レズ声優出張所 Part3

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650& ◆6WcjE/Lwuw
ここは、ある教室・休み時間
南里侑香「香里ちゃん。次、休むから。」
清水香里「ゆーかちゃん。また紗子先生の授業休むの〜?」
ゆーか「うん・・・。」
・・・
保健室
ゆーか「ナバ先生、体調悪いんで休ませてもらいます。」
ナバ「ゆーかちゃん。また紗子先生の授業休んだの〜?」
ゆーか「・・・はい。」
ナバ「まあ、『tiaraway』の解散とか菊地美香ちゃんとの噂とか色々あるけど。
   実際に話してみなきゃ分かんないじゃない。紗子先生も寂しがってるよ〜。」
ゆーか「ZZZZZ・・・・・。」
ナバ「早っ!」
・・・
再び教室・4時間目「Reading」
千葉紗子「え〜と、ゆーかさんは、また欠席?」
香里「はい、体調が優れないそうで。」
さえぽん「またか・・・、もう何時間連続だろ〜。」
651第6話「見えない・聞こえない・触れられない」Part2:2006/02/02(木) 03:54:55 ID:cWMEl1vk
・・・
キーン、コーン、カーン、コーン
さえぽん「じゃあ今日の授業、終わりまーす。」
井ノ上奈々「起立!礼!」
さえぽん「はいOK!」
ざわざわ・・・
さえぽん「は〜、ゆーか、どうしたんだろ?」
菊地美香「紗子先生。」
さえぽん「おっ、美香ちゃん。どうしたのかな〜。」
・・・
再び保健室
ゆーか「それじゃ教室に戻ります。」
ナバ「ゆーかちゃん。そろそろ、ちゃんと話したら?
   こんな事、続けてたって問題は解決しないよ。」
ゆーか「・・・・・。」
・・・
職員室
さえぽん「は〜あ・・・。」
?「紗ちゃん、どうしたの?ため息なんかついて?」
さえぽん「あっ、綾ちゃん。」
川澄綾子「もしかして、ゆーかちゃんの件?」
さえぽん「うん。」
川澄「その件で・・・学園長が呼んでるの。」
さえぽん「えっ、学園長が?」
652& ◆6WcjE/Lwuw :2006/02/02(木) 03:56:01 ID:cWMEl1vk
・・・
学園長室
根谷美智子「紗子ちゃん。用件は聞いてるわね。」
さえぽん「はい。」
根谷「ゆーかちゃんをちゃんと授業へ出席する様に。」
さえぽん「はい。」
根谷「このままだと出席日数が足りなくて試験も受けられなくなるわよ。」
さえぽん「というと?」
根谷「留年。」
さえぽん「え?」
根谷「留年の可能性が出て来るわ。」
さえぽん「はい。」
根谷「個人の間で色々あったかもしれないけど、今
この学園にいる以上は教師と生徒なんだからビジネスライクに解決しなさい!」
さえぽん「はい、分かりました。」
根谷「じゃあ、放課後、どっかの空き教室でも使って、ちゃんと話し合いなさい!
どうしてもダメなら、学園長権限で強制出席か退学って所まで持って行くから。」
さえぽん「分かりました。」
653第6話「見えない・聞こえない・触れられない」Part4:2006/02/02(木) 03:57:01 ID:cWMEl1vk
・・・
放課後の教室・さえぽんとゆーか、向かい合って座る二人。そして教室には二人っきり。
さえぽん「・・・。」
ゆーか「・・・。」
さえぽん(どうしよう、ゆーかと二人っきりなんて久しぶりだし・・・。)
ゆーか(紗子さんと二人っきりは嬉しいけど・・・。)
さえぽん&ゆーか「あの?」
さえぽん「ゆ、ゆーかさんから先に言って。」
ゆーか「呼んだのは紗子さんの方でしょ。」
さえぽん「う、うん。ゆーかさん、最近、私の授業にだけ出てないわよね?
     このままだと出席日数が足りなくて私の授業の試験だけ受けられないわよ。」
ゆーか「・・・知ってます。」
さえぽん「じゃあ、授業に出たら。色々あったけど、それとこれとは一緒にしないで・・・。」
ゆーか「一緒にしないで?
一緒になっちゃうぐらいの事なんだよ!紗子さんとの思い出は!」
さえぽん「でも、お互いの今の立場を考えて・・・。」
ゆーか「無理だよ・・・。」
パンッ!
さえぽん「わがまま、言わないの!もう子供じゃないのよ!」
ゆーか「・・・・・。」
さえぽん「アタシはゆーかの事を思って言ってるのよ!」
ゆーか「・・・もう知らないよ!紗子さんなんて大っ嫌い!
    顔も見たくないし、声も聞きたくない、触りたくもないよ!」
さえぽん(プツン!)
「アタシだって、ゆーかの顔なんか見たくないし、
 声も聞きたくない、触りたくもないわよ!」
ゆーか「さ、紗子さんなんて、もう知らない!」
さえぽん「あたしだって、ゆーかが留年したって知らない!」
結局、さえぽんとゆーかの話し合いは最悪の形に終わった。
654第6話「見えない・聞こえない・触れられない」Part5:2006/02/02(木) 03:58:35 ID:cWMEl1vk
・・・
翌日、6時間目「Reading」
ゆーか「じゃあ、香里ちゃん。保健室に行ってくるね。」
香里「また・・・。」
ガラガラ、ドンッ
ゆーか「誰ですか?・・・が、学園長!」
根谷「ゆーかちゃん、また授業サボる気?
   これ以上サボると良い事無いって分かってるの?」
ゆーか「・・・・・。」
根谷「ゆーかちゃん、出席と退学、どっちが欲しい?」
ゆーか「え?」
根谷「どっち?」
ゆーか「・・・出ます、授業。」
根谷「逃げずに出なさい!」
ピシャン!
結局、席に戻るゆーか。
香里「ゆーかちゃん、学園長、怒らせちゃったんだ〜。」
ゆーか「アタシ寝る。出てればいいんだったら寝てても一緒だよ。」
香里「で、でも〜。」
ゆーか「ZZZZZ・・・。」
香里「早っ!」
・・・
職員室
根谷「紗子ちゃん、ゆーかちゃんには授業出る様に言っといたから。」
さえぽん「はい。」
655& ◆6WcjE/Lwuw :2006/02/02(木) 03:59:40 ID:cWMEl1vk
・・・
教室の前
さえぽん(いつも通り、いつも通りにしてればいいんだ。)
ガラガラ
さえぽん「じゃあ、授業始め・・・、何?また、ゆーかさん来てないの?しょうがない・・・。」
又吉愛「千葉先生!ゆーかちゃんならいますよー!」
井ノ上「そうですよー!自分の席で寝てるじゃないですかー!」
さえぽん「え、みんな何言ってるの?ゆーかなんて何処にもいないじゃない!」
美香「紗子先生、ゆーかちゃんが見えないんですか?」
さえぽん「え?え?ゆーか、ゆーかがいる?なんで、なんでアタシには見えない。」
香里「先生、ほら、ここの席、ゆーかちゃんの席、ここにいるじゃないですか!
   ゆーかちゃん!ゆーかちゃん!起きて!起きてよ!」

