【ネギま!】近衛木乃香・桜咲刹那百合専用スレ(5)
[各種データ]
麻帆良学園中等部3年A組13番 近衛 木乃香
1989年3月18日生 (辰年・うお座) AB型
好きなもの:占い&オカルト、料理
嫌いなもの:あんまりない
所属:占い研究会、図書館探検部
備考:学園長(関東魔法協会会長)の孫、関西呪術協会会長の娘(オヤジはゲンドウ)
声優:野中 藍
麻帆良学園中等部3年A組15番 桜咲 刹那
1989年1月17日生(巳年・山羊座) A型
好きな物: 剣の修行。木乃香お嬢様(?
嫌いな物: 曲がったこと おしゃべり
所属: 剣道部
備考:京都に伝わる神鳴流の使い手にして、陰陽道にも通じる剣士・烏族ハーフ
声優:小林 ゆう
●このせつ名場面リスト●
・(4巻収録) 30・31・32時間目
・(5巻収録) 42・43時間目
・(6巻収録) 50・51・52時間目
・(7巻収録) 62時間目
・(8巻収録) 68・71時間目
・(10巻収録) 86時間目
●百合カップルリスト●
・近衛木乃香×桜咲刹那
―――(以下、ある程度の百合フィルタが必要?)―――
・相坂さよ×朝倉和美
・綾瀬夕映×宮崎のどか
・那波千鶴×雪広あやか
・長谷川千雨×Zazie Rainyday
・雪広あやか×神楽坂明日菜
・夏美×千鶴(あやかも同時狙い)
・ハルナ×夕映&のどか (ハルナは二刀流)
・朝倉×千雨
・亜子×まき絵
>>1 乙。しかし、そろそろゲンドウ変えてやってもいいのではw
>>5 楽しみにしてる
ガンガレ
>>5 wktkしながら待ってる
>>6 これしか思いつかなかったんだ、スマソorz
書いて頂く方がんばってくださいね
楽しみにしてます
せっちゃんおたおめー!
これからもこのちゃんと仲良くね♪
さてどんなSSがあがってくるか楽しみだー
せっちゃんおめでとーっ!!
これからもお嬢様と末永くお幸せにっwww
さて、今日中にSS上がるか非常に疑問な件。
>>11 大丈夫。今日という日ははじまったばかりだ。
楽しみにしてる。あと24時間もあるよv
>>12 dクス
授業中にがんばってみてくるぜw
テスト前なんて気のせいだよな?ww
>>13 気のせいだ。(ちょ
>>このスレ見てる奴
前スレに超タイムリーなSSが上がってたぜ
あぁくそ、シリアス・エロ・ほのぼのが入り乱れた長編になった。
せっちゃん誕生日おめでとう!
も一つ書いてる長いほうは完成できたら投下します。
つわけで、祭SSの一番乗りいっきまーす!
いつの間に眠ってしまったんだろう。
目を開くと、机の上に置かれたライトだけに照らされた薄暗い自室。
夕食後、部屋に戻ってコタツの中で茶を飲んでいたあたりから記憶が無いが、
無意識に潜り込んだのかもしれない。今居る場所はベッドの上。
一体何時だろう。なぜか少し痛む頭を振りながら身を起こす。
目覚し時計の在り処に向けて手を伸ばそうと動いた時、太もものあたりが柔らかい何かに触れた。
寝ぼけた頭で、なんだろう、と目向けたものの、そちらの方には布団の塊があるだけだった。
何気なく、その布団をめくってみる。
……見なかったことにした。
私は、元に戻した布団の塊に背を向けて、また寝転がる。ああ、これは夢。きっと夢。
だから早く朝になってください。いや、もう朝ですよね?きっとそうだ。
だから次に目を覚ました時にはもう朝で、目覚ましが鳴って私は何時ものように起きられるはず。
「せっちゃん……?」
小さくつぶやく声が聞こえて、背後でごそごそと音がする。
動く布団が時折背中にふわりと触れて、眠りに就きたい私の頭の邪魔をする。
「んー……?さっきなんや動いたみたいな気がしたんやけど」
小さな欠伸が聞こえて、またなにやらごそごそと音がする。
「あー、せっちゃん、布団から出てしもうたら風邪ひくえ」
先ほど起き上がってから、布団の外に出したままだった上半身が、暖かい何かに覆われた。
それからしばらく静かになって。やっと、再び眠気が私の頭に白く霞を掛け始めた頃。
>>17 「……ちょっとくらいなら、ええかな……」
とても小さな呟きが、私の耳に届いて消える。
つづいて背中にぴったりと、布団とは違う暖かい……きっと体が寄り添う感覚が。
さらに布団と体の隙間から、そっと両手が回されて、きゅっと優しく抱きしめられた。
今の状況は認識している。
正直、心臓の鼓動が先ほどまでより数段早くなっているのも解っている。
しかし、今更起きているのだ、と伝えてしまうのも少々居心地が悪い。
一体全体どうした物か。思っているうち後ろから、小さく寝息が聞こえ始める。
もうしばらく待ってから、気付かれぬうちに布団から抜けるか。一度はそうも考えた。けれど
「せっちゃん……だいすきや……」
寝息の間にこぼれた寝言。それが聞こえて、取りやめた。
その代わり、これは夢だ、きっと夢だ。私は再びそう思う事にした。だから、今だけなら。
この布団の中での小さな夢の間だけならば。
私はそこまで考えて、隣で眠る大切な人を起こさぬように、
体の向きを慎重に変えて、同じように両手を相手の背に回す。
そうすると、先ほどまでは、うるさいほどに跳ね回っていた心臓が、何故だかすっかり落ち着いた。
此処はとても暖かくて、とても幸せ。このままずっといられたらいい。このまま……
徐々に思考を眠気に絡め取られていきながら、私はそんな事を思う。
そして、最後に
「このちゃん。うちも、このちゃんがだいすきや……」
そう小さく呟いて、とうとう私の意識は眠りに落ちた。
>>18 まぶたの裏まで差し込む光。普段起きる時よりも、それが少し明るい気がした。
寝坊したか!?頭が一気に覚醒する。
それと同時に、左腕に感じる重みと痺れ。一体なんだ。
思いながら、あわてて目を開くと、すぐ目の前に。
「お嬢様!?」
そう、お嬢様の顔が目の前に。
一体どういう事なのか、と、頭をフル回転して考える。
そういえば、と昨日の晩に思い当たったその時に。
「ふぁ……あ、せっちゃん、おはようさん」
私の声で目が覚めたらしいお嬢様が、眠たげな表情のまま、にっこり笑う。
思わず頬が熱くなって、それから急いで挨拶を返した。
「お、おはようございます!」
「それと」
お嬢様の言葉が更に続いて
「せっちゃん、お誕生日おめでとう!」
「……へ?」
一瞬、何のことかわからなかった。
「もー、何変な顔してるん。今日はせっちゃんの誕生日やえ?」
>>19 言われてはじめて気がついた。
自分の誕生日なんてすっかり忘れてしまっていたのだ。
「す、すいません」
「そんでなー?昨日の晩から、頼んで一日だけ部屋を交代してもらったんえ」
「ええ!?一体なんでまたそんな……」
驚く私に、お嬢様がにっこりと笑って言う事には
「あはは、せっちゃんに朝一番最初にお誕生日おめでとう、っていいたかったんや」
その言葉が、頭に、体に染み渡る。
「え、ええと、その、あ、ありがとうございま……」
感動したやら嬉しいやら、恥ずかしいやら驚いたやらで一体なんと答えていいやらわからない。
そんな私をお嬢様は抱きしめて
「それにしても、ウチびっくりしたわぁ。朝起きたらせっちゃんに抱っこされてて……」
「ぅあ!そ、それは……!!!」
昨日の晩、半ば寝ぼけてお嬢様の体に両腕を回したことまでは覚えている。
恥ずかしさのあまり逃げ出そうとして、背中がベッドの後ろの壁に突き当たった。
「すっごくうれしかったんえ?」
位置関係から見上げてくるお嬢様。
背中には壁、そして体に回された両手。逃げられない。
>>20 これは、もう、観念するしか……?
微笑むお嬢様の唇が近づいてくる。答えようと私も目を閉じて顔を寄せようとしたその時。
「刹那ー!起きてるアルかー?ちょとネギ坊主の修行の事で相談があるアルよー?」
開け放たれた扉。驚いて、思わず互いに顔を離す。
「どこに居るアルかー?……あ。」
ベッドの中から目が合った。比較的恋愛沙汰に関しては鈍感である、と言われる古菲も、
さすがにマズい所に居合わせたと思ったのかもしれない。
部屋の時間が止まりかけたその時
「ちょ、何やってんのよ古菲!」
数人が部屋の中まで走りこんできて、あっという間に古菲を回収して走り去った。
「あははは、このか、刹那さん、ごゆっくりー♪」
呆然とする私とお嬢様に、最後まで残った早乙女ハルナが、冷や汗をたらしながら、
こっちに向かって手を振った。
そしてそのまま部屋から急いで走り出していく。
>>21 「……ちょ!いつから覗いてたんですか!いつから!?」
姿が見えなくなってから、やっと金縛りから解放された私は、慌てて追いかけようと起き上がる。
しかし、ベッドから降りようとしたところで、寝間着の裾を掴まれた。
「あはは、追いかけんでええよ。それよりせっちゃん、続き、せえへん?」
そんな視線で見られたら……
お嬢様と、私は再び顔を近づけていく。今度こそ邪魔ははいらない、と思う。
さっきのさっきだったから、覗いている人も居ない、と思う。
私の十何回目の誕生日の朝、今度こそ、本当に二人きりで。
私達ははじめての口付けを交わしたのだ。
以上、祭SS一番乗りでした。
お粗末さまでした!
>>17 GJ!くーに萌えた(ぇ
それはそうと、今日が終わるまでに他にSS投下されるのか、
ものすごく心配なんだが。。
前スレでせつこのエロ書いた者だが感想マジで嬉しかったよ…ありがとう
あとせっちゃん誕生日おめでとう
てな訳で愛を込めてSS投下
ある、とても寒い日。
「えへへ、せっちゃん温かいなぁ」
「そ、そうですか…それは良かったです」
「もー、他人行儀はいややえ?」
「あ、スミマセン…」
龍宮が気をきかせて、お嬢様と二人きりにさせてくれた。
二人で一つの布団に潜り込んでお喋り。
隣に居るお嬢様の温もりがパジャマ越しに伝わってきて、ドキドキしてしまう。
「なぁ、せっちゃん。お願いがあんねんけど、ええ?」
「はい、何ですか?」
「んと…あんな、手つなぎたい…」
「えっ!あ、はい、どうぞ」
言い終えると同時にぎゅっと手が握られた。
私の豆だらけの手と違って、柔らかくて温かい、優しい手。
昔も今も変わらずにある温もりだ。
「…せっちゃん、手冷たくなっとるえ?」
「え、あ、す、すみません!」
お嬢様に冷たい思いをさせてはと、手を離そうとしたらもっと強く握られた。
「…あの…お嬢様…?」
「せっちゃん」
「はい」
ちゅっと頬に唇が触れた。
「!!お、おじょっ…!」
「えへへ…お誕生日おめでとうな、せっちゃん」
「あ…」
そういえば…今日だったっけ…。
ぽりぽりと頬を掻いていると、お嬢様はぷくーと膨れて「せっちゃん、無関心すぎやわ」と怒っていた。
「あぁあ…あの、ありがとうございます」
「ふふっ、うん、おめでとうせっちゃん」
今度は私から手を握る。ぎゅっと。
お嬢様はちょっとだけ頬を染めて、にっこりと微笑んでくれた。
それだけで、私にとっては最高のプレゼント。
「あんな、せっちゃん」
「はい」
「生まれてきてくれて、ありがとうな」
―end―
GJ!むっちゃ和んだ!
>>24 GJサンクス!次はメインの二人がトップで萌えられるよう頑張るぜ(ぁ
まだ17日は始まったばかりだからきっと大丈夫だ。多分。
甘甘GJ!!
せっちゃんおめ、ということで漏れも
深く、ふかく意識が沈んでいく。
そうコレはユメ。
夢の中にいる、と核心を持てる不思議な夢。
水に浮かんでいるかのようで、暖かい日差しに包まれているようで。
夢の中の夢。
心地よさに睡魔が襲った。
人形の様な少女、長くよく手入された髪が暖かい日差しを受け金色に輝く。
「む、刹那ではないか、どうしたのだこんな所で?」
貴女こそ私の夢にでるなんて物好きですね、と笑う。
すると私につられるようにエヴァンジェリンさんも哂った。
穏かな時間を裂いたのは
エヴァンジェリンさんのよく解らない質問でした。
「刹那、プレゼントを貰えるならば何が良い?言ってみろ。」
( ゜д゜)ポカーン、としていると今日は私の誕生日なので何でも好きな物を言ってみろと申されます。
今日は私の誕生日だったのか、と少々驚き、彼女がプレゼントをくれる(?)ということでその倍は驚きました。
「プ、プレゼントと言っても、くださる物ならなんでも嬉しいですよ」
確実に私の本心を口にした、
すると彼女は「つまらんなー」と言い
子供のようにそっぽを向かれてしまいました、コレは機嫌を直してもらうのは一苦労だな……
等と考えているとエヴァンジェリンさんが急に嫌な笑顔を浮かべながら上機嫌に此方を向き直しました。
「ぁーつまらんな、なぁ刹那?
ところで貴様が何でもいい、と言うのなら
……そうだな、お前の大好きな木乃香お嬢様の私物をパクってきてやろうか?どうだ?私の力をもってすれば容易い事だぞ、ん?」
なな、なにを言っているんだ!この人はーッ!!幾ら夢の中とはいえ許されない、だん…っじて許されないぞ!!
その間にもエヴァンジェリンさんは「そうだ福袋形式にしたら面白そうだなw」などと!くぁwせrftgyふじこlp;@
いや……待て。仮にもココは夢の中だぞ、しかも今日は私の誕生日らしい。
せめて夢の中で言ったところで現実には何ら影響がない
……よし言ってみろ、私!今日は無礼講だw
「あの、エヴァンジェリンさんっ!その福袋欲しいです!寧ろ下さい!!」
言い過ぎだろ私ーッ!!
あは、なんだか楽しくなってきた、良い夢だなw
「あの、エヴァンジェリンさんリクエストは可………
ピチチチ等と小鳥の囀る声に意識が浮上していく。
空気が澄んでいて気持ちの良い朝だ。
んーっと伸びをする、手を下ろす。
ガサッ。
不思議な音がした。
振り返ってみると
其処には起き抜けの目には酷な程の鮮やかな赤と白い文字。
紅白で縁起がいいなー等と思っていた私の目が瞬時に覚める。
何故なら黒いマジックで『貴様が望んだものだ』と書いてあったからだ。
一応ココで切っときます。
なんか書き始めとイメージ違っちゃったんで…orz
せちゃんの願望はこのちゃん大好きということでフロイトさんによろ
続きは需要があれば。
ところで1人何本まで書いて良いとかありますかね?
>>SS投下した人達
GJ!!
帰って来て見たらこれだったからビックリしたw
>>34 無 制 限
投下してくれるならwktkして待ってるぜ。
>>34 GJ!!
続きを是非希望!!この後どんな面白い事態になるか楽しみだ
何?このちゃんが好きすぎて困っている?
このロリコンめ例え長でもぶっとばしてやんよ
γ´ ̄ソζ⌒ヽ
リ√ヽヾ)リ|
d| ゚ -゚ノl=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババジャキン
( / ̄∪
GJなSS堪能させてもらったよ。
ありがとな、SS書きのみんな!お疲れさまです。
さて、おいらもSS1本落とすよ。
わかりやすいように今回だけタイトル付きだが許してくれ。
それでは投下!
40 :
BDプレゼント:2007/01/17(水) 20:50:30 ID:47txVwgU
「あの…このちゃん。私の顔に何かついていますか?」
ここ最近、どういう訳かお嬢様の痛いくらいの視線を感じてはいたのだが、今日のそれはあまりにはっきりと認識できるものだったので、私はついに意を決してそう尋ねたのだった。
「じーっ…」
「いや、ですから、あの…」
「じぃぃぃぃーーー…」
「…って、このちゃん。視線が擬音化されていますが…」
天然なところのあるお嬢様ではあったが、さすがにこれには参った。
こうもあからさまに顔を見られていては、こちらから視線を合わせることも恥ずかしく思えてくる。
そんなお嬢様の不可思議な行動を疑問に思っていたところ、今度は大きなため息が聞こえてきた。
「はぁぁぁっ。」
「あ、あの。このちゃん…。何かお困り事でも?」
今度の答えも擬音化されて返ってくるのだろうか。
やや頭を抱えたくなるような気分でいたまさにその時。
「せっちゃん!」
「うわぁっ!」
なんとお嬢様がいきなり私の手を握り締めてきたのだ。
それも瞳をうるうると潤ませながら。
「ど、どうなさったのですか?」
「うち、わかれへんねん。」
「一体何が…ですか?」
「せっちゃんの欲しいもん。」
「はい?私の…欲しいもの?」
41 :
BDプレゼント:2007/01/17(水) 20:51:34 ID:47txVwgU
突然の言動に頭をクラクラさせながら、私はこの脈略のない質問に戸惑っていたのだが。
聞けばお嬢様は明日に迫った私の誕生日プレゼントに何がいいのかをずっと悩んでくれていたらしい。
ここ最近感じていた視線は、私の行動をつぶさに監視することで、その答えを自分なりに考えてみようと思っていたとのこと。
しかしどう考えても何をプレゼントしたらいいのかがわからず、たまらず私自身に聞いてきてくださったのだった。
「ごめんなぁ、せっちゃん。ほんまは内緒でプレゼント用意して、せっちゃんを驚かせてあげようっておもててんけど…。でもやっぱりうち、わからんかってん…」
しょぼんとしながらそう打ち明けてくれたお嬢様。
けれど私の誕生日プレゼントでそこまで悩んでくださった気持ちだけで本当に充分だった。
「いえ、このちゃん。私はプレゼントなどいりません。このちゃんのお気持ちだけで充分嬉しいですから。」
「なんで?せっかくの誕生日やのに。なんかゆーてーな。気持ちだけやなんて寂しいえ。」
お嬢様はわかっていないのだろうか。私にとってはお嬢様がこうして側にいてくださることだけで…私がお側に仕えさせていただいているだけで、どれほどの幸せを感じているのかを。
「ですが、そうおっしゃられても…」
「遠慮なんかしたらあかんえ?なんでもゆーてな?うちにできることがあるんやったらなんでもするし。この日のためにお小遣いも貯めてるんえ?」
なんと優しいお心遣いであろう。本当にその気持ちだけで私には充分だった。
けれどあまりにもお嬢様が何かをプレゼントしてあげたいという気持ちが伝わってきたので、私は心を決めてこう言った。
「でしたら一つお願いがあります。」
こう切り出したとたん、お嬢様の瞳は期待に胸をときめかせるようにキラキラと輝きだした。
42 :
BDプレゼント:2007/01/17(水) 20:52:43 ID:47txVwgU
「うん。何?せっちゃんが欲しいものってなんなん?」
「…はい。私が願うこと。それは…」
「それは?」
「いつまでもこうしてこのちゃんのお側に仕えさせていただきたい。私が望むのはただそれだけです。」
真っ直ぐにお嬢様の瞳を見て、私はそう告げた。
けれどお嬢様はどうしたことか、急に視線を逸らせてうつむいてしまった。
「…せっちゃん。そんなん当たり前や。うちの隣にはせっちゃんがおってくれなあかん。
うちもせっちゃんの側にずっとおりたいえ…。」
うつむいたまま、その手は私の腕をぎゅっと握った。
「でしたら、私が望むものは他に何もありません。それだけで充分です。」
「せっちゃんはほんまに…ほんまに…」
一瞬何が起こったのかすぐに判別することができないでいた。
私は硬直する体が倒れないようにただ踏ん張ることしかできなかったのだ。
「んっ…」
なんと、その時お嬢様は私の首に腕を回してキスをしてくださっていた。
えもいわれぬ弾力感と甘い息使い。
お嬢様は唇を合わせたまま、私のことを強く抱きしめてくれていた。
「んんっ…。このちゃん…」
「うちのこと…抱きしめて?もっとせっちゃんのこと感じられるように…。もっとせっちゃんの側におれるように…」
「このちゃん…」
「うち、せっちゃんに何にもしてあげられへんけど、いつかきっとせっちゃんのほんまに欲しいもん見つけてあげられる気がするんよ。せやからそれが見つかるまで、うちはせっちゃんの側を離れへん。」
柔らかく温かい感触が体に染み込んでくる。
お嬢様の優しい気持ちが、血の中に溶け込み、体の中を駆け巡っていくのがわかった。
43 :
BDプレゼント:2007/01/17(水) 20:55:12 ID:47txVwgU
「…それなら、このちゃんはずっと私の側から離れることはできませんよ。」
そんな言葉にお嬢様は顔をあげた。
「なぜなら、私が本当に欲しいものは…それは…あなただからです。本当に欲しいものはあなただから、このちゃんは私の側を離れることはできないんですよ?それでも…いいのですか。」
胸の中に閉じ込めていた苦しいほどの想いがあふれてきて、私は泣きそうな気持ちでお嬢様を見ていた。
「うちも…ずっとそうおもてた。せっちゃんの気持ちがわからんと、うちの気持ちだけが空回りしてたとおもてたけど…。そうやなかったんやね。せっちゃん、うち嬉しい…」
「この…ちゃん。…このちゃん。このちゃん!」
ぎゅっと強く抱きしめ返していた。その細い体がきしむほどに。
「このちゃん…。私は一番欲しい言葉をあなたにいただきました。私は今、誰よりも幸せです。」
「せっちゃん大げさや。」
くすくすとくすぐったくなるような声が響いてくる。
けれども私はその体を決して離すことはなかった。
「大げさなことなんてありません。桜咲刹那。生涯をかけてこのちゃんをお守りいたします。」
「なんやこれやったらせっちゃんのプレゼントやのうて、うちへのプレゼントみたいやなぁ。」
苦笑気味に笑う声が聞こえたが、私は本当に一番欲しいものが手にできた幸せに浸っていた。
「なぁ、せっちゃん。このままもう少しだけこうしてて?」
「はい。このちゃんが望むままに。」
「ふふっ。…5、4、3、2、1…。ハッピーバースデー。せっちゃん。」
「え?」
「今、ちょうど午前0時やよ?」
「あっ。」
44 :
BDプレゼント:2007/01/17(水) 20:56:04 ID:47txVwgU
「うちが一番初めにせっちゃんにお祝いの言葉言えたんやね。」
「ありがとうございます。このちゃん。」
「結局形に残るものはあげられへんかったけど、せっちゃんはほんまによかったん?」
「これ以上望んだら、きっとバチが当たりますよ。」
心から満たされる思いを抱えてお嬢様を抱きしめていた。
「…せっちゃん。いつか…一緒に京都に帰ろな。」
「はい。いつか、必ず。このちゃんと二人で。」
それは私たちだけの思い出のつまった故郷。
二人に与えられた安住の地。終の棲家となればいいと思える場所。
「でもその前に、ここでもいっぱい楽しい思い出作ろうなぁ。」
「もちろんです、このちゃん。」
「うんっ。ほんなら手始めに…もう一回ちゅーして?」
「もちろん、何度でも。このちゃん。」
「これから毎年こうやってうちがせっちゃんのこと祝ったるえ。誰よりも一番初めに。」
返事の代わりに、私はお嬢様にキスをした。
そのキスがどんなバースデーケーキよりも甘く感じられたことは、私だけの秘密。
バースデープレゼントは、気持ちがこもっているからこそ嬉しい訳で。
つまり私はこの世で一番心のこもったプレゼントを贈ってもらったのだった。
*終わり
>44
はい。投下終了〜。ベタでスマヌ
次の方どうぞ!(逃
甘々GJ!!思わず顔がにやけるほどの甘さだった!
アマーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイ
SSって一時間で書き上がるモノかな?
49 :
34:2007/01/17(水) 21:57:02 ID:nwdG5WPt
>>45画面の前でにやにやにやにやとか漏れきんもー☆wwwGJ
>>48漏れの場合ssは1時間以内に書かないとだれるよ…orz
>>49 おし、がんばってみる
が、眠いw
書き上がらなかったらスマソ>せっちゃん
多分頭おかしいんじゃねとか思われそうだが
アマーーーイ作品に触発された、ということにして…orz
お嬢様のお部屋でこたつを出したから、とお呼ばれされ冷凍みかんを手土産にお邪魔したところ
甘酒を飲んでいたらしく多少酔っぱらったこのちゃんが出迎えてくれた。
「ふわぁ、こたつは日本人の故里やなー♪」
『酔っ払った』といっても頬が少し赤い程度ですが。
向に座っている私を見つめるこのちゃん。
ふはww可愛いwww
微々たる量だが甘酒の効果か私も幾らか饒舌だった。
お嬢様が御手洗に行っている間に冷凍みかんを頬張ってみる。
口の中がひんやりとして気持ちいい。
また1つ口に含むとお嬢様が部屋に戻ってきた。
ドアを開けた勢いのままにお嬢様が私の隣に腰を下ろした。
「えーなー、せっちゃん冷凍みかんえーなー」
私がお嬢様に食べますか?とみかんを渡すと
戻ってきたばかりで手が寒いから無理だそうだ。
「なぁ、せっちゃんが食べさしてー、あーんて♪」
「もぅ、しょうがないですねこのちゃんは……はぃ、あーん」
「あーん、ふふ、なんや食べさせて貰うんて恥ずかしいなー///」
「そうですよね!私もお嬢様に食べさせて頂くときは恥ずかしいんですよ//」
「なんや、いっしょやvせっちゃんと一緒ーvv」
終w
すまん、今やっと読み終わった。
G J > 全員
何?このちゃんが好きすぎて困っている?
このロリコンめ例え学園長でもぶっとばしてやんよ
γ´ ̄ソζ⌒ヽ
リ√ヽヾ)リ|
d| ゚ -゚ノl=つ≡つ
(っ ≡つ=つ
/ ) ババババジャキン
( / ̄∪
今日はGJ続きだわ
すまん、行間どころか誤脱字校正すらしてない。
内容のクオリティも死んでる・・・だがうpるべきな気がした。
あと甘々な流れを分断する内容で三重にすまん。
「ほな、行ってらっしゃーい」
ウチは毎朝のように、新聞配達に向かうアスナを見送った。
カレンダーをもう一度確認する。赤いグリグリ丸がついた、今日は1月17日 ──せっちゃんのお誕生日。
去年は、ウチにとっては特別な年やった。
ネギ君がウチらの部屋に泊まるようになったし、修学旅行もあったし。
でもウチにとって一番特別やったんは、去年はどの思い出にも、せっちゃんがおることや。
せっちゃんは、修学旅行でウチがさらわれたときに助けに来てくれて、それからよう話してくれるようになって。
未だにお嬢様ってしか呼んでくれへんけど、
朝倉さんやパルから冷やかされるくらいまで仲良うなった。
休みの日に遊び行ったりとか、龍宮さんと部屋を替わってもらって一日一緒に過ごしたりとか。
ここ何年かの絶交状態から比べると、ほんまに夢みたいや。
せやから、今日はせっちゃんにいろいろしてあげるんや。
今までありがとう、これからもずっとよろしゅうな、って。
これあげたら、せっちゃんどんな顔するんやろうな─
プレゼントを渡すところを想像して、なんや無性にうずうずしてきてもうた。
だって、せっちゃんがなんて反応するか、よー分かってまうもん。
さ、ウチはアスナが帰ってくるまでもう一眠りしよ。
せっちゃんに会えるまではあと3時間くらいあるしな。
次目が覚めて、学校行く前にせっちゃんに会うたら、一番に おめでとな! って言ったろう。
『おはようございます お嬢様、アスナさん。』
ウチの一番大好きで、一番大切な人やから。
『? お嬢様・・・・・・何か良いことでもあったんですか?」
ウチに出来る、一番の笑顔で。
『せっちゃん、お誕生日おめでとなっ!』
GJ!木乃香に萌えたw
GJじゃないですか
木乃香一人称書けるなんていいなw
GJ。このちゃん視点もよいものだな。
>>34の続きも気になるw
4スレがそろそろ埋まるが、なんか投下されてるぞ。
木乃香より身長の低いことをコンプレックスにしている刹那
一年のうち少しだけ木乃香より年上になる二ヶ月
ちょっとお姉さん風を吹かせるせっちゃん…
それを利用して甘えるこのちゃん…
そんな夢を見た
遅まきながら、次から誕生日SSの長いほうを投下します。
「あの」
吐き出された自分の声が、強く震えているのが解る。
今まで戦ってきたどんな魔物相手でも、此処までのプレッシャーを感じた事は無かったと思う。
「これは、一体どういう」
なんとかそこまで声を絞り出すことが出来た。後は、相手の回答を、待つ。
困ったように頬を赤らめながら微笑む彼女は、ただ一言こう言った。
「プレゼント、や」
戦慄が走る。改めて、目の前に広がる光景を認識する。
それは何故だかとても現実味が無くて、
かといって、夢幻として見なかったことにするにはあまりにも、そうあまりにも、ヤバすぎた。
なぜなら、今私の目の前に居るのは……
『大き目の男物のワイシャツだけを着て、犬耳しっぽを生やし、リボンを首に巻いたお嬢様』
なのだから。
―――
何の変哲もない、いつもの早朝。女子寮の中の一室に、ソレはあった。
外側から見る限り、どこからどうみても大きな箱。
人一人くらいは軽く入れそうで、さらにきれいなラッピングまで施されているその箱は、
住人二人の性格を示すかのようにシンプルなこの部屋の中央で、大きな異彩を放っていた。
>>66 「龍宮。これ、何だと思う?」
そんな怪しげな箱を目の前に首をかしげるは、この部屋の住人の一人桜崎刹那。
「プレゼントボックス」
対して、まだ眠そうに欠伸をしながらそれに答えたのはもう一人の住人、龍宮真名。
「それは見れば解る。そうじゃなくて、これが此処に置かれている意図とかだな……」
「今日、何日だ」
「へ?何だ突然。一月の十七日、だったかな」
「何の日だ」
「……ただの平日だったとおもうが」
呆れたような顔でため息をつく龍宮に、
刹那は不思議そうな顔で、壁にかかったカレンダーを見る。
「誕生日じゃないのか?」
「あ。ああ――――!」
言われてやっと思い当たった顔で頷いた。
そう、言われるまで当人がすっかり忘れていたようであるが、今日は刹那の誕生日であった。
「じゃ、じゃあこの大きな箱は私宛ということか?」
「そうだろうな。状況的に」
肩をすくめる龍宮に背を向け、刹那は改めて箱を見る。
>>67 「とはいえ、いつの間にこんな大きな物を。就寝中とは言え全然気配を感じなかったぞ」
「さあな。どうやったんだろうな」
「龍宮もきづかなかっ……」
振り向くと、その視線から逃れるように横を向かれる。
考えてみれば、昨晩は愛刀「夕凪」の手入れの後、茶を飲んだあたりから記憶がまったくない。
「……おい」
「ははは、どうやったんだろうな」
なんだその白々しい笑みは!せめてこっちを向いて言え!
そんな気持ちを込めた刹那のジト目をものともせず、龍宮は笑う。
「まさかとは思うが、これはお前からの?」
「いや、それだけは絶対無いから安心しろ。中身も見てない。私は協力しただけだ」
その問いに対しては、振り向いて真顔で返された。
「ああ、そうかそれなら安心……ってやっぱりお前も一枚噛んでたんじゃないか!」
「そこはほら、報酬があれば仕事はするさ」
龍宮は笑いながら洗面所のほうへと歩いていく。
「ま、なんにせよ折角もらった物なんだ。開けてみたらどうだ」
まったく、一体どんな条件でルームメイトを売ったのやら。刹那はため息をつく。
「しかし、睡眠薬に気付けなかったというのはやはり弛んでいたな。気を引き締めなければ」
>>68 言いながら、やっと箱へと向き直り丁寧にリボンと包装を剥がす。
びりびりと破いてしまわない辺り、やはり真面目な性格である。
しばらく経って。
「ふぅ。大きいから流石に剥がすのにも手間がかかったな」
やっとすべての包装を剥がし終わり、一息つく。
睡眠薬の件もあるので、変な物でも入って居るのではないかと多少警戒したのだろう。
夕凪はすぐに手の届く位置に引き寄せてあった。
「お、今からあけるのか」
丁度、タオルで顔を拭きながら戻ってきた龍宮を背に、刹那はやっと箱の蓋に手をかける。
ホールケーキの箱と同じく、底以外全部が蓋になっているので、
下側からゆっくり持ち上げて、
あけた。
そのままの表情と姿勢で固まる刹那。後ろから覗き込んで、動きを止めた龍宮。
その視線の先に見えるのは
「すぅ……すぅ……」
静かな寝息をたて、クッションを枕に気持ちよさげに丸まって眠る近衛木乃香の姿であった。
もちろん服装は、前述のとおり
『大き目の男物のワイシャツだけを着て、犬耳しっぽを生やし、リボンを首に巻く』
……という至極マニアックかつあやしいもので。
刹那が呆然とした拍子に、外した蓋がぱたりと向こうに倒れる音がして、やっと二人は我に帰った。
>>69 「お……おおおおおおお!?」
刹那は多分「お嬢様」と言いたいのだろうが、驚きやら緊張やら、
ついでに視線がはだけたワイシャツの隙間のほうに行ってしまった事に対する罪悪感で
まともにろれつが回っていない。
一方、同じく動きを止めていた龍宮は。
「こ……こいぬ……」
謎の言葉を呟きながら、徐々にじりじりと箱へと近づいていく。
いかにも真剣な表情で、ちょっとだけ口の端が持ち上がっている辺りが
とても危ない人のように見えなくも無い。
そして、手の届く範囲内までたどり着いた途端、
「仔犬―――――ッ!!!!」
がばぁ!!と音がしそうな勢いで飛び掛る!しかし。
「お前は犬耳としっぽがついていればなんでもいいのかああああああ!!!!」
直後、お嬢様の危機(?)に反応して復活した刹那に、
鞘に収めたままの夕凪で部屋の窓から盛大に叩きだされる事になった。
「まったく、油断も隙も……」
荒く息をつきながら刹那が床に座り込んだところで、後ろでごそりと音がする。
振り向くと、箱に敷かれた毛布の上で寝ていた木乃香が起き上がっていた。
先ほどの騒音で目が覚めたばかりなのだろう。まだ眠そうに目をこすっている。
>>70 「ん……ふわぁ……あ、せっちゃんやー」
一度大きく欠伸をしてから、刹那に気付いた木乃香が微笑んだ。
「お!?お、おはようございますお嬢様!!」
「おはようさん」
かくして、状況は冒頭へと戻る。
「プレゼント……えっと、それは」
頬を赤らめ、困惑する刹那。
微妙に意図を理解しかねているらしい。いや、解っているが信じられない、といったほうが正しいか。
「もしや、お嬢様が……?」
「そうや、『ウチがプレゼント』や!」
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
そんな言葉がよぎったかどうかは知らないが。刹那の脳内にごぉんと鳴った鐘の音。
それは理性と煩悩による仁義無きバトルの開始を告げるゴングとなって、頭の隅々まで響き渡る。
赤コーナー、現在までは常勝無敗を誇る理性さん。
青コーナー、いつもは負けて押さえ込まれる煩悩さん。
けれど今回は目の前の状況という味方をつけて、煩悩さんがいつに無く力を発揮する!
取っ組み合いを続ける理性と煩悩の戦いが次第に白熱し、
とうとう理性が追い詰められるか、といったあたりで。
「……っちゃん!せっちゃん!!」
>>71 いつの間にやらガクガクと揺さぶられていた自分の頭に、刹那はやっと気がついた。
「は!すいませんちょっと意識が勝手に暴走しまして……」
「もー、突然動かなくなってもうたから、心配したえ」
「あは、あははははは」
なるべく下の方に視線が行かないように気をつけながら、刹那は笑う。
「それでな、続きなんやけど」
木乃香はそんな刹那の苦悩に気付く事無く、頭の犬耳をぴこりと立てて、にこやかに話を続けていく。
「つまり今日一日、ウチをせっちゃんの好きなようにしてええよーっていうのがプレゼントなん」
「ぐはぁ!!!」
やっと気持ちが落ち着きかけたとおもった矢先、次の爆弾投下。
まるで無防備な所に全力のボディブローでも食らったかのように前のめりに崩れ落ちる刹那。
「せっちゃん?せっちゃん!?」
慌てて駆け寄って木乃香が介抱しようとする。
しかし、鼻を押さえてよろよろと起き上がった刹那は、それを手で制して後ろを向く。
なんとかベッドまでたどり着いて、タオルケットを布団の下から引っ張り出した。
「おじょうさま……そのかっこうではさむいですから、とりあえず、これを」
何故だか少々たどたどしい口調になりながら、
広げたタオルケットを木乃香の肩からかぶせてぐるっと一回巻いた。
危ない部分は見えないように、覆ってしまおう大作戦。
>>72 「あ、せやね。ありがとう、せっちゃん」
ふんわり笑う木乃香の笑顔。その眩しさにぐらりとゆれた刹那の体。しかし今度は踏みとどまった。
あらためて、お互い正座で向かい合う。
「それで、お嬢様」
「なんや?なんでもいってくれてええよ」
「ぅぁ……い、いえ、ええと、そうではなくてあの」
ちらりと木乃香の頭を見る。ぴこりと動く犬の立ち耳。
「ええと、あーその、頭の耳は……?」
「ああ、これなー?そういうプレゼントならってカモ君が。一日だけ生える薬をくれたんよ」
黒幕一人発見。刹那の心のブラックリストに一人(匹)めが書き込まれた。
「じゃあ、その格好も……?」
「ううん、これはハルナがなー?多分一番喜ぶていうて」
二人目の黒幕を発見。リストにもう一人書き加えられた。
まったく、私を何だと思っているんだ。刹那は思う。
けれど、その格好に確かに揺さぶられまくっていたあたり、
あながちその見解は間違ってもいないと思われる。
「で、せっちゃん、何かやってほしいこととかある?」
「う」
>>73 再び始まる心の葛藤。
悪魔は折角のお嬢様のプレゼントを無駄にするなといい、天使は欲望に流されてはいかんと言う。
現在天使がが半馬身リード。
「い、いえそれよりも、お嬢様はどうしてそんなプレゼントを……?」
「あ、それはな?せっちゃんの誕生日、お祝いできるの久しぶりやし。
なにをプレゼントしよかな、ってずっと考えてたんよ」
木乃香の説明によれば。
同じ図書館探検部の三人にそれを相談してみた所、一人目からは
「やっぱり、気持ちの篭った物がいいんじゃないかな……」
二人目からは
「何か特に欲しがっているものというのが思いつかないのであれば、
やはり送りたいと言う気持ちが大事なのではないでしょうか」
三人目からは
「んー、刹那さんでしょー?そーねぇ。もういっそ、お互い忘れられない誕生日に!って感じで
大胆に行ってみない?きっと物凄い喜んでくれるわよ」
いたずらっぽい微笑みでそう言われたという。
刹那の心のブラックリストから、一人抹殺リストに移動した瞬間だった。
「それでなー、みんな手伝ってくれたんえ」
にこにこと話す木乃香。その表情をみながら刹那は思う。
>>74 言われた意味、わかってやっているんですか?お嬢様、と。
思わずため息をつく刹那。その姿を見て、不安になったのだろうか。
「せっちゃん……もしかして、嫌やった?」
犬耳がたれ、木乃香は心配げな表情で顔を覗き込む。
「い、いえそんなことは!全然!むしろ嬉しいです!!」
慌てて手を振ってそう答え、後から微妙に墓穴を掘ったことに気がついた。
「よかったー、本当はちょっと心配だったんよ。普通の物の方が良かったかなーって
こんな格好で突然押しかけて、困るんやないかなって」
いや、困りました。困るだけは物凄い困りました。刹那の心のツッコミは、しかし木乃香に届かない。
「じゃあ、今日一日一緒におるから、何かお願いがあったらすぐいってや」
そう、上機嫌に答えて微笑んだ。
現在刹那の心の天使は悪魔に二馬身ほど差をつけているあたり。
もったいない、と言う悪魔の言葉を黙殺して、静かに息を整えて言った。
「いえ、私はお嬢様が今日一日一緒に居てくださるだけで十分です。それが何よりの幸せです」
その笑顔に、犬耳がたれて木乃香の頬も赤くなる。
「せっちゃん……」
>>75 室内がほんわりとした空気に包まれる。
しかしその時、木乃香の後ろ、机の上に置いてあった時計の針が遠目に見えた。
「……あ!」
「ど、どうしたん?せっちゃん」
「そろそろ出ないと時間が」
そう。双方忘れかかっていたのだけれど、今日は紛れも無い平日で。
「あ!せ、せやった、いそがな!」
「お嬢様、下着と制服は!?」
「確かこの辺に……あった!」
慌てて着替え、登校の準備をする二人。
かくして、刹那のとある誕生日の一日は、随分とあわただしい始まりとなったのである。
GJすぎる!!
あと8時間ほどでセンター試験なのに眠れなくなったよ…
続き楽しみに待ってます!
超GJ!!
続きすごく読みたいっす
どなたか変わりにネギまの百合総合スレたててくれませんか
まとめサイトないん?過去SSも読みたいわぁ
>>77 めちゃくちゃ面白い!もちろんGJ!
続き読ませてください。てゆーか読ませてくれなきゃやだー!
>>77もう流れてるorz
もう一回うpってくれないだろうか・・・
>>更新する時
もしかしてまとめの管理人さんですか?
心の底から有難うございます!あと乙かれさまです!!
1時間以上かけるとダレると言ったものですが、今回はゆうに2時間かけました…もうテンションがもたないw
そう、それは穏かな昼下り。
外は寒いといっても部屋の中は暖房が効いていて暖かい。
そこで私は今まさに修羅場だった。
『ババ抜き』
一言で表すのならコレに尽きるだろう。
何故この様な事態に陥っているのか、は私が訊きたいくらいなので殆ど割愛させて頂く。
私…桜咲刹那、近衛木乃香、龍宮真名、早乙女ハルナの4人は冒頭の通りババ抜きで勝負をしている。
最初は3人で仲良くババ抜きを楽しんでいたのだが、『早乙女ハルナ』彼女が参戦してから明らかに
、その……内容が怪しくなってきた。
「ただやるだけじゃ面白くないよー」
と罰ゲーム案を出したのが他でもない早乙女ハルナだ。
その内容も最初は可愛いものだったが回を重ねるごとにその……
怪しい方向に突き進んでいく。
前回の罰ゲームは今週〆切の同人誌の構図を掴むためハルナさんのスケッチが終るまでの間
何故か私が衣服を肌蹴させ真名とこのちゃんに押し倒されているという図でした。(早く終らせたほうが…
今回はハルナさんが負けたため、このちゃんに胸を揉みしだかれ真名に下半身を触られなんというか……
喘いでいました。
息も絶え絶えなハルナさんが復活し未だ無敗の私に八つ当たりとしか思えない。
いや、八つ当たりだと思いたい呪の語を吐き出しました。
「ぅー刹那サンだけ負けてないなんてずぅるぃなー、
よし!刹那サンが負けたら皆であんなコトやこんなコトができるパルルール略してパルール発生!!」
「ななn、ほ、ほとんど略す意味がないじゃないですか!ってツッコミの方向でしょうか!?お嬢様!?」
「ぇーんちょうん?、せっちゃんいっぱい可愛がったるなーvv」
「負けなければ良いんだ問題ないだろう刹那。」
かくして今私は自分の身を守るためにババ抜きを頑張ってます。
トランプが真名の手で手元の位置に積みかせねられていきます。
放ったカードが4人の手元に全くズレに重なっていく姿には毎度感心します、が問題発生です。
皆がそろったカードを捨てていく中、私は恐ろしい程に揃いません。
ちょっと泣きそうになりながら顔を上げると何故か真名が顔を逸らしました、なぜなんでしょう。
結局私は手札が一番少ないこのちゃんの3倍の枚数のカードをを所持した状態でババ抜きを始めることになりました。
「あは、うちラッキーやなv」
と無邪気に笑いながら手札を眺めるこのちゃんは……それはもう殺人的な可愛さというか。
いや、死んだ人間も生き返るような癒しというか……私などはもうその笑顔だけで何度萌え殺されて何度蘇生したか。
その場でビクッビクと死亡と蘇生をまた経験しました。
持ち札の一番少なかったこのちゃんが順当に1抜けです。くはっ。
私の身の危険が一歩近付きましたがこのちゃんの笑顔を見れたので±0です。
ついでにババもハルナさんの下へ行ったので良かったです。
!?
ハルナさんは私から廻ったババを見て露骨に「あちゃー」という顔をして手札に戻しました。
ハルナさんのカードの中で異様に飛び出ているのが1枚あります。
たぶんアレがババです、ハルナさんって可愛いとトコありますねv
!?
真名がハルナさんの持ち札を一瞥すると『異様に飛び出ているカード』を躊躇いもなく引きました。
余裕のつもりなのかポーカーフェイスを崩しません、勿論私にはそんな事は通用しません。
真名がババを持っています。
薄く笑いながらカードを目で追えない程の高速で混ぜ私の前に出せれます。
綺麗な扇形をしている中でやっぱり飛び出たカードがあります。
私にそんな手法が通用すると思っているとは、ふふ真名も子供ですね。
私はそれを引くようなフリをし、真名の反応を楽しみつつ左隣のカードを引きました。
……エ━━(゚ロ゚ノ)ノ ━━ェ!
やっちまいました。どうやらハメられたようです。
ババをハルナさんが引いた!、と思ったら何故か1順で私の元に帰ってきます。
コレは確立がどうこうという次元じゃないです。
やっちまいました。どうやらハメられたようです。
御免なさい2回言っちゃいました…orz
結局どういうカラクリなのかを見抜けないまま負けてしまいました。
うぅ……悲しいですがどうやら私は今週〆切の同人誌のネタにされてしまうようです。
うぁぅっく……あ///
っぁもうダメです、もう1人称じゃっぁむりです…ぅ
終わり。
あっ、
>>88さんが管理人さんじゃなかったら漏れはなんて恥ずかしいことを…orz
あと最初目欄が『sag』て重ね重ねorz
機会があったら18禁に突入したいなー(氏
>>90-95 も、もしやその同人誌はこのせつのエロエロですか!?
パル作の同人誌読みてー!
ちなみに
>>88の書き込みは自分ですのであってますよ。
現時点までの投下作品をまとめてサイト更新してあります。
欠けてる作品とか見つけたら指摘お願いします。
この前更新した時にリンクの張り忘れがあったので・・
GJ
せっちゃんアホな仔w
このせつにおけるパルは、なかなか良い仕事するよな
!?のこのせつって放送時間の割に何であんなにガチガチしくてエロイんですか?
