[構想]レズ百合♀総合創作スレッド[妄想]

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497名無しさん@秘密の花園
こんばんは、時計擬人化の人です。
とけいけ続編、11レスお借りします。相変わらず長い……

略記は、短→短針、長→長針、秒→秒針、ア→アラーム針のことです。
498とけいけ。8【1/11】:2010/05/21(金) 19:45:35 ID:a1ZJc+d6
とけいけでは早くも梅雨模様。じめじめした天気が続く今日この頃です。

長&秒『お見合いぃ!?』

短「ちょっと2人とも、カメラ近いわよ?」
長「んなこたぁどうでもいい。短姉にお見合いってどういう意味よ!」
秒「たん姉ちゃん、嫁のもらい手があったの!?」
短「……なによ、失礼ね」
499とけいけ。8【2/11】:2010/05/21(金) 19:46:03 ID:a1ZJc+d6

短「……2人とも、日時計ちゃんって覚えてる?」
長「えーと……短姉が高校の時、仲良かったお姉さん? 前髪ぱっつんでおっとりした感じの」
短「そう、その日時計ちゃん。私は日ぃちゃん、って呼んでるけど」
秒「その日時計さんがどうしたの?」
短「日ぃちゃん私と同い年だし、そろそろいいお年頃じゃない」
長「なるほど。それで、お見合い相手に短姉をめった刺しってわけね!」
短「そんな物騒なお見合い、お断りだわ。そもそも、そんなに短絡的な話でもないの」
長「じゃあ、なんだってのよ」
短「日ぃちゃん、お年頃なのに良縁が無いっていうので、叔母さまが心配してね。いろんな方を紹介してたらしいの」
秒「お見合いの紹介ってこと?」
短「そう。そしたら日ぃちゃん、具合が悪くなっちゃって。それで、叔母さまが『誰がいいの?』って言ったら……」
秒「ふんふん」
短「『短ちゃんがいい』ですって」
500とけいけ。8【3/11】:2010/05/21(金) 19:46:43 ID:a1ZJc+d6
長「うひゃー! うひゃー!」
短「長ちゃん、その変な踊りはなに?」
長「だって、それってベタ惚れじゃない! 具合悪くするほどあの人が好き、なんて。うひゃー!」
秒「恋の病なんて始めて聞いたよ。たん姉ちゃん、まじめにお見合いしてあげなきゃ!」
短「……そうなのかしら」
長「そうに決まってるじゃん!」
短「私、そうとは思えないのよね。日ぃちゃんとは昔からのつきあいだけど、今までそんなそぶりもなかったし……」
秒「そうなの?」
短「そうなの。つまりね、私は『虫よけ』なんじゃないかしら。お見合いをしつこく勧めてくる叔母さまがちょっと……、ていうね」
秒「ふーん。つまんないの」
長「しかし、それにしてもっ!」
短「長ちゃん、その腕章はなに?」
長「短姉のお見合い、この1つだけで、異常事態には違いない! この長針の名にかけて、すごいことにしてみせるわ!」
秒「あたしもやるのだー!」
短「ええと、当事者は置いてけぼり?」
501とけいけ。8【4/11】:2010/05/21(金) 19:47:10 ID:a1ZJc+d6
お見合いとなれば作戦会議です。

長「短姉は、はっきり言って素材としては申し分ないわ」
秒「たん姉ちゃんちょう美人だもん!」
長「そう。ルックス抜群だし、話は聞き上手だし、性格だってエロとようじょが絡まなければ大丈夫だし」
秒「お見合いなら、へんな話はしないんじゃないの?」
ア「普通はしませんね。つまり、問題はただ1つということに」
長「その通り。何を着ていくか、なのよ。短姉、エロい服しか持ってないもん」
ア「……これほどくだらない悩みもありませんが、その通りです」
秒「振り子おばあちゃんの着物は?」
短「あら、着物は駄目よー? 日ぃちゃん、とってもお着物似合うもの」
秒「なるほど。剣同士で潰しあってもダメなんだね!」
ア「秒針、お見合いはゲームではありませんよ?」
長「うーん。ということは、新しいのを1着おろすっきゃないわね」
短「あら、どうして? 私のとっておきじゃ駄目なの?」
長「駄目に決まってるわよ。短姉のとっておきって、どうせエロ衣装でしょ」
短「失礼ね。れっきとした、誰でも着る服よ」
秒「へー。あたし見たい!」
短「うふふ。そう言うと思って、ここに用意してあります」
長「まあ、一応見ておきますか」

短「園児服〜!」
502とけいけ。8【5/11】:2010/05/21(金) 19:47:38 ID:a1ZJc+d6

みんなはがっくりした!

