編とかのバトル以外のとこ見りゃ掴めんじゃね?
個人的な意見だけど。
87名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 07:31:03 ID:EXwW9gAQ
シリアス属性の人がギャグ書くと見てて痛い場合が多いから無理して書かないほうがいいと思うw
88名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 15:10:16 ID:lHG5fP7v
今週号の裕奈のセリフにニヤリとしたのは俺だけか
89名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 15:33:50 ID:BtONSSvZ
>>88
何何、このせつに関係アリ?
90名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 17:13:16 ID:6EFjSNep
>>88
このせつに関係ありなら教えてほしい
91名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 20:57:09 ID:51eBGRon
マガジン読めばいいだろ…

 ネギま部のつけてるバッジを奪えばイギリスにいける
→武道会活躍組から奪うのは無理そう→他のを狙おう
→ユウナ「木乃香のそばには桜咲さんがついてるしなぁ」→本屋・ユエをターゲットに
92名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 21:54:10 ID:a5nSUgpx
そこまでばらす必要ないだろ…
93名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 22:30:03 ID:FDWegAqu
>>85

シリアスエロ属性で良いんじゃね?
もっと言うとシリアスエロ(ボケ)属性かもな。
ほのぼのしてて良いと思うぞ。コレが結構難しいんだ。
ちなみに自分は純愛エロ属性(自覚あり)。

みんなエロ落とそうよ〜。百合エロ〜。
だって「この☆せつ」だし〜。
94名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 22:42:35 ID:id8nbeWy
木乃香は受けがいいと思ってるやつは漏れだけなのか
95名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 22:50:17 ID:om2c9Fl7
このちゃんは誘い受けがいい〜
せっちゃんはヘタレ攻めで
96名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 22:59:13 ID:LtCKZ1Nk
刹那は総受けだと信じて疑わない
97名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 23:06:53 ID:FDWegAqu
木乃香は総受けだと信じて疑わない
98名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 23:13:16 ID:BtONSSvZ
>>93
ボケ・・・・Σ( ̄口 ̄)!
褒め・・・・言葉・・・・?

>>94-97
で、エロだったとしたらどっちが需要あるよ??
シリアスなエロになりかねないけど、リハビリに何か書くかも。
99名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 23:22:09 ID:FDWegAqu
>>98
スマン。もじって難しいな。
一応誉め言葉だぞ。”天然”って補っておいて(^^;)
ちなみにIDが”SSv”だってIDも誉めてるゾ。

せっちゃんのヘタレ攻めキボン!
そんでもって木乃香がメロメロにされちゃうヤツがイイ!
100名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 23:34:29 ID:id8nbeWy
>>97おまいはおれか
101名無しさん@秘密の花園:2007/05/31(木) 23:54:05 ID:FDWegAqu
>100

よう!おれ。
刹那総受けをリクするんだろ?
102名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 00:22:43 ID:DaTr1+s+
>>99
同志よ。

せっちゃんの総受けもいいんだが、
このせつとしてはヘタレ攻めかなぁ
103名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 00:24:12 ID:GD+IPTsj
>>101よく見ろ
104名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 00:30:20 ID:GD+IPTsj
連レススマンがみんな総受けとか言ってるが
おれは木乃香と刹那の組み合わせしか萌える
ことが出来ない生粋のこのせつ&せつこの愛者だ
105名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 05:06:41 ID:+QLs0NI8
>>104
あれ?いつ書き込んだっけ
106名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 07:27:55 ID:mJk28nsu
>>93
このせつ=エロと思っちゃいかんぜ・・・
107名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 11:01:36 ID:vv8o59xJ
>>95 激しく同意
108名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 12:59:05 ID:a1Mtlgf6
>>104
俺もだ
109名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 13:00:36 ID:a1Mtlgf6
↑スマンあげてしまった;!
110名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 17:58:22 ID:4mOoi2lO
結局このちゃんとせっちゃんが一緒に居てくれれば俺はそれでいい。
111名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 19:00:16 ID:mIgPm8qF
>>110
これには同意せざるを得ない。
112名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 19:40:46 ID:DaTr1+s+
>>110
結局はこれが一番だな
113名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 19:42:47 ID:aRFHOhLL
まったくだw

>>110を読んだだけで何だか胸がキュンとする俺がいるぜ
114名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 19:48:37 ID:p/twCieC
>>106
あ、うん、でもエロ書いてもいいよな?w

>>110
よう、俺。
115名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 21:36:16 ID:pxjBiWmK
どんどん書いてくれw

しかし喧々諤々ですな。人が沢山居てなんだか幸せだぜ
116名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 22:41:02 ID:LH4e7m0k
思いついた妄想を投下します。
でも、長いので途中までなのですが…
117二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:41:44 ID:LH4e7m0k
学校の事情で、土曜日に学校があったため翌週の月曜日が休みになった。
三連休になるということで、木乃香と刹那は二人で旅行に出かけることにしたのである。

「やっぱり休みっていっても三日間だけやから、あんまり遠くには行けんかなぁ?」
「そうですね…では、やっぱり定番のネズミーランドとかにしますか?」
木乃香と刹那は刹那の部屋で旅行の予定を立てていた。
中学生の二人ということなので、ネズミーランドの方向に気持ちがいってしまうようである。
「そやなぁ…でもネズミーランドはいつでも行けるから、静かで落ち着いたところがいいなぁ」
「では…最近暑くなってきたので、軽井沢などいかがです?まだ旅行の季節ではないので込み合うことはないと思いますし」
「ん!ええなぁ、軽井沢!」
ということで、旅行先は軽井沢に決定した。

休みの初日。
朝早くから電車に乗って、行き先してから、電話で予約をとった軽井沢の宿へ向かった。
駅から少し離れたところなので、けれどタクシーは使わず宿まで歩いたので、
刹那はともかく、木乃香は結構ヘトヘトになってしまった。
118二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:44:03 ID:LH4e7m0k
「ふへぇ…結構、遠いんやなぁ…」
「やはり、タクシーを使えばよかったでしょうか?」
「ううん、だいじょぶやよ。
 せっちゃんと一緒に長い道を歩くんも楽しいんやで」
そう言い、木乃香は刹那の手を握り、宿へ入った。
「こんにちわー」

 □ □ □

「ふー、疲れたなー」
部屋に入って、うちはテーブルに座って一息ついた。
せっちゃんはやっぱり、ぜんぜん疲れてなさそうで、そんなもんだからうちも表面的にあんまり疲れてなさそうに見せてたけど、せっちゃんにはわかるのだろうか?
うちの近くにきて、お茶を入れてくれて、
「お嬢様、マッサージでもしましょうか?」
と、言ってくれた。
そんな言葉にちょっと甘えたくて、
「じゃあ、してもらおうかなぁ」
近くにへたんと横になった。


「マッサージでもしましょうか?」
なんだかお嬢様がお疲れのように見えたので、お疲れがとれるようにとマッサージを提案してしまったけれど…
その直後、恥ずかしい発想をしてしまった。
『アホアホ!ばか刹那!お嬢様の体に触れるとか、おかしな風に考えたら護衛として失格だっ!』
おかしな考えを吹き飛ばすように、頭をブンブン振っていたら
「ふふふ、おかしなせっちゃんやなぁ。頭なんか振っちゃって」
と、はにかんでいた。
はにかみ具合がまた、とても可愛くて、恥ずかしさが戻ってきたけれど、理性で抑えて、抑えて…
「お、おねがいします!」
119二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:46:05 ID:LH4e7m0k
足の疲れをとってさしあげようと思って、ふくらはぎあたりの筋肉をやわらかくするように、揉んでいった。
マッサージが気持ちよいのか、いつの間にかお嬢様はスヤスヤと寝息を立てていて。
『やっぱり、お疲れだったんだろうか…いざとなれば、わたしの羽で飛んでくればよかっただろうか…?』

ふと、お嬢様の髪に触れた。
さらさらな髪で、シャンプーのCMにも出れそうな感じがした。
やさしく撫でてると、わたしもなんだか心地よい気持ちになって、それが安心感だったのか、眠気が襲ってきた。
いつのまにか、わたしもお嬢様のとなりで眠ってしまっていた。
手は…握り合っていた。

 □ □ □

気がつくと、うちの隣にせっちゃんが寝ていて、ちょっとびっくりした。
時計を見ると、8時をまわていて、こんなに寝ちゃったんだぁと思いながら…
でも、せっちゃんのこんな無防備な寝顔は久しぶりだったから自然と頬の筋肉が緩んだ。
あ、と思って携帯を取り出そうとしたら、左手が握られていることに気がついた。
『もー、せっちゃんてばかわいいんだからー!』
せっちゃんが起きないように、物音に気をつけて、かつ左手はあまり動かさず…
といった感じで、バックの中から携帯を取り出して、
せっちゃんをパシャリ。
あ、髪ほどいといてあげとこかな…
癖、ついてしまうもんな。
髪を解いてあげて、そして角度を変えて、もう一枚パシャリ。
120二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:47:06 ID:LH4e7m0k
撮った写真にフレームとかをはって加工などをしているとせっちゃんが目を覚ました。
「…あ、…すいません、お嬢様、、、寝てしまったようで…」
ゆっくりと体を起こして、まだ眠そうな雰囲気が漂っていて
そういえば、せっちゃんは寝起きは弱いんやったなぁ…と思い出したり。
『…せっちゃん…(笑』
せっちゃんをじっと見ていたら、せっちゃんのまぶたは閉じていて、すーすー寝息を立てていて。
『また、寝てしまったんやろうか…?』
でも、そのままにしておくと、せっかくの休日の一日が無駄になってしまうような気がして、
「せっちゃん、せっちゃん!起きてや、」
「…ふぇ、…ぁ、お嬢様…おはようございますー」
ふふ…あかんわ。脳が停止しとる。
せっちゃんの脳を活性化させるにはー
『ぎゅっ!!』
「!?」
せっちゃんをぎゅーと抱きしめてみた。


まだ、夢の中にいるんもだろうか…
お嬢様が、わたしを抱きしめてくださってる??
現実ではありえないよな…
やっぱりコレは夢なんだー。
そう思うと、自然と手はお嬢様の背中に回っていて、
わたしもぎゅーと、お嬢様を抱きしめた。
お嬢様の肩と首あたりに頭をのっけて、また、寝てしまった。
121二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:49:34 ID:LH4e7m0k
「…せっちゃーん…」
また、寝てしまったー…
どないしようなぁ…
この後のことを考えていると部屋のノックが聞こえた。
「失礼します、お布団をひきに参りました。」
扉がすっと開いた。
仲居さんと目があった。
せっちゃんが、うちに抱きついて眠っていることを見られたことよりも、その旅館で働いている仲居さんにビックリした。

「明日菜!!」
「木乃香と、刹那さんじゃない!」
この旅館で仲居として働いていたのはうちの同居人の明日菜だった。
「明日菜、どうしたん??こんな、軽井沢でバイトっていうんは…ないよなぁ?」
「今日はね、特別なの。
 新聞配達じゃなくて、ここの仲居さんをやってほしいって言われて。
 なんか急にいつもの子が休みになっちゃったんだって。んで、おばさんからこっちに行ってもらえないかって。
 お給料もいつもの倍だったからね!」
(※おばさんというのは、明日菜が働いている新聞配達のところの奥さんということで。)
「にしても偶然やなぁ…」
「あ、それよりもお客様、お布団は一枚でよろしいでしょうか?」
明日菜がニヤニヤしながら聞いてきた。
あらためて状況を把握すると…
せっちゃんは、うちに抱きついて寝とるんだよなぁ…
明日菜…顔がハルナみたいになっとるでー
「もうっ、からかんといてーなぁ」
122二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:53:18 ID:LH4e7m0k
その後、明日菜は布団を二枚ひいて、普通に去っていった。
あ、せっちゃんを一緒に運んでもらえばよかったろうか?
まぁどっちにしろ今夜はこのまま終わりやろうなぁ…
せっかくの旅行なのに…
アカン、それはアカン!

「なーせっちゃん、起きてーな。せっちゃーん」
肩を何度か揺すってみて、やっと起きたせっちゃん。
また瞳は眠たそう…
「すいません、お嬢様…なんか、すごく寝てしまったみたいで…」
せっちゃん、顔をすこし傾けて、そんなこというんは卑怯やで。
「悪いことしたと思うとる?うち、さびしかったんやでー。」
「あー…す、すいません…お嬢様。」
「じゃぁ、なんでもいうこと聞いてくれる??」
こういうん、誘導尋問っていうんやろか・・・?
ん、でも尋問ではないしなぁ…
「あ、はい!…もちろんです…!」
っしゃー!
よし!じゃぁ!
「せっちゃん、これから露天風呂行こうか!!」
123二人で旅行。:2007/06/01(金) 22:54:29 ID:LH4e7m0k
すみません、続きます。
また、続き考えてないけれど…
最後のほうはエロいほうにいこうと思ったのですが…ムリなので逃げました。
124名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 23:17:30 ID:PiLlrTGQ
意外とスレがすすんでて驚いた。
この板が盛り上がることは良いことだ。

>>123 

楽しみに続き待ってるぜ。
じゃ,せっちゃんへたれ攻めってことで!
……冗談ですじゃ。
125名無しさん@秘密の花園:2007/06/01(金) 23:20:37 ID:GD+IPTsj
>>123GJ!!続きワクテクして待ってる!
126名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 01:07:04 ID:I8lbTtpU
>>123
続きに激しく期待
wktkwktk


なんか日本語(+京都弁)表現がおかしいところを何ヶ所か見つけてしまったんだが、敢えて見なかったことにした方がいいんだろうか……?
127名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 05:07:02 ID:gIQogw1J
ワッフルワッフルw

>>126
どうせ妄想世界なんだから固いことは言いっこなしだぜw
128名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 07:53:57 ID:LPHra237
>>122 っしゃー!   このちゃんww
129名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 10:09:24 ID:I8lbTtpU
>>127
やっぱそうだよなwww見なかったことにするw
130名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 11:14:25 ID:UZnqAq2X
>>123
GJ!!いい!ヘタレ攻め期待〜しちゃうぜ
131名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 13:38:07 ID:9fw3ocvr
>>123
近いうちに投下するのかな?

>>52だけど欲求には逆らえなくて
妄想な初エッチ書いてみた。
相変わらず長文だけど。

123の純愛モードぶっちぎりになるので,
近いうちならその後に投下しようかな。
このまま封印と言うのも選択肢の一つだけど,
頑張って書いたのでそれだとちと悔しかったり。

エロはいまいちと言うこの流れの中で
はじめから終わりまで全部エロの俺 orz.
132名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 20:54:46 ID:yt9eV9nB
どんどん投下してください。長文でも小ネタでもエロでもギャグでも
133名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 21:04:23 ID:zaYE4ZdZ
>>131
びびる気持ちもわかるけど、ここの住人は優しいから大丈夫だぜー。
このせつ好きの仲間ジャマイカ( ̄ー ̄

だけど、もし間違えたところを指摘されても怒らないようにね。
次に繋げる向上心を持って、広い心で投下するべし。
俺たちも広い心で受け入れるから、お互いはんなりまったり語らおうぜ。
134名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 23:10:53 ID:9fw3ocvr
>>132>>133
おお〜。レスありがとう。

純愛エロはせつこの(orこのせつ)ペアしか
ありえないぜ。

駄文おとさせていただきます。

設定的には
>>49>>50 の間ですじゃ。
長いっすよ。15ありますじゃ。

1351/15:2007/06/02(土) 23:11:52 ID:9fw3ocvr
「……うち…せっちゃんやったら,ええよ。うちもせっちゃんのこと,もっと感じたい。」
「……お嬢様。」

木乃香は目蓋を閉じ,すっと刹那に唇を寄せた。柔らかい感触と共に暖かい温もりが伝わってくる。
それは触れるだけのキスだったが,お互いの温もりを感じ合うには十分だった。

「……初めてやね。キスするとき逃げなかったの。」

触れ合うキスを済ませ,木乃香は再び刹那の胸に寄りそう。
刹那の鼓動が聞こえる。何事にも動じない刹那だが,こういう時はリズミカルになる。
いつもそうだった。今までもこうして刹那の体温を感じながら刹那のドキドキを楽しんでいた。
それは,キスしたことに対しての緊張だと思っていた。

「////……恥ずかしさからだけで逃げていたわけではありませんよ。」

でも今は違う。早まる拍動が別の期待によるものだと知っている。
そう思うと,自分も刹那と同じように鼓動が早くなるのが感じられた。

さすがに人前では恥ずかしいので無理ですが,と赤面しつつ刹那は付け加えた。
パクティオーについての言及だろうか。
そう言うと,刹那は更に腕に力を込め,木乃香を強く抱きしめた。
それは刹那の心の表れ,木乃香を想う気持ちをうまく言葉にできないから。

「……もう……後戻り…できませんよ?」
「せっちゃんは,うちが望んだこと…必ず叶えてくれる天使さんやもん。」

そう言って再び刹那を見上げる。

「せっちゃんが望んで,うちが望んだことや。後悔なんてあらへん。」
1362/15:2007/06/02(土) 23:12:40 ID:9fw3ocvr
力強く自分の決断を宣言し,心配することは無いと木乃香は刹那に語りかける。
その返事とでも言うように,今度は刹那から唇に触れた。
柔らかい感触と穏やかな温もりを感じる。
木乃香の淡い唇をそっと舌でなぞると,薄く開いて応えてくれる。
少しずつ,少しずつ進入していくにしたがって木乃香の味が伝わってきた。
この甘美な感覚を木乃香も味わっているのだろうか。
そっと薄目を開けて木乃香の表情を探る。
恥ずかしげに頬を染め,何かを感じているのか,閉じた目蓋と長い睫が震えていた。

その様子を確認した刹那は,ゆっくりと口腔内へ進入し木乃香自身を探す。
時を置かず木乃香を見つけると、まるで会話をするかのように
そっと触れ合わせる。そして初めて知る木乃香を丁寧に丁寧に味わった。

どちらのものかわからない交じり合った唾液をお互いに飲み下すと,
木乃香の体から余分な力が抜けていった。それを合図に刹那は一旦距離をとる。
二人の間にできた銀の掛け橋は,名残惜しそうに消えていった。
刹那の胸で木乃香が再び問い掛けた。

「……いつもこんなキスしたかったん?」

濃厚な口付けに頬は薄紅に染まり,木乃香は熱いため息を漏らす。
その濡れた唇は刹那を捕えて離さない。

「……今日は…特別ですから。」

明かりを消してきますねと木乃香に告げ,刹那は木乃香から離れた。
そうでもしないと,気付いてしまった木乃香の色香に捕らわれてしまう…。
いつまで自制がきくのだろうか。
1373/15:2007/06/02(土) 23:13:54 ID:9fw3ocvr
ひとたび自身を落ちつかせると,意を決して木乃香にベッドへの移動を勧める。
しかし,木乃香は動く気配が無い。どうしたのかと尋ねると,

「ちがうんよ。腰が抜けてもうたみたいで…。」

立てへんのよ,笑ってそう応えた。先ほどのキスは木乃香にとって意外なほど
甘美で衝撃的なものだったようだ。

「お嬢様がお望みなら,私はこの場でもかまいませんが……。」
「あかん。うちはせっちゃんの匂いがするせっちゃんのベットがええ。」

刹那が木乃香の傍で様子をうかがっていると,木乃香はそう言って
刹那にしがみつきながら必死に立とうと試みたが,事態は変わらなかった。

「お嬢様,私の首に腕を回してください。私がお連れ致します。」

刹那は木乃香を抱き上げ,そっと支えながらベッドまで誘導した。まだキスの余韻に
浸っているのかぼんやりとしている木乃香をベッドに座らせると,
刹那は木乃香の様子を見てくすっと笑う。いつも自分より積極的で素直で
純粋な木乃香が,刹那とのキスでコレほど艶やかな表情を見せるとは
予想もできなかった。実際木乃香自身も驚いていることだろう。
そんな刹那の様子を視野に捕え,木乃香は悔しそうに言う。

「なんや,せっちゃん余裕やな。」
「そんなことありませんよ。」
「…うち,キスってこんなに気持ちええもんやとは知らんかった。」
「私もです。お嬢様。」
「もっと……しても……ええ?」
「はい……お望みのままに…。」
1384/15:2007/06/02(土) 23:14:38 ID:9fw3ocvr
今度は木乃香から唇を寄せた。お互いに何かを確認するように
何度も重ね合わせる。木乃香は刹那を引き寄せ,そのままベッドに倒れこんでいった。

◇◆◇

高揚した木乃香を見つめる。木乃香は恥ずかしそうに,でも嬉しそうに
優しく刹那を見つめ返す。これからのことに対する不安,期待…。
様々な感情が入り混じったそんな表情を見せる二人。

「……こうしてお嬢様に触れたかったんです……。」

そう呟いて,刹那は木乃香の額に唇を落とす。そして,目蓋に,頬に,首筋に…。
敏感な刹那の唇は,極め細やかな木乃香の肌に吸い付き,温もりを伝える。
触れた感触は柔らかく穏やかで,二人を敏感にさせていく。
熱いため息をこぼす木乃香。敏感な耳の後ろを触れられ,小さく声を上げる。

「お嬢様の髪…綺麗ですね…。」

木乃香の髪を一房掴み,口付けた。髪を撫でられると,小さい頃を思い出す。
懐かしい感じ…。髪にも神経が通っているみたいでなんだかくすぐったい。

「せっちゃんだって,綺麗やで。」

ふっと刹那は笑うと,私の髪は悪戯好きですから,と言う。木乃香はその言葉の意味を
身をもって知った。普段はまとめている刹那の髪は今は解かれている。降りた髪は
さわさわと木乃香の体に触れ,微妙な感覚を与えている。
1395/15:2007/06/02(土) 23:15:27 ID:9fw3ocvr
「ん……せっちゃ……ん。」

刹那に触れられた場所は熱を持ち,敏感になった肌は刹那の髪の毛によって
もどかしく弄られる。刹那はそっと木乃香の寝間着のボタンを外していく。
色白の肌が顕になっていった。
そっと布地の間に手を入れると,恋焦がれた木乃香の体温を直に感じた。

「……ん。あんまり見ないで…。そんなに見られると…なんや恥ずかしいわ。」

裸だったらお互い見慣れていた。日常的に良くあることだ。でも今日は全然違った。
木乃香の素肌を舐めるように見つめる刹那の視線を木乃香は強く感じる。
今刹那が何処を見つめているのか,窓から射す月明かりでも十分感じられた。
視線の愛撫を受けるたびに,肌に熱がこもる。指でそこを撫でられるよりも,
ずっとじれったくてもどかしい。

「…このちゃん……。」

刹那は顕になった木乃香の肌にそっと口付けた。いつから想いを寄せていたのか,
もうわからなかった。小さい頃,初めて木乃香に会ったときから,その存在に
焦がれていたのかもしれない。でもこんなに木乃香自身を欲するようになったのは
いつからだろう…。
お互いの想いを確かめ合ったときから,木乃香もそう感じていると気付いていた。
でも自分には早いと,分不相応だと…。それで良いと思ってた。

でも自分の欲した望みを木乃香は受け入れてくれた。
そして木乃香もそれを望んでいると言って…。
逸る気を抑えてその想いを伝えようと木乃香の素肌に唇を落とす。
まるで,何かを誓うように,それは神聖な空気を作り出していた。
刹那の愛撫は木乃香の全身に施されていく…。
1406/15:2007/06/02(土) 23:16:23 ID:9fw3ocvr
「んぁ……。せっ……ちゃぁん……。」

本格的に始まった刹那の愛撫に,敏感になった肌からの感覚は木乃香の中枢を刺激する。
肌から感じる暖かな温もりが,けして強くは無いが心地よい快感となって全身を走り抜ける。
じんわりと攻めたてる刹那の唇が、じっくりと撫でる刹那の指先が,木乃香の体をじわじわと
火照らせはじめた。

(いやや…。こんな声せっちゃんに聞かれてもうて…。……恥ずかしいわ。)

刹那の愛撫に木乃香は声を漏らさずにはいられなかった。
他人から与えられる快感をはじめて感じ,その感覚に戸惑いつつも,
刹那の深い愛情を感じとっていた。優しく愛しんでくれる刹那の愛撫に
恥ずかしいと感じる気持もあるが,それ以上に嬉しさが勝っていた。
すぐ傍に刹那がいて,自分を愛してくれている…。
その事実こそが,木乃香を幸せで包みこんでいた。

「……感じて…くれているんですね…。」

嬉しいです,と刹那は微笑みながら,愛撫の手を徐々に下げていった。
その動きを察知すると,木乃香は再び緊張によって体を強張らせる。

「嫌…ですか?」
「……ちがうんよ。うち……初めてやから…。」

怖いんですね,と木乃香の耳元で囁き,刹那は確認をとる。恥ずかしそうに木乃香は頷く。
刹那は木乃香の頬を手で触れ,反対の頬に唇を沿える。
1417/15:2007/06/02(土) 23:17:12 ID:9fw3ocvr
「私も…初めてです。……初めてが貴方で良かった…。」

刹那にキスされて宥められて,木乃香の気持は解れていく。

「うちも……。」

木乃香も刹那の両頬に手を添える。至近距離で見つめ合い,お互いの気持を
確認し合うと,再び刹那は木乃香への愛撫を開始した。
中途半端に脱がされた寝間着を全部取去ると,木乃香が身に付けているものは
残された最後の一枚のみ。刹那は手のひらで木乃香のすべすべとした太ももを,
壊れ物を扱うようにゆっくりと擦っていった。あまり人目にさらすことの無い
そこを刹那に丁寧に触れられ,緊張が勝る反面,皮膚の薄いそこから刹那の体温を
一層感じることで落ち着きを取り戻していった。

緊張の色が取れてきたのを見計らうと,刹那は木乃香のショーツに手を移動し,
指先でクロッチの部分にそっと指を這わせた。布地の中の弾力を指先が感じる。
初めて触れる木乃香の秘所。

「!………。」

声にならない衝撃が木乃香を襲う。自分で触れるのとはまったく違う感覚に戸惑いつつも,
抗えない快感を体に記憶し始めた木乃香は,次第にそれを受け入れ始めた。
刹那から与えられる新しい刺激が,木乃香の神経を毒しはじめた頃,ふとある疑問が沸いた。

「……なんや…。せっちゃん手慣れとるなぁ…。初めてやないんと違う?」

熱い溜息と共に刹那に向けた問い掛け。でも刹那の返事で,それは無用な心配と悟った。

「…夢で,いつも貴方と……こうしていましたから。」
1428/15:2007/06/02(土) 23:17:59 ID:9fw3ocvr
不埒者ですみません,と言いつつも木乃香の胸の突起に唇を寄せる。
次から次に起こる刺激に耐えつつも,次に続く刹那の話を聞かざるを得ない。
それは,昨日の事件に繋がり,事の根幹を示すものだったから。

「いつからか,貴方を夢に見ていました。あるときは,溶け合って一つになる夢,
またあるときは,貴方を汚し,貪り尽くす夢…。」

自嘲的な笑みをこぼしつつ,刹那は続ける。少し前に,占い部の木乃香に尋ねた
ことがあった。夢見が象徴する物,その心理状態。
そのときはただの話題でしかなかった。

「夢は,見る人の欲望を具現化するものなんですよね。」
「…ん……そや。」
「では,私の夢は,何を象徴しているのでしょうか?」
「…はぁ……対象に対する…独占欲と羨望……や。」

木乃香の返答に満足すると,クロッチの周辺に触れていた指先に少しだけ力をこめ、
その奥の形に添わせて前後させ始めた。

「ひゃ……せっちゃ……ぅん。」

敏感な突起に時々触れる指先…。布地越しにでもその衝撃は強い。

「そんな夢を見ながら,私は寝言を言っていたらしく,昨日はそれを龍宮に指摘されて…。」
「…それで…どやったらあないな状況になるん?」
1439/15:2007/06/02(土) 23:19:05 ID:9fw3ocvr
木乃香は龍宮に組み敷かれた刹那を思い出した。あの時感じたのは驚愕と嫉妬,
そして艶めいた刹那に感じた……。

「性欲だけなら何とかしてやると…。」

そう言われて押し倒されたところにお嬢様がいらしたのですよ,と
刹那はばつが悪そうにつなげた。

「…誰でも…いいん?……こんなん…。」

刹那の愛撫に翻弄されつつも,刹那に詰め寄る木乃香。
その瞳には寂しげな色が宿っていた。

「私はお嬢様でなければしませんし,したいとも思いません。身をもって実感しました。」

刹那は,お嬢様でなければこんな気持にはなりませんよと,真剣な眼差しで告げる。

「お嬢様でなければダメなんです。」

木乃香の耳元で恥ずかしそうに伝える。刹那が伝える必死の告白。
それを聞いた木乃香は満足げな笑みを返した。そうした刹那との
やり取りの中で木乃香の体はふわふわとした心地よさを感じた。
その一方で体の奥のほうにズクっと響くような感覚がますます
増大していくのを感じた。

「あの……ちょ…直接触っても…いいですか?」

どこを…とはあえて言わないが,直接触れていないのは今は1ヶ所だけ,敢えて木乃香に
尋ねるところが刹那らしいと言えば,刹那らしい。
14410/15:2007/06/02(土) 23:19:57 ID:9fw3ocvr
「こんなん……。」

熱い溜息をつきつつ,恥ずかしげに視線がそらされ,それでも声だけは
刹那に向けられ,木乃香は宣言する。

「こんなん許してるんは,せっちゃんだけや!……うちだって,せっちゃんだけなんやから。」

体が熱い。好きな人に触れてるだけで,こんなにも熱くなれるものだろうか。
こんなにも恥ずかしいことたくさんされてるのに,どんどん体が熱くなっていく。

「……はい……お嬢様。」

刹那は嬉しそうに木乃香の言葉を受けとめた。すっと、布地の間に手を差し入れる。
すらりとした刹那の指先は,木乃香の秘所に触れる。弾力のあるそこはぴっちりと閉じられ,
まだ他者の侵入を受けていないことを物語る。
先ほどの布地越しの刺激と同様にそこの形に合わせて,すっと指先で撫でる。
前後に指先を移動させつつ,木乃香の感じ方を確認する。

「ひ……ぁ……,ふ……ぁん……。」

寮の部屋だから,あまり大きい声は出せられない。必死に声を出すまいと堪える
木乃香であったが,初めて感じる甘美な感覚に翻弄され,自分を保つことすら必死だった。

「ダメぇ……せっちゃん…。うち…こんなんもたんわ。」

木乃香の予想を遥に上回る,行為による刺激が木乃香を更に追い詰める。
刹那は,木乃香のもっとも敏感な突起を探し出し,そっと指先で刺激を送った。

「!………。」
14511/15:2007/06/02(土) 23:21:02 ID:9fw3ocvr
(目蓋の裏で火花が散ったみたい…。)

木乃香は図書館組と見てた雑誌にあった初体験の特集記事を思い出した。
こんな抽象的じゃわかんないよね〜,と笑い飛ばして,みんなでからかいあっていた。

(あれって本当やったんや…。)

「…中,いれますよ。痛かったら……言ってくださいね。」

頭の上のほうで刹那の声が聞こえる。木乃香の思考能力はかなり低下していた。
刹那から送られる刺激の数々が,木乃香の精神的な束縛を取り払っていった。

硬く閉ざされた秘所に少しだけ力を込めて指先を沈めると,すっと開いて刹那を受け入れる。
そこは暖かく,十分なほど潤っていた。

「……濡れてますよ。お嬢様。」
「言わんといてぇな。……恥ずかしい。」

恥ずかしがらせるつもりで言ったわけじゃない。濡れるほど感じてくれていることが嬉しくて,
それを思わず伝えてしまっただけだった。

自分に感じてくれていることが嬉しくて…。

自分を受け入れてくれることが嬉しくて…。

木乃香を愛せることが嬉しくて…。

指先を木乃香の奥のほうへ進ませる。ざらざらとした肉壁が指に絡まってくる。
ゆっくりと木乃香の中を探検する。今のところ木乃香には痛そうな素振りはない。
奥のほうに指を進めるとコブのような弾力の触感があった。図解でしか知らなかったけど,
コレが恐らく……。今はまだ先の方しか触れられない。
14612/15:2007/06/02(土) 23:21:55 ID:9fw3ocvr
「やん…。奥過ぎや,せっちゃん。」

木乃香の軽い抵抗を受け,刹那はその場を離れた。じわじわと触れる場所を変え,
腹側のざらついた場所をなぞり出したとき,木乃香の様子が変化した。

「…ぁ……ひゃぅ……。」

ゆっくりと動かすたび,木乃香の体は揺れ,全身から汗が噴き出す。
木乃香の切迫した表情に,刹那は思いをめぐらす。

「ここが……良いんですか?」

木乃香は声も無く,ただ頷く。シーツを握り締め,必死に何かに耐えている。
体勢を変えようと刹那が動いたとき,木乃香の敏感な突起に触れてしまった。

「ひぁぁぁ!!!」

どうやら軽くイってしまったらしい。
そのときの木乃香の表情に刹那は見入ってしまった。
今日,今このときに目覚めた性的な感覚,女性としての艶やかさ。
そのどれもが,今まで見つづけた木乃香には無く,今日の刹那との行為によって
生まれたものだった。自分の手で,見知らぬ木乃香の姿を暴き出したくて
更に愛撫の手を進めていった。

体ごと,木乃香の脚の間に割りこませ,下着を脱がせると,木乃香の秘所を眼前に捕える。

「ダメやっ,せっちゃん。見たらあかん……。」
14713/15:2007/06/02(土) 23:23:09 ID:9fw3ocvr
ふわふわとした感覚に身を委ねながらも,刹那がこれからすることを
木乃香は直感したようだ。自分でも良く見たことの無いそこを,
まして刹那との行為で十分に濡れそぼっているそこを刹那に曝け
出すことに少なからず抵抗感を持ったようだ。しかし,既に抵抗する
力も無い木乃香には刹那を止めることはできず,その目前に自分の
羞恥の泉を晒すことになってしまった。

「……見たらあかんゆうたのに……。」
「綺麗ですよ……お嬢様。」

そう言うと,刹那は木乃香の秘所に唇を寄せ,弾力のある肉襞に口付け,内部に舌を這わせた。
指とはまったく違う感触に再び快感を煽られる,そして羞恥のためか早々と上り詰めようとしていた。

「あかん,せっちゃん。なんか……くるっ,」

一心不乱に口唇愛撫を続ける刹那は,木乃香の絶頂を告げる声と共に,内部がきゅっと締まるのを感じた。

「……はぁ……せっちぁゃん……。」

激しく息を切らしながら,刹那を呼ぶ。瞳を通して,木乃香は刹那を求める。
もう耐えられない,もっと感じていたい。そんな相反した思いがそこに浮かび上がっていた。

「……もうちょっと,良いですか?」

刹那はそう言うと,まだ余韻の残る木乃香の体に指を埋め,先ほど見つけた木乃香の弱い部分を探り出す。
そこは,先ほどよりも更にきつく締まり,刹那の指を捕えて離さない。
これから刹那がしようとすることを察し,木乃香は拒否しようとする。

「なっ…ちょっ……あかん,コレ以上されたら,うち……おかしくなっ…。」
14814/15:2007/06/02(土) 23:24:12 ID:9fw3ocvr
全部を言う前に,刹那の最後の愛撫が始まった。
ざらざらとしたそこは指先で揉み込むと弾力を持って返してくる。
その刺激のたびに木乃香の体は跳ね,全身から汗が噴き出してくる。
空いている方の腕で,木乃香の腰を固定し,敏感な突起にも舌を這わせる。
木乃香が感じるたびに,体は跳ね,中が締まる。言葉にならない声が,
木乃香から発せられる。今木乃香が感じている全てが,
刹那に伝わっているようだった。

「……せっちゃ…も…う……うち……あ…かん。」

木乃香の中が一際きつく締まると,次の瞬間脱力し、木乃香の胸が
激しく上下するのが見られた。刹那は体ごと木乃香の隣に移動し,
力いっぱい抱きしめた。激しく感じてくれた木乃香を抱きしめ,
刹那は心地良い充足感を味わっていた。

「せっちゃん……。激し過ぎやで。もう」

乱れた自分が恥ずかしいのか,木乃香は刹那の肩口に顔を埋めている。

「このちゃん……。ありがとう。」

木乃香の髪を撫でつつ,感謝の言葉を述べる。その言葉には様々な
想いが込められていた。いろんな意味で刹那を救ってくれた木乃香に…。
14915/15:2007/06/02(土) 23:25:03 ID:9fw3ocvr
◇◆◇

「体力使い果たしてしもうたわ。」
「明日もありますので,お休み下さい。お嬢様。」
「……もう”このちゃん”て呼んでくれんの?」
「////……癖でして…。お休みください。このちゃん…。」

悪戯っぽく刹那にキスしながら言うと,照れた表情で,刹那はお休みを言う。
自分をこんなにまで乱れさせたのは刹那だと言うのに,事が終わってしまってから
こんなにうろたえているのは,なんとも刹那らしい。

「もう…うちのことこんなにしといて…。」
「はぅぅ……。すみません。お嬢様が魅力的だったので,つい…。」
「また,お嬢様ゆう。」

情事の後の戯れ。散々翻弄されたことへの仕返しも含め,木乃香は刹那をからかう。

(これでアイコにしとこか?何気に照れることゆうてくれるし…。)

「せっちゃん!」
「はい,このちゃん。」
「またしよう,ね?」

何をとは言わない。恋人達の愛を確かめ合う行為は必要だと直感的に悟ったから。
お互いの温もりに包まれて,心地良い疲労感が眠りを誘う。
今までにない幸福感が二人を包んでいた。
150蛇足・翌日談:2007/06/02(土) 23:26:07 ID:9fw3ocvr
「どうやらうまくいったようだな?」

ツヤツヤした刹那を遠めに眺めて龍宮と木乃香がコンタクトをとっていた。
木乃香と刹那の様子から自分の策略がうまくいったらしい事を確認する。

「でもね,龍宮さん。一つだけ問題があるんよ。」

木乃香の言いように真名は首をかしげる。

「龍宮さんに押し倒されたせっちゃん,色っぽかったやねぇ。」

おやまさか?と真名は何かに閃いた。

「うち,あのときのせっちゃんにも惚れてもうたみたいや。」

一昨日から,嫉妬だけやあらへんなぁとおもっとったんやで,
おかげでやっとわかったわぁ,と木乃香は龍宮に礼を言った。

「まぁ,お前達が幸せならそれで良いんじゃないか?」

と若干呆れた表情で木乃香を励ましていた。

今はせつ×このが進行中かもしれない。しかし,木乃香の心中では
この×せつも悪くないなとひそかに考えていた。

(お前も大変だな,刹那。)

気まぐれな恋人持つ刹那のこれからを想像する真名であった。
151名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 23:28:43 ID:9fw3ocvr
おわりで〜す。

良くあるケースでスマン。
だが,俺はこのせつ&せつこのを
こよなく愛していることには間違い無い。
152名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 23:38:48 ID:zkr+wXXK
>>151
きゃああお疲れ様!!!というかやばいGJどきどきだぜ全く!!!
153名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 23:43:55 ID:gIQogw1J
とりあえず乙。こんな濃くて長い文章書ける才能が裏山しい…すごい体力あるな
実はエロって恥ずかしくてまだちゃんと読めてなかったりwでもGJ!
154名無しさん@秘密の花園:2007/06/02(土) 23:58:04 ID:UZnqAq2X
>>151
ぎゃーーーGJ!!!
いい!もうすべてがいい!!
ありがとう!
155名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 00:02:44 ID:fb9aSzkG
>>151の人気に嫉妬(ノ_<
でも認めざるをえないw
若い職人さんの時代がきたのぉ。

GJ!!!
156名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 00:08:24 ID:UVs/aF2q
>>152-155
GJさんくす!
妄想に付き合ってくれてありがとう!
完全妄想だから,性格が違うとかはいいっこなしでよろ。
調子に乗って第4作目の妄想を構想中。

>>155
期待はずれすまん。デビュー遅いだけで
俺ももう若くないのだ(気持ちだけ永遠の18歳♪)。
前スレでSS投下勧めてくれたクラフト氏にサンクス!
157名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 00:45:41 ID:IblNXIau
>>151
新たなる神降臨だわwww
GJ!!!!!!!!!111123




まあ、アレだ。
去年のクリスマスからというもの、SSの投下速度がハンパねぇww
158名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 00:46:49 ID:pHnZjT1v
123です。
>>129
言葉遣いについての指摘サンクス!
書き上げてから、見直しせずに投下してしまったので、けっこうあるかも…
続きの構想ができたので投下させていただくが、そのときは注意する!

>>151
もーGJすぎ!
昨日の投下から今、ここを見たのだけれど、自分のSSに気にせず投下してくれてよかった!
自分、エロいのはニガテなので…このせつのエロ分が補給できて…脳が活性化されたよ!
最後に…GJ!!!!
159名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 01:02:21 ID:cgmr1Mwh
GJ!!!!!!!!1!!
ハンパねぇw
160名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 01:21:22 ID:Zy0rHplh
GJ!!!
眠れなくなるじゃないか!どうしてくれるwwwww
161名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 01:52:33 ID:UVs/aF2q
>>157-160
GJサンクス。結構この手のエロもOKっぽそうだね。
前例が無いからちょっと心配してた。
というか受け入れてくれた心の広いスレとスレ人に感謝!

162補足:2007/06/03(日) 01:55:57 ID:UVs/aF2q
↑前例:今回みたいなネチネチなエロってことね。

ここのソフトエロは素敵スキ。
ここのほのぼの&ギャグもイイ!
しかも今勢いNo.1!だしな。
163名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 03:35:25 ID:88Xumftk
GJ!ニヤニヤが止まらない

エロパロスレが荒れてるから、ここにエロ集まるんだろうね。いいことだ。

大変だろうけど、まとめサイトでは18禁分けるか、分かるようにしてほしいな。
暇潰しに読んでてエロだったら、もう……ね。やばいから

サイト更新が大変ならウィキって手も
164名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 21:34:20 ID:rqMPcLj2
木「やっぱつけんとあかんよねぇ?」
刹「そうですね、後々大変な事になりかねませんし・・・」

>>135>>151
GJ!久々のせつこのエロ!是非このせつもお願い致すorz
165征服:2007/06/03(日) 23:24:10 ID:RxHm+AN4
 
「せっちゃん、可愛すぎるんよ」

何だこれは。
お嬢様の背後に天井が見える。
背中がじんじんと痛い。
・・・あ、組み敷かれているのか。

「よく、誰かに取られるくらいなら身体だけでもーって言うやん?」

こんな危険な体勢で、何を言うのですかあなたは。
不思議と声が出ないのは、漏れ出ているお嬢様の魔力のせいだろうか。
身体の底から湧き上がってくる知らない感覚は、恐怖から来るものだろうか。
身体が動かないのも、そのどちらかのせいなのだろうか。

「でもな、ウチは身体だけなんて嫌なんよ」

私が思考する間にもお嬢様はじりじりと距離を縮めてきていて、今は紙一枚といったところ。
かかる吐息が熱くて、何か痺れた。
166征服:2007/06/03(日) 23:27:56 ID:RxHm+AN4
 
「どうせなら、どっちも手に入れたいって思う」

ちゅ、と軽く触れる唇。
何だろう、今、電流でも流れた?
そうでなければ、今私の身体が大きく跳ねたのは、一体何故。

「せやから、どっちも頂戴な。命令してでも、手に入れるから」

いやに視界がぼやけているのは。
頭の隅にもやがかかっているようなのは、気のせい?

「覚悟してな?」

服に手がかけられて、先程よりも大きく身体が跳ねる。


END
167征服:2007/06/03(日) 23:28:53 ID:RxHm+AN4
改行多すぎて色々大変だったorz
自分的にこういうこのせつが好きなんですが。
168名無しさん@秘密の花園:2007/06/03(日) 23:50:19 ID:UVs/aF2q
続き続き!

状況が唐突で良くわからんけど
どういうこのせつがスキかはわかった。

ちなみに改行は31行までだよ。
169名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 03:11:49 ID:oBoaYRUI
170名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 20:32:56 ID:/T6TvqPL
今週のテーマは?
171名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 20:43:19 ID:ziRXf/0N
梅雨、雷らへんで
172名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 21:27:36 ID:jgiahYC+
スマソ。いきなりテーマ無視するのと、あとチョー駄文落とす。
できれば叩かないでくれ。
173『いつか貴女に・・・。』:2007/06/04(月) 21:33:39 ID:jgiahYC+
私は我儘なのだろうか?
幼い頃から求めていたものは『安心』と『黒い』ということ。
そう、私の背中のソレは『白かった』。
ただそれだけの為に憎まれ、虐げられた。
 
嗚呼、何度思ったことだろう?
   この翼が黒ければ   と。

そう、私はいつも『死』を身近に感じていたから。
幼い私を拾ってくれた、近衛詠春様に恩を返すために。
あの方のおかげで、少なからず、『安心』を手にすることができたから。
仕事は危険なのもが多かったが、恩を受けた以上返す義務があると思ったから。
それに、貴女と出会う前は、死ぬということにもそれほど、恐怖を感じなかったから。
174『いつか貴女に・・・。』:2007/06/04(月) 21:35:19 ID:jgiahYC+
でも、貴女と居ると、心の底から『生きていたい』。
そう、思うようになっていた。それは止まらなくなっていた。
『安心』が欲しかった。貴方と共に生き、歩んでいける保障さえ、欲していた。

だが、私は義務を果たさねばならない使命だから。その思いはなかった事にしようと思っていたのに。
なのに、貴女は私の義務を必要ないと言った。
「せっちゃん。仕事、無理せんと断ったってええやん。」
嗚呼、それは駄目なのです。私の義務ですから。
「そんな、かとう(固く)考えんでも・・。人が持っとる義務は『生きる』ってことやよ?」
貴女の言葉はまるで蜜のように甘く、私は惑わせますが、・・・、私は人ではないのです。
「せっちゃんはせっちゃんや!うちの、大好きな、大切な・・・、せっちゃんやの!」

そう言って、抱きしめてくれる貴女が、私もとても大切で、愛しくて。
そして『白い』私に『安心』を下さった人なのです。
黒くなくても、私に安らぎと、愛情を与えて下さった。
だから私は、精一杯、自分の力の全てを使って、貴女を守り、愛することを誓いましょう。
これは義務でもなんでもなく、いうなれば『私の存在する意味』。

ねぇ、このちゃん?貴女は義務ばかりの私の周りに、『安心』と『存在理由』を与えて下さった。
『白い』私を優しく包み込んでくれた。そして私も、貴女を愛せることが、優しく包み込むことができる。
私にとってそれは、天にも昇る嬉しさで、貴女は私を、天使のようだと言ってくれましたが、私にとっての貴女こそ、まるで天使のようです。
そして、貴女の暖かい手が、私に触れる度、こう思います。
恥ずかしくて、今はまだ、決して声には出せないけれど、いつか、面と向かって、貴女に伝えたい言葉。
「ありがとう。・・・・・・、このちゃん。」

                    FIN
175名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 21:37:56 ID:jgiahYC+
スマソ。読みにくいし。
実はコレが初ssなんだわ。
もう平謝りするしかない。
口直しssだれかタノム。
176名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 21:54:09 ID:a7qnlIm6
誤字まである。
私は惑わせますが→私を惑わせますが
です('-';)
177名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 22:17:56 ID:cLAgleYa
>>175
初にしてはがんばったと思うよ。
GJです
178名無しさん@秘密の花園:2007/06/04(月) 23:11:14 ID:Deh9LChN
>>175
ラブレターちっくでイイ感じ。
初めてにしてはGJなり!
どうせなら本格的なラブレターにしたらよかと?
179名無しさん@秘密の花園:2007/06/05(火) 01:02:50 ID:+xv/gLs6
>>175
初めてにしてはクオリティ高いじゃないかw
今後に期待w



( ^ω^)<GJ
180名無しさん@秘密の花園:2007/06/05(火) 09:39:01 ID:um7AsRmz
>>175 GJ!
181名無しさん@秘密の花園:2007/06/05(火) 21:32:04 ID:3Mqg1lO9
>>177->>180
みんなありがとう!あったかいなぁ。心に染みるZE☆
>>178
そこまで俺はできない・・・。スマン、誰か代わりに書いてくれないか?
182名無しさん@秘密の花園:2007/06/05(火) 21:34:58 ID:1Yg7vsJk
>>175
GJ!新たな職人が降臨してくれて嬉しいぜ。

>>181
おまいならできる!何事も挑戦だぜ?
183まとめ”管理”人:2007/06/06(水) 00:32:19 ID:TdHqKjo6
>>職人達
まとめてで申し訳ないが皆GJ!

1ヶ月ぶりぐらいにまとめサイトを更新。
前スレ598に絵が投下されてたっぽいが、スマソ保存できなかった。

前スレ辺りでレス番だとSSが探しにくいって意見があったんで
改修しようと思ったんだが、良い案が浮かばなかったんで現状のままになってしまった……

>>163で出てる18禁だけ分かりやすくするって意見実行しようとは思ってる。
今使ってるサーバの規約を確認したら、アダルト系駄目ってなってたんで
アダルト可のサーバもう一個借りて18禁のみでページ作ろうかと。

自分一人でSS読み返してるとかなり時間かかりそうなんで
随時まとめサイトで18禁SS見かけたら、スレとレス番教えてもらえると助かります。
184名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 00:38:10 ID:thRS/DEx
>>183
乙です!
無理しないでいいのでボチボチお願いします。
185名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 01:01:40 ID:/ttI+e31
>>183 まとめサイト乙です。
あの,確認なんだが
どのくらいのLv.で18禁に該当するのかな?
サイトによってばらばらだったりするので聞いてみた。

SSの整理について
タイトルつけれるのが良いんだけど,SSにはないものが多いんだよね。
通し番号でも可かな?かえって整理がめんどいかもしれないが。
シチュとかの説明書きとか位はいれて欲しいかな。
186名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 01:20:43 ID:Sw9Hvhvq
>>183
まとめサイトの管理人さま、おつかれさまです。
自分が投下した18禁SSのスレとレス番を伝えておきます。

●もしも明日菜が・・・・〜おまけ〜 (このせつ百合板(5)の>>850)
●MISSILE (このせつ百合板(5)の>>610)
●TRICK (このせつ百合板(5)の>>643)
●もし刹那が負けてたら? (このせつ百合板(6)レス番記録無し)
●悪夢の現実 (このせつ百合板(6)の>>322)
●大罪 (このせつ百合板(6)の>>546)
●動物に例えると 本番 (このせつ百合板(6)の705-707,723-735)

多っ^^; どんだけエロなんだ俺。
他のタイトルの確認および、年齢制限物の再投下or送信を希望されるのでしたら、
KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )にご連絡ください。
187名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 07:08:01 ID:m8OMdMYw
>>183
乙です!
188名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 15:58:59 ID:u7PFznRd
まとめ管理人さん乙!
タイトルがつけられないのだったら、最初の1〜2行を表示させるとか。
・・・・・・すごい容量なるか
189名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 18:21:18 ID:kZMmlSPq
最近のSS天国に調子付いて駄文ともいえない字の集合体投稿するが、

あまり気にせずスルーしてくれ;
190名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 19:48:01 ID:hPYtl7i5
>>189
新たなる職人降臨の予感


期待してるぜ
191名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 20:00:21 ID:hPYtl7i5
連投スマソ

>>185
基本的にエチが入ったら18禁じゃね?



休みに入ったら今までの投下作品を見るついでに18禁か確認しようかと思ってるんだが、どうだろうか?
192名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 20:18:15 ID:M7TPHKQS
抱き合ってディープキスで喘ぐのは18禁?

ていうかこのせつ2ショット久々に萌えた。可愛いすぎだろ
193名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 20:33:29 ID:Sw9Hvhvq
ソフトキスやフレンチキスはギリギリ大丈夫。
ただし喘ぎやオノマトペが性的な意味でリアルだったらアウト・・・・。
・・・・難しいな。

↑のわけかただと、>>192は18禁になる。
194名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 22:42:37 ID:/ttI+e31
>>192

えっ!なになにどれのこと?
195名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 22:50:55 ID:m8OMdMYw
多分今週のマガジンではないだろうか
見てないが
196名無しさん@秘密の花園:2007/06/06(水) 23:17:45 ID:/ttI+e31
まとめ管理人さん見てくれるかな?

木乃香「せっちゃんの里帰りの話し,後編しかあらへんねぇ?」
刹那「あ,それなら前半がクラフトさんの62のところにありますよ。」
木乃香「あ,ホントや。後編だけスレ7の70におるやん。」

木乃香,クラフトさんの故郷を読みなおす。

刹那(父上,母上,私はこの方といて幸せですよ。)
木乃香「今度うちのことおいていったらメっやで♥」
刹那「ははは。肝に命じておきます。(なんか黒いオーラが見えますぅ〜)。」
197まとめ”管理”人:2007/06/07(木) 02:50:27 ID:c4cHmpY5
>>186
ほとんどコテ同様だったんで独断でコテ扱いにしたけど、問題あるようなら戻すので連絡ください。
ちょくちょくサイトは覗いてるんでタイトルの確認とかは大丈夫なはず。
>>191
確認よろしく!
自分としては、18禁の基準は確認した人の判断でいいと思ってる。
ちなみに、自分は性的な喘ぎ入ってるのは18禁にしてこうかと思ってた。
>>196
タイトルで検索して最初のレスしかチェックしてなかったから見落としてたみたいだ・・・
スレ7にあった70をクラフトさんとこに移動しといた。

あと、各SSの説明は冒頭1〜3文ぐらいを表示させようかと。
誕生日とかのイベントSSだと説明文が被るのいっぱい出てきそうな気がしたんで
>>188の案を参考に冒頭表示の方向にしようと思う。
変更後に微妙だったらまた変えるかもしれんが、
今はこの方針でコツコツ直してくんで気長に待っててくれ。
198週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:03:45 ID:vvphh6sN

ゴロゴロ――

空が鳴っている・・・・。
まだその音は遠く、睡眠を妨げるほどのものではないが、いずれ寮の近くまで来て寮の住民たちを起こすだろう。

「・・・・・・・・すぅ・・・・」

横から寝息が聞こえた。
私が護衛すべき、近衛家のお嬢様。
そして、愛しいと思う幼馴染。
私の布団の中にいるその彼女は、とても幸せそうな顔で寝ている。
しかしこの彼女も、後に来る嵐で起きてしまうだろう・・・・。
その時までに戻ってこれるだろうか?

そう考えながらも、私は物音を立てないように静かに準備を済ませる。
今日も退魔の仕事だ。
そっとお嬢様の額を撫でると、私は静かに部屋を出た。

*

寮を出ると、まだ雨は降っていなかった。
少し予定の時刻を過ぎていたので、早足に集合場所へと向かう。
約束の場所では、仕事の相棒である龍宮が待っていた。

「遅かったな、刹那」
「・・・・物音を立てない様にするのに、てこずってな・・・・」
「そうか」
199週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:06:13 ID:vvphh6sN
龍宮は現在、実家の方で寝泊りしている。
実家の神社付近の魔物の活動が活発になってきたのを理由に、エヴァンジェリンさんと同じように特例が下りたのだ。
二人部屋に一人残された私・・・・そこにお嬢様が押しかけて来て、臨時でお嬢様と同居している。

「・・・・少し疲れているな? 今日は下だったのか?」

からかうような目で言われた。
こいつは・・・・同じ中学生のくせに、やけにこういうところに鋭い。
というか中学生である事すら疑わしい。

「・・・・切るぞ」
「そう怒るな」

ひと睨みしてやると、龍宮は両手をあげた。
それでもまだ目は笑っている。
本当に切ろうかと夕凪に手をかけたが、ぽつぽつと雨が降り出して、二人揃って目を上空に向けた。

「・・・・早めに終わらせるとしよう、これから嵐になる」
「承知」

仕事モードになり、龍宮は現場へと歩き出した。
しかし私は、何かすっきりとしない。
もやもやとした気持ちを残したまま・・・・龍宮の後を追いかけた。

*

――ザシュッ!

一体、また一体と確実に魔物を削っていく。
天候が荒れているせいか、魔物の動きも鈍い。
魔物が苦手とする光・・・・雷光が瞬く度に怯んでくれるので、比較的やりやすい調伏となった。
200週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:07:27 ID:vvphh6sN

魔物が私の背後に回り込んでくる。
しかし振り向く必要もない。
目の前の敵に集中した。


――ザンッ! ドンッ!

目の前の敵を切ると同時に響く、龍宮の銃声。
それにより背後の敵が倒れた。
なんも変わりのない、いつものカバーリングだ。
・・・・これで任務完了。

「反応が鈍い。それと、なんだ最後のは?」

いつも一緒に仕事をしているからか、龍宮は私のわずかなミスに気付いたようだ。
最後の一打の際・・・・わずかに足を滑らせたのを。

「・・・・雨だからだろう」
「それが言い訳か?」

冷ややかな目線が痛い。
返答を間違えた、と思う。
一応はこれからも世話になる相棒だ、強引に誤魔化すわけにもいかなかった。

「何でもない。あえて言うなら"スランプ"だ」
「・・・・この時期は雨の中の任務も増える。足元はしっかりと見ておけ」
201週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:08:41 ID:vvphh6sN

ガァン!

頭上で起きる、耳が割れるような大きな雷鳴。
本格的に嵐がやってきた。

「これからはもう少し、頭を冷やしてから仕事に出てくることだ」
「・・・・」

そのまま私は龍宮と別れた。
・・・・喧嘩別れ・・・・すっきりしない。
油断すれば命がなくなる仕事なのだから、龍宮の言う事が正しいのはわかっている。
特に最近は色々な所にミスが多くなっていて、龍宮に迷惑をかけていた。
それでついに龍宮の堪忍袋の尾が切れたといった所だ。

「・・・・わかってる、でも・・・・」

誰もいないところで呟いた言い訳。
それは雷鳴により、かき消された。
この目から流れる雫も、豪雨によってわからなくなっていた。

*

寮に戻ると、意外にも寮の中は静穏だった。
予想では半分以上の部屋に明かりが灯り、お祭りのように賑やかであると思っていたのだが。
なんでもイベントにしたがるクラスなので、こういった嵐でもヒートアップするのだ。
202週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:09:48 ID:vvphh6sN

「せっちゃん? おかえり〜!」

自室に入ると部屋から声がかかった。
しかし相手の元気な声とは裏腹に、部屋は真っ暗。

「お嬢様? 起きていらっしゃるなら、電気をつけて・・・・」
「つかないんよ。停電してるのかも」

なるほど・・・・予想外に他の部屋に電気が付いていないと思ったら、停電か。
試しに部屋の廊下の電灯スイッチをいじってみたが、反応はなかった。
寮の廊下の電気がついていたのは・・・・予備の電源が働いているのかもしれない。
そう一人納得していると、奥の方で気配が近づいてきた。

「お嬢様、暗いのであんまり動かない方が・・・・」
「うちは大丈夫やえ・・・・でもせっちゃんがびしょ濡れ・・・・」

どうやら若干明るい廊下から来た私よりも、ずっとこの暗闇にいたお嬢様の方が目が慣れているらしい。
わずかな光を頼りに、お嬢様は私に辿り着いていた。

「雨降るってわかっとったのに、何も用意しないでいったん?」
「・・・・この仕事を、傘を差してするのですか?」
「・・・・・・・・無理やね」

クスっと笑い声が聞こえた。
その声に釣られて私も笑う。
お嬢様は"次までに動き易いレインコート用意しておくね"と言い、私に抱きついてきた。
203週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:10:56 ID:vvphh6sN

「・・・・濡れますよ?」
「平気」
「お嬢様が風邪をひいてしまいます・・・・」
「・・・・平気」
「冷たく、ないですか?」
「今はせっちゃんの方が心配。最近、調子悪そうやったし」

・・・・気付かれていた、私が不調であることに。
どう返せばいいのかわからず、しばらくそのまま無言で立ち尽くす。
お嬢様の体温・・・・そして、瞬く雷光と鳴り響く雷鳴だけが、この暗闇の中で感じる確かな刺激だった。

「・・・・悩みがあるわけではないです」

雷鳴の合間を縫って、ポツリと出る言葉。

「なんというか・・・・スランプ、です」

理由は・・・・きっと、お嬢様にあるのだけれど。
それはあえて伏せておいた。

「・・・・少し、外で泣いてきた?」
「・・・・暗いのによくわかりますね・・・・」
「せっちゃん、やから」

・・・・お嬢様には何も隠せない。
隠そうとしてもすぐに気付かれて、踏み込まれてしまう。
しかし、なぜかその距離感は心地が良いものだった。
思わず抱き締め返すと、お嬢様は身を震わせる。
204週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:11:46 ID:vvphh6sN

「・・・・仕事で、何かあったん?」
「少し、ミスをしてしまいまして・・・・前々からミスはあったのですが、今日はついに龍宮とケンカしてしまいました」

お嬢様だけの前で漏らす弱音、愚痴。
今こうしている間は護衛ではなく、幼馴染として。
厳格に育てられた私は、予想外の出来事・・・・特に、慣れていない友人関係のトラブルには滅法弱い。
お嬢様もそれを知っているから、そういった事で困った時はいつも相談に乗ってくれる。

「ケンカやなんて、珍しいね」
「はい・・・・あんまりしたことないので、どうすればいいのやら・・・・」
「ケンカいっぱいする人は、あんまおらへんと思うえ。せやからあんま深く考えんと」

京都弁独特の、まったりとした優しい口調。
そして頭を撫でられる。
それらは傷付いた心にはとても刺激的で、また泣きそうになってしまう・・・・。

「・・・・どうする・・・・べきでしょうか?」
「謝るのも大切やけど・・・・その前に、根本的な問題の解決やね」
「・・・・不調の回復、ですね」

とはいっても、このスランプの理由は・・・・お嬢様に対する邪な感情だ。
その感情を確かめるように、お嬢様を抱き締める腕に力を込める。

「・・・・っ・・・・とりあえず、部屋に戻ろ?」
「あ、はい・・・・」

・・・・気付かれなかった? それともはぐらかされた?
205週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:13:03 ID:vvphh6sN

夕凪を玄関に立て掛けて、足元に注意しながら部屋に入る。
私の身体から滴る水で床が濡れてしまったが、これは明日にでも片付ければ良いだろう。
とりあえず今は、身の心配をした方が良い。

「せっちゃんの身体暖めなあかんけど・・・・シャワーは真っ暗で危ないしなぁ・・・・」
「私は平気ですので・・・・お嬢様は私の予備のパジャマに着替えて、お休みになってください」

非常用の懐中電灯を取り出し、タンスの中から未使用のパジャマを取り出してお嬢様に渡した。
私はお嬢様に背を向け、濡れた仕事着を脱ぐ。
サラシまでびっしょりだったので、ショーツだけになりタオルで雨水を拭った。
お嬢様の眼前での着替えは少し照れくさかったが、暗闇を理由に何とか耐える。

「・・・・せっちゃん」
「はい? ・・・・うわっ!?」

呼ばれて振り向くと、お嬢様がすぐ傍に迫っていた。
そっと触れてくる・・・・って、お嬢様も服を着ていない・・・・!?