さて、閉鎖後はどうするんだ?
本当に閉鎖するのか
>>103-104 まさかマジで閉鎖か?そらないだろう
あったとしてもまたここの住人が集うこのせつBBSができるさ
・・・・・・俺って楽観過ぎるか?
閉鎖されるのはVIPのみ、とひろゆきが言ってなかった?
これは差し押さえ騒動とは別件だが。
ええ、閉鎖などというなんとも物騒な話題の最中ですが、
誕生日ネタの続きなど、投下させていただきます。
前回は
>>66-77です。
それと、前回のおまけ文、正直一日くらいは持つかと思っていたのですが
曜日柄あっという間に流されてしまいましたようで、もうしわけありませぬ。
今回はまた別のろだに上げますので、どうぞご覧下さいませ。
「こ、こんなときに限って信号機故障で電車が止まるなんて……!」
学校へと続く道のりを走り出しながら刹那は呟く。
「運が悪かったな〜」
焦る刹那と比較して、苦笑する木乃香にはまったく緊張感が無い。
やはり普段から、明日菜と一緒の登校でギリギリに慣れて居るからなのだろうか。
「こればっかりは事故やから仕方ないわ。事情を話せば大丈夫やって」
「しかし……」
刹那は思う。後せめて一本前の列車に乗れれば問題なく着いたはずなのである。
それが、自分が呆けていたばっかりに、お嬢様まで遅刻の危機に巻き込んでしまうとは。
「やっぱりだめです!お嬢様、失礼します!」
「ひゃあ!?」
一挙動で抱え上げ、路地に入って三角飛びで屋根までジャンプ。後はそのまま道を無視して全力疾走。
一駅前で降りたけれど、ほぼ直線距離で走るのならばまだ十分に間に合う目はある、と踏んだのだ。
「おお!?二人ともなんでこんな所に」
途中、同じく屋根の上を駆け抜ける非常識と遭遇。
刹那の全力に後ろから追いついてきたその非常識の名を、春日美空と言う。
「あれ、美空ちゃんや。おはようさん」
「おはよーっス。もしかして、またなんかあった……とか?」
「ううん、それがなー、せっちゃんが遅刻はだめーゆーて」
「あー、さすが桜咲さんだねそりゃ。真面目だわ」
>>108 抱えられた木乃香と走る美空は、遅刻の危機への緊張感などまったく無く世間話を繰り広げる。
段々急いでいる自分が馬鹿らしくなってこないでもないが、そこは堪えて刹那は走った。
「そういう美空ちゃんはどないしたん?」
「それがさー、陸部の朝練無い日の遅刻率が高すぎだってとうとう大目玉くらっちゃって」
話しながら、目の前を横切る通りを跳び越える。向かいの屋根に二人同時に着地 and GO。
「さらに今回の事故じゃ理由を言っても放課後シスターに怒られそうなんだよね。
そもそももっと早い電車に乗りなさい!って。」
走りながら、頭の上に指を二本立てておどける美空。上がる木乃香の笑い声。
会話に参加もせずに真面目に走る刹那はちょっと泣きたくなってきた。
それは、一人だけ真面目に走る自分に対してか、それとも二人の緊張感の無さに、なのか。
さりげなく、三番目の「抱えたお嬢様に構ってもらえないから」というのが当たりかもしれない。
ともかく、一駅前からの全力マラソンも、そろそろ終わりが見えてきた。
最後に立ちふさがるのは正門前の大きな広場。一体どこに飛び降りようかと刹那が逡巡していると
「あっちあっち。あの広場隅っこの木オススメ。あそこなら門に立ってる先生からも見えないし」
「あ、ありがとう」
「それじゃお先っ!」
着地ポイントを指示した後、加速して先に美空が跳ぶ。
直後、刹那も
「お嬢様、掴まっててくださいね」
「OKや〜」
>>109 言って大きく跳び上がる。着地も見事、上手く大枝の上に……と思った瞬間、足元に崩壊音。
「わぁっ!」「きゃあっ!」
「あっちゃぁー……二人分の重量はきつかったかぁ」
墜落した二人の元に、声と共に美空が降ってくる。
「だいじょぶ?」
「ウチは平気やけど……」
「何とか……っ」
うめくように答えた刹那は見事に木乃香の尻の下。
「OKOK。全然大丈夫そうじゃないね」
「せっちゃーん!?」
慌てて退いた木乃香の下から体を起こす。
普通だったら流石に気絶もしそうな物だが。そこは流石の神鳴流剣士といったところか。
「だ、大丈夫ですお嬢様!まだいけます!」
そのままヤケクソで立ち上がり、木乃香を再び抱き上げて、門に向かって走り出す。
「うっわ。ガッツあるなあ。これも愛のなせる技、とかそーいうヤツなのかね〜」
いや、単にヤケんなってるだけかも?苦笑しながら呟いて、慌てて美空も後を追った。
>>110 門までの短い道のりの途中、
「せっちゃん、無理はイカンよ、もう遅刻大丈夫やから、ゆっくりいこ?」
木乃香は抱きかかえられながら手を伸ばす。
「いえ、でも」
迷う刹那の髪にからんだ常緑樹の葉を引き抜いて、にっこり微笑んだ。
「な?」
「う……では、門まで」
「うん♪」
そんな二人の後ろには、朝っぱらからお熱いこって、と肩をすくめた美空が続き、
そして、三人は門で他の遅刻間際の生徒達の波と合流する。
一気に階段を駆け上がり、途中で挨拶しながらネギを追い抜いて、なんとか教室へと滑り込んだ。
「おはよー、おそいよー!」「ネギ君もう来ちゃうよー!」
ホームルームが始まる前の喧騒に包まれた教室。三人は、なんとかたどり着けたことに安堵する。
「まにあった〜……」
「よかった〜。せっちゃん、ちゃんとまにあったえ。ありがとうなー?」
木乃香は、此処まで一生懸命に走ってくれた刹那に声をかける。しかし、反応が無い。
>>111 「……せっちゃん?」
居ない。いやちがう。力 尽 き て る 。
「うわっ!?桜咲さん倒れてる!?」
「衛生兵!衛生兵!」
「それを言うなら保健委員でしょ!」
「亜子ー!急げー!?」
教室に入った途端に前のめりにぶっ倒れた刹那に、入り口回りが騒ぎになる。
そこに丁度ネギが入ってきて
「皆さん、おはようございま……殺人事件!?」
叫んだ声が教室に響き、さらに騒ぎが拡大した。
「だ、だいじょうぶで……す……ちょっと走りすぎただけで……」
安堵で一瞬意識がdでいた刹那が、木乃香と保健委員の和泉亜子に支えられてそう呟く頃には、
既に教室中がてんやわんやの騒ぎになっていたとかいないとか。
なお、その後刹那は何とか復活して授業を受けたが、
午前の授業内容はほぼすべて記憶に無い、という惨憺たるありさまであったそうな。
そんな、刹那のとある誕生日、午前中のお話。
GJ!
色んなキャラと絡んでて読んでて楽しい!
続きまってるよ〜
GJ!!
サブストーリーもあって二倍楽しめる
GJ!!
かなり楽しめた!
GJ!!!
読みやすくて面白かった。全裸で続き待ってる
なぁ、片思いものって需要あるか?
GJ!!!1
閉鎖されないことを祈ってwktkしながら待ってる
>>117 どっちが片想い?
とりあえずどっちでもおkだけど
片想いwktk
ある!需要はあるぞ!!
閉鎖はvipだけじゃないのか?
片思いは単純に、木乃香→刹那または刹那→木乃香なら良いけど、刹那→木乃香→他の誰かとかは見たくない
まぁ勝手な意見なので、もし矢印2つ系なら最初に書いてくれると有り難いな
おいおい、vipすら閉鎖されてないぞ?
G J
そうか><
う〜ん、せっかくのいい空気乱したくないし投下は見合わせとくぜ、木乃香→あすせつなんだ
>>125 さっきあんなこと言った
>>124が言うのもなんだけど、投下してみたら?
空気が心配ならろだとかアリだと思うし。
>>125 自分は読みたいんで投下お願いします><
注意書きしとくとかじゃだめかな?
>>125 アスせつがガチなのか?
おいらは木乃香がやきもち焼くぐらいなら大歓迎だが…
どちらにしろ投下してくれ
悶える用意してる。
自分はアスこのが好きなんだが・・・
でも見てみたいから投下してくれw
>125
甘いもの食べてると、合間にしょっぱいものとか食べたくなるだろ?
とりあえず注意書きとかつけて投下してみるのがいいと思うんだ><
唐突な話だが。木乃香の口調が難しい。
某舞ryのぶぶづけのひとほどべったべたな感じでもないし。
そのさじ加減すら上手くつかめない…
関東の田舎もんには京言葉とか難しすぎるorz
大事な事を書き忘れてた
だれか木乃香の口調を上手く書く方法とかがあったら是非教えて欲しい
今日ねネギまはメチャおいしかった
>>133 日本語でおk
>>132 木乃香の口調(=京都弁)は、語尾、京都弁だと言い方が変わる言葉(ありがとう→おおきに等)
に注意すれば大丈夫だと思う
特に語尾に注意すればおkのはず
京弁だと言い方が変わる言葉は、カタカナになってたりもする(漫画の場合)
でも、木乃香は比較的標準に近くなってる気がする
コテコテだと読みづらいからだろう、という赤松の配慮かも
と、東北南部在住の俺が言ってみる
まあ、大阪とか京都には何回か行ったことはあるけど
とりあえず漫画とアニメ見てれば感覚は掴めてくると思うぜ
長文スマソ
ごめん
>>122だけど
余計な事言ってしまったみたいでスマソ
>>125さん、気にせず皆の期待に応えてやってくれ
今の京都人が使ってる方言って京都訛りの関西弁なんでそんなに気にしなくても
いいと思うよ。TVの影響って恐ろしいね。
ん?関西弁というのは近畿圏方言に共通したアクセントや語法を包括した概念だろう。
京都弁もその中に含まれると。この場合大阪弁に影響されたということではないのか。
って、そんなことより「こうするとあったかい」とか「このちゃんの匂い」とかが大事でだな
助言サンクス。そして長文スマソ。
>>134 やっぱりマンガとアニメ見て雰囲気を理解した上で、
言い回しのらしさが大丈夫か気になったらマンガを引いて確かめる、が確実か。
ありがとう→おおきに の件は、考えてみれば6巻ラストとかで「ありがとう」って使っているあたり、
単語が確実に固定されているわけではない、ということなのだと思うから、もう少し柔軟にに考えてみる。
>>136 今の京都の人はそうなのか…
今回は、マンガには無い表現において、「子供の頃に関東に来た」木乃香が「そういう言い回しをするか」という判断で、
京都弁や関西弁を知ってて崩すのと違って、知らないで書くと気付かずおかしな表現をしてしまうのでは、
とかぐだぐだ考えてしまっていたもので。少々こだわりすぎてしまったのかもしれません。
>>137 ごもっとも。一番大事なのは其処ですな。
それを肝に銘じて続き書いてこよう。
アニメ良かったな。どんどんせっちゃんが変態化していくのが恐ろしいがw
5話と12話が自分的に神回
>>141 木乃香の髪の匂いに「あっ、シャンプーの香り…」「このちゃんの香りだ…」
と、何回も変態っぽくうっとりするせっちゃん
本編途中に毛布一枚にくるまり「こうするとあったかいなぁ」
と満足気な木乃香と赤面する刹那の挿絵も入ってた
大体だがこんな感じ
みんな本当にありがとう
萌え死んだ!!!
DVD楽しみだ
俺は厨房に突撃⇒食器棚?に滑り込みダイブのせっちゃんがよかったなー。
変に百合を出してるこのせつより萌えた。
キャベツ
150 :
名無しさん@秘密の花園:2007/01/26(金) 09:37:08 ID:Og/0egRd
このかのマンカスほじって食べたいです
どんな味がするんでしょうか
消えろカス
>>146 俺もあれは笑ったw
それにこのせつにも萌えたし。あの一枚絵最強(*´Д`)
せっちゃんが変態っぽくなってるがアニメはこのせつプッシュされてて嬉しい限りだ
>>147これはあのキャベツか?w
誰かss書かないかなー
>>153 まあ落ち着け
気長に待ってれば誰か投下してくれるさ
ちょっと上見てみろ
最近、
このか×千雨
がいけると思えるようになったのだが…
嫉妬する刹那萌え
どうせ嫉妬させるならこのちゃんに嫉妬させて欲しい
木乃香の嫉妬とかまじ萌え死ぬわ
普段にこにこしてる分ギャップがいいね
俺的には嫉妬っつっても火花メラメラとかより
しょんぼりする感じがいいな
胸の痛みで初めて自分の気持ちに気づく展開キボンヌ
「あ!せっちゃん一緒に……」
「刹那さん、また修業付き合ってよ!」
「いいですよ。あ、お嬢様どうなさいました?」
「え?あ、ううん。何でもあらへん。ほなな、せっちゃん……。」
「?」
(…………せっちゃんのあほ。)
こうですか?わかりません><
その設定に悶えたので書き始めたんだが。
朝倉も登場の□関係?になるかも試練w
何レスまで使っていい空気なんだろう?
このスレで朝倉かw
投下してくれるなら待ってるぞ
「ん…ぅむ…っは、ぁ」
巧みな口付けに図らずもあがってしまった息を整える。
ただこいつ――朝倉和美のキスが巧いだけだ、好きとかそういうのじゃないんだからなっ!
と心中で毒づく。
「もう、もういいだろ朝倉……ネガを返してくれ…」
やっと整えた息から言葉を吐き出す。
しかし彼女は余裕な笑みを崩さない。
やっと整えた息から言葉を吐き出す。
しかし彼女は△■な笑みを崩さない。
ちうこと長谷川千雨が朝倉に写真を撮られ、ちょっかいを出されるのはいつものことで
それを楽しみにしている自分が居ることには気付いていたかもしれない。
いや、気付いていた。
けれど今回の写真はわけが違った。
不意打ち、しかし確実にキス。
長くストレートで綺麗な髪、発せられる甘い香に千雨は逆らえなかった。
進入を許してしまった舌、徐々に溶かされていく意識、自我。
じ、時間が無い……orz
書きたい事はあったのにいかんせん時間が……連載形式(?)で書けたら投下を繰り返したいんだがどうだろう?
>>165 楽しみにしてる(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
168 :
名無しさん@秘密の花園:2007/01/28(日) 13:25:37 ID:zGxx5NL9
GJ!!
>>165 時間かかってもいいから全部書き上げてまとめて投下の方がいいと思うよ
>>167 この曲聞くとどうしても悲恋が思い浮かんで涙腺がゆるむ・゚・(ノД`)・゚・
GJ!!
>>167このせつMADもいいんだが個人的にはNBRで投下されたのが一番感動した。
ついでに
>>157-159のレス見て浮かんだ駄文投下。
今のところ続きとか考えてない。
HRの時。
出席を取ろうとしたネギ君が出席簿を開いた時。
ウチはせっちゃんを見とった。
そしてウチに見られとるせっちゃんはネギ君のことを見とる。
ほんのちょっぴり見えるせっちゃんの横顔は優しく微笑んどる。
修学旅行から帰ったぐらいからやろか。
せっちゃんがウチ以外の人と話したりしとる所を見ると胸が締め付けられるような感じがする。
せっちゃんがネギ君を優しい表情で見守ってる時。
せっちゃんがアスナと楽しそうに話してる時。
京都でウチを助けてくれたせっちゃん。
ウチはあの時からせっちゃんを前以上に好きになってもうたみたいや。
せっちゃんを独占したいと思うぐらいに……
1/3
長谷川千雨は憂鬱だった。
魔帆良祭の余韻を残しつつ帰ってくる日常。
更新する、と決めていたのに未だ更新分を終えられていない。
煮詰まった気分を入れ替えるために外を歩いているとエヴァンジェリンを先頭に桜咲刹那と木乃香が連れだって歩いていた。
そういえば桜咲がエヴァンジェリンに修行を頼んでいたな、と思い出す。
「そうか、別荘があったかw」
時間確保のために努めて明るく、愛想よく。
No.1を維持するために努力は惜しまないのが千雨の常だ。その努力がスクリプト攻撃だったりするのが難点だが……。
桜咲は強く頼めば断れない性格だということは知っていたので案外楽に別荘に行けることになった。
当然一般人の千雨は戦闘の訓練なんかには興味がなく
テーブルにノートパソコンを置き更新作業に精を出していた。
向側では近衛木乃香が読書に耽っている、ときをり千雨に話しかけ、笑いかける。
空のぬけるような青さ、カラっとした暑さ。
グラスの氷が気泡に撫でられカランと音をたてる。
どこかで見た一枚絵のような非現実さに千雨は思わず苦笑を漏らす。
「ちうちゃんどないしたんー?」
3/2
顔をあげた木乃香が聞いてくる。
千雨は木乃香のやけに嬉しそうな表情を可愛いと思う、と同時になにか言い表せない自らへの不快感を胸に刻んだ。
「な、なんでもねぇ!」というと「ほかほか」と言いながら読書に戻る姿に一安心。
サイダーを口に含むとシュワシュワという刺激が心地良い。
穏かな時間。
建物の破砕音や少女の嘲笑がBGMというのは気に食わないが。
お互いのテリトリーを侵す事をしない会話は酷く心地良い。
そういう意味で千雨は木乃香との相性が良いようだ。
更新分を終えたデータを保存、『んー』と伸びをする。
今までにない行動に興味をもったのか木乃香がPCの画面を覗き込んでくる。
「おわっ、ちょ、おまwww」
千雨は最大限明るく振舞いながら木乃香からPCを剥ぎ取った。
ぶーと脹れながらじゃれついてくる。
流石にいつまでもそうしているわけにもいかず、木乃香を振り払おうとした。
その時。
3/3
唇と唇がぶつかった。
時間が止まったような感覚、思考も止まりかけている。
そんなベタな……と考えながらも思わず顔に血が集っていく。
一方木乃香も顔を紅くしてぼーっとしたまま席に戻る。
気まずい、気まず過ぎる。
その空間に耐えられなくなる寸での処で修行を終えた桜咲達が戻ってきた。
エヴァンジェリンが木乃香に飲み物を頼む。
ぼーっとしている木乃香が再三の要求に我に返りぱたぱたと忙しくキッチンに消えていく。
それから千雨は気まずさから木乃香と話さないまま解散となった。
『何か』もやもやした気持ちを持て余しベットに横になる。
無意識にぶつかった唇に触れる。
「柔らかかったな……ぁー、あー……くそっ寝るっ!」
考える事が面倒になり目を瞑る。
その実『面倒』というよりそれ以上考えてはいけない気がしたから。
つづく(?)…orz
溜めると投げてしまう性癖があるんです……orz
鯛つけてるから不便は無いと自己暗示して投下しますた。このせつ(´Д`;)はぁはぁ
>>167>>170 GJ!このせつはいいなw
175 :
名無しさん@秘密の花園:2007/01/29(月) 01:49:24 ID:UaiduiyQ
何故かせっちゃん総受けに落ち着く
このちゃん浮気すんなw
>>177 このせつに目覚めさせてくれたこのサイトも、更新しなくなって残念。
ちょろっとだけピンクいの落とす。
本当はもっとエロいの書きたかったんだが。
次回はもっとねちっこいの書きたいケロ。
酔っ払って書きなぐったやつだから期待すんな。以上
「ん………っ、せっ……んんんっ……」
唇を強く押し当てながら舌を割り込ませ、強引に口中を犯し続ける。
お嬢様のぎゅっとつぶった瞼の端から、涙があふれてきているのも構わずに。
抵抗する気力がないのか、あるいは抵抗しても無駄だと悟っているのか、お嬢様は私のされるがままにその初々しい唇を預けていた。
私はもう壊れてしまっていた。
守りたかったものを守れなかったその歯がゆさに。
あの時どうしてあと数センチ、手を差し伸べられなかったのだろう。
お嬢様の手をつかむべきは私だったのに。
私が不甲斐ないばかりに、お嬢様はその初めての唇をネギに捧げてしまった。
私の見ている目の前で…
「これでうちもせっちゃんのこと守ってあげられる。守られてるばっかりはいやや。うちもせっちゃんを守りたい。」
お嬢様にそこまで思わせてしまったのは私の罪。全ては私の力不足による失態。
私を守るためにしてくださったお嬢様の優しさ(ネギとのパクティオー)は、結果的に私を追い詰めるものとなってしまった。
「んっ…んっ……せっちゃ…ん…」
無理矢理私が舌をねじ込んでいるその隙間から、かろうじて声を出しているために、その声は途切れ途切れにもれている状態。私は勿論そんな言葉を受け付けるつもりはない。
更に深く、いやらしい舌使いで、お嬢様の中を舐めあげていくことのみに意識を集中させた。
私はもう、とことんまで落ちていく気でいた。
これできっと――――――
お嬢様があふれさせていた涙が、とつとつと流れ落ちてきている。
留まることなく流れ落ちていくその涙が、物言わぬ抵抗として私の目に映ってはいたけれど、私はやめる気などさらさらなかった。
「んっ!!!!」
びくんと反応させた体。私はその手をお嬢様の胸へと這わせていたのだ。
「くーっ…んんぅ…」
声にならない叫びで体をうねらせているお嬢様。私は唇をふさいだままなおもその手を胸に押し当て、やや強引に揉みしだく。
決して大きくはないけれど、制服の上からでもわかる柔らかいさわり心地。
女の子だけがもつ独特の優しい柔らかさに、頭の芯が痺れていくのがわかる。
これが愛しいお嬢様の胸だと思うとなおさら。
けれど不思議なことにここまでしていても、お嬢様は私の手をとめないでいた。
本気になれば、いくら私が力では勝っているとはいえ、手ぐらい払いのけられそうなものなのに。
もしかしらたお嬢様は………
そんな一瞬の気持ちのブレが私の行動を一時停止させた。
瞬時に頬を伝っていく冷たい雫。私は―――泣いていたのだ。
「せっちゃん…。ごめん…な…。」
私はその時はっとなった。
「どうして…お嬢様が…謝られるのですか…悪いのは…私…なのに…」
「ほんまに悪いんはうちや。うちが悪いから…。せやからせっちゃんは何も悪ぅないんよ。なぁ、せっちゃん…」
お嬢様は目に涙をいっぱいためながら、じっと私を見つめてくれていた。私のことだけをただ、呆れるくらい真っ直ぐに。
「おっ、お…お嬢…さま…」
「なんや急に泣き虫さんになったんやね。ほんまにせっちゃんは…。うちのせっちゃんはほんまにかいらしい子や…」
さっきまで組み伏せていたお嬢様に、その位置は変えずそのまま胸に抱きしめられていた。
「ぐすっ…お嬢様…」
「ちゃんとわかってたえ。せっちゃん…うちがネギ君とキスしたん、妬いてくれてんね?」
「………っ……」(こくり)
「せやからこんな強引なことしたんやね?」
「………」(こくりこくり)
「やっぱり…。せっちゃん。うちのことこんなにも好きでいてくれてるんやね?」
「そうです。私は…お嬢様のことを誰よりも好きで…愛しています。
だからあなたが…あの人と儀式ではあってもキスをするなんて耐えられなかった。
その原因が私の不甲斐なさにあることに、余計に苛立ちを覚えてしまって
…だから、どうにも気持ちが抑えられなくて…。
お嬢様を守る立場の私がお嬢様の足手まといになるくらいなら
…私はお嬢様の前から消えた方がいいと、そう思いました。
こんな一方的で強引なことをすれば、きっとお嬢様は私のことを嫌いになってくれると考えて…。
私もお嬢様の前から消えやすくなる。お嬢様もきっと私のことを止めはしないだろうと…」
「せっちゃん…そこまで…」
「けれど、本心は、あなたの側を離れたくなどありません。嫌いになどなって欲しくありません。お嬢様の側にいたい。あなたにもっと触れたい…。」
「わかってるえ。ちゃーんと、わかってる。せっちゃんの気持ち、最初からうち全部わかってるえ。」
「お嬢…さま…」
「なぁ、せっちゃん。」
「はい…」
「うちはどんなことがあってもせっちゃんのこと嫌いになんてならへん。うちはずーっとせっちゃんのたった一人のパートナーやと思ってるから。」
「…っ」
「せっちゃんは…どう思ってくれてるん?」
「もちろん、私はお嬢様の…」
「うん…」
「あなただけのパートナーになりたいです。」
「せっちゃん…」
ぎゅっと抱きしめられる感触が、守られている温かさを感じさせてくれた。
私一人の力ではどうにもならないことでも、二人でなら飛び越えていくことができるかもしれない。
今にも折れそうな細い体に、私はただしっかりと腕を回して抱きついていた。
「うちな…ほんまはせっちゃんが妬いてくれて嬉しかったんよ。」
「ほんと…ですか?迷惑では…なかったですか…?強引にこんなことまでしてしまって…」
「そんなことあらへん。もちろんネギ君とパクティオーしたのはせっちゃんを守る力が欲しかったからやけど、ほんまはただ単にせっちゃんに妬いてもらいたかっただけなんえ。」
「………!?」
「おかげでこんなにもせっちゃんが積極的にうちのこと愛してくれた。」
「いや、そ、それは…ですから…その…」
「なぁ、せっちゃん。」
「…?はい?」
「続き、せぇへん?」
「あっ………。お、お嬢様っ!うわっ。」
「なんや、さっきまでの意気込みはどこいってしもうたん?なぁ、せっちゃぁーん。」
「あ、お、おじょ…うわっ…。」
「ぐすん。せっちゃん…なんで逃げるん?ほんまはうちのこと嫌いなん?」
「そ、そんなことありません!誰よりも大好きです!」
「ほんなら、なぁ、せっちゃん。ここ、さわって?」
「あっ…。」
「もっと、うちに触れて?うちにせっちゃんのこと、触れさせて?」
「お嬢様…。もう、戻ることはできませんよ?本気でいかせていただきますが、それで本当によろしいのですか?」
「うん…。せっちゃん…。大好き。うちのこといっぱい愛して欲しい。」
「お嬢様…。この…ちゃん。」
今の私は、お嬢様に嫌われるためにお嬢様の体に触れているのではなかった。
その制服を剥ぎ、弾力のある肌を慈しむ行為は、ただ二人が愛し合っていることの証明に過ぎなかった。
うっすらと汗をかいた肌が密着する度、新たな熱がうまれ出てとてつもないエネルギーが放出される。
私とお嬢様の間には誰も入り込む余地はなかった。愛しつくし、全てを貪りつくす。
この夜はまだ始まったばかり。
嘘偽りない気持ちで互いを求め合うことが出来た始まりの夜。
「あっ、あぁぁっ……せっちゃ…あぁぁ…っ…」
「このか…。このか…。」
「くぅぅぅっ。もっと…名前…うちの名前…呼んで…」
「このか…。この…あぁっ」
「もっと、気持ちよーなろうな…。」
「はい…」
果てしない宇宙のきらめきが、またこの星にひとつ降り注いだ。
わり。酔っ払っててつまらんものを落とした。
もっとエロいの書ける腕があれば…
続きが見たくなったぜ
GJ!!!
GJ!!
せつこの派の俺にとって、呼び捨ても意外といいな。
個人的に新たな発見できたよ、サンクス。
>>187 マジGJ!!夜中に目がさえたww
確かに続きは見てみたいぜ!!
>187っす。
今夜も酔っ払ってるえ
GJくれた諸君ありがとう。
マジ嬉しかったから続き書いてみた。
だけど…。ま、とりあえず読んでみてくれ。話はそれからだ。
あ。あとここにはいないと思うけど18禁の方向で。
肌と肌が触れ合うことがこんなにも気持ちがいいものだなんて、この夜を迎えるまで知らなかった。
「あっ…せっちゃ…んっ…」
うちの大切な人―――せっちゃん―――は、先ほどから丹念に胸の先端を舌で愛撫してくれていた。
うちはそこを舐められる度に、びくりと体をうねらせてしまう。
「んっちゅぅぅっ…ちゅるっ…」
「いやぁっ。せっちゃん…そんな音たてて吸ぅたらいやや…」
「これも愛情表現のひとつです。どうか耐えてください…」
「あっ、あっ、あぁぁぁっっっ!」
耐えるなんてとても無理だった。なぜならせっちゃんはさっき以上に強く乳房を吸い、転がし、時に甘く弱く噛んで感覚が鈍らないように巧みにうちのことを味わっていたのだから。
弾む呼吸でもれていく息が、まるで桃色に染まっていくように感じる。
うちは今まで出したことのないような声をあげていた。
自然に、感じるままに声を出したら、自分でも驚くくらいの甘ったるい色っぽい声質になっていて、自分の耳を疑った程。
「とても素敵な声です。そんな甘い声を出されたらもっと張り切ってしまいますよ?」
どこか不敵な微笑を浮かべながら、うちの瞳を覗き込む。
「も、もぅ…せっちゃん。あんまりうちのことイジメんといて?」
「イジメるだんなんて。ただ私はあなたを愛したいだけです。気持ちよくなってもらいたいだけです。」
「で、でもうち…。なんか恥ずかしぃて。うちの声、ほんまに変やない?」
「もちろんです。綺麗で甘い声ですよ。…このか。」
ビクっと体に電気が流れていくような感覚。
せっちゃんはこの夜が始まってからうちのことを呼び捨てにしてくれていた。
それが意図的なものかどうなのかはわかれないけれど、
まるでせっちゃんに所有されているような感覚になって、うっとりとしてしまうのだ。
恥ずかしがりやさんで、うちに対しては一歩引いて接していたいつものせっちゃんとは思えないくらいの強引な言動。
「だからもっとその声を聞かせてください。」
「あっ!あっぁっ!!!!や、やぁぁぁぁ!」
―――もう、戻ることはできない―――
せっちゃんがさっき言った言葉が頭の中でリフレインしていく。
―――本気で―――
そう、せっちゃんもうちも本気で向き合っていくのだ。
もう後戻りは出来ない。もちろん戻るつもりもない。
せっちゃんはうちの左手に自分の右手を組み込み、もう一方の手で腰を抱え込んで、
身動きできない状況にしてから、舌で首筋を舐めあげていった。
体の奥からじーんとわきでてくる熱い波を呼び起こすように、
ペロペロと器用に舌を動かしながら耳の辺りまでを丹念に舐めていく。
そのあまりの刺激の強さから逃げ出したくて、頭を振り体を動かして逃れようとしたけれど、
やはりそれはできなかった。
うちが逃げるのを見越した上で、せっちゃんはこの体勢をとったのだということが今になってわかった。
ここまで感じてしまうと、自分の大事な部分がどうなっているのかを想像するのは困難ではなくなっていた。
せっちゃんがちょうどうちの体の中心を取るように、両太腿の間を割って自分の片膝を落としているから、
太腿を閉じることはできないし、無論逃げることもできない。
次第にうずきだしていくその部分。こんな姿だけはせっちゃんに見られたくない。
けれどそう思う間もなく、せっちゃんは組んでいた指に愛撫を始めた。
「このかの指…。細くて、綺麗で、女の子っぽくて…。大好きです。」
「せ、せっちゃん…」
唾液が指に絡まりしたたり落ちていく。生暖かいその液体がせっちゃんからあふれ出してきていると考えただけで、ジーンと体が熱くなっていく。そのまま指は口の中にくわえ込まれ、また丁寧に舌で愛撫を受けた。
口の中は皮膚とは違った生暖かさがあり、舌で時折吸われる感覚がキュンとあるものを刺激していく。
「うちも…せっちゃんの舐めたい」
そう言うと、せっちゃんは一振り笑顔を見せてからくわえていた指を離し、
代わりに自分の指をおずおずとうちの口元に差し出してきた。
「お願い…します…」
「うん。まかせといて?」
両手でその手を包み込み、中指と人差し指を舐めてから口に含んだ。
「はぁっ…うっ…」
せっちゃんは顔を赤くしながらただぎゅっと目をつぶっている。
「ちゅぱっ。…どう?ちょっとは気持ちえぇって思ってくれた?」
「はい…。とても気持ちいいです。これ以上ないくらいに」
「そうかぁ。それならよかった。せっちゃん…」
手に握ったままの指をもう一度口に含み、舌を何度もはわせた。
その度にせっちゃんは眉をぎゅっと寄せて何かに耐えているようだった。
「こっ、このかっ!」
「えっ!?あっ!」
次の瞬間うちの唇はまたせっちゃんの唇によってふさがれてしまっていた。
嫉妬にかられ、うちから離れるためにした強引なキスよりも、もっと強気で攻撃的なキスだった。
息が出来ないくらいに舌を差し入れられ、舐めとられ、奥まで何度も侵入してくるその口付け。
体が勝手に反応し、うちもせっちゃんのことを爪あとが付くくらいに抱きしめ返して舌を絡ませた。
「はぁっ、はぁっ、このかぁ…。私のこと、はぁっ…受け入れてもらえますか…」
「ふぅっ…あたりまえやん…はぁ、はぁ、…んっ。そんなこと聞かんでもうちの気持ちはもうわかってるはずや…」
激しいキスの余韻で二人とも息が乱れていた。
息だけではない、本当は体全部が、心全部が互いを求め合いたくて今にも爆発しそうにあえいでいたのだ。
「このか…。愛してます…」
「うちも…愛してるえ…」
胸の間に顔を埋めてキスをしてから、段々とその愛撫を下におろしていく。
そこに至る不安と緊張と、それに反するえもいわれぬ期待でどくどくと心臓が音を立てる。
戯言を言うつもりはないんだが、
段々書いているうちに本当に書き進めて行っていいのかが
わからなくなってきている。
投下したからには最後まで書くつもりだが…。
酔いが冷めてきたから今日はここまで。
次回、後半落とす時にはENDまで一気にやるから今回は許して欲しい。
生殺し…orz
GJ!!
(*゚∀゚)o彡゜GJ!GJ!
後半wktkして待ってる!
元々21禁の板だから、気にしないでやっちゃってくれw
うぉぉぉぉ!!!GJ過ぎる!!
あなたはネ申ですか!?
焦らすなwwww困るwwwww
GJ!!!!123
ハァハァ・・・イイヨイイヨー
設定:夫婦
「せっちゃん、羽毛布団が○○万円やてヒック」
「そ、そうなんですか」
「ふひひ」
「ぁ、いやっこのちゃん……だめっ、んっ」
「これで、また酒が飲めるでー」
「うぅ…このちゃん、好き……」
GJ!!!
今日のアニメで、パクティオーの時ハートマークになってたな
しかも地球を飛び出て宇宙でw
しまった!!
風邪ひいて寝込んでたらアニメ見逃した!!
最近ザジちうとかこことかばっかだったから、アニメも漫画も見てないんだが・・・
何で
>>206なんて事になるのかさっぱりわかんねえ('A`)
スカになるとせっちゃんキャラ壊れるのが気になるが、このちゃんとほのぼのしてるから無問題
ウチたまにせっちゃんの事分からんくなるわ〜に萌えた
ある日、木乃香に頼まれた些細な事を失敗しショックを受ける刹那。
もっとお嬢様の役に立つようにならなければ!と一大決心をした刹那は、
武芸以外の特技を身につけるべく、様々な修行を始まることに!
料理、チアの応援、さらには絵を描く事にも挑戦するのだが・・・!?
期待と不安が広がるよ。これ・・・・orz
かわゆす
>>206 ハートマークとかほんとスタッフはつくづくこのせつ推しだよなw
いいぞもっとやれ
今回は特にこのせつフィーチャーされてたしな
おし、いま18話見た。
変な百合なかったからGJ。
>>217 説明難しいな。
某著作権侵害動画サイトでもう見れるんだけど、さすがに勧めるわけにはいかないよな。
とりあえず変態チックな刹那は出てこなかった。
木乃香は参謀官って感じ。
スカカードでキャラが思いっきり変わってたけど・・・・まぁアレはアレで可愛いから。
>198後半続き。
諸注意事項。
百合だけど山なしオチなし意味なしの駄文。
エロいの苦手な人は読まないこと。
あとは、恥ずかしいセリフ禁止ってことでひとつ。
それと、前回GJくれた人ありがとう。
内容ないSSになってしまって申し訳ないと先に謝っておく。
唇が触れる位置が、下腹部に近づきつつあった。
これから起こるであろうそれら一連のことはもちろん未知の領域だったけれど、
いつかクラスの誰かが冗談っぽく話していた猥談が今になって頭をかすめていった。
せっちゃんもうちにそんなことをするのだろうか。
もとより女の子同士って、本当はどうするのが正解なんだろう。
恥ずかしさと気持ちよさと、色んな刺激と疑問によって頭の中が
幾分混乱してぼーっと熱に浮かされたようになっていたけれど、
そんな状態から一気に現実に引き戻される出来事が起こった。
「あ…」
せっちゃんはうちの膝の後ろ側に手を差し入れて片方の膝を立てさせると、その辺りにキスをしていた。
その流れがとても自然で手馴れているように感じて、なんとなく胸の中がざわついた。
「なぁ…せっちゃん…」
「はい?なんでしょう?」
「いっこ聞いてもいい?」
「はい…?」
「こんなことするの…うちが初めて?」
せっちゃんは一瞬きょとんとした表情を見せたが、見る間に顔を赤く染めながら頬を緩めていった。
「もちろんです。あなた以外の誰とこんなことをするでしょうか。」
その声は優しく響いて、でもどこか嬉しそうにも聞こえて。
うちはうちで、その答えに安心してふーっと深い息をついた。
「もしかして…妬いてくれたのですか?」
「…うん。」
「あぁ、このか。」
今までとは違ったくすぐったくなるような抱擁を体に受けた。
まるで子供がじゃれつくように。
「あはっ。せっちゃんくすぐったいえ。」
「あなたがこんなにもかわいいことを言うからいけないんです。」
「えー。せやかてぇー」
「あぁ、本当に愛しい。このか…あなただけを愛してきてよかった…」
「せっちゃん…。離れてる間もうちのこと想ぉてくれてたん?」
「もちろんです…。あなたを思い出さない日は一度としてありませんでした。」
「うちもや…。うちもせっちゃんのことずーっと忘れんと生きてきたんえ…」
自然と唇が重なった。それはちょっとしょっぱい味がしたけれど、とても甘い口付け。
充分にキスを味わいながらぎゅっと体を抱きしめあった。
その流れのまま、せっちゃんはうちの両膝に手を置き軽く折り曲げさせると、今度は一気に股を広げた。
「あっ!いやや、やめて!」
見られたくない。瞬間的にそう思った。
こんなドロドロとした女女した部分をせっちゃんだけには見られたくない。
そう思っていたのに。
「全てを見てみたいんです。愛する人の全てを…。
だからどうか私のことを拒絶しないでください。このかの全てを私に見せてください…」
その切実な言葉を聞いて、内腿に込めていた最後の力が自然と解けていった。
泣きたくなるような恥ずかしさと、痺れていくような恍惚感で体が震えていく。
せっちゃんの視線がそこに集中しているのがわかった。
たとえ目を閉じていても、その部分に痛いほどの視線を感じているのがわかる。
「はぁっ…はぁっ…このかの…。すごい…」
言葉と共にはきだされる息がそこに降りかかることで、自分が愛液で濡れていることを直に感じさせる。
「や、やぁっっ…。せっちゃん、そんなにじっと見たらいややぁ…」
「綺麗な色です。きっとこの色は生まれたそのままの色。誰も触れたことのない、綺麗なままの…」
「ひゃぁぁぁっ!!!!!」
体をうねらせ叫び声を上げたのは、せっちゃんの舌がうちの突起物を舐め転がせたせい。
「あっ、あんっ、あんっあっ、やっ、やぁぁぁっ!!!!!」
自分ですら見たことも触れたこともない部分を、一番大好きな人の、
それも舌によって愛撫されて、おまけに信じられないほどの快感を与えられていたのだ。
弾力のある突起物がせっちゃんの舌を押し返すように主張してくる。
腰のあたりから足の先までじんじんと痺れていく感覚で、あまりの快感に腰が砕けそうな気さえする。
「感じてくれているのですね…。嬉しい。」
「はぁっ…はぁっ…あっ、あぁぁんっ!」
今のうちはせっちゃんの名前すら呼ぶこともできず、ただあえぐことしかできなかった。
それほどまでに体が感じて頭がうまくまわらなかったのだ。
「本当にかわいいお人だ…。この奥も見せていただきますが、よろしいですか?」
そんなことに即座に答えられる状態ではなかった。
うちはただ喉の奥から出てくる甘い声がこれ以上大きく響かないようにすることくらいしかできなかったのだから。
「はぁぁんっ。もう…あっ…せっ…あぁぁっ!!!」
せっちゃんはうちの入り口を中指と親指で器用に広げていった。
痺れていく感覚でも、今何をされてどういう状況にあるのかくらいはわかった。
「充血して赤く染まっていますよ。とても綺麗に。桜を赤く染めたらきっとこんな色になるのでしょうね。」
「うち…恥ずかしい…こんな奥までせっちゃんに見られてもうて…」
「受け入れるためのひだがこの位置からでも少し見えますよ。締まったままの綺麗な中が…」
「うっ…うっ…そんなん言わんといて…うち、恥ずかしぃておかしくなりそうや…」
「ならば観賞するのはここまでにしましょう。今からあなたを…奪います。」
「えっ、せっちゃ…あっ」
せっちゃんの指が固くなった突起物をこすりあげ、その下から湧き出てくる熱い液体を絡ませながら、上下になで上げていく。
舌でされていたよりも、より強い刺激に腰が勝手に浮き上がってしまったのだが、
どこか冷静なせっちゃんはその動きすら見越していたように、押さえつけるように上から体重をかけていた。
「もうあかん、うち…うち…」
「まだまだ限界を感じるのは早いですよ。ほら、このか。」
たっぷりと濡らした指が入り口に当てられた。
うちは息を飲んでその後に続く痛みを想像していた。
「ゆっくりといきますから、痛ければそうおっしゃってください。いいですね?」
「あっ、あぁっ、あぁぁぁっ!」
一番長い中指の先端が少し中に挿れられた。
まだほんの少ししか入っていないのに、自分のものでない何かが入ってくるのは信じられないくらいの抵抗感があった。
おそらく自己防衛が働いたのだろう。その異物を除外しようと懸命に中をぎゅっと締めつける機能が働いているように感じる。
「このかの…きつい…。痛くないですか?このまま続けても大丈夫ですか?」
「…平気や…このまま…続けて…」
「………。」
けれどうちの言葉とは裏腹に、なぜかせっちゃんは一度指を引き抜いた。
「本当は痛かったのでしょう?私のために我慢する必要などないのですよ。」
「我慢なんかしてへんえ?うちは大丈夫や。そらちょっとは痛い気もするけど、これくらい全然平気やえ。
せかやらなんも心配せんと、せっちゃんが思うようにしてくれてかまへんえ。」
「それでは意味がないのです。」
せっちゃんは頭を振って、うちの前で正座した。
「意味がない?」
「はい…。私はあなたに痛みを刻むためにこのようなことをしているのではありません。
気持ちよくなってもらいたい、私がどれだけあなたを愛しているかを伝えたい、
それができなければ私があなたを抱く意味がないのです。」
いつものまじめなせっちゃんがここにきて顔をみせた。
本当はこの夜が始まってからも、せっちゃんはうちをリードしようと少し意気込みすぎていただけなのかもしれない。
そう思うと、余計にせっちゃんのことを愛しく感じない訳にはいかなかった。
「ふふっ。なんやようやくいつものせっちゃんらしゅうなってきたなぁ。」
「い、いつもの私…ですか?」
「うん、せや…。いつもせっちゃんはうちのこと大事に見守ってくれてた…。」
体を起こして、正座していたせっちゃんをぎゅっと抱きしめた。
「うち、せっちゃんのこと好きやえ。誰よりも。わかってる?」
「あっ…まぁ、その………はぃ。」
「せっちゃんがうちのこと好いてくれてるんもよぅ知ってる。」
「はい、それは間違いなく、断言できます。」
「ほんなら、痛いんも気持ちえぇんも、悲しいのも嬉しいのも二人で一緒に乗り越えてこう。
きっとえぇ思い出になるから。」
「…お嬢様…。」
「あは。なんや勝手やけど、今はお嬢様ゆわれるんが気持ちええなぁ。
このかって呼び捨てにされるんもえぇけど、やっぱりどっかせっちゃん無理してたような気がしたからなぁ。」
「うっ…そこまで気づいていらしたのですね。やはりお嬢様にはかないません。」
「当たり前や。うち、せっちゃんのことすごい好きやもん。ずっと見てきてんから…」
「ぐすっ…」
「なぁ、せっちゃん。せやから二人で同じ痛みを分け合おう。同じ喜びをあじわおう。二人で一緒に。」
「…はい。はいっ、お嬢様。」
「ちゃうちゃう。今のとこは『このちゃん』ゆーてくれないやや。」
「あはは。本当におじょ…このちゃんはわがままなお姫様だ。」
「だってこれでようやく昔みたいにただ純粋に触れ合うことができる気がするから…」
「この…ちゃん…」
「せっちゃん…」
立膝のまま体を引き合って抱きしめあい、キスを交わした。
どちらかが上になっている訳でもなく、同じ位置で、同じ乳房が触れ合い、同じ温かさを共有できる。
首に回していた手を片一方だけ肩に乗せ、もう片方の手で互いの胸をもみながら優しいキスを続ける。
やがて胸をもんでいる手がなんの合図もないのに、
自然と同じ動きをみせ、体の線をなぞるように下に落ちていった。
「はぁっ」
「ああんっ」
その手は互いの秘部にあてがわれていた。
濡れた割れ目に指を這わせ、同時にこすりあげていく。
二人とも腰が引けそうになりながら、
もっと求めたくてその痺れに体を預けた。
切り込みをしたように割れている更にその奥の部分。
小さく閉じられている入り口に互いの指がたどり着くと、どちらからともなく唇を離した。
何も言葉を交わさなかったのは、お互いの気持ちがしっかりと通じあっていたから。
相手の肩に頭を預け、片腕でしっかりと抱きしめたのを確認すると、
二人同時に濡れた秘孔に中指を挿入していった。
「…っ。」
「あっ…」
体がみしみしと割かれていくような痛みが襲ってくる。
ぎゅっと閉じられていた肉壁がこじ開けられていく痛み。
たとえそれが細い指であっても、何かが入ってくる感覚は想像以上の痛みを連れてきていた。
けれどうちはその痛みすら幸せに感じていたのだ。
大好きなせっちゃんに挿れられていること、大好きなせっちゃんに挿れることができたこと、
そして今同じ痛みを共有できていること。それら全てがうちを満たしていった。
「ふぅ…なんとか全部入りましたね。」
「うん。全部入ったなぁ。」
互いの指を根元までようやく挿れることができて安心したのか、そのままの状態で会話をしていた。
「せっちゃん痛ぉなかった?」
「私は大丈夫です。ですがやはりこのちゃんは…痛かったのでは?」
「うちも大丈夫やったえ。だってせっちゃんがしてくれてんもん。上手やえ、せっちゃん。」
「あっ…うぅぅぅ。」
耳元で囁いてからそこにキスをすると、せっちゃんはかわいい反応を示してくれた。
「うあっ。」
「あはっ。せっちゃんてほんまかわえぇなぁ。」
「そ、そんなことはありませんっ。かわいいというのはこのちゃんみたいな人を指すのであって、決して私などは…」
「うふふっ。そーゆーところがかわえぇんよ。」
ぎゅーっと抱きしめてせっちゃんの髪の香りをかいだ。
「せっちゃん。大好きやえ。」
「こっ、このちゃん…」
「なぁ、せっちゃんも好きってゆーて。うちのこと好きって。」
「このちゃん…大好きです。」
「うちもや…せっちゃん…」
「うっ…」
「あっ…あぁっ」
挿入していた指を同時に動かしていく。
中から引き出し、奥に突き上げ、ぐっと深く入っていくように体を密着させながら挿しこんでいく。
「あぁぁっ、せっちゃ…ぁぁぁっ」
「こ…ぁっ…うっ…」
あふれでてくる愛液が指の間からぬらりぬらりとこぼれ落ちていき、内腿を濡らしていく。
腰をくねらせて互いの指の動きをより感じようと体が動いていった。
「きっ、きもち…えぇよ…せっちゃぁん。」
「この…ちゃ…私…も…気持ちいい…です…」
「あんっ、あんっ…あぁぁぁんっ」
「はぁっうぅぅぅっ…」
「はぁぁっ、あっ、あっ、あぁぁっ。」
「くぅっ…っあぁっ…」
「あっあかん…もぅ…うち…」
「この…ちゃ…あっ」
「せっちゃ…ん、いっしょ…にっ…あっあっあぁぁぁぁ!!!」
「このちゃ…うあぁぁぁっ!!!」
目を開けると、うちはせっちゃんの腕の中にいた。
「起きてしまいましたか。」
どことなく残念そうな声が頭の上から降り注いできた。
「うち…眠ってしもうててんね。」
「はい。とても気持ちよさそうに。」
それを聞いてなんとなく恥ずかしくなってしまった。
寝顔をずっと見られていたのがわかったから。
「ずーっと起きてたん?」
「えぇ。あなたをお守りするのが私の務めですから。それに…」
「ん?なんえ?」
「寝ているあなたの唇にキスをする機会なんて、そうそうないですから。」
ゆっくりとせっちゃんは笑った。
愛されてるってうぬぼれさせてくれるには十分すぎるセリフと笑顔。
うちはただぼーっとなってせっちゃんの胸に顔を埋めていた。
「せやったら今度はうちがせっちゃんの寝顔にキスするもん。」
「そうですね。そうしていただけると私も嬉しいです。」
「あーっ。今せっちゃん、うちには絶対そんなことできへんって心の中で思ったやろー。」
「そんなことはないですよ。ふふ。」
「ほらぁー。今笑ったんがその証拠やー。」
「ははは。このちゃんは本当にかわいい人ですね。」
「ぷーっ。もぉー、せっちゃん、うちのことからかわんといてー。」
「からかってなんていませんよ。ただ、本当に愛しいと思っているだけです。」
「…せっちゃん……。」
「夜が明けるまでまだまだ時間はたっぷりあります。
もう一度、いや時間が許す限り何度でもあなたに触れたい…いいですか?このちゃん。」
「断る理由探す方が難しいえ、せっちゃん。」
「では、今一度共に夢の世界へ参りましょう。」
「うん。せっちゃん。」
こうして長い長い初めての夜はまだまだ続くのだった。
お目汚し失礼した。
逝ってくる…
>>229 GJ!色々と、すごい上手いなと思った!マジGJ!
