【百合】NOIRMADLAXEL CAZADOR【三部作】
>>757 GJ!
そして、おまいらあけおめ!
今年もちょっとづつでもこのスレが伸びるとうれしいな
あけおめ
今年も沢山投下されますように
>>757 GJ!つかミレイユ後ろ後ろー!霧香切ねぇよ・・・
2009年でも生き残ってますように。
941 :
1/17:2008/01/02(水) 22:11:17 ID:41U+sMga
ふわふわと風に揺れるシャボン玉。
赤や緑、青に黄色。様々な色が映し出され、ゆっくりと辺りを漂っては消えてゆく。
それを少しずつ大きく膨らませたり、小さくたくさん飛ばしたり。
息の吹き方次第で様々に変化させるのは楽しくて。
ナディの買い物を、車で待つ間の暇つぶしには、もってこいの遊び道具だった。
「やっほー、おまたせエリス」
パタパタと店から荷物を抱えたナディが出てくる。どうやら買い物はもう済んだらしい。
「待っている間何もなかった?」
「うん、なんにもなかったよ」
いつものお決まりのやり取り。
けれど、今日は店に入る前に比べてなんだか少しご機嫌なようだ。
「…ナディこそなにかあった?なんだか嬉しそう」
「ふっふっふ…。わかる?」
942 :
2/17:2008/01/02(水) 22:12:31 ID:41U+sMga
怪しい笑みを浮かべつつ、ガサゴソと買い物袋の中から、小さな紙袋を取り出す。
じゃーん!と少し大げさに袋を開けた途端、香ばしい匂いが辺りに広まった。
中を覗き込むと、美味しそうなパンが一つ収まっている。
ほっこりと漂う湯気を見る限り、どうやら焼き立てらしい。
「買ったの?」
「ううん。店のじいちゃんがオマケしてくれたんだ。『可愛いお嬢さんに』だってさ。むふふ」
なるほど。ナディのご機嫌の理由はオマケ自体よりも、それを言われたことにあるらしい。
とはいえ、この焼きたてのパン自体が、彼女にとって魅力的であることもまた事実のようだ。
「実は試作品らしくってさ、レーズンとクルミが入ってるんだって。早速食べよっか」
荷物を後部席にドサリと降ろして、うきうきと車に乗り込んでくる。
隣の運転席に収まると手袋を取り、紙袋から熱そうにパンを取り出した。
「あちちちちっと。ハイ、エリス」
「……?」
半分にちぎられたパンを目の前に差し出される。
が、ちょこんと首を傾げるエリス。
943 :
3/17:2008/01/02(水) 22:13:51 ID:41U+sMga
「…あれ、いらない?もしかしてお腹空いてない、とか?」
「ううん、そんなことないけど。……それ、ナディがもらったんじゃないの?」
「え?ああ。まあ、それはそうだけど。でもあたし一人で食べるのなんだしさ。
それに、こういうのは二人で食べたほうが美味しいでしょ?だから、半分こ」
さぁ、とばかりにずずいと差し出される。
「…はんぶんこ?」
「そう、半分こ」
「同じもの食べても、二人だと美味しくなるの?」
「うん、なるなる」
「なんで?」
「なんでって……ん〜、そういうもんなの」
「そうなの?」
「そ・う・な・の。てか、取りあえず受け取ってくれるとありがたいんだけど」
いい加減熱い、とぼやかれて、ナディの指を見てみると、パンに触れた部分が少し赤くなっていた。
とりあえず促されるまま受け取ると、確かにそれは思ったよりも熱かった。
「…あつあつだね」
「だね。冷めないうちに食べちゃおう。やっぱ焼きたてが一番だしね」
944 :
4/17:2008/01/02(水) 22:15:09 ID:41U+sMga
ナディが食べ始めるのを見届けてから、自分も少しだけちぎって口に入れてみる。
その瞬間にほんのりとしたレーズンの甘みと、クルミの香ばしさが口内に広がった。
「うん、美味しい!」
ちらりと横を見ると、そういって頬張るナディの姿は本当に嬉しそうで。
なんだか微笑ましいその様子に、ついこっちまで嬉しくなる。
それと同時に心に湧き上がるほんのりとした温もりを、逃さないように、噛み締めるように。
しっかりと心に刻み込む。