「おおお、お嬢様!?」
「せっちゃんの身体冷たいなぁ・・・・風邪ひかんとええけど・・・・」
「・・・・ですから、私は大丈夫・・・・ふぁ・・・・っ」

お嬢様は私の敏感な場所に手を這わせていた。
冷え切った身体に、お嬢様の体温が染み渡る。
私の頭の中では、数時間前の事がフラッシュバックされていた。

「お、嬢さま・・・・あのっ・・・・」
「・・・・いろいろ我慢しとるから、失敗してまうんやない?」
「・・・・こ、公私混合は、いけませんので・・・・」
206週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:15:15 ID:vvphh6sN

そう・・・・今日も出掛ける前に、お嬢様と肌を合わせる一歩手前まできていたのだ。
気持ちを確認しあっている仲であり、そのうえ邪魔が入らない"同居"というシチュエーション。
それにより私とお嬢様は、自然とお互いを求め合おうとしていた。
しかし何とか理性を保った私は"仕事前に疲れ果てるのはダメだ"と、なんとか持ち直してお嬢様を一人で寝かせた。
・・・・結果的に、それが原因で仕事に集中できなかったのだけれど。

「もう今日は仕事ないし・・・・ええやん?」
「・・・・明日も学校が・・・・もうこんな時間、ですし・・・・っんぁ」
「これでお預けもろうたら、ウチも授業に集中できへん・・・・」

お嬢様の愛撫により力が抜けていく。
たしかにこの状態でお預けを食らえば、もやもやとしたものがさらに溜まってしまうだろう。
かといって学業は学生にとって義務だし、公私混合は・・・・。

「・・・・あかんなぁ、せやから我慢せーへんでええって言うとるのに」
「・・・・・・・・う・・・・あっ!?」
「これはそうやなぁ・・・・ウチがせっちゃんの事、無理矢理慰めるしかあらへんな?」

魔性の笑み・・・・暗くてよくわからないのだが、そんなお嬢様の顔が脳裏に浮かんだ。
そういえば最近、仕事続きでお預けが続いていたっけ・・・・欲求不満なのは私も同じだ。

私の性感帯に触れつつ、お嬢様は確実に私を追い詰めていく。
冷えた身体にお嬢様の体温が心地いい・・・・。
そして理性が削られていくと共に、欲望が渦巻いていく。
自らの手で奪いたい、その体温を。

「そろそろ、我慢できなくなってきたんとちゃう?」
「・・・・ぅ・・・・っ」
「素直やな・・・・ひゃっ!?」
207週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:16:41 ID:vvphh6sN

私はお嬢様の胸に手を這わせていた。
お嬢様は、私が完全な受けになると思っていたのだろう。
この少し反撃で、簡単に体勢が崩れてしまった。

「ふぁ・・・・せっちゃん、今日は積極的やな・・・・」
「たまには・・・・いいでしょう?」
「・・・・あかん。ウチがせっちゃんの事、慰めたいん」

普段だったら、ここで私がお嬢様に譲る。
しかし色々と溜まっていた私は、引くつもりなどなかった。

「・・・・ふぅ・・・・っはぁ・・・・」
「ひゃん・・・・あっ・・・・」

雷鳴が鳴り響く中、私とお嬢様の欲望がぶつかり合う。
性感に支配されると視力や聴覚が麻痺するというが、まさにその通りだった。
雷鳴も雷光もまったく気にならず、ただ目の前のお嬢様に囚われていた。

与えられる快楽に耐え、お嬢様の敏感な部分に触れていく。
渦巻くのは"支配したい"という邪な感情。

「・・・・引く気無し、やね・・・・」
「残念ながら・・・・」
「ほなら・・・・勝負してみーひん?」
208週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:18:02 ID:vvphh6sN

・・・・勝負?
そんな私の疑問をよそに、お嬢様が私の手を引いてベッドに向かう。
逆らう理由もないので、私は大人しくついていった。

「最後まで攻め切った方が、明日一日相手を自由にできる・・・・ってのはどう?」
「・・・・つまり、最終的に組み伏せられていた方が負け・・・・ですね」
「そうやね」

遊びを混ぜた、お嬢様らしい案だった。
しかしお嬢様に勝算はあるのだろうか?
正直言って、体力や腕力はお嬢様より私の方が強い。
さらには今の私は自制が外れた状態・・・・お嬢様が私に敵うはずはない。

「・・・・手加減はしませんが?」
「ええよ、ウチやって全力でいくからな〜」

――先手必勝。
先にお嬢様を押し倒す。
しかしそんな状況にもかかわらず、お嬢様は余裕の笑みを見せていた。
その笑みは雷光でしっかりと浮かび上がり、私の脳裏に妙に印象深く焼き付いていた――。

*

「せっちゃん、へこんどるん?」
「・・・・かなり」

勝負の結果は・・・・見ての通り、私の負けだった。
最初は良かったのだけれど・・・・まさに油断大敵。
勝ちを確信して手を緩めたところに、媚薬を盛られてしまった。
それに気付き、なんとか薬が効く前に決着をつけようとしたが・・・・、即効薬だったようで攻めきる前に無力化されてしまったのだ。
209週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:18:57 ID:vvphh6sN
「龍宮に言われたばかりなのに・・・・お嬢様にまで足元をすくわれて・・・・うぅ」
「せっちゃ〜ん・・・・そんな凹まんといて〜」

ベッドから出る気力が沸かない。
調子が悪いわけではなく・・・・非力なお嬢様に良い様に組み伏せられたという敗北感に押し潰されていた。

「せっちゃんってばー!」
「・・・・はい・・・・うぐっ!?」

痺れを切らしたお嬢様が、飛び乗ってきた。
顔が・・・・近い・・・・。

「そないに、くよくよせんと! また次があるえ?」
「・・・・でももう、何もかも自信が・・・・」

あぁ本当に・・・・仕事ではミスをするし、お嬢様との賭けにも負けるし。
踏んだり蹴ったりとは、まさにこの事だ。
しばらく立ち直れないかも・・・・。

「約束、覚えとる?」
「・・・・・・・・何をすれば、いいのですか?」
「えへへv」

何を企んでいるのか、お嬢様は嬉しそうに私の上から退いた。
私は今日初めて身体を起こして、気を引き締める。
これ以上、ミスはしたくない。

「それはな〜・・・・今日は一日、お休み!」
「え?」
「せっちゃんは今日、ずっとこの部屋におる事! それが命令や」

というと・・・・私は今日学校に行けない・・・・という事だろうか?
210週間テーマ 『雷』:2007/06/07(木) 04:20:51 ID:vvphh6sN

「・・・・だだだ、だめです! 学業は学生の義務であり――」
「せやからそれが駄目なんや。せっちゃんは頑張りすぎ」

ぴしゃりと言われ、反論する事はできない。

「それと・・・・ウチも休むからな」
「え、と・・・・」
「お互いもやもやした気持ち、今日一日使うて発散しよなv」

お嬢様はすばやく私の背後に回りこみ、後ろから抱き締めてきた。
後ろから・・・ということは、私からは手を出す事ができない。
お嬢様の手が私の胸に触れると、ビクッと全身に電撃のような刺激が走った。

「ちょっ、お嬢様・・・・まだ、薬の効果が・・・・っ!?」
「それは好都合やv」
「あっ、だめ・・・・あぁぁぁっ!?」

外は快晴だけれど・・・・どうやらこの部屋にはまだ嵐が停滞しているらしい。
痺れるような快楽の中で私は、"まだまだこの嵐は過ぎそうにもないな・・・・"と脱出を諦める事にしたのだった。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『同居 [秋様]』『雷』『1日休憩』『不調』

"どちらも譲らないけど、結局は刹那が負ける"というのを書きたかった。
週間テーマなので、あまり時間をかけずに箇条書きでなおかつソフトに。
ですので細かいツッコミは・・・・無しで・・・・^^;
・・・・公私混合と公私混同、どっちが正しいかわからない。
211名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 16:58:42 ID:F80OO0ji
おお!神キタ!
GJです!!
212名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 17:33:47 ID:HV78z3jy
GJ!!攻めお嬢様もええわw
213名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 21:50:48 ID:uTii3mkk
クラフト大明神降臨!GJ!!
214名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 21:52:21 ID:YwdPQlod
>>210 GJ!!!!!!!
215名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 22:16:44 ID:KUFDCjXV
うっはwこの文章力と萌え力は…まさに神の所行だなw
216名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 23:04:37 ID:W1qBlelK
>>215
同感!GJ!GJ!
おあずけせっちゃんと煽るこのちゃんに萌えた♪
……本番読みたくならね?

>>210
ちなみに公私混同だな?
217名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 23:10:17 ID:O+Omo6DI
>>210
超GJ!まったくいつもすげぇよあんたはw

公私混同 の検索結果 約 308,000 件
公私混合 の検索結果 約 187,000 件

混合は聞いたこと無かったぜ。でもどっちもあるみたい?
あと個人的に「(夕凪で)切る」は「斬る」の字がしっくり来る気がするぜ!
218名無しさん@秘密の花園:2007/06/07(木) 23:26:37 ID:W1qBlelK
>>217
ふーん。結構あるんだな。
goo辞書(出典大辞林)によれば,

混同:区別しなければならないものを同じものとして扱うこと。
混合:性質の違う物がまざりあうこと。まぜあわせること。

意味的には公私は「混同」がよさそうだが,
このせつの場合は「混合」でもよさそうだな。

……なんでこんなに突っ込むかって?
それは今執筆中のSSが神SSとそっくりなシチュだったから!(ツンデレ風に)
しかもできばえは………。orz x 2
>>210 萌えたぜコンチキショー♥
219名無しさん@秘密の花園:2007/06/08(金) 04:00:44 ID:8kReIShr
>>210
公私混同が正しいですね。
有名人や芸能人などが結構間違えて、
公私混合と使って勘違いしてしまってる人が結構いるみたいです。
220名無しさん@秘密の花園:2007/06/08(金) 22:23:48 ID:eXE2WSm3
カットされた本番キボン
221名無しさん@秘密の花園:2007/06/08(金) 23:01:16 ID:PPO0jfxT
ここのスレって単行本派の人に気使わないといけないの?
222名無しさん@秘密の花園:2007/06/08(金) 23:25:08 ID:oI0yNaEt
特別気を使わなくってもよいと思うよ。
ネタばれに関しては>>1にあったよね。

>>192>>195
みたみた2ショット♪萌えた。
浴衣このせつと,さり気にバックの花が
超燃え。

>>210
やっぱ本番読みたいわ。オイラ読んだ翌日に
木乃香に煽られるせっちゃんを思い出して
鼻血でそうになったゾ(藁)。
223名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:50:43 ID:z1htO2sO
駄作行きまーす。
神SSの後で気が引けますが,
次にまた神SSが来ると信じてます♪
224名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:52:09 ID:z1htO2sO
いつだってちょっとしたすれ違いが不安を誘う。
人生,そんなことの繰り返しだろ?
でもそれって,自分を試されてるってことなのかもしれないな。

◇◆◇

退魔の仕事の前は気持ちが昂ぶる。命を賭す緊張感と不安。
この仕事はお嬢様をお守りすることに繋がるのだと思うと,使命感という
名の炎も一層強く燃え上がる。

木乃香お嬢様…。貴方のお命は,この桜咲刹那が命をかけてお守り致します。

いつものように気持ちを集中させ,龍宮と共に仕事に向かう。今回の仕事は
データ上は大したことのない輩。とはいえ,ほんの些細な失敗や集中力の無さが
取り返しのつかぬ失敗を招きかねない。それだけは,常に肝に命じていた。
どんな相手であっても,万全を期し,必ず無事にお嬢様の御許へ戻ってくる…。

「顔がにやけてるぞ。気を抜くな。」

龍宮は歩みを止め,私の顔を見てそう言うと,また何事も無かったように移動を始めた。
私の頭の中ではシリアスな考えを持っていたつもりだったが,私の表情は
それとは相反していたらしい。それは恐らく先ほど木乃香お嬢様から頂いた
メールが原因だろう。

『せっちゃん。夜のお仕事終わったら,うちに会いに来てね♥』

仕事のときは,あまり私に干渉しないようになされておいでだったが,最近は度々
激励のメールを下さったりする。でも珍しいこともあるものだ。いつもなら,
私が帰宅した頃を見計らって部屋のほうへいらっしゃるのに…。
225名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:53:47 ID:z1htO2sO
何にせよ,仕事の後の殺伐とした気持ちのまま明日を迎えるよりは,一刻も早く
お嬢様に癒されたいと思うのは紛う方なき私の本心だ。
早く仕事を終わらせて木乃香お嬢様に会いたいと願う浮き足立った自分がいた。

そんなときだ,携帯がなったのは。手にとるとお嬢様からの着信。まだ現場に行く前
だったので電源は切っていなかった。慌てて電話に出る。受話口からお嬢様の声が聞こえた。

「せっちゃん。いそがしいとこ堪忍してや。今晩,別れて……。」

用件が済まないまま,通話は途切れてしまった。慌てて掛け直すも繋がらない。
何事か起きたのかと,気を巡らすが危険な気配は感じられなかった。種々の結果から,
物理的な障害と判断できた。慌てて掛けつける心配はなさそうだが,一体お嬢様は
どのようなご用件だったのだろう。最後の一言が気になる。

『……今晩,別れて……。』

『……別れて……』

誰と?

私に……?

……誰と?

龍宮?

まさか木乃香お嬢様と?
226名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:54:56 ID:z1htO2sO
私の脳裏にぐるぐると数々の疑問が巡る。しかし解決しないまま,仕事を行う
羽目になってしまった。ここに来るまで,普段なら邪魔が入らないようにと,
早々に電源を切って道具を確認するのに,先ほどの電話が気になって電源を
切ることができないでいた。あれから,何度もお嬢様に掛け直したが
コールセンターの定型文が流れるだけだった。通話の途切れ方が気になり,
用件を確認しようと何度もお嬢様に電話をかけていたせいで,
普段から積極的に使わない私の携帯の充電は切れてしまった。

常日頃,音信を途絶えないように注意していたのに,今日に限って意に添わぬ
結果となる。こういう良くわからない状況が,なんともいえない妙な空気を作り出す。
冴えない予感。

しかし,時は一刻を争う。既に現場に到着し,ミッション開始までのカウントダウンが
始まろうとしていた。龍宮に早く準備しろとせっつかれる。仕方がないので,一呼吸し,
なんとか気を落ちつかせて集中力を取り戻す。手早く周囲を確認し次の動作に移った。
息を凝らし,作戦を反復し,龍宮と呼吸を合わせる。

ターゲットの気配を感じる。先陣を切ったのは龍宮だった。

漆黒の闇の中での退魔戦が始まった。
227名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:56:00 ID:z1htO2sO
◇◆◇

「まったく。お前のせいでいくつ無駄弾を使ったことか。」

今日のターゲットは大したことのない相手だったはずだ。しかし思いのほか梃子摺り,
龍宮の言う無駄弾の消費に繋がったようだ。

「なんだ,今日の精細を欠いていた太刀筋は。」

龍宮には珍しく,くどくどと愚痴られた。そんなこと言われなくてもわかっている。
自分でもどうかしていると思うような冴えない戦いだった。原因もわかっている。
私の集中力に乱れが生じるのは,お嬢様の関わる問題以外にはないからだ。
自分に対する憤りが何処までも,自分の中で吹き荒ぶ。
そんな私に龍宮は,一通り愚痴ってから,原因について言及した。

「……近衛からの電話だろう。」

用件はなんだと真名は問うが,それは私だって知りたいことだった。
一体お嬢様は私に何を伝えようとしたのか。仕事の前に来たメールは

『せっちゃん。夜のお仕事終わったら,うちに会いに来てね♥』

仕事の直前に来た電話では,

『せっちゃん。いそがしいとこ堪忍してや。今晩,別れて……。』

お嬢様は何が言いたかったんだ?と思わずそう龍宮にこぼしてしまった。
228名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:57:44 ID:z1htO2sO
「なんだお前達,盛大に結ばれたと思ったらもう終わりか。儚かったな。」

龍宮の解釈では,お嬢様の”別れて”の対象は私のようだった。

「そ……そんなことはない。どうしてたったあれだけでそんなことが言えるんだ。」

思いもかけない龍宮の反応に戸惑いを隠せない。考えたくないもない未来は脳裏から
消去されていたからだ。しかし龍宮は言う。冷静な推理だ,と。
そして龍宮なりの考察を述べはじめた。

「まず,珍しく部屋に来てと連絡があった。そして,簡潔に用件を述べるために
 携帯を使った。さらに,携帯が繋がらない。ということはだ,もう連絡とりたくない
 という意志の現れなんじゃないのか。」

ここまで言わせるかと言う顔をして,龍宮は続けた。

「……それとも何か?近衛の誘いを無下にするお前に愛想を尽かしたとか。」

(な……何の話しをしている!!!)

こぶしをワナワナと震わすも,突込みをいれる元気もなかった。

信じたくない未来が現実に起こりそうな不安。まだお嬢様ご本人から
聞いたわけでもないのに,別れが迫っているかもしれない不安に駆られる。
お嬢様との数々の記憶が走馬灯のように流れていった。
例えどんなことでも私はきっと動揺なんてしない。天と地がひっくり返っても,
西から太陽が昇っても,それでも私は動揺なんてしないだろう。
お嬢様だからこそ,こんなにまで私を不安にさせるのだ。
229名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:58:38 ID:z1htO2sO
普段のように食ってかからない私に調子を崩したのか,龍宮は真面目な口調で私を
諭し始めた。

「早く行け。どんな事情にしろ,あのお嬢様はお前を踏みにじるようなことはしないさ。」

とにかくきちんと話し合ってくるのだ,と私の背中を押す。
そうだ。わからないことや知らないという不安要素がこんなにも私を追い詰めているのだ。
私の信じたお嬢様だ。何かきっと,きっと事情がおありなのだ。

不安を不安のまま抱いているよりも,振り切ってしまいたい。そして気持ち良くお嬢様の
護衛の任に戻れば良いのだ。私には過ぎた想いだったと,自分を慰めることもできよう。

「すまん龍宮。先に帰っててくれ。私はお嬢様のお部屋に寄ってから行く。」

重い足を引きずりながら,私は真実の扉を開きにお嬢様の部屋へ向かった。

「もう,無駄弾を使わせるなよ。」

優しさのこもった龍宮の一言は,私の背中に向けられたものだったが,
私の元へ届くことはなかった。
230名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 00:59:28 ID:z1htO2sO
◇◆◇

覚悟は極めてきたものの,やはり気持ちは重い。お嬢様に会ったら,なんてお尋ねすれば
良いのだろう。ドアの前で,しばらく逡巡する。そのとき私の頭の中では別れを切り出す
お嬢様がシミュレートされていた。

すると,不意にドアが開けられる。そっと開く隙間から顔を覗かせるのは,愛してやまない
木乃香お嬢様だった。

「やっぱ,せっちゃんか。なんかそんな気がしたんや。」

にこっと微笑むお嬢様の顔を目にすると,私の中の緊張感が音を立てて切れた気がした。
心の内面から涌き出てくる不安感。堰を切ったようにあふれ出てくる複雑な感情。

「……せっちゃん?」

にっこり微笑むお嬢様を前にして,とうとう私の感情は面に現れてしまった。
お嬢様と離れることなんてできない。お互いの気持ちを知ってしまった今,
例えお嬢様が心変わりしようとも,私にはまだ受け入れることなんてできない。

「……ない。」

「どないしたん?思い詰めた顔して。」
「別れたくない。」

「???」

木乃香の頭上に疑問の記号が並ぶ。

「うち,このちゃんと別れとうない。うちのこと捨てないで。」
231名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:00:59 ID:z1htO2sO
言ってしまった。私の目に涙が溜まっていくのがわかる。抑えきれない気持ちが
涙に姿を変えて,どんどん溢れ出していく。とうに枯れ果てたと思ったのに,
涙なんか見せない,強い精神を鍛えてきたはずなのに…。
でもお嬢様だけは,この手で掴んだ幸せの形だけは,どうしても手放すことはできない。
しかし,お嬢様が望むのであれば…。

そう思うと,私はお嬢様を力いっぱい抱き締め,顔を寄せて泣いていた。
もしかしたらお嬢様の体温を,香りを傍で感じることができるのはこれで最後かもしれない。
そんな思いも,私を後押ししていた。

「ムぎゅ。くるしぃなぁ。一体何の話し?」

別れ話を切り出されると信じてやまなかった私の耳に届くのは,お嬢様の無邪気な感想だった。

「うち,せっちゃん捨てる気なんて全然あらへんで?」

その言葉を聞いて今度は私の頭上に疑問の記号が飛ぶ。涙ぐみながら,木乃香の
顔を見るためにきつく抱き締めていた腕をわずかに解いた。

「だってお嬢様,私と別れ話をするために今日お呼びになったんじゃ…。」

今度はお嬢様の目が点になる。そして,ぷっと笑い出すとにこやかな笑顔で私の鼻を摘んだ。

「なんでそないなことになっとんのや〜。うちはただせっちゃんの分まであんみつ作ったから食べに
きて欲しかっただけやぇ。」

(!えっ!!!)

だってそんなこと一言も書いてなかったじゃないですか!
焦り始めて言動も怪しい私だったが,それでも問いを止めることはできなかった。
232名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:02:16 ID:z1htO2sO
「だってそのあと携帯で…。」
「あれは,龍宮さんの分までないから一緒に来たらあかんよって言おうと思っただけなんよ〜。」

でも充電切れてしもうて,かけられんかったし,その後もう繋がらんかったしな,と
けろっとした顔で次々と木乃香は真実を明らかにする。

お嬢様の衝撃的な発言を聞くうちに,涙ぐむまで思い詰めていた自分は,
大きな間違いを犯していることに気付いた。

「それじゃ……全部…勘違い……ですか?」
「なんかそうみたいやなw」

そうお嬢様に言われて,改めて自分の勘違いを認識すると,私の顔面は”カ−−−−−−!”
という効果音が適切なほど紅潮してしまった。文字通り,顔から火が出そうなほど熱い。
もうあんみつどころの騒ぎではない。どうしたら自分の醜態を取り繕えるのか。
お嬢様を腕に抱きながら,しばらく硬直しているとお嬢様から不穏なオーラが漂ってきた。

「……でも,せっちゃんがまさか”捨てないで”って泣いて立ってるとは思わんかったぇ。」
「//////……無邪気に言わないで下さい。真剣だったんですから。」

「でも,かいかったぇ。せっちゃん。」

そう言うとお嬢様は,私の両頬に手を添え,私の涙を唇で拭われる。
そして涙の跡に沿って滑っていく。優しく宥めるように運ばれてくるお嬢様の唇の感触。
流した涙の数だけキスの雨を降らすかのように…。
ああ,やはり捕らわれているのだ。お嬢様の優しさに…。

「…うちがせっちゃんのこと捨てるなんてあるわけないやろ。」
「……お…お嬢様……。」
233名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:03:48 ID:z1htO2sO
そう言って,私の唇にそっと触れる,間違いなくそれはお嬢様の唇。
私の不安を取り除くように優しく丹念に丹念に,私を味わい尽くしていく。
お嬢様とのキスに夢中になりかけたその時,奥からアスナさんの声が聞こえた。

「木乃香〜。刹那さんだったの〜?」

その声で我を取り戻した。折角の優しいキスだったがお嬢様に行為の中止を求めた。

「あっアスナさんに見られちゃいますよ。お止めくださいっ。」
「ええから。」

まったく動じない冷静なお嬢様の対応に私の制止は効果を失ってしまった。
しかし,それでもやはり他人の目を気にしないわけにはいかない。

「ダメですって,お嬢様……あっ。」

更に深くねじ込まれるお嬢様の舌先。ダメだ…口の中の敏感な部分ももう既に
知り尽くされている。アスナさんの足音が聞こえる。もう後少しでアスナさん
がここへ来てしまう!

「止めてくださ……んんんっ!」

アスナさんがお嬢様の姿を見つけたとき,それは,私が木乃香お嬢様に深く口付けられて
身動きが取れなくなってしまった瞬間だった。

「!!-------------。」

事情を良く知らないアスナさんは,数秒フリーズしていたようだった。無論私も
見られたショックにフリーズ状態だった。アスナさんに見られた恥ずかしさと,
自分の醜態とが私の頭の上をぐるぐると回り,昂ぶった感情の結果は杜撰なものだった。
ぽろぽろと涙をこぼして,木乃香お嬢様に力なく訴える自分がいた。
234名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:04:46 ID:z1htO2sO
「あちゃ。見られてもうたか。」

玄関口での騒ぎを聞いて,もう一人の同居人が顔を見せた。

「あれ?どうしたんですか皆さん。刹那さん泣いてますよ。何かあったんですか?」

「せっちゃん。堪忍してや。もう泣かんと。ね♥」
「ひっく,このちゃ…だめ…ゆうたのに…ひっく。」

どうにも格好がつかなかったが,お嬢様は私を宥めながら部屋の中へと連れていって下さった。

◇◆◇

「あんなぁ,うちせっちゃんのために愛を込めて作ったんよw。」

テーブルの上に広げられたのは,どれもハート型をした寒天の数々だった。
呆然とする私を前に,アスナさんは,ぼそっと呟いた。

「………やっぱりね。なんとなく感付いてたわよ。」
「/////……(お嬢様。恥かしくて何も言えません。)」
「そやったん?別に隠しといたわけやないけどな。」

あんみつを味わいながら,お嬢様はあっけらかんとお返事される。

「だって,刹那さん。木乃香最近変なのよ。」

とアスナさんは最近部屋で起こったお嬢様の話題を,延々とお話下さいました。
お部屋でどんなことをなさっているんですか?お嬢様。恥かしすぎて
何も申し上げることができませんよ。
235名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:06:25 ID:z1htO2sO
「なぁ,せっちゃん。」

折角のお嬢様の手作りデザートを味わおうと,寒天の一つを口に運ぼうとしたとき,
神妙な顔つきのお嬢様に問い掛けられた。

「今回のことは,せっちゃんがうちのこと信じてなかったってことなんよね?」

そんな簡単にうちが「別れる」言うなんて思っとるん?とにこやかな笑顔の裏に
黒いオーラが少し滲んでいたのは気のせいではないだろう。

「…はぁ。お恥かしながら。」

口元に運ぼうとしたスプーンをグラスに戻し,私は視線を下げて頷いた。
だって本当のことだったから。今回の出来事は,自分の常に持っている不安が
何かをきっかけに姿を見せたに過ぎなかったのだ。

今回は,メール,携帯,そして,龍宮の煽り…。

増長した不安に駆られて,自分の思いに自信をなくし,私はお嬢様すら信じていなかった
自分に驚いたのだ。貴方を守ると,貴方を愛していると言ったのに,
私は……お嬢様のことを……。

神妙な面持ちで,今日の自分の軽率な行動をふりかえった。それは結局,龍宮や
お嬢様に迷惑をかけ,仕事の失敗まで引き起こしかねない杜撰な行為だった。
私が自分で反省していることを感じてくださっているのだろう。
お嬢様はそんな私に呆れもせず,甘い囁きで私を誘う。

「……うちのお願い聞いてくれる?」

絶妙なタイミングで繰り出される木乃香の上目使い。これに打ち勝つ兵は
そうはいない。私も例外ではなかった。
236名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:07:16 ID:z1htO2sO
「/////……はい。なんなりと。」
「あ〜ん,して♥」

は?私は一瞬お嬢様の言ったことが理解できなかった。

「もう。だから,あ〜ん,してや♥」
「ちょ,お,お嬢様。ア,アスナさんもネギ先生もいるんですよ!」

これはきっとお嬢様からのおしおきだ。お嬢様はご存知なのだ。私がこういうことを
人前で披露するのが人一倍苦手だということを。

「ええやん。減るもんやなし。」
「わっ私の羞恥心は減ります。」

結局私は木乃香お嬢様に言いくるめられて,用意していただいたあんみつを全部お嬢様に
食べさせていただく羽目になった。私の羞恥心が削られていく間に両サイドから聞こえて
くる一言。

「この二人,バカップルね。」
「そうですね。」
237名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:08:36 ID:z1htO2sO
後日談

刹那「お嬢様。なんであんみつなのに龍宮を誘ってはいけなかったんですか?無いって言ってた割に
量はあったと思うんですが。」
木乃香「せっちゃんが見られた無いんやないかとおもてなw」
刹那「何をですか?」
木乃香「あ〜ん,や♥」
刹那「/////(確信犯だったんですね。)//////」
238名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:11:34 ID:z1htO2sO
おわりでーす。
駄作の癖して長かったですね。
お目汚し失礼しました。
239名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:26:58 ID:Zj1lbiU2
>>238
これのどこが駄作なんだwwよかったぜwww



ただ、ちょっと気になったこと。

携帯は「充電が切れる」んじゃなくて「電池が切れる」んだぜ。
俺の周りも結構言ってるから不思議に思ってるんだが、そもそも「充電」の本来の意味からすると「充電が切れる」は日本語的におかしいはず。

あと、>>236
「…減るもんやなし。」じゃなくて「…減るもんやないし。」じゃね?



書いてから思った。
指摘が細かすぎてすまんかった。今では反省している。

でも超GJだぜ!!!!1
240名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:35:19 ID:z1htO2sO
激感激!こんな時間に見てる人がいた!GJさんくすw
「充電が切れる」に納得。確かに「電池が切れる」んだね。
普通に耳に馴染んでるから考えもしなかったみたいだ。(自分)

「減るもんやなし」は舌足らず的な感じがするかと思ったんだけど
「減るもんやないし」の方がええな。

「ええやん。減るもんやなし〜。」
「ええやん。減るもんやなし〜♥。」
「ええやん。減るもんやないし〜。」

とバリエーションを付けてみる。
指摘ありがとうございますです。
241名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 01:56:28 ID:1EvNftKt
GJ!!
242名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 07:58:05 ID:0vOU9I9h
朝からニヤけてしまった。GJ!
243名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 10:33:03 ID:5snoEMgO
GJ!!このせつは公認の仲だもんなぁw
244名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 14:08:12 ID:z1htO2sO
今週の2ショットこのせつに萌えた。
そして生まれた妄想がこれだ!
ストーリー性もあったもんじゃないが
浴衣着せたかったんだよ〜(T^T)。
じゃ,そういうわけで駄文投下。
2451/6:2007/06/09(土) 14:08:58 ID:z1htO2sO
「木乃香やけど,せっちゃんおる?」

いつものようにせっちゃんの部屋に顔を出す。普段なら,
龍宮さんは銃の手入れを,せっちゃんは夕凪のお手入れをしている。
でも今日は少し様子が違ってた。

「近衛か,…静かにしてやってくれ。」
「どうかしたん?」

龍宮さんは”しーっ”と口の前に指を立てて,声を出さないようにと
ジェスチャーをとっていた。うちも釣られて声を潜めて龍宮さんと言葉を交わす。

「刹那がな,今調度昼寝にしはじめたところなんだ。」

せっちゃんがお昼寝なんて珍しいこともあるもんやね?そう思ってせっちゃんが
部屋のどこににおるんか目で追ってみた。あれ?ベッドにはおらん。
部屋のぐるりに視線を巡らすと,……おった。テーブルの脇でクッション枕にしとる。

「私はちょっと出かけてくるから,近衛,刹那のこと見ててやってくれ。」

龍宮さんのお願いに軽く頷いて,部屋から見送ったけど,もう外には楓さんがお迎えに来てた。
いつもとあんまりかわらんように見えたけど,今日の龍宮さん。何かお洒落やったな。

喋る人がおらんようになって,せっちゃんの部屋には静寂が訪れた。
時々聞こえてくるのは,せっちゃんの寝息と衣ずれの音。
うちは部屋に上がってせっちゃんの様子を窺った。

(わぁ。ほんまによう寝とるわ。)
2462/6:2007/06/09(土) 14:10:27 ID:z1htO2sO
すぅすぅと軽い寝息が聞こえる。せっちゃんとしては珍しい格好やな。
サファリシャツにジョギングパンツか。今日はいい天気やもんなぁ。
でも”あんよ”がとってもセクシーやw。

少し汗ばむ手前くらいの調度良い初夏の空気の中に,刹那の脚線美は惜しげもなく晒されてた。
龍宮が開けたのだろうか。窓からは心地良い風が入ってくる。さわさわと新緑の匂いを
ふんだんに取りいれたそよ風が,木乃香と刹那の頬を撫でる。

(穏やかやな。時間が止まっとるみたいや。)

せっちゃんの寝顔と柔らかい空気に包まれて,なんか気持ちが休まった。

なんやリッラクスした気分になって,うちは持ってきた荷物を広げた。
そっと,そぅっと。せっちゃんを起さんように…。

うちが手にとってるんは,和服の布地,取り分け夏らしい色合いを選んだ。
夏祭りのために用意した浴衣だ。布地にはまだ仕立て用の白いしつけ糸が施してある。

「……ん………」

なんや,まだ寝とんのか。うちは起きたんかと思ったえ。せっちゃんはもぞもぞと
うちの方へ体を向けるように寝返りを打った。
邪気のない寝顔…。うちを惹きつけて止まない愛しい人…。うちは浴衣を元へ戻すと,
せっちゃんの顔がよう見えるように隣に寝転がった。

可愛ええなぁ,せっちゃん。こないな顔してても,せっちゃんはうちよりも
ずっと,ずぅっと強いんやもんな。うちもせっちゃんのこと守ってあげたいのに…。

最近退魔の仕事が急がしいゆうてたけど、そのせいで十分休めてないんやろな。
うちが……もっとせっちゃんのためにしてあげられることないんかな……。
2473/6:2007/06/09(土) 14:11:35 ID:z1htO2sO
うちが色々と思いを巡らせていると,せっちゃんの目がゆっくり開いた。

「……ふぁ?……お……嬢様?」

その寝ぼけた様子が,ほんまに可愛らしゅうて,思わずうち,お目覚めのキスしてもうたわ。

「おはよーさんやね。せっちゃん♪」

寝ぼけている間の目覚めのキスは効果絶大だったみたいや。目の前にいるうちのこと確認すると,
慌てて飛び起きて,後退りしおった。

「お…おじょ…おじょ…おじょうさま…なんで…ここに?」

動揺するせっちゃんがまた可愛らしいなぁ。うちの前だけで見せてくれるせっちゃんの素顔。
本当は,辛いときや苦しいときも一緒に共有したいんやけどな。
せっちゃんがうちに安らぎを求めとる間は,うちがせっちゃんのこと癒してあげるわ。

「う〜ん。せっちゃんの寝顔観察やな。」

うちは力一杯すっとぼけた。そして後退ったせっちゃんの傍に寄り添おうと近付いたんや。

「せっちゃんは照れ屋さんやな。他に誰もおらんぇ。うちに甘えてくれてもええやん。」

そういってせっちゃんの頭を抱えてうちの胸元に引き寄せる。せっちゃんも観念したみたい。
うちに頭抱え込まれたまま,大人しく擦り寄ってきよる。

「疲れとるん?」
「……ちょっとだけ……ですが……。」
2484/6:2007/06/09(土) 14:12:51 ID:z1htO2sO
居心地よさそうに鼻先をうちに摺り寄せてくるせっちゃんは,子犬みたいに可愛らしい。

「もうちょっと……寝ててもええよ?」
「いえ……。」

せっちゃんはうちの背中に腕を回して,逆にうちのことを引き寄せる。

「もう少し……こうしていてもいいですか?」

それに応えるように今度はうちがせっちゃんに擦り寄った。

◇◆◇

どれくらいそうしていたのだろう。初夏の穏やかな空気の中でせっちゃんと抱き締めあって
温もりを共有した。何も言ってくれるわけやないけど,うちのこと必要としててくれるゆう
のはわかる。うちはもっと素肌で感じあってもええと思うとるんやけど。

「……ありがとうございました。」

少し気持ちが落ち着いたのか,せっちゃんはうちにお礼を言う。
そんなこと言わんでもええのに。でも晴々としたせっちゃんの顔を見とると,
なんかちょっと恥かしくなってしもうて,うちは話題を換えた。

「せや。浴衣合わせてみてや。夏祭りんとき一緒に着よ♪」

うちはせっちゃんの手を引いて立たせ,せっちゃんのための浴衣を合わせる。
うちに甘えてくれへんせっちゃんにちょっと寂しく思ったけど,実際甘えられると
なんや照れてしまうんよ。そんな自分の気持ちを誤魔化すみたいに,てきぱきと
せっちゃんに浴衣を着せていった。
2495/6:2007/06/09(土) 14:14:12 ID:z1htO2sO
「っ………。(うちの見立ては)完璧や。」

せっちゃんの女性らしさを存分に引き出す,ちょっとお淑やかな色目…。
可憐な花を連想させる佇まい…。

うち,思わず見とれてもうた……。

「/////……似合いますか?」

恥かしそうにしながら,せっちゃんはうちの目の前で一回転して見せた。
やっぱりせっちゃんやて女の子やね。気に入ってもらえたみたいや。

ではお嬢様も,そう言ってせっちゃんはうちに浴衣を着せる。
お互い手馴れたもんや。

「はい,できあがり。」

うちも和服美人に変身する。二人で並ぶと,背景に百合が似合いそうや。

「楽しみやね。夏祭り。」
「楽しみですね。」

せっちゃんにそう言ってにっこり微笑みかけると,せっちゃんも本当に嬉しそうに
にっこりと微笑み返してくれた。また一緒に夏祭りに行けることがこんなに嬉しい
なんてな。

「……私は,来年も再来年もずっとお嬢様と一緒に夏祭りに行きたいです。」

ちょっとだけ頬を紅く染め,せっちゃんはうちに言うた。
言葉通りの意味でないことは言わなくてもわかる。それじゃうちの言いたいことも
わかってくれるんかな?
2506/6:2007/06/09(土) 14:15:00 ID:z1htO2sO
「ずっと,これからもうちの隣にいてや。」
「…はい。必ず。」

せっちゃんの短い一言。
でもその言葉に秘められた想いは,うちの胸に心地良く染み渡っていった。
すがすがしい空気の中で交わされた,
せっちゃんとうちの永久(とわ)の約束……。
251名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 14:18:04 ID:z1htO2sO
駄文投下おわりでーす。
お目汚し失礼しました。

ほんま浴衣せっちゃんええわ〜♪

この流れに乗せてこのせつエロに持ちこむ
プロットも考えてます〜。
浴衣を剥くシーンはない予定ですが。
252名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 14:27:09 ID:5snoEMgO
GJ!!せっちゃん萌えぇ
253名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 17:24:24 ID:1EvNftKt
GJ!!!2人ともかわいすぎ
254名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 22:40:11 ID:GiOuvSQg
>>251
ぜひ剥いてくれwwww

GJ!!!!!!!1
255名無しさん@秘密の花園:2007/06/09(土) 22:55:09 ID:gRNBxOdg
GJ!所々のせっちゃんがかわいすぎて鼻血が!
新たなるネ申ここに聖誕せり!
256名無しさん@秘密の花園:2007/06/10(日) 03:21:40 ID:In+Rdtx+
>>251
GJ!!!
そしてエロwktk!!
257まとめ”管理”人:2007/06/10(日) 17:10:32 ID:yWsQlNhb
職人のみなさんいつもGJ!

まとめサイト現在までの投下分まで反映終了。
各SSのタイトルとか拾える限り拾って見やすくしたつもり。
18禁はまだページの準備とかできてないからそのままだけど・・・
258名無しさん@秘密の花園:2007/06/10(日) 18:08:40 ID:07Jua0qL
>>257
乙です!!!
259名無しさん@秘密の花園:2007/06/10(日) 22:32:16 ID:G2MWpo+7
>>257
探しやすくなったね。乙!
260名無しさん@秘密の花園:2007/06/10(日) 22:48:13 ID:pj6f1LRH
>>257
乙であります
261名無しさん@秘密の花園:2007/06/11(月) 19:42:22 ID:22ZTwS+e
>>251
GJ!いいよいいよー!

>>257
乙!愛してるよ!w
262名無しさん@秘密の花園:2007/06/12(火) 03:05:43 ID:yKpfmu3r
>>251
ほんといいね!あの浴衣姿だけでよくここまで膨らませられるなぁ。
263名無しさん@秘密の花園:2007/06/12(火) 10:52:31 ID:4majGRe7
あ、今週のテーマは?
264名無しさん@秘密の花園:2007/06/12(火) 12:39:24 ID:6mIy8eT/
「頬を伝う一滴の涙」
265名無しさん@秘密の花園:2007/06/12(火) 23:45:16 ID:ommh38hG
>>250 の続編です。
まだエチなしです。
妄想の暴走と思っておおめに見てくださいな。
一言だけ今週のテーマに触れてみました。
それでは駄作投下します。
2661/8:2007/06/12(火) 23:45:56 ID:ommh38hG
初夏のさわやかな風が心地良い,休日の午後。木乃香は合わせた刹那の浴衣と
自分のそれを綺麗にたたんで,お茶を用意して戻ってきた刹那からそれを受けとった。

「それにしても…」

飲み物に口をつけ,一息つく。

「せっちゃんがお昼寝って珍しいこともあるんやな。」

刹那の体がピクっと反応した。表情もやや硬い。しかし木乃香はそれは気にせず
またお茶をすする。木乃香が感じた珍しいこと,それは昼寝以外にもあった。
刹那の立ち姿を下から上まで眺めると,その見事な脚線美に思わず溜息をつく。

「それに今日の服はあんよがとってもセクシーやw」
「あのっ…そのっ…今日は……。」

刹那は慌ててひざを畳み,敢えて指摘しなくてもいいのにと木乃香をジト目で見つつ,
グラスに口をつけた。刹那らしからぬ服装をしていたのにはそれなりの理由があった。
2672/8:2007/06/12(火) 23:47:16 ID:ommh38hG
◇◆◇

「最近かまっているのか?」

仕事の後処理の最中に不意に投げかけられた真名から刹那への問い掛け。

「ん?何をだ?」

質問の意図に見当もつかず,刹那は手は動かたまま質問を投げ返す。

「近衛だ。」

刹那はパンパンと手を払い。背筋を伸ばして振り向いた。

「お前には関係ない。」

つっけんどんな口調で言い捨て,帰り支度を始めた。その様子に呆れた真名は刹那の隣に
移動し,自分も帰り支度をしながら話す。

「あまり放っておくと…………………………………………捨てられるぞ。」

後半ボソッと聞こえた真名のその言葉に刹那の手が一瞬止まる。

(ホント。単純だなコイツは……。)

憎まれ口をたたきつつも,実は木乃香のことが気になってしかたがない刹那だった。
真名に図星を突かれ,やや面食らった点もあったのだろう。最近退魔の仕事も立て続けに
依頼があり,刹那にとっては少々オーバーワーク気味であった。
余裕のある笑みで絡んでくる真名の鼻を明かしてやろうと刹那は同じ質問を返した。
2683/8:2007/06/12(火) 23:48:27 ID:ommh38hG
「そう言うお前はどうなのだ。龍宮。お前だって最近ずっと私と一緒だったではないか。」

同じく図星を突いてやろうと,刹那は狙った質問のつもりだったが,真名はしれっとした
口調でつぶさに切り返した。

「ん?私か?…帰ったらご奉仕だ。明日の晩は外で泊まるから,近衛を連れ込んでも大丈夫だぞ。」

真名の言動が刹那の胸に突き刺さる。真名は意味深げに刹那の耳元で言葉を続ける。

「お前の大好きなお嬢様にも偶にはサービスしないと……な。」

真名は”な”を強調した。どんな思いが込められているのか,刹那は感付いたようである。
片方の眉を吊り上げ,頬を赤らめる。

「わっ私はお前のような節操無しではない!」
「…顔に………欲求不満ですって書いてあるぞ。」
「うひゃっ?!」

刹那は慌てて顔を両手で覆う。…が,まんまと嵌められたことを,真名が腹を抱えて
苦しそうに笑っている姿から悟った。

「まぁ,ひとまず帰ろうか。」

そう言って二人は寮への帰路についた。

◇◆◇
2694/8:2007/06/12(火) 23:50:12 ID:ommh38hG
寮に戻ると部屋の前に人影が見えた。刹那は決して見間違えなどしない。それは木乃香だった。
帰りを待っていたのか,うろうろと周囲の様子を窺っている。廊下を歩いてくる二人の気配に気付いたのか,大きく手を降って自分の存在を二人に知らせていた。
ドアの前で立ち止まる。真名は木乃香に挨拶をすると,すぐに部屋に入ってしまった。
静けさの広がる廊下に二人の気配だけが残った。

「お疲れ様やね。せっちゃん。」
「ずっとここにおいでだったんですか?まだお寒いでしょうに。どうぞ中へ入ってください。」
「ええねん。せっちゃんの元気な顔見れただけでうちはええんや。」
「お嬢様……。」
「疲れてるとこ堪忍な。お休みせっちゃん。また明日お邪魔するえ。」

そういって軽く刹那にキスしてその場を去っていった。長居しなかったのは刹那への気遣いからか。
そう思うと刹那の胸は切なくて堪らなかった。今すぐにでもこの手で抱き締めたいと思うのは,
けしておかしいことではないはずだ。しかし去っていく木乃香の背中を追うことは無かった。

「ん?近衛は?」

てっきり入ってくるものだと思っていた真名は着替えを済ませた後,部屋を片付けてくれていた。

「……戻られた。」

刹那はボソッ呟くと,やるせなく荷物を置き,服を脱ぎ捨てた。刹那は,木乃香に心配をかけさせていたことを今更ながらに痛感し,何も気遣いができなかった自分に腹が立っていた。

「荒っぽいな…。……サービス……必要だったろ?」

様々なところに気が回る真名が少し憎かった。

「……お嬢様には,どんなサービスが良いのだろうな?」

悔しさを全身で表現して,刹那は真名に相談を持ちかけた。そんな刹那の姿を見て,優しそうに真名は微笑んで見せた。
2705/8:2007/06/12(火) 23:51:11 ID:ommh38hG
◇◆◇

「起きろ,刹那。今日は暑いぞ。」

早起きの刹那には珍しく,真名に起された。どうも今日は夏日なるらしい。早朝から
夏の匂いが部屋中に広がっていた。

「私はまだ夏服を用意してないぞ。」

寝ぼけながら,刹那は真名に言う。一呼吸後,顔に何かがぶつかってきた。

「今日1日部屋にいるんだろう。それでも着ていろ。」

投げつけられたのは,真名の服だった。184cmの真名の服を151cmの刹那が着る。
細身の刹那が着ると予想以上に大きめで,そのダブダブ感は非常にラフそうに見える。
着なれない服を着た刹那が落ちつかない様子だったのを見て,真名は楽しそうに言い放った。

「それを着てれば今日は良いことあるぞ,刹那。」
「なんか嫌な言いかただな。龍宮。」

真名が言うと何でも不穏そうに聞こえてしまう,最近の刹那の耳はそうだった。

「他意はない。久しぶりの休日だ。今日くらいゆっくりしていてもバチは当らんさ。」

そうだな,今日はゆっくりさせてもらうよ,と言って刹那はクッションを枕に横になった。
いつしか刹那はうつらうつら仕出す。昼寝なんかめったにしない刹那だったが,
相当疲れていたのか,この日は,随分と気持ち良く眠りについていった。
2716/8:2007/06/12(火) 23:53:01 ID:ommh38hG
◇◆◇

というような事情のもと,今の刹那に至る。刹那は普段からきっちりしているせいか,
今日は随分雰囲気が違った。髪は下ろしていて,服は非常にラフ。肌の露出面が多いために,
透き通るような白い素肌がまぶしく感じた。

木乃香はそんな刹那を眺めつつ,ドリンクを口にする。特に意識したわけでもないのに
木乃香の視線は刹那の足元に引き寄せられてしまう。今刹那は正座を横に崩したような
姿勢をとっている。自然と目がいってしまうのは肌触りの良さそうな太もも。

(なんやなぁ,今日のせっちゃんて,ほんま色っぽいわぁ。)

ぼや〜と刹那を眺めながら口に運んだグラスには,もう中身が入ってなかった。
知らずに思いっきりストローを吸ってしまった木乃香は,自分で出した
大きな音に驚いて,変な声を出してしまった。

「どうなさったんですか?お嬢様。」
「ななんっ,なんでもないえっ」

驚き気味に少し誤魔化しながら木乃香はまた視線を戻す。大き目のシャツのせいで
首筋から胸元が大きくはだけていた。

(今日のせっちゃん,なんやとっても……。)

木乃香は,普段刹那のことを自分をを守る騎士的な存在と思っていた節があったが,
今日の刹那からはそんな雰囲気は微塵もしなかった。また,浴衣の効果もあったのか
非常に女性らしさが際立ってみえた。そんな刹那に自分が抱いている感情はなんと表現して
良いのか,木乃香にはまだ良くわからなかった。

木乃香は手に持っていたグラスをテーブルの上に戻し,木乃香のほうを向いて微笑みかける
刹那に声をかけた。
2727/8:2007/06/12(火) 23:54:07 ID:ommh38hG
「……あんなっ。傍に行ってもええ?」
「はい。もちろんです。」

いつもならそんな風に聞かずに過剰なスキンシップを施す木乃香だったが,なぜか今日はそう
聞いてしまった。刹那の隣に木乃香がすすっと寄添い,子犬のようにピタッとくっつく。
刹那はそんな木乃香に目を細めながら,優しく髪を漉く。

「…お嬢様。気を使わせてしまって済みませんでした。」
「ん?何のこと?」
「昨夜,会いに来て下さって,その…嬉しかったです。」
「そんなん。ええんよ。うちがしたくてそうしただけやし。」

刹那は木乃香の肩を抱き寄せる。手は優しく木乃香の髪を撫でたまま。

「いえ。いくら仕事とはいえお嬢様に寂しい思いをさせるなど…。私が至らなかったのです。」
「……せっちゃん。」
「……しかし,これからもこのような事態は度々あるでしょう。」

木乃香は刹那の腕の動きに合わせて,顔を刹那の首筋に埋めた。木乃香の額に刹那の頬が触れる。

「…ですから,伝えておきたいことがあるんです。」

恥かしいので,そのままで聞いていてくださいと,姿勢を正そうとした木乃香を刹那が制した。

「お嬢様が待っていてくださるから,私は貴方の元へ戻ってこれるのです。片時も,貴方のことが
 私の胸の内から消えることはありません。そのことだけは,貴方にきちんと伝えておきたかった。」

くっと腕に力をこめ、刹那は木乃香を更に抱き寄せた。木乃香は自分の肩を抱き寄せる刹那の手に触れ,
顔を刹那に向けた。その瞳には木乃香のひたむきさと,意志を現すきらめきが宿っていた。

「うちは大丈夫やえ。今はまだ役立たずやけど、きっとせっちゃんのこと手伝えるくらい強うなるから。」
2738/8:2007/06/12(火) 23:57:29 ID:ommh38hG
木乃香の,いつかは自分も一緒に戦う,いつも一緒だと言う宣言を聞いて,刹那はなにか胸の奥が熱く
なるような感じがした。そのとき,刹那の頬を一滴の涙が伝ったが,木乃香がそれに気付くことは無かった。

「……おっお嬢様。今回の埋め合わせに,何がいいのか考えていたのです。」
「?」
「……結局,名案は浮かばなかったのですが…。」

刹那が紅潮した顔でオロオロとしている様子を楽しそうに眺めていた。そっと刹那の頬に手を沿え,
落ちつかんとあかんえ,と刹那を諭した。気を取り直して,刹那は言う。

「私がお嬢様に言われて嬉しいことを私もお嬢様にお伝えしようかと思いまして…。」
「うちがせっちゃんにいうた嬉しいこと?」
「そうです。」

なんやろ?と首を傾げつつ木乃香は色々と思い浮かべたが,特に思い浮かばなかった。
刹那はすぅっと息を吸いこみ,これ以上無いくらいに優しく木乃香に微笑みかける。

「今日はうちのこと,このちゃんの好きにしてええよ。」

木乃香はその顔と,言葉を聞いて思わず胸が跳ねた。それは,木乃香が刹那と肌を重ねるとき,
良く口にする言葉だった。

「///…貴方がこう言うとき,私はいつも貴方に出会えて良かったと思いますよ。」

自分の全てを受け入れてくれる,自分を愛してくれてるとそう思うと,とても心が安らぎます,っと
木乃香を胸に抱き締め,刹那はボソッと恥かしそうに呟いた。胸の中がほくほくと暖かくなるのを感じて
木乃香は嬉しくなった。

「今日のせっちゃんやるなぁ…。それじゃ,今日はうちがせっちゃんのことどれだけ愛してるか教えたげるな。」

そう言って木乃香の魅惑的な唇は刹那のそれに重なっていった。
274名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 00:01:18 ID:Pm0dVGq2
終わりで〜す。

懲りずに続きます。今度こそこのせつエチ書くゾ。
この間のクラフトさんの”お預け”ほどエロく書けネェなァ。
でも一応志して。

お目汚し失礼しました。
275名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 00:21:06 ID:dUMih4zq
GJ!!萌える、萌えるぞ〜
276名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 00:40:23 ID:6TejURmY
せっちゃんのエロさに悶死orz
最高だ。GJ!!
277名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 01:19:48 ID:jOqFmew+
GJ!!ワクテカして待ってる!!
278名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 07:53:54 ID:Fafm90CI
>>>276
まて、なぜorzするんだw


くそぅ、ここの職人はGJ過ぎて涙がでる。
まとめの管理人さんも最高だ!
279名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 22:22:26 ID:QDTB08s9
GJ!!

wktkwktk
280名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 23:07:50 ID:WY/UfMFW
初心者ですいません。 まとめサイトって何処にあります?
281名無しさん@秘密の花園:2007/06/13(水) 23:25:07 ID:Pm0dVGq2
>>275-279

GJさんくす!もちっとお付き合いくださいませ♪

>>280 >>1参照のこと。

まとめサイト更新早くてGJです!
管理人様ありがとう。
282名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 01:16:11 ID:RpbyPxav
>>274
GJ!!!!!!!!111



お節介だと思うが、どうしても言いたいんだ、スマソ。

>>267上部
『…刹那は手は動かたまま…』
これは多分ただの誤字・脱字だろうけど、
『…刹那は手を動かしたまま…』
でいいんじゃね?

>>269
『…ボソッ呟くと…』
コレは脱字(=『と』が抜けてる)?



続き期待してるぜw
ワッフルワッフル
283名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 06:39:13 ID:vpbcSYGb
このせつだらけだったPCがぶっこわれた・・・orz
284名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 14:47:58 ID:siFeYJne
>>274
うはっここで終わりかよww十分「お預け」状態だぜ_ト ̄|○
わっふるわっふる!!

>>283
がんがれ…
285名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 19:38:54 ID:HyHBPs5z
>>284
どうでもいいがソレはしまってもらおうかw
286名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 22:12:02 ID:yMi9/JNh
>>282
ホントだよ。全然気付かなかったorz
何回も読み直しなのに〜。

こう言うのってテンション上がってくるとこで見つけると,
一気に下がるんだよね。今後気をつけますデス。
ご指摘ありがとう。でも書き直せないのが残念。
287このか:2007/06/14(木) 22:57:47 ID:C4QKQhcD
どうする
キスぐらいしてやるか?
そうすればこの人類に進化できなかった生物とも
もうこれっきりや
288282:2007/06/14(木) 23:43:07 ID:HpVzvqYt
>>286
テンション下げてスマンかった。今では反省している。


wktkしながら続編待ってるぜ!!1
289名無しさん@秘密の花園:2007/06/14(木) 23:58:12 ID:A3bxF2Xm
>>287
何、この悪このかwww
290名無しさん@秘密の花園:2007/06/15(金) 13:48:30 ID:N33YyP1e
wktkして待ってるでござる。ニンニン。
291名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 00:17:46 ID:qi+5/nmJ
>>282
日本語て難しいな。
下がるのはウチのテンションちゃうで?
読者が読んでるときにって話しで……。

むしろお主のテンションが下がったかもと心配したでござるよニンニン。
おっしゃー。続き頑張るぜい♪
292名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 01:10:52 ID:XPv3bSqJ
時間無くてクオリティ低いけど、週間テーマで時間あらへんから投下するえ。
ちょいと長いから、いくつかに分けるな〜。
293週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:11:53 ID:XPv3bSqJ

「あまり、私に話し掛けないでください」

静かで冷たい言葉が、胸に突き刺さった。
理由を訊ねたい・・・・しかし言葉が出てこない。

「では、仕事がありますので」

そう言うと、相手は外へと歩き出す。
――ただ、立ち尽くすしかできなかった。

*

「今日はハムエッグでもええかな〜?」

まだ寮も静かな早朝、近衛木乃香は同居人たちの為に朝食を作ろうとしていた。
最初中学生になったばかりの頃は、僚友の明日菜だけに作れば良かった。
しかし2年の3学期になってからネギが増え・・・・3年の修学旅行が終わってからは、さらに幼馴染の分が増えた。
とはいえそれは木乃香にとって決して嫌な事ではなく、世話好きである為に苦にもならない。
とくに、幼馴染に食べてもらえる事は喜ばしいことだった。

「うーん、お味噌汁も――」
「――ただいまー」
「あれ、アスナ〜? 忘れ物?」

いつもよりも早めに僚友の神楽坂明日菜が戻ってきた。
今の時間だと、おそらく新聞配達のバイトが終わったばかりだろう。
この後には木乃香の幼馴染、桜咲刹那との朝練があるはずだ。
294週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:12:53 ID:XPv3bSqJ

「ううん、刹那さんがしばらくお休みにしてほしいって・・・・」
「へ? 何かあったん?」
「さぁ・・・・木乃香は何か聞いてないの?」

そう言われて考えてみるが、木乃香にも思い当たる事はなかった。
朝ご飯はどうするのかとメールをしてみたが、返事もなかなか戻って来ない。
時間も経ちネギも戻ってきたので、仕方なく今日は三人で朝食をとる事になった。

「刹那さんが返事返さないなんて珍しいね」
「お仕事じゃないですか?」
「そうやったら、連絡入れてくれるはずやし・・・・」

木乃香は不安が隠せなかった。
明日菜の言う通り、刹那がまったく連絡を入れないという事はとても珍しい。

「もっかい電話してみて――」
「アスナさん、このかさん! 時間、時間!」
「ひゃ、こらあかんわ・・・・遅刻してまうえ」

どうやら三人はゆっくりと話し込みすぎたようだ。
大急ぎで食器を片付け、寮を飛び出した。
一気に廊下を駈け抜けて階段を下りる。

『あっ・・・・』

寮の階段を駆け下りる途中、木乃香たちは刹那とばったりと合流した。
しかしその出会いに、刹那は顔をしかめる。
295週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:13:36 ID:XPv3bSqJ

「おはよう、刹那さん!」
「おはようございます、刹那さん」
「おはようさん〜!」
「・・・・・・・・おはようございます」

三人はいつも通りに、刹那に挨拶。
しかし刹那はいつもとは違い、やや俯きがちに挨拶を返した。
その反応に木乃香が疑問を感じる。

「せっちゃん・・・・何かあったん?」
「・・・・いえ、特に何もありません」

静かで冷たい言葉が戻ってきた。
木乃香は驚き、少し目を見開いて黙る。
その刹那の反応に驚いたのは、ネギと明日菜もであった。

「あー、あの、刹那さ――」
「すみません、急ぎますので先に行ってます」

フォローにまわろうとした明日菜を刹那は軽く流し、その場を後にしてしまった。
一緒に行っても先に行っても、目的地は同じ学校・・・・わざわざ別々に登校する理由など無いはず。
刹那の急な変化に、その場にいた三人は首を傾げるしかできなかった。

*

「意外と早く登校できたね」
「明日菜さんが速いんですよ・・・・あ、僕は職員室に行かないといけないので」
「はいな、お仕事頑張ってなネギ君・・・・あっ」
296週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:14:26 ID:XPv3bSqJ

無事遅刻せずに登校する事ができた木乃香たち。
その目線の先には、寮で別れた刹那の姿があった。
すかさず明日菜が話しかけようとするが、既に刹那は学生ではない他者と会話をしていた。

「誰だろ・・・・? このか知ってる?」
「ううん、知らへんなぁ・・・・」

中学三年生の木乃香たちが知らないので、中等部の教師ではないようである。
刹那はやや緊張気味に話していたが、注目する木乃香と明日菜に気付くとすぐに相手と別れた。
そして刹那もすぐにその場を立ち去ろうとする。

「あ、刹那さん! ちょっと話が――」
「・・・・」

・・・・刹那は一礼だけすると、その場を立ち去ってしまった。

(せっちゃん・・・・どないしたん・・・・?)