>>234 自作!??!
・・・・ファンになっていいデスカ?
>>239 待て、落ち着け
GJ!!!!12345
>>234 自作ですか、なんともまぁ・・・
また投下してくだされ
ほんわかして好き
せっちゃん泣いてるけどwww
\丶 r⌒ヽ (⌒⌒) r⌒ヽ/, / /,
ヽ 、、;(⌒ヾ . (((⌒⌒))) /⌒) ), ,
、ヾ (⌒ ファビョ━ l|l l|l ━ン!⌒⌒);;)/,
、\(⌒ゝ;(⌒ヾ ∧_∧ ⌒)/)) ., /
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒∩#`Д´>'') ,⌒⌒);;;;;)))⌒)
(;;;;(⌒(⌒;;;(⌒ ヽ ノ / ))⌒));;;;)-⌒))
ゞ (⌒⌒=─ (,,フ .ノ ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
((⌒≡=─. レ' ─=≡⌒)丿;;丿ノ
>>234氏 GJ!!
俺にはどう頑張ってもムリだw
短編の小説書いたんだけど、ちょっと表現力に欠けちゃったなぁ。
もうちょっと熟成させてから投下しようかなと思ってるんだけど。
あとなんかキーワードくれないかな?
小説書くのに使いたい。
暇つぶし程度に書くからちょっと表現力に欠けるかもしれないけど、頑張って書きたいと思ってる。
>>234 萌える。それはそうとそれ、コピックにしては抜き綺麗だな、何で塗ってんの?
自分も見れるぞー
GJ!!
>>242 1cmの差
とかどうかな
>>244 検索したら、めっちゃおばさん臭い割烹着しかみつからないんだ・・・・(・ω・`)ガク
>>247 1cmの差・・・・練ってみる。
>>243 俺ずっとフォトショなんでペインター全然なんだが、なんか水彩ぽく仕上げられていいなぁ。
余裕あったらペインターも買ってみるさ。
>まとめサイトの人
SSじゃないけど絵も入れてくれると助かる
212さんがよければ、かなだけど
ドラマCDが楽しみだw
>>251 自分がまとめる分には問題ないです。
絵師さんの許可が出ればの話ですが。
やべぇwww
可愛すぎるwww
>>254 次更新するときに追加させてもらいます。
一つ質問なんですが、前スレ994も描いてたりします?
>>254 スカの時は気づかなかったけどなんかどこかで見たことのある絵柄なんだよなぁ
>>254 GJです!!
ケータイの待ち受けにしますたw
ホントかわいすぎwwwww死ぬwwwwwww
IDが変わらないうちに
>>256 yes。あれもそうです。
>>254 サイトみてぇーどこ?晒すわけにもいかんだろうけどさ
話変わるけど、「Never give up!」どう思う?
そういう俺はというと・・・・
朝さよの「笑顔の花」をこのせつが歌ってほしかったと思う俺がいる・・・・orz
「Never give up!」も良い歌なんだけど、今回は朝さよの勝ちかなぁ・・・・(・ω・`)
聖なるが神すぎたんだ
一緒に歌ってくれるだけでありがたいと思おう
263 :
キスの味 1:2007/02/05(月) 00:03:29 ID:7lb5VMgD
2月14日バレンタイン。
ここ麻帆良学園の家庭科室や食堂棟の一角は,多くの女生徒でにぎわっていた。
それぞれ,彼氏や家族,学園の教師,はたまた密かに想う同性に贈るチョコレート菓子を
作っているのだ。
その中に私――桜咲刹那も,食堂棟の片隅で他の生徒に混じってチョコレートパイを作っている。
付き合っている男性がいるわけではない。日頃お世話になっているネギ先生と,高畑先生にはちょっと高めの
チョコレートを買って渡してある。これは,このかお嬢様のために作っているのだ。
「火から下ろして,ラム酒を入れて荒熱を取る,と。むむ……」
寮で同室の龍宮とは交替で料理を作っているし,それほど苦手ではない。だが,ケーキ作りはどうも勝手が違う。
「ゼラチンを入れたら,ボールにチョコを入れて,カスタードクリームを入れる,か」
一つ一つ言葉に出しながら進めるが,うまくいってるのか自信がない。
それにしても,私がケーキを贈ったらこのかお嬢様はどんな顔をするだろう。プレゼント仕様にするために
ちゃんとリボンや箱も買ってあるのだ。二人で食べる時のために,ナイフとフォークも用意してある。
『これ,せっちゃんが作ってくれたん!? うちのために?』
『勿論でございます,お嬢様。でも,お口に合うかどうか……』
そこで,綺麗にラッピングされた箱を開けるこのかお嬢様。中には,素晴らしい出来映えのパイが入っているのだ。
『すごい,美味しそう!』
お嬢様は目を輝かせる。
『なあ,せっちゃん。二人で一緒に食べよ』
切り分けたパイを食べる私達。二人の間に,甘い雰囲気が広がる。
『ん〜,美味しいなあ。あ……でも,ごめんなせっちゃん。うちは何も用意してないんよ』
しょぼんとするお嬢様に,私は優しく声をかける。
『何をおっしゃいますお嬢様。あなたの笑顔こそが,私にとって最高の喜びですから』
『せっちゃんは優しいなあ……。そうだ,もうちょっと隣に近づいてくれへん』
素直に近づく私。すると。
ちゅっ。
キスされた。
『な,なな,何をなさいます,お嬢様!?』
動揺する私に,照れたようにお嬢様は言うのだ。
『チョコレート味のキスや。今日はこれで我慢してな。ホワイトデーには,うちが体を張ってお返しするから!』
このせつは優遇されてると思うしな
265 :
キスの味 2:2007/02/05(月) 00:05:45 ID:vVVkcqgl
「か,体を張るってそれは……あ」
気づくと,思わず声に出ていた。ゆるんだ表情を引き締める。幸いにして,周りの生徒達は独り言だと
思ってくれたようだ。
だが,勢いよくメレンゲでかき回してしまい,エプロンや制服の裾にまで生クリームが飛び散っていた。
落ち着け私。失敗しては身も蓋もないのだ。気を取り直して,私は再びパイ作りにかかった。
日が暮れかかった頃合い――
ほとんどの生徒が,既にこの部屋を出て行った。最後まで私ともう一人別のクラスの生徒が残っていたが,彼女も
先程作り終えたようで,笑顔で部屋を後にした。残っているのは私だけ。
だが……思ったように,綺麗なパイは出来なかった。何度か作り直し,ようやく最後に出来上がったパイは
お世辞にも美味しそうには見えない。味は悪くないのだが,見た目が全然だめだった。
絞った生クリームがいびつに載っているパイを前に,私は落胆した。
このかお嬢様に,食べてもらおうと思ったのに。美味しいって言って,喜んでもらいたかったのに……。
ちょっと泣きそうになりながら,後かたづけをする。食堂の外から,楽しそうに笑う生徒達の声が聞こえて
私は切ない気持ちになった。
せっかくだからと,買ってきたリボンと包装紙でラッピングする。やはり慣れないもので,少しゆがんでいた。
鍵を閉めて,食堂棟を後にする。薄暗い道をとぼとぼと,私は歩いて帰った。すると――
266 :
キスの味 3:2007/02/05(月) 00:06:30 ID:vVVkcqgl
「せっちゃん!」
はっと顔を上げると,道のむこうにこのかお嬢様がいた。
「お嬢様」
笑顔で走り寄ってくるお嬢様。私は,後ろ手に持ってるケーキを隠す。
「もう,ずっと探してたんやで」
「はっ,すみません……」
「何言ってるのもう。ん? せっちゃん,何だか暗いなあ。何かあったん?」
心配そうなお嬢様に,私は笑顔を取り繕った。
「いえ,何でもありません。それよりお嬢様は,どうしてここに?」
「あ,そうそう。これをせっちゃんに,あげようと思って」
そう言ってお嬢様が差し出したのは,縞模様の包装紙に包まれた箱だった。
「これを私にですか?」
「うん。せっちゃんにはいつも助けてもらってるもんな。こんなんで悪いけど……うちの気持ちなんよ」
「いえ,何をおっしゃいますお嬢様!ありがとうございます」
先程の気分はどこへやら,私は嬉しくなった。ケーキを背後に隠したまま,私は片手で受け取る。
両手で受け取りたかったが,これは見せられない。
「んん?せっちゃん,それはなあに?」
やはりというか,見つかってしまった。
「いえ,あの,これは何でもないのですよ」
変な言葉遣いで首を振る私に,お嬢様は不安げな顔つきになった。
「そう……せっちゃんはもてるもんな。他の人からも貰ったんやね」
「いえ,違います! これはお嬢様にプレゼントするための……」
思わず口を滑らせてしまう。
「え,うちにくれるん?」
「えーと,そのですね」
こうなっては仕方がない。私は洗いざらい話した。このかお嬢様のために,チョコレートパイを作ろうとしたこと。
何度か失敗したこと。出来たものの,見せられるものではないことを。
「もう……そんなこと気にせえへんでいいのに」
お嬢様は笑顔になって言った。
「うちはな,せっちゃんのその気持ちが嬉しいんよ」
渡した箱を大事そうに持つと,お嬢様は私の手を引いた。
「ね,景色のいいところで食べよ」
267 :
キスの味 4:2007/02/05(月) 00:07:18 ID:vVVkcqgl
麻帆良の夜景が見えるテラスに来た。椅子や階段のあちこちに,二人連れの生徒達が座っている。街灯の近くを
選んで,私達は腰を下ろした。
お嬢様は丁寧に包装を解き,蓋を開ける。私の作ったパイを見ても驚いた顔はせず,にっこりと笑った。
「ほな,いただきまーす」
ナイフで切り分けて,私達はチョコレートパイを食べる。形はともかく,味はよかった。
「美味しいなあ,せっちゃん」
「ありがとうございます」
「あ,そうだ。うちのもチョコレートなんよ。よかったら,開けてみて」
そういえば,お嬢様から戴いたのだった。こみ上げる喜びを噛みしめながら開けてみる。中から出てきたのは
ハート型のチョコレートだった。まんなかに文字が書いてある。
『大好きなせっちゃんへ』
「お,お嬢様これは」
「いややわー,なんだか照れるえ」
照れ隠しなのか,私の肩を叩くお嬢様。ほのかに顔が赤い。
「ふふ,ありがとうございます,お嬢様。とっても嬉しいです」
「なあ,せっちゃん。ちょっとこちらに顔を寄せてみて」
「こうですか?」
私は体を傾けて,お嬢様に顔を近づける。
「んっ……んん!?」
手を回されて,キスをされた。私の唇に,お嬢様の柔らかな唇が重なる。
「こ,こっこ,こ,このちゃん!?」
「あー,やっとこのちゃんって呼んでくれた。いっつも,お嬢様やもんなあ」
「い,いえその,あの」
動揺して,心臓が高鳴るのを抑えられない。顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。
このかお嬢様のキスの味。それは,とっても素敵なチョコレートの味だった。
END
自分のとこにあげる予定のやつだが・・・すまぬ,エロパロ板のノリで投稿したら
改行に引っかかったので分割した。
GJ!テラGJ!
幸せな気分になれた!
>>268 これ程のクオリティだったら、バレンタインまで待ってから投下した方が良かったんじゃないか?w
最後の方つい(・∀・)ニヤニヤしちゃったじゃないかww
GJ!!!!!
やけにクオリティ高い先行投下やなw
G J !!!11
GJ!思わずニヤけたが、
そうだ→そうや
いいところ→ええところ
など、細かいとこも気にすれば違和感なく読めてもっとよくなると思う
273 :
263:2007/02/05(月) 17:05:21 ID:vVVkcqgl
読んでくれて大感謝!
それと,指摘ありがとう
>>272。気をつけたが,他の方も言うとおり
京都弁はなかなか難しいなw
>>273 テラGJ!
三角巾とエプロン着けてるとこ想像して悶え死にそうになった。
良かったらまた投下してほしい
ドラマCD Vol.1
少しだけ
nana28992.zip
パス:setsuna
おや、明日発売だよね?
>>275 おいしくいただきました
早くつづき聞きてぇw
>>275 製作という名の妄想がんばってくれGJ!
ドラマCDせっちゃんヘタレすぎだろ・・・orz
自分は「麻帆良学園中等部2-A:2学期」のドラマが一番良かったな。
せっちゃんはやっぱりヘタレだったけど、声は勇ましくてかっこよかった。
このちゃん暴走してせっちゃんに抱きつくドラマCDなかったか?
こ、このちゃん!?ってやつ。
>>281 前wavであがってたやつ?
なんかのオマケかなんかと違うん?
>>281 課外授業のオマケのやつじゃね?
うろ覚えだが、何かそんなのがあった気がする
HDDの中探してあったらうpってもいいんだが、要るか?
おk、探してみる
はい、前に貰ったキーワードを使って小説を書いたよ。
とはいえちょっと長くなっちゃって・・・・
ちょっとレス数使っちゃってもこのまま投下するか、
簡単なサイトにまとめちゃってアドレス投下するか、
どっちがいいかな?
このまま投下でもいいと思うが。
長さが気になるようならば、前後編にでも分けて一日あけて投下してみるとか。
最近SS少ないし、どんどん投下していいんじゃない?
わくわく
テカテカ
<<286
wktkしながら舞ってる
アラヨーイヨイ
ほいよー、じゃあまず前半?投下するよ!
こ、これでも頑張って書いたんだからね!!
○世界観はネギま!?と魔法先生ネギま!の中間ぐらい。
○ゆえとネギが契約した状態でストーリーはストップしてます。(全員にばれてない)
○闇の設定は都合よく、デタラメです。
「ラス・テル・マ・スキル・マギステル――」
ここは妖精が作り出した幻想空間。
ネギ一行はその空間に飲み込まれていた。
ここから脱出するには、この幻想空間を作り出した妖精を封じるしかない。
「パートナー神楽坂明日菜、近衛木乃香。我に示せ、秘められし力を!」
この幻想空間に飲み込まれたのはネギと他3人。
ネギと同室なために行動を共にしやすい明日菜と木乃香、そして木乃香の護衛である刹那。
「契約発動!」
呪文完成と同時に、明日菜と木乃香からカードを取り出すネギ。
気になる結果は・・・・
「明日菜の姐さんはコスプレカード! 木乃香姉さんはアーマーカードだ!」
「ちょっと、なんで私はコスプレなのよ!」
「こ、こればかりは運なので・・・・」
「ほないくえ、せっちゃん!」
「承知!」
刹那は契約を発動しなくても、そこそこ戦える。
それを考慮し、「ピンチにならない限りせっちゃんの契約は発動しないこと」と木乃香がネギに伝えていた。
下手にスカカードをひいて戦力外になるよりはマシだろう、という考えだった。
「神鳴流奥義 斬岩剣!」
「てーいっ!」
「ネギ君、そっちいったえー!」
明日菜・木乃香・刹那はうまく妖精を誘導していった。
妖精は弱々しく抗いながら逃げ回っている。
予想以上に強い三人にびっくりしたようだ。
「テルマ・アモリスタ!」
ピキィィィ!
悲鳴のような音を発して、妖精は意外とあっけなく封印された。
「へへん、これがチュパ研の力よ!」
「チュパ研はともかく、お嬢様がご無事で何よりです」
「うーん、でもお腹すいたえ・・・・」
明日菜よりも早く契約執行が切れて、地面にへたり込む木乃香。
アーマーカードだったために消耗も激しかったようである。
「では、今日の闇探索はここまでにして、寮に戻りましょう」
「ネギに賛成〜。私もお腹すいちゃった!」
「ほな、ウチがおいしい晩ご飯つくったるな」
「木乃香姉さんが作るなら安心だな」
「エロカモ・・・・それはどう言うことかしら?」
さっきまでの張り詰めていた空気が解けて、いつも通りのはんなりとした雰囲気が一行を包む。
その後ろに、闇が潜んでいるとも気付かずに・・・・
「せっちゃんも、もちろん食べて――」
「うわぁぁぁぁっ!!」
「刹那さん!?」
今日の晩ご飯の話題で盛り上がっていた三人と一匹。
数メートル後ろで闇に襲われた刹那に気付くのに、一瞬遅れてしまった。
「――せっちゃん!!」
「お、おじょう・・・・さ、ま・・・・っ」
刹那を助け出そうと、駆け寄り手を伸ばす木乃香。
闇から脱しようと、無意識に助けを求め手を伸ばす刹那。
二人の手が触れる・・・・というところで闇が急激に膨れ上がった。
「せ、せっちゃーーん!」
「刹那さん!!」
木乃香の差し出した手はあと1pほど足りず、虚しく空気を掴んだ――。
それから一時間、刹那と共に消えた闇をネギたちは探索していた。
図書館組や鳴滝姉妹、楓も合流し大規模な探索が行われた。
しかし消えた闇の気配はまったくと言っていいほど感じられず、探索は困難を極めた。
「うちが油断したから・・・・あと一瞬早く走り出しておったら、せっちゃんは・・・・」
「このかさん・・・・」
「落ち着くですよ、このかさん」
「そうよ、このかのせいじゃないわよ」
「そやかて、ウチが一番近くにおったのに・・・・!」
目の前で大事な友人を持って行かれた木乃香は、ひどく消沈していた。
図書館組の慰めも耳に入らない様子で、普段は見せないほど落ち込んでいたのだ。
「ネギ坊主、まだみつからないでござるか?」
「はい・・・・まだそんなに遠くには行ってないはずです。ですが・・・・」
『だけど、なになに?』
「隠れてる場合はとても見つけにくいんです。取り付く対象を探すときとか、姿を現さない限り見つける事は困難なんです」
シュンとうな垂れるネギ。
彼自身も、刹那を巻き込んでしまったことでショックを受けていた。
そしてもし契約を発動させていたら、状況は変わっただろうか・・・・と。
「・・・・もう、この馬鹿共が〜〜〜〜!!」
ついに明日菜が切れた。
そしてネギと木乃香に一発ずつ、平手を食らわせた。
「痛っ!?」
「っ!」
「あんたたちが落ち込んでてどうするのよ! 今一番辛いのは刹那さんなんだよ!?
今彼女を助けられるのは私たちだけなんだから、肝心のあなたたちが絶望してたら助けられないじゃない!」
明日菜は二人を指差して、高らかに説教をした。
深く考えず、今できることをする。
明日菜の前向きな性格が沈んでいる二人を立ち上がらせた。
「・・・・そうですね、落ち込んでる場合じゃないですよね」
「・・・・うん、そうやね! せっちゃん待っててな! ウチが絶対助け出すえ!」
「さすが明日菜殿でござるな、リーダー?」
「でも、バカレッドに馬鹿って言われたくないですよ」
「明日菜さん、かっこい〜・・・・」
明日菜の一喝により、緊迫した空気が一気にやわらかくなった。
木乃香の心に差した、この一筋の光――希望という名の光は、あの時踏み出せなかった距離を確実に埋めていった。
はい、まずはここまで。
次から刹那sideにいくんだけど、最終チェックしてくる。
>>297 GJ!!!!!!!!
wktkしながら次の投下待ってるぜ
不覚にも
>>291の2行目に萌えたw
GJ!
続き楽しみにしてる!
ところで今日のアニメのこのせつ可愛かったなww
かわいかったな。慌てるせっちゃんモエス
>>297 楽しみしてるよ!
アニメはBS版までガマンガマン・・・
あぁぁぁぁぁ!!!
小説に夢中で、前回の風邪に続きまたアニメみるの忘れた(;ω;`)
303 :
ありがちな:2007/02/07(水) 20:29:08 ID:lJmu4ywy
「せっちゃん、ご飯粒ついとるえ」
「え、本当ですか!?」
「うちが取ったるなー」
「……っぉ、お嬢様///」
ないよ
このちゃんに落書きしまくるせっちゃんならいたけど
自分的にはアイキャッチのイラストがツボだったな
アイス(だっけ?)で口元ベタベタにしたこのちゃんを、ハンカチで拭いてあげるせっちゃん
>>305 落書きワロタwww
>>308 うわー、かわええスカこのせつ(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
zipファイルのやつ、どうやってみるかわからないんだ・・・・
投下してくれたのにゴメン(・ω・`)ガク
ちなみに俺が
>>297だけど、アニメ萌モードが落ち着いたら続き投下するよ〜。
>>309 解凍したらwmvが出来るはずだけど……
見れませんか?
>>310 ごめんよー、置いてところがわからないんだ^^;
こういう板は、初心者で・・・・(・ω・`)
うぎゃ、「置いてあるところがわからないんだ」に訂正。
>>313 ヒントありがとう。
頑張って勉強してみるよ。
>>308 やばいスカ萌え過ぎる。スカはとてもよいものだ……特に微妙に困った眉毛。
>>308の下のスカ二人が出た途端なぜか爆笑してしまったのは俺だけか
まゆげのあるコアラ・・・・なつかしいなw
やっと見れたよ、ありがとう。
さて、そろそろ続き投下するね。
しばしお待ちを。
「こ、ここは――?」
刹那は、視界の利かない闇の中で目を覚ました。
なんだか沈んでいくような感覚がする。
まるで、暗くて深い海に、沈んでいくような・・・・。
なぜかその感じが心地よくて、しばらくここで眠りたいと思ってきていた。
引き込まれる前に差し出した手を、何気なく上に伸ばしてみる。
――何も掴めない。
あの時差し出したこの手は、どうやら何も掴めなかったようだ。
・・・・この手は何を掴もうとしたんだろう?
苦し紛れに開けた目に、お嬢様が映っていたような気がする
そう、自分の名を呼びながら向かってきて・・・・。
――向かって?
そうだ、お嬢様はここに引き込まれなかったのだろうか!?
そこまで考えた刹那は、飛びおきた。
不思議と、さっきまでの沈んでいく様な感覚はなかった。
しっかりと闇の中に立つ。
相変わらず視界は利かなかったが、それでも目を凝らして声をあげる。
「お嬢様! ご無事ですか!?」
声は響く事無く、闇に飲み込まれていった。
「くそ、これでは満足に探すことができない・・・・ラン」
火を灯す東洋魔術を使用し、辺りを照らそうとした・・・・が。
火は出ても光が灯ることはなかった。
光も影もない、闇の世界だということを痛感させられる。
「くっ、あの時油断してなければこの様なことには・・・・」
刹那のいうあの時、それは妖精を封じて現実世界に戻ってきた時。
一難去って一息ついた隙が最も危ないと、訓練を受けていた自分は知っていたはずなのに。
それなのに、最近の自分が置かれている環境が・・・・お嬢様の傍にいることが心地よくて。
「今日もお嬢様の手料理が食べられるのかな?」と思った瞬間を、闇に背後から襲われてしまった。
完全な失態だった。
「今まで幻想空間に来たときも、みんながそんなに遠くに離れる事はなかった。
この闇の世界でもそうとは限らないが・・・・。それを考えるとお嬢様はこっちには来てないのかもしれないな」
当てにならない推測である。
とりあえず木乃香を探して歩くことにした。
「お嬢様〜」
まったく響く事無く、飲み込まれていく。
足音すらもしない、ただ感触のみで歩いている。
いや、「歩いている」と錯覚してるだけかもしれない。
「・・・・このちゃ〜ん」
ただひたすらと想い人を呼び、歩き続けた。
だんだんとその足取りは重くなってくる。
肩が重い・・・・肩に背負う夕凪が異様に重く感じてきていた。
320 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/07(水) 23:53:02 ID:wijfoCiQ
「少し・・・・休むか・・・・」
重くなる疲労感に負けて、ついに刹那は腰を下ろした。
意識が遠くなっていく。
ぼーっとして思考も働かない。
「私はここで・・・・なにをしてるんだろう?」
闇に囚われ始め、ふと目を閉じたその先に見えたもの。
それは京都の道場でひたすら剣を振るう、過去の自分だった。
あれ、ごめんあがっちゃった
「せいっ! やぁ! はっ!」
懸命に剣を振り下ろす自分。
年齢でいえば10歳ぐらいだろうか?
その顔には感情がこもっておらず、何か執念みたいなものを感じた。
そこに師範がやってきた。
そして真剣な顔で、手紙らしきものを自分に渡す。
その中身を見た自分の顔が、急に険しくなったような気がした。
あの手紙はなんだっけ・・・・。
そこまで考えたところで、また記憶はさかのぼった。
これは・・・・8歳ぐらいのときだろうか?
その頃の自分も、ただひたすらに剣をふっていた。
ただ前だけを見つめ、一心不乱に。
しかしその目はまだ輝いていた。
まるで何か、目標があるように。
そう、あの時自分がみていた目標・・・・それはなんだったんだろうか?
なぜ私は剣を握っているんだ・・・・?
――闇は濃さを増し、意識を手放しかけている刹那を包み始めた。
刹那の心を、身体を侵食しようとしていたのだ――。
さらに記憶の時はさかのぼる。
まだ6歳ぐらいの自分。
まだそれほど剣は強く握り締めてなかった。
はて、どうしてこの頃の自分は剣を握っていないんだろう?
「刹那、出掛けますえ」
「はい、師範。でもどこにいくのですか?」
「近衛家のお屋敷に行きますえ。」
「近衛家・・・・?」
師範に連れられて、大きなお屋敷に来た自分。
目の前には自分と同い年ぐらいの女の子。
あぁ、あの子は――。
「は、はじめまして、せつなです」
「せつな? ・・・・せっちゃんや〜」
「・・・・え?」
「うち、このかや。よろしゅうに〜」
「このか・・・・このちゃん?」
初めてお嬢様と出会った時の記憶。
それは任務の一環だったけれど、私にとってもこのちゃんは初めての友達だった。
初めて剣以外で遊んだ、自分。
凶暴な犬から、初めて友達を守った自分。
そして、川で溺れたお嬢様を守れなかったあの時の、初めての悔しさ。
そうだ、私はだから剣を握るようになったんだ。
お嬢様を、このちゃんを守るために。
ただそれだけの為に、他の友達を作らずにひたすら剣を振っていたんだ。
――10歳の時に受け取った手紙は、近衛木乃香護衛の任命のモノ。
――8歳の時みていたのは、このちゃんを守るという夢。
・・・・私はここで何をしているんだろう?
こんなところで・・・・寝ているわけにはいかない!!
次の瞬間、刹那は目を見開いた。
木乃香の護衛に戻るため、このちゃんの傍に帰るため。
だが、闇は刹那を離そうとしなかった。
「ええい、離せ、離せーー!!」
夕凪に手を伸ばすが、濃厚な闇にそれを拒まれた。
刹那は剣を振るうこともできず、ただ渾身の力を込めて闇を振り払おうとするしかできなかった。
「私はこのちゃんの元に帰るんだ!! 貴様なんぞに捕まっている暇はない!!」
――・・・・うん、そうやね! せっちゃん待っててな! ウチが絶対助け出すえ!――
空から一筋の光が伸びてきた。
木乃香の希望の光が、刹那の不屈の心が。
今結ばれた瞬間だった。
光が闇を怯ませる。
その隙をついて刹那は、夕凪を強く握り締めた。
「私たちの勝ちだ・・・・! 神鳴流奥義 滅殺斬空斬魔閃!!」
「・・・・見つけました!!」
その戦いの影響は、ネギ一行の探索にも及んでいた。
戦いで発したエネルギーを、ネギが感知したのだ。
「せっちゃん!」
「ネギ、早く闇を!」
「はい! ――テルマ・アモリスタ!」
ついに闇を見つけ出し、消滅させようとする。
だが刹那の生命エネルギーを吸収した闇は、しぶとく抗った。
「く、消えない・・・・!」
――ネギ先生・・・・契約を!!――
「っ! ・・・・ネギ君、せっちゃんの契約発動できる?」
「え?」
「いませっちゃんの声が聞こえた気ぃするん。『契約を』って・・・・」
「長距離の契約発動はなれてませんが・・・・やってみます!」
「パートナー、桜咲刹那。我に示せ、秘められし力を! 契約発動!!」
契約発動と同時に、闇の中から一枚のカードが飛び出した。
そのカードは木乃香とネギの間で表面を見せる。
「・・・・アーマーカードや!!」
その瞬間、闇が大きく爆ぜた。
闇から飛び出た白い翼を持つ剣士は、そのまま主人の元へと舞い降りる。
「桜咲刹那、只今戻りました!」
「せっちゃん! よかったぁ・・・・」
生命エネルギーを吸い取っていた刹那を失った闇が、小さく収束していく。
が、隠れる前にネギが完全にその闇を消し去った。
「せっちゃん、ホンマによかった・・・・」
「心配かけてごめん。このちゃん・・・・」
「え、せっちゃん今・・・・」
「ごめん・・・・少し、疲れ・・・・ました・・・・」
木乃香の腕の中に降りた刹那は、そのまま意識を失った。
その日の夜、刹那はネギ達の部屋に強制お泊りとなった。
木乃香のベッドに寝かされ、木乃香に抱きしめられて。
「ん・・・・あれ、ここは・・・・ってえぇっ!? このちゃん!?」
「ぁ・・・・せっちゃん起きてもうた?」
「なななっ、なんで私、このちゃんに抱きしめられて・・・・!?」
「あはん、またこのちゃん言うてくれた〜v」
「あ、いえ、これはその!」
逃げようとする刹那を、ガバッと抱きしめて捕まえる木乃香。
「お、お嬢様〜!?」
「せっちゃん、離れちゃだめやん」
ぎゅ〜っと強く強く抱きしめる。
「ウチ、なんやずーっと後悔しそうや」
「え?」
「あの時、もうちょい近くにおったら・・・・せっちゃん連れていかれへんかったかもしれへん」
「お嬢様・・・・」
「せやからもう、あんま離れたらあかんよ・・・・?」
「はい・・・・申し訳ございませんでした・・・・」
自然と二人の距離が縮まっていく。
そしてたいした時間もかからずに、二人の距離はゼロとなった。
あの時届かなかった、1cm。
今はそのわずかな隔てもなかった。
FIN
はい、ここまで。
闇の設定とか契約発動の設定とか、細かい所は突っ込まんといてください。
329 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/08(木) 00:04:39 ID:xJnB9jPf
・・・・GJ以外にコメントはないです。
>>328 クオリティテラタカスwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いいモン見せてもらったわwww
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!111111
>>308 これって今日の放送のやつ?
ロダが503でDL出来ないorz
おー、GJありがとー。
>>247からもらったキーワード「1cmの差」で作ってみました。
また時間があったら書きたいので、誰かキーワードくれませぬか?
>>328 GJ!
堪能しますた。
>>330 今日つーか昨日の放送のうち、このせつパートです。
もし放送見たのならDLする必要ないです。
>>332 なんだ、だったら録画したの見まつ。
てっきり何か新しいものかと思ったw
>>328 GJ!! こういうのは俺にゃ書けないな……楽しませてもらいますた!
>>328 面白かったよ!
1cm…身長差思い浮かんだ。せっちゃんのほうが低いんだよな
336 :
328:2007/02/08(木) 08:39:41 ID:dys4JvJw
>>335 Σ( ̄口 ̄ )!
そうか、身長差も1cmだったか・・・・!
思いつかなかったw
「せっちゃん、最近牛乳よく飲んどるね?」
「お、お嬢様、これは、その……」
ちらりと刹那が視線を向ける先には、真名や楓など、クラス内でも高身長の面子。
「その、身長がもう少し伸びるといいな、って。
い、いえ身長が伸びるとリーチも伸びるからでそのっ!」
頬を染めて呟いてから、刹那は慌てて自分の言葉をフォローする。その心の中には、
身長が伸びて颯爽とかっこ良くお嬢様を護る自分の姿が映っているに違いない。木乃香はくすりと微笑んだ。
「ええんよ、せっちゃんはこのままで。あんまりおおきゅうなったら、同じ高さで物が見れなくなってまう」
「お嬢様……」
「だから、身長なんて気にせんでええよ」
「はい!」
刹那は感激した様子で、先ほどから手に持っていた牛乳ビンを置いた。
そんな刹那の顔を微笑ましげに見守りつつ、木乃香はふと、ありがちな牛乳を飲む理由のもう一つを思い浮かべた。
考えてみれば、刹那は清々しいくらいまっ平ら。大草原の小さなryとはよく言ったもので。
クラス内でも明らかに体格からして小学生の3人とほとんど変わらないほどである。
もしかして、きにしてたんかな、と木乃香は思う。
それならば、きちんとフォローを入れておかないと。
「……それにな、そっちの方も気にせんでええんよ?」
言いながら、刹那の胸へと視線を向ける。
「へ?」
「ウチらまだまだ中学生やし、今からきっと成長するえ。だから今は無理におおきゅうしようなんておもわんでも……」
>>337 最初、キョトンとした顔をしていた刹那であったが視線の先が何を意味しているのだか、途中でやっと気付いたらしい。
「お嬢様……お嬢様もやはり気になるんですね」
先ほどまでとは一転した暗い表情で刹那が呟く。
「やっぱり、やっぱりきになるんですねっ!!」
「へ!?せっちゃん!ちがう!ちがうんや!ウチは今のありのままのせっちゃんがーーー!?」
「お、お嬢様が大きい方がお好きなら、私は、私はっ!!」
叫びながら、刹那は購買の方へすごい勢いで走り去る。
「せ、せっちゃーん!!ウチは、ウチはちっちゃい方が好きやからーーーーっ!!」
木乃香も慌てて後を追って走り出した。後に取り残されるは、たまたまそこを通りがかっていたクラスメイト達。
「やっぱり、牛乳飲んだら大きくなるのかなあ」
「ふみか!あとでためしてみようよ!」
「いやいや、二人とも今のままが一番でござるよ」
「大きいのは大きいので結構疲れるのよ?」
「いやみにしかきこえないよちづ姉……」
(お前ら、突っ込む所はそこなのか!そこでいいのかおい!?)
各人それぞれにズレた感想を口にする中、
ただ一人長谷川千雨だけは、心に浮かぶツッコミを必死で堪えて居たと言う。
身長差、って聞いてこんな電波がやって来た。ありがち乙自分wwww
「キーワード:1cmの差」と同時進行で作った小説投下〜。
ほぼ勢いで作ったので、細かい所は突っ込み無しで!
勢いでだけど、がんばって書いたんだからね!
「バレンタイン・・・・・か」
そう呟いたのは、桜咲刹那。
そんな今は、毎週日曜日に行われる定期的な買出しの途中。
そろそろバレンタインの時期だ。
だから商店街などではバレンタインに因んだコーナーが置かれるようになっていた。
刹那の知識では「女性が男性にチョコレートとあげると共に、想いを告げる日」。
「私には関係ない・・・・よな。『女子校』だし。ネギ先生もたくさん貰うだろうから、困るだろう」
そのコーナーを簡単にスルー。
元々そういった事には疎い上に、思い切りが良い性格。
「関係ない」と思ったら、そんなに深く気に止めないのだ。
だが、この思い切りは長く続かない事となる。
刹那の知識は少し古く、現代のバレンタインでは『女の子同士でもチョコは渡す』のだから。
次の日。
「ねぇねぇ、チョコ作る〜? 私はもちろんネギ君に!」←まきえ
「私だってもちろん! みんなにもがんばって作るから、期待しててにゃ〜!」←ゆーな
「ウチも先生や先輩に作るつもりやよ」←亜子
「私も・・・・作ってみようかな」←アキラ
クラスではバレンタインについての話題が多くなっていた。
イベント事が大好きなクラスなのだから、当たり前と言えば当たり前である。
「のどかはもちろん、ネギ君に作るんだよね?」←ハルナ
「のどかが男性にバレンタインチョコを渡すのは今年が初めてです。私もできる限り協力するです」←ゆえ
「も、もう二人とも〜・・・・」←のどか
ガラガラ・・・・
「おっはよー!」←明日菜
「おはようさん〜」←木乃香
「おはようございます」←刹那
クラスの面々がそれぞれバレンタインについて勝手に喋っている所に、明日菜・木乃香・刹那が登校してきた。
柿崎美砂が待ってましたとばかりに明日菜を捕まえる。
「おはよう、アスナ! アスナはもちろん高畑先生にチョコ作るんだよね〜?」←美砂
「なっ、いきなり何よ!」←明日菜
「へぇ〜、アスナはやっぱり高畑先生が本命か〜」←まどか
「チアリーダーの名に賭けて応援しちゃうよ〜? フレーフレー! A・SU・NA!」←桜子
「えーい、あんたたち余計なお世話よ!」←明日菜
一方木乃香は、何やら怪しげなロボットをいじる超一味に近づいた。
「ハカセちゃんたちも、チョコ作るん?」
「はい、この『ツクール君2号』でたくさん作っちゃいますよ〜」←ハカセ
「これって手作りっていうのかなぁ?」←五月
「何言ってるネ、さつき。手作りで作ったロボットでチョコを作るヨ? 立派な手作りネ!」←超
「・・・・おいしいアルか?」←クー
「クーフェさん、食べてみますか〜? あ、あれ? ツクール君が暴走を・・・・」←ハカセ
「や、やめるアル〜!! そんなに食べられないアルよ〜!!」←クー
「ふん、まったく騒がしいクラスだ」←エヴァ
「マスターは作らないのですか?」←茶々丸
「私を何歳だと思ってるんだ? ・・・・こんな毎度付き合ってられるか」←エヴァ
エヴァはサボタージュするため、教室を出ていった。
それと入れ違いになるように、朝倉和美が幽霊を連れて教室入ってきた。
「さよちゃんは・・・・やっぱ幽霊だから作れないよねぇ」←朝倉
「はい、ぜひ参加したかったんですけど・・・・。昔は女友達には渡さなかったんですよ」←さよ
「そかそかー、でも私はさよちゃんにあげるからねv 気持ちが大事でしょ?」←朝倉
「ありがとうございます〜!」←さよ
「ちづ姉も作るの?」←夏美
「そうね。見えなくてもいいこともあるけれど、やっぱり形にして見えたほうがいいこともあるのよ。
例えばあの二人のように、見えなければ伝わらないこともあるでしょう?」←千鶴
「な、なんかちづ姉がまともな事言ってる!?」←夏美
(賑やかなものだな・・・・)
席につき傍観に浸っていた刹那の所に、龍宮が寄ってきた。
「やぁ、刹那。バレンタインについて思考中かな?」
「龍宮か・・・・。バレンタインなんて男女のイベントだろう? 私には関係ない」
「・・・・刹那、お前は情報の更新というのをした方がいいと思うぞ」
「は? それは一体どういう――」
「今は女性同士でもチョコの交換をするぞ。日頃の感謝の気持ちを含めて、な」
「な、なんだって!?」
「お前も大好きな木乃香お嬢様に、チョコの一個でも贈るべきなんじゃないかな?」
「た、龍宮!! 私は、木乃香お嬢様に対して、決してそのような・・・・!」
『桜咲さん、龍宮さん、あぶな〜い!』←鳴滝姉妹
「クーフェが蹴っ飛ばしたせいで、目標がそっちにそれたでござるよ〜」←楓
鳴滝姉妹と楓の声に振り返る刹那と龍宮。
その先には暴走したツクール君が、こちらに向かって走ってくるところだった。
「こ、これはどうすれば・・・・」
「・・・・弁償代は、桜咲刹那まで!」
「んな゛!? やめろ龍宮!」
刹那の制止もむなしく、次の瞬間ロボットは宙を舞った。
向かってくるスピードを利用して、龍宮が放り投げたのだ。
それは綺麗に教室のドアに向かって飛んでいく。
ガラガラ――
「おはようございます皆さん、出席をとり――うわぁぁぁぁぁぁっ!?」←ネギ
ガゴンッ!!
「ネ、ネギ先生!? 龍宮さん、わたくしのネギ先生になんてことを!!」←いいんちょ
「い、いや委員長・・・・。私も一応被害者の一人で・・・・」←龍宮
「先生、完全に伸びてるよ・・・・。いくら私でもここまでのイタズラはしないかなぁ」←美空
「(つーか、教室でロボット暴走させるなっつーの!)」←千雨
龍宮が投げた巨大な鉄の塊は、見事ネギに命中したのであった。
「そうか、女の子同士でも交換するのか・・・・」
現在の刻は夕方。
刹那は寮の屋上にて、日課の鍛錬をしていた。
あの後、音を聞き駆けつけた新田先生たちにより、騒ぎは鎮火された。
ネギ先生は気を失ってはいたものの、とっさに障壁を張った様で大事には至らなかった。
ロボットの弁償代も、暴走させたハカセの責任ということで払わなくて済んだ。
「チョコなんて作ったことないし・・・・でも、日頃の感謝の意を込めて作った方がいいのだろうか」
ブツブツと独り言をしながら木刀を振り下ろす。
「せっちゃん、チョコ作るん?」
「えぇ、でも今迷ってるところでして・・・・って、えぇ!?」
振り向くとそこには木乃香が。
悩みながら鍛錬してたせいで気付かなかったようだ。
(背後をとられるなんて・・・・)
「い、今の聞かれてしまいましたか?」
「うん、ばっちり」
「あぅ・・・・」
悩み事を聞かれてしまい、うな垂れる刹那。
それとは対照的に、嬉しそうな木乃香。
「なぁなぁ、作るんやったらウチらと一緒に作らない?」
「え?」
「もちろん義理の方をなv 本命はその後に各自作るゆーことで、みんなで集まって作る事になっとるんよ」
(なるほど、うちのクラスはチョコ作りまでイベントにしてしまったのか)
一瞬考えた刹那だったが、なにぶん初めてのことは慣れた人に教わったほうがいい。
武道に長けた刹那はすぐその結論に達して、木乃香の申し出を受け入れたのであった。
(本命は各自で・・・・私の本命は・・・・)
まだバレンタインまで日はある。
刹那は本命を渡していいのかと苦悩しながら、本番の日まで暮らすことになってしまった。
〜バレンタイン前夜・完〜
さて、14日に(多分)投下するであろうバレンタイン小説の前夜。
というか自分が今現在、刹那と同じ状況下だったり。
チョコ作りダルいぜ〜 >(・n・`≡´・n・)< でも作らないと女としてダメぽ。
みんなには時間があったらチョコ小説あげるから、期待しないで待っててね。
GJ!バレンタインって何それおいしいの?な自分とは大違いだ
351 :
349:2007/02/08(木) 14:49:27 ID:dys4JvJw
あぁ、投下して気付いた。
ザジだけ登場してない(;ω;`)ガーン
>>351 ドンマイwww
途中の朝さよにしっかり萌えさせて頂きました
>>349 バレンタイン当日までワクテカして待ってます
ふと思ったんだがスカキャラの時に歌舞伎役者にされたこのちゃんだが
元に戻ってもあのメイクはされたままなのだろうか
354 :
285:2007/02/08(木) 20:17:10 ID:pJbLSWX7
>>339 GJ!!!!ww
>>349 どうせならホントに前夜に投下してもよかったのでは?w
いずれにしてもGJだけどwww
何気に全員居たのね…コレ。
気付かんかったw
遅くなったが、例のアレを投下しようと思ったんだがどこにうpればいい?