短「ちょ、ちょっと! 馬鹿にしちゃいけないわ。これはなんと、おとなサイズなのよ!」
長「大人な園児がいるかーっ!」
短「常識にとらわれちゃ駄目よ!」
ア「お見合いに園児服で現れた女性を、私は聞いたことがありません」
短「や、やってみなきゃ分からないわ!」
秒「うっわ……あたしが着ててもドン引きだよ、これは」
短「秒ちゃんまで!」

長「今度という今度は、是が非でも私達が選んだ服を着てもらうわ……!」
秒「いい年こいて園児服を着る姉ちゃんを見てると、賛成せざるをえないよ」
ア「ひとまず、気絶するまで叩いておきましょうか」
短「なによあなたたちひどい!」
503とけいけ。8【6/11】:2010/05/21(金) 19:48:16 ID:a1ZJc+d6
その翌日。

長「そんなわけで買ってまいりました、セクシィ婚活号!」
秒「出たぁスイーツ(笑)雑誌!」
長「いーのよ、これが業界のデファクトスタンダードって奴なんだから」
秒「要するに、ここから選べば無難な服ってこと?」
長「そういうこと。さ、見ていくわよ!」
秒「あ、見て見て。『私のブライダルストーリー! 思わぬところに勝利の女神が』だって!」
短「あら。ちょっと気になるわね」
秒「えっとね。社内のエレベーターが突然停止! 憧れの人とふたりで閉じ込められてしまう」
長「……無い! いきなり無い!」
秒「1時間くらい助けがこないことがわかり、ぽつぽつと話し始める二人」
長「うっわ」
秒「すると共通点もあって、すぐに意気投合」
長「すぐにって何よ!?」
秒「その後、社内メールで食事に誘われて交際がスタート」
長「社内メールは仕事に使えーっ! ていうかこれ、ただの妄想じゃん!」

短「……あのね、長ちゃん。この本、本当に役にたつの?」
長「服だけ見りゃいいのよ! 服だけ!」
504とけいけ。8【7/11】:2010/05/21(金) 19:48:43 ID:a1ZJc+d6
幸い、服はまともだった様子です。

長「……うーん、この手のワンピも似合うけど、こっちのスーツも捨てがたい。でも、もう少し派手な方が短姉には似合うのよね」
秒「ねえねえ、これは?」
長「駄目。デニムじゃないの、それ」
秒「ふーん。お見合いの服って、難しいんだね」
長「そうなのよ。ブランド物は駄目だの、キャミは露出多いからいけないだの、もううるさいったら!」
短「……ねえ長ちゃん、ちょっと思ったんだけど」
長「なに?」
短「ひょっとしたら、私、男装したほうがいいのかしら?」
長「はい?」
短「だって日ぃちゃん、芯から女の子らしいもの。だから、私が男の子っぽい格好をした方がいいかと思って」

長「……分かってない」

短「え?」
長「短姉、全然分かってない!」
短「そ、そうなの?」
505とけいけ。8【8/11】:2010/05/21(金) 19:49:34 ID:a1ZJc+d6
長「短姉は、可愛い服着たくないの?」
短「もちろん、着たいわ。でも、日ぃちゃんの方が……」
長「どっちが女らしいかなんて関係ない。女子なら、可愛い服着たいのは当たり前じゃない!」
短「それは、そうなんだけど」
長「……ねえ、結婚式のウェディングドレスに憧れない女の子なんている?」
秒「あたしは着たいな……」
長「私、結婚式でタキシードなんて絶対いや。相手がタチだろーがネコだろーが、2人でウェディングドレスを着るわ!」
短「………!」
長「お見合いだって同じじゃない。私、相手がどんな子でも男物のスーツなんて着ない」
短「………」
長「だって、一生を誓うかもしれない子に、とびっきり綺麗な私を見てもらいたいもの!」
秒「そうだよ! どっちかだけいい服を着れるなんて、ずるっこだよ!」
短「……そうね。2人で幸せになるためだものね」
長「分かってもらえた?」
短「ええ。私、がんばって可愛い服を選ぶわ!」
長「それはいいから、エロ衣装の本を振り回すなー!」
秒「たん姉ちゃんの台無しスキルは天才的だね……」
506とけいけ。8【9/11】:2010/05/21(金) 19:50:18 ID:a1ZJc+d6
そして当日。天気は折も良く快晴です。
結局、短針さんは無難に、シックなスーツを着ていくことになった模様。

秒「かくして、わたくしこと秒針と、ちょー姉は潜入取材をかんこーしているわけであります!」
長「しっ、バレたらどうすんの!」
秒「でも、たん姉ちゃん、普通の格好してると本当に美人さんだね」
長「あのコスプレ癖さえなきゃねえ。八面玲瓏ってのはあのことを言うんだわ」
秒「それでさ、ちょー姉」
長「あによ」
秒「……こんなところでお見合いすんの?」
長「普通はしないわね」
秒「あたしから見てもヘンだと思うんだけど」
長「いーや、分かんないわよ。最近は美容室でお見合いとか、わけわかんないのもあるらしいし」