木乃香の中に渦巻く不安。
刹那の雰囲気は、かつて木乃香と距離をとっていた頃の様であった。
そして木乃香は昔のように・・・・ただ刹那が立ち去る後姿を見ている事しかできなかった。

*

その後も幾度となく明日菜が話しかけてみるが、刹那の態度は変わらなかった。
ネギに対してもそれはそうで、英語の時間でネギもそれに気付いた。
木乃香いたっては既にどうしていいかわからなくなってしまい、刹那に近づく事すらできない。
297週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:16:36 ID:XPv3bSqJ

「このかさん、刹那さんと何かあったですか?」
「あ・・・・気付いてもうた?」
「これだけ不自然じゃねぇ・・・・」

昼休みになり、見かねた図書館組が近づいてきた。
いつも木乃香と刹那は一緒に昼食をとる為、昼になっても一緒に行動しないのは明らかに不自然だったのだ。

「喧嘩・・・・ですか〜?」
「そうやないん・・・・でも、急に昔に戻ってもうたみたいで・・・・どうしたらええか、もう・・・・」
「変化の前を教えていただけませんか? なにか原因がわかるかもしれませんし」

木乃香は思い出せるだけの事を全て話した。
異変の前、最後に会ったのは土曜日だという事。
日曜日は仕事があった為に会う事ができなかった事。
今日の朝に中等部教師で無い大人と会話をしていた事。

しかしそれらは退魔師である刹那には珍しい事ではなく、問題点を見つける事はできなかった。
今日になり突然、自分だけでなく明日菜やネギにも素っ気無くなってしまったのだ。

「うーん、これはあれだね。このかからガンガン話しかけてみたらどう?」
「ハルナ・・・・あの明日菜さんが失敗してるです、このかさんができるはずないですよ」
「本当にどうしたんだろう、桜咲さん――」
「・・・・・・・・せっちゃん・・・・」

木乃香は既に教室にいない刹那の名を呟く。
結局その後も、木乃香は刹那に話しかける事ができなかった。
298週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:17:52 ID:XPv3bSqJ

*

刹那に異変が起きてから四日が過ぎた。
あれから進展もなく、この一週間木乃香たちと刹那はまったく話す事ができていない。
木乃香の不安は絶望へと変わっていた。

「木乃香・・・・大丈夫?」
「・・・・ゴメンな、アスナ・・・・」
「具合悪いんですか? 薬出しましょうか?」
「体調は大丈夫やえ、ありがとなネギ君・・・・」

"刹那と会うのが怖い、拒絶されるのが怖い"
木乃香が思うのは、そんな不安と恐怖だった。
しばらくベッドにうつ伏せていた木乃香だったが、さすがに同居人たちの夕飯作りをサボるのもまずいと考えて起き上がる。

「ご飯、何がええ〜?」
「無理しなくていいわよ、一食ぐらい無くても良いし」
「あ、僕が何か作りますね」

・・・・木乃香は今回は特別に甘える事にした。
ベッドに寝転がり、今週を振り返ってみる。
一度も刹那と話らしい話をしていない。
刹那に触れていない。

(ウチ・・・・嫌われてもうたのかな・・・・)

ズキリと胸が痛む。
もうこのままずっと話せないのだろうか?
このまま、全てが終わってしまうのだろうか?
299週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:19:09 ID:XPv3bSqJ

(嫌や・・・・どないすればええの・・・・? せっちゃん、どうなってもうたの・・・・?)

――ピーンポーン

「はーい?」

突如鳴った玄関のベルに、明日菜が立ち上がった。
木乃香は一瞬期待して上体を起こしたが、玄関から聞こえてくる声で刹那でないとわかり再び寝転がる。

「このか〜、本屋ちゃんたちが来たよ」
「このかさん、大丈夫ですか――?」
「・・・・相当、きてるですね」
「あらら〜」

図書館組が訪れた理由は、刹那についてだった。
いい加減この状況に痺れを切らした夕映が、打開の作戦を持ち出したのである。
相手の名前さえわかればその人の心が覗ける、のどかのアーティファクトを使うと言い出したのだ。

「・・・・のどかの本で、せっちゃんの心を覗くん・・・・?」
「このままでは埒があかないので、もう強行突破してしまおうというわけです」
「わ、私は・・・・このかさんの判断次第で協力、しますけど・・・・」

木乃香は俯いて考え込む。
人の心を勝手に読むのは、最低な事だと思う。
かといって、このままの状況は正直言って辛い。
明日菜がいくら問い詰めても何も言わない刹那・・・・確かにこれしか方法はない。

「うん・・・・やってみよ」
「よしきた! さっき確認したらまだ刹那さんは寮にいるから、今のうちに覗いちゃおう!」
「のどか、よろしくです」
「は、はい――」
300週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 01:21:00 ID:XPv3bSqJ

続く              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

夕映の作戦は成功するのか!?
・・・・後半は明日投下します。
規制怖いっす。
301名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 01:39:15 ID:MB60t6zr
つまらん
お前の話はつまらん
302名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 01:52:36 ID:XPv3bSqJ
む、つまらんか、すまん。
じゃあ世代交代でもしますかね。
303名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 01:58:33 ID:ck9/CT+7
>>302
何を仰いますか!素晴らしいですよGJ!!!

>>301
つまらん
お前の釣りはつまらん
304名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 02:14:10 ID:Bd7GPzAA
>>300
GJ!!!!!
全く先の読めない展開…これはワクテカせずにいられない。
305名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 02:45:14 ID:B2fPI60q
>>302
荒らしは気にせずにどうぞ。
続きを期待してます。
306名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 02:50:11 ID:gx5lnp9g
「近衛 木乃香」
画数:近(7) 衛(16) 木(4) 乃(2) 香(9)

天画(家柄)23画 大吉 弁舌さわやか、頭角を現す
地画(個性)15画 大吉 思慮深く謙虚な性格
人画(才能)20画 凶  暗闇を手探りで歩く弱運
外画(対人)16画 大吉 凶も吉にしてしまう希有な強運
総画(総合)38画 中吉 サポート役になり大成功

評価 : 74.1点
モバイル姓名判断(http://n1.mogtan.jp/
307名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 03:35:15 ID:PGujp1Kj
>>302
GJ!!!!続きが気になるw
wktkして待ってます!
308名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 06:06:16 ID:Fw+KcZnj
>>302
続きが気になるなぁ
wktkして待ってる!
309名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 08:07:03 ID:QM8Ib6JF
>>302 GJ!続き早く読みたい
310名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 08:41:35 ID:qi+5/nmJ
>>300
続く?!まじっすか?!
この後どうなる刹那!!
展開が気になってしかたが無い。

GJ!早く続きが読みたい。wktk!
311名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 09:46:14 ID:US2osyr8
超ぐっじょぉぉぉぉおぶ!!!!!
荒らしなんてスルーですよ!
続きワクテカして待ってます!
312名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 11:35:41 ID:UIY8TDdF
んお・・・・荒らしに釣られてすまない・・・・。
今日も休日で無いため、投下は夕方以降になりそう。
きっとありきたりなオチになるが・・・・今日中に投下させていただきます。
313名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 12:22:07 ID:x9AUegJx
おおおクラフトさん来たかー!w忙しそうなのに毎週投下してくれて嬉しいぜ。
つか考えてみたらマジすごくね?乙!
314名無しさん@秘密の花園:2007/06/16(土) 23:46:53 ID:XPv3bSqJ
いま戻ってきました。
細かいチェックとかできてませんが、投下します。
先に胃っておきます、駄文sry
315週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:48:43 ID:XPv3bSqJ

ネギと明日菜を含む六人は、室内にいるであろう刹那に気付かれないように刹那の部屋に向かう。
就寝時間も近いからか、廊下にほとんど人影はなかった。

「後の問題は、誰が刹那さんに問いかけるかです」
「それなら私がやるわよ、いつも通り聞けばいいんでしょ?」
「う、ウチもいく・・・・!」
「じゃ、アスナとこのかでよろしくね。・・・・そろそろ覗けるんじゃない?」

明日菜と木乃香は、刹那の部屋に向かって歩き出した。
のどかもアーティファクトを取り出し、読心術の準備をする。

・・・・しかしここで、予想外の事態が起きてしまった。

「えーと〜・・・・"桜咲刹那"」
「・・・・呼びましたか?」
『えっ!?』

残っていたの四人が、一斉に後ろを向く。
そこには部屋にいると思っていた刹那が立っていた。
のどかはとっさにハルナとネギの後ろに隠れ、アーティファクトが刹那に見えないようにする。
さらにその後ろにいるのは夕映。

「せ、刹那さん、何をしてたんですか?」
「私は見まわりです。ネギ先生たちは何を?」
「そ、それはねぇ・・・・」
316週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:49:41 ID:XPv3bSqJ

ネギとハルナが時間を稼いでいる間に、夕映がのどかに合図をする。
それに答えて頷くのどか・・・・読心術の準備はできているようだ。
予想外にターゲットが近いが、"これはここで作戦を実行するべきだ"と夕映は判断した。

「刹那さん、お聞きします」
「はい?」
「なぜ、あなたはこのかさんを避けるのですか?」
「・・・・皆さんには、関係のないこと――あっ!?」
「あ、やっばい!」

ハルナがのどかのアーティファクトを覗こうと動いてしまった。
それにより、刹那はアーティファクトの存在に気付く。
しかし時は遅く、刹那の心が日記に記されていく――。

「ちょっとハルナ〜、刹那さんいないじゃない――」
「――きゃああぁぁ!?」

――ザンッ!!

「・・・・せっちゃん!? なにしとるん!?」
「っ・・・・!」

刹那の不在で戻ってきた明日菜と木乃香が見たもの。
それはのどかを・・・・正確にはのどかのアーティファクトを、夕凪で切り裂く刹那の姿だった。
まさか刹那がクラスメイトに刃を向けるとは思っていなかった夕映は、想定外の事に何も言う事ができない。
のどかは刃を向けられたショックで、地面に座りこんでしまった。
ハルナとネギも、突然の展開に驚いて立ち尽くしていた。
317週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:51:17 ID:XPv3bSqJ

「・・・・あなたの、差し金だったのですか?」
「う、ウチは・・・・」
「お嬢さま、すみませんが」

キッと刹那は木乃香を見る。
怒ったような鋭い眼光は、仕事の時のソレだった。

「あまり、私に話し掛けないでください」

静かで冷たいその言葉が、木乃香の胸に突き刺さる。
理由を訊ねたい・・・・しかし木乃香は言葉を出す事ができなかった。
刹那は立ち尽くす木乃香から目を逸らす。

「では、仕事がありますので」

そして刹那はその場を去った。
木乃香には呼び止める事ができなかった。
その場にいた全員が、何かに縛られたように動けない。

「・・・・あんの、馬鹿!」

明日菜の怒声が静寂を破った。
糸が切れたように、その場の全員が顔を見合わせる。

「ここで待ってなさい、このか! 私が引きずってでも連れ戻してくるから!」
「あ、アスナ!?」
「待つですアスナさん! 今の状況では追いかけても――」
318週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:53:25 ID:XPv3bSqJ

木乃香と夕映が止めようとしたが、明日菜は止まらず走り出した。
慌てて追いかける木乃香だったが、角を曲がったところで人とぶつかってしまう。
それにより転びかけた木乃香だったが、ぶつかった相手に手をとられて何とか踏み止まった。

「あ・・・・っ! か、堪忍!」
「大丈夫で・・・・おや、近衛殿ではござらんか」

ぶつかった相手は長瀬楓だった。
服装は忍者衣装であり、これから仕事だという事が見て取れる。

「今、急いで――」
「まぁまぁ、落ち着くでござる。刹那の事でござろう?」
「え・・・? 楓ちゃん、なにかしっとるん!?」
「シッ!」

楓はのんびりとした口調で、慌てる木乃香たちを抑える。
そして、静かに話し始めた。

「実は最近この周りに・・・・とくに刹那の周りに、妙な魔力を感じるでござるよ」
「へ?」
「式神でござるな。真名とも調査をしていたでござるが・・・・」

楓はすっと目を開き、周りに何も無いのを確認する。
そして警戒しつつも木乃香たちに告げた。

「刹那は何者かに見張られているようでござる・・・・おそらく、西からの圧力でござろう」

*
319週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:55:08 ID:XPv3bSqJ

「待って、刹那さん!!」
「なぜついてきたんですか? アスナさん」

薄暗い森の中、明日菜はやっと刹那に追いついた。
ここは龍宮神社の近くで、学園に迷い込んでくる下級の魔物が集まるように、特別な術が施されている。
それにより、学園側に雇われている退魔師たちはここで仕事をするのだ。

「なぜって・・・・さっきの事よ! ひどいじゃない!」
「・・・・勝手に心を覗こうとする方が、ひどいのでは?」
「なっ・・・・」

静かな森の中に感情のない声が響いた。
刹那は明日菜に背を向けており、肩越しに明日菜を見ていた。

「ここは危険です、早く戻ってください」
「・・・・嫌よ」
「仕事の・・・・邪魔です」

刹那は搾り出すように、冷たい言葉を放つ。
この相手が木乃香であれば、相手は即座に寮に戻ってくれたであろう。
ただし相手は完全に腹を立てた明日菜・・・・逆効果となってしまった。

「馬鹿じゃないの!? ちゃんと理由を言うまで・・・・ずっと追いかけてやるわ!」
「・・・・ですから、これから仕事・・・・うっ!?」

一気に距離を詰めた明日菜は、その手にアーティファクトを持っていた。
とっさに刹那も夕凪を抜き応戦する。

「な、なにを・・・・!?」
「馬鹿を引っ叩いて連れて帰るのよ!」
320週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/16(土) 23:56:23 ID:XPv3bSqJ

完全に頭に血が上った明日菜は、容赦なく刹那を叩きにかかる。
刹那も最初は防戦をしていたが、切りが無いとわかると攻撃に転じた。
峰打ちではあったが、その衝撃は明日菜を吹き飛ばす。

「きゃあ!」
「すみませんが仕事がありますので、無理にでも帰っていただきます!」
「いたた・・・・っ、こんのぉ!」

・・・・本来ならば戦闘のプロである刹那に、明日菜が敵うはずも無い。
だが刹那の動きはいつもより冴えてなかった。
刃を向ける相手が背を任せた事のある戦友であり、そして親友である明日菜の為に本気を出しきれないのだ。
明日菜が自分を思って行動している事も、刹那は理解していた。
しかし刹那も退くわけにはいかない理由があった。

「・・・・アスナさん、お願いですからここは引いて下さい!」
「だから、嫌だって言ってんでしょーが!」

どちらも譲らなかった。
お互い気を緩める事ができない状況で、二人は剣を交える。
その背後に潜む、闇の存在にも気付かなかった。

――・・・・。

ガキンッ

――グルル・・・・。

ガンッ

「・・・・っとと!」
321週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:00:35 ID:0o78vHW/

実戦経験の差が生じ、明日菜が押され始めた。
木の上での踏ん張りが利かずに、明日菜は地面へと降りる。

「やっぱ、刹那さん強――」
「・・・・ガアアアッ!!」
「っ!? アスナさん、危ない――!」

バキッ!

「せ・・・・刹那さん!!」

・・・・一瞬の出来事だった。 
明日菜が降りた地上には、今夜刹那が狩る予定だった魔物が待ち構えていたのである。
それに明日菜は気付かず・・・・先に気付いた刹那が、明日菜を庇った。

「ぐぅっ・・・・」
「刹那さん、しっかり・・・・くぅっ!」

明日菜は刹那を守る為に、魔物に立ち向かった。
しかし退魔の術を知らない明日菜には荷が重すぎる。
刹那から魔物を引き離すのが精一杯で、明日菜の身体も赤に染まっていった。

「アスナさん・・・・逃げてください・・・・っ」
「そ、そんなこと、できるわけないっ!」

しばらくその状態が続く。
このままでは明日菜までもが、魔物の牙に倒れてしまうだろう。
追い詰められていく明日菜に魔物が迫る。
322週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:03:23 ID:XPv3bSqJ

ピィィ――――ッ!

「え? な、なに?」

突如響いたのは、笛のような甲高い音。
その音に魔物が驚いて怯む。
明日菜がその音に振り向くと、それは刹那が上体を起こして指を咥えていた。
どうやら先ほどの音は、刹那の指笛だったらしい。

「・・・・アスナさん、私と一緒に引いて下さい・・・・っ」
「え、あ、うん・・・・!」

明日菜はひるんだ魔物から離れ、刹那を支えてその場を離れる。
しかし魔物は二人を見逃しはしなかった。
再び明日菜と刹那に魔物が迫る。
傷付いた二人に逃げ切る力は残ってなく、魔物の牙が二人に迫る――。

――ドンッドンッ!

「ギシャアアア!」
「きゃあ!?」
「・・・・危なかったな、神楽坂」
「龍宮さん!?」

響いた銃声と共に魔物は消滅する。
追い詰められた二人を助けたのは、刹那の仕事のパートナーである龍宮真名だった。

「どうしてここが・・・・」
「呼び子が聞こえたんでな、急いできた」
「よびこ・・・・?」
323週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:04:39 ID:0o78vHW/

先ほどの刹那の指笛は、"呼び子"と呼ばれるものだった。
耳障りな甲高い音を発する事で、遠くまで音を響かせる技術だ。
身近ではホイッスルとして商品化されていて、"呼子笛"とも呼ばれている。
刹那は魔物を怯ませる為だけではなく、龍宮を呼んでいたのだ。

「緊急で周りに救助を要求する場合に使われる指笛のことさ」
「さっきの音は龍宮さんを呼んでたのね・・・・って、刹那さん!?」

明日菜は、支えている刹那の身体に力が入っていない事に気付く。
刹那は既に気を失っていた。
出血はさほど酷くは無かったものの、強く全身を打ったようだ。

「ど、どうしよ・・・・! こ、このか、このかを呼ばないと・・・・!」
「安心しろ、気を失ってるだけだ。それに呼び子にはデメリットもあってな・・・・ほら、来た」

龍宮が指差す方向。
その方向の木が大きく揺れ、そこから楓に抱えられた木乃香が姿を現した。
呼び子は念話と違ってすぐに救助を要請する事ができるが、逆にターゲット以外にも音が伝わってしまうという欠点があるのだ。
しかしそれが今回は幸いとなった。

「アスナ・・・・せ、せっちゃん!?」
「このか、刹那さんがバケモノに・・・・ゴメン、私のせいで・・・・!」

木乃香が大慌てで折りたたみ式のワンドを取り出し、治癒魔法を唱え始める。
パニックになる明日菜と木乃香を横目に、龍宮と楓は状況の報告をした。

「刹那は大丈夫でござるか?」
「特に問題は無い。それよりもそっちは?」
「ネギ坊主が学園長殿の所に向かったでござるよ。式神も姿を消したでござるから、どうやら解決したでござるな」
324週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:11:10 ID:0o78vHW/

龍宮と楓の考えはこうだった。
――和平を結んだはずの西が、東に対して勝手な行動を起こすのはおかしい。
特に西の長である木乃香の父が、刹那にこのような指示を出すことも考えられない。
考えられるのは、刹那が何らかの理由で敵に騙されている――

そう考えた龍宮と楓は、独断で調査を始めた。
しかし刹那や周りを見張る式神は予想以上に鋭く、調査は困難を極めた。
刹那も聞く耳を持たないといった感じであり、龍宮や楓にまで刃を向けていたのだ。

「刹那が敵にまわるとは・・・・なかなかの難敵でござったなぁ、にんにん」
「後であんみつとプリンでも奢ってもらうか」

これは後日わかったことだが、偽者の使者は刹那に"木乃香たちとの接触を控えるように"と命令していた。
さらに「従わなければ即座に近衛木乃香の護衛の任を解く」とも脅していた。
西から奪われたいくつかの証拠も提示した為、刹那は騙されてしまっていたのである。
それは"木乃香と刹那を引き離し、隙を見て木乃香をさらう"という、西の抵抗勢力の陰謀だったのだ。

「・・・・とりあえず寮に戻るぞ」

龍宮はいまだに意識を取り戻さない刹那を担ぎ上げ、寮に向かって歩き出す。
木乃香と明日菜も刹那の身を案じながら、その後に続いた。

*
325週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:17:29 ID:0o78vHW/

「うっ・・・・お、お嬢さま・・・・?」 
「せっちゃん、大丈夫?」
「い、いけない・・・・離れてくださ――」
「刹那、西の使者は偽者だったぞ」
「・・・・なっ・・・・!?」

刹那は目覚めたばかりの頭をフル回転させて、状況を判断する。
そんな刹那に龍宮は、学園長からの報告書を渡した。
そこには"西の使者を名乗る偽者についての詳細"が書かれてあった。

「ということは・・・・わ、私は・・・・?」
「どんな経緯かは知らんが、お前が簡単に騙されるとはな」

この報告書通りだとすれば、刹那は無意味に仲間を傷つけた事となる。
刹那は飛びおきて、部屋にいる仲間たちに土下座した。

「すすす、すみません! 私は・・・・なんという事を・・・・!」
「もういいわよ刹那さん。事情はわかったし」
「私も怪我してませんので――」
「ニンニン♪」

過剰なほど床に頭をつけ、土下座して謝る刹那。
その刹那を、仲間たちは快く許す。
しかし木乃香は、刹那に顔を向けずに黙っていた。

「あ、あの・・・・お嬢さま・・・・?」
「・・・・せっちゃんの・・・・馬鹿・・・・」
「ご、ごめんなさい・・・・」
326週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:20:31 ID:0o78vHW/

平謝りになる刹那・・・・しかし、木乃香は顔を上げない。
木乃香の頬には一粒の涙が伝っていた。

「・・・・せっちゃんなんか・・・・嫌いや・・・・」
「・・・・・・・・!!」

刹那の胸に刺さる、木乃香の言葉。
嫌われても仕方が無いことを行なってきたのだから、覚悟はできていたつもりだった。
しかし直接伝えられた木乃香の拒絶は、予想以上に痛かった。

この場に重い空気が流れる。
そこにいる全ての人が息をするのも困難なほど緊張していたが、龍宮が咳払いすると一斉に動き出した。

「・・・・拙者らは、帰るでござるよ」
「え、えと・・・・私もネギとエヴァちゃんの所にいくね」
「し、失礼しました――・・・・」
「刹那、今日は部屋に戻ってこなくていいぞ」

ドタドタドタ・・・・バタンッ

二人だけになった部屋。
しかしやはり木乃香は顔を上げず、部屋には静寂が流れていた。

「お、お嬢さま・・・・その・・・・許して、もらえないですか・・・・?」
「・・・・」
「私は・・・・お嬢さまと、離れたくなくて・・・・ほ、本当にごめんなさい・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・こ、このちゃん、許して・・・・」
327週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:22:18 ID:0o78vHW/

刹那は従者としてではなく、幼馴染として謝っていた。
しかし木乃香は、なかなか刹那に顔を向けてくれない。
刹那は触れる事もできず、ただ傍で許しを請うしかできなかった。

「・・・・せっちゃん」
「は、はい!?」

しばらくして木乃香が口を開いた。
刹那は全身に駆け巡る緊張感を感じ、背筋をピンッと伸ばして次の言葉を待つ。
木乃香はゆっくりと顔を上げた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・なーんちゃってv」
「・・・・へ?」

やっと顔を上げた木乃香は笑顔だった。
ポカンと刹那は呆ける。

「え、その・・・・怒ってらしたのでは・・・・?」
「演技やえ。・・・・せっちゃん、驚いた?」
「・・・・・・・・あ、当たり前じゃないですか!」

わざわざ昔の呼称で呼んで機嫌をとったのに、相手は演技だったとは。
さすがの刹那も怒る。
とはいえ、木乃香相手に本気で怒る事はできないのだが。

「せっちゃん怒らんといてーv」
「怒りますよ! 本当に嫌われたかと思ったんですから!」
「せっちゃんやて、ウチの事騙したやん〜! ウチやて嫌われた思うたわー」
「う、そ、それはそう、ですが・・・・っ!」
「"このちゃんから離れたくない"・・・・やろ〜?」
「――――っ!? お、お嬢さま〜!」
328週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:23:20 ID:0o78vHW/

怒った刹那は、無邪気に笑って逃げようとする木乃香の手を取る。
それは年頃の女の子らしいじゃれ合いだった。
しばらくそのじゃれ合いは続いていたが、逃げようとしていた木乃香が急に刹那の胸に飛び込み、それを合図に部屋は静かになった。

「・・・・お、お嬢さま?」
「・・・・怒ってもええから、もっと話し掛けて」
「え?」
「叩いてもええから、もっと触って」
「あの・・・・」
「もっ、と・・・・呼んで・・・・」

再び流れ出した、木乃香の涙。
嗚咽も混ざり・・・・今度こそ演技では無い事が刹那にもわかった。

「もっと・・・・名前で、呼んで・・・・」
「・・・・このちゃん、どうしたんですか・・・・?」

顔を覗こうとする刹那。
しかし拒まれた。
木乃香はぎゅっと頭を刹那の胸に押し付け、顔が見えないようにする。

「・・・・だって、久しぶりやん」
「・・・・?」
「今週一度も、話してくれへんかった」
「・・・・はい」
「一度も、触れへんかった」
「・・・・・・・・はい」
「一度も、抱き締めてくれへんかった」
「・・・・ごめん、このちゃん」
「せやから」
329週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:24:24 ID:0o78vHW/
木乃香が顔を上げ、目線が交わる。
木乃香の目から流れる涙はまだ止まってはいなかったが、表情は豊かだった。

「もっと・・・・今日は、離さないで・・・・」
「・・・・うん・・・・わかった・・・・」

今週になって初めて、二つの影が重なる。
その影を複数の影が見守っていた。

「よかった・・・・仲直りしたみたいですね――・・・・」
「あれ、アスナさん? 中に入らないんですか――むぐっ!?」
「はいはい、おかえり。このまま黙ってエヴァちゃんの所にいくわよ」
「ふむ、あのままでいいでござるか?」
「放っておけ、そのうち飽きるだろう」

誰一人として邪魔をする者はいなかった。
ある者は照れながら、ある者は微笑みながら二人を祝福していた。


・・・・・・・・・・・・・・・・。

――チチチ、チュンッ・・・・

「・・・・このちゃん、もう朝です・・・・」
「うん、そやね」
「・・・・休憩、しませんか?」
「だーめ、もっと〜!」
「・・・・はい」

・・・・朝まで二人が何をしていたか、それは皆さんのご想像にお任せするとしよう。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
330週間テーマ 『頬を伝う一粒の涙』:2007/06/17(日) 00:26:03 ID:0o78vHW/
ゴメン、謝らせてくれ。
箇条書きしたのを修正しながら投下してたら、意味わからなくなってきた。

キーワード:『少しギクシャクした関係』『喧嘩』『頬を伝う一粒の涙』『ネギパーティと対立する刹那』でした。

補足:
"呼び子"は、とある漫画から。
甲賀の忍者が使ってたので、なんとなく使ってみた。
331名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 00:31:00 ID:BnNiOsG5
>>330
リアル遭遇GJ!待ってたχあったぜ。
ラスト展開に泣けて萌えた。そして落ちにワロタww
展開が急ピッチな感じがしたけど,
名作だわこれ。

もう一度いうぞ。超GJ!やっぱおみゃーさんのSSは面白い。
読みがいあるわ。
332名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 00:31:31 ID:feATJmWm
超GJ!!!!!!!!!
寂しがるこのちゃん萌えぇ!!
333名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 00:33:29 ID:dDUl2PBT
泣けるっ!
そして、『このちゃん』って呼ぶせっちゃんカワユス!
334名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 00:38:55 ID:zWu/me+b
目頭が熱くなった・・GJ!!!
335名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 00:46:41 ID:EWU68Mkg
読んでたら目が潤んできた。。超GJ!!!!!
336名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 01:17:41 ID:iEYgpOSA
>>330
やっぱYouはネ申だwwwww

GJ!!!!!!!!!11
次に激しく期待w
337名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 02:44:30 ID:eNTTlzaB
応援sage

こんなハイクオリティ、見たことねぇ!!

おまえさんには、ガチャピン柄のマウスをあげたい気分だ。
338名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 08:56:02 ID:48JkOgUi
本当乙!!!
めっちゃ楽しみですぞ!!!!!!
339名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 12:49:41 ID:BnNiOsG5
>>273
の続きです。おれも凝りネェな。このせつエロだよん。
なんか長すぎてストーリの繋がりがずれてる気もする。
けど,無視してエチだけ愉しんで。足りない部分は脳内で補完補完!!

駄作投下しまーす。神SSの後に気が引けるぜ。
3401/10:2007/06/17(日) 12:51:17 ID:BnNiOsG5
軽く触れ合う唇…。その感触を確認するかのように何度も,何度も触れ合わせる。
もどかしいくらいのゆったりとした時間が,二人を平穏な時の中へと誘う。

「なぁ。お祭りんときも髪おろしてな。」

よう似合うて可愛らしいえ,と頬に口付けながら木乃香は言う。思わず学園祭の時の
刹那の変装を回想してしまった。

「お髭やお耳も付けたいくらいやけどw」

冗談を含めて微笑みつつ,そっと反対の頬に指を這わす。その指の動きにピクっと
反応しながら,刹那も希望を伝える。でもその表情は少し曇りがちだった。

「私は…お嬢様には…いつぞやの和装の髪型にして欲しいです。」

「いつぞや?ああ,お見合い写真の時のかえ?」

木乃香は刹那の額に口付けし,指先をそっと首筋に這わせる。鼻にかかった声が刹那から漏れる。
木乃香の問い掛けに,刹那はうつむきがちに答えた。

「(お見合いは不服ですが…,)////……好きなんです。あの装いが……。」

貴方こそ,大和撫子の形容がふさわしいと刹那は木乃香に言う。

「言い過ぎや,せっちゃん。うちに言わせればせっちゃんやって最強の和服美人さんやで?」

くすっと笑って,笑顔で応える。お互いの顔を見合って,木乃香はふと湧いた疑問を口にした。

「……なんや,今日のせっちゃんはよう口が滑るな。何かあったん?」
「え?!……いや……何も特には……。」
「……まぁええわ。」
341名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 12:52:35 ID:y/jj8qgt
調子悪いのに厚みのある話を考えてくるのがすげーよ。完成度あるし。
並の精神力じゃ書いてて途中で投げ出すもんな。
おまいさんのこのせつ愛はマジ全世界が泣くぜ…GJ!

俺たちは嬉しいんだが、もし長い話考えるのが辛かったら
一発ネタみたいな軽いのでもいいんだぜ?と一応要らんこと言っとく…
何にせよ次回作も待ってるぜぇえ!

あと楓は「近衛殿」→「木乃香殿」のような気がした。違うかもだけど
このかを苗字で呼ぶのは千雨と龍宮くらい…?
3422/10:2007/06/17(日) 12:54:06 ID:BnNiOsG5
焦った様子の刹那に何か思うところがあったが,木乃香はそのままにしておいた。
刹那が饒舌なのは珍しいことだったが,木乃香にとってそれは心地良いものでもあった。
木乃香は,刹那が先ほど枕にしていた大き目のクッションに刹那をもたれさせ,すぐさま,首筋に顔を埋める。
耳の直ぐ裏のくぼみから首筋にかけてそっと舌を這わせると,刹那の喉から切なそうな声が漏れる。
敏感な首筋への口唇愛撫を続けながら,木乃香の指先は,刹那の顕になった太ももに触れる。

「せっちゃんはいつもスパッツやもんなぁ。」

木乃香はそう言って,愉しそうに指を這わせる。改めて自分の服装を思い出し,刹那は顔を赤らめ,
視線を反らす。木乃香はじわじわと肌の感触を確かめながら,ひざの裏やふくらはぎにも目標地を広げる。
すすっと指を這わせると,所々で刹那の声が変化するのに気が付いた。
注意して,反応の強いところを弄る。刹那の口から切なそうな声が漏れた。

「あんよの性感帯発見や♥」
「////……。」

これまでも刹那の性感帯は木乃香によってあちこちに発見され,ことある毎に執拗にそこを攻められた。
これほど自分の体に敏感な部分があるなど,木乃香との関係を持つまで刹那は知りもしなかった。

「さ,今日も沢山見つけたるからなw」
「////……お…お手柔らかに…お願いします。」

木乃香は上着のボタンに手を添える。もともと大きめのシャツはもう十分にはだけていて,
後一つボタンを外せば,無理無く肩まで露出させることができた。嬉しそうに一つだけボタンを外して,
木乃香は,刹那の上半身を露出さえた。今,刹那は中途半端に脱がされた,というか中途半端に服を着ている状態であった。
木乃香の口唇愛撫と手技によって与えられつづけた刺激によってか,刹那の顕になった肌はわずかに色付いていた。
自分の晒した姿がよほど恥かしいのか,刹那は耳まで赤くして木乃香から視線を外す。
木乃香はそんな刹那の様子を食い入るように見つめてしまった。面白半分で行なった演出だったが,
木乃香自身その効果に魅了されてしまった。
3433/10:2007/06/17(日) 12:56:03 ID:BnNiOsG5
「///…なんやな。裸よりこっちの方がエッチやな……。」
「う……。////…ひ…酷い。」

自分でしておいてそれは無いですよ,と刹那は心の声をむなしく叫ぶ。しかし当然刹那の
心の声が木乃香の耳に届くことは無く,それ以前に木乃香は目前の艶姿に見惚れてしまっていた。
唾を飲み込む音が木乃香の体の中に響く。
しばらく触れ合わなかったせいだろうか。それとも…。
良く理由はわからないが,普段にも増して木乃香の胸は高鳴っていた。
今日の刹那は何か違う,そう感じずに入られなかった。自分を駆りたてる何かを感じる。

木乃香はスッと鎖骨のくぼみに舌を伸ばした。ピクっと反応して刹那は小さく声を漏らした。
先ほどからじわじわと与えられつづけた刺激によって随分と体が敏感になっているようだ。
刹那の皮膚は木乃香の舌先の動きをリアルに刹那に伝える。その官能的な感覚は頭の芯まで,
体の奥底まで伝わりじわじわと体の火照りを誘導する。
ゆっくりと木乃香の舌は移動していき,胸のふくらみが始まるあたりで,赤く擦れた傷を見つけた。

「あ……ここ赤くなってる……。」
「ぅん……ちょっときつめに……ぁ……サラシを巻いたので……っ。」

刹那はキズの原因について言及するが,キズを舐める木乃香の動きに言葉が詰まってしまう。
沁みるような痛みと,悩ましい刺激,そのどちらもが共同して刹那を煽る。

「頑張ったんやな,せっちゃん。これご褒美や……。」

そう言うと木乃香は刹那の腕をひょいと持ち上げる。乳房の直ぐ脇に出るくぼみに唇を運ぶ。
少し強めに吸いながら,舌先を強めに擦り付けた。刹那の口から声にならない声が漏れ,喉が反る。
ここも木乃香に見つけられた刹那の性感帯のひとつだった。刹那自身が触れても良くわからない所なのに,
なぜか木乃香に触れられると,頭の芯が融けてしまいそうなくらい甘美な刺激が走った。

「…感じてるんやね?…ここも,こんなに硬くして…。」
3444/10:2007/06/17(日) 12:56:57 ID:BnNiOsG5
木乃香の唇は,舐め尽くした胸の脇からその起立した頂に移動する。コリコリとした感触を確かめ,
舌先でその先端を突付く。強く吸いついたかと思うと,じんわりと舌を這わせ,刹那の反応を楽しんだ。
刺激が与えられるたびに刹那の息は荒くなっていく。そして桜色の突起は,強弱をつけた愛撫によって
より赤みを増していった。両の頂きを舐め尽くされ,刹那はしっとりと汗ばんでいた。
体の奥から湧きあがる熱が体全体に広がっていく。木乃香が触れるところがより一層熱くなって,
その熱が更に体中に広がっていく。
普段と違う自分を刹那も感じていた。どうしようも無く木乃香に求められたいと感じていた。
いつも以上に木乃香に与えられる熱に夢中になる自分がいる。刹那は自分がいつも以上に興奮しているのを感じていた。

「…お……お嬢様ぁ……。」

熱に浮かされた体は自分ではどうしようもできなかった。苦しいほどの熱をなんとか
開放たくて木乃香に助けを求める。早く行きつくとこまで行ってしまいたい…。
刹那の熱のこもった視線が木乃香に向けられる。その視線は非常に扇情的で,木乃香の胸を射抜くには十分だった。
しかし木乃香は今日の主導権を譲る気はまだ無かった。

「……まだや。うち言うたえ?せっちゃんのことどれだけ愛してるか教えてあげるって。」

焦らすかのように腹部を指先で撫で,胸から腹部にかけて口唇愛撫を続ける。
そして指先を刹那の背中に回しゆっくりと弄り始めた。

「……ここも好きやったよね?」

そう言って,背筋を指先でなぞりながら,スッと下に降ろしていく。
尾てい骨に触れるとゆっくりと撫でるように動かしはじめた。
その直ぐ下はお尻に続く谷間がある。薄い皮膚は,木乃香の手技を敏感に感じ取り,
その刺激が背筋をたどって脳へと響いていく。
刹那は体を弓なりに反って次々と与えられる快感に耐えるが,
熱っぽい溜息は数を増し,潤んだ瞳は欲望の色に染まってしまう。
3455/10:2007/06/17(日) 12:57:50 ID:BnNiOsG5
「せっちゃん……。」

熱に浮かされているのは木乃香も同じだった。刹那の顔を見て堪らず刹那の唇を奪う。
舌を差し入れ,刹那のそれを絡めとり,貪り合う。飲み干しきれない唾液は刹那の口から漏れ,
首筋に伝っていく。想いの丈を確認し合うようにそのまま二人は強く抱き締めあった。
刹那の意識は,自分の中で渦巻く欲望の波に絡めとられ,早く楽になりたいと,
体が求める更なる快楽を欲していた。荒い息遣いの中で刹那は木乃香に懇願する。

「…も…ぅ…これ以上……はぁ…………ぅぅん。」

刹那の口から漏れた言葉は不完全でもその思いは木乃香には十分に伝わった。
木乃香が触れる所全てが鈍い快感を生じ,刹那は押し寄せる快感の波に抗うことができない。
他に何も考えられないくらいに,ただそれだけを望んでいた。
体の中を荒れ狂う熱をただ開放したくて,早く頂点に達したくて,今はそれを木乃香に求めていた。

「なぁせっちゃん。うちな,せっちゃんに言ってほしいことがあるんよ。」

木乃香にも刹那の状態は十分に理解できた。しかし,そう簡単に折れるわけにはいかなかった。
久しぶりの逢瀬…。自分の想いをもっと刹那に伝えたい。そしてもっともっと求められたい。
木乃香の口から出た言葉は,更に刹那を追い詰めることとなった。

「な……んです……か?」

息も絶え絶えに,刹那は聞き返す。

「うちにな……おねだりして。」
「……そんな……。お……嬢様……。」
「なぁ……ゆうて,せっちゃん。」
3466/10:2007/06/17(日) 12:58:48 ID:BnNiOsG5
木乃香は限界に近い刹那をさらに追いこむ。耳元で囁きながらそこにそっと舌を這わせる。
指先を刹那の脚の付け根の秘所に最も接近した部分に沿わせる。ぞくっとした快感が刹那を震わせる。
しかし,自分の望むほどの快楽はえられなかった。このまま言わなければ,きっと焦らされ続ける…。
刹那が木乃香を求めるとき,あられもない姿で自分を曝け出すことは今までに無かった。

「せっちゃん……。」

耳元で繰り返される囁き。その優しげな波動は,刹那の全身に響き渡っていく。
しかし最後に残った理性の糸は,中々切れようとしない。
そして再び耳元で繰り返される誘惑の囁き…。

「……せっちゃん……………刹那……………せつ…な…。」

ただ名前を呼ばれているだけなのに…。電撃のような衝撃が体中を駈け抜けた。
言い知れぬ言葉の響きに刹那の理性の糸は切れかかっていた。

「……刹那……お願いや。うちも……もう耐えられへん……。」

どんなに快楽の波に飲まれそうになっても,これまで一度として理性を捨てることは無かった
刹那が,今,本能に1番近いところで木乃香を求めていた。きっと木乃香が刹那に抱かれたとしても
きっと同じだったに違いない。刹那は頭の奥のほうで,何かが失われていくのを感じた。

「…この……ちゃん……触って……イカせて……お願いや……も…うちアカン。」

刹那の口からこぼれたのは,木乃香が求めた言葉だった。切れた理性の糸はもう元には戻らない。
歯止めの利かなくなった刹那は,あられもない姿で木乃香を求めつづける。

「ん。ありがとな。」

木乃香は触れていた指先をそのままクロッチの下にもぐりこませて,刹那の秘所に触れた。
トロトロに解れたそこは,待ち望んだ木乃香を迎え入れようと更に潤いを増す。
3477/10:2007/06/17(日) 12:59:41 ID:BnNiOsG5
「ひゃっ……くぅぅぅぅぅんんん!!!!」

刹那は木乃香の指がそこに触れた刺激で体を弓なりに反らして果てた。
しかし,刹那の求める頂点に達するには,まだ足りなかった。

「…せっちゃん。もっとしてあげるから,ベッドいこ。」

もう刹那に断る理由は無かった。木乃香の言うまま,ベッドに移動する。
直ぐ傍にあるはずなのに言うことの聞かない体にそこは遠く感じた。一糸まとわぬ姿にされ,
刹那はやっとのことで移動を果たす。木乃香に大きく足を開かされ,刹那の秘所が顕にされても,
もう抗うことはできなかった。これから来るであるだろう快楽に期待が膨らむ。

「もっと気持ち良くなってや。」

そういうと木乃香は刹那の敏感な突起を舌先で押し潰した。木乃香はそこに強めに吸いついて
舌先で押し潰すという動きを数回繰り返した。刹那はそのたびに体を反らせ,甘美な声を上げた。
力なく刹那の手が木乃香の頭部に触れる。それは拒絶ではなく,催促でもない。
自分から木乃香に触れていたいという無意識の内の行動だった。
刹那の体の奥でもっとも欲深い感情が快楽を求めはじめた。
それは刹那の体を通し,木乃香に伝わっていく。

「せっちゃんのココ…ヒクヒクしとるよ?」

そういって木乃香は刹那の秘所に指先を当て,少し力を込めた。
そこはスッと受け入れると木乃香の指先を絡めとり,奥へ奥へと誘いこもうとする。
そのまま指を中へ挿入する。ぐるっと内部の様子を確かめると刹那の体が跳ねた。

「ここにほしかったんやな。」
3488/10:2007/06/17(日) 13:00:38 ID:BnNiOsG5
刹那は頷いて答える。口からはもう言葉をなさない声ばかりが漏れ聞こえる。
木乃香は刹那の限界が近いことをその様子から察知すると,刹那の中のある敏感な部分を探した。
それは腹側にあるザラザラとしたところ。触れると,刹那から歓喜の声が上がる。
それは木乃香も知っている快感だった。体の奥底から響き渡るそれは,頂点に達すると頭の中が
ホワイトアウトしてしまうくらいの威力を持っている。
ぐいぐいとそこを揉みしだく。少し力を込めると刹那の体は一際大きく跳ねあがった。
指を動かす度に繰り返される歓喜の声。そんな刹那の声に呼応するかのように,
木乃香は敏感な突起も同時に舌先で押しつぶした。

「ひあぁぁぁぁっぁぁあっぁぁぁっぁ!!!!」

刹那は一際大きな歓声を上げ,快楽の波に飲みこまれていった。
刹那は胸を激しく上下させていた。求めていた快楽の頂点を極め,頭が朦朧としているのか目は虚ろであった。
その様子に木乃香は胸の内に切なさを感じた。自分の中にある熱はまだ冷めない。自分の中にあるのは,
刹那と共に果てたいと,ただそれだけだった。
木乃香は刹那の片足を軽く持ち上げ,その両足の間に木乃香は自分の体を割り込ませた。
虚ろな刹那の目は木乃香を見つめるが,これから何が起こるのか予想できていない様子だった。

「…せっちゃん。うちも一緒に……。」

木乃香は自分の秘所を刹那のそこに密着させた。十分に潤っている二人のそこは絡み合い,湿った音を立てていた。
耳に届く湿った音と,イった直後に触れられた刺激によって,刹那の意識は徐々に覚醒していった。
刹那の虚ろな瞳は木乃香に焦点を合わせると,木乃香の言葉を脳裏で繰り返す。
実際には数秒のことだったが,刹那が理解するのにしばらくの時間を要したように木乃香には感じた。
木乃香には刹那の返事を待つ余裕も無く,問い掛けと共に腰を動かし始めた。

「くぅん……ちょ…待って,はぁ……待って,お……嬢様ぁ……。」

少し休ませてくださいという刹那の言葉を聞く間無く,自分と刹那の秘所を擦り付ける。
刹那が快楽の波に耐えられなかったように木乃香ももう限界だった。
3499/10:2007/06/17(日) 13:02:11 ID:BnNiOsG5
「……せっちゃんやて,い……いつもうちのこと…休ませてくれへんやないか……。」

仕返しや,そういって動きを止めることはなかった。お互いの敏感な所が擦れ合って,強烈な快感が二人を襲った。
刹那は目蓋の裏側で火花が見えた気がした。

「くっ……ぁ……もうダ……メ……ぁ……。」
「うちも……一緒に……ぅっ」

もう体力は限界なはずなのに動きは止まらない。切ない声が一際大きくなったとき,二人は同時に果てた。

◇◆◇
刹那が目覚めたそこは,待ち望んだ愛しい人の胸の中。自分のベッドを見まわすと情事の後が生々しく残っていた。

「……うちの愛の大きさ感じられたん?」

いたずらっ子のような表情で刹那を見つめるのは,先ほどの情事の相手。

「/////………バレてたんですか。」
「だって,顔に書いてあったんやもん。うちは欲求不満です〜って。」

すっきりとした表情で嬉しそうに刹那に擦り寄って,木乃香は愉しそうに言葉を発する。
何もかも見透かされていたのかと思うと恥かしさを隠しきれない刹那はそのまま木乃香の胸に顔を埋めた。

「お疲れ様。せっちゃん。少しは落ちついたかえ?」
「/////……お…お蔭様で…。」
「照れなくてもええんよ?うちも同じやったからおあいこやw」

そっと刹那を抱き締めて木乃香が囁く。

「いつもこんなかいらしいと,襲いがいもあるんやけどな〜。」
35010/10:2007/06/17(日) 13:05:02 ID:BnNiOsG5
「///……お嬢様…。」
「うそや。カッコええせっちゃんも好きやえ♥」
どんなときでも迎えてくれる木乃香の優しさが刹那の胸に染みた。

「……せっちゃん……うちのこと誘っとったやろ?」
「え?なんのことですか?」
「またまた〜。うちのためにしてくれた演出やないの?」

刹那自身には,何も思い当たることがないがどうも木乃香には,刹那の服装とか
髪型とか仕草とかが,木乃香のツボにはまったらしい。

-------それを着てれば今日は良いことあるぞ,刹那。-------
-------お前の大好きなお嬢様にも偶にはサービスしないと……な。-------
-------あまり放っておくと…………………………………………捨てられるぞ。-------

刹那は昨日今日のやり取りを思い出し,なんとなく真名にはめられた気がした。
しかし,結果オーライということで逆に真名に感謝しなければいけないような状況だった。
色々頭で考えなくていい。お互いの求めることを素直に認めれば良いのだと真名に教えられた気がした。

「////なぁ……せっちゃん。」

何時の間にか木乃香は刹那と同じ目線にいた。恥かしそうに頬を赤らめていたが,
その表情はウズウズとした高揚感を持っていて,瞳はキラキラとした輝きを湛えていた。

「………後で,せっちゃんの愛の大きさ,うちに教えてくれる?」
木乃香の甘いお誘いに刹那から軽い笑いが漏れる。刹那は覚悟を決めて木乃香に挑戦状を送った。

「!……お嬢様には負けませんよ。」
戦士の休日は,お姫様との絆を強めるために費やされたそうです。
後日,しばし続いた腰痛について真名にしばらくからかわれていましたとさ。
351名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 13:06:16 ID:BnNiOsG5
おわりでーす。
誤字脱字はお許しを。

今度はもう少しストーリー練ってから書くととにしますわ。
エロでこのせつは難しいゾ。素直に浴衣脱がせば良かった。
352341:2007/06/17(日) 13:10:07 ID:y/jj8qgt
ごめん…! リロードすりゃよかったorz

>>351
あまーい!おまいさんのことも待ってたぜ!Gj!
353名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 13:17:11 ID:0o78vHW/
>>351
GJ〜!
久々のエロやね〜。
作成のスピードに嫉妬っ!
次回も期待してます(´Д`;)/ヽァ/ヽァ

>>331-338
GJありがとうー。
本当は省略された4日間を使って、刹那と龍宮たちの対立や陰謀の詳細を書きたかった。
でも時間が・・・・本当にすまないorz

>>341
あ、「このか殿」だったかな?
ツッコミありがとう!
短編・・・・逆に短くまとめるのが難しいんだよね。
1レスでSS書いてる人がいると、尊敬する・・・・。
354名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 13:24:17 ID:feATJmWm
>>351
GJ!!!!!1
甘々なエチですな!
次回作も期待してます!
355名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 15:12:46 ID:EWU68Mkg
素晴らしい、GJ!!!!
真名もGJ!w
356名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 20:57:11 ID:0o78vHW/
少し早いけど、来週のテーマをどうぞ〜。
357名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 22:01:18 ID:71nbSHZA
「〜放題」
358名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 22:19:47 ID:0o78vHW/
>>357
〜の部分が非常に困る^^;
357で無くてもいいが、〜の部分埋めてほしいな。
359名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 22:41:01 ID:BnNiOsG5
”と”ボケ放題
360名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 22:51:19 ID:BnNiOsG5
はぐらかし放題
361名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 23:19:36 ID:MTVChNxl
攻め放題
受け放題
やり放題
舐め放題
イキ放題

結局エロキボンの変態、それが俺OTL・・・オワタO...TL
362名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 23:20:08 ID:i5kClFus
GJなSSばっかだw
せっちゃんヘタレ攻めもいいけど、受けもいいわぁ〜
363名無しさん@秘密の花園:2007/06/17(日) 23:21:36 ID:y/jj8qgt
食べ放題
殴り放題
散らかし放題

くらいが普通に使う「〜放題」か?どれも合わなさそうだがw
364名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 00:12:21 ID:vsNaONwI
使い放題

何を使うのかな・・・?
365名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 00:19:00 ID:2zYozeoK
我侭言い放題。
結構沢山あるなぁw
366名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 00:26:01 ID:zyawJgG0
歳取り放題
老眼鏡かけ放題
ボケ放題(ガイシュツでスマソ)
ウンコ投げ放題
367名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 00:38:43 ID:PrMpLC7a
既出?きしゅつ?

触り放題,脱ぎ放題,泣き放題,くすぐり放題,触り放題
368名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 00:45:31 ID:zyawJgG0
>>367

「ガイシュツとは」でググれ。無知ババア。
369名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 01:49:33 ID:Cd7oJ812
いじり放題
慰め放題
朝まで生でし放題
いちゃいちゃし放題
しーしし放題
このか(せつな)食べ放題

エロイことしか考えられんのか俺は・・・orz
370名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 02:25:02 ID:LHyZpiRx
&eって、どーゆー意味?
371名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 18:54:40 ID:WI0QREMo
今週のテーマ多すぎ笑った。
もうみんな「好き放題」ですね。
好き放題・・・・で書けるかなぁ、・・・・ちょっと今週のテーマは難しい・・・・。
372名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 19:01:09 ID:uZ3y3CHz
>>371
> もうみんな「好き放題」ですね。
ちょっとウマいw

もうちょっと具体的じゃないと難しいと…。
373名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 20:10:57 ID:hnJDsWEE
「放題」と全ッ然関係ないけど、部活姿なんて見たいんだせッ!
374名無しさん@秘密の花園:2007/06/18(月) 22:53:48 ID:PrMpLC7a
>>373
占い部?図書館島探検部?

それとも

剣道部?
375名無しさん@秘密の花園:2007/06/19(火) 00:51:43 ID:1ddV7/1k
>>374
全部
376名無しさん@秘密の花園:2007/06/19(火) 06:52:17 ID:LXZgMivy
>>374
書き手の好きな方でおながいしまつ。できればどっちも見たいw
377名無しさん@秘密の花園:2007/06/19(火) 18:23:30 ID:NPDNiFfZ
おれもどっちもがいいです
378名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 15:23:04 ID:JX8YQPcp
キーワードで「鬼畜木乃香」が出てるんだが、使ってもいいかね?
そこまでどろどろにする気はないし、最後はちゃんとハッピーエンドにするつもりなんだが。
379名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 16:58:58 ID:VHV8YSnb
>>378
それはまた別の機会でいいと思います
ほのぼの甘々がいいです
380名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 17:15:08 ID:JX8YQPcp
じゃあ今週はお休みかな・・・・。
他の職人さんにタッチ(´・ω・)人(・ω・`)アイヨ
381名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 20:18:09 ID:YJwo3f2X
>>378
ちょっと待ってくれ〜
俺は鬼畜木乃香すげぇ見たい
最後がちゃんとハッピーエンドなら尚の事見たいぞ
382名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 20:26:43 ID:JX8YQPcp
>>381
おっと・・・・ちょっと遅かったかも。
今書いてるSSの鬼畜の部分カットしてしまった。
またの機会にでも・・・・。
383名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 20:39:03 ID:VHV8YSnb
>>382
おれのせいでスマソ
384名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 21:55:22 ID:Bs2i+FeD
どんまいでござる。ニンニン。
wktk
385名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 22:40:15 ID:8DISgLtp
キーワードにゲッターロボを推薦する。
386名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 23:31:33 ID:JX8YQPcp
>>385
ゴメン、元ネタ知らない
387名無しさん@秘密の花園:2007/06/20(水) 23:32:53 ID:iVn2WSyL
>>385
第一話「敵は近衛、京都にあり」みたいな?
詠春「木乃香の時もそう言ったのか?」
刹那「く、黙れえぇぇぇー!」
とかいって召喚された化け物斬りまくっていくんだな!?
388週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:03:44 ID:cnGbh7Os

梅雨になり、連続的な雨が続く。
それは麻帆良学園も例外ではなかった。

「・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・っ」

夜の学園にうごめく、一つの人影。
その人影は桜咲刹那だった。
身の丈ほどもある野太刀を背負い、傘も差さずに寮に向かう。
激しい退魔の仕事には雨具も役に立たなく、全身ずぶ濡れだった。

「頭が・・・・重い・・・・」

梅雨による長期の雨と、連日の仕事が原因で、最近はずぶ濡れになる事が多かった。
その為についに身体が滅入ってしまったみたいである。
刹那はよろよろとふらつきながら、寮へと向かっていた・・・・が。

「っ・・・・!」

どさっ

音と共に刹那は地面へと倒れこむ。
そのまま薄れていく刹那の意識。

(い、いけない・・・・この天候の中で倒れたら・・・・!)

暖かい季節であっても、雨に濡れて倒れれば凍死は起こりうる。
夜ならば尚更の事だ。
それを知る刹那はなんとか立ちあがろうとするが、力が入らない。

(な、なんとかして戻らないと・・・・ん・・・・?)
389週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:04:31 ID:cnGbh7Os

刹那は近くを通る足音に気がつく。
相手もどうやら刹那に気がついた様で、まっすぐに向かってきた。

「・・・・・・・・?」

その相手は、部活帰りだった同じクラスのザジだった。
ザジは、倒れている刹那に近寄る。

(ザジ・・・・さん・・・・?)

「・・・・大丈夫・・・・」

ザジは刹那の元にしゃがみこむと、それだけ言った。
それが疑問形だったのか、それとも安心させる為のものだったのかは、今の刹那には判断できなかった。

*

それから数十分後。
刹那はザジの部屋にいた。
ずぶ濡れだった為に衣服は全部脱がされ、ベッドに寝かされている。

「・・・・・・・・」
「・・・・うぅ・・・・」

刹那は高熱が出ていて、苦しそうだった。
ザジにはどうすればいいのかわからず、ただ熱にうなされる刹那を見ている事しかできない。
しばらくそうしていたザジだったが、入浴時間が過ぎていることに気付いて立ち上がる。

「・・・・?」
「・・・・・・・・っ・・・・」
390週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:05:54 ID:cnGbh7Os
刹那がザジの服を掴んでいた。
なぜ止められたかわからないザジは、うなされる刹那の言葉に耳を傾ける。

「・・・・この、ちゃ・・・・ん・・・・」
「・・・・・・・・わかった・・・・」

刹那は高熱にうなされながらも、苦し紛れに幼馴染の名を呼んだ。
それを聞きとったザジは、入浴の準備を済ませて木乃香の部屋に向かったのだった。

*

コンコンッ

――――。

「・・・・いない・・・・」

部屋には木乃香も、その同居人たちもいなかった。
時間が時間なので入浴でもしているのかも知れない。
ザジはそう考え、自分も大浴場へ向かう。

「――今日も雨酷かったわねー」
「この時期は新聞配達、大変やろ?」
「そうなのよ・・・・雨具は走りにくいしさ〜」

ザジの予想通り、探していた木乃香は大浴場にいた。
どうやら木乃香たちは、今出たところらしい。

「・・・・・・・・これ・・・・」
「ふえ? ザジちゃんどないしたん?」
「・・・・私の・・・・部屋の鍵・・・・」
「へ?」
391週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:07:45 ID:cnGbh7Os

ザジは自分の部屋の鍵を木乃香に渡した。
木乃香は急に渡されて困ったが、とりあえず受け取る。

「・・・・今から行って・・・・」
「う、うん・・・・」

それだけ言うと、ザジは大浴場に入ってしまった。
木乃香はカギと明日菜を見比べる。

「・・・・行ってきたら?」
「そ、そやね・・・・先に寝とって〜」

木乃香とザジはほとんど話した事が無かったし、呼ばれる覚えも無い。
というか呼んだ本人が入浴しているのに、一人で部屋に入っていいのだろうか?
木乃香はそう思いながらも明日菜と別れ、恐る恐るザジの部屋に入った。

「・・・・おじゃましま〜す・・・・?」

真っ暗で何も見えない。
木乃香は暗闇の中で電灯のスイッチを探して付けた。

「・・・・誰もいないん?」

静かな部屋に木乃香の声が響く。
なんで呼ばれたかわからない木乃香は部屋を見回す。
・・・・誰かがベッドで寝ている。
そして木乃香の視界に飛び込んだのは、予想外の人物だった。

ガランッ

木乃香は驚きのあまり、手に持っていた入浴の道具を床に落としてしまった。
392週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:09:10 ID:cnGbh7Os
「せ、せっちゃん!?」
「・・・・うぅ・・・・」

寝ていたのは幼馴染の刹那だった。
紅潮した顔でダルそうにしており・・・・しかも刹那は服を着ていない。
・・・・刹那が体調不良で倒れている事を知らない木乃香は、ここで勘違いしてしまった。

(せ、せっちゃんとザジさんって、こういう関係やったん――!?)

木乃香は刹那の状態を確認する前に、目を逸らしてしまう。
木乃香の頭の中では、放課後の刹那と、先ほどのザジの行動がぐるぐると回っていた。

――刹那が今日仕事だと言っていたのは、ザジと会う為の口実・・・・。
ザジがここに木乃香を呼んだのは、木乃香に対する宣戦布告・・・・。
よく考えてみれば刹那は、修学旅行の時に接点が無いはずのザジとグループを組んでいた。
刹那とザジ以外のメンバーが欠席だった為に、結局二人は別の班へと移ったが・・・・もしかしたらその時から既に――

(せっちゃんが・・・・浮気・・・・!)