うpしたこと無いから分からないんだ、スマソorz
355 :
285:2007/02/08(木) 21:19:48 ID:pJbLSWX7
アレってこのちゃんが暴走してせっちゃんに抱きつくドラマCD(=課外授業のヤツ)のことな。
書き忘れてた(・ω・` )
>>355 俺もわからんわぁ、ごめん(・ω・`)
何か無性に書きたい。
何かキーワード転がってないかな・・・・
小説がたくさんうpされてる…みんなGJです!
年齢詐称薬で大人になったせっちゃんの姿見てみたいわぁ
>>349 GJ! バレンタインデーもwktkしてますwww
>>354 「うpろだ」でぐぐれば何処か見つかるかもしれんね
>>356 「威嚇」とかどうだろう。
>>358 dクス、でも過去ログ見たら他があった。
カサマツさんでうpろうとしたら
「同一IPから3600秒以内にうp出来ません」
って弾かれたから、ブツは明日うpする。
何か申し訳ない(´・ω・`)
ふと思ったんだが、全部のトラック(6個)うpったほうがいいのかな?
それとも問題の部分だけでおk?
「年齢詐称薬で大人になったせっちゃん」
「威嚇」
ギャグとシリアスの方向で練ってみます。
キーワードか…
「せっちゃん風邪」とかどうだろう。ほのぼので。
おっけー、「せっちゃん風邪」も考えてみまー。
ほい、キーワード「年齢詐称薬で大人になったせっちゃん・威嚇」 の小説。
またもや無駄に長い、ギャグ風味のシリアス?
前半投下準備!
364 :
投下中:2007/02/09(金) 20:04:56 ID:zBf6F+zP
「HRを始めます。まずは衛生係からの連絡です。最近校舎が汚れが目立つことで――」
平和が続く日々。
本日は金曜日。
今週もたいした事件はなく、無事に終わった。
「それと刹那さんと龍宮さん。学園長先生がお二人にこれを渡すように、と」
「ん? あぁ、刹那に渡してください」
「あ、はい」
刹那の方が教卓に近いために、ネギは刹那にその封筒を渡す。
刹那が龍宮の方を見ると、龍宮は小さく頷いた。――中を見ろ、という合図だ。
丁寧に封を開けてみると、簡単に要点だけ書かれた紙が入っていた。
――桜咲刹那殿と龍宮真名殿へ
用事があるので放課後に学園長室に来るように。
近衛近右衛門――
365 :
投下中:2007/02/09(金) 20:05:41 ID:zBf6F+zP
『――仕事、のようだ』
『ま、私たち二人宛なんだからそうだろうな。前回の呼び出しよりはだいぶマシだろう』
『まぁそうだが・・・・なぜ携帯電話を使わないんだ、学園長は・・・・』
念話で遠距離会話をする二人。
ちなみに前回の呼び出しとは・・・・
――ピンポーン♪
「えーと、学園長じゃ。
中等部3-A組の桜咲刹那君と龍宮真名君、至急学園長室に来てほしい。繰り返す――」
・・・・校内放送で堂々と呼び出された。
この学園で学園長室に呼び出されるのはとても珍しい、それも学園長本人の放送で。
当然何かを感じ取った報道娘に追いかけられる事となり、前回は仕事どころではなかった――。
『近衛木乃香への送受信や、他者からの受信のみはしているようだがな。
古い魔法使いだから、変な所で意地を張ってるんだろう』
『・・・・もう少し周りに感づかれない方法をとってほしいな・・・・』
366 :
投下中:2007/02/09(金) 20:06:23 ID:zBf6F+zP
案の定、HRが終わった所で話しかけられた。
「せっちゃん、おじいちゃんなんやって?」
「おそらく・・・・『裏』の事かと」
「えー、じゃあもしかして刹那さん、週末忙しくなっちゃった?」
話しかけてきたのは、刹那が護衛すべき人の近衛木乃香と、最近仲の良い神楽坂明日菜。
登下校や食事も一緒にする、いわば親友の二人だ。
「まだ詳細はわかりませんが、その可能性が高いですね。――何かありましたか?」
「明日な、みんなで遊びにいこうって話しとったんや」
「ショッピングにカラオケ、ボーリング。まぁ詳しくわかったら教えてよ」
「はい、では学園長室に行ってきます。・・・・行こう、龍宮」
「私はさっきから待機してるんだがな」
龍宮の軽い嫌味をスルーする刹那、そして教室を後にする二人。
端から見れば、普通に仲がいいペア。
「せっちゃん、龍宮さんにはタメ語やよねー・・・・」
「楓ちゃんとかともね。やっぱ仕事仲間って特別なのかな」
『特別なのかな』
その言葉に木乃香はズキッと胸の痛みを感じた。
367 :
投下中:2007/02/09(金) 20:08:14 ID:zBf6F+zP
コンコン。
「桜咲刹那と龍宮真名です」
「うむ、開いておるぞ」
『失礼します』
周りに人がいないのを確認して、部屋に入る二人。
「それで、何か御用でしょうか?」
「うむ、明日から休日なのに悪いんじゃが・・・・、一つ『厄介な仕事』を引き受けてくれんかね?」
『厄介な仕事』と聞いて表情が引き締まる二人。
そんな二人をみて、柔らかい表情を返す学園長。
「そう身構えんでも良い。厄介とはいえど難しい仕事ではない」
「というと?」
「うむ、実はの――」
学園長の話によると、今週末にとある宗教団体が都心に現れるらしい。
その団体は都市の中心に魔方陣を張り、何やら謎の計画のために都市エネルギーを吸い取ろうと企んでいる、と。
それを阻止するのが今回の任務。
宗教団体自体にさほど力はなく危険は少ないが、それ故に一般人に紛れ混んでしまう為に探索に多くの人材が必要だそうだ。
ここまでの話だけなら、さほど厄介な仕事ではない。
368 :
投下中:2007/02/09(金) 20:08:46 ID:zBf6F+zP
「で、厄介な理由はの・・・・この依頼が外からだと言うことじゃ」
「外から?」
「うむ、学園外にも東の勢力があっての。友好関係を継続するために、この依頼は断れんのじゃ。
それも大人数の派遣を要求して来ておる。
さらに、向こうが要求して来たのは『18歳以上の熟練した人間』での。
じゃがそれだと、大人の魔法使い全員が学園からいなくなる事になる。
学園警備のためにもそれは避けたい。
そこで『厄介な仕事』になるということじゃ」
「しかし、我々はまだ中学生・・・・」
「うむ、それでの・・・・これじゃ」
「――年齢詐称薬!?」
「おや、知っとるのかの?」
知ってるも何も、以前これでえらい目にあった記憶がある。
カモが通信販売で購入し、木乃香がおもちゃにしたのだ。
自分は7歳の子供にされて、下の服が脱げた状態で木乃香に遊ばれた。
木乃香自信は何度も使って服がほとんど脱げた挙句、低年齢化する飴を舐めすぎて赤ん坊になったりした。
ネギは上手く使っていたようだが、自分は思い出したくない思い出しかない。
――できればもう見たくないマジックアイテムだった。
369 :
投下中:2007/02/09(金) 20:09:49 ID:zBf6F+zP
「そ、それを使って大人に化けろと・・・・?」
「うむ、そうじゃ」
「ほう・・・・これで年齢を誤魔化せるのか?」
龍宮は興味津々といったところだ。
そりゃあ、あの刹那がここまで嫌がっていれば興味が沸いてくるというもの。
「では明日の正午から都心の警備を頼むの」
年齢詐称薬を受け取り学園長室を出る二人。
薬を見てため息をつく刹那。
「ふふ、明日が楽しみだな」
「・・・・何事もなければいいが・・・・な」
少し話がややこしくなってるので、いろいろ伏線を見せつつ第一投下終了。
キーワード貰ってから一日経たずに設定作ったので、少々無理やりですがそこはスルーで。
続きは数時間後を待ってくだせぇ。
371 :
285:2007/02/09(金) 20:56:51 ID:XAYMEYdf
>>370 GJ!!!!!!
…1つ思ったんだが、
自信→自身
ではないか?
----------------------------
例のファイル、2つ目までうp完了
3つ揃うと全部聞けて( ゚Д゚)ウマーです
分割圧縮なので適当にリネームしてください(課外授業(ドラマCD).part1.rar等)
※連番でリネームしないと正常に解凍できません
1個目 nijyuu16340.rar 受信パス:conoca
2個目 nijyuu16343.rar 受信パス:conoca2
解凍パスワード(3個目まで共通):conoca
となっております
現在サーバーが503なので、3つ目(最後のファイル)24時頃にうpします
長文スマソ
372 :
285:2007/02/09(金) 20:57:32 ID:XAYMEYdf
あ、ロダはカサマツさんです
373 :
370:2007/02/09(金) 20:59:24 ID:zBf6F+zP
>>371 ゴメン、誤字は気付いてたんだけど直せないから諦めてたw
ありがたく聞かせてもらう〜(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
374 :
370:2007/02/09(金) 21:24:14 ID:zBf6F+zP
ダメだ、眠くて仕方ないから続き投下して寝ちゃう。
375 :
投下中:2007/02/09(金) 21:25:15 ID:zBf6F+zP
「・・・ではお願いします」
「はい、原宿方面は我々にお任せを」
任を受け取ったのは二人の女性。
二人とも10代後半から20代前半ぐらいの年齢といったところか。
身長は160cm後半と180cm前半ほど。
両者動きやすい服装をしているため、ずいぶんと落ち着いた雰囲気がある。
ただ背に背負っているのは木刀収納袋とギターケース。
よくよく見るとでこぼこコンビである。
「ふう、まさかこれほど背が伸びるとは思わなかった」
「朝っぱらから服の買いだしに行くハメになるとはな」
そう、年齢詐称薬を使った刹那と龍宮だった。
刹那は身長が元より20cmほど伸びてしまったため、任務前に大急ぎで服を新調となった。
ちなみに龍宮は薬を使っていない。
元が誤魔化せる容姿だったので使わなかったのだ。
「しかし、なぜ私だけ・・・・」
「なかなか似合ってるぞ、その姿と私服。大好きな木乃香お嬢様に見せたら喜ぶんじゃないかな?」
「ぜ、絶対断る・・・・っ!」
376 :
投下中:2007/02/09(金) 21:25:48 ID:zBf6F+zP
かつて「大人のせっちゃんが見たい」と木乃香に迫られた事がある。
だがその時はトラブルが重なり、年齢詐称薬が壊されてしまって未遂に終わった。
自分の理想も反映される薬だ、どんな自分になりたいのかがバレてしまう。
あまりにもキケンだ。何より恥ずかしい。
「しかし背は高くなったが胸はあまり・・・・」
「・・・・任務には邪魔だから望まなかっただけだ」
「まったく、つまらない奴だ」
つまり刹那はリーチは望んだが、スタイルは望まなかった。
「せっかくだから遊べ」と、そそのかす龍宮の意見も蹴った。
刹那の性格からして、公私混合は断固として認めなかったのだ。
「とりあえず探索を始めよう。特定の範囲まで近づけば探知できると聞いたが?」
「あぁ。魔力が弱い連中のために遠くからの探知は出来ないっとか言ってたな」
「――ん? 龍宮、この魔力は?!」
「・・・・行ってみるか」
さっそく二人の探索に誰かが引っかかった。
仕事人の表情に変わって現場に急行する。
377 :
投下中:2007/02/09(金) 21:26:32 ID:zBf6F+zP
一方その頃、同じ原宿。
「えぇ天気やなぁ〜」
「そうねー、刹那さんもこれればよかったのにね」
「うん、残念だね〜」
「桜咲さんと遊んでみたかったな」
「用事があるんだからしょうがないでしょ」
木乃香と明日菜がいた。
チアリーディングの3人も一緒である。
先日言っていた『お出かけ』のようである。
「ほにゃらば、さっそくショッピングといきますか〜!」
「あ、クレープ!」
「こらこら、勝手に行動するなー!」
「木乃香も食べる?」
「蕎麦粉のクレープがええな〜」
『な、なんでお嬢様が・・・・!?』
『先日出かけると言ってなかったか? まさか同じ原宿とはな』
378 :
投下中:2007/02/09(金) 21:27:06 ID:zBf6F+zP
刹那と龍宮は、クレープ屋の近くの草むらにしゃがみこんでいた。
そう、退魔師二人が探知した魔力は木乃香のものだったのだ。
木乃香は魔法使いの血筋。いわゆるサラブレット。
それゆえに、その莫大な量の魔力は遠くからでも探知できてしまうのだった。
『・・・・いや、お嬢様だけではない。他にも魔力を感じるぞ』
『狙いは近衛か?』
微量ながら魔力を発しているのは男のようだ。
明らかに木乃香を意識した様子で、近づいてきている。
関西呪術協会の連中もそうだったが、また木乃香の魔力を利用しようというのか。
木乃香で上手い具合に釣れたな、と龍宮は思う。
すると刹那がすっと立ち上がり――。
『・・・・同じ場所に居合わせて良かった。お嬢様、今参ります!』
『まて刹那!!』
『なんだ!? 早くしないとお嬢様が!』
『サングラス』
『・・・・ありがとう』
379 :
投下中:2007/02/09(金) 21:27:52 ID:zBf6F+zP
男が木乃香に接触しようした瞬間、刹那が間に入り込んだ。
「この娘に何か御用ですか?」
「!?」
「少し話がありますので、ご同行願えますか?」
「どけ!」
木乃香たちの前で争いは起こった。
何々?とクレープを買っていた明日菜たちや、周りの通行人が振り返る。
もちろん木乃香も。
「大人しくしてください。一般人の目に止まります」
「邪魔だっ! こいつさえこっちにくれば――!」
男は刹那を振り払い、乱暴に木乃香に手を伸ばした。
「痛っ!」
「木乃香!?」
「!!! 貴様っ――お嬢様に触れるなぁ!!」
刹那が切れた。
刀を抜きはしないが、収納袋に入れたままで相手に叩きつけた。
「うぎゃっ!」
「え?」
相手が倒れる。
が、刹那はまだ満足していない様子。
「お嬢様」という言葉に木乃香が反応してしまってるのにも気付かずに、男の胸ぐらを掴んでいる。
その様子を見て、やれやれと龍宮が落ちていた小石を拾った。
380 :
投下中:2007/02/09(金) 21:28:46 ID:zBf6F+zP
――ヒュッ!
刹那の額近くに小石を投げつけた。
はっとする刹那。
そして木乃香と目が合う。
・・・・気まずい。
サングラスはいつの間にかどこかに吹っ飛んでいた。
「――せっちゃん?」
「え、いや、人違いではないでしょうか!?」
声が裏返る。
これはまずい!っと刹那は男を担ぎ上げ、その場を逃げ出した。
「大丈夫だった、木乃香!?」
「う、うん・・・・ねぇ明日菜、今のせっちゃんじゃなかった?」
「え〜、今の桜咲さん!?」
「なわけないでしょ! 桜咲さんはもっと背が低いでしょ」
「でも、確かに似てたような〜?」
その場に居合わせたクラスメイトたちは「?」を頭の上に浮かべていた。
龍宮は周りにいた男の仲間を羅漢銭で倒し、すべて片付けたのを確認するとその場を後に、刹那を追いかけた。
(あれは・・・・龍宮さん?)
意外に鋭い木乃香。
その場を立ち去る龍宮の後姿を、しっかりと目撃していた。
381 :
投下中:2007/02/09(金) 21:29:38 ID:zBf6F+zP
「はぁはぁ・・・・危なかった・・・・」
「何が『危なかった』だ。近衛の奴、完全に気付いてたぞ」
「うっ・・・・」
兎にも角にも、任務は遂行しなければならない。
小さな路地裏で、原宿での主犯と思われる男を縛りあげる。
そして白状させる呪法を使って、他の地域の犯人たちの居場所を吐かせる。
これにて任務は無事完了となった。
382 :
投下中:2007/02/09(金) 21:30:58 ID:zBf6F+zP
「せっちゃーん、おる〜?」
その日の夕刻。
無事任務を終えた刹那は、入浴を終えて部屋に戻っていた。
そこにお出かけを終えた木乃香が訪ねてくる。
「お嬢様!? 今開けます!」
昼の出来事がフラッシュバックし、少し慌ててしまう刹那。
「えと、何か御用でしょうか?」
「あんなー、せっちゃん?」
少し上目で部屋に入ってくる。
その視線がなぜか痛く、刹那は後ずさりする。
バタン――
扉が閉められた。
「ど、どうかなさいましたか・・・・?」
「聞きたい事あるんねん」
まるで「逃げ場はないんよ」と威嚇するように、ドアの前に立ち塞がる木乃香。
あぁ誰か助けてくれ――、刹那は息をするのも辛い状況下にいた。
「今日どこにおったん?」
「・・・・た、龍宮と仕事で、――渋谷にいました」
383 :
投下中:2007/02/09(金) 21:32:55 ID:zBf6F+zP
嘘をついた。
ここで正直に答えたら、年齢詐称薬を使っていた事がばれると思ったからだ。
学園長は裏の仕事について木乃香に伝えない。
だからばれる事もないと思った・・・・が。
刹那の答えを聞いた木乃香は、ショックを受けたような顔で俯いてしまった。
「龍宮さんと一緒に渋谷やね? ・・・・嘘つき」
「え!?」
「龍宮さんが原宿におるの見かけたんや、今日のお昼に。」
・・・・龍宮、お前もバレてるじゃないかー!!
その突っ込みは刹那の中で虚しく響くだけだった。
384 :
投下中:2007/02/09(金) 21:33:53 ID:zBf6F+zP
「・・・・」
「・・・・」
苦しいほどの沈黙が刹那の部屋を制する。
ここで木乃香が異変に気付いた。
玄関にある靴――二足ある。
「せっちゃん、だれかおるん・・・・?」
「いえ、私だけですが・・・・?」
「この靴、誰の?」
「え? ――あ!」
紛れもなく自分の靴。
だが、私服に合わせて買った任務用の靴だった。
「あ、え、えっと・・・・」
「なんでそないに慌てとるの? ・・・・部屋に上がってええ?」
「あ、すみません今は!!」
昼に着ていた任務用の私服がまだベッドの上においてある事を、刹那は思い出した。
当然入れるわけにはいかない。
「・・・・なんや、今日のせっちゃんおかしいわ」
「す、すみません、今は散らかってて・・・・!」
苦し紛れの言い訳。
再び訪れる沈黙と静寂。
木乃香のその無言の訴えに、刹那は完全に滅入ってしまっていた。
385 :
投下中:2007/02/09(金) 21:34:46 ID:zBf6F+zP
(こ、これはもう白状した方が・・・・)
「もしかして、龍宮さんがおるん?」
「・・・・え?」
「この靴、龍宮さんの?」
木乃香は見当違いの事を言い出した。
刹那は冷静さを取り戻して分析を始める。
もし龍宮がここにいたとして、なぜ木乃香はこんな悲しそうな顔をするのだろう?
自分が隠してるから?
龍宮を隠してたらダメ・・・・?
――そして一つの結論に辿り着いた。
「もう、ええわ・・・・うち部屋に戻るな・・・・」
もう駄目だと思ったのか、木乃香は刹那に背を向けて帰ろうとした。
「・・・・待ってください、お嬢様」
386 :
投下中:2007/02/09(金) 21:35:26 ID:zBf6F+zP
木乃香がドアを開ける前に呼び止めた。
動きは止めたが振り向かない木乃香を――――刹那は抱きしめた。
「せ、せっちゃ!?」
「すみませんお嬢様、気付かなくて」
刹那はやっと気付いた。
木乃香が嫉妬をしているということに。
そういえば昨日の放課後から、龍宮との任務の打ち合わせが理由で木乃香の傍にいなかった。
下校も食事も、龍宮と一緒だった。
さらに出掛けるときも任務が終わった後も、木乃香に連絡をしてなかった。
裏の仕事があるとばれてしまった日は、いつも「行ってきます」と「無事終わりました」と報告していたはずなのに。
木乃香に知られたくない作戦があったとは言え、ここまで気を使わない行動をとったのは初めてだったかもしれない。
それが彼女を不安にさせて、嫉妬までさせてしまったのだ。
「本当に、私たち以外はここにいませんよ・・・・」
「・・・・うん、いたらせっちゃんこないな事しないもんな」
呼び止められたのが嬉しかったのか、刹那に軽く寄りかかってくる。
木乃香のシャンプーの匂いが刹那の鼻をくすぐる――あぁ、いい匂いだ・・・・。
387 :
投下中:2007/02/09(金) 21:36:03 ID:zBf6F+zP
「・・・・すみませんお嬢様。私は嘘をつきました」
「うん」
「・・・・今日は本当は原宿にいたんです」
「うん」
「でも、その、知られたくない事がありまして・・・・」
「無理して言わんでええよ・・・・」
「あ、ありがとうございます・・・・」
「・・・・だって今日、せっちゃん助けてくれたもんね?」
「はい、微力ながら・・・・って、え!?」
「やっぱり、せっちゃんやったんやぁ・・・・あははv」
しまった、と硬直する刹那。
許してもらえたと言う安心感からか、うっかり口を滑らせてしまった。
しかし・・・・クスクスと笑う木乃香を見ていると、バレてもよかったかなと思えてくる甘い自分がいた。
「もう・・・・お嬢様には敵いません」
「嘘ついたお仕置きやえ? ・・・・なぁ、部屋上がってええかな?」
「――はい、どうぞお入りになってください」
今夜も更けていく。
本日は土曜日。
明日はお嬢様と、ゆっくり過ごせるといいな。
388 :
投下中:2007/02/09(金) 21:37:10 ID:zBf6F+zP
オマケ
「せっちゃん、やっぱりこれ使ってたんやね」
机に置いてあった年齢詐称薬。それを木乃香は指差した。
「はい、学園長に頼まれて仕方なく・・・・」
「あ、今日せっちゃんが着てた服や〜。かっこええなぁ、これ誰が選んだん?」
「それは龍宮が。私はそういったセンスがないもので」
「・・・・明日は仕事ないんよね? ・・・・これつこうて、デートしよっかv」
「え!?///」
「うちが似合う服選んであげるえv」
――あぁ、やっぱりこうなるのか・・・・
明日行われる『デート』に期待と不安を覚えた刹那だった。
FIN
盛り上がってていいな最近
ところで去年書きかけで放置してたこのせつ漫画発掘したんだけど
投下してもええんかな?
長文失礼いたしました。
これでも一生懸命書いたんだからね・・・・!
ハァハァorz
ただいま、先ほど頂いたキーワード「せっちゃん風邪」を書き始めてます。
現在俺自身がゴホゴホいってる状態なのに。
・・・・もうちょっと短くまとまった小説が書きたいな。
キーワード提供お待ちしています。
>>390 GJ!!
どうせならその後のデート編も書いt(ry
>>389 このスレで「投下しちゃダメ」って言うヤシがが居ると思うか?w
とりあえずおkだと思うぜ
カサマツさんが未だに503……( ´・ω・)
もしかしたら最後の1個は明日うpになるかも知れん…
ホントスマソ>期待してた人
395 :
285:2007/02/10(土) 00:35:23 ID:vE+xfpr/
何かさっきうp出来てたっぽい
503って出たはずなのにw
>>371の続き
3個目 nijyuu16348.rar 受信パス:conoca
これで終わりです
13(火)に削除予定です、欲しい方はお早めに
396 :
389:2007/02/10(土) 00:50:56 ID:2ewtOcQ9
>>396 ほのぼの漫画GJ!!
読みにくい所もなかったし、全然いいと思うぞ。
>>389 wktkしながら待ってる
キーワードか…「せっちゃんの日記死守」とかどうだろう。
もちろんこのかから死守ね。
ちょいと完成まではまだまだかかりそうなので、今日は途中までの投下です。
もう月も変わったのにまだ終わってない誕生日ネタ
>>113の続きです。
昼休み。
やっと頭が正常に動作し始めた刹那は、目の前のノートを見つめて眉をしかめる。
内容がほぼ記憶に残っていない午前の授業。ノートは確かに取ったはずであるのだが。
しかし広げたページには、ぶつ切りにして炭になるまで煮込んだミミズがのたくっているだけで。
さすがに此処までくると解読のしようも無い。
仕方が無い、後で誰かにノートを借りよう。そう考えてノートを閉じたその時に、
「はい、せっちゃん、あーん♪」
流れるように自然な動作で口元に差し出された卵焼き。
「あーん……むぐ。あ、これとても美味しいですお嬢様……はっ!?」
一口サイズの焦げ目の少ないその卵焼きを言われた通りに口で受け取り、咀嚼し、
味わって飲み込んだあたりになって、刹那はやっと気がついた。
「なななななななないいいいいいいまお嬢様何を!!!?」
「なにて、一緒にお昼ご飯や」
とたんに椅子を跳ね飛ばして立ち上がる刹那に、にこにこ笑いながら木乃香は言う。
「いいいいいいえそうじゃなくて!」
「もー、せっちゃんは照れ屋さんやなあ。今日一日ウチはせっちゃんのモむぐっ」
「わーっ!わーっ!!」
その言葉が聞こえはじめて僅か3秒、刹那は慌てて木乃香を止める。
口に出した本人は、おかしな意味など微塵も含めてないのだろうが、
傍から聞けばあらぬ想像やりたい放題し放題だ。
このままではクラス中から生暖かい視線を向けられてしまいかねない。刹那は焦る。
勢い木乃香に顔を寄せて、小声で急ぎ諭し始める。
>>402 「お嬢様!その件についてはわかりましたから、せめて学校ではあまり公言しないで下さいっ」
「だめなん?」
「その、ええと、そう!二人の秘密ということでっ」
「えー、でもハルナ達はもう知っとるえ?」
そこで刹那はふっと辺りを見回して、やっとこ周囲の視線に気付いた。
そう、先ほど恐れた生暖かい視線など、焦る間もなく既に二人の元へと注がれていたのである。
他にも、二人を見守る温かい視線、そして熱い視線と見せかけて、その実、獲物(ネタ)を狙う
鷹のような視線などなどが、種々とり混じって二人に、いや刹那の心にざくざく刺さる。
そんな心を嵐が吹きすさぶ中、
目が合った瞬間満面の笑みでサムズアップをしてきたとあるクラスメイト。
その悪戯な唇が、音を発しないまま動いて言葉を形作る。
たった四文字のその言葉とは。
が・ん・ば・れ(はぁと)
何を、一体何をですかハルナさん!?刹那は思わず心で叫ぶ。しかしそれは即座に相手に伝わり、
『わかってるくせに〜』とでも言うようなジェスチャーと笑みを返された。
悲痛な心の葛藤を微塵も解さぬその上に、無垢なお嬢様をを焚きつける。鬼か悪魔か早乙女ハルナ。
一度は忘れかけていたコロスリストを胸に秘め、思わず殺気が溢れそうになった刹那であったのだが
「せっちゃん?どないしたん?」
木乃香の声がそれを一気にクールダウン。
「あ、いえ、なんでも……」
>>403 不思議そうに見上げる木乃香の顔を見て、何故だか怒りが一気にしぼんでしまったのだ。
倒れた椅子を屈んで起こし、素直に上に腰掛ける。
「??んー、ならええわ。じゃーもっかいはい、せっちゃんあーん」
木乃香は再び微笑んで、弁当箱から今度は焼き鮭をつまんで差し出した。
「う……」
刹那の動きがびくりと止まる。別に嫌だという訳じゃない。
むしろ本音を言えば死にそうなくらい嬉しかった。
けれど周囲の視線が依然気になる事に変わりなく、
だからと言って断るなどと言う選択肢は、木乃香の微笑みの前に儚くも消えてなくなっていた。
人の夢と書いて儚い。しかし今回儚く散ったのはどちらかといえば現実よりの選択肢。
どういうわけか、嬉しい夢に属する選択ばかりが残り、刹那を苛むこの不思議。
「お、お嬢様、今日は天気が良いので、昼食は外で食べません、か?」
それはともかく、せめても教室からは離れたいと提案を。
幸い際今日は天気も良く、日当たりのいい場所はそこそこ暖かいので
外でもそう寒さに震える事は無いだろうとの考えだ。
「うん、ええよ」
微笑む木乃香は誘いに快く応じ、そして準備しようと手を降ろしかけて思い直す。
「でも、これだけは先に食べちゃってな?」
そして再び差し出された箸。
刹那はしばし逡巡してから、意を決して口を開く。
>>404 「わかりました。頂きます」。
塩気の強い焼き鮭は、刹那の心の涙味。それは果たして嬉し涙か、追い詰められた心の汗か。
―――
それからしばしの時が過ぎ、此処は屋上。少々風があるけれど、日当たりとしては申し分ない。
さらに運良く、見回す限りは人の姿も見えなかった。
二人は適当な場所に腰掛け、昼食を再開する。
「今度はサトイモや。せっちゃんあーん」
「は、はい……あーん」
いや、刹那はもちろん、なんとか遠慮出来ないかと往生際悪く伺っていたのだが、
しかし木乃香の鉄壁の笑顔の前に、その覚悟はやはり脆かった。
かくして、しばらくは気恥ずかしそうに食べさせてもらっていた刹那なのだが。
ふと、先ほどから食べさせるばかりで、木乃香の方は何も口に入れていないことに気がついた。
「そういえばお嬢様は食べないのですか?」
「大丈夫、ウチはそんなにおなかすいてへんよ」
「しかし」
「ええってええって」
手を振りながら言う木乃香。とはいえ、気にならないわけが無い。
けれどもこの様子では食べてくださいと言ってもきっと駄目だろう。それでは一体どうするか。
眉尻を下げて少し考えた刹那は、一拍置いて、こう切り出した。
>>405 「で、では私がお嬢様に食べさせる、っていうのはどうでしょうか」
食べさせてもらうというのは恥ずかしいけれど、食べさせるならばまだマシだ。
むしろ本来立場上ならばこちらの方が正しいわけで。
そう考えた刹那の案だ。
「へ?でも」
きょとんとする木乃香。その隙に、刹那は一旦置かれていた箸を取り、
弁当箱から卵焼きをつまみ上げ、
「私の、誕生日のお願いということで」
下に手を添えにっこり笑って差し出した。対する木乃香は
「!……せやったら仕方ないなぁ。実はちょっとだけお腹すいてたんよ。朝ご飯も食べてへんし」
嬉しそうに、そして少し恥ずかしそうに苦笑する。
ならば、と刹那が持ち上げた箸に、木乃香は顔を近づける。
途中、前側に垂れてしまった長い黒髪。それを片手でかきあげる。
そんな小さな仕草に感じたかすかな色気に刹那の胸は高鳴った。
気がつけば、差し出した箸の先にあった卵焼きは消えてなくなっていた。
「ありがとうな、せっちゃん。じゃあ、次はウチの番や」
かくて、ぼんやりしているうちに、降ろした箸は再び木乃香の手元へ移る。
新たなおかずが掴まれて、それが刹那の口元へ、伸びていこうとした瞬間。
>>406 「だあああああああ!!!」
とてもかわいらしい雄叫びと、それに続くありえない威力の衝撃。
めきょす。
そんな非常識な音を立て、刹那の体が跳ね飛ばされた。
驚く木乃香の目に飛び込むは、陽光に輝き回転する金の髪。制服を着た小さな体。
しかしそれも一瞬で、浮かんだ刹那の体を追って空中コンボを叩き込みつつ、
すごい勢いで走り去ってしまった。
一瞬何が起こったのかが理解できず、唖然としてそれを見送ってしまった木乃香だが。
一拍置いて、
「せ、せっちゃあああん!?」
ようやく状況に気がついて、慌てて立ち上がる。
しかし、そこに近づく黒い影。
「こんにちは。今日はとても良いお天気ですね」
あまりにも冷静なその声に、木乃香は思わず振り返る。
そこに居たのは、姿勢を正して座るロボ・クラスメイト。
鳥を頭に止まらせて、湯飲みを手に持つその姿は、先ほどのバイオレンスな画とは対照的に
どこまでも牧歌的な雰囲気を漂わせていた。
>>407 「大丈夫です。マスターはちょっとあのダボに活を入れてくるから、景気付けに投げろ、と
無茶をおっしゃっていたので。きっとすぐ帰ってきます」
「茶々丸さん?ええと、その言葉の中にすぐ帰るて意味の言葉は一つも無い気がするんやけど……」
「もちろん射出時の出力は低めに押さえておきましたので、初撃による怪我の心配もいりません」
「それって気休めになってへん気がするんはウチの気のせい……?」
「大丈夫です」
根拠も無く堂々と言い切った。
「満月が近いですから、マスターはちょっと投げつけたくらい全然大丈夫です」
「せっちゃんの方は大丈夫ちがうんーーー!?」
言われて、茶々丸が動きを止める。
そのまましばらく経って、何事も無かったかのように湯のみを差し出した
「……お茶でも如何ですか?」
もちろんそんな胡乱なごまかし方で落ち着けるわけも無く。
「うう、ちょっと様子を……」
扇を出して追おうとする辺り、心配なのはわかるけれどもある意味容赦の無い木乃香。
既に大怪我確定と目しているのかどうなのか。
しかし、その前に立ちふさがる三つの影!
「ちょぉっとまったー!」「た、たー!」「たー」
果たして木乃香は刹那の元へとたどり着けるか否か!?
昼編、次回へ続く!
という訳で、今日は此処まで。
いつものおまけ文は、残り投下の時に一緒に投下させていただきます。
そして、いつも皆様GJありがとうございます。その一言がやる気の元であじのもと。
時に、晒すわけにいかないサイトの紹介ってやっぱり〇〇でぐぐれ、が基本なのでしょか?
あぁ、キーワードの難易度がどんどん上がっていくw
「せっちゃん日記死守」メモメモ。
・・・・これはギャグの方向かな?( ・'ω'・)
オマケ(
>>388)で予告されてるデートは、実は書く予定なかったんだよな・・・・。
理由は俺がデート苦手だから。
一応
>>387でFINということで・・・・。
(;´Д`)<でもリク多いから少し練ってみるよ
411 :
395:2007/02/10(土) 17:39:19 ID:vE+xfpr/
>>409 GJ!!!!!
wktkして待ってるお( ^ω^)
今日の0時にうpしたファイルについて
問題の部分(木乃香が暴走して刹那に抱きつくっていうシーン)はトラック5の4:00付近です
412 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/10(土) 21:22:20 ID:tzM6qU5K
>>411こういうのにう慣れてないんで
解凍のやりかた教えてもらえないでしょうか・・・。
413 :
395:2007/02/10(土) 21:35:44 ID:vE+xfpr/
>>412 とりあえずsageましょう
WinRARが入っていることを前提に話します
無い場合はググって入れてください
まずは3つ全部落としてください
次に、ファイルを適当にリネームしてください
このとき、連番でリネームしないと解凍できません
(ファイル名)part1.rar等とすると良いと思います
最後に先頭のファイルを右クリック→解凍
解凍先を指定すればあとは自動的にやってくれます
パスワードは
>>371,
>>395を参照してください
長文スマソ
414 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/10(土) 21:39:09 ID:tzM6qU5K
413>>ありがとうございます、やってみます!!
>>414 下げとらんし^^;
E-mailの欄に「sage」と入力するといい事あるよ。
あ、↑ネタバレ注意です
>>416 ちょ…(*´д`*)ハァハァハァhァxは
>>416 この展開をどれほど待ったことか。
実際、こういう話すら浮上しないとも一時期は思った。
アニメ版のご利益があった?
このせつ契約のフラグが立ったかな?
今のところ、二人以上のマスターができる可能性があるのは刹那だけだから、ぜひとも契約まで行ってほしい。
そしてネギと木乃香が刹那を奪い合ってほしい(あれ?
>>416 ちょwwwwなにこのテラGJな展開wwww
これは今後の展開に期待しろということだな!?
>>416 ネタバレ注意
でも、もうtorrentで流れてるんだよな…
流れてるの読んだ今号おもしれーwいろんなフラグたちまくりだな
>>409 GJ!! 楽しませてもらいました
続き待ってます
バレンタインネタです。
聖バレンタインデー前日。
「ふふ〜ん,ふ〜ん」
ここ麻帆良学園女子寮の一室で,ウチ――近衛木乃香は料理をしとった。
ウチが作っているのは,チョコレートクッキー。明日がバレンタインやし,たまには自分で作ってみるのも
いいかなと思って。
女生徒がいる寮だからか,キッチンの設備も充実してるのがええね。電子レンジもケーキが焼ける優れ物や。
いっぱい出来たらみんなにも,わけてあげよう。せっちゃんは,おいしいって言ってくれるかな。そんなことを
思いながらシナモンの缶をとりあげて,ふと気付いた。
「あれ,新しいの買うの忘れてたえ」
缶を覗いてみたけど,底にちょっと残っているばかりだった。
どうしよと考えて,ネギ君から借りることにした。紅茶好きのネギ君は,この前の休みの日にシナモンミルクティを
飲んでたっけ。ちょっとだけ,貸してもらおうっと。
おじゃましまーすとロフトに上がっていって,紅茶が置いてある棚を見る。
「これかなあ……」
その瓶には,ラベルが貼ってなかった。新しい物らしく,ビニールの包装は取れている。匂いを嗅いでみると
シナモンの匂いがした。
後で断っておこう,そう思ってウチは先に借りることにした。
まずはクッキーの味見。よっし,我ながらいい出来や。そして上からシナモンを振る。
「ちょっとかけすぎたかなー」
苦手な人にはキツイかもしれへんな。少し振り落として,クッキーを箱に詰めた。あとはみんなに渡すだけ。
ちょうど後片づけが終わった時,アスナとネギ君が修行から帰ってきた。
「ただいまー」
「ただいま戻りました」
「おかえり,ほな晩ご飯にしよっか」
ウチは二人と楽しくしゃべりながら,晩ご飯の支度にかかった。
バレンタイン当日。
授業が終わってから,ウチはまっすぐに部屋に帰った。教室や廊下のあちこちでは,女生徒達がチョコレートを
交換しあっていたり,先生にあげたりしてる。ウチも,早うせっちゃんたちにあげよっと。
クッキーの箱を持って部屋を出たところで,クラスメートのアキラさんに出会った。
「あ,アキラさんや。クッキー作ったんやけど,お一ついかが?」
「いいの? ……じゃあ,いただこうかな」
アキラさんは箱から一つ取って食べると,にっこり笑った。
「美味しい……近衛さんは,いい奥さんになれるね」
「いややわあ,そないなことないえ」
普段は寡黙なアキラさんやけど,笑うととても綺麗な人やね。うちもアキラさんぐらい身長があったらなあ。
アキラさんにもう一つあげて,せっちゃんの部屋に向かった。
トントンと,ドアをノックする。出てきたのは,龍宮さんだった。
「おや,刹那を探してるのか? たぶん,剣道部か自主訓練だと思うけど」
「そうなん,ありがとね龍宮さん」
そこで龍宮さんにもプレゼント。
「うん,美味しいな……私もこういうのを作れるように,女性らしくしたいものだな」
そうは言うけれど,龍宮さんだってじゅうぶん女らしいとうちは思う。それに,かっこいいもんなー。
次に向かったのは体育館。端の方で剣道部が練習してるはずなんやけど,せっちゃんはいるかな。
見たところ姿があらへん。部員の一人に聞いてみると,今日は来ていないとのことやった。
体育館を出て行くと,まきちゃんと亜子さんに出会った。
「あー,近衛さんだ。それなーに?」
「チョコレートクッキーなんよ。よかったら,二人とも食べへん?」
二人の顔がぱあっと輝く。
「食べる食べる! あたしも四葉さんからもらったチョコレートあるから,取り替えっこしよ」
「うちも自分で作ってきたんよー」
うちらは校庭の隅っこで固まって座り,お互いのチョコレートを交換しあった。
「亜子さん作ったの,おいしいなー。バナナチップ入りなんやね」
「えへへ,ちょっと凝ってみたんや。……女の子しかあげる相手がおらへんのやけどな」
「いーじゃないの,あたしが食べてあげるからさっ」
こうして盛り上がれるのが,女子校の楽しいところやね。
「刹那さんなら,購買に行くのを見かけたよ。うん,おいしい。もう一個もらっていいかな?」
まきちゃんはもぐもぐしながら,教えてくれた。
どうりで会わなかったはずやと思いながら,ウチは残り少なくなったクッキーを持って購買部に向かった。
「おーい,せっちゃーん」
購買の入り口にいたせっちゃんを見つけて,うちは手を振った。
「お嬢様!」
走り寄ってくるせっちゃん。おや,手に何か持ってるみたいやけど。
青色の包みに赤いリボンで止められている。ずいぶん高い物みたい。せっちゃん,誰かからチョコレート
貰ったんかなあ。そう思ったとき,心に痛みのようなものが走った。
ちゃんと,綺麗な入れ物に入れてくればよかったな。うちは,ちょっと落ち込んだ。
「あんな,これチョコレートクッキーなんやけど,その,よかったら……」
食べてくれるやろか。うちは不安になりながら,箱を渡す。
「お嬢様……ありがとうございます!とても嬉しいです」
うちの思いとは裏腹に,笑顔で受け取ってくれるせっちゃん。この笑顔だけでも作った甲斐があった気がして
嬉しくなってきた。
そこでせっちゃんは,持っていた包みをうちに差し出してきた。
「あの,これはお嬢様になのですが」
「うちに?貰っていいの?」
素っ頓狂な声を上げて,聞き返してしまう。
「申し訳ありません。お嬢様に既製品などと思ったのですが,なにぶん手作りは苦手ですので」
「ううん,せっちゃんがくれるだけで嬉しいんよ」
さっきの落ち込みはどこへやら,天にも昇る心地でうちは受け取った。これは大事に食べようっと。
「ではお嬢様,どこか座ってお茶にしませんか?」
「そうやね,食堂棟のテラスでもいこか」
そうして食堂棟に足を向けたそのとき。
「危ない!」
せっちゃんの足下で何かが弾けて飛ぶのと,うちが抱えられてその場を離れるのはほぼ同時やった。
「な,何?」
「お嬢様,私の後ろに!」
何が起こったか判らないまま,うちはせっちゃんの後ろにまわる。
「龍宮……これはどういうつもりだ」
せっちゃんの前に立ってるのは,龍宮さんだった。
「刹那。近衛さんを,いや,このかお嬢様を渡してもらおうか」
「何だと!? いったい誰に頼まれた?」
「頼まれたわけじゃない。これは私の意思だ」
そう言って,龍宮さん目を伏せた。そしてためらいがちに言う。
「私はな,刹那。このかお嬢様に惚れたんだ。いつからかはわからないが,彼女に対して胸が疼くんだ」
「何だって!?」
「え,ええっ?」
うちらはあっけにとられた。一体どうしたというのだろう。
「刹那!護衛の任は,私が就こう。そして,私にこのちゃんと呼ばせてもらうぞ!」
「そ,そんな,そんなこと納得できるか!」
混乱しながらも,否定するせっちゃん。
「お嬢様,逃げて下さい!」
言われたとおり,うちは校舎の中に逃げ込んだ。廊下に曲がろうとしたとき,ドンッと誰かにぶつかる。
「ごめんなさい……って,アキラさん」
そこに立っていたのはアキラさんだった。あれ,なんだか頬が赤い。熱でもあるんやろか。
「ようやく見つけた……近衛さん,私と付き合ってくれないか?」
「え,えっ,付き合うって。いきなりそんな」
「私……君のことが好きになったみたいなんだ。刹那さんより背は高いけど……ダメ,かな」
両肩を掴まれ,真剣な目でウチを見つめるアキラさん。なんと答えよう。迷っていると,背後に足音が聞こえた。
「見ーつけた!」
「わあっ!?」
後ろから抱きついてきたのは,まきちゃんやった。なぜか息が荒い。
「このかさんはやっぱり,あたしの方がいいよねー!」
もはや言葉もなくしていると,亜子さんがひっぱるように私の腕をとる。
「ウチに決まってるやん!大阪と京都,同じ関西モンなんやで!」
逃げるに逃げられないでいるうちを,せっちゃんが助けに来てくれた。
「み,みなさん!お嬢様を離して下さい!」
「そうだ,このかお嬢様は私のものだ」
続いてやってきた龍宮さんが言う。
「お前は違う!」
「そうだよ……近衛さんには,私のような人がいいかと……」
「あたし!あたしだって!あたしといると,楽しいよ!?」
「近衛さんはウチがいいよねっ」
これはどないしよ。そこへ走ってきたのは,ネギ君やった。
「みなさんっ!待って下さい,落ち着いて!」
そう言って後ろから,ウチらを逃がしてくれる。
「姐さん,こっちだ!」
カモさんの言うとおりに,うちらは階段を上がって屋上に逃げた。
「ひゃー,びっくりした」
「本当に……」
ウチらは扉を閉めると,大きく息をついた。
「それでカモさん。これはいったい,どういうことなんです?」
せっちゃんの問いかけに,カモさんは言いにくそうに答えた。
「このか姉さん,シナモンを兄貴から借りてクッキーに振りかけたんだよな?実はアレ……惚れ薬だったんだ。
いつか使うこともあるかと,おれっちが取り寄せたのさ」
「はー,あれがそうやったんか」
「こんな騒動になるとは思わなかったが,効き目はあったみたいだな」
龍宮さんに効いてたぐらいやもんね。……先に,せっちゃんに食べてもらえばよかったかな。
「しかし,カモさん。いつまで効果があるんでしょう」
「兄貴が,精神を爽やかにする呪文を強力にして唱えたからな。およそ2時間ぐらいか」
下からは,騒がしい声が聞こえてくる。
「やれやれ,それじゃまだ追いかけっこになるかもしれませんね。他の3人はともかく,龍宮がいますから」
そう言うなりせっちゃんは,ウチをお姫様抱っこする。
「せ,せっちゃん!?」
「あなたを護るのは私の役目ですよ,このちゃん」
せっちゃんの顔は,映画村の時と同じで頼もしく,一点のくもりもなかった。
その時,屋上の向こうでバンッと扉が開いた。
「あー,見つけたっ!」
先頭はまきちゃんだ。
「刹那の姐さん,こっちだ!」
「それじゃ,お嬢様。しっかりつかまっていて下さいね」
「うん!」
――まだまだ騒ぎは終わりそうにない。でも,少しでも長くせっちゃんに抱かれていたいなと思うと
ウチはつい,顔がほころぶのを抑えきれんかった。
スマネ,流石に長すぎた。あと,このせつ分少なめかも。
京都弁等ツッコミがあったら,是非ともお願いしたく。
>>434 GJ〜!
綺麗にまとまってると思うよ!
えーと、「いいの?」⇒「ええの?」かな?
微妙なところだからあんまり気にしなくていいと思うけどw
436 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/11(日) 10:02:11 ID:VF2AIG3D
GJ!!
GJ!!!!
バレンタイン絵と漫画描いたんだがなんかいいうぷろだあるか?
容量は?