ゆーか「う、うん・・・。もう授業、終わったの?紗子さんいないよ〜。」
一同「・・・・・。」
井ノ上「ゆ、ゆーかちゃん。ほら、あそこの教壇に紗子先生いるじゃない!
    さっきから、ずっと喋ってるじゃない!」
ゆーか「奈々ちゃん、冗談言わないでよ〜。誰もいないじゃない。」
香里「先生!ゆーかちゃんの声が聞こえないんですか!」
又吉「さっきから、ずっと喋ってますよ!」
ゆーか「ねえねえ、みんな、さっきから誰と喋ってんの?誰もいないよ〜。」

美香「先生、ゆーかちゃんの声が聞こえないんですか?」
さえぽん「ゆーかの姿が無いのに声なんて聞こえるわけ無いわよ!」

香里「ゆーかちゃん。本当に紗子先生の声が聞こえないの?」
ゆーか「紗子さん、いないんだから声なんかするわけないじゃない。」
井ノ上「学園長ー!」
656& ◆6WcjE/Lwuw :2006/02/02(木) 04:01:43 ID:cWMEl1vk
・・・
学園長室
根谷「悪ふざけじゃないわよね?」
さえぽん「違います!」&ゆーか「してませんよー。」
根谷「二人共、別々に喋りなさい!」
さえぽん「学園長、ゆーかなんて何処にもいないんですよ!」
&ゆーか「学園長、紗子さんなんて何処にもいませんよー。」
ドンッ!
根谷「みんなには見えてるの!二人の姿が!」
さえぽん&ゆーか「・・・・・。」
根谷「つまり、お互いの姿が見えない。そして、お互いの声が聞こえない。
   こういう事なの今、あなた達が置かれてる状況は!
   じゃあ、まず紗子ちゃんから喋って。」
さえぽん「学園長、本当にこっちの椅子にゆーかが座ってるんですか?」
根谷「座ってる。だけど今、喋っている紗子ちゃんの声は聞こえていないわ。
   それじゃ、ゆーかちゃん喋って。」
ゆーか「学園長、紗子さんって本当にこの椅子に座ってるんですか?」
根谷「座ってる。だけど、ゆーかちゃんの今、喋っている声は
紗子ちゃんに聞こえていないわ。
お互いに触れてみて、隣の椅子に手を置いてみて。」
さえぽん「こうですか?」&ゆーか「こうですか?」
根谷「すっ、すり抜けた!」
657第6話「見えない・聞こえない・触れられない」Part8:2006/02/02(木) 04:05:35 ID:cWMEl1vk
・・・
その夜、学生寮・ゆーかの部屋
ゆーか(学園長の言ってた事って本当なのかな?
    ゆーかは本当に紗子さんの姿を見る事や声を聞くこと、
    触れる事が出来なくなったのかな〜。
    でも、いいよね紗子さんっていう余計な存在を感じる事が無くなるんだから。)

職員寮・さえぽんの部屋
さえぽん(ありえない、ありえないわ!ゆーかは最初から教室に来てなかったのよ!
     でも、学園長がわざわざ、こんな嘘をつくメリットなんて何処にも無いわ。
     それにゆーかっていう余計な存在を感じる事、無いんだから。)

ゆーか(でも、このまま一生、紗子さんを感じる事が出来ないのかな〜。
    別に悲しくなんか・・・、悲しくなんか・・・。)

さえぽん(ゆーかを感じる事って出来なくなっちゃたのかな〜。
     これって一生続くの?
     別に悲しいわけなんてないよね・・・、そんな事・・・、無いよね。)
658& ◆6WcjE/Lwuw :2006/02/02(木) 04:07:26 ID:cWMEl1vk
ゆーか「うっ、うっ・・・。」
   (さ、紗子さんに一生、会えないなんてヤダよ!
    また会いたいよ!ゆーか、一人は、もう耐えられないよ!)

さえぽん「うっ、うっ・・・。」
    (なんで泣いてるの?別にゆーかに、もう会えなくたって・・・、
     一生、会えなくたって・・・。イヤだ!イヤだ!
     ゆーかに一生、会えないなんて・・・。神様、こんな仕打ち酷すぎるよ!)

二人が再び、お互いの存在を確認し合える日は、いつ訪れるのだろうか?(第6話終わり)