「…うん。おいしいね」
――不思議だけれど本当に。
一緒にウニャイマルカへついていくと言ってくれたナディ。
彼女と旅を始めてまだ間もないけれど。見たもの、知ったこと、その殆どが初めてで。
その一つ一つ、どれをとっても、エリスには大切な事ばかり。
そして今日もこうやって、また一つ。
――うん、覚えた。はんぶんこ。
945 :
5/17:2008/01/02(水) 22:16:55 ID:41U+sMga
カクンと首が傾く衝撃で目が覚めた。
頭をもたげ、うっすらと瞳を開ける。
霞んだ視界に徐々に現れたのは、自分が座っている車の助手席。そして果てなく広がる夜の荒野。
おそらく随分と夜遅い時刻なのだろうけれど、高く昇った月明かりがやんわりと辺りを映し出していた。
そういえば首が傾いた方向が、少し肌寒い。
そこは、いつもならナディの温かい肩が有るはずの場所なのだ。
不思議に思い、運転席に目をやるが、そこに彼女の姿は見当たらない。
ただ、彼女の毛布が無造作に置いてあるだけだった。
それを見て、寝ぼけた頭が一気に覚醒する。
一体何処に行ったのだろう。そっと座席に触れてみたが、そこはすでに冷たくなっている。
居なくなってから、既に幾らか時間が経ってしまっているらしい。
けれど、もしかしたらまだこの辺りに居るかもしれない。
周りを見渡し、広い荒野に友人の姿を探し出す。
「……いた」
思ったよりも早く探し人が目に入り、思わずほっと胸をなでおろす。
なんてことは無い。ほんの数メートル離れたところに、小さな岩に腰掛けたナディ後ろ姿が見える。
彼女のトレードマークともいえる白いポンチョが、夜の景色にぼんやりと浮かび上がっていた。
けれど、どうしてあんなところに一人で居るのだろう。
理由はわからないけれど、とにかくナディの所へ行こう。
そう決心すると同時に、車のドアをカチャリと開けた。
946 :
6/17:2008/01/02(水) 22:18:30 ID:41U+sMga
「あれ?起きちゃった?」
振り向きざまに、ナディの赤い髪が風に揺らいだ。
あまり足音を立てたつもりはなかったが、彼女の元まで後数歩、というところで気付かれてしまう。
本当はもっと早く、エリスの方から声を掛けるつもりだった。
けれど、いざ彼女に近づいたものの、一人佇むその背中は何故か酷く寂しそうで。
その普段と違った雰囲気に、つい声を掛けあぐねてしまったのだ。
「ん?ぼーっとしちゃって、どうかしたの?」
「……ううん、なんでもないよ」
いつも通りの柔らかい笑顔で、エリスに話しかけてくれる。
そんなナディをまじまじと見つめてもみたが、その様子は普段となんら変わりは無い。
そのことに安堵しつつ彼女の傍に寄ると、岩に掛けていた腰を少しずらして隣の場所を開けてくれた。
そこへゆっくりと腰を下ろすと、今度はエリスがナディに尋ねる。
「ナディこそ、こんなとこでどうしたの?」
「ん〜…なんだか眠れなくってさ」
「ずっと起きてたの?」
「いや、そういうわけじゃないけどね。なんだか目が覚めちゃったから……」
そういって、空を見上げるナディ。
彼女の目線を辿ると、空にぽっかりと月が浮かんでいる。
さっき起きたときには気がつかなかったけれど、どうやら今夜は満月だったらしい。
黒い夜空に柔らかい光を放つそれは、まるで空に穴が開いたみたいに丸かった。
947 :
7/17:2008/01/02(水) 22:20:05 ID:41U+sMga
「……キレイだね」
「でしょ?だからなんとなく眺めてたんだ」
野宿の多い生活の中で、夜空なんてとっくに見飽きたと思っていたけれど。
こうやって改めて眺めるのも、なかなか良いものかも知れない。
そんな事をぼんやりと思っていると、ナディが思い出したように話しかけてきた。
「そういえばさ、さっきは何か良い夢でも見てたの?」
「…どうして?」
「いや、なんか幸せそうな寝顔だったからなんとなく。……違った?」
そう言われて、先ほど見ていた夢を思い起こす。
ナディと出会って間もない頃。今よりももっと何も知らなかった頃。