>>439 SS以外のうぷすんの初だしパソ自体初心者でよくワカンネ
まず初心者板逝ったほうがいいかな、俺
1枚絵ならうpろだ.org、虹ろだ辺り。
複数ページならフォルダにまとめて圧縮した後で
カサマツさんとかうpろだ.orgとか。
アップローダー リンク集でぐぐれば色々見つかる
>>440に期待
俺も1個書いたから今日中には投下するぞ
443 :
410:2007/02/11(日) 16:38:14 ID:7kZ79iov
お、俺もキーワード「せっちゃん風邪」を・・・・
でも投下する人多そうだから、ちょっと後にしよう。
>>441 d。
今日できたら練習として投下してみるが何分初心者だからできるか不明だorz
私事で悪いんだが虹ロダはやめてくれー
なんか知らんが規制されてるみたいで虹ロダは見れないんだ
もううpしてたらあきらめるけど・・・
vipろだのコメント「できるかな」にうぷ完了、URLコピーして確認の為に自分でアクセスしたらできなかった…何故^^
初心者はうぷするなと?w
>>434 GJ!!!!
なかなかだと思うぜw
強いて言うなら、「買うの忘れてたえ」→「買うの忘れてたわ」でもいいと思う。
本編を見てる感じ、木乃香は生粋の京弁使ってるわけでもなさそうだから、無理に京弁使うと不自然に見える。
まあ、この程度なら問題ないと思うけどw
>>446 今見てきたが、見れたぞw
もしうpするときは、pass(DLKey)をつけることをオ
ヌヌメする。
変なとこで改行しちまった、スマソorz
450 :
441:2007/02/11(日) 20:33:54 ID:CKKQnSq4
おれも見れたよ
うん、俺自身も見ることは出来たんだ。直接スレにURL貼りたいんだがやり方わからん…
後異常にサイズでかいのはなんでなんだ…
パソ初心者には難しいな
>>448 なにゆえ?
同じく見れたー
ちょいサイズ縮小したほうがいい気がしたが・・
ついでに、
>>256以降に投下された絵or漫画とかまとめても構いませんか?
投下した覚えがある方はレスくれると有難いです。
>>451 上のアンカーミス、
>>448→
>>451 何か勘違いしてたorz
サイズ変換はペイントとかでも出来る
今の1/4位(536x638)がちょうどいいと思うぜ
モニタは1024x768とか1280x960辺りが一般的だと思うし
今落として試してみたが、1/4でも十分おk
>>452 縮小…やってみる
>>453 そうそうそゆこと。俺それのやり方がワカンネ、コピーした筈なのに出ないんだ
今までROM専な上携帯厨だったからなぁ^^;
456 :
441:2007/02/11(日) 21:02:42 ID:CKKQnSq4
>>455 別窓で開いてもいいんだが、
IE系なら「ショートカットのコピー」、Operaなら「リンクのアドレスのコピー」。
これでもおk
今見たらちょうどnijyuu16340が落ちてたorz
私、桜咲刹那は今、保健室のベッドで寝ている。
・・・・恥ずかしながら風邪をひいてしまってダウンしているのだ。
今日は学生たちが開放される日。
そんな日だというのに、私は風邪という病魔に囚われてしまっていた。
「せっちゃん、テスト最終日にダウンやなんて・・・・」
「申し訳ございません・・・・でも、テストを受けないわけにはいかなかったので・・・・」
身体の異常は前日から感じていた。
退魔の仕事に加え、テスト勉強という徹夜作業を行ったせいで身体が弱ってしまったようだ。
かといってテストを受けないわけにもいかず、無理をしてテストを受けた。
それが原因となり、最後のテストが終わった頃には完全にこじらせてしまっていた。
隣の釘宮さんが私の異常を感じ取り、それからすぐに保健室に運び込まれ・・・・そして現在に至る。
「テストに拒絶反応起こして身体壊すやなんて、せっちゃんホンマ勉強苦手なんやね〜」
「ち、違います! 少し疲れが・・・・ガホッ!ゴホッ!!」
必死で否定しようとしたため、変な咳が出る。
テストに拒絶反応だなんてありえない・・・・と言いたいが、咳でしゃべれない。
「ほら、そないに興奮するから・・・・安静にしてなあかんえ?」
「ケホッ・・・・はい」
あなたのボケに突っ込みを入れただけです――だなんて言えるはずもない。
大人しく従うことにする。
「せっちゃん、今どないな感じ?」
「喉の痛みと頭痛、悪寒と関節の痛みですね・・・・あと少しボーっとします・・・・」
「・・・・ずいぶんとこじらせてもうたなぁ」
お嬢様の手が私の額に下りてくる・・・・。
避ける気力もないし、拒絶する理由もないので大人しく迎え入れる。
「熱はないみたいやね・・・・」
そのまま優しく撫でられて、私はなんとも言えない心地よさを感じていた。
「なんやせっちゃん、おとなしいなぁ? いつもやったら逃げるのに」
「・・・・風邪のせいでしょうか・・・・」
私は風邪のせいにした。
本当はいつだってお嬢様を受け入れたい。
でも、なんだか照れくさくて。
いつも照れてしまって満足な反応ができない。
そんな自分がもどかしかった。
「気持ち良さそうやね・・・・少し寝る?」
「・・・・はい・・・・少し・・・・休ませて頂きます・・・・」
それからたいした時間も経たずに聞こえてきた寝息。
ウチは撫でる手を止めて、ずれた布団をかけ直した。
「・・・・ほんまに疲れてたんやね。疲労まではウチの力でとれへんし・・・・」
目の前で静かに寝ているのは、常に努力を絶やさない剣士。
何に対しても本気で、苦手なものでも出来る限り達成しようとする。
それが今回のせっちゃんの失敗。
せっちゃんもわかっている事。
でもそれは全部が間違ったことやないから、やめてだなんて言えない。
「ウチ、心配なんやよ・・・・。こないな事繰り返して、ウチの知らない所で何かあったらと思うと・・・・」
誰に聞かせるのでもない独り言やけど、誰も聞いてないと思うたら自然と口が動いておった。
せっちゃんが普通ではないお仕事をやってると知ってから、怪我をして帰ってくるたびに不安は膨らんでいった。
その不安はどうやっても振り払うことが出来ない。
どんなに傷を癒しても、どんなに抱きしめても。
「もう大丈夫ですよ」とせっちゃんが笑うたびに、その笑顔が無くなってしもうたらと考えてまう・・・・。
「せっちゃんが風邪ひいてな、なんやウチほっとしたんや。だって、ベッドの中におったら傷付かへんやろ・・・・」
せっちゃんが起きてないか、もう一度確認する。
変わらず無防備に見えるその寝顔。
「こうしてたら普通の女の子やのにね?」
もう一度頭を撫でる。
不器用で照れ屋で、とても優しい女子中学生。
そんな女の子が、剣を持って傷付いて・・・・。
「・・・・荷物、持ってくるな?」
ウチはベッドを離れた。
教室に置いてきたせっちゃんの荷物を取ってくるために。
――お嬢様の気配が遠くなる。
私は静かに目を開けた。
本当は寝てなかった。
仕事上の癖で普段から眠りが浅いので、お嬢様が言葉を漏らした時に意識が覚醒してしまったのだ。
寂しそうなお嬢様の声を聞いていたら、なかなか起きていると言い難くて・・・・結局寝た振りをする事となってしまった。
(心配かけてしまってすみません・・・・お嬢様・・・・)
ここにいないお嬢様に向けて、謝罪の言葉を浮かべる。
お嬢様が戻ってきたら少し話でもしようかと思ったが、どうやら病にかかったこの身体は休息を求めているようだ。
ゆっくりと目を閉じて、私は眠りの世界に落ちた――。
次の日、木乃香は刹那の部屋を訪れていた。
もちろん見舞いと看病のためである。
「せっちゃん、ちゃんと薬飲んだ〜?」
「はい、大丈夫です」
今日から試験休み、数日間の休日である。
テストから開放された生徒たちは、この連休に十分と休む。
大抵は遊び回るのだが。
「お嬢様も、皆さんと一緒に遊びに行かれてもよかったのに・・・・」
「せっちゃんだけおいて行けるはずないえ」
刹那の体調は随分と良くなった。
しかしまだ満足に動けないので、クラスメイトの誘いを断ったのだ。
木乃香も誘われていたが、刹那の看病をするといって同じく断った。
「申し訳ございません、私のせいで・・・・」
「謝らんといて? ウチが勝手にしとる事やし――せっちゃんと居たいだけやから」
木乃香は頬を紅くしていった。
それを聞いた刹那も一気に紅くなる。
「あ、え、えと」
「――ウチ、食器片付けてくるな!」
木乃香は逃げるように台所に向かった。
刹那はドキドキと高鳴る胸を押さえる。
(私ももう少し気の利いた言葉を返せればいいのに・・・・)
そう思うも、後の祭り。
はぁっとため息をついて何気なく部屋を見回すと、机の上の書類に目が行った。
刹那はベッドから起き上がり、手にとる。
仕事の書類。この連休に片付ける予定だった仕事である。
しかし体調を壊してしまったために、長瀬楓が臨時で引き受けてくれる事となった。
(楓には悪い事をしたな・・・・今度プリンでも奢ってやらないと・・・・)
再びため息をつき、書類を机の上に戻す。
そしてこの仕事を引き受けてくれたときの長瀬の言葉を思い出す。
『風邪の所為にして、たまには木乃香殿に甘えてみてはいかがでござろう?』
・・・・周りにバレバレなのだろうか。
同じようなことを前に龍宮が言ってたような気がする。
「せっちゃん、ちゃんと休んどらんとダメやよ?」
「あ、す、すみません」
木乃香が戻ってきた。
刹那が慌ててベッドに戻って布団に入ると、木乃香が机の上の書類に目を向けた。
「・・・・せっちゃん、仕事したかったん?」
「いえ、こんな状態で仕事に出ても失敗を招くだけなので・・・・」
良い骨休めです、と微笑む。
事実、休息は必要だったのだから。
しかし木乃香はその笑顔を見て、少し複雑な笑顔を返した。
その顔を見て刹那は、昨日の木乃香の独り言を思い出す。
「・・・・お嬢様、少しベッドに座っていただけますか?」
遠慮しがちに木乃香を呼ぶ。
何?という表情で、木乃香は刹那の隣に座った。
「どないしたん?」
「い、いえ、その・・・・大した用はないんですが・・・・」
気付かれないように、木乃香側にある手で木乃香に触れた。
あくまでさりげなく・・・・軽く服に触れる程度に。
これが今の刹那に出来る、最大限の甘えだった。
ただそれだけのことなのに、刹那は顔が熱くなるのを感じる。
「・・・・////」
木乃香を見ることが出来ない刹那。
たださりげなく、少し触れているだけで幸せを感じていた。
――が、その行動は全てバレバレで。
「・・・・せっちゃん、甘えんぼさんやね」
触れていた手をとられた。
一気に脈が上がって、上手くしゃべることが出来なくなる。
「あ、あぅ・・・・」
「これも風邪のせい? なんや熱でも出てきたんとちゃう・・・・?」
手を握ったまま木乃香が、顔を近づけてくる。
手を握られている為、刹那は逃げる事敵わず。
そのままおでこ同士がくっついた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
刹那、オーバーヒート。
「せっちゃん、真っ赤になりすぎや〜。ウチも恥ずかしゅうなるわ////」
「お、お嬢様ぁ・・・・////」
そんな刹那を見て、木乃香は頬を紅くしてクスクスと笑い出す。
刹那は、その笑顔がとても愛しく感じた。
照れ隠しも手伝って、刹那は木乃香をやや強引に引き寄せる。
そしてそのまま自然に抱きついていた。
木乃香が刹那を覆い被さるような構図となる。
「せ、せっちゃん?」
驚く木乃香を軽く無視して、木乃香の肩に顔をうずめる。
先ほどの照れが嘘のように消えていた。
「・・・・この場所は、落ち着きます・・・・」
「もう、ホンマに今日のせっちゃんは甘えんぼさんやわぁ////」
(木乃香お嬢様、私はこれからも心配をかけてしまうでしょう・・・・。
ですが、いつも必ずあなたの元へ戻ってきます。
ですから、いつまでもその笑顔を絶やさないでください。
その笑顔が、私の力の源なのですから――)
467 :
FIN:2007/02/12(月) 01:26:45 ID:8yTCsL/A
はい、今回頂いたキーワードは『せっちゃん風邪』。
ほのぼの希望だったけど、なんか途中でシリアス入ってしまった。
・・・・ん? なんか俺のせっちゃんは、せつこのだな。
もうちょっと、せっちゃんは押しは弱い方がいいかもしれない・・・・。
そろそろ黒い木乃香にしたほうがいいか・・・・。
キーワード提供お待ちしています。
萌えた!GJ!と言わせてもらおうじゃないか
いい…せつこのもいい
2人並んでればそれだけでいい、おでここっつんしちゃえば何でもいい(´∀`)
昨日投下できると思ったんだが忙しかった…そのうえ駄文だが読んでくれれば嬉しい。
内容的にせっちゃんを甘やかしすぎたかも試練w
「せっちゃん、お散歩いこかー」
とお嬢様からの嬉しいお誘いを頂いた私、断る理由も必要も無く真名の冷やかしに応戦しつつ
鏡の中の自分を凝視する、おかしいところはない…よな。
よし、もう一度確認し気合を入れ部屋を出る。
真名がまた何か言っていた気もするが、気にならない。
私は多少浮かれていた。偶にはこういうのも悪くない。
「お嬢様、お迎えにあがりました」
「あ、せっちゃん!いまいくえ」
本当に直ぐお嬢様がお出でになった、「まった?ごめんなー」と私を気遣い笑顔を向けてくれる。
その眩しさに目眩でもしたかのようにクラっとする、『誰から見ても』、お嬢様はお綺麗だ。
魔帆良散歩コース(中級者用)を二人ではんなり、寄り添って歩く。
私の他愛の無い話に笑い声をあげ、笑顔を私に。
それだけで心が温かい。
「でなー、ハルナがあんまり煩いからウチ必殺のdカチをやなー」
「えぇ!!あのトンカチを一般人のハルナさんに!??し、氏、死ん(ry」
「ややなーせっちゃんはvウチがせっちゃん以外に本気出すわけないやんvv」
「ななっな、お嬢様それはどういった意味なんでしょうか?」
「まーた、お嬢様ていうー、このちゃんて言うたら教えたげるわv」
私の数メートル先でぷーっと膨れながら
それでも楽しそうにクルクルとお嬢様が回る。
木洩れ日を享けながら私に向かって微笑むお嬢様、なんだか……ドキドキするな。
「あ、せっちゃん、ベンチや!あそこで休むえー」
言うなり駆けだすお嬢様の後を追う。
思わず笑みがこぼれる、もう何がおかしいのかわからないけど、自然に出てくる笑みが止まらない。
止める理由もないのだけれど。
「ん、せっちゃんどーしたん?」
「え、あっいや…どうもしてません、大丈夫です!」
妙に力んで言う私にお嬢様はまた笑った。今日は笑ってばかりだな。
お嬢様が御手洗いに行ってる間に『そふとくりーむ』を買ってみる。
確かお嬢様はチョコ味が好きだ、と思ったのでチョコとバニラを注文、受け取ってベンチに戻る。
ちょうどお嬢様も戻ってきた。
「ソフトクリームやん!2つあるってことはウチも食べてえぇんかなー♪」
「えぇ、どちらでもお好きな方を」
「どっちでもいいん?んー…じゃぁウチはチョコやな♪」
思わず笑ってしまう。
「む、どーひたんや?」
「あぁ、いや……ん?このちゃん頬に付いとるよ、取ったげるな」
ぺろっ
「ひゃ、せっ///」
お嬢様が頬に手を当てたまま固まってしまった、どうしたと言うんだろう。
顔に朱が昇っていく、しまった、お風邪を引かせてしまったんだろうか?思い恐る恐る尋ねる。
「あの…お嬢様、どこか悪い処でも?」
「へ?はれ?……あー、せっちゃん…反則やわ」
ぽーっと此方を見つめるお嬢様。
だんだんと顔が近付いてくる、しかし刹那は目を逸らすこともできない。
さらにだんだんと顔が近付いてくる、しかし刹那は目を逸らすことすらできない。
「んむ……む、ふ?」
我に返ったときには唇と唇が触れ合っていた。
サァァと清涼感を漂わす風を感じ、心地よさに瞳を閉じる。
不意に侵入してくる舌、思考が溶かされていく。
(……………甘い)
何秒そうしていたのか、何分そうしていたのか、はたまた1時間は経ってしまったか。
時間の感覚も意味を成さなくなり、更に暫く経った後に解放される。
名残惜しさを表すように銀糸が引く。
このちゃんが照れた様に笑った。
「せっちゃんがあんま反則やから、お仕置きや」
「お仕置き…ですか?される様なこと……しましたかね?」
「はぁ……それが反則なんよ、せっちゃん」
「えぅ?」
「ふふ、せっちゃんはそのまんまでえーよv」
日が落ちかけ目に映る全てがオレンジに染められていく。
楓に教えてもらった中級者用コースは後数メートルで終ってしまう。
名残惜しさを感じつつ一歩一歩地面を踏みしめる、隣にはお嬢様。
偶にはこういうのも悪くない。
「ふー、楽しかったな、せっちゃん」
「はい、楽しかったです、お嬢様」
「ん、どうかしたん?」
「いや、あの…そういえば私以外に本気をださない、というのはどういった意味だったんですか?」
「……あ!あーアレな、せっちゃんが大好きゆーことや!
…ん?何かちゃうな、せっちゃん『だけ』愛しとる。そーいうことやえvv」
「ななnな…このちゃ……ぅ///」
反則はお嬢様ですよ。
と思いつつお嬢様の笑顔をみるとどうでもよくなる。
それが反則だと解っていてもコレで良い、コレが良い。
お嬢様が私に照れたように笑いかけてくる。
『私の』、お嬢様はお綺麗だ。
みんないい仕事してるね〜にやけた顔をどうにかしてくれ
このスレは外で読むことできないなw
476 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/12(月) 13:23:19 ID:QifefnA2
やばいなww。せつこの&このせつ(−_−;)馬路でノックダウンっていうか
萌え(*´∀`)テラモエス。GJ!!
>>467 >>470 また(・∀・)ニヤニヤしちまったじゃないか、どうしてくれるんだw
ぐっじょぶ!
478 :
467:2007/02/12(月) 18:42:11 ID:8yTCsL/A
みんな、GJありがとー。
恐縮です(龍宮・ザジ風)。
前貰ったキーワードがちょっと練るのに時間かかりそうなので、
できたら新しいキーワードを求む(・ω・`)
「カモくーん、コレなんや?」
木乃香がまじまじと見つめている物は一見すると『年齢詐称薬』を彷彿とさせるが
翡翠色のソレは前に見た赤色でも、青色でもない不思議な輝きを放っていた。
あむっ。
「ちょ、こ、木乃香姉さん?……う、嘘だろぉぉぃ」
カモミールも予想外の行動、木乃香は突然翡翠色のあめを口にした。
虚をつかれたカモは制止する事ができなかった。
コン、コンと控えめに扉を叩く音がする。
「刹那です、お嬢様いらっしゃいますか?」
なんだか御都合主義な気もする、が桜咲刹那がやってきた。
カモは刹那の声を聞くと助かったとばかりに助けを求める。
常とは異なる気配に失礼だとは思いながらも無断で部屋に入っていく(カモは許可したが)
其処にはあめをコロコロと舐めている木乃香とアルベール・カモミールがいた。
「??……カモさんなにか困ったことでも?」
刹那が小首を傾げる、一見したところは何時も通り、なんらおかしなところは無い。
木乃香に声を掛けてみる、反応が無い。
どうしたのか?と瞬時に思考を巡らせていく。
「刹那の姉さん、木乃香姉さんが舐めてるあめを取り上げてくれッ!」
「は、はい!解りましたカモさん、あめですね!!」
カモの慌て振りからまた変な物を購入したのだろう、と当たりをつける。
意を決し木乃香に歩み寄っていく刹那。
「お嬢様、あめをお出し下さい」と再三呼びかけるも反応が無い。にやりと微笑む。
スっと刹那が動き木乃香とキスをする、舌を挿しいれる濃厚なキス。
「うぉぉぃ!?刹那の姉さん!???」
「っふ……大丈夫…ですカモさん、あめは私が…んむ」
「あ、あぁ……(大丈夫なのか?)」
「ふむ……ん、っ……はむ…ふ」
角度を変え何度も、丁寧にしかし執拗に木乃香の口内を愛撫していく。
木乃香の眼がとろん、として頬に朱が昇る。
少しして木乃香の体が小刻みに震え脱力したように刹那に寄りかかる。
刹那はソレを満足そうに確認すると木乃香をベットに横たえ風邪を引かないように布団をかける。
刹那はカモの横にプッとあめを吐き出し睨みを効かせる。
「もし、私以外の人間がこの場にいて、そいつがお嬢様のためといえども
お嬢様に口付ける様なことがあったら……どうする気だった?アルベール・カモミール」
そんな事になれば貴様を斬るぞと言い残し、しかし満足気に帰っていった。
世に言うツンデレである(?)
うん駄文だよ。(ツンデレはカモに対して)
GJd!ニヤニヤするのが健康の素だ
刹那hideeeeeeeeeeeeeeeee!!
思わずワロタwwwww
GJ!!
何の飴だったか気になるw
せっちゃんテラツヨスwwwwww
GJ!!
あとえらく昔へのレスだが
>>451周辺
画像は無理に縮小すると原画の線が荒れるから
あんまり極端にでかくなければいいんジャマイカ?
誰か再うpおねがい
何の?
バレンタインSS楽しみしてるよー!
488 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/13(火) 12:40:47 ID:yxn8lkx7
レスに困る流れだな
>>488 原作っぽくないからなんともかんともって感じです。素人目なんで、巧いとか下手とかは言いかねます
c.2ch.netから辿って行けば適当にリサイズされて携帯に保存できる。
つーか俺は出来た
あ、そういう意味やなく…
さて、wktkwktk
「バターは室温で柔らかくしておいたのを使います」
五月がクラスメイトたちに、クッキーの作り方を教えている。
そう、今日はクラスで行われるバレンタインの為の料理会だ。
一部を除き、ほとんどのクラスメイトが集まっていた。
そして現在、『チョコだけではつまらない』と誰かが言い出したので、五月が臨時でクッキーの作り方を伝授していた。
「せっちゃん力入れすぎやえ? もうちょっと肩の力抜いて」
「あ、はい。力加減が難しいですね・・・・」
刹那も木乃香に誘われて参加していた。
クッキー作りにも挑戦しているのだが、生地作りの際どうしても力が入りすぎてしまうようだ。
「ヘラでバターをほぐし終わったら、塩をひとつまみ入れて・・・・」
そういった講座を受けつつも、クラスメイト達の視線は刹那と木乃香へチラチラと向けられていた。
シャッターを向けたり、ニヤニヤと冷やかした目線を送りながらデッサンを始める者もいる。
が、当の本人たちは二人の世界に入っており、気付いていないようである。
その木乃香と刹那というと、二人はなんと和服に割烹着という姿だった。
料理で制服が汚れたら大変だろう、と木乃香が刹那に私服を要求したようだ。
しかし刹那は私服など持っていなかった。
持っているのといえば制服と仕事服・・・・そして京都から持ってきた神鳴流が着る千早(ちはや)と緋袴(ひばかま)、いわゆる巫女服。
仕方なしにそれを着た刹那に木乃香はなぜか感激し、木乃香まで和服になってくるという形になった。
京都美人二人が和服(割烹着)で料理、話題の的になるのは当たり前だった。
「刹那さんの和服姿、初めて見たかも〜・・・・」
「龍宮さんの巫女姿もだけど、似合うわよねぇ〜。うん、いいネタになる!」
「てかあの二人、完全に二人の世界です」
図書館組やその他をよそに、クッキー作りに精を出す木乃香と刹那。
木乃香がはんなりと教え、刹那はそれを飲み込もうと懸命に努力していた。
「薄力粉を入れてかき混ぜて・・・・あ、ちゃうちゃう、こんな感じに」
「え、あ、は、はい!////」
手をとられて焦る剣士。
誰からみてもピンク色のオーラが漂っていた。
「まだバレンタインじゃないんだから、自重しなさいよね・・・・」
「ん? アスナなんかいうた〜?」
「べっつに〜?」
完全に呆れる木乃香の同居人。
もうこの二人には慣れたという感じだ。
このピンク色オーラが漂う付近で、平然としていられるのは彼女だけかもしれない・・・・。
「それより二人のその服、そっちの方が汚れたらまずいんじゃないの?」
「えと、お嬢様の希望でしたので・・・・」
「せっちゃんなんやかっこええよな〜。似合っとるえv」
「あ、ありがとうございます! お嬢様こそ・・・・」
「はいはいはいはい、次どうするの?」
ほっとけば勝手に二人の世界に脱線する二人。
「いい加減にしなさいよね・・・・」とアスナが呟いたのも、二人には聞こえていなかった。
「よし、ネギ先生の分は作ったぞ」
料理会を終え、自室に戻ってきた刹那。
クラスメイトたちへの分は、料理会終了後にみんなで作ったのを交換するという形で免除された。
後は・・・・個々で作る『本命』のみ。
「本命・・・・かぁ。やはり女の子同士だとおかしいかな・・・・?
第一、一体何を渡せばいいんだろう・・・・」
いまだに古い考えから脱することが出来ない刹那。
ふっとクラスメイトの台詞が頭をよぎる。
『お前は情報の更新をした方がいいぞ』
(情報の更新・・・・更新・・・・あの人に聞いてみようか・・・・)
そう思案すると、刹那はとある場所へ向かった。
コンコン
「はい?」
「あの、桜咲ですが・・・・」
「なんだ、桜咲が来るなんて珍しいな」
刹那が訪れたのは出席番号25番、長谷川千雨の部屋だった。
『更新』と聞いてはじめに思いついたのが、インターネットだったのだ。
「す、すみません・・・・お尋ねしたい事がありまして・・・・」
「・・・・面倒なことじゃなければいいが?」
「えと・・・・女性にバレンタインの本命を贈るには、今はどんなものがいいんでしょうか・・・・?」
「は?」
千雨はの思考が一瞬止まったが、すぐになるほどと頷いた。
「あぁ、近衛にか」
「な゛!?」
「何をいまさら驚いてるんだ。お前らバレバレなんだよ」
「!? (え、バレバレなのか!?)」
「・・・・まぁ、入れよ。情報がほしいんだろ?」
いまだに混乱する刹那を、やれやれと呆れながら部屋に招く千雨だった。
「そうだな、今だと・・・・チョコと一緒にアクセサリーとかを贈ることが多い」
「アクセサリー・・・・ですか・・・・」
「そう、それもペアルックだとさらに喜ばれる」
「ペ、ペアルック・・・・!?」
千雨はパソコンに向かいながら助言をしていた。
後ろでは百面相をする刹那。
「本命にはチョコと一緒に物を贈る場合が増えてる」
「時代の流れとは恐ろしい・・・・」
「お前はどこの老いぼれだ」
『これは近衛も苦労するな・・・・』と千雨が思ったのを、刹那は知るはずもなく。
何を贈ろうかと、必死に考えを張り巡らせていた。
(やはりチョコとアクセサリーだろうか・・・・)
「・・・・おい」
(しかしペアルックの方がいいということは、私も身につける物の方が・・・・)
「・・・・おい、桜咲」
(でも私はアクセサリーなどつけないし・・・・)
「聞け、桜咲!!」
ピコーン!
おもちゃのハンマーで突っ込まれる刹那。
「あ、すみません!!」
「ほんっと近衛の事になると周りが見えなくなるな、お前は!」
「え!?」
真っ赤になってあたふたする刹那をよそに話を続ける。
「あのな、別に時代に囚われなくていいんだよ」
「え? しかし・・・・」
「無理に周りに合わせて、相手をよく見ない方が失礼じゃないのか?」
「相手を・・・・?」
そこまでいうと千雨はパソコンの画面を刹那に見せる。
「本来のバレンタインは、女から男という一方通行ではない」
「・・・・そ、そうだったんですか」
「それに、チョコではなくメッセージ入りのカードや花を贈るのが一般だったんだ」
「・・・・カードや、花・・・・」
「聞いたところ、近衛は占いやおまじないが好きらしいじゃないか」
「・・・・」
「カードや花はそれによく使われ・・・・」
「・・・・ありがとうございます、長谷川さん!」
どうやら刹那は何かを思いついたらしく、千雨に礼を言うと勢いよく飛び出していった。
部屋には呆れた顔でため息をつく千雨、ただ一人が残された。
そしてバレンタイン当日。
チョコが入ってると思われる紙袋を持った女子たちが、学園を賑わせていた。
「ネギくーん!」
「はい、バレンタイン!」
「私のも受け取ってよ〜!」
ネギの周りには多くの女子がいた。
刹那や木乃香は朝に渡したので、この騒ぎには巻き込まれないですんでいた。
「ひゃー、ネギ君人気者やなぁ」
「そ、そうですね」
他人事のようにネギを眺める二人。
その二人の手には、本命と思われる紙袋が握られていた。
お互い渡すべき人は隣にいるのに、渡すきっかけがつかめない・・・・といったところ。
・・・・先に動いたのは木乃香だった。
「あぁ、せっちゃん。人少ないところいかへん?」
「はい、お供します」
待ってましたとばかりに即答する刹那。
二人はそのまま屋上に向かって歩き出した。
「なんや恥ずかしいけど・・・・はい、せっちゃんこれ・・・・」
木乃香は刹那に持っていた紙袋を渡した。
「あ、ありがとうございます・・・・」
「一応な・・・・特別なんやよ?」
頬を紅くして木乃香は言う。
それを聞いた刹那の顔も紅くなるが、なんとか取り乱さないように持ち応えた。
「私・・・・も、お嬢様にこれを」
刹那も自分が持っていた紙袋を木乃香へ渡した。
一瞬にして木乃香の目が輝く。
「せっちゃんも作ってきてくれたんや〜!」
「はい・・・・味の保障は出来ませんけど・・・・」
恥ずかしさでしどろもどろになる刹那。
だがまだ伝えねばいけない事がある。
「あの・・・・ですね、お嬢様」
「なんや?」
「その中に入ってるモノが私の気持ちです・・・・チョコと一緒に、受け取ってもらえれば・・・・と////」
照れ屋な剣士には、直接言う事は出来なかったらしい。
木乃香へと渡された紙袋にチョコと一緒に入っていたもの、それは一枚のカード。
花が描かれていて、「桜咲刹那から近衛木乃香へ」と書かれたカードだった。
「この花は・・・・?」
「千日紅(センニチコウ)という花です・・・・この花は・・・・」
「言わなくてもええよ、せっちゃん」
木乃香の人差し指が、刹那の口を押さえた。
「これでもウチ、占い研究部の部長なんやよ・・・・?」
「・・・・はい」
「ありがと、せっちゃん。ずっと大切にする!」
どうやら不器用な剣士の想いは、お姫様に届いたようだ。
だれもいない屋上で剣士とお姫様は、さらに深い絆で結ばれたのであった。
「・・・・あれ? 木乃香、このカードは何?」
「えへへ、秘密やえv」
「あれ、この花はストロベリーフィールドですね」
「ネギ君しっとるん?」
「はい、この花は英国で恋占いに使われる花なんですよ」
「へぇ〜? また何かの占いに使うの?」
ストロベリーフィールド――千日紅(センニチコウ)
花言葉は『変わらない愛情を永遠に』
FIN
リアルで配る用のクッキーを作り終えて、そのまま小説も完成させた・・・・。
みんなにはクッキーあげられないけど、この小説を受け取ってくれ。
あぁ、徹夜だぁ・・・・バレンタインこえぇ・・・・。
ちょっと無理やり感があるけど、ちょっと前に頂いたキーワード『割烹着』も入れてみた。
花言葉って色々小説に使えて便利だよね。
少し寝てくる・・・・orz
あ、誤字発見・・・・見なかったことにしてください。
GJ!!!!!
超GJ!花言葉とは,粋だな!
GJ!!!
ってうわ…俺も書いとけば良かった…
帰ってから間に合うかな…orz
GJ!!
GJ!!!
うおおおお俺もちょっと今からかいてくる。
そして割烹着ktkr!!!!
GJ!
このスレ絵師いないのかな。小説の挿絵書いてほしい
514 :
506:2007/02/14(水) 15:19:10 ID:Kyr13mw7
GJありがとぅ
他の人のも期待して待ってるよ(〃´・ω・`)
挿絵描いてくれるなら、この前スカこのせつ描いてたお方がいいな(´Д`;)/ヽァ/ヽァ
んぐんぐ
刹那は後1cmあわよくば2cm伸びないかな
と牛乳に粉末カルシウムを混ぜたものを飲んでいた。
「ところで刹那、近衛に渡すチョコは準備してあるのか?」
ぶーっ!!
まるで漫画のように勢い良く牛乳(粉末カルシウム入り)を吹き出す。
2月14日はバレンタイン、簡潔にいうと想い人にチョコを渡す日だ。
刹那は1月の段階からチョコ作りの練習をしてみる、等の努力を重ねていた。
最早刹那の日常は木乃香中心に回っていると言っても過言ではないものとなっていた。
「そこで何故お嬢様が出てくるのかは解らないんだが、準備してあるのか?と訊かれたら…ある!」
くくっと龍宮は幾らか満足そうに笑う。
刹那は何かに気付いた様にハッと顔を上げるといそいそとキッチンへ行き
綺麗にラッピングされたチョコを持ってくる。それを満面の笑顔で龍宮に渡す。
龍宮は少し寂しそうな笑顔で手作りのチョコを受け取った。
(因みに龍宮から刹那へはエッグプロテインと粉末カルシウムをプレゼント済み)
「準備は……いいか?、いいな!、よし!行ってくるぞ真名!!」
これもいそいそと準備を整えた刹那がいつもより元気に、
……というよりウキウキした様子で部屋を出て行く。
「あぁ、行って来い刹那」
常と寸分違わぬ笑顔を顔に貼り付け刹那を見送る。
ふぅー、と長めの溜息を吐く。
胸がつきつきと痛んだ気がした。
丁寧にラッピングをほどき中のチョコレートを口に含む。
甘さを控えたビターチョコ
寧ろフフっと笑った。
「………………………………………………………………………………………………………しかし美味いな」
FIN
間に合った!この内容なら被らんと思うw
木乃香×刹那←龍宮なんだが伝わったかな?w
もっと時間をかけたかったよ…。
スレタイ的に全く勝ち目の無い(…orz)隊長にはほろ苦いビターチョコをプレゼント!
GJ!
>>517 GJ!!
>>519 いやっ、タッチやら雰囲気は確かに見覚えが・・・あるん・・・だが・・・
俺にはわからぬです
ごめん。
>>519のヒント、サイトへのリンクが張らてたまとめサイトがもう消えてなくなってたorz
サイトに関しては完成して投下するときにもっとちゃんと出すます。変な事を言って申し訳ない。
522 :
506:2007/02/15(木) 00:43:00 ID:l2QMtHyo
>>519 んぬぁ!
まさか本当に描いてくれるなんて・・・・感激だー!
文はかけても絵はまったくダメなんで・・・・orz
実は今まで書いた小説を無料サイトに保存してるんだけど、
もし絵が完成したら借りてもいいですか?
もちろんアドレス教えます( ・'ω'・)
今の所PASSつけてるので、誰も見れないようになってますけど・・・・。
>>523 超GJ
何この花嫁修行、ふざけてるの!!?良い意味で
526 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/15(木) 12:27:28 ID:U7/0Pm+H
>>526 GJwwwwwよく見つけたwwwww
あとsageましょうぜw
すみません、旧ネギまアニメ11話〜14話にこのせつ場面ありますか?
DVD5巻買いたいんですが、無いようなら20話あたりの巻を買おうと思っていて…
>>528 20・21までは刹那は単品でしか出てこなかったと思います(1話を除く)。
多分ですが^^;
わかりました、親切にありがとうございます!
やっぱり11〜19話も一緒じゃないんですね…
でも、その分後半すごくラブラブだと聞いたので楽しみです。
532 :
506:2007/02/15(木) 21:17:38 ID:l2QMtHyo
>>531 GJさんきゅう!
そろそろ新しい小説でも練り始めようかと。
また誰かキーワードください(・n・`≡´・n・)
537 :
506:2007/02/16(金) 01:03:05 ID:S+BcQwuz
エロパロスレの +MsjtAH+◆Cvs/04xZyk ←この人どこいっちゃったの?
もしこのスレ見てるなら続き書いてほしいです
ちょ、お前等
俺を含め他の職人さんのネタがなくなるだろww
(・∀・)ニヤニヤ
みんなのためのお題でいいのでは。
好きなの選んでさ。w
>>519 このかの三角巾が何故かびんちょうに見えたが壁紙にする
544 :
532:2007/02/16(金) 19:38:26 ID:S+BcQwuz
とりあえず全部メモったw
職人さん全員で攻略していきましょう( ・'ω'・)w
6か国協議書いた人は、神だな
職人さんHP持ってるなら晒しちゃいなYO!
547 :
532:2007/02/16(金) 20:48:32 ID:S+BcQwuz
>>546 一応持ってるけど、まだPASSかけてサイトのデザイン調整中なのYO!
とりあえずレポート少し進めたら、小説練り始めるよ。
遅レスだが
>>515-517、切ねええええGJ!!
思いを秘めつつあたたかく刹那を見守ってるあたりがたまらん
恋愛的な意味は別にしても、刹那&龍宮のコンビはいいな
>>549 せっちゃん・・・
木乃香さんの隣で
「私はどこに目線を向けたらいいか分かりません」状態ですねw
髪の毛長いなぁ
本屋を全く無視していちゃついてる感じが可愛いww
553 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/17(土) 19:44:51 ID:GDCQ86E/
>>551 しかしせっちゃんの髪長いな
てかこの長さはねーわw
いつにも益して甘ったるい声。
効能は浸ってしまう多幸感、常習性は麻薬よりも酷いと思う。
いつにも益してにこやかな顔で私を見詰めるお嬢様。
心臓が早鐘を打つ。
「なぁ、せっちゃん。此処に置いといたん、ほんとに知らん?」
「え、えぇ。私は存じません……たぶん。」
嘘だ、私 が 食 べ ち ま っ た 。
罪悪感が頭を支配しそうになるが、恐らくは生命の危機に瀕している生物としての私。
生き抜くため、望まず磨かれてしまった本能が警鐘をならす。
逃げろ、と。
しかし私は動けない、お嬢様が私の上にのしかかっておられるから動けない。
私はつい先ほどのことを思い返す。
テーブルの上、小鉢の上にとりあえず置かれていた翡翠色のあめ。
無機物の癖に蟲惑的な光を放つソレにに多少の苛立ちを感じているのが自分でも解った。
自身の手があめに伸びていく。それを取り口へと運ぶ。実に自然な動作で。
(え、あれ?なにをしているんだ私は!?こ、コレはお嬢s……っあ!??)
口に入れてしまった。何をやってしまったんだ私は!?
内心の混乱をよそにコロ、とあめの味を確かめる舌。
いっそ噛み切ってしまおうかと思ったがあめの方が優先だ。
手を入れて取り出してみる。
小鉢に置いてみる。
自身の唾液でねっとりと濡れたそれは違和感抜群だ。
革新的な打開策を模索している私の口の中には翡翠色のあめ。
何をやっているんだ!??無意識にまた口にしてしまった。
「せっちゃん、会いたかったえ♪」
内心が爆発しそうな私にお嬢様が抱きついてきた。
幸せそうなそのお顔を見れるだけで私も幸せn……ごくんっ。
油断した…orz
なにかの拍子に飲み込んでしまった私。
「なぁなぁ、せっちゃん。」
お嬢様のお声に現実逃避中の私の意識が帰還する。
お嬢様が手に持っているのは先ほどの小鉢だ。
「コレ、微妙に濡れとるんよ。たぶんコレが犯人を捜す手掛りになる!」
妙な核心を持っているお嬢様だが大正解。
DNA検査をされたら判明するかも、という恐怖もあったが
たかが雨でそこまではないだろう、と心を落ち着ける。
が。
ぺろり。
ぶッ!?
思わず噴出してしまった私を訝しげに見るお嬢様。
意識しなくても顔が赤くなっていくのが解る。
まずい。
妖艶な上に情熱的。熱の篭った視線を私に落としペロペロと小鉢を舐めているお嬢様。
はたから見れば頭のおかしい光景なんだろうな。
お嬢様の口から発せられた言葉に私は愕然としつつ少し気恥ずかしくなる。
「せっちゃん……の味するわ」
少々以上にお怒り気味のお嬢様が「確かめてもええ?」という言葉と共に私に荒い洗礼を施す。
自分の唾液をお嬢様に嚥下される。恥ずかしさにあげた呻きは嬌声に変えらていた。
たっぷり40分は経っただろうか、時間の感覚が惚けている。
「せちゃん、あめ、知らん?」
確信をもった再度の問いかけに私は白旗を振るしかなかった。
すいませんと謝罪すると、「ええんよ」と言って頂き私は安堵した。
「けど、嘘吐いたことは赦せんよなぁ、せっちゃん?」
何かが不足しているっ!と勝手に考えpinkならではの21禁展開を書きたかったわけです。
でもこのスレに書き込むのは何故か躊躇ってしまうという……orz
お仕置き編は希望があれば書いてどこかのロダにあげるよ。ノシ
559 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/17(土) 22:07:11 ID:BcCrh3XN
GJ!!!
まさにリアルタイム投下に出くわしたwwwwww
希望者1人目挙手です。
>>558 GJだぜーw
ピンク色書くのを躊躇する気持ち、わかるわかる。
越えては行けない一線を感じるよなw
このスレの住民、純情派っぽいし・・・・w
>>558 激しく乙!!
無性にえっちな展開のSSが欲しくなりました。
ここまで書き込んどいてさよならですか!続きうp!うp!
wktk
まとめサイトSS分のみ更新終了。
イラスト分は
>>452の書込みにまとめに関するレスが無かったので
転載っぽい
>>489とアニメ画像以外をまとめる予定。
投下した覚えがあってまとめられるのが嫌な絵師さんはご一報を。
ついでに転載の時は転載って一言書いて貰えるとかなり助かります・・
しまった! GJ書き忘れたorz
>>558 GJ!お仕置き編wktkしながら待ってる
明日菜「刹那さんって・・・木乃香のこと・・・好き・・・?」
刹那 「えぇっ!?い・・・いえ・・・好きなんかじゃないです・・・。」
ウチは聞いてしもた。せっちゃんが、ウチの事好きじゃないって言うてるとこを。
〜2時間前〜
「今日は、明日菜とせっちゃんが稽古する日やな!ほな、カモ君行こか!」
「えーっ!マジっすかー!?」
「なんや?カモ君晩ご飯いらんの?」
「どこまでもお供しやす!!」
暖かな陽射し。爽やかでやわらかい風。綺麗に咲き誇る花達。
せっちゃんにも見せたいなー♪
「気持ちえぇなぁカモ君♪」
「そうっすねー!あ!世界樹広場のところに姐さん達が!!」
「ほんまやぁ!休憩でもしてるんかなー?ちょっとビックリさせたろ♪」
明日菜「刹那さんって・・・木乃香のこと・・・好き・・・?」
刹那 「えぇっ!?い・・・いえ・・・好きなんかじゃないです・・・。」
せっちゃんはいつも通り・・・うぅん、これ以上にないくらいの真顔で答えていた。
頬には何やら温かなものが伝った。
「木乃香姉さん・・・?」
「・・・ん・・?」
「涙・・・。」
「な・・・なんでもないんよ・・・。あっ・・・晩ご飯の準備せなな・・・!!」
「木乃香姉さん・・・。」
何やら急に胸が苦しくなった。イラ立ちと悲しみが同時に襲ってきた。
〜夕刻〜
・・・ドアの開いた音がした。明日菜や・・・!さっきの事聞か・・・。
「明日菜!・・・!?せっちゃ・・・。」
「失礼しますお嬢様。明日菜さんは食堂棟に寄っていかれると・・・。」
あかんっ・・・また涙が・・・!!
「・・?お嬢様?いかがなさ・・」
「せっちゃんのアホ!!!ウチの事好きやないんやったら・・・ウチの事なんかほっといて!!!!」
「えっ!!?こ、このちゃん??」
「もう出てってーな!!!」
せっちゃんは半ば強制的に部屋を後にした。
部屋にはウチの泣き声だけが響いていた。
明日菜「刹那さんって・・・木乃香のこと・・・好き・・・?」
刹那 「えぇっ!?い・・・いえ・・・好きなんかじゃないです・・・。」
明日菜さんはきょとんとした顔で私の顔を覗き込んだ。
「そ・・それってどういう意味・・・?」
「私ではその・・・身分が・・・。」
「で・・・でもぉっ!!」
「でも・・・人を想う気持ちは自分の勝手ですよね・・・///好きなんかじゃない・・・言い表せない程・・・大好きなんです・・・////
」
顔が熱い・・・。私は何を言っているんだ・・・////
「木乃香は幸せ者ねぇ!・・・何か聞いてる方が恥ずかしくなってきた///」
・・・あれ・・・??今、お嬢様の気配が・・・。いや、気のせいか・・・?
夕刻〜
「お疲れ様でした。」
「ふぅーっ!!私、今日はゆーな達と食堂棟で待ち合わせしてて・・・刹那さん、悪いんだけど・・・。」
「はい。お嬢様には私が。」
今日はとても疲れたな・・・。でも、お嬢様に会える・・・。
それだけで、今日も最高の一日になるかな・・・^^
「失礼します。明日菜さんは食堂棟に寄っていかれると・・・。」
一瞬でわかった・・・。お嬢様の悲しい心の中が・・・。
「・・?お嬢様?いかがなさ・・・。」
何が起きたのだろう・・・。部屋を追い出された。私がお嬢様を・・・好きじゃ・・・?
どういうことだ・・・。
「あれっ?刹那さん!」
「ネギ先生・・・。」
「どうしたんでぃ?部屋に入らないのかい?刹那の姐さん。」
「あ・・・はい・・・。いいんです・・・。失礼します・・・。」
「ははーん!!」(さては、木乃香姉さんと・・・)
「・・・?カモ君?」
部屋に戻ると龍宮がいた。浮かない表情の私を見て、唐突に口を開いた。
「・・・近衛木乃香。」
「うわぁっ!!!」
くすくすと笑うと、手入れしていた銃を置き私に近づいた。
「ケンカでもしたか?」
「わからない・・・。でも、やはりあの言葉かなぁ・・・。気配が消えたのはあの時だし。」
「・・・今夜は月が雲に隠れているな。刹那、きっとお前の心も・・・。」
本当だ。・・・月が。明日・・・いや、今日・・・今だ!お嬢様に伝えなくては・・・!!
窓を開け、禁断の白い翼を背に広げ暗闇の中、明日菜さん達の部屋へ・・・!!