・・・・誤解はどんどん悪い方向へと拡大していた。
木乃香は落とした荷物を拾うことを忘れ、部屋を飛び出す。
目の前の事実――実際は誤解なのだが――の刺激が木乃香には強すぎた。

「あれ? このか早かったね・・・・ってちょっと、どうしたの!?」
「アスナ〜・・・・ウチと、浮気しよ・・・・」
「はぁ?」

木乃香は帰ってくるや否や、涙に濡れた目で明日菜に迫った。
状況がわからない明日菜は当然困り果てる。

「ひっく・・・・ええから〜!」
「全然よくない! もう・・・・ちゃんと話してみて?」
393週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:11:00 ID:cnGbh7Os

木乃香は泣きじゃくりながら、目で見た事をそのまま明日菜とネギに話した。
とはいえ、木乃香はすぐに目を逸らしてしまった為に、大まかな事しかわからない。
さらには明日菜は"バカ"が付くほどお頭が弱く、ネギも恋愛事には疎いために話は平行線をたどるのみだった。

「考えすぎではないですか?」
「ウチ、この目でしっかりと見たんやから!」
「ただ仲が良くて、泊まりに行っただけとか」
「あのせっちゃんが、裸で他人のベッドに寝ると思う!?」

既に木乃香の感情は悲しみを通り越し、怒りに変わっている。
相思相愛だと思っていた相手に裏切られ、ライバルに宣戦布告されれば誰だって当然だろう。
しかし八つ当たりされる方はたまったものじゃない。

「な、何か特別な事情があったんだって。刹那さんが道端で倒れてて、ザジさんが助けたとか」
「そんな都合ええ事、あるわけないやん〜!」

明日菜の名推理は、簡単に却下されてしまった。
これからザジの部屋にいく事もできたのだが、これ以上夜更かしをすれば明日に差し支えてしまう・・・・。
そう考えた明日菜は、ネギに目で合図した。

「もう〜、私明日も早いんだから・・・・ほら、木乃香落ち着いて」
「せやかて〜!」
「(・・・・ごめんなさい、このかさん)ラス・テル・マ・スキル・マギステル、ネブラ・ヒュプノーティカ」
「・・・・ふにゃ・・・・くー・・・・」

ネギは魔法により、木乃香を強制に眠りにつかせた。
明日菜が木乃香をベッドに運ぶ。

「それにしても、刹那さんがねぇ・・・・」
「きっと、何かの間違いだと思います」
「私もそうだと思う。とりあえず、もう寝ましょ・・・・」
394週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:12:28 ID:cnGbh7Os

同居人たちは"すぐ仲直りするだろう"と考え、その後すぐに就寝してしまった。

*

「うっ・・・・あれ・・・・?」

次の日の昼、刹那は目を覚ました。
身体にはまだダルさが残り、目覚めはすっきりとは言えない。

「しまった・・・・学校・・・・! 寝過ごした・・・・って、わっ!?」

慌てて起きようとして、服をまったくまとっていない事に気付く。
服を探して部屋をよく見回すと、手品の道具らしい物がちらほらと見えた。

「そうだ・・・・雨の中、倒れて・・・・ザジさんに・・・・」

徐々に蘇ってくる記憶。
服は乾いた状態でベッド脇に置いてあった。
おそらくザジが乾燥機で乾かしてくれたのだろう。

刹那はその服を身にまとい、改めて時間を見る。
今日は午前授業のみだったはず。
・・・・もう午前の授業は終わっている。

「後でネギ先生に謝らないと・・・・あれ?」

服が置いてあった所の傍に、見覚えのある荷物も置いてあった。

「お嬢さまの・・・・お風呂道具? なんでこんなところに?」
395週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:14:51 ID:cnGbh7Os

刹那の頭の上に疑問符が浮かぶ。
お見舞いに来た・・・・と考えるのが普通だ。
刹那の記憶にはそんな覚えは無いのだが、その時にでも忘れたのだろうか?
とりあえず刹那はザジへのお礼の手紙をテーブルに置き、自分と木乃香の荷物を持って部屋を後にした。

(そろそろ授業が終わって戻ってくる頃だな・・・・あっ)

刹那の前方には、ちょうど下校して来た木乃香と明日菜の姿があった。
明日菜は刹那に気付くと、軽く片手を上げる。
が、木乃香はふいっと顔をそむけた。

「こんにちは、刹那さん。今日はどうしたの?」
「えっと・・・・すみません。寝過ごしてしまったようで・・・・」
「あぁ〜、朝練の事なら気にしないで。それよりも・・・・」

明日菜が木乃香の方を見る。
木乃香は相変わらずそっぽを向いていた。

「あの、お嬢さま・・・・このお荷物、お嬢さまのですよね?」
「・・・・そうやけど」

木乃香は刹那からお風呂道具を受け取る。
そしてそれ以上の会話はせずに、部屋に向かって歩き出してしまった。

「お、お嬢さま・・・・?」
「ちょっとこのか、まだ怒ってるの?」
「・・・・せっちゃんなんて、もう知らんもん」

慌てて追いかける明日菜と刹那。
部屋に辿り着くまでに刹那が何度か話しかけたが、それらも軽く流される。
396週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:16:19 ID:cnGbh7Os

「お、お嬢さま〜・・・・私、何か悪い事したでしょうか・・・・?」
「心当たりないん? この浮気もんっ」
「・・・・え!?」
「このか、あんたまだそんなこと言って――」

バタンッ

扉を閉められてしまった。
心当たりが無い刹那は、その場に立ち尽くす。

「あーもう・・・・相当ご立腹ねぇ・・・・」
「あの・・・・全然心当たり無いんですけど・・・・」
「昨日ザジさんの所で・・・・って、ここで話すことじゃないか」

明日菜達の周りには、下校してきた生徒たちで賑わい始めていた。
オープンで話すにはちょっと気が引けるために、明日菜は刹那を部屋に招く。

「お、お邪魔します・・・・」
「どうぞどうぞ」
「・・・・」

木乃香がいるのは当たり前だが、返事は無し。
木乃香は勉強机に向かって座っていて、刹那たちには目を向けなかった。
明日菜はそんな木乃香を無視して、昨日のことを刹那に話し始める。

「昨日ザジさんの所にいたんでしょ?」
「あ、はい」
「木乃香がザジさんに呼ばれて部屋に行って、その時に・・・・」

・・・・話が進むにつれ、刹那の顔が青くなっていく。
話が終わった頃には刹那は無意識に立ち上がっていた。
397週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:17:36 ID:cnGbh7Os

「――ご、誤解です、お嬢さま!!」
「・・・・言い訳は聞きたくないえ」

必死で否定する刹那を、木乃香は無視して机に向いたまま作業を進める。
普段の優しくてはんなりした木乃香とはまったく違う。
そのギャップに刹那は怯んでしまった。

「・・・・お、お嬢さま・・・・?」
「どうせ・・・・ザジちゃんにひぃひぃ言わされてたんやろ」
「ぶっ」
「えっ!?」

いきなりの問題発言に噴出す明日菜と、絶句する刹那。
暴走した木乃香はさらに続ける。

「じゃあ逆にひぃひぃ言わせてたん!?」
「なっ・・・・違います! 私は、お嬢さま以外とは――」
「ちょっ、いい加減にしなさいよあんた達!!」

売り言葉に買い言葉で、刹那までもが問題発言をしそうになる。
それを明日菜が全力で止めた。

「二人がケンカなんて・・・・少し落ち着いて話したら?」
「せっちゃんが浮気したんに、落ちつけるん!?」
「ふ、不本意です! 私は後ろめたい事など何一つしていません!」
「んな事言うて、昨日仕事やて嘘ついて・・・・ザジちゃんと好き放題しとったんやろ!?」
「ですから! 私は――」
「――だから、いい加減にしろーー!!」
398週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:18:41 ID:cnGbh7Os

またもやキャーキャーと言い争いを始める木乃香と刹那と、それを止める明日菜の怒鳴り声。
それらは部屋の外に漏れていて、珍しい展開にクラスメートたちが集まってきた。
このままではクラスメートたちが油に火を注ぎ、取り返しがつかなくなる恐れもある。
明日菜は仕方なく、ため息をつきながら玄関へと向かった。

「もう、外は私がどうにかしておくから・・・・二人でちゃんと話すのよ?」
「・・・・うん」
「も、申し訳ございません・・・・」

先ほどまで言い争っていた二人は、お互いに涙目で頭を擦りながら承諾する。
どうやら、明日菜の怒りの拳が直撃したようだ。
二人の共通の親友は、強かった。

明日菜が出ていき、しばらくすると部屋の外は静かになった。
木乃香は机で作業を進めながら、刹那は明日菜に出してもらったお茶をすすりながら、その場で沈黙していた。

「・・・・」
「・・・・」

重たい空気。
その中にペンを走らせる音と、お茶をすする音だけが響く。
自分の部屋ではない為に居心地が悪い刹那は、意を決して口を開いた。

「お嬢さま・・・・あの・・・・」
「・・・・なんや?」
「私の言い分も、聞いていただければと・・・・」
「・・・・うん」

明日菜の拳が効いたのか、二人は落ち着きを取り戻していた。
木乃香はペンを置き、刹那と向き合う。
刹那もしっかりと正座して、木乃香を見た。
399週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:20:30 ID:cnGbh7Os

「実は昨日・・・・行き倒れてしまいまして・・・・」
「行き倒れ・・・・?」
「はい。仕事からの帰路で倒れた所を、ザジさんが助けてくれたみたいなんです」
「怪我・・・・ないん!?」
「はい、その点は大丈夫です」

刹那は事実を木乃香に伝えた。
連日の雨で身体が弱っていた事。
倒れてから昼に目覚めるまでの記憶は無い事。
・・・・本当に、木乃香が勘違いしているような事に心当たりが無い事。
そして自分の体調管理を怠った結果が、こういった事態を引き起こした原因である事。

「ですから・・・・私が悪いんです・・・・。ごめんな――」
「ストップ」

木乃香は謝る刹那を制止した。

「なんでせっちゃんが謝るん? せっちゃんは悪い事しとらんのやろ?」
「・・・・ですが、自己管理さえできていれば起きなかったことです」
「急に具合悪くなるんは、誰だってあるえ・・・・」

木乃香は立ち上がると、先ほどペンを走らせていたノートを手に持って刹那の隣に移動した。
刹那が身体が緊張するのがわかる。

「・・・・さっきはウチに強気で言い返してたんに・・・・いつものせっちゃんに戻ってもうたな?」
「あ、あれは・・・・つい・・・・」
「あれでこのちゃんって言うてくれてたら、昔した喧嘩みたいやったのにぃ」

売り言葉に買い言葉だったとはいえ、刹那は木乃香に逆らった事になる。
従者としてはあるまじき行為。
400週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:21:27 ID:cnGbh7Os
「うぅ・・・・ごめんなさい・・・・」
「せっちゃん、謝りすぎや・・・・たまにはさっきみたいにビシッとしてみ?」
「む、無理です・・・・」

刹那は頭が上がらない。
そんな刹那に木乃香はノートを差し出した。

「これ、今日やった授業の範囲や。先生が授業中に言った事もメモしてあるからな?」
「え? あ・・・・」
「・・・・怒っとっても、やっぱせっちゃんの事しか考えられへんみたい」

先ほどから木乃香が書いていたノートは、刹那の為に作った物だったのだ。
刹那は木乃香の優しさに感激しつつ、そのノートを受け取る。
・・・・木乃香はノートを受け取った刹那を抱き締めた。

「お、お嬢さま・・・・!?」
「ごめんな・・・・せっちゃんが浮気した思うたら、なんや無性に腹立ってもうて・・・・」
「・・・・申し訳ございません」
「せっちゃんやなかったら、こんなに怒らないんやえ?」

せっちゃんは特別なんやから、と木乃香は笑いながら刹那の頭を撫でる。
刹那は大人しく、木乃香の好きなようにさせていた。

「身体はもう大丈夫なん・・・・?」
「まだ少し、だるいのですが・・・・大分良くなりました」
「ザジちゃんは、ウチの大事なせっちゃんを助けてくれたんやね・・・・後でお礼言わなあかんな」
「は、はい・・・・」

"大事なせっちゃん"の部分に照れる刹那。
木乃香はそれに気付いていて、照れて逃げ出さないように抱き締める腕に力を込める。
最初は身体に力が入っていた刹那だったが、時間が経つにつれゆっくりと力を抜いていった。
そしてさほど時間も経たずに聞こえてくる、規則正しい寝息。
401週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:22:14 ID:cnGbh7Os

「まだ疲れてたんやね・・・・」

木乃香はこの時、初めて自覚した。
自分の感情は、刹那によって大きく変化することに。
大きな悲しみから大きな怒りへ、そして大きな罪悪感へ。
刹那の行動は、こんなにも自分に大きな影響を及ぼしていることに。

「ほんまに・・・・疑って、ごめんな・・・・」

木乃香は刹那に囁く。
その声は相手に届いてはいなかったが、きっと木乃香自身の成長に繋がったであろう。

*

「ザジちゃん〜、おる〜?」
「・・・・?」

次の日、木乃香と刹那はザジの部屋に訪れた。
もちろんお礼を言うためである。

「ザジさん、助けてくれてありがとうございました」
「・・・・もう平気・・・・?」
「はい、おかげ様ですっかり良くなりました」
「あー! 木乃香と刹那さんじゃん! 昨日どうしたの〜?」

話の途中で、クラスメートが昨日の騒ぎについて聞き出そうと近づいてくる。
木乃香は刹那を犠牲にして、ザジと話す。
402週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:23:07 ID:cnGbh7Os

「せっちゃんの事助けてくれて、ありがとな」
「・・・・大丈夫、いつもしてることだから・・・・」
「いつも?」
「・・・・犬とか、猫・・・・よくあそこに捨てられてるから・・・・」

つまりザジは、"犬や猫を拾うのと同じ感覚で刹那を拾った"・・・・という事らしい。
結果的にはそれで刹那は助かったのだが、刹那はザジの飼う動物たちと同じ扱いだったと言う事になる。

「ザ、ザジちゃん、それせっちゃんに言ったらあかんえ?」
「・・・・?」
「きっと傷付くと思うし・・・・それにせっちゃんはウチだけの――やからな?」
「・・・・わかった・・・・」
「た、ただいま、戻りました・・・・。あれ、何の話をしてるのですか?」
「ううん、なんでもないえ〜v な、ザジちゃん?」
「・・・・うん・・・・」

刹那は仲間外れにされて、やや不満げの様子。
その刹那の手を木乃香は握って、自室へと歩き出した。
それだけで照れて、不満も言えなくなる刹那。

「ほんでな・・・・これからは、仕事終わったら必ず連絡入れてな」
「え? でも遅い時もありますし・・・・」
「ダメ、命令。次行き倒れたら、誰も助けてくれんかもしれへんやろ・・・・」
「・・・・はい、わかりました」


木乃香が刹那の為に書いたノート。
それは役目を終えた今でも、刹那によって大事に保管されている。
もしこれからの道で二人がすれ違いかけても、きっとそのノートの思い出が二人を繋げてくれるであろう。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
403週間テーマ? 好き放題:2007/06/21(木) 01:25:52 ID:cnGbh7Os
キーワード:『好き放題』『喧嘩』『犬』『ノート』

とりあえず"説明不足の状況で喧嘩"させたかったので、ザジを。
深い意味はありません、ザジのキャラが良くわからなく薄情っぽくなっちゃいました。
最初は木乃香が刹那を「好き放題」にする予定だったのですが、そちらは鬼畜となっていた為に急遽書き直しました。
申し訳ない、技量不足です。

こんな俺にたくさんのキーワード、ありがとうございます(´;ω;`)カンゲキ
404名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 01:26:07 ID:rNno4Gya
寝る前にいいもの読ませてもらった。
ありがとう。
405名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 01:26:54 ID:+FQhEb+e
GJ!
いつも素晴らしい!


> ウチだけの――
多分アレだろうwわかったけど伏せておくwww
406名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 01:46:29 ID:4UgcvcOT
>>403 週間テーマでSS書ける貴方に感動!
GJ!わけもわからず喧嘩するこのせつGood!!
つか,裸でうなってるせっちゃん見て不埒な想像する
このちゃんってありえねぇ〜。
だからかえって良かった♪

ネギ板保管板のこのせつエロが中途半端に終わってて
もっのすごい不完全燃焼だったから”木乃香が刹那を「好き放題にする」”に
非常に強く反応してしまった(藁。
鬼畜このせつすげーよみてー(できればエロで)
407名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 03:58:28 ID:ay7/RyM/
>>403
GJ!!!素晴らしい^^
今からぐっすり眠れそうです。
408名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 12:57:36 ID:i1w4xwkt
逆に漏れは眠れんww
409名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 15:49:17 ID:1WSBT+ou
>>403
亀レスだがъ(゜Д゜)グッジョブ!!
410名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 18:24:34 ID:aDsgDTr9
GJ!ネ申降臨!!
ザジも割りと好きな俺には最高のssだったw
411名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 22:47:43 ID:cnGbh7Os
久しぶりに週間テーマじゃないモノを。
一気に書き上げたので、クオリティは低め。

ttp://www.lifeact.jp/kazaoto/kanjiru.html

パソコンの方は、↑の「南部鉄器の風鈴」の音を聴きながらどうぞ(強要はしないが
412『風鈴』:2007/06/21(木) 22:48:36 ID:cnGbh7Os

――リーン、リーン

透き通った綺麗な音。
この音が夏の風物詩だとすぐにわかるのは、きっと日本人だから。
英国人のネギ君は「綺麗な音ですね」って言ってくれた。
私と明日菜は「懐かしいね」って笑い合った。

いま目の前にあるこの風鈴は、今年になって初めて私たちの部屋に来たんだけど・・・・実は二年前から存在は知っていた。
形も、どこにあるのかすらも知らなかったけど、音だけは毎年聞いていたから。

*

――リーン・・・・

「綺麗な音やね〜」
「ん〜・・・・?」

まだネギ君もいない、中学生になって初めての夏。
私と明日菜は、部屋の窓を開けて空気の入れ替えをしていた。
その時に聞こえたのが、この風鈴の音。

「近いね。・・・・不思議な音」
「南部風鈴って言うんやえ」
「へぇ、よくわかるね」
「京都にいた時、毎年聞いてたから」

風鈴は寮でもよく見かける。
でも学生が持っている風鈴は、大抵はガラスで作られた見た目が綺麗な物ばかり。
逆に南部風鈴の方は鉄器で作られていて、見た目がごつい。
だけど、江戸風鈴とは違ったすごく透き通った音を出してくれる。
413『風鈴』:2007/06/21(木) 22:49:25 ID:cnGbh7Os

「ウチは、南部風鈴の方が好き」
「うーん私はやっぱり見た目で選んじゃうかな」

太陽も高くなり、さすがに暑くなってきたので冷房にする。
もっと外から聞こえる風鈴の音を聞いていたかったけど・・・・明日菜が駄々をこね始めたのだから仕方が無い。
渋々窓を閉めるしかなかった。

――これが、私とこの風鈴の初めての出会い。

*

――リーン・・・・

「このか〜、今年もあの音聞こえるよ」
「あ、ほんまや〜」

2年生になってからも、その音は聞こえた。
去年から隙があれば窓を開けてこの音を聞いていたから、明日菜も反応するようになったみたい。
どうやらこの風鈴の持ち主は几帳面みたいで、風物詩らしく夏場だけにこの音が響いていた。

「寮の周りって静かだから、いい感じに響くね」
「そやね〜・・・・京都に戻ってきたみたいやぁ」

京都・・・・っていったら、私は幼馴染の事を思い出してしまうんだけど・・・・。
その子とは去年から同じクラスになれたんだけど・・・・嫌われてしまったのか、話してくれないようになっていた。
何か嫌われるような事、しちゃったのかな・・・・。

「お、ホームシック?」
「・・・・そんなんやないってv」
414『風鈴』:2007/06/21(木) 22:50:13 ID:cnGbh7Os

寂しそうな顔をしてしまったのか、からかわれてしまった。
少し無理をして笑う。

「今日は涼しいし、このまま窓開けたままで昼寝でもするえ〜v」
「うん、賛成〜!」

――その時見た夢・・・・私は幼馴染と遊んでいた。
目覚めた時、寂しくて悲しかったけれど・・・・そんな私を、外の風鈴の音が癒してくれた――。

*

そしてこの寮に来てから、3度目の夏が来た。
でも今年はまだあの風鈴の音を聞いてない。
持ち主が忘れているのかな?

あ、それと・・・・去年と違う事がもう一つ。

「お邪魔するえ〜」
「はい、どうぞ」

私は幼馴染のせっちゃんと、仲直りする事ができていた。
嫌われてたんじゃなくて遠慮されてただけみたいで・・・・修学旅行の時、やっと気持ちを確かめ合う事ができた。
今では毎日のように、お互いの部屋に出入りしている。

「少し暑いですね、窓を開けます」
「うん。・・・・・・・・あっ――」
415『風鈴』:2007/06/21(木) 22:51:37 ID:cnGbh7Os

――リーン

聞き覚えのある、あの音がした。
自分の部屋で聞くよりも、とても近い所で聞こえる。
慌てて窓の方向を見ると・・・・そこには小さめの南部風鈴があった。

「せっちゃん・・・・それ・・・・」
「あ、これですか? 麻帆良に来る時に京都から持ってきたんですよ」

毎年夏場に出してます、とせっちゃんは笑った。
でも私は・・・・気がついたら、泣いていた。
急に泣きだした私に、せっちゃんは大慌て。

「お、お嬢さま!? この音、嫌いでしたか!?」
「・・・・ううん・・・・なんやか・・・・感動してもうて・・・・」
「え?」

寂しさとか悲しさの涙とかじゃなくて・・・・嬉しかった。
ずっと会いたかった人と、やっと会えた。
そんな感じ。

「えーと・・・・あの〜?」
「・・・・なんでもない! この音、大好きや!」

それからしばらく、風鈴の音を聞きながらせっちゃんと話してた。
「京都にいたときみたいだね」だとか、「南部風鈴の音は、他の風鈴の音より好き」だとか。
古風な家柄に生まれたせいか、私もせっちゃんも日本の文化の話が大好きだった。
416『風鈴』:2007/06/21(木) 22:52:19 ID:cnGbh7Os

「・・・・あ、そろそろアスナたちのご飯作らな。せっちゃんも食べてく?」
「すみません、今日は仕事が・・・・」
「そか〜、がんばってな?」
「はい。・・・・あ」

せっちゃんは何かを言いかけて、立ち上がる。
そして窓にかけてあった風鈴を外した。

「これ・・・・持って帰りますか?」
「え? でもこれ、せっちゃんが京都からもってきた大切な・・・・」
「・・・・お嬢さまを避けていた2年間・・・・そのお詫びとして、もらっていただけませんか?」

私は和解できた事が嬉しくて、過去のことなんて全然気にしてなかった。
だけど、せっちゃんはずっと後悔していた。
もういいよって言っても、せっちゃんはずっと離れていた時間の埋め合わせを探していて・・・・。
さっき"2年前からこの音を聞いていた"と話した時に、この風鈴を私に渡そうと思いついたんだと思う。

「・・・・ほんまに、もらってええの?」
「はい」
「ほんまにほんま?」
「はい、ほんまに・・・・です」
「・・・・おおきに〜! むっちゃ嬉しい!!」
「うわぁ!?」

感謝の気持ちを行動に表したら、顔を真っ赤にして驚かれてしまった。
そんな恥ずかしがり屋で、純真無垢な彼女からの贈り物。
嬉しくないわけがない。

「せっちゃんだーいすきーv」
「お、お嬢さま離れてください〜〜!?」
417『風鈴』:2007/06/21(木) 22:53:40 ID:cnGbh7Os

近づけなかった2年間・・・・透き通るこの音は、二つの部屋を繋いでくれていた。
離れていた悲しい過去を、この風鈴は優しい思い出に変えてくれた。
今もこの風鈴は私の部屋で、私たちを優しい気持ちにしてくれている。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『風鈴』

最近、週間テーマ以外投下してなかったので短めに。
風鈴の知識はほとんどないので、詳しくは各自ググってください・・・・。
418名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 22:56:38 ID:aDsgDTr9
投下現場目撃してしまた
被害者は俺、死因は「萌え死」
GJ!どんだけあんたは神なんだ!?
419名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 23:00:56 ID:+FQhEb+e
何というGJ。
同じく投下現場目撃組。
420名無しさん@秘密の花園:2007/06/21(木) 23:50:53 ID:4UgcvcOT
>>417
ええな。ええんや。もうまったりしすぎてなにもいえん。
でも一言だけ。GJ!
うちの心の中も優しい気持ちになったよ。
421名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 00:26:47 ID:K1ceHsri
夜勤の仕事、あと1時間あるけどこのせつでいっぱいww

早速ミスしたorz

GJすぎるんだぜ!?
422名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 01:17:43 ID:Z44w+unI
>>402,417

やっぱあんた神www
GJ過ぎてもう言う言葉が無いwwww



あ、でも油に火は注げないぜ?
火に油は注げるけど。
423名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 04:38:02 ID:7hEO5AvC
>>417
風鈴の音聴きながら読んだ、GJ!!!
424名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 09:57:59 ID:98dlKFyu
同じく風鈴聴きながら読んだ
もうこの上ないほどGJ!
425名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 11:31:24 ID:/AdJIwIW
>>422
うぉΣ(・ω・ノ)ノ!
ツッコミサンクス( ̄ー ̄;
426名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 19:28:04 ID:YpXw80WU
GJ!!神すぎる!!!!
優しくてはんなりしてて癒された
427名無しさん@秘密の花園:2007/06/22(金) 22:55:04 ID:Kfn+Wb/y
音付きとかイカスことするなぁw 今回も楽しませていただいた。GJ!
428名無しさん@秘密の花園:2007/06/23(土) 20:04:06 ID:ENBbgu2B
GJ!!ほのぼのもいいね〜
429名無しさん@秘密の花園:2007/06/23(土) 21:01:52 ID:R3++1zp7
>>403
いいよいいよ〜
鬼畜のほうの好き放題も読んでみたいです
430名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 13:54:25 ID:k7/iBf5l
だれかエロ投下してくれる人はィマイカww
431名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 14:16:18 ID:o/K4g9Tz
>>430
自分の妄想を投下するんだ!!
432名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 15:58:18 ID:O0OzLGBj
>>430
そうだ、自分の妄想を!!!

来週のテーマをお願いします。
433名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 17:23:53 ID:ZfvJdi8G
「雨も滴るいい女」 なんてどう?一応梅雨だし。

「雷」のとき刹那だったからできれば木乃香で!
434名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 18:37:33 ID:8T0vImWk
いきなりエロネタいきます。
435命令と束縛:2007/06/24(日) 18:38:24 ID:8T0vImWk
「なあ、せっちゃん」
「はい?」
「・・・最近色っぽくなってへん?」
「は・・・・・え?」

突然。
本当に、突然である。

「あ、あの、お嬢様?」
「何や?」
「何故、その、近付いてこられるのでしょう・・・?」
「いつものことやん?」
「あ、いえそうなのですが・・・何かこう・・・」
「な・に?」
「・・・・・・えと」

じり、じりと差が詰まる。
片や前に。片や後ろに。
しかし、明らかに後者が劣勢。
壁という避けがたい障害に、もれなくぶち当たる。

「あっ・・・」
「もう、逃げれへんよ?」
「・・・・・・お嬢、様」

一体何をされるのか。
それは、木乃香のみぞ知る。

「抵抗せんでな?痛くしてまうかも知れへんよ」

ごくり、と息を呑む音だけが響いた。
436命令と束縛:2007/06/24(日) 18:41:03 ID:8T0vImWk
これは命令だ。命令には逆らえない。

固まる刹那に、極上の笑顔で。

「さ、制服脱ぎ脱ぎしよな♪」
「・・・お嬢様、御戯れが過ぎます」
「違うえ〜せっちゃん。これから戯れるんやよ♪」
(か、会話がかみ合わない・・・)

刹那、冷や汗。

「やっぱり上から?それとも思い切って下から?」
「ほ、本気なんですか・・・?」
「ウチはいつでも大マジや!」

きっぱりと。
弁解する余地すら与えずに、言い切られる。

「どっちがええ?」
「え、選べません・・・おやめ下さい、お嬢様」
「ん〜・・・嫌や♪」
「そ、そんな」
「・・・選ばへんの?」
「で、ですから選べないと・・・」
「じゃ、上からな〜♪」

選択肢など、元からなかったのかもしれない。

「あん、さらしやん・・・ブラとか着けへんの?スポーツブラも?」
「・・・持って、いないので」
「ほか〜・・・(今度買ったらな♪)」
437命令と束縛:2007/06/24(日) 18:41:57 ID:8T0vImWk
若干上の空の木乃香。
緊張で硬くなる刹那をよそに、さらしを難なく解いてしまう。

「・・・・・・ふわぁ・・・」
「あ、あまり見ないで・・・」
「何で?すっごい綺麗やえ、せっちゃん」
「っ・・・」

恥ずかしさから目をそらすと、そっと木乃香の手によって引き戻される。
目が合った、と認識すると同時に、唇に柔らかい感触。
しかし柔らかいのも一時のことで、すぐに熱く荒れ狂うものへと変化した。

「んっ!?ふ、う、・・・・っ」
「せっちゃん・・・ん、」
「んくっ・・・ふぁ・・・」

力強く、押し付けるような、絡め取るような口付け。
刹那は全てを持っていかれそうな感覚に耐え、木乃香は全て吸い尽くそうと貪り続ける。
木乃香の唾液が刹那の口内に溢れ、刹那はこくり、こくりとそれを飲み下していった。
程なくして、木乃香の手が刹那の胸へと伸びる。

「ん・・・・っ、!?あ、あぁ、んぁあっ!」
「ふふ、せっちゃん・・・感度ええんやなぁ」
「あ、あ、駄目っ・・・弄らな・・・っ、ひぃん」
「やらしいなぁ、せっちゃん」
「・・・・・・!あ、やぁっ・・・!」

不意に、木乃香が刹那の胸に顔を埋める。
堪らぬ刺激に、刹那の身体が仰け反った。
438命令と束縛:2007/06/24(日) 18:43:01 ID:8T0vImWk
「小さいけど、やらかい・・・」
「っあ・・・お嬢さ・・・私・・・あぅ・・・」

刹那が、足を擦り合わせ始める。
瞳は潤み、どこか懇願するように。

「・・・何?どしたん、せっちゃん?」
「あ・・・・・・」
「ウチ、ようわからんなあ。ちゃんと言うてくれんと」
「い、言えませ・・・」
「じゃ、やめるな」
「っ・・・!?」

あまりにあっけなく、刹那から離れる木乃香。
刹那が切望の表情を浮かべても、何も感じないようにただ見下す。

「あ・・・あ・・・」
「何?せっちゃん、何もして欲しくないんやないの?何も言わへんもんな?」
「ち、ちが・・・違いますっ」
「ふーん?じゃあ、何して欲しいん?」
「・・・・!そ、れは、」

木乃香の言葉にふるふるとかぶりを振るも、己の口から言うのはやはり恥ずかしい。
察して欲しくて身体をくねらせるが、木乃香は気付かないフリ。
膠着状態が続く中、刹那の中の熱だけが熱くたぎってゆく。
僅かに震えだした刹那を見て、木乃香が耳もとで囁いた。

「・・・せっちゃん。何、して欲しいん?」
「う・・・っ」
「言って?」
439命令と束縛:2007/06/24(日) 18:43:43 ID:8T0vImWk
「・・・・・・・・・・・・ぁ」

刹那の中の最後の堤防が、ガラガラと音を立てて崩れた。

「ウ、ウチの・・・」
「ん?」
「ウチの・・・中・・・」
「中が?」
「・・・く、下さい!木乃香お嬢様の、ゆ、指で・・・っ」
「どうして欲しいん?」
「・・・・・・き、気持ちよくして・・・っ、イかせて、下さい・・・!」
「ん。よく言えたな〜♪」

途端、木乃香の指が下着の合間を縫って入り込む。

「あああっ!ひあ、こ、このちゃ・・・っ」
「アカンえ、せっちゃん。まだ我慢しい」
「そ、んっ・・・・無理・・・!」
「アカン」
「ふ、ああ!お嬢、さ・・・お願いですっ・・・!」
「もう、何回言わせるん?・・・しゃあないなあ。まだ早いかと思ったんやけど・・・我慢してな?」
「え・・・?、!?いっ・・・・!?あ、お嬢様・・・!?痛いっ・・・」
「ほらぁ、せっちゃんが早くて言うからぁ・・・でも、せっちゃんが悪いんやよ?」
「う、あ・・・・っ」

いつの間にか木乃香の手には太い棒状のものが握られており、それが刹那の肛門に無理矢理ねじ込まれていた。
刹那が激痛で流した涙を、木乃香はおいしそうに舐め取る。

「力抜いて・・・そう・・・平気やんな?」
「う、ん・・・っ、でも、まだ少し痛い・・・」
「大丈夫や♪せっちゃんなら、多分それも気持ちええんと違うかな?」
440命令と束縛:2007/06/24(日) 18:44:28 ID:8T0vImWk
「・・・?どう、いう・・・?」
「ま、やってみんとわからんけど〜」
「・・・・ぁ、う!や、ちょ・・・まだ動かさな・・・痛いですっ・・・!」
「平気や、ホラ。せっちゃんのココ、どんどんびしょびしょになってるえ」
「あっ・・・!や、はぁっ・・・見んといて・・・このちゃん、お願っ」
「ふふ・・・すごくエッチやえ?ココも、弄ったるからな・・・」

くちゅり、と濡れそぼった秘所に指を入れ乱暴にかき回す。
刹那が喘ぎ声を上げ善がっているのを見ながら、木乃香も自分の秘所に手を伸ばしていた。

「ん!あ、ああ!このちゃん、ん、あっあっ!ウチ、ウチっ・・・!」
「ん・・・・一緒に・・・」
「あ!ふぁ、あ!このちゃあっ・・・このちゃあんっ・・・!」
「せっちゃん・・・っ!」
「ああああああっ!ふ、やあ!イッ・・・・・ひぃあああぁぁああああぁぁぁっ!!」
「ふあああっ・・・!」

びくんと刹那が大きく痙攣し、爪先を丸める。
仰け反ると同時にプシャッと小さな音がし、木乃香の下腹部を濡らした。

「・・・あー・・・せっちゃん、潮吹いてもた・・・やっぱエッチやなあ・・・・・せっちゃん?」
「・・・・・・・んぅ・・」
「あちゃー、気絶しとるやん。よっぽど気持ちよかったんやねぇ。
 でも、まだまだこんなもんやないからな?ふふ、ウチがいないと生きていけへん身体にしたるえ・・・♪」

木乃香の妖しい笑みと共に夜が更けていった。



おわり
441命令と束縛:2007/06/24(日) 18:49:09 ID:8T0vImWk
エロって難しい・・・職人様を心より尊敬します
442名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 18:54:11 ID:THdEzOvH
GJ!
このちゃんが黒いw
443名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 19:17:27 ID:ZfvJdi8G
>>441
おお!エロ分補給!GJ!
いれたと思ったらお尻だってびっくり♪

>>430をうけてオイラもエロ書いてた。
だから>>431がいうように妄想かいてみたぞ。

だからSS落としたるぇ〜。
4441/3:2007/06/24(日) 19:18:35 ID:ZfvJdi8G
「ちょっっ,せっちゃんあかんて……。」

絡み付く刹那の腕を焦って解こうとする木乃香。

「大丈夫ですよ……まだ誰も来ませんから……。」

興奮しているのか,荒い息を抑えて刹那は木乃香を諭す。
もがく木乃香をしっかりと正面から抱きとめ,動きを制限する。

「うち水着やんか。こんなん……ん……。」

それでももがく木乃香を抑えこみ,強引に唇を奪って深く舌を絡める。
舌先で木乃香の敏感な部分を弄ると,抵抗していた力が抜け,刹那に体を預けてきた。
シャワー室の壁に木乃香の体を押しつけ,木乃香を抱いていた腕を緩める。
刹那は開いた方の手で木乃香の体を揉むように弄り始めた。
倒れそうになる木乃香をしっかりと支え,絡めていた舌を木乃香の首筋に這わせた。

「ひゃっっ,あ……ダメ……んぅ…くぅ…ん……ん。そんなとこっ。」

木乃香の体を支えるために刹那が手を伸ばした先は,木乃香の臀部だった。張りのあるお尻の膨らみを両手で鷲掴みにし,揉むようにしっかりと捕まえて放さない。

「あん……嫌や……そんなん…。」
「お嬢様,息が荒いですよ。感じていらっしゃるんですね。」
「はぁん……ちがっっ……ぅん……。」

水を含んだ水着は体に対する密着度が増加し,触れ合う胸の膨らみはわずかな動きでも擦れ合ってしまう。それが余計に刺激を増し,二人の呼気を熱くさせる。

「ひゃっっ!!そっち……もっとダメ…ぁん……ぁ。」
4452/3:2007/06/24(日) 19:20:05 ID:ZfvJdi8G
揉みしだいていた木乃香のお尻をよりしっかりと掴むと,刹那の指先は木乃香の深みにしっかりと食い込む。
指先に触れたのは,木乃香の秘蕾だった。揉むたびに触れる感触は木乃香の体に激しいパルスを送りこむ。
刺激に呼応して背筋と顎が仰け反る。

「…はぁ……唆したのは貴方ですよ。…こんな場所なら私が事に及ばないとお思いでしたか?」
「せやかて……。」
「水着姿の貴方に唆されたら,いくら私だって自制がききませんよ。」
「はぁ……んぁ………。」
「時間もありませんので,直ぐに良くして差し上げます。」

刹那の指先が,木乃香の秘所へと伸びる。水着越しに触れると,熱気のこもった湿り気を感じた。
刹那は,引っ掻くようにスリット上に指を動かす。木乃香の体の中に行き場の無い官能が走る。身動きのほとんど取れない木乃香は,刹那の背中に腕を回し,しっかりと抱き締めることで,その官能に堪えた。
自分の体を駆け巡る官能の波と,いつ誰が入ってきてもおかしくないシャワー室での緊張感が,木乃香の神経を必要以上に敏感にさせた。目尻に涙を溜め,刹那に懇願する。

「早よ……イかせて……。賭けは…ぅ…ん…うちの負け…やから。」
「はい。お望みのままに。」

熱い吐息の漏れる木乃香の唇を自分のそれで塞ぎ,大きな声を出させないように刹那は木乃香の声を封じる。
それと同時に,秘所を撫でていた指先を水着の下にもぐりこませ,木乃香の中に挿し入れた。
もう探さなくても十分に知っている木乃香の中の最も感じる部分を挿し入れた指で存分に揉みこむ。そして同時に親指で木乃香の敏感な突起を刺激するのも忘れない。

「むぅ……んっんぅんぁん……んんんくんぅんんぅぅぅぅぅぅぅ……。」

程なくして木乃香は絶頂に達した。力の抜けた体を刹那に預け,激しく酸素を求めた。刹那は指を引き抜くと,ぎゅっと木乃香を抱き締めた。それに応じて,荒い呼吸をしたまま,木乃香も刹那の背に腕を回した。

「あの……さっき聞き流したんですけど,”賭け”って何の話ですか?」

木乃香はビクっと体を振るわせ,何事も無かったかのように笑って誤魔化した。
4463/3:2007/06/24(日) 19:22:16 ID:ZfvJdi8G
「お嬢様。」

珍しく刹那が詰め寄る。もう誤魔化しきれないと悟ったのか,木乃香が白状した。

「……あんな。うちがせっちゃんに迫って…どのくらいで落ちるんか…賭けてたんや。」
「へぇ……誰と?」
「あ…(せっちゃん,目怖いで)…アスナ達……。」
「今日の皆さんですか。」
「ごめんな。内緒にしてて。」
「でもそんなのお嬢様が言わなければわからないの…で…は……?!」

言いかけて,刹那は気付いた。いくら木乃香だからといって賭けの結果を違えることは無いだろう。
それよりも問題は…。あの野次馬集団が何もしないでただ待っているだけとは考えにくい。
耳を済まし,精神を集中させると複数人の気配を感じることができた。
通常なら刹那がそんなへまをすることは考えられなかったが,本日のギャラリーの全員は修行の成果のためか,
それとも情事を観望するためにか気配を消すのが更にうまくなっていた。

「……お…お嬢様……まさかご存知で?」
「なんのこと?」

刹那のその言葉の意味は木乃香にはまったくわからない様子。まんまとはめられたことに気付いた刹那は頭を抱え込んでしまった。

(ああ。お嬢様。何事も程々にしてください…。)

この状況では出るに出られず,かといってこのままでいるわけにも行かなく,しばらくの間途方にくれる刹那であった。
部屋の隅では,予想以上の結果を目の当たりにして赤面硬直してしまった数人の影があったとさ。
447名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 19:23:55 ID:ZfvJdi8G
いつも駄作で済まん。
一回水着エロ書きたかったんだ。

足りないシチュは脳内補完ヨロ!
お目汚し勘弁してね♪
448名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 19:47:11 ID:jeWVStQt
>>441.447
二つのエロを続けて見て、今悶々としておりますw
素晴らしいっGJです!!!
449名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 20:02:16 ID:CQlqBA+9
ちょ、あんたすっげ上手いよ。水着とかエロすぎwGJ!

>>441
このか黒杉wwほんとに鬼畜って感じですな。
ハードなのも珍しくていいね。GJ!


今日は攻守両方見れて幸せだ〜エロ祭り?w
このスレは妄想を文章にできる職人様が沢山いてすごいよね
450名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 20:09:24 ID:HmId+Csd
ちょwww。
テラヤバスGJ!!

451名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 20:18:53 ID:THdEzOvH
やべぇwこの後が何となく気になる……GJ!
452名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 20:27:54 ID:UdXpYj03
2人ともGJ!!!!!
木乃香も刹那も黒すぎw
453名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 20:43:57 ID:O0OzLGBj
書けと言われて書いてしまうお前らが大好きだwww
454名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 23:10:09 ID:/Alfz+Dw
やべぇよこれはww
2人ともちょーGJ!!
455名無しさん@秘密の花園:2007/06/24(日) 23:36:01 ID:ZfvJdi8G
447です
皆さんGJさんくす。
初投下から1ヶ月が過ぎ,お蔭様で今回のSSで第9作品目となりました。
これからもよろしくお付き合いくださいませ♪

>>444-446について,
この後(水着エッチ&シャワー室)の展開で妄想してたのは,
   1)後で軽々しい行動の木乃香を刹那が躾る
   2)ギャラリーに気付かないふりして激しいヤツを見せ付ける。
   3)逆に木乃香に責められる刹那<--やっぱり見せ付ける。
とか?

やっべ。これも萌える。他に何か良い展開ないかな?…いや書くとかは別で…。
456名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 01:09:12 ID:ijGUNaW1
いや、書いちゃって下さい
3もいいが展開的に1か2かな?
それに最近このせつばっかだし
457名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 01:17:55 ID:JMkOFeVl
小生が書きましょうか?
458名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 03:43:25 ID:+Hnx6Msn
おまいら全員かけw
459名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 05:46:47 ID:7bv4PKCv
>>455
このせつ好きとしてはぜひ3と言いたい
460名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 15:55:14 ID:UV3j2P20
ここはやっぱ2でww
461名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 16:35:25 ID:ynapWidi
2だよ2ww
462名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 17:26:10 ID:Xg62CZZS
3を希望で
463名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 17:40:49 ID:Ur0UmenF
潮吹きせっちゃん(´Д`*)ハアハアハア
464名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 19:49:02 ID:ijGUNaW1
ここは2だろ
465名無しさん@秘密の花園:2007/06/25(月) 22:19:23 ID:bkHjw6Qs
個人的には1希望(・ ω ・)
466名無しさん@秘密の花園:2007/06/26(火) 16:51:03 ID:Iq4uMf4p
全部書いちゃってくれ!
467名無しさん@秘密の花園:2007/06/26(火) 17:35:12 ID:I7dxDbcJ
同じ職人としていうが、みんなでレスしまくると
かえってプレッシャーがかかると思う
468名無しさん@秘密の花園:2007/06/26(火) 18:02:23 ID:QRZ6zyma
職人様が書きたいものでいいだろ
469名無しさん@秘密の花園:2007/06/26(火) 18:19:17 ID:sX5KKPn2
みんな素晴らしいSSだから期待度が高いんでしょうね
俺も職人様が自由に書いてくださったSSが大好物です
470名無しさん@秘密の花園:2007/06/26(火) 18:56:35 ID:mBOiPARu
同じ職人としていうが、レスがつくのは力になる。
まぁ自由にがんばれ〜。
それで文句言うヤツがいたら、俺たちが叩いてやる。
471名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 03:07:41 ID:StsigxLQ
明日も仕事なのに俺大丈夫か?
あんま見直ししてないから,おかしかったら教えてくんろ。
言い訳するなら,エロは勢いだ!とだけ言っておく。
4721/7:2007/06/27(水) 03:08:40 ID:StsigxLQ
【続編】

皆さん。お戯れが過ぎますよ?

これまでも木乃香と刹那について,時々話題のネタにされてきた。
さすがの木乃香も刹那との赤裸々な関係までは暴露していないが,お年頃の女子生徒たちには二人は格好のネタらしく,
もちろん冗談でそれらしくからかうこともあった。木乃香のノリの良さは周知の事実で,周囲に乗せられると,
人前でもかまわず刹那の頬にキスすることも珍しくなかった。刹那はそのたびに慌てふためき,様々な噂を打ち消し,木乃香に注意を促していた。
刹那は木乃香との関係を保つために,木乃香は刹那との関係を深めるために,お互いがお互いのために正反対の行動をとっていた。
今回のトラップもその一端だろう。何の疑問も持たず,懐が深く偏見が無いことは木乃香の長所だと刹那も思う。
しかし,警戒感があまりにも無いのもどうだろうか…。しかし今回の一件は刹那も強く出られなかった。警戒感が薄かったのは刹那も同じだったから。

途方にくれた刹那の脳裏にふっとある考えがよぎった。

(このまま出ていっても気まずいだけだ。この際だから私とお嬢様の関係を十分に堪能していただこうか…。)

普段の刹那ならこんな考えは微塵も浮かばなかっただろう。
けれど,興奮冷めやらぬシチュエーションと刹那の腕の中で頬を上気させた木乃香の表情が,刹那の判断を変化させた。部屋中に気を巡らせて状況を把握する。
部屋には誰が施したのかなんと弱いながらも人払いの術が施されていた。これなら一般人ならまず立ち入ることなかろう。また隅に潜む数人は息を潜めて身を固まらせている。刹那の考えを実行に移すための条件はほぼ整っていた。

「…せっちゃん?」

頭を抱えていた刹那の目の色がわずかに変化したことに木乃香は気付いた。しかしそれが何を意味するのか木乃香にはわからなかった。再び刹那は木乃香の体に腕を回し,今度はやんわりと,情熱的に抱き締めた。

「/////……せっちゃん?」

先ほどの性急さとは打って変わって,刹那の優しい抱擁に木乃香は戸惑う。刹那はそのまま,木乃香の額,頬,目蓋,耳朶と啄ばむようなキスを降らせた。

「お嬢様。この際ですからもう少し楽しみませんか?……最近シてませんでしたし…。」

これは実は刹那の本音。恐らく木乃香の誘惑に落ちてしまったのもそのせいかもしれない。刹那の優しいキスに,恍惚とした表情で木乃香は言う。
4732/7:2007/06/27(水) 03:11:05 ID:StsigxLQ
「/////……積極的やね。今日のせっちゃん。」
「貴方が私を唆したんですよ。」
「うちのせいにするん?唆されたのはせっちゃんやろ?」
「………意外と……こういうシチュエーションが好きなのかもしれません。」

遠くから,生唾を飲み込む音が聞こえる。刹那にしか聞こえない,わずかな響き。木乃香にはまだ気付かれていない。
刹那は木乃香を壁にもたれさせ,本格的に木乃香の性感帯に吸い付きはじめた。
隠せないところなので,跡を残さないように注意する。

「……ふぁ……ん……ぁ……。」

木乃香の鼻に抜ける甘い声が辺りにそっと響く。首筋に唇を落とすと,タイトな水着のせいでわずかに見え隠れする双丘の谷間が見えた。そっとそこへ顔を埋め,伸ばした舌先で双丘を舐め擦る。

「ひゃぁ……それっっ…こそばいっ……ぇ…。」
「気持ち……いいんですね。ここも……固くなってます。」

水着の上から木乃香の胸の突起をなで上げる。滑らかな布地のせいか,その形は比較的はっきり現れていた。
水を含んだ布地は肌に張り付き,わずかな動作でも擦れ合う感触が体に伝わった。ゆっくりと刹那はそこに指を這わせる。
円を描くように動かしつつ,力を少し加えて押し込めたり,また爪の先で弾いてみたりと,強弱をつけた刺激を木乃香に送りこむ。次第に木乃香の吐息は熱を帯びたものとなっていった。

「……ふぁ……ぁん…っくんぅ……っ…。」

刹那から送られてくる官能的な刺激が、木乃香の全身に伝わっていく。
刹那は木乃香の粟立つ肌をぺロっと舐め,木乃香の様子を窺った。
恍惚とした表情に上気した肌。普段以上に興奮しているのは火を見るより明かだった。

「……お嬢様こそ…どうなさったんですか?今日は一段と感じやすいんですね……。」

刹那は木乃香の耳元で囁きながら,手を下腹部に移動し,水着越しに木乃香の秘所を撫でた。
先ほどの熱も冷めやらぬ間に木乃香の体に新たな刺激が送りこまれる。
4743/7:2007/06/27(水) 03:13:06 ID:StsigxLQ
「っんっ……せっちゃんが…はぁく……ん……積極的やから……うちも興奮してまうんよ…。」
「では,もっと興奮なさってください。……皆さんにも聞こえるように。」

行きも絶え絶えに言葉を紡ぐ木乃香に,刹那は真実を伝える。
刹那の言葉の意味を木乃香は理解できないままでいた。ふわふわと心地良い快感に包まれていたが,その口からは疑問の声が漏れる。

「………えっ………?」
「私の気をお分けします。ご自身でお感じ下さい。」

刹那は額を木乃香のそれに密着させ,何やら呪文を唱えた。木乃香の脳裏に見知った人物の気配が感じられた。木乃香が理解した様子を見届けると,刹那は額を離して木乃香に囁く。

「おわかりいただけましたか?私達の営みは全て聞かれていたようですね。」
「//////……そんな……ふぁ……んぁ……。」

刹那は囁きと同時に愛撫の手を再開する。木乃香は今の自分の痴態が友人達に筒抜けであるという現実を把握した。しかし,既に十分に煽られている官能は止めることができない。

「ちょ……まって……せっちゃ……ふぁ…ぁん……ヤメ……ん。」
「……お嬢さま。いつも申し上げているではありませんか。軽々しい行動は危険だと…。」
「せやかて……ふぁ……だめ…ぁ……あふぅ……ん……。」

言葉とは裏腹に木乃香の体は刹那の愛撫に反応して快楽の声を上げてしまう。聞かれるのは恥かしいと頭はわかっていても体が応じてくれない。木乃香自身はそんな葛藤に揺れ動いていたが,それ事態も木乃香の官能を揺さぶる一員となりつつあった。

「……とはいえ,私にも責任があります。」
「…せ…責任?……。」
「アスナさん達に思わせぶりな態度をとっていたからこんな賭けをお嬢様に持ちかけたんだとしたら……」
「……………?」
「私達の関係を十分に知っていただければこんなことは二度と起きないかと……。」
「!!………それって……。」

こういうことですよと言葉を交わすかわりに正面から木乃香を抱きとめていた刹那は,木乃香の片方のひざの下へ腕を回し,片方の足を肩まで抱えあげた。木乃香の秘所から臀部まで,やや水着が食い込んだそこは,無防備に晒された。
4754/7:2007/06/27(水) 03:14:40 ID:StsigxLQ
「////ひゃ……!やめ……せっちゃ……んぁ……。」
「もっと気持ち良くして差し上げますよ。お嬢様。聞かれているのもわからないくらい夢中にして差し上げます。」

水着の布越しに,木乃香の秘蕾を揉み込む。
固くすぼまったそこは,体の他の箇所とは異なる弾力のある触感を刹那に返してくる。
羞恥心からか,先ほどのように声を上げようとしない木乃香だったが,体を貫く快感にどうしようもなく蕩けそうになっている恍惚とした表情を見せていた。

「…ココに触れるのは今日が初めてだというのに,お嬢様のお体はエッチですね。」
「いや…ぁ……言わんといて………堪忍……して……ぁ……っくぅん……はぁん……。」
「ほら……いやらしく腰が動いていますよ。」

そう言って刹那は,秘蕾への刺激を続けながら,もう片方の手で全身の性感帯への愛撫をはじめた。
首筋への口唇愛撫は言うの及ばず,全身を余すところ無く攻めたてられる。羞恥心の反動によって木乃香の神経はより過敏になり,刹那の木乃香への愛撫が普段よりも刺激的なように感じられていた。木乃香は口から漏れる快感の声を抑えるのに限界がきていた。

「……我慢なされなくても良いのですよ?」
「ひぅ……あ……あ…ふ………んぁ……せやかて……。」
「もう……我慢できないんじゃありませんか?」

全身への愛撫を施していた刹那だったが,木乃香の潤った秘所へは一切愛撫を手を進めなかった。
むしろ焦らすように直ぐ近接を撫で上げるだけで,本格的な刺激を送ろうとはしなかった。それは木乃香自身も感じていた。
最も触れて欲しいところへ欲しい刺激はやってこない。恥かしさとは違う次元で木乃香は求めていた。
木乃香の秘所は水着に隠れているが,熱く濡れそぼってヒクヒクと物欲しげに蠢いている様は見えなくても十分想像できた。
そのくらい木乃香の表情には物欲しげな欲望が見え隠れしていた。一層焦らすかように刹那は木乃香に熱っぽく囁く。

「どうなさりたいですか……お嬢様……。お望みのままに……して差し上げますが……。」

空を彷徨っていた木乃香の視線が刹那を見つめる。熱に浮かされたように潤んだ瞳は刹那に欲望を訴えかける。
先ほどまでみせていた羞恥心は気配を失い,その代わり行き場の失った官能の波が出口を求めて荒れ狂っていた。
艶やかな唇からは熱い溜息が漏れ,これから紡ごうとする言の葉を選ぶように,わずかに震えていた。
4765/7:2007/06/27(水) 03:16:11 ID:StsigxLQ
「………て………。」
「……して………。」
「……せっちゃ……ん……うち…もう………。」
「……直接…触って……。うちのこと…メチャメチャにして………気持ちようさせて……。」
「一つ……約束してください。」

木乃香の哀願を受け,刹那はこのチャンスを利用して一つ約束を取り付けることを思いついた。
内容は大した事ではないが,木乃香の官能を最大限に煽るためにも好都合だろう。一挙両得となれば良いが。

「……ふぇ?」
「あんまり軽々しい行動はこれから慎んでくださいね。約束してくださらなければ,これで終わりにします。」
「っや……やだ……やめちゃ……約束する……する…っから……ふぁ……ダメ…ぁ……ひゃ…んんっんんんっぃぅぅぅ。」

その言葉を聞きながら,刹那は木乃香の秘所を水着越しに引っ掻くように撫でた。木乃香は軽くイってしまったようだが,その瞳にはまだ欲望の色が消えることは無かった。

「…………お嬢さま。お望みのままに……。」

壁にもたれかかった木乃香の腰を抱えるように手を添え,刹那は木乃香の腰の高さで立ち膝の姿勢をとった。
布地越しに木乃香の敏感な突起を探り,唇でそこを強く咥えるように愛撫をはじめた。
よがる木乃香の体をしっかりと抱えつつ,片方の指先は布越しに木乃香の秘蕾を揉みしだいていた。
声にならない声を上げ,木乃香は身をよがらせる。自分でもしっかりと体を支えていないと倒れてしまうのはわかっていても,全身を襲う快楽はその力さえも奪っていく。

「く……はぁ………っんく…ふっ…んぁ……んっんぅんぁん。」

よがる体をなんとか保持し,絶頂を迎える木乃香。しかし刹那の愛撫の手は止まらない。

「………まだですよ。」

そういって水着を押し退け,直接木乃香の敏感な突起へ舌を這わせる。絶頂を迎えた直ぐのそこは,はっきりと起立し,刹那へ存在をアピールするかのようだった。じわじわとそこへ舌を這わせると,木乃香からはあられもない声が溢れだした。

「はぁん……ちょ…まって…んぁ…今……イったとこや……から……くぅん…ふあぁぁぁんんんんぁっぅぅ。」
4776/7:2007/06/27(水) 03:18:55 ID:StsigxLQ
木乃香の脚はがくがくと震え,拒絶の声が上がるが,絶頂を迎えて直ぐの強烈な刺激によって,程なく再び絶頂へと導かれる。

「……もうだめ……。凄すぎ……や……」

プルプルと震える足で壁を背に,刹那の頭に手を添えることでかろうじて立って居るといった姿勢で木乃香は真情を吐露する。
目に涙を浮かべ,ギブアップ宣言をする木乃香をにっこりと下から見上げ,刹那は続行を告げた。

「………まだですよ。お嬢さま。もっと乱れてください。」

そう言うと刹那は,水着を押し退け,木乃香の秘所に指を沈める。そこはこれ以上無いくらいに熱く潤っており,肉襞は刹那の指に絡まり,咥えこんで放さなかった。
二度の絶頂により,そこはすっかり窮屈に締め付けられていて指を動かすのも窮屈に感じられた。

「ふゎ……そんな……うち…もぅ…せっちゃあぁんぁ……はぁぁんぁ………いぃいっぃ。」

木乃香の最も敏感な内壁を乱暴に揉み込む。反対の手も水着の下にもぐりこませ,直接秘芯を弄った。
木乃香の体はもう立っているのがやっとで,いつ倒れこんでもおかしくなかった。
刹那は体全体で木乃香を支え,壁に押え込みつつできる限りの愛撫を施した。

「あっくっ…あ…ぅく………あっ…ああ…あっぅ…だめぇ……もうダメ………。」

木乃香の体ががくがくと震え,一際大きい官能の声が溢れると,そのまま腰が抜けたかのように床へとしゃがみこんだ。
刹那は指を引き抜くと,木乃香の秘所が別の水分で濡れそぼっているのが見て取れた。
木乃香は軽く気を失っているのか,放心した表情で激しく酸素を求めていた。

刹那自身これほど激しく木乃香を攻め立てることになるとは思いも寄らなかっただろう。
はじめに言っていた刹那の言葉は,

『………意外と……こういうシチュエーションが好きなのかもしれません。』


4787/7:2007/06/27(水) 03:20:02 ID:StsigxLQ
実は人に見られるとより興奮するという意味を表していた事を木乃香はまだ知らない。
刹那は観望者の様子を探る。別の世界にいってしまった人,赤面硬直のまま身動きが取れない人,
刹那の責め方をちゃっかり復習している人など様々な様子だった。悪戯もほどほどにということだろうか。
さすがにこの有様を真の記憶として留めておかれると色々と不都合があるので,後始末を付けることにした。

「これを使うか…。龍宮からもらった道具だが,まさかこんな風に使うとはな。」

それは,魔法具の一つで刹那でも使いこなせる記憶消しの道具だった。
刹那はちびせつなを呼び出し,観望者に振りまいてくるよう命じる。

「はいな。いってきま〜す。」

この場にはそぐわないほど能天気な調子で刹那の命令を実行に移したちびせつなであった。


◇◆◇

プール遊びも無事終え,何事も無く1日が過ぎ去ろうとしていた。シャワー室の一件も刹那と木乃香以外の記憶から無事に消えていた。………はずだった。ただ一人を除いて………。
始終何事も無かった風に装っていたアスナだったが,時々刹那に向ける表情がなんとも言えない色合いを含んでいた。
その意味を知るのはもっと後のこと。アスナが何事も強敵であることを刹那も身をもって知るのである。
479名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 03:24:53 ID:StsigxLQ
駄文失礼。懲りないヤツですが,温かい目で迎えてやってください。
自分的には,1と2の案を混ぜてみたつもりなんだけど。
ま,取り急ぎってことで。
エロは勢いだ!と言い訳して逃げる。
が,また明日?今日の夜?見にくるぜい。
480名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 03:32:26 ID:zmWDtR6+
>>472
リアル遭遇!GJ神様!
寝る前のチェックが…もう眠れんではないかw
次も楽しみにしてます、ありがとう!
いやあ〜猛烈に攻められるこのちゃんエェなぁ…マジ萌えた!
(*´д`)
481名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 04:24:43 ID:JLhWUZGc
それほんとに刹那か?
刹那はそんなひどい事できないだろ
482名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 09:16:27 ID:y04w1HmF
人の好みはそれぞれ
自分の好みに合わなかったなら何も書き込まずに、大人しく他の投下を待て
483名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 14:05:31 ID:8dL+bbui
最近シリアスエロばかりだねぇ。ギャグ読みたい。
484名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 14:46:24 ID:HYs9dMvZ
>>479
「責め方をちゃっかり復習している人」誰だろw
しかし明日菜は強敵ですねーGJ!!!でした^^
485名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 15:58:27 ID:6JQz3M9N
>>483
YOUがギャグ書いちゃえばいいのさ
486名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 17:19:45 ID:7yF8QEQS
GJ〜!