思い起こすと、あれから随分経ったような、あっという間だったような。そんな不思議な感覚に囚われる。
けれど、今なお大切なエリスの思い出の一つだ。良い夢でないはずが無い。
「……ううん、ちがわないよ」
「やっぱりそっか。ねえ、どんな夢だったの?」
「それはナイショ」
「ええー、なんでよ。別に教えてくれてもいいじゃない」
むーっと、子供みたいに膨れるナディ。
けれどその良い夢というのが、実は彼女とかつて過ごした日の記憶だった、なんて。
そんな事を面と向かって本人に告げるのは、なんだか少し気恥ずかしい。
948 :
8/17:2008/01/02(水) 22:21:45 ID:41U+sMga
「そういうナディは、何か夢見たりした?」
これ以上の追求を避けるために、話題を彼女へと方向転換してみる。
エリスにとって、それ以外に特に深い意味なんて無かった。
けれど、その質問にナディの表情が一瞬だけ固まった。
「……ナディ?」
「え…、ああ。うん、まあね…」
なんとなく、歯切れの悪い返答に首をかしげる。
こんなリアクションをされれば、いくらなんでも気になってくるというものだ。
「どんな夢だったの?」
「…それはナイショ」
悪戯そうな顔で、先ほどのエリスの台詞を、そっくりそのまま返されてしまった。
今度はエリスがむーっと膨れる。
「……ナディのケチんぼ。」
「こらこらこらこら。あんただって、さっき教えてくれなかったじゃないの」
口を尖らせたエリスに、呆れたように笑うナディ。
949 :
9/17:2008/01/02(水) 22:23:24 ID:41U+sMga
「それに、さ」
「?」
「あたしのは、あんまり良い夢じゃなかったから」
「…イヤな夢だったの?」
「まあ、ね……」
そういって逸らされる顔。
そこに、ほんの一瞬だけ寂しそうな影が、ふとよぎった。
―――あ。
それを目に留めた瞬間、先ほどのナディの寂しそうな背中が、脳裏に思い起こされる。
やっぱりさっきのは、気の所為なんかじゃなかった。
けれど――。
「ていうかさ、それで目が覚めちゃったのよ。
…でも所詮夢だし。そのお陰で、こんなに綺麗な月も見れたから。まあ、いいかなーって。」
そうやって笑うナディの表情に、その陰りはもう何処にも見られなかった。
また、だ。とエリスは思う。
実は今のようなことは、今回が初めてではない。
いつも優しく包み込むように笑ってくれるナディ。
だけど極稀に、今みたいに掠めるように寂しそうな表情をすることがある。
ナディ本人ですら気がついていないのではないかと思うくらい、ほんの一瞬の間だけれど。
きっと出会ったばかりの頃では、気が付かなかったようなことだ。
けれど共に旅を続けるにつれて、今まで見えなかったこと、気付かなかったことも判るようになってきた。
本当は今よりも、もっともっとナディのことを知りたいと思う。
だけど彼女は、自分自身のことはあまり深く触れようとはしない。
たまに、エリスと出会う前の彼女について、色々聞きたいと強く強請ったりもすることもあるのだけれど。
結局はなんだかんだと、はぐらかされてしまうことが多かった。
博士もおばあちゃんも居なくなってしまったのは、きっと魔女なんて呼ばれる自分の所為だ。
だからもう誰とも一緒にいないほうがいい。また同じように巻き込んでしまうから。
そう思っていたのに、彼女は一緒に付いて行くと言い、ずっと傍でエリスを助けてくれている。
そして、エリスの正体を知った後でさえも、そんなことは関係ないとばかりに変わらず共にいてくれる。
今、エリスが一人ぼっちではないのは、他の誰でもないナディのおかげだ。
それなのにその彼女自身が、自分の知らないところで本当は寂しい気持ちを抱えているのかもしれない。
そう思うと、なんだか胸が無性に苦しくなった。
そんなモヤモヤした感情を払拭すべく、足元に転がっている石を軽く蹴り飛ばそうと足を浮かせる。
その瞬間、荒野を強い風が吹き付けた。
951 :
11/17:2008/01/02(水) 22:27:38 ID:41U+sMga