ベランダへ降り立つと、小さく窓をたたいた。
私はただ、今想っていることを伝えたかっただけ・・・。
愛しいあなたへ。
「お嬢様・・っ。」
窓越しにお嬢様の姿が・・・。ゆっくりと窓が開けられた。
「・・・せっ・・・」
お嬢様の声を遮り、少し強引に抱き上げ、闇を裂くスピードで世界樹広場にたどりついた。
「せっちゃん・・・?」
いきなりのことで何が起こったかわからんかった。
ただひとつだけわかったのは・・・せっちゃんはとても暖かかった・・・。
「お嬢様。私は・・・お嬢様のこと、好きではありません。」
「せっちゃん・・・?」
ウチってこんなに泣き虫やった・・?また涙が出た。
「好きを越えてしまいました^^大好きです。」
・・・あ・・・月が顔出してる・・・。
「このちゃん・・・?」
「なんや・・・そういう事かぁ////」
「でも、私はこのちゃんの事を《大好き》であって、《好き》ではないですし、ほっておいていいんですよね^^」
「・・・せっちゃん意地悪やぁ!!」
せっちゃんは私を抱き寄せて
額に口付けしてくれた。
頬に口付けしてくれた。
鼻に口付けしてくれた。
額と額を合わせたら瞳が合った。
唇に口付けしてくれた。
月明かりがやけにまぶしかった。
*END*
へたれ小説・・・orz
修行へ逝ってきまつノシ
^^ GJ!!!
GJ!!!!
NEXT期待!!
576 :
558:2007/02/18(日) 13:10:59 ID:G8E19a64
『
○月○日(○曜日)・・・・晴れ 居待月
テスト最終日に風邪をこじらせてしまったが、もう大丈夫のようだ。
休みなのにもかかわらず看病をしてくれたお嬢様には、とても感謝している。
それにしても、お嬢様が作ってくれたお料理はとてもおいしかった。
明日菜さんやネギ先生は、いつもこの料理を食べているのだろうか。
・・・・羨ましい。
最近の問題は一つ。
体調を壊したせいで、この連休中にまったく稽古ができなかった。
病み上がりだが、少し稽古を厳しくしていかなければ。
』
――刹那は机に向かって、ノートにこのような事を書いていた。
いわゆる日記というやつだ。
月日と曜日に、天候と月名。
こういったものを記録しておくと、後々役にたつ事がある。
それゆえに、この学園に来てから毎日欠かさず記録をとっていた。
「・・・・よし、今日はこんなところか」
刹那はノートを閉じて椅子から立つと、カバンの中を整理し始めた。
明日からは通常授業だ。
真面目な刹那は、明日の分の時間割を前の日に用意している。
(気になるテストも戻ってくるが、まぁお嬢様の護衛には支障はないしな・・・・。
成績は悪くても、剣があればお嬢様を守れる。
ネギ先生には悪いが・・・・また無理をして体調を壊して、退魔の仕事と護衛を疎かにするわけには・・・・)
教科書を用意し終わると、机の横に置いてあった野太刀・夕凪を手に取った。
そして鞘から数センチ抜く。
覗き込めばそこには、刃に映る己の瞳。
「・・・・夕凪、お前も私に力を貸してくれるか?」
戦士も魔法使いも、戦いで相棒となる武器や道具には愛着が沸くものだ。
特に神鳴流剣士の武器・野太刀には大抵の場合が銘入りで、神鳴流剣士の生涯の相棒ともなる。
刹那にとってもこの夕凪は、一人でいる時に自然と語りかけてしまう・・・・そんな存在だった。
――――。
まるで答えるかのようにキラリと光る夕凪。
刹那はふっと表情を緩める。
「そういえば、お前の手入れも出来ていなかったな・・・・明日の準備も終わったし――」
「せっちゃん〜?」
刹那の守るべき人が部屋を訪れてきた。
今日は暖かかったので、部屋の換気をするためにドアを開けっ放しにしていたのだ。
刹那は慌てて、夕凪を鞘に収める。
「は、はい、います!」
どうやら木乃香は、明日の通常授業が始まる前に刹那の様子を見にきたようだった。
「もう身体大丈夫?」
「はい、おかげ様で・・・・ご迷惑をおかけしました」
「ウチ迷惑やなんて思うとらんよ」
木乃香は刹那越しに部屋を覗きこむ。
「誰かおるん?」
「え? いえ私一人ですが・・・・」
「なんや誰かに話しかけてたみたいやったから」
夕凪に語りかけていたのをばっちり聞かれていたようだ。
かといって『刀に話しかけてました』だなんて、恥ずかしくて言えるはずがない。
「す、すみません、独り言です・・・・」
「せっちゃんが独り言やなんて、意外や〜」
刹那は顔が紅くなるのを感じた。
『せめて電話にしておけばよかった・・・・』と思うも、後の祭り。
「た、立ち話もなんですし、中でお茶でも飲んで行きますか?」
「ん〜、お邪魔しようかな〜?」
さきほどの刹那の痴態をさほど気にした様子もなく、部屋に入る木乃香。
刹那は木乃香を居間に通すと、お茶を入れるために台所に入った。
「せっちゃん〜。刀テーブルに出しっぱなしやけど、お手入れしとったん?」
「いえ、お嬢様がいらしたので・・・・」
「邪魔してもうて堪忍な〜」
「い、いえ、気にしないでください!」
そこで会話はいったん途切れ、刹那は淹れたばかりのお茶を持って居間に向かう。
「お嬢様、お茶を入れました・・・・っ!?」
ガシャンッ!
木乃香が見ている物に驚いて、刹那はお茶をとり落としてしまった。
「熱っ・・・・!」
「あ、せっちゃん大丈夫!?」
振り向いた木乃香が慌てて刹那の身を心配する。
だが刹那はそれどころではなかった。
木乃香が見ていた物。
それは刹那が先ほど書いていた『日記』だったのだ。
どうやら書き終わった後、片付けるのを忘れてしまったらしい。
「おおお、お嬢様! どこまで読んでしまわれましたか!?」
「ま、まだ今日の所だけやけど・・・・」
バツが悪そうに、はにかむ木乃香。
それはそうである。
今日の日記には、木乃香の事がしっかりと記されているのだから。
いや、実際には今日だけではない。
ほぼ毎日記されている。
今日より前を読んでいないのは不幸中の幸いという所。
「せっちゃん・・・・見てもうて堪忍な」
「い、いえ・・・・」
火傷した刹那を癒しながら、許しを請う木乃香。
恥ずかしさからか、二人の目線が交わることはなかった。
「あの、気にしないでください・・・・片付けていなかった私が悪いので」
「ううん、人の物勝手に物色したうちが悪いん・・・・」
お互いに罪悪感を感じて、沈黙を生む。
先に沈黙を破ったのは木乃香だった。
「・・・・でもなんや、ウチの事書いてくれてて嬉しかったな・・・・」
「え、えーとぉ・・・・それは・・・・」
「『護衛』やからだろうけど、それでも・・・・な?」
「・・・・っ」
本当に木乃香は優しい、刹那はそう思った。
日記を見られるという痴態・・・・それも見た本人の事が書いてある部分を読まれた刹那に対して、木乃香は逃げ道を作ってくれたのだ。
『仕事だから記してある』という逃げ道を。
再び訪れる沈黙。
「・・・・違い・・・・ますよ・・・・」
「え?」
次に口を開いたのは刹那。
そして木乃香としっかり向き合う。
居間に入ってから初めて目線が交わった。
「任務だからなんかじゃないです」
「え・・・・」
「好き・・・・だから・・・・だから、見てしまうんですよ・・・・」
「せ、せっちゃ!?」
刹那は恥ずかしさに耐え切れず、木乃香を抱きしめていた。
「せ、せっちゃん・・・・それって・・・・」
「・・・・////」
(あ、黙ってもうた。でも赤いのバレバレ・・・・)
度胸があるのか、それともただの照れ屋なのか。
顔を紅くしつつ主君を抱き締める従者。
そんな従者を主君は、赤子をあやす様に頭を撫でつつ受け入れた。
従者の大胆なこの行動を、主君はしっかりと受け取ったようだ。
「なぁ、せっちゃん・・・・言わなくてもわかっとったのに・・・・」
「・・・・いつまでも逃げてるなんて、お嬢様に悪いです」
あやされてるのが不満だったのか、少し拗ねた様に返事を返す。
その様子とこの大胆な行動とのギャップが大きく、木乃香は笑ってしまった。
「おじょうさま!? なんで笑うんですか・・・・」
「だって・・・・せっちゃん可愛すぎやわっ・・・・」
身体が離れたときには、先ほどの気まずい空気が晴れてた。
「なぁせっちゃん? 一つだけお願いしてええ?」
「はい、お嬢様が望むのでしたら・・・・」
「じゃあ、これの続き読んでええ?」
「え!?」
木乃香の手にあるのは刹那の日記。
いつの間に木乃香の手に戻ったのか。
「だだだ、ダメです!!」
「なんで〜? お願い聞いてくれる言うたやん〜!」
「それとこれとは話が別ですー!」
キャーキャーと部屋から声が漏れる。
またもやこの二人はドアが開きっぱなしというのを忘れていた様で、この騒ぎは外に丸聞こえだった。
「木乃香、ここにいるの〜? そろそろ消灯時間よ・・・・ってあんたら何してるの」
「あ、アスナー」
「明日菜さん!?」
ドアが開きっぱなしだったので、明日菜は勝手に部屋に踏み込んでいた。
ちょうどその時は、刹那が木乃香から日記を取り返そうとしてたシーンだった。
しかし明日菜の目には・・・・
「刹那さん、なんで木乃香のこと押し倒してるのよ・・・・////」
『え?』
木乃香は日記を取られまいとベッドの方へ逃げていた。
それを追いかける刹那も必然とベッドの方へ。
日記を抱え込むようにして抗う木乃香から取り返そうとしたため、刹那が木乃香を襲うような形になっていた。
「桜咲さん! もう消灯時刻が近いのですから少し静か・・・・に・・・・」
「うぉ!? ネタ現場に遭遇!」
「スクープあらば即参上!」
騒ぎを聞きつけた図書館組、朝倉、いいんちょまでこの現場を目撃。
もう引けない現状。
「せめてドア閉めなさいよね、あんたたち・・・・」
「近衛木乃香さんにインタビュー! 今の心境は!?」
「二人の仲がそこまでだっただなんて・・・・この雪広あやか、精一杯応援いたしますわ!!」
ここまで来てやっと、今の状態がまずい事に気がついた木乃香と刹那。
「なんやみんな、えらい誤解してへん・・・・?
これは、その・・・・・そう! プロレスごっこ! 遊んでたただけやえ!
な、せっちゃん?!」
「え?! あ、そうなんです! 私はお嬢様と戯れていただけです!」
「『戯れる』とは、『みだらな言動をする。いちゃつく』といった意味もあるですよ」
「桜咲さん・・・・意外と大胆・・・・////」
「まさか本当にこんな関係だとは! やるね〜桜咲さん!」
『だから違います(違うえ)〜!!』
この日から木乃香と刹那はクラス公認となった。
また刹那の日記は結局木乃香に読まれてしまい、公私共々木乃香のいいなりになってしまったという。
586 :
FIN:2007/02/18(日) 17:07:42 ID:2LRdtTgr
手にしたカード 絡み合うワード
操りながら繋いでいく
言の葉のパズル 一瞬のスリル
感じてみない? Ready and go!
↑龍宮とザジの歌より引用↑
やはりキーワードあると書きやすいね。
キーワード提供サンクス。
てか俺のせっちゃんは元々攻めが強いのでサクッと書けた。
少し無理やりだけど、押し倒しせっちゃんもいいな。
でも自覚無し。
GJ!!
明日あたり、仕事終わったら書こ・・・。
ベタベタこのせつギャグを・・・(違
「お嬢様、勉強はしてましたか?」
「へ?なんのこと?」
「明日からテストですよ!?」
「嘘やろ……うわっ、せっちゃん勉強教えてやー(泣」
「はい、私でよろしければ。」
(やた♪これでせっちゃんともっと一緒に居られるやん♪幸せやなvv)
だがそれがいい
592 :
588:2007/02/18(日) 22:20:34 ID:2koKAAJn
こ、木乃香の甘える戦略だったのよ!!
間違えたんじゃないんだからね!?><
それはそうともう流れたのかスマン…orz
後でこそーり揚げ直しとくから。
みんな、GJありがとう。
書き忘れたけど、刹那風邪SS(
>>459-466)の続きなのです。
先にそっち読んでね。
そしてさらに小説練り中。
ジャンルに希望はあるかにゃ?
日記死守で書いてくれるとはwGJ!
俺ら凡人は職人さんに頼る他ないのでキーワード
「体育の授業」
フットサルとか室内競技がいいなぁ。
エロ希望多いな・・・・。
ふむ、頑張ってみよう。
>>598 キーワードくれた人かな?
提供サンクス!
「体育の授業」も頂いていきますわ〜。
書き始めました。
今回も色々と長くなっちゃう予定。
設定として『年齢が変わっちゃう』けど、いいかな?
少し歳食っちゃうって事だけど。
そこまで大幅に離れないけど、キーワードの関係で年齢をいじらないとしっくりこないんだ。
もし「それはやめてくれ」っていうならまた練り直す事になると思う。
・・・・書き始めてから、「別に年齢いじらなくてもよかったんじゃね?」と思ってきた俺がいる。
まぁ年齢いじるか否かは、書き終わってから決めるか・・・・。
とまぁこんな時間まで粘ったけど、やっと前半を書き終えたという所。
今までで一番長くなりそう。
暇人な俺乙・・・・zzz
1〜2歳くらいならいいと思
606 :
601:2007/02/20(火) 23:56:43 ID:upjhMSRy
だれも投下しないのか〜?
俺は今回一番の難関に到達してて、今日中には投下できないぽ。
おらに元気をわけてくれぇ(・ω・`)
608 :
601:2007/02/21(水) 06:08:27 ID:m0X0Xh36
>>607 「おいしかったよ、成仏してねドーマンセーマン」
なんとか小説完成しました。
しかし眠気と戦って書いていたので、
細かい修正は明日してから投下ということに。
・今回使ったキーワードは3つ。
「6カ国協議共同文書採択」「ちびせつな」「切ないエロ」。
・年齢変更あり。
・ありきたりな内容のくせにややこしくて長いので、別サイトでの公開かも。
・てかせっちゃん死にかけ注意
まぁ明日ドキドキしながら投下するんで、期待しないで待ってて下さい。
キーワード提供ありがとうございました。
そしてまだ募集中。
6カ国協議wwwwwwどんなやろwwktk
>>592 うpまだー?
>>610 お疲れ様でした!
私はその6カ国協議共同文書に調印致します!!
>>610 保存させていただきますた(マテ
気になった誤字は
●2ページ目終盤「自信」→「自身」
だけだったナ。
まあ、指摘する必要性は無いと思ったんだが、敢えて言ってみた(ぉ
最後のページ(「あとがき」じゃなくて)の展開が数ヶ月後には本編に出てきそうだwww
マジGJ!!!!!!!!!!1111123
613 :
610:2007/02/21(水) 21:30:07 ID:m0X0Xh36
GJサンクス〜!
>>612 のぉぉぉ!
自身と自信、前回も間違えたorz
修正しました・・・・。
614 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/21(水) 21:33:28 ID:Y6eN4kyx
見れないですよ〜orz
どうやったら見れますか?
615 :
610:2007/02/21(水) 21:44:45 ID:m0X0Xh36
どこがどうわからないのかわからないけど・・・・
一から言うと
ttp://id42.fm-p.jp/22/sieg72/ ↑をコピペ。
これを上のアドレス(D)にいれて、先頭にhを入れてアドレス完成。
あとはエンターキーでジャーンプ。
そこに俺のサイトがあるので、「期間限定公開SS」へ。
パスワードは「rokkakoku」。
これで入れるはず。
ちなみに「表紙を開く」で目次に行けます。
616 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/21(水) 22:10:53 ID:Y6eN4kyx
>>615 素晴らしい… GJ!!
お疲れ様でした
>>615 楽しませてもらいました!
あとがきで東の国ってのは間違いかな?
619 :
610:2007/02/21(水) 23:03:44 ID:m0X0Xh36
>>618 (;ω;`)ぶわっ
言い訳で間違うってなんか恥ずかしいわ・・・・w
修正しておきます・・・・w
今更だけど・・・・
>>597の珍入者ってどういう意味だろう・・・・?
いつも邪魔したり騒ぐ人は朝倉とパルとアスナあたりで決まってるよね
滅多にコノセツ小説に出ない人は…ミs
確かに滅多に出てないが、前に一度出てた気がするな。ミs
しかし、最近のマガジンでの展開を見ると
空気返上気味だしこれから増えていきそうなきもしなくも…?
ミs、使っちゃいます?
希望あらば、微力ながら働いちゃいますが。
今週輝いていたミs に経緯を表して是非
627 :
せつなにっき:2007/02/22(木) 20:47:36 ID:G6cRRGtq
○月○○日(木) はれ。
今日はこのちゃんのおうちに行った。
長さんにあいさつおしたらコンペイトウおもらった。
えんがわでこのちゃんとひなたぼっこおしながらふたりで食べた
なんだかぽかぽかした気分です
あっ読みずらいのは仕様ス。
『日記死守』いいなーと思っていたらもうとっくに職人さんがGJなのを書かれていて(゚Д゚)ウマー
夢を諦めきれず『日記』部分だけを抽出。それにしても短い。
629 :
625:2007/02/23(金) 01:18:13 ID:znPVQFNr
>>628 ちっちゃいこのせつ?
気にせず投下するべし〜。
ミs のキャラが掴みにくいな・・・・
本編とゲームで性格違うキャラだから、ちょっと変になるかも・・・・。
ちょっと違和感あったら御免な、とりあえず書き始めてるよ。
○月○○日(金) 曇り。
今日は道場でらいめえけんのれんしゅうおした。
パチっておとがしてピカってひかった。がんばった。
このちゃんはなにしてるのかなー
632 :
629:2007/02/23(金) 22:08:49 ID:znPVQFNr
>>631 せっちゃん、「らいめえけん」書けないのに「曇り」は書けるのね・・・・(突っ込み御免w
えーとミs の小説なんだけど、終盤エロ入っちゃっていいですか?
寸止めか入れちゃうかで悩んでます。
ぱらぱら。
ふむふむ。
「『このごろ。最近。当節。「―の人は物の有り難みを〜』…か」
桜咲刹那は護衛の任を第一に考えて行動しているため成績はあまりよろしくない。
少しでも成績を上げておこう、とその日の放課後が刻限の課題を図書館でこなしていた。
国語辞典を捲り、ノートに写す。
「あや?せっちゃんや!なにしとるん〜♪」
図書館探検部に所属している近衛木乃香――刹那が護衛を任されているお嬢様、が刹那を発見し声をかけてくる。
もっとも刹那が木乃香のそばにいるのは護衛だから、というだけではないが。
心情的に護衛が第一、最優先だが『それだけでない』部分のほうをこそ大切に思っている。
矛盾しているが刹那にとってはどちらもが大切で存在理由といっても過言ではないものだった。
「お嬢様!えぇ…とですね国語の……課題を」
提出の期限を延長してもらい、その上でまだ終了していないためなんとも歯切れの悪い返答になってしまう。
仕事は護衛だけではない、ということが最大の理由だがそれに甘えることを好しとしないのが桜咲刹那だ。
それを理解している木乃香は少しだけ寂しそうな笑みを形作る。
カタン、と渇いた音をたて椅子を引き刹那の隣に腰を下ろす。
どれどれと刹那のノートと辞書を見比べる。木乃香の方が成績が良い。
「『このせつ』か〜、せっちゃん♪ややなーv」
ノートを見るや嬉々として声をあげた木乃香を不思議そうに見る刹那。
その単語にそんな反応を示す意味が解らない、とでもいった風だ。
一方木乃香は(・∀・)ニヤニヤしながら刹那を見ている。
たまらず刹那は『このせつ』の意味を木乃香に聞いてみる。
「言うなればこの×せつやなーv」
とどこかトリップした風に答える木乃香に刹那はますます不思議に思う。
辞書とにらめっこしてみるがどこにもこの×せつとは書いていなかった。
それを見て微笑む木乃香にいよいよ刹那も意味を知りたくなってくる。
「うぅ……お嬢様降参です。いったいこのせつにはどういった意味合いが?」
「それはな〜♪」
ちゅっ
「なっぁ……ぅえ?///」
頬に木乃香の唇が触れる。
頬を中心に広がる多幸感やら前後の繋がりがみえない行動に頭の中はパニックだ。
「こういうことや!」と妙に勝ち誇った様子の行動も言動も謎。
結局どういうことか解らずじまいだった刹那はコホンと咳払いをしながら、頬を赤くしながら課題に戻る。
それを見て木乃香はふぅ、と軽い溜息を吐く。
(せっちゃんはしゃーないなー)
もう一冊辞書を持ってきて刹那のノートと見比べる。
突然課題を手伝い始めた木乃香に刹那が慌てる。
「お、お嬢様!?ぁっいやお嬢様の御手を煩わせるわけにはいきません!」
刹那が言うがまるで聞こえないかのように作業を続ける木乃香。
刹那も諦め残りの課題に取り組む。
カチ、コチ、カチ。
放課後、橙色の絵の具が滲むように少しずつ、少しずつオレンジに染まっていく光景。
ときおりお喋りをしながら、ゆっくりとした理由が流れていく。
仕事が立て続けに入り刹那自身気づかないうち、無意識のうちに常に緊張していたらしい。
緊張が溶け、心に戻る。
出来る限り、精一杯の笑顔でお礼を言う。
「ありがとうございます、お嬢様。」
「うんうん、えーんよウチはせっちゃんが好きやからなーv」
「ぅ…ぃぇ、ぁ…///」
「でも、根つめすぎるんは気に入らんよ」
「……はい、」
「せっちゃんの隣にはウチがいるんやから、ゆっくりいったらえぇ。」
「ふふ……そうですね、そうかもしません。いえ、きっとそうです!」
急に元気がでてきた。
なんだか気恥ずかしい台詞を聞いた気がする刹那だったがやっと笑えた。
課題を提出し学校を後にする。
「なんやさっきはごめんなー、でもせっちゃんが根つめるん嫌やのは本当やえ」
「いえ…そうですね、2人でゆっくり行きますか!」
2人ではんなり
FIN
>>632 あっほんとだwせっちゃん成長したなwww…orz
エロは入ってもいいとおも、もともと21禁だしね
あ、↑で誤字を見つけてしまった気が…orz
637 :
615:2007/02/24(土) 02:58:25 ID:1iIN10Rn
小説の感想が少ないなぁ?
見てる人少ない?
ミs の小説完成したんだけど、投下しちゃって大丈夫かね?
明日の午前中辺りに投下予定だけど(まだ最終チェック終わってない為)。
キーワードは『ミs』『闖入者』。
また地味に長いので、六カ国と同じようにサイト公開かも。
こっちで公開がいいなって人は意見ヨロシク。
>>632 GJ!!
>>637 サイト公開よりはこっちに投下のほうが個人的には好きだな。
多少長くても、気が引けるなら切り分けて投下すれば良いさ
両方公開すれば?
GJd
>>637 言われてみれば確かに人が減ったんだろうか?
俺以外で最近ss投下した人が637さんと573さんだけというのがなんとも。
そんなわけでこっちに投下に一票。
641 :
名無しさん@秘密の花園:2007/02/24(土) 14:33:26 ID:/zZHhHyn
>>636 このせつを調べてるせっちゃん…イイ!! GJ!!
>>637 ここに投下して欲しい
wktk
642 :
615:2007/02/24(土) 16:18:59 ID:1iIN10Rn
おくれました!!
思いっきり爆睡してた;
こちらに投下希望が多いので、このまま投下しちゃうね。
まだピンクいのに慣れてないから、これから精進するっす・・・・。
正午頃、一人の少女が寮に向けて駆けていく。
名を春日美空。
陸上部所属であり、神楽坂明日菜と常に足の速さのトップを争う実力の持ち主だ。
そして魔法生徒の一人である。
「部活の練習は午前までかぁ、このあと暇だな〜」
今日は休日だったらしい。
午前中にかなり走り込んでいたというのに、疲れの一つも見せていない。
逃げ専門(?)の魔法使いであるため、体力はずば抜けているようだった。
「双子でも誘って何かイタズラでも仕掛けようかな? ・・・・ん、あれは桜咲さん?」
美空の目先にいたのは、桜咲刹那。
美空と同じく魔法生徒であり、専門は学園に侵入して来る魔物の退治・調伏。
ちょうど刹那も午前の鍛錬を終えて、寮に戻ってきたようだった。
「桜咲さん・・・・そうだ! ちょっと『遊んで』みようかな♪」
美空はそう言うと、刹那には声をかけずに寮に走り出す。
美空の気配に気付いていた刹那だったが、特に気に止めてない様子だった。
「・・・・あったあった、これこれ♪」
昼食をすませた美空が取り出したのは一つのカセットテープ。
再生をしてちゃんと使えることを確認すると、美空は刹那の部屋に向かった。
「桜咲さーん、いる〜?」
・・・・。
「あら、いないのか」
どうやら留守の様である。
先ほど寮に向かっていたのだから、寮にいるのは間違いないはずなのだが。
「ここにいないってことは、やっぱあそこだよねぇ」
「ごちそうさまー!」
「ご馳走様でした」
「お粗末さまです〜」
ここは明日菜と木乃香の部屋。
刹那も加えての昼食を終えたところ。
「おいしかったです、お嬢様」
「せっちゃんにそう言ってもらえて嬉しいわ〜v」
「はいはい、イチャつかないの」
ピンク色のオーラを漂わせる二人をよそに、明日菜は出掛ける準備をしだす。
「じゃあ先にエヴァちゃんの所に行ってるけど」
「はいな」
「私はお嬢様と食器を片付けてから行きますね」
どうやら3人はエヴァンジェリンの所に行くらしい。
学業と魔法(剣道)を同時に学ぶ3人は、休日であっても鍛錬は怠っていなかった。
コンコン。
明日菜が去り、食器の片付けを始めたところにノックの音が聞こえた。
「あや? お客さんや」
「私が出ますね」
食器を洗う木乃香に代わって、刹那が玄関へと赴いた。
玄関を開けると、そこには美空の姿。
「お、いたいた桜咲さん」
「こんにちは春日さん、私に何か用なのですか?」
それほど親しくはなかったが、お互い魔法生徒ということで警戒心はなかった。
そんな刹那に美空はニヤっと笑うと、先ほどのカセットテープを刹那に見せる。
「これ、なーんだ?」
「へ?」
いきなりなんだと聞かれても困る品物だ。
まったくわからないというような表情を浮かべる刹那に対し、美空は答えを告げる事にした。
部屋にいる木乃香に聞こえないように――
「・・・・『女の子同士でキスはしていいものなのか、と』」
「!?」
「・・・・『性別などにこだわるとは古いですヨ!』」
「な・・・・ま、まさか!?」
「・・・・相談しに来てくれて、ありがと♪」
そう、それは美空が司祭として相談室を開いた時のもの。
その時に刹那も訪れた。
そして上記のような相談をしたのだ。
美空はそれらの記録をすべてとっていた。
「な、なな!?」
「これ、近衛のお嬢様に聞かせたらどうなっちゃうのかなぁ?」
「や、やめてくださいっ!」
「? せっちゃんどないしたん〜?」
急に声を荒げた刹那に疑問を感じ、木乃香が出てきた。
周りには知られていなかったのだが、実は刹那と木乃香はカップルとして成立している。
もちろん初キスも済んでいるのだが、それにおいても『あの発言』は色々と危ない。
木乃香に知られればそれをネタになにをさせられるか。
この現状が意味するもの・・・・つまりは、いま美空と木乃香を会わせたら大変な事になる。
「す、すみませんお嬢様! 春日さんと話があるので少し出掛けてきます!!」
「ごめんこのか、桜咲さん借りるッス!」
「へ? あ、うん・・・・」
慌てふためく刹那と、余裕を見せる美空。
木乃香は二人の態度に、少し疑問を感じるのだった。
「あ、あなただったのですか?!」
「うん、気付いたのはネギ先生ぐらいだけどね」
余裕の笑みで、刹那との距離を一定に保つ美空。
剣を持っていない刹那だったが、確かに殺気が感じ取れた。
「・・・・それを渡してください」
「別にいいじゃん? きかせたらキスしてくれるかもよ? ブチューっと」
「よ、余計なお世話です!」
刹那が踏み込んだ。
カセットテープを奪い取るために。
「・・・・アデアット」
「!?」
捕らえる直前、美空はその場から消えていた。
「く、アーティファクトかっ」
「私を捕まえてごらん? そしたら返したげる♪」
こうして学園都市の一角で『鬼ごっこ』が開催された。
参加者はたったの二人。
しかしその速度は、一般人では捉える事ができないものだった。
(ふふーん、私の足についてこれるヤツなんていないんだから・・・・んぉ!?)
余裕をかまして走る美空の目の前に、突如刹那が現れた。
縮地法。
刹那がもつ移動術である。
「大人しく渡して――」
「まだまだーーーー!!」
「――あっ!?」
強引に方向転換して刹那をかわす。
その衝撃で踏み台にしていた家の屋根が崩れた。
器物損害である。
「く、あそこでかわされるとは・・・・!」
それから幾度となく仕掛ける刹那だったが、美空を捕らえるまでにはいかなかった。
美空も余裕がなくなっていた。
まさか『達人の縮地法』がここまでとは思ってもいなかったのだから。
(うひゃー、これは下手な修行よりもタメになるわ・・・・!)
(春日さんがここまでやるとは・・・・見極めきれていなかったか・・・・!)
「・・・・やりますね、春日さん!」
「桜咲さんこそ! あ、そこ注意」
「え? うわぁっ!」
バキンッ!
どうやら脆い屋根だったようだ。
またもや器物損害。
いや、ここまでの経路をよく見てみると、所々が二人の脚力に耐え切れずに破損していた。
「桜咲さんも意外と抜けてるんっすねー」
「・・・・っ、このぉ!」
いつしかこの『鬼ごっこ』は、目的を忘れたものとなっていた。
自分の力を最大限に出して逃げる美空は、全力で逃げる楽しさを感じていた。
鬼ごっこ自体はした事はある。
しかしそれは、魔法を知らない友人たちとだったのでつまらないものだった。
『こちらの世界』で生まれ育った美空は、一般人相手にどこか手加減をしなければならなかったのである。
それが美空の『裏の仕事の不真面目さ』につながっていた。
刹那もまた、本気を出しての鬼ごっこは初めてだった。
近衛家に拾われてから京都にいる間、友達といえば木乃香一人。
しかし相手が近衛家のお嬢様であったために、本気(気)を出すことなどなかった。
こっちに来てからも、護衛という任務で遊ぶことをしていなかった。
そのため『本気で遊ぶ』などいう行為は、今までに一度もしたことがなかったのだ。
まだ中学生の二人、力いっぱい遊びたい年頃である。
(『なんか・・・・楽しいかも』)
素直には認めはしないが、二人の意見は一致している。
そしてその『鬼ごっこ』は、夕刻近くまで続いたのであった。
651 :
大体半分:2007/02/24(土) 16:30:51 ID:1iIN10Rn
とりあえず半分投下で・・・・
ここまでだったら刹ミs だな。
ちゃんと後半にこのせつあるので、安心してくだせぇ・・・・。
リアルタイム遭遇だwGJ!
ミs 名前が出るなんて空気脱却なのかw
後半楽しみにしてます。
続きはいつ予定?
wktkして眠れんwww
GJ!!!!
wktkして待ってるww
……思ったんだが、「器物損害」→「器物損壊」じゃね?
655 :
651:2007/02/24(土) 19:59:04 ID:1iIN10Rn
お、器物損壊だったな。
突っ込みサンキュウ。
そろそろ夜になってきたので、投下しますっと。
「はぁ・・・・はぁ・・・・っ」
「・・・・ここまで追いかけてきたのは刹那さんが初めてッス・・・・!」
美空と刹那は海岸にまできていた。
ちょうど道がなくなったところで、二人の体力も尽き果てたのだ。
「美空さん、本当に逃げ足だけは速いですね」
「逃げることしか脳がないように言わないでください」
「ほかに何かあるのですか?」
「イタズラ」
「・・・・それは特技とは言いませんよ」
砂浜に寝そべり笑い合う。
本気の鬼ごっこを通して、二人の友情は深いものとなったようだ。
いつしかお互いのことを名前で呼び合う様になっていた。
「あ、そうだ。これ」
「え? あ・・・・」
美空が差し出したのはカセットテープ。
すっかり忘れていたが、これを奪うのが目的だった。
「十分遊んでもらったから返すッス」
「・・・・最初から遊ぶ気だったんですね」
しばらく休憩した後、おもむろに美空が飛び起きる。
「さて、帰りますか!」
「また走るんですか?」
「それ以外でどうやって帰るのさ? お金ないし」
「・・・・タフですね、ほんと」
寮までの間、二人はお互いのことを話していた。
美空が親の強制で魔法生徒をやらされている事。
ちょっとした契約で、クラスメイトから一歩引いている事。
刹那が道場で修行していた頃の話。
学園で魔物退治をしたときの、ちょっとしたトラブル話。
普段口にしない話題であったが、今の二人にはそういった話をすることが心地よかったのだ。
日付は変わって、月曜日。
前日にへとへとになって戻ってきた美空と刹那だったが、普段鍛えているからかほとんど回復していた。
「お嬢様、明日菜さん、昨日は本当にすみませんでした・・・・」
「もう謝らんくてええって」
「今日は午前授業だけだし、放課後に続きやろうよ」
「は、はい・・・・」
昨日の午後の鍛錬を、鬼ごっこによってすっぽかしてしまった刹那。
罪悪感で木乃香と明日菜に頭が上がらなくなっていた。
「あ、おはようございます美空さん」
「おはよーッス、刹那さん」
美空も朝練を終えて登校してきた。
3人は刹那の席近くで話していたので、刹那と美空は自然と挨拶を交わす。
ピクッ
(せっちゃんと美空ちゃんって、名前で呼び合う仲やったっけ・・・・?)
昨日に引き続き、再び木乃香は疑問を感じる。
「なぁ、せっちゃん。昨日――」
「HR始めますよ〜」
ネギが教室にやってきた。
仕方なく会話は中断、各自席につく。
「朝の連絡ですが・・・・」
コンコン
「はい? どうぞ」
HRが始まったとほぼ同時に、教室のドアがノックされた。
生徒ならノック無しで入ってくるはず。
クラス中の目線がドアに集まる。
ガラッ
「HR中、失礼します」
(げ、シスターシャークティー! ・・・・嫌な予感)
サッと顔色が悪くなる美空。
そして悪い予感は的中した。
「春日美空さんと桜咲刹那さんにお話があるのですが・・・・」
「美空さんと刹那さんにですか?」
「え?」
キョトンとする刹那とネギ。
さらに顔が青くなる美空。
少しざわめくクラス。
「二人とも少しこちらへ」
「はい」
「・・・・(うわぁ、めっちゃ嫌な予感が・・・・)」
刹那と美空は、しぶしぶシャークティーの元へ赴く。
そんな二人にシャークティーは一枚の写真を見せた。
「この二人は貴方たちですね?」
「・・・・あ」
「うげっ」
その写真には、屋根から屋根へ移動する二人の姿が写っていた。
移動の際、しっかりと屋根が壊されている。
学園内に配備されている監視ロボットが撮った写真のようだ。
「貴方たちですね?」
「・・・・はい」
「・・・・そうっす」
「すみません、ネギ先生。少し二人をお借りします」
刹那と美空は教員室に連行となった。
教室には珍しいペアの呼び出しによるざわめきと、複雑な表情をした木乃香が残された。
「あの二人が呼ばれるなんて珍しいね」
「桜咲さんがイタズラしたのかな?」
「バツが悪そうな顔してたから・・・・」
「てかあの二人さっき名前で呼び合ってなかった? 先週末何かあったとか!?」
「・・・・ラブホ入る直前の写真だったとか」
『え!?』
「ふ、ふふ、二人がそんな仲に・・・・?」
「木乃香がいながら・・・・むぐっ」
「しーっ、しーっ!!」
無い事を実際の事のようにしてしまう危ないクラス。
そして一時限目が始まる直前に二人は戻ってきた。
お互いが謝って、お互いを慰め合いながら。
その雰囲気は確かに先週には存在しなかったもので、クラス中の噂がヒートアップするのは当然のことだった。
(夢中だったとはいえ、私としたことが・・・・)
(ま、イタズラに説教と後片付けはつきもんだわな)
二人は『放課後に後始末をしてくること』という任務(罰)を臨時で与えられた。
イタズラ=説教=後片付けが成り立っている美空は余裕の様子。
それと違い、刹那は元々イタズラをしない真面目な性格だった為、今回の呼び出しは相当響いたようだった。
「刹那さん、放課後なんだけど・・・・」
「すみません・・・・罰当番が入ってしまいまして・・・・」
「・・・・ほな、しゃーないなぁ・・・・」
「ほ、本当にごめんなさ「刹那さん、早く行くよ!!」は、はい!」
会話の途中で美空が刹那を連れ去る。
美空はシャークティーのことがよほど怖いのであろう、周りは目に入っていなかった。
「・・・・」
(こここ、このかさんがこわいよぉぉ!?)
「こ、このか! 帰ろう、ね!?」
「・・・・はいな」
明日菜がかろうじて木乃香を抑えたのであった。
――。
「あ、あの、お嬢様・・・・?」
「せっちゃん、昨日どこいってたん・・・・?」
「え、えと、その・・・・美空さんと、お、鬼ごっこを・・・・」
現在まさにお仕置きの真っ最中。
時は移り、罰当番を終えた刹那の部屋に木乃香が訪れた。
そして今に至る。
刹那はベッド脇に座った状態で追い込まれ、木乃香はそんな刹那を押さえつけるようにして捕らえていた。
「鬼ごっこ・・・・ねぇ、どこでやってたん?」
「・・・・海の方まで・・・・」
「・・・・」
『別れる直前まで寮にいたのに、鬼ごっこの為にわざわざ海まで行った。
それも先約をすっぽかして、美空と二人きりで。
そして帰ってきた時には名前で呼び会う仲に発展していた、と』
木乃香はそう解釈すると、刹那の目を見つめたまま顔をグッと近づけた。
どうするべきかと困惑する刹那にじれったさを感じ、ストレートに問いかける木乃香。
「・・・・浮気したん?」
「・・・・・・・・え?」
考えてもみなかった問いかけに、刹那はさらに困惑する。
木乃香にはその表情が「どうしてバレた?」といっているように見えて、怒りはついにMAXとなった。
「あの・・・・おじょ、んふぅ!?」
言い訳など吐けないように、強引に唇をふさぐ。
舌を無理やり捻り込んで、己のものを流し込む。
最初は抵抗を見せた刹那だったが、木乃香が本気だとわかると素直に応じた。
「ん・・・・ふっ、くぅ・・・・っ」
木乃香がわざと響かせる水音が、刹那を昂ぶらせる。
(ここまでの反応はいつもと同じや。・・・・じゃあこっちは?)
刹那の肩にあった木乃香の手が下がっていく。
小さいながらも確かな膨らみがあるそこまで下ろすと、優しく撫でていった。
「はぅ、むぅ・・・・!」
その行動に耐え切れず唇が離れかけたが、それは木乃香が許さない。
もう片方の手を頬に当てて、刹那の頭を固定する。
刹那の両手は特に拘束されていなかったが、目に見えない何かに拘束されているように震えていた。
抵抗する気は無いという証拠。
(・・・・反応に証拠が残って無いなら、中を見るしかないえ・・・・)
昨日何かあったなら、行為中の反応に何か変化があるはず。
そう考えた木乃香は、このような強行手段に出たのだった。
しかし今の所、特に変化は無し。
木乃香は唇を離すと、固定していた手を刹那の服にかけた。
愛撫する手は休めず、片手で器用に脱がしていく。
その間、木乃香の口は刹那の首元を這っていた。
「あっ、お嬢様・・・・くすぐった・・・・はぅっ・・・・」
「・・・・」
(・・・・お嬢様・・・・?)
刹那は徐々に不安になっていった。
いつもと違ってまったく答えてくれない木乃香。
まるで自分を観察してるかのようなその目に、怯えに似た感覚を感じてきていた。
刹那の肌が露となる。
白くて綺麗な肌、どこも変わった所は無い。
木乃香は既に尖っていた突起を口に含んだ。
「いっ・・・・くぁ・・・・!」
いつもより強引な口による愛撫。
痛み、快楽・・・・そして恐怖。
刹那の心に色々なものが渦巻く。
「おじょ、さま・・・・っ! 痛い・・・・っ」
「・・・・我慢しぃ」
(何か・・・・何か違う・・・・っ)
刹那は、木乃香の行為に確かな恐怖を感じた。
過去に数回、こういった行為を受けた事はある。
しかし恐怖を感じた事など一度も無かった。
刹那が怯えている間も木乃香の行為は止まらない。
そして・・・・刹那は我慢できなかった。
恐怖に耐え切れなかった。
両手で、木乃香を拒んだ。
「・・・・っ!」
「ごめんなさいっ・・・・お嬢様・・・・」
「せっちゃん・・・・」
「約束を破って、御免なさい・・・・許してください・・・・っ」
刹那は拒んだ両手で、崩れ落ちるように木乃香を抱き締めた。
かすかに漏れる嗚咽。
木乃香の心に罪悪感が沸いてくる。
「せっちゃん、浮気・・・・したん?」
「っしてません・・・・! 断じてそんなことは・・・・っ!」
木乃香は自分自身の行動にショックを受けた。
刹那を信じきれずに、深く傷つけてしまったのだ。
めったに涙を見せない刹那を泣かせるほどに・・・・。
「堪忍な、せっちゃん・・・・、ウチせっちゃんの事信じきれなかった・・・・」
「・・・・私が、悪いのです・・・・」
「せっちゃんは悪うない・・・・約束破ってもうただけで、やましい事してへんのやろ?」
「はい、私の身と心は、いつもお嬢様のモノです・・・・!」
「せやからウチが悪いんや・・・・だから泣かんといて・・・・」
木乃香は刹那を抱きしめる。
刹那の中で渦巻いていた恐怖が消えていった。
木乃香の優しい抱擁に、ほどよい安心感を覚える。
「・・・・泣きやんだ?」
「す、すみませんお嬢様、みっともない所を・・・・!」
負担をかけまいと振舞う刹那に、木乃香は苦笑。
『支え合う』にはまだ時間が必要なのかもしれない。
それだけ二人が離れていた時間は長かったのだから。
「・・・・で、せっちゃん? 昨日は何してたん?」
「美空さんに、弱みを握られてしまいまして・・・・追いかけていたら、その、いつの間にか夢中に・・・・」
「あや・・・・ホンマに鬼ごっこしとったんや? ラブホまで行ったって聞いたんやけど」
「なっ!? 何でそんな事になってるんですか!?」
もちろんそれはクラスが勝手に作りあげた話である。
刹那にそんな覚えはまったくない。
「・・・・それにしても、夢中になって海まで行ってまうなんて、せっちゃんもまだまだ子供やなぁ?」
「あ、あうぅ・・・・」
顔を真っ赤にして刹那は黙ってしまった。
そんな刹那に、木乃香は再び顔を近づける。
「・・・・大丈夫、ウチが大人にしたるから・・・・」
「・・・・・・・・お嬢様・・・・」
そして行為が再開される・・・・その時。
――パシャッ
『!?』
「あ、やべ、フラッシュたいちった」
「美空さん!?」
窓の外の木には、カメラを手にした美空の姿が。
イタズラが見つかった子供のように、舌を出して笑っている。
「美空ちゃん・・・・いつからそこに・・・・?」
「えーと、脱がせるところから?」
「なっ!」
「・・・・逃げるが勝ち!」
「ま、待てっ!!」
服を羽織って、美空を追いかけようとする刹那。
しかしその刹那の手を木乃香がとった。
「お、お嬢様!?」
「別にええやん、ホンマにしとった事なんやし」
「よ、良くないです! 大問題ですよ!?」
「・・・・また美空ちゃんのとこに行ってまうの?」
「うっ・・・・」
「やり直させてよ・・・・今度はちゃんと、な・・・・」
「あ、お嬢様・・・・あぁ・・・・」
二人の仲をより深いものとしたシスター。
彼女は今も、波乱とした世界を駆け抜けているのであろう。
後日、麻帆良学園に通う一人の中学生が、部屋で気絶しているのが発見された。
気絶していた女子中学生(仮名:ミsさん)は、病院で震えながらこう供述したという。
『あのお方の物には手を出さねぇ方がいいっす・・・・あとがこえぇっすよ・・・・』
FIN
張るのに疲れるぜ、俺の書くヤツは(無駄に長い
今回のキーワードは『ミs』『闖(珍)入者』。
シリアス大好きっ子なので、ギャグやエロはちょっと苦労。
でも何とか慣れてきたぞ。
習作に近いですが、どうぞご覧下さいませ。
面白かったよ!ミsを出してここまで書けるとは…
超GJ!!!!!!!
美空さん最高っスwwww
素晴らしい!
このか攻め好きにはたまんね
>>670 良い嫉妬このちゃんをありがとう(*´Д`)
676 :
670:2007/02/25(日) 13:18:03 ID:tlYnH5un
GJありがとう。
過疎って来たけど俺はめげない。
10作品目までは書き続ける。
あと3つ。
8つ目の小説はどんなジャンルが良い?
キーワードも募集。
最近原作でこのせつがないから過疎るのは当たり前だよな・・・
早くパクテオーしちゃえば念話も召喚もやり放題なのに
ってことで「念話も召喚もやり放題」でリクを
一週間分ぐらいまとめて読んできた。
職人さん方GJ。
まとめサイトの更新をしようと思うんだけど
>>610は一応投下されたってことでこっちでソース書き換えてもいいのかな?
679 :
670:2007/02/25(日) 15:05:38 ID:tlYnH5un
>>670 GJ!!!!!!
長くてもいいじゃないかw
>>670 いや〜いい仕事してますね。
美空、二人の愛をより深めるキューピットみたいな感じがしました。
>>670 GJ!
しかし、病院送りにはなったけど、ココネに看病してもらえて美空的にはおいしいようなw
最近スゲェな…昔の過疎っぷりが嘘みたいだ
この流れを作るきっかけになったクリスマスの神に感謝
>>685 今旧スレ見ててそう思ったw
このちゃんの誕生日前なのに700目前とはw
あと、百合百合しいアニメスタッフにも感謝かな?漏れはアニメ見たこと無いけどw
687 :
676:2007/02/26(月) 13:43:19 ID:e8RGDfoQ
あ、このスレで過疎じゃないんだ。
今スレから来た新参者なもので、空気読めなかった。
で、「特盛り牛丼みそ汁付き」ってキーワード・・・・?