残念ながら、俺はギャグは書けないな・・・・。
ほのぼのとは違うんだよな?
>>483が妄想するギャグを書けば・・・・うん、いいと思うよ。
487名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 18:33:20 ID:rK8uCz3I
テラGJ!!!!!萌え死にました
たまには攻めっ攻めなせっちゃんもカッコイいな〜!
>>481
刹この嫌いなら見るなよ
488名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 18:38:14 ID:C0szdSpf
ぐじょおおおぶ!!
あんたサイコーだぜ!
これで職人さまがまたひとり増えたな!
489名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 19:49:35 ID:lmpWiXaM
GJーーー!!
攻めせっちゃんサイコー!!
感じちゃうこのちゃんにも萌え萌えだぜ〜
490名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 20:16:56 ID:8dL+bbui
文才があればなぁ……

今新しいドラマCD聞いてるんだが、相変わらずせっちゃん変態だな
491名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 20:20:26 ID:StsigxLQ
GJコールさんくす。
でも読み返してちと反省してたorz。
やっぱ勢いだけじゃダメかなぁ。
ちょっと調子に乗りすぎてたようですまん。

無駄なくらいの余談編を2レス落とさせてくださいな。
ただたんにちびせつなを書きたいだけなんだか。
懲りてないなおれ。
492余談1/2:2007/06/27(水) 20:21:49 ID:StsigxLQ
>>478の続きです。
【余談】

焦点の合っていなかった木乃香の視線はやっとぼんやりと像を結んだ。目の前には刹那と可愛らしいちびせつなの姿があった。
優しく微笑む刹那に向かって木乃香ははにかみながら愚痴をこぼす。

「……いくらなんでも……激し過ぎやで。せっちゃん……。」

困ったように自分の頬を引っ掻いて刹那もはにかむ。その隣ではくるりんぱとターンしながら
ちびせつなが嬉しそうにはしゃいでいた。

「だ〜い好きなこのかお嬢さま♪どうもですぅ〜。」
「あれま,ちびせつなちゃんやん♪ ん?手にもっとんのなんやの?」

木乃香はちびせつなが持っている変った形の持ち物に興味を引かれた。

「は〜い。これは都合良く記憶を消してくれる秘密アイテムで〜す♪」

くるくるとターンしながら何かにつけてポーズをとるちびせつなに笑みがこぼれた。

「記憶消し?」
「あはは…。いやちょっと……////…まずかったかなと思いまして……。」
493余談2/2:2007/06/27(水) 20:23:54 ID:StsigxLQ
先ほどの自分達を思い出して,刹那は困ったように視線を反らした。
それを聞いて,呆気にとられたような顔をしたかと思うと,木乃香は自分を思い出して照れてしまった。

「ん〜〜あかんなぁ〜。せっちゃんの言う通りやったわ。」
「?」
「途中からそんなこと,もうどうでも良くなってもうたんよ……うち……。」

せっちゃんに夢中やったわ,と顔を赤くして座ったままもじもじしていた。
それを聞いた刹那もつられて赤面してしまう。木乃香に背を向け堰払いを一つすると,気を取り直して木乃香に手を差し伸べる。
口を開こうとした瞬間,ちびせつなにタイミングを奪われてしまった。

「だ〜い好きなこのかお嬢さま♪お手をど〜ぞ♪」

それを見て苦笑する刹那に,優しく微笑む木乃香。嬉しそうにはしゃぐちびせつなは,

「それではわたくこれにてどろ〜ん♪」

といって,姿をくらました。タイミングを失った刹那は,どの言葉を続けて言いかわからず,
”おばかで済みません”とだけ言って苦笑いした。

「せっちゃんの式神はかいらしいなぁ。うち,ちびせつなちゃんお持ち帰りしたいわ。」
「………でも,いっか。」

困った顔の刹那を前に,木乃香はひとり納得する。良く事情のわかっていない刹那の手を抱え,
刹那の隣に移動して,頬にキスを一つ。

「うちには,かいらしい本体さんがおるもんね。」

自分の頬に手をやり,照れを隠しきれない刹那に,木乃香は続けて囁く。

「……今度はうちのばんやからね♥」
「………お手やわらかにお願いします。」
494名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 22:54:40 ID:lmpWiXaM
ほのぼのGJ!!
このせつ職人が増えて嬉しい限りだ〜
495名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:07:33 ID:y04w1HmF
>>490
このせつシーンどんな感じ?
このせつにしか興味ないから買うの躊躇してる
496名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:15:47 ID:zmWDtR6+
…今度はうちの番…?
そうか!次があるんだな!
攻めこの楽しみにしてますw
いやぁホントに、頑張ってほしいよ!
待ってるからな〜ノシ
ぜひまた投下してほしい職人さんだ。
497名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:24:38 ID:AzbaDIee
>>493
ちびせつな可愛えぇなぁ(*´∀`)
「……今度はうちのばんやからね?」まさかw
498名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:28:28 ID:StsigxLQ
>>496>>497

木乃香「なぁ,せっちゃん。なんかうちのこと期待されとるみたいやで?」
刹那「……そう言われましても……ゴニョゴニョ。」
木乃香「ん?なんか言うた?」
刹那「いっいえ!何でもありませんお嬢さま。」
刹那(あんなに激しくお嬢さまに攻められたら,私どうなってしまうのだろう…////。)
木乃香「せっちゃん,顔赤いで?」
刹那「ひゃぁっ,な,なんでも無いですって!」
木乃香「(にんまりと)…せっちゃんも期待しとるんやね……。」
刹那「////………。」
木乃香「さぁて,今夜は何にしよっかなぁ〜。ん?なんや,晩御飯のことやで♥」



嬉しいぜ。まにうけちゃいますよ。
水着はひとまず終了ってことで,別のシーン設定を妄想しますだ。
さぁて,修行にはげむです♪
499名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:32:20 ID:Fmr/MBKU
皆DJですね
500名無しさん@秘密の花園:2007/06/27(水) 23:57:33 ID:8dL+bbui
>>495
ドラマCDの設定がいきなり停電になった女子寮。
暗闇の中、同じ部屋にいるのにせっちゃんはずっとお嬢様お嬢様叫びながら探し回ってる。
このせつ分多めだけど、「刹那無意識総攻め」って言ったほうがしっくりくる。
ま!?の変態せっちゃんが好きなら、買って損はないよ。
みんなキャラ壊れまくってるし、いろんな百合カポー出てくるから面白い。
最後に中の人の暗闇についてのエピソードが一人ずつある。
501名無しさん@秘密の花園:2007/06/28(木) 00:29:11 ID:hW7G6WHs
8ゲット
502名無しさん@秘密の花園:2007/06/28(木) 02:22:51 ID:2PbwUJx+
皆激しくGJ!!! 萌え死んでしまった
503名無しさん@秘密の花園:2007/06/28(木) 03:56:09 ID:0vgj6RGT
ニコニコで聞けるよ。
6月27日発売のネギま!?バラエティドラマVol.1。
504名無しさん@秘密の花園:2007/06/28(木) 15:27:44 ID:abyLOk1X
↑ 補聴器つけないときこえないレズババアwww
505名無しさん@秘密の花園:2007/06/28(木) 18:11:59 ID:ATnsDoYn
>>503
サンクス
あとIDにGJ
506名無しさん@秘密の花園:2007/06/29(金) 09:28:59 ID:e5CV9YyB
納得
507名無しさん@秘密の花園:2007/06/29(金) 12:59:34 ID:9c/cxJbA
なにが納得?
508名無しさん@秘密の花園:2007/06/29(金) 22:05:48 ID:MYzfZkX9
うっはww >>491の書くちびせつなはすっげぇかわいいなぁwGJ!
509小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:21:48 ID:Bmz2kyDd

『相手に何かを話しかけるとき、疑問形が多い。
これは「会話」を続ける為の、自然な形である。
相手との会話を長く続けたい場合は、一方通行を避けて所々で疑問を投げかけるとよい』
「・・・・っと」

木乃香は上記のことをノートに書きとめる。

修学旅行が終わったばかりの麻帆良学園女子中等部3学年。
もう次の週から、いつも通り授業が行なわれていた。
3-A組は現代文の授業。
現代文というだけあってノートをとる量は半端ない。
修学旅行ボケをしているクラスは、皆疲れた顔で机に向かっていた。

「まぁここら辺は先生個人の余談なので、現代文には関係ないですね。でも――」

((じゃあ書くなよ・・・・))

先生の熱意とは裏腹に、生徒たちは書き取りの量にうんざり。
すでにバカレンジャーの面々は夢の世界へと旅立っていた。

(・・・・アスナ、そろそろアスナが当てられる番やえ?)
「ぐぅ〜・・・・あと5分〜・・・・」
(あ、あほ・・・・!)

「・・・・神楽坂〜〜!!」
「わひゃい!?」

授業中に寝言を言ってしまった明日菜が、先生に捕まった。
これで授業は一時中断となり、クラスメートたちは明日菜の勇姿に心で拍手する。
この他に居眠りしていたバカレンジャーたちも捕まり、そのまま現代文の授業は終了のチャイムを迎えた。
510小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:23:12 ID:Bmz2kyDd

「寝惚けるやなんてあほやな〜」
「書く量多すぎなのよ・・・・そもそもこのかが話しかけてこなければさ〜」
「あ〜ウチのせいにするん〜?」

昼食に向かう為に机の上を片付けながら、二人は雑談する。
ノート貸さへんよ?っと木乃香が言えば、明日菜は大人しく黙った。
食事も宿題も木乃香に頼る明日菜には、こういう所で木乃香に頭が上がらないのだ。

「あ、あの〜お嬢さま・・・・」
「ん? せっちゃんな〜に?」

刹那が木乃香に近づいた。
二人はとある理由により絶交状態だったが、修学旅行の事件で再びわかり合えたのだ。
刹那からの話し掛けに、木乃香は嬉しそうに答える。
しかし木乃香のその笑顔に、刹那がノックアウトされた。

「あ・・・・、いや・・・・」
「・・・・せっちゃん?」
「・・・・・・・・な、なんでもありませんっ! 失礼します!」
「あ、刹那さん!?」

刹那は話しかけたまでは良かったが、全速力で教室を飛び出してしまった。
修学旅行前に比べればかなりの進歩だったが、まだ日もあまり経っていない為か、刹那は人見知りを起こしていたのである。

「せっちゃ〜ん・・・・なんで逃げるん〜・・・・」
「意外と照れ屋なのよね〜・・・・もうちょっと気楽にしてればいいのに」
「・・・・ぷ〜」
「なに怒ってるのよ・・・・?」
511小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:24:20 ID:Bmz2kyDd

刹那の変化にクラスの一部が気付き始めていた。
以前はクラスメートともほとんど話さなかったのだが、修学旅行が終わってからはみんなと話すシーンも見られるようになっている。
しかしその成長過程でも、いまだに刹那が幼馴染の木乃香と距離をとる事に、木乃香は不満だった。

「クラスのみんなとは話すのに、ウチだけ〜・・・・」
「・・・・このかにも責任あると思うけど? いきなり迫ったらねぇ・・・・」

明日菜がいうのは、修学旅行が終わった直後の日曜日の事。
木乃香は惚れ薬を食べてしまい、刹那に恋愛感情を持って迫ってしまった。
それに刹那はかなり面食らったようで、極端に消極的になってしまったのだ。
次の日である今日も、その状態が続いている。

「せやかて・・・・惚れ薬やなんて思わんかったんやもん」
「まぁ私も食べちゃったけどね・・・・人の事言えないし」
「あ、お二人ともこれからお昼ですか?」
「俺っちたちも混ぜてくれよ〜」

惚れ薬を調達した本人たち、ネギとカモも合流し、三人と一匹は昼食をとり始めた。
話題は自然と、先週の修学旅行の事から魔法の事になる。

「お父様から聞いたんやけど、ウチもネギ君みたいな魔法使えるんやって?」
「そうだなー、このか嬢ちゃんはどちらかといえば日本の陰陽道だろうが・・・・練習次第では使えるだろうよ」
「陰陽道って、刹那さんやあのお猿の人の?」
「おうよ。このか嬢ちゃんも陰陽師として修行すりゃ、護鬼とかいうのもつける事ができると思うぜ」

オカルトの話が大好きな木乃香は、興味深々だった。
そうでなくても、自分に魔法が使えると知れば誰でも興奮するだろう。
事実、目の前に喋るオコジョがいる。
512小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:25:07 ID:Bmz2kyDd

「ネギ君のペットが精霊さんやったなんて、ほんまにカンドーやわ〜!」
「ケットシーに並ぶ由緒正しい精霊なんだぜ、嬢ちゃん・・・・」
「格好つけてないで、少し静かにしなさいエロガモ」
「うぎゅ!」
「あああ、アスナさん・・・・!」

そして話は次第に刹那の事へと変わった。
刹那がネギたちに話したい事があると言っていた為だ。

「・・・・あれ? そういえば、刹那さんはお昼一緒に食べないんですか?」
「あのねぇ、誰のせいだと思ってるのよ」
「せっちゃん、惚れ薬の事まだ気にしてて・・・・ウチから逃げてまうんよ」
「それはすまねぇ事をしたなー」

少し寂しそうに話す木乃香だったが、その表情は以前より明るい。
それは刹那はただ照れているだけだと知っているからだった。
その後は他愛もない話題をしていたが、明日菜の携帯に一通のメールが入って話は中断となる。

「――あっ、私美術室に行かないといけないんだった」
「僕も職員室に戻らないと」
「ほなら、ウチは先に教室戻ってるな〜」
「うん、ゴメンね、このか」

食事を終えた三人はその場で解散し、木乃香は一人で教室に向かった。
途中で数人の知人たちとすれ違ったが、遊びの誘いには乗らずに真っ直ぐに教室へと向かう。

「・・・・あ」
「せっちゃん、みっけた〜♪」
513小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:26:28 ID:Bmz2kyDd

木乃香は教室前で、腕を組んで立っている刹那を見つけた。
木乃香は"刹那がここにいるだろう"と踏んで、途中の誘いを断っていたのである。
刹那の顔がこわばるのがわかったが、木乃香は気にせずに距離を縮めた。

「せっちゃん〜、まだ昨日の事気にしてるん?」
「す、すみません・・・・それとまだ、話すのに慣れてなくて・・・・」

刹那は嫌いなものに"おしゃべり"を挙げるほど、話すのが苦手。
先ほど逃げたのもその為だった。

「し、質問もうまくできませんし・・・・」
「せっちゃん・・・・先生の言う事、素直に受けすぎやえ」
「でも参考には・・・・、っ!?」

木乃香が急に顔を近づけ、刹那は赤面した。
刹那は組んでいた腕を解き、後ずさる。

「あっ・・・・う・・・・」
「あはは〜、せっちゃん真っ赤や〜♪」
「・・・・面目無いです・・・・」

刹那はからかわれた事を知り、うな垂れた。
木乃香は自分を避けない刹那に満足。
そして刹那の隣に立ち、同じ向きになった。
そこからは教室、屋上や下の階へ続く階段が一望できる。
目の前の窓からは外の様子も見る事ができた。

「なんや、騒がしくて落ち着かない場所・・・・でもいつもここにおるよね」
「見通しがよい所にいれば、危険が迫った時にすぐ対処できますので・・・・」
514小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:28:52 ID:Bmz2kyDd

何とか落ち着いた刹那は、また腕を組んで前を見据えた。
それからも木乃香は、前々から気になっていたことを聞いてみる。
刹那はそれに答えはしたが、刹那から質問をする事は無かった。

「・・・・」
「・・・・」

木乃香は試しに黙ってみる。
やはり会話は続かずに、周りの雑音のみとなった。
・・・・木乃香はまだまだ話題が思いつくのだが、刹那はどうすればいいのかわからない。
木乃香は、隣にいる刹那が困っていることに気付いていた。

「・・・・話題、思いつかないん?」
「あ・・・・はい・・・・申し訳ございません・・・・え、えーと・・・・」

必死に質問をしようとする刹那。
その姿は修学旅行前にはなかったもので、そのギャップに木乃香はつい笑ってしまう。

「お、お嬢さま・・・・笑わないでください・・・・」
「堪忍、堪忍。・・・・でもな、質問せなあかんってわけやないやん」
「・・・・話題が無いと、傍にいても意味が・・・・」

どこまでも律儀。
木乃香を満足させる理由が無いと、傍にいてはいけないと思っているらしい。

「傍いるんに、理由はいらんと思うけどなぁ・・・・」
「で、でも・・・・」
「ん〜、じゃあ・・・・"せっちゃんがウチの事好きやから"じゃダメ?」
「ぶっ! なっ――!?」
515小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:33:30 ID:Bmz2kyDd

組んでいた腕が再び解かれ、刹那は盛大に噴出した。
口をパクパクとしているのはただ言葉が見つからないだけなのか、それとも――。

「な、な・・・・なにを言い出すんですか!?」
「じゃあ嫌いなん?」
「そんな事は断じて!! ・・・・嫌いではない、ですが・・・・」

続きを言うべきなのかと、刹那は戸惑う。
しかし刹那を見る木乃香の目は期待に満ちていて、逃げる事は叶わなかった。

「その・・・・し、質問してよろしいですか・・・・?」
「そんな確認せんで、どんどんしてええよ〜」
「で、では・・・・・・・・」

もう周りを気にする余裕もない。
刹那は息を飲み、意を決する。
必死に脳内で文を構築し、そして口からそれを発した。

「・・・・傍にいても、いいですか・・・・?」

それは、刹那がずっと悩んでいたモノだった。
一方的な理由で突き放していた木乃香に、図々しく接していいものなのか・・・・と。
しかしその質問が木乃香にとってどれだけ嬉しいものだったか、刹那は知る由も無かった。

「・・・・当たり前やえ」
「ほ、本当に?」
「うまく話せへんでも・・・・傍にいてくれた方が嬉しいえ・・・・」

木乃香は刹那の方を見なかった。
嬉しさで木乃香の目じりには、涙が溜まっていたから。
刹那は刹那で、ほっと安堵のため息をついていた。
516小さいけれど大きな質問:2007/06/29(金) 22:34:50 ID:Bmz2kyDd

・・・・ただこの場所でそういった言い回しの質問は、自滅をしたようなものだった。
もしここが静かな場所であれば、二人は落ち着いて絆を確かめ合えたかもしれない。

「せっちゃん、もうウチの前から消えたら――」
「――ついにきたー! 愛の告白!!」
『えっ!?』

そう、ここは"人通りが多い廊下"である。
二人の死角から、パパラッチこと朝倉和美が飛び出した。
その手にはカメラが。
どうやら会話の一部始終を聞かれていたらしい。

「え、え? 愛の・・・・?」
「『傍にいたい』だなんて、刹那っちも大胆な事言うねぇ〜!」
「・・・・なっ! 違います!!」

もちろんそれはただのからかいで、記事になる事は無かった。
しかしその時の朝倉を追いかける刹那の必死な姿は、多くのクラスメート達に目撃され・・・・。
刹那の変化をクラス全体に知らしめる、大きな効果となったのである。

またその後の小休憩から、刹那と木乃香は一緒にいるようになった。
普段から木乃香と一緒にいる明日菜も刹那を受け入れ、ここに固定の三人グループができたのだ。

そして・・・・刹那が初めてのボーリングを経験するのは、この日の放課後の事である。

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『質問』『修学旅行後』『積極的な木乃香』
あ、今週のテーマ・・・・。
517名無しさん@秘密の花園:2007/06/29(金) 22:44:26 ID:pKICif2j
ぐっじょおおおおおおおおおおっぶ!
518名無しさん@秘密の花園:2007/06/29(金) 22:48:08 ID:MYzfZkX9
うはークラフトさんキター!!!wGK!!

惚れ薬懐かしいなぁ。あのコマを見たときはドキドキしたもんだぜ
519名無しさん@秘密の花園:2007/06/30(土) 13:29:45 ID:ulf2eo+l
キタキタキタキター!!
クラフト氏きたー!
なんて良いネタ落としてくれるんだ!
せっちゃんの”愛の告白”に悶え苦しみますた!!
520名無しさん@秘密の花園:2007/06/30(土) 19:58:58 ID:LNqBBJc3
刹那「毎度ながら見回りをしたが、今日も平和で何よりだった。」
   「それに今日もお嬢様と一緒に遊ぶ事が出来たし、私は幸せだ・・・。」
   「ネギ先生には本当に感謝せねば・・・。」

(ん?ポストの中に封筒が入っている。)←ポストの中に入っている封筒を取り出す。

刹那「あれ?お嬢様からだ。直接私におっしゃればいいのに・・・。」

『シャー・・・』←ペーパーナイフで丁重に開封する。

『カサカサッ・・・』←手紙を広げ、その内容を見る。

                      〜内容〜
”前ウチの部屋に遊びに来てくれた時、何でせっかくウチが選んだパンツ履いてけぇへんかったん?”
”今度の土曜日の夜せっちゃんとこ行くぇ。そん時は「お仕置き」や。覚悟しぃやぁ。”
                                                      ”このか”

刹那「・・・ゴクッ。///(・・・はぁ。 ま、また・・・///)」
521名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 01:58:07 ID:R/kupqk1
小ネタ久々GJ!
このかのお仕置きが気になるゾ〜。

522名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 03:28:31 ID:VamPUguE
>>520
お仕置き気になる〜GJ!!w


クラフトさんの今週のテーマは何でしょう。
523名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 03:40:40 ID:R/kupqk1
風鈴を書いたクラフト氏ならきっとできると信じて

「蛍」

とかどうでしょう。
数日季節はずれになるけど。
今くらいでしょ?
524名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 04:40:39 ID:RDrLIYGh
え、俺限定ですか!?
みんなも書いてorz

もう先週になっちゃうのかな?
『雨も滴るいい女』、消化しますね。
時間無かったのでクオリティ低いですが・・・・。
525週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:42:08 ID:RDrLIYGh

「せっちゃ〜ん!」
「はい、お嬢さ・・・・うぐっ!?」

ドゴッ!

抱き付く、といえば聞こえはいいけれど。
実際は側面からの体当たり。
それでもせっちゃんは私を受け止めてくれた。

「・・・・っ・・・・な、なんでしょう?」
「あのな・・・・」

痛かったはずなのに、せっちゃんは何事もなかったかのように話を聞いてくれる。
本当に大した事ない用事でも、怒る事もなかった。
それはとても嬉しいけれど・・・・。

「せっちゃん」
「あ、なんでしょ――ぶっ」
「せっちゃーん」
「はい、っぐ!?」
「せっちゃーん!」
「――うっ!?」

最近の私は、過剰すぎるこのスキンシップを繰り返していた。

「・・・・せっちゃ――」
「――はい、ストップ!」

しばらく経ってからもう一度体当たりしに行こうとした所を、明日菜に止められた。
526週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:43:11 ID:RDrLIYGh

「ちょっと最近、刹那さんに攻撃しすぎじゃない?」
「・・・・そうかなぁ? 避けへん方が悪い気もするえ・・・・?」

そう、せっちゃんは"避ける"わけでも"防ぐ"わけでもなく、"受ける"。
国語の授業でハルナが"攻めの反対語は受け"って答えて先生に注意されてたけど、それもあながち間違ってないなぁと思ってしまうほど。
だけど私には・・・・それが不満。

「やっぱウチの事、"主人"やと思うてるからかな・・・・」
「うーん、刹那さんは優しいから・・・・」

それは認める。
けれどこれだけ頻繁に体当たりしてるのに・・・・全部受けるなんて、せっちゃんには痛点がないのかと疑いたくなる。

「とりあえず、もう攻撃するのやめなさいよ? 刹那さんが可哀想じゃない」
「は〜い・・・・」

*

その日の夜。
今日もせっちゃんはお仕事で、消灯時間になっても寮にはいない。

――ザー・・・・

雨が降り出してきた。
この時期・・・・せっちゃんのお仕事は大変みたいで、いつもずぶ濡れで帰ってきてるみたいだった。
今日もずぶ濡れになって戻ってくるに違いない。
本当なら迎えに行きたいんだけど、それはダメだと堅く言い付けられてた。
いつも帰りは遅くなるから・・・・って。
527週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:44:34 ID:RDrLIYGh

「・・・・ぐー」
「・・・・すぅ」
「んが〜・・・・」

同居人たちは朝が早い為に、すでに夢の中。
仲良く同じベッドで寝てる。
はたから見たら本当に仲の良い姉弟で・・・・たまに、疎外感に襲われる。

「・・・・雨、どれぐらい降ってるんやろ?」

誰に言うわけでもなく、ポツリと独り言。
そして私は傘も持たずに部屋を出た。

*

向かうは屋上。
雨を感じるには、ここが一番だから。

――ザーッ

雨はますます酷くなってくる。
天気予報だと朝には止むらしいけれど、これだと明日は湿気がひどくて過ごし難いかも。

雨を全身に受けながら、手すりに寄りかかって世界樹を見る。
ライトアップされた世界樹は、雨夜の日であるにもかかわらず幻想的だった。
もしも私にせっちゃんみたいな翼があれば・・・・。

「あそこまで、飛んで行ったんになぁ・・・・あっ」
528週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:45:47 ID:RDrLIYGh

呟いて、口を塞ぐ。
誰も聞いてないけれど・・・・私はせっちゃんのことばかり考えてる。
なんだか恥ずかしい。

「・・・・せっちゃん、怪我してへんかな」

体当たりをしても何をしても避けないせっちゃんを見ていると、たまに不安になる。
もしもこれが致死傷の攻撃だったら・・・・って。

そんな物思いに耽っていたら、結構時間が過ぎていた。
毎日やってる地獄の特訓の疲れもあって、伸びと共に少しあくびが出た。
雨はやや小降りになっていて明日は快晴が見込めそう。

「――お嬢さま!!」
「・・・・え?」

声に驚いて振り返ってみる。
そこにはせっちゃんがいた。
やっぱりせっちゃんはずぶ濡れて、今日も仕事を頑張った証拠だった。

「ここで一体何を?」
「ちょっと、な・・・・それよりせっちゃん、はよ戻って着替えな――」
「――私よりもお嬢さまです! 風邪をひかれてしまいます!」
「・・・・あ」

そういえば、私もびしょびしょだった。
今夜は蒸し暑かったから寒さは感じなかったけれど、パジャマも・・・・下着までもがびっしょり。
土砂降りの中、傘も差さずに屋上にいたのだから当たり前のことだった。

「・・・・せっちゃんも、びしょびしょやん?」
「私は鍛えてますから! 早く部屋に戻りましょう!」
529週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:46:31 ID:RDrLIYGh

疲れているはずなのに、全力で駆けて来るせっちゃん。
怪我はしてないみたい。
・・・・いつもなら護衛のせっちゃんに連れ戻されるところだけど、今日は反抗してみた。
私の手を取るせっちゃんを、逆に引っ張った。

「お嬢さま・・・・!? 早くお身体を温めないと・・・・」
「もうちょっと、ここにいたいん」
「ですが」
「ここにいたいん」

繰り返して要求すれば、せっちゃんは折れた。
何も言わないで、私の隣に陣取る。
どうやら一人にはさせてくれないらしい。
なりたくもなかったけど。

「何かあったのですか?」
「ううん、なーんも。たまにはこんな事してみたくなるんよ」
「・・・・ほどほどにしてくださいね」

隣にいるせっちゃんはちょっと辛そうだった。
そういえば明日菜との会話で、"連日の仕事で疲れが溜まってる"って言ってた気がする。
そんな状態なのに、私に付き合ってここにいてくれるのは・・・・やっぱり私が・・・・。

「せっちゃんは・・・・」
「はい?」

昼間の疑問がまた浮かんでくる。
・・・・確かめたい、せっちゃんの本意を。

「せっちゃんは、なんで抵抗しないん?」
「え? ・・・・わっ!?」
530週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:49:00 ID:RDrLIYGh

理解できてないせっちゃんに体当たり。
ちょっと距離が短かったけれど、その不意打ちでせっちゃんは私と一緒に地面に倒れこんだ。
倒れる直前にせっちゃんが私をかばってくれたから、私がせっちゃんの上に乗る体位。
そのままそっと・・・・せっちゃんの顔を手で包みこんでみる。

「ウチが、非力やから?」
「・・・・?」

ゆっくりと手を下げて行く。

「それとも、せっちゃんが優しすぎるから?」

目標は、首。
両手でせっちゃんの首を掴む。

「・・・・ウチが、従うべき主人やから?」

そして、手に力を込めた。
せっちゃんは呼吸困難に顔をしかめる。

「・・・・っ・・・・!」
「だから、されるがまま?」

しばらく力を込めて首を締めていた。
だけど、やっぱりせっちゃんは抵抗しないし、やめてほしいと懇願もしなかった。
結局・・・・せっちゃんの苦しそうな顔に、私が挫折。

「――堪忍、な・・・・」
「・・・・っはぁ・・・・はぁ・・・・!」
531週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:50:30 ID:RDrLIYGh

私は手を離し、せっちゃんを開放した。
せっちゃんは空気を大きく吸い込む・・・・苦しかったなら、苦しいって言えばいいのに。

私は一人で立ち上がって、また世界樹を見る。
せっちゃんも立ち上がるのが気配でわかった。

「・・・・抵抗はしません」
「なんで?」
「する必要が、ありません」

従者の義務じゃなくて?って目で訴えた。
せっちゃんはそれに気付いたのか、私の隣に戻ってきて話し出す。

「私は、誰よりもあなたを信用しています」
「・・・・信用?」
「はい。お嬢さまは体当たりをするとき、いつも加減をしてくれてますし」

せっちゃんは自分の首に手を当てる。

「先ほど首を締めたときも・・・・すぐに止めて下さいましたし」

困ったような照れたような、そんな笑顔。
下手をすればそのまま締め殺されていたのに・・・・なんでせっちゃんは笑えるんだろう。

「お嬢さまがする事ですから、何か意味があると思っていました」
「・・・・ウチの事、買いかぶり過ぎやえ?」
「そうですか? ・・・・少なくとも、"主人"という理由だけでされるがままという事はありませんよ」

従者にもある程度の人権はあります、っとせっちゃんはまた微笑む。
その笑顔を見ていたら・・・・私の中で罪悪感が生まれた。
532週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:51:53 ID:RDrLIYGh

「ほんまに・・・・堪忍な。ウチせっちゃんの事信頼してたけど、信用できてへんかった」
「え?」
「上下関係に縛られてたんは、ウチの方やったみたやね・・・・」
「は、はぁ・・・・」

せっちゃんは疑問符を浮かべていた。
変な事は言ってないはずだけど・・・・。
・・・・あ、もしかして。

「せっちゃん・・・・もしかして"信用"と"信頼"の違い、わからんかった?」
「え、あ・・・・申し訳ございません・・・・」
「・・・・ぷっ、あはは! せっちゃんお馬鹿さんやなぁ〜」

真面目な性格の割に、勉強が苦手なせっちゃん。
気になったみたいだから、その違いを教えてあげる。
でもその最中、ずっとせっちゃんの視線は泳いでいた。

「あ、あの・・・・」
「どないしたん?」
「そ、そろそろ戻って着替えを・・・・その・・・・」

せっちゃんが視線を私から逸らす。
そういえば二人ともびしょ濡れで・・・・ウチの服は透けてた。
せっちゃんは黒い服だったから、あまりそういうのは目立たないけれど。

「・・・・せっちゃん、えっち」
「え、いや!?」
「こっちの方も、色々教えてあげよか・・・・?」
「けけけ、結構ですー!」
533週間テーマ『雨も滴るいい女?』:2007/07/01(日) 04:52:49 ID:RDrLIYGh

今日はせっちゃんも疲れてるから、何もしないけれど。
でも次に元気な時は、ちょっと強気に行ってみようと思う。
タックルしても、首を締めても抵抗しないんだから・・・・きっとその時も抵抗しないよね?

FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『雨も滴るいい女』『信用と信頼』『鬼畜攻め木乃香[74様]』

鬼畜は軽めにして、何とか週間テーマを消化;
クオリティ低くてゴメン。
534名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 08:46:44 ID:oiu8iRI/
クラフトさんGJ!イイ!イイよ〜

だけどね…ニヤ(・∀・)ニヤが止まらない。
通勤途中で読むのはやめようorz
535名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 09:53:43 ID:MTMh8DTY
ヤバイっす!GJです!!
536名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 12:22:39 ID:4xQ5R3DV
GJ!!顔がニヤけてまう〜
537名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 12:51:14 ID:o085KfPD
「こっちの方も、色々教えてあげよか・・・・?」
ニヤニヤが止まりませんwGJ!!!

>522 クラフトさんが仰っているように、と
なるつもりがちょっと言葉を略し過ぎました(^^;
538名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 14:57:21 ID:R/kupqk1
「こっちの方も、色々教えてあげよか・・・・?」
うぉぉぉ。蕩けてまう。
このちゃんまたにしなくて良いからそのまま刹那を押し倒しちまえっ!
539名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 21:58:15 ID:R/kupqk1
この板ってメインこのせつのカプで
別キャラとこのorせつが絡むのってダメ?
でもメインはピュアこのせつなんだけど。
どんなもんなのかな?
540名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 22:32:23 ID:MTMh8DTY
>>539
俺は別キャラと絡みつつも本命はこのせつであれば良いと思う。
541名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 23:17:57 ID:raAXgqDj
>>539
個人的には、他キャラとこのorせつだったら性的な絡みはあまり好きじゃない
542名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 23:28:31 ID:NAM/fhON
メインがこのせつならいいと全然遠慮すること無いんじゃないかな。
エヴァに陵辱される二人、とかのパターンは微妙なとこだけど
543名無しさん@秘密の花園:2007/07/01(日) 23:47:07 ID:+sTLZggx
実写版の面子 とても見ていられない・・・・・・・・・
544名無しさん@秘密の花園:2007/07/02(月) 01:13:45 ID:e4QOsyHz
GJ!!
攻めの反対は受けのハルナにワロタ
545名無しさん@秘密の花園:2007/07/02(月) 01:53:55 ID:T6nbTg5w
攻めの反対は受けって最近どこかで見たような……
546名無しさん@秘密の花園:2007/07/02(月) 15:12:26 ID:/WVhbUYd
>>545
俺の通ってるこのせつサイトの日記にあったな
まぁ最近流行った腐女子彼女にも載ってたし、有名なんじゃね?
547533:2007/07/02(月) 17:03:14 ID:EUcfp4/F
>>545-546
結構有名かと。
腐女子さんと思われる人に同等の質問をしてみた所、"受け"と答えてくれたし( ̄ー ̄
548名無しさん@秘密の花園:2007/07/02(月) 23:56:31 ID:un9YwT0W
>>523>>524
お言葉に甘えて駄作投下。
練りが少ない自分orz
549週間T「蛍?」1/3:2007/07/02(月) 23:59:36 ID:un9YwT0W
湯上りの火照った体を覚ますため,お嬢様と共に散歩へ出た。
外の空気はわずかに湿り気を帯びており,明日の天気を予想させる。
私はある目的地に向け,足を進めた。
私の直ぐ傍らにお嬢様はいる。すっと手を伸ばし私の手をとった。
迷子になってしまうからと,お可愛らしい言い訳をなさって。

「お嬢様は運はよろしい方ですか?」
「うち?そうやね〜。結構良いほうやと思ってるんよ♪」

せっちゃんに会えたしね,っとくすっと微笑まれる。
こんな風にさりげなく嬉しいことを仰ってくださるお嬢様に,
どんな風に返して良いのか困ってしまう自分がいた。

「せっちゃん。照れとる?」
「////……。」

お嬢様は暗いのに私のことはお見通しのようだ。
返事をする代わりにしっかりとその手を握り返した。

しばらくして,沢のせせらぎが聞こえる場所に出た。
学園の中にこんな場所があったのかと私もはじめて来たときは感心した。

「学園の中にこんなとこあるんやね〜。」
「ふふっ。」
「なんかおもろい?」
「…いえ,私と同じ事を仰ったから……。」
「えっへへ〜。うちもせっちゃんと同じや〜。」

沢を渡れるように小さな架け橋と赤い欄干がかかっている。
私とお嬢様はその真中まで歩み寄った。

「そよ風が気持ちええね。」
550週間T「蛍?」2/3:2007/07/03(火) 00:02:57 ID:nMwwucIm
お嬢様の艶の深い黒髪が風にわずかになびく。
しばらくすると,辺りを照らしていた月明かりが雲居に隠れ始めた。

「運が良いといいですね。」

そう言って私は辺りを見渡した。
私の行動が気にかかるのか,お嬢様も同じように辺りをきょろきょろと見回し始めた。

遠くに一点,ぼんやりと点滅する冷光が光った。視線をそこへ集中させる。

「あっ……蛍や……。」

お嬢様がそう呟かれた頃には辺りには天の川を地上に作り出したか
のような幻想的な世界が広がっていた。

「……っ……綺麗……。」
「昔,川辺で一緒に見ましたね…。」
「うん……。」

昔はあちこちで見れた蛍も,今では見ることも難しい。
まして関東で,麻帆良で見られるとは思っていなかった。

しばらくの間言葉も忘れ,私とお嬢様はその幻想的な風景に見入ってしまっていた。
雲間から月が顔を出し始めた頃,その幻想的な風景は,
まるで夢だったかと言わんばかりにスッと消えていった。
551週間T「蛍?」3/3:2007/07/03(火) 00:04:33 ID:nMwwucIm
「……せっちゃん知ってたの?この場所。」
「昔,ここへ来たばかりの頃,地理を覚えるためにあちこちうろうろしてました。
 何があってもお嬢様を守れるように。」
「せっちゃん…。」
「それ以降は度々,季節になると懐かしいあの頃を思い出しながら眺めていました。」
「一人で?」
「はい。あの頃はお嬢様とこんなに親しくできるとは思ってもいませんでしたから。」

私はお嬢様の瞳を見つめてにっこりと微笑んだ。

「お嬢様と一緒に見られる時が来て良かったです。」

今私がどんなに嬉しいか,お嬢様にわかりますか?
今度はお嬢様が顔を赤らめられた。するとお嬢様は私の腕を抱きしめ,グッと引き寄せられた。

「せっちゃん,覚えとる?」
「何をですか?」
「…ひどい。うちのファーストキスやったのに。」
「……えっ?!」
「昔一緒に蛍見にいった時やよ〜。」
「………す……すみません。」
「なんや,ほんまに覚えてないん?」

お嬢様は私の顔を見つめて優しい笑顔を返してくださる。
でも,お嬢様のファーストキスって?

「じゃ,せっちゃん。再現したるから,今度こそ忘れたらあかんよ。」

そう言ってお嬢様は私の唇にお嬢様の唇を重ねられた。
おまじないや,そう言って。

「また一緒にこの風景が見られますように。」
552名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 00:07:24 ID:nMwwucIm
尻切れとんぼスマン。オイラエロなしは難しい。
こないだ見てきた蛍ほんま綺麗やったんよ。

みんな,オイラの駄作踏み台に沢山書いてくれ。
期待して舞ってるよ。
553名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 00:39:45 ID:qIKi96E5
テラGJです!
554名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 01:01:26 ID:VFw9GAmJ
燃(萌)える関西弁キャラ 人気投票
ttp://www.vote5.net/anime/htm/1183391146
555週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:21:30 ID:EUxEhOPx

「麻帆良でも蛍見れるん?」
「そうなんだよ! 知ってた知ってた?」
「さんぽ部の秘密の場所があるんです〜」

木乃香は鳴滝双子と蛍について話していた。
どうやら、さんぽ部伝統の蛍狩りの地が、この麻帆良にあるらしい。

「・・・・楓がいつも修行してるところか?」
「そうでござる。あそこで修行するようになってから、毎年見てるでござるよ」

刹那は"なるほど"と頷いた。

今木乃香と刹那は、楓と鳴滝双子の部屋に遊びに来ている。
最初は刹那と楓だけが仕事の打ち合わせをする予定だったのだが、予定より早く双子が帰ってきてしまったのだ。
それにより今回の打ち合わせは流しとなり、木乃香も遊びに来た。

「そんでね、明日3-Aのみんなと行く予定なんだ!」
「ほえ? 明日は肝試しやないの?」
「それは嘘ですー。肝試しって言っといて、蛍でみんなを驚かせるです!」
「みんなには内緒だよ、木乃香!」
「しゃーないなぁ」

イタズラ好きの小さな友人たち――とは言っても、同い年なのだが――に囲まれて、木乃香は苦笑い。
その姿は母性に溢れた母親の様だった。
それを見守る刹那と楓は、さしずめ我が子を見守る父親と言ったところか。

「・・・・刹那もいくでござるか?」
「私は・・・・別に仕事も無いが・・・・」
「たまには息抜きでもしたらどうでござるか? なかなか綺麗でござるよ」
「ふ、む・・・・」
556週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:23:35 ID:EUxEhOPx

刹那は木乃香の方を見る。
この様子だと、木乃香も蛍を見に行くと言い出すであろう。
木乃香が行くのであれば図書館組、明日菜、その他諸々・・・・クラスのほとんどがくるに違いない。
刹那は楓だけに聞こえる声で話し出す。

「・・・・いや、私も楓と一緒に見張りでもしよう」
「気遣い無用でござるよ? 別に魔物の森に踏み込むわけでもござらんし」
「でもあそこはクマも出るんだろう? この様子だと人数的に楓だけでは・・・・」

刹那がいうのは、クラスの安全だった。
いくら魔物がいない森とはいえ、そこは自然の驚異が多く存在するほとんど未開の地。
特に真っ暗闇の中で蛍を見ようというのだから、はぐれればかなりの危険となる。
自由奔放な3-Aだからこそ、一部がしっかりしないと大惨事になりかねないのだ。

「・・・・うーむ、参加人数次第でござるが・・・・」
「遠慮することはない、私も何度もお前には助けられている」

二人はやや引き締まった顔で微笑み合う。
日々の仕事、修学旅行、そして麻帆良祭での戦いで、二人の仲間意識はより強いモノとなっていた。

「――せっちゃーん!」
「ぶっ!?」
「楓姉! なに話してるの!?」
「ですかー!?」
「これこれ、落ち着くでござるよ」

絆を確かめ合ってる刹那と楓に、木乃香と双子が乱入してきた。
刹那は木乃香に抱きつかれて赤面し、楓は暴れる双子を慣れた様子でなだめる。
どうやらこういった方面では、楓の方が慣れているようだ。
557週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:25:36 ID:EUxEhOPx

「せっちゃんも蛍見にいくやろ〜?」
「あ、私は・・・・すみませんが、今回は・・・・」
「えー、刹那さんこれないですか〜?」
「楓姉もだめなんだよね・・・・ちぇ、なんかつまんないなぁ」
「拙者らの分も楽しんでくるでござるよ、ニンニン♪」
「・・・・うん、そやね」

楓の説得に、木乃香も渋々承知する。
しかし木乃香のその目はかなり不満そうで、黒いオーラに楓だけが冷や汗を流すのであった。

*

そして当日、天気も好調。
夜だというのに、やはり3-Aはほぼ全員揃っていた。
みんな肝試しと聞かされている為、一部の顔は恐怖でこわばり、その他はどうやってみんなを驚かせようかと思考を巡らせていた。

「じゃあ3-A恒例の夏イベント、肝試し!」
「ルールを説明しますです〜」

主催があの鳴滝双子という事だけあり、ほぼクラス全体が"何か仕掛けがあるだろう"と身構える。
もちろん仕掛けを知っている木乃香は余裕の顔。

「肝試しねぇ・・・・毎年よくやるわ・・・・」
「アスナはお化け怖くないもんなぁ」
「そういうこのかも、今回は意外と平気そうね」
「んー、なんでやろね? 魔法覚えたからかなぁ?」

今年はネタを知っているからなのだが、あえてここは誤魔化した。
ハルナも傍にいるために、下手をすれば開催前にネタがばれてしまう。
双子との友情の為にも、木乃香は口を紡ぐしかなかった。
558週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:28:43 ID:EUxEhOPx

「それじゃ〜、はっじめるよ〜〜!!」
「二〜三人に分かれてくださいです〜」

必然と木乃香と明日菜はペアを組んだ。
そしてくじを引き、みんなが順番に目的地へと歩き出す。

「そろそろウチらの番やえ」
「とっととゴールして、部屋で寝よ・・・・」
「も〜、アスナったら〜」

いきなり冷めてる明日菜を引っ張り、木乃香もスタートした。
誰から見ても余裕のスタート。
しかし木乃香には一つ企んでいる事があった。
それは明日菜も知らない事であり、木乃香自身もそれが素晴らしい思い出となる事を、今はまだ予測する事はできなかった。

*

(えーと、これで3組目・・・・っと)

その頃刹那は、もっとも迷い易いであろう地点でクラスメートたちの進行を見守っていた。
ほとんど一本道なので迷うことはないだろうが、それでも念を入れての行動だった。

(えーと、次は・・・・お嬢さまとアスナさんか)

すでに通る順序も通達されていて、準備は万端。
一組でも欠けていれば刹那が戻って、深く迷いこむ前に導いてやればいい。

(あ、きたきた・・・・あれ?)
559週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:30:41 ID:EUxEhOPx

刹那は気を張り巡らせて、向かってくる人数と本人確認をする。
向かってくるのは・・・・一人。
おそらくこの気配からして、明日菜だろう。
しかし問題なのは、明日菜が一人ということだ。

――ガサッ!

「・・・・アスナさん!」
「ぉわっ!?」

突然木の上から降ってきた生物に、明日菜はびっくりして後退した。
肝試しだと聞かされてる状態でこんな登場をされたら、誰でも驚くだろう。

「もう! 脅かさないでよ、刹那さ――」
「それよりも! お嬢さまは!?」
「・・・・へ?」

明日菜は後ろを向く。
・・・・いない。

「あ、あれ? さっきまでいたのに!?」
「アスナさんはゴールに行っててください! 私が見てきます!」
「あ、ちょっと――」

明日菜の制止を振りきり、刹那は走り出した。
刹那が最も守りたいと思う人が、この夜の暗い森で迷子になりかけている。
過去の失敗も脳内でループし、刹那は自己嫌悪に襲われていた。

・・・・しばらく木の上を駆けると、見覚えのある気配が感じられた。
それは間違いなく、刹那の想い人。
560週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:33:04 ID:EUxEhOPx

――ガサッ!!

「っ、お嬢さま!!」
「わひゃあぁ!?」

木乃香も明日菜と同様、上から降ってきた刹那に驚く。
とっさに折りたたみ式ワンドを取り出して、身構えていた。

「せ、せっちゃん・・・・? びびらせんといてぇなぁ・・・・」
「も、申し訳ございません・・・・ご無事で、よかった・・・・!」

息を切らし、刹那は木乃香の足元にひざまずく。

「堪忍な〜、でもやっぱりきてくれた〜♪」
「・・・・はい?」
「せっちゃん、警備やっとったんやろ? 楓ちゃんが教えてくれてな」

楓と刹那のみが知るはずだった仕事なのだが、どうやら木乃香が楓から聞き出したらしい。
木乃香は二人の意味深な会話に嫉妬していたのだ。
楓は木乃香の黒いオーラに屈したらしい。

「楓ちゃんが一人で大丈夫やから〜って。だからウチ、わざと道外れてみたん」
「・・・・勘弁してください。本当に焦ったのですから・・・・」
「せやかて、そうでもせんとせっちゃん出てきてくれへんやん?」

全て木乃香の計算通りだった。
仕事モードの刹那は、何かが起きない限り持ち場を離れる事はない。
その"何か"を起こす為に、木乃香はわざと道を外れたのである。
561週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:34:38 ID:EUxEhOPx

「・・・・とりあえず、元の道に戻りましょう。皆さんが心配します」
「あ、ちょい待ってーな。 ・・・・ほら、あれ」
「・・・・あ」

木乃香が指差す方向には、小さい黄緑の光があった。
今回のイベントの主役、"蛍"である。
しかしそれは小さい上に少し遠く、また近づくのも大変そうだった。

「楓ちゃんに、もう一つのスポット教えてもろうたんやけど・・・・ちょっと遠いなぁ」
「ここまでこなくても、ゴールで見れるのでは・・・・?」
「・・・・せっちゃんと・・・・」

木乃香はいまだに膝をつく刹那の手を引き、立ち上がらせた。
同じ目線になり、蛍を見る。

「せっちゃんと、二人で見たかったん」
「ふ、ふたり・・・・で?」
「うん。二人っきりで見るって、ロマンチックやろ〜v」

近くで見れない事に少し残念そうだったが、木乃香は満足そうに笑う。
それにつられて刹那も微笑んだ。
木乃香にしては珍しく少し我侭な行動だったが、最近仕事だの何だので二人きりになれなかった事実もある。
・・・・刹那は、結局今回も木乃香を許すことにした。

「ん〜ちょっと遠いけど、せっちゃんと見れたから満足や〜」
「そう言って頂けると嬉しいです」
「うん、めっちゃ嬉し・・・・・・・・あっ!」
562週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:36:24 ID:EUxEhOPx

カシャン!

木乃香が携帯電話を地面に落としてしまった。
メール着信を告げるバイブで、ポケットから滑り落ちたようだ。
木乃香は慌てて携帯を探す。

「えーと、どこやろ・・・・」
「あ、ありました」

携帯からわずかに発せられる光で、刹那が先に発見した。
刹那は携帯を拾い上げると、木乃香の元に歩み寄る。

「きっとアスナさんかと・・・・はぐれてびっくりしてましたから」
「あー、そうかもなぁ・・・・」

木乃香はメールを確認する為に、刹那の手から携帯を受け取ろうとした。
――と、その時。

「――ひゃっ!? な、なんや・・・・蛍?」
「い、いつの間にこんなに近くに・・・・?」

刹那と木乃香の手の近くに、蛍が寄ってきていた。
驚いて二人が手を離すと、蛍は木乃香の方へと寄っていく。

「わわっ、どないしたんやろ?」
「あ、もしかして・・・・その携帯じゃないですか?」
「へ?」

木乃香は手に持っていた携帯を見る。
木乃香の携帯は、サブ画面の辺りに小さいライトがついている。
メールなどが来ると、黄緑色に点滅する仕組みになっているのだ。
563週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:39:19 ID:EUxEhOPx

「蛍の光と・・・・似てます」
「・・・・ほんまや〜。意外な発見やね」

蛍は携帯の発光に近づいてきているようだった。
それに気付いた木乃香は再び刹那に近づき、携帯を二人の間に置いた。
蛍は二人の間を舞うように飛ぶ。
そしてその数は次第に増えて、想像していたよりもずっと綺麗な光景が二人の間に広がった。

「あんなに離れとったのに、わかるもんなんやね・・・・せっちゃんと、同じや」
「え?」
「今日もそう、離れてたんにすぐに探し出してくれた」
「うっ・・・・お願いですから、心配させないでください・・・・」

今更ながら、刹那は自分の取り乱し様を思い出して赤面。
自然と二人は、この無数の光の中で雑談をする。
二人きりになれなかった時間の事を中心に、二人は補い合った。

「・・・・ほな、そろそろ戻らんとな」
「はい、本当にみんな心配します」

二人ははぐれないよう、手を取り合ってその場を後にした。
きっと来年も二人でここに来る事ができると、その温もりで確かめ合って。

その後二人が、司会進行役や明日菜にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )
564週間テーマ 『蛍』:2007/07/03(火) 02:42:21 ID:EUxEhOPx
作成時間2時間という・・・・時間が限られ・・・・orz
皆知ってるかもしれんが、携帯のあの黄緑のライトで蛍寄ってくるんだよな。
昔行った蛍狩りで初めて知って、感動した覚えが。

こんな『蛍』でよろしかったでしょうかね・・・・?
565名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 07:16:28 ID:fvDIiwB8
マジ?!2時間でこのクオリティかよ( ̄□ ̄;)!!
オイラの駄作だって一時間ちょっとかかってるのに〜
GJっす。いつもの作品ほど厚みはないけど相変わらずこのかの扱い方がうまいっすね。
こんくらいライトなこのせつもなかなか良いかも。
蛍作品サンクス(b^-゜)
566名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 07:33:21 ID:I5HQ8Eju
自作自演レズばばあ
sageてるふりしてあげるな
567名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 08:30:18 ID:EUxEhOPx
>>565
>>548-552かね?
全然駄作じゃないっすよ、GJ!
一時間で一作書ける事がうらやますぃ・・・・(・ω・`)
568名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 14:28:54 ID:Mk5nI6Ac
二人ともGJ!!!!!!!!!
569名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 21:26:15 ID:A6BWL6WM
>>566
お前がageんなカス
570名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 21:33:54 ID:IBrl4L4q
2人とも萌えました!
571名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 21:44:06 ID:hS1Q3rwE
木乃香は夕食の買い物に出掛け、刹那は刹那/龍宮の部屋で独りお留守番

『ガチャッ!』←刹那/龍宮の部屋のドアが開く。

木乃香「ただいまぁ〜。えらいすまんなぁ〜せっちゃん。今から・・・って、せっちゃん!?」
刹那「随分待ちましたよ・・・」
木乃香「せっちゃんなんで裸なん!? はよなんかきぃ・・・」
刹那「・・・お嬢様のせいですよ、私がこの様な事になってしまったのは。」
    見てください。こんなにも『濡れて』いますよ・・・。」
木乃香「やぁ、せっちゃん!やめてぇ! まだ食事の準備も・・・ ひゃぁっ!!///」
572名無しさん@秘密の花園:2007/07/03(火) 23:45:42 ID:IBrl4L4q
ちょw一応wktk
573名無しさん@秘密の花園:2007/07/04(水) 14:16:05 ID:/xfTkMTi
>>571
おいっ、俺の知らない所で何が起きたっ?!
574名無しさん@秘密の花園:2007/07/04(水) 23:29:59 ID:r/AWeBCn
どんなオチが着くのか、逆に楽しみだったりするw
575名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 15:21:06 ID:rr6JUWmx
このせつきたよー( ´ー`)
http://ranobe.com/up/src/up198619.jpg
576名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 16:09:48 ID:JeXU2EPT
やっぱ実写でもこのせつあるんだなw
せっちゃんかわいいなぁ
このちゃんは…写真写り悪かったのかな
577名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 16:27:42 ID:ABuN2Etd
2次元こそのこのせつだ。俺は見ない
578名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 16:46:37 ID:afMRTP/M
二次元このせつ 木乃香×刹那
三次元このせつ 藍ゆう

常識です。
よってあれはこのせつではありません。
579名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 16:52:33 ID:c1bccYyX
このかがちょっとおばさんっぽいと思ったが
ユーナに比べればなんてこと無かった
580名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 18:09:28 ID:gMfBya8b
刹那役の子は15歳だっけ?このか役は…
てかなんで中学生のキャラを20越えてる人が演じようとするんだろう?
581名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 18:39:49 ID:QxtKs+1/
どうせならどっちも15でやってほしかったな…
予想してたよりは悪くはなかったけど。


でもやっぱり3次元は藍ゆうだって、常識的に考えて
582名無しさん@秘密の花園:2007/07/05(木) 23:24:24 ID:To5gEtq4
このか「一句できたえ〜。せっちゃんに捧げるな。」
せつな「はい♪(ウキウキ)」
このか「うちのこと 骨まで愛して なぁせっちゃん♪」
せつな「////……あの……。」
このか「なに?」
せつな「////…私…正直言うと……。」
このか「(ドキドキ)」
せつな「…骨よりも『肉』の方が好きなんですが…/////。」
このか「せっちゃんのえっち。そこ突っ込むとこちゃう。」

>>575 にショックを受けて……。
スマン。オイラの頭の中までおかしくなっちまった。
このせつが看板になるのは嬉しいが,
やはりこのリアルこのせつは微妙…。
動いて萌えればいんだよ。きっと。
583名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 00:26:34 ID:qXB4eyQW
見た目も大事だが、俺は何よりも演技力だと思うよ
584拍手用小ネタ 『惚れ薬 -刹那編-』:2007/07/06(金) 01:07:04 ID:6MJ7ybG+

「お、おちつけ刹那・・・・」
「私は・・・・落ち着いている」
「・・・・これの、どこがだ!」

ここは桜咲刹那と龍宮真名の部屋である。
その場で・・・・龍宮が刹那に追い詰められていた。
かといって刹那は刀で迫ってるわけではない。
痛いのは刹那の視線・・・・言ってしまえば、性的な目で龍宮を見ていた。

(さっき、近衛からもらったとかいうチョコを食べてたな・・・・)

龍宮は追い詰められながらも冷静に分析する。
おそらく先ほど刹那が口にしていた物が、今回の原因なのだろう。
わずかだが刹那からは魔力が感じられた。

しかし刹那も龍宮と同じ武道派であるだけあって、その分析の隙を与え続けるつもりはないらしい。

「龍宮・・・・私はお前の事が・・・・」
「お前の大好きなお嬢さまが悲しむぞ」
「――・・・・・・・・いや、今はお前の方が・・・・」

一瞬、刹那の瞳が揺らいだ。
しかしすぐに刹那は龍宮に気を向け直す。
さすがの龍宮も、これ以上の接近を許すのは危険だと察した。

(魔物用の弾しか込めてないが・・・・仕方あるまい・・・・)

龍宮は懐に隠してあった銃に手を伸ばす。
が、刹那もそれが合図だったように踏みこみ、その手を押さえた。
585拍手用小ネタ 『惚れ薬 -刹那編-』:2007/07/06(金) 01:09:14 ID:6MJ7ybG+

「くっ・・・・離せ!」
「嫌だ、と言ったら?」
「容赦なく撃つ!」

しかし引き金を引く暇もなく、龍宮は床に押さえつけられた。
それでも龍宮は抵抗はやめない。
組み伏せられながらも体勢を立て直し、押さえられている方と逆の手には、袖に隠すタイプの小型の銃があった。
この引き金を引けば、刹那は負傷して大人しくなるだろう。

(仕事仲間に怪我はさせたくなかったが・・・・!)

――バターン!

「せっちゃんおるー!?」
「刹那さん、このかが渡したチョコなんだけど・・・・って・・・・」
「あわわ!?」
「あちゃー、どうやら遅かったようだな」

乱入してきたのは、近衛木乃香とその同居人たちだった。
しかし・・・・この乱入者達から見れば、二人は愛の営みを行なうギリギリ一歩手前。
明日菜とネギは咄嗟に目を蔽い、カモは変態顔でそれを眺めていた。
ただ一人、木乃香だけが二人を阻止しようと動く。

「・・・・せっちゃん、何しとるん!?」
「すみませんお嬢さま、私は龍宮と――」
「っ先生! この馬鹿をどうにかしてくれ!!」
「え、は、はい!」

龍宮の呼びかけに、やっとネギと明日菜が動き出した。
そのおかげで銃弾による負傷は避けられた刹那。
しかし惚れ薬で正気を失った刹那には、それ以上の恐怖に気付く事ができなかった。
586拍手用小ネタ 『惚れ薬 -刹那編-』:2007/07/06(金) 01:10:46 ID:6MJ7ybG+

「と、とりあえず龍宮さんと離してから・・・・」
「っ! ネギ先生、やめてください!」
「やめるのはお前だ!」
「刹那さん、目を覚ましてー!?」
「・・・・惚れ薬のせいやとしても・・・・許せんなぁ・・・・」
「このか嬢ちゃん、ボーっとしてないで刹那の姉さんを押さえるの手伝ってくれ!」

ギャーギャーと騒がしい部屋の中、木乃香はポツリと呟く。
しかしその呟きは、混乱する部屋の中誰にも聞こえてはいなかった。

*

「うっ・・・・?」

刹那はゆっくりと目を開ける・・・・しかしその目は何かに遮られ、周りを見る事はできなかった。
遮る物をとろうとしたが、それもできない。
四足は何かで拘束されていた。
両手は後ろ手で縛られており、いわゆる芋虫状態。

(あれ? 一体何が・・・・?)

刹那は必死に記憶をさかのぼる。
しかし思い出せるのは、部屋に戻って一息つくところまでだった。
惚れ薬を食べた以降の記憶はないらしい。

(・・・・しっかりとした拘束だ・・・・簡単に解けそうにない・・・・)

腕を拘束する縄がギシッと音を立てる。
こういった専門の拘束ができるのは同室の龍宮か・・・・同じクラスの長瀬楓ぐらいだ。
彼女らが何かを企んだのだろうかと刹那は考えたが、記憶が無いのではそれ以上の事を考える事ができなかった。
587拍手用小ネタ 『惚れ薬 -刹那編-』:2007/07/06(金) 01:11:51 ID:6MJ7ybG+

(・・・・む・・・・誰か来る・・・・)

――ガチャッ・・・・パタパタ

「――あ! せっちゃん起きた?」
「・・・・お嬢さま? ということは、ここは?」
「ウチの部屋やえ。・・・・調子はどう?」

刹那は拘束されたまま上体を起こした。
少し頭がぐらついたが、他に異常らしい異常はない。

「特に・・・・あの、一体何が・・・・?」
「記憶ないん? せっちゃん惚れ薬食べてもうて、龍宮さんに迫ったんよ」
「え!? ・・・・うわっ!?」

刹那は驚きのあまりバランスを崩した。
どうやらソファーに寝かされていたらしく、重力により落下。

「い、いたた・・・・」
「せっちゃん大丈夫!?」
「そ、それよりも! なんで私はこんな状態に? 何かしたのですか!?」
「ううん、未遂で終わったえ。でも暴走状態やったから、拘束して薬の効果が消えるのをまっとったんよ」

木乃香は刹那を抱き起こし、暴走していた間のことを教えた。
話が進むにつれて刹那の表情は青くなっていき、最後には芋虫状態のまま木乃香に跪いていた。

「も、申し訳ございません!!」
「・・・・なんで謝るん? 薬のせいやろ?」
「いえ、その・・・・・・・・でも怒ってますよね・・・・?」
588拍手用小ネタ 『惚れ薬 -刹那編-』:2007/07/06(金) 01:14:55 ID:6MJ7ybG+

刹那は本能的に危険を感じていた。
薬のせいだろうが何だろうが、木乃香がこの浮気未遂を黙って見過ごす訳が無い。
拘束も目隠しもいまだに解かれていないのは、おそらくその証拠。
刹那は木乃香の顔を見る事ができなかったが、木乃香から発せられる黒いオーラに完全に怯えていた。
もちろん逃げる事もできない。

「さすがウチのせっちゃん、よくわかってるなぁv」
「ご、ご勘弁を・・・・」
「だーめ。・・・・説教はせーへんから、久しぶりに・・・・な?」
「そ、そんな・・・・こんな状態で、ひゃう!?」

その後、木乃香の言った通り説教らしい説教はなかったらしい。
しかしそれよりも効果的な"何か"があったようで、刹那はそれから飲食にかなり気をつけるようになったという・・・・。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『惚れ薬』
拍手用で文字制限がある為、超短編。
惚れ薬で襲うのもよかったが、結局同居人の苦労に。
読者の妄想で各所補ってください。
589名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 01:48:45 ID:18I84/ey
GJ!!×1000

って小坊みたい。
590アール子:2007/07/06(金) 01:49:37 ID:aSbjjHid
あたしの小説と較べたら、こんなのゴキブリの落書き程度かもw
591名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 01:53:52 ID:DJ0teEnH
おおぅ!クラフトさんに遭遇!
いつもご苦労様です。かなりのGJ!
いやあしかし、リアルこのせつ見たが…なんだかAVのパケみたいで泣けてきた(´;ω;)
ところで>>578の藍ゆうって、誰?
すまない、本当にわからないのだが。
良ければどなたか教えてくださらないだろうか。
592名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 02:11:57 ID:cLHet5uI
>>578
続き読みたいww
GJ!!!!!1


>>591
●藍ゆう
野中 藍(木乃香のCV)と小林 ゆう(刹那のCV)のこと。
詳しくはネギま!声優スレへ行くことをオススメする。

プリフェスのDVDとかを見れば分かるが、3次元このせつはマジでこの2人で十分。
593名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 03:05:31 ID:Lk7+rbkn
クラフト氏がもう光臨したみたいで乙!今週はますます神がかってるな…。
中身は帰ったらゆっくり読ませてもらおうと重い松。



ドラマ版の二人は普通に…というかとっても美少女だな。
だが問題は芝居が出来るのかな訳で…それが分かるのはやっぱ先になるのかな。
リアルでもイチャイチャしてくれるんだろうか…うぅ実現しても微妙そう…?!
594名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 05:33:22 ID:aSbjjHid
美少女とレズばばあがいちゃいちゃ
595名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 07:43:44 ID:OIsMelrb
なんかこんなのみつけた
http://zammel.kir.jp/lesles/src/1182686955744.jpg
596名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 08:22:46 ID:THg7M7Iy
ウハ(≧▽≦)
なにこれ。
実写版の口直しサイコー。
597名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 08:35:19 ID:qXB4eyQW
>>591
藍ゆうは二人の性格や関係を知れば知る程、このせつそのものだと感じるはずだよ
中の人苦手とかじゃないなら、色々見てみる事をオススメする
598名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 17:15:42 ID:4dO6XZyu
あんなのせっちゃんじゃないしこのちゃんでもないあんな糞共マジ氏んでほしい

クラフト氏降臨!是非本番を!!