「――くしゅんっ」
急激に体温が奪われて、思わずクシャミをしてしまう。
日中は太陽に照らされつづけるが、その太陽が沈んでしまう夜は流石に寒くなる。
そういえば毛布も、お互い車の中に置いて来てしまったのだった。
これ以上体温が下がらないよう、少し冷たくなってしまった自分の両腕を、きゅっと抱きかかえる。
そんなエリスに、ナディが心配そうに声を掛けた。
「大丈夫?寒くなってきちゃったからそろそろ車に戻ろっか」
そう言って、よいしょと立ち上がろうとする。
そんなナディを引き止めようと、思わず彼女のポンチョの裾をぐっと掴んだ。
さほど力は入っていなかったとはいえ、急に引っ張られたことに驚いたのだろう。
どうしたのかと物問いたげな瞳で、じっと見つめられる。
正直なところ、少しづつ眠気が訪れてきてはいたのだけれど、まだ戻りたいとは思わなかった。
ちょっとくらい身体が寒くたってかまわない。
こんな風に二人で一緒に穏やかな時間を過ごしていれば、不思議と心が温かくなるから。
寝てしまうのは勿体無い。この温もりを、もう少しの間だけでも感じていたかった。
それに、なんとなく。本当になんとなくだけれど。
彼女も本当はエリスと同じように、もう少し一緒にこうしていたいと思ってくれている。
不思議とそんな気がしたのだ。
952 :
12/17:2008/01/02(水) 22:28:46 ID:41U+sMga
「大丈夫だから。もうちょっとだけここにいよ?」
「大丈夫って…。でもそろそろ休んだほうがいいんじゃない?」
「もうちょっとだけだから」
「…寒いんじゃないの?」
「もうちょっとだけ」
「うーん。……じゃあ毛布だけでも取ってくるから。少しだけ待ってて」
ね?と小さい子を諭すような口調でエリスを気遣うナディ。けれどエリスはその手を離さなかった。
それどころかそのまま座ってくれと言わんばかりにクイクイと下のほうに引っ張る。
エリスのそんな様子に少しの間だけ逡巡するものの、結局最後に折れたのはナディの方だった。
やれやれというように溜め息を吐きながら、半分浮かしていた腰を再び降ろしてくれる。
「…あのね。取りに行くったって、すぐ近くじゃないの」
「いーの」
「もー、風邪ひいちゃっても知らないからね?」
「風邪なんかひかないよ」
心配性な彼女に対し、つーんと拗ねたように口を尖らせてそっぽを向く。
すると、ふわりと何か肩に温かいものが被さった。
953 :
13/17:2008/01/02(水) 22:30:02 ID:41U+sMga
少し目線を落とすと、そこにはナディのポンチョが掛けられている。
「じゃあ、せめてそれ着てなさい」
思わず彼女の方に目をやると、そう何でもないように言ってくれた。
けれど、上を脱いでしまえば、ナディの方が普段のエリスよりもよほど寒そうな格好で。
これでは風邪をひいてしまうのは、どちらかというと彼女の方だ。
「でも、」
「いいから着とく。あたしは平気だから気にしなくていいの」
抗議しようとするやいなや、そうキッパリと言い切られてしまった。
この様子ではまったく取り合ってもらえそうにない。
我が侭をきいてくれたことも、こうやって気遣ってくれることもすごくすごく嬉しい。
けれど、別にナディに寒い思いをさせたくて、こんなことを言い出したわけではないのだ。
かといって今更、やはり戻るなんて言い出すのも躊躇われる。
どうしたものかと考えていると、ふといいことを思い付いた。
954 :
14/17:2008/01/02(水) 22:31:12 ID:41U+sMga
「じゃあ、はい。ナディはこっち」
ポンチョの片側を彼女へと差し出す。
すると、意味が分からないというように少し首を傾げて、まあるい目にきょとんと見つめ返された。
かつてナディに半切れのパンを差し出された時、自分もこんな表情をしていたのだろうか。
「はんぶんこ。きっと一緒のほうがあったかいから。」
「半分って……。いやいや、流石にそれはちょーっと無理があるんじゃない?」