まとめサイトの虚武僧さんいつも乙です!
689 :
676:2007/02/26(月) 16:25:22 ID:e8RGDfoQ
まとめサイトに乗ったので
>>610のSS消しました。
まだ見てない人はまとめサイトまで。
○月○○日(月) はれ。
今日も道場でけいこおした。からだしゅうがいたい。
でもあしたはこのちゃんに会える
あしたがたのしみ。
「を」が「お」なのがまたかわいいwww
楽○のこのせつな同人誌が最高だった。
>>693 あそこのこのせつは前のも今回のも最高だ
同人誌って読んだことないんだよな・・・・
>>693 このせつはエロもいいけど個人的には基本非エロが好きだなぁ
んなわけでF○EL買ってくるw
今日はししょうといっしょにこのちゃんのおうちに行った。
いっぱいこのちゃんとあそんだ。楽しかった。
このちゃんが笑うと楽しかった。
げんきがでた明日もがんばれそう。
FEE○?よし、俺も買ってくる。
と思ったら今週は無理だな…orz
(*´д`)
>>699GJ
そしてお前は俺か
どうやら俺も今週は買いにいけない…さしさわりなければ誰か感想聞かせてくれ
ネットでエロこのせつ同人誌結構拾える
やっぱ魔法でふたなりとかネギ出てくるのが多いね…
ネギとかイラネ
このちゃんとせっちゃんだけで良い
ストーリーは完成したけど、文が上手くまとまらん・・・・もうちょっと待ってくれorz
現在このせつっぽい某アニメのキャラソング聞いて、妄想テンション上げ中。
いや、まんまこのせつなんよ、この曲共。
みんなに聴かせて感想聞いてみたい気もするんだが、聴いてみたい?
ぜひ聴かせておくれ
710 :
708:2007/02/28(水) 19:18:53 ID:NKKe6je6
素直なその要求を待ってました。
jyuuyon26899.zip
でわかるかな?
PASSは「konosetu」
>>710 26899のファイルが無いみたいなんですが・・・
712 :
708:2007/03/01(木) 01:39:36 ID:0n9uziAN
あら?
再アップしてみようかな
713 :
708:2007/03/01(木) 02:23:53 ID:0n9uziAN
jyuuyon26920.zip
PASS:konosetu
comment:test
>>713のファイルはあるものの
DLできないのは俺がなにか間違ってるからかな?
715 :
720:2007/03/01(木) 03:07:17 ID:0n9uziAN
俺の環境ではできるよ?
>>713 落とせました、ありがとう
一曲目がこのちゃんで二曲目がせっちゃんソングみたいな感じだね
声質も似てるし
>>715 だめだ、ネスケでもルナでもプニルでもオペラでも落とせないorz
ブラウザエンジン切り替えてもダメだ・・・
718 :
720:2007/03/01(木) 03:50:33 ID:0n9uziAN
>>716 共感してくれてありがとう。
わかりやすいようにファイル名を出席番号にしておいた。
>>717 どこか違うアップロードサイト探してみようか?
ぜひ聴いてみてほしい。
719 :
718:2007/03/01(木) 04:04:43 ID:0n9uziAN
>>719 こっちのろだはいけたいけた、サンクス
なるほどね テンション調整にはいいかも
いいもんありがとな
>>719 せっちゃんのイメージソング(?)は、レナモンのキャラソンですね。
前々からこのせつとレナルキは似てると思ってたんですよ。
このちゃんソングはどこの曲ですか?是非よろしければお教えくださいな
722 :
721:2007/03/01(木) 10:56:13 ID:lVya47TY
>>721 すみません、自己解決しました。ヒカリちゃんでしたね。
完全にスレ違いなので以後やめときます・・・。
(お嬢様が私と人生を歩んで行くことを)希むのなら希むのなら私は(理性と)戦い続ける
俺の中のせっちゃんはこんなんです
724 :
719:2007/03/01(木) 16:32:36 ID:0n9uziAN
>>721 お、知ってる人に遭遇。
ルキはどれかというとアスナなんですよね。
テイルは刹那とは少し違うし・・・・。
ヒカリとレナがパートナーだったら、ピッタリだったのに。
>>723 がんばれせっちゃんww
やっと完成したので、SS投下します。
まだ少し表現がばらけてるところがあるけど、見逃して・・・・。
いつもより少し違ったものになってます。
●もしもシリーズ
「もしもあの時○○じゃなかったら?」をキーワードにしたSS。
完全に妄想。
ではシリーズ第一作目。
第一期アニメ+原作より。
――明日菜が死んでしまってから、もう3ヶ月経った。
それと同時に、ネギ君は毎晩どこかに行ってしまうようになってしまった。
明日菜と暮らした部屋に戻ってくるのが辛いみたいで、今は高畑先生の所にいるみたい。
それでも学校には毎日来ていて、みんなの前で笑ってる。
でもどこか無理してて・・・・毎日ネギ君と暮らしてきたウチには、その辛そうな笑顔が痛いほどよくわかった。
そして・・・・せっちゃんもどこかへ行ってしまった。
教室に空いてる二つの席。
ウチの隣と、釘宮さんの隣。
ウチの大事な人達は、もうウチの傍にはいない。
――ウチにとってこの世界は、歯車の狂った世界になってしまった。
一人で暮らすには広すぎる部屋。
作りすぎてしまう料理。
そんなウチの胸には、いつも何か痛みがあって・・・・。
それでもみんなに心配をかけたくないから、いつも笑っていようと誓った。
その痛みは日が経つごとに治まるどころか、どんどん大きくなっていた。
――そんなある日のこと。
部活を終えて下校中に通った、人影がまったく無い道。
静かなその空間で、急に胸の痛みが大きくなったような気がした。
『待ち人、近いうちに現れる』
『あと一歩が願い叶う秘訣』
思い出される、先ほどの占い結果。
こんな結果の占いなんて、3ヶ月前から何度も出てる。
待ち続けて、探し続けて、それでもせっちゃんは戻ってこない。
大好きな占いすらも、嫌いになりそうなほどの・・・・絶望感。
「何で・・・・みんないなくなるんやろ・・・・」
誰に言うわけでもなく発した言葉。
胸の痛みに耐え切れずにうずくまる。
なんだかこうしてれば、痛みが和らぐ気がして・・・・。
胸を掴んで、ただその場でうずくまっていた。
「・・・・お嬢様!?」
遠い後ろの方でそう聞こえた気がする。
でもそれはいつも聞いている幻聴・・・・。
声だけなんて酷、イヤイヤをするように目を閉じて耳を塞いだ。
いっそすべて無くなってしまえばいいのに、自分の命も全部。
そうすればこの苦しみを味わうことだって・・・・。
そんなウチを引き戻すように、急に世界が反転した。
暗くてよくわからなかったけど、目を開いたそこには誰かの顔があった。
誰かに抱きかかえられてる・・・・?
「どこか痛い所でも!?」
「せ、せっちゃん・・・・?」
声でわかった。
ウチを抱きかかえているのは、確かにせっちゃん。
「な、なんでせっちゃんがここにおるの・・・・?」
「私は常に貴方の傍にいます! それよりも大丈夫ですか!?」
「う、うん・・・・大丈夫・・・・」
せっちゃんはウチを寮まで抱っこしてくれた。
部屋に戻ると、ウチのことを寝かせてくれて傍にいてくれた。
もう決して会えないと思っていたせっちゃんが・・・・ここにいる。
いつまでもこうしていたいと思ったけど・・・・眠気でだんだんと意識が遠くなっていった。
意識を手放す直前に、最後の力を振り絞ってせっちゃんの裾を掴む。
・・・・けど目が覚めた時にはその手は離れていて、せっちゃんはもうどこにもいなかった。
*
――今日もいつも通りに学校に行く。
ネギ君も、クラスのみんなも笑っている。
ウチも笑う。
そんな他愛の無い生活の繰り返し。
それでも数日前に、確かな事が起きた。
『私は常に貴方の傍にいます!』
せっちゃんは確かにそう言っていた。
ということは、今こうして笑っているのもせっちゃんは見てるんだよね?
ウチはせっちゃんに悲しんでいる顔は見せたくないから。
だから今日もウチは笑う。
せっちゃんが見ていてくれるから・・・・。
でも人間、一度手に入れたものは手放したくないみたいで・・・・。
もう一度会いたい・・・・触れたい・・・・。
そういったウチの欲望は、治まる事がなかった。
それと比例するように、また段々と胸の痛みが重くなってくる。
掴みかけた希望も、すぐに絶望に飲み込まれていく。
「・・・・木乃香殿、少し話が」
再び絶望の淵に立たされていた時、楓ちゃんに呼びとめられた。
人気のない所に連れてこられる。
楓ちゃんは人がいないのを確認すると、本題を話し始めた。
「刹那の事でござるが・・・・」
楓ちゃんは、今までずっとせっちゃんがウチの傍にいたことを教えてくれた。
そのことは口止めされてたみたいだけど、ウチが無理してるのはバレバレらしい。
頑張って隠してたんだけどな・・・・。
「拙者たちには刹那を捕らえる事はできないでござる。
刹那の任務という壁に・・・・むっ」
楓ちゃんは話を急に止めると、そっとウチに耳打ちした。
「・・・・エヴァ殿に助言を貰うといいかも知れぬぞ。それに拙者らも御助力するゆえ・・・・」
*
――その日の放課後、ウチはエヴァちゃんの家に来てた。
エヴァちゃんはあの日から学校をサボりがちになっていて、今日も学校にいなかったから。
「やっときましたね。マスターがお待ちです」
茶々丸さんが家に入れてくれた。
エヴァちゃんはウチの事を待っていてくれてた。
「やっときたか。近衛木乃香」
「・・・・せっちゃん、呼び戻せるの?」
ウチには余裕がなくなってたみたい。
単刀直入に聞いてしまった。
「・・・・身体はすぐにでも呼べるさ」
「身体?」
「パクティオーしてるだろう、お前たちは」
エヴァちゃんの話によると、修学旅行で口付けをしたウチとせっちゃんはパクテオーってのをしたことになってるらしい。
カモくんは「魔力を送り込む」って言ってたけれど、カモ君の利益目的でパクテオーも一緒にしていた、と。
「契約をするとカードが出る。あの小動物はそれを隠してるみたいだが、契約してればすぐに作る事もできるさ」
「エヴァちゃんできるん?」
「私はドール契約が専門だが、その他契約についても多少なり知ってる。だが・・・・」
「せやけど?」
「悪い魔法使いにものを頼むときは、それ相応の対価が必要だ」
「・・・・ウチの血じゃダメ?」
「・・・・いいだろう。だが護衛が怒るかもしれないな」
「かまわへんよ、そのせっちゃんを呼び戻すためやもん」
「では、こちらへこい。・・・・茶々丸、外の小鳥と遊んでてくれ」
「イエス、マスター」
部屋の奥に案内される。
そこには大きな魔法陣が描かれていて、棚には色々な薬品みたいなのが並べられていた。
「では血を貰うぞ」
「う、うん・・・・んっ・・・・はぅ・・・・」
腕に歯が立てられて、中の液体を吸い出される。
痛みは無かったけど、慣れない感覚に自然と声が出てしまった。
「・・・・サービスだ、これだけでいいだろう」
エヴァちゃんはそういうと、ウチに魔法陣に入れと指示した。
すこしクラッとしたけど、何とか魔法陣に入る。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック・・・・」
エヴァちゃんの詠唱に反応して、魔法陣が光り出す。
何が起こってるかウチにはまったくわからなかった。
そして魔法陣の光が収まったとき、ウチの目の前に小さな光が浮かんでいた。
手にとってみると、それはカードに変わる。
「それが桜咲刹那のカードだ。わざわざこの私が作ってやったんだ、大切に使え」
そして使い方を教えてもらったウチ。
カードに描かれた人を召還できる機能、念話という遠距離会話みたいなのができる機能。
「これでウチ、もう一度せっちゃんと話してみる!」
「あぁ、・・・・このコピーカードも持って行け」
「ありがとうエヴァちゃん!」
ウチはそのカードを大事にカバンにしまうと、急いで寮に向かった。
早くカードを使ってみたかったから・・・・。
*
「近衛、エヴァンジェリンに協力を頼めたのか?」
寮に入ると、そこには龍宮さんと楓ちゃんがいた。
「その様子だと、うまくいったみたいでござるな」
「うん、これ貰うてきたよ」
「おっと、少し待て」
カバンからカードを出そうとしたが、なぜか止められた。
「近衛の部屋に少しお邪魔してもいいかな? 作戦会議といこうじゃないか」
何の作戦会議だろうと思ったけど、とりあえず二人を部屋に招いた。
カーテンは閉めたままで会議が始まる。
「刹那は頑固者でござるからな、呼び出しただけではすぐ逃げてしまうでござるよ」
「あ・・・・」
「だからある程度捕らえておく準備をしなくてはな」
「と、捕らえるって?」
「軽く束縛するでござるよ」
「なぁに、少しだけ動けなくすればあいつだって諦めるさ。なんたって大好きなお嬢様のお呼び出しなんだからな」
「つまり、呼び出してすぐに逃げられないようにって事? そないな事ウチにできるん?」
「・・・・そこで拙者らの出番でござるよ、ニンニン♪」
「忍と狙撃手・・・・そして吸血鬼の力を借りる事ができるなんて、近衛はある意味恐ろしいぞ」
「・・・・ありがとう、みんな・・・・」
「礼には及ばないでござるよ」
「刹那も意地を張ってはいるが、本心は戻ってきたがってるみたいだ。強引に引き止めてやれ」
ちなみにこの部屋には、盗み聞きされないように魔法がかかってるらしい。
これもエヴァちゃんの魔法。
せっちゃんの為にみんなが力を貸してくれている。
「・・・・これが作戦だ。感づかれないうちに今夜決行する」
「あいあい!」
「了解や!」
上手くいくかはまだわからないけど。
それでも『あと一歩が願い叶う秘訣』ならば、ウチはこの作戦に賭けようと思う。
力を貸してくれるみんなもいる。
ウチにはまだせっちゃんが必要みたい。
せっちゃんの影が見えただけでこんなにも生きる勇気が沸いてくるなんて、ウチは本当にせっちゃんに夢中なんだね・・・・。
*
そして午後10時。
みんなが寝静まる頃に、楓ちゃんと龍宮さんがやってきた。
龍宮さんもミニストロ・マギってのをやっていた事があったみたいで、カードの詳細を教えてくれた。
カードを見せたら、せっちゃんの称号は『翼ある剣士』なんだって。
カードに描かれたせっちゃんは翼を生やしていて、まるで天使みたいだった。
「準備完了でござる」
「では近衛」
「はいな」
一息ついてから、エヴァちゃんに教えてもらった呪文を唱える。
「エウオケム・ウオース! ミニストラエ・コノカ、サクラザキセトウナ!!」
カードが光り、そしてウチの前方に魔法陣が作られる。
「・・・・っ!?」
その魔法陣からせっちゃんが現れた。
状況がわかっていないせっちゃんに対して、楓ちゃんがお手玉のようなものを投げた。
「うっ!? ケホッケホッ・・・・!」
飛び散る粉末に目を瞑るせっちゃん。
そして一気に間合いを詰めた楓ちゃんが、せっちゃんの肩を強く押す。
せっちゃんはよろけて、ベッドの柱に背をつけるように倒れた。
ガチャリッ
「・・・・なっ、これは!?」
「ふふ、すまんな刹那」
ベッドで待機してた龍宮さんが、せっちゃんの両手をベッドにつないだ。
気などを使っても破壊しにくい、特製の鎖。
さすがのせっちゃんも、達人の二人相手では対応しきれなかったみたい。
「龍宮に楓! これはどういうことだ!」
「仕事だ」
「近衛さまに依頼されたでござるよ〜、ニンニン♪」
「え、お嬢様・・・・!?」
やっとウチに気付いた。
二人がウチの協力者だと知ると、抵抗が弱くなった気がする。
しっかり見つめながら近づいて行くと、せっちゃんは怯えたような目をした。
・・・・叱られると思ってるのかな?
「どうやら、もう大丈夫のようでござるな」
「私たちは立ち去るとしよう」
「うん、ありがとな〜二人とも!」
満面の笑みで二人に手を振る。
二人は満足したような顔で部屋から出ていった。
「・・・・で、せっちゃん?」
「っ!」
振り向くと再び怯えるせっちゃん。
なんか失礼だなぁ・・・・。
そこで一瞬せっちゃんの目線が、テーブルに行ったような気がした。
振り向いてテーブルを見てみる。
そこには先ほどの二人が置いていった鞭とクナイ。
・・・・あぁ、拘束されてる上に目の前にこれあったら、さすがに怯えるよね。
「・・・・せっちゃん、さすがにこれは使わへんよ?」
「・・・・え、あ、はい・・・・」
本当にウチが使うと思ってたのか、安堵した様子を見せるせっちゃん。
ウチってそんなに怖く見られてたんだろうか?
手が届くところまで近づいて、同じ目線になる。
手を伸ばすとまたビクッと震えたけど、構わず頬に手を当ててこっちを向かせる。
前よりずいぶんと伸びた髪。
そしてすこし痩せた顔。
「・・・・護衛、頑張ってくれてたんやね」
「・・・・」
「龍宮さんたちから全部聞いたよ、ずっとウチの傍にいたって」
罰が悪い顔をするせっちゃん。
でもその顔は今にも泣きだしそうで、何かを必死に耐えているようで・・・・。
ウチにはもうわかっていた。
修学旅行でもう気持ちを知っていたし、今のせっちゃんの表情で確信した。
『せっちゃんは戻ってくる』って。
「ウチな、この作戦決行する前に実家の方に電話したんよ」
「・・・・え!?」
「せっちゃんの仕事、解任できへんのかって」
「そ、そんな・・・・」
ただせっちゃんを自由にしてあげたかった。
護衛の任務から外せたら、せっちゃんも学園に戻ってこれると思った。
でもお父様の話だと、そんなに簡単な話じゃないみたいで・・・・。
ウチは耐え切れず、『せっちゃんがどっかに行ってしまってすごく辛い、もう京都に戻りたい』とお父様に当たってしまった。
するとお父様は言った。
『任務は解任できないけれど、刹那君に伝えて欲しいことがある』と。
「任務は解任できへんて・・・・でもな、お父様が言うてたんや。聞いてくれる?」
「・・・・はい」
「『木乃香の身だけでなく、心も支えてやってほしい』・・・・やて」
「・・・・心、も・・・・?」
せっちゃんは目を点にしてた。
どういうことだろう、といった感じ。
「・・・・ウチの頼みだけやないんやよ? 西の長の頼みでもあるんや・・・・」
「えっと・・・・」
「ウチの傍におってよ、影から守るんやなくて・・・・隣にいて・・・・」
もう抑えられなかった。
気がついたら抱きしめていた。
最後はもう嗚咽で聞きとれなかったかもしれない。
ずっと触れたかったせっちゃんが、いまここにいる。
つながれているからか、まったく抵抗しないせっちゃん。
ううん、せっちゃんも震えていた。
「・・・・ごめんなさい、お嬢様・・・・」
せっちゃんも泣いていた。
ウチの肩に顔をうずめて・・・・。
「私も、辛かったです・・・・一度知ってしまった、温もりを手放してしまって・・・・戻ってきたかった・・・・っ」
「戻ってきてええんやえ・・・・せっちゃん四角く考えすぎや・・・・」
「ごめんなさい・・・・ごめん、なさい・・・・っ」
あれ・・・・せっちゃんってこんなに泣き虫な子だったっけ?
初めて見るせっちゃんの泣く姿に、ウチは少し戸惑った。
でも今できる事は、ただ抱き締めることだけ。
今夜はただ、二人で泣き続けた――。
*
「あの、お嬢様・・・・」
「どうしたん〜?」
「鎖・・・・外してもらえませんか?」
「ダメや」
「・・・・・・・・あぅぅ・・・・」
ウチはせっちゃんに栄養をつけるために、夜食を作ってた。
泣きやんだウチらは、離れてた3ヶ月について話してた。
3ヶ月の間せっちゃんは、ほとんど簡単な食べ物で済ませてたみたい。
しかもベッドで寝ないで木の上で生活。
それだといくらせっちゃんでも弱っちゃうような気がする・・・・。
『護衛が倒れたらダメやん!』って突っ込んだんだけど、その時せっちゃんはこんなことを言った。
「お嬢様が私を探してる姿を見てたら苦しくて、自分を痛めつけることしかできなかったんです・・・・」
そんな無茶な事、ウチが許すわけが無い。
それに、ウチが悲しんでるのをわかってて隠れてたっていう事実もある。
・・・・だから、これはお仕置き。
「はいせっちゃん、あ〜ん」
「お、お嬢様ぁ・・・・」
「口移しがいい?」
「・・・・あーんで、お願いします・・・・」
「素直でよろしいv」
ちょっとやりすぎかなって思ったけど、その日はせっちゃんを繋いだまま寝た。
うろたえるせっちゃんが可愛かったから、ちょっとした意地悪で。
でも・・・・朝起きたら鎖は外れていて、せっちゃんはウチの隣で静かに寝てた。
目覚めたせっちゃんは勝手に鎖を解いた事を謝ってたけど、ウチは怒ってなんかなかった。
何も言ってないのに隣で寝てくれるのって、小さい頃以来だったから・・・・すごく嬉しかった。
「せっちゃん、明日菜の墓参り行こ」
「あ・・・・はい」
「明日菜も心配しとったと思うから・・・・うちらはもう大丈夫やえって言いに行かへんとね」
「・・・・はい!」
ウチ等より先に人生をリタイヤしてしまう人は、これからも沢山いると思う。
でも今は歩き続けるしかないんだよね。
歯車は狂っていても、確かにこの世界は動き続けているんだから。
大切な人は、今もウチの傍にいるんだから。
だから心配しないで見守ってて、明日菜。
744 :
FIN:2007/03/01(木) 18:55:50 ID:0n9uziAN
あとがき
「アニメの明日菜があのまま生き返らなかったら、このせつはどうなってた?」と妄想したSS。
妄想が蔓延っております、許してください。
木乃香一人称はあえて標準語です、仕様です。
心の中まで京都弁にする必要ないだろう、と独断でございます。
本当はアニメに合わせて、ラストもダークの方向にする予定でした。
でも段々と明るくなってきて・・・・暗いの嫌なんですね、俺って。
ゴメンナサイ。
あと所々に伏線あります。
勘がいい人は察してると思うけど、刹那sideもあるんですねこれ。
同時進行で作成したので、いつもより時間がかかってしまいました。
一応キーワードは『召還』。
『召還・念話し放題』がリクエストだったのですが、それはまた別の機会で・・・・。
どうぞ、つまらないものですがお納めください(モツ風
>>726〜744
こ れ は k t k r
18レス分にクオリティがぎっしりやな・・・
GJすぎて言葉が思いつかない
>>725 保存した!書いたスタッフ気合い入ってるなwDVDほしくなった
>>726 黒歴史を使うとは…木の上で3ヶ月ってさすがせっちゃん。すごいストーカー技術持ってるね
黒このかいいけどお仕置が足りな(ry
刹那side楽しみにしてます
>>726 超GJ!!!
刹那side wktkしながら待ってます!
>>726 長編GJ!!!!
ただ…明日菜が不憫…
>>726-744 GJどころの話ではないので
光 の 速 さ で 保 存 し ま す た
久しぶりのシリアス物(?)にグッときてしまったww
いくら妄想とはいえ、アニメ第1期の黒歴史を利用してこれほどのクオリティのSS作る技術は正に脱帽モノだわwww
>>746氏も言ってるが、ブラック木乃香使うならもっとお仕置k(ry
刹那サイドをwktkしながら待ってるぜ!!!!!!!!111
俺はSS書くほどの妄想力は無いから、とりあえずこのせつ分あったドラマCDでもうpするわ
ttp://www.axfc.net/uploader/ の中の
Advanced(100〜150MB)
ファイル名 : N9_14363.rar
Keyword(兼解凍パス) : conosetu
内容品 : ネギま!?ドラマCDVol.1(CDジャケ一部添付)
期限 : 〜3/4(Sun)削除予定
>>748 あくまで「『もし』明日菜が死んでたら」なんだから、察そうぜ。
750 :
744:2007/03/02(金) 01:23:37 ID:+Ny0EsPa
GJありがと〜。
読み返して「ちょっと直して〜!」って所もいくつかあったけど、楽しんでもらえてよかったです。
明日(今日)に刹那side投下しますね。
スレ違いかもしれないけど、オマケで突っ込みたい・・・・!
ネギまほラジオが更新された・・・・更新されたけど・・・・
↓ ↓ ↓
[第23回] 「ネギモニ。」 2007年3月1日放送
ゲスト:白鳥由里さん(相坂さよ 役)
今回は、麻帆良の自爆霊こと相坂さよ 役の白鳥由里さんが遊びにきてくれました!
・・・・じ、自爆霊?
751 :
749:2007/03/02(金) 02:14:55 ID:vzQzvM9l
>>750 !?の20話Cパートを見ましょう
一応自爆はしてるけどなw
752 :
744:2007/03/02(金) 02:47:37 ID:+Ny0EsPa
>>571 自爆してるからって、大切な紹介で自爆させちゃダメでしょう・・・・;;
と、ちょっと気の毒になった俺でしたw
753 :
744:2007/03/02(金) 17:41:39 ID:+Ny0EsPa
そろそろ投下しますね。
前半ちょっと詰め込みすぎたっぽいけど、許してちょ・・・・。
お嬢様の傍を離れてもう3ヶ月。
毎日お嬢様から少し離れて護衛をしている。
学園生活をやめる際、学園長先生からも止められた。
しかし私の決意は揺るがず、修学旅行以前よりも離れたこの距離で護衛を続けていた。
お嬢様が部屋にいるときは、外の数メートル離れた木で待機。
教室に入ると隠密性の高めた式神を教室の窓に配置する。
そして授業が終われば、十数メートル離れたところから見守るのだ。
少し駆けて行けば届く位置。
しかし今の私には、その距離が絶対的な壁そのものだった。
*
――今日も離れた所で見守る。
しかし・・・・何やら今日のお嬢様は様子がおかしい。
そして立ち止まったと思ったら、その場に倒れてしまった。
周りに人影はまったくない。
「・・・・お嬢様!?」
とっさに叫んでしまった。
しかしお嬢様には届かなかったようで、お嬢様はさらに苦しそうに身を縮めた。
(何かあったら大変だっ・・・・!)
少し出すぎた行動だっただろうか。
しかし道端でうずくまるお嬢様を、私は放って置くことなどできなかった。
お嬢様の元へ駆け寄り、抱き上げる。
そして寮の部屋まで運んで、ベッドに寝かせた。
その間に何かを聞かれたような気がしたが、その時の記憶はほとんどない。
ただ私はお嬢様の身を案じていた。
それだけのことだ。
・・・・幸いな事に、お嬢様の身に大事は至らなかった。
疲れが溜っていただけなのだろう。
ベッドに寝かせると、すぐに眠りになられた。
何かを言おうとしたのか、お嬢様のその手はしっかりと私の服を掴んでいる。
しかしいつまでもここにいるわけにはいかないので、そっとその手を離した。
お嬢様の布団を掛け直し部屋を出ると、部屋の近くに龍宮と楓が立っていた。
二人は何かを言いたそうな顔をしていたが、私は「お嬢様を頼む」とだけ言い残してその場を立ち去った。
・・・・その間も二人から向けられる視線が痛い。
私は・・・・何か間違ったことをしているのだろうか?
この胸の苦しみはなんなのだろう?
*
あれから数日。
クラスの様子は変わらない。
お嬢様も笑っていらっしゃる。
・・・・しかし最近、楓や龍宮の視線が気になるようになった。
教室を見張っている私の式神に対して、なにかを訴えているようだ。
しかし私には理由がわからない。
そんな私は向こうからの接触を待つしかなかった。
・・・・ここは式神に任せて、少しお風呂にでも入って疲れを癒すとしよう。
護衛の任に集中するために学生をやめた私には宿がなかった。
しかしいくら護衛とはいえど、衣食住は人間としては必要不可欠なもの。
だから私は学生たちが登校する時間を利用して、学園の施設を利用させてもらっている。
・・・・3ヶ月前と大して環境は変わらない。
変わったのは部屋が無いのと、学校に通う必要が無いのと・・・・傍にお嬢様がいないだけ。
気がついたら私は、かつての私の部屋の前に立っていた。
・・・・ここから離れる必要があったのか・・・・?
私はわからなくなってきていた・・・・自分の行動が・・・・自分の決めた選択が・・・・。
*
――そしてある日、お嬢様が楓に連れて行かれた。
何の話をするのだろうか?
即座に式神を飛ばそうとしたが、その式神に向かって何かが飛んできた。
それに貫かれ、式神は紙に戻る。
「やぁ、刹那」
「・・・・龍宮、何のつもりだ?」
飛んできたのは500円玉。
そして私の前に立ち塞がるように、龍宮が現れた。
「いや、最近話をしてなかったと思ってな」
「話すことは無い、どいてくれ」
「いやだね」
龍宮はふっと笑う。
「っ!?」
また500円玉が飛んできた、今度は確実に私を狙って。
「何の真似だ!?」
「お前が言ったんだろう、『お嬢様を頼む』と。だから楓に任せておけ」
「ふざけるなっ」
私は焦っていた。
クラスメイトとは言え楓は忍びの者。
今こうしている間に、楓がお嬢様になにをしているか・・・・。
その焦りは龍宮相手に足枷となっていた。
しばらく交戦していると、急に龍宮の動きが止まる。
「刹那・・・・この3ヶ月何をしていたんだ?」
「何・・・・?」
「守るべきものが壊れていっているぞ・・・・」
そういうと龍宮は銃を下げ、立ち去った。
私はしばらく呆けてしまったが、すぐにお嬢様の元へ向かう。
龍宮の言葉からして、楓が何かしてるのかと思ったからだ。
しかしたどり着いた先では、楓とお嬢様が話をしているだけでなにも危険な状況ではなかった。
そして最後に楓がお嬢様に何か耳打ちをして、立ち去っていった。
後にはお嬢様だけが残されていたが、何か思いついたかの様にお嬢様もその場を立ち去っていった。
二人は何の話をしていたのか・・・・。
龍宮は、何を私に言おうとしたのだろう?
私の中には疑問だけが残っていた。
*
放課後、部活が休みのはずのお嬢様は寮とは違う方向に向かっていた。
後を追いかけると、そこはエヴァンジェリンさんの家。
茶々丸さんがお嬢様を招き入れる。
なぜエヴァンジェリンさんの家に?
・・・・あの人の家だと式神を飛ばしても、すぐに紙に戻されてしまうだろう。
すこし気掛かりであったが、外で待つことにする。
しばらくすると、お嬢様を案内した茶々丸さんが家から出てきた。
そして木の上にいる私を見上げる。
私に気付いているようだ。
「・・・・茶々丸さん、お嬢様とエヴァンジェリンさんは一体何を?」
「すみませんが、お答えする事はできません」
「お嬢様に何かしたら、私が黙っていませんよ」
「安心してください。マスターは貴方の事を気に入っていらっしゃいますので」
「・・・・? それとお嬢様の身の安全、何の関係が?」
その直後に、エヴァンジェリンさんの家から巨大な魔力が溢れ出た。
わずかだがお嬢様の魔力も混じっている。
「っ・・・・まさか、お嬢様の血を・・・・!? 何をした!?」
「すみませんが、お答えする事はできません」
「・・・・押し通らせてもらう!!」
しかし茶々丸さんも簡単に通してはくれなかった。
さきほどの龍宮と同じように、焦りが足枷となる。
くそっ、お嬢様はご無事だろうか・・・・――むっ!?
ガチャッ!
お嬢様が飛び出してきた。
慌てて木の上に隠れる、茶々丸さんも。
そしてお嬢様の気配が遠くなっていく。
「・・・・お嬢様は無事、なのですか?」
「健康状態に影響はないはずです。私生活に影響が出るようなことはしていないと思います」
つまり何かしら手は出したんだな、と解釈する。
しかしいつまでもここに留まっているわけにはいかないので、お嬢様の後を追いかける事にした。
「刹那さん」
「・・・・はい?」
「諦めないでくださいね」
「・・・・?」
何の事だかよくわからなかった。
しかし助言として受け止めて、私はお嬢様の後を追った。
*
――お嬢様はもう部屋に居る様だ。
しかし気掛かりが一つ、部屋に気配が3つある。
おそらく龍宮と楓のものだと思うが、聞き耳を立てても会話の内容が聞き取れない。
何かしら魔術がかけられているのだろうか・・・・。
1時間ほど経って、玄関が開く音がした。
案の定、来客は龍宮と楓だったようだ。
二人はお嬢様に「お大事に」というと、部屋を出ていった。
ただのお見舞いだったのか?
・・・・ここ最近、お嬢様の事がわからなくなってきている。
今日は一体何をしていたのだろう?
楓との会話の事、エヴァンジェリンさんの家での事、そしてお嬢様の部屋での事。
私にはお嬢様に何があったのかまったくわからなく、その為に妙な苛立ちを感じていた。
それと同時に、知りたいという気持ちが沸き上がってくる。
(私は此処に居ます・・・・気付いてください・・・・)
封じていたはずの心がまた騒ぎ出していた。
(会いに行きたい・・・・抱き締めたい・・・・)
(一度手に入れたあの温もりをもう一度・・・・)
胸で疼く苦しみ。
木の上で少し耐えたが、それは止まる事なく・・・・いつしか私は飛び立っていた。
まとわりつく欲望を振り払うように。
・・・・あぁ、この翼でお嬢様を連れ去る事ができたら、どんなに喜ばしいことだろう。
身分も任務も関係なく、二人だけの世界に飛び立つ事ができたなら・・・・。
自ら望んだはずの、今のこの立場。
しかしそれは自らの歯車を狂わす選択だったようだ・・・・。
それに気付くには、もう遅すぎた・・・・もう、戻れない・・・・。
*
――気がつくともう夜が更けていた。
どうやらあのあと、力尽きて寝てしまったらしい。
木の上だから寝た気はしないが、これも自分への戒め。
お嬢様だけ辛い想いをさせるわけにはいかないという、自分への。
「今夜も夜通しで護衛を・・・・むっ!?」
直後、お嬢様の部屋方面から魔力がほとばしる。
何かあったのかと思って走り出そうとしたが、その前に私の身が光で包まれた。
「・・・・っ!?」
光が治まったと思ったら、私は明るい室内に居た。
ここは・・・・お嬢様の部屋?
そこまで考えたところで、私の顔面に向かって何かが飛んでくる。
普段なら剣で弾くところだが、気が動転していた私はそれを手で掴んでしまった。
「うっ!? ケホッケホッ・・・・!」
しまった、目潰し・・・・!
即座に目に頼らないで行動をしようとしたが、投げた相手も達人のようで一瞬の隙を突かれた。
肩を強く押され、バランスを崩して後ろに転ぶ。
後ろにはベッドの柱があり、それに思いっきりぶつかってしまった。
ガチャリッ
そして間髪入れず響いた金属音。
一瞬遅れて、両腕の自由を奪われたことに気付く。
「・・・・なっ、これは!?」
「ふふ、すまんな刹那」
後ろに居たのは龍宮だった。
前方を見ると、のほほんと笑っている楓。
・・・・共犯と言うことか。
一気に頭に血が上る。
「龍宮に楓! これはどういうことだ!」
「仕事だ」
「近衛さまに依頼されたでござるよ〜、ニンニン♪」
「え、お嬢様・・・・!?」
よくみると、楓の後方にお嬢様の姿があった。
お嬢様がこの二人のクライアント・・・・?
お嬢様は繋がれて動けない私に、ゆっくりと近づいてくる。
・・・・私はなんともいえない威圧感を感じていた。
「どうやら、もう大丈夫のようでござるな」
「私たちは立ち去るとしよう」
「うん、ありがとな〜二人とも!」
お嬢様は二人に満面の笑みで手を振る。
・・・・二人は、立ち去る前に机の上に目をやった。
そこには鞭とクナイ・・・・ご、拷問器具・・・・?
「・・・・で、せっちゃん?」
「っ!」
お嬢様には悪いと思ったが、一瞬ビクッとしてしまった。
お嬢様の笑顔が怖い。
というのも、お嬢様の後ろにある鞭とクナイがお嬢様を黒く見せている。
私が机の方に目をやると、お嬢様もそれに気付いて机の方をみた。
「・・・・せっちゃん、さすがにこれは使わへんよ?」
「・・・・え、あ、はい・・・・」
・・・・ホッとした。
さすがにお嬢様はそんな人ではないよな、と安堵をつく。
お嬢様はそんな私の様子が不満だったようで、少し拗ねたような顔で私の傍に来た。
そして、すっと手が差し出される。
3ヶ月ぶりに差し出されるその手に私は戸惑ったが、お嬢様は構わず私の頬に手を当てて顔を覗きこんできた。
・・・・お嬢様は少し痩せたのだろうか。
近くで見ないとわからない、かすかな変化を感じ取る。
「・・・・護衛、頑張ってくれてたんやね」
「・・・・」
「龍宮さんたちから全部聞いたよ、ずっとウチの傍にいたって」
やっぱりあいつらか・・・・と顔をしかめる。
今まで苦しみを抱え込んで、涙を抑えて、護衛を続けていたというのに・・・・っ。
『バレている』とわかった途端、涙が溢れそうになった。
今まで抑えていた感情が溢れ出てくる。
あぁ、なんでこの身体は言う事を聞かなくなってしまったのだろう。
「ウチな、この作戦決行する前に実家の方に電話したんよ」
「・・・・え!?」
「せっちゃんの仕事、解任できへんのかって」
「そ、そんな・・・・」
護衛を解任される、それはすなわちお嬢様の傍に居る理由がなくなると言うことだった。
おそらくお嬢様は、私を自由にしたいと考えての事だろう。
しかし元々人間ではない私は、任務無しでは『近衛家のお嬢様』に近づく事などできない。
任務があるからお嬢様に近づけるのだ。
「任務は解任できへんて・・・・でもな、お父様が言うてたんや。聞いてくれる?」
「・・・・はい」
解任されないと聞いて少し安堵。
そして続きの言葉を待つ。
「『木乃香の身だけでなく、心も支えてやってほしい』・・・・やて」
「・・・・心、も・・・・?」
心も、とはどういうことだろう?
当たり前のことだが、剣で心は切れない。
それと同じで、剣で心を守る事はできない。
「・・・・ウチの頼みだけやないんやよ? 西の長の頼みでもあるんや・・・・」
「えっと・・・・」
「ウチの傍におってよ、影から守るんやなくて・・・・隣にいて・・・・」
涙ながらに伝えるお嬢様、そして抱擁・・・・やっと、意味がわかった。
いつまでも立場に拘る私のために、長はこういった任務を言い渡したのだ。
お嬢様の隣にいなさい、と。
それは私にとって任務などではなく・・・・ただの願望であるのに。
「・・・・ごめんなさい、お嬢様・・・・」
いつしか私も涙を流していた。
栓をしていた感情が一気に溢れだして、止まらなかった。
「私も、辛かったです・・・・一度知ってしまった、温もりを手放してしまって・・・・戻ってきたかった・・・・っ」
「戻ってきてええんやえ・・・・せっちゃん四角く考えすぎや・・・・」
「ごめんなさい・・・・ごめん、なさい・・・・っ」
この場所はこんなにも居心地がいい。
お嬢様は黙って私を受け入れてくれて、抱きしめてくれた。
今できる事は、ただ泣き続ける事だけ。
今夜はただ、二人で泣き続けた――。
*
「あの、お嬢様・・・・」
「どうしたん〜?」
「鎖・・・・外してもらえませんか?」
「ダメや」
「・・・・・・・・あぅぅ・・・・」
お嬢様は私の為に夜食を作られていた。
二人とも落ち着いた後、離れていた3ヶ月の事を話していた。
その3ヶ月、私は宿無しで生活していたと素直に告白したのだが、それが裏目に出てしまった。
なんでそんな無茶な生活をしていたのかと問い詰められ、うっかり次の事を口走ってしまったのだ。
「お嬢様が私を探してる姿を見てたら苦しくて、自分を痛めつけることしかできなかったんです・・・・」
・・・・案の定、私はお仕置きを受けていた。
こういった馬鹿な真似を、お嬢様は好まない。
さらにはお嬢様が苦しんでいるのを知っていた上で隠れていたのだから、お仕置きを受けても仕方のない事だった。
「はいせっちゃん、あ〜ん」
「お、お嬢様ぁ・・・・」
「口移しがいい?」
「・・・・あーんで、お願いします・・・・」
「素直でよろしいv」
お嬢様は相当ご立腹のようで、その日の夜は鎖で繋がれたままとなってしまった。
でも罰を言い渡すお嬢様はどこか楽しげで、私は少しうろたえはしたものの抵抗する気はまったく起きなかった。
*
・・・・お嬢様が寝静まった後、私は行動を開始する。
気持ち良さそうに寝ているお嬢様を起こさぬよう、私はゆっくりと鎖を外していった。
(龍宮め・・・・無駄に頑丈なのをかけたな・・・・)
かつての相棒に舌打ちしながら、鎖を外し終わる。
数時間ぶりの開放感。
しかしその数時間の束縛時間は幸せを感じられるものだった。
(・・・・ちょっと危ない趣味に目覚めそう・・・・)
鎖の跡ができた手首を擦りつつ軽く苦笑すると、お嬢様がもぞもぞと動いた。
起こしてしまったかと思ったが、ただの寝返りだったようだ。
すぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。
「ん・・・・せっちゃん・・・・逃げないで・・・・」
かすかに聞こえてきた寝言。
そんな悲しい寝言を言わせてしまってるのは、護衛であるはずの私自身。
私はお嬢様に近づき、そっと額に口付けた。
「もう逃げませんよ・・・・貴女に鎖で縛り付けられてしまいましたからね・・・・」
たまにはいいかなっとお嬢様の隣に横になる。
久しぶりのベッド、優しい香り。
緑の匂いもいいけれど、やっぱり寝るならこっちだな・・・・そう思いながら私は眠りの世界に落ちていった。
それから私たちはいつも傍にいる。
学園にも来年からまた通えるようになった。
高校生活についていけるように、今から勉強し直さないといけない。
「せっちゃん、明日菜の墓参り行こ」
「あ・・・・はい」
「明日菜も心配しとったと思うから・・・・うちらはもう大丈夫やえって言いに行かへんとね」
「・・・・はい!」
こうしてる今も、世界ではたくさんの人が死を向かえています。
それと同じで、私もいつかはお嬢様を失うでしょう。
逆にお嬢様が私を失うかもしれません。
ですがそれでも前を向いて歩き続ける事、それが私たちの生きている意味なのです。
それが生を掴んでいる私たちの役目なのです。
そうですよね? 明日菜さん・・・・。
FIN
あとがき
刹那sideです。
アニメでは烏族設定ないみたいなので、アニメ+原作で。
本当はもうちょっと苦しめる予定だったんですが、落としすぎたら持ち上げるのが大変なので省略しました。
刹那sideから先に読んでも、木乃香sideから先に読んでも、相手が何をしていたかをわからないように作ったつもりです。
所々伏線があって、予想はしやすかったと思いますがorz
これでこのスレに投下するSSは、区切り良く10作品目。(バレンタインは前夜と本編を別として)
とりあえず本気で書き続ける事ができて満足したので、しばらく隠居しようかと。
未熟な新参者のSSを読んでいただき、本当にありがとうございました。
またの機会があったらよろしく。
頑張れ職人! がんばれこのせつ!
全米と俺が泣いた
全俺が泣いた
つかあとがきが一番キタ
隠居とかやめてくれ!
寂しすぎる
萌えが足りなくて死んでしまう
ちょww隠居て・・・原作は休載なるしアニメは今月で終わりだし楽しみが減っていくorz
早く戻ってきてね。ていうか書き続けてほしいわ
>>771 超GJ!!10作目おめでとうございます!!
↓777ゲトしたら神が降りてきてくれますっ!!
777 :
771:2007/03/03(土) 00:02:07 ID:+Ny0EsPa
はいはーい、俺がゲトー!!
778 :
771:2007/03/03(土) 00:09:13 ID:VeZJRGbz
・・・・じゃない、GETしてる場合じゃない。
GJありがと〜!
確かに原作が休載+アニメ終了は寂しいっすね・・・・。
でもオラでは皆を満たすことはできねぇ、まだ未熟者だべ。
もう少し日本語勉強してくるっす。
んおっ、このちゃんの誕生日って18日か。
少し早く終わらせすぎたなぁ・・・・。
>>772 光の速さでほz(ry
隠居なんて困るwwww
そんなこと言わないでもっと書いてくれよ( ´・ω・)
こんなクオリティのSSかけるなんて既に新参者ってレベルじゃねーぞwwwwwww
さて、明日はプリフェス突撃だww
今月はホワイトデーもあるよ
コンサートいいな…このせつ関連のレポよろしく
782 :
780:2007/03/03(土) 10:08:13 ID:osoCDOpp
ネギパの歌われる曲予想にNever Give Up!があったから、このせつ声優版が見れるかも試練。
帰りの車内で簡単なレポ書きに来るわ( ´ー`)
783 :
名無しさん@秘密の花園:2007/03/03(土) 10:22:40 ID:5Ig0wRJe
>>749 取ろうと思ってもすごく混雑していて
とてもじゃないけど取れません(泣)
どこか別のところにうpしてもらえませんか?
>>771 GJ!!!!!!
隠居なんてすることないですよ!!
>このせつ声優版が見れるかも試練。
全裸でレポ待ってる
>>754 GJ!
関係あるような無いような話すると
ザジちうは需要無いのかな…
このせつは大好きでもザジちうも大好きなんだ
スレ無い&スレが立てられ無いorz
この苦悩をどうすれば…
ただの愚痴かもしれないスマヌ
786 :
771:2007/03/03(土) 13:23:53 ID:VeZJRGbz
引き続きGJありがとうです。
プリフェスレポ、楽しみにしてまーす。
ちなみにみんな「ブラック木乃香足りない」って、仰られていますが。
実はあそこ、お仕置きシーンだいぶカットしてます。
投下する予定はなかったんだけど、見たいっすか?
両sideを書く勇気(というか気力)がなかったから、刹那sideのみ保存中・・・・。
プリフェスレポが落ち着いた頃には投下できるように、チェックはしておきますけど。
788 :
771:2007/03/03(土) 13:56:01 ID:VeZJRGbz
ザジとちうってこのせつより進んでるんっすね・・・・。
なんかすげぇ。
ザジちうだけじゃなくネギま総合なんでもスレ状態だからなw
>>787 ありがとうこざいます。
そのタイトルSSサイトで見た事がある
2chでは無い
一応ここは21禁だしねー
>>790 それってザジちうスレのまとめサイトじゃね?