ア「こら、あなたたち!」
秒「げえっ、アラーム針さん!」
ア「そのネタは流行っているのですか。ともあれ、人の恋路を覗き見するのは感心しません」
長「なによ、あんた短姉にぞっこんじゃないの。気にならないって言うの?」
ア「それは、気にならないと言えば嘘になりますが……」
秒「アラームさん小っちゃいから目立たないよ。一緒に取材ごっこしようよ!」
ア「……気持ちは揺らぎますが、やはり駄目です。帰らないなら電子音を鳴らしますよ!」
長「ちっ、ここまでか」
秒「でもアラームさん、なんでこの完璧なカムフラージュを見破ったの?」
ア「……頭に枝をくっつけてほふく前進なんて、今時どこでもお目にかかりませんよ……」
507とけいけ。8【10/11】:2010/05/21(金) 19:50:53 ID:a1ZJc+d6
夕刻。短針さんご帰宅です。

短「ただいまー。日ぃちゃん、元気だったわよ」
秒「たん姉ちゃん、おかえり、おかえり、おかえり!」
長「して、お見合いの成果やいかに!」
短「食いつきいいわね。一体どうしたの?」
秒「たん姉ちゃん、おかえり、おかえり、おかえり!」
長「して、お見合いの成果やいかに!」
ア「……短針。2人は、ずっとこの練習をしていたのです」
短「……この子たち、本当に私の妹なのかしら」
ア「間違いなくあなたの妹ですね」
秒「たん姉ちゃん(ry!」
長「して(ry!」
短「やれやれ。えーとね、ちょっと私、勘違いしちゃったみたいで……」
508とけいけ。8【11/12】:2010/05/21(金) 19:51:33 ID:a1ZJc+d6
とけいけ、居間。

秒「おみ、まい……?」
長「漢字で書くと、『お見舞い』?」
短「そう。お見合いじゃなくてお見舞い、だったの。アラームちゃん、お茶ありがとね」
ア「いえ。どういたしまして」

長&秒『……なんっじゃそりゃー!』

短「日ぃちゃん、具合が悪くて入院までしてたの。それで、”お見舞い”は誰がいいのって聞かれて、じゃあ私に……ってだけだったのね」
秒「たん姉ちゃんの聞き間違いってこと?」
短「そういうこと。叔母さまは”お見舞い”って言ったんだけど、私は前の話もあるから、”お見合い”と聞き間違えちゃって」
長「なるほど、お見舞いね。それで、場所が病院だったのか。あはは……」
短「日ぃちゃん、私が気合い入った格好で来たものだから、びっくりしてたわ」
秒「お見合いルックでお見舞いに来たら、そりゃ驚くよ!」
短「つまり、元々そういう話じゃ無かったのよ。こんな素敵な服まで選んでもらったのに、みんな、ごめんね?」
長「ああ、これでまた嫁のもらい手が……」
短「何か言ったかしらー?」
長「なんでもないデス」
秒「……でもさー。日時計さんは、お見合いを勧められてから、入院するほど具合が悪くなっちゃったんでしょ? それはどうして?」
長「そうだ、そっちのセンは残ってた。恋わずらいよ、きっと!」
短「残念ながら、そうじゃないわね」
長「じゃあ、何だってのよ」
短「日照不足」
長「はい?」
短「日ぃちゃん、お日さまが出てないと疲れちゃうのよ、昔っから。日時計だもの、仕方ないわね」
長「そんな理由で入院すんの!?」
短「あら、言わなかったかしら。あの子、1年に半分くらいは、使いものにならないから入院してるわよ? 特に、梅雨時はいつもこうね」
秒「まじですかー!」
長「すごい頑張ったこっちの身にもなれー! たはは……」
509とけいけ。8【12/12】:2010/05/21(金) 19:52:13 ID:a1ZJc+d6
夕飯はシチューの香り。

ア「今日は、短針の好きなビーフシチューです」
短「素敵! アラームちゃん愛してる!」
ア「ふふ。どういたしまして」
長「おや、アラームさん? 顔がにやけてますよ?」
ア「そんなことはありません」
長「なんだかんだ言って嬉しいくせにー。うりうり!」
ア「そ、そんなことありません!」
短「あ、そういえば」
長「なに?」
短「日ぃちゃん、『短ちゃんになら、毎日ビーフシチュー作ってあげるのに……』って言ってたわ。あれってどういう意味なのかしら?」
ア「………!」
秒「おー! 『思わぬライバル出現なのか? 果たしてアラームさんの恋の行く末やいかに』!」
ア「妙なナレーションは禁止です!」
長「さあ盛り上がって参りました!」
短「アラームたん、がんばっ!」
ア「『たん』づけも禁止です! 短針のばかー!」

とけいけは今日も平和です。
510名無しさん@秘密の花園:2010/05/21(金) 19:54:02 ID:a1ZJc+d6
以上です。

うぎゃあレス数間違えた。全12レスでした、ごめんなさい。
どうでもいいですが、資料を探している途中で「婚活ブラ」なるものに出くわしました。くそ吹いた。

次はアラームさんの出番かな。
あ、それから、来週でいったんお休みします。ネタはあるのですが仕事がきつい。