>>596
激しく萌えた
599名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 18:29:54 ID:Tf7fnZpP
GJ!!
いい画像だ。目が癒される
600名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 18:56:44 ID:THg7M7Iy
このか様の目隠しプレイキボン
説教よりも効果的に刹那に聞くなんて興味そそられてたまらん!
601名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 19:26:01 ID:HK69berk
藍ゆうはリアルこのせつすぎるw
602名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 19:32:49 ID:6MJ7ybG+
わざと「刹那編」と書いたのに、誰も突っ込んでくれない件について。
エロの方に気が行き過ぎだぜ、兄弟たちよ。

んー、本番か・・・・。
技量と時間の問題なのだが;
"みんながどんなのを妄想したか"を書く流れにしないか?
・・・・だめ?
603拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:14:36 ID:6MJ7ybG+

「ただいまー・・・・あー疲れた」
「あ、アスナおかえり〜。いつもより疲れた声やな〜?」

帰ってきたのは神楽坂明日菜。
夕刊配達のバイトが終わったところである。
そして部屋で明日菜を迎えたのは、同居人の近衛木乃香だった。

「今日も一人休んじゃって、二人分だったのよー」
「そらまたお疲れさんやった・・・・な・・・・?」

木乃香は明日菜を見た途端、疑問形の言葉を発した。
その変化に明日菜も首をかしげる。

「このか?」
「・・・・アスナーv」
「ちょ、どうしたのいきなり!?」
「好きー、好きや〜v」

木乃香のいきなりの告白に、明日菜は目を丸くする。
しかしテーブルの上にある物が視界に入り、即座に状況を理解した。

「ちょっと、これ例の惚れ薬入りチョコじゃない!?」
「んー、そんなんわからへんよー・・・・アスナー、ええ事しよ〜?」
「しない! もう、目を覚ましなさいよ!」

容赦なく抱きついてくる木乃香を、明日菜は力で制する。
明日菜の方が力で勝るため、明日菜は簡単に木乃香を床に押さえつけた。

「もー、疲れてるのに・・・・あのバカネギとエロガモはどこにいるのよ・・・・」
「アスナ〜v」
「あー、はいはい・・・・」
604拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:15:23 ID:6MJ7ybG+

明日菜は適当にはぐらかしながら、木乃香を床に押さえ続ける。
しかしその体勢は第三者から見れば、明日菜が木乃香を襲ってる様に見えた。
押さえつけられてる木乃香もなぜか嬉しそうなのだから、その効果は絶大。

――ドサッ

「刹那さん!?・・・・」
「あ・・・・す、すみません・・・・」
「こ、これはね――」

木乃香に呼ばれていたのであろう、桜咲刹那がその場に踏み込んでしまった。
当然の如く、刹那は混乱。
必死で明日菜が状況を説明しようとする。

・・・・が、正気を失った木乃香がトドメをさした。

「アスナ〜・・・・好きや〜v」
「っ!?」
「ちょっ・・・・このか馬鹿じゃないの!?」
「せっちゃんも、おい――」
「――し、失礼しました!!」

――バターン!

刹那は耐え切れず、部屋を飛び出してしまった。
出て行く直前に木乃香が何やら恐ろしい事を口にしていたが、それは刹那の耳には入っていなかった。
 
「・・・・せ、刹那さん?」
「ん? なにしてんだ姐さんたち・・・・」

そしてその刹那とすれ違うように、ネギたちが帰宅してきたのであった。
605拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:17:04 ID:6MJ7ybG+

*

「む〜・・・・」
「お嬢さま・・・・具合悪いのですか?」
「ううん、大丈夫やえ〜・・・・アスナのあほ〜・・・・」

木乃香は"失恋"というべきか。
惚れ薬の仕業とはいえど・・・・明日菜に想いを寄せている木乃香は、明日菜の冷たい態度に拗ねていた。
現在は刹那の部屋に隔離されている。

ちなみに今の刹那は事情を理解している。
薬のせいだという事を、あの後ネギの念話により伝えられたのだ。
早とちりで手間をかけてしまったと反省した刹那が、木乃香を預かると申し出たのである。

「明日は少し早く起きないといけませんので、そろそろお休みになってください」
「アスナ〜・・・・」
「お嬢さま・・・・ですから・・・・」
「アスナんとこ、もどりたいなぁ・・・」

木乃香は刹那の言葉にはまったく聞く耳を持たず。
いくら薬のせいだと知っていても、木乃香に密かな恋心を抱いている刹那は、何とも言えない嫉妬感を覚えていた。

「お嬢さま」
「う〜・・・・」
「・・・・お嬢さまー?」
「あ、なんや〜?」

刹那は嫉妬からか、何とか木乃香の気を引こうとした。
木乃香はその刹那に気付き、いつも通りの笑顔を見せる。
惚れ薬のせいか木乃香はどこか色っぽい。
その木乃香に、刹那は見とれてしまった。
606拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:18:42 ID:6MJ7ybG+

「・・・・せっちゃん?」
「・・・・・・・・うっ・・・・す、すみません・・・・」

刹那は木乃香を呼んでおきながら、距離をとってしまった。
木乃香の色っぽさに理性がダメージを受けたのである。

しかし木乃香からしたら、刹那のその行動は明らかに不自然。
いきなり相手に謝られて逃げ出されたら、興味が沸いてくるのは当然である。
刹那に興味を持った木乃香は、刹那への距離をつめた。

「せっちゃん、どないしたん?」
「・・・・い、いえ・・・・」

刹那は木乃香から顔を背ける。
木乃香はさらに距離をつめ、刹那の顔を覗きこもうとした。

「・・・・アスナ、呼んでこよか・・・・ひゃ!?」

ガシッ

次の瞬間、刹那が木乃香の肩を掴んでいた。
驚く木乃香を、刹那は顔を上げてしっかりと見ている。
その目は真剣そのものだった。

「・・・・アスナさんは、いいですから・・・・」
「う、うん?」
「私だけを・・・・見てください!」
「へ?」
「・・・・あ」
607拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:20:32 ID:6MJ7ybG+

ついに耐え切れず、刹那は木乃香に告白に近い言葉を口走ってしまった。
しかし言ってしまってから惚れ薬の事を思い出した刹那。
魔法薬で他人に心を奪われている相手に告白など、自滅行為もいいところだ。

「す、すみません!」

刹那は慌ててまた距離をとり、土下座。
例え惚れ薬のせいだとしても・・・・失恋はつらい。

「今のは、忘――」
「――うん、ええよ。せっちゃんだけ見る」
「・・・・・・・・え?」

失恋を覚悟していた刹那。
しかし意外にも、木乃香は刹那の告白を受け入れたのである。
刹那は拍子抜けし、その隙に木乃香に組み伏せられていた。

「せっちゃんも、大好きやから・・・・」
「え、ちょっ・・・・!?」
「ええこと・・・・しよ?」
「ま、待ってください、お嬢さ――っ!?」

――。

「このかさん、刹那さんの所に置いてきて大丈夫なんですか?」
「ここに置いとけないでしょ。今夜私が襲われるじゃない」
「あ、いや姐さん・・・・あれは"最初に見た人間"だけじゃなくて、"普段好意を持ってる人間"にも発情効果が出る媚薬だぜ・・・・」
「・・・・え?」
「刹那の姉さん、今頃襲われてるんじゃないかねぇ・・・・」
608拍手用小ネタ 『惚れ薬 -木乃香編-』:2007/07/06(金) 21:22:35 ID:6MJ7ybG+

・・・・次の日、木乃香は無事に正気を取り戻していた。
しかし惚れ薬の効果が続いている間の記憶はほとんどなかったらしい。
何があったかは刹那だけ知るが、刹那も口を堅く閉ざした為に真実は迷宮入りとなった。

ただ1匹・・・・カモだけが「若いねぇ」と煙草を吹かしていたが、直後に明日菜に握り潰されていたという。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『惚れ薬』
キーワードがキーワードなだけに、やっぱり最後はエロ・・・・。
各自妄想で補ってください。
609名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 21:57:24 ID:HK69berk
GJ!!ええなぁ〜
妄想しまくりんぐだぜ
610名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 22:38:23 ID:cw0pdItI
うっは。やられたぜ。木乃香編
どっちも拍手用小ネタじゃじっくりかけんのも良くわかるが
ちくしょ〜。妄想しまくりだぜ。

>>602 というわけで,披露し合おうか。

刹那編-->手足が縛られていることを良いことに,木乃香が
手とか(もあり)使わないで,弄り倒す。焦らされつづける刹那が
あられもなく懇願。気の済むまで刹那を崩壊させて,
今後一切の注意を誓わせて木乃香満足。

木乃香編-->思いもよらず木乃香に押し倒される。意外と手際良く剥かれていくことに
戸惑いながらも,愛しのお嬢様に触れられてうっとり。でもさすがにまずいだろうと
抵抗するけど,「嫌よ嫌よも好きのうちやで。」とか言われてあっさり陥落。
木乃香の気が済むまでハァハァされて,刹那もぐったり。
木乃香は気がつくと裸で刹那と寝ていて,なぜか刹那は艶やかさ感が増していた。
良くわかんないけど,状況が状況だけに次のラウンドへ突入。

って感じ?

いやマジ良かったよ。この作品。ちょっとライトな感じだったので,
ホントはもう少しじっくり書いて欲しいネタだった。
611名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 22:40:41 ID:KPMj9w1Z
ヤバイ!
最高!!こりゃ死ねるNE☆
612名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 22:44:43 ID:6MJ7ybG+
>>610
ちょ、なんという妄想。
ハァハァしちゃったじゃないか。
613名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 22:51:56 ID:cw0pdItI
>>612
マジかよ。>作者。
ところであんたはどんなの想像してたんだよ?
聞かせてぇぇぇぇぇ。
生言うと,もとネタと色々と代わると思うけど,
このネタでオイラの妄想ならエロ書けそうだよ〜。
614名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 23:06:39 ID:6MJ7ybG+
>>613
俺の妄想は・・・・いやん。

よし、バトンタッチだ!
エロは任せたぜ!!
615名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 23:11:05 ID:cw0pdItI
この「ねぇ〜。せっちゃん。クラフトさん恥かしがってるよ?」
せつ「そ…そのようですねぇ。」
この「うち,そんな恥かしいことしたんかなぁ?どうおもう?」
せつ「/////………。(自覚ないんかこのお人はっ。)」
この「ねぇ〜?せっちゃ〜ん♥」
せつ「(か…確信犯ですね…)そ…そう…言われても…。」
この「えいっ。正直に言わないせっちゃんにはお仕置きや!」
せつ「ひぇ〜。またですか〜。」

というわけで,「いやん」じゃなくて教えて書いて(ダダッ子)♥
616名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 23:18:29 ID:6MJ7ybG+
うわぁ・・・・こんなところで才能無駄遣いするなw

俺才能ないから、>>610のように短くまとめられんのだー。
しっかり書く時間もないしな(・ω・`)
だから任せたZE!
617名無しさん@秘密の花園:2007/07/06(金) 23:29:55 ID:cw0pdItI
別に才能ってほどでもないさー。前の小ネタもスルーだし。
ていうか駄作なので仕方がない。
俺は常に妄想を文字に起している。

じゃ,時間がある限りの範囲で。お邪魔させてもらおうかな。
駄作リスト追加っと。(.._.)φ

またGJSS落としてくれなり。
短くなくてよいから,狼刹那みたいなヤツまた書いてくれYo。
618名無しさん@秘密の花園:2007/07/07(土) 00:04:41 ID:RrQRL+hK
このせつでせっちゃん拘束プレイキボン
最後は泣きながら懇願してしまうせっちゃん
619名無しさん@秘密の花園:2007/07/07(土) 14:17:12 ID:C7N/wTC2
>>608
妄想なら得意だぜw相変わらずGJ!
兄弟と呼んでくれるのか…嬉しいぜクラフト氏(*´д`)
因みに今頭ん中では龍にんと夢のコラボ中だwww
>>592
>>597
ありがとう。総合と個人のスレ、天麩羅のサイトを一通り読んできました。皆の書き込みを読めば、お二人の良さが自然とわかりますね。
小林ゆうさんは以前友達に『オススメ物件』と言われた記憶が…。
藍ゆうが公認の仲なのはよぉ〜っく理解した。
が、ドラマの二人もさ、少しの演技力と少しの演出があれば、少しは萌えると思うんだ。
見た目酷い有り様じゃないし。
『まあこれくらいで勘弁してやらぁ』って思えるように、広い心で待っていようよ。
嫌なら観ない、気になるなら録画しておく、で済む事だし。と、北川景子にやられた自分が言っておくw
長文な上にスレ違いなのでこれにて。
620名無しさん@秘密の花園:2007/07/07(土) 22:58:55 ID:Oj+3LRJJ
ドラマでこのせつシーンがあったらドラマとして楽しむ、うん
621名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 01:00:08 ID:pnh+zkmK
以前、ちょっと名前が出てた某このせつブログさいとの七夕SS泣ける
622名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 02:42:10 ID:63xqw9LF
kwsk
623名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 05:10:11 ID:SjmIGJ2Z
>>621
探してしまったじゃねぇか…・°°・(;>_<;)・°°・。
624名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 14:20:14 ID:pnh+zkmK
ってゆうかさ、このせつのssサイト
みんなどこに通ってるか教えあわねぇww
625名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 14:50:05 ID:FDlwqPhf
晒していいかわからないから、伏せて挙げてみる。

ア○ダ○テ
○○○○○○1517
RE○○○○CE
○がいれば
○に○雲花に○。


伏せすぎた感がいっぱい。
普通にネギまサーチで見つかるから、探してみて。
626名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 15:08:57 ID:YHVpyX+5
こういう流れは過去に何度も荒れたからやめようよ
627名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 15:12:26 ID:FDlwqPhf
そうだったのか、すまないな。
スルーしてくれ。
628名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 15:37:45 ID:Ev7spBFH
俺もそこかどうかわからんが七夕SS泣いた
てかそこのせっちゃん過去も泣いた・・・
629名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 17:48:32 ID:Op4GO03Z
613だい。

偉そうなこと言ってみたけど,十分かどうかわからん。
でも一応書いてみたので,妄想補完編つーわけでヨロ。
6301/11:2007/07/08(日) 17:49:23 ID:Op4GO03Z
「だーめ。・・・・説教はせーへんから、久しぶりに・・・・な?」
「そ、そんな・・・・こんな状態で、ひゃう!?」

刹那は目隠しをされたまま,急な耳への刺激に震える声を上げた。
視野の利かない状態で,木乃香の熱い吐息を耳傍で受ける。
木乃香の黒いオーラを感じながらも,その熱っぽい吐息を肌で感じ,
刹那は背筋をゾクっとさせる甘い刺激に酔いしれた。
そのまま木乃香は,刹那の耳朶を甘噛みし,そっと周辺から内部にかけて,
尖らせた舌先でじっとりと愛撫を施す。

「なぁ…せっちゃん,久しぶりやもん,たくさんせっちゃんに感じさせてあげるぇ……。」
「ひゃっ……せ…せめて…目隠しっ……とって…ください。」
「だーめ。たまにはこんなんもええんやない?」
「そ……そんなぁ…んぁ……お嬢様ぁ……ぁん……。」

両手を後ろで拘束され,両足も自由が利かない。
そんな不自由な姿勢で座らされたまま,木乃香からの優しげな愛撫を受けても,
黒いオーラの恐怖は除かれなかった。
これから何が起きるのか,予想もつかない不安が刹那の胸に迫っていた。

「せっちゃん立てる?辛いやろ?ソファーに寝そべってや。」

木乃香はひとしきり刹那の耳を味わって,刹那の熱い溜息を確認する。
口調は優しくても,不適な笑みを浮かべたその表情を刹那は見る事はできない。
刹那が拒絶の意を示したところで木乃香に許す意志は無い
と刹那にはわかっているので,素直に木乃香の言うままに動いた。
6312/11:2007/07/08(日) 17:50:21 ID:Op4GO03Z
再び刹那はソファーの上に仰向けに寝かされた。
背中には固定された両腕はクッション代わりに背中とソファーの間に入っている。
寝かされた後,木乃香が直ぐに何かしかけてくるのではないかと身構えていたが,
そのような様子はなかった。
その代わり,少し距離のあるところで木乃香の気配を感じた。
机の辺りにいるのか,何かごそごそという物を取り出すような音が聞こえる。
放り出されたような不安感が急に刹那を襲った。

「……お……お嬢様?」
「………。」

不安に堪えられず木乃香に声をかけるが,返答は無い。
手足をぐいぐいと動かしてみるが,堅強な拘束は解けることは無かった。

「……なんや……我慢できひんの?……せっちゃん。」

遠いところからかけられる声に刹那はビクっとする。その声は先ほどまでの
優しい口調では無く,木乃香の黒いオーラが前面に現れていたからだった。

「…せっちゃんのえっち……」
「!……ひっ……ゆ……許して……。」

何かわからない恐怖におびえを隠せない刹那だったが,その声に耳を傾けることなく木乃香は遊戯の準備をはじめる。
刹那の身を包む制服に指を伸ばし,タイを抜き取りシャツのボタンを外していく。
はだけた胸はサラシに包まれ,刹那の肌はまだ顕にならない。

「…せっちゃんはうちの選んだブラつけてくれへんのやな。折角買うたのに。」
「きっ…昨日…つけて…ましたから……。」

サラシと肌の境目を尖らせた舌先が触れる。その感触に息を詰まらせながらも,
刹那は必死に弁明する。これ以上木乃香のオーラを変質させるわけにはいかない。
6323/11:2007/07/08(日) 17:51:14 ID:Op4GO03Z
「……そっか,ならもっと数増やさんといかんね。」

そう言って,木乃香は一通り味わい終わると,シュルッとサラシを解いて足元へ投げ捨てた。慣れているとはいえ,大した早業だ。

「スカート……どうするん?」
「っ……お嬢様の……お……お好きなように……。」
「ほな,そのままっ。ただし……」

そういってツツッと手を伸ばすと,スパッツに手をかけた。

「下は全部脱ごな。」
「!……あ……やめっ……」

刹那の抵抗する間もなく,下着ごとあっという間に全てが引き降ろされた。
空気に触れる肌の感触から,刹那は自分がどんな姿で木乃香の眼前に晒されているのか察した。
着ているとはとても言えそうにない衣服を身に着け,本来隠すべき部分が全て白日のもとに晒されていた。
自分の恥かしい姿を思い描き,刹那は肌を朱に染めた。

「えっちやね。……うちイケナイ方向に目覚めてしまいそうや。」

うっとりと木乃香は刹那の耳元で囁くと,手にした物をそっと刹那の鎖骨から
胸の登頂部に向けて動かした。鋭利な感触が刹那の肌を伝う。
木乃香の温かみは感じらられなかったが,それよりももっと強烈な物理的な刺激が刹那の体を襲った。

「ぁひゃぅん……な……なんですか…それは?」
「カードや。ぱくておーカード。」
「…かー…ど?」
「そや。」
6334/11:2007/07/08(日) 17:52:09 ID:Op4GO03Z
会話の間も手を止めることなく触れるか触れないかの距離を保ち,カードの角で
刹那に触れる。その物理的で鋭利な感触が,刹那の神経を直接刺激する。
刺激する先は,胸だけでなく,腕や脚,背中など全身に至った。
休む間も無く送りこまれる刺激は,刹那を追いたてる。
途切れることの無い刹那の嬌声を耳にして木乃香は微笑む。

「今ネギ君が念話してきたら…せっちゃんのえっちな声…まる聞こえやね?」
「!……ふぁ…ぁん…お…お嬢様ぁ……っく…ふぁ…ご勘弁…ひゃっ…。」
「せっちゃん…気持ちよくないん?」

ネギに聞かれるかもしれないと脅され,身を固くする刹那は飽くまで,
木乃香に手を止めることを望んだ。刹那の余分な理性を取り払うかのように
木乃香は刹那の胸の先端へ尖らせた舌先をあてた。

「ここ…こんなに尖らせて,せっちゃんの…うそつき。」

辺りを舐めまわすでもなく,飽くまで先端のみに舌先をあて,掬い取ったり,
押し込めたりとじわじわ擦り上げる。鋭利な刺激に既に敏感に立ちあがっていた
刹那のそこは,木乃香の舌によりいっそう敏感に反応した。
刹那の体が木乃香の愛撫と同時に海老反りに仰け反る。

「ひゃっ…あふぅ…ふぁっ……ぁぁっぁぁっくぅ…。」

刹那は目隠しのせいで木乃香の動きがまったく読めず,
与えられる刺激に素直に反応せざるをえなかった。普段以上の強烈な刺激が
刹那の神経にダイレクトに響いて,いつも以上に精神が煽られていた。
次に木乃香が何をするかがわかれば,与えられる刺激に大してそれなりに
身構えることができる。それでも愛しい人から受ける愛撫は十分に効力を発揮した。
6345/11:2007/07/08(日) 17:53:02 ID:Op4GO03Z
しかし今回のように目隠しをして,手足の自由が利かない状態での強烈な愛撫は
刹那に刺激に対して受身を取る事を許さなかった。
そして,意識を保つために刺激に耐えるはずの両手脚の動作も封じられていた。
木乃香の体温を感じることができない状態で与えられる官能的な刺激は,
刹那を息苦しくなるほどの強烈な快楽の世界へ引きずり込んでいった。

「こんなんどうや?」

息も絶え絶えな刹那を襲ったのは,ふわふわとしたもの。
猫の遊び道具にそんなものが合ったなと,ぼやけた脳裏にふっと思い浮かんだが,
そのままそれを想像することはできなかった。刹那に与えられつづけた鋭い刺激は一転して,そのふわふわとした猫じゃらしに代わったからだ。

「あふぅ……今度は…一体……ふあっ……くぅ…。」

刹那の非常に敏感な性感帯ばかりを狙ってその微妙な感触は触れてくる。
先ほどまでの強烈な刺激とは打って変わったこの頼りない刺激は,刹那の体に
安息を与えたかと思われた。しかしそれも束の間。
そのたおやかな刺激は,刹那の火の点いた官能を一気に煽りだしたのだ。じれったいほどの柔らかい接触は,火種を更に燃え上がらせる鞴(ふいご)のようなものだ。
もぞもぞと動きだす刹那を愉しそうに眺める木乃香は刹那の耳朶に
軽くキスしてその行動の真意を聞く。

「もじもじして,どしたん?」
「あ……あふぅ………んぁ…お…お嬢……さま…はぁ……も…。」

ある言葉を続けようとしたが,刹那は口を継ぐんだ。

「言いたいことははっきりせんとな。せっちゃん。」

そう言うと,刹那の顕になった太股にその道具を滑らす。
6356/11:2007/07/08(日) 17:54:02 ID:Op4GO03Z
「ふぁぁぁぁっ…っくっっ…ふぅっっ…。」
「我慢せんでええよ。」
「………ください。」

小さく刹那は呟く。聞こえないとの木乃香の言葉に,悶えながらもう一度言う。

「…っ…じらさっ…ないで……くださいっ……。」

熱い溜息と,じれったく身を震わす刹那の姿は,その言葉をそのまま体で表現していた。
激しい刺激の後のたおやかな攻めは,刹那の理性を揺らがせていた。
体の奥から這い上がってくる確かな欲求が体中を駆け巡り,
焦らされ溜まった熱を早く吐き出したいと刹那を急かす。
しかし,刹那の懇願に木乃香はまったく耳を貸さなかった。

「じらすなんて可愛そうなこと,うちしてへんよ?」
「っ…そんなっ…はぁ……ぁはっ……んくぅ…。」
「せっちゃんは,どんなことうちにして欲しいん?教えて。」

刹那には一切触れず,木乃香は猫じゃらしの愛撫を続けた。
刹那に望むことを言うように諭すが,刹那は口を開こうとするも,
言葉を発する前に歯を食いしばり,言葉を飲みこむ。
そして,また言葉を発しようとしては留まるという動作を繰り返していた。
熱っぽい溜息と共に,苦しげな嬌声が部屋に響いた。

「素直やないなぁ。せっちゃんは。」

そう言って木乃香は次の道具を手にした。小型マッサージ器のようなその道具はぶるぶると細かく動作していた。

「素直やないせっちゃんに,お・ま・け♥」
「ふぁぁぁぁ………な………ぁぁぁぁっ。」
6367/11:2007/07/08(日) 17:55:41 ID:Op4GO03Z
これ以上ないくらい敏感に尖った胸の先端にそれを押しつける。
ぶるぶると震えるその動きは,刹那の体の最奥まで響いた。
しかし,刹那の求めるエクスタシーにはほど遠いその刺激は
更に刹那の本能を焚き付ける一つの要因でしかなかった。

だらしなく口を開き,頬を濡らす唾液は首筋まで伝っていた。
木乃香は刹那の両足を軽く開かせ,その道具を刹那の秘所近くにあてた。
敏感な部分の周辺に鈍い刺激が響き渡る。
刹那にとってそれは待ち望んだ場所へ刺激を期待させるものであった。
しかし,一向に周辺を撫でるだけで,焦がれた箇所へ刺激が来ることはなかった。
刹那の顔の近くに木乃香が詰め寄ってくるのを感じた。

「…お…お嬢さま……はぁ…私……ん…もう…ダメです……。」
「なにが?」
「…このままだと……ん…おかしくっ……ぅ…なって…ぁ…しまいますっ……。」
「……だったらせっちゃん。うちに言うことあるやろ?」
「…はぅ……な…に……を……。」
「…………あるやろ?」

少し間を置き,刹那は木乃香の求める問いの答えを探す。
しかし,虚ろになりかけた頭にまともな解答は浮かんでこない。
それでも必死に巡らすと,一つだけ……あった。

『いえ、その・・・・・・・・でも怒ってますよね・・・・?』
『さすがウチのせっちゃん、よくわかってるなぁv』

(そうだ………私の不甲斐ない行動でお嬢さまを怒らせてしまったんだっけ……。)

結局は薬のせいだったのだが,それでも木乃香の目の前で龍宮に迫ったのが
木乃香にとってそれは非常に不本意なものだったようだ。
本当なら木乃香の目の前で真名に迫った刹那の方がよっぽどショックなのだろうけれども。
6378/11:2007/07/08(日) 17:57:05 ID:Op4GO03Z
刹那はそのことを木乃香に告げた。

「すみ…ません……もう二度と……あんな…失態っ……ぁせんから……だからっ……。」
「わかったみたいやね?」
「は…い。…だから……直接…触れてくださいっ…お嬢さまを……感じたい……です。」
「ん。わかったえ。」

木乃香は自分も服を脱ぎ,素肌を刹那に重ねる。後ろ手に縛られたまま仰向けに寝かされた刹那の上に覆い被さるように木乃香は刹那を抱き締めた。
あられもなく曝け出された刹那の白い首筋に食らい付くような勢いで吸い上げる。そこにはいくつもの所有の印が残された。木乃香はそのまま下の方へ更に所有の証を記していく。

「ふぁ……お…嬢さま……んぁ……ふぅぁぁっぅ……。」
「せっちゃんは………うちのもんや………。」

刹那の控えめな胸を鷲掴みに揉みしだいてその先端を強く吸い上げる。

「んぁぁぁっ……んぅぁ…ん…んふ……あぁぁぃ………ぃぃ……。」
「うちのせっちゃんは……誰にも渡さへん……。」

刹那の白い素肌に花弁を散りばめたように赤い印が残った。

「ん。スカート邪魔やな。脱がすえ。」

木乃香は既に見る影もなく皺だらけになった刹那のスカートを手際よく脱がしていく。
狭いソファーの上で身をくねらす刹那の裸体は酷く艶かしく,木乃香は息を呑んだ。
そのまま,縛られたままの刹那の両足を両手で開き,
その間にある刹那の羞恥の泉を凝視する。
既にそこは十分に潤っており,刹那の溢れる愛液は太ももを伝い
ソファーに染みを作っていた。
茂みの中の刹那の敏感な突起は,赤く充血し,もう十分に起立している。
直接触れたら,直ぐにでも刹那は達してしまうだろう。
開かせた両脚をくぐるようにして,木乃香は刹那の足の間に身を納めた。
6389/11:2007/07/08(日) 17:58:15 ID:Op4GO03Z
「こっちも……欲しいんやろ?」

そういって木乃香は刹那の敏感な突起を部屋の空気に晒すように剥き出しにする。
その突起を労わるかのようにその周辺をゆっくりと尖らせた舌先で舐った。
ぞわぞわとした感覚が刹那の体を駈け抜けた。その刺激に耐えられず刹那は,
上半身を反らし,両足を突っ張らせた。
荒くなった扇情的な吐息と嬌声が発せられる。
目隠しのせいでその表情までは探れないが,
全身から漂ってくる艶めかしい気配はもう隠せるものではなかった。
なおも木乃香は,敏感な突起には触れず,溢れ返った蜜壷周辺の愛液を舐め取っていた。

「ふぁぁ…んぁっふぅ………はぁ……んぁ…ぁぁっぁ…ぅぁ……。」

刹那の喉から漏れる嬌声は,切なくて…切羽詰った息苦しさと
なんとも言えない艶を帯びていた。

「………さま。」
「なに?」
「お…嬢さま……。もう…ぁぅん…許してっ…くださっ……ぁい……。」

涙ぐむ声色を耳にし,木乃香は顔を上げた。
目隠しの隙間から,涙が伝うのが見える。

「もうっ……耐えっぁ……ないっ……でっ…。」

言葉を紡ぐのも満足にできないくらい,刹那はもう蕩けきっていた。
くすぶっている熱に耐えきれなくなった体からは,噴き出すような汗が流れ,
抑えきれずに持て余した熱によってくねる体は,卑猥な動きを見せる。
普段では見られない扇情的な刹那の姿に木乃香は満足したのか,
刹那を突き崩しにかかった。
63910/11:2007/07/08(日) 17:59:34 ID:Op4GO03Z
「そか。耐えられへん…か。そゆときなんて言ったらええか知っとる?」
「…………なんて…?」
「……どうして欲しいん?」
「……せて……………ください。」
「……いかせて………イかせてっ……くださっいぃぃぃ。」

刹那が懇願しようとしたとき,木乃香の唾液で濡れそぼった刹那の敏感な突起に
木乃香はふうっと息を吹きかけた。
悲鳴のような叫びと共に,刹那は木乃香に涙を流しながら懇願した。
絶頂へ到達することを切望する刹那を見て,木乃香はほくそ笑む
スッと刹那の秘所を撫で上げて言う。

「せっちゃんはうち以外とこんなことしたらあかんよ。」
「…ふぁ……あふぅ…はぃ……ぁっ……。」
「……せっちゃんをこんなにさせてええのはうちだけや……。」
「はぅん……お……お嬢さま……。」
「………そやろ?」

そう言って,刹那の秘芯に舌を絡ませ,木乃香は強く吸い上げた。

「はぁぁぁ…ぁっくっぅあぁぁ……ぅあああ。」

全身がビクビクっと弾けるように刹那は果てた。激しい呼吸を繰り返す刹那から
木乃香は目隠しを取り去る。涙で塗れた目蓋に唇をあて,涙を唇で拭う。
虚ろな視線のまま,刹那はぼんやりと木乃香を見つめた。
64011/11:2007/07/08(日) 18:02:20 ID:Op4GO03Z
「……せっちゃん…ちゃんと自覚持たんといかんえ。」

そう言って木乃香はにっこりと微笑むと,刹那の頬から伝った唾液を舐め取りながら,
刹那の唇を塞いだ。
絡み付く木乃香の舌は刹那のそれに吸い付き,自分の劣情を伝える。
まだ終わりじゃないと…。

「…いくとこまでイかせてあげるぇ。」

妖艶な笑みを浮かべた木乃香の手には
先ほど使用したローターが小さく音を立てて震えていた。
自分の行く先をぼんやりと想像しながら,刹那は木乃香に堕ちていった。
641名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 18:03:28 ID:Op4GO03Z
うっは。尻切れとんぼ。

クラフト師のようにはいかんのぉ。
お目汚し失礼。
642名無しさん@秘密の花園:2007/07/08(日) 18:11:50 ID:ThlSP6sd
ID:Op4GO03Z殿

絶賛!GJ!!

陵辱が快楽へと誘われる、何時しか欲情に満ち行かれる刹那の体の変化
それを遠回しに誘い悦ぶ木乃香の悪戯さと愛くるしさを想像しながら読まさせて頂きました!
643名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 02:11:30 ID:GFBGLoPj
>>641
GJ!!!!!!!
あんたスゴいってwwww



あ、でも誤字と変換ミスが何ヶ所かあったよ。
644名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 17:04:49 ID:/T2m+y1f
>>641
うお、仕事早いな〜!
GJ〜!
645名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:17:56 ID:/T2m+y1f
さて・・・・今週のテーマを。
646名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:29:11 ID:OolI1RO0
>>641
GJ!この調子で神へ!

「雨のち晴れ」
「じめじめ」
「座敷犬」
「大洪水」
梅雨にちなんで雨関連のssキボン
647名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:41:46 ID:gn2IEHKa
雨…いいねwww
648名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:44:34 ID:EjQKgbjw
もう七月だけどなww
649名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:48:25 ID:gn2IEHKa
みんなが寝静まった頃、もぞもぞと動き出す者が多数。
そんな中、蚊帳の外である二人、すぅすぅと気持ちよさそうに寝息を立てる一人の少女。
その少女を少しいじけたような、そんな表情で見つめる隣りの彼女。

「………」

どうやら自分との我慢比べに負けたらしい。
隣りの眠り姫、刹那の頬を突っつき始める彼女こと木乃香。

「…ん」
「せっちゃん…」

周りに聞こえないよう小声で話し掛ける木乃香。
しかし、それは刹那の意識を覚醒させるには不十分のもので。
よって、その眠り姫は起きる気配は全くもってゼロである。

その様子ににこやかに微笑む彼女。
と…その背後に黒いオーラが見えるのは気のせいだろうか。
さっきより強くほっぺをつつく木乃香。

「…ふみゅ…ん…」
「せっちゃん…起きた?」
「この、ちゃん…」
「ふふ…やっと起き、た…」

と思ったのだがそれは勘違いだということに気付く。
だって、彼女の目は閉じられたまま。
650名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:49:26 ID:gn2IEHKa
「…にゃはは……この、ちゃん……」
「………」

今度は拳をギュッと握って明らかに怒りを露わにする木乃香。
こうなったら最終手段を使うしかない。
そこで彼女の繰り出した技とは…

「うりゃっ…」
「…っふぇ!?あははは…くくっ…ひゃうっ…こ、このちゃ」
「やっと起きたな、せっちゃん♪」
「………」

刹那は何が起こったのかわからないようで。
状況把握のためか、その目はさっきからキョロキョロと忙しなく動き回っている。

「せっちゃん、すぐ寝てまうんやもん…」
「…あぅ、しゅいましぇん……」
「っくく…」

まだ寝ぼけている彼女が面白くて、つい口元が緩んでしまう。

「ぁの…しょれで?…」
「ぁ、そやった。あんな、せっちゃん。隣り行ってもえぇ?」
「……………ふぇ?」
「ふぇって何なんよ」
「や…ぁのですね……へ?」
651名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:50:13 ID:gn2IEHKa
だんだん覚醒してきて、この木乃香の発言にはきちんと反応できた。

「せっちゃんと一緒の布団で寝たいんよ…」
「………」

少しばかり考える時間が必要なようだ。
しばらく少し寝癖の立った彼女を見つめる。
前髪がちょこんと上に立ってて、いつもサラサラの黒髪がなんだか新鮮に思えた。

「…アカン?」

彼女の声は、小さく囁かれ刹那の耳にはなんとも優しく、甘く…

「ぇ…その、いぃ…です、けどっでも――」
「ほんまっ!?ほな、お邪魔しまぁ〜す♪」
「ぁ、はい〜…って!?うぁ…っ――」
「えへへ〜せっちゃんと同じ布団で寝るんえらい久しぶりやわぁ〜」

嬉しそうに刹那の布団に潜り込む木乃香。
そんな木乃香にしどろもどろな刹那。

「……えぃっ♪」
「ひゃうっ!?」

ぷにっとそんな効果音が相応しいだろう。
何を思ったのか、刹那の脇腹を人差し指でひと突きする木乃香。
それに反応しないはずがない刹那は、周りに聞こえるのではないだろうかというぐらいの…
というか聞こえただろう音量で奇声を発してしまった。

「せっちゃん、しぃ〜」
「ぁぅ…ごめんなさい…って、このちゃんのせいやないかっ!!」
652名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:51:21 ID:gn2IEHKa
ついに出てしまった刹那の突っ込み。
やはり、木乃香のボケには耐えられなかったようで…
ついに限界を超えた日が来てしまった。

「あははぁ〜バレた?」
「バレるもなに、も…っ――と、ぁ…す、すいませんっ」
「別に気にせんとぉ♪」
「で、でもぉ…ほんとに、すいませ…ぁうっ」
「むぅ〜」

普段から謝り癖のある彼女。
それに対していつも木乃香は溜め息を一つ零す。
でも、一歩一歩確実に刹那が本音を話し始めているのには違いない。
だから、溜め息は安堵の証。
そう、木乃香は最近思い始めている。

せっちゃんが変わってきている。
少しずつ、少しずつ…ウチに近付いてる。

そんな風に感じる。

「また、謝ったら今度はくすぐるで?」
「はぅ〜すいま…ぐむ」

禁句のそれを言い出しそうになり、自分で自分の口を塞ぐ刹那に、今度は笑みを一つ。
653名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:51:55 ID:gn2IEHKa
「ふふ…なぁ、せっちゃん」
「ふみゅ?」
「もう手、取ってえぇで?」
「…はぃ」
「昔、よく一緒に寝たやん?」
「そう、ですね…」

声からわかる、あなたの様子。
ホッと、心があったかくなった。
きっと自分と同じで昔を懐かしんでいる、愛おしんでいる彼女。

「お嬢様、いつも私の布団に入ってきましたよね…今みたいに」

クスッと刹那が笑い、天井を向いていた顔が木乃香の方を見る。
木乃香は口元を緩ませ、一度目を閉じて彼女を見つめ直して言った。

「だって、せっちゃんと寝るん嬉しかったんやもん。それに…」
「それに?」
「せっちゃん、手…握っても、えぇ?」
「ぷっ…」
「ほぇ?」

突然吹き出す刹那に、不思議そうな顔をする木乃香。
それもそのはず、いつもなら吹き出して笑うのは木乃香の方。
でも今は、彼女が大笑いしてる…ううん、優しい笑い方。
654名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:52:36 ID:gn2IEHKa
そう、あの時と一緒だ。

「あの時と一緒」
「え…」

見事なシンクロ、木乃香は悟った。
彼女も覚えていたんだ、と思った瞬間、なんだか熱いものが込み上げる。
懐かしくて、あったかくて、綺麗な、あの思い出を…

「覚えとったんやね…」
「えぇ…いつもは自然に手を繋ぐのに、寝るときだけは訊いてくるんですよね、
 繋いでいいかどうか」
「…そう言えば、そうやね」
「私も不思議でなりませんでした…」
「でも、これだけははっきり言えるで?」
「なんです?」
「せっちゃんの手握ると…」

そして、刹那の手を握る木乃香。
あの時と変わらない、あなたの優しい手を…

「むっちゃ安心する」
「お嬢様…」
「それに…」
「それに?」
「あれ、やって…」
「あれ?」
655名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:54:25 ID:gn2IEHKa
ギュッと彼女に手を握られ蘇る、あの時の小さな記憶。

「…えへへ」
「…っ――」

恥ずかしそうにそっぽを向く刹那。
でも、その手は放さない。

「これ、ほんま大好きやったんよ?」
「どうして」
「せっちゃん、手ぇ握ると絶対こちょがしてきて…ウチ、それが大好きやった」
「…っ――」
「照れとるん?」
「て、照れてなどっ――」

手を握ってもいいとわかると、すぐさまあなたの手を握った、小さな自分の手。
すると、彼女は必ずその小さく優しい指を絡ませてきて。

木乃香には少しくすぐったくて、笑いを堪えるのが大変だったが…
幼かった彼女のその行為が、とても心地良く感じた。

「なぁ、もっとやって…」
「で、でもぉ…」
「えぇから」
「…ん――」

そっぽを向いていた顔を木乃香の方に戻し、彼女の手を優しくくすぐる。
そう、あの時と同じように…優しく、撫でるように。
すると、幼い彼女はいつもにぱぁっと笑って。
その暖かな太陽のような眩しい笑顔のまま、スヤスヤと寝てしまう。
その様子を見て、小さかった自分も眠りについていた。
656名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:55:33 ID:gn2IEHKa
して今、あの頃と同じように彼女が目を閉じたのを確認して自分も目を瞑った。

「んっ…」
「……っ――」

しかし、なかなか寝付けない刹那。
目の前に木乃香、しかも寝顔に寝息。
刹那にとっては眠れない条件が揃ってしまっている。
そこで、彼女は寝返りをうつことにした。

とりあえず一安心、と思った矢先のことだった。

「…ひゃうっ!?」
「ふみゃ…」
「(こ、このちゃん!?)」

突如、眠ったと思っていた木乃香が刹那に抱きついてきたのだ。

「お、お嬢様?」

小声で呼び掛けるも、彼女の返事は曖昧で、日本語かどうかすらわからない。
おそらく、寝ぼけているのだろう、眠いけど眠れないそんな状態で。

さらに彼女の動きがエスカレートする。
もはや刹那は抱き枕と化している。

「っあぅ…こ、このちゃ」
「ん…せっちゃんの……やらかいなぁ…」

着ていた浴衣の隙間を上手く潜り抜けて彼女の手が刹那の腹部に侵入する。
657名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:56:19 ID:gn2IEHKa
「にゃはは…ぷにぷにするぅ〜」
「こここ、このちゃん…やめ…ぁははっ…っん」

周りに聞こえないよう必死に笑いを堪える刹那。
くすぐったくて仕方がないようで、
自分の腹部を弄る木乃香の手を止めようと彼女の手首を掴む。

「…はぁっ、はぁっ」
「むぅ〜」

手を拘束され、不機嫌そうな声を出す木乃香。
それでも、さっきのようなことをされるよりはマシだ、と刹那。
しかし、彼女の考えは甘かった。
さすがお嬢様と言ったらいいのだろうか…そんなことでメゲるはずもなく。

「…っ!?――」
「えへへ…ここもやっこぃ……」

刹那が油断した隙にまた浴衣の中に侵入する彼女の手。
今度は腹部ではなかった。

そこは…
658名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:56:58 ID:gn2IEHKa
「こ、このちゃんっ!!上はダメッ!!!!」
「えぇ〜上、アカンの?」
「アカンに決まっとるやろっ!?」
「せやけど…」
「ひゃっ…――」

刹那は後悔した。
たとえ浴衣でもブラかサラシを付けてくればよかったと…
つまり、木乃香の手は直に彼女の小ぶりなそれを触っているわけで。

「このちゃんっ…アカンてっ…はぅ――」
「だってぇ…やらかくて気持ちえぇんやもん…」
「それでもだめぇっ…っくく…こそばゆ」
「ぷにぷにぃ〜」

これ以上は身が持たないと判断したのか、また木乃香の手を掴む。
今度はさっきよりもきつめに、刹那はもう放さないといった感じで。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「………」
659名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:57:31 ID:gn2IEHKa
やっと大人しくなる彼女。
その手は刹那の両手に包まれ、ちょうど胸の上に置かれている。

「せっちゃん…ドキドキいっとる……」
「っ…――」

一気に顔を朱に染める刹那。
彼女の手を拘束するのに必死で、その弄っていた場所を失念していたようで。

「うぁ…す、すいませんっ――」

そう言って、木乃香の手を彼女の方に押し付けた。
すると彼女は…

「ふんだ」

また機嫌を悪くしたようで。
また刹那にちょっかいを出そうとその悪戯好きの手を伸ばす。

しかし、それは失敗に終わった。
660名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:58:13 ID:gn2IEHKa
「お嬢様…止めてくださいっ――」
「嫌や…」
「お嬢様」
「いや…」

なぜ彼女はこんなにもちょっかいを出そうとするのか…
刹那にはわからなかった。

「むぅ〜もぉえぇわ…」

ぷいっとそっぽを向く木乃香。
そのまま寝返りを打って向こうを向いてしまった。
どうやら相当機嫌を損ねてしまったようで…
刹那ははぁ、と溜め息を一つこぼしながら言った。

「お嬢様…」
「………」
「お嬢様ってば」
「ウチはお嬢様やないもん…」

まるで小さな子供のような彼女の口振りに、思わず笑ってしまった。
661名無しさん@秘密の花園:2007/07/09(月) 23:59:03 ID:gn2IEHKa
木乃香は小さく丸まって、その様子は本当にあの頃と変わらない…
可愛らしい小さな女の子だった。

刹那はふっと微笑んだ。

「このちゃん」
「ん…」

よかった、反応してくれた。
小さな女の子に話し掛けるように、言葉を紡ぐ刹那。

「手、貸して…」
「なんで…」
「いいから…」

思いが通じたのか、目を閉じたまま幼くなってしまったその少女がこちらを向いてくれた。
木乃香の手を取り、そっとこの手で包み込んだ。

「………」
「ふふ…」

その顔はまだムスッとしていたけど、ささやかな朱が月明かりに照らされていて、
とても綺麗に彩られていた。

笑みをひとひら咲かせながら、彼女の小さな手のひらを撫でた。

「…っへへ」

すると彼女は無邪気に笑って…
662名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:00:13 ID:zC7rTMkQ
「せっちゃん…こそばゆぃ……」
「機嫌直りました?」
「ん〜なんのこと?」
「…ふふ」

本当に今日の彼女は可笑しい。
赤ちゃん返りでもしたのだろうかと刹那は思った。
でも、たまにはそんなお嬢様も可愛いな…なんて。

「手だったら、ずっと握ってますから…」
「ん…お腹は?」
「んな!?だ、ダメに決まってるじゃないですか」
「えぇ〜どうしてもアカン?」
「どうしてもアカン」
「…どうしてもどうしても?」
「………」

お腹を触って何かいいことがあるのだろうか。
ますます木乃香がわからなくなってきた刹那。

「おおきに、せっちゃん」

考えている間に彼女は肯定の返事と解釈して、最初と同じように刹那に抱き付いた。

「こ、このちゃん!?」
「むにゃ…やっぱ、きもち…えぇ……」
「どうしてそんなに…って寝てるし」
663名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:00:57 ID:zC7rTMkQ
顔のすぐ横でスヤスヤと眠る木乃香。
刹那の腹部に手を置いたまま、すぅすぅと寝息を立てて…

「このちゃん?」

それでも本当に寝たのか確かめてみる。

「お〜い…」

ツンツン、と彼女の柔らかい頬をつつく。

「………」

結果、無反応。
本当に寝たんだと思ったと同時に、ちょっと寂しさを感じた。

「…そっか」

彼女も寂しかったんだ、と気付いたのは木乃香が夢を見始めた頃。
刹那はまた、木乃香の手をくすぐる。すると…

「…ふみゃ」

と、あどけない無垢な笑顔を見せた。
その顔をしばし見つめて。

「おやすみ、このちゃん…」

左手は彼女の手を、右手は彼女の前髪を静かに撫でて…
刹那は夢の中の彼女へと会いに行った。

FIN
664名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:01:39 ID:zC7rTMkQ
初投稿でこんな駄文すみませんでした。。。
しかも長文、ほんとごめんなさい。
665名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:36:36 ID:FM+UEoYq
641だよ。GJコールさんくす。ホント誤字脱字多かったな。
スマン。落としてから気がついたorz。

現在木乃香編思考中。
でもク氏の木乃香編投下から時間がたってるから,
今更って感じかもしれないなぁ。非常に残念だけど。どうしようかな。

>>664
設定状況がよく掴めなかったけど,何気に萌えた。よかった。
寝ぼけ舌足らずせっちゃんがイイよ!
もうちょっとシチュが理解しやすいとなおGJって感じだ。

ていうか,勢いだけの俺が言うことじゃないけどなっ。
次作も投下ヨロ。
666名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:42:45 ID:5qq+m5Tg
>>664
GJ〜!
でもとりあえず、sageといた方が叩かれないぞー。
SS投下ご褒美に・・・・置いとくな(〃´・ω・`)っ【E-mailに「sage」】

>>665
ク氏です。
略されすぎに、ちょっと笑った。
引き継いでくれるなら大歓迎だぞー。
おまいとは友達になれそうな気がするぜ。
667名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 00:49:51 ID:eXV8XFa2
>>664
合宿の話だよね?似たような妄想しまくってたからちょっと驚いた
ほのぼのGJ!こういうの好きだ
668名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 01:14:21 ID:44H0SHrm
>>664
初投稿でこのクオリティかよww
新たなる神降臨か?w



ただ、>>657-658の部分で、寝てるはずの木乃香がいつの間にか普通に喋ってる(=起きてる)のが気になった。

GJなんだが、その辺の表現が少し足りないんジャマイカ?


次回作に激しく期待w
669名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 01:15:30 ID:44H0SHrm
あ、>>656-658だった。スマソ。
670名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 15:42:09 ID:Fgkd0/vq
初めての投稿でよくわからなくて、すいませんでした。。。
実は神と崇められるクラフトさまに後押しされましてww
投稿するに至りました。
GJありがとうございます・゚・(ノД`;)・゚・それに助言も本当に感謝です。
それを元に修正したり追加したりしてブログに載せたいと思います。
お優しい方々、本当にありがとうです!!!!
671名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 16:13:57 ID:5qq+m5Tg
>>670
あ〜いや・・・・俺は神じゃない、紙。

追加修正されたのも見に行くんで、がんばってください!
もちろん新作も待ってますんで!
萌えに飢えた俺たちに、救いの手を(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
672名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 18:39:40 ID:Q0BrTBqs
超GJ!!!!!
673名無しさん@秘密の花園:2007/07/10(火) 21:20:01 ID:XbeNoHLU
>>664
あまりにもGJ過ぎてよだれ垂らしてしまったw ありがとう!ありがとう!!
674名無しさん@秘密の花園:2007/07/11(水) 18:31:59 ID:wpVjgkJd
>>672
こんな駄文に超を付けてくれるだなんて…
本当にありがとうございます・゚・(ノД`;)・゚・

>>673
こちらこそよだれ垂らしてくれてありがとうですwww
またいつか投稿したいです。
675名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 14:23:05 ID:IWVT4ook
>>664
ニヤニヤが止まらない!
こうゆうぼのぼのSSドツボです
どんどん投下して下さい><
676名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 21:03:55 ID:eu3diGY4
>>675
ありがとうございます!!!
ニヤニヤさせるために書きましたwww
今書いてるSSはせっちゃん過去なので、
次回ほのぼの書けたら投下したいですwww
677名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 21:14:49 ID:VOJncah0
>>676
あーっと、シリアスかぶるかもしれないなぁ。

後、あんまりこの場で「w」は使わない方がいいかも。
認識の違いで反感覚える人もいるからな><
678名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 22:46:09 ID:DOcXB4x0
>>676
次の作品も期待してます。

>>677
確かにあんまり2chじゃ「w」って使わないね。
チャットとかなら「w」使いまくりなんだけどね。
679名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 23:03:49 ID:D4SsERw6
2chでもvipでよく使われる
680名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 23:30:41 ID:VOJncah0
「w」については、ここまでで・・・・。
荒れる話題だからね・・・・。
681名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 23:40:15 ID:mdryZ0DO
最近馴れ合いひどいね
682名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 23:47:42 ID:tgKb2Bt7
何を今更
683名無しさん@秘密の花園:2007/07/12(木) 23:51:58 ID:DOcXB4x0
>>681
SSスレはどうしても馴れ合いになりがち。
684名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 03:37:30 ID:kw+xeN0J
途中までの投下ってあんまりやりたくないんだけど,
長くなりそうだからやっちまうぜ。
(だったらやるなとか言う突っ込み無しでヨロ)

>>607 の分岐っす。

クラフト氏へ便乗した無謀な野郎です。
どうか温かい目で見守ってください。
ほのぼのの流れをぶった切りますじゃ。
6851/5:2007/07/13(金) 03:39:17 ID:kw+xeN0J
「せっちゃんも、大好きやから・・・・」
「え、ちょっ・・・・!?」
「ええこと・・・・しよ?」
「ま、待ってください、お嬢さ――っ!?」

突然起こった出来事に私はわけがわからなくなっていた。
アスナさんにぞっこんなお嬢さまに対する私の嫉妬心からでた告白めいた一言。
アスナさんにぞっこんだったはずなのに…。お嬢さまは矛先を私に向けた。
”も”というのが聞き捨てならないが,今の私にはそんなに細かいことを気に
留める余裕はなかった。
今はただ,この状況にどの様に対応すればよいのか,それだけに集中したかった。

考える余裕を与えられる間も無く,私の唇はお嬢さまの唇に塞がれていた。
暖かく湿った柔らかい唇は,私の予想をはるかに越える衝撃を与えた。
ただ触れているだけなのに,幸福な脱力感に襲われる。

「ん……。」

私のわずかな反応に呼応するように,お嬢さまの喉が鳴る。
その声に,夢心地だった私は現実に戻された。
慌ててお嬢さまを引き剥がし,呼吸を整える。

「っだっ,ダメですって。お嬢さま,こんなっ……。」
「そないなこといわんと……ええことしよw」

お嬢さまは軽く舌なめずりをして,嬉しそうに微笑まれる。
いつもにも増して魅力的なお嬢さまの笑顔に魅了されてしまった私は,
距離を詰めたお嬢さまにわずかに遅れを取ってしまった。
至近距離でお嬢さまに見つめられ,慌てて後ずさりする。
6862/5:2007/07/13(金) 03:39:50 ID:kw+xeN0J
「おおおち…おちおち…おちついてくださいぃぃぃぃぃ。」
「うちはおちついとるよ?……それより…なぁ?」

じわじわと距離を詰められ,いつの間にか背中に固い壁の感触を感じた。
後退りした私の上をお嬢さまは四つん這いで追い詰めてくる。さながら
獲物を追い詰める猛獣のような堂々とした貫禄をみせる。
私はそのお嬢さまの視線に捕らわれ,瞬きをするのも難しかった。
息苦しいほどに鼓動が鳴り響き,顔に頭に血が上っていくのがわかった。
お嬢さまは私の名を優しく囁き,とうとう壁際まで獲物を追い詰めることに成功したのだった。

「……せっちゃん……大好きや……。」

私の太股の上にお嬢さまの体重を感じる。短めのスカートを着用なされているので
私の太股に直接お嬢さまの素肌が触れた。そっと伸びてきた手は私の頬を撫でる。
私は魔法にかけられたみたいにお嬢様の手に導かれ,お嬢さまの顔の角度に合わせて
顎をしゃくりあげられた。

「せっちゃん……」

お嬢さまが接近してくるにつれ,私の体は面白いくらいに震えていた。
お嬢様の視線に耐え切れず,固く目を瞑る。それと同時に口もきゅっと瞑っていたみたいだった。
お嬢さまは唇が触れた瞬間,私の頭をぐいっと両手で掴み,壁に押しつけられた。
そして,私の首を少し傾け,お嬢さまの唇と密着度が増すように更に押しつけられた。
逃げる場所もない私はそのままお嬢さまのなすがままにされていたのだった。
6873/5:2007/07/13(金) 03:40:46 ID:kw+xeN0J
「ん……ちゅっ……。」

私の唇を啄ばむように小刻みに動作するお嬢さま。その動きに私の緊張は解れていった。
下唇をしゃぶられ,上唇は舌先で撫でられ,わずかに開いた隙間から,お嬢さまの舌が挿し込まれた。
接吻の心地良さに私は,舌の侵入に驚くこともなく,そのまま恍惚としてお嬢様を受け入れていた。
薬のせいとはいえ,愛しのお嬢さまに大好きと言われ,こんなにも優しいキスを繰り返されると,
拒絶していたはずの自分の意識がどこへいってしまったのかと疑問に思う。
色恋に疎い私には…,ましてお嬢さま相手に絶対に起こりえない状況だった。
夢なら…どうかこのまま………。

夢現の私を急に引き戻したのは,口の中へ何かが流し込まれてからだった。
お嬢さまが接吻の最中に溜まった唾液を私に流し込んだのだ。
私は黙ってそれを飲み干す。先ほどお嬢さまにおだししたジュースのように
どこか甘く,私の体の中に染み込んでいくような感じがした。
ゴクっという喉の音を聞いて,お嬢さまは嬉しそうに目を細める。
私の舌を強めに吸い上げてから,お嬢様は私を解放した。

荒い息と,熱い顔と,軽いめまいが私を襲う。

「……うふふっ……。」

お嬢さまは嬉しそうに,艶やかな微笑みを私に向ける。その笑みに流されそうになるが,
やはり私の脳裏を掠めるのは,”薬の効果”と言う文字列だった。
夢ならこのまま流されるのも悪くはない。けれどもこれは現実。
薬のせいで,一時の劣情に流され,取り返しのつかないことになってからでは遅いのだ。
……このまま流されるわけにはいかなかった。
暴走する主人を止めるのは臣下の努めだなんて,口では言ってみるものの,
本当の理由は別にあった。これも陳腐な理由だ。
6884/5:2007/07/13(金) 03:42:05 ID:kw+xeN0J
私だけを見てくれると仰ったお嬢さまも,大好きと言って迫ってくるお嬢さまも,
どれも本当のお嬢さまではないのだ。薬の影響でそう言っているだけ…。
それでも私は嬉しかった。お嬢さまに大好きと言われ,あんなに優しいキスまでしてしまった。
でも薬が切れた後でお嬢さまがこのことをお知りになったとしたら…。
そして,ご本心でないと悲観なされたら…。私はきっとそれを恐れているのだ。

しかし体はお嬢さまを求めていた。嘘でもいいからこのまま…このまま溶け合ってしまいたかった。
けだるい体を無理に動かし,私はお嬢さまから視線を反らした。

「……お止めください。お嬢さま。こんな……いけません。」

必死に,自分の本能を戒めながら,言葉を紡ぐ。

「嫌なん?うちとじゃ……ええこと……できへん?」

先ほどまでの快活さがわずかに勢いを無くした気がした。

「……………………い…や……です。」

長い沈黙が,私の葛藤を表す。口から出た言葉とは裏腹に体は熱くなっていく。
お嬢さまの熱っぽい視線が,私の体を舐めるように見つめつづけているからだった。
私の心を見透かされるようで,嫌な間だ。

「せっちゃん……。」

そう言ってお嬢さまは,私の耳を啄ばむ。ゾクっとした刺激が背筋を通過した。
尖らせた舌先を耳の後ろ側に伝わらせ,時には内部にも伸ばした。反対の耳は指先で,
それも触れるか触れないかの微妙な刺激を送ってくる。
体を揺さぶる愛撫に私は必死に絶えていた。それもお嬢さまを拒絶する言葉と共に。
しばらく耐えていたけれど,官能的な刺激は増すばかりで,
私の口からは熱っぽい溜息が漏れ始めていた。
6895/5:2007/07/13(金) 03:43:28 ID:kw+xeN0J
「せっちゃん……嫌なら…なんで抵抗せんの?」
「…そ…それは………。」

言えない。是も否も…。だって体は,私自身もお嬢さまを求めているから。
ただ私の理性だけが,それを許さなかった。
項(うなじ)に伸びる指先が,後れ毛を弄ぶ。急な刺激に私の口からは小さな声が漏れた。

「……うちには…嫌がってるようには見えへんけど…。」
「ぁ……ダ…メ……。」
「嫌よ嫌よも好きのうちって言うやろ?」
「ぁふ……んぁ……。」
「せっちゃんも,そんなんやない?」
「ふ……ぁ……んぁ………。」