ザジちうスレの方が歴史あるし、元VIPだったから住人多いんだよな
793 :
780:2007/03/03(土) 16:10:42 ID:osoCDOpp
会場から書き込み。
初めて来たんだが、あまりのクオリティの高さにワロタwww
そんな俺ライトユーザー....(w
そろそろ入場するけど、開演するまではこのスレ見てるわ
まだ終わってないのかな?
声優総合の方にちらほらレポが。
ネギま1週だけ休載だってwただの定期休載かよ
1部の終わり方が素敵だった
797 :
780:2007/03/03(土) 22:18:52 ID:osoCDOpp
そろそろレポの時間ですね
思い出しながら書くので時間掛かりそうorz
先に言っとくと、このせつは3回ほど(うろ覚えだが)あったぜ
798 :
780:2007/03/03(土) 22:35:28 ID:osoCDOpp
お待たせしました
プリフェスレポのお時間です
※イベント初体験の人間の感想なんで、そこんとこは割り切ってください。
携帯からなんで簡単にしか書きません。そのため後々PCから追加するかもしれません。
うん、いくら大麻帆良祭をDVDで見てても、ここまでの規模だとは思わなかったよ。
最初は予想通りセンスパ。
勿論全員版。
ここから少しうろ覚えになってくるんだが(スマソ)、何曲かやった後に1回目のこのせつが来たんだ。
藍ぽんと画伯が2人だけで出てきたから、「このせつキターー!」って心の中でガッツポーズをしてしまったw
明確な内容は興奮してて覚えてないんだが、ここでの対話はほのぼのだった希ガス。
「行こうか、せっちゃんv」
「はい、お嬢様!!」
の声でNever Give Upがスタート。
初めて聞いたが、典型的なこのせつ曲だたww
行数の問題+移動中の車内で打ってるせいで目が疲れてきたから、とりあえず一旦ここまで。
休憩したら第2弾書きにきます。
799 :
780:2007/03/04(日) 01:35:30 ID:KXgiiDLB
やっと家に着いたorz
地方からはやっぱり行くもんじゃないな。
体力的に限界なんで、レポの続きは明日書きます。
期待してた奴ら、スマソ。
……初めてイベ逝った地方人のレポなんて、どうせ期待してる奴いないと思うがw
800 :
771:2007/03/04(日) 01:37:24 ID:xINqLNpz
>>798 レポわくわくしながら待ってます。
>>784が風邪引くので、お早めに〜。
えーと、一応
>>771のおまけ、編集終わったんだけど・・・・。
レポ祭りぶち壊しはまずいよな・・・・。
・・・・隠居宣言したのに、妄想が蔓延る!
このせつ恐ろしいな。
801 :
771:2007/03/04(日) 01:38:06 ID:xINqLNpz
>>801 ここはお前のサイトじゃないって知ってるか
自分もプリフェス行って来た
このせつシーン多々あったが、何よりも印象に残ってるのは最後の一人一人のコメントでゆうちゃんからアイぽんにマイク渡す時の「次は、大好きなお嬢様ですっ!」だな
ゆうちゃんはこのせつをよく分かってるし、このせつ設定が大好きなのが至る所から伝わって来る
804 :
780:2007/03/04(日) 12:21:47 ID:KXgiiDLB
>>800 いや、俺夜まで書く暇無いから、先にうpしててくれ。
805 :
771:2007/03/04(日) 14:40:44 ID:xINqLNpz
>>804 んにゃ、
>>802の言うとおりこれから自サイト作って自己満足してるよ。
フィニッシュ宣言しちまってるしな。
>>803 ゆうちゃんはネギパでも「デートはネギよりお嬢様」って言ってるもんな。
よく分かってらっしゃる、画伯。
刹那スレがネギ刹の話ばかりでついていけない… orz
何でネギとくっつけたいのか皆目検討もつかない。
やっぱり、人(せっちゃんはハーフだけど)の幸せは、
異性との結婚っていうのが一般の認識なのかな?
他カプの人の存在には寛容であった方がいいと思うよ。
あっちから見たら
「なんで女同士でくっつけるのかわけわかんね」
とか思われてるのかもしれんし。
>>806 俺がいる
ネギなんていらないよね。百合要素のないせっちゃんだったらここまで好きになってなかった。
ヨソはヨソ、ウチはウチでいいんじゃね
>>808 >百合要素のないせっちゃんだったら〜
それは認めたくないがネギがいらないという事には全力で同意。@百合版住民
ショタコンじゃないので、ネギは対象外・・・・。
かといって他に対象いない・・・・。
よってこのせつ。
俺はネギがいてもいいと思う。ただせっちゃんとだけはくっつけるなと思う。
ネギは他でくっつければいいよ。あと30人くらいいるだろ?
よってこのせつはガチ
>>812 俺がいる
ネギは選り取り見取りなんだから困らないだろう
木乃香と刹那は対象外で無問題!!
このせつの最大の障害は赤松テンテー
815 :
780:2007/03/04(日) 23:23:43 ID:H/SbQXuc
このせつ重視で書くはずが普通のレポになってしまった上、
無駄に長くなってしまったのでろだにうpしてきた。
カサマツさん1MB
hajime10640.txt
パス:prifesrp
いろんなサイトでせっちゃんがこのちゃん以外の人と仲良くしてるの見ると腹立ってくる
どんだけこのせつ主義なんだよ俺ww
>>816 友達までなら許せる。
それ以上はダメw
せっちゃんだって人間なんだから、友達ぐらいは許してあげようぜw
そうそう
修学旅行以来友達が増えたせっちゃんを見て、嬉しいんだけど寂しいような独占欲感じちゃうこのちゃんが良いんだw
>>817-818 そうだよな、すまんかった
いろんなとこでネギせつとかアスせつその他見たりすると職人さんには本当にすまないと思うが、もどかしくなった
人それぞれなんだから俺にこんなこと言う権利ないがこの板だからこそ言える、せっちゃんにはこのちゃんが一番だ
すいません見つかりました
>>815レポ乙俺も行きたかった。
>>1スレ立て乙今更だが。
虚武僧さんいつもまとめ管理乙
閉鎖されたサイトのこのせつ小説読んで号泣してしまった。涙流したの何年ぶりだろ
作者さんに感想伝えられないのはなんか寂しいね…
サイト作るのにまだ時間がかかるので、ここで貰ったキーワードから作ったSSを投下します。
ここで貰ったんだから、投下しないと失礼だもんな・・・・。
自サイト作るまでお世話になるけど、迷惑だったら言ってくれ。
撤退するから。
>>364〜のデート編
「せっちゃん、こっちも着てみて〜v」
「は、はぁ・・・・」
桜咲刹那は今、都内のショッピングセンターに来ている。
その隣で楽しそうに試着用の服を選んでいるのは、刹那の幼馴染の近衛木乃香。
木乃香はパッと見で気に入った服を手に取る。
そしてサイズを確かめると、刹那の意見なしに渡す。
・・・・ものすごい量である。
「あの、これ全部着るんですか?」
「ん〜、せっちゃんが気に入ったのだけでええよ〜v」
「は、はい、わかりました・・・・」
木乃香は明日菜やネギの服を選んだりと、ファッションセンスはお墨付きではある。
とはいえ、普段刹那が着ないようなものばかり。
普段地味に暮らしている刹那には、気の引けるものばかりだった。
「せっちゃん素材がええからなぁ・・・・」
「そ、そうですか・・・・?」
「嘘やないえ〜? ほらほら、はよ着てみて!」
ちなみに、なぜこういう事態になっているかというと・・・・。
――刹那は昨日、龍宮と原宿に行っていた。
遊びではなく、ちゃんとした仕事でだ。
刹那はクライアント側の要求した人材になるために、年齢詐称薬を使用した。
その時の服は龍宮に選んでもらったのだが、その服がなかなか良かったらしい。
それで木乃香が嫉妬してしまい、木乃香も刹那の服を選ぶと言い出して譲らなかったのだ。
隠し事をしていた刹那は当然断る事ができず、素直に従うしかなかった。
もちろん今の刹那は薬を使っていて、容姿は大人である。
さらになぜか木乃香も薬を使っていて、今日のデートは木乃香いわく『大人のデート』になるらしい。
そんなデートをするにあたって、刹那は木乃香にいくつかの約束をさせられていた。
その一、木乃香の事はお嬢様と呼ばない事。
その二、最初に選んだ服を着てデートする事。等・・・・
「せっちゃん、着れた〜?」
「はい・・・・」
「ほな失礼するな」
「うわっ!?」
容赦なく試着室に入ってくる木乃香。
いくら選んだのが木乃香とは言え、着馴れない服を着ている刹那は見られるのが恥ずかしかった。
「ほわ〜・・・・さすがせっちゃん。似合うてるなぁ」
「あ、ありがとうございます・・・・」
「そないな照れないで、もっと自信持ち〜?」
見られて赤面する刹那と、なぜかそんな刹那を見て同じく赤面する木乃香。
試着室の中なので誰も見ていないが、端から見たらかなりのバカップルだろう。
「ほな、これ買おうか? でも、他のも着てみてな?」
「はい・・・・」
結局はほとんど着せられる羽目になる。
お昼になってようやく開放された刹那だった。
(き、着替えがこんなに疲れるとは・・・・)
すでにヘトヘトの刹那。
それに引き換え木乃香は、刹那の着せ替えでかなり満足したようだ。
「なぁせっちゃん、お昼何食べたい?」
「お嬢様が食べたいものでいいですよ」
「ウチはせっちゃんに聞いてるんよ〜? それと呼び方・・・・」
「・・・・ごめんなさい、こ、このちゃん・・・・」
相変わらず照れる刹那。
木乃香はやや不満げだが、ちゃんと言い直したので許すことにしたようだ。
「お姉ちゃんたち、二人っきり〜?」
「ほえ?」
後方から人が二人近づいてきた。
歩くだけで音がするたくさんのアクセサリーを付けた、20代前後の男性だ。
髪もかなり明るい茶に染められている。
「・・・・何か御用ですか?」
「そんな怖い顔しないで〜?」
「そうそう、一緒にお昼食べない?」
「え、えと・・・・せっちゃん・・・・」
木乃香は慣れない雰囲気の相手に怯えてしまったようだ。
見かけは20歳近くでも、中身は14歳の中学生である。
仕方のないことだ。
しかし刹那は仕事の関係上、年上とのコミュニケーションには幾分慣れている。
特にその相手が木乃香に手を出そうとしているならば、切り捨てる覚悟も気迫もある。
少しも怯まずに、木乃香を連れてその場を後にしようとした。
「すみませんが、失礼します」
「えー、まってよ〜」
「奢っちゃうからさ? ちょっと遊ぼうよ」
「きゃっ」
一人が木乃香の腕を掴んだ。
もう一人も刹那の手を掴もうとするが、既にそこに冷静な刹那はいなかった。
「貴様、木乃香っ、から離れろっ!」
「うわぁっ!?」
刹那の凄まじい剣幕に男たちは怯む。
その隙に刹那は木乃香の手を引いて、その場を立ち去った。
無駄な争いを避けるための判断だった。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「う、うん・・・・ちょっと疲れただけ・・・・」
「あんな輩に触れさせてしまって、申し訳ございません!」
「せ、せっちゃん!」
護衛として頭を下げる刹那。
人目のない裏道とはいえ、その光景はカップルとは程遠いもの。
「もう、せっちゃん! デートなんやから護衛さんはお休みやえ?」
「し、しかし・・・・」
「ん〜、そうやな・・・・さっきウチの事呼び捨てにしてくれたから、それで許したるv」
「・・・・・・・・へ?」
先ほどチンピラに絡まれた際、刹那は木乃香のことを『木乃香』と呼び捨てにした。
それは本当は『木乃香お嬢様』と言おうとしたのだが、さすがに人前で『お嬢様』はまずいと判断した結果。
後に『離れろっ!』が控えていたので、敬称付けする余裕もなかった。
「も、申し訳ございません!? とっさのことで、その・・・・!」
「だから、許したげるって。これからもそう呼んで欲しいなぁ・・・・?」
「お、お嬢様にそんなっ・・・・」
「せっちゃん、約束その一」
「・・・・・・・・この・・・・か・・・・」
「よろしいv」
「うぅ・・・・」
刹那は絡んできたチンピラたちを憎んだ。
次に会うときが来てしまったら、確実に彼らは切られるであろう・・・・。
――そして二人は昼食をすませ、午後のデートを始めた。
商店街を歩き回って、面白そうなものを見つけては立ち止まる。
それは二人の好みが分かる探索だった。
まず最初に、木乃香が古本屋に入ってしばらく動かなかった。
木乃香がまだ京都にいたとき、木乃香には友達がいなかった。
だから家庭教師との勉強以外の知識は、屋敷にある本で養っていたのだ。
それが現在の本好きに影響している。
それを知っている刹那は、木乃香の気が済むまで古本屋に付き合った。
(やはりお嬢様は本がお好きなんだな・・・・私も向こうで力になっていれば・・・・)
次に刹那が骨董屋で立ち止まった。
刹那が骨董品に興味があるのは、たまに退魔に役立つ物があるからだ。
いつも刹那は木乃香を最優先にして、自分の事は後回しにする。
だから刹那が骨董に興味があることを、いままで木乃香は知らなかった。
刹那の興味のある物を知らなかった自分に、少しシュンっとする木乃香。
しかし刹那の今の行動は、少しずつ硬い関係が崩れて対等の立場になってきている事がわかるものだった。
(今はまだ強制やけど・・・・いつかは自然に名前で呼んでくれるよね・・・・)
さっと骨董品の下見を終えて出る二人。
また一つ刹那のことを知った木乃香は、上機嫌で刹那の腕に絡んだ。
「お嬢・・・・じゃないくて・・・・この、か・・・・!?」
「えへへ、せっちゃんかわええな〜v」
「・・・・からかわないで・・・・このちゃん・・・・」
どうやら"木乃香"より"このちゃん"の方が呼びやすいご様子。
ご機嫌な木乃香は、ここで『呼び捨てにしなさい命令』を撤回してあげたのだった。
そして夕刻近い時刻。
二人はゲームセンターにいた。
木乃香がハルナやゆえに影響されて始めたカードゲーム。
そのアーケード版がある店舗だ。
刹那も修学旅行の時に後ろで見ていた。
「せっちゃんもこのゲームやらへん〜?」
「すみませんが、時間の方が・・・・」
「・・・・なら、しゃあないなぁ」
好きな人と好きなものを共有したい、と思うのが人間の心理。
木乃香も刹那をカードゲームに誘ったが、刹那は魔法生徒なので遊ぶ時間がなかった。
それを知っている木乃香は強要できない。
「ほんなら、ウチの隣で一緒にやろ?」
「はい、それなら喜んで」
IDカードを入れて、パスワードを入力。
そして通信対戦を選んでスタート。
対戦相手はすぐに集まった。
「う〜ん、どれがええと思う?」
「・・・・これはどうでしょう?」
仲良く同じ椅子に座って、戦略を練る。
ネギがハルナやゆえにルールを習っている現場にいたので、刹那もある程度このゲームは知っていた。
職業病とも言える戦略の立て方で、なんなく連勝を重ねる。
「ひゃー、さすがせっちゃんやなぁ!」
「いえ、お嬢様・・・・このちゃんのカードが強いんですよ」
「でもウチ、この538さんって人に勝った事ないんやえ〜?」
確かに強かったと思う。
素人の刹那だったが、イケると思っても巻き返されて、結果的にカード運で勝てたという所だ。
その後も二人は連勝を続けて、木乃香の成績は一気に上がった。
「・・・・このちゃん、ですよね?」
「え?」
「ほえ?」
ちょうどクレジットが切れた頃に、後ろから声をかけられた。
声をかけてきたのは、先ほどまで向かい側で同じゲームを楽しんでいた男性。
「そうやけど・・・・」
「あ、僕538です」
「え、さっきの!?」
そう、さきほど辛くも勝利した相手だった。
どうやら負けた後、後ろで見ていたらしい。
ちなみに木乃香のプレイヤーネームはKONO。
ちゃん付けにすれば自然と『このちゃん』だ。
「いつも対戦してますよね・・・・今日は負けました」
「あ! 今日は違うんですよ」
「え?」
木乃香がぼろを出さないうちに、刹那が助け舟を出した。
そう、今は年齢を偽っている状態なのだ。
もしこれからもここで対戦するならば、誤解を与えてはいけない。
「このカード、彼女の妹のなんですよ・・・・私たちカード無くしちゃいまして」
「あぁ、道理でいつもとやり方が違かったんだ」
「あっ・・・・ま、紛らわしくてごめんなさいっ」
「ううん、こちらこそ声をかけてごめんなさい。妹さんにヨロシクね」
男性はそういうとゲーセンを出ていった。
少し罪悪感が残る。
「この格好って便利やけど・・・・ちょっと普段どおりにはいかへんね」
「そうですよ、このちゃん。使い方を間違わないようにしましょう」
これからも木乃香は、このゲームセンターの世話になる。
ここが居づらい環境になる前に助け船を出してくれた刹那に、木乃香は感謝するのだった。
*
太陽も沈み、既に暗くなった時刻。
刹那と木乃香は寮に向かっていた。
ちなみに年齢詐称薬は効果が切れていて、いつもの二人の戻っている。
時間的に無理があると判断していた刹那は、事前に着替えの服も用意していた。
「ひゃー、効果切れる前にロッカー行けて良かったなぁ」
「ギリギリでしたね・・・・後少し遅かったら危なかったです・・・・」
どうやらあの後もゲームに夢中だったようだ。
木乃香の手には、UFOキャッチャーで取ったぬいぐるみがある。
どうやら刹那が取った物らしい。
「えへへ、この子名前決めへんとなぁv」
「え、ぬいぐるみにですか?」
「ぬいぐるみってな、名前を付けた日が誕生日になるんやよ。今日の記念になるな?」
「そ、そうなんですか」
恥ずかしさに赤面して、少し前に出る刹那。
そんな刹那を木乃香は呼びとめた。
「ここで少し休憩していかへん?」
「え? ・・・・あ、いいですよ」
通りかかった寮近くの公園で一休みする。
ここまで来たなら寮に戻ったほうが・・・・と言おうとした刹那だが、言い留まった。
寮に戻ったらデートは終わり、なのだ。
「・・・・なんや、今日は収穫がいっぱいやったなぁ」
「そうですね、この大人服どうしましょう・・・・」
「そうやなくて・・・・ほら、色々な?」
「え?」
刹那が木乃香のことを呼び捨てにしてしまった事。
刹那の趣味を知った事。
刹那もゲームに夢中になる事。
そして・・・・
「せっちゃん、嫉妬してたやろ?」
「え?」
「うちが538さんに『このちゃん』って言われて・・・・」
「・・・・・・・・あっ」
ゲームセンターにいた538が、木乃香の事を呼んだとき・・・・。
刹那は一瞬だが、驚きの表情の直後に苛立ちの表情を見せた。
刹那をできるだけ観察しようと勤めていた、木乃香だけがわかった事。
538が立ち去った後、心なしか自然と「このちゃん」と呼んでいたのも証拠だ。
「普段呼んでくれへんのに・・・・せっちゃん、わがままやなぁ・・・・」
「ち、ちがっ・・・・」
「そうはずかしがらんと・・・・ウチは嬉しかったえv」
「・・・・・・・・っ・・・・ですよ・・・・」
「え?」
「私だって、呼びたいですよ・・・・普段から、このちゃんって・・・・」
ボソボソと喋り出す刹那。
顔は真っ赤で俯いていて、まるで愛の告白をしているみたいだ。
「・・・・・・・・せっちゃん!」
「は、はい!?」
怒られると思ったのか、緊張して返事をする刹那。
そんな刹那を、木乃香は思いっきり抱き締めた。
「お、お嬢様!?」
「・・・・もうっ、ここは『このちゃん』やろ。・・・・まぁええわ、ウチはずーっとまっとるからなv」
慌てる刹那の頬に軽くキス。
無邪気に笑う木乃香は、やはりまだ年相応の女の子。
年齢詐称薬を使いたがるのは、そんな自分を隠して刹那を大人として愛したいから。
この胸の内を話す時が来るのは、きっと随分と後の事となるのだろう。
――パキッ
「!?」
前方の草むらから小さな音が響いた。
ほんの些細な音だったが、刹那は気配を感じ取る。
「だ、だれだ!?」
「あちゃー、ばれちゃったよ・・・・」
「朝倉さん!?」
そこにいたのは、パパラッチこと朝倉和美。
手にはしっかりとカメラが握られている。
「いつから・・・・」
「いや、実はずーっといたんだよね・・・・スクープを待っててさ」
「・・・・朝倉さん」
刹那が朝倉に近づいていく。
もちろんネガを奪うために。
「・・・・うん、そうだね。逃げよう!」
「あっ、待てーーっ!!」
目に見えない誰かと相談して逃げ出した朝倉。
そんな朝倉を、剣を構えて追いかける刹那。
暗い夜道での鬼ごっこが始まったのであった。
「・・・・せっちゃん、まだまだ子供やなぁ」
FIN
あとがき
>>364の続きです。
書くつもりなかったけど書いちゃいました。
皆さん覚えてらっしゃるか・・・・。
キーワードは『年齢詐称薬』と『ゲーセンで遊ぶこのせつ』。
アーケードゲームは、クイズマジックアカデミーを想像して書きました。
実際に木乃香たちがやってるのって、どんなのなんでしょうかね?
4人同時対戦なのはわかるけど。
あと呼び捨て事件。
画伯がネギの中の人とラジオやってたときに、『いつもさん付けだから、たまには愛称で』の騒動。
知ってる人もいるだろうけど、それを元にしました。
感想を見ただけで、実際には聴いた事はないんだけどね。
本編に出てくる538さん。
実は『ゲーセンで遊ぶこのせつ』のキーワードをくれた、
>>538さんがモデル。
勝手に使ってごめん、オリジナルキャラの作成苦手なんだ。
>>840 GJ!!!!!!!!!111
それにしても、クリスマスからこのスレの流れ凄くなったよな
>>364なんて1ヶ月しか経ってないのに既に500レス近く進んでるし。
この流れを作ったクリスマスのSSの作者にマジ感謝だわ。。
>>749でうpしたファイルが混雑してて取れないと嘆いていた椰子がいたので、
http://skyst.net/のType-Eに再うp。
ただし、2日後に削除予定。
ファイル名:sky1372.rar
password:conosetu
因みに前のろだのやつは削除済。
>>815のプリフェスレポそろそろ消していいか?
>>364なんて1ヶ月しか経ってないのに
↓
>>364なんて書かれてから1ヶ月しか経ってないのに
に訂正orz
>>840 GJ!!
帰りの車内だが、自分のキーワードを使ってもらっていた事に感動してカキコ
あぁニヤケ顔が戻らない…
>>841 しかもあのクリスマスSSは個人的最萌だった
>>840 よかったよ!
本編に出てきたやつはアヴァロンっかったけど
>>840 GJ!!!すごくおもしろかった!
>>841 エピソード3だけが何故かきかないのは自分だけ?
>>840 GJ!!
呼び捨てせっちゃんよかったッス
849 :
840:2007/03/06(火) 16:39:58 ID:LM7i8nnJ
GJありがとう。
お仕置きの方をまだ投下してなかったね。
レス連打ごめんよ。
>>754のお仕置きシーン
「はい、お粗末さまでしたv」
「ご、ご馳走様でした・・・・」
お嬢様が作ってくださった夜食を、お嬢様の手によって完食した私。
私は気恥ずかしさで、お嬢様を直視する事ができなかった。
「えへへ、ちゃんと"きく"とええなぁ・・・・」
「・・・・"きく"?」
「こっちの話やえ〜v」
なにやら期待を込めた笑みを返してくるお嬢様。
なんだか嫌な予感がする。
「食器片付けてくるな?」
「あ、はい・・・・」
お嬢様は私の疑問をよそに、食器を持って台所に行ってしまった。
その間に何とか鎖を外せないものかと手を尽くしたが、やはり簡単には外れないようだ。
・・・・大人しくお嬢様が外してくれるのを待つことにした。
ガチャガチャ・・・・
食器を洗う音が聞こえてくる。
手伝いたいな、と思うもそれは叶わず。
罰ならば扱き使ってくれたほうが、よほど罰らしいと思うのだが・・・・。
繋がれているとはいえ、夜食を作ってくれて食べさせてくれるだなんて、逆に嬉しいぐらいだ。
・・・・あーんをして食べさせてくれるお嬢様の顔を思い出した。
とても嬉しそうだった。
口についたご飯粒を優しく取ってくれて・・・・。
思い出しただけで顔が熱くなる。
身体も熱くなって・・・・。
ここまできて自分の身体の変化に気がついた。
いつもより動悸が激しい。
身体の内から何か熱いものが沸き上がってくる。
そんな自分の身体に戸惑い、私は身を縮めた。
「・・・・せっちゃん、きいてきた?」
「え?」
どうやらいつの間にか片付けは終わっていたみたいだ。
お嬢様が前に立っていた。
身体の異変に戸惑っていて、気がつかなかった。
「き、きいてきた・・・・とは?」
「媚薬っていうの? あれご飯に混ぜてみたんやv」
「び、媚薬・・・・っ!?」
性欲や感度を高める薬・・・・だったような気がする。
さっきの夜食にそんなものが混ぜられていたというのか。
いや、それ以前に・・・・。
「ど、どこでそんなものを・・・・」
「カモ君に頼んだんや。魔法世界の通販って、ホンマにすぐ到着するんやね」
「カ、カモさんですか・・・・」
・・・・あのオコジョ妖精なら喜んで手を貸しかねない。
いや、実際に手を貸している。
次会ったら覚悟して・・・・って!?
お嬢様が私の身体に触れていた。
今のお嬢様の身体は、私の両足の間にある。
「お、お嬢様!?」
「・・・・せっちゃん、袴姿似合うなぁ」
「え、あ、ありがとうございます・・・・じゃなくて!」
「えへへ、緊張する?」
媚薬の効果なのか、少し触れられただけで私の身体はビクッと跳ねる。
その反応に嬉しそうな顔をして、お嬢様は私の袴を脱がせ始めた。
両手を拘束されているため、抵抗はまったくできない。
下着も一緒に下ろされてしまった。
「お嬢様、一体何を・・・・」
「ん〜・・・・これなんやとおもう?」
「・・・・?」
お嬢様の手にあるもの。
それは黄色いカプセル。
しかし飲み薬にしては二回りも三回りも大きい。
「・・・・わかりません、けど・・・・」
「これはこう使うんやって・・・・」
「・・・・んっ・・・・」
突然お嬢様に唇を奪われた。
何度も角度を変える熱いキス。
その甘い感覚に意識が朦朧とする。
「ふっ、・・・・ん!?」
しかしそれも束の間。
お嬢様はカプセルを持っていた手を、私の秘部に当てた。
媚薬と口付けによりそこは既に濡れていて、すんなりとお嬢様の指を受け入れる。
それを確かめたお嬢様はキスを中断すると、空いている片手で抑え付ける様に私を抱き締めた。
「え? ・・・・あっ!?」
異物が侵入してくる違和感を感じる。
おそらくは先ほどのカプセル。
とっさに拒もうとするが、お嬢様の抱擁によって止められそれはできなかった。
異物はお嬢様の指によって、奥の方に押し込まれる。
「お、お嬢様・・・・取って下さい・・・・」
「ん〜、もう無理v」
「そ、そんな・・・・」
「だから、お仕置きやえ?」
そんなにこやかに言わなくても・・・・と脱力。
しかしお仕置きと言われればそれまでで・・・・私は耐えるしかなかった。
「・・・・ちょっとウチ、シャワー浴びてくるな。色々してたら時間なくなってもうて」
「は、はい・・・・」
「ほな、まっててな〜」
お嬢様は私の下着と袴を簡単に戻すと、さっさとお風呂場にいってしまった。
その間私は、異物が何とかならないものかと身をよじってみる。
しかしずいぶんと奥に押し込まれたソレは、少し動いた程度では取り除くことができなかった。
次第にその異物が溶けてくる様な感覚に襲われる。
そこからジワリと熱くなっていき、私はもどかしさを感じていた。
・・・・これも媚薬の一種ということか。
「・・・・っく、うぅ・・・・っ」
夜食に入れられた薬の効果も手伝って、私の理性は急速に削られていく。
もし両手が拘束されていなかったら、自慰を行なっていたかもしれない。
それだけの欲望が私の中で渦巻く。
身を縮めてなんとか抑えようとしているところに、お嬢様が戻ってきた。
「効いてきたみやいやね」
「お、お嬢様・・・・」
戻ってきたお嬢様は、また私の足の間に座る。
お風呂上りのお嬢様からはとてもいい香りがした。
・・・・しかし今の私には、その香りまでもが欲望を沸きあがらせる要素。
必死に耐える私を見て、お嬢様は嬉しそうな顔をする。
再びお嬢様に袴と下着を脱がされる。
そして足を広げられて、秘部を覗き込まれた。
恥ずかしさが全身を駆け抜ける。
「うわぁ、媚薬ってすごいんやなぁ。何もしてへんのにすごい濡れてる」
「み、見ないで・・・・お嬢様・・・・」
薬の仕業とはいえ、欲情している自分は痴態を晒しているようなものだった。
恥ずかしさから涙が溢れてくる。
そんな私を見ていたお嬢様は、身を乗り出して顔を覗きこんできた。
「・・・・・・・・せっちゃん、欲しい・・・・?」
お互いの息がかかるほどの至近距離。
そして優しくて甘い、誘惑するようなお嬢様の声。
・・・・しかし私はなんとか耐えた。
わずかに残る理性が、その誘惑を拒む。
越えてはならない一線を越えぬよう、かろうじて踏み止まる。
「・・・・さすがせっちゃん、簡単に堕ちないなぁ」
「・・・・・・・・お許しをっ・・・・」
「ダメや・・・・せっちゃんやて、我慢するのは辛いやろ?」
『私をこんな状態にしたのは貴方ですよ』
・・・・そんな心の突っ込みは伝わる筈もなく・・・・。
お嬢様は私の上も完全に肌蹴させる。
そして片手を秘部に持っていくと、指で軽く下の突起を撫でた。
「あっ、ひぁっ・・・・!」
「ココ、こんなにヒクヒクしてる。かわええなぁ?」
「だ、だめっ、さわらなっ・・・・あぁっ!」
さらに反対の手で胸を揉まれる。
媚薬で敏感になった私の身体は、快楽を素直に受け入れていた。
自分でもあまり触れない場所を大事な人に触れられて、歓喜の悲鳴をあげている。
そして絶頂に達する――その直前に、その快楽は止められた。
「う・・・・あぁ・・・・」
「せっちゃん・・・・どうしてほしい?」
「・・・・そんな・・・・くぅ・・・・」
「素直に言えばやってあげるえ・・・・な?」
再び私の中で始まる理性と本能の戦い。
媚薬で欲望を引き出された上に、触れられる快楽を知ってしまった身体。
さらに追い討ちをかけるような、お嬢様の甘い誘い。
そんな欲望や本能と反比例して、普段から培っていた精神力と理性はもうほとんど削り取られていた。
「・・・・・・・・さわって、ください・・・・」
――ついに私は堕ちた。
鞭と飴を巧みに使い分ける木乃香お嬢様に。
「どうなりたいんや・・・・?」
「・・・・イきたい・・・・です・・・・」
「他人行儀は嫌や・・・・」
「・・・・・・・・このちゃんお願い・・・・っ」
普段隠している本来の自分へと誘導されていく。
本音を抑える自分が――敬語を使う自分が――お嬢様と呼ぶ自分が――。
それら偽りの自分が、お嬢様の手によって破壊されていった。
私はもう、身体も心も丸裸にされてしまった状態。
そんな私にお嬢様は微笑む。
そして涙を流してお嬢様を求める私に、そっとキスを降らせた。
「・・・・やっと言えたね、せっちゃん・・・・ご褒美あげるな」
「やっ、あぁ・・・・っ、あぁぁぁぁーーー!!」
お嬢様は私の胸の突起を口に含み、吸い上げた。
さらに下のもっとも敏感な部分を親指で押され、二本の指で中身を掻き回される。
電撃のような快楽が体中に走り、私の頭は真っ白になって無意識の思考すらもできなくなった。
そしてふわりと浮くような感覚を感じ、身体が痙攣する。
「もっ、ダメ・・・・っ、くぅ・・・・っ」
「我慢しなくて大丈夫やえ・・・・効果が切れるまで、ウチが慰めてあげる・・・・」
「ふぅっ・・・・う、く・・・・あぁぁーっ!」
達しても続けられるお嬢様の行為で、私は何度も絶頂を向かえる。
薬の効果からか、何度達しても私の身体の感度や欲求は治まらなかった。
しかし私は・・・・この苦しみにも似た快楽の波に飲まれつつも、確かな幸せを感じていたのだ――。
*
「落ち着いた? せっちゃん」
「・・・・はい、なんとか・・・・」
どうやら私は、媚薬の効果が切れるまでイかされ続けたらしい。
でも私は後半のことをよく覚えていない。
快楽で理性が完全に飛んでしまっていたようだ。
そんな私の状態はお嬢様には新鮮だったようで、とても楽しそうにその間のことを語られた。
もちろん私は恥ずかしくて聞いていられなかったが・・・・。
お嬢様は行為で汚れた私の身体を綺麗に拭いてくれた。
そして服も元通りにしてくれる。
・・・・どうやら、鎖を外してくれる気はないようだ。
「あんな、実はまだ色々残ってるんよ」
「え、何がですか?」
「媚薬とかその他色々」
「え!?」
「今日のもまだ残ってるし、なんか塗るやつも・・・・あ、振動する棒みたいなのもあるよ」
お嬢様は私の隣で、どこからか出した紙袋の中身をあさる。
ちらりと見たが、私には見た事も・・・・使用方法もわからないものばかりだった。
・・・・もしかして、これを全部私で試す気なのだろうか・・・・?
「せっちゃーん、次どれがええ?」
「・・・・やっぱり、また私に使うんですか・・・・?」
「せっちゃん以外に誰がおるの?」
「・・・・・・・・あうぅ・・・・」
「・・・・でも、せっちゃん気持ち良さそうやったよね・・・・次はうちが使うてみようかな?」
「え!? お嬢様が!?」
「ダメかなぁ? ・・・・もちろんせっちゃんが慰めてくれるよね・・・・?」
「・・・・お、お嬢様、意味を理解して言ってますか・・・・?」
お嬢様はまた誘惑するように・・・・いや今度は甘えるように、私にもたれ掛かってきた。
つまり私に、"お嬢様を襲え"と・・・・?
「・・・・えへへ、どれがええかなぁ?v」
「・・・・・・・・もう、お好きにしてください・・・・」
先ほどの行為の疲れとお嬢様に完全に屈服した精神ダメージで、既に抵抗する気力はなかった。
ガックリと肩を落とす私と、その隣で未知の物を弄ぶお嬢様。
『守るべきものが壊れていっているぞ・・・・』
龍宮の言葉、今なら分かる気がする。
離れていた3ヶ月でお嬢様の愛情は、どこかがずれたモノとなってしまったようだ。
しかし・・・・このお嬢様のずれた行動が私の身勝手のせいならば、私はこれを受け入れる義務があるのだろう。
私は今、此処で・・・・お嬢様の戯れに身を投じる覚悟をしたのだった。
「せっちゃん、今日は朝までそのままでおってな?」
「・・・・はい、仰せの通りに・・・・」
――このあと私はお嬢様の言い付けを破って、鎖を勝手に解く事になる。
少し理不尽なお仕置きをするお嬢様に対した、ちょっとした反抗。
どうやらお嬢様の"お仕置き"は、私の自我を少し刺激したらしい。
主従関係に縛られる私が消えるのは、そう遠くないのかもしれない。
FIN
>>769に続く
あとがき
ブラック木乃香が物足りない!という感想、いっぱいありがとう。
実は裏で、このお仕置きもされてたんです。
ただ、このお仕置きを木乃香・刹那の両sideで投下するのが、ものすごく恥ずかしかった(
だからオマケとして、ここだけカットして別にしてました。
きっと木乃香sideもあるんでしょうね。
でもやる事は同じなので、カットさせていただきます。
余談。
本編にでてくる媚薬とかですが。
黄色いカプセル状の媚薬は実在してるはずです、多分。
どっかで見たと思う・・・・てかなんで知ってるんだろね、俺。
>>862 (*´Д`)b はぁはぁ…
ニヤニヤが止まらない。歩きながら読むもんじゃないね、ここ
超GJ!!!!!
>>862 これはいいお仕置きでつねwww
GJ!
ここのスレが今みたいに栄えるのと、このせつSSサイトが増えるのって住人的にはどっちがええんやろう?
866 :
862:2007/03/06(火) 21:24:48 ID:LM7i8nnJ
GJありがとう。
>>865 あぁ、それは俺も知りたい。
サイト作りに地味に手こずってるからさ。
まとめサイトの管理人さんは困るかもしれないけれど、投下してるだけの方が楽っちゃ楽。
>>862 こういうのが見たかったんだwwww(←
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!1
俺はこのスレが盛り上がってる方がいいナ。
わざわざブクマにたくさん登録して巡回するより、このスレ1回リロードする方が楽だし。(日本語悪くてスマソ
868 :
862:2007/03/07(水) 00:32:56 ID:Gt5RdHUJ
>>867 喜んでくれて嬉しいよ。
俺は知恵熱で死にかけたけど・・・・w
ただ、俺みたいに感想に答えようとすると「帰れ」的な事言われるからさ。
そこが投下の際の悩みかなぁ。
869 :
862:2007/03/07(水) 03:25:58 ID:Gt5RdHUJ
ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/ 一応俺のSS保存と、キーワード貰うためのサイトにしました。
キーワード貰うだけに、レス流すのも悪い気がしたんで。
こちらでキーワード提供してくれると、泣いて喜びます。
ちなみに書いたSSはこちらに投下、向こうで軽く保存&言い訳って感じ。
こちらが盛り上がった方が良いって、みんな言ってるので。
でも向こうのサイトに年齢制限物は置けないので、結局はまとめスレに頼ることに。
まとめサイトの管理人さん、まだしばらくお世話になりますorz
まぁうざいかもしれんけど・・・・よろしく。
この誕SSも書き終わっちゃってるんで、がんがんキーワード募集中です。
――ガチャガチャ
――ジャーッ
食器を洗う音がとある部屋に響く。
ここは寮の一室、近衛木乃香の部屋。
同居人の神楽坂明日菜とネギ・スプリングフィールドは最近、エヴァンジェリンの別荘での修行で部屋を空けることが多くなっていた。
木乃香も行く事があるが、大抵は部屋に残って日課の家事をする。
わずかだがその時間が寂しいということで、最近では桜咲刹那が部屋に来ることが多くなっていた。
「片付けまでが料理やもん。せやからせっちゃんは座ってていいのに」
食器を洗いながら、はんなりと笑うお姫様。
「い、いえ! お嬢様にすべて任せるなど!」
そんな笑顔を見て赤面しつつ、申し出を断る剣士。
「んもぅ、せっちゃん硬すぎやわぁ」
しかし、硬い返事が返ってくると木乃香自信もわかっていたのか、さほど気にしない様子で食器の洗剤を流す。
それを刹那が水気を拭き取り、食器棚へ移す。
最初はこれらの作業を全部刹那がやると言っていた。
しかしそれは木乃香が却下。
どちらも譲らないとなると、大抵は主従関係の自覚の高い刹那が強引に片付けてしまう。
しかし最近になって、そういった単独作業は減った。
――――守られてるばっかりはいややわ・・・・ウチも守りたい!――――
木乃香が刹那に、面と向かってそう言ったあの日から。
守る事で逆に傷付けてしまっていたと、刹那が木乃香に教えられたあの時から。
刹那は"立場"を一方的に押し付ける事が少なくなった。
そんな刹那に気付いた木乃香も、"想い"を隠すことが少なくなった。
『私一人が戦って傷付くと、お嬢様の心までも傷付いてしまう。
・・・・かといって、お嬢様を戦いに巻き込むわけには・・・・』
己の行動を自重しているとはいえ、刹那の心にはまだ迷いがあった。
刹那には力がある。
だから多少傷付いても木乃香を守るのが使命であり、刹那にとっての喜びでもあるのだ。
『共に並んで歩みたい』と思うと共に、『一歩リードして向かい風の盾になりたい』と思う心。
決して相容れない二つの心が、刹那の中で争っていた。
「後はこれだけですので、お嬢様は先にお休みになってください」
「うんわかった。まっとるな〜」
素直に聞き入れてくれてよかった、とほっとする刹那。
木乃香は別の目的があった様で、いそいそと戻って行った。
刹那が片付け終えて木乃香の元に戻ると・・・・木乃香はソファーの上に枕を置き、何かの準備をしていた。
「お嬢様、一体何を・・・・?」
「あ、せっちゃん早かったなー。今な、マッサージの準備しとったんよ〜」
ちょうど準備が終わったところらしく、刹那をソファーに手招く。
え、マッサージ?――そんな顔をした刹那の手を、木乃香がぐいっと引っ張った。
「ほらほら、うつ伏せになってぇな?」
「お、お嬢様!? わ、私は・・・・おわっ!?」
油断してたのか、あっさりと寝かせられる刹那。
慌てて起き上がろうとしたが、その前に木乃香が刹那の上に乗る。
「あ、あのお嬢様!?」
「じっとしててー? 最近のせっちゃん疲れてるみたいやったから、図書館島でマッサージの本探してきたんよ」
木乃香は言い終わるや否や、刹那の背中に手の平を当てる。
「ぁ・・・・痛っ・・・・」
「やっぱ凝ってるなぁ・・・・あんま無理したらあかんよ?」
木乃香は凝ってるところを集中的に、丁寧にマッサージしていく。
刹那は諦めたようで、大人しくしていた。
「ん・・・・はぁ・・・・」
しばらくマッサージを続けていると、ふいに刹那から声が漏れる。
「お客さん〜きもちええですか〜?」
「は、はい・・・・お上手ですね・・・・んぁ・・・・」
相当気持ちがいいのか、刹那は枕を強く握って再び声を漏らす。
そんな刹那の動作をみた木乃香の胸が、ドキンッと高鳴った。
(な、何やろこの気持ち・・・・)
木乃香の前では常に礼儀正しい刹那。
そんな刹那のリラックスした姿に、いつも以上の愛しさが込み上げてくる。
・・・・木乃香の変化に気が付いた刹那。
「あの、お嬢様・・・・。ありがとうございました、もう大丈夫です」
「ん、あぁ・・・・。そらよかったわ・・・・」
楽になりましたので、と理由を付け足して刹那は終わりを求めた。
気恥ずかしさからか、頬は少し赤い。
しかし木乃香は、その声で手を止めはしたが刹那の上からは動こうとはしなかった。
「・・・・お嬢様?」
急に黙ってしまった木乃香が気になり、刹那は疑問系で相手の名を呼ぶ。
うつ伏せで乗っかられているので、木乃香の表情を覗きこむ事はできなかった。
木乃香はと言うと、いまだに刹那の上から動こうとしない。
(・・・・護衛の私がたるんだ声を聞かせたから、不安にさせてしまったのだろうか?
ど、どうやって誤魔化そう・・・・・・・・)
一人で慌て始める刹那。
しかしその相手はというと、急に身体を前に倒して刹那の背中にピッタリと張り付いた。
「お、おじょ・・・・っ!?」
刹那は慌てて起き上がろうとしたが、全体重をかけて圧し掛かられ、さらに脇下から手を通されて肩を抱きしめられる。
「なぁ・・・・せっちゃん・・・・」
「は、はいなんでしょう!?」
「少しこのままでおってええかな・・・・? なんや、不思議な気分なんや・・・・」
木乃香が感じるもの、それは愛しいと思う心。
さらにそれは守りたいと思う心でもあり、独占欲でもあり・・・・。
そう、このとき木乃香は"刹那を自分の物にしたい"と感じていた。
しかし本人ははっきりと自覚はしていない。
ただそれでも素直な心は身体を支配し・・・・実行に移っていく。
「ぁ・・・・あの・・・・」
刹那の髪を優しく撫ぜる。
芽生え始めた独占欲。
そして思春期による性的な興味の発生。
その対象は、命を賭けて自分を守ってくれる幼馴染に向けられる。
「ん・・・・ぁっ、おじょう・・・・さま・・・・っ」
いつしか木乃香は、刹那の首筋に舌を這わせていた。
後ろから押し倒して羽交い絞めにしてる体制なので、刹那は逃げることができない。
「んっ・・・・あぁっ」
「・・・・・・・・せっちゃん・・・・ウチな、せっちゃんの事・・・・」
――その先の言葉が出てこない。
本人も、今の感情が分からずに戸惑っている状態。
木乃香はどう言い表せばいいのか分からず、刹那の肩に顔をうずめて黙ってしまった。
感情の暴走から、困惑の沈黙。
そんな木乃香の変化を、刹那は敏感に感じ取った。
護衛として働くために培われた、相手の動きから感情を察知する能力。
(もしかしてお嬢様は・・・・いや、でもそんなことあるわけ・・・・)
・・・・こちらはこちらで、自分の判断に自信を持つ事ができず。
結局は両者足踏み状態。
お互いの想いは交差する事無く、またもやすれ違ってしまった。
しかし密着している身体は確かに温度が上がっていて・・・・。
まだ言葉では言い表せないが、二人は気持ちのいい温もりと優しい安心感を感じていた。
――ガチャッ
「あっ」
「・・・・うぎゅっ!?」
その空気を裂くように、玄関のドアが開く。
と同時に木乃香が刹那の身体から手を離し、とっさに刹那の頭を枕に押し付けた。
突然の事態に、刹那の声は間抜けになってしまう。
「ただいま木乃香、刹那さん。・・・・何やってるの?」
「マッサージしとるだけやよ。な、せっちゃん?」
「は、はい・・・・」
必死に平静を装う二人。
しかしすぐに間抜けな刹那の声を思い出し、木乃香は笑い出した。
刹那はそんな木乃香をみて、赤面して枕に顔を埋めた。
「・・・・なぁせっちゃん、また"マッサージ"してあげるな?」
「・・・・・・・・はい・・・・お願いしますね」
また機会があれば、何かがわかるかもしれない。
本来の"マッサージ"の目的とは違ったところに、二人の期待は置かれているのであった。
FIN KEYWORD PUZZLE(
ttp://id41.fm-p.jp/35/sieg74/)
あとがき
今回のキーワードはタイトル通り『マッサージ』。
本当はあっちの方向に持っていこうとしたんですが、気が付いたらほのぼのになってました。
自覚無しの木乃香もいいですよね?
まだ初々しい二人ってことで・・・・。
・・・・まぁ、刹那は気付いてるけど・・・・。
お仕置きの後に続けて投下する物じゃないよな、反省。