それ、どうやっても一人用だし。と呆れたように笑われてしまう。
けれど、そんな風に反応されてしまうことは、エリスには予想済みだった。
「じゃあ、こうする」
「っちょ!エリスっ」
がばっとナディの腰に腕を回してくっ付くと、急な事に驚いたナディがくすぐったそうに身をよじらせる。
「ちょっと、ちょっと!いきなりなにするのよ」
「こうやってくっついたら、二人でもちゃんと着られるよ」
「もーっ!だからっていきなり抱き着かなくってもいいでしょうが」
エリスの不意打ちの行動によほど面食らったのだろう。眉を寄せてブツブツと文句を言っている。
955 :
15/17:2008/01/02(水) 22:33:36 ID:41U+sMga
けれどそんな様子でも、飛びついた拍子にずれたポンチョを、そっとエリスの肩にかけ直してくれた。
その後に、ナディ自身も端っこを持って自分の方にかける。
すると、少し窮屈ではあったけれど、二人でちゃんと羽織ることができた。
――うん、やっぱり一緒のほうがあったかい。
互いに触れ合う部分から伝わる温度に安心して、ほぅ、と無意識に溜め息が漏れる。
そんなエリスを見てか、クスリとナディの笑い声が頭上から振ってきた。
「ったく、あとちょっとの間だけだからね」
「うん」
「ちゃんと寝とかないと、明日起きれなくなっちゃうし」
「うん」
「けど――」
ぽすっと、エリスの頭に軽い衝撃が入る。
956 :
16/17:2008/01/02(水) 22:35:19 ID:41U+sMga
「ナディ…?」
「――…確かにあったかいね、コレ」
チラリと目線を上に上げると、ナディがエリスの髪に摺り寄せるように顔をうずめていた。
近すぎて彼女がどんな表情をしているのかまでは見ることができない。
けれど、普段あまり見ることのない、そのナディの甘えた様子に少しだけ驚いてしまう。
どちらかというと、彼女はいつも手を差し伸べたり、受け止めたりするほうだったから。
エリスにも、それ以外の誰に対しても。今までずっとそうだった気がする。
一体どうしたのだろう。
やはり何か辛い思いをしているのだろうか。それか、実は体調でも優れなかったりするのかもしれない。
段々と不安になり、もう一度声をかけようとしたその瞬間。
「――ありがとう」
不意に、ポツリと消え入りそうな声が落ちてきた。
まだ何か続く言葉があるのかと、期待を寄せて耳を澄ましてみても聞こえるのは穏やかな息遣いばかりで。
その感謝の言葉が一体何に対するものなのかは、エリスにはわからなかった。
けれど――。
返事の代わりに、ナディの腰へ回していた腕にぎゅっと力を込める。
耳元で聞こえる穏やかな鼓動と、鼻をくすぐる優しい香りが、とてもとても心地よい。
決して一人では理解し得ないこの温もりを、ナディはエリスに教えてくれた。
だから、彼女に何か返すことが出来ていたなら、それはとても嬉しいことだと思う。
例えそれが、自分が知らない間にだったとしても。
今まではずっと、守ってもらうばかりだったけれど、いつかは自分も彼女を守れるようになりたい。
そうすれば、彼女が抱えているものも、少しづつでも持たせてもらえるだろうか。
エリスがまだ知らない部分も、ちゃんと見せてもらえるようになるだろうか。
一人よりも二人。
一つよりも半分づつ。
お互いに助け合って、分け合って。
これからもずっとそんな風に、二人一緒に生きていければいい。
958 :
おわり:2008/01/02(水) 22:39:25 ID:41U+sMga
無駄に長くなってスマソ。
しかもあんまりイチャコラできなかった。自分にはこれが限界っぽい。
ナディはあまり自分から甘えられなさそうだから、
たまにはエリスが甘えさせてあげればいいよっていう妄想…なんだけど判りにくいな。
兎にも角にも、2008年もよろしくいえっさ。
おま、これが限界って・・・
これ以上のイチャイチャなんてそう無いだろ!w
超GJ!素晴らしい!!ニヤニヤしながら読みますた。
2008年もGJな小説を書き続けて下さいえっさ!