お嬢さまは言い終わると,項を弄っていた指先を背筋を伝わらせ,
つつつっと服の上から線を引く。その刺激に私の顎が浮いた瞬間を狙って
私の首筋に軽く歯を立てた。

「……はぁんっ……。」

一際高い声を上げてしまう。体を駈け抜けた衝撃は私の官能中枢に直撃した。
こんな声を上げてしまっては,もう誤魔化しきれないだろう。

私の視野の外で,妖艶な笑みを浮かべるお嬢さまに気付くこともできなかった。

「なぁ……せっちゃん…うちとええこと……しような。」
690名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 03:45:57 ID:kw+xeN0J
ひとまずこれにて。
このあと海外出張が入るので,
どうなるかわかりませんが,
このネタ好きなので,続けますじゃ。

お目汚し失礼しました♪
691名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 10:45:11 ID:kwK1vE/a
GJ!!
せっちゃん可愛いvv
692名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 21:26:49 ID:+JjGF3lU
>>690
おおっ!GJ&海外出張がんがれ!気長に待ってるZE☆
693名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 22:32:17 ID:c5bGHPut
ども。お初です。
いやぁ〜…皆さん神としかいいようがナイ…
小説を書くのは結構好きなんですが(超駄作の初心者ですが)
ほのぼのが書けないんスよねぇ〜…
シリアスばっか。

そんなんでもここにのっけてもいいんですかねぇ?
694名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 22:39:00 ID:+6jRz4/M
>>693
いえいえ、是非載せて下さい。
695名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 22:42:52 ID:zzmns3gG
>>693
シリアル好きなんでお願いします
696名無しさん@秘密の花園:2007/07/13(金) 22:57:20 ID:5OjISUVt
>>693
是非是非
697639:2007/07/13(金) 23:00:24 ID:c5bGHPut
…マジっすか…!
なら、研究してみます…。
また最初から漫画読み返すしかねぇなぁ…
実はこのせつssを読むのは大好きですが書いたことがないんですよね…。

そのうち書いて投稿させていただきます。
698693:2007/07/13(金) 23:01:28 ID:c5bGHPut

まちがった。
639じゃなくて693でした。
699名無しさん@秘密の花園:2007/07/14(土) 00:43:48 ID:N2ligkGP
わっふるわっふる
700支配:2007/07/14(土) 02:11:50 ID:v6I/CUEM

「・・・・小太郎は、那波さんたちになんて言ってきたんだ?」
「ん? あぁ、友達んとこに泊まって来るってな。そういう刹那はどないしてるんや?」
「同室は龍宮だ」
「・・・・なるほどなぁ、あの銃使いの姉ちゃんか」

多くの人が眠りについている時刻。
月明かりのみの暗い森の中で、二つの影が高速で移動していた。
一人は身の丈ほどもある長刀を持つ少女、名を桜咲刹那。
もう一人は何も持たないが、個性的な動物耳を付けている少年、犬上小太郎。

「それにしても、今回も大したことあらへんかったなー」
「無事に終わったんだ、良かっただろう」

現在、二人は魔法生徒としての仕事を終えたばかり。
しかしその仕事に、小太郎は物足りなさを漏らしていた。

「・・・・なんや、刹那も浮かない顔しとるな?」
「・・・・なんでもない」
「ならええけど」

刹那は何でもないと言いつつも、小太郎の言う通り浮かない顔をしていた。
それもそのはず、今夜は木乃香と夕飯の約束があったのだ。
それが仕事によりキャンセルになってしまったのである。
さらには急な依頼であった為に、普段は夜の仕事をやらない小太郎までも巻き込んでしまった。

「・・・・それにしてもあれやな、ほんまに仕事になると顔つき変わるな」
「・・・・? そうか?」
「そやそや。最初は俺にも敬語やったんに、仕事一緒にするようになってからもうタメ語やん」
「まぁ・・・・仕事仲間に敬語は使わない主義・・・・ですから」
701支配:2007/07/14(土) 02:13:26 ID:v6I/CUEM

刹那は少し意識して、敬語に戻した。
小太郎はそんな刹那に対して笑いを漏らす。
・・・・刹那のこういった仕事後の他愛のない会話は、普段の仕事のパートナーである龍宮や楓ともしている。
それはお互いの仲間意識を高める為の、ちょっとした儀式のようなものだった。

「このか姉ちゃんともこんな感じに話してやったらどうや? 幼馴染なんやろ?」
「なっ・・・・お嬢さまにそんなことできるわけ――――むっ!?」
「な、なんや!?」

二人は異常な魔力を感知し、その場で立ち止まった。
その魔力は明らかに二人に向けられていて、さらに敵意のあるものである。
二人は臨戦体勢に入った。

「・・・・どこからだ?」
「わからへん。でも仕事は終わったはずやろ?」

大きな魔力は確実に二人に近づいてくる。
緊張する刹那と小太郎。
しかし姿を現した相手に、二人は驚愕した。

「――お久しぶりですー、お二人さん〜」
「・・・・な、貴様は!?」
「なんであんたがここにおるんや!?」
「もうしわけありませんが〜」

相手は二人の質問に答えない。
そして、いつでも飛び出せるように構える二人に何かを差し出した。
702支配:2007/07/14(土) 02:15:44 ID:v6I/CUEM

「・・・・お二人さんにはお仕事を手伝ってもらいます〜」
「何わけわからんこと・・・・、っ!? ・・・・アカン・・・・!」
「・・・・う、ぁ・・・・これは・・・・?」

突如、相手の持っていた何かが強い光を放つ。
相手の出方をうかがっていた二人は、その光を直視してしまった。

――その後・・・・その森では大きな争いも起こらず、朝を迎えた。

*

「それでは出席をとります。2番、明石裕奈さん」
「は〜い」
「3番、朝倉和美さん――」

次の日の朝・・・・。
学園は何も変わりなかった。
ただひとつ、刹那がいないことを除けば。

「15番、桜咲刹那さん・・・・いませんね。龍宮さん、何か聞いてませんか?」
「いや・・・・特に」
「・・・・わかりました。では16番佐々木まき絵さん」
「はーい!」

担任のネギと刹那の僚友の龍宮真名は、クラスが不審に思わないように簡潔に話を終わらせた。
ネギたちが"刹那と小太郎が戻って来ない"と気付いたのは、朝になってからだ。
いつもの朝練の時間に刹那が現れなかったのである。

そんないつもと少し違う日常も、普段通りに進んでいく。
結局刹那が姿を現さないまま、その日も放課後を迎えてしまった。
放課後、木乃香は明日菜と共にエヴァの家を訪れる。
703支配:2007/07/14(土) 02:19:33 ID:v6I/CUEM

「刹那さん、こなかったね・・・・学園長の話だと、大した仕事じゃなかったんでしょ?」
「うん・・・・朝に高畑先生が確認したら、仕事は終わっとったんやって」

ネギたちが気付く前に、すでに学園側は異変に気付いていた。
いくら魔力や気を使えるといっても、刹那達は学園の生徒・・・・子供である。
その為に仕事の終了報告は義務とされているのだが、昨夜はその報告がなかった。

「つまり・・・・仕事が終わった後に失踪したって事かー」←ハルナ
「・・・・桜咲さんと小太郎くん・・・・怪我してないかなぁ〜・・・・」←のどか
「テレパシアも使えないですか?」←夕映
「はい・・・・残念ながら」←ネギ

木乃香たちの他にも、刹那を除くネギパーティがエヴァの別荘に集まっていた。
もちろん議題は、失踪した刹那と小太郎についてである。
ちなみにエヴァは風邪でダウン中。

「マスターによると先日、失踪したと思われる時刻に強大な魔力を感じたそうです」
「あれ? でも仕事は終わってたんだよね?」
「はい、ですから第三者による介入があったと思われます」

エヴァの従者、茶々丸が現在わかっている情報を伝える。
その情報によれば、刹那達は仕事後に何者かに襲われ失踪した事となる。
木乃香たちの表情は一層険しくなった。

「こうしちゃいられないじゃない・・・・はやく探さないと!」

明日菜のその一言により、その場にいた全員が森の中を探索する事になった。
森の中には魔物がいる恐れもあるので、念入りにメンバーを分けて行動することにする。
結果、明日菜と古菲と木乃香のチームと、楓と図書館組のチームとなった。
704支配:2007/07/14(土) 02:20:51 ID:v6I/CUEM

「皆さん、何かあったらすぐに連絡してくださいね!」
「あいあい、いくでござるよ」

ネギとカモは空から探索し、テレパシアで全員の情報を繋ぐ事となった。
そしてネギ以外の全員が、森へと足を踏み入れる。
この森に、魔物よりも手ごわい敵がいるとも知らずに・・・・。

*

「刹那さーん! いたら返事してー!」
「せっちゃーん!」
「小太郎〜どこアルか〜?」

明日菜チームは、明日菜を先頭に森へと踏み進む。
そこは意外と静かなもので、今のところ魔物の気配も感じられなかった。

「せっちゃん・・・・」
「大丈夫だって、このか」
「そうアル。あの刹那がそう簡単にやられるわけないアルよ・・・・む!?」

古菲が立ち止まる。
明日菜と木乃香も、古菲の反応でとっさに身構えた。

「な、なんや!?」
「今・・・・嫌な感じがしたアル・・・・」
「・・・・敵?」
「うむ、殺気だたアルよ」

ガサッガサッと草木が踏み分けられる音が近づいてくる。
明日菜と木乃香はアーティファクトを構えた。
705支配:2007/07/14(土) 02:23:12 ID:v6I/CUEM

「何者アル!」
「・・・・どうも〜、神鳴流です〜」
「って、あんた!」
「確か・・・・ツクヨミ・・・・?」

三人の前に姿を現したのは、修学旅行の時に京都で対立した神鳴流剣士の月詠だった。
かつての敵に、木乃香は怯えに似た身震いを覚える。

「なんであんたがここにいるのよ!」
「お仕事です〜」

木乃香に似たはんなりとした口調。
しかし月詠からは徒ならぬ殺気が漂っていた。

「今お前とやりあってる暇はないアルよ」
「え〜? ウチはこのか様に用事があるんですが〜」
「ウチ?」
「まさか、またあんた・・・・!」

前回の京都でも、月詠は木乃香をさらおうとしていた。
木乃香は関西呪術協会の長の娘である。
そのため関西呪術協会で反乱を起こすには、木乃香は手に入れておきたい"切り札"なのだ。

「あんた一人で何ができるのよ!」
「残念ですが、協力者はいますえ〜。ほな、お二人さんお願いますわ」
「おう!」
「承知」

月詠の後方から影が二つ飛び出す。
一人は刀、もう一人は拳。
明日菜と古菲がそれぞれ応戦した。
706支配:2007/07/14(土) 02:26:43 ID:v6I/CUEM

ガキンッ!
バシッ!

「む、お前は・・・・!」
「・・・・コタ君!?」

古菲と拳を交えた相手は小太郎だった。
しかし小太郎は、木乃香たちを確認しても攻撃の手を緩めない。

「ちょ、ちょっと・・・・きゃっ!」
「く、大丈夫アルかアスナ!」
「え・・・・うそ、せっちゃん・・・・?」

明日菜と剣を交えたのは刹那だった。
刹那と気付いた明日菜は力を緩めたが、刹那は容赦なく明日菜に斬りかかっていた。

「刹那さん、どうしたの!?」
「月詠を助ける、それだけだ!」
「なっ・・・・、きゃあ!?」

刹那は普段敬語で話す明日菜を相手に、タメ語で乱暴に突き放した。
・・・・正気ではない。

「・・・・二人に何をしたん!?」
「お答えできまへんえ、このか様。大人しくこちらに来てくださ――」
「――ふざけるんじゃないわよ!」

刹那と本気で戦えない明日菜は、剣を月詠に向ける。
刹那が阻止しようとすぐに明日菜に向かおうとしたが、それは月詠が制止した。
707支配:2007/07/14(土) 02:28:46 ID:v6I/CUEM

「・・・・強くなりましたな〜、ウチ強い女の子は好きです〜。・・・・先輩はこのか様をお願いしますわ」
「承知」
「ひゃっ!? せ、せっちゃん!?」

刹那は木乃香を抱え、その場を去る。
相手が幼馴染である為か、木乃香は抵抗ができなかった。

「しまった! こ、このか・・・・くぅっ」
「私が少し時間を稼ぐアル。明日菜はネギ坊主に連絡するアルよ!」

*

ザッ、ガサ!

刹那は木乃香を捕らえ、ひたすら走る。
しかし木乃香は、いまひとつ捕獲されたという実感が持てないでいた。
というのも・・・・。

「・・・・すみません、手荒にしてしまって」
「う、ウチは平気やけど・・・・せっちゃん、どないしたん・・・・?」

捕獲といっても、普段の移動と同じお姫さま抱っこ。
それに刹那は途中から、木乃香と普段と同じように会話をしていた。

「"月詠を助けなければならない、月詠に歯向かう者は全て敵"・・・・」
「ウチは・・・・敵・・・・?」
「・・・・いいえ。でも私は、月詠を助けなければいけません」

(あれ・・・・なんやおかしいなぁ・・・・?)
708支配:2007/07/14(土) 02:30:56 ID:v6I/CUEM

エヴァが感じた魔力により、刹那と小太郎が操られているのは確かだった。
しかし、それならなぜ今の刹那は正気に近いのか?
操られているならば、先ほどのように術者以外の言葉はほぼ聞かなくなるはずである。

「なんで、月詠はんを助けるん?」
「・・・・声が、聞こえたから・・・・、・・・・あれ・・・・?」

刹那は立ち止まる。
その表情はどこか迷っているように見えた。
木乃香はそんな刹那の腕から逃げ出し、刹那の顔を覗き込む。

「せっちゃん?」
「・・・・月詠様の敵は排除・・・・任務を遂行しないと・・・・う・・・・」
「・・・・せっちゃん、少し・・・・落ち着こな?」

木乃香は刹那を大きな石の上に座らせ、自分も隣に座る。
その間も刹那は頭を抱え、混乱していた。

「せっちゃん、何があったん? 話してみ?」
「・・・・月詠の持っていた何かが、光って・・・・そこから、声が・・・・」
「声? なんて聞こえたん?」
「・・・・っ・・・・月詠の敵は排除・・・・近衛木乃香を・・・・手に入れろ・・・・」

木乃香は、夕映と一緒に学んだ事を必死に思い出す。
今必要なのは、そのマジックアイテムの情報と現状の把握。
そして月詠が持っていたという"何か"が、刹那と小太郎を操っているのは間違いない。
709支配:2007/07/14(土) 02:33:33 ID:v6I/CUEM

木乃香はあまり刹那を刺激しすぎないように、情報を聞き出し始める。

「・・・・せっちゃん。神鳴流の人って皆、月詠はんが持ってたマジックアイテム使いこなせるん?」
「いえ・・・・私たちは札を使った陰陽道ぐらいで・・・・あれは初めて見ました・・・・」

弱々しいながらも刹那は、木乃香の質問に答える。
刹那は自らが魔法に操られている事を理解しているようだ。
しかし自分ではどうする事もできず、木乃香に助けを求めるしかなかった。

(うーん、今のせっちゃんは正気なんやよね・・・・もしかして・・・・)

木乃香の推測――。
月詠は刹那に隷従魔法かけたが、月詠はそういった魔法は専門外だった。
さらに相手が魔法抵抗力の高い刹那だったので、隷従魔法は不完全となってしまった。
それにより命令条件が揃っていない場合、魔法の効果は弱まるか無効となる。

――現在。
敵は傍にいなく、ターゲットの木乃香も手に入った。
木乃香の事を"敵"として認識していないのであれば、刹那は一時的に魔法の支配から解き放たれている事になる。

(・・・・今誰かが来たら、せっちゃんはまた敵になってまうかも・・・・!)

「お嬢さま、私は・・・・」
「大丈夫、絶対魔法解いて助けたるから!」

刹那は再び訪れるかもしれない支配の力に怯えていた。
木乃香はその刹那を落ち着かせようと、優しく抱き締める。
そのまま木乃香はカードを取り出し、何とかこの事をネギに知らせようとした。
・・・・しかし、時すでに遅かった。
710支配:2007/07/14(土) 02:38:45 ID:v6I/CUEM

「このかー!」
「っ!」
「あ、アスナ・・・・!」

明日菜が駆けつけてしまった。
所々に切り傷があり、かなりの苦戦をしていた事がうかがえる。

「どうやって、ここに!?」
「楓ちゃんたちが来てくれたのよ・・・・刹那さん、目を覚まして!」
「ぐっ・・・・! ・・・・私は、月詠を助ける・・・・邪魔するなら容赦しない!」

刹那の目の色が変わった。
明日菜という敵が現れた事で、再び魔法の効果が現れたのである。
刹那は瞬時に木乃香から離れ明日菜に斬りかかった。

「うっ・・・・ちょっ・・・・刹那さん!」
「せ、せっちゃんアカン!」
「問答無用!」

木乃香の制止も虚しく、明日菜と刹那の戦いは始まってしまう。
大事な親友と幼馴染の殺し合いを前に、木乃香は成す術がなかった――。

続く              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

「刹那とネギパーティ対立」で浮かんだ、もうひとつのネタです。
前レス見る限り、シリアス続きになりそうで怖いな・・・・。
月詠を出したのは、単にオリジナルキャラが苦手だから。毎回どれを敵にするか迷う。
711名無しさん@秘密の花園:2007/07/14(土) 02:43:23 ID:amR2jUvK
久々にリアル遭遇した。
緊迫感があってwktkしてます。
早く続き読みたいな♪

個人的にこのせつに絡む月詠スキーですじゃ。
712名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 04:39:20 ID:Skw6NNtJ
今週のアニメ絶望先生で
せっちゃんがお嬢さまをしっかり見つめてて、スタッフ分かってるなと思った
713名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 09:35:17 ID:H3NXz4kO
wktkwktk
714名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 12:38:25 ID:GHl3Eis9
>>712
さっき絶望先生見たが、どこか分からなかったんだが。教えてくれまいか
715名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 13:36:27 ID:Skw6NNtJ
>>714
ヒント:結界、お友達
他はみんな正面見てるのにせっちゃんだけ右に視線が寄ってるんだ
716名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 13:55:48 ID:74V00xFJ
今週のテーマ【台風】でどうよ?
台風なのに仕事に行ったせっちゃんをこのちゃんが待ってる?みたいな。
ss職人様、あ、特にク氏よろしくお願いしますぞm(_)mペコ

あっ、上の設定は俺の勝手な妄想なんで無視してくださいな。
717名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 13:56:42 ID:74V00xFJ
ゴメ。↑の【?】間違い。
718名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 14:26:55 ID:CEFY5Ozl
絶望先生、まだゆうさん出てないよね・・・・?
原作知らないからカエレがどれかもわからん・・・・
719名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 14:58:20 ID:U/NV+U3n
金髪の帰国子女・・・だったと思う
720名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 15:17:50 ID:ZLOZgmya
原作通りなら絡みは無い
まぁ同じ作品に出てくれてるだけで十分妄想は広がるがなw
721名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 20:56:46 ID:CEFY5Ozl
あー、あかん・・・・。
「支配」が納得いかん・・・・。
なんかこう、何を伝えたいかがイマイチだった。
中途半端は嫌だから、ちょっとしたら続き投下するが・・・・
叩きはほどほどでお願いする(・ω・`)

>>720
きっと裏で(´Д`;)/ヽァ/ヽァな展開が起きるに違いない。
キャストのフリートークあたりで絡みそうだな。
722名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 22:33:57 ID:w3Is5U2B
なぁ、藍ゆうの話そろそろやめねえ?個人的には好きだけど、此処はこのせつ板だし。
723名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 23:03:30 ID:YpET2VYN
自分はこのせつ=藍ゆうで成り立ってるんだが
724名無しさん@秘密の花園:2007/07/15(日) 23:16:41 ID:U/NV+U3n
Me To!
725支配:2007/07/16(月) 01:29:44 ID:X2/9EGUw

――目の前で、木乃香の見たくない戦いが続く。
木乃香は二人が致命傷を受けないように祈りながら、必死に打開策を考えていた。

(アスナじゃ、せっちゃんを取り押さえられへん・・・・ウチも無理やし・・・・)

サウザンドマスターを超える魔力の持ち主と言われる木乃香だが、魔法の存在を知ったのはつい最近のこと。
そのため今の木乃香には、隷従魔法を解除する手段を持ち合わせていなかった。
明日菜も木乃香同様、魔法の存在を知ったのは最近。
戦いのプロフェッショナルである刹那に敵うはずがない。

ガキンッ!

木乃香がこうして考えている間も、目の前では命の削り合いが続いている。
しかし焦れば焦るほど、打開策は浮かんでこなかった。

「二人とも・・・・もうやめて・・・・!」
「・・・・お嬢さま、あなたも敵なのですか?」

交戦が続く中、何度も制止する木乃香。
その声に刹那がやっと反応したが、その言葉は冷たかった。

「ち、ちゃう! みんな――」
「――なら、邪魔をしないでください!」

心を支配された刹那は聞く耳を持たない。

「斬空閃!」
「きゃあっ!! ・・・・うっ・・・・」

本気の刹那を相手に明日菜がいつまでも攻撃を防ぐ事ができるはずもなく、ついに攻撃を諸に受けてしまった。
その隙を刹那は見逃さず、一気に明日菜に迫る。
726支配:2007/07/16(月) 01:31:07 ID:X2/9EGUw

「止めだ!」

振り下ろされる刹那の刃――このままでは、明日菜が死ぬ。

「だ・・・・ダメーー!!」

――ザンッ!

「きゃあぁ!」
「っ!! お嬢さま・・・・!?」
「こ・・・・このか!?」

木乃香が、明日菜を庇った。
明日菜に体当たりをして転がったので致命傷は避けられたが・・・・傷は深い。
木乃香の左腕から血が流れ落ちる。
その血を目の前に、刹那の動きが止まった。

「お嬢様・・・・敵を庇った・・・・?」
「このか・・・・!」
「大丈夫や・・・・、・・・・あっ」

自分の傷を見る木乃香。
その視線に先には、偶然にも明日菜の剣があった。
何かを思いついた木乃香は、痛みに悶えそうになるのを堪えて立ち上がる。

「せっちゃん・・・・」
「・・・・離れてください。あなたは敵ではありません・・・・」
「うん、そやね。でもせっちゃんが苦しんどるのに、放っておけるわけないやろ?」
「・・・・これ以上近づけば・・・・っ!?」
727支配:2007/07/16(月) 01:33:43 ID:X2/9EGUw

不意に刹那が感じたぬくもり。
・・・・木乃香が刹那を抱きしめていた。
しかしただ抱きしめるだけでない。
刹那が刀を握る右腕を、木乃香が怪我をした左腕で弱々しく押さえていた。
木乃香を敵と認識しきれない刹那は、木乃香を強引に引き離すことができない。

「は、離してください・・・・!」
「せっちゃん・・・・ごめんな・・・・アスナ!」
「え、な、なに!?」

いきなりの展開に目を丸くしていた明日菜は、急に声をかけられて我に戻った。
明日菜は慌てて立ち上がる。

「ハリセンで・・・・せっちゃんのこと叩いて!」
「な、なに・・・・!」
「・・・・え? え??」
「えぇ、から・・・・はやくっ!」

身の危険を感じた刹那は木乃香を引き離そうと、もがき始める。
今の刹那からすれば、木乃香のこの行動は裏切りに近い。
敵ではないと認識する相手に、力で押さえつけられているのだから。

「・・・・離せ・・・・離せぇ!!」
「・・・・っ・・・・せっちゃん・・・・」

・・・・木乃香はできる限りその怒声を聞かないように、目を閉じて刹那を押さえる。
刹那の怒声をまともに聞けば、それだけで罪悪感で手を緩めそうだった。
それでも刹那を月詠から取り戻すには、こうするしかない。
木乃香は刹那を裏切らなければならない事が悔しかった。
728支配:2007/07/16(月) 01:34:37 ID:X2/9EGUw

(ごめんな・・・・せっちゃん・・・・。ゴメンな・・・・)

――スパーン!

そして森の中に大きなハリセンの音が響き・・・・その直後、刹那は地面に倒れた。

*

「う、ぐぁ・・・・このぉ・・・・!」
「残念でござったな、まだ小太郎より拙者の方が強いでござるよ」
「思わぬ伏兵です〜・・・・」

小太郎は楓に押さえこまれ、戦力外となる。
月詠は最初の三人で全員だと早とちりしていたので、劣勢となっていた。

「ギブアップしてください〜――」
「そんなん、まだわかりまへんえ〜?」
「あなたが持っているそのペンダント。それは妖怪や妖怪の血を継ぐ者を隷従させるマジックアイテム。
 それにより刹那さんや小太郎さん・・・・今ネギ先生やハルナたちを足止めしている妖怪を操っています。
 さらにその効果を維持するために、その赤いクリスタルの魔力を利用しているのですね」
「・・・・読心術ですか〜。油断しましたわ〜」

月詠は驚きながらも、戦闘体勢を崩さなかった。
ネタがばれたとしても、のどかや夕映に戦う力はない事を知っているのだ。

ネギは他の場所で、妖怪に足止めを食らっているようである。
ハルナと古菲は、少し離れた場所で月詠の式神と妖怪で手一杯だった。
小太郎を押さえ込んでいる楓も戦力外。

殺気を放つ月詠に、夕映とのどかは息を凝らした。
729支配:2007/07/16(月) 01:35:35 ID:X2/9EGUw

「お仕事は、このか様の確保だけですけど〜――」
「待ちなさーい!」
「そこまでや〜!」

月詠がのどかたちに斬りかかる直前、間一髪明日菜と木乃香が姿を現した。
刹那はいない。

「あれ? 刹那先輩はどないしたんですか〜?」
「・・・・倒したえ」
『え!?』

その場にいた全員が驚く。
武道四天王最強の刹那が、明日菜に負けるはずが無いからだ。
木乃香なら尚更の事、刹那に攻撃できるはずが無い。
月詠も驚きを隠せない様子だった。

「そんな〜、ウチの刹那先輩が・・・・」
「何言うてるん、せっちゃんはウチのやから!」
「・・・・そんなことより! 覚悟はできてるんでしょうね!?」

はんなりとした京都人二人のボケとツッコミによろけつつも、明日菜は怒りを爆発させる。
しかし次から次へと沸いてくる妖怪が、明日菜の勢いを抑えた。

「うあっと、なによこいつらー!?」
「アスナさん、あの人の持ってるペンダントかクリスタルを破壊するです!」
「桜咲さんも小太郎君も、あれで操られてます〜・・・・!」
「・・・・っのぉ!」
730支配:2007/07/16(月) 01:36:50 ID:X2/9EGUw

明日菜は助言を得て、再び月詠に向かった。
しかし妖怪の数は多く、また妖怪だけならまだしも月詠の式神も襲い掛かってくる。
それにより明日菜が月詠に近づくことはできなかった。

「――兄貴、いまだ!」
「うん! サギタ・マギカ!」
「・・・・あ!」

突如上空からネギとカモが現れた。
夕映とのどかは、月詠から読み取った情報をネギに報告し続けていたのだ。
それによりペンダントが原因と知っていたネギは、的確にペンダントを狙った。

――カシャンッカラン・・・・

この不意打ちに月詠はバランスを崩し、ペンダントとクリスタルが地面に転がる。
クリスタルは明日菜の足元に、ペンダントは木乃香の足元に落ちた。

「これを・・・・壊せばいいのね!」

バキンッ!

明日菜の剣によりクリスタルは砕けた。
クリスタルは赤い光を失い、ただの石となる。
これにより妖怪たちは動きを止め、戦う意思のない者達は森の中へと還っていった。

「・・・・う・・・・」
「小太郎、目を覚ましたでござるか?」
「・・・・目を覚ましたも何も・・・・全部覚えとるで・・・・」
731支配:2007/07/16(月) 01:39:03 ID:X2/9EGUw

小太郎は立ち上がり、月読を睨む。
この形勢の逆転に、さすがの月詠も後ずさりした。

「こうしてみると不思議やな。何であんたに従ってたか、理解できへんわ」
「困りました・・・・ここは引きますえ〜」
「あ、待て!」

ネギたちは月詠を追おうとした。
しかしその意思も空しく、本能で未だに戦おうとする妖怪たちに足止めを食らってしまう。
結局ネギたちは、月詠を取り逃がしてしまったのであった。

* 

ザー・・・・

「・・・・ん・・・・あれ?」
「あ、このか起きた?」
「せ・・・・せっちゃんは!?」

ガバッと木乃香は飛び起きる。
木乃香が寝ていたのは刹那のベッドだった。
刹那を寮に運んだ後、気が緩んでしまい寝てしまったようである。

「刹那なら、もう目が覚めてどこかへ行ったぞ」
「・・・・"一人になりたい"とも言ってたよ」

その場にいた明日菜と龍宮は、言い難そうに伝えた。
732支配:2007/07/16(月) 01:40:07 ID:X2/9EGUw

森の中、木乃香が明日菜のアーティファクト・ハマノツルギの魔法無効化能力を思い出し、強制的に魔法を無効化させた。
その反動で刹那は気を失ったのだ。
木乃香は刹那を取り戻すために、刹那を傷付ける事を選んだ。
・・・・選ぶしかなかった。

「・・・・このままじゃ、アカン・・・・」
「うん、わかってる。・・・・いってらっしゃい」
「・・・・水が区別できない所にいるだろうさ」

明日菜は木乃香を送り出し、龍宮は遠まわしに居場所を伝えた。
木乃香は迷い無く部屋を飛び出し、屋上へと向かう。

――ザァー・・・・

「はぁ、はぁ・・・・せっちゃん・・・・」
「・・・・・・・・」

雨の中、屋上の手すりに寄りかかって佇む刹那。
刹那は木乃香が近づいて声をかけても、黙って彼方を見つめていた。
刹那が今何を考えているのか・・・・木乃香は嫌な予感を感じていた。

「・・・・申し訳ございません、お嬢さま」
「覚えとるん?」
「はい、全て」

刹那は木乃香に目を合わせず、ただ謝罪をする。
その目からは、雨と違う雫が流れていた。
733支配:2007/07/16(月) 01:43:41 ID:X2/9EGUw

「意識も、記憶もあるのに・・・・私は負けてしまった・・・・」
「せっちゃん・・・・」
「お嬢様やアスナさんたちを傷つけて・・・・」
「もうええから・・・・」
「・・・・・・・・私、は・・・・っ」

雨の音に紛れ、刹那の嗚咽が響く。
一人ではどうしようもできなかった支配の力に、刹那は心を傷付けられていた。
一人苦しむ刹那に、木乃香は歩み寄った。

「せっちゃん・・・・ウチも謝らな・・・・」
「・・・・っ・・・・?」
「ウチ・・・・せっちゃんを傷つけるしかできなかった・・・・」

木乃香は刹那の手をとる。
刹那はその手を、驚いた顔で見ていた。

「もっと力があれば、誰も傷つけずにせっちゃんを取り戻せたはずなん・・・・」
「そ、そんな・・・・お嬢さまは・・・・! あ・・・・」
「傷付くんは、ほんまつらい・・・・身体でも、心でも・・・・」

木乃香は刹那の手を、刀傷ができていた場所に当てていた。
治癒魔法によりもう傷も痛みもなかったが、刹那の温もりでそれらとは違う何かが癒された気を木乃香は感じる。

「せやから・・・・せっちゃんたちに、もうつらい思いなんてさせとうない・・・・」

木乃香はそのまま、刹那の手を強く握る。
そして刹那をまっすぐな瞳で見つめた。
734支配:2007/07/16(月) 01:45:23 ID:X2/9EGUw

「一緒に強うなろ・・・・? ウチ、せっちゃんが苦しんどったらすぐに治してあげられるぐらい・・・・もっと強うなる・・・・!」

木乃香の言葉は、刹那の心を奮わせた。
刹那は主の心強い誓いに喜びを感じる。
・・・・しかしそれと同時に痛感するのは、自分の不甲斐無さだった。
木乃香を守るのが自分の役目のはずなのに、その護衛が操られてしまったのだから。

「せっちゃん・・・・」

また表情が曇ってしまった刹那に、木乃香は寄り添う。

「自分に怯えないで・・・・自分を嫌いにならないで・・・・。ウチが助けるから・・・・いなくならないで」
「っ、お嬢様・・・・」

元々刹那は一族の掟を破り、この場所にいる。
本来烏族であることを知られたら、その場から姿を消さないといけないのだ。
それでも刹那はネギや木乃香の想いに答え、木乃香の傍に在り続けていた。

「でも私は・・・・妖怪だから、化け物だから・・・・だから今回も・・・・」
「せっちゃん・・・・」

しかし今回の件で刹那は自分の危険さと未熟さを知り、自らに怯え始めた。
それに木乃香は感づいていた。
目覚めてすぐに会いに来ていなければ、刹那は麻帆良から姿を消していたかもしれない。

「・・・・せっちゃん、これなんやと思う?」
「え・・・・? あっ」
735支配:2007/07/16(月) 01:47:01 ID:X2/9EGUw

木乃香はポケットからあるものを取り出した。
それは月詠が刹那たちを操っていたペンダント。
木乃香は足元に転がってきたそれを、破壊せずに保持していたのだ。

「こ、これ・・・・壊さなかったのですか?」
「これ使いこなせるようになったら・・・・またせっちゃんがこういったアイテムで操られても、助けてあげられるやろ?」
「・・・・その・・・・ために・・・・?」
「そや・・・・」

木乃香はペンダントをしまい、刹那を抱きしめた。
刹那は木乃香の思いやりに心を打たれ、先ほどとは違う意味の雫を目に溜めていた。

「怯えんで? ウチが守るから・・・・お願い、いなくならないで」
「・・・・っ」

刹那の目から、抑え切れない雫が溢れ出る。
木乃香は刹那の頬に手をあてた。
雨でわかりにくいが、確かに流れる刹那の涙を、木乃香は指で拭う。
そして刹那の唇に口付けた。

「・・・・帰ろう?」
「・・・・・・・・っ・・・・!」

刹那は溢れ出る感情で返事をする事ができず、無言で頷いた。
そして木乃香を強く抱きしめる。
木乃香は刹那が落ち着くまで、その場で刹那の背中をさすり続けた。
736名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 01:48:35 ID:X2/9EGUw
休憩。
737名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 01:51:42 ID:TWHI0ia6
グッジョォォブです!
続きを楽しみにしながら寝ますね
738名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 01:57:54 ID:TnuB7B65
GJ〜!!
シリアスな展開もいいなぁ
739名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 14:51:15 ID:7iv3vgUD
ひさびさにアニメ設定か…なんかスゲー懐かしいw GJ!
740名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 16:06:10 ID:ouDaOV48
741名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 16:39:00 ID:3mo/lY0y
>>740
精神的ブラクラ
742名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 16:39:36 ID:e9oPB7as
>>740
せっちゃん、かなりエロいよ・・・
一人でこんなこと・・・
743名無しさん@秘密の花園:2007/07/16(月) 18:05:22 ID:tQ/rO9yH
<<近衛木乃香@ネギま!?>>

アニメ最萌トーナメント2007 投票スレRound25
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/vote/1184561398
744名無しさん@秘密の花園:2007/07/17(火) 17:16:07 ID:tUfGFKRy
アニメガイドブックの表紙が可愛すぎる
745名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 00:55:34 ID:HvwlCFX/
19巻、このせついい感じにあって嬉しす
746支配:2007/07/18(水) 03:41:52 ID:iy46dL3B

「せっちゃん、寒気とかない?」
「あ、はい」

木乃香と刹那は、刹那の部屋に戻ってきていた。
二人を気遣ったのか、部屋に明日菜と龍宮の姿はない。

「お嬢様こそ、お身体の方は・・・・」
「ウチも大丈夫やえ〜」

木乃香の慰めにより、刹那は普段通りに戻っているように見えた。
しかしそれでも、木乃香には刹那の異変が感じ取れていた。
その理由は、少し前の事になる。

――。

「はいせっちゃん、シャワー行っといで!」
「え? ・・・・っなぁ!?」

それは木乃香が刹那を連れ戻した直後の事。
まず木乃香は刹那の服を剥ぎ取り、刹那をシャワー室に放り込んだ。
木乃香自身もびしょ濡れだったのだが、刹那が嫌がると思い一緒に入るのは我慢した。
木乃香は、落ち込む刹那を刺激しないように心掛けていたのだ。
しかし。

「・・・・お嬢様」
「あ、はよ入らんと風邪ひくえ?」
「はい・・・・その、一緒に入りますか?」
「・・・・へ?」
747支配:2007/07/18(水) 03:42:53 ID:iy46dL3B

木乃香が最初に異変に気付いたのは、この時。
普段なら二人きりの入浴を恥ずかしがる刹那が、木乃香を入浴に誘ったのだ。
最初は驚いた木乃香だったが、もちろん断る理由はない。
少し戸惑いつつも、刹那と一緒に冷えた身体を温めた。

――。

さらにその後も刹那の行動はおかしかった。
普段なら一定の距離を保つ刹那が、木乃香に接近してくるのだ。
そのどこか木乃香に甘える刹那に・・・・木乃香は喜びを感じつつも戸惑っていた。

(せっちゃん・・・・どないしたんやろ・・・・?)

木乃香には異変の理由がわからない。
刹那からは暗い表情は消えている為、今回の事件を引きずっているようには見えなかった。
具合が悪いわけでも無さそうだ。

「その・・・・今日はもう、休みますね」
「え、あ・・・・っ」
「どうかなさいましたか?」

ベッドへと向かおうとする刹那を、木乃香は無意識に引き止めてしまった。
しかし別に用事はなかったので、口篭ってしまう。

「え、えーと・・・・」
「・・・・一緒に、寝ますか?」
「っ! ・・・・うん!」
748支配:2007/07/18(水) 03:44:07 ID:iy46dL3B

口篭る木乃香に、刹那は優しく微笑んでベッドに誘った。
木乃香は、やはりいつもと違う刹那に違和感を覚える。
・・・・それでも内心嬉しいと思う自分がいて、深く追求する事はできなかった。

刹那は先に木乃香をベッドにいれ、それに続いて自分もベッドに入る。

「おやすみ、せっちゃん・・・・」
「はい、おやすみなさいお嬢様・・・・」

二人はその日最後の挨拶を交わし、目を閉じた――。

*

――挨拶を交わしてからどれぐらい時間が経っただろうか。
木乃香は寝る事ができないでいた。
刹那を迎えに行く前に少し寝てしまったせいでもあるが、何より先ほどの不安が胸の中を渦巻いていたのだ。

(まさか・・・・起きたらいなくなってるなんて事・・・・ないよね・・・・)

木乃香は今隣にいる刹那の異変が、行動が・・・・何かを訴えているように思えて仕方がない。
そのサインを見逃して刹那を失うなんて事になれば・・・・木乃香は一生後悔するような気がしていた。

――もぞっ

木乃香がじっと目を閉じて考え事をしていると、隣の刹那が動いた。
木乃香は目を閉じたまま刹那の行動に集中する。
ふっと木乃香の額に感じる温もり。
刹那が額を撫でていた。
749支配:2007/07/18(水) 03:45:05 ID:iy46dL3B

「・・・・――」

刹那は木乃香が完全に寝ていると判断したのか、ベッドから抜け出す。
そしてソファーに置いてあった制服に手をかけて着替え始めた。
嫌な予感の的中に、木乃香は目を開ける。

「・・・・・・・・せっちゃん」
「っ!?」

刹那は木乃香に驚き、振り返った。
木乃香は上体を起こして刹那を見る。

「・・・・こないな時間に着替えて、どこ行くん?」
「・・・・・・・・え、と・・・・」

口ごもる刹那は、木乃香の視線で凍りついたように動けず。
手に持つ服を羽織ることすらできない。
しばらくその状態が続き、先に静寂を破ったのは木乃香だった。

「・・・・せっちゃん、おいで」
「はい・・・・」

木乃香が呼べば、刹那は従う。
刹那は上の服を脱いでいたので、手に持つ服を胸に当ててベッドに座った。

「・・・・もっと」
「え?」
「服は、ええからっ」
「うあっ!?」
750支配:2007/07/18(水) 03:46:12 ID:iy46dL3B

木乃香は刹那が持っていた服を奪い取り、刹那をベッドに引きずり込む。
いきなりの展開だったために、刹那はバランスを崩して木乃香の上に被さってしまった。

「す、すみません! すぐ退きま――んぅ!?」

刹那の言葉を遮るのは、木乃香の唇。

「んー! ・・・・んっ・・・・ぅ・・・・」
「ん・・・・っ・・・・ふぅ・・・・」

次第に口付けは深くなる。
刹那は最初は抵抗の色を見せていたが、次第に木乃香の口付けに答え始めていた。
そしてそれは、さらに情熱的なものへと変わっていく。
・・・・刹那の手が木乃香へと伸び、性的な快楽を感じた木乃香が先に唇を離した。

「ん、はぁ・・・・せっちゃんっ・・・・ひゃ・・・・!」

外気を仰ぐ木乃香に刹那は追い討ちをかける。
木乃香の首筋に舌を這わせ、手は木乃香の脇腹を優しく撫でていた。
そのくすぐったさに似た感触に、木乃香は身をよじって喘ぐ。

「こ、こそば・・・・せっ・・・・ぁっ・・・・!」
「・・・・不安にさせてしまいましたか?」

刹那は手を止め、木乃香の瞳を覗き込む。
刹那の顔と声はいつもと同じ、優しさに溢れていた。
木乃香はその笑顔で自分の心が落ち着くのを感じ、不安を打ち明けた。
751支配:2007/07/18(水) 03:48:38 ID:iy46dL3B

「だっ、て・・・・せっちゃん、いつもと違うんやもん・・・・どっかに消えてまうかと・・・・」
「・・・・いなくなりませんよ。・・・・き、今日ぐらい・・・・立場を気にするのをやめようと思ったのですが・・・・」

不安を訴える木乃香に、刹那は「逆効果だったのですね」と謝罪した。

刹那は、自分を慰めてくれた木乃香への感謝の気持ちを行動に表していた。
つまりは"幼馴染としての触れ合い"を心掛けていたのだ。
先日の小太郎の助言がきっかけである。
それは普段木乃香が要求する事でもあったために、これが一番の恩返しだと思っての行動だった。
が、結果的にそれがすれ違いとなっていた。

「・・・・もう、心配したんやから・・・・今日の事まだ気にしてると思ったえ・・・・」
「まぁ、まだ少し気にはしてます・・・・ですがあまり気にするなと仰ったのは、お嬢様じゃないですか・・・・」
「・・・・あ、せっちゃん・・・・んんっ・・・・」

まだ傷心していた刹那は、木乃香の首筋に顔を埋めて甘え始める。
木乃香はそんな刹那に母性本能を刺激され、すべてを受け入れた。

「もう、甘えんぼさんやなぁ・・・・んっ・・・・」
「・・・・お嬢様・・・・」
「・・・・ん・・ぁ・・・・っ」

木乃香は甘い声を漏らす。
刹那の絶妙な動きで、木乃香の敏感な箇所が刺激を受けていた。
木乃香はそれが意図的なものかどうかわからなかったため、じっと耐える。
しかし木乃香の身体はそれを性感として感じ始め、じわじわと火照り始めていた。
752支配:2007/07/18(水) 03:49:32 ID:iy46dL3B

「ふっ・・・・、ぁ・・・・そや・・・・聞いてええ?」
「はい?」
「なんで・・・・さっき、着替えてたん?」
「・・・・あ、その・・・・――色々考えてしまって寝れなくて。それで、見回りでもしてこようかと・・・・」
「色々?」

"色々"の部分で刹那が顔を赤くしたのを、木乃香は見逃さなかった。
うっと詰まる刹那の反応からして、後ろめたい考えであったらしい。

「・・・・せっちゃん、もしかして・・・・・・・・むらむらしてた?」
「っ!? い、いえ・・・・そんな・・・・!」
「キス情熱的やったもんな・・・・もしかして、今も・・・・さり気なく誘ってる・・・・?」
「うっ・・・・!」

どうやら図星だったらしい。
刹那は顔を真っ赤にして、木乃香から離れた。

「ウチが感じるように触っとったら、さすがにわかるえ。・・・・せっちゃん、素直に言えばええのに・・・・」
「い、言えるわけないじゃないですか・・・・!」
「照れてもうて・・・・ウチのせっちゃんはかわええなぁ〜」

木乃香はよしよしと刹那の頭を撫でる。
思考をズバリと読まれた刹那は、赤面して大人しく撫でられていた。
しかししばらくすると、再び刹那が木乃香を組み伏せる。

「お嬢様・・・・し、失礼します!」
「ふえ?」
「か、覚悟は、よろしいですか・・・・?」
753支配:2007/07/18(水) 03:51:28 ID:iy46dL3B

刹那の声と手は震えていて、かなり緊張している事が伺えた。
強気なのか弱気なのかわからない刹那を前に、木乃香は苦笑。

「・・・・怖い?」
「っ、い、いえ・・・・!」

それでも木乃香は気付いていた。
刹那は"賭け"に出ているのだと。
刹那は今回の失敗により、木乃香の拒絶を恐れている。
そしてこの行動により、木乃香の反応を見ている。
刹那は木乃香が、自分を受け入れてくれるかを・・・・試している。

「・・・・せっちゃん、やっぱりまだ引きずっとるね・・・・」
「そ、そんな簡単には・・・・無理ですよ・・・・ご、ごめんなさい・・・・」
「大丈夫、ウチが慰めたげる・・・・おいで」
「・・・・お嬢、様・・・・」

木乃香は刹那を受け入れ、刹那のしたいようにさせる事にした。
――二つの影が重なる。

・・・・・・・・。

「傷心した先輩をウチの物にしようと思うたんですけど・・・・なかなか手ごわいですなぁ〜」

その影を、窓の外から眺める一人の神鳴流剣士。
月詠は残念そうに呟く。
しかし追っ手が近いのか、すぐに逃避の体勢に入った。

「次会うときは・・・・二人ともウチの物にしてみせますえ。ほなさいなら、先輩v」

怪しげな言葉を残し、今回の主犯は京都へと立ち去ったのであった。
754支配:2007/07/18(水) 03:52:55 ID:iy46dL3B

*

「ん・・・・」

窓から差し込む光で木乃香は目を覚ました。
いつもと違う風景に一瞬困惑したが、すぐに刹那の部屋だと理解する。

「・・・・せっちゃん?」

木乃香の隣には、未だに夢の中にいる刹那の姿があった。
昨夜の触れ合いにより、二人はほとんど脱げた状態。

「せっちゃーん。・・・・そないな格好で寝てたら、襲ってまうよ〜?」

刹那は疲れが溜まっていたらしく、木乃香が声をかけても目覚めない。
木乃香はなかなか起きない刹那の頭を撫でる。
その感触で、刹那はやっと目を覚ました。

「・・・・うーん・・・・あ、おはようございます・・・・」
「おはようさん、せっちゃん」

木乃香は刹那が目覚めてもまだ、頭を撫で続ける。
刹那はその心地よい感触に、再び目を閉じた。

「もう、吹っ切れた?」
「はい・・・・お嬢様の傍に居れて、こうして触れ合えて・・・・あいつの事で気に病むのがバカバカしくなりました」

刹那は起き上がって、少し不機嫌そうな顔をする。
どうやら月詠の事で嫌悪感を感じたようだ。
755支配:2007/07/18(水) 03:54:15 ID:iy46dL3B

「そやね。次会ったら、お仕置きせんとな」
「はは・・・・気をつけてくださいね。あいつも一応は神鳴流ですから・・・・」

刹那は苦笑しつつ、昨日脱ぎ捨てた服を拾って着用する。
そして傍に置いてあった木乃香の制服を取り、木乃香に渡した。

「あ・・・・雨、晴れましたよ」
「ほんま〜、お天道様お久しぶりや。そろそろ梅雨も終わりかなぁ?」

刹那がカーテンを開ければ、直射日光が部屋を照らす。
最近は梅雨のせいで曇りか雨がばかりだったので、久しぶりに見る朝の太陽はとても清々しかった。

「・・・・なぁ、もしせっちゃんの――」
「あぁぁぁぁ!?」
「ふえ?」

木乃香が刹那に話しかけようとしたが、刹那の叫び声がそれを遮る。

「お嬢様、もう8時半です!」
「・・・・あ、アカン遅刻や!」

二人ともすっかり忘れていたが、今日も登校日である。
木乃香も大慌てで制服に着替えた。

「せっちゃーん、はよはよー!」
「お、お待ちを・・・・戸締りよしっと」
「遅刻するえ〜!」
「は、はい!」

木乃香は刹那の手を取り走り出す。
756支配:2007/07/18(水) 03:56:57 ID:iy46dL3B

(・・・・せっちゃんの心にまた雨が降ったら、ウチがお天道様になったるからな)

何処の世界も誰の心も、雨のち晴れ。
光は消滅したわけでもなく、そして決して晴れないわけではない。
必ず太陽がどこかにある。

二人は明るい太陽の下、学校に向けて走り出した。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『ネギパーティと刹那の対立』『突然の仕事』『一族の掟』『雨のち晴れ』

「起で刹那が操られる、結は習慣テーマで」から書き始めたSS・・・・。
とりあえず終らせた感じ・・・・萌えが〜、萌えが足りね〜。
erはカットした、凝る時間がない。投下は時間の確保次第・・・・。
『台風』書けないかも・・・・指名嬉しいけど先に謝る、すまんorz
757名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 18:49:16 ID:vO7spQlI
GJ!!
758名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 20:14:00 ID:hZ3ts9QB
GJ!
遅刻しそうなのにしっかり戸締まり確認するせっちゃんに萌えたw
やっぱりク氏の文章はこのせつが動いてるだけで萌えに溢れてるわ。

ところで、ク氏を基準にする訳じゃないけど、テーマを週替わりにするのはちょっと職人さんの負担になりすぎないか?
月の初めごとに季節に合ったのを3〜4個程度出し合うくらいでいいんじゃないかと思うんだが、どうだろう。
759名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 20:32:26 ID:HvwlCFX/
GJ!!全然萌えるよ〜

>>758
職人さんの負担が減るならいいとおもわれ
760名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 22:30:32 ID:nACvyHvm
あ、あれ…?
テーマにそわなきゃいけないかなぁ…。
761名無しさん@秘密の花園:2007/07/18(水) 23:30:22 ID:ZdRBERiM
>>760
書きたいものを書いてもらうのが職人にもスレ住人にも一番だと思う。
テーマに沿ったのは気が向いたら書く、って感じで。
ま、その意味でもテーマの期間延長はいいんじゃないかな。
762760:2007/07/19(木) 22:39:02 ID:SXgbFcn+
>>761
そうですかぁ!なるほどぉ。有難うございます。
最近思うんですが、木乃香の京弁が…難しいです…。
かいいてて
「これ変な気がするなぁ…」
って思うのは私だけなのでしょうかね。
763名無しさん@秘密の花園:2007/07/20(金) 00:09:22 ID:EV5f79hf
>>762
ん〜、原作読んで木乃香の研究をするしか・・・・。
あとアニメとかを繰り返し見て、脳内で木乃香ヴォイスが再生できるようにしておくと文章書きやすいかもな。
どれだけキャラを知ってるか、だし。

ただ、木乃香の京都弁は「藍弁」とかも混じるし、正解はないと思うよ。
NEOだと、使わないはずの「〜やで」を普通に言っちゃってるしな。
京都弁離れし過ぎなければ大丈夫じゃない?
764名無しさん@秘密の花園:2007/07/21(土) 00:20:59 ID:8NGq8HxU
>>756
GJ!!!!!!!!1
相変わらずクオリティが高いwww
次も期待してるぜ|`・ω・)


>>758
確かに、週間テーマだと負担が大きいかも。

テーマは書くときのネタにしてもらえば良いし、俺もそれで良いと思うよ


>>762
京弁は、>>763氏も言ってる通り原作を読み込むのが一番手っ取り早いと思う。
アニメとかもそうだけど、ドラマCDとかネギまほラジオ(※既に放送自体は終了)のCDとか聞くのも結構良いかも。

とりあえず自信を持ってうpすればいいと思うよ。
「ここおかしい」って住人から指摘されたら、そのミスを次回に生かせば良いんじゃないかな?
765名無しさん@秘密の花園:2007/07/21(土) 11:42:46 ID:MI2kpu6B
neoの裏表紙見たか?
同志たちよ!
766名無しさん@秘密の花園:2007/07/21(土) 13:02:13 ID:ZHWRGY8G
>>765
MI☆TA☆ZE!
NEOはこのせつ多くていいわぁ。
ちょっと色々突っ込みたくなるところもあるがね・・・・。
767名無しさん@秘密の花園:2007/07/21(土) 13:47:17 ID:wHb9HSLd
neoは本家よりこのせつがあるよね
だからボンボンは休刊になっちゃ駄目
768名無しさん@秘密の花園:2007/07/21(土) 14:31:37 ID:EtCtvWk3
もうね、原作もneoもアニメブックもこのせつだらけで鼻血出そうです
769週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:16:33 ID:cSZ7a8AL

嵐の中、私は魔物と対峙する。
相手は下級、手ごわい相手ではない。
しかし私は集中しきれずにいた。

――嘘つくせっちゃんなんて、大嫌い!

お嬢様にそう言われたのは、今日の夕方。
私はただ、お嬢様に心配をさせたくなかっただけ。
この嵐の中で仕事をするだなんて言ってしまえば、きっと心配をかけさせてしまうだろうから。
だから今日は、仕事ではなく打ち合わせだけだと・・・・嘘をついてしまった。

「斬岩剣!」

でもそれは逆効果だったみたいで・・・・。
学園長から真実を聞いてしまったお嬢様は、私を引き止めようとした。
それを振り切った時のお嬢様の顔と言葉が、何度も頭の中でよみがえる。
あのような顔をさせたくないから、嘘をついたのに・・・・。

「・・・・斬魔剣!」

こういった天候でも作業ができるよう、補助の術もある。
だから本当に大した仕事ではないのだ。
・・・・普段ならば。

「っ・・・・逃がすか!」

しかし今日の私は、仕事前の出来事を引きずってしまっていて反応が鈍い。
反応が遅れ、魔物に止めを刺しきれなかった。
魔物が逃げる。
逃がしてしまえば任務は失敗・・・・追いかけるため、仕方なく背中の翼を広げた。
一気に距離をつめ、止めの一撃を放つ。
770週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:17:58 ID:cSZ7a8AL

「雷鳴――あっ!?」

バチンッ!

使い慣れたはずの技。
見慣れたはずの閃光。
しかし注意散漫だった私は、過ちを犯してしまった。

*

「せっちゃん・・・・遅い」

いつもならもう帰ってきている筈の時刻。
それなのに、せっちゃんは戻ってきてなかった。
もう寮は就寝時間を過ぎ、鎮まりかえっている。
昼間の騒がしさとのギャップからか、暮らしている場所なのに不気味な空間に思えた。

「大丈夫かな・・・・」

頭の中で繰り返されるのは、仕事に向かうせっちゃんに放ってしまったあの言葉。
あんな事を言うつもりはなかった。
せっちゃんが仕事を大事に思ってることはわかっていたし、引き止めても無駄だろうとは思っていた。
それなのに・・・・言ってしまった。
せっちゃんを傷つける、あの言葉を。

「怒ってるんかなぁ・・・・」

じっとしてられなくて、自室とせっちゃんの部屋を何度も往復する。
はたから見たら変人なんだろうなと思うけれど、じっとしている方が耐えられなかった。
771週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:20:14 ID:cSZ7a8AL

「ありゃ? 窓あいとるやん・・・・」

普段使わない屋上へと向かう階段を気ままに通ると、踊り場の窓が開きっぱなしだった。
そのせいで廊下はびしょびしょ。
滑らないように注意して窓に近づき、閉めようと手をかけた。

――バサッ

「・・・・今の音・・・・屋上?」

外の嵐の音にまぎれて、大きな羽音が聞こえた。
エヴァちゃんの別荘などでよく聞く、あの音。
聞き間違えるはずもない。
私は窓を閉めると、屋上へと向かった。

*

「・・・・やっぱり、せっちゃんや」
「え・・・・?」
「おかえりなさい」
「ただいま戻りました・・・・じゃなくて、どうしてここに!?」

無事魔物に止めを刺し、私は翼を出したまま屋上へと戻ってきた。
すでに翼までびしょびしょだったし、嵐の夜だから人に見られる心配もないだろう。
そう考えての空からの帰宅だったが・・・・その予想に反して、今一番会いたくない人と出くわしてしまった。
・・・・いや、"一番会いたかった"の方が正解かもしれないけれど・・・・。

「どうしてって言われてもなぁ・・・・仲直りしたくて、ずっと待っとったん・・・・」
「そ、そうだったのですか・・・・その、待たせてしまってすみません・・・・」
772週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:22:49 ID:cSZ7a8AL

私は、雨に濡れない屋上の入り口にいるお嬢様の元へと向かう。
今の気持ちは・・・・『嬉しい』が一番適切な言葉だと思う。
しかし『気まずい』も、かなりあった。
特に今、この右手を見られるわけにはいかない・・・・。

「せっちゃん」
「は、はいなんでしょう?」
「右手、見せてみ?」

できるだけさりげなく身体の後ろに隠した右手に、気付かれていた。
お嬢様の手には魔法練習用のワンドが。
・・・・ばれている。

「・・・・いえ、それよりも・・・・早くお嬢様はおやすみに――」
「――ええから、はよ出し?」

必死に誤魔化そうとしたが、それは無駄に終わってしまった。
お嬢様に右腕をつかまれ、右手を引っ張り出される。
私の右手から滴る雨水には、赤い液体が混ざっていた。

「どうしたん、これ・・・・酷い火傷やん・・・・」
「あ・・・・その・・・・」
「とりあえず、座り?」

お嬢様は口篭る私を階段に座らせ、傷を癒してくれる。
お嬢様の力で、一瞬にして火傷は治っていた。
治癒が終わるとお嬢様は、黙って私を見つめる。
誤魔化すわけには、いかないようだ。
773週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:25:13 ID:cSZ7a8AL

「えーと、その・・・・。"雷鳴剣"を、使ってしまいまして・・・・」
「あの、感電するやつ?」
「はい・・・・雨の日は使うなと、注意は受けていたのですが・・・・」

本来ならば、刀の刃の部分だけに電撃が伝う技。
しかし雨などで刀全体が濡れているときにこの技を使うと、柄の部分にまで電撃が伝ってしまう。
つまり、漏電というやつだ。

「技を放つ直前に気付いて、威力は弱めたのですが・・・・既に手遅れで・・・・」
「そうなんや・・・・せっちゃんうっかりさんやな。・・・・でも、無事でよかったわ・・・・」

お嬢様はそう言うと、私の右手をそっと包み込んで微笑む。
これはもう仲直りでいいのだろうか・・・・?
まだ少し躊躇する私を尻目に、お嬢様は私の手を引いた。

「ほな、もどろ? せっちゃん翼もびしょびしょや」
「あ、はい・・・・」
「翼大きいから、拭くの大変そうや――ひゃあ!?」

なぜか階段の踊り場が濡れていて、そこでお嬢様が足を滑らせた。
お嬢様は私の方に顔を向けていたから、気付かなかったのだろう。
私は繋いでいた手を引っ張り、床に叩きつけられる前にお嬢様を抱き上げた。

「大丈夫ですか!?」
「う、うん、ありがとな。・・・・ひゃあ、つめたぁ〜」
「あ、すみません!」
「平気や、平気v」
774週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:28:27 ID:cSZ7a8AL

びしょ濡れの私が抱きかかえたのだから、もちろん抱きかかえられているお嬢様も濡れてしまうわけで。
すぐに離れようとしたが、お嬢様の手が私の首にまわっていた。
でもお嬢様の顔は下を向いていて、私からは表情を確認する事はできない。

「お嬢様?」
「・・・・せっちゃんって、ほんま優しいな・・・・」
「え?」
「ウチにあんな酷い事言われたんに、怒らないで・・・・こうやって助けてくれて・・・・」

うつむくお嬢様の手に力がこもる。
私と同じく・・・・いや私よりもお嬢様の方が、夕方の事を気にしていたのかもしれない。
私は一度離しかけた腕を、もう一度お嬢様の身体にまわした。

「それは、嘘をついた私が悪いですし・・・・お嬢様は私の事を心配して下さったのですから・・・・」
「でも・・・・言ってええ事と、悪い事があるやん・・・・ごめんな・・・・」
「・・・・こうして会いにきてくれる事が、どれだけ嬉しいか・・・・もう、気にしてませんよ」

冷たさ以外の理由で震えるお嬢様を、私はさらに強く抱きしめた。
しばらく抱き合った後、お嬢様がふいに顔を上げる。
自然と、唇が重なっていた。

「・・・・これからは、嘘ついて仕事に行かんでな?」
「はい」
「それと・・・・怪我したら、隠さないでな?」
「はい・・・・すみません」
775週間テーマ 『台風』:2007/07/22(日) 06:29:40 ID:cSZ7a8AL

身体が離れたときには、先ほどまでの気まずさはなくなっていた。
自然と笑うお嬢様。
私もつられて笑っていた。

「ほな風邪ひかんうちに、はよ戻るえ〜!」
「お嬢様、声が大きいです・・・・!」
「あ、あかんあかん。せっちゃんに会うたら、元気になってもうて・・・・」

元気に走り出すお嬢様を前に、私は背中の翼をしまった。
でも部屋に戻ったら・・・・自分の意思で、また出そう。
きっとお嬢様が、冷えたこの翼を暖めてくれるから――。


FIN              KEYWORD PUZZLE( ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ )

キーワード:『台風』
776名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 06:53:32 ID:2GUS/cIl
GJなんだけど、原作じゃそんなことないのにSSだと魔物退治してる刹那って、
いつも苦戦ばっかなのがどうなのかと。
777名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 09:09:34 ID:vJeL9+BR
GJ!!
原作の見えない所で苦労してんだよきっと
778名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 09:26:07 ID:pfePVwdU
>>776
そのほうが萌えるじゃん
779名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 10:45:50 ID:HbqWy2Yj
GJです!
780名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 13:09:12 ID:2cS/X+Pw
>>777
寝れなくなる(ニヤニヤしすぎt

>>775
テラGJです
781名無しさん@秘密の花園:2007/07/22(日) 14:27:37 ID:cSZ7a8AL
GJサンクスー。
短くてすまない。

>>776
いつも通り楽に仕事が終わって、いつも通り木乃香が迎えにきてくれて、いつも通り二人でほのぼのして・・・・。
っていう『いつも通り』の事を書き並べて、それで読み手に楽しんでもらえるかが問題かと。
まぁ、単なる俺の実力不足もあるのでしょうが・・・・。
それでも、普段とは違う出来事を起こせる事がSSの醍醐味じゃないかと、俺は思っとります。

それプラス、今回は「刹那が仕事から戻ってくるのを、木乃香が待つ」っていうよくあるリクだったので・・・・。
時間がないのを言い訳にはしたくないのですが、あまり凝らないで"喧嘩"と"苦戦"という出来事を起こしました。
クオリティ低くてすみません。
782まとめ”管理”人:2007/07/23(月) 00:37:17 ID:wvbOG0t9
職人の皆さんいつもGJ。

前回の更新からかなり間があいちゃったけど久々にまとめ更新しました。
今回リンクかなり変更してるんでリンク切れとか気付いたら教えてくれると助かります。

今回の更新から年齢制限っぽいの分けてます。
年齢制限の基準は自分の独断なんでご了承ください。

それと、広告が目立たないアダルトOKなサーバ選んだけど、
そこちょっと重いみたいで表示に時間がかかるかもしれない・・・
783名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 01:02:39 ID:BVtBnY7/
まとめ管理人さん、お疲れ様です。
何か気付いたら報告しますね。
784名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 10:30:33 ID:kQEpTvOU
上に同じ。
管理人さんおつです。
785名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 13:26:44 ID:v8IcytJX
管理人さん乙であります
786名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 14:28:30 ID:TYUZ0sny
>>775
GJ!!!!!
萌えました。これからも頑張ってください!!!

>>776
このスレはSSや職人さんに批判的なレスをしちゃいけないんだ
空気嫁
787名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 15:58:26 ID:nUeBY0mT
めっちゃ初心者な質問しちゃってスイマセン…
>>782
の管理人さんが言ってる
まとめて更新したってどこで見れるの?

おしえてくれたら嬉しいです…。
788名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 16:44:50 ID:TYUZ0sny
>>1読め
789名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 16:46:21 ID:nUeBY0mT
>>788
ありがとうございます。
読むの忘れてました。
790名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 17:16:29 ID:RKJQ5cuj
せっちゃんがよく魔物に苦戦するのはやっぱ話を盛り上げやすいってのがあるんじゃないかな?
そしてなによりボロボロのせっちゃんは実にエロいと思うんだがどうだろう
791名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 17:30:01 ID:49MQCqIk
少しくらい批判あったほうが職人の成長につながると思うんだけど

管理人さん乙!探しやすくなった
792名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 17:37:53 ID:IictqlsB
>>776は批判じゃないだろ
793名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 17:38:59 ID:hjGoqTk0
>>790
DSの超麻帆良大戦2の隠しギャラリーを見るがいいさ
烏族服の袴が脱げてマジせっちゃんエロかわい・・・
うおッ!?何をする!やめr・・・
794名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 18:12:01 ID:BVtBnY7/
「かっとイーン!契約執行でちゃいますぅ」ならやった事あるが・・・・。
あれは刹那はもちろん、木乃香のほうもグラッときた。
脱げかけの和服+木乃香のあの表情が・・・・てかそれ以前に"木乃香だけ"ほとんど脱げかけってさ・・・・。
あぁ、和服ってマジいいな・・・・。
795776:2007/07/23(月) 20:12:23 ID:STGB44S+
こんなにレスが来るとは思わなかった。
ただまぁ俗にいう最低系SSでよく刹那が噛ませ役として使われてるから、ちょっと気になっただけなんだ。
796名無しさん@秘密の花園:2007/07/23(月) 21:45:23 ID:BVtBnY7/
>>795
刹那は「うっかり」の属性があるから。
それ+作者がどれだけ刹那を愛してるかで、噛ませ犬になるか否かが決まる。
俺としては、龍宮や楓と違うその「完璧すぎない所」が好きなんだけどな。
797名無しさん@秘密の花園:2007/07/24(火) 06:24:52 ID:vVDf2Nkd
夏休みに入ってからこのせつサイトが増えたね〜
なんか嬉しい
798名無しさん@秘密の花園:2007/07/24(火) 11:39:17 ID:BzsIKVSB
そういうサイトってどうやって見つけてるの?
799名無しさん@秘密の花園:2007/07/24(火) 14:31:16 ID:ZpZQPT86
「このせつサイト」みたいなので検索すれば?
あと、自分が好きなサイトさんのリンクからネットサーフィンするとか。
800名無しさん@秘密の花園:2007/07/24(火) 17:33:51 ID:vVDf2Nkd
そうそう「このせつ SS」「このせつ ブログ」でぐぐったり、純愛ネギまランキング覗いたり、掲示板覗いたり、リンクたどったりを月1程度やってる。
HP提供してる公式サイトからネギまで検索するのもいいよ
意外と「木乃香 百合」で検索したほうがこのせつを熱く語ったサイトが見つかりやすい。
801名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 11:30:26 ID:RlatEJeU
なるほど。早速やってみますdクス!
802名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 18:24:22 ID:K3lP1w9o
HP提供してる公式サイトってどこ?
803名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 20:59:23 ID:cSH/O9qq
「Yahoo!ジオシティーズ」とか「フォレストページ」とかの事かな?
フォレストの方は小説が多い。
KEYWORD PUZZLEもフォレストだ。
804名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 21:24:08 ID:bHB70GjN
桜咲刹那萌スレでなかなかいいネタ上がってるな
「烏族のパワー全開放したら暴走するせっちゃん」だと

それはさておき誰か自分の我がまま聞いて下さる職人さん、
「記憶喪失」ネタでss書いて下さりませんか?
805名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 22:46:29 ID:cSH/O9qq
>>804
「暴走した刹那を助けるのは木乃香」の時点で、ここの住人の匂いがぷんぷん。

どっちが記憶喪失?
806名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 23:05:56 ID:bHB70GjN
>>805
せっちゃんが仕事で大怪我して記憶失うみたいな・・・
京弁丸出しとかね
807名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 23:26:07 ID:cSH/O9qq
>>806
刹那が仕事で苦戦するはずがない、と指摘を受けてたばかりだからな・・・・。
少し手を出すのが引ける。
いっそ、自分で書くのは?
808名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 23:48:36 ID:aX9FDOtP
勝手に参入してすまんが、そういう時こそ魔法を利用するべきでは?
809名無しさん@秘密の花園:2007/07/25(水) 23:56:07 ID:RthpV5Kj
>>807
>>刹那が仕事で苦戦するはずがない
苦戦する敵は少なからずいると思うんだが…


あと、これ
  ↓

796 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2007/07/23(月) 21:45:23 ID:BVtBnY7/
>>795
刹那は「うっかり」の属性があるから。
810名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 00:15:37 ID:Mt7k0h/e
>>808,>>809
うん、なるほど。
そう言われれば、そうだな。
時間があれば手を出してみるよ。
811名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 01:57:08 ID:hTNCttpU
話しぶった切ります。
いまさらながら>>689の続きです。
頑張って書いたので落とします。一応18斤です。
8121/7:2007/07/26(木) 01:58:48 ID:hTNCttpU
そう言うとお嬢さまは私の首筋に深く顔を埋められた。子犬のような鼻息が
私の首筋にかかる。敏感な箇所に舌先を伸ばし,時にはそこに軽く歯を立てる。
お嬢さまが繰り出す愛撫の数々によって,私の口からは自分のものとは
思えないような甘ったるい声が零れた。留めようと堪えるも,それは叶わない。
与えられる快楽に翻弄される中で,まだ私の中の理性は本能と戦っていた。

お嬢さまの体温を肌に感じる。ただそれだけで私の心は安らいでいた。
私はお嬢さまのことを,主君として信頼し,お慕いしている。けれどそれだけではない。
幼い日を共に過ごした大切な幼馴染として僭越ながら友情も感じている。
それから…。気付きたくは無かったけれど,気付いてしまった今では認めざるを得ない。
私は,お嬢さまに恋慕の情を抱いていると…。

お嬢さまの手は私の服のボタンを外していく。徐々に顕になる肌は部屋の空気に触れ
ひんやりとした感覚を覚えた。でも直ぐにそこも熱を持つ。お嬢さまの唇が,指先が
私の肌に触れていく。お嬢さまの体温が私に移って,そこは更に熱く熱を帯びて
更なる刺激を求め始める。

「…観念したん?大人しいやん……」

首筋から胸のあちらこちらにお嬢さまは所有の証を残していった。赤く残るその跡は,
私の肌でも十分に目立つ存在だった。いつの間にかサラシも解かれ,私のささやかな
膨らみもお嬢さまの眼前に晒されていた。

「………どうか……ご勘弁を………。」

アスナさんやお嬢様に比べて貧相な私の体をお嬢さまの眼前に晒した恥かしさと,
本能に対立する理性が私にそんな言葉を吐かせる。

「せっちゃんはうちのこと好き?」
8132/7:2007/07/26(木) 02:00:07 ID:hTNCttpU
わずかに起立した胸の突起に唇を添え,お嬢さまは悪戯っぽく私に問われた。
敏感に反応する乳首からの刺激に私は手足を強張らせた。
真剣なお嬢さまの眼差しが私の瞳をとられる。とても薬のせいとは思えない
純粋な瞳。私は自分の本心を伝えようと口を開きかけた。そのとき…。

「……うちは…せっちゃんのことも……大好きやから……。」

たんにそれはお嬢さまの気まぐれだと思い知った瞬間だった。

「せやから,もっともっと気持ちよくしてあげたいんよw。」

そうお嬢さまは言うと同時に私のスパッツに手を伸ばした。制服のスカートは既に
脱がされかけていた。

「ちょっっ,まってっ,待ってくださいっ。」
「だ〜め。せっちゃんやってココ欲しいんとちゃう?」

スパッツを脱がそうと伸ばされたお嬢さまの手は,そのまま私の秘所に移動しており,
指先でそこをなぞっていた。全身に電気のような刺激が走る。自分で触れてもこんなに
まで感じることは無いのに,どうしてお嬢さまに触れられるとこんなにも敏感に
感じてしまうのだろう。お嬢様が触れるたびに私の体は自分のものでは無くなって
いくような気がする。自分の力の及ばないところで,体の感覚が支配されていく。
そんな気がしてならなかった。

声にならない声を漏らす私に,お嬢さまは嬉しそうに目を細め,
ねっとりとした指使いで私の秘所をスパッツ越しになぞっていく。

「体は正直やね?せっちゃんもこのくらい素直にならんと…なw。」
「ひゃっ…そ…んな……んぁ…っくぅん……。」
「直に触って欲しいんやろ?」
「!っちょ,そんなっ,そんな…されたら…ひゃっぁ……!」
8143/7:2007/07/26(木) 02:01:37 ID:hTNCttpU
抵抗する間も無くスパッツを脱がされてしまった。いやらしく濡れたそこが露見しているのが
自分でもわかった。壁を背にしたまま,お嬢さまから逃げられず,余すとこなく恥かしい姿を
見つめられ続けている。
ほんの片隅に残った理性が私に語りかける。こんなに恥かしい思いをして,薬に影響された
お嬢さまに良いようにされていて本当にいいのだろうか。このまま劣情に流されてしまっても,
目覚めて記憶を失ったお嬢さまにどう顔向けできようか。

でもそんな考えもお嬢さまの次の行動によってどこかへ吹っ飛んでしまった。
それほど私には衝撃的であり,理性を捨て去ってしまえるほど甘美な時が訪れたのだ。

「女の子はみんなココを触られると気持ち良くなってまうんよ…ねw」
「ひゃうぅん…そ…な…いきなり…っくっんぁぁ…ふぁぅん……。」
「せっちゃんやって一緒や。そんなエッチな顔して,ずっと触ってほしかったんぇ?」
「ひゃ……ちが……んぁ……っくぅ……。」
「そなこと言ったって,どんどん溢れてくるんよ…ココ。」

お嬢さまが私の…を触ってる。自分では得ることのできない快感が全身を支配している。
私はその快楽に身を委ねることにした。どんな状況であれ,今この瞬間は
お嬢さまは私を愛してくださっている。私が素直になれば…,なりさえすれば
この快楽をお嬢さまと共に貪り合えるのだ。もうどうなってもよかった。
こんな状態になってしまって,もう後戻りはできないのだから。
私は誘惑に負けた。お嬢さまを止めるどころかそのまま共におちることを選んだのだ。

「お…お嬢さま…。」
「ん?」
「私は……お嬢さまのことを…お慕いしております。どうか…」
「どうか?」
「私ともっと…。」

赤面して口篭もる私の顔を覗きこみ,お嬢さまは嬉しそうににっこりと微笑まれた。
8154/7:2007/07/26(木) 02:04:11 ID:hTNCttpU
「素直なせっちゃんはもっと好きやよ。うちと気持ち良くなろうなw」

刹那を手際良く剥いていった木乃香はその手際通り,刹那を思う存分愉しみ,
自分も気の済むまで刹那と楽しんだようだ。

刹那が気を失ったあと,木乃香もそのまま眠りについていった。

◇◆◇

木乃香は妙な爽快感を覚えながら目覚めた。良くわからないが校庭を
全力疾走で走りぬけたようなけだるさが体に残る。
良く見えない目をこすり,辺りを見まわすと見慣れない部屋の眺めだった。
いや,見慣れた自分の部屋で無いだけで,ここは良く見知った部屋だった。
この部屋の主を求めて辺りを見渡すと,自分の隣にすやすやと穏やかな寝息を
立てて休んでいる気配がする。うつぶせに寝ているがその姿は珍しく,
素肌に何も纏っていない。背中に所々赤く鬱血した跡がついているのはなぜだろう。

木乃香の動く気配に感付いたのか,穏やかな寝息は止み,部屋の主が目覚めた。
そのままむくっと置きあがり,ベッドの上で座る。寝ぼけ眼をこすりながら様子を
窺っていると,唖然とした表情の木乃香の顔が目に飛び込んだ。
刹那の記憶が覚醒し始める。しばらく間を置いた後,物凄い速さでシーツを掴み
自分の身を隠した。

(なんという不覚。お嬢さまが目覚める前に,服を着て部屋を片付けておく
はずだったのに…。私までも寝てしまうとは……。)
8165/7:2007/07/26(木) 02:05:37 ID:hTNCttpU
情事のけだるさに身を委ねたいだろうが刹那は今それどころではなかった。
惚れ薬を飲んだ後の記憶は無い。それは実体験からも知っていた事実。木乃香のために,
そして自分の想いにけじめをつけるために,刹那は段取りを組んでいたのだった。
しかしそれも無駄に終わる。刹那は,木乃香の顔を見ることもできず,
耳まで赤くしてうつむいてしまった。
木乃香はそんな刹那を見つめる。首筋やシーツの隙間から見え隠れする真っ白な肌には
赤く鬱血した跡が見える。部屋には洋服や下着が脱ぎ捨てられていた。
そんな様子から木乃香にはここで何があったのか聞くまでもなく理解した。
刹那の背中に木乃香は手をそっと沿える。

「………それ……うちがしたん?」
「……//////……。」

なんと答えて良いのか,刹那は黙ったままうつむいていた。
その様子を見て,木乃香は刹那に腕を回して,そっと抱き締めて言った。
うつむいた刹那が酷く傷ついているように見えて,木乃香には胸が抉られそうな
酷く苦しい瞬間だった。

「…ごめんね…せっちゃん。」
「………いえ…。」
「…嫌な思いさせてまったね。」
「…そんなっ…。お止めできなかった私のほうこそ…。」
「…嫌……やったん……やね。」

刹那は肩や背中に添えられる木乃香の手が震えているのに気がついた。
その声はわずかに震え,零れた涙が一つ二つ,シーツに染みを作っていた。
顔を上げ,刹那は木乃香を見遣る。

「……お嬢さま?」
「ごめ……よく覚えとらんけど……せっちゃんに…うち……。」
8176/7:2007/07/26(木) 02:07:03 ID:hTNCttpU
嗚咽にまぎれて搾り出すように聞こえる木乃香の言葉。それははじめ刹那が
恐れていた拒絶の恐怖によるものと同じだった。刹那と同じ恐怖を木乃香は感じ,
刹那に拒絶されることを恐れていたのだった。
刹那はそんな木乃香の感情を肌で感じた。意を決して刹那は言う。
いつまでも恥かしがっている場合ではなかった。

「気になさらないで下さい。お嬢さま。」
「でも…うちせっちゃんに……。」
「薬のせいとはいえ,事の発端は私のアスナさんに対する嫉妬ですし,それに……。」

鼻をすすりながら,木乃香は刹那の顔を見つめる。

「お嬢さまの意志ではないとはいえ,私は……その……幸せでしたから……。」

刹那は自嘲的に言う。自分こそ木乃香からの拒絶の恐怖を恐れていた。
しかし,どうせ叶わぬ恋ならと一時の劣情に身を任せてしまったのだ。
刹那の返事を聞いて木乃香は泣くのを止めた。宥める刹那の声を聞きながら
刹那の返事を反復していた。

「お嬢さまがお嫌ではないのなら…もうお気になさらないでください。」
「うちかて……嫌なわけないやろ。ずっとせっちゃんとこうしたかったんやもん。」
「へ?………いま…なんて……」

真摯な顔をした刹那から,思わず間抜けな声が出た。呆気にとられた表情の刹那に
木乃香は,くすっと笑みを零した。お互いに同じ想いを持っていたのに
どれだけ二人はすれ違っていたのか。でもそれは刹那らしい反応だと思わず心に染みた。
そんな刹那だから木乃香はずっと待っていたのだから。例えきっかけが惚れ薬だった
としても結果的にはそれが功を奏したようだ。

「もうっ。せっちゃん。うち冗談でもよう言わんわ。」
「だっ,だって……。私は……。」
「せっちゃんかて,そんな素振り少しも見せたことないんやもんな。」
8187/7:2007/07/26(木) 02:08:02 ID:hTNCttpU
今何がどうなっているのか,まったくわからなくなっている刹那だった。
そんな慌てふためく刹那を見て,先ほどまでの心配は気に止む必要が
無いことを悟った木乃香は,すっと刹那の頬に手を沿えた。

「……なぁ…せっちゃん。もう少しうちに付きおおて……。」

目一杯本気の木乃香の瞳に刹那は魅入られる。薬に浮かされた
木乃香とはまったく違っていた。握ったシーツが手から離れ,
木乃香に付けられた胸の赤い印が顕になる。

「…は………い……。」
「せっちゃん………大好き……。」

惚れ薬なんか目じゃなかった。目一杯本気の木乃香は刹那に
抵抗させる意識なんか欠片も持たせないほどの魔力を秘めていた。
重なる唇はお互いを求め合い,更に深く絡み合っていった。

刹那は惚れ薬を飲んだ木乃香にしっかりと体を開発され,
そのあと正気に戻った木乃香に目一杯やさしく愛された。
その日の出来事はしばらくの間…二人だけの秘密だ。
819名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 02:12:08 ID:hTNCttpU
お目汚し失礼しました。
ク氏にも申し訳無い。しかも「ク氏」定着してるし(^^;)
みなさん正確には「クラフト氏」ですよ〜。

と言うわけで今回はこれにてドロン。
SS書きの修行に励みますじゃ。
820名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 02:19:38 ID:QYYFvhxU
リアルに遭遇したwww

GJ&海外出張乙!!!!!1
821名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 03:31:46 ID:Mt7k0h/e
ク氏です。←もうこれでいいや^^;

いやいやいやいやいや、GJです。
大感謝感激ですよ、あのような短編にこのような素晴らしいオチをつけてくださって。
あなたは立派な職人様です!
これからもよろしくおねがいします!
822名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 21:22:41 ID:eyTtDG1C
好きな、アニメキャラの名前は?
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1184679190/27
823名無しさん@秘密の花園:2007/07/26(木) 23:28:40 ID:IieRDAsF
らぶセンセイションのジャケット画像公開されたね
なんていうか・・・地味。もうちょっとラブラブっぷりを見せてほしかった。早くほしい
824名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 21:15:56 ID:CjkvoW80
あんまり百合百合しすぎてたら、買いにくいのは俺だけか?
825名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 21:43:14 ID:oksWX5Vl
>>824
僕は大丈夫!通販だから!

6月に既に予約済みの俺、
これで手に入らなかったらキーボードクラッシャー化確定
826名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 22:06:32 ID:DjTulaH1
>>823
どこで公開されたんだ?
827名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 22:27:46 ID:Se/67ht2
アニメイトとamazon
828名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 22:48:02 ID:DjTulaH1
>>827
トンクス
・・・ん〜、後ろの色使いが終わってるとおもぅ;
ってか、せっちゃん髪長っ!
829名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 22:49:20 ID:CjkvoW80
http://shop.frontierworks.jp/detail.asp?merchcd=KICM-3151

一応貼っとくな。なかなか探せない同士の為に!
830名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 22:51:23 ID:CjkvoW80
>>828
ホラっ、第二期アニメはサイドにくくってる髪の量も多かったからこんなもんだよ
831名無しさん@秘密の花園:2007/07/27(金) 23:17:12 ID:DjTulaH1
>>830
そっか!

・・・・・・アハハ;
832名無しさん@秘密の花園:2007/07/28(土) 03:27:47 ID:P/JmIikr
しかし言われてみりゃ凄い量だね。DVDのときはウィッグだと納得したが…
833前書き:2007/07/28(土) 03:37:22 ID:M6dydmiH
髪長い方が受けがいいのかな?
実は木乃香の好みだったりして?

つうわけで,ん〜。なんちゅうか,駄作投下?

「記憶喪失」な刹那を題材にしてみました。(故意に奪われた)
なんとなくいつも通り本筋がよく通ってない感じがしますが,
このまま推敲しても変わりないだろうということで
投下することにしました。

ちなみにエヴァxせつ&このxせつです。もちろんメインはこのxせつ。
8341/10:2007/07/28(土) 03:38:01 ID:M6dydmiH
「お手合わせお願いします。」
「お前は十分強い。私は雑魚どもの躾で手一杯だ。それに相手には不自由していまい?」
「対魔法使い戦の実践練習をお願いしたいのです。」

腕組みをしてネギやアスナの相手をしているエヴァンジェリンに刹那は問いかける。
ほとんど動作することなしにエヴァンジェリンは会話を交わした。
彼方では彼女の言う雑魚どもがあちらこちらへと投げ飛ばされていた。
刹那のほうを振り向き,会話をする。

「私は悪い魔法使いだ。授業料は高いが,お前は何をする?」
「私の血を……。」
「前に言っただろう。気と魔力はよほどのことが無い限りコンフリクトするだけだと。」
「貴方ほどの魔法使いならばっ…。」
「手間はかけたくない。よほどのことが無い限り私はお前の血を必要とはしないよ。」
「では,どうすれば…。」

ふっと笑みを零してエヴァンジェリンは言う。

「そうだな,しばらくお前の大切なものを頂こうか……。」
「大切なものとは?」

夕凪をぎゅっと握り締め,エヴァンジェリンに問う。

「お前自身も良く知っているものだ。今更言うまでもないだろう。」
「!……お嬢さまになにかっ…。」
「安心しろ。木乃香には何もしない。あの強大な魔力は私には有益なものだ。
 ……ま,当らずしも遠からず…と言ったところか。」

覚悟は変らないかとエヴァンジェリンは不適な笑みをもって刹那に問うた。
木乃香に危害は無いと言う言葉に,刹那の揺れていた心は静まる。黙って頷いた。
8352/10:2007/07/28(土) 03:38:52 ID:M6dydmiH
「いいだろう。ついて来い。」

顎をしゃくって刹那を奥へ呼んだ。

「ボウヤ達,偶には自分達で手合わせでもしていろ。頭がパンクする前にな。」
「ふぇ〜わかりました〜。」

打ち倒された二人は地面に這いつくばりながら,力なく返事を返した。
そんな二人を心配そうに横目に見ながら,刹那はエヴァンジェリンの後について行った。

◇◆◇

建物の奥へと入っていくと,既にエヴァンジェリンは奥でごそごそと何かを探していた。
彼女の手には香水瓶のような可愛らしい小瓶があった。

「さて,先払いだ。お前が本気でなければ,私も面白くないからな。」
「一体何を……。」
「お前を絡め取っている柵(しがらみ)を預かってやろう。…なに生活に支障のない程度に
 記憶を頂くだけだ。」
「なっ……。」

刹那が何事かを言おうとしたが,時既に遅し。小瓶が輝いたかと思うと一瞬でその光は止んだ。
エヴァンジェリンは嬉しそうに小瓶に蓋をし,封をする。
小瓶には,そこに封じ込められた刹那の記憶や願望が揺れ動いていた。

「さて……刹那。思う存分相手してやろう。そして私の気が済むまで付き合え。」
「はい。よろしくお願いします。」

この一瞬の出来事の間に刹那に何があったのか。それはエヴァンジェリンだけが知っていた。
8363/10:2007/07/28(土) 03:39:40 ID:M6dydmiH
◇◆◇

「なぁ。アスナ。最近せっちゃんエヴァちゃんとこに行っとる?」
「ん?毎日いるわよ。知らないの?」
「ん〜。なんかうちが行くときとすれ違がっとるみたいで,会えんのや。」
「おかしいわね。木乃香命の刹那さんなのに。」
「うち命って……。」
「ん?違った?」

部屋でジュースを飲みながらパタパタ仰いでいるアスナに木乃香は尋ねた。
ほとんど毎日付きっきりだったはずの刹那が,急にいなくなったのだ。
忙しいこともあるだろうと,しつこく追いまわすことはしなかったが,さすがに気になっていた。

「じゃさ。私の修行の時間にいっしょに行こうよ。多分刹那さんもいるから。」
「そうかえ?」
「それに,他のエリアには図書館組も揃ってるだろうから,木乃香も一緒に練習すればいいじゃない。」
「そ……そやな。うちだって練習せんと。早く一人前の治癒術師にならんと。」
「そのいきよ。」

意気揚揚と軽い足取りで向かう二人だったが,結局木乃香が刹那に会うことは無かった。

「おかしいわね。刹那さんいるはずなのに。」
「ネギ君が言うには,せっちゃんも特別訓練しとるっちゅうはなしやしな。終わった頃また見に来るえ。」

ひらひらと手を振り,その場を後にする木乃香だった。一方その頃刹那とエヴァンジェリンは戦闘の真っ最中だった。

◇◆◇

「っく,中々やるじゃないか。」
「まだまだです。今だっ。真・雷光剣!!!」
8374/10:2007/07/28(土) 03:40:15 ID:M6dydmiH
極大 雷鳴剣を上回る雷の力がエヴァンジェリンを襲う。

「お前の雷はこんなものか。普段セーブしているからこんな威力しかだせんのだ。」

ひらりと身を交わすだけで,刹那の技を避ける。その華麗な動きに刹那はくっと唇を噛み締めた。

「では,これでどうだっ。」

全身の気を集中し,体内に取りこむ。刹那が繰り出そうとするのは先ほどと同じ技であるが,その威力たるや
比べ物にもならない。

「そうだ。…もっとお前は強くなれる。」
「いきますっ。真・雷光剣!!!」

物凄い威力の稲妻がエヴァンジェリンを襲う。しかし,彼女の周囲に張られた強力な魔法障壁によって
その軌道はまったく別の方向へ向けられた。擬似空間の遠くで爆音が聞こえた。

「はぁっ……。やはり魔法使いは手ごわいですね。」
「くくっ……。今のは決め技としては良い技だった。やはりお前は連続攻撃に弱い。もっとテンポ良く繰り出せ。」
「今日は大技の練習のはずですよ。」
「……そうか。そうだったな。」

刹那は荒い息を整えながら,エヴァンジェリンに突込みをいれる。一方エヴァンジェリンは軽快に笑いながら
髪を翻し,奥へと向かった。休憩だ,そう刹那に言うと,刹那もうれしそうに彼女の後に続いた。
8385/10:2007/07/28(土) 03:41:19 ID:M6dydmiH
◇◆◇

『危険立ち入り禁止』と記されたエリアがあった。多分そこが刹那のいる場所。木乃香にはそう感じられた。
じっと外から見つめていると,花火がはぜるような煙が見えた。そのあと『危険立ち入り禁止』は消えた。
刹那に会いたい。まったく会えない刹那にどうしても一目会いたかった。どうして会えないのか聞いておきたい
こともあるし,刹那が無事かどうかも確かめたい。そんな思いが木乃香に溢れ,先ほどまで『危険立ち入り禁止』
の表示がでていたエリアへ急いで足を向けた。

人気のない建物にそっと歩みを進める。奥のほうから水音が聞こえた。そっと近付くとそれはエヴァンジェリンの
湯浴みの音。そして誰かとの会話が聞こえる。様子を確認しようとそっと近付くと,聞きなれた声色と聞きなれない嬌声。

「なんだ。随分慣れてきたな。」
「ふぁ……そ…そんなぁ……。」
「お前の喘ぎ声を聞いていると堪らないよ。」
「んぁ……エヴァンジェリン…さんっ……。」

木乃香は興味を隠せず,そっと二人の様子を覗いた。浅いバスタブに寝そべった刹那を見慣れない
女性が洗っていた。真っ白いふわふわとした泡は二人の白い肌に良く馴染んでいた。
真っ白な泡とは対照的に刹那の顔と肌はほんのりと紅に染まっていた。

ドキドキと鼓動は早くなるも,木乃香は胸を締め付けられる思いだった。いたたまれず,今はそこを後にした。
木乃香が立ち去るのを横目でエヴァンジェリンが確認する。目を細めると,刹那をより一層
官能の渦に落としていった。

「命を賭けてお前を奪いに来るものがいるのかな……。」

そんな彼女の呟きは泡と一緒に消えていった。
8396/10:2007/07/28(土) 03:42:04 ID:M6dydmiH
◇◆◇

久々のオフの日だ。アスナもネギもじっくりと休息を愉しんでいる。そんな二人を後に,木乃香は震える
足をエヴァの別荘へ向けた。あの日以来,なぜか足がすくんでしまった。刹那とエヴァの情事を目撃し,
なぜか胸が苦しかった。あれ以来刹那の様子をアスナに聞くも,普段と違うことはまったくないと言う。

ただ,木乃香の話題が無くなったような気がすると,アスナが言っていたようだった。
十分な因果関係は確定できないが,アスナが言う急に刹那が強くなった日と,
刹那が木乃香と合わなくなった日はどうやら同じころのようだった。
その時何かがあったと,木乃香の直感が警報を鳴らす。きっとそこで何かがあった。
それを確かめるまで,引き下がるわけにはいかなかった。いなくなって初めて刹那が自分にとって
どんな存在だったのか知った。エヴァと刹那の濡れ場を目撃したときに感じたのは嫉妬だと,
後からそれを理解した。

行こう。エヴァに会いに。そして刹那を取り戻しに。木乃香は一人,エヴァの居城へと向かった。

◇◆◇

エヴァに会いに行くと,隣には刹那がいた。見かけは何も変らなかったが視線が違った。

「…以前にお会いしましたっけ?」

食い入るように自分を見つめる視線に疑問を感じたのか刹那は木乃香に問いかけた。

「っ!…せっちゃん。うちよ。うちやえ?覚えとらんの?」
「うちって…それ京都弁ですね。同郷ですか。」
「……せっちゃん。」

同郷と聞いて嬉しかったのか,にこにことしている刹那とは対照的に悲しげな表情の木乃香がいた。
きっと視線をエヴァンジェリンに向けると,睨みつけるような視線を送る。
8407/10:2007/07/28(土) 03:43:18 ID:M6dydmiH
「ショックか?刹那がお前のこと覚えていなくて。」
「せっちゃんに何したん?」

くくっとくぐもった笑いを零すエヴァンジェリンに語気を強めて木乃香は言う。

「刹那を強くするために余分なものを封じたのだ。その性でこいつは面白いくらい強くなった。」
「余分なものってなんや。」
「お前の記憶だ。刹那を縛って封じているのはお前だ,木乃香。」
「武闘会の時にも言ったはずなのにな。それでも刹那は本来の強さを取り戻していない。
 人並みはずれた自分の強さにリミッターを自分でかけているのだ。」

組んでいた足を組替えて,エヴァンジェリンは言う。

「刹那も不憫なヤツだ。木乃香のために強くなりたいと思っているのに,木乃香に自分の真の力を
見せたくなくて強くなれないでいる。烏族のハーフというコンプレックスを捨てきれないのさ。」
「そんな……。」
「お前に嫌われたくない一身で,人並みを装うとは刹那らしいというべきか……。まぁ,私は嫌いではないがな。」

実践では無意味だ。冷淡にそう言い放った。

「このまま私のもとにいた方が,刹那は幸せかもしれん。そうは思わんか木乃香?」

いとおしそうに刹那を抱き寄せるとエヴァンジェリンは木乃香を挑発するように刹那を優しく撫でる。
甘い吐息が刹那から零れる。怒気を抑えながら立ちすくむ木乃香に,エヴァンジェリンは例の小瓶を投げつけた。

「そこに封じた刹那の記憶が入っている。その封を解けば元に戻るだろう。お前にできるか?」

厳重な封印がされている。魔力を帯びていて,床に投げつけても割れることは無かった。
小瓶の中には刹那の記憶や願望が見え隠れしていた。
8418/10:2007/07/28(土) 03:44:42 ID:M6dydmiH
「その中を覗いて,少しは刹那のことを気遣ってやれ。もっともその封を開けられたらの話しだがな。」

エヴァンジェリンの手が刹那を弄る。

「ん……報酬は後払いですよ。ふぁ…それに人が……。」
「ここは私の屋敷だ。何しようと私の勝手だ。今日は客人がいるから前払いでもいいだろ。」
「はぁ…い……。お手柔らかに……。」

エヴァの手技に刹那が蕩けていくのを目の当たりにした。木乃香は苛立ちを抑えきれないでいた。
ただの嫉妬ではなかった。刹那を誰にも渡したくない,そしてなにより刹那をこの手に欲しいという独占欲。
ずっとそばに刹那がいたから自覚することは無かった。でもうすうす気がついていた気持ちが
今明確になっただけなのかもしれない。

木乃香の気持ちが昂ぶる。その昂ぶりは潜在的に秘められた木乃香の魔力を焚き付けた。
体から溢れる魔力がエヴァンジェリンの居室に旋風を引き起こす。
その勢いにエヴァンジェリンの口から感嘆の声が漏れる。

「おお……なんて魔力だ。まさかこれほどとは…。」
「……せっちゃんを返して。」
「……せっちゃんを……返して!!!」

木乃香の言葉と共に,刹那の記憶を封じた小瓶は砕け,目も眩む光を放つ光球は刹那に吸いこまれていった。
一連の出来事を目撃した後,オーバーフローした木乃香の魔力は収束をみせ,静寂が戻ってきた。
あまりの規模の大きさに,危うくエヴァンジェリンは絶句するところであった。
エヴァンジェリンは体裁を立て直し部屋を後にする。刹那はそのままソファーに寝かされていた。

「ふ……賭けは私の負けだ。好きにしろ。」
「エヴァちゃん。」
「その魔力…忘れるな。お前の力だ。お前次第だ。木乃香。」
8429/10:2007/07/28(土) 03:45:38 ID:M6dydmiH
それだけ言い残してエヴァの足音は遠ざかって行った。
強大な魔力を放出して,その力の大きさに木乃香自身驚き,震えてしまった。
いつか聞いた。世界屈指の治癒術師になれる才能。唯一刹那の助けになれる能力。
そうだ。はじめから自分だって刹那一筋だったじゃないか。
この前のアスナの言葉に思わず呆れたが,自分だって変わりなかった。
ただ自覚するタイミングが無かっただけ。先ほどチラッと垣間見た刹那の願望にも現れていた。
二人で思いを分かち合い,手を携えて生きていくこと。ただそれを望んでいた。

木乃香は刹那の元へ歩み寄り,刹那を抱き起こす。刹那は目を覚ますとやや寝ぼけ気味だった。
しかし,木乃香の顔に焦点が合うと一言,ごめんなさいと告げた。
本当なら飛び退いて距離を取りたいところだったが,目に涙を一杯
浮かべた木乃香を前にそれはできなかった。

「おかえり,せっちゃん。」
「…ごめんなさい。」
「記憶あるん?」
「………はい。」

ばつが悪そうに答える。それもそうだろう。修行の後は毎日のようにエヴァンジェリンと愉しんでいたのだから。

「大好き……せっちゃん。」
「お……お嬢さま…。」

そういって木乃香は刹那に抱きつくと,先ほどのエヴァンジェリンのように刹那の体を弄り出した。

「ちょ……うぁ…お…お嬢さまぁっ……。」
「うちじゃだめ?さっき見ちゃった。せっちゃんの願望。」
「へ?……うぁ……ん……ハァ……。」
「うちとこうしたかったんやろ?」
「ちょ…待ってください。さっきの熱がまだっ……。」
「それは好都合や。」
84310/10:2007/07/28(土) 03:47:07 ID:M6dydmiH
先ほどの煽りがまだ残る体に,愛する人の触れ合いが心地いい。

「せっちゃんは…せっちゃんらしく強うなって。うちは絶対世界一の治癒術師になってみせるから。」
「はい。……お嬢さま。」
「もうこんなん,許さんよ。」
「はい。」
「じゃあ,せっちゃんの告白…聞かせて。」

ただ一言望むのは核心が持ちたいから。言わなくてもわかるなんていって誤魔化したくない。

「私も……貴方だけです,お嬢さま。………大好き…です。」

◇◆◇

二人の結末を見守ったあと,エヴァンジェリンは一人また,寂しげにワインを傾ける。

「お前となら,この命分かち合ってもいいと思ったんだがな。」
「カヨワソウナカオスルナヨ,ラシクナイゼ」
「あほ,こういうときは聞き流せ。」
「ニンギョウニムリイウナヨナ。ケケケ」
「まぁ,また明日からまた雑魚どもをびしびし躾てやるかな。フフッ。」

捨てた人生だったが,こんなのも悪くないかとワインの渋みを味わいながら
愉しそうに微笑むエヴァンジェリンだった。
844あとがき:2007/07/28(土) 03:52:15 ID:M6dydmiH
おわりでーす。お目汚し失礼しました。

もうなにも言うまい。恥を棚に置き忘れて
投下してます。口直しSS待ってま〜す。
845名無しさん@秘密の花園:2007/07/28(土) 10:47:18 ID:5gAcVKIg
なんて素晴らしい。GJ!!
このせつもエヴァせつも萌えな自分には天国だった
口直しどころかおかわりしたいくらいだ

ああ、高らかにエヴァせつを叫びたい…いかん、抑えろここはこのせつ、このせつスレなんだorz
846名無しさん@秘密の花園:2007/07/28(土) 11:07:00 ID:P/JmIikr
ちょwスゲーエロいwww

エヴァの台詞回しとか、木乃香の力まで引き出しちゃうところが
これぞ師匠!って感じでとっても良かったです。愛を感じたぜw
847名無しさん@秘密の花園:2007/07/28(土) 17:43:39 ID:qwuFuuUT
GJ!

しかし生いうなら木乃香のことだけ忘れた場合
強くなる目的も無くなるんじゃないか?
そういう所だとネタ振った奴が言ったように大怪我記憶喪失がいいと思うが・・・

いや、書けない奴が生言ってスマソorz忘れてくれ
848名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:54:16 ID:+8JMHZ3F
みんな。GJサンクス。喜んでもらえて良かった。
世辞でも嬉しいので,調子に乗ってまた次のネタ考えます。

>>847
いやぁ。仰る通りっ!
でも書けなかった伏線としてね,刹那には
仲間が一杯できたから,強くなる理由は木乃香だけって
わけではないんじゃないかな?ってとこ。

エヴァには「木乃香が…」って代弁してもらったけど
この辺りのことも喋ってもらえばわかりやすかったのかな。
まだまだオイラの修行が足りないって感じかな?

きっと大怪我刹那記憶喪失編は
誰かがSS落としてくれること期待大!
849名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 01:55:41 ID:+8JMHZ3F
びっくりした。
なんだよ”名無しさん@そうだ選挙に行こう ”って。
急に脅かすんじゃねーよ。
背中から白い翼が生えちゃうじゃないか。
850名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 14:20:31 ID:xJA6WfeI
ど、どこに驚いたんだ?
851名無しさん@秘密の花園:2007/07/29(日) 23:43:47 ID:JkvVbwY6O
@以下が変わるなんて知らなかったんやもん。(//▽//)
おいら自分のSS読み直してたら何個か誤字見つけちまったorz
こん癖ばなかなか直らんとよ〜(T_T)。
852名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 12:54:09 ID:uSvx5cvw

今週は色々報告がありそう・・・・

つ、ついに3期決定か?
OVAでもカナリ嬉しい報告になるな
853名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 13:37:53 ID:I/BXqlpo
俺的予想はノベル化かOVAだな!
854名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 15:52:33 ID:E1vLv6OO
じゃあ俺は映画化に一票。しかもハリウッドで。全員外人。
855名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 18:01:16 ID:uSvx5cvw
が、外人っ!?

カオスの極みだ;
856名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 18:31:03 ID:SOdORdSl
まあジャパニーズの糞だらけの実写ドラマよりはマシ

市川春樹を滅ぼしたい・・・
その一心で僕は真ゲッターの最終兵器「ストナーサンシャイン」を習得したんです。
           
                              by流竜馬        
857名無しさん@秘密の花園:2007/07/30(月) 20:41:23 ID:qHn6YQRR
3期というか声優さんが絡む報告になれば実写なんてどうでもよくなる〜
858名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 01:34:49 ID:iqh1vBCi
>>854
ハリーポッターにも張り合う超大作だなww
修学旅行編だけでいいからやってほしい。…さすがに日本人でw
859名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 08:03:27 ID:il/O15JJ
<<858
うはっ(≧▽≦)
そしたらこのせつ三昧だね。
860名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 12:12:32 ID:LhD0j1aL
いやいややっぱりアニメで!!!
861名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 12:35:33 ID:KKtiq2Ro
これ以上の原作レイプはやめろよ・・・
862名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 17:29:48 ID:GBLzFzrh
>>859
このせつって・・・ドラマが本当にいいと思ってるの?
あんな似てないゴミ二人が何かしてるトコなんて見たくないんですけど
863名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 17:54:48 ID:Pw3He293
人それぞれだろ
864名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 19:33:58 ID:9+n1pX4C
>>862
君よりはマシな二人だと思われ
865名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 20:09:54 ID:JicF+RVm
この辺で流れ変えようぜ・・・

だれか、「えいしゅん」をカラませてSS作れる職人サマはイマイカww

漏れにはムリだった・・・ orz
866名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 21:02:08 ID:il/O15JJ
お。同じ趣向の人発見!
今書いてるけど超難しくて超長編になってるよ。
今週は忙しいので仕上げるのは無理だけど今週のストレス解消に来週熱中できるかもしらんな。
シチュは任せて。てかねぎ魔エロパロSSにインスパイアさせられた。
867名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 22:00:49 ID:JicF+RVm
>>866

うわwwもう書いてるとは!期待してるぜ!
超長編でも俺てきに全然おっけb
たぶん同士も的確なアドバイスをくれるとおも

「インスパイアさせられた」・・・?
パクられたってことか?
もしよかったら答えたのむ
868名無しさん@秘密の花園:2007/07/31(火) 22:44:39 ID:il/O15JJ
分かりにくくてすまんorz

少し前に投下されたSSに詠春刹+ネギがあって、今もネギ刹として気長に連載中なんだ。それ読んだときにね、ムラムラと詠春このせつを考えずにはいられなくなって…。悩みながら今に至る。

つまりネタもとのさらにキッカケってこと。
パクってもパクられてもいないから安心しや〜(´∀`)。
期待に添えるかわからんけど何とかまとめてみるよ〜。応援ヨロ〜。
869名無しさん@秘密の花園:2007/08/01(水) 11:59:19 ID:pelC6Awa
wktkwktk
870名無しさん@秘密の花園:2007/08/02(木) 02:19:21 ID:Ov3Uz3O5
最近あちこちのネギま板が荒れてるけど、ここは平和でいいね。
このせつの愛が溢れてるよ…。
PC壊れてショック(ToT)。おいらの詠春このせつが……!!!
このかのアーティファクトじゃPCは治せんなぁ。
871名無しさん@秘密の花園:2007/08/02(木) 10:35:42 ID:R40ZSmhS
詠春このせつってまさか・・・

>>870>>868 ってことか!?

だったらかなりショックだ;
872名無しさん@秘密の花園:2007/08/02(木) 17:50:36 ID:uLY6l6Lt
http://up.spawn.jp/file/up38663.html.html
野中藍(近衛木乃香 役声優)の独唱による歌謡曲の1つ
873名無しさん@秘密の花園:2007/08/02(木) 22:08:01 ID:R40ZSmhS
>>872
ぜったい違う〜
874名無しさん@秘密の花園:2007/08/03(金) 08:53:39 ID:PFsDPBfP
870だけど、
HDD壊れた中で、奇跡的にSSとかは生きてた。
とりあえず一安心…かな?
875ホスト:2007/08/03(金) 19:26:00 ID:GhEv3SGC

「はい、それでは次の連絡です」

麻帆良祭も終わって一段落した麻帆良学園。
今日も通常通り授業が終わり、終了のホームルームが始まっていた。

「夏休み前にテストもありますので、皆さん気を抜かないようにしてくださいね」
「はーい!」
「これで担任からの連絡を終わります。各委員の方など、他に連絡はありますか?」
「学級委員の方から一件ありますわ、ネギ先生」

ネギの問いかけに答えたのは、3-Aの学級委員長の雪広あやかだった。
あやかは黒板の前に立つ。

「今年度から行われている小麻帆良祭・・・・それに今回、このクラスが参加する事となりました」
「お、ついにきたー!」
「なになに、何やるの〜!?」
「皆さんお静かに! これから話しますわ!」

(・・・・小麻帆良祭・・・・ってなんだっけ?)

クラス中が騒ぎ出す中、桜咲刹那は疑問符を浮かべていた。
刹那は最近までそういったイベント事に関心を持たずに生活していたので、そういった行事は記憶になかったのだ。
もし修学旅行での一件がなければ、先日の麻帆良祭も意識しての参加はなかったであろう。

「てかそのショウ・・・・何たらって、何だっけ?」
「お猿さんは話を聞いてないからわからないんですわ」
「なんですってー!」
876ホスト:2007/08/03(金) 19:26:59 ID:GhEv3SGC

(・・・・私もわかりませんでした、ありがとうアスナさん・・・・)

刹那はややショックを受けながらも、質問しなくてよかったとため息をついた。

「仕方ありませんわね・・・・。今年度から始まった、二ヶ月に一回で行われるクラス対抗行事の事ですわ」

あやかはわかっていない少数の人のために、その行事・・・・『小麻帆良祭』について話し始めた。
この行事は修学旅行前に行われた『スポーツフェスティバル』と同じように、急遽決定された学校行事との事。
目的は"常に他者との競争意識を持たせるため"らしい。
参加するクラスは毎回4〜5クラスほどで、それ以外のクラスは審判クラスとなる。
一日目は同学年のみ見ることができ、二日目は全学年を見ることができる。

「今回のテーマは"ホスト喫茶"との事です。各クラス5人のホスト役を決め、どれだけ人気を得るかを競うそうですわ」
「ホストっていいんちょ・・・・ここ女子校よ?」
「わたくしもよくわかりませんが・・・・どうやら男装するらしいですわ」
「男装! いいねぇ!」

いち早く飛びついたのは、同人娘こと早乙女ハルナだった。

「男装した女子を使っての妄想世界! 今流行りなのよ!」
「どこの流行ですか・・・・」
「まぁ・・・・そうと決まれば、さっそくホスト役決めないとね〜」

次に飛びついたのはパパラッチこと朝倉和美。
手には既にカメラが握られ、取材の準備もばっちりというところ。

「クジで決めちゃおうよ!」
「いやいや・・・・このクラスは麻帆良祭で活躍した人が多いから・・・・」
「うん、クラスで投票して決めた方が良い人選になるかも」
877ホスト:2007/08/03(金) 19:28:04 ID:GhEv3SGC

最もイベントが大好きなクラスということもあり、"一部"を除いてクラス全体のテンションが上がっていた。
その"一部"に入る刹那は、配られたプリントを見て状況を確認する。

(次の金曜日・・・・ちょうど一週間後か。・・・・あ)

――トン

刹那がそんな事を考えていると、近衛木乃香が刹那の横を通って黒板の前に出てきた。
すれ違う時に軽く肩を叩かれる。
それは和解してから行うようになった、ちょっとしたスキンシップのようなもの。

「ほなみんなに紙配るから・・・・妥当やと思う人の出席番号と名前書いて、この箱に入れてな」

木乃香はクラス委員の書記。
刹那がそれを思い出しつつ木乃香を見ていると、木乃香はそれに気付いて微笑み返す。
・・・・刹那は照れて、目をそらしてしまった。

「名前はフルネームで書いてください。それ以外の投票は無効とさせていただきますわ」
「・・・・いいんちょ、漢字わからない場合は・・・・?」
「・・・・・・・・ひらがなは許可しますわ」

明日菜の質問が終わると、クラスメイト達は相談しながら記入を始める。
刹那も誰の名前を書こうかと考えていると、隣の釘宮円が話しかけてきた。

「刹那さん、どうする?」
「え・・・・そうですね・・・・」
「ま、どうあがいても結果は変わらないだろうけどね・・・・」
「?」

刹那の答えを聞かぬまま、釘宮は深いため息をついた。
どうやら既に結果は見えているらしい。
878ホスト:2007/08/03(金) 19:29:03 ID:GhEv3SGC

(・・・・投票しないのも水をさすしな・・・・)

刹那は適当に書き、紙を箱に入れた。
そして全員が箱に入れたのを確認すると、木乃香が集計を始める。
その間にあやかがホスト喫茶の注意事項を話していたが、あまりやる気のない刹那は木乃香だけを見ていた。

(・・・・お嬢様?)

ふいに木乃香の表情が曇った。
が、それも一瞬の事。
木乃香はすぐに明るい顔に戻り、刹那達の方に顔を向けた。

「・・・・結果出たえ。出席番号を黒板に書くな」
「待ってました〜!」

刹那は黒板に書かれる番号よりも、先ほどの木乃香の表情が気になって仕方なかった。
何か行動に変化はないかと目を凝らして見つめる。

「――この五人やえ」

木乃香がすべてを書き終え振り向き、また目が合いそうになった。
刹那は誤魔化すために、慌てて黒板の文字を見る。

8、11、15、18、20。

(・・・・・・・・あれ、15?)

「・・・・え!?」
「あー、やっぱり・・・・」
879ホスト:2007/08/03(金) 19:30:12 ID:GhEv3SGC

驚愕する刹那の隣で、釘宮が嘆き出す。
彼女の出席番号は11番。
刹那と同じく、しっかりと黒板に記されていた。

「やっぱりこの面子かぁ」
「みんながんばろー!」
「え、拒否権ないの!?」
「頑張るアルよ、バカレッドにバカブルー!」
「これは・・・・困ったでござるな」

どうやら本当に拒否権はないらしい。
8番の神楽坂明日菜と20番の長瀬楓は、さっそく周りに冷やかされていた。
その中刹那は、さきほどの木乃香の顔を思い出す。

(お嬢様は私達を哀れんでくれたのか・・・・何とか逃げ出せないものか・・・・?)

刹那は後ろを振り返り、出席番号18番の龍宮真名を見る。
龍宮も眉間にしわを寄せていた。
・・・・逃げ道は、ないようである。

「今学期の始めにも報告いたしましたように、成績に関係なくとも立派な行事です。皆さん必ず参加するようにしてください!」

そしてホストに選ばれた人たちの同意を得ぬまま、3-Aの小麻帆良祭はスタートしたのであった。

*

「ホストには顔立ち以外にも、"個性"や"エスコートの上手さ"も必要だそうです」
「うんうん、まさにその通りよ」
「難しいね――・・・・」
「・・・・ほんで、実際にはどんな人がいいんや?」
880ホスト:2007/08/03(金) 19:31:12 ID:GhEv3SGC

ホームルーム後、部活のない人たちは自発的に教室に残り、小麻帆良祭について計画を立て始めていた。
主導権を握るのはハルナ。
演劇部の村上夏美も、指導係として中心に加わっていた。

「みんな役者じゃないから、演じ切るのは無理だと思うよ〜」
「それについてはもう大丈夫だから!」
「え? そうなの?」

ハルナは自前のスケッチブックを取り出すと、それをメモ帳代わりに今回のホスト役メンバーを書き出した。

「まずアスナ! アスナはもう、ツンデレで決定でしょ!」
「ツンデレって・・・・?」
「アスナさん・・・・深くは聞かない方がいいです・・・・」

聞き慣れない単語に疑問符を浮かべる明日菜。
夕映は呆れながらも、明日菜に気にしないよう忠告した。

「で、くぎみーは・・・・ツッコミが強くてそれでおいて優しい、お笑い系で!」
「お、お笑い・・・・? ていうか、くぎみーって言うなー!」
「楓さんはくぎみーの相方役ね! どんどんボケちゃって!」

釘宮の抗議を華麗にスルーし、ハルナは楓の方を向く。

「ボケ・・・・でござるか?」
「そうそう、いつも通りのほほんとしてて。・・・・でもいざと言うときは、キリッとして女の子を守る!」
「あ、あいあい?」
881ホスト:2007/08/03(金) 19:32:23 ID:GhEv3SGC

暴走したハルナに、さすがの楓もたじたじ。
次にハルナは窓際に佇む龍宮を見た。
そして少し唸ると、少し控え気味に役を言い渡す。

「龍宮さんは・・・・ナルシストなホストって感じでよろしく」
「・・・・わかった」

龍宮も観念し、承諾した。
学生の仕事は学業・・・・このイベントも学業の一環ならばと、無理やり自分を納得させたようである。

「えーと、これで全員? ・・・・あれ、一人足りなくない?」
「せっちゃんが・・・・部活でおらへんよ」
「あー、大本命を忘れてた・・・・うん、刹那さんは後で決めるか! じゃあ早速練習始めよう!」
「練習〜?」
「当日いきなりやれって言ってもできないでしょ。だから今のうちに役作りよ」
「私がコツ教えるから、恥ずかしがらずに頑張ってね」

夏美の指導の元、ホスト役のメンバーは役作りを始めた。
慣れていないためか、4人の動きはぎこちない。
しかし夏美の駄目出しを受けつつも、しっかりと稽古をしていた。

「・・・・なぁハルナ・・・・せっちゃんはどんな役なん?」
「ふっふっふ〜、それは後のお楽しみよv」
「・・・・あんま、乗り気せーへんなぁ・・・・」

ハルナは意味ありげに木乃香をはぐらかし、意気揚々と稽古に乱入していった。
しかし木乃香はテンションが上がりきらないまま、仕方なくハルナの手伝いにまわるのであった。
882ホスト:2007/08/03(金) 19:33:17 ID:GhEv3SGC

*

日は経ち、小麻帆良祭当日。
報道部の朝倉の働きもあり、3-Aの『ホスト喫茶』は滑り出し好調。
麻帆良祭で大活躍だったクラスでもある事も、繁盛の理由だった。

「え? 写真? そんなの撮ってどうす――」
「はいはーい、写真は別ポイントだよー!」
「ちょっと! こんなの聞いてないよ!? ・・・・しょうがないなぁ」

写真撮影を拒否しようとした明日菜を、サポートのクラスメイトが引っ張っていく。
その明日菜の傍には刹那もいた。

「なんで私がこんな事を・・・・」
「アスナさんはスポーツフェスティバルのコンテストでも準優勝でしたし、こういうのに才能あるのかもしれませんね」
「あんまり嬉しくないよ、刹那さん・・・・」

普段は大して男性っぽくない明日菜。
しかし現在は男性用のスーツを着用し、胸はサラシで目立たないようにしていて、髪は下ろしていた。
遠目から見れば立派なホストである。
もちろん他のホスト役のメンバーも、スーツ姿でしっかりと男装していた。

「アスにゃんは武道会とヒーローユニットで有名だからね、追加ポイントが多いよ!」
「はいはい・・・・」

あまりやる気のない明日菜だったが、断りきれない性格が手伝って渋々付き合う事にしたらしい。
これもハルナの作戦通りであり、一般的にいわれるツンデレになっていた。

「でも一番人気は刹那さんだね。一番ポイント入ってるよ」
「あ、ありがとうございます・・・・////」
883ホスト:2007/08/03(金) 19:34:22 ID:GhEv3SGC

ちなみにポイントとは、審判クラスに配られるお金の代わりのようなもの。
入店時や飲食の注文、指名その他に使われるもので、これをより多く集めたクラスが優勝となる。
なおポイント加点となるサービスは、参加する全クラス共通に細かく決められていて、不正にポイントを受け取る事はできない。

「これ以上はポイント追加になるが・・・・」
「はいーv」
「追加してくれるなら、サービスは惜しまないよ」

普段なら絶対に見せない笑顔を、龍宮はしてみせた。
既に仕事と割り切った龍宮は、まさに客を完全にエスコートしている。
持ち前のハスキーボイスと落ち着いた大人の雰囲気で、ファンを獲得していた。

「ふふ、忍者は演技力も必要じゃないのか? 楓?」
「むむ、なんか引っかかるでござるな・・・・拙者もやろうとすれば――」
「こら二人とも喧嘩しない! ごめんね、なんかドタバタしてて・・・・」
「いえいえ、二人とも仲いいですね〜」

二人というのは楓と釘宮の事。
ハルナに言われたからか、二人は常に行動を共にしている。
演技が苦手な楓も、釘宮のフォローと連日の稽古で何とか役作りは完成していた。

しかし、そこを何かと龍宮が楓を挑発して一触即発となる。
挑発については特に指示はされていない。
だが麻帆良祭での戦いが原因で、龍宮と楓の間にライバル意識が芽生えてしまっているようである。
そこを常に楓と一緒に行動している釘宮が二人を抑え、場の雰囲気をやわらかくしていた。
884ホスト:2007/08/03(金) 19:35:43 ID:GhEv3SGC

「ヒーローユニットの神楽坂さんだ! 写真撮っていいですか!?」
「え・・・・そろそろ胃が痛くなってきた・・・・」
「アスナさん、耐えて・・・・」
「あっ、桜咲さんもいる! ぜひ一緒に!」
「・・・・後でいいんちょに奢らせるんだから・・・・」
「あはは・・・・」

どうやら刹那は明日菜と行動を共にするように命じられているらしい。
挫折しかける明日菜を、持ち直させる。

・・・・一見バラバラに見えるホスト喫茶だったが、この絶妙なバランスにより口コミで広まっていた。
既にリターン客も見えるほどである。

「いい感じいい感じ! 設定通りじゃない!?」
「麻帆良祭の武道会やバンド、ヒーローユニットで人気集めてたからね。客層も広いし、明日が楽しみだね〜」
「そういえば、ハルナのホスト喫茶の設定って詳しく聞いてないなぁ」

朝倉は写真を撮りつつ、ハルナと怪しい作戦を立てていた。
その会話に、サポート側にいた木乃香たちも参加する。

「そもそも、ホスト喫茶に設定なんているですか?」
「夕映はわかってないなぁ! 内部事情を知れば知るほど、客はのめり込むものなのよ」
「・・・・たとえば?」
「たとえばね。刹那さんは――」
「――刹那さん、指名きたよ〜!」

ハルナの言葉を遮るように、刹那目当ての客が来た。
その客に刹那は笑顔で接客する。
885ホスト

「――お帰りなさいませ、お嬢様!」
「・・・・・・・・・・・・え?」

刹那の言葉は木乃香へは向いていない。
明らかに来店した客に向けての言葉であった。

「ハルナ・・・・せっちゃんになんて言うた・・・・?」
「刹那さんって麻帆良祭とヒーローユニットでメイド服着てたじゃん?
 だから"指名のお客さん限定で、ご主人かお嬢様って言いなさい"って」
「・・・・へぇ・・・・」
「一応設定では、刹那さんがこのホスト喫茶のリーダーなのよね〜v」

ハルナは黒いオーラを放つ木乃香に気付かず、設定を話し始める。

「明日菜が刹那さんを好きなのよ。それで本当はツンなんだけど、刹那さんの前ではデレなわけ。
 でも刹那さんはそういった事に疎くて、皆平等に仕事仲間として束ねてるのね。
 くぎみーと楓さんは既に両想い・・・・でも、くぎみーは刹那さんにも惹かれてるの。
 そこをたつみーが楓さんを奪おうと企んでる。
 でもナルシストで欲張りなたつみーはそれだけに留まらず、刹那さんも狙っているのよ!」

ハルナが手に持つチラシには、ハルナの言うその設定が書かれていた。
つまりはハルナの設定が、チラシにより学園全体に広まっているという事である。

「なんですか、その無茶苦茶な設定は」
「あれ〜? ホストってみんな男の人だよね――・・・・?」
「だーかーらー! 巷では今こういうのが流行りなんだって!」
「・・・・・・・・」
「こりゃやばいかも・・・・」