おおおおおお、お疲れGJ!!
新年早々によいものをありがとう
なんという神SS
GJと言わざるをえない
GJ!
存分にニヤニヤ初めをさせてもらった
最近投下が多くてホクホクですなぁ
窓は?・・・・・・
窓職人もばっちこい!どんな組み合わせでも俺は萌えられます。
窓は好きな組み合わせ全部片割れが死んでしまった・・・
自分だけが不幸みたいに言うんじゃねぇ!
窓は確かに色々難しいね
キャラが死んじゃうってのもあるけど、世界観が非日常的だし
特に窓サイドは生活感が薄いというか・・・
もうちょっと妄想しやすい要素とか多ければよかったんだけど
まあ上級者向けって感じだな
いつの間にかこのスレもあと僅かだが
保管庫の件はどうするんだ?
fc2で保管庫用に場所は借りたんだけど、正しいID・パスワードを入れてもログインできない・・・
編集できるようになったらとりあえず作ってみる。
972 :
まとめラスト:2008/01/04(金) 18:37:27 ID:p+w8dGQK
エロパロのは?
住人被ってるだろうけど同スレって訳でもないしな…
次スレは
>>980にしよう。
しかし、よくこんな判り辛いタイトルのスレを使い切ったもんだな…
次スレは徹底的に判り易いので頼む
NOIR/MADLAX/エル・カザド 総合2
とかで
どうしてもHPサービスが使えなかったので、とりあえずブログ形式で作りました。
非常に見づらいですが、HPに移行するまで待ってください。時間はかかるかも・・・
ttp://noirmadlaxelcazador.blog18.fc2.com/ 疑問点
・タイトルのない長編SSをどうまとめるか(エントリ?が2つ以上に分かれる時とか)
・トラックバック・コメントは面倒なので全て受け付けしないよう設定したが、それでいいか
規制にかかったので、レス代行者さんに頼んで書き込んでいます。
規制が解除されるまで何かご意見を頂いても書き込み出来ませんがご了承ください。
おーすげ!GJ!!
>>タイトルのない長編SSをどうまとめるか(エントリ?が2つ以上に分かれる時とか)
例として今のノワールSSは「ミレイユ×霧香・長編1」とかでいんじゃね?
>>トラックバック・コメントは面倒なので全て受け付けしないよう設定したが、それでいいか
おk。問題ないと思うよ。
次の人、よろしく
みなさん、超乙です
おぉまさかの次スレと保管庫!
皆乙!
こんな過疎スレが次スレ&保管庫ができるなんて感無量すぎる
でもとりあえず、こっちも埋めていかんといけないんで
SS投下以外はこっち書き込み優先ってことで
もうこのスレが立ってから一年が経とうとしているんだなぁ
時が流れるのは早いもんだ
もう真下は百合ガンアクションアニメ描かないのかな・・・
3部作一周したということでNOIRの続編やって欲しい
やってほしいけど、真下はそういうのしてくれなさそうだよなー
なんとなくだけど
続編つくりやすそうなのは
エルカザ>Noir>MADLAX
か?
そこで三部作全員集合ですよ。
月村さん最近何やってるんだろ